(前提技術)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が大当りした際の特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカー108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカー108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、本明細書において「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲート」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電動役物ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示部45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開され、第2始動口12への入球可能性が高まる。なお、変形例として作動口の個数を1個とし、遊技領域81の左側方位置に設ける構成としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球が排出される排出口であり、アウト検出装置39を備える。アウト検出装置39は、アウト口34を通過して排出される遊技球を検出するセンサであり、検出時にその検出を示す排出情報を生成する。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球がすべて誘導されて通過し得るよう、遊技領域81の中央最下端部に設けられる。アウト口34の球詰まりを防止するために十分な幅の遊技球通路を確保しつつ、アウト検出装置39を複数個並べて設ける仕様としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側下方に、図柄等表示ユニット120が配置される。図柄等表示ユニット120には、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42、第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普通図柄表示部45、普図保留表示部75、遊技状態表示部76、異常報知部77等の各表示部が設けられる。具体的には、第1の遊技に対応する第1特別図柄表示部41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示部42とが左側下位置に左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機とする第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機とする第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42へ表示され、または、所定の表示(例えば「-」)と非表示(例えば全消灯)とが所定時間繰り返された後に判定結果に対応した図柄が表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。なお、第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
また、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく、例えば液晶ディスプレイ等の他の表示装置に表示させる構成としてもよい。
第1特別図柄表示部41の上方には第1の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第1特図保留表示部71が設けられ、第2特別図柄表示部42の上方には第2の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第2特図保留表示部72が設けられる。第1特図保留表示部71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留されている数(以下、当否抽選値の保留されている数を単に「保留数」ともいう)を表示する。第1特図保留表示部71における保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留表示部72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における保留数を表示する。第2特図保留表示部72における保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
図柄等表示ユニット120における右側には、普通図柄表示部45が設けられる。普通図柄表示部45は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらの点灯組合せによって普通図柄の表示状態が表現される。まず、第1のランプと第2のランプを同時に点滅表示させることにより普通図柄の変動が表現され、最終的には第1のランプと第2のランプの点灯状態の組合せで普通図柄の停止図柄が表現される。例えば、第1のランプの点灯と第2のランプの消灯で外れの停止図柄が表現され、第1のランプの消灯と第2のランプの点灯で第1の当り態様が表現され、第1のランプと第2のランプの両方の点灯で第2の当り態様が表現される。
また、普通図柄表示部45の右側には普通図柄変動の保留ランプとして普図保留表示部75が設けられる。普図保留表示部75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
なお、図柄等表示ユニット120には遊技状態表示部76、異常報知部77が設けられている。遊技状態表示部76は、後述する特定遊技状態等の遊技状態に対応した表示をする表示部であり、例えば1つのランプと1つの7セグメントLEDで構成される。例えば、確率変動中の場合にランプを点灯表示、入球容易状態中の場合に点滅表示、通常状態の場合に消灯表示することにより各遊技状態を報知し、特別遊技の実行中は7セグメントLEDによりその特別遊技で実行する単位遊技数(ラウンド数)を表示する。異常報知部77は、遊技機の一部の異常を報知する表示部であり、例えば複数のランプで構成され、異常の種類に応じた点灯パターンにより異常を報知する。なお、これらの表示部を図柄等表示ユニット120に集約配置せず、各表示部を個別に構成してもよいし、または、適宜まとめた複数の表示装置に分けて構成してもよい。また、特定遊技状態等の遊技状態の報知は、例えば電源断から復帰した後の一定時間といった所定期間に限りなされるよう構成してもよい。
遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」~「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。演出表示装置60は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組み合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍(上球皿、右側装飾ランプなど)に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。演出表示装置60は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、前枠102に設けられる。演出ボタン109は、通常、前枠102内に格納されているが、演出ボタン109の裏側には棒状の部材が取り付けられており、棒状の部材と演出ボタン109とを盤面に略垂直な方向に突出させることができるように設けられる。棒状の部材と演出ボタン109は、外部に突出した状態においてレバー112として機能し、遊技者は演出ボタン109を握持してレバー112を下方へ引くことができるようになっている。これによっても、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力することができる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成の遊技機においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車、センター飾り64等に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。セーフ球の排出はアウト検出装置39による検出の対象外とする仕様としてもよいし、セーフ球もアウト検出装置39が設けられた領域に誘導してその排出をすべてアウト検出装置39により検出する仕様としてもよい。あるいは、セーフ球の誘導およびアウト検出装置39によるセーフ球の検出はせず、セーフ球の検出球数をアウト球の検出球数に加算した合計を排出球数とする仕様としてもよい。
また、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、普通図柄表示部45において普通図柄が変動表示され、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止表示される。普通図柄が第1の当り態様または第2の当り態様で停止表示された場合、停止表示された図柄の当り態様と停止表示された際の遊技状態に基づいて普通電動役物90を拡開する。すなわち、図柄停止時の遊技状態が通常遊技状態で、普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として0.1秒間の短開放が実行される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合、通常時および特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第2の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として6秒間の長開放が実行される。ここで、普通図柄の当選確率と長開放の実行確率は、遊技状態によって異なるように設定される。具体的には、通常状態における開放抽選では、1/100の確率で普通図柄が当りとなり、その場合の短開放の実行確率(第1の当り態様の当り図柄が選択される確率)は1/3、長開放の実行確率(第2の当り態様の当り図柄を選択する確率)は2/3に設定される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)における開放抽選では、99/100の確率で普通図柄が当りとなり、第1の当り態様と第2の当り態様の選択確率は通常遊技状態と変わらないものの、いずれの態様で当選しても長開放が実行されるように設定される。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能(1/100から99/100に確率変動)と開放時間の延長機能(第1の当り態様で停止表示した場合の開放時間を0.1秒から6.0秒に延長)により、第2始動口12への入球容易性を高めている。なお、普通電動役物90の作動期間を延長させる機能(長開放)を「開放延長」と呼ぶこともある。
なお、上述のように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高い仕様とすることで、普通図柄の当選時には通常状態でも一定の割合で長開放が実行されるようにする。変形例として、通常状態では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよいし、必ず短開放となる仕様としてもよい。また、入球容易状態のときには、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。なお、通常状態における開放抽選の当り確率をゼロ(0/100)に設定し、入球容易状態において開放抽選がなされた場合に限り普通電動役物90が拡開されうる仕様としてもよい。さらに、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
一方、第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。以下、変動演出パターンにしたがって表示される装飾図柄61の変動表示を例示するとともに、変動演出パターンについて簡単に説明する。なお、変動パターンおよび変動演出パターンの決定方法等の詳細は別途説明する。
装飾図柄61の変動表示の一例としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。なお、装飾図柄190の変動停止時の動作として、1列ずつではなく複数列同時に停止させるよう制御して変動表示中に装飾図柄以外の演出表示を注目させてもよいし、より短い変動時間で図柄変動を表示できるようにしてもよい。また、装飾図柄190の変動開始時の動作として当該変動におけるその後の展開(演出パターンの種類等)に応じて一部の列の変動開始を遅延させるように制御して、期待感を演出するようにしてもよい。
次に、変動演出パターンについて簡単に説明する。変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
なお、当否抽選の保留数が所定数(例えば3個)になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または16回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、16回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。16回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「16R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。なお、単位遊技は16回繰り返されるものの、一部の単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間(例えば1.6秒)開放させることで実質的に少数回の単位遊技が繰り返されたものと同様の通常特別遊技(「実質nR大当り」と称する場合もある)を実現することもできる。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間が短く、または、ほとんどなく(0.1秒など)、1回の単位遊技で大入賞口20を1.6秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロに等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。なお、単位遊技の回数は通常特別遊技と同じものの、全ての単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間開放させることで短縮特別遊技を実現することもできる。
また、上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約1.6秒間だけ開放され、外観上は2R大当りと近似する動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様(例えば「777」)であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。なお、所定条件が成立した場合に確変であるか非確変であるかを演出表示装置60に明示してもよい。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出装置154等を含む。払出装置154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出装置154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源基板158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。メイン基板200の基板上には、性能表示部159が設けられる。性能表示部159は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を、例えば4桁の数字を表示する4つの7セグメントLEDで構成される。
<機能ブロック>
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。以下、各構成を用いて実現される機能を説明するが、本明細書中では、物理構成と機能構成を整合させるため、例えばメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157等、物理構成として既に説明している部分については便宜上その用語をそのまま使用する場合がある。
ぱちんこ遊技機100は、遊技機外部から供給される交流電源(AC24V等)に基づいて遊技機内で使用する電源を生成する電源基板158と、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、賞球払出しを制御する枠制御装置としての払出制御基板155と、遊技領域への遊技球の発射を制御する発射制御基板157と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。
メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口群(第1一般入賞口33a,第2一般入賞口33b)、アウト口34、図柄等表示ユニット120、外部情報出力端子160と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。払出制御基板155は、メイン基板200、発射制御基板157、払出装置154と電気的に接続されている。払出制御基板155は、メイン基板200から送信される賞球払出やメイン基板200の制御状態を示す信号等に基づいて発射の許可信号を発射制御基板157に送信して発射制御基板157を間接的に制御するとともに、払出装置154による賞球の払出を制御する。払出装置154は、払出モータ166と球計数センサ167を含む。発射制御基板157は、払出制御基板155、発射装置156、球送装置164と電気的に接続されており、払出制御基板155から送信される発射の許可信号等に基づいて球送装置164および発射装置156を制御して遊技球を発射させる。サブ基板300は、演出表示装置60、可動役物66(駆動モータ67、位置検出センサ68)、スピーカー108、演出用入力操作装置115(演出ボタン109、十字キー110)、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。
メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向となるよう一方向でのデータ送受信にて全体動作を実現するための各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、サブ基板300は、メイン基板200で生成された情報が送信されない限りその情報を参照することはできない。また、メイン基板200と払出制御基板155の間、払出制御基板155と発射制御基板157の間は、双方向でデータ送受信がなされる。ただし、メイン基板200とサブ基板300の間と同様、メイン基板200から払出制御基板155への一方向でのデータ送受信とする構成や、払出制御基板155から発射制御基板157への一方向でのデータ送受信とする構成にしてもよい。
なお、以下に説明するメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157、サブ基板300に含まれる各機能ブロックはあくまで例示にすぎず、変形例として、一部の機能ブロックが他の基板に搭載されてもよい。例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックがサブ基板300に搭載される形で構成してもよいし、発射制御基板157に含まれる機能ブロックが払出制御基板155に搭載される形で構成してもよい。また、例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックの一部がメイン基板200に搭載される形で構成してもよいし、残りの部分が払出制御基板155に搭載される等、機能ブロックの一部を複数の基板に分割して設け、全体として1つの機能ブロックが構成されるようにしてもよい。
<メイン基板200>
図4は、メイン基板200の機能構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、性能表示部159、乱数生成手段202、第1抽選手段211、第2抽選手段212、事前判定手段235、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276、メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284、コマンド通信手段205を備える。
<入球判定手段201>
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。入球判定手段201は、排出情報を受け取ると遊技球がアウト口34を通過したと判断する。入球判定手段201は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を算出して性能表示部159に表示させる。
<乱数生成手段202>
乱数生成手段202は、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213での各種決定に用いるための乱数を生成する。具体的には、乱数生成手段202は、第1当否判定手段221、第2当否判定手段222による当否抽選で使用する乱数(「当否抽選値」ともいう)として「0」から「65535」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1図柄決定手段226、第2図柄決定手段227による図柄決定(図柄抽選)で使用する乱数(「図柄決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1変動パターン決定手段231、第2変動パターン決定手段232による変動パターンの決定で使用する乱数(「変動パターン決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普図抽選手段213による当否抽選で使用する乱数として「0」から「99」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普通図柄の決定の際に使用する乱数として「0」~「2」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。なお、ここでいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数のほか、16ビットカウンタを利用した乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数を組み合わせて生成する乱数でもよい。また、第1抽選手段211および第2抽選手段212で取得する乱数は、同じ生成手段により生成された乱数を取得してもよいし、別の生成手段により生成された乱数を取得してもよい。
<普図抽選手段213>
普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに、普通図柄の当否抽選に用いる乱数と普通図柄の停止図柄決定に用いる乱数とを乱数生成手段202から取得して抽選を実行する。普図抽選手段213は、普通図柄の当否判定のために参照する普通図柄当否判定テーブル(不図示)と、普通図柄表示部45に表示させる普通図柄の停止図柄決定のために参照する普通図柄判定テーブルとを保持する。普通図柄当否判定テーブルには当否抽選用の抽選値と当りとの対応関係が、普通図柄判定テーブルには停止図柄決定用の抽選値と普通図柄との対応関係がそれぞれ定められており、前述した当り確率と図柄の選択確率に基づいて普通図柄の当否および停止図柄が決定される。普図抽選手段213は、普通図柄の当否抽選用の抽選値が当りに該当する場合、普通図柄判定テーブルを参照して普通図柄の停止図柄を決定し、普通図柄の当否抽選用の抽選値が外れに該当する場合はつねに1の外れ図柄の態様を決定する。普通図柄の当否判定の結果が当りに該当し、普通図柄が所定の図柄(第1の当り態様または第2の当り態様)で停止すると、後述する開閉制御手段275が停止図柄の態様と遊技状態に応じて第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、後述する保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
<第1抽選手段211および第2抽選手段212>
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1抽選手段211による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第1特別図柄表示部41において第1特別図柄51の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2抽選手段212による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第2特別図柄表示部42において第2特別図柄52の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。
<第1抽選値取得手段216および第2抽選値取得手段217>
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1抽選手段211による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の第1当否抽選値、第1図柄決定手段226による第1特別図柄51の停止態様決定用の第1図柄抽選値、第1変動パターン決定手段231による第1特別図柄51の変動パターン(変動時間)決定用の第1パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2抽選手段212による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第2当否判定手段222による当否判定用の第2当否抽選値、第2図柄決定手段227による第2特別図柄52の停止態様決定用の第2図柄抽選値、第2変動パターン決定手段232による第2特別図柄52の変動パターン(変動時間)決定用の第2パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。当否判定では、より具体的には、特別遊技へ移行することを示す「大当り」、小当り遊技へ移行することを示す「小当り」、特別遊技および小当り遊技には移行しないことを示す「外れ」、のいずれに該当するかが判定される。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、後述する事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。なお、本明細書において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルとして、それぞれの当否判定に対応するテーブルを保持する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の当否判定テーブル(「第1当否判定テーブル」ともいう)と、第2当否判定手段222による当否判定用の当否判定テーブル(「第2当否判定テーブル」ともいう)を保持し、実行する当否判定に応じて参照するテーブルを選択する。複数の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0~299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0~299の範囲に該当する場合だけでなく、300~2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500~65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000~65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。すなわち、「当否」を「大当りか否か」の観点で捉える場合は、「小当り」は「大当りではない」という意味で広義の「外れ」に含めて考えてもよい。また、「当否」を「当りか否か」の観点で捉える場合には、「小当り」は「大当り」とともに広義の「当り」に含めて考えてもよい。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。また、「小当り」については、第1の遊技と第2の遊技の一方のみに設けることとしてもよいし、いずれの遊技にも設けないこととしてもよい。その場合、対応する当否判定テーブルに小当りに対応する値が設定されない。
<第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227>
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、乱数生成手段202から取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。具体的には、第1図柄決定手段226は第1当否判定手段221による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持し、第2図柄決定手段227は第2当否判定手段222による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持する。第1当否判定手段221は、大当り時に参照する大当り時第1図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第1図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第1図柄判定テーブルを保持する。第2当否判定手段222は、大当り時に参照する大当り時第2図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第2図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第2図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定の結果に応じて参照する図柄判定テーブルを選択する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、後述する事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図6は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図6(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図6(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図6(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」~「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」~「4」が大当りに対応し、「5」~「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図6(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」~「4」が大当りおよび大当り後の確率変動の有無に対応付けられている。具体的には、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う16R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0~99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0~144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う4R大当り(または「実質4R当り」)を示し、第1図柄抽選値の場合は「100~149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145~149」に対応付けられる。種類「2」は確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150~189」に種類「2」が対応付けられる。種類「3」は通常大当りとして確変を伴わない16R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150~189」に種類「3」が対応付けられる。種類「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「230~255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類(すなわち、大当りの内容とその後の確率変動の有無)ごとの選択確率が定まる。
