JP7239830B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

弾球遊技機に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出や、特別遊技への移行期待度の高さを予告的に示唆する予告演出によっても遊技者の期待感を高めている(例えば、特許文献1参照)。
近年、遊技性向上をさらに追求するために種別に縛られない機種開発の必要性が認識され、例えば同じ種別の遊技機を複数混在させたり、異なる種別の遊技機を混在させるようなぱちんこ遊技機の開発も進められている。また、小当りとなった場合に可変入球装置内の特定領域(Vゾーン)に遊技球を通過させることで「小当り」から「大当り」へと昇格させ、新たな特別遊技(以下、「小当り発展大当り」または「小当りV」ともいう)を発生させる遊技機も提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2003-230714号公報 特開2010-29308号公報
上述のように様々な遊技性を持つ多くの遊技機が提供されている中、遊技者を惹きつけるために演出の興趣性を高めることが一層重要になってきている。
本願発明は上記課題に鑑みたもので、演出の興趣性が高い遊技機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構を有する第2始動口と、第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、第1抽選値と第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、当否判定の結果を示すための図柄を変動表示させる図柄表示制御手段と、当否判定が当りを示す結果となって所定条件が満たされた場合に、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、特別遊技終了後における通常遊技の遊技状態を、第2始動口への入球容易性が通常状態より高まる入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、演出内容を表示する演出表示装置と、演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、を備える。演出決定手段は、入球容易状態において、第2抽選値が保留されていることを示す保留画像を複数種別の態様のうちどの態様で表示させるかを決定可能であり、入球容易状態における図柄変動に伴う演出は、表示された第2抽選値の保留画像の種別に応じて、当否判定の結果の表示に至るまでの演出過程が異なる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の弾球遊技機によれば、演出の興趣性を高めることができる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 メイン基板の機能構成を示すブロック図である。 当否判定テーブルを模式的に示す図である。 設定値ごとの当否抽選値の範囲設定を模式的に示す図である。 図柄判定テーブルを模式的に示す図である。 変動パターンテーブルを模式的に示す図である。 事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。 遊技設定に対応した事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。 サブ基板の構成を示すブロック図である。 携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。 メイン基板およびサブ基板のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 演出制御装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 ぱちんこ遊技機におけるメイン基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図15におけるS124の設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。 図15におけるS126の設定確認処理を詳細に示すフローチャートである。 図15におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 割込処理の詳細を示すフローチャートである。 ぱちんこ遊技機におけるサブ基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図20におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 メイン基板からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 サブCPUが制御CPUからコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 特別遊技の過程を示すフローチャートである。 小当り遊技の過程を示すフローチャートである。 第1実施例のぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 第1実施例における演出モードのチェンジ仕様を示す図である。 第2実施例のぱちんこ遊技機の遊技フローを示す図である。 保留チャージ演出の例を示す図である。 保留チャージ演出の例を示す図である。 特殊ボーナス演出の例を示す図である。 特殊ボーナス演出の演出過程を示す図である。 特殊演出パターンに基づく特殊演出のフローを示す図である。 特殊ステップアップ予告のフローを示す図である。 ツッコミ演出の禁則条件を示す図である。 ぱちんこ遊技機の前面側の構造を模式的に示す図である。
(前提技術)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が大当りした際の特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカー108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカー108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、本明細書において「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲート」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電動役物ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示部45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開され、第2始動口12への入球可能性が高まる。なお、変形例として作動口の個数を1個とし、遊技領域81の左側方位置に設ける構成としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球が排出される排出口であり、アウト検出装置39を備える。アウト検出装置39は、アウト口34を通過して排出される遊技球を検出するセンサであり、検出時にその検出を示す排出情報を生成する。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球がすべて誘導されて通過し得るよう、遊技領域81の中央最下端部に設けられる。アウト口34の球詰まりを防止するために十分な幅の遊技球通路を確保しつつ、アウト検出装置39を複数個並べて設ける仕様としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側下方に、図柄等表示ユニット120が配置される。図柄等表示ユニット120には、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42、第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普通図柄表示部45、普図保留表示部75、遊技状態表示部76、異常報知部77等の各表示部が設けられる。具体的には、第1の遊技に対応する第1特別図柄表示部41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示部42とが左側下位置に左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機とする第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機とする第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42へ表示され、または、所定の表示(例えば「-」)と非表示(例えば全消灯)とが所定時間繰り返された後に判定結果に対応した図柄が表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。なお、第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
また、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく、例えば液晶ディスプレイ等の他の表示装置に表示させる構成としてもよい。
第1特別図柄表示部41の上方には第1の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第1特図保留表示部71が設けられ、第2特別図柄表示部42の上方には第2の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第2特図保留表示部72が設けられる。第1特図保留表示部71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留されている数(以下、当否抽選値の保留されている数を単に「保留数」ともいう)を表示する。第1特図保留表示部71における保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留表示部72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における保留数を表示する。第2特図保留表示部72における保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
図柄等表示ユニット120における右側には、普通図柄表示部45が設けられる。普通図柄表示部45は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらの点灯組合せによって普通図柄の表示状態が表現される。まず、第1のランプと第2のランプを同時に点滅表示させることにより普通図柄の変動が表現され、最終的には第1のランプと第2のランプの点灯状態の組合せで普通図柄の停止図柄が表現される。例えば、第1のランプの点灯と第2のランプの消灯で外れの停止図柄が表現され、第1のランプの消灯と第2のランプの点灯で第1の当り態様が表現され、第1のランプと第2のランプの両方の点灯で第2の当り態様が表現される。
また、普通図柄表示部45の右側には普通図柄変動の保留ランプとして普図保留表示部75が設けられる。普図保留表示部75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
なお、図柄等表示ユニット120には遊技状態表示部76、異常報知部77が設けられている。遊技状態表示部76は、後述する特定遊技状態等の遊技状態に対応した表示をする表示部であり、例えば1つのランプと1つの7セグメントLEDで構成される。例えば、確率変動中の場合にランプを点灯表示、入球容易状態中の場合に点滅表示、通常状態の場合に消灯表示することにより各遊技状態を報知し、特別遊技の実行中は7セグメントLEDによりその特別遊技で実行する単位遊技数(ラウンド数)を表示する。異常報知部77は、遊技機の一部の異常を報知する表示部であり、例えば複数のランプで構成され、異常の種類に応じた点灯パターンにより異常を報知する。なお、これらの表示部を図柄等表示ユニット120に集約配置せず、各表示部を個別に構成してもよいし、または、適宜まとめた複数の表示装置に分けて構成してもよい。また、特定遊技状態等の遊技状態の報知は、例えば電源断から復帰した後の一定時間といった所定期間に限りなされるよう構成してもよい。
遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」~「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。演出表示装置60は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組み合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍(上球皿、右側装飾ランプなど)に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。演出表示装置60は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、前枠102に設けられる。演出ボタン109は、通常、前枠102内に格納されているが、演出ボタン109の裏側には棒状の部材が取り付けられており、棒状の部材と演出ボタン109とを盤面に略垂直な方向に突出させることができるように設けられる。棒状の部材と演出ボタン109は、外部に突出した状態において演出レバー112として機能し、遊技者は演出ボタン109を握持して演出レバー112を下方へ引くことができるようになっている。これによっても、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力することができる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成の遊技機においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車、センター飾り64等に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。セーフ球の排出はアウト検出装置39による検出の対象外とする仕様としてもよいし、セーフ球もアウト検出装置39が設けられた領域に誘導してその排出をすべてアウト検出装置39により検出する仕様としてもよい。あるいは、セーフ球の誘導およびアウト検出装置39によるセーフ球の検出はせず、セーフ球の検出球数をアウト球の検出球数に加算した合計を排出球数とする仕様としてもよい。
また、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、普通図柄表示部45において普通図柄が変動表示され、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止表示される。普通図柄が第1の当り態様または第2の当り態様で停止表示された場合、停止表示された図柄の当り態様と停止表示された際の遊技状態に基づいて普通電動役物90を拡開する。すなわち、図柄停止時の遊技状態が通常遊技状態で、普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として0.1秒間の短開放が実行される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合、通常時および特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第2の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として6秒間の長開放が実行される。ここで、普通図柄の当選確率と長開放の実行確率は、遊技状態によって異なるように設定される。具体的には、通常状態における開放抽選では、1/100の確率で普通図柄が当りとなり、その場合の短開放の実行確率(第1の当り態様の当り図柄が選択される確率)は1/3、長開放の実行確率(第2の当り態様の当り図柄を選択する確率)は2/3に設定される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)における開放抽選では、99/100の確率で普通図柄が当りとなり、第1の当り態様と第2の当り態様の選択確率は通常遊技状態と変わらないものの、いずれの態様で当選しても長開放が実行されるように設定される。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能(1/100から99/100に確率変動)と開放時間の延長機能(第1の当り態様で停止表示した場合の開放時間を0.1秒から6.0秒に延長)により、第2始動口12への入球容易性を高めている。なお、普通電動役物90の作動期間を延長させる機能(長開放)を「開放延長」と呼ぶこともある。
なお、上述のように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高い仕様とすることで、普通図柄の当選時には通常状態でも一定の割合で長開放が実行されるようにする。変形例として、通常状態では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよいし、必ず短開放となる仕様としてもよい。また、入球容易状態のときには、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。なお、通常状態における開放抽選の当り確率をゼロ(0/100)に設定し、入球容易状態において開放抽選がなされた場合に限り普通電動役物90が拡開されうる仕様としてもよい。さらに、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
一方、第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。以下、変動演出パターンにしたがって表示される装飾図柄61の変動表示を例示するとともに、変動演出パターンについて簡単に説明する。なお、変動パターンおよび変動演出パターンの決定方法等の詳細は別途説明する。
装飾図柄61の変動表示の一例としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。なお、装飾図柄190の変動停止時の動作として、1列ずつではなく複数列同時に停止させるよう制御して変動表示中に装飾図柄以外の演出表示を注目させてもよいし、より短い変動時間で図柄変動を表示できるようにしてもよい。また、装飾図柄190の変動開始時の動作として当該変動におけるその後の展開(演出パターンの種類等)に応じて一部の列の変動開始を遅延させるように制御して、期待感を演出するようにしてもよい。
次に、変動演出パターンについて簡単に説明する。変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
なお、当否抽選の保留数が所定数(例えば3個)になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または10回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、10回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。10回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「10R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。なお、単位遊技は10回繰り返されるものの、一部の単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間(例えば1.6秒)開放させることで実質的に少数回の単位遊技が繰り返されたものと同様の通常特別遊技(「実質nR大当り」と称する場合もある)を実現することもできる。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間が短く、または、ほとんどなく(0.1秒など)、1回の単位遊技で大入賞口20を1.6秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロまたは少数(例えば数球~数10球程度など、1ラウンドに1~2球程度までの入球に応じた払出数)に等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。なお、単位遊技の回数は通常特別遊技と同じものの、全ての単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間開放させることで短縮特別遊技を実現することもできる。
また、上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約1.6秒間だけ開放され、外観上は2R大当りと近似する動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様(例えば「777」)であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。なお、所定条件が成立した場合に確変であるか非確変であるかを演出表示装置60に明示してもよい。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出装置154等を含む。払出装置154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出装置154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源基板158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。メイン基板200の基板上には、性能表示部159が設けられる。性能表示部159は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を、例えば4桁の数字を表示する4つの7セグメントLEDで構成される。
メイン基板200の基板上には、設定変更装置170が設けられる。設定変更装置170は、複数の遊技仕様に対応する複数の設定(遊技設定ともいう)のいずれかに設定を変更するための装置である。遊技設定として例えば6段階の設定(設定1~設定6)が用意され、遊技設定に応じて大当りとなる確率を異ならせることができる。具体的には、設定1から設定6のうち数値が大きいほど遊技者に有利な遊技仕様にでき、設定1から設定6までの大当り確率のそれぞれをM1~M6とした場合、M1≦M2≦M3≦M4≦M5≦M6となるように各設定の大当り確率を定めることができる。異なる遊技設定に対して異なる大当り確率を割り当てることは必須ではなく、異なる遊技設定間で大当り確率が同一となるようにしてもよい。例えば、設定1から設定6までの全ての遊技設定に対して同一の大当り確率を割り当ててもよい。
設定変更装置170は、遊技店の従業員が持つ設定キーを挿入する設定キーシリンダ171と、複数の遊技設定のいずれかに設定を変更するための設定変更ボタン172と、設定された設定値を点灯表示する設定表示部173と、設定された設定値を記憶する設定メモリとを含む。設定キーシリンダ171は、設定を変更できる状態(以下「設定変更状態」という)や設定を確認できる状態(以下「設定確認状態」という)へ移行するためのターンキー型のスイッチである。まず、電源スイッチ150をオフにし、設定キーシリンダ171に設定キーを挿入して設定キーを回してオン状態にしてから、電源スイッチ150をオンにすると、設定変更状態または設定確認状態へ移行する。設定変更状態へ移行するためには、RAMクリアスイッチ(「RWMクリアスイッチ」と呼称する場合もある)を押下しながら電源スイッチ150をオンにする。一方、設定確認状態へ移行するには、RAMクリアスイッチを押下せずに電源スイッチ150をオンにする。
設定変更状態へ移行した場合、設定表示部173に遊技設定の初期値として設定1を示す「1」の数字が表示され、設定変更ボタン172を押下することで設定を変更できる。設定表示部173は、1桁の数字を表示する7セグメントLEDで構成される。設定変更ボタン172を1回押下するごとに設定表示部173に表示される設定値が1→2→3→4→5→6→1→・・・というように順番に変更される。設定を変更した後に設定キーシリンダ171に挿入した設定キーを元に戻してオフ状態にすると、そのときに設定表示部173に表示されている設定値が設定メモリに記憶されて設定変更が確定し、遊技可能な状態となる。一方、設定確認状態へ移行した場合、設定メモリに記憶された設定値が設定表示部173に表示される。設定確認状態では、設定変更ボタン172を押下しても設定表示部173に表示される設定値は切り替わらず、設定を変更することはできない。その後、設定キーシリンダ171に挿入した設定キーを元に戻してオフ状態にすると、遊技可能な状態となる。なお、設定キーをオフ状態にして遊技可能な状態にすると、設定表示部173が消灯し、現在の設定値を視認できない状態となる。
なお、設定変更ボタン172は、RAMクリアスイッチと兼用されてもよい。この場合、設定キーが回されていない状態(設定キーオフ状態)でRAMクリアスイッチが押されたまま電源投入があれば、RAMクリアが実行される。一方、設定キーが回された状態(設定キーオン状態)でRAMクリアスイッチが押されたまま電源投入があれば、RAMクリアの実行とともに設定変更状態へ移行する。また、設定キーオフ状態でRAMクリアスイッチが押されずに電源投入があれば、RAMクリアを伴わない電源復帰となる。一方、設定キーオン状態でRAMクリアスイッチが押されずに電源投入があれば、設定確認状態へ移行する。また、設定表示部173は、性能表示部159と兼用されてもよい。この場合、兼用表示部は、遊技可能状態の場合には性能表示部159として機能し、設定変更状態または設定確認状態の場合には設定表示部173として機能してもよい。その他、設定変更装置170を設けないこととし、遊技設定の変更が不可となるようにしてもよい。
<機能ブロック>
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。以下、各構成を用いて実現される機能を説明するが、本明細書中では、物理構成と機能構成を整合させるため、例えばメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157等、物理構成として既に説明している部分については便宜上その用語をそのまま使用する場合がある。
ぱちんこ遊技機100は、遊技機外部から供給される交流電源(AC24V等)に基づいて遊技機内で使用する電源を生成する電源基板158と、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、賞球払出しを制御する枠制御装置としての払出制御基板155と、遊技領域への遊技球の発射を制御する発射制御基板157と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。
メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口群(第1一般入賞口33a,第2一般入賞口33b)、アウト口34、図柄等表示ユニット120、外部情報出力端子160と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。払出制御基板155は、メイン基板200、発射制御基板157、払出装置154と電気的に接続されている。払出制御基板155は、メイン基板200から送信される賞球払出やメイン基板200の制御状態を示す信号等に基づいて発射の許可信号を発射制御基板157に送信して発射制御基板157を間接的に制御するとともに、払出装置154による賞球の払出を制御する。払出装置154は、払出モータ166と球計数センサ167を含む。発射制御基板157は、払出制御基板155、発射装置156、球送装置164と電気的に接続されており、払出制御基板155から送信される発射の許可信号等に基づいて球送装置164および発射装置156を制御して遊技球を発射させる。サブ基板300は、演出表示装置60、可動役物66(駆動モータ67、位置検出センサ68)、スピーカー108、演出用入力操作装置115(演出ボタン109、十字キー110)、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。
メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向となるよう一方向でのデータ送受信にて全体動作を実現するための各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、サブ基板300は、メイン基板200で生成された情報が送信されない限りその情報を参照することはできない。また、メイン基板200と払出制御基板155の間、払出制御基板155と発射制御基板157の間は、双方向でデータ送受信がなされる。ただし、メイン基板200とサブ基板300の間と同様、メイン基板200から払出制御基板155への一方向でのデータ送受信とする構成や、払出制御基板155から発射制御基板157への一方向でのデータ送受信とする構成にしてもよい。
なお、以下に説明するメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157、サブ基板300に含まれる各機能ブロックはあくまで例示にすぎず、変形例として、一部の機能ブロックが他の基板に搭載されてもよい。例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックがサブ基板300に搭載される形で構成してもよいし、発射制御基板157に含まれる機能ブロックが払出制御基板155に搭載される形で構成してもよい。また、例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックの一部がメイン基板200に搭載される形で構成してもよいし、残りの部分が払出制御基板155に搭載される等、機能ブロックの一部を複数の基板に分割して設け、全体として1つの機能ブロックが構成されるようにしてもよい。
