JP7245523B2 - 一体化した微小電極、及びそれを製造する方法 - Google Patents

一体化した微小電極、及びそれを製造する方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国を指定国とし、かつ米国特許法第120条に基づき出願した国際特許であり、2017年4月12日出願の米国特許仮出願第62/484,500号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
連邦政府の支援による研究に関する陳述
本発明は、NASAとの共同契約の下で、CASISによって付与されるGA-2016-238の下で政府支援によりなされた。米国政府は、本発明に一定の権利を有している。
本開示は概ね、細胞からのin vitro電気生理学的測定における、カスタムインサート及び多電極アレイ(MEA)、ならびに該装置の製造方法及び使用方法に関する。
世界的に見ると、神経疾患は、世界疾病負担の重要な部分を構成する[1]。これにもかかわらず、多発性硬化症(MS)(世界的に見ると約25百万人が罹患している[1])などの主な神経疾患は、不明なところが多い。他の疾患(例えば、糖尿病性神経障害-グルコース毒性による神経機能の喪失)はよく理解されているが、依然として多くの人々(2007年、米国で75,000人[3])に不可逆的損傷の影響を及ぼす。[2]
このような有病率の高い病状の治療を開発するために、神経系の有効なモデルが必要である。しばしば、in vivoモデルは、この目的(例えば、ラットの座骨神経モデル)のために利用される[4][5]。しかし、in vivoモデルを使用して調査を行うことは高コストであり、かなりの人手による労力を必要とする。医薬品の発見及び試験に必要な化合物の大規模なスクリーニングを行うために、in vitroモデルは、低コスト及び自動化の可能性により、はるかに魅力的である。
神経組織の典型的in vitroモデルは表面に培養されて、活発な増殖を得られるが、主に3次元(3D)細胞外基質の不足のため、in vivo状態または形態を良好に複製しない[6][7]。in vivo状態をより正確に表す、周辺神経組織のin vitroモデルを作製するために、当研究室はフォトリソグラフィ法を開発して、複製可能な3次元構造内にポリエチレングリコールジアクリレート(PEG)ヒドロゲルを重合させ、それは、神経成長を支援することができる別のヒドロゲルにより補完される[8]。当研究室は、これらの二重ヒドロゲル構造物が、in vivo神経組織に似ている、活発な3次元神経成長を支援できることを証明した[6]。
神経組織の生理機能は、刺激へのその電気生理学的反応により分析されることができ、組織が薬理学的または病理学的効果を受けるとき、その反応の特性は変化する[9][10]。これにより、電気生理学は、神経組織上の薬の作用または疾患状態を評価するための役立つ道具になり、それは神経組織の機能の概略を示す。これらの機能変化は、電場電位記録電極を使用して確認することができ[11][12]、それは、この二重ヒドロゲル神経突起構造物の電気生理学的評価にうまく適用された[13]。しかし、刺激及び記録電極の適切な設置が困難かつ時間のかかる作業なので、このような評価は面倒である。
評判が高まっている電気生理学におけるプローブまたは電極アレイ利用の主な代用は、光遺伝学(光だけを使用して電気生理学的刺激及び記録を可能にする、電位感受性色素と連動して、直接接触の必要性を除去する)である[14]。しかし、このような方法は、複雑な顕微鏡の設定を必要とし、対象組織への遺伝子組み換えを必要とし、既存の電気生理学的器材の実際的価値をなくす。
電場電位記録または光遺伝学を使用して、我々の二重ヒドロゲル神経突起構造物の電気生理学的分析を行うことに存在する課題を克服するために、そこで神経突起構造物が形成され成長するカスタムインサート及び多電極アレイ(MEA)、ならびにMEAを電気生理学的試験機器と速やかに接続するのを可能にするカスタム装置、を含むプラットフォームが考案された。このプラットフォームは、印加刺激への神経突起反応を見るのに十分なことを示し、我々の二重ヒドロゲルモデルの迅速かつ自動化した使用が大規模な薬学研究または病理学研究を実行するために有望である。
本開示は、(i)上面及び底面を備える、透過性固体支持体であって、上面が、その上にインサートの底面が置かれる表面に対して水平または実質的に水平であり、上面が、上面から垂直に延在する1つ以上の突起によって内側部と外側部に分けられ、そこで、上面の内側部の少なくとも1つの領域が、容器の底面を画定し、1つ以上の突起が、容器の1つ以上の連続する側壁を画定する、前記透過性固体支持体と、(ii)透過性固体支持体の上面に物理的に取り付けられて、容器内に配置される、1つ以上の電極と、(iii)上面の外側部の少なくとも1つの領域上に配置される、1つ以上の接触パッドと、を含む、インサートに関する。
いくつかの実施形態で、1つ以上の電極は上面及び底面を有する形状の平面であり、1つ以上の電極の底面は、容器の底面と隣接してまたは実質的に隣接して配置される。
いくつかの実施形態で、透過性固体支持体の曲げ弾性率は、約0.2~約20ギガパスカル(GP)である。
いくつかの実施形態で、インサートは第1電極及び第2電極を含み、第1及び第2電極は長手方向軸に対して平行に整列配置されるが、側壁の逆の対向面に近接して配置される。
いくつかの実施形態で、インサートは、上面上に約1ミリメートル~約15ミリメートルの高さを有する容器の側壁を画定する、その端の上面に物理的に取り付けられた円形または実質的に円形の第1突起部を備える。いくつかの実施形態で、透過性固体支持体は、円形または実質的に円形、半円形の形状であり、1つ以上の電極は平坦また実質的に平坦であり、それは上面に隣接して配置され、その結果、長手方向軸は透過性固体支持体の上面に平行であり、インサートは、透過性固体支持体の外側部周辺に配置される、少なくとも4つの接触パッドを含む。
いくつかの実施形態で、インサートは、透過性固体支持体に固着した円形または半円形の環を更に含み、その結果、透過性固体支持体及び環は、約0.5~約10ミリメートルの高さを有する、円筒状または実質的に円筒状の容器を画定する。
いくつかの実施形態で、インサートは、容器の底面全体に配置されるヒドロゲルマトリックス層を更に含む。いくつかの実施形態で、電極の少なくとも一部は、ヒドロゲルマトリックス層の上面下に配置される、またはヒドロゲルマトリックス層の表層の真上に突出している。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルマトリックスは、約5~約500マイクロメートルの高さの層を形成する。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルマトリックスは、約5~約500マイクロメートルの深さの空隙を含む。いくつかの実施形態で、空隙の底領域は、約500~約5000平方マイクロメートルの表面積を有する。
いくつかの実施形態で、インサートは、1つ以上の単離されたシュワン細胞と、1つ以上の後根神経節(DRG)またはDRG片と、を更に含む。
いくつかの実施形態で、第1ヒドロゲルマトリックスは上面全体で層状になり、少なくとも第1の空隙を含み、前記空隙は隣接する横領域及び底領域を含み、そこで、電極のうちの少なくとも一部は、底領域下に配置される、または底領域上方に最小限に突出しており、1つ以上の単離されたシュワン細胞及び/または1つ以上のDRGもしくはDRG片は、空隙の底領域上に配置され、その結果、シュワン細胞、DRGまたはDRG片は、1つ以上の電極上に配置される、またはそれと接触している。
いくつかの実施形態で、1つ以上の電極は、チタン、金、ステンレス鋼、白金、イリジウム、タングステン、カーボンファイバ、銀、または塩化銀のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態で、1つ以上の電極は微小電極である。
いくつかの実施形態で、ヒドロゲルマトリックスは、成長及び/または細胞遊走を防ぐのに十分な堅さを備える第1ポリマーのヒドロゲルと、軸索成長及び/または細胞遊走を可能にするのに十分な堅さを備える第2ポリマーのヒドロゲルと、を含む。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルマトリックスは、約15%以下のPEGと、約0.05%~約5.0%のRAD16-I、RAD16-II、EAK16-I、EAK16-II及びdEAK16から選択される自己組織化ペプチドのうちの1つまたはその組み合わせと、を含む、第1ポリマー及びメタクリル酸ゼラチンを含む。
いくつかの実施形態で、透過性固体支持体は直径約0.1μm~約3μmの複数の孔を含む。いくつかの実施形態で、透過性固体支持体はポリエステルまたはポリビニルポリマーを含む。
いくつかの実施形態で、ヒドロゲルマトリックスは、ポリエチレングリコール(PEG)、Puramatrix、メタクリル化ヒアルロン酸、アガロース、メタクリル化ヘパリン、ピロール(Py)、酸化ポリピロール(Ppy)、及びメタクリル化デキストランから選択される、化合物のうちの1つまたはその組み合わせを含む。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルマトリックスは、溶液の体積に対する重量(w/v)の約20%以下の濃度でポリエチレングリコール(PEG)を含む。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルマトリックスは、溶液の体積に対する重量(w/v)の約0.1%~約3.0%の濃度で、少なくとも1つの細胞透過性ポリマーを含む。
いくつかの実施形態で、1つ以上の電極は、透過性固体支持体の上面の実質的に水平方向にある。
いくつかの実施形態で、1つ以上の電極は、少なくとも1つの刺激電極、少なくとも1つの記録電極、及び少なくとも1つの接地電極を含む。いくつかの実施形態で、少なくとも1つの刺激電極及び少なくとも1つの記録電極は、約1μm~約1cm間隔で離れている。いくつかの実施形態で、刺激電極及び記録電極は、互いに対して実質的に平行に配向されて、互いから離間配置される。いくつかの実施形態で、接地電極は、刺激電極に実質的に平行に配向されて、それから離間配置される第1部分を含み、接地電極は、刺激電極に対して実質的に垂直に配向される第2部分を含む。
いくつかの実施形態で、インサートは、互いに実質的に平行に配向されて透過性固体支持体の一方の面に配置される第1刺激電極及び第1記録電極と、互いに実質的に平行に配向されて透過性固体支持体の反対面に配置された第2刺激電極及び第2記録電極と、第1刺激電極と第2刺激電極との間に配置した接地電極された接地電極と、を含む。
いくつかの実施形態で、第1刺激電極及び第1記録電極の接触パッドは、第2刺激電極及び第2記録電極の接触パッドから離れて配向される。いくつかの実施形態で、第1刺激電極及び第1記録電極の接触パッドは、第2刺激電極及び第2記録電極の接触パッドから約180度離れて配向される。いくつかの実施形態で、接地電極の接触パッドは、第1刺激電極及び第1記録電極ならびに第2刺激電極及び第2記録電極の接触パッドから90度離れて配向される。
いくつかの実施形態で、1つ以上の接触パッドは、1つ以上の電極に電気的に接続している。
いくつかの実施形態で、インサートは1つ以上の細胞を含む。いくつかの実施形態で、1つ以上の細胞は、膠細胞、胚細胞、間葉系幹細胞、人工多能性幹細胞に由来する細胞、交感神経細胞、副交感神経細胞、脊髄運動神経細胞、中枢神経系神経細胞、末梢神経系神経細胞、腸神経系神経細胞、運動神経細胞、感覚神経細胞、コリン作動性神経細胞、GABA作動性神経細胞、グルタミン酸作動性神経細胞、ドーパミン作動性神経細胞、セロトニン性神経細胞、介在神経細胞、アドレナリン作動性神経細胞、三叉神経節、星状膠細胞、乏突起膠細胞、シュワン細胞、小膠細胞、上衣細胞、放射状膠細胞、衛星細胞、消化器官膠細胞、下垂体細胞、免疫細胞、後根神経節、及びこれらの組み合わせから選択される、細胞及び/または組織のうちの1つまたはその組み合わせを含む。
いくつかの実施形態で、インサートは培養培地を含む。
本開示は、(i)上面及び底面を有する、実質的に平坦かつ平面構造を画定する本体と、(ii)本体の上面の1つ以上の平坦電極と、(iii)絶縁体層と、(iv)本体を通って形成される中央開口部周囲のその縁に配置されて、本体を通って延在する円形または実質的に円筒状のカラーと、を含む、アダプタにも関する。
いくつかの実施形態で、本体はポリマー樹脂を含む。いくつかの実施形態で、本体は第1側縁及び第2側縁を含み、それぞれは約49mmの大きさに設定される。いくつかの実施形態で、本体は約1mmに設定される高さを含む。いくつかの実施形態で、中央開口部は、本体を通って形成されて、本体を通って延在する。
いくつかの実施形態で、アダプタは、中央開口部周囲に放射状に配置されて、本体を通って延在する、接続ピンパターンを含み、接続ピンのぞれぞれは、平坦電極のうちの少なくとも1つに電気的に接続している。いくつかの実施形態で、1つ以上の平坦電極は、本体の周辺部から離間配置される、実質的に正方形パターンで本体の上面に配置される。いくつかの実施形態で、1つ以上の平坦電極のパターンは中央開口部を囲む。
いくつかの実施形態で、1つ以上の平坦電極は、プランジャプレートの接点に取り付けられるように構成されており、1つ以上の平坦電極は、プランジャプレートの接点を介して増幅器及び電流供給源に操作可能かつ電気的に接続される。
いくつかの実施形態で、1つ以上の平坦電極は、本体の上面に沿って連続する電気接続周辺部を形成する。
本開示は、(i)中央開口部内に配置されたインサートと、(ii)アダプタと、(iii)電流ジェネレータを含む増幅器と、(iv)電圧計及び/または電流計と、を含むシステムにも関し、増幅器、電圧計及び/または電流計ならびに電極は、回路を介して互いに電気的に接続されている。
いくつかの実施形態で、前記システムは、コントローラ、記録装置、コンピュータ記録装置及びスクリーンのうちの1つまたはその組み合わせを含み、そこで、スクリーンは電圧計及び/または電流計に接続され、1つ以上の電極からの記録測定値を示すことができる。
本開示は、(i)インサートと、(ii)インサートを受容するように構成され、必要な大きさに設定される組織培養支持体と、を含む、システムにも関する。
いくつかの実施形態で、組織培養支持体は、1つのウェルを含み、インサートは、1つのウェル内に少なくとも部分的に導入されるように構成され、必要な大きさに設定される。いくつかの実施形態で、組織培養支持体は、6、12、24または48つのウェルを含む、マルチウェルプレートを含む。
本開示は、容器中の1つ以上の細胞の3次元培養を作成する方法にも関する。いくつかの実施形態で、方法は、(i)1つ以上の細胞をインサートの透過性固体支持体に接触させることと、(ii)インサートの容器に、単離した細胞または細胞を含む組織外植片を播種することと、(iii)細胞を覆うのに十分な細胞培地の体積を有する容器に、細胞培地を加えることと、を含む。
本開示は、1つ以上の細胞をインサートの透過性固体支持体上に配置することと、入力電流または電圧をインサートの1つ以上の電極に印加することと、1つ以上の細胞に関連する出力特性を記録することと、を含む、1つ以上の細胞を試験する方法にも関する。
いくつかの実施形態で、出力特性は、抵抗または出力電流のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態で、方法は、入力電流または電圧を、出力特性と比較することを含む。
本開示は、1つ以上の細胞をアダプタの上面に配置することと、入力電流をアダプタの1つ以上の平坦電極に印加することと、及び1つ以上の細胞に関連する出力特性を記録することと、を含む、1つ以上の細胞を試験する方法にも関する。
本開示は、インサートを受容するように構成される試験装置であって、試験装置が、ハウジングを備える本体とハウジングを通って延在する内側通路とを含む、試験装置と、内側通路内に移動可能に配置されて、インサートから離間配置された隆起位置またはインサートに対向して配置された下降位置に配置されるように構成される、プランジャと、を含む、システムにも関する。
いくつかの実施形態で、試験装置は、そこから延在する2つのアライナを備える基部を含み、アライナは、インサートを受容して、その配向を維持するように構成される。いくつかの実施形態で、基部は、それを通って延在するスロットを含み、試験装置は、基部のスロット内に配置されるように構成されるスライドを含む。いくつかの実施形態で、試験装置は、プランジャとハウジングの間に配置されたばねを含み、ばねは、プランジャをインサートの方向に圧接する。いくつかの実施形態で、プランジャは、隆起位置と下降位置との間の垂直軸に沿って移動するように構成される。いくつかの実施形態で、プランジャは、プレートを備える底端部と、底端部から垂直に延在する棒と、を含む。いくつかの実施形態で、プランジャのプレートは、インサートの電極と電気接触して配置されるように構成される、電気接点を備える回路基板を含む。
いくつかの実施形態で、システムは、記録装置、増幅器、電源、コントローラ、ユーザーインターフェース、電圧計、及び試験装置に電気的に接続されている電流計のうちの少なくとも1つまたはその組み合わせを更に含む。
本開示は、(i)インサートと、(ii)アダプタと、(iii)電流ジェネレータを含む増幅器、電圧計または電流計のうちの少なくとも1つと、を含む、システムにも関し、そこで、インサートの電極はアダプタの電極に電気的に接続されており、アダプタの電極は、回路、及び増幅器、電圧計または電流計の少なくとも1つに使用可能に連結されている。
本開示は、(a)インサートの透過性固体支持体上の1つ以上細胞を成長させることと、(b)アダプタにインサートを配置することと、(c)アダプタをシステムに置くことと、(d)1つ以上の細胞へ1つ以上の刺激を加えることと、(e)1つ以上の細胞からの1つ以上の刺激への1つ以上の反応を測定することと、を含む、1つ以上の細胞を評価する方法にも関する。
本開示は、(a)インサートの透過性固体支持体上の1つ以上の細胞及び/または1つ以上の組織外植片を培養することと、(b)少なくとも1つの薬剤を、1つ以上の細胞及び/または1つ以上の組織外植片に曝露することと、(c)1つ以上の細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の形態的変化を測定及び/または観察することと、(d)形態的変化が減少した細胞の生存可能性を示す場合、薬剤は有毒として特徴付けられ、形態的変化が無変化のまたは増加した細胞生存度を示す場合、薬剤は無毒として特徴付けられるように、1つ以上の細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の形態的変化を、薬剤の毒性に相関させることと、を含む、薬剤の毒性を評価する方法にも関する。
本開示は、1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の軸索の髄鞘形成または脱髄を測定する方法にも関し、方法は、(a)少なくとも1つの軸索を成長させるのに十分な時間及び条件下で、インサートの透過性固体支持体上の1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片を培養することと、(b)1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の軸索の髄鞘形成の量を検出することと、を含む。
本開示は、1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の軸索の髄鞘形成または脱髄を測定する方法にも関し、記方法は、(a)少なくとも1つの軸索を成長させるのに十分な時間及び条件下で、インサートの透過性固体支持体上の1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片を培養することと、(b)アダプタにインサートを配置することと、(c)1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の複合活動電位を誘導することと、(d)複合活動電位を測定することと、(e)複合活動電位に基づいて、このような1つ以上の神経細胞の髄鞘形成のレベルを定量化することと、を含む。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
インサートであって、
(i)上面及び底面を備える、透過性固体支持体であって、前記上面が、前記インサートの前記底面が置かれる表面に対して水平または実質的に水平であり、前記上面が、前記上面から垂直に延在する1つ以上の突起によって内側部と外側部に分けられ、前記上面の前記内側部の少なくとも1つの領域が、容器の底面を画定し、前記1つ以上の突起が、前記容器の1つ以上の連続する側壁を画定する、前記透過性固体支持体と、
(ii)前記透過性固体支持体の前記上面に物理的に取り付けられて、前記容器内に配置される、1つ以上の電極と、
(iii)前記上面の前記外側部の少なくとも1つの領域上に配置される、1つ以上の接触パッドと、
を含む、前記インサート。
(項目2)
前記1つ以上の電極が上面及び底面を有する形状の平面であり、
前記1つ以上の電極の前記底面が、前記容器の前記底面と隣接してまたは実質的に隣接して配置される、項目1に記載のインサート。
(項目3)
前記透過性固体支持体の曲げ弾性率が、約0.2~約20ギガパスカル(GP)である、項目1に記載のインサート。
(項目4)
前記インサートが第1電極及び第2電極を含み、前記第1電極及び前記第2電極が長手方向軸に対して平行に整列配置されるが、前記側壁の逆の対向面に近接して配置される、項目1~3のいずれか一項に記載のインサート。
(項目5)
前記インサートが、前記上面上に約1ミリメートル~約10ミリメートルの高さを有する前記容器の前記側壁を画定する、その端の前記上面に物理的に取り付けられた円形または実質的に円形の第1突起部を備える、項目1~4のいずれか一項に記載のインサート。
(項目6)
前記透過性固体支持体が、円形または実質的に円形、半円形の形状であり、前記1つ以上の電極が平坦また実質的に平坦であり、前記上面に隣接して配置され、長手方向軸が前記透過性固体支持体の前記上面と平行であり、
前記インサートが、前記透過性固体支持体の前記外側部周辺に配置される、少なくとも2、3または4つの接触パッドを含む、項目1~5のいずれか一項に記載のインサート。
(項目7)
前記インサートが、前記透過性固体支持体に固着した円形または半円形の環を更に含み、前記透過性固体支持体及び前記環が、約0.5~約15ミリメートルの高さを有する、円筒状または実質的に円筒状の容器を画定する、項目1~6のいずれか一項に記載のインサート。
(項目8)
前記インサートが、前記容器の前記底面全体に配置されるヒドロゲルマトリックス層を更に含み、
前記電極の少なくとも一部が、前記ヒドロゲルマトリックス層の上面下に配置される、または前記ヒドロゲルマトリックス層の表層の真上に突出している、項目1~7のいずれか一項に記載のインサート。
(項目9)
前記ヒドロゲルマトリックスが、高さ約5~約500マイクロメートルの高さの層を形成し、
前記ヒドロゲルマトリックスが、深さ約5~約500マイクロメートルの空隙を含み、
前記空隙の底領域が、約500~約5000平方マイクロメートルの表面積を有する、項目8に記載のインサート。
(項目10)
1つ以上の単離されたシュワン細胞と、
1つ以上の後根神経節(DRG)またはDRG片と、
を更に含む、項目1~9のいずれか一項に記載のインサート。
(項目11)
第1ヒドロゲルマトリックスが前記上面全体で層状になり、少なくとも第1の空隙を含み、前記空隙が隣接する横領域及び底領域を含み、
前記電極のうちの少なくとも一部が、前記底領域下に配置される、または前記底領域上方に最小限に突出しており、
前記1つ以上の単離されたシュワン細胞及び/または前記1つ以上のDRGもしくはDRG片が、前記空隙の前記底領域上に配置され、前記シュワン細胞、前記DRGまたは前記DRG片が、前記1つ以上の電極上に配置される、またはそれと接触している、
項目10に記載のインサート。
(項目12)
前記1つ以上の電極が、チタン、金、ステンレス鋼、白金、イリジウム、タングステン、カーボンファイバ、銀、または塩化銀のうちの1つ以上を含む、項目1~11のいずれか一項に記載のインサート。
(項目13)
前記1つ以上の電極が微小電極である、項目1~12のいずれか一項に記載のインサート。
(項目14)
前記ヒドロゲルマトリックスが、成長及び/または細胞遊走を防ぐのに十分な堅さを備える第1ポリマーのヒドロゲルと、軸索成長及び/または細胞遊走を可能にするのに十分な堅さを備える第2ポリマーのヒドロゲルと、を含む、項目8~13のいずれか一項に記載のインサート。
(項目15)
前記ヒドロゲルマトリックスが、約15%以下のPEGと約0.05%~約5.0%のRAD16-I、RAD16-II、EAK16-I、EAK16-II及びdEAK16から選択される自己組織化ペプチドのうちの1つまたはその組み合わせとを含む第1ポリマー、及びメタクリル酸ゼラチンを含む、項目8~14のいずれか一項に記載のインサート。
(項目16)
前記透過性固体支持体が直径約0.1μm~約3μmの複数の孔を含む、項目1~15のいずれか一項に記載のインサート。
(項目17)
前記透過性固体支持体が、ポリエステルまたはポリビニルポリマーを含む、項目1~16のいずれか一項に記載のインサート。
(項目18)
前記ヒドロゲルマトリックスが、ポリエチレングリコール(PEG)、Puramatrix、メタクリル化ヒアルロン酸、アガロース、メタクリル化ヘパリン、ピロール(Py)、酸化ポリピロール(Ppy)、及びメタクリル化デキストランから選択される、化合物のうちの1つまたはその組み合わせを含む、項目8~16のいずれか一項に記載のインサート。
(項目19)
前記ヒドロゲルマトリックスが、前記溶液の体積に対する重量(w/v)の約20%以下の濃度でポリエチレングリコール(PEG)を含む、項目8~18のいずれか一項に記載のインサート。
(項目20)
前記ヒドロゲルマトリックスが、前記溶液の体積に対する重量(w/v)の約0.1%~約3.0%の濃度で、少なくとも1つの細胞透過性ポリマーを含む、項目8~19のいずれか一項に記載のインサート。
(項目21)
前記1つ以上の電極が、前記透過性固体支持体の前記上面の実質的に水平方向にある、項目1~20のいずれか一項に記載のインサート。
(項目22)
前記1つ以上の電極が、少なくとも1つの刺激電極、少なくとも1つの記録電極、及び少なくとも1つの接地電極を含む、項目1~21のいずれか一項に記載のインサート。
(項目23)
前記少なくとも1つの刺激電極及び前記少なくとも1つの記録電極が、約1μm~約1cm間隔で離れている、項目22に記載のインサート。
(項目24)
前記刺激電極及び前記記録電極が、互いに対して実質的に平行に配向されて、互いから離間配置される、項目22または23に記載のインサート。
(項目25)
前記接地電極が、前記刺激電極に実質的に平行に配向されて、それから離間配置される第1部分を含み、前記接地電極が、前記刺激電極に対して実質的に垂直に配向される第2部分を含む、項目22~24のいずれか一項に記載のインサート。
(項目26)
互いに実質的に平行に配向されて前記透過性固体支持体の一方の面に配置される第1刺激電極及び第1記録電極と、互いに実質的に平行に配向されて前記透過性固体支持体の反対面に配置される第2刺激電極及び第2記録電極と、前記第1刺激電極と前記第2刺激電極との間に配置された接地電極と、を含む、項目22~25のいずれか一項に記載のインサート。
(項目27)
前記第1刺激電極及び前記第1記録電極の接触パッドが、前記第2刺激電極及び前記第2記録電極の接触パッドから離れて配向される、項目22~26のいずれか一項に記載のインサート。
(項目28)
前記第1刺激電極及び前記第1記録電極の前記接触パッドが、前記第2刺激電極及び前記第2記録電極の前記接触パッドから約180度離れて配向される、項目22~27のいずれか一項に記載のインサート。
(項目29)
前記接地電極の接触パッドが、前記第1刺激電極及び前記第1記録電極ならびに前記第2刺激電極及び前記第2記録電極の前記接触パッドから90度離れて配向される、項目22~28のいずれか一項に記載のインサート。
(項目30)
