第1の態様によれば、ネットワークを介して少なくとも1つの分析デバイスから受信された少なくとも1つの自動通知に基づく分析デバイスの状態を推論するためのコンピュータ実装方法が提供される。この方法は、
データ処理エージェントにおいて、少なくとも1つの分析デバイスから少なくとも1つの自動通知を受信することと、
データ処理エージェントにおいて、少なくとも1つの自動通知を処理し、それにより、少なくとも1つの分析デバイスからの少なくとも1つの自動通知に基づいて、分析デバイスの1つまたは複数の特性を識別することと、
データ処理エージェントにおいて、1つまたは複数の識別された特性をモデルに適用することによって、少なくとも1つの分析デバイスの状態を推論することと、
データ処理エージェントにおいて、分析デバイスの推論された状態を報告する通知を生成することと
を備える。
この効果は、1つまたは複数の分析デバイスの保守管理状態が正確に追跡され得ることである。分析デバイスの第1のネットワークから集められた情報は、分析デバイスのさらなるネットワークに適用され得る。
さらに、多数の自動通知は、保守管理問題の時宜を得た予測を可能にする通知の傾向またはパターンを識別するために処理され得る。代替として、傾向を見定めるため、または識別が難しいデータ内のパターンについて学習するために、履歴通知のデータベースが後処理され得る。
1つまたは複数の分析デバイスのさらなる保守管理状態は、ある特定の時点で予測または推論され得る。
保守管理スケジュールは、1つまたは複数の分析デバイスの物理的なステータスに対する変更の重要度または緊急性を反映するように生成または更新され得る。
1つまたは複数の分析デバイスのユーザは、グラフィカルユーザインターフェースまたは他の表示手段を介して、分析デバイスの推論された状態を解決するために行うべき活動について勧告され得る。
第2の態様によれば、ネットワークを介して少なくとも1つの分析デバイスから受信された少なくとも1つの自動通知に基づく分析デバイスの状態を推論するためのデータ処理エージェントをホストするように構成された装置が提供される。この装置は、
- 通信インターフェースと、
- 通信インターフェースに結合されたプロセッサと、
を備える。
通信インターフェースは、少なくとも1つの分析デバイスから少なくとも1つの自動通知を受信するように構成される。
プロセッサは、少なくとも1つの自動通知を処理し、それにより、少なくとも1つの分析デバイスからの少なくとも1つの自動通知に基づいて、分析デバイスの1つまたは複数の特性を識別するように構成される。
プロセッサは、1つまたは複数の識別された特性をモデルに適用することによって、少なくとも1つの分析デバイスの状態を推論するように構成される。
プロセッサは、分析デバイスの推論された状態を報告する通知を生成するように構成される。
第3の態様によれば、分析デバイス管理のためのシステムであって、
- 少なくとも1つの分析デバイスと、
- 第1の態様の方法を実行するように構成された、第2の態様の装置からのデータを処理するためのデータ処理エージェントをホストするように構成された装置と
を備えた、システムが提供される。
第3の態様によるシステムは、ユーザインターフェースを備えたコンピューティング装置と、少なくとも1つの分析デバイス、コンピューティング装置、およびデータ処理エージェントをホストするように構成された装置に通信可能に接続するように構成されたネットワークとをさらに備える。
少なくとも1つの分析デバイスは、複数の通知を生成するように構成され、通信ネットワークは、装置上でホストされるデータ処理エージェントに複数の通知を通信するように構成される。
一実施形態では、少なくとも1つの分析デバイスは、患者からの生体試料を分析するように構成される。
一実施形態では、少なくとも1つの分析デバイスは、医学的状態のバイオマーカを識別するために生体試料を分析するように構成される。
第4の態様によれば、第3の態様による装置を制御するためのコンピュータ可読命令を備えたコンピュータプログラム要素であって、コンピュータ可読命令が、装置のプロセッサによって実行されるとき、第2の態様の方法を実行するように適合される、コンピュータプログラム要素が提供される。
第5の態様によれば、第4の態様のコンピュータプログラム要素を記憶した、またはその上に符号化した、コンピュータ可読媒体または信号が提供される。
第6の態様によれば、ネットワークから受信された複数の自動通知に基づいて、分析デバイスの状態を推論するためのモデルを生成するためのコンピュータ実装方法が提供される。この方法は、
1つまたは複数のネットワーク内で1つまたは複数の分析デバイスから複数の自動通知を受信することであって、複数の自動通知の少なくとも1つのサブセットが、1つまたは複数の分析デバイスのうちの少なくとも1つの少なくとも1つの状態に関連付けられる、複数の自動通知を受信することと、
モデルを生成するためのトレーニングデータとして複数の自動通知を使用してモデルをトレーニングすることであって、モデルが、複数の受信された自動通知と1つまたは複数の分析デバイスのうちの少なくとも1つの少なくとも1つの状態の間の関係を提供する、モデルをトレーニングすることと
を備える。
第7の態様によれば、第6の態様に従って取得された、トレーニングされたモデルを備えたコンピュータ可読データ構造が提供される。
随意の実施形態は、読者が次に参照し得る、本明細書においてさらに論じる、従属請求項において定義される。
本出願において一定の用語が使用され、その形成は、選定された特定の用語によって限定されると解釈すべきではなく、その特定の用語の裏にある一般概念に関すると解釈すべきである。
本明細書で使用される「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語、またはそれらの任意の他の変形態は、非排他的な包括を網羅することが意図される。
「患者試料」および「生体試料」という用語は、当該検体を潜在的に含有し得る材料を指す。患者試料は、血液、唾液、眼内レンズ液、脳脊髄液、汗、尿、便、精液、母乳、腹水、粘液、滑液、腹膜液、羊水、組織、培養細胞などを含む生理液など、何らかの生物学的源から導出され得る。患者試料は、血液から血漿を用意する、粘液、溶菌などを希釈する、など、使用に先立って事前に処理され得る。処理の方法は、濾過、蒸留、濃縮、妨害化合物の不活性化、および試薬の追加を伴い得る。患者試料は、源から取得されると直接使用されてよく、または試料の性質を変えるための前処理に続いて使用されてもよい。いくつかの実施形態では、当初は固体または半固体の生体材料は、好適な液状媒体を用いてその材料を溶解または懸濁することによって液体にされる。いくつかの実施形態では、材料は、ある抗原または核酸を含有すると疑われる。
本明細書で使用する「分析デバイス」という用語は、患者の医学的状態に関する測定値を取得するための任意の装置を包含する。一例では、測定値は、患者試料を取得し、患者試料を自動的にまたは半自動的に処理するために分析デバイスを使用することによって提供され得る。分析デバイスは、そこから患者の医学的状態の評価が行われ得る、処理される試料内の検体の存在を検出し得る。分析デバイスが患者の医学的状態の評価を形成することは必須ではなく、たとえば、分析デバイスによって検出された検体の概要は、さらに考慮するために医学専門家に提供され得る。別の例では、「分析デバイス」は、患者の医学的状態を表すデジタルデータを取得および処理し得る。デジタルデータは、他の分析デバイスからの測定値として、かつ/または画像、ビデオ、もしくは音声データとして受信され得る。
一例では、分析デバイスは、患者の医学的状態に関する測定値を提供するために患者から取得される生体(医学的)試料の自動アナライザであり得る。たとえば、分析デバイスは、測定値を提供するために、光吸収、蛍光、電位、または反応の他の物理的もしくは化学的特性を測定し得る。多くの場合、そのような患者試料は、分析検査が行われる前に処理される。患者から採取された血液は、たとえば、血清を取得するために遠心分離機にかけられるか、または血漿を取得するために抗凝血剤で処理される。
分析デバイスによる検体検査は、一例として、患者試料内の検体の存在および/または濃度を決定する目標を有する。「検体」という用語は、存在および/または濃度に関する情報の対象となる物質に対する一般用語である。検体の例は、たとえば、ブドウ糖、凝固パラメータ、内因性タンパク質(たとえば、心筋から放出されるタンパク質)、代謝物、核酸などである。
患者試料を分析するように構成された分析デバイスによる検体検査は、一例として、患者試料内の検体の存在/または濃度を決定する目標を有する。「検体」という用語は、存在および/または濃度に関する情報の対象となる物質に対する一般用語である。検体の例は、たとえば、ブドウ糖、凝固パラメータ、内因性タンパク質(たとえば、心筋から放出されるタンパク質)、代謝物、核酸などである。しかしながら、たとえば、化学反応のカメラセンサーによって取得されたデジタルデータ、または患者の皮膚の画像の取得および処理は、分析検査のもう1つの例である。
「分析デバイス」が、患者の医学的状態に関するデータを取得するために必要とされるすべてのステップを自動的に実行することは必須ではない。たとえば、いくつかの分析デバイスは、検査を実行するのに先立って、試薬をアンプル内の試料の中にピペットで移すことまたはスライドを取り付けることをPOCオペレータに要求することがある。他の場合には、「分析デバイス」は、オペレータの介入なしに、試料分析のすべてのステップを自動的に実行し得る。他の場合には、「分析デバイス」は、ユーザに、分析の段階において手動で介入するように催促し得る。
代替として、分析デバイスは、患者から測定値を捕捉するように構成されたセンサーを備えたハンドヘルドまたはモバイルデバイスである。
「分析デバイス」は、たとえば、USB(商標)、WiFi(商標)、またはBluetooth(商標)接続を介して、スマートフォン、タブレットPC、スマートウォッチ、または他のコンピューティングデバイスに通信可能に接続され得るポータブルアプライアンスを備え得る。そのようなポータブルアプライアンスは、センサーのうちの1つまたはセンサーの組合せから取得されるデータを分析することによって、分析検査を実行するように構成され得る。
測定値は、たとえば、スマートフォンのセンサーから収集されたデータを備え得る。単なる例として、測定値は、患者の腫瘍の程度を特徴付ける、スマートフォン加速度計によって取得されたデータであり得る。測定値は、スマートフォンカメラを使用して取得された皮膚の状態の写真であり得る。測定値は、スマートフォンマイクロフォンを使用して取得された録音であり得る。測定値は、たとえば、患者の歩き方を評価するためにスマートフォンを使用して取得されたビデオであり得る。このように、スマートフォン、タブレットPC、または他のコンピューティングデバイスの標準的な特徴が分析デバイスの機能を実行し得る。スマートフォン、または他のコンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーションは、そのようなデータを取得し、そのデータをデータ処理エージェントに通信することが可能である。スマートフォンに通信可能に結合された外部デバイスを介して、一連のより幅広い測定値が取得され得る。たとえば、外部デバイスは、デジタル温度計を備え得る。
本明細書で使用される「患者の健康パラメータ」という用語は、1つまたは複数の検体に対する患者試料の分析によって、またはセンサーのうちの1つまたはセンサーの組合せから取得されるデータの分析によって、測定可能であるかまたは示される、患者の生理機能の何らかの態様を包含する。
「分析デバイス」という用語は、患者の病棟の近傍で使用可能であり得るように構成され得、その場合、分析デバイスは、「ポイントオブケア(POC)デバイス」と呼ばれることが多い。しかしながら、本明細書で論じる技法は、POCデバイスに限定されず、メッセージデータを生成する多くのタイプの検査室分析システムに適用され得る。
本明細書で使用される「ポイントオブケア」(POC)または「ポイントオブケア環境」という用語は、限定はしないが、病院、救急部門、集中治療室、プライマリケア設定、医療センター、患者の自宅、診療所、薬局、または救急現場を含めて、医療検査および/または治療など、医療サービスまたは医療関係サービスが提供される、患者のケア現場のロケーションまたはその付近を意味するように定義される。
ベッドサイド検査またはポイントオブケア検査の分野において、検査は、典型的には、看護師、医療スタッフ、または医師によって実行されるが、本明細書で「オペレータ」と総称される薬剤師によっても実行される。しかしながら、必要とされる証明書を保有する者は誰でもオペレータであり得る。ポイントオブケアコーディネータPOCCは、同時に、POCアナライザのオペレータであり得、POCアナライザのオペレータも、同時に、ポイントオブケアコーディネータPOCC、したがって、ポータブルコンピューティングデバイスのユーザであり得る。
本明細書で使用される「ポイントオブケア検査」(POCT)という用語は、患者の医学的状態に関する情報を取得するために、上記で定義されたような分析デバイスによって提供される1つまたは複数のデータ項目の分析を包含する。POCTは、可搬、ポータブル、およびハンドヘルド器具の使用により達成されることが多いが、ハンドヘルドデバイスが利用可能でないとき、小型ベンチアナライザまたは固定機器も使用されてよく、目標は、患者のロケーションでまたはその(比較的)付近で(比較的)短い時間期間に、患者試料を収集し、分析データを取得することである。
一例では、POCTは、グルコース、凝固、血液ガス、尿検査、心臓および分子検査のための(限定はしないが)アナライザなど、様々なPOC分析デバイス(POCアナライザ)を使用して実行される。結果は、POCアナライザ上で直接閲覧され得るか、またはPOCTシステムに送られ、中央検査室の結果とともに検査室情報システム内に、または画像結果と一緒に病院情報システム内に表示され得る。
