以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
<パチンコ遊技機の構造>
まず、図1~4を参照して、本発明の第1実施形態に係る遊技機の構造について説明する。図1及び図2は、本発明の第1実施形態に係る遊技機の外観斜視図及び一部分解斜視図である。図3は、本実施形態の遊技機の分解斜視図である。図4は、本実施形態の遊技機に用いられる遊技盤の正面図である。本実施形態の遊技機としては、パチンコ遊技機1が適用される。
図1~3に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技盤12と、本体2と、本体2に対して開閉自在に取り付けられたベースドア3と、ベースドア3に対して開閉自在に取り付けられたガラスドア4と、皿ユニット14と、発射装置15と、払出装置16と、基板ユニット17とを備える。
[本体]
本体2は、長方形状の開口2aを有する枠状部材で構成される(図3参照)。この本体2は、例えば、木材等の材料により形成される。本実施形態に係るパチンコ遊技機は、本体2を介して島設備(図示略)に取り付けられている。
[ベースドア]
ベースドア3は、本体2の外形形状と略等しい長方形の外形形状を有する板状部材で構成される。ベースドア3は、本体2の前方(パチンコ遊技機の正面側)に配置されており、本体枠ヒンジ2bを介して本体2に回動可能に支持されている。すなわち、ベースドア3を本体2の一方(本実施形態では正面から見て左方)の側辺端部に設けられた本体枠ヒンジ2bを軸にして回動させることにより、本体2の開口2aが開閉される。ベースドア3には、図3に示すように、四角形状の開口3aが設けられる。この開口3aは、ベースドア3の略中央部から上側の領域にわたって形成され、該領域の大部分を占有する大きさで形成される。
ベースドア3には、遊技盤12と、液晶表示装置13と、皿ユニット14と、発射装置15と、払出装置16と、基板ユニット17とが取り付けられる。
遊技盤12は、板形状の樹脂部材で構成される。遊技盤12は、後述するガラスドア4の保護ガラス28の後方に位置し、ベースドア3の開口3aを覆うように配置される。
遊技盤12の前面(パチンコ遊技機1の正面側の表面)には、発射装置15から発射された遊技球が転動する遊技領域12aが形成される。この遊技領域12aは、ガイドレール41(具体的には後述の図4に示す外レール41a)に囲まれた領域であり、その外周形状は略円状である。さらに、遊技領域12aには、複数の遊技釘56(一部図示略)が打ちこまれている。なお、遊技盤12(遊技領域12a)の構成については、図4などを参照して後述する。
液晶表示装置13は、遊技盤12の背面側(パチンコ遊技機1の正面側とは反対側)に取り付けられる。液晶表示装置13は、画像を表示する表示領域13aを有する。表示領域13aは、遊技盤12(遊技領域12a)の表面の一部の領域を占めるような大きさに設定されている。表示領域13aは、電源オフの状態で画像を表示しない場合、一様に黒色あるいは灰色の画面を形成する。なお、表示領域13aの大きさは、遊技盤12(遊技領域12a)の表面全体を占めるような大きさに設定されていいてもよい。表示領域13aには、演出用の識別図柄(例えば数字を示す画像)、演出画像(例えばキャラクタや背景を示す画像)、装飾用画像(例えば装飾図柄を示す画像)などの各種画像が表示される。遊技者は、遊技盤12を介して液晶表示装置13の表示領域13aに表示された各種画像を視認することができる。なお、以下においては、液晶表示装置13の液晶駆動によって表示領域13aに表示される画像を液晶画像という場合がある。
なお、本実施形態では、液晶表示装置13を適用をしているが、本発明はこれに限定されず、表示装置としては、例えば、プラズマディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどを適用してもよい。
皿ユニット14は、遊技盤12の下方に配置される。皿ユニット14は、上皿21と、その下方に配置された下皿22とを有する。上皿21及び下皿22には、図1及び図3に示すように、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口21a及び供給口22aがそれぞれ形成される。所定の払出条件が成立した場合には、払出口21a及び供給口22aから遊技球が排出され、それぞれ、上皿21及び下皿22に貯留される。また、上皿21に貯留された遊技球は、発射装置15によって遊技領域12aに発射される。
皿ユニット14には、演出ボタン23が設けられる。この演出ボタン23は、上皿21上に取り付けられる。本実施形態のパチンコ遊技機1は、演出ボタン23を用いて所定の操作演出を行う機能を有し、所定の操作演出を行う場合には、液晶表示装置13の表示領域13aに、演出ボタン23の操作を促す画像が表示される。また、遊技に伴う画像の表示とは別に、遊技履歴や個人の遊技データを表示させるためのメニュー画面を操作するための選択ボタン31や選択した内容を確定させる決定ボタン32を備えている。
発射装置15は、ベースドア3の前面において、右下の領域(右下角部付近)に配置される。発射装置15は、遊技者によって操作可能な発射ハンドル25を備え、発射ハンドル25は、回動可能に支持される。
図1~3には示さないが、発射装置15には、遊技球の発射動作を制御するソレノイドアクチュエータ(発射駆動装置)が設けられる。また、図1~3には示さないが、発射ハンドル25の周縁部には、タッチセンサが設けられ、発射ハンドル25の内部には、発射ボリュームが設けられる。発射ボリュームは、発射ハンドル25の回動量に応じて抵抗値を変化させ、ソレノイドアクチュエータに供給する電力を変化させる。
なお、本実施形態において、発射操作の制御にあっては、主制御回路70(図14参照)に接続されている払出・発射制御回路123(図14参照)が行う。発射装置15の内部には、発射ハンドル25を、常時、反時計回り方向に弾性的に付勢するためのバネ部材(図示略)が設けられており、遊技者は、このバネ部材の弾性に抗して発射ハンドル25を時計回り方向に回動操作することにより遊技球を発射させる。また、遊技者が遊技を中断して発射ハンドル25から手を離すと、発射ハンドル25は、バネ部材の弾性によって開始時点位置に戻される。これにより、遊技球の発射が停止される。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者の手が発射ハンドル25のタッチセンサに接触すると、タッチセンサは検知信号を出力する。これにより、遊技者が発射ハンドル25を握持したことが検知され、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射が可能になる。そして、遊技者が発射ハンドル25を把持して時計回り(遊技者側から見て右回り)の方向へ回動操作すると、発射ハンドル25の回動角度に応じて発射ボリュームの抵抗値が変化し、その抵抗値に対応する電力がソレノイドアクチュエータに供給される。その結果、上皿21に貯留された遊技球が順次発射され、発射された遊技球は、ガイドレール41(図4参照)に沿って案内されつつ遊技盤12の遊技領域12aに放出される。
払出装置16及び基板ユニット17は、ベースドア3の背面側に配置される。払出装置16には、図示しない貯留ユニットから遊技球が供給される。払出装置16は、貯留ユニットから供給された遊技球の中から、払出条件の成立に基づいて、所定個数の遊技球を上皿21又は下皿22に払い出す。基板ユニット17は、各種制御基板を有する。各種制御基板には、後述する主制御回路70や副制御回路200(図14参照)などが設けられる。
[ガラスドア]
ガラスドア4は、表面が略四角形状の板状部材で構成される。また、ガラスドア4は、遊技盤12の前面側に配置され、遊技盤12を覆う大きさを有する。ガラスドア4の上部(上端部付近)には、一対のスピーカ11が配置される。ガラスドア4の前面において、スピーカ11と対向する上部領域には、スピーカカバー29が設けられる。以下の説明において、「前面」とはパチンコ遊技機の遊技者に対面する側の面であり、「背面」とは遊技者に対面する側の面の反対側の面である。
ガラスドア4の中央部において、遊技盤12の遊技領域12aと対向する領域には、少なくとも遊技領域12aを露出させるような大きさの開口4aが形成される。この開口4aは、光透過性を有する保護ガラス28が取り付けられる。これにより、ガラスドア4の開口4aが塞がれる。したがって、ガラスドア4をベースドア3に対して閉じると、保護ガラス28は、遊技盤12の少なくとも遊技領域12aに対面するように配置される。
また、ガラスドア4の前面における上部領域には、上部装飾ユニット40が設けられている。上部装飾ユニット40は、パチンコ遊技機1の前方に突出するように配置されている。上部装飾ユニット40の内部は、空洞に形成されており、この空洞には、プロジェクタユニットB(図11参照)が収容される。このプロジェクタユニットBについては後述する。
図2によく示すように、ガラスドア4の背面側には、フレーム部材4bが設けられており、スピーカ11及びプロジェクタユニットBは、フレーム部材4bの上部に取り付けられる。
上部装飾ユニット40には、右側及び左側にそれぞれスピーカカバー29が設けられている。スピーカカバー29は、メッシュ状の開口として形成されている。スピーカカバー29は、スピーカ11の前方を覆っており、スピーカ11から発生した音は、スピーカカバー29を通じて外部に放出される。
[遊技盤]
次に、遊技盤12の構成について、図4を参照して説明する。図4は、遊技盤12の構成を示す正面図である。
遊技盤12の前面には、図4に示すように、ガイドレール41と、球通過検出器(ゲート)43と、第1始動口44と、第2始動口45と、普通電動役物46とが設けられる。また、遊技盤12の前面には、一般入賞口51,52と、第1大入賞口53と、第2大入賞口54と、アウト口55と、複数の遊技釘56とが設けられる。さらに、遊技盤12の前面において、その略中央に配置された液晶表示装置13の表示領域13aの上部には、特別図柄表示装置61と、普通図柄表示装置62と、普通図柄保留表示装置63と、第1特別図柄保留表示装置64と、第2特別図柄保留表示装置65とが設けられる。遊技盤12の前面において、遊技領域12aの周縁近傍の各部には、発光可能な複数の装飾部材66A,66B,66Cが設けられる。遊技盤12の前面において、遊技者側から見て、表示領域13aの下部にあって第1始動口44の左側には、遊技盤12(遊技領域12a)に設けられた開口12bを通じてリール役物67が視認可能に設けられる。さらに、遊技者側から見て、遊技盤12の背面における上部領域の右側には、剣を模した可動役物68が表示領域13aと重なる位置まで動作可能に設けられる。
なお、図4には示さないが、遊技盤12の前面には、演出用7セグカウンタも設けられる。演出用7セグカウンタは、二桁の数字や2つの英字を表示可能な表示カウンタで構成される。また、本実施形態では、特別図柄の停止表示の結果が「大当り」である場合に点灯する報知LED(Light Emitting Diode)や、大当り遊技中のラウンド数を表示するラウンド数表示LEDなどを設けてもよい。
[遊技領域の各種構成部材]
ガイドレール41は、遊技領域12aを区画する円弧状に延在した外レール41aと、この外レール41aの内側(内周側)に配置された、円弧状に延在した内レール41bとで構成される。遊技領域12aは、外レール41aの内側に形成される。外レール41a及び内レール41bは、遊技者側から見て、遊技領域12aの左側端部付近において互いに対向するように配置され、これにより、外レール41aと内レール41bとの間に、発射装置15によって発射された遊技球を遊技領域12aの上部へ案内するガイド経路41cが形成される。
また、遊技領域12aの左側上部に位置する内レール41bの先端部には、該内レール41bの先端部と、それと対向する外レール41aの一部とにより、玉放出口41dが形成される。そして、内レール41bの先端部には、玉放出口41dを塞ぐようにして、玉戻り防止片42が設けられる。この玉戻り防止片42は、玉放出口41dから遊技領域12aに放出された遊技球が、再び玉放出口41dを通過してガイド経路41cに進入することを防止する。
玉放出口41dから放出された遊技球は、遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。この際、遊技球は、複数の遊技釘56、第1始動口44、第2始動口45等の遊技領域12aに設けられた各種部材に衝突して、その進行方向を変えながら遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。
遊技領域12aの略中央には、液晶表示装置13の表示領域13aが設けられる。この表示領域13aの上端には、障害物13bが設けられる。障害物13bを設けることにより、遊技球は、遊技領域12a内の表示領域13aと重なる領域上を通過しない。
球通過検出器43は、遊技者側から見て、表示領域13aの右側端部付近に配置される。球通過検出器43には、通過する遊技球を検出するための通過球センサ43a(図14参照)が設けられる。また、球通過検出器43を遊技球が通過することにより、「当り」か否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて普通図柄の変動表示が開始される。
第1始動口44は、表示領域13aの下方に配置され、第2始動口45は、第1始動口44の下方に配置される。第1始動口44及び第2始動口45は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。以下、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入ること又は流入し通過することを「入賞」という。そして、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入賞すると、第1所定数(例えば3個)の遊技球が払い出される。また、第1始動口44に遊技球が入球することにより、「大当り」及び「小当り」のいずれかであるか否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。さらに、第2始動口45に遊技球が入球することにより、「大当り」及び「小当り」のいずれかであるか否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。
第1始動口44には、第1始動口44に入賞した遊技球を検出するための第1始動口入賞球センサ44a(図14参照)が設けられる。また、第2始動口45には、これに入賞した遊技球を検出するための第2始動口入賞球センサ45a(図14参照)が設けられる。なお、第1始動口44及び第2始動口45に入賞した遊技球は、遊技盤12に設けられたアウト口55を通過して遊技球の回収部に搬送される。
普通電動役物46は、第2始動口45に設けられる。普通電動役物46は、第2始動口45の両側に回動可能に取り付けられた一対の羽根部材と、一対の羽根部材を駆動させる普通電動役物ソレノイド46a(図14参照)とを有する。この普通電動役物46は、普通電動役物ソレノイド46aにより駆動され、一対の羽根部材を拡げて第2始動口45に遊技球を入賞し易くする開放状態、及び、一対の羽根部材を閉じて第2始動口45に遊技球を入賞不可能にする閉鎖状態の一方の状態を発生させる。なお、本実施形態では、普通電動役物46が閉鎖状態である場合、一対の羽根部材の開口形態を、入賞不可能にする形態でなく、遊技球の入賞が困難になるような形態にしてもよい。
一般入賞口51,52は、遊技領域下部付近に配置される。一般入賞口51,52は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。以下では、遊技球が一般入賞口51,52に入ること又は流入して通過することもまた、「入賞」という。一般入賞口51,52に遊技球が入賞すると、第2所定数(例えば10個)の遊技球が払い出される。一般入賞口51,52には、これに入賞した遊技球を検出するための一般入賞球センサ51a,52a(図14参照)が設けられる。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、球通過検出器43の下方で、且つ、第1始動口44と一般入賞口52との間に配置される。そして、第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、遊技球の流路に沿って上下方向に配置され、第1大入賞口53は、第2大入賞口54の上方に配置される。第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、ともに、いわゆるアタッカー式の開閉装置であり、開閉可能なシャッタ53a及び54aと、シャッタを駆動させる第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54b(図14参照)とを有する。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54のそれぞれは、対応するシャッタが開いている状態(開放状態)のときに遊技球を受け入れ、シャッタが閉じている状態(閉鎖状態)のときには遊技球を受け入れない。以下では、遊技球が第1大入賞口53又は第2大入賞口54に入ること又は流入し通過することもまた、「入賞」という。第1大入賞口53に遊技球が入賞すると、第3所定数球(本実施形態では15個)の遊技球が払い出される。一方、第2大入賞口54に遊技球が入賞すると、第4所定数球(本実施形態では15個)の遊技球が払い出される。
また、第1大入賞口53には、第1大入賞口53に入賞した遊技球を計数するためのカウントセンサ53c(図14参照)が設けられる。さらに、第2大入賞口54には、第2大入賞口54に入賞した遊技球を計数するためのカウントセンサ54c(図14参照)が設けられる。
アウト口55は、遊技領域12aの最下部に設けられる。このアウト口55は、第1始動口44、第2始動口45、一般入賞口51,52、第1大入賞口53及び第2大入賞口54のいずれにも入賞しなかった遊技球を受け入れる。
本実施形態の遊技領域12aにおける各種構成部材の配置を図4に示すような配置にすると、遊技者により遊技領域12aの右側の領域に遊技球が打ち込まれた場合(右打ちされた場合)、遊技釘56等により遊技球が第2始動口45に誘導される。この場合、第1始動口44に入賞する可能性はほとんどなくなる。なお、本実施形態では、第2始動口45に入賞した方が、第1始動口44に入賞した場合より、遊技者にとって有利な抽選を受け易くなる。それゆえ、第2始動口45への入賞が比較的容易になるいわゆる時短遊技状態では、右打ちを行うことにより、第2始動口45への入賞の可能性が高まり相対的に有価価値が得やすい状態となる。
[特別図柄表示装置]
特別図柄表示装置61は、図4に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの上部の略中央に配置される。
特別図柄表示装置61は特別図柄ゲームにおいて、特別図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置である。本実施形態では、図4に示すように、特別図柄を数字や記号等からなる図柄で表示する装置により特別図柄表示装置61を構成する。なお、本発明はこれに限定されず、特別図柄表示装置61を、例えば、複数のLEDにより構成してもよい。この場合には、複数のLEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを特別図柄として表す。
特別図柄表示装置61は、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入賞したこと(特別図柄始動入賞)を契機に、特別図柄の変動表示を行う。そして、特別図柄表示装置61は、所定時間、特別図柄の変動表示を行った後、特別図柄の停止表示を行う。以下では、遊技球が第1始動口44に入賞したときに、特別図柄表示装置61において変動表示される特別図柄を、第1特別図柄という。また、遊技球が第2始動口45に入賞したときに、特別図柄表示装置61において変動表示される特別図柄を、第2特別図柄という。
特別図柄表示装置61において、停止表示された第1特別図柄又は第2特別図柄が特定の態様(「大当り」の態様)である場合には、遊技状態が、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態に移行する。すなわち、特別図柄表示装置61において、第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り遊技状態に移行する態様で停止表示されることが、「大当り」である。
大当り遊技状態では、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が開放状態になる。具体的に、本実施形態では、遊技球が第1始動口44に入賞し、特別図柄表示装置61において第1特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第1大入賞口53が開放状態となる。一方、遊技球が第2始動口45に入賞し、特別図柄表示装置61において第2特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第2大入賞口54が開放状態となる。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54それぞれの開放状態は、遊技球が所定個数入賞するまで、又は、一定期間(例えば28sec)が経過するまで維持される。そして、各大入賞口の開放状態の経過期間が、このいずれかの条件を満たすと、開放状態であった大入賞口が閉鎖状態になる。
第1大入賞口53又は第2大入賞口54が遊技球を受け入れやすい状態(開放状態)となっている遊技をラウンドゲームという。ラウンドゲーム間は、大入賞口が閉鎖状態となる。また、ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目のラウンドゲームを第2ラウンドと称する。
なお、特別図柄表示装置61において、停止表示された特別図柄が特定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、転落抽選に当選した場合を除き遊技状態は移行しない。すなわち、特別図柄ゲームは、特別図柄表示装置61により、特別図柄が変動表示され、その後、特別図柄が停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームである。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口44に入賞した場合、該入賞に対応する第1特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第1特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第1特別図柄の可変表示の数(いわゆる、「保留個数(保留球の個数)」)を、最大4回(個)に規定する。
さらに、本実施形態では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第2始動口45に入賞した場合、該入賞に対応する第2特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第2特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第2特別図柄の可変表示の数(保留個数)を、最大4回(個)に規定する。したがって、本実施形態では、特別図柄の可変表示の保留個数は、合わせて最大8個となる。
また、本実施形態では、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、一方の特別図柄の変動表示を、他方の特別図柄の変動表示よりも優先的に実行する。なお、本発明はこれに限定されず、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、保留された順番に特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
[普通図柄表示装置]
普通図柄表示装置62は、図4に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの上部の略中央に配置される。そして、本実施形態では、普通図柄表示装置62は、遊技者側から見て、特別図柄表示装置61の右側に配置される。
普通図柄表示装置62は、普通図柄ゲームにおいて、普通図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置である。本実施形態では、図4に示すように、普通図柄表示装置62を、上下方向に配列された2つのLED(普通図柄表示LED)により構成する。そして、普通図柄表示装置62では、各普通図柄表示LEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを普通図柄として表す。
普通図柄表示装置62は、遊技球が球通過検出器43を通過したことを契機に、2つの普通図柄表示LEDを交互に点灯・消灯して、普通図柄の変動表示を行う。そして、普通図柄表示装置62は、所定時間、普通図柄の変動表示を行った後、普通図柄の停止表示を行う。
普通図柄表示装置62において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合には、普通電動役物46が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になる。一方、停止表示された普通図柄が所定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、普通電動役物46は閉鎖状態を維持する。すなわち、普通図柄ゲームは、普通図柄表示装置62により、普通図柄が変動表示されて、その後、普通図柄が停止表示され、その結果に応じて普通電動役物46が動作するゲームである。
なお、普通図柄の変動表示中に遊技球が球通過検出器43を通過した場合には、普通図柄の可変表示が保留される。そして、現在、変動表示中の普通図柄が停止表示されると、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される普通図柄の可変表示の数(すなわち、「保留個数」)を、最大4回(個)に規定する。
[普通図柄保留表示装置]
普通図柄保留表示装置63は、図4に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの上部の略中央に配置される。そして、本実施形態では、普通図柄保留表示装置63は、普通図柄表示装置62の下方に配置される。
普通図柄保留表示装置63は、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する装置である。本実施形態では、図4に示すように、普通図柄保留表示装置63を、左右方向に配列された4つのLED(普通図柄保留表示LED)により構成する。そして、普通図柄保留表示装置63では、各普通図柄保留表示LEDの点灯・消灯により、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する。
具体的には、普通図柄の可変表示の保留個数が1個である場合、遊技者側から見て、最も左側に位置する普通図柄保留表示LED(左から1つ目の普通図柄保留表示LED)が点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。普通図柄の可変表示の保留個数が2個の場合には、左から1つ目及び2つ目の普通図柄保留表示LEDが点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。普通図柄の可変表示の保留個数が3個の場合は、左から1つ目~3つ目の普通図柄保留表示LEDが点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。そして、普通図柄の可変表示の保留個数が4個の場合には、全ての普通図柄保留表示LEDが点灯する。
[第1特別図柄保留表示装置]
第1特別図柄保留表示装置64は、図4に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの上部において、遊技者側から見て、特別図柄表示装置61の左側に配置される。
第1特別図柄保留表示装置64は、左右方向に配列された4つのLED(第1特別図柄保留表示LED)を有する。なお、第1特別図柄保留表示装置64の表示態様は、普通図柄保留表示装置63の表示態様と同様である。すなわち、第1特別図柄の可変表示が保留されている場合には、遊技者側から見て、最も左側に位置する第1特別図柄保留表示LEDから保留個数目までの第1特別図柄保留表示LEDが点灯する。
[第2特別図柄保留表示装置]
第2特別図柄保留表示装置65は、図4に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの上部において、遊技者側から見て、特別図柄表示装置61の左側にあって特別図柄表示装置61と第1特別図柄保留表示装置64との間に配置される。
第2特別図柄保留表示装置65は、左右方向に配列された4つのLED(第2特別図柄保留表示LED)を有する。なお、第2特別図柄保留表示装置65の表示態様は、普通図柄保留表示装置63の表示態様と同様である。すなわち、第2特別図柄の可変表示が保留されている場合には、遊技者側から見て、最も左側に位置する第2特別図柄保留表示LEDから保留個数目までの第2特別図柄保留表示LEDが点灯する。
[液晶表示装置]
液晶表示装置13は、その表示領域13aにおいて各種の演出画像(液晶画像)を表示する。具体的に、本実施形態では、特別図柄表示装置61に表示される特別図柄と関連する演出画像が表示領域13aに表示される。この際、例えば、特別図柄表示装置61において特別図柄が変動表示中であるときには、特定の場合を除いて、例えば演出画像として、1~8までの数字や各種文字などからなる複数の演出用識別図柄(装飾図柄)が表示領域13aに変動表示される。そして、特別図柄表示装置61において特別図柄が停止表示されると、表示領域13aにも、特別図柄に対応する複数の装飾図柄(後述の大当り図柄等)が停止表示される。
そして、特別図柄表示装置61において停止表示された特別図柄が特定の態様である(停止表示の結果が「大当り」である)場合には、「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出画像が表示領域13aに表示される。「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出としては、例えば、まず、停止表示された複数の装飾図柄が特定の態様(例えば、同一の装飾図柄が所定の方向に沿って並ぶ態様)となり、その後、「大当り」を報知する画像を表示するような演出が挙げられる。
[装飾部材]
装飾部材66A,66B,66Cは、それぞれ透光性を有するカバー部材(図示略)と、カバー部材の背面側に設けられたLED(図示略)とを有し、カバー部材を通してLEDの光を遊技盤12(遊技領域12a)の前方に向けて放出する。装飾部材66Aは、遊技者側から見て、表示領域13aの右側に設けられる。装飾部材66Bは、遊技者側から見て、表示領域13aの左側にあって装飾部材66Aよりも若干下方に設けられる。2つの装飾部材66Cは、遊技者側から見て、表示領域13aの下側にあって第2始動口45の左右両側に設けられる。装飾部材66A,66B,66CのLEDは、ランプ・LED群18(図14参照)に属し、演出として、発光や点滅、消灯、あるいは輝度が増減変化するように制御される。これにより、装飾部材66A,66B,66Cは、光の演出効果を向上させる。
[リール役物]
図9及び図10に示すように、リール役物67は、遊技盤12の背面に取り付けられる。リール役物67は、図10によく示すように、筒状にシート部材671が巻回された中空状のリール体670と、リール体670の一端(右端)を回転自在に支持する第1支持部材672と、リール体670の他端(左端)に固定される回転ギア673と、回転ギア673を所定方向に回転させるように駆動するモータ674と、リール体670の他端側において回転ギア673及びモータ674を支持する第2支持部材675と、回転ギア673を貫通してリール体670の内部に位置するように第2支持部材675に固定される軸676と、遊技者側から見て軸676の後部に取り付けられ、前方に臨むようにLED677が実装された発光基板678と、遊技者側から見てリール体670の右側及び後側を覆うカバー部材679とを有する。なお、図10においては、便宜上1つのLED677しか示していないが、発光基板678には、複数のLED677が実装されている。
シート部材671には、一例として識別図柄(識別情報)の青7と赤7とが所定の間隔をあけて描かれており、青7と赤7との間には、無地のブランクが形成される(図44参照)。本実施形態においては、ブランクも識別図柄という。シート部材671は、半透明な素材で形成されており、識別図柄もまた、半透明で色彩豊かな特殊インク等によって形成されている。演出動作としてリール体670が回転すると、リール体670の周面においてシート部材671の識別図柄が変動表示され、その後の停止態様によって所定の識別図柄が停止表示され、この識別図柄が例えば有利な遊技状態であるか否かを示すものとして開口12bから遊技者に視認可能となる。
また、リール体670の回転中あるいは停止時、演出として、発光基板678のLED677について発光や点滅、消灯、あるいは輝度が増減変化するように制御される。LED677の光は、シート部材671を透過しつつ遊技盤12の開口12bから前方に向けて進む。これにより、リール体670の周面において変動表示や停止表示される識別図柄が後方から照らされ、消灯状態の場合よりも視認容易となる。このようなLED677もランプ・LED群18(図14参照)に属し、光の演出効果を向上させる。
[可動役物]
図5及び図12に示すように、可動役物68は、待機状態(非動作状態)において遊技者側から見て隠れるように全体が上部装飾ユニット40の背面側に位置し(図5(A)参照)、出現状態においては、一部(剣部分)が表示領域13aの一部と重なる位置へと移動するように構成されている(図5(B)、図12参照)。これにより、可動役物68は、表示領域13aに表示された演出画像と被るように所定の演出動作を行う。可動役物68は、剣部分を構成する装飾部68Aと、装飾部68Aを駆動するための駆動部68Bとを有して構成される。なお、図5(A)及び図5(B)は、上部装飾ユニット40を取り外した状態を示しており、上部装飾ユニット40を取り付けられた状態で、例えば図5(A)の待機状態では、可動役物68が上部装飾ユニット40によって実際には視認し得ない。
装飾部68Aは、図6~8に示すように、ベース部材680と、ベース部材680に固定され、複数のLED681が実装された電飾基板682と、これらのLED681を覆うように電飾基板682の表面上に設けられる光拡散板683と、透光性を有するカバー部材684と、カバー部材684の中央部に設けられ、非透光性を有する非透過部材685とを有して構成される。なお、図8は、装飾部68Aを構成する部材のうち光拡散板683やカバー部材684などを取り外した状態を示している。
図4に示すように、ベース部材680の基端部には、従動ギア686が固定されている。駆動部68Bは、駆動ギア687と、駆動ギア687を両方向に回転させるためのモータ688とを有して構成される。図12に示すように、駆動部68Bは、遊技者側から見て、上部装飾ユニット40の背面における上部右側に設けられている。
ベース部材680は、遊技者側から見て、上部装飾ユニット40の背面における上部右側に従動ギア686を介して回転自在に図示しない支持部材等に支持される。従動ギア686は、上部装飾ユニット40の背面側に設けられた図示しない支持部材等に回転可能に支持されており、駆動ギア687と噛合される。これにより、駆動ギア687が所定方向に所定角度回転すると、従動ギア686が所定方向とは逆方向に所定角度回転し、ベース部材680がカバー部材684と一体になって傾動する。
電飾基板682は、ベース部材680等の動きに連動して、発光、点滅、消灯、あるいは輝度の増減変化が可能な複数のLED681を有し、ベース部材680に固定される。複数のLED681が実装された電飾基板682の表面上には、光拡散板683が設けられる。LED681の光は、光拡散板683を介してカバー部材684の中央部から周縁部まで広く拡散しながら進む。このようなLED681も、ランプ・LED群18(図14参照)に属し、発光や点滅することによって演出効果を向上させる。
カバー部材684は、LED681から光拡散板683を介して導かれてきた光を透過し、外方へと放出する。ただし、カバー部材684の中央部においては、非透過部材685が外方へと進む光を遮る。その結果、遊技者側から見て、非透過部材685が配置されたカバー部材684の中央部は、周辺の発光領域に対して発光しているように見えない非発光領域として視認される。これにより、LED681が発光あるいは点滅していても、非透過部材685にのみ後述する投影映像を投影することで鮮明な投影映像を映し出すことができる。
このような可動役物68は、図5(A)に示すように、装飾部68Aが待機位置において上部装飾ユニット40の背面側に隠れた状態で概ね水平姿勢に保たれる一方、図5(B)及び図12に示すように、装飾部68Aが出現位置においてその一部が表示領域13aと重なった状態で傾斜姿勢をなすように出現する。このような可動役物68の出現動作によって演出効果を向上させる。
[プロジェクタユニット]
図1~3、及び図12に示すように、上部装飾ユニット40の内部には、プロジェクタユニットBが設けられている。プロジェクタユニットBは、上部装飾ユニット40に対して着脱可能に設けられている。図11に示すように、プロジェクタユニットBは、上部装飾ユニット40に着脱可能に収容されるプロジェクタカバーB1と、プロジェクタカバーB1の奥方に取り付けられ、映像を含む照射光を出射するプロジェクタ装置本体B2と、プロジェクタ装置本体B2の前方に配置されるようにプロジェクタカバーB1の前方に取り付けられ、プロジェクタ装置本体B2からの照射光を斜め下後方に配置された遊技盤12の方向に反射するミラー部材B3とを有している。このようなプロジェクタユニットBは、演出として映像を投影可能な投影手段として機能し、いわゆるプロジェクションマッピングを実現するものである。
ここで、プロジェクションマッピングは、一般的に、建造物や自然物などの立体物の表面に映像を投影するためのものであり、本実施形態においては、遊技盤12の前面全体のほか、装飾部材66A,66B,66Cやリール役物67、さらには可動役物68を投影対象として、その位置(投射距離や投射角度など)や形状に応じた演出情報に基づき映像を投影することにより、高精細で迫力のある演出表示を実現することができる。
プロジェクタ装置本体B2は、プロジェクタカバーB1の上部の内側面に取り付けられる。プロジェクタ装置本体B2は、取り付け姿勢や角度を任意に調整可能に取り付けられる。図12に示すように、プロジェクタ装置本体B2は、図示しない光源から映像をなすように出射された照射光を前方のミラー部材B3に向けて出射する。
ミラー部材B3は、プロジェクタカバーB1の前部の内側面に取り付けられる。ミラー部材B3は、取り付け姿勢や角度を任意に調整可能に取り付けられる。図12に示すように、ミラー部材B3は、プロジェクタ装置本体B2からの照射光を表示領域13aや遊技領域12aに向けて反射する。
図13(A)に示すように、プロジェクタ装置本体B2から出射してミラー部材B3で反射した照射光は、最上部の装飾部材66A、中央部の装飾部材66B、及び最下部の装飾部材66Cに達する。プロジェクタ装置本体B2から装飾部材66Aへと進む照射光の投射距離をLa、プロジェクタ装置本体B2から装飾部材66Bへと進む照射光の投射距離をLb、プロジェクタ装置本体B2から装飾部材66Cへと進む照射光の投射距離をLcとすると、La<Lb<Lcとなる。
また、プロジェクタ装置本体B2から装飾部材66Aへと進む照射光の垂直軸Yに対する投射角度をθ1、プロジェクタ装置本体B2から装飾部材66Bへと進む照射光の垂直軸Yに対する投射角度をθ2、及びプロジェクタ装置本体B2から装飾部材66Cへと進む照射光の垂直軸Yに対する投射角度をθ3とすると、θ3<θ2<θ1となっている。
また、図13(B)に示すように、プロジェクタ装置本体B2から装飾部材66Aへと進む照射光の光軸Xに対する投射角度をα、プロジェクタ装置本体B2から装飾部材66Bへと進む照射光の光軸Xに対する投射角度をβ、及びプロジェクタ装置本体B2から装飾部材66Cへと進む照射光の光軸Xに対する投射角度をγとすると、α≒β<γとなっている。
プロジェクタ装置本体B2からの照射光は、投射距離が長くなるほど遊技盤12の前面(概ね鉛直面)に対する入射角が大きくなり、同じ光度でも見かけ上の照射面積が大きくなるので、輝度が低下する傾向となる。これにより、照射光の輝度は、投射距離La,Lb,Lcのみについて考慮すると、最上部の装飾部材66A、中央部の装飾部材66B、及び最下部の装飾部材66Cの順に照射光の輝度が大きい傾向となる。
また、プロジェクタ装置本体B2からの照射光は、垂直軸Yに対する投射角度や光軸Xに対する投射角度が大きくなることによっても見かけ上の照射面積が大きくなるので、輝度が低下する傾向となる。これにより、照射光の輝度は、投射角度θ1~θ3、α,β,γについて総合的に考慮すると、例えば、最上部の装飾部材66A、中央部の装飾部材66B、及び最下部の装飾部材66Cの順に照射光の輝度が大きい傾向となる。
本実施形態において、プロジェクタユニットBは、一様な光量をもって照射光を出射するようになっている一方、装飾部材66A,66B,66Cやリール役物67、さらには可動役物68のLEDは、プロジェクタユニットBからの照射光により映像が投影される際には、LEDの発光の輝度が調光制御によって適宜調整されたり、あるいはLEDが消灯状態となるように制御される。また、プロジェクタユニットBからの照射光は、液晶表示装置13の表示領域13aにも達するが、この表示領域13aを投影対象として照射光により映像が投影される際には、表示領域13aの一部あるいは全域が投影に適した黒色あるいは灰色となるように制御されたり、あるいは液晶表示装置13の駆動がオフとされることで表示領域13aが黒色となるように制御される。これらの制御については後述する。
本実施形態のパチンコ遊技機では、後述する主制御回路70により制御される遊技状態として、非確変・非時短遊技状態(非確変かつ非時短である通常遊技状態)と、特別図柄抽選の当選確率や普通図柄抽選の当選確率が非確変・非時短遊技状態よりも高くなる確変・時短遊技状態(確変かつ時短である遊技状態)と、普通図柄抽選の当選確率のみが非確変・非時短遊技状態よりも高くなる非確変・時短遊技状態(非確変かつ時短である遊技状態)とが存在し、これらの遊技状態において特別図柄抽選に当選した場合、大当り遊技状態(特別遊技)に移行する。また、遊技状態は、特別図柄抽選の結果に基づいて小当り遊技状態に移行する場合もある。なお、本実施形態においては、確変・非時短遊技状態(確変かつ非時短である遊技状態)が存在しないが、確変・非時短遊技状態を設けてもよい。
時短遊技状態では、普通図柄抽選の当選確率が高確率状態となるため、普通電動役物46のサポートによって第2始動口45への入賞が容易となる。この状態は、いわゆる「電サポ」と呼ばれる状態であり、後述する特別図柄ゲームの保留球が貯まり易くなるとともに、第2始動口45への入賞により遊技球の目減りを抑制することができる。具体的にいうと、時短遊技状態とは、普通図柄抽選の当選確率が相対的に高い状態(時短遊技状態1)、特別図柄や普通図柄の変動時間が相対的に短い状態(時短遊技状態2)、普通電動役物46の開放時間が相対的に長い状態(時短遊技状態3)のうち少なくともいずれか一の状態を意味する。例えば、時短遊技状態には、上記時短遊技状態1、時短遊技状態2、及び時短遊技状態3が任意の組み合わせをもって同時進行する状態も含まれる。このような時短遊技状態においては、大当り遊技状態に移行する可能性が向上する。
大当り遊技状態においていわゆるV入賞に成功した当該大当り遊技状態の終了後は、確変・時短遊技状態に必ず移行し、非確変・非時短遊技状態に移行しないようになっている。一方、V入賞に成功することなく(非V入賞ともいう)、そのまま大当り遊技状態が終了した場合は、当該大当り遊技状態の終了後、非確変遊技状態かつ時短遊技状態である遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施形態では、大当り遊技状態の終了後、例えば確変・時短遊技状態で190回の特別図柄抽選(190回の特別図柄の変動表示又は停止表示)が行われたことを契機に、非確変・非時短遊技状態に移行するようになっている。さらに、大当り遊技状態の終了後、例えば非確変・時短遊技状態で100回又は4回の特別図柄抽選(100回又は4回の特別図柄の変動表示又は停止表示)が行われたことを契機に、非確変・非時短遊技状態に移行するようになっている。なお、大当り遊技状態の終了後、次の大当り遊技状態に移行するまで、確変・時短遊技状態を維持するようにしてもよい。なお、本実施形態のような所定回数の特別図柄抽選を行うことで終了する確変遊技状態のことを、ST(Specia1 Time)遊技状態ともいう。
[遊技機の電気的構成]
次に、図14を参照しながら、本実施形態のパチンコ遊技機1が備える各種回路の構成について説明する。なお、図14は、パチンコ遊技機1の回路構成を示すブロック図である。
パチンコ遊技機1は、図14に示すように、主に遊技動作の制御を行う主制御回路70と、払出・発射制御回路123と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路200(演出制御手段)とを有する。
[主制御回路]
主制御回路70は、ワンチップマイコン77と、クロック発生回路74と、初期リセット回路75とを備える。なお、上述のように、本実施形態では、第1始動口44又は第2始動口45の入賞時に特別図柄の抽選処理を行うが、この処理は、主制御回路70により制御される。すなわち、主制御回路70は、遊技状態を遊技者にとって有利な状態に移行させるか否かの抽選処理を行う手段(抽選手段)も兼ねる。
ワンチップマイコン77は、メインCPU71と、メインROM72と、メインRAM73と、シリアル通信部76とにより構成される。なお、メインCPU71、メインROM72、メインRAM73及びシリアル通信部76は、それぞれ別個に設けられていてもよい。
また、本実施形態では、主制御回路70の基板にメインROM72を内蔵する構成を説明するが、本発明はこれに限定されない。例えば、主制御回路70の基板に、メインROM72を搭載したROM基板を接続してもよい。さらに、本実施形態では、主制御回路70内の各種回路は、一体的に形成されていてもよいし、別体として形成されていてもよい。また、メインROM72は、遊技機に設置される構成でなくてもよく、遊技機と通信可能となるような構成であってもよい。
ワンチップマイコン77には、クロック発生回路74及び初期リセット回路75が接続される。メインROM72には、メインCPU71によりパチンコ遊技機1の動作を制御するための各種プログラムや、各種データテーブル等が記憶されている。
メインCPU71は、メインROM72に記憶されたプログラムに従って、各種処理を実行する。メインRAM73は、メインCPU71が各種処理を実行する際の一時記憶領域として作用し、メインCPU71が各種処理に必要となる種々のフラグや変数の値が記憶される。なお、本実施形態では、メインCPU71の一時記憶領域としてメインRAM73を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いることができる。
クロック発生回路74は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2msec)でクロックパルスを発生する。初期リセット回路75は、電源投入時にリセット信号を生成する。そして、シリアル通信部76は、副制御回路200に対してコマンドを供給する。
また、主制御回路70には、図14に示すように、主制御回路70から送られた出力信号に応じて動作する各種の装置が接続される。
具体的に、主制御回路70には、特別図柄表示装置61、普通図柄表示装置62、普通図柄保留表示装置63、第1特別図柄保留表示装置64及び第2特別図柄保留表示装置65が接続される。これらの各装置は、主制御回路70から送られた出力信号に基づいて所定の動作を行う。例えば、主制御回路70から特別図柄表示装置61に所定の出力信号が送信されると、特別図柄表示装置61は、その出力信号に基づいて、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の動作制御を行う。
また、主制御回路70には、普通電動役物ソレノイド46a、第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54bが接続される。そして、主制御回路70は、普通電動役物ソレノイド46aを駆動制御して、普通電動役物46の一対の羽根部材を開放状態又は閉鎖状態にする。また、主制御回路70は、第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54bをそれぞれ駆動制御して、第1大入賞口53及び第2大入賞口54を開放状態又は閉鎖状態にする。
さらに、主制御回路70には、図14に示すように、各種センサに接続され、各種センサの出力信号を受信する。具体的に、主制御回路70には、カウントセンサ53c,54c、一般入賞球センサ51a,52a、通過球センサ43a、第1始動口入賞球センサ44a、第2始動口入賞球センサ45aなどが接続される。
カウントセンサ53cは、第1大入賞口53に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路70に出力する。カウントセンサ54cは、第2大入賞口54に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路70に出力する。一般入賞球センサ51aは、一般入賞口51に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力し、一般入賞球センサ52aは、一般入賞口52に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。
また、通過球センサ43aは、遊技球が球通過検出器43を通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。第1始動口入賞球センサ44aは、遊技球が第1始動口44に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。第2始動口入賞球センサ45aは、遊技球が第2始動口45に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。また、主制御回路70には、図示しないバックアップクリアスイッチが接続されており、このバックアップクリアスイッチは、電断時等にバックアップデータが遊技店の管理者等の操作に応じてクリアされた場合に、所定の検知信号を主制御回路70及び払出・発射制御回路123に出力する。
さらに、主制御回路70には、払出・発射制御回路123が接続される。なお、払出・発射制御回路123及びそれに接続された各種周辺装置の内容については、後で詳述する。
[払出・発射制御回路及びその周辺装置]
払出・発射制御回路123は、賞球ケースユニット170、払出状態報知表示装置178、下皿満タンスイッチ179、発射装置15、外部端子板140及びカードユニット150に接続される。また、外部端子板140は、データ表示器141に接続され、カードユニット150は、貸し出し用操作部151に接続される。
払出・発射制御回路123は、主制御回路70から送信される各種コマンド等に基づいて、これらの周辺装置に対して信号等を入出力し、各周辺装置の動作制御を行う。例えば、払出・発射制御回路123は、主制御回路70から送信される賞球制御コマンド、カードユニット150から送信される後述の貸し球制御信号を受信し、賞球ケースユニット170に対して所定の信号を送信する。これにより、賞球ケースユニット170は、遊技球を払い出す。
賞球ケースユニット170は、遊技球の払出を行う装置であり、第1の15球担保スイッチ172a、第2の15球担保スイッチ172b、第1の計数スイッチ181a、第2の計数スイッチ181b及び払出モータ174を有する。なお、賞球ケースユニット170に含まれるこれらの構成部は、それぞれ払出・発射制御回路123に接続される。
また、ここでは図示しないが、賞球ケースユニット170の内部には、2つの球供給通路が設けられる。そして、第1の15球担保スイッチ172aは、一方の球供給通路に補給された遊技球を検出し、その検出結果を示す所定の出力信号を払出・発射制御回路123に出力する。また、第2の15球担保スイッチ172bは、他方の球供給通路に補給された遊技球を検出し、その検出結果を示す所定の出力信号を払出・発射制御回路123に出力する。
さらに、ここでは図示しないが、賞球ケースユニット170の内部には、2つの払出通路が設けられる。そして、第1の計数スイッチ181aは、一方の払出通路に払出された遊技球を検出し、その検出結果を示す所定の出力信号を払出・発射制御回路123に出力する。また、第2の計数スイッチ181bは、他方の払出通路に払出された遊技球を検出し、その検出結果を示す所定の出力信号を払出・発射制御回路123に出力する。
払出モータ174は、ステッピングモータで構成され、払出・発射制御回路123から入力された制御信号に応じて駆動される。払出モータ174は、賞球ケースユニット170内に設けられた図示しないスプロケット(回転部材)を回転駆動する。そして、このスプロケットの回転動作により、各球供給路に蓄積された遊技球が1球ずつ、対応する払出通路に移動する。
払出状態報知表示装置178は、遊技球の払出に関して異常が発生した場合に、その異常の種別を報知するための装置であり、7セグメントディスプレイにより構成される。払出状態報知表示装置178は、遊技店(遊技場)の管理者のみが視認可能となるような位置に取り付けられ、例えば、パチンコ遊技機1の裏面の所定箇所に取り付けられる。
下皿満タンスイッチ179は、下皿22に貯留された遊技球が満タンになった場合に、これを検知し、その検知結果を払出・発射制御回路123に出力する。
なお、払出・発射制御回路123は、下皿満タンスイッチ179から下皿満タン状態であることを示す信号が入力されると、下皿満タン状態である旨を払出状態報知表示装置178を用いて報知するとともに、主制御回路70に下皿満タン状態であることを示す信号を出力する。その後、主制御回路70から副制御回路200に演出制御コマンドが送信されると、副制御回路200は、例えばスピーカ11、ランプ・LED群18、液晶表示装置13等を用いて下皿22が満タン状態であることを報知する。
発射装置15は、上皿21に貯留された遊技球を遊技領域12aに発射する際に遊技者に回動操作可能な発射ハンドル25を有する。払出・発射制御回路123は、発射ハンドル25が遊技者によって把持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じて発射装置15のソレノイドアクチュエータ(不図示)に電力を供給する。これにより、発射装置15は、遊技球を発射する。なお、発射装置15の駆動手段としては、ソレノイドアクチュエータの代わりにモータを用いてもよい。
外部端子板140は、遊技店内の全てのパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いられる。データ表示器141は、例えばパチンコ遊技機1の上部に遊技店の付帯設備として設置され、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示する機能を有する。
貸し出し用操作部151は、遊技者に操作されると、カードユニット150に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する。カードユニット150は、貸し出し用操作部151から出力される遊技球の貸し出しを要求する信号に基づいて、賞球ケースユニット170を介して払出される遊技球の数(貸し球数)を決定する。そして、カードユニット150は、貸し出し用操作部151から遊技球の貸し出しを要求する信号を受信すると、決定された貸し球数の情報を含む貸し球制御信号を払出・発射制御回路123に送信する。
