JP2016210412A - 連続ストラップ付きベスト - Google Patents

Abstract

【課題】使用者が単一のストラップを締め付けるだけで、ベストの胴回り方向と長さ方向の調節を可能とする、フローテーションベストを提供する。【解決手段】フロント部材１２、リア部材１４、ショルダー部材１８、アーム用開口２０、および、ネック用開口２２を備え、人の胴部上に着用されるように構成され、かつ、少なくとも一部に浮力材料を含む、ベスト構造１０と、可撓性材料からなり、第１の自由端部３６と第２の自由端部３７とを有する、単一の連続ストラップ３２を備え、ベスト構造１０の長さと胴回り方向の寸法とを調節するためのストラップシステム３０とを備え、単一の連続ストラップ３２を調節するだけで、着用者がベスト構造１０の適切なフィット状態を得られる。【選択図】図１

Description

一般的な補助浮き具と同様に、救命胴衣は、水上スキー、フィッシング、ボート遊びなどを含む多くのアウトドアスポーツで使用されている。常に必要とされるわけではないが、多くのスポーツ愛好家は、フローティングベストなどの補助浮き具により安全を高めることの必要性は認識している。米国沿岸警備隊あるいはその他の同様の認証機関により所定の水準にあることが認証されているか否かに拘わらず、フローティングベストなどの補助浮き具は有益である。

フローテーションベストは、さまざまな体格の人によって使用されるが、大人用の場合、スモール、ミディアム、ラージ、エキストララージなどのいくつかのサイズの製品が製造されているに過ぎない。入手可能なサイズが限定されている一方で、ベストをぴったりとフィットさせる必要性があるため、使用者は、ベストに装着された調節用のストラップとバックルを使って、よりぴったりフィットさせようとせざるを得ない。

ベストは調節可能でなければならないが、その一方で、単純な操作かつ可能な限り少ない動作で簡単に調節可能である必要がある。従来のフローテーションベストには、使用者のウエストを一周してベストをしっかりと支持できるストラップが備えられている。従来のフローテーションベストには、肩あるいは脇の部分にバックルが配置された分離式のストラップがベストの両側にさらに備えられており、使用者はベストのそれぞれの側（左側と右側）を締め付けて、胴回り方向と長さ方向の両方について、ベストを使用者の体によりよくフィットさせている。

本発明は、使用者が単一のストラップを締め付けるだけで、ベストの胴回り方向と長さ方向の調節を可能とする、フローテーションベストを提供することを目的とする。

以下、本発明の実施形態について簡単な概要を、本発明の基本的な理解を図るために提示する。この概要は、本発明について広範にわたって概観するものではない。また、本発明についての必須かつ不可欠な要素を特定したり、あるいは、本発明の外延を示したりすることは、意図されていない。その唯一の目的は、本発明のいくつかの実施形態を簡潔な型式で提示して、後述するより詳細な説明へと導くことにある。

本発明のベストは、フロント部材、リア部材、第１および第２のショルダー部材、第１および第２のアーム用開口、およびネック用開口を備え、さらに、使用者の胴回り部分についてのベストの長さおよびベストの胴回り寸法を調節するためのストラップシステムを備える。このストラップシステムは、一端または両端において調節可能な単一で長尺の可撓性材料からなる。

本発明の特徴およびその効果についてより十分な理解を図るために、以下の詳細な説明および添付の図面が参照される。

図１は、隠れている部分を含む連続ストラップを表示した、本発明の一実施形態に係るベストの斜視図である。 図２は、隠れている部分を含む連続ストラップのすべてを表示した、図１のベストの正面図である。 図３は、隠れている部分を含む連続ストラップのすべてを表示した、図1のベストの背面図である。

下記の説明では、本発明のさまざまな実施形態が記述される。説明の目的のために、特定の構造および細部が開示され、前記実施形態についての理解が図られる。しかしながら、当業者には、このような特定の細部の開示がなくても、本発明を実施することが可能なことは自明である。さらに、説明される実施形態が不明瞭とならないように、周知の特徴については、省略または簡潔化される。

図面を通じて、同様の要素には同様の参照番号が付される。図１は、フロント部材１２、リア部材１４、脇部１６、ショルダー部材１８、アーム用開口２０、およびネック用開口２２を備えるフローテーションベスト１０を示す。図1に示されているとおり、ベスト１０の基本構造は、この分野で知られている従来のフローテーションベストと同様に、フロント部材１２およびリア部材１４を、好ましくは、脇部１６およびショルダー部材１８により互いに結合することにより得られ、このような構造により、アーム用開口２０およびネック用開口２２が形成され、使用者がベストを着用することが可能となっている。