<メイン基板200>
図4は、メイン基板200の機能構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、性能表示部159、乱数生成手段202、第1抽選手段211、第2抽選手段212、事前判定手段235、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276、メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284、設定変更手段286、設定確認手段287、コマンド通信手段205を備える。
<入球判定手段201>
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。入球判定手段201は、排出情報を受け取ると遊技球がアウト口34を通過したと判断する。入球判定手段201は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を算出して性能表示部159に表示させる。入球判定手段201は、大当りとなる確率が通常確率状態かつ通常入球状態(いわゆる低確率かつ低入球である低低状態)のときの「払出球数」÷「アウト球数」×100の値を性能表示部159に表示させる。したがって、性能表示部159は、低ベース状態でのベースを表示する。
<乱数生成手段202>
乱数生成手段202は、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213での各種決定に用いるための乱数を生成する。具体的には、乱数生成手段202は、第1当否判定手段221、第2当否判定手段222による当否抽選で使用する乱数(「当否抽選値」ともいう)として「0」から「65535」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1図柄決定手段226、第2図柄決定手段227による図柄決定(図柄抽選)で使用する乱数(「図柄決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1変動パターン決定手段231、第2変動パターン決定手段232による変動パターンの決定で使用する乱数(「変動パターン決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普図抽選手段213による当否抽選で使用する乱数として「0」から「99」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普通図柄の決定の際に使用する乱数として「0」~「2」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。なお、ここでいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数のほか、16ビットカウンタを利用した乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数を組み合わせて生成する乱数でもよい。また、第1抽選手段211および第2抽選手段212で取得する乱数は、同じ生成手段により生成された乱数を取得してもよいし、別の生成手段により生成された乱数を取得してもよい。
<普図抽選手段213>
普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに、普通図柄の当否抽選に用いる乱数と普通図柄の停止図柄決定に用いる乱数とを乱数生成手段202から取得して抽選を実行する。普図抽選手段213は、普通図柄の当否判定のために参照する普通図柄当否判定テーブル(不図示)と、普通図柄表示部45に表示させる普通図柄の停止図柄決定のために参照する普通図柄判定テーブルとを保持する。普通図柄当否判定テーブルには当否抽選用の抽選値と当りとの対応関係が、普通図柄判定テーブルには停止図柄決定用の抽選値と普通図柄との対応関係がそれぞれ定められており、前述した当り確率と図柄の選択確率に基づいて普通図柄の当否および停止図柄が決定される。普図抽選手段213は、普通図柄の当否抽選用の抽選値が当りに該当する場合、普通図柄判定テーブルを参照して普通図柄の停止図柄を決定し、普通図柄の当否抽選用の抽選値が外れに該当する場合はつねに1の外れ図柄の態様を決定する。普通図柄の当否判定の結果が当りに該当し、普通図柄が所定の図柄(第1の当り態様または第2の当り態様)で停止すると、後述する開閉制御手段275が停止図柄の態様と遊技状態に応じて第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、後述する保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
<第1抽選手段211および第2抽選手段212>
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1抽選手段211による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第1特別図柄表示部41において第1特別図柄51の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2抽選手段212による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第2特別図柄表示部42において第2特別図柄52の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。
<第1抽選値取得手段216および第2抽選値取得手段217>
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1抽選手段211による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の第1当否抽選値、第1図柄決定手段226による第1特別図柄51の停止態様決定用の第1図柄抽選値、第1変動パターン決定手段231による第1特別図柄51の変動パターン(変動時間)決定用の第1パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2抽選手段212による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第2当否判定手段222による当否判定用の第2当否抽選値、第2図柄決定手段227による第2特別図柄52の停止態様決定用の第2図柄抽選値、第2変動パターン決定手段232による第2特別図柄52の変動パターン(変動時間)決定用の第2パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。当否判定では、より具体的には、特別遊技へ移行することを示す「大当り」、小当り遊技へ移行することを示す「小当り」、特別遊技および小当り遊技には移行しないことを示す「外れ」、のいずれに該当するかが判定される。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、後述する事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。なお、本明細書において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルとして、それぞれの当否判定に対応するテーブルを保持する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の当否判定テーブル(「第1当否判定テーブル」ともいう)と、第2当否判定手段222による当否判定用の当否判定テーブル(「第2当否判定テーブル」ともいう)を保持し、実行する当否判定に応じて参照するテーブルを選択する。複数の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。また、複数の遊技設定に対応する複数種類の当否判定テーブルが用意され、例えば設定1から設定6までの遊技設定のそれぞれに対し、当否抽選値と当否判定結果との対応関係が異なる当否判定テーブルが用意される。なお、複数の遊技設定間で大当り、小当り、外れの確率が同一である場合には、複数の遊技設定で共通となる当否判定テーブルが用意されてもよい。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図は、特定の遊技設定に対応する当否判定テーブルを示し、設定6に対応する当否判定テーブルを示す。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0~299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0~299の範囲に該当する場合だけでなく、300~2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が64000~65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が56500~65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第1当否抽選よりも第2当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。また、「当否」を「当りか否か」の観点で捉える場合には、「小当り」は「大当り」とともに広義の「当り」に含めて考えてもよい。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。また、「小当り」については、第1の遊技と第2の遊技の一方のみに設けることとしてもよいし、いずれの遊技にも設けないこととしてもよい。その場合、対応する当否判定テーブルに小当りに対応する値が設定されない。
図6は、設定値ごとの当否抽選値の範囲設定を模式的に示す。本図(a)は、第1当否判定手段221が取得する第1当否抽選値と当否判定結果の対応関係を示す。本図(b)は、第2当否判定手段222が取得する第2当否抽選値と当否判定結果の対応関係を示す。通常時および確変時に大当りとなる第1当否抽選値および第2当否抽選値の範囲は、設定値「1」であれば0~294、設定値「2」であれば0~295、設定値「3」であれば0~296、設定値「4」であれば0~297、設定値「5」であれば0~298、設定値「6」であれば、0~299である。したがって、設定値が大きくなるほど通常時に大当りとなる当否抽選値の範囲が増え、通常時に大当りとなる確率が高められる。また、確変時にのみ大当り(つまり、通常時は外れ)となる第1当否抽選値および第2当否抽選値の範囲は、設定値「1」であれば295~2949、設定値「2」であれば296~2959、設定値「3」であれば297~2969、設定値「4」であれば298~2979、設定値「5」であれば299~2989、設定値「6」であれば、300~2999である。したがって、設定値が大きくなるほど確変時に大当りとなる当否抽選値の範囲も増え、確変時に大当りとなる確率も高められる。なお、通常時に大当りとなる通常時大当り確率と、確変時に大当りとなる確変時大当り確率との比は、設定値に拘わらず一定となるように当否抽選値の範囲が定められる。本図では、通常時大当り確率に対して確変時大当り確率が10倍となるように当否抽選値の範囲が定められており、全ての設定値「1」~「6」において共通となっている。また、小当りとなる確率は、設定値に拘わらず一定となるように当否抽選値の範囲が定められる。全ての設定値「1」~「6」において、第1当否抽選値の範囲が64000~65535に該当した場合に小当りとなり、第2当否抽選値の範囲が56500~65535に該当した場合に小当りとなる。大当りまたは小当りとなる範囲外の当否抽選値の範囲は「外れ」となる。本図では、設定値ごとに大当り確率を異ならせているが、異なる設定値間で大当り確率が同一となるように当否抽選値と当否判定結果の対応関係を定めてもよい。
<第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227>
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、乱数生成手段202から取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。具体的には、第1図柄決定手段226は第1当否判定手段221による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持し、第2図柄決定手段227は第2当否判定手段222による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持する。第1当否判定手段221は、大当り時に参照する大当り時第1図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第1図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第1図柄判定テーブルを保持する。第2当否判定手段222は、大当り時に参照する大当り時第2図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第2図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第2図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定の結果に応じて参照する図柄判定テーブルを選択する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、後述する事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」~「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」~「4」が大当りに対応し、「5」~「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図7(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」~「4」が大当りおよび大当り後の確率変動の有無に対応付けられている。具体的には、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う10R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0~99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0~144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う4R大当り(または「実質4R当り」)を示し、第1図柄抽選値の場合は「100~149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145~149」に対応付けられる。種類「2」は確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150~189」に種類「2」が対応付けられる。種類「3」は通常大当りとして確変を伴わない10R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150~189」に種類「3」が対応付けられる。種類「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「230~255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類(すなわち、大当りの内容とその後の確率変動の有無)ごとの選択確率が定まる。
なお、特別図柄の種類をより多く設けることも可能であり、その場合には複数の特別図柄の種類に対応して1の大当り種類が定まるように構成することで、図柄種類を増やしつつ大当りの種類を少なく設定することができる。あるいは、増加した図柄種類に対応させてより多くの大当りの種類に細分化することも可能である。さらに、第1の抽選時と第2の抽選時とで異なる図柄種類を設けることも可能である。この場合には、第1の抽選時に選択される特別図柄の種類、第2の抽選時に選択される特別図柄の種類のそれぞれに対応するように1の大当り種類が定まるように構成される。ただし、第1の抽選と第2の抽選とで確率変動の割合が同一となるように設定することが望ましい。
図7(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。したがって、外れの場合には必ず同じ特別図柄が停止表示することが決定される。なお、外れの場合に停止表示する特別図柄を複数設けることも可能である。
図7(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」~「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0~49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50~99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100~149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150~199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200~255」に対応付けられる。
なお、本実施例においては、メイン基板200における記憶領域を節約するために、事前図柄判定においても図7のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」~「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。なお、事前図柄判定テーブルとして、さらに細分化し複雑な判定を実施可能としたもの、または同様の特別遊技を実行する大当り図柄の判定範囲をまとめて簡易的にしたものを利用するようにしてもよい。また、本実施例のように外れの際に一律に図柄が定まる場合は、取得した図柄抽選値を参照することなく、また、外れ時用の図柄判定テーブルを用意することなく、特定の図柄を決定してもよい。
<第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232>
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示部41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232、メイン基板200の制御手段は、変動開始条件を満たした際に変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと、始動口への入球時に先読み処理の実行判定のための情報生成に使用する事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、図柄変動の表示過程が定められた各変動パターンには、実質的には、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。また、後述する装飾図柄の変動演出パターンの選択に資するため、同一の変動時間でありながら異なる種類の変動パターンとして定義する場合もある。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図8(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0~4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5~9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10~19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20~29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30~255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0~2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは10R大当りとなった場合、パターン抽選値が0~123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124~248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249~252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253~255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0~122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123~255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0~10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。なお、図8に示す実施例では、事前パターン判定にて当否判定結果別にテーブルを有するように例示しているが、当否抽選結果にかかわらず1の事前パターン判定テーブルを用いて、乱数値がおよそどの範囲に位置するかに関する情報のみを導き出すようにするとともに、サブ基板300の制御手段側で、事前当否判定結果とともに、いかなる変動が実行されるかを判断するように制御してもよい。
時短状態において参照する図8(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図8(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図8(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2~4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。なお、第1変動パターン決定手段231と第2変動パターン決定手段232で異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよいし、遊技状態に応じて異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよい。例えば、第2の抽選を第1の抽選より有利な設定とし、第2の抽選を第1の抽選に優先して処理するような遊技機では、時短に伴う入球容易状態にもかかわらず第2の抽選の保留が枯渇して第1の抽選が連続実行されてしまう状況は遊技者にとって好ましくない。そのため、入球容易状態における第1の抽選における外れ変動では、変動時間を短縮しない長時間(例えば10秒)の変動パターンが保留数に拘らず一律に選択されるような変動パターンテーブルを参照することとしてもよい。
<保留制御手段240>
図4に戻り、保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選値または第2当否抽選値が取得されるときに、それ以前に取得されていた第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動が表示されている場合、新たに取得された第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。ここで、第1特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第1当否抽選値、第1図柄抽選値、第1パターン抽選値を記憶し、第2特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第2当否抽選値、第2図柄抽選値、第2パターン抽選値を記憶する。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普図保留表示部75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
<メイン表示制御手段250>
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示部41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示部42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、後述するコマンド通信手段205により変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示部45に表示させる。
<特図調整手段276>
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
<事前判定手段235>
事前判定手段235は、第1抽選事前判定手段236と第2抽選事前判定手段237を含む。第1抽選事前判定手段236は、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231による各種判定の実行前に、第1抽選値取得手段216が取得した各種乱数を用いて第1特図制御手段251による第1特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。第2抽選事前判定手段237は、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232による各種判定の実行前に、第2抽選値取得手段217が取得した各種乱数を用いて第2特図制御手段252による第2特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。
第1抽選事前判定手段236は、第1抽選手段211に係る事前判定用の判定テーブルとして、第1事前当否抽選値判定テーブル、第1事前図柄抽選値判定テーブル、第1事前変動パターン乱数値判定テーブルを保持する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前当否抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1当否抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前図柄抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1図柄抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前変動パターン判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1変動パターン抽選値が属する乱数グループを判定する。そしてこれらの判定結果を事前判定結果として一時的に記憶して、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により事前判定結果に関する情報をサブ基板300に送信する。
図9は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)は、第1始動口11への入球時に図9(a)の第1事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0~299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300~2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000~63999」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「64000~65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第1事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1図柄抽選値が「0~99」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「100~149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「150~189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「190~229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「230~255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第1事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1パターン抽選値が「0~9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「10~29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「30~255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第1始動口11への入球を示す(第1当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)は、第2始動口12への入球時に図9(b)の、第2事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0~299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300~2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000~56499」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「56500~65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第2事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2図柄抽選値が「0~144」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「145~149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「150~189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「190~229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「230~255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第2事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2パターン抽選値が「0~9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「10~29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「30~255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第2始動口12への入球を示す(第2当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
