JP7228090B2 - 液晶組成物の製造方法、膜付基材の製造方法、液晶表示素子の製造方法及び供給装置 - Google Patents

液晶組成物の製造方法、膜付基材の製造方法、液晶表示素子の製造方法及び供給装置 Download PDF

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Description

本発明は、液晶組成物の製造方法、膜付基材の製造方法、液晶表示素子の製造方法及び供給装置に関する。
近年では、液晶表示素子を有する表示装置が多数存在する。かかる表示装置を備える電気製品としては、例えば、パーソナルコンピュータやテレビ等がある。
液晶表示素子は、対向して配置された一対の基板と、一対の基板間に設けられ、複数種の液晶分子を含む液晶組成物(液晶材料)から形成された液晶層とを有する。この液晶表示素子は、例えば、一方の基板上に液晶組成物を滴下した後、他方の基板を貼り合わすことにより製造される。
ここで、滴下する際の液滴のサイズが大きいと、基板上に液晶組成物を滴下した際に形成される痕跡(滴下痕)が目立ち易い。
かかる問題を解消するためには、滴下する液滴のサイズを小さくすることが有効であると考えられる。かかる観点から、液晶組成物をインクジェット方式により吐出することが行われる(例えば、特許文献1参照)。
ところで、液晶分子は、再結晶、抽出、カラム処理(クロマトグラフィー、吸着、イオン交換)、蒸留等の過程を経て製造される。このため、液晶組成物には、液晶分子の製造過程から溶剤や溶存気体等の不純物が持ち込まれることがある。
不純物を多く含む液晶組成物を用いて液晶表示素子を製造すると、液晶層に含まれる不純物により基板表面が悪影響を受け易くなる。具体的には、基板表面に存在する有機物で構成される配向膜やシール材等が、液晶層中の不純物により悪影響を受け易くなる。このため、液晶表示素子の性能(電圧保持率や透過率等)の低下を招くことがある。特に液晶組成物が不純物として溶剤を多く含む場合に、このような不具合が生じ易い。
また、インクジェット方式等の液滴吐出法で液晶組成物を滴下する際、液晶組成物中の溶存気体により滴下不良が生じる場合や、液滴のサイズが小さくなり1つの液滴中に占める不純物の割合が多くなる場合がある。
このようなことから、不純物(特に溶剤)の量がより少ない液晶組成物が求められている。
特開2013-7916号公報
本発明の目的は、不純物の量を低減可能な液晶組成物の製造方法、膜付基材の製造方法、液晶表示素子の製造方法及び供給装置を提供することにある。
このような目的は、下記の(1)~(17)の本発明により達成される。
(1) 複数種の液晶分子を含有する液晶混合物を準備する工程と、
前記液晶混合物を中空糸膜モジュールに通過させて、前記液晶混合物中に含まれる不純物を除去することにより、液晶組成物を得る工程とを有することを特徴とする液晶組成物の製造方法。
(2) 前記不純物は、1気圧での沸点が210℃以下の化合物である上記(1)に記載の液晶組成物の製造方法。
(3) 前記不純物は、溶剤を含む上記(1)又は(2)に記載の液晶組成物の製造方法。
(4) 前記中空糸膜モジュールは、複数本の中空糸膜を束ねた中空糸膜束と、該中空糸膜束を収納するハウジングとを備え、
前記中空糸膜及び前記ハウジングのうちの少なくとも一方が、フッ素系樹脂又はイミド系樹脂を含む上記(1)~(3)のいずれか1つに記載の液晶組成物の製造方法。
(5) 前記中空糸膜モジュールは、前記液晶混合物を前記ハウジングと前記中空糸膜束とで画成された空間に通過させる外部灌流型のモジュールである上記(4)に記載の液晶組成物の製造方法。
(6) 前記中空糸膜束の膜面積は、0.01~40mである上記(4)又は(5)に記載の液晶組成物の製造方法。
(7) 上記(1)~(6)のいずれか1つに記載の液晶組成物の製造方法により液晶組成物を製造する工程と、
該液晶組成物を基材上に供給して、前記液晶組成物による被膜を形成する工程とを有することを特徴とする膜付基材の製造方法。
(8) 前記被膜を形成する工程において、液滴吐出法により前記液晶組成物を液滴として前記基材上に供給する上記(7)に記載の膜付基材の製造方法。
(9) 一対の基板と、該一対の基板間に設けられた液晶層とを有する液晶表示素子の製造方法であって、
上記(1)~(6)のいずれか1つに記載の液晶組成物の製造方法により液晶組成物を製造する工程と、
該液晶組成物を前記一対の基板間に配置して、前記液晶層を形成する工程とを有することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
(10) 前記液晶層を形成する工程において、液滴吐出法により前記液晶組成物を液滴として一方の前記基板上に供給した後、前記液晶組成物を介して他方の前記基板を前記一方の基板に重ね合わせる上記(9)に記載の液晶表示素子の製造方法。
(11) 液晶組成物の供給に用いられる供給装置であって、
複数種の液晶分子を含有する液晶混合物を通過させて、該液晶混合物中に含まれる不純物を除去することにより前記液晶組成物を製造する中空糸膜モジュールを少なくとも有することを特徴とする供給装置。
(12) さらに、基材を支持する支持部と、該支持部に対して相対的に移動可能に設けられ、前記中空糸膜モジュールから移送された前記液晶組成物を、前記支持部に支持された前記基材上に供給する供給部とを有する上記(11)に記載の供給装置。
(13) 前記供給部は、液滴吐出法により前記液晶組成物を液滴として前記基材上に供給する液滴吐出ヘッドである上記(12)に記載の供給装置。
(14) 前記中空糸膜モジュールは、複数本の中空糸膜を束ねた中空糸膜束と、該中空糸膜束を収納するハウジングとを備え、
前記中空糸膜及び前記ハウジングのうちの少なくとも一方が、フッ素系樹脂又はイミド系樹脂を含む上記(11)~(13)のいずれか1つに記載の供給装置。
(15) 前記中空糸膜モジュールは、前記液晶混合物を前記ハウジングと前記中空糸膜束とで画成された空間に通過させる外部灌流型のモジュールである上記(14)に記載の供給装置。
(16) さらに、前記液晶混合物を貯留する貯留部を有し、
前記中空糸膜モジュールは、前記貯留部から移送された前記液晶混合物を通過させる上記(11)~(15)のいずれか1つに記載の供給装置。
(17) さらに、前記中空糸膜モジュールを通過する前の前記液晶混合物、及び前記中空糸膜モジュールを通過した後の前記液晶組成物のうちの少なくも一方の温度を調整する温調部を有する上記(16)に記載の供給装置。
本発明によれば、液晶混合物を中空糸膜モジュールに通過させることにより、不純物を効率よく除去することができ、よって、不純物の量がより少ない液晶組成物を得ることができる。中でも、液晶混合物中に不純物として含まれる溶剤が中空糸膜モジュールで除去されるため、残留溶剤量の少ない液晶組成物を得ることができる。
液晶表示素子の一実施形態を模式的に示す分解斜視図である。 図1中のI線で囲まれた領域を拡大した平面図である。 液晶表示素子を製造に用いられる液滴吐出装置を示す全体斜視図である。 図3の液滴吐出装置の一部の構成を示す概略図である。 カラーフィルタ基板の上面図である。 液滴吐出部のノズル孔形成面を模式的に示す図である。 液滴吐出部の内部構成を示す要部断面図である。 図3の液滴吐出装置のブロック図である。 中空糸膜モジュールの概略断面図である。 図9中のII-II線断面図である。
以下、本発明の液晶組成物の製造方法、膜付基材の製造方法、液晶表示素子の製造方法及び供給装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、液晶表示素子の一実施形態を模式的に示す分解斜視図、図2は、図1中のI線で囲まれた領域を拡大した平面図、図3は、液晶表示素子を製造に用いられる液滴吐出装置を示す全体斜視図、図4は、図3の液滴吐出装置の一部の構成を示す概略図、図5は、カラーフィルタ基板の上面図、図6は、液滴吐出部のノズル孔形成面を模式的に示す図、図7は、液滴吐出部の内部構成を示す要部断面図、図8は、図3の液滴吐出装置のブロック図、図9は、中空糸膜モジュールの概略断面図、図10は、図9中のII-II線断面図である。
なお、以下では、説明の都合上、図3及び図7中の上側を「上」又は「上方」、下側を「下」又は「下方」と言う。また、供給装置において、主走査方向を「Y方向」、主走査方向と直交する副走査方向を「X方向」、上下方向を「Z方向」とする。
(液晶表示素子)
まず、液晶表示素子の一実施形態について説明する。
図1に示す液晶表示素子10は、対向するように配置されたアクティブマトリクス基板AM及びカラーフィルタ基板CFと、アクティブマトリクス基板AMとカラーフィルタ基板CFとの間に挟持された液晶層40とを備えている。
アクティブマトリクス基板AMは、第1の基板20と、第1の基板20の液晶層40側の面に設けられた画素電極層50と、第1の基板20の液晶層40と反対側の面に設けられた第1の偏光板70とを有している。
一方、カラーフィルタ基板CFは、第2の基板30と、第2の基板30の液晶層40側に設けられた共通電極層60と、第2の基板30の液晶層40と反対側の面に設けられた第2の偏光板80と、第2の基板30と共通電極層60との間に設けられたカラーフィルタ90とを有している。
液晶層40は、複数種の液晶分子を含む液晶組成物から形成されている。なお、液晶組成物については、後に詳述する。
すなわち、本実施形態に係る液晶表示素子10は、第1の偏光板70と、第1の基板20と、画素電極層50と、液晶層40と、共通電極層60と、カラーフィルタ90と、第2の基板30と、第2の偏光板80と、がこの順で積層された構成を有している。
第1の基板20及び第2の基板30は、それぞれ、例えばガラス材料、又はプラスチック材料のような柔軟性(可撓性)を有する材料で形成されている。
第1の基板20及び第2の基板30は、双方が透光性を有していても、一方のみが透光性を有していてもよい。後者の場合は、他方の基板は、例えば金属材料、シリコン材料のような不透明な材料で構成することができる。
画素電極層50は、走査信号を供給するための複数のゲートバスライン110と、表示信号を供給するための複数のデータバスライン120と、複数の画素電極130とを有している。なお、図2には、一対のゲートバスライン110、110及び一対のデータバスライン120、120が示されている。
複数のゲートバスライン110と複数のデータバスライン120とは、互いに交差してマトリクス状に配置され、これらで囲まれた領域により、液晶表示素子10の単位画素が形成されている。各単位画素内には、1つの画素電極130が形成されている。なお、各画素は複数のサブ画素から構成されていてもよい。
画素電極130は、互いに直交して十字形状をなす2つの幹部と、各幹部から分岐するとともに、各幹部に対して約45°の角度で傾斜する複数の枝部とを備える構造(いわゆるフィッシュボーン構造)を有している。換言すれば、画素電極130は、枝部同士の間に形成されたスリットを有する構造を有する電極とも捉えることができる。
かかる構造の画素電極130によれば、液晶分子が幹部に対して枝部が傾斜する4方向に一致して傾斜配向するようになる。このため、1つの画素内に4分割されたドメインが形成され、液晶表示素子10の視野角を広げることができる。
各枝部の幅Lは、1~5μm程度であることが好ましく、2~4μm程度であることがより好ましい。また、隣り合う枝部の離間距離Sは、1~5μm程度であることが好ましく、2~4μm程度であることがより好ましい。このような構成により、液晶分子をより確実に所定の方向に傾斜配向させ得る。
一対のゲートバスライン110、110の間には、ゲートバスライン110とほぼ平行にCs電極140が設けられている。また、ゲートバスライン110とデータバスライン120とが互いに交差する交差部近傍には、ソース電極150及びドレイン電極160を含む薄膜トランジスタが設けられている。ドレイン電極160には、コンタクトホール170が設けられている。
ゲートバスライン110及びデータバスライン120は、それぞれ、例えばAl、Cu、Au、Ag、Cr、Ta、Ti、Mo、W、Ni又はこれらを含有する合金で形成することが好ましく、Mo、Al又はこれらを含有する合金で形成することがより好ましい。
画素電極130は、例えば、光の透過率を向上させるために透明電極で構成されている。透明電極は、ZnO、InGaZnO、SiGe、GaAs、IZO(Indium Zinc Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO、TiO、AZTO(AlZnSnO)のような化合物をスパッタリング等することにより形成される。
透明電極の平均厚さは、10~200nm程度であることが好ましい。また、電気的抵抗を低減するために、アモルファスのITO膜を焼成することにより多結晶のITO膜として透明電極を形成することもできる。
一方、共通電極層60は、例えば、併設された複数のストライプ状の共通電極(透明電極)を有している。この共通電極も、画素電極130と同様に形成することができる。
カラーフィルタ90は、例えば、顔料分散法、印刷法、電着法又は染色法等によって作成することができる。
顔料分散法では、カラーフィルタ用の硬化性着色組成物を、第2の基板30上に所定のパターンとなるように供給した後、加熱又は光照射することにより硬化させる。この操作を、赤、緑、青の3色について行うことにより、カラーフィルタ90を得ることができる。
なお、カラーフィルタ90は、第1の基板20側に配置してもよい。
