JP7240695B1 - 管理装置、管理方法および管理プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】GHG排出量の目標を達成しやすくする。【解決手段】本管理装置は、GHG排出量を管理するための管理装置であって、GHG排出量を算出する排出量算出部132と、GHG排出量の目標値を設定する設定部131と、GHG排出量の目標値を達成するために必要なGHG排出量の削減必要量を算出する削減必要量算出部133とを備える。【選択図】図1

Description

本開示は、GHG(Greenhouse Gas;温室効果ガス)排出量を管理するための管理装置、管理方法および管理プログラムに関する。
近年、二酸化炭素などのGHGが大量に排出されることで、気候変動問題が発生している。この問題を解決するためには、GHG排出量の削減が必要である。特許文献1には、通信ネットワークを稼働させたときに排出される二酸化炭素の排出量を算出する技術が開示されている。
特開2013-164646号公報
本開示の一実施形態に係る管理装置は、GHG排出量を管理するための管理装置であって、前記GHG排出量を取得する取得部と、前記GHG排出量の目標値を設定する設定部と、前記目標値を達成するために必要な前記GHG排出量の削減必要量を算出する削減必要量算出部とを備える。
また、前記削減必要量算出部は、前記GHG排出量の目標値が現在より先の前記GHG排出量の目標値である場合、前記削減必要量をオフセット削減必要量および活動削減必要量の少なくとも1つとして算出する、としてもよい。
また、前記削減必要量算出部は、前記GHG排出量の目標値が過去または現在における前記GHG排出量の目標値である場合、前記削減必要量をオフセット削減必要量として算出する、としてもよい。
また、前記削減必要量算出部の算出結果を表示する表示部をさらに備える、としてもよい。
また、将来の気候変動に対する予測を含むシナリオが登録されたシナリオ登録部をさらに備え、前記設定部は、前記シナリオ登録部に登録された前記シナリオに基づき、前記目標値を設定する、としてもよい。
また、前記シナリオ登録部には、複数の前記シナリオが登録されており、前記設定部は、前記複数のシナリオのうち、前記組織に関連する1または複数の前記シナリオを選択し、選択した前記シナリオに基づき、1または複数の前記目標値を設定する、としてもよい。
また、前記シナリオ登録部には、複数の前記シナリオが登録されており、前記設定部は、前記複数のシナリオごとに、前記組織における前記目標値を表示部に表示させる、としてもよい。
また、前記GHG排出量の削減が可能な投資先を提案選択する第1選択提案部、前記削減必要量を達成するために、環境価値を取引可能な取引先を選択提案する第2選択提案部、および、前記削減必要量を達成するために、サプライチェーン上の取引先を選択する第3選択部の少なくともいずれか1つをさらに備える、としてもよい。
また、前記GHG排出量に対するカーボンプライスを算出するカーボンプライス算出部をさらに備える、としてもよい。
また、本開示の他の実施形態に係る管理方法は、GHG排出量を管理するための管理方法であって、サーバ装置が、前記GHG排出量の目標値を設定するステップと、前記GHG排出量を取得するステップと、前記目標値を達成するために必要な前記GHG排出量の削減必要量を算出するステップとを備える。
また、本開示の他の実施形態に係る管理プログラムは、コンピュータに、前記管理方法を実行させる。
第1実施形態に係る管理システムの構成を示すブロック図。 第1実施形態に係る投資先DBの一例を示す概念図。 第1実施形態に係る管理システムの全体の動作を示すフローチャート。 第1実施形態に係る管理システムの第1処理における動作を示すフローチャート。 第1実施形態の変形例に係るサプライチェーン取引先DBの一例を示す概念図。 第2実施形態に係る取引先DBの一例を示す概念図。 第2実施形態に係る管理システムの動作を示すフローチャート。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
本開示に係る管理装置、管理方法および管理プログラムは、本実施形態に係る管理システムの一部または全部として実現されている。
また、本実施形態に係る管理システムは、企業や団体、自治体などの各種組織が、自己に関する組織単位、製品単位、プロジェクト単位等の各種GHG排出量の削減目標を達成するために用いされる。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る管理システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、管理システムは、サーバ装置1を備える。サーバ装置1は、通信ネットワークNを介して、操作端末2と通信可能に構成されている。
操作端末2(受付部)は、PCやスマートフォンなどであり、ユーザ(組織の被用者や使用者など)によって操作される端末である。操作端末2は、表示部21と、操作部22とを備える。表示部21は、モニタなどで構成されており、操作端末2の制御部からの指示に応じて、ユーザに対して画像を表示する。操作部22は、キーボードやマウスなどの入力装置で構成されており、ユーザからの操作を受け付ける。また、操作端末2の記憶部には、予め、管理プログラムがインストールされている。操作端末2の制御部は、管理プログラムに応じて操作端末2の各部を動作させる。
詳しくは後述するが、操作端末2は、ユーザから、GHG排出量の目標値の設定するための操作を受け付ける。具体的には、操作端末2は、GHG排出量の目標値を設定するために、ユーザからシナリオの選択を受け付ける。なお、GHG排出量の目標値は、ユーザからシナリオの選択を受け付けなくとも設定し得る。
