JP7244913B2 - Egfr遺伝子変異陽性非小細胞肺癌の検出方法 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 1.掲載アドレス:https://www.esmo.org/Conferences/Past-Conferences/ESMO-2018-Congress 公開日:平成30年10月9日 2.研究集会名:European Society for Medical Oncology(ESMO)2018 Congress 開催日:平成30年10月21日 3.刊行物名:「肺癌」第58巻第6号 発行日:平成30年10月25日 4.研究集会名:第59回日本肺癌学会学術集会 開催日:平成30年11月29日
本発明は、予後不良のEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌の検出方法に関する。本発明はまた、EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌検出のためのバイオマーカー、並びにEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌の治療手段に関する。
肺癌を組織学的に分類すると、非小細胞肺癌(Non-small cell lung cancer: NSCLC)と小細胞肺癌(Small cell lung cancer:SCLC)の2つに大別される。肺癌は日本における癌による死因の第1位であるが、そのうち約8割をNSCLCが占める。NSCLCは、様々な組織病理学的所見や、遺伝子変化、遺伝子発現パターンの組み合わせによる、不均一な腫瘍集団によって構成されているが、臨床現場では、これらの腫瘍は、一様に外科治療と組み合わせた化学治療やその類縁の療法などによって治療されている。近年では癌関連シグナル伝達経路におけるキナーゼなどの重要分子を修飾する分子標的療法の治療が成功する例が多く見られる。
肺癌、特にNSCLCに対する治療においては、受容体チロシンキナーゼの1つである上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子に生じる、エクソン19の欠失変異やエクソン21の点突然変異(L858R)に代表される活性型変異が、ゲフィチニブ(Gefitinib)、エルロチニブ(Erlotinib)、オシメルチニブ(Osimertinib)などのEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)に対する感受性と密接に相関することが見出されており(非特許文献1~4)、この成果はNSCLC患者の治療法の選択に活用されている。
一方、近年の次世代シーケンサーによる大規模なトランスクリプトーム解析により、ゲノムの大半が、タンパク質をコードしない非コードRNAに転写されていることが明らかとなっている(非特許文献5)。このうち、マイクロRNA(miRNA)等の小さな非コードRNAは遺伝子発現を負に調節していることが報告されている。200ヌクレオチドより長い非コードRNA(lncRNA)については、細胞増殖、幹細胞の多能性、複数の疾患での代謝調節、薬剤耐性等で重要な分子である可能性が示されている(非特許文献6~10)。lncRNAの1種であるLINC00460についても、その機能の検討が進められている(非特許文献11~14)。
N Engl J Med, 2010; 362: 2380-2388 Lancet Oncol, 2012; 13: 239-246 Lancet Oncol, 2015: 16: 141-151 N Engl J Med, 2017; 376: 629-640 Nature, 2012; 489, 101-108 Front Genet, 2015; 6: 145 Respir Med, 2016; 110: 12-19 Oncotarget, 2017; 8: 2558-2567 Oncol Lett, 2017; 13: 3494-3500 Oncotarget, 2015; 6: 23582-23593 Eur Rev Med Pharmacol Sci, 2018; 22: 1003-1010 DNA Cell Biol., 2019; 38: 16-183 J Cell Biochem., 2019; 120: 9034-9046 Gene, 2019; 685: 76-84
EGFR突然変異は、非喫煙者、婦人、および東アジア集団での肺腺癌で高頻度に検出され、EGFR-TKIの投与による治療がなされているが、高い確率で奏効するものの腫瘍が完全に消えきらず、残存した腫瘍がEGFR-TKIに耐性を獲得して再発することが問題になっている。これまでにも、腫瘍がTKIに耐性化する原因が発見され、耐性腫瘍にも奏功する新世代EGFR-TKIが作られてきたが、実際にはその新世代薬に対しても耐性が起こるため,耐性克服には際限がない状態が続いている。従って、肺腺癌の悪性度及びEGFR-TKIに対する耐性をもたらす分子的メカニズムの解明が求められている。