また、液晶表示素子10は、光の漏れを防止する観点から、ブラックマトリクスBM(図5参照)を設けるようにしてもよい。このブラックマトリクスBMは、薄膜トランジスタに対応する部分に形成することが好ましい。
なお、ブラックマトリクスBMは、第2の基板30側にカラーフィルタ90とともに配置してもよく、第1の基板20側にカラーフィルタ90とともに配置してもよく、ブラックマトリクスBMを第1の基板20側にカラーフィルタ90を第2の基板30側にそれぞれ個別に配置してもよい。また、ブラックマトリクスBMは、カラーフィルタ90の各色を重ね合わせ、透過率を低下させた部分で構成することもできる。
アクティブマトリクス基板AMとカラーフィルタ基板CFとは、それらの周縁領域において、エポキシ系熱硬化性組成物やアクリル系UV硬化性組成物等で構成されるシール材(封止材)によって互いに貼り合わされている。
なお、アクティブマトリクス基板AMとカラーフィルタ基板CFとの間には、それらの離間距離を保持するスペーサを配置してもよい。スペーサとしては、例えばガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子のような粒状スペーサ、フォトリソグラフィー法により形成された樹脂製のスペーサ柱等が挙げられる。
アクティブマトリクス基板AMとカラーフィルタ基板CFとの平均離間距離(すなわち、液晶層40の平均厚さ)は、1~100μm程度であることが好ましい。
第1の偏光板70及び第2の偏光板80は、それらの透過軸の位置関係を調整することにより、視野角やコントラストが良好になるように設計することができる。具体的には、第1の偏光板70及び第2の偏光板80は、それらの透過軸がノーマリブラックモードで作動するように、互いに直交するように配置することが好ましい。特に、第1の偏光板70及び第2の偏光板80のうちのいずれか一方は、その透過軸が電圧印加時の液晶分子の配向方向とほぼ45°となるように配置されることが好ましい。
また、第1の偏光板70及び第2の偏光板80を使用する場合は、コントラストが最大になるように液晶層40の屈折率異方性(Δn)と液晶層40の平均厚さとの積を調整することが好ましい。さらに、液晶表示素子10は、視野角を広げるための位相差フィルムを備えてもよい。
なお、液晶表示素子10では、アクティブマトリクス基板AM及びカラーフィルタ基板CFのうちの少なくとも一方の液晶層40側に、液晶層40に接触するようにして、ポリイミド配向膜等の配向膜を設けることができる。換言すれば、所定の液晶組成物を用いる場合には、アクティブマトリクス基板AM及びカラーフィルタ基板CFのうちの少なくとも一方の基板は、配向膜を有さなくてもよい。
(液滴吐出装置)
このような液晶表示素子10は、図3に示す液滴吐出装置(本発明の供給装置)1を用いて製造される。この液滴吐出装置1は、液晶組成物40Cを液滴DRとして吐出(供給)して、カラーフィルタ基板CF(基材)上に吐出する装置である(図7参照)。なお、図5に示すように、カラーフィルタ基板CFは、ブラックマトリックスBMで区画された複数のセルCLを有する。セルCLは、X方向及びY方向に沿って行列状に配置されている。そして、各セルCLに液滴DRが着弾することにより、液晶組成物40Cが供給される。
図3に示すように、液滴吐出装置1は、液晶混合物40Aを貯留する貯留部2と、液晶混合物40Aの温度を調整する温調部3と、液晶混合物40A中に含まれる不純物40Bを除去して液晶組成物40Cを得る中空糸膜モジュール4と、中空糸膜モジュール4内を吸引する吸引部5と、液晶組成物40Cをカラーフィルタ基板CF上に吐出する液滴吐出部(供給部)6と、カラーフィルタ基板CFを支持する支持部7と、液滴吐出部6と支持部7とを相対的に移動させる移動部8と、液滴吐出部6が待機する待機ステージ9と、これらの各部を制御する制御装置(制御部)11とを有している。
貯留部2は、液晶混合物40Aを貯留するカートリッジ式のタンクである。この貯留部2は、フレーム12に着脱自在に支持される。貯留部2をフレーム12に装着することにより、液晶表示素子10を製造するのに際して、液晶混合物40Aを使用可能な状態とすることができる。なお、液滴吐出装置1では、例えば液晶混合物40Aが消費されて貯留部2が空になった場合、その空の貯留部2を、液晶混合物40Aが貯留された新たな貯留部2に交換することができる。
図4に示すように、貯留部2の下流側には、温調部3が配置されている。温調部3は、液滴吐出部6を支持するキャリッジ14に、中空糸膜モジュール4及び吸引部5とともに内蔵されている。貯留部2と温調部3とは、可撓性を有するチューブ131を介して接続されている。
温調部3は、中空糸膜モジュール4を通過する前の液晶混合物40Aの温度を調整することができる。本実施形態では、温調部3は、液晶混合物40Aを一時的に貯留するバッファ部31と、バッファ部31内の液晶混合物40Aを加熱するヒータ32とを有している。バッファ部31は、タンクで構成されている。ヒータ32は、バッファ部31に設けられ、通電により加熱する電熱線で構成されている。
このような構成の温調部3により、バッファ部31内で液晶混合物40Aを十分に加熱することで、液晶混合物40Aの粘度を低下させることができる。そして、液晶混合物40Aは、粘度が低下した状態のまま中空糸膜モジュール4に移送されるので、中空糸膜モジュール4を円滑に通過することができる。
なお、温調部3は、本実施形態では液晶混合物40Aを加熱するよう構成されているが、これに限定されず、例えば、液晶混合物40Aを冷却するよう構成されていてもよい。
また、温調部3は、本実施形態では中空糸膜モジュール4を通過する前の液晶混合物40Aの温度を調整するよう構成されているが、これに限定されない。温調部3は、その配置箇所に応じて、例えば、中空糸膜モジュール4を通過した後の液晶組成物40Cの温度を調整するよう構成することもできるし、中空糸膜モジュール4を通過する前の液晶混合物40Aと、中空糸膜モジュール4を通過した後の液晶組成物40Cとの双方の温度を調整するよう構成することもできる。
なお、中空糸膜モジュール4を通過する前の液晶混合物40Aの温度は、20℃以上45℃以下であることが好ましく、30℃以上45℃以下であることがより好ましい。上記温度範囲とすることで、液晶混合物40Aを中空糸膜モジュール4に通過させることによる不純物40Bの除去効果と、得られる液晶組成物40Cの物性の安定性との両立を図ることができる。
図4に示すように、温調部3の下流側には、中空糸膜モジュール4が配置されている。中空糸膜モジュール4の構成については、後述する。なお、温調部3と中空糸膜モジュール4とは、可撓性を有するチューブ132を介して接続されている。
また、中空糸膜モジュール4と吸引部5とは、可撓性を有するチューブ133を介して接続されている。吸引部5は、例えばポンプで構成されている。
また、図4に示すように、中空糸膜モジュール4の下流側には、液滴吐出部6が配置されている。中空糸膜モジュール4と液滴吐出部6とは、可撓性を有するチューブ134を介して接続されている。
液滴吐出部6は、中空糸膜モジュール4から移送された液晶組成物40Cを、支持部7に支持されたカラーフィルタ基板CF(基材)上に吐出することができる。この液滴吐出部6は、液滴吐出法(特に、インクジェット法)により液晶組成物40Cを液滴DRとしてカラーフィルタ基板CF上に吐出して供給する液滴吐出ヘッドで構成されている。これにより、カラーフィルタ基板CFの各セルCLに液滴DRを正確に着弾させることができ、よって、各セルCLへの液晶組成物40Cの供給を過不足なく行うことができる。
図6に示すように、液滴吐出部6は、複数のノズル孔611が円形状に開口して形成されたノズル孔形成面612を有するノズル孔プレート61を備えている。複数のノズル孔611は、X方向に等間隔に配置された第1のノズル孔列611Aと、第1のノズル孔列611AのY方向正側に隣り合い、X方向に等間隔に配置された第2のノズル孔列611Bとを構成している。第1のノズル孔列611Aおけるノズル孔611同士の中心間距離と、第2のノズル孔列611Bにおけるノズル孔611同士の中心間距離とは、同じである。また、第1のノズル孔列611Aと第2のノズル孔列611Bとは、ノズル孔611同士の中心間距離の1/2分だけ、X方向にズレている。
図7に示すように、液滴吐出部6は、ノズル孔プレート61とともにキャビティ62を画成する振動板63と、振動板63を振動させる加振部64と、キャビティ62内を加熱する加熱部65とを有している。
振動板63は、ノズル孔プレート61の上側に、ノズル孔プレート61に対向して配置されている。これにより、振動板63とノズル孔プレート61との間で、液晶組成物40Cが収納されるキャビティ62が画成される。キャビティ62は、チューブ134に連通している。これにより、キャビティ62には、中空糸膜モジュール4からの液晶組成物40Cが流入する。なお、キャビティ62は、1つのノズル孔611に対して、1つ配置されている。
加振部64は、振動板63の上側に、振動板63に接して配置されている。加振部64は、例えば圧電素子で構成されており、振動板27を上下方向、すなわち、Z方向に振動させることができる。これにより、キャビティ62の容積が変化し、その際、キャビティ62内の液晶組成物40Cがノズル孔611から液滴DRとして吐出される。そして、この液滴DRは、カラーフィルタ基板CFの所定のセルCLに着弾することとなる。
加熱部65は、キャビティ62の外側に配置されている。加熱部65は、通電により加熱する電熱線で構成されている。加熱部65の発熱により、キャビティ62内の液晶組成物40Cを加熱することで、液晶組成物40Cの粘度を低下させることができる。この粘度低下により、液晶組成物40Cをノズル孔611から円滑に吐出させることができる。
本実施形態では、液滴吐出法として、振動板27の振動によりキャビティ62の容積を変化させることで、液晶組成物40Cを液滴DRとして吐出するインクジェット法について説明したが、液滴吐出法には、電気熱変換素子による液晶組成物40Cの熱膨張を利用することで、液晶組成物40Cを液滴DRとして吐出するバブルジェット法(「バブルジェット」は登録商標)、ノズルから液晶組成物40Cを液滴DRとして噴霧するスプレー法、ノズルから液晶組成物40Cを液滴DRとしてジェット噴射するジェット噴射法等を採用することもできる。
液滴吐出部6を構成する液滴吐出ヘッドは、液滴吐出法の種類に応じて適宜選択することができ、例えば、インクジェット法であればインクジェットヘッドを用いることができ、スプレー法であればスプレーヘッドを用いることができる。
支持部7は、図3に示すように、カラーフィルタ基板CFがXY平面と平行に載置されるステージである。また、支持部7は、載置された状態のカラーフィルタ基板CFを保持することができる。これにより、カラーフィルタ基板CFの位置ズレが防止され、よって、液滴吐出部6からの液滴DRをカラーフィルタ基板CFの所定のセルCLに正確に着弾させることができる。
そして、液晶組成物40Cの供給が完了したカラーフィルタ基板CFには、液晶組成物40Cによる被膜が形成される。
移動部8は、液滴吐出部6と支持部7とを相対的に移動させることができる。図3に示しように、移動部8は、支持部7に対して液滴吐出部6をキャリッジ14ごとX方向に移動させるX方向移動部81と、液滴吐出部6に対して支持部7をY方向に移動させるY方向移動部82とを有している。
X方向移動部81は、例えば、モータ(図8中のX軸モータ811)と、モータに連結されたボールネジと、ボールネジに連結されたリニアガイドとを有する構成とすることができる。Y方向移動部82も、例えばX方向移動部81と同様に、モータ(図8中のY軸モータ821)と、モータに連結されたボールネジと、ボールネジに連結されたリニアガイドとを有する構成とすることができる。
なお、移動部8は、液滴吐出部6をキャリッジ14ごとZ方向に移動させるZ方向移動部を有していてもよい。
待機ステージ9は、支持部7から離間して配置されており、液晶組成物40Cの供給が停止又は完了した液滴吐出部6が待機する待機位置となる。
待機ステージ9では、液滴吐出部6の温度状態を、液晶組成物40Cの吐出時と同じ状態に維持することができる。
また、待機ステージ9は、液滴吐出部6が待機中に、ノズル孔611に目詰まりが生じるのを防止したり、ノズル孔611を介して液晶組成物40Cが乾燥するのを防止するよう構成されていることが好ましい。
図8に示すように、制御装置11は、CPU111、ROM112及びRAM113を有している。制御装置11は、各種データや各種制御プログラムに従って、液滴吐出部6や移動部8等の作動を制御することができる。
例えば、制御装置11には、ヒータ駆動回路151、ペルチェ素子駆動回路152、ヘッド駆動回路153、X軸モータ駆動回路154及びY軸モータ駆動回路155が電気的に接続されている。
制御装置11は、X方向駆動制御信号をX軸モータ駆動回路154に出力する。X軸モータ駆動回路154は、制御装置11からのX方向駆動制御信号に応答して、X方向移動部81が有するX軸モータ811を正転又は逆転させることができる。これにより、液滴吐出部6をキャリッジ14ごとX方向に所定量移動させることができる。
制御装置11は、Y方向駆動制御信号をY軸モータ駆動回路155に出力する。Y軸モータ駆動回路155は、制御装置11からのY方向駆動制御信号に応答して、Y方向移動部82が有するY軸モータ821を正転又は逆転させることができる。これにより、液滴吐出部6をキャリッジ14ごとY方向に所定量移動させることができる。
