上述の如く、5Gシステムの標準化に関する議論はまだ開始されたばかりである。例えば、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレーム構造を用いて無線通信を行う場合の実装上の課題などについては、議論があまり進んでいないのが実情である。
本発明の発明者らは、この様な5Gシステムの柔軟な運用形態について鋭意検討を行った結果、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレーム構造を用いて無線通信を行う場合、無線信号の送信電力が標準規格上の上限値を超えて出力され得るという問題を見出した。
例えば、5Gシステムでは、1スロットよりも短い時間単位での無線リソースのスケジューリングが許容される。1スロットよりも短い時間単位のスロットを、説明の便宜上、第1スロットと称することとする。なお、第1スロットは、mini-slot、non-slotと称されてもよい。第1スロットは、例えば14OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル(以降、シンボルと略記する)からなるスロット(第2スロットとも称され得る)よりも短い時間単位である。別言すると、第1スロットは、第2スロットを構成するシンボルの個数よりも少ない個数のシンボルで構成され、例えば、1シンボル(1個のシンボル)であってもよいし、2シンボル(2個のシンボル)から13シンボル(13個のシンボル)の何れかで構成されてもよい。さらに別言すると、第2スロットは、第1スロットよりも長い時間長を有する時間単位であり、第1スロットを構成するシンボルの個数よりも多い個数のシンボルで構成されればよい。なお、本開示におけるスロットは、無線通信システム1の無線フレーム構造におけるスケジューリングの時間単位の一例であり、タイムスロット、サブフレーム、区間、期間等と言い換えてもよい。
第1スロット(mini-slotと称されてもよい)と第2スロット(normal-slot、long-slotと称されてもよい)とが混在した無線フレーム構造では、例えば、第2スロットの無線リソースに第2サービスの送信データをマッピングした後に、第2スロットと重複する時間範囲における第1スロットの無線リソースに第1サービスの送信データがマッピングされ得る。この場合、第2サービスの送信データの送信電力は、第1サービスの送信データの送信電力を考慮していないかもしれない。例えば、第1サービスの送信データのマッピングが実行されるタイミングと、第2サービスの送信データのマッピングが実行されるタイミングとに時間差があるとき、第2サービスの送信データの送信電力は、第1サービスの送信データの送信電力を考慮していないかもしれない。
送信電力は、送信データのマッピング時に決定され、異なるタイミングでマッピングされる他の送信データの送信電力は考慮されないかもしれない。その結果、第1スロットと第2スロットとが重複する時間範囲において、第1サービスの送信データの送信電力と、第2サービスの送信データの送信電力とが重畳され、第1サービスと第2サービスとの総送信電力が標準規格における上限値(最大送信電力値とも称され得る)を超え得る。
一般的に、無線通信システムの標準規格における最大送信電力値を超える送信電力で無線信号を送信する送信装置は、無線通信システムにおける他の送信装置との無線通信を行う受信装置に対して干渉源となり得る。また、他の観点からも、送信電力が標準規格における最大送信電力値未満の範囲に収まるように、送信装置からの送信電力が適切に制御されることが望まれ得る。
また、他の側面によれば、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレーム構造において、総送信電力が最大送信電力値未満であったとしても、複数の異なる時間単位の無線リソースが混在することで、無線信号の伝送品質に影響を与えるかもしれない。この様に、複数の異なる時間単位の無線リソースが混在することで生じ得る伝送品質の影響に対して耐性を確保するべく、無線通信を適切に制御することが望まれ得る。
しかし、5Gシステムの標準化に関する議論では、運用形態を柔軟に変更し得る設計方針を採ることについて合意が得られたものの、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレーム構造において適切に無線通信を行うための具体的な方策は何も決められていない。
本発明の発明者らは、上述の技術的事情は、超高速大容量のデータ伝送サービスであるeMBB(enhanced Mobile Broadband)や、超高信頼低遅延通信であるURLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications)や、超大量接続の無線サービスであるmMTC(massive Machine Type Communications)などの多様な無線サービスを実現する上で障害となり得る、という独自の知見を得るに至った。なお、本開示における5Gシステムは、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレーム構造をサポートする移動通信システム(次世代無線通信システムとも称され得る)の一例である。従来の移動通信システム(例えば4Gシステム)においても、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレーム構造をサポートするように拡張された場合、上述の問題が生じ得ることに留意されたい。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態(以下、実施形態、実施例とも称する)について説明する。以下に示す実施形態の構成は、本発明の技術思想を具体化するための一例を示したものであり、本発明をこの実施形態の構成に限定することを意図するものではなく、請求の範囲に含まれるその他の実施形態にも等しく適用し得るものである。例えば、PDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)、PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)などの各種チャネルの名称については、今後の5Gシステムの標準化に関する議論において、名称が変更され得ることも考えられる。また、サブフレーム、スロット、シンボル、リソースエレメント、リソースブロック、サブキャリアなど、無線フレーム構造に関する用語についても、同様である。本開示は、本発明の構成要素をこれらの名称を用いたものに限定する意図ではないことに留意されたい。
また、以下に示す各実施例は、適宜組み合わせて実施してもよいことはいうまでもない。ここで、非特許文献1ないし非特許文献38の全ての内容は、参照することによりここに援用される。
<実施例1> 実施例1では、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレームを許容する無線通信システムが例示される。実施例1に係る無線通信システムにおける送信装置は、第2サービスのデータがマッピングされた第2無線リソースにおける、第1サービスのデータをマッピング可能な第1無線リソースと時間軸方向で重複する範囲(第1領域とも称され得る)の送信電力を変更し得る。別言すると、実施例1に係る無線通信システムにおける送信装置は、第1無線リソースによる第1データの送信と、前記第1無線リソースよりも長い時間長の第2無線リソースによる第2データの送信とが可能に構成されており、第2無線リソースと第1無線リソースとが時間軸方向で重複する第1領域における第2無線リソースの部分の送信電力を変更し得る。実施例1の一側面によれば、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレーム構造における送信電力超過を抑制することができ、送信装置と受信装置との間で、適切に無線通信を行うことができる。
図1は、実施例1に係る無線通信システム1の構成の一例を示す図である。図1に例示される無線通信システム1は、送信装置10と受信装置20とを有する。図1に図示される送信装置10及び受信装置20は、複数の性質(側面、観点とも称され得る)を抽象的に表現されたものであることに留意されたい。別言すると、送信装置10及び受信装置20の各々は、観察する側面に応じて、具体的に適用され得る装置が異なり得る。例えば、送信装置10は、上りリンクの場合、無線端末(UE(User Equipment)、移動局とも称され得る)としての側面を有し、下りリンクの場合、無線基地局(BS(Base Station)とも称され得る)としての側面を有する。また、受信装置20は、上りリンクの場合、無線基地局としての側面を有し、下りリンクの場合、無線端末としての側面を有する。さらに別言すると、無線端末は、上りリンクの場合、図1における送信装置10に相当し、下りリンクの場合、図1における受信装置20に相当する。無線基地局は、上りリンクの場合、図1における受信装置20に相当し、下りリンクの場合、図1における送信装置10に相当する。
図1に例示される送信装置10は、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレームを送信可能に構成される。別言すると、送信装置10は、第1スロット単位の第1無線リソースで第1データがスケジューリングされる第1サービスと、前記第1スロットよりも長い時間長の第2スロット単位の第2無線リソースで第2データがスケジューリングされる第2サービスとが混在した無線フレーム構造で無線通信することが可能である。そして、送信装置10は、第2サービスのデータがマッピングされた第2無線リソースにおける、第1サービスのデータをマッピング可能な第1無線リソースと時間軸方向で重複する範囲(第1領域とも称され得る)の送信電力を変更して送信し得る。なお、第1サービスは、例えば、第1論理チャネル、第1論理チャネル番号、第1区分、第1バッファ、第1送信バッファなどと言い換えてもよい。第2サービスは、例えば、第2論理チャネル、第2論理チャネル番号、第2区分、第2バッファ、第2送信バッファなどと言い換えてもよい。
図1に例示される受信装置20は、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレームを受信可能に構成される。別言すると、受信装置20は、第1スロット単位の第1無線リソースで第1データがスケジューリングされる第1サービスと、前記第1スロットよりも長い時間長の第2スロット単位の第2無線リソースで第2データがスケジューリングされる第2サービスとが混在した無線フレーム構造で無線通信することが可能である。受信装置20は、第2サービスのデータがマッピングされた第2無線リソースにおける第1領域の送信電力が変更されて送信装置10から送信された無線信号を受信し得る。
図2は、実施例1に係る無線通信システム1の無線フレーム構造における第1スロットと第2スロットとの配置の一例を示す図である。図2に示される例では、縦方向に周波数軸が配置され、横方向に時間軸が配置される。例えば、図2において、周波数軸方向に並べられた12個のサブキャリア(k[0]~k[11])により第1リソースブロック(RB[0])が構成され、さらなる12個のサブキャリア(k[12]~k[23])により第2リソースブロック(RB[1])が構成される。図2の時間軸方向には、14個のシンボル(s[0]~s[13])が並べられている。
図2に示される例では、第1スロットは、2個のシンボル(s[9]~s[10])で構成される。図2の第1スロットにおいて、第1サービスの送信データ(第1データとも称され得る)が第2リソースブロック(RB[1])にマッピングされる。説明の便宜上、第1スロットにおける第2リソースブロックを、第1無線リソース(A10)とも称する。なお、第1無線リソース(A10)は、第1サービスの送信データをマッピング可能な無線リソースの一例であり、必ずしも、第1サービスの送信データが実際にマッピングされているとは限らない。
図2に示される例では、第2スロットは、14個のシンボル(s[0]~s[13])で構成される。図2の第2スロットにおいて、第2サービスの送信データが第1リソースブロック(RB[0])にマッピングされている。説明の便宜上、第1スロットにおける第1リソースブロックを、第2無線リソース(A20)とも称する。