[副制御回路]
副制御回路200は、主制御回路70から供給される各種のコマンドに応じて、各種の制御を行うものであり、サブCPU81、プログラムROM82、ワークRAM83、コマンド入力ポート84、リアルタイムクロック(以下、「RTC:Real-Time Clock」という)85、表示制御回路86、音声制御回路87、ランプ制御回路88、演出動作制御回路89、及びプロジェクタ制御回路90を有する。表示制御回路86には、液晶表示装置13が接続されている。音声制御回路87には、スピーカ11が接続されている。ランプ制御回路88には、ランプ・LED群18が接続されている。演出動作制御回路89には、役物演出装置としてリール役物67及び可動役物68などが接続されている。プロジェクタ制御回路90には、プロジェクタ装置本体B2が接続されている。
サブCPU81は、プログラムROM82に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。液晶表示装置13は、表示手段として機能する。特に、サブCPU81は、主制御回路70から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200全体の制御を行う。
プログラムROM82は、サブCPU81が主として各種演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルを記憶している。
ワークRAM83は、サブCPU81の一時記憶領域として種々のデータ(フラグ、カウンタ、タイマ、及び変数の値等)を記憶するものである。
コマンド入力ポート84は、主制御回路70のメインCPU71から送信された各種コマンドを受信し、サブCPU81へと伝えるものである。
RTC85は、現在の日付を示す日付信号や現在の時刻を示す時刻信号をサブCPU81に入力する。RTC85は、通常、遊技機本体に電源が供給されているときには遊技機本体からの電源によって動作し、遊技機本体の電源が切られているときには、電源基板(図示略)に搭載されたバックアップ電源から供給される電源によって動作する。これにより、RTC85は、遊技機本体の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。なお、RTC85は、副制御回路上に設けた電池によって動作するようにしてもよい。また、RTC85に代わるものとしては、バックアップRAMとしての機能を有するワークRAMに設けたカウンタを、所定時間ごと(例えば2ms毎)にカウントアップすることによって時間を計時する手段として用いてもよい。
表示制御回路86は、サブCPU81から供給されるデータに応じて、液晶表示装置13における表示制御を行うためのものであり、例えば画像データプロセッサ(VDP)と、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROMと、画像データを一時記憶するフレームバッファと、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータとから構成されている。なお、表示制御回路86の構成は、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
表示制御回路86は、サブCPU81から供給される画像表示命令に応じて、液晶表示装置13の表示領域13aに表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。画像データとしては、例えば装飾図柄画像データ、背景画像データ、各種演出用画像データ、各種不正報知画像データ等が含まれる。
また、表示制御回路86は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータ(図示略)に供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングで、この画像信号を液晶表示装置13に供給する。液晶表示装置13の表示領域13aには、D/Aコンバータからの画像信号に基づいて液晶画像が表示される。
音声制御回路87は、スピーカ11から発生させる音声などに関する制御を行うためのものであり、例えば音声などに関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(AMP)を含んでいる。なお、音声制御回路87の構成も、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
音源ICは、スピーカ11から発生させる音声の制御を行うものであり、サブCPU81から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択することができる。
また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号を増幅器に供給する。なお、この増幅器は、音声信号を増幅させ、スピーカ11から音声を発生させる。
ランプ制御回路88は、装飾部材66A,66B,66CのLED等を含むランプ・LED群18の制御を行うためのものであり、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM等から構成されている。なお、ランプ制御回路88の構成も、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
演出動作制御回路89は、例えば、大当り遊技状態において、操作の有効期間中に演出ボタン23の操作等によって可動役物68を作動させる等の演出動作を制御する。
プロジェクタ制御回路90は、プロジェクタ装置本体B2のLED制御やフォーカス制御、画像処理等を行うためのものである。図15に示すように、プロジェクタ装置本体B2は、電気的な構成要素として、プロジェクタ制御回路90、光学機構B24、及び中継基板CKを備えている。
プロジェクタ装置本体B2には、中継基板CKを介して副制御回路200が接続される。副制御回路200は、リール役物67や可動役物68等の演出動作に応じて、プロジェクタ制御回路90を制御し、光学機構B24を介して遊技盤12の前面に向けて照射光を投影することにより、視覚的な演出として映像を表示する。
光学機構B24は、レンズユニット(図示略)の周辺に配置される構成要素として、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色光を発するLED光源、DMD、レンズユニットの投射レンズについてフォーカス調整を行うためのフォーカス機構(図示略)等を備える。
プロジェクタ制御回路90は、制御LSI230、EEPROM(登録商標)231、DLP(登録商標)制御回路232、及びLEDドライバ233を備える。
制御LSI230は、副制御回路200の指令に基づいて、照射光を投影するようにDLP制御回路232を制御する。制御LSI230は、副制御回路200の指令に基づいて、フォーカス機構を制御して投射レンズ(図示略)を光軸方向に移動させることにより、照射光の投影に際してフォーカス調整を行う。EEPROM231には、制御LSI230による制御プログラムやプロジェクタ装置本体B2の設定・調整に関わるデータが記憶されている。
プロジェクタ装置本体B2のDLPシステムは、主として、DLP制御回路232、LEDドライバ、並びに光学機構B24のLED光源及びDMDにより構成される。
DLP制御回路232の制御により、DMDで所定方向に反射した光は、レンズユニット(図示略)へと進み、投射レンズ(図示略)を透過することでミラー部材B3に入射し、最終的にミラー部材B3で反射することによって遊技盤12の前面へと導かれる。これにより、投影対象となるリール役物67や可動役物68等に対して照射光が投影され、演出に応じた映像が形成される。
本実施形態において、プロジェクタ装置本体B2は、いわゆるDLPプロジェクタとして構成される。また、プロジェクタ装置本体B2は、ミラー部材B3によって照射光を折り返すことにより投影対象までの投射距離を稼ぐとともに、例えばコントラスト比を1000:1とすることによって、照射光の投射距離をできるだけ短くするようにしている。これにより、プロジェクタ装置本体B2を備えたプロジェクタユニットBは、より安価かつ小型に構成されるとともに、上部装飾ユニット40の内部における限られたスペースに対して容易に収容される。
[制御回路の通信動作]
次に、図16を参照して主制御回路70、副制御回路200、音声・ランプ制御回路87,88、表示制御回路86、及びプロジェクタ制御回路90間の通信動作について説明する。なお、音声・ランプ制御回路87,88は、音声制御回路87とランプ制御回路88とを単にまとめて記載しただけのものであるが、実際にこれらの回路が一体に形成されていてもよい。
図16に示すように、主制御回路70は、副制御回路200に対して各種コマンドを供給する。副制御回路200は、主制御回路70からの各種コマンドを受信し、そのコマンドに応じた演出の種別を選択し、選択した演出に基づき、各演出デバイス(例えば装飾部材66A,66B,66C、役物演出装置としてのリール役物67や可動役物68、液晶表示装置13やプロジェクタ装置本体B2等)の制御データを選択し、各演出デバイスに送信する制御データをワークRAM83の所定領域にセットする。
副制御回路200は、各演出デバイスに対する制御データに基づき、役物演出装置67,68の動作を制御する。また、副制御回路200は、ランプ・LED群18を制御するためのランプリクエストや、スピーカ11を駆動制御するためのサウンドリクエストを音声・ランプ制御回路87,88に送信するとともに、液晶表示装置13を制御するための描画リクエストや、プロジェクタ装置本体B2を制御するための描画リクエストをプロジェクタ制御回路90に送信する。これにより、役物演出装置67,68の動作が副制御回路200のサブCPU81により制御され、ランプ・LED群18の発光動作がランプ制御回路88により制御され、スピーカ11のサウンド出力動作が音声制御回路87により制御され、液晶表示装置13の画像表示動作が表示制御回路86により制御され、プロジェクタ装置本体B2の映像出力動作がプロジェクタ制御回路90により制御される。
[メインCPUによる処理]
次に、図17~34を用いて、メインCPU71により実行される処理について以下に説明をする。
[主制御回路メイン処理]
図17及び図18は、メインCPU71により実行される主制御回路メイン処理を示すフローチャートである。この主制御回路メイン処理は、以下のステップ単位に実行される。図17に示すように、S10において、メインCPU71は、ウォッチドッグタイマのディセーブル設定処理を行う。この処理を終了した場合、S11に処理を移す。
S11において、メインCPU71は、入出力ポートの設定処理を行う。この処理を終了した場合、S12に処理を移す。
S12において、メインCPU71は、電断検知状態であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、電断検知信号がHIGH(高レベル)であるか否かを判定する。電断検知信号がHIGHでない場合には電断検知状態であると判定してS12に処理を移し、電断検知信号がHIGHである場合には電断検知状態でないと判定してS13に処理を移す。
S13において、メインCPU71は、サブ制御受信受付ウェイト処理を行う。この処理において、メインCPU71は、副制御回路200が信号を受け付けるようになるまで待機する処理を行う。この処理を終了した場合、S14に処理を移す。
S14において、メインCPU71は、メインRAM73への書き込みを許可する処理を行う。この処理を終了した場合、S15に処理を移す。
S15において、メインCPU71は、バックアップクリアスイッチがONであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、バックアップクリアスイッチがONであると判定した場合には、S24に処理を移し、バックアップクリアスイッチがONでないと判定した場合には、S16に処理を移す。
S16において、メインCPU71は、電断検知フラグがあるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、電断検知フラグがあると判定した場合には、S17に処理を移し、電断検出フラグがないと判定した場合には、S24に処理を移す。
S17において、メインCPU71は、作業領域の損傷チェックを行い、作業損傷チェック値を算出する処理を行う。この処理を終了した場合、S18に処理を移す。
S18において、メインCPU71は、作業損傷チェック値が正常値か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、作業損傷チェック値が正常値であると判定した場合には、S19に処理を移し、作業損傷チェック値が正常値でないと判定した場合には、S24に処理を移す。
S19において、メインCPU71は、スタックポインタに7FFEHを設定する処理を行う。この処理を終了した場合、S20に処理を移す。
S20において、メインCPU71は、復電時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理を終了した場合、S21に処理を移す。
S21において、メインCPU71は、復電時の高確率遊技状態表示報知設定処理を行う。具体的に、メインCPU71は、確変遊技状態の場合に、大当りの当選確率が高確率状態であることを報知する表示が行われるようにする。この処理を終了した場合、S22に処理を移す。なお、報知する表示は、電源投入後の最初の変動開始又は変動終了時に終了する構成としてもよい。
S22において、メインCPU71は、復電時のコマンドを送信する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、副制御回路200に、電断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信する処理を行う。この処理を終了した場合、S23に処理を移す。
S23において、メインCPU71は、メインCPU71周辺のデバイスの初期設定を行う。この処理を終了した場合、メインCPU71は、電断前のアドレス、すなわちスタックエリアより復帰されたプログラムカウンタの示すプログラムアドレスへ復帰する。
S24において、メインCPU71は、スタックポインタに8000Hを設定する処理を行う。この処理を終了した場合、S25に処理を移す。
S25において、メインCPU71は、当り判定関連の乱数の初期値を取得する処理を行う。この処理を終了した場合、S26に処理を移す。
S26において、メインCPU71は、全作業領域クリア処理を行う。この処理を終了した場合、図25のS27に処理を移す。
図18に示すように、S27において、メインCPU71は、当り判定関連の乱数の初期値を設定する処理を行う。この処理を終了した場合、S28に処理を移す。
S28において、メインCPU71は、RAMの初期化時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理を終了した場合、S29に処理を移す。
S29において、メインCPU71は、メインRAM73の初期化時のコマンドを副制御回路200に送信する処理を行う。副制御回路200においては、サブCPU81により受信したコマンドに基づいて初期化が実行される。この処理を終了した場合、S30に処理を移す。
S30において、メインCPU71は、CPU周辺デバイスの初期設定を行う。この処理を終了した場合、S31に処理を移す。
S31において、メインCPU71は、割込禁止処理を行う。この処理において、メインCPU71は、割込処理を禁止する処理を行う。この処理を終了した場合、S32に処理を移す。
S32において、メインCPU71は、初期値乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU71は、初期乱数カウンタ値を更新する処理を行う。この処理を終了した場合、S33に処理を移す。
S33において、メインCPU71は、割込許可処理を行う。この処理において、メインCPU71は、割込処理を許可する処理を行う。この処理を終了した場合、S34に処理を移す。
S34において、メインCPU71は、演出用乱数を更新する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、演出用乱数カウンタ値を更新する処理を行う。この処理を終了した場合、S35に処理を移す。
S35において、メインCPU71は、システムタイマ監視タイマ値が3以上であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73に記憶されるシステムタイマ監視タイマ値を参照し、システムタイマ監視タイマ値が3以上である場合には、S36に処理を移し、システムタイマ監視タイマ値が3以上でない場合には、S31に処理を移す。
S36において、メインCPU71は、メインRAM73に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値を3減算する処理を行う。この処理を終了した場合、S37に処理を移す。
S37において、メインCPU71は、タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU71は、主制御回路70と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当り又は小当りが発生した際に開放する大入賞口の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ、不正動作があったと検出された場合にメインCPU71から外部端子板140を介してホールコンピュータなどに出力されるセキュリティ信号の最低出力期間を計測するためのセキュリティ信号出力タイマ等、各種のタイマを更新する処理を実行する。この処理を終了した場合には、S38に処理を移す。
S38において、メインCPU71は、特別図柄制御処理を行う。この処理において、メインCPU71は、特別図柄制御処理を行う。メインCPU71は、第1始動口入賞球センサ44a、第2始動口入賞球センサ45aからの検出信号に応じて、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値とを抽出し、メインROM72に記憶される大当り判定テーブル(図示略)を参照し、特別図柄抽選(大当り及び小当りの抽選)に当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM73に記憶する処理を行う。この特別図柄制御処理については、図19を用いて後述する。この処理を終了した場合、S39に処理を移す。
S39において、メインCPU71は、普通図柄制御処理を行う。この処理において、メインCPU71は、通過球センサ43aからの検出信号に応じて、普通図柄判定用乱数値及び普通図柄決定用乱数値を抽出し、抽出した普通図柄判定用乱数値とメインROM72に記憶される普通図柄当選テーブル(図示略)とに基づいて、普通図柄抽選に当選したか否かを判定し、この判定の結果と普通図柄決定用乱数値とメインROM72に記憶される普通図柄決定テープル(図示略)とに基づいて、ハズレ図及び当り図柄のいずれにするかを判定し、判定の結果を記憶する処理を行う。なお、普通図柄抽選に当選した場合は当り図柄を示す判定の結果が記憶され、非当選の場合にはハズレ図柄を示す判定の結果が記憶される。当り図柄を示す判定の結果が記憶された場合、普通電動役物46は、所定の開閉パターンに従って開閉する。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合、普通電動役物46が開放するようになっており、普通電動役物46が開放状態になると第2始動口45に遊技球が入賞し易くなる。この処理を終了した場合、S40に処理を移す。
S40において、メインCPU71は、図柄表示装置制御処理を行う。この処理において、メインCPU71は、S38、S39でメインRAM73に記憶された特別図柄制御処理の結果、普通図柄制御処理の結果に応じて、液晶表示装置13を駆動するための制御信号をメインRAM73に記憶する処理を行う。メインCPU71は、制御信号を特別図柄表示装置61、普通図柄表示装置62に送信する。特別図柄表示装置61は、受信した制御信号に基づき第1特別図柄又は第2特別図柄を変動表示及び停止表示する。また、普通図柄表示装置62は、受信した制御信号に基づき普通図柄を変動表示及び停止表示する。この処理を終了した場合、S41に処理を移す。
S41において、メインCPU71は、遊技情報データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU71は、ホールコンピュータやデータ表示器141に送信するための遊技情報信号に関する遊技情報データを生成し、メインRAM73に記憶する処理を行う。この遊技情報データ生成処理については、図33を用いて後述する。この処理を終了した場合、S42に処理を移す。
S42において、メインCPU71は、図柄保留個数データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU71は、後述するシステムタイマ割込処理のスイッチ入力処理における特別図柄関連スイッチチェック処理及び普通図柄関連スイッチチェック処理(図31のS241,S242)にて検出される第1始動口入賞球センサ44a、第2始動口入賞球センサ45a、及び通過球センサ43aからの検出信号や、特別図柄及び普通図柄の変動表示の実行に応じて更新されるメインRAM73に記憶された保留個数データの更新結果に基づいて、第1特別図柄保留表示装置64、第2特別図柄保留表示装置65及び普通図柄保留表示装置63を駆動するための制御信号をメインRAM73に記憶する処理を行う。この処理を終了した場合、S43に処理を移す。
S43において、メインCPU71は、ポート出力処理を行う。この処理において、メインCPU71は、上記各処理によりメインRAM73に記憶された制御信号を各ポートから出力する処理を行う。具体的には、メインCPU71は、外部端子板140を介したホールコンピュータ等へのセキュリティ信号の出力及びLED点灯のためのLED電源(コモン信号)や第1大入賞口53のシャッタ53a及び第2大入賞口54のシャッタ54aの開閉や普通電動役物46の開閉を行うソレノイド駆動のためのソレノイド電源の供給を行う。このポート出力処理については、図34を用いて後述する。この処理を終了した場合、S44に処理を移す。
S44において、メインCPU71は、入賞口関連コマンド制御処理を行う。この処理において、メインCPU71は、入賞口関連コマンドを制御する処理を行う。この処理を終了した場合には、S45に処理を移す。
S45において、メインCPU71は、払出処理を行う。この処理において、メインCPU71は、第1始動口44、第2始動口45、第1大入賞口53、第2大入賞口54、一般入賞口50,51に遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する払出要求コマンドを払出・発射制御回路123に送信する。この処理を終了した場合、S31に処理を移す。
[特別図柄制御処理]
図19は、メインCPU71により実行される特別図柄制御処理を示すフローチャートである。この特別図柄制御処理は、以下のステップ単位に実行される。なお、図19において、S51からS58の側方に示す数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、メインRAM73における制御状態フラグの記憶領域に記憶されている。メインCPU71は、メインRAM73に記憶されている制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップを実行する。これにより、特別図柄ゲームが進行することになる。
図19に示すように、最初のS50において、メインCPU71は、制御状態フラグをロードする処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグをメインRAM73から読み出す。この処理を終了した場合、S51に処理を移す。
なお、後述するS51からS58において、メインCPU71は、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、S51からS58における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU71は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前において、メインCPU71は、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。また、メインCPU71は、所定の周期でタイマ割込み処理も実行する。
S51において、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を実行する。この処理については、図20を用いて後述する。この処理を終了した場合、S52に処理を移す。
S52において、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02H)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば600ms)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、S53の処理を実行するように設定する。特別図柄変動時間管理処理については、図22を用いて後述する。この処理を終了した場合、S53に処理を移す。
S53において、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02H)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当り又は小当りか否かを判定する。メインCPU71は、大当り又は小当りである場合に、当り開始インターバル管理を示す値(03H)を制御状態フラグにセットし、当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、S54の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU71は、大当り又は小当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)をセットする。つまり、S58の処理を実行するように設定する。特別図柄表示時間管理処理については、図23を用いて後述する。この処理を終了した場合、S54に処理を移す。
S54において、メインCPU71は、当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理を示す値(03H)であり、その当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、メインROM72から読み出された第2大入賞口54のシャッタ54aを開放させるためのラウンド開閉パターンに係る駆動制御データをメインRAM73に記憶する。そして、メインCPU71は、図18のS43の処理において、メインRAM73に記憶された第2大入賞口54のシャッタ54aを開放させるためのラウンド開閉パターンに係る駆動制御データを読み出し、第2大入賞口54のシャッタ54aを開閉動作させる旨の信号を第2大入賞口ソレノイド54bに供給する。これにより、メインCPU71は、第2大入賞口54の開閉制御を行う。つまり、所定の有利な遊技状態が提供される一のラウンドゲームを所定回繰り返し行う当り遊技状態が実行されることになる。当り開始インターバル管理処理については、図24を用いて後述する。この処理を終了した場合、S55に処理を移す。なお、この場合には、第2大入賞口54のみが1回だけ開閉する小当り遊技状態が実行されることもある。また、本実施形態においては、最初に必ず第2大入賞口54が開閉されるようになっているが、最初に第1大入賞口53を開閉させるようにしてもよく、あるいは最初に第1大入賞口53又は第2大入賞口54を任意に選択して開閉させるようにしてもよい。
S55において、メインCPU71は、大入賞口開放処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、大入賞口開放中を示す値(04H)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間を大入賞口開放時間タイマにセットする。この処理については、図25を用いて後述する。この処理を終了した場合、S56に処理を移す。
S56において、メインCPU71は、大入賞口開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口開放前待ち時間管理を示す値(05H)であり、ラウンド間インターバル(インターバルパターンx,y)に対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを「1」増加するように記憶更新する。また、メインCPU71は、大入賞口開放中を示す値(04H)を制御状態フラグにセットし、開放上限時間を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、S55の処理を再び実行するように設定する。大入賞口開放前待ち時間管理処理については、図27を用いて後述する。この処理を終了した場合、S57に処理を移す。
S57において、メインCPU71は、当り終了インターバル処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが当り終了インターバルを示す値(06H)であり、当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)を制御状態フラグにセットする。つまり、S58の処理を実行するように設定する。当り終了インターバル処理については、図28を用いて後述する。この処理を終了した場合には、S58に処理を移す。
S58において、メインCPU71は、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)である場合に、特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をセットする。つまり、S51の処理を実行するように設定するのである。特別図柄ゲーム終了処理については、図29を用いて後述する。この処理を終了した場合には、特別図柄制御処理ルーチンを終了する。
前述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU71は、大当り遊技状態又は小当り遊技状態ではない場合において、メインCPU71は、当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを(00H)、(01H)、(02H)、(07H)と順にセットすることにより、図19に示すS51、S52、S53、S58の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU71は、大当り遊技状態又は小当り遊技状態ではない場合において、メインCPU71は、当り判定の結果が大当り又は小当りであるときには、制御状態フラグを(00H)、(01H)、(02H)と順にセットすることにより、図19に示すS51、S52、S53の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への制御を実行することになる。さらに、メインCPU71は、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを(03H)、(04H)、(05H)と順にセットすることにより、図19に示すS54、S55、S56の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を実行することとなる。なお、大当り遊技状態又は小当り遊技状態の終了条件が成立した場合には、(04H)、(06H)、(07H)と順にセットすることにより、図19に示すS55、S57、S58の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を終了することになる。
[特別図柄記憶チェック処理]
図20は、メインCPU71により実行される特別図柄記憶チェック処理を示すフローチャートである。この特別図柄記憶チェック処理は、以下のステップ単位に実行される。
図20に示すように、S60において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00H)であるか否かの判定を行う。メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判定した場合、S61に処理を移す。一方、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00H)でないと判定した場合には、この特別図柄記憶チェック処理ルーチンを終了する。
S61において、メインCPU71は、始動記憶の有無を判定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、特別図柄ゲームの始動記憶がないと判定した場合、すなわち第1特別図柄始動記憶領域(0)~第1特別図柄始動記憶領域(4)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)~第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていない場合、S62に処理を移す。一方、メインCPU71は、始動記憶があると判定した場合、S63に処理を移す。
S62において、メインCPU71は、デモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73にデモ表示許可値をセットする処理を行う。さらに特別図柄ゲームの始動記憶(当り判定用乱数値が記憶されている第1特別図柄始動記憶領域又は第2特別図柄始動記憶領域)が「0」になった状態が所定時間(例えば、30s)維持された場合、デモ表示許可値として、デモ表示の実行を許可する値をセットする。そして、メインCPU71は、デモ表示許可値が所定値であった場合に、デモ表示コマンドをセットする処理を行う。このように記憶されたデモ表示コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU81にデモ表示コマンドとして供給される。これにより、デモ表示が液晶表示装置13の表示領域13aにおいて実行されることとなる。また、プロジェクタ装置本体B2から遊技盤12の前面に対してデモ表示用の映像が投影されることとなる。この処理を終了した場合、特別図柄記憶チェック処理ルーチンを終了する。
S63において、メインCPU71は、第2特別図柄に対応する始動記憶が「0」であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、第2特別図柄始動記憶領域(0)~第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータの有無を判別し、第2特別図柄に対応する始動記憶が「0」である、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)~第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていないと判定した場合、S64に処理を移す。第2特別図柄に対応する始動記憶が「0」でない、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)~第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されている判定した場合、S65に処理を移す。
S64において、メインCPU71は、変動状態番号として第2特別図柄の変動であることを示す値(02H)をメインRAM73の所定領域にセットする処理を実行する。この処理を終了した場合、S66に処理を移す。
S65において、メインCPU71は、変動状態番号として第1特別図柄の変動であることを示す値(01H)をメインRAM73の所定領域にセットする処理を実行する。この処理を終了した場合、S66に処理を移す。
S66において、メインCPU71は、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01H)をセットする処理を実行する。この処理を終了した場合、S67に処理を移す。
S67において、メインCPU71は、特別図柄記憶転送処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、変動表示させる特別図柄が第1特別図柄の場合、第1特別図柄始動記憶領域(1)から第1特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第1特別図柄始動記憶領域(0)から第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行し、変動表示させる特別図柄が第2特別図柄の場合、第2特別図柄始動記憶領域(1)から第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第2特別図柄始動記憶領域(0)から第2特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行する。この処理を終了した場合、S68に処理を移す。
S68において、メインCPU71は、大当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、遊技状態フラグが確変遊技状態を示しているか否かに応じて、大当りとなる判定値(大当り判定値)の数が異なる図示しない複数の大当り判定テーブルから1つの大当り判定テーブルを選択する。すなわち、遊技状態フラグが確変遊技状態を示す値である場合、大当り判定値の数が多い高確率用の大当り判定テーブルが参照され、遊技状態フラグが確変遊技状態を示す値でない場合、大当り判定値が少ない非確変遊技状態用の大当り判定テーブルが参照される。このように、遊技状態フラグが確変遊技状態を示す値である場合、つまり遊技状態が特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行し易い遊技状態としての確変遊技状態である場合、大当り遊技状態に移行する確率は、確変遊技状態よりも大当り遊技状態に移行し難い非確変遊技状態よりも向上することとなる。
そして、メインCPU71は、遊技球の入賞時に抽出され、第1特別図柄始動記憶領域(0)と第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた特別図柄始動記憶領域の当り判定用乱数値と、選択された大当り判定テーブルとを参照する。そして、メインCPU71は、当り判定用乱数値と大当り判定値が一致している場合、大当りであると判定する。つまり、メインCPU71は、遊技者に有利な大当り遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。
なお、通常遊技状態の第1始動口44への入賞による大当り確率は、第2始動口45への入賞による大当り確率よりも、大きくしてもあるいは小さくしてもよい。通常遊技状態の第1始動口44への入賞による大当り確率は、第2始動口45への入賞による大当り確率よりも、大きくしてもあるいは小さくしてもよい。
このように、S68の処理では、特別図柄ゲームの結果として大当り、ハズレのいずれかが決定される。この処理を終了した場合、S69に処理を移す。
S69において、メインCPU71は、S68の大当り判定処理において大当りに当選していないと判定された場合に、小当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、遊技状態フラグに関係なく小当りとなる判定値(小当り判定値)を規定した小当り判定テーブルを選択する。
そして、メインCPU71は、遊技球の入賞時に抽出され、第2特別図柄始動記憶領域(0)においてセットされた特別図柄始動記憶領域の当り判定用乱数値と、選択された小当り判定テーブルとを参照する。そして、メインCPU71は、当り判定用乱数値と小当り判定値が一致している場合、小当りであると判定する。
なお、小当りは、第2特別図柄のみでしか発生し得ないため、第2特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値に基づいてのみ小当り判定処理が行われるが、第1特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値に基づいて小当り判定処理を行うようにしてもよい。
このように、S69の処理では、特別図柄ゲームの結果として小当り、ハズレのいずれかが決定され、S68の大当り判定処理及びS69の小当り判定処理の双方において当選していない場合に、特別図柄ゲームの判定結果としてハズレが決定されることとなる。この処理を終了した場合、S70に処理を移す。
S70において、メインCPU71は、特別図柄決定処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、大当り判定の結果が大当り当選の場合、大当り図柄を決定し、小当り判定の結果が小当り当選の場合、小当り図柄を決定し、大当り及び小当りのいずれについてもハズレの場合、ハズレ図柄を決定する処理を行う。特別図柄決定処理については、図21を用いて後述する。この処理を終了した場合、S71に処理を移す。
S71において、メインCPU71は、特別図柄変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、S70の処理において決定された特別図柄と、S68,S69の処理において決定された大当り判定及び小当り判定の結果と、確変回数カウンタの値と、に基づいて、異なる変動パターンを決定するための変動パターン決定テーブルを選択する。そして、メインCPU71は、演出条件判定用乱数カウンタから抽出した演出条件判定用乱数値と選択した変動パターン決定テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM73の所定領域に記憶する。ここで、確変遊技状態、通常遊技状態では、それぞれ異なる変動パターン決定テーブルを有している。メインCPU71は、このような変動パターンが示すデータに基づいて、特別図柄表示装置61における特別図柄の変動表示態様を決定する。
このように記憶された変動パターンを示すデータは、特別図柄表示装置61に供給される。これによって、特別図柄表示装置61においては、特別図柄が決定した変動パターンで変動表示することとなる。また、このように記憶された変動パターンを示すデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU81に変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU81は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。この処理を終了した場合、S72に処理を移す。
S72において、メインCPU71は、特別図柄変動時間設定処理を行う。この処理において、メインCPU71は、決定した特別図柄の変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットし、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する。この処理を終了した場合、S73に処理を移す。
S73において、メインCPU71は、特別図柄演出開始コマンドをメインRAM73にセットする処理を行う。特別図柄演出開始コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU81に供給される。サブCPU81は、受信した特別図柄演出開始コマンドに基づいて演出を開始することとなる。この処理を終了した場合、S74に処理を移す。
S74において、メインCPU71は、今回の変動表示に用いられた記憶領域(0)の値をクリアする処理を実行する。この処理を終了した場合には、特別図柄記憶チェック処理ルーチンを終了する。
[特別図柄決定処理]
図21は、メインCPU71により実行される特別図柄決定処理を示すフローチャートである。この特別図柄決定処理は、以下のステップ単位に実行される。
図21に示すように、S90において、メインCPU71は、大当りであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU71は、大当りであると判定した場合には、S91に処理を移す。一方、メインCPU71は、大当りでないと判定した場合には、S96に処理を移す。
S91において、メインCPU71は、S90で判定した大当りの変動状態番号が第1特別図柄の変動であることを示す値(01H)であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU71は、変動状態番号が第1特別図柄の変動であることを示す値(01H)である場合にはS92に処理を移す。一方、メインCPU71は、変動状態番号が第1特別図柄の変動であることを示す値(01H)でない場合、すなわち、変動状態番号が第2特別図柄の変動であることを示す値(02H)の場合にはS94に処理を移す。
S92において、メインCPU71は、当り図柄決定用乱数値に基づいて、第1特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した当り図柄決定用乱数値と大当り判定テーブルに基づいて、第1特別図柄の大当り図柄のずれかを決定する処理を行う。この処理を終了した場合には、S93に処理を移す。
S93において、メインCPU71は、決定した第1特別図柄の大当り図柄のデータセット及び大当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU71は、大当り図柄のデータを、メインRAM73の所定領域にセットし、特別図柄表示装置61に供給する。特別図柄表示装置61は、第1特別図柄を変動表示させて、第1特別図柄の大当り図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU71は、第1特別図柄の大当り図柄のコマンドを、メインRAM73の所定領域にセットし、メインCPU71から副制御回路200のサブCPU81に特別図柄指定コマンドとして供給する。この副制御回路200の制御によって、識別図柄(装飾図柄)が大当り停止表示態様で液晶表示装置13の表示領域13aに導出表示されることとなる。この処理を終了した場合には、S99に処理を移す。
S94において、メインCPU71は、第2特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した当り図柄決定用乱数値と大当り判定テーブルに基づいて、第2特別図柄の大当り図柄のいずれかを決定する処理を行う。この処理を終了した場合には、S95に処理を移す。
S95において、メインCPU71は、決定した第2特別図柄の大当り図柄のデータセット及び大当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU71は、大当り図柄のデータを、メインRAM73の所定領域にセットし、第2特別図柄表示部54に供給する。第2特別図柄表示部54は、第2特別図柄を変動表示させて、第2特別図柄の大当り図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU71は、第2特別図柄の大当り図柄のコマンドを、メインRAM73の所定領域にセットし、メインCPU71から副制御回路200のサブCPU81に特別図柄指定コマンドとして供給する。この副制御回路200の制御によって、識別図柄(装飾図柄)が大当り停止表示態様で液晶表示装置13の表示領域13aに導出表示されることとなる。この処理を終了した場合には、S99に処理を移す。
S96において、メインCPU71は、小当り判定処理(図20のS69)で判定した結果が小当りの当選であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU71は、小当りの当選である場合にはS97に処理を移す。一方、メインCPU71は、小当りの当選でない場合にはS101に処理を移す。
S97において、メインCPU71は、第2特別図柄の小当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した当り図柄決定用乱数値と小当り判定テーブルに基づいて、第2特別図柄の小当り図柄を決定する処理を行う。この処理を終了した場合には、S98に処理を移す。
S98において、メインCPU71は、決定した第2特別図柄の小当り図柄のデータセット及び小当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU71は、小当り図柄のデータを、メインRAM73の所定領域にセットし、第2特別図柄表示部54に供給する。第2特別図柄表示部54は、第2特別図柄を変動表示させて、第2特別図柄の大当り図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU71は、第2特別図柄の小当り図柄のコマンドを、メインRAM73の所定領域にセットし、メインCPU71から副制御回路200のサブCPU81に特別図柄指定コマンドとして供給する。この副制御回路200の制御によって、識別図柄(装飾図柄)が小当り停止表示態様で液晶表示装置13の表示領域13aに導出表示されることとなる。この処理を終了した場合には、S99に処理を移す。
S99において、メインCPU71は、当り図柄に対応する当り開始インターバル表示時間データセット処理を行う。この処理において、メインCPU71は、大当り図柄又は小当り図柄に対応する当り開始インターバル表示時間データをメインRAM73にセットする処理を行う。この処理を終了した場合、S100に処理を移す。
S100において、メインCPU71は、大入賞口開放回数関連データセット処理を行う。この処理において、メインCPU71は、第1大入賞口53及び第2大入賞口54の開放回数に関する大入賞口開放回数関連データ、すなわち、第1特別図柄による当り図柄、あるいは第2特別図柄による当り図柄、若しくは小当り図柄に対応するデータをメインRAM73にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、この特別図柄決定処理ルーチンを終了する。
一方、S101において、メインCPU71は、S90において大当りでなく、S96において小当りでもない、すなわち、ハズレであると判断した場合には、ハズレ図柄のデータセット及びハズレ図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU71は、ハズレ図柄のデータを、メインRAM73の所定領域にセットし、特別図柄表示装置61に供給する。特別図柄表示装置61は、特別図柄を変動表示させて、特別図柄のハズレ図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU71は、ハズレ図柄のコマンドを、メインRAM73の所定領域にセットし、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU81に特別図柄指定コマンドとして供給する。この副制御回路200の制御によって、識別図柄(装飾図柄)がハズレ停止表示態様で液晶表示装置13の表示領域13aに導出表示されることとなる。この処理を終了した場合には、この特別図柄決定処理ルーチンを終了する。
[特別図柄変動時間管理処理]
図22は、メインCPU71により実行される特別図柄変動時間管理処理を示すフローチャートである。この特別図柄変動時間管理処理は、以下のステップ単位に実行される。
図22に示すように、S110において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であるか否かの判定を行う。メインCPU71は、特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であると判定した場合には、S111に処理を移す。一方、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理を示す値(01H)でないと判定した場合には、特別図柄変動時間管理処理ルーチンを終了する。
S111において、メインCPU71は、待ち時間タイマが「0」であるか否かの判定を行う。メインCPU71は、待ち時間タイマが「0」であると判定した場合には、S112に処理を移す。待ち時間タイマが「0」でないと判定した場合には、特別図柄変動時間管理処理ルーチンを終了する。
S112において、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理を示す値(02H)を特別図柄制御状態フラグにセット(記憶)する処理を行い、S113に処理を移す。
S113において、メインCPU71は、特別図柄演出停止コマンドをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU71は、特別図柄演出停止コマンドをメインRAM73にセット(記憶)する処理を行う。そして、特別図柄演出停止コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU81に図柄停止コマンドとして供給されることにより、副制御回路200が図柄停止を認識するようになる。この処理を終了した場合には、S114に処理を移す。
S114において、メインCPU71は、メインRAM73における待ち時間タイマとして機能する領域に、確定後待ち時間をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、特別図柄変動時間管理処理ルーチンを終了する。
[特別図柄表示時間管理処理]
図23は、メインCPU71により実行される特別図柄表示時間管理処理を示すフローチャートである。この特別図柄表示時間管理処理は、以下のステップ単位に実行される。
図23に示すように、S120において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)であると判定した場合には、S121に処理を移す。一方、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)でないと判定した場合には、特別図柄表示時間管理処理ルーチンを終了する。
S121において、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理に対応する待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判定する。メインCPU71は、待ち時間タイマの値が「0」である場合にはS122に処理を移す。一方、メインCPU71は、待ち時間タイマの値が「0」でない場合にはS124に処理を移す。
S122において、メインCPU71は、大当りであるか否かを判定する処理を行う。メインCPU71は、大当りであると判定した場合にはS123に処理を移す。一方、メインCPU71は、大当りでないと判定した場合には、特別図柄表示時間管理処理ルーチンを終了する。
S123において、メインCPU71は、遊技状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、メインCPU71は、遊技状態フラグに通常遊技状態(非確変・非時短)を示す値(00H)をセットする処理を実行する。この処理を終了した場合には、特別図柄表示時間管理処理ルーチンを終了する。
S124において、メインCPU71は、大当りであるか否かを判定する処理を行う。メインCPU71は、大当りであると判定した場合にはS131に処理を移す。一方、メインCPU71は、大当りでないと判定した場合には、S125に処理を移す。
S125において、メインCPU71は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタは、時短遊技状態における残りのゲーム回数(図柄変動回数)を計数するためのカウンタである。メインCPU71は、時短回数カウンタの値が「0」である場合にはS130に処理を移す。一方、メインCPU71は、時短回数カウンタの値が「0」でない場合には、S126に処理を移す。