なお、事前判定手段235による事前判定結果として一時記憶された各種情報は、保留記憶数と同様に、それぞれ4個を上限に所定の事前判定結果記憶領域に記憶する。なお、事前判定結果を保留制御手段240が記憶する保留記憶領域を用いて記憶してもよい。事前判定手段235による事前判定結果を後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により演出決定手段303に送信したことに基づいて当該情報を消去するようにしてもよい。このように、他の領域と共用したり、送信完了に基づいて情報を消去することにより、メイン基板200における記憶領域の効率利用が期待できる。また、事前判定用の判定テーブルとして、事前判定専用のテーブルを設けずに、本判定用の判定テーブルを用いてもよく、第1の遊技に関する事前当否判定と第2の遊技に関する事前判定とで一部または全部が共通の事前判定テーブルを共用してもよい。このように、他の判定テーブルと共用することで、メイン基板200におけるデータ容量の削減が期待できる。なお、事前判定手段235の判定結果として送信する内容は、例えば、当否の判定結果のみを送信するなど、適宜選択することも可能である。また、事前判定手段235により判定することなく、第1抽選値取得手段216、第2抽選値取得手段217で取得した乱数の値を前述のコマンド通信手段205によりサブ基板300に送信し、サブ基板300により事前判定の内容を判断するように構成してもよい。
事前判定手段235は、設定変更装置170により設定される設定値に応じて、当否抽選値と事前当否判定結果との対応関係が異なる事前当否抽選値判定テーブルを参照してもよい。上述の当否判定テーブルと同様、複数の遊技設定に対応する複数種類の事前当否抽選値判定テーブルを用意し、遊技設定の設定値に応じて参照する事前当否抽選値判定テーブルを切り替えてもよい。その他、複数の遊技設定間で共通利用できる事前当否抽選値判定テーブルを用いてもよい。この場合、遊技設定の設定値と事前当否判定結果の値の組み合わせにより当否が事前判定されてもよい。
図10は、遊技設定に対応した事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図(a)は、第1抽選事前判定手段236が参照する事前当否判定テーブルであり、本図(b)は、第2抽選事前判定手段237が参照する事前当否判定テーブルである。当否抽選値が「0~294」の場合には事前当否判定結果が「11」となり、全設定1~6において大当りとなることを示す。当否抽選値が「295」の場合には事前当否判定結果が「12」となり、通常時の設定2以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「296」の場合には事前当否判定結果が「13」となり、通常時の設定3以上または確変時の全設定にて大当りとなることを示す。当否抽選値が「297」の場合には事前当否判定結果が「14」となり、通常時の設定4以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「298」の場合には事前当否判定結果が「15」となり、通常時の設定5以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「299」の場合には事前当否判定結果が「16」となり、通常時の設定6または確変時の全設定にて大当りとなることを示す。また、当否抽選値が「300~2949」の場合には事前当否判定結果が「21」となり、確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2950~2959」の場合には事前当否判定結果が「22」となり、確変時の設定2以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2960~2969」の場合には事前当否判定結果が「23」となり、確変時の設定3以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2970~2979」の場合には事前当否判定結果が「23」となり、確変時の設定4以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2980~2989」の場合には事前当否判定結果が「25」となり、確変時の設定5以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2990~2999」の場合には事前当否判定結果が「26」となり、確変時の設定6において大当りとなることを示す。さらに、(a)に示す第1当否抽選値が「3000~63999」となる場合、および、(b)に示す第2当否抽選値が「3000~56499」となる場合、事前当否判定結果が「30」となり、全設定において外れとなることを示す。また、(a)に示す第1当否抽選値が「64000~65535」となる場合、および、(b)に示す第2当否抽選値が「56500~65535」となる場合、事前当否判定結果が「40」となり、全設定において小当りとなることを示す。このような事前当否判定テーブルを用いることにより、遊技設定の設定値ごとに適切な事前当否判定結果を示すことができる。
<特別遊技制御手段260>
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を10回繰り返す10R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、10R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。10R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。10R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約1.6秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、10R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
<小当り遊技制御手段265>
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約0.8秒間だけ開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
<特定遊技制御手段270>
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および普通図柄の時短、並びに第2始動口12の開放延長の3つの機能のうち少なくともいずれかが実施されることにより、第2始動口12への入球頻度(入球容易性)が向上する。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。
<開閉制御手段275>
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
<メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284>
メイン初期処理実行手段280は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるメイン基板200の制御開始処理を実行する。メイン電断処理実行手段282は、電源断などの電源異常発生時にメイン基板200における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。メインエラー検出手段284は、メイン基板200における異常検知処理を実行する。なお、メイン基板200の制御開始処理、異常時対応処理、および異常検知処理については後述する。
<設定変更手段286、設定確認手段287>
設定変更手段286は、遊技設定を変更するための「設定変更処理」を実行する。設定変更手段286は、設定キーシリンダ171がオン状態のときにRAMクリアスイッチを押しながら電源スイッチ150がオンにされた場合、上述の設定変更状態へ移行させる。設定変更手段286は、設定変更状態へ移行された場合、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173に表示させる。設定変更手段286は、設定変更ボタン172の押下に応じて設定表示部173に表示される設定値を1→2→3→4→5→6→1→・・・のように順番に変更し、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173の表示と同じ値に更新する。設定変更手段286は、設定キーシリンダ171がオフ状態にされた場合、設定変更状態を終了させ、設定表示部173を消灯させる。
設定確認手段287は、遊技設定を確認するための「設定確認処理」を実行する。設定確認手段287は、設定キーシリンダ171がオン状態のときにRAMクリアスイッチが押されずに電源スイッチ150がオンにされた場合、上述の設定確認状態へ移行させる。設定確認手段287は、設定確認状態へ移行された場合、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173に表示させる。設定確認手段287は、上述の設定変更手段286と異なり、設定変更ボタン172が押下されたとしても設定表示部173に表示される設定値を変更せず、設定メモリに記憶される設定値も更新しない。設定確認手段287は、設定キーシリンダ171がオフ状態にされた場合、設定確認状態を終了させ、設定表示部173を消灯させる。
なお、設定メモリで管理する設定値データは「1」~「6」の数値ではなく、代わりに「0」~「5」の数値を用いてもよい。この場合、設定値「0」が設定1に対応し、設定値「1」が設定2に対応し、設定値「2」が設定3に対応し、設定値「3」が設定4に対応し、設定値「4」が設定5に対応し、設定値「5」が設定6に対応してもよい。設定値データの正常値として「0」を用いることにより、RAM異常時にRAMクリア処理をして設定値データを初期値「0」にセットしたときに異常判定されなくなるため、異常時のRAMクリア処理を簡易化できる。また、設定値データを利用して何らかの抽選を実行する場合、例えば、先読み処理において設定値毎に異なるテーブルやデータを選択する場合に、その選択のためのオフセット処理を簡略化できるという利点もある。例えば、設定値データとして「1」~「6」を用いる場合、テーブルやデータ選択のオフセットデータとしてこれらの値をそのまま使用する際には開始アドレスを-1する等の追加処理が必要となる。一方、設定値データとして「0」~「5」を用いる場合には、設定値データの数値をそのままオフセットデータとして使用できる。なお、設定変更手段286および設定確認手段287は、設定値データとして「0」~「5」の数値を用いる場合、設定値データの数値をそのまま設定表示部173に表示してもよいし、設定値データの数値に+1を加えた数値を設定表示部173に表示してもよい。後者の場合、「0」~「5」の数値データが遊技設定における設定1~設定6の数値に変換されて表示されるため、遊技機の管理者にとって分かりやすい表示とすることができる。
<コマンド送信手段>
コマンド通信手段205は、払出等の実行に必要な制御コマンドを払出制御基板155に送信する払出制御コマンド通信手段206と、演出制御等の実行に必要な制御コマンドをサブ基板300に送信するサブ制御コマンド送信手段207を含む。払出制御コマンド通信手段206は、入球判定手段201による各入賞口への入球の判定に基づいて各入賞口に対応した数の賞球の払出を指示する払出コマンドを送信し、メイン基板200で発生したエラーの状態等を示すコマンドを送信する。サブ制御コマンド送信手段207は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
サブ制御コマンド送信手段207は、第1特図制御手段251および第2特図制御手段252が第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。また、サブ制御コマンド送信手段207は、事前判定手段235による事前判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず事前判定結果に対応する入賞口(第1始動口11、第2始動口12)の種別情報、保留個数の情報、遊技状態等と併せて演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。これにより、サブ基板300の側にとっては受信した事前判定結果により、図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。なお、サブ基板300が行う事前判定情報に基づく処理等については後述する。サブ制御コマンド送信手段207は、特別遊技制御手段260による特別遊技に関する情報、小当り遊技制御手段265による小当り遊技に関する情報、普図抽選手段213による抽選結果の情報、設定変更手段286により設定される遊技設定の設定値情報をサブ基板300に送信する。また、サブ制御コマンド送信手段207は、メイン初期処理実行手段280およびメインエラー検出手段284等による初期処理に関する情報やエラーに関する情報等、メイン基板200での各種制御、または、メイン基板200に送信される各種信号等に関する情報を適宜、サブ基板300に送信する。
図11は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304、計時手段307、演出設定手段308、サブ初期処理実行手段360、サブ電断処理実行手段362、サブエラー検出手段364、コマンド受信手段370、サブ側事前判定手段371を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
コマンド受信手段370は、コマンド通信手段205から送信される各種コマンドを受信し、サブ側事前判定手段371は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を保持する。演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374を含む。通常演出決定手段373は、コマンド通信手段205から送信される第1当否抽選の判定結果または第2当否抽選の判定結果の情報に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。演出決定手段303は、コマンド通信手段205から送信される遊技設定の設定値に応じて演出内容を決定する。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。通常演出決定手段373は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定され、コマンド通信手段205から送信された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。通常演出決定手段373は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。通常演出決定手段373は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。なお、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を参照して通常演出決定手段373により変動演出パターンを決定する場合があってもよく、先読み演出決定手段374による先読み演出の内容と併せて変動演出パターンを決定する場合があってもよい。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205からの事前判定結果と、サブ基板300に保持する過去の事前判定結果や遊技状態情報等に基づいて本判定の結果をより精度よく特定し、その特定した結果に基づいて本判定前から先読み演出を実行するか否か、および、その実行内容を決定する。具体的には、先読み演出決定手段374は、現在の遊技状態が確率変動遊技中であるかを判定した上で、今回受信した事前判定結果より前の事前判定結果に基づいて通常遊技状態に移行するか否かを判定する。その判定結果を踏まえ、今回受信した事前判定結果に係る本判定の当否結果や選択される変動パターン等を特定し、当該特定結果に基づいて先読み演出の実行可否、先読み演出の実行内容を決定する。なお、演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374とが協同している部分が多いため、特に必要な部分を除き、両者を包括した演出決定手段303として説明する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは10R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや10R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターン(リーチ後予告)と、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターン(リーチ前予告)とがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことを新たな装飾図柄の変動表示の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305、音声制御手段306、ランプ制御手段309を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカー108からの音声出力を制御する。ランプ制御手段309は、装飾ランプ111の点灯および消灯を制御する。
第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中、演出表示装置60には図柄変動中であることを示す画像を表示する必要がある。通常、ある程度の大きさを持つ通常サイズの装飾図柄61を変動表示させるが、通常サイズの装飾図柄61の変動表示の視認性を阻害する態様で、装飾図柄61の変動以外を主要な演出内容とする特殊な演出を表示させてもよい。この場合、通常サイズの装飾図柄より小さいサイズの装飾図柄である代替図柄を変動表示させることにより図柄変動中であることを遊技者に提示する。以下、単に装飾図柄と呼ぶ場合は通常サイズの装飾図柄を意味するが、代替図柄と区別する場合、通常サイズの装飾図柄を「通常装飾図柄」や「メイン装飾図柄」とも呼ぶ。
代替図柄は、通常装飾図柄の視認性が阻害される間、例えば通常装飾図柄が非表示となる間に表示される。代替図柄は、当否判定結果を演出的に示唆するための装飾図柄の一形態であり、通常装飾図柄よりも簡略化(言い換えれば簡易化、簡素化)された表示形態を有し、通常装飾図柄よりも簡略化された変動過程にて表示される。代替図柄は、通常装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有し、例えば、図柄種類を示す数字、文字、記号を表す表示形態を有する。また代替図柄は、通常装飾図柄が変動表示される領域よりも狭い領域で変動表示され、典型的には図柄以外の要素によるメイン演出を阻害しにくい位置、例えば演出表示装置60の画面の隅で変動表示される。代替図柄は、通常装飾図柄よりも相対的に小さく表示されるが、少なくとも図柄種類が外観上識別可能となる表示形態を有する。なお代替図柄は、通常装飾図柄をそのまま縮小したものでもよく、サイズ以外は通常装飾図柄と同一であってもよい。
複数の通常装飾図柄の代わりに表示される複数の代替図柄は、変動終了時の停止態様の組合せによって当否抽選の結果が遊技者に有利な状態となる期待度の高さを示唆する。例えば、複数の代替図柄は、3つの代替図柄のうち2つの図柄種類が揃ったリーチ状態となることによって当該変動における大当りの期待度が高いことを示唆する。また、リーチ状態となる左右図柄が「3」や「7」などの期待度が相対的に高いことを示唆する特定種類の図柄となることや、「1」や「2」などの期待度が相対的に低いことを示唆する種類の図柄となることによって、そのリーチ状態の期待度の高低を示唆してもよい。なお代替図柄は、外観上、確定的な停止状態になることはなく、微小な揺れが維持される仮停止状態になる。代替図柄の仮停止後に、代替図柄に代えて通常装飾図柄を表示させ、その通常装飾図柄を確定停止の状態で表示させてもよい。また、通常装飾図柄と代替図柄を排他的に表示するのではなく、表示期間の重複があってもよい。さらにまた、通常装飾図柄の視認性が阻害される所定の演出時に、通常装飾図柄の変動表示を継続するとともに代替図柄の変動を表示させてもよい。代替図柄とは異なり、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中に演出表示装置60の所定の領域において、代替図柄と同程度かそれよりも小さい画像にて特別図柄が変動中であることを示唆する簡易図柄を変動表示してもよい。簡易図柄は、通常装飾図柄と同様に3つの図柄組合せの変動表示で構成してもよいし、一つの図柄の変動表示で構成してもよいし、単なる記号(「○」「×」など)を順次切り替える形で構成してもよい。簡易図柄は通常装飾図柄や代替図柄の変動表示態様とは関連性を持たせず、特別図柄の変動開始から変動終了まで一定の変動を表示し、停止表示時には通常装飾図柄の停止表示態様と関連した表示をしてもよい。なお、簡易図柄は、特別図柄の変動表示中であることの示唆および特別図柄の結果が最低限報知されるものであればよく、2つの図柄組合せで表示するものなど適宜変更可能である。また、簡易図柄を「サブ装飾図柄」「サブ装図」「ミニ装飾図柄」「ミニ装図」などと呼んでもよい。演出表示装置60とは別に簡易図柄と同等の表示をLED等の発光態様によって示す第4図柄と呼ばれる装飾図柄の変動表示を用いてもよい。第4図柄は、演出表示装置60に不具合が発生した場合などにおいて、遊技の進行(特別図柄の変動中表示、結果表示)を示すために用いられる。第4図柄の表示態様の一例として、LEDが「白」、「青」、「緑」、「黄」、「橙」、「赤」と順次点灯(消灯を含む点滅としても可)していくことで変動表示してもよいし、特別図柄の種類に応じてある単色で点滅することで変動表示を示唆し、停止表示した際の発光色で外れや大当りの種類を示唆してもよい。
計時手段307は、遊技に使用する時間情報を出力する計時回路である。計時手段307は、電源投入時からの時間をカウンタで計測して時間情報として出力するタイマ回路である。ただし、電池を内蔵してぱちんこ遊技機100の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路でもよい。リアルタイムクロック回路の場合、個体差や時刻ズレによって遊技台ごとの時刻に微差が生じる可能性があるのに対し、タイマ回路の場合、同時に電源投入する限り複数の遊技台の間で時刻の差が生じる可能性は小さい。
演出決定手段303は、計時手段307により出力される時間情報が所定の時間を示したことを契機とする所定タイミングに開始する同調演出を実行する。同調演出は、図柄変動の変動期間や遊技状態とは実質的に非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。同調演出の演出パターンはパターン記憶手段302に格納されており、その演出パターンには所定の楽曲と映像の再生が定められている。同調演出の演出パターンは複数種類用意され、月、日付、曜日、時刻などの日時によって異なる種類の演出パターンが選択され得る。
同調演出は通常遊技中か特別遊技中かを問わず実行される。ここで「通常遊技中」には、いわゆる待機デモ画面の表示中も含まれる。すなわち「通常遊技中」には、(1)図柄が変動表示されている「変動表示中通常遊技」、(2)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中でもない「変動停止中通常遊技」、(3)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中である「待機デモ画面表示中通常遊技」、が含まれる。(1)~(3)のいずれの期間中も同調演出は実行され得るが、(2)および(3)のときは同調演出における音量低減や輝度低減などの制御をする出力態様が(1)のときとは異なり得る。また、待機デモ画面表示中は、遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作によって後述の携帯連携システムに関する情報を入力でき、その操作入力があったときは同調演出の映像および音声の出力が抑制され、携帯連携システムによる演出カスタマイズなどの画面表示が優先される。
同調演出は、例えば所定の楽曲の演奏や映像を所定の時間(「同調演出開始時間」と呼ぶ)に再生する演出である。同調演出を再生する契機となる時間は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間であってもよいし、標準時を基準とした毎正時または正時半の時刻であってもよい。あるいは、日付または曜日によって異なり得る時刻が設定されてもよく、「1時間ごと」のように一定間隔ではなく、最初は1時間後、次は3時間後、というように間隔が異なったり、その間隔が日付や曜日によって異なったりしてもよい。遊技店ごとに遊技店員によって時間を指定できる可変設定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時間となったことを契機にそれら複数の遊技台において一斉に同じ同調演出が実行される。その結果、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲や映像が流れることでその場でライブ演奏や映画の上映がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。
同調演出の機能は同じ機種の別の遊技台にも同様に内蔵されており、同じ遊技島における複数の遊技台は毎日遊技店員によって同時に電源投入される。そして、同時に電源投入される複数の遊技台はすべてほぼ同時に同調演出開始時間を迎えることとなり、一斉に同時進行で同調演出を実行し得ることになる。これを複数台同期演出と呼ぶ。その場合、映像の表示が複数台で同調するだけでなく、効果音や背景音楽の出力もまた複数台で同調することとなり、同調する台数が多いほど一斉に演出を実行することによる相乗効果も高まる。
演出設定手段308は、遊技者の遊技履歴を記憶する。遊技履歴とは、遊技結果の履歴および演出結果の履歴を含む。遊技結果の履歴は、打球数、賞球数、大当り回数、確変回数、時短回数といった遊技の結果として遊技者が得られる出玉につながる遊技の結果である。演出結果の履歴は、遊技上の利益とは異なり、演出の内容や種類を変更できる権利や特定種類の演出を出現しやすくできる権利が付与されるといった利益を獲得するために記録される演出上の得点等の情報である。例えば、所定の演出の出現回数やミニゲームの結果などを得点化して遊技者に付与するために、その得点や遊技履歴を示す符号化情報、例えば二次元コードを画面に表示する。その二次元コードを遊技者が自分の携帯端末のカメラで読み取って復号すると、復号により得られた得点や遊技履歴の情報が遊技者の携帯端末に蓄積される。二次元コードを介した遊技機と遊技者の携帯端末との連携システムについては後述する。なお、ここでいう得点は、後述の演出カスタマイズの幅を広げるために必要となるもので、得点が所定の累積値に達すること(例えば1000ポイントに到達することや、100ポイント到達ごと、など)を契機として、カスタマイズ可能な項目が増加する仕様である。
演出設定手段308は、遊技者の選択指示および遊技履歴に基づき、演出カスタマイズとして複数種類の演出内容の選択肢からいずれを選択するかの設定を記憶する。例えば、特別遊技中に表示させる演出パターンとして、表示されるモチーフやキャラクタや楽曲が異なる複数種類の演出パターンがパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの演出を表示させるかを遊技者に選択させることとする。または、図柄変動させる装飾図柄に含まれる絵柄のデザインとして複数種類のモチーフまたはキャラクタの絵柄がパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの絵柄を表示させるかを遊技者に選択させることとする。それらの場合に、待機デモ画面の表示中に遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作を受け付け、その操作を介して演出パターンの選択がなされると、演出設定手段308はその選択内容を記憶する。演出決定手段303は、演出設定手段308により記憶された設定に応じて、特別遊技中の演出パターンの種類を選択する。