なお、特別図柄の種類をより多く設けることも可能であり、その場合には複数の特別図柄の種類に対応して1の大当り種類が定まるように構成することで、図柄種類を増やしつつ大当りの種類を少なく設定することができる。あるいは、増加した図柄種類に対応させてより多くの大当りの種類に細分化することも可能である。さらに、第1の抽選時と第2の抽選時とで異なる図柄種類を設けることも可能である。この場合には、第1の抽選時に選択される特別図柄の種類、第2の抽選時に選択される特別図柄の種類のそれぞれに対応するように1の大当り種類が定まるように構成される。ただし、第1の抽選と第2の抽選とで確率変動の割合が同一となるように設定することが望ましい。
図6(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。したがって、外れの場合には必ず同じ特別図柄が停止表示することが決定される。なお、外れの場合に停止表示する特別図柄を複数設けることも可能である。
図6(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」~「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0~49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50~99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100~149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150~199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200~255」に対応付けられる。
なお、本実施例においては、メイン基板200における記憶領域を節約するために、事前図柄判定においても図6のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」~「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。なお、事前図柄判定テーブルとして、さらに細分化し複雑な判定を実施可能としたもの、または同様の特別遊技を実行する大当り図柄の判定範囲をまとめて簡易的にしたものを利用するようにしてもよい。また、本実施例のように外れの際に一律に図柄が定まる場合は、取得した図柄抽選値を参照することなく、また、外れ時用の図柄判定テーブルを用意することなく、特定の図柄を決定してもよい。
<第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232>
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示部41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232、メイン基板200の制御手段は、変動開始条件を満たした際に変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと、始動口への入球時に先読み処理の実行判定のための情報生成に使用する事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、図柄変動の表示過程が定められた各変動パターンには、実質的には、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。また、後述する装飾図柄の変動演出パターンの選択に資するため、同一の変動時間でありながら異なる種類の変動パターンとして定義する場合もある。
図7は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図7(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0~4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5~9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10~19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20~29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30~255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0~2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りとなった場合、パターン抽選値が0~123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124~248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249~252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253~255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0~122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123~255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0~10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。なお、図7に示す実施例では、事前パターン判定にて当否判定結果別にテーブルを有するように例示しているが、当否抽選結果にかかわらず1の事前パターン判定テーブルを用いて、乱数値がおよそどの範囲に位置するかに関する情報のみを導き出すようにするとともに、サブ基板300の制御手段側で、事前当否判定結果とともに、いかなる変動が実行されるかを判断するように制御してもよい。
時短状態において参照する図7(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図7(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図7(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2~4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。なお、第1変動パターン決定手段231と第2変動パターン決定手段232で異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよいし、遊技状態に応じて異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよい。例えば、第2の抽選を第1の抽選より有利な設定とし、第2の抽選を第1の抽選に優先して処理するような遊技機では、時短に伴う入球容易状態にもかかわらず第2の抽選の保留が枯渇して第1の抽選が連続実行されてしまう状況は遊技者にとって好ましくない。そのため、入球容易状態における第1の抽選における外れ変動では、変動時間を短縮しない長時間(例えば10秒)の変動パターンが保留数に拘らず一律に選択されるような変動パターンテーブルを参照することとしてもよい。
<保留制御手段240>
図4に戻り、保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選値または第2当否抽選値が取得されるときに、それ以前に取得されていた第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動が表示されている場合、新たに取得された第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。ここで、第1特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第1当否抽選値、第1図柄抽選値、第1パターン抽選値を記憶し、第2特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第2当否抽選値、第2図柄抽選値、第2パターン抽選値を記憶する。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普図保留表示部75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
<メイン表示制御手段250>
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示部41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示部42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、後述するコマンド通信手段205により変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示部45に表示させる。
<特図調整手段276>
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
<事前判定手段235>
事前判定手段235は、第1抽選事前判定手段236と第2抽選事前判定手段237を含む。第1抽選事前判定手段236は、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231による各種判定の実行前に、第1抽選値取得手段216が取得した各種乱数を用いて第1特図制御手段251による第1特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。第2抽選事前判定手段237は、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232による各種判定の実行前に、第2抽選値取得手段217が取得した各種乱数を用いて第2特図制御手段252による第2特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。
第1抽選事前判定手段236は、第1抽選手段211に係る事前判定用の判定テーブルとして、第1事前当否抽選値判定テーブル、第1事前図柄抽選値判定テーブル、第1事前変動パターン乱数値判定テーブルを保持する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前当否抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1当否抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前図柄抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1図柄抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前変動パターン判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1変動パターン抽選値が属する乱数グループを判定する。そしてこれらの判定結果を事前判定結果として一時的に記憶して、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により事前判定結果に関する情報をサブ基板300に送信する。
図8は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)は、第1始動口11への入球時に図8(a)の第1事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0~299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300~2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000~56499」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「56500~65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第1事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1図柄抽選値が「0~99」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「100~149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「150~189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「190~229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「230~255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第1事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1パターン抽選値が「0~9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「10~29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「30~255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第1始動口11への入球を示す(第1当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)は、第2始動口12への入球時に図8(b)の、第2事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0~299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300~2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000~63999」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「64000~65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第2事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2図柄抽選値が「0~144」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「145~149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「150~189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「190~229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「230~255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第2事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2パターン抽選値が「0~9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「10~29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「30~255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第2始動口12への入球を示す(第2当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
なお、事前判定手段235による事前判定結果として一時記憶された各種情報は、保留記憶数と同様に、それぞれ4個を上限に所定の事前判定結果記憶領域に記憶する。なお、事前判定結果を保留制御手段240が記憶する保留記憶領域を用いて記憶してもよい。事前判定手段235による事前判定結果を後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により演出決定手段303に送信したことに基づいて当該情報を消去するようにしてもよい。このように、他の領域と共用したり、送信完了に基づいて情報を消去することにより、メイン基板200における記憶領域の効率利用が期待できる。また、事前判定用の判定テーブルとして、事前判定専用のテーブルを設けずに、本判定用の判定テーブルを用いてもよく、第1の遊技に関する事前当否判定と第2の遊技に関する事前判定とで一部または全部が共通の事前判定テーブルを共用してもよい。このように、他の判定テーブルと共用することで、メイン基板200におけるデータ容量の削減が期待できる。なお、事前判定手段235の判定結果として送信する内容は、例えば、当否の判定結果のみを送信するなど、適宜選択することも可能である。また、事前判定手段235により判定することなく、第1抽選値取得手段216、第2抽選値取得手段217で取得した乱数の値を前述のコマンド通信手段205によりサブ基板300に送信し、サブ基板300により事前判定の内容を判断するように構成してもよい。
<特別遊技制御手段260>
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を16回繰り返す16R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、16R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。16R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。16R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約1.6秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、16R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
<小当り遊技制御手段265>
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約1.6秒間だけ開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
<特定遊技制御手段270>
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および第2始動口12の開放延長の双方、または第2始動口12の開放延長のみが実施される。すなわち、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
<開閉制御手段275>
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
<メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284>
メイン初期処理実行手段280は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるメイン基板200の制御開始処理を実行する。メイン電断処理実行手段282は、電源断などの電源異常発生時にメイン基板200における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。メインエラー検出手段284は、メイン基板200における異常検知処理を実行する。なお、メイン基板200の制御開始処理、異常時対応処理、および異常検知処理については後述する。
<コマンド送信手段>
コマンド通信手段205は、払出等の実行に必要な制御コマンドを払出制御基板155に送信する払出制御コマンド通信手段206と、演出制御等の実行に必要な制御コマンドをサブ基板300に送信するサブ制御コマンド送信手段207を含む。払出制御コマンド通信手段206は、入球判定手段201による各入賞口への入球の判定に基づいて各入賞口に対応した数の賞球の払出を指示する払出コマンドを送信し、メイン基板200で発生したエラーの状態等を示すコマンドを送信する。サブ制御コマンド送信手段207は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
サブ制御コマンド送信手段207は、第1特図制御手段251および第2特図制御手段252が第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。また、サブ制御コマンド送信手段207は、事前判定手段235による事前判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず事前判定結果に対応する入賞口(第1始動口11、第2始動口12)の種別情報、保留個数の情報、遊技状態等と併せて演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。これにより、サブ基板300の側にとっては受信した事前判定結果により、図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。なお、サブ基板300が行う事前判定情報に基づく処理等については後述する。サブ制御コマンド送信手段207は、特別遊技制御手段260による特別遊技に関する情報、小当り遊技制御手段265による小当り遊技に関する情報、普通図柄抽選手段による抽選結果の情報をサブ基板300に送信する。また、サブ制御コマンド送信手段207は、メイン初期処理実行手段280およびメインエラー検出手段284等による初期処理に関する情報やエラーに関する情報等、メイン基板200での各種制御、または、メイン基板200に送信される各種信号等に関する情報を適宜、サブ基板300に送信する。
図9は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304、計時手段307、演出設定手段308、サブ初期処理実行手段360、サブ電断処理実行手段362、サブエラー検出手段364、コマンド受信手段370、サブ側事前判定手段371を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
コマンド受信手段370は、コマンド通信手段205から送信される各種コマンドを受信し、サブ側事前判定手段371は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を保持する。演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374を含む。通常演出決定手段373は、コマンド通信手段205から送信される第1当否抽選の判定結果または第2当否抽選の判定結果の情報に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。通常演出決定手段373は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定され、コマンド通信手段205から送信された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。通常演出決定手段373は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。通常演出決定手段373は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。なお、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を参照して通常演出決定手段373により変動演出パターンを決定する場合があってもよく、先読み演出決定手段374による先読み演出の内容と併せて変動演出パターンを決定する場合があってもよい。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205からの事前判定結果と、サブ基板300に保持する過去の事前判定結果や遊技状態情報等に基づいて本判定の結果をより精度よく特定し、その特定した結果に基づいて本判定前から先読み演出を実行するか否か、および、その実行内容を決定する。具体的には、先読み演出決定手段374は、現在の遊技状態が確率変動遊技中であるかを判定した上で、今回受信した事前判定結果より前の事前判定結果に基づいて通常遊技状態に移行するか否かを判定する。その判定結果を踏まえ、今回受信した事前判定結果に係る本判定の当否結果や選択される変動パターン等を特定し、当該特定結果に基づいて先読み演出の実行可否、先読み演出の実行内容を決定する。なお、演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374とが協同している部分が多いため、特に必要な部分を除き、両者を包括した演出決定手段303として説明する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは16R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや16R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターン(リーチ後予告)と、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターン(リーチ前予告)とがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことを新たな装飾図柄の変動表示の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305、音声制御手段306、ランプ制御手段309を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカー108からの音声出力を制御する。ランプ制御手段309は、装飾ランプ111の点灯および消灯を制御する。
第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中、演出表示装置60には図柄変動中であることを示す画像を表示する必要がある。通常、ある程度の大きさを持つ通常サイズの装飾図柄61を変動表示させるが、通常サイズの装飾図柄61の変動表示の視認性を阻害する態様で、装飾図柄61の変動以外を主要な演出内容とする特殊な演出を表示させてもよい。この場合、通常サイズの装飾図柄より小さいサイズの装飾図柄である代替図柄を変動表示させることにより図柄変動中であることを遊技者に提示する。以下、単に装飾図柄と呼ぶ場合は通常サイズの装飾図柄を意味するが、代替図柄と区別する場合、通常サイズの装飾図柄を「通常装飾図柄」や「メイン装飾図柄」とも呼ぶ。
代替図柄は、通常装飾図柄の視認性が阻害される間、例えば通常装飾図柄が非表示となる間に表示される。代替図柄は、当否判定結果を演出的に示唆するための装飾図柄の一形態であり、通常装飾図柄よりも簡略化(言い換えれば簡易化、簡素化)された表示形態を有し、通常装飾図柄よりも簡略化された変動過程にて表示される。代替図柄は、通常装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有し、例えば、図柄種類を示す数字、文字、記号を表す表示形態を有する。また代替図柄は、通常装飾図柄が変動表示される領域よりも狭い領域で変動表示され、典型的には図柄以外の要素によるメイン演出を阻害しにくい位置、例えば演出表示装置60の画面の隅で変動表示される。代替図柄は、通常装飾図柄よりも相対的に小さく表示されるが、少なくとも図柄種類が外観上識別可能となる表示形態を有する。なお代替図柄は、通常装飾図柄をそのまま縮小したものでもよく、サイズ以外は通常装飾図柄と同一であってもよい。
複数の通常装飾図柄の代わりに表示される複数の代替図柄は、変動終了時の停止態様の組合せによって当否抽選の結果が遊技者に有利な状態となる期待度の高さを示唆する。例えば、複数の代替図柄は、3つの代替図柄のうち2つの図柄種類が揃ったリーチ状態となることによって当該変動における大当りの期待度が高いことを示唆する。また、リーチ状態となる左右図柄が「3」や「7」などの期待度が相対的に高いことを示唆する特定種類の図柄となることや、「1」や「2」などの期待度が相対的に低いことを示唆する種類の図柄となることによって、そのリーチ状態の期待度の高低を示唆してもよい。なお代替図柄は、外観上、確定的な停止状態になることはなく、微小な揺れが維持される仮停止状態になる。代替図柄の仮停止後に、代替図柄に代えて通常装飾図柄を表示させ、その通常装飾図柄を確定停止の状態で表示させてもよい。また、通常装飾図柄と代替図柄を排他的に表示するのではなく、表示期間の重複があってもよい。さらにまた、通常装飾図柄の視認性が阻害される所定の演出時に、通常装飾図柄の変動表示を継続するとともに代替図柄の変動を表示させてもよい。代替図柄とは異なり、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中に演出表示装置60の所定の領域において、代替図柄と同程度かそれよりも小さい画像にて特別図柄が変動中であることを示唆する簡易図柄を変動表示してもよい。簡易図柄は、通常装飾図柄と同様に3つの図柄組合せの変動表示で構成してもよいし、一つの図柄の変動表示で構成してもよいし、単なる記号(「○」「×」など)を順次切り替える形で構成してもよい。簡易図柄は通常装飾図柄や代替図柄の変動表示態様とは関連性を持たせず、特別図柄の変動開始から変動終了まで一定の変動を表示し、停止表示時には通常装飾図柄の停止表示態様と関連した表示をしてもよい。なお、簡易図柄は、特別図柄の変動表示中であることの示唆および特別図柄の結果が最低限報知されるものであればよく、2つの図柄組合せで表示するものなど適宜変更可能である。また、簡易図柄を「サブ装飾図柄」「サブ装図」「ミニ装飾図柄」「ミニ装図」などと呼んでもよい。演出表示装置60とは別に簡易図柄と同等の表示をLED等の発光態様によって示す第4図柄と呼ばれる装飾図柄の変動表示を用いてもよい。第4図柄は、演出表示装置60に不具合が発生した場合などにおいて、遊技の進行(特別図柄の変動中表示、結果表示)を示すために用いられる。第4図柄の表示態様の一例として、LEDが「白」、「青」、「緑」、「黄」、「橙」、「赤」と順次点灯(消灯を含む点滅としても可)していくことで変動表示してもよいし、特別図柄の種類に応じてある単色で点滅することで変動表示を示唆し、停止表示した際の発光色で外れや大当りの種類を示唆してもよい。
