定義
用語「個体」、「宿主」、「対象」および「患者」は、本明細書で互換的に用いられており、非限定的にヒト、非ヒト霊長類(例えば、類人猿)、非ヒト哺乳動物(例えば、哺乳類の家畜動物(例えば、ウシ、ブタ、ヤギおよびヒツジの動物))、および哺乳動物のペット(例えば、猫、犬)をはじめとする哺乳動物;魚;ならびに鳥(例えば、鶏)を指す。
「生体試料」は、個体から得られた種々の試料のタイプを包含する。この定義は、生体起源の血液、血清、血漿、および他の液体試料;生検標本またはそれに由来する組織培養物もしくは細胞およびその前駆体などの固形組織を包含する。この定義はまた、試薬での処置、洗浄または上皮細胞などの特定の細胞集団の濃縮などによる獲得の後に、任意の方法で操作された試料を包含する。用語「生体試料」は、臨床試料を包含し、培養物、細胞上清、臓器、組織試料、肺生検試料、肺上皮細胞、胃腸上皮細胞、胃腸管組織試料、気管支肺胞洗浄(BAL)液試料、鼻腔洗浄液試料、血液、血漿、血清、脳脊髄液、糞便試料なども挙げられる。
「免疫調整物質」または「免疫調整剤」は、低下した免疫機能を修復すること、異常な免疫機能をダウンレギュレートすること、異常/過剰な免疫機能を調節すること、正常な免疫機能を増進すること、および所望の免疫反応を提供すること、のうちの1つまたは複数を実施する任意の薬剤である。免疫機能は、液性(抗体介在性)免疫、細胞免疫、および自然免疫のうちの1つまたは複数を包含する。「免疫調整物質」は、免疫反応の発現に関与する細胞、または細胞もしくは分子メカニズムに直接作用し、それにより免疫反応に関与する細胞の機能を改変するように働く薬剤を包含する。免疫機能の調節は、免疫系に対して内因性または外因性である正のフィードバックの影響に由来する活性化メカニズムを無効にするための免疫調整剤の作用からもたらされ得る。免疫機能の調節は、免疫系に対して内因性または外因性である負のフィードバックの影響に由来する抑制メカニズムを無効にするための免疫調整剤の作用からもたらされ得る。したがって免疫調整物質は、多様な作用機序を有し得る。
用語「調整する」および「調整」は、免疫細胞、サイトカイン、ケモカイン、抗体、可溶性因子、表面分子、細胞内分子、エフェクター機能、調節機能などの数および/または活性の増大、低減、または均衡を指す。
用語「自己免疫疾患」および「自己免疫障害」は、本明細書で互換的に用いられており、自己抗原への免疫反応、即ち、通常は体内に存在する物質および組織への免疫反応によって特徴づけられる疾患を指す。
用語「炎症性疾患」は、炎症から生じる、または炎症をもたらす疾患を指す。用語「炎症性疾患」はまた、異常な組織損傷および/または細胞死につながる様々な自然免疫および適応免疫によって増悪された応答を誘発する炎症性反応の調節異常を指す場合がある。
「アジュバント」は、免疫反応を増強することが可能な任意の薬剤であり、それゆえ免疫賦活薬の一種である(Stites and Terr, Basic and Clinical Immunology, 7th Ed., Appleton and Lange Norwalk CT. pp. 797, 1991)。アジュバントは、液性および/または細胞介在性免疫反応を増進するために、ワクチン接種において免疫反応を増進するために用いられる。
「サイトカイン」は、他の細胞の機能に影響を及ぼし、免疫反応または炎症反応における細胞間相互作用を調整する分子である、任意の分泌ポリペプチドを意味する。サイトカインとしては、どの細胞が産生するか否かにかかわらず、モノカイン、ケモカイン、およびリンフォカインが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「抗体」および「免疫グロブリン」は、任意のアイソタイプの抗体または免疫グロブリン、非限定的にFab、Fv、scFv、およびFd断片を含む、抗原への特異的結合を保持する抗体の断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、一本鎖抗体、二重特異性抗体、ならびに抗体の抗原結合部分および非抗体タンパク質を含む融合タンパク質を包含する。同じくこの用語により包含されるのは、Fab’、Fv、F(ab’)2、抗原への特異的結合を保持する他の抗体断片、およびモノクローナル抗体である。抗体は、一価または二価であり得る。
「治療上有効量」または「有効量」は、疾患を処置するために哺乳動物または他の対象へ投与されると、疾患に対してそのような処置を実行するのに十分となる、化合物または薬剤の量を意味する。「治療上有効量」は、該化合物または薬剤、疾患およびその重症度、ならびに処置される対象の年齢、体重、一般的健康状態、性別などに応じて変動するであろう。幾つかの例において、薬剤の「有効量」は、1)免疫機能を正常レベルまで修復する量;2)免疫機能を正常レベルまで調整する量;または3)免疫機能を病的レベル未満まで低減する量である。
用語「処置」、「処置すること」などは、本明細書では一般に、所望の薬理学的および/または生理学的効果を得ることを意味するために用いられる。該効果は、疾患もしくはその症状を完全にもしくは部分的に予防するという点で防護的であり得、そして/または疾患、および/もしくは疾患に起因し得る有害作用に関して部分的もしくは完全な治癒という点で治療的であり得る。本明細書で用いられる「処置」は、哺乳動物における疾患または症状の任意の処置を含み、(a)疾患もしくは症状に罹患する素因があり得るが、まだそれを有すると診断されていない対象において、該疾患もしくは症状の発症を予防すること、(b)該疾患もしくは症状を阻害すること、即ち、発症を停止させること、または(c)該疾患を緩和すること、即ち、該疾患の軽減を起こすこと、などがある。該治療薬は、疾患または障害の発生の前、発生の間、または発生後に投与され得る。患者の望ましくない臨床症状を安定化または低減する、継続している疾患の処置が、特に該当する。そのような処置は、影響を受けた組織において完全に機能を喪失する前に実施されるのが望ましい。表題の治療は、所望なら疾患の症状段階の際に、そして場合により疾患の症状段階の後に、投与されるであろう。
「治療的に許容し得る担体または賦形剤」は、任意のタイプの非毒性固形、半固形、または液体充填剤、希釈剤、カプセル化材料、または配合助剤を意味する。配合剤を調製する当業者は、選択された薬剤の特有の特徴、処置される疾患状態、疾患のステージ、および他の関連の状況に応じて、好適な形状および投与の様式を即座に選択し得る。
本発明をさらに記載する前に、本発明が記載された特定の実施形態に限定されず、もちろん変化し得ることが、理解されなければならない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で用いられる用語法が、個々の実施形態のみを説明する目的のもので、限定を意図するものでないことも、理解されなければならない。
値の範囲が提供されている場合、その範囲の上限と下限の間の各値、他に断りがなければ下限の単位の10分の1まで、そして言及された範囲内の任意の他の言及された値または範囲内の値が、本発明に包含されることは、理解されよう。これらのより小さな範囲の上限および下限は、独立してこれらのより小さな範囲内に含まれ得、言及された範囲内の任意の具体的に除かれた限界を条件として、同じく本発明内に含まれる。言及された範囲が、一方または両方の限界値を含む場合、それらの含まれる限界値の一方または両方を除く範囲もまた、本発明に含まれる。
他に定義されなければ、本明細書で用いられる全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似または同一の任意の方法および材料もまた、本発明の実践またはテストに用いられるが、好ましい方法および材料がここに記載される。本明細書で挙げられた全ての発行物が、該発行物が引用された関連の方法および/または材料を開示および記載するために、参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる通り、単数形「a」、「an」および「the」が、他に明確に示されない限り複数の対象物を含むことが、留意されなければならない。したがって、例えば「生存するカウロバクター・クレセンタス」と言った場合には、複数のそのような細菌を含み、「サイトカイン」といった場合には、当業者に知られる1種または複数のサイトカインおよびその均等物などについて言及していること含む。特許請求の範囲が、任意の選択的要素を除外するために立案され得ることを、さらに留意されたい。そのためこの言明は、特許請求の範囲の要素の列挙に関連して、「唯一」、「のみ」などのような排他的用語法の使用のため、または「負の限定」の使用のための先行詞として働くものとする。
明瞭にするために別の実施形態に関連して記載された本発明の特定の特色が、1つの実施形態に組み合わせて提供され得ることが認識されよう。反対に、簡潔さのために1つの実施形態に関連して記載された本発明の様々な特色はまた、別個に、または任意の適切な部分的組み合わせで提供され得る。本発明に関係する実施形態の全ての組み合わせが、本発明によって具体的に包含され、いずれの組み合わせも、個別に、そして明白に開示されるかの如く、本明細書に開示される。加えて、様々な実施形態および要素の全ての部分的組み合わせもまた、本発明に具体的に包含され、あらゆるそのような部分的組み合わせが、個別に、そして明白に本明細書に開示されるかの如く、本明細書に開示される。
本明細書で議論された発行物が、本出願の出願日より前に単にそれらの開示のために提供されている。本明細書中のいずれも、先行の発明を考慮してそのような発行物に先立つことの権利を与えるものと見なすべきではない。さらに、提供された発行物の日付けは、独立して確認されることが必要となり得る実際の発行日とは異なり得る。
詳細な記載
本開示は、カウロバクター・クレセンタス(CC)、および免疫調整性の生物学的治療薬としてのそれの使用に関する。CCは、自然免疫反応および適応免疫反応を調整することにより免疫調整効果を有することが示されている。本開示は、生存するカウロバクター・クレセンタス(CC)を含む免疫調整組成物を提供する。本開示の免疫調整組成物は、個体における免疫反応を調整するのに有用である。本開示の免疫調整組成物は、個体における望ましくない免疫反応を低減するのに有用である。本開示の免疫調整組成物は、個体における炎症を低減するのに有用である。本開示は、個体における免疫反応を調整する方法であって、CCを含む免疫調整組成物を該個体へ投与することを含む、方法を提供する。本開示は、個体における望ましくない免疫反応を低減する方法であって、生存するCCを含む免疫調整組成物を該個体へ投与することを含む、方法を提供する。本開示は、個体における炎症を低減する方法であって、生存するCCを含む免疫調整組成物を該個体へ投与することを含む、方法を提供する。
免疫調整組成物
本開示は、カウロバクター・クレセンタス(CC)を含む免疫調整組成物を提供する。本開示の免疫調整組成物中のCCは、生育可能である。免疫調整組成物中のCCは、非変性、突然変異、弱毒化、および/または遺伝子改変され得る。本開示の免疫調整組成物は、カウロバクター・クレセンタス菌の1つまたは複数の異なる菌株のカクテルを含み得る。
CC含有免疫調整組成物は、対象へのCC投与が、対象におけてそれに対する免疫反応(例えば、抗原特異性反応)を調整または調節することが望ましい1種または複数の抗原の対象への投与とは、完全に独立し得、ならびに/または時間的および/もしくは空間的に分離し得る「アジュバンティング」をはじめとする、免疫調整活性のための医薬的に許容し得る担体または賦形剤と共に、CCそのものを含む。
本開示の免疫調整組成物は、個体における免疫反応を調整(例えば、低減)し得る。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるB細胞の数を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるB細胞の数を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のB細胞の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性B細胞の数を調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性B細胞の数を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性B細胞の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における自己抗原特異性B細胞の数を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の自己抗原特異性B細胞の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるアレルゲン特異性B細胞の数を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のアレルゲン特異性B細胞の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるB細胞の活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるB細胞の活性化を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のB細胞の活性化レベルに比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるB細胞の活性化を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のB細胞の活性化レベルに比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における所与の抗原に特異的な抗体の量を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における所与の抗原に特異的な抗体の量を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の該抗原に特異的な抗体の量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における所与の抗原に特異的な抗体の量を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の該抗原に特異的な抗体の量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における自己抗原特異性抗体の量を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の自己抗原特異性抗体の量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるアレルゲン特異性抗体の量を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のアレルゲン特異性抗体の量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における1種または複数のサイトカインの産生を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における1種または複数のサイトカインの産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の該サイトカインの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における1種または複数のサイトカインの産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の1種または複数のサイトカインの産生に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。他の例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるGM-CSFの産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のGM-CSFの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるGM-CSFの産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のGM-CSFの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるIL-22の産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のIL-22の量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるIL-22の産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のIL-22の量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。その他として、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるインターフェロン(IFN)-αおよび/またはIFN-βおよび/またはIFN-γの産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のIFN-αまたはIFN-βまたはIFN-γの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるインターフェロン(IFN)-αおよび/またはIFN-βおよび/またはIFN-γの産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のインターフェロン(IFN)-αおよび/またはIFN-βおよび/またはIFN-γの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるIFN-γの産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のIFN-γの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
別の例として、幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるIL-1β、IL-17A、IL-2、IL-10、IL-6およびTNF-αのうちの1つまたは複数の産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のIL-1β、IL-17A、IL-2、IL-10、IL-6またはTNF-αの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるIL-10のレベルを、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のIL-10の量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く増加させるのに効果的となる量である。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるIL-10産生CD4+および/またはCD8+T細胞の数を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のIL-10産生CD4+および/またはCD8+T細胞の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く増加させるのに効果的となる量である。別の例として、幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるIL-1β、IL-17A、IL-2、IL-6およびTNF-αのうちの1つまたは複数の産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のIL-1β、IL-17A、IL-2、IL-10、IL-6およびTNF-αのうちの1つまたは複数の量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるIL-17の産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のIL-17の量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるIL-2の産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のIL-2の量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTNF-αの産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のTNF-αの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるIL-6の産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のIL-6の量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるIL-1βの産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のIL-1βの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTGF-βのレベルを、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のTGF-βの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く増加させるのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における、非限定的にGM-CSF、IL-2、IL-22、インターフェロン、IL-1β、TGF-β、IL-17A、IL-2、IL-10、IL-6、IL-5、IL-13、TNF-α、IL-9、IL-28、KC/IL-8、MIP-1α、LTα4などの1種または複数のサイトカイン、ケモカインまたはリンフォトキシンの産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のGM-CSF、IL-2、IL-22、インターフェロン、IL-1β、TGF-β、IL-17A、IL-2、IL-10、IL-6、IL-5、IL-13、TNF-α、IL-9、IL-28、KC/IL-8、MIP-1α、LTα4などのサイトカイン、ケモカインまたはリンフォトキシンの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く調整する(例えば、増大、低減または均衡する)のに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTh1応答を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTh1応答を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のTh1応答のレベルに比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTh1応答を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のTh1応答に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるCD4+T細胞の数および/または活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるCD4+T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のCD4+T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性CD4+T細胞の数および/または活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性CD4+T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性CD4+T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるCD4+T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のCD4+T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性CD4+T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性CD4+T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における自己抗原特異性CD4+T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の自己抗原特異性CD4+T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるCD8+T細胞の数および/または活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるCD8+T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のCD8+T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性CD8+T細胞の数および/または活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性CD8+T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性CD8+T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるCD8+Tの数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のCD8+Tの数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性CD8+Tの数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性CD8+Tの数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における自己抗原特異性CD8+T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の自己抗原特異性CD8+T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における細胞溶解性T細胞の数および/または活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における細胞溶解性T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の細胞溶解性T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性細胞溶解性T細胞の数および/または活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性細胞溶解性T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性細胞溶解性T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における細胞溶解性T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の細胞溶解性T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性細胞溶解性T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性細胞溶解性T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるナチュラルキラー(NK)細胞、NKT細胞、γδT細胞、自然リンパ細胞(ILC)、マクロファージ、および樹状細胞(DC)の1つまたは複数の数および/または活性を調整するのに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるNK細胞、NKT細胞、γδT細胞、ILC、マクロファージ、およびDCの1つまたは複数の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のNK細胞、NKT細胞、γδT細胞、ILC、マクロファージ、およびDCの1つまたは複数の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるNK細胞、NKT細胞、γδT細胞、ILC、マクロファージ、およびDCの1つまたは複数の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のNK細胞、NKT細胞、γδT細胞、ILC、マクロファージ、およびDCの数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く調整するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における調節性細胞の数および/または活性を調整するのに効果的な量である。調節性T細胞(Treg)は、CD4+またはCD8+であり、FoxP3+でもあり得る。Tregは、PD-1、CTLA-4などの他のマーカーによっても定義され得る。調節性細胞は、NK、NKT、γδT細胞、ILC、DCおよびBリンパ球などの他の自然細胞で構成され得る。NKおよびNKTは、FoxP3+でもあり得、PD-1などの他のマーカーによっても定義され得る。本明細書で用いられる調節性細胞の「数および/または活性を調整する」は、調節性細胞の数および/または活性を増大、低減、または均衡することを指す。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における調節性細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の調節性細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における調節性細胞の数を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の調節性細胞の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く増加させるのに効果的となる量である。一例として、幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるCD8+調節性細胞(例えば、CD8+/CD25+/FoxP3+細胞)の数を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のCD8+調節性細胞(例えば、CD8+/CD25+/FoxP3+細胞)の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く増加させるのに効果的となる量である。別の例として、幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるCD8+調節性細胞(例えば、CD8+/FoxP3+細胞)の数を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のCD8+調節性細胞(例えば、CD8+/FoxP3+細胞)の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く増加させるのに効果的となる量である。別の例として、幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるNKT細胞(例えば、NKT+/FoxP3+細胞)の数を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のNKT細胞(例えば、NKT+/FoxP3+細胞)の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く増加させるのに効果的となる量である。別の例として、幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるNKT細胞(例えば、NKT+/PD-1+細胞)の数を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のNKT細胞(例えば、NKT+/PD-1+細胞)の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く増加させるのに効果的となる量である。別の例として、幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるNK細胞(例えば、NK+/FoxP3+細胞)の数を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のNK細胞(例えば、NK+/FoxP3+細胞)の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く増加させるのに効果的となる量である。別の例として、幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるNK細胞(例えば、NK+/PD-1+細胞)の数を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のNK細胞(例えば、NK+/PD-1+細胞)の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く増加させるのに効果的となる量である。別の例として、幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるCD4+調節性細胞(例えば、CD4+/FoxP3+細胞)の数を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のCD4+調節性細胞(例えば、CD4+/FoxP3+細胞)の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く増加させるのに効果的となる量である。別の例として、幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるCD4+調節性細胞(例えば、CD4+/CD25+/FoxP3+細胞)の数を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のCD4+調節性細胞(例えば、CD4+/CD25+/FoxP3+細胞)の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く増加させるのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTh17細胞の数および/または活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTh17細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のTh17細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性Th17細胞の数および/または活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性Th17細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性Th17細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTh17細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のTh17細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性Th17細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性Th17細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、病理学的免疫反応の1つまたは複数の血清マーカーのレベルを正常化するのに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における血清マーカー(これらのマーカーにはコレステロール(CHOL)、グルコース(GLU)、グロルビン(GLOB)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、総リン酸塩(TP)、総ビリルビン(TBIL)、リン酸塩(PHOS)、トリグリセリド(TRIG)、尿酸(URIC)、クレアチンキナーゼ(CK)および尿素がある)の1つまたは複数のレベルを、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のCH、GLU、GLOB、ALT、AST、TP、PHOS、TRIG、URIC、CK、TBILまたは尿素のレベルに比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く正常化するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTh22細胞の数および/または活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTh22細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のTh22細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性Th22細胞の数および/または活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性Th22細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性Th22細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTh22細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のTh22細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性Th22細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性Th22細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTH9細胞の数および/または活性を調整するのに効果的な量である。本明細書で用いられるTH9細胞の「数および/または活性を調整する」は、TH9細胞の数および/または活性を増大、低減、または均衡することを指す。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTH9細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のTH9細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における自然および/または適応(細胞および液性の両方を含む)免疫反応を調整(例えば、低減)および/または調節するのに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における自然および/もしくは適応細胞の数および/もしくは活性、ならび/またはそれらのエフェクター機能を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の自然もしくは適応細胞の1つもしくは複数の数および/もしくは活性、ならびに/またはそれらのエフェクター機能に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における自然および/もしくは適応細胞の数および/もしくは活性、ならび/またはそれらのエフェクター機能を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の自然および/もしくは適応細胞の数および/もしくは活性、ならび/またはそれらのエフェクター機能に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における自然および/または適応免疫細胞のアポトーシスを誘発および/または増加させて、望ましくない炎症を防御するのに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における自然および/または適応免疫細胞のアポトーシスを、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の自然または適応免疫細胞の1種または複数の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く誘発および/または増加させるのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、造血幹細胞の増殖および/または分化を誘導し、ホメオスタシスを修復するのに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く、造血幹細胞の増殖および/または分化を誘導し、ホメオスタシスを修復するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物は、CCおよび抗原を含む。本開示の免疫調整組成物が、CCおよび抗原を含む場合、幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、抗原に対する免疫反応を、免疫調整組成物での処置を行わなかった場合の抗原への免疫反応に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば該抗原が、自己抗原またはアレルゲンに関連または由来する抗原である場合、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、抗原に対する免疫反応を、免疫調整組成物での処置を行わなかった場合の抗原への免疫反応に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば、免疫調整組成物が、CC、抗原、自己抗原またはアレルゲンを単独でまたは互いに組み合わせて含む場合、幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原への免疫反応を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体における抗原への免疫反応に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