したがって、分析デバイスは、(限定はしないが)血糖検査、凝固検査、血液ガスおよび電解質分析、尿検査、心臓マーカー分析、ヘモグロビン診断、感染病検査、コレステロールスクリーニングまたは核酸検査(NAT)など、検査を実行するために、ポイントオブケア環境において使用され得る。結果は、ポイントオブケアアナライザ上で直接閲覧され得るか、またはポイントオブケア検査システムに送られ、中央検査室の結果とともに検査室情報システム内に、または画像結果と一緒に病院情報システム内に表示され得る。「患者の健康パラメータ」という用語は、随意に、患者の生理機能の何らかの態様に関する情報を提供する画像またはビデオなどのデジタルデータを包含する。
一例では、POCTは、患者の皮膚の一部分の写真、患者の歩行のビデオ、または患者が音をたてる音声試料など、デジタルデータを取得することによって実行される。
一例では、POCTは、あるロケーションから別のロケーションに容易に移動され得る任意の電子アプライアンス、具体的には、限定はしないが、セルラー電話、衛星電話、ページャ、携帯情報端末(「PDA」)、スマートフォン、ナビゲーションデバイス、スマートブックもしくはリーダ、前述のデバイスの組合せ、タブレットコンピュータまたはラップトップコンピュータを含めて、任意のハンドヘルドバッテリー駆動式モバイルアプライアンスを包含する「ポータブルコンピューティングデバイス」を使用して、実行される。
本明細書で使用される「ポイントオブケアデバイス管理システム」(POC-DMS)という用語は、POCコーディネータがPOCデバイスを管理することを可能にするために、または保守管理員が器機を監視することを可能にするために、コンピュータネットワークを介して1つまたは複数のPOCデバイスと通信し、1つまたは複数のPOCデバイスを管理するように構成されたデータプロセッサを示す。随意に、POC-DMSは、POCデバイスが接続されている同じネットワークに接続された端末コンピュータである。随意に、POC-DMSは、POCデバイスが接続されたネットワークに対して遠隔にホストされ、POCデバイスの遠隔管理を可能にする、サーバ、仮想機械、または仮想化サーバとして提供され得る。POCデバイス(分析デバイス)が、たとえば、POC-DMSと同じサブネットまたはネットワーク分岐に接続されていることは必須ではない。
分析デバイスは、「自動通知」を生成し得る。いくつかの自動通知は、分析デバイス上で実行される検査のアッセイ結果を含有するデータメッセージである。他の自動通知は、ハードウェアハードビート、モータ過熱、バッテリー状態、またはふたの目詰まりを報告するメッセージなどの特定のハードウェア故障、ネットワーク化情報(LDAPまたはDHCPルックアップメッセージなど)、試薬情報、温度情報、実行されたアッセイ数の増分カウント、バッテリーレベル、ソフトウェアまたはファームウェア更新要求、ユーザログイン情報、監査ログメッセージ、セキュリティ証明メッセージ、メモリ容量情報、など、分析デバイスの状態に関するフィードバックを含有する。多くの異なるタイプの分析デバイスが多種多様な分析デバイス通知を生成し得ることを当業者は諒解されよう。
分析デバイスに関する「コンテキスト」という用語は、ある状況、ロケーション内の、かつ/またはアナライザの異なるユーザを区別し得る動作状態の、分析デバイスによって行われ得るまたはその分析デバイスに関する観察の収集物を指す。「コンテキスト」は、分析デバイスの使用環境に関する分類可能な技術的概念を表す。コンテキストの存在は、所与の時点で、医学的資料の分析デバイスのセンサーによって、または分析デバイスのネットワークアドレスなどのコンテキスト情報の融合によって、検出される入力刺激要因(input stimuli)に基づいて、検出され得るか、またはその入力刺激要因から反復され得る。
さらに、コンテキストを表し得る技術的概念の例示的なカテゴリは、「教育研究室」、「保守管理部門」、および「事故および救急診療部門」における分析デバイスの使用であり得る。
分析デバイスセンサーから導出される技術的入力刺激要因は、ある論理規則範囲に対する入力、またはモデル、たとえば、機械学習技法によって取得されるモデルとして使用され得る。これらの規則は、分析デバイスがどのコンテキストで動作しているかの推論を可能にする。コンテキスト変更の単純な例は、許容温度を有する部屋からアッセイが確実に実行されるためには寒すぎる部屋に分析デバイスを持って行くことであり得る。分析デバイス内に含まれた電子温度計は分析デバイスの温度を経時的に報告し得るため、コンテキスト変更が推論され得る。代替として、分析デバイスの「保守管理部門」への移動は、ハードウェアインターロック信号など、分析デバイスの取外しに関する複数の異常メッセージの分析デバイスからのブロードキャストをもたらし得る。
1つを超える入力刺激要因からのデータの融合は、コンテキストのより正確な決定を可能にする。たとえば、分析デバイスの温度を観察することのみによって、分析デバイスが部屋から移動されたか否か、または同じ部屋の温度が変化したかどうかを決定することは不可能である。しかしながら、ネットワークアドレスデータベースまたはワイヤレスネットワークレジストリなど、外部データベースからの情報は、病院内の部屋周辺の分析デバイスのより正確な追跡を可能にし得る。ユーザデータベースからの情報の分析デバイスからのセンサーデータとのオフライン融合は、分析デバイスの使用履歴の検出を可能にし得る。
「メッセージタイプ」という用語は、各分析デバイスに対して、自動通知を送る分析デバイスのステータスに基づいて、自動通知の有限セットからの1つまたは複数の自動通知が分析デバイスから送信されることを指す。自動通知(メッセージ)の範囲は、メッセージング仕様書において定義され得る。
「少なくとも1つの自動通知の1つまたは複数の特性を識別する」という句は、たとえば、分析デバイスの状態を推論するモデルに対する好適な入力を生成するために自動通知の全体集合のサブサンプリングを暗示し得る。たとえば、バッテリーの状態を推論するとき、たとえば、分析デバイスのソフトウェアバージョンを参照する自動通知に基づいて、モデルをトレーニングすること、またはモデルを適用することは必要でないことがある。1つまたは複数の特性の識別は、したがって、入力された自動通知のストリームの情報コンテンツの低減である。
分析デバイスの「状態」という用語は、そのアナライザに一意である分析デバイスのハードウェアまたはソフトウェア要素のステータスを指す。1つのオプションでは、分析デバイスの「状態」は、「良好状態」、「平均的な状態」、または「来週、保守管理を必要とする」、もしくは「デバイスは保守管理されるまで使用されない」など、いくつかの状態のうちの1つから選択され得る。代替として、分析デバイスの「状態」は、スコアリングシステムに基づいて定義される連続番号であり得る。「測光メータクリーン」など、分析デバイスからの自動通知の緊急ではない特性には低い優先順位スコアが割り当てられてよく、「測光メータ無応答」など、分析デバイスからの自動通知の緊急の特性には高い優先順位スコアが割り当てられてよい。
分析デバイスの「状態」は、アナライザがどの程度使用されているか、アナライザを使用する職員のトレーニングレベル、アナライザのタイプ、アナライザが使用されるコンテキスト、などの関数であり得る。「状態」は、一例として、(i)バッテリーステータス、(ii)実行されたアッセイの数、(iii)品質制御結果、(iv)ソフトウェアバージョン、(v)測光メータ状態、(vi)ドア機構状態、など、幅広い要因の複合物である。したがって、分析デバイスの状態は、自動通知のサブサンプリングされた選択に基づいて推定され得る。検出可能な状態の範囲および定義は、処理のために利用可能な自動通知の範囲、および分析デバイスの保守管理スケジュールを定義するエンドユーザの優先順位にある程度依存することを当業者は諒解されよう。
本明細書で使用される「通信ネットワーク」という用語は、限定はしないが、WIFI、GSM、UMTS、またはイーサネットなど、他のワイヤレスデジタルネットワークもしくはワイヤードネットワークを含めて、任意のタイプのワイヤードまたはワイヤレスネットワークを包含する。たとえば、通信ネットワークは、ワイヤードおよびワイヤレスネットワークの組合せを含み得る。自動通知は、通信ネットワークを介して分析デバイスから送信され得る。
「サーバ」という用語は、そこから要求を受け入れ、それに応じて応答を与えることが可能な物理または仮想プロセッサを有する任意の物理的機械または仮想機械を包含する。機械という用語が、物理ハードウェア自体、もしくはJAVA(登録商標)仮想機械(JVM)などの仮想機械、または、同じ物理的機械上で異なるオペレーティングシステムを実行し、機械のコンピューティングリソースを共有している別々の仮想機械すら指し得ることは、コンピュータプログラミングの当業者には明らかであろう。サーバは、個々に、「サーバ」、または仮想サーバなど、共有リソースと呼ばれることも多い、専用コンピュータを含めて任意のコンピュータ上で実行し得る。多くの場合、コンピュータは、いくつかのサービスを提供し、いくつかのサーバを実行させることが可能である。したがって、サーバという用語は、1つまたは複数のクライアントプロセスに対するリソースを共有する任意のコンピュータデバイスを包含するものとする。サーバは、自動通知を受信、処理、および送信し得る。
「サーバインターフェース」という用語は、外部エンティティ(サーバまたは別のインターフェースなど)との通信を許可するためのプログラム論理を実行するように動作可能な任意のハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアベースのモジュールを包含する。
「データ処理エージェント」という用語は、ポイントオブケアデバイスから自動通知、および、随意に、ユーザまたはオペレータから注釈データを受信することが可能な、サーバなど、1つまたは複数のコンピューティングデバイス上で実行するコンピュータ実装ソフトウェアモジュールを指す。一例では、データ処理エージェントは、受信された自動通知に基づいて分析デバイスの特性を推論し得る。一例では、データ処理エージェントは、自動通知および注釈データを関連付けることができる。「データ処理エージェント」は、単一のサーバ上で、もしくは複数のサーバ間で、かつ/またはAmazon AWS(商標)またはMicrosoft Azure(商標)など、インターネットベースの「クラウド」処理サービス上で実装され得る。「データ処理エージェント」、またはその一部分は、仮想機械上でホストされ得る。データ処理エージェントは、自動通知を受信、処理、および送信し得る。
「ユーザインターフェース」という用語は、限定はしないが、オペレータからのコマンドを入力として受信し、やはりフィードバックをオペレータに提供し、情報をオペレータに伝えるためのグラフィカルユーザインターフェースを含めて、オペレータと機械との間の対話のための任意の数の適切なソフトウェアおよび/またはハードウェアを包含する。また、システム/デバイスは、異なる種類のユーザ/オペレータにサービスするためのいくつかのユーザインターフェースを明らかにし得る。ユーザインターフェースは、自動通知を表示し得る。ユーザインターフェースは、保守管理報告を表示し得る。
注記:図面は正確な縮尺率で描かれておらず、例示としてのみ提供され、本発明の範囲を定義するためではなく、本発明の範囲をよりよく理解するのに役立つ。可能な場合、同じ論理エンティティは同じ参照番号を共有する。これらの図面から本発明のいずれの特徴の何の限定も推論すべきではない。
ポイントオブケア(POC)アナライザ(分析デバイスとも呼ばれる)は、サーバ、具体的には、ポイントオブケアデータ管理システム(POC-DMS)とも呼ばれるハードウェア管理サーバによって、通常、管理される。POC-DMSは、分析デバイスに対する接続性、検査結果、オペレータ、品質制御の管理を提供し、分析デバイスの保守管理体制を追跡する。たとえば、1つのPOC-DMSは、病院、病院部門、または医療検査センターにおけるすべての分析デバイスを管理し得る。
分析デバイスシステムの管理は困難である。検査の品質を保証するために管理すべき、数十の現場、数百の分析デバイス、および数千のオペレータが存在し得る。大型POCデバイスを管理する際の1つの課題は、数十個、または数百個の分析デバイスの保守管理ステータスを追跡することに関する。
分析デバイスは、通常のデバイスメッセージ、事象メッセージ、使用メッセージ、システム警告メッセージ、およびエラー(分析デバイスデータ)を含む大量のデータを分析デバイス管理のためのシステム(POC-DMS)に送る。分析デバイス保守管理要件の報告は、さらに改善され得る。
いくつかの保守管理は、所定の位置で実行され得る(バッテリー交換など)が、他の保守管理は、分析デバイスを保守管理センターに送り出すことを必要とする(機械的修理など)。典型的には、分析デバイスの保守管理は、通常の予定表上に提供され得るが、保守管理間の時間間隔の選択は、保守管理を必要としない分析デバイスの不十分な頻度の保守管理、または頻度があまりにも低く、所与のPOCアナライザの考えられる故障を十分早く決定しない、保守管理スケジュールをもたらし得る。
分析デバイス保守管理要件の正確な評価は、たとえば、予備部品がプリエンプティブに注文されることを可能にし得る。分析デバイス保守管理要件の正確な評価はまた、分析デバイス可用率を改善し、所与の分析デバイスが使用中に不意に故障するリスクを低減し得る。
保守管理要件をもたらす分析デバイスが経験するプリエンプティブな状態は、当該分析デバイスのタイプ、その使用履歴、および変化の程度に部分的に依存する。これらの状態は、分析デバイス内の様々な既存のセンサーによって検出され得る。
このコンテキストにおいて、改善された保守管理スケジュールまたは保守管理アラームを決定することは、単に管理上の性質の問題ではなく、1つまたは複数の分析デバイスからのセンサーフィードバックは、保守管理要件の改善された自動評価を可能にし得るか、または故障が、個々の分析デバイスの特定の使用コンテキストに基づいて、正確かつ自動的に事前に回避されることすら可能にし得る。
本明細書は、一般に、1つまたは複数の分析デバイスの推論された状態を報告する通知を生成するために、1つまたは複数の分析デバイスから受信される自動通知を使用することを提案する。一例では、分析デバイスの第1のセットからの自動通知は、モデルをトレーニングするために使用される。モデルは、自動通知の受信されたセットと、自動通知の受信されたセットから推論され得る分析デバイスの状態の間の関係を定義する。