上述したように、近年、二酸化炭素などのGHGが大量に排出されることで、気候変動問題が発生している。この気候変動の抑止・緩和・適応等の対策をするために、政府や国際団体などが、組織(ユーザ)に対して、GHG排出量の削減を求めている。GHG排出量の削減の取り組みやそれにつながるGHG排出量の算定・報告、気候変動関連情報の開示の枠組み等として、例えば、SBTi(Science-Based Targets Initiative)、CDP(Cisco Discovery Protocol)、RE100、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)、GHGプロトコルなどがある。これらの取り組みでは、気候変動の影響を最小限にするための組織単位、製品単位、プロジェクト単位等のGHG排出量の目標設定や各種の基準・ルール等が策定されている。本実施形態では、組織は、TCFDのシナリオ分析にしたがって、GHG排出量の目標値を設定するものとする。TCFDのシナリオ分析は、気候変動やそれに対応するための長期的な政策動向などが経営環境をどのように変化させるかのシナリオを想定・分析し、そのような変化が組織の経営戦略にどのような影響を与えるかを検討するものである。例えば、TCFDのシナリオ分析に用いられるシナリオには、平均気温の上昇予測に応じて、複数のシナリオ(2℃上昇シナリオ、4℃上昇シナリオなど)が存在する。TCFDのシナリオ分析においては、組織が、これらの複数のシナリオのそれぞれにおいて気候関連リスクと機会に関する目標と指標を設定する。なお、GHG排出量の目標値は、ユーザからシナリオの選択を受け付けなくとも設定し得る。本実施形態において操作端末2は、ユーザから、TCFDのシナリオ分析のうち、いずれのシナリオにしたがってGHG排出量の目標値を設定するかの選択を受け付ける。
操作端末2は、操作部22によってユーザから受け付けた操作入力を示す情報をサーバ装置1に送信する。
(サーバ装置1の構成について)
図1に示すように、サーバ装置1は、通信部11、記憶部12および制御部13を備える。
通信部11は、例えば、電気回路などで構成され、通信ネットワークNを介して、操作端末2と通信を行う。
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)等によって構成される記憶媒体である。記憶部12には、制御部13によって実行される各種プログラムが記憶されている。
また、記憶部12(シナリオ登録部)には、各種のデータベースが構成されている。具体的には、記憶部12には、シナリオDBおよび投資先DBが格納されている。
シナリオDBは、将来の気候変動に対する予測を示すシナリオであって、ユーザがTCFDのシナリオ分析などに用いるシナリオを選択するために用いられるデータベースである。具体的には、TCFDのシナリオ分析に用いられる複数のシナリオ(IEA NZE 2050、IEA B2DS、IEA 2DS、IEA 450、IEA SDS、IEA APS、IEA STEPS、IEA CPSなどの移行シナリオおよびRCP 1.9、RCP 2.6、RCP 3.4、RCP 4.5、RCP 6.0、RCP 7.0、RCP 8.5などの気候シナリオを含む。以下では便宜上「2℃上昇シナリオ、4℃上昇シナリオ」などと記載する)が格納(登録)されている。
投資先DBは、ユーザが投資先を選択するために用いられるデータベースである(図2参照)。具体的に、投資先DBには、投資先名(投資対象)に、資産クラス、投資価格など各資産クラスにおけるユーザの寄与分を示す値、各資産クラスのGHG排出量算定に用いられる分母となる値、GHG排出量、GHGプロトコルのスコープ3カテゴリ15におけるGHG排出量等が関連付けられている。投資先名(投資対象)は、組織が投資可能な組織名(企業名やプロジェクト名)を示すデータである。資産クラスは、後述するPCAFにおいて定められた資産クラスのうち、対応する投資対象がいずれのクラスに該当するかを示すデータである。例えば図2において投資価格(A)は、対応する投資対象に投資を行う際の価格を示すデータである。分母(B)は、投資対象の時価総額など企業価値を示すデータである。排出量(C)は、対応する投資対象のGHG排出量を示すデータである。GHGプロトコルのスコープ3カテゴリ15における排出量は、対応する投資対象に投資価格を投資した場合におけるGHG排出量を示すデータである。なお、GHGプロトコルのスコープ3カテゴリ15における排出量は、A×C÷Bで算出される。
GHGプロトコルのスコープ3カテゴリ15「投資」では、投資先のGHG排出量のうち自社への寄与分等を算定・報告することを定めている。そして、主に金融機関向けの投資によるGHG排出量の算定基準は、PCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials)によって定められている。当該基準では上場株式と社債、事業融資と非上場株式、プロジェクトファイナンス、商業用不動産、住宅ローン、および自動車ローンという6つの資産クラスのGHG排出量の算定等が定められている。本実施形態では主にプロジェクトへの投資を想定したが、他の資産クラスへの投資でもよい。このため、例えば、組織は、投資先を現在の投資先から、GHGの排出量の少ない投資先へ変更することにより、投資元のスコープ3カテゴリ15のGHG排出量も削減されることとなる。
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)および半導体メモリ等を含むマイクロコンピュータで構成される。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムなどを実行することにより、サーバ装置1の各部を制御する。
また、制御部13は、設定部131、排出量算出部132、削減必要量算出部133、選択部134およびカーボンプライス算出部135を備える。