更に、EGFR突然変異以外の要因も、EGFR活性型変異陽性NSCLC患者のEGFR-TKIに対する反応性に影響を及ぼす可能性があることが報告されているため、EGFR経路の活性化と相関して発現する新規分子の同定は、生命予後やEGFR-TKIの効果の予測による肺癌治療の更なる個別化に当たって臨床的に有用であると考えられる。
本発明は、EGFR活性型変異陽性のNSCLCに対して、EGFR-TKIの治療効果を予測し、予後不良のものを検出できる検査法、その分子マーカーを提供することを目的とする。更に、本発明は、NSCLCの治療法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は以下を提供するものである。
1.上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性非小細胞肺癌(NSCLC)に罹患した患者におけるEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)の治療効果の予測、及び/又は予後の判定を補助する方法であって、
(i)患者由来のサンプル中のLINC00460の発現量を検出するステップ、
(ii)ステップ(i)において検出した発現量を基準値と比較するステップ
を含み、
基準値と比較して発現量が高いことが治療効果が低く、発現量が低いことが治療効果が高いとの予測、あるいは
基準値と比較して発現量が高いことが予後が悪く、発現量が低いことが予後が良好であるとの判定
を可能とする、上記方法。
2.患者由来のサンプルが組織サンプル又は血液サンプルである、上記1記載の方法。
3.患者が、腫瘍摘出手術後のヒト患者である、上記1又は2記載の方法。
4.予後が、無増悪生存期間又は全生存期間である、上記1~3のいずれか記載の方法。
5.EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌(NSCLC)患者の治療又は再発防止のための医薬であって、LINC00460の発現阻害剤を有効成分とする、該医薬。
6.LINC00460の発現阻害剤が、LINC00460プロモーター領域の機能を阻害するものである、上記5記載の医薬。
7.LINC00460の発現阻害剤が、LINC00460のエクソンの一部又は全部の転写を阻害するものである、上記5記載の医薬。
8.EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)と組み合わせて投与される、上記5~7のいずれか記載の医薬。
本発明により、EGFR活性型変異陽性のNSCLC患者におけるEGFR-TKIの治療効果を予測し、かつ予後不良であるか否かを判断するための補助として使用することができる。
さらに、本発明は、EGFR遺伝子変異陽性肺癌におけるゲフィチニブなどのEGFR-TKI治療において、LINC00460をターゲットにすることで、EGFR-TKIの治療効果を改善し、予後を改善することができる。EGFR-TKI耐性の症例においても、治療効果の向上を期待することができる。
EGFR遺伝子変異陽性患者(19del及びL858R)と陰性患者(野生型)の各々の正常組織(非癌部)及び腫瘍組織由来のパラフィン包埋(FFPE)サンプルにおけるLINC00460の発現を比較した結果(平均±SD)を示す。:P<0.05。 EGFR遺伝子変異を有さない野生型細胞株(A549及びH1299)、エクソン19欠損型(PC9)、及びエクソン21のL858R及びT790M変異型(H1975)におけるLINC00460の発現を比較した結果(平均±SD)を示す。:P<0.05、***:P<0.001。 EGF処理及びゲフィチニブ処理の有無によるHEK293細胞株におけるLINC00460の発現を比較した結果(平均±SD)を示す。n.s.:有意差なし、***:P<0.001。 H1299細胞株(WT)及びEGFR活性型変異体安定発現株(19del及びL858R)におけるLINC00460の発現を比較した結果(平均±SD)を示す。**:P<0.01、***:P<0.001。 ゲフィチニブ感受性PC9細胞株及びゲフィチニブ耐性PC9-GR細胞株のゲフィチニブ存在下での生存率(平均±SD)を示す。:P<0.05、**:P<0.01。 PC9及びPC9-GR細胞株におけるゲフィチニブ存在下及び非存在下でのLINC00460の発現を比較した結果(平均±SD)を示す。n.s.:有意差なし、**:P<0.01。 ルシフェラーゼレポーターアッセイを用いてLINC00460のTSSから-1000bpまでの発現調節領域を探索した結果(平均±SD)を示す。***:P<0.001。 PC9及びPC9-GR細胞株を用いてLINC00460のTSSから-3000bpまでの発現調節領域を探索した結果(平均±SD)を示す。n.s.:有意差なし、***:P<0.001。 LINC00460のエクソン1~3を切断するノックアウト方法を模式的に示す。 LINC00460のノックアウトに用いることができるベクターの構成を模式的に示す。 