JP7247334B2 - 海上船舶の最適ルートを決定するための装置 - Google Patents

海上船舶の最適ルートを決定するための装置 Download PDF

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Description

本発明は、海上ルートプランニングの分野に関する。
等時線アルゴリズム及び動的プログラミングアルゴリズムなど、従来の海上ルート最適化アルゴリズムは、似たような推定手順を踏んで、コース及びスケジュールの観点から船舶の最適な航行ルートを決定することが多い。
まず、船舶の航海領域に沿ったウェイポイント又はグリッドが作成され、軌道と関連速力の観点からの候補ルートが構築されるが、船舶が遭遇する可能性のあるメットオーシャン(MetOcean)条件や、これらの条件下での船舶の性能又は反応は考慮されない。次いで、最短到着予定時間(ETA)又は最少燃料消費量など、特定の最適化目的に関して、これらの候補から最適ルートを見出すために、最適化アルゴリズムが実行される。
しかし、ルート最適化アルゴリズムを実行するとき、船舶の動作を制御するための特定の変数が固定されている。したがって、決定された最適ルートは、通常、出発位置と目的地位置の間の船舶の航海に対して局所的に最適なルートであるにすぎない。
本発明の目的は、最少燃料消費量、最少電力消費量、最低排出量、最速到着予定時間(ETA)、航海中の積荷への配慮、したがって荒天回避、最も安全な航海、船舶の構造的ストレスが最も少ないこと、航行中の乗客の快適さが最も高いことを含むがこれらに限定されないユーザの必要性に応じて、海上船舶の最適ルートを決定するための改善された装置を提供することである。
この目的は、独立請求項の特徴によって達成される。さらなる実装形態は、従属請求項、説明、及び図面から明らかになる。
本発明は、海上船舶の最適ルートを決定するためのハイブリッドなルート最適化手法に基づく。本発明の実施形態は、海上船舶の大域的に最適なルートを取得可能にすることができる。
これを目的として、それぞれのウェイポイントにおける到着時間又は速力を経路に沿って変更できるようにするために、大きい検索空間を用いて潜在的な「最適な経路/コース」が作成される。グラフは、3次元グラフである。次いで、最も最適なルート経路を検索するために、特定の到着予定時間(ETA)を有する、例えばダイクストラアルゴリズム又は任意の他の同様のアルゴリズムを使用して、予備的に画定された最適経路、例えば最短距離の経路が、グラフに適用される。最後に、船舶の全体的な最適ルート経路を得るために、推定された最適経路ルートに基づき遺伝的アルゴリズムが適用されて、最適化アルゴリズムによって提供された最適ルートに沿った局所的ウェイポイントがさらに改善される。遺伝的アルゴリズムは、自然選択のプロセス(すなわち、次世代の再生のために最良の個体が選択される)から着想を得たメタヒューリスティクスに関し、これは、より大きな進化的アルゴリズム(EA)のクラスに属するものである。遺伝的アルゴリズムは、例えば突然変異、交差、及び/又は選択などの、生体から着想を得た演算子に依存することにより、最適化問題に対する解を提供してもよい。
解は、ダイクストラアルゴリズムの出力が、異なるETAに対応する一連の最適ルートを生み出すことである。特定の最適化目的に基づき、ダイクストラアルゴリズムが作成したルートから1つの潜在的な最適ルートが選択される。次いで、最初に作成された最適ルートに何らかのランダムな偏差を追加することにより、空間と時間の両方における新規の検索領域が精緻化される。ここで定義される偏差は、2つのランダムな変数の集合を有しており、その1つはルートに沿った幾何学的なウェイポイントの偏差に関する変数であり、もう1つは、各ウェイポイントにおける到着時間の偏差に関する変数である。これにより、最適ルートの周りに、サンプルの船舶ルートが多数作成されることになる。次いで、適合度値(すなわち船舶性能モデル、例えば燃料コスト、船舶の動きなど)が、アルゴリズムにおいて繁殖を選択するための基準として、個々の船舶ルートごとに評価される。次いで、一連のサブ経路から構成されたすべての個々のサンプルルートの適合度値が、適合度関数によって計算される。最後に、次世代のルートを繁殖するための「親」の候補ルートが選択され、前のステップから作成されたすべてのルートが、ルート最適化に使用される。このために、潜在的な親ルートは、選択されたステージの残りのルートから分離され、次いで交差操作のためにランダムに選択された2つの親ルートが選択される。これら2つの選択された親ルートは、幾何学的差異及び到着時間差異に関連して含まれることになる。最後に、入力された最適な/基準のルートに、新しく選択された親ルートを追加することにより、移入が達成される。
第1の態様によれば、本発明は、海上船舶の最適ルートを決定するための装置であって、海上船舶が、所定の出発時間に所定の出発位置において出発することになっており、海上船舶が、所定の目的地時間に所定の目的地位置に到着することになっている、装置に関する。このルート最適化は、最少燃料消費量、最少電力消費量、最低排出量、最速到着予定時間(ETA)、航海中の積荷への配慮、したがって荒天回避、安全な航海、船舶の構造的ストレスが最も少ないこと、航行中の乗客の快適さが最も高いことを含むがこれらに限定されないユーザの必要性に応じて、実行されてもよい。この装置は、海上船舶の所定の運航速力を記憶するように構成されたデータベースを備える。この装置は、プロセッサであって、所定の出発位置、所定の目的地位置、及び所定の運航速力に基づき、複数の状態ノードを作成することであって、各状態ノードがそれぞれの位置を示す、作成すること、複数の状態ノード、所定の出発時間、及び所定の目的地時間に基づき、複数の時間集合を決定することであって、複数の時間集合が複数の状態ノードに関連付けられており、各時間集合がそれぞれの状態ノードに関連付けられた到着時間の範囲を示す、決定すること、複数の時間集合を複数の状態ノードに追加して、複数の追加済み状態ノードを得ること、複数の追加済み状態ノードに基づき、複数の辺を作成することであって、複数の辺のうちの各辺が、複数の追加済み状態ノードのうちの1対の追加済み状態ノードに関連付けられており、各辺がそれぞれの最適化コストに関連付けられている、作成すること、複数の追加済み状態ノード及び複数の辺に基づき、グラフを作成すること、予備的に作成された最適ルートアルゴリズムをグラフに適用して、出発位置と目的地位置との間で、海上船舶のを得ること、並びに予備的に画定された最適経路ルートに基づき遺伝的アルゴリズムを適用して、海上船舶の最適ルートを得ることを行うように構成されたプロセッサを備える。
一実施形態では、データベースが、所定の船舶性能モデルを記憶するようにさらに構成され、プロセッサが、複数の時間集合及び所定の船舶性能モデルに基づき、時間制約情報を決定するようにさらに構成され、プロセッサが、時間制約情報にさらに基づき、複数の辺を作成するようにさらに構成される。したがって、複数の辺のうちの辺の個数を、海上船舶の達成可能な性能に基づき減らすことができ、これにより、予備的に作成された最適ルートアルゴリズムの性能を高くすることができる。
