JP7223373B2 - 推定装置、推定システム、推定装置の作動方法、および推定用プログラム - Google Patents

推定装置、推定システム、推定装置の作動方法、および推定用プログラム Download PDF

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Description

本発明は、推定装置、当該推定装置を備える推定システム、推定装置の作動方法、および推定用プログラムに関する。
従来、患者などの診断対象者の眼球運動に基づきめまいの原因を推定することが頻繁に行われている。たとえば、眼科や耳鼻科において、医師などの術者は、注視状態、あるいは頭部の位置を変位させるなど、対象者を様々な状態においた上でその眼球運動を観察することで、めまいの有無やその原因を推定している。そして、術者は、めまいが生じていると判断すると、精密検査によってめまいの原因を確定診断する。
しかしながら、めまいの有無を診断すること、およびめまいの原因を推定することにおいては、術者ごとにその知見のレベルが異なるため、術者の知見のレベルに応じて診断結果がばらつき、その精度が低下する虞がある。
また、めまいには、主に内耳の障害に起因する抹消性めまいと、主に脳の障害に起因する中枢性めまいとがあり、いずれのめまいであるかについては、血液検査、頭部CT、および頭部MRIなど、精密検査を行わなければ判断することが難しい。このような精密検査を行うための装置が用意されていればよいが、患者が最初に訪れた医院が精密検査を行うための装置を所有していない可能性もあり、めまいの原因を容易に推定することが難しい。
ここで、特許文献1には、頭位と眼球運動とを対応付けてめまいを診断することができる平衡機能検査装置が開示されている。
特開平9-285468号公報
特許文献1に開示された平衡機能検査装置によれば、注視状態、あるいは頭部の位置を変位させるなど、対象者を様々な状態においた上でその眼球運動のデータをモニタに出力することができるため、術者が容易に眼球運動のデータを取得することができる。しかしながら、このような平衡機能検査装置を用いたとしても、結局は、モニタに出力された眼球運動のデータに基づいて術者がめまいの診断を行うようになっており、めまいの診断は術者の知見のレベルに大きく依存してしまう。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、精度良くめまいの原因を容易に推定することができる推定装置、当該推定装置を備える推定システム、推定装置の作動方法、および推定用プログラムを提供することを目的とする。
本発明に従えば、対象者におけるめまいの原因を推定する推定装置が提供される。推定装置は、所定の条件下において取得された対象者の眼球の運動に関する情報を含む眼球運動データと、対象者に対して行われた複数の問診項目の各々の結果に関する情報を含む問診データとが入力される入力部と、入力部から入力された眼球運動データおよび問診データと、機械学習によって生成された推定モデルに基づき、めまいの原因を推定する推定部と、推定部による推定結果を出力する出力部とを備える。推定モデルは、眼球運動データおよび問診データを用いためまいの原因の推定結果と、当該眼球運動データに関連付けられためまいの原因とに基づき機械学習される。問診データは、複数の問診項目の各々とめまいの原因との間の相関関係に基づいて、複数の問診項目の各々に対して重み付けが施されている。
本発明に従えば、対象者におけるめまいの原因を推定する推定システムが提供される。推定システムは、所定の条件下において取得された対象者の眼球の運動に関する情報を含む眼球運動データを取得するデータ取得装置と、めまいの原因を推定する推定装置とを備える。推定装置は、データ取得装置によって取得された眼球運動データと、対象者に対して行われた複数の問診項目の各々の結果に関する情報を含む問診データとが入力される入力部と、入力部から入力された眼球運動データおよび問診データと、機械学習によって生成された推定モデルに基づき、めまいの原因を推定する推定部と、推定部による推定結果を出力する出力部とを含む。推定モデルは、眼球運動データおよび問診データを用いためまいの原因の推定結果と、当該眼球運動データに関連付けられためまいの原因とに基づき機械学習される。問診データは、複数の問診項目の各々とめまいの原因との間の相関関係に基づいて、複数の問診項目の各々に対して重み付けが施されている。
本発明に従えば、対象者におけるめまいの原因を推定する装置の作動方法が提供される。推定方法は、推定装置が実行する処理として、所定の条件下において取得された対象者の眼球の運動に関する情報を含む眼球運動データと、対象者に対して行われた複数の問診項目の各々の結果に関する情報を含む問診データとが入力されるステップと、眼球運動データおよび問診データと、機械学習によって生成された推定モデルに基づき、めまいの原因を推定するステップと、推定するステップによる推定結果を出力するステップとを含む。推定モデルは、眼球運動データおよび問診データを用いためまいの原因の推定結果と、当該眼球運動データに関連付けられためまいの原因とに基づき機械学習される。問診データは、複数の問診項目の各々とめまいの原因との間の相関関係に基づいて、複数の問診項目の各々に対して重み付けが施されている。
本発明に従えば、対象者におけるめまいの原因を推定する推定用プログラムが提供される。推定用プログラムは、コンピュータに、所定の条件下において取得された対象者の眼球の運動に関する情報を含む眼球運動データと、対象者に対して行われた複数の問診項目の各々の結果に関する情報を含む問診データとが入力されるステップと、眼球運動データおよび問診データと、機械学習によって生成された推定モデルに基づき、めまいの原因を推定するステップと、推定するステップによる推定結果を出力するステップとを実行させる。推定モデルは、眼球運動データおよび問診データを用いためまいの原因の推定結果と、当該眼球運動データに関連付けられためまいの原因とに基づき機械学習される。問診データは、複数の問診項目の各々とめまいの原因との間の相関関係に基づいて、複数の問診項目の各々に対して重み付けが施されている。
本発明によれば、所定の条件下において取得された対象者の眼球の運動に関する情報を含む眼球運動データに基づいて、精度良くめまいの原因を容易に推定することができる。
本実施の形態に係る推定装置の適用例を示す模式図である。 本実施の形態に係る眼振検査の一例を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る推定システムの全体構成を示す模式図である。 本実施の形態に係る推定装置のハードウェア構成を示す模式図である。 本実施の形態に係る平衡機能検査装置のハードウェア構成を示す模式図である。 本実施の形態に係るサーバ装置のハードウェア構成を示す模式図である。 本実施の形態に係る推定装置が記憶する問診データテーブル1を示す模式図である。 本実施の形態に係る推定装置が記憶する問診データテーブル2を示す模式図である。 本実施の形態に係る推定装置が記憶するめまい障害データテーブルを示す模式図である。 本実施の形態に係る推定装置の機能構成を示す模式図である。 本実施の形態に係る推定装置による推定処理を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る学習用データセットの一例を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る学習用データセットに基づく学習済モデルの生成を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る推定装置が実行する学習処理の一例を説明するためのフローチャートである。 本実施の形態に係るサーバ装置が実行する学習処理の一例を説明するためのフローチャートである。 本実施の形態に係る推定装置が実行するサービス提供処理の一例を説明するためのフローチャートである。 変形例に係る推定装置が実行するサービス提供処理の一例を説明するためのフローチャートである。 変形例に係る学習用データセットに基づく学習済モデルの生成を説明するための模式図である。 変形例に係る推定装置が実行するサービス提供処理の一例を説明するためのフローチャートである。 変形例に係る推定装置が記憶する問診データテーブル1-2を示す模式図である。 変形例に係る学習用データに基づく学習済モデルの生成を説明するための模式図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[適用例]
図1~図3を参照しながら、本実施の形態に係る推定装置100の適用例を説明する。図1は、本実施の形態に係る推定装置100の適用例を示す模式図である。図2は、本実施の形態に係る眼振検査の一例を説明するための模式図である。図3は、本実施の形態に係る推定システム10の全体構成を示す模式図である。
ユーザ1は、推定システム10を用いることで、対象者2のめまいの有無を診断するとともに、そのめまいの原因を推定することができる。なお、「ユーザ」は、クリニック、総合病院、および大学病院などに属する医師などの術者、医科大学の先生または生徒など、推定システム10を使用する者であればいずれであってもよい。なお、ユーザが所属する医科は、眼科や耳鼻科のようなめまいの治療を専門とするものに限らず、内科や歯科など、その他のものであってもよい。「対象者」は、クリニック、総合病院、および大学病院の患者、医科大学における被験者など、推定システム10の診断対象となる者であればいずれであってもよい。「めまい」は、目の前の世界がぐるぐる回る回転性めまい、自身がふわふわするように感じる浮動性めまい、目の前の世界が真っ暗になる失神性めまいなど、対象者2の視覚に何らかの異常が生じている状態を含む。
図1に示すように、本実施の形態に係る推定システム10は、推定装置100を備える。推定装置100には、ディスプレイ300と、マイク400と、キーボード501と、マウス502とが接続されている。
ユーザ1は、対象者2に対して口頭で問診を行い、対象者2はその問診に対してマイク400を使って口頭で回答する。対象者2による問診の結果に関する情報を含む問診データは、音声分析によってその内容が特定されて、推定装置100に入力される。
なお、図1に示す例では、問診に対して対象者2が口頭で回答することで、問診データが推定装置100に入力されるが、ユーザ1は、対象者2から得た問診結果を、キーボード501およびマウス502を使って推定装置100に入力してもよい。また、図1に示すように、問診の内容およびその問診結果は、ディスプレイ300に表示されてもよい。
一般的に、めまいの診断においては、眼振(律動的に動く眼球の不随意運動)を観察することによって行われる。眼振には、何らの刺激も与えられていない状態で自発的に起こる自発眼振と、刺激が与えられることで起こる誘発眼振とが含まれる。さらに、誘発眼振には、頭部の位置が変位したときに誘発される頭位眼振と、体の位置が変位したときに誘発される頭位変換眼振とが含まれる。誘発眼振について、特に、頭部に生理的な回転刺激などを与えると、視野を安定させるために頭部と反対に眼球が動くことが知られており、このような現象を前庭動眼反射(VOR:Vestibulo Ocular Reflex)ともいう。
