JP7240763B2 - ペット用ライフジャケット - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 展示会に出品 展示会名:第10回インターペット 開催日:令和3年4月1日~4日
本発明はペット用ライフジャケットに関する。
犬などのペットの運動不足を解消する目的でプールなどにおいて泳がせる場合や、水辺や船上でのペットの安全を確保する場合や、水害時に非難する場合などにおいてペットに着用させるペット用ライフジャケットが知られている(特許文献1)。この特許文献1に記載のペット用ライフジャケットにおいては、ペットの背中における胴回り方向に沿ったの中央の位置に、比較的大きめの浮力部材が設けられている。
特開2008-178332号公報
しかしながら、特許文献1に記載のペット用ライフジャケットようにペットの背中における胴回り方向に沿ったの中央の位置に比較的大きな面積の浮力部材が設けられていると、背中の部分に一様に浮力が発生するという点は着目できるものの、水中でペットが動いた時に安定を崩してしまうと、胴における背中と腹とが反転してしまって、腹が上向きになってしまうという不都合が発生しやすい。
そこで本発明は、このような問題点を解決して、着用したペットが水中で動いた場合であっても、胴における背中と腹とが反転して腹が上向きになってしまうという事態に陥りにくいペット用ライフジャケットを得ることを目的とする。
この目的を達成するため本発明のペット用ライフジャケットは、ペットの胴を包む胴用着用部材を備え、胴用着用部材は、2枚のシートの間に、水中で浮力を発生させる浮力発生体を挟み込んだ構成であり、浮力発生体が、ペットの胴における、ペットの胴の中心部よりも上側の部分において、ペットの胴の長さ方向に設けられ、ペットの背中の右側部分に対応した右側浮力部材と、ペットの背中の左側部分に対応した左側浮力部材とが、ペットの胴回りの方向に互いに離れた状態で、胴用着用部材における、浮力発生体よりもペットの胴から離れた位置に設けられていることを特徴とする。
このような構成であると、ライフジャケットを着用したペットに浮力発生体による浮力の作用を及ぼすことができる。さらに、ライフジャケットを着用したペットが水中において胴まわりに右向きに回転しようとすると、右側浮力部材に大きな浮力が発生してその回転が抑制される。また、そのペットが水中において胴周りに左向きに回転しようとすると、同様に左側浮力部材に大きな浮力が発生してその回転が抑制される。このため、ライフジャケットを着用したペットは、水中において胴まわり回転してしまうことが効果的に防止される。
本発明のペット用ライフジャケットによれば、ペットの首回りに巻かれる首用着用部材をさらに備え、胴用着用部材と首用着用部材とは、ペットが着用したときに、胴用着用部材に対して首用着用部材が上下方向と左右方向とローリング方向とについてそれぞれ旋回自在となるように連結されていることが好適である。
このようなものであると、胴用着用部材に対する首用着用部材の姿勢を自在に変更することができ、したがって、ペットが頭を任意の方向に動かそうとするのを妨げることが無く、このためペットに支障なく頭の運動の自由度を与えることができる。
本発明のペット用ライフジャケットによれば、胴用着用部材と首用着用部材とは、ペットの背中における胴回り方向に沿った中央の位置において、ベルト状の接続部材によって互いに接続されていることが好適である。
このようなものであると、上記した、ペットが着用したときに胴用着用部材に対して首用着用部材が上下方向と左右方向とローリング方向とについてそれぞれ旋回自在となるように胴用着用部材と首用着用部材とが連結されている構成を、ベルト状の接続部材によって簡単に実現することができる。
本発明のペット用ライフジャケットによれば、このライフジャケットを着用したペットが、水中において胴まわり回転してしまうことを効果的に防止することができる。
本発明の実施の形態のペット用ライフジャケットをペットとともに示す図である。 図1のペット用ライフジャケットの外面側の展開図である。 図1のペット用ライフジャケットの内面側の展開図である。 図1のペット用ライフジャケットの上面図である。 図1のペット用ライフジャケットの底面図である。 図1のペット用ライフジャケットにおける胴用着用部材の横断面図である。 図1のペット用ライフジャケットにおける首用着用部材の横断面図である。 首用着用部材の着用方法の一例を示す図である。 首用着用部材の着用方法の他の例を示す図である。
図1に示すように、本発明のペット用ライフジャケット10は、ペットPの胴Boを包む胴用着用部材11と、ペットPの首Nの周りに巻かれる首用着用部材12とを有する。Hは、ペットPの頭である。そして図1~図5に示すように、胴用着用部材11と首用着用部材12とは、ペットPの背中Baにおける胴回り方向に沿ったの中央の位置において、布地によって短尺のベルト状に形成された接続部材13によって互いに接続されている。
