[一実施形態]
本発明の第1実施形態による情報処理システム、情報処理装置及び情報処理方法について図1乃至図17を用いて説明する。
まず、本実施形態による情報処理システムの構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態による情報処理システムの全体構成を示す概略図である。図2は、自動化ゲート装置及び対面審査ブースが設置された入国審査場を示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態による情報処理システム1は、遠隔審査端末10と、審査サーバ20と、利用者Uの携帯端末30と、誘導装置40と、サイネージ端末50と、自動化ゲート装置60とを含んでいる。
本実施形態による情報処理システム1は、例えば、航空機で第1国の空港DAから第1国を出国して第1国とは異なる第2国の空港AAから第2国に入国する予定の利用者Uについて、第2国に入国する際の入国審査を遠隔審査として行う遠隔審査システムである。なお、遠隔審査とは、第2国に入国しようとする利用者Uについて、第2国の入国審査場に到達しない段階で入国審査を行うことを意味する。
情報処理システム1は、例えば、第2国への入国を管理する管理局等の第2国の機関又はその機関から業務の委託を受けた受託者により運用されている。第2国においては、観光、商用等の種々の目的で外国である第1国から外国人が入国する。また、第2国においては、観光、商用、一時帰国等の種々の目的で自国人や在留外国人が外国である第1国に出国し、第1国に出国した自国人や在留外国人が帰国して入国する。なお、外国人とは、第2国の国籍を有しない者である。情報処理システム1は、これらの者のように第2国に入国する利用者Uについて入国審査を遠隔で行う。
具体的には、例えば、情報処理システム1は、第2国である日本国の入国管理局等の機関により運用され、米国等の外国である第1国から日本国に入国する利用者Uについて入国審査を遠隔で行う。なお、第1国は、特定の一国であってもよいし、複数の国を含んでいてもよい。
なお、情報処理システム1は、空港から入国する利用者Uのみならず、海港等から入国する利用者Uについて入国審査を遠隔で行うものであってもよい。
遠隔審査端末10は、利用者Uが出国する第1国の空港DA内における制限区域DA14に設置されている。制限区域DA14は、空港DA内の出国審査場DA12で第1国から出国する際の出国審査を完了して出国の確認を受けた利用者Uが進入可能な区域である。利用者Uは、制限区域DA14に設置された搭乗口DA16から、第2国に向かう航空機に搭乗する。なお、第1国が出国審査のない国である場合、本明細書中、「出国審査場」とあるのは「保安検査場」と、「出国審査」とあるのは「保安検査」と読み替えることができる。
例えば、遠隔審査端末10は、制限区域DA14におけるラウンジ、搭乗口DA16近辺の搭乗待合室、通路等に設置されている。遠隔審査端末10が設置されたラウンジは、例えば、航空会社、クレジットカード会社、空港等により運営されている。なお、遠隔審査端末10の設置台数は、特に限定されるものではなく、1台又は複数台とすることができる。また、遠隔審査端末10の設置場所も、特に限定されるものではなく、制限区域DA14における種々の場所とすることができる。
審査サーバ20は、例えば、第2国への入国を管理する管理局等の機関の施設内に設置されている。審査サーバ20が設置された施設は、例えば、第2国の国内施設であってもよいし、第1国の国内施設であってもよいし、さらには第1国でも第2国でもない他国の国内施設であってもよい。なお、審査サーバ20は、単一のサーバである必要はなく、複数のサーバを含むサーバ群として構成されたものであってもよい。例えば、審査サーバ20の一部の機能を担うサーバが第1国に設置され、審査サーバ20の残部の機能を担う他のサーバが第2国に設置されていてもよい。
携帯端末30は、利用者Uが所持又は携帯して使用する端末である。携帯端末30は、特に限定されるものではないが、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話等の携帯情報機器である。
誘導装置40は、利用者Uが入国する第2国の空港AA内における入国審査場AA16までに利用者Uが通過する場所である通路AA14に設置されている。誘導装置40が設置された通路AA14は、例えば、空港AA内における検疫場AA12と入国審査場AA16とを連絡する通路である。検疫場AA12では、入国予定の利用者Uに対する検疫が行われる。入国審査場AA16では、入国予定の利用者Uに対する入国審査が行われる。誘導装置40は、例えば、通路AA14の天井、壁等に設置され、後述するように案内通知を通路AA14の床面Fに投影して、入国審査場AA16における特定のレーンに利用者Uを誘導する。なお、誘導装置40の設置台数は、特に限定されるものではなく、1台であっても複数台であってもよい。また、誘導装置40の設置場所も、特に限定されるものではなく、たとえば、第2国の空港AAにおける国際線の到着口から入国審査場AA16に至るまでの種々の場所に設置することができる。
サイネージ端末50は、第2国の空港AA内における入国審査場AA16までに利用者Uが通過する場所に設置されている。サイネージ端末50は、例えば、通路AA14、入国審査場AA16の入口等に設置されている。サイネージ端末50は、後述するように案内通知を表示して、入国審査場AA16における特定のレーンに利用者Uを誘導する。なお、サイネージ端末50の設置台数は、特に限定されるものではなく、1台であっても複数台であってもよい。また、サイネージ端末50の設置場所も、特に限定されるものではなく、たとえば、第2国の空港AAにおける国際線の到着口から入国審査場AA16に至るまでの種々の場所に設置することができる。
自動化ゲート装置60は、入国審査場AA16に設置されている。入国審査場AA16には、図2に示すように、遠隔審査を受けた利用者Uのための遠隔審査専用レーンL1と、遠隔審査を受けていない利用者Uのための一般レーンL2とが設けられている。自動化ゲート装置60は、遠隔審査専用レーンL1の出口に設置されている。一方、一般レーンL2の出口には、審査官Eによる対面での入国審査が行われる審査ブースBが設置されている。なお、自動化ゲート装置60の設置台数は、特に限定されるものではなく、1台であっても複数台であってもよい。また、審査ブースBの数も、特に限定されるものではなく、1つであっても複数であってもよい。
図1に示すように、第1国の空港DA内には、各所に複数の監視カメラ70が設置されている。例えば、第1国の空港DAの制限区域DA14には、遠隔審査端末10及びその周辺を撮影する監視カメラ70が設置されている。また、第2国の空港AA内にも、各所に複数の監視カメラ80が設置されている。
遠隔審査端末10、審査サーバ20、誘導装置40、サイネージ端末50、自動化ゲート装置60及び監視カメラ70、80は、ネットワークNWに接続されている。ネットワークNWは、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、移動体通信網等により構成されている。ネットワークNWを構成するLANは、第1国の空港DAの構内ネットワーク、第2国の空港AAの構内ネットワーク等を含む。携帯端末30は、例えば、無線によりネットワークNWに接続することが可能になっている。