ここで、図2を参照しながら、眼振検査の一例について説明する。眼振検査は、所定の条件下において行われる。たとえば、自発眼振の検査においては、ユーザ1は、対象者2の頭部を固定して正面で注視させた状態で、そのときの対象者2の眼球の運動に基づいてめまいを診断する。頭位眼振の検査においては、図2(A)に示すように、ユーザ1は、対象者2の頭部の位置を様々な状態に変位させ、そのときに誘発される対象者2の眼球の運動に基づいてめまいを診断する。頭位変換眼振の検査においては、図2(B)および図2(c)に示すように、ユーザ1は、対象者2の体の位置および頭部の位置を変位させ、そのときに誘発される対象者2の眼球の運動に基づいてめまいを診断する。
さらに、図示は省略するが、ユーザ1は、対象者2の眼球にモニタ画面を介して仮想的に表示された指標を追跡させ、そのときに得られた対象者2の眼球の運動に基づいてめまいを診断することもある。このような指標を用いた眼振検査を指標追跡検査ともいう。また、眼振検査は、暗視状態で行われてもよいし、明視状態で行われてもよい。なお、上述した眼振検査は一例であり、ユーザ1は、その他の検査方法で、めまいを診断してもよい。
ユーザ1が熟練しためまい専門の医師であれば、上述したような眼振検査によって得られた対象者2の眼球運動を観察することで精度良くめまいを診断することができる。しかしながら、めまいを診断することにおいては、術者ごとにその知見のレベルが異なるため、術者の知見のレベルに応じて診断結果がばらつき、その精度が低下する虞がある。たとえば、めまいが生じて患者が内科に訪れた場合、内科の医師は眼科や耳鼻科などめまい専門の医師よりもめまいの知見が乏しい可能性が高いため、その結果、高い精度の診断を得ることが難しい。
また、眼振検査によって中枢性めまいが発症していると疑われる場合、頭部CTや頭部MRIなどの精密検査を行うための装置が用意されていればよいが、患者が最初に訪れた医院が精密検査を行うための装置を所有していなければ、脳の障害の早期発見を逃してしまう虞もある。
そこで、熟練者でなくとも、精度良くめまいの原因を容易に推定することができる技術として、本実施の形態に係る推定システム10が提案されている。本実施の形態に係る推定システム10は、推定装置100が有するAI(人工知能:Artificial Intelligence)を利用して、対象者2の眼球の運動に関する情報を含む眼球運動データに基づき、めまいの原因を自動的に推定する処理を実行するように構成されている。なお、推定装置100によるめまいの原因を推定する処理を「推定処理」とも称する。
具体的には、推定装置100には、平衡機能検査装置600が接続されている。平衡機能検査装置600は、めまいの診断に用いられる対象者2の眼球の運動に関する情報を含む眼球運動データを取得する装置である。図1および図2に示すように、ユーザ1は、対象者2に平衡機能検査装置600を装着させた状態で、上述した眼振検査を行い、そのときに得られた対象者2の眼球の運動データを推定装置100に入力する。
なお、眼球の運動に関する情報は、眼球の動きを撮像した画像もしくは動画そのもののデータであってもよいし、画像データや動画データを解析することで得られる解析値であってもよい。たとえば、解析値は、眼球の水平運動(単位:度)、眼球の垂直運動(単位:度)、眼球の回旋運動(単位:度)、眼球の速度(単位:度/秒)などであってもよい。
推定装置100は、対象者2の眼球運動データが入力されると、入力された眼球運動データ、および機械学習によって生成された推定モデルに基づき、めまいの原因を推定する推定処理を実行する。
また、本実施の形態においては、眼振検査における対象者2の頭部の運動に関する情報を含む頭部運動データ、および指標追跡検査における指標の動きに関する情報を含む指標動作データも平衡機能検査装置600によって取得され、推定装置100に入力される。
推定装置100は、対象者2の眼球運動データに加えて、問診データ、頭部運動データ、および指標動作データの少なくともいずれか1つが入力された場合でも、入力された眼球運動データ、問診データ、頭部運動データ、あるいは指標動作データと、機械学習によって生成された推定モデルとに基づき、めまいの原因を推定する推定処理を実行する。
「推定モデル」は、たとえば、公知のニューラルネットワークやサポートベクターマシン(Support Vector Machine:SVM)、あるいはベイジアンネットワーク(Bayesian Network)などのネットワーク構造と、当該ネットワーク構造によって用いられるパラメータとを含み、眼球運動データに加えて、問診データ、頭部運動データ、および指標動作データの少なくともいずれか1つに基づくめまいの原因の推定結果と、眼球運動データなどの各種データに関連付けられためまいの原因とに基づき機械学習されることで最適化(調整)される。
具体的には、推定モデルは、眼球運動データなどが入力されると、ネットワーク構造によって各データの特徴を抽出する。そして、推定モデルは、抽出した各データの特徴に基づきめまいの原因を推定する。そして、推定モデルは、自身が推定しためまいの原因と、入力された眼球運動データなどに関連付けられためまいの原因(たとえば、専門の術者による確定診断結果)とに基づき、両者が一致すればパラメータを更新しない一方で、両者が一致しなければ両者が一致するようにパラメータを更新することで、パラメータを最適化する。このように、推定モデルは、入力データである眼球運動データなどの各種データと、正解データであるめまいの原因(確定診断結果)とを含む教師データを利用して、パラメータが最適化されることで学習される。
なお、このような推定モデルを学習する処理を「学習処理」とも称する。また、学習処理によって最適化された推定モデルを、特に「学習済モデル」とも称する。つまり、本実施の形態においては、学習前の推定モデルおよび学習済みの推定モデルをまとめて「推定モデル」と総称する一方で、特に、学習済みの推定モデルを「学習済モデル」とも称する。
推定装置100によって学習済モデルを用いて推定処理が実行されると、その推定結果が、ディスプレイ300、および図示しないスピーカに出力される。
さらに、推定装置100による推定処理で取得された推定結果データは、推定処理時に用いられた眼球運動データ、問診データ、頭部運動データ、および指標動作データとともに、推定情報として管理センターに配置されたサーバ装置500に出力される。
たとえば、図3に示すように、推定システム10は、複数のローカルA~Cのそれぞれに配置されている。たとえば、ローカルAはクリニックであり、ローカルBは総合病院であり、ローカルCは大学病院である。各ローカルの院内において、ユーザ1である術者は、推定システム10を利用して対象者2である患者のめまいの原因を推定する。各ローカルで取得された推定情報(眼球運動データ、問診データ、頭部運動データ、指標動作データ、推定結果データ)は、ネットワーク5を介して、管理センターに配置されたサーバ装置500に出力される。
管理センターにおいては、サーバ装置500が、各ローカルから取得した推定情報を蓄積して記憶し、ビッグデータとして保持する。
なお、サーバ装置500は、ローカルとは異なる管理センターに配置されるものに限らず、ローカル内に配置されてもよい。たとえば、ローカルA~Cのうちのいずれかのローカル内にサーバ装置500が配置されてもよい。また、1つのローカル内に複数の推定装置100が配置されてもよく、さらに、当該1つのローカル内に当該複数の推定装置100と通信可能なサーバ装置500が配置されてもよい。また、サーバ装置500は、クラウドサービスの形態で実現されてもよい。
各ローカルA~Cの推定装置100は、各自で推定モデルを保持しており、推定処理時に各自が保持する推定モデルを使用してめまいの原因を推定する。各ローカルA~Cの推定装置100は、各自の学習処理によって各自の推定モデルを学習することで、学習済モデルを生成する。このようにして生成された学習済モデルは、ネットワーク5またはリムーバブルディスク550を介して、各ローカルA~Cからサーバ装置500に出力されてもよい。さらに、本実施の形態においては、サーバ装置500も推定モデルを保持している。サーバ装置500は、各ローカルA~Cの推定装置100から取得した推定情報を用いた学習処理によって推定モデルを学習することで、学習済モデルを生成し、ネットワーク5またはリムーバブルディスク550を介して、各ローカルA~Cの推定装置100に当該学習済モデルを配布してもよい。
なお、本実施の形態においては、各ローカルA~Cの推定装置100およびサーバ装置500のいずれも学習処理を実行する形態であるが、各ローカルA~Cの推定装置100のみが学習処理を実行する形態、あるいはサーバ装置500のみが学習処理を実行する形態であってもよい。なお、サーバ装置500のみが学習処理を実行する形態である場合、各ローカルA~Cの推定装置100が保持する推定モデル(学習済モデル)は、各ローカルA~Cの推定装置100間で共通化される。
また、サーバ装置500が推定装置100における推定処理の機能を有していてもよい。たとえば、各ローカルA~Cは、取得した眼球運動データ、問診データ、頭部運動データ、および指標動作データをサーバ装置500に送信し、サーバ装置500は、各ローカルA~Cから受信した各データに基づき、それぞれにおけるめまいの原因の推定結果を算出してもよい。そして、サーバ装置500は、それぞれの推定結果を各ローカルA~Cに送信し、各ローカルA~Cは、サーバ装置500から受信した推定結果をディスプレイ300などに出力してもよい。このように、各ローカルA~Cとサーバ装置500とがクラウドサービスの形態で構成されてもよい。このようにすれば、サーバ装置500が推定モデル(学習済モデル)を保持してさえいれば、各ローカルA~Cは、推定モデル(学習済モデル)を保持することなく推定結果を得ることができる。
なお、ネットワーク5を介さずに、ローカルA~Cのそれぞれからも、リムーバブルディスク550を介して推定情報が管理センターに送られてもよい。また、ローカルA~Cのそれぞれの間においても、ネットワーク5またはリムーバブルディスク550を介して推定情報を互いに送り合ってもよい。
このように、本実施の形態に係る推定システム10によれば、推定装置100が有するAIを利用して、眼球運動データに加えて、問診データ、頭部運動データ、および指標動作データの少なくともいずれか1つに基づき、めまいの原因が自動的に推定される。AIを利用することで、ユーザ1では抽出できない対象者2の眼球運動や問診結果などの特徴を見出すことができ、これにより、ユーザ1は、自身の知見に頼ることなく、精度良くめまいの原因を推定することができる。さらに、医学の進歩とともに、機械学習時に用いられる正解データである確定診断結果の精度も向上するため、機械学習によって推定モデルを学習させることによって、精度を向上させながらめまいの原因を容易に推定することができる。
[推定装置のハードウェア構成]
図4を参照しながら、本実施の形態に係る推定装置100のハードウェア構成の一例を説明する。図4は、本実施の形態に係る推定装置100のハードウェア構成を示す模式図である。推定装置100は、たとえば、汎用コンピュータで実現されてもよいし、推定システム10専用のコンピュータで実現されてもよい。
図4に示すように、推定装置100は、主なハードウェア要素として、ディスプレイインターフェース103と、マイクインターフェース104と、周辺機器インターフェース105と、平衡機能検査装置インターフェース160と、ネットワークコントローラ106と、メディア読取装置107と、メモリ109と、ストレージ110と、演算装置130とを備える。
