JP7239860B2 - 筋電位処理装置、筋電位処理方法および筋電位処理プログラム - Google Patents

筋電位処理装置、筋電位処理方法および筋電位処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、筋電位処理装置、筋電位処理方法および筋電位処理プログラムに関するものである。
様々なスポーツ技術の向上のために、身体の使い方を直接表現する生理学的情報である筋電位の活用が注目されている。筋電位は、筋肉を動かす時に生じる電圧である。筋電位は、EMG(electromyography)とも称される。筋電位の振幅は、力が入ると大きくなり、力が抜けると0に近づく。筋電位に着目することにより、運動者自身が、トレーニング現場で筋肉が適切に使われているか否かを解釈し、トレーニングに生かして成績を向上させることが期待されている。
しかしながら、筋電位は、単なる電気信号であるため、筋電位データの解釈が難しく、筋電位データを運動者自身が理解できるように加工する技術が求められている。例えば、複数の筋肉に対して、筋肉が動き、筋電位が大きくなるタイミングを検知して、各筋肉に与えられた周波数の音を鳴らして、運動者に音でフィードバックする技術がある(非特許文献1参照)。
NTTコミュニケーション科学基礎研究所、"オープンハウス2016 「スポーツで勝てる脳」をつくる"、[online]、2016年、NTT、[平成30年9月25日検索]、インターネット〈URL:http://www.kecl.ntt.co.jp/openhouse/2016/exhibition/28/index.html〉
走る、自転車をこぐ等の運動は、同じ動作を繰り返す反復運動である。反復運動において、同じ動作が繰り返し行われている安定性または再現性が重要である。例えば自転車のペダルにパワーメーターを装着し、ペダルにかかる力の推移で、同じ動作を繰り返すことを確認する方法がある。しかしながらこの方法は、同じ動作を繰り返しできない要因を特定できない。反復運動における各筋肉の動きの安定性を評価する方法がない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、反復運動における各筋肉の動きの安定性を評価する技術を提供することである。
本発明の一態様の筋電位処理装置は、反復運動を行う運動者の所定の筋肉に設定された電極から取得した筋電位の時間経過を示す筋電位データを生成する筋電位取得部と、反復運動の再現性を示す再現性指標を、反復運動における筋電位の推移の再現性から算出して、出力する評価部を備える。
本発明の一態様の筋電位処理方法は、コンピュータが、反復運動を行う運動者の所定の筋肉に設定された電極から取得した筋電位の時間経過を示す筋電位データを生成するステップと、コンピュータが、反復運動の再現性を示す再現性指標を、反復運動における筋電位の推移の再現性から算出して、出力するステップを備える。
本発明の一態様は、上記筋電位処理装置として、コンピュータを機能させる筋電位処理プログラムである。
本発明によれば、反復運動における各筋肉の動きの安定性を評価する技術を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る筋電位処理装置の機能ブロックを説明する図である。 図2は、電極が設けられるタイツの一例を説明する図である。 図3は、オンセットデータのデータ構造の一例を説明する図である。 図4は、前処理部による前処理を説明するフローチャートである。 図5は、前処理部が入出力する信号の一例である。 図6は、前処理部が算出する二乗平均平方根を説明する図である。 図7は、オンセット検出部によるオンセット検出処理を説明するフローチャートである。 図8は、オンセット検出用の移動窓とオンセット区間を説明する図である。 図9は、パワー指標処理部によるパワー指標処理を説明するフローチャートである。 図10は、正規化されたRMS値の一例を説明する図である。 図11は、パワー指標の一例を説明する図である。 図12は、順序指標処理部による順序指標処理を説明するフローチャートである。 図13は、時間指標処理部による時間指標処理を説明するフローチャートである。 図14は、再現性指標出力部による出力例である。 図15は、コンピュータのハードウエア構成を説明する図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付し説明を省略する。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る筋電位処理装置1を説明する。筋電位処理装置1は、自転車競技またはランニングなどの反復を繰り返す運動を行う運動者が、反復運動中の筋肉の動きの変化を捉えることが可能なデータを出力する。
運動者が着用する服の内側には、図2に示すように電極2aないし2dが設けられ、電極2aないし2dは、運動者の皮膚に当接する。筋電位処理装置1は、電極2aないし2dを介して、電極が設けられた場所の皮下に位置する筋肉の筋電位を、取得する。電極2aないし2dは、運動者の皮膚に貼付されても良い。