従来のフローテーションベストと同様に、ベストのアウタシェルは、好ましくは、補助浮き具などとともに使用される、ネオプレン、ナイロン、あるいは同様の耐久性のある織物生地を用いて作製される。この分野では公知であるが、浮き部材は、ベスト１０のさまざまな領域に配置され、アウタシェルによりベスト１０に保持される。浮き部材は、ポリエチレン（ＰＥ）あるいはポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）のフォームなどのフローテーション発泡体からなるが、この業界で公知の他の浮揚性材料により作製することも可能である。

浮き部材は、アウタシェル内に保持される、単一のフォームあるいは複数のフォームから構成することが可能である。ベスト１０は、単一の生地、あるいは、所定のパターンに切断され、スティッチング、溶着などのこの業界で公知の手段により互いに取り付けられた複数の生地から構成することが可能である。

上述のような構造を開示したが、ベストの具体的な構造はさまざまであり、そのような構造も本発明の範囲内にある。たとえば、図１のフロント部材１２では、分割パネル１２ａ、１２ｂがジッパ１３により固定されているが、トグルなどの他の固定手段を用いることもできる。また、フロント部材１２を、開口が備えられてない単一の部材により構成することも可能である。さらに、脇部１６に適切な閉鎖機構により開口を設けたベスト１０も本発明の範囲内にある。あるいは、この業界では公知であるが、ベスト１０を、アーム用開口２０およびネック用開口２２以外には開口が備えられていない構造とすることもできる。ベストの形状や材料などのベストの具体的な構成は、本発明の要旨とは無関係である。

従来のベストと同様に、フローテーションベスト１０は、図１〜図３に示すように、使用者のウエストを一周して取り囲むウエストストラップ２８が備えられており、バックル２９付近のベストの前部、あるいは、両脇のウエスト調節バックル３１により、ウエストストラップ２８の調節が可能となっている。

使用されるベルトストラップとしては、この業界で知られ、かつ通常使用されるナイロン製のベルトストラップを挙げることができるが、同様の機能を有する他の材料性のベルトストラップも使用可能である。他の種類の調節機構も、この業界では知られ、かつ使用されており、たとえば、エラストマー製のストラップ材料が存在するが、これらも本発明の範囲内にある。

図示の例では、ベスト１０の両側の脇部１６に調節機構が存在するが、このような脇部の調節機構を備えない、あるいは、片側にのみ調節機構を備える構成も本発明の範囲内である。また、脇部１６をフロント部材１２とリア部材１４が接触する部分で開放可能に構成し、ベスト１０を一方または両側の脇部１６で分離可能として、着用しやすくすることもできる。さらに、脇部１６にジッパあるいはその他のこの分野で一般的に使用される閉鎖機構を備えることもできる。

第１の実施形態によれば、ベスト１０は、連続ストラップシステム３０を備える。連続ストラップシステム３０は、単一の調節ストラップ３２、ショルダーバックル３４、およびショルダーストラップアンカー３５を備える。図２および図３に示すように、それぞれのショルダーストラップアンカー３５の第１端部３５ａは、それぞれのショルダー部材１８の頂部またはその近傍で、リア部材１４に対して固定される。ショルダーストラップアンカー３５は、好ましくは、リア部材１４に対してステッチにより取り付けられるが、溶着あるいは別の方法で取り付けることもできる。

それぞれのショルダーストラップアンカー３５の自由端部３５ｂは、それぞれのショルダーバックル３４に固定される。図示の例では、ショルダーバックル３４をベスト１０に取り付けるためにショルダーストラップアンカー３５を用いているが、他の手段を用いること、たとえば、ショルダーバックル３４をショルダー部材１８にステッチにより直接取り付けことも可能であり、また、この分野で公知のその他の取り付け手段を用いることもでき、これらを採用した構成も本発明の範囲内にある。

調節ストラップ３２の第１端部３６は、第１のショルダーバックル３４においてベスト１０に固定される。調節ストラップ３２は、フロント部材１２の第１の側部１２ａの外面を伸長し、ショルダー部材１８の近傍に配置されたストラップ保持タブ４０の下を通過する。調節ストラップ３２は、保持リング３８を通って、かつ、フロント側上張り４２の下を通り、フロント部材１２の基材とフロント側上張り４２の間を伸長する。調節ストラップ３２は、第１の側部１２ａを伸長し、第１の側のアーム用側部２０の下を通って、リア部材１４側に回り込む。