S126において、メインCPU71は、時短回数カウンタの値を1減算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S127に処理を移す。
S127において、メインCPU71は、再び時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。メインCPU71は、時短回数カウンタの値が「0」である場合にはS128に処理を移す。一方、メインCPU71は、時短回数カウンタの値が「0」でない場合には、S130に処理を移す。
S128において、メインCPU71は、時短回数フラグをクリアにする処理を行う。この処理を終了した場合には、S129に処理を移す。
S129において、メインCPU71は、時短終了コマンドをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU71は、時短遊技状態の終了を示す時短終了コマンドをメインRAM73にセット(記憶)する処理を行う。そして、時短終了コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU81に遊技状態を示すコマンドとして供給されることにより、副制御回路200が時短遊技状態の終了を認識するようになる。この処理を終了した場合には、S130に処理を移す。なお、特に図示しないが、メインCPU71は、確変回数カウンタについても同様の処理を行い、確変回数カウンタの値が「0」である場合には確変回数フラグをクリアし、確変遊技状態の終了を示す確変終了コマンドをメインRAM73にセット(記憶)する処理を行うように構成されている。確変終了コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU81に遊技状態を示すコマンドとして供給されることにより、副制御回路200が確変遊技状態の終了を認識するようになる。
S130において、メインCPU71は、小当りであるか否かを判定する処理を行う。メインCPU71は、小当りであると判定した場合にはS131に処理を移す。一方、メインCPU71は、小当りでないと判定した場合にはS136に処理を移す。
S131において、メインCPU71は、当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)をメインRAM73の制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S132に処理を移す。
S132において、メインCPU71は、特別図柄に対応する当り開始インターバル時間としての待ち時間タイマの値を、メインRAM73にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S133に処理を移す。
S133において、メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタの値として、「FFH」をメインRAM73にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S134に処理を移す。ここで、大入賞口開放回数カウンタの値として「FFH」をセットすることは、「-1」をセットしたことに相当する。
S134において、メインCPU71は、特別図柄演出停止コマンドをメインRAM73にセットする処理を行う。この特別図柄演出停止コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU81に供給されることにより、副制御回路200が特別図柄演出停止を認識するようになる。この処理を終了した場合には、S135に処理を移す。
S135において、メインCPU71は、特別図柄に対応する大当り又は小当りの当り開始表示コマンドをセットする処理を行う。この処理において、当り開始表示コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU81に供給されることにより、副制御回路200が大当り遊技状態の開始又は小当り遊技状態の開始を認識するようになる。当り開始表示コマンドには、大当り遊技状態又は小当り遊技状態の開始を示すとともに、具体的な当り開閉パターンを示すデータが含まれている。当り開始表示コマンドに含まれる当り開閉パターンを示すデータにより、サブCPU81は、大当り遊技状態又は小当り遊技状態における演出パターンを決定する。この処理を終了した場合には、特別図柄表示時間管理処理ルーチンを終了する。
S136において、メインCPU71は、メインRAM73の制御状態フラグとして特別図柄ゲームの終了処理を示す値(07H)をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S137に処理を移す。
S136において、メインCPU71は、特別図柄演出停止コマンドをメインRAM73にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、特別図柄表示時間管理処理ルーチンを終了する。
[当り開始インターバル管理処理]
図24は、メインCPU71により実行される当り開始インターバル管理処理を示すフローチャートである。この当り開始インターバル管理処理は、以下のステップ単位に実行される。
図24に示すように、S140において、メインCPU71は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU71は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)であると判定した場合にはS141に処理を移す。一方、メインCPU71は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)でないと判定した場合には当り開始インターバル管理処理ルーチンを終了する。
S141において、メインCPU71は、当り開始インターバル時間としての待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判定する。メインCPU71は、待ち時間タイマの値が「0」であると判定した場合にはS142に処理を移す。一方、メインCPU71は、待ち時間タイマの値が「0」でないと判定した場合には当り開始インターバル管理処理ルーチンを終了する。
S142において、メインCPU71は、当り種別決定テーブル(図示略)を参照して当り開閉パターンを決定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に、大当り図柄又は小当り図柄の種類に応じた大入賞口開閉パターンを示す当り開閉パターンのデータをセット(記憶)する処理を行う。メインCPU71は、このS142において決定された大当り図柄又は小当り図柄に応じた当り開閉パターンに基づいてラウンド制御を行う。この処理を終了した場合には、S143に処理を移す。
S143において、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に、大入賞口開放回数カウンタ上限値をセット(記憶)する処理を行い、S144に処理を移す。
S144において、メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタに「1」を加算する処理を行い、S145に処理を移す。
S145において、メインCPU71は、大当り又は小当りの確定後待ち時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM73にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S146に処理を移す。
S146において、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に、大入賞口開放中表示コマンドをセット(記憶)する処理を行う。この場合の大入賞口開放中表示コマンドは、ラウンドゲームの開始を示すデータとなる。大入賞口開放中表示コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU81に供給される。この処理を終了した場合には、S147に処理を移す。
S147において、メインCPU71は、メインRAM73における制御状態フラグとして機能する所定領域に、大入賞口開放処理を示す値(04H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S148に処理を移す。
S148において、メインCPU71は、メインRAM73の大入賞口入賞カウンタの値をクリアする処理を行う。この処理を終了した場合には、S149に処理を移す。
S149において、メインCPU71は、大入賞口開放時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM73にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S150に処理を移す。
S150において、メインCPU71は、1R目のラウンド開閉パターンのデータをメインRAM73にセットする処理を行う。メインCPU71は、このS150においてセットされたラウンド開閉パターンに基づいてラウンド制御を行う。この処理を終了した場合には、S151に処理を移す。
S151において、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に大入賞口開放中データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU71は、第1大入賞口53又は第2大入賞口54を開放させるために、メインROM72から読み出されたデータに基づいて、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。このように記憶された変数は、第1大入賞口ソレノイド53b又は第2大入賞口ソレノイド54bを駆動して第1大入賞口53又は第2大入賞口54を開放状態とすることとなる。この処理を終了した場合には、当り開始インターバル管理処理ルーチンを終了する。
[大入賞口開放処理]
図25は、メインCPU71により実行される大入賞口開放処理を示すフローチャートである。この大入賞口開放処理は、以下のステップ単位に実行される。
図25に示すように、S160において、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(04H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(04H)であると判定した場合にはS161に処理を移す。一方、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(04H)でないと判定した場合には大入賞口開放処理ルーチンを終了する。
S161において、メインCPU71は、セットしたラウンド開閉パターンに応じた大入賞口開閉処理を実行する。この処理については、図26を用いて後述する。この処理を終了した場合には、S162に処理を移す。
S162において、メインCPU71は、大入賞口閉鎖データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU71は、大入賞口を閉鎖させるために、メインROM72から読み出されたデータに基づいて、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。このように記憶された変数は、第1大入賞口ソレノイド53b又は第2大入賞口ソレノイド54bを閉鎖状態とするものである。この処理を終了した場合には、S163に処理を移す。
S163において、メインCPU71は、小当りであるか否かを判定する処理を行う。メインCPU71は、小当りであると判定した場合にはS168に処理を移す。一方、メインCPU71は、小当りでないと判定した場合にはS164に処理を移す。
S164において、メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数(ラウンド数)の上限値以上であるか否かの判定を行う。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73に記憶されている大入賞口開放回数カウンタの値と大入賞口開放回数(ラウンド数)の上限値とを比較して、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の上限値以上であるか否かを判定する。ここで、大入賞口開放回数の上限値とは、例えば16Rとなる。メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタの値が入賞口開放回数の上限値以上であると判定した場合にはS168に処理を移す。一方、メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の上限値以上でないと判定した場合にはS165に処理を移す。
S165において、メインCPU71は、大入賞口開放パターンテーブル(図示略)とインターバル時間テーブル(図示略)とを参照し、該当するラウンド間のインターバルパターンに応じた閉鎖時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM73にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S166に処理を移す。
S166において、メインCPU71は、メインRAM73における制御状態フラグとして機能する所定領域に、大入賞口開放前待ち時問管理処理を示す値(05H)をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S167に処理を移す。
S167において、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に、ラウンド間表示コマンドをセットする処理を行う。ラウンド間表示コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU81に供給される。この処理を終了した場合には、大入賞口開放処理ルーチンを終了する。
一方、S168において、メインCPU71は、当り終了インターバル表示時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM73にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S169に処理を移す。
S169において、メインCPU71は、メインRAM73における制御状態フラグとして機能する所定領域に、当り終了インターバル処理を示す値(06H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S170に処理を移す。
S170において、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に、特別図柄当りインターバル終了表示コマンドをセットする処理を行う。特別図柄当りインターバル終了表示コマンドは、大当り遊技状態又は小当り遊技状態の終了を示すコマンドとして、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU81に供給される。この処理を終了した場合には、大入賞口開放処理ルーチンを終了する。
[大入賞開閉処理]
図26は、メインCPU71により実行される大入賞開閉処理を示すフローチャートである。この大入賞開閉処理は、以下のステップ単位に実行される。
図26に示すように、S180において、メインCPU71は、大入賞口開閉パターンテーブル(図示略)を参照し、現在実行すべきラウンド開閉パターンを取得する処理を行う。この処理を終了した場合には、S181に処理を移す。
S181において、メインCPU71は、制御順序カウンタ及び繰り返し計数カウンタをセットする処理を行う。制御順序カウンタは、ラウンド開閉パターンに含まれる基本開閉パターンの制御順序を特定するためのカウンタである。繰り返し計数カウンタは、基本開閉パターンを繰り返し実行する回数を計数するためのカウンタである。ラウンド開閉パターンにおいては、基本開閉パターンごとに制御順序や繰り返し回数が規定されており、これらの制御順序のうち最終の順序を示す数値が制御順序カウンタの初期値として規定されている。この処理を終了した場合には、S182に処理を移す。
S182において、メインCPU71は、最初の制御順序の基本開閉パターンと繰り返し回数をメインRAM73にセットする処理を行う。繰り返し回数は、繰り返し計数カウンタにセットされる。この処理を終了した場合には、S183に処理を移す。
S183において、メインCPU71は、ラウンド開閉パターンに規定された基本開閉パターンに基づき大入賞口について開閉させる制御を行う。この処理を終了した場合には、S184に処理を移す。
S184において、メインCPU71は、大入賞口入賞カウンタの値が10以上であるか否かの判定を行う。メインCPU71は、大入賞口入賞カウンタの値が10以上である場合には、大入賞開閉処理ルーチンを終了する。一方、メインCPU71は、大入賞口入賞カウンタの値が10以上でない(10未満である)場合には、S185に処理を移す。
S185において、メインCPU71は、今回のラウンドに係る開閉制御を終了するか否かの判定を行う。メインCPU71は、今回のラウンドに係る開閉制御を終了する場合、S186に処理を移す。一方、メインCPU71は、今回のラウンドに係る開閉制御を終了しない場合、S183に処理を移す。
S186において、メインCPU71は、繰り返し計数カウンタの値を1減算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S187に処理を移す。
S187において、メインCPU71は、繰り返し計数カウンタの値が0であるか否かの判定を行う。メインCPU71は、繰り返し計数カウンタの値が0である場合には、S188に処理を移す。一方、メインCPU71は、繰り返し計数カウンタの値が0でない場合には、S183に処理を移す。
S188において、メインCPU71は、制御順序カウンタの値を1減算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S189に処理を移す。
S189において、メインCPU71は、制御順序カウンタの値が0であるか否かの判定を行う。メインCPU71は、制御順序カウンタの値が0である場合には、大入賞開閉処理ルーチンを終了する。一方、メインCPU71は、制御順序カウンタの値が0でない場合には、S190に処理を移す。
S190において、メインCPU71は、制御順序カウンタの値に基づいて該当する制御順序の基本開閉パターンと繰り返し回数をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、大入賞開閉処理ルーチンを終了する。
[大入賞口開放前待ち時問管理処理]
図27は、メインCPU71により実行される大入賞口開放前待ち時問管理処理を示すフローチャートである。この大入賞口開放前待ち時問管理処理は、以下のステップ単位に実行される。
図27に示すように、S200において、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口開放前待ち時問管理処理を示す値(05H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口開放前待ち時問管理処理を示す値(05H)であると判定した場合にはS201に処理を移す。一方、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口開放前待ち時問管理処理を示す値(05H)でないと判定した場合には大入賞口開放前待ち時問管理処理ルーチンを終了する。
S201において、メインCPU71は、ラウンド間インターバルに対応するインターバル時間タイマの値が「0」であるか否かを判定する。メインCPU71は、インターバル時間タイマの値が「0」であると判定した場合にはS202に処理を移す。一方、メインCPU71は、インターバル時間タイマの値が「0」でないと判定した場合には大入賞口開放前待ち時問管理処理ルーチンを終了する。
S202において、メインCPU71は、メインRAM73の大入賞口開放回数カウンタの値に「1」を加算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S203に処理を移す。
S203において、メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタの値と大入賞口開閉パターンテーブル(図示略)とに基づいて、該当するラウンド開閉パターンのデータをメインRAM73にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S204に処理を移す。
S204において、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に、大入賞口開放中表示コマンドデータをセット(記憶)する処理を行う。この場合の大入賞口開放中表示コマンドデータは、ラウンドゲームの開始を示すデータとなる。大入賞口開放中表示コマンドデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU81に大入賞口開放中表示コマンドとして供給される。この処理を終了した場合には、S205に処理を移す。
S205において、メインCPU71は、メインRAM73における制御状態フラグとして機能する所定領域に、大入賞口開放処理を示す値(04H)をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S206に処理を移す。
S206において、メインCPU71は、大当りであるか否かを判定する処理を行う。メインCPU71は、大当りであると判定した場合にはS207に処理を移す。一方、メインCPU71は、大当りでないと判定した場合には、S208に処理を移す。
S207において、メインCPU71は、メインRAM73の大入賞口入賞カウンタの値をクリアする処理を行う。この処理を終了した場合には、S208に処理を移す。
S208において、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に大入賞口開放中データをセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、大入賞口開放前待ち時問管理処理ルーチンを終了する。
[当り終了インターバル処理]
図28は、メインCPU71により実行される当り終了インターバル処理を示すフローチャートである。この当り終了インターバル処理は、以下のステップ単位に実行される。
図28に示すように、S210において、メインCPU71は、メインRAM73の制御状態フラグが当り終了インターバル処理を示す値(06H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU71は、制御状態フラグが当り終了インターバル処理を示す値(06H)であると判定した場合には、S211に処理を移す。一方、メインCPU71は、制御状態フラグが当り終了インターバル処理を示す値(06H)でないと判定した場合には、当り終了インターバル処理ルーチンを終了する。
S211において、メインCPU71は、当り終了インターバル表示時間としての待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU71は、待ち時間タイマの値が「0」であると判定した場合にはS212に処理を移す。一方、メインCPU71は、待ち時間タイマの値が「0」でないと判定した場合には、当り終了インターバル処理ルーチンを終了する。
S212において、メインCPU71は、メインRAM73の特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)を特別図柄制御状態フラグにセットする。この処理を終了した場合には、S213に処理を移す。
S213において、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に、大当り図柄又は小当り図柄及び遊技状態に応じた駆動制御データをセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、当り終了インターバル処理ルーチンを終了する。
[特別図柄ゲーム終了処理]
図29は、メインCPU71により実行される特別図柄ゲーム終了処理を示すフローチャートである。この特別図柄ゲーム終了処理は、以下のステップ単位に実行される。
図29に示すように、S220において、メインCPU71は、メインRAM73の制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)であるか否かを判定する処理を行う。メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)であると判定した場合には、S221に処理を移す。一方、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)でないと判定した場合には、この特別図柄ゲーム終了処理ルーチンを終了する。
S221において、メインCPU71は、制御状態フラグとして特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をメインRAM73にセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、S221に処理を移す。
S222において、メインCPU71は、特別図柄当り終了コマンドをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU71は、特別図柄ゲームの終了を示す特別図柄当り終了コマンドをメインRAM73にセット(記憶)する処理を行う。そして、特別図柄当り終了コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU81に供給されることにより、副制御回路200が特別図柄ゲームの終了を認識するようになる。この処理を終了した場合には、特別図柄ゲーム終了処理ルーチンを終了する。
[メインCPUによるシステムタイマ割込処理]
図30は、メインCPU71により実行されるシステムタイマ割込処理を示すフローチャートである。このシステムタイマ割込処理は、以下のステップ単位に実行される。なお、メインCPU71は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。このシステムタイマ割込処理は、クロック発生回路74から所定の周期(例えば、2ms)毎に発生されるクロックパルスに応じて実行される。
図30に示すように、S230において、メインCPU71は、レジスタ退避処理を行う。この処理を終了した場合、S231に処理を移す。
S231において、メインCPU71は、メインRAM73に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値を1加算する処理を行う。なお、システムタイマ監視タイマは、所定の処理(特別図柄制御処理等)をシステムタイマ割込処理の所定回数(3回)の起動を条件として実行させるための監視タイマである。この処理を終了した場合、S232に処理を移す。
S232において、メインCPU71は、ウォッチドッグ出力データにクリアデータをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU71は、ウォッチドッグ出力データにクリアデータをセットするとともに、ウォッチドッグ出力データに基づく制御信号を初期リセット回路75に送信する。初期リセット回路75は、受信した制御信号に基づいてコンデンサの電圧を開放する。なお、初期リセット回路75に設けられるウォッチドッグタイマがクリアされてから初期リセット回路75に接続されたコンデンサの容量で決定される所定時間(例えば、3100ms)が経過すると、初期リセット回路75からメインCPU71へとシステムリセット信号が出力される。メインCPU71は、この初期リセット回路75からシステムリセット信号が入力されると、システムリセット状態となる。この処理を終了した場合、S233に処理を移す。
S233において、メインCPU71は、乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU71は、乱数を更新する処理を行う。例えば、メインCPU71は、当り判定用乱数カウンタ、当り図柄決定用乱数カウンタ、普通図柄判定用乱数カウンタ、演出条件判定用乱数カウンタなどの乱数を更新する。なお、当り判定用乱数カウンタ、当り図柄決定用乱数カウンタは、カウンタ値の更新タイミングが不定であると、公正さに欠けるものとなってしまうため、これを担保するために2ms毎の決まったタイミングで更新を行うようにしている。この処理を終了した場合、S234に処理を移す。
S234において、メインCPU71は、スイッチ入力処理を行う。この処理において、メインCPU71は、各入賞領域などに対応する各センサが、入賞を検出したか否かを判定する。メインCPU71は、例えば入賞を検出した場合には、入賞があったと判定した入賞領域に対応するbitを「1(ON)」にする。このスイッチ入力処理については、図31を用いて後述する。この処理を終了した場合には、S235に処理を移す。
S235において、メインCPU71は、不正検出処理を行う。この処理において、メインCPU71は、例えば図示しない振動検知センサからの振動検知信号に基づいて不正動作を検出する処理を行う。この処理を終了した場合、S236に処理を移す。
S236において、メインCPU71は、レジスタ復帰処理を行う。この処理において、メインCPU71は、割込処理前のアドレスにレジスタを復帰させる処理を行う。この処理を終了した場合には、システムタイマ割込処理ルーチンを終了する。
[スイッチ入力処理]
図31は、メインCPU71により実行されるスイッチ入力処理を示すフローチャートである。このスイッチ入力処理は、以下のステップ単位に実行される。
図31に示すように、S240において、メインCPU71は、賞球関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU71は、一般入賞球センサ51a,52a、第1始動口入賞球センサ44a、第2始動口入賞球センサ45aの入力があったか否かを判定する処理を行う。一般入賞球センサ51a,52aの入力があったと判定した場合には、一般入賞球カウンタの値に1加算する処理を行い、第1始動口入賞球センサ44a又は第2始動口入賞球センサ45aの入力があったと判定した場合には、それぞれに対応する始動口入賞カウンタの値に1加算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S241に処理を移す。
S241において、メインCPU71は、特別図柄関連スイッチチェック処理を行う。この特別図柄関連スイッチチェック処理については、図32を用いて後述する。この処理を終了した場合には、S242に処理を移す。
S242において、メインCPU71は、普通図柄関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU71は、通過球センサ43aの入力があったか否か、言い換えれば遊技球を検知したか否かを判定し、入力があったと判定した場合には、保留個数が上限(例えば、4個)である否かを判定し、上限であると判定した場合には、この処理を終了する。上限でないと判定した場合には、普通図柄ゲームの当り判定用乱数カウンタから当り判定用乱数値を抽出し、さらに当り図柄決定用乱数カウンタから当り図柄決定用乱数値を抽出し、メインRAM73の普通図柄記憶領域に格納する処理を行う。この処理を終了した場合には、S243に処理を移す。
S243において、メインCPU71は、異常関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU71は、例えばガラスドア4の図示しない開閉スイッチといった異常関連スイッチからの信号に異常があったか否かを判定する。例えばガラスドア4の開閉スイッチからの信号に基づいてガラスドア4が開放されていることが検知された場合には、異常を報知するための処理を行い、異常が検知されない場合には、S244に処理を移す。
S244において、メインCPU71は、発射関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU71は、例えば発射装置15のタッチセンサからの信号に基づいて発射動作を制御するための処理を行う。この処理を終了した場合には、スイッチ入力処理ルーチンを終了する。
[特別図柄関連スイッチチェック処理]
図32は、メインCPU71により実行される特別図柄関連スイッチチェック処理を示すフローチャートである。この特別図柄関連スイッチチェック処理は、以下のステップ単位に実行される。
図32に示すように、S250において、メインCPU71は、第1始動口44への遊技球の入賞が検出されたか否かを、第1始動口入賞球センサ44aからの検出信号に基づいて判定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、第1始動口入賞球センサ44aからの検出信号に対応する第1始動口入賞検出カウンタのbitが「1(ON)」であるか否かを判定し、第1始動口入賞検出カウンタのbitが「1(ON)」である場合には、S251に処理を移し、第1始動口入賞検出カウンタのbitが「1(ON)」でない場合には、S257に処理を移す。
S251において、メインCPU71は、第1特別図柄の始動記憶の個数が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、第1特別図柄の始動記憶の個数、すなわち保留数が4以上であるか否かを判定する。保留数が4以上であると判定した場合には、特別図柄関連スイッチチェック処理ルーチンを終了し、保留数が4以上でないと判定した場合には、S252に処理を移す。
S252において、メインCPU71は、第1特別図柄の始動記憶の個数に「1」を加算する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73に記憶されている第1特別図柄の保留数の値に「1」を加算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S253に処理を移す。
S253において、メインCPU71は、各種乱数値取得処理を行う。この処理において、メインCPU71は、いわゆる特別図柄抽選により当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの当り判定用乱数値を抽出し、さらに、当り図柄決定用乱数カウンタから当り図柄決定用乱数値を抽出し、演出条件判定用乱数カウンタから演出条件判定用乱数値を抽出して、メインRAM73の第1特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。
本実施形態において、第1特別図柄始動記憶領域は、第1特別図柄始動記憶領域(0)~第1特別図柄始動記憶領域(4)まであり、第1特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果が、第1特別図柄によって導出表示され、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中に第1始動口44に遊技球が入賞したことによって取得した各種の乱数値は、第1特別図柄始動記憶領域(1)~第1特別図柄始動記憶領域(4)に順次記憶される。この処理を終了した場合、S254に処理を移す。
S254において、メインCPU71は、第1特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に第1特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理を終了した場合、S255に処理を移す。
S255において、メインCPU71は、入賞演出判定処理を行う。この処理において、メインCPU71は、乱数抽選に基づいて入賞演出を行うか否かを判定する。この処理を終了した場合、S256に処理を移す。
S256において、メインCPU71は、始動入賞コマンドをメインRAM73の所定領域にセットする。この始動入賞コマンドには、当り判定用乱数を示す情報及び当り図柄決定用乱数を示す情報が含まれている。始動入賞コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU81に供給されることにより、副制御回路200が、遊技球の入賞があったことや当り抽選結果の当否を認識するようになる。始動入賞コマンドのデータには、S255の処理において入賞演出すると判定した場合に、入賞演出、例えば演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させるデータが含まれている。これにより、変動実行前の始動記憶に基づいて演出を実行するといった、いわゆる「先読演出」が可能となる。この処理を終了した場合、特別図柄関連スイッチチェック処理ルーチンを終了する。
S257において、メインCPU71は、第2始動口45への遊技球の入賞が検出されたか否かを、第2始動口入賞球センサ45aからの検出信号に基づいて判定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、第2始動口入賞球センサ45aからの検出信号に対応する第2始動口入賞検出カウンタのbitが「1(ON)」であるか否かを判定し、第2始動口入賞検出カウンタのbitが「1(ON)」である場合には、S258に処理を移し、第2始動口入賞検出カウンタのbitが「1(ON)」でない場合には、特別図柄関連スイッチチェック処理ルーチンを終了する。
S258において、メインCPU71は、第2特別図柄の始動記憶の個数が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、第2特別図柄の始動記憶の個数、すなわち保留数が4以上であるか否かを判定する。保留数が4以上であると判定した場合には、この特別図柄関連スイッチチェック処理ルーチンを終了し、保留数が4以上でないと判定した場合には、S259に処理を移す。
S259において、メインCPU71は、第2特別図柄の始動記憶の個数に「1」を加算する処理を行う。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73に記憶されている第2特別図柄の保留数の値に「1」を加算する処理を行う。この処理を終了した場合には、S260に処理を移す。
S260において、メインCPU71は、各種乱数値取得処理を行う。この処理において、メインCPU71は、いわゆる特別図柄抽選により当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの当り判定用乱数値を抽出し、さらに、当り図柄決定用乱数カウンタから当り図柄決定用乱数値を抽出し、演出条件判定用乱数カウンタから演出条件判定用乱数値を抽出して、メインRAM73の第2特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。
本実施形態において、第2特別図柄始動記憶領域は、第2特別図柄始動記憶領域(0)~第2特別図柄始動記憶領域(4)まであり、第2特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果が、第2特別図柄によって導出表示され、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中に第2始動口45に遊技球が入賞したことによって取得した各種の乱数値は、第2特別図柄始動記憶領域(1)~第2特別図柄始動記憶領域(4)に順次記憶される。この処理を終了した場合、S261に処理を移す。
S261において、メインCPU71は、第2特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73の所定領域に第2特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理を終了した場合、S262に処理を移す。
S262において、メインCPU71は、入賞演出判定処理を行う。この処理において、メインCPU71は、乱数抽選に基づいて入賞演出を行うか否かを判定する。この処理を終了した場合、S263に処理を移す。
S263において、メインCPU71は、始動入賞コマンドをメインRAM73の所定領域にセットする。始動入賞コマンドは、先述した通りである。この処理を終了した場合、特別図柄関連スイッチチェック処理ルーチンを終了する。
[遊技情報データ生成処理]
図33は、メインCPU71により実行される遊技情報データ生成処理を示すフローチャートである。この遊技情報データ生成処理は、以下のステップ単位に実行される。
図33に示すように、S300において、メインCPU71は、セキュリティ信号出力フラグがオンであるか否かを判定する。メインCPU71は、セキュリティ信号出力フラグがオンであると判定した場合には、S301に処理を移し、セキュリティ信号出力フラグがオンでないと判定した場合には、S304に処理を移す。
S301において、メインCPU71は、セキュリティ信号出力フラグをオフにセットする処理を行う。この処理において、メインCPU71は、オンになっているセキュリティ信号出力フラグをオフにする。この処理を終了した場合、メインCPU71は、S302に処理を移す。
S302において、メインCPU71は、セキュリティ信号出力タイマに最低出力期間をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU71は、セキュリティ信号の出力時間である最低出力期間60sをセキュリティ信号出力タイマにセットする。なお、セキュリティ信号出力タイマにセットされる時間は、60s以外の任意の時間に変更可能である。この処理を終了した場合、メインCPU71は、S303に処理を移す。
S303において、メインCPU71は、セキュリティ信号出力データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU71は、セキュリティ信号を生成するとともに、セットする処理を行う。この処理を終了した場合、メインCPU71は、S306に処理を移す。
S304において、メインCPU71は、セキュリティ信号出力タイマの値が0であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU71は、セキュリティ信号出力タイマの値が0であるか否かを判定し、セキュリティ信号出力タイマの値が0であると判定した場合には、S305に処理を移し、セキュリティ信号出力タイマの値が0でないと判定した場合には、S310に処理を移す。
S305において、メインCPU71は、セキュリティ信号出力データをクリアする処理を行う。この処理において、メインCPU71は、セキュリティ信号出力データをクリアする。この処理を終了した場合、メインCPU71は、S306に処理を移す。
S306において、メインCPU71は、サブ不正信号出力フラグがオンであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU71は、サブ不正信号出力フラグがオンであるか否かを判定し、サブ不正信号出力フラグがオンであると判定した場合には、S307に処理を移し、サブ不正信号出力フラグがオンでないと判定した場合には、S310に処理を移す。
S307において、メインCPU71は、サブ不正信号出力フラグをオフにセットする処理を行う。この処理において、メインCPU71は、オンになっているサブ不正信号出力フラグをオフにする。この処理を終了した場合、メインCPU71は、S308に処理を移す。
S308において、メインCPU71は、サブ不正信号出力タイマに最低出力期間をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU71は、不正動作を示すコマンドの送信時間である最低送信期間30sをサブ不正信号出力タイマにセットする。なお、サブ不正信号出力タイマにセットされる時間は、30s以外の任意の時間に変更可能である。この処理を終了した場合、メインCPU71は、S309に処理を移す。
S309において、メインCPU71は、サブ不正信号を出力データとしてセットする処理を行う。この処理において、メインCPU71は、サブ不正信号として不正動作を示すコマンドを生成するとともに、当該コマンドを送信コマンドとしてセットする処理を行う。この処理を終了した場合、メインCPU71は、遊技情報データ生成処理ルーチンを終了する。
S310において、メインCPU71は、サブ不正信号出力タイマの値が0であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU71は、サブ不正信号出力タイマの値が0であるか否かを判定し、サブ不正信号出力タイマの値が0であると判定した場合には、S311に処理を移し、サブ不正信号出力タイマの値が0でないと判定した場合には、遊技情報データ生成処理ルーチンを終了する。
S311において、メインCPU71は、サブ不正信号出力データをクリアする処理を行う。この処理において、メインCPU71は、サブ不正信号出力データとして不正動作を示す送信コマンドをクリアする。この処理を終了した場合、メインCPU71は、遊技情報データ生成処理ルーチンを終了する。
このような処理により、メインCPU71は、セキュリティ信号出力タイマの値が0でない限り、セキュリティ信号出力データをセットし、サブ不正信号出力タイマの値が0でない限り、サブ不正信号出力データとして不正動作を示す送信コマンドをセットするよう構成されている。これにより、メインCPU71は、セキュリティ信号出力タイマの値が0になるまで、継続してセキュリティ信号を外部出力するとともに、サブ不正信号出力タイマの値が0になるまで、継続して不正動作を示す送信コマンドをサブCPU81に対して送信する。
[ポート出力処理]
図34は、メインCPU71により実行されるポート出力処理を示すフローチャートである。このポート出力処理は、以下のステップ単位に実行される。
図34に示すように、S320において、メインCPU71は、セキュリティ信号出力データがセットされているか否かを判定する。この処理において、メインCPU71は、セキュリティ信号出力データがセットされていると判定した場合には、S321に処理を移し、セキュリティ信号出力データがセットされていないと判定した場合には、S322に処理に移す。
S321において、メインCPU71は、セキュリティ信号出力処理を行う。この処理において、メインCPU71は、セットされたセキュリティ信号出力データを外部出力する処理を行う。この処理を終了した場合、メインCPU71は、S322に処理に移す。
S322において、メインCPU71は、サブ不正信号出力データがセットされているか否かを判定する。この処理において、メインCPU71は、サブ不正信号出力データとして不正動作を示す送信コマンドがセットされていると判定した場合には、S323に処理を移し、サブ不正信号出力データとして不正動作を示す送信コマンドがセットされていないと判定した場合には、ポート出力処理ルーチンを終了する。
S323において、メインCPU71は、サブ不正信号出力処理を行う。この処理において、メインCPU71は、セットされたサブ不正信号として不正動作を示す送信コマンドを送信する処理を行う。この処理を終了した場合、メインCPU71は、ポート出力処理ルーチンを終了する。
[サブCPUによる処理]
次に、図35~39を用いて、サブCPU81により実行される処理について以下に説明をする。副制御回路200のサブCPU81は、主制御回路70からの各種コマンドを受信して、役物制御処理などの様々な処理を行う。
[副制御回路メイン処理]
図35は、サブCPU81により実行される副制御回路メイン処理を示すフローチャートである。この副制御回路メイン処理は、以下のステップ単位に実行される。
図35に示すように、S330において、サブCPU81は、電源投入に応じて初期化する処理を行う。この処理を終了した場合には、S331に処理を移す。
S331において、サブCPU81は、ウォッチドッグカウンタをクリアする処理を行う。この処理を終了した場合には、S332に処理を移す。
S332において、サブCPU81は、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU81は、主制御回路70から受信してワークRAM83の受信バッファに格納されたコマンドを解析する処理を行う。この処理を終了した場合には、S333に処理を移す。
S333において、サブCPU81は、演出選択処理を行う。この処理において、サブCPU81は、主制御回路70から受信したコマンドに基づいて演出の種別や内容を選択する処理を行う。この演出選択処理については、図38を用いて後述する。この処理を終了した場合には、S334に処理を移す。
S334において、サブCPU81は、受信したコマンド分の処理を完了したか否かを判定する。この処理において、受信したコマンド分の処理を完了したと判定した場合、サブCPU81は、S335に処理を移す。受信したコマンド分の処理を完了していないと判定した場合、サブCPU81は、S332に処理を戻す。
S335において、サブCPU81は、描画制御処理を行う。この処理において、サブCPU81は、液晶表示装置13の表示領域13aにおいて描画表示を行うための描画リクエストを表示制御回路86に送信する。VDPを含む表示制御回路86は、サブCPU81からの描画リクエストに基づいて、識別図柄のデータ、背景画像データ、演出用画像データなど、各種の画像データを画像データROMから読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置13の表示領域13aに表示させる。この処理を終了した場合、サブCPU81は、S336に処理を移す。
S336において、サブCPU81は、プロジェクタ制御処理を行う。この処理において、サブCPU81は、プロジェクタ装置本体B2に映像を含む照射光を出射させるための描画リクエストをプロジェクタ制御回路90に送信する。DLP制御回路232を含むプロジェクタ制御回路90は、サブCPU81からの描画リクエストに基づいて、各種の映像データを投影映像用のROMから読み出し、遊技盤12の前面に映像を投影するように照射光を出射させる。この処理を終了した場合、サブCPU81は、S337に処理を移す。
S337において、サブCPU81は、音声制御処理を行う。この処理において、サブCPU81は、音声制御回路87を介してスピーカ11から発生させる音を制御する音声制御処理を実行する。この処理を終了した場合、サブCPU81は、S338に処理を移す。
S338において、サブCPU81は、ランプ制御処理を行う。この処理において、サブCPU81は、ランプ制御回路88を介して装飾部材66A,66B,66Cやリール役物67、可動役物68等に含まれるランプ・LED群18の発光(点灯・点滅)を制御するランプ制御処理を実行する。この処理を終了した場合、サブCPU81は、S339に処理を移す。
S339において、サブCPU81は、役物制御処理を行う。この処理において、サブCPU81は、演出動作制御回路89を介してリール役物67や可動役物68の動作を制御する役物動作制御処理を実行する。この処理を終了した場合、サブCPU81は、それ以降、S332~S339の処理を繰り返し行う。
一方、サブCPU81は、副制御回路メイン処理を実行している状態であっても、この副制御回路メイン処理を中断させ、後述するタイマ割込処理やコマンド割込処理を実行する場合がある。以下、図36を用いてタイマ割込処理、図37を用いてコマンド割込処理について説明する。
[タイマ割込処理]
図36は、サブCPU81により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込処理は、以下のステップ単位に実行される。
図36に示すように、S340において、サブCPU81は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU81は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理を終了した場合には、S341に処理を移す。
S341において、サブCPU81は、各種のタイマ更新処理を行う。この処理を終了した場合には、S342に処理を移す。
S342において、サブCPU81は、ボタンスイッチ入力検出処理を行う。この処理において、サブCPU81は、演出ボタン23等による操作入力の有無を検出する処理を行う。この処理を終了した場合には、S343に処理を移す。
S343において、サブCPU81は、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU81は、S340で退避したプログラムを各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理を終了した場合には、タイマ割込処理ルーチンを終了する。
[コマンド割込処理]
図37は、サブCPU81により実行されるコマンド割込処理を示すフローチャートである。このコマンド割込処理は、以下のステップ単位に実行される。
図37に示すように、S350において、サブCPU81は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU81は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムを退避させる処理を行う。この処理を終了した場合には、S351に処理を移す。
S351において、サブCPU81は、受信したコマンドを受信バッファに格納する処理を行う。この処理において、サブCPU81は、メインCPU71から送信されて受信したコマンドをワークRAM83の受信バッファ領域へ格納する処理を行う。例えば、サブCPU81は、主制御回路70から送信された各種のコマンドを受信する。この処理において、格納されたコマンドは、図35のS332に示すコマンド解析処理にて解析される。この処理を終了した場合には、S352に処理を移す。
S352において、サブCPU81は、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU81は、S350で退避したプログラムを各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理を終了した場合には、コマンド割込処理ルーチンを終了する。
[演出選択処理]
図38は、サブCPU81により実行される演出選択処理を示すフローチャートである。この演出選択処理は、以下のステップ単位に実行される。
図38に示すように、S360において、サブCPU81は、演出決定処理を行う。この処理において、サブCPU81は、主制御回路70から受信したコマンドに基づいて図示しない演出選択テーブルを参照し、当該演出選択テーブルの規定内容に基づき実行すべき演出の種別を決定する。この処理を終了した場合には、S361に処理を移す。
S361において、サブCPU81は、演出抑制処理を行う。この演出抑制処理については、図39を用いて後述する。この処理を終了した場合には、演出選択処理ルーチンを終了する。
[演出抑制処理]
図39は、サブCPU81により実行される演出抑制処理を示すフローチャートである。この演出抑制処理は、以下のステップ単位に実行される。
図39に示すように、S370において、サブCPU81は、先の演出決定処理により決定された演出に基づきプロジェクタ装置本体B2から投影される映像の一例として、雷投影映像を選択したか否かを判定する。雷投影映像は、図40(C)あるいは図41(B)に示すように、可動役物68の動作に連動して装飾部68Aや表示領域13aの一部に投影される雷を模した映像である。雷投影映像を選択した場合、サブCPU81は、S371に処理を移す。雷投影映像を選択しなかった場合、サブCPU81は、演出抑制処理ルーチンを終了する。
S371において、サブCPU81は、液晶表示装置13の表示演出としてプレミア系の表示演出を選択したか否かを判定する。プレミア系の表示演出とは、大当り等を示唆する表示領域12a上に表示される液晶画像の演出として、実行頻度が少ない反面、実行された場合に大当り等の期待度が高まるものを意味する。プレミア系の表示演出を選択した場合、サブCPU81は、S372に処理を移す。プレミア系の表示演出を選択しなかった場合、サブCPU81は、S373に処理を移す。