トレーニングされるとき、さらなるネットワーク内で受信される自動通知の同様のパターンがさらなるネットワーク内の1つまたは複数の分析デバイスの状態を推論するために使用され得るように、モデルが分析デバイスのさらなるネットワークに提供され得る。モデルは機械学習技法(たとえば、教師あり学習または教師なし学習)を使用してトレーニングされ得るが、これは必須ではない。
モデルは、入力された通知のセットと推論された状態の間のマッピングを定義する。したがって、単純な事例では、モデルは、たとえば、トレーニングされたモデルではなく、製造会社によって提供される事前定義された論理規則セットとして提供され得る。
代替として、第1のネットワーク10A内の分析デバイスP1B~P7Bの第1のセットから受信された自動通知を使用してトレーニングされたモデルを備えた、第2のネットワーク10B内の分析デバイスP1B~P7Bの第2のセットからの自動通知がデータ処理エージェント40に提供され得る。
図1は、分析デバイス管理のためのネットワークシステム10を概略的に例示する。分析デバイス管理のためのネットワークシステム10は、第1のネットワーク10Aを備える。第1のネットワーク10Aは、分析デバイスを格納する第1のロケーション18Aおよび分析デバイスを格納する第2のロケーション19Aに対応する、1つまたは複数のローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)に分割され得る。たとえば、第1のロケーション18Aは、ローカルクリニックを表すことができ、第2のロケーション19Aは、総合病院を表すことができる。ネットワークシステム10の第1のネットワーク10A内のロケーションの数は、説明するシステムの機能の点で必須ではない。
システムは、通信ネットワーク16によって通信可能に接続された、1つまたは複数の分析デバイス(POCデバイス)P1A~P7A、随意に、ポータブルコンピューティングデバイス26A(スマートフォンなど)、およびサーバ12Aを備える。サーバ12Aは、一例では、第1の態様によるデータ処理エージェント23をホストし得る。他の例では、データ処理エージェントは、複数のサーバおよびコンピューティングデバイスにわたって分散されたクラウドコンピューティングサービスによってホストされ得る。具体的には、通信ネットワーク21は、1つまたは複数の分析デバイスP1A~P7Aに通信可能に接続するように構成される。
たとえば、通信ネットワーク21は、たとえば、イーサネットネットワーク、Wi-Fiネットワーク、および/またはインターネットなどの広域ネットワークWANを介して提供されるローカルエリアネットワークLANのうちの1つまたは複数を備え得る。通信ネットワークは、3G、4G、または5Gシステム28などのモバイル電話通信ネットワークおよび/または病院のPACSネットワークを備え得る。
随意に、通信ネットワーク16は、サーバ12を分析デバイス(POCデバイス)P1AからP7Bに直接接続し得る(図示せず)。
随意に、通信ネットワーク21は、保健医療施設18Aの内部通信システム22Aとインターフェース接続する。内部通信システム22Aは、たとえば、イントラネットであり得る。
自動通知の通信を依然として可能にしながら、セキュリティおよび機密性を確実にするために、ファイアウォールおよび当業者に知られている他のセキュリティ対策が内部通信システム22Aと通信ネットワーク21の間に配置され得る。分析デバイスP1A~P7Aは、たとえば、内部通信システム22および通信ネットワーク16を介して通信することによって、サーバ40上でホストされるデータ処理エージェント23と通信し得る。
分析デバイスP1A~P7Aは、1つまたは複数の患者の健康パラメータを測定するために、1つまたは複数の患者試料を分析するように提供され構成される。
アナライザP1A~P7Aは、たとえば、第1のロケーション18A(ローカルクリニックに対応する)内に位置する。固定機器14は、第2のロケーション19A(たとえば、総合病院に対応する)内に位置し得る。
特定の分析デバイスP1A~P7Aを識別するために、各分析デバイスには、アナライザ識別子コードが、具体的には、バーコードおよび/またはRFIDタグもしくはシリアル番号などの識別子タグの形態で提供される。随意に、そのような識別子は、分析デバイス管理のためのシステムのデータベース内のエントリーに関連付けられ得る。
アナライザP1A~P7Aは、たとえば、通信ネットワーク16を介して自動通知(分析デバイスステータスデータまたは事象メッセージ)をアナライザからサーバ12に送信するように構成される。
分析デバイス管理のためのネットワークシステム10は、たとえば、サーバ12A上でホストされるポイントオブケアデータ管理システム(POC-DMS)をさらに備える。POC-DMSの目的は、定義されたエリアまたはネットワーク分岐内で1つまたは複数の分析デバイスP1A~P7Aを監視および制御することである。たとえば、POC管理職員は、サーバ12AでホストされるPOC-DMSを使用して、消耗品の使用および多種多様の他の管理活動を監視するために分析デバイスP1A~P7Aのうちの1つまたは複数の状態を追跡することができる。
分析デバイス管理のためのネットワークシステム10は、さらなるネットワーク10Bをやはり備える。さらなるネットワーク10Bは、第1のネットワーク10Bと比較して異なる病院現場、または異なる国、もしくは病院部門内で実行される分析デバイスのネットワークを表す。ネットワーク10Aに関して上記で提供された個々の構成要素の説明は、簡潔にするために、さらなるネットワーク10Aの例示される構成要素にも適用される。さらなるネットワーク10Bは、例示されるものとはかなり異なるアーキテクチャを有し得ることを当業者は諒解されよう。
具体的には、第2のPOC-DMS12Bは、分析デバイスP1B~P7Bから出力された多数の分析デバイスメッセージデータをどのように処理および/または表示するかの問題にやはり直面することになる。
ネットワーク10Aに接続された多数の分析デバイスP1A~P7Aが、分析デバイスP1A~P7Aの内部状態を反映する、数千または数万の自動通知を毎時間生成する。
本明細書で紹介される態様によれば、ポイントオブケアデバイス(分析デバイスP1A~P7A)は、通常のデバイスメッセージ(自動通知)をポイントオブケアデータ管理システム12Aに送る。それらのデバイスメッセージは、事象、使用、システム警告、およびエラーに関してユーザに知らせる。随意に、デバイスメッセージは、特定のデバイス上で起こった、すべての事象の包括的なオーディットトレイル、または事象のかなりの部分を作成するメモ(注釈)の使用と組み合わされ得る。これは、アナライザの推論された状態に基づいて保守管理決定が行われることを可能にする。
図2は、分析デバイス管理のためのシステム10、10B内のメッセージフローを概略的に示す。
分析デバイスP1A(分析デバイスなど)を備えた第1のネットワーク18Aおよびポイントオブケアデバイス管理システム(POC-DMS)12Aは、インターネットなど、通信リンク21を介してPOC-DMS12Aに接続される。随意に、さらなるネットワーク18B、18C、18D...が通信リンク21を介して接続される。第1のネットワーク18A内のP1Aなどの分析デバイスは、多数の自動通知を毎時間生成する。
やはりネットワーク21を介して通信可能に結合される、さらなるネットワーク18Eは、分析デバイスの同様の選択(P1Bなど)を含有し得る。
言い換えれば、本明細書のシステムは、たとえば、分析デバイスからの生成された通知を使用して、予想される考えられる分析デバイス障害および/または分析デバイスに対して必要とされる保守管理活動について積極的に知らせることができる。これらの生成された通知は、デバイス障害をもたらす事象の識別されたパターンおよびチェーンに基づいて作成される。そのようなパターンは、収集および分析されたデバイス事象、ならびに異なる病院およびデバイス全体からのメモに基づいて識別され得る。
一例では、いくつかの病院18A、19A、18B、19Bは、あるタイプの分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bを使用し得る。たとえば、P1Aからの自動通知は、POC-DMS12Aに定期的に送られ、POC-DMS12Aは、それらの自動通知を中央分析および記憶システム(たとえば、データ処理エージェント40)と共有する。
たとえば、分析デバイスP1A内のセンサー障害が識別された場合、ユーザは、たとえば、分析デバイスP1Aのソフトウェアの再インストールを試みることができる。しかしながら、故障はセンサー障害によるため、問題は続く。分析デバイスP1Aは、その場合、損傷しているとマーキングされ、製造会社に返却されることになり分析デバイスP1Aの返却につながる事象のシーケンスは、将来の分析のために、データ処理エージェント40およびその関連データベース内に記憶され得る。
他の同様の事例が他の病院内で出現する可能性があり、システムがセンサー障害をもたらすパターン(たとえば、連続しておよそ100件の障害QC結果)を認識することを可能にする。システムは、したがって、システムが第2のネットワーク10B内の分析デバイスP1B内で同じ障害をもたらすことになる同じパターンを認識するとき、さらなるネットワーク内のPOC-DMS12Bのユーザに積極的に通知し得る。
図3は、分析デバイス20(ポイントオブケア(POC))の一例を概略的に例示する。
分析デバイス20の例は、電力を分析デバイス20に提供するように構成された電源22を備える。電源22は、たとえば、分析デバイス20がポータブルになることを可能にするリチウムイオンバッテリー、または主電源であってよい。電源22は、分析デバイス20の他の要素に電気エネルギーを提供する。他の要素は、たとえば、センサーデバイス24、電気機械サブアセンブリ26、標本処理セクション28、および分析ユニット30を備える。制御および通信サブシステム32は、事前に列挙したモジュールとインターフェース接続する。通信リンク34は、分析デバイス20との間でデータ転送を可能にする。
センサーデバイス24は、たとえば、液体試料を通した光伝達特性を測定するための測光メータを備えるが、分析デバイス20のアプリケーションに応じて、多くの他のセンサーが使用され得る。
電気機械サブアセンブリ26は、試料のアンプルまたはカセットがセンサーデバイス24によって分析され得るように、それらのアンプルまたはカセットを受信し、それらのアンプルまたはカセットを標本処理セクション28内にロードするように構成される。分析に続いて、電気機械サブアセンブリ26は、試料のアンプルまたはカセットをイジェクトし得る。
標本処理セクション28は、試料のかくはんまたは必要とされる分析温度への過熱などの事前分析機能を実行し得る。
分析ユニット30は、標本処理セクション28内に含有された標本の特性を備えたデータをセンサーデバイス24から受信し得る。分析ユニット30は、センサーデバイス24からのデータに対して1つまたは複数のデータ処理動作を実行し得る。たとえば、分析ユニット30は、センサーデバイス24からの結果が予想される境界範囲内であることを確実にし得る。
分析に続いて、分析ユニット30は、通信および制御ユニット32を介したセンサーデバイス24からのデータを、通信ネットワーク21を介して分析デバイス管理のためのシステムに、また最終的に、たとえば、サーバ上でホストされるデータ処理エージェント23に送信し得る。
一般的な分析デバイス40の前述の説明は、例示のために提供され、実際の分析デバイスは、より少数のまたはより多数のモジュールおよび機能性を備え得ることを当業者は諒解されよう。
一例では、分析デバイス20は、血糖検査、凝固検査、血液ガスおよび電解質分析、尿分析、心臓マーカー分析、ヘモグロビン分析、感染病検査、コレステロールスクリーニングまたは核酸検査を実行するように構成される。分析デバイスP1A~P7Aのいくつかの機能および/または動作態様は、1つまたは複数のアナライザパラメータを使用して構成可能であるかまたはカスタマイズ可能である。
一例では、分析デバイス20は、たとえば、カメラまたはマイクロフォンからデータを受信し、医学的に関係する表示のためにデータを分析するように構成される。
1つまたは複数の分析デバイス20(ネットワーク10A、19B内のP1A~P7A)は、幅広い自動通知を生成し、通信ネットワーク21を介してそれらの自動通知をデータ処理エージェント23に送信する。分析デバイスP1A~P7Aの1つまたは複数のモジュールは、異なるタイプの自動通知(たとえば、事象データ、結果データ、較正データ、保守管理関連データ)を生成するように構成され得る。
たとえば、電源22は、電源22がその残りの容量の10%のみを有することを示すために、自動通知「batt_lo_10%」を生成し得る。
たとえば、電源22は、電源22がバッテリー故障により、またはバッテリー電源を使い果たしたために、バッテリーを単に停止したことを示すために、自動通知「batt_shutdown」を生成し得る。
たとえば、電気機械サブアセンブリ26は、電気機械サブアセンブリ26が連続的に機能的であることを示す反復「ハートビート信号」として、自動通知「motor_PCB_HB」を生成し得る。
たとえば、センサーデバイス24は、測光計プリント基板「ハートビート」信号を生成し得る。加えて、センサーデバイス24は、オンボードLEDおよび/またはレーザがクリーニングを必要とすることを示す、自動通知「photometer_clean_warn」を生成し得る。
たとえば、標本処理セクション28は、試料をセキュアに含有するために分析デバイスの試料処理ドアが閉まっていないことをシグナリングするために自動通知「door_jam」を報告し得る。
たとえば、制御および通信ユニット32は、分析デバイスの動作温度が、不正確な結果が提供され得る、安全でない温度に近づいていることを示す「temp_hi_90%」信号の形態で自動通知を生成し得る。たとえば、制御および通信ユニット32は、分析デバイス20が過剰な温度のためにオフに切り替えられていることを示す「temp_auto_shutdown」信号の形態で自動通知を生成し得る。
制御および通信ユニット32は、個々の検査のステータスが追跡されることを可能にするために、分析状態のシーケンス(「scan_barcode」、「report_barcode」、「assay_loaded」、「test_result」)として自動通知を送信することもできる。