該免疫反応は、液性免疫反応、例えばB細胞または抗体免疫反応であり得る。したがって、例えば幾つかの例において、抗原が、自己抗原またはアレルゲンに関連または由来する抗原である場合、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、抗原に対するB細胞の反応を、免疫調整組成物での処置を行わなかった場合の抗原へのB細胞の反応に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原へのB細胞の反応を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原へのB細胞の反応に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、抗原が、自己抗原またはアレルゲンに関連または由来する抗原である場合、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、抗原に特異的な抗体の量を、免疫調整組成物での処置を行わなかった場合の抗原に特異的な抗体の量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原に特異的な抗体の量を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体における抗原に特異的な抗体の量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
該免疫反応は、細胞免疫反応、例えばT細胞の反応であり得る。したがって、例えば幾つかの例において、抗原が、自己抗原またはアレルゲンに関連または由来する抗原である場合、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、抗原に対するT細胞の反応を、免疫調整組成物での処置を行わなかった場合の抗原へのT細胞の反応に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原へのT細胞の反応を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体における抗原へのT細胞の反応に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
本開示の免疫調整組成物は、約103CC/ml~約1012CC/mlの量のCCを含み得る。例えば本開示の免疫調整組成物は、約103CC/ml~約104CC/ml、約104CC/ml~約105CC/ml、約105CC/ml~約106CC/ml、約106CC/ml~約107CC/ml、約108CC/ml~約109CC/ml、約109CC/ml~約1010CC/ml、約1010CC/ml~約1011CC/ml、または約1011CC/ml~約1012CC/mlの量のCCを含み得る。
本開示の免疫調整組成物は、約103CC/mg~約1012CC/mgの量のCCを含み得る。例えば本開示の免疫調整組成物は、約103CC/mg~約104CC/mg、約104CC/mg~約105CC/mg、約105CC/mg~約106CC/mg、約106CC/mg~約107CC/mg、約108CC/mg~約109CC/mg、約109CC/mg~約1010CC/mg、約1010CC/mg~約1011CC/mg、または約1011CC/mg~約1012CC/mgの量のCCを含み得る。
本開示の免疫調整組成物は、約103CC/g~約1015CC/gの量のCCを含み得る。例えば本開示の免疫調整組成物は、約103CC/g~約104CC/g、約104CC/g~約105CC/g、約105CC/g~約106CC/g、約106CC/g~約107CC/g、約108CC/g~約109CC/g、約109CC/g~約1010CC/g、約1010CC/g~約1011CC/g、約1011CC/g~約1012CC/g、約1012CC/g~約1013CC/g、約1013CC/g~約1014CC/g、または約1014CC/g~約1015CC/gの量のCCを含み得る。
本開示の免疫調整組成物は、約102~約1020コロニー形成単位(cfu)/単位投与剤形の量のCCを含み得、例えば本開示の免疫調整組成物は、約102~約103、約103~約105、約105~約107、約107~約109、約109~約1011、約1011CC~約1013、約1013~約1015、約1015~約1018、または約1018~約1020cfu/単位投与剤形の量のCCを含み得る。単位投与剤形は、単一用量で投与される量であり得、例えば単位投与剤形は、0.5ml、1.0ml、または単一用量での投与に適した他の容量であり得る。
CCは、カウロバクター・クレセンタスを、約0℃~37℃(例えば、約0℃~15℃、約10℃~20℃、約20℃~25℃、約23℃~25℃、約23℃~37℃、または約30℃~35℃)の温度に、約1時間~より長時間の期間(例えば、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも4時間、一晩、少なくとも24時間、少なくとも48時間、少なくとも100時間、または100時間を超えて)、暴露することにより調製され得る。CCはまた、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、または任意の他の緩衝剤中に、約36℃~-170℃(例えば、約0℃~36℃、約0℃~4℃、約10℃~15℃、約0℃~-20℃、約-10℃以下)の温度で、または当業者に公知の条件で、貯蔵され得る。CCは、0.0000001~100%生存可能であり得る。例えばCCは、0.0000001~0.000001%生存可能、0.000001~0.00001%生存可能、0.00001~0.0001%生存可能、0.0001%~0.001%生存可能、0.001%~0.01%生存可能、0.01%~0.1%生存可能、0.1%~1%生存可能、1%~10%生存可能、10%~100%生存可能、25%~100%生存可能、50%~100%生存可能、75%~100%生存可能、または90%~100%生存可能であり得る。
本開示の免疫調整組成物は、約0.1OD~30.0ODの様々な光学密度単位(OD)の培養で生育されたCCを含み得る。例えば生育されたCC培養物のODは、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9などであり得る。
カウロバクター・クレセンタス
本開示の免疫調整組成物は、非病原性であるカウロバクターを含む。非病原性のカウロバクター属は、アスチカカウリスの2種を含む、19の異なる種(C.ビブリオイデス(C.vibroides)、C.ヘンリシイ、C.インターメディウス、C.ルビギノーサス、C.ルチリス、C.サブビブリオデス、C.フシフォルミス、C.ロッシ、A.エクスセントリカス、A.ビプロセカムなど)を含む。例えば、JS Poindexter, The Caulobacters: Ubiquitous Unusual Bacteria, Microbiol Rev 45, 123-179, 1981を参照されたい。CB35、CB26、CB28、KA5、CB66、FC4など、カウロバクター属の菌種の幾つかは、American Type Culture Collection(ATCC)から入手できる。生存、非変性、突然変異型または弱毒形態のカウロバクター属のこれらの菌種の全てを、本明細書に記載された免疫調整剤として用いることができる。加えて、カウロバクター菌は、非運動性プロステーカ、運動性スウォーマー、スタビー型(stubby)フラジェリンおよび陽性フラジェリン、陰性フラジェリン、分割および/または非分割形態であり得る。カウロバクター属の菌種は、PYE培地中で、18℃~42℃の範囲内の温度および5~9の範囲内のpHで、しかし場合により23~25℃の範囲内の温度およびpH7で生育され得る。カウロバクター属の菌種の変異または遺伝子改変形態は、培養条件のうち栄養素、化学薬品、pH、温度、紫外線もしくは赤外線、放射線などを変更すること、または生細菌中の様々な酵素、代謝経路、表面分子、核酸、プラスミド、細胞内および細胞壁成分、滑面および粗面LPSを遺伝子改変することによって生成され得る(JS Poindexter, The Caulobacters: Ubiquitous Unusual Bacteria, Microbiol Rev 45, 123-179, 1981)。
カウロバクター・クレセンタスは、抗原を送達するために担体および/または送達ビヒクルとして作用し得る。静電的および疎水性相互作用などの非遺伝子改変法(GM)として、カウロバクター・クレセンタス表面へ抗原が結合することにより、抗原担体および/または送達ビヒクルとしてカウロバクター・クレセンタスを作用させることが可能となり得る。さらに、カウロバクター・クレセンタスは、生物接着/粘膜接着により、M細胞輸送による抗原取込み、DC/APCへの送達および続いて起こるDC/APCの調整、粘膜表面でのNK、NKT、BおよびT細胞応答の調整を促進し得る。
以下の議論は、カウロバクター・クレセンタスに焦点をあてているが、本開示の免疫調整組成物に種々の非病原性カウロバクター属菌種のうちのいずれも、含まれ得る。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物は、カウロバクター・クレセンタス(CC)を含む。幾つかの例において、該カウロバクター・クレセンタスは、野生型である。幾つかの例において、該カウロバクター・クレセンタスは、リポ多糖陰性菌株である。幾つかの例において、該カウロバクター・クレセンタスは、S層陰性菌株である。幾つかの例において、該CCは、突然変異型、弱毒性であるか、または自滅性の突然変異を含有する。幾つかの例において、カウロバクター・クレセンタスは、クロラムフェニコール、ペニシリン耐性プラスミドなどの薬剤耐性プラスミドを有する、または有さない。幾つかの例において、カウロバクター・クレセンタスは、PYE培地以外の培地で生育され得る。
幾つかの例において、カウロバクター・クレセンタスは、1つまたは複数の異種ポリペプチドを産生するように遺伝子改変される。該ポリペプチドは、広範囲のサイズのものであり得る。適切な異種ポリペプチドとしては、PD1、PDL、CTLA-4、GITR、VISTA;抗原提示細胞(APC)またはT細胞上に見出される共抑制性タンパク質;サイトカイン(例えば、IL-10;または先に列挙されたサイトカインのいずれか);ケモカイン;抗原(例えば、本明細書の先に記載された自己抗原またはアレルゲン);抗原(例えば、先に記載された自己抗原)に対する抗体、シグナル伝達分子、受容体、サイトカイン;アポトーシス促進タンパク質;融合タンパク質(例えば、抗原およびサイトカイン、抗原および担体タンパク質)などが挙げられるが、これらに限定されない。
幾つかの例において、カウロバクター・クレセンタスは、蛍光、放射性同位体、光タグなどで細菌を標識またはカップリングすることによって修飾される。
幾つかの例において、カウロバクター・クレセンタスは、遺伝子改変されている。幾つかの例において、カウロバクター・クレセンタスは、細菌が増殖のために弱毒化されるように、遺伝子改変されている。幾つかの例において、カウロバクター・クレセンタスの核酸は、該微生物が増殖に関して減弱されるように、改変されている。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物は、CC全体を含む。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物は、生存する、または非変性のCCを含む。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物は、合成バイオティクスとして他の合成または天然細菌から単離され得る、合成され得る、または遺伝子的に製造され得るCCの個々の、または複数の成分、副産物、および/または代謝産物を含む。CCの成分は、エフェクター分子、例えば多糖類、グリコシルセラミド、ペプチドグリカン、核酸、構造タンパク質、短鎖脂肪酸、脂肪酸代謝産物、ヒドロキシル脂肪酸などを含み得るが、これらに限定されない。カウロバクター・クレセンタスの画分、成分、副産物および/または代謝産物は、培養上清のろ過、様々な有機溶媒、酵素、例えばグリコシダーゼ、リパーゼ、DNAse、RNAse、プロテアーゼ、リゾチームなどでの処置によって得ることができる。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物は、CCの個々の成分または複数の成分を含み、物理化学的または遺伝的方法を利用して抗原と融合され得、合成細菌として用いられ得る。
幾つかの例において、カウロバクター・クレセンタスは、化学療法薬および/または免疫療法薬、ならびに他の細菌からの合成の遺伝子材料を包装および送達するように、外膜小胞内に遺伝子操作される。幾つかの例において、カウロバクター・クレセンタスは、合成治療性細菌「合成バイオティクス」として遺伝子回路に遺伝子操作および構築される。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物は、CCのS層を含む。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物は、1種または複数の異種ポリペプチド、化学療法薬および/または免疫療法薬を提示するように遺伝子改変されたCCのS層を含む。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物は、S層の成分を含む。
抗原
本開示の免疫調整組成物は、CCに加えて、1つまたは複数の(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10以上の)抗原を含み得る。適切な抗原としては、自己抗原に由来する抗原;およびアレルゲンが挙げられるが、これらに限定されない。
幾つかの実施形態において、カウロバクター・クレセンタスは、抗原を生成するように遺伝子改変され;そして遺伝子改変カウロバクター・クレセンタスは、本開示の免疫調整組成物を生成するために生存している。細菌を遺伝子改変する方法は、当該技術分野で公知である。
他の実施形態において、CCは、本開示の免疫調整組成物中の抗原と混合される。カウロバクター・クレセンタスは、抗原を送達するための担体および/または送達ビヒクルとして作用し得る。静電的および疎水性相互作用などの非遺伝子改変法(GM)として、カウロバクター・クレセンタス表面へ抗原が結合することにより、カウロバクター・クレセンタスを抗原担体および/または送達ビヒクルとして作用させることが可能となり得る。さらに、カウロバクター・クレセンタスは、生物接着/粘膜接着により、M細胞輸送による抗原取込み、DC/APCへの送達および続いて起こるDC/APCの調整、粘膜表面でのNK、NKT、BおよびT細胞反応の調整を促進し得る。
CCを用いる本明細書に記載された免疫調整組成物および方法の特定の実施形態に用いられる抗原は、対象においてそれに対する免疫原性の調整が望ましい任意の標的エピトープ、分子、分子複合体、細胞または組織であり得る。
本開示の免疫調整組成物は、ヒトまたは動物自己抗原またはアレルゲンに対する免疫反応を調整することが可能な1種または複数の抗原または抗原組成物を含み得る。該抗原は、抗原特異性反応の調整が望ましいまたは有益である自己免疫疾患、アレルギー、喘息、プリオン病または任意の他の状態と関連し得る。
適切な抗原は、当該技術分野で公知の任意のタイプの抗原であり得る。抗原は、植物、動物、原核生物、インビトロ細胞培養物などの任意の種々の供給源中で生成され得る。抗原は、以下に記載される通り、種々の形態であり得る。
適切な抗原としては、例えばペプチド、改変ペプチド、ペプチドミモトープ、立体配座が制限された合成ペプチド、1つまたは複数の抗原からのマルチエピトープペプチド、分枝状ペプチド、リポペプチド、モノリポペプチド、ジリポペプチド、タンパク質にコンジュゲートまたは融合されたペプチド、T細胞またはB細胞エピトープにジュゲートまたは融合されたペプチドが挙げられる。例えば、米国特許第8,198,400号を参照されたい。適切な抗原としては、例えば完全長抗原、短縮抗原、変異抗原、および不活性化または組み合わせ形態が挙げられる。適切な抗原としては、例えばタンパク質、精製または組換えタンパク質、組換え融合タンパク質、Toll様受容体(TLR)アゴニスト/アンタゴニストにコンジュゲートされたタンパク質およびペプチド、細菌毒素にコンジュゲートされたタンパク質およびペプチド、抗体にコンジュゲートされたタンパク質およびペプチド、サイトカインおよびケモカインにコンジュゲートされたタンパク質およびペプチド、糖タンパク質、糖リポタンパク質、ならびにそれらの誘導体が挙げられる。適切な抗原としては、例えば多糖、多糖コンジュゲート、オリゴ糖、脂質、糖脂質、炭水化物およびそれらの誘導体が挙げられる。抗原は、抗原提示および/もしくは共抑制を調整するように、または共抑制シグナルを増大するように改変され得る。
抗原または抗原組成物は、自己抗原、アレルゲンなどから得ることができる。
抗原は、全細胞抽出物、細胞溶解物、全細胞、生細胞全体、不活性化細胞全体、照射された細胞全体などであり得る。抗原は、粗製形態、精製形態、または組換え形態であり得る。幾つかの例において、抗原は、少なくとも50%純粋、少なくとも60%純粋、少なくとも70%純粋、少なくとも80%純粋、少なくとも90%純粋、少なくとも95%純粋、少なくとも98%純粋、または少なくとも99%純粋、または99%超えて純粋である。
抗原は、化学的に、酵素的に、または遺伝子的にCCに連結させることができる。幾つかの例において、抗原は、CCと混和された本開示の免疫調整組成物中に存在する。
本開示の免疫調整組成物は、単一タイプの抗原を含み得る。本開示の免疫調整組成物は、2つ以上の異なる抗原を含み得る。本開示の免疫調整組成物は、2、3、4、5、6、または6よりも多くの異なる抗原を含み得る。本開示の免疫調整組成物が、1つまたは複数の抗原を含む場合、該1つまたは複数の抗原は、同一の細胞またはアレルゲンのものであり得る。本開示の免疫調整組成物が、1種よりも多くの抗原を含む場合、該1種よりも多くの抗原は、2種以上の細胞またはアレルゲンのものであり得る。
抗原は、タンパク質、リポ多糖、リポタンパク質、プロテオグリカン、糖タンパク質、グルコサミノグリカン、オリゴ糖などの形態であり得る。
抗原は、抗原、例えばポリペプチド抗原をコードするヌクレオチド配列を含む核酸の形態であり得る。例えば、抗原は、DNA(例えば、プラスミドDNA、裸DNAなど)、RNA、ならびに/または野生型、弱毒、および/もしくは組換えベクターを基にした核酸の形態で提供され得る。抗原をコードする核酸は、「裸」であり得るか、またはリポソームなどの送達系の中に含有され得る。
組換えベクターにコードされた抗原は、組換えウイルスベクター(アデノウイルス(例えば、Ad2、Ad4、Ad5、Ad35、Ad35K5など)、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、水胞性口炎ウイルス、αウイルス、麻疹ウイルス、パパイヤモザイクウイルス、サイトメガロウイルス、改変型ワクシニアアンカラウイルスMVA、ポリオウイルス、マラバ(Marba)ウイルスなど)、細菌ベクターワクチン(サルモネラ、シゲラ、大腸菌、乳酸連鎖球菌、リステリア属の菌種、ラクトバチルス属の菌種など)、真菌ベクター(加熱死組換えサッカロマイセス酵母など)、植物ウイルス、ウイルス様粒子(VLP)、ビロソーム、合成ワクチン粒子、合成バイオミメティック超分子バイオベクター、非病原化(depathogenized)ウイルス/細菌菌株(H5N1からのNIBRG14など)の中の抗原をコードするヌクレオチド配列に作動可能に結合したプロモーターを含む少なくとも1つの組換え発現構築物であり得る。該ベクターは、生存する野生型、非複製型、突然変異型、改変型、欠損型または弱毒型の形態であり得る。該ベクターは、ヒト、動物、植物または原核生物起源のもので、任意の有効量であり得る。
自己免疫疾患またはアレルギーを処置または予防する際に、抗原は、本開示の免疫調整組成物と同一または異なる回数で、同一または異なる部位に抗原を与えることができる。
自己抗原
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物は、CCに加えて、自己抗原を含む。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物は、CCに加えて、1種または複数の自己組織からの1つまたは複数の自己抗原、例えば1、2、3、4、5または5つ以上の抗原を含む。
例えば、自己免疫疾患が、1型糖尿病である場合、抗原は、膵島β細胞関連抗原、プロインスリン、グルタミン酸デカルボキシラーゼ、クロモグラニンA、膵島アミロイドポリペプチド、HSP60であり得;全身エリテマトーデスでは、抗原は、snRNPであり得;グレーブス病では、抗原は、チログロブリン、チロトロピン受容体または甲状腺上皮細胞であり得;血小板減少性紫斑病では、抗原は、血小板、GPIIB/IIIaであり得;多発性硬化症では、抗原は、ミエリン塩基性タンパク質、MOG、PLPであり得;セリアック病では、抗原は、トランスグルタミニダーゼであり得る。
適切な自己抗原は、自己免疫疾患の発症および/または拡大に関与する自己抗原であり得、その病理、例えば全身エリテマトーデス(SLE)または重症筋無力症(MG)は、関連の標的臓器、組織、または細胞によって発現される分子に特異的な抗体の存在を原因とする可能性がある。そのような疾患では、関連する自己抗原に対する進行中の抗体介在(即ち、Th2型)免疫反応を細胞(即ち、Th1型)免疫反応へ向けることが望ましくなり得る。あるいは、適当な自己抗原へのTh1反応を防護的に誘発することによって、関連する自己免疫疾患を有さないが、発症し易いことが疑われる対象の自己抗原へのTh2反応の開始を予防する、またはその該反応のレベルを低下させることが望ましいことがある。表題の免疫調整組成物に含まれ得る自己抗原としては、(a)SLEに関連して、Smithタンパク質、RNPリボ核タンパク質、SS-Aタンパク質、およびSS-Bタンパク質;ならびに(b)MGに関連して、アセチルコリン受容体、が挙げられるが、これらに限定されない。1つまたは複数のタイプの自己免疫反応に関与する他の抗原の例としては、例えば内因性ホルモン、例えば黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン、テストステロン、成長ホルモン、プロラクチンおよび他のホルモンが挙げられる。
適切な自己抗原の他の例としては、統合失調症、アルツハイマー病、うつ病、下垂体前葉機能低下症などの神経疾患、およびアテローム硬化症(例えば、アテローム硬化症の抗原は、コレステロールエステル転移タンパク質、酸化LDL、apoB210、apoB100であり得る)などの心臓血管疾患と関係する抗原が挙げられる。
他の適切な自己抗原が、前部ブドウ膜炎と、続く緑内障を引き起こし得る若年性関節リウマチおよびマリー・ストランペル強直性脊椎炎に関連するものを包含することは、当業者に認識されよう。他の適切な自己抗原としては、ハンチントン病およびパーキンソン病に関連するものが挙げられる。
自己抗原の例としては、細胞特異性または臓器特異性自己免疫に関連するものが挙げられる。そのような自己抗原としては、重症筋無力症に関連するアセチルコリン受容体;慢性活動性肝炎および原発性胆汁性肝硬変に関連するアクチン;拡張型心筋症および心筋炎に関連するアデニンヌクレオチドトランスロケーター(ANT);拡張型心筋症に関連するβ-アドレノレセプター;自己免疫性多内分泌腺症候群I型(APS-I)に関連する芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼ;自己免疫性肝炎に関連するアシアロ糖タンパク質;嚢胞性線維症、血管炎に関連する殺菌性/透過性増強タンパク質(Bpi);後天性副甲状腺機能低下症に関連するカルシウム感知受容体;APS-Iに関連するコレステロール側鎖切断酵素;グッドパスチャー症候群に関連するコラーゲンIV型α3-鎖;自己免疫性肝炎に関連するチトクロームP450 2D6(CYP2D6);クローン病および冠動脈疾患に関連するデスミン;落葉性天疱瘡に関連するデスモグレイン1;尋常性天疱瘡に関連するデスモグレイン3;自己免疫性肝炎に関連するF-アクチン;ギラン・バレー症候群に関連するGMガングリオシド;1型糖尿病およびスティッフマン症候群に関連するグルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD65);ラスムッセン脳炎に関連するグルタミン酸受容体(GLUR);自己免疫性胃炎に関連するH/K ATPase;APS-Iに関連する17-α-ヒドロキシラーゼ(CYP17);アジソン病に関連する21-ヒドロキシラーゼ(21-hydroxylast)(CYP21);1型糖尿病に関連するIA-2(ICA512);1型糖尿病およびインスリン低血糖症候群(平田病)に関連するインスリン;B型インスリン抵抗性、表皮肥厚および全身エリテマトーデス(SLE)に関連するインスリン受容体;悪性貧血に関連する内因子1型;処置耐性ライム関節炎に関連する白血球機能関連抗原(LFA-1);ポリニューロパシーに関連するミエリン関連糖タンパク質(MAG);多発性硬化症および脱髄疾患に関連するミエリン塩基性タンパク質;多発性硬化症に関連するミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質(MOG);リウマチ熱に関連する縮瞳;アトピー性皮膚炎に関連するp80-コイリン;原発性胆汁性肝硬変に関連するピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体E2(PDC-E2);グレーブス病および自己免疫性甲状腺機能低下症に関連するナトリウム・ヨウ素共輸送体(NIS);白斑症に関連するSOX-10;甲状腺関連性眼障害に関連する甲状腺および眼筋共有タンパク質(thyroid and eye muscle shared protein);自己免疫性甲状腺炎に関連するサイログロブリン;自己免疫性橋本甲状腺炎に関連する甲状腺ペルオキシダーゼ;グレーブス病に関連するサイロトロピンン受容体;セリアック病に関連する組織トランスグルタミナーゼ;アトピー性皮膚炎に関連する転写コアクチベータp75;APS-Iに関連するトリプトファンヒドロキシラーゼ;白斑症および転移性黒色腫に関連するチロシナーゼ;ならびにAPS-Iに関連するチロシンヒドロキシラーゼが挙げられる。
自己抗原の例としては、全身性自己免疫に関連するものが挙げられる。そのような自己抗原としては、ACTH欠損症に関連するACTH;筋炎(myotitis)および皮膚筋炎に関連するアミノアシル-tRNAヒスチジルシンセターゼ;多発性筋炎および皮膚筋炎に関連するアミノアシル-tRNAシンセターゼ(複数);SLEに関連するカルジオリピン;SLE、ショーグレン症候群および全身性硬化症に関連する炭酸脱水酵素II;関節リウマチ(RA)、SLEおよび進行性全身性硬化症に関連するコラーゲン(複数の型);全身性硬化症に関連するセントロメア関連タンパク質;皮膚筋炎に関連するDNA依存性ヌクレオソーム刺激性ATPase;強皮症に関連するフィブリラリン;SLE、RAおよびモルフェアに関連するフィブロネクチン;RAに関連するグルコース-6-リン酸イソメラーゼ;原発性抗リン脂質抗体症候群に関連するβ2-糖タンパク質I(β2-GPI);ショーグレン症候群、SLEおよびRAに関連するゴルジン(95、97、160、180);様々な免疫関連障害に関連するヒートショックタンパク質;水疱性類天疱瘡、妊娠性疱疹および良性粘膜類天疱瘡に関連するヘミデスモソーム関連タンパク質180;SLEに関連するヒストンH2A-H2B-DNA;慢性特発性じん麻疹に関連するIgE受容体;RAに関連するケラチン;SLEに関連するKu-DNA-タンパク質;結合組織症候群に関連するKu核タンパク質;ショーグレン症候群に関連するLaリンタンパク質(La 55-B);壊死および急速進行性糸球体腎炎および全身性血管炎に関連するミエロペルオキシダーゼ;ウェゲナー肉芽腫およびチャーグ・ストラウス症候群に関連するプロテイナーゼ3(PR3);全身性硬化症およびSLEに関連するRNAポリメラーゼI~III(RNP);多発性筋炎に関連するシグナル認識タンパク質(SRP54);強皮症およびレイノー症候群に関連するトポイソメラーゼ-I(Scl-70);慢性肝疾患および内臓リーシュマニア症に関連するチューブリン;ならびに全身自己免疫疾患に関連するビメンチンが挙げられる。
自己抗原の他の例としては、血漿タンパク質およびサイトカイン自己免疫性に関連するものが挙げられる。そのような自己抗原としては、自己免疫性C1欠損症に関連するC1阻害剤;SLEおよび膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)に関連するC1q;RAおよび全身性硬化症に関連するサイトカイン(IL-1α、IL-1β、IL-6、IL-10、LIF);凝固時間の延長に関連する第II因子、第V因子、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子、第XI因子、第XII因子、トロンビン、vWF;自己免疫性血小板減少性紫斑病に関連する糖タンパク質IIb/IIIgおよび1B/IX;免疫欠損症に関連するIgA;ならびにアテローム性硬化症(artherosclerosis)に関連する酸化LDL(OxLDL)が挙げられる。
自己抗原のさらなる例としては、癌および腫瘍随伴性自己免疫性に関連するものが挙げられる。そのような自己抗原としては、神経症および小肺細胞癌に関連するアンフィファイシン;肝細胞癌に関連するサイクリンB1;肝臓癌に関連するトDNAポイソメラーゼII;腫瘍随伴性天疱瘡に関連するデスモプラキン;腫瘍随伴性スティッフマン症候群に関連するゲフィリン;腫瘍随伴性脳脊髄炎に関連するHuタンパク質;亜急性自律神経障害および癌に関連する神経ニコチン性アセチルコリン受容体;癌とSLEに関連するp53;肝細胞癌(China)に関連するp62(IGF-II mRNA結合タンパク質);癌関連網膜症に関連するレコベリン;腫瘍随伴性眼球クローヌス・ミオクローヌス運動失調に関連するRiタンパク質;下位運動ニューロン症候群に関連するβIVスペクトリム;ランバート・イートン筋無力症候群に関連するシナプトタグミン;ランバート・イートン筋無力症候群に関連する電位依存性カルシウムチャネル;ならびに腫瘍随伴性小脳変性症に関連するYoタンパク質が挙げられる。
アレルゲン
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物は、CCに加えて、アレルゲンを含む。適切なアレルゲンは、公知の方法を用いて得ること、および/または生成することができる。適切なアレルゲンの分類としては、花粉、ネコ皮屑以外の動物皮屑、草、カビ、粉塵、抗生物質、刺咬昆虫毒、および様々な環境アレルゲン(薬品および金属を含む)、薬物アレルゲンおよび食物アレルゲンが挙げられるが、これらに限定されない。一般的な樹木アレルゲンとしては、ハコヤナギ、ポプラ(popular)、セイヨウトネリコ、カバノキ、カエデ、オーク、ニレ、ヒッコリー、およびペカンの木由来の花粉が挙げられ;一般的な植物アレルゲンとしては、ヨモギ、ブタクサ、ヘラオオバコ、ソレルドック(sorrel-dock)およびアカザ由来のものが挙げられ;植物接触アレルゲンとしては、有毒オーク、ツタウルシおよびイラクサ由来のものが挙げられ;一般的な草アレルゲンとしては、ライグラス、オオアワガエリ、ジョンソングラス、バミューダグラス、ウシノケグサおよびイチゴツナギのアレルゲンが挙げられ;一般的なアレルゲンは、アルテルナリア、フザリウム、ホルモデンドラム、アスペルギルス、ミクロポリスポラ、ムコールおよび好熱性放線菌などのカビまたは真菌からも得ることができ;表皮性アレルゲンは、ハウスダストまたは有機ダスト(典型的には、起源の中の真菌)、節足動物、例えばイエダニ(ヤケヒョウヒダニ)、または動物供給源、例えば羽毛、およびイヌ皮屑から得ることができ;一般的な食物アレルゲンとしては、牛乳およびチーズ(乳製品(diary))、卵、小麦、ナッツ(例えば、ピーナッツ)、魚介類(例えば、甲殻類)、エンドウ、豆およびグルテンアレルゲンが挙げられ;一般的な環境アレルゲンとしては、金属(ニッケルおよび金)、化学薬品(ホルムアルデヒド、トリニトロフェノールおよびテレビン油)、ラテックス、ゴム、繊維(綿または羊毛)、バーラップ、染毛剤、化粧品、洗剤および香料アレルゲンが挙げられ;一般的な薬物アレルゲンとしては、局所麻酔薬およびサリチル酸塩のアレルゲンが挙げられ;抗生物質アレルゲンとしては、ペニシリン、テトラサイクリンおよびスルホンアミドアレルゲンが挙げられ;一般的な昆虫アレルゲンとしては、ハチ毒、スズメバチ毒、アリ毒、およびゴキブリ貯卵嚢アレルゲンが挙げられる。詳細には、明確に特徴づけられたアレルゲンとしては、Der pIアレルゲンの主要および潜在性エピトープ(Hoyne et al. (1994) Immunology 83190-195)、ハチ毒ホスホリパーゼA2(PLA)(Akdis et al. (1996) J. Clin. Invest. 98:1676-1683)、カバノキ花粉アレルゲンBet v1(Bauer et al. (1997) Clin. Exp. Immunol. 107:536-541)、およびマルチエピトープ遺伝子組換え草アレルゲンrKBG8.3(Cao et al. (1997) Immunology 90:46-51)が挙げられるが、これらに限定されない。これらのアレルゲンおよび他の適切なアレルゲンは、市販されており、そして/または公知技術に従って抽出物として容易に調製され得る。
適切なアレルゲンとしては、樹木花粉アレルゲン、雑草花粉アレルゲン、ハーブ花粉アレルゲン、草木花粉アレルゲン、ダニアレルゲン、昆虫アレルゲン、毒アレルゲン、動物毛アレルゲン、皮屑アレルゲンおよび食物アレルゲンが挙げられる。
幾つかの例において、アレルゲンは、抽出物、精製アレルゲン、修飾されたアレルゲン、組換えアレルゲンもしくは組換えアレルゲンの変異体、またはこれらの任意の組み合わせの形態である。幾つかの例において、該アレルゲンは、草花粉アレルゲン、イエダニアレルゲン、ブタクサアレルゲン、ネコアレルゲンおよびカバノキアレルゲンからなる群から選択される。
アレルゲンは、単位剤形あたり約2.5μg~約75μgの量で、本開示の免疫調整組成物中に存在し得る。例えば、アレルゲンは、単位剤形あたり約2.5μg~約5μg、約5μg~約10μg、約10μg~約15μg、約15μg~約20μg、約20μg~約25μg、約25μg~約50μg、または約50μg~約75μg、または75μgを超える量で、本開示の免疫調整組成物中に存在し得る。
幾つかの例において、アレルゲンを含む本開示の免疫調整組成物の用量は、約65~約17,600生物学的アレルゲン単位(BAU(Biological Allergen Unit))の力価を有する。幾つかの例において、アレルゲンを含む本開示の免疫調整組成物の用量は、約650BAU~約6,000BAUを含む。
抗体
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物は、CCに加えて、癌抗原、自己抗原、アレルゲンまたは病原性抗原に対する抗体(例えば、治療抗体、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、免疫化学複合抗体、放射性免疫複合抗体、抗体-サイトカイン融合タンパク質、抗体-抗原融合タンパク質、抗体-免疫毒素融合タンパク質など)を含む。
本開示の免疫調整組成物に含まれ得る抗体としては、共刺激または共抑制分子に対する抗体(CD28、CD40、CTLA-4、PD-1、PDL-1、GITR、VISTA、LAG-3、ICOS、CD137、OX40、CD137、CD227、CTLA-4、KIR、TCR、TIM3など)、および他の治療抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
適切な抗体の非限定的例としては、アダリムマブ、ベバシズマブ、インフリキシマブ、アブシキシマブ、アレムツズマブ、バピネオズマブ、バシリキシマブ、ベリムマブ、ブリアキヌマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、セルトリズマブペゴル、セツキシマブ、コナツムマブ、デノスマブ、エクリズマブ、エトロリズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゴリムマブ、イブリツモマブチウキセタン、ラベツズマブ、マパツムマブ、マツズマブ、メポリズマブ、モタビズマブ、ムロモナブ-CD3、ナタリズマブ、ニモツズマブ、オファツムマブ、オマリズマブ、オレゴボマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、ペムツモルナブ(pemtumornab)、ペルツズマブ、ラニビズマブ、リツキシマブ、ロベリツマブ、トシリズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、ウステキヌマブ、ベドリゾマブ、ザルツムマブ、およびザノリムマブが挙げられるが、これらに限定されない。