遠隔審査端末10と審査サーバ20とは、ネットワークNWを介して通信可能になっている。審査サーバ20と携帯端末30とは、ネットワークNWを介して通信可能になっている。審査サーバ20と誘導装置40とは、ネットワークNWを介して通信可能になっている。審査サーバ20とサイネージ端末50とは、ネットワークNWを介して通信可能になっている。審査サーバ20と自動化ゲート装置60とは、ネットワークNWを介して通信可能になっている。
次に、本実施形態による情報処理システム1における各構成要素についてさらに図3乃至図8を用いて説明する。
まず、遠隔審査端末10の構成について図3を用いて説明する。図3は、遠隔審査端末10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
遠隔審査端末10は、第1国の空港DAにおいて出国審査を完了して出国を許可された利用者Uから、第2国への入国の際の入国審査に必要な情報である利用者情報を取得する情報処理装置である。すなわち、遠隔審査端末10は、第1国の出国審査後、第2国へ向かう搭乗前の利用者Uから利用者Uに関する利用者情報を取得する情報取得端末である。遠隔審査端末10は、第1国の空港DAにおいて、例えば、制限区域DA14におけるラウンジ、搭乗口DA16近辺の搭乗待合室等に設置されている。遠隔審査端末10は、例えば、利用者U自身により操作されるキオスク端末として構成されている。
なお、遠隔審査端末10は、必ずしも第1国の空港DAの制限区域DA14に設置されている必要はない。例えば、遠隔審査端末10は、第2国に向かう航空機のネットワークNWに接続可能な機内に設置され又は移動可能に備え付けられていていてもよい。すなわち、遠隔審査端末10は、第1国の出国審査後、第2国への到着前の利用者Uから利用者Uに関する利用者情報を取得するものであればよい。
遠隔審査端末10は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)102と、RAM(Random Access Memory)104と、記憶装置106と、入力装置108と、ディスプレイ110とを有している。さらに、遠隔審査端末10は、媒体読取装置112と、カメラ114と、指紋スキャナ116と、発行装置118と、通信部120とを有している。CPU102、RAM104、記憶装置106、入力装置108、ディスプレイ110、媒体読取装置112、カメラ114、指紋スキャナ116、発行装置118及び通信部120は、バスライン122に接続されている。
CPU102は、記憶装置106に記憶されたプログラムを実行することにより動作し、遠隔審査端末10全体の動作を制御する制御部として機能する。また、CPU102は、記憶装置106に記憶されたアプリケーションプログラムを実行して遠隔審査端末10としての各種処理を実行する。RAM104は、CPU102の動作に必要なメモリ領域を提供する。
より具体的には、CPU102は、遠隔審査端末10を利用する利用者Uから利用者Uに関する各種情報の取得を制御する取得制御部として機能する。すなわち、取得制御部としてのCPU102は、媒体読取装置112による利用者Uの旅券からの情報の取得を制御する。また、CPU102は、媒体読取装置112による利用者Uの航空券媒体からの情報の取得を制御する。また、CPU102は、カメラ114による利用者Uの生体情報である顔画像の取得を制御する。また、CPU102は、指紋スキャナ116による利用者Uの生体情報である指紋画像の取得を制御する。媒体読取装置112、カメラ114及び指紋スキャナ116は、それぞれ利用者Uの利用者情報に含まれる各種情報を取得する情報取得部として機能する。
CPU102は、指紋スキャナ116による利用者Uの指紋の読み取りが行われる間に、カメラ114による利用者Uの顔の撮影が行われるように、カメラ114及び指紋スキャナ116の動作を制御することができる。これにより、CPU102は、利用者Uの複数種類の生体情報である顔画像及び指紋画像を並行してカメラ114及び指紋スキャナ116に取得させることができる。このように、遠隔審査端末10は、利用者Uに対して複数種類の生体情報を並行して取得することにより、非生体による利用者Uへのなりすましを可及的に防止することができる。
また、CPU102は、利用者Uの生体情報の取得状況に基づいて、利用者Uについてなりすましが行われているか否かを判定するなりすまし判定部として機能する。なりすまし判定部としてのCPU102は、制限時間内にカメラ114により撮影された利用者Uの顔画像及び指紋スキャナ116により読み取られた利用者Uの指紋画像の両者が取得された場合に、利用者Uについてなりすましは行われていないと判定する。一方、CPU102は、制限時間内に利用者Uの顔画像及び指紋画像のうちのいずれか一方が取得されない場合に、利用者Uについてなりすましが行われていると判定する。制限時間は、例えば、媒体読取装置112により旅券又は航空券媒体が読み取られてからの時間であり、利用者Uの操作に要する時間等を考慮して予め設定されている。
例えば、カメラ114により顔画像が取得された場合であっても、指紋スキャナ116により指紋画像が取得されないときには、顔写真、タブレット等に表示された顔画像等により、利用者Uについてなりすましが行われている可能性がある。このような場合に、CPU102は、なりすましが行われていると判定することができる。
また、CPU102は、監視カメラ70により撮影される遠隔審査端末10及びその周辺の映像を解析し、映像の解析結果に基づき、利用者Uについてなりすましが行われているか否かを判定することができる。CPU102は、なりすまし判定のため、利用者Uの生体情報の取得状況として、カメラ114による撮影及び指紋スキャナ116による読み取りの間に監視カメラ70により撮影される遠隔審査端末10及びその周辺の映像を解析することができる。CPU102は、映像の解析結果に基づき、例えば、遠隔審査端末10の前に複数人の人物を検出した場合、遠隔審査端末10を利用する利用者Uの不自然な行動を検出した場合等に、利用者Uについてなりすましが行われていると判定することができる。
なりすましが行われていると判定した場合、CPU102は、アラート処理を実行することができる。CPU102は、アラート処理として、なりすましが行われている可能性を示すアラートを、例えば、ディスプレイ110に表示させたり、不図示のスピーカから音声出力したりすることができる。また、CPU102は、アラート処理として、例えば、なりすましが行われている可能性を示すアラートを、職員の利用する情報端末である業務端末、外部サーバ等にネットワークNWを介して送信することができる。