制御および通信ユニット32は、内部メモリの状態、現在のソフトウェアまたはファームウェアバージョンなど、分析デバイス20のソフトウェア構成態様、パスワードの成功または失敗などのセキュリティパラメータ、およびネットワーク構成報告設定、分析デバイスのネットワークまたはMACアドレス、および、随意に、ネットワークアップタイムおよびダウンタイムなど、ネットワーク接続態様に関して報告する自動通知を提供し得る。
随意に、自動通知は、10秒、1秒、0.1秒、0.01秒の精度に、または、たとえば、イーサネットタイムプロトコルまたはネットワークタイムプロトコルによって可能にされるようなより高い精度にすら、制御および通信ユニット32によってタイムスタンプされる。これは、遠隔サーバによってホストされるデータ処理エージェント23が、自動通知の生成をトリガする事象が発生した時間に対して、受信された自動通知のシーケンスを再構築することを可能にする。
当然、制御および通信ユニット32は、分析デバイス20の制御および通信ユニット32内に含有された規則に基づいて、個々の自動通知の連結されたグループを備える、より複雑な自動通知を生成し得る。
随意に、自動通知は、患者試料の分析から取得された検査結果データと連結され得る。
自動通知は、当業者によって知られているように、分析デバイス管理のためのシステム内で使用される通信システム16Aのプロトコルに従ってカプセル化されたデータパケットとして送信される。データパケットは、自動通知を備え、自動通知のデータ処理エージェントへの信頼できるルーティングを可能にするためにヘッダ情報の何らかの必要な配列を備え得る。
データパケットは、1ビットのペイロード情報(たとえば、ハートビートフラグの場合)のみを備え得る。
代替として、データパケットは、大量の情報(たとえば、長い時間期間にわたる画像もしくは加速度計または録音の場合、数キロバイトまたは数メガバイト)を備え得る。分析デバイス20の制御および通信ユニット32は、たとえば、所与の時間量にわたって複数の自動通知メッセージをバッファリングし、メッセージを連結して1つのデータパケットにするように構成され得る。これは、ハンドヘルド分析デバイスのより長いバッテリー寿命をもたらし得る。
一例では、自動通知は、「HL7」プロトコル(Health Level Seven、Ann Ardor MI、USA)および/またはASTMプロトコル(たとえば、ASTM 1394 LIS2)に通信準拠である。
分析デバイス20の前述の説明は、さらなる通信ネットワーク10Bに通信可能に結合された分析デバイスP1B~P7Bにも適用されることを当業者は諒解されよう。本明細書の技法は、上記で説明したものとは異なる、センサー、アクチュエータ、および構成要素の分布を有し得る、ある範囲の異なるタイプの分析デバイスに適用され得る。中央システムによる分析デバイスタイプの識別は、製造会社識別コード、ネットワークアドレス、MACアドレス、などを使用して達成される。
図4は、データ処理エージェントをホストするように構成されたサーバ40の一例を概略的に例示する。
この例では、サーバ40は、ランダムアクセスメモリ44、読取り専用メモリ46、中央処理装置47、入出力インターフェース48、データ記憶インターフェース50(不揮発性メモリ49に対するインターフェースなど)、ディスプレイインターフェース52、および通信インターフェース54を備えたマザーボード42を備えるが、他の機能性を有する、より少数または多数のモジュールを備えた、多くの異なるタイプのサーバ構成が提供され得ることを当業者は諒解されよう。
サーバ40の中央処理装置47は、実行されるとき、サーバ40のランダムアクセスメモリ44内でネットワーク10内の少なくとも1つの分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bの状態を推論するためのデータ処理エージェントをインスタンス化するコンピュータ可読命令をインターフェース接続された不揮発性メモリ49(たとえば)から取得するように構成される。
サーバの通信インターフェース54は、通信ネットワーク21とインターフェース接続するように構成される。分析デバイスP1A~P7Aからの自動通知は、サーバの通信インターフェース54を介してサーバ40において受信される。
随意に、自動通知は、中央処理装置47によって処理および分析することによってランダムアクセスメモリ44に直接提供される。随意に、自動通知は、後続の分析のために不揮発性メモリ49に書き込まれる。
随意に、自動通知は、外部ファイルストア(図示せず)に書き込まれ(キャッシュされ)得る。中央処理装置47による要求時に、自動通知に対する要求は、通信ネットワーク21を介して外部ファイルストアに送られ得る。外部ファイルストアは、認証および許可を未決にして、少なくとも1つの自動通知をサーバ40に送信し得、サーバ40において、このデータは後続処理され得る。
前述の随意の実施形態の利点は、大量の自動通知が、処理される必要があるまで、ロバストに記憶され得ることである。分析デバイスの状態が、分析デバイス通知が受信されるのと同時に推論されることは必須ではない。
代替として、推論は、たとえば、自動通知のタイムスタンプデータを使用して、後処理ステップにおいて実行され得る。
随意に、分析デバイスの推論された状態は、自動通知がデータ処理エージェントによって受信されるとき即時に更新または生成される。
データ処理エージェント23は、たとえば、ランダムアクセスメモリ44、もしくは読取り専用メモリ46、入出力インターフェース48、またはデータ記憶インターフェース50から取得された機械可読命令からサーバ40上でインスタンス化される。
データ処理エージェント23は、したがって、1つまたは複数の自動通知を受信するように構成される。サーバ40上でインスタンス化されたデータ処理エージェント23は、後で論じるような技法に基づいて、1つまたは複数のネットワーク10A、10B内の1つまたは複数の分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bの推論された状態を報告する自動通知を生成し、推論された状態を報告する少なくとも通知をデータ構造(信号)として、さらなる通信ネットワーク10Bに通信可能に結合された1つまたは複数のさらなるポイントオブケアデバイスP1B~P7Bに、かつ/またはPOC-DMS12A、12Bに送信するように構成される。
随意に、データ処理エージェント23をホストしているサーバ40は、分析デバイスP1A~P7Aの推論された状態を、ローカルディスプレイドライバ56を介して、または推論された状態を、スマートフォン26Aなど、さらなるデバイスに通信することによって、ローカルディスプレイ上でユーザに表示するように構成される。
第1の態様によれば、ネットワーク21を介して少なくとも1つの分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bから受信された少なくとも1つの自動通知に基づく分析デバイスの状態を推論するためのコンピュータ実装方法60が提供される。この方法は、
データ処理エージェント40において、少なくとも1つの分析デバイスから少なくとも1つの自動通知を受信すること(61)と、
データ処理エージェント40において、少なくとも1つの自動通知を処理し(62)、それにより、少なくとも1つの分析デバイスからの少なくとも1つの自動通知に基づいて自動化されたアナライザの1つまたは複数の特性を識別すること(62)と、
データ処理エージェント40において、1つまたは複数の識別された特性をモデルに適用することによって、少なくとも1つの分析デバイスの状態を推論すること(63)と、
データ処理エージェント40において、分析デバイスの推論された状態を報告する通知を生成すること(64)と
を備える。
図5は、第1の態様によるコンピュータ実装方法を概略的に例示する。サーバプロセッサまたは他のプロセッサ手段上で実行されるとき、特許請求される方法を実行するように構成されたデータ処理エージェントは、図6に例示するように、1つまたは複数のデータベースとインターフェース接続し得る。
図6は、サーバプロセッサまたは他のプロセッサ手段上で実行されるときのデータ処理エージェント40の論理環境の一例を概略的に例示する。図6の論理環境表現は、便宜上、その動作コンテキストにおいて、データ処理エージェントの内部および外部コンテキストを例証することを目的とする。しかしながら、図6の要素間の接続線または要素の位置の不在は、限定と解釈されるべきではない。
病院19A、19Bにおける分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bは、データ処理エージェント40(たとえば、サーバまたはクラウドサーバ上で実行している)に通信可能に結合される。
データ処理エージェント40は、ネットワーク10とインターフェース接続し、ネットワークから自動通知を受信するように構成された受信エンジン66を備える。代替または追加として、受信エンジンは、過去の通知にアクセスするために通知データベース70とインターフェース接続し得る。受信エンジン66は、随意に、たとえば、自動通知内の不要なフィールドを除去することによって処理するように自動通知を準備するための前処理を実行する。
随意に、受信エンジン66は、ネットワーク10から自動通知をサブサンプリングするように構成される。たとえば、受信エンジン66は、同じタイプの分析デバイスからの通知が受信されるように、自動通知をサブサンプリングし得る。このオプションによれば、特定のタイプの分析の保守管理状態は、所与の製造会社からの例示的なすべての分析デバイスについて追跡または推論され得る。
随意に、受信エンジン66は、同じタイプのメッセージのサブクラスを参照する通知が受信されるように、自動通知をサブサンプリングし得る。たとえば、バッテリー交換と信頼性に主に関心がある保守管理プロバイダは、一例として、データ処理エージェントの処理をバッテリーの調子に関するメッセージに基づかせることを選ぶことがある。
随意に、受信エンジン66は、ネットワーク10内の1つのターゲットにされた分析デバイスからの通知が受信されるように、自動通知をサブサンプリングし得る。このオプションによれば、1つの特定のターゲットにされた分析デバイスの保守管理状態が追跡または推論され得る。
データ処理エージェント40は、受信エンジン66および/または通知データベース70から事前処理された自動通知を受信するように構成された識別エンジン67を備える。識別エンジン67は、自動通知の特性を識別するために、自動通知のうちの1つまたは複数を分析するように構成される。
一例では、複数の自動通知の特性は、分析デバイスの状態に関する推論が実行されることを可能にする、自動通知の何らかの組合せ、または配列である。一例では、この特性は、分析デバイスの効果または状態に関する、データ処理エージェント40によって受信された自動通知のセットのサブセットである。
実際には、1つまたは複数の識別された特性は、ネットワーク10内で少なくとも1つの分析デバイスによって送信される自動通知のサブセットを備え得る。
随意に、自動通知のサブセット内の通知間の相対的な時間関係は、分析デバイスの状態に関する推論が行われることを可能にするために、記録または保存される。随意に、識別された特性は、たとえば、所与の時間窓にわたって受信された異なるタイプの自動通知のヒストグラムを備え得る。
たとえば、分析デバイスP1Aに影響を及ぼす複数の「ドアの目詰まり」について忠告する同じタイプの繰り返される自動通知のセットは、特性パターンの一例であるが、1つを超えるタイプの自動通知を組み合わせる他のより複雑な規則を使用する、または特定の時間窓に従って自動通知をウィンドウイングする(windowing)、自動通知の特性パターンが構成され得る。1つまたは複数の識別された特性は、たとえば、推論プロセスのための入力として使用される、ネットワーク10から受信された自動通知のフィルタリングされた、低減された、または要約されたバージョンとして閲覧され得る。
データ処理エージェント40は、推論エンジン68を備える。推論エンジン68は、識別エンジン67から1つまたは複数の識別された特性を受信するように構成される。1つまたは複数の識別された特性をモデルに適用することによって、少なくとも1つの分析デバイスP1Aの状態に関する情報が推論され得る。
データ処理エージェント40は、通知生成器69を備える。推論エンジン68が識別された1つまたは複数の特性をそのモデルに適用し、分析デバイスP1Aが、通知が生成されることを必要とする状態にあることを後で推論する場合、通知生成器69は、分析デバイスP1Aの状態に関する通知を生成する。
通知は、「来週のPOC P1A内のバッテリー障害の可能性80%」など、比較的単純な推論を定義するデータ記録であってよい。代替として、通知は、たとえば、保守管理技術者に有用であり得る分析デバイスP1Aの過去の、現在の、または(モデルによって予測されるような)将来の時点における、1つまたは複数の分析デバイスP1A~P7Aの状態範囲を定義するデータ構造であってよい。
通知生成器69によって生成されるデータ記録またはデータ構造は、保守管理データベース75など、データベース内に記憶され得る。通知生成器によって生成されるデータ記録またはデータ構造は、オペレータがネットワーク10内の1つまたは複数の分析デバイスの保守管理状態の概要を取得することを可能にするために、ネットワーク10内で1つまたは複数のPOC-DMSコンピュータ12に通信され得る。
随意に、推論エンジン68は、ネットワーク10A内のいくつかの分析デバイスP1A~P7Aに対して対応する数のモデルを実行する。随意に、推論エンジン68は、複数の異なるタイプのモデルを実行し、推論エンジン68によって実行されるモデルのタイプは、ネットワーク10A内で動作している分析デバイスP1A~P7Aのタイプに対応する。
随意に、推論エンジン68によって実行される各モデルは、ネットワーク10A内で動作している対応する分析デバイスP1Aの状態の一態様を追跡する。
随意に、第1の分析デバイスP1Aがネットワーク10Aに接続されるとき、対応する第1のモデルが推論エンジン68内でインスタンス化される。データ処理エージェント40が第1の分析デバイスP1Aから自動通知を受信すると、推論エンジン68は、受信された自動通知に基づいて、モデル68によって定義される、第1の分析デバイスP1Aの推論された状態の少なくとも一態様を反復する。第1の分析デバイスP1Aがネットワーク10Aから除去されるとき、第1のモデルは、記憶され、推論エンジン68から除去される。したがって、一実施形態では、モデル68は、ネットワーク10に現在接続されている分析デバイスによって反映される合成物を備えた合成モデルである。
