JP7242851B2 - 子宮頸がんのグレード検出のためのスクリーニングキットおよびその調製方法 - Google Patents

子宮頸がんのグレード検出のためのスクリーニングキットおよびその調製方法 Download PDF

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Description

本発明は、異なるグレードの子宮頸がんを検出のためのスクリーニングキットに関する。より具体的には、本発明は、微分ラマンスペクトルパターンを用いて、子宮頚部から剥離した細胞中の子宮頚部の前癌性病変、すなわち、高悪性度扁平上皮内病変(HSIL:high-grade squamous intraepithelial lesion)および子宮頸部扁平上皮癌(CSCC:cervical squamous cell carcinoma)を同定するために開発された効率的なプラットフォームに関する。
子宮頸がんは、世界中の女性の間で最もよく見られるがんの一つであり、インドにおいては女性の間で2番目に有病率の高いがんである。子宮頸がんは、子宮頚部が容易に検査しやすい臓器であり、浸潤性のがんが発生する10~15年前に不均一なスペクトルの上皮異常(前癌病変)が出現することから、予防できるがんと考えられている(Sujathanら)。子宮頚部のこれらの前癌病変の検出および根絶のためのパップスメアテスト(子宮頸がん細胞診)の意義が十分実証されている。これに基づいて、子宮頸がんについての体系的に組織化されたスクリーニングプログラムが、多くの先進国で実行されている。スウェーデン、デンマーク、フィンランドなど、組織化されたパップスメアスクリーニングプログラムによって女性が守られている国では、この疾患の発生率が急速に低下していることが観察されている。子宮頸部がんにおける高リスクHPVの持続感染の役割は、今や十分確立されており、高リスクHPVのうちの2つのHPVに対する予防ワクチンが、現在、利用可能である。いくつかの他の女性の間で蔓延する高リスクのHPVウイルス株を考慮すると、この疾患を効果的にコントロールするために、ワクチン、パップスメア試験およびHPV DNA試験が推奨されている。しかしながら、インドをはじめとする多くの資源の乏しい国々では、これらの対策はいまだ実行されておらず、子宮頸がんは、女性の生命に多大な影響を与え続けている。インドは、子宮頸がんの世界的負担の5分の1を占めている。子宮頸がんに関するGlobocanの報告によると、2012年には、約528,000件の推定新症例と、266,000件の死亡例が報告されている。子宮頸がんによる10件の死亡のうち、ほぼ9件が、インドを含む低資源国で発生している。もし我々も集団スクリーニングプログラムを導入することができれば、女性の命を救うことができたと予想される。パップスメアによるスクリーニングプログラムを実行する上での大きな障害は、地域の対象となる女性のパップスメア(細胞診検体)を顕微鏡で分析するための訓練を受けた細胞学者が不足していることである。そのため、高度な訓練を受けた細胞学者を必要とすることなく、費用効果が高く、かつ信頼性の高い代替的なスクリーニング方法が緊急に必要とされている。
パップスメアテストは、子宮頚部の扁平円柱上皮接合部から自然に剥離した細胞を顕微鏡で分析する検査である。これらの細胞は、スパチュラで掻き取って採取した子宮頚管粘液に付着していることが多い。これらの細胞から、前癌病変(LSIL、HSILなど)や、悪性病変の様々な形態的特徴が調べられる。前癌病変は無症状であるため、定期的なスクリーニングプログラムを通してのみ見つけることができる。細胞の顕微鏡分析には、高度に訓練された細胞検査士が必要である。医師は、検査の際に、子宮頚部を可視化し、子宮頚部から細胞試料を採取し、保存液中に保存する。これらの細胞は、スライドガラス上に塗抹され、パップ染色で染色され、訓練された細胞検査士により顕微鏡下で形態的特徴について調べられ、正常、または前癌病変LSIL/HSIL陽性、または悪性病変陽性として報告される。全ての陽性試料はさらに、細胞病理学者によって確認される。スメアは、改変型ベセスダシステムに従って報告される場合が多い。前癌病変は、病変が進行していないことを確認するために計画的に治療・経過観察される。パップスメアを用いた定期的な組織的スクリーニングプログラムが行われている先進国の報告によれば、スメアの85%以上が正常範囲内にあるとされる。このため、費用効果の高い方法によってこれらの正常なスメアを、熟練した細胞検査士を利用することなくスクリーニングで除くことができれば、その他の15%は、資源の過剰な利用なしに、手作業での方法に供することができる。