サブ初期処理実行手段360は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるサブ基板300の制御開始処理を実行する。サブ電断処理実行手段362は、電源断などの電源異常発生時にサブ基板300における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。サブエラー検出手段364は、サブ基板300における異常検知処理を実行する。サブエラー検出手段364が電源断を検出すると、サブ電断処理実行手段362は、電源断処理としてRAMのデータをバックアップ用RAMにバックアップする。
図12は、携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。携帯連携システムの前提として、遊技者はあらかじめ携帯端末354で専用サイトが設けられた遊技履歴サーバ358にアカウントおよびパスワードを設定することでユーザ登録しておく。遊技開始時において遊技者により演出ボタン109が押下されたとき、演出表示制御手段305が演出表示装置60の画面に遊技履歴サーバ358の専用サイトのアドレスを符号化した二次元コード350を表示させ、それを遊技者に携帯端末のカメラで読み取らせて遊技履歴サーバ358の専用サイトにアクセスさせる。その専用サイトから遊技者の識別情報や演出得点履歴を符号化した文字情報(これを「パスワード情報」とも呼ぶ)が携帯端末に送信され、携帯端末の画面に表示される。そのパスワード情報の入力画面を演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示させ、十字キー110等のボタン操作を介して遊技者に入力させる。入力されたパスワード情報を演出設定手段308が復号して遊技者の識別情報や演出得点履歴として登録することにより、その遊技者の前回までの遊技内容や演出得点状態を引き継ぐことができる。このパスワード情報の入力が、その遊技者の遊技履歴の記録開始指示および各種演出要素を選択する演出カスタマイズの開始指示となる。以降、ぱちんこ遊技機100においては遊技や演出の進行に伴い、演出設定手段308がその遊技者に対して演出上の利益として付与する得点を随時加算して演出得点履歴として累積させるとともに、遊技者は随時、演出カスタマイズを実施して、各種演出要素として好みの要素を選択して設定することができる。演出上の得点付与は、図柄変動ごとに加算することを基本とし、特別遊技への移行期待度が高い演出種類ほど高い得点を付与し、特別遊技へ移行したときも高い得点を付与する。
演出カスタマイズとして、遊技者は累積的に獲得した得点の一部を利用し、その利用するポイント数に応じて、演出表示装置60に表示される演出内容を構成する色、背景、形状、キャラクタ、楽曲などの演出要素を好みの種類に変更することができる。演出設定手段308は、遊技者によるボタン操作を介した演出要素の変更指示を受け取り、その指示に応じて各種演出要素を変更する。カスタマイズできる演出要素は、その要素ごとに複数種類の項目が用意され、項目ごとに必要なポイント数として異なる値が設定されている。したがって、累積された得点が所定値に達することを契機にカスタマイズ可能な項目が増え、あるいはカスタマイズ可能項目を増加させるチャンスが付与されることとなる。遊技者が遊技ないし演出カスタマイズの終了指示としてボタン操作をすると、演出設定手段308は、演出上の特典や演出得点履歴などの情報を符号化した二次元コード350を生成し、これを演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示する。その二次元コード350を遊技者が自身の携帯端末のカメラで読み取り、その読み取った二次元コード352を復号することにより情報を取得して携帯端末354に蓄積できる。またその情報は携帯端末354から専用サイトのある遊技履歴サーバ358へネットワーク356を経由して送信され、自身のアカウント情報と紐付けられて管理される。このように、演出上の特典や演出得点履歴などの情報が二次元コード350の表示およびその読み取りという伝送手段を介して携帯端末354へ伝達され、遊技履歴サーバ358にて管理されることで、次回の遊技で遊技や演出の内容を引き継ぐことができる。また、長く遊技を続けることで図柄変動回数や演出回数が増える分、得点を得ることができる。
図13は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出制御装置313などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出制御装置313、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカー108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータおよび音声パターンデータを演出制御装置313へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出制御装置313を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出制御装置313とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図14は、演出制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出制御装置313は、制御CPU320、制御RAM322、データROM324、表示制御回路326、音声制御回路314を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データおよびモーションデータや、音声出力に用いられる音声データなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。音声データは、演出中に出力される楽曲、背景音、効果音、キャラクタのセリフといった音声のデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から制御RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が制御CPU320によって実行される。その結果、制御CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。同様にして、制御CPU320から音声制御回路314へ音声出力に関するコマンド、音声データが送信され、音声制御回路314により音声出力制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
制御CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、制御CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本実施例では、演出制御装置313のハードウェア構成として、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出制御装置313に含まれる制御CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出制御装置313に含まれる制御RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本実施例では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が制御CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が制御RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図15は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、メイン初期処理実行手段280により実行されるが、以降、メイン初期処理実行手段280として機能するメインCPU290が実行するものとして説明する。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
メインCPU290は、設定キーの操作状態を確認し、設定キーがON状態であれば(S105のY)、RAMクリアスイッチの操作状態を確認する。RAMクリアスイッチがONされていれば(S122のY)、設定変更処理を実行する(S124)。一方、RAMクリアがOFFであれば(S122のN)、設定確認処理を実行する(S126)。なお、S105にいて、設定キーがOFF状態であれば(S105のN)、S122~S126の処理をスキップする。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。なお、S116の初期化処理では、設定変更装置170の設定メモリに記憶される設定値はクリアされず、S124の設定変更処理で設定された設定値がそのまま保持される。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図16は、図15におけるS124の設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。遊技設定の設定値が記憶されるべき設定メモリの値を確認し、設定メモリ値が正常でなければ(S132のN)、設定値を初期化して初期値にする(S134)。設定値データとして「1」~「6」を用いる場合、初期値として「1」をセットし、設定値データとして「0」~「5」を用いる場合、初期値として「0」をセットする。設定メモリ値が正常であれば(S132のY)、S134の処理をスキップする。つづいて、設定変更状態へ移行し(S136)、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部173に表示させる(S138)。設定変更ボタン172による変更操作があれば(S140のY)、設定表示部173に表示される設定値を更新するとともに、設定メモリに記憶される設定値を更新する(S142)。変更操作がなければ(S140のN)、S142の処理をスキップする。設定キーがONのままであれば(S144のN)、S138~S142の処理を繰り返す。設定キーシリンダ171に挿入される設定キーが元に戻されてOFFになれば(S144のY)、設定表示部173を非表示にして設定値が視認できない状態にし(S146)、リターンする。
図17は、図15におけるS126の設定確認処理を詳細に示すフローチャートである。遊技設定の設定値が記憶されるべき設定メモリの値を確認し、設定メモリ値が正常でなければ(S152のN)、設定値を初期化して初期値にする(S154)。設定メモリ値が正常であれば(S152のY)、S154の処理をスキップする。設定確認状態へ移行し(S156)、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部173に表示させる(S158)。設定キーがONのままであれば(S160のN)、S158の処理を繰り返して設定値の表示を継続し、設定キーがOFFになれば(S160のY)、設定表示部173を非表示にして設定値が視認できない状態にし(S162)、リターンする。
図18は、図15におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源基板158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200~S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202~S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。なお、上記の電源断時の処理は、メインCPU290により実現されるメイン電断処理実行手段282が実行する。
図19は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力ポートのデータを監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。なお、この入力状態を示すデータは、レベルデータ(今回の割込時における入力ポートのデータ)と、立ち上がりデータまたは立ち下がりデータ(今回の割込時における入力ポートのデータと前回の割込時における入力ポートのデータを排他的論理和で比較して切り替わりが見られたスイッチを示すデータ)である。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。各種制御用のタイマの値をそれぞれテーブルにしたがってメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値を順次デクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の第1作動口31、第2作動口32の通過を監視し、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示部45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電動役物ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、事前判定情報(事前当否判定情報、事前図柄判定情報、事前パターン判定情報)、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。なお、上記の例では、メインCPU290において、事前判定処理のためのコマンドの送信を制御したが、別の例では、始動口への入球がある場合には一様に送信を行い、先読み可能期間であるか否かなどの各種の状況判断は、サブCPU310が行ってもよい。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。大当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求(「右打ち」など推奨発射位置を示唆する演出を実行させるためのコマンド要求)を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)~(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様をエラー状態に応じて制御してもよい。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、連続オン時間(例えば、スイッチがオンであるとき割込み毎にインクリメントするカウンタの値)が異常値であったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様を入球通過時間異常に応じて制御してもよい。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示、エラーの表示、賞球比率の表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電動役物ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電動役物ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部情報出力端子160に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数(ハード乱数)、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期値更新型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0~232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0~999(図7の例では0~255)の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0~49999(図8の例では0~255)の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図20は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、サブ初期処理実行手段360により実行されるが、以降、サブ初期処理実行手段360として機能するサブCPU310が実行するものとして説明する。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、制御CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図21は、図20におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図20のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。サブエラー検出手段364として機能するサブCPU310は、エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図22は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図21のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図23は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から制御CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、制御CPU320へ送信する(S626)。なお、制御CPU320へのコマンドデータの送信は、制御CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が制御CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図24は、サブCPU310が制御CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が制御CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から制御CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。制御CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図25は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や制御CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0~15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが制御CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。制御CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、制御CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、制御CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に制御CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から制御CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した制御CPU320はリセットを実行する。制御CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図26は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図27は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図28は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図29は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。小当り遊技において、1回だけ実行される単位遊技を開始し(S819)、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
前提技術においては、第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方が概ね多い、すなわち、第1の遊技よりも第2の遊技の方が1回の大当りにおける賞球獲得期待値が多くなるように設計されていたが、別の例では、第1の遊技の方が第2の遊技よりも賞球獲得期待値が多くなるように設計されてもよいし、第1の遊技と第2の遊技の賞球獲得期待値が概ね等しくなるように設計されてもよい。後者の場合、第1の遊技において実行される特別遊技と第2の遊技において実行される特別遊技に含まれる単位遊技の数の平均が等しくなるように設計されてもよい。例えば、第1の遊技においては、100%の確率で単位遊技が7回実行される特別遊技が実行され、第2の遊技においては、50%の確率で単位遊技が4回実行される特別遊技が、50%の確率で単位遊技が10回実行される特別遊技が実行されてもよい。また、いずれの場合においても、大入賞口に特定領域が設けられ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球または特定領域を通過した場合に、特別遊技終了後の通常遊技において確変状態などの特定遊技が実施されるように構成されてもよい。この場合、第1の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技よりも、第2の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技の方が、特定領域への入球容易性が高く、特別遊技の終了後に確変状態の通常遊技が実行される確率が高くなるように構成されてもよい。例えば、特定領域への入球が相対的に困難となる特別遊技が実行される第1当りと、特定領域への入球が相対的に容易となる特別遊技が実行される第2当りとが設けられ、第1の遊技よりも第2の遊技の方が第2当りとなる確率が高いように構成されてもよい。または、第1の遊技において第2当りとなる確率は100%未満であるが、第2の遊技において第2当りとなる確率は100%であるように構成されてもよい。
<第1実施例>
以下の説明では、演出の画像を演出表示装置60に表示する処理を、演出決定手段303の動作として説明することがあるが、前述したように、実際には、サブCPU310により実現される演出決定手段303(サブメイン)が、制御CPU320により実現される演出制御手段304(サブサブ)に、表示すべき演出の画像に関するコマンドを送信し、演出制御手段304が表示制御回路326を制御して演出の画像を演出表示装置60に表示する。したがって、以下の説明において演出決定手段303を主体として説明される動作は、演出制御手段304又は表示制御回路346を主体として表現されてもよい。なお、以下の説明で、画像を表示する構成は、画像が示す情報を音声により出力する構成に適宜置き換え可能である。
第1実施例のぱちんこ遊技機500は、上述の前提技術を基本構成とする他、種々の特徴的な構成を有する。以下、前提技術との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略する。第1実施例のぱちんこ遊技機500を構成する要素のうち、前提技術で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付して説明する。
第1実施例のぱちんこ遊技機500は、前提技術のぱちんこ遊技機100と同様に、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、1つの大入賞口を備える。また、第1実施例のぱちんこ遊技機500は、前提技術のぱちんこ遊技機100と同様に、第2特別図柄52(以下「特図2」とも呼ぶ。)の変動を、第1特別図柄51(以下「特図1」とも呼ぶ。)の変動より優先して実行する(特図2優先消化)。その一方、第1実施例のぱちんこ遊技機500は、小当りVの機能を備える点で前提技術のぱちんこ遊技機100と異なる。なお、第1始動口11への入球を契機として取得された抽選値の保留であり、言い換えれば、特図1の変動の保留を「特図1保留」とも呼び、第2始動口12への入球を契機として取得された抽選値の保留であり、言い換えれば、特図2の変動の保留を「特図2保留」とも呼ぶ。
第1実施例のぱちんこ遊技機500では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入球すると第1の当否抽選または第2の当否抽選が実行され、その抽選の判定結果が大当りとなると大入賞口20が開放を繰り返す特別遊技が開始される。一方、第1の当否抽選または第2の当否抽選の判定結果が小当りと呼ばれる所定の結果になった場合は、大入賞口20の総開放時間が短時間となる開放がなされる小当り遊技が実行される。この小当り遊技は、大当りの場合に複数回繰り返される単位遊技を1回分しか有しないため大当りとは区別される。
小当り遊技が実行されている場合に、大入賞口20へ入球した遊技球が大入賞口20内のVゾーンと呼ばれる特定領域に入球すると、特別電動役物を連続作動させ大当り遊技を実行するための役物連続作動装置を作動させる条件装置が作動して、小当りから大当りへと昇格し、大入賞口20が長時間開放される単位遊技を複数回繰り返す特別遊技が実行される。いわゆる小当りVが発生する。すなわち、特別遊技制御手段260は、特別図柄が大当りを示す態様で停止表示された場合、または、小当り遊技中に大入賞口20内に入球した遊技球が大入賞口20内部の特定領域を通過した場合に特別遊技を実行する。そのため、第1実施例における小当り遊技は従来にいう第2種ぱちんこ遊技と略同様の動作となる。小当りVを採用する機種と、第2種ぱちんこ遊技との違いとして、小当りVでは、小当り遊技を実行する契機となった特別図柄の停止表示態様(いわゆる1種の当りの種類)によって、特定領域への入球時に作動する条件装置(役物連続作動装置)を異ならせることができ、1回のV入賞で得られる利益に変化をつけられる点にある。
特別遊技が終了すると、所定の確率(第1実施例では100%)で変動時間短縮遊技(以下「時短」と呼ぶ。)と呼ばれる特定遊技に移行する。時短は、特別遊技の終了後、新たな大当りが発生するか、または、特別図柄の変動回数が所定回数に達するまで継続される。第1実施例の時短は、第2始動口12への入球容易性を通常状態より高めた状態であり、また、前提技術における入球容易状態に対応するものであり、電チューサポートとも呼ばれる。時短は、(1)特別図柄の変動時間短縮、(2)普通図柄の確変、(3)普通図柄の変動時間短縮、(4)普通電動役物90の開放時間延長を含む。普通電動役物90は、第2始動口12への遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構である。
また後述するように、第2始動口12への入球を契機とする当否抽選では小当りに判定される確率が高く設定される。したがって、第2始動口12への入球容易性が高まる時短中および時短終了直後の期間(第2始動口12への入球に基づく特図2保留が消化される期間)には小当りが発生しやすく、小当りVの発生可能性も高まる。なお、小当りVと対比される大当りであり、図柄変動が大当りを示す態様で停止表示されたことを契機に特別遊技が開始される大当りを以下「図柄大当り」とも呼ぶ。通常状態(非時短状態)の通常遊技では、まずは第1始動口11に入球させて、特図1の図柄大当りを獲得して時短に移行させる。そして、時短において第2始動口12に入球させて小当りVまたは図柄大当りを獲得し、その特別遊技終了後にも時短が継続することで小当りVおよび図柄大当りの連続を狙っていく遊技性となる。本第1実施例のように、小当りVを採用するぱちんこ遊技機においては、設定機能を搭載する場合に設定値に影響を受けない小当りから発展する大当りを特定遊技における主の遊技目的とすることから、前提技術のような特別図柄の当否抽選に係る確変機能を備える機種における特定遊技(確変状態)と比較して、特定遊技中の遊技性の設定差を抑えることが可能となる。具体的には、100回継続するの特定遊技を行う場合に、小当りV(小当り確率1/100)を採用する機種の場合、特定遊技中に小当りから大当りを獲得できる可能性は約63%であるが、前提技術のような確変機(確変中確率:設定1=1/100、設定6=1/80)の場合、確変中に大当りとなる確率は63%(設定1)~71%(設定6)と大きく変化する。
図30は、第1実施例のぱちんこ遊技機500の前面側における基本的な構造を示す。第1始動口11は、遊技領域81の中央下部であり、センター飾り64の下位置に設けられる。第1始動口11は、第1の強度(第1実施例では相対的に弱い強度、言い換えれば左打ち)で発射された遊技球が入球可能または入球容易となる位置に設けられる。一方、第2始動口12、大入賞口20、作動口30は、第1の強度とは異なる強度(第1実施例では相対的に強い強度、言い換えれば右打ち)で発射された遊技球が入球可能または入球容易となる位置に設けられる。第1実施例では、左打ちされた遊技球は第2始動口12、大入賞口20、作動口30へ入球しないよう、かつ、右打ちされた遊技球は第1始動口11へ入球しないよう、遊技領域81に遊技釘や風車が配置され、また遊技球の流路が設定される。なお、作動口30は、前提技術の第1作動口31および第2作動口32に対応するものであり、作動口30内部には、前提技術の第1通過検出装置36および第2通過検出装置37に対応する通過検出装置35が設けられる。