ディスプレイインターフェース103は、ディスプレイ300を接続するためのインターフェースであり、推定装置100とディスプレイ300との間のデータの入出力を実現する。ディスプレイ300は、たとえば、LCD(Liquid Crystal Display)または有機ELD(Electroluminescence)ディスプレイなどで構成される。
マイクインターフェース104は、マイク400を接続するためのインターフェースであり、推定装置100とマイク400との間のデータの入出力を実現する。
周辺機器インターフェース105は、キーボード501およびマウス502などの周辺機器を接続するためのインターフェースであり、推定装置100と周辺機器との間のデータの入出力を実現する。
平衡機能検査装置インターフェース160は、平衡機能検査装置600を接続するためのインターフェースであり、推定装置100と平衡機能検査装置600との間のデータの入出力を実現する。
ネットワークコントローラ106は、ネットワーク5を介して、管理センターに配置されたサーバ装置500、および他のローカルに配置された他の推定装置100のそれぞれとの間でデータを送受信する。ネットワークコントローラ106は、たとえば、イーサネット(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)などの任意の通信方式に対応する。
メディア読取装置107は、リムーバブルディスク550に格納されている推定情報などの各種データを読み出す。
メモリ109は、演算装置130が任意のプログラムを実行するにあたって、プログラムコードやワークメモリなどを一時的に格納する記憶領域を提供する。メモリ109は、たとえば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性メモリデバイスで構成される。
ストレージ110は、推定処理および学習処理などに必要な各種のデータを格納する記憶領域を提供する。ストレージ110は、たとえば、ハードディスクまたはSSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリデバイスで構成される。
ストレージ110は、推定情報113と、推定モデル114(学習済モデル114a)と、学習用データセット116と、推定用プログラム120と、学習用プログラム121と、OS(Operating System)127と、めまい障害データ128とを格納する。
推定情報113は、眼球運動データ135と、頭部運動データ137と、指標動作データ139と、問診データ138と、眼球運動データ135などの各種データに基づく推定処理によって取得された推定結果データ124とを含む。
眼球運動データ135は、眼球の動きを撮像した画像もしくは動画のデータを含む。なお、眼球運動データ135は、眼球の動きを撮像した画像データや動画像データを解析することで得られる解析値であってもよい。頭部運動データ137は、頭部の位置を示すデータを含み、眼振検査が行われたときの頭部の位置を特定するためのデータである。指標動作データ139は、指標検査における指標の動きを撮像した画像もしくは動画のデータを含み、眼振検査における指標追跡検査が行われたときの指標の動作を特定するためのデータである。なお、指標動作データ139は、指標の動きを撮像した画像データや動画像データを解析することで得られる解析値であってもよい。なお、これら以外にも、暗視状態や明視状態を特定するためのデータなどが推定情報113に含まれてもよい。
問診データ138は、後述する図7に示すように対象者2に対する問診の結果を含む問診データテーブル1と、図8に示すように対象者2の属性(プロファイルなど)に関する属性データを含む問診データテーブル2とを含む。なお、本実施の形態においては、問診データとして、問診結果と、属性データとが含まれるが、属性データは、問診結果とは異なるデータとして存在してもよい。つまり、問診データには問診結果が含まれる一方で、属性データは含まれないものであってもよい。
推定結果データ124は、推定処理に用いられた眼球運動データ135、問診データ138、頭部運動データ137、および指標動作データ139のそれぞれに関連付けられてストレージ110に格納される。つまり、推定処理が行われたときに参照されたデータと、当該推定処理による推定結果とが関連付けられる。
学習用データセット116は、推定モデル114の学習処理に用いられる一群の学習用データである。推定用プログラム120は、推定処理を実行するためのプログラムである。学習用プログラム121は、推定モデル114の学習処理を実行するためのプログラムであり、その一部には推定処理を実行するためのプログラムも含まれる。めまい障害データ128は、後述する図9に示すようにめまいの原因に関する情報を含むめまい障害データテーブルを含む。
演算装置130は、各種のプログラムを実行することで、推定処理および学習処理などの各種の処理を実行する演算主体であり、コンピュータの一例である。演算装置130は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)132、FPGA(Field-Programmable Gate Array)134、およびGPU(Graphics Processing Unit)136などで構成される。
[平衡機能検査装置のハードウェア構成]
図5を参照しながら、本実施の形態に係る平衡機能検査装置600のハードウェア構成の一例を説明する。図5は、本実施の形態に係る平衡機能検査装置600のハードウェア構成を示す模式図である。
図5に示すように、平衡機能検査装置600は、主なハードウェア要素として、コンピュータ690と、頭部運動センサ620と、カメラ630と、光源640と、レーザーポインタ650と、ミラー660とを備える。
頭部運動センサ620は、平衡機能検査装置600を装着した対象者2の頭部の運動を検知するセンサである。頭部運動センサ620は、たとえば、対象者2の頭部の動きに対する速度を検出する速度センサであってもよいし、対象者2の頭部の動きに対する加速度を検出する加速度センサであってもよいし、対象者2の頭部の回転運動の角速度を検出する角速度センサであってもよいし、その他、撮像画像によって頭部の位置を検出する画像センサなど、対象者2の頭部の動きを検出することができるものであれば、いずれのセンサであってもよい。
カメラ630は、平衡機能検査装置600を装着した対象者2の眼球を撮像することで、眼球の運動を捉えた画像や動画を取得する。光源640は、カメラ630による眼球の撮像時に、照明によってカメラ630による撮像をサポートする。レーザーポインタ650は、指標検査において眼球に提示するための指標を生成する。ミラー660は、レーザーポインタ650によって生成された指標を反射させることで、指標の位置を変位させる。
コンピュータ690は、外部装置インターフェース601と、頭部運動センサインターフェース602と、カメラインターフェース603と、光源インターフェース604と、レーザーポインタインターフェース605と、ミラーインターフェース606と、メモリ609と、ストレージ610と、演算装置632とを備える。
外部装置インターフェース601は、推定装置100などの外部装置を接続するためのインターフェースであり、コンピュータ690と推定装置100などの外部装置との間のデータの入出力を実現する。
頭部運動センサインターフェース602は、頭部運動センサ620を接続するためのインターフェースであり、コンピュータ690と頭部運動センサ620との間のデータの入出力を実現する。
カメラインターフェース603は、カメラ630を接続するためのインターフェースであり、コンピュータ690とカメラ630との間のデータの入出力を実現する。
光源インターフェース604は、光源640を接続するためのインターフェースであり、コンピュータ690と光源640との間のデータの入出力を実現する。
レーザーポインタインターフェース605は、レーザーポインタ650を接続するためのインターフェースであり、コンピュータ690とレーザーポインタ650との間のデータの入出力を実現する。
ミラーインターフェース606は、ミラー660を接続するためのインターフェースであり、コンピュータ690とミラー660との間のデータの入出力を実現する。
メモリ609は、演算装置632が任意のプログラムを実行するにあたって、プログラムコードやワークメモリなどを一時的に格納する記憶領域を提供する。メモリ609は、たとえば、DRAMまたはSRAMなどの揮発性メモリデバイスで構成される。
ストレージ610は、各種のデータを格納する記憶領域を提供する。ストレージ610は、たとえば、ハードディスクまたはSSDなどの不揮発性メモリデバイスで構成される。ストレージ610は、眼球運動データ635と、頭部運動データ637と、指標動作データ639と、平衡機能検査用プログラム621と、OS627とを格納する。
眼球運動データ635は、カメラ630によって得られた眼球の撮像画像に基づき生成され、ストレージ610に格納される。この眼球運動データ635は、外部装置インターフェース601を介して推定装置100に出力され、眼球運動データ135として推定装置100のストレージ110に格納される。
頭部運動データ637は、頭部運動センサ620によって得られた頭部の速度データなどに基づき生成され、ストレージ610に格納される。この頭部運動データ637は、外部装置インターフェース601を介して推定装置100に出力され、頭部運動データ137として推定装置100のストレージ110に格納される。
指標動作データ639は、レーザーポインタ650によって生成された指標の位置を変位するミラー660の動作に基づき生成され、ストレージ610に格納される。この指標動作データ639は、外部装置インターフェース601を介して推定装置100に出力され、指標動作データ139として推定装置100のストレージ110に格納される。
平衡機能検査用プログラム621は、カメラ630、光源640、レーザーポインタ650、およびミラー660などを駆動することで、眼球運動データ、頭部運動データ、および指標動作データなどの各種データを取得するためのプログラムである。
演算装置632は、平衡機能検査用プログラム621などの各種のプログラムを実行する演算主体である。演算装置632は、たとえば、CPU、FPGA、およびGPUなどで構成される。
[サーバ装置のハードウェア構成]
図6を参照しながら、本実施の形態に係るサーバ装置500のハードウェア構成の一例を説明する。図6は、本実施の形態に係るサーバ装置500のハードウェア構成を示す模式図である。サーバ装置500は、たとえば、汎用コンピュータで実現されてもよいし、推定システム10専用のコンピュータで実現されてもよい。
図6に示すように、サーバ装置500は、主なハードウェア要素として、ディスプレイインターフェース503と、周辺機器インターフェース505と、ネットワークコントローラ506と、メディア読取装置507と、メモリ509と、ストレージ510と、演算装置530とを備える。
ディスプレイインターフェース503は、ディスプレイ350を接続するためのインターフェースであり、サーバ装置500とディスプレイ350との間のデータの入出力を実現する。ディスプレイ350は、たとえば、LCDまたは有機ELDディスプレイなどで構成される。