制御装置11は、所定の吐出周波数に同期させた吐出タイミング信号をヘッド駆動回路153に出力する。また、制御装置11は、圧電素子で構成された各加振部64を駆動するための駆動電圧を吐出周波数に同期させてヘッド駆動回路153に出力する。また、制御装置11は、ビットマップデータを利用して所定の周波数に同期したパターン形成用制御信号を生成し、パターン形成用制御信号をヘッド駆動回路153にシリアル転送する。
ヘッド駆動回路153は、制御装置11からのパターン形成用制御信号を各加振部64に対応させて順次シリアル/パラレル変換する。ヘッド駆動回路153は、制御装置11からの吐出タイミング信号を受ける度に、シリアル/パラレル変換したパターン形成用制御信号をラッチし、パターン形成用制御信号によって選択される各加振部64に駆動電圧を供給することができる。これにより、カラーフィルタ基板CFへの液滴DRの吐出を正確に行うことができる。
制御装置11は、ヒータ駆動制御信号をヒータ駆動回路151に出力する。ヒータ駆動回路151は、制御装置11からのヒータ駆動制御信号に応答して、ヒータである加熱部65を作動させることができる。これにより、キャビティ62内の液晶組成物40Cを過不足なく加熱して、液滴吐出に適した粘度に調整することができる。
制御装置11は、ペルチェ素子駆動制御信号をペルチェ素子駆動回路152に出力する。ペルチェ素子駆動回路152は、制御装置11からのペルチェ素子駆動制御信号に応答して、ペルチェ素子17を作動させることができる。なお、ペルチェ素子17は、振動が少なく低騒音であり、また厳密な温度コントロールが可能である。このため、例えば、ヒータ32に加えて温調部3に配置したり、加熱部65に加えて液滴吐出部6に配置することにより、中空糸膜モジュール4を通過する前の液晶混合物40Aの温度や、中空糸膜モジュール4を通過した後の液晶組成物40Cの温度をより正確に調整することができる。
また、制御装置11には、各種操作スイッチとディスプレイとを有する入出力装置16が電気的に接続されている。入出力装置16は、液滴吐出装置1が実行する各種処理の処理状況を表示することができる。入出力装置16は、カラーフィルタ基板CF上に液滴DRで所定のパターンを形成するために、液滴DRを吐出するか否かを規定したビットマップデータを生成することができる。そして、このビットマップデータは、制御装置11に入力される。
液晶混合物40Aは、不純物40Bを含有した状態となっている。この状態の液晶混合物40Aをそのまま液晶層40の形成に使用した場合、不純物40Bがアクティブマトリクス基板AM及びカラーフィルタ基板CFの表面に存在する配向膜、シール材等の有機物で構成される部材(以下、「有機部材」と記載する。)に悪影響を及ぼし、液晶表示素子10の性能(電圧保持率や透過率)の低下が生じ易い。
詳しくは、不純物40Bとして残留溶剤を多く含む液晶混合物40Aを用いて製造された液晶表示素子10は、液晶層40中に残存する溶剤が有機部材と接触することにより液晶表示素子10の性能が低下する場合がある。不純物40Bとして溶存気体を多く含む場合も同様に、液晶層40中に残存する溶存気体より液晶表示素子10の性能が低下する場合がある。また、液晶混合物40Aを液滴吐出装置1で供給する場合、キャビテーションにより液晶混合物40A中に含まれる溶存気体が気泡となり、吐出不良が生じる場合がある。
なお、残留溶剤には、液晶分子の合成、再結晶、抽出、カラム処理(クロマトグラフィー、吸着、イオン交換)のような液晶分子を得る一連の過程のいずれかで使用した溶剤が含まれる。
そこで、液滴吐出装置1では、貯留部2から移送された液晶混合物40Aを中空糸膜モジュール4に通過させて、液晶混合物40A中に含まれる不純物40Bを除去する。これにより、不純物40Bが除去された液晶組成物40Cを製造することができる。このように中空糸膜モジュール4では、液晶混合物40Aを不純物40Bと液晶組成物40Cとに分離することができる(図4参照)。
中空糸膜モジュール4を通過させて得られた液晶組成物40Cは、残留溶剤を含まないか、含んでいても微量である。このような液晶組成物40Cにより製造された液晶表示素子10は、残留溶剤による性能の低下が生じ難くなる。また、中空糸膜モジュール4を通過させて得られた液晶組成物40Cは、溶存気体を含まないか、含んでいても微量である。そのため、溶存気体による液晶表示素子10の性能低下を抑制することができ、さらに液晶組成物40Cを液滴吐出装置1で吐出する場合は、キャビテーションによる気泡の発生を低減して吐出不良を抑制し、液晶組成物40Cの液滴吐出装置1による安定した吐出が可能となる。
図9に示すように、中空糸膜モジュール4は、複数本の中空糸膜41を束ねた中空糸膜束42と、中空糸膜束42を収納するハウジング43と、中空糸膜束42をその内側から支持する支持体44とを備えている。
中空糸膜41は、中空の線状をなす多孔質体で構成されている。なお、中空糸膜41の大きさは、次の通りであることが好ましい。例えば、外径は、100~400μm程度であることが好ましく、150~250μm程度であることがより好ましい。内径は、60~370μm程度であることが好ましく、80~220μm程度であることがより好ましい。外径や内径を上記の範囲とすることで、大きな膜面積の中空糸膜束42を得ることができ、不純物40Bの除去効率が良好になるからである。また、全長は、中空糸膜束42の膜面積に応じて適宜設定することができる。
また、中空糸膜41は、例えば、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等)、イミド系樹脂(ポリイミド、ポリアミドイミド)、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリ(4-メチルペンテン-1))等で構成することができるが、フッ素系樹脂又はイミド系樹脂を含むことが好ましく、フッ素系樹脂又はイミド系樹脂で構成されることがより好ましい。フッ素系樹脂又はイミド系樹脂を含む材料で中空糸膜41を構成することにより、液晶混合物40Aと中空糸膜41との接触により液晶混合物40A中の液晶分子が劣化して、得られる液晶組成物40Cの電圧保持率が低下するのを抑制することができる。
そして、複数本の中空糸膜41を同じ向きに配列させて、これらを円筒状に束ねることにより、中空糸膜束42が作製される。
中空糸膜束42の膜面積は、装置の種類等に応じて設定することができ、0.01~40m程度であることが好ましい。さらに、その好ましい下限値は、0.02m程度、0.05m程度、0.1m程度、0.3m程度、0.5m程度、2.0m程度とすることができる。一方、その好ましい上限値は、20m程度、10m程度、5m程度、1m程度、0.5m程度とすることができる。本実施形態の液滴吐出装置1の場合、膜面積の下限値は、0.01m程度が好ましく、0.02m程度がより好ましく、上限値は、2m程度が好ましく、0.5m程度がより好ましい。
ハウジング43は、筒状をなすハウジング本体45と、ハウジング本体45の一端側に装着される第1の蓋体46と、ハウジング本体45の他端側に装着される第2の蓋体47とを有している。
ハウジング本体45は、その内側に中空糸膜束42を同心的に配置することができる。本実施形態では、ハウジング本体45は、中空糸膜束42と同様の円筒状をなす。
また、ハウジング本体45の外周部には、チューブ134が接続される接続部48が突出形成されている。接続部48は、筒状をなし、ハウジング本体45内と連通している。接続部48の内周部には、雌ネジ481が形成されている。これにより、例えば、チューブ134が雌ネジ481と螺合する雄ネジを有する場合、接続部48とチューブ134との接続操作と接続解除操作とを容易かつ迅速に行うことができる。
第1の蓋体46は、内径及び外径が段階的に変化した円筒状をなしている。本実施形態では、第1の蓋体46は、小径部461と、テーパ部462と、大径部463とを有している。
小径部461は、第1の蓋体46の中で、外径及び内径が最も小さい部分である。この小径部461は、チューブ132が接続される接続部として機能する。小径部461の内周部には、雌ネジ461aが形成されている。これにより、例えば、チューブ132が雌ネジ461aと螺合する雄ネジを有する場合、小径部461とチューブ132との接続操作と接続解除操作とを容易かつ迅速に行うことができる。
テーパ部462は、外径及び内径が大径部463側に向かって漸増する部分である。
大径部463は、第1の蓋体46の中で、外径及び内径が最も大きい部分である。この大径部463は、ハウジング本体45にその外側から嵌合している。これにより、第1の蓋体46がハウジング本体45に装着されるとともに、これらの間が液密的に封止される。なお、液密性をより高める観点からは、第1の蓋体46とハウジング本体45との間にOリング(封止部材)を配置するようにしてもよい。
第2の蓋体47は、内径及び外径が段階的に変化した円筒状をなしている。本実施形態では、第2の蓋体47は、小径部471と、テーパ部472と、大径部473とを有している。
小径部471は、第2の蓋体47の中で、外径及び内径が最も小さい部分である。この小径部471は、チューブ133が接続される接続部として機能する。小径部471の内周部には、雌ネジ471aが形成されている。これにより、例えば、チューブ133が雌ネジ471aと螺合する雄ネジを有する場合、小径部471とチューブ133との接続操作と接続解除操作とを容易かつ迅速に行うことができる。
テーパ部472は、外径及び内径が大径部473側に向かって漸増する部分である。
大径部473は、第2の蓋体47の中で、外径及び内径が最も大きい部分である。この大径部473は、ハウジング本体45にその外側から嵌合している。これにより、第2の蓋体47がハウジング本体45に装着されるとともに、これらの間が液密的に封止される。なお、液密性をより高める観点からは、第2の蓋体47とハウジング本体45との間にOリング(封止部材)を配置するようにしてもよい。
ハウジング43(ハウジング本体45、第1の蓋体46及び第2の蓋体46)は、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等)、イミド系樹脂(ポリイミド、ポリアミドイミド)、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリ(4-メチルペンテン-1))のような樹脂材料、ステンレス鋼、チタンのような金属材料等が構成することができるが、フッ素系樹脂又はイミド系樹脂を含む材料で構成することが好ましく、フッ素系樹脂又はイミド系樹脂で構成されることがより好ましい。フッ素系樹脂又はイミド系樹脂を含む材料でハウジング43を構成することにより、ハウジング43との接触により液晶分子が劣化して、得られる液晶組成物40Cの電圧保持率が低下するのを抑制することができる。
なお、後述するように中空糸膜モジュール4が外部灌流型のモジュールである場合、ハウジング本体45及び液晶混合物40Aの導入側にある第1の蓋体46を少なくともフッ素系樹脂又はイミド系樹脂を含む材料で構成することが好ましい。外部灌流型のモジュールの場合、ハウジング本体45の他に第1の蓋体46も液晶混合物40Aと必然的に接触するからである。
一方、中空糸膜モジュールが内部灌流型のモジュールである場合、ハウジング本体45及び液晶混合物40Aの導入側にある第1の蓋体46及び液晶混合物40A(液晶組成物40C)の排出側にある第2の蓋体47の両方をフッ素系樹脂又はイミド系樹脂を含む材料で構成することが好ましい。内部灌流型のモジュールの場合、ハウジング本体45の他に第1の蓋体46及び第2の蓋体47も液晶混合物40Aと必然的に接触するからである。
ハウジング43内では、中空糸膜束42が固定部491及び固定部492を介して、固定されている。なお、固定部491及び固定部492は、それぞれ、例えば、フッ素系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、イミド系樹脂、紫外線硬化型樹脂、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン)等で構成することができる。中でも、固定部491及び固定部492は、中空糸膜41及びハウジング43と同様の材料、すなわちフッ素系樹脂又はイミド系樹脂で構成することが好ましい。固定部491及び固定部492との接触による液晶組成物40Cの電圧保持率の低下を抑制することができるからである。
固定部491は、第1の蓋体46側において中空糸膜束42とハウジング本体45との間に充填されており、中空糸膜束42をハウジング本体45に対して固定している。また、固定部491は、第1の蓋体46側において中空糸膜41同士の間にも充填されている。これにより、各中空糸膜41の位置ズレを防止することができる。また、固定部491は、第1の蓋体46側において各中空糸膜41の内部にも充填されている。これにより、各中空糸膜41の第1の蓋体46側を封止することができる。
固定部492は、第2の蓋体47側において中空糸膜束42とハウジング本体45との間に充填されており、中空糸膜束42をハウジング本体45に対して固定している。また、固定部492は、第2の蓋体47側において中空糸膜41同士の間にも充填されている。これにより、各中空糸膜41の位置ズレを防止することができる。また、固定部492は、固定部491と異なり、各中空糸膜41の内部には充填されていない。これにより、各中空糸膜41は、第2の蓋体47を介して、チューブ133と連通している。そして、チューブ133に接続された吸引部5を作動することにより、各中空糸膜41内を一括して吸引することができる。