H1299細胞におけるLINC00460の発現が、LINC00460のノックアウト(KO)によって阻害され、LINC00460の導入(レスキュー)によって回復(増大)した結果(平均±SD)を示す。 H1299細胞株(WT)及びEGFR活性型変異体安定発現株(19del及びL858R)、並びにこれらの細胞株においてLINC00460をノックアウトした細胞株のゲフィチニブ存在下での生存率(平均±SD)を示す。***:P<0.001。 野生型細胞株(WT)、LINC00460をノックアウトした細胞株(KO)、及びKOに対してLINC00460を導入した細胞株(KO+レスキュー)の1μMゲフィチニブ存在下での生存率(平均±SD)を示す。:P<0.05、**:P<0.01。 野生型細胞株(WT)、LINC00460をノックアウトした細胞株(KO)、及びKOに対してLINC00460を導入した細胞株(KO+レスキュー)におけるカスパーゼ3/7活性(平均±SD)を示す。**:P<0.01。 野生型細胞株(WT)、LINC00460をノックアウトした細胞株(KO)、及びKOに対してLINC00460を導入した細胞株(レスキュー)のゲフィチニブ存在下における生存率(平均±SD)を示す。 野生型細胞株(WT)、LINC00460をノックアウトした細胞株(KO)、及びKOに対してLINC00460を導入した細胞株(レスキュー)のエルロチニブ存在下における生存率(平均±SD)を示す。 野生型細胞株(WT)、LINC00460をノックアウトした細胞株(KO)、及びKOに対してLINC00460を導入した細胞株(レスキュー)のオシメルチニブ存在下における生存率(平均±SD)を示す。 野生型細胞株(WT)、LINC00460をノックアウトした細胞株(KO)、及びKOに対してLINC00460を導入した細胞株(レスキュー)のゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ存在下及び非存在下(コントロール)におけるカスパーゼ3/7活性(平均±SD)を示す。n.s.:有意差なし、:P<0.05、**:P<0.01、***:P<0.001。 EGFR遺伝子変異陽性肺癌の術後再発患者の無増悪生存日数をLINC00460低発現群(a)及びLINC00460高発現群(b)で比較した結果を示す。 EGFR遺伝子変異陽性肺癌の術後再発患者の全生存日数をLINC00460低発現群(a)及びLINC00460高発現群(b)で比較した結果を示す。 EGFR遺伝子変異陽性肺癌患者の血液検体からのLINC00460の定量結果(平均±SD)を示す。 EGFR遺伝子変異陽性肺癌の術後再発患者の無増悪生存日数を血液検体中のLINC00460低発現群(a)及びLINC00460高発現群(b)で比較した結果を示す。
本発明は、上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性非小細胞肺癌(NSCLC)に罹患した患者におけるEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)の治療効果の予測、及び/又は予後の判定を補助する方法であって、
(i)患者由来のサンプル中のLINC00460の発現量を検出するステップ、
(ii)ステップ(i)において検出した発現量を基準値と比較するステップ
を含み、
基準値と比較して発現量が高いことが治療効果が低く、発現量が低いことが治療効果が高いとの予測、あるいは
基準値と比較して発現量が高いことが予後が悪く、発現量が低いことが予後が良好であるとの判定
を可能とする、上記方法を提供する。
上皮成長因子受容体(EGFR)は、細胞膜上にある分子量170kDaの糖タンパク質であり、リガンドである上皮成長因子(EGF)が結合すると活性化して細胞の分化及び増殖をもたらすことが知られている。ヒトEGFRのアミノ酸配列及びそれをコードするヌクレオチド配列は、例えばNCBI等のデータベースにおいて容易に確認することができる。
本明細書において、「EGFR遺伝子変異陽性」とは、特に限定するものではないが、例えばEGFR遺伝子のエクソン19の欠失、エクソン21のL858Rが挙げられる。EGFR遺伝子の変異はこの他にも多数報告されているが、上記の2つの変異が80%以上を占めるとされている。
上記の通り、非小細胞肺癌患者において、EGFR遺伝子に上記のような変異が見られる場合に、変異のない患者と比較して、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)、例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ等に対する感受性が高いため、EGFR-TKIによる治療が選択されているが、治療が継続するにつれて耐性が生じるという問題があった。
本発明は、上記の問題に対処し得るものであって、ヒト染色体13q33.2から転写されるLINC00460 (配列番号1、Refseq No.:NR_034119.1)の患者における発現量がEGFR-TKIの治療効果と関連し得ることを見出した。LINC00460は、long intergenic non-coding RNA (lincRNA)と呼ばれる長鎖非コードRNAで、最近癌関連遺伝子であることが示唆されたものの一つである(Oral Oncol, 2017, 65: 94-101; Cancer Med, 2018, 7: 4181-89; J Cancer, 2018, 9: 2834-43)。