周辺機器インターフェース505は、キーボード551およびマウス552などの周辺機器を接続するためのインターフェースであり、サーバ装置500と周辺機器との間のデータの入出力を実現する。
ネットワークコントローラ506は、ネットワーク5を介して、各ローカルに配置された推定装置100との間でデータを送受信する。ネットワークコントローラ506は、たとえば、イーサネット(登録商標)、無線LAN、Bluetooth(登録商標)などの任意の通信方式に対応してもよい。
メディア読取装置507は、リムーバブルディスク550に格納されている推定情報などの各種データを読み出す。
メモリ509は、演算装置530が任意のプログラムを実行するにあたって、プログラムコードやワークメモリなどを一時的に格納する記憶領域を提供する。メモリ509は、たとえば、DRAMまたはSRAMなどの揮発性メモリデバイスで構成される。
ストレージ510は、学習処理などに必要な各種のデータを格納する記憶領域を提供する。ストレージ510は、たとえば、ハードディスクまたはSSDなどの不揮発性メモリデバイスで構成される。
ストレージ510は、推定情報513と、推定モデル514(学習済モデル514a)と、学習用データセット516と、推定用プログラム520と、学習用プログラム521と、OS527と、めまい障害データ528とを格納する。
推定情報513は、ネットワーク5を介してローカルに配置された推定装置100から取得した眼球運動データ535と、頭部運動データ537と、指標動作データ539と、問診データ538と、眼球運動データ535などの各種データに基づく推定処理によって取得された推定結果データ524、あるいは各ローカルの推定装置100から取得した推定結果データ524とを含む。推定結果データ524は、推定処理に用いられた眼球運動データ535、問診データ538、頭部運動データ537、および指標動作データ539のそれぞれに関連付けられてストレージ510に格納される。つまり、推定処理が行われたときに参照されたデータと、当該推定処理による推定結果とが関連付けられる。
学習用データセット516は、推定モデル514の学習処理に用いられる一群の学習用データである。推定用プログラム520は、推定処理を実行するためのプログラムである。学習用プログラム521は、推定モデル514の学習処理を実行するためのプログラムであり、その一部には推定処理を実行するためのプログラムも含まれる。めまい障害データ528は、めまいの原因に関するデータを含む。
なお、推定モデル514(学習済モデル514a)は、ローカルの推定装置100に送信されることで、推定装置100によって、推定モデル114(学習済モデル114a)として保持される。
演算装置530は、各種のプログラムを実行することで、学習処理などの各種の処理を実行する演算主体であり、コンピュータの一例である。演算装置530は、たとえば、CPU532、FPGA534、およびGPU536などで構成される。
[問診データ]
図7および図8を参照しながら、本実施の形態に係る問診データを説明する。図7は、本実施の形態に係る推定装置100が記憶する問診データテーブル1を示す模式図である。図8は、本実施の形態に係る推定装置が記憶する問診データテーブル2を示す模式図である。
図7に示すように、問診データテーブル1には、対象者2に対して行われる問診の内容と、当該問診の内容に対する回答である問診結果とが格納されている。本実施の形態において行われる問診には、複数の問診項目が含まれている。たとえば、問診は、めまいの発症時期、対象者2の性情、めまいの持続性、難聴、耳鳴、耳閉塞、その他の疾患の併存または既往症、対象者2におけるバイタルサイン、および神経学的所見などの内容が含まれている。なお、問診データテーブル1には、これらの問診項目のうちの少なくともいずれか1つが含まれていればよく、その他の問診内容が含まれていてもよい。
対象者2に対する問診によって得られた問診結果は、ユーザ1によってキーボード501やマウス502などを用いて入力されることで、問診データテーブル1に格納される。たとえば、対象者2によって耳鳴があると回答された場合、「耳鳴」の欄に含まれる「あり」の欄にフラグ(たとえば、「1」)が立てられる。このようにして、対象者2に対する問診によって得られた問診結果が、問診データテーブル1に格納される。
図8に示すように、問診データテーブル2には、対象者2の属性に関する内容を含む属性データが格納されている。たとえば、対象者2の属性に関する内容には、対象者2に紐付けられたID、対象者2の名前、年齢、性別、国籍(人種)、身長、体重、喫煙の有無、飲酒の有無、職業、および趣味などが含まれている。なお、問診データテーブル2には、これらの属性に関する内容のうちの少なくともいずれか1つが含まれていればよく、その他の属性に関する内容が含まれていてもよい。
対象者2に対する問診時において、当該対象者2の属性に関する内容が得られると、当該属性に関する内容が、ユーザ1によってキーボード501やマウス502などを用いて入力されることで、問診データテーブル2に格納される。たとえば、ID「a001」に紐付けられた対象者2について、名前として「山田太郎」、年齢として「65」歳、性別として「男」、国籍(人種)として「日本」、身長として「160」cm、体重として「55」kg、喫煙の有無として「有」、飲酒の有無として「有」、職業として「無職」、および趣味として「ゴルフ」を特定可能な情報が問診データテーブル2に格納される。このようにして、対象者2の属性に関する内容が、問診データテーブル2に格納される。
[めまい障害データ]
図9を参照しながら、本実施の形態に係るめまい障害データを説明する。図9は、本実施の形態に係る推定装置100が記憶するめまい障害データテーブルを示す模式図である。
図9に示すように、めまい障害データテーブルには、めまいの原因に関する情報が格納されている。たとえば、めまいの原因には、メニエール病など主に内耳の障害に起因する抹消性めまい、脳梗塞など主に脳の障害に起因する中枢性めまい、貧血や不整脈などに起因する失神性めまい、および心気症やうつ病などに起因する心因性めまいなどが含まれている。なお、めまいデータテーブルには、これらのめまいの原因のうちの少なくともいずれか1つが含まれていればよい。
推定装置100は、めまいデータテーブルに格納されためまいの原因に関する情報を参照することで、眼球運動データや問診データに基づく推定結果としてめまいの原因を出力する。
[推定装置による推定処理]
図10および図11を参照しながら、本実施の形態に係る推定装置100による推定処理を説明する。図10は、本実施の形態に係る推定装置100の機能構成を示す模式図である。図11は、本実施の形態に係る推定装置100による推定処理を説明するための模式図である。
図10に示すように、推定装置100は、眼球運動データ入力部1135と、問診データ入力部1138と、頭部運動データ入力部1136と、指標動作データ入力部1139と、推定部1130と、出力部1103とを有する。これらの各機能は、推定装置100の演算装置130がOS127および推定用プログラム120を実行することで実現される。
眼球運動データ入力部1135には、平衡機能検査装置600によって取得された対象者2の眼球の運動に関する情報を含む眼球運動データが入力される。なお、平衡機能検査装置600は、データ取得装置の一例である。
問診データ入力部1138には、対象者2に対して行われた問診の結果に関する情報を含む問診データがキーボード501によって入力される。入力された問診データに含まれる情報は、図7および図8で説明したように、問診データテーブルに格納される。
頭部運動データ入力部1136には、平衡機能検査装置600によって取得された対象者2の頭部の運動に関する情報を含む頭部運動データが入力される。
指標動作データ入力部1139には、平衡機能検査装置600によって取得された対象者2の眼球に指標を追跡させるための当該指標の動きに関する情報を含む指標動作データが入力される。
なお、眼球運動データ入力部1135、問診データ入力部1138、頭部運動データ入力部1136、および指標動作データ入力部1139は、「入力部」の一例であり、各入力部が共通の入力部であってもよいし、各入力部が互いに独立した異なる入力部であってもよい。
推定部1130は、眼球運動データ入力部1135に入力された眼球運動データに加えて、問診データ入力部1138に入力された問診データ、頭部運動データ入力部1136に入力された頭部運動データ、および指標動作データ入力部1139に入力された指標動作データの少なくともいずれか1つに基づき、推定モデル114(学習済モデル114a)を用いてめまいの原因を推定する推定処理を実行する。なお、推定部1130は、眼球運動データのみに基づいて推定処理を実行してもよいが、問診データ、頭部運動データ、および指標動作データについても参照する方が、入力データが多い分、より精度良くめまいの原因を推定することができる。
推定モデル114は、ネットワーク構造1142と、当該ネットワーク構造1142によって用いられるパラメータ1144とを含む。パラメータ1144は、ネットワーク構造1142による計算に用いられる重み付け係数と、推定の判定に用いられる判定値とを含む。
ネットワーク構造1142においては、眼球運動データなどの各種データが入力層に入力される。そして、ネットワーク構造1142においては、たとえば、中間層によって、入力された眼球運動データなどに対して重み付け係数が乗算されたり所定のバイアスが加算されたりするとともに所定の関数による計算が行われ、その計算結果が判定値と比較される。そして、ネットワーク構造1142においては、その計算および判定の結果が推定結果として出力層から出力される。なお、ネットワーク構造1142による計算および判定については、眼球運動データなどに基づきめまいの原因を推定できるものであれば、いずれの手法が用いられてもよい。
推定モデル114(学習済モデル114a)のネットワーク構造1142は、ニューラルネットワークやサポートベクターマシン、あるいはベイジアンネットワークなど、公知のネットワーク構造を用いればよい。さらに、ネットワーク構造1142として、ニューラルネットワークを用いる場合、中間層を多層構造にすることで、ディープラーニングによる処理を行うものであってもよい。
このような構成において、推定装置100は、眼球運動データなどが入力されると、眼球運動データなどの各種データの特徴を推定モデル114のネットワーク構造1142を用いて抽出し、抽出した特徴に基づき、めまいの原因を推定する。
たとえば、上述した前庭動眼反射(VOR)によって、めまいの有無やその原因に応じて眼球運動データに含まれる眼球運動の波形やその数値データは異なる。推定装置100は、眼球運動データに含まれる眼球運動の波形やその数値データの特徴を抽出して、その傾向を掴むことで、めまいの原因を推定する。さらに、眼球運動データが取得された条件については、推定装置100は、頭部運動データに基づき対象者2の頭部の位置や体の位置を特定し、指標動作データに基づき指標検査時の指標の動作を特定することができる。
また、めまいの有無やその原因に応じて問診データテーブル1に格納された問診結果が異なる。問診結果は対象者2が回答するものであるため、その内容は対象者2によって様々であるが、めまいの有無やその原因と、問診結果との間においては、何らかの相関関係が見出され得る。推定装置100は、問診データテーブル1に格納された問診結果の特徴を抽出して、その傾向を掴むことで、めまいの原因を推定する。
