以下、好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一または相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における浴室給湯システムの概略構成を示すブロック図である。
本実施の形態における浴室給湯システム20は、給湯装置1と管理装置5とを備えている。給湯装置1は、給湯装置本体21と、給湯装置本体21を制御する制御装置22と、を備えている。制御装置22は、各種演算を行う制御部22aと、各種データおよび制御プログラム等を記憶する記憶部22bと、を備えている。
管理装置5は、給湯装置1と外部通信網4を介して通信接続されている。このために、給湯装置1は、制御部22aと通信可能に接続された給湯装置専用の中継装置2を備えている。さらに、給湯装置1は、給湯装置本体21を遠隔操作するためのリモコン7を備えている。給湯装置1の制御部22aとリモコン7と中継装置2とは、相互に通信可能に構成されている。
給湯装置本体21は、住宅の屋外または屋内の所定の場所に設置される。制御装置22は、給湯装置本体21の筐体内に設けられる。給湯装置本体21は、例えば、燃焼加熱式の給湯装置(熱源機)である。給湯装置本体21は、浴槽6に配管等により接続されている。給湯装置本体21は、浴槽6に給湯する機能と、浴槽6に貯留された湯を配管により循環させて、循環中の湯を再加熱する機能と、を備えている。
制御部22aは、例えば、CPUおよびメモリ(RAMおよびROM等)を有するマイクロコントローラ等によって構成され、給湯装置1全体の動作を制御する。制御部22aは、給湯装置本体21に対する制御として、浴槽6に貯留される湯が設定水位または設定湯量になるまで給湯し、かつ浴槽6に貯留される湯の温度を設定温度にするふろ自動制御と、浴槽6に貯留される湯を再加熱する追いだき制御と、を実行可能に構成されている。記憶部22bは、例えば、フラッシュメモリ等により構成されている。
なお、ふろ自動制御には、ふろ自動制御開始時において残湯が設定水位または設定湯量に達している場合には、給湯を行わず、浴槽6に貯留される湯の温度が設定温度になるまで再加熱する(結果として追いだきのみ行う)制御が含まれる。すなわち、ふろ自動制御は、浴槽6に貯留される湯が設定水位または設定湯量であるか否かの判定を行う一方、追いだき制御は、そのような判定は行わず、湯が循環する程度の水位または湯量(最低値)さえある限り、追いだきのみを実行する点で、両者は相違する。
給湯装置1は、浴槽6に貯留される湯(残湯)を検出する残湯センサ8を備えている。残湯センサ8は、浴槽6に貯留される湯の水位を検出する水位センサまたは浴槽6に供給する湯量を検出する湯量センサにより構成される。また、給湯装置1は、浴槽6に貯留される湯の温度を検出する温度センサ9を備えている。残湯センサ8および温度センサ9は、浴槽6に接続された循環配管23に設けられる。循環配管23は、給湯装置本体21内に導入されており、浴槽6に貯留される湯を給湯装置本体21内に導入する。給湯装置本体21は、循環配管23により導入された湯を再加熱する。また、給湯装置本体21は、循環配管23を通じて浴槽6に給湯することが可能である。
残湯センサ8が湯量センサにより構成される場合、浴槽6の水位は、以下のように演算により求められる。すなわち、浴槽6に貯留されている残湯の熱量と、給湯または再加熱により変化させた分の熱量との合計が、現在の熱量と言えるので、元のふろ温度Tn-1、残湯量Vn-1、給湯温度(または再加熱温度)Ts、給湯量Vs、および、現在のふろ温度Tnの関係は、以下の式で表せる。
Tn-1×Vn-1+Ts×Vs=Tn×(Vn-1+Vs)・・・(1)
上記(1)式から、残湯量Vn-1を演算により求めることができる。求められた残湯量Vn-1は、浴槽6に貯留される湯の湯量となる。また、残湯量Vn-1から浴槽6に貯留される湯の水位を算出することもできる。
その他、制御部22aは、シャワーや給湯栓などの給湯端末へ給湯する給湯制御等を実行可能に構成されている。