本発明における「LINC00460の発現量」とは、スプライシングを経て転写された後のLINC00460のサンプル中の絶対量を意味し得る。また、「LINC00460の発現量」とは、例えば一般的に内部標準に用いられるGAPDH mRNAの発現量を基準とした相対発現量であり得る。
本発明の方法において、患者由来のサンプルとしては、腫瘍組織から採取された組織サンプル、又は血液サンプル、例えば全血、血漿若しくは血清であり得る。特に、血液サンプルを用いる場合には、非侵襲的かつ簡便にサンプルを取得することができるため、好適である。この場合、「LINC00460の発現量」とは、血液サンプル中のLINC00460の含有量であり得る。
患者由来のサンプル中のLINC00460の発現量は、限定するものではないが、例えばqRT-PCRによるLINC00460の増幅及び定量によって検出することができる。
本発明の方法では、上記によって検出したLINC00460の発現量を、予め設定した基準値と比較するステップを含み得る。基準値としては、多数の検体からの情報に基づいて得られる発現量の値をカットオフ値として用いることができる。あるいはまた、基準値として、特定の細胞株におけるLINC00460の発現量を用いることもできる。例えば、血球由来KCL22細胞株をキャリブレーターとして、この細胞株から抽出した全RNA500ng中に含まれるLINC00460を定量した結果を「1」として、これに対する相対値を求めるようにしても良い。
例えば、サンプルとして患者由来の血液サンプルを用いる場合、術後患者の血液中のLINC00460の発現量が基準値と比較して高いか否かを決定し、それによってEGFR-TKIの治療効果の予測、及び/又は予後の判定に用いることができる。
例えば、予め設定した基準値と比較してLINC00460の発現量が高い場合には、その患者ではEGFR-TKIによる治療効果が低く、発現量が低い場合には治療効果が高いと予測することを可能とし得る。あるいはまた、基準値と比較してLINC00460の発現量が高い場合には予後が悪く、発現量が低い場合には予後が良好であると判定することを可能とし得る。
本発明において、患者は、腫瘍摘出手術後のヒト患者であり得る。また、上記の「予後」とは、特に限定するものではないが、例えば無増悪生存期間又は全生存期間を意味し得る。
本発明はまた、EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌(NSCLC)患者の治療又は再発防止のための医薬であって、LINC00460の発現阻害剤を有効成分とする、該医薬を提供する。
LINC00460の発現阻害剤は、例えばLINC00460プロモーター領域の機能を阻害するものであり得る。具体的には、発現阻害剤は、上記プロモーター領域に対して結合し得るタンパク質、アンチセンスオリゴ等であり得る。
また、LINC00460の発現阻害剤は、LINC00460のエクソンの一部又は全部の転写を阻害するものであり得る。例えば、発現阻害剤は、LINC00460の発現量を減少させるためのsiRNA、アンチセンスオリゴや、CRISPR-Cas9システムを用いたゲノム編集を使ったノックアウトに要するガイドRNA及びCasタンパク質、あるいはLINC00460の配列や立体構造を認識する抗体であり得る。
当業者であれば、本明細書の記載、及び当分野における技術常識に基づいて、本発明の医薬を取得することができる。
本発明の医薬は、単独で使用することもできるが、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)と組み合わせて投与することもできる。EGFR-TKIは、特に限定するものではないが、例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ等であり得る。
この場合、本発明の医薬は、EGFR-TKIの投与の前、EGFR-TKIの投与と同時、又はEGFR-TKIの投与の後で投与することができる。また、本発明の医薬は、EGFR-TKIと同じ投与経路で投与しても良く、EGFR-TKIと異なる経路で投与しても良い。
また、本発明の医薬は、薬学上許容される賦形剤と共に、医薬組成物として調製することもできる。本発明の医薬及び医薬組成物は、限定するものではないが、例えば全身的に投与することができ、又は病変部等に局所的に投与することができる。
以下に本発明を実施例によって更に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、実施例で使用した細胞株は、10% FBS及び抗生物質(ペニシリンおよびストレプトマイシン)を添加したDMEM中で培養した。
[実施例1 EGFR遺伝子変異陽性患者におけるLINC00460の高発現]