所定の船舶性能モデルは、例えば海上船舶の性能、例えば海上船舶の範囲、海上船舶の回転半径、海上船舶の操作性、海上船舶の最大速力、及び/又は海上船舶の軸動力を表してもよい。
一実施形態では、プロセッサが、所定の船舶性能モデルにさらに基づき、グラフを作成するようにさらに構成される。したがって、複数の状態ノードのうちの状態ノードの個数を、海上船舶の達成可能な性能に基づき減らすことができ、これにより、グラフをより効率的に作成できるようになる。
一実施形態では、データベースが、所定の測深情報及びスクワット効果を記憶するようにさらに構成され、プロセッサが、複数の状態ノード、及びスクワット効果を含む測深情報に基づき、地理的制約情報を決定するようにさらに構成され、プロセッサが、地理的制約情報にさらに基づき、複数の辺を作成するようにさらに構成される。したがって、複数の辺のうちの辺の個数を、測深及びスクワット効果の情報に基づき減らすことができ、これにより、予備的に作成された最適ルートアルゴリズムの性能を高くすることができる。
一実施形態では、プロセッサが、複数の時間集合にさらに基づき、複数の辺を作成するようにさらに構成される。したがって、複数の辺をより効率的に作成することができる。
一実施形態では、データベースが、所定の天候情報を記憶するようにさらに構成され、プロセッサが、所定の天候情報にさらに基づき、グラフを作成するようにさらに構成される。したがって、複数の状態ノードのうちの状態ノードの個数を、天候情報に基づき減らすことができ、これにより、グラフをより効率的に作成できるようになる。
一実施形態では、それぞれの最適化コストが、以下の最適化コスト、すなわち海上船舶の電力消費量、海上船舶の燃料消費量、海上船舶の排出量、例えば海上船舶のCO2、Sox、NOx、又はPMの排出量、海上船舶の積荷損失の危険性、海上船舶の構造の疲労損傷のうちの1つである。したがって、効率的なルートプランニングに関する最適化コストを使用することができる。
一実施形態では、グラフが3次元グラフであり、グラフが、経度に対する第1の次元、緯度に対する第2の次元、及び到着時間に対する第3の次元を有する。したがって、従来のルート最適化手法に関する大きい検索空間を使用することができる。
一実施形態では、予備的に作成された最適ルートアルゴリズムが、ダイクストラアルゴリズム、ベルマン-フォードアルゴリズム、A探索アルゴリズム、フロイド-ワーシャルアルゴリズム、ジョンソンのアルゴリズム、又はビタビアルゴリズムである。しかし、予備的に作成された最適ルート経路を提供する任意の他のアルゴリズムも適用することができる。したがって、最適ルート経路ルートを効率的に決定することができる。
一実施形態では、プロセッサが、予備的に作成された最適ルートに基づき、複数の個体を含むルートの母集団を決定し、複数の個体に対して遺伝的アルゴリズム、又は任意の同様のアルゴリズム、例えばダイクストラアルゴリズム、等時線法、若しくは動的プログラミングなどを適用するようにさらに構成される。したがって、遺伝的アルゴリズムを効率的に適用することができる。
一実施形態では、複数の個体のうちの各個体が、予備的に作成された最適ルートに関するそれぞれの位置偏差及び/又はそれぞれの到着時間偏差に関連付けられ、複数の個体のそれぞれの位置偏差及び/又はそれぞれの到着時間偏差が互いに異なる。予備的に作成された最適ルートに関する位置及び/又は到着時間のそれぞれの偏差は、例えば複数の個体を得るためにランダムに決定されてもよい。したがって、遺伝的アルゴリズムを効率的に適用することができる。
一実施形態では、プロセッサが、複数の個体に対して、少なくとも1つの選択ステップ、突然変異ステップ、移入ステップ、及び/又は交差ステップを実行するようにさらに構成される。上述したステップは、任意の組合せで、且つ/又は繰り返して実行されてもよい。プロセッサは、上述したステップのうちのいずれか1つを実行した後に、複数の個体を修正するように構成されてもよい。したがって、遺伝的アルゴリズムを効率的に適用することができる。
一実施形態では、プロセッサが、複数の個体から1つの個体を選択するようにさらに構成され、選択された個体が、最適な総最適化コストに関連付けられ、選択された個体が、海上船舶の最適ルートを形成する。総最適化コストは、それぞれのルートの辺に関連付けられたすべての最適化コストの合計とすることができる。したがって、大域的な最適ルートを、遺伝的アルゴリズムによって効率的に決定することができる。
一実施形態では、プロセッサが、複数の個体に基づき、特に選択された個体に基づき、グラフ及び/又は複数の辺を修正するようにさらに構成される。したがって、グラフ及び/又は複数の辺を効率的に精緻化することができる。
第2の態様によれば、本発明は、海上船舶の最適ルートを決定するための装置を動作させるための方法であって、海上船舶が、所定の出発時間に所定の出発位置において出発することになっており、海上船舶が、所定の目的地時間に所定の目的地位置に到着することになっている、方法に関する。装置は、データベースとプロセッサとを備え、このデータベースは、海上船舶の所定の運航速力を記憶するように構成される。この方法は、プロセッサにより、所定の出発位置、所定の目的地位置、及び所定の運航速力に基づき、複数の状態ノードを作成するステップであって、各状態ノードがそれぞれの位置を示す、作成するステップと、プロセッサにより、複数の状態ノード、所定の出発時間、及び所定の目的地時間に基づき、複数の時間集合を決定することであって、複数の時間集合が複数の状態ノードに関連付けられており、各時間集合がそれぞれの状態ノードに関連付けられた到着時間の範囲を示す、決定するステップと、プロセッサにより、複数の時間集合を複数の状態ノードに追加して、複数の追加済み状態ノードを得るステップと、プロセッサにより、複数の追加済み状態ノードに基づき、複数の辺を作成するステップであって、複数の辺のうちの各辺が、複数の追加済み状態ノードのうちの1対の追加済み状態ノードに関連付けられており、各辺がそれぞれの最適化コストに関連付けられている、作成するステップと、プロセッサにより、複数の追加済み状態ノード及び複数の辺に基づき、グラフを作成するステップと、プロセッサにより、予備的に作成された最適ルートアルゴリズムをグラフに適用して、出発位置と目的地位置との間で、海上船舶の予備的に作成された最適ルート経路を得るステップと、プロセッサにより、予備的に作成された最適ルートに基づき遺伝的アルゴリズムを適用して、海上船舶の最適ルートを得るステップとを含む。
この方法は、装置によって実行されてもよい。この方法のさらなる特徴は、装置の特徴又は機能から直接もたらされる。
第3の態様によれば、本発明は、プロセッサによって実行されたときに、方法を実行するためのプログラムコードを含むコンピュータプログラムに関する。
本発明は、ハードウェア及び/又はソフトウェアにおいて実装されてもよい。
本発明の実施形態を、以下の図面に関して説明する。