リモコン7は、例えば台所等に設置されている。リモコン7は、操作部および表示部(図示せず)を備えている。リモコン7の操作部には、例えば、温度上昇ボタン、温度低下ボタン、オンオフボタン、追いだきボタンおよびふろ自動ボタンが含まれる。ユーザが操作部を操作することにより、給湯装置1の運転操作や給湯温度および風呂温度の設定等を行うことができる。また、表示部には、給湯装置1の給湯設定温度および風呂設定温度等が表示される。
中継装置2は、ルータ3と通信接続される。本実施の形態において、ルータ3は、無線LANルータとして構成され、中継装置2との間で無線LANによる無線通信が可能である。中継装置2は、給湯装置1の制御部22aおよびリモコン7との間の通信処理を実行するとともに、ルータ3および外部通信網4を介して行う管理装置5との間の通信処理を実行する。ルータ3は、浴室給湯システム20のユーザが所有しているルータであり、外部通信網4に接続されている。
管理装置5は、外部通信網4およびルータ3を介して中継装置2と通信を行う。本実施の形態において、管理装置5は、サーバとして構成される。管理装置5は、制御部22aから中継装置2を介して送信されてきた情報または後述する音声入力装置10から送信されてきた情報を処理する情報処理部5aと、送信されてきた情報を記憶する記憶部5bと、を備えている。なお、管理装置5は、外部通信網4に接続された複数のコンピュータで構成されていてもよい。例えば、管理装置5は、その機能を分担して実行する複数のサーバで構成されていてもよい。
なお、浴室給湯システム20が設置されている住宅は通常多数存在する。ここでは、代表して、1つの浴室給湯システム20のみを図示し、また、その浴室給湯システム20に対応するルータ3を図示している。
前述のように、給湯装置1の制御部22aから中継装置2を介して管理装置5へ送信される情報(機器情報)としては、定期的(例えば1時間間隔)に送信される給湯装置1の運転状態を示す運転状態情報、給湯装置1の異常を示すエラー情報等がある。運転状態情報は、給湯設定温度、風呂設定温度、燃焼運転回数、燃焼運転時間等を含む情報である。エラー情報は、給湯装置1等に何らかの異常が発生したときに、その異常を示す情報であり、リモコン7にも表示される情報である。これらの機器情報は、中継装置2から中継装置2の個体識別情報とともに管理装置5へ送信される。
管理装置5では、これらの受信した機器情報を、給湯装置1の識別情報と関連付けて記憶部5bに記憶する。なお、給湯装置1の識別情報は、例えば、中継装置2の個体識別情報を用いてもよい。また、給湯装置1の識別情報は、複数の各々の給湯装置1を識別するために管理装置5が任意に定めた情報(例えば、通し番号)であってもよく、この場合、給湯装置1の識別情報と中継装置2の個体識別情報とが関連付けられている。よって、給湯装置1の識別情報または中継装置2の個体識別情報に基づいて、多数の給湯装置1の中からどの給湯装置1であるかを特定することができる。
浴室給湯システム20は、音声入力装置10と通信接続可能に構成されている。音声入力装置10は、ユーザの発話によって給湯装置1を遠隔操作するための動作指令を含む情報(音声情報)が音声入力されたときに、この音声情報を管理装置5へ送信する。
本実施の形態では、音声入力装置10は、スマートスピーカ(音声入出力装置)11およびクラウドサーバ(音声識別装置)12を有する音声対話システムとして構成される。スマートスピーカ11およびクラウドサーバ12は、公知のものであり、スマートスピーカ11は、AIスピーカとも呼ばれ、市販のものを用いることができる。
スマートスピーカ11は、ルータ3との間で無線LANによる無線通信が可能であり、ルータ3および外部通信網4を介してクラウドサーバ12と通信を行うことができる。スマートスピーカ11は、例えば、マイクロホンとスピーカとを内蔵し、マイクロホンで取得されたユーザの発話に基づく音声データをクラウドサーバ12へ送信し、クラウドサーバ12から送信されてきた音声データを音声に変換してスピーカから出力することができる。
ここで、クラウドサーバ12には、給湯装置1の識別情報を特定するための情報(給湯装置識別関連情報)とスマートスピーカ11の個体識別情報とが関連付けされた情報(ユーザ機器関連付け情報)が記憶されている。