一方、なりすましが行われていないと判定した場合、CPU102は、遠隔審査端末10を利用する利用者Uから取得した利用者Uに関する情報である利用者情報をネットワークNWを介して審査サーバ20に送信して提供する情報提供部として機能する。情報提供部としてのCPU102は、利用者Uについての第2国の入国審査のために、利用者Uの利用者情報を審査サーバ20に提供する。CPU102により審査サーバ20に送信される利用者Uの利用者情報は、互いに関連付けられた利用者Uの身分事項情報、顔情報、指紋情報及び搭乗情報を含んでいる。審査サーバ20に提供された利用者Uの利用者情報の一部又は全部は、審査サーバ20において実行される利用者Uについての第2国の入国審査に用いられる。
身分事項情報は、利用者Uの氏名、国籍、性別、生年月日等の利用者U個人に関する情報である。また、身分事項情報は、利用者Uの旅券の旅券番号、旅券発行国、旅券の発行年月日、旅券の有効期限満了日等の旅券情報を含む。身分事項情報は、媒体読取装置112により利用者Uの旅券から取得されたものである。
顔情報は、利用者Uの生体情報であり、利用者Uの撮影顔画像及び利用者Uの旅券顔画像を含んでいる。撮影顔画像は、カメラ114により撮影された利用者Uの顔画像である。旅券顔画像は、媒体読取装置112により利用者Uの旅券から取得された利用者Uの顔画像である。顔情報は、顔画像自体でなくてもよく、顔画像から抽出された特徴量である顔特徴量であってもよい。
CPU102は、撮影顔画像と旅券顔画像とを照合する照合部として機能することもできる。この場合、CPU102は、顔情報に代えて又は顔情報とともに、撮影顔画像と旅券顔画像との照合結果を示す照合情報を利用者情報に含めることもできる。照合部として機能するCPU102は、撮影顔画像と旅券顔画像との照合に際して、撮影顔画像から抽出した顔特徴量と、旅券顔画像から抽出した顔特徴量とを照合することにより、両顔画像を照合することができる。
指紋情報は、利用者Uの生体情報であり、利用者Uの読取指紋画像を含んでいる。読取指紋画像は、指紋スキャナ116により読み取られた指紋画像である。また、利用者Uの旅券がIC(Integrated Circuit)旅券であって、IC旅券に利用者Uの指紋画像が記録されている場合、指紋情報は、媒体読取装置112によりIC旅券から読み取られた指紋画像である旅券指紋画像をも含むことができる。読取指紋画像及び旅券指紋画像は、それぞれ、片手の1指又は2指以上の指紋画像であってもよいし、両手の2指以上の指紋画像であってもよい。指紋情報は、指紋画像自体でなくてもよく、指紋画像から抽出された特徴量である指紋特徴量であってもよい。
CPU102は、読取指紋画像と旅券指紋画像とを照合する照合部として機能することもできる。この場合、CPU102は、指紋情報に代えて又は指紋情報とともに、読取指紋画像と旅券指紋画像との照合結果を示す照合情報を利用者情報に含めることもできる。照合部として機能するCPU102は、読取指紋画像と旅券指紋画像との照合に際して、読取指紋画像から抽出した指紋特徴量と、旅券指紋画像から抽出した指紋特徴量とを照合することにより、両指紋画像を照合することができる。
なお、CPU102は、利用者Uの本人確認のための生体情報として、顔情報及び指紋情報の両方を利用者情報に含めてもよいし、顔情報及び指紋情報のいずれか一方を利用者情報に含めてもよい。審査サーバ20は、後述するように、利用者情報に含まれる顔情報及び指紋情報の少なくとも一方を用いて利用者Uの本人確認を行うことができる。
また、CPU102は、利用者Uの本人確認のための生体情報として、顔情報及び指紋情報以外の利用者Uの生体情報を利用者情報に含めてもよい。この場合、遠隔審査端末10は、顔情報及び指紋情報以外の生体情報を取得する生体情報取得装置を有する。
搭乗情報は、利用者Uの搭乗予定の航空機の航空会社、便名、出発地、到着地、出発日時、到着日時、座席の種別等の利用者Uが利用予定のフライトに関する情報である。搭乗情報は、媒体読取装置112により利用者Uの航空券媒体から取得されたものである。
なお、審査サーバ20に送信された利用者Uの利用者情報は、審査サーバ20において、その利用者Uが遠隔審査の対象であると判定された場合に利用者情報データベース(DB、Database)206cに登録される。
また、CPU102は、後述するように審査サーバ20から受信した審査情報又は対象外通知に応じて、遠隔審査端末10を利用した利用者Uに対する通知処理を実行する通知部として機能する。通知部としてのCPU102は、審査情報又は対象外通知に応じた通知内容をディスプレイ110に表示させて利用者Uに対して通知することができる。また、CPU102は、審査情報又は対象外通知に応じた通知内容を不図示のスピーカから音声出力して利用者Uに対して通知することもできる。
CPU102は、審査情報を受信した場合、遠隔審査が完了している旨をディスプレイ110に表示させて又は音声出力して利用者Uに対して通知することができる。さらに、この場合、CPU102は、受信した審査情報が入国許可情報、入国拒否情報及び要対面審査情報のいずれかであるかに応じて、遠隔審査の具体的な結果をもディスプレイ110に表示させて又は音声出力して利用者Uに対して通知することもできる。
なお、CPU102は、審査情報に代えて受付完了情報を審査サーバ20から受信した場合、遠隔審査に用いる利用者情報を受け付けた旨をディスプレイ110に表示させて又は音声出力して利用者Uに対して通知することができる。
一方、CPU102は、対象外通知を受信した場合、利用者Uが遠隔審査の対象外である旨をディスプレイ110に表示させて又は音声出力して利用者Uに対して通知することができる。
また、CPU102は、利用者Uに対する案内、通知等の画面をディスプレイ110に表示させる表示制御部として機能する。例えば、表示制御部としてのCPU102は、遠隔審査端末10の利用方法を案内する案内画面をディスプレイ110に表示させる。利用者Uは、ディスプレイ110に表示された案内画面に従って遠隔審査端末10を自ら操作することができる。また、例えば、CPU102は、利用者Uに対する各種通知をディスプレイ110に表示させる。
また、CPU102は、審査サーバ20から受信した審査情報に基づき、審査完了コードが印刷された紙片等の券片を発行装置118に発行させる発行制御部として機能する。審査完了コードは、利用者Uについて入国審査としての遠隔審査が完了していることを示す情報である審査完了情報を含むコードであり、例えば、QRコード(登録商標)等の二次元コード、バーコード等の一次元コードである。審査完了コードは、利用者Uの個人識別情報を含むことができる。なお、審査完了コードは、情報を含みうるコードシンボルであればよい。
審査完了コードが印刷された券片は、遠隔審査端末10を利用した利用者Uに対して発行され、第2国へ入国するまで利用者Uにより所持される。利用者Uは、後述するように、第2国への入国の際に、審査完了コードが印刷された券片を自動化ゲート装置60にて使用する。
発行装置118により発行された券片の審査完了コードは、例えば、有効期限が設定されたものであって、1回限り有効なワンタイムのものとすることができる。審査完了コードの有効期限は、例えば、搭乗情報に含まれる利用者Uの第2国の到着日時に、第2国における入国までの各種手続に要する時間、到着の遅延等を考慮した時間を加えた日時とすることができる。審査完了コードを有効期限が設定されたワンタイムのものとすることにより、高いセキュリティを確保することができる。審査完了コードは、必ずしも有効期限が設定された1回限り有効なワンタイムのものである必要はなく、有効期限が設定されたもの又は1回限り有効なワンタイムのものとすることもできる。
