JP7223705B2 - アミノピラジンプリン系選択的キナーゼ阻害剤の塩形態 - Google Patents

アミノピラジンプリン系選択的キナーゼ阻害剤の塩形態 Download PDF

Info

Publication number
JP7223705B2
JP7223705B2 JP2019551435A JP2019551435A JP7223705B2 JP 7223705 B2 JP7223705 B2 JP 7223705B2 JP 2019551435 A JP2019551435 A JP 2019551435A JP 2019551435 A JP2019551435 A JP 2019551435A JP 7223705 B2 JP7223705 B2 JP 7223705B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
salt
esylate
octan
azabicyclo
oxa
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019551435A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020515535A (ja
Inventor
トーマス ガルゾン,フェリックス
ハルシャ,チャイトラ
カリード パシャ,モハメド
Original Assignee
エフティージー バイオ エルエルシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エフティージー バイオ エルエルシー filed Critical エフティージー バイオ エルエルシー
Publication of JP2020515535A publication Critical patent/JP2020515535A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7223705B2 publication Critical patent/JP7223705B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/495Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
    • A61K31/505Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim
    • A61K31/519Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim ortho- or peri-condensed with heterocyclic rings
    • A61K31/52Purines, e.g. adenine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K45/00Medicinal preparations containing active ingredients not provided for in groups A61K31/00 - A61K41/00
    • A61K45/06Mixtures of active ingredients without chemical characterisation, e.g. antiphlogistics and cardiaca
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/28Drugs for disorders of the nervous system for treating neurodegenerative disorders of the central nervous system, e.g. nootropic agents, cognition enhancers, drugs for treating Alzheimer's disease or other forms of dementia
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D498/00Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having nitrogen and oxygen atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D498/02Heterocyclic compounds containing in the condensed system at least one hetero ring having nitrogen and oxygen atoms as the only ring hetero atoms in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D498/08Bridged systems
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D519/00Heterocyclic compounds containing more than one system of two or more relevant hetero rings condensed among themselves or condensed with a common carbocyclic ring system not provided for in groups C07D453/00 or C07D455/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B2200/00Indexing scheme relating to specific properties of organic compounds
    • C07B2200/13Crystalline forms, e.g. polymorphs

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Psychiatry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Description