海上船舶の最適ルートを決定するための装置の概略図である。 海上船舶の最適ルートを決定するための装置を動作させるための方法の概略図である。 方法200(図2)のさらなる実施形態がより詳細に示してある、海上船舶の最適ルートを決定するための装置を動作させるための方法の概略図である。 グリッドを形成するために配置された複数の状態ノードの概略図である。 異なるステージにおける複数の状態ノードに関連付けられた複数の時間の集合の概略図である。 複数の状態ノード及び複数のエッジを有する3次元グラフの概略図である。 複数の状態ノード及び複数の辺を有する単純化されたグラフの概略図である。 大圏ルートに対する複数の個体のうちの1つの個体の概略図である。 異なる到着予定時間(ETA)に対する異なる最適ルートの概略図である。 異なる到着予定時間(ETA)及び異なる電力消費量に対するパレートフロントの概略図である。 海上船舶の実際のルートと比較した海上船舶の最適ルートの概略図である。 海上船舶の最適ルートと実際のルートに関する海上船舶の速力及び波浪特性の概略図である。 異なる時間の波浪特性の概略図である。
図1は、海上船舶の最適ルートを決定するための装置100であって、海上船舶は、所定の出発時間に所定の出発位置において出発することになっており、海上船舶は、所定の目的地時間に所定の目的地位置に到着することになっており、最少燃料消費量、最少電力消費量、最低排出量、最速到着予定時間(ETA)、航海中の積荷への配慮、したがって荒天回避、最も安全な航海、船舶の構造的ストレスが最も少ないこと、航行中の乗客の快適さが最も高いことを含むがこれらに限定されないユーザの必要性に応じて、これを実行することができる装置100の概略図を示す。装置100は、海上船舶の所定の運航速力を記憶するように構成されたデータベース101を備える。装置100は、プロセッサ103であって、所定の出発位置、所定の目的地位置、及び所定の運航速力に基づき、複数の状態ノードを作成することであって、各状態ノードがそれぞれの位置を示す、作成すること、複数の状態ノード、所定の出発時間、及び所定の目的地時間に基づき、複数の時間集合を決定することであって、複数の時間集合が複数の状態ノードに関連付けられており、各時間集合がそれぞれの状態ノードに関連付けられた到着時間の範囲を示す、決定すること、複数の時間集合を複数の状態ノードに追加して、複数の追加済み状態ノードを得ること、複数の追加済み状態ノードに基づき、複数の辺を作成することであって、複数の辺のうちの各辺が、複数の追加済み状態ノードのうちの1対の追加済み状態ノードに関連付けられており、各辺がそれぞれの最適化コストに関連付けられている、作成すること、複数の追加済み状態ノード及び複数の辺に基づき、グラフを作成すること、予備的に作成された最適ルートアルゴリズムをグラフに適用して、出発位置と目的地位置との間で、海上船舶の予備的に画定された最適ルート経路を得ること、並びに予備的に画定された最適ルート経路に基づき遺伝的アルゴリズムを適用して、海上船舶の最適ルートを得ることを行うように構成されたプロセッサ103をさらに備える。
図2は、海上船舶の最適ルートを決定するための装置を動作させるための方法200であって、海上船舶が、所定の出発時間に所定の出発位置において出発することになっており、海上船舶が、ユーザの必要性に従って、所定の目的地時間に所定の目的地位置に到着することになっている、方法200の概略図を示す。装置は、データベースとプロセッサとを備え、このデータベースは、海上船舶の所定の運航速力を記憶するように構成される。
この方法200は、プロセッサにより、所定の出発位置、所定の目的地位置、及び所定の運航速力に基づき、複数の状態ノードを作成するステップ201であって、各状態ノードがそれぞれの位置を示す、作成するステップ201と、プロセッサにより、複数の状態ノード、所定の出発時間、及び所定の目的地時間に基づき、複数の時間集合を決定するステップ203であって、複数の時間集合が複数の状態ノードに関連付けられており、各時間集合がそれぞれの状態ノードに関連付けられた到着時間の範囲を示す、決定するステップ203と、プロセッサにより、複数の時間集合を複数の状態ノードに追加して、複数の追加済み状態ノードを得るステップ205と、プロセッサにより、複数の追加済み状態ノードに基づき、複数の辺を作成するステップ207であって、複数の辺のうちの各辺が、複数の追加済み状態ノードのうちの1対の追加済み状態ノードに関連付けられており、各辺がそれぞれの最適化コストに関連付けられている、作成するステップ207と、プロセッサにより、複数の追加済み状態ノード及び複数の辺に基づき、グラフを作成するステップ209と、プロセッサにより、予備的に作成された最適ルートアルゴリズムをグラフに適用して、出発位置と目的地位置との間で、海上船舶の予備的に画定された最適ルート経路を得るステップ211と、プロセッサにより、予備的に作成された最適経路ルートに基づき遺伝的アルゴリズムを適用して、海上船舶の最適ルートを得るステップ213とを含む。
図3は、海上船舶の最適ルートを決定するための装置を動作させるための方法200の概略図を示す。方法200は、図2に示してある方法200と同じ特徴を含む。以下では、方法200のさらなる実施形態をより詳細に説明する。海上船舶のルートは、海上船舶の軌道及び関連時間を形成する一連のウェイポイントによって画定されてもよい。ルートのウェイポイント及び時間を使用して、一連の速力、例えば対水速力若しくは対地速力、及び/又はルートに沿ったウェイポイントごとの海上船舶の船首方位を、受信した船舶の航行領域周りのメットオーシャン情報に基づき直接計算することができる。さらに、海上船舶の軸動力が計算されてもよい。以下では、最適化手法を簡単に説明するために、ルートを画定するための航行変数を以下のように示す。
Figure 0007247334000001
:状態(ウェイポイント)変数。ここでi、j、tは、それぞれ経度、緯度、及び時間を表す。
Figure 0007247334000002
:ルート最適化制御変数。ここでvは速力であり、θは船首方位角度である。ルートは、一連のサブ経路に離散化されることから、制御変数は、隣接するステージにおける2つの状態間のサブ経路の属性とみなされることが可能である。
Figure 0007247334000003
:1つの状態における天候条件(波、海流、風)。
Figure 0007247334000004
:幾何学的制約、制御制約(測深の制約、陸地横断の制約、最大連続定格の制約など)などの制約。
各状態における最適化目的を計算するための瞬間コスト関数は、
Figure 0007247334000005
によって示されることが可能である。あるルート/航海に対する総コストは、
Figure 0007247334000006
によって得ることができ、ここで、t、tは、それぞれ出発時間及び目的地時間である。ルートの最適化コストは、様々な形で、例えば最少燃料消費量(燃料の観点から表された最適化コスト)、最少電力消費量(電力の観点から表された最適化コスト)、最低排出量(排出量の観点から表された最適化コスト)、積荷の性質に応じた最速到着予定時間(航行時間の観点から表された最適化コスト)、積荷の性質に応じた荒天回避(船舶の動きの観点から表された最適化コスト)、最も安全な航海(船舶の動き、及び嵐/悪天候、場合により海氷に遭遇する可能性に関する安全性の観点から表された最適化コスト)、船舶の構造的ストレスが最も少ないこと(船体にかかるストレスの観点から表された最適化コスト)、航行中の乗客の快適さが最も高いこと(船舶の動きの観点から表された最適化コスト)で表されることが可能である。式(2)の総コストは、ルートを一連のステージ、例えばn個のステージに離散化することによって、導かれることが可能である。各ステージの最適化コストは、個々に推定されることが可能であり、次いで、総最適化コストが、以下のように計算されてもよい。