本開示の免疫調整組成物と組み合わせて用いられ得る治療および防護抗体の非限定的例としては、前立腺癌の処置のためのヒト化抗CTLA-4抗体であるMDX-010(Medarex、ニュージャージー州所在);RSV感染の処置のためのヒト化抗呼吸器合胞体ウイルス(RSV)モノクローナル抗体であるSYNAGIS(商標)(MedImmune、メリーランド州所在);および転移性乳癌の処置のためのヒト化抗HER2モノクローナル抗体であるHERCEPTIN(商標)(トラツヅマブ)(Genentech、カリフォルニア州所在)が挙げられる。他の例は、ヒト化抗CD18 F(ab’)2(Genentech);ヒト化抗CD18 F(ab’)2であるCDP860(Celltech、英国);CD4と融合した抗HIV gp120抗体であるPRO542(Progenics/Genzyme Transgenics);ヒト抗B型肝炎ウイルス抗体であるOstavir(Protein Design Lab/Novartis);ヒト化抗CMV IgGI抗体であるPROTOVIR(商標)(Protein Design Lab/Novartis);ネズミ抗TNF-αF(ab’)2であるMAK-195(SEGARD)(Knoll Pharma/BASF);抗CD14抗体であるIC14(ICOS Pharm);ヒト化抗VEGF IgG1抗体(Genentech);ネズミ抗CA 125抗体であるOVAREX(商標)(Altarex);ネズミ抗17-IA細胞表面抗原IgG2a抗体であるPANOREX(商標)(Glaxo Wellcome/Centocor);ネズミ抗イディオタイプ(GD3エピトープ)IgG抗体であるBEC2(ImClone System);キメラ抗EGFRIgG抗体であるIMC-C225(ImClone System);ヒト化抗αVβ3インテグリン抗体であるVITAXIN(商標)(Applied Molecular Evolution/MedImmune);ヒト化抗CD52 IgG1抗体であるCampath 1H/LDP-03(Leukosite);ヒト化抗CD33 IgG抗体であるSmart M195(Protein Design Lab/Kanebo);キメラ抗CD20 IgG1抗体であるRITUXAN(商標)(IDEC Pharm/Genentech、Roche/Zettyaku);ヒト化抗CD22 IgG抗体であるLYMPHOCIDE(商標)(Immunomedics);ヒト化抗HLA抗体であるSmart ID10(Protein Design Lab);放射標識ネズミ抗HLA診断試薬抗体であるONCOLYM(商標)(Lym-1)(Techniclone);ヒト抗IL8抗体であるABX-IL8(Abgenix);ヒト化IgG1抗体である抗CD11a(Genentech/Xoma);ヒト化抗ICAM3抗体であるICM3(ICOS Pharm);霊長類化抗CD80抗体であるIDEC-114(IDEC Pharm/Mitsubishi);放射標識ネズミ抗CD20抗体であるZEVALIN(商標)(IDEC/Schering AG);ヒト化抗CD40L抗体であるIDEC-131(IDEC/Eisai);霊長類化抗CD4抗体であるIDEC-151(IDEC);霊長類化抗CD23抗体であるIDEC-152(IDEC/Seikagaku);ヒト化抗CD3 IgGであるSMART抗CD3(Protein Design Lab);ヒト化抗補体因子5(C5)抗体である5G1.1(Alexion Pharm);ヒト化抗TNF-α抗体であるD2E7(CAT/BASF);ヒト化抗TNF-αFab断片であるCDP870(Celltech);霊長類化抗CD4 IgG1抗体であるIDEC-151(IDEC Pharm/SmithKline Beecham);ヒト抗CD4 IgG抗体であるMDX-CD4(Medarex/Eisai/Genmab);ヒト化抗TNF-α IgG4抗体であるCDP571(Celltech);ヒト化抗α4β7抗体であるLDP-02(LeukoSite/Genentech);ヒト化抗CD4 IgG抗体であるOrthoclone OKT4A(Ortho Biotech);ヒト化抗CD40L IgG抗体であるANTOVA(商標)(Biogen);ヒト化抗VLA-4 IgG抗体であるANTEGREN(商標)(Elan);ヒト抗CD64(FcγR)抗体であるMDX-33(Medarex/Centeon);ヒト化抗IL-5 IgG4抗体であるSCH55700(Celltech/Schering);それぞれヒト化抗IL-5およびIL-4抗体であるSB-240563およびSB-240683(SmithKline Beecham);ヒト化抗IgE IgG1抗体であるrhuMab-E25(Genentech/Norvartis/Tanox Biosystems);ネズミ抗CD-147 IgM抗体であるABX-CBL(Abgenix);ラット抗CD2 IgG抗体であるBTI-322(MedImmene/Bio Transplant);ネズミ抗CD3 IgG2a抗体であるOrthoclone/OKT3(Ortho Biotech);キメラ抗CD25 IgG1抗体であるSIMULECT(商標)(Novartis Pharm);ヒト化抗β2-インテグリンIgG抗体であるLDP-01(LeukoSite);ネズミ抗CD18 F(ab’)2である抗LFA-1(Pasteur-Merieux/Immunotech);ヒト抗TGF-β2抗体であるCAT-152(Cambridge Ab Tech);ならびにキメラ抗因子VII抗体であるCorsevin M(Centocor)である。先に列挙された免疫反応性試薬、および任意の他の免疫反応性試薬は、免疫反応性試薬の供給業者によって推奨されるレジメンをはじめとする当業者に公知の任意のレジメンに従って投与され得る。
本開示の免疫調整組成物と組み合わせて用いられ得る治療および防護抗体の他の例としては、HumiraおよびRemicade;抗TNF耐性関節リウマチ(RA)および若年性特発性関節炎(JIA)の処置のための組換えモノクローナルIgG1抗ヒトインターロイキン6受容体抗体であるACTEMRA(商標)(Genentech);RAの処置のためのCD20分子上の膜近位エピトープに対するキメラヒトモノクローナル抗体であるARZERRA(商標)(GlaxoSmithKline/Novartis);SLEの処置のためのB-リンパ球刺激物質(BLyS)タンパク質の可溶性形態に結合してそれを阻害するヒトモノクローナルIgG1γであるBENLYSTA(商標)(GlaxoSmithKline);RA、JIAおよびSLEの処置のためのT細胞上のCD28の共刺激を阻害する抗原提示細胞上のCD80/86に結合するCTLA-4 IgG1であるORENCIA(商標)(Bristol-Myers Squibb);RA、乾癬性関節炎(PsA)および強直性脊椎炎(AS)の処置のための可溶性および膜結合TNF-αの両方で作用するIgG1モノクローナル抗体であるSIMPONI(Janssen);RAの処置のためのTNF-αモノクローナル抗体のペグ化されたヒト化抗体Fab’断片であるCIMZIA(商標)(UCBグループ);SLE、皮膚筋炎および多発性筋炎の処置のために設計された抗IFN-αモノクローナル抗体であるSifalimumab(MedImmune);SLE、全身性硬化症および血管炎の処置のための健常な個体の免疫グロブリンのプールである様々な静脈内免疫グロブリン製品;RAおよびクリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)の処置のためのインターロイキンブロッカーであるKINERET(商標)(Swedish Oprhan Biovitrum AB)、ILARIS(商標)(Novartis)およびARCALYST(商標)(Regeneron)が挙げられる。
サイトカイン
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物は、CCに加えて、サイトカインを含む。本開示の免疫調整組成物に含まれ得るサイトカインとしては、インターロイキン、トランスフォーミング増殖因子(TGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、上皮成長因子(EGF)、コロニー刺激因子(CSF)、結合組織活性化ペプチド(CTAP)、骨形成因子、ならびにそのような成長因子の生物学的活性類似体、断片および誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。適切なサイトカインとしては、B/T-細胞分化因子、B/T-細胞増殖因子、分裂促進性サイトカイン、化学走性サイトカイン、コロニー刺激因子、血管新生因子、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、IL1、IL2、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL8、IL9、IL10、IL11、IL12、IL13、IL14、IL15、IL16、IL17、IL18、IL22など、レプチン、ミオスタチン、マクロファージ刺激タンパク質、血小板由来成長因子、腫瘍壊死因子(TNF)-α(TNF-α)、TNF-β、神経成長因子(NGF)、CD40L、CD137L/4-1BBL、ヒトリンフォトキシン-β、G-CSF、M-CSF、GM-CSF、血小板由来成長因子(PDGF)、IL-1α、IL1-β、IP-10、PF4、GRO、9E3、エリスロポエチン、エンドスタチン、アンギオスタチン、血管内皮成長因子(VEGF)または任意のこれらの断片もしくは組み合わせが挙げられる。他のサイトカインとしては、βトランスフォーミング増殖因子(例えばTGF-β1、TGF-β2、TGF-β3);骨形成タンパク質(例えば、BMP-1、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6、BMP-7、BMP-8、BMP-9);ヘパリン-結合成長因子(例えば、線維芽細胞成長因子(FGF)、上皮成長因子(EGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、インスリン様成長因子(IGF));造血成長因子(Flt3);脳下垂体成長ホルモンまたは誘導体;成長ホルモン、神経活性ホルモン、インヒビン(例えば、インヒビンA、インヒビンB);分化因子(例えば、GDF-1);およびアクチビン(例えば、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンAB)を含むトランスフォーミング増殖因子(TGF)超遺伝子ファミリーのメンバーが挙げられる。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物は、CCに加えて、サイトカインを調整する化合物または薬剤を含む。
アジュバント
本開示の免疫調整組成物は、CCに加えて、1種または複数のアジュバントを含み得る。
例示的なアジュバントとしては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:(1)水中油型エマルジョン配合剤(他の特定の免疫刺激剤、例えばムラミルペプチド(以下参照)または細菌細胞壁成分を含む、または含まない)、例えば、(a)5%のスクアレン、0.5%のTween 80、および0.5%のSpan 85(場合によりMTP-PEを含有する)を含有し、マイクロフルイダイザーを用いてサブミクロン粒子に配合されるMF59(商標)(WO90/14837; Chapter 10 in Vaccine design: the subunit and adjuvant approach, eds. Powell & Newman, Plenum Press 1995)、(b)10%スクアラン、0.4%のTween 80、5%のPluronicブロックポリマーL121、およびthr-MDPを含有し、サブミクロンエマルジョンにマイクロフルイダイズされる、またはボルテックス処理されて大きな粒子サイズのエマルジョンを生成するSAF、ならびに(c)2%のスクアレン、0.2%のTween 80、および1つまたは複数の細菌細胞壁成分、例えばモノホスホリルリピドA(MPL)、トレハロースジミコール酸(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)、例えばMPL+CWS(Detox(商標))を含有するRIBI(商標)アジュバント系(RAS)、(Ribi Immunochem、モンタナ州ハミルトン所在);(2)用いられ得るサポニンアジュバント、例えばQS21もしくはStimulon(商標)(Cambridge Bioscience、マサチューセッツ州ウースター所在)またはそれから作製される粒子、例えば、さらなる洗剤が含まれ得ないISCOM(免疫刺激複合体)(例えば、WO00/07621);(3)完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA);(4)サイトカイン、例えばインターロイキン(例えば、IL-1、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-12、IL-15、IL-28など)(WO99/44636)など、インターフェロン(例えば、ガンマインターフェロン)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)、コロニー刺激因子(例えば、GM-CSF)など;(5)モノホスホリルリピドA(MPL)または3-O-脱アシル化MPL(3dMPL)、例えばGB-2220221、EP-A-0689454であり、場合により、肺炎球菌糖と共に用いられる場合、ミョウバンが実質的に存在しない、例えばWO00/56358;(6)3dMPLと、例えばQS21および/または水中油型エマルジョンとの組み合わせ、例えばEP-A-0835318、EP-A-0735898、EP-A-0761231;(7)CpGモチーフ(Krieg Vaccine 2000, 19, 618-622;WO96/02555、WO98/16247、WO98/18810、WO98/40100、WO98/55495、WO98/37919およびWO98/52581)を含むオリゴヌクレオチド、即ちシトシンがメチル化されない、少なくとも1つのCGジヌクレオチドを含有するオリゴヌクレオチド;(8)ポリオキシエチレンエーテルまたはポリオキシエチレンエステル、例えばWO99/52549;(9)オクトキシノールと組み合わせられたポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(WO01/21207)または少なくとも1種の追加の非イオン性界面活性剤、例えばオクトキシノールと組み合わせたポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはエステル界面活性剤(WO01/21152);(10)サポニンおよび免疫刺激オリゴヌクレオチド(例えば、CpGオリゴヌクレオチド)(WO00/62800);(11)免疫刺激物質および金属塩の粒子、例えばWO00/23105;(12)サポニンおよび水中油型エマルジョン、例えばWO99/11241;(13)サポニン(例えば、QS21)+3dMPL+IM2(場合によりステロールを含む)、例えばWO98/57659;(14)アルファGalCerおよびその誘導体;(16)Toll様受容体(TLR)アゴニスト、NOD様受容体(NLR)アゴニスト、RIG-Iアゴニスト、C型レクチン受容体のためのアゴニストおよび他の病原体認識受容体(PRR)アゴニスト、例えばCpG ODN、ISS-ODN、リンタトリモド(rinatolimod)、ポリI:Cおよびその誘導体、フラジェリン、アンプリジェン、イミダゾキノリン(imidazoquinalines)(例えば、イミキモド、レシキモド)、ムラミルジペプチド;(17)該組成物の有効性を増大するために免疫刺激剤として作用する他の物質。ムラミルペプチドとしては、N-アセチル-ムラミル-L-トレオニル-D-イソグルタミン(thr-MDP)、N-25アセチル-ノルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミン(nor-MDP)、N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタロニトリル-L-アラニン-2-(1’-2’-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)-エチルアミン(MTP-PE)などが挙げられる。幾つかの例において、ヒトへの投与に適するアジュバントが含まれる。
さらに例示的なアジュバントとしては、コレラ毒素Bサブユニット、BCG、緑膿菌細胞外タンパク質A、トコフェロール、HBVコア、大腸菌易熱性毒素(例えば、LT-A、LT-B)、百日咳毒素、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、コレラ由来毒素(CTA1-DD、CT)、変異LTおよびCT、アルミニウム塩系アジュバント(例えば、ミョウバン、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルハイドロゲル)、リン酸カルシウム、カオリン、モノホスホリルリピドA(MPL(登録商標))およびその誘導体、グルコピラノシルリピドA、合成リピドA、リピドA模倣物、ビタミンE、Depovax(商標)、サポニン(Quil-A、AS01、AS02(スクアレン+MPL+QS-21))、AS03、AS04(ミョウバン+MPL(登録商標))、トマチン(Tomatin)、プロトリン(Protolin)、RC-529、Pluronic(商標)、モナチド(Monatides)、Matrix-M、OM-174、Lipvac、IC-31、細菌/マイコバクテリアペプチド(KLK、陽イオン性(ポリ)ペプチド、抗細菌微生物ペプチド、デフェンシン、タフトシン、カテリシジンなど)、ジペプチド(ピドチモドなど)、Bestatin、Hepon(テトラデカペプチド)、SCV-07(γ-D-グルタミル-L-トリプトファン)、チモシン-a、Immunofan、チモーゲン(Thymogen)、インドリシジンおよびその誘導体、ポリホスファーゲン(polyphosphagene)およびその誘導体、ゲラン、ヌクレオチド(モノヌクレオチド、ジヌクレオチド、ポリヌクレオチド、環状ヌクレオチド)、Eurocineなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本開示の免疫調整組成物は、CCに加えて、1つまたは複数の粘膜接着剤、例えばアルギン酸ナトリウム、デンプン、レクチン、チオール化ポリマー、GelVac(商標)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボマー類、セチルトリメチルアンモニウムブロミドを含み得る。
本開示の免疫調整組成物は、CCに加えて、1つまたは複数のアジュバント配合剤、例えば水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、ナノエマルジョン、微粒子送達系、リポソーム、ミクロスフェア、生分解性ミクロスフェア、貼付剤のビロソーム、プロテオリポソーム、プロテアソーム、免疫刺激複合体(ISCOM、ISCOMATRIX)、ミクロ粒子、ナノ粒子、生分解性ナノ粒子、シリコンナノ粒子、ポリマー性ミクロ/ナノ粒子、ポリマー性ラメラ基質粒子(PLSP)、ミクロ粒子レジン、ナノリポゲル、合成/生分解性および生体適合性半合成または天然ポリマーまたはデンドリマー(例えば、PLG、PLGA、PLA、ポリカプロラクトン、シリコーンポリマー、ポリエステル、ポリ-ジメチルシロキサン、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリスチレンベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ポリスチレンジビニルベンゼンレジン、ポリホスファゼン、ポリ-[ジ-(カルボキシルアクトフェノキシ)ホスファゼン](PCPP)、ポリ-(メチルメタクリラート)、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ヒアルロン酸および誘導体、キトサンおよびその誘導体、多糖、デルタイヌリン多糖、糖脂質(合成または天然)、リポ多糖、ポリ陽イオン性化合物(複数可)(例えば、ポリアミノ酸、ポリ(γ-グルタミン酸)、ポリアルギニン-HCl、ポリ-L-リシン、ポリペプチド、バイオポリマー)、陽イオン性ジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDA)、α-ガラクトシルセラミドおよびその誘導体、古細菌脂質および誘導体、ラクトン(lactanes)、ガレン(gallen)、グリセロ脂質、リン脂質、コクリエートなど、またはこれらの混合物を含み得る。
本開示の免疫調整組成物は、CCに加えて、1種または複数のアジュバント配合剤、例えば食用油(例えば、オリーブ油、マスタード油、植物油、大豆油、鉱油など)を含む水中油型エマルジョンまたは油中水型エマルジョンを含み得る。
本開示の免疫調整組成物は、CCに加えて、1種または複数の界面活性剤および洗剤(例えば、非イオン性洗剤またはニオソーム)(例えば、Tween-80、ポリソルベート80、Span85、ステアリルチロシンなど)を含み得る。本開示の免疫調整組成物は、CCに加えて、デポー効果を提供する上述の成分またはアジュバントを含み得る。
プロバイオティクス
本開示の免疫調整組成物は、CCに加えて、1種または複数のプロバイオティクスを含み得る。「プロバイオティクス」は、1種の菌種(即ち、単一単離物)または純粋な細菌の組み合わせ(即ち、所望の細菌の共培養物)を含有する組成物を指し、微生物叢を修復し、そして/または健康利益を提供するために、哺乳動物へ投与され得る任意のさらなる担体、賦形剤および/または治療薬も含み得る。プロバイオティクスの例としては、ラクトバチルス属の菌種、ビフィドバクテリウム属の菌種、サッカロマイセス・ボウラルディイ、ストレプトコッカス属の菌種、エンテロコッカス・フェシウム、バチルス・コアグランス、フェカリバクテリウム属の菌種などが挙げられるが、これらに限定されない。
プレバイオティクス
本開示の免疫調整組成物は、CCに加えて、1種または複数のプレバイオティクスを含み得る。本明細書で用いられる用語「プレバイオティクス」は、摂取する哺乳動物によって消化されないが微生物叢、特に消化管の微生物叢の生育または活性のための基質となる栄養補助物質を指す。多くのプレバイオティクスは、炭水化物、例えば多糖およびオリゴ糖であるが、その定義は非炭水化物を排除しない。プレバイオティクスの最も多くを占める形態は、栄養学的に可溶性繊維として分類される。プレバイオティクスは、胃腸の微生物叢の組成および/または活性に変化をもたらし得る。「プレバイオティクス」はまた、ビフィドバクテリア、ラクトバチルスなどの明確な価値があると考えられる常在細菌によって体内で特有に代謝される非生存可能な食物成分を含有する組成物を指す。プレバイオティクスの例としては、フルクトース、キシロース、大豆、グルコース、マンノースなどが挙げられるが、これらに限定されない。
微生物叢
互換的に用いられる用語「微生物叢」、「マイクロバイオーム」、「シンビオティクス」または「コメンサル」は、消化器、皮膚、唾液、結腸、膣、肺などの様々な場所にある、個体の体内の微生物集団(細菌、ウイルス、真菌、寄生虫)を指す。微生物叢の不均衡は、複数の自己免疫および炎症性疾患の因果関係または発病に関係する。本開示の免疫調整組成物は、CCに加えて、バクテロイデス、プロテオバクテリア、ファーミキューテス、ベルコミクロビア、バクテロイダーレス(Bacteriodales)、エンテロバクテリア、クロストリジウムなどの個体の微生物叢のメンバーを含み得る。微生物叢のメンバーの他の例は、当業者に公知であるか、または明白であろう。米国特許出願公開第2014/0010844号を参照されたい。内在性微生物叢、プロバイオティクスおよびそれらの生物学的産物の役割の説明については、Howarth and Wang, Nutrients. 2013, 5(1):58-81を参照されたい。したがって本発明の組成物は、均衡された微生物叢を確立、調整、調節または維持するために用いられ得る。マイクロバイオームのメンバーは、自家性、同種間の、異種間の起源、野生型、生存可能であり得、不活化、加熱死、突然変異、弱毒化、および/または遺伝子操作され得る。
治療性病原
本開示の免疫調整組成物は、CCに加えて、治療性病原菌、ウイルス、真菌など、例えばリステリア、サッカロマイセス、エシェリヒア、サルモネラ、スタフィロコッカス、クレブシエラ、ポックスウイルス、アデノウイルス、腫瘍溶解性ウイルスを含み得る。治療性微生物病原の別の例は、当業者に公知であるか、または明白であろう。米国特許出願公開第2014/0010844号を参照されたい。治療性病原は、野生型、生存可能であり得、不活化、加熱死、突然変異、弱毒化、および/または遺伝子操作され得る。
治療薬
本開示の免疫調整組成物は、CCに加えて、1種または複数の治療薬を含み得る。治療薬の例は、当業者に公知であるか、または明白であろう。該治療薬の非限定的例は、本明細書の「方法」の節に提供されており、抗炎症剤、抗増殖剤、免疫抑制剤、抗ヒスタミン薬、免疫調節剤、免疫調整剤、代謝抑制剤、抗アレルギー剤、細胞傷害剤、駆虫薬、抗血管新生薬、抗微生物薬(抗ウイルス薬、抗菌剤、抗寄生虫薬、抗マラリア薬、抗原虫薬など)、治療性ペプチドなどがある。
方法
本開示は、個体における免疫反応を調整する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を該個体へ投与することを含む、方法を提供する。本開示は、個体における望ましくない免疫反応を低減する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を該個体へ投与することを含む、方法を提供する。本開示は、個体における炎症を低減する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を該個体へ投与することを含む、方法を提供する。本開示は、個体における自己免疫障害を処置する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を該個体へ投与することを含む、方法を提供する。本開示は、個体におけるアレルギー(アレルギー疾患)を処置する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を該個体へ投与することを含む、方法を提供する。本開示は、個体における代謝疾患を処置する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を該個体へ投与することを含む、方法を提供する。本開示は、個体における神経障害を処置する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を該個体へ投与することを含む、方法を提供する。本開示は、個体における治療的処置の有効性を増大し、そして/または毒性を低減する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を該個体へ投与することを含む、方法を提供する。本開示は、個体のマイクロバイオームにおける不均衡に関連する疾患または医学的状態を処置、修復または修正する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を該個体へ投与することを含む、方法を提供する。本開示は、個体の腸内菌共生バランス失調を処置、修復または修正する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を該個体へ投与することを含む、方法を提供する。
本開示はまた、樹状細胞を調整する方法であって、(a)個体から得られた樹状細胞(DC)を、(i)カウロバクター・クレセンタス;および/または(ii)抗原、を含む組成物と接触させることを含み、該接触させるステップが、インビトロであり、かつDC上の抗原提示を調整し、それにより調整されたDCの集団を生成させる、方法を提供する。調整されたDCの集団はその後、DCを得た個体へ投与され得る。
幾つかの例において、様々な免疫細胞は、リンパ系組織、末梢血、臓器および組織から得ることができ、そして/または骨髄もしくは様々な臓器から得られた幹細胞から分化させることができる。
本開示はまた、幹細胞の増殖、分化および/または調整を誘発する方法であって、個体から得られた幹細胞を、カウロバクター・クレセンタスを含む組成物と接触させることを含む、方法を提供する。幹細胞をCCと接触させると、幹細胞の増殖、分化、および/または調整が導かれ、それにより増大、分化および/または調整された細胞の集団を生成する、方法を提供する。増大、分化および/または調整された細胞集団は、その後、幹細胞を得た個体へ投与され得る。
本開示はさらに、NK、NKT、γδT細胞、ILC、T細胞、およびB細胞などの調節性リンパ球を生成する方法であって、抗原提示細胞の存在下または非存在下で、a)個体から得られたリンパ球(NK、NKT、γδT細胞、ILC、T細胞、およびB細胞)を、i)カウロバクター・クレセンタス;および/またはii)抗原を、含む組成物と接触させることを含む、方法を提供する。リンパ球をCCと接触させると、調節性リンパ球が生成し、それにより調節性リンパ球の集団を生成する。調節性リンパ球の集団は、その後、リンパ球を得た個体へ投与され得る。
免疫反応を調整する方法
本開示は、個体における免疫反応を調整する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を該個体へ投与することを含む、方法を提供する。本開示は、個体における望ましくない免疫反応を低減する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を該個体へ投与することを含む、方法を提供する。本開示は、個体における炎症を低減する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を該個体へ投与することを含む、方法を提供する。本開示は、個体における自己免疫障害を処置する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を該個体へ投与することを含む、方法を提供する。本開示は、個体におけるアレルギー(アレルギー疾患)を処置する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を該個体へ投与することを含む、方法を提供する。
幾つかの例において、該免疫反応は、液性免疫反応である。幾つかの例において、本開示は、個体の液性免疫反応を調整する方法であって、個体に本開示の免疫調整組成物の有効量を投与することを含む、方法を提供する。幾つかの例において、該免疫調整組成物は、任意のさらなる抗原(CC上に存在する抗原以外)を含まない。幾つかの例において、該免疫調整組成物は、抗原(例えば、CC上に存在する抗原以外の抗原)を含む。先に記載された通り、適切な抗原としては、自己抗原およびアレルゲンが挙げられる。
幾つかの例において、免疫反応は、細胞免疫反応である。幾つかの例において、本開示は、個体の細胞性免疫反応を調整する方法であって、個体に本開示免疫調整組成物の有効量を投与することを含む、方法を提供する。幾つかの例において、該免疫調整組成物は、任意のさらなる抗原(CC上に存在する抗原以外)を含まない。幾つかの例において、該免疫調整組成物は、抗原(例えば、CC上に存在する抗原以外の抗原)を含む。先に記載された通り、適切な抗原としては、自己抗原およびアレルゲンが挙げられる。
幾つかの例において、該免疫反応は、B細胞の数における調整を含む。幾つかの例において、表題の方法は、免疫調整組成物の有効量を、必要とする個体へ投与することを含み、ここで免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるB細胞の数を調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるB細胞の数を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のB細胞の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性B細胞の数を調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性B細胞の数を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性B細胞の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性B細胞の数を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性B細胞の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における自己抗原特異性B細胞の数を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の自己抗原特異性B細胞の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるB細胞の活性化を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるB細胞の活性化を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のB細胞の活性化レベルに比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるB細胞の活性化を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のB細胞の活性化レベルに比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における所与の抗原に特異的な抗体の量を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における所与の抗原に特異的な抗体の量を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の該抗原に特異的な抗体の量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における所与の抗原に特異的な抗体の量を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の該抗原に特異的な抗体の量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における1種または複数のサイトカインの産生を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における1種または複数のサイトカインの産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の該サイトカインの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における1種または複数のサイトカインの産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の1種または複数のサイトカインの産生に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。他の例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるGM-CSFの産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のGM-CSFの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるGM-CSFの産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のGM-CSFの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるIL-22の産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のIL-22の量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるIL-22の産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のIL-22の量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるインターフェロン(IFN)-αおよび/またはIFN-βおよび/またはIFN-γの産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のIFN-αまたはIFN-βまたはIFN-γの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるインターフェロン(IFN)-αおよび/またはIFN-βおよび/またはIFN-γの産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のインターフェロン(IFN)-αおよび/またはIFN-βおよび/またはIFN-γの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるIL-17A、IL-2、IL-10、IL-6および/またはTNF-αのうちの1つまたは複数の産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のIL-17A、IL-2、IL-10、IL-6またはTNF-αの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるIL-17A、IL-2、IL-10、IL-6およびTNF-αのうちの1つまたは複数の産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のIL-17A、IL-2、IL-10、IL-6およびTNF-αの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるIL-6の産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のIL-6の量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるIL-1βの産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のIL-1βの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTGF-βのレベルを、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のTGF-βの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く増加させるのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における、非限定的にGM-CSF、IL-2、IL-22、インターフェロン、IL-1β、TGF-β、IL-17A、IL-2、IL-10、IL-6、IL-5、IL-13、TNF-α、IL-9、IL-28、KC/IL-8、MIP-1α、LTα4などの1種または複数のサイトカイン、ケモカインまたはリンフォトキシンの産生を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体における非限定的にGM-CSF、IL-2、IL-22、インターフェロン、IL-1β、TGF-β、IL-17A、IL-2、IL-10、IL-6、IL-5、IL-13、TNF-α、IL-9、IL-28、KC/IL-8、MIP-1α、LTα4などのサイトカイン、ケモカインまたはリンフォトキシンの量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または10倍よりも多く調整する(例えば、増大、低減または均衡する)のに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTh1応答を調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTh1応答を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のTh1応答のレベルに比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTh1応答を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のTh1応答に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるCD4+T細胞の数および/または活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるCD4+T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のCD4+T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性CD4+T細胞の数および/または活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性CD4+T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性CD4+T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるCD4+T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のCD4+T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性CD4+T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性CD4+T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるCD8+T細胞の数および/または活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるCD8+T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のCD8+T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性CD8+T細胞の数および/または活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性CD8+T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性CD8+T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるCD8+Tの数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のCD8+Tの数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性CD8+Tの数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性CD8+Tの数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における自己抗原特異性CD8+T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の自己抗原特異性CD8+T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における細胞溶解性T細胞の数および/または活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における細胞溶解性T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の細胞溶解性T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性細胞溶解性T細胞の数および/または活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性細胞溶解性T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性細胞溶解性T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における細胞溶解性T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の細胞溶解性T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性細胞溶解性T細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性細胞溶解性T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるナチュラルキラー(NK)細胞、NKT細胞、γδT細胞、ILC、マクロファージ、および樹状細胞(DC)の1つまたは複数の数および/または活性を調整するのに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるNK細胞、NKT細胞、γδT細胞、ILC、マクロファージ、およびDCの1つまたは複数の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のNK細胞、NKT細胞、γδT細胞、ILC、マクロファージ、およびDCの1つまたは複数の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるNK細胞、NKT細胞、γδT細胞、ILC、マクロファージ、およびDCの1つまたは複数の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のNK細胞、NKT細胞、γδT細胞、ILC、マクロファージ、およびDCの数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く調整するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における調節性細胞の数および/または機能を増大、低減または均衡するのに効果的となる量である。