優先権の段落
本出願は、「SALT FORMS OF AMINO PYRAXINE PURINE BASED SELECTIVE KINAZE INHIBITOR」という名称で2017年3月31日に出願されたインド仮特許出願第201741011673号(参照により本明細書に組み込まれる)に基づく優先権を主張する。
発明の技術分野
[0001] 本発明は、キナーゼ阻害剤として有用なアミノピラジンプリン化合物の技術分野に属する。より特定的には、本発明は、5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9H-プリン-6-イル)ピラジン-2-アミン化合物のエシレート塩及びオキサレート塩、その薬学的に許容可能な塩、調製方法、これらの化合物を含有する医薬組成物並びにPI3K(ホスホイノシチド3-キナーゼ)、AKT、哺乳動物ラパマイシン標的(mTOR)、DNA-PK及びキナーゼをモジュレートすることにおけるこれらの化合物の使用に関し、腫瘍、癌、血液学的及びリンパ性悪性病変、免疫学的障害、遺伝子変異障害、炎症、特定の代謝性疾患、心血管疾患、肥満、2型糖尿病、抗老化性障害及び精神障害を含むいくつかの障害の治療のための治療剤又は診断プローブとして使用され得る。
発明の背景
[0002] ホスホトランスフェラーゼとしても知られるキナーゼは、高エネルギードナー分子から標的分子にリン酸基を転移する。プロテインキナーゼは、多くの細胞プロセスに関与するとともにいくつかの医学的状態に関係する特異的タンパク質の活性を改変する。したがって、特異的キナーゼの活性をモジュレートすることは疾患状態を制御するのに役立つ。
[0003] ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)AKT/PKB(セリン/トレオニンキナーゼのサブファミリー)ファミリーは、ホスファチジルイノシトール-4,5-二リン酸をホスファチジルイノシトール-3,4,5-三リン酸に変換する脂質キナーゼのグループを構成する。この変換は、細胞周期進行、分化、転写、翻訳、アポトーシスなどの多岐にわたる生理学的プロセスを含めて、細胞の成長及び生存の多くの局面にきわめて重要なシグナリング経路を開始する[1]。
[0004] さらに、PI3Kは、腫瘍における血管新生及び代謝活性増強のきわめて重要なレギュレーターである[2]。PI3Kは、結節性硬化症1/2(TSC1/2)複合体のネガティブレギュレーションにより哺乳動物ラパマイシン標的(mTOR)の活性もモジュレートする[3]。mTORキナーゼは、細胞ストレスに起因して成長因子により活性化され得る。mTORキナーゼの活性化は、翻訳、転写、mRNA代謝回転、タンパク質安定性、アクチン細胞骨格再組織化及びオートファジーをはじめとする広範にわたる細胞機能を介して細胞成長及び細胞生存のレギュレーションで中心的な役割を果たす[4、5、6、7]。
[0005] PI3K/AKT/mTOR経路は、ヒト癌において最も一般的に活性化されるシグナリング経路である[8]。多数の上流レセプタークラスのどれかを介するディスレギュレーション、PI3Kの増幅、ホスファターゼ及びテンシンホモログ(PTEN)の欠失又は活性化突然変異は、広範にわたる癌の発症及び進行に密接に関連付けられてきた。mTORキナーゼ生物学の研究者らは、mTOR細胞シグナリングのディスレギュレーションと、免疫学的障害、癌、血液学的及びリンパ性悪性病変、遺伝子変異障害、代謝性疾患、心血管疾患、肥満、2型糖尿病及び精神障害をはじめとするいくつかの疾患と、の間の病理学的関係を発見した[8、9]。
[0006] mTORは、マイトジェン刺激を細胞の成長及び分裂に関連付ける289kDaのセリン/トレオニンキナーゼである。すでに述べたように、mTORは、PI3-Akt経路の重要な酵素の1つである。mTORは、ラパマイシンの哺乳動物標的である。ラパマイシンはFKBP12に結合し、その複合体は次いでmTORに結合してそれを特異的に阻害する。mTORは、FKBP-RAP関連タンパク質(FRAP)、RAP FKBP12標的(RAFT1)及びRAP標的(RAPT1)とも称された。ラパマイシンは、一方で臓器拒絶に関与するmTORによる同化シグナルを阻害する。
[0007] ヒトにおいて、mTORは、栄養素及び活性化成長因子レセプターの2つに由来する同化シグナルを媒介する。mTORは、以下のものとして存在する。
1.mTOR複合体1(mTORC1)として知られるラパマイシン感受性複合体。mTORを活性化すると、mTORCIが翻訳レギュレーターの真核生物開始因子4E結合タンパク質1及びリボソームp70S6キナーゼをリン酸化して活性化するため、タンパク質翻訳が増加する。したがって、ラパマイシンは、mTORを阻害することによりリン酸化の減少及びタンパク質合成の減少をもたらす。
2.第2の複合体は、mTOR複合体2(mTORC2)として知られる。mTORC2は、ラパマイシン非感受性であり、リクター(ラパマイシン非感受性mTORコンパニオン)と相互作用する。mTORC2は、S473をリン酸化することにより生存促進性キナーゼAkt/PKBをレギュレートする。AKTの完全活性化は、PDK1によるT308リン酸化及びmTORC2によるS473リン酸化により一体的に行われる。
[0008] mTORは、低酸素誘導因子(HIF)が関与する腎細胞癌にも関係する。腎細胞癌を阻害するフォンヒッペル・リンダウ(VHL)遺伝子機能が損なわれると、酸素感受性転写因子HIF-1及びHIF-2の蓄積がもたらされる。HIF-1及びHIF-2の蓄積は、血管内皮成長因子(VEGF)、血小板由来成長因子(PDGF)及びトランスフォーミング成長因子(TGF)の過剰刺激を生成する。これはmTORの活性化をもたらすことより、タンパク質安定化機能及びタンパク質翻訳機能の両方を刺激してHIF-1活性を増加させる。
[0009] mTORフィードバックレギュレーション:複数のネガティブフィードバックループはmTOR経路をレギュレートし、各種の研究ではmTORC1がインスリン-PI3K-AKT経路に悪影響を及ぼすことが示されている。インスリンレセプター基質1(IRS1)は、複数の部位でS6K1により直接リン酸化されることにより、その機能を損なってインスリン-PI3K-AKT経路に対して阻害効果をもたらす。成長因子レセプター結合タンパク質10(GRB10)は、mTORリン酸化により活性化されて活性形態のインスリンレセプターを阻害することによりインスリン-PI3K-AKTシグナリング経路をネガティブ制御する最近発見されたmTORの基質である[10]。
[0010] mTOR下流経路:活性化mTORキナーゼによりリン酸化される最もよく特徴付けられたmTORC1の下流エフェクターは、S6K1及び4E-BP1である。
AGCキナーゼファミリーに属するセリン/トレオニンキナーゼであるリボソームタンパク質S6キナーゼ(S6K)のS6K1は、細胞成長及び細胞サイズの重要なレギュレーターである。S6Kファミリーは、全体で70%の配列相同性を共有する2つの遺伝子(S6K1及びS6K2)からなる[11]。
eIF4E(mRNAキャップ結合タンパク質)に結合してそれを不活性化することにより翻訳開始の阻害剤として作用する3つの小さい(10~12kda)タンパク質のファミリーに属する4E-BP1は、2番目に十分に特徴付けられたmTORC1標的である。mTORC1は、4E-BP1のいくつかの残基をリン酸化して4E-BP1からのeIF4Eの解離を促進することにより、eIF4E依存翻訳開始に及ぼす4E-BP1の阻害効果を軽減するが、ラパマイシンによるmTORの阻害は、4E-BP1脱リン酸化を引き起こすことによりタンパク質翻訳の阻害をもたらすと考えられる[12]。
[0011] 結節性硬化症複合体遺伝子産物TSC1及びTSC2は、一緒になってmTOR媒介下流シグナリングを阻害する。TSC1及びTSC2の突然変異は、VEGFの増加及び血管新生に至るmTOR経路の活性化を示す。
[0012] シロリムスとしても知られるラパマイシンは、ストレプトマイセス・ハイグロスコピカス(Streptomyces hygroscopicus)により産生される抗生物質である。それは、当初は、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)及びアスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)に対する抗真菌薬剤として開発された。その後、ラパマイシンは、免疫抑制剤及び抗癌剤として開発された。ラパマイシンは、PI3K又はAktのどちらかにより引き起こされるヒト細胞の発癌性形質転換も阻害する。
[0013] DNA依存プロテインキナーゼ(DNA-PK)は、DNAとの会合により活性化される核セリン/トレオニンプロテインキナーゼである。DNA-PKcsとPI3キナーゼとの間には配列類似性が存在する。PI3キナーゼ阻害剤は、DNA-PKを阻害することが示されている。
[0014] PI3K/mTOR二重阻害剤:二重PI3K/mTOR阻害剤は、mTOR阻害剤に対する以上の懸念が理由で開発された。これは、PI3K及びmTORのキナーゼドメインにより共有される高い相同性が理由で可能になった[13]。これらの分子は、mTORC1、mTORC2及びPI3Kを阻害し、ひいてはAKT、S6K1及び4E-BP1のリン酸化を阻害するため、PI3K活性化により駆動された癌を標的とする魅力的な薬剤である[14]。これらの阻害剤としては、第I/II相臨床試験を受けているXL-765、PI-103及びNVP-BEZ235が挙げられる[15、16]。PI-103及びNVP-BEZ235は、乳房腫瘍及び白血病細胞においてAKT及びS6K1を抑制することが見いだされているが[17]、いくつかの研究では、細胞シグナリングのかかる広範な阻害は、正常細胞の成長も損なうおそれがあることが示唆されている[18]。
[0015] まとめると、mTOR経路は、細胞の成長及び増殖をレギュレートする栄養素恒常性で重要な役割を果たす。mTORは、エフェクター分子S6K1及び4E-BP1を介してタンパク質翻訳をレギュレートする。経路のディスレギュレーションは、mTORシグナリング経路とAKT及びPI3キナーゼのような他のシグナリング経路との間のクロストークにより複雑化される。mTOR経路のディスレギュレーションは各種の病理学的状態となって現れるが、それは影響に関与する唯一の候補ではない。さらに下流のシグナリングは非常に複雑であり、このことは、mTORのみを標的とする治療レジメンが癌を治療するのにそれほど有効でないという事実により理解される。mTOR及びPI3の両方のキナーゼを標的とする二重阻害剤は、疾患と闘うのに有望であることが示されている[19]。
[0016] さらに、これらの知見は、各種のPI3Kアイソフォーム及びmTORを含めてこのカスケードの主要なタンパク質の低分子モジュレーターの開発に強い関心をもたらしている。PIKK(ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ関連キナーゼ)ファミリー内のアデノシン三リン酸(ATP)結合部位の構造相同性は、mTOR及びクラスIのPI3Kのアイソフォームについてさまざまな活性度を有する低分子阻害剤の発見を可能にしてきた[20]。
[0017] さらに、ラパマイシンは、ラパマイシンの機序標的(mTOR)の阻害剤であり、哺乳動物において潜在的な抗老化治療剤としてこれまで最も強い実験的裏付けを有する[21]。
[0018] 加えて、細胞成長の阻害は、癌治療の妥当な目標となるため、mTORを阻害する新薬の設計は、潜在的に治療価値を有するであろう。
[0019] そのため、mTOR阻害剤は、キナーゼ関連の状態又は疾患の治療に有用な改善された薬学的性質を有するさらなる生物学的活性化合物を提供する潜在能力を有する。
[0020] さらに、mTORシグナリング経路の上流又は下流で機能する関連酵素(例えば、PI3K、AKT)の低分子阻害剤の必要性も存在する。
[0021] 化合物5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9H-プリン-6-イル)ピラジン-2-アミン(化合物I、FT1518遊離塩基)は、PCT/SG2010/000474(国際公開第2011078795号)に最初に記載され、いくつかの医学的状態を治療するための医薬活性剤として際立った将来性を示し、そしてこの化合物の臨床開発は、化合物が示す活性プロファイルに基づいて進行中である。
[0022]
Figure 0007223705000001
[0023] 医薬組成物を製剤化するために、医薬活性物質は、商業規模で確実に再生産可能であり且つ医薬活性物質が露出される条件に耐えるのに十分な程度にロバストであり得ることが必要不可欠である。
[0024] さらに、製造の観点から、医薬活性物質の商業製造プロセスでは同一の製造条件が利用されたとき同一の化合物が製造されることがきわめて重要である。
[0025] 加えて、医薬活性物質は、固体形態で存在し且つ製造条件のわずかな変化が製造される医薬活性物質の固体形態の大きい変化をもたらさないことが必要とされる。
[0026] 加えて、医薬活性物質は安定であることが必要とされる。これは、医薬活性成分を組み込むことにより医薬製剤を製造するうえで重要である。医薬活性物質が吸湿性(「固着性」)であり経時により水を吸収する場合、各投与量の物質量が水和度に依存して大幅に変動するであろうことから、医薬活性物質を薬剤として製剤化することが困難になる。さらに、水和又は固体形態(「多型」)の変動は、物理化学的性質を変化させる可能性がある。
[0027] まとめると、医薬製剤では、医薬活性剤の化学的安定性、固体状態安定性及び「貯蔵寿命」は、非常に重要な因子である。医薬活性剤及びそれを含有するいずれの製剤も、その活性、含湿量、溶解特性、固体形態などの物理化学的特性の変化をなんら呈することなく、評価可能な期間にわたり貯蔵可能でなければならないことが望まれる。
[0028] 5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9H-プリン-6-イル)ピラジン-2-アミンとの関連で、初期の研究は、塩酸塩を用いて行われて多型が支配的であることを示唆し、化合物は、製造条件に依存して2つ以上の結晶形態をとることが見いだされた。加えて、製造条件を一定に維持したときでさえも、多型比はバッチ間で変動することが観測された。こうしたバッチ間の非一貫性により、塩酸塩は商業的観点からあまり望ましくないものとなった。
[0029] したがって、以上で確認された問題の1つ以上を克服又は改善する5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9H-プリン-6-イル)ピラジン-2-アミンの塩を開発することが望ましいであろう。
[0030] まとめると、動物及びヒトにおいて広範にわたる癌、血液学的及びリンパ性悪性病変並びに関連する高増殖性障害、免疫学的障害、遺伝子変異障害、炎症、特定の代謝性疾患、心血管疾患、肥満、2型糖尿病、抗老化治療剤、精神障害などの疾患を治療するために使用可能な、mTOR(mTORC1及びmTORC2を含む)及び/又はPI3K及び/又はDNA-PKの5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9H-プリン-6-イル)ピラジン-2-アミン低分子阻害剤の塩を開発する緊急の必要性が当技術分野に存在する。
発明の概要
[0031] 模範的態様によれば、本発明は、キナーゼ阻害剤として有用なアミノピラジンプリン化合物を開示する。より特定的には、本発明は、薬学的に許容可能な塩を含めて5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9H-プリン-6-イル)ピラジン-2-アミン化合物、調製方法、こうした化合物を含有する医薬組成物並びにホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K/AKT)、哺乳動物ラパマイシン標的(mTOR)、DNA-PK及びATMキナーゼのモジュレーションにおけるこうした化合物の使用に関し、腫瘍、癌、血液学的及びリンパ性悪性病変をはじめとするいくつかの増殖性の状態又は障害、免疫学的障害及び遺伝子変異障害、炎症、特定の代謝性疾患、心血管疾患、肥満、2型糖尿病並びに精神障害を治療するために治療剤又は診断プローブとして及び老化プロセスのレギュレーションとして使用し得る。
[0032] 一実施形態では、本発明は、化合物5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9H-プリン-6-イル)ピラジン-2-アミン(FT1518遊離塩基、初期前駆体)のオキサレート及びエシレートを開示する。
[0033] 模範的態様によれば、本発明は、FT-1518の塩形成親和性/傾向を評価するために酸性カウンターイオンを用いて探究した各種の塩スクリーニング実験に対処する。
[0034] さらなる模範的態様によれば、本発明は、塩形成に対処し、主にPXRD及びプロトンNMRにより確認した。塩スクリーニング試験の結果及び観測から、トシレート、アジペート、メシレート、マレート、フタレート、フマレート、スクシネート、オキサレート、マレエート、ニトレート、タルタレート、マロネート、カンファースルホネート、エシレート、ベシレート、スルフェート及び塩酸塩の形成の実現可能性があることが示された。エシレート、ベシレート、HCl、スルホネート、ニトレートなどの塩の調製は、通常の溶媒(ここではテトラヒドロフラン)からの沈殿を用いて行うことが可能である。確認された残りの塩の調製は、通常の溶媒(アセトン)で溶媒蒸発(低速)により調製可能である。
[0035] 一実施形態では、本発明は、塩を完全に特徴付けるために、10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH6.8)への塩の溶解性及び%純度(HPLC)、結晶性(PXRD)、プロトンNMR、吸湿性及び偽多型傾向(動的蒸気収着)、融点及び熱的イベント(DSC)、最大150℃までの融点(TGA)までの%重量損失に対処する。すべての塩の特徴付けをこうして編集して、多型スクリーニング及び安定性試験の一次塩選択に使用した。
[0036] 一実施形態では、本発明は、FT-1518のエシレート及びオキサレートの多型スクリーニングにより実験で同定される新たな物理的形態がほとんど存在しないことが確認された、選択された塩(エシレート塩及びオキサレート塩)の物理的形態スクリーニングを開示する。
[0037] 特定の一実施形態では、FT-1518エシレートは、形態1、形態2及び形態3の3つの形態を主に形成した。安定性試験に基づいて、FT-1518エシレートの形態1は、最も一般的に存在する物理的形態として確認可能である。形態2は、エタノールを除く溶媒(エチルアセテート及びDCM)から得られ、形態3は、熱及び40℃/75%RHの湿度に7日間晒したとき形態1の初期塩形態に戻った。エタノール中における冷却結晶化から得られた形態2のみは、安定性試験後、同一状態を維持した。
[0038] 追加的な一実施形態では、許容可能な塩を含有する医薬活性組成物は、5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9Hプリン-6-イル)ピラジン-2-アミンの既存の塩酸塩形態に伴う非一貫性がその活性、含湿量、溶解特性、固体形態などから排除されて、物理化学的特性の変化を呈することのない医薬活性剤の化学的安定性、固体状態安定性、「貯蔵寿命」などを有している。
[0039] 特定の一実施形態では、塩の有効性に関する薬動学的試験は、雄スプラーグドーリー(SD)ラット及び雄Balb/cマウスにおけるFT1518(塩基)、FT1518-エシレート塩及びFT1518-オキサレート塩の細胞傷害性、ミクロソーム安定性、Caco-2透過性、血漿タンパク質結合性、静脈内及び経口の薬動学的プロファイル、癌細胞系におけるFT1518の抗増殖活性を調べることにより、インビボ及びインビトロで行われる。
[0040] さらに他の一実施形態では、乳癌(MCF-7)、結腸癌(HCT-16)及び前立腺癌(PC-3)の細胞において細胞成長の強力な阻害剤として見いだされた5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9Hプリン-6-イル)ピラジン-2-アミンのエシレート形態を塩基形態及びオキサレート塩形態と比較した。
[0041] 追加的な実施形態では、5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9Hプリン-6-イル)ピラジン-2-アミン及びその好ましい塩形態は、細菌復帰突然変異アッセイに合致し、且つFT1518の塩基及び塩形態は、ヒト、ラット及びイヌのミクロソームにおいて安定性を示す。
[0042] さらに他の一実施形態では、FT-1518オキサレート塩を同定し、形態A、形態B、形態C及び形態Dと称される4つの物理的形態として単離した。これらの形態の多くは、安定性試験時、熱及び40℃/75%RHの湿度に7日間暴露したとき形態Aの初期塩形態に戻った。エチルアセテート:水(9:1)スラリーから得られた形態Dのみは、この期間中、同一状態を維持した。
[0043] さらに他の一実施形態では、FT1518のエシレート塩及びオキサレート塩の好適な物理的形態を選択した。