計時手段307は、遊技に使用する時間情報を出力する計時回路である。計時手段307は、電源投入時からの時間をカウンタで計測して時間情報として出力するタイマ回路である。ただし、電池を内蔵してぱちんこ遊技機100の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路でもよい。リアルタイムクロック回路の場合、個体差や時刻ズレによって遊技台ごとの時刻に微差が生じる可能性があるのに対し、タイマ回路の場合、同時に電源投入する限り複数の遊技台の間で時刻の差が生じる可能性は小さい。
演出決定手段303は、計時手段307により出力される時間情報が所定の時間を示したことを契機とする所定タイミングに開始する同調演出を実行する。同調演出は、図柄変動の変動期間や遊技状態とは実質的に非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。同調演出の演出パターンはパターン記憶手段302に格納されており、その演出パターンには所定の楽曲と映像の再生が定められている。同調演出の演出パターンは複数種類用意され、月、日付、曜日、時刻などの日時によって異なる種類の演出パターンが選択され得る。
同調演出は通常遊技中か特別遊技中かを問わず実行される。ここで「通常遊技中」には、いわゆる待機デモ画面の表示中も含まれる。すなわち「通常遊技中」には、(1)図柄が変動表示されている「変動表示中通常遊技」、(2)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中でもない「変動停止中通常遊技」、(3)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中である「待機デモ画面表示中通常遊技」、が含まれる。(1)~(3)のいずれの期間中も同調演出は実行され得るが、(2)および(3)のときは同調演出における音量低減や輝度低減などの制御をする出力態様が(1)のときとは異なり得る。また、待機デモ画面表示中は、遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作によって後述の携帯連携システムに関する情報を入力でき、その操作入力があったときは同調演出の映像および音声の出力が抑制され、携帯連携システムによる演出カスタマイズなどの画面表示が優先される。
同調演出は、例えば所定の楽曲の演奏や映像を所定の時間(「同調演出開始時間」と呼ぶ)に再生する演出である。同調演出を再生する契機となる時間は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間であってもよいし、標準時を基準とした毎正時または正時半の時刻であってもよい。あるいは、日付または曜日によって異なり得る時刻が設定されてもよく、「1時間ごと」のように一定間隔ではなく、最初は1時間後、次は3時間後、というように間隔が異なったり、その間隔が日付や曜日によって異なったりしてもよい。遊技店ごとに遊技店員によって時間を指定できる可変設定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時間となったことを契機にそれら複数の遊技台において一斉に同じ同調演出が実行される。その結果、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲や映像が流れることでその場でライブ演奏や映画の上映がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。
同調演出の機能は同じ機種の別の遊技台にも同様に内蔵されており、同じ遊技島における複数の遊技台は毎日遊技店員によって同時に電源投入される。そして、同時に電源投入される複数の遊技台はすべてほぼ同時に同調演出開始時間を迎えることとなり、一斉に同時進行で同調演出を実行し得ることになる。これを複数台同期演出と呼ぶ。その場合、映像の表示が複数台で同調するだけでなく、効果音や背景音楽の出力もまた複数台で同調することとなり、同調する台数が多いほど一斉に演出を実行することによる相乗効果も高まる。
演出設定手段308は、遊技者の遊技履歴を記憶する。遊技履歴とは、遊技結果の履歴および演出結果の履歴を含む。遊技結果の履歴は、打球数、賞球数、大当り回数、確変回数、時短回数といった遊技の結果として遊技者が得られる出玉につながる遊技の結果である。演出結果の履歴は、遊技上の利益とは異なり、演出の内容や種類を変更できる権利や特定種類の演出を出現しやすくできる権利が付与されるといった利益を獲得するために記録される演出上の得点等の情報である。例えば、所定の演出の出現回数やミニゲームの結果などを得点化して遊技者に付与するために、その得点や遊技履歴を示す符号化情報、例えば二次元コードを画面に表示する。その二次元コードを遊技者が自分の携帯端末のカメラで読み取って復号すると、復号により得られた得点や遊技履歴の情報が遊技者の携帯端末に蓄積される。二次元コードを介した遊技機と遊技者の携帯端末との連携システムについては後述する。なお、ここでいう得点は、後述の演出カスタマイズの幅を広げるために必要となるもので、得点が所定の累積値に達すること(例えば1000ポイントに到達することや、100ポイント到達ごと、など)を契機として、カスタマイズ可能な項目が増加する仕様である。
演出設定手段308は、遊技者の選択指示および遊技履歴に基づき、演出カスタマイズとして複数種類の演出内容の選択肢からいずれを選択するかの設定を記憶する。例えば、特別遊技中に表示させる演出パターンとして、表示されるモチーフやキャラクタや楽曲が異なる複数種類の演出パターンがパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの演出を表示させるかを遊技者に選択させることとする。または、図柄変動させる装飾図柄に含まれる絵柄のデザインとして複数種類のモチーフまたはキャラクタの絵柄がパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの絵柄を表示させるかを遊技者に選択させることとする。それらの場合に、待機デモ画面の表示中に遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作を受け付け、その操作を介して演出パターンの選択がなされると、演出設定手段308はその選択内容を記憶する。演出決定手段303は、演出設定手段308により記憶された設定に応じて、特別遊技中の演出パターンの種類を選択する。
サブ初期処理実行手段360は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるサブ基板300の制御開始処理を実行する。サブ電断処理実行手段362は、電源断などの電源異常発生時にサブ基板300における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。サブエラー検出手段364は、サブ基板300における異常検知処理を実行する。サブエラー検出手段364が電源断を検出すると、サブ電断処理実行手段362は、電源断処理としてRAMのデータをバックアップ用RAMにバックアップする。
図10は、携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。携帯連携システムの前提として、遊技者はあらかじめ携帯端末354で専用サイトが設けられた遊技履歴サーバ358にアカウントおよびパスワードを設定することでユーザ登録しておく。遊技開始時において遊技者により演出ボタン109が押下されたとき、演出表示制御手段305が演出表示装置60の画面に遊技履歴サーバ358の専用サイトのアドレスを符号化した二次元コード350を表示させ、それを遊技者に携帯端末のカメラで読み取らせて遊技履歴サーバ358の専用サイトにアクセスさせる。その専用サイトから遊技者の識別情報や演出得点履歴を符号化した文字情報(これを「パスワード情報」とも呼ぶ)が携帯端末に送信され、携帯端末の画面に表示される。そのパスワード情報の入力画面を演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示させ、十字キー110等のボタン操作を介して遊技者に入力させる。入力されたパスワード情報を演出設定手段308が復号して遊技者の識別情報や演出得点履歴として登録することにより、その遊技者の前回までの遊技内容や演出得点状態を引き継ぐことができる。このパスワード情報の入力が、その遊技者の遊技履歴の記録開始指示および各種演出要素を選択する演出カスタマイズの開始指示となる。以降、ぱちんこ遊技機100においては遊技や演出の進行に伴い、演出設定手段308がその遊技者に対して演出上の利益として付与する得点を随時加算して演出得点履歴として累積させるとともに、遊技者は随時、演出カスタマイズを実施して、各種演出要素として好みの要素を選択して設定することができる。演出上の得点付与は、図柄変動ごとに加算することを基本とし、特別遊技への移行期待度が高い演出種類ほど高い得点を付与し、特別遊技へ移行したときも高い得点を付与する。
演出カスタマイズとして、遊技者は累積的に獲得した得点の一部を利用し、その利用するポイント数に応じて、演出表示装置60に表示される演出内容を構成する色、背景、形状、キャラクタ、楽曲などの演出要素を好みの種類に変更することができる。演出設定手段308は、遊技者によるボタン操作を介した演出要素の変更指示を受け取り、その指示に応じて各種演出要素を変更する。カスタマイズできる演出要素は、その要素ごとに複数種類の項目が用意され、項目ごとに必要なポイント数として異なる値が設定されている。したがって、累積された得点が所定値に達することを契機にカスタマイズ可能な項目が増え、あるいはカスタマイズ可能項目を増加させるチャンスが付与されることとなる。遊技者が遊技ないし演出カスタマイズの終了指示としてボタン操作をすると、演出設定手段308は、演出上の特典や演出得点履歴などの情報を符号化した二次元コード350を生成し、これを演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示する。その二次元コード350を遊技者が自身の携帯端末のカメラで読み取り、その読み取った二次元コード352を復号することにより情報を取得して携帯端末354に蓄積できる。またその情報は携帯端末354から専用サイトのある遊技履歴サーバ358へネットワーク356を経由して送信され、自身のアカウント情報と紐付けられて管理される。このように、演出上の特典や演出得点履歴などの情報が二次元コード350の表示およびその読み取りという伝送手段を介して携帯端末354へ伝達され、遊技履歴サーバ358にて管理されることで、次回の遊技で遊技や演出の内容を引き継ぐことができる。また、長く遊技を続けることで図柄変動回数や演出回数が増える分、得点を得ることができる。
図11は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出制御装置313などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出制御装置313、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカー108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータおよび音声パターンデータを演出制御装置313へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出制御装置313を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出制御装置313とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図12は、演出制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出制御装置313は、制御CPU320、制御RAM322、データROM324、表示制御回路326、音声制御回路314を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データおよびモーションデータや、音声出力に用いられる音声データなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。音声データは、演出中に出力される楽曲、背景音、効果音、キャラクタのセリフといった音声のデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から制御RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が制御CPU320によって実行される。その結果、制御CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。同様にして、制御CPU320から音声制御回路314へ音声出力に関するコマンド、音声データが送信され、音声制御回路314により音声出力制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
制御CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、制御CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本実施例では、演出制御装置313のハードウェア構成として、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出制御装置313に含まれる制御CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出制御装置313に含まれる制御RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本実施例では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が制御CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が制御RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図13は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、メイン初期処理実行手段280により実行されるが、以降、メイン初期処理実行手段280として機能するメインCPU290が実行するものとして説明する。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図14は、図13におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源基板158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200~S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202~S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。なお、上記の電源断時の処理は、メインCPU290により実現されるメイン電断処理実行手段282が実行する。
図15は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力ポートのデータを監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。なお、この入力状態を示すデータは、レベルデータ(今回の割込時における入力ポートのデータ)と、立ち上がりデータまたは立ち下がりデータ(今回の割込時における入力ポートのデータと前回の割込時における入力ポートのデータを排他的論理和で比較して切り替わりが見られたスイッチを示すデータ)である。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。各種制御用のタイマの値をそれぞれテーブルにしたがってメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値を順次デクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の第1作動口31、第2作動口32の通過を監視し、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示部45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電動役物ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、事前判定情報(事前当否判定情報、事前図柄判定情報、事前パターン判定情報)、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。なお、上記の例では、メインCPU290において、事前判定処理のためのコマンドの送信を制御したが、別の例では、始動口への入球がある場合には一様に送信を行い、先読み可能期間であるか否かなどの各種の状況判断は、サブCPU310が行ってもよい。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。大当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求(「右打ち」など推奨発射位置を示唆する演出を実行させるためのコマンド要求)を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)~(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様をエラー状態に応じて制御してもよい。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、連続オン時間(例えば、スイッチがオンであるとき割込み毎にインクリメントするカウンタの値)が異常値であったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様を入球通過時間異常に応じて制御してもよい。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示、エラーの表示、賞球比率の表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電動役物ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電動役物ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部情報出力端子160に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数(ハード乱数)、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期値更新型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0~232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0~999(図6の例では0~255)の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0~49999(図7の例では0~255)の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図16は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、サブ初期処理実行手段360により実行されるが、以降、サブ初期処理実行手段360として機能するサブCPU310が実行するものとして説明する。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、制御CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図17は、図16におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図16のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。サブエラー検出手段364として機能するサブCPU310は、エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図18は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図17のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図19は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から制御CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、制御CPU320へ送信する(S626)。なお、制御CPU320へのコマンドデータの送信は、制御CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が制御CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図20は、サブCPU310が制御CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が制御CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から制御CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。制御CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図21は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や制御CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0~15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが制御CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。制御CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、制御CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、制御CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に制御CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から制御CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した制御CPU320はリセットを実行する。制御CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図22は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図23は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図24は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図25は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。小当り遊技において、1回だけ実行される単位遊技を開始し(S819)、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
前提技術においては、第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方が概ね多い、すなわち、第1の遊技よりも第2の遊技の方が1回の大当りにおける賞球獲得期待値が多くなるように設計されていたが、別の例では、第1の遊技の方が第2の遊技よりも賞球獲得期待値が多くなるように設計されてもよいし、第1の遊技と第2の遊技の賞球獲得期待値が概ね等しくなるように設計されてもよい。後者の場合、第1の遊技において実行される特別遊技と第2の遊技において実行される特別遊技に含まれる単位遊技の数の平均が等しくなるように設計されてもよい。例えば、第1の遊技においては、100%の確率で単位遊技が10回実行される特別遊技が実行され、第2の遊技においては、50%の確率で単位遊技が4回実行される特別遊技が、50%の確率で単位遊技が16回実行される特別遊技が実行されてもよい。また、いずれの場合においても、大入賞口に特定領域が設けられ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球または特定領域を通過した場合に、特別遊技終了後の通常遊技において確変状態などの特定遊技が実施されるように構成されてもよい。この場合、第1の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技よりも、第2の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技の方が、特定領域への入球容易性が高く、特別遊技の終了後に確変状態の通常遊技が実行される確率が高くなるように構成されてもよい。例えば、特定領域への入球が相対的に困難となる特別遊技が実行される第1当りと、特定領域への入球が相対的に容易となる特別遊技が実行される第2当りとが設けられ、第1の遊技よりも第2の遊技の方が第2当りとなる確率が高いように構成されてもよい。または、第1の遊技において第2当りとなる確率は100%未満であるが、第2の遊技において第2当りとなる確率は100%であるように構成されてもよい。
(実施例)
<小当りラッシュ>
本実施例のぱちんこ遊技機においては、単位時間あたりの小当り遊技回数が増加する、すなわち小当りの発生頻度が高まる遊技状態、いわゆる小当りラッシュが実行され得る。具体的には、ぱちんこ遊技機は、(1)第1特別図柄51と第2特別図柄52とが同時に並行して変動可能な並列スペックであり、(2)第2当否抽選における小当り確率が相対的に高くなるよう設定され(例えば、第1当否抽選における小当り確率が、相対的に低い、または、小当りの可能性がない)、(3)特定の遊技状態において第2特別図柄52の変動効率を高めるスペックである。
上記(3)の特定の遊技状態は、例えば、確率変動状態かつ通常入球状態である遊技状態である。ここで、第2始動口12への入球容易性に関する状態として、相対的に入球容易性が低い通常入球状態(以下、「低ベース状態」ともいう)と、通常入球状態より入球容易性が高い入球容易状態(以下、「高ベース状態」ともいう)とがある。第1当否判定手段221による当否判定の結果および第2当否判定手段222による当否判定の結果が大当りとなる確率状態として、相対的に低い確率である所定確率で大当りとなる通常確率状態(以下、「低確率状態」ともいう)と、通常確率状態よりも高確率で大当りとなる確率変動状態(以下、「高確率状態」ともいう)とがある。本実施例では、確率変動状態かつ通常入球状態(以下、「高確率低ベース状態」ともいう)において第2特別図柄52の変動効率を高める。なお、「入球容易状態」は、普通電動役物90(いわゆる「電動チューリップ」)の開放抽選の当り確率を相対的に高確率とした状態、開放抽選当選時における普通電動役物90の開放時間を相対的に長くした状態、普通図柄の変動時間を相対的に短くした状態、のうち一つまたは複数となった状態であり、本実施例においてはこれら3つすべての状態に移行した状態を指す。変形例においては、これら三つの状態のうち一つまたは二つを満たさない状態であってもよい。一方、通常入球状態は、入球容易状態における開放抽選の当り確率の高低、普通電動役物90の開放時間の長短、普通図柄の変動時間の長短が逆になった状態である。すなわち、普通電動役物90の開放抽選の当り確率を相対的に低確率とした状態、開放抽選当選時における普通電動役物90の開放時間を相対的に短くした状態、普通図柄の変動時間を相対的に長くした状態、のうち一つまたは複数となった状態であり、本実施例においてはこれら三つすべての状態に移行した状態を指す。変形例においては、これら三つの状態のうち一つまたは二つを満たさない状態であってもよい。
本実施例におけるぱちんこ遊技機は、高確率低ベース状態における出玉率(いわゆる「機械割」)を第2当否抽選の小当りを頻発させることによって1以上とするスペックを有する。例えば、1分間に100個を発射可能である場合、非確率変動状態かつ通常入球状態(以下、「低確率低ベース状態」ともいう)である場合に第2始動口12へ連続発射(1分間に100個ペースでの発射)を行った場合、1分間に100球の打ち出し、1分間における小当り遊技の期待値(1分間に小当り遊技が行われる平均回数)が0.1回(例として10分間に1回小当りが当選する)であるとすると、1分間での小当り遊技で獲得される賞球期待値は2個(例として、大入賞口の1カウントあたりの賞球数が10個、小当り遊技の1回あたりの平均入賞数が2.0個なので、0.1×10×2.0=2個)であり、小当り遊技による獲得賞球のみを考慮した(すなわち、第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口33などへの入賞による獲得賞球は考慮しない)出玉率は0.02となる。一方で、確率変動状態かつ通常入球状態(高確率低ベース状態)である場合、第2始動口12へ連続発射(1分間に100個ペースでの発射)をした場合、1分間に100球の打ち出しに対し、1分間における小当り遊技の期待値(1分間に小当り遊技が発生する平均回数)が6.0回であるとすると、1分間での小当り遊技で獲得される賞球期待値は120個(例として、大入賞口1カウントあたりの賞球数が10個、小当り遊技1回あたりの平均入賞数2.0個なので、6×10×2.0=120個)であり、小当り遊技による獲得賞球のみを考慮した(すなわち、第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口33などへの入賞による獲得賞球は考慮しない)出玉率は1.2となる。小当りラッシュは、所定の大当りの発生を契機として高確率低ベース状態から他の遊技状態へ移行する場合に終了する。変形例として、回数切り確変(いわゆる「ST」)の仕様を採用し、高確率低ベース状態中に特別遊技に移行しないまま第1特別図柄51の変動回数と第2特別図柄52の変動回数の合計が所定回数(例えば100回)に到達することを契機に低確率低ベース状態に移行することで、小当りラッシュが終了するよう構成してもよい。