設定部131は、GHG排出量の目標値を設定する。第1実施形態では、設定部131は、操作端末2によって、ユーザからシナリオの選択を受け付ける。そして、設定部131は、ユーザから受け付けたシナリオに基づいて、将来(例えば、1年後や2年後、5年、10年後、30年後など、または2025年、2030年、2040年、2050年など)のGHG排出量の目標値を設定する。すなわち、設定部131は、ユーザから受け付けたシナリオに基づいて、現在から先のGHG排出量の目標値を設定する。具体的には、2030年に基準年(例えば2015年)のGHG排出量から40%削減する、2040年にGHG排出量のネットゼロ(組織のGHG排出量とGHG除去量が合計でゼロ)とする、などがある。
排出量算出部132(取得部)は、GHG排出量を算出する。例えば、排出量算出部132は、組織の所有する発電設備や製品の製造量などに基づいて、組織単位、製品単位、プロジェクト単位等の各種GHG排出量を算出する。GHG排出量の算定対象(組織的範囲および活動範囲)については、予めマスタ登録等により設定されてよい。そして、当該組織的範囲および活動範囲に含まれる各GHG排出源に対し、GHG排出量の直接の測定結果の入力受付、各GHG排出量の算出に用いられる数値(活動量、排出係数、各種数量など)の入力受付等により入力されたデータから各GHG排出量を算出し、その合計として組織のGHG排出量が算出されてよい。また、GHG排出量は、当該組織が取り扱う製品もしくはサービス毎(製品単位)に算出されたGHG排出量、またはプロジェクト単位で算出されたGHG排出量を含んでよい。なお、組織のGHG排出量には、スコープ3カテゴリ15のGHG排出量(投資によるGHG排出量)やサプライチェーン上の他社によるGHG排出量なども含まれる。
削減必要量算出部133は、設定部131が設定したGHG排出量の目標値を達成するために必要なGHG排出量の削減必要量を算出する。具体的には、削減必要量算出部133は、設定部131が設定したGHG排出量の目標値から、排出量算出部132が算出した組織のGHG排出量を減算することにより、GHG排出量の削減必要量を算出する。なお、第1実施形態の削減必要量算出部133が算出する削減必要量が活動削減必要量に相当する。
活動削減必要量は、GHGを排出する活動においてGHG排出量を直接的に計測する場合においては削減すべきGHG排出量、GHG排出量を間接的に活動量x排出係数等によって算出する場合においては削減すべき活動量または低減すべき排出係数として表されてよい。例えば、算出に用いられた電気使用量が1000kWhであった場合、活動削減必要量は当該電気使用量1000kWhのうち削減に必要な量200kWhとして表されてよい。また、活動削減必要量は、算出に用いられた活動量を代替する他の活動量として表されてよい。例えば、算出に用いられた電気使用量が1000kWhであった場合、活動削減必要量は当該電気使用量1000kWhのうちGHGを排出しない再生可能エネルギー200kWhとして表されてよい。また、活動削減必要量は、算出に用いられた活動量に関する代替品のレコメンドとして表されてよい。例えば、算出に用いられた電気使用量が機器Aの使用により1000kWhであった場合、活動削減必要量は機器Aより電気使用量が少なくなる機器Bの使用レコメンドとして表されてよい。さらに、活動削減必要量は、算出に用いられた電気使用量1000kWhに対して乗算される排出係数の低減すべき量(例えば当初の0.0008t-CO2/kWhに対し低減された0.0003t-CO2/kWh)として表されてよい。
選択部134は、投資先DBに含まれる投資先の中から、削減必要量算出部133が算出したGHG排出量の削減必要量に対応する投資先を選択する。具体的には、削減必要量算出部133は、投資先DBを読み出し、GHG排出量の削減必要量に対応する投資先を選択する。例えば、ユーザ(組織)は、事前に特定の投資対象I(企業やプロジェクト)に投資を行っていたとする。この場合、ユーザのGHG排出量には、投資対象Iに対する投資によるGHG排出量がスコープ3カテゴリ15として含まれることとなる。このとき、選択部134は、投資先DBに登録された投資先のうち、投資対象IよりもGHG排出量が少ない投資先を選択する。例えば、投資対象Iの投資によるGHG排出量が1000t、組織の削減活動量が500tであった場合、選択部134は、投資先DBから、スコープ3カテゴリ15のGHG排出量が500t以下の投資対象(投資先)を選択する。これにより、選択部134は、組織(ユーザ)の削減必要量を達成させる。また、選択部134は、複数の投資先を選択してもよい。このとき、GHG削減量の合計値が、GHG排出量の削減必要量を上回る場合、当該複数の投資先を選択してもよい。すなわち、選択部134は、1以上の投資先を選択してもよい。また、選択部134は、各投資対象に関する変更を受け付けてよい。例えば上記投資対象Iにおいて、削減必要量を達成するだけの投資価格の減少を受け付けてよい。選択部134による上述の選択および変更受付は、ユーザから選択の指示を受け付けることにより行われてよい。また、選択部134による上述の選択および変更受付は、削減必要量を達成するためにあらかじめ定められたルール(例えばGHG削減量が削減必要量を上回る投資先のうち投資価格が最も低いもの等)にもとづいて自動的に行われてよい。なお、第1実施形態の選択部134が第1選択部に相当する。
第1実施形態では、上述したように、投資先DBには、GHG排出量を削減可能な投資先を示すデータが格納されている。すなわち、選択部134は、GHG排出量の目標値を達成するように、投資先DBから投資先の選択および投資内容の変更受付を行う。