[0044] 両方の塩の各種の物理的形態の安定性試験並びに両方の塩(FT-1518のエシレート及びオキサレート)の物理的形態のさまざまな極性(非極性から極性までに及ぶ)の溶媒中における各種の結晶化プロセスに基づいて、エシレートの形態1(パターン1)及びオキサレートの形態Aが最も多く生じ且つ安定な形態であると思われた。
[0045] いくつかの実施形態では、塩は結晶性である。
[0046] いくつかの実施形態では、塩は、1:1.125エシレート塩(薬剤:カウンターイオンの比)である。
[0047] いくつかの実施形態では、塩は、1:1.125オキサレート塩(薬剤:カウンターイオンの比)である。
[0048] いくつかの実施形態では、エシレート塩は、2θスケール値でクリアなX線回折ピークも示した。
[0049] いくつかの実施形態では、エシレート塩試験の1H NMR(THFを用いた)は、2.111、1.998及び1.981に主ピークを示した。
[0050] いくつかの実施形態では、オキサレート塩は、2θスケール値でクリアなX線回折ピークも示した。
[0051] いくつかの実施形態では、オキサレート塩試験の1H NMR(THFを用いた)は、2.0085に主ピークを示した。
[0052] さらに他の一実施形態では、FT-1518エシレートすなわちFT-1518エシレート塩のPXRDは、特徴的な回折パターンを示した。DSCサーモグラムは、100℃未満でわずかにブロードな吸熱を示し(再結晶化後の残留溶媒でのみ、プロセス進行で除去され得る)、続いて、231及び246℃で2つのシャープな吸熱を示した。TGAは、125℃まで0.915%の重量損失を示したことから、溶媒和物形態でも水和物形態でもないことが示唆される。
Figure 0007223705000002
[0053] さらに他の一実施形態では、FT-1518オキサレートすなわちFT-1518オキサレート塩のPXRDは、エシレート塩のものとは異なる特徴的な回折パターンを示した。DSCサーモグラムは、約117℃で1つの吸熱を示し、続いて、吸熱を示唆する分解を示した。TGAデータは、125℃まで加熱したとき約0.44重量%の重量損失を示した。
[0054] 本発明のさらなる模範的態様によれば、FT-1518塩すなわちFT-1518エシレート塩の物理的形態の安定性試験は、多型リスク及び安定性に及ぼすその影響を理解するために実施した実験に基づいて、ごくわずかな多型リスクを示した。Ft-1518オキサレート塩は、各種の結晶化技術を用いて各種の溶媒中で再結晶させたとき、多型又は物理的形態をほとんど示さなかった。しかし、エチルアセテート:水(9:1)スラリー中のみは、40℃/75%RHにおける安定性試験後でさえも新たな物理的形態が存続した。
[0055] 本発明は、以上に記載の塩を含む医薬組成物も提供する。
[0056] 例示的な実施形態では、本発明は、プロテインキナーゼを阻害する方法を記述する。この方法は、プロテインキナーゼ又はその断片若しくは複合体或いはそれらの機能的均等物及び/又はそれらの補因子を有効量のアミノピラジンプリン化合物の薬学的に許容可能な塩に暴露することを含む。
[0057] さらなる例示的実施形態では、本発明は、1つ以上のプロテインキナーゼ又はその断片若しくは複合体或いはそれらの機能的均等物の阻害が、状態の病変又は総体的症状を予防、阻害又は寛解する、哺乳動物における状態を治療又は予防する方法を記述する。この方法は、治療有効量のアミノピラジンプリン化合物の薬学的に許容可能な塩を投与することを含む。
[0058] 一実施形態では、本発明は、状態が、炎症、関節リウマチ、乾癬、アテローム硬化症、結腸炎、炎症性腸疾患、膵炎、多発性硬化症、自己免疫障害、狼瘡、アレルギー性脳脊髄炎、移植拒絶、子宮内膜症、平滑筋腫、多嚢胞性卵巣症候群、過誤腫、結節性硬化症、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、インスリン依存性糖尿病、肥満、糖尿病性網膜症、心臓肥大及び常染色体優性多発性嚢胞腎疾患からなる群から選択される、疾患状態を治療する方法を記述する。
[0059] 本発明のさらに他の模範的な一実施形態は、過増殖疾患が、各種の非限定的な例において、PI3K機序とmTOR機序との組合せモジュレーションが顕著な改善及び治療効果をもたらすであろう癌及び腫瘍、例えば副腎皮質腺腫、副腎皮質癌、神経芽細胞腫、褐色細胞腫、骨腫、類骨骨腫、骨軟骨腫、骨芽細胞腫、内軟骨腫、骨巨細胞腫、動脈瘤様骨嚢腫、線維性骨異形成症、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、線維肉腫、神経膠腫、髄膜腫、下垂体腺腫及び神経鞘腫、好ましくは未分化星状細胞腫、星状細胞腫、中枢性神経細胞腫、脈絡叢癌、脈絡叢乳頭腫、脈絡叢腫瘍、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、上衣腫瘍、線維性星細胞腫、巨細胞膠芽腫、多形膠芽細胞腫(GBM)、大脳神経膠腫症、膠肉腫、血管周囲細胞腫、髄芽腫、髄上皮腫、髄膜癌腫症、神経芽細胞腫、神経細胞腫、乏突起星細胞腫、乏突起神経膠腫、視神経鞘髄膜腫、小児上衣腫、毛様細胞性星細胞腫、松果体芽細胞腫、松果体細胞腫、多形性未分化神経芽細胞腫、多形性黄色星状膠細胞腫、原発性中枢神経系リンパ腫、蝶形骨翼髄膜腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、上衣下腫、三側性網膜芽細胞腫、膵癌、肝癌、乳癌、前立腺癌、精巣、卵巣、腸、胃、子宮、類内膜、頸、咽頭、膀胱、外陰に由来する癌及び腫瘍、血液癌、白血病、リンパ癌、B細胞悪性疾患、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、肺癌、腎癌、頸癌、結腸及び直腸癌、皮膚癌、黒色腫及び各種の他の癌を含む、過増殖疾患を記載する。
[0060] 本発明のさらに他の模範的な一実施形態は、医薬組成物及び塩を記述する。ただし、医薬組成物及び塩は、ヒト、動物及びそのような他の生物における治癒ケア、緩和ケアのために、各種の形態、例えば組合せ、単独、賦形剤、希釈剤、担体、保湿剤、カプセル剤、錠剤、注射剤(静脈内、筋肉、真皮下)、経口剤、外用剤との併用、ポリヌクレオチド、標的化送達のための他の生物剤、粉末剤、懸濁剤、ゲル剤、ヒドロゲル剤、ロゼンジ剤との組合せ、寒冷療法、放射線療法、バインダーとの組合せにおけるものであり得、且つ医薬組成物及び塩は、PI3K及び/又はmTOR経路をモジュレートすることによって制御され得る各種の障害をそれらから取り除くために利用され得る。
[0061] 本発明は、精神障害も記述する。ただし、精神障害は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病及びピック病、認知障害並びに癲癇を含み、炎症性疾患は、過敏性腸症候群、潰瘍性結腸炎、クローン病、関節リウマチ、乾癬を含むが、これらのみに限定されるものではない。
[0062] 本発明のさらに他の模範的な一実施形態は、1つ以上のプロテインキナーゼ又はその断片若しくは複合体或いはそれらの機能的均等物の阻害が状態の病変又は総体的症状を予防、阻害又は寛解する、動物における状態の治療のための医薬の調製における化合物の使用に対処する。
[0063] 他の一実施形態では、本発明は、必要とする患者に治療有効量の本発明の塩を投与することを含む、医学的状態を治療又は予防する方法を提供する。いくつかの実施形態では、医学的状態は、癌及び関連する高増殖性障害、免疫学的障害、炎症、特定の代謝性疾患、心血管疾患、肥満、2型糖尿病、精神障害及び抗老化性である。
[0064] 一実施形態では、本発明は、医学的状態の治療における本発明の塩の使用を提供する。いくつかの実施形態では、医学的状態は、癌及び関連する高増殖性障害、免疫学的障害、炎症、特定の代謝性疾患、心血管疾患、肥満、2型糖尿病及び精神障害である。
[0065] 追加的な一実施形態では、本発明は、医学的状態の治療のための医薬の製造における本発明の塩の使用を提供する。いくつかの実施形態では、医学的状態は、癌及び関連する高増殖性障害、免疫学的障害、炎症、特定の代謝性疾患、心血管疾患、肥満、2型糖尿病及び精神障害である。
[0066] まとめると、本発明は、キナーゼ阻害剤として有用なアミノピラジンプリン化合物に対処する。より特定的には、本発明は、薬学的に許容可能な塩を含めて化合物5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9H-プリン-6-イル)ピラジン-2-アミン(FT1518遊離塩基、初期前駆体)、調製方法、こうした化合物を含有する医薬組成物並びにホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K/AKT)、哺乳動物ラパマイシン標的(mTOR)、DNA-PK及びキナーゼのモジュレーションにおけるこうした化合物の使用に関し、腫瘍、癌をはじめとするいくつかの増殖性の状態又は障害、免疫学的障害、炎症、特定の代謝性疾患、心血管疾患、肥満、2型糖尿病及び精神障害を治療するために治療剤又は診断プローブとして使用し得る。
[0067] 例示を目的として実施例を参照して本発明のいくつかの態様を以下に説明する。しかしながら、具体的な詳細の1つ以上を用いることなく又は他の方法、成分、物質などを用いて本発明を実施可能であることは、当業者であれば分かるであろう。他の場合、本発明の特徴が曖昧にならないように、周知の構造、物質又は操作は詳細に示されない。さらに、記載の特徴/態様は、各種の組合せで実施可能であるが、簡潔にするために、組合せのいくつかのみを本明細書に記載する。
図面の簡単な説明
[0068]図Iは、実施形態に係るN-H…Oを介して結晶格子中に存在する且つN-H…O相互作用を介して1d格子中に延在するFS00067855カチオン…エシレートアニオンを示す。 [0069]図2は、実施形態に係るエシレート塩結晶の結晶格子に組み込まれた水分子の例示的な例を示す。 [0070]図3は、実施形態に係るエシレート塩結晶の水素を含むORTEP構造を示す。 [0071]図4は、実施形態に係るエシレート塩の構造精密化を示す。 [0072]図5は、実施形態に係るN-H…O及びO-H…Oをそれぞれ介して結晶格子中に存在するFS00067855カチオン…オキサレートアニオン及びメタノール溶媒和物を示す。 [0073]図6は、実施形態に係るオキサレート塩の水素を含まないORTEP構造の例示的な例を示す。 [0074]図7は、実施形態に係るオキサレート塩の水素を含むORTEP構造を示す。 [0075]図8は、実施形態に係るオキサレート塩の構造精密化を示す。
[0076] 図中、同じ参照番号は、一般的には、等しい、機能的に類似した及び/又は構造的に類似した要素を表す。要素が最初に現われる図は、対応する参照番号の最も左側の桁により表される。
発明の詳細な説明
[0077] 本開示は、その適用が以下の説明に示される又は図面に例示されるコンポーネントの構成及び配置の詳細に限定されるものではないことを理解すべきである。本開示は、他の実施形態が可能であるとともに各種の方法による実践又は実施が可能である。また、本明細書で用いられる表現及び用語は、説明を目的としたものであり、限定するものとみなされるべきでないことを理解すべきである。
[0078] 本明細書における「包含する」、「含む」又は「有する」及びそれらの変化形の使用は、その後に列挙されたアイテム及びそれらの均等物並びに追加のアイテムを包含することが意図される。本明細書における「1つの(a)」及び「1つの(an)」という用語は、量の限定を表すものではなく、参照されたアイテムの少なくともの1つの存在を表す。さらに、本明細書における「第1」、「第2」、「第3」などの用語の使用は、なんら順序、量、重要性を表すものではなく、1つ1つの要素を互いに識別するために使用される。
[0079] 本明細書で用いられる場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、とくに文脈上明確に規定されない限り、単数及び複数の両方の参照対象を含む。例として、「投与量」とは、1回又は2回以上の投与量を意味する。
[0080] 本明細書で用いられる「含んでいる」、「含む」及び「~で構成される」という用語は、「包含している」、「包含する」又は「含有する」、「含有している」と同義であるとともに、包括的又はオープンエンドであり、追加の列挙されなかったメンバー、要素又は方法工程を除外するものではない。
[0081] 本明細書で引用された文献は、すべてそれらの全体が本出願をもって参照により組み込まれる。特定的には、本明細書で具体的に参照された文献は、すべてそれらの教示が参照により組み込まれる。
[0082] 添付の図面を参照して本発明の実施形態例を説明する。
[0083] 図中、同じ参照番号は、一般的には、等しい、機能的に類似した及び/又は構造的に類似した要素を表す。要素が最初に現われる図は、対応する参照番号の最も左側の桁により表される。
[0084] 定義
[0085] 以下の用語は、とくに指定がない限り、本出願全体を通じて以下に定義されるように用いられる。
[0086] 「腫瘍」又は「腫瘍組織」という用語は、無制御な細胞分裂から生じる異常組織塊を意味する。腫瘍又は腫瘍組織は、異常な成長性を有して機能的生体機能を有していない新生物細胞である「腫瘍細胞」を含む。腫瘍、腫瘍細胞及び腫瘍組織は、良性又は悪性であり得る。
[0087] 「示差的に存在する」という語句は、対照被験者と比較して患者から採取されたサンプル中に存在するマーカーの量の差を意味する。バイオマーカーは、頻度、量又はその両方が示差的に存在し得る。
[0088] 「診断」とは、病理学的状態を同定することを意味する。
[0089] 「検出」、「検出する」などという用語は、マーカー又はバイオマーカーの検出との関連で用いられ得る。
[0090] マーカーの「試験量」とは、試験されるサンプル中に存在するマーカーの量を意味する。試験量は、絶対量(例えば、μg/ml)又は相対量(例えば、シグナルの相対強度)のどちらかであり得る。
[0091] 「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」という用語は、本明細書では同義的に用いられ、アミノ酸残基のポリマーを意味する。「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は、例えば、炭水化物残基の付加により糖タンパク質を形成するように、修飾可能である。
[0092] 「被験者」、「患者」又は「個体」という用語は、一般に、ヒト又は哺乳動物を意味する。「サンプル」とは、ポリヌクレオチド、抗体フラグメント、ポリペプチド、ペプチド、ゲノムDNA、RNA又はcDNA、ポリペプチド、細胞、組織及びそれらの誘導体を意味するとともに、体液若しくは可溶性細胞調製物若しくは培養培地、染色体、オルガネラ又は細胞から単離若しくは抽出された細胞膜を含み得る。
[0093] 本明細書で用いられる場合、「薬学的に許容可能な塩」とは、以上に規定された化合物の所望の生物学的活性を保持する塩を意味し、薬学的に許容可能な酸付加塩及び塩基付加塩を含む。式(I)の化合物の好適な薬学的に許容可能な酸付加塩は、無機酸又は有機酸から調製し得る。例えば、無機酸は、塩酸、硫酸及びリン酸である。適切な有機酸は、脂肪族、環式脂肪族、芳香族、ヘテロ環式のカルボン酸及びスルホン酸のクラスの有機酸から選択し得るとともに、その例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸である[22]。固体の作用剤の場合、本発明の化合物、作用剤及び塩は、異なる結晶形態又は多型形態で存在し得ると当業者に理解され、それらは、すべて本発明の範囲及び特定された式に含まれることが意図される。
[0094] 本明細書で用いられる場合、「プロドラッグ」とは、通常は代謝的手段により(例えば、加水分解、還元又は酸化により)、生体系内で変換を受ける化合物を意味する。例えば、ヒドロキシル基を含有する式(I)の化合物のエステルプロドラッグは、インビボで加水分解により親分子に変換され得る[23][24]。
[0095] 本明細書で用いられる場合、「治療有効量」又は「有効量」とは、有益な又は所望の臨床結果を得るのに十分な量のことである。有効量は、1回以上の投与で投与可能である。有効量は、典型的には、疾患状態の進行を寛解、安定化、逆転、緩和、減速又は遅延するのに十分な量である。
[0096] 本明細書で用いられる場合、「機能的均等物」とは、本明細書に記載の特異的タンパク質キナーゼ種の変異体を意味する。さらに、キナーゼは、所与のキナーゼアイソフォームの一次、二次、三次又は四次の構造が原型キナーゼとは異なるが、分子がプロテインキナーゼとしての生物学的活性を維持するように、アイソフォームを有し得る。アイソフォームは、集団内の通常の対立遺伝子変異から生じ得るとともに、アミノ酸の置換、付加、トランケーション、欠失、重複などの突然変異を含み得る。加えて、「機能的均等物」は、転写レベルで発生する変異体も含み得る。他の機能的均等物には、変化した翻訳後修飾を有するキナーゼが含まれ得る。
[0097] ヒト又は動物への前記化合物の投与は、経口投与又は直腸投与などの腸内投与として承認されたモードのいずれかによるもの又は皮下、筋肉内、静脈内、真皮内の経路などの非経口投与によるものであり得る。注射は、ボーラスであり得るか、定常注入若しくは間欠注入によるものであり得る。活性化合物は、治療有効用量を患者に送達するのに十分な量で薬学的に許容可能な担体又は希釈剤に含まれる。
[0098] 化合物は、化合物を生物学的に利用可能になるようにするいずれかの形態又はモードで投与可能である。製剤調製の技術分野の当業者であれば、選択された化合物の特定の特徴、治療される状態のステージ、治療される状態及び他の関連状況に依存して、適正な投与形態及び投与モードを容易に選択可能である。
[0099] 本開示は、医薬組成物の1つ以上の成分が充填された1つ以上の容器を含む医薬パック又はキットも提供する。かかるパック又はキットでは、単位投与量又はそれ以上の投与量の薬学的に許容可能な化合物を有する容器を見いだし得る。キットは、濃厚剤(凍結乾燥組成物を含む)として使用前に濃厚剤をさらに希釈可能であるか又は使用濃度で提供可能であるかのどちらかで有効投与量の化合物を含む組成物を含み得るとともに、バイアルには1回以上の投与量が含まれ得る。さらに、キットの場合、バイアルが所要の量及び濃度の化合物を有するものとして、医師がバイアルを直接利用できるように、単回投与量を無菌バイアルに提供可能である。加えて、かかる容器と共に、使用のための取扱説明書などの文書又は医薬品若しくは生物学的製品の製造、使用若しくは販売を規制する政府機関により指定された注意書きが含まれ得る。この注意書きは、ヒト又は動物に投与するための製造、使用又は販売が監督官庁により承認されたことを反映したものである。
[00100] 化合物は、上述した障害/疾患を治療するための1つ以上の追加の薬剤との組合せで使用又は投与し得る。成分は、同一の製剤又は異なる製剤で投与可能である。異なる製剤で投与する場合、化合物は、他の薬剤と逐次的に又は同時に投与し得る。1つ以上の追加の薬剤との組合せで投与する場合、化合物は、組合せ療法で使用し得る。したがって、1つ以上の化合物は、所望の効果を提供するように、同時(組合せ製剤として)又は逐次的のどちらかで投与し得る。各化合物の治療効果が異なり且つ2つの薬剤の組合せ効果が改善された治療結果を提供する場合、このことはとくに望ましい。
[00101] 非経口注射に供される本教示の医薬組成物は、薬学的に許容可能な無菌の水性又は非水性の溶液剤、ディスパージョン剤、サスペンジョン剤又はエマルジョン剤及び使用直前に無菌の注射のための溶液剤又はディスパージョン剤に再構成される無菌粉末剤を含む。例えば、好適な水性及び非水性の担体、希釈剤、溶媒又は媒体としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、プロピレン、グリコール、グリセロール、ポリエチレングリコールなど)及びそれらの好適な混合物並びに植物油及び注射のための有機エステル、例えばエチルオレエートが挙げられる。医薬組成物の適正な流動性は、コーティング材料(例えば、レシチン)を用いることにより、ディスパージョン剤の場合には所要の粒子サイズを維持することにより及び界面活性剤を用いることにより、維持可能である。
[00102] これらの組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤などの補助剤も含有し得る。微生物の作用の防止は、各種の抗細菌剤及び抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸など)を組み込むことにより確保し得る。糖、塩化ナトリウムなどの等張化剤を含むことが望ましいこともある。注射のための医薬形態の長期間にわたる吸収は、アルミニウムモノステアレート及びゼラチンなどの吸収を遅延する作用剤を組み込むことにより引き起こし得る。
[00103] より有効な分布を得るために、所要により、ポリマーマトリックス、リポソーム、ナノ粒子、マイクロスフェアなどの化合物を低速放出系又は標的化送達系に組み込むことが可能である。
[00104] 注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターに通して濾過することにより、又は使用直前に無菌水若しくは他の無菌注射用媒体に溶解可能若しくは分散可能な無菌固形組成物の形態で滅菌剤を組み込むことにより、滅菌可能である。