The Cancer Genome Atlas(TCGA)によりNSCLCの次世代シーケンサーによるRNA-seqデータセット及び臨床データセットを入手(Genomic Data Commons (GDC) website, https://portal/gdc.cancer.gov)して解析し、EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌およびEGFR-TKIに耐性を獲得した細胞において高発現する遺伝子を探索した。
その結果、ヒト染色体13q33.2から転写され、3つのエクソンから構成されるRNAである、LINC00460 (配列番号1、Ref-seq No.:NR_034119.1)を同定した。LINC00460は、long intergenic non-coding RNA (lincRNA)と呼ばれるタンパクをコードしない長鎖非コードRNAで、最近癌関連遺伝子であることが示唆されたものの一つである。解析の結果、EGFR遺伝子変異を持つ肺癌細胞株は、持たない細胞株と比較してLINC00460を有意に高発現していた。
実際に、EGFR遺伝子変異陽性患者(エクソン19欠損型7名、L858R変異型8名)と陰性患者(野生型6名)の正常組織及び癌組織由来のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)サンプルにおけるLINC00460の発現を比較した。
具体的には、各サンプルからRNeasy FFPE kit(Qiagen)を用いて全RNAを抽出し、PrimeScript RT Master Mix(Takara Bio)と反応させてcDNAを合成した。一方、LINC00460の発現を特異的に検出できる以下のDNAプライマーを作製し、SYBR Premix ExTaq(Takara Bio)を用い、リアルタイムPCR(qRT-PCR)法によりGADPHの発現に基づくLINC00460の相対発現レベルを測定した。
LINC00460フォワードプライマー:5'-GTGGATGAGAACGAAGGTTACG-3'(配列番号2)
LINC00460リバースプライマー:5'-CTTTCCCACGCTCAGTCTTTC-3'(配列番号3)
GAPDHフォワードプライマー:5'-GCACCGTCAAGGCTGAGAAC-3'(配列番号4)
GAPDHリバースプライマー:5'-TGGTGAAGACGCCAGTGGA-3'(配列番号5)
その結果、図1Aに示すように、EGFR遺伝子変異陽性患者で有意な高発現を認め、qPCRによる検証でも上記データ解析結果と同様の結果が得られた。
次に、いずれもNSCLC細胞株であるA549、H1299、PC9、及びH1975(東邦大学薬学部又は東北大学より入手)を用い、RNeasy Mini Kit(QIAGEN)により上記と同様のqRT-PCRを行ってLINC00460の発現を検出したところ、図1Bに示すように、EGFR遺伝子変異を有さないA549及びH1299では発現が低いのに対して、エクソン19欠損型であるPC9、及びエクソン21のL858R及びT790M変異を有するH1975において、有意に高い発現が観察された。
[実施例2 EGF処理及びゲフィチニブ処理によるLINC00460発現の変化]
正常細胞モデルとしてHEK293細胞を用い、EGFRのリガンドであるEGFの高濃度処理、及びゲフィチニブでの前処理がLINC00460の発現にもたらす影響を検討した。
HEK細胞10,000個に対してヒト組換えEGF(R&D Systems社、200ng/mL)及び/又はゲフィチニブ(WAKO、1μM)を添加して、37℃で24時間培養した後、実施例1と同様のqRT-PCRを行った。
また、各条件下で培養した細胞におけるEGFRの発現及び活性化状態を確認するために、ウェスタンブロット解析を行い、EGF処理によるEGFRの活性化及びゲフィニチブ処理による活性化の阻害が認められた。
上記の結果、図2Aに示すように、EGFの高濃度処理によりEGFRが活性化された際にLINC00460の発現は亢進し、ゲフィチニブで前処理してEGFRの活性化を阻害した場合には発現の亢進は認められなかった。
[実施例3 EGFR活性型変異体におけるLINC00460の高発現]
野生型EGFR、及びEGFR活性型変異体(19del及びL858R)をそれぞれ発現するようにこれらの遺伝子を組み込んだ発現ベクター(pIRESpuro-EGFR(WT、19del及びL858R)、東邦大学薬学部 菅野博士よりご供与頂いた)を用いて、H1299細胞株に導入し、野生型(WT)及びEGFR活性型変異体(19del及びL858R)の安定発現株を作製した。
これらのWT、19del及びL858R細胞株において、実施例1と同様のqRT-PCRを行ってLINC00460の発現を検出した結果、図2Bに示すように、野生型(WT)と比較して、活性型EGFRを発現する変異体(19del及びL858R)で発現が更新していた。
[実施例4 ゲフィチニブ耐性細胞の樹立]