図2に例示されるように、第2スロットの第2無線リソースには、第1サービスのデータをマッピング可能な第1無線リソースと時間軸方向で重複する範囲(第1領域とも称され得る)(A21)が存在する。
従来の無線通信システムでは、送信電力制御が、一律の時間単位(例えばスロット単位、または一以上のスロットで構成されるサブフレーム単位)で実行されていた。そのため、従来の無線通信システムは、図2に示される例において、第2スロット単位で送信データがマッピングされた第2無線リソース(A20)の途中で、送信電力を変更することはできない。その結果、従来の無線通信システムでは、スケジューリングの時間単位が異なる複数の無線リソースが時間軸方向で重複する第1領域において、総送信電力が最大送信電力値を超過し得る。
実施例1に係る送信装置10は、第2無線リソースにおいて第1領域が存在する場合、第2無線リソースにおける第1領域の送信電力を変更することで、総送信電力が最大送信電力値を超過することを抑制し得る。ここで、第1領域は、第2スロット単位で送信データ(第2データ)が割当てられた第2無線リソースにおいて、異なる時間単位のスケジューリングにより送信データ(第1データ)が割当てられた第1無線リソースと時間軸方向で重複する範囲の一例である。
図3は、実施例1に係る無線通信システム1の送信装置10における処理の流れの一例を示す図である。図3に例示される処理の流れは、任意のタイミングで実行されてもよい。例えば、送信装置10において、第2スロット単位でスケジューリングされた第2無線リソースと時間軸上で重複する範囲(第1領域)で、第2スロットとは異なる時間単位である第1スロット単位でスケジューリングされた第1無線リソースの割当てが行われたことを契機として、図3に例示される処理が実行されてもよい。
送信装置10は、第1領域における総送信電力TPを算出する(S101)。S101において、送信装置10は、例えば、第1領域における第2無線リソースと第1無線リソースとの送信電力の総和である総送信電力TPを、シンボル単位に算出してもよい。
S101の具体例の一つについて、図2に示される例で説明する。図2において、第1領域における第1無線リソースは、時間軸方向に2個のシンボル(S[9]、s[10])、周波数軸方向に12個のサブキャリア(k[12]~k[23])を含む。別言すると、第1領域における第1無線リソースは、1シンボルあたり12個のリソースエレメント(REとも称され得る)により構成され、合計24個のリソースエレメントを含む。また、第1領域における第2無線リソースは、時間軸方向に2個のシンボル(S[9]、s[10])、周波数軸方向に12個のサブキャリア(k[0]~k[11])を含む。別言すると、第1領域における第2無線リソースは、1シンボルあたり12個のリソースエレメントにより構成され、合計24個のリソースエレメントを含む。したがって、図2において、第1領域における第1無線リソース及び第2無線リソースのシンボル単位の総送信電力TPは、24個のリソースエレメントの各々の送信電力の合計で表現され得る。別言すると、送信装置10は、S101において、第1領域に含まれる第1無線リソースと第2無線リソースとのリソースエレメント単位の送信電力を合計することで、総送信電力TPを取得してもよい。なお、総送信電力TPは、シンボル単位に算出されたものであってもよいし、第1領域に含まれる全シンボルにおけるリソースエレメント(図2の例では48個のリソースエレメント)の送信電力の合計であってもよい。
図3の説明に戻る。送信装置10は、総送信電力TPが所定値(閾値、最大送信電力値とも称され得る)を超えるかを判定する(S102)。S102において、総送信電力TPが最大送信電力値を超えると判定した場合(S102でYES)、送信装置10は、第1領域における送信電力の配分を調整する(S103)。一方、S102において、送信電力TPが最大送信電力値を超えないと判定した場合(S102でNO)、送信装置10は、S103を実行せずに処理を終了してもよい。
図4は、実施例1に係る無線通信システム1の無線フレーム構造における第1無線リソースと第2無線リソースとの送信電力配分の一例を示す図である。図4では、縦方向に送信電力軸が配置され、横方向に時間軸が配置され、奥行き方向に周波数軸が配置される。別言すると、図4は、図2に示される例において、送信電力軸を追加したものである。例えば、両図で対応する部分には、同様の参照符号が付されている。
図4では、第1スロット単位でスケジューリングされた第1サービスの送信電力がマッピングされた第1無線リソース(A10)に対して、第1の送信電力(P10)が割当てられている。さらに、図4において、第2スロット単位でスケジューリングされた第2サービスの送信電力がマッピングされた第2無線リソース(A20)は、第2の送信電力(P20-1、P20-2)が割当てられた部分(A20-1、A20-2)と、第3の送信電力(P21)が割当てられた部分(A21)とを有する。第3の送信電力(P21)は、図4に例示されるように、第2の送信電力(P20-1、P20-2)よりも低い送信電力であってもよい。なお、第3の送信電力(P21)が割当てられた部分(A21)は、第1領域に相当する。
図4に例示される第3の送信電力(P21)は、図3に例示される処理の流れにおけるS103により、第1領域における送信電力の配分が調整された結果の一例である。第1領域における総送信電力TPは、第1無線リソース(A10)の第1の送信電力(P10)と、第1領域における第2無線リソース(A21)の第3の送信電力(P21)との総和に基づいて決定される。そのため、図4に例示される様に、第1領域における第2無線リソースの送信電力を低減することで、第1領域における総送信電力が最大送信電力値を超過することを抑制し得る。
以上が、実施例1に係る無線通信システム1の具体例の一つである。
以上に開示される実施例1の一側面によれば、スケジューリングの時間単位が異なる複数の無線リソースが時間軸方向で重複する第1領域の総送信電力が調整される。これにより、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレームにおいて、総送信電力が最大送信電力値を超過することを抑制し得る。その結果、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレーム構造を許容する無線通信システムにおいて、適切に無線通信を行うことができるようになる。このような作用は、5Gシステムにおいて、eMBB、URLLC、mMTCなどの多様な無線サービスを実現するうえで有用である。
<実施例2> 実施例2では、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレームを許容する無線通信システム1の更なる例が示される。実施例2に係る無線通信システム1の一側面によれば、送信装置10は、第2サービス(第2論理チャネル、第2論理チャネル番号、第2区分、第2バッファ、第2送信バッファとも称され得る)に関連付けられたデータ(第2データとも称され得る)がマッピングされた第2無線リソースの第1領域に、既知信号(第2既知信号とも称され得る)を挿入する。実施例2に係る無線通信システム1の一側面によれば、受信装置20は、第2サービスの第2データがマッピングされた第2無線リソースの第1領域から第2既知信号を抽出し、第2既知信号に基づき第1領域における第2無線リソースの部分をデコード等(復調、復号とも称され得る)する。実施例2の一側面によれば、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレーム構造において、より適切に無線通信を行うことができる。なお、本開示において、用語「デコード」は、復調乃至復号に関する処理を総称したものであり、例えば、復調、復号、抽出、変換などという用語に読み替えられても良い。
図5は、実施例2に係る無線通信システム1の無線フレーム構造における既知信号の配置の一例を示す図である。図5において、1無線フレームは10ms(ミリ秒)の時間長を有し、10個のサブフレームで構成される。
1サブフレームは、1msの時間長を有し、サブキャリア時間間隔(SCS(SubCarrier Spacing))(Numerologyとも称され得る)などの設定に応じて内部構造が異なり得る。例えば、5Gシステムの標準化に関する議論では、SCSが15kHzの1サブフレームは1スロット(1個のスロット)で構成され、SCSが30kHzの1サブフレームは2スロット(2個のスロット)で構成され、SCSが60kHzの1サブフレームは4スロット(4個のスロット)で構成され、SCSが120kHzの1サブフレームは8スロット(8個のスロット)で構成され、SCSが240kHzの1サブフレームは16スロット(16個のスロット)で構成されることが検討されている。
図5に例示される1サブフレームは、1個のスロット(slot[0])で構成されている。別言すると、上述の5Gシステムの標準化に関する議論の動向によれば、図5に例示される無線フレーム構造は、サブキャリア間隔が15kHzであってもよい。
図5に例示されるスロット(slot[0])は、第2スロットの一例であり、例えば14シンボル(s[0]~s[13])により構成される。図5に例示される第2スロットの14シンボル(s[0]~s[13])には、周波数軸方向において第1リソースブロック(RB[0])の無線リソース(第2無線リソースとも称され得る)が割当てられる。ここで、第2無線リソースは、第2スロット単位でスケジューリングされる第2サービスの送信データ(第2データとも称され得る)がマッピングされ得る無線リソースである。
5Gシステムの標準化に関する議論の動向によれば、第2スロットの先頭から3番目又は4番目のシンボル(s[2],s[3])の何れかに、復調用の既知信号(DM-RS(DeModulation-Reference Signal)、第1既知信号とも称され得る)が配置される。例えば、TS38.211§6.4.1.1.3 Mapping to physical resource によれば、PUSCH mapping type Aの場合、スロットの先頭から3番目又は4番目のシンボル(s[2],s[3])の何れかに、第1既知信号(DM-RS)が配置される。また、TS38.211§7.4.1.1.2 Mapping to physical resources によれば、PDSCH mapping type Aの場合、スロットの先頭から3番目又は4番目のシンボル(s[2],s[3])の何れかに、第1既知信号(DM-RS)が配置される。第1既知信号(DM-RS)の送信電力は、例えば、第2スロットに含まれるリソースエレメントに割当てられる送信電力に基づいて決定されてもよい。また、上りリンクの第1既知信号(DM-RS)の信号系列は、例えば、TS38.211§6.4.1.1.1 Sequence generation に詳しい。下りリンクの第1既知信号(DM-RS)の信号系列は、例えば、TS38.211§7.4.1.1.1 Sequence generation に詳しい。なお、既知信号は、後述のように、パイロット信号と称されてもよい。
図5に示される例では、図2と同様に、第2スロットの先頭から10番目と11番目のシンボル(s[9],s[10])は、第2スロットとは時間単位の異なるスケジューリングによる第1スロットと時間軸方向で重複する範囲である第1領域に含まれる。実施例2に係る無線通信システム1では、第1領域に含まれるシンボルの一部又は全部に、新たな既知信号(E-DM-RS(Enhanced-DeModulation-Reference Signal)、第2既知信号とも称され得る)が挿入される。ここで、第1領域は、第2スロット単位でスケジューリングされる第2無線リソースと、第1スロット単位でスケジューリングされる第1無線リソースとが、時間軸方向において重複する範囲の一例である。第1無線リソースは、第1スロット単位でスケジューリングされる第1サービスの送信データ(第1データとも称され得る)がマッピングされ得る無線リソースである。第2無線リソースは、第2スロット単位でスケジューリングされる第2サービスの送信データ(第2データとも称され得る)がマッピングされ得る無線リソースである。なお、第2既知信号(E-DM-RS)という名称は、説明の便宜上、本開示において用いられる造語であり、5Gシステムの標準規格等では他の名称(例えば、DM-RS(DeModulation-Reference Signal)、eDM-RS(extended DeModulation-Reference Signal)、UE-Specific-RS(User Equipment-Specific-Reference Signal)、Cell-Specific-RS(Cell-Specific-Reference Signal)、RS(Reference Signal)、PS(Pilot Signal)、PT-RS (Phase-Tracking Reference Signal) など)が用いられるかもしれないことに留意されたい。