[00105] 経口投与に供される固体製剤としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末剤及び顆粒剤が挙げられる。かかる固形製剤では、活性化合物は、少なくとも1つの不活性な薬学的に許容可能な賦形剤又は担体、例えばクエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウム、及び/又はa)充填剤又は増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及びケイ酸、b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、アカシアなど、c)保湿剤、例えばグリセロール、d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン又はタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩及び炭酸ナトリウム、e)溶解遅延剤、例えばパラフィン、f)吸収促進剤、例えば第4級アンモニウム化合物、g)湿潤剤、例えばセチルアルコール及びグリセロールモノステアレートなど、h)吸収剤、例えばカオリン及びベントナイトクレー、及びi)滑沢剤、例えばタルク、カルシウムステアレート、マグネシウムステアレート、固体ポリエチレングリコール、ナトリウムラウリルスルフェート及びそれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、製剤は緩衝剤も含み得る。
[00106] また、ラクトース又は乳糖及び高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて、軟質及び硬質の充填ゼラチンカプセル中の充填剤として、類似のタイプの固体組成物を利用し得る。
[00107] 固形製剤の錠剤、糖衣剤、カプセル剤、丸剤及び顆粒剤は、腸溶コーティング及び医薬製剤化技術分野で周知の他のコーティングなどのコーティング及びシェルを用いて調製可能である。それらは任意選択的に不透明化剤を含有し得るとともに、活性成分のみを放出する組成物であり得るか、又は優先的には、特定の腸管部分で、任意選択的に遅延方式であり得る。
[00108] 経口投与に供される液状投与製剤としては、薬学的に許容可能なエマルジョン剤、溶液剤、サスペンジョン剤、シロップ剤及びエリキシル剤が挙げられる。活性化合物に加えて、液状投与製剤は、当技術分野で通常使用される不活性希釈剤、例えば水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(とくに、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、カスター油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル並びにそれらの混合物を含有し得る。
[00109] 不活性希釈剤以外に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、風味剤、香気剤などの補助剤も含み得る。
[00110] サスペンジョン剤は、活性化合物に加えて、懸濁化剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、マイクロ結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天及びトラガカント並びにそれらの混合物を含有し得る。
[00111] 直腸投与又は膣投与に供される組成物は、好ましくは、本発明の化合物と、室温では固体であるが体温では液体であり、したがって、直腸内又は膣腔内では融解して活性化合物を放出する、ココア脂、ポリエチレングリコール、坐剤ワックスなどの好適な非刺激性賦形剤又は担体と、を混合することにより調製可能な坐剤である。
[00112] 局所投与に供される本発明の化合物の製剤としては、粉末剤、パッチ剤、スプレー剤、軟膏剤及び吸入剤が挙げられる。活性化合物は、薬学的に許容可能な担体及び必要とされ得るいずれかの所要の保存剤、緩衝剤又は噴射剤と無菌条件下で混合される。
[00113] 投与される化合物の量は、好ましくは、状態を治療及び低減又は軽減するであろう。治療有効量は、従来技術を用いて及び類似の状況下で得られた結果を調べて担当診断医により容易に決定可能である。治療有効量を決定する場合、限定されるものではないが、動物種、その大きさ、年齢及び健康状態、関与する特定の状態、状態の重症度、治療に対する患者の反応、投与される特定の化合物、投与モード、投与される調製物の生物学的利用率、選択される用量レジーム、他の投薬の使用及び他の関連する状況を含めて、いくつかの因子を考慮すべきである。
実験実施形態:
[00115] 化合物FT-1518は、本質的に結晶性であり、通常の室温条件で非吸湿性であることが分かった。この薬剤物質の結晶形態は、各種の方法を用いて塩スクリーニング試験に付してから塩形成を確認して評価した。
[00116] 化合物は、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、エタノール、ジクロロメタン、メタノール、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、イソプロピルアルコールに易溶であり、エチルアセテート、アセトニトリル、トルエン及びイソプロピルアセテート、0.11N HClに可溶であり、メチル第3級ブチルエーテルに難溶であり、且つジエチルエーテル、n-ヘキサン、n-ヘプタン及び精製水に不溶である。
[00117] 塩スクリーニングを実施するために、約1.70及び4.07の化合物のpKa(塩基)値に基づいて、酸カウンターイオンを選択した。塩の各種のスクリーニング方法、例えば沈殿、溶媒蒸発及び貧溶媒沈殿の技術に基づいて、多くの実験を行った。塩形成は、粉末XRD及びプロトンNMRなどの分析技術を用いて確認した。塩スクリーニング試験の結果及び観測から、トシレート、
アジペート、メシレート、マレート、フタレート、フマレート、スクシネート、オキサレート、マレイン化する、ニトレート、タルタレート、マロネート、カンファースルホネート、エシレート、ベシレート、スルフェート及び塩酸塩の形成の可能性が確認された。
[00118] pH6.8緩衝液への溶解性に基づいて、オキサレート、メシレート、エシレート及びマレエートの塩をさらなる評価の対象とする。ショートリスト化されたFT-1518塩の何倍にも改善された溶解性及び2%w/v水性溶液のpHに基づいて、物理的形態及び形態選択のさらなるスクリーニングのためにFT-1518のエシレート塩及びオキサレート塩を選択した。エシレート塩及びオキサレート塩の間で、物理化学的及び薬動学的性質に基づいて塩の1つを選択する(すでにFTGにより行った)。
[00119] FT-1518のエシレート塩及びオキサレート塩は、本質的に結晶性であり、周囲条件で非吸湿性であることが分かった。これらの塩の結晶形態は、物理的形態スクリーニングのために各種の結晶化条件及び溶液媒介条件を利用する物理的形態スクリーニング試験に付してから、これらの実験中のなんらかの物理的形態変化を調べて評価した。
[00120] FT-1518のエシレート及びオキサレートの多型スクリーニングにより、新たな物理的形態の存在を同定した。同定された塩は、有機溶媒と比較して水性媒体へのより高い溶解性を示した。
[00121] FT-1518エシレート塩は、再結晶化に利用した溶媒の大多数で形態1(帰属された)の存在を示した。形態1は、THF、アセトン、エタノール、アセトニトリル、メタノール、THF:水(9:1)からの溶媒蒸発時に溶媒中で、THF、トルエン及びTHF:トルエン(1:1)のスラリー実験で形成された。それは、形態2及び形態3の2つの他の形態でも存在した。形態2は、エチルアセテート(25℃及び40℃のスラリー)、ジクロロメタン及びエタノール(冷却結晶化)で得られた。これに対して、形態3は、メタノール(冷却結晶化)で得られた。安定性試験に基づいて、FT-1518エシレートの形態1は、最も一般的に生じる物理的形態として結論付けられる一方、形態2、3は、7日間にわたり熱及び湿度(40℃/75%RH)に暴露したとき初期塩形態1に戻った。エタノール中における冷却結晶化から得られた形態2は、安定性試験後、同一状態を維持した。
[00122] FT-1518オキサレート塩を同定し、形態A、形態B、形態C及び形態Dと称される4つの物理的形態として単離した。FT-1518オキサレートは、各種の方法を用いた再結晶化で溶媒の大多数で形態Aを示した。形態Aは、溶媒蒸発(低速)法を用いてアセトン、アセトニトリル、エタノール及びTHF中で化合物の再結晶化を行ったとき、単離された。スラリー法を用いてエチルアセテート及びn-ヘキサン中において;冷却結晶化を用いてアセトニトリル及びテトラヒドロフラン中において、形態Bは、溶媒蒸発法を用いて1,4-ジオキサン中で再結晶化したときにのみ単離されたにすぎない。形態Cは、溶媒蒸発及び冷却結晶化の両方の技術でメタノール中でのみ単離された。形態Dは、エチルアセテート及び水(9:1)のスラリー法でのみ単離された。エチルアセテート:水(9:1)スラリーから得られた形態Dを除くすべての形態は、安定性試験中に40℃/75%RHの熱及び湿度に7日間暴露したとき、形態Aに戻った。
[00123] 特徴付け法
[00124] TGA(メーカー:TA Instruments、モデル:Q5000)による熱分析
熱重量分析(TGA)は、TA Instruments Q500装置で行った。約5~10mgのサンプルサイズを標準的アルミニウムパンで使用した。25mL/minの乾燥窒素下で周囲温度から300℃まで10℃/minでサンプルを加熱した。
[00125] DSC(メーカー:TA Instruments、モデル:Q2000)による熱分析
示差走査熱量測定(DSC)分析は、TA Instruments Q2000装置で行った。約3~5mgのサンプルサイズを標準的アルミニウムDSCパンに秤取し、ピンホールを有するパンをハーメチックシールした。50mL/minの乾燥窒素下で周囲温度から300℃まで10℃/minでサンプルを加熱した。揮発性液体又はガスに起因して擾乱が起こる場合、オープンパン分析を行う。
[00126] pXRD(メーカー:Bruker、モデル:D8 Advance)
X線粉末回折データは、90ポジションオートチェンジャー回転サンプルステージ及びLYNXEYE検出器を備えたBruker D8 Advance diffractometerを用いて得た。照射線は、電圧及び電流がそれぞれ40kV及び40mAのCuKα(1.5418Å)であった。データは、室温で2.000°~40.00°の2θで収集し、ステップサイズは0.02°及びステップ時間は0.2sであった。回折ビームは、プログラマブル発散(0.3°)0.23ソーラースリット及び散乱防止(3.96°)スリット及び0.02mmニッケルフィルターを備えていた。サンプルは、ゼロバックグラウンドサンプルホルダー上で調製し、ステージは、15回転/分の回転時間で回転させた。
[00127] HPLCによる溶解性決定及び化学純度決定
溶解性及び化学純度を決定するために、以下に与えられたパラメーターをFT-1518及びその塩のHPLC分析に使用した。
[00128]
Figure 0007223705000003
[00129] 動的/重量測定蒸気収着(DVS)分析
収着等温線は、TA instruments製のVTI-SA+-湿分収着アナライザーを用いて得た。サンプル温度は、装置コントロールにより25℃に保持した。湿度は、200mL/分の全流量で乾燥窒素ストリームと湿潤窒素ストリームとを混合することにより制御した。サンプルの重量変化は、%RHの関数としてマイクロバランスにより絶えずモニターした。
[00130] 典型的には、5~20mgのサンプルを周囲条件下で風袋測定済みメッシュステンレス鋼バスケットに秤取した。サンプルは、40%RH及び25℃でロード及びアンロードさせた。湿分収着等温線は概説したように得た。標準等温線は、25℃で0~90%RHの範囲にわたり10%RHのインターバルで得た。サンプルは、周囲室内条件から0%RHまで40℃で乾燥させた。
[00131] 特徴付け
[00132] 結晶形態の特徴付け
[00133] 結晶性薬剤物質FT1518の固体状態の性質は、pXRD、DSC、TGA、収着-脱着等温線、質量スペクトル+ESIスキャンモード)、FT-1518の1H-NMR(DMSO-D6中)を用いて調べた。質量スペクトル+ESIスキャンモード)、FT-1518の1H-NMR(DMSO-D6中)の結果は、それぞれグラフ1及び2に示される。
[00134] 評価された薬剤FT-1518物質の初期パラメーターは表1に示される。
[00135]
Figure 0007223705000004
[00136] 各種の媒体へのFT-1518の定性的溶解性
2mg量のAPIをガラスバイアルに入れて、透明溶液が得られるまでボルテックスしながら溶媒を少量ずつ添加した(室温で又は50~60℃に加熱して)。各種の溶媒への薬剤物質のおよその定性的溶解性を表2にまとめる。
[00137]
Figure 0007223705000005
[00138] 塩スクリーニング
[00139] カウンターイオンの選択
定量的溶解性データに基づいて、化合物は、精製水に実際上不溶であり、且つ有機溶媒に可溶であることが分かった。酸カウンターイオンは、弱塩基pKa値1.70及び4.07(予測値0.43及び4.07)が理由で選択された。酸カウンターイオンは、FT1518化合物の塩形成傾向をスクリーニングするために選択された。理論上、化合物の塩基pKa値よりも2単位低いpKa値のカウンターイオンが塩形成に理想的である。(表3)
[00140]
Figure 0007223705000006
[00141] 塩実現可能性試験
薬剤及びカウンターイオンが可溶と思われる通常の溶媒法を最適化して、塩スクリーニングを実施した。したがって、カウンターイオンの定性的溶解性もいくつかの溶媒で実施した。塩スクリーニング実験時に溶液を調製するために、化学量論的に薬剤とカウンターイオンとの比1:1.125を選択した。(表4)
[00142]
Figure 0007223705000007
[00143] それぞれのカウンターイオンで塩形成の実現可能性の推定を行うために、塩スクリーニングを行う前に各種のカウンターイオン溶液でFT-1518の溶解性をチェックした。
[00144]
Figure 0007223705000008
[00145] 通常の溶媒/溶媒混合物の条件を用いて、溶液からの塩の冷却結晶化、溶媒蒸発(低速)、貧溶媒沈殿、沈殿のような各種の塩形成法を各種の組合せで実施した。
[00146] 塩スクリーニング試験
ほとんどの場合、通常の溶媒技術を使用した。薬剤及びカウンターイオンが個別に溶解可能な通常の溶媒系を選択した。
[00147] わずかな塩スクリーニング試験では、貧溶媒沈殿法及びイオン交換法も評価した。
[00148] 薬剤(約30mg)を好適量の有機溶媒及びカウンターイオン溶液に溶解させた通常の方法を追加した。次いで、50℃~60℃に数分間加熱し、そして室温に平衡化させることにより、溶液からの結晶化又は沈殿によりなんらかの塩形成が起こるかを観測した。
[00149] スクリーニングされた塩の初期ショートリスト化
調製された塩は、溶解性、2%w/v水性溶液のpH、化学的及び物理的安定性のような性質に基づいてショートリスト化した。
[00150] 初期に、形成された塩の平衡溶解性及び化学的%純度は、HPLCを用いてpH6.8の0.01Mリン酸緩衝液(リン酸二水素カリウム緩衝液)中で決定した。(表6)
[00151]
Figure 0007223705000009
[00152] 溶解性に基づいて、何倍もの又は著しい溶解性の増加を示した塩の優先度は、以下に与えられる通りであった。
エシレート>スルフェート>オキサレート>タルタレート>カンファースルホネート>メシレート>ベシレート>フマレート>マレエート>マロネート
溶解性に基づいてショートリスト化された塩を開放条件で40℃/75%RHに7日間維持し、次いで、HPLCによる%純度、PXRD(物理的形態のリスクを理解するために)及び2%w/v水性分散液/溶液のpHに関して分析した。(表7)
[00153]
Figure 0007223705000010
[00154] ショートリスト化された塩のまとめ:
安定性及び溶解性に基づいて、
エシレート>スルフェート>オキサレート>カンファースルホネート>メシレート>ベシレートが塩選択に最適な順序であろう。
pH観測に基づく優先順
オキサレート>カンファースルホネート>ベシレート>メシレート>エシレート>スルフェート
全体的な優先度:
オキサレート>エシレート>カンファースルホネート>メシレート=ベシレート
[00155] エシレート塩試験
[00156]
Figure 0007223705000011
[00157] エシレート塩試験のまとめ
テトラヒドロフランから沈殿させたとき、グラフ3、4及び5でpXRD及び1H NMRからエシレート塩が確認された。
[00158] オキサレート塩試験
[00159]
Figure 0007223705000012
[00160] オキサレート塩試験のまとめ
メタノール及びIPAから再結晶させたとき、pXRD及び1H NMRからオキサレート塩が確認された。グラフ6、7、8及び9。
[00161] 選択された塩の物理的形態スクリーニング
塩の選択及び物理的形態スクリーニングを進めてさらなる開発を行うために、FT-1518のエシレート塩及びオキサレート塩をスクリーニングした。
[00162] FT-1518のエシレート塩及びオキサレート塩の初期特徴付け
[00163] FT-1518エシレートの特徴付け
pXRD、DSC及びTGAを用いてアモルファス薬剤物質FT-1518の固体状態の性質を調べた。その結果をそれぞれエシレート塩についてグラフ10、11及び12に、オキサレート塩についてグラフ13、14及び15に示す。
[00164] 初期特徴付けのまとめ:
[00165] FT-1518エシレート:FT-1518エシレート塩のPXRDは、特徴的な回折パターンを示した。DSCサーモグラムは、100℃未満でわずかにブロードな吸熱を示し(再結晶化後の残留溶媒でのみ、プロセス進行で除去され得る)、続いて、231及び246℃で2つのシャープな吸熱を示した。TGAは、125℃まで0.915%の重量損失を示したことから、溶媒和物形態でも水和物形態でもないことが示唆される。
[00166] FT-1518オキサレート:FT-1518オキサレート塩のPXRDは、エシレート塩のものとは異なる特徴的な回折パターンを示した。DSCサーモグラムは、約117℃で1つの吸熱を示し、続いて、吸熱を示唆する分解を示した。TGAデータは、125℃まで加熱したとき約0.44重量%の重量損失を示した。
[00167] FT-1518の遊離塩基、エシレート及びオキサレートの溶解性
[00168] 定性的溶解性:
[00169] 秤量された量のAPIをガラスバイアルに入れて、透明溶液が得られるまでボルテックスしながら溶媒を少量ずつ添加した(室温で又は50~60℃に加熱して)。各種の溶媒へのFT-1518の遊離塩基、エシレート塩及びオキサレート塩のおよその速度論的溶解性をそれぞれ表10、11及び12にまとめる。
[00170]
Figure 0007223705000013
[00171]
Figure 0007223705000014
[00172]
Figure 0007223705000015
[00173] FT-1518の塩及び遊離塩基のpH対溶解性研究:
体積2mLの緩衝液(pH1.2~7.4の範囲内)及び精製水において、化合物が溶媒にさらに溶解せずに、且つ化合物が溶液中に非溶解又は過剰な状態で残留するようになるまで、化合物(遊離塩基又はエシレート又はオキサレートのどれか)を漸増的に添加した。サンプルを周囲室温に一晩保持して飽和/平衡化させた。ディスパージョンを0.45μmPVDF又はナイロンのメンブレンフィルターに通して濾過し、各種の緩衝液及び精製水への化合物の溶解性を決定するためにRP-HPLCを用いて濾液を分析した。
[00174]
Figure 0007223705000016
[00175] FT-1518エシレートの物理的形態スクリーニング試験
[00176] FT-1518エシレートの冷却結晶化
秤量された量の薬剤物質を50~55℃で加熱することにより少量(APIを可溶化するのに十分な体積)の溶媒に溶解させた。得られた透明溶液を冷蔵条件の蒸発に維持した。冷却結晶化を実施した実験条件を表14に挙げる。
[00177]
Figure 0007223705000017
[00178] 冷却結晶化実験による物理的形態スクリーニングサンプルのPXRD、TGA及びDSCの結果のオーバーレイをグラフ17~22に示す。(表15)
[00179]
Figure 0007223705000018
[00180] 冷却結晶化によるFT-1518エシレートの多型スクリーニングのまとめ:
エタノール及びDCMの結晶化サンプルで新たな形態が得られた。メタノール結晶化サンプルのDSCに基づいて、より高い単一融点を有する形態がメタノール中においてFT-1518のエシレートの最も安定な形態で結晶化され得ると結論付けられた。
[00181] FT-1518エシレートの溶媒蒸発スクリーニング
[00182] 化合物を50~55℃で加熱することにより各種の溶媒に溶解させて溶液を調製した。次いで、ホットプレート上で50℃において加熱して溶媒を蒸発させることにより溶液を濃縮し、全溶媒が蒸発するか又は濃縮に伴って再結晶化が起こるまで室温で放置した。実験の詳細は表16及び17に挙げられる。PXRD、DSC及びTGAの結果のオーバーレイは、それぞれグラフ23~33に示される。