支持体44は、管状をなし、中空糸膜束42に挿通されている。支持体44の管壁には、多数の貫通孔が形成されている。これにより、第1の蓋体46から流入する液晶混合物40Aは、各貫通孔を通過して、中空糸膜束42に向かうことができる。
本実施形態の中空糸膜モジュール4は、図9及び図10に示すように、液晶混合物40Aをハウジング43と中空糸膜束42とで画成された空間に通過させる外部灌流型のモジュールである。すなわち、中空糸膜モジュール4では、液晶混合物40Aは、第1の蓋体46、支持体44、支持体44の各貫通孔を順に通過して、その後、中空糸膜束42における中空糸膜41同士の間(各中空糸膜41の外側)を通過することができる。そして、液晶混合物40Aは、中空糸膜41同士の間を通過する過程で、後述のように不純物40Bが除去される。
中空糸膜モジュール4で不純物40Bが除去されるメカニズムは、以下の通りである。
不純物40Bを除去するのに際して、吸引部5を作動させる。これにより、中空糸膜モジュール4では、各中空糸膜41内が一括して吸引されて、減圧状態となる。
この状態で、中空糸膜41同士の間を通過する液晶混合物40Aが各中空糸膜41の外周面に接触すると、液晶混合物40A中に含まれる不純物40Bが、減圧状態にある各中空糸膜41の内側に引き込まれる。これにより、液晶混合物40Aから不純物40Bが除去される。液晶混合物40Aから不純物40Bが除去されることで得られた液晶組成物40Cは、接続部48を介して液滴吐出部6に移送され、液晶層40の形成に用いられる。液晶組成物40Cは、不純物40Bを含まないか或いは十分に低減されているため、アクティブマトリクス基板AM及びカラーフィルタ基板CFの表面に存在する有機部材に対する悪影響を防止又は抑制することができる。
中空糸膜モジュール4には、外部灌流型のモジュールに代えて、液晶混合物40Aを各中空糸膜41の内側に通過させる内部灌流型のモジュールを使用することもできる。
ただし、外部灌流型のモジュールは、液晶混合物40Aを通過させる際の圧力損失が少ない特徴がある。また、外部灌流型のモジュールでは、中空糸膜41の近傍が乱流域になるため、残留溶媒のような比較的除去し難い不純物40Bであっても効率よく除去することができる。さらに、外部灌流型のモジュールであれば、残留溶媒より除去し易い溶存ガスに対しても高い除去能を発揮する。
したがって、外部灌流型のモジュールは、小型化した場合でも、不純物40Bの十分な除去効率を維持することができる。このため、本実施形態のように小型化が求められる液滴吐出装置1に搭載するのに適している。
十分に不純物40Bが除去された液晶組成物40Cで構成された液晶層40は、経時的な性能劣化を抑制することができる。これにより、液晶表示素子10の高寿命化を図ることができる。
また、インクジェット方式で液晶組成物40Cを供給(付与)する場合、液晶組成物40Cの液滴DRが微小となるため、その分、不純物40Bが占める割合が多くなり、アクティブマトリクス基板AM及びカラーフィルタ基板CFの表面に存在する有機部材が不純物40Bに起因する悪影響を受け易くなる。しかしながら、液晶組成物40Cからは不純物40Bが十分に除去されているため、不純物40Bに起因する前記有機部材に対する悪影響が低減される。
除去すべき不純物40Bは、1気圧での沸点が210℃以下の化合物であることが好ましく、30℃以上180℃以下の化合物であることがより好ましく、40℃以上120℃以下の化合物であることがさらに好ましい。上記範囲の沸点を有する化合物は、アクティブマトリクス基板AM及びカラーフィルタ基板CFの表面に存在する有機部材に対して悪影響を及ぼし易い。このため、かかる化合物の液晶組成物40C中に含まれる量を十分に低減することは有効である。
かかる不純物40Bは、例えば、液晶分子を得る際(例えば、合成、再結晶、抽出、カラム処理等の際)に使用した溶剤(以下、「残留溶剤」とも言う。)を含む。残留溶剤の具体例としては、例えば、ジエチルエーテル(34.6℃)、メタノール(64.7℃)、エタノール(78.3℃)、アセトニトリル(82℃)、アセトン(56℃)、ジクロロメタン(40℃)、メチルエチルケトン(79.6℃)、n-ヘキサン(69℃)、酢酸エチル(77.1℃)、シクロヘキサン(80.7℃)、へプタン(98.4℃)、メチルシクロヘキサン(101℃)、トルエン(110.6℃)、N-メチル-2-ピロリドン(202℃)等が挙げられる。なお、各溶剤のカッコ内の温度は、1気圧での沸点を示す。
液晶組成物40C中に含まれる残留溶剤の量は、次のように調整することが好ましい。
すなわち、その好ましい上限値は、50ppm程度であり、30ppm程度であり、10ppm程度であり、5ppm程度であり、1ppm程度であり、0.5ppm程度である。残留溶剤の量が上記上限値以下である液晶組成物40Cを用いて、液晶表示素子10を製造することにより、残留溶剤による液晶表示素子10の性能の低下を抑制することができる。
かかる観点から、液晶組成物40C中に含まれる残留溶剤の量は、できる限り0ppmに近い方が好ましが、0ppmでなくてもよい。すなわち、その好ましい下限値は、0.01ppm程度であり、0.05ppm程度であり、0.1ppm程度である。残留溶剤の量を上記下限値未満としても、それ以上の効果の増大が期待できない。また、残留溶剤の量を上記下限値未満とするには、液晶混合物40Aを中空糸膜モジュール4に通過させる際の条件を過酷な条件(例えば、高い減圧状態)とする必要があるため、液晶分子の種類によっては、液晶組成物40Cの組成が若干変動するおそれがあるためである。
液晶組成物40C中に含まれる残留溶剤の量は、ガスクロマトグラフィを用いて簡便に測定することができる。ガスクロマトグラフィを用いた残留溶剤の量の測定の詳細については後述する実施例の項で説明する。
また、除去すべき不純物40Bには、溶存ガスも含まれる。液晶組成物40C中に含まれる溶存ガスの量が多いと、液晶組成物40Cを液滴DRとして吐出する場合、キャビティ62の容積変化の際に、液晶組成物40C内に気泡が発生し易くなる。気泡の発生は、ノズル孔611での液晶組成物40Cの吐出不良や、カラーフィルタ基板CF上への液滴DRの着弾ムラ等の不具合を発生させるおそれがある。かかる不具合が発生した場合、その都度、液滴吐出装置1を停止させなければならず、液滴吐出装置1の稼動率の低減が懸念される。しかしながら、中空糸膜モジュール4を用いれば、液晶組成物40C中の溶存ガスの量も好適に低減することができる。
また、液晶混合物40Aを中空糸膜モジュール4に通過させる際の流量は、装置の種類等に応じて適宜設定することができる。その好ましい下限値は、1mL/min程度であり、10mL/min程度であり、100mL/min程度であり、500mL/min程度である。一方、その好ましい上限値は、20000mL/min程度であり、5000mL/min程度であり、2000mL/min程度である。本実施形態の液滴吐出装置1の場合、流量は、1~5000mL/min程度が好ましく、10~2000mL/min程度がより好ましい。
さらに、吸引部5による吸引の程度(真空度)も、特に限定されないが、0.1kPa(abs)以上70kPa(abs)以下であることが好ましく、2.5kPa(abs)以上70kPa(abs)以下であることがより好ましい。上述した好ましい膜面積で作成した中空糸膜モジュール4を、上記流量及び真空度で操作することにより、不純物(特に残留溶剤)40Bを効率的に除去することが可能となる。
なお、液滴吐出装置1は、液晶混合物40Aの中空糸膜モジュール4への供給量を調整する調整部を有することが好ましい。
また、液滴吐出装置1では、不純物40Bは、中空糸膜41内、第2の蓋体47、チューブ133を順に通過して、吸引部5側で回収されることが好ましい。
(液晶表示素子の製造方法)
このような液滴吐出装置1の動作(使用方法)、すなわち液滴吐出装置1を用いた液晶表示素子10の製造方法について説明する。
<1> まず、複数種の液晶分子を混合して液晶混合物40Aを調製(準備)する。通常、液晶混合物40Aには、前述したような不純物40Bが混入(残留又は溶存)してしまう。すなわち、液晶混合物40Aは、液晶分子の他に不純物40Bも含む状態となっている。なお、液晶混合物40Aは、複数種の液晶分子が予め混合された市販品を使用するようにしてもよい。また、液晶混合物40Aの調製においては、例えば重合性化合物や配向助剤、その他添加剤等の任意成分が、複数種の液晶分子と共に混合されてもよい。
<2> 次に、液晶混合物40Aを貯留部2に収容し、貯留部2をフレーム12に装着する。また、縁部に沿ってシール材が閉ループ土手状に描画されたカラーフィルタ基板CF(基材)を支持部7に載置するとともに固定する。
<3> その後、液滴吐出装置1を作動させると、吸引部5による減圧動作が開始する。液晶混合物40Aはキャビティ62から消費された分、自重で温調部3から中空糸膜モジュール4に移送される。なお、液晶混合物40は、温調部3を通過する際に加温され、その粘度が低下する。
<4> 液晶混合物40Aは、中空糸膜モジュール4を通過する際に、不純物40Bが除去され、液晶組成物40Cが製造される。
かかる本工程<4>と上記工程<1>とにより、本発明の液晶組成物の製造方法を実行することができる。
<5> 次に、液晶組成物40Cは、液滴吐出部6に移送される。その後、液晶組成物40Cは、液滴吐出部6から液滴DRとしてカラーフィルタ基板CF(各セルCL)上に吐出される。これにより、カラーフィルタ基板CF上に液晶組成物40Cによる被膜が形成され、被膜付のカラーフィルタ基板(膜付基材)が得られる。
かかる本工程<5>と上記工程<1>及び<4>とにより、本発明の膜付基材の製造方法を実行することができる。
<6> 次に、カラーフィルタ基板CFにアクティブマトリクス基板AMを重ね合わせる。これにより、液晶組成物40Cが一対の基板AM、CFで挟持されて、液晶層40が形成される。なお、アクティブマトリクス基板AMを重ねる作業は、自動化されているのが好ましいが、手作業で行われてもよい。
<7> その後、加熱及び紫外線照射のうちの少なくとも一方によりシール材を硬化させる。これにより、液晶液晶表示素子10を得ることができる。
なお、カラーフィルタ基板CFに代えて、アクティブマトリクス基板AM上に液滴DRを吐出するようにしてもよい。また、液滴吐出部6には、インクジェット方式に代えて、バブルジェット方式を採用してもよい。
また、供給部は、液滴吐出部6に代えて、ディスペンサー、ノズル等で構成してもよい。この場合、真空注入法を用いて液晶組成物40Cを供給することができる。例えば、真空注入法では、まず、アクティブマトリクス基板AM及びカラーフィルタ基板CFの少なくとも一方の縁部に沿って、注入口を残すようにしてシール材をスクリーン印刷する。その後、2つの基板AM、CFを貼り合わせ、加熱及び紫外線照射のうちの少なくとも一方によりシール材を硬化させる。次に、液晶組成物を真空下で注入口を介して、2つの基板AM、CFの間のシール材で区画された空間内に注入した後、注入口を封止する。
さらに、貯留部2には、液晶組成物40Cを貯留するようにしてもよい。この場合、中空糸膜モジュール4は、例えば、フレーム12に配置することができる。
(液晶組成物)
液晶層40を形成するのに用いる液晶組成物40C(液晶混合物40A)は、複数種の液晶分子を含有する。なお、液晶組成物40Cの組成(液晶分子及びその他の化合物)は、不純物が除去される点を除き、液晶混合物40Aの組成(液晶分子及びその他の化合物)と、通常、同じである。
本発明における液晶組成物は、誘電率異方性(Δε)の値が負のいわゆるn型液晶組成物であってもよく、Δεの値が正のいわゆるp型液晶組成物であってもよく、用途に応じて選択することが出来る。n型液晶組成物は、少なくとも負の誘電率異方性を有する液晶分子を1種類又は2種類以上含有する。また、p型液晶組成物は、少なくとも正の誘電率異方性を有する液晶分子を1種類又は2種類以上含有する。
<負の誘電率異方性を有する液晶分子>
負の誘電率異方性を有する液晶分子とは、Δεの符号が負で、その絶対値が2より大きい値を示す化合物をいう。なお、化合物のΔεは、20℃において誘電的にほぼ中性の組成物に該化合物を添加した組成物の誘電率異方性の測定値から外挿した値である。また「誘電的にほぼ中性の組成物」とは、20℃においてΔεが-2以上かつ+2以下の組成物をいう。
負の誘電率異方性を有する液晶分子は、特に限定されないが、本発明における液晶組成物は、負の誘電率異方性を有する液晶分子として、例えば一般式(N-01)、(N-02)、(N-03)、(N-04)及び(N-05)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
Figure 0007228090000001
(式中、R21及びR22は、それぞれ独立して、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、炭素原子数2~8のアルケニル基、炭素原子数2~8のアルケニルオキシ基を表し、Zは、それぞれ独立して、単結合、-CHCH-、-OCH-又は-CHO-を表し、mは、それぞれ独立して、1又は2を表す。)
上記式(N-01)から(N-05)中、R21は、炭素原子数1~8のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基であることがより好ましく、炭素原子数2~4のアルキル基であることが更に好ましい。但し、Zが単結合以外を表す場合は、R21は、炭素原子数1~3のアルキル基であることが好ましい。