なお、発行装置118により審査完了コードが印刷された券片を発行することに代えて、後述するように、利用者Uの携帯端末30のディスプレイ310において同様の審査完了コードをディスプレイ310に表示するように携帯端末30を構成することもできる。
記憶装置106は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ等の記憶媒体により構成され、記憶部として機能する。記憶装置106は、CPU102により実行されるプログラム、そのプログラムの実行の際にCPU102により参照されるデータ等を記憶する。
入力装置108は、例えば、ディスプレイ110に組み込まれたタッチパネルである。入力装置108は、利用者Uからの指示の入力を受け付ける入力部として機能する。利用者Uは、入力装置108を介して、遠隔審査端末10に対して、各種情報を入力したり、処理の実行を指示したりすることができる。
ディスプレイ110は、遠隔審査端末10を利用する利用者Uに対して、各種画面を表示する表示部として機能する。例えば、ディスプレイ110は、遠隔審査端末10の利用方法を案内する案内画面、利用者Uに対する通知画面等を表示する。
媒体読取装置112は、利用者Uの旅券、航空券媒体を読み取って旅券、航空券に記録された情報を取得する情報取得部として機能する。航空券媒体は、例えば、紙の航空券、eチケット控えを表示する携帯端末30等である。媒体読取装置112は、例えば、コードリーダ、イメージスキャナ、非接触IC(Integrated Circuit)リーダ、OCR(Optical Character Reader)装置等により構成され、その読取部にかざされた各種媒体から情報を取得する。
例えば、媒体読取装置112は、OCR装置により旅券券面に表示された利用者Uの旅券情報を含む身分事項情報を読み取って取得する。また、例えば、媒体読取装置112は、イメージスキャナにより、旅券券面に表示された利用者Uの旅券顔画像を読み取って取得する。また、IC旅券の場合、媒体読取装置112は、非接触ICリーダにより、IC旅券のICチップに記録された利用者Uの旅券情報を含む身分事項情報、旅券顔画像等を読み取って取得する。なお、旅券に記録されて含まれる利用者Uの生体情報は、顔画像に限定されるものではなく、指紋画像等の他の生体情報であってもよい。媒体読取装置112は、旅券に含まれる利用者Uの生体情報を取得することができる。
また、例えば、媒体読取装置112は、コードリーダにより、航空券媒体に表示されたバーコード、QRコード(登録商標)を読み取って、航空券媒体から利用者Uの搭乗情報を取得する。
なお、遠隔審査端末10は、航空券媒体から搭乗情報を取得するのみならず、他の方法で搭乗情報を取得することができる。例えば、CPU102は、利用者Uにより入力装置108を介して入力された利用者Uのクレジットカード番号、予約番号、確認番号等に基づき、航空券の予約購入情報を航空会社サーバに照会して、航空会社サーバから利用者Uの搭乗情報を取得することができる。
カメラ114は、遠隔審査端末10を利用する利用者Uの生体情報として利用者Uの顔画像を取得する生体情報取得部として機能する。カメラ114は、例えば、遠隔審査端末10の前の利用者Uの顔を動画又は静止画で撮影するデジタルカメラ等の撮影装置であり、撮影した動画又は静止画から利用者Uの顔画像である撮影顔画像を取得する。カメラ114は、CPU102による制御に従って、指紋スキャナ116に指紋を読み取らせている利用者Uの顔を撮影して撮影顔画像を取得する。これにより、カメラ114は、指紋スキャナ116による利用者Uの指紋画像の取得と並行して、利用者Uの顔画像を取得する。
指紋スキャナ116は、遠隔審査端末10を利用する利用者Uの生体情報として利用者Uの指紋画像を取得する生体情報取得部として機能する。指紋スキャナ116は、例えば、2台の指紋スキャナにより構成され、それぞれの読取面に腹を向けて置かれた両手人差し指等の両手2指の指紋を読み取ってそれぞれの指紋画像を取得する。
なお、遠隔審査端末10は、カメラ114及び指紋スキャナ116のほか、利用者情報に含める生体情報に応じた生体情報取得装置を有することができる。
発行装置118は、CPU102による制御に従って、利用者Uについて入国審査としての遠隔審査が完了していることを示す審査完了情報を含む審査完了コードを紙片等の券片に印刷して、審査完了コードが印刷された券片を発行する。
通信部120は、ネットワークNWに接続され、ネットワークNWを介してデータの送受信を行う。通信部120は、CPU102による制御に従って、審査サーバ20等との間の通信を行う。
こうして、遠隔審査端末10が構成されている。
次に、審査サーバ20の構成について図4を用いて説明する。図4は、審査サーバ20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
審査サーバ20は、遠隔審査端末10から受信した利用者Uの利用者情報に基づき、利用者Uについての遠隔審査として、利用者Uについて第2国への入国の際の第2国の入国審査を行う情報処理装置である。審査サーバ20は、利用者Uの第2国への到着前に遠隔審査を完了することができる。なお、審査サーバ20の機能は、単一のサーバにより実現されてもよいし、複数のサーバにより実現されてもよい。
審査サーバ20は、図4に示すように、CPU202と、RAM204と、記憶装置206と、通信部208とを有している。CPU202、RAM204、記憶装置206及び通信部208は、バスライン210に接続されている。
CPU202は、記憶装置206に記憶されたプログラムを実行することにより動作し、審査サーバ20全体の動作を制御する制御部として機能する。また、CPU202は、記憶装置206に記憶されたアプリケーションプログラムを実行して、審査サーバ20としての各種処理を実行する。RAM204は、CPU202の動作に必要なメモリ領域を提供する。
より具体的には、CPU202は、第2国における渡航者の出入国に関する情報である渡航履歴情報を記憶装置206に記録して管理する情報管理部として機能する。情報管理部としてのCPU202は、記憶装置206に格納された渡航履歴情報DB206aに渡航履歴情報を登録して管理する。CPU202は、渡航履歴情報を、利用者Uが遠隔審査の対象であるか否かの判定に用いることができる。渡航者の渡航履歴情報は、例えば、渡航者の出入国を管理する管理サーバから審査サーバ20に送信される。CPU202は、送信された渡航履歴情報を渡航履歴情報DB206aに登録して管理する。
なお、渡航履歴情報DB206aは、渡航者の出入国を管理する管理サーバ等の外部サーバの記憶装置に格納されていてもよい。この場合、審査サーバ20のCPU202は、ネットワークNWを介して外部サーバの渡航履歴情報DB206aにアクセスして渡航履歴情報を取得することができる。