Treg(調節性T細胞)は、CD4+またはCD8+であり、FoxP3+でもあり得る。Tregは、PD-1、CTLA-4などの他のマーカーによっても定義され得る。調節性細胞はまた、NK、NKT、γδT細胞、ILCおよびDCなどの他の自然細胞、ならびにBリンパ球で構成され得る。NKおよびNKTは、FoxP3+でもあり得、PD-1などの他のマーカーによっても定義され得る。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における調節性細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の調節性細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における調節性細胞の数を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の調節性細胞の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%増加させるのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTh17細胞の数および/または活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTh17細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のTh17細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性Th17細胞の数および/または活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性Th17細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性Th17細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTh17の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のTh17の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性Th17の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性Th17の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTh22細胞の数および/または活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTh22細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のTh22細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性Th22細胞の数および/または活性を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性Th22細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性Th22細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTh22の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のTh22の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原特異性Th22の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原特異性Th22の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTH9細胞の数および/または活性を調整するのに効果的となる量である。本明細書で用いられるTH9細胞の「数および/または活性を調整する」は、TH9細胞の数および/または活性を増大、低減、または均衡することを指す。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体におけるTH9細胞の数および/または活性を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のTH9細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における自然および/または適応(細胞および液性の両方を含む)免疫反応を調整する(例えば、低減する)のに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における自然および/もしくは適応細胞の1つもしくは複数の数および/もしくは活性、ならび/またはそれらのエフェクター機能を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の自然もしくは適応細胞の1つもしくは複数の数および/もしくは活性、ならびに/またはそれらのエフェクター機能に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における自然および/もしくは適応細胞の数および/もしくは活性、ならび/またはそれらのエフェクター機能を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の自然および/もしくは適応細胞の数および/もしくは活性、ならび/またはそれらのエフェクター機能に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における自然および/または適応免疫細胞のアポトーシスを誘発および/または増加させて、望ましくない炎症を防御するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における自然および/または適応免疫細胞のアポトーシスを、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の自然または適応免疫細胞1つまたは複数の数に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く誘発および/または増加させるのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物は、CCおよび抗原を含む。本開示の免疫調整組成物が、CCおよび抗原を含む場合、幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、抗原に対する免疫反応を、免疫調整組成物での処置を行わなかった場合の抗原への免疫反応に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば該抗原が、自己抗原またはアレルゲンに関連または由来する抗原である場合、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、抗原に対する免疫反応を、免疫調整組成物での処置を行わなかった場合の抗原への免疫反応に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば、免疫調整組成物が、CC、抗原、自己抗原またはアレルゲンを単独でまたは互いに組み合わせて含む場合、幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原への免疫反応を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原への免疫反応に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
該免疫反応は、液性免疫反応、例えばB細胞または抗体免疫反応であり得る。したがって、例えば幾つかの例において、抗原が、自己抗原またはアレルゲンに関連または由来する抗原である場合、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、抗原に対するB細胞の反応を、免疫調整組成物での処置を行わなかった場合の抗原へのB細胞の反応に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原へのB細胞の反応を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体の抗原へのB細胞の反応に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、抗原が、自己抗原またはアレルゲンに関連または由来する抗原である場合、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、抗原に特異的な抗体の量を、免疫調整組成物での処置を行わなかった場合の抗原に特異的な抗体の量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原に特異的な抗体の量を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体における抗原に特異的な抗体の量に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
該免疫反応は、細胞免疫反応、例えばT細胞の反応であり得る。したがって、例えば幾つかの例において、抗原が、自己抗原またはアレルゲンに関連または由来する抗原である場合、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、抗原に対するT細胞の反応を、免疫調整組成物での処置を行わなかった場合の抗原へのT細胞の反応に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く調整する(例えば、低減する)のに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における抗原へのT細胞の反応を、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体における抗原へのT細胞の反応に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く低減するのに効果的となる量である。
幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、病理学的免疫反応の1つまたは複数の血清マーカーのレベルを正常化するのに効果的となる量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単一用量または複数の用量で投与された場合に、個体における血清マーカー(コレステロール(CHOL)、グルコース(GLU)、グロルビン(GLOB)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、総リン酸塩(TP)、総ビリルビン(TBIL)、リン酸塩(PHOS)、トリグリセリド(TRIG)、尿酸(URIC)、クレアチンキナーゼ(CK)および尿素)の1つまたは複数のレベルを、免疫調整組成物での処置を行わなかった個体のCHOL、GLU、GLOB、ALT、AST、TP、PHOS、TRIG、URIC、CK、TBILまたは尿素のレベルに比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、または75%よりも多く正常化するのに効果的となる量である。
アジュバント
幾つかの実施形態において、表題の方法は、CCおよび1種または複数のアジュバントを含む表題の免疫調整組成物の投与を含む。
例示的なアジュバントとしては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:(1)水中油型エマルジョン配合剤(他の特定の免疫刺激剤、例えばムラミルペプチド(以下参照)または細菌細胞壁成分を含む、または含まない)、例えば、(a)5%のスクアレン、0.5%のTween 80、および0.5%のSpan 85(場合によりMTP-PEを含有する)を含有し、マイクロフルイダイザーを用いてサブミクロン粒子に配合されるMF59(商標)(WO90/14837; Chapter 10 in Vaccine design: the subunit and adjuvant approach, eds. Powell & Newman, Plenum Press 1995)、(b)10%スクアラン、0.4%のTween 80、5%のPluronicブロックポリマーL121、およびthr-MDPを含有し、サブミクロンエマルジョンにマイクロフルイダイズされる、またはボルテックス処理されて大きな粒子サイズのエマルジョンを生成するSAF、ならびに(c)2%のスクアレン、0.2%のTween 80、および1つまたは複数の細菌細胞壁成分、例えばモノホスホリルリピドA(MPL)、トレハロースジミコール酸(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)、例えばMPL+CWS(Detox(商標))を含有するRIBI(商標)アジュバント系(RAS)、(Ribi Immunochem、モンタナ州ハミルトン所在);(2)用いられ得るサポニンアジュバント、例えばQS21もしくはStimulon(商標)(Cambridge Bioscience、マサチューセッツ州ウースター所在)またはそれから作製される粒子、例えば、さらなる洗剤が含まれ得ないISCOM(免疫刺激複合体)(例えば、WO00/07621);(3)完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA);(4)サイトカイン、例えばインターロイキン(例えば、IL-1、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-12、IL-15、IL-28など)(WO99/44636)など、インターフェロン(例えば、ガンマインターフェロン)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)、コロニー刺激因子(例えば、GM-CSF)など;(5)モノホスホリルリピドA(MPL)または3-O-脱アシル化MPL(3dMPL)、例えばGB-2220221、EP-A-0689454であり、場合により、肺炎球菌糖と共に用いられる場合、ミョウバンが実質的に存在しない、例えばWO00/56358;(6)3dMPLと、例えばQS21および/または水中油型エマルジョンとの組み合わせ、例えばEP-A-0835318、EP-A-0735898、EP-A-0761231;(7)CpGモチーフ(Krieg Vaccine 2000, 19, 618-622;WO96/02555、WO98/16247、WO98/18810、WO98/40100、WO98/55495、WO98/37919およびWO98/52581)を含むオリゴヌクレオチド、即ちシトシンがメチル化されない、少なくとも1つのCGジヌクレオチドを含有するオリゴヌクレオチド;(8)ポリオキシエチレンエーテルまたはポリオキシエチレンエステル、例えばWO99/52549;(9)オクトキシノールと組み合わせられたポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(WO01/21207)または少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、例えばオクトキシノールと組み合わせたポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはエステル界面活性剤(WO01/21152);(10)サポニンおよび免疫刺激オリゴヌクレオチド(例えば、CpGオリゴヌクレオチド)(WO00/62800);(11)免疫刺激物質および金属塩の粒子、例えばWO00/23105;(12)サポニンおよび水中油型エマルジョン、例えばWO99/11241;(13)サポニン(例えば、QS21)+3dMPL+IM2(場合によりステロールを含む)、例えばWO98/57659;(14)アルファGalCerおよびその誘導体;(16)Toll様受容体(TLR)アゴニスト、NOD様受容体(NLR)アゴニスト、RIG-Iアゴニスト、C型レクチン受容体のためのアゴニストおよび他の病原体認識受容体(PRR)アゴニスト、例えばCpG ODN、ISS-ODN、リンタトリモド(rinatolimod)、ポリI:Cおよびその誘導体、フラジェリン、アンプリジェン、イミダゾキノリン(imidazoquinalines)(例えば、イミキモド、レシキモド)、ムラミルジペプチド;(17)該組成物の有効性を増大するために免疫刺激剤として作用する他の物質。ムラミルペプチドとしては、N-アセチル-ムラミル-L-トレオニル-D-イソグルタミン(thr-MDP)、N-25アセチル-ノルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミン(nor-MDP)、N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタロニトリル-L-アラニン-2-(1’-2’-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)-エチルアミン(MTP-PE)などが挙げられる。幾つかの例において、ヒトへの投与に適するアジュバントが含まれる。
さらに例示的なアジュバントとしては、コレラ毒素Bサブユニット、BCG、緑膿菌細胞外タンパク質A、トコフェロール、HBVコア、大腸菌易熱性毒素(例えば、LT-A、LT-B)、百日咳毒素、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、コレラ由来毒素(CTA1-DD、CT)、変異LTおよびCT、アルミニウム塩系アジュバント(例えば、ミョウバン、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルハイドロゲル)、リン酸カルシウム、カオリン、モノホスホリルリピドA(MPL(登録商標))およびその誘導体、グルコピラノシルリピドA、合成リピドA、リピドA模倣物、ビタミンE、Depovax(商標)、サポニン(Quil-A、AS01、AS02(スクアレン+MPL+QS-21))、AS03、AS04(ミョウバン+MPL(登録商標))、トマチン(Tomatin)、プロトリン(Protolin)、RC-529、Pluronic(商標)、モナチド(Monatides)、Matrix-M、OM-174、Lipvac、IC-31、細菌/マイコバクテリアペプチド(KLK、陽イオン性(ポリ)ペプチド、抗細菌微生物ペプチド、デフェンシン、タフトシン、カテリシジンなど)、ジペプチド(ピドチモドなど)、Bestatin、Hepon(テトラデカペプチド)、SCV-07(γ-D-グルタミル-L-トリプトファン)、チモシン-a、Immunofan、チモーゲン(Thymogen)、インドリシジンおよびその誘導体、ポリホスファーゲン(polyphosphagene)およびその誘導体、ゲラン、ヌクレオチド(モノヌクレオチド、ジヌクレオチド、ポリヌクレオチド、環状ヌクレオチド)、Eurocineなどが挙げられるが、これらに限定されない。
併用療法
幾つかの実施形態において、表題の方法は、単剤療法としての表題の免疫調整組成物の投与、例えば任意の他の治療薬の同時投与を行わない表題の免疫調整組成物のみの投与を含む。別の実施形態において、表題の処置方法は、a)表題の免疫調整組成物と、b)少なくとも1種のさらなる治療薬(または該治療薬の医薬的に許容し得る塩、プロドラッグ、プロドラッグの塩、立体異性体、互変異性体など)と、の投与を含み、該免疫調整組成物および該少なくとも1種のさらなる治療薬が、免疫反応を調整するのに効果的となる組み合わせた量で投与される、併用療法である。適切なさらなる治療薬を、以下に記載する。
表題の併用療法は、a)同時の、同じ配合剤での、または別の配合剤での、免疫調整組成物および少なくとも1種のさらなる治療薬の投与;b)免疫調整組成物の投与の約5分~約4週間以内の少なくとも1種のさらなる治療薬の投与、例えば免疫調整組成物の投与の約5分~約15分以内の、約15分~約30分以内の、約30分~約60分以内の、約1時間~約2時間以内の、約2時間~約4時間以内の、約4時間~約8時間以内の、約8時間~約12時間以内の、約12時間~約24時間以内の、約24時間~約2日以内の、約2日~約4日以内の、約4日~約7日以内の、約1週間~約2週間以内の、または約2週間~約4週間以内の少なくとも1種のさらなる治療薬の投与を含み得る。
幾つかの実施形態において、該少なくとも1種のさらなる治療薬は、免疫調整組成物と共配合される。別の実施形態において、該少なくとも1種のさらなる治療薬および該免疫調整組成物は、別々に配合される。
幾つかの実施形態において、免疫調整組成物および少なくとも1種のさらなる治療薬の有効量は、相乗的量である。本明細書で用いられる、表題の免疫調整組成物とさらなる(例えば、第二の)治療薬との「相乗的組み合わせ」または「相乗的量」は、(i)単剤療法と同じ投薬量で投与された場合の該免疫調整組成物の治療的または防護的利益と、(ii)単剤療法と同じ投薬量で投与された場合の該さらなる治療薬の治療的または防護的利益と、の単に追加的な組み合わせから予測または期待され得る処置結果の漸進的改善よりも疾患の治療的または予防的処置において効果的である組み合わせまたは量である。
表題の併用療法は、同時または異なる時間に与えられる、免疫調整組成物の投与と、放射線療法(125I、ストロンチウム-89、32P、α線放出同位体、β線放出同位体など)、光線力学療法、レーザ治療、天然産物療法、栄養療法、細胞療法、プレバイオティクス療法、プロバイオティクス療法、シンビオティクス療法、パラプロバイオティクス療法などの治療の少なくとも1つのさらなる形態と、を含み得る。
表題の併用療法は、同時または異なる時間に与えられる、免疫調整組成物と、バクテロイデス、プロテオバクテリア、ファーミキューテス、ベルコミクロビア、バクテロイダーレス(Bacteriodales)、エンテロバクテリア、クロストリジウム、VSL#3などの個体の微生物叢の1つまたは複数のメンバーなどの治療の少なくとも1つのさらなる形態と、を含み得る。したがって本発明は、均衡された微生物叢を確立、調整、調節または維持するために用いられ得る。マイクロバイオームのメンバーは、野生型、生存可能であり得、不活化、加熱死、突然変異、弱毒化、および/または遺伝子操作され得る。
表題の併用療法は、免疫調整組成物と、プロバイオティクスの1種または複数のメンバーなどの治療の少なくとも1つのさらなる形態と、の投与を含み得る。
表題の併用療法は、免疫調整組成物と、リステリア、サッカロマイセス、大腸菌、サルモネラ、スタフィロコッカス、クレブシエラ、ポックスウイルス、アデノウイルス、腫瘍溶解性ウイルスなどの治療性病原菌、ウイルス、真菌などの1種または複数のメンバーなどの治療の少なくとも1つのさらなる形態と、を含み得る。治療性病原は、野生型であり得、突然変異、弱毒化、そして/または遺伝子操作され得る。治療性病原のメンバーは、野生型、生存可能であり得、不活化、加熱死、突然変異、弱毒化、および/または遺伝子操作され得る。
幾つかの実施形態において、免疫調整組成物の有効量は、異種または同種プライムブーストワクチン、免疫療法、および/または化学療法レジメン(複数可)で投与され得る。
表題の併用療法は、免疫調整組成物および治療ワクチンの投与を含み得る。
表題の併用療法は、免疫調整組成物および治療抗体の投与を含み得る。例えば幾つかの実施形態において、表題の方法は、a)本開示の免疫調整組成物の投与、およびb)少なくとも1種の抗体の投与、を含む。該CCおよび該抗体は、同じ配合剤または別の配合剤中であり得る。該CCおよび該抗体は、同時に、または異なる時間に投与され得る。適切な抗体としては、癌抗原または病原性抗原に対する抗体(例えば、治療抗体、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、免疫化学複合抗体、放射性免疫複合抗体、抗体-サイトカイン融合タンパク質、抗体-抗原融合タンパク質、抗体-免役毒素融合タンパク質など)が挙げられる。適切な抗体としては、共刺激または共抑制分子に向けた抗体(CD28、CD40、ICOS、CD137、OX40、CD137、CD227、CTLA-4、PD-1、KIR、TCR、PDL-1、LAG-3、TIM3、VISTAなど);および他の治療抗体が挙げられるが、これらに限定されない。適切な抗体の非限定的例としては、アダリムマブ、ベバシズマブ、インフリキシマブ、アブシキシマブ、アレムツズマブ、バピネオズマブ、バシリキシマブ、ベリムマブ、ブリアキヌマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、セルトリズマブペゴル、セツキシマブ、コナツムマブ、デノスマブ、エクリズマブ、エトロリズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゴリムマブ、イブリツモマブチウキセタン、ラベツズマブ、マパツムマブ、マツズマブ、メポリズマブ、モタビズマブ、ムロモナブ-CD3、ナタリズマブ、ニモツズマブ、オファツムマブ、オマリズマブ、オレゴボマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、ペルツモマブ、ペルツズマブ、ラニビズマブ、リツキシマブ、ロベリツマブ、トシリズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、ウステキヌマブ、ベドリゾマブ、ザルツムマブ、およびザノリムマブが挙げられるが、これらに限定されない。
本開示の免疫調整組成物との併用療法で用いられ得る治療および防護抗体の非限定的例としては、前立腺癌の処置のためのヒト化抗CTLA-4抗体であるMDX-010(Medarex、ニュージャージー州所在);RSV感染の処置のためのヒト化抗呼吸器合胞体ウイルス(RSV)モノクローナル抗体であるSYNAGIS(商標)(MedImmune、メリーランド州所在);および転移性乳癌の処置のためのヒト化抗HER2モノクローナル抗体であるHERCEPTIN(商標)(トラツヅマブ)(Genentech、カリフォルニア州所在)が挙げられる。他の例は、ヒト化抗CD18 F(ab’)2(Genentech);ヒト化抗CD18 F(ab’)2であるCDP860(Celltech、英国);CD4と融合した抗HIV gp120抗体であるPRO542(Progenics/Genzyme Transgenics);ヒト抗B型肝炎ウイルス抗体であるOstavir(Protein Design Lab/Novartis);ヒト化抗CMV IgGI抗体であるPROTOVIR(商標)(Protein Design Lab/Novartis);ネズミ抗TNF-αF(ab’)2であるMAK-195(SEGARD)(Knoll Pharma/BASF);抗CD14抗体であるIC14(ICOS Pharm);ヒト化抗VEGF IgG1抗体(Genentech);ネズミ抗CA 125抗体であるOVAREX(商標)(Altarex);ネズミ抗17-IA細胞表面抗原IgG2a抗体であるPANOREX(商標)(Glaxo Wellcome/Centocor);ネズミ抗イディオタイプ(GD3エピトープ)IgG抗体であるBEC2(ImClone System);キメラ抗EGFRIgG抗体であるIMC-C225(ImClone System);ヒト化抗αVβ3インテグリン抗体であるVITAXIN(商標)(Applied Molecular Evolution/MedImmune);ヒト化抗CD52 IgG1抗体であるCampath 1H/LDP-03(Leukosite);ヒト化抗CD33 IgG抗体であるSmart M195(Protein Design Lab/Kanebo);キメラ抗CD20 IgG1抗体であるRITUXAN(商標)(IDEC Pharm/Genentech、Roche/Zettyaku);ヒト化抗CD22 IgG抗体であるLYMPHOCIDE(商標)(Immunomedics);ヒト化抗HLA抗体であるSmart ID10(Protein Design Lab);放射標識ネズミ抗HLA診断試薬抗体であるONCOLYM(商標)(Lym-1)(Techniclone);ヒト抗IL8抗体であるABX-IL8(Abgenix);ヒト化IgG1抗体である抗CD11a(Genentech/Xoma);ヒト化抗ICAM3抗体であるICM3(ICOS Pharm);霊長類化抗CD80抗体であるIDEC-114(IDEC Pharm/Mitsubishi);放射標識ネズミ抗CD20抗体であるZEVALIN(商標)(IDEC/Schering AG);ヒト化抗CD40L抗体であるIDEC-131(IDEC/Eisai);霊長類化抗CD4抗体であるIDEC-151(IDEC);霊長類化抗CD23抗体であるIDEC-152(IDEC/Seikagaku);ヒト化抗CD3 IgGであるSMART抗CD3(Protein Design Lab);ヒト化抗補体因子5(C5)抗体である5G1.1(Alexion Pharm);ヒト化抗TNF-α抗体であるD2E7(CAT/BASF);ヒト化抗TNF-αFab断片であるCDP870(Celltech);霊長類化抗CD4 IgG1抗体であるIDEC-151(IDEC Pharm/SmithKline Beecham);ヒト抗CD4 IgG抗体であるMDX-CD4(Medarex/Eisai/Genmab);ヒト化抗TNF-α IgG4抗体であるCDP571(Celltech);ヒト化抗α4β7抗体であるLDP-02(LeukoSite/Genentech);ヒト化抗CD4 IgG抗体であるOrthoclone OKT4A(Ortho Biotech);ヒト化抗CD40L IgG抗体であるANTOVA(商標)(Biogen);ヒト化抗VLA-4 IgG抗体であるANTEGREN(商標)(Elan);ヒト抗CD64(FcγR)抗体であるMDX-33(Medarex/Centeon);ヒト化抗IL-5 IgG4抗体であるSCH55700(Celltech/Schering);それぞれヒト化抗IL-5およびIL-4抗体であるSB-240563およびSB-240683(SmithKline Beecham);ヒト化抗IgE IgG1抗体であるrhuMab-E25(Genentech/Norvartis/Tanox Biosystems);ネズミ抗CD-147 IgM抗体であるABX-CBL(Abgenix);ラット抗CD2 IgG抗体であるBTI-322(MedImmene/Bio Transplant);ネズミ抗CD3 IgG2a抗体であるOrthoclone/OKT3(Ortho Biotech);キメラ抗CD25 IgG1抗体であるSIMULECT(商標)(Novartis Pharm);ヒト化抗β2-インテグリンIgG抗体であるLDP-01(LeukoSite);ネズミ抗CD18 F(ab’)2である抗LFA-1(Pasteur-Merieux/Immunotech);ヒト抗TGF-β2抗体であるCAT-152(Cambridge Ab Tech);ならびにキメラ抗因子VII抗体であるCorsevin M(Centocor)である。先に列挙された免疫反応性試薬、および任意の他の免疫反応性試薬は、免疫反応性試薬の供給業者によって推奨されるレジメンをはじめとする当業者に公知の任意のレジメンに従って投与され得る。
本開示の免疫調整組成物と組み合わせて用いられ得る治療および防護抗体の他の例としては、HumiraおよびRemicade;抗TNF耐性RAおよび若年性特発性関節炎(JIA)の処置のための組換えモノクローナルIgG1抗ヒトインターロイキン6受容体抗体であるACTEMRA(商標)(Genentech);RAの処置のためのCD20分子上の膜近位エピトープに対するキメラヒトモノクローナル抗体であるARZERRA(商標)(GlaxoSmithKline/Novartis);SLEの処置のためのB-リンパ球刺激物質(BLyS)タンパク質の可溶性形態に結合してそれを阻害するヒトモノクローナルIgG1γであるBENLYSTA(商標)(GlaxoSmithKline);RA、JIAおよびSLEの処置のためのT細胞上のCD28の共刺激を阻害する抗原提示細胞上のCD80/86に結合するCTLA-4 IgG1であるORENCIA(商標)(Bristol-Myers Squibb);RA、乾癬性関節炎(PsA)および強直性脊椎炎(AS)の処置のための可溶性および膜結合TNF-αの両方で作用するIgG1モノクローナル抗体であるSIMPONI(Janssen);RAの処置のためのTNF-αモノクローナル抗体のペグ化されたヒト化抗体Fab’断片であるCIMZIA(商標)(UCBグループ);SLE、皮膚筋炎および多発性筋炎の処置のために設計された抗IFN-αモノクローナル抗体であるSifalimumab(MedImmune);SLE、全身性硬化症および血管炎の処置のための健常な個体の免疫グロブリンのプールである様々な静脈内免疫グロブリン製品;RAおよびクリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)の処置のためのインターロイキンブロッカーであるKINERET(商標)(Swedish Oprhan Biovitrum AB)、ILARIS(商標)(Novartis)およびARCALYST(商標)(Regeneron)が挙げられる。
表題の併用療法は、本開示の免疫調整組成物および1種または複数のサイトカインの投与を含み得る。例えば幾つかの実施形態において、表題の方法は、a)本開示の免疫調整組成物の投与、およびb)1種または複数のサイトカインの投与、を含む。該CCおよび該1種または複数のサイトカインは、同じ配合剤または異なる配合剤中であり得る。該CCおよび該1種または複数のサイトカインは、同時に、または異なる時間に投与され得る。適切なサイトカインとしては、インターロイキン、トランスフォーミング増殖因子(TGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、上皮成長因子(EGF)、コロニー刺激因子(CSF)、結合組織活性化ペプチド(CTAP)、骨形成因子、ならびにそのような成長因子の生物学的活性類似体、断片および誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。適切なサイトカインとしては、B/T-細胞分化因子、B/T-細胞増殖因子、分裂促進性サイトカイン、化学走性サイトカイン、コロニー刺激因子、血管新生因子、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、IL1、IL2、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL8、IL9、IL10、IL11、IL12、IL13、IL14、IL15、IL16、IL17、IL18、IL22など、レプチン、ミオスタチン、マクロファージ刺激タンパク質、血小板由来成長因子、腫瘍壊死因子(TNF)-ALPHA(TNF-α)、TNF-β、神経成長因子(NGF)、CD40L、CD137L/4-1BBL、ヒトリンフォトキシン-β、G-CSF、M-CSF、GM-CSF、血小板由来成長因子(PDGF)、IL-1α、IL1-β、IP-10、PF4、GRO、9E3、エリスロポエチン、エンドスタチン、アンギオスタチン、血管内皮成長因子(VEGF)または任意のこれらの断片または組み合わせが挙げられる。他のサイトカインとしては、βトランスフォーミング増殖因子(例えばTGF-β1、TGF-β2、TGF-β3)のトランスフォーミ ング増殖因子(TGF)スーパー遺伝子ファミリー;骨形成タンパク質(例えば、BMP-1、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6、BMP-7、BMP-8、BMP-9);ヘパリン-結合成長因子(例えば、線維芽細胞成長因子(FGF)、上皮成長因子(EGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、インスリン様成長因子(IGF));造血成長因子(Flt3);脳下垂体成長ホルモンまたは誘導体;成長ホルモン、神経活性ホルモン、インヒビン(例えば、インヒビンA、インヒビンB);分化因子(例えば、GDF-1);およびアクチビン(例えば、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンAB)が挙げられる。
表題の併用療法は、本開示の免疫調整組成物と、抗血管新生薬(例えば、固形腫瘍の処置のため、そして転移の処置および予防のための方法において)および抗ホルモン剤(詳細には、乳癌および前立腺癌などのホルモン依存性癌の処置のための方法において)などの1種または複数の治療薬と、の投与を含み得る。
一実施形態において、本開示の免疫調整組成物は、1種または複数の抗血管新生薬と組み合わせて投与される。そのような薬剤としては、アンギオスタチン、タリドミド、クリングル5、エンドスタチン、セルピン(セリンプロテアーゼ阻害剤)抗トロンビン、フィブロネクチンの29kDa N-末端および40kDa C-末端タンパク質分解断片、プロラクチンの16kDa タンパク質分解断片、血小板因子4の7.8kDa タンパク質分解断片、血小板因子4の断片に対応する13-アミノ酸ペプチド(Maione et al., 1990, Cancer Res. 51:2077-2083)、コラーゲンIの断片に対応する14-アミノ酸ペプチド(Tolma et al., 1993, J. Cell Biol. 122:497-511)、トロンボスポンジンIの断片に対応する19-アミノ酸ペプチド(Tolsma et al., 1993, J. Cell Biol. 122:497-511)、SPARCの断片に対応する20-アミノ酸ペプチド(Sage et al., 1995, J. Cell. Biochem. 57:1329-1334)、またはそれらの医薬的に許容し得る塩をはじめとするそれらの任意の断片、ファミリーメンバー、または変種が挙げられるが、これらに限定されない。