第1領域のシンボルに挿入される第2既知信号(E-DM-RS)の信号系列は、第1領域外のシンボルに配置される第1既知信号(DM-RS)と同じでもよいし、異なってもよい。第1領域のシンボルに挿入される第2既知信号(E-DM-RS)に割当てる送信電力は、第1領域外のシンボルに配置される第1既知信号(DM-RS)と同じでもよいし、異なってもよい。また、第1領域のシンボルに挿入される第2既知信号(E-DM-RS)に割当てる送信電力は、第1領域に含まれるリソースエレメントに割当てられる送信電力に基づいて決定されてもよい。例えば、第2既知信号に割り当てる送信電力と第1領域に含まれるリソースエレメントに割り当てる送信電力が同じになるようにする、あるいは、両者の比が既定値(送信装置と受信装置の間で既知の値)になるようにしてもよい。
図6は、実施例2に係る無線通信システム1の送信装置10における処理の流れの一例を示す図である。図6に例示される処理の流れは、任意のタイミングで実行されてもよい。例えば、送信装置10において、第2スロット単位で第2無線リソースがスケジューリングされたことを契機として、図6に例示される処理が実行されてもよい。
送信装置10は、第2スロット単位でスケジューリングされる第2無線リソースに第2サービスの送信データ(第2データとも称され得る)をマッピングし(S201)、さらに第2無線リソースの一部に所定の信号系列を有する既知信号(第1既知信号とも称され得る)を配置する(S202)。S202において、第1既知信号は、例えば、受信装置20において第2無線リソースから第2データをデコード(復号、復調と称されてもよい)する際に用いられ得る復調用参照信号(DM-RS(DeModulation - Reference Signal)であってもよい。送信装置10は、S201の処理と、S202の処理とを任意の順序で実行してもよい。例えば、送信装置10は、S202の処理を実行した後に、S201の処理を実行するように構成されてもよい。
送信装置10は、第2無線リソースと時間軸方向で重複する第1無線リソースがあるかを判定する(S203)。例えば、送信装置10は、第2無線リソースと時間軸方向で重複する範囲である第1領域において、第2スロットとは異なる時間単位である第1スロット単位でスケジューリングされた第1無線リソースの割当てがあった場合に、第1領域において第1無線リソースがあると判定(S203でYES)してもよい。また例えば、送信装置10は、第2無線リソースと時間軸方向で重複する第1領域において、第1スロット単位で第1無線リソースが予約されている場合に、第1領域において第1無線リソースがあると判定(S203でYES)してもよい。また例えば、第2無線リソースと時間軸方向で重複する範囲である第1領域において、第2スロットとは異なる時間単位である第1スロット単位でスケジューリングされた第1無線リソースの割当てがなく、かつ、第1領域において第1無線リソースが予約されていない場合、送信装置10は、第1領域において第1無線リソースがないと判定(S203でNO)してもよい。
第2無線リソースと時間軸方向で重複する第1領域において第1無線リソースがあると判定した場合(S203でYES)、送信装置10は、第1領域に含まれる第2無線リソースの少なくとも一部をパンクチャリングする(S204)。S204において、送信装置10は、第1領域に含まれるシンボルの個数等に応じて、パンクチャリングの量や位置を変更してもよい。例えば、第1領域に含まれるシンボルの個数に比例して、パンクチャリングの量を増加させてもよい。例えば、第2無線リソースの無線品質に応じて、パンクチャリングの位置を変更してもよい。ここで、第2無線リソースの無線品質は、例えば、第2無線リソースにマッピングされる第2データに適用される変調方式に代替してもよい。一般的に、1シンボルに載せられる情報量が多い変調方式が適用されるほど、無線品質が良好であるかもしれない。
送信装置10は、第1領域に含まれる第2無線リソースにおいてパンクチャリングした箇所に、第2既知信号(E-DM-RS)を挿入する(S205)。S205において、送信装置10は、上りリンクの場合、例えば、TS38.211§6.4.1.1.1 Sequence generation に示される手順に従って、第2既知信号(E-DM-RS)の信号系列を生成してもよい。S205において、送信装置10は、下りリンクの場合、例えば、TS38.211§7.4.1.1.1 Sequence generation に示される手順に従って、第2既知信号(E-DM-RS)の信号系列を生成してもよい。
一方、第2無線リソースと時間軸方向で重複する第1領域において第1無線リソースがないと判定した場合(S203でNO)、上述のS204乃至S205の処理を実行せずにスキップしてもよい。
以上が、図6に例示される、実施例2に係る無線通信システム1の送信装置10における処理の流れの一例である。なお、図6に例示される処理の流れに、図3に例示される処理の流れを組み合わせてもよい。例えば、S203でYESと判定した後の任意のタイミングで、図3に例示されるS101乃至S103の処理を実行してもよい。
図7は、実施例2に係る無線通信システム1の無線フレーム構造における第1無線リソースと第2無線リソースとの送信電力配分と既知信号の配置の一例を示す図である。図7では、縦方向に送信電力軸が配置され、横方向に時間軸が配置され、奥行き方向に周波数軸が配置される。別言すると、図7に示される例は、図5において、送信電力軸と周波数軸とを追加したものである。
図7では、第1スロット単位でスケジューリングされた第1サービスの送信データ(第1データ)がマッピングされた第1無線リソース(A10)に対して、第1の送信電力(P10)が割当てられている。さらに、図7において、第2スロット単位でスケジューリングされた第2サービスの送信データ(第2データ)がマッピングされた第2無線リソース(A20)は、第2の送信電力(P20-1、P20-2)が割当てられた部分(A20-1、A20-2)と、第3の送信電力(P21)が割当てられた部分(A21)とを有する。第3の送信電力(P21)は、図7に例示されるように、第2の送信電力(P20-1、P20-2)よりも低い送信電力であってもよい。図7に例示される第3の送信電力(P21)は、例えば図3に示される実施例1に係る送信装置10における処理の流れにおけるS103により、第1領域における送信電力の配分が調整された結果の一例である。第1領域における総送信電力TPは、第1無線リソース(A10)の第1の送信電力(P10)と、第1領域における第2無線リソース(A21)の第3の送信電力(P21)との総和に基づいて決定されてもよい。図7に例示されるように、第1領域における第2無線リソースの送信電力を低減することで、第1領域における総送信電力が最大送信電力値を超過することを抑制し得る。
図7では、第2スロットよりも短い第1スロット単位でスケジューリングされた第1無線リソース(A10)の一部に、既知信号(A10-1)が配置される。例えば、TS38.211§6.4.1.1.3 Mapping to physical resource によれば、PUSCH mapping type Bの場合、スロットの先頭から1番目のシンボル(図5におけるs[9]に相当)に、第1無線リソース(A10)における既知信号(A10-1)が配置され得る。また、TS38.211§7.4.1.1.2 Mapping to physical resources によれば、PDSCH mapping type Bの場合、スロットの先頭から1番目のシンボル(図5におけるs[9]に相当)に、第1無線リソース(A10)における既知信号(A10-1)が配置される。第1無線リソース(A10)に配置される既知信号(A10-1)の送信電力は、例えば、第1無線リソース(A10)に割当てられる送信電力に基づいて決定されてもよい。また、上りリンクの既知信号(A10-1)の信号系列は、例えば、TS38.211§6.4.1.1.1 Sequence generation に詳しい。下りリンクの既知信号(A10-1)の信号系列は、例えば、TS38.211§7.4.1.1.1 Sequence generation に詳しい。
図7では、第1スロットよりも長い第2スロット単位でスケジューリングされた第2無線リソース(A20)において、既知信号(A20-3)(第1既知信号とも称され得る)が配置される。例えば、TS38.211§6.4.1.1.3 Mapping to physical resource によれば、PUSCH mapping type Aの場合、スロットの先頭から3番目又は4番目のシンボル(s[2],s[3])の何れかに、第1既知信号(A20-3)が配置され得る。また、TS38.211§7.4.1.1.2 Mapping to physical resources によれば、PDSCH mapping type Aの場合、スロットの先頭から3番目又は4番目のシンボル(s[2],s[3])の何れかに、第1既知信号(A20-3)が配置され得る。第2無線リソース(A20)に配置される第1既知信号(A20-3)の送信電力は、例えば、第2無線リソース(A20)に割当てられる送信電力(P20-1、P20-2)に基づいて決定されてもよい。
図7では、第2スロット単位でスケジューリングされた第2無線リソース(A20)のうち、第3の送信電力(P21)が割当てられた部分(A21)において、第2既知信号(E-DM-RSとも称され得る)(A21-1)が挿入される。第2既知信号(A21-1)の送信電力は、第2無線リソース(A20)における第1領域に相当する部分(A21)に割当てられる第3の送信電力(P21)に基づいて決定されてもよい。例えば、第2既知信号(A21-1)の送信電力と第3の送信電力(P21)を同じに、あるいは、両者の比を既定値(送信装置と受信装置の間で既知の値)にしてもよい。
図8は、実施例2に係る無線通信システム1の受信装置20における処理の流れの一例を示す図である。図8に例示される処理の流れは、任意のタイミングで実行されてもよい。例えば、受信装置20において、第1スロットよりも長い第2スロット単位でスケジューリングされた第2無線リソースに相当する無線信号が受信されたことを契機として、図8に例示される処理が実行されてもよい。
受信装置20は、第2無線リソースから第1既知信号を抽出し(S301)、抽出された第1既知信号に基づいて第2無線リソースをデコードする(S302)。S302において、受信装置20は、第2無線リソースが第2既知信号を含むか否かを判別できないかもしれない。別言すると、第2無線リソースが第2既知信号を含む場合、S302において、受信装置20は、第2既知信号が配置されたリソースエレメントから、第2無線リソースにマッピングされた第2サービスの送信データ(第2データとも称され得る)をデコードしようとするかも知れない。その場合、受信装置20は、第2無線リソースにマッピングされた第2データのデコードに失敗し得る。
受信装置20は、第2無線リソースと時間軸方向で重複する範囲(第1領域とも称され得る)において、第1無線リソースがあるかを判定する(S303)。S303において、受信装置20は、第1領域に含まれる第1無線リソースにより第1サービスのデータ(第1データとも称され得る)を受信したかを判定してもよい。例えば、受信装置20は、第2スロットよりも短い第1スロット単位でスケジューリングされた第1無線リソースにマッピングされたかも知れない第1サービスのデータ(第1データ)のデコードを試みてもよい。その結果、第1データのデコードに成功した場合、受信装置20は、第1領域において第1無線リソースがあると判定してもよい(S303でYES)。一方、第1データのデコードに失敗した場合、受信装置20は、第1領域において第1無線リソースがないと判定してもよい(S303でNO)。