さらに、めまいの有無やその原因に応じて問診データテーブル2に格納された属性データが異なる。たとえば、年齢が高ければ高いほど、加齢とともにめまいを引き起こし易い。また、喫煙や飲酒をする者は、喫煙や飲酒をしない者よりも、めまいを引き起こし易い。さらに、ストレスが生じ易い職業や趣味を有する者は、ストレスが生じ難い職業や趣味を有する者よりも、めまいを引き起こし易い。このように、めまいの有無やその原因と、属性データとの間においては、何らかの相関関係が見出され得る。推定装置100は、問診データテーブル2に格納された属性データの特徴を抽出して、その傾向を掴むことで、めまいの原因を推定する。
出力部1103は、推定処理によって得られた推定結果データを、ディスプレイ300、またはサーバ装置500に出力する。
たとえば、図11に示すように、推定装置100は、入力された眼球運動データに加えて、問診データ、頭部運動データ、および指標動作データの少なくともいずれか1つに基づきめまいの原因を推定すると、その推定結果を、ディスプレイ300に出力する。ディスプレイ300の画面上には、めまいの原因として可能性の高い順に複数の候補が一覧表示されるとともに、スコアも追加される。めまいの原因として可能性が高いほど、スコアも高くなるため、ユーザ1は、スコアの度合いに基づきめまいの原因を予想することができる。
[学習用データ]
図12は、本実施の形態に係る学習用データセットの一例を説明するための模式図である。図12においては、良性発作性頭位めまいを有する対象者2に対応する学習用データの一例が示されている。
図12に示すように、学習用データには、めまいを有する対象者2の眼球運動データ、問診データ(問診結果)、頭部運動データ、および指標動作データと、当該対象者2に対する術者による確定診断結果(めまいの原因)とが含まれており、確定診断結果(めまいの原因)は、眼球運動データ、問診データ(問診結果)、頭部運動データ、および指標動作データのそれぞれに関連付けられている。このように、本実施の形態に係る学習用データにおいては、推定処理で参照される眼球運動データ、問診データ、頭部運動データ、および指標動作データに対して、めまいの原因が関連付けられる(ラベリングされる)。
図12に示す例は良性発作性頭位めまいを例示しているが、その他のめまいの原因についても、多くのサンプルが集められる。このような学習用データの集まりが学習用データセット116として、推定装置100に保持される。
[学習済モデルの生成]
図13を参照しながら、学習済モデル114aの生成の一例を説明する。図13は、本実施の形態に係る学習用データセット116に基づく学習済モデル114aの生成を説明するための模式図である。
図13に示すように、学習用データセット116は、当該学習用データセット116を生成する際のサンプルとなった対象者2の属性データに基づきカテゴリごとに分類することができる。たとえば、年齢(未成年者,現役世代,高齢者)、性別(男性,女性)、人種(アジア人,欧米人,アフリカ系)、身長(150cm未満,150以上)、体重(50kg未満,50kg以上)、喫煙の有無、職業、および趣味のそれぞれに対して、サンプルとなった対象者2の学習用データを割り当てることができる。なお、各カテゴリの層別は、適宜設定可能である。たとえば、年齢に関しては、所定の年齢差ごと、具体的には、0歳~3歳、4歳~6歳、7歳~9歳、…といったように、より詳細に層別することができる。
推定装置100は、カテゴリごとに分類することができる複数の学習用データセット116a~116qを用いて推定モデル114を学習させることで、学習済モデル114aを生成する。なお、学習用データは、カテゴリの分類の仕方によっては重複することがあるが、学習用データが重複する場合には、いずれかの学習用データのみを用いて推定モデル114を学習させればよい。
上述したように、めまいの有無やその原因は、属性データに依存する傾向がある。このため、本実施の形態のように、属性データに基づき学習処理を実行すれば、属性データを考慮してめまいの原因を推定可能な学習済モデル114aを生成することができる。
なお、図13に示す学習済モデル114aの生成は、サーバ装置500が保持する学習済モデル514aの生成についても適用可能である。たとえば、図13に示す学習用データセット116a~116oを、サーバ装置500が保持する学習用データセット516に適用してもよいし、図13に示す推定モデル114を、サーバ装置500が保持する推定モデル514に適用してもよい。
[推定装置の学習処理]
図14を参照しながら、推定装置100が実行する学習処理について説明する。図14は、本実施の形態に係る推定装置100が実行する学習処理の一例を説明するためのフローチャートである。図14に示す各ステップは、推定装置100の演算装置130がOS127および学習用プログラム121を実行することで実現される。
図14に示すように、推定装置100は、学習用データセット116の中から、学習に用いる学習用データを選択する(S1)。具体的には、推定装置100は、図13に示す学習用データセット群に含まれる学習用データセット116の中から、一または複数の学習用データを選択する。なお、推定装置100は、学習用データを自動で選択するものに限らず、ユーザ1が選択した学習用データを学習処理に用いてもよい。
推定装置100は、選択した学習用データに含まれる眼球運動データ、頭部運動データ、指標動作データ、および問診データを推定モデル114に入力する(S2)。なお、この問診データには、問診結果および属性データが含まれる。このとき、推定装置100には、眼球運動データや問診データなどにラベリングされた正解データ(確定診断結果)は入力されない。推定装置100は、眼球運動データなどの特徴に基づき、推定モデル114を用いてめまいの有無やその原因を推定する推定処理を実行する(S3)。なお、S2で眼球運動データのみが入力されることで、当該眼球運動データのみに基づきS3の推定処理が実行されてもよい。頭部運動データ、指標動作データ、および問診データは、学習処理に必須でなくてもよいが、これらのデータを参照した方が、より精度良く推定モデル114を機械学習させることができる。
推定装置100は、推定処理によって推定しためまいの原因の推定結果と、学習処理に用いた学習用データに対応する正解データとの誤差に基づき、推定モデル114のパラメータ1144を更新する(S4)。
たとえば、推定装置100は、推定結果と正解データとを比較し、両者が一致すれば推定モデル114のパラメータ1144を維持する一方で、両者が一致しなければ両者が一致するように推定モデル114のパラメータ1144を更新する。
次に、推定装置100は、全ての学習用データに基づき学習したか否かを判定する(S5)。推定装置100は、全ての学習用データに基づき学習していない場合(S5でNO)、S1の処理に戻る。
一方、推定装置100は、全ての学習用データに基づき学習した場合(S5でYES)、学習済みの推定モデル114を学習済モデル114aとして記憶し(S6)、本処理を終了する。
このように、推定装置100は、学習用データに含まれる眼球運動データなどに関連付けられためまいの原因(確定診断結果)を正解データとして、推定処理による眼球運動データなどを用いためまいの原因の推定結果に基づき、推定モデル114を学習することで、学習済モデル114aを生成することができる。
さらに、推定装置100は、学習処理において、学習用データに加えて属性データを考慮して推定モデル114を学習するため、対象者2の属性データを考慮した学習済モデル114aを生成することができる。
[サーバ装置の学習処理]
図15を参照しながら、サーバ装置500が実行する学習処理について説明する。図15は、本実施の形態に係るサーバ装置500が実行する学習処理の一例を説明するためのフローチャートである。図15に示す各ステップは、サーバ装置500の演算装置530がOS527および学習用プログラム521を実行することで実現される。
図15に示すように、サーバ装置500は、学習用データセットの中から、学習に用いる学習用データを選択する(S501)。ここで、学習用データは、サーバ装置500によって蓄積して記憶されたビッグデータを利用して生成されたものであってもよい。たとえば、サーバ装置500は、各ローカルA~Cの推定装置100から取得した推定情報に含まれる眼球運動データや問診データなどを利用して学習用データを生成しておき、生成した学習用データを用いて学習処理を実行してもよい。なお、サーバ装置500は、学習用データを自動で選択するものに限らず、ユーザ1が選択した学習用データを学習処理に用いてもよい。
サーバ装置500は、選択した学習用データに含まれる眼球運動データ、頭部運動データ、指標動作データ、および問診データを推定モデル514に入力する(S502)。なお、この問診データには、問診結果および属性データが含まれる。このとき、サーバ装置500には、眼球運動データや問診データなどにラベリングされた正解データ(確定診断結果)は入力されない。サーバ装置500は、眼球運動データなどの特徴に基づき、推定モデル514を用いてめまいの有無やその原因を推定する推定処理を実行する(S503)。なお、S502で眼球運動データのみが入力されることで、当該眼球運動データのみに基づきS503の推定処理が実行されてもよい。頭部運動データ、指標動作データ、および問診データは、学習処理に必須でなくてもよいが、これらのデータを参照した方が、より精度良く推定モデル114を機械学習させることができる。
サーバ装置500は、推定処理によって推定しためまいの原因の推定結果と、学習処理に用いた学習用データに対応する正解データとの誤差に基づき、推定モデル514のパラメータを更新する(S504)。
たとえば、サーバ装置500は、推定結果と正解データとを比較し、両者が一致すれば推定モデル514のパラメータを維持する一方で、両者が一致しなければ両者が一致するように推定モデル514のパラメータを更新する。
次に、サーバ装置500は、全ての学習用データに基づき学習したか否かを判定する(S505)。サーバ装置500は、全ての学習用データに基づき学習していない場合(S505でNO)、S501の処理に戻る。
一方、サーバ装置500は、全ての学習用データに基づき学習した場合(S505でYES)、学習済みの推定モデル514を学習済モデル514aとして記憶する(S506)。その後、サーバ装置500は、生成した学習済モデル514aを各ローカルの推定装置100に送信し(S507)、本処理を終了する。
このように、サーバ装置500は、学習用データに含まれる眼球運動データなどに関連付けられためまいの原因(確定診断結果)を正解データとして、推定処理による眼球運動データなどを用いためまいの原因の推定結果に基づき、推定モデル514を学習することで、学習済モデル514aを生成することができる。
また、サーバ装置500は、学習処理において、学習用データに加えて属性データを考慮して推定モデル514を学習するため、対象者2の属性データを考慮した学習済モデル514aを生成することができる。
さらに、サーバ装置500は、学習処理に用いる学習用データとして、各ローカルA~Cの推定装置100から取得した推定情報に含まれる音声データおよび問診データを利用しているため、推定装置100ごとに実行される学習処理よりも、より多くの学習用データに基づいて学習処理を実行することができ、より精度良くめまいの原因を推定可能な学習済モデル514aを生成することができる。