随意に、通知生成器69は、推論された状態を報告する通知をPOC管理コンピュータ12A、12Bに送信するように構成される。
随意に、通知生成器69は、推論された状態を報告する通知を保守管理データベース75に送信するように構成される。
データ処理エージェント40は、必須ではないが、それでもなお、有利な特性を実施形態に提供する、いくつかの補助的に論理的なエンジンを備える。具体的には、以下の通りである。
データ処理エージェント40は、ネットワーク監視エンジン78を備え得る。ネットワーク監視エンジン78は、ネットワーク10に接続された分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bを識別するためにネットワーク10を調べるように構成される。代替または追加として、ネットワーク監視エンジン78は、たとえば、POC-DMS12Aによって維持されるデバイスレジストリに問い合わせることができる。したがって、アクティブなデバイス、および履歴的にアクティブであるが、現在休止であるデバイスのレジスタが構築され得る。随意に、ネットワーク監視エンジン78は、Simple Network Management Protocolバージョン3(SNMP v.3)などのプロトコルを使用して、ネットワーク10の階層を調査し、関係する分析デバイスを識別する。ネットワーク監視エンジン78は、データ処理エージェント40が現在ネットワーク10に接続されている分析デバイスの正確なインプレッション(impression)を維持することを可能にする。
データ処理エージェント40は、注釈エンジン80を備え得る。注釈エンジン80は、注釈データを取得するように構成される。注釈データは、たとえば、ポイントオブケアデバイスマネージャなどの医療専門家によってPOC-DMS内に入力される非構造化または半構造化テキストである。注釈データは、「20/3/2019-POC P3Aはセンサークリーニングが必要です、夜間にクリーニングしてください」など、フリーテキストコメントを指し得る。注釈データは、分析デバイスから受信された、または少なくとも1つの自動通知の1つまたは複数の特性を識別するために、もしくは少なくとも1つの分析デバイスの状態を推論するために、使用される、自動通知データと融合され得る。したがって、注釈エンジン80は、識別エンジン67または推論エンジン68におけるプロセスと組み合わせて注釈を使用する前に、関係する注釈を取得および処理するために注釈データベース73を調査するように構成される。これは、自動通知が、たとえば、技術的により良好にコンテキスト化されることを許可し得る。
データ処理エージェント40は、モデル生成器79を備え得る。受信された自動通知に基づいて、モデル生成器79は、分析デバイスの状態の推論を生成するために使用されるモデルを調整または再計算するように構成され得る。モデル生成器79は、自動通知を入力するために機械学習手法を適用し得る。モデルは、規則ベースのモデル、線形回帰、決定木、サポートベクトル機械、k最近傍法モデル、ランダムフォレストモデル、オートエンコーダ、畳み込みニューラルネットワーク、再帰的ニューラルネットワーク、ディープビリーフネットワーク、または転移学習モデルのうちの1つまたは複数を使用して取得され得る。モデルが機械学習を使用して生成されることは、必須ではない。事前定義された論理規則に基づく固定モデルが推論エンジン68内で提供され得る。
このモデルは、ネットワーク10内の分析デバイスの1つまたは複数の機能の行動を特徴付けることができる。モデルは、サブモデルを備え得る。言い換えれば、第1のタイプのモデルは、分析デバイスの電源性能を追跡するために使用され得、第2のタイプのモデルは、分析デバイスの機構および/またはセンサーサブシステムを追跡するために使用され得る。
データ処理エージェント40は、アナライザタイプモニタ76を備え得る。アナライザタイプモニタ76の目的は、ネットワーク10に接続された各分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bに対して、各分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bの一意の製造会社モデルを識別することである。したがって、ネットワーク監視エンジン78は、未知の分析デバイスP3Bのネットワーク10への接続を検出し得る。ネットワーク監視エンジン78は、未知の分析デバイスP3Bがネットワーク10に接続されていることをアナライザタイプモニタ76にシグナリングし得る。アナライザタイプモニタ76は、未知の分析デバイスP3Bから識別情報を取得し得る。アナライザタイプモニタ76は、未知の分析デバイスP3Bの問合せを指示することによって、または未知の分析デバイスP3Bからの自動通知の積極的な監視(「スニッフィング」)によって、のいずれかで、識別情報を取得し得る。たとえば、識別情報は、製造会社識別コード、またはファームウェアバージョンコードであり得る。
アナライザタイプモニタ76は、次いで、分析デバイスタイプを未知の分析デバイスP3Bに割り当てるために、アナライザタイプデータベース71とインターフェース接続し得る。
データ処理エージェント40は、アナライザ特性検出エンジン77を備え得る。アナライザ特性検出エンジン77の機能は、多数の自動通知の中から、一意であるかまたは固定タイプの分析デバイスを識別する可能性が高い自動通知のパターンを識別することである。したがって、アナライザタイプデータベース内の各タイプ記録P(x)に対して、関連するアナライザ自動通知アルファベットMp(x)が存在する。アナライザ自動通知アルファベットMp(x)は、所与のアナライザが送信し得る自動通知のセットを特徴付ける。
さらに、アナライザタイプデータベース内の各タイプ記録P(x)はまた、関連する分析デバイスの技術的状態または事象を潜在的に特徴付ける特性のセット(様々な時間間隔における、様々なタイプの自動通知の組合せなど)をやはり備え得る。1つの効果は、特性のセットを監視することが、データ処理エージェントにおいて受信される自動通知の大きなセットから状態または事象が識別されることを可能にすることである。
さらに、データ処理エージェント40は、必須ではないが、それでもなお、有利な特性を実施形態に提供する、1つまたは複数の補助的データベースとインターフェース接続し得る。補助的データベースについて次に説明する。
通知データベース70は、ネットワーク10に接続された分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bから受信される複数の分析デバイス通知を備える。一実施形態では、データ処理エージェント40は、ネットワーク10からの生データを処理する。別の実施形態では、データ処理エージェント40は、通知データベース70内に記憶された履歴データを処理し得る。
随意に、通知データベース70内の少なくとも1つの自動通知は、標示70bに関連付けられ得る。たとえば、ユーザは、分析デバイスP1A内の識別された保守管理故障に関連する通知データベース70b内の自動通知のセットを閲覧し得る。ユーザは、識別された自動通知のセットが識別された保守管理故障に関連付けられるという標示を定義し得る。
分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bによって送られた複数の自動通知は、通知データベース70内に随意に記憶される。通知データベース70は、すべての自動アナライザP1A~P7A、P1B~P7Bからのすべての履歴自動通知を記憶し得る。通知データベース70は、代替として、分析デバイスP1A~P7Aのサブセットから自動通知を記憶し得る。
随意に、通知データベース70は、(たとえば、通知が一定の年数を超える場合など)削除基準に従って自動通知を削除し得る。
随意に、少なくとも1つのタイプの自動通知に対して、データ処理エージェントの動作に先立って、またはデータ処理エージェントの動作中、のいずれかで、自動通知の1つまたは複数の特性パターン70aが定義され、たとえば、通知データベース70内に関連テーブルとして記憶され得る。1つまたは複数の特性パターンは、1つまたは複数の分析デバイスから送信された自動通知を使用して、1つまたは複数の特性の識別を可能にする。
アナライザタイプデータベース71は、ネットワーク10上で使用され得る分析デバイスタイプのセットを定義するデータ記録のセットを記憶する。アナライザタイプデータベース内の各分析デバイスタイプ記録P(x)に対して、関連するアナライザメッセージアルファベットMp(x)が存在する。アナライザタイプデータベース内の各分析デバイスタイプ記録P(x)に対して、分析デバイスの製造会社によって定義された初期モデルまたは複数の初期サブモデルが提供され得る。
随意に、タイプデータベース70からの1つまたは複数の特性パターン70aは、少なくとも1つの通知の1つまたは複数の特性を識別するために着信自動通知データと比較され得る。
たとえば、識別エンジン67が「ドアの目詰まり」を報告する1つの自動通知が平均で3か月ごとに分析デバイスP1Aによって発行されているという自動通知の識別された特性を通信する場合、モデルは、分析デバイスP1Aの状態はドア機構が保守管理を必要としないようなものであるという推論を可能にし得る。しかしながら、識別エンジン67が3つのアッセイのうち1つを超えるアッセイが結果として分析デバイスP1Aから「ドアの目詰まり」を報告する自動通知をもたらすという自動通知の識別された特性を通信する場合、推論エンジン68によって適用されるモデルは、たとえば、ドア機構障害のより高いリスクがあるとしてP1Aを分類し得る。
初期モデルは、たとえば、未使用状態にあるとき、または所与の使用時間数の後で、初期モデルが参照するタイプの分析デバイスの予想される状態を定義する。
モデルデータベース72は、たとえば、ネットワーク10内でアクティブであるか、またはずっとアクティブである、分析デバイスのモデルのレジストリとして機能する。モデルデータベース72は、一例では、アクティブアナライザパーティション72aおよび休止アナライザパーティション72bに分割される。例示される例では、分析デバイスP5Aは、ネットワーク監視エンジン78によって識別されるようにネットワーク10に最近接続され、したがって、そのモデル記録は、休止パーティション72bからアクティブパーティション72aに移動されている。
分析デバイスP1Aがネットワーク10に接続され、モデルデータベース72内のその付随するモデルP1A(M)がアクティブパーティション72a内にあるとき、識別エンジン67によって識別される自動通知の特性に基づいて推論エンジン68によって推論される分析デバイスP1Aの1つまたは複数の態様の現在の状態を追跡するために、モデルP1A(M)は更新される。言い換えれば、モデルP1A(M)は、モデルデータベース72aのアクティブパーティション内にあるとき、1つまたは複数の関連で分析デバイスP1Aの技術的状態を反映する。たとえば、測光メータセンサーの技術的状態は、経時的に受信された「測光メータクリーン」メッセージの数および組合せから推論され得る。
一例では、モデルP1A(M)は、分析デバイスP1Aの少なくともバッテリー状態を追跡し得る。ネットワーク監視エンジン78が分析デバイスP1Aのネットワーク10への接続を検出するとき、前のバッテリー充電特徴を保持する、付随するモデルP1A(M)は、モデルデータベース72の休止パーティション72bからアクティブパーティション72aに移動される。
モデルP1A(M)は、分析デバイスP1Aのバッテリーの現在の充電に関する情報のみではなく、充電時間および強度に関する履歴情報を含有し得る。たとえば、短い充電持続時間の繰り返しの使用は、一定のタイプのバッテリーの接続性を通常よりも早く低減し得る。この例では、推論エンジン68は、識別エンジン67によって識別された特性に基づいて充電状態を推論し得る。推論エンジン68は、バッテリー充電持続時間を追跡するためにモデルP1A(M)を更新し得る。その後、これは、アナライザP1Aのバッテリーが充電行動により予想されるよりも早く劣化するリスクがあった場合、通知生成器が警告を生成することを可能にすることになる。
注釈データベース73は、検査室または他の医療関係者によって提供される非構造化または半構造化注釈を備えた記録を記憶する。注釈データベース内の記録の分析デバイスから受信された自動通知データとの融合は、分析デバイスの推論された状態を報告する通知の精度を改善し得る。
随意に、複数の自動化通知の1つまたは複数の識別された特性の識別は、注釈データの一部分と複数の自動化通知の間の比較に基づいて実行される。たとえば、自動化通知のサブセットは、注釈データの部分に基づいてモデルを使用して後続の推定ステップに対して選択され得る。たとえば、特定の時点におけるバッテリー故障を参照する注釈コメントは、特定の時点において、またはその近位で、受信される自動化通知に複数の自動化通知をウィンドイングするために使用され得る。自動化注釈のタイプは、注釈データに基づいてサブサンプリングされ得る。たとえば、バッテリーの調子に関する注釈は、1つまたは複数の識別された特性の識別をバッテリーに接続された自動化通知のサブセットに基づかせることが可能である。
随意に、少なくとも1つの分析デバイスの状態の推論は、注釈データに基づく影響を受けてよい。たとえば、注釈データは、機械学習モデルの入力レイヤに提供され得る。自動通知は、同じ機械学習モデルの入力レイヤに提供され得る。モデルは、注釈データと自動通知の両方に基づいてトレーニングされ得る。
ユーザデータベース74は、ネットワーク10内の1つまたは複数の分析デバイスの許可されたユーザのレジスタを備える。一例では、分析デバイスP1Aから受信された自動通知は、ユーザデータベース74内のユーザ記録に関連付けられ得る。したがって、分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bの1人または複数のユーザに基づく分析デバイス保守管理傾向が検出され得る。機密性を確実にするために、ユーザデータベース74の適切な匿名化が提供され得る。