本発明の実施の形態において電極は、左右一対の筋肉にそれぞれ設けられる。図2に示す例において、電極2aおよび2dは、それぞれ左右の外側広筋の筋電位を取得する。電極2bおよび2cは、それぞれ左右の大腿二頭筋(ハムストリングス)の筋電位を取得する。筋電位処理装置1は、運動者による運動中に、電極から得られる筋電位を逐次取得し、取得した筋電位を解析して出力する。なお、電極2aないし2dを特に区別しない場合、電極2と称する場合がある。なお、図2に示す電極2を設ける位置および数は一例であって、これに限るものではない。電極2は、適宜設定された測定対象の筋肉の筋電位を取得可能な位置に、設けられる。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る筋電位処理装置1は、記憶装置10と処理装置20を備える。
記憶装置10は、筋電位処理プログラムを記憶するとともに、筋電位データ11、RMSデータ12、オンセットデータ13および再現性指標データ14を記憶する。
筋電位データ11は、反復運動を行う運動者の所定の筋肉に設定された電極2から取得した筋電位の時間経過を示すデータである。筋電位データ11は、電極2から取得した筋電位の値と、その取得した時間とを対応づけるデータである。複数の筋肉から筋電位を取得した場合、筋肉毎に、筋電位データ11が生成される。
RMSデータ12は、所定時間毎の筋電位の二乗平均平方根値(RMS(Root Mean Square)値)を含む。RMSデータ12は、算出された筋電位のRMS値と、そのRMS値に対応する時間を対応づけるデータである。筋電位データ11が複数の筋肉の筋電位を含む場合、筋肉毎に、RMSデータ12が生成される。
オンセットデータ13は、筋電位データ11のうち、筋電位が大きくなった区間(オンセット区間)を特定する。オンセットデータ13は、例えば図3に示すように、オンセット区間を特定するオンセット識別子に、そのオンセット区間の開始時刻と終了時刻を対応づけるデータである。複数の筋肉について筋電位データ11がそれぞれ生成される場合、筋肉毎に、オンセットデータ13が生成される。
再現性指標データ14は、所定時間毎に算出された再現性指標を含む。再現性指標データ14は、算出された再現性指標と、その再現性指標に対応する時間の識別子を対応づけるデータである。本発明の実施の形態において、再現性指標は、パワー指標、順序指標または時間指標である。再現性指標は、パワー指標、順序指標および時間指標のうちの2以上の指標をまとめた指標であっても良い。
処理装置20は、筋電位取得部21、前処理部22、オンセット検出部23および評価部25を備える。
筋電位取得部21は、反復運動を行う運動者の所定の筋肉に設定された電極2から取得した筋電位の時間経過を示す筋電位データ11を生成する。複数の電極から筋電位を取得した場合、筋電位取得部21は、各電極に対応する各筋肉について筋電位データ11を生成する。
前処理部22は、筋電位データ11の筋電位の値からノイズを除去して、ノイズ除去後の筋電位の値に基づいて、RMS値を算出し、RMSデータ12を生成する。前処理部22は、筋電位データ11の所定時間毎のRMS値を算出し、時間ごとのRMS値を含む二乗平均平方根データ(RMSデータ12)を生成する。複数の筋肉の筋電位を取得した場合、前処理部22は、各筋肉についてRMSデータ12を生成する。
図4を参照して、前処理部22による前処理を説明する。
まずステップS101において前処理部22は、筋電位データ11に対してバンドパスフィルタを通す。ステップS102において前処理部22は、ステップS101においてバンドパスフィルタを通した後のデータに対してウィナーフィルタ(Wiener filter)を通す。
ステップS103において前処理部22は、ステップS102においてウィナーフィルタを通した後のデータに対して、二乗平均平方根を算出して、RMSデータ12を生成する。
前処理部22は、筋電位データ11に対してバンドパスフィルタを通して、筋電位の周波数以外の周波数をフィルタリングする。電極2から取得した筋電位を含む筋電位データ11は、「モーションアーティファクト」と呼ばれる身体の動きにより生じるノイズ、何もしていなくても肌で生じる電気などによって生じるノイズなど、様々なノイズを含む。筋電位データ11に対してバンドパスフィルタを通すことにより、筋電位の周波数帯域以外のノイズを除去する。これにより、筋電位データ11のうち、取得したい筋電位の周波数帯域に絞り込むことができる。
バンドパスフィルタは、筋電位データ11に含まれるノイズに従って、周波数が設定される。前処理部22は、上限値および下限値を定めるバンドパスフィルタに限らず、上限および下限のうちの一方を定めないハイパスフィルタまたはローパスフィルタを用いても良い。バンドパスフィルタの上限値および下限値は、取得される筋電位のサンプリング周波数やデバイスの特性に基づいて決められる。例えばサンプリング周波数が500Hzの場合、サンプリング定理に基づき、上限値を249Hzとし、下限を、筋電位の主な周波数特性から10Hzとする。周波数フィルタリングの方法は、例えばバターワースフィルタ(Butterworth filter)が一般的であるが、その限りではない。
前処理部22は、バンドパスフィルタを通した後のデータに対して、ウィナーフィルタを適用し、筋電位データ11の全体に載っているノイズを取り除き、筋のアクティベートにより生じる電気信号以外の信号(ノイズ)を除去する。ノイズの強度測定のために取得したデータがあれば、そのデータに基づいてウィナーフィルタのノイズ除去の強度を定める。ノイズの強度測定を行っていない場合、筋電位データ11に基づいてノイズ除去の強度を定める。前処理部22は、例えば筋電位データ11の全区間(各時間)の筋電位に基づいて、ノイズ除去の強度を定める。あるいは前処理部22は、筋電位データ11またはバンドパスフィルタを通した後のデータに基づいて、後述のオンセット検出部23と同等の処理によりオンセット区間を特定し、オンセットでない区間の筋電位に基づいてノイズ除去の強度を定めても良い。