また、管理装置5には、クラウドサーバ12からユーザ機器関連付け情報が送信されてきたときに、その中の給湯装置識別関連情報から給湯装置1の識別情報を導出するための情報が記憶されている。よって、管理装置5は、クラウドサーバ12から送信されてくるユーザ機器関連付け情報から、給湯装置1の識別情報と、スマートスピーカ11の個体識別情報とを把握することができる。
次に、本実施の形態における浴室給湯システム20の動作について、その一例を説明する。
例えば、ユーザが、所定の起動ワード(ウェイクワード)を発する等してスマートスピーカ11を音声入力待ち受け状態にした後、給湯装置1の動作指令または状態問合せ要求等の音声入力を行うための発話を行うことにより、発話内容の音声データとともにスマートスピーカ11の個体識別情報がクラウドサーバ12へ送信される。
クラウドサーバ12では、スマートスピーカ11から送信されてきた音声データを分析し(音声認識および自然言語理解などの処理を行い)、その分析結果として得られる音声情報(詳細は後述する)とともにユーザ機器関連付け情報を管理装置5へ送信する。この際、クラウドサーバ12は、記憶している多数のユーザ機器関連付け情報の中から、スマートスピーカ11の個体識別情報に基づいて管理装置5へ送信するユーザ機器関連付け情報を選出する。
管理装置5では、音声情報とともにユーザ機器関連付け情報を受信すると、ユーザ機器関連付け情報から、浴室給湯システム20の識別情報と、スマートスピーカ11の個体識別情報とを把握する。
そして、管理装置5は、受信した音声情報に基づいて応答情報を生成する場合には、応答情報とともにスマートスピーカ11の個体識別情報をクラウドサーバ12へ送信する。クラウドサーバ12では、受信した応答情報に対応する音声データを生成し、この音声データをスマートスピーカ11へ送信する。これにより、スマートスピーカ11のスピーカから応答情報の内容が音声で出力され、ユーザへ報知することができる。
また、管理装置5は、受信した音声情報に基づいて給湯装置本体21を制御する場合には、それを制御するための制御指令を、中継装置2を介して給湯装置1の制御部22aへ送信する。制御部22aでは、受信した制御指令に基づいて給湯装置1(給湯装置本体21)を制御する。
クラウドサーバ12から管理装置5へ送信される音声情報は、発話意図とフレーズとで構成される。例えば、ユーザが、「42℃でお風呂を沸かして」と発話した場合、クラウドサーバ12では、例えば、「42℃」と「お風呂を沸かして」とのフレーズに分解し、これらのフレーズから「ふろ操作」という発話意図が導き出されるよう構成されている。すなわち、クラウドサーバ12には、発話意図と1つ以上のフレーズとが紐付けられるようにして記憶されている。
例えば、発話意図は、「ふろ操作」および「情報参照」等に分類される。「ふろ操作」は、給湯装置1の運転操作(動作指令)に関する発話意図であり、「情報参照」は、給湯装置1の運転状態の問合せ(状態問合せ要求)に関する発話意図である。「ふろ操作」には、ふろ自動制御による運転および追いだき制御による運転が含まれる。このため、「ふろ自動」のフレーズには「ふろ自動操作」の発話意図が紐付けられ、「追いだき」のフレーズには「追いだき操作」の発話意図が紐付けられる。
クラウドサーバ12は、「ふろ操作」の発話意図を含むフレーズに、「ふろ自動」または「追いだき」のフレーズが含まれる場合、管理装置5に送信する音声情報として対応する「ふろ自動操作」または「追いだき操作」の発話意図を含める。一方、クラウドサーバ12は、「ふろ操作」の発話意図を含むフレーズに、「ふろ自動」および「追いだき」のフレーズがいずれも含まれない場合、管理装置5に送信する音声情報として「ふろ操作」の発話意図を含める。
管理装置5の情報処理部5aは、音声入力装置10のスマートスピーカ11からユーザの発話に基づく音声情報のうち、「ふろ操作」、「ふろ自動操作」または「追いだき操作」の発話意図を含む音声情報を受信した場合、その音声情報から給湯装置本体21への制御指令を生成し、制御部22aに送信する。