S372において、サブCPU81は、雷投影映像の投影を中止するためのデータをワークRAM83の所定領域にセットする。このデータに基づき、サブCPU81は、プレミア系の表示演出を実行する場合には雷投影映像を投影しないようにプロジェクタ装置本体B2を制御する。この処理を終了すると、サブCPU81は、演出抑制処理ルーチンを終了する。
S373において、サブCPU81は、液晶表示装置13の表示領域13aを雷投影映像に適した一様な黒色とするための制御データをワークRAM83の所定領域にセットする。このデータに基づき、サブCPU81は、雷投影映像を投影する際には表示領域13aを一様な黒色とするように液晶表示装置13を制御する。なお、表示領域13aを一様な黒色とするには、全体が黒色の液晶画像を表示領域13a全域にわたって表示するようにしてもよいし、液晶表示装置13を電源オフとして駆動停止させ、表示領域13aをいわゆるノーマリーブラックモードとして黒色となるようにしてもよい。この処理を終了すると、サブCPU81は、S374に処理を移す。
S374において、サブCPU81は、可動役物68の演出動作を選択したか否かを判定する。可動役物68の演出動作では、待機位置から表示領域13aと重なる動作位置へと装飾部68Aが移動する。可動役物68の演出動作を選択した場合、サブCPU81は、S375に処理を移す。可動役物68の演出動作を選択しなかた場合、サブCPU81は、演出抑制処理ルーチンを終了する。
S375において、サブCPU81は、装飾部68AにおけるLED681の輝度を通常より低下させるためのデータをワークRAM83の所定領域にセットする。このデータに基づき、サブCPU81は、雷投影映像を投影し、かつ、装飾部68Aを表示領域13aと重なる動作位置へと移動させる際には、雷投影映像を投影しない通常時よりも装飾部68AのLED681の輝度を所定量低減させる。この処理を終了すると、サブCPU81は、演出抑制処理ルーチンを終了する。
[演出動作例]
図40~45は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の演出動作の例を示している。これらの図を参照して以下に演出動作について説明する。
図40(A)~(C)は、可動役物68と液晶画像と投影映像とを用いた演出動作を示している。なお、図40(A)~(C)は、上部装飾ユニット40を取り外した状態を示しており、上部装飾ユニット40を取り付けられた状態で、例えば図40(A)の待機状態では、可動役物68が上部装飾ユニット40によって実際には視認し得ない。また、図40(C)は、投影映像を投影する際の不適切な例を示している。
まず、図40(A)に示すように、可動役物68が待機位置にあるとき、装飾部68Aが表示領域13aと重なることなく、表示領域13aにおいては、液晶画像が表示される。
次に、図40(B)に示すように、可動役物68が待機位置から出現位置まで移動すると、装飾部68Aが表示領域13aの一部と重なった状態となる。このような状態において、装飾部68AのLED681は、所定の輝度で発光あるいは点滅(これらをまとめて「発光演出」という)させられる。これにより、遊技者は、装飾部68Aの動きとともに発光演出681Aに興味を抱き、視覚的な演出効果が高まることとなる。
そして、図40(C)に示すように、同図において図示しないプロジェクタ装置本体B2からの照射光により、例えば雷投影映像500が装飾部68Aを中心としてその周辺となる遊技領域12aの一部や表示領域13aの一部にまで投影される。すなわち、雷投影映像500の主要部510は、装飾部68Aに形成されるものの、雷投影映像500のその余の一部520は、遊技領域12aの一部に形成されるとともに、雷投影映像500のその余の他部530は、表示領域13aの一部に形成される。このような雷投影映像500は、表示領域13aの図示しないキャラクタ等の液晶画像に重なって見える場合もある。
このとき、LED681による発光演出681Aが先述した所定の輝度であると、装飾部68Aに形成された雷投影映像500の主要部510の光と発光演出681Aの光と混ざり合うことにより、雷投影映像500が白くぼやけたように視認され易くなる。また、雷投影映像500の他部530は、表示領域13aの図示しない液晶画像と重なることにより、これによっても雷投影映像500の色調が崩れてぼやけたように視認され易くなる。その結果、雷投影映像500の発色が低調となり、雷投影映像500が不鮮明になってしまう。雷投影映像500が不鮮明になる理由は、雷投影映像500がRGB各色の光を合成して形成されるものであり、この雷投影映像500の光と発光演出681Aの光や液晶画像の光とが混ざり合って加法混色により特定色の明度が強められるためと考えられる。このような映像の不鮮明さを生じないようにすべく、本実施形態においては、以下に説明する手段を講じている。
図41(A)は、装飾部68Aを中心としてその周辺まで雷投影映像500を投影した状態を示し、図41(B)は、図41(A)の状態において装飾部68Aと雷投影映像500とを略した状態を示している。
図41(A)に示すように、雷投影映像500は、図40(C)と同様に、主要部510が装飾部68Aに形成され、その余の一部520が遊技領域12aの一部に形成され、その余の他部530が表示領域13aの一部に形成される。
このとき、装飾部68AのLED681は、発光あるいは点滅が停止させられることにより、発光演出が一旦中止させられる。また、図41(B)に示すように、表示領域13aにおいては、雷投影映像500と重なる領域から雷投影映像500の他部530が形成される領域にわたり、例えば黒色あるいはグレースケールによる灰色の一様な表示色の液晶画像300が形成される。このような表示色の液晶画像300は、プロジェクションマッピング映像に適した色調を呈する。
すなわち、図41(A)及び(B)に示す状態においては、雷投影映像500の光と発光演出の光と混ざり合うことなく、雷投影映像500が白くぼやけたように視認されることはない。また、雷投影映像500の他部530は、液晶画像300と重なるものの、液晶画像300自体が暗い光かあるいは全く光を発しないため、雷投影映像500の色調が崩れることはない。すなわち、雷投影映像500の光と発光演出の光や液晶画像300の光とが混ざり合うことなく、あるいは混ざり合っても弱く、これにより、特定色の明度が強められることはない。したがって、表示領域13aと重なる可動役物68の装飾部68Aに雷投影映像500を投影しても、雷投影映像500全体に不鮮明さを生じることなく、鮮明な映像を映し出すことができる。
なお、可動役物68の装飾部68Aに雷投影映像500を投影する際には、発光演出681Aの光が雷投影映像500の鮮明さに影響を与えない程度であれば、装飾部68AのLED681を所定の輝度より低減した輝度で発光あるいは点滅させるようにしてもよい。また、表示領域13aは、その領域全体が黒色あるいはグレースケールによる灰色となるような液晶画像300を表示するようにしてもよい。さらに、表示領域13aは、液晶表示装置13を電源オフとして駆動停止させることにより、ノーマリーブラックモードとして黒色となるようにしてもよい。
図42(A)~(C)は、可動役物68と液晶画像と投影映像とを用いた演出動作を示している。液晶画像としては、盾を模した盾液晶画像310や煌めきを示すような星模様320が表示領域13aに表示される。投影映像としては、ヒビ割れを示すようなヒビ投影映像540,550が投影される。
まず、図42(A)に示すように、表示領域13aに盾液晶画像310が表示されている際に、装飾部68Aが待機位置から出現位置まで移動すると、装飾部68Aが表示領域13aの盾液晶画像310の一部と重なった状態となる。このような状態において、装飾部68AのLED681は、先述したように発光あるいは点滅が停止させられ、あるいは輝度を低減させられる。このとき、装飾部68Aには、ヒビ投影映像540が投影されることがある。このような装飾部68Aのヒビ投影映像540は、遊技者にとって不利な遊技状態を示唆する演出として出現する。
一方、図42(B)に示すように、その後、装飾部68Aは、盾液晶画像310の一部と重なりつつもヒビ投影映像540が消去される。このとき、装飾部68Aと重なることで遊技者の正面からは見えない表示領域13aの一部には、星模様320が表示される。星模様320は、液晶画像であり、正面に位置する遊技者から見えないものの、装飾部68Aの側方に回り込んでこの装飾部68Aと表示領域13aとの隙間から覗き込むことにより、視認可能とされる。このような星模様320は、不利な遊技状態を示唆するヒビ投影映像540の出現後に覗き込みさえすれば視認可能とされ、遊技者にとって不利と思われた遊技状態が実は有利な遊技状態であることを示唆するいわゆる逆転演出として出現する。
その後、図42(C)に示すように、表示領域13aにおいては、盾液晶画像310と重なるようにヒビ投影映像550が投影される。このとき、表示領域13aでは、ヒビ投影映像550が投影される領域(盾液晶画像310の一部)が、鮮明な映像を映し出すことができるように、例えば黒色あるいはグレースケールによる灰色の一様な表示色の領域として部分的に形成される。このような盾液晶画像310上に形成されるヒビ投影映像550は、遊技者にとって有利な遊技状態を示唆する演出として出現する。なお、表示領域13aには、盾液晶画像310に代えて盾を模した投影映像を投影するようにしてもよい。また、星模様320やヒビ投影映像550が出現すれば全て有利な遊技状態であるというわけではなく、出現しても不利な遊技状態としていわゆるガセ演出であるようにしてもよい。
図43(A)~(C)は、可動役物68と液晶画像と投影映像とを用いた演出動作を示している。液晶画像としては、盾を模した盾液晶画像310やヒビ割れを示すようなヒビ模様330が表示領域13aに表示される。投影映像としては、火花が飛び散るような模様を示す火花投影映像560が投影される。図42(A)~(C)は、剣(可動役物68の装飾部68A)と盾(盾液晶画像310)とがぶつかり合ってどちらかにヒビ割れが生じることで遊技状態の有利・不利を示唆するような演出を示している。
図43(A)に示すように、表示領域13aに盾液晶画像310が表示されている状態から、図43(B)に示すように、装飾部68Aが待機位置から出現位置まで移動する。この際、装飾部68Aは、何度も繰り返し往復移動するようにしてもよい。そうした場合、剣と盾とがぶつかり合う様を好適に表現することができる。そして、装飾部68Aが盾液晶画像310の一部と重なる際、装飾部68Aの近傍で遊技者の正面から見える表示領域13aの一部には、盾液晶画像310と重なるように火花投影映像560が投影される。このとき、表示領域13aでは、火花投影映像560が投影される領域(盾液晶画像310の一部)が、鮮明な映像を映し出すことができるように、例えば黒色あるいはグレースケールによる灰色の一様な表示色の領域として部分的に形成されることが望ましい。このような盾液晶画像310上に形成される火花投影映像560は、剣と盾とがぶつかり合う様を好適に表現している。なお、このような場合の表示領域13aにおいても、盾液晶画像310に代えて盾を模した投影映像を投影するようにしてもよい。
その後、図43(C)に示すように、表示領域13aにおいては、装飾部68Aが盾液晶画像310と重なった状態で可動役物68が静止した状態となる。このとき、装飾部68Aと重なることで遊技者の正面からは見えない表示領域13aの一部には、ヒビ模様330が表示される。ヒビ模様330は、液晶画像であり、正面に位置する遊技者から見えないものの、装飾部68Aの側方に回り込んでこの装飾部68Aと表示領域13aとの隙間から覗き込むことにより、視認可能とされる。その後、可動役物68が静止してから所定時間が経過すると、装飾部68Aは、特に図示しないが待機位置へと戻る。その結果、遊技者は、装飾部68Aに遮られることなく正面から直接ヒビ模様330を視認することができる。このようなヒビ模様330は、可動役物68の静止後に覗き込みさえすれば視認可能とされ、また、その静止後から所定時間が経過すれば直接視認可能とされ、遊技者にとって有利な遊技状態であることを示唆する演出として出現する。
図44(A)及び(B)は、リール役物67と投影映像とを用いた演出動作を示している。投影映像としては、リール役物67の識別図柄として青7(671A)や赤7(671B)あるいはブランク671Cを視認不能あるいは視認困難とするような保護色投影映像570が投影される。また、投影映像としては、ハズレ投影映像571が投影される。なお、図44(B)は、青7(671A)かブランク671Cかを最終的に報知するまで判別困難とするような演出を示している。
図44(A)に示すように、リール役物67は、識別図柄の変動表示や停止表示を行う際に、開口12bに対して投影映像が投影されていない場合、内部のLED677が所定の輝度で発光あるいは点滅させられる。リール役物67のシート部材671には、例えば白無地の下地を背景として、青7(671A)、ブランク671C、赤7(671B)が所定間隔おきに形成されている。青7(671A)は、一様な青色で印刷あるいは塗布された描画領域である。赤7(671B)は、一様な赤色で印刷あるいは塗布された描画領域である。ブランク671Cは、印刷や塗布された領域がなく下地による一様な白色又は灰色の背景領域である。例えば、リール体670(図9、図10参照)が遊技者側から見て上から下に移動するように回転する場合、識別図柄は、赤7(671B)→ブランク671C→青7(671A)→赤7(671B)→…の順に変動表示される。リール体670の回転が停止した状態では、図44(A)の右列に示すように、例えば当り(大当り、小当り)を示唆する場合、開口12bの位置に青7(671A)あるいは赤7(671B)が停止表示される。その一方、ハズレを示唆する場合、開口12bの位置にブランク671Cが停止表示される。
図44(B)の上段に示すように、リール体670が回転することで識別図柄が変動表示すると、開口12bの位置においては、青7(671A)、ブランク671C、赤7(671B)が順に高速移動し、その速度に応じてこれらの色が同化したような色が見て取れる。
そして、当りを示唆する場合、図44(B)の左列に示すように、リール体670の回転が停止し、開口12bの位置に例えば青7(671A)が停止表示される。このとき、図示しないプロジェクタ装置本体B2からは、青7(671A)と同一又は同系統色の青色からなる保護色投影映像570が、少なくとも開口12b全体に広がるように投影される。保護色投影映像570は、青7(671A)と同一又は同系統色の青色からなるため、青7(671A)を色覚的に判別困難とする。すなわち、保護色投影映像570には、開口12bの位置に停止表示された青7(671A)が溶け込んだ様子となり、この時点において、遊技者は、青7(671A)が停止表示されているのか、ブランク671Cが停止表示されているのかを視覚的に判別することが不可能あるいは困難となる。
その後、リール体670が回転停止してから所定時間が経過すると、プロジェクタ装置本体B2からの保護色投影映像570の投影が停止され、その結果、開口12bの位置には、停止表示された青7(671A)が直接視認可能となる。
その一方、ハズレを示唆する場合、図44(B)の右列に示すように、リール体670の回転が停止すると、開口12bの位置にブランク671Cが停止表示される。このとき、図示しないプロジェクタ装置本体B2からは、上記と同様に例えば青7(671A)と同一又は同系統色の青色からなる保護色投影映像570が、少なくとも開口12b全体に広がるように投影される。保護色投影映像570は、ブランク671Cで反射して一様な青色に見えるため、青7(671A)が停止表示されているのかどうか色覚的に判別困難となる。すなわち、この時点においても、遊技者は、青7(671A)が停止表示されているのか、ブランク671Cが停止表示されているのかを視覚的に判別することが不可能あるいは困難となる。
その後、リール体670が回転停止してから所定時間が経過すると、プロジェクタ装置本体B2からの保護色投影映像570の投影が停止され、それに代わって開口12b全体には、ブランク671Cを下地としてハズレを示す白7のハズレ投影映像571が投影される。ハズレ投影映像571は、白7部分が白抜き映像571Aにより形成され、その周辺の背景が保護色投影映像570と同じ青色の背景映像571Bにより形成される。すなわち、ハズレを示唆する場合、開口12bの位置には、ブランク671Cよりもハズレを印象付けるようにハズレ投影映像571が投影される。
このような識別図柄の色に応じて投影される保護色投影映像570やハズレ投影映像571により、遊技者は、青7(671A)あるいはブランク671Cのいずれか一方が最終的に直接視認可能となるまで、大当りに対する期待度を持続することができ、演出効果が高められる。なお、当りを示唆する場合であって赤7(671B)が停止表示された場合、当該赤7(671B)と同一又は同系統色の赤色からなる保護色投影映像570が投影されることとなる。また、これら青色や赤色以外の一様な所定の色調からなる保護色投影映像570を投影し、青7(671A)か赤7(671B)のいずれかが停止表示されていることを視認可能としつつも、そのうちのどちらか区別できないように保護色投影映像570に青7(671A)及び赤7(671B)を溶け込ませるようにしてもよい。もちろん、青色や赤色以外の識別図柄を設け、それらに応じた色調の保護色投影映像570を投影するようにしてもよい。
図45は、リール役物67と投影映像とを用いた演出動作を示している。投影映像としては、保護色投影映像570のほか、例えば青7(671A)と同一色で同一図柄模様の青7投影映像572が投影される。図45は、リール役物67がいわゆる擬似連のように所定回数(図45では一例として擬似連4回)にわたり識別図柄の変動表示及び停止表示を繰り返し行うような演出を示している。
図45に示すように、擬似連1回目が開始されると、リール役物67は、識別図柄の変動表示を開始し、その後、所定の識別図柄(同図においては一例としてブランク671C)を停止表示させると、擬似連1回目が終了する。このとき、開口12b全体には、ブランク671Cを下地として青7を模した青7投影映像572が投影される。このような青7投影映像572は、擬似連そのものを印象付けることとなる。その後、同様に、擬似連2回目及び擬似連3回目の動作が繰り返し行われる。
最終的に、例えば擬似連4回目で当り又はハズレを示唆する演出が行われるとすると、擬似連4回目の開始により、リール役物67は、識別図柄の変動表示を開始する。その後、当りを示唆する場合、リール体670の回転が停止し、開口12bの位置に例えば青7(671A)が停止表示される。このとき、図示しないプロジェクタ装置本体B2からは、青7(671A)と同一又は同系統色の青色からなる保護色投影映像570が、少なくとも開口12b全体に広がるように投影される。これにより、保護色投影映像570には、開口12bの位置に停止表示された青7(671A)が溶け込んだ様子となり、この時点において、遊技者は、青7(671A)が停止表示されているのか、ブランク671Cが停止表示されているのかを視覚的に判別することが不可能あるいは困難となる。
また、特に図示しないが、ハズレを示唆する場合、リール体670の回転が停止すると、開口12bの位置にブランク671Cが停止表示される。このとき、図示しないプロジェクタ装置本体B2からは、上記と同様に例えば青7(671A)と同一又は同系統色の青色からなる保護色投影映像570が、少なくとも開口12b全体に広がるように投影される。これにより、遊技者は、青7(671A)が停止表示されているのか、ブランク671Cが停止表示されているのかを視覚的に判別することが不可能あるいは困難となる。
そして、当りの場合にリール体670が回転停止してから所定時間が経過すると、プロジェクタ装置本体B2からの保護色投影映像570の投影が停止され、その結果、開口12bの位置には、停止表示された青7(671A)が直接視認可能となる。一方、ハズレの場合にリール体670が回転停止してから所定時間が経過すると、プロジェクタ装置本体B2からの保護色投影映像570の投影が停止され、その結果、ブランク671Cが直接視認可能となる。このとき、先述した図44(B)に示すように、開口12bの位置にハズレ投影映像571を投影するようにしてもよい。
このような擬似連の演出動作によれば、擬似連の最終回において、青7(671A)あるいはブランク671Cのいずれか一方が最終的に直接視認可能となるまで、大当りに対する期待度を持続することができ、演出効果が高められる。なお、当りを示唆する場合であって赤7(671B)が停止表示された場合、当該赤7(671B)と同一又は同系統色の赤色からなる保護色投影映像570が投影されることとなる。また、これら青色や赤色以外の一様な所定の色調からなる保護色投影映像570を投影し、青7(671A)か赤7(671B)のいずれかが停止表示されていることを視認可能としつつも、そのうちのどちらか区別できないように保護色投影映像570に青7(671A)及び赤7(671B)を溶け込ませるようにしてもよい。もちろん、青色や赤色以外の識別図柄を設け、それらに応じた色調の保護色投影映像570を投影するようにしてもよい。また、図45に示す演出動作は、擬似連に限らず、例えばミニゲームの演出動作としても適用することができる。
[変形例及び他の実施形態]
次に、図46~65を参照して、第1実施形態に係る遊技機の変形例及び他の実施形態に係る遊技機について説明する。なお、先述した第1実施形態によるものと同一又は類似の構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
[遊技盤の変形例]
図46及び図47は、遊技盤12の変形例を示している。同図に示す遊技盤12は、リール役物67のほか、表示領域13aの中央上方に例えば機種名等のロゴタイプを立体的に示す装飾ロゴ部材69が設けられている。また、リール役物67の識別図柄を表示するための開口12bは、表示領域13aの右側上方に設けられており、開口12bの周りには、立体的なデザインが施された装飾カバー12cが設けられている。図示しないプロジェクタユニットは、装飾ロゴ部材69や開口12bを含む装飾カバー12cに対して映像を投影可能である。
[投影演出動作の例]
図48(A)~(F)は、リール役物67と投影映像とを用いた演出動作の例を示し、図49は、装飾ロゴ部材69まで映像を投影する演出動作の例を示している。
図48(A)に示すように、リール役物67のリール体670(同図において図示略)が回転することで識別図柄が変動表示すると、開口12bの位置においては、青7(671A)、ブランク671C、赤7(671B)が順に高速移動し、その速度に応じてこれらの色が同化したような色が見て取れる。
このような識別図柄の高速移動によって形成される色は、元の青色や赤色をはっきりと示すものではなく、回転混色によって青色や赤色とは異なる色に見える。そして、リール体670の回転速度が早くなるほど、開口12bにおいては、回転混色によりシート部材671が一様な色調に見える。開口12bを通じて一様な色調に見えるシート部材671には、図48(B)に示すように、識別図柄とは別のキャラクタ等を示すキャラ投影映像580が投影される。このようなキャラ投影映像580を鮮明にするには、回転混色によって形成される色が黒色あるいはグレースケールによる灰色が好ましいが、その他色彩のある色であってもよい。
その後、図48(C)に示すように、開口12bには、キャラ投影映像580が投影される一方、開口12b全体含めて装飾カバー12cには、キャラ投影映像580の背景を示すような背景投影映像581が投影される。
そして、所定時間が経過すると、図48(D)に示すように、開口12bには、キャラ投影映像580に代わって識別図柄を模した図柄投影映像582が投影される。
こうして開口12bに図柄投影映像582が投影されると、図48(E)及び(F)に示すように、図柄投影映像582は、次第に大きくなり、装飾カバー12cと重なる位置まで拡大するように投影される。なお、投影映像は、遊技球の流下領域を避けて周囲の装飾部材等にのみ投影するように構成してもよい。この場合、遊技球の動きが視認困難になることや、ランダムに転動する遊技球に映像が反射して遊技者が肱しく感じてしまうことを防止できる。
このような演出動作によれば、リール役物67による識別図柄の変動表示中に開口12bに対してキャラ投影映像580や背景投影映像581、さらには図柄投影映像582が投影されると、その変動表示中か停止表示中かを分かり難くすることができ、視覚的に多彩な演出を行うことができる。
また、開口12bよりも大きく装飾カバー12cまで広がるように背景投影映像581や図柄投影映像582を投影することができるので、より一層多彩な演出を行うことができる。
また、図49に示すように、リール役物67による識別図柄の変動表示中には、開口12bや装飾カバー12cの位置に投影されていたキャラ投影映像580や背景投影映像581が、装飾ロゴ部材69の位置へと投影位置を移動し、装飾ロゴ部材69に見当たった大きさに拡大するように投影される場合もある。
このような演出動作によれば、キャラ投影映像580について、開口12bや装飾カバー12cの位置から装飾ロゴ部材69の位置へとあたかも移動したかのように感じさせることができるので、斬新で目を引くような演出を実現することができる。
[リーチ演出動作の例]
図50は、表示領域13aと投影映像とを用いたいわゆるリーチ演出動作の一例を示している。同図に示すリーチ演出動作では、表示領域13aにおいて横一列に同一の図柄液晶画像345~348が順次上から下へと移動するように変動表示される。なお、図柄液晶画像345~348の符号の末尾数字は、当該図柄液晶画像345~348が識別図柄として示す数字に対応している。
まず、図50(A)に示すように、表示領域13aにおいては、例えば数字の「5」及び「6」に対応する図柄液晶画像345,346が上から下へと順に移動するように変動表示しているとする。このとき、表示領域13aの下方周辺の領域には、図柄液晶画像345より先順となって移動するように数字の「4」に対応する図柄投影映像594が投影される。また、表示領域13aの上方周辺の領域には、図柄液晶画像346より後順となって移動するように数字の「7」に対応する図柄投影映像597が投影される。なお、図柄投影映像594,597の符号の末尾数字は、当該図柄投影映像594,597が識別図柄として示す数字に対応している。以下において、その他の図柄投影映像の符号についても同様である。
次に、図50(B)に示すように、表示領域13aにおいては、識別図柄の数字が1つずれた状態となり、数字の「6」及び「7」に対応する図柄液晶画像346,347が上から下へと順に移動するように変動表示される。このとき、表示領域13aの下方周辺の領域には、図柄液晶画像346より先順となって移動するように数字の「5」に対応する図柄投影映像595が投影される。また、表示領域13aの上方周辺の領域には、図柄液晶画像347より後順となって移動するように数字の「8」に対応する図柄投影映像598が投影される。
さらに、図50(C)に示すように、表示領域13aにおいては、識別図柄の数字が1つずれた状態となり、数字の「7」及び「8」に対応する図柄液晶画像347,348が上から下へと順に移動するように変動表示される。このとき、表示領域13aの下方周辺の領域には、図柄液晶画像347より先順となって移動するように数字の「6」に対応する図柄投影映像596が投影される。一方、表示領域13aの上方周辺の領域には、先述した識別図柄の順番に従えば数字の「9」に対応する図柄投影映像が投影されるべきところ、その順番に反して数字の「7」に対応する図柄投影映像597が投影される。このような通常の順番とは異なる図柄投影映像597が投影されると、大当りの期待度が高まる変則的な演出となり、遊技の興趣が高められる。
続いて、図50(D)に示すように、表示領域13aの下部には、数字の「8」に対応する図柄液晶画像348が上から下へと移動するように変動表示される一方、表示領域13aの上部には、先の図柄投影映像597が下方に移動したかのように数字の「7」に対応する図柄液晶画像347が変動表示される。このとき、表示領域13aの下方周辺の領域には、図柄液晶画像348より先順となって移動するように数字の「7」に対応する図柄投影映像597が投影される。一方、表示領域13aの上方周辺の領域には、変則的な演出が継続されることにより、数字の「7」に対応する図柄投影映像597が投影される。
そして次に、図50(E)に示すように、表示領域13aの下部には、数字の「7」に対応する図柄液晶画像347が変動表示され、表示領域13aの上部には、先の図柄投影映像597が下方に移動したかのように数字の「7」に対応する図柄液晶画像347が変動表示される。このとき、表示領域13aの下方周辺の領域には、図柄液晶画像347より先順となって移動するように数字の「8」に対応する図柄投影映像598が投影される。一方、表示領域13aの上方周辺の領域には、変則的な演出が継続されることにより、数字の「7」に対応する図柄投影映像597が投影される。すなわち、この状態では、図柄投影映像598のみが異なる数字「8」を示しており、2つの図柄液晶画像347と1つの図柄投影映像597が同一の数字「7」を示し、これにより、遊技者に対しては、大当りの期待度がさらに高まるような演出と感じさせることができる。
最終的に、図50(F)に示すように、表示領域13aの下部には、数字の「7」に対応する図柄液晶画像347が停止表示され、表示領域13aの上部においても、数字の「7」に対応する図柄液晶画像347が停止表示される。また、表示領域13aの下方周辺の領域には、同じく数字の「7」に対応する図柄投影映像597が投影され、表示領域13aの上方周辺の領域にも、数字の「7」に対応する図柄投影映像597が投影される。すなわち、この状態では、2つの図柄液晶画像347と2つの図柄投影映像597全てが揃って同一の数字「7」が示される。これにより、遊技者は、例えば大当りが確定した旨を液晶画像と投影映像とを組み合わせた識別図柄の表示態様によって楽しむことができる。
図51に一例として示すように、図47に示す遊技盤12において、図50に示すようなリーチ演出動作を行う場合、表示領域13a外に投影される数字の「2」や「3」に対応する図柄投影映像592,593は、その照射光が遊技球に当って乱反射等により視認性を阻害しないように、遊技領域12a内の遊技球の転動領域にかかる部分に図柄投影映像592,593を形成しないように部分的に欠けた映像として投影される。
[可動役物の変形例]
図52及び図53は、可動役物の変形例を示している。
図53に示すように、可動役物の装飾部68Aにおいては、ベース部材680の端部近傍とカバー部材684の端部近傍との間に、外方へと向かうLED681の光を遮るための遮光壁689が設けられている。これにより、図52に示すように、遊技者側から見て、カバー部材684の周縁部は、非発光領域684bとして視認され、LED681が発光あるいは点滅していても、周縁部の非発光領域684bのみに投影映像を投影することで鮮明な投影映像を映し出すことができる。
図54は、可動役物の他の変形例を示している。
図54に示すカバー部材684は、その中央部に非透過部材685を設けず、中央部が部分的に非透過素材により非発光領域684b’として形成されている。これによっても、遊技者側から見て、カバー部材684の中央部は、非発光領域684b’として視認され、LED681が発光あるいは点滅していても、中央部の非発光領域684b’のみに投影映像を投影することで鮮明な投影映像を映し出すことができる。
図55は、可動役物の他の変形例を示している。なお、プロジェクタ装置本体B2は、固定されている必要はなく、遊技状況などに応じて所定の駆動機構により照射位置や照射角度を変更できるように構成してもよい。
図55に示す可動役物の装飾部68A’は、略円形に形成されたカバー部材684’と、図外の駆動部とカバー部材684’とを連結するとともにベース部材を兼ねるアーム部材680’とを有する。このような装飾部68A’も、遊技状態の有利・不利を示唆する演出として待機位置から出現位置まで移動し、表示領域13aの一部と重なった状態となる。
このとき、表示領域13aにおいてカバー部材684’の下方を占める中央部の領域には、例えばグレースケールによる灰色の背景液晶画像350が形成され、この背景液晶画像350と重なるようにキャラクタの体部分を現したキャラ体投影映像600が投影される。そして、カバー部材684’には、キャラクタの顔部分を現したキャラ顔投影映像610が投影される。また、特に図示ないが、表示領域13aのその他の領域には、キャラクタに関連する液晶画像が表示される。これによれば、表示領域13aの一部の領域に投影されたキャラ体投影映像600と、カバー部材684’に投影されたキャラ顔投影映像610と合わせてキャラクタの全体を表現することができ、さらに液晶画像とも組み合わせることで多彩な演出を行うことができる。なお、背景液晶画像350やキャラ体投影映像600が表示される領域には、これらに代えてキャラクタの体部分を現した液晶画像を表示するようにしてもよい。
[他の実施形態]
図56~57は、第2~第3実施形態に係る遊技機を示している。
図56に示すように、第2実施形態の遊技機1においては、プロジェクタユニットBにミラー部材を設けず、プロジェクタ装置本体B2から遊技盤12の前面に向けて直接映像の照射光を照射するように構成されている。このような第2実施形態の遊技機1によっても、先述した第1実施形態によるものやその変形例によるものと同様の効果を得ることができる。
図57に示すように、第3実施形態の遊技機1においては、第2実施形態と同様に直接照射タイプのプロジェクタユニットBを採用し、さらに、液晶表示装置に代えていわゆる前面液晶装置13’を採用している。また、可動役物68は、上部装飾ユニット40の背面側にあって、遊技盤12の前面上部に取り付けられた状態で遊技盤12と前面液晶装置13’との間に位置する。
前面液晶装置13’は、一対のエッジライト13Aと、導光板13Bと、前面液晶パネル13Cとを備え、保護ガラス28と遊技盤12との間に配置される。前面液晶装置13’は、エッジライト13Aからの光を導光板13Bを介して前面液晶パネル13Cの背面に照射し、前面液晶パネル13Cの液晶駆動を制御することにより前面全体に液晶画像を表示する。また、前面液晶装置13’は、前面液晶パネル13Cの液晶駆動を適宜制御することにより、所定の透過率で前面液晶パネル13Cから導光板13Bを通って背面へと、あるいは導光板13Bから前面液晶パネル13Cを通って前面へと光を透過させる。すなわち、プロジェクタ装置本体B2からの照射光や外光は、前面液晶パネル13C及び導光板13Bを通って遊技領域12aや装飾部68Aまで達し、そこで反射した光は、導光板13B及び前面液晶パネル13Cを通って遊技者に感知される。
可動役物68の装飾部68Aは、待機状態(非動作状態)において上部装飾ユニット40で隠れるように位置し、出現状態(図57に示す状態)では、前面液晶装置13’の前面液晶パネル13Cや導光板13Bを透過して見える状態となる。また、遊技者は、装飾部68Aに映し出された投影映像を前面液晶パネル13C及び導光板13Bを通して視認することができる。このような第3実施形態の遊技機1によっても、先述した第1実施形態や第2実施形態によるもの、その変形例によるものと同様の効果を得ることができる。
なお、プロジェクタユニットBは、保護ガラス28を介さずに、直接前面液晶パネル13Cや導光板13Bを通って遊技領域12aや装飾部68Aに照射光を照射するようにしてもよい。また、第3実施形態に係る遊技機においても、第1実施形態と同様にミラー部材B3を設けた反射タイプのプロジェクタユニットBを採用するようにしてもよい。
[他の実施形態による演出動作の例]
図58及び図59は、図57の第3実施形態による前面液晶装置13’と投影映像とを用いた投影演出動作の例を示している。
可動役物68は、待機状態(非動作状態)において遊技者側から見て隠れるように全体が図示しない上部装飾ユニット40の背面側に位置し(図58(A)参照)、出現状態においては、装飾部68Aが前面液晶パネル13Cの前面側において表示領域13aの一部と重なる位置へと移動する(図58(B)参照)。これにより、可動役物68は、前面液晶パネル13Cに表示された演出画像と被るように所定の演出動作を行う。なお、図58(A)の待機状態では、可動役物68が上部装飾ユニット40によって実際には視認し得ない。つまり、このような可動役物68も、第1実施形態によるものと同様の演出動作を行い、図58(A)に示すように、装飾部68Aが待機位置において上部装飾ユニット40の背面側に隠れた状態で概ね水平姿勢に保たれる。その一方、図58(B)に示すように、装飾部68Aは、出現位置においてその一部が前面液晶パネル13Cより前側に位置し、遊技領域12aと重なった状態で傾斜姿勢をなすように出現する。このような可動役物68の出現動作によっても演出効果を向上させることができる。
図59(A)及び(B)は、可動役物68と前面液晶パネル13Cの液晶画像と投影映像とを用いた演出動作を示している。投影映像としては、所定のキャラクタを示すキャラ投影映像620が投影される。液晶画像としては、特に図示しないが、キャラ投影映像620と重なる前面液晶パネル13Cの一部の領域が背景色に適した黒色あるいはグレースケールによる灰色の背景色画像が表示される。なお、図59(A)は、投影映像を投影する際の不適切な例を示している。
図59(A)に示すように、前面液晶パネル13Cの前面と可動役物68の装飾部68Aとに合わせてキャラ投影映像620を投影しているとき、図示しないLED681による発光演出681Aが行われると、先述した光の加法混色によって装飾部68Aに形成されるべきキャラ投影映像620の一部が消えたり、あるいはぼやけたように視認され易くなる。その結果、キャラ投影映像620の前方側に装飾部68Aが重なっているだけのように見えることとなり、物理的に動作する可動役物68に対してキャラ投影映像620などのプロジェクションマッピング映像を映し出しても、迫力のある演出を実現することができない。
そのため、図59(B)に示すように、キャラ投影映像620を投影する際には、図示しないLED681による発光演出を行わないようにすることが好ましい。そうすると、同図に示すように、前面液晶パネル13Cの前面から可動役物68の装飾部68Aにかけてキャラ投影映像620を部分的に欠くことなく前方側に浮き出たように形成することができる。これにより、装飾部68Aがキャラ投影映像620を貫くように視認させることができるので、物理的に動作する可動役物68に合わせてキャラ投影映像620などのプロジェクションマッピング映像を適切に映し出すことがででき、迫力のある仮想現実的な演出を実現することができる。
図60及び図61は、図57の第3実施形態による可動役物68と前面液晶装置13’と投影映像とを用いた投影演出動作の例を示している。投影映像としては、宝箱の閉じた状態を示す箱投影映像630や開いた状態を示す箱投影映像630’、装飾部68Aと同じ剣を模したような剣投影映像640、煌めきを示す星模様投影映像650が投影される。液晶画像としては、箱投影映像630’の内側に投影画像を形成するのに適した黒色や灰色の背景を形成するための背景液晶画像360や、箱投影映像630’の内側に光が透過する部分を形成するための透過液晶画像370、煌めきを示す星模様液晶画像380が表示される。なお、箱投影映像630,630’や剣投影映像640は、液晶画像として表示するようにしてもよい。
まず、図60(A)に示すように、装飾部68Aは、待機状態(非動作状態)において、前面液晶パネル13Cの背面側にあって、遊技者側から見て隠れるように全体が図示しない上部装飾ユニット40の背面側に位置する。このとき、前面液晶パネル13Cの前面において、装飾部68A近傍の一部領域には、箱投影映像630が投影される。この箱投影映像630が投影される前面液晶パネル13Cの一部領域は、黒色や灰色の背景をなすように制御される。
次に、図60(B)に示すように、箱投影映像630に対応する前面液晶パネル13Cの一部領域には、箱投影映像630に代わって箱投影映像630’が投影される。このとき、箱投影映像630’の内側は、背景液晶画像360が表示されることにより、その背景液晶画像360の背面側に装飾部68Aが移動してきたとしても背景液晶画像360に遮られ、装飾部68Aを見ることはできない。このような箱投影映像630’は、その内側を背景液晶画像360として何も示されない場合に、例えばハズレを示唆する演出として出現する。
その後、図60(C)に示すように、箱投影映像630’の内側には、背景液晶画像360が表示された上で剣投影映像640が投影されることもある。この場合、例えば当りの期待度(信頼度)がそれほど高くないものの、ある程度の期待度をもてる演出となる。
また、図61(A)に示すように、箱投影映像630’の内側は、透過液晶画像370が表示されることにより、その透過液晶画像370の背面側まで移動した装飾部68Aを視認し得る場合もある。このような場合は、装飾部68Aの実物が宝箱の中に入ったように見えることとなり、大当りの期待度がさらに高まる演出となる。
その後、図61(B)に示すように、箱投影映像630’の内側には、透過液晶画像370を通じて装飾部68Aに星模様投影映像650が投影されたり、透過液晶画像370の一部に星模様液晶画像380が表示されることがある。この場合、さらに当りの期待度(信頼度)が高まるような演出となる。なお、透過液晶画像370内に表示される星模様液晶画像380は、投影映像として投影するようにしてもよい。このような演出によれば、前面液晶パネル13Cの液晶画像と投影映像と可動役物68とを用いて立体的及び平面的に映像や画像を適宜表示することができ、斬新で目を引く興趣の高い演出を実現することができる。
[演出抑制処理の第1変形例]
図62は、サブCPU81により実行される演出抑制処理の第1変形例を示すフローチャートである。この演出抑制処理は、以下のステップ単位に実行される。
図62に示すように、S400において、サブCPU81は、図38の演出決定処理(S360)により決定された演出に基づいて雷投影映像を選択したか否かを判定する。雷投影映像を選択した場合、サブCPU81は、S401に処理を移す。雷投影映像を選択しなかった場合、サブCPU81は、演出抑制処理ルーチンを終了する。
S401において、サブCPU81は、さらに演出決定処理(S360)により決定された演出に基づき、可動役物68が演出動作を行うか否かを判定する。可動役物68が演出動作を行う場合、サブCPU81は、S402に処理を移す。可動役物68が演出動作を行わない場合、サブCPU81は、演出抑制処理ルーチンを終了する。
S402において、サブCPU81は、さらに可動役物68が発光演出を行うか否かを判定する。可動役物68が発光演出を行う場合、サブCPU81は、S403に処理を移す。可動役物68が発光演出を行わない場合、サブCPU81は、演出抑制処理ルーチンを終了する。
S403において、サブCPU81は、雷投影映像の投影を中止するためのデータをワークRAM83の所定領域にセットする。このデータに基づき、サブCPU81は、可動役物68が発光演出を行う場合は、その発光演出を優先して雷投影映像による投影演出を行わないようにプロジェクタ装置本体B2を制御する。一方、発光演出が行われない場合、雷投影映像の投影演出が選択されていれば、当該投影演出が行われるようにプロジェクタ装置本体B2が制御される。この処理を終了すると、サブCPU81は、演出抑制処理ルーチンを終了する。このような処理によれば、発光演出が行われない場合に限って投影映像による投影演出を実行することができ、可動役物68の装飾体68Aに対して鮮明な映像を映し出すことができる。
なお、発光演出が行われるとしても、可動役物68において発光されない時間やタイミングであれば、雷投影映像などによる投影演出を実行するようにしてもよい。
[演出抑制処理の第2変形例]
図63は、サブCPU81により実行される演出抑制処理の第2変形例を示すフローチャートである。図64は、この演出抑制処理において用いられる発光輝度修正テーブルを示す図である。発光輝度修正テーブルは、例えば副制御回路200のプログラムROM82に格納されている。図63の演出抑制処理は、以下のステップ単位に実行される。
図63に示すように、S400において、サブCPU81は、図38の演出決定処理(S360)により決定された演出に基づき、装飾部材66A,66B,66Cに向けて投影映像を投影する投影演出を選択したか否かを判定する。この投影演出を選択した場合、サブCPU81は、S411に処理を移す。そのような投影演出を選択しなかった場合、サブCPU81は、演出抑制処理ルーチンを終了する。
S411において、サブCPU81は、さらに演出決定処理(S360)により決定された演出に基づき、装飾部材66A,66B,66Cが発光演出を行うか否かを判定する。発光演出を行う場合、サブCPU81は、S412に処理を移す。装飾部材66A,66B,66Cが発光演出を行わない場合、サブCPU81は、演出抑制処理ルーチンを終了する。
S412において、サブCPU81は、図64の発光輝度修正テーブルに規定された装飾部材66A,66B,66Cの夫々に対応する修正輝度データを、ワークRAM83の所定領域にセットする。発光輝度修正テーブルにおいて、装飾部材66A,66B,66Cは夫々「A」、「B」、「C」と表される。装飾部材66A,66B,66C(「A」、「B」、「C」)の修正輝度データは、プロジェクタ装置本体B2の光軸Xに対する投射角度α、β、γに応じて、「A」、「B」、「C」の順に大きく修正(低減)されるように規定されている。このような修正輝度データに基づき、サブCPU81は、装飾部材66A,66B,66Cについて夫々修正された輝度で発光演出を行いつつ、投影映像による投影演出を実行するようにプロジェクタ装置本体B2を制御する。この処理を終了すると、サブCPU81は、演出抑制処理ルーチンを終了する。このような処理によれば、装飾部材66A,66B,66Cの発光演出が行われる場合であっても、投射角度α、β、γに応じて装飾部材の輝度が適切に修正(低減)された上で投影映像が投影されるので、装飾部材66A,66B,66Cのいずれにおいても平均的に鮮明な映像を映し出すことができる。
<第4実施形態>
図65~は、第4実施形態に係るパチンコ遊技機1Aを説明する図である。
第4実施形態に係るパチンコ遊技機1Aは、第1実施形態のベースドア3(図3参照)とは異なる構成の本体枠を有し、上下方向に配列された2台のプロジェクタユニットを備える。なお、第4実施形態に係るパチンコ遊技機1Aは、矛盾の無い限り、第1~3実施形態のパチンコ遊技機1又は遊技機1の構成を備え、同様の作用効果を得ることができる。
図65は、パチンコ遊技機1Aの外観斜視図、図66は、パチンコ遊技機1Aの分解斜視図である。パチンコ遊技機1Aは、本体(外枠)2と、本体2に回動自在に軸支された本体枠400と、本体枠400の前面側に取り付けられた遊技盤12Aと、遊技盤12Aの前面側において本体枠400に取り付けられたガラスドア5と、を備える。
[本体及びガラスドア]
外枠としての本体2は、第1実施形態と同様の構成であり、本体枠400を、一方の側縁近傍において、上下方向に延びる回転軸としての本体枠ヒンジ2bを中心に回動可能に軸支する。ガラスドア5は、第1実施形態のガラスドア4と同様の構成であり、下部に、後述する皿ユニット900が設けられている。
[本体枠]
図67は、本体枠400の分解斜視図である。本体枠400は、前面側に配置される取付枠410と、取付枠410の背面側に取り付けられ、遊技機構成部品を収容可能であるカバー部材430と、取付枠410とカバー部材430との間に設けられる取付ベース420と、を備える。
[取付枠]
図68は、取付枠410の分解斜視図である。取付枠410は、1対の縦枠411と、1対の横枠412と、を有し、略長方形形状の外観を形成する。取付枠410は、貯留タンク415を有し、後述するプロジェクタユニットbによる照射光が投影されるスクリーン部b4及び遊技盤12A、発射装置15等が取り付けられている。また、取付枠410は、背面側において、遊技盤12Aのアウト口55(図66参照)に対応する位置に、後述する球検知ユニット800(図67参照)が設けられている。また、1対の縦枠411は、背面側にそれぞれ取付ベース420及びカバー部材430を別々に固定可能な固定部411a(図67参照)を有する。
1対の縦枠411の内側面には、遊技盤12Aを着脱自在に固定する遊技盤可動止め具413が、それぞれ取り付けられている。遊技盤可動止め具413は、縦枠411に沿って、上下方向の任意の位置で固定されている。遊技盤可動止め具413は、遊技盤12Aの側縁を、着脱自在に挟持する。このような遊技盤可動止め具413により、例えば、遊技盤12Aの下辺を、取付枠410の下部に配置されている溝等の係止部に係止させ、上辺の両端近傍を、遊技盤可動止め具413により挟持することで、遊技盤12Aを、取付枠410に固定することが可能となる。
また、1対の縦枠411の内側面には、スクリーン部b4を着脱自在に固定するスクリーン止め具414が、それぞれ取り付けられている。スクリーン止め具414は、縦枠411に沿って、上下方向の任意の位置で固定されている。取付枠410の背面には、遊技盤可動止め具413及びスクリーン止め具414を覆うようにカバー部材430が取り付けられている。なお、遊技盤可動止め具413やスクリーン止め具414は、縦枠411上を移動可能なように構成し、任意の位置で固定できるように構成してもよい。縦枠411に、遊技盤12A等の遊技部材や、スクリーン部b4等の演出装置を、固定する治具を、上下方向に移動可能に取り付けることで、遊技部材や演出装置の大きさや種類に応じて、治具種類や位置を変更することが可能となるので、遊技機の多様なレイアウトが可能となる。
[遊技盤]
図69は、遊技盤12Aの上面図である。遊技盤12Aは、第1実施形態の遊技盤12(図4参照)と同様の構成を備え、更に、以下の構成を有する。遊技盤12Aは、遊技領域12aを備え、遊技盤12Aの裏面側(背面側)に設けられた第1大入賞口ソレノイド53b等と、第1大入賞口ソレノイド53b等の配線部が接続される遊技盤中継基板101と、を有する。また、遊技盤12Aは、透過性を有する素材で形成され、背面側にスクリーンシートが貼付され、後述するプロジェクタユニットbから照射された投影光が投影されるスクリーンとしても機能する。
遊技盤中継基板101は、裏面側(背面側)において、遊技盤12Aの遊技領域12aが形成された面に対して、略直角に背面側に延びる垂直ベース101Aに取り付けられることで、遊技盤12Aに対し、略直角に立設する。遊技盤中継基板101は、他の基板に電気的に接続するためのコネクタが接続されるコネクタ接続部101aが設けられている。
また、遊技盤中継基板101は、後述する後述するカバー部材430の開口部432eを介して、カバー部材430の外部からコネクタ接続部101aに対する接続操作が可能な位置まで延設され、かつ、少なくとも遊技盤中継基板101の外側部分がカバー部材430で覆われている状態で、コネクタ接続部101aは、配線差込口101bが、後述するカバー部材430の開口部432eの方向に向くように配置されている。コネクタ接続部101aは、遊技盤コネクタ接続部の一例として機能し、後述する中継基板100(図75参照)の特定部品コネクタ接続部の一例である中継基板コネクタ接続部100a(図75参照)と配線部材(ケーブル)により接続される。
図70は、遊技盤12Aの変形例の上面図である。図70では、遊技盤12Aの垂直ベース101Aが設けられた部分を拡大して示している。変形例の遊技盤中継基板101は、遊技盤12Aに対し、略直角に立設した状態から、遊技盤12Aと平行な状態となるように折り畳み可能である。詳細には、変形例の垂直ベース101Aは、遊技盤12Aに対し、略直角に立設したベース部材101Aaと、遊技盤12Aの遊技領域12aと並行して延びる回転軸となるヒンジ101Bにより回動自在に、ベース部材101Aaに連結され、遊技盤中継基板101が取り付けられた回動部材101Abと、を備える。また、変形例の垂直ベース101Aは、ベース部材101Aaと回動部材101Abとの接合面において、ベース部材101Aaと回動部材101Abとのいずれか一方に、突起101aが形成され、他方に、突起101aが挿入可能なボス穴101bが形成されている。回動部材101Abが遊技盤12Aに対し、略直角に立設され、突起101aがボス穴101bに挿入されることで、遊技盤中継基板101が、遊技盤12Aに対し、略直角に立設した状態で固定される。また、この状態から回動部材101Abが、ヒンジ101Bを中心に回動されることで、突起101aがボス穴101bから引き抜かれ、遊技盤中継基板101が、遊技盤12Aと平行な状態となるように折り畳まれる。
[取付ベース]
図71は取付ベース420の斜視図、図72は取付ベース420の正面図、図73は本体枠400の断面図である。取付ベース420は、遊技に関連する制御を実行可能な遊技装置としてのプロジェクタユニットb及びミラー部材b3が取り付けられる。取付ベース420は、プロジェクタユニットbが取り付けられる遊技装置取付部421と、遊技装置取付部421の下に形成され、プロジェクタユニットbから照射された投影光が通過可能な投影光用孔422と、投影光用孔422の下に配置され、ミラー部材b3が取り付けられるミラー部材ベース423と、遊技盤12Aの遊技盤中継基板101(図70参照)が挿通する基板用孔424と、を有する。取付ベース420は、遊技装置取付部421、投影光用孔422及びミラー部材ベース423から成る構成を2つ有し、これらの構成が上下方向に配列されている。このような上の構成は、プロジェクタユニットbから照射された投影光を、スクリーン部b4の背面に投影する。また、下の構成は、プロジェクタユニットbから照射された投影光を、遊技盤12Aの背面に投影する。基板用孔424は、遊技盤12Aが取り付けられた取付枠410に、取付ベース420を取り付けた状態において、遊技盤中継基板101の背面側に配置され、遊技盤中継基板101(図70参照)が挿通する孔である。
遊技装置取付部421は、背面側から前面側に向かって下り傾斜した板状体であり、背面側に、プロジェクタユニットbが、前面側斜め下方に向けて投影光を照射するように取り付けられる。投影光用孔422は、プロジェクタユニットbから照射された投影光を遮らない範囲で形成された孔である。ミラー部材ベース423は、背面側から前面側に向かって下り傾斜した板状体である。また、ミラー部材ベース423は、プロジェクタユニットbから照射された投影光を反射するのに必要な範囲で形成されている。具体的には、ミラー部材ベース423は、背面側から前面側に向かって下り傾斜しているため、上方に取り付けられたプロジェクタユニットbからの距離が、背面側から前面側に行くほど遠くなる。このため、プロジェクタユニットbから照射された投影光を反射するのに必要な範囲の幅は、前面側より背面側の方が狭くなる。すなわち、ミラー部材ベース423におけるプロジェクタユニットbから照射された投影光を反射するのに必要な範囲は、上面視で、背面側の辺の幅が、前面側の辺の幅より狭い台形形状となる。このため、ミラー部材ベース423は、図72に示すように、上面視で、背面側の辺の幅が、前面側の辺の幅より狭い台形形状に形成されている。
また、このミラー部材ベース423の上面に取り付けられたミラー部材b3も、上面視で、背面側の辺の幅が、前面側の辺の幅より狭い台形形状に形成されている。また、ミラー部材ベース423は背面側から前面側に向かって下り傾斜しているので、図72に示すように、ミラー部材ベース423及びミラー部材b3は、正面視で、上方の辺の幅が、下方の辺の幅より狭い台形形状に形成されている。また、ミラー部材b3は、ミラー部材ベース423に、台形形状の4隅近傍にそれぞれ設けられた調整部材423aにより取り付けられている。調整部材423aは、例えば、ミラー部材ベース423とミラー部材b3とを締結する締結部材と、ミラー部材ベース423とミラー部材b3との間に配置された弾性部材とにより構成され、締結部材を緩めることでミラー部材ベース423とミラー部材b3とが離間し、締結部材を締めることでミラー部材ベース423とミラー部材b3とが近接する。このような調整部材423aにより、ミラミラー部材b3のミラー部材ベース423に対する取り付け角度を調整することで、プロジェクタユニットbから照射された投影光の、スクリーン部b4又は遊技盤12Aに投影される位置や角度を調整することができる。
このような遊技装置取付部421にプロジェクタユニットbを取り付けることで、後述するプロジェクタ装置本体b2からの投影光を出射する投射レンズb2aが設けられたプロジェクタカバーb1の一方の端部側をパチンコ遊技機1A(図66参照)の前面側に、一方の端部側の反対の端部を背面側に配置し、かつ一方の端部側を反対の端部側より低くなるように設けることが可能となる。そして、プロジェクタユニットbは、カバー部材430に覆われる。これにより、投射レンズb2aから出射される投影光を遮らない位置であって、カバー部材430とプロジェクタカバーb1の下部とカバー部材430との間に所定の空間405が形成され、この所定の空間405に、後述するカバー部材430の凹部431aを配置し、この凹部431aに主制御基板70Aを収容することが可能となる。