前記1つ以上の接触パッドが、前記1つ以上の電極に電気的に接続している、項目1~29のいずれか一項に記載のインサート。
(項目31)
1つ以上の細胞を更に含む、項目1~30のいずれか一項に記載のインサート。
(項目32)
前記1つ以上の細胞が、膠細胞、胚細胞、間葉系幹細胞、人工多能性幹細胞に由来する細胞、交感神経細胞、副交感神経細胞、脊髄運動神経細胞、中枢神経系神経細胞、末梢神経系神経細胞、腸神経系神経細胞、運動神経細胞、感覚神経細胞、コリン作動性神経細胞、GABA作動性神経細胞、グルタミン酸作動性神経細胞、ドーパミン作動性神経細胞、セロトニン性神経細胞、介在神経細胞、アドレナリン作動性神経細胞、三叉神経節、星状膠細胞、乏突起膠細胞、シュワン細胞、小膠細胞、上衣細胞、放射状膠細胞、衛星細胞、消化器官膠細胞、下垂体細胞、免疫細胞、後根神経節、及びこれらの組み合わせから選択される、細胞及び/または組織のうちの1つまたはその組み合わせを含む、項目31に記載のインサート。
(項目33)
培養培地を更に含む、項目1~32のいずれか一項に記載のインサート。
(項目34)
アダプタであって、
(i)上面及び底面を有する、実質的に平坦かつ平面構造を画定する本体と、
(ii)前記本体の前記上面の1つ以上の平坦電極と、
(iii)絶縁体層と、
(iv)前記本体を通って形成される中央開口部周囲のその縁に配置されて、前記本体を通って延在する円形または実質的に円筒状のカラーと、を含む、前記アダプタ。
(項目35)
前記本体がポリマー樹脂を含む、項目34に記載のアダプタ。
(項目36)
前記本体が第1側縁及び第2側縁を含み、それぞれが約49mmの大きさに設定される、項目34または35に記載のアダプタ。
(項目37)
前記本体が約1mmの寸法の高さを含む、項目34~36のいずれか一項に記載のアダプタ。
(項目38)
中央開口部が、前記本体を通って形成され、延在する、項目34~37のいずれか一項に記載のアダプタ。
(項目39)
前記中央開口部周囲に放射状に配置されて、前記本体を通って延在する、接続ピンパターンを含み、
前記接続ピンのそれぞれが、前記平坦電極のうちの少なくとも1つに電気的に接続している、項目34~38のいずれか一項に記載のアダプタ。
(項目40)
前記1つ以上の平坦電極が、前記本体の周辺部から離間配置される、実質的に正方形パターンで前記本体の前記上面に配置される、項目34~39のいずれか一項に記載のアダプタ。
(項目41)
前記1つ以上の平坦電極の前記パターンが前記中央開口部を囲む、項目34~40のいずれか一項に記載のアダプタ。
(項目42)
前記1つ以上の平坦電極が、プランジャプレートの接点に取り付けられるように構成されており、前記1つ以上の平坦電極が、前記プランジャプレートの前記接点を介して増幅器及び電流供給源に操作可能かつ電気的に接続される、項目34~41のいずれか一項に記載のアダプタ。
(項目43)
前記1つ以上の平坦電極が、前記本体の前記上面に沿って連続する電気接続周辺部を形成する、項目34~42のいずれか一項に記載のアダプタ。
(項目44)
システムであって、
(i)前記中央開口部内に配置された、項目1~33のいずれか一項に記載の前記インサートと、
(ii)項目34~43のいずれか一項に記載の前記アダプタと、
(iii)電流ジェネレータを含む増幅器と、
(iv)電圧計及び/または電流計と、を含み、
前記増幅器、前記電圧計及び/または前記電流計ならびに前記電極が、回路を介して互いに電気的に接続されている、前記システム。
(項目45)
コントローラ、記録装置、コンピュータ記録装置及びスクリーンのうちの1つまたはその組み合わせを更に含み、
前記スクリーンが前記電圧計及び/または前記電流計に接続され、前記1つ以上の電極からの記録測定値を示すことができる、項目44に記載のシステム。
(項目46)
システムであって、
(i)項目1~33のいずれか一項に記載の前記インサートと、
(ii)前記インサートを受容するように構成され、必要な大きさに設定される組織培養支持体と、
を含む、前記システム。
(項目47)
前記組織培養支持体が、1つのウェルを含み、
前記インサートが、前記1つのウェル内に少なくとも部分的に導入されるように構成され、必要な大きさに設定される、項目46に記載のシステム。
(項目48)
前記組織培養支持体が、6、12、24または48つのウェルを含む、マルチウェルプレートを含む、項目46または47に記載のシステム。
(項目49)
容器中の1つ以上の細胞の3次元培養を作成する方法であって、
(i)1つ以上の細胞を項目1~33のいずれか一項に記載の前記インサートの前記透過性固体支持体に接触させることと、
(ii)前記インサートの前記容器に、1つ以上の単離した細胞または細胞を含む組織外植片を播種することと、
(iii)前記細胞を覆うのに十分な細胞培地の体積を有する前記容器に、細胞培地を加えることと、
を含む、前記方法。
(項目50)
1つ以上の細胞を試験する方法であって、
前記1つ以上の細胞を項目1~33のいずれか一項に記載の前記インサートの前記透過性固体支持体に配置することと、
入力電流または電圧を前記インサートの前記1つ以上の電極に印加することと、
前記1つ以上の細胞に関連する出力特性を記録することと、
を含む、前記方法。
(項目51)
前記出力特性は、抵抗または出力電流のうちの少なくとも1つを含む、項目50に記載の方法。
(項目52)
前記入力電流または電圧を、前記出力特性と比較することを含む、項目50または51に記載の方法。
(項目53)
1つ以上の細胞を試験する方法であって、
前記1つ以上の細胞を項目34~43のいずれか一項に記載の前記アダプタの前記上面に配置することと、
入力電流を前記アダプタの前記1つ以上の平坦電極に印加することと、
前記1つ以上の細胞に関連する出力特性を記録することと、
を含む、前記方法。
(項目54)
システムであって、
項目1~33のいずれか一項に記載の前記インサートを受容するように構成される試験装置であって、ハウジングを備える本体と、前記ハウジングを通って延在する内側通路と、を含む、前記試験装置と、
前記内側通路内に移動可能に配置されて、前記インサートから離間配置された隆起位置または前記インサートに対向して配置された下降位置に配置されるように構成される、プランジャと、
を含む、前記システム。
(項目55)
前記試験装置が、そこから延在する2つのアライナを備える基部を含み、
前記アライナが、前記インサートを受容して、その配向を維持するように構成される、項目54に記載のシステム。
(項目56)
前記基部が、それを通って延在するスロットを含み、
前記試験装置が、前記基部の前記スロット内に配置されるように構成されるスライドを含む、項目54または55に記載のシステム。
(項目57)
前記試験装置が、前記プランジャと前記ハウジングの間に配置されたばねを含み、
前記ばねが、前記プランジャを前記インサートの方向に圧接する、項目54~56のいずれか一項に記載のシステム。
(項目58)
前記プランジャが、前記隆起位置と前記下降位置との間の垂直軸に沿って移動するように構成される、項目54~57のいずれか一項に記載のシステム。
(項目59)
前記プランジャが、プレートを備える底端部と、前記底端部から垂直に延在する棒と、を含む、項目54~58のいずれか一項に記載のシステム。
(項目60)
前記プランジャの前記プレートが、前記インサートの前記電極と電気接触して配置されるように構成される、電気接点を備える回路基板を含む、項目54~59のいずれか一項に記載のシステム。
(項目61)
記録装置、増幅器、電源、コントローラ、ユーザーインターフェース、電圧計、及び前記試験装置に電気的に接続されている電流計のうちの少なくとも1つまたはその組み合わせを更に含む、項目54~60のいずれか一項に記載のシステム。
(項目62)
システムであって、
(i)項目1~33のいずれか一項に記載の前記インサートと、
(ii)項目34~43のいずれか一項に記載の前記アダプタと、
(iii)電流ジェネレータを含む増幅器、電圧計または電流計のうちの少なくとも1つと、を含み、
前記インサートの前記電極が前記アダプタの前記電極に電気的に接続されており、
前記アダプタの前記電極が、回路、及び前記増幅器、前記電圧計または前記電流計の少なくとも1つに操作可能に連結されている、前記システム。
(項目63)
1つ以上の細胞からの反応を評価する方法であって、
(a)1つ以上の細胞を項目1~33のいずれか一項に記載の前記インサートの前記透過性固体支持体で成長させることと、
(b)項目34~43のいずれか一項に記載の前記アダプタ内に前記インサートを配置することと、
(c)項目54~60または項目62のいずれか一項に記載の前記システムに前記アダプタを設置することと、
(d)前記1つ以上の細胞へ1つ以上の刺激を加えることと、
(e)前記1つ以上の細胞からの前記1つ以上の刺激への1つ以上の反応を測定することと、
を含む、前記方法。
(項目64)
薬剤の毒性を評価する方法であって、
(a)項目1~33のいずれか一項に記載の前記インサートの前記透過性固体支持体上の1つ以上の細胞及び/または1つ以上の組織外植片を培養することと、
(b)少なくとも1つの薬剤を、前記1つ以上の細胞及び/または前記1つ以上の組織外植片に曝露することと、
(c)前記1つ以上の細胞及び/または前記1つ以上の組織外植片の1つ以上の形態的変化を測定及び/または観察することと、
(d)前記形態的変化が減少した細胞の生存可能性を示す場合、前記薬剤が有毒として特徴付けられ、前記形態的変化が無変化のまたは増加した細胞の生存可能性を示す場合、前記薬剤は無毒として特徴付けられるように、前記1つ以上の細胞及び/または前記1つ以上の組織外植片の前記1つ以上の形態的変化を、前記薬剤の前記毒性に相関させることと、
を含む、前記方法。
(項目65)
1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の軸索の髄鞘形成または脱髄を測定する方法であって、
(a)少なくとも1つの軸索を成長させるのに十分な時間及び条件下で、項目1~33のいずれか一項に記載の前記インサートの前記透過性固体支持体上の前記1つ以上の神経細胞及び/または前記1つ以上の組織外植片を培養することと、
(b)前記1つ以上の神経細胞及び/または前記1つ以上の組織外植片の前記1つ以上の軸索の髄鞘形成の量を検出することと、
を含む、前記方法。
(項目66)
1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の軸索の髄鞘形成または脱髄を測定する方法であって、
(a)少なくとも1つの軸索を成長させるのに十分な時間及び条件下で、項目1~33のいずれか一項に記載の前記インサートの前記透過性固体支持体上の前記1つ以上の神経細胞及び/または前記1つ以上の組織外植片を培養することと、
(b)項目34~43のいずれか一項に記載の前記アダプタ内に前記インサートを配置することと、
(c)前記1つ以上の神経細胞及び/または前記1つ以上の組織外植片の複合活動電位を誘導することと、
(d)前記複合活動電位を測定することと、
(e)前記複合活動電位に基づいて、前記1つ以上の神経細胞の髄鞘形成のレベルを定量化することと、
を含む、前記方法。
金属電極を求められている構成に配置するために使用する、代表的なマスクの概略的な上面図である。マスクは、インサート内にカチリと係合するように設計されている。 代表的な電極構成の概略的な上面図であり、そこで、点線はヒドロゲル構造物がどこに配置されることができるかを示す。 電極及び2つのヒドロゲルマトリックス層を含む、代表的なインサートの概略的な上面図である。 インサートで実施されるように構成される、代表的なアダプタの概略的な斜視図である。 インサート及びアダプタの概略的な組立品である。 インサート及びアダプタの組立品の概略的な分解図である。 インサートの電気生理学的試験のための代表的なシステムの斜視図である。 透過性MEA装置のプロトタイプの図であり、配置した多電極パターンを備える、代表的なインサートの図である。 透過性MEA装置のプロトタイプの図であり、支持環上の透過性固体基板により作成される平坦電極の図である。金の微小電極及び参照電極が見える。ヒドロゲルは、微細電極上に直接作成した。 透過性MEA装置のプロトタイプの図であり、透過性MEA装置がどのように従来の6ウェル培養皿の内部に収まるように設計されているかを示す図である。 カスタム電気生理学装置内に入れたヒドロゲル構造物を備える、MEAインサートの図である。 低周波数(左パネル)及び高周波数(右パネル)領域のヒドロゲルの抵抗率を示す、一連のグラフである。***はp<0.001を示す。 低周波領域のヒドロゲルの位相角を示すグラフである。**はp<0.01を示し、***はp<0.001を示す。 透過性支持体上に製作されて、複合活動電位の記録を得るために使用するヒドロゲルマトリックス中の後根神経節(DRG)組織を含む、平坦電極の拡大図である。 特徴のある生物学的反応を示す、電圧対時間のグラフである。左:S2-3-1からの特徴的な陰性反応。右:S4-5-2からの特徴的な陽性反応。始動ピークは、刺激アーチファクトである。 構造物S2-3-1(1番上のシリーズ)及びS2-3-2(1番下のシリーズ)からの完全なパルス列電気生理学データを示す、電圧対時間の図である。反応は、星印で示す。基準反応に関して、32の刺激だけが目視できる疲れにより伝導された。TTX反応で、接地電圧はS2-3-1でフローティングに見えるが、反応挙動は存在しない。TTX後反応のS2-3-1の短縮されたあらゆる反応は、計数されなかった。
本発明の方法及び他の態様に関係する様々な用語が、本明細書及び特許請求の範囲の全体で使用される。そのような用語は、別段の指示がない限り、当技術分野でのそれらの通常の意味が付与されるものとする。他の特に定義される用語は、本明細書に提供される定義と一致する形で解釈されるものとする。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。
本明細書において使用される、「約」という用語は、測定可能な値(例えば、量、一時的な継続期間など)について言及するとき、既定値から±20%、±10%、±5%、±1%または±0.1%の変動を包含することを意味し、そのような変動は、開示される方法を実行するために適切である。
本発明の明細書及び特許請求の範囲で用いられる「及び/または」という表現は、そのように接続される要素の「一方または両方」を当然意味する。すなわち、要素は、ある場合では連言的に示され、他の場合では選言的に示される。明らかにそれとは反対の指示がない限り、特に特定されたこれらの要素に関連しても関連しなくても、「及び/または」の節で特に特定された要素以外の他の要素が任意により示されてもよい。したがって、非制限的な例として、「A及び/またはB」とは、「備える(comprising)」などのオープンエンドの語と共に使用されるとき、一実施形態で、BのないA(任意にB以外の要素を含む)を指す。別の実施形態では、AのないB(任意にA以外の要素を含む)を指し、更に別の実施形態では、AとBの両方(任意に他の要素を含む)を指す。
本明細書及び特許請求の範囲で使用する場合、「または」は、上で定義した「及び/または」と同じ意味を当然有する。例えば、リスト中の品目を区分するとき、「または」または「及び/または」は包括的なものとして解釈される。すなわち、要素のうちのいくつかまたはその多数、及び、任意でリストにない追加の品目のうちの少なくとも1つを含むが、1つ以上も含むとして解釈される。明らかにそうでないことを示す用語(例えば、「のうちの1つのみ」もしくは「のうちのちょうど1つ」、または特許請求の範囲で使用する場合「からなる(consisting of)」)は、要素のうちのいくつかまたは多数のうちのちょうど1つを含むことを意味する。一般に、本明細書で使用する場合「または」という用語は、排他的な語句(「いずれか」「のうちの1つ」「のうちの1つのみ」または「のうちのちょうど1つ」)が先行するとき、排他的な選択肢(すなわち、「両方でなく、どちらか一方」)を示すと解釈されるだけである。特許請求の範囲で使用するとき、「から本質的になる(consisting essentially of)」は、特許法の分野で使用する通常の意味を有するものとする。
本明細書で使用する場合、「備える(comprising)」(ならびに、「備える(comprise)」「備える(comprises)」及び「備える(comprised)」などを含む任意の形態)、「含む(including)」(ならびに「含む(includes)」及び「含む(include)」などを含む任意の形態)、または「含有する(containing)」(ならびに、「含有する(contains)」及び「含有する(contain)」などを含む任意の形態)という用語は、包括的または非制限的であり、追加の記載していない要素または方法の工程を除外しない。
本明細書において、「X~Yの整数」という語句は、端点を含む、任意の整数を意味する。すなわち、範囲が開示される場合、端点を含む範囲の各整数が開示される。例えば、「X~Yの整数」という語句は、1、2、3、4または5、同様に1~5の範囲を開示する。
本明細書で使用する場合、「複数」という用語は、1を超える任意の量または数として定義される。
本明細書で使用する場合、「実質的に等しい」とは、所与の測定した測定基準で、異常または通常の範囲と相関していることが公知の範囲内を意味する。例えば、対照試料が罹患患者からである場合、実質的に等しいとは、異常範囲内である。対照試料が試験している状態がないことが公知の患者からである場合、実質的に等しいとは、その所与の測定基準の通常の範囲内にある。
本明細書で使用する場合、「取り付ける(attach)」「取り付け(attachment)」「付着する(adhere)」「付着した(adhered)」「付着している(adherent)」などの用語は、表面に、例えば電極、ヒドロゲルもしくはポリマーを不動化するまたは固定することを一般に意味する(例えば、物理吸収、化学結合などの処理またはそれらの組み合わせによって)。
本明細書で使用する場合、「容器(vessel)」という用語は、任意のチャンバ、窪み、容器、収容部または間隙である。いくつかの実施形態で、容器は、約1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、90、80、70、60、50、40、30、20、15、12、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1μL以下の全容量を保持できるウェルである。いくつかの実施形態で、容器は、膜によって分離される第1及び第2の空洞を含み、第1または第2の空洞のそれぞれの全容量は、約100、90、80、70、60、50、40、30、20、15、12、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1mL以下である。いくつかの実施形態で、合算した第1及び第2容器の全容量は、約100、90、80、70、60、50、40、30、20、15、12、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1mL以下である。本明細書で開示されるインサート、装置または固体支持体は、互いに流体連通する複数の容器を含むことができる。いくつかの実施形態で、インサート、装置または固体支持体は検出容器を備えており、それは、容器の内容物を刺激して、容器の記録の検出を可能にすることができるように、1つ以上の電極もしくは他の開示した装置の近くに、または実質的に近くにあるように構成される。いくつかの実施形態で、インサート、装置または固体支持体は試薬導管を備えており、それは、反応容器を検出容器に接続する、分岐状もしくは非分岐状の直線形、湾曲形または非直線形でもよい。いくつかの実施形態で、少なくとも一部の試薬導管は、固体(例えば、粉末)または液体の細胞培地の少なくとも1つ、2つ以上の成分を含む。容器(複数可)は、約5または約10または約50ミリリットルの容積により画定される空洞を含むことができる。いくつかの実施形態で、容器は、約1ミリリットル~約50マイクロリットルの容積である。いくつかの実施形態で、容器は、約5マイクロリットル~約40マイクロリットルの容積である。いくつかの実施形態で、容器は、約500マイクロリットル~約30ミリリットルの容積である。容器(複数可)は、容器空洞内の1つ以上のヒドロゲル構造を含むことができて、ヒドロゲル構造は、生体試料、環境試料または細胞が播種され得る、更なる空洞を有することができる。ヒドロゲル構造は、容器サイズと適合する任意のサイズの寸法でもよい。いくつかの実施形態のヒドロゲルマトリックスは、容器の底面の全体またはその一部を覆う、均一に寸法を設定された層でもよい。3次元形状(例えば、円筒形、矩形プリズム様構造または細長い楕円形構造)は、これらの実施形態により想到される。
本明細書で使用する場合、「培養容器」という用語は、細胞を成長させる、培養する(culturing)、培養する(cultivating)、増殖させる(proliferating)、増殖させる(propagating)、または同様に処理するのに適している、任意の容器として定義される。培養容器は、本明細書では「培養インサート」または「インサート」と称されてもよい。いくつかの実施形態で、培養容器は、生物学的適合性プラスチック及び/またはガラスから製造される。いくつかの実施形態で、プラスチックは、タンパク質、核酸、栄養分(例えば、重金属及びホルモン)、抗生物質、及び孔を通る他の細胞培養培地成分の拡散を可能にする、1つ以上の孔を含むプラスチックの薄層である。いくつかの実施形態で、複数の孔は、幅が約0.1、0.5、1.0、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50マイクロメートル以下である。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルマトリックスの培養容器は、基部または任意の他の構造を含まない。いくつかの実施形態で、培養容器は、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックス、及び種々の培養培地を含有するように設計されている。いくつかの実施形態で、培養容器は、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスからなる、またはそれから本質的になる。いくつかの実施形態で、培養容器の唯一のプラスチック構成要素は、培養容器の外側の地点から細胞成長のウェル及び/またはゾーンの容積を分離する、培養容器の側壁及び/または底部を作成する、細胞容器の構成要素である。いくつかの実施形態で、培養容器は、ヒドロゲル及び1つ以上の単離した膠細胞を含む。いくつかの実施形態で、培養容器は、ヒドロゲル及び1つ以上の単離した膠細胞を含み、それに、1つ以上の神経細胞が播種される。
図2は、本明細書で開示されるシステムを用いて実施されるように構成される、代表的なインサート100の概略的な上面図である。インサート100は、実質的に平坦または平面な上面104及び対向する底面を有する、支持体102を一般的に含む。支持体102は、1つ以上の細胞をその内部に受容するように構成される、透過性固体支持体(例えば、透過性細胞培養支持体または膜)であり得る。いくつかの実施形態で、支持体102は、直径が約0.2μm~約0.6μmの複数の孔を含むことができる。いくつかの実施形態で、支持体102は、直径が約0.4μmの複数の孔を含むことができる。いくつかの実施形態で、支持体102は、ポリエステルから作成されることができる。複数の電極106のパターンは、インサート100の上面104に物理的に取り付けられることができる(例えば、印刷など)。5つの電極106を有するとして示すが、インサート100が様々なパターンの任意の数の電極106を含むことができると理解すべきである。したがって、任意の種類及び/またはパターンの多電極アレイが、インサート100の上面104に作成されることができる。
いくつかの実施形態で、電子ビーム真空蒸着法、物理蒸着法及び/またはスナップ取り付け式マスク技術は、電極106をインサート100の上面104に物理的に取り付けるために使用することができる。例えば、いくつかの実施形態で、上述かつ図1で示されるマスクアセンブリ200は、電子ビーム真空蒸着法を使用して、電極106をインサート100に物理的に取り付けるために使用することができる。マスクアセンブリ200は、フレーム202及び交換可能なマスク204を含むことができる。フレーム202は、マスク204及びインサート100の適正な整列を確実にするために、取り外し可能にマスク204を受容かつ係合できる。
フレーム202は、フレーム202の周辺部を形成する実質的に円筒状のプラットフォーム206と、それを通って延在する中央開口部208と、を含む。フレーム202は、互いに対して約120度放射状に離間配置される、3つの軸210を含む。軸210はそれぞれ、プラットフォーム206に実質的に垂直な部分212と、垂直部212に対して角度のある中間部214と、中間部214に対して更に角度のある遠位部216と、を含む。軸210は、インサート100の溶液点検口内にカチリと係合するように構成されかつ必要な大きさに設定されることができる。
マスク204は、その内部に作られたパターン形成した孔220を備える、実質的に平面な本体218を含む。パターン形成した孔220は、インサート100に物理的に取り付けられる所望の電極パターンと一致する。図1に示す例で、パターン形成した孔220は、互いの反対側の2つの一対の孔222、224と、孔222と224との間のT字状の孔226と、を含む。後で詳述するように、一対の孔222、224は、インサート100の刺激電極及び記録電極106に対応することができて、孔226はインサート100の接地電極106に対応できる。
孔220のそれぞれの細長い形状かつ丸い端点は、電極及び各電極の端の接合パッドの形成を可能にする。アセンブリ200の軸210は、材料の屈曲を可能にするために、プラスチック(例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)など)から作成することができる。インサート100は軸210の間にカチリと連結されて、アセンブリ200をインサート100と係合できる。それから、電子ビーム真空蒸着法を使用して、金属(例えば、金、チタン、ステンレス鋼、白金、イリジウム、タングステン、カーボンファイバ、銀、塩化銀、それらの組み合わせなど)をインサート100上に付着させて、電極106を作製できる。
一例として、図2は、図1のマスク204に対応する電極106のパターンを示す。いくつかの実施形態で、電極106は、微小電極であり得る。電極106はそれぞれ、細長い部分108及び丸い端部110(例えば、接触パッド)を含む。電極106は、電極106の長手方向軸が上面104と平行であるように、実質的に平坦で、上面104に隣接して及び/またはそれに対して配置される。したがって、電極106は、支持体102の上面104に沿って実質的に水平配向にあることができる。いくつかの実施形態で、電極106は、突出する及び/または3次元であり得て、上面104に対して様々な角度または平面で延在する。図2の電極106は、互いに実質的に平行に配置され、距離116(例えば、約1μm~約1cm)によって互いから離間配置した、第1刺激電極112及び第1記録電極114を含む。したがって、電極112、114は単独で、互いに電気的に接続していない。電極112、114の端部110は、インサート100の周辺部の方向に配向する。
図2のインサート100は、互いに実質的に平行に配置され、距離122によって互いから離間配置した、第2刺激電極118及び第2記録電極120を含む。距離122は距離116に実質的に等しくなることができて、電極118、120は電極112、114と平行であり得る。したがって、電極118、120は、互いにまたは電極112、114に電気的に接続していない。電極118、120の端部110は、電極112、114から離れる方向に向いて、インサート100の周辺部の反対側の方に配向する。
インサート100は、電極112、118の間に配置した接地電極124を含む。電極124は実質的にT字形状を画定することができ、そこで、第1部分126は電極112、118と並行かつインラインに延在しており、第2の垂直部分128は第1部分126まで垂直に延在する。電極124の端部110は、垂直部128に位置して、インサート100の周辺部の方向に配向している。電極124は最初は、電極112、114、118、120に電気的に接続していない。