血管新生を阻害し、ラミニン、フィブロネクチン、プロコラーゲンおよびEGFの断片に対応する他のペプチドもまた、記載されている(例えば、Cao, 1998, Prog Mol Subcell Biol. 20:161-176参照)。RGDタンパク質に結合する(即ち、ペプチドモチーフArg-Gly-Aspを有する)特定のインテグリンをブロックするモノクローナル抗体および環状ペンタペプチドは、抗血管形成活性を有することが実証されている(Brooks et al., 1994, Science 264:569-571; Hammes et al., 1996, Nature Medicine 2:529-533)。受容体アンタゴニストによるウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子受容体の阻害は、血管新生、腫瘍成長および転移を阻害する(Min et al., 1996, Cancer Res. 56: 2428-33; Crowley et al., 1993, Proc Natl Acad Sci. 90:5021-25)。
別の実施形態において、本開示の併用療法は、ホルモン処置モダリティーと共に本開示の免疫調整組成物を投与することを含む。そのような処置モダリティーとしては、ホルモンアンタゴニスト(例えば、フルタミド、ビカルタミド、タモキシフェン、ラロキシフェン、酢酸ロイプロリド(LUPRON)、LH-RHアンタゴニスト)、ホルモン生合成およびプロセシングの阻害剤、ならびにステロイド(例えば、デキサメタゾン、レチノイド、デルトイド、ベタメタゾン、コルチゾール、コルチゾン、プレドニゾン、デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、ミネラロコルチコイド、エストロゲン、テストステロン、プロゲスチン)、ビタミンA誘導体(例えば、全トランス型レチノール酸(ATRA))、ビタミンD3類似体、抗ゲスターゲン(antigestagen)(例えば、ミフェプリストン、オナプリストン)、および抗アンドロゲン(例えば、酢酸シプロテロン)の投与が挙げられる。
別の実施形態において、本開示の免疫調整組成物は、アンチセンスポリヌクレオチド、リボザイム、RNA干渉分子、トリプルヘリックスポリヌクレオチドなどのポリヌクレオチド化合物を利用する処置モダリティーに関連して用いられる。
特定の実施形態において、本開示の免疫調整組成物は、免疫調節剤と組み合わせて投与される。幾つかの実施形態において、該免疫調整組成物は、免疫調節剤と共に配合される。「免疫調節剤」は、投与される対象の免疫系を抑制、マスク、または増強する物質である。例示的な薬剤は、サイトカインの産生を抑制するもの、自己抗原の発現をダウンレギュレートもしくは抑制するもの、またはMHC抗原をマスクするものである。そのような薬剤の例としては、2-アミノ-6-アリール-5-置換ピリミジン(米国特許第4,665,077号参照)、アザチオプリン(またはアザチオプリンに対して有害反応がある場合には、シクロホスファミド);ブロモクリプチン;グルタルアルデルヒド(MHC抗原をマスクする、米国特許第4,120,649号に記載);MHC抗原およびMHCフラグメントに対する抗イディオタイプ抗体;シクロスポリンA;グルココルチコイドなどのステロイド、例えばプレドニゾン、メチルプレドニゾロンおよびデキサメタゾン;抗インターフェロン-γ、-β、または-α抗体をはじめとするサイトカインまたはサイトカイン受容体アンタゴニスト;抗腫瘍壊死因子-α抗体;抗腫瘍壊死因子-β抗体;抗インターロイキン-2抗体および抗IL-2受容体抗体;抗L3T4抗体;異種性抗リンパ球グロブリン;パン-T抗体、好ましくは抗CD3または抗CD4/CD4a抗体;LFA-3結合ドメインを含有する可溶性ペプチド;IDO阻害剤;ストレプトキナーゼ;TGF-β;ストレプトドマーゼ;FK506;RS-61443;デオキシスパーガリン;およびラパマイシンが挙げられる。サイトカインの例としては、リンフォカイン、モノカインおよび伝統的なポリペプチドホルモンが挙げられるが、これらに限定されない。サイトカインには、成長ホルモン、例えば、ヒト成長ホルモン、N-メチオニルヒト成長ホルモンおよびウシ成長ホルモン;副甲状腺ホルモン;チロキシン;インスリン;プロインスリン;リラキシン;プロリラキシン;糖タンパク質ホルモン、例えば卵胞刺激ホルモン(FSH)、グルカゴン、甲状腺刺激ホルモン(TSH)および黄体ホルモン(LH);肝細胞増殖因子;線維芽細胞増殖因子;プロラクチン;胎盤性ラクトゲン;腫瘍壊死因子-α;ミュラー管阻害物質;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;血管内皮増殖因子;インテグリン;トロンボポエチン(TPO);神経成長因子、例えばNGF-α;血小板増殖因子;トランスフォーミング増殖因子(TGF)、例えばTGF-αおよびTGF-β;インスリン様増殖因子-Iおよび-II;エリスロポエチン(EPO);骨誘導因子;インターフェロン;コロニー刺激因子(CSF)、例えばマクロファージ-CSF(M-CSF);顆粒球-マクロファージ-CgP(GM-CSP);および顆粒球CSF(G-CSF);インターロイキン(IL)、例えばIL-1、IL-la、IL-2、1L-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-1I、IL-12、IL-15;腫瘍壊死因子、例えばTNF-αまたはTNF-β;および他のポリペプチド因子(LIFおよびキットリガンド(KL)を含む)が含まれる。本明細書で用いられる用語サイトカインは、天然供給源由来または組換え細胞培養物由来のタンパク質およびネイティブ配列のサイトカインの生物学的に活性な均等物を含む。免疫調節剤の別の例としては、メサラジン、メサラミン、スルファサラジン、スルファラジン誘導体、抗ヒスタミン、グルココルチコイド、エピネフリン、テオフィリン、クロモリンナトリウム、抗ロイコトリエン、鼻炎用の抗コリン作動薬、抗コリン作動性鼻づまり薬、肥満細胞安定化剤、モノクローナル抗IgE抗体が挙げられる。
特定の実施態様において、本開示の免疫調整組成物は、1種または複数の免疫調整剤、例えばサイトカインとの併用療法で投与される。適切なサイトカインとしては、インターロイキン-1(IL-1)、IL-2、IL-3、IL-12、IL-15、IL-18、G-CSF、GM-CSF、トロンボポエチンおよびγインターフェロンが挙げられるが、これらに限定されない。
抗菌性免疫反応を調整する方法
本開示は、本開示の免疫調整組成物の有効量を、必要とする個体へ投与することを含む、細菌への、または細菌によって産生される物質への免疫反応を調整する方法を提供する。
幾つかの例において、細菌への、または細菌によって産生される物質への免疫反応を調整する本開示の方法は、個体における細菌(例えば、病原菌)の数を、該個体における病原菌の処置前の数に比較して少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、もしくは少なくとも約99%、または該病原菌が該個体において(例えば、該個体から得られた生体試料において)検出され得ない程度まで低減するのに効果的である。
幾つかの例において、細菌または細菌により産生される物質(内毒素、毒素、LPSなど)への免疫反応を調整する本開示の方法は、病原菌への免疫反応を調節するのに効果的である。病原菌としては、例えばグラム陽性菌、グラム陰性菌、マイコバクテリアなどが挙げられる。病原菌の非限定的例としては、マイコバクテリア、ストレプトコッカス、スタフィロコッカス、シュードモナス、サルモネラ、ナイセリア、およびリステリアが挙げられる。幾つかの例において、該細菌は、ナイセリア・ゴノルヘア、M.ツベルクローシス、M.レプラエ、リステリア・モノサイトゲネス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、S.ピオゲネス、S.アガラクティエ、S.ビリダンス、S.フェカリス、S.アウレウス、S.エピダーミス、またはS.ボビスである。
企図される病原菌の他の例としては、グラム陽性菌(例えば、リステリア、バチルス・アントラシスなどのバチルス、エリシペロトリックス属の菌種)、グラム陰性細菌(例えば、バルトネラ、ブルセラ、ブルクホルデリア、カンピロバクター、エンテロバクター、エシェリヒア、フランシセラ、ヘモフィルス、クレブシエラ、モルガネラ、プロテウス、プロビデンシア、シュードモナス、サルモネラ、セラチア、シゲラ、ビブリオおよびエルシニア属の菌種)、スピロヘータ菌(例えば、ライム病を引き起こすボレリア・ブルグドルフェリをはじめとするボレリア属の菌種)、嫌気性細菌(例えば、アクチノマイセスおよびクロストリジウム属の菌種)、グラム陽性および陰性球菌、エンテロコッカス属の菌種、ストレプトコッカス属の菌種、ニューモコッカス属の菌種、スタフィロコッカス属の菌種、ナイセリア属の菌種が挙げられるが、これらに限定されない。
特異的な感染菌のさらなる非限定的例としては、シトバクター、クラミジア属の菌種、ヘリコバクター・ピロリ、ボレリア・ブルグドルフェリ、レジオネラ・ニューモフィラ、マイコバクテリア・アビウム、M.イントラセルラエ、M.カンサイ、M.ゴルドナエ、M.アフリカヌム、スタフィロコッカス・アウレウス、ナイセリア・メニンギチジス、ヘモフィルス・インフルエンザ、バチルス・アントラシス、エルシニア・ペスティス、コリネバクテリウム・ジフテリア、エリシペロトリックス・ルシオパシエ、クロストリジウム・パーフューリンゲン、クロストリジウム・テタニ、エンテロバクター・アエロゲネス、クレブシエラ・ニューモニエ、パスツレラ・ムルトシダ、フソバクテリウム・ヌクレアタム、ストレプトバチルス・モニリフォルミス、トレポネーマ・パリジウム、トレポネーマ・ペルテヌエ、レプトスピラ、リケッチア、ポルフィロモナス・ジンジバリスおよびアクチノマイセス・イスラエリが挙げられるが、これらに限定されない。
該病原菌は、野生型、生存可能であり得、不活化、加熱死、突然変異、弱毒化、および/または遺伝子操作され得る。
幾つかの例において、細菌または細菌により産生される物質への免疫反応を調整する本開示の方法は、免疫調整組成物を、必要とする個体へ投与することを含み、さらに抗菌剤または抗マイコバクテリア剤の有効量を該個体へ投与することを含む。抗菌剤および抗マイコバクテリア剤は、当該技術分野で公知であり、例えばβラクタム系抗生物質、テトラサイクリン、ストレプトマイシン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、グラミシジン、バシトラシン、スルホンアミド、ニトロフラゾン、ナリジクス酸、リファンピシン、フルオロキノロン、イソニアジド、ピラジンアミド、バンコマイシン、メチシリンなどが挙げられる。
適切な抗菌剤としては、例えばアミノグリコシド系、例えばアミカシン、アプラマイシン、アルベカシン、バムベルマイシン、ブチロシン、ジベカシン、ジヒドロストレプトマイシン、フォーチミシン(複数可)、ゲンタマイシン、イセパマイシン(Ispamicin)、カナマイシン、マイクロノマイシン、ネオマイシン、ネオマイシンウンデシレナート、ネチルマイシン、パロモマイシン、リボスタマイシン、シソマイシン、スペクチノマイシン、ストレプトマイシン、ストレプトニコジドおよびトブラマイシン;アンサマイシン系、例えばリファミド、リファンピン、リファマイシンおよびリファキシミン;β-ラクタム系、例えばイミペネムなどのカルバペネム;セファロスポリン系、例えばセファクロル(Cefactor)、セファドロキシル、セファマンドール、セファトリジン、セファゼドン、セファゾリン、セフィキシム、セフィメノキシム(Cefinenoxime)、セフォジジム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォラニド、セフォタキシム、セフォチアム、セフピミゾール、セフピラミド(Cefpirimide)、セフポドキシムプロキセチル、セフロキサジン、セフスロジン、セフタジジム、セフテラム、セフテゾール、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セフゾナム、セファセトリルナトリウム、セファレキシン、セファログリシン、セファロリジン、セファロスポリン、セファロチン、セファピリンナトリウム、セフラジン、およびピブセファレキシン;セファマイシン系、例えばセフブペラゾン、セフメタゾール、セフミノックス、セフォテタン(Cefetan)およびセフォキシチン;モノバクタム系、例えばアズトレオナム、カルモナムおよびチゲモナム;オキサセフェム系、例えばフロモキセフおよびモキサラクタム;ペニシリン系、例えばアムジノシリン、アムジノシリンピボキシル、アモキシリン、アンピシリン、アパルシリン、アスポキシシリン、アジドシリン、アズロシリン、バカンピシリン、ベンジルペニシリン酸、ベンジルペニシリンナトリウム、カルベニシリン、カルフェシリンナトリウム、カリンダシリン、クロメトシリン、クロキサシリン、シクラシリン、ジクロキサシリン、ジフェニシリンナトリウム、エピシリン、フェンベニシリン、フロキサシリン、ヘタシリン、レナンピシリン、メタンピシリン、メチシリンナトリウム、メズロシリン、ナフシリンナトリウム、オキサシリン、ペナメシリン、ペネタマートヨウ化水素酸塩、ペニシリンGベネタミン、ペニシリンGベンザチン、ペニシリンGベンズヒドリルアミン、ペニシリンGカルシウム、ペニシリンGヒドラバミン、ペニシリンGカリウム、ペニシリンGプロカイン、ペニシリンN、ペニシリンO、ペニシリンV、ペニシリンVベンザチン、ペニシリンVヒドラバミン、ペニメピサイクリン、フェネチシリンカリウム、ピペラシリン、ピバンピシリン(Pivapicillin)、プロピシリン、キナシリン、スルベニシリン、タランピシリン、テモシリンおよびチカルシリン;リンコサミド系、例えばクリンダマイシンおよびリンコマイシン;マクロライド系、例えばアジスロマイシン、カルボマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、エリスロマイシンアシストラート、エリスロマイシンエストラート、グルコヘプタン酸エリスロマイシン、ラクトビオン酸エリスロマイシン、プロピオン酸エリスロマイシン、ステアリン酸エリスロマイシン、ジョサマイシン、ロイコマイシン、ミデカマイシン、ミオカマイシン、オレアンドマイシン、プリマイシン、ロキタマイシン、ロサラミシン、ロキシスロマイシン、スピラマイシンおよびトロレアンドマイシン;ポリペプチド系、例えばアンフォマイシン、バシトラシン、カプレオマイシン、コリスチン、エンヅラシジン、エンビオマイシン、フサフンギン、グラミシジン(複数可)、クラミシジンS、ミカマイシン、ポリミキシン、ポリミキシンB-メタンスルホン酸、プリスチナマイシン、リストセチン、テイコプラニン、チオストレプトン、ツベラクチノマイシン、チロシジン、チロスリシン、バンコマイシン、バイオマイシン、バイオマイシンパントテン酸塩、バージニアマイシンおよび亜鉛バシトラシン;テトラサイクリン系、例えばアピサイクリン、クロロテトラサイクリン、クロモサイクリン、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、グアメサイクリン、リメサイクリン、メクロサイクリン、メタサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、ペニメピサイクリン、ピパサイクリン、ロリテトラサイクリン、サンサイクリン、セノサイクリンおよびテトラサイクリン;シクロセリン;ムピロシン;およびツベリンが挙げられる。適切な抗菌剤は、細菌に特異的な抗体を包含する。
抗ウイルス性免疫反応を調整する方法
本開示は、本開示の免疫調整組成物の有効量を、必要とする個体へ投与することを含む、免疫反応を調整する方法を提供する。
幾つかの例において、ウイルスへの免疫反応を調製する本開示の方法は、個体におけるウイルス(例えば、病原性ウイルス)の数を少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、もしくは少なくとも約99%、または病原性ウイルスが該個体において(例えば、個体から得られた生体試料中で)検出できない程度まで、低減するのに効果的である。
例えば幾つかの例において、ウイルスへの免疫反応を調整する本開示の方法は、個体におけるウイルス量を少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、もしくは少なくとも約99%、または病原性ウイルスが該個体において(例えば、個体から得られた生体試料中で)検出できない程度まで、低減するのに効果的である。幾つかの例において、ウイルスへの免疫反応を調整する本開示の方法は、個体におけるウイルスのゲノムコピー数を、該個体における処置前のウイルスのゲノムコピー数に比較して、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、もしくは少なくとも約99%、またはウイルスのゲノムコピーが該個体において(例えば、個体から得られた生体試料中で)検出できない程度まで、低減するのに効果的である。
幾つかの例において、ウイルスへの免疫反応を調整する本開示の方法は、病原性ウイルスへの免疫反応を調節する。病原性ウイルスとしては、ヘルペスウイルス(HSV-1、HSV-2、VZV、EBV、CMV、HHV-6、HHV-8)、インフルエンザウイルス(Flu A、B)、肝炎ウイルス(HepA、HepB、HepC、HepD、HepE)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV-1、HIV-2)、呼吸合胞体ウイルス、はしかウイルス、ライノウイルス、アデノウイルス、SARSウイルス、パピローマウイルス、オルソポックスウイルス、西ナイルウイスル、およびデングウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。病原性ウイルスとしては、フラビビリダエ科ウイルスのメンバーが挙げられる。病原性ウイルスとしては、デングウイルス、クンジンウイルス、日本脳炎ウイルス、西ナイルウイルス、および黄熱病ウイルスからなる群から選択されるフラビウイルスが挙げられる。病原性ウイルスとしては、リンパ性脈絡髄膜炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、エプスタイン・バーウイルス、およびヒト免疫不全ウイルスが挙げられる。病原性ウイルスとしては、レトロウイルス科(例えば、LAVもしくはHTLV-III/LAVとも称されるHIV-1、またはHIV-IIIなどのヒト免疫不全ウイルス;およびHIV-LPなどの他の単離物);ピコルナウイルス科(例えば、ポリオウイルス、A型肝炎ウイルス、エンテロウイルス、ヒトコクサッキーウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス);カリシウイルス科(例えば、胃腸炎を引き起こす株);トガウイルス科(例えば、馬脳炎ウイルス、風疹ウイルス);フラビウイルス科(Flaviridae)(例えば、デングウイルス、脳炎ウイルス、黄熱病ウイルス);コロナウイルス科(例えば、コロナウイルス);ラブドウイルス科(例えば、水胞口炎ウイルス、狂犬病ウイルス);フィロウイルス科(例えば、エボラ様ウイルス、マールブルグウイルス);パラミクソウイルス科(例えば、パラインフルエンザウイルス、おたふく風邪ウイルス、はしかウイルス、呼吸合胞体ウイルス);オルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス);ブニヤウイルス科(例えば、ハンターンウイルス、ブニヤウイルス(bunga virus)、フレボウイルス、およびナイロウイルス);アレナウイルス科(出血熱ウイルス);レオウイルス科(例えば、レオウイルス、オルビウイルス、およびロタウイルス);ボルナウイルス科;ヘパドナウイルス科(B型肝炎ウイルス);パルボウイルス科(パルボウイルス);パポバウイルス科(パピローマウイルス、ポリオーマウイルス);アデノウイルス科(例えば、アデノウイルス);ヘルペスウイルス科(単純ヘルペスウイルス(HSV)1および2、水痘帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、ヘルペスウイルス);ポックスウイルス科(痘瘡ウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス);およびイリドウイルス科(例えば、アフリカブタ熱ウィルス);未分類ウイルス(例えば、海綿状脳症の病原因子、デルタ型肝炎の因子(B型肝炎ウイルスの欠損サテライトであると考えられる)、非A非B型肝炎の因子(クラス1=内部感染、クラス2=非経口感染、即ち、C型肝炎ウイルス);ノーウォークウイルスおよび関連のウイルス、ならびにアストロウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。
幾つかの例において、ウイルスへの免疫反応を調整する本開示の方法は、免疫調整組成物を、必要とする個体へ投与することを含み、さらに少なくとも1種のさらなる治療薬、例えば抗ウイルス薬の有効量を該個体へ投与することを含む。
抗ウイルス薬は、当該技術分野で公知であり、例えばリバビリンおよびその類似体などの抗HCV薬;グリコシダーゼ阻害剤;グルコシダーゼ阻害剤;IRES(内部リボソーム侵入部位)、p7、侵入、融合、ヘリカーゼ、組立て、放出、NS2、NS3、NS4、NS5aおよびNS5B阻害剤;イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤;シクロフィリン阻害剤;メタロプロテアーゼ阻害剤;抗HCVヌクレオシド(ヌクレオチド)および非ヌクレオシドRNAポリメラーゼ阻害剤など;抗HIV薬;抗HBV薬などが挙げられる。
幾つかの実施形態において、該少なくとも1種のさらなる治療薬は、インターフェロン(例えば、インターフェロン-α、インターフェロン-β、インターフェロン-γ、インターフェロン-λ、インターフェロン-τ、インターフェロン-ωなど)である。幾つかの実施形態において、該少なくとも1種のさらなる治療薬は、IFN-αである。幾つかの実施形態において、該少なくとも1種のさらなる治療薬は、IFN-βである。
HCV感染を処置するための適切なさらなる抗ウイルス薬としては、ビラムジン、テラプレビル、ソホスブビル、ボセプレビル、シルプレビル、シメプレビル、ダノプレビル、バニプレビル、MK-5172、MK-0608、2’-C-メチル-7-デアザアデノシン、2’-C-メチル-アデノシン、BI201335、ナルラプレビル、アスナプレビル、GS-9256、GS-9451、ABT-450、IDX-320、ACH-1625、バロピシタビン、メリシタビン、R1626、PSI-938、INX-189、BILN1941、BI-207127、VCH222、VX-135、ANA598、ANA773、ABT-072、ABT-333、HCV-796、GS-9190、ダクラタスビル(Daclatasavir)、BMS-824393、BMS-791325、PPI-461、GS-5885、アリスポリビル(Debio-025)、NIM-811、SCY-635、ニタゾキサニド、クレミゾール、Miravirasen、セルゴシビル、BCX-5191、GSK-2336805、抗-PD-1抗体(CT-011)、バビツキシマブ(抗ホスファチジルセリンMab)、治療性ワクチン(GI-5005、IC-41、TG-4040)、防護性ワクチン(HCV E1/E2/MF-59など)、およびそれらのプロドラッグが挙げられるが、これらに限定されない。適切なさらなる治療薬には、例えばB型肝炎ウイルス感染の処置用の治療薬があり、ラミブジン、アデホビル、エンテカビル、テルビブジン(telbuvudine)、テノホビルおよびそれらのプロドラッグが挙げられるが、これらに限定されない。
例えば、HCV感染を処置するための適切なさらなる抗ウイルス薬は、リバビリン(1-β-D-リボフラノシル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド)の1日2回の経口投与と組み合わされたペグ化IFN-αの週1回の注射を含む。
適切なさらなる治療薬は、例えば免疫欠損ウイルス感染の処置用、または免疫欠損ウイルス感染(例えば、細菌感染、真菌感染など)を随伴し得る障害の処置用の治療薬を包含する。適切なさらなる治療薬としては、例えばβラクタム系抗生物質、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、グラミシジン、バシトラシン、スルホンアミド、ニトロフラゾン、ナリジクス酸、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、フルコルトロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、インドメタシン、スリンダク、アシクロビル、アマンタジン、リマンタジンン、組換え可溶性CD4(rsCD4)、シアノビリン-N、ミクロビリン、フゼオン、抗受容体抗体(例えば、ライノウイルス用)、ネビラピン、シドホビル(Vistide(商標))、ホスホノギ酸三ナトリウム(ホスカルネット(商標))、ファムシクロビル、ペンシクロビル、バラシクロビル、核酸/複製阻害剤、インターフェロン、ジドブジン(AZT、Retrovir(商標))、ジダノシン(ジデオキシイノシン、ddI、Videx(商標))、スタブジン(d4T、Zerit(商標))、ザルシタビン(ジデオキシシトシン、ddC、Hivid(商標))、ネビラピン(Viramune(商標))、ラミブジン(Epivir(商標)、3TC)、プロテアーゼ阻害剤、サキナビル(Invirase(商標)、Fortovase(商標))、リトナビル(Norvir(商標))、ネルフィナビル(Viracept(商標))、エファビレンツ(Sustiva(商標))、アバカビル(Ziagen(商標))、アムプレナビル(Agenerase(商標))、インジナビル(Crixivan(商標))、ガンシクロビル、AzDU、デラビルジン(Rescriptor(商標))、カレトラ、トリジビル、リファンピン、クラリスロマイシン(clathiromycin)、エリスロポエチン、コロニー刺激因子(G-CSFおよびGM-CSF)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、ヌクレオシド阻害剤、ウイルス侵入阻害剤、融合阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、アドリアマイシン、フルオロウラシル、メトトレキサート、アスパラギナーゼおよびそれらの組み合わせが挙げられる。HIV用のさらなる適切な治療薬としては、ラルテグラビル、エルビテグラビル、エンフビルチド、マラビロクなどのインテグラーゼおよび融合阻害剤が挙げられる。
幾つかの実施形態において、該少なくとも1種のさらなる治療薬は、例えばインフルエンザウイルスがインフルエンザAまたはインフルエンザBであれば、ノイラミニダーゼ阻害剤である。適切なノイラミニダーゼ阻害剤としては、例えば、オアセルタミビル(エチル(3R,4R,5S)-5-アミノ-4-アセトアミド-3-(ペンタン-3-イルオキシシクロヘキサ-1-エン-1-1カルボキシラート;Tamiflu(商標))、ザナミビル((2R,3R,4S)-4-[(ジアミノメチリデン)アミノ]-3-アセトアミド-2-[(1R,2R)-1,2,3-トリヒドロキシプロピル]-3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-6-カルボン酸;Relenza(商標))、およびペラミビル(1S,2S,3S,4R)-3-[(1S)-1-アセトアミド-2-エチル-ブチル]-4-(ジアミノメチリデンアミノ)-2-ヒドロキシ-シクロペンタン-1-カルボン酸)が挙げられる。幾つかの実施形態において、該少なくとも1種のさらなる治療薬は、例えばウイルスのイオンチャネル(M2タンパク質)を遮断するM2ブロッカーである。抗ウイルス薬アマンタジンおよびリマンタジンは、M2ブロッカーであり、表題の方法で用いられ得る。
例えばHSV-1またはHSV-2感染の処置のための、適切なさらなる治療薬としては、アシクロビル(Zovirax)、バルガンシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル(Valtrex)、ガンシクロビル(Cytovene)、シドホビル(Vistide)、アンチセンスオリゴヌクレオチドのホミビルセン(Vitravene)、ホスカルネット(Foscavir)、ペンシクロビル、ヨードクスリジン、ビダラビン、およびトリフルリジンが挙げられるが、これらに限定されない。
幾つかの実施形態において、該1種または複数の異なる治療薬は、2種以上の異なるウイルスを標的とする選択された抗ウイルス薬、例えばHIV阻害剤、HBV阻害剤、HCV阻害剤、ヘルペスウイルス阻害剤、インフルエンザウイルス阻害剤、RNA阻害剤、干渉RNA(RNAi)阻害剤、天然産物などである。幾つかの例において、ウイルス感染を処置する本開示の方法は、免疫調整組成物を、必要とする個体へ投与することを含み、さらに少なくとも1種のさらなる治療薬、例えばウイルス抗原を対象とするモノクローナル抗体または抗体産物の有効量を該個体へ投与することを含み、適切なモノクローナル抗体としては、HBIg、インフルエンザウイルス株に対する抗体、抗A型肝炎ウイルス抗体、SYNAGIS(抗RSV Mab)、抗狂犬病抗体、オスタビル(抗HBV Mab)、Pro542(抗HIV gp120)、ポトビル(抗CMV Mab)、抗PD-1抗体(CT-011)、バビツキシマブ(抗ホスファチジルセリンMab)などが挙げられるが、これらに限定されない。
寄生虫感染への免疫反応を調整する方法
本開示は、本開示の免疫調整組成物の有効量を、必要とする個体へ投与することを含む、微生物寄生虫(例えば、病原性原虫、蠕虫など)への免疫反応を調整する方法を提供する。
幾つかの例において、微生物寄生虫への免疫反応を調整する本開示の方法は、個体における微生物寄生虫(例えば、病原性原虫、病原性蠕虫)の数を、該個体における処置前の微生物寄生虫数に比較して、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、もしくは少なくとも約99%、または該微生物寄生虫が該個体において(例えば、該個体から得られた生体試料中で)検出できない程度まで、低減するのに効果的である。
幾つかの例において、微生物寄生虫への免疫反応を調整する本開示の方法は、免疫調整組成物を、必要とする個体へ投与することを含み、さらに少なくとも1種のさらなる治療薬の有効量を該個体へ投与することを含む。抗寄生虫薬は、当該技術分野で公知であり、例えばクロロキノンなどを包含する。例えば抗マラリア薬としては、例えばキニン、クロロキニン、アトバクオン、プログアニル、プリマキン、アモジアキン、メフロキン、ピペラキン、アルテミシニン、メチレンブルー、ピリメタミン、スルファドキシン、アーテメータ-ルメファントリン、ダプソン-クロルプログアニル、アルテスナート、キニジン、クロピドール、ピリジン/ピリジノール類似体、4(1H)-キノロン類似体、ジヒドロアルテミシニン、アトバコンとプログアニルとの混合物、エンドペルオキシド、およびアクリドンが挙げられる。抗寄生虫薬としては、寄生虫に特異的な抗体が挙げられる。
幾つかの例において、微生物寄生虫への免疫反応を調整する(例えば、低減する)本開示の方法は、プラスモジウム属の寄生虫種、トキソプラズマ・ゴンジイ、バベシア属の寄生虫種、トリキネラ・スピラリス、エンタモエバ・ヒストリティカ、ギアルジア・ラムブリア、エンテロサイトゾーン・ビエネウシ、ネグレリア、アカンタモエバ、トリパノソーマ・ローデシエンスおよびトリパノソーマ・ガンビエンス、イソスポラ属の寄生虫種、クリプトスポリジウム属の寄生虫種、エイメリア属の寄生虫種、ネオスポラ属の寄生虫種、サルコシスティス属の寄生虫種、およびシストソーマ属の寄生虫種などの微生物寄生虫への免疫反応を調整する。
幾つかの例において、寄生原虫への免疫反応を調整する(例えば、低減する)本開示の方法は、ジアルジア、プラスモジウム属の寄生虫種(例えば、プラスモジウム・ファルシパルム)、トキソプラズマ・ゴンジイ、クリプトスポリジウム、トリコモナス属の寄生虫種、トリパノソーム(例えば、トリパノソーマ・クルージ)、またはリーシュマニアなどの寄生原虫への免疫反応を調整する。
病原性真菌への免疫反応を調整する方法
本開示は、本開示の免疫調整組成物の有効量を、必要とする個体へ投与することを含む、病原性真菌への免疫反応を調整する方法を提供する。
幾つかの例において、病原性真菌への免疫反応を調整する本開示の方法は、個体における真菌の数を、該個体における処置前の真菌数に比較して、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、もしくは少なくとも約99%、または該病原性真菌が該個体において(例えば、該個体から得られた生体試料中で)検出できない程度まで、低減するのに効果的である。
幾つかの例において、病原性真菌への免疫反応を調整する(例えば、低減する)ための本開示の方法は、C.アルビカンスなどのカンジダ属の真菌種、アスペルギルス属の真菌種、C.ネオフォルマンスなどのクリプトコッカス属の真菌種、ブラストマイセス属の真菌種、ニューモシスティス属の真菌種、またはコクシジオイデス属の真菌種などの真菌への免疫反応を誘発または調整する。
幾つかの例において、病原性真菌への免疫反応を調整する本開示の方法は、免疫調整組成物を、必要とする個体へ投与することを含み、さらに少なくとも1種のさらなる治療薬の有効量を該個体へ投与することを含む。抗真菌薬は、当該技術分野で公知であり、例えばフルコナゾール(flucanazole)、5-フルオロシトシンなどが挙げられる。
適切な抗真菌薬としては、ポリエン、例えばアンホテリシンB(アンホテリシンBの様々な配合剤を含む)、カンジシジン、デルモスタチン、フィリピン、ファンギクロミン、ハチマイシン、ハマイシン、ルセンソマイシン、メパルトリシン、ナタマイシン、ナイスタチン、ペチロシンおよびペリマイシン;ならびに他のもの、例えば、アザセリン、グリセオフルビン、オリゴマイシン、ネオマイシン、ウンデシレネート、ピロルニトリン、シッカニン、ツベルシジンおよびビリジン;アリルアミン、例えばナフチフィンおよびテルビナフィン;イミダゾール、例えばビフォナゾール、ブトコナゾール、クロダントイン、クロルミダゾール、クロコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、エニルコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、オモコナゾール、オキシコナゾール、硝酸塩、スルコナゾール、チオコナゾール;トリアゾール、例えば、フルコナゾール、イトラコナゾールおよびテルコナゾール;ならびに他のもの、例えば、アクリソルシン、アモロルフィン、ビフェナミン、ブロモサリチルクロルアリニド、ブクロサミド、プロピオン酸カルシウム、クロルフェネシン、シクロピロックス、クロキシキン、コパラフィネート、ジアムタゾール、ジヒドクロリド、エキサラミド、フルシトシン、ハレタゾール、ヘキセチジン、ロフルカルバン、ニフラテル、ヨウ化カリウム、プロピオン酸、ピリチオン、サリチルアニリド、プロピオン酸ナトリウム、スルベンチン、テノニトロゾール、トルシクラート、トリンデート(Tolindate)、トルナフテート、トリセチン、ユジョチオン、ウンデシレン酸、プロピオン酸亜鉛が挙げられる。
アレルギー疾患を処置する方法
本開示は、個体における喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患を処置する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を、該個体へ投与することを含む、方法を提供する。幾つかの例において、アレルギー疾患を処置する本開示の方法は、アレルゲンを含む本開示の免疫調整組成物の有効量を、必要とする個体へ投与することを含む。適切なアレルゲンは、先に記載されている。
幾つかの例において、アレルギー疾患を処置する本開示の表題の方法は、免疫反応を調節するのに効果的である。幾つかの例において、アレルギー疾患を処置する本開示の表題の方法は、a)個体におけるIgEのレベル;b)個体におけるアレルゲン特異性IgEのレベル;c)個体における肥満細胞の数;d)個体におけるヒスタミンのレベル;および個体におけるIL-4のレベル、のうちの1つまたは複数を、処置前のレベルに比較して低減するのに効果的である。
幾つかの例において、アレルギー疾患を処置する本開示の方法は、免疫調整組成物を、必要とする個体へ投与することを含み、さらに少なくとも1種のさらなる治療薬の有効量を該個体へ投与することを含む。適切なさらなる治療薬としては、例えば抗ヒスタミン薬、ステロイド(例えば、コルチコステロイド)、プロスタグランジン誘導剤、抗炎症剤、ロイコトリエンアンタゴニスト、IL-4ムテイン、可溶性IL-4受容体、免疫抑制剤(寛容ペプチドワクチンなど)、抗IL-4抗体、IL-4アンタゴニスト、抗IL-5抗体、可溶性IL-13受容体-Fc融合タンパク質、抗IL-9抗体、CCR3アンタゴニスト、CCR5アンタゴニスト、VLA-4阻害剤、およびIgEのダウンレギュレーターが挙げられる。適切なステロイドとしては、ベクロメタゾン、フルチカゾン、トラムシノロン、ブデソニド、コルチコステロイドおよびブデソニドが挙げられるが、これらに限定されない。
自己免疫障害を処置する方法
本開示は、個体における自己免疫障害を処置する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を、該個体へ投与することを含む、方法を提供する。自己免疫状態は、関節リウマチ、喘息、1型糖尿病、多発性硬化症、全身エリテマトーデス(SLE)、ショーグレン症候群、アテローム性硬化症、自己免疫性肝炎、自己免疫性膵炎、セリアック病、自己免疫性溶血性貧血、強直性脊椎炎、自己免疫疾患に関連する癌、自己免疫疾患に関連する線維症などの多くの自己免疫障害の原因となる。本開示の免疫調整組成物を通して自然免疫および適応免疫のメカニズムを調整することにより、自己免疫障害が処置され得る。幾つかの例において、自己免疫障害を処置する本開示の方法は、自己抗原を含む本開示の免疫調整組成物の有効量を、必要とする個体へ投与することを含む。適切な自己抗原は、先に記載されている。
幾つかの例において、自己免疫障害を処置する本開示の方法は、個体における自己反応性T細胞の数および/または活性を、該個体における処置前の自己反応性T細胞の数および/または活性に比較して、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、もしくは少なくとも約99%、または該自己反応性T細胞が該個体において(例えば、該個体から得られた生体試料中で)検出できない程度まで、低減するのに効果的である。
幾つかの例において、自己免疫障害を処置する本開示の表題の方法は、個体における自己抗体のレベルを、処置前の自己抗体のレベルに比較して、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、もしくは少なくとも約99%、または該自己抗体が該個体において(例えば、該個体から得られた生体試料中で)検出できない程度まで、低減するのに効果的である。
幾つかの例において、自己免疫障害を処置する本開示の表題の方法は、個体におけるサイトカインのレベルを、処置前のサイトカインのレベルに比較して、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、もしくは少なくとも約99%、またはサイトカインが該個体において(例えば、該個体から得られた生体試料中で)検出できない程度まで、低減するのに効果的である。
幾つかの例において、自己免疫障害を処置する本開示の方法は、免疫調整組成物を、必要とする個体へ投与することを含み、さらに少なくとも1種のさらなる治療薬の有効量を該個体へ投与することを含む。自己免疫障害を処置するのに用いられ得る治療薬の例としては、抗炎症剤;免疫抑制剤(例えば、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、コルチゾール、メチルプレドニゾロンなど)、シクロスポリンA);細胞傷害剤(例えば、6-メルカプトプリン、アザチオプリン、メトトレキサート、アルキル化剤、代謝抑制剤);植物アルカロイド;天然産物;ステロイドホルモン;低酸素剤(hypoxic agents);抗増殖剤;抗癌剤;ダナゾール;コルヒチン(colchisine);レバミソール;生物反応修飾剤(biological response modifiers)などが挙げられるが、これらに限定されない。
自己免疫障害を処置するのに用いられ得る治療薬の例は、細胞増殖を低減する作用がある薬剤を包含し、当該技術分野で公知であり、広く使用されている。そのような薬剤としては、非限定的にメクロレタミン、シクロホスファミド(Cytoxan(商標))、メルファラン(L-サルコリシン)、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、セムスチン(メチル-CCNU)、ストレプトゾシン、クロロゾトシン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イホスファミド、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホラミン、ブスルファン、デカルバジン、およびテモゾロミドをはじめとするナイトロジェンマスタード、ニトロソ尿素、エチレンイミン誘導体、スルホン酸アルキルおよびトリアゼンなどのアルキル化剤が挙げられる。
代謝抑制剤としては、非限定的にシタラビン(CYTOSAR-U)、シトシンアラビノシド、フルオロウラシル(5-FU)、フロクスウリジン(FudR)、6-チオグアニン、6-メルカプトプリン(6-MP)、ペントスタチン、5-フルオウラシル(5-FU)、メトトレキサート、10-プロパルギル-5,8-ジデアザフォラート(PDDF、CB3717)、5,8-ジデアザテトラヒドロ葉酸(DDATHF)、ロイコボリン、リン酸フルダラビン、ペントスタチン、ゲムシタビン、シクロシチジン、グアナゾール、イノシングリコジアルデヒド、EICAR、リバビリン、チアゾフリン、デフロキサミンおよびピラゾロイミダゾールをはじめとする葉酸類似体、ピリミジン類似体、プリン類似体、およびアデノシンデアミナーゼ阻害剤が挙げられる。