受信装置20は、第1領域において第1無線リソースがないと判定した場合(S303でNO)、第1既知信号に基づく第2無線リソースのデコード結果(S302の結果)を、第2無線リソースのデコード結果として、図8に例示される処理を終了してもよい。
一方、受信装置20は、第1領域において第1無線リソースがあると判定した場合(S303でYES)、第2無線リソースのうち第1領域に含まれる部分から、第2既知信号を抽出する(S304)。第1領域は、例えば、第1無線リソースと第2無線リソースとが時間軸方向で重複する範囲であってもよい。S304において、受信装置20は、第1領域に含まれるシンボルの個数等に応じて、第2既知信号の配置(個数、位置)を特定してもよい。例えば、第1領域に含まれるシンボルの個数に比例して、第2既知信号の個数が増加するような配置であってもよい。例えば、第2無線リソースの無線品質に応じて、第2既知信号の位置、及び/又は、第2既知信号の個数が異なるような配置であってもよい。ここで、第2無線リソースの無線品質は、例えば、第2無線リソースにマッピングされる第2データに適用される変調方式に代替してもよい。一般的に、1シンボルに載せられる情報量が多い変調方式が適用されるほど、無線品質が良好であるかもしれない。
受信装置20は、第2無線リソースのうち第1領域に含まれる部分を、抽出された第2既知信号に基づいてデコードする(S305)。S305において、受信装置20は、第1領域に含まれる第2無線リソースのうち、第2既知信号に相当する部分を、デコード対象から除外し得る。そして、受信装置20は、第1既知信号に基づくデコード結果(S302の結果)と、第2既知信号に基づくデコード結果(S305の結果)とを統合する(S306)。これにより、受信装置20は、第2既知信号が配置されたリソースエレメントから、第2無線リソースにマッピングされた第2サービスの送信データ(第2データとも称され得る)をデコードしようとすることが避けられる。その結果、受信装置20は、第2無線リソースのデコードに成功し得る。
また、第1領域における第2無線リソースの送信電力が低減された場合、第1領域における送信電力の低減が実行される前の送信電力に基づいて配置された第1既知信号を用いたのでは、受信装置20は、第1領域における第2無線リソースのデコードに失敗し得る。この様な事象は、第2無線リソースに適用される変調方式が直交振幅変調の場合に顕著である。直交振幅変調方式では、信号の位相と振幅との組合せに対して所定のビット列を示す信号点が割当てられるため、送信電力が変更されることで適切に信号点を特定することが困難になり得る。この様な場合でも、第1領域に挿入された第2既知信号により、受信装置20は、第1領域の第2無線リソースに割り当てられた送信電力の基準を知得することができるため、送信電力が低減された第1領域の第2無線リソースを適切にデコードすることができる。
以上が、図8に例示される、実施例2に係る無線通信システム1の受信装置20における処理の流れの一例である。
図9は、実施例2に係る無線通信システムの無線フレーム構造における第1無線リソースと第2無線リソースとの送信電力配分と既知信号の配置の更なる一例を示す図である。図9では、縦方向に送信電力軸が配置され、横方向に時間軸が配置され、奥行き方向に周波数軸が配置される。別言すると、図9は、図5に示される例において、送信電力軸と周波数軸とを追加したものである。
図9では、第1スロット単位でスケジューリングされる第1サービスのデータ用に第1無線リソース(A10)が予約されているが、第1無線リソース(A10)に対してデータがマッピングされていない状態が示される。
一方、第2スロット単位でスケジューリングされた第2サービスのデータがマッピングされた第2無線リソース(A20)は、第2スロットの範囲において、第2の送信電力(P20-1)が割当てられている。別言すると、図9に例示される第2無線リソース(A20)は、第1領域よりも前の部分(A20-1)も、第1領域の部分(A21)も、第1領域よりも後の部分(A20-2)も、第2の送信電力(P20-1)が割当てられる。
図9では、第1スロットよりも長い第2スロット単位でスケジューリングされた第2無線リソース(A20)において、第1既知信号(A20-3)が配置される。例えば、TS38.211§6.4.1.1.3 Mapping to physical resource によれば、PUSCH mapping type Aの場合、スロットの先頭から3番目又は4番目のシンボル(s[2],s[3])の何れかに、第1既知信号(A20-3)が配置され得る。また、TS38.211§7.4.1.1.2 Mapping to physical resources によれば、PDSCH mapping type Aの場合、スロットの先頭から3番目又は4番目のシンボル(s[2],s[3])の何れかに、第1既知信号(A20-3)が配置され得る。第2無線リソース(A20)に配置される第1既知信号(A20-3)の送信電力は、例えば、第2無線リソース(A20)に割当てられる送信電力(P20-1)に基づいて決定されてもよい。
図9では、第2スロット単位でスケジューリングされた第2無線リソース(A20)のうち、第3の送信電力(P21)が割当てられた部分(A21)において、第2既知信号(E-DM-RSとも称され得る)(A21-1)が挿入される。第2既知信号(A21-1)の送信電力は、例えば、第2無線リソース(A20)における第1領域に相当する部分(A21)に割当てられる第2の送信電力(P20-1)に基づいて決定されてもよい。この場合、第2既知信号(A21-1)の送信電力は、第1既知信号(A20-3)に割当てられる送信電力と同じであってもよい。
図10は、実施例2に係る無線通信ステムの受信装置における処理の流れの更なる一例を示す図である。図10に例示される処理の流れは、任意のタイミングで実行されてもよい。例えば、受信装置20において、第1スロットよりも長い第2スロット単位でスケジューリングされた第2無線リソースに相当する無線信号が受信されたことを契機として、図10に例示される処理が実行されてもよい。なお、図10において、図8と同様の部分には、同じ参照符号を付している。
受信装置20は、第2無線リソースから第1既知信号を抽出し(S301)、抽出された第1既知信号に基づいて第2無線リソースをデコードする(S302)。S302において、受信装置20は、第2無線リソースが第2既知信号を含むか否かを判別できないかもしれない。別言すると、第2無線リソースが第2既知信号を含む場合、S302において、受信装置20は、第2既知信号が配置されたリソースエレメントから、第2無線リソースにマッピングされた第2サービスの送信データ(第2データとも称され得る)をデコードしようとするかも知れない。その場合、図8に示される例と同様に、受信装置20は、第2無線リソースにマッピングされた第2データのデコードに失敗し得る。
受信装置20は、第2無線リソースと重複する時間範囲(第1領域とも称され得る)において第1無線リソースが予約されているかを判定する(S303A)。S303Aにおいて、受信装置20は、第2無線リソースと時間軸方向で重複する時間範囲において第1無線リソースが予約されている場合、S303AでYESと判定してもよい。一方、受信装置20は、第2無線リソースと時間軸方向に重複する時間範囲において第1無線リソースが予約されていない場合、S303AでNOと判定してもよい。S303Aにおいて、受信装置20は、第2無線リソースと時間軸方向で重複する第1無線リソースのデコード結果を待たずに、第2無線リソースのデコードを完了させることができる。そのため、受信装置20は、図10に例示される処理を、図8に例示される処理よりも早く完了し得る。なお、図10におけるS303Aは、図8におけるS303の判定処理の一例である。別言すると、図10におけるS303Aは、第2無線リソースと時間軸方向で重複する時間範囲(第1領域)において第1無線リソースが予約されているかを判定することで、第1領域において第1無線リソースがあるかを判定する。
受信装置20は、第1領域において第1無線リソースが予約されていないと判定した場合(S303AでNO)、第1既知信号に基づく第2無線リソースのデコード結果(S302の結果)を、第2無線リソースのデコード結果として、図10に例示される処理を終了してもよい。
受信装置20は、第2無線リソースと重複する時間範囲において第1無線リソースが予約されていると判定した場合(S303AでYES)、第2無線リソースのうち第1領域に含まれる部分から、第2既知信号を抽出する(S304)。第1領域は、例えば、第1無線リソースと第2無線リソースとが時間軸方向で重複する範囲であってもよい。S304において、受信装置20は、第1領域に含まれるシンボルの個数等に応じて、第2既知信号の配置(個数、位置)を特定してもよい。例えば、第1領域に含まれるシンボルの個数に比例して、第2既知信号の個数が増加するような配置であってもよい。例えば、第2無線リソースの無線品質に応じて、第2既知信号の位置、及び/又は、第2既知信号の個数が異なるような配置であってもよい。ここで、第2無線リソースの無線品質は、例えば、第2無線リソースにマッピングされる第2データに適用される変調方式に代替してもよい。一般的に、1シンボルに載せられる情報量が多い変調方式が適用されるほど、無線品質が良好であるかもしれない。
受信装置20は、第2無線リソースのうち第1領域に含まれる部分を、抽出された第2既知信号に基づいてデコードする(S305)。S305において、受信装置20は、第1領域に含まれる第2無線リソースのうち、第2既知信号に相当する部分を、デコード対象から除外し得る。そして、受信装置20は、第1既知信号に基づくデコード結果(S302の結果)と、第2既知信号に基づくデコード結果(S305の結果)とを統合する(S306)。これにより、受信装置20は、第2既知信号が配置されたリソースエレメントから、第2無線リソースにマッピングされた第2サービスの送信データ(第2データとも称され得る)をデコードしようとすることが避けられる。その結果、受信装置20は、第2無線リソースのデコードに成功し得る。
以上が、図10に例示される、実施例2に係る無線通信システム1の受信装置20における処理の流れの一例である。
以上に開示される実施例2の一側面によれば、送信装置10は、スケジューリングの時間単位が異なる複数の無線リソースが時間軸方向で重複する第1領域において、第2既知信号を挿入し得る。これにより、実施例2に係る送信装置10は、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレームにおいて、第1既知信号と第2既知信号とに基づいて、第2無線リソースを適切に伝送することができる。その結果、実施例2に係る無線通信システム1では、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレーム構造を許容しつつ、適切に無線通信を行うことができるようになる。このような作用は、5Gシステムにおいて、eMBB、URLLC、mMTCなどの多様な無線サービスを実現するうえで有用である。
以上に開示される実施例2の他の一側面によれば、受信装置20は、スケジューリングの時間単位が異なる複数の無線リソースが時間軸方向で重複する第1領域において、第2既知信号を抽出する。これにより、実施例2に係る受信装置20は、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレームにおいて、第1既知信号と第2既知信号とに基づいて、第2無線リソースを適切にデコードすることができる。その結果、実施例2に係る無線通信システム1では、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレーム構造を許容しつつ、適切に無線通信を行うことができるようになる。このような作用は、5Gシステムにおいて、eMBB、URLLC、mMTCなどの多様な無線サービスを実現するうえで有用である。
<実施例3> 実施例3では、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレームを許容する無線通信システム1が例示される。実施例3に係る無線通信システム1の一側面によれば、送信装置10は、第2無線サービスの第2データに適用される変調方式に応じて、第2無線リソースに第2既知信号を挿入するか否かを制御する。実施例3に係る無線通信システム1の一側面によれば、受信装置20は、第2無線サービスの第2データに適用される変調方式に応じて、第2無線リソースから第2既知信号を抽出するか否かを制御する。実施例3の一側面によれば、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレーム構造において、より適切に無線通信を行うことができる。