カーボンプライス算出部135は、組織のGHG排出量に対する所定の価格付け(プライシング)を行うことでカーボンプライスを算出する。カーボンプライスは、国や地方公共団体などが企業や団体などの組織に税として課す炭素税であってよいし、企業や団体などの組織が自発的にGHG排出量に対して設定する内部炭素税であってよい。また、カーボンプライスは、排出量取引において組織に設定された上限(キャップ)を超えたGHG排出量に対し購入すべき排出枠の価格として設定されてよいし、クレジット取引・炭素国境調整措置その他のGHG排出量に対する価格付けのスキームに沿った価格でよい。ここで、価格付けは、上記カーボンプライスを算出する方法であればいかなる価格付けでもよいが、例えばGHG排出量1メトリックトンあたりの金額(例えば1メトリックトンあたり1万円)であってよいし、GHG排出量に関する市場取引・相対取引等において示される価格の平均、最大値、最小値、中央値その他の統計的な金額であってよい。カーボンプライス算出部135は、予め定められた上述の価格付けの1または複数の組み合わせに従って、排出量算出部132が算出した組織のGHG排出量からカーボンプライスを算出する。これにより、組織はカーボンプライスを容易に算出することができ、またGHG排出量によるコスト面での影響を把握することができる。また、上述したように、組織は、投資先に投資することにより、GHG排出量を削減することができる。カーボンプライス算出部135は、組織が投資先に投資することにより、GHG排出量の削減した場合におけるカーボンプライスを算出する。すなわち、カーボンプライス算出部135は、選択部134で選択された投資先によるGHG排出量削減量に対して所定の価格付けを行うことにより、当該投資に関するカーボンプライスを算出する。なお、第1実施形態のカーボンプライス算出部135が第1カーボンプライス算出部に相当する。また、カーボンプライス算出部135は、カーボンプライスが年度ごとに変動する場合、投資を行う年度に応じたカーボンプライスを算出する。なお、炭素税は、石炭や石油などの化石燃料の炭素含有量に対して課される税であってもよい。
(管理システムの動作について)
図3および図4は第1実施形態に係る管理作成システムの動作を示すフローチャートである。具体的には、図3は、管理システムの全体の動作を示し、図4は、図3の第1処理(ステップS21)における管理システムの動作を示す。
操作端末2は、操作部22を介して、ユーザからGHG排出量の削減目標の設定指示を受け付けると、サーバ装置1にシナリオDBの要求を行う。サーバ装置1は、操作端末2からシナリオDBの要求を受け付けると、操作端末2にシナリオDBに含まれるデータを送信する。操作端末2は、サーバ装置1から当該データを受信すると、シナリオDBに含まれるシナリオ(2℃上昇シナリオ、4℃上昇シナリオなど)の一覧を表示部21に表示する。シナリオの一覧は、例えば1.5度未満、1.5度以上2度未満、2度以上3度未満、3度以上4度未満、および4度以上など、当該シナリオを選択した場合に特定の年に地球の気温が何度上昇するかにしたがって分類されて表示されてもよい。また、シナリオの一覧は、業種、本社・工場等の所在地の地形および天候、その他の分類ごとに選択される数の多いシナリオを上位に表示してよい。操作端末2は、操作部22を介してユーザからのシナリオの選択を受け付けると、選択されたシナリオを示すデータをサーバ装置1に送信する。
サーバ装置1の設定部131は、操作端末2からユーザによって選択されたシナリオを示すデータを受信する(ステップS1)と、第1処理を実行する(ステップS21)。
ステップS21においては、まず、設定部131は、将来のGHG排出量の目標値を設定する(ステップS2)。サーバ装置1の排出量算出部132は、GHG排出量を算出する(ステップS3)。例えば、排出量算出部132は、組織の所有する発電設備や製品の製造量などに基づいて、GHG排出量を算出する。
サーバ装置1の削減必要量算出部133は、設定部131が設定した削減目標を達成するために必要なGHG排出量の削減必要量を算出する(ステップS4)。具体的には、削減必要量算出部133は、設定部131が設定したGHG排出量の目標値から、排出量算出部132が算出したGHG排出量を減算することにより、GHG排出量の削減必要量を算出する。
サーバ装置1の選択部134は、投資先DBを読み出す(ステップS5)。そして、選択部134は、投資先DBに含まれる投資先の中から、削減必要量算出部133が算出したGHG排出量の削減必要量に対応する投資先を選択する(ステップS6)。選択部134は、選択した投資先を示すデータを操作端末2に送信し、ユーザからの投資先の決定許可を受け付ける(ステップS7)。
サーバ装置1のカーボンプライス算出部135は、組織が投資先に対して投資した場合における、前記GHG排出量の削減に対するカーボンプライスを算出する(ステップS8)。カーボンプライス算出部135は、算出したカーボンプライスを示すデータを操作端末2に送信し、表示部21に当該データを表示させる。
以上の構成により、第1実施形態に係る管理装置は、GHG排出量を算出(取得)する排出量算出部132(取得部)と、GHG排出量の目標値を設定する設定部131と、GHG排出量の目標値を達成するために必要なGHG排出量の削減必要量を算出する削減必要量算出部133とを備える。すなわち、排出量算出部132が算出したGHG排出量と、設定部131が設定したGHG排出量の目標値に基づき、削減必要量算出部133がGHG排出量の目標値を達成するために必要なGHG排出量の削減必要量を算出するため、ユーザ(組織)は、GHG排出量の目標を達成するために必要なGHG排出量の削減必要量を知ることができる。これにより、ユーザは、GHG排出量の目標を達成しやすくなる。
また、設定部131は、将来のGHG排出量の目標値を設定する。選択部134は、GHG排出量の目標値を達成するように投資先を選択する。これにより、ユーザは、GHG排出量の目標を達成しやすくなる。
(変形例)
上記実施形態では、選択部134が、投資先を変更(選択)することにより、GHG排出量の目標を達成したが、本変形例では、選択部134が、組織のサプライチェーン上の取引先(サプライチェーン取引先)を変更(選択)することで、GHG排出量の目標を達成してもよい。