大入賞口20の内部には、遊技球が通過することにより小当り発展大当りが発生する特定領域が設けられており、特定領域通過検出装置504は、特定領域を遊技球が通過した場合にそのことを検出する。特定領域開閉ソレノイド506は、特定領域の状態を、遊技球が通過不可能な閉鎖状態と、遊技球が通過可能な開放状態との間で切り替える切替部材を制御する。特定領域開閉ソレノイド506は、開閉制御手段275の制御に応じて、当否抽選の結果(当否判定の結果とも言える)が小当りの場合、特定領域を開放状態とするよう切替部材を制御する。特定領域への入球を検出すると、特別遊技へ移行する旨の決定がなされる。特定領域への入球が未検出の場合、小当り遊技の終了後に通常遊技に戻る。
第1実施例に係る特別遊技には、停止時の図柄が大当りとなることを契機に実行される第1特別遊技(図柄大当り)と、停止時の図柄が小当りとなった後に小当りが大当りに発展することを契機として実行される第2特別遊技(小当りV、小当り発展大当り)とがある。第1特別遊技は、前提技術に示した特別遊技と同様であり、すなわち図柄大当りを契機とする。第2特別遊技は、小当り遊技中に遊技球が特定領域を通過したこと(「V入賞」とも呼ぶ。)を契機とした、条件装置の作動と役物連続作動装置の作動に伴う特別遊技である。
遊技領域81の外側右下位置には、遊技機500の遊技状態を示すための状態表示ランプ502が設けられる。状態表示ランプ502は、例えば、二つのランプによって構成され、第1のランプは時短状態(本実施例では普通電動役物の入球容易状態を伴う)であるか否かを示し、第2のランプは右打ちをすべき遊技状態(普通電動役物の入球容易状態や、特別電動役物の作動状態)であるか否かを示す。第1のランプは、時短状態の通常遊技である場合に点灯し、通常状態の通常遊技である場合に消灯する。第2のランプは、右打ちをすべき遊技状態である場合、つまり、時短状態、小当り遊技状態または特別遊技状態にある場合に点灯し、通常状態である場合に消灯する。したがって、状態表示ランプ502の第2のランプは、いわゆる右打ち表示灯として機能し、一定の表示態様にて右打ちをすべき遊技状態であるか否かを表示する。
第1実施例のぱちんこ遊技機500では、特図1の図柄大当りの確率と、特図2の図柄大当りの確率はともに1/220(設定1)~1/189(設定6)である。ぱちんこ遊技機500では、特別図柄の確率変動機能を備えないため、図柄大当りの確率は変動せず、設定値によって定められた確率毎に常時一定確率で抽選される。また、特図1の小当り確率は0であり、特図2の小当り確率は1/7.7であり、第1特別遊技(図柄大当り)または第2特別遊技(小当りV、小当り発展大当り)の後に移行する特定遊技(入球容易状態)において特図2を主体として変動表示させ、高確率で当選する小当りから第2特別遊技を実行することを繰り返すことにより大量の出玉を得る(連荘させる)遊技性となっている。変形例として、特図1の小当り確率は0より大きくてもよいが(例えば1/500)、少なくとも特図2の小当り確率より小さい値に定められる。
また、小当り遊技において、開閉制御手段275は、大入賞口20を1.8秒以下の所定時間(例えば1.6秒)開放させるとともに、その間、大入賞口20内部の特定領域も開放状態になるよう制御する。大入賞口20は、スライド式アタッカータイプ(遊技球が大入賞口の蓋部材上を転動可能とし、蓋部材の開放時に入球可能となるタイプ)を採用することが好ましく、さらに大入賞口20上部もしくは大入賞口20近傍の流路は、例えばジグザグ形状にする等、複数個の遊技球が大入賞口20の入口(蓋部等)の近傍に滞留するように構成される。さらに大入賞口20の開放パターンは、0.124秒の開放を間に所定の閉鎖時間(例えば1秒)を挟むようにして13回繰り返すものとし、遊技者の発射が遅れた場合であっても遊技球を入球しうるように設計することが好ましい。これにより、小当り遊技において大入賞口20が短時間開放された場合に、大入賞口20への入球と小当りVを高確率で発生させることができる。言い換えれば、第1実施例のぱちんこ遊技機500は、小当りが発生すれば、ほぼ小当りVを獲得可能なよう構成される。
第1実施例の主な特徴を説明する。第1実施例では、演出モード(背景画像等)の変更を適切に制御する技術を提案する。具体的には、特殊な条件達成時に(実施例では時短終了後に)移行する特殊な演出モードを、遊技者の意思に基づいて終了させるよう制御する、言い換えれば、遊技者の意思に基づく操作でのみ終了可能なように制御する。これにより、遊技の興趣を高める。
図31は、第1実施例における演出モードのチェンジ仕様を示す。同図は、複数の演出モード間のつながりを模式的に示している。演出モードは演出ステージとも言え、演出モードごとに複数の変動演出パターンと予告演出パターンが設けられる。演出モードが異なれば、モチーフ、テーマ、背景画像、登場キャラクタ、ストーリーの少なくとも1つが異なるように、各演出モードの変動演出パターンと予告演出パターンが設けられる。すなわち、演出決定手段303は、演出モードごとに、異なる内容の(例えばモチーフやテーマが異なる)変動演出パターンと予告演出パターンを選択する。演出表示制御手段305は、演出モードごとに、異なる内容の(例えばモチーフやテーマが異なる)変動演出と予告演出を表示させる。
通常ステージ510は、非時短(すなわち通常状態)の通常遊技において滞在する演出ステージである。通常ステージ510は、物語ステージ512と、物語ステージ512から移行されるあらすじステージ514を含む。また、物語ステージ512は、春ステージ516、夏ステージ518、秋ステージ520、冬ステージ522を含む(以下これらを総称する場合、物語ステージ512と呼ぶ。)。演出決定手段303は、現在滞在中のステージを識別するためのステージカウンタを備える。例えば、ステージカウンタ値「1」は春ステージ516、ステージカウンタ値「2」は夏ステージ、ステージカウンタ値「3」は秋ステージ520、ステージカウンタ値「4」は冬ステージ522に対応付けられてもよい。
演出決定手段303は、物語ステージ512に滞在中、ステージカウンタ値に対応する演出ステージ(春ステージ516、夏ステージ518、秋ステージ520、冬ステージ522のいずれか)を表示させる。また、演出決定手段303は、ステージカウンタ値に基づいて、表示対象の演出モードを、春ステージ516、夏ステージ518、秋ステージ520、冬ステージ522、春ステージ516・・・の順に切り替える。演出決定手段303は、春ステージ516、夏ステージ518、秋ステージ520、冬ステージ522のいずれかに滞在中、当該ステージの表示開始から15変動終了後の各変動においてステージ変更抽選を実行する。ステージ変更抽選では、所定確率でステージ変更に当選する。
演出決定手段303は、以下のいずれかの更新条件が充足した場合、ステージカウンタ値を更新する。例えば、ステージカウンタ値が4未満であればステージカウンタ値+1を新たなステージカウンタ値とし、ステージカウンタ値が4であればステージカウンタ値を1に戻す。
更新条件1:ステージ表示開始から15変動終了後の、超短縮変動やリーチ以上の変動を除く外れ変動においてステージ変更抽選に当選すること。
更新条件2:スーパーリーチ後にあらすじステージ514へ移行されること。
あらすじステージ514は、物語ステージ512滞在時のスーパーリーチ後に移行する演出ステージである。演出決定手段303は、物語ステージ512のいずれかのステージに滞在中、演出抽選の結果としてスーパーリーチに当選した場合、そのスーパーリーチ後にあらすじステージ514へ移行させる。演出決定手段303は、あらすじステージ514の開始から15変動終了後の各変動においてステージ変更抽選を実行する。このステージ変更抽選に当選すると、演出決定手段303は、あらすじステージ514から物語ステージ512へ移行させる。具体的には、あらすじステージ514に移行する直前の物語ステージ512(例えば春ステージ516)の次のステージ(例えば夏ステージ518)へ移行させる。
演出決定手段303は、あらすじステージ514滞在中にスーパーリーチが表示され、または、ステージチェンジ抽選に当選した場合であっても、物語ステージ512のステージカウンタ値を更新しない。また、演出決定手段303は、ステージチェンジ抽選を実行するか否かを決定するための変動回数(実施例では15回)を計数するカウンタ(「変動回数カウンタ」とも呼ぶ。)を備え、物語ステージ512滞在中にスーパーリーチに当選した場合、変動回数カウンタをリセットするが、あらすじステージ514滞在中にスーパーリーチに当選した場合には変動回数カウンタをリセットしない。あらすじステージ514の滞在時間が過度に長くなることを防ぐためである。
先読みステージ530は、いわゆる先読みによりスーパーリーチ等、所定のリーチ以上の変動が保留されている場合に、先読み演出決定手段374にて移行抽選が当選したことを条件として移行する特殊な演出モードである。先読みステージ530は、1変動の演出として実行される。次変動では、スーパーリーチに当選していなければ元の物語ステージ512に戻り、スーパーリーチに当選していればあらすじステージ514へ移行する。
チャンスゾーン540は、初当り(典型的には図柄大当り)に伴う特別遊技終了後に移行する演出モードである。演出決定手段303は、時短1回と、特図2保留の最大4回の変動に亘る通常遊技(最大5変動)において演出モードをチャンスゾーン540に移行させる。チャンスゾーン540では、第2始動口12への入球により大当り(典型的には小当りV)を獲得することが主の遊技性となる。
連荘ゾーン542は、大当り(典型的には小当りV)が比較的短時間のうちに連続的に発生しやすい遊技状態(以下「連荘状態」とも呼ぶ。)において特別遊技終了後に移行する演出モードである。演出決定手段303は、時短11回と、特図2保留の最大4回の変動に亘る通常遊技(最大15変動)において演出モードを連荘ゾーン542に移行させる。なお、連荘ゾーン542の終了時、演出決定手段303は、それまでの連荘状態(典型的には複数回の特別遊技に亘る期間)において遊技者が獲得した賞球(言い換えれば出玉)に関する情報を表示させる(結果表示544)。
チャンスゾーン540に対応する「時短1回」、連荘ゾーン542に対応する「時短11回」は、入球容易状態中の主の遊技性である特図2に係る変動回数を意図している。特図1に係る変動による入球容易状態の終了条件は別途用意されている(例えば特図1に係る変動が5回など)。これにより、チャンスゾーン540(連荘ゾーン542)の開始時点(大当り遊技直後)で存在し得る特図1に係る保留に基づく変動が行われても入球容易状態が意図せず終了することを防止できるようになっている。
演出決定手段303は、時短終了後に特殊演出を表示させる特殊演出モードへ移行させる。具体的には、演出決定手段303は、チャンスゾーン540における時短1回と、特図2保留の最大4回の変動(最大5変動)の中で大当り(典型的には小当りV)が獲得されなかった場合、以降の通常遊技における演出モードを第1特殊ステージ546に移行させる。また、演出決定手段303は、連荘ゾーン542における時短11回と、特図2保留の最大4回の変動(最大15変動)の中で大当り(典型的には小当りV)が獲得されなかった場合、以降の通常遊技における演出モードを第2特殊ステージ548に移行させる。第1特殊ステージ546および第2特殊ステージ548は、最低15変動が終了するまでの期間継続される。
第1特殊ステージ546および第2特殊ステージ548における遊技状態は、通常ステージ510と同様に第1始動口11への入球を狙うべき左打ち状態(非時短の通常状態)である。しかし、物語ステージ512とあらすじステージ514のいずれからも、第1特殊ステージ546および第2特殊ステージ548に移行することはない。第1特殊ステージ546における演出および第2特殊ステージ548における演出は、少なくとも一度は大当りを獲得した遊技者に対して提供される言わばご褒美としての演出である。言い換えれば、第1特殊ステージ546における演出および第2特殊ステージ548における演出は、チャンスゾーン540または連荘ゾーン542で当り(大当りまたは小当り)を獲得できなかった遊技者の遊技意欲が減退することを抑制するための演出である。
演出決定手段303は、第1特殊ステージ546と第2特殊ステージ548のいずれに滞在中の場合も、表示開始から変動の都度、変動回数カウンタをインクリメントする。そして、演出決定手段303は、15変動終了以降の各変動演出中に、ステージチェンジを希望する場合には演出ボタン109および/または十字キー110に対する所定の操作(「ステージチェンジ操作」と呼ぶ。)を入力するよう遊技者を促す内容の画像を表示させる。
演出決定手段303は、予め定められたボタン操作の有効期間内にステージチェンジ操作が入力された場合、次変動の開始時に、第1特殊ステージ546または第2特殊ステージ548から、物語ステージ512(実施例では春ステージ516)に移行させる。言い換えれば、演出決定手段303は、第1特殊ステージ546および第2特殊ステージ548に滞在中には、大当りまたは小当りVが発生しない限り、遊技者からステージチェンジ操作が明示的に入力されるまで第1特殊ステージ546および第2特殊ステージ548を継続させる。
演出決定手段303は、第1特殊ステージ546と第2特殊ステージ548のいずれに滞在中にスーパーリーチが発生した場合でも、ステージカウンタを更新せず、また、変動回数カウンタのリセットを行わない。すなわち、演出決定手段303は、スーパーリーチの発生有無にかかわらず、15変動終了以降に遊技者からステージチェンジ操作が明示的に入力されるまで第1特殊ステージ546および第2特殊ステージ548を継続させる。このように、当りという高難易度の条件を達成した場合に移行されうる第1特殊ステージ546と第2特殊ステージ548の終了を遊技者自身に決定させることで、遊技者は所望の期間、第1特殊ステージ546と第2特殊ステージ548の演出を見ることができ、演出の興趣を高めることができる。
第1実施例の変形例を説明する。以下では、遊技者のボタン操作を契機として様々な予告(大当りの期待度示唆等)を表示させる演出を「ボタン演出」とも呼ぶ。特に限定しない場合、ボタン演出は、演出表示装置60に演出ボタン109や演出レバー112等を模した画像を表示し、ボタン操作入力を遊技者に明示的に促す通常のボタン演出と、演出表示装置60に演出ボタン109や演出レバー112等を模した画像を表示せず、ボタン操作入力を遊技者に明示しないいわゆる裏ボタン演出の両方を含む。なお、「ボタン演出」(「裏ボタン演出」)は、前述したように演出レバー112の入力に基づく演出も含むものであり、「入力演出」や「操作入力演出」などと称することもできる。また、ステージチェンジ(例えば第1特殊ステージ546および第2特殊ステージ548から物語ステージ512へのステージチェンジ)のためのボタン操作を、上記ボタン演出に対するボタン操作と区別して、「ステージチェンジ操作」とも呼ぶ。
第1変形例を説明する。ステージチェンジ用のボタン操作(ステージチェンジ操作)を受け付けるボタン操作有効期間であるステージチェンジ有効期間は、図柄変動開始から、複数の装飾図柄61のうち最初の1つが低速表示(または停止表示)されるまでの期間であってもよい。図柄変動演出においてリーチが成立すると、大当り期待度に係る様々な予告において多くのボタン演出や裏ボタン演出が実行されうるため、これらのボタン演出に対して入力されたボタン操作がステージチェンジ操作と認識されないようにするためである。
第2変形例を説明する。ステージチェンジ操作よりもボタン演出に対するボタン操作の方が優先度が高く設定されてもよい。すなわち、ステージチェンジ有効期間は、図柄変動の開始から終了まで継続するが、ボタン演出実行中にボタン操作が入力された場合、そのボタン操作は、ステージチェンジ操作ではなく、ボタン演出に対する操作として認識されてもよい。さらにまた、第1特殊ステージ546と第2特殊ステージ548に滞在中(特に開始から15変動終了後)は、ボタン演出に当選しないよう演出抽選テーブルが設定されてもよい。なお、本変形例の態様は、変動演出としてのボタン演出だけでなく、保留先読みに基づくボタン演出や裏ボタン演出にも適用可能である。このボタン演出や裏ボタン演出は、例えば、保留画像がボタンを模した態様で表示され、ボタン操作を契機として、保留された抽選値の大当りの期待度を示唆する態様に変化する演出であってもよい。
第2変形例に関連して、ステージチェンジ操作は、通常の(明示的な)ボタン演出に対するボタン操作より優先度が低い一方、裏ボタン演出に対するボタン操作より優先度が高く設定されてもよい。または、リーチ成立前予告中のステージチェンジ操作は裏ボタン演出に対するボタン操作より優先度が高い一方、リーチ成立後予告中のステージチェンジ操作は裏ボタン演出に対するボタン操作より優先度が低く設定されてもよい。
第3変形例を説明する。ステージチェンジ操作は、演出ボタン109の長押し(例えば押下した状態を1秒以上継続すること)であってもよい。また、ステージチェンジ有効期間にステージチェンジ操作が入力された場合、演出決定手段303は、確認用の選択メニュー(「本当にステージチェンジしますか Yes/No」等)を表示させてもよい。これにより、誤操作による意図しないステージチェンジを防止できる。
ぱちんこ遊技機500は、オート連打機能(演出ボタン109が長押しされた場合に演出ボタン109の連打と認識する機能)を備えてもよい。第3変形例に関連して、上記の確認用の選択メニューを表示させる場合、オート連打機能は自動的に無効にされてもよく、選択メニューの表示中は、オート連打機能による入力を無視するよう構成されてもよい。遊技者が意図せずに演出ボタン109等が長押しした場合に、オート連打機能によるみなし操作でステージチェンジしてしまうことを防止するためである。
第3変形例に関連して、上記の確認用の選択メニューに対してNo(ステージチェンジしない)が入力された場合、演出決定手段303は、次回の図柄変動まで、ステージチェンジ操作を不可としてもよい(受け付けなくてもよい)。変動時間の残りが少ない場合があり、ボタン操作の入力期間を十分に確保できない可能性があるためである。
第4変形例を説明する。ボタン演出に対するボタン操作との競合を避けるために、ステージチェンジ操作の入力対象を、ボタン演出に対するボタン操作の入力対象とは異なるものとしてもよい。例えば、ボタン演出に対するボタン操作の対象が演出ボタン109である場合、ステージチェンジ操作の入力対象を十字キー110、演出レバー112、または音量光量調整用ボタンに割り当ててもよい。
第5変形例を説明する。第1実施例の構成では、ステージチェンジ操作の対象部材(例えば演出ボタン109)が故障中の場合、大当りまたは小当りが獲得されるまで、第1特殊ステージ546および第2特殊ステージ548が維持されてしまう。そこで、演出決定手段303は、ステージチェンジ操作の本来の対象とは異なる部材(例えば十字キー110)に対する所定操作(以下「代替操作」とも呼ぶ。)が入力された場合、ステージチェンジ操作が入力されたものとみなしてもよい。例えば、本来のステージチェンジ操作が演出ボタン109の押下であった場合に、十字キー110の上方向への長押し操作や、十字キー110の上下同時押しを、演出ボタン109の押下(すなわちステージチェンジ操作)と見なしてもよい。なお、本変形例の態様は、ステージチェンジに限らず、通常のボタン演出においても適用可能である。ステージチェンジ操作の代替操作に音量調整等の他の機能が割り当てられている場合、予め定められた優先度に応じて、ステージチェンジと、音量調整等の他の機能のいずれかを実行してもよい。
第6変形例を説明する。演出決定手段303は、ぱちんこ遊技機500への電源投入時(外部電源接続時)、常に、演出のステージを物語ステージ512(春ステージ516)から開始させてもよい。その場合、ステージカウンタ値および変動回数カウンタ値を初期値に戻してもよい。または、演出決定手段303は、第1特殊ステージ546や第2特殊ステージ548等の滞在ステージ情報を、サブ基板300における初期化対象外としてもよい。すなわち、演出決定手段303は、ぱちんこ遊技機500への電源投入時、直前の電源切断時に滞在中であった演出モードから再開させてもよい。この第6変形例によると、第1特殊ステージ546や第2特殊ステージ548に滞在中に電源が切断された場合(閉店時等)でも、電源投入時(翌日の開店時等)に、設定変更やRAMクリアが行われたことを遊技者が判別することを困難にできる。
第7変形例を説明する。第2特殊ステージ548は、連荘ゾーン542終了後に移行される演出モードであり、すなわち、初当り後に少なくとも1回の新たな大当り(典型的には小当りV)を獲得した場合に移行され得る演出モードである。そのため、第2特殊ステージ548は、第1特殊ステージ546よりも移行条件が厳しい。第2特殊ステージ548の演出を体験することが難しいことによる遊技意欲の低下を避けるために、演出決定手段303は、第1特殊ステージ546と第2特殊ステージ548の一方に滞在中に、他方への演出モード変更を可能にしてもよい。例えば、演出決定手段303は、他方への演出モード変更を希望する場合には所定の操作入力を促す内容の画像を表示させ、その操作が入力された場合、他方の演出モードへ移行してもよい。
第7変形例に関連して、演出決定手段303は、演出モードの移行条件を遊技者に設定させるためのカスタマイズ画面を演出表示装置60に表示させてもよい。このカスタマイズ画面では、例えば、第1特殊ステージ546への移行条件と、第2特殊ステージ548への移行条件を逆に設定することが可能であってもよい。または、カスタマイズ画面では、チャンスゾーン540と連荘ゾーン542のいずれの終了時にも、第1特殊ステージ546と第2特殊ステージ548のいずれか一方へ移行するように設定することが可能であってもよい。
第8変形例を説明する。演出決定手段303は、第1特殊ステージ546および第2特殊ステージ548に滞在中の図柄変動演出にて先読みステージ530への移行条件が成立した場合、先読みステージ530へ移行する条件となった先読み対象の保留に係る変動表示が終了するまで演出モードを先読みステージ530に移行させてもよい。そして、先読み対象の保留に係る変動の次の変動時、演出決定手段303は、演出モードを第1特殊ステージ546または第2特殊ステージ548に復帰させる。ただし、第1特殊ステージ546と第2特殊ステージ548における演出態様(背景、色彩、ストーリー、登場キャラクタ等)と、先読みステージ530における演出態様との乖離が大きい場合、演出決定手段303は、第1特殊ステージ546と第2特殊ステージ548に滞在中の図柄変動演出にて先読みステージ530への移行条件が成立しても、当該図柄変動演出の演出モードを先読みステージ530に移行させることを抑制してもよい。
第9変形例を説明する。上記実施例では、大当りの体験(図柄大当りまたは小当りVの獲得)を第1特殊ステージ546および第2特殊ステージ548への移行のための条件とした。変形例として、非時短の通常遊技において一定回数の変動表示が行われたことや、サブ基板300に設けられた計時手段307であるRTC(リアルタイムクロック)回路を利用した機能により、所定の時刻に到達したことが検出されたこと等を第1特殊ステージ546および第2特殊ステージ548への移行のための条件としてもよい。
第1実施例の技術思想は、演出に関わる操作入力装置(演出ボタン等)を備える回胴式遊技機(以下「スロットマシン」という)にも有用である。ぱちんこ遊技機100の通常遊技はスロットマシンの通常ゲームに対応し、ぱちんこ遊技機100の特別遊技はスロットマシンのボーナスゲーム(ビッグボーナスやレギュラーボーナス等)に対応する。スロットマシンでは、抽選手段による抽選がボーナスゲームへの移行が可能であることを示す結果となって、リールが停止した場合に、ボーナスゲームが実行される。また、スロットマシンでは、所定の条件を満たす場合、ボーナスゲームの終了後の通常ゲームにおいて通常状態より有利な有利状態(例えばリプレイタイム(RT)やアシストリプレイタイム(ART)等)へ移行される。このようなスロットマシンにおいても、ART等の有利状態の終了後に、第1特殊ステージ546や第2特殊ステージ548に対応する特殊演出モードへ移行させ、遊技者の操作に基づいて、特殊演出モードを終了させてもよい。
<第2実施例>
本実施例について、前提技術および第1実施例と相違する点を中心に以下説明し、共通する点の説明を省略する。第8実施例の特徴は、前提技術、第1実施例および変形例の特徴と任意の組合せが可能であることはもちろんである。
第2実施例の概要を説明する。第2実施例では、第1実施例で説明したチャンスゾーン540について、時短1回+保留最大4個にて小当りV(または大当り)を獲得することを条件(関門)として、さらなる有利な遊技状態である連荘ゾーン542への移行を勝ち取れるか否か(言い換えれば連荘ゾーン542への移行条件を充足できたか否か)を演出的に報知することにより、時短中において新たな関門突破型の演出を提供する。具体的には、第2実施例のぱちんこ遊技機500では、時短中(チャンスゾーン540)の演出モードとして2種類以上の演出モード(実施例ではシリアスモードとコミカルモード)の中からいずれかを選択可能である。2種類以上の演出モードのいずれにおいても、複数種別の保留表示態様(実施例ではキャラクタ保留とコマ保留)を有する。時短中の演出は、変動に係る保留表示態様に応じて演出構成(当否判定結果の表示に至るまでの演出過程)が異なる。第2実施例のぱちんこ遊技機500によると、時短状態における演出を多様化させ、遊技の興趣を高めることができる。
図32は、第2実施例のぱちんこ遊技機500の遊技フローを示す。第1実施例で説明したように、ぱちんこ遊技機500は小当りVスペックであり、特図2は高確率で小当りに当選し、また、小当りを獲得すればほぼ小当りV(小当り発展大当り)を獲得可能なよう構成される。
通常モード550は、大当り確率1/220(設定1)~1/189(設定6)の通常遊技の遊技モードである。通常モード550での大当りは、典型的には特図1の図柄大当りであり、特図1の当り態様に応じて、99%の確率で4ラウンドの通常大当り552に振り分けられ、1%の確率で10ラウンドの特別大当り554に振り分けられる。通常モード550における演出モードは、第1実施例で示した通常ステージ510、先読みステージ530、第1特殊ステージ546および第2特殊ステージ548が対応する。
チャンスゾーン540は、時短1回+特図2保留(最大)4個の変動期間の遊技モードであり、非時短の通常遊技での特図1による大当り獲得により突入する。チャンスゾーン540の特図2保留(最大)4個は、非時短の通常遊技における遊技となるが、特図2小当りVの大当り(または特図2による図柄大当り)後はチャンスゾーン540へは移行されず、直接連荘ゾーン542へ移行される。また、時短中の通常遊技における特図1の大当り後も連荘ゾーン542へ移行される。チャンスゾーン540における特図2小当りVの大当り後は連荘ゾーン542へ移行される。
チャンスゾーン540における演出を詳細に説明する。演出決定手段303は、チャンスゾーン540への移行条件が満たされた場合(例えば非時短の通常遊技での特図1による大当り獲得となった場合)、大当り終了デモ中に、チャンスゾーン540における演出モードとして、複数種類の演出モードの中からいずれかを遊技者に選択させるための選択画面を表示させる。なお、選択画面は、大当り終了デモに代えて、時短1回の特図2変動中に表示されてもよい。第2実施例では、チャンスゾーン540における演出モードとして、シリアスモード560とコミカルモード562のいずれかを選択可能である。
シリアスモード560では、敵キャラクタとのシリアスなバトル(例えば決闘)を示す画像が表示される。一方、コミカルモード562では、敵キャラクタとのコミカルなバトル(例えばあっち向いてホイ等のゲーム)を示す画像が表示される。シリアスモード560とコミカルモード562のいずれにおいても、対戦相手の敵キャラクタに勝利すれば成功となり、小当りまたは大当りが確定し、すなわち連荘ゾーン542への移行が確定する。演出表示制御手段305は、時短1回+特図2保留(最大)4個の(最大)5回の特図2変動を対象として、シリアスモード560とコミカルモード562のうち遊技者により選択された演出モードの演出を表示させる。
なお、チャンスゾーン540でも特図1変動が実行されうるが、演出決定手段303は、チャンスゾーン540における特図1変動を、大当りの場合を除き、特図2変動時の装飾図柄61より小さいサイズの装飾図柄(「ミニ図柄」とも呼ぶ。)を用いて表示させる。チャンスゾーン540は特図2変動により小当りを獲得することが主の遊技性であるところ、特図1変動は、小当り確率が非常に低確率(例えば0%)であるためである。
チャンスゾーン540における時短1回の変動開始時、演出決定手段303は、専用の変動演出パターン(ここでは「特殊変動演出パターン」とも呼ぶ。)を選択する。特殊変動演出パターンは、変動前半の演出として、特図2保留を溜めることを遊技者に促す内容の保留チャージ演出を実行することを定める。また、変動後半の演出として、選択画面で選択された演出モードに応じた内容(シリアスまたはコミカル)のバトル演出を実行することを定める。演出表示制御手段305は、特殊変動演出パターンにしたがって、保留チャージ演出とバトル演出(シリアスまたはコミカル)を表示させる。
演出決定手段303は、遊技者により複数種類の演出モード(実施例ではシリアスモード560、コミカルモード562)のどれが選択された場合でも、第2始動口12への入球を契機として取得された第2抽選値が保留されていることを示す画像(特図2保留を示す画像であり、以下単に「保留画像」とも呼ぶ。)を、予め定められた複数種別の態様のうちどの態様で表示させるかを決定可能である。第2実施例では、演出決定手段303は、保留画像の態様として、キャラクタを用いた保留画像である「キャラクタ保留」と、所定形状の図形オブジェクトを用いた保留画像である「コマ保留」のいずれかを抽選により選択する。演出表示制御手段305は、保留チャージ演出における保留画像を、演出決定手段303により選択されたキャラクタ保留とコマ保留のいずれかの態様で表示させる。シリアスモード560とコミカルモード562のいずれにおいても、保留画像として、キャラクタ保留とコマ保留のいずれかが表示されうる。
図33は、保留チャージ演出の例を示す。保留チャージ演出570は、保留画像572で総称される当該保留画像572a、保1画像572b、保2画像572c、保3画像572d、保4画像572e、残り時間画像574、右打ちナビ576を含む。当該保留画像572aは、時短1回の図柄変動(すなわち当該変動)で消化される特図2保留を示す。保1画像572bは、時短終了後1回目の図柄変動で消化される特図2保留を示し、保2画像572cは、時短終了後2回目の図柄変動で消化される特図2保留を示す。保3画像572dは、時短終了後3回目の図柄変動で消化される特図2保留を示し、保4画像572eは、時短終了後4回目の図柄変動で消化される特図2保留を示す。残り時間画像574は、保留チャージ演出の残り時間(図では10秒)を示す。第2実施例では、後述の保留昇格演出が開始されるまでの残り時間を示す。右打ちナビ576は、遊技者に右打ちを促す内容の画像である。