また、CPU202は、人物ホワイトリスト(WL、Whitelist)と要注意者リストとを含む人物リストを記憶装置206に記録して管理するリスト管理部として機能する。リスト管理部としてのCPU202は、記憶装置206に格納された人物リストDB206bに人物リストを登録して管理する。要注意者リストは、第2国への入国を拒否すべき要注意人物の生体情報を含む人物情報が登録されたリストである。人物WLは、入場を許可すべき人物の生体情報を含む人物情報が登録されたリストである。CPU202は、遠隔審査において人物リストを用いる。なお、人物リストは、必ずしも人物WL及び要注意者リストの両方を含むものである必要はなく、人物WL及び要注意者リストのいずれか一方を含むものであってもよい。CPU202は、人物リストに含まれない人物WL又は要注意者リストとの照合を省略することができる。
また、CPU202は、遠隔審査端末10から受信した利用者Uの利用者情報に基づき、その利用者Uが遠隔審査の対象であるか否かを判定する対象判定部として機能する。対象判定部としてのCPU202は、利用者Uの利用者情報に基づき、種々の判定基準に従って利用者Uが遠隔審査の対象であるか否かを判定することができる。判定基準の具体例は、次のとおりである。
まず、CPU202は、利用者Uの利用者情報から特定される利用者Uの第2国への渡航に関する情報である渡航履歴情報に基づき、利用者Uが遠隔審査の対象であるか否かを判定することができる。例えば、CPU202は、利用者Uの出発日、到着日等の基準日前直近の所定の期間における利用者Uの第2国への渡航回数が閾値以上である場合に利用者Uが遠隔審査の対象であると判定し、閾値未満である場合に対象外であると判定することができる。この判定基準は、渡航回数が閾値以上である利用者Uを、信頼性の高い利用者として遠隔審査の対象とするものである。この判定のため、CPU202は、利用者Uの利用者情報に含まれる搭乗情報から出発日、到着日等を取得することができる。また、CPU202は、記憶装置206に格納された渡航履歴情報DB206aから利用者Uの個人識別情報と関連付けられた渡航履歴情報を抽出して、利用者Uの所定の期間における第2国への渡航回数を計算することができる。
なお、CPU202は、利用者Uを一意に識別する情報である利用者Uの個人識別情報として、例えば、利用者Uの利用者情報に含まれる身分事項情報から旅券番号を取得して用いることができる。また、CPU202は、利用者Uの個人識別情報として、身分事項情報から氏名、国籍、生年月日等の2以上の組み合わせを取得して用いることもできる。そのほか、CPU202は、利用者情報に含まれる利用者Uを一意に特定しうる情報を利用者Uの個人識別情報として用いることができる。
また、利用者Uの旅券がIC旅券である場合には、その利用者Uの上記と同様の渡航履歴情報がIC旅券のICチップに記録されうる。この場合、遠隔審査端末10のCPU102は、利用者Uの利用者情報とともにその利用者のIC旅券から媒体読取装置112により読み取られた渡航履歴情報を審査サーバ20にネットワークNWを介して送信することができる。審査サーバ20のCPU202は、遠隔審査端末10から受信した渡航履歴情報に基づき、上記と同様に、利用者Uが遠隔審査の対象であるか否かを判定することができる。
また、CPU202は、利用者Uの利用者情報に含まれる搭乗情報の搭乗日時から特定される搭乗時刻までの時間に基づき、利用者Uが遠隔審査の対象であるか否かを判定することができる。例えば、CPU202は、遠隔審査端末10にて利用者情報が取得された時刻から搭乗時刻までの時間が長時間側の閾値以下である場合に利用者Uが遠隔審査の対象であると判定し、長時間側の閾値を超える場合に対象外であると判定することができる。また、例えば、CPU202は、遠隔審査端末10にて利用者情報が取得された時刻から搭乗者までの時間が短時間側の閾値以上である場合に利用者Uが遠隔審査の対象であると判定し、短時間側の閾値未満である場合に対象外であると判定することができる。なお、長時間側の閾値は、短時間側の閾値よりも長い時間に設定されている。これらの判定基準は、遠隔審査端末10の利用から搭乗時刻までの時間が長すぎる又は短すぎる利用者Uを、不審又は不自然な行動をとる信頼性の低い利用者として遠隔審査の対象外とするものである。こうして、審査官Eによる対面審査を行わない遠隔審査の対象を、より信頼性の高い利用者Uに絞り込むことができる。
また、CPU202は、利用者Uの利用者情報に含まれる搭乗情報から取得される利用者Uが利用する航空会社に基づき、利用者Uが遠隔審査の対象であるか否かを判定することができる。例えば、CPU202は、利用者Uが利用する航空会社が、FSC(Full Service Carrier)である場合に利用者Uが遠隔審査の対象であると判定し、LCC(Low Cost Carrier)である場合に対象外であると判定することができる。また、例えば、CPU202は、利用者Uが利用する航空会社が、情報処理システム1を運用する第2国の航空会社である場合に利用者Uが遠隔審査の対象であると判定し、第2国以外の国の航空会社である場合に対象外であると判定することができる。これらの判定基準は、利用者Uの信頼性を推測する資料たりうる利用者Uが利用する航空会社の属性に応じて、遠隔審査の対象とするか否かを判定するものである。こうして、審査官Eによる対面審査を行わない遠隔審査の対象を、より信頼性の高い利用者Uに絞り込むことができる。
また、CPU202は、利用者Uの利用者情報に含まれる搭乗情報から取得される利用者Uが利用する航空機の座席の種別に基づき、利用者Uが遠隔審査の対象であるか否かを判定することができる。例えば、CPU202は、利用者Uが利用する航空機の座席の種別が、ファーストクラス又はビジネスクラスの場合に利用者Uが遠隔審査の対象であると判定し、エコノミークラスである場合に対象外であると判定することができる。この基準は、利用者Uの信頼性を推測する資料たりうる座席の種別に応じて、遠隔審査の対象とするか否かを判定するものである。こうして、審査官Eによる対面審査を行わない遠隔審査の対象を、より信頼性の高い利用者Uに絞り込むことができる。
また、CPU202は、予め設定した遠隔審査の対象となる定員数に基づき、利用者Uが遠隔審査の対象であるか否かを判定することができる。遠隔審査の対象となる定員数は、例えば、航空機のフライト予定時間、フライト距離等に応じて航空機ごとに予め設定することができ、具体的には、フライト予定時間が長時間であるほど又はフライト距離が長距離であるほど、定員数を多く設定することができる。こうして定員数を設定することにより、利用者Uが第2国の入国審査場AA16に到達するまでに遠隔審査を確実に完了することができる。CPU202は、利用者Uの利用者情報に含まれる搭乗情報から取得される利用者Uが利用する航空機について予め設定された定員数に達していない場合に利用者Uが遠隔審査の対象であると判定し、定員数に達している場合に対象外であると判定することができる。
また、CPU202は、利用者Uが遠隔審査の利用登録を事前に行った事前登録者であるか否かに応じて、利用者Uが遠隔審査の対象であるか否かを判定することができる。すなわち、CPU202は、利用者Uが事前登録者である場合に、利用者Uが遠隔審査の対象であると判定することができる。この場合、事前登録者に関する情報は、CPU202がアクセス可能なDBである事前登録情報DBに登録されて管理されている。CPU202は、事前登録情報DBを参照して利用者Uが事前登録者であるか否かを判定することができる。