例えば、記憶部12に、投資先DBとともにまたはこれに代えて、図5のサプライチェーン取引先DBが格納されている。サプライチェーン取引先DBは、ユーザがサプライチェーン取引先を選択するために用いられるデータベースである。具体的には、サプライチェーン取引先DBには、サプライチェーン取引先名に、取引対象、取引に関する活動量、当該取引の活動に応じたGHG排出係数、GHG排出量、取引価格等が関連付けられている。サプライチェーン取引先名は、組織が取引可能な組織名(企業名やプロジェクト名)を示すデータである。取引対象は、組織が取引可能な製品名、部品名、素材名、サービス名、その他取引の対象となる活動を示すデータである。活動量は、対応するサプライチェーン取引先との取引に関する活動量を示すデータである。排出係数は、対応するサプライチェーン取引先の当該取引の活動に応じたGHG排出係数である。排出量は、対応する取引により発生するGHG排出量である。例えば、排出量は、活動量×排出係数により求められる。取引価格は、取引対象の単位あたりの取引価格である。なお、本図では示していないが、取引対象の数量、取引対象の単位あたりの活動量、取引対象の単位あたりの排出係数、取引対象の単位あたりの排出量等が含まれてよい。
GHGプロトコルによれば、組織(ユーザ)が製品等を取引(例えば購入)した場合、取引した取引対象の製造や輸送等により発生するGHG排出量が、当該組織のGHG排出量に含まれることとなる。このため、例えば、組織は製品等の取引先(サプライチェーン上の取引先)を、現在のサプライチェーン取引先から、当該製品等をより少ないGHG排出量で製造や輸送等が行えるサプライチェーン取引先へ変更することにより、組織のGHG排出量を削減することが可能となる。また、組織は、同一のサプライチェーン取引先であっても取引量(活動量)を減少させることにより、GHG排出量を削減することが可能となる。また、組織は、同一のサプライチェーン取引先であっても当該取引先についてより低い排出係数を設定することにより(例えば当該サプライチェーン取引先が自助努力により従来よりも低い排出係数で当該取引(活動)を行うことにより)、GHG排出量を削減することが可能となる。本実施形態ではこれらのサプライチェーン取引先に関するGHG排出量の削減を実現することができる。
ここで、上記実施形態では、選択部134は、投資先DBに含まれる投資先の中から、削減必要量算出部133が算出したGHG排出量の削減必要量に対応する投資先を選択したが、本変形例では、選択部134は、サプライチェーン取引先DBに含まれるサプライチェーン取引先の中から、削減必要量算出部133が算出したGHG排出量の削減必要量に対応するサプライチェーン取引先の選択および取引内容の変更受付をする。例えば、ユーザ(組織)は、事前に特定のサプライチェーン取引先S(企業やプロジェクト)から取引対象(ネジなど)を取引していたとする。この場合、スコープ1~3の規定により、ユーザのGHG排出量には、サプライチェーン取引先S(企業やプロジェクト)との取引対象(ネジなど)の取引によるGHG排出量が含まれることとなる。このとき、選択部134は、サプライチェーン取引先DBに登録されたサプライチェーン取引先のうち、サプライチェーン取引先Sよりも少ないGHG排出量で当該取引対象を取引可能なサプライチェーン取引先を選択してよい。例えば、サプライチェーン取引先Sの取引対象のGHG排出量が100kg、削減必要量が50kgであった場合、選択部134は、サプライチェーン取引先DBから、当該取引対象と同一の取引対象で、GHG排出量が50kg以下となるサプライチェーン取引先を選択してよい。これにより、選択部134は、組織(ユーザ)の削減必要量を達成させる。このとき、選択部134は、複数のサプライチェーン取引先を選択することにより、それらのGHG削減量の合計値が、GHG排出量の削減必要量を上回る場合、当該複数のサプライチェーン取引先を選択してもよい。すなわち、選択部134は、1以上のサプライチェーン取引先を選択してもよい。なお、本変形例の選択部134が第3選択部に相当する。
本変形例により、選択部134は、必要削減量を達成するために、サプライチェーン上の取引先を選択(変更)する。これにより、サプライチェーン上の取引先の変更することで、GHG排出量の削減目標を達成することができる。また、直接のサプライチェーン取引先だけでなく、各サプライチェーン取引先の取引先のGHG排出量に関するデータが入手可能であれば、サプライチェーン取引先の変更した場合のGHG排出量の変化を把握することができる。
(第2実施形態)
第1実施形態に係る管理システムは、現在より先のGHG排出量の削減目標を管理するものであった。これに対して、第2実施形態に係る管理システムは、ユーザの現在または過去のGHG排出量の削減目標を管理するものである。
第2実施形態に係る管理システムは、第1実施形態に係る管理システムと同一の構成である(図1参照)が、記憶部12に格納されるデータと、制御部13の設定部131、削減必要量算出部133、選択部134およびカーボンプライス算出部135の機能が一部異なる。なお、第2実施形態のカーボンプライス算出部135が第2カーボンプライス算出部に相当する。
具体的には、第2実施形態では、記憶部12には、投資先DBに代えて、取引先DBが格納されている。
取引先DBは、組織が環境価値の取引先を選択するために用いられるデータベースである(図6参照)。具体的に、取引先DBには、取引先名に、GHG排出量の削減方法、GHG削減量、取引価格が関連付けられている。取引先名は、ユーザが取引可能な環境価値を所有する組織名(企業名やプロジェクト名)を示すデータである。GHG排出量の削減方法は、対応する取引先のGHG排出量の削減方法を示すデータである。GHG排出量の削減方法としては、環境価値(J-クレジット、環境証書などのオフセット)を取引することによって組織のGHG排出量を削減する方法や、自然エネルギーを用いた発電設備の建設や植林などによって組織のGHG排出量を削減する方法、ネガティブエミッション技術(炭素を直接減少させる技術)やその技術を確立するための長期プロジェクトへの投資、自己の活動量および/または排出係数の減少などがある。GHG削減量は、GHG削減方法によって削減されるGHG排出量を示すデータである。取引価格は、対応する取引先と取引する際の価格である。