適切な天然産物およびその誘導体(例えば、ビンカアルカロイド、抗腫瘍性抗生物質、酵素、リンフォカイン、およびエピポドフィロトキシン)としては、Ara-C、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、アザチオプリン;ブレキナル;アルカロイド、例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシンなど;ポドフィロトキシン、例えばエトポシド、テニポシド、カンプトテシンなど;抗生物質、例えばアントラサイクリン、塩酸ダウルノビシン(ダウノマイシン、ルビドマイシン、セルビジン)、イダルビシン、ドキソルビシン、エピルビシンおよびモルホリノ誘導体など;フェノキシゾンビスシクロペプチド、例えばダクチノマイシン;塩基性糖ペプチド、例えばブレオマイシン;アントラキノン配糖体、例えばプリカマイシン(ミトラマイシン);アントラセンジオン、例えばミトキサントロン;アジリノピロロインドールジオン、例えばマイトマイシン;大環状免疫抑制剤、例えばシクロスポリン、FK-506(タクロリムス、プログラフ)、ラパマイシンなど;抗血管性(antivascular)フラボノイドなどが挙げられるが、これらに限定されない。他の薬剤としては、無機質、栄養素、ビタミン、サプリメント、抗酸化剤、薬草、香辛料(ショウガ、オレガノ、クローブなど)、天然の健康製品(緑茶、魚油など)、ならびに抗炎症性処置およびモダリティーが挙げられる。
他の抗増殖性細胞傷害剤は、ナベルベン、CPT-11、アナストラゾール、レトラゾール、カペシタビン、レトキサフィン、シクロホスファミド、葉酸、レチノール酸、イホスファミド(ifosamide)およびドロキシフェン(droloxafine)である。他の適切な抗増殖剤としては、siRNA、干渉RNA(RNAi)、およびアンチセンスRNAが挙げられる。
抗増殖活性を有する微小管に影響を及ぼす薬剤もまた、使用に適しており、アロコルヒチン(NSC406042)、ハリコンドリンB(NSC609395)、コルヒチン(NSC757)、コルヒチン誘導体(例えば、NSC33410)、ドルスタチン10(NSC376128)、メイタンシン(NSC153858)、リゾキシン(NSC332598)、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、Taxol(登録商標)誘導体、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))、チオコルヒチン(NSC361792)、トリチルシステリン、ビンブラスチン硫酸塩、ビンクリスチン硫酸塩、非限定的にエポチロンA、エポチロンB、ジスコデルモリドをはじめとする天然および合成エポチロン;エストラムスチン、ノコダゾールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
使用に適するホルモン調整剤およびステロイド(合成類似体を含む)としては、副腎皮質ステロイド、例えばプレドニゾン、デキサメタゾンなど;エストロゲンおよびプロゲスチン、例えばカプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、エストラジオール、クロミフェン、タモキシフェンなど;ならびに副腎皮質抑制剤、例えばアミノグルテチミド、17α-エチニルエストラジオール;ジエチルスチルベストロール、テストステロン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ロイプロリド、フルタミド(Drogenil)、トレミフェン(Fareston)、およびZoladex(登録商標)が挙げられるが、これらに限定されない。エストロゲンは、増殖および分化を刺激し、それゆえエストロゲン受容体に結合する化合物が、この活性を遮断するために用いられる。コルチコステロイドは、T細胞増殖を阻害し得る。
他の細胞傷害剤としては、金属錯体、例えばシスプラチン(cis-DDP)、カルボプラチンなど;尿素、例えばヒドロキシ尿素;およびヒドラジン、例えばN-メチルヒドラジン;エピドフィロトキシン;トポイソメラーゼ阻害剤、例えばイリノテカン、リン酸エトポシド、ミトキサントロン;プロカルバジン;ミトキサントロン;ロイコボリン;テガフールなどが挙げられる。その他の該当する抗増殖剤としては、免疫抑制剤、例えばミコフェール酸、サリドマイド、デオキシスパーガリン、アザスポリン、レフルノミド、ミゾリビン、アザスピレン(SKF105685)、Iressa(登録商標)(ZD1839、4-(3-クロロ-4-フルオロフェニルアミノ)-7-メトキシ-6-(3-(4-モルホリニル)プロポキシ)キナゾリン)などが挙げられる。
本開示の方法に関連した使用に適する生物反応修飾剤としては、(1)チロシンキナーゼ(RTK)活性の阻害剤、(2)セリン/トレオニンキナーゼ活性の阻害剤、(3)腫瘍抗原に特異的に結合する抗体などの腫瘍関連抗原アンタゴニスト、(4)アポトーシス受容体アゴニスト、(5)インターロイキン-2、(6)インターフェロン-α、(7)インターフェロン-γ、(8)コロニー刺激因子、(9)血管新生の阻害剤、(10)腫瘍壊死因子のアンタゴニスト、および(11)BRAF阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。
免疫調節異常を含む疾患を処置する方法
本開示は、個体における免疫機能不全を調整、修正および/または調節する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を、該個体へ投与することを含む、方法を提供する。免疫機能不全状態は、関節リウマチ(RA)および関連の疾患、糖尿病、乾癬、全身エリテマトーデス(SLE)および関連の疾患、移植片対宿主病(GVHD)、潰瘍性大腸炎、細菌誘発性大腸炎、クローン病、円形脱毛症、喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、移植片拒絶、橋本甲状腺炎、炎症性腸疾患(IBD)、短腸症候群および他の胃腸障害(クローン病、潰瘍性大腸炎など)、心臓血管病、肥満、創傷治癒、熱傷の回復、加齢、体重増加、脂肪沈着などの原因となる。腸粘膜表面での免疫反応の調節異常は、腸管からの微生物および微生物産物の移動を増加させることにより全身免疫活性化を誘発する可能性がある。本開示の免疫調整組成物を通して自然免疫および適応免疫のメカニズム(免疫細胞、サイトカイン、抗体などを含む)を調整することによって、免疫調節異常が、予防および/または処置され得る。
幾つかの例において、免疫機能不全障害を処置する本開示の方法は、免疫調整組成物を、必要とする個体へ投与することを含み、さらに少なくとも1種のさらなる治療薬の有効量を該個体へ投与することを含む。
幾つかの例において、該方法は、疾患関連抗原への機能不全の免疫反応を調整する抗原を含むワクチン中の本開示の免疫調整組成物の有効量を、必要とする個体へ投与することを含む。
幾つかの例において、該方法は、患者のマイクロバイオームにおける疾患または医学的状態に関連する不均衡を防御、調整、修復または修正することにおいて、本開示の免疫調整組成物の有効量を、必要とする個体へ投与することを含む。マイクロバイオームの不均衡は、皮膚の疾病、過剰増殖性の炎症反応、炎症関連の癌、早産、不妊、女性の避妊、泌尿生殖器感染、性感染疾患などの様々な障害の原因となる。
本発明の別の態様は、対象の微生物叢の相対的量を実質的に増加または減少させることによる処置の方法を含む。
幾つかの例において、免疫調節異常を処置するため、そしてホメオスタシスを修復するための本開示の方法は、免疫調整組成物を、必要とする個体へ投与することを含み、さらにマイクロバイオームまたはプロバイオティクスの1種または複数のメンバーの有効量を、該個体へ投与することを含む。
望ましくない炎症活性を含む疾患を処置する方法
本開示は、個体における望ましくない炎症活性を調整および/または調節する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を、該個体へ投与することを含む、方法を提供する。望ましくない炎症状態は、下痢性疾患、化学療法または放射線療法による粘膜炎、感染物質または抗生物質薬による胃腸炎、嚢炎、肥満関連の炎症、虫垂炎、臓器(肝臓、腎臓、肺、心臓、膵島など)移植、細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、癌関連の炎症、泌尿生殖器疾患、細菌性膣疾患、手術関連の外傷、敗血症、食欲不振、高シュウ酸尿症、潰瘍、創傷治癒、腎疾患、肝疾患、肝線維症、アルコール性肝炎、肺線維症、腎線維症、特発性肺線維症などの線維性疾患、ニキビ、望ましくない呼吸器炎症活性、炎症関連の癌、炎症関連の臓器(肺、肝臓、腎臓、心臓、胃腸管、脳など)の損傷および傷害、自己炎症性疾患(TNF受容体関連の周期熱症候群、デュビン・ジョンソン症候群、ベーチェット病、家族性地中海熱など)などの多くの疾患の原因となる。本開示の免疫調整組成物を通して自然免疫および適応免疫のメカニズム(免疫細胞、サイトカイン、ケモカイン、抗体などを含む)を調整することによって、炎症性障害が、予防および/または処置され得る。
本発明の一態様において、望ましくない炎症反応を制御することはまた、ホルモン、プロスタグランジン、反応性中間体およびロイコトリエンのレベルの調整を含む。
幾つかの例において、炎症性障害を処置する本開示の方法は、免疫調整組成物を、必要とする個体へ投与することを含み、さらに少なくとも1種のさらなる治療薬、マイクロバイオームまたはプロバイオティクスの1種または複数のメンバーの有効量を、該個体へ投与することを含む。炎症状態を処置するのに用いられ得る治療薬の例としては、抗炎症剤、免疫抑制剤、細胞傷害剤などが挙げられるが、これらに限定されない。
炎症状態を処置するのに用いられ得る治療薬の他の非限定的例としては、カルシニューリン阻害剤(例えば、ピメクロリムス、ラクロリムスなど)、メトトレキサート、シクロスポリン、および外用薬(例えば、タザロテン、アントラリン、カルシポトリエン(calciprotriene)、コルチコステロイドなど)が挙げられる。
幾つかの例において、該方法は、疾患関連抗原への炎症性免疫反応を調整する抗原を含むワクチン中の本開示の免疫調整組成物の有効量を、必要とする個体へ投与することを含む。
該組成物が処置に有用となる自己免疫疾患、免疫調節異常、炎症、アレルギー疾患、皮膚疾患、感染性疾患、および臓器移植の他の例としては、原発性硬化性胆管炎(primary sclerosis polingitis)、熱帯性下痢、自己免疫性関節炎、ライム関節炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、脊椎関節症、皮膚炎、強皮症、サルコイドーシス、播種性血管内凝固症候群、川崎病、ネフローゼ症候群、慢性疲労症候群、線維筋痛症、ウェゲナー肉芽腫、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、腎臓の微視的血管炎、慢性活動性肝炎、ブドウ膜炎、敗血症性ショック、毒素性ショック症候群、敗血症症候群、悪液質、後天性免疫不全症候群、急性横断性脊髄炎、ハンチントン舞踏病、原発性胆汁性肝硬変、溶血性貧血、多内分泌腺機能低下症候群I型および多内分泌腺機能低下症候群II型、シュミット症候群、成人(急性)呼吸促迫症候群、血清反応陰性関節症、関節症、ライター病、乾癬性関節炎、クラミジア、エルシニアおよびサルモネラ関連関節炎、脊椎関節症、アテローム性疾患/アテローム性動脈硬化症、アレルギー性潰瘍、アトピー性アレルギー、食物アレルギー、例えばピーナッツアレルギー、ナッツ類アレルギー、卵アレルギー、ミルクアレルギー、大豆アレルギー、小麦アレルギー、魚介類アレルギー、甲殻類アレルギーまたはゴマアレルギー、自己免疫性水疱性疾患、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、類天疱瘡、線状IgA病、自己免疫性溶血性貧血、クームス陽性溶血性貧血、後天性悪性貧血、若年性悪性貧血、筋痛性脳脊髄炎/ロイヤルフリー病、自己免疫性脳脊髄炎、慢性粘膜皮膚カンジダ症、巨細胞性動脈炎、非アルコール性脂肪肝、脂肪性肝炎、原発性硬化性肝炎、突発性自己免疫性肝炎、後天性免疫不全関連疾患、C型肝炎、分類不能型免疫不全症(分類不能型原発性低γグロブリン血症)、拡張型心筋症、線維性肺疾患、突発性間質性肺炎、炎症後間質性肺疾患、間質性肺炎、結合組織疾患関連間質性肺疾患、混合性結合組織疾患関連肺疾患、全身性硬化症関連間質性肺疾患、シェーグレン病関連肺疾患、強直性脊椎炎関連肺疾患、血管炎性びまん性肺疾患(vasculitic diffuse lung disease)、ヘモシデローシス関連肺疾患、薬物誘発性間質性肺疾患、放射性線維症、閉塞性細気管支炎、慢性好酸球性肺炎、リンパ球浸潤性肺疾患、感染後間質性肺疾患、痛風関節炎、1型自己免疫性肝炎(古典的自己免疫性またはルポイド肝炎)、2型自己免疫性肝炎(抗LKM抗体肝炎)、自己免疫媒介性低血糖症、黒色表皮腫を伴うB型インスリン抵抗性、副甲状腺機能低下症、変形性関節症、原発性硬化性胆管炎、特発性白血球減少症、自己免疫性好中球減少症、腎臓病NOS、糸球体腎炎、腎臓の顕微鏡的血管炎、円板状紅斑性狼瘡、エリテマトーデス、特発性またはNOSの男性不妊症、精子自己免疫、交感性眼炎、結合組織疾患に続発する肺高血圧症、グッドパスチャー症候群、結節性多発動脈炎の肺症状、急性リウマチ熱、リウマチ性脊椎炎、スチル病、全身性硬化症、高安病/動脈炎、自己免疫性血小板減少症、特発性血小板減少症、自己免疫性甲状腺疾患、甲状腺機能亢進症、萎縮性自己免疫性甲状腺機能低下症、原発性粘液水腫(primary myxoedema)、水晶体起因性ブドウ膜炎、原発性血管炎、白斑症、アナフィラキシー、ペットアレルギー、ラテックスアレルギー、薬物アレルギー、アレルギー性鼻炎結膜炎、好酸球性食道炎、好酸球増加症候群、好酸球性胃腸炎、皮膚エリテマトーデス、好酸球性食道炎、好酸球増加症候群、好酸球性胃腸炎、歯周病、例えば慢性歯肉炎および歯周炎、泌尿生殖器障害(糸球体腎炎、多嚢胞性腎疾患、水腎症、腎不全、尿管閉塞、高尿酸血症など)、婦人科障害(外陰部痛、膣炎、骨盤障害など)、生殖器疾患、泌尿器科疾患、ミトコンドリア関連障害、疼痛、片頭痛、血液疾患、精神障害、口腔疾患(手足口病など)、骨格筋疾患、眼疾患、腎臓障害(腎性シスチン症など)、中毒(アルコール中毒、慢性サリチル酸中毒)、皮膚掻痒症、皮膚角化症、皮膚疾患(紅斑性扁平上皮(erythematosquamous)、肥大性の皮膚病、一般的な皮膚疾患、ロザケア、色素障害、紫斑、ニキビ、皮膚アレルギー、白斑症、水疱性皮膚疾患、表皮溶解、強皮症、湿疹、皮膚リンパ腫)、筋消耗病、筋肉障害、気管支疾患、血管疾患、子宮線維症、ホルモンバランス異常(慢性疲労症候群など)、脱毛、骨粗しょう症、上気道感染関連の炎症、およびパジェット病などの疾患が挙げられる。
代謝障害を処置する方法
本開示は、個体における代謝障害を処置する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を、該個体へ投与することを含む、方法を提供する。代謝障害は、肥満関連の代謝機能不全、糖尿病、インスリン抵抗性、糖代謝異常、低インスリン血症、アテローム性硬化症、高コレステロール血症、虚血、メタボリックシンドローム、酸化ストレス、高血圧、内分泌障害(アジソン病、クッシング病、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、脳下垂体機能低下症、多嚢胞性卵巣症候群など)、脂質代謝異常、肥満関連障害(骨量減少、体重増加など)、膵臓関連障害、ミトコンドリア疾患などの原因となる。本開示の免疫調整組成物を通して自然免疫および適応免疫のメカニズム(免疫細胞、サイトカイン、抗体などを含む)を調整することによって、代謝疾患が予防および/または処置され得る。
幾つかの例において、炎症性障害を処置する本開示の方法は、免疫調整組成物を、必要とする個体へ投与することを含み、さらに少なくとも1種のさらなる治療薬、マイクロバイオームまたはプロバイオティクスの1種または複数のメンバーの有効量を、該個体へ投与することを含む。例えば、該当する治療薬としては、心臓血管疾患の処置のための抗炎症剤であるものが挙げられるが、これらに限定されない。そのような薬剤としては、血圧を低下させるため、そして腰痛を予防するために用いられるアムロジピン;高血圧および一部のタイプの慢性心不全の処置に用いられるエナラプリル;脂質異常の処置および心臓血管疾患の予防に用いられるプラバスタチン、アトルバスタチンおよびロスバスタチン;アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤(例えば、ベナゼプリル、ラミプリル(ramipiril)など);アンギオテンシンII受容体ブロッカー(ARB)(例えば、カンデサルタン、ロサルタンなど);βブロッカー(例えば、アセブトロール、ビソプロロール、ソタロールなど);カルシウムチャネルブロッカー(例えば、アムロジピン、ベラパミルなど)などが挙げられる。該当する治療薬の他の例としては、糖尿病の処置のための抗炎症剤であるものが挙げられるが、これらに限定されない。そのような薬剤としては、IKK-NF-κB経路を標的とする薬剤;TNF-αを標的とするエタネルセプト、インフリキシマブ、アダリムマブ;IL-1βを標的とするアナキンラおよびカナキヌマブ;IL-6を標的とするトシリズマブ;AMP活性化プロテインキナーゼ活性化因子;シルツイン-1活性化因子;ラパマイシン阻害剤の哺乳動物ターゲット;C-Cモチーフケモカイン受容体2アンタゴニストなどが挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの例において、該当する治療薬としては、肥満の処置のための抗炎症剤であるものが挙げられるが、これらに限定されない。そのような薬剤としては、ロルカセリン、Qsymia(商標)(Vivus);リラグルチド、ブプロピオン、ナルトレキソン、ロルカセリン、オルリスタット、フェンテルミン/トピラマートなどが挙げられる。
幾つかの例において、該当する治療薬としては、糖尿病などの代謝障害を処置するのに用いられるものがあるが、それらに限定されず、インスリン(例えば、短期作用型、即時作用型、中間型および長期作用型インスリン)、アミリン模倣薬(例えば、プラムリンチド(pramlinitide))、α-グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース、ミグリトールなど)、ビグアナイド(例えば、メトホルミンなど)、スルホニル尿素(例えば、グリブリド、グリピジドなど)、メグリチニド(例えば、レパグリニド)、D-フェニルアラニン誘導体(例えば、ナテグリニド)、チアゾリジンジオン(例えば、ロシグリタゾン、ピオグリタゾンなど)、DPP-4阻害剤(例えば、シタグリプチン(itagliptin)、サキサグリプチン、リナグリプチンなど)、グルカゴン様受容体-1(GLP-1)アゴニスト(例えば、エキセナチド、リラグルチドなど)、ナトリウム/グルコーストランスポーター-2(SGLT-2)阻害剤(例えば、カナグリフロジン、ダパグリフロジンなど)などが挙げられる。
神経障害を処置する方法
本開示は、本開示の免疫調整組成物の有効量を、必要とする個体へ投与することを含む、炎症性応答を調整および/または調節する方法を提供する。炎症状態は、アルツハイマー病、うつ病、注意欠陥多動性障害(ADHD)、気分障害、統合失調症、多発性硬化症、パーキンソン病、自閉症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脳性マラリア障害、ハンチントン病、不安障害、てんかんなどの多くの神経障害の原因となる。本開示の免疫調整組成物を通して自然免疫および適応免疫のメカニズム(免疫細胞、サイトカイン、抗体などを含む)を調整することによって、神経障害が予防および/または処置され得る。
幾つかの例において、炎症性障害を処置する本開示の方法は、免疫調整組成物を、必要とする個体へ投与することを含み、さらに少なくとも1種のさらなる治療薬、マイクロバイオームまたはプロバイオティクスの1種または複数のメンバーの有効量を、該個体へ投与することを含む。該当する神経障害のための病態修飾薬としては、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ドネペジル、リバスチグミンなど)、N-メチル-D-アスパラギン酸受容体(NMDAR)アンタゴニスト(例えば、メマンチン、ネラメキサンなど)、ドーパミン作動薬(例えば、カルビドパ/Levodopa)、ドーパミンアゴニスト(例えば、プラミペキソール、ロピニロール、アポモルヒネなど)、抗コリン作動薬(例えば、トリヘキシルフェニジル、ベンズトロピンメシラートなど)、カテコール-o-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤(例えば、エンタカポン、トルカポンなど)、抗けいれん薬(例えば、ジアゼパム、バクロフェン、ダントロレン、チザニジンなど)、病態修飾薬(例えば、テリフルノミド、フィンゴリモッド、ミトキサントロン、フマル酸ジメチル、ナタリズマブなど)が挙げられる。
幾つかの例において、該方法は、アルツハイマー病またはクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)のアミロイド斑特性などの疾患関連タンパク質への免疫反応を調整する抗原を含むワクチン中の本開示の免疫調整組成物の有効量を、必要とする個体へ投与することを含む。
免疫抑制および感染を予防または処置する方法
本開示は、本開示の免疫調整組成物を、必要とする個体へ投与することを含む、ウイルス感染による、または卒中および他の脳傷害に続く感染による、免疫欠陥/欠損/抑制を予防または限定する方法を提供する。卒中をはじめとするウイルス(例えば、HIV)感染、脳傷害の様々な形態が、長期全身免疫抑制をもたらし、より高い感染率および死亡率をもたらす。さらに、肝臓インバリアントNKT細胞は、全身免疫抑制を改善するのに重要であることが示されている。本開示は、NK、NKTおよび他の免疫細胞の調整を通してこれらの患者における全身免疫抑制および感染を予防する戦略となる。
幾つかの例において、免疫抑制、卒中または脳傷害を処置する本開示の方法は、免疫調整組成物を、必要とする個体へ投与することを含み、さらに少なくとも1種のさらなる治療薬の有効量を、該個体へ投与することを含む。
治療的処置の有効性を増強し、そして/または毒性を低減する方法
本開示はまた、治療的処置の有効性を増強し、そして/もしくは毒性を低減するため、そして/または薬物耐性を予防して代謝を改変するための方法、好ましくは個体、細胞または組織への本開示の免疫調整組成物の有効量、好ましくは免疫反応を調節するのに必要な量を投与することによる、抗感染薬(抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬など)、抗癌剤、治療抗体、抗炎症剤、代謝障害関連薬、免疫刺激剤、免疫調整化合物、免疫調節薬、siRNA、プロバイオティクスおよびマイクロバイオームなどの治療微生物(生存可能、不活化、加熱死、突然変異、弱毒化、遺伝子操作)または外科的処置を伴う処置の方法を提供する。
幾つかの例において、有効性を増強して毒性を低減する本開示の方法は、免疫調整組成物を、必要とする個体へ投与することを含み、さらに少なくとも1種のさらなる治療薬の有効量を、該個体へ投与することを含む。
適切な治療薬および抗体の非限定的例は、上記の方法の節に記載されている。
樹状細胞を調整する方法
本開示は、a)個体から得られた樹状細胞(DC)を、i)カウロバクター・クレセンタス;および/またはii)抗原、を含む組成物と接触させることを含む、樹状細胞を調整する方法を提供する。DCはCCと接触させ、抗原はインビトロである。DCを抗原およびCCと接触させることで、DC上の抗原の抗原提示を調整し、それにより調整されたDCの集団を作製する。幾つかの例において、該抗原は、拡散、電気穿孔、能動輸送、リポソーム融合、貪食、音波処理などの方法を利用してDCと接触させ得る。幾つかの例において、該方法は、抗原提示DCを、DCを得た個体へ投与することをさらに含む。幾つかの例において、該方法は、抗体、化学療法薬、またはサイトカインと組み合わせた抗原提示DCを、DCを得た個体へ投与することをさらに含む。調整されたDCを個体へ投与することで、個体における疾患を処置し得る。
適切な抗原は、先に記載されている。幾つかの例において、CCおよび抗原を含む組成物をDCと接触させ、CC-抗原-DC混合物を、約30分~約48時間の期間インキュベートし、それにより抗原提示DCの集団を作製する。表題の方法は、抗原提示DCであるDCの割合を、抗原提示DCである開始集団中のDCの割合に比較して、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、または100倍よりも多く調整し得る。
調節性免疫細胞を作製する方法
本開示は、抗原提示細胞の存在下または非存在下で、a)個体から得られたリンパ球(NK、NKT、γδT細胞、ILC、T細胞および/またはB細胞)を、i)カウロバクター・クレセンタス;および/またはii)抗原、を含む組成物と接触させることを含む、NK、NKT、γδT細胞、ILC、T細胞およびB細胞などの調節性リンパ球を作製する方法を提供する。リンパ球とCCを接触させることで、調節性リンパ球の集団を作製する。幾つかの例において、該方法は、調節性リンパ球を、細胞を得た個体へ投与して、宿主における疾患を予防および/または処置することを含む。幾つかの例において、該方法は、抗体、化学療法薬、またはサイトカインと組み合わせた調節性リンパ球を、細胞を得た個体へ投与して、宿主における疾患を予防および/または処置することをさらに含む。
細胞内病原への感染を処置する方法
本開示は、個体における細胞内病原(例えば、ウイルス、マイコバクテリア、細菌、寄生虫など)への感染を予防および/または処置する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を、該個体へ投与することを含む、方法を提供する。
幾つかの例において、細胞内病原を処置する本開示の方法は、必要とする個体へ投与することを含み、さらに少なくとも1種のさらなる治療薬の有効量を、該個体へ投与することを含む。
研究、診断および/または治療目的で動物モデルまたは細胞培養物における免疫反応を調整する方法
本開示は、研究目的で動物モデルにおける免疫反応を調整する方法を提供する。本開示は、抗原提示細胞の存在下または非存在下で、a)個体から得られたエフェクター細胞(NK、NKT、TおよびB細胞)を、i)カウロバクター・クレセンタス;および/またはii)抗原、を含む組成物と接触させることを含む、様々なTLR、NLR、DCならびに/またはNK、NKT、TおよびB細胞などのエフェクターリンパ球を調整する方法をさらに提供する。エフェクターリンパ球とCCを接触させることで、活性化を調整し、それにより調節されたエフェクターリンパ球の集団を作製する。幾つかの例において、該方法は、反応性T細胞および/またはB細胞を同定および増大することにより、疾患状態を診断することで構成される。幾つかの例において、該方法は、研究目的で抗原反応性T細胞および/またはB細胞を同定および増大することで構成される。幾つかの例において、該方法は、活性化エフェクターリンパ球を、細胞を得た個体へ投与して、宿主における疾患を予防および/または処置することで構成される。幾つかの例において、該方法は、研究および/または診断目的で、TLRまたはNLRを活性化することで構成される。
幹細胞の増殖、分化および/または調整を誘発する方法
本開示は、個体における幹細胞の増殖、分化および/または調整、ならびにホメオスタシスの修復を誘発する方法であって、本開示の免疫調整組成物の有効量を、該個体へ投与することを含む、方法を提供する。本開示は、幹細胞を、カウロバクター・クレセンタスを含む組成物と接触させる方法であって、該接触が、増大、分化および/または調整された幹細胞の集団を作製することを含む、方法を提供する。
本開示はまた、個体から得られた幹細胞を、本開示の免疫調整組成物、例えばカウロバクター・クレセンタスを含む免疫調整組成物と接触させることを含む、幹細胞の増殖、分化および/または調整を誘発する方法を提供する。該幹細胞をCCと接触させることで、それらの増殖および分化を誘導し、それにより増大、分化および/または調整された細胞の集団を作製する。増大、分化および/または調整された細胞の集団はその後、幹細胞を得た個体へ投与され得る。
幾つかの実施形態において、幹細胞の増殖、分化および/または調整を誘発する本開示の方法は、a)幹細胞を個体から得ること;b)インビトロの該幹細胞をCCと接触させ、それにより増大、分化および/または調整された細胞の集団を作製すること、ならびにc)増大、分化および/または調整された細胞の集団を該個体へ投与すること、を含む。
幾つかの実施形態において、個体における幹細胞の増殖、分化および/または調整を誘発する本開示の方法は、本開示の免疫調整組成物の有効量を、該個体へ投与することを含む。幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、単回または反復投与で投与されると、造血幹細胞の増殖、分化および/または調整を誘発し、ホメオスタシスを修復させるのに効果的な量である。例えば幾つかの例において、本開示の免疫調整組成物の有効量は、該免疫調整組成物での処置を行わなかった個体に比較して、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%(すなわち2倍)、少なくとも2.5倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、10倍よりも多く、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、または100倍よりも多く、造血幹細胞の増殖、分化および/または調整を誘発し、ホメオスタシスを修復させるのに効果的な量である。
治療分子を送達する方法
本開示は、カウロバクター・クレセンタスが担体および/または送達ビヒクルとして作用して、治療分子、例えばタンパク質、ペプチド、siRNA、炭水化物、巨大分子などを送達する方法を提供する。静電的および疎水性相互作用などの非遺伝子改変法(GM)として、カウロバクター・クレセンタス表面へ分子が結合することにより、カウロバクター・クレセンタスを担体および/または送達ビヒクルとして作用させることが可能となり得る。さらに、生物接着/粘膜接着により、カウロバクター・クレセンタスは、粘膜表面でのM細胞輸送により送達されたものの取込みを容易にし得る。
配合、投薬量および投与経路
本開示の免疫調整組成物は、1種または複数の医薬的に許容し得る賦形剤を含むことができ、様々な方法のいずれかで配合され得るが、それは例えば投与経路に依存し得る。医薬的に許容し得る賦形剤は、当業者に公知であり、例えばA. Gennaro (1995) “Remington: The Science and Practice of Pharmacy”, 19th edition, Lippincott, Williams, & Wilkinsをはじめとする種々の発行物に詳細に記載されている。適切な賦形剤ビヒクルとしては、例えば水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノール、不活性タンパク質、親水性ポリマー、アミノ酸、脂肪酸、界面活性剤、非イオン性界面活性剤、炭水化物、デキストリン、ポリオール、キレート化剤など、およびそれらの組み合わせが挙げられる。加えて、所望なら該ビヒクルは、湿潤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤などの補助物質を微量、含有し得る。そのような投薬剤形を調製する実際の方法は、公知であるか、または当業者に明白であろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvania, 17th edition, 1985; Remington: The Science and Practice of Pharmacy, A.R. Gennaro, (2000) Lippincott, Williams & Wilkinsを参照されたい。
免疫調整組成物は、治療的投与のために種々の配合剤に組み込まれ得る。より詳細には、免疫調整組成物は、適当な医薬的に許容し得る担体、塩、防腐剤、緩衝剤、または希釈剤と組み合わせて医薬組成物に配合され得、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、軟膏、溶液、坐剤、注射液、皮膚パッチ、吸入剤およびエアロゾルなどの固形、半固形、液体、凍結乾燥、フリーズドライ、または気体形態の調製物に配合され得る。他の実施形態において、該配合剤は、例えばリポソーム、ナノ粒子、ナノエマルジョン、ナノカプセル、マイクロスフェアおよびポリマーをはじめとするコロイド状送達系を含む。
医薬的投与剤形において、免疫調整組成物は、単独で、または適当な会合で、そして他の医薬的活性化合物と組み合わせて、投与され得る。免疫調整組成物、抗原、アジュバントおよび/または治療薬は、同一または異なる部位で、異なる経路を介して、共に、同時に、連続で、または異なる時間に投与され得る。以下の方法および賦形剤は、単に例示であり、限定ではない。
経口調製物では、免疫調整組成物は、単独で、または適当な添加剤と組み合わせて、例えばラクトース、マンニトール、コーンスターチもしくはジャガイモデンプンなどの従来の添加剤と共に;結晶性セルロース、セルロース誘導体、アカシア、コーンスターチもしくはゼラチンなどの結合剤と共に;コーンスターチ、ジャガイモデンプンもしくはカルボキシメチルセルロースナトリウムなどの崩壊剤と共に;タルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤と共に;そして所望なら希釈剤、緩衝剤、保湿剤、防腐剤および香味剤と共に、錠剤、粉末、顆粒またはカプセルと組み合わせて使用され得る。
免疫調整組成物は、該組成物を、所望なら従来の添加剤、例えば可溶化剤、等張剤、懸濁剤、乳化剤、安定化剤および防腐剤と共に、水性または非水性溶媒、例えば植物性または他の類似の油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸またはプロピレングリコールのエステル中で、溶解、懸濁または乳化させることにより、投与用の液体調製物に配合され得る。
免疫調整組成物は、エアロゾル配合剤中で使用されて、吸入を介して投与され得る。本開示の免疫調整組成物は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などの加圧された許容し得る噴射剤に配合され得る。
さらに、免疫調整組成物は、乳化基剤または水溶性基剤などの種々の基剤と混合されることによって坐剤に作製され得る。免疫調整組成物は、坐剤を介して直腸投与され得る。坐剤は、体温では融解するが室温では固化する、ココアバター、カルボワックスおよびポリエチレングリコールなどのビヒクルを含むことができる。
本開示の免疫調整組成物はまた、リポソーム、またはリポソームポリマーゲルの形態で投与され得る。リポソームは、種々の経路、経口、経鼻、非経口、経皮、吸入などにより与えられ得る。当該技術分野で公知の通り、リポソームは、リン脂質または他の脂質物質から誘導される。リポソームは、水性媒体に分散された単層または多層水和液晶により形成される。リポソームを形成することが可能な任意の非毒性で生理学的に許容し得て代謝可能である脂質が、用いられ得る。リポソーム形態の本開示の組成物は、本開示の免疫調整組成物に加えて、安定化剤、防腐剤、賦形剤などのうちの1種または複数を含有し得る。例示的脂質は、天然および合成のリン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)である。リポソームは、100nm未満~数ミクロンのサイズ範囲内であり得る。リポソームを形成する方法は、当該技術分野で公知であり、例えば、Prescott, Ed., Methods in Cell Biology, Volume XIV, Academic Press, New York, N.Y. (1976), p.33以下。
経口または直腸投与用の単位投与剤形、例えばシロップ、エリキシル、エマルジョン、および懸濁液が提供され得、各投与単位、例えば茶さじ1杯、テーブルスプーン1杯、タブレットまたは坐剤は、1種または複数の活性剤を含有する該組成物の所定の量を含有する。同様に、注射用または静脈内投与用の単位投与剤形は、免疫調整組成物を、滅菌水、通常の生理食塩水、または別の医薬的に許容し得る担体中の溶液として含み得る。
表題の免疫調整組成物は、外用薬投与用に配合され得る。外用薬投与は、肺、眼、鼻、および目の表面をはじめとする皮膚または粘膜への投与を包含する。適切な外用調製物としては、例えば皮膚パッチ調製物、経皮パッチ調製物、マイクロアレイ、クリーム、ローション、ゲル調製物、粉末、軟膏、ペースト、点鼻液またはゲルが挙げられる。
軟膏は、半固形調製物であり、それは典型的にはワセリンまたは他の石油誘導体に基づく。適切な軟膏は、油質基剤;乳化性基剤;エマルジョン基剤;および水溶性基剤を含む。油質軟膏基剤は、例えば植物油、動物から得られた脂肪、および石油から得られた半固形炭化水素を含む。吸収剤軟膏基剤としても公知の乳化性軟膏基剤は、水をほとんど、または全く含有せず、それには、例えば硫酸ヒドロキシステアリン(hydroxystearin sulfate)、無水ラノリンおよび親水性ワセリンがある。エマルジョン軟膏基剤は、油注水(WIO)エマルジョンまたは水中油(OIW)エマルジョンのいずれかであり、例えばセチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラノリンおよびステアリン酸を含む。例示的な水溶性軟膏基剤は、様々な分子量のポリエチレングリコールから調製される。
ローションは、摩擦を起こさずに皮膚表面に塗布される調製物であり、典型的には活性剤を含む固体粒子が水またはアルコール基剤中に存在する液体または半液体調製物である。ローションは通常、固形の懸濁液であり、好ましくは本発明の目的では、水中油型の液体油性エマルジョンを含む。ローションは、より多くの流体組成物の塗布が容易であるため、大きな身体面積を処置するのに用いられ得る。ローションは、活性剤を局在化させ、皮膚と接触して保持するのに有用な、より良好な分散体および化合物を生成するために懸濁剤、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどを含有し得る。本発明と併せて使用されるローション配合剤の例は、Beiersdorf, Inc.(コネチカット州(Coon)ノルウォーク)の商品名Aquaphor(登録商標)として得ることができるものなど、親水性ワセリンと混合されたプロピレングリコールを含有する。
適切なクリームは、水中油または油注水のいずれかの粘性液または半固形エマルジョンであり得る。クリーム基剤は、水洗可能であり、油相、乳化剤および水相を含有する。「内部相」と呼ばれることもある油相はまた、一般にはワセリンおよび脂肪アルコール、例えばセチルまたはステアリルアルコールで構成され;水相は必ずではないが通常は、容量が油相(oil so phase)を超え、一般に保湿剤を含有する。上掲のRemingtonで説明されるクリーム配合剤中の乳化剤は一般に、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性または両性界面活性剤である。
ゲル配合剤、が用いられ得る。ゲルは、半固形、懸濁タイプの系である。単相ゲルは、担体液全体に実質的に均一に分配された有機巨大分子を含有し、水性である得るが、アルコールおよび場合により油も含有し得る。
外用配合剤は、従来の「経皮」型パッチを用いて皮膚に送達され得、該薬剤(免疫調整組成物)は、皮膚に貼り付けられる送達デバイスとして働く層構造の中に含有される。そのような構造では、該免疫調整組成物は、層の中、または上部の裏張り層の下にある「リザーバー」の中に含有される。該層構造は、単一のリザーバーを含有することができ、または複数のリザーバーを含有することができる。一実施形態において、該リザーバーは、薬物送達の際に該系を皮膚に貼り付ける働きがある医薬的に許容し得る接触接着材料のポリマーマトリクスを含む。適切な皮膚接触接着材料の例としては、ポリエチレン、ポリシロキサン、ポリイソブチレン、ポリアクリラート、ポリウレタンなどが挙げられるが、これらに限定されない。選択される個々のポリマー接着剤は、個々の免疫組成物、ビヒクルなどに依存し、即ち接着剤は、薬物含有組成物の全成分と適合性がなければならない。代わりの実施形態において、該免疫調整組成物含有リザーバーおよび皮膚接触接着剤は、分離した異なる層として存在し、リザーバーの下にある接着剤は、この場合、上記の通りポリマーマトリクスであり得、またはそれは、液体もしくはヒドロゲルリザーバーであり得、または他の形態をとり得る。
本明細書で用いられる用語「単位投与剤形」は、各単位が医薬的に許容し得る希釈剤、担体またはビヒクルと会合して所望の効果を生じるように十分な量で計算された活性剤(例えば、CC、抗原など)の所定の量を含有する、ヒトおよび動物対象への単位投薬量として適していて、物理的に別個の単位を指す。活性剤の仕様は、用いられる特定の化合物、実現される効果、および宿主において各化合物に関連する薬力学的作用に依存する。