図11は、実施例3に係る無線通信システムの送信装置10における処理の流れの一例を示す図である。図11に例示される処理の流れは、任意のタイミングで実行されてもよい。例えば、送信装置10において、第2スロット単位で第2無線リソースがスケジューリングされたことを契機として、図11に例示される処理が実行されてもよい。
送信装置10は、第2スロット単位でスケジューリングされる第2無線リソースに第2サービスの送信データ(第2データとも称され得る)をマッピングし(S201)、さらに第2無線リソースの一部に所定の信号系列を有する既知信号(第1既知信号とも称され得る)を配置する(S202)。S202において、第1既知信号は、例えば、受信装置20において第2無線リソースから第2データをデコードする際に用いられ得る復調用参照信号(DM-RS(DeModulation - Reference Signal)であってもよい。送信装置10は、S201の処理と、S202の処理とを任意の順序で実行してもよい。例えば、送信装置10は、S202の処理を実行した後に、S201の処理を実行するように構成されてもよい。
送信装置10は、第2無線リソースと時間軸方向で重複する時間範囲(第1領域とも称され得る)において、第1無線リソースがあるかを判定する(S203)。例えば、送信装置10は、第2無線リソースと時間軸方向で重複する範囲である第1領域において、第2スロットとは異なる時間単位である第1スロット単位でスケジューリングされた第1無線リソースの割当てがあった場合に、第1領域において第1無線リソースがあると判定(S203でYES)してもよい。また例えば、送信装置10は、第2無線リソースと時間軸方向で重複する第1領域において、第1スロット単位で第1無線リソースが予約されている場合に、第1領域において第1無線リソースがあると判定(S203でYES)してもよい。また例えば、第2無線リソースと時間軸方向で重複する範囲である第1領域において、第2スロットとは異なる時間単位である第1スロット単位でスケジューリングされた第1無線リソースの割当てがなく、かつ、第1領域において第1無線リソースが予約されていない場合、送信装置10は、第1領域において第1無線リソースがないと判定(S203でNO)してもよい。
第2無線リソースと時間軸方向で重複する第1領域において第1無線リソースがあると判定した場合(S203でYES)、送信装置10は、第2無線リソースに適用される変調方式が直交振幅変調(QAM(Quadrature Amplitude Modulation)とも称され得る)であるかを判定する(S206B)。
S206Bにおいて、送信装置10は、第2無線リソースに適用される変調方式が、例えば、16QAM(4bit/シンボル)、64QAM(6bit/シンボル)、256QAM(8bit/シンボル)、1024QAM(10bit/シンボル)の何れかの場合、変調方式が直交振幅変調であると判定してもよい(S206BでYES)。一方、S206Bにおいて、送信装置10は、第2無線リソースに適用される変調方式が、例えば、二位相偏移変調(BPSK(Binary Phase Shift Keying)、2PSK(Phase Shift Keying)とも称され得る)(1bit/シンボル)、四位相偏移変調(QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、4PSKとも称され得る)(2bit/シンボル)の何れかの場合、変調方式が直交振幅変調でないと判定してもよい(S206BでNO)。なお、本開示における直交振幅変調は、位相と振幅との組合せにより、1シンボルあたり複数ビットの情報を伝送する技術の一例である。この様な変調方式は、例えば、振幅位相変調(APSK(Amplitude Phase Shift Keying))と称されてもよい。
送信装置10は、第2無線リソースに適用される変調方式が直交振幅変調であると判定した場合(S206BでYES)、第1領域に含まれる第2無線リソースの少なくとも一部をパンクチャリングする(S204)。S204において、送信装置10は、第1領域に含まれるシンボルの個数等に応じて、パンクチャリングの量や位置を変更してもよい。例えば、第1領域に含まれるシンボルの個数に比例して、パンクチャリングの量を増加させてもよい。例えば、第2無線リソースの無線品質に応じて、パンクチャリングの位置を変更してもよい。ここで、第2無線リソースの無線品質は、例えば、第2無線リソースにマッピングされる第2データに適用される変調方式に代替してもよい。一般的に、1シンボルに載せられる情報量が多い変調方式が適用されるほど、無線品質が良好であるかもしれない。
送信装置10は、第1領域に含まれる第2無線リソースにおいてパンクチャリングした箇所に、第2既知信号(E-DM-RS)を挿入する(S205)。S205において、送信装置10は、上りリンクの場合、例えば、TS38.211§6.4.1.1.1 Sequence generation に示される手順に従って、第2既知信号(E-DM-RS)の信号系列を生成してもよい。S205において、送信装置10は、下りリンクの場合、例えば、TS38.211§7.4.1.1.1 Sequence generation に示される手順に従って、第2既知信号(E-DM-RS)の信号系列を生成してもよい。
一方、送信装置10は、第2無線リソースに適用される変調方式が直交振幅変調でないと判定した場合(S206BでNO)や、第2無線リソースと時間軸方向で重複する第1無線リソースがないと判定した場合(S203でNO)、上述のS204乃至S205の処理を実行せずにスキップしてもよい。この場合、第2無線リソースの一部に第2既知信号は挿入されなくてもよい。
なお、送信装置10は、上述のS203における判定と、S206Bにおける判定とを任意の順序で実行してもよい。例えば、送信装置10は、S206Bの判定を実行した後に、S203の判定を実行してもよい。
以上が、図11に例示される、実施例3に係る無線通信システムの送信装置10における処理の流れの一例である。なお、図11に例示される処理の流れに、図3に例示される処理の流れを組み合わせてもよい。例えば、S203でYESと判定した後の任意のタイミング、又は、S206BでYESと判定した後の任意のタイミングで、図3に例示されるS101乃至S103の処理を実行してもよい。
図12は、実施例3に係る無線通信システムの受信装置20における処理の流れの一例を示す図である。図12に例示される処理の流れは、任意のタイミングで実行されてもよい。例えば、受信装置20において、第1スロットよりも長い第2スロット単位でスケジューリングされた第2無線リソースに相当する無線信号が受信されたことを契機として、図12に例示される処理が実行されてもよい。なお、図12の例示において、図8又は図10と同様の部分には、同じ参照符号を付している。
受信装置20は、第2無線リソースから第1既知信号を抽出し(S301)、抽出された第1既知信号に基づいて第2無線リソースをデコードする(S302)。S302において、受信装置20は、第2無線リソースが第2既知信号を含むか否かを判別できないかもしれない。別言すると、第2無線リソースが第2既知信号を含む場合、S302において、受信装置20は、第2既知信号が配置されたリソースエレメントから、第2無線リソースにマッピングされた第2サービスの送信データ(第2データとも称され得る)をデコードしようとするかも知れない。その場合、図8又は図10に示される例と同様に、受信装置20は、第2無線リソースにマッピングされた第2データのデコードに失敗し得る。
受信装置20は、第2無線リソースと時間軸方向で重複する範囲(第1領域とも称され得る)において、第1無線リソースがあるかを判定する(S303)。S303において、受信装置20は、第1領域に含まれる第1無線リソースにより第1サービスのデータ(第1データとも称され得る)を受信したかを判定してもよい。例えば、受信装置20は、第2スロットよりも短い第1スロット単位でスケジューリングされた第1無線リソースにマッピングされたかも知れない第1サービスのデータ(第1データ)のデコードを試みてもよい。その結果、第1データのデコードに成功した場合、受信装置20は、第1領域において第1無線リソースがあると判定してもよい(S303でYES)。一方、第1データのデコードに失敗した場合、受信装置20は、第1領域において第1無線リソースがないと判定してもよい(S303でNO)。ここで、S303において、第1領域に含まれる第1無線リソースにより第1サービスのデータ(第1データとも称され得る)を受信したかを判定することは、第1領域において第1無線リソースがあるかを判定することの一例である。
また例えば、S303において、受信装置20は、第2無線リソースと重複する時間範囲(第1領域とも称され得る)において第1無線リソースが予約されているかを判定してもよい。例えば、受信装置20は、第1領域において第1無線リソースが予約されている場合、第1領域に第1無線リソースがあると判定(S303でYES)してもよい。例えば、受信装置20は、第1領域において第1無線リソースが予約されていない場合、第1領域に第1無線リソースがないと判定(S303でNO)してもよい。ここで、S303において、第1領域で第1無線リソースが予約されているかを判定することは、第1領域において第1無線リソースがあるかを判定することの一例である。
受信装置20は、第1領域において第1無線リソースがないと判定した場合(S303でNO)、第1既知信号に基づく第2無線リソースのデコード結果(S302の結果)を、第2無線リソースのデコード結果として、図12に例示される処理を終了してもよい。
受信装置20は、第1領域において第1無線リソースがあると判定した場合(S303でYES)、第2無線リソースに適用される変調方式が直交振幅変調(QAM(Quadrature Amplitude Modulation)とも称され得る)かを判定する(S307B)。
S307Bにおいて、受信装置20は、第2無線リソースに適用される変調方式が、例えば、16QAM(4bit/シンボル)、64QAM(6bit/シンボル)、256QAM(8bit/シンボル)、1024QAM(10bit/シンボル)の何れかの場合、変調方式が直交振幅変調であると判定してもよい(S307BでYES)。一方、S307Bにおいて、受信装置20は、第2無線リソースに適用される変調方式が、例えば、二位相偏移変調(BPSK(Binary Phase Shift Keying)、2PSK(Phase Shift Keying)とも称され得る)(1bit/シンボル)、四位相偏移変調(QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、4PSKとも称され得る)(2bit/シンボル)の何れかの場合、変調方式が直交振幅変調でないと判定してもよい(S307BでNO)。なお、本開示における直交振幅変調は、位相と振幅との組合せにより、1シンボルあたり複数ビットの情報を伝送する技術の一例である。この様な変調方式は、例えば、振幅位相変調(APSK(Amplitude Phase Shift Keying))と称されてもよい。
受信装置20は、第2無線リソースに適用される変調方式が直交振幅変調であると判定した場合(S307BでYES)、第2無線リソースのうち第1領域に含まれる部分から、第2既知信号を抽出する(S304)。第1領域は、例えば、第1無線リソースと第2無線リソースとが時間軸方向で重複する範囲であってもよい。S304において、受信装置20は、第1領域に含まれるシンボルの個数等に応じて、第2既知信号の配置(個数、位置)を特定してもよい。例えば、第1領域に含まれるシンボルの個数に比例して、第2既知信号の個数が増加するような配置であってもよい。例えば、第2無線リソースの無線品質に応じて、第2既知信号の位置、及び/又は、第2既知信号の個数が異なるような配置であってもよい。ここで、第2無線リソースの無線品質は、例えば、第2無線リソースにマッピングされる第2データに適用される変調方式に代替してもよい。一般的に、1シンボルに載せられる情報量が多い変調方式が適用されるほど、無線品質が良好であるかもしれない。