なお、取付ベース420には、プロジェクタユニットbに限らず、液晶表示装置13(図3参照)等のその他の遊技装置を取付可能な形状に形成してもよい。すなわち、取付ベース420は、取付枠410とカバー部材430との間に形成された空間内に収容可能な範囲で、遊技装置の種類に応じて、形状を変更可能である。
[プロジェクタユニット]
図73に示すように、プロジェクタユニットbは、投影光を生成可能な投影画像生成装置としてのプロジェクタ装置本体b2と、プロジェクタ装置本体b2を収容可能な収容ケースとしてのプロジェクタカバーb1と、プロジェクタ装置本体b2からの投影光を出射する照射部としての投射レンズb2aと、を含む。プロジェクタ装置本体b2は、プロジェクタ装置本体B2(図14参照)と同様の構成であり、副制御回路200(図14参照)に接続され、副制御回路200により、プロジェクタ制御回路90(図14参照)が制御され、光学機構B24(図15参照)による投射光を、投射レンズb2aにより拡大して出射し、この照射光をミラー部材b3に反射させ、遊技盤12Aやスクリーン部b4の背面に向けて照射光を投影することにより、視覚的な演出として映像を表示する。このようなスクリーン部b4は、プロジェクタユニットbから照射される投影光を反射可能な反射部の一例として機能する。また、スクリーン部b4は、ミラー部材b3により反射される投影光により所定の画像を映し出すスクリーン部の一例として機能する。また、上述した空間405に対応する位置において、カバー部材430の一部が凹形状に形成されており、凹部内に主基板70Aを収容可能となっている。
図74は、プロジェクタユニットbから出射された投影光の光軸を説明する図である。これらの照射光は、図74に示すように、上部に設けられたプロジェクタユニットbの投射レンズb2aからの投影光L1が、点線で示すような投影範囲を形成しつつ、下方に向かって出射され、上部のミラー部材b3により、前面側斜め上方に向かって反射してスクリーン部b4の背面側に投影される。本実施形態の投射レンズb2aは、レンズ部材で構成され、またレンズ部材の上半分側(前面側)は遮光された状態となっており、レンズ部材の下半分側(背面側)から出射される投影光でもって投影画像を生成している。よって、投射レンズb2aから出射される投影光はレンズ部材の下半分側から広がるように形成される。同様に、下部に設けられたプロジェクタユニットbの投射レンズb2aからの投影光L2が、点線で示すような投影範囲を形成しつつ、下方に向かって出射され、下部のミラー部材b3により、前面側斜め上方に向かって反射して、遊技盤12Aの背面側に投影される。
このように、プロジェクタユニットbまたはミラ一部材b3を一定の設置角度にて配置し、それらの背後に生じるスペースにプロジェクタユニットbや基盤ケースなどを収容することで複数の遊技装置を配しつつも他の遊技機構成部品を効率よく配置でき、省スペース化を実現できる。
[カバー部材]
図75はカバー部材430の背面側から視た斜視図、図76はカバー部材430の前面側から視た斜視図である。図75に示すように、カバー部材430は、背面部431及び互いに対向する2つの側面432から形成され、取付ベース420(図73参照)との間に形成される空間の内部に、遊技機構成部品の少なくとも一部を収容可能である。また、カバー部材430は、最も背面側に設けられることにより、遊技盤の背面側に設けられ、電気部品を覆うカバー部材の一例として機能する。
図75に示すように、背面部431の幅は、取付ベース420の幅よりも狭く形成されている。背面部431は、主制御基板70Aを収容可能な凹部431aと、凹部431aを覆う蓋部431bと、プロジェクタユニットb(図73参照)の廃熱口に対応する位置に形成された開口部431cと、払出制御基板123Aを収容可能な払出制御基板収容部431dと、を有する。また、図76に示すように、背面部431には、後述する第2誘導樋434の受入部434a(図80参照)が配置される第2誘導樋用開口432fが形成されている。図73に示すように、凹部431a及び払出制御基板収容部431dは、カバー部材430の表面からパチンコ遊技機1A内部側に突出するように形成され、主制御基板70Aや払出制御基板123Aをカバー部材430の表面よりパチンコ遊技機1A背面側に突出しないように収容可能である。凹部431aは、カバー部材430が取付ベース420(図73参照)の背面側に取り付けられた状態で、プロジェクタカバーb1の下部に形成される所定の空間405に配置され、主制御基板70Aが収容され、蓋部431bで覆われる。主制御基板70Aは、例えば、中継基板100(図75参照)と配線部材(ケーブル)により接続される一般部品コネクタ接続部の一例である主制御基板コネクタ接続部70Aaを備える。主制御基板コネクタ接続部70Aaは、主制御基板70Aの側縁近傍に設けられ、凹部431aに蓋部431bを取り付けた状態でも、蓋部431bに覆われず、露出しており、配線部材(ケーブル)の着脱が可能に構成されている。これにより、背面部431の表面が略面一の状態となる。このように、カバー部材430は、背面部431及び少なくとも2つの側面部432から形成される空間の内部に、第1の遊技機構成部品の一例である主制御基板70Aを収容可能である。また、開口部431cは、2つのプロジェクタユニットbの廃熱口に対応する位置にそれぞれ形成されている。払出制御基板収容部431dは、取付ベース420の背面側に取り付けられた状態で、下のミラー部材ベース423の下部に形成された空間に配置される。また、凹部431aは、カバー部材430において、後述する球通路ユニット730(図82参照)の配置位置より中央寄りに配置されている。
図75に示すように、互いに対向する側面432は、互いの幅が、前面側から背面側にいくにつれて狭くなっている。側面432は、背面部431と隣接しない端部側に取付ベース420に装着可能な取付部433を備えるとともに、少なくとも1つの側面432が、取付部433が設けられた端部から背面部431と隣接する端部へ傾斜するように形成されている。傾斜した側面432には、特定収容部である側面第1凹部432aと、側面第1凹部432aを覆う側面第1蓋部432bと、一般収容部である側面第2凹部432cと、側面第2凹部432cを覆う側面第2蓋部432dと、側面第1凹部432aに形成された開口部432eと、を有する。また、凹部431a及び側面第2凹部432cは、少なくとも2つ以上の収容部より構成される一般収容部の一例であり、特定収容部の一例である側面第1凹部432aに隣接している。
側面第1凹部432aは、カバー部材430の外側面に設けられ、背面部431の凹部431aや払出制御基板収容部431dと隣接する位置に形成され、特定の遊技機構成部品又は第2の遊技機構成部品としての中継基板100を収容可能である。側面第2凹部432cは、カバー部材430の外側面に設けられ、側面第1凹部432aに隣接する位置に形成され、その他の複数種類の遊技機構成部品としての副制御基板80Aを収容可能である。側面第1凹部432a及び側面第2凹部432cは、カバー部材430の表面からパチンコ遊技機1A内部側に突出するように形成され、中継基板100や副制御基板80Aをカバー部材430の表面よりパチンコ遊技機1A背面側に突出しないように収容可能である。中継基板100は、例えば、主制御基板70A、副制御基板80A、遊技盤中継基板101(図69参照)等と配線部材(ケーブル)により接続される特定部品コネクタ接続部の一例である中継基板コネクタ接続部100aを備える。副制御基板80Aは、例えば、中継基板100等と配線部材(ケーブル)により接続される一般部品コネクタ接続部の一例である副制御基板コネクタ接続部80Aaを備える。すなわち、中継基板コネクタ接続部100aと、主制御基板コネクタ接続部70Aaや副制御基板コネクタ接続部80Aaと、は配線部材(ケーブル)により接続される。開口部432eは、背面部431及び2つの側面部432から形成される空間の内部に収容された遊技盤12Aの遊技盤中継基板101(図69参照)からの配線をカバー部材430の外側に設けられた中継基板100と接続可能なように設けられ、カバー部材430が取付枠410に取り付けられた状態で、遊技盤12Aの背面側から立設する遊技盤中継基板101に対応する位置に形成されている。このような開口部432eが形成された側面第1凹部432aは、側面部の外側面に設けられ、開口部を介して配線と接続される特定の遊技機構成部品を収容可能な特定収容部の一例として機能する。また、側面第2凹部432cは、カバー部材の外側の傾斜した側面部に、カバー部材の表面から遊技機内部側に突出するように形成され、第1の遊技機構成部品とは異なる第2の遊技機構成部品を収容可能な収容部の一例である。これにより、開口部432eから、遊技盤中継基板101のコネクタ接続部101aに接続したコネクタを介して、遊技盤中継基板101と、例えば、側面第1凹部432aに隣接する凹部431aに収容された主制御基板70Aと、を電気的に接続することが可能となる。このように、中継基板100が収容可能な側面第1凹部432aは、その他の基板が収容可能な凹部の中心に配置されている。
図77は、遊技盤中継基板101と、取付ベース420の基板用孔424及びカバー部材430の開口部432eとの位置関係を説明する図である。図77は、遊技盤中継基板101が取り付けられている部分の拡大斜視図であり、(a)は取付枠410の背面側に取付ベース420が取り付けられた状態を示し、(b)は更に取付ベース420の背面側にカバー部材430が取り付けられた状態を示している。図77(a)に示すように、遊技盤12A(図67参照)が取り付けられた取付枠410に、取付ベース420を取り付けた状態では、遊技盤中継基板101のコネクタ接続部101aが、取付ベース420基板用孔424から背面側に突出している。そして、図77(b)に示すように、図77(a)に示す状態から、更に取付ベース420の背面側にカバー部材430を取り付けることで、遊技盤中継基板101の側面がカバー部材430に覆われる。この状態において、コネクタ接続部101aの配線差込口101bは、カバー部材430の開口部432eの方向に向いている。なお、図77では、遊技盤中継基板101の全体をカバー部材430及び側面第2蓋部432dによって覆っているが、遊技盤中継基板101の一部分のみを覆うようにしてもよい。また、遊技盤中継基板101の外側面や内側面等1つの面のみを覆うようにしてもよい。いずれにせよ、遊技盤中継基板101に加わる外力の少なくとも一部を防ぐことができれば本発明の効果を奏することができる。なお、その場合、コネクタ接続部101aをカバー部材430に覆われていない部分に設けることが望ましい(例えば、遊技盤中継基板101の外側面をカバー部材430で覆うのであれば、遊技盤中継基板101の内側面にコネクタ接続部101aを設ける等)。
また、図77(a)に示すように、取付ベース420は、ビス等で構成される固定部材425により、取付枠410の背面の固定部411aにビス止めさる。その後、図77(b)に示すように、カバー部材430は、取付ベース420の背面側に配置され、取付部433で固定部材425を覆い、取付ベース420を貫通するビス等で構成される固定部材435により、取付枠410の背面の固定部411aにビス止めさる。よって、カバー部材430のビス止めを外した後でないと取付ベース420のビス止めを外すことができない。
図78は、パチンコ遊技機1Aの上面図である。図78は、本体2から本体枠400を開いた状態(本体2の内側に本体枠400が配置された状態から、本体枠ヒンジ2bを中心に90度回動させた状態)を示している。カバー部材430は、本体枠ヒンジ2bに軸支された方と反対側の側面432が、回転軸としての本体枠ヒンジ2bを中心とし、本体2の内側側縁を通る仮想円VCの内側に形成され、少なくとも一部が仮想円に沿った形状に形成されている。
[樋の接続部分]
図79は、本体枠400の分解斜視図、図80及び図81は、第1誘導樋416及び第2誘導樋434の分解斜視図である。図80及び図81は、図79に示す第1誘導樋416及び第2誘導樋434のみを示した図である。図80は、取付枠410から視た図であり、図81は、カバー部材430から視た図である。図79に示すように、取付枠410には、図示しない貯留ユニットから供給された遊技球を貯留可能な貯留タンク415と、貯留タンク415から遊技球を下流に導く第1誘導樋416と、を有する。カバー部材430は、遊技球を払出可能な払出装置700と、払出装置700に遊技球を導く第2誘導樋434と、を有する。
第1誘導樋416と第2誘導樋434は、取付枠410にカバー部材430を装着した際に、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。第1誘導樋416及び第2誘導樋434のいずれか一方(図80及び図81に示す例では第2誘導樋434)には、他方(図80及び図81に示す例では第1誘導樋416)の開口部の開口面積より広い開口面積にて形成された受入部434aが設けられている。受入部434aは、受入部434aに挿入される開口部を接続位置まで案内する接続位置案内手段としてのリブ434bを有する。リブ434bは、開口を中心とする放射方向に延び、受入部434aの外縁から内縁に向かって、側縁が下り傾斜している板状体であり、開口を囲むように、複数配置されている。第1誘導樋416及び第2誘導樋434のいずれか他方(図80及び図81に示す例では第1誘導樋416)には、開口の外縁に設けられ、リブ434bにより囲まれた部分の形状と略同一形状の外形で形成され、接続位置において、リブ434bと係合する係合手段としての係合部416aを有する。
また、図67に示すように、取付枠410は、皿ユニット900の払出口901(図65参照)に遊技球を導く第3誘導樋418を有する。また、カバー部材430は、後述する払出装置700から遊技球を下流に導く第4誘導樋としての第4誘導樋(図83参照)を有する。
第3誘導樋418と第1誘導路730C及び第2誘導路730D(図84参照)は、取付枠410にカバー部材430を装着した際に、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。第3誘導樋418と、第1誘導路730C及び第2誘導路730Dとのいずれか一方(図67に示す例では第3誘導樋418)には、受入部418aが設けられている。受入部418aは、受入部434aと同様に、複数のリブを有する。第1誘導路730C及び第2誘導路730Dの排出口730B(図83参照)は、第1誘導樋416と同様に、受入部418aの複数のリブと係合する係合部を有する。
[払出装置]
図82は、払出装置700を示す全体斜視図、図83は、払出装置700に含まれる球通路ユニット730を示す斜視図である。払出装置700は、球供給路710、球送出機構720、及び球通路ユニット730を有して構成される。球供給路710は、上部に設けられた貯留タンク415(図79参照)から球送出機構720へと遊技球を導く配管部品である。球送出機構720は、入賞に応じた賞球数を計数しながら当該賞球数分の遊技球を繰り出すものである。球通路ユニット730は、カバー部材430(図79参照)の背面側の端部に配置され、球送出機構720から繰り出された遊技球を後述する皿ユニット900の払出口901へ導くためのものである。
球供給路710は、貯留タンク415(図79参照)から、互いに接続された第1誘導樋416及び第2誘導樋434(図81参照)を介して、球送出機構720へと遊技球を1つずつ自然に流下させることが可能に鉛直状に設けられている。球供給路710の下端出口(図示略)は、球送出機構720の上部入口(図示略)に連接される。
球送出機構720は、球供給路710から流下してきた遊技球を上部入口(図示略)から内部に導きつつ下部出口(図示略)から1つずつ繰り出し可能に構成されている。球送出機構720は、遊技球を1ずつ繰り出し可能な内部機構やこれを動作させるためのソレノイド、繰り出した遊技球を計数するためのカウントセンサ(図示略)を有する。球送出機構720は、入賞がないとき、遊技球を繰り出さないように内部機構及びソレノイドを非作動状態とする一方、入賞があると、当該入賞に応じた賞球数の遊技球を繰り出すまで内部機構及びソレノイドを作動状態としつつ遊技球をカウントセンサにより計数し、賞球数分の遊技球を繰り出すと、再び内部機構及びソレノイドを非作動状態とする。これにより、球送出機構720は、入賞時に賞球数分の遊技球を1つずつ繰り出すことができる。球送出機構720の下部出口は、球通路ユニット730の上部に設けられた導入口730Aに連接され、球送出機構720から繰り出された遊技球が1つずつ球通路ユニット730の導入口730Aへと流下する。なお、球送出機構720から繰り出された遊技球は、基本的に導入口730Aへと導かれるが、導入口730Aに隣接する後述の球抜き口730aへと導かれる場合がある。
球通路ユニット730は、球送出機構720から繰り出された多数の遊技球を数珠状に並べて通過させることが可能な誘導路を有し、この誘導路を通じて後述する皿ユニット900の払出口901へと遊技球を導くように構成されている。図84は、球通路ユニット730を示す分解斜視図、図85は、図84とは異なる向きで球通路ユニット730を示す分解斜視図である。球通路ユニット730は、通路隔壁部材731、満タン検知レバー732、満タン検知センサ733、第1カバー部材734、第2カバー部材735、及び球抜き部材736を有して構成される。球通路ユニット730の誘導路としては、パチンコ遊技機1Aの正面側からみて通路隔壁部材731の左側部と第1カバー部材734との間に第1誘導路730Cが形成され、パチンコ遊技機1Aの正面側からみて通路隔壁部材731の右側部と第2カバー部材735との間に第2誘導路730Dが形成される。第1誘導路730C及び第2誘導路730Dは、それぞれ多数の遊技球を並べることが可能な十分な経路長を有する。
通路隔壁部材731の左側部には、第1誘導路730Cの路側壁が前後に蛇行しつつ上部の導入口730Aから下部の排出口730Bへと延びるように形成されている。この通路隔壁部材731の左側部に形成された路側壁は、第1誘導路730Cの右半分を溝状に形成している(図85参照)。通路隔壁部材731の右側部には、第2誘導路730Dの路側壁が上部の導入口730Aから下部の排出口730Bへと延びるように形成されている。この通路隔壁部材731の右側部に形成された路側壁は、第2誘導路730Dの左半分を溝状に形成している(図84参照)。このような第2誘導路730Dは、第1誘導路730Cと隔壁を挟んで隣接している。すなわち、第1誘導路730Cと第2誘導路730Dとは、互いに並んで同方向に遊技球を導くように並設されている。
一方、通路隔壁部材731の左側部に対向する第1カバー部材734の対向面にも、第1誘導路730Cの路側壁が前後に蛇行しつつ導入口730Aから排出口730Bへと延びるように形成されている。これら通路隔壁部材731の左側部と第1カバー部材734の対向面にある路側壁どうしが合わさることにより第1誘導路730Cが形成されるとともに、導入口730A及び排出口730Bが形成される。また、通路隔壁部材731の右側部に対向する第2カバー部材735の対向面にも、第2誘導路730Dの路側壁が排出口730Bへと延びるように形成されている。これら通路隔壁部材731の右側部と第2カバー部材735の対向面にある路側壁どうしが合わさることにより第2誘導路730Dが形成される。第1誘導路730Cは、横方向に比較的大きな第1の幅でもって形成される一方、第2誘導路730Dは、第1誘導路730Cの横幅(第1の幅)よりも横方向に小さい第2の幅でもって形成され、排出口730Bより上流側において第1誘導路730Cと合流するようになっている。また、排出口730Bは、横方向に第1誘導路730Cの横幅(第1の幅)と同じ第1の幅でもって形成される。なお、導入口730Aは、第1誘導路730Cのみに導通しており、基本的に球送出機構720から繰り出された遊技球は、導入口730Aへと入るようになっている。ただし、導入口730Aに隣接する部位には、通路隔壁部材731の右側部と第2カバー部材735とが合わされることによって球抜き部材736へと通じる球抜き口730aが形成される。これにより、第1誘導路730Cが詰まって導入口730Aに入りきれない遊技球は、球抜き口730aへと導かれる。第2誘導路730Dの下端部は、排出口730Bの近傍で第1誘導路730Cと合流するように形成されている。これにより、排出口730B付近における遊技球の詰まりが解消されると、第1誘導路730Cと第2誘導路730Dとに貯まった遊技球がまとまって一気に排出口730Bから排出される。
図86は、球通路ユニット730の第1誘導路730Cを示す平面図、図87は、球通路ユニット730の第2誘導路730Dを示す平面図である。通路隔壁部材731の上部には、その右側部から左側部へと遊技球を案内するための貫通口731Aが形成されている。通路隔壁部材731の右側部において第1誘導路730Cの上部途中には、貫通口731Aへと遊技球を案内可能な分岐路730Eが形成されている。貫通口731Aの反対側は、第2誘導路730Dの上端部に連通している。これにより、第1誘導路730Cの遊技球が上部まで詰まって下方へと流れない状態になると、導入口730Aから第1誘導路730Cの上部へと流下してきた遊技球がこの第1誘導路730Cを迂回して分岐路730Eへと導かれ、さらに分岐路730Eへと導かれてきた遊技球は、貫通口731Aを通って第2誘導路730Dの上端部へと導かれ、第1誘導路730Cのみならず第2誘導路730Dまでもが遊技球で満タン状態となるまで球通路ユニット730の内部に賞球として払い出される遊技球が一時的に貯留される。
また、通路隔壁部材731の右側部においては、第2誘導路730Dの途中部分に先端部が突き出た姿勢で揺動可能な満タン検知レバー732と、満タン検知レバー732の先端部が突き出た姿勢から奥方に変位した状態を検知する満タン検知センサ733とが、設けられている。満タン検知レバー732は、第2誘導路730Dの略鉛直部分に設けられており、この部分まで詰まって流下できない遊技球に圧接されると、奥方に変位した状態となる。満タン検知センサ733は、奥方に変位した満タン検知レバー732が所定時間にわたり接した状態になると、第2誘導路730Dに遊技球が詰まって満タンになった状態と検知し、それに応じた信号を払出・発射制御回路123(図14参照)に出力する。これにより、第1誘導路730Cにおける遊技球の流下が停滞しても第2誘導路730Dが満タン状態となるまで球送出機構720の遊技球繰り出し動作を継続させることができる。
さらに、パチンコ遊技機1Aの正面側からみて第2カバー部材735の右側部には、球抜き部材736が付設される。球抜き部材736は、球抜き口730aから導かれてきた遊技球を下端口736Aから排出する。球抜き部材736の下端口736Aから排出された遊技球は、図外の球抜き管路へと導かれ、最終的にはパチンコ遊技機1Aの外部に置かれたドル箱に放出される。
[球検知ユニット]
図88は、遊技盤12Aのアウト口55を示す斜視図、図89は、遊技盤12Aを取り外した状態でアウト口55の背後に位置する球検知ユニット800を示す斜視図である。図88に示すように、遊技盤12Aの遊技領域12aにおける中央下部には、入賞せずに流下してきた遊技球を背後に導くためのアウト口55が設けられている。図89に示すように、アウト口55の背後には、アウト口55から導かれてきた複数の遊技球を受けるとともに、アウト口55と対向する箇所に遊技球を集めてさらに背後へと遊技球を導くための開口801Aを有するアウト球受け部材801が設けられている。球検知ユニット800は、取付枠410において、アウト球受け部材801の開口801Aの直後に設けられている。
図90は、球検知ユニット800の全体を示す斜視図、図91は、球検知ユニット800を示す分解斜視図、図92は、図91とは異なる向きで球検知ユニット800を示す分解斜視図である。球検知ユニット800は、左側構成部材810、右側構成部材820、突片部材830、第1検知センサ840、第2検知センサ850を有して構成される。球検知ユニット800は、流入口としてのアウト口55を通過して排出される遊技球をアウト球として検知するためのものである。左側構成部材810には、第1検知センサ840が設けられ、右側構成部材820には、第2検知センサ850が設けられており、これらの第1検知センサ840及び第2検知センサ850と一体に突片部材830を中央に挟み込んだ状態で左側構成部材810と右側構成部材820とが接合される。第1検知センサ840及び第2検知センサ850は、複数の遊技球が流入可能な流入口と、流入口より下流において、流入した遊技球を検知可能な複数の検知手段の一例として機能する。
図93は、球検知ユニット800を構成する左側構成部材810の内部側面図、図94は、球検知ユニット800を構成する右側構成部材820の内部側面図、図95は、球検知ユニット800を構成する突片部材830の上面図である。左側構成部材810及び右側構成部材820は、概ね左右対称形に形成されており、それぞれ前面開口部810A,820A、導入空間部810B,820B、センサ配置部810C,820C、遊動空間部810D,820Dを有する。
前面開口部810A,820Aは、互いに一体となってアウト球受け部材801の開口801Aの直ぐ背後に位置し、開口801Aを通過した遊技球を受け入れる受入口(流入口)を形成する。前面開口部810A,820Aは、それぞれ1個の遊技球が余裕をもって通過可能な開口面積を有する。これにより、一体となった受入口には、少なくとも2個の遊技球が同時に進入することができる。
導入空間部810B,820Bは、基本的にそれぞれ前面開口部810A,820Aからセンサ配置部810C,820Cへと遊技球を導く通路であり、それぞれ1個の遊技球が余裕をもって通過可能である。導入空間部810B,820Bの底面810Ba,820Baは、水平面より若干傾斜しており、奥側に進むほど下降するように形成されている。
センサ配置部810C,820Cは、それぞれ第1検知センサ840、第2検知センサ850が配置される箇所である。センサ配置部810C,820Cには、導入空間部810B,820Bの底面810Ba,820Baよりも第1検知センサ840、第2検知センサ850それぞれの前端が若干低位となるように配置される。第1検知センサ840、第2検知センサ850は、それぞれ前端から後端にいくほど上位となるように傾斜姿勢で配置される。第1検知センサ840、第2検知センサ850には、1個の遊技球が通過可能な通過孔が設けられており、この通過孔を遊技球が通過するとアウト球として検知され、下方に排出された後に収集される。これにより、導入空間部810B,820Bからセンサ配置部810C,820Cへと導かれてきた遊技球は、第1検知センサ840、第2検知センサ850の通過孔へと導かれやすくなっている。
遊動空間部810D,820Dは、アウト口55より下流において、センサ配置部810C,820Cより奥側上方に設けられ、センサ配置部810C,820Cよりも狭小な空間を形成している。遊動空間部810D,820Dは、互いに一体となった状態で概ね1個の遊技球が十分遊動し得るだけの広さを有する。遊動空間部810D,820Dの底面810Da,820Daは、水平面より若干傾斜しており、奥側に進むにつれて上昇(隆起)するように形成されている。底面810Da,820Daの前端は、第1検知センサ840、第2検知センサ850の後端よりも上位に位置するように形成されている。これにより、第1検知センサ840、第2検知センサ850を越えて奥方の遊動空間部810D,820Dへと1個の遊技球が導かれることがあり、この遊動空間部810D,820Dへと導かれた遊技球にあっても、第1検知センサ840、第2検知センサ850へと転落しやすくなっている。なお、遊動空間部810D,820Dは、互いに一体となった状態で2個以上の遊技球が遊動し得るだけの広さを有する部分としてもよい。
突片部材830は、センサ配置部810C,820C(第1検知センサ840,第2検知センサ850)のほか、導入空間部810B,820Bや遊動空間部810D,820Dを分け隔てるように設けられる。図93及び図94に示すように、突片部材830は、流入した遊技球の少なくとも一部が乗り上げ可能なように流入口となる前面開口部810A,820Aの底部から奥方へと延設するように配置され、前面開口部810A,820Aの底部から遊動空間部810D,820Dへと進むにつれて上昇(隆起)した傾斜状の上端830Aを有する。この上端830Aは、導入空間部810B,820Bや遊動空間部810D,820Dを完全に仕切ることなく、これらの底面810Ba,820Ba,810Da,820Daよりも若干上方に突出している。また、図95に示すように、突片部材830の上端830Aは、遊技球進入方向に沿って左右に波打つように形成されているとともに、流入した遊技球が乗り上げても滑りやすいように峰状に形成されている。これにより、センサ配置部810C,820Cの遊技球は、突片部材830の上端830Aを左右方向に越えて第1検知センサ840及び第2検知センサ850のいずれかに落下しやすい。また、センサ配置部810C,820Cより奥方の遊動空間部810D,820Dへと進んだ遊技球は、突片部材830の上端830Aに不安定に接した状態となり、第1検知センサ840及び第2検知センサ850のいずれかの方へと振り落とされる。
[皿ユニット]
図96は、皿ユニット900が設けられたガラスドア5を示す全体斜視図、図97は、ガラスドア5の正面を示す全体正面図である。ガラスドア5の正面に向かって左下部には、皿ユニット900が設けられる。なお、本実施形態の遊技機においては、一つの皿ユニット900しか存在しないが、例えば上皿ユニットと下皿ユニットとを設け、いずれか一方を本実施形態の皿ユニット900として適用してもよい。皿ユニット900は、入賞に応じて払い出される遊技球を貯留し、貯留した遊技球を発射装置15へと順次誘導するとともに、遊技者の球抜き操作に応じて下方に配置したいわゆるドル箱(図示略)へと遊技球を排出可能とするものである。皿ユニット900の後方には、遊技球を払い出す払出口901が設けられ、この払出口901から複数の遊技球が皿ユニット900へと払い出される。払出口901の背後には、発射装置15からの遊技球を受けつつ払出口901へと送り出すための球送出受け部材902が設けられる(図98参照)。
図98は、皿ユニット900の全体を示す拡大斜視図、図99は、皿ユニット900の分解斜視図、図100は、皿ユニット900の上面図、図101は、皿ユニット900の受け皿カバー部材930を取り外した状態の上面図である。皿ユニット900は、装飾カバー910、本体部920、受け皿カバー部材930、球抜き通路部材940、蓋開閉部950などを有して構成される。装飾カバー910は、本体部920の下部に配置される球抜き通路部材940などを覆うように皿ユニット900の前面及び側面に取り付けられる。図99に示すように、本体部920には、パチンコ遊技機1A内部の発射装置15へと複数の遊技球を順序よく列状に整列させる整列部920Aと、遊技者による蓋開閉部950の操作により、球抜き通路部材940へと遊技球を導くための第1開閉蓋920B及び第2開閉蓋953Bが設けられる。受け皿カバー部材930は、本体部920の上部に配置されるものであり、払出口901から払い出された遊技球を最初に受けて貯留するとともに、貯留した遊技球を下方の整列部920Aへと導くものである。受け皿カバー部材930には、本体部920の整列部920Aを上方から覆うカバー部930Aと、カバー部930Aの外側壁930Aaとの間に遊技球が通過し得る間隔をあけて周壁を形成する外周部930Bと、この外側壁930Aaと外周部930Bとの間に形成され、下方の整列部920Aへと遊技球を導く整流部930Cと、払出口901から払い出された複数の遊技球を滑り落とすことが可能なスロープ部930Dと、スロープ部930Dから滑り落ちてきた複数の遊技球を貯留しつつ整流部930Cへと流動させることが可能な貯留部930Eと、貯留部930Eの底面にあって第1開閉蓋920Bの上方に設けられる第1開口部930Fとが設けられる。なお、図98においては、払出口901の図示を省略している。図99においては、装飾カバー910の図示を省略している。
本体部920の整列部920Aは、皿ユニット900の後端側において払出口901(球送出受け部材902)が配置される側とは反対側の右寄りの箇所において左右にまっすぐ延びるように設けられる。整列部920Aは、複数の遊技球が一列に並んで流動するように、右側から左側へと下降傾斜しつつガイド片920Aaにより直線的な溝状に形成されている。すなわち、整列部920Aにおいて遊技球が整列する方向の上流側(整列方向上流側)は、払出口901から離間した整列部920Aの右端部に相当し、この整列部920Aの右端部にカバー部930Aの整流部930Cから遊技球が流下してくる。整列部920Aの整列下流側となる左端部には、内部の発射装置15へと遊技球を導くための導入口920Abが設けられ、整列部920Aの底面にあって第2開閉蓋953Bの上方に設けられる第2開口部930Gが設けられる。整列部920Aに並んだ遊技球は、1つずつ導入口920Abへと直線的に導かれる。このような整列部920Aは、右端部が一部露出しつつその余の部分が受け皿カバー部材930のカバー部930Aによって覆われる。また、本体部920において受け皿カバー部材930が配置される部分は、概ね受け皿カバー部材930の外周部930Bや整流部930C、スロープ部930Dや貯留部930E、第1開口部930Fと整合する形状に形成されている。また、整列部920Aの整流部930C側には、カバー部930Aが装着されなかった場合でも整列部920Aに整列している遊技球に流下してくる遊技球が乗り上げないような壁部920Acが設けられている。遊技者による第1蓋開閉部950Aの操作により、本体部920の第1開閉蓋920Bが開放されると、受け皿カバー部材930の貯留部930Eにある遊技球が第1開口部930Fを通じて下方へと排出される。排出された遊技球は、球抜き通路部材940を通じてドル箱の直上に位置する落下口940Aへと導かれ、落下口940Aからドル箱へと遊技球が排出される。一方、第1開閉蓋920Bが閉鎖状態にある場合、貯留部930Eの遊技球が第1開口部930Fから落下せずにそのままとどまり、整流部930Cへと導かれる。また、遊技者による第2蓋開閉部950Bの操作により、本体部920の第2開閉蓋953Bが開放されると、整列部920Aに並んだ遊技球が第2開口部930Gを通じて下方へと排出される。排出された遊技球は、球抜き通路部材940を通じてドル箱の直上に位置する落下口940Aへと導かれ、落下口940Aからドル箱へと遊技球が排出される。一方、第2開閉蓋953Bが閉鎖状態にある場合、整列部920Aに並んだ遊技球が第2開口部930Gから落下せずに導入口920Abから内部の発射装置15へと導かれる。
受け皿カバー部材930のカバー部930Aは、皿ユニット900の後端側において払出口901(球送出受け部材902)が配置される側とは反対側の右寄りの箇所に位置する。カバー部930Aの外側壁930Aaは、湾曲状に形成されており、整列部920Aの右端部と対応する部位に開口930Abが形成されている。また、外周部930Bは、外側壁930Aaとの間に整流部930Cを形成するように、外側壁930Aaに概ね沿うような湾曲状に形成されている。これにより、整流部930Cは、貯留部930Eの遊技球を開口930Abへと湾曲状に曲げつつ導くような通路として形成される。また、貯留部930Eの外壁部930Eaと整流部930Cの外周部930Bは、払出口901から放出された遊技球が接触しつつ転動して整流部930Cまで辿り着けるように連続した一つの面を形成している。これにより、貯留部930Eに遊技球が貯留されていない状態では、放出された遊技球が外壁部930Eaまで転動し、連続面(外壁部930Ea、外周部930B)にて方向を変えられつつ整流部930Cへと導かれる。ここで、遊技球を貯留部930Eの外部に排出可能な第1開口部930F及び遊技球を貯留可能な閉鎖状態と遊技球を外部へと排出可能な開放状態とに切替可能な第1開閉蓋920Bは、遊技球が連続面(外壁部930Ea、外周部930B)に接触しつつ転動可能なように、貯留部930Eの内部側(遊技盤12A側)に連続面から所定の間隔をあけて設けられている。この所定の間隔としては、少なくとも遊技球の直径以上の距離となることが望ましい。これは、払出口901から放出された遊技球が全て第1開口部930Fから外部へと排出されてしまうことを防止するためであり、例えば、貯留している遊技球が少ない場合、払出口901から放出された遊技球は、連続面(外壁部930Ea、外周部930B)に接触しながら転動し、第1開口部930Fに至ることなく第1開口部930Fから落下せずに整流部930Cへと導かれるので、仮に第1開閉蓋920Bが開放状態であっても、遊技球が第1開口部930Fからほとんど落下してしまって発射装置15へと供給される遊技球が途切れてしまうようなことがない。
整流部930Cは、貯留部930Eから開口930Abの方へと若干下降傾斜するように形成されている。また、整流部930Cは、外側壁930Aaと外周部930Bとにより開口930Abの方へと進むに従って徐々に幅狭くなるように形成されている。これにより、貯留部930Eにおいて乱雑に山積した遊技球は、整流部930Cによって徐々に曲がった列をなして開口930Abへと流れるようになる。また、払出口901から勢いよく払い出されることにより、スロープ部930D及び貯留部930Eを越えて整流部930Cにまで達する遊技球があっても、遊技球は、湾曲した外周部930Bの内面に当たることで推進力が弱められつつ整流部930Cを経て開口930Abへと導かれる。
図102は、本体部920、球抜き通路部材940及び蓋開閉部950を背面側から視た斜視図、図103は、図102に示す図の分解図である。本体部920の下には、蓋開閉部950が設けられ、蓋開閉部950の下には、球抜き通路部材940が設けられている。
図104は、球抜き通路部材940の斜視図、図105は、図104中のAA’断面図、図106は、図104中のBB’断面図である。図104に示すように、球抜き通路部材940は、上面視で略L字形状に形成され、前面側から視て左右方向に延び、中空形状に形成され、内部を遊技球が流下する第1通路941と、第1通路941の下流側端部に接続され、第1通路941と直交する方向(前面背面方向)に延び、中空形状に形成され、内部を遊技球が流下し、下流側端部において下方が開放した落下口940Aが形成された第2通路942と、を備える。第1通路941及び第2通路942は、上流側から下流側に向かって、底面が下り傾斜して配置されることで、内部を遊技球が上流から下流に向かって流下する。
第1通路941は、球抜き通路部材940内に遊技球を導くための第1受け口941a及び第2受け口941bを備える。第1受け口941aは、上流側端部において、本体部920の第1開口部930F(図103参照)及び第1蓋開閉部950Aの第1開閉蓋953A(図103参照)の下に形成され、上方が開放されている。第1受け口941aは、第1通路941の側面から突出し、湾曲して上方が開放されている。これにより、第1開口部930Fから落下した遊技球をスムーズに第1通路941の内部に導くことができる。第2受け口941bは、上流側端部と下流側端部との間において、本体部920の第2開口部930G(図103参照)及び第2蓋開閉部950Bの第2開閉蓋953B(図103参照)の下に形成され、上方が開放されている。第2受け口941bは、第1通路941の側面から突出し、湾曲して上方が開放されている。これにより、第2開口部930Gから落下した遊技球をスムーズに第1通路941の内部に導くことができる。
また、図105に示すように、第1通路941は、上流下流方向に延びる2つの側面の少なくとも一方の側面が、底面に向かって下り傾斜する傾斜壁941cを形成している。また、傾斜壁941cは、図106に示すように、中間から下流側端部に向かって、他方の側面側にせり出している。すなわち、傾斜壁941cは、底面に向かって下り傾斜しつつ、他方の側面側にせり出している。これにより、第1通路941内部の幅は、中間から下流側端部に向かって、また、底面に向かって、徐々に狭くなっている(例えば、遊技球2個分の幅から遊技球1個分の幅になっている)。これにより、例えば、第1通路941内に多量の遊技球が流入しても、遊技球を1列に整流して、第2通路942に流下させることが可能となる。また、第1通路941は、上流下流方向に延びる側面において、第1受け口941a(図104参照)と対面する部分に、第1受け口941aが設けられた側の側面側から他方の側面側に斜めに延びるガイド壁941dが形成されている。これにより、第1受け口941aから流入した遊技球をスムーズに第1通路941の内部に導くことができる。
第2通路942は、第1通路941の接続部分において、外側のコーナーを形成するコーナー壁942aを備える。コーナー壁942aは、第1通路941の下流側端部から第2通路942の上流側端部に連なる部分であり、遊技球が流下する方向に膨出した湾曲形状に形成されている。
図107は、球抜き通路部材940の分解斜視図である。球抜き通路部材940は、第1部材940aと、第2部材940bと、が互いに組み合わされることで、内部を遊技球が流下可能な中空形状に形成される。第1部材940aは、第1通路941の天面、底面及び一方の側面と、第2通路942の天面及び2つの側面を構成する。第2部材940bは、第1通路941の他方の側面と、第2通路942のコーナー壁942a及び底面を構成する。第1部材940aには、第2通路942の2つの側面を構成する部分の下端に、それぞれ下端から斜め上方に向かって欠き込まれた欠き込み940a’が形成されている。第2部材940bには、第2通路942の底面を構成する部分の2つの側縁に、それぞれ斜め上方に向かって突出する突起940b’が形成されている。欠き込み940a’と突起940b’は、第1部材940a及び第2部材940bが互いに組み合わされるときに、互いに係合され、図106に示す状態となる。よって、第1部材940a及び第2部材940bをネジ止めしなくとも、2つの部材を組み合わせた状態に維持できる。
図103に示すように、蓋開閉部950は、本体部920の第1開口部930Fを開閉するための第1蓋開閉部950Aと、本体部920の第2開口部930Gを開閉するための第2蓋開閉部950Bと、を備える。第1蓋開閉部950Aは、本体部920の下に配置された基端から前面側に延び、先端が本体部920より前面方向に突出し、遊技者が操作可能な第1把持部951Aと、第1把持部951Aの基端側をスライド自在に保持する第1蓋開閉部本体952Aと、第1把持部951Aに固定され、第1蓋開閉部本体952Aにスライド自在に取り付けられ、第1開口部930Fを塞ぐ閉状態と、第1開口部930Fを開放する開状態とに変位可能な第1開閉蓋953Aと、を備える。これにより、遊技者は、第1把持部951Aをスライド移動させることで、第1開閉蓋953Aを開状態と開状態との間で変位させ、第1開口部930Fを開閉させることができる。第2蓋開閉部950Bは、本体部920の下に配置された基端から前面側に延び、先端が本体部920より前面方向に突出し、遊技者が操作可能な第2把持部951Bと、第2把持部951Bの基端側をスライド自在に保持する第2蓋開閉部本体952Bと、第2蓋開閉部本体952Bにスライド自在に取り付けられ、第2開口部930Gを塞ぐ閉状態と、第2開口部930Gを開放する開状態とに変位可能な第2開閉蓋953Bと、第2把持部951Bと第2開閉蓋953Bとに連結され、第2把持部951Bのスライド移動により、第2開閉蓋953Bを開状態と開状態との間で変位させるリンク部954と、を備える。これにより、遊技者は、第2把持部951Bをスライド移動させることで、第2開閉蓋953Bを開状態と開状態との間で変位させ、第2開口部930Gを開閉させることができる。
[第4実施形態に係る遊技機の電気的構成]
図108は、本発明の第4実施形態に係る遊技機の回路構成を示すブロック図である。第4実施形態に係るパチンコ遊技機1Aの電気的構成は、主制御回路70に第1検知センサ840及び第2検知センサ850が接続されている点と、払出・発射制御回路123に満タン検知センサ733が接続されている点と、副制御回路200に2つのプロジェクタ装置本体b2が接続されている点と、第1実施形態のパチンコ遊技機1と異なる。
第1検知センサ840及び第2検知センサ850は、アウト口55(図88参照)を通過した遊技球をそれぞれアウト球として検知し、所定の出力信号を主制御回路70に出力する。満タン検知センサ733は、奥方に変位した満タン検知レバー732(図87参照)が所定時間にわたり接した状態になると、第2誘導路730D(図87参照)に遊技球が詰まって満タンになった状態と検知し、所定の出力信号を払出・発射制御回路123に出力する。払出・発射制御回路123は、この所定の出力信号を受信した場合、賞球ケースユニット170による遊技球の払い出しを一旦停止する。また、満タン検知センサ733は、満タン検知レバー732が前面側に変位し、満タン検知センサ733から離間した状態になると、第2誘導路730Dに遊技球が詰まっていない状態と検知し、所定の出力信号を払出・発射制御回路123に出力する。払出・発射制御回路123は、この所定の出力信号を受信した場合、一旦停止していた賞球ケースユニット170による遊技球の払い出しを再開する。
副制御回路200は、第1~3実施形態のパチンコ遊技機1又は遊技機1と同様に、他の遊技装置等の演出動作に応じて、プロジェクタ制御回路90を制御し、2つのプロジェクタ装置本体b2をそれぞれ又は連動させて、照射光を投影させ、遊技盤12Aやスクリーン部b4の背面に向けて照射光を投影することにより、視覚的な演出として映像を表示する。
また、主制御回路70に接続されている各種センサ、各種装置、他の回路等の遊技機構成部品は、カバー部材430(図75参照)に収容されている中継基板100(図75参照)や、遊技盤12A(図69参照)の遊技盤中継基板101(図69参照)を介して、主制御回路70に接続されている。
上記実施形態でのパチンコ機1又は1Aでは、貯留皿に貯留されている遊技球を遊技盤に発射し、入賞が発生した場合に払出装置から遊技球を貯留皿に払い出す構成であったが、これに限定されるものではない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技球やメダルなどの遊技媒体が投入され、それに基づいて遊技が行われ、例えばパチスロ機やカジノマシンなど、その遊技の結果に基づいて特典が付与される形態全てについて、本発明を適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体を使用し、遊技結果に応じて遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路(主制御基板)自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、遊技媒体を遊技者が触れることなく遊技が可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路(主制御基板)に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。またその場合、遊技盤に発射される遊技球は遊技者が触れることのない封入式遊技機であることが望ましい。
遊技媒体管理装置は、ROM及びRWM(あるいは、RAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作や遊技媒体の払出動作によって生じる遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチンコ機1又は1Aの前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合のほか、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられる場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えば、ICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等の各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果、所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際には、いずれかの返却操作手段を操作することにより、遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンター等に持っていくか、又は他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部の払出装置等を減らすことができ、遊技機の原価及び製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、装置を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
第4実施形態に係るパチンコ遊技機1Aによれば、以下の作用効果を奏する。パチンコ遊技機1Aによれば、プロジェクタユニットbを、前面側から背面側方向の投射レンズb2aから出射される投影光を遮らない位置において、傾斜させた状態で配置できるので、プロジェクタユニットbの前面側から背面側方向の設置スペースを抑えることができる。さらに、このように配置したプロジェクタユニットbの下部とカバー部材との間に形成された所定の空間405に、主制御基板70Aを収容できるので、所定の空間405を利用せずに、別の場所の主制御基板70Aを設けた場合に比べ、省スペース化が可能となる。したがって、裏機構を省スペース化することが可能な遊技機を提供できる。
また、プロジェクタユニットbを、投射レンズb2aを設けた一方の端部側をパチンコ遊技機1Aの前面側に配置し、反対の端部を背面側に配置し、一方の端部側を反対の端部側より低くなるように設けたことで、プロジェクタユニットbからの廃熱を、パチンコ遊技機1Aの裏機構内にこもらせることなく、斜め上方に逃がすことが可能となり、この廃熱が他の精密部品に悪影響を及ぼすことを防止可能となる。
これにより、カバー部材430の凹部431aに、主制御基板70Aを収容できるので、主制御基板70Aをプロジェクタユニットbの下部の所定の空間405に納めつつ、プロジェクタユニットbの廃熱から主制御基板70Aを保護し、この廃熱による主制御基板70Aへの悪影響を防止することが可能となる。また、主制御基板70Aを、外側に配置されているカバー部材430に収容することで、構成部品のメンテナンスが容易になる。
また、取付枠410とカバー部材430との間に設けられた取付ベース420に、プロジェクタユニットb及びミラー部材b3を取り付けることができるので、取付枠410の前方から飛び出すようにミラー部材b3を設ける必要がないので、パチンコ遊技機1Aの美観を損ねることなく、照射光を適切に、スクリーンに投影することが可能な遊技機を提供できる。
また、取付ベース420の幅を、前面側から背面側にいくにつれて狭くし、カバー部材430の背面部431に主基板70Aを収容可能とし、カバー部材430の側面432に、主基板70Aとは異なる中継基板100を収容可能としたので、遊技機内部の限られたスペースを有効に利用することが可能となる。また、カバー部材430が、カバー部材430の表面からパチンコ遊技機1A内部側に突出するように形成され、主制御基板70Aをカバー部材430の表面よりパチンコ遊技機1A背面側に突出しないように収容可能な凹部431aを備えた。これにより、主制御基板70Aを、凹部431aに収容することで、取付ベース420とカバー部材430の表面との間において、パチンコ遊技機1A背面側に突出しないように設けることができるので、遊技機内部の限られたスペースを有効に利用することが可能となる。
また、前面側に配置される取付枠410に取り付けられた可動止め具により、遊技盤12Aを着脱自在に固定し、取付枠410の背面側に取付ベース420及びカバー部材430を取り付けたので、カバー部材430を外さないと、取付枠410に設けられた遊技盤可動止め具413へのアクセスを困難とすることで、不正行為を防止することができる。また、遊技盤12Aの背面側に設ける各種部品を、遊技盤12Aの背面側に設けられた取付ベース420やカバー部材430に、取り付けることができるので、例えば、各種部品を変えずに、遊技盤12Aだけ変更することも可能となり遊技機の設計が容易になる。また、遊技機の組み立てる際には、遊技盤12Aに関連する遊技盤可動止め具413を取付枠410の側面に、主制御基板70Aが収容されているカバー部材430を取付枠410の背面に取り付けるようにして、遊技盤12Aに関わる部材、主制御基板70A等の裏機構に関わる部材、というように、部材の大きなカテゴリ毎に取り付ける面を異なるように構成した。したがって、遊技機の設計変更や組み立て作業を容易にし、また組み立て作業における作業水を低減することが可能な遊技機を提供できる。
また、取付枠410のどの面に、どの部材を取り付けるかを分けることで、取付枠410に取り付ける部材の配置関係(内周か背面か)にしたがって組み立てることで、組み立て作業における誤作業を防止できる。
また、取付枠410と、主制御基板70Aを収容可能なカバー部材430との間に取付ベース420を設け、この取付ベース420にプロジェクタユニットbが取り付け、カバー部材に遊技装置を制御可能な制御基板を取り付け、取付枠410に、取付ベース420及びカバー部材430を別々に固定可能な固定部411aを備えることで、遊技装置の種類に応じて、取付ベース420の形状を変更可能とすることができる。よって、裏機構を覆う部材を、カバー部材430と取付ベース420との2つの部材で構成することで、共通した部材であるカバー部材430を使用しつつ、取付ベース420をパチンコ遊技機1Aの演出特性に合わせた遊技装置の種類に応じた形状に変更することで、柔軟な機種開発を行うことが可能となる。したがって、裏機構を覆う部材の汎用性を向上可能な遊技機を提供できる。
また、カバー部材430を外さないと、遊技装置が取り付けられた取付ベース420を操作できないので、いたずら等で外部から遊技装置を取り外されることを防止できる。
また、カバー部材430を取付枠410に取り付けることで、遊技機全体の剛性を向上することが可能となる。また、裏機構を覆う部材を、カバー部材430と取付ベース420との二重構造とすることで、さらに、遊技機全体の剛性を向上することが可能となる。
パチンコ遊技機1Aによれば、カバー部材430の側面部432の少なくとも1つを傾斜させたので、奥行き寸法が同じ場合に、側面部432を傾斜させない場合に比べ、副制御基板80A等の遊技機構成部品の設置可能面積が大きくなるので、より多様な遊技機構成部品を取り付けることが可能となる。また、背面部431及び少なくとも2つの側面部432から形成される空間の内部に収容される主制御基板70Aとは別に、この傾斜した側面部432に、副制御基板80Aを収容可能としたので、副制御基板80Aを背面部431に集約した場合に比べ、副制御基板80Aがパチンコ遊技機1Aの背面部431に突出するのを抑えることが可能となる。したがって、奥行き寸法を抑えることが可能な遊技機を提供できる。
また、カバー部材430の背面部431に凹部431aを設けることで、カバー部材430の背面部431の折曲がり強度を高めることが可能となる。したがって、遊技機の背面側を覆うカバー部材の強度を向上可能な遊技機を提供できる。
また、例えば、主制御基板70Aが背面部431から突出していた場合、パチンコ遊技機1Aの移動時等において、この突出した部分に外力が加わり、破損する可能性が高くなる。本発明によれば、凹部431aに主制御基板70Aを収容し、背面部431の表面を略面一の状態とすることで、遊技機の移動時等において、遊技機構成部品に外力が加わり破損する可能性を低減できる。
また、カバー部材430の側面部432の少なくとも1つを傾斜させたので、奥行き寸法が同じ場合に、側面部432を傾斜させない場合に比べ、副制御基板80A等の遊技機構成部品の設置可能面積が大きくなるので、より多様な遊技機構成部品を取り付けることが可能となる。また、本体2に軸支された側と反対側の側面部432の少なくとも一部を、本体枠400の本体枠ヒンジ2bを中心とし、本体枠400の内側側縁を通る仮想円VCの内側に形成したので、本体2の内側を回動可能な範囲で、カバー部材430内部の空間をより広くし、より多くの遊技機構成部品を配置することが可能となる。したがって、奥行き寸法を抑えることが可能な遊技機を提供できる。