図1~図5に示すように、胴用着用部材11は、ペットPの胴Boの右側部分を包むための右胴用部材14と、ペットPの背中Baを包むための背中用部材15と、ペットPの胴Boの左側部分を包むための左胴用部材16とが、ペットPの胴回り方向に連続して一体に形成されたものである。
胴用着用部材11において、ペットPの胴周りの方向に沿った右胴用部材14の先端部と左胴用部材16の先端部とには、それぞれ面ファスナ17、17が設けられている。これらの面ファスナ17、17どうしを重ね合わせることで、胴用着用部材11は、ライフジャケット10を着用するペットPの胴Boのサイズに合わせた状態で、胴Boに沿って配置される。
胴用着用部材11には、ライフジャケット10におけるこの胴用着用部材11をペットPの胴Boに保持させるためのベルト18が設けられている。ベルト18は、その一方および他方の端部19、20が胴用着用部材11に縫い付けられているとともに、その途中の部分が分断されて、その分断部にバックル21、21が設けられている。バックル21、21は、ベルト18の長さの調整機能を有し、それによってベルト18の長さをペットPの体形に合わせた適宜のものとすることができる。ベルト18は、ペットPの胴Boの長さ方向に沿って一対が設けられており、それによって、ライフジャケット10がペットPの胴Boに対して位置ずれせずに、ペットPがこのライフジャケット10を正しい位置に着用できるようにされている。
胴用着用部材11には、ベルト18を通すためのベルトループ22が設けられている。詳細には、図示のライフジャケット10では、ベルト18は、右胴用部材14に沿った部分が長く、左胴用部材16に沿った部分はそれよりも短く形成されている。そしてベルトループ22は、帯状の布地により形成されたうえで右胴用部材14に縫い付けられていて、この右胴用部材14に沿ったベルト18の長い部分を通すようにされている。またベルトループ22は、上記した帯状の布地が、一方のベルト18と他方のベルト18との間においても、右胴用部材14に縫い付けられている。23は、そのための縫い付け部である。これによって、ベルトループ22は、各ベルト18、18ごとにループを形成しており、それによって、それぞれのベルト18、18について、ペットPの胴Boの長さ方向に沿った位置ずれを確実に防止している。
図示のライフジャケット10は、ペットPとしての特に小型犬に適したものであって、その胴用着用部材11の背中用部材15には、布地により形成されたベルト状の取っ手24が縫い付けられている。この取っ手24は、ライフジャケット10を着用したペットPを飼い主などが水中から持ち上げるなどの場合に好適に利用することができるものである。そして背中用部材15における取っ手24よりもペットPの頭部側の部分には、散歩用のリード紐を取り付けるためのリング25が設けられている。
図6は、胴用着用部材11の横断面構造を示す。図6に示すように、胴用着用部材11は、2枚の柔軟な樹脂シート31、32の間に板状のクッション材33をはさみ込んだ構成である。クッション材33は、発泡樹脂にて形成されていることが好適であり、それによって水中で浮力を発生させることができる。このクッション材33は、ペットの胴Boの長さ方向と胴回り方向とに沿った背中用部材15の全体にわたって設けられるとともに、右胴用部材14と左胴用部材16とにおける、胴Boの中心部の位置およびそれよりも上側の部分において、胴Boの長さ方向にわたって設けられている。
このようにクッション材33を設けることでライフジャケット10を着用したペットPに、柔軟で良好な着用感を与えることができる。また、上記のようにクッション材33による浮力の作用をペットPに及ぼすことができる。
図6に示すように、面ファスナ17は、ペットPの腹の部分、すなわち図6における下側の部分設けられている。この図6における下側の部分では、クッション材33は設けられておらず、2枚の樹脂シート31、32が重なり合った状態となっている。このため、この部分は、胴用着用部材11におけるクッション材33が設けられた部分よりも薄く構成されており、このため面ファスナ17の接合性や離脱性を良好にすることができる。
背中用部材15には、ペットPの背中Baの右側部分に対応した右側浮力部材34と、ペットPの背中Baの左側部分に対応した左側浮力部材35とが、ペットPの胴回り方向に互いに離れた状態で設けられている。つまり、右側および左側の浮力部材34、35は、ペットPの胴Boの中心部から右側方向および左側方向にそれぞれ距離をおいた位置に配置されている。図示の例では、これらの浮力部材34、35は、いずれも四角柱状に形成され、背中用部材15において、ペットPの胴Boの長さ方向にわたって設けられている。