本実施例では、小当りラッシュを備えるぱちんこ遊技機における好適な制御および演出を提案する。以下、前提技術のぱちんこ遊技機100を構成する要素と同一または対応する要素には同じ符号を付して説明する。また、前提技術で説明済みの内容は適宜省略し、主に、前提技術のぱちんこ遊技機100と異なる内容を説明する。
図26は、実施例のぱちんこ遊技機500の前面側における基本的な構造を示す。遊技領域81における右側の流路、言い換えれば、相対的に強い強度で発射された遊技球が流れる流路には、上から順に、作動口506、第2始動口12、大入賞口20が配置される。作動口506は、前提技術における第2作動口32に相当する。前提技術と異なり、本実施例の作動口は遊技領域81における右側の流路にのみ設けられ、左側の流路に第1作動口31は設けられていない。通過検出装置508は、前提技術における第2通過検出装置37に相当する。
遊技球が作動口506を通過すると普通図柄抽選(開放抽選)が実行され、その抽選の結果が当りであれば普通電動役物90が拡開される。普通電動役物90が拡開されると、遊技領域81の右側流路を流れる遊技球の多くが第2始動口12へ入球しやすくなる。反面、拡開した普通電動役物90が大入賞口20へ向かう流路を覆って妨げることとなり、第2始動口12の下流へ遊技球が流れにくくなる結果、大入賞口20には入球しにくくなる。すなわち、第2始動口12と大入賞口20との位置関係は、普通電動役物90が拡開されたときの大入賞口20への入球容易性が、普通電動役物90が拡開されていないときの大入賞口20への入球容易性より低減するような位置関係となっている。したがって、普通電動役物90の開放頻度が高まる入球容易状態(高ベース状態)では、大入賞口20への入球可能性が、通常入球状態(低ベース状態)よりも低下する。普通電動役物90が閉鎖された状態では、第2始動口12への入球が困難もしくは不可能となるよう、普通電動役物90の開口部の上方に、図示しない遊技釘が設けられる。その分、普通電動役物90の閉鎖時には第2始動口12の下流へ遊技球が流れやすく、大入賞口20への入球可能性が相対的に高まる。
図27は、図4における特定遊技制御手段を詳細に示す機能ブロック図である。特定遊技制御手段270は、入球状態設定手段510と確率状態設定手段512を含む。入球状態設定手段510は、通常入球状態と入球容易状態のいずれかに遊技状態を設定する。入球状態設定手段510は、特別遊技の終了後に通常入球状態から入球容易状態へ遊技状態を切り替える設定をし、入球容易状態となってから図柄変動回数が16回に達したときに入球容易状態から通常入球状態へ遊技状態を切り替える設定をする。より具体的には、大当り時の遊技状態が低確率低ベース状態の際に第1特別図柄51の大当り図柄が4R確変大当り図柄A,Bのうち4R確変大当り図柄Aであった場合、または、大当り時の遊技状態が低確率低ベース状態の際に第1特別図柄51の大当り図柄が4R通常大当り図柄であった場合は、4R確変大当り図柄Aまたは4R通常大当り図柄に対応した特別遊技の終了後に入球容易状態へ移行させ、入球容易状態となってから図柄変動回数が16回に達したときに入球容易状態から通常入球状態へ遊技状態を切り替える。その他、大当り時の遊技状態を問わず第1特別図柄51の大当り図柄が4R確変大当り図柄Bであった場合は、4R確変大当り図柄Bに対応した特別遊技の終了後に入球容易状態へ移行させ、次回大当りまで入球容易状態を維持し、第2特別図柄52の大当り図柄が2R通常大当り図柄であった場合は、2R通常大当り図柄に対応した特別遊技の終了後に入球容易状態へ移行させ、入球容易状態となってから図柄変動回数が100回に達したときに入球容易状態から通常入球状態へ遊技状態を切り替える。確率状態設定手段512は、通常確率状態と確率変動状態のいずれかに遊技状態を設定する。確率状態設定手段512は、確変移行を伴う大当りが発生した場合に、その特別遊技の終了後に確率変動状態に遊技状態を設定し、確変移行を伴わない大当りが発生した場合に、その特別遊技の終了後に通常確率状態に遊技状態を設定する。
図28は、本実施例における当否判定テーブルを模式的に示す図である。前提技術における図5のテーブルに代えて参照される。本実施例の当否判定テーブルは、第2当否抽選における小当り確率が相対的に高くなるよう設定される。すなわち、第1当否判定手段221による当否判定の結果が小当りとなる確率よりも第2当否判定手段222による当否判定の結果が小当りとなる確率の方が高くなるように構成される。または、第1当否判定手段221による当否判定の結果は小当りとなることはない一方で第2当否判定手段222による当否判定の結果は小当りとなる可能性があるように構成される。例えば、小当りに該当する抽選値範囲は、第1当否抽選より第2当否抽選の方が広くなるよう定められる(第1当否抽選の小当りに該当する抽選値範囲はなくてもよい、すなわち「0」でよい。)。小当り遊技制御手段265は、第2当否判定手段222による当否判定の結果が小当りである場合、または、第1当否判定手段221および第2当否判定手段222のうち少なくともいずれかの当否判定の結果が小当りである場合、大入賞口20の開放を伴う小当り遊技を実行する。
図示する通り、第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時(すなわち、低確率状態)には当否抽選値が0~209の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0~209の範囲に該当する場合だけでなく、210~1299の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が1300~50899の範囲に該当した場合は小当りとなるが、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が1300~50899の範囲に該当しても小当りとはならず、外れとなる。また、第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、当否抽選値が50900~65535の範囲に該当した場合は外れとなる。このように、「小当り」は第2当否抽選にのみ対応づけられ、第1当否抽選には対応づけられていないため、第2当否抽選でのみ該当し得る。実施例における第2当否抽選の小当り確率は1.32分の1である一方、第1当否抽選の小当り確率は0である。第1当否抽選および第2当否抽選の小当り確率は遊技状態によらず一定である。本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。また、「小当り」については、第1当否抽選においても該当し得ることとしてもよいが、その場合の当否抽選値の範囲は、第2当否抽選において小当りに対応づけられる当否抽選値の範囲より狭く設定される。例えば、第1当否抽選の小当り確率が400分の1程度の低確率に定められてもよい。
第2始動口12への入球に対応する当否判定の結果、すなわち第2特別図柄52の変動結果が小当りとなる確率は非常に高い。したがって、常に第2始動口12を狙って遊技球を発射し(すなわち常時右打ちして)、小当りの獲得を目指す遊技方法が考えられるが、これは設計者が意図する本来の遊技性ではない。そこで、ぱちんこ遊技機500では、低確率低ベース状態における第2特別図柄52の変動効率を相対的に低くし、高確率低ベース状態における第2特別図柄52の変動効率を相対的に高くする。変動効率は、所定の単位時間あたりの図柄変動回数と言える。実施例では、高確率低ベース状態において、第2特別図柄52の単位時間あたりの変動回数を増加させる。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、複数の基準の中のいずれかにしたがって、特別図柄の変動パターンを決定する。実施例では、第1変動パターン決定手段231は、予め定められた第1特別図柄51用の変動パターンテーブルにしたがって第1特別図柄51の変動パターンを決定する。
第2変動パターン決定手段232は、低確率低ベース状態において、第2特別図柄52の変動時間として、高確率低ベース状態における第2特別図柄52の変動時間より長くなるように定められた変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを決定する。第2変動パターン決定手段232は、低確率低ベース状態において、第2当否抽選の結果が外れの場合に、例えば10分の変動時間を持つ変動パターンを選択する。これにより、第2特別図柄52の変動効率は高確率低ベース状態において相対的に高くなり、低確率低ベース状態において相対的に低くなる。
第2変動パターン決定手段232は、高ベース状態において、第2特別図柄52の変動パターンとして、低確率低ベース状態における第2特別図柄52の変動パターンより変動時間が短い変動パターンが決定されやすい第1の特殊変動パターン選択基準に基づいて変動パターンを決定する。ここでいう高ベース状態は、高確率高ベース状態と低確率高ベース状態を含む。高ベース状態は特別遊技の終了後に移行される遊技状態であり、第1特別図柄51と第2特別図柄52の合計変動回数が特定回数、例えば16回に達するまで継続される(前述の通り、低確率低ベース状態にて4R確変大当り図柄Aまたは4R通常大当り図柄が停止した場合は、特別遊技の終了後の16回に達するまで継続する)。合計変動回数が特定回数に達すると、低ベース状態に移行される。このように、特別遊技の終了後から図柄変動回数が16回に達するまでの期間である高ベース状態においては、第2特別図柄52の変動効率が高まり、普通電動役物90が高頻度で開放される結果、大入賞口20への入球容易性は低くなる。
第1特別図柄51および第2特別図柄52の合計変動回数が高ベース状態の終期である16回に達すると、入球状態設定手段510は通常入球状態に設定する。このとき、高確率状態であった場合は高確率低ベース状態となり、低確率状態であった場合は低確率低ベース状態となる。高確率低ベース状態へ移行すると、小当りラッシュの状態となる。低確率低ベース状態へ移行すると、第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄52の変動パターンとして、第1特別図柄51の変動パターンより変動時間が長い変動パターンが決定されやすい通常変動パターン選択基準に基づいて変動パターンを決定する。
一般的には、高ベース状態では特別図柄の変動パターンとして変動時間が相対的に短い変動パターンが選択されやすく、低ベース状態では特別図柄の変動パターンとして変動時間が相対的に長い変動パターンが選択されやすい。しかし、小当りラッシュである高確率低ベース状態においては、低ベース状態であっても第2特別図柄の変動効率を高めるために、第2特別図柄の変動パターンとして相対的に変動時間が短い変動パターンが選択されやすくなる。第2変動パターン決定手段232は、高確率低ベース状態において、第2特別図柄52の変動パターンとして、低確率低ベース状態における第2特別図柄52の変動パターンより変動時間が短い変動パターンが決定されやすい小当りラッシュ用の特殊変動パターン選択基準に基づいて変動パターンを決定する。第2変動パターン決定手段232は、高確率低ベース状態(小当りラッシュ)において、第2当否抽選の結果が外れの場合に、例えば1秒の変動時間を持つ超短変動パターンを選択する。
<1.突入予告演出モード>
本実施例の高ベース状態においては、その終了後に特殊な演出モード(本実施例における小当りラッシュであり、請求項においては「特殊演出」と呼んでもよい。)へ突入するか否かを煽るための突入予告演出モードに移行することを本実施例の主な特徴の一つとする。この突入予告演出モードに対応する高ベース状態は、前述した4R確変大当り図柄Aと4R通常大当り図柄のいずれかが停止されることを契機に移行するため、高確率高ベース状態と低確率高ベース状態とがあり、前者の場合は高ベース状態の終了後に高確率低ベース状態となり、後者の場合は高ベース状態の終了後の低確率低ベース状態となる。なお、高ベース状態の演出モードは突入予告演出モードだけでなく、次回大当りまで高確率高ベース状態が継続する有利な演出状態であるバトル演出モードも備えており、このバトル演出モードは前述した4R確変大当り図柄Bが停止されることを契機に移行する。突入予告演出モードは、その高ベース状態の終了後に特殊な演出モード(本実施例における小当りラッシュ)へ突入するか否かを煽るための演出を実行するモードである。突入予告演出モードでは、現在の遊技状態が高確率状態と低確率状態のいずれであるかを明示せず、どちらの状態であるかを演出によって遊技者に煽る。突入予告演出モードにおいては、高ベース状態が終了する16変動目に向けたカウントダウンの演出がなされる。突入予告演出モードにおけるカウントダウンの演出は、最初の4変動では行われず、5変動目から開始され、15変動目まで続けられる。
図29は、本実施例における高ベース状態において参照される変動パターンテーブルの種類と遊技状態の対応関係を示す。遊技状態や変動回数、保留状態、特別図柄の種類との組合せに応じて異なる変動パターンテーブルを参照し得る。高ベース状態においては、特別遊技の終了後、すなわち高ベース状態への移行後からの図柄変動回数に対応する変動パターンテーブルを参照する。図示するように、1変動目は変動パターンテーブルAを参照し、2~4変動目は変動パターンテーブルBを参照する。5~14変動目は変動パターンテーブルCを参照し、15変動目は変動パターンテーブルDを参照する。16変動目は変動パターンテーブルEを参照する。各変動パターンテーブルには、複数種類のサブテーブルである限定変動パターンテーブル(a)~(m)および限定変動パターンテーブル(z)のうちいずれを参照するかが、確率状態(すなわち、高確率状態か否か)および特別図柄の種類との対応で定められている。このように遊技状態や図柄種類との対応だけでなく、特定の図柄変動回数のタイミングという限定的な状況で参照されるサブテーブルを、本実施例では限定変動パターンテーブルと呼ぶ。限定変動パターンテーブルは、限られた変動期間であるN変動目からM変動目(ただし、M≧N)の期間において参照する変動パターンテーブルである。本実施例における複数種類の限定変動パターンテーブル(a)~(m)は、各テーブルの性質、すなわち選択され得る変動パターン候補とその選択確率との関係が異なる。
高ベース状態の1変動目においては、変動パターンテーブルAに基づき、特別図柄の種類に応じた参照先のサブテーブルを決定する。第1変動パターン決定手段231は、低確率状態と高確率状態のいずれの場合も、第1特別図柄51が外れの場合は限定変動パターンテーブル(a)を、大当りの場合は限定変動パターンテーブル(z)を、それぞれサブテーブルとして参照する。また、第2変動パターン決定手段232は、低確率状態と高確率状態のいずれの場合も、第2特別図柄52が外れまたは小当りの場合は限定変動パターンテーブル(e)を、10R確変大当りの場合は限定変動パターンテーブル(g)を、2R通常大当りの場合は限定変動パターンテーブル(h)を、それぞれサブテーブルとして参照する。
限定変動パターンテーブル(a)は、1~4変動目の第1特別図柄51が外れの場合にのみ限定的に参照されるサブテーブルである。限定変動パターンテーブル(a)には、特に演出の実行を伴わない、変動時間が非常に短い変動パターン(0.5秒)のみが定められ、必ずその変動パターンが選択される。高ベース状態においては第2特別図柄52の変動が主体であるため、第1特別図柄51の保留が残っている場合はその保留すべて(最大4個)を高ベース状態への移行直後に迅速に消化させる趣旨である。変形例として、限定変動パターンテーブル(a)が5変動目以降も参照され得るように各変動パターンテーブルが構成されてもよいし、3変動目以下でしか参照されないように各変動パターンテーブルが構成されてもよい。
限定変動パターンテーブル(z)は、高ベース状態における何変動目であるかを問わず第1特別図柄51が大当り(10R確変、4R確変、4R通常)の場合に参照されるサブテーブルである。限定変動パターンテーブル(z)は、通常は参照されることが想定されていない例外的なテーブルである。高ベース状態では右打ちにより第2特別図柄52が変動表示されるのが主体であり、第1特別図柄51の大当りが発生する可能性は低いためである。限定変動パターンテーブル(z)には、突然大当りする突当り演出の実行を伴う、変動時間が短い変動パターン(3秒)のみが定められ、必ずその変動パターンが選択される。
限定変動パターンテーブル(e)は、1変動目の第2特別図柄52が外れまたは小当りの場合にのみ限定的に参照されるサブテーブルである(請求項においては「第2の特殊変動パターン選択基準」と呼んでもよい)。限定変動パターンテーブル(e)には、低ベース状態における普通図柄の変動時間(2.0秒)より長い変動時間の変動パターン(10秒)が定められ、必ずその変動パターンが選択される。例えば、特別遊技の終了間際に作動口506を遊技球が通過して普通図柄が変動開始された場合、このときの遊技状態はまだ低ベース状態であるため、このときの普通図柄の変動時間は高ベース状態における普通図柄の変動時間(1.0秒)より長い変動時間となる。その場合、高ベース状態に移行して突入予告演出モードとなっても普通図柄が停止されるまでは普通電動役物90は拡開されない。その間(すなわち、普通電動役物90が拡開されない間)に仮に第2特別図柄52の変動時間が0.5秒などの短い変動時間となって小当りが発生すると、まだ普通電動役物90が拡開されていないため大入賞口20への入球容易性が高い状況であるために小当りによる賞球を獲得可能または獲得容易になってしまい、設計値としてのベースをオーバーしかねない。すなわち、本来の高ベース状態では、普通電動役物90への入球による賞球獲得は容易である一方で、普通電動役物90の拡開によって大入賞口20への入球による賞球獲得が困難であるはずなのに、高ベース状態移行直後においては、小当りによる大入賞口20への入球による賞球獲得が可能または容易となってしまう。このような事態を避けるために、高ベース状態への移行前に変動開始した普通図柄が高ベース状態への移行直後の第2特別図柄52の1変動目中に確実に変動停止してから第2特別図柄52の変動が停止するように、普通図柄の変動時間より長い変動時間の変動パターンを選択するために限定変動パターンテーブル(e)を参照する。このように、高ベース状態への移行直後において、高ベース状態への移行前に変動開始した普通図柄の変動が確実に終了してから1回目の第2特別図柄の変動が終了するように調整することができ、ベースオーバーを回避することができる。これにより、小当りラッシュの遊技性を適切なものに保つことができる。特に、初当り後の多くが高ベース状態で始まる小当りラッシュ搭載機において、その高ベース状態の変動状況を初めのうちに適切なものとすることができ、さらに出玉対策にもなる。
変形例における限定変動パターンテーブル(e)としては、低ベース状態における普通図柄の変動時間より長い変動時間の第1の変動パターンだけでなく、その第1の変動パターンより変動時間が短い第2の変動パターンも定められていてもよい。ただし、第2の変動パターンより第1の変動パターンの方が高い確率で選択されるように定められる。別の変形例においては、低ベース状態における普通図柄の変動時間と同じ変動時間の変動パターンや、若干短い変動時間の変動パターンが選択されるように定められた限定変動パターンテーブル(e)を参照してもよい。
限定変動パターンテーブル(g)は、1~15変動目の第2特別図柄52が10R確変大当りの場合にのみ限定的に参照されるサブテーブルである。限定変動パターンテーブル(g)には、バトル演出で敗北した後に逆転して勝利する演出が対応づけられた変動パターン(逆転勝利の演出に対応した変動パターンであり、40秒、55秒、70秒のいずれかの変動パターン)が定められ、必ずそのいずれかの変動パターンが選択される。限定変動パターンテーブル(h)は、1~15変動目の第2特別図柄52が2R通常大当りの場合にのみ限定的に参照されるサブテーブルである。限定変動パターンテーブル(h)には、バトル演出で敗北してそのまま終了する演出が対応づけられた変動パターン(敗北の演出に対応した変動パターンであり、30秒、45秒、60秒のいずれかの変動パターン)が定められ、必ずそのいずれかの変動パターンが選択される。
高ベース状態の2~4変動目においては、変動パターンテーブルBに基づき、特別図柄の種類に応じた参照先のサブテーブルを決定する。第1変動パターン決定手段231は、低確率状態と高確率状態のいずれの場合も、第1特別図柄51が外れの場合は限定変動パターンテーブル(a)を、大当りの場合は限定変動パターンテーブル(z)を、それぞれサブテーブルとして参照する。また、第2変動パターン決定手段232は、低確率状態と高確率状態のいずれの場合も、第2特別図柄52が外れまたは小当りの場合は限定変動パターンテーブル(f)を、10R確変大当りの場合は限定変動パターンテーブル(g)を、2R通常大当りの場合は限定変動パターンテーブル(h)を、それぞれサブテーブルとして参照する。限定変動パターンテーブル(f)は、2~14変動目の第2特別図柄52が外れまたは小当りの場合にのみ限定的に参照されるサブテーブルである。限定変動パターンテーブル(f)には、引分けのバトル演出に対応づけられた変動パターン(引分け演出に対応した変動パターンであり、20秒、35秒、50秒のいずれかの変動パターン)やバトル演出への発展を煽る演出に対応づけられた変動パターン(バトル演出への発展を示唆する演出に対応した変動パターンであり、10秒、15秒のいずれかの変動パターン)や、それらの演出が発生しない変動パターン(特に演出なしの外れ変動であり、2.5秒、12.5秒のいずれかの変動パターン)が定められ、必ずその変動パターンが選択される。
高ベース状態の5~14変動目においては、変動パターンテーブルCに基づき、特別図柄の種類に応じた参照先のサブテーブルを決定する。第1変動パターン決定手段231は、低確率状態と高確率状態のいずれの場合も、第1特別図柄51が外れの場合は限定変動パターンテーブル(b)を、大当りの場合は限定変動パターンテーブル(z)を、それぞれサブテーブルとして参照する。また、第2変動パターン決定手段232は、低確率状態と高確率状態のいずれの場合も、第2特別図柄52が外れまたは小当りの場合は限定変動パターンテーブル(f)を、10R確変大当りの場合は限定変動パターンテーブル(g)を、2R通常大当りの場合は限定変動パターンテーブル(h)を、それぞれサブテーブルとして参照する。限定変動パターンテーブル(b)は、5~14変動目の第1特別図柄51が外れの場合にのみ限定的に参照されるサブテーブルである。限定変動パターンテーブル(b)には、特に演出の実行を伴わない変動パターンでありそこまで変動時間の短縮されない変動パターン(4秒)が定められ、必ずその変動パターンが選択される。1~4変動目と同様に特に演出が実行されない変動パターンが選択されるが、保留消化を目的としないため通常の変動時間(1~4変動目より変動時間が長い)の変動パターンが選択される。
高ベース状態の15変動目においては、変動パターンテーブルDに基づき、特別図柄の種類に応じた参照先のサブテーブルを決定する。第1変動パターン決定手段231は、低確率状態において、第1特別図柄51が外れの場合は限定変動パターンテーブル(c)を、大当りの場合は限定変動パターンテーブル(z)を、それぞれサブテーブルとして参照する。また、第2変動パターン決定手段232は、低確率状態において、第2特別図柄52が外れまたは小当りの場合は限定変動パターンテーブル(c)を、10R確変大当りの場合は限定変動パターンテーブル(g)を、2R通常大当りの場合は限定変動パターンテーブル(h)を、それぞれサブテーブルとして参照する。限定変動パターンテーブル(c)は、15変動目の第1特別図柄51が外れの場合と、第2特別図柄52が外れまたは小当りの場合にのみ限定的に参照されるサブテーブルである。限定変動パターンテーブル(c)には、後述する「突入予告演出」としてバトル演出にて敗北により小当りラッシュへ突入しない旨を示唆する演出に対応する変動パターン(35秒)が定められ、必ずその変動パターンが選択される。
第1変動パターン決定手段231は、高確率状態において、第1特別図柄51が外れの場合は限定変動パターンテーブル(j)を、大当りの場合は限定変動パターンテーブル(z)を、それぞれサブテーブルとして参照する。また、第2変動パターン決定手段232は、高確率状態において、第2特別図柄52が外れまたは小当りの場合は限定変動パターンテーブル(j)を、10R確変大当りの場合は限定変動パターンテーブル(g)を、2R通常大当りの場合は限定変動パターンテーブル(h)を、それぞれサブテーブルとして参照する。限定変動パターンテーブル(j)は、15変動目の第1特別図柄51が外れの場合と、第2特別図柄52が外れまたは小当りの場合にのみ限定的に参照されるサブテーブルである。限定変動パターンテーブル(j)には、後述する「突入予告演出」としてバトル演出にて勝利により小当りラッシュへの突入を示唆する演出および後述する「選択演出」に対応する変動パターン(105秒)が定められ、必ずその変動パターンが選択される。
高ベース状態の16変動目においては、変動パターンテーブルEに基づき、特別図柄の種類に応じた参照先のサブテーブルを決定する。第1変動パターン決定手段231は、低確率状態において、第1特別図柄51が外れの場合は限定変動パターンテーブル(d)を、大当りの場合は限定変動パターンテーブル(z)を、それぞれサブテーブルとして参照する。また、第2変動パターン決定手段232は、低確率状態において、第2特別図柄52が外れまたは小当りの場合は限定変動パターンテーブル(d)を、10R確変大当りまたは2R通常大当りの場合は限定変動パターンテーブル(i)を、それぞれサブテーブルとして参照する。限定変動パターンテーブル(d)は、16変動目の第1特別図柄51が外れの場合と、第2特別図柄52が外れまたは小当りの場合にのみ限定的に参照されるサブテーブルである。限定変動パターンテーブル(d)には、小当りラッシュへ突入しないことを示す演出に対応する変動パターン(15秒)が定められ、必ずその変動パターンが選択される。
第1変動パターン決定手段231は、高確率状態において、第1特別図柄51が外れの場合は限定変動パターンテーブル(k)を、大当りの場合は限定変動パターンテーブル(z)を、それぞれサブテーブルとして参照する。また、第2変動パターン決定手段232は、高確率状態において、第2特別図柄52が外れの場合は限定変動パターンテーブル(k)を、第2特別図柄52が小当りの場合は限定変動パターンテーブル(l)を、10R確変大当りまたは2R通常大当りの場合は限定変動パターンテーブル(m)を、それぞれサブテーブルとして参照する。限定変動パターンテーブル(k)は、16変動目の第1特別図柄51または第2特別図柄52が外れの場合にのみ限定的に参照されるサブテーブルである。限定変動パターンテーブル(k)には、小当りラッシュへ突入することを示す演出に対応する変動パターン(17.5秒)が定められ、必ずその変動パターンが選択される。限定変動パターンテーブル(l)は、16変動目の第2特別図柄52が小当りの場合にのみ限定的に参照されるサブテーブルである。限定変動パターンテーブル(l)には、小当りラッシュへ突入することを示す演出とともに小当り遊技の発生を示す演出に対応する変動パターン(19.5秒)が定められ、必ずその変動パターンが選択される。限定変動パターンテーブル(m)は、16変動目の第2特別図柄52が大当りの場合にのみ限定的に参照されるサブテーブルである。限定変動パターンテーブル(m)には、小当りラッシュにおける演出と同様の大当り遊技演出へ移行するに先だって小当りラッシュの演出を開始するために、小当りラッシュの演出に対応する変動パターン(100秒)が定められ、必ずその変動パターンが選択される。なお、各変動パターン(各限定変動パターンテーブル)における時間値および種類数は一例であり、その時間値および種類数は適宜変更可能であるが、各時間値の長短の関係性や各種類数の多少の関係性については、本実施例における関係性であることが望ましい。
図30は、カウントダウン演出選択テーブルを模式的に示す。突入予告演出モードにおいて実行されるカウントダウン演出は、本図のテーブルに示される対応関係に応じて、図柄の変動回数(第1特別図柄51の変動回数と第2特別図柄52の変動回数の合算である)に応じた、モード終了までの残り変動回数などの内容が表示される。テーブルに示す通り、高ベース状態へ移行後、1変動目から4変動目まではカウントダウン演出を実行しないため「表示なし」が対応づけられる。5変動目に「残り10」の文字列が対応づけられ、5変動目からカウントダウン演出が実行開始される。6変動目から14変動目まで「残り9」から「残り1」までカウントダウンとなるように表示すべき文字列がそれぞれに対応づけられ、カウントダウン演出が実行される。15変動目には「ラスト」の文字列が対応づけられ、カウントダウン演出の終了が表示される。16変動目には「表示なし」が対応づけられ、カウントダウン演出は非表示となる。このように、実際には16変動目まで突入予告演出モードは継続されるものの、実際には16変動目の図柄変動開始とともに低ベース状態へ移行するため、16変動目ではなく15変動目までにカウントダウン演出の表示を終了させる。
図31は、突入予告演出モードにおける各演出の画面例を模式的に示す。本図では、突入予告演出モードとして、いわゆるバトル演出を表示する例を説明する。図31(a)は1変動目から14変動目までの間の第2特別図柄52の変動、または、15変動目の第1特別図柄51の変動ないし第2特別図柄52の変動にて表示される画面例であり、ここでは高ベース状態に移行後の5変動目における画面例としている。図31(a)は5変動目にバトル演出の実行契機となる変動パターンが選択された場合の画面例であり、その表示内容として、特殊な演出モード(本実施例においては小当りラッシュ)へ突入するか否かを煽る示唆演出である突入予告演出(バトル演出)の開始とともに、画面左上にカウントダウン演出として「残り10」の文字列を表示し、バトル演出が進行する(この時点では、勝敗は不明である)。不図示であるが、バトル演出の実行契機となる変動パターンでない場合は、バトル演出が開始されず(単に味方キャラクタと敵キャラクタとが対峙しているだけでバトルを行わない)、画面左上にカウントダウン演出として「残り10」の文字列を表示する。図31(b),(c)は1~15変動目に表示され得る画面例であり、ここでは15変動目の画面例としている。図31(b),(c)はバトル演出の勝敗を報知している画面例であり、画面左上にカウントダウン演出として「ラスト」の文字列を表示するとともに、バトル演出の勝敗結果が表示される。この1変動目から14変動目までの間の第2特別図柄52の変動で行われ得るバトル演出は、味方キャラクタが勝利すれば10R確変大当り(特別遊技の終了後に高確率低ベース状態に移行)であり、味方キャラクタが敗北すれば2R通常大当り(特別遊技の終了後に低確率高ベース状態に移行)であり、引き分けの場合は外れまたは小当りである。また、15変動目の第1特別図柄51の変動ないし第2特別図柄52の変動で行われるバトル演出は、引分けがない。つまり、15変動目においては、味方キャラクタは、10R確変大当りである場合は勝利するし、2R通常大当りである場合は敗北するが、外れまたは小当りの場合は、現在の遊技状態が高確率高ベース状態であれば勝利(少なくとも17変動目からは高確率低ベース状態の小当りラッシュとなるため)し、現在の遊技状態が低確率高ベース状態であれば敗北(少なくとも17変動目からは低確率低ベース状態となるため)する。この場合、図31(d),(e)は16変動目の画面例であり、画面左上にはカウントダウン演出は表示されず、小当りラッシュへの突入、または、小当りラッシュの非突入を報知する(詳細は後述する)。
<2.突入予告演出(バトル演出)>
突入予告演出モードにおいては、図柄変動回数が高ベース状態の終期に達する16変動目ではなく、その一つ前の15変動目に達したときに、前述したとおり、特殊な演出モード(本実施例においては小当りラッシュ)へ突入するか否かを煽る示唆演出であるバトル演出が実行される。バトル演出は、味方キャラクタと敵キャラクタが格闘する過程が表示される。このバトル演出で味方キャラクタが勝利すると小当りラッシュへの突入が示唆され、味方キャラクタが敗北すると小当りラッシュへ突入しないこと(非突入)が示唆される。