また、CPU202は、第1国の空港DAにおける利用者Uの行動に応じて、利用者Uが遠隔審査の対象であるか否かを判定することができる。第1国の空港DAにおける利用者Uの行動は、例えば、監視カメラ70により撮影されて映像として不図示の監視サーバに記録されている。CPU202は、監視サーバにアクセスして、利用者情報に含まれる利用者Uの顔情報等の生体情報を用いて、監視サーバに記録された映像中の利用者Uの行動を特定することができる。CPU202は、例えば、特定された行動が、特定の場所に長時間滞在していた、免税店等の店舗で不審な行動をとっていた等の不自然又は不審な行動であると判定した場合には、利用者Uが遠隔審査の対象外であると判定することができる。
上記のほか、CPU202は、利用者Uの利用者情報に含まれる身分事項情報に基づいて、利用者Uが遠隔審査の対象であるか否かを判定することもできる。
なお、CPU202は、上述した複数の判定基準の一部又は全部を用いて、利用者Uが遠隔審査の対象であるか否かを判定することができる。
CPU202は、利用者Uが遠隔審査の対象外であると判定した場合、利用者Uが遠隔審査の対象外であることを示す通知である対象外通知を生成する。CPU202は、生成した対象外通知を遠隔審査端末10に送信する。
また、CPU202は、遠隔審査の対象であると判定された利用者Uの利用者情報を、記憶装置206に記録して管理する情報管理部として機能する。情報管理部としてのCPU202は、遠隔審査端末10から受信した利用者Uの利用者情報であって、遠隔審査の対象であると判定された利用者Uの利用者情報を、記憶装置206に格納された利用者情報DB206cに登録して管理する。
また、CPU202は、遠隔審査の対象であると判定された利用者Uについて第2国への入国時の入国審査を遠隔審査として行う審査部として機能する。審査部としてのCPU202は、さらに、利用者Uの利用者情報に含まれる利用者Uの生体情報を用いた本人確認のための生体照合を行う生体照合部並びに利用者Uについて人物WLと要注意者リストとを含む人物リストとの照合を行うリスト照合部として機能する。
生体照合部としてのCPU202は、利用者Uの利用者情報に含まれる生体情報を用いた生体照合を行って、利用者Uの本人確認を行う。例えば、CPU202は、利用者情報に含まれる撮影顔画像と、同じく利用者情報に含まれる旅券顔画像とを照合する顔照合を行って、利用者Uの本人確認を行うことができる。CPU202は、撮影顔画像と旅券顔画像との照合に際して、撮影顔画像から抽出した顔特徴量と、旅券顔画像から抽出した顔特徴量とを照合することにより、両顔画像を照合することができる。また、例えば、CPU202は、利用者情報に含まれる読取指紋画像と、同じく利用者情報に含まれる旅券指紋画像とを照合する指紋照合を行って、利用者Uの本人確認を行うことができる。CPU202は、読取指紋画像と読取指紋画像との照合に際して、読取指紋画像から抽出された指紋特徴量と、旅券指紋画像から抽出された指紋特徴量とを照合することにより、両指紋画像を照合することができる。
なお、CPU202は、利用者Uの本人確認のため、顔照合及び指紋照合のうちの両方を行ってもよいし、いずれか一方を行ってもよい。
CPU202は、生体照合が一致した場合に利用者Uの本人確認に成功したと判定し、生体照合が一致しなかった場合に利用者Uの本人確認に失敗したと判定する。生体照合が一致した場合とは、顔照合及び指紋照合のうちの両方を行って顔照合及び指紋照合のいずれもが一致した場合、又は顔照合及び指紋照合のうちのいずれか一方を行ってその一方が一致した場合である。顔照合が一致した場合とは、撮影顔画像と旅券顔画像との間の一致度又は類似度を示す照合スコアが所定の閾値を超えて両顔画像が高い一致度又は類似度を示す場合である。指紋照合が一致した場合とは、読取指紋画像と旅券指紋画像との間の一致度又は類似度を示す照合スコアが所定の閾値を超えて両指紋画像が高い一致度又は類似度を示す場合である。
また、利用者Uの顔画像、指紋画像等の生体情報は、事前の申請等により、審査サーバ20がアクセス可能なDBに利用者Uの個人識別情報と関連付けられて事前登録されている場合がありうる。この場合、CPU202は、利用者Uの利用者情報に含まれる生体情報と、利用者Uの個人識別情報と関連付けられて事前登録された生体情報とを照合することにより、利用者Uの本人確認を行うことができる。
リスト照合部としてのCPU202は、利用者Uの利用者情報に含まれる利用者Uを識別しうる情報と、人物リストDB206bに登録された人物WLや要注意者リストに含まれる複数人の同種の情報とを1:Nで照合する。利用者情報に含まれる利用者Uを識別しうる情報は、例えば、顔情報、指紋情報、身分事項情報、旅券情報等である。これにより、CPU202は、利用者Uが、人物WLや要注意者リストに登録された人物に該当するか否かを判定する。
また、審査部としてのCPU202は、生体照合及び人物リストとの照合の結果に応じて、遠隔審査の結果を示す情報である審査情報として以下のように入国許可情報、入国拒否情報又は要対面審査情報を生成する。
CPU202は、生体照合による利用者Uの本人確認に成功し、かつ、利用者Uが人物WLの人物に該当した場合に、審査情報として、利用者Uの第2国への入国を許可することを示す情報である入国許可情報を生成する。
また、CPU202は、生体照合による利用者Uの本人確認に成功し、かつ、人物WLの人物に該当しなかった利用者Uが、要注意者リストの人物に該当しなかった場合にも、審査情報として入国許可情報を生成する。
また、CPU202は、生体照合による利用者Uの本人確認に成功したが、利用者Uが要注意者リストの人物に該当した場合には、利用者Uの第2国への入国を拒否することを示す情報である入国拒否情報を生成する。なお、この場合、CPU202は、審査情報として、利用者Uについて審査ブースBでの審査官Eによる対面審査が必要であることを示す情報である要対面審査情報を生成することもできる。これにより、入国拒否について慎重を期すことができる。
一方、CPU202は、生体照合による利用者Uの本人確認に失敗した場合には、審査情報として、利用者Uについて審査ブースBでの審査官Eによる対面審査が必要であることを示す情報である要対面審査情報を生成する。なお、CPU202は、生体照合による利用者Uの本人確認に成功したが、利用者Uが要注意者リストの人物に該当した場合にも、入国拒否情報に代えて要対面審査情報を生成することができる。
なお、CPU202は、遅くとも利用者Uが第2国の空港AAにおける入国審査場AA16に到達するまでに遠隔審査を完了することができる。例えば、CPU202は、遠隔審査端末10を利用した利用者Uが遠隔審査端末10の前に留まる間に遠隔審査を完了することができる。また、例えば、CPU202は、利用者Uが第2国に到着する到着日時までに遠隔審査を完了することができる。CPU202は、利用者Uの利用者情報に含まれる搭乗情報から到着日時を取得することができる。