また、カバー部材430の側面部432の少なくとも一部を仮想円VCに沿った形状に形成したので、本体2の内側を回動可能な範囲で、カバー部材430内部の空間を更に広くし、更に多くの遊技機構成部品を配置することが可能となる。
また、カバー部材430の側面部432の少なくとも1つを傾斜させたので、奥行き寸法が同じ場合に、側面部432を傾斜させない場合に比べ、副制御基板80A等の遊技機構成部品の設置可能面積が大きくなるので、より多様な遊技機構成部品を取り付けることが可能となる。また、カバー部材430において、開口部432eを、背面部431及び少なくとも2つの側面部432から形成される空間の内部に収容された遊技盤12Aの遊技盤中継基板101からの配線をカバー部材430の外側に設けられた中継基板100と接続可能なように設け、側面第1凹部432aに開口部432eを介して配線と接続される中継基板100を収容可能とし、この側面第1凹部432aに、主制御基板70Aや副制御基板80Aをそれぞれ収容可能な凹部431aや側面第2凹部432cを隣接させた。これにより、より多彩な主制御基板70Aを取り付けることが可能であっても、多様な遊技機構成部品を集約して配置可能となり、これらを接続するケーブルを短くすることが可能となる。よって、多様な遊技機構成部品の確認作業やケーブル等の取り回しが容易になる。したがって、遊技機の組み立て作業やメンテナンスを簡素にすることが可能な遊技機を提供できる。
パチンコ遊技機1Aによれば、仮に貯留皿の払出口が塞がれることなどにより、払出装置700の内部において球送出機構720から排出口730Bへと通じる第1誘導路730Cで賞球となる遊技球の流れが停滞して詰まりが生じても、この第1誘導路730Cの上部途中から分岐した分岐路730E及び貫通口731Aを通じて球送出機構720からの遊技球が第2誘導路730Dへと迂回して導かれ、第2誘導路730Dが遊技球で満タン状態となっても、払出口(排出口730B)付近の閉塞状態が解消されると、第1誘導路730C及び第2誘導路730Dにおいて満タン状態となった多数の遊技球を直ちにまとめて排出口730Bから排出することができる。すなわち、払出装置700の内部における遊技球の球詰まりを第2誘導路730Dが満タン状態となるまで可及的に遅らせて防ぐことができる。
また、払出装置700の内部に第1誘導路730C及び第2誘導路730Dが設けられるので、遊技者の手に誘導路内の遊技球が直接触れられるおそれもなく、外的な要因によって遊技球の球詰まりが発生してしまうことを防ぐことができる。
また、カバー部材430において、球通路ユニット730と基板の収容部を一体的なユニットとして形成でき、また、カバー部材430の中央よりに制御基板を配置することで、配線回しに柔軟性を持たせることが可能となり、また、制御基板に不正が行われているかも確認しやすくなる。
また、第2誘導路730Dが満タン状態となって満タン検知レバー732及び満タン検知センサ733により遊技球の停滞が検知されるまでは、球送出機構720により入賞に応じた賞球としての遊技球を継続して繰り出すことができる。したがって、満タン状態となっても払い出し動作をすぐに中断させずに継続することができ、払出装置700の内部により多くの遊技球を貯留することができる。また、第1誘導路730Cと第2誘導路730Dとの横方向の幅を変えることで、第1誘導部と第2誘導部とにおける遊技球の貯留量や流量を変えることが可能となり、より適切な払い出し動作を行えるように調整することが可能となる。
また、第2誘導路730Dは、第1誘導路730Cに平面的に重なるように併設されることにより、別途設けられる第2誘導路730Dの占有スペースを大きく拡張せずとも有効にスペースを確保して利用することができる。これにより、球通路ユニット730と共に払出装置700全体の小型化に貢献することができる。
また、第2誘導路730Dに満タン状態となって貯留された遊技球も排出口730Bへと合流するように導くことができる。これにより、第1誘導路730Cの遊技球もまとめて多数の遊技球を1箇所の排出口730Bから排出することができ、払出装置700の内部における遊技球の球詰まりを可及的かつ速やかに解消することができる。
パチンコ遊技機1Aによれば、突片部材830が第1検知センサ840,第2検知センサ850を分け隔てつつも奥方の遊動空間部810D,820Dまで遊技球の進入を可能としており、遊動空間部810D,820Dの遊技球を突片部材830の上端830Aに接しながら底面810Da,820Daに沿って第1検知センサ840及び第2検知センサ850のいずれか一方に振り落とすことができるので、球検知ユニット800の内部において遊技球どうしで球噛みを生じることがなく、ひいてはアウト口55付近における遊技球の球詰まりを効果的に防ぐことができる。
また、突片部材830は、遊技球が進入する方向に沿って手前から奥方へと遊技球を左右に振り分けるように導くことができるので、遊技球どうしで球噛みを生じるおそれもなく、第1検知センサ840及び第2検知センサ850のいずれかへとスムーズに遊技球を導くことができる。
また、突片部材830の上端830Aは、奥側にいくほど上昇(隆起)するように形成されているので、遊動空間部810D,820Dへの遊技球の進入を許容しつつも可及的に第1検知センサ840及び第2検知センサ850のいずれかへと徐々に遊技球を落下させやすくすることができるとともに、上端830Aの前側部分では、遊技球の進行方向を規制せずに第1検知センサ840及び第2検知センサ850のいずれにも誘導することができる。
また、突片部材830は、第1検知センサ840及び第2検知センサ850を分け隔てつつも完全にこれらを仕切ることなく、上端830Aが峰状になっているので、進入した遊技球を引っ掛かりなく第1検知センサ840及び第2検知センサ850のいずれかへとスムーズに誘導することができる。
パチンコ遊技機1Aによれば、遊技盤中継基板101を、遊技盤12Aに対し略直角に立設させたので、遊技盤12Aに面で取り付けた場合に比べ、遊技盤12Aの裏面側における遊技盤中継基板101の設置スペースを抑えことが可能となる。また、カバー部材430により第1大入賞口ソレノイド53bを覆うことで、第1大入賞口ソレノイド53bと遊技盤中継基板101との接続部分を保護することが可能となる。したがって、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えつつ、基板を外部の衝撃から保護することが可能な遊技機を提供できる。
また、カバー部材430に、遊技盤中継基板101に対応する位置に開口を設け、遊技盤中継基板101を、この開口を介してカバー部材430の外部からコネクタ接続部101aに対する接続操作が可能な位置まで延設し、かつ、少なくとも遊技盤中継基板101の外側部分をカバー部材で覆った。このため、遊技盤中継基板101を外部の衝撃から保護しつつ、遊技盤中継基板101に接続されたコネクタをカバー部材430の外に引き出したり、カバー部材430を取り付けた状態で、遊技盤中継基板101にコネクタを着脱することが可能となるので、遊技機の組み立てや、メンテナンスの作業性を向上することが可能となる。
また、遊技盤中継基板101を、遊技盤12Aに対し略直角に立設させたので、遊技盤12Aに面で取り付けた場合に比べ、遊技盤12Aの裏面側における遊技盤中継基板101の設置スペースを抑えことが可能となる。また、遊技盤中継基板101を遊技盤12Aと平行な状態となるように折り畳み可能とすることで、必要に応じて(例えば、遊技盤中継基板101を取り付けた遊技盤12Aを搬送したり、重ねて保管したりする場合等)、遊技盤中継基板101を折り畳めるので、遊技盤12Aから垂直に突出させたままの状態にしておく場合に比べ、遊技盤中継基板101に外力がかかる可能性が低くなり、遊技盤中継基板101が破損してしまうリスクを低減できる。したがって、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えつつ、基板が損傷するリスクを低減することが可能な遊技機を提供できる。
また、カバー部材430に、遊技盤中継基板101に対応する位置に開口部432eを設け、遊技盤中継基板101が、この開口部432eを介してカバー部材430の外部からコネクタ接続部101aに対する接続操作が可能な位置まで延設し、かつ、少なくとも遊技盤中継基板101の外側部分をカバー部材430で覆った状態でコネクタ接続部101aの配線差込口101bが開口部432eの方向に向くように配置した。このため、遊技盤中継基板101を外部の衝撃から保護しつつ、遊技盤中継基板101に接続されたコネクタをカバー部材430の外に引き出したり、カバー部材430を取り付けた状態で、遊技盤中継基板101にコネクタを着脱することが可能となるので、遊技機の組み立てや、メンテナンスの作業性を向上することが可能となる。
また、カバー部材430の側面部432の少なくとも1つを傾斜させたので、奥行き寸法が同じ場合に、側面部432を傾斜させない場合に比べ、副制御基板80A等の遊技機構成部品の設置可能面積が大きくなるので、より多様な遊技機構成部品を取り付けることが可能となる。また、この傾斜した側面部432に、遊技機構成部品を収容可能としたので、遊技機構成部品を背面部431に集約した場合に比べ、遊技機構成部品が遊技機の背面部431に突出するのを抑えることが可能となる。また、傾斜した側面部432において、遊技盤中継基板101に対応する位置に開口部432eを設けることで、遊技盤12Aの裏面側における遊技盤中継基板101の設置スペースを抑えつつ、カバー部材430の側面部432における遊技機構成部品の設置可能面積をより大きくすることが可能となる。
また、遊技盤中継基板101を、遊技盤12Aに対し略直角に立設させたので、遊技盤12Aに面で取り付けた場合に比べ、遊技盤12Aの裏面側における遊技盤中継基板101の設置スペースを抑えことが可能となる。また、カバー部材430により第1大入賞口ソレノイド53bを覆うことで、第1大入賞口ソレノイド53bと遊技盤中継基板101との接続部分を保護することが可能となる。したがって、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えつつ、基板を外部の衝撃から保護することが可能な遊技機を提供できる。
また、中継基板100を収容可能な側面第1凹部432aに、主制御基板70A、副制御基板80Aをそれぞれ収容可能な側面第2凹部432c、凹部431aを隣接して配置し、かつ側面第1凹部432aには遊技盤12Aからの配線と接続可能な開口部432eを設けたので、遊技盤12Aに設けられた部品と側面第2凹部432cや凹部431aに収容された主制御基板70Aや副制御基板80Aのそれぞれとの配線長さを短くすることができる。よって、多様な遊技機構成部品の確認作業やケーブル等の取り回しが容易になる。
パチンコ遊技機1Aによれば、パチンコ遊技機1Aの組み立て作業において、取付枠410にカバー部材430を取り付ける場合、大まかな位置を合わせて重ねることで、取付枠410の第1誘導樋416及びカバー部材430の第2誘導樋434のいずれか他方の開口部が、一方の開口部の受入部434aのリブ434bに導かれ、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。このように、取付枠410の第1誘導樋416及びカバー部材430の第2誘導樋434のいずれか一方の開口部と他方の開口部を、厳密に位置合わせしなくとも、大まかな位置を合わせ、重ねるだけで、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となるので、組み立ての作業効率を向上可能となる。したがって、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
また、パチンコ遊技機1Aの組み立て作業において、取付枠410にカバー部材430を取り付ける場合、大まかな位置を合わせて重ねることで、取付枠410の第1誘導樋416及びカバー部材430の第2誘導樋434のいずれか他方の開口部が、一方の開口部の受入部434aのリブ434bに導かれ、他方の開口部が一方の開口部に挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。また、取付枠410の第3誘導樋418及びカバー部材430の第4誘導樋のいずれか一方の開口部が、一方の開口部の受入部434aのリブ434bに導かれ、他方の開口部が一方の開口部に挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。このように、取付枠410の第1誘導樋416及びカバー部材430の第2誘導樋434のいずれか一方の開口部と他方の開口部や、取付枠410の第3誘導樋418及びカバー部材430の第4誘導樋のいずれか一方の開口部と他方の開口部を、厳密に位置合わせしなくとも、大まかな位置を合わせ、重ねるだけで、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となるので、組み立ての作業効率を向上可能となる。さらに、第1誘導樋416及び第2誘導樋434と、第3誘導樋418及び第4誘導樋と、の2ヶ所の連結部分で、取付枠410にカバー部材430を取り付ける際の位置決めが可能となるので、大まかな位置を合わせで、より正確な位置決めが可能となる。したがって、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
また、パチンコ遊技機1Aの組み立て作業において、取付枠410にカバー部材430を取り付ける場合、大まかな位置を合わせて重ねることで、取付枠410の第1誘導樋416及びカバー部材430の第2誘導樋434のいずれか他方の開口部が、一方の開口部の受入部のリブ434bに導かれ、他方の開口部が一方の開口部に挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。また、取付枠410の第3誘導樋418及びカバー部材430の第4誘導樋のいずれか一方の開口部が、一方の開口部の受入部のリブ434bに導かれ、他方の開口部が一方の開口部に挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。このように、取付枠410の第1誘導樋416及びカバー部材430の第2誘導樋434のいずれか一方の開口部と他方の開口部や、取付枠410の第3誘導樋418及びカバー部材430の第4誘導樋のいずれか一方の開口部と他方の開口部を、厳密に位置合わせしなくとも、大まかな位置を合わせ、重ねるだけで、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となるので、組み立ての作業効率を向上可能となる。さらに、第1誘導樋416及び第2誘導樋434と、第3誘導樋418及び第4誘導樋と、の2ヶ所の連結部分で、取付枠410にカバー部材430を取り付ける際の位置決めが可能となるので、大まかな位置を合わせで、より正確な位置決めが可能となる。したがって、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
また、パチンコ遊技機1Aの組み立て作業において、取付枠410にカバー部材430を取り付ける場合、大まかな位置を合わせて重ねる。このとき、互いの開口部の位置が多少ずれていても、カバー部材430を押し込むことで、他方の開口部は、一方の開口部のリブ434bの傾斜に導かれ、リブ434bの外縁から内縁側に移動し、内縁に囲まれた部分に嵌まり、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となる。このように、取付枠410の第1誘導樋416及びカバー部材430の第2誘導樋434のいずれか一方の開口部と他方の開口部を、厳密に位置合わせしなくとも、大まかな位置を合わせ、重ねるだけで、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となるので、組み立ての作業効率を向上可能となる。したがって、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
また、パチンコ遊技機1Aの組み立て作業において、取付枠410にカバー部材430を取り付ける場合、大まかな位置を合わせて重ねることで、取付枠410の第1誘導樋416及びカバー部材430の第2誘導樋434のいずれか他方の開口部の係合部416aが、一方の開口部の受入部434aのリブ434bに導かれ、接続位置において、リブ434bにより囲まれた部分に嵌まり、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。このように、取付枠410の第1誘導樋416及びカバー部材430の第2誘導樋434のいずれか一方の開口部と他方の開口部を、厳密に位置合わせしなくとも、大まかな位置を合わせ、重ねるだけで、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となるので、組み立ての作業効率を向上可能となる。したがって、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
また、他方の開口部を、一方の開口部のリブ434bで案内する場合、他方の開口部の開口の外縁が、リブ434bに当接するが、このとき、開口の外縁に力が加わり、開口を変形させてしまい、接続後に、遊技球の流下に支障をきたすおそれがある。本発明によれば、他方の開口部の開口の外縁に係合部416aを設けることで、係合部416aをリブ434bに当接させ、開口の外縁に加わる力を低減し、接続後に、遊技球の流下に支障をきたすことを防止可能となる。
パチンコ遊技機1Aによれば、払出口901から放出された遊技球は、外壁部930Eaに接触しつつこれに沿って転動し、さらに連続する湾曲状の外周部930Bに沿って転動しながら整列部920Aの整列方向上流側へと導かれ、整列部920Aにおいては、複数の遊技球が直線的な列をなすように整列して導入口920Abまで誘導される。その際、第1開口部930Fに設けられた第1開閉蓋953Aが開放状態にあっても、払出口901から放出された遊技球が第1開口部930Fに落下することなく外壁部930Eaから外周部930Bに沿って転動しつつ整流部930Cから整列部920Aへと導かれる。したがって、整流部930Cによって払出口901から整列部920Aに至るまでの経路長を比較的長く確保しつつも、第1開口部930Fから落下しないように、貯留部930Eの外壁部930Eaや整列部920Aの外周部930Bが第1開口部930Fから所定の間隔をあけて形成されるとともに、その外周部930Bが湾曲状に形成されているので、整流部930Cから整列部920Aへと円滑に落下・排出させることなく遊技球を導くことができる。
また、払出口901から放出された遊技球は、直接整列部920Aに達することなく整流部930Cへと迂回するように導かれ、その後、この整流部930Cから整列部920Aへと導かれ、整列部においてまっすぐ整列した状態で導入口920Abへと導かれる。これによっても、整流部930Cから整列部920Aへと円滑に球詰まりさせることなく遊技球を導くことができる。
また、整流部930Cと整列部920Aとは、カバー部930Aの外側と内側とに形成されるので、これによっても、払出口901から整列部920Aに至るまでの経路長を比較的長く確保し、皿ユニット900全体の幅寸法や設置スペースを抑えることができる。
また、整列部920Aに整列している遊技球に、更に放出された遊技球が乗り上げ、整列が乱れ球詰まりが発生したり、遊技球が皿ユニット900から飛び出したりすることを防止できる。
また、湾曲状の整流部930Cを形成することによっても、払出口901から整列部920Aに至るまでの経路長を比較的長く確保することができるので、皿ユニット900全体の幅寸法や設置スペースを抑えることができ、整流部930Cから整列部920Aへと円滑に遊技球を導くことができる。
なお、本実施形態においては、受け皿カバー部材930自体のカバー部930Aの外側壁930Aaと外周部930Bとの間に整列部930Cが形成されるが、単に整列部を覆うだけのカバー部材を設け、このカバー部材の外側と皿ユニット本体部の湾曲した内周部との間に整列部のほか、スロープ部や貯留部を設けるようにしてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機を例に挙げ説明したが、本発明はこれに限定されない。上述した本発明の各種技術は、他の遊技機にも適用可能であり、例えば、弾球遊技機や封入式遊技機にも適用することができる。また、汎用的な技術については、上記に挙げた遊技機のほか、例えばゲーミングマシン、スロットマシン、あるいはパチスロ遊技機等といった各種遊技機にも適用することができる。
また、上記実施形態で示した数値や情報、構成要素などは、あくまでも一例にすぎず、本発明の範囲内において適宜変更することができるのはいうまでもない。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
(付記1について)
従来の遊技機には、遊技盤上に配置された多面体の構造物にプロジェクタからの映像を投影するものがある(例えば、特開2015-205001号公報参照)。遊技盤上の構造物は、一般的にLEDなどの発光体を備えている。また、この種の構造物は、可動体として動作することがある。
しかしながら、上記従来の遊技機では、構造物(可動体)における発光体の発光領域に映像を映し出すためにプロジェクタから光を投射しても、白くぼやけたように視認されやすくなる。これは、構造物上で反射した映像の光と発光体からの光とが混ざり合い、加法混色により明度が強められるためと考えられる。これにより、鮮明な映像を映し出すことができず、演出上において美観を損ねる難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、鮮明な映像を映し出すことができ、演出効果として美観を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技機を提供する。
本発明の一側面に係る遊技機は、
演出として動作可能な可動体(例えば、可動役物68など)と、
前記可動体に設けられ、演出として発光可能な発光手段(例えば、LED681など)と、
演出として映像を投影可能な投影手段(例えば、プロジェクタユニットBなど)と、
前記可動体の動作、前記発光手段による発光、及び前記投影手段による映像の投影を制御可能な演出制御手段(例えば、サブCPU81など)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
前記可動体は、
前記発光手段を覆うとともに、当該発光手段からの光が透過可能な透過領域を有するカバー部材(例えば、カバー部材684など)を備え、
前記演出制御手段は、
所定の条件が満たされた場合、前記カバー部材の前記透過領域以外の領域(例えば、非透過部材685など)、又は、前記発光手段からの光が透過していない前記透過領域を少なくとも投影対象として、前記投影手段により映像を投影可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、カバー部材の透過領域以外の領域あるいは透過領域において、反射した映像の光と発光体からの光とが混ざり合うことなく、加法混色により明度が強調されることもないので、可動体のカバー部材に対して鮮明な映像を映し出すことができ、演出効果として美観を高めることができる。
本発明の他の側面に係る遊技機は、
演出として動作可能な可動体(例えば、可動役物68など)と、
前記可動体に設けられ、演出として発光可能な発光手段(例えば、LED681など)と、
演出として映像を投影可能な投影手段(例えば、プロジェクタユニットBなど)と、
前記可動体の動作、前記発光手段による発光、及び前記投影手段による映像の投影を制御可能な演出制御手段(例えば、サブCPU81など)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
前記可動体は、
前記発光手段を覆うとともに、当該発光手段からの光が透過可能な透過領域を有するカバー部材(例えば、カバー部材684など)を備え、
前記演出制御手段は、
前記発光手段を発光させないとき、前記カバー部材の前記透過領域を少なくとも投影対象として、前記投影手段により映像を投影可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、カバー部材の透過領域で反射した映像の光と発光体からの光とが混ざり合うことなく、加法混色により明度が強調されることもないので、可動体のカバー部材の透過領域に対して鮮明な映像を映し出すことができ、演出効果として美観を高めることができる。
本発明の好ましい実施形態としては、
前記カバー部材は、前記透過領域以外の領域として前記発光手段からの光が透過しない非透過領域(例えば、非発光領域684b、684b’など)を少なくとも一部に有し、
前記演出制御手段は、前記カバー部材の前記非透過領域を投影対象に含めて前記投影手段により映像を投影可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、カバー部材の非透過領域に対しても鮮明な映像を映し出すことができ、演出効果として美観を高めることができる。
本発明の他の好ましい実施形態としては、
前記カバー部材は、前記非透過領域を周縁部に有し、
前記演出制御手段は、前記カバー部材の前記周縁部の少なくとも一部を投影対象として、前記投影手段により映像を投影可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、カバー部材の周縁部に対しても鮮明な映像を映し出すことができ、演出効果として美観を高めることができる。
(付記2について)
従来の遊技機には、遊技盤上に配置された多面体の構造物にプロジェクタからの映像を投影するものがある(例えば、特開2015-205001号公報参照)。遊技盤上の構造物は、一般的にLEDなどの発光体を備えている。また、この種の構造物は、可動体として動作することがある。
しかしながら、上記従来の遊技機では、構造物(可動体)における発光体の発光領域に映像を映し出すためにプロジェクタから光を投射しても、白くぼやけたように視認されやすくなる。これは、構造物上で反射した映像の光と発光体からの光とが混ざり合い、加法混色により明度が強められるためと考えられる。これにより、鮮明な映像を映し出すことができず、演出上において美観を損ねる難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、鮮明な映像を映し出すことができ、演出効果として美観を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技機を提供する。
本発明の一側面に係る遊技機は、
演出として動作可能な可動体(例えば、可動役物68など)と、
前記可動体に設けられ、演出として発光可能な発光手段(例えば、LED681など)と、
演出として映像を投影可能な投影手段(例えば、プロジェクタユニットBなど)と、
前記可動体の動作、前記発光手段による発光、及び前記投影手段による映像の投影を制御可能な演出制御手段(例えば、サブCPU81など)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
前記可動体は、
前記発光手段を覆うとともに、当該発光手段からの光が透過可能な透過領域を有するカバー部材(例えば、カバー部材684など)を備え、
前記演出制御手段は、
前記カバー部材の前記透過領域を投影対象として前記投影手段により映像を投影させる際に、前記投影手段により映像を投影させない場合よりも前記発光手段により発光の輝度を相対的に低下させた上で発光可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、カバー部材の透過領域で反射した映像の光と発光体からの光とが混ざり合う度合いが弱まり、加法混色による明度の強調が抑えられるので、可動体のカバー部材の透過領域に対して鮮明な映像を映し出すことができ、演出効果として美観を高めることができる。
本発明の好ましい実施形態としては、
前記カバー部材は、前記透過領域以外の領域として前記発光手段からの光が透過しない非透過領域(例えば、非透過部材685、非発光領域684b、684b’など)を少なくとも一部に有し、
前記演出制御手段は、前記カバー部材の前記非透過領域を投影対象に含めて前記投影手段により映像を投影可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、カバー部材の非透過領域に対しても鮮明な映像を映し出すことができ、演出効果として美観を高めることができる。
本発明の他の好ましい実施形態としては、
前記カバー部材は、前記非透過領域を周縁部に有し、
前記演出制御手段は、前記カバー部材の前記周縁部の少なくとも一部を投影対象として、前記投影手段により映像を投影可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、カバー部材の周縁部に対しても鮮明な映像を映し出すことができ、演出効果として美観を高めることができる。
(付記3について)
従来、この種の遊技機には、図柄表示領域の前方に電子シャッタを設け、この電子シャッタの透過率を低下させることにより、図柄表示領域を非透過領域として図柄を隠してしまう演出を行うものがある(例えば、特開2009-55942号公報参照)。
しかしながら、上記従来の遊技機では、通常状態において電子シャッタを作動させないことで透過率を最大にしても、電子シャッタそのものを通して図柄を視認しなければならないので、識別情報としての図柄が薄暗く見えてしまい、適時に視認性を確保することが難しいという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、識別情報を隠すような演出を可能としつつも適時に視認性を確保することができ、ひいては演出効果として美観を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技機を提供する。
本発明の一側面に係る遊技機は、
識別情報(例えば、識別図柄など)が施され、演出として動作可能な可動体(例えば、リール役物67など)と、
演出として映像を投影可能な投影手段(例えば、プロジェクタユニットBなど)と、
前記可動体の動作及び前記投影手段による映像の投影を制御可能な演出制御手段(例えば、サブCPU81など)と、を備えた遊技機であって、
前記可動体は、
識別情報が描かれたシート部材(例えば、シート部材671など)と、
前記シート部材を移動させるための移動手段(例えば、回転ギア673、モータ674など)と、を備え、
前記シート部材は、
識別情報の描画領域(例えば、青7(671A)、赤7(671B)など)と、
前記描画領域以外の背景領域(例えば、ブランク671Cなど)と、を有し、
前記描画領域は、第1の色系(例えば、赤色又は青色など)を基調に形成され、
前記背景領域は、前記第1の色系とは異なる第2の色系(例えば、白色又は灰色など)を基調に形成され、
前記演出制御手段は、
所定の条件が満たされた場合、前記シート部材に対して前記第1の色系と同系色で前記投影手段により映像を投影可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、シート部材に対し、識別情報が描かれた描画領域の第1の色系と同系色で映像を投影することにより、識別情報が同系色の映像に溶け込むように見えることで視認不可能あるいは視認困難になる一方、そのような映像の投影をしなければ識別情報が直接視認可能となるので、識別情報を隠すような演出を可能としつつも適時に視認性を確保することができ、ひいては演出効果として美観を高めることができる。
本発明の好ましい実施の形態としては、
前記可動体は、前記シート部材の背面側から正面側に向けて光を照射可能な発光手段(例えば、LED677など)を備え、
前記演出制御手段は、
前記発光手段による発光を制御可能であり、
前記シート部材に対して前記投影手段により映像を投影する際、前記発光手段による発光を停止可能、又は前記投影手段により映像を投影しない場合よりも前記発光手段により発光の輝度を相対的に低下させた上で発光可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、シート部材上で反射した映像の光と発光手段からの光とが混ざり合うことなく、あるいはその度合いが弱まり、加法混色による明度の強調が抑えられるので、シート部材の描画領域を同系色の映像に十分溶け込ませることができ、識別情報を確実に隠すことができる。
(付記4について)
従来、この種の遊技機には、図柄表示領域の前方に電子シャッタを設け、この電子シャッタの透過率を低下させることにより、図柄表示領域を非透過領域として図柄を隠してしまう演出を行うものがある(例えば、特開2009-55942号公報参照)。
しかしながら、上記従来の遊技機では、通常状態において電子シャッタを作動させないことで透過率を最大にしても、電子シャッタそのものを通して図柄を視認しなければならないので、識別情報としての図柄が薄暗く見えてしまい、適時に視認性を確保することが難しいという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、識別情報を隠すような演出を可能としつつも適時に視認性を確保することができ、ひいては演出効果として美観を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技機を提供する。
本発明の一側面に係る遊技機は、
識別情報(例えば、識別図柄など)が施され、演出として動作可能な可動体(例えば、リール役物67など)と、
演出として映像を投影可能な投影手段(例えば、プロジェクタユニットBなど)と、
前記可動体の動作及び前記投影手段による映像の投影を制御可能な演出制御手段(例えば、サブCPU81など)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
前記可動体は、
識別情報が描かれたシート部材(例えば、シート部材671など)と、
前記シート部材を移動させるための移動手段(例えば、回転ギア673、モータ674など)と、を備え、
前記シート部材は、
識別情報の描画領域(例えば、青7(671A)、赤7(671B)など)と、
前記描画領域以外の背景領域(例えば、ブランク671Cなど)と、を有し、
前記描画領域は、第1の色系(例えば、赤色又は青色など)を基調に形成され、
前記背景領域は、前記第1の色系とは異なる第2の色系(例えば、白色又は灰色など)を基調に形成され、
前記演出制御手段は、
所定の条件が満たされた場合、前記移動手段により前記シート部材を移動させた後に停止させる一連の演出動作(例えば、擬似連など)を連続的に実行可能であり、
前記シート部材の停止時に、前記描画領域の識別情報を視認可能とする第1演出状態と、
前記シート部材の停止時あるいは移動中に、前記シート部材に対して前記第1の色系と同系色で前記投影手段により映像を投影する第2演出状態と、に制御可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、シート部材の移動・停止が連続的に複数回にわたり行われ、シート部材が停止する第1演出状態では、描画領域の識別情報が直接視認可能となる一方、例えば最後にシート部材が停止する際や回転中の第2演出状態では、シート部材に対し、描画領域の第1の色系と同系色で映像を投影することにより、識別情報が同系色の映像に溶け込むように見えることで視認不可能あるいは視認困難になるので、識別情報を隠すような演出を可能としつつも適時に視認性を確保することができ、ひいては演出効果として美観を高めることができる。
本発明の好ましい実施の形態としては、
前記可動体は、前記シート部材の背面側から正面側に向けて光を照射可能な発光手段(例えば、LED677など)を備え、
前記演出制御手段は、
前記発光手段による発光を制御可能であり、
前記第2演出状態において、前記発光手段による発光を停止可能、又は前記発光手段により前記第1演出状態よりも発光の輝度を相対的に低下させた上で発光可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、シート部材上で反射した映像の光と発光手段からの光とが混ざり合うことなく、あるいはその度合いが弱まり、加法混色による明度の強調が抑えられるので、シート部材の描画領域を同系色の映像に十分溶け込ませることができ、識別情報を確実に隠すことができる。
(付記5について)
従来の遊技機には、遊技盤上に配置された多面体の構造物にプロジェクタからの映像を投影するものがある(例えば、特開2015-205001号公報参照)。遊技盤上の構造物は、一般的にLEDなどの発光体を備えている。また、この種の構造物は、可動体として動作することがある。
しかしながら、上記従来の遊技機では、構造物(可動体)における発光体の発光領域に映像を映し出すためにプロジェクタから光を投射しても、白くぼやけたように視認されやすくなる。これは、構造物上で反射した映像の光と発光体からの光とが混ざり合い、加法混色により明度が強められるためと考えられる。これにより、鮮明な映像を映し出すことができず、演出上において美観を損ねる難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、鮮明な映像を映し出すことができ、演出効果として美観を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技機を提供する。
本発明の一側面に係る遊技機は、
演出として画像を表示可能な表示領域(例えば、表示領域13aなど)を有する表示手段(例えば、液晶表示装置13など)と、
演出として映像を投影可能な投影手段(例えば、プロジェクタユニットBなど)と、
前記表示手段による画像の表示及び前記投影手段による映像の投影を制御可能な演出制御手段(例えば、サブCPU81など)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
前記表示手段は、
前記表示領域における所定の描画領域に所定の画像を表示可能であり、
前記演出制御手段は、
所定の条件が満たされた場合、前記表示領域における前記所定の描画領域以外の領域を少なくとも投影対象として、前記投影手段により映像を投影可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、表示領域における所定の描画領域以外の領域において、反射した映像の光と表示画像の光とが混ざり合うことがなく、加法混色により明度が強調されることもないので、表示手段の表示領域に対して鮮明な映像を映し出すことができ、演出効果として美観を高めることができる。
本発明の他の側面に係る遊技機は、
演出として画像を表示可能な表示領域(例えば、表示領域13aなど)を有する表示手段(例えば、液晶表示装置13など)と、
演出として映像を投影可能な投影手段(例えば、プロジェクタユニットBなど)と、
前記表示手段による画像の表示及び前記投影手段による映像の投影を制御可能な演出制御手段(例えば、サブCPU81など)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
前記表示手段は、
前記表示領域における所定の描画領域に所定の画像を表示可能であり、
前記演出制御手段は、
前記表示領域における前記所定の描画領域に前記所定の画像を表示させない場合、当該所定の描画領域を少なくとも投影対象として、前記投影手段により映像を投影可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、表示領域における所定の描画領域で反射した映像の光と表示画像の光とが混ざり合うことがなく、加法混色により明度が強調されることもないので、所定の描画領域に対して鮮明な映像を映し出すことができ、演出効果として美観を高めることができる。
本発明の好ましい実施の形態としては、
前記所定の描画領域以外の領域であって前記投影手段により映像を投影される領域の少なくとも一部は、黒色あるいは灰色による単一の表示色にて表示されることを特徴とする。
このような構成によれば、黒色あるいは灰色の領域に対して映像を投影することにより、投影された映像のコントラストや視認性を高めることができ、ひいては演出効果として美観を高めることができる。
本発明の好ましい実施の形態としては、
前記表示領域における前記所定の描画領域に前記所定の画像を表示させない場合、前記所定の描画領域は、黒色による単一の表示状態となることを特徴とする。
このような構成によれば、黒色の表示状態にある所定の描画領域に対して映像を投影することにより、投影された映像のコントラストや視認性を高めることができ、ひいては演出効果として美観を高めることができる。
(付記6について)
従来の遊技機には、遊技盤の正面に設けられた透明な保護板にプロジェクタからの映像を投影するものがある(例えば、特開2012-75624号公報参照)。遊技盤には、液晶表示部が設けられており、保護板への投射映像は、液晶表示部の表示画像と重なるように形成可能となっている。
しかしながら、上記従来の遊技機では、液晶表示部の正面に位置する保護板に映像を映し出すためにプロジェクタから光を投射しても、白くぼやけたように視認されやすくなる。これは、保護版上で反射した映像の光と液晶表示部からの光とが混ざり合い、加法混色により明度が強められるためと考えられる。これにより、鮮明な映像を映し出すことができず、演出上において美観を損ねる難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、鮮明な映像を映し出すことができ、演出効果として美観を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技機を提供する。
本発明の一側面に係る遊技機は、
演出として画像を表示可能な表示領域(例えば、表示領域13aなど)を有する表示手段(例えば、液晶表示装置13など)と、
演出として映像を投影可能な投影手段(例えば、プロジェクタユニットBなど)と、
演出として動作可能な可動体(例えば、可動役物68の装飾部68Aなど)と、
前記表示手段による画像の表示、前記投影手段による映像の投影、及び前記可動体の動作を制御可能な演出制御手段(例えば、サブCPU81など)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
前記演出制御手段は、
前記可動体を前記表示領域の前方に位置させるように移動可能であり、
前記可動体を投影対象としてその前方側から前記投影手段により映像を投影可能であり、
前記可動体に投影された映像に関連する所定の画像を、前記表示領域における前記可動体の位置に対応しない所定の描画領域(例えば、重ならない領域など)に表示可能であるとともに、前記所定の描画領域以外の領域(例えば、重なる領域など)について、画像を非表示とすることが可能、又は所定の色系を基調に形成可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、可動体に投影された映像と所定の描画領域に表示された所定の画像とによって一体的な表示像を形成することができる。また、可動体で反射した映像の光と所定の画像の光とが混ざり合うことなく、さらに所定の描画領域以外の領域にあっても投影された映像の光が反射しやすくなり、加法混色により明度が強調されることもないので、表示領域の前方に位置する可動体に対して鮮明な映像を映し出すことができ、演出効果として美観を高めることができる。
本発明の好ましい実施の形態としては、
前記可動体は、演出として発光可能な発光手段(例えば、LED681など)を備え、
前記演出制御手段は、
前記可動体に対して前記投影手段により映像を投影する際、前記発光手段による発光を停止可能、又は前記投影手段により映像を投影しない場合よりも前記発光手段により発光の輝度を相対的に低下させた上で発光可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、可動体で反射した映像の光と発光手段からの光とが混ざり合うことなく、あるいはその度合いが弱まり、加法混色による明度の強調が抑えられるので、可動体に対してはっきりと映像を映し出すことができ、映像及び画像の視認性を確保することができる。
(付記7について)
従来、この種の遊技機には、図柄表示領域の前方に電子シャッタを設け、この電子シャッタの透過率を低下させることにより、図柄表示領域を非透過領域として図柄を隠してしまう演出を行うものがある(例えば、特開2009-55942号公報参照)。
しかしながら、上記従来の遊技機では、電子シャッタの透過率を変化させることで識別情報としての図柄を視認可能/視認不可能にするだけであるので、視覚的に単調な演出効果しか得られず、演出の興趣に欠けるという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、視覚的に多彩な演出を行うことができ、ひいては演出の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技機を提供する。
本発明の一側面に係る遊技機は、
演出として画像を表示可能な表示手段(例えば、前面液晶装置13’など)と、
演出として映像を投影可能な投影手段(例えば、プロジェクタユニットBなど)と、
前記表示手段の背面側に配置された構造体(例えば、可動役物68など)と、
前記表示手段による画像の表示及び前記投影手段による映像の投影を制御可能な演出制御手段(例えば、サブCPU81など)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
前記表示手段は、
背面側を透視可能とする一方、画像を表示可能な透過表示領域(例えば、前面液晶パネル13Cなど)を有し、
前記構造体は、前記透過表示領域の背面側に配置され、
前記演出制御手段は、
前記表示手段について、前記透過表示領域の少なくとも一部を透視不可能又は困難とする第1の状態と、前記透過表示領域の少なくとも一部を透視可能とする第2の状態とに切り替え可能であり、
前記第1の状態において、前記透過表示領域の少なくとも一部を投影対象として、前記投影手段により映像を投影可能であり、
前記第2の状態において、前記透過表示領域の少なくとも一部を透かしつつ前記構造体を投影対象として、前記投影手段により映像を投影可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、第1の状態では、透過表示領域に投影された映像や表示された画像を直接視認することができる一方、第2の状態では、透過表示領域を透して構造体に投影された映像を視認することができるので、視覚的に多彩な演出を行うことができ、ひいては演出の興趣を高めることができる。
本発明の好ましい実施の形態としては、
前記透過表示領域は、前記第1の状態において、一様な所定の色系(例えば、黒色又は灰色など)を基調に形成されることを特徴とする。
このような構成によれば、例えば黒色や灰色の一様な所定の色系となった透過表示領域に対して映像を投影することにより、投影された映像のコントラストや視認性を高めることができ、ひいては演出効果として美観を高めることができる。
本発明の他の好ましい実施の形態としては、
前記構造体は、演出として発光可能な発光手段(例えば、LED681など)を備え、
前記演出制御手段は、
前記第2の状態において、前記構造体に対して前記投影手段により映像を投影する際、前記発光手段による発光を停止可能、又は前記投影手段により映像を投影しない場合よりも前記発光手段により発光の輝度を相対的に低下させた上で発光可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、構造体で反射した映像の光と発光手段からの光とが混ざり合うことなく、あるいはその度合いが弱まり、加法混色による明度の強調が抑えられるので、構造体に対してはっきりと映像を映し出すことができ、映像の視認性を確保することができる。
(付記8について)
従来の遊技機には、遊技盤上に配置された多面体の構造物にプロジェクタからの映像を投影するものがある(例えば、特開2015-205001号公報参照)。遊技盤上の構造物は、一般的にLEDなどの発光体を備えている。また、この種の構造物は、可動体として動作することがある。
しかしながら、上記従来の遊技機では、構造物(可動体)における発光体の発光領域に映像を映し出すためにプロジェクタから光を投射しても、白くぼやけたように視認されやすくなる。これは、構造物上で反射した映像の光と発光体からの光とが混ざり合い、加法混色により明度が強められるためと考えられる。
また、構造物の位置によってはプロジェクタの投影角度が広角となり、投影角度が広角になるほど映像がぼやけてしまう。これにより、鮮明な映像を映し出すことができず、演出上において美観を損ねる難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、鮮明な映像を映し出すことができ、演出効果として美観を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技機を提供する。
本発明の一側面に係る遊技機は、
演出として発光可能な複数の発光手段(例えば、装飾部材66A,66B,66Cなど)と、
演出として映像を投影可能な投影手段(例えば、プロジェクタユニットBなど)と、
前記複数の発光手段による発光及び前記投影手段による映像の投影を制御可能な演出制御手段(例えば、サブCPU81など)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
前記投影手段は、所定の位置に固定的に配置されており、
前記複数の発光手段には、
前記投影手段からの光学的距離が第1の距離となる位置に配置された第1の発光手段(例えば、装飾部材66Aなど)と、
前記投影手段からの光学的距離が前記第1の距離より長い第2の距離となる位置に配置された第2の発光手段(例えば、装飾部材66Cなど)と、が含まれ、
前記演出制御手段は、
前記第1の発光手段及び前記第2の発光手段を少なくとも含む所定の領域(例えば、遊技盤12の前面など)を投影対象として、前記投影手段により映像を投影可能であり、
前記投影手段により映像を投影する際、少なくとも前記第2の発光手段について、前記投影手段により映像を投影しない場合よりも発光の輝度を低下させた上で発光可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、投影手段により映像を投影する際、第1の発光手段及び第2の発光手段からの光と所定の領域で反射した映像の光とが混ざり合うものの、投影手段からの光学的距離が相対的に長い位置にある第2の発光手段の発光の輝度が低下させられる。これにより、第1の発光手段からの光と映像の光とが混ざり合う度合いと、第2の発光手段からの光と映像の光とが混ざり合う度合いとの均整がとられるので、一様な光加減で鮮明な映像を映し出すことができ、映像の視認性を確保することができる。
本発明の他の側面に係る遊技機は、
演出として発光可能な複数の発光手段(例えば、装飾部材66A,66B,66Cなど)と、
演出として映像を投影可能な投影手段(例えば、プロジェクタユニットBなど)と、
前記複数の発光手段による発光及び前記投影手段による映像の投影を制御可能な演出制御手段(例えば、サブCPU81など)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
前記投影手段は、所定の位置に固定的に配置されており、
前記複数の発光手段には、
前記投影手段の投影軸(例えば、光軸Xなど)方向に対して第1の角度をなす位置に配置された第1の発光手段(例えば、装飾部材66Aなど)と、
前記投影手段の投影軸方向に対して前記第1の角度より大きい第2の角度をなす位置に配置された第2の発光手段(例えば、装飾部材66Cなど)と、が含まれ、
前記演出制御手段は、
前記第1の発光手段及び前記第2の発光手段を少なくとも含む所定の領域を投影対象として、前記投影手段により映像を投影可能であり、
前記投影手段により映像を投影する際、少なくとも前記第2の発光手段について、前記投影手段により映像を投影しない場合よりも発光の輝度を低下させた上で発光可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、投影手段により映像を投影する際、第1の発光手段及び第2の発光手段からの光と所定の領域で反射した映像の光とが混ざり合うものの、投影手段の投影軸方向に対する角度が相対的に大きい位置にある第2の発光手段の発光の輝度が低下させられる。これにより、第1の発光手段からの光と映像の光とが混ざり合う度合いと、第2の発光手段からの光と映像の光とが混ざり合う度合いとの均整がとられるので、一様な光加減で鮮明な映像を映し出すことができ、映像の視認性を確保することができる。
本発明の好ましい実施の形態としては、
前記演出制御手段は、
前記投影手段により映像を投影する際、前記第1の発光手段について、前記投影手段により映像を投影しない場合よりも発光の輝度を低下させた上で発光可能であり、
前記第2の発光手段の発光の輝度を低下させる度合いよりも、前記第1の発光手段の発光の輝度を低下させる度合いを大きくすることを特徴とする。
このような構成によれば、投影手段により映像を投影する際に第1の発光手段の発光の輝度についても低下させられるとともに、当該第1の発光手段の発光の輝度が第2の発光手段の発光の輝度よりも大きく低下させられるので、これらの光と映像の光とが混ざり合って生じる光の強さをできる限り均一化することができ、より一様な光加減で鮮明な映像を映し出すことができる。
(付記9について)
従来の遊技機には、遊技盤上に配置された多面体の構造物にプロジェクタからの映像を投影するものがある(例えば、特開2015-205001号公報参照)。遊技盤上の構造物は、一般的にLEDなどの発光体を備えている。また、この種の構造物は、可動体として動作することがある。
しかしながら、上記従来の遊技機では、構造物(可動体)に対して投影した映像を視認可能とするだけであるので、視覚的に単調な演出効果しか得られず、演出の興趣に欠けるという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、視覚的に多彩な演出を行うことができ、ひいては演出の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技機を提供する。
本発明の一側面に係る遊技機は、
演出として画像を表示可能な表示領域(例えば、表示領域13aなど)を有する表示手段(例えば、液晶表示装置13など)と、
演出として映像を投影可能な投影手段(例えば、プロジェクタユニットBなど)と、
演出として動作可能な可動体(例えば、可動役物68など)と、
前記表示手段による画像の表示、前記投影手段による映像の投影、及び前記可動体の動作を制御可能な演出制御手段(例えば、サブCPU81など)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
前記演出制御手段は、
前記可動体を前記表示領域の前方に位置させるように移動可能であり、
前記可動体を投影対象としてその前方側から前記投影手段により映像を投影可能であり、
前記可動体に投影された映像に関連する所定の画像を、前記表示領域において前記可動体の背後に位置する所定の描画領域に表示可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、可動体に投影された映像を視認することができる一方、可動体の背後に位置する所定の描画領域を覗き込むようにすると、投影された映像に関連する所定の画像を視認することができるので、視覚的に多彩な演出を行うことができ、ひいては演出の興趣を高めることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、
前記可動体に投影された映像と前記所定の画像との双方に共通する画像を、前記表示領域における前記所定の描画領域以外の領域に表示可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、可動体に投影された映像や所定の画像とともに共通して表示された画像によって一体的な表示像を形成することができる。
(付記10について)
従来、この種の遊技機には、リールの前方に液晶表示パネルを設け、この液晶表示パネルの光透過領域を通じてリールに描かれた図柄を視認可能とするとともに、当該図柄と重なるように光透過領域において画像を表示可能としたものがある(例えば、特開2004-321553号公報参照)。
しかしながら、上記従来の遊技機では、単にリールの回転停止時に識別情報としての図柄とともに光透過領域に画像を表示するだけであるので、視覚的に単調な演出効果しか得られず、演出の興趣に欠けるという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、視覚的に多彩な演出を行うことができ、ひいては演出の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技機を提供する。