実施例1で使用したPC9細胞株は、EGFR遺伝子変異陽性(エクソン19欠損型)でゲフィチニブ感受性の高い肺腺癌細胞株である。このPC-9細胞株(10,000個)にゲフィチニブ(1μM)を暴露して、処理後の36時間後(細胞死が生じる直前)に発現量を定量すると、コントロール群(溶媒DMSO処理)に比してLINC00460の発現は減少していた(データは示さない)。
次いで、PC9細胞の培地に低濃度(0.01μM)のゲフィチニブを加え、72時間後に生き残った細胞に対して、さらにゲフィチニブの濃度を上げながら暴露させて(0.01~0.5μM)、4ヶ月間培養することで、ゲフィチニブに対して抵抗性をもつPC9-GR細胞を樹立した(図3A)。
PC9及びPC9-GR細胞株でLINC00460の発現をqRT-PCRにより検出した結果、ゲフィチニブ耐性を獲得したPC9-GR細胞株では親株のPC9に比してLINC00460の発現量が増大しており、加えて、ゲフィチニブ(1μM)に暴露させても発現量は減少しないことが確認された(図3B)。このことから、LINC00460の細胞内発現量変化とゲフィチニブの細胞死の誘導効果には相関があることが示唆された。
[実施例5 LINC00460発現調節領域の探索]
LINC00460は染色体13q33.2上にコードされていることが知られている。EGFRを介したLINC00460の発現を制御するメカニズムを特定するために、LINC00460のプロモーター領域が存在することが想定される転写開始部位(TSS)の上流配列の断片を含む構築物を作製し、ルシフェラーゼレポーターアッセイを用いて、LINC00460の発現調節領域を探索した。ルシフェラーゼ活性は、Dual Luciferase Assay System(Promega)を用いて検討した。
LINC00460のプロモーター領域の種々の長さの断片をPCRによって増幅し、pGL4.20[luc2/Puro](Promega)中にサブクローニングした。また、部位特異的突然変異誘発によって変異を導入した断片を含むベクターも同様に作製した。これらのベクターをpRL-TKベクター(Promega)と共にHEK293細胞に同時トランスフェクトした。pRL-TKは内部標準として使用した。
その結果、TSSから-3000bpより上流を欠損した場合、及び-500bpよりも上流を欠損した場合には、プロモーター活性に影響は見られなかった(データは示さない)。
上記の結果から、LINC00460の発現制御エレメントは-500bpからLINC00460転写開始部位(TSS)までの領域に存在することが想定されたため、この領域を含むベクター、含まないベクター、この領域(-102bp)に変異を有するベクターをそれぞれHEK293細胞に導入した。3種のベクターを導入したHEK293細胞(10,000個)におけるルシフェラーゼ活性を、EGF及びゲフィチニブ無処理、EGF処理 (200ng/mL)、及びEGF及びゲフィチニブ処理(1μM)の3つの条件下で測定した。
その結果、図4Aに示すように、LINC00460のプロモーター領域を導入しない場合には、いずれの条件下でもルシフェラーゼによる発光は観察されなかったが、LINC00460のプロモーター領域の導入によって発光が認められ、EGF処理によって発光強度が増大したが、ゲフィチニブ処理によって発光が抑制された。
一方、AP-1結合配列に含まれる-102bpに点突然変異を導入した場合、いずれの条件下でも発光が観察されず、この部位に変異があるとLINC00460の発現が低下することが示された。癌で見出されるような遺伝子変異や増幅によるEGFRの恒常的な活性化は転写因子AP-1の発現と相関することが知られており、LINC00460がEGFR活性型遺伝子変異陽性の細胞で高発現する一因として、AP-1による転写誘導が考えられる。
[実施例6 ゲフィチニブ耐性調節領域の探索]
PC9細胞株、及び実施例4で作製したゲフィチニブ耐性PC9-GR細胞株を用いて、実施例5と同様のルシフェラーゼレポーターアッセイを行った。
その結果、図4Bに示すように、PC9-GR細胞株において、TSSから-3000bp~-2000bpの領域を含むベクターを導入すると、ルシフェラーゼによる発光の増大が観察され、この領域に上記とは異なる発現調節領域の存在が示唆された。
この領域にはNF-κBのRELA(p65)結合配列が存在していることが知られているが、この結合モチーフ内の-2465bpに変異を導入すると、上記の発光の増大は抑制された。PC9-GR細胞株は、親株のPC9細胞株と比較してNF-κBが活性化していることが確認されており、従って、PC9-GR細胞株におけるLINC00460の高発現はNF-κBに誘導されていることが示唆される。
[実施例7 LINC00460非発現細胞株及び発現回復株の作製]
次に、LINC00460をノックアウトするために、2つのsgRNAとspCas9を同時に発現する発現ベクターを構築した。
図5Aに示すように、LINC00460はエクソン1~3を有することが知られている。このエクソン1~3の両側で切断することを意図して、以下の配列を有する2種のガイドRNAを設計した:
gRNA1:5’-TCCCTGTGCGCGCATAGCAG-3’(配列番号6、標的はエクソン1の上流)