図5(a)に示す筋電位データ11に対して、前処理部22がバンドパスフィルタおよびウィナーフィルタを適用してノイズを除去すると、図5(b)に示すデータが得られる。図5(b)に示すデータは、図5(a)に示すデータと比べて、電圧が0近傍の区間と、0ではない区間との区別しやすくなっている。
さらに前処理部22は、バンドパスフィルタおよびウィナーフィルタを通した後のデータに対して、二乗平均平方根を算出する。前処理部22は、図6(a)に示すように、フィルタを通した後のデータのうち、平均を取る範囲におけるデータに対して、図6(b)に示す式により、RMS値であるr(T)を算出する。前処理部22は、各区間について対して二乗平方根を算出する処理を繰り返して、RMSデータ12を生成する。
その結果、前処理部22は、図5(c)に示すデータが得られる。図5(c)に示す信号は、図5(b)と比較して、1回のモーションにおける筋電位の出力を、一つのかたまりと表現可能になっている。
オンセット検出部23は、筋電位データ11のうち、運動者による反復運動により筋電位が大きくなったオンセット区間を検出する。オンセット検出部23は、筋電位データ11からノイズを除去する等の処理が行われたRMSデータ12を参照して、筋電位の出力が所定の閾値以上の時間方向の区間をオンセット区間として特定し、オンセットデータ13を出力する。オンセット検出部23は、RMSデータ12の所定の時間に対して、オンセット検出用の移動窓を設定し、移動窓内のRMS値の平均が、閾値よりも高い場合、所定の時間は、オンセット部分と判定する。オンセット検出部23は、オンセット部分が連続する区間を、オンセット区間として特定し、オンセットデータ13を出力する。オンセット検出部23が検出したオンセット区間は、後述の評価部25によって処理される。
オンセット検出部23は、閾値決定部24を備える。閾値決定部24は、オンセット区間を検出するための閾値を決定する。閾値決定部24が決定する閾値は、静的な閾値または動的な閾値である。
静的な閾値は、反復運動の測定時間の全区間において、オンセット区間を検出するために用いられる固定値である。静的な閾値を決定する際、閾値決定部24は、例えばthreshold-based method(Hodges, P., and Bui, B. A comparison of computer-based methods for the determination of onset of muscle contraction using electromyography. Electroencephalogr. Clin. Neurophysiol. 101 (1996), 511-519.)を用いて、予め静止時に測定した筋電位のデータに基づいて、静的な閾値を決定する。静的な閾値は、RMSデータ12の各時間において適用され、研究室のような静的環境かつ短時間の測定に好適である。
動的な閾値は、オンセット区間を判定する度に算出される変動値である。動的な閾値を決定する際、閾値決定部24は、オンセットを検出する時間に対して、オンセット検出用の移動窓の時間よりも長い閾値検出用の移動窓を設定し、閾値検出用の移動窓内のRMS値の平均に基づいて、閾値を決定する。
オンセット検出用の移動窓の移動に伴い、閾値検出用の移動窓も移動する。オンセット検出用の移動窓が移動する度に、閾値検出用の移動窓が移動しても良い。あるいは閾値検出用の移動窓は、オンセット検出用の移動窓が移動する頻度よりも低くなっても良い。オンセット検出時は、直近に算出された閾値を用いれば良い。
閾値を動的に決定することにより、反復運動において、汗をかく、電極の位置がずれるなどの状況の変化により、電極2によって測定される筋電位が含むノイズに応じて、閾値を決定することができる。反復運動中の長期間の計測による、皮膚や電極の状態の変化による測定値の変化、筋出力の大きさの変化等に対応してノイズを決定できるので、適切にノイズを除去することができる。
図7を参照して、オンセット検出部23に依るオンセット検出処理を説明する。
ステップS201においてオンセット検出部23は、時間方向に移動する移動窓を設定する。例えば図8(a)に示すように、オンセット検出用移動窓を時間方向に設定する。このオンセット検出用移動窓の時間幅は、tである。
ステップS202においてオンセット検出部23は、閾値決定部24によってオンセット区間を特定するための閾値を決定する。ここで決定される閾値は、静的な閾値または動的な閾値である。オンセット検出部23は、閾値決定部24に、予めオペレータ等によって指定される閾値を、決定させる。
ステップS203においてオンセット検出部23は、ステップS201で設定した移動窓内のRMS値の平均値が、ステップS202で決定された閾値よりも大きいか否かを判定する。オンセット検出部23は、閾値よりも大きい場合、ステップS204において移動窓内をオンセット部分とし、閾値よりも小さい場合、ステップS205において移動窓内をオフセット部分とする。