本発明の一側面に係る遊技機は、
演出として識別情報を変動表示及び停止表示可能な識別情報表示手段(例えば、リール役物67など)と、
演出として映像を投影可能な投影手段(例えば、プロジェクタユニットBなど)と、
前記識別情報表示手段による識別情報の変動表示及び停止表示、並びに前記投影手段による映像の投影を制御可能な演出制御手段(例えば、サブCPU81など)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
前記識別情報表示手段は、識別情報を変動表示及び停止表示するための表示部(例えば、開口12bなど)を有し、
前記演出制御手段は、
前記表示部において識別情報の変動表示中、当該表示部に対して前記投影手段により映像を投影可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、識別情報の変動表示中に表示部に対して映像が投影されると、その変動表示中か停止表示中かを分かり難くすることができるので、視覚的に多彩な演出を行うことができ、ひいては演出の興趣を高めることができる遊技機を提供することができる。
本発明の好ましい実施の形態としては、
前記演出制御手段は、前記表示部を含めてその外部周辺の領域まで前記投影手段により映像を投影可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、表示部よりも大きく映像を投影することができるので、より一層多彩な演出を行うことができる。
本発明の他の好ましい実施の形態としては、
前記演出制御手段は、前記表示部のみに対して前記投影手段により所定の映像を投影し、その後、前記表示部を含めてその外部周辺の領域まで前記所定の映像を拡大させた上で前記投影手段により投影可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、表示部に投影された所定の映像を徐々に拡大して表示部よりも大きく見えるようにすることができるので、より一層多彩な演出を行うことができる。
本発明の他の好ましい実施の形態としては、
遊技球が転動可能な遊技領域(例えば、遊技領域12aなど)を有する遊技盤(例えば、遊技盤12など)を備え、
前記演出制御手段は、前記遊技領域以外の領域まで前記投影手段により映像を投影可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、例えば表示部に映像を投影する状態から遊技領域以外の領域に映像を投影する状態に切り替えことができるので、より一層多彩な演出を行うことができ、演出の興趣を高めることができる。
本発明の他の好ましい実施の形態としては、
前記演出制御手段は、前記投影手段により、前記識別情報を映像として投影可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、例えばリールによって物理的に識別情報を変動表示や停止表示させるとともに、そのような識別情報を映像としても投影することができ、演出の興趣を高めることができる。
(付記11について)
従来、この種の遊技機には、リールの前方に液晶表示パネルを設け、この液晶表示パネルの光透過領域を通じてリールに描かれた図柄を視認可能とするとともに、当該図柄と重なるように光透過領域において画像を表示可能としたものがある(例えば、特開2004-321553号公報参照)。
しかしながら、上記従来の遊技機では、単にリールの回転停止時に識別情報としての図柄とともに光透過領域に画像を表示するだけであるので、視覚的に単調な演出効果しか得られず、演出の興趣に欠けるという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、視覚的に多彩な演出を行うことができ、ひいては演出の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、以下の遊技機を提供する。
本発明の一側面に係る遊技機は、
演出として識別情報を変動表示及び停止表示可能な識別情報表示手段(例えば、液晶表示装置13など)と、
演出として映像を投影可能な投影手段(例えば、プロジェクタユニットBなど)と、
前記識別情報表示手段による識別情報の変動表示及び停止表示、並びに前記投影手段による映像の投影を制御可能な演出制御手段(例えば、サブCPU81など)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
前記識別情報表示手段は、複数の識別情報を変動表示及び停止表示するための表示部(例えば、表示領域13aなど)を有し、
前記演出制御手段は、
前記表示部において複数の識別情報の変動表示中、当該表示部の外部周辺の領域に対して当該複数の識別情報の変動表示に連動する動的な所定の映像を前記投影手段により投影可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、複数の識別情報の変動表示に連動するように表示部の外部周辺の領域に対して動的な所定の映像を投影することができるので、視覚的に多彩な演出を行うことができ、ひいては演出の興趣を高めることができる遊技機を提供することができる。
本発明の好ましい実施の形態としては、
前記複数の識別情報は、複数の数字により構成され、
前記所定の映像には、前記表示部において変動表示中の前記複数の識別情報に対して連続する数字、又は同一の数字が含まれることを特徴とする。
このような構成によれば、表示部を越えて外部周辺の領域まで複数の連続した数字、あるいは複数の同一の数字が一体的に揃って変動表示するように見えるので、より一層多彩な演出を行うことができ、演出の興趣を高めることができる。
本発明の他の好ましい実施の形態としては、
遊技球が転動可能な遊技領域を有する遊技盤を備え、
前記識別情報表示手段は、前記遊技盤に設けられており、
前記演出制御手段は、前記投影手段により、前記遊技領域以外の領域に前記所定の映像を投影可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、例えばパチンコ遊技機の遊技盤において、遊技球により視認性が阻害されない遊技領域以外の領域に所定の映像を投影することができ、演出の興趣を高めることができる。
(その他について)
遊技機としては、例えばパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2013-13801号公報参照)。しかしながら、このパチンコ遊技機では、本発明のような遊技機としての構成や機能を有さないことから、興趣の向上を図ることができなかった。本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、興趣の向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
(付記12について)
従来、遊技領域の背面において、側面方向から見て斜め方向に配置されたプロジェクタから照射した投影画像を反射板にて前方に反射させ、反射された投影画像がスクリーンに投影される遊技機が開示されている(特開2004-33251号公報を参照)。このような遊技機によれば、プロジェクタから照射した投影画像を、スクリーンに投影することができる。
しかしながら、上記特開2004-33251号公報の遊技機は、斜めに配置されたプロジェクタ(又は反射鏡)は、縦方向のスペースは節約できるものの、奥行き方向に余分なスペースを必要とし、また周囲の部品との間に三角形のデッドスペースを発生させてしまうので、遊技機の裏機構が大型化してしまう問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、裏機構を省スペース化することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、所定の画像を投影可能な投影装置(例えば、プロジェクタユニットb)と、前記投影装置から照射される投影光を反射可能な反射部(例えば、ミラー部材b3)と、前記反射部により反射される投影光により前記所定の画像を映し出すスクリーン部(例えば、スクリーン部b4)と、遊技機の背面を覆うカバー部材(例えば、カバー部材430)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
前記投影装置は、前記投影光を生成可能な投影画像生成装置(例えば、プロジェクタ装置本体b2)と、前記投影画像生成装置を収容可能な収容ケース(例えば、プロジェクタカバーb1)と、前記投影画像生成装置からの投影光を出射する照射部(例えば、投射レンズb2a)と、を含み、
前記照射部は、前記収容ケースの一方の端部側に設けられ、
前記収容ケースの前記一方の端部側を遊技機の前面側に、前記一方の端部側の反対の端部を背面側に配置し、かつ前記一方の端部側を前記反対の端部側より低くなるように設けることで、前記照射部から出射される投影光を遮らない位置であって、前記収容ケースの下部と前記カバー部材との間に所定の空間(例えば、空間405)を形成し、
前記所定の空間に、遊技機構成部品(例えば、主制御基板70A)を収容した。
このような構成の遊技機は、投影装置と、反射部と、スクリーン部と、カバー部材と、を備える。投影装置は、所定の画像を投影可能である。反射部は、投影装置から照射される投影光を反射可能である。スクリーン部は、反射部により反射される投影光により所定の画像を映し出す。カバー部材は、遊技機の背面を覆う。また、投影装置は、投影光を生成可能な投影画像生成装置と、投影画像生成装置を収容可能な収容ケースと、投影画像生成装置からの投影光を出射する照射部と、を含む。
そして、照射部は、収容ケースの一方の端部側に設けられ、収容ケースの一方の端部側を遊技機の前面側に、一方の端部側の反対の端部を背面側に配置し、かつ一方の端部側を反対の端部側より低くなるように設けることで、照射部から出射される投影光を遮らない位置であって、収容ケースの下部とカバー部材との間に所定の空間を形成し、この所定の空間に、遊技機構成部品を収容した。
これにより、投影装置を、前面側から背面側方向の照射部から出射される投影光を遮らない位置おいて、傾斜させた状態で配置できるので、投影装置の前面側から背面側方向の設置スペースを抑えることができる。さらに、このように配置した投影装置の下部とカバー部材との間に形成された所定の空間に、遊技機構成部品を収容できるので、所定の空間を利用せずに、別の場所の遊技機構成部品を設けた場合に比べ、省スペース化が可能となる。したがって、裏機構を省スペース化することが可能な遊技機を提供できる。
また、照射部を設けた一方の端部側を遊技機の前面側に配置し、反対の端部を背面側に配置し、一方の端部側を反対の端部側より低くなるように設けたことで、投影装置からの廃熱を、遊技機の裏機構内にこもらせることなく、斜め上方に逃がすことが可能となり、この廃熱が他の精密部品に悪影響を及ぼすことを防止可能となる。
本発明の遊技機は、前記構成に加えて、前記カバー部材には、前記所定の空間に突出する凹部(例えば、凹部431a)が設けられ、
前記凹部に、前記遊技機構成部品を収容可能である。
これにより、カバー部材の凹部に、遊技機構成部品を収容できるので、遊技機構成部品を投影装置の下部の所定の空間に納めつつ、投影装置の廃熱から遊技機構成部品を保護し、この廃熱による遊技機構成部品への悪影響を防止することが可能となる。また、遊技機構成部品を、外側に配置されているカバー部材に収容することで、構成部品のメンテナンスが容易になる。
(付記13について)
従来、キャビネットの奥側から前面側に向けて照射光を投影するプロジェクタと、キャビネットの前面側の上部に配置され、プロジェクタから投影された照射光をキャビネットの奥側に反射させるリフレクタと、リフレクタによって反射されたプロジェクタからの照射光が前面側より投影されるスクリーンと、を備えた遊技機が開示されている(特開2016-5677号公報を参照)。このような遊技機によれば、プロジェクタから投影された照射光を、前面側のリフレクタにより反射させ、奥側のスクリーンに投影することができる。
しかしながら、遊技機内部の限られた空間において、プロジェクタからの照射光を適切に、スクリーンに投影するためには、リフレクタを設ける必要があるものの、特開2016-5677号公報の遊技機は、リフレクタが前面側に設けられているため、遊技機上部が前方に飛び出てしまい美観を損ねる問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、遊技機の美観を損ねることなく、照射光を適切に、スクリーンに投影することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、所定の画像を投影可能な投影装置(例えば、プロジェクタユニットb)と、前記投影装置から照射される投影光を反射可能な反射部(例えば、ミラー部材b3)と、前記反射部により反射される投影光により前記所定の画像を映し出すスクリーン部(例えば、スクリーン部b4)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
前面側に配置される取付枠(例えば、取付枠410)と、前記取付枠の背面側に取り付けられ、遊技機構成部品(例えば、主基板70A)を収容可能であるカバー部材(例えば、カバー部材430)と、前記取付枠と前記カバー部材との間に設けられる取付ベース(例えば、取付ベース420)と、を更に備え、
前記取付ベースは、
前記投影装置及び前記反射部が取り付けられ、
互いに対向する側面(例えば、側面432)同士の幅が、前面側から背面側にいくにつれて狭くなっており、
前記カバー部材は、前記カバー部材の表面から遊技機内部側に突出するように形成され、前記遊技機構成部品を前記カバー部材の表面より遊技機背面側に突出しないように収容可能な収容部(例えば、凹部431a)を備えた。
このような構成の遊技機は、投影装置と、反射部と、スクリーン部と、を備える。投影装置は、所定の画像を投影可能である。反射部は、投影装置から照射される投影光を反射可能である。スクリーン部は、反射部により反射される投影光により所定の画像を映し出す。また、遊技機は、取付枠と、カバー部材と、取付ベースと、を更に備える。取付枠は、前面側に配置される。カバー部材は、取付枠の背面側に取り付けられ、遊技機構成部品を収容可能である。取付ベースは、取付枠とカバー部材との間に設けられる。そして、取付ベースは、投影装置及び反射部が取り付けられ、互いに対向する側面同士の幅が、前面側から背面側にいくにつれて狭くなっており、カバー部材は、カバー部材の表面から遊技機内部側に突出するように形成され、遊技機構成部品をカバー部材の表面より遊技機背面側に突出しないように収容可能な収容部を備えた。
これにより、取付枠とカバー部材との間に設けられた取付ベースに、投影装置及び反射部を取り付けることができるので、取付枠の前方から飛び出すように反射部を設ける必要がないので、遊技機の美観を損ねることなく、照射光を適切に、スクリーンに投影することが可能な遊技機を提供できる。
また、取付ベースの幅を、前面側から背面側にいくにつれて狭くし、カバー部材が、カバー部材の表面から遊技機内部側に突出するように形成され、遊技機構成部品をカバー部材の表面より遊技機背面側に突出しないように収容可能な収容部を備えた。これにより、遊技機構成部品を、収容部に収容することで、取付ベースとカバー部材の表面との間において、遊技機背面側に突出しないように設けることができるので、遊技機内部の限られたスペースを有効に利用することが可能となる。
(付記14について)
従来、透明の樹脂でカバー部材を遊技盤の裏面側を覆うように形成し、このカバー部材をヒンジ機構を介して機枠に取り付ける遊技機が開示されている(特開2001-46686号公報)。このような遊技機によれば、遊技盤とカバー部材との間の閉鎖空間内に遊技盤の裏面側の各種の部品を閉じ込めることができる。
しかしながら、機枠には、遊技盤の他にも取り付けられる部材があり、上記特開2001-46686号公報の遊技機のように、遊技盤の裏面側にカバー部材を取り付けると、遊技盤の取付スペースを確保しづらくなり、遊技機内部の設計が制限されたり、遊技機の組み立て作業が繁雑になったりしてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、遊技機の設計や組み立て作業を容易にすることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、前面側に配置される取付枠(例えば、取付枠410)と、前記取付枠の背面側に取り付けられ、遊技機構成部品(例えば、主制御基板70A)を収容可能であるカバー部材(例えば、カバー部材430)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
遊技領域(例えば、遊技領域12a)を有する遊技盤(例えば、遊技盤12A)を備え、
前記遊技盤は、前記取付枠の内周側に配置されており、
前記取付枠の内側面には、遊技盤を着脱自在に固定する可動止め具(例えば、遊技盤可動止め具413)が取り付けられており、
前記取付枠の背面には、前記可動止め具を覆うように前記カバー部材が取り付けられている。
このような構成の遊技機は、取付枠と、カバー部材と、を備える。取付枠は、前面側に配置される。カバー部材は、取付枠の背面側に取り付けられている。そして、取付枠の内側面には、遊技盤を着脱自在に固定する可動止め具が取り付けられており、取付枠の背面には、可動止め具を覆うようにカバー部材が取り付けられている。
これにより、前面側に配置される取付枠に取り付けられた可動止め具により、遊技盤を着脱自在に固定し、取付枠の背面側にカバー部材を取り付けたので、カバー部材を外さないと、取付枠に設けられた可動止め具へのアクセスを困難とすることで、不正行為を防止することができる。また、遊技盤の背面側に設ける各種部品を、遊技盤の背面側に設けられたカバー部材に、取り付けることができるので、例えば、各種部品を変えずに、遊技盤だけ変更することも可能となり遊技機の設計が容易になる。また、遊技機の組み立てる際には、遊技盤に関連する可動止め具を取付枠の側面に、遊技機構成部品が収容されているカバー部材を取付枠の背面に取り付けるようにして、遊技盤に関わる部材、遊技機構成部品等の裏機構に関わる部材、というように、部材の大きなカテゴリ毎に取り付ける面を異なるように構成した。したがって、遊技機の設計変更や組み立て作業を容易にし、また組み立て作業における作業水を低減することが可能な遊技機を提供できる。
本発明の遊技機は、前記構成に加えて、
前記取付枠と前記カバー部材との間に設けられる取付ベース(例えば、取付ベース420)を備え、
前記取付枠の背面には、前記取付ベース及び前記カバー部材のうち少なくともいずれか一方が取り付けられている。
このように、取付枠のどの面に、どの部材を取り付けるかを分けることで、取付枠に取り付ける部材の配置関係(内周か背面か)にしたがって組み立てることで、組み立て作業における誤作業を防止できる。
(付記15について)
従来、主枠の後方へ露出している機構盤の背面を覆うためのカバー部材を設け、このカバー部材の膨出部のパチンコ機裏面と対向する面には、制御回路基板が配置されている遊技機が開示されている(特開2004-57482号公報)。このような遊技機によれば、制御回路基板を機構盤の背面を覆うためのカバー部材に取り付けることができる。
しかしながら、遊技機の背面側には、制御回路基板の他に、遊技機の機種に応じた遊技装置が設けられる。上記特開2004-57482号公報の遊技機は、カバー部材に制御回路基板を取り付けることができるものの、機種に応じて遊技装置が変わった場合、例えば、遊技装置に、カバー部材が当接してしまい、カバー部材が取り付けることができなくなる場合もあり、カバー部材の汎用性に欠けるという問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、裏機構を覆う部材の汎用性を向上可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、前面側に配置される取付枠(例えば、取付枠410)と、前記取付枠の背面側に取り付けられ、遊技機構成部品(例えば、主制御基板70A)を収容可能であるカバー部材(例えば、カバー部材430)と、前記取付枠と前記カバー部材との間に設けられる取付ベース(例えば、取付ベース420)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
前記取付ベースは、
遊技に関連する制御を実行可能な遊技装置(例えば、プロジェクタユニットb)が取り付けられ、
前記カバー部材には、前記遊技装置を制御可能な制御基板が取り付けられており、
前記取付枠に、前記取付ベース及び前記カバー部材を別々に固定可能な固定部(例えば、固定部411a)を備えた。
このような構成の遊技機は、取付枠と、カバー部材と、取付ベースと、を備える。取付枠は、前面側に配置される。カバー部材は、取付枠の背面側に取り付けられ、遊技機構成部品を収容可能である。取付ベースは、取付枠とカバー部材との間に設けられる。そして、取付ベースは、遊技に関連する制御を実行可能な遊技装置が取り付けられ、カバー部材には、遊技装置を制御可能な制御基板が取り付けられており、取付枠に、取付ベース及びカバー部材を別々に固定可能な固定部を備えた。
これにより、取付枠と、遊技機構成部品を収容可能なカバー部材との間に取付ベースを設け、この取付ベースに遊技装置を取り付け、カバー部材に遊技装置を制御可能な制御基板を取り付け、取付枠に、取付ベース及びカバー部材を別々に固定可能な固定部を備えることで、遊技装置の種類に応じて、取付ベースの形状を変更可能とすることができる。よって、裏機構を覆う部材を、カバー部材と取付ベースとの2つの部材で構成することで、共通した部材であるカバー部材を使用しつつ、取付ベースを遊技機の演出特性に合わせた遊技装置の種類に応じた形状に変更することで、柔軟な機種開発を行うことが可能となる。したがって、裏機構を覆う部材の汎用性を向上可能な遊技機を提供できる。
また、カバー部材を取付枠に取り付けることで、遊技機全体の剛性を向上することが可能となる。また、裏機構を覆う部材を、カバー部材と取付ベースとの二重構造とすることで、さらに、遊技機全体の剛性を向上することが可能となる。
本発明の遊技機は、前記構成に加えて、
前記固定部は、最初に前記取付枠と前記取付ベースを固定した後、前記取付枠と前記取付ベースとの固定箇所を覆うように、前記カバー部材を固定可能である。
これにより、カバー部材を外さないと、遊技装置が取り付けられた取付ベースを操作できないので、いたずら等で外部から遊技装置を取り外されることを防止できる。
(付記16について)
従来、盤面板の背面に対向させ被覆するように盤面板に取り付けられるベースカバーの下側に、主基板を収納する主基板ケースが配置され、ベースカバーの背面側の内部に、演出制御基板を収容した演出制御基板ケースが配置されている遊技機が開示されている(特開2014-144146号公報を参照)。このような遊技機によれば、ベースカバーの背面側に、各種の基板を設けることができる。
しかしながら、近年、画像表示装置などの演出装置が大型化される傾向にあるため、上記特開2014-144146号公報の遊技機のように、各種の基板を、遊技盤の背面側を覆うカバー部材の背面に取り付けた場合、基板を収容するケースが、奥行き方向に大きく突出してしまう問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、奥行き寸法を抑えることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、取付ベース(例えば、取付ベース420)と、遊技機構成部品を収容可能であり、前記取付ベースを背面側から覆うカバー部材(例えば、カバー部材430)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
前記カバー部材は、背面部(例えば、背面部431)及び少なくとも2つの側面部(例えば、側面部432)から形成される空間の内部に、第1の遊技機構成部品(例えば、主制御基板70A)を収容可能であり、
前記背面部の幅は、前記取付ベースの幅よりも狭く形成され、
前記側面部は、前記背面部と隣接しない端部側に前記取付ベースに装着可能な取付部(例えば、取付部433)を備えるとともに、少なくとも1つの前記側面部が、前記取付部が設けられた端部から前記背面部と隣接する端部へ傾斜するように形成され、
前記カバー部材の外側の傾斜した前記側面部に、前記カバー部材の表面から遊技機内部側に突出するように形成され、前記第1の遊技機構成部品とは異なる第2の遊技機構成部品(例えば、副制御基板80A)を収容可能な収容部(例えば、側面第2凹部432c)を備えた。
このような構成の遊技機は、取付ベースと、カバー部材と、を備える。カバー部材は、
遊技機構成部品を収容可能であり、取付ベースを背面側から覆い、背面部及び少なくとも2つの側面部から形成される空間の内部に、第1の遊技機構成部品を収容可能である。
そして、背面部の幅は、取付ベースの幅よりも狭く形成されている。側面部は、背面部と隣接しない端部側に取付ベースに装着可能な取付部を備えるとともに、少なくとも1つの側面部が、取付部が設けられた端部から背面部と隣接する端部へ傾斜するように形成されている。また、前記カバー部材の外側の傾斜した側面部に、カバー部材の表面から遊技機内部側に突出するように形成され、第1の遊技機構成部品とは異なる第2の遊技機構成部品を収容可能な収容部を備えている。
これにより、カバー部材の側面部の少なくとも1つを傾斜させたので、奥行き寸法が同じ場合に、側面部を傾斜させない場合に比べ、第2の遊技機構成部品の設置可能面積が大きくなるので、より多様な遊技機構成部品を取り付けることが可能となる。また、背面部及び少なくとも2つの側面部から形成される空間の内部に収容される第1の遊技機構成部品とは別に、この傾斜した側面部に、第2の遊技機構成部品を収容可能としたので、遊技機構成部品を背面部に集約した場合に比べ、遊技機構成部品が遊技機の背面側に突出するのを抑えることが可能となる。したがって、奥行き寸法を抑えることが可能な遊技機を提供できる。
(付記17について)
従来、パチンコ機1に、島設備に固定可能な外枠と、外枠に開閉可能に軸支された本体枠ベースと、本体枠ベースの後端に回動可能に支持された透明な裏カバーと、裏カバーによって後側が被覆される本体枠ベースに保持され遊技領域を有した遊技盤と、遊技盤の遊技領域が遊技者側から視認可能となり本体枠ベースの前端で開閉可能に軸支された扉枠と、を具備する遊技機が開示されている(特開2014-223516号公報)。このような遊技機によれば、本体枠ベースの後端を、裏カバーにより覆うことができる。
しかしながら、特開2014-223516号公報の遊技機の裏カバーは、平板で形成されており、外部から衝撃が加わると破損してしまう虞があった。このようなカバー部材で覆われた遊技機の背面側には、各種の基板等の遊技機構成部品が取り付けられており、カバー部材が破損すると、遊技機構成部品も破損する虞がある。また、カバー部材の破損した部分から、遊技機構成部品に不正行為が行われてしまう虞もある。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、遊技機の背面側を覆うカバー部材の強度を向上可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、取付ベース(例えば、取付ベース420)と、遊技機構成部品(例えば、主制御基板70A)を収容可能であり、前記取付ベースを背面側から覆うカバー部材(例えば、カバー部材430)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
前記カバー部材は、背面部(例えば、背面部431)及び少なくとも2つの側面部(例えば、側面部432)から形成される空間の内部に、前記遊技機構成部品の少なくとも一部を収容可能であり、
前記背面部の幅は、前記取付ベースの幅よりも狭く形成され、
前記側面部は、前記背面部と隣接しない端部側に前記取付ベースに装着可能な取付部(例えば、取付部433)を備えるとともに、少なくとも1つの前記側面部が、前記取付部が設けられた端部から前記背面部と隣接する端部へ傾斜するように形成され、
前記背面部は、前記遊技機構成部品を収容可能な凹部(例えば、凹部431a)を有し、
前記凹部に前記遊技機構成部品を収容することで、前記背面部の表面が略面一の状態となる。
このような構成の遊技機は、取付ベースと、カバー部材と、を備える。カバー部材は、遊技機構成部品を収容可能であり、取付ベースを背面側から覆い、背面部及び少なくとも2つの側面部から形成される空間の内部に、遊技機構成部品の少なくとも一部を収容可能である。背面部の幅は、取付ベースの幅よりも狭く形成されている。側面部は、背面部と隣接しない端部側に取付ベースに装着可能な取付部を備えるとともに、少なくとも1つの側面部が、取付部が設けられた端部から背面部と隣接する端部へ傾斜するように形成されている。
そして、背面部は、遊技機構成部品を収容可能な凹部を有し、凹部に遊技機構成部品を収容することで、背面部の表面が略面一の状態となる
これにより、カバー部材の背面部に凹部を設けることで、カバー部材の背面部の折曲がり強度を高めることが可能となる。したがって、遊技機の背面側を覆うカバー部材の強度を向上可能な遊技機を提供できる。
また、例えば、遊技機構成部品が背面部から突出していた場合、遊技機の移動時等において、この突出した部分に外力が加わり、破損する可能性が高くなる。本発明によれば、凹部に遊技機構成部品を収容し、背面部の表面を略面一の状態とすることで、遊技機の移動時等において、遊技機構成部品に外力が加わり破損する可能性を低減できる。
(付記18について)
従来、盤面板の背面に対向させ被覆するように盤面板に取り付けられるベースカバーの下側に、主基板を収納する主基板ケースが配置され、ベースカバーの背面側の内部に、演出制御基板を収容した演出制御基板ケースが配置されている遊技機が開示されている(特開2014-144146号公報を参照)。このような遊技機によれば、ベースカバーの背面側に、各種の基板を設けることができる。
しかしながら、近年、画像表示装置などの演出装置が大型化される傾向にあるため、上記特開2014-144146号公報の遊技機のように、各種の基板を、遊技盤の背面側を覆うカバー部材の背面に取り付けた場合、基板を収容するケースが、奥行き方向に大きく突出してしまう問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、奥行き寸法を抑えることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、前面側に配置される取付枠(例えば、取付枠410)と、前記取付枠の背面側に取り付けられ、遊技機構成部品(例えば、主制御基板70A)を収容可能であるカバー部材(例えば、カバー部材430)と、前記取付枠と前記カバー部材との間に設けられる取付ベース(例えば、取付ベース420)と、を有する本体枠(例えば、本体枠400)と、
前記本体枠を、一方の側縁近傍において、上下方向に延びる回転軸(例えば、本体枠ヒンジ2b)を中心に回動可能に軸支する外枠(例えば、本体2)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
前記カバー部材は、背面部(例えば、背面部431)及び少なくとも2つの側面部(例えば、側面部432)から形成される空間の内部に、前記遊技機構成部品の少なくとも一部を収容可能であり、
前記背面部の幅は、前記取付ベースの幅よりも狭く形成されている。
このような構成の遊技機は、取付枠、カバー部材及び取付ベースを有する本体枠と、外枠と、を備える。取付枠は、前面側に配置される。カバー部材は、取付枠の背面側に取り付けられ、遊技機構成部品を収容可能である。取付ベースは、取付枠とカバー部材との間に設けられる。外枠は、本体枠を、一方の側縁近傍において、上下方向に延びる回転軸を中心に回動可能に軸支する。
そして、カバー部材は、背面部及び少なくとも2つの側面部から形成される空間の内部に、遊技機構成部品の少なくとも一部を収容可能である。背面部の幅は、取付ベースの幅よりも狭く形成されている。また、他方の側縁側の側面部は、回転軸を中心とし、外枠の内側側縁を通る仮想円の内側に形成されている。
これにより、カバー部材の側面部の少なくとも1つを傾斜させたので、奥行き寸法が同じ場合に、側面部を傾斜させない場合に比べ、遊技機構成部品の設置可能面積が大きくなるので、より多様な遊技機構成部品を取り付けることが可能となる。また、外枠に軸支された側と反対側の側面部の少なくとも一部を、本体枠の回転軸を中心とし、外枠の内側側縁を通る仮想円の内側に形成したので、外枠の内側を回動可能な範囲で、カバー部材内部の空間をより広くし、より多くの遊技機構成部品を配置することが可能となる。したがって、奥行き寸法を抑えることが可能な遊技機を提供できる。
本発明の遊技機は、前記構成に加えて、前記他方の側縁側の前記側面部は、少なくとも一部が前記仮想円(例えば、仮想円VC)に沿った形状に形成されている。
これにより、カバー部材の側面部の少なくとも一部を仮想円に沿った形状に形成したので、外枠の内側を回動可能な範囲で、カバー部材内部の空間を更に広くし、更に多くの遊技機構成部品を配置することが可能となる。
(付記19について)
従来、盤面板の背面に対向させ被覆するように盤面板に取り付けられるベースカバーの下側に、主基板を収納する主基板ケースが配置され、ベースカバーの背面側の内部に、演出制御基板を収容した演出制御基板ケースが配置されている遊技機が開示されている(特開2014-144146号公報を参照)。このような遊技機によれば、ベースカバーの背面側に、各種の基板を設けることができる。
しかしながら、上記特開2014-144146号公報の遊技機では、各種の基板が互いに離れているため、これらの基板を接続するケーブルが長くなり遊技機の組み立て作業が煩雑になる。また、例えば、遊技機に不具合が発生し、どの基板によるエラーかを特定できない場合、互いに離れた基板を1つずつ確認する必要があり、メンテナンスも煩雑になってしまう問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、遊技機の組み立て作業やメンテナンスを簡素にすることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、取付ベース(例えば、取付ベース420)と、電気部品を含む遊技機構成部品(例えば、主制御基板70A)を収容可能であり、前記取付ベースを背面側から覆うカバー部材(例えば、カバー部材430)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
前記カバー部材は、背面部(例えば、背面部431)及び少なくとも2つの側面部(例えば、側面部432)から形成される空間の内部に、前記遊技機構成部品の少なくとも一部を収容可能であり、
前記背面部の幅は、前記取付ベースの幅よりも狭く形成され、
前記側面部は、前記背面部と隣接しない端部側に前記取付ベースに装着可能な取付部(例えば、取付部433)を備えるとともに、少なくとも1つの前記側面部が、前記取付部が設けられた端部から前記背面部と隣接する端部へ傾斜するように形成され、
前記カバー部材は、
前記空間の内部に収容された遊技機構成部品からの配線を前記カバー部材の外側に設けられた遊技機構成部品と接続可能なように設けられた開口部(例えば、開口部432e)と、
前記側面部の外側面に設けられ、前記開口部を介して前記配線と接続される特定の遊技機構成部品(例えば、中継基板100)を収容可能な特定収容部(例えば、側面第1凹部432a)と、
前記カバー部材の外側面に設けられ、その他の複数種類の遊技機構成部品(例えば、主制御基板70A、副制御基板80A)をそれぞれ収容可能な少なくとも2つ以上の収容部より構成される一般収容部(例えば、側面第2凹部432c、凹部431a)と、を備え、
前記一般収容部は、少なくとも2つ以上の前記収容部が前記特定収容部に隣接している。
このような構成の遊技機は、取付ベースと、カバー部材と、を備える。カバー部材は、
遊技機構成部品を収容可能であり、取付ベースを背面側から覆い、背面部及び少なくとも2つの側面部から形成される空間の内部に、遊技機構成部品の少なくとも一部を収容可能である。
そして、背面部の幅は、取付ベースの幅よりも狭く形成されている。側面部は、背面部と隣接しない端部側に取付ベースに装着可能な取付部を備えるとともに、少なくとも1つの側面部が、取付部が設けられた端部から背面部と隣接する端部へ傾斜するように形成されている。また、カバー部材は、開口部と、特定収容部と、一般収容部と、を備える。開口部は、空間の内部に収容された遊技機構成部品からの配線をカバー部材の外側に設けられた遊技機構成部品と接続可能なように設けられている。特定収容部は、側面部の外側面に設けられ、開口部を介して配線と接続される特定の遊技機構成部品を収容可能である。一般収容部は、カバー部材の外側面に設けられ、その他の複数種類の遊技機構成部品をそれぞれ収容可能な少なくとも2つ以上の収容部より構成され、少なくとも2つ以上の収容部が特定収容部に隣接している。
これにより、カバー部材の側面部の少なくとも1つを傾斜させたので、奥行き寸法が同じ場合に、側面部を傾斜させない場合に比べ、遊技機構成部品の設置可能面積が大きくなるので、より多様な遊技機構成部品を取り付けることが可能となる。また、カバー部材において、開口部を、背面部及び少なくとも2つの側面部から形成される空間の内部に収容された遊技機構成部品からの配線をカバー部材の外側に設けられた遊技機構成部品と接続可能なように設け、特定収容部に開口部を介して配線と接続される特定の遊技機構成部品を収容可能とし、この特定収容部に、その他の複数種類の遊技機構成部品をそれぞれ収容可能な少なくとも2つ以上の収容部を隣接させた。これにより、より多彩な遊技機構成部品を取り付けることが可能であっても、多様な遊技機構成部品を集約して配置可能となり、これらを接続するケーブルを短くすることが可能となる。よって、多様な遊技機構成部品の確認作業やケーブル等の取り回しが容易になる。したがって、遊技機の組み立て作業やメンテナンスを簡素にすることが可能な遊技機を提供できる。
(付記20について)
従来、遊技球を貯留するための貯留皿を有し、払出手段から払い出された遊技球を、貯留皿の第1の領域とは異なる第2の領域に導く迂回路を備えた遊技機が開示されている(特開2016-87343号公報を参照)。このような遊技機によれば、貯留皿において遊技球の局所的な停滞を抑制することができる。
しかしながら、上記特開2016-87343号公報の遊技機では、遊技者が無意識に貯留皿に手を置くことなどによって外部に露出した迂回路が遮られると、迂回路に導かれた遊技球が停滞してしまい、この迂回路へと続く払出手段の内部においてすぐに球詰まりが生じてしまう問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、払出手段の内部における遊技球の球詰まりを可及的に遅らせて防ぐことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、遊技球を送出可能な送出機構(例えば、球送出機構720)と、前記送出機構から送出された遊技球を排出する排出口(例えば、排出口730B)とを有する遊技球の払出可能な払出手段(例えば、払出装置700)を備えた遊技機であって、
前記払出手段は、前記送出機構から前記排出口へと遊技球を導くための球通路ユニット(例えば、球通路ユニット730)を有し、
前記球通路ユニットは、
前記送出機構から前記排出口へと遊技球を誘導する第1誘導部(例えば、第1誘導路730C)と、
前記第1誘導部の途中において遊技球を収受可能に設けられ、収受した遊技球を貯留しつつ前記排出口へと誘導する第2誘導部(例えば、第2誘導路730D)とを含む。
このような構成の遊技機は、送出機構と、排出口と、球通路ユニットと、を有する払出手段を備える。払出手段は、遊技球の払出が可能である。送出機構は、遊技球を送出可能である。排出口は、送出機構から送出された遊技球を排出する。球通路ユニットは、第1誘導部と、第2誘導部とを含む。第1誘導部は、送出機構から排出口へと遊技球を誘導する。第2誘導部は、第1誘導部の途中において遊技球を収受可能とし、収受した遊技球を貯留しつつ排出口へと誘導する。
これにより、送出機構から排出口へと通じる第1誘導部における遊技球の流れが停滞しても、この第1誘導部の途中で第2誘導部へと遊技球が収受され、第2誘導部に貯留された遊技球も排出口へと導くことができる。したがって、払出手段の内部における遊技球の球詰まりを可及的に遅らせて防ぐことが可能な遊技機を提供できる。
また、払出手段の内部に球通路ユニットが設けられるので、遊技者の手に直接触れられるおそれもなく、外的な要因によって遊技球の球詰まりが発生してしまうことを防ぐことができる。
本発明の遊技機は、前記構成に加えて、取付ベース(例えば、取付ベース420)と、遊技機構成部品を収容可能であって、前記取付ベースを背面側から覆うカバー部材(例えば、カバー部材430)と、を更に備え、
前記球通路ユニットは、前記カバー部材の端部に配置され、
前記カバー部材には、前記球通路ユニットの配置位置より中央寄りに、電子部品が実装された制御基板(例えば、主制御基板70A)を収容可能な収容部(例えば、凹部431a)が設けられている。
これにより、カバー部材において、球通路ユニットと基板の収容部を一体的なユニットとして形成でき、また、カバー部材の中央よりに制御基板を配置することで、配線回しに柔軟性を持たせることが可能となり、また、制御基板に不正が行われているかも確認しやすくなる。
(付記21について)
従来、貯留皿から溢れた遊技球を貯留する予備貯留部と、払出装置(払出手段)から払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチとを備えた遊技機が開示されている(特開2006-26246号公報を参照)。このような遊技機によれば、払出球検出スイッチにより貯留皿の満タン状態が検出されると、予備貯留部へと遊技球を誘導して遊技球を多量に貯留することができる。
しかしながら、上記特開2006-26246号公報の遊技機では、貯留皿の球受入口(遊技球を排出する排出口)が一箇所しかないため、遊技者が無意識に球受入口付近に手を置くなどによって球受入口が遮られると、払出装置の内部において球詰まりが生じてしまい、その結果、払出球検出スイッチにより満タン状態が誤検出されることで払い出し動作がすぐに中断してしまう問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、満タン状態となっても払い出し動作をすぐに中断させずに継続することができ、払出手段の内部に多くの遊技球を貯留することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、遊技球を送出可能な送出機構(例えば、球送出機構720)と、前記送出機構から送出された遊技球を排出する排出口(例えば、排出口730B)とを有する遊技球の払出可能な払出手段(例えば、払出装置700)を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
前記払出手段は、前記送出機構から前記排出口へと遊技球を導くための球通路ユニット(例えば、球通路ユニット730)を有し、
前記球通路ユニットは、
前記送出機構から前記排出口へと遊技球を誘導する第1誘導部(例えば、第1誘導路730C)と、
前記第1誘導部の途中において遊技球を収受可能に設けられ、収受した遊技球を貯留しつつ前記排出口へと誘導する第2誘導部(例えば、第2誘導路730D)と、
前記第2誘導部における遊技球の流動状態を検知可能な検知手段(例えば、満タン検知レバー732、満タン検知センサ733)と、を含み、
前記送出機構は、前記検知手段により遊技球の停滞が検知されるまで遊技球を送出させ、
前記第1誘導部は、横方向に第1の幅でもって形成され、
前記第2誘導部は、横方向に第2の幅でもって形成され、
前記第2誘導部は、前記排出口より上流側で、前記第1誘導部と合流し、
前記排出口は、横方向に前記第1の幅でもって形成される。
このような構成の遊技機は、送出機構と、排出口と、球通路ユニットと、を有する払出手段を備える。払出手段は、遊技球の払出が可能である。送出機構は、遊技球を送出可能である。排出口は、送出機構から送出された遊技球を排出する。球通路ユニットは、第1誘導部と、第2誘導部と、検知手段とを含む。第1誘導部は、送出機構から排出口へと遊技球を誘導する。第2誘導部は、第1誘導部の途中において遊技球を収受可能とし、収受した遊技球を貯留しつつ排出口へと誘導する。検知手段は、第2誘導部における遊技球の流動状態を検知可能である。送出機構は、検知手段により遊技球の停滞が検知されるまで遊技球を送出させる。第1誘導部は、横方向に第1の幅でもって形成され、第2誘導部は、横方向に第2の幅でもって形成され、排出口より上流側で第1誘導部と合流し、排出口は、横方向に第1の幅でもって形成される。
これにより、送出機構から排出口へと通じる第1誘導部における遊技球の流れが停滞しても、第1誘導部の途中から第2誘導部へと遊技球が収受され、さらに第2誘導部が満タン状態となって検知手段に遊技球の停滞が検知されるまでは、送出機構により遊技球を継続して送出することができる。したがって、満タン状態となっても払い出し動作をすぐに中断させずに継続することができ、払出手段の内部により多くの遊技球を貯留することが可能な遊技機を提供できる。また、第1誘導部と第2誘導部との横方向の幅を変えることで、第1誘導部と第2誘導部とにおける遊技球の貯留量や流量を変えることが可能となり、より適切な払い出し動作を行えるように調整することが可能となる。
(付記22について)
従来、遊技球を貯留するための貯留皿を有し、払出手段から払い出された遊技球を、貯留皿の第1の領域とは異なる第2の領域に導く迂回路を備えた遊技機が開示されている(特開2016-87343号公報を参照)。このような遊技機によれば、貯留皿において遊技球の局所的な停滞を抑制することができる。
しかしながら、上記特開2016-87343号公報の遊技機では、遊技者が無意識に貯留皿に手を置くことなどによって外部に露出した迂回路が遮られると、迂回路に導かれた遊技球が停滞してしまい、この迂回路へと続く払出手段の内部においてすぐに球詰まりが生じてしまう問題があった。また、球詰まりが生じにくいように払出手段の内部の誘導路に余裕をもたせると、払出手段全体が大型化してしまう問題もあった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、払出手段の内部における遊技球の球詰まりを可及的に遅らせて防ぐことが可能で、払出手段全体の小型化を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、遊技球を送出可能な送出機構(例えば、球送出機構720)と、前記送出機構から送出された遊技球を排出する排出口(例えば、排出口730B)とを有する遊技球の払出可能な払出手段(例えば、払出装置700)を備えた遊技機であって、
前記払出手段は、前記送出機構から前記排出口へと遊技球を導くための球通路ユニット(例えば、球通路ユニット730)を有し、
前記球通路ユニットは、
前記送出機構から前記排出口へと遊技球を誘導する第1誘導部(例えば、第1誘導路730C)と、
前記第1誘導部の途中において遊技球を収受可能に設けられ、収受した遊技球を貯留しつつ前記排出口へと誘導する第2誘導部(例えば、第2誘導路730D)とを含み、
前記第2誘導部は、前記第1誘導部に併設されている。
このような構成の遊技機は、送出機構と、排出口と、球通路ユニットと、を有する払出手段を備える。払出手段は、遊技球の払出が可能である。送出機構は、遊技球を送出可能である。排出口は、送出機構から送出された遊技球を排出する。球通路ユニットは、第1誘導部と、第2誘導部とを含む。第1誘導部は、送出機構から排出口へと遊技球を誘導する。第2誘導部は、第1誘導部の途中において遊技球を収受可能とし、収受した遊技球を貯留しつつ排出口へと誘導する。第2誘導部は、第1誘導部に併設されている。
これにより、送出機構から排出口へと通じる第1誘導部における遊技球の流れが停滞しても、この第1誘導部の途中で第2誘導部へと遊技球が収受され、第2誘導部に貯留された遊技球も排出口へと導くことができる。また、第2誘導部は、第1誘導部に併設されることで占有スペースを大きく拡張せずに確保することができる。したがって、払出手段の内部における遊技球の球詰まりを可及的に遅らせて防ぐことが可能で、球通路ユニットと共に払出手段全体の小型化を図ることが可能な遊技機を提供できる。
(付記23について)
従来、遊技球を貯留するための貯留皿を有し、払出手段から払い出された遊技球を、貯留皿の第1の領域とは異なる第2の領域に導く迂回路を備えた遊技機が開示されている(特開2016-87343号公報を参照)。このような遊技機によれば、貯留皿において遊技球の局所的な停滞を抑制することができる。
しかしながら、上記特開2016-87343号公報の遊技機では、遊技者が無意識に貯留皿に手を置くことなどによって外部に露出した迂回路が遮られると、迂回路に導かれた遊技球が停滞してしまい、この迂回路へと続く払出手段の内部においてすぐに球詰まりが生じてしまう問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、遊技球を1箇所から排出しつつも払出手段の内部における遊技球の球詰まりを可及的に遅らせて防ぐことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、遊技球を送出可能な送出機構(例えば、球送出機構720)と、前記送出機構から送出された遊技球を排出する排出口(例えば、排出口730B)とを有する遊技球の払出可能な払出手段(例えば、払出装置700)を備えた遊技機であって、
前記払出手段は、前記送出機構から前記排出口へと遊技球を導くための球通路ユニット(例えば、球通路ユニット730)を有し、
前記球通路ユニットは、
前記送出機構から前記排出口へと遊技球を誘導する第1誘導部(例えば、第1誘導路730C)と、
前記第1誘導部の途中において遊技球を収受可能に設けられ、収受した遊技球を貯留しつつ前記排出口へと合流するように誘導する第2誘導部(例えば、第2誘導路730D)とを含む。
このような構成の遊技機は、送出機構と、排出口と、球通路ユニットと、を有する払出手段を備える。払出手段は、遊技球の払出が可能である。送出機構は、遊技球を送出可能である。排出口は、送出機構から送出された遊技球を排出する。球通路ユニットは、第1誘導部と、第2誘導部とを含む。第1誘導部は、送出機構から排出口へと遊技球を誘導する。第2誘導部は、第1誘導部の途中において遊技球を収受可能とし、収受した遊技球を貯留しつつ排出口へと誘導する。第1誘導部と第2誘導部とは、互いに排出口で合流する。
これにより、送出機構から排出口へと通じる第1誘導部における遊技球の流れが停滞しても、この第1誘導部の途中で第2誘導部へと遊技球が収受され、第2誘導部に貯留された遊技球も排出口へと合流するように導くことができる。したがって、遊技球を1箇所の排出口から排出しつつも払出手段の内部における遊技球の球詰まりを可及的に遅らせて防ぐことが可能な遊技機を提供できる。
(付記24について)
従来、遊技盤のアウト口の背後に2つの通過孔が設けられ、これら2つの通過孔の間に仕切り壁として誘導面を備えた遊技機が開示されている(特開2015-62723号公報を参照)。このような遊技機によれば、誘導面が2つの通過孔を仕切る役割を果たすことにより、アウト口近傍での球詰まりが発生しにくくなっている。
しかしながら、上記特開2015-62723号公報の遊技機では、アウト口へと流入する大量のアウト球が発生すると、誘導面が障壁となって複数の遊技球が同時に込み合い、遊技球どうしでいわゆるブリッジという球噛みを生じるおそれがあるので、依然として球詰まりが発生してしまう問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、複数の遊技球が流入する箇所での球詰まりを効果的に防ぐことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、複数の遊技球が流入可能な流入口(例えば、アウト口55)と、前記流入口より下流において、流入した遊技球を検知可能な複数の検知手段(例えば、第1検知センサ840、第2検知センサ850)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
前記流入口より下流において、一又は複数の遊技球が遊動可能に前記複数の検知手段より上方に設けられ、遊技球が流入する方向に進むにつれて上昇する斜面状の底面を有する空間部(例えば、遊動空間部810D,820D)と、を備えた。
このような構成の遊技機は、流入口と、複数の検知手段と、空間部とを備える。流入口は、複数の遊技球が流入可能である。複数の検知手段は、流入口より下流において流入した遊技球を検知可能である。空間部は、流入口より下流において遊技球が遊動可能に複数の検知手段より奥方に設けられ、遊技球が流入する方向に進むにつれて上昇する斜面状の底面を有する。
これにより、流入口より下流の空間部まで遊技球の進入を可能とし、空間部の遊技球を底面に沿って円滑に検知手段へと導くことができるので、遊技球どうしで球噛みを生じるおそれもなく、流入口付近での球詰まりを効果的に防ぐことが可能な遊技機を提供できる。
(付記25について)
従来、遊技盤のアウト口の背後に2つの通過孔が設けられ、これら2つの通過孔の間に仕切り壁として誘導面を備えた遊技機が開示されている(特開2015-62723号公報を参照)。このような遊技機によれば、誘導面が2つの通過孔を仕切る役割を果たすことにより、アウト口近傍での球詰まりが発生しにくくなっている。
しかしながら、上記特開2015-62723号公報の遊技機では、アウト口へと流入する大量のアウト球が発生すると、誘導面が障壁となって複数の遊技球が同時に込み合い、遊技球どうしでいわゆるブリッジという球噛みを生じるおそれがあるので、依然として球詰まりが発生してしまう問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、複数の遊技球が流入する箇所での球詰まりを効果的に防ぐことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、複数の遊技球が流入可能な流入口(例えば、前面開口部810A,820A)と、前記流入口の背後において流入した遊技球を検知可能な複数の検知手段(例えば、第1検知センサ840、第2検知センサ850)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
前記複数の検知手段の間に位置するとともに、流入した遊技球の少なくとも一部が乗り上げ可能なように前記流入口の底部より延設され、かつ遊技球が流入する方向に沿って波状に形成された突部(例えば、突片部材830)を備えた。
このような構成の遊技機は、流入口と、複数の検知手段と、突部とを備える。流入口は、複数の遊技球が流入可能である。複数の検知手段は、流入口の背後において流入した遊技球を検知可能である。突部は、複数の検知手段の間に位置するとともに、流入した遊技球の少なくとも一部が乗り上げ可能なように流入口の底部より延設され、遊技球が流入する方向に沿って波状に形成される。
これにより、流入口から遊技球が流入する方向に沿って手前から奥方へと遊技球を流動的に導くことができるので、遊技球どうしで球噛みを生じるおそれもなく、流入口付近での球詰まりを効果的に防ぐことが可能な遊技機を提供できる。
(付記26について)
従来、遊技盤のアウト口の背後に2つの通過孔が設けられ、これら2つの通過孔の間に仕切り壁として誘導面を備えた遊技機が開示されている(特開2015-62723号公報を参照)。このような遊技機によれば、誘導面が2つの通過孔を仕切る役割を果たすことにより、アウト口近傍での球詰まりが発生しにくくなっている。
しかしながら、上記特開2015-62723号公報の遊技機では、アウト口へと流入する大量のアウト球が発生すると、誘導面が障壁となって複数の遊技球が同時に込み合い、遊技球どうしでいわゆるブリッジという球噛みを生じるおそれがあるので、依然として球詰まりが発生してしまう問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、複数の遊技球が流入する箇所での球詰まりを効果的に防ぐことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、複数の遊技球が流入可能な流入口(例えば、前面開口部810A,820A)と、前記流入口の背後において流入した遊技球を検知可能な複数の検知手段(例えば、第1検知センサ840、第2検知センサ850)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