CDPなどにおけるGHG排出量の削減に向けた取り組みでは、組織が環境価値を購入することにより、当該組織のGHG排出量を削減されたものとみなされる。また、自然エネルギーを用いた発電設備の建設などを行う取引先と取引を行うことによって、追加性をもって当該組織のGHG排出量を削減する。第2実施形態では、ユーザ(組織)が取引先と取引することにより、GHG排出量の削減目標を達成することを目的としている。
設定部131は、ユーザのGHG排出量の削減目標を設定する。第2実施形態では、設定部131は、操作端末2によって、ユーザからシナリオの選択を受け付ける。そして、設定部131は、ユーザから受け付けたシナリオに基づいて、現年度や過去年度(1年前など)のGHG排出量の目標値を設定する。すなわち、設定部131は、ユーザから受け付けたシナリオに基づいて、現年度や過去年度(1年前など)の組織のGHG排出量の目標値を設定する。具体的には、過去に組織のGHG排出量の目標値を設定して目標値記憶部(不図示)に記憶させ、当該目標値を読み出して設定してよい。また、2030年に基準年(例えば2015年)のGHG排出量から40%削減する、2040年にGHG排出量のネットゼロ(組織のGHG排出量とGHG除去量が合計でゼロ)とする、といった目標を設定し、当該年までに一律で削減する場合の削減目標を各年度に割り当てることで設定してよい。すなわち、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、設定部131は、将来の組織のGHG排出量の目標値を設定してもよい。また、設定部131は、シナリオに基づかずにユーザからの入力受付等により現年度や過去年度(1年前など)のGHG排出量の目標値を設定してよい。また、設定部131は、過去に設定された現年度や過去年度(1年前など)のGHG排出量の目標値を読み出すことにより当該目標値を設定してよい。
削減必要量算出部133は、設定部131が設定したGHG排出量の目標値を達成するために必要なGHG排出量の削減必要量を算出する。具体的には、削減必要量算出部133は、設定部131が設定したGHG排出量の目標値から、排出量算出部132が算出した組織のGHG排出量を減算することにより、GHG排出量の削減必要量を算出する。なお、第2実施形態の削減必要量算出部133が算出する削減必要量がオフセット削減必要量に相当する。
選択部134は、取引先DBに含まれる取引先の中から、削減必要量算出部133が算出したGHG排出量の削減必要量に対応する取引先を選択する。具体的には、削減必要量算出部133は、取引先DBから各取引先のGHG削減量(図6参照)を読み出し、GHG排出量の削減必要量に対応する取引先を選択する。例えば、選択部134は、取引先DBに登録された取引先のうちGHG削減量が、GHG排出量の削減必要量を上回るように取引先を選択する。例えば、図6では、選択部134は、削減必要量が20tである場合、H社を取引先として選択する。このとき、選択部134は、複数の取引先を選択することにより、それらのGHG削減量の合計値が、GHG排出量の削減必要量を上回る場合、当該複数の取引先を選択してもよい。すなわち、選択部134は、1以上の取引先を選択してもよい。なお、第2実施形態の選択部134が第2選択部に相当する。
第2実施形態では、組織は、取引先DBに登録された取引先と環境価値を取引(入手)することにより、GHG排出量をオフセットまたは将来的に減少させることができる。上述したように、取引先DBには、組織が取引することにより、GHG排出量をオフセットまたは削減可能な取引先を示すデータが格納されている。すなわち、選択部134は、GHG排出量の目標値を達成するように、取引先DBから取引先の選択を行う。
カーボンプライス算出部135は、組織が取引先と取引した場合における、GHG排出量の削減に対するカーボンプライスを算出する。上述したように、組織は、取引先と取引することにより、GHG排出量をオフセットまたは削減することができる。このため、カーボンプライス算出部135は、組織が取引先と取引することにより、GHG排出量をオフセットまたは削減した場合におけるカーボンプライスを算出する。なお、第2実施形態のカーボンプライス算出部135が第2カーボンプライス算出部に相当する。
(管理システムの動作について)
図7は第2実施形態に係る管理作成システムの動作を示すフローチャートである。図7は、第2実施形態に係る管理システムの動作を示す。図7では、図3および図4と比較すると、ステップS2,S5~S8に代えて、ステップS12,S15~S18が実行される。
サーバ装置1の設定部131は、操作端末2からユーザによって選択されたシナリオを示すデータを受信する(ステップS1)と、組織の現年度または過去年度のGHG排出量の目標値を設定する(ステップS12)。その後、ステップS3.S4が実行される。なお、ステップS1において、サーバ装置1の設定部131は、必ずしもシナリオを選択する必要はなく、ユーザから直接現年度または過去年度のGHG排出量の目標値の入力を受けつけてもよい。
サーバ装置1の選択部134は、取引先DBを読み出す(ステップS15)。そして、選択部134は、取引先DBに含まれる取引先の中から、削減必要量算出部133が算出したGHG排出量の削減必要量に対応する取引先を選択する(ステップS16)。選択部134は、選択した取引先を示すデータを操作端末2に送信し、ユーザからの取引先の決定許可を受け付ける(ステップS17)。