保守管理データベース75は、ネットワーク10に対して選ばれた、またはネットワーク10に履歴的に接続されている、少なくとも1つの分析デバイスに対する保守管理記録75a、75bを備える。随意に、同じ病院現場19Aにおけるアナライザのグループは、ジョイント保守管理記録内に維持され得る。保守管理記録75aは、分析デバイスP1Aに対して、分析デバイスP1Aから受信された自動通知に基づいて使用中に更新されるように、モデルP1A(M)に基づいて分析デバイスP1Aの態様の予想される保守管理状態を定義する。保守管理記録75aは、アクティブモデルデータベース72aまたは休止モデルデータベース72b内の1つまたは複数のモデルのステータスに基づいて、ネットワーク10内の1つまたは複数の分析デバイスに対する諮問または強制保守管理活動を含有する報告の生成を可能にし得る。たとえば、報告は、複数の置換可能な分析デバイス構成要素の「バスタブ信頼性曲線」に対して予想されるロケーションの視覚的表示を提供し得る。
データ処理エージェント40の一例の動作について次に論じる。
ユーザは、分析デバイスP1Aをネットワーク10Aに接続し得る。サーバ23上で実行するデータ処理エージェント40はまた、通信ネットワーク(広域ネットワーク)21を介してネットワーク10Aに通信可能に結合される。ネットワーク監視エンジン78は、分析デバイスP1Aのネットワーク10Aへの接続を検出する。ネットワーク監視エンジン78は、分析デバイスP1Aのネットワーク10Aへの接続についてアナライザタイプモニタ76に知らせる。アナライザタイプモニタ76は、受信エンジン66を介して分析デバイスP1Aから少なくとも1つの自動通知を受信する。アナライザタイプモニタ76は、少なくとも1つの自動通知内の分析デバイスP1Aの製造会社コードなど、識別子を識別し、タイプデータベース71内の分析デバイスP1Aの割り当てられたタイプをルックアップする。アナライザタイプモニタ76は、モデルデータベース72内の識別子をさらにルックアップする。
識別子がモデルデータベース72内の休止部分72内に存在しない分析デバイスP1Aのタイプを参照する場合、データ処理エージェント40は、識別子が参照する分析デバイスP1AのタイプのモデルP1A(M)のコピーを取得し、モデルデータベース72のアクティブ部分内でモデルP1A(M)のコピーをインスタンス化する。さらに、分析デバイスP1Aの現在の状態の1つまたは複数の態様を反映する、推論エンジン68によってモデルP1A(M)に行われた変更の日付がモデルデータベース72のアクティブセクション72b内でもやはり定められるように、モデルP1A(M)のコピーは、データ処理エンジン40の推論エンジン68にリンクされる。
代替事例は、識別子がモデルデータベース72の休止部分72b内に存在するモデルを備えた分析デバイスP3Aを参照することである。これは、分析デバイスP3Aがネットワーク10内ですでに使用されていることを意味する。この場合、モデルP3A(M)は、モデルデータベース72のアクティブ部分72aに移動され、推論エンジン68内でインスタンス化される。
受信エンジン66は、分析デバイスP1Aから自動通知を連続的に受信する。この例では、識別エンジン67は、受信された自動通知の少なくとも1つの特性を識別するために、受信された自動通知を連続的に監視する。たとえば、識別エンジン67は、所与の時間期間内に6つの「バッテリー低」警告のシーケンスを識別し、その特性が分析デバイスP1Aからの複数の自動通知内で識別される場合、データ処理エージェント40内の論理フラグをアサートする。
推論エンジン68内のモデルP1A(M)は、分析デバイスP1Aのバッテリーステータスの状態を推論するように構成されたサブモデルを備え得る。所与の時間期間内の6つの「バッテリー低」警告のシーケンスを表す論理フラグのアサート時に、推論エンジン68内のP1A(M)は、分析デバイスP1A上で所定の時間期間内に6つの「バッテリー低」警告の発生の効果をモデル形成するために更新される。たとえば、ドア機構に関する「バッテリー交換する時間」変数は減少し得、かつ/または分析デバイスP1Aのバッテリーの状態を反映する状態変数は、加速したバッテリー障害の機会増大を反映するように更新され得る。
通知生成器69は、この例では、加速したバッテリー障害の機会増大を報告する通知を生成するように構成される。通知生成器69は、新しく接続された分析デバイスP1Aに対する新しい保守管理報告を生成し、加速したバッテリー障害の機会増大を報告する通知を報告内に入力する。
最終的に、ユーザは、分析デバイスP1Aの電源を切るか、または分析デバイスP1Aをネットワーク10Aから切断することができる。この活動は、ネットワーク監視エンジン78によって検出され、データ処理エンジン40に報告される。応答して、推論エンジン68内のモデルP1A(M)の現在の状態(および、モデルデータベース72のアクティブパーティション72a内のモデルP1A(M)の付随するエントリーは凍結される。モデルP1A(M)(分析デバイスP1Aのバッテリー状態の正確な概要を少なくとも含有する)は、分析デバイスP1Aがネットワーク10Aに再度接続されるまで、モデルデータベース72の休止パーティション72aにコピーされる。
図7aは、分析デバイスの特性の識別および状態の後続の推論の例示的な時間事象プロットを概略的に例示する。時間軸84は、POCコンテキストにおける典型的なシフトの持続時間を示す。分析デバイスからの自動通知フローの一例を例示するために、異なるタイプの自動通知のセット82の一例が時間軸84に対してプロットされる。時間事象プロット内の各正方形エントリーは、分析デバイスP1Aからのネットワーク10を介した1つのデータパケットの送信を表す。
一例では、受信された自動通知のすべては、モデルMp(x)に直接提供され得、モデルは、分析デバイスの状態を直接推論し得る。たとえば、モデルは、1つのオプションとして、畳み込みニューラルネットワークを使用して生成された深層学習モデルであり得る。したがって、第1の態様による少なくとも1つの分析デバイスから、少なくとも1つの自動通知に基づいて分析デバイスの1つまたは複数の特性を識別するステップは、いくつかの実施形態では、必須ではない。少なくとも1つの分析デバイスP1Aの状態の推論は、すべての受信された自動通知に、またはすべての受信された自動通知のサブサンプリングに基づいて行われ得る。
自動通知の第1のグループ(サブセット)81は、実行されている6つのアッセイの特性の一例を表し、実行される各アッセイに対して自動通知「scan_barcode」、「report_barcode」、「assay_loaded」、および「test_result」が順番に発行される。
自動通知の第2のグループ83は、バッテリー故障の展開の特性の一例を表す。多くのタイプのバッテリーがバッテリー信頼性欠如の小さなリスクを持っており、バッテリー故障の展開の検出は望ましいことがある。たとえば、繰り返される「temp_hi_90%」信号の発生は、単独では、分析デバイスP1Aが日当たりのよい窓辺に残されていることをただ暗示し得る。しかしながら、繰り返される「temp_hi_90%」の発生、および所定の時間期間t1の後、繰り返される「batt_low_10%」通知、および最終的に単一の「batt_shutdown」通知の発生は、あまりにも急速に放電していることによりバッテリーが過熱していることを示すことにより、バッテリー障害状態が示され得る。第1の「temp_hi_90%」と第1の「batt_low_10%」通知の間の開始の速度は、バッテリー障害の深刻さがモデル形成されることを可能にし得る。
「temp_hi_90%」、「batt_low_10%」、および「batt_shutdown」メッセージを識別することは、したがって、モデル内に後で入力され得る自動通知のサブセットの特性の識別であり得る。
自動通知の第3のグループ85は、分析デバイスのスタートアップ活動を表す。
自動通知の第4のグループ86a、86bは、分析デバイスの通常の動作を示す「ハートビート」信号を表す。
特定の事例における自動通知のセットのこの特定の例は、限定的でないことを当業者は諒解されよう。1つまたは複数の分析デバイスからの異なるカテゴリの自動通知を使用して、多くの異なる特性が識別され得る。たとえば、品質制御障害を示す、2つの異なる分析デバイスP1AおよびP2Aからの自動通知が検出され得る。自動通知のそのようなセットは、モデルを使用して、検査室内で使用される試薬のバッチに欠陥があることを後で推論するために使用され得る特性である。
言い換えれば、少なくとも1つの自動通知の1つまたは複数の特性の識別は、少なくとも1つの分析デバイスの状態を推論するためにモデルを使用するのに先立って、受信された自動通知のセット全体のサブサンプリングとして閲覧され得る。
図7bは、図7aの時間事象データ内で識別される少なくとも1つの自動通知の特性の処理を概略的に例示する。
第1のデータ構造83aは、「temp_hi_90%」通知が発行された時間を定義する、アナライザP1Aからの9つ自動通知を備える。第2のデータ構造80 3Bは、「batt_lo_10%」通知が発行された時間を定義する、アナライザP1Aからの5つの自動通知を備える。
第1の「temp_hi_90%」通知の発行から09:30における「batt_shutdown」通知(分析デバイスP1Aの停止を暗示する)の発行までの時間中、バッテリー故障の結果として分析デバイスが停止する確率について推論が行われ得る。この時間中、1つまたは複数の特性83aおよび83bがモデル88に適用される。1つまたは複数の特性83aおよび83bは、2つの時系列を形成する。時系列を事前計算されたモデル88に適用することによって、分析デバイスの存在および/または将来の状態の推論が行われ得る。この場合、推論ベクトル90は、受信された「temp_hi_90%」および「batt_lo_10%」通知に基づいて、バッテリー障害が生じることになるシフト過程の時間の確率の予想を表す。
バッテリー性能の事前計算モデルは、バッテリー製造会社から、またはシステム10にわたってキャプチャされるデータから取得され得る。随意に、バッテリー性能の事前計算モデルは、多くの選択肢のうちの1つとして、自己回帰和分移動平均(ARIMA)、関連ベクトルマシン、Kalmanフィルタ、または粒子フィルタを使用して生成され得る。前述の説明はバッテリー障害状態の可能性を推論する特定のシナリオを参照するが、システム10内の1つまたは複数の分析デバイスの状態を推論するために、自動通知によって表される時系列データが使用され得ることを当業者は認識されよう。
一態様によれば、ネットワーク10Aから受信された複数の自動通知に基づいて、分析デバイスP1Aの状態を推論するためのモデルP1A(M)を生成するためのコンピュータ実装方法が提供される。この方法は、
1つまたは複数のネットワーク10A、10B内で1つまたは複数の分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bから複数の自動通知を受信することであって、複数の自動通知の少なくとも1つのサブセットが、1つまたは複数の分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bのうちの少なくとも1つの少なくとも1つの状態に関連付けられる、複数の自動通知を受信することと、
モデルP1A(M)を生成するためのトレーニングデータとして複数の自動通知を使用してモデルMp(x)をトレーニングすることであって、モデルMp(x)が、複数の受信された自動通知と1つまたは複数の分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bのうちの少なくとも1つの少なくとも1つの状態の間の関係を提供する、モデルMp(x)をトレーニングすることと
を備える。
一例では、モデルMp(x)は、データ処理エージェント40のモデル生成器79を使用してトレーニングまたは生成される。
一例では、モデルは、1つまたは複数の分析デバイスからの時系列データを使用してトレーニングまたは生成される。このモデルは、多くの選択肢のうちの1つとして、自己回帰和分移動平均(ARIMA)、関連ベクトルマシン、Kalmanフィルタ、または粒子フィルタを使用してトレーニングまたは生成され得る。
一例では、モデルのトレーニングの後、モデルMp(x)は、データ処理エージェント40のタイプデータベース71および/またはモデルデータベース72内に記憶される。
一例では、モデルMp(x)は、一意のタイプP(x)の分析デバイスに関連付けられる。一例では、モデルMp(x)は、データ処理エージェント40にアクセス可能なタイプデータベース71内の一意のタイプP(x)の分析デバイスに関連付けられる。
一例では、モデルMp(x)は、外部サーバなど、外部コンピュータ処理手段によってトレーニングまたは生成され得る。モデルMp(x)は、外部サーバによってデータ処理エージェント40に送信される。データ処理エージェント40への送信の後、モデルMp(x)は、データ処理エージェント40のタイプデータベース71および/またはモデルデータベース72内に記憶される。
一例では、複数の自動通知内のトリガ通知の存在は、トリガ通知に関する特性を表す自動通知のサブセットに対してモデルMp(x)をトレーニングまたは保つようにデータ処理エージェント40をトリガし得る。
一例として、図7aでは、通知「batt_shutdown」は、「batt_shutdown」通知が送信された時間に先行する任意の時間窓内で最初に履歴「batt_lo_10%」および「temp_hi_90」通知を識別するためのトリガ通知としてサービスし得る。モデルMp(x)は、識別された履歴通知に基づいてモデルをトレーニングまたは保つことによって更新され得る。有利には、これは、自動通知に適用されたモデルがシステム10内の変更に適応することを可能にする。たとえば、バッテリーの例では、バッテリーサプライヤが変更された場合、そのようなバッテリーの放電および障害の予測に関するモデルは、1つの分析デバイスP1Aに対して、またはネットワーク10上のそのタイプのすべての分析デバイスに対して、動的に更新され得る。
第1の態様の一実施形態によれば、モデルは、少なくとも1つの自動通知をデータ処理エージェント40に送信するために使用される分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bのタイプを少なくとも部分的に特徴付ける。