熟練した細胞検査士を手配することが困難であり、また時間のかかる技術であるため、いくつかの他の代替技術の需要が高い。子宮頸がんの特異的かつ正確なスクリーニング対する需要が、高い選択性と感度を有する新しい診断プローブの開発を促進してきた。非弾性光散乱に基づくラマン分光法(RS)は、タンパク質、核酸、脂質などの高分子の重要な生化学的情報を提供することができる。これは、各分子が、ラマンシグネチャとして機能できる、独自の振動パターンを有するからである。ラマン分光法は、最近、組織内のがん検出、および新生物の異なるステージにおける悪性度の同定のための新しい非侵襲的な診断ツールとして登場した。いくつかのグループは、肺、胃、膀胱、乳房、副甲状腺、前立腺、および子宮頚部などの様々な身体部位において正常組織と悪性組織の識別におけるラマン分光法の適用を研究してきた。
しかしながら、ラマン散乱は、その本質的に小さな断面積のため、極めて効率が悪いという欠点がある。また、生物学的試料のラマンスペクトルは、しばしば強い蛍光バックグラウンドの上に重畳され、膨大となり、ラマンシグナルを抽出することが困難になる可能性がある。そのため、医療診断においては、これらの欠点が通常のラマン分光法の実用化に大きな問題となっている。表面増強ラマン散乱(SERS)の発見により、過去20年間、ラマン分光法に大きな関心が寄せられている。表面増強ラマン散乱は、1974年に、Fleischmanらによって初めて報告された。最近の研究では、SERS技術を用いてラマン活性分子をナノテクスチャー化した金属表面に付着させると、1010~1014倍、ラマンシグナルが増強され、自己蛍光バックグラウンドが低下することが示されている。SERSテクノロジーは、ラマン分光法の検出感度を大きく向上させ、生物医学における大きな可能性を秘めていることから、注目を集めている。抗原と相補的な抗体との間の特異的相互作用に依存するSERSに基づくイムノアッセイは、最新の腫瘍学適用のために開発されたストラテジーである。無標識SERSは膨大かつ複雑なデータセットを生成し、スペクトルデータから実質的な情報を採掘するために、より洗練された分析プロセスを必要とする。金ナノ粒子の様々な沈着および配向により生じる、強度および空間的散乱の大きな不一致は、得られたスペクトルデータの明確さを低下させる。そのような課題が存在するにもかかわらず、主成分分析(PCA)、線形判別分析(LDA)、クラスタ分析、サポートベクターマシン分析(SVM)などの計量化学分析の導入により、分類と特性評価のためのスペクトルデータセットの質が強化または改善された。
子宮頸がんの場合、子宮頚部の剥離細胞を掻き取って生成されたスメアは、非侵襲的な方法で痛み伴うことなく、診断される患者の処置を通して簡便かつ継続的に行うことができ、生検は、高悪性度の病変や浸潤性癌の確認のために行われる、認められたスクリーニング方法である。以前に報告された全ての研究では、ラマン測定には、細胞試料ではなく組織試料を用いていた。しかし、組織試料の採取には、外科的処置を必要とするため、スクリーニング目的としては勧められない。金ナノ粒子(AuNP)は、それらの好ましい物理的、化学的性質および生体適合性のため、本研究ではSERS基質として用いている。
本発明において、発明者らは、細胞内のアミノ酸と関連するタンパク質、脂質、核酸、DNA、および変数である、アミドII、アミドIIIなどの可変のラマンフィンガープリントにおける明瞭な変化により、NRML患者、HSIL患者、およびCSCC患者を識別することができる生化学的変化を見出すために、子宮頚部の剥離細胞におけるSERSスペクトル評価のためのAuNPの使用を探索した。本発明者らの知る限りでは、これは、子宮頚部の前癌の検出のためのAuNPと無標識ナノ製剤を用いた子宮頚部剥離細胞のSERSに基づく分析に関する最初の報告である。その結果は、単一細胞、細胞ペレット、抽出されたDNA測定を用いて、3つのクラス間での有意なレベルの識別を示した。
定義
AuNP - 金ナノ粒子
NRML - 正常
HSIL - 高悪性度扁平上皮内病変
CSCC - 子宮頸部扁平上皮がん
発明の目的
本発明の主な目的は、異なるグレードの子宮頸がんのスクリーニングのためのキットに関する。
本発明の他の目的は、ラマンフィンガープリント分析により3つのグレード、すなわち、NRML、HSIL、およびCSCCの存在量を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、十分な数の患者試料を用いて、ピーク強度、ピークシフトに関して、アミノ酸に関連したタンパク質、脂質、核酸、DNAの存在などのシグネチャスペクトルの妥当性を検証することである。
本発明のさらに別の目的は、計量化学的分析により検証される分別認識、感度、特異性、および予測精度である。