1つ以上のヒドロゲルマトリックス層130、132は、インサート100の上面104に配置されて、少なくとも部分的にそれに固着されることができる。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルマトリックス層130、132は、ポリエチレングリコール(PEG)、Puramatrix、メタクリル化ヒアルロン酸、アガロース、メタクリル化ヘパリン、ピロール(Py)、酸化ポリピロール(Ppy)、及びメタクリル化デキストランなどの化合物のうちの1つまたはその組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。ヒドロゲルマトリックス層130、132は、少なくとも部分的に電極106を覆う。いくつかの実施形態で、2つに分離したまたは離間配置したヒドロゲルマトリックス層130、132の代わりに、1つのヒドロゲルマトリックス層を使用できる。例えば、支持環は、一部の電極106上のヒドロゲルマトリックス層の境界を画定するために使用できる。ヒドロゲルマトリックス層130、132は、インサート100の上面104を越えて及びその上に延在する。
ヒドロゲルマトリックス層130、132は、ヒドロゲルマトリックス層130、132の表面からインサート100の上面104及び/または電極106まで延在する、少なくとも1つの空洞134、136(例えば、鍵穴形の空洞)を含む。各空洞134、136は、隣接する横領域138及び底領域140を含む。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルマトリックス層130、132の厚さは、約50マイクロメートル~約500マイクロメートルであり得る。いくつかの実施形態で、横領域138は、約5マイクロメートル~約50マイクロメートルの高さを有することができる。いくつかの実施形態で、底領域140は、約1mm~約5mmの表面積を有することができる。
いくつかの実施形態で、電極106は、空洞134、136の底領域140の下に配置される。いくつかの実施形態で、電極106は、底領域140の真上に突出する。空洞134は、電極114を電極112に、及び電極112を接地電極124に電気的に接続する空間を提供する。空洞136は、電極120を電極118に、及び電極118を接地電極124に電気的に接続する空間を提供する。空洞134、136及びそれぞれの空洞に接続している電極の組み合わせは、インサート100の神経突起構造物を画定することができる。
本明細書に記載されるように、インサート100は、マルチウェル培養プレートのウェル内に配置されることができて、細胞培養は、空洞134、136内に配置されて及び/または成長することができる。刺激電極112、118は、電源に接続することができる(例えば、コントローラ、増幅器、ユーザーインターフェース、電圧計、それらの組み合わせなどを介して)。記録電極114、120及び接地電極124は、電気生理学的試験システムに接続することができる。したがって、電流は、刺激電極112、118を介して空洞134、136内の細胞に供給されることができ、細胞は、空洞134、136内で電極106の間に電気接続を提供して、特定の電気特徴(例えば、抵抗、電圧降下など)は、記録電極114、120で測定されて、細胞の状態を判定できる。
図3は、代表的なインサート150の上面図である。インサート150は、構造及び/または機能でインサート100と実質的に同様であり得る。したがって、類似の参照番号は類似の構造を表す。2つの対の電極106だけを含む代わりに、インサート150は、支持体102の両側に多極電極106のパターンを含む。図示していないが、インサート150が、電極106に電気的に接続する接地電極を含むことを理解すべきである。電極106は、電極106のそれぞれのための接触パッドを画定する、正方形状端部110を含むことができる。上面104は、その上に電極106が配置される、平坦底部を画定する。
インサート150の両側上の1セットの電極152、154は、刺激電極として使用できると共に、電極156、158の対向するセットが記録電極として使用できる。インサート150は、インサート150の上面104に固着される、1つのヒドロゲルマトリックス層160を含む。いくつかの実施形態で、インサート150は、構造的支持体を提供して、ヒドロゲルマトリックス層160の周辺部を維持する、培養または支持環162を含むことができる。環162は、その端で上面104に物理的に取り付けられることができて、上面104から約15ミリメートルの高さまで延在する。実質的に環状構造として示されるが、支持環162が任意の形状であり得ることを理解すべきである。いくつかの実施形態で、インサート150が支持プレートのウェル内に少なくとも部分的に配置されることができるように、環162は必要な大きさにされ得る。いくつかの実施形態で、支持プレートは、直径約3.5cmの1つのウェルを有することができる、または、直径約3.46cmの6ウェル、直径約2.21cmの12ウェルもしくは直径約1.55cmの24ウェル、もしくはおよそ直径約0.1~1cmの48ウェルを有する、マルチウェルプレートであり得る。したがって、異なる寸法の環162は、インサート150を用いて実施される、ウェルプレートの種類に基づいて使用できる。
ヒドロゲルマトリックス層160は、ヒドロゲルマトリックス層160を通って電極106及び/または上面104まで延在する、2つの別個の空洞134、136を含む。空洞134、136内に配置される細胞は、誘導培地に、空洞134、136の両側の対応する刺激電極と記録電極の間の電気接続を提供する。ヒドロゲルマトリックス層160と共に示されるが、いくつかの実施形態で、インサート150は、ヒドロゲルマトリックス層160なしで実施されることができる。例えば、インサート150は、ヒドロゲルマトリックス層160を使用せずに、器官型脳切片を培養するために使用できる。
図4Aは、本明細書に記載のインサートを用いて実施されるように構成される、代表的なアダプタ250(例えば、カラー)の概略的な斜視図である。アダプタ250は、ポリマー樹脂から製造した本体252を一般に含む。いくつかの実施形態で、本体252は、一緒に結合されている材料の2つ以上の層で作成されることができる。いくつかの実施形態で、本体252の上面260は絶縁材料の層から作成されて、アダプタ250及びインサートが互いに対して配置されるとき、アダプタ250及びインサートの特定の構成要素または部分の間に絶縁を提供できる。本体252は、実質的に正方形状であり得る。いくつかの実施形態で、本体252は、任意の形状(例えば、正方形、矩形、楕円形、円形、多角形など)であり得る。いくつかの実施形態で、本体252の側縁部254、256は約49mmとしてサイズ設定されることができて、本体258の高さまたは厚さ258は約1mmとしてサイズ設定されることができる。本体252は、上面260を有する、実質的に平面または平坦な形状を画定する。
1つ以上の電極262は、所定パターンの上面260に物理的に取り付けられることができる。電極262のそれぞれは実質的に平坦な形状であり得て、上面260に対して実質的に平行に延在する。いくつかの実施形態で、電極262は、突出する及び/または3次元であり得て、上面260に対して様々な角度または平面で延在する。いくつかの実施形態で、各電極262は、実質的に正方形状を画定することができる。いくつかの実施形態で、電極262が上面260に配置されているパターンは、本体252の周囲縁部254、256から離間配置される正方形を画定することができる。いくつかの実施形態で、電極262が上面260に配置されているパターンは、正方形、矩形、楕円形、円形、多角形などであり得る。特に、電極262のパターンは、試験装置とインサートの電極106の間に電気接触を作成するために、試験装置の接点に対応するように選択されることができる。
アダプタ250は、インサートの支持環162をそれを通って受容するように構成される、中央開口部264を含む。したがって、中央開口部264の直径268は、インサートの支持環162の直径に対応して、それを通って受容するために必要な大きさにされる。アダプタ250は、放射パターンで中央開口部264の周囲に配置される、1つ以上の接点ピン266を含む。接点ピン266は、中央開口部264と電極262の間に配置される。接続経路270は、接点ピン266と電極262を電気的に結合して及び/または接続する。接点ピン266は、アダプタ250の厚さまたは高さ258を横断して、アダプタ250の底面まで延在し、インサート上の電極106の端部110に対して接触または嵌合するように構成される。アダプタ250が中央開口部264を通って支持環162を受容して、アダプタ250の底面がインサートの上面に対して配置されるとき、接点ピン266は、インサートの電極106の端部110と接触して、電気接続を作成し、経路270は、接点ピン266及び電極262と電気的に結合する。
電極106、262の間の電気接続は、アダプタ250がインサート上に配置されるとき、それによって達成されることができる。アダプタ250の任意の絶縁層は、インサートの残りの表面に絶縁または保護を提供するだけであり、一方で電極106、262は、電気接触を得るために露出したままであることを理解すべきである。アダプタ250は、電気生理学的試験装置に電気的に接続して、中間コネクタとして機能することができ、その結果、電流は、電気生理学的試験装置からインサートに供給されて、インサート上の細胞の特徴を決定するために測定されることができる。
図4B及び図4Cは、インサート274及びアダプタ250の代表的な組立品272の概略的な組立図及び概略的な分解図を示す。インサート274は、電極(及び、いくつかの実施形態ではヒドロゲル)が配置され得る、支持環162を含む。インサート274の本体104は、支持環162の周囲の越えた、実質的に円形の延伸を画定することができる。上述したとおり、インサート274の電極の端部110(例えば、接触パッド)は、支持環162の周囲を越えて延在して、支持環162の外側で本体104の上面に沿って配置される。図4Bに示すように、支持環162は、アダプタ250の底面がインサート274の上面に対して嵌合するように、アダプタ250の中央開口部264を通過する。具体的には、接点ピン266は、支持環162の周囲の外側に配置されている電極106の端部110に対して嵌合して、それとの電気接続を作成する。接点ピン266は、経路270を介して電極262に電気的に連結される。
いくつかの実施形態で、底プレート276は、インサート274及び/またはアダプタ250の底面に連結できる。底プレート276は、実質的に平面の正方形状を有する本体282を含む。いくつかの実施形態で、底プレート276の本体282は、アダプタ250の形状に対応するように構成されて、サイズ設定されることができる。底プレート276は、インサート274の底領域と実質的に相補的であるように構成される凹部278を含むことができ、その結果、底プレート276に対するインサート274の位置が、維持されることができる。いくつかの実施形態で、締結具(図示せず)は底プレート276の開口部280を通過して、底プレート276をインサート274に固定できる。
組立品272は、インサート274の細胞に電流を印加するために、試験装置と共に使用できる。特に、電流は、試験装置からアダプタ250の電極262へ供給されることができて、経路270を通って電極262から接点ピン266に通過し、接点ピン266から電極106に通過し、更に細胞内に入る。出力電流は、電極106から接点ピン266に、電極262に逆方向形式で受容されることができて、判定のための試験装置への出力は、細胞と関連する特徴を測定できる。
図5は、本明細書に記載するインサートの電気生理学的試験のための例示システム300の斜視図である。システム300は、試験装置302、及び電気生理学ユニット304を集合的に画定する複数の構成要素を含む。パターン形成した電極を有するインサートが、神経突起構造物と直接接触している電極の両端と、刺激及び記録電気生理学ユニット304との間に形成される、連続電気接続を効率的に有することができるように、試験装置302は構成される。
装置302は、基部306と、主組立品または装置302の本体310内に移動可能に配置したプランジャ308と、を含む。基部306は、装置302の反対側の2つのインサートフランジまたはアライナ312を含む。アライナ312は、装置302内に置いたインサート314が、流体点検口に対して正しいまたは所望の配向に維持されるのを確実にする。プランジャ308の下端は、インサート314の電極接触パッド(例えば、端部110)に対応する電気接触を備えるプレート316を含む。したがって、アライナ312は、プレート316がインサート314に近づいて、それに対して配置されるとき、プレート316の電気接触が、インサート314の対応する電極嵌合パッドと嵌合するのを確実にする。基部306は、それを通してスライドガラス320を受容するように構成される、スロット318を含む。スライド320は、試験中、インサート314が静置できる、平坦な洗浄可能な表面を提供する。基部306は、本体310から着脱可能であり得て、プランジャ308が挿入される隙間を提供できる。
本体310は、安定性を装置302に提供して、インサート314上にばね仕掛けのプランジャ308を保持する。本体310は、プランジャ308が垂直軸に沿って移動する、内側通路326を備える実質的に円筒状のハウジング322と、プランジャ308の垂直移動を抑制するための複数の垂直なスロット324と、を含む。プランジャ308は、実質的に円筒形状を画定する底端部328と、底端部328から垂直に延在する棒330を含む。棒330の直径は、底端部328の直径より小さくサイズ設定される。
円錐状圧縮ばね332は、棒330の周囲に配置されており、一端はハウジング322の内側上面に対して配置され、対向端は底端部328の上面に対して配置される。ばね332は、それによって、底端部328に対して力を加えて、インサート314に対して下方へ底端部328(例えば、プレート316)を動かす。装置302は、プランジャ308を隆起位置(例えば、インサート314上に隆起した)に固定するための固定機構(例えば、ピン334)を含むことができる。基部306を取り外すことは、装置302の組み立ての間、プランジャ308及びばね332が通路326内に挿入されるのを可能にする。
プレート316は、インサート314の電極との電気接点(直接または間接的に)に置かれるように構成される、金メッキした接点を有する回路基板を含むことができる。いくつかの実施形態で、アダプタ(例えば、アダプタ250)は、プランジャ308のプレート316下に配置されて(インサート314の有無にかかわらず)、プランジャ308の接点とアダプタ(またはインサート314)の電極の間に電気接触を作成するために、インターフェースを提供できる。インサート314と共に使用される場合、インサート314がインサート314の電極とアダプタの間に電気接触を最初に作成することにより電極の様々なパターンを有する場合であっても、アダプタは、プランジャ308とインサート314の間の電気接触を確実にする手段を提供する。アダプタは、プレート316の接点と適合する、電極のパターンを含むことができる。したがって、アダプタは、プレート316とインサート314の間の適合性を確実にするインターフェースとして作用する。
ばね322はプランジャ308に下方力を提供して、プレート316の接点とインサート314の電極の間の連続的な圧力接続を確実にする。棒330の頂部は、開口部336を通り、ハウジング322の上面の上に延在する。棒330は中空であり、配線338が、プランジャ308を通ってプレート316上の回路基板から通過して、電気生理学ユニット304に電気的に接続するのを可能にする。配線338は、刺激電流がインサート314に供給され得るように、プランジャ308のプレート316の接点に電気的に接続する。中空ロッド330は、プランジャ308が配線338に干渉されずに連続して上下に移動できるのを確実にする。
いくつかの実施形態で、1つの刺激接点は、同一の刺激がインサート314の2つの構造物または空洞のそれぞれに連続的に分配されるように、プレート316の接点に取り付けられることができる。装置302は、本体310に固着して、複数のジャック342(例えば、Bayonet Neill-Concelman(BNC)ジャック)を支持するように構成される、ボード340を含む。プランジャ308から延在する配線338は、インターフェース344を介してジャック342と電気的に接続する。ジャック342のうちの1つ以上は、配線346を使用して電気生理学ユニット304に電気的に接続できる。
電気生理学ユニット304は、記録装置348、増幅器350、電源352、コントローラ354、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)356、電圧計358、電流計360、それらの組み合わせなどを含むことができる。いくつかの実施形態で、増幅器350は、電気生理学ユニット304用の電流源として機能する、ジェネレータを含むことができる。電気生理学ユニット304の構成要素のそれぞれは、配線346及び/または1つ以上の回路を介して、互いに電気接続することができる。
「電気刺激」という用語は、細胞が交流(AC)または直流(DC)の電流に曝露される工程を意味する。電流は、固体基板内に導入されることができる、または細胞培養システムの細胞培地または他の適切な構成要素を介して印加されることができる。いくつかの実施形態で、電気刺激は、細胞培養容器全体に電圧電位を作成するために、装置またはシステム内の異なる位置で1つ以上の電極によって、装置またはシステムに提供される。電極は、1つ以上のワイヤによって、1つ以上の増幅器、電圧計、電流計及び/または電気化学システム(例えば、電池または発電装置)と操作可能に接続している。このような装置及びワイヤは、それを通って電流を作成して、それによって電位が細胞培養システム全体に作成される回路を作製する。
大部分の平面微小電極アレイ(MEA)は、多重使用装置であるように設計されている。従来のアプリケーションで、細胞は平面MEAの最上面で培養され、実験が終わるとき、細胞は取り除かれて、装置は洗浄され、残留する有機物はプラズマ処理で除去され、そうして装置は複数回再利用されることができる。3D及び透過性基板MEAに関して、ヒドロゲル及び組織が装置内にぴったり一体化される場合、MEAを再利用することはできない。したがって、提案される低コスト製造プロセスは、この方法を商業規模に実現可能にする重要な革新である。いくつかの実施形態で、使い捨ての単回使用装置は、組織を装置内へ取り込むのためのキットとして、顧客に直接出荷されることができる。このような装置は神経系の解剖学的特徴を模倣する、3D組織構造を提供する、その種類の最初のであり、すべてが「オンチップ」に組み込まれる。
いくつかの実施形態で、0.4μm孔を有する薄い(約10μm)透明なポリエステルシート(SABEU GmbH & Co.,Germany)を、インサートを製作するために使用する。これは、そのTranswell(登録商標)透過性培養支持体を製造するために、Corningが使用したものと同じ材料である。電子ビームリソグラフィで作成したステンレス鋼シャドウマスクは、電子ビーム蒸着法を使用して、電極パターンの金属被覆を導くために使用する。チタン層は、金層が続く、ポリマー膜への接着を促進する。この工程は加熱を低減するために最適化されて、それは、多孔性膜の一体性を維持するのに必須である。電極パターンを有するシートは、プラスチック支持環に接着剤で固定されて、しわを防ぐと共に、ガラスまたはポリスチレン培養環を粉砕する、及びそれを接着剤で貼り付けるのを防ぐ。製造プロセスが終了した後、装置は酸素プラズマ処理により滅菌される。ヒドロゲルの微細パターンは、配置した電極を有する透過性支持体の最上面に直接製造される。このプロセスは、透過性基板上の平坦電極のインサートを作成するために効果的であり、インサートは、組織を培養するための培養皿内に直接適合して、次に電気生理学記録のために除去されるように設計される。アダプタを作成することにより、市販のMEA装置と共に使用できるようになる。
本明細書で使用する場合「ヒドロゲル」という用語は、水で満たされたまたは水で満たされることができるポリマー鎖の間の空隙を有する、ポリマー鎖の任意の非水溶性架橋型3次元ネットワークとして定義される。本明細書で使用する場合「ヒドロゲルマトリックス」という用語は、任意の3次元ヒドロゲル構造物、システム、装置または類似の構造として定義される。ヒドロゲル及びヒドロゲルマトリックスは当該技術分野において周知であり、種々の種類は、例えば米国特許第5,700,289号及び同第6,129,761号、ならびにCurley and Moore,2011;Curleyら,2011;Ironsら,2008;及びTibbitt and Anseth,2009に記載されており、それぞれが参照によりそれらの全体が組み込まれる。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスは、紫外線光、可視光または約300nm、400nm、450nmまたは500nmの波長を超える任意の光に、液化したプレゲル溶液を供することによって固化され得る。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスは、種々の形状(例えば、神経路を模するように設計された分岐形状)に固化され得る。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスは、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート(PEG)を含む。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスは、Puramatrixを含む。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスは、グリシジルメタクリレート-デキストラン(MeDex)を含む。いくつかの実施形態で、細胞は、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスに取り込まれる。いくつかの実施形態で、神経系からの細胞は、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックス内に取り込まれる。いくつかの実施形態で、神経系からの細胞は、シュワン細胞及び/または乏突起膠細胞である。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスは、動物(例えば、哺乳動物)の神経系からの組織外植片、及び神経系に由来するが、培養物中のその細胞群を富化するように単離されて培養された細胞の追加の群を含む。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスは、組織外植片(例えば、網膜組織外植片、DRGまたは脊髄組織外植片)、ならびに単離されて培養されたシュワン細胞、乏突起膠細胞及び/または小膠細胞の細胞群を含む。いくつかの実施形態で、2つ以上のヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスは、細胞培養容器内で同時に使用される。いくつかの実施形態で、2つ以上のヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスは、同じ細胞培養容器内で同時に使用されるが、ヒドロゲルは、ウェルなどの組織培養容器で独立してアドレス指定可能な微小環境を作成する、壁によって分離される。多重化細胞培養容器で、いくつかの実施形態は、1つのウェルまたは位置のヒドロゲルマトリックスが細胞培養容器の別のウェルまたは一のヒドロゲルマトリックスとは異なっても同一でもよいように、任意の数の前述のウェルまたは細胞培養容器内の、独立してアドレス指定可能な場所を含むことができる。
「細胞透過性ポリマー」という用語は、固体基板上で固体または半固体状態で架橋する際に空間を創出するのに十分な濃度及び/または密度で、同一または混合モノマーサブユニットを有する親水性ポリマーを指し、そのような空間は、細胞または細胞の一部が培養中に成長することができるように十分に生体適合性である。
「細胞不透過性ポリマー」という用語は、固体基板上で固体または半固体状態で架橋する際に生体適合性の間隔または区画を創出しないために十分な濃度及び/または密度で、同一または混合モノマーサブユニットを有する親水性ポリマーを指す。換言すれば、細胞不透過性ポリマーは、特定濃度及び/または密度で架橋した後に、培養中の細胞または細胞の一部の成長を支持することができないポリマーである。
細胞不透過性ポリマー及び細胞透過性ポリマーが、同じ、または実質的に同じポリマーを含み得るが、架橋後の濃度または密度の差異は、培養中の細胞または細胞の一部の成長を促すいくつかの部分を有するヒドロゲルマトリックスを創出することを、当業者であれば理解するだろう。
いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスは、種々の厚さを有することができる。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約800μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約150μm~約800μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約200μm~約800μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約250μm~約800μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約300μm~約800μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約350μm~約800μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約400μm~約800μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約450μm~約800μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約500μm~約800μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約550μm~約800μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約600μm~約800μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約650μm~約800μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約700μm~約800μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約750μm~約800μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約750μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約700μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約650μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約600μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約550μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約500μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約450μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約400μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約350μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約300μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約250μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約200μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約150μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約300μm~約600μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約400μm~約500μmである。
いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスは、種々の厚さを有することができる。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約10μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約150μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約200μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約250μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約300μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約350μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約400μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約450μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約500μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約550μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約600μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約650μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約700μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約750μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約800μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約850μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約900μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約950μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約1000μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約1500μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約2000μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約2500μm~約3000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約2500μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約2000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約1500μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約1000μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約950μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約900μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約850μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約800μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約750μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約700μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約650μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約600μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約550μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約500μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約450μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約400μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約350μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約300μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約250μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約200μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約100μm~約150μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約300μm~約600μmである。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスの厚さは、約400μm~約500μmである。
いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスは、1つ以上の合成ポリマーを含む。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスは、以下の合成ポリマー、ポリエチレングリコール(ポリエチレンオキシド)、ポリビニルアルコール、ポリ-2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、シリコーン、及びそれらの任意の誘導体または組み合わせのうちの1つ以上を含む。
いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスは、1つ以上の合成及び/または天然多糖類を含む。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスは、以下の多糖類、ヒアルロン酸、硫酸ヘパリン、ヘパリン、デキストラン、アガロース、キトサン、アルギニン酸塩、及びそれらの任意の誘導体または組み合わせのうちの1つ以上を含む。
いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスは、1つ以上のタンパク質及び/または糖タンパク質を含む。ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスは、以下のタンパク質、コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、タイチン、ラミニン、フィブロネクチン、フィブリン、ケラチン、シルクフィブロイン、及びそれらの任意の誘導体または組み合わせのうちの1つ以上を含む。
いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスは、1つ以上の合成及び/または天然ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルまたはヒドロゲルマトリックスは、以下のポリペプチド、ポリリジン、ポリグルタメート、またはポリグリシンのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態で、ヒドロゲルは、Khoshakhlagh et al.,“Photoreactive interpenetrating network of hyaluronic acid and Puramatrix as a selectively tunable scaffold for neurite growth”Acta Biomaterialia,January 21,2015に公開されているものから選択される,ポリマーのうちの1つまたはその組み合わせを含む。
細胞成長に適した任意のヒドロゲルは、2つの別個の密度の架橋ポリマー(1つは細胞透過性及び1つは細胞不透過性)を作成するのに十分な濃度、条件下、及び十分な期間で、本明細書に開示されるポリマーのうちのいずれか1つまたはその組み合わせを配置することによって形成され得る。これらのポリマーは、以下から選択されるものなどの合成ポリマー、多糖類、天然タンパク質もしくは糖タンパク質、及び/またはポリペプチドでもよい。
合成ポリマー
ポリエチレングリコール(ポリエチレンオキシド)、ポリビニルアルコール、ポリ-2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、シリコーン、それらの組み合わせ、及びそれらの誘導体など。
多糖類(合成または天然源から誘導される)
ヒアルロン酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、デキストラン、アガロース、キトサン、アルギニン酸塩、それらの組み合わせ、及びそれらの誘導体など。
天然タンパク質または糖タンパク質
コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、タイチン、ラミニン、フィブロネクチン、フィブリン、ケラチン、シルクフィブロイン、それらの組み合わせ、及びそれらの誘導体など。
ポリペプチド(合成または天然源)
ポリリジン、ならびにRAD及びEAKペプチドなど。
いくつかの実施形態で、開示するインサート及び/またはシステムは、ヒドロゲルマトリックス中の覆われた表面を含み、ヒドロゲルマトリックスは、細胞透過性及び細胞不透過性ポリマー、ペプチドネットワーク、糖、セルロースマトリックスまたはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態で、細胞不透過性ヒドロゲルは、細胞透過層の型または基部として機能する。いくつかの実施形態で、細胞不透過性ヒドロゲルは、約20w/v%(8%または10%を使用)のPEGジアクリレート、またはメタクリル酸ゼラチン、メタクリル酸デキストラン、メタクリル化ヒアルロン酸、アガロース、アクリルアミドなどを含む。いくつかの実施形態で、細胞透過性ヒドロゲルは、溶液の体積に対する重量(w/v)の約0.1%~約5.0%で、上述の細胞不透過性ヒドロゲルのいずれかを含む。いくつかの実施形態で、細胞透過性ヒドロゲルは、約1%時において、4w/v%のメタクリル酸ゼラチン及び/または約1%のMatrigelを含む。
「単離されたニューロン」という用語は、それらが本来成長する生物または培養物から除去または分離された神経細胞を指す。いくつかの実施形態で、単離されたニューロンは、懸濁液中の神経細胞である。いくつかの実施形態で、単離されたニューロンは、組織試料または非神経細胞を含む懸濁液を含む、より大きな細胞の混合物の構成成分である。いくつかの実施形態で、神経細胞は、例えば組織外植片の場合、それらが由来する動物から除去されるときに単離される。いくつかの実施形態で、単離されたニューロンは、動物から切除したDRG内のニューロンである。いくつかの実施形態で、単離されたニューロンは、ヒツジ細胞、ヤギ細胞、ウマ細胞、ウシ細胞、ヒト細胞、サル細胞、マウス細胞、ラット細胞、ウサギ細胞、イヌ細胞、ネコ細胞、ブタ細胞、または他の非ヒト哺乳動物から選択される、1つの種に由来する、またはそれらの種の組み合わせである、少なくとも1つまたは複数の細胞を含む。いくつかの実施形態で、単離されたニューロンは、ヒト細胞である。いくつかの実施形態で、単離されたニューロンは、ヒト神経細胞に類似する、または実質的に類似する、分化表現型を有するように予め調整される幹細胞である。いくつかの実施形態で、単離されたニューロンは、ヒト細胞である。いくつかの実施形態で、単離されたニューロンは、非ヒト神経細胞に類似する、または実質的に類似する分化表現型を有するように予め調整される幹細胞である。いくつかの実施形態で、幹細胞は、間葉系幹細胞、人工多能性幹細胞、胚幹細胞、造血幹細胞、表皮幹細胞、哺乳動物の臍帯から単離された幹細胞、または内胚葉系幹細胞から選択される。
「神経変性疾患」という用語は、中枢神経系及び/または末梢神経系への損傷によって引き起こされる、疾患を説明するために本明細書を通して使用される。開示されるモデル、システム、またはデバイスを使用して研究され得る、疾患の例であり得る代表的な神経変性疾患としては、例えば、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ルー・ゲーリッグ病)、アルツハイマー病、リソソーム蓄積症(「白質病」またはグリア/脱髄病、例えば、Folkerth,J.Neuropath.Exp.Neuro.,58,9,Sep.,1999に記載される)、タイ・サックス病(βヘキソサミニダーゼ欠損症)、他の遺伝病、多発性硬化症、虚血、事故、環境損傷などにより引き起こされる脳傷害または外傷、脊髄損傷、運動失調、及びアルコール依存症が挙げられる。更に、本発明は、神経変性疾患の治療に関する研究のために、培養中の神経細胞に対する薬剤の効能、毒性、または神経変性効果を試験するために使用することができる。神経変性疾患という用語は、例えば、自閉症、及びとりわけ統合失調症などの関連した神経性疾患を含む、神経発達障害も含む。
本明細書で使用する場合「神経細胞」という用語は、樹状突起、軸索、及び細胞体のうちの少なくとも1つもしくはその組み合わせ、または神経系組織から単離された任意の細胞もしくは細胞の群を含む細胞として定義される。いくつかの実施形態で、神経細胞は、軸索を含む、またはそれを形成することができる、任意の細胞である。いくつかの実施形態で、神経細胞は、シュワン細胞、膠細胞、神経膠、皮質ニューロン、神経組織から単離された、もしくはそれに由来する、またはニューロン表現型もしくは神経細胞の表現型に実質的に類似する表現型を有する細胞に分化した胚細胞、ニューロン表現型に分化した人工多能性幹細胞(iPS)、または神経組織に由来する、もしくはニューロン表現型に分化される間葉系幹細胞である。いくつかの実施形態で、神経細胞は、成人、青年、小児、または胎児対象からの後根神経節(DRG)組織、網膜組織、脊髄組織、または脳組織からのニューロンである。いくつかの実施形態で、神経細胞は、対象の神経組織から単離された細胞のうちのいずれか1つまたは複数である。いくつかの実施形態で、神経細胞は、哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態で、細胞は、ヒト細胞である。いくつかの実施形態で、細胞は、非ヒト哺乳動物細胞である、または非ヒト哺乳動物から単離された細胞に由来する。細胞が由来する元の動物から単離または分離される場合、神経細胞は、複数の種から単離されたニューロンを含んでもよい。
いくつかの実施形態で、神経細胞は、以下の中枢神経系ニューロン、末梢神経系ニューロン、交感神経ニューロン、副交感神経ニューロン、腸神経系ニューロン、脊髄運動ニューロン、運動ニューロン、感覚ニューロン、自律神経ニューロン、体性ニューロン、後根神経節、コリン作動性ニューロン、GABA作動性ニューロン、グルタミン酸作動性ニューロン、ドーパミン作動性ニューロン、セロトニン作動性ニューロン、介在ニューロン、アドレナリン作動性ニューロン、及び三叉神経節のうちの1つ以上である。いくつかの実施形態で、膠細胞は、以下の星状膠細胞、乏突起膠細胞、シュワン細胞、小膠細胞、上衣細胞、放射状膠細胞、衛星細胞、腸膠細胞、及び下垂体細胞のうちの1つ以上である。いくつかの実施形態で、免疫細胞は、以下のマクロファージ、T細胞、B細胞、白血球、リンパ球、単球、肥満細胞、好中球、ナチュラルキラー細胞、及び好塩基球のうちの1つ以上である。いくつかの実施形態で、幹細胞は、以下の造血幹細胞、神経幹細胞、胚幹細胞、脂肪由来幹細胞、骨髄由来幹細胞、人工多能性幹細胞、星状細胞由来人工多能性幹細胞、線維芽細胞由来人工多能性幹細胞、腎上皮由来人工多能性幹細胞、ケラチノサイト由来人工多能性幹細胞、末梢血由来人工多能性幹細胞、肝細胞由来人工多能性幹細胞、間葉系由来人工多能性幹細胞、神経幹細胞由来人工多能性幹細胞、脂肪幹細胞由来人工多能性幹細胞、前脂肪細胞由来人工多能性幹細胞、軟骨細胞由来人工多能性幹細胞、及び骨格筋由来人工多能性幹細胞のうちの1つ以上である。いくつかの実施形態で、細胞は、他の細胞種(例えば、ケラチン生成細胞、筋肉細胞、心臓細胞、または内皮細胞)を含む。
本明細書で使用する場合「細胞培地」または単に「培地」という用語は、神経細胞または他の種類の細胞の成長の支持、培養(culture)、培養(cultivating)、増殖、伝播、または操作にとって好適な任意の栄養物質として定義される。いくつかの実施形態で、培地は、神経成長因子(NGF)で補充されたneurobasal培地を含む。いくつかの実施形態で、培地は、ウシ胎仔血清(FBS)を含む。いくつかの実施形態で、培地は、L-グルタミンを含む。いくつかの実施形態で、培地は、約0.001重量容量%~約0.01重量容量%の範囲の濃度のアスコルビン酸を含む。いくつかの実施形態で、培地は、約0.001重量容量%~約0.008重量容量%の範囲の濃度のアスコルビン酸を含む。いくつかの実施形態で、培地は、約0.001重量容量%~約0.006重量容量%の範囲の濃度のアスコルビン酸を含む。いくつかの実施形態で、培地は、約0.001重量容量%~約0.004重量容量%の範囲の濃度のアスコルビン酸を含む。いくつかの実施形態で、培地は、約0.002重量容量%~約0.01重量容量%の範囲の濃度のアスコルビン酸を含む。いくつかの実施形態で、培地は、約0.003重量容量%~約0.01重量容量%の範囲の濃度のアスコルビン酸を含む。いくつかの実施形態で、培地は、約0.004重量容量%~約0.01重量容量%の範囲の濃度のアスコルビン酸を含む。いくつかの実施形態で、培地は、約0.006重量容量%~約0.01重量容量%の範囲の濃度のアスコルビン酸を含む。いくつかの実施形態で、培地は、約0.008重量容量%~約0.01重量容量%の範囲の濃度のアスコルビン酸を含む。いくつかの実施形態で、培地は、約0.002重量容量%~約0.006重量容量%の範囲の濃度のアスコルビン酸を含む。いくつかの実施形態で、培地は、約0.003重量容量%~約0.005重量容量%の範囲の濃度のアスコルビン酸を含む。
本発明の方法に適した細胞培地は、当該技術分野において周知であり、BEGM(商標)気管支上皮細胞増殖培地、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、ダルベッコ改変イーグル培地高グルコース(DMEM-H)、McCoy5A改変培地、RPMI、ハム培地、Medium199、mTeSRなどを含むが、これらに限定されない。細胞培地は、追加の成分(これらに限定されないが、例えば、ビタミン、ミネラル、塩、成長因子、炭水化物、タンパク質、血清、アミノ酸、接合因子、サイトカイン、成長因子、ホルモン、抗生物質、治療薬、緩衝液など)で補充されることができる。細胞培養構成成分及び/または条件は、特定の細胞特徴及び/または特性を強化して及び/または刺激するために、本発明の方法の間、選択される及び/または変えることができる。播種方法及び細胞培養方法の例は、米国特許第5,266,480号、同第5,770,417号、同第6,537,567号及び同第6,962,814号、ならびにOberpenning et al.“De novo reconstitution of a functional mammalian urinary bladder by tissue engineering”Nature Biotechnology17:149-155(1999)に記載されており、それは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態で、ヒドロゲル、ヒドロゲルマトリックス及び/または神経細胞培地は、以下の構成成分、アルテミン、アスコルビン酸、ATP、β-エンドルフィン、BDNF、ウシ胎仔血清、ウシ血清アルブミン、カルシトニン遺伝子関連ペプチド、カプサイシン、カラゲナン、CCL2、毛様体神経栄養因子、CX3CL1、CXCL1、CXCL2、D-セリン、ウシ胎仔血清、フルオロクエン酸塩、ホルマリン、グリア細胞系由来神経栄養因子、グリア線維酸性タンパク質、グルタミン酸塩、IL-1、IL-1α、IL-1β、IL-6、IL-10、IL-12、IL-17、IL-18、インスリン、ラミニン、リポキシン、mac-1-サポリン、メチオニンスルホキシミン、ミノサイクリン、ニューレグリン-1、ニューロプロテクチン、ニュールツリン、NGF、一酸化窒素、NT-3、NT-4、ペルセフィン、血小板溶解物、μmX53、ポリ-D-リジン(PLL)、ポリ-L-リジン(PLL)、プロペントフィリン、レゾルビン、SI00カルシウム結合タンパク質B、セレニウム、基質P、TNF-α、I型-Vコラーゲン、及びザイモサンのうちのいずれか1つ以上を含む。
本明細書に記載されるように「光遺伝学」という用語は、光感受性イオンチャネルを発現するように遺伝子組み換えした生組織内の細胞、通常はニューロンを制御するために光の使用を伴う、生物学的技法を指す。それは、光学及び遺伝学からの技法の組み合わせを使用して、生組織(更には自由に動く動物)内の個々のニューロンの活動を制御及び監視し、そのような操作の効果をリアルタイムで正確に測定する、神経科学で用いられる神経調節方法である。光遺伝学で使用される重要な試薬は、光感受性タンパク質である。空間的に正確なニューロン制御は、チャネルロドプシン、ハロロドプシン及びアーキロドプシンのような光遺伝学アクチュエータを使用して達成されるが、時間的に精密な記録は、カルシウム(Aequorin,Cameleon,GCaMP)、塩化物(Clomeleon)、または膜電圧(Mermaid)の光遺伝学センサーの助けを借りて行われ得る。いくつかの実施形態で、光遺伝学アクチュエータ及び/またはセンサーで修飾された神経細胞は、本明細書に記載される培養システムで使用される。
「プラスチック」という用語は、炭化水素を含む生体適合性ポリマーを指す。いくつかの実施形態で、プラスチックは、ポリスチレン(PS)、ポリエステル、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルピロリドン、ポリブタジエン(PVP)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルメチルエーテル(PVME)、ポリ乳酸-コ-グリコール酸(PLGA)、ポリ(l-乳酸)、ポリエステル、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアニリン(PANI)、ポリフルオレン、ポリピロール(PPY)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、及び前述のポリマーのうちの2つまたはいずれかの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態で、透過性固体支持体の組成物は、様々な度合の可撓性または曲げ弾性率を含む。いくつかの実施形態で、透過性固体支持体は約0.2~約20GPまたはギガパスカルの曲げ弾性率を含む。いくつかの実施形態で、透過性固体支持体は約0.2~約20GPの曲げ弾性率を含む。いくつかの実施形態で、透過性固体支持体は約0.9~約10GPの曲げ弾性率を含む。いくつかの実施形態で、透過性固体支持体は約0.2~約4GPの曲げ弾性率を含む。いくつかの実施形態で、透過性固体支持体は約1.5~約10GPの曲げ弾性率を含む。いくつかの実施形態で、透過性固体支持体は約0.1~約18GPの曲げ弾性率を含む。いくつかの実施形態で、透過性固体支持体は約0.01~約20GPの曲げ弾性率を含む。
本明細書で使用する場合「播種」という用語は、ある量の細胞をインサート内に移動させることとして定義される。この量は、細胞容積または細胞数を定義済みの量の基礎として画定できて、それを使用できる。細胞は、懸濁液の一部でもよい。
本明細書で使用する場合「透過性固体支持体」という用語は、細胞毒素を含まない、または実質的に含まず、及び細孔を含む、固体支持体である任意の物質を指す。いくつかの実施形態で、透過性固体支持体は、ポリエステル、ポリビニル、シリカ、プラスチック、ガラス及び金属のうちの1つまたはその組み合わせを含む。いくつかの実施形態で、透過性固体支持体は、細胞培地の存在下で、固体基板を通したタンパク質、栄養素及びガスの拡散または非活性輸送を可能にするのに十分なサイズ及び形状の細孔を備える。いくつかの実施形態で、細孔サイズは、直径約10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.1マイクロメートル以下である。当業者であれば、細胞培地の含有物及び特定の微小環境の透過性固体支持体上で成長する細胞の曝露に基づいて、どれだけ大きい細孔サイズが必要であるかを判定することができるだろう。例えば、当業者であれば、システムまたは装置内の任意の培養した細胞が、透過性固体支持体が様々な直径の細孔を備える条件下で、生存可能であるかを観察することができる。いくつかの実施形態で、透過性固体支持体は、外面及び内面の形状を画定する、所定の形状を有する基部を備える。いくつかの実施形態で、基部は、ポリエステル、ポリビニル、シリカ、プラスチック、セラミック、または金属のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含み、そこで、基部は、円筒形状または円筒形に実質的に類似する形状であり、その結果、第1の細胞不透過性ポリマー及び第1の細胞透過性ポリマーが、基部の内面を覆って、円筒形または実質的に円筒形の内側チャンバを画定し、開口部は、円筒形の一端に配置されており、いくつかの実施形態で、基部は、細胞培地の存在下で、固体基板を通したタンパク質、栄養素、及び酸素の拡散を可能にするのに十分なサイズ及び形状の1つ以上の細孔を備える。いくつかの実施形態で、透過性固体支持体は、直径1マイクロメートル以下の細孔サイズを有するプラスチック基部を含み、ヒドロゲルマトリックスの少なくとも1つの層を含み、そこで、ヒドロゲルマトリックスは、少なくとも第1の細胞不透過性ポリマー及び少なくとも第1の細胞透過性ポリマーを含み、基部は、その周りに第1の細胞不透過性ポリマー及び少なくとも第1の細胞透過性ポリマーが物理的に接着する、または化学的に結合する所定の形状を含み、透過性固体支持体は、透過性固体支持体の内面の形状によって少なくとも部分的に画定され、任意に透過性固体支持体の一端に位置付けられた開口部によって透過性固体支持体の外側の地点からアクセス可能な少なくとも1つの区画を備える。透過性固体支持体が、少なくとも1つの内面によって画定された中空内部を備える実施形態で、懸濁液または組織外植片中の細胞は、開口部に、またはそれに近接して細胞を配置することによって播種されてもよく、その結果、細胞は、成長前に透過性固体支持体の内面の少なくとも一部分に接着することができる。透過性固体支持体の少なくとも1つの区画または中空内部は、透過性固体支持体の内面形状によって画定される特定の3次元形状での細胞の収容を可能にし、開口部から離れた細胞の配向性成長を促進する。神経細胞の場合、少なくとも1つの区画の収容及び形状の程度は、少なくとも1つの区画内及び開口部に、またはそれに近接して配置した神経細胞体からの軸索成長の助けとなる。いくつかの実施形態で、透過性固体支持体は、管状または実質的に管状であり、その結果、内部区画は、円筒または部分的に円筒の形状である。いくつかの実施形態で、透過性固体支持体は、1つ以上の分岐した管状内部区画を含む。いくつかの実施形態で、固体の中空内部の分岐または複数の分岐形状は、軸索が複数の分岐パターンで成長するように構成される、またはそれを可能にする。電極が軸索の遠位端に、またはその付近に、及び神経細胞の神経細胞体に、またはそれに近接して配置される場合、細胞内活動電位などの電気生理学的記録は、装置またはシステム内で測定され得る。