ステップS206においてオンセット検出部23は、移動窓が、RMSデータ12の全ての時間について網羅し、全区間について判定が終了したか否かを判定する。全区間について判定が終了していない場合、ステップS201において移動窓を移動して、移動後の移動窓に基づいて、ステップS202ないしステップS205の処理を行う。例えば図8(b)に示すように、移動窓をtstepずらして、次の移動窓を設定する。次の移動窓の時間幅は、オンセット検出用移動窓と同様に、tである。例えば、オンセット区間を検出するための移動窓の窓幅は0.2秒で、移動幅は0.1秒である。
全区間について判定が終了した場合、ステップS207においてオンセット検出部23は、連続するオンセット部分を1つのオンセット区間としてまとめ、各オンセット区間を特定する。オンセット検出部23は、ステップS204においてオンセット部分として検出された時間が、他のオンセット部分として検出された時間と連続する場合、連続するオンセット部分を1つのオンセット区間とする。その結果、図8(b)に示すように、反復運動の測定時間のうち、複数のオンセット区間を特定することができる。オンセット検出部23は、各オンセット区間について開始時間と終了時間を特定し、オンセットデータ13を生成する。
なお、図7に示す処理は一例であって、これに限るものではない。オンセット区間を検出するための移動窓の窓幅は0.2秒で、移動幅は0.1秒の場合、所定区間について、オンセット区間であるか否かの判定が、2回繰り返される。この場合、いずれかの判定でオンセット区間と判定された場合、この所定区間はオンセット区間と判定されても良い。或いは、2回の両判定でオンセット区間と判定された場合、この区間はオンセット区間と判定され、それ以外の場合、オンセット区間でないと判定されても良い。また所定区間において、3回以上オンセット区間であるか否かの判定が繰り返される場合も同様に、所定区間における複数の判定結果に基づいて判定されても良い。
(評価部)
評価部25は、RMSデータ12を参照して、運動者による運動を定量化する指標を算出し、出力する。評価部25は、反復運動の再現性を示す再現性指標を、反復運動における筋電位の推移の再現性から算出して、出力する。
評価部25は、パワー指標処理部26、順序指標処理部27、時間指標処理部28および再現性指標出力部29を備える。
パワー指標処理部26は、パワー指標を算出する。パワー指標は、反復運動におけるパワーに変化がない場合、パワー指標は良好になる。
順序指標処理部27は、順序指標を算出する。順序指標は、反復運動における所定条件を満たす時間の順序の再現性が高い場合、順序指標は良好になる。
時間指標処理部28は、時間指標を算出する。時間指標は、反復運動における所定条件を満たす時間の再現性が高い場合、良好になる。
再現性指標出力部29は、再現性指標を出力する。再現性指標は、パワー指標、順序指標および時間指標のうちのいずれか1つ以上により算出される。再現性指標は、パワー指標、順序指標および時間指標のうちのいずれか1つでも良いし、これらのうちの2つ以上を統合した指標でも良い。
(パワー指標処理部)
パワー指標処理部26は、所定時間毎の筋電位の積分値の分散から、パワー指標を算出する。
まずパワー指標処理部26は、RMSデータ12を、正規化する。RMSデータ12は、所定時間毎の筋電位のRMS値を含む。筋電位は、汗のかき方、筋肉に対する電極の位置、運動の強度等によって、大きく変化する。パワー指標処理部26は、汗のかき方、筋肉に対する電極の位置、運動の強度等による影響を抑えるため、移動窓内のRMS値を用いて、正規化した値を算出する。移動窓の窓幅は、運動のひとまとまりとして認識できる時間aである。本発明の実施の形態において窓幅の時間aは4秒である。移動窓のステップ幅は、RMSデータ12においてRMS値を算出した所定時間である。
このように設定された移動窓において、式(1)により正規化されたRMS値を、本発明の実施の形態において、正規化されたRMS値と称する。
Figure 0007239860000001
正規化されたRMS値は、[0,1]の範囲におさまる。RMS値の正規化は、各筋肉からそれぞれ取得したRMSデータ12のそれぞれのRMS値について行う。
1つの筋肉に着目してパワー指標を出力する場合、パワー指標処理部26は、その筋肉について、RMS値を正規化する。複数の筋肉に着目してパワー指標を出力する場合、パワー指標処理部26は、各筋肉について正規化済みRMS値を算出する。
パワー指標処理部26は、例えば、一つの筋肉について、その筋肉のオンセット区間毎に、RMS値の積分値を算出する。パワー指標処理部26は、所定区間に含まれるオンセット区間毎の積分値の分散を、この区間のパワー指標として出力する。
複数の筋肉についてパワー指標を算出する場合、パワー指標処理部26は、複数の筋肉のうちの1つの筋肉について、オンセット区間の時間を特定する。パワー指標処理部26は、特定された時間について、複数の筋肉のそれぞれのRMS値の積分値の平均を算出する。パワー指標処理部26は、所定区間に含まれるオンセット区間毎の積分値の合計の分散を、この区間のパワー指標として出力する。
所定区間は、例えば、複数のオンセット区間が含まれる連続した時間であって、所定区間毎に算出される分散を評価しやすい時間である。1つのオンセット区間は、反復運動の1回に対応する。所定区間は、運動および運動者によって異なるが、4秒ないし30秒程度が目安となる。
パワー指標が小さい場合、具体的には所定区間におけるオンセット区間毎の積分値の分散が小さい場合、この所定区間の複数回の反復運動において、毎回同様のパワーで運動が行われていることを示し、再現性が高いと評価される。パワー指標が小さいことは、再現性が高く、安定した反復運動であると評価される。