発明の要約
したがって、本発明は、健康な被験者と高悪性度扁平上皮内病変(HSIL)患者および子宮頸部扁平上皮癌(CSCC)患者間の生体分子フィンガープリントの有意なラマンスペクトルパターンによって指定された、SERS基質としての特定濃度のAuNPの簡単な処理および利用による、子宮頚部から得られる剥離細胞の3つの主要グレードについて、SERSに基づくプラットフォームにおいて有用な無標識検出キットを提供する。SERSバンドにおいて測定される特異的なピークの割当と共にラマン強度差は、良性および悪性の子宮頚部腫瘍が、DNA、タンパク質、脂質などの様々な生体分子の相対的な量を含む、子宮頚部上皮細胞の構造的および特異的な生体分子の変化を生じさせたことを明らかにする。有意な強度をもつカロテノイドのピークは、がん試料の場合は高い。これらの変動は、正常試料から癌細胞への代謝変化と関連している可能性がある。この探索的研究による結果は、早期がん検出およびスクリーニングの診断のための、無標識の、非侵襲的で、簡便な臨床ツールとしてのSERSに基づくプラットフォームによる子宮頸がんの大きな可能性を示している。
本発明の一実施形態では、子宮頸がんの異なるグレードのスクリーニング用キットであって、以下を含む、キットを提供する:
a)SERS基質として40~50nmの範囲のサイズを有する金ナノ粒子(AuNP)
b)>50%のエタノール、メタノール、イソプロパノール、ホルムアルデヒド、生理食塩水、リン酸水素二カリウムを含む、保存液
c)MilliQ水中20~50%(w/v)のスクロースを含む密度勾配溶液
d)塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二水素カリウムからなるリン酸緩衝食塩水(PBS)
e)試料を効果的に付着するための、ポリ-L-リジン、APES[(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン]を含むプレコーティングされたスライドガラス(表面増強ラマン散乱プラットフォーム)。
本発明の一実施形態において、本発明は、ナノ粒子の濃度が8~10×1013個の粒子/mlの範囲であるキットを提供する。
本発明の一実施形態において、本発明は、スライド上の試料を固定するために用いられる保存液が、>50%エタノール、メタノール、イソプロパノール、ホルムアルデヒド、生理食塩水、リン酸水素二カリウムを含む群から選択される、キットを提供する。
本発明の一実施形態において、本発明は、密度勾配溶液がMilliQ水中20~50%(w/v)のスクロースを含む、キットを提供する。
本発明の一実施形態において、リン酸緩衝食塩水が塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二水素カリウムを含む、キットを提供する。
本発明の一実施形態において、本発明は、スライドガラスにおける細胞の接着のために、ポリ-L-リジン、APES[(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン]を含む群から選択される化合物でスライドガラスがコーティングされている、キットを提供する。
本発明のさらに別の実施形態において、本発明は、子宮頸がんの異なるグレードが、NRML(正常)、HSIL(高悪性度扁平上皮内病変)、CSCC(子宮頸部扁平上皮癌)からなる群から選択される、キットを提供する。
本発明のさらに別の実施形態において、本発明は、子宮頸がんの異なるステージを検出するための方法であって、以下を含む、方法を提供する:
a.>50%のエタノール、メタノール、イソプロパノール、ホルムアルデヒド、生理食塩水、リン酸水素二カリウムを含む保存液中に細胞試料を供給するステップ、
b.ステップaにおいて得られた細胞試料を遠心分離し、MilliQ水中の20~50%(w/v)のスクロースを含む密度勾配液を用いてペレットを得ることにより、高密度の上皮細胞をチューブの底部にペレットとして濃縮し、RBC、多形、炎症細胞、粘液のようなあまり高密度ではない干渉細胞を上清として除去するステップ、
c.ステップbで得られた細胞ペレットを、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二水素カリウムを含むPBSバッファー中で再懸濁するステップ、
d.ポリ-L-リジン、APES[(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン]を含む化合物でプレコーティングされたスライドガラスを供給するステップ、
e.ステップcで得られた懸濁液を、ステップdで得られたプレコーティングされたスライドガラス上へ滴下するステップ、