図31(a)のように、高ベース状態に移行後の5変動目(5変動目は一例であり、1変動目から15変動目のいずれでもよく、その場合はカウントダウン演出の表示有無または表示態様が異なる)でバトル演出の実行契機となる変動パターンが選択された場合はバトル演出が行われ、その勝敗または引分けを示す演出が、この変動内で完結するように実行される。ただし、15変動目は例外で、第1特別図柄51の変動表示であっても第2特別図柄52の変動表示であっても、そして当否抽選の結果がいずれであっても、必ずバトル演出に発展する。補足すると、1変動目から14変動目の間においては、第1特別図柄51の変動表示に対応した演出は、後述する簡易図柄602の変動表示を除き、一切行われず、第2特別図柄52の変動表示に対応した演出のみが実行される。ただし、1変動目から14変動目の間において、第1特別図柄51の変動表示が当り変動であった場合は、例外として大当り演出(例えば、同様のバトル演出や、バトル演出とはまったく異なるスーパーリーチ演出)を実行してもよい。また、変形例として、10R確変大当りである場合には、1/10程度の確率でバトル演出を行わずに小当りラッシュへの突入を報知してもよい。図31(b)のように画面でバトルの勝敗を煽ることで小当りラッシュへの突入有無を遊技者に煽った後で「WIN!」等の文字列で勝利を報知する。これにより、小当りラッシュへの突入が示唆される。または、図31(c)のように15変動目の画面でバトルの勝敗を煽ることで小当りラッシュへの突入有無を遊技者に煽った後で「LOSE!」等の文字列で敗北を報知する。これにより、小当りラッシュへ突入しないことが示唆される。
図29に示す通り、低確率高ベース状態において第1特別図柄51が外れとなった場合、第1変動パターン決定手段231は味方キャラクタが敗北するバトル演出に対応する変動パターンが定められた15変動目用のサブテーブルである限定変動パターンテーブル(c)を参照する。同様に、低確率高ベース状態において第2特別図柄52が外れまたは小当りとなった場合、第2変動パターン決定手段232は味方キャラクタが敗北するバトル演出に対応する変動パターンが定められた15変動目用のサブテーブルである限定変動パターンテーブル(c)を参照する。これにより、低確率高ベース状態の15変動目は、味方キャラクタが敗北するバトル演出が表示される。
一方、高確率高ベース状態において第1特別図柄51が外れとなった場合、第1変動パターン決定手段231は味方キャラクタが勝利するバトル演出に対応する変動パターンが定められた15変動目用のサブテーブルである限定変動パターンテーブル(j)を参照する。同様に、高確率高ベース状態において第2特別図柄52が外れまたは小当りとなった場合、第2変動パターン決定手段232は味方キャラクタが勝利するバトル演出に対応する変動パターンが定められた15変動目用のサブテーブルである限定変動パターンテーブル(j)を参照する。これにより、高確率高ベース状態の15変動目は、味方キャラクタが勝利するバトル演出が表示される。なお、味方キャラクタが勝利するバトル演出では、後述する「選択演出」があわせて実行される。
突入予告演出モードにおける16変動目では、変動開始時の遊技状態(または16変動目より前の変動表示における遊技状態)が低確率高ベース状態の場合は小当りラッシュへ突入しない旨を報知する非突入演出が表示され、変動開始時の遊技状態(または16変動目より前の変動表示における遊技状態)が高確率高ベース状態の場合は小当りラッシュへ突入する旨を報知する特定演出である突入演出が表示される。図29に示す通り、低確率高ベース状態において第1特別図柄51が外れとなった場合、第1変動パターン決定手段231は小当りラッシュ非突入演出に対応する変動パターンが定められた16変動目用のサブテーブルである限定変動パターンテーブル(d)を参照する。同様に、低確率高ベース状態において第2特別図柄52が外れまたは小当りとなった場合、第2変動パターン決定手段232は小当りラッシュ非突入演出に対応する変動パターンが定められた16変動目用のサブテーブルである限定変動パターンテーブル(d)を参照する。これにより、低確率高ベース状態の16変動目は、非突入演出が表示される。
図31(d)のように、高ベース状態に移行後の16変動目の画面で「小当りラッシュ突入!」等の文字列で、小当りラッシュへの突入、すなわち高確率低ベース状態への移行を報知する。または、図31(e)のように16変動目の画面で「END」等の文字列で小当りラッシュ非突入、すなわち高ベース状態の終了および低確率低ベース状態への移行を報知する。
一方、高確率高ベース状態において第1特別図柄51が外れとなった場合、第1変動パターン決定手段231は小当りラッシュ突入演出に対応する変動パターンが定められた16変動目用のサブテーブルである限定変動パターンテーブル(k)を参照する。同様に、高確率高ベース状態において第2特別図柄52が外れとなった場合、第2変動パターン決定手段232は小当りラッシュ突入演出に対応する変動パターンが定められた16変動目用のサブテーブルである限定変動パターンテーブル(k)を参照し、小当りとなった場合、第2変動パターン決定手段232は小当りラッシュ突入演出に対応する変動パターンが定められた16変動目用のサブテーブルである限定変動パターンテーブル(l)を参照する。これにより、高確率高ベース状態の16変動目は、突入演出が表示される。ただし、16変動目として第2特別図柄52が小当りであった場合、小当りラッシュ突入演出とともに小当りの発生を報知する小当り報知演出もあわせて実行するために、突入演出の変動時間に小当り報知演出の変動時間分が加算された変動時間の変動パターンが選択される。この場合、16変動目の図柄変動開始とともに高ベース状態から低ベース状態へと移行されるため、小当り遊技により開放された大入賞口20に入球し得る。また、16変動目として第2特別図柄52が大当りであった場合、小当りラッシュ突入演出とともに大当りの発生を報知する大当り報知演出(例えば、前述したバトル演出でもよい)もあわせて実行する(小当りラッシュ突入演出の後に大当り報知演出を実行する)。なお、第2特別図柄52については、16変動目が外れ変動、大当り変動、小当り変動のいずれであっても突入演出が表示されるが、16変動目が外れ変動または小当り変動であるときにのみ突入演出が表示されるようにしてもよく、大当り変動である場合は突入演出を表示せずに、大当り報知演出を実行するようにしてもよい。
このように、16変動目の図柄変動は、第1特別図柄51と第2特別図柄52のいずれの変動であっても突入演出または非突入演出が実行され得る。ただし、16変動目の図柄変動として、第1特別図柄51と第2特別図柄52のうち一方の図柄変動がなされている途中で他方の図柄変動も開始される場合、実行中である突入演出または非突入演出を中断し、小当りラッシュの演出に強制的に移行する。
高ベース状態(突入予告演出モード)の15変動目の図柄変動は、第1特別図柄51と第2特別図柄52のいずれの変動であっても突入予告演出が実行される。ただし、15変動目の図柄変動として、第1特別図柄51と第2特別図柄52のうち一方の図柄変動がなされている途中で他方の図柄変動(16変動目の図柄変動)も開始される場合、実行中である突入予告演出を中断し、16変動目の図柄変動として突入演出または非突入演出に強制的に移行する。
なお、高ベース状態から低ベース状態への移行は、その契機となる図柄変動の開始時に実行される。すなわち、16変動目の図柄変動開始とともに、内部的な遊技状態としては高ベース状態から低ベース状態に移行する。以上により、小当りラッシュの遊技性を向上させ、適切なものとすることができる。特に、入球容易状態の終了後に小当りラッシュに突入するという遊技性において、その遊技状態の切替前後の図柄変動状況を考慮して適切な演出を実現できる。
<3.小当りラッシュ演出モードの選択演出>
特別遊技の終了後に移行し得る演出モードの種類として、遊技者に対して有利な状況であることを明示する第1演出モードと、遊技者に対して有利な状況であること、または、有利な状況であるか否かを明示しない第2演出モードとを有する。「有利な状況」は、例えば確変への移行を伴うことである。第1演出モードは、例えば上述の小当りラッシュに対応した特殊な演出モード(すなわち、小当りラッシュ中に表示される演出モード)であり、その演出内容の種類として第1の演出内容と第2の演出内容を少なくとも有する。第1演出モードの演出内容の種類は、その種類ごとに背景画像や登場キャラクタ、背景音楽などの演出要素が異なるように、第1の演出内容および第2の演出内容を少なくとも含む複数種類の演出内容が用意される。すなわち、第1の演出内容と第2の演出内容を有するとは、第1演出モードの種類として、モード中に表示される演出内容が相違する第1モードと第2モードを有するということである。第1特別図柄51または第2特別図柄52が大当りとなり、大当り図柄(特別図柄)が高ベース状態を経ずに高確率低ベース状態へ直接移行する特定態様の大当り図柄(特別図柄)であった場合、すなわち小当りラッシュ直撃当りの図柄であった場合、その特別遊技の終了後に直接、高確率低ベース状態へ移行する。また、高確率低ベース状態へ直接移行するとともに、第1演出モードによる小当りラッシュが実行される。小当りラッシュ直撃当りは、例えば10R確変当りであり、装飾図柄の「7」が揃う大当りである。その第1演出モードにおいて第1の演出内容と第2の演出内容を少なくとも含む複数種類の演出内容(第1モードと第2モードを少なくとも含む複数種類のモード)のうちいずれを実行するかは所定の選択演出において遊技者が選択できる。例えば、キャラクタAをモチーフにした第1モードと、キャラクタBをモチーフにした第2モードのいずれかを選択できる。選択演出は、特定態様の大当りに対応する特別遊技中の演出において実行され、10回の単位遊技のうち後半、例えば6~8ラウンドの単位遊技のいずれかにて実行される。
一方、第1特別図柄51または第2特別図柄52が大当りとなり、大当り図柄(特別図柄)が突入予告演出モードである高確率高ベース状態または低確率高ベース状態へ移行する特殊態様(上述の特定態様とは異なる態様である)の大当り図柄(特別図柄)であった場合、特殊態様の大当り図柄に対応した特別遊技の終了後に高ベース状態(高確率高ベース状態または低確率高ベース状態)へ移行するとともに第2演出モードである突入予告演出モードへ移行する。この場合、高ベース状態(突入予告演出モード)の特定タイミング(例えば16変動目に実行される突入演出)において、この高ベース状態が高確率高ベース状態であった場合、その後に移行する小当りラッシュの演出における複数種類の演出内容のうちいずれかを遊技者に選択させる選択演出、すなわち第1演出モードの演出内容を第1の演出内容とするか第2の演出内容とするかを選択させる選択演出(前述した第1モードとするか第2モードとするかを選択させる選択演出)を実行する。なお、第1特別図柄51においては、小当りラッシュ直撃当りよりも、突入予告演出モードの移行契機となる大当りの方が当選確率が高い。
選択演出として、例えば第1の演出内容として「キャラクタA」と、第2の演出内容として「キャラクタB」とを選択肢として遊技者に提示し、遊技者は演出ボタン109または十字キー110を操作していずれかを選択する。第1の演出内容では、「キャラクタA」が登場するとともに、その「キャラクタA」に関連する背景画像や背景音楽が出力される。第2の演出内容では、「キャラクタB」が登場するとともに、その「キャラクタB」に関連する背景画像や背景音楽が出力される。
以上により、小当りラッシュの遊技性を向上させ、適切なものとすることができる。特に、入球容易状態の終了後に小当りラッシュに突入するという仕様だからこそ、モード選択可能な状況を特別遊技中以外の適切なタイミングで実現させ、そのときの図柄変動状況を考慮して適切な演出を実現できる。
<4.小当り遊技演出>
小当りラッシュ中の小当り遊技における演出(以下、「小当り遊技演出」ともいう)は、味方キャラクタと敵キャラクタとの対戦で格闘するバトル演出の表示内容で構成される。ただし、小当り遊技演出で対戦する敵キャラクタは、突入予告演出で対戦する敵キャラクタより弱い設定であり、その敵キャラクタが勝利する可能性、すなわち味方キャラクタが敗北する可能性は低く設定される、もしくは、敗北することがないよう設定される。小当り遊技演出に登場する敵キャラクタの種類は、最弱レベルのキャラクタと、弱レベルのキャラクタとがある。保留されている事前判定結果を先読みし、所定の開始条件、例えば当該変動が小当り変動であり、かつ、小当りに該当する当否抽選値の保留個数が0~3個であるという条件を満たす状況の場合、最弱レベルのキャラクタによるバトル演出が実行される。当該変動が小当り変動であり、かつ、小当りに該当する当否抽選値が保留内に4個であるという条件を満たす状況の場合、弱レベルのキャラクタによるバトル演出が実行されるが、その点は後述の<5.特殊小当り遊技演出>において説明する。小当り遊技演出は、第2特別図柄52の変動開始を契機として実行される開始演出と、小当り遊技の実行中に実行される実行中演出と、小当り遊技の終了を契機として実行される終了演出と、を少なくとも含んで構成される。ここで、当該変動および保留については、第2特別図柄52の変動および第2特別図柄52の保留を指す。なお、最弱レベルのキャラクタによるバトル演出が実行される条件について、当該変動が小当り変動であることは前提とし、小当りに該当する保留個数が0~3個ではなく、0~2個や0~1個、もしくは0個としてもよい。また、弱レベルのキャラクタによるバトル演出が実行される条件について、当該変動が小当り変動であることは前提とし、小当りに該当する保留個数が1個以上や2個以上、もしくは3個以上としてもよい。
図32は、小当り遊技演出における画面遷移例を模式的に示す。まず、小当りラッシュが開始され、第2特別図柄52の変動表示の開始とともに、図32(a)のように開始演出として味方キャラクタ603が登場する。本図の味方キャラクタ603は、上述の「キャラクタA」に対応する味方キャラクタであり、遊技者が「キャラクタA」を選択した場合に表示される演出例を示す。遊技者が「キャラクタB」を選択した場合は、他の種類の味方キャラクタが表示される演出となる。画面中央下部にはメイン装飾図柄601を高速で変動表示させる。画面右上には装飾図柄を縮小したミニ装飾図柄600を変動表示させる。小当りラッシュにおいて第2特別図柄52の変動表示に対応する装飾図柄は、メイン装飾図柄601とミニ装飾図柄600とで構成される。ただし、図柄変動中はミニ装飾図柄600のみを変動表示させてメイン装飾図柄601を非表示とする仕様でもよい。例えば、可動役物の動き等によりメイン装飾図柄601が隠れてしまった場合や、演出上の理由でメイン装飾図柄601を非表示にする場合でも、必ず画面の一部に常時表示されるミニ装飾図柄600により、装飾図柄の表示状態を補償できる意味で、補償図柄ないし退避図柄ともいえる。小当りラッシュにおける簡易図柄602は、第1特別図柄51の変動表示に対応する。簡易図柄602は○か×かで当否判定結果を表示する(○が大当りを示し、×が外れを示す)とともに△で小当りを表示する簡易的な図柄である。画面左上には、連チャン回数605と総獲得賞球数607が表示される。連チャン回数605は小当りラッシュにおいて実行される特別遊技の数である。総獲得賞球数607は、小当りラッシュにおける累積的な獲得賞球数である。後述するように、総獲得賞球数607は特別遊技における獲得賞球数と小当りラッシュにおける獲得賞球数を合算した数である。
小当りラッシュにおいて第2特別図柄52が小当りとなった場合、図32(b)のように小当り図柄の態様で停止されたメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600を固定表示するとともに、敵キャラクタ604(最弱キャラクタ)を登場させる。小当り図柄は、例えば同じ色の図柄が揃った停止態様である。例えば、数字図柄「2」「4」「6」「8」が青色、数字図柄「1」「5」が紫色、数字図柄「3」「7」が赤色、のように図柄種類ごとに色が異なる。図32(a)~(b)が、小当り遊技演出の開始演出である。
図32(c)のように小当り図柄にてメイン装飾図柄601が固定表示されて最弱キャラクタの敵キャラクタ604が表示された状態で、大入賞口20が開放され、大入賞口20への入球を待機する状態として、小当り遊技演出の実行中演出が開始される。実行中演出として、小当り遊技の実行中の大入賞口20への入球を契機として特定演出を実行する。ここでいう特定演出は、例えば敵キャラクタ604への攻撃を視覚的なエフェクトを用いて表示する攻撃演出である。攻撃演出として、大入賞口20への入球数に応じた態様にて攻撃を表示する。まだ大入賞口20への入球がない段階(入球数が0の段階)で、低レベルの攻撃を示す青色の攻撃エフェクト(青色攻撃エフェクト608)を敵キャラクタ604に向けて弧を描いて延びるように表示する。攻撃エフェクトが敵キャラクタ604に向けて延びていく間が大入賞口20への入球待機期間となり、その間に大入賞口20へ1~2球の入球があれば、さらに中レベルの攻撃を示す赤色の攻撃エフェクト(赤色攻撃エフェクト609)を入球のたびに敵キャラクタ604に向けて弧を描いて延びるように表示させる。また、入球のたびに総獲得賞球数607に獲得賞球数である「15」が加算される。大入賞口20への入球数が3球以上になった場合はさらに高レベルの攻撃を示す金色の攻撃エフェクト(金色攻撃エフェクト610)を入球のたびに敵キャラクタ604に向けて弧を描いて延びるように表示する。また、入球のたびに総獲得賞球数607に獲得賞球数である「15」が加算される。青色攻撃エフェクト608はランダムな位置から敵キャラクタ604へ向けて表示される他、赤色攻撃エフェクト609と金色攻撃エフェクト610は、すでに表示されている他の攻撃エフェクトと異なる位置から敵キャラクタ604へ向けて表示され、軌道が完全重複するのを回避する。
このように、大入賞口20への入球が多いほど攻撃エフェクトの数が増えていくだけでなく、その色も変化していく。ただし、大入賞口20への入球がない場合でも必ず低レベルの攻撃を示す青色攻撃エフェクト608が表示され、大入賞口20への入球有無にかかわらず最弱レベルの敵キャラクタ604は必ず爆破されて敗北する。すなわち、実行中演出として、小当り遊技の実行中に大入賞口20への入球が一切なかった場合でも特定演出が実行され、入球があった場合は入球数に応じた態様にて特定演出が追加的に実行される。
実行中演出の後、メイン基板200からサブ基板300へ大入賞口20の閉鎖コマンドが発せられたことを契機に終了演出が実行される。図32(d)のように、終了演出においては装飾図柄としてメイン装飾図柄601が非表示となってミニ装飾図柄600のみの表示に切り替わる。ただし変形例として、終了演出中も小当り図柄態様でのメイン装飾図柄601の固定表示を継続する仕様としてもよい。また、敵キャラクタ604の爆破が表示される演出(爆破エフェクト611)により、敵キャラクタ604の敗北が示される。このように、小当り遊技演出における敵キャラクタ604は、大入賞口20への入球を契機とする攻撃により爆破されて敗北する。また、最弱レベルの敵キャラクタ604の場合は大入賞口20へ入球しなくとも自動的に攻撃され、爆破エフェクト611が表示される。
敵キャラクタ604の爆破シーンが表示される間に、図32(e)のように、1回の小当り遊技による大入賞口20への入球数に応じた獲得賞球数が画面中央の爆破エフェクト611の中に賞球獲得演出612として表示される。賞球獲得演出612は、総獲得賞球数607への賞球数の加算と異なり、大入賞口20へ1球入球するたびにそれぞれの賞球(例えば15球)を示す形で個別に実行されるのではなく、1回の小当りにおける大入賞口20への全入球に対する合計賞球数(例えば15球×3=45球)を示す形でまとめて実行される。例えば大入賞口20への入球数が1球の場合はその賞球数を示す「15GET!」等の文字列が表示され、大入賞口20への入球数が2球の場合は「30GET!」、3球の場合は「45GET!」等の文字列が画面中央に賞球獲得演出612として表示される。
なお、賞球獲得演出の実行契機となった小当り遊技における大入賞口20の開放時の入球検知が、その賞球獲得演出の開始後またはその直前にあった場合は、その入球検知に対する賞球数は賞球獲得演出612の対象には含めない一方、常時画面に表示する総獲得賞球数607には加算して反映させる。このように、終了演出として爆破エフェクト611と賞球獲得演出612が表示されるが、これらが表示される間に、第2当否抽選の保留があれば次の図柄変動としてメイン装飾図柄601の変動表示とミニ装飾図柄600の変動表示が開始される。
図33は、小当り遊技演出のタイムチャートである。上段の時間軸はメイン装飾図柄601の状態を示し、中段の時間軸は小当り遊技の状態を示し、下段の時間軸は小当り遊技演出の状態を示す。小当りラッシュの開始後、S900においてメイン装飾図柄601の変動期間530の開始とともに、小当り遊技演出の開始演出が小当り開始演出期間531に実行開始されて、味方キャラクタ603が登場する、もしくは、小当りラッシュ中のベースとなる演出として前の変動から味方キャラクタ603が継続表示されている。メイン装飾図柄601の図柄変動は一瞬の変動期間530の経過後(例えば、0.5秒後)に停止されて(S902)、小当り図柄に対応する表示態様(前述した同じ色の組合せ)にてメイン装飾図柄601が表示されるとともに小当り遊技の開始デモ期間533に移行して、小当り開始演出においては敵キャラクタ604が表示される(S904)。メイン装飾図柄601は小当り図柄固定期間532にわたって固定表示されたまま、所定の開放タイミングで大入賞口20が開放されて(S905)、小当り開始演出期間531が終了し、大入賞口20の開放期間534にわたって小当り遊技演出は入賞待機演出期間536となる。小当り図柄固定期間532は、メイン装飾図柄601の組合せが視認できる表示状態にて停止表示させる期間である。入賞待機演出期間536は、敵キャラクタ604が表示され、大入賞口20への入球による攻撃の演出実行を待機している状態である。なお、第2特別図柄52が小当り図柄(小当り遊技の実行契機となる停止態様)にて停止表示されている期間(その停止表示が維持されている期間)としては、開始デモ期間533の開始時(小当り図柄固定期間532の開始時)から終了デモ期間540の終了時までの期間となる。入賞待機演出期間536の所定タイミングから入賞演出期間538となり、まず大入賞口20への入球有無にかかわらず青色攻撃エフェクト608が表示され(S906)、1球目の入球があった場合はその後(S908)に赤色攻撃エフェクト609が表示されて(S910)、総獲得賞球数607に15球が加算される。2球目の入球があった場合はその後(S912)にさらに赤色攻撃エフェクト609が表示されて(S914)、総獲得賞球数607に15球が加算される。3球目の入球があった場合はその後(S916)にさらに金色攻撃エフェクト610が表示されて(S918)、総獲得賞球数607に15球が加算される。なお、前述したとおり、赤色攻撃エフェクトおよび金色攻撃エフェクトは、それぞれにエフェクトに対応した入球(数)がないと表示されないが、青色攻撃エフェクトは入球がなくても表示される。なお、実施例における開始デモ期間とは、小当り遊技が開始されてから(小当り図柄が停止してから)大入賞口が開放するまでの待機時間であり、本実施例における終了デモ期間とは、小当り遊技における大入賞口の開放が終了してから小当り遊技が終了するまで(次の変動が可能になるまで)の待機時間である。
小当り遊技において大入賞口20が閉鎖され(S920)、終了デモ期間540に移行するとともに、メイン装飾図柄601の小当り図柄固定期間532が終了し、小当り遊技演出における入賞待機演出期間536および入賞演出期間538が終了して、実行中演出が終了する。終了デモ期間540においては、獲得演出期間542として敵キャラクタ604の爆破エフェクト611が表示され(S922)、その後、賞球獲得演出612が表示される(S924)。終了デモ期間540が終了し、第2当否抽選の保留があれば次のメイン装飾図柄601の変動期間544が開始されるが(S926)、獲得演出期間542はそのまま数秒間継続する。
本図の例では、変動期間544の図柄変動以降、当否抽選が3回連続で外れとなる場合を示す。その場合、変動期間544の終了後、ミニ装飾図柄600およびメイン装飾図柄601が外れ図柄で一瞬だけ(例えば、0.3秒)固定表示され(固定期間545)、同様に、次の変動期間546、外れ図柄での固定期間547、さらに次の変動期間548、外れ図柄での固定期間549が繰り返される。なお、第2特別図柄52の固定期間および変動期間も同じ時間値である。その後、小当りに該当する図柄の変動期間550の後、小当り図柄固定期間553および開始デモ期間552となり、小当り遊技演出として小当り開始演出が表示される。獲得演出期間542の終了から小当り開始演出期間554までの間は、演出待機期間543として、味方キャラクタ603が表示され続ける。演出待機期間543は、小当りラッシュ、すなわち高確率低ベース状態が継続していることを示す演出であって小当りラッシュ中のベースとなる演出が表示される期間である。小当り開始演出期間554から新たな敵キャラクタ604が表示され、以降は同様の小当り遊技演出が繰り返される。
従来は、小当りが発生したとしても大入賞口20に入球がなければ入賞演出は実行されないが、本実施例においては小当りが発生すれば大入賞口20への入球有無にかかわらず入賞に対する演出が実行されるため、遊技者に爽快感を味わわせることができる。このように、遊技者は大入賞口20への入球に失敗したとしても最弱レベルの敵キャラクタ604に対しては必ず勝利するシーンを見ることができ、爽快感を味わうことができる。以上により、小当りラッシュの遊技性を向上させ、適切なものとすることができる。特に、小当り時の大入賞口20の入賞に係る演出を、入球有無にかかわらず違和感のないものとしつつ、入球状況に応じて変化させることで特別感も出すことができる。
<5.特殊小当り遊技演出>
小当り遊技演出の実行開始にあたり保留制御手段により保留される小当りを示す抽選値の個数が1個ではなく複数個である所定個数、例えば上限数である4個に達していた場合は、小当り遊技演出として、所定個数と同数の小当り遊技に亘る連続的な演出期間となる特殊小当り遊技演出が実行される。特殊小当り遊技演出で対戦する敵キャラクタ604は、弱レベルのキャラクタである。特殊小当り遊技演出は、保留制御手段により保留される小当りを示す抽選値の個数が1個のみ、または3個以下の場合には実行されない演出である。ただし、変形例においては、保留制御手段により保留される小当りを示す抽選値の個数が3個以下の場合にも特殊小当り遊技演出が実行される場合がある仕様であってもよい。また、ある変動(ある小当り変動)の開始を契機に保留される小当りを示す抽選値の個数を先読みする場合、すなわち事前判定する場合、変動開始直後は保留個数が1減算されており、故に変動開始直後は保留個数が3個となっているため、ある変動(ある小当り変動)の変動開始時ではなく、変動途中(例えば、変動開始後0.3秒後など)のタイミングで先読みする(事前判定する)ことが望ましい。そうすれば、変動開始直後には3個であった保留が変動途中であればその間に4個目の保留が生起していることが考えられるからである。なお、ある変動(ある小当り変動)の開始時点で保留される小当りを示す抽選値の個数を先読みする場合、すなわち事前判定する仕様としてもよく、その場合、変動開始直後は保留個数が3個であることを考えると、特殊小当り遊技演出の実行条件は、小当りを示す抽選値の個数が上限数である4個未満(好適な例としては3個、その他としてはそれ以外の1個もしくは2個)であることが望ましい。以下、保留される小当りを示す抽選値の個数が4個の場合を例に、特殊小当り遊技演出について通常の小当り遊技演出との相違点を中心に説明するが、保留される小当りを示す抽選値の個数が4個未満である場合や、保留される小当りを示す抽選値の個数の先読みタイミングが変動途中である仕様、保留される小当りを示す抽選値の個数の先読みタイミングが変動開始時である仕様であっても、以下に説明する1または複数の構成を適宜採用可能である。
特殊小当り遊技演出においては、その連続的な演出期間に含まれる所定個数と同数の小当り遊技に対応する期間のうち、途中の小当り遊技に対応する期間では敵キャラクタ604との対戦結果、すなわち勝敗が表示されず、最後の小当り遊技に対応する期間で敵キャラクタの敗北が表示される。すなわち、弱レベルの敵キャラクタは、上述の最弱レベルの敵キャラクタ604と異なり、小当り1回ごとに爆破して敗北させるのではなく、例えば4回の連続的な演出期間に含まれる4回の小当り遊技を跨いで連続的に表示した上で最後に爆破して敗北させる対象となる。
図34は、特殊小当り遊技演出における画面遷移例を模式的に示す。まず、小当りラッシュが開始され、小当りに該当する保留が4個に達している場合、第2特別図柄52の変動表示の開始とともに、図34(a)のように開始演出として味方キャラクタ603が登場する。ミニ装飾図柄600の変動が停止されると、図34(b)のように小当り図柄の態様で停止されたメイン装飾図柄601を出現させて固定表示するとともに、敵キャラクタ613(弱キャラクタ)を登場させる。小当り図柄は、例えば同じ色の図柄が揃った停止態様である。図34(a)~(b)が、小当り遊技演出の開始演出である。
図34(c)のように小当り図柄にてメイン装飾図柄601が固定表示されて弱キャラクタの敵キャラクタ613が表示された状態で、大入賞口20が開放され、大入賞口20への入球を待機する状態として、特殊小当り遊技演出の実行中演出が開始される。実行中演出として、小当り遊技演出と同様に大入賞口20への入球を契機として特定演出、すなわち攻撃演出を実行する。また、入球のたびに総獲得賞球数607に獲得賞球数である「15」が加算される。
実行中演出の後、メイン基板200からサブ基板300へ大入賞口20の閉鎖コマンドが発せられたことを契機に終了演出が実行される。ただし、小当り遊技演出と異なり、敵キャラクタ613は爆破されず、直ちに敗北とはならず、図34(d)のように、攻撃に耐えた敵キャラクタ613の表示が維持される演出が特殊小当り遊技演出の終了演出(ただし、特殊小当り遊技演出における最後の小当り遊技における終了演出は除く)であり、図34(b)の演出に戻る。このような図34(b)~(d)の演出を4回の小当り遊技(当該変動分の小当り遊技とその後の保留3個分の小当り遊技の合計4回の小当り遊技)にわたって繰り返し、その後、最後の小当り遊技における終了演出(図32(e))で、敵キャラクタ613の爆破が表示される演出(爆破エフェクト611)により、敵キャラクタ613の敗北が示され、4回の小当り遊技による大入賞口20への入球数に応じた獲得賞球数が賞球獲得演出612として表示される。例えば、5回の小当り遊技(当該変動分の小当り遊技とその後の保留3個分の小当り遊技と保留4個目である最後の小当り遊技の合計5回の小当り遊技)で10球の入球があった場合、15×10=150球の獲得賞球数を示す「150GET!」等の文字列が賞球獲得演出612として表示される。このように、特殊小当り遊技演出における敵キャラクタ613は、5回の小当り遊技の最後に爆破されて敗北する。また、弱レベルの敵キャラクタ613は、仮に大入賞口20へまったく入球がなかったとしても自動的に攻撃され、爆破エフェクト611が表示され得る。