[推定装置のサービス提供処理]
図16を参照しながら、推定装置100が実行するサービス提供処理について説明する。図16は、本実施の形態に係る推定装置100が実行するサービス提供処理の一例を説明するためのフローチャートである。図16に示す各ステップは、推定装置100の演算装置130がOS127および推定用プログラム120を実行することで実現される。
図16に示すように、推定装置100は、サービス提供処理の開始条件が成立したか否かを判定する(S41)。開始条件は、たとえば、推定装置100や平衡機能検査装置600の電源を立ち上げたときに成立してもよいし、推定装置100や平衡機能検査装置600の電源を立ち上げた後にサービス提供処理に対応するモードに切り替えられたときに成立してもよい。あるいは、開始条件は、平衡機能検査装置600から対象者2の眼球運動データが入力されたときに成立してもよい。開始条件は、推定装置100に対して何らかのアクションが行われたときに成立するものであればよい。
推定装置100は、開始条件が成立していない場合(S41でNO)、本処理を終了する。一方、推定装置100は、開始条件が成立した場合(S41でYES)、眼球運動データが入力されたか否かを判定する(S42)。推定装置100は、眼球運動データが入力されていない場合(S42でNO)、S42の処理を繰り返す。
一方、推定装置100は、眼球運動データが入力された場合(S42でYES)、頭部運動データ、指標動作データ、または問診データが入力されたか否かを判定する(S43)。推定装置100は、頭部運動データ、指標動作データ、または問診データが入力された場合(S43でYES)、眼球運動データに加えて、頭部運動データ、指標動作データ、および問診データのうちの少なくともいずれか1つを学習済モデル114aに入力する(S44)。なお、この問診データには、問診結果および属性データが含まれる。
一方、推定装置100は、頭部運動データ、指標動作データ、または問診データが入力されていない場合(S43でNO)、眼球運動データのみを学習済モデル114aに入力する(S45)。
S44またはS45の後、推定装置100は、眼球運動データなどの特徴に基づき、学習済モデル114aを用いてめまいの原因を推定する推定処理を実行する(S46)。
その後、推定装置100は、推定処理によって得られた推定結果データを、ディスプレイ300やサーバ装置500などに出力し(S47)、本処理を終了する。
このように、推定装置100は、入力された眼球運動データなどの特徴に基づき、学習済モデル114aを用いてめまいの原因を推定するため、ユーザ自身の知見に頼ってめまいの原因を推定するよりも、精度良くめまいの原因を推定することができる。さらに、学習済モデル114aは、学習処理によって機械学習されるため、推定装置100は、学習処理を実行する度に精度を向上させながらめまいの原因を容易に推定することができる。
[主な構成]
以上のように、本実施の形態では以下のような開示を含む。
推定装置100は、所定の条件下において取得された対象者2の眼球の運動に関する情報を含む眼球運動データが入力される入力部(眼球運動データ入力部1135)と、入力部(眼球運動データ入力部1135)から入力された眼球運動データ、および機械学習によって生成された推定モデル114(学習済モデル114a)に基づき、めまいの原因を推定する推定部1130と、推定部1130による推定結果を出力する出力部1103とを備え、推定モデル114(学習済モデル114a)は、眼球運動データを用いためまいの原因の推定結果と、当該眼球運動データに関連付けられためまいの原因(確定診断結果)とに基づき機械学習される。
これにより、ユーザ1は、眼球運動データを推定モデル114(学習済モデル114a)に入力することで、めまいの原因を推定することができるため、ユーザ自身の知見に頼ってめまいの原因を推定するよりも、精度良くめまいの原因を推定することができる。さらに、推定モデル114(学習済モデル114a)は、学習処理によって機械学習されることで、推定処理の精度を向上させることができるため、ユーザ1は、精度を向上させながらめまいの原因を容易に推定することができる。
なお、推定モデル114の学習は、サーバ装置500によって実行される推定モデル514の学習によって実現されるものであってもよい。
所定の条件は、暗視状態にすること、明視状態にすること、対象者2の頭部の位置を固定させること、対象者の頭部の位置を変位させること、および対象者の眼球に指標を追跡させることのうちの少なくともいずれか1つを含む。
これにより、様々な条件下、あるいは適切な条件下で眼振検査が行われるため、ユーザ1は、より精度良くめまいの原因を推定することができる。
入力部(頭部運動データ入力部1136)には、対象者2の頭部の運動に関する情報を含む頭部運動データがさらに入力され、推定部1130は、入力部(頭部運動データ入力部1136)から入力された頭部運動データに基づき、めまいの原因を推定する。
これにより、ユーザ1は、眼球運動データに加えて頭部運動データに基づいてめまいの原因を推定することができるため、より精度良くめまいの原因を推定することができる。
入力部(指標動作データ入力部1139)には、対象者2の眼球に指標を追跡させるための当該指標の動きに関する情報を含む指標動作データがさらに入力され、推定部1130は、入力部(指標動作データ入力部1139)から入力された指標動作データに基づき、めまいの原因を推定する。
これにより、ユーザ1は、眼球運動データに加えて指標動作データに基づいてめまいの原因を推定することができるため、より精度良くめまいの原因を推定することができる。
入力部(問診データ入力部1138)には、対象者2に対して行われた問診の結果に関する情報を含む問診データがさらに入力され、推定部1130は、入力部(問診データ入力部1138)から入力された問診データに基づき、めまいの原因を推定する。
これにより、ユーザ1は、眼球運動データに加えて問診データに基づいてめまいの原因を推定することができるため、より精度良くめまいの原因を推定することができる。
図7に示すように、問診は、めまいの発症時期、対象者2の性情、めまいの持続性、難聴、耳鳴、耳閉塞、その他の疾患の併存または既往症、対象者2におけるバイタルサイン、および神経学的所見のうちの少なくともいずれか1つの内容を含む。
これにより、ユーザ1は、めまいの原因を推定するための情報として、様々な問診結果を集めることができる。
図8に示すように、問診データには、対象者2の属性に関する内容を含む属性データが追加される。
これにより、ユーザ1は、対象者2に対する問診結果に加えて、対象者2の属性に基づき、より精度良くめまいの原因を推定することができる。
図8に示すように、対象者2の属性に関する内容は、対象者2の年齢、性別、人種、身長、体重、喫煙の有無、飲酒の有無、職業、および趣味のうちの少なくともいずれか1つの情報を含む。
これにより、ユーザ1は、めまいの原因を推定するための情報として、対象者2に関する様々な属性を集めることができる。
図9に示すように、めまいの原因は、中枢性のめまいの原因、および末梢性のめまいの原因のうちの少なくともいずれか1つを含む。
これにより、ユーザ1は、めまいの原因として、様々な異常や疾患を推定することができる。
推定システム10は、所定の条件下において取得された対象者2の眼球の運動に関する情報を含む眼球運動データを取得する平衡機能検査装置600と、めまいの原因を推定する推定装置100とを備え、推定装置100は、平衡機能検査装置600によって取得された眼球運動データが入力される入力部(眼球運動データ入力部1135)と、入力部(眼球運動データ入力部1135)から入力された眼球運動データ、および機械学習によって生成された推定モデル114(学習済モデル114a)に基づき、めまいの原因を推定する推定部1130と、推定部1130による推定結果を出力する出力部1103とを含み、推定モデル114(学習済モデル114a)は、眼球運動データを用いた前記めまいの原因の推定結果と、当該眼球運動データに関連付けられためまいの原因(確定診断結果)とに基づき機械学習される。
これにより、ユーザ1は、眼球運動データを推定モデル114(学習済モデル114a)に入力することで、めまいの原因を推定することができるため、ユーザ自身の知見に頼ってめまいの原因を推定するよりも、精度良くめまいの原因を推定することができる。さらに、推定モデル114(学習済モデル114a)は、学習処理によって機械学習されることで、推定処理の精度を向上させることができるため、ユーザ1は、精度を向上させながらめまいの原因を容易に推定することができる。
推定方法は、所定の条件下において取得された対象者2の眼球の運動に関する情報を含む眼球運動データが入力されるステップ(S42)と、眼球運動データ、および機械学習によって生成された推定モデル114(学習済モデル114a)に基づき、めまいの原因を推定するステップ(S46)と、推定するステップ(S46)による推定結果を出力するステップ(S47)とを含み、推定モデル114(学習済モデル114a)は、眼球運動データを用いためまいの原因の推定結果と、当該眼球運動データに関連付けられためまいの原因とに基づき機械学習される。
これにより、ユーザ1は、眼球運動データを推定モデル114(学習済モデル114a)に入力することで、めまいの原因を推定することができるため、ユーザ自身の知見に頼ってめまいの原因を推定するよりも、精度良くめまいの原因を推定することができる。さらに、推定モデル114(学習済モデル114a)は、学習処理によって機械学習されることで、推定処理の精度を向上させることができるため、ユーザ1は、精度を向上させながらめまいの原因を容易に推定することができる。
推定用プログラム120は、演算装置130に、所定の条件下において取得された対象者2の眼球の運動に関する情報を含む眼球運動データが入力されるステップ(S42)と、眼球運動データ、および機械学習によって生成された推定モデル114(学習済モデル114a)に基づき、めまいの原因を推定するステップ(S46)と、推定するステップ(S46)による推定結果を出力するステップ(S47)とを実行させ、推定モデル114(学習済モデル114a)は、眼球運動データを用いためまいの原因の推定結果と、当該眼球運動データに関連付けられためまいの原因とに基づき機械学習される。
これにより、ユーザ1は、眼球運動データを推定モデル114(学習済モデル114a)に入力することで、めまいの原因を推定することができるため、ユーザ自身の知見に頼ってめまいの原因を推定するよりも、精度良くめまいの原因を推定することができる。さらに、推定モデル114(学習済モデル114a)は、学習処理によって機械学習されることで、推定処理の精度を向上させることができるため、ユーザ1は、精度を向上させながらめまいの原因を容易に推定することができる。
[変形例]
本発明は、上記の実施例に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
(サービス提供処理時学習処理)
本実施の形態に係る推定装置100は、図16に示すように、サービス提供処理において学習処理を実行するものではないが、図17に示すように、変形例に係る推定装置100aは、サービス提供処理において学習処理を実行するものであってもよい。図17は、変形例に係る推定装置100aが実行するサービス提供処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図17に示すS41~S47の処理は、図16に示すS41~S47の処理と同じであるため、図17においては、S48以降の処理についてのみ説明する。