本開示は、透過性固体支持体の上面に物理的に付着した、もしくは共有結合的もしくは非共有結合的に結合した、1つまたは一連の突起を備える透過性固体支持体を含むインサートに関する。いくつかの実施形態で、突起は、支持環である。支持環は、透過性固体支持体の上面の円筒状容器を画定する、平面構造のその縁の透過性固体支持体に固着されることができる。いくつかの実施形態で、平面配向でその縁に取り付けられるときの支持環の縁の高さは、取り付け位置から連続して透過性固体支持体上のその最高位置まで測定したように、約0.1~約3ミリメートルである。いくつかの実施形態で、平面配向でその縁に取り付けられるときの支持環の縁の高さは、取り付け位置から連続して透過性固体支持体上のその最高位置まで測定したように、約0.1~約2ミリメートルである。いくつかの実施形態で、平面配向のその端に付属されるときに、支持環の端の高さは、取り付け位置から測定されるように、かつ透過性固体支持体の上のその最も高い位置へ続くように、約0.1~約1ミリメートルである。支持環は、透過性固体支持体を形成する同じ物質を含む、任意の1以上の物質から作成され得る。
いくつかの実施形態で、インサートは、支持環の上に、またはその周囲に同軸に載置されることができる、第2環(または培養環)を備える。培養環は、任意のプラスチック、ガラスまたは金属から作成され得る。いくつかの実施形態で、平面配向のその端に付属されるときに、支持環の端の高さは、取り付け位置から測定されるように、かつ透過性固体支持体の上のその最も高い位置へ続くように、約0.5~約15ミリメートルである。いくつかの実施形態で、平面配向のその端に付属されるときに、支持環の端の高さは、取り付け位置から測定されるように、かつ透過性固体支持体の上のその最も高い位置へ続くように、約1~約20ミリメートルである。いくつかの実施形態で、平面配向のその端に付属されるときに、支持環の端の高さは、取り付け位置から測定されるように、かつ透過性固体支持体の上のその最も高い位置へ続くように、約5~約15ミリメートルである。いくつかの実施形態で、培養環は、浸透性固体支持体から垂直に、または実質的に垂直な位置にその長手方向軸と共に配向されるとき、その上縁に、横方向にまたは実質的に横方向に、及び所望により平行に突出するへりを有する。
突起部は、任意の3次元形状(例えば、中空直角プリズム、円筒)でもよく、その結果、このような形状の面が透過性固体支持体の内面と外面の間の障壁を画定する。
電極。いくつかの実施形態で、本明細書で開示されるインサート、システム及び/またはアダプタは、1つ以上の電極を含む。いくつかの実施形態で、本明細書で開示されるインサート、システム及び/またはアダプタは、細胞を播種することを目的とする、表面から遠位の位置にまたはその近くに1つ以上の電極を含まない。いくつかの実施形態で、1つ以上の電極は、電気源(例えば、回路または一連のワイヤを介して電極に機能的に連結される増幅器)によって生成した電流変動を送信する。いくつかの実施形態で、電極は、任意の導電材料または金属を含む。いくつかの実施形態で、電極は、金属が堆積する炭素スキャフォールドを含む。いくつかの実施形態で、電極は、カーボンナノチューブの炭素スキャフォールドを含む。
本開示及びこのような構造の製造方法に適している電極構造体は、他の目的に関するアレイ技術ですでに示唆されている。この点に関して、米国特許第6,645,359号を参照し、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。電極または導電トラックは、第1表面(例えば、浸透性固体支持体の上面)に作成される、または単離される。トラックは、インサートの電極を表す。本明細書で使用する場合「電極セット」という語句は、少なくとも2つの電極(例えば2~200つまたは3~20つの電極)のセットである。これらの電極は、例えば作動(または測定)電極及び補助電極でもよい。いくつかの実施形態で、トラックは、凹部周囲内に配置される、交互嵌合した電極アレイと、インサートの内部領域から延在する、及び浸透性固体支持体の周辺またはアダプタの縁に向かう凹部の間の内部領域から延在するリード線と、を形成するために協働する。トラックは、導電材料から造られる。導電材料の非限定的な例は、アルミニウム、炭素(例えば、黒鉛)、コバルト、銅、ガリウム、金、インジウム、イリジウム、鉄、鉛、マグネシウム、水銀(アマルガムとして)、ニッケル、ニオブ、オスミウム、パラジウム、白金、レニウム、ロジウム、セレン、シリコン(例えば、高度にドープされた多結晶シリコン)、銀、タンタル、スズ、チタン、タングステン、ウラン、バナジウム、亜鉛、ジルコニウム、それらの混合物、及び合金、酸化物またはこれらの元素の金属化合物を含む。いくつかの実施形態で、このような貴金属及びそれらの合金が生体系で不活性であるので、トラックは金、白金、パラジウム、イリジウムまたはこれらの金属の合金を含む。いくつかの実施形態で、トラックは、チタン及び/または金から作成した作用電極であり、トラックは、チタン及び/または金から作成した補助電極であり、それは作用電極と実質上同じサイズである。
トラックは、レーザー切除によって導電面の残りから分離される。レーザー切除を使用して表面に電極を形成する技術は、公知である。レーザー切除を使用して表面に電極を形成する技術は、公知である。例えば、1999年10月4日出願の「LASER DEFINED FEATURES FOR PATTERNED LAMINATES AND ELECTRODE」と題する米国特許出願第09/411,940号を参照のこと(その開示は、参照により明示的に本明細書に組み込まれる)。トラックは、電極の周辺に延在する領域から導電材料を除去することによって、好ましくは作成される。したがって、トラックは、約5nm~約500nmの幅を有する空隙だけ、好ましくは約100nm~約200nmの幅を有する空隙だけ、表面の導電材料の残りから分離される。あるいは、トラックが下側基板にレーザー切除だけによって作成され得ることが認められる。更に、トラックは、ラミネート加工でも、スクリーン印刷でもよく、または図1に示すマスクなどのマスクによるフォトリソグラフィによって形成され得る。多電極の配置も、本開示によれば可能である。例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12以上の導電性トラックを含む、インサートまたはアダプタが形成され得ることは想到されている。トラックが作用電極である場合、代替の3電極形状が可能であり、第3電極が補助または基準電極として適用されることも認識される。トラックの数、及びインサートまたはアダプタのトラック間の間隔が本開示に従って変化することができ、当業者であれば明らかなように、多数のアレイが挿入容器内に形成され得ることが認識される。いくつかの実施形態で、電極は、プラスチック及び/または紙材料を含む浸透性固体支持体またはアダプタに埋め込まれる、または取り付けられる。微小電極アレイは、通常、非常に小さい寸法の2つの電極を有する構造であり、そこで、通常、各電極は、通常要素及び電極要素または微小電極を有する。「交互嵌合した」場合、アレイは、交互の指状に配置される(例えば、米国特許第5,670,031号参照)。これらは、一般の微小電極のサブクラスである。微小電極の交互嵌合型アレイ(すなわちIDA)は、所望される性能特徴を示すことができ、例えば、それらの小さな寸法に起因して、IDAは優れた信号対雑音比を示し得る。交互嵌合型アレイは、集積回路フォトリソグラフィ方法を使用して、非可撓性基板(例えば、シリコン基板またはガラス基板)上に配置された。非常に小さい寸法で使用される場合、IDAは、優れた性能特性を提供すると判断されたので、IDAが非可撓性基板で使用された。このような小さい寸法で、基板の表面構造(例えば、平坦度または粗さ)は、IDAの実行で重要になる。非可撓性基板(特にシリコン)が非常に滑らかで平坦な表面に加工されることができるので、これらがIDAによって使用された。いくつかの実施形態で、少なくとも1つの電極は、本明細書で開示される任意のIDAの構成要素である。図3はIDAの例であり、そこで、多極電極は、容器の底面またはヒドロゲルマトリックスの空洞の水平部分にわたり、材料の一連の断面上に並行または実質的に並行に配向される。システムの増幅器と電気接続する場合、任意の数の電極は、培養内の1つまたは一連の位置で記録または電気生理学的測定基準を測定するために、それぞれ独立してシステムでアドレス指定可能でもよい。
方法
一実施形態で、デジタルマイクロミラー装置(DMD)を使用する投影フォトリソグラフィを使用して、ポリエチレングリコールジメタクリレート及びPuramatrixヒドロゲルの組み合わせをマイクロパターン化する。この方法は、透過性固体支持体またはインサート上に直接、1つ以上のヒドロゲルを急速にマイクロパターン化することを可能にする。フォトマスクがゲル材料と接触することはないため、複数のヒドロゲルは、連続して急速に硬化することができ、大量のゲル構築物を、自動化なしに1時間以内で成型加工できるようにする。この方法は、神経突起成長を生物模倣型の成長助成ゲル内に制約するように、ポリエチレングリコール(PEG)、機械的に頑強な細胞成長制限ゲルの使用を可能にする。いくつかの実施形態で、この成長助成ゲルは、Puramatrix、アガロース、またはメタクリレート化デキストランでもよい。胚後根神経節(DRG)外植片が、この制約された3次元環境内で成長するとき、軸索は、高密度及び束状化を有する神経節から成長する。軸索の大部分は、小径の髄鞘形成されていない繊維として出現し、2~4週間で約1μmの長さまで成長する。神経節から延びる密集した、高度に平行な3次元神経繊維路を有するこの培養モデルの構造は、末梢神経構造に概ね類似する。その形態は、神経形態計測を使用して評価されてもよく、伝統的な細胞アッセイには使用不可能な臨床的に類似する評価を可能にする。
本明細書で使用する場合「記録する」という用語は、1つ以上の神経細胞の反応を測定することと定義される。このような反応は、電気生理学的反応、例えば、パッチクランプ電気生理学的記録または電場電位記録でもよい。
本開示はまた、第1の薬剤の、第2の薬剤と比較した相対的毒性度を評定する方法であって、(a)1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片を、本明細書に開示される装置のいずれかで培養することと、(b)第1の薬剤及び第2の薬剤を、1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片に、順次または並行して(同一の細胞のセットの場合は順次、または例えば多重化システムの第2の細胞のセットの場合は並行して)曝露することと、(c)1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の形態的変化を測定及び/または観察することと、(d)1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の形態的変化を、第1の薬剤の毒性と相関させることと、(e)1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の形態的変化を、第2の薬剤の毒性と相関させることと、(f)第1及び第2の薬剤の毒性を比較することと、(g)第1または第2の薬剤を、第2の薬剤よりも毒性が強いか弱いか特徴付けることと、を含む、方法に関する。いくつかの実施形態で、第1または第2の薬剤を、第2の薬剤よりも毒性が強いか弱いか特徴付ける際に、第1の薬剤によって誘導された形態的変化が第2の化合物よりも重度であり、大幅に減少した細胞生存率が示される場合、第1の薬剤は第2の薬剤よりも毒性が強く、第1の薬剤によって誘導された形態的変化が第2の化合物と比較してより軽度であり、かつ/または増加した細胞生存率が示される場合、第2の薬剤が第1の薬剤よりも毒性が強い。電気生理学的測定基準を観察及び/または測定する実施形態で、同じ特性決定を適用することができる。
いくつかの実施形態で、毒性度は、本明細書に開示される工程のうちの任意の1つ以上を繰り返すことによって、1回または一連の投与量または量の薬剤を用いて判定される。2つの異なる薬剤における相対的毒性を比較または対比する代わりに、当業者であれば、このように異なる用量の同一の薬剤を添加して、いつ、どの用量で薬剤が1つ以上のニューロンに対して毒性を持ち得るかを特徴付けることができる。
本開示は、(a)1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片を、本明細書に開示される構成物のいずれかにおいて培養することと、(b)少なくとも1つの薬剤を、1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片に曝露することと、(c)1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の電気生理学的測定基準を測定及び/または観察することと、(d)電気生理学的測定基準が減少した細胞生存率を示す場合、薬剤は毒性があると特徴付けられ、電気生理学的測定基準が無変化または増加した細胞生存率を示す場合、薬剤は無毒性であると特徴付けられるように、1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の電気生理学的測定基準を、薬剤の毒性と相関させることと、を含み、そこで、工程(c)は、任意に、1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の形態的変化を観察することを含み、工程(d)は、任意に、形態的変化が減少した細胞生存率を示す場合、薬剤は毒性があると特徴付けられ、形態的変化が無変化または増加した細胞生存率を示す場合、薬剤は無毒性であると特徴付けられるように、1つ以上の神経細胞及び/または組織外植片の1つ以上の形態的変化を、薬剤の毒性と相関させることを含む、薬剤の毒性を評価する方法にも関する。
いくつかの実施形態で、少なくとも1つの薬剤は、低分子化合物を含む。いくつかの実施形態で、少なくとも1つの薬剤は、少なくとも1つの環境汚染物質または産業汚染物質を含む。いくつかの実施形態で、少なくとも1つの薬剤は、化学療法剤、鎮痛剤、心血管調節物質、コレステロール値調節物質、神経保護薬、神経調節物質、免疫調節物質、抗炎症薬、及び抗微生物薬(例えば、細菌性抗生物質)から選択される低分子化合物のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態で、少なくとも1つの薬剤は、治療有効量の抗体(例えば、タイサブリといった臨床的に関連のあるモノクローナル抗体)を含む。
いくつかの実施形態で、1つ以上の電気生理学的測定基準は、電気伝導速度、活動電位、1つ以上の神経細胞の膜に沿う電気インパルスの波の振幅、1つ以上の神経細胞の膜に沿う電気インパルスの幅、1つ以上の神経細胞の膜に沿う電気インパルスの待ち時間、及び1つ以上の神経細胞の膜に沿う電気インパルスの包絡線のうちの1つまたはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態で、1つ以上の電気生理学的測定基準は、組織外植片全体の、または任意の種類の細胞の単層、もしくは細胞種の混合物全体の複合活動電位を含む。いくつかの実施形態で、1つ以上の電気生理学的測定基準は、電気伝導速度、活動電位、1つ以上の神経細胞の膜に沿う電気インパルスの通過と関連付けられる波の振幅、1つ以上の神経細胞の膜に沿う電気インパルスの幅、1つ以上の神経細胞の膜に沿う電気インパルスの待ち時間、及び1つ以上の神経細胞の膜に沿う電気インパルスの包絡線のうちの1つまたはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態で、1つ以上の電気生理学的測定基準は、組織外植片上の複合活動電位を含む。
任意の種類の細胞を、インサートでまたは本開示のシステムで使用することができる。いくつかの実施形態で、インサートの細胞は、神経細胞を含まない。いくつかの実施形態で、細胞は、筋細胞、心臓細胞、内皮細胞、神経細胞、または任意のそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態で、細胞は、任意の細胞種または細胞種の混合物を含む、回転楕円体構造にある。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、T細胞、B細胞、マクロファージ及び星状細胞から選択される、免疫細胞のうちの1つまたはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、胚幹細胞、間葉系幹細胞、及び人工多能性幹細胞から選択される、幹細胞の1つまたはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態で、神経細胞は、胚幹細胞、間葉系幹細胞、及び人工多能性幹細胞から選択される幹細胞に由来する。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、T細胞、B細胞、マクロファージ及び星状細胞から選択される、免疫細胞のうちの1つまたはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、胚幹細胞、間葉系幹細胞、及び人工多能性幹細胞から選択される、幹細胞の1つまたはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態で、神経細胞は、胚幹細胞、間葉系幹細胞、及び人工多能性幹細胞から選択される幹細胞に由来する。
いくつかの実施形態で、回転楕円体は、約200マイクロメートル~約700マイクロメートルの直径を有する。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、1つのシュワン細胞ごとに約4つの神経細胞に等しい細胞種の比率で、1つ以上の神経細胞及び1つ以上のシュワン細胞を含む。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、1つの星状細胞ごとに約4つの神経細胞の比率で、1つ以上の神経細胞及び1つ以上の星状細胞を含む。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、1つの星状細胞ごとに約1つの神経細胞の比率で、1つ以上の神経細胞及び1つ以上の星状細胞を含む。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、1つのシュワン細胞ごとに約10つの神経細胞の比率で、1つ以上の神経細胞及び1つ以上のシュワン細胞を含む。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、1つの膠細胞ごとに約4つの神経細胞に等しい比率で、1つ以上の神経細胞及び1つ以上の膠細胞を含む。
いくつかの実施形態で、本明細書に記載の任意の1つ以上の細胞は、人工多能性幹細胞から分化される。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、人工多能性幹細胞及び/または免疫細胞を含まない。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、未分化幹細胞を含まない。
いくつかの実施形態で、回転楕円体は、約30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、55,000、60,000、65,000、70,000、75,000以上の細胞を含む。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、75,000以上の細胞を含む。
いくつかの実施形態で、回転楕円体は、1つ以上の磁性粒子を更に含む。本明細書で使用する場合「回転楕円体」または「細胞回転楕円体」は、その主軸、長軸または短軸のうちの1つの周囲を回転する楕円形または円形に一般に対応する、3次元形状の細胞の任意の群を意味して、3次元卵形状、扁円及び扁長楕円体、球体及び実質的に同等の形状を含む。本発明の回転楕円体は、任意の適切な幅、長さ、厚さ及び/または直径を有することができる。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、約10μm~約50,000μmの範囲またはその内部の任意の範囲(例えば、これらに限定されないが、約10μm~約900μm、約100のμm~約700μm、約300μm~約600μm、約400μm~約500μm、約500μm~約1,000μm、約600μm~約1,000μm、約700μm~約1,000μm、約800μm~約1,000μm、約900μm~約1,000μm、約750μm~約1,500μm、約1,000μm~約5,000μm、約1,000μm~約10,000μm、約2,000μm~約50,000μm、約25,000μm~約40,000μmまたは約3,000μm~約15,000μm)の幅、長さ、厚さ及び/または直径を有することができる。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、約50μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、900μm、1,000μm、5,000μm、10,000μm、20,000μm、30,000μm、40,000μmまたは50,000μmの幅、長さ、厚さ及び/または直径を有することができる。いくつかの実施形態で、複数の回転楕円体は作成されて、複数の回転楕円体のそれぞれは約20%未満(例えば約15%未満、10%または5%)変化する幅、長さ、厚さ及び/または直径を有することができる。いくつかの実施形態で、複数の回転楕円体のそれぞれは、上述の範囲のいずれかの中で、異なる幅、長さ、厚さ及び/または直径を有することができる。
回転楕円体の細胞は、特定の配向を有することができる。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、内部コア及び外面を含むことができる。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、中空でもよい(すなわち、細胞を内部に含むことができない)。いくつかの実施形態で、内部コア細胞及び外面細胞は、異なる種類の細胞である。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、1つ、2つ、3つ以上の異なる細胞種(1つ以上のニューロン細胞種及び/または1つ以上の軸細胞種を含む)から構成されることができる。いくつかの実施形態で、内部コア細胞は、1つ、2つ、3つ以上の異なる細胞種から構成されることができる。いくつかの実施形態で、外面細胞は、1つ、2つ、3つ以上の異なる細胞種から構成されることができる。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、少なくとも2種類の細胞を含む。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、神経細胞及び非神経細胞を含む。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、約5:1、4:1、3:1、2:1または1:1の星状細胞に対する神経細胞の比率で、神経細胞及び星状細胞を含む。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、約5:1、4:1、3:1、2:1または1:1の比率で、神経細胞及び非神経細胞を含む。いくつかの実施形態で、回転楕円体は、約1:5、1:4、1:3または1:2の比率で、神経細胞及び非神経細胞を含む。本明細書で開示される細胞種の任意の組み合わせは、本開示の回転楕円体内で、上で確認した比率で使用できる。
具体的な実施形態に応じて、細胞群は、任意の好適な形状、配置及び/またはパターンに従って配置され得る。例えば、細胞の独立した群は、回転楕円体として堆積することができて、回転楕円体は3次元格子または他の任意の適切な3次元パターン内に配置されることができる。独立した回転楕円体はすべて、ほぼ同数の細胞を含むことができて、ほぼ同一サイズであり得る。または、異なる回転楕円体は、異なる数及び異なるサイズの細胞を有することができる。いくつかの実施形態で、複数の回転楕円体は、一点または複数の位置からの放射状形状(例えば、L形状またはT形状)、1つの線または平行線の連続的な回転楕円体、管、円筒、円環体、階層的分岐容器ネットワーク、高アスペクト比物体、細い閉じたシェル、オルガノイド、または、組織、容器もしくは他の生物学的構造の形状に対応できる他の複雑な形状、で配置され得る。
本発明は、インサート及び/またはアダプタを含むシステムに関する。いくつかの実施形態で、システムは、電極、接触パッド及び測定装置(例えば、電圧計及び電流計)を電源(例えば、増幅器)に操作可能に連結する回路を備える。いくつかの実施形態で、インサート及び/またはアダプタは、電圧低下を発生させて及び/または測定して、回路全体に電流を供給する、1つ以上の市販の装置に電気接続するように構成される。いくつかの実施形態で、システムは、Alpha MED Scientific MED64(http://www.med64.com/products/)、AxionBiosystemsMaestro(https://www.axionbiosystems.com/products)、またはMultichannel Systems2100MEA-System(https://www.multichannelsvstems.com/products/mea2100-systems)を含む。このような製品のウェブページの内容は、その全体が、本明細書に参照により組み込まれる。本開示は、(i)ヒドロゲルを含むインサート、(ii)懸濁液中の、または組織外植片の構成要素としての1つ以上の細胞、(iii)電流ジェネレータを含む増幅器、(iv)電圧計及び/または電流計、(v)少なくとも第1刺激電極及び少なくとも第1記録電極、を含み、そこで、増幅器、電圧計及び/または電流計、ならびに電極は、電流が増幅器から少なくとも1つの刺激電極に供給されて、電流が記録電極で受容されて、電圧計及び/または電流計に供給される回路を介して、互いに電気的に接続されており、刺激電極は、空隙の1つの末端で1つ以上の細胞にまたはそれに近接して配置されており、記録電極は、第1電極の遠位の所定の距離に配置されており、その結果、電界がインサート全体に確立される、システムにも関する。いくつかの実施形態で、システムは、多重組織培養プレートの多重チャンバ内に静置するインサートを含む。いくつかの実施形態で、システムは、装置を含有する、市販の開示された増幅器のいずれかと、アダプタ内に配置されて、回路を介して増幅器に電気的に接続されるインサートと、を備える。