図33は、演出決定手段303によりキャラクタ保留が選択された場合の保留チャージ演出570を示している。演出決定手段303は、チャンスゾーン540の各変動における演出内容を示唆する態様のキャラクタ保留を保留画像572として表示させる。具体的には、遊技者によりコミカルモード562が選択された場合、コミカルなバトル(例えばあっち向いてホイ)における対戦相手となる敵キャラクタ群の中からいずれかの敵キャラクタ画像を保留画像572として表示させる。一方、遊技者によりシリアスモード560が選択された場合、シリアルなバトルにおいて味方となる味方キャラクタ群の中からいずれかの味方キャラクタ画像を保留画像572として表示させる。
図34も、保留チャージ演出の例を示す。同図は、演出決定手段303によりコマ保留が選択された場合の保留チャージ演出570を示している。同図の保留チャージ演出570では、保留画像572として、所定形状の図形オブジェクトが表示される。コマ保留は、チャンスゾーン540の各変動におけるバトル演出の内容を直接的に示唆するものではなく、各変動にて当否抽選の結果が小当りまたは大当りとなる期待度を示唆している。
図33および図34で示すように、第2実施例では、キャラクタ保留とコマ保留のそれぞれについて複数の態様(色彩等の外観)の画像が設けられる。そして、態様ごとに当り(典型的には小当りだが大当りを含んでもよい)の期待度がなるように各態様の選択確率が定められる。なお、図33および図34にはそれぞれキャラクタ保留、コマ保留のみが保留されている状況が示されているが、キャラクタ保留およびコマ保留は混在して表示することが可能である。また、特図2の時短1回目の変動(当該保留画像572a)は実際には変動中の乱数値に係る情報であり、厳密には保留情報ではないが、演出的に時短1回の変動が終了した後の保留と同等の表示を行うことから、「キャラクタ保留」と「コマ保留」として呼称する。
例えば、シリアスモード560では、キャラクタ保留は、味方キャラクタ群に属するキャラクタA(デフォルト味方キャラクタ)、キャラクタB(弱い味方キャラクタ)、キャラクタC(強い味方キャラクタ)、キャラクタD(最強味方キャラクタ)の中からいずれかが選択される。コマ保留は、青コマ(デフォルトコマ)、緑コマ、赤コマ、キリン柄コマ(黄色+茶色)の中からいずれかが選択される。当りの期待度は、例えば、青コマ<キャラクタA<キャラクタB<緑コマ<赤コマ<キャラクタC<キリン柄コマ=キャラクタDの順に大きくなるよう定められる。
一方、コミカルモード562では、キャラクタ保留は、敵キャラクタ群に属するキャラクタE(最弱敵キャラクタ)、キャラクタF(弱い敵キャラクタ)、キャラクタG(強い敵キャラクタ)、キャラクタH(最強敵キャラクタ)の中からいずれかが選択される。コマ保留は、シリアスモード560と同様に、青コマ(デフォルトコマ)、緑コマ、赤コマ、キリン柄コマ(黄色+茶色)の中からいずれかが選択される。当りの期待度は、青コマ<キャラクタH<キャラクタG<緑コマ<赤コマ<キャラクタF<キリン柄コマ=キャラクタEの順に大きくなるよう定められる。なお、キリン柄コマ、キャラクタDおよびキャラクタEは、対応する保留が当りであることを確定的に報知するものであってもよく、すなわち、当りの場合にのみ所定確率で選択されるものであってもよい。
このように、第2実施例では、保留画像の複数種別の態様のうち少なくとも1つの態様(具体的にはコマ保留)は、シリアスモード560とコミカルモード562のいずれにおいても同じ基準で当りの期待度を示唆する。これにより、多くの遊技者に対して当りの期待度を分かり易く提示することができる。
チャンスゾーン540における図柄変動に伴う演出は、保留チャージ演出570で表示された(言い換えれば演出決定手段303により決定された)保留画像572の種別に応じて、当否判定の結果の表示に至るまでの演出過程が異なるよう構成される。ここでの図柄変動に伴う演出は、時短1回の変動の後半におけるバトル演出と、時短終了後の特図2保留(最大4個)の各変動におけるバトル演出である。
具体的には、バトル演出の演出パターンとして、保留チャージ演出570における保留画像572がコマ保留の場合とキャラクタ保留の場合とで異なる演出パターンが定められる。例えば、シリアスモード560であって、かつ、保留画像572がコマ保留の場合のバトル演出の演出パターンは、(1)味方キャラクタ登場煽り(当りの期待度を報知する内容)、(2)当落分岐(当りまたは外れを報知する内容)となる。また、コミカルモード562であって、かつ、保留画像572がコマ保留の場合のバトル演出の演出パターンは、(1)敵キャラクタ登場煽り(当りの期待度を報知する内容)、(2)当落分岐(当りまたは外れを報知する内容)となる。
一方、保留画像572がキャラクタ保留の場合のバトル演出の演出パターンは、シリアスモード560とコミカルモード562で共通であり、(1)先制攻撃煽り(当りまたは外れを報知する内容)、(2)当落分岐(当りまたは外れを報知する内容)となる。
すなわち、保留画像572がコマ保留の場合、バトル演出に登場するキャラクタが不明であるため、バトル演出の前半ではキャラクタを登場させて当りの期待度を報知する。これに対し、保留画像572がキャラクタ保留の場合、バトル演出に登場するキャラクタは保留チャージ演出570において既に判明している。そこで、保留画像572がキャラクタ保留の場合、バトル演出の前半でも当落分岐を表示し、その時点で当りが報知される可能性がある。また、保留画像572がキャラクタ保留の場合、バトル演出の前半で外れとなっても、バトル演出の後半では逆転演出等により当りが報知される可能性がある。
次に、保留昇格演出を説明する。演出決定手段303は、時短1回(特図2変動1回目)の変動演出の前半である保留チャージ演出570において、特図2保留が上限到達後の第2始動口12へのさらなる入賞(以下「オーバー入賞」とも呼ぶ。)が生じた場合、先に表示された保留画像572の態様を、それまでより当りの期待度が大きい態様に昇格させる保留昇格演出を実行可能である。第2実施例では、保留昇格演出の態様は、遊技者により選択された演出モード(シリアスモード560またはコミカルモード562)によって異なる。
シリアスモード560における保留昇格演出を説明する。演出決定手段303は、昇格する保留画像の個数と保留画像の昇格度合いの少なくとも一方が異なる複数の保留変化抽選テーブルを保持する。第2実施例では、複数の保留変化抽選テーブルとして、昇格する保留画像の個数と保留画像の昇格度合いが相対的に小さい(小さい変化が高確率で選択される)第1保留変化抽選テーブルと、昇格する保留画像の個数と保留画像の昇格度合いが中程度(中程度の変化が高確率で選択される)第2保留変化抽選テーブルと、昇格する保留画像の個数と保留画像の昇格度合いが相対的に大きい(大きい変化が高確率で選択される)第3保留変化抽選テーブルを保持することとする。
演出決定手段303は、特図2保留が上限に到達後(保留チャージ演出570において5つの保留画像572が表示後)、第2始動口12への入球が増加するに伴って、第1保留変化抽選テーブル、第2保留変化抽選テーブル、第3保留変化抽選テーブルの順にテーブルを昇格させていく(選択を切り替えていく)。例えば、オーバー入賞1個目で第1保留変化抽選テーブルを選択し、オーバー入賞5個目で第2保留変化抽選テーブルを選択し、オーバー入賞9個目で第3保留変化抽選テーブルを選択してもよい(「オーバー入賞」は特図2保留が上限に到達した後における第2始動口12に対する入球を指す)。演出決定手段303は、保留昇格演出の実行タイミングに達すると、そのときに選択中の保留変化抽選テーブルを用いた抽選によって、それまで表示された5つの保留画像572のうち昇格に当選した1つ以上の保留画像572を一括して昇格させることを決定する。なお、第1保留変化抽選テーブル~第3保留変化抽選テーブルと期待度に分けて3種類の抽選テーブルを例示したが、それぞれの抽選テーブルについて、特図2変動1回目の抽選結果および特図2保留における当りとなる乱数値の位置、または全てはずれである情報によって6種類の抽選テーブルを用意しておくものであってもよい。
キャラクタ保留の場合、演出表示制御手段305は、例えば、キャラクタA(デフォルト味方キャラクタ)をキャラクタB(弱い味方キャラクタ)やキャラクタC(強い味方キャラクタ)に変化させてもよい。コマ保留の場合、演出表示制御手段305は、例えば、青コマ(デフォルトコマ)を緑コマや赤コマに変化させてもよい。なお、キリン柄コマ保留およびキャラクタD保留、キャラクタE保留は上述したように当りが確定的となる表示態様であるため、キャラクタ保留およびコマ保留として表示されている乱数値及び保留情報が当りでないかぎり変化後の表示態様として含まれない。
続いて、コミカルモード562における保留昇格演出を説明する。演出決定手段303は、時短中(特に保留チャージ演出570中)における特図2保留生起時に、生起した特図2保留について2回分の変化内容(昇格有無と昇格態様)を決定する。演出決定手段303は、保留チャージ演出570において特図2保留が上限に到達後、第2始動口12へのさらなる入球が発生するごとに1つの保留画像572の態様を、予め決定した変化内容にしたがって変化させる。第2実施例では、当該保留画像572a、保1画像572b、保2画像572c、保3画像572d、保4画像572e、当該保留画像572a・・・の順に、1回のオーバー入賞毎に1つの保留画像に対して保留昇格するか否かを煽っていき、1つの保留画像572あたり最大2回変化させる。第2実施例では、オーバー入賞10球目で保4画像572eを変化させ、オーバー入賞11球目以降は保留昇格を行わないが、オーバー入賞11球目以降も引き続き保留の昇格可能性を煽る演出を実行してもよい。
このように、シリアスモード560とコミカルモード562のいずれにおいても、保留チャージ演出570中のオーバー入賞数が多くなるほど、多くの保留画像572が昇格し、また昇格の度合いも大きくなり、遊技者が抱く当りの期待感を高めることができる。また、特図2保留が上限に到達後も、遊技者に遊技球の発射を促すことができる。
なお、第2実施例では、保留昇格演出において保留画像572が変化する場合、コマ保留の場合は上位のコマ保留(当りの期待度がより高い態様)へのみ変化し、また、キャラクタ保留の場合は上位のキャラクタ保留(当りの期待度がより高い態様)へのみ変化する。変形例として、保留変化演出は、第1の種類の保留画像572から第2の種類の保留画像572への変化は可能であるが、第2の種類の保留画像572から第1の種類の保留画像572への変化は禁止されてもよい。例えば、保留昇格演出における少なくとも1つの変化は、コマ保留からキャラクタ保留(好適には当りの期待度がより高いキャラクタ保留)に変化するものであってもよい。ただし、キャラクタ保留からコマ保留へは変化しないことが好ましい。一般的に、遊技者は、無機的な表示態様であるコマ保留よりキャラクタ保留の方が当り易いという印象を抱きやすいからである。なお、実際に保留(又は当該変動)が当りであるか外れであるかの情報によって、キャラクタ保留とコマ保留の選択比率を変えることによって、キャラクタ保留である場合の方が当りの頻度が高まるように構成し、遊技者にキャラクタ保留の方が当たりやすいという印象が定着するように構成してもよい。
第2実施例の変形例を説明する。演出決定手段303は、時短1回変動におけるバトル演出移行後のタイミングで特図2保留が生起した場合、バトル演出移行後においては図33や図34に示した保留チャージ演出570にて表示されていた保留表示は今回のバトル演出の対象となる保留画像572を除いて一旦非表示となり、その後外れとなって次の変動の開始時に一時的に残りの保留の表示態様が表示されるように構成しているため、非表示期間中に生起した特図2保留を示す保留画像572として、青コマ(当りの期待度が最も低いコマ保留)のみ選択してもよい。コマ保留の場合、バトル演出の前半にてバトルに登場するキャラクタが表示されるため、バトル内容が固定化されないというメリットがある。別の態様として、上記タイミングで特図2保留が生起した場合、演出決定手段303は、当りの期待度が最も低いキャラクタ保留を選択してもよく、または、当りの期待度が最も低いコマ保留と当りの期待度が最も低いキャラクタ保留のいずれかを1/2の確率で選択してもよい。
第2変形例を説明する。演出決定手段303は、保留昇格演出において保留画像572の昇格のために遊技者に演出ボタン109の操作を促す内容の煽り演出(ボタン演出とも言え、保留画像572が変化する様子やボタン画像を含む演出)を実行してもよい。ただし、演出決定手段303は、オーバー入賞の状況(すなわち特図2の保留状況)に応じて煽り演出(ボタン演出)の実行有無を決定することが好ましい。例えば、シリアスモード560においてオーバー入賞が1球もない場合、演出決定手段303は、煽り演出(ボタン演出)の実行を抑制することが好ましい。
第2変形例の別態様として、シリアスモード560における第1保留変化抽選テーブルの選択条件を、オーバー入賞0球または1球とすることで、演出決定手段303は、オーバー入賞が0球であっても煽り演出(ボタン演出)を実行してもよい。ただし、特図2保留がない画面領域(保留画像572が表示されない箇所)には、煽り用のエフェクトを表示させないことが好ましい。
第3変形例を説明する。図40に関連して後述するように、ぱちんこ遊技機500の遊技盤80上(遊技盤80の右側でもよい)には、キャラクタ保留で表示され得る複数のキャラクタ(味方キャラクタおよび/または敵キャラクタ)を示す複数のキャラクタ役物(後述のキャラクタパネル592)が設けられてもよい。演出決定手段303は、演出設定手段308により記憶された演出カスタマイズの設定を参照する。ここでは、演出カスタマイズとして遊技者により選択されたお気に入りのキャラクタが記憶されることとする。演出決定手段303(演出制御手段304)は、遊技盤80上に配置された複数のキャラクタ役物のうち遊技者がお気に入りとして登録済のキャラクタを示すキャラクタ役物を特殊な態様で作動させてもよく、また発光させてもよい(点滅等)。
演出決定手段303は、保留画像572としてキャラクタ保留を表示させる場合に、遊技者のお気に入りキャラクタをチャンスキャラクタとして扱い、キャラクタ保留としてチャンスキャラクタの画像を表示させることにより当りの期待度が高いことを示唆してもよい。例えば、チャンスゾーン540における変動で当り(大当りまたは小当り)が発生する場合、演出決定手段303は、外れの場合より高い確率で、および/または、他のキャラクタより高い確率で、キャラクタ保留としてチャンスキャラクタの画像を表示させることを決定してもよい。
<第3実施例>
本実施例について、前提技術、第1実施例および第2実施例と相違する点を中心に以下説明し、共通する点の説明を省略する。第3実施例の特徴は、前提技術、第1実施例、第2実施例および変形例の特徴と任意の組合せが可能であることはもちろんである。
第3実施例の概要を説明する。第3実施例のぱちんこ遊技機500も小当りVスペックであり、図柄種別先読みによる特殊な小当りV連荘演出状態を提供することにより遊技の興趣を高める。
具体的には、第3実施例の第1態様として、特別遊技制御手段260は、当りを示す図柄の種類(例えば小当りを示す図柄の種類)に応じて、獲得可能な利益量が異なる複数種類の特別遊技の中からいずれかを実行する。事前判定手段235は、第1始動口11または第2始動口12への入球があった場合、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく図柄の変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず、当該入球を契機として取得された抽選値に基づいて当否判定が実行された場合の結果に関する事前判定情報(事前当否判定結果、事前図柄判定結果を含む)を演出決定手段303へ通知する。
演出決定手段303は、事前判定情報を参照して、特別遊技を実行する際に、次の特別遊技として特定の種類の特別遊技を実行することとなる抽選値である特定当り抽選値が保留されている場合、今回の特別遊技における演出内容を特殊演出(後述の特殊ボーナス演出)とすることを決定する。上記の今回の特別遊技は、特定の演出モードにおいて成立した特定の種類の特別遊技であってもよく、言い換えれば、所定の条件下の特別遊技であってもよい。次の特別遊技としての特定の種類の特別遊技は、6ラウンドの特別遊技、9ラウンドの特別遊技等、複数種類の特別遊技を含んでもよい。
演出決定手段303は、上記の特定当り抽選値に基づく特別遊技における演出内容も特殊演出(後述の特殊ボーナス演出)とすることを決定する。演出決定手段303は、2回目以降の特殊演出の実行時、次の特別遊技を実行することとなる抽選値である当り抽選値(特定当り抽選値でなくてもよい)が保留されている場合、上記の当り抽選値に基づく特別遊技における演出内容も特殊演出とすることを決定可能である。この態様によると、特定の種類の特別遊技を含む保留内連荘が発生する場合、複数回の特別遊技に亘って特殊演出を表示させ、また、3回目以降の特殊演出はその実行条件を緩和して特殊演出を長く継続させやすくすることで、保留内連荘に係る演出の興趣を高めることができる。
また、第3実施例の第2態様として、演出決定手段303は、特別遊技における演出として、次の特別遊技を実行することとなる抽選値(ここでは上記の特定当り抽選値でなくてもよい)が保留されている場合、保留内連荘を報知する特殊演出(後述の特殊ボーナス演出)の実行を決定し得る。演出決定手段303は、特殊演出を実行した特別遊技終了後の通常遊技における図柄変動に伴う演出として、次回(厳密には次回以降)の特別遊技に係る利益量を示唆する演出(後述の特殊チャンス演出)の実行を決定する。この態様によると、保留内連荘の報知後、次の特別遊技開始前の好適な図柄変動演出を実現でき、保留内連荘に係る変動演出の興趣を高めることができる。
また、上記第2態様においては、演出決定手段303は、変動演出のみでなく、特別遊技中においても次回(厳密には次回以降)の特別遊技に係る利益量を示唆する演出(後述の特殊ボーナス演出)の実行を決定する。この態様によると、保留内連荘に係る特別遊技演出の興趣を一層高めることができる。すなわち、第3実施例のぱちんこ遊技機500は、保留内連荘に係る特別遊技では特殊ボーナス演出を表示させ、保留内連荘に係る特別遊技に挟まれた通常遊技では特殊チャンス演出を表示させることを繰り返し、特殊ボーナス演出と特殊チャンス演出のそれぞれにおいて保留内連荘に係る利益量を示唆していく。この態様によると、保留内連荘に係る特別遊技および通常遊技の興趣をともに高めることができる。
第3実施例の詳細を説明する。ぱちんこ遊技機500の特別遊技制御手段260は、特図2小当りでのV入賞に伴う特別遊技として、特図2の小当り図柄の種類に応じて、獲得可能な利益量が異なる複数種類の特別遊技のうちいずれかを実行する。実施例では、複数種類の特別遊技として、単位遊技数が3ラウンド、6ラウンド、9ラウンド(小当りを特別遊技の1ラウンド目とカウントする場合、4ラウンド、7ラウンド、10ラウンド)の3種類の特別遊技を含む。複数種類の特別遊技の振り分け率(言い換えれば各小当り図柄の当選確率)は、3ラウンド:6ラウンド:9ラウンド=38:30:32である。既述だが、特図2小当りVに伴う特別遊技の終了後は、時短変動11回+通常状態での特図2変動4回の合計15変動の連荘ゾーン542へ移行する。連荘ゾーン542は、15変動内で1/7.7の小当りの獲得を狙う遊技性である。
演出決定手段303は、本判定としての当否判定結果が大当りまたは小当りの場合、特図2保留に関してメイン基板200から送信された事前判定情報を参照し、特図2保留内に次回の大当りまたは小当りが存在するか否か(言い換えれば保留内連荘が発生するか否か)を確認する。特図2保留内に次回の大当りまたは小当りが存在し、かつ、所定の条件を満たす場合、演出決定手段303は、今回の特別遊技における演出内容として特殊ボーナス演出を実行する。
具体的には、演出決定手段303は、本判定に基づく今回の大当りまたは小当り(小当りV)に伴う特別遊技が6ラウンド以上(すなわち6ラウンドまたは9ラウンド)で、かつ、特図2保留内の次回の大当りまたは小当り(小当りV)に伴う特別遊技が6ラウンド以上(すなわち6ラウンドまたは9ラウンド)の場合、特殊ボーナス演出の実行(開始)を決定する。今回の大当りまたは小当りVに伴う特別遊技のラウンド数は、本判定としての図柄判定結果を参照することにより特定でき、特図2保留内の次回の大当りまたは小当りVに伴う特別遊技のラウンド数は、事前図柄判定結果を参照することにより特定できる。このように、第3実施例では、特殊ボーナス演出の実行管理を事前判定情報に基づいてサブ基板300が行い、また、典型的には初回の小当りV時に特殊ボーナス演出の開始有無を判定する。
なお、演出決定手段303は、初回当りとしての小当りが発生する図柄変動中は、特殊ボーナス演出への突入を示唆する演出を実行しないことが望ましい。V入賞しなかった場合には大当りへ発展しないからである。従って、小当りの場合において特殊ボーナス演出を実行するか否かの判断は、小当り遊技中において特定領域を通過したタイミングとすることが考えられる。特殊ボーナス演出が可能となる状況下において、小当り遊技中に特定領域を通過した場合には、特定領域を通過した旨を報知する演出(V入賞演出)や、小当り発展大当りの開始デモ(小当り遊技終了後~大当り遊技の1ラウンド目開始までの期間)において、遊技者に対し、特殊ボーナス演出の実行に係る報知が行われる。一方、初回当りが大当りの場合、その大当りが発生する図柄変動中に特殊ボーナス演出への突入を示唆する演出を実行してもよい。また、特殊ボーナス演出が実行される場合、少なくとも今回の当り6ラウンド+次回の当り6ラウンドの12ラウンド以上が確定するが、3ラウンド+9ラウンドや、9ラウンド+3ラウンドの組み合わせでは特殊ボーナス演出に突入しない。
演出決定手段303は、特殊ボーナス演出において、3ラウンドの期間ごとに(すなわち1ラウンド~3ラウンド、4ラウンド~6ラウンド、7ラウンド~9ラウンドのそれぞれを単位として)、「ポイント」の獲得煽り演出(以下「ポイント獲得煽り演出」とも呼ぶ。)を表示させる。ポイント獲得煽り演出は、今回または次回以降の特別遊技(すなわち一連の保留内連荘)において獲得可能な利益量(出玉量とも言え、実施例では特別遊技のラウンド数)を示唆する内容の演出である。
実施例では、1ポイントは、1ラウンドの獲得を示唆するものである。変形例として、1ポイントは、2ラウンド以上(例えば3ラウンド)の獲得を示唆するものであってもよい。1ポイントに対応するラウンド数が少なければ、ポイント獲得煽り演出の成功頻度を高めることができ、一方、1ポイントに対応するラウンド数が多ければ、1ポイントの獲得により大きな利益量を獲得できることを遊技者に印象づけることができる。なお、実施例では、「ポイント」は、小当り遊技は対象とせず、小当り発展大当りおよび大当りにおいて実行される特別遊技のラウンド数に対応して換算されるものとしているが、変形例として、小当り遊技についても1ラウンドとして扱い、ポイントとして表示可能に構成してもよい。
特殊ボーナス演出開始後の2回目の当り以降、演出決定手段303は、保留内に当り(大当りまたは小当り)があれば、その当りが6ラウンド未満の特別遊技が実行される当りであっても特殊ボーナス演出(および後述の特殊チャンス演出)の継続を決定する。すなわち、特殊ボーナス演出が実行される1回目の特別遊技と2回目の特別遊技は6ラウンド以上(実施例では6ラウンドまたは9ラウンド)である必要があるが、3回目以降の特別遊技は、全ての種類の特別遊技(実施例では3ラウンド、6ラウンド、9ラウンドのいずれも)が許容される。すなわち、特殊ボーナス演出の実行(開始)のための条件としての本判定の小当り(大当り)に基づく特別遊技のラウンド数および保留内に存在する特殊ボーナス演出となる2回目の小当り(大当り)に基づく特別遊技のラウンド数の条件よりも、特殊ボーナス演出となる3回目以降の小当り(大当り)に基づく特別遊技のラウンド数の条件の方が緩和されるようになっており、開始条件を厳しく設定する一方で、特殊ボーナス演出の継続性を高めるように構成されている。
図35は、特殊ボーナス演出の例を示す。図35(a)は、特殊ボーナス演出580の第1画面を示している。特殊ボーナス演出580の第1画面は、ボタン画像582を含み、ポイント獲得煽り演出として演出ボタン109の操作を促す内容を含む。また、特殊ボーナス演出580は、右打ちナビ576、累計ポイント581、累計賞球数583、ストックポイント585を含む。右打ちナビ576は、遊技者に右打ちを促す内容の画像である。累計ポイント581は、一連の特殊ボーナス演出中(連荘中)に実行されたラウンド数の合計を示す画像である。累計賞球数583は、一連の特殊ボーナス演出中(連荘中)に払い出された賞球数の合計を示す画像である。
ストックポイント585は、ストックされたポイントの数を示す画像である。言い換えれば、ストックポイント585は、それまでに獲得済のポイントであって、ポイントに対応する特別遊技のラウンドが未実行のポイントの数を示す画像である。ストックポイント585は、1つ以上のポイントオブジェクトを含む。演出表示制御手段305は、特別遊技(小当りV)における実行済のラウンドに対応するポイントオブジェクトをグレー表示に変化させる。そして、特別遊技(小当りV)が終了すると、グレー表示させた1つ以上のポイントオブジェクトを消去する(非表示にする)。
図35(b)は、特殊ボーナス演出580の第2画面を示している。特殊ボーナス演出580の第2画面は、第1画面でのポイント獲得煽り演出の結果を示すものであり、本図では、ボタン操作の結果が成功となってポイントを獲得したことを示している。具体的には、ポイントアイコン584を2つ獲得し、すなわち2ポイントを新たに獲得した旨を示している。なお、ポイント獲得煽り演出の結果(ボタン操作の結果)が失敗となる場合、ポイントの獲得に失敗したことを示す内容が表示される。
図35(c)は、特殊ボーナス演出580の第3画面を示している。特殊ボーナス演出580の第3画面は、第1画面でのポイント獲得煽り演出の結果、遊技者が獲得したポイント数(獲得ポイント586)を示すものである。演出表示制御手段305は、獲得ポイント586に対応するポイントオブジェクトをストックポイント585に追加する。同図のストックポイント585は、今回および次回以降(保留内連荘)での特別遊技において少なくとも5ラウンドが実行されうることを示唆している。
ポイント獲得煽り演出は、固定のパターン(言い換えれば1つの演出種類であってポイント獲得の期待度に応じたパターンを持つもの)ではなく、変動演出におけるリーチ演出や予告演出のように複数の種類が存在する。演出決定手段303は、ポイント獲得煽り演出の複数のパターン(異なるストーリーや背景を持つ複数パターン)の中から抽選によりいずれかを選択してもよい。
また、第3実施例でのポイントの獲得数は最大で9個である。演出決定手段303は、特殊ボーナス演出に係る各特別遊技の開始時に、(1)今回の特別遊技のラウンド数(本判定としての図柄判定結果により判別される情報)、(2)それまでに獲得済でありポイントに対応する特別遊技のラウンドが実行されていない分のポイント数(ストックポイント数)、(3)保留内の当り(大当りまたは小当りV)のラウンド数(事前図柄判定結果により判別される情報)をもとに、今回の特別遊技において獲得すべきポイント数と、今回の特別遊技における特殊ボーナス演出におけるポイントの獲得シナリオ(何回目のポイント獲得煽り演出でいくつのポイントを獲得するか)を決定する。
演出決定手段303は、決定したポイント獲得シナリオにしたがって、ポイント獲得煽り演出の内容を抽選により決定する。例えば、ポイントを獲得するタイミングとなるポイント獲得煽り演出には、高期待度の予告を高確率で選択する。ポイント獲得煽り演出の種類として、1ラウンドの尺で完結する予告(低期待度パターン)、2ラウンド(または3ラウンド)の尺で完結する予告(高期待度パターンや、6ポイント以上の獲得が確定するパターン等)が設けられてもよい。
図36は、特殊ボーナス演出580の演出過程を示す。図36(a)は、初回の小当りVにおける特殊ボーナス演出580の演出過程を示している。演出決定手段303は、V入賞時に保留内連荘の有無および次回大当りのラウンド数に基づいて、特殊ボーナス演出の実行有無を決定する。演出決定手段303は、特殊ボーナス演出の実行を決定した場合、その旨を開始デモにて表示させる。演出決定手段303は、1ラウンド~3ラウンドと4ラウンド~6ラウンドのそれぞれでポイント獲得煽り演出を表示させる。
今回の特別遊技が6ラウンドであれば、演出決定手段303は、今回の特殊ボーナス演出を終了させ、以降の通常遊技において特殊チャンス演出(後述)を表示させる。今回の特別遊技が9ラウンドであれば、演出決定手段303は、少なくとも4ラウンド~6ラウンドのポイント獲得煽りにてポイント獲得成功を表示させ、7ラウンド~9ラウンドでポイント獲得煽り演出を表示させる。9ラウンドが終了すると、演出決定手段303は、今回の特殊ボーナス演出を終了させ、以降の通常遊技において特殊チャンス演出(後述)を表示させる。
特殊ボーナス演出580中には、ポイント(ポイントアイコン584)の獲得以外にチャンスアイコンを獲得することがある。チャンスアイコンは、今回の特別遊技(典型的には小当りV大当り)が終了すること、および、次回の当り(大当りまたは小当り)までの通常遊技(図柄変動状態)へ移行すること、すなわち特殊チャンス演出(後述)へ移行することを示唆するアイコンである。なお、チャンスアイコンを獲得する場合にも、ポイント獲得煽り演出の成功パターンと同様の演出を行い、チャンスアイコンの獲得が報知される。また、チャンスアイコンとポイントが同時に獲得される場合もあり、その場合には、その時獲得したポイント数およびストックとして表示している未消化のポイントを保持(ストック)した状態で、次回の当り(大当りまたは小当り)までの通常遊技(図柄変動状態)へ移行することとなる。例えば、ポイント獲得煽り演出の際に未消化のポイントが3ポイント(=3ラウンド)あり、新たに3ポイントおよびチャンスアイコンを獲得した場合には、合計6ポイントをストックした状態で特殊チャンス演出が実行され、次回または次回と次々回の小当りV(または大当り)にて合計6ラウンド以上の特別遊技が実行されることが確定的となる。