他の投与様式もまた、用途を見出すであろう。例えば、免疫調整組成物は、坐剤に、そして一部の例としてエアロゾルおよび鼻内組成物に配合され得る。坐剤の場合、該ビヒクル組成物は、従来の結合剤および担体、例えばポリアルキレングリコールまたはトリグリセリドを含む。そのような坐剤は、約0.5%~約10%(w/w)、または約1%~約2%の範囲内の有効成分を含有する混合物から形成され得る。
鼻内配合剤は通常、鼻腔粘膜への刺激を誘発しないか、または繊毛の機能を著しく妨害しないビヒクルを含む。水、水性生理食塩水または他の公知物質などの希釈剤が、用いられ得る。鼻腔配合剤はまた、非限定的にクロロブタノールおよび塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤を含有し得る。鼻腔粘膜による表題のタンパク質の吸収を増進するために、界面活性剤が存在し得る。
免疫調整組成物は、注射剤として投与され得る。典型的には注射可能な組成物は、液体溶液または懸濁液として調製され、注射前に、液体ビヒクル中の溶液または懸濁液に適した固形形態が、調製される場合もある。該調製物はまた乳化され得、または有効成分がリポソームビヒクル中にカプセル化され得る。
適切な賦形剤ビヒクルは、例えば水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなど、およびそれらの組み合わせである。加えて、所望ならビヒクルは、湿潤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤などの補助物質を微量、含有し得る。そのような投薬剤形を調製する実際の方法は、公知であるか、または当業者に明白であろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvania, 17th edition, 1985; Remington: The Science and Practice of Pharmacy, A.R. Gennaro, (2000) Lippincott, Williams & Wilkinsを参照されたい。投与される組成物または配合剤は、いかなる場合でも、処置される対象の所望の状況を実現するのに適した有効成分(例えば、CC、抗原など)の量を含有する。
ビヒクル、アジュバント、塩、担体または希釈剤などの医薬的に許容し得る賦形剤は、即座に一般に利用可能である。その上、医薬的に許容し得る補助物質、例えばpH調整および緩衝剤、張度調整剤(tonicity adjusting agents)、安定化剤、乳化剤、界面活性剤、防腐剤、アミノ酸、脂肪酸、湿潤剤などは、即座に公共へ利用可能である。
経口配合剤
幾つかの実施形態において、免疫調整組成物は、そのような免疫調整組成物を、必要とする個体への経口送達のために配合される。
経口送達の場合、免疫調整組成物を含む表題配合剤は、幾つかの実施形態において、腸溶性コーティング材料を含む。適切な腸溶性コーティング材料としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートスクシナート(HPMCAS)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート(HPMCP)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、フタル酸酢酸ポリビニル(polyvinyl phthalic acetate)(PVPA)、Eudragit(商標)、およびシェラックが挙げられる。
適切な経口配合剤はまた、以下のもののいずれかと共に配合される免疫調整組成物を包含する:微粒剤(例えば、米国特許第6,458,398号参照);生分解性マクロマー(例えば、米国特許第6,703,037号参照);生分解性ヒドロゲル(例えば、Graham and McNeill (1989) Biomaterials 5:27-36参照);生分解性微粒子ベクター(例えば、米国特許第5,736,371号参照);生体吸収性ラクトンポリマー(例えば、米国特許第5,631,015号参照);徐放性タンパク質ポリマー(例えば、米国特許第6,699,504号参照;Pelias Technologies,Inc.);ポリ(ラクチド-co-グリコリド)/ポリエチレングリコールブロックコポリマー(例えば、米国特許第6,630,155号参照;Atrix Laboratories, Inc.);生体適合性ポリマーと、ポリマー内に分散された金属陽イオン安定化剤の粒子と、を含む組成物(例えば、米国特許第6,379,701号参照;Alkermes Controlled Therapeutics, Inc.);およびミクロスフェア(例えば、米国特許第6,303,148号参照;Octoplus, B.V.)。
適切な経口配合剤はまた、以下のもののいずれかと共に配合された免疫調整組成物を包含する:Emisphere(登録商標)(Emisphere Technologies, Inc.)などの担体;TIMERx、デキストロースの存在下、水中で強力な結合剤ゲルを形成するキサンタンとロカストビーンガムを組み合わせた親水性マトリクス(Penwest);Geminex(商標)(Penwest);Procise(商標)(GlaxoSmithKline);SAVIT(商標)(Mistral Pharma Inc.);RingCap(商標)(Alza Corp.);Smartrix(登録商標)(Smartrix Technologies, Inc.);SQZgel(商標)(MacroMed, Inc.);Geomatrix(商標)(Skye Pharma, Inc.);Oros(登録商標)Tri-layer(Alza Corporation)など。
同じく使用に適するのは、米国特許第6,296,842号 (Alkermes Controlled Therapeutics, Inc.);米国特許第6,187,330号(Scios, Inc.)などに記載されるものなどの配合剤である。
同じく本明細書における使用に適するのは、腸吸収促進剤を含む配合剤である。適切な腸吸収促進剤としては、カルシウムキレート化剤(例えば、クエン酸塩、エチレンアミン四酢酸);界面活性剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、胆汁酸塩、パルミトイルカルニチン、および脂肪酸のナトリウム塩);毒素(例えば、閉鎖帯毒素)などが挙げられるが、これらに限定されない。
適切な経口配合剤はまた、食物サプリメント(例えば、栄養素、ヨーグルト、凍結ヨーグルト、粉乳、チーズ、バー、飲料、プレバイオティクス、シンバイオティクス、パラプロバイオティクス)などとして配合される免疫調整組成物を包含する。
制御放出配合剤
幾つかの実施形態において、免疫調整組成物は、制御放出配合剤中に配合される。
制御放出は、複数の持続放出剤形のうちの任意の1種を意味するととらえることができる。以下の用語は、本発明の目的では制御放出と実質的に等しいと見なされ得る:連続放出、制御放出、遅延放出、デポー、緩徐な放出、長期放出、プログラム放出、延期性放出、比例放出、遷延放出、貯蔵型、抑制(retard)、徐放、間隔放出、持続放出、タイムコート(time coat)、時限放出、遅延作用、延長作用、多層時間作用、長時間作用型、長期作用、反復作用、緩作用型、持続作用、持続作用医薬および延長放出。これらの用語のさらなる議論は、Lesczek Krowczynski, Extended-Release Dosage Forms, 1987(CRC Press,Inc.)に見出すことができる。
様々な制御放出技術が、非常に広範囲の薬物投与剤形を対象とする。制御放出技術として、物理的システムおよび化学的システムが挙げられるが、これらに限定されない。
物理的システムとして、速度制御膜を有するリザーバーシステム、例えばマイクロカプセル化システム、マクロカプセル化システムおよび膜システム;速度制御膜を有さないリザーバーシステム、例えば中空繊維、超微孔性三酢酸セルロース、ならびに多孔性ポリマー基質および発泡体;非多孔性、ポリマー性または弾性マトリクス(例えば、非浸食性、浸食性、環境物質移入、および分解性)に物理的に溶解されたシステム、ならびに非多孔性、ポリマー性または弾性マトリクス(例えば、非浸食性、浸食性、環境物質移入、および分解性)に物理的に分散された材料をはじめとするモノリシックシステム;外側の制御層と化学的に同様または異なるリザーバー層を含む積層構造;およびその他の物理的方法、例えば浸透圧ポンプまたはイオン交換樹脂上への吸着が挙げられるが、これらに限定されない。
化学的システムとして、ポリマーマトリクスの化学的浸食(例えば、不均一または均一な浸食)またはポリマーマトリクスの生物学的浸食(例えば、不均一または均一な)が挙げられるが、これらに限定されない。制御放出のためのシステムの分類についてのさらなる議論は、Agis F. Kydonieus, Controlled Release Technologies :Methods, Theory and Applications, 1980(CRC Press,Inc.)に見出すことができる。
経口投与用に開発された複数の制御放出配合剤がある。これらには、浸透圧制御胃腸送達システム;水力学的圧力制御胃腸送達システム;微孔性膜透過制御胃腸送達デバイスを含む膜透過制御胃腸送達システム;胃液耐性腸標的型の制御放出胃腸送達デバイス;ゲル拡散制御胃腸送達システム;ならびに陽イオン性および陰イオン性薬物を含むイオン交換制御胃腸送達システムが挙げられるが、これらに限定されない。制御放出薬物送達システムに関するさらなる情報は、Yie W. Chien, Novel Drug Delivery Systems, 1992 (Marcel Dekker, Inc.)に見出すことができる。これらの配合剤の一部を、ここにより詳細に議論する。
腸溶性コーティングは、好ましくない副作用のリスクを低減するために、または他の方法では胃環境への暴露の分解に供され得る薬物の安定性を維持するために、胃における活性剤の放出を妨げるように錠剤に塗布される。水性媒体への溶解度がpH依存性であり、それらが通常、胃で遭遇するものよりも高いpHの条件を必要とするという事実を考慮すれば、この目的で使用されるほとんどのポリマーは、機能するポリ酸である。
1つの例示的タイプの経口制御放出構造が、固体または液体投与剤形の腸溶性コーティングである。腸溶性コーティングは、即時吸収のために腸液中で崩壊するよう設計されている。腸溶性コーティングを有する配合剤に組み込まれる活性剤の吸収の遅延は、胃腸管内の移動速度に依存し、そのため胃排出の速度が、重要な因子である。一部の研究者によって、顆粒剤などのマルチプルユニット型投与剤形がシングルユニット型よりも優れる可能性が報告された。
適切な腸溶性コーティング剤として、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、メタクリル酸-メタクリル酸エステルコポリマー、酢酸フタル酸ポリビニルアセタートフタラートおよび酢酸フタル酸セルロースが挙げられるが、これらに限定されない。
別のタイプの有用な経口制御放出構造が、固体分散体である。固体分散体は、融解(融合)法、溶媒法もしくは融解-溶媒法によって調製された固体状態の不活性担体またはマトリクス中の、1種または複数の有効成分の分散体として定義され得る。
固体分散体において有用な担体の例としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの水溶性ポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。別の担体としては、ホスファチジルコリンが挙げられる。ホスファチジルコリンは、両性であるが、水に不溶性の脂質であり、ホスファチジルコリン固体分散体に他の方法では不溶性となる活性剤の溶解度を改善し得る。
他の担体として、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が挙げられる。免疫調整組成物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラートおよびカルボキシメチルエチルセルロースなどの腸溶性ポリマー、および非腸溶ポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと共に固体分散系に含まれ得る。別の固体分散体投与剤形は、該当する薬物(例えば、活性剤)と、異なる割合のエチルセルロースおよびステアリン酸との組み合わせを含む。
固体分散体を調製するために一般に知られる様々な方法がある。これらには、融解法、溶媒法および融解-溶媒法があるが、これらに限定されない。
注射可能なマイクロスフェアが、別の制御放出投与剤形である。注射可能なマイクロスフェアは、非水相分離技術および噴霧乾燥技術によって調製され得る。マイクロスフェアは、ポリ乳酸またはコポリ(乳酸/グリコール酸)を用いて調製され得る。
使用され得る他の制御放出技術としては、Elan Pharmaceutical Technologiesから入手可能な、SODAS(Spheroidal Oral Drug Absorption System)、INDAS(Insoluble Drug Absorption System)、IPDAS(Intestinal Protective Drug Absorption System)、MODAS(Multiporous Oral Drug Absorption System)、EFVAS(Effervescent Drug Absorption System)、PRODAS(Programmable Oral Drug Absorption System)およびDUREDAS(Dual Release Drug Absorption System)が挙げられるが、これらに限定されない。SODASは、制御放出ビーズを使用する多粒子投与剤形である。INDASは、難溶性薬物の溶解度を高めるように設計された薬物送達技術のファミリーである。IPDASは、高密度制御放出ビーズおよび即時放出顆粒の組み合わせを利用する多粒子錠剤形成である。MODASは、制御放出シングルユニット投与剤形である。各錠剤は、薬物放出速度を制御する半透性多孔性膜に囲まれた内部コアからなる。EFVASは、発泡性薬物吸収系である。PRODASは、即時放出および制御放出ミニタブレットの組み合わせを利用する多粒子配合剤のファミリーである。DUREDASは、1つの投与剤形の中で二つの放出速度をもたらす二層錠配合剤である。これらの投与剤形は、当業者に公知であるが、これらの投与剤形のうち特定のものを、ここにより詳細に議論する。
本開示の免疫調整組成物は、前述の制御放出投与剤形または他の従来の投与剤形の任意の1つに組み込まれ得る。各用量に含有される活性剤の量は、個々の患者の要件、および指示に適うように調整され得る。当業者および本開示の読者は、活性剤の送達およびその生物学的利用度を最適化するために、制御放出配合剤中の活性剤のレベルおよび放出速度を調整する方法を、即座に認識するであろう。
吸入配合剤
本開示の免疫調整組成物は、幾つかの実施形態において、吸入経路のための医薬送達系によって患者へ投与される。該免疫調整組成物は、吸入による投与に適した形態に配合され得る。吸入の投与経路は、吸入された薬物が血液脳関門を迂回し得るという利点を提供する。薬剤送達系は、気管支の粘膜内層への活性剤の送達による呼吸療法に適したものである。容器から免疫調整組成物を排出するために圧縮ガスの力に依存するシステムもまた、利用され得る。この目的で、エアロゾルまたは加圧パッケージが使用され得る。
本明細書で用いられる用語「エアロゾル」は、治療適用部位へ圧力下の噴射ガスによって運搬する非常に微細な液体または固体粒子を指すという従来の意味で使用される。医薬エアロゾルが、使用される場合には、エアロゾルは、流体担体と噴射剤との混合物に溶解、懸濁または乳化され得る治療活性化合物(例えば、活性剤)を含有する。エアロゾルは、溶液、懸濁液、エマルジョン、粉末、または半固形調製物の形態であり得る。エアロゾルは、患者の気道を介して微細な固体粒子として、または液体ミストとしての投与に用いられ得る。当業者に公知の様々なタイプの噴射剤が、用いられ得る。適切な噴射剤として、炭化水素またはその他の適切なガスが挙げられるが、これらに限定されない。加圧されたエアロゾルの場合、投薬単位は、計量された量を送達するための値を提供することによって決定され得る。
免疫調整組成物はまた、ガス中に実質的に均一なサイズの非常に微細な液体粒子を生成する機器であるネブライザーで送達されるように配合され得る。例えば、免疫調整組成物を含有する液体は、液滴として分散される。小さな液滴は、ネブライザーの排出管を通る気流によって運搬され得る。生じたミストは、患者の気道中に浸透する。
本開示の免疫調整組成物に関連して使用され得る複数の異なるタイプの吸入法がある。免疫調整組成物は、低沸点噴射剤を用いて配合され得る。そのような配合剤は一般に、従来の定量吸入器(MDI)によって投与される。あるいは免疫調整組成物は、水性またはエタノール性溶液に配合され、従来のネブライザーによって送達され得る。幾つかの実施形態において、そのような溶液配合剤は、米国特許第5,497,763号;同第5,544,646号;同第5,718,222号;および同第5,660,166号内に開示されたような装置およびシステムを使用してエアロゾル化される。免疫調整組成物は、ドライパウダー配合剤に配合され得る。そのような配合剤は、粉末のエアゾールミストを作製した後にドライパウダー配合剤を単に吸入することによって投与され得る。そのように実施する技術は、1998年7月7日に発行された米国特許第5,775,320号および1998年4月21日に発行された米国特許第5,740,794号内に記載されている。
本開示の免疫調整組成物は、幾つかの実施形態において、膣送達用に配合される。膣内投与用の表題の免疫調整組成物は、膣内生物接着性錠剤、膣内生物接着性微粒子、膣内クリーム、膣内ローション、膣内フォーム、膣内軟膏、膣内ペースト、膣内溶液、または膣内ゲルとして配合され得る。
表題の免疫調整組成物は、幾つかの実施形態において、直腸送達用に配合される。直腸内投与用の表題の配合剤は、直腸内生物接着性錠剤、直腸内生物接着性微粒子、直腸内クリーム、直腸内ローション、直腸内フォーム、直腸内軟膏、直腸内ペースト、直腸内溶液、または直腸内ゲルとして配合される表題の免疫調整組成物を含む。本開示の免疫調整組成物は、粘膜接着剤、生物接着剤、粒子、ミクロスフェアまたはリポソームなどの粘膜への接着を改善する薬剤と共に配合され得る。
表題の免疫調整組成物は、賦形剤(例えば、スクロース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、グルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウム)、結合剤(例えば、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリプロピルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、スクロースまたはデンプン)、崩壊剤(例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、低置換型ヒドロキシプロピルセルロース、重炭酸ナトリウム、リン酸カルシウムまたはクエン酸カルシウム)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸(light anhydrous silicic acid)、タルクまたはラウリル硫酸ナトリウム)、香味剤(例えば、クエン酸、メントール、グリシンまたはオレンジ粉末)、防腐剤(例えば、安息香酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メチルパラベンまたはプロピルパラベン)、安定化剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウムまたは酢酸)、懸濁剤(例えば、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンまたはステアリン酸アルミニウム)、分散剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、希釈剤(例えば、水)、およびベースワックス(例えば、ココアバター、白色ワセリンまたはポリエチレングリコール)のうちの1種または複数を含み得る。
免疫調整組成物を含む錠剤は、適切な被膜形成剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはエチルセルロースでコーティングされ得、場合により適切な賦形剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ジエチルフタラートまたは三酢酸グリセロールなどの柔軟剤、スクロース、ソルビトール、キシリトール、グルコースまたはラクトースなどの充填剤、水酸化チタンのような着色剤などが添加され得る。
投薬量
本開示の免疫調整組成物の投薬量は、実現される臨床目的、処置される個体の年齢、処置される個体の物理的状態などの因子に応じて変動し得る。
本開示の免疫調整組成物は、約103CC/単位投与剤形~約1020CC/単位投与剤形の量のCCを含み得る。例えば、本開示の免疫調整組成物は、約103CC/単位投与剤形~約104CC/単位投与剤形、約104CC/単位投与剤形~約105CC/単位投与剤形、約105CC/単位投与剤形~約106CC/単位投与剤形、約106CC/単位投与剤形~約107CC/単位投与剤形、約108CC/単位投与剤形~約109CC/単位投与剤形、約109CC/単位投与剤形~約1010CC/単位投与剤形、約1015CC/単位投与剤形~約1020CC/単位投与剤形、または1020CC/単位投与剤形を超える量のCCを含み得る。
例えば、本開示の免疫調整組成物は、約103CC/ml~約1020CC/mlの量のCCを含み得る。例えば、本開示の免疫調整組成物は、約103CC/ml~約104CC/ml、約104CC/ml~約105CC/ml、約105CC/ml~約106CC/ml、約106CC/ml~約107CC/ml、約108CC/ml~約109CC/ml、約109CC/ml~約1010CC/ml、約1015CC/ml~約1020CC/ml、または約1020CC/mlを超える量のCCを含み得る。
本開示の免疫調整組成物は、約102~約1020コロニー形成単位(cfu)/単位投与剤形の量のCCを含み得、例えば本開示の免疫調整組成物は、約102~約103、約103~約105、約105~約107、約107~約109、約109~約1011、約1011~約1013、約1013~約1015、約1015~約1018、または約1018~約1020cfu/単位投与剤形の量のCCを含み得る。単位投与剤形は、単一用量で投与される量であり得、例えば単位投与剤形は、0.5ml、1.0ml、または単一用量での投与に適した他の容量であり得る。
本開示の免疫調整組成物は、約103CC/mg~約1012CC/mgの量のCCを含み得る。例えば本開示の免疫調整組成物は、約103CC/mg~約104CC/mg、約104CC/mg~約105CC/mg、約105CC/mg~約106CC/mg、約106CC/mg~約107CC/mg、約108CC/mg~約109CC/mg、約109CC/mg~約1010CC/mg、約1010CC/mg~約1011CC/mg、または約1011CC/mg~約1012CC/mgの量のCCを含み得る。
本開示の免疫調整組成物は、約103CC/g~約1015CC/gの量のCCを含み得る。例えば、本開示の免疫調整組成物は、約103CC/g~約104CC/g、約104CC/g~約105CC/g、約105CC/g~約106CC/g、約106CC/g~約107CC/g、約108CC/g~約109CC/g、約109CC/g~約1010CC/g、約1010CC/g~約1011CC/g、約1011CC/g~約1012CC/g、約1012CC/g~約1013CC/g、約1013CC/g~約1014CC/gまたは約1014CC/g~約1015CC/gの量のCCを含み得る。
本開示の免疫調整組成物は、約102~約1020cfu/mlの量のCCを含み得、例えば本開示の免疫調整組成物は、約102~約103、約103~約105、約105~約107、約107~約109、約109~約1011、約1011~約1013、約1013~約1015、約1015~約1018、または約1018~約1020cfu/mlの量のCCを含み得る。
幾つかの実施形態において、本開示の免疫調整組成物の複数の用量が、投与され得る。本開示の免疫調整組成物の投与頻度は、様々な因子のいずれか、例えば症状の重症度に応じて変動し得る。例えば幾つかの実施形態において、本開示の免疫調整組成物は、月1回、月2回、月3回、1週おきに(qow)、週1回(qw)、週2回(biw)、週3回(tiw)、週4回、週5回、週6回、1日おき(qod)、1日1回(qd)、1日2回(qid)、または1日3回(tid)投与される。
本開示の免疫調整組成物の投与期間、例えば本開示の免疫調整組成物が投与される期間は、様々な因子のいずれか、例えば患者の応答などに応じて変動し得る。例えば本開示の免疫調整組成物は、約1時間~1日、約1日~約1週間、約2週間~約4週間、約1ヶ月~約2ヶ月、約2ヶ月~約4ヶ月、約4ヶ月~約6ヶ月、約6ヶ月~約8ヶ月、約8ヶ月~約1年、約1年~約2年、または約2年~約4年、またはそれを超える範囲内の期間にわたり投与され得る。
免疫調整組成物が、抗原を含む場合、抗原の投薬量は、効果的で、著しい有害副作用を呈さずに免疫反応を調整する量として選択される。そのような量は、特異的抗原が用いられる部位、投与経路などに応じて変動し得る。免疫調整組成物が、抗原を含む場合、抗原の投薬量は、1ng/単位投与剤形~約100mg/単位投与剤形、例えば約1ng~約25ng/単位投与剤形、約25ng~約50ng/単位投与剤形、約50ng~約100ng/単位投与剤形、約100ng~約250ng/単位投与剤形、約250ng~約500ng/単位投与剤形、約500ng~約750ng/単位投与剤形、約750ng~約1μg/単位投与剤形、約1μg~約25μg/単位投与剤形、約25ng~約50ng/単位投与剤形、約50μg~約100μg/単位投与剤形、約100μg~約250μg/単位投与剤形、約250μg~約500μg/単位投与剤形、約500μg~約750μg/単位投与剤形、約750μg~約1mg/単位投与剤形、約1mg~約25mg/単位投与剤形、約25mg~約50mg/単位投与剤形、または約50mg~約100mg/単位投与剤形の範囲内であり得る。
投与経路
本開示の免疫調整組成物は、インビボおよびエクスビボ法をはじめとする薬物送達に適した任意の利用可能な方法および経路、ならびに全身および局所投与経路を利用して、個体へ投与される。
従来の、および医薬的に許容される投与経路としては、鼻内、筋肉内、気管内、皮下、皮内、結節内、経皮的(percutaneous)、経皮、腫瘍内、外用薬塗布、静脈内、小胞内、直腸、経鼻、経口、ならびに他の経腸および非経口投与経路が挙げられる。投与経路は、所望なら組み合わせることができ、または薬剤および/もしくは所望の効果に応じて調整することができる。
本開示の免疫調整組成物は、全身または局所経路をはじめとする従来の薬物の送達に適した任意の利用可能な従来法および経路を利用して、宿主へ投与され得る。一般に、企図される投与経路としては、必ずではないが、経腸、非経口または吸入経路が挙げられる。
吸入投与以外の非経口投与経路としては、外用、経皮、皮下、筋肉内、皮内、リンパ内、眼窩内、嚢内、脊髄内、胸骨内、頭蓋内、小胞内、および静脈内経路、即ち消化管以外の任意の投与経路が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。非経口投与は、該免疫調整組成物の全身または局所送達を実施するために実行され得る。全身送達が望ましい場合、投与は、典型的には医薬調製物の観血的または全身吸収による外用もしくは粘膜投与を含む。
本開示の免疫調整組成物はまた、腸内投与により対象に送達され得る。腸内投与経路は、経口および直腸(例えば、坐剤を用いる)送達が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。
本開示の免疫調整組成物はまた、粘膜送達経路を介して対象に送達され得る。粘膜送達経路としては、経鼻、口腔、舌下、膣内、眼内、および直腸投与経路が挙げられる。
特定の実施形態において、本開示の免疫調整組成物は、異なる経路の組み合わせを介して以下に示される順序で対象へ投与される:
例えば、
i.全身、粘膜;
ii.全身、全身、粘膜、粘膜;
iii.全身、粘膜、全身;
iv.粘膜、粘膜、全身、全身;
v.粘膜、全身、全身;
vi.粘膜、全身、粘膜。
本開示の免疫調整組成物が、1回よりも多く全身または粘膜投与される場合、2回以上の全身または粘膜投与は、同じ全身(例えば、2回の筋肉注射)もしくは粘膜経路(2回のIN/SL投与)であるか、または異なる(例えば、1回の筋肉注射および1回の静脈内注射;1回のIN投与および1回のSL投与)。
本開示の免疫調整組成物は、任意の利用可能な方法、送達またはデバイス、例えばワクチンパッチ、針、マイクロニードル(中空または中空なし)、液滴、シロップ、錠剤、カプセル、ピペット、用量噴霧ポンプ、点鼻器、吸入デバイス、液体または乾燥粉末、懸濁液または溶液、噴霧デバイス、Accuspray(商標)、熱反応ゲル、ジェットインジェクター、Nasovak(商標)、Bespak(商標)、軟膏、ローション、坐剤、ゲルなどを利用して、個体へ投与される。
適切な投与経路は、当該技術分野で公知であり、任意の公知投与経路が、本開示の免疫調整組成物の投与に関連して用いられ得る。例えば、Nursing Drug Guide: Nursing Drug Handbook (2015) 36th ed, Lippincottを参照されたい。
処置に適する個体
本開示の方法を利用した処置に適する個体としては、ヒト;非ヒト哺乳動物;魚;および鳥が挙げられる。以下に議論される上記実施形態のいずれかにおいて、表題の方法を利用して処置される個体は、家畜(例えば、豚、羊、山羊、牛、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ウシなど)の非ヒト哺乳動物;哺乳動物のペット(例えば、猫;犬;馬など);鳥、例えば鶏、雌鶏、七面鳥、ガン、ウズラ、アヒルなど;または魚などの他の動物などであり得る。
以下に議論される上記実施形態のいずれかにおいて、表題の方法を利用して処置される個体は、約1ヶ月~約6ヶ月齢、約6ヶ月齢~約1歳、または約1歳~約5歳のヒトである。以下に議論される上記実施形態のいずれかにおいて、表題の方法を利用して処置される個体は、約5歳~約12歳、約13歳~約18歳、または約18歳~約25歳のヒトである。以下に議論される上記実施形態のいずれかにおいて、表題の方法を利用して処置される個体は、約25歳~約50歳、約50歳~約75歳、または約75歳よりも高齢のヒトである。以下に議論される上記実施形態のいずれかにおいて、表題の方法を利用して処置される個体は、免疫無防備状態のヒトである。
幾つかの実施形態において、該個体は、ウイルス感染を有するか、またはウイルス感染を受けるリスクがある。幾つかの例において、該疾患は、非限定的に、ジカウイルス、B型感染ウイルス、C型感染ウイルス、ロタウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス、DNAウイルス、例えばパルボウイルス、アデノウイルス、パポバウイルス(例えば、パピローマウイルス、ポリオーマウイルス、およびSV40)、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルスI型(HSV-I)、単純ヘルペスウイルスII型(HSV-II)およびエプスタイン・バーウイルス)、ポックスウイルス(例えば、バリオラ(スモールポックス)およびワクシニアウイルス);およびRNAウイルス、例えばレトロウイルス[例えば、ヒト免疫不全ウイルスI型(HIV-1)、ヒト免疫不全ウイルスII型(HIV-II)、ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTKV-I)、ヒトT細胞白血病ウイルスII型(HTKV-II)]、オルトミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、パラミクソウイルス(例えば、はしかウイルス、ムンプスウイルス、呼吸合胞体ウイルス)、ラブドウイルス(例えば、狂犬病ウイルス)、センダイウイルス、ピコルナウイルス(例えば、ポリオウイルス、コクサッキーウイルス、ライノウイルス)、レオウイルス(例えば、ロタウイルス、コロラドダニ熱ウイルス)、トガウイルス(例えば、風疹ウイルス(ドイツはしか)、日本脳炎ウイルスおよびセムリキ森林熱ウイルス)、アルボウイルス、カルシウイルス、フィロウイルス(例えば、エボラおよびマールブルグ病ウイルス)およびブニヤウイルス(例えば、ハンタウイルス、カリフォルニア脳炎ウイルス)により引き起こされるウイスル疾患からなる群から選択されるウイルス疾患である。
幾つかの実施形態において、該個体は、細菌感染を有するか、または細菌感染を受けるリスクがある。幾つかの実施形態において、該個体は、マイコバクテリア感染を有するか、またはマイコバクテリア感染を受けるリスクがある。幾つかの実施形態において、該個体は、病原菌に感染しているか、または感染するリスクがある。病原菌としては、例えばグラム陽性菌、グラム陰性菌、マイコバクテリアなどが挙げられる。病原菌の非限定的例としては、マイコバクテリア(例えば、M.ツベルクローシス、M.アビウムコンプレックス)、非結核性マイコバクテリア、ストレプトコッカス、スタフィロコッカス、シュードモナス、サルモネラ、ナイセリア、およびリステリアが挙げられる。幾つかの例において、該細菌は、ナイセリア・ゴノルヘア、M.ツベルクローシス、M.レプラエ、リステリア・モノサイトゲネス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、S.アガラクティエ、S.ビリダンス、S.フェカリス、S.アウレウス、S.エピダーミス、またはS.ボビスである。企図される病原菌の他の例としては、グラム陽性菌(例えば、リステリア、バチルス・アントラシスなどのバチルス、エリシペロトリックス属の菌種)、グラム陰性細菌(例えば、バルトネラ、ブルセラ、カンピロバクター、エンテロバクター、エシェリヒア、フランシセラ、ヘモフィルス、クレブシエラ、モルガネラ、プロテウス、プロビデンシア、シュードモナス、サルモネラ、セラチア、シゲラ、ビブリオおよびエルシニア属の菌種)、スピロヘータ菌(例えば、ライム病を引き起こすボレリア・ブルグドルフェリをはじめとするボレリア属の菌種)、嫌気性細菌(例えば、アクチノマイセスおよびクロストリジウム属の菌種)、グラム陽性および陰性球菌、エンテロコッカス属の菌種、ストレプトコッカス属の菌種、ニューモコッカス属の菌種、スタフィロコッカス属の菌種、ナイセリア属の菌種が挙げられるが、これらに限定されない。
幾つかの例において、該個体は、寄生虫疾患を有するか、またはそれを受けるリスクがある。本開示の方法により処置または予防され得る寄生虫疾患としては、アメーバ赤痢、マラリア、リーシュマニア、コクシジウム、ジアルジア、クリプロスポリジア症、トキソプラズマ症、トリパノソーマ症、住血吸虫症、およびフィラリアが挙げられるが、これらに限定されない。
幾つかの例において、該個体は、真菌疾患を有するか、または真菌疾患を受けるリスクがある。本開示の方法により処置または予防され得る真菌疾患としては、C.アルビカンスなどのカンジダ属の真菌種、アスペルギルス属の真菌種、C.ネオフォルマンスなどのクリプトコッカス属の真菌種、ブラストマイセス属の真菌種、ニューモシスティス属の真菌種、酵母、カビ、またはコクシジオイデス属の真菌種が挙げられるが、これらに限定されない。
幾つかの例において、該個体は、虫感染、吸虫感染などを有するか、またはそれを受けるリスクがある。同じく含まれるのが、非限定的に回虫症、鉤虫症、鞭虫症、糞線虫症、トキソカラ症、旋毛虫症、オンコセルカ症、フィラリア、およびディロフィラリア症をはじめとする、様々な虫による感染である。同じく含まれるのが、非限定的に住血吸虫症、肺ジストマ症、および肝吸虫症など、様々な吸虫による感染である。
幾つかの実施形態において、該個体は、自己免疫障害、炎症性障害もしくは免疫機能不全を有するか、または自己免疫障害、炎症性障害もしくは免疫機能不全を受けるリスクがある。幾つかの例において、該疾患は、非限定的に、アレルギー、関節リウマチ、喘息、糖尿病、全身エリテマトーデス(SLE)、グレーブス病、アテローム性硬化症、多発性硬化症、統合失調症、アルツハイマー病、うつ病、下垂体前葉機能低下症、神経変性障害、心臓血管疾患、肥満、臓器移植、敗血病、肝疾患、乾癬、代謝疾患などからなる群から選択される。
幾つかの例において、該疾患は、非限定的に、急性散在性脳脊髄炎、急性壊死性出血性脳脊髄炎、アジソン病、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊髄炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質症候群、血管浮腫、再生不良性貧血、自律神経失調症、肝炎、高脂血症、免疫欠損、内耳疾患、心筋炎、卵巣炎、膵炎、網膜症、血小板減少性紫斑病、甲状腺疾患、じん麻疹、軸索性および神経性神経症、バロー病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアック病、チャンガス病、慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、慢性再発性多病巣性骨髄炎、チャーグ・ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡/良性粘膜類天疱瘡、クローン病、コーガン症候群、関連凝集素疾患、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、クレスト病、本態性混合型クリオグロブリン血症、脱髄性神経障害、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病、円盤状狼瘡、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、実験的アレルギー性脳脊髄炎、エバンス症候群、線維筋痛症、線維性肺胞炎、巨細胞性動脈炎、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発血管炎性肉芽腫、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本脳炎、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、妊娠性疱疹、低ガンマグロブリン血症、特発性血小板減少性紫斑病、IgA腎症、IgG4-関連の硬化性疾患、免疫調節性リポタンパク、封入体筋炎、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性糖尿病(1型糖尿病)、若年性筋炎、川崎症候群、ランバート・イートン症候群、白血球破壊性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質性結膜炎、線状IgA病、狼瘡、ライム病、メニエール病、微視的多発血管炎、混合性結合組織疾患、モーレン潰瘍、ムッハ・ハーベルマン病、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、視神経脊髄炎、好中球減少症、眼の瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ、PANDAS、傍腫瘍性小脳変性症、発作性夜間血色素尿症、ペイリー・ロンベルグ症候群、パーソネージ・ターナー症候群、毛様体扁平部炎、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲脳脊髄炎、悪性貧血、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、I、II、およびIII型自己免疫多腺性症候群、リウマチ性多発筋痛症、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、プロゲステロン皮膚炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、乾癬、乾癬性関節炎、特発性肺線維症、壊疽性膿皮症、赤芽球ろう、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、下肢静止不能症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子および精巣自己免疫、全身硬直症候群、亜急性細菌性心内膜炎、スザック症候群、交感性眼炎、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病、トロサ・ハント症候群、横断性脊髄炎、1型糖尿病、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織疾患、ブドウ膜炎、血管炎、小水疱水疱性皮膚病、白斑症、およびウェゲナー肉芽腫をはじめとする自己免疫および自己免疫関連疾患からなる群から選択される。
実施例