f.ステップeで得られたプレコーティングされたスライドガラス上へ滴下された細胞懸濁液をAuNPで約10~30分間、インキュベートするステップ、
g.細胞試料からの表面増強ラマン散乱を測定し、ラマンスペクトルパターンを分析して、3つのグレード、すなわち、NRML、HSIL、およびCSCCを識別するステップ。
本発明の目的および特徴は、添付の図面と併せて参照することで、それぞれが示す以下の本発明の説明から明らかになるであろう:
400cm-1から1800cm-1までのCSCC試料についての代表的なスペクトルを示す図である。 400cm-1から1800cm-1までのHSIL試料についての代表的なスペクトルを示す図である。 400cm-1から1800cm-1までのNRML試料についての代表的なスペクトルを示す図である。 NRML、HSIL、およびCSCC由来のDNA試料についての微分スペクトル(500cm-1~1800cm-1)およびそれのそれぞれのピーク割当を示す図である。 a)単一細胞、b)細胞ペレット、c)抽出DNAにおける線形判別分析を示す図である。 全体的な作業を表すスキームを示す図である。 NRML試料、HSIL試料、およびCSCC試料からの平均SERSスペクトルピークの比較を示す図である。
子宮頚部の剥離細胞のNRML、HSIL、およびCSCCを識別するための、SERS基質として、金ナノ粒子、AuNP(40~50nm)8~10×1013個の粒子/mlを含むキットを用いたSERSに基づく診断プラットフォームを展開した。本発明者らの究極の目標は、子宮頚部から採取された剥離細胞内で、HSILおよびCSCC細胞をNRMLから明確に認識する、SERSナノ製剤を用いて微分スペクトルパターンを検証することである。この研究は現地の倫理委員会により承認された。検体採取に先立ち、全ての患者はインフォームドコンセントフォームに署名している。病理学的に確認された子宮頚部スメア、NRML、HSIL、およびCSCCを、腟鏡を用いて、BD保存液中に採取する。密度勾配遠心分離を実施し、上皮細胞をペレットとして落下させた。その後、ペレットを、PBSバッファー中に再懸濁し、スライドガラスにスメアボタンとして滴下した。SERSスペクトル分析は、スペクトログラフ回折格子600gr/mmを有する633nmレーザー励起源のダイオードレーザーを用いて、AuNPと試料(8~10×1013個の粒子/ml)の9:1比率で、最大10~20秒間の積分時間で約10~15個程度の集積を行った。単一細胞、細胞ペレット、および抽出DNAを調査し、3つのカテゴリーに識別した。NRMLは、その最高ピークに標準化された場合、HSILおよびCSCC試料に比べ、比較的強度の低いピークを有する。NRML、HSIL、およびCSCC間の有意なSERSスペクトルシグネチャは、481、573、666、729、826、956、1002、1080,1163、1175、1286、1373、および1558cm-1であることが観察された。トリプトファン、チロシン、およびフェニルアラニンのような全体的な芳香族アミノ酸ピークは、SERSスペクトルにおいて顕著であり、NRMLと比較して、HSILおよびCSCCからの強度の顕著な増加を示した。核酸のリン酸骨格に対応する1080cm-1における顕著なピークは、NRML試料において1066cm-1でのシフトを有するCSCC試料において明らかであった。アミドIIIのシグナルは、HSILおよびCSCCにおいて、より高いことが見出された一方、アミドIIは、NRML試料とHSIL試料とCSCC試料との間でシフトを示した。線形判別分析では、NRML試料とCSCC試料との間で14nmシフト、NRML試料とHSIL試料の間では11nmシフト、HSIL試料とCSCC試料の間では3nmシフトを示した。線形判別分析は、全細胞、細胞ペレット、および抽出DNAにおいてNRML試料、HSIL試料、およびCSCC試料との間で明確な識別が可能であった。加えて、サポートベクターマシン(SVM)分析による計量化学的分析では、単一細胞について、1%未満の標準偏差で90%よりも大きい予測精度、細胞ペレットについて、1%未満の標準偏差で75%よりも大きい予測精度、および抽出DNAについて、4%未満の標準偏差で90%よりも大きい予測精度を示した。
以下の実施例は、本発明の例として提供されたものであり、したがって、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
実施例1
SERSに基づくスクリーニングキットの調製
(i)無標識検出のための金ナノ粒子(AuNP)の合成およびその濃度の最適化。
金ナノ粒子(AuNP、約40~50nmのサイズ)を、十分確立されたクエン酸還元方法により調製した。合成されたナノ粒子の特性評価は、紫外可視(UV-vis)分光法、動的光散乱法(DLS)、および高分解能透過電子顕微鏡法(HRTEM)により実施した。