[00183]
Figure 0007223705000019
[00184]
Figure 0007223705000020
[00185] 溶媒蒸発によるFT-1518エシレートの多型スクリーニングのまとめ:
DCMを除く各種の溶媒では研究時に多型の変化は観測されなかった。そのため、得られた残渣は、すべてこれらの実験で安定な形態であり得る。DCMサンプルではピークのわずかな変化が観測された。
[00186] FT-1518エシレートのスラリー変換実験
水性媒体及び溶媒:水二成分混合物の溶媒を用いて、塩の水和物及び溶媒和物の形成傾向を評価した。薬剤物質を水とテトラヒドロフランとの二成分混合物の溶媒に分散させ、過剰量の薬剤物質と共にボトル回転装置を用いて7日間にわたり25℃及び40℃でスラリー変換に付した。
[00187] 実施した実験を表18に列挙した。室温及び40℃で固体をサスペンジョンから単離し、空気乾燥させ、そしてDSC、TGA及びpXRDにより分析した。オーバーレイは、それぞれグラフ34~44に示され、表1にまとめられている。
[00188]
Figure 0007223705000021
[00189]
Figure 0007223705000022
[00190] FT-1518エシレートの偽多型形態スクリーニングのまとめ:
25℃のスラリー:各種のスラリーの研究時に多型の変化は観測されなかった。そのため、得られた残渣は、すべてこれらの実験で安定な形態であり得る。
40℃のスラリー:各種のスラリーの研究時に多型の変化は観測されなかった。エチルアセテートではスラリー中に新たな形態の可能性があり得る。25℃でさえも、このサンプルは、8°の回折角近傍にクリアなスプリットを示した。
[00191] FT-1518オキサレートの物理的形態スクリーニング試験
[00192] FT-15185オキサレートの冷却結晶化
秤量された量(75mg)の薬剤物質を50~55℃で加熱することにより少量(APIを可溶化するのに十分な体積)の溶媒に溶解させた。得られた透明溶液を冷蔵条件の蒸発に維持した。冷却結晶化を実施した実験条件を表20に挙げる。
[00193]
Figure 0007223705000023
[00194] 冷却結晶化実験による物理的形態スクリーニングサンプルのPXRD、TGA及びDSCの結果のオーバーレイをグラフ45~53に示す。
[00195]
Figure 0007223705000024
[00196] 冷却結晶化によるFT-1518オキサレートの多型スクリーニングのまとめ:
FT-1518オキサレートの冷却結晶化の結果は、表46にまとめられる。メタノール、アセトニトリル及びエタノールの結晶化サンプルで、新たな形態を形成し得る。これはPXRD新たな回折パターン及びDSCの変化により確証された。
[00197] FT-1518オキサレートの溶媒蒸発スクリーニング
化合物(約75mg)を50~55℃で加熱することにより各種の溶媒に溶解させて溶液を調製した。次いで、ホットプレート上で50℃において加熱して溶媒を蒸発させることにより溶液を濃縮し、全溶媒が蒸発するか又は濃縮に伴って再結晶化が起こるまで室温で放置した。実験の詳細は表22に挙げられる。PXRD、DSC及び顕微鏡法の結果のオーバーレイは、それぞれグラフ54~64に示される。
[00198]
Figure 0007223705000025
[00199]
Figure 0007223705000026
[00200] 溶媒蒸発によるFT-1518オキサレートの多型スクリーニングのまとめ:
FT-1518のオキサレート塩の溶媒蒸発実験を各種の溶媒で実施した。PXRD及びDSCから得られる結果から、THF、メタノール、1,4-ジオキサン及びエタノールから得られたサンプルでいくつかの多型体変化が観測されることが示された。
[00201] FT-1518オキサレートのスラリー変換実験
化合物の偽多型(溶媒和物又は水和物)形成傾向を少数の溶媒で評価した。薬剤物質(約75mg)を溶媒に分散させ、過剰量の薬剤物質と共にボトル回転装置を用いて7日間にわたり25℃及び40℃でスラリー変換に付した。実験の詳細は表50に示される。PXRD、TGA及びDSCの結果は、グラフ65~78(表24及び25)に示した。
[00202]
Figure 0007223705000027
[00203]
Figure 0007223705000028
[00204] FT-1518オキサレートのスラリー変換による溶媒和形態スクリーニングのまとめ:
25℃のスラリー:25℃のエチルアセテート:水(90:10)スラリーサンプルで新たな多型形態の可能性があり得る。エチルアセテート及びn-ヘキサンでは、得られた残渣はこれらの実験で安定な形態であり得る。
40℃のスラリー:40℃のエチルアセテート:水(90:10)スラリーサンプルでは、25°のスラリーで得られたものに類似した新たな多型形態の可能性があり得る。エチルアセテート及びn-ヘキサンでは、得られた残渣はこれらの実験で安定な形態であり得る。
[00205] FT-1518のエシレート塩及びオキサレート塩に帰属されたパターン
[00206] 異なるスクリーニング実験からの結晶化サンプルに各種のパターンが帰属され、それぞれ表26及び27でFT-1518のエシレート塩及びオキサレート塩の物理的形態が同定された。
[00207]
Figure 0007223705000029
[00208]
Figure 0007223705000030
[00209] 固体状態安定性
[00210] 安定性試験設計
熱及び湿度の存在下で新たな物理的形態の物理的安定性を理解するために、及びFT-1518のエシレート塩及びオキサレート塩の安定形態にいずれかの形態変換が存在するかを知るために、各種の結晶化法から結晶化させた物理的形態を開放条件で40℃/75%RHに7日間暴露した。
[00211] 試験設計は表28にまとめられる。
Figure 0007223705000031
[00212] 安定性試験の結果
FT-1518のエシレート塩及びオキサレート塩の各種の物理的形態の固体状態安定性試験の結果は、熱及び湿度に対してpXRDにより評価され、表29及び30にそれぞれまとめられる。
[00213]
Figure 0007223705000032
[00214]
Figure 0007223705000033
[00215] FT-1518塩の物理的形態の安定性試験のまとめ:
FT-1518エシレート塩は、多型リスク及び安定性に及ぼすその影響を理解するために実施された実験に基づいて、ごくわずかな多型のリスクを示した。FT-1518オキサレート塩は、各種の結晶化技術を用いて各種の溶媒中で再結晶させたとき、多型又は物理的形態をほとんど示さなかった。しかし、エチルアセテート:水(9:1)スラリー中のみは、40℃/75%RHにおける安定性試験後でさえも新たな物理的形態が存続した。
[00216] 塩スクリーニング、物理的形態スクリーニング及び選択の推論
[00217] 塩スクリーニング
FT-1518の塩形成親和性/傾向を評価するために、酸カウンターイオンを用いて各種の塩スクリーニング実験を探究した。
[00218] 塩形成は、主にpXRD及びプロトンNMRにより確認した。
塩スクリーニング試験の結果及び観測から、トシレート、アジペート、メシレート、マレート、フタレート、フマレート、スクシネート、オキサレート、マレエート、ニトレート、タルタレート、マロネート、カンファースルホネート、エシレート、ベシレート、スルフェート及び塩酸塩の形成の実現可能性があることが示された。
[00219] エシレート、ベシレート、HCl、スルホネート、ニトレートなどの塩の調製は、通常の溶媒(ここではテトラヒドロフラン)からの沈殿を用いて行うことが可能である。確認された残りの塩の調製は、通常の溶媒(アセトン)で溶媒蒸発(低速)により調製可能である。
[00220] 塩スクリーニング結果に基づいて、確認されたすべての塩のスケールアップを約100~200mgスケールで実施し、各塩の完全な特徴付けを行う。塩を完全に特徴付けるために、10mMリン酸二水素カリウム緩衝液(pH6.8)への塩の溶解性及び%純度(HPLC)、結晶性(PXRD)、プロトンNMR、吸湿性及び偽多型傾向(動的蒸気収着)、融点及び熱的イベント(DSC)、最大150℃までの融点(TGA)までの%重量損失を調べる。すべての塩の特徴付けをこうして編集して、多型スクリーニング及び安定性試験の一次塩選択に使用する。
[00221] 選択された塩(エシレート塩及びオキサレート塩)の物理的形態スクリーニング
[00222] FT-1518のエシレート及びオキサレートの多型スクリーニングにより、実験で同定されたわずかな新たな物理的形態の存在を確認した。
[00223] FT-1518エシレートは、形態1、形態2及び形態3の3つの形態を主に形成した。安定性試験に基づいて、FT-1518エシレートの形態1は、最も一般的に存在する物理的形態として確認可能である。形態2は、エタノールを除く溶媒(エチルアセテート及びDCM)から得られ、形態3は、熱及び40℃/75%RHの湿度に7日間晒したとき形態1の初期塩形態に戻った。エタノール中における冷却結晶化から得られた形態2のみは、安定性試験後、同一状態を維持した。
[00224] FT-1518オキサレート塩を同定し、形態A、形態B、形態C及び形態Dと称される4つの物理的形態として単離した。これらの形態の多くは、安定性試験時、熱及び40℃/75%RHの湿度に7日間暴露したとき形態Aの初期塩形態に戻った。エチルアセテート:水(9:1)スラリーから得られた形態Dのみは、この期間中、同一状態を維持した。
[00225] FT1518のエシレート塩及びオキサレート塩の好適な物理的形態の選択
[00226] FT-1518エシレート塩は、多型リスク及び安定性に及ぼすその影響を理解するために実施された実験に基づいて、ごくわずかな多型のリスクを示した。しかし、物理的形態の安定性試験に基づいて。
[00227] FT-1518オキサレート塩は、各種の結晶化技術を用いて各種の溶媒中で再結晶させたとき、多型又は物理的形態をほとんど示さなかった。しかし、エチルアセテート:水(9:1)スラリー中のみは、40℃/75%RHにおける安定性試験後でさえも新たな物理的形態が存続した。
[00228] 両方の塩の各種の物理的形態の安定性試験並びに両方の塩(FT-1518のエシレート及びオキサレート)の物理的形態のさまざまな極性(非極性から極性までに及ぶ)の溶媒中における各種の結晶化プロセスに基づいて、エシレートの形態1(パターン1)及びオキサレートの形態Aが最も多く生じ且つ安定な形態であると思われる。
[00229] さらなる開発のためのより良好には塩は、塩の物理的形態選択に関する以上の試験及び薬動学的試験(FTGにより行われる)に基づいて選択されるであろう。
[00230] 実施した実験の簡単な概要:
[00231] Vipragen Biosciences Pvt Ltd (India), Mysoreでインビトロ及びインビボ実験を行った。動物は、Adita Biosys, Bangalore (India)から調達した。実験動物プロトコルは、すべてInstitutional Animal Ethics Committee (IAEC)により承認されたものである。実験は、the Committee for the Purpose of Control and Supervision of Experiments on Animals (CPCSEA) guidelines for laboratory animal facility published in the gazette of India, December 15th, 1998の推奨基準に準拠して行った。
[00232] 薬動学的ワークフロー:
[00233] 管理条件は、試験期間中、動物施設SOPに記載されるように維持した。調達した動物を7日間隔離し、続いて、気候順化を5日間行った。試験を22日間行った。10~12週齢の雄Balb/cマウス(18~25g)及び8~10週齢の雄スプラーグドーリーラット(220~280g)を使用した。投与前4~12時間にわたり食料を与えず、投与4時間後、すべての動物を元に戻して、水を自由に供給した。FT1518の用量は次の通りであった。マウス:10mg/kg静脈内(i.v)及び50mg/kg経口(p.o)、ラット-5mg/kg静脈内(i.v)及び10mg/kg経口(p.o)。i.v及びp.o試験に使用した製剤は、10%ジメチルスルホキシド(DMSO)+30%ポリエチレングリコール400(PEG400)+60%水及び0.5%メチルセルロース(MC)+0.1%トゥイーン80であった。24時間にわたり所定の時間で抗凝固剤としてKEDTAを含有するエッペンドルフチューブにマウス(心臓穿刺)及び頸静脈(ラット)から血液を採取した。血液から血漿を単離して、バイオ分析まで-80℃で貯蔵した。
[00234] インビトロ試験ワークフロー:
[00235] タンパク質結合性、ミクロソーム安定性、細胞傷害性のようなインビトロ実験は、すべてそれぞれの実験の試験プロトコルに準拠して実施した。
[00236] 雄Balb/cマウスにおけるFT1518(塩基)、FT1518-エシレート塩及びFT1518-オキサレート塩の静脈内及び経口の薬動学的プロファイル
種:BALB/cマウス
性別:雄
用量:IV(10mg/kg)、単回用量
PO(50mg/kg)、単回用量
製剤:
・IV-DMSO:PEG400:水(10:30:60v/v)
・PO-0.5%メチルセルロース及び水中0.1%Tween 80
サンプリング時間点:
IV:投与の5分後、30分後、1時間後、2時間後、4時間後、8時間後及び24時間後
PO:投与の10分後、30分後、1時間後、2時間後、4時間後、8時間後及び24時間後。
PK分析:Phoenixソフトウェア(Pharsight製品)。ノンコンパートメント解析(NCA)を用いてPKパラメーターを推定した。
Figure 0007223705000034
Figure 0007223705000035
雄スプラーグドーリー(SD)ラットにおけるFT1518(塩基)、FT1518-エシレート塩及びFT1518-オキサレート塩の静脈内及び経口の薬動学的プロファイル
種:SDラット
性別:雄
用量:IV(5mg/kg)、単回用量
PO(10mg/kg)、単回用量
製剤:
・IV-DMSO:PEG400:水(10:30:60v/v)
・PO-0.5%メチルセルロース及び水中0.1%Tween 80
サンプリング時間点:
IV:投与の5分後、15分後、30分後、1時間後、2時間後、4時間後、8時間後及び24時間後
PO:投与の10分後、15分後、30分後、1時間後、2時間後、4時間後、8時間後及び24時間後
PK分析:Phoenixソフトウェア(Pharsight製品)。ノンコンパートメント解析(NCA)を用いてPKパラメーターを推定した。
Figure 0007223705000036
Figure 0007223705000037
Figure 0007223705000038
[00237]
Figure 0007223705000039
[00238]
Figure 0007223705000040
[00239] 肝クリアランス:
[00240] FT1518エシレート:FT1518エシレートは、肝血流に関連してマウスでは高い、ヒトでは中程度の、ラット及びイヌでは低い肝クリアランスをそれぞれ示した。
[00241] FT1518オキサレート:FT1518オキサレートは、肝血流に関連してヒト、マウス及びラットでは中程度の、イヌでは低い肝クリアランスを示した。
[00242] ラットにおける薬動学:
[00243] FT1518の単回用量投与は、1592ng/mlのCmax、AUC-3442(ng.h/mL)及び44%の生物学的利用率をもたらす。
[00244] FT1518エシレート:1768ng/mlのCmax、AUC-9684(ng.h/mL)及び>100%の生物学的利用率。
[00245] FT1518オキサレート:1980ng/mlのCmax、AUC-5288(ng.h/mL)及び68%の生物学的利用率。
[00246] エームス試験:
[00247] 塩基形態及び塩形態は両方とも、細菌復帰突然変異アッセイで遺伝毒性が負である。
[00248] マウスにおける急性毒性試験:
[00249] FT1518及びFT1518エシレート塩は、Balb/cマウスにおいて90mg/kgで十分に耐容性がある。
[00250] インビトロアッセイ:
[00251] FT1518塩基形態は、乳癌(MCF-7)系、結腸癌(HCT-116系)及び前立腺癌(PC-3)系において、それぞれ246、63及び42μMのIC50を示した。
[00252] FT1518エシレート塩は、乳癌(MCF-7)系、結腸癌(HCT-116)系及び前立腺癌(PC-3)系において、それぞれ33、64及び67μMのIC50を示した。
[00253] FT1518オキサレート塩は、前立腺癌系において183μMのIC50値である。
[00254] エシレート塩単結晶X線回折分析
[00255]
Figure 0007223705000041
[00256] 予備分析は、顕微鏡(結晶品質)を用いて、続いて、単結晶X線回折技術でセルチェックを用いて行った。この分析から、我々は、結晶品質が不良であり(フェードが少ない)、この中程度の回折に基づいて双晶形成がセルチェック時に観測されることを見いだしている。そのため、こうした理由から、我々は、結晶構造座標を確立するためにデータを約15時間収集した。
[00257] FS00067855-エシレート塩のX線結晶構造を解明し、1:1:1の化学量論比として非対称ユニットでエシレート塩及び水和物(Z’=1)の4つの分子を用いて単斜晶系空間群P2/nで精密化した。結晶格子内でN-H…Oイオン性水素相互作用を介して会合したエシレートアニオン及びFS00067855カチオン並びに空隙に組み込まれた水分子(図1~図4)。
[00258] 図1:FS00067855カチオン…エシレートアニオンは、N-H…Oを介して結晶格子内に存在し、NH…O相互作用を介して1d格子内に延在する。
[00259] 図2:結晶格子に組み込まれた水分子。
[00260] 図3:水素を含むORTEP構造。
[00261] 図4:エシレート塩の構造精密化
[00262]
Figure 0007223705000042
データブロック:エシレート-塩 結合精度:C-C=0.0116A 波長=0.71073 セル:a=11.54(4) b=11.33(3) c=19.98(7) α=90 β=94.3(2) γ=90 温度:298K 計算報告体積2605(15) 2606(13) 空間群P21/n P21/n Hall群-P2yn -P2yn 部分式C20H27N8O、C2H5O3S、H2O? 全体式C22H34N8O5SC22H34N8O5S Mr522.63 522.63 Dx,g・cm-3 1.333 1.332 Z 4 4 μ(mm-1)0.173 0.173 F000 1112.0 1112.0 F000’1112.93 h,k,lmax 13,13,24 13,13,24 Nref 4842 4802 Tmin,Tmax 0.951、0.979 Tmin’0.940 補正法=与えられていない データ完全性=0.992 θ(max)=25.493 R(反射数)=0.0906(2911) wR2(反射数)=0.2947(4802) S=1.060 Npar=345 次のALERTを発生させた。各ALERTは、フォーマットtest-name_ALERT_alert-type_alert-levelを有する。試験のより詳細な内容を得るにはハイパーリンクをクリックする。AlertレベルA SHFSU01_ALERT_2_A パラメーターシフトの絶対値とsuとの比>0.20 パラメーターシフトの絶対値とsuとの所与の比0.250 追加の精密化サイクルを必要とし得る。PLAT080_ALERT_2_A最大シフト/エラー............................0.25なぜ? PLAT245_ALERT_2_A U(iso)H5AがU(eq)O5よりも小さい…0.670AngSq PLAT245_ALERT_2_A U(iso)H5BがU(eq)O5よりも小さい…0.698AngSq PLAT360_ALERT_2_A 短いC(sp3)-C(sp3)結合 C11-C12..1.20Å PLAT410_ALERT_2_A 短い分子内H…H接触 H10..H11B..1.76Å PLAT417_ALERT_2_A 短い分子間D-H..H-D H5A..H5B..1.30Å PLAT417_ALERT_2_A 短い分子間D-H..H-D H5B..H5B..1.13Å AlertレベルB PLAT149_ALERT_3_B β角のs.u.が大きすぎる........0.20° PLAT234_ALERT_4_B 大きいHirshfeld差 C11--C12..0.26Å PLAT241_ALERT_2_B C11の近接原子と比較して高い「MainMol」Ueq チェック PLAT241_ALERT_2_B C13の近接原子と比較して高い「MainMol」Ueq チェック PLAT242_ALERT_2_B C10の近接原子と比較して低い「MainMol」Ueq チェック PLAT340_ALERT_3_B C-C結合の低い結合精度...............0.0116Å PLAT360_ALERT_2_B 短いC(sp3)-C(sp3)結合 C21-C22..1.26Å AlertレベルC PLAT084_ALERT_3_C 高いwR2値(すなわち>0.25)...................0.29 レポートPLAT148_ALERT_3_C a軸のs.u.が大きい(大きすぎる)......0.040Å PLAT148_ALERT_3_C b軸のs.u.が大きい(大きすぎる)......0.0300Å PLAT148_ALERT_3_C c軸のs.u.が大きい(大きすぎる)......0.070Å PLAT193_ALERT_1_C セル温度と回折温度が異なる....5° PLAT213_ALERT_2_C 原子C11がADPmax/min比を有する.....3.7 扁長 PLAT213_ALERT_2_C 原子C13がADPmax/min比を有する.....3.2 扁長 PLAT220_ALERT_2_C 非溶媒Resd 1C Ueq(max)/Ueq(min)範囲6.0比 PLAT222_ALERT_3_C 非溶媒Resd 1H Uiso(max)/Uiso(min)範囲5.4比 PLAT241_ALERT_2_C C20の近接原子と比較して高い「MainMol」Ueq チェック PLAT243_ALERT_4_C C22の近接原子と比較して高い「溶媒」Ueq チェック PLAT244_ALERT_4_C S1の近接原子と比較して低い「溶媒」Ueq チェック PLAT245_ALERT_2_C U(eq)N1よりも小さいU(iso)H1B...0.012AngSq PLAT250_ALERT_2_C 平均U(i、j)テンソルに対して大きいU3/U1比.....2.1 ノートPLAT352_ALERT_3_C 短いN-H(X0.87,N1.01A)N1-H1B..0.76Å PLAT360_ALERT_2_C 短いC(sp3)-C(sp3)結合 C10-C11..1.39Å PLAT360_ALERT_2_C 短いC(sp3)-C(sp3)結合 C10-C13..1.35Å PLAT397_ALERT_2_C O1に対して120°から逸脱したC-O-C角度 101.6度 PLAT410_ALERT_2_C 短い分子内H…H接触 H10..H13A..1.97Å PLAT413_ALERT_2_C 短い分子間XH3..XHn H12C..H14C..2.14Å PLAT417_ALERT_2_C、短い分子間D-H..H-D H5A..H5A..2.12Å AlertレベルG PLAT002_ALERT_2_G AtSiteに対する距離又は角度の拘束の数 3