Figure 0007247334000007
ルート最適化のための式(3)にあるコア関数は、例示的に船舶航海中の燃料消費量である。さらに、ETAは固定であるものと設定され、1つの制約として使用されてもよい。これは、
Figure 0007247334000008
であることを暗示する。
以下では、ルートプランニングのための最適化手法の実施が、より詳細に説明される。船舶は、その目的地に到達するために、無数の異なるルートにわたってルート設定可能である。船舶の実際の航海期間に合わせて選択されたルートは、特定の目的、例えば燃料消費量、排出量、積荷損失の危険性、航海期間、積荷の安全性などを達成するように最適化されてもよい。以下では、ルート最適化のために選択される例示的な目的は、航海中の燃料消費量を最少に抑えながらも、なおその到着予定時間(ETA)を守ることである。このルート設定問題を解決するために、ハイブリッドなルート設定最適化アルゴリズムが提案される。このハイブリッドなルート設定最適化アルゴリズムは、上述したように、初期の予備的に作成された最適ルートアルゴリズム、例えばダイクストラアルゴリズム、動的プログラミング、又は等時線法と、遺伝的アルゴリズムとの両方から構成される。
ルートをグラフ系G=(V,A)によって表し、ここでVは、頂点/ノードの集合であり、Aは特定のやり方で並べられたノードの様々な対から構成された有向の辺/弧の集合である。すべての有向の辺には、重み/コストが割り当てられる。予備的に作成された最適ルートアルゴリズム、例えばダイクストラアルゴリズムは、出発位置と目的地位置との間で、重み付きグラフにおいてコストが最少の(一連の状態ノードから構成された)経路を見出すために使用される。状態ノードの個数が多くなると、ほとんどの場合、このアルゴリズムは、最短経路の解を見出すために膨大な計算労力を必要とする。この労力を低減しながらも、最適経路を見出す機能をなお維持するために、遺伝的アルゴリズムが利用されて、予備的に作成された最適ルートアルゴリズムにより見出された個々の候補経路(すなわちルート)が改善される。したがって、ハイブリッドなルート設定最適化アルゴリズムは、速力及び/又は船首方位及び/又は軸動力を制御することにより、ルートを最適化することも可能である。
最短経路アルゴリズム、例えばダイクストラアルゴリズムを適用してルート設定問題を解くために、まず実現可能なルートからなるグラフが作成される。最適な船舶ルートのために、アルゴリズムは幾何学的ドメインのみを網羅するのではなく、時間ドメインも網羅し、経度、緯度、及び時間を有するウェイポイント又はグリッドの形で離散化された3次元(3D)グラフが適用されてもよい。グラフでは、ノード又は頂点(すなわち、ルートウェイポイント)は、上に定義したように、状態と考えられてもよい。したがって、軌道における任意のサブ経路又は辺は、異なるステージにおける状態ノード間のつながりから構成されてもよい。出発位置から目的地位置まで、実現可能なすべてのETAに対して無数の経路が存在してもよい。時間変数が固定である場合には、つながり/辺/弧に関する様々な情報を得ることができることに留意されたい。次いで、すべてのつながり/辺/弧に、重みとして最適化コストを割り当てることができる。予備的に作成された最適ルートアルゴリズムは、ソースノード(すなわち出発位置)とターゲットノード(すなわち目的地)の間のグラフ内で予備的に作成された最適ルートを返すことになる。
上で説明したように、遺伝的アルゴリズムは、自然選択、再生、遺伝形質、及び突然変異などの概念を使用する進化論から着想を得たメタヒューリスティクスに基づく。また、遺伝的アルゴリズムは、ルート設定問題に対する進化的アルゴリズムとして使用されてもよい。ルート設定問題を解くために遺伝的アルゴリズムを使用する際の問題は、遺伝的アルゴリズムに適したモデルの作成方法である。遺伝的アルゴリズムの要素は、いわゆる適合度関数又は目的関数であり、これは実際には、このアルゴリズムによって最適化されることになる変数である。遺伝的アルゴリズムの目的は、適合度関数の最小値を見出すことである。最適化されたルートプランニングのために、目的/適合度関数は、燃料消費量、時間コスト、又は船舶の航法に関する他の目的として定義されてもよい。遺伝的アルゴリズムにおいて、ノードは、適合度値に関連付けられた任意のウェイポイントであってもよく、この適合度値は、事前定義された適合度関数によって算出されてもよい。ルート設定問題の簡単な例は、以下のように定義することが可能である。適合度/目的関数を、
Figure 0007247334000009
によって定義し、ここでgは、ルート状態Xに対する燃料消費量関数であり、fは、総適合度値、例えばルートによって消費されるコストとしての燃料総消費量であり、この燃料総消費量は、個体としての状態X,..,Xから構成される。特に、総適合度値fは、総最適化コストとみなされてもよい。
幾何学的変数(経度及び緯度)だけを変更可能なルート設定システムの簡単な問題についてさえ、遺伝的アルゴリズムにより最適ルートを見出すための検索空間、すなわち離散化空間は、1つの個体において要素の個数が増大することから指数関数的に大きくなることがある。したがって、上述したように、多数の個体の形で遺伝的アルゴリズムを実装することは、効率的でないことがある。遺伝的アルゴリズムのための異なる手法が適用されてもよい。例えば、離散化された非線形最適化問題を確率的に解く多目的遺伝的アルゴリズムが適用されてもよい。効率的な最適化のために、航路及び速力のプロファイルが、パラメトリック曲線によって表されてもよい。例示的な個体は、例えば船舶の航路及び速力を記述するために使用されるパラメトリック曲線を制御する2つのパラメータの集合に基づいてもよい。さらに、多基準の進化的なルート設定アルゴリズムが適用されてもよい。
例示的な手法は、母集団展開の通常の遺伝的アルゴリズムの反復プロセスに基づいてもよい。この手法により、結果的に解のパレート最適集合が与えられてもよい。第1の母集団に対する個体は、4つのルート、すなわち大圏ルート、航程線ルート、時間最適化等時線ルート、及び燃料最適化等時線ルートの集合であってもよい。さらに、マルチモーダル目的関数の問題を解くための遺伝的アルゴリズムが適用されてもよい。各ウェイポイントにおける緯度及びプロペラ回転数の変化が、母集団内の個体とみなされてもよい。これは、例えば地理的位置と回転数との両方に影響を及ぼすことがあるパラメータの集合に、個体が関連付けられてもよいことを意味する。ルート設定問題を解くために、遺伝的アルゴリズム又は進化的アルゴリズムのみを実行しようとする際の課題は、2つのカテゴリ、すなわち地理的ウェイポイントと時間/速力とに集約することができる。一方で、ルートは多数のウェイポイントからなってもよい。各ウェイポイントは、潜在的な変数であってもよく、この潜在的な変数は、個体の1要素とすることができ、且つ前のウェイポイントに依存していてもよい。他方で、ルート内の各ウェイポイントに関連付けられた到着時間が、ルート最適化問題の最終的な解に影響を及ぼすことがある。任意の遺伝的又は進化的なアルゴリズムを使用して、従属変数の2つの集合により最適解を見出すのは困難でありうる。しかし、現地測定などの代替的な手法も適用することができ、この現地測定は、船舶が網羅する領域についての最新の正確な情報を得るためのシステムを船舶が使用することによって、提供される。