上記式(N-01)から(N-05)中、R22は、炭素原子数1~8のアルキル基又は炭素原子数1~8のアルコキシ基であることが好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数1~4のアルコキシ基であることがより好ましく、炭素原子数1~4のアルコキシ基であることが更に好ましい。
上記式(N-01)から(N-05)中、R21及びR22がアルケニル基である場合は、R21及びR22は、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基であることが好ましく、式(R1)又は式(R2)で表される基であることが更に好ましい。
Figure 0007228090000002
(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)
上記式(N-01)から(N-05)中、Zは、それぞれ独立して、単結合、-CHCH-又は-CHO-であることが好ましい。中でもmが1のとき、Zは単結合であることが好ましく、mが2のとき、Zは-CHCH-又は-CHO-であることが好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(N-01)で表される化合物として、一般式(N-01-1)、一般式(N-01-2)、一般式(N-01-3)及び一般式(N-01-4)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
Figure 0007228090000003
(式中、R21は、それぞれ独立して、炭素原子数1~5のアルキル基を表し、R23は、それぞれ独立して、炭素原子数1~4のアルコキシ基を表す。)
本発明における液晶組成物は、一般式(N-01-1)で表される化合物を含有することが特に好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(N-01-4)で表される化合物を含有することが特に好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(N-02)で表される化合物として、一般式(N-02-1)、一般式(N-02-2)、及び一般式(N-02-3)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
Figure 0007228090000004
(式中、R21は、それぞれ独立して、炭素原子数1~5のアルキル基を表し、R23は、それぞれ独立して、炭素原子数1~4のアルコキシ基を表す。)
本発明における液晶組成物は、一般式(N-02-1)で表される化合物を含有することが特に好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(N-03)で表される化合物として、一般式(N-03-1)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
Figure 0007228090000005
(式中、R21は、炭素原子数1~5のアルキル基を表し、R23は、炭素原子数1~4のアルコキシ基を表す。)
本発明における液晶組成物は、一般式(N-03-1)で表される化合物及び一般式(N-02-1)で表される化合物を含有することが好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(N-03-1)で表される化合物及び一般式(N-01-4)で表される化合物及び一般式(N-02-1)で表される化合物を含有することが好ましい。
本発明における液晶組成物は、一般式(N-04)で表される化合物として、一般式(N-04-1)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
Figure 0007228090000006
(式中、R21は、炭素原子数1~5のアルキル基を表し、R23は、炭素原子数1~4のアルコキシ基を表す。)
本発明における液晶組成物は、一般式(N-05)で表される化合物として、式(N-05-1)から式(N-05-3)で表される化合物群から選ばれる化合物を含有することが好ましい。
Figure 0007228090000007
本発明における液晶組成物の総量に対して、一般式(N-01)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0質量%であり、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。また、好ましい含有量の上限値は、95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%である。
本発明における液晶組成物の総量に対して、一般式(N-02)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0質量%であり、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。また、好ましい含有量の上限値は、95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%である。
本発明における液晶組成物の総量に対して、一般式(N-03)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0質量%であり、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。また、好ましい含有量の上限値は、95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%である。
本発明における液晶組成物の総量に対して、一般式(N-04)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0質量%であり、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。また、好ましい含有量の上限値は、95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%である。
本発明における液晶組成物の総量に対して、式(N-05)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。また、好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
<正の誘電率異方性を有する液晶分子>
正の誘電率異方性を有する液晶分子とは、Δεの符号が正で、その絶対値が2より大きい値を示す化合物をいう。なお、化合物のΔεは、20℃において誘電的にほぼ中性の組成物に該化合物を添加した組成物の誘電率異方性の測定値から外挿した値である。また、「誘電的にほぼ中性の組成物」とは、20℃においてΔεが-2以上かつ+2以下の組成物をいう。
正の誘電率異方性を有する液晶分子は、特に限定されないが、本発明における液晶組成物は、正の誘電率異方性を有する液晶分子として、例えば一般式(M-01)及び(M-02)で表される群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
Figure 0007228090000008
(式中、R31はそれぞれ独立して炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、炭素原子数2~8のアルケニル基、炭素原子数2~8のアルケニルオキシ基を表し、nは、それぞれ独立して、1、2又は3を表し、環Aは、複数存在する場合はそれぞれ独立して、
Figure 0007228090000009
で表される構造を表し、Xは、―CN、―F、―CF又は―OCFを表す。)
上記式(M-01)及び(M-02)中、R31は、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基又は炭素原子数2~8のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~5のアルコキシ基又は炭素原子数2~5のアルケニル基であることがより好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基であることが特に好ましい。
また、R31がアルケニル基である場合は、R31は式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基であることが更に好ましい。
Figure 0007228090000010
(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)
本発明における液晶組成物は、一般式(M-01)で表される化合物として、一般式(M-01-1)、一般式(M-01-2)、一般式(M-01-3)、一般式(M-01-4)、一般式(M-01-5)、一般式(M-01-6)及び一般式(M-01-7)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
Figure 0007228090000011
(式中、R31は、それぞれ独立して、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基を表す。)
本発明における液晶組成物は、一般式(M-01-1)、一般式(M-01-2)及び一般式(M-01-3)で表される群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有することが特に好ましい。
また、本発明における液晶組成物は、一般式(M-02)で表される化合物として、一般式(M-02-1)、一般式(M-02-2)、一般式(M-02-3)、一般式(M-02-4)、一般式(M-02-5)、及び一般式(M-02-6)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
Figure 0007228090000012
(式中、R31は、それぞれ独立して、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数2~5のアルケニル基を表す。)
本発明における液晶組成物は、一般式(M-02-1)、一般式(M-02-2)、一般式(M-02-3)及び一般式(M-02-4)で表される群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有することが特に好ましい。
本発明における液晶組成物の総量に対して、一般式(M-01)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0質量%であり、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。また、好ましい含有量の上限値は、95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%である。
本発明における液晶組成物の総量に対して、一般式(M-02)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、0質量%であり、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。また、好ましい含有量の上限値は、95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%である。
<誘電的に中性の液晶分子>
本発明における液晶組成物は、誘電的に中性の液晶分子を1種類又は2種類以上、更に含有する。「誘電的に中性の液晶分子」とは、20℃においてΔεが-2以上かつ+2以下の化合物をいう。
本発明における液晶組成物は、誘電的に中性の液晶分子として、一般式(NU-01)から一般式(NU-08)で表される化合物群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上、更に含有することが好ましい。
Figure 0007228090000013
(式中、RNU11、RNU12、RNU21、RNU22、RNU31、RNU32、RNU41、RNU42、RNU51、RNU52、RNU61、RNU62、RNU71、RNU72、RNU81及びRNU82は、それぞれ独立して、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、炭素原子数2~8のアルケニル基又は炭素原子数2~8のアルケニルオキシ基を表す。)
中でも、RNU11、RNU12、RNU21、RNU22、RNU31、RNU32、RNU41、RNU42、RNU51、RNU52、RNU61、RNU62、RNU71、RNU72、RNU81及びRNU82は、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数1~5のアルコキシ基であることが好ましく、炭素原子数1~5のアルキル基であることが更に好ましい。
更に詳述すると、RNU11、RNU21、RNU31、RNU41、RNU51、RNU61、RNU71、RNU81は、炭素原子数1~5のアルキル基であることが特に好ましく、RNU12、RNU22、RNU32、RNU42、RNU52、RNU62、RNU72及びRNU82は、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数1~5のアルコキシ基であることが特に好ましい。