情報処理部5aは、音声情報が、ふろ自動制御の実行指示に該当するか、追いだき制御の実行指示に該当するかを判定する。本実施の形態において、情報処理部5aは、音声情報に「ふろ自動操作」の発話意図が含まれるか否かを判定する。情報処理部5aは、音声情報に「ふろ自動操作」の発話意図が含まれる場合、ふろ自動制御の実行指示に該当すると判定し、ふろ自動制御を実行する第1制御指令を生成する。例えば、ユーザが、「42℃でふろ自動運転して」と発話した場合、管理装置5は、風呂設定温度42℃でふろ自動制御を実行するための第1制御指令を生成し、制御部22aに送信する。
なお、「42℃で」等の風呂設定温度に関する発話意図を含むフレーズがない場合(例えば、「ふろ自動運転して」等のフレーズのみの場合)、情報処理部5aは、現在設定されている風呂設定温度でふろ自動運転制御を実行するための第1制御指令を生成することができる。後述する追いだき操作の場合および何れの制御を実行するための指示か判別できない場合についても同様である。
また、情報処理部5aは、音声情報に「追いだき操作」の発話意図が含まれるか否かを判定する。情報処理部5aは、音声情報に「追いだき操作」の発話意図が含まれる場合、追いだき制御の実行指示に該当すると判定し、追いだき制御を実行する第2制御指令を生成する。例えば、ユーザが、「おふろ、42℃で追いだきして」と発話した場合、管理装置5は、風呂設定温度42℃で追いだき制御を実行するための第2制御指令を生成し、制御部22aに送信する。
また、情報処理部5aは、音声情報に「ふろ操作」の発話意図が含まれ、かつ、「ふろ自動操作」および「追いだき操作」の発話意図が含まれない場合(例えば、ユーザが、「42℃でおふろを沸かして」と発話した場合)、ふろ自動制御の実行指示に該当するか、追いだき制御の実行指示に該当するかが判別できないふろ操作指示に該当すると判定する。
その場合、情報処理部5aは、浴槽6に貯留される湯の水位または湯量に応じて、ふろ自動制御を実行する第1制御指令または追いだき制御を実行する第2制御指令を生成する。このために、情報処理部5aは、ふろ自動制御のためのリモコン7の操作部への操作が行われたときおよび追いだき制御のためのリモコン7の操作部への操作が行われたときのそれぞれの操作時における浴槽6に貯留される湯の水位または湯量に関する残湯情報を取得し、記憶部5bに蓄積して記憶する。
なお、管理装置5は、外部通信網4を介してリモコン7とは別の外部の通信端末(スマートフォン等。図示せず)と通信接続されてもよい。この場合、当該通信端末にインストールされた給湯装置専用のアプリケーションプログラムによって通信端末の表示部に表示される仮想の操作ボタンへのタッチ操作により、給湯装置本体21への制御指令が送信可能となる。このような場合、情報処理部5aは、当該通信端末へのふろ自動制御実行のためのタッチ操作時および追いだき制御実行のためのタッチ操作時における残湯情報を取得してもよい。すなわち、残湯情報を取得する操作は、音声入力装置10による操作(音声入力操作)以外の操作であって、ふろ自動制御の操作であるか追いだき制御の操作であるかが明確に判別できる操作であればよい。
より具体的に、残湯情報は、浴槽6に貯留される湯の水位または湯量が所定の基準値th以上である場合に、ふろ自動制御の操作が行われた第1操作回数および追いだき制御の操作が行われた第2操作回数をそれぞれ蓄積したものである。基準値thは、追いだき制御可能(浴槽6の湯を循環可能)な水位または湯量(最低値)より大きく、浴槽6に貯留可能な水位または湯量の最大値より小さい値に設定される。例えば、浴槽6の容積の半分程度の水位または湯量に設定される。
管理装置5は、記憶部5bに、第1操作回数および第2操作回数をそれぞれ蓄積して記憶するように構成されている。記憶部5bに記憶される第1操作回数および第2操作回数の初期値はともに0とする。制御部22aは、リモコン7等からのふろ自動制御の操作に基づく第1操作信号を受信すると、そのときの残湯センサ8の検出値に基づいて浴槽6に貯留されている湯の水位または湯量の情報を取得または推定する。