また、CPU202は、上述のように生成した審査情報を、記憶装置206に記録して管理する情報管理部として機能する。情報管理部としてのCPU202は、記憶装置206に格納された審査情報DB206dに登録して管理する。CPU202は、利用者Uの審査情報を、個人識別情報、顔情報等の利用者情報に含まれるその利用者Uを一意に識別しうる情報又はその利用者Uの利用者情報自体と関連付けて、審査情報DB206dに登録する。
また、CPU202は、利用者Uについて生成された審査情報を遠隔審査端末10に送信する情報送信部として機能する。なお、CPU202は、利用者Uが遠隔審査端末10の前に留まる間に遠隔審査を完了しない場合には、審査情報に代えて、遠隔審査に用いる利用者情報を受け付けたことを示す情報である受付完了情報を遠隔審査端末10に送信することができる。
また、CPU202は、遠隔審査に関する案内通知を要求する案内通知要求を携帯端末30、誘導装置40又はサイネージ端末50から受信した場合に、利用者Uについての審査情報の有無に応じて遠隔審査に関する案内通知を生成する通知生成部として機能する。通知生成部としてのCPU202は、案内通知要求を送信した携帯端末30を利用する利用者U、又は案内通知要求を送信した誘導装置40若しくはサイネージ端末50により検出された利用者Uについて、審査情報の有無に応じて案内通知を生成する。
CPU202は、携帯端末30から案内通知要求とともに受信した利用者Uの個人識別情報に基づき、この個人識別情報に関連付けられた審査情報を審査情報DB206dから検索することができる。
また、CPU202は、誘導装置40から案内通知要求とともに受信した利用者Uの顔情報に基づき、この顔情報と一致する顔情報に関連付けられた審査情報を審査情報DB206dから検索することができる。誘導装置40から送信される顔情報は、後述するように、誘導装置40のカメラ408により検出されて撮影された利用者Uの顔画像又はその顔画像から抽出された顔特徴量である。顔情報、指紋情報等の生体情報が一致するとは、一の生体情報と他の生体情報との間の一致度又は類似度を示す照合スコアが所定の閾値を超えて両生体情報が高い一致度又は類似度を示すことを意味する。
また、CPU202は、サイネージ端末50から案内通知要求とともに受信した利用者Uの顔情報に基づき、この顔情報と一致する顔情報に関連付けられた審査情報を審査情報DB206dから検索することができる。サイネージ端末50から送信される顔情報は、後述するように、サイネージ端末50のカメラ510により検出されて撮影された利用者Uの顔画像又はその顔画像から抽出された顔特徴量である。
検索の結果、利用者Uについて審査情報が審査情報DB206dに発見された場合、CPU202は、案内通知として、遠隔審査が完了していることを示す既審査向けの案内通知を生成する。CPU202は、遠隔審査が完了していることを明示的又は直接的に示す案内通知を生成することもできるし、遠隔審査が完了していることを黙示的又は間接的に示す案内通知を生成することもできる。例えば、CPU202は、遠隔審査が完了していることを黙示的又は間接的に示す案内通知として、利用者Uを遠隔審査専用レーンL1に誘導して自動化ゲート装置60に誘導する案内通知を生成することができる。
さらに、利用者Uについて審査情報が審査情報DB206dに発見された場合、CPU202は、審査情報が入国許可情報、入国拒否情報及び要対面審査情報のいずれであるかに応じて、それぞれが示す内容をも含む既審査向けの案内通知を生成することができる。すなわち、審査情報が入国許可情報である場合、CPU202は、利用者Uについて入国が許可されていることをも示す案内通知を生成することができる。また、審査情報が入国拒否情報である場合、CPU202は、利用者Uについて入国が拒否されていることをも示す案内通知を生成することができる。また、審査情報が要対面審査情報である場合、CPU202は、利用者Uについて審査ブースBでの審査官Eによる対面審査が必要であることをも示す案内通知を生成することができる。
なお、審査情報が入国拒否情報又は要対面審査情報である場合、CPU202は、上記とは異なり、利用者Uを一般レーンL2に誘導する案内通知を生成することもできる。
一方、検索の結果、利用者Uについて審査情報が審査情報DB206dに発見されなかった場合、CPU202は、案内通知として、遠隔審査が行われていないことを示す未審査向けの案内通知を生成する。CPU202は、遠隔審査が行われていないことを明示的又は直接的に示す案内通知を生成することもできるし、遠隔審査が行われていないことを黙示的又は間接的に示す案内通知を生成することもできる。例えば、CPU202は、遠隔審査が行われていないことを黙示的又は間接的に示す案内通知として、利用者を一般レーンL2に誘導する案内通知を生成することができる。
なお、利用者Uについて審査情報が審査情報DB206dに存在しない場合、その利用者Uは、遠隔審査端末10を利用していないか、利用していても遠隔審査の対象外であると判定された者である。したがって、この場合、遠隔審査が行われていないことを明示的又は直接的に示す必要は必ずしもないため、CPU202は、利用者Uを一般レーンL2に誘導する案内通知を生成すれば足りる。
CPU202は、上述のようにして生成した既審査向け又は未審査向けの案内通知を、案内通知要求を送信した携帯端末30、誘導装置40又はサイネージ端末50にネットワークNWを介して送信する送信部として機能する。CPU202は、携帯端末30、誘導装置40又はサイネージ端末50から送信された案内通知要求に応じて、既審査向け又は未審査向けの案内通知を携帯端末30、誘導装置40又はサイネージ端末50に送信することができる。
また、CPU202は、自動化ゲート装置60から自動化ゲート装置60を通過しようとする利用者Uの生体情報を受信した場合に、受信した生体情報を用いた生体照合を行って、その利用者Uの本人確認を行う生体照合部として機能する。生体照合部としてのCPU202は、自動化ゲート装置60から受信した生体情報と、利用者情報DB206cに登録された利用者情報に含まれる生体情報とを1:Nで照合する。自動化ゲート装置60から送信される生体情報は、例えば、後述するように、自動化ゲート装置60の生体情報取得装置614であるカメラにより検出されて撮影された利用者Uの顔画像又はその顔画像から抽出された顔特徴量である。また、生体情報は、自動化ゲート装置60の生体情報取得装置614である指紋スキャナにより読み取られて取得された利用者Uの指紋画像又はその指紋画像から抽出された指紋特徴量であってもよい。
CPU202は、生体照合の結果、自動化ゲート装置60から受信した生体情報と一致する生体情報を含む利用者情報が利用者情報DB206cに発見された場合に、利用者Uの本人確認に成功したと判定する。なお、CPU202は、自動化ゲート装置60から複数種類の生体情報を受信する場合がありうる。この場合、CPU202は、受信した複数種類の生体情報とそれぞれ一致する対応する複数種類の生体情報を含む利用者情報が利用者情報DB206cに発見された場合に、利用者Uの本人確認に成功したと判定することができる。