サイズは約40~50nmであり、最適なSERS基質として機能した。
(ii)最大ラマンシグナル強度を提供するAuNPの最適濃度;
最大のSERS強度が得られる最適濃度が評価された(AuNP 8~10×1013個の粒子/ml)。
(iii)>50%のエタノール、メタノール、イソプロパノール、ホルムアルデヒド、生理食塩水、リン酸水素二カリウムを含む、採取された試料の保存および固定のための保存液を調製した。
(iv)試料中の上皮細胞を濃縮するための、MilliQ水中の20~50%(w/v)のスクロースを含む密度勾配溶液を調製した。
(v)細胞ペレットの再懸濁のための、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二水素カリウムを含むリン酸緩衝食塩水を調製した。
(vi)SERSプラットフォームは、スライドガラスにおける細胞試料を接着するために、ポリ-L-リジン、APES[(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン]を含む化合物でコーティングされたスライドガラスからなる。
実施例2
剥離細胞からのSERSフィンガープリント
剥離細胞試料を、>50%のエタノール、メタノール、イソプロパノール、ホルムアルデヒド、生理食塩水、リン酸水素二カリウムを含む保存溶液中に採取した。子宮頚部スメア試料において上皮細胞を濃縮するために、スクロースを勾配溶液として用い、密度勾配遠心分離を実施した。得られたペレットを、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二水素カリウムを含むPBSバッファー中に再懸濁した。再懸濁された溶液を、ポリ-L-リジン、APES[(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン]でコーティングされたスライドガラスに滴下した。10~30分間のインキュベーション後、余分な液体を捨て、スライドを、SERS測定まで無水エタノール中に保存した。単一細胞は、明視野に焦点を当てており、スペクトルは、細胞の異なる領域から取得された。形態学的に正常細胞と異常細胞の同定が疑われた後、多くのスペクトルは、細胞のランダムな位置から、および、核からも取得されている。細胞質に対する核サイズの比率は、SERS測定を行うための形態学的判別パラメータについての特徴として採用される。SERSスペクトル分析は、8~10×1013個の粒子/mlの濃度を有するAuNPを用いて行われ、スペクトログラフ回折格子600gr/mmを有する633nmレーザー励起源のダイオードレーザーによって、10~15秒間の積分時間で10~20個程度の集積を設定して分析される。レーザー出力は、3~7mWである。フィンガープリント領域400cm-1~1800cm-1を、3つのクラス間でのスペクトル差について分析した。
- 十分な数の患者試料に関し、ピーク強度、ピークシフトに関しての、アミノ酸関連タンパク質、脂質、核酸、DNAの存在量により得られるシグネチャラマンスペクトル。
- 分別認識:計量化学的分析により得られる特異性と予測精度。
実施例3
子宮頸部扁平上皮癌(CSCC)からの単一細胞スペクトル分析
CSCC試料を、>50%のエタノール、メタノール、イソプロパノール、ホルムアルデヒド、生理食塩水、リン酸水素二カリウムを含む保存溶液中に採取した。子宮頚部スメア試料において上皮細胞を濃縮するために、スクロースを勾配溶液として用い、密度勾配遠心分離を実施した。得られたペレットを、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二水素カリウムを含むPBSバッファー中に再懸濁した。再懸濁された溶液を、ポリ-L-リジン、APES[(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン]でコーティングされたスライドガラスに滴下した。10~30分間のインキュベーションの後、余分の液体を捨て、スライドを、SERS測定まで無水エタノール中に保存した。