パワー指標が大きい場合、具体的には所定区間におけるオンセット区間毎の積分値の分散が大きい場合、この所定区間の複数回の反復運動において、毎回異なるパワーで運動が行われていることを示す。パワー指標が大きいことは、再現性が低く、不安定な反復運動であると評価される。
パワー指標処理部26は、所定時間毎の筋電位の積分値の標準偏差から、積分値の平均で割った変動係数を、パワー指標として算出しても良い。変動係数をパワー指標とすることで、積分値の大小に伴う影響を抑えて、パワー指標を、積分値の相対的な変動を示す指標とすることができる。
図9を参照して、パワー指標処理部26によるパワー指標処理を説明する。
まずステップS301においてパワー指標処理部26は、各筋のRMSデータ12を、式(1)により、正規化する。
パワー指標処理部26は、オンセット検出部23が検出した各オンセット区間について、ステップS302の処理を行う。ステップS302においてパワー指標処理部26は、処理対象のオンセット区間におけるRMS値の積分値を算出する。複数の筋肉についてパワー指標を算出する場合、パワー指標処理部26は、一つの筋肉のオンセット区間について、各筋肉のRMS値の積分値を算出して、積分値の平均を算出する。
各オンセット区間についてステップS302の処理が終了すると、パワー指標処理部26は、所定区間について、ステップS303の処理を行う。所定区間は、オンセット区間の時間よりも長く、複数のオンセット区間が収まる時間である。ステップS303においてパワー指標処理部26は、処理対象の区間について、S302で算出した積分値の分散を算出する。パワー指標処理部26は、算出した分散を、処理対象の区間のパワー指標とする。各区間についてパワー指標を算出すると、パワー指標処理部26は、処理を終了する。
図10に、ある所定区間における正規化したRMS値の遷移を示す。図10(a)は、プロ選手のデータであり、図10(b)は、アマチュア選手のデータである。図10(a)および(b)の上段は、左脚の筋肉群に関し、下段は、右足の筋肉群に関する。図10(a)および(b)において、太線は大腿二頭筋から取得したデータを示す。実線は大臀筋から取得したデータを示す。破線は、外側広筋から取得したデータを示す。
図10の各グラフにおいて、1つの山が1つのオンセット区間に対応する。図10に示す横軸は、1つの所定区間に対応する。図10に示す例において、1つの所定区間に、オンセット区間が5-6個程度含まれる。
図10(a)は、左脚および右足のいずれの筋肉においても、同様の傾向が繰り返され、大きな変化は見られない。プロ選手は、再現性の高い反復運動を繰り返していることがわかる。
図10(b)は、図10(a)と比べて、それぞれ異なる傾向を持つ。アマチュア選手は、再現性の低い反復運動を繰り返していることがわかる。特に、大臀筋の傾向においては、ばらつきが大きく、大臀筋を安定的に使えていないと考えられる。
図11は、所定区間毎に算出したパワー指標の遷移を示す。図11(a)は、プロ選手のデータであり、図11(b)は、アマチュア選手のデータである。図11は、それぞれ2つの筋肉についてのパワー指標の遷移を示す。
図11(a)は、いずれの筋肉についても、パワー指標が低く、再現性が高いことがわかる。図11(b)は、いずれの筋肉についても、パワー指標が高く、再現性が低いことがわかる。図11(b)において、大臀筋の方が、外側広筋に対応する筋肉よりもばらつきが大きい。大臀筋の再現性を高めることで、安定性が高まることが期待できる。
(順序指標処理部)
順序指標処理部27は、反復運動における複数の筋肉にそれぞれ対応する筋電位データ11において、筋肉ごとに、所定条件を満たす時間を特定し、特定された時間の順に並べた筋肉の識別子の順序を特定し、反復運動毎の筋肉の識別子の順序の差分から、順序指標を算出する。ここで所定条件は、所定条件は、筋電位が所定値よりも大きくなったオンセット区間の開始、ピークおよび終了のいずれかのタイミングである。
順序指標処理部27は、反復運動において、各筋の筋電位が所定条件を満たす時間の順序の再現性を示す順序指標を出力する。順序指標処理部27は、複数の筋肉のそれぞれについて、オンセット区間の開始、ピークおよび終了の時間を特定する。順序指標処理部27は、特定された各時間に基づいて、その時間に対応する所定条件が、同じ順序で現れる場合、再現性が高い順序指標を出力する。順序指標は、筋の連携(キネティックチェーンあるいはキネマティックチェーン)の安定性を表す指標である。
順序指標処理部27は、順序指標を算出する際、各筋肉のRMSデータ12の各RMS値を、式(1)に従って正規化したRMS値に変換する。順序指標処理部27は、所定区間の各筋肉のRMS値について、オンセット区間が開始した時間、RMS値がピークになった時間、およびオンセット区間が終了した時間を特定する。ここでピークは、オンセット区間の開始および終了の間に正規化したRMS値がピークとなった時間である。
例えば、A筋肉とB筋肉について、筋電位のピーク、オンセット区間の開始および終了の所定条件について、順序指標を算出する場合を説明する。正規化したRMS値を参照して、順序指標処理部27は、A筋肉の筋電位のピーク、オンセット区間の開始および終了の各時間を特定する。順序指標処理部27は、B筋肉の筋電位のピーク、オンセット区間の開始および終了の各時間を特定する。