図36(b)は、2回目の小当りVにおける特殊ボーナス演出580の演出過程を示している。初回の小当りV時に特殊ボーナス演出の実行が決定されているため、2回目の小当りVに伴う特別遊技も6ラウンド以上である。演出決定手段303は、V入賞時に保留内連荘の有無(ここでは次回大当りのラウンド数は不問)に基づいて、2回目の小当りV以降にも、特殊チャンス演出および特殊ボーナス演出をさらに継続させるか否かを決定する。演出決定手段303は、1ラウンド~3ラウンドと4ラウンド~6ラウンドのそれぞれでポイント獲得煽り演出を表示させる。
今回の特別遊技が6ラウンドであり、かつ、特殊ボーナス演出の終了を決定している場合(すなわち保留内に大当りまたは小当りがない場合、あるいは後述する特殊ボーナス演出の継続終了抽選に当選した場合)、演出決定手段303は、特殊ボーナス演出を終了させる。以降の時短状態の通常遊技では特殊チャンス演出(後述)は表示されない。また、今回の特別遊技が6ラウンドであり、かつ、特殊ボーナス演出の継続を決定している場合(すなわち保留内に大当りまたは小当りがある場合であり特殊ボーナス演出の継続終了抽選に当選していない場合)、演出決定手段303は、今回の特殊ボーナス演出を終了させ、以降の時短状態の通常遊技において特殊チャンス演出(後述)を表示させる。
今回の特別遊技が9ラウンドであれば、演出決定手段303は、少なくとも4ラウンド~6ラウンドのポイント獲得煽りにてポイント獲得成功を表示させ、7ラウンド~9ラウンドでポイント獲得煽り演出を表示させる。9ラウンドが終了し、かつ、特殊ボーナス演出の終了を決定している場合(すなわち保留内に大当りまたは小当りがない場合)、演出決定手段303は、特殊ボーナス演出を終了させる。以降の時短状態の通常遊技では特殊チャンス演出(後述)は表示されない。9ラウンドが終了し、かつ、特殊ボーナス演出の継続を決定している場合(すなわち保留内に大当りまたは小当りがある場合であり特殊ボーナス演出の継続終了抽選に当選していない場合)、演出決定手段303は、今回の特殊ボーナス演出を終了させ、以降の時短状態の通常遊技において特殊チャンス演出(後述)を表示させる。
図36(c)は、3回目以降の小当りVにおける特殊ボーナス演出580の演出過程を示している。既述したように、3回目の小当りVに伴う特別遊技は、3ラウンド、6ラウンド、9ラウンドいずれの可能性もある。演出決定手段303は、V入賞時に保留内連荘の有無(ここでも次回大当りのラウンド数は不問)に基づいて、特殊ボーナス演出をさらに継続させるか否かを決定する。演出決定手段303は、1ラウンド~3ラウンドでポイント獲得煽り演出を表示させる。
今回の特別遊技が3ラウンドであり、かつ、特殊ボーナス演出の終了を決定している場合、演出決定手段303は、特殊ボーナス演出を終了させる。以降の時短状態の通常遊技では特殊チャンス演出(後述)は表示されない。また、今回の特別遊技が3ラウンドであり、かつ、特殊ボーナス演出の継続を決定している場合、演出決定手段303は、今回の特殊ボーナス演出を終了させ、以降の時短状態の通常遊技において特殊チャンス演出(後述)を表示させる。
今回の特別遊技が6ラウンド以上(すなわち6ラウンドまたは9ラウンド)であれば、演出決定手段303は、1ラウンド~3ラウンドのポイント獲得煽りにてポイント獲得成功を表示させ、4ラウンド~6ラウンドでポイント獲得煽り演出を表示させる。今回の特別遊技が6ラウンドであり、かつ、特殊ボーナス演出の終了を決定している場合、演出決定手段303は、特殊ボーナス演出を終了させる。以降の時短状態の通常遊技では特殊チャンス演出(後述)は表示されない。また、今回の特別遊技が6ラウンドであり、かつ、特殊ボーナス演出の継続を決定している場合、演出決定手段303は、今回の特殊ボーナス演出を終了させ、以降の時短状態の通常遊技において特殊チャンス演出(後述)を表示させる。
今回の特別遊技が9ラウンドであれば、演出決定手段303は、4ラウンド~6ラウンドのポイント獲得煽りにてポイント獲得を表示させ、7ラウンド~9ラウンドでポイント獲得煽り演出を表示させる。9ラウンドが終了し、かつ、特殊ボーナス演出の終了を決定している場合、演出決定手段303は、特殊ボーナス演出を終了させる。以降の時短状態の通常遊技では特殊チャンス演出(後述)は表示されない。9ラウンドが終了し、かつ、特殊ボーナス演出の継続を決定している場合、演出決定手段303は、今回の特殊ボーナス演出を終了させ、以降の時短状態の通常遊技において特殊チャンス演出(後述)を表示させる。
なお、演出決定手段303は、特殊ボーナス演出の継続条件を満たした場合、例えば特図2保留内に6ラウンド以上の大当りまたは小当りとなる抽選値が存在する場合であっても、特殊ボーナス演出の終了を抽選により決定する(継続終了抽選)。この抽選の当選確率(特殊ボーナス演出を例外的に終了させることとなる確率)は、非常に低い値(1~3%程度)に設定される。特殊ボーナス演出の終了が、特図2保留内に当りが存在しないことを確定させることになると、特殊ボーナス演出が終了した際に遊技者の期待感を大きく損なう可能性があるからである。
次に特殊チャンス演出について説明する。特殊チャンス演出は、特殊ボーナス演出が終了し、次回の当り(大当りまたは小当り)が確定している状態の通常遊技(図32では連荘ゾーン542に該当)において、次回の当りが発生するまでの複数回の変動に亘って表示される演出である。第3実施例のぱちんこ遊技機500では、特殊ボーナス演出への突入をサブ基板300(演出決定手段303)が、先読み演出決定手段374によって管理するものとなっている。一方で、メイン基板200は、特殊ボーナス演出に突入する場合と突入しない場合とで、特殊ボーナス演出の終了に基づいて特殊チャンス演出に移行する場合と、連荘ゾーン542に移行する場合とで、時短状態の通常遊技において参照する変動パターンテーブルを切り替えることはできない。そのため、特殊チャンス演出の実行期間における変動パターンは、連荘ゾーン542における通常の演出時と同様の変動パターン(変動時間)が選択される。したがって、メイン基板200の変動パターン決定手段231では、連荘ゾーン542において小当り(大当り)が発生するか否かを演出的に報知するため、相対的に長い変動時間を有する変動パターンが選択されることとなり、既に確定している次回の当りまで保留を高速消化させることは困難となっている。そのため、既に確定している次回の当りが発生するまでの期間に、遊技者に対して興趣性のある演出を表示させる必要がある。第3実施例では、既に確定している次回の当りが発生するまでの期間に特殊チャンス演出を表示する。
既述したように、特殊チャンス演出が表示される時点で、遊技者は、次回の当りが確定していること(言い換えれば保留内に大当りまたは小当りとなる抽選値が存在すること)を判別可能である。そのため、演出決定手段303は、特殊チャンス演出として、当りの期待度を報知する内容ではなく、主として次回以降の当りで獲得可能な利益量を示唆する内容を表示させる。具体的には、特殊ボーナス演出と同様に、ポイントの獲得有無を煽る内容(以下「ポイント獲得煽り予告」とも呼ぶ。)を表示させる。
演出決定手段303は、特殊チャンス演出において、ポイントアイコン584の獲得有無を煽る演出、および、ポイントアイコン584の獲得成功または失敗を報知する演出の表示を決定し得る。また、演出決定手段303は、特殊ボーナス演出中と同様に特殊チャンス演出においても、チャンスアイコンの獲得有無を煽る演出、および、チャンスアイコンの獲得成功または失敗を報知する演出の表示を決定し得る。演出決定手段303は、特図2保留内に既に報知済の次回の当り(大当りまたは小当り)に加えて、さらに別の当り(次々回の大当りまたは小当り)が存在する場合に、チャンスアイコンの獲得を決定し得る。したがって、特殊チャンス演出内でチャンスアイコンが獲得された場合、現在の変動を含めて当り2回以上が確定することになる。なお、特殊チャンス演出中にチャンスアイコンを獲得した場合、特殊ボーナス演出の終了時には、ポイント獲得煽り演出の失敗パターンあるいはポイント獲得の成功パターンの表示に伴って、獲得していたチャンスアイコンに基づいて特殊チャンス演出に移行する旨が報知される。
特殊チャンス演出が表示される状態は、特図2保留内での当りが確定している状態である。そのため、演出決定手段303は、特殊チャンス演出の開始時に、メイン基板200から送信された事前判定情報(事前パターン判定結果)をもとに、次の当りが発生するまでの1回以上の変動の合計時間を計算する。演出表示制御手段305は、次の当りが発生するまでの時間を示す時間画像を、特殊チャンス演出の開始時から表示させる。演出表示制御手段305は、特殊チャンス演出の表示中に、次の当りが発生するまでの時間をカウントダウンするように時間画像を更新してもよい。
特殊チャンス演出中の各変動では、連荘ゾーン542におけるリーチ成立後外れ等の演出に対応した比較的長時間の変動パターンがメイン基板200の変動パターン決定手段(第1変動パターン決定手段231、第2変動パターン決定手段232)にて選択されることがある。そのため、1変動に1回のポイント獲得煽り予告を表示する場合、テンポが悪い印象を遊技者に抱かせる可能性がある。そこで、演出決定手段303は、特殊チャンス演出中の変動における変動パターンが比較的長い(予め定められた閾値より長い)場合、その変動中に複数回のポイント獲得煽り予告を表示させる。例えば、演出決定手段303は、1変動中に表示する複数回のポイント獲得煽り予告を、特定のテーマやモチーフ、ストーリー、キャラクタ等がステップアップしていく態様(所謂ステップアップ予告の態様)で表示させてもよい。また、1変動中に表示する複数回のポイント獲得煽り予告を個々に独立した内容で表示させてもよい。
演出決定手段303は、特殊チャンス演出突入時に、その時点で存在する特図2保留(少なくとも最先の当りまで)の事前パターン判定結果に基づく変動時間情報、次回当り(大当りまたは小当りV)のラウンド数、その時点での保留ポイント数をもとに、最先の当りまでの複数回の変動に亘るポイント獲得煽り予告の回数、その予告の成功タイミング、ポイント獲得数のシナリオを決定する。演出決定手段303は、決定したシナリオに整合するように、1回以上のポイント獲得煽り予告のそれぞれで獲得するポイント数や、予告パターンを決定する。なお、特殊チャンス演出中の最後のポイント獲得煽り予告であり、実施例では、当り変動における最後のポイント獲得煽り予告は、必ず成功が選択される。この結果、最後のポイント獲得煽り予告では、ポイントアイコンまたはチャンスアイコンの少なくともいずれかが獲得される。
以下、第3実施例の変形例を説明する。第1変形例を説明する。演出決定手段303は、特殊ボーナス演出の終了抽選に当選して特殊ボーナス演出を強制終了させた場合であって、かつ、特図2保留内(あるいは特殊ボーナス終了後2変動以内等)に再度当り(例えば特殊ボーナス演出の継続条件を満たす当り)が発生した場合、その当たりに伴って再度特殊ボーナス演出へ復帰させてもよい。この場合、演出決定手段303は、特殊ボーナス演出を強制終了させた時点のポイントに復帰させてもよい。この態様によると、特殊ボーナス演出の継続終了抽選の当選確率を比較的高くすることができ、意外性のある遊技を実現しやすくなる。また、第3実施例の特殊ボーナス演出の継続終了抽選の当選確率が比較的低確率であったことから、特殊ボーナス演出の終了(連荘ゾーン542への移行)が、終了時の特図2保留の小当り(大当り)の期待感を損ねる可能性があったが、変形例のように特殊ボーナス演出の継続終了抽選の当選確率を高めることによって、連荘ゾーン542への移行時に保留内に当りとなる保留が存在する可能性が高まり、連荘ゾーン542への移行が特図2保留の当りに対する期待感を損ねることを防止できるようになる。
第2変形例を説明する。第3実施例のぱちんこ遊技機500は、特殊チャンス演出中、次回当りまでの時間を報知する仕様であるが、この間にいわゆる止め打ちがなされると、特殊ボーナス演出の開始時に特図2保留の数が少なくなっており、特殊ボーナス演出の継続となる演出抽選の結果が得られ難くなり、特殊ボーナス演出および特殊チャンス演出の継続率が低くなるという影響が出る。一方で、特殊ボーナス演出~特殊チャンス演出の繰り返しにより多くの出玉(ラウンド数)が得られて遊技意欲等の増進につなげるため、なるべく特図2保留を4個貯めた状態で当り(特殊ボーナス演出)に移行させたいという開発者の意図がある。
そこで、演出決定手段303は、特殊チャンス演出中の各変動の前半パートにおいて第2始動口12への入賞数(または特図2保留数)に応じて、ポイント獲得の期待度を示唆する内容の予告(「ポイント獲得期待度示唆予告」とも呼ぶ。)を表示させてもよい。特殊チャンス演出中の各変動の後半パートではポイント獲得煽り予告を表示させてもよい。また、演出決定手段303は、特殊チャンス演出中の各変動の開始時に「第2始動口12(電チュー)へ球を入れて気合いを貯めてね」等のメッセージを表示させて第2始動口12への入球を促した後にポイント獲得煽り予告を表示させてもよい。
また、第2始動口12への入球に応じて設定示唆を行ってもよい。例えば、演出決定手段303(音声制御手段306)は、特殊チャンス演出中の各変動において第2始動口12へのオーバー入賞1回目(特図2保留が4個である状況下での第2始動口12への入球1回目)にぱちんこ遊技機500の設定値を示唆する内容の特殊ボイスを出力させてもよい。特殊ボイスの内容は、設定値に応じて異なるものであってもよい。また、演出決定手段303は、特図2保留の保留画像を特殊態様で表示させ、特殊態様の保留画像の少なくとも一部を左右反転、上下反転または回転等させることにより設定値を示唆してもよい。
第3変形例を説明する。演出決定手段303は、小当りVのV入賞時、当りの種類に関する内容を示す報知演出を表示させる。この報知演出は、小当り終了後の役物連続作動装置の作動開始デモ期間の演出であり、例えば、V入賞に伴う特別遊技のラウンド数を報知する演出(実行予定のラウンド数に応じて内容が異なる演出)や、初回の特殊ボーナス演出の実行(開始)を報知する演出である。
小当り終了後の役物連続作動装置の作動開始デモ期間の時間値も、メイン基板200の決定する事項であるため、特殊ボーナス演出へ突入するか否かや特殊ボーナス演出の実行中であるか否かに応じて変更することができない時間値である。そのため、特殊ボーナス演出への突入時、継続時には、ラウンド数報知演出ではなく、特殊ボーナス演出の開始または継続を示す内容の開始デモ演出に差し替える。特殊ボーナス演出に係る連荘では「ポイント」という指標があるため、演出決定手段303は、連荘数(すなわち大当りおよび小当りの回数)ではなく、獲得済であって特別遊技のラウンドとして実行された分のポイント数(すなわち連荘中の総ラウンド数)に応じて開始デモ演出(特殊ボーナス演出の継続演出)の内容を切り替えてもよい。「○○連荘目」よりも「合計△△ポイント(△△ラウンド)獲得中」の方が、表示される数字が大きくなり、一層大きな利益を得られているという印象を遊技者に抱かせやすくなるからである。
また、特殊ボーナス演出では、3ラウンドを単位としてポイント獲得煽り(継続煽り)が実行されてもよい。この場合、この煽り後のラウンド間を長めにして、こまめに役物連続作動装置の作動開始デモにて行う内容と同等の演出を表示させてもよい。
第4変形例を説明する。特殊ボーナス演出と特殊チャンス演出は、連荘ゾーン542における時短11回+特図2保留変動最大4回の演出(ここでは「ラッシュ演出」と呼ぶ。)から移行した状態である。演出決定手段303は、ラッシュ演出において、複数の演出モード(テーマや背景、キャラクタ、ストーリー等)の中からいずれかを選択させる選択画面を表示させてもよい。演出決定手段303は、選択画面で選択された演出モードの態様でラッシュ演出を表示させてもよい。特殊ボーナス演出中に小当りが発生したものの特定領域への入球(V入賞)がなかった場合、演出決定手段303は、特殊ボーナス演出を終了させて、特定の演出モード(典型的には直近で選択された演出モード)のラッシュ演出へ復帰させてもよい。なお、小当り時にV入賞せず、小当り遊技が終了した後が非時短の通常遊技となる状況であって、さらに特図2保留が存在しなければ、ラッシュ演出(連荘ゾーン542)を終了させて通常ステージ510に復帰させてもよい。
演出決定手段303は、複数の小当りが特図2保留内に存在する場合であって、かつ、先の小当り遊技においてV入賞させなかった場合も、特殊ボーナス演出を終了させる。例えば、次の小当りが6ラウンド小当り図柄であり、次々回の小当りも6ラウンド小当り図柄である場合であって、かつ、獲得済ポイント数を「9」と表示している場合を考える。このとき、遊技者は、2回以上小当りが発生するか、または次の小当りが9ラウンドであるかを判別することはできない。ここで、次回の小当りVの開始条件となるV入賞に失敗した場合、「-6ラウンド」等と表示しないとつじつまが合わなくなるが、このような演出を設けるとイレギュラーな状況に対して複数の演出パターンを設ける必要がある。そこで本変形例では、小当りのストックがいくつであっても、V入賞失敗を契機として特殊ボーナス演出を終了させ、ラッシュ演出へ復帰させることで共通化する。これにより、イレギュラー対応用の演出パターンが不要になる。なお、演出制御は複雑となる可能性があるが、イレギュラー対応用の演出パターンを用意する場合、V入賞に失敗しても特殊ボーナス演出(特殊チャンス演出)を維持する仕様としてもよい。
<第4実施例>
本実施例について、前提技術、第1実施例~第3実施例と相違する点を中心に以下説明し、共通する点の説明を省略する。第4実施例の特徴は、前提技術、第1実施例~第3実施例および変形例の特徴と任意の組合せが可能であることはもちろんである。
第4実施例の概要を説明する。第4実施例のぱちんこ遊技機500では、特定の演出が発生した場合に、その後の変動演出として実行される演出内容を遊技者が任意に変更可能とする演出を提供することにより演出の興趣性を高める。
具体的には、演出決定手段303は、演出内容として特殊演出パターンに基づく演出の実行を決定可能である。特殊演出パターンには、当りの期待度を示唆する予告の態様を遊技者に選択させる第1演出と、第1演出において選択された態様にて上記予告を表示する第2演出とを実行することが定められる。第1演出は、複数種類の予告カテゴリの中からいずれかの予告カテゴリを遊技者に選択させる第1段階と、第1段階において選択された予告カテゴリに属する複数の予告パターンの中からいずれかの予告パターンを遊技者に選択させる第2段階とを含む。すなわち、第4実施例では、(1)保留変化を含む複数種類の演出の中からいずれかを遊技者に選択させ、(2)上記(1)で選択された演出種類の具体的な演出パターンをさらに遊技者に選択させるという2段階の選択演出を設ける。
この態様によると、後段の演出(上記の第2演出)における予告態様を前段の演出(上記の第1演出)にて遊技者に選択させ、その選択の段階を複数にすることにより、後段の演出における予告態様を多様な候補の中から遊技者が任意に選択可能となり、演出の興趣を高めることができる。
なお、上記第1演出において提示される選択肢の数または種類は、保留個数(例えば特図1保留個数)に応じて決定されてもよい。また、上記特殊演出パターンには、変動演出の開始から上記第1演出が提示される期間に亘って、保留個数を増加させるよう促す内容を表示させることが定められてもよい。具体的には、上記(1)の選択は、保留数によって選択可能な種類数が増加する仕様であってもよく、演出の開始時に保留を生起させるための期間を設けてもよい。この態様によると、演出の一層の多様化を実現でき、また、選択肢を有利なものとする(例えば選択肢数を増やす)ために、遊技球の発射を遊技者に促すことができる。
第4実施例の詳細を説明する。演出決定手段303が選択し得る変動演出パターンは、特殊演出パターンを含む。図37は、特殊演出パターンに基づく特殊演出のフローを示す。同図の「SP」はスーパーリーチを示している。図37に示す演出過程と、各予告の時間値等が特殊演出パターンに定められてもよい。特殊演出パターンが選択された場合、演出表示制御手段305は、ロングリーチにて特殊装飾図柄を停止表示(仮停止)させ得る。ロングリーチにて特殊装飾図柄が停止表示(仮停止)されると、演出表示制御手段305は、ロングリーチに続く変動演出として、特殊キャラクタが登場する演出態様選択予告を表示させる。演出態様選択予告は、上記の第1演出に対応する。
演出態様選択予告は、上記の第1演出の第1段階に対応する内容として、特殊キャラクタが報酬(5種類のうち2種類以上)を提示し、遊技者に所望の報酬(カテゴリとも言える)を選択させるカテゴリ選択予告を含む。報酬の種類は、抽選により都度異なり得る。5種類の報酬は、(1)保留、(2)タイマー、(3)激アツ演出、(4)当落告知、(5)自問自答を含む。
(1)保留は、当該保留(保留画像)のパターンを遊技者が任意に選択できるものである。(2)タイマーは、後のSP(上記の第2演出)中に出現するタイマー(例えばその秒数)を遊技者が任意に選択できるものである。(3)激アツ演出は、後のSP中に出現する激アツ演出の態様を遊技者が任意に選択できるものである。(4)当落告知は、当該変動が当りとなるか否かを特殊キャラクタに尋ねる場合の特殊キャラクタによる告知割合を遊技者が任意に選択できるものである。(5)自問自答は、特殊キャラクタが自問自答を行う内容の予告であり、第1特殊SPへの移行が確定するものである。
演出表示制御手段305は、特殊演出パターンに基づく変動演出の開始から、カテゴリ選択予告が終了するまでの間、保留個数の増加(言い換えれば第1始動口11への入球)を遊技者に促す内容の画像を表示させる。後述するように、カテゴリ選択予告に続くパターン選択予告では、保留個数が多いほど、選択可能に表示されるパターン数が多くなり、また、当り確定のプレミアパターンが表示される可能性もあるからである。
演出態様選択予告は、上記の第1演出の第2段階に対応する内容として、カテゴリ選択予告で選択された報酬(カテゴリ)の詳細なパターンを提示し、遊技者に所望のパターンを選択させるパターン選択予告を含む。カテゴリ選択予告で(1)保留が選択された場合、パターン選択予告では、(1-1)変更無し(保留画像の変更をしない場合に選択)、(1-2)赤(赤色保留へ変化)、(1-3)リュックサック、(1-4)第2特殊SP(シリアスSP、第1特殊SPでなく第2特殊SPへ移行する)、(1-5)虹偽(偽と書かれた虹色の保留へ変化するものであり、当り確定)が選択可能に表示されうる。
上記の(1-3)リュックサックは、保留画像がリュックサック形状の保留に変化し、後続のSP中にリュックサック保留の中から当りの期待度を示唆する態様のオブジェクトが出現するパターンである。このパターンは、報酬としての保留変化をまず提供し、当りの期待度に関する報知を後回しにするパターンである。
カテゴリ選択予告で(2)タイマーが選択された場合、パターン選択予告では、(2-1)8秒、(2-2)18秒、(2-3)28秒が選択可能に表示されうる。いずれも後のSP開始後に各SPに対応する演出が発生するまでの時間を指定するものである。パターン選択予告ではさらに、(2-4)第2特殊SP(シリアスSP、第1特殊SPでなく第2特殊SPへ移行する)、(2-5)∞(当り確定)が選択可能に表示されうる。
カテゴリ選択予告で(3)激アツ演出が選択された場合、パターン選択予告では、(3-1)キリン柄オブジェクト(各SP対応の高期待度演出が発生する)、(3-2)キリンフラッシュ(選択後、即座にキリン柄のフラッシュが出現する)、(3-3)群予告(選択後、即座に群予告が出現する)、(3-4)第2特殊SP(シリアスSP、第1特殊SPでなく第2特殊SPへ移行する)、(3-5)虹保留(保留画像が虹色に変化する、当り確定)が選択可能に表示されうる。
カテゴリ選択予告で(4)当落告知が選択された場合、パターン選択予告では、(4-1)告知率33%(当りの場合に約1/3で当りを告知する)、(4-2)告知率50%(当りの場合に約1/2で当りを告知する)、(4-3)告知率99%(当りの場合に約1/1で当りを告知する)、(4-4)第2特殊SP(シリアスSP、第1特殊SPでなく第2特殊SPへ移行する)、(4-5)告知率77%(当り確定)が選択可能に表示されうる。なお、カテゴリ選択予告で(5)自問自答が選択された場合には、パターン選択予告を実行せず、第1特殊SPが実行される。
カテゴリ選択予告において選択可能に表示されるパターン数(報酬パターン数)は、保留個数(例えば特図1保留個数0~4)と対応付けられている。具体的には、保留個数が多くなるほど選択可能に表示される報酬パターン数も多くなるよう定められ、言い換えれば、演出表示制御手段305は、保留個数が多いほど、多くの報酬パターン数を選択可能に表示させる。
例えば、上記パターンの(※-1)と(※-2)(※は1~4のいずれか)は、保留個数に関係なく選択可能に表示される。上記パターンの(※-3)は、保留2個の場合に選択可能に表示され、または、2個目の保留入賞時にリアルタイムに出現する。上記パターンの(※-4)は、保留3個の場合に選択可能に表示され、または、3個目の保留入賞時にリアルタイムに出現する。上記パターンの(※-5)は、プレミアパターンであり、保留4個の場合であって、かつ、保留内に当りが存在する場合に表示されうる。または、保留内に当りが存在する場合であって、かつ、4個目の保留入賞時にリアルタイムに出現表示されうる。
なお、演出表示制御手段305は、保留4個目の入賞時に、デフォルトで表示される上記パターンの(※-1)を、プレミアパターンとしての上記パターンの(※-4)に差し替えてもよい。この差し替えは、保留内に当たりが存在する場合に所定確率で実行されてもよい。
次に、図37の第2特殊SPについて説明する。既述だが、第2特殊SPは、パターン選択予告においてパターン(※-4)第2特殊SPが選択された場合に移行されるスーパーリーチ演出である。カテゴリ選択予告においてどの報酬カテゴリが選択された場合でも、パターン選択予告ではパターン(※-4)第2特殊SPが選択可能に表示されうる。
第2特殊SPは、特殊キャラクタとトークをしている画像が表示され、遊技盤80上の可動物(実施例では演出ボタン109)が振動することをもって当りを報知する演出を含む。変形例として、第2特殊SPは、演出ボタン109の振動ではなく、遊技盤80上のいずれかのランプの発光、特殊効果音の発生、レバーアクションの発生をもって当りを報知する内容であってもよい。すなわち、第2特殊SPは、表示画像とは無関係または関係が薄い内容のミッションが達成されることをもって当りを報知する内容であってもよい。さらにまた、第2特殊SPは、実際には当否結果が外れであっても、ミッションの成功(ボタンの振動やランプ発光等)を表示して当りであるかのように見せるいわゆるガセ演出が所定確率で実行されるものであってもよい。
第4実施例の変形例を説明する。第1変形例として、演出態様選択予告におけるパターン選択予告と同様に、演出態様選択予告におけるカテゴリ選択予告で選択可能に表示される報酬カテゴリも保留個数(例えば特図1保留個数)に依存してもよい。例えば、演出決定手段303は、カテゴリ選択予告における上述の報酬カテゴリ(1)~(5)について、特図1保留個数が多いほど、多くの報酬カテゴリ(最大5種類)を選択可能に表示するよう決定してもよい。また、演出表示制御手段305は、特図1保留個数が多いほど、カテゴリ選択予告において多くの報酬カテゴリ(最大5種類)を選択可能に表示させてもよい。
別の態様として、演出決定手段303は、保留個数のように遊技球の発射を必要とするもの以外を条件として、カテゴリ選択予告で選択可能に表示される報酬カテゴリの数を決定してもよい。例えば、演出決定手段303は、演出ボタン109や十字キー110の所定の操作を要求するミッション演出を表示させてもよく、ミッション演出におけるミッション達成状況に応じて、カテゴリ選択予告で選択可能に表示される報酬カテゴリ数を決定してもよい。また、演出決定手段303は、達成されたミッション数が多いほど、多くの報酬カテゴリ(最大5種類)を選択可能に表示するよう決定してもよい。
第2変形例を説明する。演出決定手段303は、特殊演出パターンに基づく特殊演出中(例えばロングリーチ中や演出態様選択予告表示中)に保留個数の上限を超えるオーバー入賞が発生した場合、遊技盤80上の導光板を発光させること、および導光板の発光態様を決定してもよい。演出表示制御手段305は、演出決定手段303が決定した態様にて導光板を発光させてもよい。導光板の発光態様は複数パターン設けられてよく、少なくとも1つのパターン(例えば虹色に発光するパターン)は、当りを確定的に報知するものであってもよい。演出決定手段303は、オーバー入賞が発生し、かつ、保留内に当たりが存在する場合に、所定の確率(1/5等)にて導光板を虹色に発光させることを決定してもよい。
第3変形例を説明する。上記第4実施例では、パターン選択予告における選択肢の数を保留数に依存する態様で構成した。変形例として、カテゴリ選択予告における選択肢の数を保留数に依存するように構成してもよいし、カテゴリ選択予告とパターン選択予告の双方における選択肢の数を保留数に依存するように構成してもよい。
<第5実施例>
本実施例について、前提技術、第1実施例~第4実施例と相違する点を中心に以下説明し、共通する点の説明を省略する。第5実施例の特徴は、前提技術、第1実施例~第4実施例および変形例の特徴と任意の組合せが可能であることはもちろんである。
第5実施例の概要を説明する。第5実施例のぱちんこ遊技機500は、複数のステップを含む予告(例えばコメント予告)途中のボタン操作入力により、当該予告の進行シナリオに変化を与えることができるよう構成されることで演出の興趣性を高める。
具体的には、演出決定手段303は、演出内容として特殊演出パターンに基づく演出の実行を決定可能である。特殊演出パターンには、複数段階で進行する予告(実施例では「特殊ステップアップ予告」と呼ぶ。)を実行することが定められる。演出表示制御手段305は、特殊演出パターンに基づく演出の実行が決定された場合であって、最終段階以外の途中段階の予告を表示中の予め定められた操作手段(演出ボタン109等)に対する操作有効期間に操作手段に対する所定操作が入力された場合、上記途中段階の予告として表示予定であった予告とは異なる予告を表示させる。演出表示制御手段305は、上記途中段階において上記異なる予告を表示させた場合、上記途中段階以降の段階で表示予定であった予告の表示をキャンセルする。上記途中段階以降の段階で表示予定であった予告の表示をキャンセルすることは、例えば、表示予定であった予告を表示しないことでもよく、演出のパターンをそれまでとは別のパターンに差し替えることでもよい。