生理的測定基準を測定するシステムは、PCT出願第PCT/US2015/050061号及び現在係属中の2017年12月4日出願の米国特許仮出願第62/594,525号に記載されかつ公知であり、その両方の内容はその全体が参照により組み込まれる。
方法
ヒドロゲルまたはヒドロゲルなしで、直接透過性固体支持体の内部領域のいずれかで、インサートの内部領域に播種すると、任意の公的な細胞または回転楕円体の生理的反応は、本開示の方法で決定され、評価され、測定され及び/または確認され得る。いくつかの実施形態で、細胞または回転楕円体の1、2、3、4つ以上の生理的反応(複数可)は、本開示の方法で決定され、評価され、測定され及び/または確認され得る。いくつかの実施形態で、細胞または回転楕円体の生理的反応は、細胞または回転楕円体の形態の変化でもよい。該方法は、細胞または回転楕円体の形態の変化を決定することを含むことができ、それは、回転楕円体を薬剤(例えば、化学及び/または生物化合物)に接触させる前に、少なくとも1つの形態パラメータを推定することと、細胞または回転楕円体と薬剤に接触させる後に、少なくとも1つの形態パラメータを推定することと、回転楕円体を薬剤に接触させる前及びその後の少なくとも1つの形態パラメータの間の差を算出して、回転楕円体の形態の変化を提供することと、を含むことができる。いくつかの実施形態で、細胞または回転楕円体の生理的反応は、薬剤との接触に応答して収縮している、または膨張している細胞または回転楕円体でもよい。細胞または回転楕円体の形態は、当業者に周知の任意の方法(例えば、限定的ではないが、偏心距離及び/または断面積を定量化すること)を使用して決定されることができる。
いくつかの実施形態で、細胞または回転楕円体の生理的反応は、細胞または回転楕円体の体積の変化でもよい。方法は、細胞または回転楕円体の体積の変化を求めることを含むことができ、それは、細胞または回転楕円体を薬剤に接触させる前に第1の体積を推定することと、細胞または回転楕円体を薬剤に接触させた後に第2の体積を推定することと、第1と第2の体積の間の差を算出して、細胞または回転楕円体の体積の変化を提供することと、を含むことができる。いくつかの実施形態で、回転楕円体の生理的反応は、薬剤との接触に応答して収縮している、または膨張している細胞または回転楕円体でもよい。
本開示は、1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の軸索の髄鞘形成もしくは脱髄の量または程度を測定する方法にも関し、該方法は、(a)少なくとも1つの軸索を成長させるのに十分な時間及び条件下で、本明細書に記載の装置のいずれか上で1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片を培養することと、(b)1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の形態的変化を測定及び/または観察することと、(c)1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の形態的変化を、神経細胞または組織外植片の髄鞘形成の定量的変化または定性的変化と相関させることと、を含む。
本開示は、1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の軸索の髄鞘形成または脱髄を測定する方法にも関し、該方法は、(a)少なくとも1つの軸索を成長させるのに十分な時間及び条件下で、本明細書に記載の装置のいずれか上で1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片を培養することと、(b)1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の電気生理学的測定基準を測定及び/または観察することと、(c)1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の電気生理学的測定基準を、神経細胞または組織外植片の髄鞘形成の定量的変化または定性的変化と相関させることと、を含み、そこで、工程(b)は、任意に、1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の形態的変化を観察することを含み、工程(c)が任意で、1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の形態的変化を、神経細胞または組織外植片の髄鞘形成の定量的変化または定性的変化と相関させることを、含む、
本開示は、1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の軸索の髄鞘形成または脱髄を測定する方法にも関し、該方法は、(a)少なくとも1つの軸索を成長させるのに十分な時間及び条件下で、本明細書に記載の装置のいずれか上で1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片を培養することと、(b)1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の軸索の髄鞘形成の量を検出することと、を含む。
いくつかの実施形態で、1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の軸索の髄鞘形成の量を検出する工程は、細胞を、ミエリンに結合する抗体に曝露することを含む。
いくつかの実施形態で、該方法は、(i)工程(a)及び(b)の後、1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片を、少なくとも1つの薬剤に曝露することと、(ii)1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片から、1つ以上の電気生理学的測定基準を測定及び/または観察すること、1つ以上の形態的変化を測定及び/または観察すること、及び/またはミエリンの定量的量を検出することと、(iii)薬剤の存在下及び不在下で、1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片からのミエリンの測定値、観測値及び/または定量的量の変化を計算することと、(iv)薬剤の存在下または不在下で、1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片からのミエリンの測定値、観測値及び/または定量的量の変化を相関させることと、を更に含む。
いくつかの実施形態で、少なくとも1つの薬剤は、少なくとも1つの環境汚染物質または産業汚染物質を含む。いくつかの実施形態で、少なくとも1つの薬剤は、化学療法剤、鎮痛剤、心血管調節物質、コレステロール値調節物質、神経保護薬、神経調節物質、免疫調節物質、抗炎症薬、及び抗微生物薬から選択される低分子化合物のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態で、1つ以上の電気生理学的測定基準は、電気伝導速度、活動電位、1つ以上の神経細胞の膜に沿う電気インパルスの通過と関連付けられる波の振幅、1つ以上の神経細胞の膜に沿う電気インパルスの幅、1つ以上の神経細胞の膜に沿う電気インパルスの待ち時間、及び1つ以上の神経細胞の膜に沿う電気インパルスの包絡線のうちの1つまたはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態で、1つ以上の電気生理学的測定基準は、組織外植片上の複合活動電位を含む。
本開示は、1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の軸索の髄鞘形成または脱髄を測定する方法にも関し、該方法は、(a)少なくとも1つの軸索を成長させるのに十分な時間及び条件下で、本明細書に記載の装置のいずれか上で1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片を培養することと、(b)そのような1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の複合活動電位を誘導することと、(c)複合活動電位を測定することと、(d)複合活動電位に基づいて、このような1つ以上の神経細胞の髄鞘形成のレベルを定量化することと、を含む。いくつかの実施形態で、該方法は、1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片を薬剤に曝露することを更に含む。いくつかの実施形態で、少なくとも1つの薬剤は、少なくとも1つの環境汚染物質または産業汚染物質を含む。
いくつかの実施形態で、少なくとも1つの薬剤は、化学療法剤、鎮痛剤、心血管調節物質、コレステロール値調節物質、神経保護薬、神経調節物質、免疫調節物質、抗炎症薬、及び抗微生物薬から選択される低分子化合物のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態で、少なくとも1つの薬剤は、低分子化合物を含む。いくつかの実施形態で、少なくとも1つの薬剤は、少なくとも1つの環境汚染物質または産業汚染物質を含む。いくつかの実施形態で、少なくとも1つの薬剤は、化学療法剤、鎮痛剤、心血管調節物質、コレステロール、神経保護薬、神経調節物質、免疫調節物質、抗炎症薬、及び抗微生物薬から選択される低分子化合物のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態で、少なくとも1つの薬剤は、アクチノマイシン、アリトレチノイン、全トランス型レチノイン酸、アザシチジン、アザチオプリン、ベキサロテン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、カペシタビン、カルボプラチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン(DTIC)、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エルロチニブ、エトポシド、フルオロウラシル、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イマチニブ、イリノテカン、メクロレタミン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、ミトキサントロン、ニトロソウレア、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、ロミデプシン、タフルポシド、テモゾロミド(経口ダカルバジン)、テニポシド、チオグアニン(以前のチオグアニン)、トポテカン、トレチノイン、バルルビシン、ベムラフェニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビスモデギブ、及びボリノスタットから選択される化学療法薬のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態で、少なくとも1つの薬剤は、パラセトアモール、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、COX-2阻害剤、オピオイド、フルピルチン、三環系抗うつ薬、カルバマゼピン、ガバペンチン、及びプレガバリンから選択される鎮痛剤のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態で、少なくとも1つの薬剤は、ネピカスタット、コレステロール、ナイアシン、スクテラリア、プレニラミン、デヒドロエピアンドロステロン、モナテピル、エスケタミン、ニグルジピン、アセナピン、アトモキセチン、フルナリジン、ミルナシプラン、メキシレチン、アンフェタミン、チオペンタールナトリウム、フラボノイド、ブレチリウム、オキサゼパム、及びホノキロールから選択される心血管変調剤のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態で、少なくとも1つの薬剤は、トリプタミン、ガラニン受容体2、フェニルアラニン、フェネチルアミン、N-メチルフェネチルアミン、アデノシン、キプトルフィン、サブスタンスP、3-メトキシチラミン、カテコールアミン、ドーパミン、GABA、カルシウム、アセチルコリン、エピネフリン、ノルエピネフリン、及びセロトニンから選択される神経保護剤及び/または神経変調剤のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態で、少なくとも1つの薬剤は、クレノリジマブ、エノチクマブ、リゲリズマブ、シムツズマブ、バテリズマブ、パルサツズマブ、イムガツズマブ、トレガリズマブ、パテクリズマブ、ナムルマブ、ペラキズマブ、ファラリモマブ、パトリツマブ、アチヌマブ、ウブリツキシマブ、フツキシマブ、及びズリゴツマブから選択される免疫変調剤のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態で、少なくとも1つの薬剤は、イブプロフェン、アスピリン、ケトプロフェン、スリンダク、ナプロキセン、エトドラク、フェノプロフェン、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、ケトロラク、ピロキシカム、インドメタシン、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、オキサプロジン、ケトプロフェン、ファモチジン、メクロフェナム酸塩、トルメチン、及びサルサレートから選択される抗炎症薬のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態で、少なくとも1つの薬剤は、抗細菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬、抗寄生虫薬、熱、放射線、及びオゾンから選択される抗菌薬のうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態で、該方法は、電気伝導速度、個々の活動電位、1つ以上の神経細胞及び/または組織外植片の膜に沿う電気インパルスの通過と関連付けられる波の振幅、1つ以上の神経細胞及び/または組織外植片の膜に沿う電気インパルスの幅、1つ以上の神経細胞及び/または組織外植片の膜に沿う電気インパルスの待ち時間、及び1つ以上の神経細胞及び/または組織外植片の膜に沿う電気インパルスの包絡線のうちの1つまたはそれらの組み合わせから選択される、複合活動電位以外の1つ以上の電気生理学的測定基準を測定することを更に含む。いくつかの実施形態で、該方法は、1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片と関連する1つ以上の形態測定的変化を測定することを更に含む。
本開示はまた、本明細書に開示する装置のいずれかで1つ以上の神経細胞の成長を誘導する方法に関し、該方法は、(a)1つ以上の単離されたシュワン細胞を、透過性固体支持体のヒドロゲルマトリックス内に播種することと、(b)1つ以上の懸濁液中の単離された神経細胞、または外植片中の単離された神経細胞を装置に播種することと、(c)細胞を被覆するのに十分な体積の細胞培地を容器内に導入することと、を含み、そこで、ヒドロゲルマトリックスは、第1の細胞不透過性ポリマー及び第1の細胞透過性ポリマーを備える、
いくつかの実施形態で、該方法は、少なくとも1つの電極を透過性固体支持体の片方の端または両端に配置されることを更に含み、その結果、電極は、活動電位(AP)及び/または複合活動電位(cAP)を刺激または記録するために使用され、AP/cAP伝播の測定を可能にする。
いくつかの実施形態で、電極(複数可)は、胚後根神経節(DRG)ニューロンの神経細胞体に、またはそれから遠位に配置されて、その結果、電極は、神経突起/軸索の2地点の間で電位差を形成して、伝播AP/cAPを誘起する。
本開示はまた、1つ以上の神経細胞に対する1つ以上の刺激の導入後の、インサートの神経細胞の応答を評価することと、局所フィールド電位(LFP)または他の単一細胞記録方法を用いて、1つ以上の刺激に対する1つ以上の神経細胞からのAPまたはcAP応答を測定することと、を備える方法に関する。
いくつかの実施形態で、透過性固体支持体は外面及び内面を備え、そのような固体基板は、円筒形状または実質的に略円筒形状の少なくとも一部分と、縁部で内面の少なくとも一部分によって画定された少なくとも1つの中空内部と、を備え、該内面は、直径が約0.1マイクロメートル~約3.0マイクロメートルの1つ以上の細孔を備え、固体基板の中空内部は、少なくとも1つの開口部を通じて、透過性固体支持体の外側の地点からアクセス可能であり、中空内部部分は、開口部に近接する第1の部分と、開口部から遠位の少なくとも第2の部分と、を備え、1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片は、中空内部の第1の部分に、またはそれに近接して配置されており、それは、第1の細胞不透過性ポリマーまたは第1の細胞透過性ポリマーのうちの少なくとも1つと物理的に接触し、少なくとも1つの中空内部の第2の部分は、軸索が1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片から中空内部の第2の内部へと成長可能であるように、第1の部分と流体連通する。
いくつかの実施形態で、本方法は、1つ以上の神経細胞を、少なくとも1つの薬剤と接触させることを更に含む。いくつかの実施形態で、少なくとも1つの薬剤は、1つ以上の幹細胞または改変T細胞である。いくつかの実施形態で、改変T細胞は、がん細胞に対して特異的なキメラ抗原受容体を発現する。いくつかの実施形態で、細胞培地は、ラミニン、インスリン、トランスフェリン、セレニウム、BSA、FBS、アスコルビン酸、I型コラーゲン、及びIII型コラーゲンのうちの1つまたはそれらの組み合わせを含む。
本開示はまた、神経細胞成長を検出及び/または定量化する方法に関し、該方法は、(a)1つ以上の神経細胞を定量化することと、(b)1つ以上の神経細胞を、本明細書に開示する装置のいずれかで培養することと、(c)1つ以上の細胞を成長させるのに十分な期間培養した後に、組成物中の神経細胞の数を計算することと、を含む。いくつかの実施形態で、工程(c)は、1つ以上の神経細胞を培養した後に、そのような1つ以上の神経細胞の内部記録及び/または外部記録を検出することと、該記録を、既知の数または対照数の細胞に対応する同じ記録の測定値と相関させることと、を含む。
いくつかの実施形態で、本方法は、1つ以上の神経細胞を、1つ以上の薬剤に接触させることを更に含む。いくつかの実施形態で、該方法は、(i)1つ以上の神経細胞を、1つ以上の薬剤に接触させる工程の前に及びその後に、細胞内記録及び/または細胞外記録を測定することと、(ii)1つ以上の神経細胞を1つ以上の薬剤に接触させた後の記録に対する、1つ以上の神経細胞を1つ以上の薬剤に接触させる前の記録の差異を、細胞数の変化に相関させることと、を更に含む。
本開示はまた、1つ以上の神経細胞の軸索変性を検出または定量化する方法であって、該方法が、(a)1つ以上の神経細胞を、本明細書に開示される装置のいずれかに播種することと、(b)1つ以上の神経細胞から少なくとも1つ以上の軸索を成長させるのに十分な期間及び条件下で、1つ以上の神経細胞を培養することと、(c)神経細胞から成長した軸索の数または密度を定量化することと、(d)1つ以上の神経細胞を、1つ以上の薬剤と接触させることと、(e)1つ以上の細胞を1つ以上の薬剤と接触させた後に神経細胞から成長した、軸索の数及び/または密度を定量化することと、(f)薬剤の存在下または不在下で、培養される軸索の数または密度の差異を計算することと、を含む、該方法に関する。
いくつかの実施形態で、1つ以上の軸索及び/または神経細胞から成長した軸索の密度の工程は、1つ以上の神経細胞を、色素、蛍光物質または標識抗体で染色することを含む。
いくつかの実施形態で、工程(c)、(e)及び/または(f)は、顕微鏡法またはデジタルイメージングによって実行される。
いくつかの実施形態で、工程(c)及び(e)は、1つ以上の神経細胞体に近接する1つ以上の軸索の一部から測定値を取ることと、1つ以上の神経細胞体から遠位の1つ以上の軸索の一部から測定値を取ることと、を含む。
いくつかの実施形態で、薬剤の存在下または不在下で、培養される軸索の数または密度の差異は、1つ以上の神経細胞の細胞本体に近接する軸索(複数可)の一部と、1つ以上の神経細胞の細胞本体から遠位の軸索の一部の間の差異である。
いくつかの実施形態で、測定値を取ることは、形態的測定基準または電気生理学的測定基準の組み合わせのうちの任意の1つを測定することを含み、そこで、培養される軸索の数または密度の差異を計算する工程は、測定値のうちの任意の1つまたはそれらの組み合わせを、軸索の数または密度に相関させることを含む。いくつかの実施形態で、測定値を取ることは、電気生理学的測定基準のうちの任意の1つまたはそれらの組み合わせを測定することを含み、そこで、培養される軸索の数または密度の差異を計算する工程は、電気生理学的測定基準のうちの任意の1つまたはそれらの組み合わせを、軸索の数または密度に相関させることを含む。
一部の実施形態において、本方法は、(g)薬剤の神経変性効果を、工程(c)及び(e)で取った電気生理学的測定基準に相関させることを更に含む。
本開示はまた、細胞内記録または細胞外記録を測定する方法であって、(a)1つ以上の神経細胞を、本明細書に開示される装置のいずれかで培養することと、(b)1つ以上の神経細胞上に電位を適用することと、(c)1つ以上の神経細胞から、1つ以上の電気生理学的測定基準を測定することと、を含む、該方法に関する。いくつかの実施形態で、1つ以上の電気生理学的測定基準は、電気伝導速度、細胞内活動電位、複合活動電位、1つ以上の神経細胞及び/または組織外植片の膜に沿う電気的インパルスの通過と関連付けられる波の振幅、1つ以上の神経細胞及び/または組織外植片の膜に沿う電気的インパルスの幅、1つ以上の神経細胞及び/または組織外植片の膜に沿う電気的インパルスの待ち時間、ならびに1つ以上の神経細胞及び/または組織外植片の膜に沿う電気的インパルスの包絡線のうちの1つまたはそれらの組み合わせから選択される。
本開示はまた、薬剤の任意の神経保護効果を測定または定量化する方法であって、該方法は、(a)薬剤の存在下及び不在下で、1つ以上の神経細胞または組織外植片を、本明細書に開示される装置のいずれかに播種することと、(b)薬剤の存在下及び不在下で、1つ以上の神経細胞または組織外植片上に電位を適用することと、(c)薬剤の存在下及び不在下で、1つ以上の神経細胞または組織外植片から、1つ以上の電気生理学的測定基準を測定することと、(d)1つ以上の神経細胞または組織外植片による1つ以上の電気生理学的測定基準の差異を、薬剤の神経保護効果に相関させることと、を含む、該方法に関し、その結果、薬剤の不在下で測定した電気生理学的測定基準と比較した、薬剤の存在下の電気生理学的測定基準の減少が、不良な神経保護効果を示し、薬剤の不在下で測定した電気生理学的測定基準と比較した、薬剤の存在下の電気生理学的測定基準の無変化または増減が、薬剤が神経保護効果を付与することを示す。
本開示は、薬剤の神経調節効果を測定する、またはそれを定量化する方法であって、該方法が、(a)薬剤の存在下及び不在下で、1つ以上の神経細胞または組織外植片を、本明細書に開示される装置のいずれかに播種することと、(b)薬剤の存在下及び不在下で、1つ以上の神経細胞または組織外植片上に電位を適用することと、(c)薬剤の存在下及び不在下で、1つ以上の神経細胞または組織外植片から、1つ以上の電気生理学的測定基準を測定することと、(d)1つ以上の神経細胞または組織外植片による1つ以上の電気生理学的測定基準の差異を、薬剤の神経調節効果に相関させることと、を含む、該方法に関し、その結果、薬剤の不在下で測定した電気生理学的測定基準と比較した、薬剤の存在下の電気生理学的測定基準の変化が、神経調節効果を示し、薬剤の不在下で測定した電気生理学的測定基準と比較した、薬剤の存在下の電気生理学的測定基準の無変化が、薬剤が神経調節効果を付与しなかったことを示す。
本開示はまた、軸索の髄鞘形成または脱髄をin vitroで検出または定量化する方法であって、該方法が、(a)1つ以上の神経細胞が1つ以上の軸索を成長させるのに十分な時間及び条件下で、本明細書に開示される装置のいずれかで1つ以上の神経細胞を培養することと、(b)1つ以上の神経細胞上に電位を適用することと、(c)1つ以上の神経細胞を通じて、フィールド電位または複合活動電位を測定することと、(d)1つ以上の神経細胞を通じて、伝導速度を計算することと、(e)1つ以上の値または伝導速度を、1つ以上の軸索の髄鞘形成量に相関させることと、を含む、該方法に関する。
以下の実施例は、本出願に開示される実施形態を作製かつ使用する方法の非限定例であることを意味する。実施例及び本明細書の本文に開示されるいかなる刊行物も、参照によりその全体が組み込まれる。
実施例1:設計及び製造
細胞培養インサート及び設計因子
2つの設計因子が、本研究のカスタムMEAプラットフォームの開発を導いた。第1は、我々の神経突起構造物の培養のために我々の研究室で使用する、細胞培養インサートの設計だった。これらの細胞培養インサートは、Corning Transwell(登録商標)-クリアインサートであり、それぞれは、0.4μmの細孔を備える、下側基板として直径24mmのポリエステル膜を有する[41]。これらの細孔は、膜を通して細胞培地または他の溶液の拡散のために必要であり、それは、過剰な加熱に応じて閉じることができる。
これらの細胞培養インサートの6つは、上部環の接触によりウェルの底部から吊り下がる6ウェルプレートに位置するように設計されている。これにより、溶液(通常は、細胞培養液)が、インサートの下に配置されるのが可能になり、その結果、それは組織上及びその内部に、または本研究では神経突起構造物上に及びその内部に拡散できる。細胞培養インサートは、側面周辺に、3つの穴が存在して、穴のそれぞれの間に120度の角度があるように、均一に分布するような方法で設計される。これらの穴が、インサートの下に配置される溶液にアクセスするために、通常使用される。
電極が他の装置と連動することができるシステムを設計するために、2つが互いに適合するのを確実にする方法がなければならない。例えば、市販のMEAシステムで、これは、連動する装置のコネクタと適合するMEAのエッジコネクタに対応する。類似のインターフェースを細胞培養インサートの我々のカスタムMEAに提供するために、上述の溶液アクセス穴は、関係する要素の配向を維持するために重要であることがわかる。
第2の設計因子は、連続的な電気接続を形成するための圧力による接触の使用であった。これは、電気接続を作成するための広く普及している方法であり、それは、ほとんどの静的アプリケーション(例えば、USBポート)で、及び常に移動するアプリケーション(例えば、ブラシ付き直流電動機)で使用中に見ることができる。電気接触へのこの方法は、迅速かつ容易であることがわかっており、連結する方法として本研究に組み込まれる。
電子ビーム物理蒸着
物理蒸着(PVD)とは、材料源から原子または分子に気化して、基板上へ凝縮する、多くの工程を指す[44]。これらの工程は、フィルム及びコーティング、またはそれらの多層複合体を作成するために使用する。真空蒸着PVD工程を適合させて、電気生理学に適用できる可撓性電極を作製することが可能であり[45]、そうしてその技術が、カスタムMEA生産のための本研究で適用されることが示された。
2つの一般的なPVD工程は、スパッタ堆積法及び真空蒸着法である。スパッタ堆積法は、材料源にエネルギーを加えて、プラズマにより基板上へスパッタ堆積させて、基板に向けて材料を放出することにより、実施される[44]。スパッタリングとは通常、材料源と基板の間の短い距離を伴う[44]。
真空蒸着法は、材料源及び基板を含有するチャンバを真空状態にして、一般に電子ビームと呼ばれる高エネルギー電子ビームにより、通常材料源にエネルギーを加えることによって実施される[44]。これにより、原材料は熱的に蒸発して、それは、照準線に沿って基板へ移動する。電子ビーム真空蒸着法は、基板への伝熱を最小化するために、通常材料源と基板の間の比較的長い距離を伴う[44]。
積層製造