また、応答速度を重視する場合には、少なくとも1個のRNU11、RNU21、RNU41及びRNU51は、炭素原子数2~3のアルケニル基であることが好ましく、上述した式(R2)で表されるアルケニル基であることがより好ましい。
本発明における液晶組成物が一般式(NU-01)で表される化合物を含む場合、液晶組成物の総量に対する一般式(NU-01)で表される化合物の含有量は、1質量%以上60質量%以下であることが好ましく、10質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上40質量%以下であることが更に好ましい。
本発明における液晶組成物が一般式(NU-02)で表される化合物を含む場合、液晶組成物の総量に対する一般式(NU-02)で表される化合物の含有量は、1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、5質量%以上25質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上20質量%以下であることが更に好ましい。
本発明における液晶組成物が一般式(NU-03)で表される化合物を含む場合、液晶組成物の総量に対する一般式(NU-03)で表される化合物の含有量は、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上10質量%以下であることが更に好ましい。
本発明における液晶組成物が一般式(NU-04)で表される化合物を含む場合、液晶組成物の総量に対する一般式(NU-04)で表される化合物の含有量は、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上10質量%以下であることが更に好ましい。
本発明における液晶組成物が一般式(NU-05)で表される化合物を含む場合、液晶組成物の総量に対する一般式(NU-05)で表される化合物の含有量は、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上20質量%以下であることが更に好ましい。
本発明における液晶組成物が一般式(NU-06)で表される化合物を含む場合、液晶組成物の総量に対する一般式(NU-06)で表される化合物の含有量は、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上10質量%以下であることが更に好ましい。
本発明における液晶組成物が一般式(NU-07)で表される化合物を含む場合、液晶組成物の総量に対する一般式(NU-07)で表される化合物の含有量は、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上10質量%以下であることが更に好ましい。
本発明における液晶組成物が一般式(NU-08)で表される化合物を含む場合、液晶組成物の総量に対する一般式(NU-08)で表される化合物の含有量は、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上10質量%以下であることが更に好ましい。
また、本発明における液晶組成物は、分子量250以下の誘電的に中性の液晶分子(以下、低分子量の液晶分子と称する場合がある。)を含むことが好ましく、その場合の該液晶組成物中の該低分子量の液晶分子の含有量の下限は、1質量%とすることができ、好ましくは3質量%、より好ましくは5質量%である。一方、上記含有量の上限は40質量%とすることができ、好ましくは30質量%、より好ましくは20質量%、さらに好ましくは10質量%である。低分子量の液晶分子は一般に真空下で揮発しやすいため、中空糸膜モジュール4内において液晶混合物40Aに含まれる低分子量の液晶分子が揮発する虞があるところ、中空糸膜モジュール4から排出された液晶組成物40Cにおいて、低分子量の液晶分子が上記の範囲で含まれることで、所望の物性を示す液晶組成物40Cを得ることができる。
上記低分子量の液晶分子としては、例えば、下記式(L-1-2.2)、(L-1-3.0)、(L-1-3.1)、(L-2.3)、(L-2.4)及び(L-3.1)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上挙げることができる。
Figure 0007228090000014
<重合性化合物>
本発明における液晶組成物は、上述の液晶分子の他に、重合性化合物を1種類又は2種類以上含有しても良い。重合性化合物を含む液晶組成物は、重合性化合物の重合により良好な配向状態が得られるため、PSA型、PSVA型、NPS型の液晶表示素子10を作製する場合や、配向膜を有さないことを特徴とするPI-less型の液晶表示素子10を作製する場合に好適に用いることができるからである。
重合性化合物としては、例えば下記一般式(RM)または一般式(RM-13)で表される化合物からなる群から選択される化合物が挙げられる。
Figure 0007228090000015
(式中、R101、R102、R103、R104、R105、R106、R107及びR108は、それぞれ独立して、P13-S13-、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1~18のアルキル基、フッ素原子に置換されてもよい炭素原子数1~18のアルコキシ基、フッ素原子又は水素原子のいずれかを表し、P11、P12及びP13は、それぞれ独立して、式(Re-1)から式(Re-9)
Figure 0007228090000016
(式中、R11、R12、R13、R14及びR15は、それぞれ独立して、炭素原子数1~5のアルキル基、フッ素原子又は水素原子のいずれかを表し、mr5、mr7、nr5及びnr7は、それぞれ独立して、0、1、又は2を表すが、mr5、mr7、nr5及び/又はnr7が0を表す場合には単結合を表す。)
で表される重合性基を表し、S11、S12及びS13は、それぞれ独立して、単結合又は炭素原子数1~15のアルキレン基を表し、該アルキレン基中の1個の-CH-又は隣接していない2個以上の-CH-は、-O-、-OCO-又は-COO-で置換されても良く、P13及びS13が複数存在する場合は、それぞれ、同一であっても異なっていても良い。)
Figure 0007228090000017
(式中、P及びPは、それぞれ独立して、式(PG-1)から式(PG-5)
Figure 0007228090000018
で表される重合性基を表し、Sは、単結合又は炭素原子数1~5のアルキレン基を表し、YからY12はそれぞれ独立してフッ素又は水素原子を表すが、少なくとも一つはフッ素原子を表す。)
本発明における液晶組成物中の、一般式(RM)または一般式(RM-13)で表される重合性化合物の含有量は、0.1質量%以上0.6質量%以下の範囲で調整することが好ましい。
<配向助剤>
本発明における液晶組成物がn型の場合、該液晶組成物は、配向助剤を1種類又は2種類以上含有しても良い。配向助剤とは、液晶分子を自発的に配向させる機能を有する化合物である。配向助剤を含むn型液晶組成物は、配向膜がなくても液晶分子が配向可能となるため、対向する一対の基板の少なくとも一方がポリイミド配向膜等の配向膜を有さない液晶表示素子(PI-less型の液晶表示素子)10を製造することができる。
ここで配向助剤が液晶分子を自発的に配向させる機能を有するとは、配向助剤(自発配向性化合物)が、液晶組成物40Cにより構成される液晶層40と直接当接する部材(電極(例えば、ITO)、基板(例えば、ガラス基板、アクリル基板、透明基板、フレキシブル基板等)、樹脂層(例えば、カラーフィルタ、配向膜、オーバーコート層等)、絶縁膜(例えば、無機材料膜、SiNx等))に対して相互作用し、液晶層40に含まれる液晶分子のホメオトロピック配向を誘起する機能を有することをいう。
配向助剤は、重合するための重合性基と、液晶分子と類似するメソゲン基と、液晶層40と直接当接する部材と相互作用可能な吸着基(極性基)と、液晶分子の配向を誘起する配向誘導基と、を有することが好ましい。
吸着基及び配向誘導基はメソゲン基に対して結合していることが好ましい。また、重合性基はメソゲン基、吸着基及び配向誘導基に直接又は必要に応じスペーサー基を介して置換していることが好ましい。
配向助剤中の配向誘導基は、液晶分子の配向を誘導する機能を有する。配向誘導基としては、たとえば下記一般式(AK)で表される基が挙げられる。
Figure 0007228090000019
(式(AK)中、RAK1は、直鎖状若しくは分岐状の炭素原子数1~20のアルキル基を表す。ただし、アルキル基中の1個又は2個以上の-CH-は、酸素原子が直接結合することなく、それぞれ独立して、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-で置換されてもよく、アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲノ基で置換されてもよい。式中の*は結合手を表す。)。
配向助剤中の重合性基は、PAP1-SpAP1-で表されることが好ましい。PAP1は、下記一般式(AP-1)から一般式(AP-9)で表される群より選ばれる基であることが好ましい。
Figure 0007228090000020
(式中、RAP1及びRAP2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数1~10のハロゲン化アルキル基を表す。ただし、アルキル基中の1個又は2個以上の-CH-は、-O-又は-CO-で置換されてもよく、アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲン原子又は水酸基で置換されてもよい。WAP1は、単結合、-O-、-COO-又は-CH-を表す。tAP1は、0、1又は2を表す。式中の*は結合手を表す。)
また、PAP1-SpAP1-で表される重合性基中、SpAP1は、単結合又は直鎖状若しくは分岐状の炭素原子数1~20のアルキレン基を表すことが好ましく、単結合又は直鎖状の炭素原子数1~20のアルキレン基を表すことがより好ましく、単結合又は直鎖状の炭素原子数2~10のアルキレン基を表すことがさらに好ましい。
また、SpAP1において、アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の-CH-は、それぞれ独立して、-CH=CH-、-C≡C-、-O-、-CO-、-COO-又は-OCO-で置換されてもよい。
配向助剤において、重合性基(PAP1-SpAP1-)の数は、1以上5以下であることが好ましく、1以上4以下であることがより好ましく、2以上4以下であることがさらに好ましく、2又は3であることが特に好ましく、2であることが最も好ましい。
AP1-SpAP1-中の水素原子は、重合性基、吸着基及び/又は配向誘導基で置換されてもよい。重合性基(PAP1-SpAP1-)は、重合性基、メソゲン基、吸着基及び/又は配向誘導基に対して結合してもよい。また、重合性基(PAP1-SpAP1-)は、メソゲン基、吸着基又は配向誘導基に対して結合することが好ましく、メソゲン基又は吸着基に対して結合することがより好ましい。なお、分子内にPAP1及び/又はSpAP1-が複数存在する場合に、それぞれ互いに同一であっても異なってもよい。
配向助剤中のメソゲン基は、剛直な部分を備えた基、例えば環式基を1つ以上備えた基をいい、環式基を2個~4個を備えた基であることが好ましく、環式基を3個~4個を備えた基であることがより好ましい。なお、必要に応じて、環式基は、連結基で連結されてもよい。メソゲン基は、液晶層に使用される液晶分子(液晶化合物)と類似の骨格を有することが好ましい。
なお、「環式基」とは、構成する原子が環状に結合した原子団のことをいい、炭素環、複素環、飽和又は不飽和環式構造、単環、2環式構造、多環式構造、芳香族、非芳香族などを含む。
また、環式基は、少なくとも1つのヘテロ原子を含んでもよく、さらに、少なくとも1つの置換基(ハロゲノ基、重合性基、有機基(アルキル基、アルコキシ基、アリール基等)で置換されてもよい。環式基が単環である場合には、メソゲン基は、2個以上の単環を含んでいることが好ましい。
上記メソゲン基は、例えば、一般式(AL)で表されることが好ましい。
Figure 0007228090000021
(式(AL)中、ZAL1は、単結合、-CH=CH-、-CF=CF-、-C≡C-、-COO-、-OCO-、-OCOO-、-CFO-、-OCF-、-CH=CHCOO-、-OCOCH=CH-、-CH-CHCOO-、-OCOCH-CH-、-CH=C(CH)COO-、-OCOC(CH)=CH-、-CH-CH(CH)COO-、-OCOCH(CH)-CH-、-OCHCHO-又は炭素原子数1~20のアルキレン基を表す。ただし、アルキレン基中の1個又は隣接しない2個以上の-CH-は、-O-、-COO-又は-OCO-で置換されてもよい。AAL1及びAAL2は、それぞれ独立して、2価の環式基を表す。ZAL1、AAL1及びAAL2中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立して、ハロゲノ基、吸着基、PAP1-SpAP1-又は1価の有機基で置換されてもよく、分子内にZAL1及びAAL1が複数存在する場合に、それぞれ互いに同一であっても異なってもよい。mAL1は、1~5の整数を表す。式中の*は結合手を表す。)
配向助剤中の吸着基は、基板、膜、電極など液晶組成物と当接する層である吸着媒と吸着する役割を備えた基である。吸着は、吸着媒と吸着質との間で化学結合(共有結合、イオン結合又は金属結合)が形成されることにより吸着する化学吸着であってもよく、化学吸着以外の物理吸着であってもよいが、物理吸着であることが好ましい。吸着基としては、例えば下記一般式(AT)で表される基が挙げられる。