受信装置20は、第2無線リソースのうち第1領域に含まれる部分を、抽出された第2既知信号に基づいてデコードする(S305)。S305において、受信装置20は、第1領域に含まれる第2無線リソースのうち、第2既知信号に相当する部分を、デコード対象から除外し得る。そして、受信装置20は、第1既知信号に基づくデコード結果(S302の結果)と、第2既知信号に基づくデコード結果(S305の結果)とを統合する(S306)。これにより、受信装置20は、第2既知信号が配置されたリソースエレメントから、第2無線リソースにマッピングされた第2サービスの送信データ(第2データとも称され得る)をデコードしようとすることが避けられる。その結果、受信装置20は、第2無線リソースのデコードに成功し得る。
受信装置20は、第2無線リソースに適用される変調方式が直交振幅変調でないと判定した場合(S307BでNO)、第1既知信号に基づく第2無線リソースのデコード結果(S302の結果)を、第2無線リソースのデコード結果として、図12に例示される処理を終了してもよい。この場合、第1領域の第2無線リソースには第2既知信号が挿入されていないため、第1既知信号に基づく第2無線リソースのデコード結果(S302の結果)が成功し得る。
なお、受信装置20は、上述のS303における判定と、S307Bにおける判定とを任意の順序で実行してもよい。例えば、受信装置20は、S307Bの判定を実行した後に、S303の判定を実行してもよい。
以上が、図12に例示される、実施例3に係る無線通信システム1の受信装置20における処理の流れの一例である。
以上に開示される実施例3の一側面によれば、スケジューリングの時間単位が異なる複数の無線リソースが時間軸方向で重複する第1領域において、第2既知信号が挿入され得る。これにより、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレームにおいて、第1既知信号と第2既知信号とに基づいて、第2無線リソースを適切にデコードすることができる。その結果、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレーム構造を許容する無線通信システムにおいて、適切に無線通信を行うことができるようになる。このような作用は、5Gシステムにおいて、eMBB、URLLC、mMTCなどの多様な無線サービスを実現するうえで有用である。
以上に開示される実施例3の他の一側面によれば、送信装置10は、第2無線リソースに適用される変調方式が直交振幅変調である場合、第1領域に含まれる第2無線リソースの一部に第2既知信号を挿入し得る。別言すると、実施例3に係る送信装置10は、第2無線リソースに適用される変調方式が直交振幅変調でない場合、第1領域に含まれる第2無線リソースへの第2既知信号の挿入を省略し得る。第2無線リソースに適用される変調方式が直交振幅変調でない場合、受信装置20は、第1領域において第2無線リソースに割り当てられた送信電力が変更されたとしても、理論的には第2無線リソースを適切に復調し得るためである。この場合、実施例3に係る送信装置10は、第2既知信号の挿入を省略することで、第2無線リソースにマッピングできる第2サービスの送信データ(第2データ)の量を増やすことができる。そのため、実施例3に係る無線通信システム1では、無線リソースの利用効率を向上させることができる。別言すると、実施例3の他の一側面によれば、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレーム構造において、適切な無線通信の運用を可能としつつ、無線リソースの利用効率を向上させることができる。このような作用は、5Gシステムにおいて、eMBB、URLLC、mMTCなどの多様な無線サービスを実現するうえで有用である。
以上に開示される実施例3の更なる他の一側面によれば、受信装置20は、第2無線リソースに適用される変調方式が直交振幅変調である場合、第1領域に含まれる第2無線リソースから第2既知信号を抽出し得る。別言すると、実施例3に係る受信装置20は、第2無線リソースに適用される変調方式が直交振幅変調でない場合、第1領域に含まれる第2無線リソースからの第2既知信号の抽出は省略される。実施例3に係る受信装置20は、第2無線リソースに適用される変調方式が直交振幅変調でない場合、第1領域において第2無線リソースに割り当てられた送信電力が変更されたとしても、理論的には第2無線リソースを適切に復調し得るためである。この場合、実施例3に係る無線通信システム1において、第2無線リソースへの第2既知信号の挿入が省略されることで、第2無線リソースにマッピングできる第2サービスの送信データ(第2データ)の量が増える。そのため、実施例3に係る無線通信システム1では、無線リソースの利用効率を向上させることができる。別言すると、実施例3の他の一側面によれば、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレーム構造において、適切な無線通信の運用を可能としつつ、無線リソースの利用効率を向上させることができる。このような作用は、5Gシステムにおいて、eMBB、URLLC、mMTCなどの多様な無線サービスを実現するうえで有用である。
<実施例4> 実施例4では、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレームを許容する無線通信システム1が例示される。実施例4に係る無線通信システム1の一側面によれば、送信装置10は、第2無線サービスの第2データに適用される変調方式に応じて、第2無線リソースに挿入される第2既知信号の配置パターンを決定する。実施例4に係る無線通信システム1の一側面によれば、受信装置20は、第2無線サービスの第2データに適用される変調方式に応じて、第2無線リソースから抽出される第2既知信号の配置パターンを決定する。実施例4の一側面によれば、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレーム構造において、より適切に無線通信を行うことができる。
図13は、実施例4に係る無線通信システム1の送信装置10における処理の流れの一例を示す図である。図13に例示される処理の流れは、任意のタイミングで実行されてもよい。例えば、送信装置10において、第2スロット単位で第2無線リソースがスケジューリングされたことを契機として、図13に例示される処理が実行されてもよい。
送信装置10は、第2スロット単位でスケジューリングされる第2無線リソースに第2サービスの送信データ(第2データとも称され得る)をマッピングし(S201)、さらに第2無線リソースの一部に所定の信号系列を有する既知信号(第1既知信号とも称され得る)を配置する(S202)。S202において、第1既知信号は、例えば、受信装置20において第2無線リソースから第2データをデコードする際に用いられ得る復調用参照信号(DM-RS(DeModulation - Reference Signal)であってもよい。送信装置10は、S201の処理と、S202の処理とを任意の順序で実行してもよい。例えば、送信装置10は、S202の処理を実行した後に、S201の処理を実行するように構成されてもよい。
送信装置10は、第2無線リソースと時間軸方向で重複する時間範囲(第1領域とも称され得る)において、第1無線リソースがあるかを判定する(S203)。例えば、送信装置10は、第2無線リソースと時間軸方向で重複する範囲である第1領域において、第2スロットとは異なる時間単位である第1スロット単位でスケジューリングされた第1無線リソースの割当てがあった場合に、第1領域において第1無線リソースがあると判定(S203でYES)してもよい。また例えば、送信装置10は、第2無線リソースと時間軸方向で重複する第1領域において、第1スロット単位で第1無線リソースが予約されている場合に、第1領域において第1無線リソースがあると判定(S203でYES)してもよい。また例えば、第2無線リソースと時間軸方向で重複する範囲である第1領域において、第2スロットとは異なる時間単位である第1スロット単位でスケジューリングされた第1無線リソースの割当てがなく、かつ、第1領域において第1無線リソースが予約されていない場合、送信装置10は、第1領域において第1無線リソースがないと判定(S203でNO)してもよい。
第2無線リソースと時間軸方向で重複する第1領域において第1無線リソースがあると判定した場合(S203でYES)、送信装置10は、第2無線リソースに適用される変調方式に応じて、第2無線リソースに挿入される第2既知信号の配置パターンを決定する(S207C)。S207Cにおいて、送信装置10は、1シンボルに載せられる情報量(ビット数)が多い変調方式であるほど、第2無線リソースに配置される第2既知信号の個数が多くなるような配置パターンを選択してもよい。別言すると、207Cにおいて、送信装置10は、1シンボルに載せられる情報量(ビット数)が少ない変調方式であるほど、第2無線リソースに配置される第2既知信号の個数が少なくなるような配置パターンを選択してもよい。
図14は、第2無線リソースに適用される変調方式と第2既知信号の配置パターンとの関係の一例を示す図である。図14では、例えば、変調方式(T101)が「BPSK」、「QPSK」の場合、配置パターン(T102)が「TYPE-A」であることが示される。
図15は、第2既知信号の配置パターン(TYPE-A)の一例を示す図である。図15では、図2に例示される第1領域における第2無線リソース(A21)が示される。別言すると、図15に示される第1領域の第2無線リソース(A21)は、先頭から10番目のシンボル(s[9])と、先頭から11番目のシンボル(s[10])とを含む。図15に例示されるように、第2既知信号の配置パターン(TYPE-A)では、第2既知信号が配置される個数は0個である。別言すると、第2既知信号の配置パターン(TYPE-A)では、第2既知信号が配置されない。
図14の説明に戻る。図14では、例えば、変調方式(T101)が「16QAM」、「64QAM」、「256QAM」の場合、配置パターン(T102)が「TYPE-B」であることが示される。
図16は、第2既知信号の配置パターン(TYPE-B)の一例を示す図である。図16では、図15と同様に、図2に例示される第1領域における第2無線リソース(A21)が示される。図16に例示されるように、第2既知信号の配置パターン(TYPE-B)では、第2既知信号が配置される個数は2個である。別言すると、第2既知信号の配置パターン(TYPE-B)は、先頭から10番目のシンボル(s[9])において、4個のサブキャリア(k[n1]、k[n2])に第2既知信号(A21-1-1、A21-1-2)が配置される。ここで、サブキャリア(k[n1])及びサブキャリア(k[n2])は、第1リソースブロック(RB[0])に含まれる12個のサブキャリア(s[0]~s[11])から所定のロジックにより選択されたサブキャリアであってもよい。
なお、第2既知信号の配置パターンは、二種類に限定されなくてもよい。別言すると、第2既知信号の配置パターンは、例えば、三種類以上であってもよい。
図17は、第2無線リソースに適用される変調方式と第2既知信号の配置パターンとの関係の他の一例を示す図である。図17では、例えば、変調方式(T101A)が「BPSK」、「QPSK」の場合、配置パターン(T102A)が「TYPE-A」であることが示される。第2既知信号の配置パターン(TYPE-A)については、図15に例示される配置パターンと同様であってもよいため、詳細な説明を省略する。
図17では、変調方式(T101A)が「16QAM」の場合、配置パターン(T102A)が「TYPE-B」であることが示される。第2既知信号の配置パターン(TYPE-B)については、図16に例示される配置パターンと同様であってもよいため、詳細な説明を省略する。
図17では、変調方式(T101A)が「64QAM」の場合、配置パターン(T102A)が「TYPE-C」であることが示される。
図18は、第2既知信号の配置パターン(TYPE-C)の一例を示す図である。図18では、図15及び図16と同様に、図2に例示される第1領域における第2無線リソース(A21)が示される。図18に例示されるように、第2既知信号の配置パターン(TYPE-C)では、第2既知信号が配置される個数は4個である。別言すると、第2既知信号の配置パターン(TYPE-C)は、先頭から10番目のシンボル(s[9])における4個のサブキャリア(k[n1]、k[n2]、k[n3]、k[11])に、第2既知信号(A21-1-1乃至A21-1-4)が配置される。ここで、4個のサブキャリア(k[n1]、k[n2]、k[n3]、k[11])は、第1リソースブロック(RB[0])に含まれる12個のサブキャリア(s[0]~s[11])から所定のロジックにより選択されたサブキャリアであってもよい。