積層製造は、多くの材料から始めて、品物から物質を除去すること(それは除去製造と一致する)とは対照的に、材料を追加することにより何かが製造されて、製品を形成する工程を指す。しばしば、積層製造は3Dプリント(デジタル的に作成された部分の現実モデルを作製する技術セット)を意味し、それは1984年以降、積極的な開発が行われてきた[46]。デジタルモデルから対象物に直接に進むことができることによって、3Dプリントはプロトタイプ装置の生産を非常に容易にする。
本研究の構成要素を作成するために使用される3Dプリント法は、溶融フィラメント製造(FFF)として公知である。この方法で、熱可塑性フィラメントは、電動化供給機構によってスプールから供給されて、それは、加熱した押出機によりそれを押して、それを溶かす。それから、3Dプリンタの3つの電動化軸は、押出機またはビルドプレートを移動させて、熱可塑性物質を、作成されている構成要素の所与の層の所望の位置に配置する。次に、垂直軸は、ビルドプレートから更に押出機を移動させて、該工程は次の層のために繰り返され、新しい層の熱可塑性物質が下層と溶融する[47]。
3Dプリント用に使用する2つの一般的なフィラメントは、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)及びポリ乳酸(PLA)である。ABSは、PLAより高いガラス転移温度を有し[48]、そのため熱負荷の下で変形しにくい。ABSは、PLAよりいくらかより可撓性であって、もろくもない。
FFF 3Dプリントがプロトタイプ構成要素の製造の単純性を提供する一方で、該技術によって不利な点がある。すぐに利用できる消費者向けプリンタは、一般的に金属を印刷することができず、これらのプリンタにより製造される部品の使用法を制限する。FFF技術が溶融材料を処理することに依存するので、それは、寸法精度が不正確になる傾向があり得る。
除去製造
「除去製造」とは、対象物から材料を除去して、所望部品を生産する工程を意味する。ミリングは、除去製造のための一般的な方法であり、そこで、旋削工具は、原材料の切削及び穿孔動作を実行する。ミリングは通常、3Dプリンタの押出機のように、3つの軸により移動するツールヘッドを有する機械により行われる。最新のミリング工程は多くの場合、コンピュータ数値制御(CNC)技術を含み、工程が電動式軸によって自動化されるのを可能にする[49]。この制御レベルは、所望の部品寸法に非常に正確な機械加工した部品をもたらす。
概要及び目的
我々の研究室の以前の研究は、周辺感覚神経組織を調査するための強力なプラットフォーム、我々のヒドロゲル神経突起構造物を開発した。このプラットフォームは、in vitro神経モデルのコスト及び相対的な単純さに利点をもたらし、その一方で、特性がin vivo神経組織により類似していることを維持する。電気生理学は、神経組織の薬学的または病理学的効果を研究するためのプラットフォームとしてこれらの構造物を使用するための重要な方法である。しかし、電気生理学を行うことの本技術(電極によるフィールド電位記録)は不整合であり、自動化するのが困難で、将来大規模な研究にプラットフォームを適用するのを制限する。
この研究の目的は、ヒドロゲル神経突起構造物に電気生理学を実行する、短時間の自動化可能な方法を見つけることであった。これは、神経病理及び薬剤反応の研究での我々の構造物の大規模かつ迅速な使用のために、残っている主な障壁を除去する。この残りの問題の解決を見つけることは、電流フィールド電位記録技術に存在する問題を減らすことを必要とした。下記の表1は、カスタムメイドの迅速な電気生理学プラットフォームの製造で対処すべき、プローブに基づくフィールド電位記録の設計問題を要約する。イタリック体にした問題及び解決策候補は、市販のMEAシステムにより導入される因子を複雑化している。
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フィールド電位記録に存在する問題に対処するために、複合型導電性ヒドロゲル及び市販のMEAを含む、いくつかの解決策の候補が調査された。市販の多電極アレイの一般的な設計が我々の現在の電気生理学技術に存在する問題を解決する可能性があるとわかったが、その設計による更に複雑化する因子のため、我々の構造物に適合不良であることも示した。したがって、既存の細胞培養インサートに基づく、迅速な電気生理現象のカスタムプラットフォームが開発されて、市販のMEAの利点を組み込みつつ、関連する複雑化する因子を回避するように設計されていた。
電気化学的インピーダンス分光法(EIS)試験装置の製作
二点EIS試験装置は、帯鋸及びボール盤を使用して、高密度ポリエチレンプラスチック、銅棒及びナイロン締結具から製作された。各試験装置の2つの銅棒は、161mmの平行な表面を有するように整列配置されて、平均0.771mmで分離され、インピーダンス(約2pF)に超低容量寄与を有するように測定された。
EISのためのヒドロゲル溶液の調製
電気化学的インピーダンス分光法(EIS)のためのヒドロゲル試料は、それらを使用するヒドロゲル構造物中に形成されるゲルにあり得る組成物と類似しているようにするために調製された。PEG溶液は1.00gの1000MW PEG、0.050gのIrgacure(登録商標)2959(BASF)、及び10.0mLのリン酸緩衝溶液(PBS)で調製した。8%のHP溶液は、0.040gの32%メタクリレート化HP(Me-HP)、0.010gのIrgacure(登録商標)2959、28.8μLのn-ビニルピロリドン(NVP)及び0.471mLのPBSで調製した。4%のHA溶液は、Me-HPの代わりに0.020gの32%メタクリレート化HA(Me-HA)により同様に調製した。過硫酸アンモニウム(APS)溶液は、0.100gのAPS及び1.00mLのPBSで調製されて、ピロール(Py)溶液は、0.100mLのPy及び1.00mLのPBSで調製した。すべての溶液は、使用前にボルテックスミキサーを完全に混合した。
ヒドロゲル試料の調製
すべてのゲル種(HA、HA-Ppy、HP、HP-Ppy及びPEG)のために、スライドガラスは、70%のEtOHで洗浄し、続いてRain-Xを適用して調製した。9.70mmの内径を有するステンレス鋼ワッシャは、洗浄して、スライドガラスと同じ方法でコーティングした後に、スライドガラス上に配置した。それから、150μLのゲル溶液、HA、HPまたはPEGを、ワッシャの中心に加えて、円形パターンは、HA及びHP用に60秒及びPEG用に38秒のUV光アプリケーションを備えるDMDを使用して、ゲル化した。UV光は、DMDの移動に応じて、そして基板に、375~409nmの範囲の波長、及び85mW/cmの表面出力密度を有する[50]。それから、過剰な流体は、KimWipe(登録商標)(Kimberly-Clark)により除去された。HA-Ppy及びHP-Ppy試料のために、150μLのAPS溶液が、60秒間ワッシャ(内部にHPゲルを有する)内に加えられて、その後、除去された。次に150μLのPBSが、10秒間適用されて、除去され、それから150μLのPy溶液を加えて、全体の色が黒に変化して、約60秒間観察されるまで、放置した。それから、過剰なPy溶液を除去して、3×10秒間の150μLのPBS洗浄を実施した。
EIS実験
EIS試験装置の銅の接点は、金属研磨紙で研磨されて、試料は、それらが形成されたスライドガラスからかみそりの刃との1つの接点へ移された。次に、他の接点が試料の上に配置されて、試験装置は、工程中に定位置に試料を固定するナイロン締結具と共にきつくねじ込められた。それから、試験装置は、Agilent4294A精密インピーダンス分析器(Agilent Technologies)に接続して、500mV(100Hz-1MHz対数掃引速度)を受けた。インピーダンス及び位相情報は、試験した周波数ごとに得られた。
インピーダンス試験の後、銅板の正確な間隔は、デジタルキャリパで試験装置の開放側を測定し、平均を確定することによって収集した。試料の直径は、試験装置の両方の開放側からキャリパをサンプルの可視端と視覚的に揃えて、その結果を平均化することにより確定された。得られたインピーダンスデータポイントは、抵抗=(インピーダンス)sin(位相角)として、その周波数で測定した位相角及びインピーダンスを使用して、抵抗に分解された。試料のサイズ情報を使用して、抵抗は、抵抗率=抵抗(領域/長さ)として、材料の抵抗率を得るために正常化されたものだった。各試料のための抵抗率は、低周波(100Hz)及び高周波(1MHz)で表にまとめた。位相角は、低周波で各試料についても示した。一元配置分散分析(ANOVA)試験は、抵抗率の低周波及び高周波領域のそれぞれについて、及び位相角の低周波数領域について個別に実行された。ボンフェローニ事後試験は、ANOVAにより有意性が確立された、各データセットの手段を比較するために使用した。統計及び図は、GraphPad Prism(GraphPad Software,Inc.)を使用して作成した。
カスタム多電極アレイ(MEA)
カスタムMEAを製造することの早い時期の試みは、スパッタ堆積法を使用した。この技術は、挿入膜の透過性が堆積処置を受けた後に損なわれて、挿入膜の上に流体を塗布することと、長期間の後に流体が浸透するのを見ないことと、により確認されて、非理想的だとわかった。この処理がインサート膜をはるかに少ない熱にさらしたので、この発見は、真空蒸着PVDの選択につながった。電子ビーム真空蒸発装置を使用する、早い時期の結果は、スパッタ堆積法によるものであったように、厳格な処理による影響を受けないことを示した。これは、技術を受けた膜を通して観察された流体透過性により確認されて、SEM画像はその膜孔が存在したままであることを確認した。
電子ビームPVDのためのスナップ式マスクの設計
電子ビームを使用して、細胞培養インサート膜上の所望のパターン内に金属を堆積させるために、マスクは、金属が要求されなかった膜の領域に到達するのを防ぐために開発された。それらが細胞培養インサートの溶液アクセス穴内にカチリとはまった120度で配向した3つの軸を有するように、これらの「スナップ式」マスクは設計された。これによって、インサートの配向に関係なくマスクが適所にとどまること可能になり、電子ビームが上方に向けられるので、内部に付加されるとき、インサートがさかさまに配向される必要性があった。スナップ式軸は、底のマスクパターンが溶液アクセス穴に対して常に同じ配向にあることも確実にした。
スナップ式マスクの初期のデザインを、完全に3Dプリントした。FFFの寸法精度が、必要とされる所望の小さい正確な電極パターンを作成することができなかったので、これは不十分な技術であることが判明した。したがって、マスク底部の電極パターン穴がABSから3D印刷したマスク素材からCNCミリングされるように、設計は修正された。プラスチックの小さいフィラメントが連続式電極の堆積を妨げる、マスク孔に付着したままだったので、これも不満足な結果をもたらした。
最終的なマスク設計は、スナップ軸及びマスク細部を2つの異なる構成要素に分けることによって(インサートに容易にスナップで取り付け及びそれからの取り外しをするために可撓性であるように、ABSプラスチックから作成した軸構成要素、及び、洗浄粉砕した結果を有するように、銅金属で作成したマスク構成要素)、残留するプラスチックフィラメントの問題を低減した。銅は、真空蒸着工程で有効なマスキング材料であることを示したので、選択された[45]。構成要素は、SolidWorks(登録商標)(Dassault Systemes)コンピュータ支援設計(CAD)パッケージで設計した。
それが通常、以前神経突起構造物で使用したプローブ型電極構成と類似しているので、最終的なマスク設計の電極パターンを決定した(図1)。これは、マスク細孔が実際に機械加工されることができる最小サイズだったので、電極はサイズ500μmであるように設計された。パターンは、インサート当たり2つの神経突起構造物を可能にして、それぞれ、記録電極及び刺激電極を備える。接地電極は、大きい接地基準として両方に役立ち、両方のインサートのバイポーラ刺激電極の地上半分として作用するように配置されて、プローブ型バイポーラ刺激電極を模倣した。電極配置は、逆行性電気生理学ためのプローブに適合するために行われ、刺激電極はDRG本体の遠位に位置し、記録電極はその近位に位置した。各電極は、カスタム電気生理学装置と連動するために、その端に加えた丸い嵌合パッドを有した。
スナップ式のマスクの作成
最終設計の6つのスナップ式マスクを作成した。軸構成要素は、STLファイルとしてエクスポートされて、Cura LulzBot(登録商標)Edition(Aleph Objects,Inc.)内にインポートされ、Ultimaker2の標準設定を使用して(支持材料またはベッド固着なし)スライスされて、GCODEファイルをエクスポートして、印刷用セキュアデジタル(SD)カードへコピーした。軸構成要素は、ABS用のデフォルト設定により、Ultimaker2(Ultimaker B.V.)FFF 3DプリンタのグレイABSから、個別に印刷した。ベッド固着は、印刷を開始する前に、ガラスプラテン上へABS-アセトン混合物の薄層をブラッシングして、それを乾燥させることによって行った。完成した構成要素は、かみそりの刃でプラテンから取り外されて、過剰なプラスチックはポケットナイフで除去された。底部構成要素に接続するための軸構成要素の穴は、底部構成要素のペグが適合するのを確実にするために、携帯ドリルを使用して1mmドリルビットでドリルアウトした。
金属マスクの底部構成要素は、SolidWorksで準備したSLDPRT部品ファイルをインポートすること、及びAutodesk Fusion360(商標)(Autodesk Inc.)のコンピュータ支援機械加工(CAM)を実行することにより、ミリングの準備をした。ミリング処理は、0.080インチの厚い銅原材料、対象部品及び使用したスクエアエンドミル;大きな切断処理及び最後の部分の切り出し用に使用した直径5/64インチのスクエアエンド2枚刃エンドミル;マスク細部のミリング用の直径0.018インチのスクエアエンド2枚刃エンドミル;の寸法に基づいて画定された。ミリング処理のための材料送り速度は、これらのツールのサイズ、CNCフライス盤の10000回転数/分のスピンドル最上速度、及びFSWizard:Online(Eldar Gerfanov)を使用した銅材料に基づいて計算した。
NC g-コードファイルを、CAMパッケージからエクスポートして、専用コンピュータ上のFlashCut CNC(FlashCut CNC)CNC制御ソフトウェア内に入れた。銅原材料(McMaster-Carr)は帯鋸で細片に切断されて、ボール盤で処理して、0.25インチのボルトでミルへの固定を可能する穴をあけた。捨て合板を同じサイズにレーザー切断して、各銅細片の下に固定した。3つのNCファイルは準備して、1つは大きな予備切断、1つはマスク細部、及び最後の1つは原材料からマスクを裁断することを画定した。各ファイルは、次へ移動する前に、6つのマスクすべてで実施した。油性の切削油剤は、チップクリアランス、冷却及び潤滑化目的のために、切断処理中に適用した。完成したマスク底部は、水ですすいで、銅チップを除去して、ポケットナイフでばりを取り除いた。
細胞培養インサート用の電子ビーム取り付けプレート
6つの細胞培養インサートのセットを素早くかつ繰り返し電子ビーム内に配置するために、取り付けプレートのカスタムセットが、電子ビームの既存の基板取り付けプレートに取り付けるようにSolidWorksに設計された。それらが既存の取り付けプレートの中心の軸周囲に放射状に配置されるように、これらの取り付けプレートは、インサートの底部を配向するように設計された。カスタム底部プレートは、インサートを配置した後、最初に既存のプレートに、2番目に上部プレートに固着するように設計された。厚さ0.125インチのオープンセル型裏面粘着式ポリウレタン発泡体の直径24mmの小片は、レーザー切断されて、底部プレート上の挿入位置のそれぞれに加えられた。これらの発泡体片は、スナップ式マスク底部に対して挿入膜を押し上げるために加えられて、いかなる潜在的空隙も除去し、そうして電子ビーム堆積から得られるより鋭利な電極を提供した。
取り付けプレートはSolidWorksからのSTLファイルとしてエクスポートされて、Cura LulzBot Edition内にインポートされて、支持材料と共にLulzBot(登録商標)TAZ5(Aleph Objects,Inc)FFF 3Dプリンタ用の標準設定を使用してスライスされて、GCODEファイルをエクスポートして、印刷用セキュアデジタル(SD)カードへコピーした。プレートは、PLAから印刷した3Dで、ポケットナイフで除去される過剰なプラスチック及び支持材料を有した。
カスタム多電極アレイ製造手順
各電子ビーム電極製造は、直径24mmの細胞培養インサートの1つの新規なセットで行われて、各セットは、6つの対応する細胞培養インサートを備える、1つの6ウェルプレートからなる。無菌プロトコルは、カスタム多電極アレイの作成中、可能な限り維持された。未開封のインサートのセットを、70%エタノールで消毒し、無菌フード内に入れた。6つのスナップ式マスクの各構成要素は、1つのFisherbrand(商標)と同様に、消毒されて、入れられて、乾燥させた。それからスナップ式マスクは、整列配置されて、軸構成要素の対応する穴内に下部構成要素のペグを挿入することによって、組み立てられた。インサートのセットを開封して、各スナップ式マスクをインサートに適用した。それからスナップ式マスクを備えたインサートのプレートは、最初の無菌包装に戻されて、包装はテープを使用して再び閉じた。
次に、再封止したインサート包装、テープ、カスタム取り付けプレート及びエタノールは、適切な作業着及び入室手続きに従って、クリーンルームに運び込まれた。それから、電子ビーム真空蒸着PVD装置(Nexdep PVD(Angstrom Engineering))が開かれて、基板取り付けプレートを取り外した。基材プレート及びカスタムプレートは、エタノールで濡らした洗浄布で拭かれて、底部カスタムプレートの中心は、ねじで基材プレートの中心に取り付けられた。それから挿入パッケージは再度開かれて、取り付けられたスナップ式マスクを備えるインサートは底部プレート上に配置された。それから上部プレートは、4つの追加ねじで上部に固着されて、インサート及びスナップ式マスクが適所にあることを確実にするように注意した。それからテープは、上方から見えるインサートのすべての露出部を覆うために加えられた。
それから完全に定植した基板取り付けプレートを、吊り下げた配向で電子ビームチャンバに戻されて、チャンバが閉じられた。次にチャンバは、1E-7トールの圧力まで約4時間減圧された。減圧されると、チタンの基部接着層が、速度0.3A/秒、厚さ5nmで堆積され、その後、速度0.5A/秒、厚さ45nmの金の主導電層が続いた。これらの堆積速度は、過剰な熱を挿入膜に加えないために、いくらか抑え気味だった。堆積処理の間、基板プレートは約30回転数/分で回転して、6つのすべてインサート上への堆積を確実にした。
堆積の後、電子ビームチャンバは大気圧に戻されて、開かれて、基板取り付けプレートが取り出された。テープが外されて、上部及び底部取り付けプレートが基板プレートからねじを抜いて外されて、スナップ式マスクがインサートから除去され、インサートがその6ウェルプレートに戻された。それから6ウェルプレートは、その包装に戻されて、テープで再び封止された。それからインサートは無菌フードに戻されて、そこで、各インサートは、インサートの下のウェルに加えた2mLの洗浄溶液を含み、更に2mLを膜表面に加えた。この洗浄工程は、いかなる潜在的に残留する金属粒状物も除去するために含まれており、それは、49mLのPBS及び抗生物質‐抗真菌剤(anti-anti)(Gibco)1mLから調製した。洗浄溶液の適用の後、インサートは、インキュベータへ移して、そこで、それらは、使用前に少なくとも24時間放置された。
カスタム電気生理学装置設計
この研究で設計したカスタム電気生理学装置は、カスタム電気生理学プラットフォームの第2の半分を形成し、第1はカスタム多電極アレイである。パターン形成した電極を備える細胞培養インサートが、神経突起構造物と直接接触している電極の両端と刺激及び記録電気生理学装置の間に形成される連続電気接続を非常に素早く備えることができるように、装置は設計された。10つ以上の設計を繰り返して、この目的を達成した装置設計が確定した。最終的な装置設計は、6つの構成要素(3つの3D印刷した本体構成要素、2つの回路基板及びばね)からなった(図5)。
3つの3D印刷した構成要素(基部、プランジャ及び主アセンブリ)は、容易に組み立てられるように設計されて、いくつかの目的を達成する。基部は、流体アクセス穴に対して正しい配向でインサートを保持するための2つの挿入アライナを備えて設計された(図5)。これは、上方から降ろされる接点がインサートの対応する嵌合パッドと嵌合するのを確実にした。スロットはスライドを挿入するために加えられ、インサートが静置できる、平坦で洗浄可能な表面を提供する。基部は、プランジャが挿入される隙間を提供するために、主アセンブリから着脱可能であるように設計された。
主アセンブリは、装置全体に安定を提供して、インサート上にばね仕掛けのプランジャ装置を保持するように設計された。主アセンブリは、プランジャの垂直移動を抑制して、それを隆起位置に固定する方法を提供するためのスロット、及びそれを挿入するための経路を備える、円筒状ハウジングを主な特徴とする。次にプランジャは、圧力接続部を形成するために、それと主アセンブリの間に閉じ込められる円錐状圧縮ばね(McMaster-Carr)により提供される力を使用して、挿入電極と接触する金メッキ接点を含む、回路基板を保持するように設計された(図7)。それは中空ガイド軸も含んで、それにより、配線が、取り付けた回路基板から通過すること、及びプランジャが一貫した方法で上下移動できるのを確実にすることと、が可能になった。
装置用の回路基板は設計で単純だった。プランジャ上の基板は、電極パターンの嵌合パッドに対応して、加えた金メッキの接点ピンと、取り付けたそれぞれのワイヤと、を備えるように設計した。刺激のための接点は、1つ刺激接続に取り付けられて、その結果、同じ刺激は2つの構造物のそれぞれに常に分配される。装置の裏の基板はいくつかのBNCジャッキを保持するように作成されて、プランジャ基板からあがるワイヤとそれらを連結した。それから、この基盤上のBNCジャッキは、標準またはカスタムケーブルを使用して、電気生理学装置に容易に接続できた。
装置の製作及び組み立て
3つの3D印刷した構成要素は、上述の同じ手順に従って、LulzBot TAZ5プリンタで個別に印刷した。2つの回路基板構成要素は、上述と類似の手順に従って、1つのNCファイルにより個別に作成された各基板を除いて、厚さ0.0625インチの銅被覆garolite原料薄板(McMaster-Carr)からミリングされた。すべての処理は、直径0.040インチのスクエアエンド2枚刃エンドミルで実施されて、潤滑はされなかった。
装置は、最初にプランジャ用の回路基板から組み立てられた。金メッキ軍用規格電気コネクタピン(Mouser Electronics)は、板内に取り付けられて、平坦面に対して保持されると共に、適所にはんだ付けされた。それから、標準22AWG銅線は適所にはんだ付けされて、その結果、連続電気接続がピンの端からワイヤの端まで行われた。
プランジャ構成要素は、その上に摺動する円錐状圧縮ばねを備え、その小さい端部はプランジャの上側面に対して押圧した。組み立てたプランジャ回路基板のワイヤは、ガイド軸に通されて、次に基板は、熱接着剤でプランジャの底部の適所に取り付けられた。
それからワイヤは、主アセンブリのガイド軸用の穴に通されることができて、プランジャは入口スロットに挿入さされて、適所内で回転した。それから、背面回路基板は、BNCジャッキ(Mouser Electronics)で取り付けられて、それは適所にはんだ付けされた。追加の接地ワイヤは、装置が配置されるファラデー箱に共通接地を接続するために加えられた。ワイヤは主アセンブリの上にガイドに通されて、残りの端は、関連するBNCコネクタ用の背面回路基板の対応する位置にはんだ付けされた。外箱が接地されるように、すべてのBNCコネクタは有線であり、内側導体は信号だった。それから背面回路基板及びワイヤは、主アセンブリの適所に熱接着された。次に基部構成要素は、主アセンブリの底に加えられて、そうして最終装置が完成した。
ヒドロゲル構造物の調製
ヒドロゲルの紫外線(UV)による微小パターン化重合に関するCurleyらによる以前の研究は、二重ヒドロゲル構造物を得るために使用する方法の基礎を形成する[6]。カスタムMEAを有するインサートは、インキュベータから取り出されて、洗浄溶液が吸引された。インサートの壁は、メニスカス形成を防ぐために、殺菌フィルタ処理したRain-Xで底部周囲を綿棒で拭いた。それからインサートは、殺菌フィルタ処理したPEG溶液500μLを充填して、上述と同じ成分割合で調製した。次にPEG溶液を有するインサートは、付加した成長制限パターンを有するDMDプラットフォーム上の低強度白色光に位置合わせされて、その結果、パターンは、図2の重なる描写で示されるように、電極パターンに対して配向された。2つの成長制限ゲルのそれぞれは、UV光の40回の適用で次々に架橋された。
それから過剰なPEG溶液は吸引され、立体顕微鏡の下で、成長制限パターンの空隙中の残りのPEG溶液がKimWipeで除去された。次に空隙は、約10μLの4%HP溶液(上述の8%のHP溶液として調製されたが、Me-HPは0.02gのみ)を充填した。それからHPを充填した空隙は、対応するフォトマスクを載せて、UV光の60回の適用によりDMDと架橋した。
次にここで完成した構造物を有するインサートは、上述の通りに調製した洗浄溶液により下のウェルを2mL及び上を1mLで、3回洗浄した。それから構造物を有するインサートのプレートは、各インサート下のウェルに残る2mLの洗浄溶液と共にインキュベータに戻された。
実施例2:カスタムプラットフォームによる電気生理学
髄鞘形成のための後根神経節(DRG)組織培養
使用するDRG組織培養方法は、我々の研究室によりPeles研究室プロトコルから変更して作られて、我々のDRG構造物の髄鞘形成を誘発した[28]。組織移植の前に、構造物を有するMEAインサートは、吸引した洗浄溶液を含み、2mLのneuralbasal培養溶液(NB)(48mLのneuralbasal培養液、1mLのB-27(登録商標)補助剤(Gibco)、0.5mLのGlutaMAX(登録商標)(Gibco)、10μLの100μg/mLの神経成長因子(NGF)及び0.5mLのanti-antiで調製)と置き換えた。インサートは、NB培養液が構造物内に分散するのを可能にするために、少なくとも3時間インキュベータに放置された。
DRG外植片組織は、以前に記載したようにEIS Long Evansラット顕微解剖から得た[8]。すべての動物の取扱い及び組織収集の処理は、NIHで示す対応するガイドラインの観察で実行された(NIH Publication#85-23Rev.1985)。DRGは、構造物当たり1つのDRGで、各構造物の成長許容HP充填領域の丸い端内に押し込まれた。
NB培養液の1日のDRG成長の後、成長培養液は、2mLの髄鞘形成前培養液(PM)(48.5mLのBasal Eagle培養液、0.5mLのITS補助材(Gibco)、0.5mLのGlutaMAX、0.1gのウシ血清アルブミン(BSA)、0.2gのD-グルコース、10μLの100μg/mL NGF、及び0.5mLのanti-antiからなる)と取り替えた。PM培養液は、2~9日の成長で合計4回の培養液交換のために、更に3回取り替えた。
10日間の成長の間、培養液は、2mLの髄鞘形成培養液と交換した。この培養液は、41mLのBasal Eagle培養液、0.5mLのITS補助剤、0.5mLのGlutaMAX、7.5mLのウシ胎仔血清(FBS)、0.2gのD-グルコース、10μLの100Kg/mL NGF、0.5mLのanti-anti、及び2μgのL-アスコルビン酸から調製した。この培養液は、合計6回の利用のため合計2週間続けられた。
電気生理学実験に対する準備