図17に示すように、推定装置100aは、S41~S47の処理によって推定結果を出力した後、サービス提供時学習処理を実行する。具体的には、推定装置100aは、S47の後、誤り訂正のための正解データが入力されたか否かを判定する(S48)。たとえば、推定装置100aは、S47において出力された推定結果であるめまいの原因が、対象者2に対する術者による確定診断結果と異なる場合、確定診断結果をユーザ1が入力することで誤りを訂正したか否かを判定する。
推定装置100aは、誤り訂正のための正解データが入力されなかった場合(S48でNO)、本処理を終了する。一方、推定装置100aは、誤り訂正のための正解データが入力された場合(S48でYES)、推定結果と正解データとに基づき報酬を付与する(S49)。
たとえば、推定結果と正解データとの解離度が小さければ小さいほど、付与する報酬として値の小さいマイナスポイントを与え、両者の解離度が大きければ大きいほど、付与する報酬として値の大きいマイナスポイントを与えればよい。このように、推定装置100aは、推定結果と正解データとの解離度に応じて異なる値の報酬を付与する。なお、報酬はマイナスポイントに限らず、プラスポイントであってもよい。
推定装置100aは、付与した報酬に基づき、学習済モデル114aのパラメータ1144を更新する(S50)。たとえば、推定装置100aは、報酬として付与したマイナスポイントが0に近づくように学習済モデル114aのパラメータ1144を更新する。その後、推定装置100aは、本処理を終了する。
このように、変形例に係る推定装置100aは、サービス提供処理においても学習処理を実行するため、ユーザ1が使用すればするほど推定処理の精度が向上し、精度を向上させながらめまいの原因を容易に推定することができる。
(カテゴリごとの学習済モデルの生成)
本実施の形態に係る推定装置100は、図13に示すように、カテゴリごとに分類された複数の学習用データセット116a~116qが含まれる学習用データセット群を用いて推定モデル114を学習させることで、1つの学習済モデル114aを生成するものであったが、図18に示すように、変形例に係る推定装置100bは、カテゴリごとに分類された複数の学習用データセットのそれぞれをカテゴリごとに用いて推定モデル114を学習させることで、カテゴリごとの学習済モデルを生成してもよい。図18は、変形例に係る学習用データセットに基づく学習済モデルの生成を説明するための模式図である。
図18に示すように、学習用データセット116は、当該学習用データセット116を生成する際のサンプルとなった対象者2の属性データに基づきカテゴリごとに分類することができる。たとえば、年齢(未成年者,現役世代,高齢者)、および性別(男性,女性)に基づき、6個のカテゴリに対して、学習用データセットが割り当てられる。
推定装置100bは、カテゴリごとに分類された複数の学習用データセット116t~116yのそれぞれをカテゴリごとに用いて推定モデル114を学習させることで、カテゴリごとの学習済モデル114t~114yを生成する。
このように、変形例に係る推定装置100bは、カテゴリごとに分類された複数の学習済モデル114t~114yを生成することができるため、対象者2の属性データに応じたより詳細な分析によって、より精度良くめまいの原因を推定することができる。
なお、図18に示す例においては、めまいの原因となる要因を考慮して分類されたカテゴリごとに学習用データを用意して、カテゴリごとの学習済モデルを生成してもよい。たとえば、めまいになり易い喫煙者の学習用データを用意して、喫煙者専用の学習済モデルを生成してもよいし、めまいになり易い職業や趣味の学習用データを用意して、めまいになり易い職業や趣味を有する対象者専用の学習済モデルを生成してもよい。このようにすれば、対象者の属性に応じて学習された学習済モデルを用いてめまいの原因を推定することができるため、より精度良く容易にめまいの原因を推定することができる。
なお、図18に示す学習済モデル114t~114yの生成は、サーバ装置500が保持する学習済モデル514aの生成についても適用可能である。たとえば、図18に示す学習用データセット116t~116yを、サーバ装置500が保持する学習用データセット516に適用してもよいし、図18に示す学習済モデル114t~114yを、サーバ装置500が保持する学習済モデル514aに適用してもよい。
(カテゴリごとの学習済モデルを用いたサービス提供処理)
図19を参照しながら、カテゴリごとの学習済モデル114t~114yを用いて推定装置100bが実行するサービス提供処理について説明する。図19は、変形例に係る推定装置100bが実行するサービス提供処理の一例を説明するためのフローチャートである。図19に示す各ステップは、推定装置100bの演算装置130がOS127および推定用プログラム120を実行することで実現される。
図19に示すように、推定装置100bは、サービス提供処理の開始条件が成立したか否かを判定する(S141)。開始条件は、図16で示した開始条件と同じであるため、その説明を省略する。
推定装置100bは、開始条件が成立していない場合(S141でNO)、本処理を終了する。一方、推定装置100bは、開始条件が成立した場合(S141でYES)、眼球運動データおよび問診データが入力されたか否かを判定する(S142)。なお、この問診データには、問診結果および属性データが含まれる。推定装置100bは、眼球運動データおよび問診データが入力されていない場合(S142でNO)、S142の処理を繰り返す。
一方、推定装置100bは、眼球運動データおよび問診データが入力された場合(S142でYES)、図18に示す学習済モデル群の中から属性データに対応する学習済モデルを選択する(S143)。たとえば、対象者2が高齢者の女性であれば、推定装置100bは、学習済モデル114yを選択する。
その後、推定装置100bは、頭部運動データまたは指標動作データが入力されたか否かを判定する(S144)。推定装置100bは、頭部運動データまたは指標動作データが入力された場合(S44でYES)、眼球運動データおよび問診データに加えて、頭部運動データまたは指標動作データを学習済モデル114aに入力する(S146)。
一方、推定装置100bは、頭部運動データまたは指標動作データが入力されていない場合(S144でNO)、眼球運動データおよび問診データを学習済モデル114aに入力する(S145)。
S44またはS45の後、推定装置100bは、眼球運動データや問診データの特徴に基づき、学習済モデル114aを用いてめまいの原因を推定する推定処理を実行する(S147)。
その後、推定装置100bは、推定処理によって得られた推定結果を、ディスプレイ300やサーバ装置500などに出力し(S148)、本処理を終了する。
このように、変形例に係る推定装置100bは、対象者2の属性データに最も適した学習済モデルを用いて推定処理を実行することができるため、対象者2の属性データに応じたより詳細な分析によって、より精度良くめまいの原因を推定することができる。
(学習処理)
本実施の形態に係る推定装置100は、学習処理によって推定モデル114のパラメータ1144を更新するものであったが、パラメータ1144を更新するものに限らず、学習処理によってネットワーク構造1142が更新される(たとえば、ネットワーク構造1142のアルゴリズムが更新される)ものであってもよい。また、本実施の形態に係るサーバ装置500は、学習処理によって推定モデル514のパラメータを更新するものであったが、パラメータを更新するものに限らず、学習処理によってニューラルネットワークなどのネットワーク構造が更新される(たとえば、ネットワーク構造のアルゴリズムが更新される)ものであってもよい。
(問診データの重み付け)
図7に示したように、問診データに含まれる問診の内容には、複数の問診項目が含まれており、各問診項目とめまいの原因との間においては、何らかの相関関係が見出され得る。このため、各問診項目とめまいの原因との間の相関関係を把握することができれば、めまいの原因について、各問診項目に対して重み付けを行うことができる。
たとえば、図20は、変形例に係る推定装置100が記憶する問診データテーブル1-2を示す模式図である。図20に示すように、抹消性めまいおよび中枢性めまいなどのめまいの原因に対して、相関関係が強いほど値が大きくなるように、各問診項目に対して重み付けが行われてもよい。そして、重み付けが行われた問診データを用いて、推定モデル114を機械学習させれば、より精度良く推定処理を実行可能な学習済モデル114aを生成することができる。
また、問診データにおける各問診項目に対する重み付けは、推定モデル114を用いた学習処理を利用してもよい。たとえば、図21は、変形例に係る学習用データに基づく学習済モデル114aの生成を説明するための模式図である。
図21に示すように、STEP1として、重み付けがなされていない問診データ(問診データ1)のみに対して確定診断結果をラベリングしたものを学習用データとして用意する。なお、問診データには、各問診項目に対する問診結果が格納されている。つまり、問診結果に対して確定診断結果が紐付けられている。
そして、用意した学習用データを推定モデル114に入力し、学習処理によって推定モデル114を機械学習させる。このように、重み付けがなされていない問診データのみに基づき学習処理を実行することで、各問診項目とめまいの原因との間における純粋な相関関係を見出すことができる。つまり、ユーザ1は、どの問診項目に対応する問診結果がどのようなめまいの原因と相関関係があるかについて、学習処理を利用して特定することができる。
これにより、上述したような学習処理の結果を用いて、各問診項目に対する重み付けを行うことができ、各問診項目に対して重み付けが行われた問診データ(問診データ1-2)を得ることができる。
次に、STEP2として、重み付けが行われた問診データに眼球運動データ、頭部運動データ、および指標動作データなどを加えたものに対して、確定診断結果をラベリングしたものを学習用データとして用意する。そして、用意した学習用データを推定モデル114に入力し、学習処理によって推定モデル114を機械学習させることで、重み付けが行われた問診データに基づき、学習済モデル114aを生成することができる。
このように、重み付けが行われた問診データに基づき生成された学習済モデル114aを用いて推定処理を実行すれば、重み付けが行われていない問診データに基づき生成された学習済モデル114aを用いて推定処理を実行するよりも、より効率良くめまいの原因を推定することができ、その分推定処理の精度も向上させることができる。
(問診項目の選定)
図21を参照しながら説明したように、問診データを用いためまいの原因の推定結果と、当該問診データに関連付けられた正解データであるめまいの原因(確定診断結果)とに基づく機械学習を利用して、各問診項目に対する重み付けを行えば、めまいの原因と関連性が強い問診項目を抽出することもできる。言い換えると、重み付けを行うことによって、めまいの原因とは関連性がない、あるいは関連性が低い問診項目を抽出することもできる。よって、めまいの原因とは関連性がない、あるいは関連性が低い問診項目について、省略することができる。