gRNA2:5’-CCATGCAGGGCCCCCCTCAT-3’(配列番号7、標的はエクソン3の下流)
上記のgRNA配列を、それぞれのプロモーターと共に、Cas9タンパク質をコードする配列(SpCas9)、選択マーカーとしてのピューロマイシン耐性遺伝子(Puro)と合わせて含む発現ベクターを作製した(図5B)。このベクターを、Lipofectamin 2000(Invitrogen)を用いてNSCLC由来細胞株であり、L858R変異を有するH1299細胞にトランスフェクトし、18時間後に細胞を10cmディッシュに播種した。
翌日、細胞培養中にピューロマイシン(10μg/mL)を添加して36時間培養した後、生存コロニーを採取し、35 mmディッシュで増殖させた。陽性クローンは、qRT-PCRによりLINC00460がノックアウトされていることが確認され、ゲノム上のLINC00460をコードする領域が欠損した細胞(以下、「LINC00460 KO細胞」と記載する)が樹立できた。
一方、H1299細胞の全RNAから作製したcDNAライブラリーから、KOD plus neo(TOYOBO)を用いてPCRにより全長LINC00460配列を増幅し、PCR産物をクローニングしてpcDNA3.1-Hygro(+)哺乳動物発現ベクター(Invitrogen)中に組込んでLINC00460を発現するベクターを作製した。上記のLINC00460 KO細胞にこのベクターをLipofectamin 2000(Invitrogen)を用いて導入(KO+レスキュー)し、細胞培養中にハイグロマイシン(300μg/mL)を添加して36時間培養した後、生存コロニーを採取し、培養することで、LINC00460の発現が回復させた細胞株も作製した。
図5Cに、H1299細胞(WT)、LINC00460 KO細胞(KO)、及びLINC00460 KO細胞にLINC00460発現ベクターを導入した細胞(レスキュー)におけるLINC00460の相対発現レベルを示す。
[実施例8 各種細胞株におけるゲフィチニブ耐性の確認]
実施例7と同様にして、実施例3で用いた野生型および異なる2種類のEGFR変異体を発現する3種の細胞株(WT、19del、及びL858R)におけるLINC00460コード領域欠損細胞株(WT+KO、19del+KO、及びL858R+KO)を作製した。
上記の6種の細胞株(1×103個/ウェル)を96ウェルプレートに播種し、0.01~5μMのゲフィチニブを添加して72日間培養した後、Cell Counting Kit-8(CCK-8、同仁化学研究所)を使用して生存細胞数を450nmの吸光度の測定により算出し、生存率を算出した。
その結果、図6Aに示すように、WT、19del、及びL858RのいずれのEGFR変異体を発現する細胞株においても、LINC00460をノックアウトすることで、ゲフィチニブ存在下での生存率が有意に低下することが確認された。
EGFR L858R 変異体を発現する細胞株において、LINC00460が野生型(WT)及びノックアウトされた細胞(KO)を用いて1μMゲフィチニブ存在下での生存率を比較すると、LINC00460のノックアウトにより、ゲフィチニブ耐性が低下することが認められた(図6B)。この低下は、LINC00460コード領域欠損細胞株に更にLINC00460を発現するベクターを導入(KO+レスキュー)することで回復することが確認された。
一方、Caspase-Glo 3/7 Assay System(Promega)を用い、細胞死の指標としてカスパーゼ3/7活性を測定したところ、EGFR変異体(L858R)を発現している、LINC00460コード領域欠損細胞株(KO)では親株(WT)と比較して活性が上昇し、細胞死が促進されていることが示され、LINC00460発現ベクターの導入(KO+レスキュー)によってこの効果が減少することも確認された(図6C)。
[実施例9 野生型、LINC00460 KO及びLINC00460レスキュー細胞株におけるEGFR-TKI処理の影響]
実施例7で得られた3種の細胞株を様々な濃度のEGFR-TKI(ゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ)で処理し、実施例8と同様にして72時間後の細胞生存率を定量した。
その結果、図7A~7Cに示すように、LINC00460 KO細胞では、どのEGFR-TKIで処理した場合においてもLINC00460野生型(WT)の細胞株に比して、有意に細胞生存率の減少が認められた。
一方、LINC00460 KO細胞に、LINC00460を発現するベクターを導入し、いわゆるレスキュー実験を行なったところ、LINC00460 KO細胞に比して、細胞生存率が回復することが確認された。
また、実施例8と同様にしてEGFR-TKIで処理した各細胞株におけるカスパーゼ3/7活性を測定したところ、LINC00460 KO細胞では野生型(WT)と比較して活性が上昇し、レスキューした細胞では活性が低下することが認められた(図7D)。
上記の結果から、EGFR変異肺癌において、新世代のものも含めた現存のEGFR-TKIの処理において腫瘍細胞が生き残り耐性を獲得するメカニズムにLINC00460が関与していることが示唆された。