制御部22aは、得られた湯の水位または湯量が基準値th以上か否かを判定し、基準値th以上である場合、第1操作回数を1回増やす第1カウントアップ信号を管理装置5に送信する。管理装置5は、記憶部5bに記憶されている第1操作回数を1回増やして記憶する。
同様に、制御部22aは、リモコン7等からの追いだき制御の操作に基づく第2操作信号を受信すると、そのときの残湯センサ8の検出値に基づいて浴槽6に貯留されている湯の水位または湯量の情報を取得または推定する。制御部22aは、得られた湯の水位または湯量が基準値th以上である場合、第2操作回数を1回増やす第2カウントアップ信号を管理装置5に送信する。管理装置5は、記憶部5bに記憶されている第2操作回数を1回増やして記憶する。
なお、第1カウントアップ信号および第2カウントアップ信号には、そのときの湯の水位または湯量の情報および/または操作時刻の情報が含まれていてもよい。この場合、管理装置5は、ふろ自動制御の操作または追いだき制御の操作の別、そのときの湯の水位または湯量、および、操作時刻を操作履歴情報として記憶部5bに記憶してもよい。
管理装置5は、クラウドサーバ12から音声情報を受信した場合、その音声情報がふろ操作に関する音声情報であるか、状態問合せ要求に関する音声情報であるかを判定する。受信した音声情報が状態問合せ要求に関する音声情報(発話意図が「情報参照」)である場合、管理装置5は、それに対する応答情報を生成してクラウドサーバ12へ送信する。なお、音声情報が、ふろ操作に関する音声情報および状態問合せ要求に関する音声情報の何れでもない情報の場合には、別途処理がなされる(詳細は省略する)。
図2は、本実施の形態におけるユーザの発話に基づくふろ操作の制御の流れを示すフローチャートである。図2に示すように、情報処理部5aは、ふろ操作に関する音声情報を受信した場合、当該音声情報が、ふろ自動制御の実行指示に該当するか、追いだき制御の実行指示に該当するかを判別する(ステップS1)。情報処理部5aは、何れかの制御の実行指示に該当する(判別可能)と判定した場合(ステップS1でNo)、対応する制御を開始するための制御指令を生成する(ステップS7)。なお、音声情報がふろ操作を含む音声情報である場合、情報処理部5aは、別途ふろ操作に対する確認応答処理(例えば、スマートスピーカ11を介してふろ操作指示を受信した旨の報知等を行う)を行う(詳細は省略する)。
情報処理部5aは、当該音声情報がふろ自動制御の実行指示に該当するか、追いだき制御の実行指示に該当するかを判別できない場合(ステップS1でYes)、浴槽6に貯留される湯の水位または湯量が基準値th以上であるか否かを判定する(ステップS2)。この際、管理装置5は、制御部22aに浴槽6に貯留される湯の水位または湯量についての情報要求信号を送信する。制御部22aは、情報要求信号を受信すると残湯センサ8から浴槽6に貯留される湯の水位または湯量の情報を取得して、管理装置5に送信する。
なお、制御部22aは、情報要求信号を受信する前に残湯センサ8から浴槽6に貯留される湯の水位または湯量の情報を予め取得し、記憶部22bに現在の水位または湯量の情報として記憶しておいてもよい。この場合、制御部22aは、情報要求信号を受信した際に、記憶部22bから現在の水位または湯量の情報を読み出して管理装置5に送信する。
情報処理部5aは、得られた情報に基づいて、浴槽6に貯留される湯の水位または湯量が基準値th以上であるか否かを判定する。なお、これに代えて、制御部22aが残湯センサ8から得られた情報に基づいて浴槽6に貯留される湯の水位または湯量が基準値th以上であるか否かを判定し、その判定結果を管理装置5に送信してもよい。
浴槽6に貯留される湯の水位または湯量が基準値th以上であると判定された場合(ステップS2でYes)、情報処理部5aは、残湯情報に基づいて、第1制御指令または第2制御指令を生成する。まず、情報処理部5aは、記憶部5bに記憶されている残湯情報が後述する所定の条件を満たしているか否かを判定する(ステップS3)。所定の条件を満たしている場合(ステップS3でYes)、情報処理部5aは、記憶部5bに記憶された第1操作回数と第2操作回数とを比較する(ステップS4)。