なお、実施例では、途中段階の予告は、最初の段階の予告と、最後の段階の予告を除く中間段階の予告である。また、途中段階の予告を表示中の操作手段(演出ボタン109等)に対する操作有効期間は、演出表示装置60の画像表示等により遊技者には報知されない。すなわち、途中段階の予告を表示中の操作有効期間における操作手段に対する操作入力に伴う演出は、いわゆる裏ボタン演出である。また、変動演出の内容として、特殊ステップアップ予告と、特殊ステップアップ予告とは異なる特殊予告(後述の「段階示唆予告」)とが重複して当選している場合、上記異なる予告に切替可能な演出パターンに当選しないよう構成され、または、上記異なる予告への切替を制限するよう構成される。
第5実施例の詳細を説明する。図38は、特殊ステップアップ予告のフローを示す。本実施例の特殊ステップアップ予告は、図柄変動中に、キャラクタがセリフをしゃべる(例えばキャラクタのセリフを示す画像を表示する)コメント予告であり、最大3ステップ(SU1、SU2、SU3)が表示されうるが、メイン基板200の変動パターン決定手段231にて決定された変動パターンや、当否抽選結果等によって表示可能な演出が演出決定手段303において決定されるため、途中のステップであるSU1、SU2で終了する場合もある。また、個別のステップ(SU1、SU2、SU3)でのキャラクタのセリフの内容によっては、以降の演出内容が、保留変化、演出ステージのチェンジ、特殊リーチまたは特殊擬似連に分岐する場合もある。例えば、SU2でのコメントが保留変化を示唆する場合、保留画像を変化させる保留変化演出へ移行する。また、SU2でのコメントがステージチェンジを示唆する場合、演出ステージを変化させるステージチェンジ演出へ移行する。また、SU2でのコメントが特殊擬似連を示唆する場合、SU3の表示を経て特殊擬似連を発生させる。
特殊演出パターンは、(1)特殊ステップアップ予告が実行されている図柄変動の変動パターンが通常変動以上(具体的には3秒程度の所定の短時間変動する短縮変動でないとき)であり、かつ(2)SU3の実行が予定され、かつ(3)SU2の実行中であるときに裏ボタン仕様として割込み演出であるツッコミ演出が実行可能に構成される。実施例では、上記(1)の条件充足有無を、メイン基板200において決定された、特別図柄の変動パターン(いわゆるメイン変動パターン)を用いて判断する。変形例として、上記(1)の条件充足有無を、サブ基板300(演出決定手段303)において決定された変動演出パターン(いわゆるサブ変動パターン)を用いて判断してもよい。
演出表示制御手段305は、SU2においてボタン操作の有効期間であることを示すボタン画像等を演出表示装置60には表示せず、すなわちSU2におけるボタン操作有効期間は遊技者に明示されない(なお、演出ボタン109等に備えられた発光装置によって、ボタンが有効である旨を報知するように構成してもよい)。演出表示制御手段305は、上記(1)~(3)の条件が満たされる状況で、演出ボタン109に対する所定操作(押下等)が入力されると、SU2において表示中(または表示予定)のコメント予告をキャンセルし、その表示予定であったコメント予告とは異なる内容であるツッコミ演出を割込み演出として表示させる。演出表示制御手段305は、ツッコミ演出を表示させた場合、演出ボタン109の操作が無かった場合の演出として、実行が予定されていたSU2以降の予告(SU3等)の表示をキャンセルする。
ツッコミ演出では、SU2にて表示されているコメントと対応する内容が表示される。例えば、演出表示制御手段305は、SU2で表示させたコメントが演出パターンの整理番号1番のコメント(例えばキャラクタAのセリフ)の場合、ツッコミ演出では上記演出パターンの整理番号1番のコメントに予め対応付けられたツッコミコメント(例えばキャラクタAのツッコミ用のセリフ)を表示させてもよい。また、演出表示制御手段305は、SU2で表示させたコメントが演出パターンの整理番号2番のコメントの場合(例えばキャラクタBのセリフ)、ツッコミ演出では上記演出パターンの整理番号2番のコメントに予め対応付けられたツッコミコメント(例えばキャラクタBのツッコミ用のセリフ)を表示させてもよい。
ツッコミ演出は、その実行が禁止される禁則条件を有する。この禁則条件は、ツッコミ演出の実行ができない状況を定めた不可条件とも言える。図39は、ツッコミ演出の禁則条件を示す。不可条件No.1は、変動パターン(実施例ではメイン基板200が決定したメイン変動パターン)による制約である。不可条件No.2~4は、演出パターンによる制約である。不可条件No.5は、他の予告との複合(組み合わせ)による制約である。演出決定手段303は、図39の不可条件No.1~5のいずれかに該当する場合、ツッコミ演出を実行可能な演出パターンを選択しない。または、演出決定手段303は、ツッコミ演出を実行可能な演出パターンを選択し、上記のツッコミ演出の実行条件(1)~(3)が満たされる状況で、演出ボタン109が操作されても、ツッコミ演出の表示を抑制する。
図39の不可条件No.5に示すように段階示唆予告と複合する場合、演出決定手段303は、特殊ステップアップ予告におけるコメントの内容を段階示唆予告に適合するものと差し替え、特殊ステップアップ予告の各コメント内容が変化する。また、段階示唆予告自体が比較的高い当りの期待度を示唆するものである。そのため、演出表示制御手段305は、段階示唆予告と複合する場合にはツッコミ演出への分岐を抑制してSU3まで進行させつつ段階示唆予告を表示させる。なお、段階示唆予告については第6実施例にて詳細に説明する。
第5実施例の技術思想は、演出に関わる操作入力装置(演出ボタン等)を備える回胴式遊技機(以下「スロットマシン」という)にも有用である。ぱちんこ遊技機100の通常遊技はスロットマシンの通常ゲームに対応し、ぱちんこ遊技機100の特別遊技はスロットマシンのボーナスゲーム(ビッグボーナスやレギュラーボーナス等)に対応する。スロットマシンでは、抽選手段による抽選がボーナスゲームへの移行が可能であることを示す結果となって、リールが停止した場合に、ボーナスゲームが実行される。また、スロットマシンでは、所定の条件を満たす場合、ボーナスゲームの終了後の通常ゲームにおいて通常状態より有利な有利状態(例えばリプレイタイム(RT)やアシストリプレイタイム(ART)等)へ移行される。このようなスロットマシンにおいても、第5実施例のぱちんこ遊技機500と同様に、複数のステップを含む予告(例えば3つのリールをそれぞれ停止させるストップボタンの操作毎に進行するコメント予告など)途中のボタン操作入力により、当該予告の進行シナリオに変化を与えることができるよう構成されてもよい。
<第6実施例>
本実施例について、前提技術、第1実施例~第5実施例と相違する点を中心に以下説明し、共通する点の説明を省略する。第6実施例の特徴は、前提技術、第1実施例~第5実施例および変形例の特徴と任意の組合せが可能であることはもちろんである。
第6実施例の概要を説明する。第6実施例のぱちんこ遊技機500は、変動中に累積的な態様で変化する演出(例えば画像の見た目やランプの発光、可動物の作動等)によって当りの期待度を報知する。これにより、これまでにない斬新な演出を実現する。
具体的には、演出決定手段303は、1回の図柄変動における演出として特殊演出パターンに基づく演出の実行を決定可能である。演出表示制御手段305は、特殊演出パターンに基づく演出の実行が決定された場合、図柄変動の当りに係る期待度を段階的に示唆する段階示唆予告と、その段階示唆演出とは異なる他の予告を含む演出を表示させる。段階示唆予告は、上記他の予告において段階予告の段階を進行させる契機となる内容が表示された場合に段階が進行するものであって、段階の進行状況を累積的な態様で報知するものである。
上記の他の予告は、実施例では前述した第5実施例のコメント予告や、擬似連続変動演出、あるいはその他の大当り期待度を示唆する予告演出とする。擬似連続変動演出は、1回の図柄変動において装飾図柄の仮停止を表示することにより擬似的に複数回の図柄変動が実行されたように見せる演出であり、疑似的な図柄変動回数が多くなるほど相対的に大当りとなる期待度が高まるように構成された演出である。擬似連続変動演出で表示される個々の擬似的な図柄変動を擬似連1、擬似連2、擬似連3と呼ぶこととする。疑似的な図柄変動である疑似連1~擬似連3の各変動表示中には、コメント予告やその他の予告演出(例えば、ボタン演出やステージチェンジ演出、カットイン演出、ステップアップ演出など)が表示される。
第6実施例の詳細を説明する。本実施例の段階示唆予告は、並行して実行される擬似連続変動演出(擬似的な図柄変動回数に応じて段階的に大当り期待度が上昇する演出)とは別進行で、言い換えれば、複数回の擬似連続変動演出に跨って、様々な演出内容の表示を契機として画面表示内容や遊技盤80上の役物(実施例では可動役物)の状態を当りの期待度が相対的に高い状態へ累積的に変化させていく予告演出である。
図40は、ぱちんこ遊技機500の前面側の構造を模式的に示す。ぱちんこ遊技機500の遊技盤80上には様々な色彩で発光させることが可能な導光板590が設けられる。また、遊技盤80上には、6人のキャラクタが描かれた可動役物である6個のキャラクタパネル592が配置される。演出制御手段304(演出表示制御手段305等)は、段階示唆予告実行時に、例えば段怪示唆予告を進行させる契機となる演出が実行されたタイミングで導光板590を赤色や紫色に発光させる。また、キャラクタパネル592は、ランプを備える。演出制御手段304(演出表示制御手段305等)は、段階示唆予告実行時に、キャラクタパネル592を順次反転させ、反転させたキャラクタパネル592のランプを赤色や紫色に発光させる。キャラクタパネル592およびキャラクタパネル592のランプは、当該変動の終了時や、当該変動の途中で高期待度演出であるSPリーチ演出の発展タイミングとなるまで、反転状態、ランプの発光状態を維持する。すなわち、実施例の段階示唆予告は、ぱちんこ遊技機500の前面全体が徐々に赤色や紫色に染まっていく予告演出である。なお、本実施例では段階示唆予告の累積的な段階として、1~6の段階が用意されている。
演出決定手段303は、予告抽選時(例えば図柄変動開始時)に、メイン基板200から送信されたメイン変動パターンから変動演出パターンであるサブ変動パターンを決定する。サブ変動パターンは、例えば、擬似連1~3を含む擬似連続変動演出を実行可能な演出時間値を定める。演出決定手段303は、サブ変動パターンをもとに演出シナリオを決定する。演出シナリオは、擬似連1~3を含む擬似連続変動演出を実行し、擬似連3後にSPリーチ演出を実行することを定める。
また、演出決定手段303は、上記シナリオ決定前、または、シナリオ決定と同格の抽選として、擬似連1~3の各段階において、段階示唆予告をどの段階まで進行させる(上昇させる)かを決定する抽選を実行し(段階レベル抽選)、段階示唆予告の段階上昇シナリオを決定する(段階シナリオ抽選)。段階上昇シナリオは、例えば、1のシナリオパターンとして、擬似連1において段階1まで進行し、擬似連2において段階2~4まで進行し、擬似連3において段階5、6まで進行することを定めてもよい。このように段階示唆予告は、他の予告(実施例では擬似連続変動演出)において段階示唆予告の段階を進行させる契機となる内容(実施例では擬似連1、擬似連2、擬似連3等)が表示された場合に段階が進行するものである。段階上昇シナリオのシナリオパターンは、サブ変動パターンとして、擬似連2からSPリーチ演出へ発展する演出シナリオの場合、擬似連2の段階で段怪6まで到達するように構成されてもよい。
演出決定手段303は、演出シナリオと段階上昇シナリオを決定すると、演出シナリオとして実行が予定されている図柄変動中の予告演出の演出内容(実行パターン)について、段階示唆演出実行時用の個別予告抽選テーブルを使用して、擬似連1、擬似連2、擬似連3、SP等、個々の演出内容を抽選により決定する。例えば、演出決定手段303は、擬似連1のコメント予告の個別予告抽選として、段階示唆予告が進行する契機となり得る演出内容が表示されるよう演出パターンを決定し、決定されたコメント予告が表示されたことに合わせて、段階示唆予告の1段階目でキャラクタAのキャラクタパネル592を反転させて赤く発光させ、擬似連1の擬似連続予告演出の実行を示唆することとなる擬似連図柄の仮停止時の予告演出パターンを段階示唆予告の進行契機となるパターンとすることで、疑似連続予告が擬似連2に進行する段階で、段階示唆予告の2段階目としてキャラクタBのキャラクタパネル592を反転させて赤く発光させることを決定する。同様に、演出決定手段303は、擬似連2(擬似連3)において実行されるコメント予告等の予告演出内容を段怪上昇シナリオと整合するように、個別の予告演出内容を決定していき、1回の図柄変動中に行われる段階示唆予告および関連する他の予告の演出内容の実行パターンを決定する。演出制御手段304は、演出決定手段303により決定された段階上昇シナリオにしたがって、段階が上昇するたびにキャラクタパネル592を反転させていき、最後の6段階目ではキャラクタFのキャラクタパネル592を反転させて赤く発光させる。このように段階示唆予告は、複数のキャラクタパネル592が累積的に変化していくことにより段階の進行状況を累積的に報知するものである。
また、演出表示制御手段305は、段階示唆予告において、背景画像としての段階示唆エフェクトを演出表示装置60に表示させる。段階示唆エフェクトには、複数のレベル(言い換えればパターン)が設けられる。具体的には、段階示唆エフェクトは、チャンスパターン(2段階以上の上昇が確定)と、大チャンスパターン(最高段階(6段階目)への到達が確定)を含む。演出決定手段303は、擬似連1~3での段階上昇シナリオに適合するように、段階示唆エフェクトをデフォルト、チャンスパターン、大チャンスパターンのいずれで表示するかを決定する。
また、演出決定手段303は、演出シナリオと段階上昇シナリオに応じて、キャラクタパネル592の複数の発光パターンの中からいずれかを選択する。キャラクタパネル592の複数の発光パターンは、紫発光(デフォルト、SP無し以上)、赤発光1(通常SP以上)、赤発光2(当りの期待度が相対的に高い強SP以上)を含む。
また、段階上昇シナリオは、最高段階(6段階目)に達したときに、導光板590を金色に発光させるパターンを含んでもよい。導光板590の金色発光は、リーチ発展時に特殊なカットインが発生することを示唆するものでもよい。
原則として、段階示唆予告を実行するサブ変動パターンの最後の擬似連続変動(例えば擬似連3)にて、最高段階(実施例では6段階目)に到達可能となる。例外として、最高段階到達後に実行される予告で、段階の上昇を示唆または報知する内容が表示されてもよい。ただし、一旦最高段階に到達後は、上記例外の予告が表示されても、段階の更なる上昇は行わない。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。例えば、変形例においては、本発明をスロットマシン、じゃん球遊技機、その他の遊技機に適用してもよい。
なお、実施例および変形例に記載の技術は、以下の態様によって特定されてもよい。
[第1態様]
所定の遊技動作を契機として、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技への移行可否を判定するための抽選を実行する抽選手段と、
前記抽選手段による抽選が前記特別遊技への移行が可能であることを示す結果となった場合に前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
所定条件が満たされた場合に、前記特別遊技終了後における通常遊技の遊技状態を通常状態より有利な特定遊技状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
演出内容を決定する演出決定手段と、
演出に対する遊技者による操作入力を受け付ける操作手段と、
を備え、
前記演出決定手段は、前記特定遊技状態の終了後、特殊演出を表示させる特殊演出モードに移行させ、前記特殊演出モードでは、前記操作手段に入力された操作に基づいて前記特殊演出モードを終了させる遊技機。
「特定遊技状態の終了後」は、特定遊技状態の終了後であって、抽選結果が特別遊技への移行が可能であることを示す結果となる可能性が相対的に高い保留(例えば特図2保留)の消化後であってもよい。言い換えれば、特定遊技状態は、時短(電チューサポート)の期間、および、電チュー入球に伴う保留(例えば特図2保留であり、0~4球)の消化期間を含んでもよい。上記実施例に記載したように、特図1は小当り無しまたはV入賞が容易な小当り無しであり、一方、特図2はV入賞が容易な小当りに高確率で当選するため、特図2保留の消化中も通常状態より有利な状態と言えるからである。
本態様によると、比較的難易度が高い条件達成時に移行する特殊演出モード(いわばご褒美的な演出モード)の終了を遊技者自身で決定できるよう構成することで、遊技の興趣を高めることができる。
[第2-1態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄を変動表示させる図柄表示制御手段と、
前記当否判定が当りを示す結果となって所定条件が満たされた場合に、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記特別遊技終了後における前記通常遊技の遊技状態を、前記第2始動口への入球容易性が通常状態より高まる入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
演出内容を表示する演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記演出決定手段は、前記入球容易状態において、前記第2抽選値が保留されていることを示す保留画像を複数種別の態様のうちどの態様で表示させるかを決定可能であり、
前記入球容易状態における図柄変動に伴う演出は、表示された前記第2抽選値の保留画像の種別に応じて、前記当否判定の結果の表示に至るまでの演出過程が異なる弾球遊技機。
本態様によると、入球容易状態における図柄変動演出について、保留画像の表示態様に応じて、当否判定の結果の表示に至るまでの演出過程を異ならせることにより、入球容易状態における演出を多様化させ、遊技の興趣を高めることができる。
[第2-2態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄を変動表示させる図柄表示制御手段と、
前記当否判定が当りを示す結果となって所定条件が満たされた場合に、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記特別遊技終了後における前記通常遊技の遊技状態を、前記第2始動口への入球容易性が通常状態より高まる入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
演出内容を表示する演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記演出決定手段は、前記入球容易状態において、前記第2抽選値が保留されていることを示す保留画像を複数種別の態様のうちどの態様で表示させるかを決定可能であり、
前記入球容易状態における図柄変動に伴う演出は、表示された前記第2抽選値の保留画像の種別に応じて、前記当否判定の結果の表示に至るまでの演出過程が異なり、
前記入球容易状態における演出モードとして、複数種類の演出モードのうちいずれかを選択可能であり、
前記演出決定手段は、前記複数種類の演出モードのうちどれが選択された場合でも、前記保留画像を前記複数種別の態様のうちどの態様で表示させるかを決定可能であり、
前記保留画像の複数種別の態様のうち少なくとも1つの態様は、いずれの演出モードであっても同じ基準で当りの期待度を示唆するものである弾球遊技機。
本態様によると、上記第2-1態様に加えて、複数の演出モードの中からいずれかを選択可能とすることで入球容易状態における演出を一層多様化することができ、一方で、保留画像の複数種類の態様のうち少なくとも1つの態様は、いずれの演出モードであっても同じ基準で当りの期待度を示唆するものであるため、多くの遊技者に対して当りの期待度を分かり易く提示することができる。
[第3-1態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄を変動表示させる図柄表示制御手段と、
前記当否判定が当りを示す結果となって所定条件が満たされた場合に、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出内容を決定する演出決定手段と、
前記第1始動口または前記第2始動口への入球があった場合、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく図柄の変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず、当該入球を契機として取得された抽選値に基づいて当否判定が実行された場合の結果に関する事前判定情報を前記演出決定手段へ通知可能な事前判定手段と、
を備え、
前記特別遊技制御手段は、当りを示す図柄の種類に応じて、獲得可能な利益量が異なる複数種類の特別遊技の中からいずれかを実行し、
前記演出決定手段は、特別遊技を実行する際に、次の特別遊技として特定の種類の特別遊技を実行することとなる抽選値である特定当り抽選値が保留されている場合、今回の特別遊技における演出内容を特殊演出とすることを決定し、
前記演出決定手段は、前記特定当り抽選値に基づく特別遊技における演出内容も前記特殊演出とすることを決定し、
前記演出決定手段は、2回目以降の特殊演出の実行時、次の特別遊技を実行することとなる抽選値である当り抽選値が保留されている場合、前記当り抽選値に基づく特別遊技における演出内容も前記特殊演出とすることを決定可能である弾球遊技機。
本態様によると、特定の種類の特別遊技を含む保留内連荘が発生する場合、複数回の特別遊技に亘って特殊演出を表示させ、また、3回目以降の特殊演出はその実行条件を緩和して特殊演出を長く継続させやすくすることで、保留内連荘に係る演出の興趣を高めることができる。
[第3-2態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄を変動表示させる図柄表示制御手段と、
前記当否判定が当りを示す結果となって所定条件が満たされた場合に、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出内容を表示する演出表示装置と、
前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
前記第1始動口または前記第2始動口への入球があった場合、当該入球を契機として取得された抽選値に基づく図柄の変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず、当該入球を契機として取得された抽選値に基づいて当否判定が実行された場合の結果に関する事前判定情報を前記演出決定手段へ通知可能な事前判定手段と、
を備え、
前記演出決定手段は、特別遊技における演出として、次の特別遊技を実行することとなる抽選値が保留されている場合、保留内連荘を報知する特殊演出の実行を決定し、
前記演出決定手段は、前記特殊演出を実行した特別遊技終了後の図柄変動に伴う演出として、次の特別遊技に係る利益量を示唆する演出の実行を決定する弾球遊技機。
本態様によると、保留内連荘の報知後、次の特別遊技開始前の好適な図柄変動演出を実現でき、保留内連荘に係る演出の興趣を高めることができる。
[第4態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄を変動表示させる図柄表示制御手段と、
前記当否判定が当りを示す結果となって所定条件が満たされた場合に、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記演出決定手段は、前記演出内容として特殊演出パターンに基づく演出の実行を決定可能であり、
前記特殊演出パターンには、当りの期待度を示唆する予告の態様を遊技者に選択させる第1演出と、前記第1演出において選択された態様にて前記予告を表示する第2演出とを実行することが定められ、
前記第1演出は、複数種類の予告カテゴリの中からいずれかの予告カテゴリを遊技者に選択させる第1段階と、前記第1段階において選択された予告カテゴリに属する複数の予告パターンの中からいずれかの予告パターンを遊技者に選択させる第2段階とを含む弾球遊技機。
本態様によると、後段の演出における予告態様を前段の演出にて遊技者に選択させ、その選択の段階を複数にすることにより、後段の演出における予告態様を多様な候補の中から遊技者が任意に選択可能となり、演出の興趣を高めることができる。
[第5態様]
演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を表示させる演出表示制御手段と、
遊技者による操作入力を受け付ける操作手段と、
を備え、
前記演出決定手段は、前記演出内容として特殊演出パターンに基づく演出の実行を決定可能であり、
前記特殊演出パターンには、複数段階で進行する予告を実行することが定められ、
前記演出表示制御手段は、前記特殊演出パターンに基づく演出の実行が決定された場合であって、最終段階以外の途中段階の予告を表示中の予め定められた前記操作手段に対する操作有効期間に前記操作手段に対する所定操作が入力された場合、前記途中段階の予告として表示予定であった予告とは異なる予告を表示させ、
前記演出表示制御手段は、前記途中段階において前記異なる予告を表示させた場合、前記途中段階以降の段階の予告の表示をキャンセルする遊技機。
本態様によると、遊技者は、複数段階で構成される予告の途中でボタン操作等を入力することにより、当該予告の進行シナリオに変化を与えることができ、演出の興趣を高めることができる。
[第6態様]
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた始動口と、
前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
前記抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
前記当否判定の結果を示すための図柄を変動表示させる図柄表示制御手段と、
前記当否判定が当りを示す結果となって所定条件が満たされた場合に、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
演出内容を決定する演出決定手段と、
前記演出決定手段により決定された演出内容を表示させる演出表示制御手段と、
を備え、
前記演出決定手段は、1回の図柄変動における演出として特殊演出パターンに基づく演出の実行を決定可能であり、
前記演出表示制御手段は、前記特殊演出パターンに基づく演出の実行が決定された場合、前記図柄変動の当りに係る期待度を段階的に示唆する段階予告と、前記段階予告とは異なる他の予告を含む演出を表示させ、
前記段階予告は、前記他の予告において前記段階予告の段階を進行させる契機となる内容が表示された場合に段階が進行するものであって、段階の進行状況を累積的な態様で報知するものである弾球遊技機。
本態様によると、同じ図柄変動演出内で実行される他の予告の表示内容に応じて段階予告の段階を進行させていくとともに、段階の進行状況を累積的な態様で報知することで、斬新な予告演出を実現できる。
11 第1始動口、 12 第2始動口、 60 演出表示装置、 80 遊技盤、 81 遊技領域、 220 当否判定手段、 230 変動パターン決定手段、 260 特別遊技制御手段、 303 演出決定手段、 304 演出制御手段、 305 演出表示制御手段。

Claims (1)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられた第1始動口と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が相対的に困難な状態から相対的に容易な状態に変化するよう開放可能な入球変動機構を有する第2始動口と、
    前記第1始動口への入球を契機として取得した第1抽選値、または、前記第2始動口への入球を契機として取得した第2抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
    前記第1抽選値と前記第2抽選値を、所定個数を上限に、その当否判定に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
    前記当否判定の結果を示すための図柄を変動表示させる図柄表示制御手段と、
    前記当否判定が当りを示す結果となって所定条件が満たされた場合に、通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
    前記特別遊技終了後における前記通常遊技の遊技状態を、前記第2始動口への入球容易性が通常状態より高まる入球容易状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
    演出内容を表示する演出表示装置と、
    前記演出表示装置に表示させる演出内容を決定する演出決定手段と、
    を備え、
    前記演出決定手段は、前記入球容易状態において、前記第2抽選値が保留されていることを示す保留画像を複数種別の態様のうちどの態様で表示させるかを決定可能であり、
    前記入球容易状態における図柄変動に伴う演出は、表示された前記第2抽選値の保留画像の種別に応じて、前記当否判定の結果の表示に至るまでの演出過程が異なり、
    前記保留画像の種別は、第1の種別と第2の種別を有し、
    前記第1の種別の保留画像と前記第2の種別の保留画像のそれぞれは、当り期待度の異なる複数種類の保留画像を含み、
    前記第1の種別の保留画像のうち最も当り期待度の低い保留画像である第1の種別保留画像Aは、前記第2の種別の保留画像のうち最も当り期待度の低い保留画像である第2の種別保留画像Bよりも当り期待度が高く、
    前記入球容易状態において所定の演出が実行される期間は、前記第2始動口への入球を契機として取得された前記第2抽選値に対応する保留画像の表示を制限する期間を含み、
    前記演出決定手段は、前記制限する期間において前記第2始動口への入球が発生した場合、前記制限する期間の終了後に表示する当該入球に対応する保留画像として、前記第2の種別保留画像Bを選択可能である一方、前記第1の種別の保留画像を選択しない弾球遊技機。
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