[実施例10 LINC00460発現と術後生存期間の関連性]
EGFR遺伝子変異陽性肺癌の術後再発患者23名(ゲフィチニブ治療あり)の組織検体から全RNAを抽出し、GAPDH mRNAを内部標準としてLINC00460の発現量をqRT-PCRにより定量し、患者をLINC00460高発現群(12名)と低発現群(11名)に分けた。
両群の患者は、下記の表1に示すように、臨床的特徴については有意差は認められなかった。
Figure 0007244913000001
両群の患者について、無増悪生存期間(PFS)及び全生存期間(OS)をカプラン-マイヤー法により評価した。各患者のPFSはゲフィチニブ治療開始日を0日とし、コンピュータ断層撮影又は核磁気共鳴画像、並びに固形がんの治療効果判定基準(RECIST)により疾患の進行の徴候が確認されるまで、OSは肺癌の診断日を0日とし、理由によらず患者が死亡した日までとした。
その結果、LINC00460高発現群は低発現群に比べて有意にゲフィチニブ治療後の無増悪生存期間が短く(図8A、メディアン 1125日 vs 304日、p=0.046)、全生存期間も有意に短い傾向が認められた(図8B、メディアン 1876日 vs 1271日、p=0.014)。
[実施例11 血液検体からのLINC00460の検出]
EGFR遺伝子変異陽性肺癌39例において、血液検体(血漿遊離RNA)でLINC00460が検出できるかどうかを検討した。
採血後の検体から5mLの血漿を分離し、抽出したRNAをリアルタイムPCRにより定量し、血球由来KCL22細胞株全RNAをキャリブレーターとして用いて定量値を算出した。具体的には、KCL22細胞株から抽出した全RNA 500ng中に含まれるLINC00460を定量した結果を「1」として、これに対する相対値を求めた。
その結果、図9に示すように、LINC00460は血液検体(血漿遊離RNA)からでも検出することが可能であり、相対定量値は18.5±54.7であった。
更に、血液中のLINC00460濃度を指標としてLINC00460高発現群(相対定量値6.5以上)と低発現群(相対定量値6.5未満)として比較すると、LINC00460高発現群ではゲフィチニブ治療後のPFSが有意に短い傾向にあった(メディアン PFS: 688 vs 1089日, p = 0.024)(図10)。
本発明により、EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者におけるEGFR-TKIによる治療効果を予測し、また予後不良であるか否かを早期に判断することが可能となり、また新たな治療選択肢を提供することができる。

Claims (5)

  1. 上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性非小細胞肺癌(NSCLC)に罹患した患者におけるEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)の治療効果の予測、及び/又は予後の判定を補助する方法であって、
    (i)患者由来の血液サンプル中のLINC00460の発現量を検出するステップ、
    (ii)ステップ(i)において検出した発現量を基準値と比較するステップ
    を含み、
    基準値と比較して発現量が高いことが治療効果が低く、発現量が低いことが治療効果が高いとの予測、あるいは
    基準値と比較して発現量が高いことが予後が悪く、発現量が低いことが予後が良好であるとの判定
    を可能とする、上記方法。
  2. 患者が、腫瘍摘出手術後のヒト患者である、請求項記載の方法。
  3. 予後が、無増悪生存期間又は全生存期間である、請求項1又は2記載の方法。
  4. EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌(NSCLC)患者の治療又は再発防止のための医薬であって、ゲノム編集によりLINC00460のエクソンの一部又は全部の転写を阻害するLINC00460の発現阻害剤を有効成分とする、該医薬。
  5. EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)と組み合わせて投与される、請求項記載の医薬。
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MA, G. et al.,Long Noncoding RNA LINC00460 Promotes the Gefitinib Resistance of Nonsmall Cell Lung Cancer Through Epidermal Growth Factor Receptor by Sponging miR-769-5p,DNA and cell biology,2019年01月,Vol. 38,P. 176-183

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