データ処理エージェントは、特定の分析デバイスP1Aから受信された自動通知に基づいて、特定の分析デバイスP1Aが使用されるにつれて、そのP1Aに関連するモデルインスタンスP1A(M)を更新し得る。したがって、モデルインスタンスP1A(M)は、分析デバイスP1Aの異なる部分に対する複数のサブモデルを備え得る。サブモデルは、電源22、センサーデバイス24、電気機械サブアセンブリ26、標本処理セクション28、および分析ユニット30のうちの1つまたは複数に対して提供され、モデルインスタンスP1A(M)の現在または履歴ステータスを参照することによって、分析デバイスP1Aの保守管理状態の追跡を可能にし得る。
第1の態様の一実施形態によれば、モデルは、規則ベースのモデル、線形回帰、決定木、サポートベクトル機械、k最近傍法モデル、ランダムフォレストモデル、オートエンコーダ、畳み込みニューラルネットワーク、再帰的ニューラルネットワーク、ディープビリーフネットワーク、または転移学習モデルのうちの1つまたは組合せである。
第1の態様の一実施形態によれば、この方法は、データ処理エージェント40において、さらなる分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bのネットワークへの接続を検出することと、データ処理エージェント40において、さらなる分析デバイスが(i)事前にネットワークに接続されているか、または(ii)事前にネットワークに接続されていないか、を識別することとを備える。
さらなる分析デバイスが事前にネットワークに接続されている場合、この方法は、データ処理エージェント40において、モデルとして使用するために、記憶されたモデルをローディングすることであって、記憶されたモデルが、さらなる分析デバイスがネットワークから切断された前の時点におけるさらなる分析デバイスの状態を特徴付ける、モデルをローディングすることと、データ処理エージェント40において、少なくとも1つの分析デバイスからの少なくとも1つの自動通知の1つまたは複数の特性を識別するために、さらなる分析デバイスからの少なくとも1つの自動通知を処理することとを備える。さらに、この方法は、データ処理エージェント40において、1つまたは複数の識別された特性を記憶されたモデルに適用することによって、少なくとも1つの分析デバイスの状態を推論することを備える。
第1の態様の一実施形態によれば、この方法は、データ処理エージェント40において、さらなる分析デバイス(P1A~P7A、P1B~P7B)のネットワークへの接続を検出することを備える。
さらなる分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bが事前にネットワークに接続されていない場合、この方法は、データ処理エージェント40において、さらなる分析デバイスのタイプを識別することと、データ処理エージェント40において、モデルとして使用するために追加のモデルをインスタンス化することであって、追加のモデルが、識別されたタイプのさらなる分析デバイスに関連付けられる、追加のモデルをインスタンス化することと、データ処理エージェント40において、1つまたは複数の識別された特性を追加のモデルに適用することによって、さらなる分析デバイスの状態を推論することとを備える。
一実施形態によれば、モデルは、少なくとも1つの分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bの以下の状態、すなわち、(i)センサー障害状態、(ii)センサー信頼性欠如状態、(iii)熱故障状態、(iv)ソフトウェアまたはファームウェア故障状態、(v)品質制御故障状態、(vi)機械故障状態、(vii)バッテリー故障状態、(viii)物理的衝撃状態、および/または(ix)セキュリティ故障状態のうちの少なくとも1つ、またはそれらの開始を識別するように構成される。
一態様によれば、この方法は、データ処理エージェント40において、少なくとも1つの分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bから第2の自動通知を受信することによって、データ処理エージェント40において、少なくとも1つの分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bからの少なくとも1つの自動通知の1つまたは複数の特性を識別するために、少なくとも1つの自動通知を備えたデータを処理することをさらに備える。
少なくとも1つの自動通知および第2の自動通知は、それぞれ、第1および第2の時点において少なくとも1つの分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bによって生成される。
この方法は、第1および第2の時点に基づいて、少なくとも1つの自動通知と第2の自動通知の間の時間関係を検出することと、検出された時間関係に少なくとも基づいて、1つまたは複数の特性を識別することとをさらに備える。
随意に、識別はまた、少なくとも1つの自動通信および/もしくは第2の自動通知のタイプ、ならびに/または少なくとも1つの自動通信および第2の自動通知が由来する分析デバイスのタイプに基づく。
一態様によれば、この方法は、データ処理エージェント40において、ネットワーク内の少なくとも1つの分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bの1つまたは複数のコンテキストを識別することと、識別されたコンテキストにさらに基づいて、モデルを提供または更新することとをさらに備える。
分析デバイスP1Aは、異なる病棟、検査室、病院現場の間で、使用中に、移動され得るか、または在宅看護訪問にすら用いられ得る。これらは、分析デバイスP1Aが、いくつかの例として、異なる職員によって使用され得る、異なる検査パターンを生成するために使用され得る、または異なる試薬の源とともに使用され得る、異なるコンテキストまたはロケーションを表す。コンテキストまたはロケーション内の変化は、分析デバイスP1Aの異なる絶対確実な状態をもたらし得る。
たとえば、ネットワーク監視エンジン78は、ネットワーク10にアクセスするために使用されるネットワークアドレスの変化を使用して、分析デバイスP1Aから自動通知のネットワーク10上のソースを識別し得る。たとえば、モデルインスタンスP1A(M)は、1つまたは複数の異なるコンテキスト内の分析デバイスの使用を表す1つまたは複数のサブモデルで補完され得る。
一態様によれば、この方法は、データ処理エージェント40において、ネットワークを介して少なくとも1つの注釈データ項目を受信することと、データ処理エージェント40において、1つまたは複数の注釈データ項目を少なくとも1つの自動通知のうちの1つまたは複数に関連付けることと、少なくとも1つの注釈データ項目と少なくとも1つの自動通知の関連付けにさらに基づいて、少なくとも1つの分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bの状態を推論することとをさらに備える。
POC管理スタッフは、シフト中に彼らのケアの対象である1つまたは複数の分析デバイスの状態をロギングするノートブックを維持する。ノートブックは、本明細書で論じる技法に従って、推論された状態の精度を高めるために使用され得る、1つまたは複数の分析デバイスから受信される自動通知のうちの1つまたは複数で融合され得るメタデータの非構造化または半構造化ソースを表す。たとえば、電子検査室ノートブック内の各エントリーは、タイムスタンプされ、したがって、時間の点で自動通知と容易に相関され得る。
例では、電子検査室ノートブック内のエントリーのキーワードは、自動通知の特性の識別を変えるために、または分析デバイスの状態の影響を変えるために、識別および使用され得る。
当然、注釈データは、物理的検査室ノートブック内の非電子注釈として提供され、光学式文字認識を使用して注釈データに変換され得る。注釈データは、音声信号が音声認識ソフトウェアを使用して注釈データに変換されるときに提供され得る。
図8は、自動通知を注釈データに関連付けるための注釈エンジン80の一例を概略的に例示する。
図8に例示される注釈エンジン80は、一実施形態では、サーバ12のデータ処理エージェント内で実行するソフトウェアエンジンとして実装される。別の実施形態では、注釈エンジン90は、遠隔クラウドサーバ内のソフトウェアエンジンとして実装され、相関された注釈データおよび自動通知をデータ処理エージェントに提供することができる。注釈データは、注釈データベース73から取得されてもよい。
随意に、注釈エンジン80は、注釈データおよび自動通知をリアルタイムで(言い換えれば、それぞれのデータが注釈エンジン90において受信される時点で)相関させ得る。
随意に、注釈データおよび分析デバイスからの自動通知は、注釈データおよび自動通知が分析デバイスにおいて作成された、かつ/またはデータ処理エージェントにおいて受信されたときのタイムスタンプに基づいて、相関されるかまたは関連付けられる。
随意に、注釈データおよび自動通知は、データ処理エージェントにおける注釈データのコンテンツ分析、およびデータ処理エージェントにおいて受信された複数の自動通知の比較に基づいて、注釈エンジン80によって相関されるかまたは関連付けられる。
代替または追加として、注釈エンジン80は、データが分析デバイスから受信された時間の後の時点において注釈データおよび自動通知をバッチラン(batch-run)で相関させ得る。
注釈エンジン80は、注釈データ受信ユニット92を備える。注釈データ受信ユニットは、たとえば、上記で論じたモダリティのうちの1つに従ってユーザによって生成された1つまたは複数の注釈データ項目を受信する(テキストアプリケーションからの非構造化または半構造化テキストの受信、手書きコメントのOCR認識、電子スタイラスからのコメントの認識、オーディオまたはビデオ分析、など)。
注釈エンジン80は、随意に、注釈データ分類ユニット93を備える。受信された自動通知は、たとえば、受信時間、メッセージのカテゴリ(ソフトウェア構成、セキュリティ、認証、検査性能、ハードウェアステータス、バッテリーステータス、などに関する)に基づいて分類される。分類は、たとえば、「低バッテリー」、または「クリーン測光メータ」など、異なるタイプの自動通知を意味的概念にリンクする、製造会社によって提供されるプライアーセマンティックスキーマ(prior semantic schema)に基づき得る。
注釈エンジン80は、自動通知分析エンジン94を備える。分析エンジン94の機能は、受信された自動通知のセットまたはサブセットから、たとえば、分析デバイスに関する意味的に重要な事象(事象データ)の前の表示を示す自動通知内の傾向のパターンまたは表示を取得することである。
一例では、分析エンジン94は、所与の時間窓にわたって受信された、受信された注釈データのヒストグラムを取得する。
言い換えれば、自動通知94は、たとえば、データ内の重要な傾向を識別するために、受信された注釈データに対して、数理分析、もしくは統計分析、または信号処理を実行するように機能する。
随意に、時間窓は構成可能である。時間窓は、一年、一月、一週間、一日であってよく、またはシフトパターンなど、動作上の考慮事項にリンクされてもよい。随意に、時間窓は、分析デバイスの有資格ユーザに関連付けられてよい。
注釈エンジン80は、重要性エンジン96を備える。重要性エンジン96は、データ分析エンジン94から事象データを受信する。いくつかのタイプの相対的に重要でない自動通知は通常の測定対策として頻繁に送信され得るため(PCBハートビート信号など)、自動通知の統計分析は偏ることがあることを当業者は諒解されよう。他方で、重要な自動通知、たとえば、分析デバイスが床に落下したことを示す「衝撃」信号は、一回のみ送信され得る。
したがって、重要性エンジン96の目的は、ルックアップテーブルとしてまたは他の方法で定義され得る、当業者が諒解するような、優先順位付け関数に従って重要な自動通知を優先順位付けするためにデータ分析エンジン94からのデータをフィルタリングすることである。
注釈エンジン80は、語彙変換エンジン98を備える。語彙変換エンジン98は、重要性エンジン96から優先順位付けされたアナライザ通知を取得し、重要な分析デバイス通知の対応する語彙概念データへのマッピングを実行する。
語彙概念データは、たとえば、ポイントオブケア機器の製造会社によって定義される。一例として、語彙概念データは、一例では、ユーザが注釈データとして入力した非構造化テキストデータ(たとえば)と1つまたは複数の分析デバイスが出力された自動通知の間に接続性を提供する。各優先順位関数φは、「バッテリー充電」、「アナライザ落下」、「メモリ満杯」など、意味的概念を表す。
自動通知が注釈エンジン80によって受信されるとき、重要性エンジン96は、1つまたは複数の自動通知項目のパターンがそのような意味的概念を参照し得ることを識別し、意味的概念を参照する識別子を語彙変換エンジン98に送信する。
語彙変換エンジン98は、各意味的概念に対して少なくとも1つの記録を備えた、データ構造、またはデータベースを含有する。各記録は、意味的概念に関連し、分析デバイスユーザによって注釈データ内に提供される関連する非構造化コメント内に存在する可能性が高い、1つまたは複数の語、ワードフラグメント(word fragment)、文などを定義する。
注釈エンジン80は、語彙変換エンジンから少なくとも1つの記録を、かつ(随意に、注釈データ分類ユニット93によって分類される)注釈データ受信ユニット92から少なくとも1つの注釈データ項目を受信するように構成された比較エンジン100をさらに備える。
比較エンジン100は、注釈データ内で、語彙分析エンジンによって識別された意味的概念に関係する、1つまたは複数の関係する非構造化または半構造化テキスト項目を分離する。
分離されると、関係する非構造化または半構造化テキスト項目は、1つまたは複数の対応する自動通知項目に関連付けられ得る。たとえば、「バッテリーが上がった」ことを告知するログブックエントリーは、分析デバイスP1Aの状態を推論するために使用され得る、1つまたは複数の特徴的な自動通知の識別をトリガし得る。