図17の説明に戻る。図17では、変調方式(T101A)が「256QAM」の場合、配置パターン(T102A)が「TYPE-D」であることが示される。
図19は、第2既知信号の配置パターン(TYPE-D)の一例を示す図である。図19では、図15及び図16と同様に、図2に例示される第1領域における第2無線リソース(A21)が示される。図19に例示されるように、第2既知信号の配置パターン(TYPE-D)では、第2既知信号が配置される個数は4個である。図19において、第2既知信号の配置パターン(TYPE-D)では、10番目のシンボル(s[9])における2個のサブキャリア(k[n2]、k[n4])に、第2既知信号(A21-1-1、A21-1-2)が配置される。また、11番目のシンボル(s[10])における2個のサブキャリア(k[n1]、k[n3])に、第2既知信号(A21-1-3、A21-1-4)が配置される。ここで、4個のサブキャリア(k[n1]、k[n2]、k[n3]、k[n4])は、第1リソースブロック(RB[0])に含まれる12個のサブキャリア(s[0]~s[11])から所定のロジックにより選択されたサブキャリアであってもよい。
図13の説明に戻る。送信装置10は、S207Cにより決定された配置パターンに従って、第1領域に含まれる第2無線リソースの少なくとも一部をパンクチャリングする(S204)。S204において、送信装置10は、S207Cにより決定された配置パターンに従って、第2既知信号が配置されるリソースエレメントに相当する箇所をパンクチャリングしてもよい。
送信装置10は、第1領域に含まれる第2無線リソースにおいてパンクチャリングした箇所に、第2既知信号を挿入する(S205)。S205において、送信装置10は、上りリンクの場合、例えば、TS38.211§6.4.1.1.1 Sequence generation に示される手順に従って、第2既知信号の信号系列を生成してもよい。S205において、送信装置10は、下りリンクの場合、例えば、TS38.211§7.4.1.1.1 Sequence generation に示される手順に従って、第2既知信号の信号系列を生成してもよい。
一方、第2無線リソースと時間軸方向で重複する第1領域において第1無線リソースがないと判定した場合(S203でNO)、上述のS204乃至S205の処理を実行せずにスキップしてもよい。
以上が、図13に例示される、実施例4に係る無線通信システム1の送信装置10における処理の流れの一例である。なお、図13に例示される処理の流れに、図3に例示される処理の流れを組み合わせてもよい。例えば、S203でYESと判定した後の任意のタイミングで、図3に例示されるS101乃至S103の処理を実行してもよい。
図20は、実施例4に係る無線通信システムの受信装置20における処理の流れの一例を示す図である。図20に例示される処理の流れは、任意のタイミングで実行されてもよい。例えば、受信装置20において、第1スロットよりも長い第2スロット単位でスケジューリングされた第2無線リソースに相当する無線信号が受信されたことを契機として、図20に例示される処理が実行されてもよい。なお、図20の例示において、図8、図10、又は図12と同様の部分には、同じ参照符号を付している。
受信装置20は、第2無線リソースから第1既知信号を抽出し(S301)、抽出された第1既知信号に基づいて第2無線リソースをデコードする(S302)。S302において、受信装置20は、第2無線リソースが第2既知信号を含むか否かを判別できないかもしれない。別言すると、第2無線リソースが第2既知信号を含む場合、S302において、受信装置20は、第2既知信号が配置されたリソースエレメントから、第2無線リソースにマッピングされた第2サービスの送信データ(第2データとも称され得る)をデコードしようとするかも知れない。その場合、図8、図10、又は図12に示される例と同様に、受信装置20は、第2無線リソースにマッピングされた第2データのデコードに失敗し得る。
受信装置20は、第2無線リソースと時間軸方向で重複する範囲(第1領域とも称され得る)において、第1無線リソースがあるかを判定する(S303)。S303において、受信装置20は、第1領域に含まれる第1無線リソースにより第1サービスのデータ(第1データとも称され得る)を受信したかを判定してもよい。例えば、受信装置20は、第2スロットよりも短い第1スロット単位でスケジューリングされた第1無線リソースにマッピングされたかも知れない第1サービスのデータ(第1データ)のデコードを試みてもよい。その結果、第1データのデコードに成功した場合、受信装置20は、第1領域において第1無線リソースがあると判定してもよい(S303でYES)。一方、第1データのデコードに失敗した場合、受信装置20は、第1領域において第1無線リソースがないと判定してもよい(S303でNO)。ここで、S303において、第1領域に含まれる第1無線リソースにより第1サービスのデータ(第1データとも称され得る)を受信したかを判定することは、第1領域において第1無線リソースがあるかを判定することの一例である。
また例えば、S303において、受信装置20は、第2無線リソースと重複する時間範囲(第1領域とも称され得る)において第1無線リソースが予約されているかを判定してもよい。例えば、受信装置20は、第1領域において第1無線リソースが予約されている場合、第1領域に第1無線リソースがあると判定(S303でYES)してもよい。例えば、受信装置20は、第1領域において第1無線リソースが予約されていない場合、第1領域に第1無線リソースがないと判定(S303でNO)してもよい。ここで、S303において、第1領域で第1無線リソースが予約されているかを判定することは、第1領域において第1無線リソースがあるかを判定することの一例である。
受信装置20は、第1領域において第1無線リソースがないと判定した場合(S303でNO)、第1既知信号に基づく第2無線リソースのデコード結果(S302の結果)を、第2無線リソースのデコード結果として、図12に例示される処理を終了してもよい。
受信装置20は、第1領域において第1無線リソースがあると判定した場合(S303でYES)、第2無線リソースに適用される変調方式に応じて、第2既知信号の配置パターンを決定する(S307C)。S307Cにおいて、受信装置20は、1シンボルに載せられる情報量(ビット数)が多い変調方式であるほど、第2無線リソースに配置される第2既知信号の個数が多くなるような配置パターンを選択してもよい。別言すると、307Cにおいて、受信装置20は、1シンボルに載せられる情報量(ビット数)が少ない変調方式であるほど、第2無線リソースに配置される第2既知信号の個数が少なくなるような配置パターンを選択してもよい。第2無線リソースに適用される変調方式と第2既知信号の配置パターンとの関係は、図14に示される例や、図17に示される例などを参考にされたい。
受信装置20は、S307Cにより決定された配置パターンに従って、第1領域に含まれる第2無線リソースから、第2既知信号を抽出する(S304)。S304において、受信装置20は、S307Cにより決定された配置パターンに従って、第2既知信号が配置されるリソースエレメントに相当する箇所から、第2既知信号を抽出してもよい。
受信装置20は、第2無線リソースのうち第1領域に含まれる部分を、抽出された第2既知信号に基づいてデコードする(S305)。S305において、受信装置20は、第1領域に含まれる第2無線リソースのうち、第2既知信号に相当する部分を、デコード対象から除外し得る。そして、受信装置20は、第1既知信号に基づくデコード結果(S302の結果)と、第2既知信号に基づくデコード結果(S305の結果)とを統合する(S306)。これにより、受信装置20は、第2既知信号が配置されたリソースエレメントから、第2無線リソースにマッピングされた第2サービスの送信データ(第2データとも称され得る)をデコードしようとすることが避けられる。その結果、受信装置20は、第2無線リソースのデコードに成功し得る。
以上が、図20に例示される、実施例4に係る無線通信システム1の受信装置20における処理の流れの一例である。
以上に開示される実施例4の一側面によれば、スケジューリングの時間単位が異なる複数の無線リソースが時間軸方向で重複する第1領域において、第2既知信号が挿入され得る。これにより、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレームにおいて、第1既知信号と第2既知信号とに基づいて、第2無線リソースを適切にデコードすることができる。その結果、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレーム構造を許容する無線通信システムにおいて、適切に無線通信を行うことができるようになる。このような作用は、5Gシステムにおいて、eMBB、URLLC、mMTCなどの多様な無線サービスを実現するうえで有用である。
以上に開示される実施例4の他の一側面によれば、送信装置10は、第2無線リソースに適用される変調方式に応じて、第1領域に含まれる第2無線リソースに挿入される第2既知信号の配置パターンを決定し得る。例えば、1シンボルに載せられる情報量(ビット数)が多い変調方式であるほど、第2無線リソースに配置される第2既知信号の個数が多くなるような配置パターンが選択され得る。別言すると、1シンボルに載せられる情報量(ビット数)が少ない変調方式であるほど、第2無線リソースに配置される第2既知信号の個数が少なくなるような配置パターンが選択されてもよい。一般的に、1シンボルに載せられる情報量(ビット数)が多い変調方式であるほど、無線チャネル推定誤差やノイズや信号波形の歪に対する耐性が低くなる。そのため、1シンボルに載せられる情報量(ビット数)が多い変調方式であるほど、第2無線リソースに配置される第2既知信号を増やすことで、伝送品質の低下に対する耐性を確保したいかもしれない。別言すると、1シンボルに載せられる情報量(ビット数)が少ない変調方式であるほど、無線チャネル推定誤差やノイズや信号波形の歪に対する耐性が高まる。そのため、1シンボルに載せられる情報量(ビット数)が少ない変調方式であるほど、第2無線リソースに配置される第2既知信号を減らすことで、無線リソースの利用効率を向上させたいかもしれない。
この様に、実施例4に係る送信装置10は、第2無線リソースに適用される変調方式に応じて、第1領域に含まれる第2無線リソースに挿入される第2既知信号の配置パターンを決定し得る。これにより、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレーム構造において、適切な無線通信の運用を可能としつつ、無線リソースの利用効率を向上させることができる。このような作用は、5Gシステムにおいて、eMBB、URLLC、mMTCなどの多様な無線サービスを実現するうえで有用である。
実施例4の他の一側面によれば、受信装置20は、第2無線リソースに適用される変調方式に応じて、第1領域に含まれる第2無線リソースから抽出される第2既知信号の配置パターンを決定し得る。これにより、複数の異なる時間単位のスケジューリングが混在する無線フレーム構造において、適切な無線通信の運用を可能としつつ、無線リソースの利用効率を向上させることができる。このような作用は、5Gシステムにおいて、eMBB、URLLC、mMTCなどの多様な無線サービスを実現するうえで有用である。
<ハードウェア構成> 最後に、以上に開示する各実施例に用いられる装置のハードウェア構成について、簡単に説明する。図21は、無線通信システム1における無線端末(UE)100と無線基地局(gNB)200とのハードウェア構成の一例を示す図である。UE100は、上りリンクにおける送信装置20の一例であり、下りリンクにおける受信装置10の一例である。gNB200は、上りリンクにおける受信装置20の一例であり、下りリンクにおける送信装置10の一例である。