図35は、特殊小当り遊技演出のタイムチャートである。上段の時間軸はメイン装飾図柄601の状態を示し、中段の時間軸は小当り遊技の状態を示し、下段の時間軸は小当り遊技演出の状態を示す。小当りラッシュの開始後、S950においてメイン装飾図柄601の変動期間560の開始とともに、特殊小当り遊技演出の開始演出が小当り開始演出期間561に実行開始されて、味方キャラクタ603が登場する、もしくは、小当りラッシュ中のベースとなる演出として前の変動から味方キャラクタ603が継続表示されている。メイン装飾図柄601の図柄変動は一瞬の変動期間530の経過後(例えば、0.5秒後)に停止されて(S952)、小当り図柄に対応する表示態様(前述した同じ色の組合せ)にてメイン装飾図柄601が表示されるとともに小当り遊技の開始デモ期間563に移行して、小当り開始演出においては敵キャラクタ613が表示される(S954)。メイン装飾図柄601は小当り図柄固定期間562中に固定表示されたまま(ただし、終了デモ期間570の開始を契機に非表示となる)、所定の開放タイミングで大入賞口20が開放されて(S958)、小当り開始演出期間561が終了し、大入賞口20の開放期間564にわたって特殊小当り遊技演出は入賞待機演出期間566となる。小当り図柄固定期間562は、メイン装飾図柄601の組合せが視認できる表示状態にて停止表示させる期間である。入賞待機演出期間566は、敵キャラクタ604が表示され、大入賞口20への入球による攻撃の演出実行を待機している状態である。なお、第2特別図柄52が小当り図柄(小当り遊技の実行契機となる停止態様)にて停止表示されている期間(その停止表示が維持されている期間)としては、開始デモ期間563の開始時(小当り図柄固定期間562の開始時)から終了デモ期間570の終了時までの期間となる。入賞待機演出期間566の所定タイミングから入賞演出期間568となり、まず大入賞口20への入球有無にかかわらず青色攻撃エフェクト608が表示され(S960)、1球目の入球があった場合はその後(S962)に赤色攻撃エフェクト609が表示されて(S964)、総獲得賞球数607に15球が加算される。2球目の入球があった場合はその後(S966)にさらに赤色攻撃エフェクト609が表示されて(S968)、総獲得賞球数607に15球が加算される。3球目の入球があった場合はその後(S970)にさらに金色攻撃エフェクト610が表示されて(S972)、総獲得賞球数607に15球が加算される。なお、前述したとおり、赤色攻撃エフェクトおよび金色攻撃エフェクトは、それぞれにエフェクトに対応した入球(数)がないと表示されないが、青色攻撃エフェクトは入球がなくても表示される。
小当り遊技において大入賞口20が閉鎖され(S974)、終了デモ期間570に移行するとともに、メイン装飾図柄601の小当り図柄固定期間562が終了し、小当り遊技演出における入賞待機演出期間566および入賞演出期間568が終了して、実行中演出が終了する。小当り遊技演出は継続演出期間572となるが、通常の小当り遊技演出とは異なり敵キャラクタ613は爆破されず、攻撃に耐えた敵キャラクタ613の表示が維持される。終了デモ期間570が終了し、継続演出期間572と並行して次の小当りの変動期間574が開始され(S980)、S982で小当り図柄固定期間578に切り替わると、小当り遊技は2回目の開始デモ期間576に移行し、特殊小当り遊技演出は小当り開始演出期間577となる。所定の開放タイミングで大入賞口20が開放されて(S984)、小当り開始演出期間577が終了し、大入賞口20の開放期間580にわたって特殊小当り遊技演出は入賞待機演出期間582となる。その間の所定タイミングから入賞演出期間584となり、大入賞口20への入球有無にかかわらず青色攻撃エフェクト608が表示され(S986)、1球目の入球があると(S988)、赤色攻撃エフェクト609が表示されて(S989)、総獲得賞球数607に15球が加算される。小当り遊技において大入賞口20が閉鎖され(S990)、終了デモ期間585に移行するとともに、メイン装飾図柄601の小当り図柄固定期間578が終了し、小当り遊技演出における入賞待機演出期間582および入賞演出期間584が終了して、実行中演出が終了する。終了デモ期間585においては、まだ敵キャラクタ613は爆破されず、継続演出期間586となり、攻撃に耐えた敵キャラクタ613の表示が維持される。変形例としては、特殊小当り遊技演出中に実行される複数回の小当り遊技において、現在実行中の小当り遊技よりも先に実行された(実行済みの)小当り遊技中の入賞演出にて金色攻撃エフェクトが表示されていた場合、現在実行中の小当り遊技における入賞待機演出/入賞演出において、(1)青色攻撃エフェクトを表示しない、もしくは、(2)青色攻撃エフェクトの代わりに金色攻撃エフェクトを表示するようにしてもよく、それ以外にも、(3)現在実行中の小当り遊技で大入賞口20へ入球があった場合は全て金色攻撃エフェクトを表示するようにしてもよい。また、その他変形例としては、特殊小当り遊技演出中においては、いずれの小当り遊技においても、攻撃エフェクトの色を青色、赤色、金色とは異なる紫色に統一してもよい、すなわち、小当り遊技で大入賞口20へ入球があった場合は全て紫攻撃エフェクトの表示としてよい。また、その他変形例としては、特殊小当り遊技演出中においては、いずれの小当り遊技においても、青色攻撃エフェクトを表示しないようにしてもよい。
終了デモ期間585が終了し、継続演出期間586と並行して次の小当りの変動期間587が開始され、小当り図柄固定期間589に切り替わると、小当り遊技は3回目の開始デモ期間588に移行し、特殊小当り遊技演出は小当り開始演出期間590となる。このように、4回の小当り遊技が繰り返された上で到達する最後の小当り遊技(5回目の小当り遊技)における終了デモ期間594において、獲得演出期間595となり、敵キャラクタ613の爆破エフェクト611が表示され、賞球獲得演出612が表示される。
ここで、5回の連続的な小当り遊技における最後の小当り遊技の開始時点、もしくは、最後の小当り遊技の実行契機となる第2特別図柄52の変動開始時点または変動途中で、第2保留制御手段に新たな小当りを示す抽選値が保留されていた場合であって所定の延長条件を満たした場合、当該新たな小当り遊技の期間まで特殊小当り遊技演出の期間が延長されて特殊小当り遊技演出の実行が継続される。すなわち、特殊小当り遊技演出は、小当り5個分の期間で終了するのではなく、継続(延長)される場合がある。例えば、5個分の期間終了前(前述したとおり、5回の連続的な小当り遊技における最後の小当り遊技の開始時点、もしくは、最後の小当り遊技の実行契機となる第2特別図柄52の変動開始時点または変動途中)で第2保留制御手段により保留される当否抽選値に小当りに該当する当否抽選値(以下、「小当り保留」という)が1以上含まれ、かつ、1以上の小当り保留のうち最初の小当り保留の手前に超短縮変動の外れ変動(例:0.5秒、5秒、30秒、60秒の4種類の外れ変動を有するとした場合、その中の0.5秒の外れ変動)が実行予定となる保留以外が存在しないという継続条件を満たした場合に継続される。超短縮変動の外れ変動であれば、小当り遊技が実行されるまでに挟まれたとしても、そのまま特殊小当り演出を継続的に実行することができる。特殊小当り遊技演出を継続する場合は、図34(d)のように、小当り終了デモ中の演出を次の小当り開始デモ演出まで維持する継続演出を実行する(例えば、攻撃に耐えた敵キャラクタ604の表示を維持したまま、超短外れ変動を挟んだとしても次の小当りまで繋げる)。なお、そもそもの特殊小当り遊技演出の実行条件を、この継続条件と同じにしてもよい、すなわち、ある変動(ある小当り変動)で先読みした1以上の小当り保留のうち最初の小当り保留の手前に超短縮変動の外れ変動が実行予定となる保留以外が存在しないことを条件に、特殊小当り遊技演出を開始させてもよい。
図36は、特殊小当り遊技演出の延長過程を示すタイムチャートである。5回の小当り遊技のうち最後の小当り遊技における終了デモ期間658と並行して、継続演出期間660として、図34(d)のように敵キャラクタ613を爆破せずに表示を維持したまま、次の外れの超短縮変動を変動期間662に表示し、ミニ装飾図柄600およびメイン装飾図柄601が外れ図柄で一瞬だけ固定表示される(固定期間664)。このような外れが2回続く場合、さらに次の変動期間666、外れ図柄での固定期間668が繰り返される。その後、小当りに該当する図柄の変動期間670の後、小当り図柄固定期間672となり、小当り遊技は開始デモ期間674に移行するとともに、小当り遊技演出はそれまで続いた継続演出期間660から小当り開始演出期間675に切り替わり、再び開放期間676、入賞待機演出期間678、入賞演出期間680において、敵キャラクタ613に対し、大入賞口20の入球に応じた攻撃エフェクトが表示される。このような特殊小当り遊技演出の延長は、小当りに該当する保留がなくなるまで何度繰り返してもよく、超短縮変動以外の図柄変動が発生する前の小当り遊技まで続けられ得る。
以上により、小当りラッシュの遊技性を向上させ、適切なものとすることができる。特に、小当り当選が連続する状況では、特別な入賞演出・賞球獲得演出とすることで、小当り以上大当り未満の当りを擬似的に見せることができる。
<6.擬似ラウンド演出>
小当りラッシュ(すなわち、高確率低ベース状態)においては、複数回の小当り遊技による大入賞口20への入球数を累積的にカウント表示する擬似ラウンド演出が実行される。
図37は、擬似ラウンド演出の画面例を模式的に示す。本図の例は、小当りラッシュの突入演出における選択演出で遊技者が「キャラクタB」を選択した場合に表示される小当り遊技演出の画面例でもある。「キャラクタB」の味方キャラクタ616を用いる小当り遊技演出において擬似ラウンド演出が実行される。擬似ラウンド演出では、小当りラッシュにおいて累積的にカウント表示された入球数が所定の規定数、例えば特別遊技における1ラウンドの規定カウント数と同じ「10球」に達するまでを1回の擬似的な単位遊技と扱い、その1回の擬似的な単位遊技に対して、擬似的に1ラウンド分のラウンド演出を実行する。その擬似的なラウンド演出の回数を擬似ラウンド数614として表示し、擬似的な1ラウンドの規定数に達するたびに擬似ラウンド数614を増加させる更新表示をすることで、小当りラッシュにおいて、あたかも複数回のラウンドがあるように見せることができる。また、累積的な大入賞口20への入球数を、画面左上における10個の入賞カウント表示618の黒塗り表示の数により表示する。なお、1ラウンド分の10カウントを、入賞カウント表示618の黒塗り表示の数の増加により表示してもよいし、入賞カウント表示618の黒塗り表示の数の減少により表示してもよい。これにより、小当りラッシュにおいても複数回の擬似的なラウンドにより、特別遊技と同じようにまとまった賞球を獲得できることを視覚的にも把握しやすくできる。なお、擬似ラウンド演出を実行する場合は、特別遊技と小当りラッシュとに亘って擬似ラウンド演出を継続することが好適である。ここで、「キャラクタA」を選択した場合の小当りラッシュ中に特別遊技に移行した場合であれば、単位遊技の規定カウント数である「10球」目に続いて「11球」目となる入球があった場合、いわゆるオーバー入賞として扱われ、その単位遊技内で入球した扱いになり、当然その単位遊技の次の単位遊技の「1球」目としては扱われない。しかし、擬似ラウンド演出において「10球」を規定数として1回の擬似的なラウンドとする仕様の場合、すなわち「キャラクタB」を選択した場合の小当りラッシュ中である場合は、「キャラクタA」を選択した場合の小当りラッシュ中とは異なり、小当りラッシュ中に特別遊技に移行した場合のその特別遊技における単位遊技においては、規定カウント数である「10球」目に続いて「11球」目となる入球があった場合であってもオーバー入賞として扱わず、擬似ラウンドにおける「1球」目として扱われる。具体例としては、「キャラクタA」を選択した場合の小当りラッシュ中に特別遊技に移行した場合であれば、10R確変大当りに対応する特別遊技の実行中、10回の単位遊技すべてに11球入球した場合であっても、擬似ラウンド演出ではないラウンド演出としては、単位遊技終了条件により(1回の単位遊技終了と同期して)切り替わるラウンド数表示(擬似ラウンド数614と同じまたは類似する表示)は「10R」となる。一方、「キャラクタB」を選択した場合の小当りラッシュ中に特別遊技に移行した場合であれば、10R確変大当りに対応する特別遊技の実行中、10回の単位遊技すべてに11球入球した場合、合計110球入球したことになるので、擬似ラウンド演出としては、「10球」のカウントが11回行われたとみなされ、擬似ラウンド数表示は「11R」となる。前述したように、特別遊技と小当りラッシュとに亘って擬似ラウンド演出を継続する場合、例えば小当りラッシュ中のカウント数が「44球」であれば、小当りラッシュ中の擬似ラウンド数表示は「4R」となる(また、規定カウント数まで残り「6球」の状況となる)。その後に10R確変大当りに対応する特別遊技へ移行した場合、その特別遊技中のカウント数が「107球」であれば、特別遊技移行前では規定カウント数まで残り「6球」の状況であったため、特別遊技中の最終的な擬似ラウンド数表示は「15R」となる(また、規定カウント数まで残り「9球」の状況となる)。
前述したような、特別遊技と小当りラッシュとに亘って擬似ラウンド演出を継続する場合について、さらに説明する。小当りラッシュが継続する間に大当りが発生した場合、擬似ラウンド演出と背景や演出モードなどの演出内容が共通する特別遊技演出が一時的に実行される。ここでいう「共通する」は、すべての演出態様が同一である場合だけでなく、その一部が同一の場合や、少なくとも一部が類似する場合も広く含む趣旨である。例えば、特別遊技の前までの小当り遊技演出で表示されていた味方キャラクタや敵キャラクタと同様のキャラクタを表示させることで演出としての一貫性を保ち、演出が継続されているように見せる。この特別遊技演出では、擬似ラウンド数614と総獲得賞球数607が小当り遊技演出における擬似ラウンド数614と総獲得賞球数607が継続するように表示される。すなわち、例えば図37(a)のように小当り遊技演出において表示されていた擬似ラウンド数614が4ラウンド目を示す「4R」であった場合、続く特別遊技演出の1ラウンド目では図37(b)のように擬似的なラウンド数を「1」加算して「5R」から開始し、総獲得賞球数607も小当り遊技演出から継続して累積的な獲得賞球数が更新される。ここで、前述したように、小当り遊技演出の終了時の擬似ラウンド数614が「4R」で、その擬似的な単位遊技における大入賞口20への入球数が規定数「10」に達していない場合、続く特別遊技演出の擬似ラウンド数614は「4R」から継続し、小当り遊技演出から続く擬似的な単位遊技における大入賞口20への入球数が規定数「10」に達するごとに擬似ラウンド数614を加算する仕様でもよい。
その後、特別遊技に続いて実行される小当り遊技においても擬似ラウンド数614と総獲得賞球数607が継続され、それぞれ累積的な擬似ラウンド数と獲得賞球数が表示される。以上により、小当りラッシュの遊技性を向上させ、適切なものとすることができる。特に、小当りラッシュと大当り(特別遊技)とをシームレスに見せたい場合に、ラウンドアップ条件を均一化して違和感なく自然に演出を見せることができる。
<7.装飾図柄切替の例外処理>
低確率低ベース状態(いわゆる通常状態、初当り前の状態)においては、原則として、第1特別図柄51の変動表示に対応して装飾図柄(メイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600)による変動演出が表示され、第2特別図柄52の変動表示に対応して簡易図柄602による変動演出が表示される。すなわち、低確率低ベース状態においては、第1特別図柄51の図柄変動が主体的な装飾図柄として大きく画面中央に表示され、第2特別図柄52の図柄変動が副次的な図柄として小さく画面隅に表示されるのが原則である。
低確率高ベース状態である所定回数、例えば16変動の図柄変動期間においては、原則として、第2特別図柄52の変動表示に対応してメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600による変動演出が表示され、第1特別図柄51の変動表示に対応して簡易図柄602による変動演出が表示される。すなわち、低確率高ベース状態においては、第2特別図柄52の図柄変動が主体的な装飾図柄として大きく画面中央に表示され、第1特別図柄51の図柄変動が副次的な図柄として小さく画面隅に表示されるのが原則である。ただし、16変動目において、少なくともメイン装飾図柄601については、1種の例外として、第1特別図柄51の変動表示に対応して変動演出を行ってもよい。ここで、ミニ装飾図柄600、メイン装飾図柄601、簡易図柄602のそれぞれは、演出表示装置60の画面上で変動表示されるため、それを「変動演出」と称しているが、単に「変動表示」であってもよい。
ここで、低確率高ベース状態における図柄変動回数が上記の16変動目に達し、かつ、その16変動目が第2特別図柄52の変動表示である場合、その16変動目に達した瞬間に内部的な遊技状態は低確率高ベース状態から低確率低ベース状態に切り替えられるが、その第2特別図柄52に対応する装飾図柄の変動が続く間は、同じ第2特別図柄52に対応する装飾図柄については重複して変動表示できないため、主体的に表示する装飾図柄を第2特別図柄52への対応から第1特別図柄51への対応に切り替えられない問題が生じ得る。すなわち、第2特別図柄の図柄変動が主体的な装飾図柄として表示される遊技状態から、第2特別図柄の図柄変動が主体的な装飾図柄として表示されない遊技状態へと切り替わったのに、その切り替わった状況では第2特別図柄52に対応する装飾図柄が未だ変動中の状況であるため、第2特別図柄52に対応する装飾図柄の新たな変動を表示できず、第2特別図柄52の図柄変動が主体的な装飾図柄として表示されないようにすることができない。そこで、装飾図柄切替の例外的な処理として、以下のように制御する。
図38は、低確率高ベース状態から低確率低ベース状態へ移行する過程を示すタイムチャートである。図38(a)のパターンでは、高ベース状態から低ベース状態への移行前後がすべて第2特別図柄52の変動であった場合である。すなわち、突入予告演出モードの15変動目は第2特別図柄52の変動に対応してメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600が変動表示され(変動760)、第1特別図柄51の変動に対応する簡易図柄602は変動停止のまま表示される。続いて16変動目として第2特別図柄52の変動に対応してミニ装飾図柄600が変動表示されるがメイン装飾図柄601は非表示となり(変動762)、第1特別図柄51の変動に対応する簡易図柄602は変動停止のまま表示される。ここで、16変動目は、変動開始直後には低確率低ベース状態へ切り替わるが、変動開始時点では高ベース状態であるため、外観上は第2特別図柄52の変動に対応するミニ装飾図柄600の変動終了までそのまま突入予告演出モードないし低確率高ベース状態が維持されているように扱う。その図柄変動の終了とともに突入予告演出モードも終了し、いわゆる通常状態(演出モードとしては通常演出モード)である低確率低ベース状態の1変動目として第2特別図柄52の変動に対応して簡易図柄602が変動表示され(変動764)、第1特別図柄51の変動に対応するメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600は変動停止のまま表示される。低確率低ベース状態へ移行後の第2特別図柄52の変動は原則として長変動パターンとなる。変動764の簡易図柄602の変動中に次の第1特別図柄51の変動が開始されると、第1特別図柄51の変動に対応してメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600の変動表示が開始される(変動766)。
図38(b)のパターンでは、高ベース状態から低ベース状態への移行前後がすべて第2特別図柄52の変動であった場合である。すなわち、突入予告演出モードの15変動目は第2特別図柄52の変動に対応してメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600が変動表示され(変動770)、第1特別図柄51の変動に対応する簡易図柄602は変動停止のまま表示される。続いて16変動目として第2特別図柄52の変動に対応してミニ装飾図柄600が変動表示されるがメイン装飾図柄601は非表示となり(変動772)、第1特別図柄51の変動に対応する簡易図柄602は変動停止のまま表示される。ここで、16変動目は、変動開始直後には低確率低ベース状態へ切り替わるが、変動開始時点では高ベース状態であるため、外観上は第2特別図柄52の変動に対応するミニ装飾図柄600の変動終了までそのまま突入予告演出モードないし低確率高ベース状態が維持されているように扱う。その図柄変動の終了とともに突入予告演出モードも終了し、いわゆる通常状態(演出モードとしては通常演出モード)である低確率低ベース状態の1変動目として第2特別図柄52の変動に対応して簡易図柄602が変動表示され(変動774)、第1特別図柄51の変動に対応するメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600は変動停止のまま表示される。変動774の簡易図柄602の変動中に第1特別図柄51の変動契機となる入球が所定時間(例えば30秒)ない場合、音量や光量を調節する画面が表示される(期間776)。
図38(c)のパターンでは、突入予告演出モードの15変動目は第2特別図柄52の変動に対応してメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600が変動表示され(変動780)、第1特別図柄51の変動に対応する簡易図柄602は変動停止のまま表示される。続いて16変動目として第2特別図柄52の変動に対応してメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600が変動表示され(変動782)、第1特別図柄51の変動に対応する簡易図柄602は変動停止のまま表示される。その16変動目に達する第2特別図柄52のメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600の変動演出(変動782)が表示されている間は、実際には変動開始直後には低確率低ベース状態に切り替わっていたとしても(すなわち、変動開始時点では低確率高ベース状態である)そのまま突入予告演出モードないし低確率高ベース状態が維持されているように扱う。そして、その変動782の期間中に次の新たな第1特別図柄51が変動開始されてもその変動に対応して簡易図柄602の変動演出が開始される(変動784)。変動782の終了後は、変動784が終了するまでは、第2特別図柄52に対応するミニ装飾図柄600が変動停止のまま表示され、第1特別図柄51に対応する簡易図柄602が変動表示されている。変動784の終了後は、その図柄変動の終了とともに突入予告演出モードも終了し、いわゆる通常状態(演出モードとしては通常演出モード)となり、次の新たな第1特別図柄51の変動(変動786)においては、メイン装飾図柄601(非表示から表示へと切り替わる)およびミニ装飾図柄600が第2特別図柄52への対応から第1特別図柄51への対応に切り替わって変動が開始され、簡易図柄602おいては第1特別図柄51への対応から第2特別図柄52への対応に切り替わり、第2特別図柄52に対応する簡易図柄602は変動停止のまま表示される。
図38(d)のパターンでは、突入予告演出モードの15変動目は第2特別図柄52の変動に対応してメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600が変動表示され(変動790)、第1特別図柄51の変動に対応する簡易図柄602は変動停止のまま表示される。続いて16変動目として第2特別図柄52の変動に対応してミニ装飾図柄600が変動表示されるがメイン装飾図柄601は非表示となり(変動792)、第1特別図柄51の変動に対応する簡易図柄602は変動停止のまま表示される。その16変動目に達する第2特別図柄52のミニ装飾図柄600の変動演出(変動792)が表示されている間は、図38(c)と同様、次の新たな第1特別図柄51が変動開始されてもその変動に対応して簡易図柄602の変動演出が開始される(変動794)。その第1特別図柄51の変動794の期間中に次の新たな第2特別図柄52が変動開始される場合、実際の遊技状態の通りに低確率低ベース状態として扱うとともに、第1特別図柄51(変動794)の簡易図柄602が変動表示中であっても第2特別図柄52の変動表示に対応してメイン装飾図柄601やミニ装飾図柄600ではなく簡易図柄602の変動演出が長変動として開始される(変動796)。すなわち、原則としてメイン装飾図柄601、ミニ装飾図柄600、簡易図柄602は第1特別図柄51か第2特別図柄52のいずれかに対応したものしか表示しないが、この状況下においては、第1特別図柄51の簡易図柄602と第2特別図柄52の簡易図柄602とが並行して変動表示することになる(例外的な状況となる)。なお、第1特別図柄51の簡易図柄602と第2特別図柄52の簡易図柄602とが並行して変動表示する場合、それぞれの表示位置は互いの表示位置と重複しないように異なる表示位置とすることが好適である。第2特別図柄52の変動表示に対応して簡易図柄602の変動796の開始以降に次の新たな第1特別図柄51が変動開始される場合であって低確率低ベース状態である場合は、第1特別図柄51の変動表示に対応してメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600の変動演出が開始される(変動798)。変動798の終了後は、第1特別図柄51に対応するメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600は次の第1特別図柄51の変動開始まで変動停止のまま表示される。なお、変動798が開始することで突入予告演出モードが終了し、いわゆる通常状態(演出モードとしては通常演出モード)となる。
図38(e)のパターンでは、突入予告演出モードの15変動目は第2特別図柄52の変動に対応してメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600が変動表示され(変動800)、第1特別図柄51の変動に対応する簡易図柄602は変動停止のまま表示される。続いて16変動目として第2特別図柄52の変動に対応してミニ装飾図柄600が変動表示されるがメイン装飾図柄601は非表示となり(変動802)、第1特別図柄51の変動に対応する簡易図柄602は変動停止のまま表示される。その16変動目に達する第2特別図柄52のミニ装飾図柄600の変動演出(変動802)が表示されている間は、図38(d)と同様、次の新たな第1特別図柄51が変動開始されてもその変動に対応して簡易図柄602の変動演出が開始される(変動804)。その第1特別図柄51の変動794の期間中に次の新たな第2特別図柄52が変動開始される場合、実際の遊技状態の通りに低確率低ベース状態として扱うとともに、第1特別図柄51(変動804)の簡易図柄602が変動表示中であっても第2特別図柄52の変動表示に対応してメイン装飾図柄601やミニ装飾図柄600ではなく簡易図柄602の変動演出が長変動として開始される(変動806)。この状況下においては、第1特別図柄51の簡易図柄602と第2特別図柄52の簡易図柄602とが並行して変動表示することになる(例外的な状況となる)。変動804の終了後に次の新たな第1特別図柄51が変動開始される場合であって低確率低ベース状態である場合は、第1特別図柄51の変動表示に対応して簡易図柄602ではなくメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600の変動演出が開始される(変動808)。変動808の終了後は、第1特別図柄51に対応するメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600は次の第1特別図柄51の変動開始まで変動停止のまま表示される。なお、変動808が開始することで(変動804が終了することで)突入予告演出モードが終了し、いわゆる通常状態(演出モードとしては通常演出モード)となる。
図38(f)のパターンでは、突入予告演出モードの15変動目は第2特別図柄52の変動に対応してメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600が変動表示され(変動810)、第1特別図柄51の変動に対応する簡易図柄602は変動停止のまま表示されている。変動810の期間中に16変動目として第1特別図柄51の変動に対応して簡易図柄602が変動表示される(変動812)。変動812の開始を契機に、15変動目で行われていた突入予告演出が強制終了し、代わりに16変動目で行われる非突入演出(小当りラッシュへ突入しないことを示す演出)が実行される。また、変動812の開始を契機に、変動810においては、第2特別図柄52の変動に対応したメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600の変動表示が、メイン装飾図柄601が非表示となり、ミニ装飾図柄600のみの変動表示となる。変動812の期間中は低確率低ベース状態に切り替わっており(変動開始時点では低確率高ベース状態である)、変動812の簡易図柄602の変動中に次の新たな第2特別図柄52の変動開始があった場合は、変動812の簡易図柄602が変動中であっても第2特別図柄52の変動に対応してメイン装飾図柄601やミニ装飾図柄600ではなく簡易図柄602が変動表示される(変動814)。この状況下においては、第1特別図柄51の簡易図柄602と第2特別図柄52の簡易図柄602とが並行して変動表示することになる(例外的な状況となる)。変動814の期間中に次の新たな第1特別図柄51の変動開始があった場合、その第1特別図柄51の変動に対応して簡易図柄602ではなくメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600の変動816が表示される。変動816の終了後は、第1特別図柄51に対応するメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600は次の第1特別図柄51の変動開始まで変動停止のまま表示される。なお、変動816が開始することで突入予告演出モードが終了し、いわゆる通常状態(演出モードとしては通常演出モード)となる。
なお、低確率低ベース状態から低確率高ベース状態への移行時に第1特別図柄51の保留が残っている場合、第1特別図柄51の保留消化後から突入予告演出モードの残り変動回数のカウントダウン表示を開始するよう構成してもよい。ただし、その後は第1特別図柄51の保留が生起しても残り変動回数を非表示とせず、第1特別図柄51の変動開始時にも残り変動回数を減算する。低確率高ベース状態である突入予告演出モードの残り変動回数が所定回数、例えば5回になったとき、保留アイコンを非表示としてもよい。
このように、小当りラッシュの遊技性を向上させ、適切なものとすることができる。特に、遊技状態の切替時において表示の主体となる図柄も切り替わる場合、その状況および前後の状況における変動の見せ方を適切なものとすることができる。すなわち、第1特別図柄51と第2特別図柄52が同時並行的に変動表示されることに起因してメイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600と簡易図柄602のどちらを表示させるかを調整する必要があり、一時的に簡易図柄602の複数表示を許容する一方で、メイン装飾図柄601およびミニ装飾図柄600の複数表示を排除することで、切替を調整している。
<8.特殊小当り遊技演出における一般入賞口賞球獲得演出>
高確率低ベース状態(小当りラッシュ)においては、特殊小当り遊技演出の実行時および非実行時のいずれにおいても、小当り遊技で開放される大入賞口20への入球に対する賞球数を表示する大入賞口賞球獲得演出が実行される。小当り遊技演出における大入賞口賞球獲得演出は、例えば「45GET!」等の賞球獲得演出612(図32(e))や総獲得賞球数607(図32)の更新表示である。特殊小当り遊技演出における大入賞口賞球獲得演出は、例えば「150GET!」等の賞球獲得演出612(図34(e))や総獲得賞球数607(図34)の更新表示である。