サーバ装置1のカーボンプライス算出部135は、取引先との取引によるGHG排出量の削減量に基づいて、カーボンプライスを算出する(ステップS18)。カーボンプライス算出部135は、算出したカーボンプライスを示すデータを操作端末2に送信し、表示部21に当該データを表示させる。
以上の構成により、第2実施形態に係る管理装置は、GHG排出量を算出(取得)する排出量算出部132(取得部)と、GHG排出量の目標値を設定する設定部131と、GHG排出量の目標値を達成するために必要なGHG排出量の削減必要量を算出する削減必要量算出部133とを備える。すなわち、排出量算出部132が算出したGHG排出量と、設定部131が設定したGHG排出量の目標値に基づき、削減必要量算出部133がGHG排出量の目標値を達成するために必要なGHG排出量の削減必要量を算出するため、ユーザ(組織)は、GHG排出量の目標を達成するために必要なGHG排出量の削減必要量を知ることができる。これにより、ユーザはGHG排出量の目標を達成しやすくなる。
また、設定部131は、現在または過去の組織のGHG排出量の目標値を設定する。選択部134は、GHG排出量の目標値を達成するように取引先を選択する。これにより、ユーザは、組織のGHG排出量の目標を達成しやすくなる。
なお、本実施形態のステップS16において、選択部134は、取引先DBから取引先を選択する際に、取引先DBから活動量が少ない取引先を優先的に選択してもよい。これにより、GHG排出量が少ない方法で製造などが行われた取引対象(製品等)を入手できる。
また、本実施形態のステップS16において、選択部134は、取引先DBから取引先を選択する際に、取引先DBから排出係数が少ない取引先を優先的に選択してもよい。排出係数は、実測で定めるほか、産業連関表などの統計データから各活動の一般的な排出係数として定められる。一般的に、実測による排出係数の算定は複雑であるため、企業やプロジェクト等は産業連関表等による代替値を用いるが、当該代替値は企業やプロジェクト等による活動上のGHG削減努力が反映されない。このため、選択部134が、取引先DBから取引先を選択する際に、同一の活動に対して取引先DBから排出係数がより少ない取引先を優先的に選択することで、間接的に、取引先の排出係数の実測およびGHG排出量の削減意欲を高めることができる。
(その他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態について説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。
上記実施形態における組織は、どのような組織であってもよい。例えば、組織は国、地方自治体、企業、団体その他の集団であってよい。また、組織は、電力、ガス、水道、通信回線、保険、銀行業務、ウェブショッピング、教育などの知識の教授、広告業務、物流、リース、小売、物販等の商品販売などのサービスを提供する事業者であってもよい。また、組織は、製造業、不動産業、小売業、金融業などの事業を行う者であってもよい。
また、第1実施形態において、記憶部12に取引先DBを構成してもよい。この場合、選択部134は、GHG排出量の目標値を達成するように、取引先DBから取引先の選択をしてもよい。また、選択部134は、GHG排出量の目標値を達成するように、取引先DBおよび投資先DBから、1または複数の取引先および1または複数の投資先の選択をしてもよい。
また、上記各実施形態は、ステップS7(S17)において、選択部134が投資先(取引先)を選択するものであったが、選択部134は、ユーザ操作に基づいて、投資先(取引先)を選択してもよい。例えば、選択部134は、投資先DB(取引先DB)に格納されたデータを、操作端末2の表示部21に表示させ、ユーザからの投資先(取引先)の選択を受け付けてもよい。この場合、表示部21に、設定部131によって設定されたGHG排出量の目標値、および、削減必要量算出部133によって算出されたGHG排出量の削減必要量を表示してもよい。また、カーボンプライス算出部135は、表示部21に、投資先(取引先)と投資契約(取引契約)を行うことにより、削減されるのカーボンプライスの算出結果を、投資先(取引先)ごとに表示させてもよい。
また、上記各実施形態では、設定部131は、TCFDのシナリオ分析に用いられるシナリオに基づいて、組織のGHG排出量の目標値を設定していたが、これに限られない。例えば、設定部131は、上述した、SBTi、CDP、RE100、TCFD、GHGプロトコルなどのGHG排出量の取り組みに定められた基準やルールにしたがって、組織のGHG排出量の目標値を設定してもよい。例えば設定部131は、ユーザがSBTiを選択し、5~15年後などの目標年および「2度を十分に下回る基準」または「1.5度未満に抑える」基準などの基準の設定に従い、組織のGHG排出量を毎年2.5%削減または毎年4.2%削減するように目標値を設定してよい。設定部131は、いずれの取り組みの基準やルールに従うかをユーザの選択により決定してもよい。また、設定部131は、上記基準やルールまたはユーザが任意に設定した組織のGHG排出量の目標値に対し、複数の期間において異なる目標の設定を受け付けてもよい。例えば、設定部131は、組織のGHG排出量の目標値を2030年までは昨対比で年率3%の削減、2040年までは昨対比で年率4%の削減として受け付けてよい。
さらに、設定部131は、組織のGHG排出量の目標値に代えて、またはこれと共に、他の単位のGHG排出量の目標値を設定してよい。例えば設定部131は、製品(サービスを含む)単位のGHG排出量の目標値を設定してよい。また、設定部131は、組織に紐づく拠点単位のGHG排出量の目標値を設定してよい。本実施形態においては、上述の各実施形態において組織単位で表されていた数値等は当該他の単位で表されてよい。