以下では、ハイブリッドなルート設定最適化アルゴリズムを使用する最適化手法を、より詳細に説明する。遺伝的アルゴリズムを使用する目的は、予備的に作成された最適ルートアルゴリズム(例として、ダイクストラアルゴリズムとすることができる)によって与えられる最適結果を改善することである。あるいは、ベルマン-フォードアルゴリズム、A探索アルゴリズム、フロイド-ワーシャルアルゴリズム、ジョンソンのアルゴリズム、ビタビアルゴリズム、又は任意の他の最短経路アルゴリズムが適用されてもよい。このアルゴリズムにおける個体は、検索ノード/ウェイポイント及び到着時間の狭い範囲のばらつきであってもよい。したがって、海上船舶の最適ルートを見出すことは容易であってもよく、この最適ルートは、大域的最適に非常に近いものであってもよい。グラフ、特に3D重み付きグラフが作成されてもよい。予備的に作成された最適ルートアルゴリズムは、このグラフに対して、特に3D重み付きグラフに対して作用するように実装される。遺伝的アルゴリズムは、予備的に作成された最適ルートアルゴリズムが提供した解に基づき、調整を行う。理論上、予備的に作成された最適ルートアルゴリズムは最適解を得ることができる可能性があり、この最適解は、非常に細かい分解能を有するグラフにおける大域的最適解に極めて近いものでありうる。しかし、このグラフを構築することと、予備的に作成された最適ルートアルゴリズムをこのグラフに対して作用するように実装することとの両方を行うための計算労力は、膨大でありうる。したがって、予備的に作成された最適ルートのアルゴリズム、例えばダイクストラアルゴリズム又は任意の他の同様のアルゴリズムは、通常の分解能のグラフを有して実装されてもよく、この予備的に作成された最適ルートアルゴリズムによって提供される、取得した船舶ルートをさらに最適化するために、遺伝的アルゴリズムが適用されて実装されてもよい。出発時間及び目的地時間、航法ストラテジ(例えば、出力又はRPM操作)などの航海情報、並びにグリッド系は、事前定義されてもよい。さらに、船舶性能モデル及び適合度関数、天候情報、並びにさらなる航行制約が、ルート最適化に対する入力として使用されてもよい。
図4は、グリッドを形成するために配置された複数の状態ノードの概略図を示す。複数の状態ノードのうちの各状態ノードは、それぞれの位置に関連付けられており、それによりルートのウェイポイントが定義される。まず、複数の状態ノードが作成されて、船舶が取る可能性のある航海軌道を網羅する検索領域が定義される。具体的なルートプランニングは、出発位置と目的地位置との間の最短距離に基づく。これらのルートは、大圏ルートとも名付けられ、ルート最適化問題におけるグリッド/状態ノードを作成するための基準として使用されてもよい。大圏ルートに基づく、さらなる大圏に沿って定義されるべき他の状態ノードは、ベース経路に対して垂直であってもよい。グリッドを形成するように配置される複数の状態ノードを作成するための擬似コードが、以下に与えられる。
Figure 0007247334000010
このように作成されたグリッドの一例を図4に示す。示してあるように、船舶の航海全体が、n個のステージに分割されてもよい。ステージごとに、地理的位置及び到着時間に関連付けられたk(i=1,2,・・・n)の実現可能な状態ノードが存在してもよい。事前定義された各状態ノードに対し、船舶が異なる時間スロットにおいてそのノードに到達してもよく、この時間スロットは「時間集合」と名付けられる。
図5は、異なるステージの複数の状態ノードに関連付けられた複数の時間集合の概略図を示す。時間集合は、状態ノードが位置するステージに基づき、静的に定義されてもよい。時間集合に、すべての状態ノードが割り当てられてもよい。この図は、時間軸に各状態ノードが割り当てられている様子を示す。この図では、星状のドットではなく丸いドットが、様々なステージのノード状態に対する実現可能で到着可能な時間集合を表す。これらの時間集合の作成は、以下のように概説される。
出発時間をtとし、目的地時間をtとし、ETAがΔt=t-tとして計算されるとする。
・第1のステップ:t∈[t,t+1.5×Δt]として時間範囲の集合を初期化する。
・第2のステップ:ステージ上の異なる状態に到達/到着できる時間範囲を定義する。このステップは、隣接するステージに対する大まかな到着可能時間の範囲のみを与えてもよい。さらなる制約を以下で説明する。
図6は、複数の状態ノード及び複数の辺を有する3次元グラフの概略図を示す。ハイブリッドなルート設定最適化手法において、グリッドは、事前定義されたウェイポイント/状態ノードから構成されてもよく、これが航行の辺を形成してもよい。複数の辺は、例えば隣接するステージ間のそれぞれの状態ノードをつないでもよい。状態ノードは、位置及び時間に関する情報を含むことができるので、辺は、距離、船首方位角度、天候情報、推定コスト重みなどのさらなる情報も含むことができ、これらの情報は、計算されてそれぞれの辺に割り当てられてもよい。複数の辺を有するグリッドを作成するとき、具体的な制約も考慮されることがある。
このような制約は、例えば地理的制約を含んでもよい。グリッド内で、辺は、通常陸地領域に交差しない。複数の辺は、船舶が航行できない限られた水深を有する状態ノードを通過しなくてもよい。複数の辺は、最大航行距離を超過しなくてもよく、これにより隣接するステージ上のそれぞれの状態ノード間の無理なつながりを減らすことができる。このような制約は、例えばさらに実現可能な制約を含んでもよい。海上船舶の速力は、船舶のエンジン出力及び動作効率の仕様に限界があることから、例えば特定値を超過することができず、又は特定値より低下することができない。
上述した制約を考慮して、妥当な辺を作成することができる。擬似コードは以下のように与えられる。
Figure 0007247334000011
作成されたグラフの一例を図6に示す。示してあるように、グラフは3次元変数から構成される。開始状態ノードから最終目的地状態ノードまで、グリッドはn個のステージに分割される。地理的位置及び関連する到着時間(状態の辺に沿った航行速力にも関する)から構成された複数の状態ノードが存在する。最後に、アルゴリズムはn個の終了状態(候補ルート)を作成してもよく、これを船舶がたどって、全航程を航行することができる。これらのn個の終了状態は、複数の目的に対する、すなわち最適航行ETA、最少燃料消費量、及び/又は最少排出量に対するルート設定最適化のパレートフロントを候補ルートごとに形成する。