次に、調節ストラップ３２は、リア側上張り４４の下を通って、リア部材１４の基材とリア側上張り４４の間を伸長する。図示の例では、リア側上張り４４は、ベスト１０の左半部から右半部へ（あるいはその逆）の変わり目に調節ストラップ３２が通過する開口４６を備えるが、リア側上張り４４を連続的に構成したり、あるいは、開口４６を設けることなく、メッシュ部のみで構成したりすることも可能であり、このような構成も本発明の範囲内にある。調節ストラップ３２は、ベスト１０の第２の半部のリア側上張り４４から出て、第２の脇部１６を回り込み、フロント部材１２の第２の側部１２ｂの胴部上を伸長する。さらに、調節ストラップ３２は、第２のショルダー部材１８に到達し、そこで第２のバックル３４に固定される。

図示の例では、フロント側上張り４２を使用しているが、その代替手段として、調節ストラップ３２を望ましい位置に保持するための溝形材（チャネル）あるいはスリーブを使用することもできる。あるいは、Ｄリング、ループ材、タブ、あるいはその他の調節ストラップ３２を望ましい位置に保持するための機構を用いて、調節ストラップ３２が、アーム用開口２０の周囲を湾曲して、アーム用開口２０による空間内に入り込まないようにすることも可能である。

同様に、リア側上張り４４に代替して、溝形材、スリーブ、ループ材、リング、あるいはその他のこの分野で公知の保持機構を用いて、調節ストラップ３２をベスト１０の下端部あるいはその近傍に保持するが、調節ストラップ３２が保持機構を通って移動可能にすることもできる。

調節ストラップ３２およびショルダーストラップアンカー３５には、この分野において公知でかつ使用されているナイロン製のウェビングを用いることが好ましい。ただし、同様の強度と機能を備えた代替材料を適用することも可能である。安定化をより図るため、ストラップ保持タブ４０をショルダー部材１８に配置して、調節ストラップ３２がその下を通過して、調節ストラップ３２のベスト１０から離れようとする動きを制限することもできる。ベスト１０のサイズを調節する際には、装着者は、上肩部の近くにある調節ストラップ３２の第１端部３６および第２端部３７を引っ張ることにより、ベスト１０を締め付けることができる。一方、ショルダーバックル３４を持ち上げることにより、調節ストラップ３２を緩め、それによりベスト１０の締め付けを緩めることができる。

調節ストラップ３２がベスト１０を取り囲んでいるため、調節ストラップ３２の一端または両端でその短縮化を図ることにより、ベスト１０を締め付けて小さいサイズとして、装着者に対してよりきつくフィットさせることができる。調節ストラップ３２を短縮化させることで、ベスト１０の装着者の胴部あるは胸部における胴回り方向の寸法を小さくすることができるばかりでなく、ベスト１０の長さを小さくすることができる。

図１〜図３に示すように、連続ストラップシステム３０は、それぞれのショルダー部材１８の頂部に設けられた２つのショルダーバックル３４を備えることが好ましい。ショルダーバックル３４は、この分野で公知のラダーロックからなることが好ましい。しかしながら、一方のショルダー部材１８の上にのみ１個のショルダーバックル３４を配置することも可能であり、そのような構成も本発明の範囲内にある。ここに開示した以外の構造を備えた、この分野で公知かつ使用されているバックルやロック機構を適用することも可能であり、これらの適用も本発明の範囲内にある。図示はしないが、上部の取り付け機構を、ショルダー部材１８の頂部に設けることもできるし、あるいは、フロント部材１２上に設けて、調節ストラップ３２が使用者の肩の頂部を通過しないようにすることもできる。このような構成も本発明の範囲内にある。

本発明においては、所定レベルの浮力が必ずしも必要とされるわけではなく、また、監督機関による所定レベルの認証が要求されるわけでもない。必要に応じて、浮力部品の量を多くしたり少なくしたりすることも可能である。上述の通り、浮力部品としては、ネオピレン、ナイロン、あるいはその他のこの分野で公知である耐久性のある織物生地に封入された、フォームあるいは他の浮力材料からなる部品を適用することが好ましいが、同様の機能を備えるその他の材料により代替することも可能であり、その場合も、本発明の範囲に含まれる。使用者の便宜を図るため、必要に応じて開閉可能な構造とした収納ポケット、追加の手用保温ポケット、この分野で公知であるリング、ハンドル、水抜き孔、クリップ、伸縮コードなどを付属させることもできる。