比較の結果、第2操作回数が第1操作回数より多い場合(ステップS4でYes)、情報処理部5aは、追いだき制御を行うための第2制御指令を生成する(ステップS5)。第1操作回数が第2操作回数より多い場合または第2操作回数と同数である場合(ステップS4でNo)、情報処理部5aは、ふろ自動制御を行うための第1制御指令を生成する(ステップS6)。
浴槽6に貯留される湯の水位または湯量が基準値th未満である場合(ステップS2でNo)、または、浴槽6に貯留される湯の水位または湯量が基準値th以上である場合であって、残湯情報が所定の条件を満たしていない場合(ステップS3でNo)にも、情報処理部5aは、ふろ自動制御を行うための第1制御指令を生成する(ステップS6)。
上記構成によれば、ユーザの発話内容が、ふろ自動制御の実行を指示するものか、追いだき制御の実行を指示するものか、判別できない場合であっても、浴槽6に貯留されている湯の水位または湯量に応じてふろ自動制御または追いだき制御が実行される。したがって、ユーザの発話内容が、何れの制御を実行するものか判別できない場合であっても、何れかの制御を適切に実行することができる。
さらに、上記構成によれば、ユーザの発話内容が、ふろ自動制御の実行を指示するものか、追いだき制御の実行を指示するものか、判別できない場合であって、浴槽6に貯留される湯の水位または湯量が基準値th以上である場合に、過去の操作実績に応じてふろ自動制御を実行するか追いだき制御を実行するかが決定される。より具体的には、ふろ自動制御および追いだき制御のうち、過去の操作回数の多い方の制御が実行される制御として決定される。
したがって、ユーザの操作実績に応じて実行する制御を決定することにより、よりユーザの意図に沿った制御の実行を実現することができる。しかも、過去の操作回数という簡単な情報の蓄積により、ユーザの意図に沿った制御を、実行する制御として決定することができる。例えば、ユーザが、過去、浴槽6に湯が全くない状態から1日目はふろ自動制御により湯張りを行い、2日目は1日目の残湯を追いだき制御により再加熱することをリモコン7の操作を通じて行っていた場合に、ユーザは1日目か2日目かを気にすることなく「おふろを沸かして」と発話することにより、上記2つの制御を適切に実行することができる。
また、上記構成によれば、ユーザの発話内容が、ふろ自動制御の実行を指示するものか、追いだき制御の実行を指示するものか、判別できない場合であって、浴槽6に貯留される湯の水位または湯量が基準値th未満である場合には、ふろ自動制御が実行される。これにより、浴槽6に貯留される湯が少ない場合に、追いだき制御が行われて入浴に適切な湯量とすることができない状態となることを防止することができる。
なお、ステップS3の所定の条件は、例えば、第1操作回数および第2操作回数の蓄積がある(記憶部5bに記憶される何れかの回数が初期値0より大きい値である)ことに設定される。これに代えて、所定の条件は、記憶部5bに記憶される第1操作回数および第2操作回数の総和が所定のしきい値(>0)以上であることに設定されてもよい。このような条件設定を行うことにより、情報処理部5aは、過去の操作実績がない、または、少なく、十分ではないと判定される場合に、ふろ自動制御を実行する第1制御指令を生成する。これにより、より確実に浴室への湯張りを行うことができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図3は、本発明の実施の形態2における給湯装置の概略構成を示すブロック図である。実施の形態2において実施の形態1と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。実施の形態2における給湯装置1Bが実施の形態1の給湯装置1(浴室給湯システム20)と異なる点は、給湯装置1Bが外部通信網4を介して管理装置5に通信接続されていないことである。
本実施の形態において、給湯装置1Bは、音声入力部10Bを備えたリモコン7Bと、制御装置22に設けられた情報処理部22cと、を備えている。なお、図3においては、情報処理部22cを制御部22aとは別の構成として記載しているが、制御部22aの制御ブロックとして情報処理部22cを備えていてもよい。言い換えると、制御部22aが情報処理部22cとして機能してもよい。