順序指標処理部27は、特定した各時間に対応する所定条件を並べる。例えば、順序指標処理部27は、A筋肉のオンセット区間の開始、A筋肉のピーク、B筋肉のオンセット区間の開始、A筋肉のオンセット区間の終了、B筋肉のピーク、Bセットオンセット区間の終了・・・と、所定条件を並べて、所定条件の順序を特定する。
順序指標処理部27は、所定区間について、特定した所定条件の順序のばらつきを、順序指標として出力する。順序指標処理部27は、所定区間を複数のサブ区間に分割し、サブ区間毎の所定条件の順序のばらつきを算出する。サブ区間は、例えば、ある筋のオンセット区間の開始から次のオンセット区間の開始までの区間である。
順序指標処理部27は、例えば、各サブ区間における所定条件の順序を同一にするための並び替えの回数を、順序指標とする。順序指標処理部27は、ある基準となる順序になるように並び替える回数を、順序指標としても良い。並び替える回数が多い、具体的には各筋の筋電位が大きくなるタイミングの再現性が低い場合、順序指標は高くなる。並び替える回数が少ない、具体的には各筋の筋電位が大きくなるタイミングの再現性が高い場合、順序指標は低くなる。
他の実施例として順序指標処理部27は、例えば、オンセット区間の開始、ピークおよび終了のうちの1つのみの所定条件に基づいて、順序指標を出力しても良い。例えば、A筋肉のピークの後に、B筋肉のピークが来るケースが続く場合、順序指標は低く、再現性が高いことを示す。A筋肉のピークの後に、B筋肉のピークが来るケースもあれば、B筋肉のピークの後に、A筋肉のピークが来るケースがある場合、順序指標は高く、再現性が低いことを示す。
図12を参照して、順序指標処理部27による順序指標処理を説明する。
まずステップS321において順序指標処理部27は、各筋のRMSデータ12を、式(1)により、正規化する。
順序指標処理部27は、所定区間について、ステップS322ないしステップS324の処理を行う。所定区間は、オンセット区間の間隔よりも長く、複数のオンセット区間が収まる時間である。
ステップS322において順序指標処理部27は、正規化したRMS値が、複数の所定条件のそれぞれを満たす時間を特定する。ステップS323において順序指標処理部27は、ステップS322で特定した時間の順に、その時間に対応する所定条件を並べる。ステップS324において順序指標処理部27は、所定条件の順序のばらつきから、順序指標を出力する。
各区間について、ステップS322ないしステップS324の処理が終了すると、順序指標処理部27は、処理を終了する。
例えば、図10(a)に示すプロ選手の例において、外側広筋のオンセット区間開始、大臀筋のオンセット区間開始、大腿二頭筋のオンセット区間開始、外側広筋のピーク、大臀筋のピーク、外側広筋のオンセット区間終了、大腿二頭筋のピーク、大腿二頭筋のオンセット区間終了、大臀筋のオンセット区間終了の順序が繰り返される。プロ選手は、各筋の所定条件が同様の順序で繰り返され、安定して筋を使えていることがわかる。
これに対し図10(b)に示すアマチュア選手の例では、順序のばらつきが大きい。特に、大腿二頭筋に関する順序のばらつきが大きい。大腿二頭筋をうまく使うことにより、所定条件の順序のばらつきが軽減され、安定した反復運動を行うことが期待できる。
(時間指標処理部)
時間指標処理部は、反復運動における複数の筋肉にそれぞれ対応する筋電位データ11において、筋肉ごとに、所定条件を満たす時間を特定し、反復運動および筋肉毎に特定された時間の差分から、時間指標を算出する。ここで所定条件は、筋電位が所定値よりも大きくなったオンセット区間の開始、ピークおよび終了のいずれかのタイミングである。
時間指標処理部28は、反復運動において、各筋の筋電位が所定条件を満たす時間の再現性を示す順序指標を出力する。時間指標処理部28は、複数の筋肉のそれぞれについて、オンセット区間の開始、ピークおよび終了の時間を特定する。時間指標処理部28は、特定された各時間が、サブ区間のそれぞれにおいて、同じ時間で現れる場合、再現性が高い順序指標を出力する。サブ区間は、例えば、ある筋のオンセット区間の開始から次のオンセット区間の開始までの区間である。時間指標は、筋の連携(キネティックチェーンあるいはキネマティックチェーン)の安定性を表す指標である。
時間指標処理部28は、時間指標を算出する際、各筋肉のRMSデータ12の各RMS値を、式(1)に従って正規化したRMS値に変換する。時間指標処理部28は、所定区間の各筋肉のRMS値について、オンセット区間が開始した時間、RMS値がピークになった時間、およびオンセット区間が終了した時間を特定する。ここでピークは、オンセット区間の開始および終了の間に正規化したRMS値がピークとなった時間である。
例えば、A筋肉とB筋肉について、筋電位のピーク、オンセット区間の開始および終了の所定条件について、順序指標を算出する場合を説明する。正規化したRMS値を参照して、時間指標処理部28は、A筋肉の筋電位のピーク、オンセット区間の開始および終了の各時間を特定する。時間指標処理部28は、B筋肉の筋電位のピーク、オンセット区間の開始および終了の各時間を特定する。
時間指標処理部28は、特定した各時間を、サブ区間における時間に正規化する。正規化された時間は、サブ区間の時間を1とした、0から1までの値をとる。各筋の所定条件を満たした時間を、そのサブ区間における正規化された時間に変換することで、サブ区間の長さが異なる場合でも、同じ時間に所定条件を満たしているか否かを評価することができる。