その他の変形例も本発明の範囲内にある。すなわち、本発明に対して、さまざまな改良や代替構成を適用することができるのであって、図面および上記の詳細な説明では、いくつかの実施形態を提示したに過ぎない。本発明を開示された具体的な形態に限定することは意図されておらず、本発明についてのすべての改良、代替構成、および均等物は、特許請求の範囲により定義された本発明の範囲に包含される。

本明細書および特許請求の範囲において、文脈上、明瞭に限定されている場合を除き、構成要素の数は単数および複数の両方を含むものとする。また、「からなる」、「含む」、「包含する」、「有する」などの語は、特記なき限り、その他の要素を含むことができる、すなわち、「含むが、これらに限られない」の意味であると解釈される。「結合された」の語は、部分的あるいは全体的に、「中に含められる」、「取り付けられる」、「組み合わされる」を意味し、中間物が介在することも許容される。数値範囲の列挙は、特記なき限り、その範囲内のすべての数値を含み、それぞれの個別の数値が、本明細書にそれぞれ記述されたものとして扱われる。すべての方法は、特記なき限り、ないしは、文脈上、明瞭に限定されている場合を除き、適切な順番で実行可能である。例示を示す語句、たとえば、「などの」の語は、実施形態を明瞭化することのみを意図しており、特記なき限り、本発明がこれらの語に伴われた内容によって限定されることはない。本明細書中のいかなる語も、特許請求の範囲に定義されていない要素を本発明の実施に必須であると解釈させることはない。

本明細書には、発明者が本発明を実施するに最適であると判断したベストモードを含む、好適な実施形態が開示されている。これらの好適な実施形態の変形例は、本明細書を参照することにより、当業者には明らかなものになるといえる。本発明者は、当業者により適切な改良がなされ、かつ、本明細書に具体的に記述されたものとは別のやり方で本発明が実施されることを期待している。したがって、本発明は、準拠される法律が認める限りにおいて、特許請求の範囲に記載された主題のすべての改良および均等物を含むものとする。また、すべての可能な変形例における、上述した要素のいかなる組み合わせも、特記なき限り、あるいは、文脈上、明瞭に限定されている場合を除き、本発明に含まれる。

本明細書において引用された、刊行物、特許出願、特許公報を含むすべての参考文献の内容は、その参照により、個別かつ具体的に提示された場合と同様に、その全体が本明細書に組み込まれるものとする。

１０ フローテーションベスト
１２ フロント部材
１２ａ、１２ｂ 分割パネル
１３ ジッパ
１４ リア部材
１６ 脇部
１８ ショルダー部材
２０ アーム用開口
２２ ネック用開口
２８ ウエストストラップ
２９ バックル
３０ 連続ストラップシステム
３１ 調節バックル
３２ 調節ストラップ
３４ ショルダーバックル
３５ ショルダーストラップアンカー
３５ａ 第１端部
３５ｂ 自由端部
３６ 調節ストラップの第１端部
３７ 調節ストラップの第２端部
３８ 保持リング
４０ ストラップ保持タブ
４２ フロント側上張り
４４ リア側上張り

Claims (5)

1. フロント部材、リア部材、第１および第２のショルダー部材、第１および第２のアーム用開口、および、ネック用開口を備え、人の胴部上に着用されるように構成され、かつ、少なくとも一部に浮力材料を含む、ベスト構造と、
   可撓性材料からなり、第１の自由端部と第２の自由端部とを有する、単一の連続ストラップを備え、前記ベスト構造の長さと、該ベスト構造の前記胴部上の胴回り方向の寸法とを調節するためのストラップシステムと、
   を備える、
   補助浮き具。
2. 前記連続ストラップは、第１の自由端部が、第１のショルダー部材に配置された始点側留め具に留められ、前記フロント部材の第１の側、第１のアーム用開口の下、前記リア部材の第１の側、前記リア部材の第２の側、第２のアーム用開口の下、および、前記フロント部材の第２の側を通って伸長し、第２の自由端部が、第２のショルダー部材に配置された終点側留め具に留められている、請求項１に記載の補助浮き具。
3. 前記連続ストラップは、前記始点側留め具において、該連続ストラップの長さを調節することにより、前記ベスト構造の前記長さと該ベスト構造の前記胴回り方向の寸法の調節を可能としている、請求項２に記載の補助浮き具。
4. 前記連続ストラップは、前記終点側留め具において、該連続ストラップの長さを調節することにより、前記ベスト構造の前記長さと該ベスト構造の前記胴回り方向の寸法の調節を可能としている、請求項２に記載の補助浮き具。
5. 前記連続ストラップは、ナイロン製のウェビングからなる、請求項２に記載の補助浮き具。
   
   
   

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