一方、高確率低ベース状態(小当りラッシュ)における特殊小当り遊技演出の実行時においては、一般入賞口33への入球を契機として一般入賞口33の入球に対する賞球数(例えば、賞球数1球)を示すマークを表示する一般入賞口賞球獲得演出がさらに実行される。例えば、図34(d)の一般入賞口賞球獲得演出615のように、「+1」等の文字列で賞球数の数値を示す賞球数マーク617を表示する。この一般入賞口賞球獲得演出は、特殊小当り遊技演出の非実行時には実行されないため、図32の小当り遊技演出には表示されない。なお、一般入賞口33の賞球数は、1球ではなく3球など(普通電動役物90の入球に対する賞球数1球よりも多く、大入賞口20の入球に対する賞球数15球よりも少ない賞球数)でもよい。
一般入賞口賞球獲得演出は、特別遊技や小当り遊技において実行される大入賞口賞球獲得演出とは異なる演出である。一般入賞口賞球獲得演出は、特殊小当り遊技演出の実行時に実行されるが、特殊小当り遊技演出ではない小当り遊技演出時には実行されない。小当り遊技演出においては大入賞口20への入球がなくとも最弱キャラクタが小当り遊技ごとに爆破される演出があり、大入賞口20への入球有無にかかわらず小当り遊技ごとに毎回十分な攻撃を演出できるためである。これに対し、特殊小当り遊技演出時にはその演出が終了する複数回の小当り遊技終了まで弱キャラクタが爆破される演出が実行されず、弱キャラクタに攻撃を加える演出に不足感が出かねないため、一般入賞口賞球獲得演出によって攻撃の演出を増やすこととしている。また、特殊小当り遊技演出の実行条件である保留内の小当り保留の個数を4個未満とした場合や特殊小当り遊技演出を継続(延長)させた場合などは外れ変動を挟む場合も有り得ることから、弱キャラクタに攻撃を加える演出の不足感を補うために一般入賞口賞球獲得演出によって攻撃の演出を増やすことがより好適となる。
特殊小当り遊技演出の実行時(図34参照)および特殊小当り遊技演出の非実行時(図31参照)のいずれであっても、小当り遊技の実行中においては小当りラッシュの累積賞球数(総獲得賞球数607)に当該小当り遊技による賞球数を入球のたびに加算する大入賞口賞球獲得演出が実行される。
一方、小当りラッシュの累積賞球数(総獲得賞球数607)に小当り遊技の賞球数を加算する大入賞口賞球獲得演出として、特殊小当り遊技演出の場合はその特殊小当り遊技演出の実行終了時、すなわち複数回の小当り遊技の実行終了時まで総獲得賞球数607に加算されず、特殊小当り遊技演出の終了時にその間に獲得した賞球数の合計がまとめて総獲得賞球数607に加算される(図34(e))。特殊小当り遊技演出の非実行時、すなわち小当り遊技演出の場合は、大入賞口20への入球のたびに総獲得賞球数607に賞球数が加算される(図32)。
なお、これら大入賞口賞球獲得演出および一般入賞口賞球獲得演出は、高確率低ベース状態において実行されるが、低確率高ベース状態や高確率高ベース状態においては実行されない。高ベース状態においては、小当りが発生したとしても普通電動役物90の拡開により大入賞口20への入球が困難なためである。
このように、小当りラッシュの遊技性を向上させ、適切なものとすることができる。特に、一般入賞口33への入球に対する演出を、特別遊技中以外の特殊な状況下において実行することで、賞球獲得状況を明示して遊技者に対して有利な状況であることを報知することができる。なお、変形例として、一般入賞口33ではなく第2始動口12への入球に対する賞球数を示すマークを表示する賞球獲得演出が実行されてもよい。この場合の第2始動口12への入球に対応する賞球獲得演出は、特殊小当り遊技演出の実行時に実行され、特殊小当り遊技演出の非実行時には実行されない。
<9.獲得賞球数の合算表示>
高確率低ベース状態の特定期間、すなわち小当りラッシュにおいて1回以上の小当り遊技によって獲得した賞球数と、小当りラッシュの前または後に実行される1回の特別遊技によって獲得した賞球数とを合算した合算賞球数を、小当りラッシュ中や特別遊技中に表示する。例えば、図32の総獲得賞球数607や図34の総獲得賞球数607の表示である。
合算賞球数の表示を構成する表示要素は、球数に関する第1の表示要素とそれ以外の表示要素である第2の表示要素とで少なくとも構成されている。合算賞球数の第1の表示要素の表示態様は、獲得賞球数を示す数字であり、合算賞球数の第2の表示要素は、表示態様(例えば、色、形状など)である。第2の表示要素の表示態様は、その球数に応じて異なる表示態様となる。例えば、合算賞球数が2000球未満の場合は銅色で表示させ、合算賞球数が2000~2999球の場合は銀色で表示させ、合算賞球数が3000球以上の場合は金色で表示させる。
合算賞球数の表示態様として、小当りラッシュにおける獲得賞球数と特別遊技における獲得賞球数とをいったん別に表示した上で、所定のタイミングでこれらを合体させる演出とともに合算賞球数を表示する演出を実行する。例えば、特別遊技の終了デモ演出において特別遊技における獲得賞球数「2400」等の文字列と、小当りラッシュにおける獲得賞球数「810」等の文字列とを画面上で合体し、図32(e)や図34(e)の賞球獲得演出612のように「3210GET!」等の文字列を金色で表示させる演出である。
なお、特別遊技中は、その特別遊技中に獲得した賞球数を総獲得賞球数607のような合算賞球数(小当り遊技の賞球数との合算表示)に賞球獲得のたびにリアルタイムに加算して総獲得賞球数607を更新表示する。また、小当りラッシュにおいても、小当りラッシュにおける1回以上の小当り遊技によって獲得している累積獲得賞球数表示(総獲得賞球数607)に、賞球獲得のたびにリアルタイムに加算して総獲得賞球数607を更新表示する。ここで、獲得賞球数を加算する更新表示は、1回の入球(入賞)に対する賞球分加算する加算演出中に次の新たな入球(入賞)があったとしても、その表示中の加算演出は中断せず、その加算演出が終了した後で次の入球に対する加算演出を実行する。例えば、「2400」の表示から「2415」の表示へと切り替える表示の最中(例えば、「2400」→「2401」→「2402」→・・・→「2415」といったように徐々にカウントアップする演出における「2402」の表示中)に、大入賞口20への入球が検知されたとしても、一旦「2415」までのカウントアップを完了してから、当該入球に対応したカウントアップを開始する。変形例としては、先のカウントアップ演出を強制終了して(「2402」の表示から一気に「2415」にカウントアップして)、当該入球に対応したカウントアップを開始してもよい。また、合算賞球数は、図32の総獲得賞球数607や図34の総獲得賞球数607の表示とは異なる表示(別の表示)としてもよく、その場合、総獲得賞球数607は連チャン中に獲得した累積値(複数回の特別遊技に係る獲得賞球数の総数と、それら複数回の特別遊技が実行される前または後に滞在する複数回の小当りラッシュ中(複数回の高確率低ベース状態)にて獲得した獲得賞球数の総数との合算値)であり、合算賞球数はあくまでも1回の特別遊技とその特別遊技が実行される前または後に滞在する1回の小当りラッシュ中(複数回の高確率低ベース状態)にて獲得した獲得賞球数の合算とすることが好適である。
このように、小当りラッシュの遊技性を向上させ、適切なものとすることができる。特に、小当りラッシュだからこその獲得賞球数表示の見せ方とすることで、例えば振分装置の搭載機種などの獲得賞球数表示を超える表示を実現できる。
本実施例におけるメイン装飾図柄601とミニ装飾図柄600については、以下に記載する仕様(メイン装飾図柄601とミニ装飾図柄600との関係性)を採用してもよい。
(1)遊技者が認識しやすいメイン装飾図柄601の表示領域のほうが、表示担保用の(装飾図柄の表示状態を補償するための)ミニ装飾図柄600の表示領域よりも大きい。
(2)メイン装飾図柄601の表示位置は第1演出モードであるか第2演出モードであるかに応じて異なる表示位置にすることで、演出モードに応じて装飾図柄での演出の多様性を実現できる。一方で、ミニ装飾図柄600は装飾図柄の表示状態を補償する役割さえ果たせれば良いので、第1演出モードであるか第2演出モードであるかにかかわらず、同一の表示位置として余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。
(3)メイン装飾図柄601の表示態様は第1演出モードであるか第2演出モードであるかに応じて異なる表示態様にすることで、演出モードに応じて装飾図柄での演出の多様性を実現できる。例えば、第1演出モードでは数字の装飾図柄のみでメイン装飾図柄601が構成され(「1」、「2」、・・・、「7」といった装飾図柄)、第2演出モードでは数字の装飾図柄と味方キャラクタの装飾図柄とを組み合わせてメイン装飾図柄601が構成される(「1」+「キャラクタa」、「2」+「キャラクタb」、・・・、「7」+「キャラクタg」といった装飾図柄)。一方で、ミニ装飾図柄600は装飾図柄の表示状態を補償する役割さえ果たせれば良いので、第1演出モードであるか第2演出モードであるかにかかわらず、同一の表示態様のみ、例えば数字の装飾図柄のみでミニ装飾図柄600を構成し余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。
(4)メイン装飾図柄601の表示領域は変動状況(例えば、ノーマルリーチ中であるか否か、スーパーリーチ中であるか否か、など)に応じて可変する(移動する)ことで、メイン装飾図柄601の演出に多様性を持たせることができる。一方で、ミニ装飾図柄600は装飾図柄の表示状態を補償する役割さえ果たせれば良いので、ミニ装飾図柄600の表示領域は可変しない(移動しない)ようにして余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。
(5)メイン装飾図柄601は変動状況(例えば、変動開始時点なのか、変動途中なのか、変動終了間際なのか、など)に応じて変動速度が低速、中速、高速、超高速などに可変することで、メイン装飾図柄601の演出に多様性を持たせることができる。一方で、ミニ装飾図柄600は装飾図柄の表示状態を補償する役割さえ果たせれば良いので、ミニ装飾図柄600の変動速度は可変しない、もしくは可変する段階を少なくする(例えば、低速と高速のみにする)ことで余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。また、変動方向についても、メイン装飾図柄601は、上から下への変動のみならず下から上への変動を可能とする(複数方向の変動を可能とする)一方で、ミニ装飾図柄600は、上から下への変動のみとすることが好適である。
(6)メイン装飾図柄601は確定停止(第1特別図柄51または第2特別図柄52が停止するタイミングでの停止)するよりも前に仮停止(第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動途中における微小な揺れ変動を伴いながらの暫定的な停止)を行い、その際に数字以外の装飾図柄である特殊図柄(例えば、スーパーリーチへの発展を予告する「スーパー」という文字が書かれた装飾図柄)を仮停止させることで、メイン装飾図柄601の演出とその他演出とに関連性を持たせることができる。一方で、ミニ装飾図柄600は装飾図柄の表示状態を補償する役割さえ果たせれば良いので、ミニ装飾図柄600は仮停止もしなければ、特殊図柄を仮停止させることもしないようにして余計な開発設計を行わずに済ませることが好適である。
(7)メイン装飾図柄601はその他の予告演出(例えば、図34などにおける味方キャラクタ登場演出や敵キャラクタ登場演出など)の表示領域と重複する、つまり重畳表示がなされる。画面上の領域をできる限り用いて迫力ある演出を行うため、このような重畳表示を許容しているが、ミニ装飾図柄600については、装飾図柄の表示状態を補償する役割を果たすため、ミニ装飾図柄600の表示領域は当該その他予告演出の表示領域とは重複しない(重畳表示しない)よう設計することが望ましい。但し、どうしても重複してしまう特殊な予告演出(例えば、画面全体に表示される背景予告)との関係性については、ミニ装飾図柄600の表示優先度を、当該特殊な予告演出の表示優先度よりも高く設定する(ミニ装飾図柄600のほうが当該特殊な予告演出よりも前面に表示されるよう設定する)ことが好適である。また、図32などに示される発射位置報知表示606についても、遊技者に対して必ず視認できるようにすることが望ましいため、ミニ装飾図柄600の表示領域と発射位置報知表示606の表示領域とは重複しない(重畳表示しない)よう設計することが望ましい。但し、メイン装飾図柄601の表示領域が移動したり拡大されたりした場合など、メイン装飾図柄601の表示領域と発射位置報知表示606の表示領域とは重複する(重畳表示する)ようにしても良く、その場合は、メイン装飾図柄601の表示優先度を、発射位置報知表示606の表示優先度よりも低く設定する(メイン装飾図柄601のほうが発射位置報知表示606よりも後面に表示されるよう設定する)ことが好適である。
また、本実施例におけるカウントアップ演出については、特別遊技の実行中も(特別遊技における大入賞口への入球検知に基づき)行われることが好適であり、以下に記載する仕様を採用してもよい。
(1)規定カウント数以内の遊技球の入球に対応したカウントアップ演出(特に、規定カウント数目である10カウント目に対応したカウントアップ演出)が行われている最中であり未だ15球分のカウント分のカウントアップが完了していないときに、オーバー入賞が発生すると、未だ15球分のカウントアップが完了していないカウントアップ演出のカウントアップが全て完了してから(15球分のカウントが行われてから)、該オーバー入賞に対応したカウントアップ演出が開始されるよう構成されることが望ましい。ここで、該オーバー入賞がインターバル期間(各単位遊技の終了が設定されてから次の単位遊技又は大当り終了デモの設定が開始されるまでの休止時間)の終了間際でに検知された場合は、該オーバー入賞に対応したカウントアップ演出自体は次のラウンド(インターバル期間経過後に開始される次のラウンド)の実行期間と重複することになるが、該次のラウンド(インターバル期間経過後に開始される次のラウンド)の実行中に行われる該オーバー入賞に対応したカウントアップ演出の実行中に大入賞口20に入球があっても、その入球タイミングが該オーバー入賞に対応したカウントアップ演出が行われている最中であり未だ15球分のカウントアップが完了していないときには、未だ15球分のカウントアップが完了していないカウントアップ演出のカウントアップが全て完了してから(15球分のカウントが行われてから)、次のラウンドにおける大入賞口20の入球に対応したカウントアップ演出が開始されるよう構成されることが好適である。
(2)賞球1個分のカウントアップの時間(「N」から「N+1」へのカウントアップに要する時間)は、「0.03秒」に設定する、つまり、「0.03秒」刻みでカウントアップされる。カウントアップ演出の実行時間は、賞球1個分のカウントアップに要する時間値に、大入賞口20に遊技球が1個入球することで付与される賞球数(単位賞球数)の値を乗算することで導出され、カウントアップ演出の実行時間は、「15(単位賞球数)×0.03秒(カウントアップの間隔)=0.45秒」となる。但し、特別遊技の実行中であっても、開始デモの実行中および終了デモの実行中には、カウントアップ演出は実行しないよう構成されている。また、カウントアップ演出の実行時間は、各単位遊技の終了後に設定されたインターバル時間(「インターバル期間」とも呼称する)よりも短く設定されている。インターバル時間とは、各単位遊技の間又は最終回の単位遊技と終了デモとの間に設定される待機時間であり大入賞口20の閉鎖動作開始から閉鎖が維持されている期間である単位遊技待ち時間又は終了デモ待ち時間であり、全てのラウンド遊技に共通して、「2秒」に設定されている。また、カウントアップ演出時間(0.45秒)がインターバル時間(2秒)よりも短くなるように構成したことで、或る単位遊技の終了間際に遊技球が大入賞口20に入球することに基づきカウントアップ演出が行われる場合であっても、該単位遊技の終了後のインターバル時間内にカウントアップ演出が完結することになる。そのため、カウントアップ演出がインターバル期間を越えて次回の単位遊技又は終了デモまでに跨って行われる可能性を低くすることができ(オーバー入賞した場合は、インターバル期間を超えてしまう可能性がある)、各単位遊技の間の区切り又は最終回の単位遊技と終了デモとの間の区切りを明確にすることができる。
(3)カウントアップ演出時間は、終了デモの実行時間よりも短く設定されている。前述したとおり、カウントアップ演出時間は、「0.45秒」に設定されている。そして、終了デモの実行時間は、全ての大当り種別(大当り中演出)に共通して、「20秒」に設定されている。終了デモの実行時間とは、特別遊技における最終回の単位遊技の終了後のインターバル時間が経過したときから、特別遊技が終了するまでの待機時間である。つまり、終了デモの実行時間には、最終回の単位遊技の終了後に設定されたインターバル時間は含まれない。すなわち、最終回の単位遊技の終了後のインターバル時間は、その時間内に大入賞口20への遊技球の入球が有効に検出(つまり、入賞球払出の対象として検出、不正入球と判定されない検出)される可能性のある該単位遊技の残余時間(猶予時間)として設定されているが、終了デモの実行時間は、その時間内に大入賞口20への遊技球の入球が有効に検出される可能性の無い、該単位遊技と区切られた特別遊技終了後の遊技(演出モード)への準備時間として設定されている。カウントアップ演出時間(0.45秒)が、終了デモの実行時間(20秒)よりも短くなるように構成したことで、最終回の単位遊技の終了間際に遊技球が大入賞口20に入球することに基づきカウントアップ演出が行われる場合であっても、更に言えば、最終回の単位遊技にてオーバー入賞が発生しても、最終回の単位遊技後である大入賞口20の閉鎖後であっても(終了デモ期間であっても)カウントアップ演出を行う仕様とした場合には、終了デモ期間内にカウントアップ演出が完結することになる。そのため、カウントアップ演出が終了デモ期間を越えて特別遊技終了後の変動表示までに跨って行われることがなく、特別遊技の終了時と1回転目の変動表示の開始時との区切りを明確にすることができる。
(4)1回の単位遊技において大入賞口20へ規定カウント数の遊技球が入球する場合、この1回の単位遊技における規定カウント数分のカウントアップ演出時間の合計時間(1回の単位遊技にて獲得可能な賞球数分のカウントアップ演出)は、大当り終了デモの実行時間よりも短くなるように構成されている。具体的には、規定カウント数分のカウントアップ演出時間の合計時間は、「0.45秒(カウントアップ演出時間)×10球(規定カウント数)=4.5秒」となる。一方、大当り終了デモの実行時間は、前述したとおり、全ての大当り種別(大当り中演出)に共通して、「20秒」に設定されている。本実施形態では、規定カウント数分のカウントアップ演出時間の合計時間(4.5秒)が、大当り終了デモの実行時間(20秒)よりも短くなるように構成したことで、最終回の単位遊技の終了間際に複数個の遊技球が大入賞口20に連続して入球することに基づき複数回のカウントアップ演出が連続的に行われる場合であっても、最終回の単位遊技後である大入賞口20の閉鎖後であっても(大当り終了デモ期間であっても)カウントアップ演出を行う仕様とした場合には、大当り終了デモ期間内にカウントアップ演出が完結することになる。そのため、カウントアップ演出が大当り終了デモ期間を越えて特別遊技終了後の変動表示までに跨って行われることがなく、特別遊技の終了時と1回転目の変動表示の開始時との区切りを明確にすることができる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
なお、実施例および変形例に記載の技術は、以下の項目によって特定されてもよい。
[項目1]
遊技球の入球が可能な第1始動口と、
遊技球の入球が可能な第2始動口と、
遊技球の入球が可能な作動口と、
前記第2始動口に取り付けられ、拡開したときには前記第2始動口へ遊技球が入球可能または入球容易となる拡開機構と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記第1始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する第1当否判定手段と、
前記第2始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する第2当否判定手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果を示すための第1特別図柄が変動表示される第1図柄表示装置と、
前記第2当否判定手段による当否判定の結果を示すための第2特別図柄が変動表示される第2図柄表示装置と、
前記作動口への入球を契機として、前記拡開機構を拡開させることを示すための普通図柄が変動表示される普通図柄表示装置と、
前記第1特別図柄の変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンから変動パターン選択基準に基づいて決定する第1パターン決定手段と、
前記第2特別図柄の変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンから変動パターン選択基準に基づいて決定する第2パターン決定手段と、
前記第2特別図柄が変動中であっても前記第1特別図柄を変動表示させるとともに、前記第1特別図柄が変動中であっても前記第2特別図柄を変動表示させる表示制御手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果または前記第2当否判定手段による当否判定の結果が大当りである場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記第2当否判定手段による当否判定の結果が小当りである場合、または、前記第1当否判定手段および前記第2当否判定手段のうち少なくともいずれかの当否判定の結果が小当りである場合、大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性に関する状態として、通常入球状態と、通常入球状態よりも入球容易性が高い入球容易状態とを有し、通常入球状態の設定または入球容易状態の設定が可能な入球状態設定手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果および前記第2当否判定手段による当否判定の結果が所定確率で大当りとなる通常確率状態と、前記第1当否判定手段による当否判定の結果および前記第2当否判定手段による当否判定の結果が前記所定確率よりも高確率で大当りとなる確率変動状態とを有し、通常確率状態の設定または確率変動状態の設定が可能な確率状態設定手段と、
演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
入球容易状態において変動開始される前記普通図柄の変動時間は、通常入球状態において変動開始される前記普通図柄の変動時間よりも相対的に短い変動時間となり、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果が小当りとなる確率よりも前記第2当否判定手段による当否判定の結果が小当りとなる確率の方が相対的に高くなるように構成され、または、前記第1当否判定手段による当否判定の結果は小当りとなることはない一方で前記第2当否判定手段による当否判定の結果は小当りとなる可能性があるように構成され、
前記拡開機構が拡開されたときに、前記拡開機構が拡開されていないときと比べて、前記大入賞口への入球容易性が低減するような位置関係となるように、前記第2始動口および前記大入賞口が配置され、
少なくとも確率変動状態かつ入球容易状態においては、前記第2特別図柄の変動パターンとして、通常確率状態かつ通常入球状態における前記第2特別図柄の変動パターンよりも相対的に変動時間が短い変動パターンが決定されやすい第1の特殊変動パターン選択基準に基づいて変動パターンを決定可能であり、
通常確率状態かつ通常入球状態においては、前記第2特別図柄の変動パターンとして、前記第1特別図柄の変動パターンよりも相対的に変動時間が長い変動パターンが決定されやすい通常変動パターン選択基準に基づいて変動パターンが決定され、
前記特別遊技の終了後の確率変動状態かつ入球容易状態における初回の前記第2特別図柄の変動パターンとして、前記第1の特殊変動パターン選択基準に基づくのではなく、通常入球状態における前記普通図柄の変動時間よりも相対的に長い変動時間の変動パターンが決定されやすいまたは通常入球状態における前記普通図柄の変動時間よりも相対的に長い変動時間の変動パターンのみが決定される第2の特殊変動パターン選択基準に基づいて変動パターンが決定されることを特徴とする弾球遊技機。
[項目2]
遊技球の入球が可能な第1始動口と、
遊技球の入球が可能な第2始動口と、
遊技球の入球が可能な作動口と、
前記第2始動口に取り付けられ、拡開したときには前記第2始動口へ遊技球が入球可能または入球容易となる拡開機構と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記第1始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する第1当否判定手段と、
前記第2始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する第2当否判定手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果を示すための第1特別図柄が変動表示される第1図柄表示装置と、
前記第2当否判定手段による当否判定の結果を示すための第2特別図柄が変動表示される第2図柄表示装置と、
前記作動口への入球を契機として、前記拡開機構を拡開させることを示すための普通図柄が変動表示される普通図柄表示装置と、
前記第1特別図柄の変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンから変動パターン選択基準に基づいて決定する第1パターン決定手段と、
前記第2特別図柄の変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンから変動パターン選択基準に基づいて決定する第2パターン決定手段と、
前記第2特別図柄が変動中であっても前記第1特別図柄を変動表示させるとともに、前記第1特別図柄が変動中であっても前記第2特別図柄を変動表示させる表示制御手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果または前記第2当否判定手段による当否判定の結果が大当りである場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記第2当否判定手段による当否判定の結果が小当りである場合、または、前記第1当否判定手段および前記第2当否判定手段のうち少なくともいずれかの当否判定の結果が小当りである場合、大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性に関する状態として、通常入球状態と、通常入球状態よりも入球容易性が高い入球容易状態とを有し、通常入球状態の設定または入球容易状態の設定が可能な入球状態設定手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果および前記第2当否判定手段による当否判定の結果が所定確率で大当りとなる通常確率状態と、前記第1当否判定手段による当否判定の結果および前記第2当否判定手段による当否判定の結果が前記所定確率よりも高確率で大当りとなる確率変動状態とを有し、通常確率状態の設定または確率変動状態の設定が可能な確率状態設定手段と、
演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果が小当りとなる確率よりも前記第2当否判定手段による当否判定の結果が小当りとなる確率の方が相対的に高くなるように構成され、または、前記第1当否判定手段による当否判定の結果は小当りとなることはない一方で前記第2当否判定手段による当否判定の結果は小当りとなる可能性があるように構成され、
少なくとも確率変動状態かつ入球容易状態においては、前記第2特別図柄の変動パターンとして、通常確率状態かつ通常入球状態における前記第2特別図柄の変動パターンよりも相対的に変動時間が短い変動パターンが決定されやすい特殊変動パターン選択基準に基づいて変動パターンを決定可能であり、
通常確率状態かつ通常入球状態においては、前記第2特別図柄の変動パターンとして、前記第1特別図柄の変動パターンよりも相対的に変動時間が長い変動パターンが決定されやすい通常変動パターン選択基準に基づいて変動パターンが決定され、
前記特別遊技の終了後に確率変動状態かつ入球容易状態に移行した場合、前記特別遊技の終了後からの前記第1特別図柄および前記第2特別図柄の合計変動回数が特定回数に達する図柄変動である特定図柄変動の開始時に入球容易状態から通常入球状態に切り替える一方で、通常入球状態に切り替え後も確率変動状態を継続し、
前記特定図柄変動においては、確率変動状態かつ入球容易状態から確率変動状態かつ通常入球状態へ移行する旨を報知する特定演出を実行可能であり、
前記特定図柄変動の一つ前の図柄変動においては、確率変動状態かつ入球容易状態から確率変動状態かつ通常入球状態へ移行するか否かを示唆する示唆演出を実行可能であり、
前記特定演出の途中で前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の変動が開始される場合、前記特定演出を途中で終了し、確率変動状態かつ通常入球状態において実行可能となる特殊演出が開始され、
前記示唆演出の途中で前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の変動が開始される場合、前記示唆演出を途中で終了し、前記特定演出が開始され得ることを特徴とする弾球遊技機。
[項目3]
遊技球の入球が可能な第1始動口と、
遊技球の入球が可能な第2始動口と、
遊技球の入球が可能な作動口と、
第2始動口に取り付けられ、拡開したときには第2始動口へ遊技球が入球可能または入球容易となる拡開機構と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記第1始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する第1当否判定手段と、
前記第2始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する第2当否判定手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果を示すための第1特別図柄が変動表示される第1図柄表示装置と、
前記第2当否判定手段による当否判定の結果を示すための第2特別図柄が変動表示される第2図柄表示装置と、
前記作動口への入球を契機として、前記拡開機構を拡開させることを示すための普通図柄が変動表示される普通図柄表示装置と、
前記第1特別図柄の変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンから変動パターン選択基準に基づいて決定する第1パターン決定手段と、
前記第2特別図柄の変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンから変動パターン選択基準に基づいて決定する第2パターン決定手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果または前記第2当否判定手段による当否判定の結果が大当りである場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性に関する状態として、通常入球状態と、通常入球状態よりも入球容易性が高い入球容易状態とを有し、通常入球状態の設定または入球容易状態の設定が可能な入球状態設定手段と、
演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