浮力部材34、35は、カバー36によって覆われている。カバー36は、樹脂シート31、32と同じ素材にて形成されていることが好適である。カバー36は、ペットPの胴周りの方向に沿った端部において、樹脂シート31、32に縫い付けられている。これによって、カバー36が樹脂シート31、32と一体化されている。37は、その縫い付け部である。縫い付け部37では、カバー36の端部のほかに、ベルト18の端部19、20も一緒に縫い付けられている。これによって、ベルト18が胴用着用部材11に取り付けられている。
カバー36は、ペットPの胴回りに沿った浮力部材34、35どうしの間の部分における、それぞれ浮力部材34、35に近い2箇所の位置で、各々表側の樹脂シート31に縫い付けられている。38、38は、その縫い付け部である。これらの縫い付け部38、38どうしの間ではカバー36は表側の樹脂シート31に接することができる位置に配置されており、それによって、ペットPの胴回りに沿った浮力部材34、35どうしの間に空間39が形成されている。前述の取っ手24とリング25とは、この空間39に配置されている。
次に首用着用部材12について説明する。前述のように首用着用部材12は、短尺のベルト状に形成されたの接続部材13によって胴用着用部材11に接続されいるが、ペットPの首Nの周りに巻かれる帯状の浮力発生体41と、この浮力発生体41をペットPの首Nの周りに装着させるためのベルト42とを有する。詳細には、接続部材13は樹脂シート31、32と同じ素材にて形成されていることが好適であるが、この接続部材13によってループ43が形成されており、浮力発生体41とベルト42とは、このループ43に通されたうえで、このループ43の位置において縫い付けられて固定されている。
図7は、浮力発生体41の横断面構造を示す。図示のように、浮力発生体41は、袋状のカバー44の内部に浮力部材45が配置された構成となっており、これらのカバー44と浮力部材45とが浮力発生体41の全長にわたって配置されている。
帯状の浮力発生体41は、長さ方向の一端部と他端部とを有し、これら一端部と他端部とにそれぞれ面ファスナ46、46が設けられている。これらの面ファスナ46、46どうしを重ね合わせることで、首用着用部材12は、ライフジャケット10を着用するペットPの首周りのサイズに合わせた状態で、首Nの周りに配置される。
ベルト42は、首用着用部材12をペットPの首Nの周りに保持させるためのもので、一本の帯状体によって構成されるとともに、その一方および他方の端部47、48にバックル49、49が設けられている。バックル49、49は、バックルと21、21と同様にベルト42の長さの調整機能を有し、それによってベルト42の長さをペットPの首Nのサイズにあわせた適宜のものとすることができる。
浮力発生体41における長さ方向に沿った一方の端部にはループ50が設けられており、ベルト42はこのループ50に通されている。ループ50は、帯状の布地により形成されたうえで浮力発生体41に縫い付けられている。
首用着用部材12をペットPに着用させる場合には、図8において実線で示すように浮力発生体41を開いた状態でまずベルト42をペットPの首Nに取り付け、その後に図8において仮想線で示すように浮力発生体41の面ファスナ46,46どうしを互いに重ね合わせて、浮力発生体41をペットPの首Nの周りに沿わせる。あるいは、図9に示すように、まず浮力発生体41の面ファスナ46、46どうしを重ね合わせることでこの浮力発生体41をペットPの首Nの周りに沿わせ、その後にベルトをペットPの首Nに取り付けることもできる。いずれの場合も、浮力発生体41に縫い付けられたループにベルト42が通されているため、浮力発生体41とベルト42との間に位置ずれを発生させることなしに、これら浮力発生体41とベルト42とを適正に着用させることができる。
このような構成のライフジャケット10をペットPに着用させてペットPを水面付近の水中で泳がせるなどした場合において、ペットPに胴Boの周りの何らかの回転力が作用した場合には、左右の浮力部材がその回転を確実に抑止することができる。
この点について詳細に説明する。たとえば図6において時計方向の回転力51が作用した場合には、右側浮力部材34は水中に没し、これに対し左側浮力部材35は水面より上方へ飛び出す。すると、右側浮力部材34はその体積に応じて水からの浮力を受けるが、左側浮力部材35には浮力は発生しない。その結果、ペットPには図6における反時計方向の復元回転力が作用することになる。このため、ペットPにおいて胴Boにおける背中と腹とが反転してしまって、腹が上向きになってしまうという不都合が発生することを、効果的に防止することができるる。