図21におけるUE100は、無線通信回路101、処理回路102、メモリ103を有する。なお、図21におけるUE100では、アンテナなどの一部の構成について、図示を省略している。また、UE100は、液晶ディスプレイなどの表示装置や、タッチパネルなどの入力装置や、リチウムイオン二次電池(lithium-ion rechargeable battery)などのバッテリなどを備えてもよい。
無線通信回路101は、処理回路102からベースバンド信号(無線信号、デジタル無線信号と称されてもよい)の供給を受けて、当該ベースバンド信号から所定の出力レベルの無線信号(第2の無線信号、アナログ無線信号と称されてもよい)を生成し、アンテナを介して無線信号を空間に放射するように構成される。これにより、UE100は、gNB200に無線信号を送信することができる。また、無線通信回路101は、アンテナから入力される無線信号を受信し、無線信号をベースバンド信号に変換し、処理回路102にベースバンド信号を供給するように構成される。これにより、UE100は、gNB200からの無線信号を受信することができる。上述のように、無線通信回路101は、無線信号の送受信が可能となるように構成され、gNB200との無線通信を行う機能を有する。
無線通信回路101は、UE100内部に実装された伝送回路を介して処理回路102と通信可能に接続され得る。この様な伝送回路としては、例えば、M-PHY、Dig-RFなどの規格に準拠した伝送回路が挙げられる。
処理回路102(プロセッサ回路、演算回路と称されてもよい)は、ベースバンド信号処理を行うように構成される回路である。処理回路102は、無線通信システム1におけるプロトコルスタックに基づいてベースバンド信号(無線信号、デジタル無線信号と称されてもよい)を生成し、無線通信回路101にベースバンド信号を出力するように構成される。また、処理回路102は、無線通信回路101から入力されたベースバンド信号に対して、無線通信システム1におけるプロトコルスタックに基づいて復調・復号などの受信処理を行うように構成される。別言すれば、上りリンクにおいて、処理回路102は、無線通信の機能を複数のレイヤに分割したプロトコルスタックの手順に従って、gNB200宛ての第1データを上位層から下位レイヤへと送信データを順次処理して得られた第2データに基づいて、無線通信回路101に無線信号を送信させる回路としての側面を有する。また、処理回路102は、無線通信の機能を複数のレイヤに分割したプロトコルスタックの手順に従って、無線通信回路101を介して受信した無線信号を、下位レイヤから上位層へと順次処理する回路としての側面を有する。ここで、無線通信回路101からベースバンド信号の入力を受けることは、無線通信回路101を介してgNB200からの無線信号を受信するという側面を有する。
処理回路102は、例えば、メモリ103に格納されたプログラムを読みだして実行することで、上述の各実施例に係るUE100の動作を実現する演算装置であってもよい。別言すると、処理回路102は、上述の各実施例に係る送信装置10の動作(例えば、図3、図11、図13に示される動作)や、受信装置20の動作(例えば、図8、図10、図12、図20に示される動作)における、処理の流れを実行する主体(演算装置とも称され得る)としての側面を有する。処理回路102として、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、これらの組合せなどが挙げられる。なお、処理回路102は、二以上のコアを含むマルチコアプロセッサであっても良い。また、処理回路102は、無線通信システム1のプロトコルスタックにおける各レイヤに応じて、二以上の処理回路102を実装してもよい。
処理回路102は、C-CPUと称されてもよい。UE100は、処理回路102の他に、アプリケーションを実行するA-CPUとも称され得るプロセッサ回路を実装してもよい。なお、処理回路102は、A-CPUとも称され得るプロセッサ回路とともに1チップで実装してもよいし、個別のチップとして実装してもよい。上述のように、処理回路102は、UE100の動作を制御する機能を有する制御部としての側面を有する。
メモリ103は、処理回路102で実行されるベースバンド信号処理に係るデータやプログラムを記憶保持するように構成される回路である。メモリ103は、不揮発性記憶装置と揮発性記憶装置の両方あるいは一方を少なくとも含んで構成される。たとえば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)などが挙げられる。図21において、メモリ103は、主記憶装置及び補助記憶装置などの各種記憶装置を総称したものである。なお、メモリ103は、処理回路102と同様に、無線通信システム1のプロトコルスタックにおける各レイヤに応じて、二以上のメモリ103を実装してもよい。
図21に例示されるgNB200は、無線通信回路201、処理回路202、メモリ203、有線通信回路204、を有する。
無線通信回路201は、下りリンクにおいて、処理回路202からのベースバンド信号を受けて、ベースバンド信号から所定の出力レベルの無線信号を生成し、アンテナを介して無線信号を空間に放射するように構成される。また、無線通信回路201は、アップリンクにおいて、アンテナから入力される無線信号を受信し、無線信号をベースバンド信号に変換し、処理回路202へベースバンド信号を供給するように構成される。無線通信回路201は、CPRI(Common Public Radio Interface)などの伝送路を介して処理回路202と通信可能に接続させることも可能であり、RRH(Remote Radii Head)、RRE(Remote Radio Equipment)とも称され得る。また、無線通信回路201と処理回路202との組み合わせは、一対一に限定されるものではなく、一つの無線通信回路201に複数の処理回路202を対応付けたり、複数の無線通信回路201を一つの処理回路202に対応付けたり、複数の無線通信回路201を複数の処理回路202に対応付けることも可能である。上述のように、無線通信回路201は、UE100との無線通信を行う機能を有する通信部(送受信部、第2の送受信部とも称され得る)としての側面を有する。
処理回路202は、ベースバンド信号処理を行うように構成される回路である。処理回路202は、ダウンリンクにおいて、無線通信システムにおけるプロトコルスタックに基づいてベースバンド信号を生成し、無線通信回路201にベースバンド信号を出力するように構成される。また、処理回路202は、アップリンクにおいて、無線通信回路201から入力されたベースバンド信号に対して、無線通信システムにおけるプロトコルスタックに基づいて復調・復号などの受信処理を行うように構成される。別言すると、下りリンクにおいて、処理回路202は、無線通信の機能を複数のレイヤに分割したプロトコルスタックの手順に従って、受信装置としてのUE100宛ての送信データを、上位レイヤから下位レイヤへと順次処理して、無線通信回路201を介して送信する回路としての側面を有する。また、上りリンクにおいて、処理回路202は、無線通信の機能を複数のレイヤに分割したプロトコルスタックの手順に従って、無線通信回路201を介して受信した無線信号を、下位レイヤから上位レイヤへと順次処理する回路としての側面を有する。ここで、アップリンクにおいて、無線通信回路201からベースバンド信号の入力を受けることは、無線通信回路201を介してUE100からの無線信号を受信するという側面を有する。
処理回路202は、例えば、メモリ203に格納されたプログラムを読みだして実行することで、上述の各実施例に係る送信装置10の動作(例えば、図3、図11、図13に示される動作)や、受信装置20の動作(例えば、図8、図10、図12、図20に示される動作)における、処理の流れを実行する主体(演算装置と称されてもよい)としての側面を有する。処理回路202として、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などが挙げられる。なお、処理回路202は、二以上のコアを含むマルチコアプロセッサであっても良い。また、処理回路202は、無線通信システムのプロトコルスタックにおける各レイヤに応じて、二以上の処理回路202を実装してもよい。例えば、MACレイヤに属するMACエンティティとしての処理を実行する処理回路202と、RLCレイヤに属するRLCエンティティとしての処理を実行する処理回路202と、PDCPレイヤに属するPDCPエンティティとしての処理を実行する処理回路202とを、個別に実装してもよい。上述のように、処理回路202は、gNB200の動作を制御する機能を有する制御部(UE100の制御部と区別するために、第2の制御部と称されてもよい)としての側面を有する。例えば、処理回路202は、各種の設定情報(例えば第1の設定情報、第2の設定情報)をUE100に送信する処理を実行する。なお、各種の設定情報は、制御信号と称されてもよい。
メモリ203は、処理回路202で実行されるベースバンド信号処理に係るデータやプログラムを記憶保持するように構成される回路である。メモリ203は、不揮発性記憶装置と揮発性記憶装置の両方あるいは一方を少なくとも含んで構成される。たとえば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)などが挙げられる。図21において、メモリ203は、主記憶装置及び補助記憶装置などの各種記憶装置を総称したものである。なお、メモリ203は、処理回路202と同様に、無線通信システムのプロトコルスタックにおける各レイヤに応じて、二以上のメモリ203を実装してもよい。例えば、MACレイヤに属するMACエンティティとしての処理に用いられるメモリ203と、RLCレイヤに属するRLCエンティティとしての処理に用いられるメモリ203と、PDCPレイヤに属するPDCPエンティティとしての処理に用いられるメモリ203とを、個別に実装してもよい。
有線通信回路204は、他の装置へ出力可能なフォーマットのパケットデータに変換して他の装置へ送信したり、他の装置から受信したパケットデータからデータなどを抽出して、メモリ203や処理回路202などに出力したりする。他の装置の例としては、他の無線基地局やMME(Mobility Management Entity)やSGW(Serving Gateway)などがあり得る。MMEやSGWはコアノードとも称され、コアノードとの通信に用いられる論理的な通信インタフェースはS1インタフェースとも称され得る。他の無線基地局との通信に用いられる論理的な通信インタフェースはX2インタフェースとも称され得る。
以上の詳細な説明により、本開示の特徴点及び利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神及び権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような本開示の特徴点及び利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良及び変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する開示の範囲を前述したものに限定する意図はなく、本明細書に開示された範囲に含まれる適当な改良物及び均等物に拠ることも可能である。例えば、本明細書に開示の各工程は、必ずしも処理の流れの一例として説明された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、工程の順序を入れ替えてもよく、あるいは複数の工程を並列的に実行してもよい。なお、以上の詳細な説明で明らかにされる5Gシステムに生じ得る事情は、5Gシステムを一側面から検討した場合に見出し得るものであり、他の側面から検討した場合には、他の事情が見出され得ることに留意されたい。別言すると、本発明の特徴点及び利点は、以上の詳細な説明に明記された事情を解決する用途に限定されるものではない。
最後に、本開示における各実施例及び変形例の構成は、本発明の技術的思想を具体化するための一例を示したものであり、本発明をこれら各実施例及び変形例の構成に限定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態にも等しく適用し得るものである。例えば、本開示における用語は、今後の5Gシステムの仕様策定において、名称が変更され得ることに留意されたい。また、本開示における用語に対して列挙される一以上の別称は、相互に同義であり得ることに留意されたい。