特別遊技の終了後に移行し得る演出モードとして、遊技者に対して有利な状況であることを明示する第1演出モードと、遊技者に対して有利な状況であることを明示しない第2演出モードとを有し、
第1演出モードの種類として、少なくとも第1の演出内容と第2の演出内容とを有し、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果または前記第2当否判定手段による当否判定の結果が大当りであり、停止表示される第1特別図柄または第2特別図柄が特定態様の大当り図柄である場合、当該大当り図柄に対応した特別遊技の終了後は、前記第1演出モードに移行し、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果または前記第2当否判定手段による当否判定の結果が大当りであり、停止表示される第1特別図柄または第2特別図柄が前記特定態様とは異なる特殊態様の大当り図柄である場合、当該大当り図柄に対応した特別遊技の終了後は、前記第2演出モードに移行し、その後に前記第1特別図柄および前記第2特別図柄の合計変動回数が特定回数に達すると、第2演出モードから第1演出モードに移行し、
前記特定態様の大当り図柄に対応した特別遊技が実行された場合は、第1演出モードの種類を第1の演出内容とするか第2の演出内容とするかを遊技者に選択させる演出を、当該特別遊技中に実行可能であり、
前記特殊態様の大当り図柄に対応した特別遊技が実行された場合は、第1演出モードの種類を第1の演出内容とするか第2の演出内容とするかを遊技者に選択させる演出を、当該特別遊技終了後の特定タイミングにて実行可能であることを特徴とする弾球遊技機。
[項目4]
遊技球の入球が可能な第1始動口と、
遊技球の入球が可能な第2始動口と、
遊技球の入球が可能な作動口と、
前記第2始動口に取り付けられ、拡開したときには前記第2始動口へ遊技球が入球可能または入球容易となる拡開機構と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記第1始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する第1当否判定手段と、
前記第2始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する第2当否判定手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果を示すための第1特別図柄が変動表示される第1図柄表示装置と、
前記第2当否判定手段による当否判定の結果を示すための第2特別図柄が変動表示される第2図柄表示装置と、
前記作動口への入球を契機として、前記拡開機構を拡開させることを示すための普通図柄が変動表示される普通図柄表示装置と、
前記第1特別図柄の変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンから変動パターン選択基準に基づいて決定する第1パターン決定手段と、
前記第2特別図柄の変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンから変動パターン選択基準に基づいて決定する第2パターン決定手段と、
前記第2特別図柄が変動中であっても前記第1特別図柄を変動表示させるとともに、前記第1特別図柄が変動中であっても前記第2特別図柄を変動表示させる表示制御手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果または前記第2当否判定手段による当否判定の結果が大当りである場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記第2当否判定手段による当否判定の結果が小当りである場合、または、前記第1当否判定手段および前記第2当否判定手段のうち少なくともいずれかの当否判定の結果が小当りである場合、大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性に関する状態として、通常入球状態と、通常入球状態よりも入球容易性が高い入球容易状態とを有し、通常入球状態の設定または入球容易状態の設定が可能な入球状態設定手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果および前記第2当否判定手段による当否判定の結果が所定確率で大当りとなる通常確率状態と、前記第1当否判定手段による当否判定の結果および前記第2当否判定手段による当否判定の結果が前記所定確率よりも高確率で大当りとなる確率変動状態とを有し、通常確率状態の設定または確率変動状態の設定が可能な確率状態設定手段と、
演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果が小当りとなる確率よりも前記第2当否判定手段による当否判定の結果が小当りとなる確率の方が相対的に高くなるように構成され、または、前記第1当否判定手段による当否判定の結果は小当りとなることはない一方で前記第2当否判定手段による当否判定の結果は小当りとなる可能性があるように構成され、
少なくとも確率変動状態かつ入球容易状態においては、前記第2特別図柄の変動パターンとして、通常確率状態かつ通常入球状態における前記第2特別図柄の変動パターンよりも相対的に変動時間が短い変動パターンが決定されやすい特殊変動パターン選択基準に基づいて変動パターンを決定可能であり、
通常確率状態かつ通常入球状態においては、前記第2特別図柄の変動パターンとして、前記第1特別図柄の変動パターンよりも相対的に変動時間が長い変動パターンが決定されやすい通常変動パターン選択基準に基づいて変動パターンが決定され、
前記第2当否判定手段による当否判定の結果が小当りの場合であって所定の開始条件を満たした場合、前記第2特別図柄の変動開始を契機として実行される開始演出と、小当り遊技の実行中に実行される実行中演出と、小当り遊技の終了を契機として実行される終了演出と、を少なくとも含んで構成される小当り遊技演出を実行可能であり、
前記実行中演出として、小当り遊技の実行中の大入賞口への入球を契機として特定演出を実行し、その後に終了演出を実行可能であり、
前記実行中演出として、小当り遊技の実行中に大入賞口への入球が一切なかった場合でも特定演出を実行し、その後に終了演出を実行可能である弾球遊技機。
[項目5]
遊技球の入球が可能な第1始動口と、
遊技球の入球が可能な第2始動口と、
遊技球の入球が可能な作動口と、
前記第2始動口に取り付けられ、拡開したときには前記第2始動口へ遊技球が入球可能または入球容易となる拡開機構と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記第1始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する第1当否判定手段と、
前記第2始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する第2当否判定手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果を示すための第1特別図柄が変動表示される第1図柄表示装置と、
前記第2当否判定手段による当否判定の結果を示すための第2特別図柄が変動表示される第2図柄表示装置と、
前記作動口への入球を契機として、前記拡開機構を拡開させることを示すための普通図柄が変動表示される普通図柄表示装置と、
前記第1特別図柄の変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンから変動パターン選択基準に基づいて決定する第1パターン決定手段と、
前記第2特別図柄の変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンから変動パターン選択基準に基づいて決定する第2パターン決定手段と、
前記第2特別図柄が変動中であっても前記第1特別図柄を変動表示させるとともに、前記第1特別図柄が変動中であっても前記第2特別図柄を変動表示させる表示制御手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果または前記第2当否判定手段による当否判定の結果が大当りである場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記第2当否判定手段による当否判定の結果が小当りである場合、または、前記第1当否判定手段および前記第2当否判定手段のうち少なくともいずれかの当否判定の結果が小当りである場合、大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性に関する状態として、通常入球状態と、通常入球状態よりも入球容易性が高い入球容易状態とを有し、通常入球状態の設定または入球容易状態の設定が可能な入球状態設定手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果および前記第2当否判定手段による当否判定の結果が所定確率で大当りとなる通常確率状態と、前記第1当否判定手段による当否判定の結果および前記第2当否判定手段による当否判定の結果が前記所定確率よりも高確率で大当りとなる確率変動状態とを有し、通常確率状態の設定または確率変動状態の設定が可能な確率状態設定手段と、
演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出内容を決定する演出決定手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の際に用いられる抽選値を、所定数の個数を上限に、第1当否判定手段による当否判定が行われるまで第1保留として保留する第1保留制御手段と、
前記第2当否判定手段による当否判定の際に用いられる抽選値を、所定数の個数を上限に、第1当否判定手段による当否判定が行われるまで第2保留として保留する第2保留制御手段と、
を備え、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果が小当りとなる確率よりも前記第2当否判定手段による当否判定の結果が小当りとなる確率の方が相対的に高くなるように構成され、または、前記第1当否判定手段による当否判定の結果は小当りとなることはない一方で前記第2当否判定手段による当否判定の結果は小当りとなる可能性があるように構成され、
少なくとも確率変動状態かつ入球容易状態においては、前記第2特別図柄の変動パターンとして、通常確率状態かつ通常入球状態における前記第2特別図柄の変動パターンよりも相対的に変動時間が短い変動パターンが決定されやすい特殊変動パターン選択基準に基づいて変動パターンを決定可能であり、
通常確率状態かつ通常入球状態においては、前記第2特別図柄の変動パターンとして、前記第1特別図柄の変動パターンよりも相対的に変動時間が長い変動パターンが決定されやすい通常変動パターン選択基準に基づいて変動パターンが決定され、
前記第2当否判定手段による当否判定の結果が小当りの場合であって所定の開始条件を満たした場合、小当り遊技演出を実行可能であり、
前記第2保留制御手段により保留されている複数の第2保留のうち小当りに対応する第2保留が1個ではなく複数個存在する場合は、前記小当り遊技演出として、前記第2保留制御手段により保留されている複数の第2保留のうち小当りに対応する第2保留が1個のみ存在する場合には実行されない特殊小当り遊技演出を実行可能であり、
前記特殊小当り遊技演出は、複数回の前記第2特別図柄の変動表示および複数回の小当り遊技に亘って実行されることを特徴とする弾球遊技機。
[項目6]
遊技球の入球が可能な第1始動口と、
遊技球の入球が可能な第2始動口と、
遊技球の入球が可能な作動口と、
前記第2始動口に取り付けられ、拡開したときには前記第2始動口へ遊技球が入球可能または入球容易となる拡開機構と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記第1始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する第1当否判定手段と、
前記第2始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する第2当否判定手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果を示すための第1特別図柄が変動表示される第1図柄表示装置と、
前記第2当否判定手段による当否判定の結果を示すための第2特別図柄が変動表示される第2図柄表示装置と、
前記作動口への入球を契機として、前記拡開機構を拡開させることを示すための普通図柄が変動表示される普通図柄表示装置と、
前記第1特別図柄の変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンから変動パターン選択基準に基づいて決定する第1パターン決定手段と、
前記第2特別図柄の変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンから変動パターン選択基準に基づいて決定する第2パターン決定手段と、
前記第2特別図柄が変動中であっても前記第1特別図柄を変動表示させるとともに、前記第1特別図柄が変動中であっても前記第2特別図柄を変動表示させる表示制御手段と
前記第1当否判定手段による当否判定の結果または前記第2当否判定手段による当否判定の結果が大当りである場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記第2当否判定手段による当否判定の結果が小当りである場合、または、前記第1当否判定手段および前記第2当否判定手段のうち少なくともいずれかの当否判定の結果が小当りである場合、大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性に関する状態として、通常入球状態と、通常入球状態よりも入球容易性が高い入球容易状態とを有し、通常入球状態の設定または入球容易状態の設定が可能な入球状態設定手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果および前記第2当否判定手段による当否判定の結果が所定確率で大当りとなる通常確率状態と、前記第1当否判定手段による当否判定の結果および前記第2当否判定手段による当否判定の結果が前記所定確率よりも高確率で大当りとなる確率変動状態とを有し、通常確率状態の設定または確率変動状態の設定が可能な確率状態設定手段と、
演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果が小当りとなる確率よりも前記第2当否判定手段による当否判定の結果が小当りとなる確率の方が相対的に高くなるように構成され、または、前記第1当否判定手段による当否判定の結果は小当りとなることはない一方で前記第2当否判定手段による当否判定の結果は小当りとなる可能性があるように構成され、
少なくとも確率変動状態かつ入球容易状態においては、前記第2特別図柄の変動パターンとして、通常確率状態かつ通常入球状態における前記第2特別図柄の変動パターンよりも相対的に変動時間が短い変動パターンが決定されやすい特殊変動パターン選択基準に基づいて変動パターンを決定可能であり、
通常確率状態かつ通常入球状態においては、前記第2特別図柄の変動パターンとして、前記第1特別図柄の変動パターンよりも相対的に変動時間が長い変動パターンが決定されやすい通常変動パターン選択基準に基づいて変動パターンが決定され、
特別遊技の実行中は、大入賞口への入球が規定数に達するまで大入賞口を開放可能とする単位遊技を複数回実行可能であるとともに、単位遊技の実行中にラウンド演出を表示可能であり、
特別遊技の実行中においては、単位遊技による大入賞口への入球数を累積的にカウントするとともに、累積的にカウントされた入球数が規定数に達するたびに前記ラウンド演出を更新表示可能であり、
確率変動状態かつ通常入球状態においても前記ラウンド演出を表示可能であり、
確率変動状態かつ通常入球状態においては、小当り遊技による大入賞口への入球数を累積的にカウントするとともに、累積的にカウントされた入球数が前記規定数に達するまでを1回の擬似的な単位遊技とすることで、特別遊技の実行中でなくとも、累積的にカウントされた入球数が前記規定数に達するたびに前記ラウンド演出を更新表示可能であることを特徴とする弾球遊技機。
[項目7]
遊技球の入球が可能な第1始動口と、
遊技球の入球が可能な第2始動口と、
遊技球の入球が可能な作動口と、
前記第2始動口に取り付けられ、拡開したときには前記第2始動口へ遊技球が入球可能または入球容易となる拡開機構と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記第1始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する第1当否判定手段と、
前記第2始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する第2当否判定手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果を示すための第1特別図柄が変動表示される第1図柄表示装置と、
前記第2当否判定手段による当否判定の結果を示すための第2特別図柄が変動表示される第2図柄表示装置と、
前記作動口への入球を契機として、前記拡開機構を拡開させることを示すための普通図柄が変動表示される普通図柄表示装置と、
前記第1特別図柄の変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンから変動パターン選択基準に基づいて決定する第1パターン決定手段と、
前記第2特別図柄の変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンから変動パターン選択基準に基づいて決定する第2パターン決定手段と、
前記第2特別図柄が変動中であっても前記第1特別図柄を変動表示させるとともに、前記第1特別図柄が変動中であっても前記第2特別図柄を変動表示させる表示制御手段と
前記第1当否判定手段による当否判定の結果または前記第2当否判定手段による当否判定の結果が大当りである場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記第2当否判定手段による当否判定の結果が小当りである場合、または、前記第1当否判定手段および前記第2当否判定手段のうち少なくともいずれかの当否判定の結果が小当りである場合、大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性に関する状態として、通常入球状態と、通常入球状態よりも入球容易性が高い入球容易状態とを有し、通常入球状態の設定または入球容易状態の設定が可能な入球状態設定手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果および前記第2当否判定手段による当否判定の結果が所定確率で大当りとなる通常確率状態と、前記第1当否判定手段による当否判定の結果および前記第2当否判定手段による当否判定の結果が前記所定確率よりも高確率で大当りとなる確率変動状態とを有し、通常確率状態の設定または確率変動状態の設定が可能な確率状態設定手段と、
演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果が小当りとなる確率よりも前記第2当否判定手段による当否判定の結果が小当りとなる確率の方が相対的に高くなるように構成され、または、前記第1当否判定手段による当否判定の結果は小当りとなることはない一方で前記第2当否判定手段による当否判定の結果は小当りとなる可能性があるように構成され、
少なくとも確率変動状態かつ入球容易状態においては、前記第2特別図柄の変動パターンとして、通常確率状態かつ通常入球状態における前記第2特別図柄の変動パターンよりも相対的に変動時間が短い変動パターンが決定されやすい特殊変動パターン選択基準に基づいて変動パターンを決定可能であり、
通常確率状態かつ通常入球状態においては、前記第2特別図柄の変動パターンとして、前記第1特別図柄の変動パターンよりも相対的に変動時間が長い変動パターンが決定されやすい通常変動パターン選択基準に基づいて変動パターンが決定され、
通常確率状態かつ通常入球状態においては、原則として、第1特別図柄の変動表示に対応して装飾図柄による変動演出が表示され、第2特別図柄の変動表示に対応して簡易図柄による変動演出が表示され、
通常確率状態かつ入球容易状態である所定回数の図柄変動期間においては、原則として、第2特別図柄の変動表示に対応して装飾図柄による変動演出が表示され、第1特別図柄の変動表示に対応して簡易図柄による変動演出が表示され、
通常確率状態かつ入球容易状態における図柄変動回数が前記所定回数に達する第2特別図柄の変動中において第1特別図柄が変動開始されかつ当該第1特別図柄の変動開始時の遊技状態が通常確率状態かつ通常入球状態であったとしても、当該第1特別図柄の変動表示に対応して簡易図柄の変動演出が開始され、当該第1特別図柄の変動表示中に新たな第2特別図柄の変動が開始されかつ当該新たな第2特別図柄の変動開始時の遊技状態が通常確率状態かつ通常入球状態である場合は、当該新たな第2特別図柄の変動表示に対応して簡易図柄の変動演出が開始され、当該新たな第2特別図柄の変動表示に対応した簡易図柄の変動演出が開始された以降に新たな第1特別図柄が変動開始されかつ当該新たな第1特別図柄の変動開始時の遊技状態が通常確率状態かつ通常入球状態である場合は、当該新たな第1特別図柄の変動表示に対応した装飾図柄の変動演出が開始されることを特徴とする弾球遊技機。
[項目8]
遊技球の入球が可能な第1始動口と、
遊技球の入球が可能な第2始動口と、
遊技球の入球が可能な作動口と、
遊技球の入球が可能な一般入賞口と、
第2始動口に取り付けられ、拡開したときには第2始動口へ遊技球が入球可能または入球容易となる拡開機構と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記第1始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する第1当否判定手段と、
前記第2始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する第2当否判定手段と、 前記第1当否判定手段による当否判定の結果を示すための第1特別図柄が変動表示される第1図柄表示装置と、
前記第2当否判定手段による当否判定の結果を示すための第2特別図柄が変動表示される第2図柄表示装置と、
前記作動口への入球を契機として、前記拡開機構を拡開させることを示すための普通図柄が変動表示される普通図柄表示装置と、
前記第1特別図柄の変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンから変動パターン選択基準に基づいて決定する第1パターン決定手段と、
前記第2特別図柄の変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンから変動パターン選択基準に基づいて決定する第2パターン決定手段と、
前記第2特別図柄が変動中であっても前記第1特別図柄を変動表示させるとともに、前記第1特別図柄が変動中であっても前記第2特別図柄を変動表示させる表示制御手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果または前記第2当否判定手段による当否判定の結果が大当りである場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記第1当否判定手段及び前記第2当否判定手段のうち少なくとも前記第2当否判定手段による当否判定の結果が小当りである場合、大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性に関する状態として、通常入球状態と、通常入球状態よりも入球容易性が高い入球容易状態とを有し、通常入球状態の設定または入球容易状態の設定が可能な入球状態設定手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果及び前記第2当否判定手段による当否判定の結果が所定確率で大当りとなる通常確率状態と、前記第1当否判定手段による当否判定の結果及び前記第2当否判定手段による当否判定の結果が前記所定確率よりも高確率で大当りとなる確率変動状態とを有し、通常確率状態の設定または確率変動状態の設定が可能な確率状態設定手段と、
演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出内容を決定する演出決定手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の際に用いられる抽選値を、所定数の個数を上限に、第1当否判定手段による当否判定が行われるまで第1保留として保留する第1保留制御手段と、
前記第2当否判定手段による当否判定の際に用いられる抽選値を、所定数の個数を上限に、第1当否判定手段による当否判定が行われるまで第2保留として保留する第2保留制御手段と、
を備え、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果が小当りとなる確率よりも前記第2当否判定手段による当否判定の結果が小当りとなる確率のほうが相対的に高くなるように構成される、または、前記第1当否判定手段による当否判定の結果は小当りとなることはない一方で前記第2当否判定手段による当否判定の結果は小当りとなる可能性があるように構成され、
少なくとも確率変動状態かつ入球容易状態においては、前記第2特別図柄の変動パターンとして、通常確率状態かつ通常入球状態における前記第2特別図柄の変動パターンよりも相対的に変動時間が短い変動パターンが決定されやすい特殊変動パターン選択基準に基づいて変動パターンを決定可能であり、
通常確率状態かつ通常入球状態においては、前記第2特別図柄の変動パターンとして、前記第1特別図柄の変動パターンよりも相対的に変動時間が長い変動パターンが決定されやすい通常変動パターン選択基準に基づいて変動パターンが決定され、
前記第2当否判定手段による当否判定の結果が小当りの場合であって所定の開始条件を満たした場合、小当り遊技演出を実行可能であり、
前記第2保留制御手段により保留されている複数の第2保留のうち小当りに対応する第2保留が1個ではなく複数個存在する場合は、前記小当り遊技演出として、前記第2保留制御手段により保留されている複数の第2保留のうち小当りに対応する第2保留が1個のみ存在する場合には実行されない特殊小当り遊技演出を実行可能であり、
前記特殊小当り遊技演出は、複数回の前記第2特別図柄の変動表示及び複数回の小当り遊技に亘って実行され、
一般入賞口へ遊技球が1球入球することを契機に、所定個数の賞球を遊技者に付与可能であり、
大入賞口へ遊技球が1球入球することを契機に、前記所定個数の賞球よりも多い特定個数の賞球を遊技者に付与可能であり、
確率変動状態かつ通常入球状態においては、小当り遊技で開放される大入賞口への入球を契機として遊技者に付与される賞球数に関する演出である大入賞口賞球獲得演出が、前記特殊小当り遊技演出の実行時および前記特殊小当り遊技演出の非実行時のいずれにおいても実行される一方、一般入賞口への入球を契機として遊技者に付与される賞球数に関する演出である一般入賞口賞球獲得演出が、前記特殊小当り遊技演出の実行時においては実行されるが前記特殊小当り遊技演出の非実行時には実行されないことを特徴とする弾球遊技機。
[項目9]
遊技球の入球が可能な第1始動口と、
遊技球の入球が可能な第2始動口と、
遊技球の入球が可能な作動口と、
第2始動口に取り付けられ、拡開したときには第2始動口へ遊技球が入球可能または入球容易となる拡開機構と、
開放したときには遊技球が入球可能または入球容易となる大入賞口と、
前記第1始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する第1当否判定手段と、
前記第2始動口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する第2当否判定手段と、 前記第1当否判定手段による当否判定の結果を示すための第1特別図柄が変動表示される第1図柄表示装置と、
前記第2当否判定手段による当否判定の結果を示すための第2特別図柄が変動表示される第2図柄表示装置と、
前記作動口への入球を契機として、前記拡開機構を拡開させることを示すための普通図柄が変動表示される普通図柄表示装置と、
前記第1特別図柄の変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンから変動パターン選択基準に基づいて決定する第1パターン決定手段と、
前記第2特別図柄の変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンから変動パターン選択基準に基づいて決定する第2パターン決定手段と、
前記第2特別図柄が変動中であっても前記第1特別図柄を変動表示させるとともに、前記第1特別図柄が変動中であっても前記第2特別図柄を変動表示させる表示制御手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果または前記第2当否判定手段による当否判定の結果が大当りである場合、大入賞口の開放を伴う特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記第1当否判定手段及び前記第2当否判定手段のうち少なくとも前記第2当否判定手段による当否判定の結果が小当りである場合、大入賞口の開放を伴う小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記第2始動口への入球容易性に関する状態として、通常入球状態と、通常入球状態よりも入球容易性が高い入球容易状態とを有し、通常入球状態の設定または入球容易状態の設定が可能な入球状態設定手段と、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果及び前記第2当否判定手段による当否判定の結果が所定確率で大当りとなる通常確率状態と、前記第1当否判定手段による当否判定の結果及び前記第2当否判定手段による当否判定の結果が前記所定確率よりも高確率で大当りとなる確率変動状態とを有し、通常確率状態の設定または確率変動状態の設定が可能な確率状態設定手段と、
演出内容が表示される演出表示装置と、
前記演出内容を決定する演出決定手段と、
を備え、
前記第1当否判定手段による当否判定の結果が小当りとなる確率よりも前記第2当否判定手段による当否判定の結果が小当りとなる確率のほうが相対的に高くなるように構成される、または、前記第1当否判定手段による当否判定の結果は小当りとなることはない一方で前記第2当否判定手段による当否判定の結果は小当りとなる可能性があるように構成され、
少なくとも確率変動状態かつ入球容易状態においては、前記第2特別図柄の変動パターンとして、通常確率状態かつ通常入球状態における前記第2特別図柄の変動パターンよりも相対的に変動時間が短い変動パターンが決定されやすい特殊変動パターン選択基準に基づいて変動パターンを決定可能であり、
通常確率状態かつ通常入球状態においては、前記第2特別図柄の変動パターンとして、前記第1特別図柄の変動パターンよりも相対的に変動時間が長い変動パターンが決定されやすい通常変動パターン選択基準に基づいて変動パターンが決定され、
確率変動状態かつ通常入球状態の特定期間において1回以上の小当り遊技によって獲得した賞球数と、前記特定期間前または前記特定期間後に実行される1回の特別遊技によって獲得した賞球数とを合算した合算賞球数が表示され、
前記合算賞球数の表示を構成する表示要素は、球数に関する第1の表示要素とそれ以外の表示要素である第2の表示要素とで少なくとも構成されており、前記合算賞球数の第2の表示要素の表示態様は、その球数に応じて異なる表示態様となることを特徴とする弾球遊技機。