CSCC細胞は、481cm-1、573cm-1、666cm-1、729cm-1、826cm-1、920cm-1、956cm-1、1002cm-1、1012cm-1、1080cm-1、1156cm-1、1163cm-1、1175cm-1、1286cm-1、1373cm-1、1544cm-1を含む400~1800cm-1の範囲に様々なピークを有する。芳香族アミノ酸、トリプトファン、チロシン、およびフェニルアラニンのピークは、CSCC試料において有意な強度を示した。トリプトファンの存在量は、573cm-1ピークにおけるピークから明らかであった。CSCC試料において、チロシンのピークは1163cm-1で顕著であった。全ての試料において、フェニルアラニンは1002cm-1にピークがあり、HSILおよびCSCC試料において、1012cm-1にショルダーピークを示した。カロテノイドのピークは956cm-1および1156cm-1に顕著な強度を示し、がん細胞が損傷するのに抵抗するのを助け、また、がん細胞が多量の糖タンパク質を合成するのを助けた。NRML試料における1066cm-1での核酸のPO2伸縮は、HSIL試料およびCSCC試料において、それぞれ、有意に増加し、1080cm-1へのシフトを示した。DNA含有量増加を示す826cm-1におけるPO伸縮ピークは、HSIL試料およびCSCC試料において顕著であったが、NRMLにおいては見られなかった。CSCC試料では、核酸塩基のシトシン、グアニン、アデニン、およびチミンのピークは、666cm-1、729cm-1、1175cm-1、1373cm-1において顕著であった。アミドIIIのシグナルは、NRML試料における1260cm-1からCSCC試料における1286cm-1へシフトされ、CSCCにおいて顕著であることが見出された一方、アミドIIのシグナルは、NRML試料における1558cm-1からCSCC試料における1544cm-1へのシフトを示した。線形判別分析では、単一細胞、細胞ペレット、および抽出DNAにおいて、NRML試料、HSIL試料、およびCSCC試料から癌腫試料の明確な識別が可能であった。
実施例4
高悪性度扁平上皮内病変(HSIL)からの単一細胞スペクトル分析
HSIL試料を、>50%のエタノール、メタノール、イソプロパノール、ホルムアルデヒド、生理食塩水、リン酸水素二カリウムを含む保存溶液中に採取した。子宮頚部スメア試料において上皮細胞を濃縮するために、スクロース勾配溶液を用いて、密度勾配遠心分離を実施した。得られたペレットを、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二水素カリウムを含むPBSバッファー中に再懸濁した。再懸濁された溶液を、ポリ-L-リジン、APES[(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン]のいずれかでコーティングされたスライドガラスに滴下した。10~30分間のインキュベーション後、余分な液体を捨て、スライドを、SERS測定まで無水エタノール中に保存した。
HSIL由来の細胞は、481cm-1、573cm-1、666cm-1、729cm-1、826cm-1、956cm-1、1002cm-1、1012cm-1、1080cm-1、1163cm-1、1175cm-1、1280cm-1、1373cm-1、および1547cm-1を含む、400~1800cm-1の範囲に有意なシグネチャピークを有することが見出された。1012cm-1および573cm-1におけるピークが、それぞれフェニルアラニンおよびトリプトファンに起因するHSIL試料における異常の活性の増加を示した。826cm-1における核酸のピークは、HSIL試料およびCSCC試料においてシフトした。PO2伸縮に起因する1080cm-1におけるピークは、核酸の存在量の増加を示すものであるが、CSCC試料よりも少ない。1175cm-1におけるピークは、HSIL試料におけるシトシン、グアニンの増加を示した。1280cm-1のピークは、アミドIIIに起因するものであり、これも、NRMLおよびCSCCと比較してシフトしている。1547cm-1のピークは、アミドIIに起因するものであり、これも、CSCC試料における1544cm-1からわずかにシフトしている。
実施例5
正常(NRML)からの単一細胞スペクトル分析
NRML試料を、>50%のエタノール、メタノール、イソプロパノール、ホルムアルデヒド、生理食塩水、リン酸水素二カリウムを含む保存溶液中に採取した。子宮頚部スメア試料において上皮細胞を濃縮するために、スクロース勾配溶液を用いて、密度勾配遠心分離を実施した。得られたペレットを、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二水素カリウムを含むPBSバッファー中に再懸濁した。再懸濁された溶液を、ポリ-L-リジン、APES[(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン]のいずれかでコーティングされたスライドガラスに滴下した。10~30分間のインキュベーション後、余分な液体を捨て、スライドを、SERS測定まで無水エタノール中に保存した。