ノートPLAT072_ALERT_2_G SHELXLのWGHTの第1のパラメーターが異常に大きい 0.14 レポートPLAT152_ALERT_1_G 供給及び計算体積s.u.が異なる…2単位 PLAT172_ALERT_4_G CIFに含まれる.resファイルがDFIXレコードを含有する 2 レポートPLAT199_ALERT_1_G _cell_measurement_temperature.....(K)293 チェック PLAT343_ALERT_2_G C10に対する主残基の異常なsp3角度範囲 チェック PLAT343_ALERT_2_G C11に対する主残基の異常なsp3角度範囲 チェック PLAT344_ALERT_2_G C22に対する溶媒/イオンでの異常なsp3角度範囲 チェック PLAT793_ALERT_4_G モデルがC17にキラリティーを有する (Centro SPGR)R ベリファイ PLAT793_ALERT_4_G モデルがC18にキラリティーを有する (Centro SPGR)S ベリファイ PLAT860_ALERT_3_G 最小二乗拘束の数.............2 ノート8 ALERTレベルA=最も可能性のある深刻な問題-解決又は説明されたい 7 ALERTレベルB=潜在的に深刻な問題、熟考されたい 21 ALERTレベルC=チェック。省略又は見落しが原因とならないことを確認されたい 11 ALERTレベルG=一般的情報/予想外のものでないことをチェックされたい 3。
[00263] オキサレート塩単結晶のX線回折分析
Figure 0007223705000043
[00264] 予備分析は、顕微鏡(結晶品質)を用いて、続いて、単結晶X線回折技術でセルチェックを用いて行った。この分析から、我々は、結晶品質が良好であり中程度の回折が観測されることを見いだしている。そのためさらに、我々は、結晶構造座標を確立するためにデータを12時間収集した。FS00067855-オキサレート塩のX線結晶構造を解明し、1:1:1の化学量論比として非対称ユニットでオキサレート塩及びメタノール溶媒和物(Z’=1)の4つの分子を用いて単斜晶系空間群P2/nで精密化した。モノオキサレートアニオンは、二股R (5)環状モチーフ内でN-H…Oイオン性水素結合を介してFS00067855カチオンと相互作用し、且つメタノール溶媒和物は、結晶格子内でシングルポイントO-H…O相互作用を介してオキサレートアニオンに接続される(図5~図8)。
図5:N-H…O及びO-H…Oを介してそれぞれ結晶格子内に存在するFS00067855カチオン…オキサレートアニオン及びメタノール溶媒和物。
図6:水素を含まないオキサレート塩のORTEP構造。
図7:水素を含むオキサレート塩のORTEP構造化。
図8:水素を含むオキサレート塩の構造精密化。
[00265]
Figure 0007223705000044
[00266] 最大差ピーク及びホール 0.358及び-0.40 単に例示を目的として、代表的な数/タイプのみのグラフ図、チャート図、ブロック図及びサブブロック図を示した。多くの環境は、環境を設計する目的に依存して、数及びタイプの両方でさらに多くのブロック及びサブブロックの図又はシステム及びサブシステムを多くの場合に含有する。
[00267] データブロック:オキサレート塩結合精度:C-C =0.0046A 波長=0.71073 セル:a=12.9096(8) b=10.3149(6) c=19.0837(11) α=90 β=94.023(3) γ=90 温度:296K 計算報告体積2535.0(3) 2534.9(3) 空間群P21/n P21/n Hall群-P2yn -P2yn 部分式C20H27N8O、C2HO4、CH4O? 全体式C23H32N8O6C23H32N8O6 Mr516.57 516.56 Dx,g・cm-3 1.354 1.354 Z 4 4 μ(mm-1)0.100 0.100 F000 1096.0 1096.0 F000’1096.49 h,k,lmax 15,12,23 15,12,23 Nref 4691 4659 Tmin、Tmax 0.982、0.990 Tmin’0.976 補正法=与えられていない データ完全性=0.993 θ(max)=25.447 R(反射数)=0.0627(2805) wR2(反射数)=0.1520(4659) S=1.028 Npar=352 次のALERTを発生させた。各ALERTは、フォーマットtest-name_ALERT_alert-type_alert-levelを有する。試験のより詳細な内容を得るにはハイパーリンクをクリックする。AlertレベルC PLAT052_ALERT_1_C 吸収補正法の情報が与えられない 与えられたい! PLAT193_ALERT_1_C セル温度と回折温度が異なる.....2度 PLAT220_ALERT_2_C 非溶媒Resd 1C Ueq(max)/Ueq(min)範囲3.3比 PLAT242_ALERT_2_C C16の近接原子と比較して低い「MainMol」Ueq チェック PLAT250_ALERT_2_C 平均U(i、j)テンソルに対して大きいU3/U1比.....2.3 ノートPLAT340_ALERT_3_C C-C結合の低い結合精度...............0.0046Å PLAT397_ALERT_2_C O1に対して120°から逸脱したC-O-C角度 101.5° AlertレベルG PLAT002_ALERT_2_G AtSiteに対する距離又は角度の拘束の数 2 ノートPLAT007_ALERT_5_G 非精密化ドナーH原子の数..............1 レポートPLAT172_ALERT_4_G CIFに含まれる.resファイルがDFIXレコードを含有する 1 レポートPLAT793_ALERT_4_G モデルがC12にキラリティーを有する (Centro SPGR)S ベリファイ PLAT793_ALERT_4_G モデルがC13にキラリティーを有する (Centro SPGR)R ベリファイ PLAT860_ALERT_3_G 最小一乗拘束の数.............1 ノート0 ALERTレベルA=最も可能性のある深刻な問題-解決又は説明されたい 0 ALERTレベルB=潜在的に深刻な問題、熟考されたい 7 ALERTレベルC=チェック。省略又は見落しが原因とならないことを確認されたい 6 ALERTレベルG=一般的情報/予想外のものでないことをチェックされたい 2 ALERTタイプ1 CIF構成/構文エラー、一貫性のない又は欠測したデータ 5 ALERTタイプ2 構造モデルに誤りがあるか又は欠陥があるインジケーター 2 ALERTタイプ3 構造品質が低いおそれのあるインジケーター 3 ALERTタイプ4 改善、方法、質問又は提案 1 ALERTタイプ5。
[00268] 本発明の原理を例示するために本発明の具体的な実施形態を示して詳細に説明してきたが、かかる原理から逸脱することなく他の形で本発明を具現化し得ることは、理解されよう。
[00269] 本明細書全体を通して「一実施形態」又は「実施形態」又は類似の表現への言及は、実施形態との関連で記載された特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して「一実施形態では」又は「実施形態では」という語句及び類似の表現が現れたとき、すべて同一の実施形態を参照し得るが、必ずしもそうとは限らない。
[00270] 本開示は、記載の特定のシステム、デバイス及び方法に限定されるとは限らない。なぜなら、これらは変更し得るからである。本明細書で用いられる用語は、特定のバージョン又は実施形態を記述することが目的であるにすぎず、範囲を限定することを意図したものではない。
[00271] 本開示は、本出願に記載の特定の実施形態により限定すべきものではなく、これらは各種の態様を例示することが意図されたものである。当業者には自明なことであろうが、趣旨及び範囲から逸脱することなく多くの変更及び変形を行うことが可能である。本明細書に列挙されたもの以外で、本開示の範囲内にある機能的に均等な方法及び装置は、以上の説明から当業者には明らかであろう。かかる変更及び変形は、添付の特許請求の範囲内に包含されることが意図される。本開示は、添付の特許請求の範囲(かかる特許請求の範囲の権利が及ぶ均等物の全範囲を包含する)によってのみ限定すべきである。本開示は、当然ながら変更可能な特定の方法、試薬、化合物、組成物又は生体系に限定されないことを理解すべきである。また、本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としたものであり限定しようとするものではないことも理解すべきである。
[00272] 当業者であれば理解されるであろうが、あらゆる目的で、例えば書面の明細書の提供に関して、本明細書に開示された範囲は、すべてあらゆる可能なサブ範囲及びそのサブ範囲の組合せをも包含する。
[00273] 実施形態例:本開示の態様に係るグラフ
[00274] 以下に簡潔に記載された添付のグラフを参照して本発明の実施形態例を説明する。
Figure 0007223705000045
Figure 0007223705000046
Figure 0007223705000047
Figure 0007223705000048
Figure 0007223705000049
Figure 0007223705000050
Figure 0007223705000051
Figure 0007223705000052
Figure 0007223705000053
Figure 0007223705000054
Figure 0007223705000055
Figure 0007223705000056
Figure 0007223705000057
Figure 0007223705000058
Figure 0007223705000059
Figure 0007223705000060
Figure 0007223705000061
Figure 0007223705000062
Figure 0007223705000063
Figure 0007223705000064
Figure 0007223705000065
Figure 0007223705000066
Figure 0007223705000067
Figure 0007223705000068
Figure 0007223705000069
Figure 0007223705000070
[000] 参考文献
[1]Vanhaesebroeck,B.;Guillermet-Guibert,J.;Graupera,M.;Bilanges,B.The Emerging Mechanisms of Isoform-specific PI3K Signalling.Nat.Rev.Mol.Cell.Biol.2010,11,329-341。
[2]Nahta,R.;O’Regan,R.M.Evolving Strategies for Overcoming Resistance to HER2-Directed Therapy:Targeting the PI3K/Akt/mTOR Pathway.Clin.Breast Cancer 2010,10(Suppl 3),S72-S78。
[3]Cully,M.;You,H.;Levine,A.J.;Mak,T.W.Beyond PTEN Mutations:the PI3K Pathway as an Integrator of Multiple Inputs。
[4]Sabatini,D.M.and Guertin,D.A.(2005)An Expanding Role for mTOR in Cancer TRENDS in Molecular Medicine,11,353-361、
[5]Chiang,G.C.and Abraham,R.T.(2007)Targeting the mTOR signaling network in cancer TRENDS 13,433-442、
[6]Jacinto and Hall(2005)Tor signaling in bugs,brain and brawn Nature Reviews Molecular and Cell Biology,4,117-126、
[7]Sabatini,D.M.and Guertin,D.A.(2007)Defining the Role of mTOR in Cancer Cell,12,9-22。
[8]Ciraolo,E.;Morello,F.;Hirsch,E.Present and Future of PI3K Pathway Inhibition in Cancer:Perspectives and Limitations.Curr.Med.Chem.2011,18,2674-2685。
[9]Laplante M and Sabatini DM.(2012)mTOR signaling in growth control and disease.Cell.13;149(2):274-93。
[10]Y.Yu,S.-O.Yoon,G.Poulogiannis,et al.,“Phosphoproteomic analysis identifies Grb10 as an mTORC1 substrate that negatively regulates insulin signaling,“Science,vol.332,no.6035,pp.1322-1326,2011。
[11]T.R.Fenton and I.T.Gout,“Functions and regulation of the 70 kDa ribosomal S6 kinases,“International Journal of Biochemistry and Cell Biology,vol.43,no.1,pp.47-59,2011。
[12]K.J.Heesom and R.M.Denton,“Dissociation of the eukaryotic initiation factor-4E/4E-BP1 complex involves phosphorylation of 4E-BP1 by an mTOR-associated kinase,“FEBS Letters,vol.457,no.3,pp.489-493,1999。
[13]R.Zoncu,A.Efeyan,and D.M.Sabatini,“MTOR:from growth signal integration to cancer,diabetes and ageing,“Nature Reviews Molecular Cell Biology,vol.12,no.1,pp.21-35,2011。
[14]S.M.Brachmann,I.Hofmann,C.Schnell et al.,“Specific apoptosis induction by the dual PI3K/mTor inhibitor NVP-BEZ235 in HER2 amplified and PIK3CA mutant breast cancer cells,“Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America,vol.106,no.52,pp.22299-22304,2009。
[15]A.Molckovsky and L.L.Siu,“First-in-class,first-in-human phase I results of targeted agents:highlights of the 2008 American Society of Clinical Oncology meeting,“Journal of Hematology and Oncology,vol.1,no.1,article 20,2008。
[16]T.A.Yap,M.D.Garrett,M.I.Walton,F.Raynaud,J.S.de Bono,and P.Workman,“Targeting the PI3K-AKT-mTOR pathway:progress,pitfalls,and promises,“Current Opinion in Pharmacology,vol.8,no.4,pp.393-412,2008。
[17]E.Vilar,J.Perez-Garcia,and J.Tabernero,“Pushing the envelope in the mTOR pathway:the second generation of inhibitors,“Molecular Cancer Therapeutics,vol.10,no.3,pp.395-403,2011。
[18]M.R.Janes,J.J.Limon,L.So et al.,“Effective and selective targeting of leukemia cells using a TORC1/2 kinase inhibitor,“Nature Medicine,vol.16,no.2,pp.205-213,2010。
[19]Showkat M,Beigh B A,and Andrabi K I(2014),Review Article mTOR Signaling in Protein Translation Regulation:Implications in Cancer Genesis and Therapeutic Interventions.Molecular Biology International,Volume 2014,Article ID 686984,14 pages。
[20]Poulsen A,Nagaraj H,Lee A,Blanchard S,Soh C,Chen D,Wang H,Hart S,Goh K C,Dymock B and Williams M(2014)Structure and Ligand-Based Design of mTOR and PI3-KinaseInhibitors Leading to the Clinical Candidates VS-5584(SB2343)and SB2602 J.Chem.Inf.Model.2014,54,3238-3250。
[21]Lamming DW,Ye L,Sabatini DM,Baur JA.Rapalogs and mTOR inhibitors as anti-aging therapeutics.J Clin Invest.2013,123(3):980-9。
[22]“Remington’s Pharmaceutical Sciences”,1995,MACK PUBLISHING CO。
[23]“Prodrugs:Challenges and Rewards”,2007,SPRINGER
[24]F.J.LEINWEBER,DRUG METAB.RES.,vol.18,1987