音声入力部10Bは、例えば、マイクロホンとスピーカとを内蔵し、マイクロホンで取得されたユーザの発話に基づく音声データを制御装置22へ送信し、制御装置22から送信されてきた音声データを音声に変換してスピーカから出力することができる。
例えば、ユーザが、所定の音声入力起動スイッチを押下操作する等して音声入力部10Bを音声入力待ち受け状態にした後、給湯装置1の動作指令または状態問合せ要求等の音声入力を行うための発話を行うことにより、発話内容の音声データが情報処理部22cへ送信される。
情報処理部22cは、リモコン7Bの音声入力部10Bから送信されてきた音声データを分析し(音声認識および自然言語理解などの処理を行い)、その分析結果として音声情報を得る。上記実施の形態1における情報処理部5aと同様に、情報処理部22cは、得られた音声情報に基づいて、実行すべき制御態様(ふろ自動制御または追いだき制御)を決定する制御処理を行う(図2)。
給湯装置1Bにおいては、上記実施の形態1と同様の残湯情報が制御装置22の記憶部22bに記憶される。すなわち、給湯装置1B(制御部22aまたは情報処理部22c)は、記憶部22bに、第1操作回数および第2操作回数をそれぞれ蓄積して記憶するように構成されている。
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、ユーザの発話内容が、ふろ自動制御の実行を指示するものか、追いだき制御の実行を指示するものか、判別できない場合であっても、浴槽6に貯留されている湯の水位または湯量に応じてふろ自動制御または追いだき制御が実行される。したがって、ユーザの発話内容が、何れの制御を実行するものか判別できない場合であっても、何れかの制御を適切に実行することができる。
(他の実施の形態)
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。
例えば、上記実施の形態1では、音声入力装置10として、スマートスピーカ11を含んだ構成を例示したが、これに代えて、スマートスピーカ11のように音声アシスタントを利用するようにしたスマートフォン等の携帯端末を用いるようにしてもよい。また、音声入力装置10として、マイクロホン等の音声入力部とスピーカ等の音声出力部とが別々の筐体内に備えられる構成としてもよい。
また、上記実施の形態1では、中継装置2とリモコン7とが個別に構成されているが、リモコン7の筐体の内部に中継装置2が設けられてもよい。
また、上記実施の形態1において、クラウドサーバ12が「ふろ自動操作」、「追いだき操作」および「ふろ操作」(「ふろ自動操作」および「追いだき操作」の発話意図が含まれないふろ操作)のうちの何れの発話意図が含まれるかを分析する態様を例示したが、これに限られない。例えば、クラウドサーバ12は、「ふろ操作」の発話意図が含まれるか否かのみを分析し、「ふろ操作」の発話意図が含まれる場合に、元の音声データとともに「ふろ操作」の発話意図が含まれることを示す音声情報を管理装置5に送信し、管理装置5が元の音声データから実行すべき制御態様(ふろ自動制御または追いだき制御)を決定する処理を行ってもよい。
また、上記実施の形態2では、中継装置2が設けられておらず、外部通信網4を介して外部装置と通信可能な構成とはされていない(スタンドアローンの給湯装置1Bとして構成されている)。これに代えて、上記実施の形態1と同様に、中継装置2、ルータ3および外部通信網4を介して管理装置5または外部の通信端末と通信接続されるように構成されてもよい。
また、上記実施の形態2では、情報処理部22cが給湯装置1Bの制御装置22内に設けられた構成を例示したが、情報処理部22cは、リモコン7Bに設けられていてもよいし、制御装置22およびリモコン7Bとは別の装置として設けられてもよい。また、中継装置2が設けられる場合には、中継装置2に情報処理部22cが設けられてもよい。