正常細胞は、666cm-1、729cm-1、850cm-1、956cm-1、1002cm-1、1066cm-1、1163cm-1、1260cm-1、1373cm-1、および1558cm-1を含む400~1800cm-1の範囲にシグネチャピークを示した。1002cm-1におけるピークは、フェニルアラニンの存在を示した。1066cm-1に軽微なピークが見出されたが、これは核酸PO伸縮に関連したものであり、CSCC試料において顕著に1080cm-1へシフトされている。1163cm-1のピークは、脂質C=C伸縮およびチロシンに関連していた。1260cm-1におけるアミドIIIのピークは、正常試料において顕著であった。アミドIIのピークは、1558cm-1に示され、それは、HSIL試料およびCSCC試料において有意にシフトされた。
実施例6
CSCC子宮頚部剥離細胞、HSIL子宮頚部剥離細胞、およびNRML子宮頚部剥離細胞の差異
Figure 0007242851000001

実施例7
細胞ペレットスペクトル分析
剥離細胞試料を、>50%のエタノール、メタノール、イソプロパノール、ホルムアルデヒド、生理食塩水、リン酸水素二カリウムを含む保存溶液中に採取した。子宮頚部スメア試料において上皮細胞を濃縮するために、スクロース勾配溶液を用いて、密度勾配遠心分離を実施した。得られたペレットを、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二水素カリウムを含むPBSバッファー中に再懸濁した。
細胞ペレットを、AuNPと直接混合し、SERSスペクトル分析を行った。正常細胞と異常細胞の両方を含むペレットは不均一な性質であるため、シグネチャラマンスペクトルの混合物を取得し、SVM分析により75%近い予測精度が得られた。
実施例8
DNAスペクトル分析
>50%のエタノール、メタノール、イソプロパノール、ホルムアルデヒド、生理食塩水、リン酸水素二カリウムを含む保存溶液中で、採取された異なるNRML試料、HSIL試料、およびCSCC試料からDNAを単離し、AuNPを用いたSERSスペクトル分析を行った。スペクトログラフ回折格子600gr/mm/1200gr/mmを有する633/786nmレーザー励起源のレーザーを用いて、10~15秒間の積分時間で10~20個程度の集積を行い、特定の割合のAuNPで、いくつかのスペクトルを取得した。レーザー出力は、3~7mWの間で用いられた。3つのクラス間のスペクトル差について、フィンガープリント領域400~1800cm-1を分析した。核酸塩基に対応する729cm-1、1175cm-1、1421cm-1、および1578cm-1が、異常なDNA試料において顕著であった。核酸のリン酸骨格は、826cm-1および1080cm-1のピークにおいて有意に明らかであった。
実施例9
計量化学的分析
統計的分析によるNRMLとHSILとCSCCとの間のスペクトル差の検証を行った。PCA、LDA、およびSVM分析を含む全ての統計的分析は、Rソフトウェアを用いて行われ。群内変動は、細胞からのラマンデータの獲得中のノイズにより発生する可能性があり、PCAの特異性の低下をもたらす原因となる。したがって、さらなる分析のためにLDAおよびSVMをさらに採用した。
線形判別分析(LDA)
分類について、理論的および概念的には、LDAは、より優れている。LDAは、統計的に有意な群において変数を分析するために用いられる。全ての3つの試料間での明確な境界が、NRML、HSIL、およびCSCCについて得られた。
サポートベクターマシン(SVM)
サポートベクターマシンは、データを分類および回帰分析について分析するアルゴリズムを用いた、教師あり学習モデルまたは機械学習法である。分析は、訓練セットとしてスペクトルの75%をランダムに選択することにより行い、残りの25%をテストセットとして用いた。SVM分析を、500個の異なるランダム試料に関して繰り返し行い、平均予測精度を測定した。その結果、単一細胞について90%より上、細胞ペレットについて75%、および抽出DNAについて90%の精度が得られた。
Figure 0007242851000002
発明の利点
本発明の主な利点は以下の通りである。
1.NRML、HSIL、およびCSCCのSERSスペクトルパターンの有意な違いが、SERSに基づく無標識検出により見出された。
2.免疫染色は時間がかかり、正しい評価のために熟練した細胞検査士が必要とされ、HPV PCRは、それのグレードに無関係な、異常試料の非特異的増幅を引き起こし、かつ高価であるため、SERSは、その微分スペクトルにより、正常、HSIL、およびがん性試料を識別することができる、正確で、簡単で、信頼性の高い技術である。