以下の実施例は、本発明を行う方法および使用する方法の完全な開示および説明を、当業者に提供するために示されており、本発明者らが自身の発明と見なすものの範囲を限定する意図はなく、以下の実験が全てである、もしくは実施された実験のみであることを本発明者らが表す意図はない。用いられた数字(例えば、量、温度など)に関する正確さを確認する努力がなされたが、若干の実験誤差および偏差が説明されなければならない。他に断りがなければ、部は、重量部であり、分子量は、重量平均分子量であり、温度は、摂氏度であり、圧力は、大気圧または大気圧の近似値である。標準的略語、例えばbp:塩基対;kb:キロ塩基;pl:ピコリットル;sまたはsec:秒;min:分;hまたはhr:時間;aa:アミノ酸;kb:キロ塩基(;bp:塩基対;nt:ヌクレオチド;i.m.:筋肉内(筋肉内へ);i.p.:腹腔内(腹腔内へ);i.n.:鼻内(鼻内へ);i.v.:静脈内(静脈内へ);s.c.:皮下(皮下へ);M/ml:ミリ単位または106CFU/ml;M:ミリオン単位/マウスまたは106CFU/マウスなどが用いられる。
材料および方法
以下の材料および方法を、以下に記載される実施例で用いた。
材料
RPMI無血清培地は、Life Technologies(カナダ オンタリオ州バーリントン)から得た。RPMIに5~10%ウシ胎仔血清、ピルビン酸ナトリウム、ペニシリン-ストレプトマイシンおよび2-メルカプトエタノールを補充し、完全培地を作製して、様々な細胞培養に用いた。ConA、PWMおよびLPSを、Sigma Chemical Companyから得た。サイトカインキットおよび蛍光標識された抗マウス抗体を、eBioscience(カリフォルニア州サンディエゴ)から購入した。抗マウスFOXP3は、Biolegend(カリフォルニア州サンディエゴ)から購入した。Aldraクリーム(5%イミキモド)は、University of Alberta Hospital Pharmacyから得た。野生型およびリポ多糖(LPS)陰性カウロバクター・クレセンタス(LPS-ve CC)を、インキュベーター中、室温(22~27℃)で発育させて、4℃または室温の生理食塩水中で様々な期間、貯蔵した。野生型カウロバクター・ビブロイデス(CV)を、インキュベーター中、室温(22~27℃)で発育させて、4℃または室温の生理食塩水中で様々な期間、貯蔵した。
方法
マウス
6~8週齢C57BL/6または9~11週齢BALB/cの雄または雌マウスを、Charles River Breeding Laboratoriesから購入した。この試験で用いられた動物実験プロトコルは全て、カナダ、エドモントン所在のUniversity of AlbertaのAnimal Care and Use Committee for Health Sciencesで認可され、University of Albertaのガイドラインを遵守して実施された。
マウスの処置および試料採取
異なる実施例および図の凡例に記載された用量、スケジュールおよび経路を利用して、マウスに、PBS中のカウロバクター・クレセンタス(CC)を単回または反復投与した。用いられたCCは、2つの形式:CC-1(液体PYE培地で生育して生理食塩水中、室温で貯蔵されたCC)およびCC-2(液体PYE培地で生育して冷蔵庫中、4℃で貯蔵されたCC)で調製された。CC-2は、図および明細書ではCCとも称されている。
特定の時間にマウスを安楽死させた後、血液、脾臓、肺、肝臓、リンパ節などを採取した。血清試料を用い、市販のVetテストキット(Idexx Laboratories)を使用して生化学的マーカーを測定した。
脾臓からのリンパ球の単離
免疫化後の特定の時間に、マウスを安楽死させて脾細胞を得た。脾臓を3~5匹のマウスからプールして、1つの細胞懸濁液に破砕し、Falcon 100μmナイロンセルストレイナーでろ過した。遠心分離後に、細胞ペレットを滅菌水2mlに再懸濁させて、短時間ボルテックス処理した。直ちに2×PBSを添加して、短時間のボルテックス処理後に、1×PBSで容量を25mlにした。試験管を遠心分離して、細胞ペレットを完全RPMI 10mlに再懸濁させた。それを再度、Falcon 100μmナイロンセルストレイナーでろ過して、遠心分離した。細胞ペレットをRPMI培地 2mlに再懸濁させた。これらのリンパ球を実験に用いた。
マウスサイトカインELISA
増殖した共培養物の上清またはマウス血清試料に分泌されたサイトカインおよびケモカインを、製造業者のプロトコル(eBioscience、米国カリフォルニア州)に従って、IL-10、GM-CSF、IL-17A、IFN-γ、TNF-α、IL-2、IL-6、IL-1βIL-22、MIP-1α、IL-8/KCの存在下、サンドイッチ酵素免疫測定法(ELISA)キットを用いて測定した。試料についての1:2~1:50の希釈物を、5~2,000pg/mlの範囲内の標準と共に使用した。最後に、ELISAプレートを読取り、濃度を自動ELISAプレートリーダー(Fluostar Optima、BMG Labtech)で算出した。
抗体反応の評価
血清および肺洗浄液中の抗体(IgG、IgG2a、IgE)のレベルを、酵素免疫測定法(ELISA)を利用して測定した。手短に述べると、96ウェルニトロセルロース(Nunc)プレートを、関連の抗原(OVA、MOGペプチドなど)でコーティングして、4℃で一晩インキュベートした。プレートを、正常なマウス血清を含有するPBSでブロックした後、異なる希釈の実験試料と共に室温で2hrインキュベートした。プレートを4回洗浄した後、アルカリフォスファターゼ(AP)をコンジュゲートさせた抗マウスIgアイソタイプ抗体を添加して、2hrインキュベートした。プレートを洗浄した後、PNPP基質を添加して、発色をFluostar ELISAリーダーにより405nmの波長で読み取った。抗体検出のための試薬は全て、Southern Biotech(アラバマ州バーミングハム)から得た。
T細胞増殖アッセイ
脾臓T細胞の増殖反応を、96ウェル平底マイクロタイタープレートにおいて三重測定で測定した。免疫化マウスからの合計4×105個の脾臓T細胞および4×105個の抗原提示細胞(APC)(18Gyを照射された対照同一遺伝子マウスからの脾臓細胞)を、異なる濃度(0.1、1および10μg/mL)のMOGペプチドと混合して、RPMI培地(10%ウシ胎仔血清(FBS)を含む)中、37℃(5%CO2)で4日間培養した。
細胞を0.5μCi/ウェル[3H]チミジン(Amersham)で12~18h、パルスして、ろ紙上に回収した(Perkin Elmer)。増殖細胞のDNAに取込まれた[3H]チミジンのレベルを、Microbeta Trilux液体シンチレーションカウンタ(Perkin Elmer)でカウントした。増殖は、三重測定の平均cpm±SE(標準誤差)として表す。
表面マーカー、細胞内IL-10およびFoxp3のフローサイトメトリー分析
免疫化されたマウスからの合計5×105個の細胞を、マルチカラー蛍光標識mAb(製造業者の使用説明書による濃度)での細胞内および細胞外染色のために採取した。細胞をFcマウス血清(Sigma)と共にインキュベートして、非特異的結合を予防し、蛍光活性化セルソーター(FACS)緩衝液(1×リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の2%ウシ胎仔血清)で洗浄した。細胞外マーカーについて抗マウスCD3e-FITC、CD4-PECy-5、CD25-PE-Cy7、CD8a-APC-Cy7、抗PD-1-PerCP eFluore 710、抗CD49b-Alexafluor-700(BALB/cおよびC57bl/6マウス用)など(eBioscience)と共に4℃で30分間インキュベートした後、細胞を2回洗浄して、固定溶液(FACS緩衝液中に1%パラホルムアルデヒド)中で5分間固定した。2回洗浄した後、低温透過緩衝液(PBS中のFACS緩衝液+0.3%サポニン(Sigma)+5%正常ヒト血清)と共に5分間インキュベートした後、抗マウスIL-10(eBioscience)および抗Foxp3-PE(Biolegend)を添加し、さらに4℃で30分間インキュベートした。細胞を、1%サポニンを含有するFACS緩衝液で1回洗浄して、固定した。それらをFortessaで読み取り、FACS-DIVAソフトウエア(Becton Dickinson、カリフォルニア州マウンテンビュー所在)を用いて解析した。各マーカーを、各アイソタイプ適合対照モノクローナル抗体に基づいてゲーティングした。
ヒトPBMCおよびDC
末梢血単核細胞(PBMC)を、Ficoll-Paqueを用いて正常なヒトドナーから得た。樹状細胞(DC)を得るために、文献で確立された手順を利用して、接着性PBMCをRPMI培地中で組換えGM-CSFおよびIL-4と共に5~6日間インキュベートした。各実施例に記載された通り、テスト材料と共に特定の時間培養されたヒトPBMCを、標準手順を利用して、市販の様々なフルオロフォア(eBiosciences)で標識されたCD34、CD45、CD11cおよびCD11bに対する抗体で染色した。
結果
以下の実施例は、本発明の範囲を限定するというよりむしろ例示を意図するものである。
CCの免疫調整効果を、以下の通り全身および粘膜経路を介して異なるモデルおよび症状において単独で、そして異なる抗原と共にテストした。
実施例1:健常マウスへのCCの経口および鼻内投与によるコンカナバリンA(ConA)刺激脾細胞中の炎症性サイトカインの調整に及ぼすカウロバクター・クレセンタス(CC)の影響
C57/bl6雄マウスを、500×106CFU/マウスのCCまたはPBS対照で週に2回ずつ5回、経口または鼻内処置した。最後の処置の8日後に、マウスを安楽死させた。脾臓を単離して、1μg/ml濃度のT細胞マイトジェンConAで24hr、エクスビボ刺激した。上清を採取して、サイトカイン(IFN-γ、TNF-α、IL-6、およびIL-17A)をELISAで測定した(図1)。これらの結果から、CCでの処置がConAでのエクスビボ刺激による脾細胞中の炎症性サイトカインの産生をダウンレギュレートすることが実証され、ウイルス、細菌、真菌をはじめとする種々の感染から、そして環境毒素、薬物反応および自己免疫障害からの、T細胞が介在する炎症の抑制におけるCCの役割が示唆される。
実施例2:健常マウスへのCCの経口および鼻内投与によるポークウィード(PWM)刺激脾細胞中の炎症性サイトカインの調整に及ぼすカウロバクター・クレセンタス(CC)の影響
C57/bl6雄マウスを、500×106CFU/マウスのCCまたはPBS対照で週に2回ずつ5回、経口または鼻内処置した。最後の処置の8日後に、マウスを安楽死させた。処置されたマウスの脾臓を単離して、0.1μg/ml濃度のB細胞マイトジェンPWMで24hr、エクスビボ刺激した。ELISAを用いたサイトカイン(IFN-γ、TNF-α、IL-6、およびIL-17A)測定のために、上清を採取した(図2)。これらの結果から、CCでの処置がPWMでのエクスビボ刺激による脾細胞中の炎症性サイトカインの産生をダウンレギュレートすることが実証され、感染および非感染関連の全身炎症障害における炎症促進性サイトカインの過剰な産生の低減におけるCCの役割が示唆される。
実施例3:経口および鼻内投与によるインビボでの抗炎症性サイトカインIL-10の誘導に及ぼすカウロバクター・クレセンタス(CC)の影響
C57/bl6雄マウスの群を、500×106CFU/マウスのCCまたはPBS対照で週に2回ずつ5回、経口または鼻内処置した。最後の処置の8日後に、マウスを安楽死させて、脾臓を単離した。脾細胞を培地、ConAおよびPWMと共に24hr、培養した。ELISAを用いたIL-10測定のために、上清を採取した(図3A~図3C)。得られた結果から、刺激を加えた、または加えない24hr培養により、CCが脾細胞中のIL-10エクスビボ産生をアップレギュレートすることが実証され、CCがIL-10インビボ産生を誘導する可能性が示唆される。これらの結果から、炎症状態におけるホメオスタシスバランスを再安定化させることにおける全身免疫調整および抗炎症性の役割も示される。
総括すると、図1、図2、および図3に記載された結果から、CCがより高レベルの抗炎症性サイトカインIL-10を誘導し、炎症性サイトカインIFN-γ、TNF-α、IL-6、およびIL-17Aのレベルをダウンレギュレートする能力を有することが示唆される。炎症促進性サイトカインは、多くの疾患の病原性において重要な役割を担い、このため様々な罹患した疾患におけるそれらの過剰な産生を調整する治療薬を開発することに関心が寄せられている。
実施例4:CC処置されたマウスから単離されたエクスビボLPS刺激脾細胞からのIL-10産生に及ぼすカウロバクター・クレセンタス(CC)の影響
雌C57/bl6マウスを、500×106CFU/マウスのCCまたはPBS対照で週に2回ずつ4回、胃管栄養法を介して経口処置した。最後の処置の4日後に、マウスを安楽死させて、脾臓を採取した。脾細胞を1μg/ml濃度のLPSで24時間および72時間刺激した。上清を採取し、ELISAを用いてIL-10を測定した(図4)。得られた結果から、CCが、プラセボ群(PBS)に比較してLPS刺激による脾細胞中のIL-10エクスビボ産生をアップレギュレートすることが実証される。これらの試験から、調節異常に陥った炎症促進性サイトカイン放出を正常化すること、ならびに炎症反応および/または自己免疫障害に対する防御におけるCCの抗炎症活性が示唆される。
実施例5:経口処置による消化管関連の腸間膜リンパ節中の炎症促進性サイトカインに及ぼすカウロバクター・クレセンタス(CC)の影響
腸リンパ組織中の炎症性サイトカインレベルに及ぼすCCの影響を測定するために、雌C57/bl6マウスを、500×106CFU/マウスのCCまたはPBS対照で週に2回ずつ4回、経口処置した。最後の処置の3日後に、マウスを安楽死させて、局所腸間膜リンパ節を採取した。LPS刺激の24hr後に採取された上清で、サイトカインレベルを測定した。CCの経口投与は、PBS群に比較して、IFN-γ、IL-6およびIL-17Aのレベル低下をもたらした(図5)。これらの結果から、CCが局所腸間膜リンパ節におけるTh1およびTh17サイトカインの産生をダウンレギュレートする可能性が実証された。したがって、外部もしくは内部刺激、または微生物、例えばグラム陽性およびグラム陰性菌、ウイルス、真菌、寄生虫、LPS、毒素、自己抗原、グリコシルホスファチジルイノシトール、組織傷害(外傷、熱傷)などにより免疫調節異常および炎症が惹起される種々の炎症性障害において、CCは、TH1および/またはTH17介在性炎症促進性サイトカインレベルを低減する能力を有する。
実施例6:蛍光処置後のマウスにおける全身免疫調整におけるカウロバクター・クレセンタス(CC)の影響
雌C57/bl6マウスを、500×106CFU/マウスのCCまたはPBS対照で週2回ずつ4回、経口処置した。最後の処置の4日後に、マウスを安楽死させて、脾臓を採取した。IL-10+を発現するCD3+CD4+およびCD3+CD8細胞の割合%を、フローサイトメトリーにより分析した。CCでの処置は、脾細胞中のCD4+およびCD8+の両T細胞上での細胞内IL-10の発現増加をもたらした(図6)。まとめると、図4~図6に示された結果から、CCが炎症性障害および自己免疫障害において局所および全身の両方で免疫調節異常を正常化させる強い能力を有することが実証される。
実施例7:皮下処置後の脾臓における炎症促進性サイトカイン産生の調整に及ぼすカウロバクター・クレセンタス(CC)の影響
C57/bl6雄マウス3匹の群に、CC(500×106CFU/マウス)またはPBSを週1回ずつ4週間にわたり皮下経路で投与した。最後の処置の28日後にマウスを安楽死させた。脾臓を採取して、脾細胞をConAと共に培養した。24hrのConA刺激後に採取された上清で、サイトカインレベルを測定した。図7に示された結果から、CCがIFN-γ、TNF-α、およびIL-6サイトカイン産生の持続的調整にもたらしたことが示される(図7)。したがってCCは、治療の終了後も、長期持続性の免疫調整効果を提供することができる。
実施例8:カウロバクター・クレセンタス(CC)での経口処置後の自然および適応免疫細胞の調整
C57/bl6雄マウス3匹の群に、CC(500×106CFU/マウス)またはPBSを週1回ずつ4週間にわたり経口処置した。マウスを、最後の処置の28日後に安楽死させて脾細胞を採取し、フローサイトメトリーにより分析した。CCでの経口処置は、CD8+、CD8+CD25+およびNKT(CD3+CD49b+)細胞上のFOXP3発現増加およびNK細胞上のPD-1発現増加をもたらした(図8)。したがってCCは、様々な調節性リンパ球を誘導して、炎症を制御する。このデータから、CCが自然および適応免疫細胞上の異なる調節性分子の発現を調節することによりホメオスタシスを誘導し得ること、それゆえCCを用いて様々な疾患における過剰な炎症を制御し得ることが示唆される。NK細胞上でのPD-1発現が、マイコバクテリア感染において炎症反応を制御することが示されている。加えて、NK上のPD-1もまた、ウイルス、細菌および自己免疫障害をはじめとする炎症を防御することを示されている。
NKおよび/またはNKT細胞は、多発性硬化症、関節リウマチ、全身エリテマトーデス、ショーグレン症候群、自己免疫性甲状腺疾患、乾癬、ベーチェット病、I型糖尿病、神経変性疾患などの複数の疾患における自己免疫反応をダウンレギュレートする際に示された。それゆえ本開示は、一定範囲の炎症、アレルギーおよび自己免疫障害の予防および/または処置にとって魅力的な生物学的治療薬になる。したがって総括すると、本開示は、適応および自然免疫Tおよび/またはNKおよび/またはNKT細胞の活性を調整することにより感染および非感染環境での全身および局所炎症を予防および/または処置する戦略となる。
実施例9:カウロバクター・クレセンタス(CC)での皮下処置後の脾細胞におけるT細胞の調整
C57/bl6雄マウス3匹の群に、CC(500×106CFU/マウス)またはPBSを週1回ずつ4週間にわたり皮下処置した。マウスを、最後の処置の28日後に安楽死させて脾細胞を採取し、フローサイトメトリーにより分析した。CCでの皮下処置は、CD4+、CD4+CD25+およびCD8+CD25+T細胞上のFOXP3発現増加をもたらした(図9)。したがって、CCの非経口投与は、持続性の免疫調整効果も提供する可能性がある。これらの結果から、調節性T細胞のサブセットを誘導および増大することにおけるCCの影響が実証される。T調節性細胞は、自己免疫性脳脊髄炎、IBD、細菌性大腸炎、1型糖尿病、気道の好酸球性炎症、移植片対宿主病、臓器移植などの広範囲の疾患において炎症活性を抑制することが示されている。
実施例10:カウロバクター・クレセンタス(CC)は敗血症/炎症のLPSチャレンジモデルで全身炎症を制御することにおいて明確な利益を示す:血清中サイトカインレベルの調整
C57/bl6雄マウス3匹の群を、PBS 100μl中の7mg/kgのLPSで腹腔内にチャレンジし、LPSでの2hrおよび24hrインビボチャレンジの後に、CC(500×106CFU/マウス)を経口処置した。健常な非チャレンジマウスおよびPBS摂取マウスもまた、対照として含めた。マウスを2回目の処置後に安楽死させて、血液試料を採取し、ELISAによりサイトカインについて分析した。LPSチャレンジマウスは、血清中に高レベルの炎症性サイトカインを有した。対照的にCC処置は、炎症性サイトカインIL-1βおよびIL-6の産生をダウンレギュレートし、抗炎症性サイトカインIL-10の産生をアップレギュレートした(図10)。したがってCCは、非損傷性免疫反応を促進する。IL-1βおよびIL-6の誘導は、複数の急性および慢性炎症性および自己免疫性疾患、例えば敗血症、MS、アルツハイマー病、パーキンソン病、RA、痛風、代謝疾患(アテローム性硬化症、II型糖尿病)、高血圧、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、乾癬およびアレルギーに関連づけられている。それゆえCCは、これらの炎症性の医学的状態の管理および改善を支援する可能性がある。
実施例11:カウロバクター・クレセンタス(CC)は敗血症/炎症モデルで局所炎症を制御することにおいて明確な利益を示す:血清中サイトカインレベルの調整
C57/bl6雄マウス3匹の群を、PBS 100μl中の7mg/kg LPSで腹腔内にチャレンジし、LPSでの2hrおよび24hrインビボチャレンジの後に、CC(500×106CFU/マウス)で経口処置した。健常な非チャレンジマウスおよびPBS摂取マウスもまた、対照として含めた。これらの試験において、用いられたCCは、2つの形式:CC-1(液体PYE培地中で生育させて、生理食塩水中、室温で貯蔵したCC)およびCC-2(液体PYE培地中で生育させて、冷蔵庫内で4℃で貯蔵されたCC)で調製した。マウスを、2回目のCC-1およびCC-2処置の後に安楽死させて、肺および肝臓を採取した後、それらのホモジネート中のサイトカインを測定した。CC-1およびCC-2は両者とも、LPSチャレンジ群に比較して、肺および肝臓の炎症性サイトカインTNF-α、IL-6、IL-1βおよびIL-17Aの産生をダウンレギュレートした(図11)。これらの結果から、CCが、様々な臓器(腸、肺、肝臓、脳、皮膚、心臓など)におけるウイルスおよび細菌病原に関連する炎症後の医学的状態、組織損傷、細胞ストレス、代謝撹乱などの炎症工程を制御して、組織機能を正常化する際に使用できる可能性が実証される。LPS介在性の敗血症は、救命救急、手術および焼灼設備で共通の致死原因である。宿主の免疫成分を標的にすることによりLPSが介在する致死性炎症カスケードの改善に向かわせる治療的アプローチは、臨床および治療的利点を有する可能性がある。
実施例12:カウロバクター・クレセンタス(CC)は炎症のLPSチャレンジマウスモデルにおける肝臓損傷の生化学的パラメータへの明確な効果を示す
C57/bl6雄マウス3匹の群を、PBS 100μl中の7mg/kg LPSで腹腔内にチャレンジし、LPSでの2hrおよび24hrインビボチャレンジの後に、CC(500×106CFU/マウス)を経口処置した。健常な非チャレンジマウスおよびPBS摂取マウスもまた、対照として含めた。これらの試験において、用いられたCCは、2つの形式:CC-1(液体PYE培地中で生育させて、生理食塩水中、室温で貯蔵したCC)およびCC-2(液体PYE培地中で生育させて、冷蔵庫内で4℃で貯蔵されたCC)で調製した。マウスを、2回目のCC-1およびCC-2処置の後に安楽死させて、血液試料を採取し、生化学的マーカーに及ぼす影響を測定した。CC-1およびCC-2の両者での処置は、LPSチャレンジマウスの血清中グルコース(Glu)、グロブリン(GLOB)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、総リン酸塩(TP)および総ビリルビン(TBIL)レベルを、非チャレンジおよびPBS摂取マウスのレベルまで正常化させた(図12)。これらの結果から、CCが肝臓関連疾患をはじめとする様々な炎症介在性障害を処置することにおいて効果的に使用できる可能性が実証される。
実施例13:カウロバクター・クレセンタス(CC)はLPSチャレンジマウスモデルにおける肝臓損傷を予防する
C57/bl6雄マウス3匹の群を、PBS 100μl中の7mg/kg LPSで腹腔内にチャレンジし、LPSでの2hrおよび24hrインビボチャレンジの後に、CC(500×106CFU/マウス)を経口処置した。健常な非チャレンジマウスおよびPBS摂取マウスもまた、対照として含めた。これらの試験において、用いられたCCは、2つの形式:CC-1(液体PYE培地中で生育させて、生理食塩水中、室温で貯蔵したCC)およびCC-2(液体PYE培地中で生育させて、冷蔵庫内で4℃で貯蔵されたCC)で調製した。マウスを、2回目のCC-1およびCC-2処置の後に安楽死させて、様々な臓器を採取した。肺、肝臓および他の臓器の炎症または損傷は、CC-1およびCC-2の両者で観察されなかった。肝臓切片のH&E染色を実施した。図13に示された結果から、LPSチャレンジマウスに比較した、LPS誘導性炎症および肝臓損傷の予防における経口経路で投与されたCCの防御作用が実証される。大規模な肝臓破壊が、感染性および非感染性病原の結果としての望ましくない炎症活性による複数の医学的状態に関連づけられている。それゆえCCは、自己免疫性肝炎、アルコール関連の肝臓障害、ウイルス介在性肝炎などによる肝臓損傷を予防および改善することにおける強力な能力を有する。
実施例14:カウロバクター・クレセンタス(CC)での経口処置によるイミキモド(IMQ)誘導性乾癬様皮膚炎のマウスモデルにおけるサイトカインの調整
10~11週齢Balb/c雌マウスに、5%IMQクリーム(Aldra、イミキモ
ド)の外用の用量6.25mgを剃毛された背部に連続6日間投与した。マウスを500×106CFU/マウスのCCで3日目から(週5日ずつ2週間)経口処置した。マウスを、最後の処置の3日後に安楽死させて、脾臓を採取した。脾細胞を培地で4日間、エクスビボ培養して、培養上清をサイトカインについて検査した(図14)。CCでの処置は、PBS処置乾癬マウスに比較して、Aldra誘導性乾癬マウスにおいてIFN-γ、IL-6、IL-17AおよびIL-22の産生の減少をもたらした(図14)。これらの試験から、CCが炎症および自己免疫疾患においてサイトカイン調節異常を修正して、有益な治療効果をもたらし得ることが示唆される。乾癬の他にも、真皮および表皮における免疫細胞の浸潤もまた、アトピー性皮膚炎、化膿性汗腺炎、ロザケアなどの他の慢性皮膚疾患において生じる。それゆえCCは、様々な皮膚障害を炎症成分で処置することに用いることができる。まとめると、図14に表された結果から、CCが病原または自己免疫関連の炎症反応を防御する全身免疫調整および抗炎症活性を有することが実証される。
実施例15:DSS誘導性炎症性腸疾患(IBD)に罹患したマウスの結腸組織における炎症促進性サイトカインおよびケモカインの減少におけるカウロバクター・クレセンタス(CC)の影響
雄C57bl/6の5匹の群に、飲料水中の3%デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を連続7日間与えた。マウスを、DSS開始と同日にCC(500×106CFU/マウス)で処置した。水処置マウスを、対照として用いた。10日目にマウスを安楽死させて、結腸組織を採取し、24時間培養した。サイトカインを、ELISAを用いて培養上清で測定した。得られた結果から、CCが炎症促進性サイトカインIFN-γ、TNF-α、IL-1β、ならびにケモカインIL-8/KCおよびMIP-1αを減少させることが示される(図15)。したがって、IBDの上皮浸透性、アポトーシス、潰瘍、下痢などをもたらす連鎖の活性化の原因となるIBDのネズミDSS誘導性大腸炎モデルの結腸で、CCの経口処置が局所的に炎症性サイトカインおよびケモカインのレベルの異常を減少させた。
実施例16:実験的な自己免疫性脳脊髄炎(EAE)モデルの自己抗原特異性T細胞および抗体反応の抑制におけるカウロバクター・クレセンタス(CC)の影響
自己抗原特異性免疫反応の低減におけるCCの影響を測定するために、C57Bl6雌マウス5匹の群を、生理食塩水100μl中のCFAに乳化されたMOG35-55ペプチド 200μgで皮下に免疫化した。加えてマウスは、生理食塩水200μl中の百日咳毒素400ngを0日目および3日目に腹腔内に受けた。マウスは、免疫化の3日目から開始して、実験の終了時まで連続で3日ごとにCC(500×106CFU/マウス)を経口処置された。PBS処置されたチャレンジマウスを、対照として用いた。マウスを免疫化の30日後に安楽死させて、脾臓および血液試料を採取した。T細胞の反応を、脾細胞中でMOGペプチド(10、1および0.1μg/ml)に対して検査した。抗MOG抗体(IgGおよびIgG2a)の力価を、血清試料中、ELISAにより分析した。興味深いこととして、CCは、PBS対照群に比較して、自己抗原MOG特異性T細胞反応を低減した(図16)。CCはまた、PBS対照群に比較して、自己抗原MOG特異性IgGおよびIgG2a抗体力価を減少させた(図16)。これらの結果から、CCが自己抗原特異性TおよびB細胞の反応を低減する可能性が示唆される。EAEモデルは、ヒト炎症性脱髄疾患である多発性硬化症(MS)に一般に用いられるモデルである。MSは、中枢神経系(CNS)の炎症性疾患である。EAEは、免疫病理学的メカニズムと神経病理学的メカニズムの相互作用がMSの病理学的特色、即ち炎症、脱髄、軸索損傷およびグリオーシスを引き起こす複合的状態である。それゆえCCは、自己免疫および神経障害、自己免疫性血液疾患、自己免疫性溶血性貧血などを処置するのに効果的である可能性がある。
実施例17:オボアルブミン誘導性気道炎症モデルのマウスモデルにおけるアレルゲン(OVA)特異性抗体およびサイトカイン反応を低減することにおけるカウロバクター・クレセンタス(CC)の影響
気道/肺の炎症性疾患におけるCCの影響を測定するために、Balb/c雄マウス5匹の群を、1日目および6日目に生理食塩水400μl中のオボアルブミン10μgおよびAl(OH)3 2mgで腹腔内に感作した。12日目および14日目に、マウスにオボアルブミン50μgで鼻内に(15μl/ノストリル)チャレンジした。感作の7日目以降、17日目まで3日ごとに、マウスをCC(500×106CFU/マウス)で経口処置した。別の群で、マウスをデキサメタゾン(DEX、2mg/kg i.p.)単独で13日目に1回、またはデキサメタゾンおよびCCで処置した。対照マウスは、CCと同じスケジュールで生理食塩水を受けた。マウスを最後の処置の翌日に安楽死させて、血液試料、肺洗浄液および脾臓を採取した。脾細胞の1つの細胞懸濁液(2×106細胞/ml)をOVA 50μgと共に96h培養し、サイトカイン(IL-4およびIL-6)レベルをELISAにより培養上清で分析した。CCでの経口処置は、OVAで感作されたマウスの血清および肺洗浄液中のOVA特異性IgEの産生を低減した(図17)。IL-4およびIL-6のレベルが、CC処置により脾臓中で低減することも見出された(図18)。CC処置とデキサメタゾンとの組み合わせは、デキサメタゾン単独処置に比較して、脾臓中のIL-4およびIL-6レベルのさらなる低減をもたらした(図19)。これらのデータから、CCでの処置が、マウスのOVA誘導性アレルギー性気道炎症を予防することが示唆される。アレルギーは、複数の免疫細胞および炎症メディエータがアレルギー疾患の開始および症状発現に寄与する複合的疾患である。アレルギーは最も多くは、IgE介在性過敏性反応の結果である。IL-4およびIL-6の産生増加は、アレルギー疾患と相関する。血清中のIgEの存在は、B細胞中でのIL-4介在性Igクラススイッチにより生じたアレルギー疾患の証拠である。IgE依存性アレルギー反応は、1種または複数の臓器、ならびに鼻炎、副鼻腔炎、結膜炎、喘息、皮膚炎、および食物アレルギーなどのアレルギー疾患に影響を及ぼす可能性がある。
実施例18:高脂肪食誘導性肥満モデルの代謝障害を処置し、全身炎症を低減することにおけるカウロバクター・クレセンタス(CC)の影響
C57bl/6マウス5匹の群に高脂肪食を4~6ヶ月間摂餌させて、CC(500×106CFU/マウス)を週3回ずつ4~6ヶ月間処置した。PBS処置された高脂肪食マウスを、対照として用いた。耐糖能テストを、約180日目に実験を終了する前に実施した。血中グルコースは、OneTouchモニタリングシステムを利用して測定した。マウスを安楽死させて、血液、肝臓および脾臓を採取した。血清試料を用い、Vetテストにより生化学的パラメータを測定した。肝臓ホモジネートを調製して、炎症促進性サイトカイン(IFN-γ、TNF-α、IL-6、IL-1β)をELISAにより測定した。脾細胞(2×106細胞/ml)をLPS(1mg/ml)と共に24h培養し、サイトカイン(IFN-γ、TNF-α、IL-6)をELISAにより培養上清で分析した。CCでの経口処置は、高脂肪食対照マウスに比較して、肝臓(図20)および脾臓(図21)中の炎症促進性サイトカインを有意に減少させており、CCが慢性および全身炎症を効果的に低減する可能性が示唆される。CCでの経口処置はまた、高脂肪食誘導性肥満モデルにおける代謝疾患に関連する生化学的パラメータにおいて明確な利益を提供した(図22)。さらにCC処置のマウスは、対照群に比較して、耐糖能の改善を実証した(図23)。肥満が低悪性度の炎症に関連し、2型糖尿病、心臓血管疾患、高血圧、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、非アルコール性脂肪肝疾患、脱毛などの複数の代謝障害に寄与することは、確定されている。肥満状態では、複数の炎症性サイトカインおよびケモカイン(例えば、IFN-γ、TNF-α、IL-6、IL-1βなど)の産生が、調節異常である。肥満はまた、インスリン抵抗性に関連し、耐糖能障害および非アルコール性脂肪肝疾患をもたらす。TNF-αの活性の阻害が、アルコール摂取動物における脂肪性肝炎の発症を有意に阻害することも示されている。高コレステロールは、冠動脈心疾患(アテローム性硬化症)、卒中、末梢血管疾患、糖尿病、および高血圧のリスク上昇に関連する。トリグリセリドのレベル上昇は、アテローム性硬化症に関連し、急性膵炎のリスクも上昇させる。高レベルの尿酸は、腎臓が尿酸を効率的に排出しない場合に生じる。高レベルの尿酸を誘発し得る他の因子には、肥満、甲状腺機能低下症などがある。尿酸の蓄積は、炎症および痛風発作の強烈な疼痛をもたらし得る。高レベルのクレアチンキナーゼは、心臓発作、全ての型の筋ジストロフィー、内分泌障害、神経筋疾患などでも認められる。TNF-α、IL-6、IFN-γ、IL-1βなどの炎症促進性サイトカインは、肥満、肥満関連の病理、例えば2型糖尿病、インスリン抵抗性、非アルコール性脂肪肝疾患、アルコール誘導性肝疾患、アルツハイマー病などの血管機能不全関連の神経変性工程、うつ病、統合失調症などの精神神経障害に関与することが知られている。ミトコンドリア活性酸素種(ROS)は、慢性ヒト疾患における炎症促進性サイトカイン(TNF-α、IL-6、IFN-γ、IL-1β)産生を促す。これらの試験から、CCでの処置が、高脂肪食による肥満マウスにおいて、代謝障害に関連する血清中生化学的マーカーを低減し、耐糖能を改善し、肝臓の炎症促進性サイトカインを低減することが示される。
実施例19:EL-4リンパ腫担持マウスにおける抗癌剤シクロホスファミドに関連する肝毒性および腎毒性の低減におけるカウロバクター・クレセンタス(CC)の影響
治療的処置に関連する毒性の低減におけるCCの影響を測定するために、C57Bl6マウス5匹の群を、生理食塩水100μl中の0.25×106 EL-4細胞/マウスで左下部脇腹の皮下にチャレンジした。CC(50×106cfu/マウス)を、El-4細胞でのチャレンジ後5日目から開始して週に1回経口投与した。17日目および21日目に、マウスを150mg/kgシクロホスファミドで腹腔内処置した。健常な非チャレンジマウスおよびシクロホスファミド単独処置チャレンジマウスを、対照として用いた。EL-4チャレンジの30日後に、マウスを人により安楽死させて、血液試料を採取した。CCとシクロホスファミドとの処置は、EL-4腫瘍担持マウスの血清中リン酸塩(PHOS)レベルおよび総ビリルビン(TBIL)レベルを、非チャレンジ正常マウスのレベルまで正常化させた(図24)。これらの結果から、CCが抗癌剤の毒性低下または治療的処置に効果的に使用できる可能性が実証される。
実施例20:B16転移癌モデルにおける抗癌剤シスプラチンに関連する臓器毒性低下におけるカウロバクター・クレセンタス(CC)の影響
癌化学療法に関連する毒性の低減におけるCCの影響を測定するために、C57Bl6マウス5匹の群を、生理食塩水100μl中の0.4×106 B16細胞/マウスで腹腔内にチャレンジした。B16チャレンジ後7日目および10日目に、マウスをシスプラチン(4mg/kg)で腹腔内処置して、CC(50×106cfu/マウス)を週1回、経口投与した。健常な非チャレンジマウスおよびシスプラチン単独処置チャレンジマウスを、対照として用いた。B16チャレンジの30日後に、マウスを安楽死させて、血液試料を採取し、血清中生化学的マーカーに及ぼす影響を測定した。CCとシスプラチンとの処置は、B16転移癌担持マウスの血清中リン酸塩(PHOS)、尿素、総ビリルビン(TBIL)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)を、非チャレンジ正常マウスのレベルまで正常化させた(図25)。これらの結果から、CCが抗癌剤の毒性低下または治療的処置に効果的に使用できる可能性が実証される。
実施例21:B16メラノーマのマウスモデルにおけるチェックポイント阻害剤抗体(抗PD-1)に関連する肝毒性の高レベルの生化学的パラメータの低減におけるカウロバクター・クレセンタス(CC)の影響
治療抗体に関連する毒性の低減におけるCCの影響を測定するために、C57Bl6マウス5匹の群を、生理食塩水100μl中の0.4×106 B16細胞/マウスで左下部脇腹の皮下にチャレンジした。CC(50×106cfu/マウス)を、B16メラノーマ癌細胞でのチャレンジ後3日目から開始して週1回、経口投与した。CCでの最初の処置の2日後に、抗PD-1抗体(200μg/マウス)を腹腔内投与し、引き続き3~4日ごとに行った。健常な非チャレンジマウスおよび抗PD-1抗体単独処置チャレンジマウスを、対照として用いた。腫瘍チャレンジの25日後に、マウスを安楽死させて、血液試料を採取し、生化学的マーカーへの影響を測定した。抗PD-1モノクローナル抗体と組み合わせたCCでの処置は、B16腫瘍担持マウスの血清中リン酸塩、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)レベルを、非チャレンジ正常マウスのレベルまで正常化させた(図26)。これらの結果から、CCが治療抗体およびチェックポイント阻害剤抗体の毒性低減、または治療的処置において、効果的に使用できる可能性が実証される。
実施例22:LPS陰性カウロバクター・クレセンタス(LPS-ve CC)は敗血症/炎症のLPSチャレンジモデルの肝臓損傷からマウスを防御する:肝臓におけるサイトカインレベルの調整
免疫調整におけるリポ多糖陰性(LPS-ve)CCの役割を測定するために、C57/bl6雌マウスを、生理食塩水200μl中の25mg/kg LPSで腹腔内にチャレンジし、LPSでの2hrおよび20hrインビボチャレンジの後に、LPS-ve CC(50×106CFU/マウス)で経口処置した。健常な非チャレンジマウスおよびPBS摂取マウスもまた、対照として含めた。マウスを、2回目の処置の24h後に安楽死させて、肝臓を採取した後、ホモジネート中のサイトカインを測定した。LPSチャレンジマウスは、肝臓ホモジネート中に高レベルの炎症性サイトカインおよびケモカインを有した。対照的に、LPS-ve CC処置は、炎症性サイトカインIFN-γ、TNF-α、IL-1β、IL-6、IL-8/KC、およびケモカインMIP-1αの産生をダウンレギュレートし、抗炎症性サイトカインIL-10の産生をアップレギュレートした(図27)。これらの結果から、LPS-ve CCが、野生型CCを用いて得られた効果と類似の、炎症工程を制御する上で明確な効果を示すことも実証される。それゆえ、LPS陰性CCは、炎症工程の制御、および炎症後の医学的状態をはじめとする組織機能の正常化において使用できる可能性がある。
実施例23:ヒトPBMCでのプロバイオティクスまたは病原菌により誘導される炎症促進性サイトカインの低減におけるカウロバクター・クレセンタス(CC)の影響
ヒトPBMC(4×106/ウェル)を、不活化されたラクトバチルス・ラムノサス(LB)またはリステリア・モノサイトゲネス(LM)(50×106CFU/ml)で6h刺激した。その後、CV(250×106CFU/ml)を添加して、プレートをさらに24hまたは96hインキュベートした。培養上清を採取して、ELISAによりIFN-γおよびTNF-αについてアッセイした。CVでの処置は、LBおよびLMにより誘導されたIFN-γおよびTNF-αのレベルを低減した(図28)。これらの結果から、カウロバクターの他の菌種が、細菌またはウイルス病原に関連する炎症を低減する可能性が示唆される。同じくこれらの結果から、カウロバクター属の菌種を用いて、関連マイクロバイオームおよび非関連微生物により誘導された望ましくない炎症反応を処置する可能性が示唆される。さらにそれらが、マイクロバイオーム治療薬の免疫調整活性を調整するのに使用できる可能性がある。
実施例24:ヒト骨髄樹状細胞のエクスビボ操作におけるカウロバクター・クレセンタス(CC)の影響
末梢血単球から分化させたヒト骨髄樹状細胞(2×106/ml)を、CC(50または10CFU/ml)の非存在下または存在下で24h培養した。培養上清を採取して、ELISAによりIL-10レベルについて検査した。得られた結果から、CCが調整されたDC産生IL-10の集団を作製する可能性が示唆される(図29)。樹状細胞(DC)は、T細胞抑制および耐性を誘導する能力を有する適応免疫の重要な調節因子である。DCにより産生されたIL-10は、調節性T細胞の生成、増大および維持において役割を担う。これらの結果から、CCがDCを基にした免疫治療戦略のためのエクスビボDC操作に使用できる可能性が示唆される。
実施例25:ヒトPBMCから骨髄細胞への多能性幹細胞の分化/増大に及ぼすカウロバクター・クレセンタス(CC)の影響
ヒトPBMC(4×106/ウェル)をCC(500×106、50×106、10×106および1×106CFU/ml)および生理食塩水と共に10日間培養した。PBMCを表面マーカーCD34、CD45、CD11cおよびCD11bについて染色した。細胞をCD34+CD45-多能性幹細胞についてゲーティングし、さらにCD11c+およびCD11b+DCならびにマクロファージについてゲーティングして、データをフローサイトメトリーにより分析した。得られた結果から、CCが幹細胞を骨髄細胞に分化する可能性が示唆される(図30)。骨髄細胞は、多能性造血幹細胞から発生する。これらの細胞は、自然および適応免疫、炎症反応、免疫ホメオスタシスの修復、骨リモデリングなどにおいて重要な役割を担う。したがってCCは、患者専用の免疫療法で使用される幹細胞からの骨髄細胞の分化および/または増大をもたらす可能性がある。