Claims (10)

  1. 5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9Hプリン-6-イル)ピラジン-2-アミンのオキサレート塩又はエシレート塩。
  2. 5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9Hプリン-6-イル)ピラジン-2-アミンのオキサレート塩又はエシレート塩を含む医薬組成物。
  3. 前記オキサレート塩又はエシレート塩は、(i)DMSO:PEG400:水(10:30:60 v/v)を含む静脈内投与用製剤、又は(ii)0.5%メチルセルロース及び0.1%Tween80を水中に含む経口製剤として製剤化される、請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 前記5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9Hプリン-6-イル)ピラジン-2-アミンのオキサレート塩又はエシレート塩が、5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9Hプリン-6-イル)ピラジン-2-アミンの塩酸塩の使用及び調製に伴う欠点が回避される請求項2又は3に記載の医薬組成物であって、前記欠点は、一定の製造条件で前記5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9Hプリン-6-イル)ピラジン-2-アミンの塩酸塩の多型を有することを含む、医薬組成物。
  5. 5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9Hプリン-6-イル)ピラジン-2-アミンのトシレート、アジペート、メシレート、マレート、フタレート、フマレート、スクシネート、マレエート、ニトレート、タルタレート、マロネート、カンファースルホネート、ベシレート、スルフェート、塩酸塩及びそれらの組合せをさらに含む、請求項2~4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  6. 5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9Hプリン-6-イル)ピラジン-2-アミンのエシレート塩又はオキサレート塩の調製方法であって、調製の工程は、5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9Hプリン-6-イル)ピラジン-2-アミンのオキサレート塩をアセトンからゆっくりと蒸発させることによって沈殿させること、又は前記5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9Hプリン-6-イル)ピラジン-2-アミンのエシレート塩をテトラヒドロフランから沈殿させることを含む、方法。
  7. 前記5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9Hプリン-6-イル)ピラジン-2-アミンのオキサレート塩又はエシレート塩の酸カウンターイオンは、1.25~4.23のpKa値を有する無水シュウ酸であり、及び前記5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9Hプリン-6-イル)ピラジン-2-アミンのエシレート塩の酸カウンターイオンは、1.68のpKa値を有するエタンスルホン酸である、請求項2~5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  8. 5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9Hプリン-6-イル)ピラジン-2-アミンのエシレート塩又はオキサレート塩は、結晶性であり、前記5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9Hプリン-6-イル)ピラジン-2-アミンとそれらカウンターイオンの比は、1:1.125である、請求項2~5、及び7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  9. 5-(2-(8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-9-(ペンタン-3-イル)-9Hプリン-6-イル)ピラジン-2-アミンのエシレート塩を含み、乳癌(MCF-7)、結腸癌(HCT-116)及び前立腺癌(PC-3)の細胞の細胞成長を阻害するための医薬組成物。
  10. 前記医薬組成物は、賦形剤、希釈剤、担体、及び保湿剤を含み、カプセル剤、錠剤、粉末剤、懸濁剤、ゲル剤、ヒドロゲル剤、ロゼンジ剤の形態で投与される、請求項2~5及び7~のいずれか1項に記載の医薬組成物。
JP2019551435A 2017-03-31 2018-03-30 アミノピラジンプリン系選択的キナーゼ阻害剤の塩形態 Active JP7223705B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
IN201741011673 2017-03-31
IN201741011673 2017-03-31
PCT/IB2018/052222 WO2018178944A1 (en) 2017-03-31 2018-03-30 Salt forms of amino pyrazine purine based selective kinase inhibitor