これに対して、浮力発生部材が、特許文献1に記載されているような、上述の右側浮力部材34や左側浮力部材35のように局部的に大きな体積を有するものに比べて薄手で、しかも一様な厚さのもものが広い面積にわたって配置されているものでは、本発明のように一方の側に局部的な復元力が発生し、かつ反対側では浮力が発生しないもののような反転防止効果は期待することができない。
なお、本発明によれば、このような反転防止効果が得られれば足り、右側浮力部材34や左側浮力部材35の形状は、その効果が得られる限りにおいて任意である。たとえば円柱形状などの他の形状を採用することもできる。
胴用着用部材11と首用着用部材12とを接続する接続部材13は、樹脂シートなどによって形成されているために柔軟であり、このためペットPがライフジャケット10を着用したときに、胴用着用部材11に対して首用着用部材12が上下方向と左右方向とローリング方向(胴Boの中心軸の周りの回転方向)とについてそれぞれ旋回自在となるように連結されることになる。その結果、水面の近傍に浮いているペットPが頭Hを任意の方向に動かそうとするのを妨げることが無く、このためペットPに支障なく頭Hの運動の自由度を与えることができる。またたとえばペットPが犬である場合には、犬種によって体形が大きく相違し、たとえば胴Boに対する首Nの角度や頭Hの位置が様々に変化するが、その変化に良好に対応することができる。
上記においては、首用着用部材12として、接続部材13によって胴用着用部材11に対し離脱不能に構成されたものについて説明した。しかし、これに代えて、上記した胴用着用部材11に対する首用着用部材12の姿勢の自在性を保ったまま、首用着用部材12を胴用着用部材11に対して着脱自在な構成とすることもできる。このためには、たとえば、首用着用部材12を取り付けた接続部材13が、胴用着用部材11に、適当な留め具によって取り付けられている構造とすることが好適である。留め具としては、ボタン、ホック、面ファスナや、その他の部材を用いることができる。あるいは、首用着用部材12が、胴用着用部材11に取り付けられた接続部材13に、適当な留め具によって取り付けられている構成とすることもできる。
このようにすることで、たとえば首用着用部材12の面ファスナ46に毛詰まりが発生した場合などにおいて、この首用着用部材12を容易に新品に交換することができる。なお、首用着用部材12において、上記の首用着用部材12用のものとは別の適当な留め具などによって、浮力発生体42を確実にペットPの首回りに装着できる場合は、ベルト42を設けない構成とすることもできる。
上記では、胴用着用部材11において、左右の浮力部材34、35が定位置に設けられたものについて説明した。しかし、これに代えて、図2および図6において矢印52で示すように、ペットPの胴Boの周りの方向に沿った左右の浮力部材34、35の位置、すなわちペットPの胴Boに沿った左右の浮力部材34、35の周方向の位置を、変更できるように構成することもできる。このためには、たとえば、左右の浮力部材34、35を収納した袋体を、上記と同様な適当な留め具によって、背中用部材15や左右の胴用部材14、16に対して着脱自在とするなどの構造を採用すればよい。
このようにすることで、たとえばペットPが犬である場合には、犬種による体形の違いに対応した適切な位置に左右の浮力部材34、35を設置することができ、このためペットPにとって水中でのバランスを取りやすい構成とすることができる。
11 胴用着用部材
12 首用着用部材
13 接続部材
34 右側浮力部材
35 左側浮力部材

Claims (3)

  1. ペットの胴を包む胴用着用部材を備え、
    胴用着用部材は、2枚のシートの間に、水中で浮力を発生させる浮力発生体を挟み込んだ構成であり、
    浮力発生体が、ペットの胴における、ペットの胴の中心部よりも上側の部分において、ペットの胴の長さ方向に設けられ、
    ペットの背中の右側部分に対応した右側浮力部材と、ペットの背中の左側部分に対応した左側浮力部材とが、ペットの胴回りの方向に互いに離れた状態で、胴用着用部材における、浮力発生体よりもペットの胴から離れた位置に設けられていることを特徴とするペット用ライフジャケット。
  2. ペットの首回りに巻かれる首用着用部材をさらに備え、
    胴用着用部材と首用着用部材とは、ペットが着用したときに、胴用着用部材に対して首用着用部材が上下方向と左右方向とローリング方向とについてそれぞれ旋回自在となるように連結されていることを特徴とする請求項1記載のペット用ライフジャケット。
  3. 胴用着用部材と首用着用部材とは、ペットの背中における胴回り方向に沿った中央の位置において、ベルト状の接続部材によって互いに接続されていることを特徴とする請求項2記載のペット用ライフジャケット。
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