時間指標処理部28は、正規化された時間の分散を、時間指標とする。所定区間に5つのサブ区間が含まれる場合、ある一つの所定条件を満たした正規化された時間は、概ね5つある。これらの5つの正規化された時間の分散から、時間指標を算出する。分散が大きい、具体的には同じ時間に所定条件を満たす再現性が低い場合、時間指標は高くなる。分散が小さい、具体的には同じ時間に所定条件を満たす再現性が高い場合、時間指標は低くなる。
複数の所定条件で時間指標を算出する場合、時間指標処理部28は、各所定条件について、その所定条件を満たす正規化された時間の分散を算出する。時間指標処理部28は、各所定条件について算出された分散の平均等から、時間指標を算出する。
図13を参照して、時間指標処理部28による順序指標処理を説明する。
まずステップS341において時間指標処理部28は、各筋のRMSデータ12を、式(1)により、正規化する。
時間指標処理部28は、所定区間について、ステップS342ないしステップS344の処理を行う。所定区間は、オンセット区間の間隔よりも長く、複数のオンセット区間が収まる時間である。
ステップS342において時間指標処理部28は、正規化したRMS値が、複数の所定条件のそれぞれを満たす時間を特定する。ステップS343において時間指標処理部28は、ステップS322で特定した時間を正規化する。ステップS324において時間指標処理部28は、正規化された時間のばらつきから、時間指標を出力する。
各区間について、ステップS342ないしステップS344の処理が終了すると、時間指標処理部28は、処理を終了する。
(再現性指標出力部)
再現性指標出力部29は、再現性指標を算出して出力する。再現性指標は、パワー指標、順序指標または時間指標である。あるいは再現性指標は、パワー指標、順序指標および時間指標のうちの2以上の指標を統合した指標である。再現性指標は、統合対象の指標にそれぞれ所定の重みをかけて足し合わせて、算出される。再現性指標出力部29は、時間毎の再現性指標を、再現性指標データに記憶する。
再現性指標出力部29は、各時刻における再現性指標を、時系列のグラフで表示しても良い。また再現性指標出力部29は、再現性指標そのものではなく、所定の変換により変換した結果を出力しても良い。再現性指標出力部29は、再現性指標「0」が100点となるように、再現性指標を100点満点の点数で指標化しても良い。再現性指標出力部29は、再現性指標0が“Good”となるように、“Good”、”Average”および”Bad”等の段階評価で指標化しても良い。
図14を参照して、再現性指標出力部29が出力する評価の一例を説明する。図14は、再現性指標から算出された各時刻のスコアである。再現性指標が0に近いほどスコアは100に近づき、再現性指標が高くなるほどスコアは0に近づく。さらに、図14は、スコアの遷移に従って、“Good”、”Average”および”Bad”の3つの評価が対応づけられる。図10(a)は、プロ選手のデータであり、図8(b)は、アマチュア選手のデータである。
図10(a)は、スコアが100に近い状態を維持しており、全般的に、”Good”の評価が与えられる。図10(b)は、図10(a)と比べてスコアが低く、最初は”Average”の評価が与えられるものの、さらにスコアが下がる後半では”Bad”の評価が与えられる。
実施の形態に係る筋電位処理装置1は、筋肉から測定された筋電位の傾向に基づいて、反復運動における各筋肉の動きの再現性を評価する再現性指標を出力することができる。
また筋電位処理装置1は、反復運動の習熟度が低いこと、あるいはフォームの変更等に伴う不安定感を、再現性指標により運動者に通知することができる。筋電位処理装置1は、効率的で自然な動作の習得および新たなフォームへの適合具合を評価することができる。
上記説明した本実施形態の筋電位処理装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit、プロセッサ)901と、メモリ902と、ストレージ903(HDD:Hard Disk Drive、SSD:Solid State Drive)と、通信装置904と、入力装置905と、出力装置906とを備える汎用的なコンピュータシステムが用いられる。CPU901は、処理装置20である。メモリ902およびストレージ903は、記憶装置10である。このコンピュータシステムにおいて、CPU901がメモリ902上にロードされた所定のプログラムを実行することにより、筋電位処理装置1の各機能が実現される。
なお、筋電位処理装置1は、1つのコンピュータで実装されてもよく、あるいは複数のコンピュータで実装されても良い。また筋電位処理装置1は、コンピュータに実装される仮想マシンであっても良い。
筋電位処理装置1のプログラムは、HDD、SSD、USB(Universal Serial Bus)メモリ、CD (Compact Disc)、DVD (Digital Versatile Disc)などのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶することも、ネットワークを介して配信することもできる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
1 筋電位処理装置
11 筋電位データ
12 RMSデータ