3.表面増強ラマン散乱(SERS)技術を用いた無標識検出プラットフォームにより、子宮頸がん剥離細胞のグレードを識別した診断スクリーニングキットを提供する。
4.スクリーニングキットは、3つのグレードの最大の分化を得るために、子宮頚部剥離細胞を濃縮する新しいSERS技術を採用した。
5.トリプトファン、フェニルアラニン、およびチロシンのような芳香族アミノ酸が豊富に含まれ、NRMLとHSILとCSCCの間を有意に識別する特定のピークシフトが得られる
6.CSCC試料において顕著な、666cm-1、729cm-1、1175cm-1、1373cm-1における核酸塩基、すなわち、シトシン、グアニン、アデニンのピークを提供する。
7.正常試料では顕著ではなかった、CSCC試料で得られた、高強度での956cm-1および1156cm-1におけるカロテノイドのピークの主要な同定を提供する。
8.HSIL陽性試料およびCSCC陽性試料に対してのみ特異的な1070~1090cm-1範囲に見られるDNAの増加を示した核酸のPO伸縮の同定。
9.1260cm-1および1558cm-1におけるアミドIIIのピークと126アミドIIのピークが、HSIL試料およびCSCC試料において顕著なシフトを示したことを提供する。
10.ラマンスペクトルが、計量化学的分析によって評価され、細胞試料において80%より高い感度を示し、子宮頚部前癌病変のスクリーニングのための参照スペクトルとして利用さることを提供する。

Claims (7)

  1. a)SERS基質として40~50nmの範囲のサイズを有する金ナノ粒子(AuNP)と、
    b)保存液と、
    c)密度勾配溶液と、
    d)リン酸緩衝食塩水(PBS)と、
    e)プレコーティングされたスライドガラスと、
    を含み、
    前記ナノ粒子の濃度が8~10×1013個の粒子/mLの範囲であり、
    b)保存液、c)密度勾配溶液、および、d)リン酸緩衝食塩水(PBS)が、互いに別々に提供される、子宮頸がんの異なるグレードをスクリーニングするためのキット。
  2. 試料をスライド上に固定するために用いられる前記保存液が、>50%のエタノール、メタノール、イソプロパノール、ホルムアルデヒド、生理食塩水およびリン酸水素二カリウムを含む群から選択される、請求項1に記載のキット。
  3. 前記密度勾配溶液が、MilliQ水中20~50%(w/v)のスクロースである、請求項1に記載のキット。
  4. 前記リン酸緩衝食塩水が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二ナトリウムおよびリン酸二水素カリウムにより構成される、請求項1に記載のキット。
  5. スライドガラスが、ポリ-L-リジンおよびAPES[(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン]を含む群から選択される化合物でプレコーティングされている、請求項1に記載のキット。
  6. 前記子宮頸がんの異なるグレードが、NRML(正常)、HSIL(高悪性度扁平上皮内病変)およびCSCC(子宮頸部扁平上皮癌)からなる群から選択される、請求項1に記載のキット。
  7. 以下のステップを含む、子宮頸部から採取された細胞試料を分析する方法
    a.>50%のエタノール、メタノール、イソプロパノール、ホルムアルデヒド、生理食塩水およびリン酸水素二カリウムを含む保存液中に細胞試料を供給するステップと、
    b.ステップaにおいて得られた前記細胞試料を遠心分離して、MilliQ水中20~50%(w/v)のスクロースを含む密度勾配液を用いてペレットを得るステップと、
    c.ステップbで得られた前記細胞ペレットを、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二ナトリウムおよびリン酸二水素カリウムを含むPBSバッファー中に再懸濁するステップと、
    d.ポリ-L-リジン、APES[(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン]を含む化合物でプレコーティングされたスライドガラスを供給するステップと、
    e.ステップcで得られた細胞懸濁液を、ステップdで得られたプレコーティングされたスライドガラス上へ滴下するステップと、
    f.ステップeで得られた前記プレコーティングされたスライドガラス上へ滴下された前記細胞懸濁液をAuNPと10~30分間、インキュベートするステップと、
    g.前記細胞試料から表面増強ラマン散乱を測定しラマンスペクトルパターンを分析するステップと、
    を含む、方法。
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