このように、問診項目は、問診データを用いためまいの原因の推定結果と、当該問診データに関連付けられた正解データであるめまいの原因(確定診断結果)とに基づく機械学習を利用して選定されてもよい。
これにより、ユーザ1は、対象者2に対して無駄な問診を行う必要がなく、また、推定処理における負担も軽減することができるため、その分、精度良くめまいの原因を推定することができる。
(眼球運動データの入力)
本実施の形態においては、推定モデル114(学習済モデル114a)に対して、対象者2の眼球の運動データをそのまま入力するものであったが、これに限らない。たとえば、推定モデル114(学習済モデル114a)に入力される眼球運動データは、対象者2の眼球の運動データに対して所定の補正が行われた情報を含んでいてもよい。具体的には、推定モデル114(学習済モデル114a)に入力される眼球運動データは、所定の演算によって得られた眼球運動データの解析値を含んでいてもよい。たとえば、眼球運動データに基づき、VORゲイン(VORがどの程度正確に働くのかを示す定量的指標)を演算し、当該VORゲインを推定モデル114(学習済モデル114a)入力してもよい。VORゲインは、たとえば、頭部の角速度と眼球の角速度との比で表される。推定モデル114(学習済モデル114a)を用いた推定処理や学習処理において精度を高めたり、処理速度を上げたりするように、眼球運動データに対して所定の演算を行えば、精度を向上させながらめまいの原因をより早く推定することができる。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。なお、本実施の形態で例示された構成および変形例で例示された構成は、適宜組み合わせることができる。
1 ユーザ、2 対象者、5 ネットワーク、10 推定システム、100,100a,100b 推定装置、103,503 ディスプレイインターフェース、104 マイクインターフェース、105,505 周辺機器インターフェース、106,506 ネットワークコントローラ、107,507 メディア読取装置、109,509,609 メモリ、110,510,610 ストレージ、113,513 推定情報、114,514 推定モデル、114a,514a 学習済モデル、116,516 学習用データセット、120,520 推定用プログラム、121,521 学習用プログラム、124,524 推定結果データ、128,528 めまい障害データ、130,530,632 演算装置、135,535,635 眼球運動データ、137,537,637 頭部運動データ、139,539,639 指標動作データ、160 平衡機能検査装置インターフェース、300,350 ディスプレイ、400 マイク、500 サーバ装置、501,551 キーボード、502,552 マウス、550 リムーバブルディスク、600 平衡機能検査装置、601 外部装置インターフェース、602 頭部運動センサインターフェース、603 カメラインターフェース、604 光源インターフェース、605 レーザーポインタインターフェース、606 ミラーインターフェース、620 頭部運動センサ、621 平衡機能検査用プログラム、630 カメラ、640 光源、650 レーザーポインタ、660 ミラー、690 コンピュータ、1103 出力部、1130 推定部、1135 眼球運動データ入力部、1136 頭部運動データ入力部、1138 問診データ入力部、1139 指標動作データ入力部、1142 ネットワーク構造、1144 パラメータ。

Claims (16)

  1. 対象者におけるめまいの原因を推定する推定装置であって、
    所定の条件下において取得された前記対象者の眼球の運動に関する情報を含む眼球運動データと、前記対象者に対して行われた複数の問診項目の各々の結果に関する情報を含む問診データとが入力される入力部と、
    前記入力部から入力された前記眼球運動データおよび前記問診データと、機械学習によって生成された推定モデルに基づき、前記めまいの原因を推定する推定部と、
    前記推定部による推定結果を出力する出力部とを備え、
    前記推定モデルは、前記眼球運動データおよび前記問診データを用いた前記めまいの原因の推定結果と、当該眼球運動データに関連付けられた前記めまいの原因とに基づき機械学習され
    前記問診データは、前記複数の問診項目の各々と前記めまいの原因との間の相関関係に基づいて、前記複数の問診項目の各々に対して重み付けが施されている、推定装置。
  2. 前記問診データは、前記複数の問診項目の各々と複数種類の前記めまいの原因の各々との間の前記相関関係に基づいて、前記複数の問診項目の各々に対して前記重み付けが施されている、請求項1に記載の推定装置。
  3. 前記複数の問診項目のうち、第1問診項目よりも前記相関関係が強い第2問診項目は、前記第1問診項目よりも前記重み付けの値が大きい、請求項1または請求項2に記載の推定装置。
  4. 前記所定の条件は、暗視状態にすること、明視状態にすること、前記対象者の頭部の位置を固定させること、前記対象者の頭部の位置を変位させること、および前記対象者の眼球に指標を追跡させることのうちの少なくともいずれか1つを含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の推定装置。
  5. 前記入力部には、前記対象者の頭部の運動に関する情報を含む頭部運動データがさらに入力され、
    前記推定部は、前記入力部から入力された前記頭部運動データに基づき、前記めまいの原因を推定する、請求項1請求項4のいずれか1項に記載の推定装置。
  6. 前記入力部には、前記対象者の眼球に前記指標を追跡させるための当該指標の動きに関する情報を含む指標動作データがさらに入力され、
    前記推定部は、前記入力部から入力された前記指標動作データに基づき、前記めまいの原因を推定する、請求項に記載の推定装置。
  7. 前記重み付けは、前記問診データを用いた前記めまいの原因の推定結果と、当該問診データに関連付けられた前記めまいの原因とに基づく機械学習を利用してされている、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の推定装置。
  8. 前記複数の問診項目は、前記問診データを用いた前記めまいの原因の推定結果と、当該問診データに関連付けられた前記めまいの原因とに基づく機械学習を利用して選定されている、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の推定装置。
  9. 前記複数の問診項目は、めまいの発症時期、前記対象者の性情、めまいの持続性、難聴、耳鳴、耳閉塞、その他の疾患の併存または既往症、前記対象者におけるバイタルサイン、および神経学的所見のうちの少なくともいずれか1つの内容を含む、請求項~請求項8のいずれか1項に記載の推定装置。
  10. 前記眼球運動データは、前記対象者の眼球運動のデータに対して所定の補正が行われた情報を含む、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の推定装置。
  11. 前記問診データには、前記対象者の属性に関する内容を含む属性データが追加される、請求項~請求項10のいずれか1項に記載の推定装置。
  12. 前記対象者の属性に関する内容は、前記対象者の年齢、性別、人種、身長、体重、喫煙の有無、飲酒の有無、職業、および趣味のうちの少なくともいずれか1つの情報を含む、請求項11に記載の推定装置。
  13. 前記めまいの原因は、中枢性のめまいの原因、および末梢性のめまいの原因のうちの少なくともいずれか1つを含む、請求項1~請求項12のいずれか1項に記載の推定装置。
  14. 対象者におけるめまいの原因を推定する推定システムであって、
    所定の条件下において取得された前記対象者の眼球の運動に関する情報を含む眼球運動データを取得するデータ取得装置と、
    前記めまいの原因を推定する推定装置とを備え、
    前記推定装置は、
    前記データ取得装置によって取得された前記眼球運動データと、前記対象者に対して行われた複数の問診項目の各々の結果に関する情報を含む問診データとが入力される入力部と、
    前記入力部から入力された前記眼球運動データおよび前記問診データと、機械学習によって生成された推定モデルに基づき、前記めまいの原因を推定する推定部と、
    前記推定部による推定結果を出力する出力部とを含み、
    前記推定モデルは、前記眼球運動データおよび前記問診データを用いた前記めまいの原因の推定結果と、当該眼球運動データに関連付けられた前記めまいの原因とに基づき機械学習され
    前記問診データは、前記複数の問診項目の各々と前記めまいの原因との間の相関関係に基づいて、前記複数の問診項目の各々に対して重み付けが施されている、推定システム。
  15. 対象者におけるめまいの原因を推定する推定装置の作動方法であって、
    前記推定装置が実行する処理として、
    前記作動方法は、
    所定の条件下において取得された前記対象者の眼球の運動に関する情報を含む眼球運動データと、前記対象者に対して行われた複数の問診項目の各々の結果に関する情報を含む問診データとが入力されるステップと、
    前記眼球運動データおよび前記問診データと、機械学習によって生成された推定モデルに基づき、前記めまいの原因を推定するステップと、
    前記推定するステップによる推定結果を出力するステップとを含み、
    前記推定モデルは、前記眼球運動データおよび前記問診データを用いた前記めまいの原因の推定結果と、当該眼球運動データに関連付けられた前記めまいの原因とに基づき機械学習され
    前記問診データは、前記複数の問診項目の各々と前記めまいの原因との間の相関関係に基づいて、前記複数の問診項目の各々に対して重み付けが施されている、推定装置の作動方法。
  16. 対象者におけるめまいの原因を推定する推定用プログラムであって、
    前記推定用プログラムは、コンピュータに、
    所定の条件下において取得された前記対象者の眼球の運動に関する情報を含む眼球運動データと、前記対象者に対して行われた複数の問診項目の各々の結果に関する情報を含む問診データとが入力されるステップと、
    前記眼球運動データおよび前記問診データと、機械学習によって生成された推定モデルに基づき、前記めまいの原因を推定するステップと、
    前記推定するステップによる推定結果を出力するステップとを実行させ、
    前記推定モデルは、前記眼球運動データおよび前記問診データを用いた前記めまいの原因の推定結果と、当該眼球運動データに関連付けられた前記めまいの原因とに基づき機械学習され
    前記問診データは、前記複数の問診項目の各々と前記めまいの原因との間の相関関係に基づいて、前記複数の問診項目の各々に対して重み付けが施されている、推定用プログラム。
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工田 昌也,めまいの診療 up to date,日本耳鼻咽喉科学会会報,2017年10月,Vol.120, No.10,pp.1224-1230,DOI:10.3950/jibiinkoka.120.1224
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