Figure 0007228090000022
(式(AT)中、SpAT1は、単結合、炭素原子数1~25の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を表す。ただし、アルキレン基中の水素原子は、-OH、-CN、-WAT1-ZAT1又はPAP1-SpAP1-で置換されてもよく、アルキレン基中の-CH-は、酸素原子が直接結合しないように環式基、-O-、-COO-、-C(=O)-、-OCO-、-CH=CH-又は-OCO-COO-で置換されてもよい。ZAT1は、極性要素を含む1価の基を表す。ただし、ZAT1中の水素原子は、-OH、-CN、-SpAT1-WAT1-ZAT1又はPAP1-SpAP1-で置換されてもよい。WAT1は、単結合又は下記一般式(WAT1)又は(WAT2)
Figure 0007228090000023
(式(WAT1)及び(WAT2)中、SpWAT1及びSpWAT2は、それぞれ独立して、単結合、炭素原子数1~25の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を表し、アルキレン基中の水素原子は、-OH、-CN、-SpAT1-WAT1-ZAT1又はPAP1-SpAP1-で置換されてもよく、アルキレン基中の-CH-は、酸素原子が直接結合しないように環式基、-O-、-COO-、-C(=O)-、-OCO-又は-CH=CH-で置換されてもよい。式中の*は結合手を表す。)を表す。なお、式(AT)中の*は結合手を表す。)
本発明における液晶組成物中に含まれる配向助剤の量は、0.01質量%以上50質量%以下程度であることが好ましい。液晶組成物中の配向助剤の含有量のより好ましい下限値は、液晶分子を更に好適に配向させる観点から、0.05質量%であり、0.1質量%である。また、より好ましい上限値は、応答特性を改善する観点から、30質量%であり、10質量%であり、7質量%であり、5質量%であり、4質量%であり、3質量%である。
<酸化防止剤>
本発明における液晶組成物は、酸化防止剤を1種類又は2種類以上含むことが好ましく、中でもヒンダードフェノール系の酸化防止剤を含むことが好ましい。酸化防止剤としては、一般式(H-1)から一般式(H-4)で表される酸化防止剤からなる群から選択される1種類又は2種類以上であることが好ましい。
Figure 0007228090000024
(式中、RH1は、それぞれ独立して、炭素原子数3~7のアルキル基を表し、MH1は炭素原子数4~10のアルキレン基(該アルキレン基中の1つ又は2つ以上の-CH-は、酸素原子が直接隣接しないように、-COO-又は-OCO-に置換されていても良い。)、単結合、1,4-フェニレン基(1,4-フェニレン基中の任意の水素原子はフッ素原子により置換されていても良い。)又はトランス-1,4-シクロヘキシレン基を表す。)
更に具体的には、一般式(H-1)のRH1は、炭素原子数7のアルキル基を表すことが好ましい。一般式(H-2)のRH1は、炭素原子数3のアルキル基を表すことが好ましい。一般式(H-3)のRH1は、炭素原子数3のアルキル基を表すことが好ましい。
また、一般式(H-4)中、MH1は、MH1は炭素原子数4~8のアルキレン基であることが好ましい。
本発明における液晶組成物中、酸化防止剤の含有量の下限は10質量ppmであることが好ましく、20質量ppmであることが好ましく、50質量ppmであることが好ましい。また、上記含有量の上限は10000質量ppmであることが好ましく、1000質量ppmであることが好ましく、500質量ppmであることが好ましく、100質量ppmであることが好ましい。
<その他の化合物>
本発明における液晶組成物は、上述の化合物以外に、通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、紫外線吸収剤、光安定剤、赤外線吸収剤等を含有しても良い。
<その他>
本発明における液晶組成物40Cは、一般式(N-01)から(N-05)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上と、一般式(NU-01)から(NU-08)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上と、を少なくとも含んでいてもよい。上記液晶組成物の総量に対する一般式(N-01)から(N-05)で表される化合物及び一般式(NU-01)から(NU-08)で表される化合物の総含有量の好ましい下限値は、80質量%であり、85質量%であり、88質量%であり、90質量%であり、92質量%であり、93質量%であり、94質量%であり、95質量%であり、96質量%であり、97質量%であり、98質量%であり、99質量%であり、100質量%である。好ましい総含有量の上限値は、100質量%であり、99質量%であり、98質量%であり、95質量%である。
また、本発明における液晶組成物は、一般式(M-01)から(M-02)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上と、一般式(NU-01)から(NU-08)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上と、を少なくとも含んでいてもよい。上記液晶組成物の総量に対する一般式(M-01)から(M-02)で表される化合物及び一般式(NU-01)から(NU-08)で表される化合物の総含有量の好ましい下限値は、80質量%であり、85質量%であり、88質量%であり、90質量%であり、92質量%であり、93質量%であり、94質量%であり、95質量%であり、96質量%であり、97質量%であり、98質量%であり、99質量%であり、100質量%である。好ましい総含有量の上限値は、100質量%であり、99質量%であり、98質量%であり、95質量%である。
さらに、本発明における液晶組成物は、一般式(N-01)から(N-05)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上と、一般式(M-01)から(M-02)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上と、一般式(NU-01)から(NU-08)で表される化合物からなる群から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上と、を少なくとも含んでいてもよい。上記液晶組成物の総量に対する一般式(N-01)から(N-05)で表される化合物と、一般式(M-01)から(M-02)で表される化合物と、一般式(NU-01)から(NU-08)で表される化合物と、の総含有量の好ましい下限値は、80質量%であり、85質量%であり、88質量%であり、90質量%であり、92質量%であり、93質量%であり、94質量%であり、95質量%であり、96質量%であり、97質量%であり、98質量%であり、99質量%であり、100質量%である。好ましい総含有量の上限値は、100質量%であり、99質量%であり、98質量%であり、95質量%である。
本発明における液晶組成物は、ネマチック相-等方性液体相転移温度(TNI)が60℃以上120℃以下であることが好ましく、70℃以上100℃以下であることがより好ましく、70℃以上85℃以下であることが特に好ましい。なお、本発明においては、60℃以上をTNIが高いと表現している。液晶テレビ用途の場合、TNIは70℃以上80℃以下であることが好ましく、モバイル用途の場合、TNIは80℃以上90℃以下であることが好ましく、PID(Public Information Display)等の屋外表示用途の場合、TNIは90℃以上110℃以下であることが好ましい。
本発明における液晶組成物は、20℃における屈折率異方性(Δn)が0.08以上0.14以下であることが好ましく、0.09以上0.13以下であることがさらに好ましく、0.09以上0.12以下であることがより好ましく、0.098以上0.118以下であることが特に好ましい。更に詳述すると、薄いセルギャップに対応する場合は、20℃における屈折率異方性(Δn)が0.10以上0.13であることが好ましく、一方、厚いセルギャップに対応する場合は、20℃における屈折率異方性(Δn)が0.08以上0.10以下であることが好ましい。
本発明における液晶組成物がn型の場合、該液晶組成物は、20℃における回転粘性(γ)が50Pa・s以上160mPa・s以下であることが好ましく、55Pa・s以上160mPa・s以下であることが好ましく、60Pa・s以上160mPa・s以下であることが好ましく、80Pa・s以上150mPa・s以下であることが好ましく、90Pa・s以上140mPa・s以下であることが好ましく、90Pa・s以上130mPa・s以下であることが好ましく、90Pa・s以上115mPa・s以下であることが好ましい。
本発明における液晶組成物がn型の場合、該液晶組成物は、20℃における誘電率異方性(Δε)が-1.7以上-4.0以下であることが好ましく、-2.5以上-3.8以下がさらに好ましく、-2.6以上-3.7以下がより好ましく、-2.7以上-3.6以下が特に好ましい。
一方、本発明における液晶組成物がp型の場合、該液晶組成物は、20℃における回転粘性(γ)が40Pa・s以上140mPa・s以下であるが、40Pa・s以上130mPa・s以下であることが好ましく、40Pa・s以上120mPa・s以下であることが好ましく、50Pa・s以上110mPa・s以下であることが好ましく、50Pa・s以上100mPa・s以下であることが好ましく、60Pa・s以上100mPa・s以下であることが好ましく、60mPa・s以上90mPa・s以下であることが好ましい。
また、本発明における液晶組成物がp型の場合、該液晶組成物は、20℃における誘電率異方性(Δε)が2.5以上20.0以下であるが、2.5以上16.0以下であることが好ましく、3.0以上14.0以下であることがより好ましく、4.0以上12.0以下であることがより更に好ましく、5.0以上10.0以下であることが特に好ましい。
以上、本発明の液晶組成物の製造方法、膜付基材の製造方法、液晶表示素子の製造方法及び供給装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、本発明の供給装置は、その一部の構成を同様の機能を発揮する他の構成と置換してもよく、任意の構成を追加してもよい。また、本発明の液晶組成物の製造方法、膜付基材の製造方法及び液晶表示素子の製造方法は、任意の目的を有する追加の工程を有してもよく、同様の作用・効果が得られる任意の工程と置換されてもよい。
また、液晶組成物を供給する基材は、板状の基材である基板に限らず、如何なる形状の基材であってもよい。
また、本発明の供給装置は、液滴吐出装置1のみならず、液晶混合物40Aから不純物40Bを除去(例えば、脱気、脱溶剤等)する液晶混合物40Aの精製装置として使用することもできる。かかる精製装置は、少なくとも中空糸膜モジュール4を有していればよく、例えば液滴吐出部6及び支持部7を有さない以外は、液滴吐出装置1と同様の構成とすることができる。また、本発明の供給装置は、その種類に因らず、通常、中空糸膜モジュール4内を所望の真空度にするための真空ポンプを備える。
なお、かかる精製装置の場合、中空糸膜束42の膜面積の下限値は、1m程度が好ましく、上限値は、40m程度が好ましく、20m程度がより好ましい。また、液晶混合物40Aを中空糸膜モジュール4に通過させる際の流量は、100~20000mL/min程度が好ましく、500~5000mL/min程度がより好ましい。
また、膜付基材は、液晶層40を備える基材であり、かかる膜付基材としては、液晶表示素子の構成部材の他に、例えば投射型表示装置の液晶ライトバルブの構成部材、FPRフィルム等の光学フィルムの構成部材、真正性識別体等のセキュリティフィルムの構成部材、スマートガラスやアンテナ等の構成部材等が挙げられる。
さらに、液晶層40を形成する基材(膜付基材を作製するために使用する基材)としては、アクティブマトリクス基板AM及びカラーフィルタ基板CFに限らず、液晶層40(液晶組成物40C)と直接当接する基材が挙げられる。かかる基材としては、例えば、ITO電極のような電極、ガラス基板、アクリル(樹脂製)基板、透明基板、フレキシブル基板のような基板、カラーフィルタ、オーバーコート層のような樹脂層、無機膜(SiNx)のような絶縁膜等が挙げられる。なお、膜付基材の基材は、通常、液晶層に固定されるが、液晶層から剥離可能であってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例において液晶分子の記載について以下の略号を用いる。
(環構造)
Figure 0007228090000025
(側鎖構造及び連結構造)
Figure 0007228090000026
表2~表4中の各記号は、以下の意味を表す。
:20℃における容量閾電圧[V]
:20℃及び589nmにおける異常光屈折率
:20℃及び589nmにおける常光屈折率
Δn:20℃及び589nmにおける光学的異方性
ε:20℃及び1kHzにおけるダイレクターに垂直な誘電率
ε:20℃及び1kHzにおけるダイレクターに平行な誘電率
Δε:20℃及び1kHzにおける誘電異方性
cl.p.、T(N,I):透明点[℃]