グリッド、例えば図6に示す3D地理的状態ノード、及び図5に示す状態ノードごとの関連時間集合を作成した後に、予備的に作成された最適ルートアルゴリズム、例えばダイクストラアルゴリズム又は任意の他の同様のアルゴリズムを使用して、一連のETAを有する最適な候補ルートが見出される。これらの候補船舶ルートが遺伝的アルゴリズムによって精緻化されて、ルート最適化に対する最適解が提供されてもよい。
ハイブリッドなルート最適化アルゴリズムの実装形態は、以下の擬似コードによって提供され、この擬似コードでは、予備的に作成された最適ルートアルゴリズム及びコードで使用される遺伝的アルゴリズムも簡単に提示される。
Figure 0007247334000012
図7は、複数の状態ノード及び複数の辺を有する単純化されたグラフの概略図を示し、予備的に作成された最適ルートアルゴリズムとしてのダイクストラアルゴリズムが、単純化されたグラフに適用されている。ダイクストラアルゴリズムは、グラフに適用されて、異なるETAに対する最適ルートを提供してもよい。各ルートは、経度、緯度、及び到着時間の情報を有する状態ノードを含んでもよい。ダイクストラアルゴリズムは、開始ノードから始めて、グラフ内の辺を訪れることによって機能する。ダイクストラアルゴリズムは2つの基本原理に従う:第1に、最短経路ルートのサブルートはそれ自体が最短経路ルートであり、第2に、点Aと点Cの間の所与の最短距離をxとすると、点Aから第3の点Bを経由して点Cまで行く経路は、常にxに等しいかそれより長い距離になる。
ダイクストラアルゴリズムの基本手順が、図7に示してあり、出発状態ノード及び目的地状態ノードは、それぞれ「開始」及び「目的地」と示してある。「開始」から「目的地」に行くための多数の候補ルート/経路が存在してもよく、これらの候補ルート/経路は、一連のサブ経路から構成されてもよい。各サブ経路について、その開始点は、特定のコスト値(例えば、燃料消費量)を割り当てることにより、その隣接する点のすべてにつなげられる。最適なサブ経路は、最小値を有する線をたどるが、この線は通常、使用されない。すでにテストされた点に線が到達すると、この線を使用して、現在のコストが、前の選択肢を有するサブ目的地点と比較される。新しくテストされたルートの終了点コストが元のコストより小さい場合には、新しいコストがその点に割り当てられ、元のルートは、最適解の一部として棄却される。この検索手順に従い、ルートは終了点に向かって進化し、最適な1つのルートが残る。図7では、太線が、最小値を有するルート、すなわち最適ルートを示す。
図8は、大圏ルートに対する複数の個体のうちの1つの個体の概略図を示す。予備的に作成された最適ルートアルゴリズム、例えばダイクストラアルゴリズム又は任意の他の同様のアルゴリズムによって得られたルートは、遺伝的アルゴリズムによってさらに改善されてもよい。例えば適用することができる遺伝的アルゴリズムの構成要素は、母集団の初期化、選択、及び/又は交差である。
予備的に作成された最適ルートアルゴリズム、例えばダイクストラアルゴリズム又は任意の他の同様のアルゴリズムの出力により、経路と、その経路内の各ノードにおける対応する到着時間とが与えられる。ここで定義される個体は、例えば2つの変数の集合を有しており、その1つは経路内の幾何学的な点の偏差に関する変数であり、もう1つは、各ノードにおける到着時間の偏差に関する変数である。最初の母集団は、上で定義したように多数の個体を提供してもよい。遺伝的アルゴリズムの適合度関数は、上の目的関数と同じであってもよく、この目的関数は、位置と到着時間とともに経路に対する電力消費量を返してもよい。個体は最短経路に加えられてもよく、変更された新しい経路の適合度値は、適合度関数によって計算されてもよい。繁殖させるための親の選択は、例えばジェームスベーカ(James Baker)による論文「Reducing bias and inefficiency in the selection algorithm」、1986年、第2回遺伝的アルゴリズム国際会議の議事録pp.14~21において紹介された確率的ユニバーサルサンプリング法を使用してもよい。この手法は、適合度比率選択法のさらなる発展形態を表してもよい。この手法は、各個体に関連付けられることが可能な、個体の適合性に比例する大きさを有するホイールを作成してもよい。さらに交差演算子が採用されてもよい。まず、両方の変数の集合について、個体内の1つの点がランダムに選択されてもよい。第1の親からの、交差点の左にある染色体の配列と、第2の親からの染色体の残りの部分とが、互いに組み合わされて子孫にされてもよい。移入が追加されてもよく、この移入は、母集団の収束が早くなりすぎるのを回避するために、数ステップごとに新しい個体を母集団に入れることになる。このように、遺伝的アルゴリズムは、自然選択、再生、遺伝形質、及び突然変異などの概念を使用する進化論から着想を得たメタヒューリスティクスに関する。
ルート最適化のための、精緻化された例示的なアルゴリズムは、例えば母集団の初期化、選択、突然変異、及び交差などの従来の遺伝的アルゴリズム構成要素と、局所的最適化アルゴリズム、例えばダイクストラアルゴリズム又は任意の他の同様のアルゴリズムと、移入とから構成されてもよい。局所的な最適化アルゴリズムは、例えば母集団に対する指導的な染色体を提供する役割を担ってもよい。移入は、母集団の早すぎる収束を回避してもよい。
精緻化されたアルゴリズムの例示的な擬似コードを、以下に示す。
Figure 0007247334000013
第1のステップは、出発位置と目的地位置との間の地理的な状態ノード/ウェイポイントを初期化することであってもよい。
ルートは、大圏経路に沿って複数のステージに分割されてもよい。ステージごとに、大圏のサブルートに対して垂直な複数の状態ノード/ウェイポイントが作成されてもよい。
グラフは、複数の状態ノードに基づき作成されてもよい。グラフは、隣接するステージの状態ノード間の実現可能なつながり/辺を作成するために使用されてもよい。
Figure 0007247334000014
個体は、出発位置と目的地位置との間の経路として定義されてもよい。個体は、すべてのステージにおいて状態ノードを含んでもよい。実現可能な個体は、グラフに定義されたつながり/辺に基づき定義されてもよい。
選択方法は、適合度比率選択を使用してもよく、これは母集団のうちの適合度値の低い特定の割合を選択するものである。あるいは、選択方法は、ランダムに選択されたサブセットのうちの最良の個体を繰り返し選択する切断型選択に変更されてもよい。
個体に対する有効な突然変異を提供するために、以下の手法が使用されてもよい。
Figure 0007247334000015
ルート最適化のためのハイブリッドなルート最適化アルゴリズムの適用を実証するために、ヨーロッパ側からニューヨークに向けて冬季に北大西洋を横断する船舶航海が選択される。ルート最適化のためのハイブリッドなルート最適化アルゴリズムを使用する利点を比較するために、1月の航海が選択される。この例では、天候情報は、欧州中期予報センター(ECMWF ERA-interim)のデータセットから取得される。