これは、関係する非構造化または半構造化テキストおよび関連する対応する自動通知が関連付けられる分析デバイスシステムデータ記録が生成されることを可能にする。
随意に、分析デバイスシステムデータ記録は、出力され、データ処理エージェント40を格納するサーバ内および/または外部の記憶手段内のいずれかにおいて記憶され得る。
一態様によれば、この方法は、相関関係が1つまたは複数の自動通知の生成と1つまたは複数の注釈データ項目の時間関係に基づくこと、または相関関係がデータ処理エージェントにおいて受信される自動通知のタイプに関する1つまたは複数の相関関係規則に基づくこと、をさらに備える。
図9は、相関関係規則セットを使用して自動通知を注釈データと相関させる一例を概略的に例示する。
記録104は、非限定的な例において、パーソナルコンピューティングデバイス26上のグラフィカルユーザインターフェースを介して入力されたテキストから受信され得る、フォーマットされていない非構造化注釈データを例示する。
分析エンジン94によって生成されたヒストグラム114は、この例では、多数のメッセージにより、強調されないことが選好される「motor_PCB」ハンドシェークを指す、タイプ115の自動通知の高い発生率を示す。他方で、分析デバイス通知117は、「batt_lo_10%」注釈データを指す。電力課題に関する概念を参照する非構造化注釈データを強調することが選好される。
したがって、重要性エンジン94は、「batt_lo_10%」が存在し、強調されるべきであることを検出する。
語彙変換エンジン98は、バッテリーおよび電力問題に関する概念が識別されるべきであることを識別する。語彙変換エンジン98内のデータ記録116は、重要性エンジン94の出力を使用して取得される。データ記録116は、自動通知によって示される意味的概念を指し得る非構造化テキスト内に潜在的なエントリーのテキストサンプルを提供する。
たとえば、「batt_lo_10%」注釈データに関するデータ記録116内のテキストサンプルは、テキストフラグメント「バッテリー」、「充電器」、「ケーブル」、「アダプター」、「プラグ」、「ソケット」を備える。
分析デバイスに関する他の意味的概念に対して完全に異なるテキストサンプルがデータ記録116内に提供されることになることを当業者は諒解されよう。
比較エンジンは、元の非構造化テキストデータ104および語彙変換エンジンによって生成されたデータ記録116を受信する。一例では、データ記録116内の各テキストサンプルのテキスト検索は、注釈データの非構造化テキストデータ106を介して実行される。
1つの事例では、データ記録116内の語に完全にかつ/または密に整合する語が標示される。たとえば、「バッテリー」という用語はデータ記録116内で発生するため、「低バッテリー照明」108という句が標示される。
別の事例では、「充電器」という語は、注釈データの非構造化テキストデータ106内で最初に識別され、そのフラグメントの標示は、「充電器」という語に付随する節全体を包含するように拡張される。
したがって、データ記録116内のテキストに対する密な整合を識別すること、および/またはデータ記録116からのテキストがその中で発生する非構造化注釈データから文または節全体を抽出することが可能である。
一例では、注釈エンジン90の出力は、1つまたは複数の分析デバイスから受信された分析デバイス通知に関連付けられるテキスト断片112のセットである。
一例では、注釈エンジン90の出力は、注釈データからの関係するテキスト断片の表現としてグラフィカルユーザインターフェース上に直接提供される。
一実施形態によれば、この方法は、データ処理エージェント40において、分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bの状態を報告する通知を使用して、機器保守管理データベースから記録を取得することであって、機器保守管理データベースが、少なくとも1つの分析デバイスに関する少なくとも1つの機器保守管理活動、結果として、分析デバイスの状態を報告する通知を定義する、記録を取得することと、データ処理エージェント40において、少なくとも1つの機器保守管理活動を備えた機器保守管理通知を生成することとを備える。
たとえば、データ処理エージェント40が、分析デバイスP1Aが数日中に交換バッテリーを必要とすると推論する場合、保守管理スケジュール内に適切なエントリーが生成され、機器保守管理データベース75内に記憶され得る。
随意に、保守管理データベース75は、ネットワーク10内の個々の分析デバイスP1A、P2Aに対応する個々の記録74a、74bを備える。
随意に、個々の記録74a、74bは、それぞれの分析デバイスP1A、P2Aを参照する個々のモデルインスタンスP1A(M)、P2A(M)のステータスに基づいて生成および/または更新される。
随意に、データ処理エージェント40は、ネットワーク10内の分析デバイスのサブセットに対するカスタム保守管理スケジュールを生成し、カスタム保守管理スケジュールをユーザに表示するように構成される。
随意に、保守管理オペラティブ(operative)のスケジュールは、それぞれのモデルインスタンスP1A(M)、P2A(M)によって定義されるそれぞれのアナライザの保守管理状態の深刻さに基づいて保守管理タスクの選択を可能にするために、保守管理データベース75と融合され得る。たとえば、分析デバイスP1A内の品質制御結果の悪化は、アナライザP2Aが落下したという検出に続くルーチン損害検査よりも優先され得る。
一態様によれば、この方法は、グラフィカルユーザインターフェースを介して第1の分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bの状態をユーザに表示することを備える。
データ処理エージェント40は、ネットワーク10A、10B内の1つまたは複数の分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bの状態を追跡し、一例として、分析デバイスの現在の推論された状態を反映させるために、対応するモデルインスタンス(P1A(M)など)を更新する。したがって、モデルインスタンスの現在の状態は、ユーザに関するフィードバック情報を導出するために使用され得る。
たとえば、データ処理エージェント40は、ネットワークPOC-DMS12Aのディスプレイ24A、またはスマートフォン監視ソフトウェア26Aなど、ネットワーク10内のユーザデバイス上に表示され得る、ユーザに対するメッセージを生成し得る。データ処理エージェント40は、それを通して1つまたは複数のアナライザの推論された状態が認証されたユーザに表示され得るセキュアウェブページを生成し得る。
たとえば、メッセージは、この方法が参照する分析デバイスP1Aのインターフェース上に表示され得る。
データ処理エージェント40は、ネットワーク10A、10B内の分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bのすべてまたはサブセットのステータスを要約する、組み合わされたディスプレイを生成し得る。
随意に、保守管理データベース75からのデータに基づいて、保守管理タスクが優先順位付けされた方法で表示され得る。
図10は、第1の病院(図10の「病院A」)内の分析デバイスの推論された状態を報告する通知に基づいて生成された第1のグラフィカルユーザインターフェースの一例を概略的に例示する。
グラフィカルユーザインターフェースは、たとえば、POC-DMS12、またはスマートフォン26インターフェースのウェブブラウザ内に表示され得るブラウザウィンドウ120を備える。
随意に、ブラウザウィンドウは、複数の通知を生成した分析デバイスの識別を可能にする識別部分122を備える。ブラウザウィンドウは、病院A内の分析デバイス「デバイスA」によってデータ処理エージェント40に送られた自動通知から生成された複数のデバイスメッセージ123~127を表示するメッセージディスプレイ部分121をさらに備える。
随意に、ブラウザウィンドウ120は、ユーザが自動通知のうちの1つまたは複数に注釈データを添付することを可能にするボタン128を備える。
非公式に、メッセージディスプレイ部分121内に例示されるメッセージの履歴を日付順に読み取ることによって、100個の品質制御障害メッセージ127の後に内部センサー障害126が生成されたことは明らかである。ユーザは、ユーザがデバイスA上にソフトウェアの再インストールを試みたことに言及する注釈データ125を追加した。しかしながら、その後に、デバイスが製造会社に送られているという最終的な注釈121が続く後続のセンサー障害124は、ソフトウェアのインストールがデバイスAを修復しなかったことを暗示する。メッセージディスプレイ部分121内に表示されたメッセージおよび/またはメモは、データ処理エージェント40のモデルに入力され、第2のネットワーク10Bにおける自動通知および注釈の同様のシーケンスが将来のデバイスの状態のより正確な診断を可能にするようにモデルを更新するために使用される。
図11は、第2の病院(図11の「病院B」)内の分析デバイスの推論された状態を報告する通知に基づいて生成された第1のグラフィカルユーザインターフェースの一例を概略的に例示する。言い換えれば、データ処理エージェント40は、デバイスB、すなわち、第2のネットワーク10B内の分析デバイスから複数の自動通知を受信する。
自動通知および第1のネットワーク10Aから受信された注釈に基づいてトレーニングされたデータ処理エージェント40のモデルを使用して、データ処理エージェント40は、ポップアップボックス129によって示されるように、デバイスB内の品質制御障害の数が100に近づくにつれて行うべき活動、この場合、デバイスBの交換、をユーザに忠告する通知が生成され得ると推論することが可能である。したがって、ユーザは、通知130によって忠告されたように、デバイスBの再インストールを試みない。
推論された状態を報告する通知の視覚表示を提供する多くの方法が提供され得、その中のGUIが1つのオプションとして例示されていることを当業者は諒解されよう。
第2の態様によれば、ネットワークを介して少なくとも1つの分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bから受信された少なくとも1つの自動通知に基づく分析デバイスの状態を推論するためのデータ処理エージェント40をホストするように構成された装置39が提供される。装置39は、
- 通信インターフェース54と、
- 通信インターフェース54に結合され、動作中、プロセッサ47上でデータ処理エージェント40の機能を実行するように構成された、プロセッサ47と
を備える。
通信インターフェース54は、少なくとも1つの分析デバイスP1Aから少なくとも1つの自動通知を受信するように構成される。
プロセッサ47は、データ処理エージェント40を使用して、少なくとも1つの自動通知を処理し、それにより、少なくとも1つの分析デバイスP1Aからの少なくとも1つの自動通知の1つまたは複数の特性を識別するように構成される。
プロセッサ47は、データ処理エージェント40を使用して、1つまたは複数の識別された特性をモデルに適用することによって、少なくとも1つの分析デバイスP1Aの状態を推論するように構成される。プロセッサ47は、データ処理エージェント40において、分析デバイスP1Aの推論された状態を報告する通知を生成するように構成される。
一例として、装置39は、汎用サーバであってよい。装置39は、パーソナルコンピュータであってよい。一例として、装置39は、データ処理エンジンがPOC-DMS上でホストされるように、POC-DMSコンピュータ12と同一であってよい。装置39は、「エッジコンピュータ」であってよい。
第3の態様によれば、分析デバイス管理のためのシステム10A、10Bであって、
- 少なくとも1つの分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7Bと、
- 第1の態様の方法を実行するように構成された、請求項12の装置からのデータを処理するためのデータ処理エージェント40をホストするように構成された、装置39、23と、
- ユーザインターフェース24Aを備えたコンピューティング装置12Aと、
- 少なくとも1つの分析デバイスP1A~P7A、P1B~P7B、コンピューティング装置、およびデータ処理エージェント40をホストするように構成された装置を通信可能に接続するように構成された、ネットワーク16A、16B、21と
を備え、
少なくとも1つの分析デバイスが、少なくとも1つの通知を生成するように構成され、通信ネットワークが、装置39、23上でホストされるデータ処理エージェント40に少なくとも1つの通知を通信するように構成される
分析デバイス管理のためのシステム10A、10Bが提供される。
随意に、装置39、23上でホストされるデータ処理エージェント40は、第1のネットワーク10A内の分析デバイスP1A~P7Aの第1のセットから第1の複数の自動通知を受信するように構成される。データ処理エージェント40は、第1のネットワーク10A内の分析デバイスP1A~P7Aの第1のセットからの複数の自動通知に基づいて、少なくとも1つのモデルをトレーニングするように構成される。装置39、23によってホストされるデータ処理エージェント40は、第2のネットワーク10B内の分析デバイスP1B~P7Bの第2のセットから第2の複数の自動通知を受信するように構成される。データ処理エージェントは、第1のネットワーク10A内の分析デバイスP1A~P7Aの第1のセットからの複数の自動通知に基づいてトレーニングされた少なくとも1つのモデルを使用して、第2のネットワーク内の少なくとも1つの分析デバイスP1Bの少なくとも1つの状態を推論するように構成される。データ処理エージェント40は、第2のネットワーク10B内の少なくとも1つの分析デバイスP1Bの推論された状態を報告する通知を生成するように構成される。
第4の態様によれば、第2の態様による装置を制御するためのコンピュータ可読命令を備えたコンピュータプログラム要素であって、コンピュータ可読命令が、装置の処理ユニットによって実行されているとき、第1の態様の方法、またはその実施形態を実行するように適合される、コンピュータプログラム要素が提供される。
第5の態様によれば、第4の態様のコンピュータプログラム要素を記憶した、またはその上に符号化した、コンピュータ可読媒体または信号が提供される。