前記複数の検知手段の間に位置するとともに、流入した遊技球の少なくとも一部が乗り上げ可能なように前記流入口の底部より延設され、かつ遊技球が流入する方向に進むほど隆起した傾斜状の上端(例えば、上端830A)を有する突部(例えば、突片部材830)を備えた。
このような構成の遊技機は、流入口と、複数の検知手段と、突部とを備える。流入口は、複数の遊技球が流入可能である。複数の検知手段は、流入口の背後において流入した遊技球を検知可能である。突部は、複数の検知手段の間に位置するとともに、流入した遊技球の少なくとも一部が乗り上げ可能なように前記流入口の底部より延設され、かつ遊技球が流入する方向に進むほど隆起した傾斜状の上端を有する。
これにより、流入口から遊技球が流入する方向に沿って手前から奥方へと徐々に複数の検知手段を隔てるように突部が設けられ、この突部の手前側では複数の検知手段のいずれにも遊技球を誘導可能とし、突部の奥側ではいずれかの検知手段へと遊技球を導くことができるので、遊技球どうしで球噛みを生じるおそれもなく、流入口付近での球詰まりを効果的に防ぐことが可能な遊技機を提供できる。
本発明の遊技機は、前記構成に加えて、前記突部より流入方向奥方に設けられ、遊技球が流入する方向に進むにつれて上昇する斜面状の底面を有する空間部(例えば、遊動空間部810D,820D)を備えた。
これにより、突部が複数の検知手段を隔てつつも奥方の空間部まで遊技球の進入を可能とし、空間部の遊技球を底面に沿って円滑に検知手段へと導くことができるので、遊技球どうしで球噛みを生じるおそれもなく、流入口付近での球詰まりを効果的に防ぐことが可能な遊技機を提供できる。
(付記27について)
従来、遊技盤のアウト口の背後に2つの通過孔が設けられ、これら2つの通過孔の間に仕切り壁として誘導面を備えた遊技機が開示されている(特開2015-62723号公報を参照)。このような遊技機によれば、誘導面が2つの通過孔を仕切る役割を果たすことにより、アウト口近傍での球詰まりが発生しにくくなっている。
しかしながら、上記特開2015-62723号公報の遊技機では、アウト口へと流入する大量のアウト球が発生すると、誘導面が障壁となって複数の遊技球が同時に込み合い、遊技球どうしでいわゆるブリッジという球噛みを生じるおそれがあるので、依然として球詰まりが発生してしまう問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、複数の遊技球が流入する箇所での球詰まりを効果的に防ぐことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、複数の遊技球が流入可能な流入口(例えば、前面開口部810A,820A)と、前記流入口の背後において流入した遊技球を検知可能な複数の検知手段(例えば、第1検知センサ840、第2検知センサ850)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
前記複数の検知手段の間に位置するとともに、流入した遊技球の少なくとも一部が乗り上げ可能なように前記流入口の底部より延設され、遊技球が流入する方向に沿って延びた峰状の上端(例えば、上端830A)を有する突部(例えば、突片部材830)を備えた。
このような構成の遊技機は、流入口と、複数の検知手段と、突部とを備える。流入口は、複数の遊技球が流入可能である。複数の検知手段は、流入口の背後において流入した遊技球を検知可能である。突部は、複数の検知手段の間に位置するとともに、流入した遊技球の少なくとも一部が乗り上げ可能なように前記流入口の底部より延設され、遊技球が流入する方向に沿って延びた峰状の上端を有する。
これにより、複数の検知手段を隔てるように突部が設けられつつも、この突部の上端が峰状になっているので、遊技球どうしで球噛みを生じるおそれもなく、流入口付近での球詰まりを効果的に防ぐことが可能な遊技機を提供できる。
本発明の遊技機は、前記構成に加えて、前記突部より流入方向奥方に設けられ、遊技球が流入する方向に進むにつれて上昇する斜面状の底面を有する空間部(例えば、遊動空間部810D,820D)を備えた。
これにより、突部が複数の検知手段を隔てつつも奥方の空間部まで遊技球の進入を可能とし、空間部の遊技球を底面に沿って円滑に検知手段へと導くことができるので、遊技球どうしで球噛みを生じるおそれもなく、流入口付近での球詰まりを効果的に防ぐことが可能な遊技機を提供できる。
(付記28について)
従来、前面枠と樹脂枠の一方の面との間に順次配置された液晶パネル及び液晶シャッタと、固定板の後方に配置された外枠とを備え、固定板及び外枠には、外枠の後方に配置された表示物が液晶パネルの表面側から見えるようにするための表示用開口部が各々設けられ、外枠の周辺部の背面側に垂直に設けられた回路基板支持板上に、回路基板を設けた遊技機が開示されている(特開2006-230859号公報を参照)。このような遊技機によれば、回路基板支持板を外枠の背面側に垂直に設けることで、回路基板を面で外枠に取り付けた場合に比べ回路基板を取り付けるスペースを小さくすることが可能となるので、回路基板の大きさに制約されることなく、表示物(絵柄など)の全体を見えるようにすることができる。
しかしながら、特開2006-230859号公報の遊技機は、回路基板支持板が外枠の背面側から突出しているので、組立や運搬時に、回路基板支持板をぶつけやすく、回路基板支持板をぶつけ、回路基板支持板や回路基板に外部から衝撃が加わると、外枠と回路基板支持板との接合部分に大きな力がかかり破損してしまうおそれがあった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えつつ、基板を外部の衝撃から保護することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、遊技領域(例えば、遊技領域12a)を備えた遊技盤(例えば、遊技盤12A)と、前記遊技盤の裏面側に設けられた電気部品(例えば、第1大入賞口ソレノイド53b)と、前記電気部品の配線部が接続される基板(例えば、遊技盤中継基板101)と、前記遊技盤の背面側に設けられ、前記電気部品を覆うカバー部材(例えば、カバー部材430)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
前記基板には、コネクタ接続部(例えば、コネクタ接続部101a)が設けられ、
前記基板は、前記遊技盤に対し、略直角に立設され、
前記カバー部材には、前記基板に対応する位置に開口(例えば、開口部432e)が設けられ、
前記基板は、前記開口を介して前記カバー部材の外部から前記コネクタ接続部に対する接続操作が可能な位置まで延設され、かつ、少なくとも前記基板の外側部分が前記カバー部材で覆われている。
このような構成の遊技機は、遊技盤と、電気部品と、基板と、カバー部材と、を備える。遊技盤は、遊技領域を備える。電気部品は、遊技盤の裏面側に設けられている。基板は、電気部品の配線部が接続されている。カバー部材は、遊技盤の背面側に設けられ、電気部品を覆う。
そして、基板は、コネクタ接続部が設けられ、遊技盤に対し、略直角に立設されている。カバー部材には、基板に対応する位置に開口が設けられている。基板は、開口を介してカバー部材の外部からコネクタ接続部に対する接続操作が可能な位置まで延設され、かつ、少なくとも基板の外側部分がカバー部材で覆われている。
これにより、基板を、遊技盤に対し略直角に立設させたので、遊技盤に面で取り付けた場合に比べ、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えることが可能となる。また、カバー部材により電気部品を覆うことで、電気部品と基板との接続部分を保護することが可能となる。したがって、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えつつ、基板を外部の衝撃から保護することが可能な遊技機を提供できる。
また、カバー部材に、基板に対応する位置に開口を設け、基板を、この開口を介してカバー部材の外部からコネクタ接続部に対する接続操作が可能な位置まで延設し、かつ、少なくとも基板の外側部分をカバー部材で覆った。このため、基板を外部の衝撃から保護しつつ、基板に接続されたコネクタをカバー部材の外に引き出したり、カバー部材を取り付けた状態で、基板にコネクタを着脱することが可能となるので、遊技機の組み立てや、メンテナンスの作業性を向上することが可能となる。
(付記29について)
従来、前面枠と樹脂枠の一方の面との間に順次配置された液晶パネル及び液晶シャッタと、固定板の後方に配置された外枠とを備え、固定板及び外枠には、外枠の後方に配置された表示物が液晶パネルの表面側から見えるようにするための表示用開口部が各々設けられ、外枠の周辺部の背面側に垂直に設けられた回路基板支持板上に、回路基板を設けた遊技機が開示されている(特開2006-230859号公報を参照)。このような遊技機によれば、回路基板支持板を外枠の背面側に垂直に設けることで、回路基板を面で外枠に取り付けた場合に比べ回路基板を取り付けるスペースを小さくすることが可能となるので、回路基板の大きさに制約されることなく、表示物(絵柄など)の全体を見えるようにすることができる。
しかしながら、特開2006-230859号公報の遊技機は、回路基板支持板が外枠の背面側から突出しているので、組立や運搬時に、回路基板支持板をぶつけやすく、回路基板支持板をぶつけ、回路基板支持板や回路基板に外部から衝撃が加わると、外枠と回路基板支持板との接合部分に大きな力がかかり破損してしまうおそれがあった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えつつ、基板が損傷するリスクを低減することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、遊技領域(例えば、遊技領域12a)を備えた遊技盤(例えば、遊技盤12A)と、前記遊技盤の裏面側に設けられた電気部品(例えば、第1大入賞口ソレノイド53b)と、前記電気部品の配線部が接続される基板(例えば、遊技盤中継基板101)と、を備えた遊技機であって、前記基板は、前記遊技盤に対し、略直角に立設可能であるとともに、前記遊技盤と平行な状態となるように折り畳み可能である。
このような構成の遊技機は、遊技盤と、電気部品と、基板と、を備える。遊技盤は、遊技領域を備える。電気部品は、遊技盤の裏面側に設けられている。基板は、電気部品の配線部が接続されている。
そして、基板は、遊技盤に対し、略直角に立設可能であるとともに、遊技盤と平行な状態となるように折り畳み可能である。
これにより、基板を、遊技盤に対し略直角に立設可能なので、遊技盤に面で取り付けた場合に比べ、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えることが可能となる。また、基板を遊技盤と平行な状態となるように折り畳み可能とすることで、必要に応じて(例えば、基板を取り付けた遊技盤を搬送したり、重ねて保管したりする場合等)、基板を折り畳めるので、遊技盤から垂直に突出させたままの状態にしておく場合に比べ、基板に外力がかかる可能性が低くなり、基板が破損してしまうリスクを低減できる。したがって、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えつつ、基板が損傷するリスクを低減することが可能な遊技機を提供できる。
本発明の遊技機は、前記構成に加えて、前記遊技盤の背面側に設けられ、前記電気部品を覆うカバー部材(例えば、カバー部材430)を更に備え、
前記基板には、コネクタ接続部(例えば、コネクタ接続部101a)が設けられ、
前記カバー部材には、前記基板に対応する位置に開口(例えば、開口部432e)が設けられ、
前記基板は、前記開口を介して前記カバー部材の外部から前記コネクタ接続部に対する接続操作が可能な位置まで延設され、かつ、少なくとも前記基板の外側部分が前記カバー部材で覆われている状態で前記コネクタ接続部の配線差込口(例えば、配線差込口101b)が前記開口の方向に向くように配置されている。
これにより、カバー部材に、基板に対応する位置に開口を設け、基板が、この開口を介してカバー部材の外部からコネクタ接続部に対する接続操作が可能な位置まで延設し、かつ、少なくとも基板の外側部分をカバー部材で覆った状態でコネクタ接続部の配線差込口が開口の方向に向くように配置した。このため、基板を外部の衝撃から保護しつつ、基板に接続されたコネクタをカバー部材の外に引き出したり、カバー部材を取り付けた状態で、基板にコネクタを着脱することが可能となるので、遊技機の組み立てや、メンテナンスの作業性を向上することが可能となる。
(付記30について)
従来、前面枠と樹脂枠の一方の面との間に順次配置された液晶パネル及び液晶シャッタと、固定板の後方に配置された外枠とを備え、固定板及び外枠には、外枠の後方に配置された表示物が液晶パネルの表面側から見えるようにするための表示用開口部が各々設けられ、外枠の周辺部の背面側に垂直に設けられた回路基板支持板上に、回路基板を設けた遊技機が開示されている(特開2006-230859号公報を参照)。このような遊技機によれば、回路基板支持板を外枠の背面側に垂直に設けることで、回路基板を面で外枠に取り付けた場合に比べ回路基板を取り付けるスペースを小さくすることが可能となるので、回路基板の大きさに制約されることなく、表示物(絵柄など)の全体を見えるようにすることができる。
しかしながら、特開2006-230859号公報の遊技機は、回路基板支持板が外枠の背面側から突出しているので、組立や運搬時に、回路基板支持板をぶつけやすく、回路基板支持板をぶつけ、回路基板支持板や回路基板に外部から衝撃が加わると、外枠と回路基板支持板との接合部分に大きな力がかかり破損してしまうおそれがあった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えつつ、基板を外部の衝撃から保護することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、遊技領域(例えば、遊技領域12a)を備えた遊技盤(例えば、遊技盤12A)と、前記遊技盤の裏面側に設けられた電気部品(例えば、第1大入賞口ソレノイド53b)と、前記電気部品の配線部が設けられた基板(例えば、遊技盤中継基板101)と、前記遊技盤の背面側に設けられた取付ベース(例えば、取付ベース420)と、前記取付ベースの背面側に設けられ、遊技機構成部品を収容可能であり、前記電気部品を覆うカバー部材(例えば、カバー部材430)と、を備えた遊技機であって、
前記カバー部材は、背面部(例えば、背面部431)及び少なくとも2つの側面部(例えば、側面部432)から形成される空間の内部に、前記遊技機構成部品の少なくとも一部を収容可能であり、
前記背面部の幅は、前記取付ベースの幅よりも狭く形成され、
前記側面部は、前記背面部と隣接しない端部側に前記取付ベースに装着可能な取付部(例えば、取付部433)を備えるとともに、少なくとも1つの前記側面部が、前記取付部が設けられた端部から前記背面部と隣接する端部へ傾斜するように形成され、
前記基板は、前記遊技盤に対し、略直角に立設され、
傾斜した前記側面部は、前記遊技機構成部品を収容可能な収容部を備え、前記基板に対応する位置に開口(例えば、開口部432e)が設けられている。
このような構成の遊技機は、遊技盤と、電気部品と、基板と、取付ベースと、カバー部材と、を備える。遊技盤は、遊技領域を備える。電気部品は、遊技盤の裏面側に設けられている。基板は、電気部品の配線部が設けられている。取付ベースは、遊技盤の背面側に設けられている。カバー部材は、取付ベースの背面側に設けられ、遊技機構成部品を収容可能であり、電気部品を覆う。カバー部材は、背面部及び少なくとも2つの側面部から形成される空間の内部に、遊技機構成部品の少なくとも一部を収容可能である。背面部の幅は、取付ベースの幅よりも狭く形成されている。側面部は、背面部と隣接しない端部側に取付ベースに装着可能な取付部を備えるとともに、少なくとも1つの側面部が、取付部が設けられた端部から背面部と隣接する端部へ傾斜するように形成されている。
そして、基板は、遊技盤に対し、略直角に立設されている。傾斜した側面部は、構成部品を収容可能な収容部を備え、基板に対応する位置に開口が設けられている。
これにより、基板を、遊技盤に対し略直角に立設させたので、遊技盤に面で取り付けた場合に比べ、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えことが可能となる。また、カバー部材により電気部品を覆うことで、電気部品と基板との接続部分を保護することが可能となる。したがって、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えつつ、基板を外部の衝撃から保護することが可能な遊技機を提供できる。
また、カバー部材の側面部の少なくとも1つを傾斜させたので、奥行き寸法が同じ場合に、側面部を傾斜させない場合に比べ、遊技機構成部品の設置可能面積が大きくなるので、より多様な遊技機構成部品を取り付けることが可能となる。また、この傾斜した側面部に、遊技機構成部品を収容可能としたので、遊技機構成部品を背面部に集約した場合に比べ、遊技機構成部品が遊技機の背面側に突出するのを抑えることが可能となる。また、傾斜した側面部において、基板に対応する位置に開口を設けることで、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えつつ、カバー部材の側面部における遊技機構成部品の設置可能面積をより大きくすることが可能となる。
(付記31について)
従来、前面枠と樹脂枠の一方の面との間に順次配置された液晶パネル及び液晶シャッタと、固定板の後方に配置された外枠とを備え、固定板及び外枠には、外枠の後方に配置された表示物が液晶パネルの表面側から見えるようにするための表示用開口部が各々設けられ、外枠の周辺部の背面側に垂直に設けられた回路基板支持板上に、回路基板を設けた遊技機が開示されている(特開2006-230859号公報を参照)。このような遊技機によれば、回路基板支持板を外枠の背面側に垂直に設けることで、回路基板を面で外枠に取り付けた場合に比べ回路基板を取り付けるスペースを小さくすることが可能となるので、回路基板の大きさに制約されることなく、表示物(絵柄など)の全体を見えるようにすることができる。
しかしながら、特開2006-230859号公報の遊技機は、回路基板支持板が外枠の背面側から突出しているので、組立や運搬時に、回路基板支持板をぶつけやすく、回路基板支持板をぶつけ、回路基板支持板や回路基板に外部から衝撃が加わると、外枠と回路基板支持板との接合部分に大きな力がかかり破損してしまうおそれがあった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えつつ、基板を外部の衝撃から保護することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、遊技領域(例えば、遊技領域12a)を備えた遊技盤(例えば、遊技盤12A)と、前記遊技盤の裏面側に設けられた電気部品(例えば、第1大入賞口ソレノイド53b)と、前記電気部品の配線部が接続される基板(例えば、遊技盤中継基板101)と、前記遊技盤の背面側に設けられた取付ベース(例えば、取付ベース420)と、前記取付ベースの背面側に設けられ、前記電気部品を覆うカバー部材(例えば、カバー部材430)と、を備えた遊技機であって、
前記基板は、前記遊技盤に対し、略直角に立設され、
前記カバー部材の外側面には、開口(例えば、開口部432e)を介して前記基板と接続される特定の遊技機構成部品(例えば、中継基板100)を収容可能な特定収容部(例えば、側面第1凹部432a)と、その他の複数種類の遊技機構成部品(例えば、主制御基板70A、副制御基板80A)をそれぞれ収容可能な少なくとも2つ以上の収容部より構成される一般収容部(例えば、側面第2凹部432c、凹部431a)と、を備え、
前記基板には、遊技盤コネクタ接続部(例えば、コネクタ接続部101a)が設けられ、
前記特定の遊技機構成部品は、特定部品コネクタ接続部(例えば、中継基板コネクタ接続部100a)を備え、
前記複数種類の遊技機構成部品は、それぞれ一般部品コネクタ接続部(例えば、主制御基板コネクタ接続部70Aa、副制御基板コネクタ接続部80Aa)を備え、
前記一般収容部は、それぞれ前記特定収容部に隣接しており、
前記前記特定収容部には、前記基板に対応する位置に前記開口が設けられており、
前記基板は、前記開口を介して前記カバー部材の外部から前記遊技盤コネクタ接続部に対する接続操作が可能な位置まで延設され、かつ、少なくとも前記基板の外側部分が前記カバー部材で覆われており、
前記遊技盤コネクタ接続部と前記特定部品コネクタ接続部とは配線部材により接続され、
前記特定部品コネクタ接続部と前記一般部品コネクタ接続部とは配線部材により接続されている。
このような構成の遊技機は、遊技盤と、電気部品と、基板と、取付ベースと、カバー部材と、を備える。遊技盤は、遊技領域を備える。電気部品は、遊技盤の裏面側に設けられている。基板は、電気部品の配線部が接続される。取付ベースは、遊技盤の背面側に設けられている。カバー部材は、取付ベースの背面側に設けられ、電気部品を覆う。基板は、遊技盤に対し、略直角に立設されている。
そして、カバー部材の外側面には、開口を介して基板と接続される特定の遊技機構成部品を収容可能な特定収容部と、その他の複数種類の遊技機構成部品をそれぞれ収容可能な少なくとも2つ以上の収容部より構成される一般収容部と、を備える。基板には、遊技盤コネクタ接続部が設けられている。特定の遊技機構成部品は、特定部品コネクタ接続部を備える。複数種類の遊技機構成部品は、それぞれ一般部品コネクタ接続部を備える。一般収容部は、それぞれ特定収容部に隣接している。特定収容部には、基板に対応する位置に開口が設けられている。基板は、開口を介してカバー部材の外部から遊技盤コネクタ接続部に対する接続操作が可能な位置まで延設され、かつ、少なくとも基板の外側部分がカバー部材で覆われている。遊技盤コネクタ接続部と特定部品コネクタ接続部とは配線部材により接続され、特定部品コネクタ接続部と一般部品コネクタ接続部とは配線部材により接続されている。
これにより、基板を、遊技盤に対し略直角に立設させたので、遊技盤に面で取り付けた場合に比べ、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えることが可能となる。また、カバー部材により電気部品を覆うことで、電気部品と基板との接続部分を保護することが可能となる。したがって、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えつつ、基板を外部の衝撃から保護することが可能な遊技機を提供できる。
また、特定の遊技機構成部品を収容可能な特定収容部に、その他の遊技機構成部品をそれぞれ収容可能な複数の収容部より構成される一般収容部を隣接して配置し、かつ特定収容部には遊技盤からの配線と接続可能な開口を設けたので、遊技盤に設けられた部品と一般収容部に収容された複数の遊技機構成部品それぞれとの配線長さを短くすることができる。よって、多様な遊技機構成部品の確認作業やケーブル等の取り回しが容易になる。
(付記32について)
従来、パチンコ機1に、裏カバー締結孔を有する本体枠と、本体枠の遊技盤保持口の後側を閉鎖可能とされ、裏カバー締結孔と対応する貫通した挿通孔、及び挿通孔の近傍に形成された係止口を有した裏カバーと、裏カバーの挿通孔を貫通して本体枠の裏カバー締結孔へ締結可能な雄ねじ部を有する遊技機が開示されている(特開2011-167306号公報を参照)。このような遊技機によれば、雄ねじ部により、裏カバーを本体枠に締結できる。
しかしながら、特開2011-167306号公報の遊技機は、本体枠に対する裏カバーの位置を調整し、雄ねじ部が通るように、裏カバーの挿通孔と、本体枠の裏カバー締結孔と、を厳密に合わせる必要がある。ところが、本体枠に裏カバーを重ねると、本体枠の裏カバー締結孔が視認できなくなり、本体枠の装着箇所に裏カバーを位置合わせしづらく、組み立て作業の効率が低下する問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、前面側に配置される取付枠(例えば、取付枠410)と、前記取付枠の背面側に取り付けられたカバー部材(例えば、カバー部材430)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
前記取付枠は、
遊技球を貯留可能な貯留タンク(例えば、貯留タンク415)と、
前記貯留タンクから遊技球を下流に導く第1誘導樋(例えば、第1誘導樋416)と、を備え、
前記カバー部材は、
遊技球を払出可能な払出装置(例えば、払出装置700)が取り付けられ、
前記払出装置に遊技球を導く第2誘導樋(例えば、第2誘導樋434)を備え、
前記第1誘導樋と前記第2誘導樋は、前記取付枠に前記カバー部材を装着した際に、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となり、
前記第1誘導樋及び前記第2誘導樋のいずれか一方には、他方の開口部の開口面積より広い開口面積にて形成された受入部(例えば、受入部434a)が設けられ、
前記受入部は、前記受入部に挿入される開口部を接続位置まで案内する接続位置案内手段(例えば、リブ434b)を備えた。
このような構成の遊技機は、取付枠と、カバー部材と、を備える。取付枠は、前面側に配置される。カバー部材は、取付枠の背面側に取り付けられている。取付枠は、貯留タンクと、第1誘導樋と、を備える。貯留タンクは、遊技球を貯留可能である。第1誘導樋は、貯留タンクから遊技球を下流に導く。カバー部材は、払出装置と、第2誘導樋と、を備える。払出装置は、遊技球を払出可能である。
第2誘導樋は、払出装置に遊技球を導く。
そして、第1誘導樋と第2誘導樋は、取付枠にカバー部材を装着した際に、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。第1誘導樋及び第2誘導樋のいずれか一方には、他方の開口部の開口面積より広い開口面積にて形成された受入部が設けられている。受入部は、受入部に挿入される開口部を接続位置まで案内する接続位置案内手段を備えている。
これにより、遊技機の組み立て作業において、取付枠にカバー部材を取り付ける場合、大まかな位置を合わせて重ねることで、取付枠の第1誘導樋及びカバー部材の第2誘導樋のいずれか他方の開口部が、一方の開口部の受入部の接続位置案内手段に導かれ、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。このように、取付枠の第1誘導樋及びカバー部材の第2誘導樋のいずれか一方の開口部と他方の開口部を、厳密に位置合わせしなくとも、大まかな位置を合わせ、重ねるだけで、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となるので、組み立ての作業効率を向上可能となる。したがって、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
(付記33について)
従来、パチンコ機1に、裏カバー締結孔を有する本体枠と、本体枠の遊技盤保持口の後側を閉鎖可能とされ、裏カバー締結孔と対応する貫通した挿通孔、及び挿通孔の近傍に形成された係止口を有した裏カバーと、裏カバーの挿通孔を貫通して本体枠の裏カバー締結孔へ締結可能な雄ねじ部を有する遊技機が開示されている(特開2011-167306号公報を参照)。このような遊技機によれば、雄ねじ部により、裏カバーを本体枠に締結できる。
しかしながら、特開2011-167306号公報の遊技機は、本体枠に対する裏カバーの位置を調整し、雄ねじ部が通るように、裏カバーの挿通孔と、本体枠の裏カバー締結孔と、を厳密に合わせる必要がある。ところが、本体枠に裏カバーを重ねると、本体枠の裏カバー締結孔が視認できなくなり、本体枠の装着箇所に裏カバーを位置合わせしづらく、組み立て作業の効率が低下する問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、前面側に配置される取付枠(例えば、取付枠410)と、前記取付枠の背面側に取り付けられたカバー部材(例えば、カバー部材430)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
前記取付枠は、
遊技球を貯留可能な貯留タンク(例えば、貯留タンク415)と、
前記貯留タンクから遊技球を下流に導く第1誘導樋(例えば、第1誘導樋416)と、
遊技球を払出可能な払出口(例えば、払出口417)と、
前記払出口に遊技球を導く第3誘導樋(例えば、第3誘導樋418)と、を備え、
前記カバー部材は、
遊技球を払出可能な払出装置(例えば、払出装置700)と、
前記払出装置に遊技球を導く第2誘導樋(例えば、第2誘導樋434)と、
前記払出装置から遊技球を下流に導く第4誘導樋(例えば、排出口730B)と、を備え、
前記第1誘導樋と前記第2誘導樋は、前記取付枠に前記カバー部材を装着した際に、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となり、
前記第3誘導樋と前記第4誘導樋は、前記取付枠に前記カバー部材を装着した際に、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となり、
前記第1誘導樋及び前記第2誘導樋のいずれか一方には、他方の開口部の開口面積より広い開口面積にて形成された受入部(例えば、受入部434a)が設けられ、
前記第3誘導樋及び前記第4誘導樋のいずれか一方には、前記受入部(例えば、受入部418a)が設けられ、
前記受入部は、前記受入部に挿入される開口部を接続位置まで案内する接続位置案内手段(例えば、リブ434b)を備えた。
このような構成の遊技機は取付枠と、カバー部材と、を備える。取付枠は、前面側に配置される。カバー部材は、取付枠の背面側に取り付けられている。取付枠は、貯留タンクと、第1誘導樋と、払出口と、第3誘導樋と、を備える。貯留タンクは、遊技球を貯留可能である。第1誘導樋は、貯留タンクから遊技球を下流に導く。払出口は、遊技球が払い出される。第3誘導樋は、払出口に遊技球を導く。カバー部材は、払出装置と、第2誘導樋と、第4誘導樋と、を備える。払出装置は、遊技球を払出可能である。第2誘導樋は、払出装置に遊技球を導く。第4誘導樋は、払出装置から遊技球を下流に導く。
そして、第1誘導樋と第2誘導樋は、取付枠にカバー部材を装着した際に、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。第3誘導樋と前記第4誘導樋は、取付枠に前記カバー部材を装着した際に、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。第1誘導樋及び第2誘導樋のいずれか一方には、他方の開口部の開口面積より広い開口面積にて形成された受入部が設けられている。第3誘導樋及び第4誘導樋のいずれか一方には、受入部が設けられている。受入部は、受入部に挿入される開口部を接続位置まで案内する接続位置案内手段を備えている。
これにより、遊技機の組み立て作業において、取付枠にカバー部材を取り付ける場合、大まかな位置を合わせて重ねることで、取付枠の第1誘導樋及びカバー部材の第2誘導樋のいずれか他方の開口部が、一方の開口部の受入部の接続位置案内手段に導かれ、他方の開口部が一方の開口部に挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。また、取付枠の第3誘導樋及びカバー部材の第4誘導樋のいずれか一方の開口部が、一方の開口部の受入部の接続位置案内手段に導かれ、他方の開口部が一方の開口部に挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。このように、取付枠の第1誘導樋及びカバー部材の第2誘導樋のいずれか一方の開口部と他方の開口部や、取付枠の第3誘導樋及びカバー部材の第4誘導樋のいずれか一方の開口部と他方の開口部を、厳密に位置合わせしなくとも、大まかな位置を合わせ、重ねるだけで、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となるので、組み立ての作業効率を向上可能となる。さらに、第1誘導樋及び第2誘導樋と、第3誘導樋及び第4誘導樋と、の2ヶ所の連結部分で、取付枠にカバー部材を取り付ける際の位置決めが可能となるので、大まかな位置を合わせで、より正確な位置決めが可能となる。したがって、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
(付記34について)
従来、パチンコ機1に、裏カバー締結孔を有する本体枠と、本体枠の遊技盤保持口の後側を閉鎖可能とされ、裏カバー締結孔と対応する貫通した挿通孔、及び挿通孔の近傍に形成された係止口を有した裏カバーと、裏カバーの挿通孔を貫通して本体枠の裏カバー締結孔へ締結可能な雄ねじ部を有する遊技機が開示されている(特開2011-167306号公報を参照)。このような遊技機によれば、雄ねじ部により、裏カバーを本体枠に締結できる。
しかしながら、特開2011-167306号公報の遊技機は、本体枠に対する裏カバーの位置を調整し、雄ねじ部が通るように、裏カバーの挿通孔と、本体枠の裏カバー締結孔と、を厳密に合わせる必要がある。ところが、本体枠に裏カバーを重ねると、本体枠の裏カバー締結孔が視認できなくなり、本体枠の装着箇所に裏カバーを位置合わせしづらく、組み立て作業の効率が低下する問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、前面側に配置される取付枠(例えば、取付枠410)と、前記取付枠の背面側に取り付けられたカバー部材(例えば、カバー部材430)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
前記取付枠は、遊技球を下流に導く第1誘導樋(例えば、第1誘導樋416)を備え、
前記カバー部材は、遊技球を導く第2誘導樋(例えば、第2誘導樋434)を備え、
前記第1誘導樋と前記第2誘導樋は、前記取付枠に前記カバー部材を装着した際に、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となり、
前記第1誘導樋及び前記第2誘導樋のいずれか一方には、他方の開口部の開口面積より広い開口面積にて形成された受入部(例えば、受入部434a)が設けられ、
前記受入部は、
前記受入部に挿入される開口部を接続位置まで案内する接続位置案内手段(例えば、リブ434b)を備え、
前記接続位置案内手段の内縁に囲まれた部分の形状が、他方の開口部の外形と略同一の形状であり、
前記接続位置案内手段は、外縁から内縁に向かって下り傾斜している。
このような構成の遊技機は、取付枠と、カバー部材と、を備える。取付枠は、前面側に配置される。カバー部材は、取付枠の背面側に取り付けられている。取付枠は、第1誘導樋を備える。第1誘導樋は、遊技球を下流に導く。カバー部材は、第2誘導樋を備える。第2誘導樋は、払出装置に遊技球を導く。
そして、第1誘導樋と第2誘導樋は、取付枠にカバー部材を装着した際に、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。第1誘導樋及び第2誘導樋のいずれか一方には、他方の開口部の開口面積より広い開口面積にて形成された受入部が設けられている。受入部は、受入部に挿入される開口部を接続位置まで案内する接続位置案内手段を備え、接続位置案内手段の内縁に囲まれた部分の形状が、他方の開口部の外形と略同一の形状である。接続位置案内手段は、外縁から内縁に向かって下り傾斜している。
これにより、遊技機の組み立て作業において、取付枠にカバー部材を取り付ける場合、大まかな位置を合わせて重ねる。このとき、互いの開口部の位置が多少ずれていても、カバー部材を押し込むことで、他方の開口部は、一方の開口部の接続位置案内手段の傾斜に導かれ、接続位置案内手段の外縁から内縁側に移動し、内縁に囲まれた部分に嵌まり、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となる。このように、取付枠の第1誘導樋及びカバー部材の第2誘導樋のいずれか一方の開口部と他方の開口部を、厳密に位置合わせしなくとも、大まかな位置を合わせ、重ねるだけで、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となるので、組み立ての作業効率を向上可能となる。したがって、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
(付記35について)
従来、パチンコ機1に、裏カバー締結孔を有する本体枠と、本体枠の遊技盤保持口の後側を閉鎖可能とされ、裏カバー締結孔と対応する貫通した挿通孔、及び挿通孔の近傍に形成された係止口を有した裏カバーと、裏カバーの挿通孔を貫通して本体枠の裏カバー締結孔へ締結可能な雄ねじ部を有する遊技機が開示されている(特開2011-167306号公報を参照)。このような遊技機によれば、雄ねじ部により、裏カバーを本体枠に締結できる。
しかしながら、特開2011-167306号公報の遊技機は、本体枠に対する裏カバーの位置を調整し、雄ねじ部が通るように、裏カバーの挿通孔と、本体枠の裏カバー締結孔と、を厳密に合わせる必要がある。ところが、本体枠に裏カバーを重ねると、本体枠の裏カバー締結孔が視認できなくなり、本体枠の装着箇所に裏カバーを位置合わせしづらく、組み立て作業の効率が低下する問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、前面側に配置される取付枠(例えば、取付枠410)と、取付枠の背面側に取り付けられたカバー部材(例えば、カバー部材430)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
前記取付枠は、遊技球を下流に導く第1誘導樋(例えば、第1誘導樋416)を備え、
前記カバー部材は、遊技球を導く第2誘導樋(例えば、第2誘導樋434)を備え、
前記第1誘導樋と前記第2誘導樋は、前記取付枠に前記カバー部材を装着した際に、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となり、
前記第1誘導樋及び前記第2誘導樋のいずれか一方には、他方の開口部の開口面積より広い開口面積にて形成された受入部(例えば、受入部434a)が設けられ、
前記受入部は、前記受入部に挿入される開口部を接続位置まで案内する接続位置案内手段(例えば、リブ434b)を備え、
前記第1誘導樋及び前記第2誘導樋のいずれか他方には、開口の外縁に設けられ、前記接続位置案内手段により囲まれた部分の形状と略同一形状の外形で形成され、前記接続位置において、前記接続位置案内手段と係合する係合手段(例えば、係合部416a)を備える。
このような構成の遊技機は、取付枠と、カバー部材と、を備える。取付枠は、前面側に配置される。カバー部材は、取付枠の背面側に取り付けられている。取付枠は、第1誘導樋を備える。第1誘導樋は、遊技球を下流に導く。カバー部材は、第2誘導樋を備える。第2誘導樋は、払出装置に遊技球を導く。
そして、第1誘導樋と第2誘導樋は、取付枠にカバー部材を装着した際に、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。第1誘導樋及び第2誘導樋のいずれか一方には、他方の開口部の開口面積より広い開口面積にて形成された受入部が設けられている。受入部は、受入部に挿入される開口部を接続位置まで案内する接続位置案内手段を備える。第1誘導樋及び第2誘導樋のいずれか他方には、開口の外縁に設けられ、接続位置案内手段により囲まれた部分の形状と略同一形状の外形で形成され、接続位置において、接続位置案内手段と係合する係合手段を備える。
これにより、遊技機の組み立て作業において、取付枠にカバー部材を取り付ける場合、大まかな位置を合わせて重ねることで、取付枠の第1誘導樋及びカバー部材の第2誘導樋のいずれか他方の開口部の係合手段が、一方の開口部の受入部の接続位置案内手段に導かれ、接続位置において、接続位置案内手段により囲まれた部分に嵌まり、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。このように、取付枠の第1誘導樋及びカバー部材の第2誘導樋のいずれか一方の開口部と他方の開口部を、厳密に位置合わせしなくとも、大まかな位置を合わせ、重ねるだけで、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となるので、組み立ての作業効率を向上可能となる。したがって、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
また、他方の開口部を、一方の開口部の接続位置案内手段で案内する場合、他方の開口部の開口の外縁が、接続位置案内手段に当接するが、このとき、開口の外縁に力が加わり、開口を変形させてしまい、接続後に、遊技球の流下に支障をきたすおそれがある。本発明によれば、他方の開口部の開口の外縁に係合手段を設けることで、係合手段を接続位置案内手段に当接させ、開口の外縁に加わる力を低減し、接続後に、遊技球の流下に支障をきたすことを防止可能となる。
(付記36について)
従来、上皿(貯留皿)に貯留された遊技球を直線状の整流樋に一列に整列させ、この整流樋に誘導された遊技球を発射装置へと導く遊技機が開示されている(特開2003-340085号公報を参照)。このような遊技機によれば、貯留皿から発射装置へと誘導される遊技球の球詰まりを防ぐことができる。
しかしながら、上記特開2003-340085号公報の遊技機では、貯留皿において球抜き用の排出口が開放状態にあると、球払出口から放出された遊技球が整流樋に至るまでに排出口に入って外部へと排出されてしまい、発射装置へと遊技球が供給されなくなってしまう問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、貯留皿において球抜き用の口が開放状態にあっても払出口から放出された遊技球を所定箇所へと円滑に落下・排出させることなく導くことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、遊技球を払出可能な払出装置(例えば、払出装置700)と、前記払出装置から払い出された遊技球を貯留可能な貯留皿(例えば、皿ユニット900)と、前記払出装置から払い出された遊技球を前記貯留皿に放出する放出口(例えば、払出口901)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
前記貯留皿は、少なくとも一部が前記放出口に対向する位置に配置された外壁(例えば、外壁部930Ea)を有して前記放出口から放出された遊技球を貯留可能な貯留部(例えば、貯留部930E)と、複数の遊技球を進行可能に列状に整列させる整列部(例えば、整列部920A)と、前記貯留部から前記整列部へと遊技球を導く整流部(例えば、整流部930C)と、を有し、
前記整列部は、整列方向上流側が前記放出口から離間するように形成され、
前記整流部は、前記放出口から放出された遊技球を前記整列部の整列方向上流側へと導くように湾曲状に形成された周壁部(例えば、外周部930B)を有し、
前記貯留皿は、貯留している遊技球を前記貯留皿の外部へと排出可能な開口部(例えば、第1開口部930F)を有し、
前記開口部には、遊技球を貯留可能な閉鎖状態と遊技球を外部へと排出可能な開放状態とに切替可能な蓋部(例えば、第1開閉蓋953A)が設けられ、
前記外壁と前記周壁部とは、前記放出口から放出された遊技球が接触しつつ転動可能な連続面を形成し、
前記開口部は、前記蓋部が開放状態にある場合に、前記連続面に接触しつつ転動している遊技球が前記開口部に落下しないように前記連続面から前記貯留皿の内側に向けて所定の間隔をあけて配置されている。
このような構成の遊技機は、払出装置と、貯留皿と、放出口とを備える。払出装置は、遊技球を払出可能である。貯留皿は、払出装置から払い出された遊技球を貯留可能である。放出口は、払出装置から払い出された遊技球を貯留皿に放出する。貯留皿は、貯留部と、整列部と、整流部とを有する。貯留部は、少なくとも一部が放出口に対向する位置に配置された外壁を有して放出口から放出された遊技球を貯留可能である。整列部は、複数の遊技球を進行可能に列状に整列させ、整列方向上流側が放出口から離間するように形成される。整流部は、整列部へと遊技球を導くために、放出口から放出された遊技球を整列部の整列方向上流側へと導くように湾曲状に形成された周壁部を有する。また、貯留皿は、貯留している遊技球を貯留皿の外部へと排出可能な開口部を有する。開口部には、遊技球を貯留可能な閉鎖状態と遊技球を外部へと排出可能な開放状態とに切替可能な蓋部が設けられる。そして、外壁と周壁部とは、放出口から放出された遊技球が接触しつつ転動可能な連続面を形成する。開口部は、蓋部が開放状態にある場合に、連続面に接触しつつ転動している遊技球が開口部に落下しないように連続面から貯留皿の内側に向けて所定の間隔をあけて配置されている。
これにより、貯留皿において放出口から放出された遊技球は、外壁に接触しつつこれに沿って転動し、さらに連続する湾曲状の周壁部に沿って転動しながら整列部の整列方向上流側へと導かれ、整列部においては、整列方向上流側から整列方向下流側へと列状に整列した状態で遊技球が誘導される。その際、開口部に設けられた蓋部が開放状態にあっても、放出口から放出された遊技球が開口部に落下することなく外壁から周壁部に沿って転動しつつ整流部から整列部へと導かれる。したがって、放出口から整流部を経て整列部に至るまでの経路長を比較的長く確保しつつも開口部から落下しないように、貯留部の外壁や整列部の周壁部が開口部から所定の間隔をあけて形成されるとともに、その周壁部が湾曲状に形成されるので、整流部から整列部へと円滑に落下・排出させることなく遊技球を導くことができる。
(付記37について)
従来、上皿(貯留皿)に貯留された遊技球を直線状の整流樋に一列に整列させ、この整流樋に誘導された遊技球を発射装置へと導く遊技機が開示されている(特開2003-340085号公報を参照)。このような遊技機によれば、貯留皿から発射装置へと誘導される遊技球の球詰まりを防ぐことができる。
しかしながら、上記特開2003-340085号公報の遊技機では、整流樋の長さを一定長さ確保して遊技球をできる限り長く一列に整列させる必要があるので、貯留皿全体が横長になって遊技機前面の設置スペースを幅広く占有してしまう問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、貯留皿の幅寸法や設置スペースを抑えつつも遊技球の球詰まりを防ぐことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、遊技球を払出可能な払出装置(例えば、払出装置700)と、前記払出装置から払い出された遊技球を貯留可能な貯留皿(例えば、皿ユニット900)と、前記払出装置から払い出された遊技球を前記貯留皿に放出する放出口(例えば、払出口901)と、を備えた遊技機であって、
前記貯留皿は、複数の遊技球を進行可能に列状に整列させる整列部(例えば、整列部920A)と、前記整列部へと遊技球を導く整流部(例えば、整流部930C)と、を有し、
前記整列部は、複数の遊技球を直線的に整列させるように溝状に形成され、
前記整流部は、前記放出口から放出された遊技球を迂回させつつ前記整列部の整列方向上流側へと導くように形成され、前記整列部の整流部側には、前記整列部に整列している遊技球に、前記放出口から放出された遊技球が乗り上げることを防止する壁部(例えば、壁部920Ac)が設けられている。
このような構成の遊技機は、払出装置と、貯留皿と、放出口とを備える。払出装置は、遊技球を払出可能である。貯留皿は、払出装置から払い出された遊技球を貯留可能である。放出口は、払出装置から払い出された遊技球を貯留皿に放出する。貯留皿は、整列部と、整流部とを有する。そして、整列部は、複数の遊技球を進行可能に列状に整列させ、複数の遊技球を直線的に整列させるように溝状に形成される。整流部は、整列部へと遊技球を導くために、放出口から放出された遊技球を迂回させつつ整列部の整列方向上流側へと導くように形成されている。整列部の整流部側には、整列している遊技球に、放出口から放出された遊技球が乗り上げることを防止する壁部が設けられている。
これにより、貯留皿において放出口から放出された遊技球は、整流部へと迂回するように導かれ、その後、この整流部から整列部の整列方向上流側へと導かれ、整列部においては、溝に沿ってまっすぐ整列した状態で複数の遊技球が誘導される。したがって、放出口から整流部を経て整列部に至るまでの経路長を比較的長く確保しつつも整列部が直線的な溝状に形成されるので、貯留皿の幅寸法や設置スペースを抑えることができるとともに、整流部から整列部へと円滑に球詰まりさせることなく遊技球を導くことができる。また、整列部に整列している遊技球に、更に放出された遊技球が乗り上げ、整列が乱れ球詰まりが発生したり、遊技球が貯留皿から飛び出したりすることを防止できる。
(付記38について)
従来、上皿(貯留皿)に貯留された遊技球を直線状の整流樋に一列に整列させ、この整流樋に誘導された遊技球を発射装置へと導く遊技機が開示されている(特開2003-340085号公報を参照)。このような遊技機によれば、貯留皿から発射装置へと誘導される遊技球の球詰まりを防ぐことができる。
しかしながら、上記特開2003-340085号公報の遊技機では、整流樋の長さを一定長さ確保して遊技球をできる限り長く一列に整列させる必要があるので、貯留皿全体が横長になって遊技機前面の設置スペースを幅広く占有してしまう問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、貯留皿の幅寸法や設置スペースを抑えつつも遊技球の球詰まりを防ぐことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、遊技球を払出可能な払出装置(例えば、払出装置700)と、前記払出装置から払い出された遊技球を貯留可能な貯留皿(例えば、皿ユニット900)と、前記払出装置から払い出された遊技球を前記貯留皿に放出する放出口(例えば、払出口901)と、を備えた遊技機であって、
前記貯留皿は、複数の遊技球を進行可能に列状に整列させる整列部(例えば、整列部920A)と、前記整列部へと遊技球を導く整流部(例えば、整流部930C)と、内部へと遊技球を導入可能な開口(例えば、開口930Ab)を有するカバー(例えば、受け皿カバー部材930のカバー部930A)と、を有し、
前記整列部は、前記カバーによって覆われ、整列方向上流側が前記開口に近接するように設けられ、
前記整流部は、前記放出口から放出された遊技球を前記カバーの外周に沿って導きつつ前記開口へと導くように形成されている。
このような構成の遊技機は、払出装置と、貯留皿と、放出口とを備える。払出装置は、遊技球を払出可能である。貯留皿は、払出装置から払い出された遊技球を貯留可能である。放出口は、払出装置から払い出された遊技球を貯留皿に放出する。貯留皿は、整列部と、整流部と、カバーとを有する。カバーは、内部へと遊技球を導入可能な開口を有する。そして、整列部は、複数の遊技球を進行可能に列状に整列させ、カバーによって覆われつつも整列方向上流側が開口に近接するように設けられる。整流部は、整列部へと遊技球を導くために、放出口から放出された遊技球をカバーの外周に沿って導きつつ開口へと導くように形成されている。
これにより、貯留皿において放出口から放出された遊技球は、カバーの外周に沿う整流部へと導かれ、その後、この整流部からカバーの開口に入って整列部の整列方向上流側へと導かれ、整列部においては、複数の遊技球が列状に整列して誘導される。したがって、整流部と整列部とをカバーの外側と内側とに形成することで放出口から整流部を経て整列部に至るまでの経路長を比較的長く確保できるので、貯留皿の幅寸法や設置スペースを抑えることができるとともに、整流部から整列部へと円滑に球詰まりさせることなく遊技球を導くことができる。
(付記39について)
従来、上皿(貯留皿)に貯留された遊技球を直線状の整流樋に一列に整列させ、この整流樋に誘導された遊技球を発射装置へと導く遊技機が開示されている(特開2003-340085号公報を参照)。このような遊技機によれば、貯留皿から発射装置へと誘導される遊技球の球詰まりを防ぐことができる。
しかしながら、上記特開2003-340085号公報の遊技機では、貯留皿において球抜き用の排出口が開放状態にあると、球払出口から放出された遊技球が整流樋に至るまでに排出口に入って外部へと排出されてしまい、発射装置へと遊技球が供給されなくなってしまう問題があった。
そこで、本発明は、このような問題点を解決し、貯留皿において球抜き用の口が開放状態にあっても払出口から放出された遊技球を所定箇所へと円滑に落下・排出させることなく導くことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明の遊技機は、遊技球を払出可能な払出装置(例えば、払出装置700)と、前記払出装置から払い出された遊技球を貯留可能な貯留皿(例えば、皿ユニット900)と、前記払出装置から払い出された遊技球を前記貯留皿に放出する放出口(例えば、払出口901)と、を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1A)であって、
前記貯留皿は、少なくとも一部が前記放出口に対向する位置に配置された外壁(例えば、外壁部930Ea)を有して前記放出口から放出された遊技球を貯留可能な貯留部(例えば、貯留部930E)と、複数の遊技球を進行可能に列状に整列させる整列部(例えば、整列部920A)と、前記貯留部から前記整列部へと遊技球を導く整流部(例えば、整流部930C)と、湾曲状の周壁部(例えば、外周部930B)と、を有し、
前記貯留皿は、貯留している遊技球を前記貯留皿の外部へと排出可能な開口部(例えば、第1開口部930F)を有し、
前記開口部には、遊技球を貯留可能な閉鎖状態と遊技球を外部へと排出可能な開放状態とに切替可能な蓋部(例えば、第1開閉蓋953A)が設けられ、
前記外壁と前記周壁部とは、前記放出口から放出された遊技球が接触しつつ転動可能な連続面を形成し、
前記開口部は、前記貯留皿の底面に、前記連続面に接触しつつ転動している遊技球が前記開口部に落下しないように前記連続面から前記貯留皿の内側に向けて所定の間隔をあけて配置され、
前記整列部は、整列方向上流側が前記周壁部に近接しつつ当該周壁部より内側に設けられ、
前記整流部は、前記放出口から放出された遊技球を前記周壁部に沿って導きつつ前記整列部の整列方向上流側へと導くように形成されている。
このような構成の遊技機は、払出装置と、貯留皿と、放出口とを備える。払出装置は、遊技球を払出可能である。貯留皿は、払出装置から払い出された遊技球を貯留可能である。放出口は、払出装置から払い出された遊技球を貯留皿に放出する。貯留皿は、貯留部と、整列部と、整流部と、周壁部とを有する。周壁部は、湾曲状に形成されている。貯留部は、少なくとも一部が放出口に対向する位置に配置された外壁を有して放出口から放出された遊技球を貯留可能である。整列部は、複数の遊技球を進行可能に列状に整列させ、整列方向上流側が周壁部に近接しつつ当該周壁部より内側に設けられる。整流部は、整列部へと遊技球を導くために、放出口から放出された遊技球を周壁部に沿って導きつつ整列部の整列方向上流側へと導くように形成されている。また、貯留皿は、貯留している遊技球を貯留皿の外部へと排出可能な開口部を有する。開口部には、遊技球を貯留可能な閉鎖状態と遊技球を外部へと排出可能な開放状態とに切替可能な蓋部が設けられる。そして、外壁と周壁部とは、放出口から放出された遊技球が接触しつつ転動可能な連続面を形成する。開口部は、蓋部が開放状態にある場合に、連続面に接触しつつ転動している遊技球が開口部に落下しないように連続面から貯留皿の内側に向けて所定の間隔をあけて配置されている。
これにより、貯留皿において放出口から放出された遊技球は、外壁に接触しつつこれに沿って転動し、さらに連続する湾曲状の周壁部に沿う整流部へと導かれ、その後、この整流部から整列部の整列方向上流側へと導かれ、整列部においては、複数の遊技球が列状に整列して誘導される。その際、開口部に設けられた蓋部が開放状態にあっても、放出口から放出された遊技球が開口部に落下することなく外壁から周壁部に沿って転動しつつ整流部から整列部へと導かれる。したがって、湾曲状の周壁部に沿うように整流部を形成することで放出口から整流部を経て整列部に至るまでの経路長を比較的長く確保しつつも開口部から落下しないように、貯留部の外壁や周壁部が開口部から所定の間隔をあけて形成されるので、整流部から整列部へと円滑に落下・排出させることなく遊技球を導くことができる。