図9は、異なる到着予定時間(ETA)に対する異なる最適ルートの概略図を示す。ここで使用されるETAは、海運業界においてETAに関して標準的である具体的な日付又は時間を提供するものではなく、推定を提供するために必要なおおよその航行時間のことである。この例において作成される状態ノードの個数は、18381個であり、割り当てられる弧/辺の個数は151424個である。異なるETAに対して合計で65個の最適ルートが利用可能であり、その一方でETAは、96時間から128時間の範囲にあり、0.5時間の時間差がある。この例では、図9に示すルートが、コンテナ船によって測定された実際の航海の一部から選択される。このルートは、星印から開始され、円マークで終了する。図は、65個の最適ルートをすべて示す。
図10は、異なる到着予定時間(ETA)及び異なる電力消費量に対するパレートフロントの概略図を示す。ここで使用されるETAは、海運業界においてETAに関して標準的である具体的な日付又は時間を提供するものではなく、推定を提供するために必要なおおよその航行時間のことである。パレートフロントとは、パレートの効率的配分の集合のことであり、これがグラフィカルに示されてもよい。例示的な65個の最適ルートは、それぞれのETAに関してはすべて最適なルートなので、これらからパレートフロントを得ることができる。この図から、この航海に対する最適ルートは、ETAが例えば105時間~110時間であってもよく、その一方で長いETAのルートは、ほとんど嵐を回避しない最短距離ルートとは大きく異なるルートに対応することが示される。
図11は、海上船舶の実際のルートと比較した海上船舶の最適ルートの概略図を示す。ここで使用されるETAは、海運業界においてETAに関して標準的である具体的な日付又は時間を提供するものではなく、推定を提供するために必要なおおよその航行時間のことである。実際のルートのETAは、105.8時間である。実際のルートとおおよそ同じETAを有する(ETAが106時間の)最適ルートが、比較のために選択される。図は、これらそれぞれの軌道の違いを示す。
図12は、海上船舶の最適ルートと実際のルートに関する海上船舶の速力及び波浪特性の概略図を示す。例示的に、波浪特性は、有意な波高Hを指す。最適ルートは、有意な最大の波高Hを回避することに成功し、例示的に6.32%の電力消費量の削減を可能にしている。しかし波浪特性は、最小波高、最大波高、波周期、波伝播方向、及び/又は波スペクトルを指してもよい。
図13は、航海中の異なる時間の波浪特性の概略図を示す。例示的に、波浪特性は、有意な波高Hを指す。この図は、航海の初めに速力を落とすことにより嵐を回避するように、最適ルートが決定されてもよいことを示している。しかし波浪特性は、最小波高、最大波高、波周期、波伝播方向、及び/又は波スペクトルを指してもよい。
要するに、ルート最適化問題を解くためのハイブリッドなルート最適化アルゴリズム(HROA)が提供される。この手法は、ダイクストラアルゴリズム又は任意の他の同様のアルゴリズムなど、予備的に作成された最適ルートアルゴリズムと、より効率的なルート最適化のための遺伝的アルゴリズムとを、航行領域に沿ったグラフに基づき組み合わせることができる。この手法は、ルート最適化に関していくつかの利点を有する。例えば、この手法は、複数の目的、例えば正確なETA及び最少燃料消費量に対して、ルートを最適化できるようにしてもよい。コース変更の精緻化により、実際の船舶航法を容易にし、余分な電力消費を回避するために、計画されたルートからの軌道及びそれぞれの速力を、遺伝的アルゴリズムによってさらに最適化することができる。計算労力に関しては、並列計算をこの手法の中で容易に適用することができ、状態に対して偏差が存在する場合には、新しいステップなしに、航海中に再計算を実行することができる。この手法の性能は、北大西洋を航海しているとき、冬季の例示的なルートプランニングに対しても実証されている。この例により、この手法が電力消費を低減させる大きな可能性を有しており、より正確な到着予定時間で船舶の航行予定を提供できることが示される。また、このアルゴリズムは、従来のアルゴリズムの困難を克服することもできる。特にこのアルゴリズムは、時間や速力などの追加の変数を、最適化プロセスにおいて容易に考慮することができる。ハイブリッドなルート最適化アルゴリズムは、嵐の領域において有意な高い波高Hを容易に回避できることが、例示的事例によって実証されている。この手法はさらに、荒れた海上条件において信頼性の高いルートを提供するのに好適であることがわかっている。またこの手法は、ユーザがフロント内で、又はフロントに沿ってトレードオフを行いやすくすることができるパレートフロントも提供することができる。
この研究は、第7次欧州研修開発フレームワーク計画(EU FP7)SpaceNavプロジェクト(助成契約番号607371)、及び欧州ホライゾン2020 EONavプロジェクト(助成契約番号687537)からの資金援助を受けている。
100 装置、 101 データベース、 103 プロセッサ、 200 方法、 201 作成、 203 決定、 205 追加、 207 作成、 209 作成、 211 適用、 213 適用。

Claims (13)

  1. 海上船舶の最適ルートを決定するための装置(100)であって、
    前記海上船舶最少燃料消費量、最少電力消費量、最低排出量、最速到着予定時刻(ETA)、航海中の積荷への配慮、したがって荒天回避、最も安全な航海、船舶の構造的ストレスが最も少ないこと、航行中の乗客の快適さが最も高いことを含むがこれらに限定されないユーザの必要性に応じて、所定の出発時刻に所定の出発位置において出発することになっており、また、所定の目的地への到着時刻に所定の目的地位置に到着することになっており、
    前記装置(100)が、
    前記海上船舶の所定の運航速力、及び、所定の船舶性能モデルを記憶するように構成されたデータベース(101)と、
    プロセッサ(103)と、
    を備え、
    前記プロセッサ(103)が、
    前記所定の出発位置、前記所定の目的地位置、及び前記所定の運航速力に基づき、複数の状態ノードを作成するステップであって、各状態ノードがそれぞれの位置を示すことを特徴とするステップと、
    前記複数の状態ノード、前記所定の出発時刻、及び前記所定の目的地への到着時刻に基づき、複数の時刻集合を決定するステップであって、前記複数の時刻集合が前記複数の状態ノードに関連付けられており、各時刻集合がそれぞれの状態ノードに関連付けられた到着時刻の範囲を示すことを特徴とするステップと、
    前記複数の時刻集合を前記複数の状態ノードに追加して、複数の追加済み状態ノードを得るステップと、
    前記複数の時刻集合及び前記所定の船舶性能モデルに基づき、時刻制約情報を決定するステップと、
    前記複数の追加済み状態ノード、及び、前記時刻制約情報に基づき、複数の辺を作成するステップであって、前記複数の辺のうちの各辺が、前記複数の追加済み状態ノードのうちの1対の追加済み状態ノードに関連付けられており、各辺がそれぞれの最適化コストに関連付けられていることを特徴とするステップと、
    前記複数の追加済み状態ノード前記複数の辺、及び、前記所定の船舶性能モデルに基づき、グラフを作成するステップと、
    予備的に作成された最適ルートアルゴリズムを前記グラフに適用して、前記出発位置と前記目的地位置との間で、前記海上船舶の予備的に画定された最適ルート経路を得るステップと、