能動的灌流はカスタム電気生理学装置の設計に含まれておらず、したがって、ACSFが準備されて、能動的灌流設定(例えば、以前のフィールド電位記録)にできるだけ近づくように適用された。ACSF溶液は、10×原溶液(1Lの脱イオン水、72.5gのNaCl、3.73gのKCl、21.84gのNaHCO、及び1.72gのNaHPOからなる)から調製した。この原溶液を使用して、1×ACSFを作成し、45mLの脱イオン水で希釈した5mLの10×ACSFを使用して、200μLの1M MgSO、100μlの1M CaClを加えた。それから、この溶液を、95%のO、5%のCOで約1時間泡立てて、容器を泡立て終了時にすぐに密閉した。
次に、この溶液の約4分の1はそれぞれ1mLのアリコートに分けられて、すべてのACSF溶液は、暖かくなるまで、37℃の熱浴槽に放置された。1mMのTTX原溶液は、使用直前に、ACSFアリコートに添加するために解凍された。
カスタム電気生理学装置は、ファラデー箱の内側台に固定して、3つのカスタムBNCケーブルを取り付けた-2つは、インサート当たりの2つの構造物のそれぞれの記録電極に対応する、ICを介してPowerLab(商標)8/30(ADInstruments)へ取り付けたML138 Octal Bio Ampの2つの記録チャンネルに接続し、3つ目は、STG4004刺激ジェネレータ(Multi Channel Systems MCS GmbH)に接続した。装置の背面回路基板上の接地線は、完全な接地を確実にするために、ファラデー箱台内にねじ込まれた。PowerLabが直接刺激を起動できるように、PowerLab及び刺激ジェネレータは一緒に接続された。スライドガラスは70%エタノールで洗浄して、装置の底部の対応するスロットに置かれ、MEAインサートを支持する平坦面を提供した。
カスタムプラットフォームによる電気生理学処理
3週間後、成長の2日目、電気生理学を、カスタムMEAインサートで培養した神経突起構造物に行った。神経生理学試験の直前、各インサートの両方の構造物の画像を得て、神経突起の成長の量及び健康状態を確認して、更に構造物が組織を含んでいるまたは含んでいないことを確実にした。
電気生理学処理は、ACSF洗浄の適用に集中した。各インサートは、インキュベータからそれぞれ取り出されて、取り外される成長培養液を有し、新しい輸送プレートへ移動して、一連のACSF洗浄を受けた。通常のACSFの洗浄において、1mLのACSFは、構造物と直接接触して、インサートの上でピペットでゆっくり取られた。新しい輸送プレートのなかのインサートは、37℃の温度で60回転数/分で回転する回転インキュベータ内に入れられた。ACSF溶液は、使用直前に熱浴槽から取り出されて、封止されて、使用直後に戻された。追加のTTXを有するACSF(ACSF-TTX)において、個々のACSFアリコートは、熱浴槽から取り出されて、それぞれ0.5μΜ及び1μΜのTTX濃度に対応する、0.5μLまたは1μLの1mM TTX濃縮物を使用直前にそれぞれ添加した。ACSFを加えたインキュベーションの特定の期間の後、プレートは、インキュベータから取り出されて、ピペットでACSFを吸引し、インサートを電気生理学装置内に入れて、流体アクセス穴を2つのアライナ上にスライドし、接地電極接点は装置から離れた方向を向いていた。それから装置プランジャは、その固定位置からねじり抜かれて、電極嵌合接点と接触するために、ゆっくりと下がった。
使用した記録ソフトウェアは、LabChart(ADlnstruments)であり、それはPowerLabと連動した。刺激ジェネレータは、その制御ソフトウェア、MC_Stimulus II(Multi Channel Systems MCS GmbH)を使用してプログラムされた。LabChartは、手動で起動されたとき、刺激ジェネレータにトリガ信号を提供するようにプログラムされ、同様に、起動されたとき、-50mV、200μsパルス刺激を出力して、そうしてアース電位に戻るように、MC_Stimulus IIによってプログラムされた。LabChartは、各手動起動において、200msで1mV範囲を記録するように設定された。
インサートを装置内に入れた後、複合刺激及び記録は、少なくとも50回、場合によっては反応が50に達する前に目にみえるほど疲れたとき、手動で起動された。トリガの間の遅延は0.5~5秒の間で変化したが、大部分はその範囲より短かった。
下の表2は、使用した最終的なACSF洗浄手順、及び各洗浄の目的の説明を示す。洗浄手順は、ACSF及びTTXの十分な洗い入れならびに洗い出し時間が、任意の反応の生体起源を確認するのを助けることを可能にするように設計された。
Figure 0007245523000002
洗浄4、6及び8のそれぞれの後に得られたデータが、反応の生体起源を確認するために使われた。
反応は、各洗浄の後に作成した電気生理学データのために計数されて、そこで、その数は、第1の可視反応の50回の刺激内で見られる反応数だった。反応は、TTXの飽和に対応する洗浄6の後でなく、洗浄4及び8、基線反応及びTTX後反応の後に反応が見られるとき、起源が生物学的であることが確認された。
複合型導電性ヒドロゲルのインピーダンス解析
分析したヒドロゲルについて、抵抗率は、低周波領域(100Hz)及び高周波領域(1MHz)で得られて、分析された(図8)。位相角は、低周波領域で得られて、分析された(図9)。PEGでn=10、HPでn=4、HP-Ppyでn=6、HAでn=4、及びHA-Ppyでn=2だった。一元ANOVAは、抵抗率の低周波数領域及び高周波領域のそれぞれ(両方ともp<0.0001)、ならびに位相角の低周波領域(p=0.0001)の有意性を示した。ボンフェローニ事後試験は、Ppy添加が、低周波数領域及び高周波数領域のHPの抵抗率(両方ともp<0.001)を確実に低下させたが、HAではそうではなく、ゲルはPEGより低い抵抗率を得られなかったことを示した。
ボンフェローニ事後試験は、Ppy添加が、HAの位相角(p<0.01)を確実に低下させたが(ゼロに近づいた)が、HPではそうではなかったことを示した。HP-Ppy及びHA-Ppyの位相角は両方とも、PEGより低下した(それぞれ、p<0.01及びp<0.001)。
カスタムプラットフォームによる電気生理学
6つのインサートの4つのセットは、カスタムMEA、構造物及びDRG組織により作成された。これらのうちで、3つのセットは、最終的な電子ビーム技術を使用して作成された。インサートの第1セットは残留する金属粒状物を緩和するためにとられる手段(インサートの露出領域をテープで巻くこと、及び堆積後の洗浄溶液に浸漬させること)を有さなかった。このセットは、培養1週目の後、明らかに不健康で、停止した。
生存組織を有するインサートの残りの3セットから、合計7つのインサートまたは14の構造物は、最終的なACSF洗浄手順を受けた。これらの構造物のうちの2つは空であり、少なくとも1つの反応は、残りの12つの構造物のうちの9つの生物学的確認のために計数した実験で見られた。これらのうちで、3つの構造物の反応は、TTXにより起源が生物学的であることが確認された(図10)。個々の構造物を確認するために使用する表記法は、S(セット数)-(挿入数)-(構造物番号)であった(下の表3を参照)。
Figure 0007245523000003
これらの確認した生体応答のうち、2つは陰性反応(S2-3-1及びS3-4-2)を示し、1つは陽性反応(S4-5-2)を示した。陽性及び陰性反応の両方の曲線特性は類似しており、互いの逆であるように見えた(図11)。反応(陽性及び陰性の両方)は、約500μVの大きさを有し、持続期間は約100m秒だった(図12)。
確認した生物学的反応をする構造物S2-3-1は、空の構造物S2-3-2を有するインサート中に含まれた。これは陰性対照として機能し、反応はS2-3-2では見られなかった。
考察
EISの結果は、ヒドロゲルまたは複合型導電性ヒドロゲルがPEGより低い抵抗率を有しないことを示した。PEGより1桁低い抵抗率は、複合型ゲルにとって好適な結果と考えられるが、それでも、ゲルは、PEGの導電率を超えることができなかった。
所望の機能が欠如しているにもかかわらず、導電性PpyポリマーのHPヒドロゲルへの添加は、高周波数領域及び低周波数領域の抵抗率の低下を確実に引き起こすことを示した。それはHAで同じであることを示さなかったが、HA及びHPの位相角は、Ppyの添加によって減少して、PEGより実質的に小さくなった(ゼロに近づいた)。この結果は、HP-PpyがHPより、電気を伝導することでいくらか有利あり得ることを示す。しかし、低い位相角(ゼロにより近い)が少ない信号歪みと対応するので、信号を実行するために、位相角は重要な基準になる可能性がある。これは、PEGまたはHP-Ppyがゼロに最も近い位相角を有したので、HA-Ppyが、少ない信号歪みによって所与の信号を実行する可能性があることを意味する。従来の電気生理学的実験で見られたCAPは、特徴的な10m秒の信号を有し[13]、それは、低周波領域内の100Hzの周波数に対応する。それが低周波領域の類似の抵抗率PEGだが、低い位相角を有したので、したがってHA-Ppyは、CAP導電のPEGより良好に実行する可能性があり、つまり、それは、電流が流れるための経路に適していて、信号の特徴の少ない乱れにより実行できる。
この結果について考えられる説明は、HA-Ppyの調製は、相互浸透するポリマーネットワーク(IPN)の形成をもたらしたいうことである。その中で、HA及びPpyは、化学的に会合しない、または結合しておらず、Ppyが妨害されてない信号を実行するのを可能にする。これがHP-Ppy内で完全には発生せず、HP単独と類似の位相特性をもたらした可能性もあり得る。HPとIPN形成を防止するPpyの間の化学会合は、HPのメタクリレート基とピロールの間の水素結合、酸/塩基相互作用、ペプチド結合及び架橋を含む。HPとPpyの間で可能性がある多くの化学会合は、HPの高い負電荷密度及びPpyの相対的な正電荷に関連するとして要約されることができる。HAより高いHPの電荷密度は、HPとPpyの間のこれらの相互作用のより多くを関連させて、それにより、電荷及び信号伝播を妨げる。
全体として、複合型導電性ヒドロゲルは無効な溶液と判定されて、ヒドロゲル構造物の神経突起と電極の間の電気接続を促進した。これらの複合型ゲル中で実行される信号が、歪みが少ないといういくつかの可能性がある一方で、添加した導電ポリマーを配置するために必要な全体の努力はあまりに大きく、この用途でのその最小限の抵抗率改善を正当化できなかった。
神経突起構造物の選択領域内に複合型ゲルを加えることは、DMDを使用して構造物を作成するのに必要な時間を著しく増加させる、多段階処理を必要とするとわかった。更に、添加したDRG組織による予備実験は、複合型ゲルが神経突起の成長に貢献しなかったことを示すように見えた。
神経突起電気生理学に適用される際、複合型導電性ヒドロゲルで見つかるこれらの限界は、協力者によって見つかった観察により確認された[51]。複合型導電性ヒドロゲルの比較的小さい利点は、それらを作成するために必要な努力と比較したとき、電気生理学的評価を容易にするためのヒドロゲル神経突起構造物への追加として、それらの放棄につながった。これにもかかわらず、これらの複合型ゲルは、適合した水和導電性材料が必要とされる他の用途で使用する可能性を示す。
迅速な電気生理学プラットフォーム
この研究で開発した迅速な電気生理学プラットフォームは、ヒドロゲル神経突起構造物からの生体信号を速やかに記録することが可能なことを示した。最終的な洗浄手順を使用して試験した構造物のうち、3つは、TTXによる反応を弱めるため、生体起源の反応を提供するために確認された。見られた生体応答は、以前に見たものをはるかに超えており、我々の研究室による以前の研究は、5~10ミリ秒のCAP反応を示した[13]が、この研究で見られた反応は約100ミリ秒だった。以前のフィールド電位記録電極が微細な接点だったので、これは予想されていたが、本研究の記録電極は500μmであった。これは、記録が多くの軸索の大きな長さの合計になることをもたらし、更に経過した軸索反応は、記録信号に含まれることを意味する。
電気生理学的試験の間に見られた、1つの思いがけない結果は、予想した陰性のみの反応とは対照的に、陽性及び陰性の両方の生体応答の存在だった。陽性CAPは文献に示されており[30][31]、2つの考えられる説明がこの現象に関して存在する。最も単純なものは、見られた陽性反応が細胞間測定値であったということである。しかし、これは、MEAが軸索腔に入る手段を有しなかったので、可能性が低い。更に別の考えられる説明は、神経突起繊維の方向及び配向が予想通りでなかったということであり、刺激された繊維の遠位端が正しく接地参照されていない、または予想どおりではないという結果をもたらした。神経突起組織に対する接地電極の異なる設置は、異なる「ゼロ」位置をもたらし、そのため、逆の電圧になる可能性がある。それは、電圧計プローブがどこに配置されるかに応じて、陽または負電圧を有するために、バッテリーをどのように測定することができるかということと同様である。これは、フィールド電位記録電極で以前に見られたものと対応する、見られた反応規模500μVとして、最も可能性が高いシナリオであるように思える[13]。また、確認された生物学的陽性反応を有する構造物(S4-5-2)は、図4のPEGチャネルの外で成長する大きい神経突起束を有するのを見られることができ、それは適切に接地参照されていない。おそらく陽性反応が現れるのを防ぐことができる、将来の変化は、より制約されたチャネルを有するPEGゲルであり、不適当な接地位置へ流れる神経突起伝播を防止する。
カスタムMEA及び連動する装置により、電極接続は、フィールド電位記録電極による分単位の手順からおよそ5秒のものへ移行した。これは、カスタムMEAプラットフォームが、将来自動化されて、そうしてその目的の大部分が成し遂げられる高い可能性を示す。この研究で示されるプラットフォーム設計で最も明らかな欠点は、能動的潅流システムの欠如である。潅流システムは、使用されるACSFを取り除くと共に、新しいACSFでポンプで水を揚げることによって、新しいイオン及び他の因子の安定供給を細胞培養インサート上の構造物に提供する。このようなポンプ設定は、将来、電気生理学的反応(例えば、ここで使用されるTTX)または医薬品を変える因子の簡単な追加を可能にする。潅流システムは、当研究室によって、以前のフィールド電位記録試験に含有されていた[13]が、必要な装置の複雑さを減らすために、この研究で開発されるプラットフォームに含まれなかった。新しいACSFなしで、その代わりに本研究で使用した手動洗浄技術に依存することは、疲労により比較的急速に消滅する電気生理学的反応をもたらした。TTXの洗い入れ及び洗い流しも困難であることが判明し、効果的であるために、複数の洗浄工程を必要とした。そして、それは次に、手動努力のかなりの増加を必要とした。能動的潅流システムを加えることによって、この研究で設計したプラットフォームを有する電気生理学は、更に実用的及び自動化可能な処理になる。
能動的潅流システムの追加から生じ得る1つの問題は、電流の分流であり、そこで、ACSFは、どうしても表面電極を短絡させる。これは、いくつかの電気生理学実験の問題の原因であり得て、本研究にうまく適合しない、いくつかの解決案が開発された[32]。この分流効果は、それらを装置に配置する前に、各洗浄の後、インサートから過剰なACSF溶液を除去することにより回避された。しかし、作動潅流システムで、ACSFのレベルはインサート内部で維持される。これは、ACSFを添加するポンプ一時的にオフにしつつ、それを除去するポンプをそのままにすることにより、緩和されることができ、過剰物が取り除かれるのを可能にして、電気生理学試験を実施するための時間の間隔を提供する。
電流分流問題の別の解決は、電極を絶縁して、ACSF溶液が存在する領域から、連動装置との接点を遠ざけることである。市販のMEAでは正常な特徴である。[34]これは、多くの異なる方法で達成されることができるが、ACSFによって囲まれる神経突起構造物及び乾燥した状態に保たれる接点の両方を有するために、平坦な底部薄膜が実際的でないので、この研究で使用される細胞培養インサートの置換を必要とする可能性が高い。
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76
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Claims (20)

  1. インサートであって、
    (i)上面及び底面を備える、透過性固体支持体であって、前記上面が、前記インサートの前記底面が置かれる表面に対して水平または実質的に水平であり、前記上面が、前記上面から垂直に延在する1つ以上の突起によって内側部と外側部に分けられ、前記上面の前記内側部の少なくとも1つの領域が、容器の底面を画定し、前記1つ以上の突起の少なくとも1つの側面が、前記容器の1つ以上の連続する側壁を画定する、前記透過性固体支持体と、
    (ii)前記透過性固体支持体の前記上面に物理的に取り付けられて、前記容器内に配置される、1つ以上の電極と、
    (iii)前記上面の前記外側部の少なくとも1つの領域上に配置される、1つ以上の接触パッドであって、前記接触パッドが前記1つ以上の電極に操作可能に接続される、接触パッドと、
    を含む、インサート。
  2. 前記1つ以上の電極が、
    (i)上面及び底面を有する形状の平面であり、前記1つ以上の電極の前記底面が、前記容器の前記底面と隣接してまたは実質的に隣接して配置される、かつ/または
    (ii)前記透過性固体支持体の上面の実質的に水平方向にある、
    請求項1に記載のインサート。
  3. 前記1つ以上の電極が、少なくとも1つの刺激電極、少なくとも1つの記録電極、及び少なくとも1つの接地電極を含む、請求項1または2に記載のインサート。
  4. (i)前記少なくとも1つの刺激電極及び前記少なくとも1つの記録電極が、約1μm~約1cm間隔で離れている、
    (ii)前記少なくとも1つの刺激電極及び前記少なくとも1つの記録電極が、互いに対して実質的に平行に配向されて、互いから離間配置される、かつ/または
    (iii)前記少なくとも1つの接地電極が、前記刺激電極に実質的に平行に配向されて、それから離間配置される第1部分を含み、前記接地電極が、前記刺激電極に対して実質的に垂直に配向される第2部分を含む、
    請求項3に記載のインサート。
  5. 前記1つ以上の電極が、
    (i)互いに実質的に平行に配向されて前記透過性固体支持体の一方の面に配置される第1刺激電極及び第1記録電極、第2刺激電極と、
    (ii)互いに実質的に平行に配向されて前記透過性固体支持体の反対面に配置される第2刺激電極と、前記第1刺激電極と前記第2刺激電極との間に配置された接地電極と、
    を含む、請求項1~4のいずれかに記載のインサート。
  6. (i)前記第1刺激及び記録電極の接触パッドが、前記第2刺激及び記録電極の接触パッドから離れて配向される、
    (ii)前記第1刺激及び記録電極の接触パッドが、前記第2刺激及び記録電極の接触パッドから約180度離れて配向される、かつ/または
    (iii)前記接地電極の接触パッドが、前記第1及び第2刺激及び記録電極の前記接触パッドから90度離れて配向される、
    請求項5に記載のインサート。
  7. 前記透過性固体支持体が、
    (i)約0.2~約20ギガパスカル(GP)の曲げ弾性率を含む、
    (ii)平坦また実質的に平坦である1つ以上の電極を含み、前記固体支持体の前記上面に隣接して配置され、長手方向軸が前記透過性固体支持体の前記上面と平行であり、前記インサートが、前記透過性固体支持体の前記外側部周辺に配置される、少なくとも2、3または4つの接触パッドを含む、かつ/または
    (iii)直径約0.1μm~約3μmの複数の孔を含む、
    請求項1~6のいずれかに記載のインサート。
  8. 前記固体支持体が、円形または半円形であり、前記インサートが、
    (i)前記透過性固体支持体に固着した円形または半円形の環であって、前記透過性固体支持体及び前記環が、約0.5~約15ミリメートルの高さを有する、円筒状または実質的に円筒状の容器を画定する、円形または半円形の環、及び/または
    (ii)前記容器の前記底面全体に配置されるヒドロゲルマトリックス層であって、前記電極の少なくとも一部が、前記ヒドロゲルマトリックス層の上面下に配置される、または前記ヒドロゲルマトリックス層の表層の真上に突出している、ヒドロゲルマトリックス層を更に含む、請求項1~7のいずれかに記載のインサート。
  9. 前記ヒドロゲルマトリックスが、
    (i)高さ約5~約500マイクロメートルの高さの層を形成し、前記ヒドロゲルマトリックスが、深さ約5~約500マイクロメートルの空隙を含み、前記空隙の底領域が、約500~約5000平方マイクロメートルの表面積を有する、かつ/または
    (ii)成長及び/または細胞遊走を防ぐのに十分な堅さを備える第1ポリマーのヒドロゲルと、軸索成長及び/または細胞遊走を可能にするのに十分な堅さを備える第2ポリマーのヒドロゲルと、を含む、
    請求項8に記載のインサート。
  10. 前記第1ポリマーが、約15%以下のPEG及び約0.05%~約5.0%のRAD16-I、RAD16-II、EAK16-I、EAK16-II及びdEAK16から選択される自己組織化ペプチドのうちの1つまたはその組み合わせ、並びにメタクリル酸ゼラチンを含む、請求項9に記載のインサート。
  11. (i)1つ以上の単離されたシュワン細胞と、
    (ii)1つ以上の後根神経節(DRG)またはDRG片と、
    を更に含む、請求項1~10のいずれかに記載のインサートであって、
    前記インサートは、前記上面全体で層状になり、少なくとも第1の空隙を含む第1ヒドロゲルマトリックスを含み、前記空隙が隣接する横領域及び底領域を含み、
    前記電極のうちの少なくとも一部が、前記底領域下に配置される、または前記底領域上方に最小限に突出しており、前記1つ以上の単離されたシュワン細胞及び/または前記1つ以上のDRGもしくはDRG片が、前記空隙の前記底領域上に配置され、前記シュワン細胞、DRGまたはDRG片が、前記1つ以上の電極上に配置される、またはそれと接触している、
    インサート。
  12. 1つ以上の細胞および培養培地を更に含む、請求項1~11のいずれかに記載のインサートであって、前記1つ以上の細胞が、膠細胞、胚細胞、間葉系幹細胞、人工多能性幹細胞に由来する細胞、交感神経細胞、副交感神経細胞、脊髄運動神経細胞、中枢神経系神経細胞、末梢神経系神経細胞、腸神経系神経細胞、運動神経細胞、感覚神経細胞、コリン作動性神経細胞、GABA作動性神経細胞、グルタミン酸作動性神経細胞、ドーパミン作動性神経細胞、セロトニン性神経細胞、介在神経細胞、アドレナリン作動性神経細胞、三叉神経節、星状膠細胞、乏突起膠細胞、シュワン細胞、小膠細胞、上衣細胞、放射状膠細胞、衛星細胞、消化器官膠細胞、下垂体細胞、免疫細胞、後根神経節、及びこれらの組み合わせから選択される、細胞及び/または組織のうちの1つまたはその組み合わせを含む、インサート。
  13. システムであって、
    (i)請求項1~12のいずれかに記載の前記インサートと、
    (ii)アダプタであって、
    (a)上面及び底面を有する、実質的に平坦かつ平面構造を画定する本体と、
    (b)前記本体の前記上面の1つ以上の平坦電極と、
    (c)絶縁体層と、
    (d)前記本体を通って形成される中央開口部周囲のその縁に配置されて、前記本体を通って延在する円形または実質的に円筒状のカラーと、を含む、アダプタと
    を含み、
    前記アダプタは、前記中央開口部周囲に放射状に配置されて、前記本体を通って延在する、接続ピンパターンを含み、前記接続ピンのそれぞれが、前記平坦電極のうちの少なくとも1つに電気的に接続している、システム。
  14. (i)前記アダプタの前記本体が、第1側縁及び第2側縁を含み前記第1側縁及び前記第2側縁のそれぞれが約49mmの寸法の長さ、及び約1mmの寸法の高さを有し
    (ii)前記1つ以上の平坦電極が、
    (a)前記本体の周辺部から離間配置される、実質的に正方形パターンで前記本体の前記上面に配置される、
    (b)前記中央開口部を囲む、
    (c)プレートの接点に取り付けられるように構成されており、前記プレートがプランジャの底端部に位置し、前記1つ以上の平坦電極が、前記プレートの前記接点を介して増幅器及び電流供給源に操作可能かつ電気的に接続される、かつ/または
    (d)前記本体の前記上面に沿って連続する電気接続周辺部を形成する、
    請求項13に記載のシステム。
  15. (i)電流ジェネレータを含む増幅器と、
    (ii)電圧計及び/または電流計と、
    (iii)コントローラ、記録装置、コンピュータ記録装置及びスクリーンのうちの1つまたはその組み合わせと、
    をさらに含む、請求項13または14に記載のシステムであって、
    前記スクリーンが前記電圧計及び/または電流計に接続されると、前記1つ以上の電極からの記録測定値を示すことができ、
    前記増幅器、電圧計及び/または電流計が、回路を介して互いに電気的に接続された電極を含み、請求項1~12のいずれかに記載の前記インサートは前記アダプタの前記中央開口部内に配置されている、
    システム。
  16. 請求項13~15のいずれかに記載のシステムであって、
    (i)請求項1~12のいずれかに記載の前記インサートと、
    (ii)前記インサートを受容するように構成され、必要な大きさに設定される組織培養支持体と、
    を含み、前記組織培養支持体が、1、6、12、24または48つのウェルを含み、前記インサートが、1つのウェル内に少なくとも部分的に導入されるように構成され、必要な大きさに設定される、
    システム。
  17. 電流ジェネレータを含む増幅器、電圧計または電流計のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項13~16のいずれかに記載のシステムであって、
    前記インサートの前記電極が前記アダプタの前記電極に電気的に接続されており、
    前記アダプタの前記電極が、回路、及び前記増幅器、前記電圧計または前記電流計の少なくとも1つに操作可能に連結されている、
    システム。
  18. 1つ以上の細胞からの反応を評価する方法であって、
    (a)1つ以上の細胞を請求項13~17のいずれかに記載の前記システムの前記インサートの前記透過性固体支持体で成長させることと、
    (b)前記アダプタ内に前記インサートを配置することと、
    (c)ステップ(a)及び/または(b)の後に前記1つ以上の細胞へ1つ以上の刺激を加えることと、
    (d)前記1つ以上の細胞からの前記1つ以上の刺激への1つ以上の反応を測定することと、
    を含む、方法。
  19. (i)前記1つ以上の細胞を成長させる前記ステップが、少なくとも1つの軸索を成長させるのに十分な時間及び条件下で、請求項1~12のいずれかに記載の前記インサートの前記透過性固体支持体上の1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片を培養することを含み、
    (ii)1つ以上の反応を測定する前記ステップが、前記1つ以上の神経細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の軸索の髄鞘形成の量を検出することを含む、
    請求項18に記載の方法。
  20. 薬剤の毒性を評価する方法であって、
    (a)請求項1~12のいずれかに記載の前記インサートの前記透過性固体支持体上の1つ以上の細胞及び/または1つ以上の組織外植片を培養することと、
    (b)少なくとも1つの薬剤を、前記1つ以上の細胞及び/または1つ以上の組織外植片に曝露することと、
    (c)前記1つ以上の細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の形態的変化を測定及び/または観察することと、
    (d)前記形態的変化が減少した細胞の生存可能性を示す場合、前記薬剤が有毒として特徴付けられ、前記形態的変化が無変化のまたは増加した細胞の生存可能性を示す場合、前記薬剤は無毒として特徴付けられるように、前記1つ以上の細胞及び/または1つ以上の組織外植片の1つ以上の形態的変化を、前記薬剤の前記毒性に相関させることと、
    を含む、方法。
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