また、設定部131は、シナリオDBに格納されたシナリオごとに、組織のGHG排出量の目標値を算出し、算出結果を表示部21に表示させてもよい。例えば、TCFDのシナリオ分析では、リスク(移行リスクや物理的リスクなど)ごとに当該リスクの重要度を評価する必要があり、この評価に基づいて各シナリオにおけるGHG排出量の目標値が設定される。このため、設定部131は、このリスクの重要度の評価をユーザから受け付け、各シナリオにおける組織のGHG排出量の目標値を算出し、この結果を表示部21に表示させてもよい。
また、上記第1実施形態において、選択部134は、投資先DB(取引先)の中から、排出係数を自社で算定している投資先(取引先)を、優先して選択してもよい。GHG排出量は、一般的に、活動量×排出係数に基づいて決定される。この排出係数は、一般的な値を用いることもできるが、投資先(取引先)自身で算定することも可能である。投資先(取引先)自身で排出係数を算定することは手間やコストが掛かるため、このような投資先は、投資によりGHG排出量をより削減しようとする意識が高いといえる。このため、選択部134は、投資先DB(取引先)の中から、排出係数を自社で算定している投資先(取引先)を、優先して選択してもよい。
また、上記第1実施形態において、選択部134は、投資先の過去のGHGの排出量の削減結果に基づいて、目標値を達成するための投資先を選択してもよい。例えば、選択部134は、過去に投資先DBに登録されたGHG削減量や発電量を達成した実績がある投資先を優先して選択してもよいし、達成実績が高い投資先を優先して選択してもよい。
また、排出量算出部132をサーバ装置1の外部に設けてもよい。また、記憶部12に格納された各種データベースを、外部に設けてもよい。
また、上記各実施形態では、カーボンプライス算出部135は、ステップS7(またはステップS17)の後に、カーボンプライスを算出してるが、これに限られない。例えば、カーボンプライス算出部135は、削減必要量算出部133が削減必要量を算出した後に、カーボンプライスを算出してもよい。この場合、カーボンプライス算出部135は、削減必要量を算出した場合における組織のカーボンプライスを算出する。
また、上記各実施形態において、選択部134は、投資先(取引先またはサプライチェーン上の取引先)を選択した場合、組織と投資先(取引先またはサプライチェーン上の取引先)との契約を成立させ、ユーザおよび投資先(取引先またはサプライチェーン上の取引先)に、投資契約の成立を通知してもよい。
また、サーバ装置1および操作端末2には、それぞれ、上記実施形態に係る機能を実現するための管理プログラムがインストールされている。サーバ装置1および操作端末2は、管理プログラムを実行することにより、上記実施形態に係る各種機能を実現する。
また、第2実施形態における管理システムは、オフセットのみでなく創エネ(自社)・省エネ・集エネ(電源を買う、蓄電池から放電する、コージェネレーションシステムの余剰分)等をしたうえでさらにオフセットをしたことを示して(表示部21に表示させても)よい。これにより、削減がオフセットのみで行われたグリーンウォッシュではないことを示してよい。
本実施形態に係る管理システムは、組織のGHG排出量の目標値を達成するために必要なGHG排出量の削減必要量が算出されるため、有用である。
1 サーバ装置
12 記憶部(シナリオ登録部)
13 制御部
131 設定部
132 排出量算出部(取得部)
133 削減必要量算出部
134 選択部(第1選択部、第2選択部)
135 カーボンプライス算出部
2 操作端末
21 表示部
22 操作部

Claims (8)

  1. GHG排出量を管理するための管理装置であって、
    前記GHG排出量を取得する取得部と、
    前記GHG排出量の目標値を設定する設定部と、
    前記目標値を達成するために必要な前記GHG排出量の削減必要量を算出する削減必要量算出部と
    将来の気候変動に対する予測を含むシナリオが登録されたシナリオ登録部とを備え、
    前記設定部は、前記シナリオ登録部に登録された前記シナリオに基づき、前記目標値を設定する、管理装置。
  2. 前記削減必要量算出部は、前記GHG排出量の目標値が現在より先の前記GHG排出量の目標値である場合、前記削減必要量をオフセット削減必要量および活動削減必要量の少なくとも1つとして算出する、請求項1に記載の管理装置。
  3. 前記削減必要量算出部は、前記GHG排出量の目標値が過去または現在における前記GHG排出量の目標値である場合、前記削減必要量をオフセット削減必要量として算出する、請求項1に記載の管理装置。
  4. 前記削減必要量算出部の算出結果を表示する表示部をさらに備える、請求項1に記載の管理装置。
  5. 前記GHG排出量の削減が可能な投資先を提案選択する第1選択提案部、前記削減必要量を達成するために、環境価値を取引可能な取引先を選択提案する第2選択提案部、および、前記削減必要量を達成するために、サプライチェーン上の取引先を選択する第3選択部の少なくともいずれか1つをさらに備える、請求項1に記載の管理装置。
  6. 前記GHG排出量に対するカーボンプライスを算出するカーボンプライス算出部をさらに備える、請求項1に記載の管理装置。
  7. GHG排出量を管理するための管理方法であって、
    サーバ装置が、
    前記GHG排出量の目標値を設定するステップと、
    前記GHG排出量を取得するステップと
    前記目標値を達成するために必要な前記GHG排出量の削減必要量を算出するステップと
    将来の気候変動に対する予測を含むシナリオが登録するステップと、
    登録された前記シナリオに基づき、前記目標値を設定するステップとを備える、管理方法。
  8. コンピュータに、
    請求項に記載の管理方法を実行させるための管理プログラム。
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