    前記予備的に画定された最適ルート経路に基づき遺伝的アルゴリズムを適用して、前記海上船舶の前記最適ルートを得るステップと、
    を行うように構成される、
    ことを特徴とする装置(100)。
  2. 請求項1に記載の装置(100)であって、
    前記データベース(101)が、所定の測深情報を記憶するようにさらに構成され、
    前記プロセッサ(103)が、前記複数の状態ノード及び前記測深情報に基づき、地理的制約情報を決定するようにさらに構成され、
    前記プロセッサ(103)が、前記地理的制約情報にさらに基づき、前記複数の辺を作成するようにさらに構成されている、
    ことを特徴とする装置(100)。
  3. 請求項1又は2に記載の装置(100)であって、
    前記データベース(101)が、所定の天候情報を記憶するようにさらに構成され、
    前記プロセッサ(103)が、前記所定の天候情報にさらに基づき、前記グラフを作成するようにさらに構成されている、
    ことを特徴とする装置(100)。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載の装置(100)であって、
    前記それぞれの最適化コストが、以下の最適化コスト、すなわち前記海上船舶の電力消費量、前記海上船舶の燃料消費量、前記海上船舶の排出量、前記海上船舶のCO2、Sox、NOx、又はPMの排出量、前記海上船舶の積荷損失の危険性、前記海上船舶の構造の疲労損傷のうちの1つである、
    ことを特徴とする装置(100)。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載の装置(100)であって、
    前記グラフが3次元グラフであり、
    前記グラフが、経度に対する第1の次元、緯度に対する第2の次元、及び到着時刻に対する第3の次元を有する、
    ことを特徴とする装置(100)。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載の装置(100)であって、
    前記予備的に画定された最適ルート経路、ダイクストラアルゴリズム、ベルマン-フォードアルゴリズム、A*探索アルゴリズム、フロイド-ワーシャルアルゴリズム、ジョンソンのアルゴリズム、又はビタビアルゴリズムによって決定される
    ことを特徴とする装置(100)。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載の装置(100)であって、
    前記プロセッサ(103)が、前記予備的に画定された最適ルート経路に基づき、複数の個体を含むルートの母集団を決定し、前記複数の個体に対して遺伝的アルゴリズムを適用するようにさらに構成されている、
    ことを特徴とする装置(100)。
  8. 請求項に記載の装置(100)であって、
    前記複数の個体のうちの各個体が、前記予備的に画定された最適ルート経路に関するそれぞれの位置偏差及び/又はそれぞれの到着時刻偏差に関連付けられ、
    前記複数の個体の前記それぞれの位置偏差及び/又は前記それぞれの到着時刻偏差が互いに異なる、
    ことを特徴とする装置(100)。
  9. 請求項又はに記載の装置(100)であって、
    前記プロセッサ(103)が、前記複数の個体に対して、少なくとも1つの選択ステップ、突然変異ステップ、移入ステップ、及び/又は交差ステップを実行するようにさらに構成されている、
    ことを特徴とする装置(100)。
  10. 請求項からのいずれか1項に記載の装置(100)であって、
    前記プロセッサ(103)が、前記複数の個体から1つの個体を選択するようにさらに構成され、
    前記選択された個体が、最適な総最適化コストに関連付けられ、
    前記選択された個体が、前記海上船舶の前記最適ルートを形成する、
    ことを特徴とする装置(100)。
  11. 請求項10に記載の装置(100)であって、
    前記プロセッサ(103)が、前記複数の個体に基づき、前記グラフ及び/又は前記複数の辺を修正するようにさらに構成されている、
    ことを特徴とする装置(100)。
  12. 海上船舶の最適ルートを決定するための装置(100)を動作させるための方法(200)であって、
    前記海上船舶が、所定の出発時刻に所定の出発位置において出発することになっており、前記海上船舶が、所定の目的地への到着時刻に所定の目的地位置に到着することになっており、前記装置(100)が、データベース(101)及びプロセッサ(103)を備え、前記データベース(101)が、前記海上船舶の所定の運航速力、及び、所定の船舶性能モデルを記憶するように構成されており、
    前記方法(200)が、
    前記プロセッサ(103)により、前記所定の出発位置、前記所定の目的地位置、及び前記所定の運航速力に基づき、複数の状態ノードを作成するステップ(201)であって、各状態ノードがそれぞれの位置を示すことを特徴とするステップ(201)と、
    前記プロセッサ(103)により、前記複数の状態ノード、前記所定の出発時刻、及び前記所定の目的地への到着時刻に基づき、複数の時刻集合を決定するステップ(203)であって、前記複数の時刻集合が前記複数の状態ノードに関連付けられており、各時刻集合がそれぞれの状態ノードに関連付けられた到着時刻の範囲を示すことを特徴とするステップ(203)と、
    前記プロセッサ(103)により、前記複数の時刻集合を前記複数の状態ノードに追加して、複数の追加済み状態ノードを得るステップ(205)と、
    前記プロセッサ(103)により、前記複数の時刻集合及び前記所定の船舶性能モデルに基づき、時刻制約情報を決定するステップと、
    前記プロセッサ(103)により、前記複数の追加済み状態ノード、及び、前記時刻制約情報に基づき、複数の辺を作成するステップ(207)であって、前記複数の辺のうちの各辺が、前記複数の追加済み状態ノードのうちの1対の追加済み状態ノードに関連付けられており、各辺がそれぞれの最適化コストに関連付けられていることを特徴とするステップ(207)と、
    前記プロセッサ(103)により、前記複数の追加済み状態ノード前記複数の辺、及び、前記所定の船舶性能モデルに基づき、グラフを作成するステップ(209)と、
    前記プロセッサ(103)により、予備的に作成された最適ルートアルゴリズムを前記グラフに適用して、前記出発位置と前記目的地位置との間で、前記海上船舶の予備的に画定された最適ルート経路を得るステップ(211)と、
    前記プロセッサ(103)により、前記予備的に画定された最適ルート経路に基づき遺伝的アルゴリズムを適用して、前記海上船舶の前記最適ルートを得るステップ(213)と、
    を含むことを特徴とする方法(200)。
  13. プロセッサ(103)によって実行されたときに、請求項12に記載の方法(200)を実行するためのプログラムコードを含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
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