13 オンセットデータ
14 再現性指標データ
20 処理装置
21 筋電位取得部
22 前処理部
23 オンセット検出部
24 閾値決定部
25 評価部
26 パワー指標処理部
27 順序指標処理部
28 時間指標処理部
29 再現性指標出力部
30 入出力インタフェース
901 CPU
902 メモリ
903 ストレージ
904 通信装置
905 入力装置
906 出力装置

Claims (9)

  1. 反復運動を行う運動者の所定の筋肉に設定された電極から取得した筋電位の時間経過を示す筋電位データを生成する筋電位取得部と、
    前記反復運動の再現性を示す再現性指標を、前記反復運動における前記筋電位の推移の再現性から算出して、出力する評価部
    を備え
    前記再現性指標は、パワー指標であって、
    前記評価部は、所定時間毎の筋電位の積分値の分散から、前記パワー指標を算出する
    筋電位処理装置。
  2. 前記評価部は、所定時間毎の筋電位の積分値の標準偏差から、前記積分値の平均で割った変動係数を、前記パワー指標として算出する
    請求項1に記載の筋電位処理装置。
  3. 反復運動を行う運動者の所定の筋肉に設定された電極から取得した筋電位の時間経過を示す筋電位データを生成する筋電位取得部と、
    前記反復運動の再現性を示す再現性指標を、前記反復運動における前記筋電位の推移の再現性から算出して、出力する評価部
    を備え
    前記再現性指標は、順序指標であって、
    前記筋電位取得部は、複数の筋肉にそれぞれ対応する各筋電位の時間経過を示す筋電位データを生成し、
    前記評価部は、前記反復運動における前記複数の筋肉にそれぞれ対応する筋電位データにおいて、筋肉ごとに、所定条件を満たす時間を特定し、特定された時間の順に並べた筋肉の識別子の順序を特定し、反復運動毎の筋肉の識別子の順序の差分から、前記順序指標を算出する
    筋電位処理装置。
  4. 反復運動を行う運動者の所定の筋肉に設定された電極から取得した筋電位の時間経過を示す筋電位データを生成する筋電位取得部と、
    前記反復運動の再現性を示す再現性指標を、前記反復運動における前記筋電位の推移の再現性から算出して、出力する評価部
    を備え
    前記再現性指標は、時間指標であって、
    前記筋電位取得部は、複数の筋肉にそれぞれ対応する各筋電位の時間経過を示す筋電位データを生成し、
    前記評価部は、前記反復運動における前記複数の筋肉にそれぞれ対応する筋電位データにおいて、筋肉ごとに、所定条件を満たす時間を特定し、反復運動および筋肉毎に特定された時間の差分から、前記時間指標を算出する
    筋電位処理装置。
  5. 前記所定条件は、前記筋電位が所定値よりも大きくなったオンセット区間の開始、ピークおよび終了のいずれかのタイミングである
    請求項3または4に記載の筋電位処理装置。
  6. コンピュータが、反復運動を行う運動者の所定の筋肉に設定された電極から取得した筋電位の時間経過を示す筋電位データを生成するステップと、
    前記コンピュータが、前記反復運動の再現性を示す再現性指標を、前記反復運動における前記筋電位の推移の再現性から算出して、出力するステップ
    を備え
    前記再現性指標は、パワー指標であって、
    前記出力するステップは、所定時間毎の筋電位の積分値の分散から、前記パワー指標を算出す
    筋電位処理方法。
  7. コンピュータが、反復運動を行う運動者の所定の筋肉に設定された電極から取得した筋電位の時間経過を示す筋電位データを生成するステップと、
    前記コンピュータが、前記反復運動の再現性を示す再現性指標を、前記反復運動における前記筋電位の推移の再現性から算出して、出力するステップ
    を備え
    前記再現性指標は、順序指標であって、
    前記生成するステップは、複数の筋肉にそれぞれ対応する各筋電位の時間経過を示す筋電位データを生成し、
    前記出力するステップは、前記反復運動における前記複数の筋肉にそれぞれ対応する筋電位データにおいて、筋肉ごとに、所定条件を満たす時間を特定し、特定された時間の順に並べた筋肉の識別子の順序を特定し、反復運動毎の筋肉の識別子の順序の差分から、前記順序指標を算出する
    筋電位処理方法。
  8. コンピュータが、反復運動を行う運動者の所定の筋肉に設定された電極から取得した筋電位の時間経過を示す筋電位データを生成するステップと、
    前記コンピュータが、前記反復運動の再現性を示す再現性指標を、前記反復運動における前記筋電位の推移の再現性から算出して、出力するステップ
    を備え
    前記再現性指標は、時間指標であって、
    前記生成するステップは、複数の筋肉にそれぞれ対応する各筋電位の時間経過を示す筋電位データを生成し、
    前記出力するステップは、前記反復運動における前記複数の筋肉にそれぞれ対応する筋電位データにおいて、筋肉ごとに、所定条件を満たす時間を特定し、反復運動および筋肉毎に特定された時間の差分から、前記時間指標を算出する
    筋電位処理方法。
  9. コンピュータを、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の筋電位処理装置として機能させるための筋電位処理プログラム。
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