また、上記実施の形態1,2において、給湯装置本体21が燃焼加熱式であることを例示したが、これに限定されない。例えば、ヒートポンプで加熱するものや、燃料電池やガスエンジンの排熱を用いて加熱するもの等であってもよい。また、給湯装置本体21は、温水式暖房端末と接続されて温水式暖房端末との間で温水を循環させる温水暖房機能を有していてもよい。
また、上記実施の形態1,2においては、残湯情報として第1操作回数および第2操作回数をそれぞれ蓄積して記憶する態様を例示したが、残湯情報として、これらの操作情報に当該操作を行ったときの時刻または前回の操作時からの時間間隔を対応付けて記憶してもよい。
例えば、ふろ自動操作および追いだき操作のそれぞれについて複数の所定の時刻範囲(例えば1時間単位等)で分類し、時刻範囲ごとにそれぞれの操作回数を蓄積してもよい。例えば、18時から19時の間において、第1操作回数が4回で、第2操作回数が1回であり、20時から21時の間において、第1操作回数が2回で第2操作回数が3回である等という残湯情報が記憶される。この場合、情報処理部5a,22cは、音声情報を受信した時刻に対応した時刻範囲における第1操作回数および第2操作回数を読み出し、それに基づいて制御指令を生成してもよい。
上記の例であれば、音声情報を受信した時刻が18時から19時の間であれば、第1操作回数が第2操作回数よりも多いため(ステップS4でNo)、ふろ自動制御を行うための第1制御指令が生成される。また、音声情報を受信した時刻が20時から21時の間であれば、第2操作回数が第1操作回数よりも多いため(ステップS4でYes)、追いだき制御を行うための第2制御指令が生成される。
また、例えば、ふろ自動操作および追いだき操作のそれぞれについて前回の操作時からの時間間隔(例えば30分未満か30分以上か)で分類し、時間間隔の分類ごとにそれぞれの操作回数を蓄積してもよい。例えば、時間間隔が30分未満の場合、第1操作回数が1回で、第2操作回数が3回であり、時間間隔が30分以上の場合、第1操作回数が3回で第2操作回数が1回である等という残湯情報が記憶される。この場合、情報処理部5a,22cは、前回音声情報を受信した時刻または前回リモコン7等にふろ操作が行われた時刻(前回の操作時刻)から音声情報を受信した時刻までの時間間隔を算出し、その時間間隔に対応した時間間隔の分類における第1操作回数および第2操作回数を読み出し、それに基づいて制御指令を生成してもよい。
上記の例であれば、前回の操作時刻から音声情報を受信した時刻までの時間間隔が30分未満であれば、第2操作回数が第1操作回数よりも多いため(ステップS4でYes)、追いだき制御を行うための第2制御指令が生成される。前回の操作時刻から音声情報を受信した時刻までの時間間隔が30分以上であれば、第1操作回数が第2操作回数よりも多いため(ステップS4でNo)、ふろ自動制御を行うための第1制御指令が生成される。
これにより、複数のユーザ(例えば家族等)が同居する場合において、複数のユーザのそれぞれが入浴する時刻または複数のユーザが入浴する順番(タイムスケジュール)に応じて各ユーザの意図に沿った制御を実行することが可能となる。
また、上記のように、各操作の操作回数の情報に、何れかの操作を行ったときの時刻または前回の操作時からの時間間隔を対応付けて記憶するのに加えて、またはこれに代えて、複数のユーザの識別情報を対応付けて記憶してもよい。例えば、予め発話意図としてユーザの識別子(名前等)を登録しておき、発話内容に入浴を希望するユーザの識別子が含まれる場合に、当該ユーザの発話であると認識させる。さらに、例えば通信端末の表示部に表示される仮想の操作ボタンへのタッチ操作によりふろ自動制御または追いだき制御を実行可能に構成し、通信端末の識別情報とその所有者であるユーザ情報とを対応付けて記憶しておく。タッチ操作によるふろ自動制御または追いだき制御の実行時に各操作回数を通信端末の識別情報に対応付けられるユーザ情報と対応付けて記憶する。
このような構成において、ユーザがふろ操作の発話を行った場合、そのユーザの過去の操作回数に応じて実行する制御(ふろ自動制御または追いだき制御)が決定される。これにより、ユーザごとの操作実績に応じた制御を実行することが可能となる。