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020515535A JP2020515535A (ja) 2020-05-28
JP7223705B2 true JP7223705B2 (ja) 2023-02-16

Family

ID=63674358

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019551435A Active JP7223705B2 (ja) 2017-03-31 2018-03-30 アミノピラジンプリン系選択的キナーゼ阻害剤の塩形態

Country Status (6)

Country Link
US (1) US11820782B2 (ja)
EP (1) EP3621604A4 (ja)
JP (1) JP7223705B2 (ja)
CN (1) CN110475552B (ja)
AU (2) AU2018244011A1 (ja)
WO (1) WO2018178944A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7505449B2 (ja) 2021-06-10 2024-06-25 トヨタ自動車株式会社 廃棄物収集システム及び廃棄物収集方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114249753A (zh) * 2020-09-22 2022-03-29 山东轩竹医药科技有限公司 三唑并吡啶类激酶抑制剂

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011078795A1 (en) 2009-12-21 2011-06-30 S*Bio Pte Ltd Bridged morpholino substituted purines
US20130274215A1 (en) 2010-04-08 2013-10-17 Fate Therapeutics, Inc. Pharmaceutical compositions to treat fibrosis

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MX2010003668A (es) * 2007-10-05 2010-07-02 S Bio Pte Ltd Derivados de purina sustituidas con primidina.

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011078795A1 (en) 2009-12-21 2011-06-30 S*Bio Pte Ltd Bridged morpholino substituted purines
US20130274215A1 (en) 2010-04-08 2013-10-17 Fate Therapeutics, Inc. Pharmaceutical compositions to treat fibrosis

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Alain C. Mita, et al,FT-1518, a new generation selective and potent mTORC1 and mTORC2 inhibitor: an in vitro and in vivo profile.,Cancer Research,2017年07月,Vol. 77, No. 13, Supplement 1.,Abstract 137
Anders Poulsen, et al,Structure and Ligand-Based Design of mTOR and PI3-Kinase Inhibitors Leading to the Clinical Candidates VS-5584 (SB2343) and SB2602,Journal of Chemical Information and Modeling,2014年,vol 54, no 11,3238-3250
Lokesh Kumar, et al,Effects of counterions on physicochemical properties of prazosin salts,AAPS PharmSciTech,vol 14, no 1,2013年,141-150

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7505449B2 (ja) 2021-06-10 2024-06-25 トヨタ自動車株式会社 廃棄物収集システム及び廃棄物収集方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN110475552A (zh) 2019-11-19
US11820782B2 (en) 2023-11-21
EP3621604A1 (en) 2020-03-18
CN110475552B (zh) 2024-04-26
AU2022204427B2 (en) 2023-08-17
AU2022204427A1 (en) 2022-07-14
US20210122766A1 (en) 2021-04-29
EP3621604A4 (en) 2021-01-13
JP2020515535A (ja) 2020-05-28
WO2018178944A1 (en) 2018-10-04
AU2018244011A1 (en) 2019-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7383652B2 (ja) B-rafキナーゼのマレイン酸塩、結晶形、調整方法、及びその使用
AU2013230146B2 (en) 2-amino, 6-phenyl substituted pyrido [2, 3 - d] pyrimidine derivatives useful as Raf kinase inhibitors
US8129404B2 (en) Compounds and uses thereof
US20160340357A1 (en) Solid forms of a compound for modulating kinases
AU2022204427B2 (en) Salt Forms Of Amino Pyrazine Purine Based Selective Kinase Inhibitor
KR20230058630A (ko) 융합된 바이사이클릭 raf 억제제의 키랄 합성
JP2021073259A (ja) セミカルバジド感受性アミンオキシダーゼ酵素阻害剤としての結晶性化合物
TWI786303B (zh) 抑制cdk4/6活性化合物的晶型及其應用
JP2018513189A (ja) セミカルバジド感受性アミンオキシダーゼ(ssao)の阻害剤の医薬的塩形態
JP2022001598A (ja) Ttk阻害剤の固体形態
CN107216319B (zh) 一种2,4-二氨基嘧啶类衍生物、其制备方法及用途
WO2022171117A1 (zh) 含氮稠杂环化合物的盐、晶型及其制备方法、药物组合物和用途
WO2019096112A1 (zh) 一种取代的苯并咪唑化合物及包含该化合物的组合物
WO2011095068A1 (zh) 吡咯并n杂环类衍生物的可药用的盐、其制备方法及其在医药上的应用
WO2023125947A1 (zh) 四氢异喹啉类化合物的可药用盐、晶型及其用途
CN115232124A (zh) 一种atx抑制剂的结晶形式及其制备方法
TW201211036A (en) Useful salts of indazole derivative

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211022

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221209

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7223705

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150