γ:20℃における回転粘度[mPa・s]。磁界中で回転法で決定される。
:20℃における「スプレイ(splay)」変形に対する弾性定数[pN]
:20℃における「ベンド(bend)」変形に対する弾性定数[pN]
LTS:低温安定性(ネマチック相)。試験用セル中で決定される。
HR20:20℃における電圧保持率[%]
HR100:100℃における電圧保持率[%]
1.液晶混合物の調製
(液晶混合物1)
以下の表2に示すように、液晶分子を混合して、液晶混合物1を調製した。
Figure 0007228090000027
(液晶混合物2)
以下の表3に示すように、液晶分子を混合して、液晶混合物2を調製した。
Figure 0007228090000028
(液晶混合物3)
以下の表4に示すように、液晶分子を混合して、液晶混合物3を調製した。
Figure 0007228090000029
(液晶混合物4)
液晶混合物1に0.3質量%の重合性化合物(ビフェニル4,4’-ジメタクリレート)を添加することにより、液晶混合物4を調製した。
(液晶混合物5)
液晶混合物2に0.3質量%の重合性化合物(ビフェニル4,4’-ジメタクリレート)を添加することにより、液晶混合物5を調製した。
なお、各液晶混合物中に含まれる残留溶剤の量は、約20ppmであった。
1.基板上への被膜の形成
(実施例1)
上記液晶混合物1を、40℃に加熱した状態で、複数本のポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」とも記載する。)製の中空糸膜を束ねた中空糸膜束と、中空糸膜束を収納するPTFE製のハウジングとを備えを備える外部灌流型の中空糸膜モジュールに通過させた。これにより液晶組成物を製造した。
なお、中空糸膜は、外径が250μm、内径が150μmであった。また、中空糸膜束の膜面積を0.4mに設定した。。
さらに、液晶混合物の中空糸膜モジュールへの流量を500mL/minとし、真空度を2.7kPa(abs)とした。
次に、液晶組成物をピエゾ駆動方式でステンレス製のノズル孔プレートを有するオンデマンド・インクジェットヘッドに供給し、インクジェットヘッドから基板上に連続吐出した。
なお、インクジェットヘッドのノズル孔径は40μmであり、圧電素子への印加するパルスの周波数を1kHz、電圧を50~100Vとした。
(実施例2)
複数本のポリイミド(以下、「PI」とも記載する。)製の中空糸膜を束ねた中空糸膜束と、中空糸膜束を収納するPI製のハウジングとを備えを備える内部灌流型の中空糸膜モジュールを使用した以外は、実施例1と同様にして、液晶組成物を製造し、インクジェットヘッドから基板上に連続吐出した。
なお、中空糸膜は、外径が250μm、内径が180μmであった。また、中空糸膜束の膜面積を0.4mに設定した。
(実施例3)
複数本のPI製の中空糸膜を束ねた中空糸膜束と、中空糸膜束を収納するPI製のハウジングとを備えを備える外部灌流型の中空糸膜モジュールを使用した以外は、実施例1と同様にして、液晶組成物を製造し、インクジェットヘッドから基板上に連続吐出した。
なお、中空糸膜は、外径が250μm、内径が180μmであった。また、中空糸膜束の膜面積を0.4mに設定した。
(実施例4)
複数本のポリエチレン(以下、「PE」とも記載する。)製の中空糸膜を束ねた中空糸膜束と、中空糸膜束を収納するステンレス鋼製のハウジングとを備えを備える内部灌流型の中空糸膜モジュールを使用した以外は、実施例1と同様にして、液晶組成物を製造し、インクジェットヘッドから基板上に連続吐出した。
なお、中空糸膜は、外径が280μm、内径が200μmであった。また、中空糸膜束の膜面積は0.5mであった。
(実施例5)
複数本のポリ(4-メチルペンテン-1)(以下、「PMP」とも記載する。)製の中空糸膜を束ねた中空糸膜束と、中空糸膜束を収納するポリプロピレン製のハウジングとを備えを備える内部灌流型の中空糸膜モジュール(DIC株式会社製、「SEPAREL PF-001DGE」)を使用した以外は、実施例1と同様にして、液晶組成物を製造し、インクジェットヘッドから基板上に連続吐出した。
なお、中空糸膜は、外径が180μm、内径が100μmであった。また、中空糸膜束の膜面積は0.4mであった。
(実施例6)
複数本のPMP製の中空糸膜を束ねた中空糸膜束と、中空糸膜束を収納するポリプロピレン製のハウジングとを備えを備える外部灌流型の中空糸膜モジュール(DIC株式会社製、「SEPAREL EF-G4」)を使用した以外は、実施例1と同様にして、液晶組成物を製造し、インクジェットヘッドから基板上に連続吐出した。
なお、中空糸膜は、外径が180μm、内径が100μmであった。また、中空糸膜束の膜面積は0.4mであった。
(比較例1)
いずれの中空糸膜モジュールも使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、インクジェットヘッドから基板上に連続吐出した。すなわち、比較例1では、液晶混合物1を基板上に吐出した。
2.評価
2-1.残留溶剤の量
製造された液晶組成物中に含まれる残留溶剤の量を、ガスクロマトグラフィにより測定し、下記の評価基準に従って評価した。具体的には、ガスクロマトグラフィ用バイアルに液晶組成物を精評し、p-キシレンを加え、ミキサーで攪拌後、ガスクロマトグラフを用いて分析し、得られたデータと予め作成した各種溶剤の検量線から、計算により液晶組成物中の残留溶剤量を算出した。なお、比較例1では、液晶混合物中に含まれる残留溶剤の量を測定した。
[評価基準]
◎:0ppm(検出せず)
○:0.5ppm以下
△:0.5ppm超、1.0ppm以下
×:1.0ppm超
2-2.連続吐出性
基板上に形成された被膜に発生したスジの本数を目視で観察及び測定し、下記の評価基準に従って評価した。なお、「×」を連続吐出性が不良とし、◎、○及び△を連続吐出性が良好とした。
[評価基準]
◎:スジ本数0~3本
○:スジ本数4~10本
△:スジ本数11~20本
×:スジ本数21本以上
2-3.電圧保持率
実施例1~6で得られた液晶組成物に対し、120℃で1時間加熱し、波長365nmのUVを照射(100mW×50sec)した後、LCM-2型の液晶物性評価装置を用いて電圧保持率(VHR)の測定を行い、VHRの低下率を算出した(n=3)。そして、電圧保持率の低下率を下記の評価基準に従って評価した。
[評価基準]
◎:低下率1%以内
○:低下率1%超、20%以内
△:低下率20%超
以上の評価結果を、以下の表5及び表6に示す。
Figure 0007228090000030
評価2-1及び2-2から、実施例1~6は、比較例1と比較して液晶組成物中の残留溶剤量が少なかった。また、連続吐出性が良好であった。
Figure 0007228090000031
評価2-3の結果から、フッ素系樹脂製やポリイミド樹脂製の中空糸膜を用いた中空糸膜モジュールに通過させることで、液晶組成物の電圧保持率の低下を抑制することができた。また、同じ材料であっても外部灌流型の中空糸膜モジュールの方が、電圧保持率の低下を抑制する効果がより高いことが確認された。
また、液晶混合物1に代えて、液晶混合物2~5を用いて、前記実施例1~6及び比較例1と同様にして、インクジェットヘッドから基板上に連続吐出した。その結果、前記と同様の傾向を示す結果が得られた。さらに、詳述しないが、正の誘電率異方性を有する液晶分子を含むP型の液晶混合物を用いて前記実施例1~6及び比較例1と同様にして、インクジェットヘッドから基板上に連続吐出した場合も、前記と同様の傾向を示す結果が得られた。
1 液滴吐出装置(供給装置)
2 貯留部
3 温調部
31 バッファ部
32 ヒータ
4 中空糸膜モジュール
41 中空糸膜
42 中空糸膜束
43 ハウジング
44 支持体
45 ハウジング本体
46 第1の蓋体
461 小径部
461a 雌ネジ
462 テーパ部
463 大径部
47 第2の蓋体
471 小径部
471a 雌ネジ
472 テーパ部
473 大径部
48 接続部
481 雌ネジ
491 固定部
492 固定部
5 吸引部
6 液滴吐出部(供給部)
61 ノズル孔プレート
611 ノズル孔
611A 第1のノズル孔列
611B 第2のノズル孔列
612 ノズル孔形成面
62 キャビティ
63 振動板
64 加振部
65 加熱部
7 支持部
8 移動部
81 X方向移動部
811 X軸モータ
82 Y方向移動部
821 Y軸モータ
9 待機ステージ
10 液晶表示素子
11 制御装置(制御部)
111 CPU
112 ROM
113 RAM
12 フレーム
131 チューブ
132 チューブ
133 チューブ
134 チューブ
14 キャリッジ
151 ヒータ駆動回路
152 ペルチェ素子駆動回路
153 ヘッド駆動回路
154 X軸モータ駆動回路
155 Y軸モータ駆動回
16 入出力装置
17 ペルチェ素子
20 第1の基板
30 第2の基板
40 液晶層
40A 液晶混合物
40B 不純物
40C 液晶組成物
50 画素電極層
60 共通電極層
70 第1の偏光板
80 第2の偏光板
90 カラーフィルタ
110 ゲートバスライン
120 データバスライン
130 画素電極
140 Cs電極
150 ソース電極
160 ドレイン電極
170 コンタクトホール
AM アクティブマトリクス基板
BM ブラックマトリクス
CF カラーフィルタ基板
CL セル
DR 液滴
L 幅
S 離間距離

Claims (17)

  1. 複数種の液晶分子を含有する液晶混合物を準備する工程と、
    前記液晶混合物を中空糸膜モジュールに通過させて、前記液晶混合物中に含まれる不純物を除去することにより、液晶組成物を得る工程とを有することを特徴とする液晶組成物の製造方法。
  2. 前記不純物は、1気圧での沸点が210℃以下の化合物である請求項1に記載の液晶組成物の製造方法。
  3. 前記不純物は、溶剤を含む請求項1又は2に記載の液晶組成物の製造方法。
  4. 前記中空糸膜モジュールは、複数本の中空糸膜を束ねた中空糸膜束と、該中空糸膜束を収納するハウジングとを備え、
    前記中空糸膜及び前記ハウジングのうちの少なくとも一方が、フッ素系樹脂又はイミド系樹脂を含む請求項1~3のいずれか1項に記載の液晶組成物の製造方法。
  5. 前記中空糸膜モジュールは、前記液晶混合物を前記ハウジングと前記中空糸膜束とで画成された空間に通過させる外部灌流型のモジュールである請求項4に記載の液晶組成物の製造方法。
  6. 前記中空糸膜束の膜面積は、0.01~40mである請求項4又は5に記載の液晶組成物の製造方法。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の液晶組成物の製造方法により液晶組成物を製造する工程と、
    該液晶組成物を基材上に供給して、前記液晶組成物による被膜を形成する工程とを有することを特徴とする膜付基材の製造方法。
  8. 前記被膜を形成する工程において、液滴吐出法により前記液晶組成物を液滴として前記基材上に供給する請求項7に記載の膜付基材の製造方法。
  9. 一対の基板と、該一対の基板間に設けられた液晶層とを有する液晶表示素子の製造方法であって、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の液晶組成物の製造方法により液晶組成物を製造する工程と、
    該液晶組成物を前記一対の基板間に配置して、前記液晶層を形成する工程とを有することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  10. 前記液晶層を形成する工程において、液滴吐出法により前記液晶組成物を液滴として一方の前記基板上に供給した後、前記液晶組成物を介して他方の前記基板を前記一方の基板に重ね合わせる請求項9に記載の液晶表示素子の製造方法。
  11. 液晶組成物の供給に用いられる供給装置であって、
    複数種の液晶分子を含有する液晶混合物を通過させて、該液晶混合物中に含まれる不純物を除去することにより前記液晶組成物を製造する中空糸膜モジュールを少なくとも有することを特徴とする供給装置。
  12. さらに、基材を支持する支持部と、該支持部に対して相対的に移動可能に設けられ、前記中空糸膜モジュールから移送された前記液晶組成物を、前記支持部に支持された前記基材上に供給する供給部とを有する請求項11に記載の供給装置。
  13. 前記供給部は、液滴吐出法により前記液晶組成物を液滴として前記基材上に供給する液滴吐出ヘッドである請求項12に記載の供給装置。
  14. 前記中空糸膜モジュールは、複数本の中空糸膜を束ねた中空糸膜束と、該中空糸膜束を収納するハウジングとを備え、
    前記中空糸膜及び前記ハウジングのうちの少なくとも一方が、フッ素系樹脂又はイミド系樹脂を含む請求項11~13のいずれか1項に記載の供給装置。
  15. 前記中空糸膜モジュールは、前記液晶混合物を前記ハウジングと前記中空糸膜束とで画成された空間に通過させる外部灌流型のモジュールである請求項14に記載の供給装置。
  16. さらに、前記液晶混合物を貯留する貯留部を有し、
    前記中空糸膜モジュールは、前記貯留部から移送された前記液晶混合物を通過させる請求項11~15のいずれか1項に記載の供給装置。
  17. さらに、前記中空糸膜モジュールを通過する前の前記液晶混合物、及び前記中空糸膜モジュールを通過した後の前記液晶組成物のうちの少なくも一方の温度を調整する温調部を有する請求項16に記載の供給装置。


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