一方、CPU202は、生体照合の結果、自動化ゲート装置60から受信した生体情報と一致する生体情報を含む利用者情報が利用者情報DB206cに発見されない場合、利用者Uの本人確認に失敗したと判定する。
CPU202は、自動化ゲート装置60を通過しようとする利用者Uの生体照合による本人確認の結果を示す照合情報を自動化ゲート装置60にネットワークNWを介して送信する。
また、CPU202は、自動化ゲート装置60から自動化ゲート装置60を通過しようとする利用者Uの審査情報を要求する審査情報要求を受信した場合に、その利用者Uの審査情報を審査情報DB206dから抽出する情報抽出部として機能する。情報抽出部としてのCPU202は、利用者Uの本人確認に成功したと判定した場合に利用者Uの審査情報を抽出することができる。CPU202は、例えば、自動化ゲート装置60から受信した利用者Uの生体情報の一致する生体情報又はこれを含む利用者情報と関連付けられた審査情報を抽出することができる。また、CPU202は、例えば、審査情報要求とともに自動化ゲート装置60から受信した自動化ゲート装置60を通過しようとする利用者Uの個人識別情報と関連付けられた審査情報を抽出することもできる。
また、CPU202は、審査情報DB206dから抽出した審査情報を、審査情報要求を送信した自動化ゲート装置60にネットワークNWを介して送信する情報送信部として機能する。
記憶装置206は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ等の記憶媒体により構成され、記憶部として機能する。記憶装置206は、CPU202により実行されるプログラム、そのプログラムの実行の際にCPU202により参照されるデータ等を記憶する。
また、記憶装置206は、渡航履歴情報DB206aと、人物リストDB206bと、利用者情報DB206cと、審査情報DB206dとを格納している。
渡航履歴情報DB206aには、渡航履歴情報が登録されている。渡航履歴情報DB206aに登録される渡航履歴情報は、第2国に入国した渡航歴のある渡航者に関する情報である。渡航履歴情報は、例えば、渡航者が第2国へ入国する際及び第2国から出国する際に登録される。渡航履歴情報は、例えば、第2国への渡航歴のある渡航者の旅券情報、生体情報、履歴情報等を含んでいる。旅券情報は、その渡航者に対して発行された旅券の旅券番号、旅券発行国、身分事項情報等を含んでいる。身分事項情報は、その渡航者の氏名、国籍、生年月日、性別等を含んでいる。生体情報は、その渡航者の顔画像、指紋画像等又はこれら生体情報から抽出された特徴量である。生体情報は、1つであっても複数であってもよい。また、生体情報は、渡航者の生体情報が記録されたIC(Integrated Circuit)旅券から取得されたものであってもよいし、審査の際に渡航者から直接取得したものであってもよい。履歴情報は、その渡航者の入国地、入国年月日、出国地、出国年月日、航空機便名等を含んでいる。入国地及び出国地は、それぞれ入国した空港及び出国した空港を意味しうる。渡航履歴情報並びに当該渡航履歴情報に含まれる旅券情報、生体情報及び履歴情報は、互いに関連付けられている。
人物リストDB206bには、人物リストが登録されている。人物リストDB206bに登録される人物リストは、要注意者リストと人物WLとを含んでいる。人物WLは、第2国への入国を許可すべき人物の人物情報として、生体情報、テキスト情報等が登録されている。人物WL及び要注意者リストの各人物情報に含まれる生体情報は、例えば、当該人物の顔画像、指紋画像等又はこれら生体情報から抽出された特徴量である。
利用者情報DB206cには、遠隔審査端末10から受信した遠隔審査の対象の利用者Uの利用者情報が登録されている。利用者情報は、上述したように、互いに関連付けられた利用者Uの身分事項情報、顔情報、指紋情報及び搭乗情報を含んでいる。
審査情報DB206dには、審査情報として、上述のようにして生成された入国許可情報、入国拒否情報又は要対面審査情報が登録されている。利用者Uの審査情報は、個人識別情報、顔情報等の利用者情報に含まれるその利用者Uを一意に識別しうる情報又はその利用者Uの利用者情報自体と関連付けられて審査情報DB206dに登録されている。
なお、渡航履歴情報DB206a、人物リストDB206b、利用者情報DB206c及び審査情報DB206dの一部又は全部は、必ずしも審査サーバ20の記憶装置206に格納されている必要はない。渡航履歴情報DB206a、人物リストDB206b、利用者情報DB206c及び審査情報DB206dの一部又は全部は、ネットワークNWを介して審査サーバ20がアクセス可能な外部サーバの記憶装置に格納されていてもよい。
通信部208は、ネットワークNWに接続され、ネットワークNWを介してデータの送受信を行う。通信部208は、CPU202による制御に従って、遠隔審査端末10、誘導装置40、サイネージ端末50、自動化ゲート装置60等との間の通信を行う。
こうして、審査サーバ20が構成されている。
次に、携帯端末30の構成について図5を用いて説明する。図5は、携帯端末30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
携帯端末30は、利用者Uが所持又は携帯して使用する端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話等の携帯情報機器である。携帯端末30は、利用者Uの第2国への入国を支援するためのアプリケーションプログラムである入国支援アプリケーションを実行することが可能になっている。
携帯端末30は、図5に示すように、CPU302と、RAM304と、記憶装置306と、入力装置308と、ディスプレイ310と、移動体無線通信部312と、近距離無線通信部314と、位置センサ316と、磁気センサ318とを有している。CPU302、RAM304、記憶装置306、入力装置308、ディスプレイ310、移動体無線通信部312、近距離無線通信部314、位置センサ316及び磁気センサ318は、バスライン320に接続されている。
CPU302は、記憶装置306に記憶されたプログラムを実行することにより動作し、携帯端末30全体の動作を制御する制御部として機能する。また、CPU302は、記憶装置306に記憶されたアプリケーションプログラムを実行して、携帯端末30としての各種処理を実行する。RAM304は、CPU302の動作に必要なメモリ領域を提供する。
例えば、記憶装置306には、利用者Uの第2国への入国を支援するための入国支援アプリケーションがインストールされている。CPU302は、入国支援アプリケーションを実行することにより、利用者Uの入国を支援するための各種処理を実行することができる。
より具体的には、CPU302は、審査サーバ20から遠隔審査に関する案内通知を受けるべきタイミングであるか否かを判定する判定部として機能する。判定部として機能するCPU302は、種々の判定基準に従って、案内通知を受けるべきタイミングであるか否かを判定することができる。判定基準の具体例は、次のとおりである。
まず、CPU302は、位置センサ316により取得される位置情報に基づき、携帯端末30の位置を測定することができる。また、CPU302は、磁気センサ318により取得される地磁気情報に基づき、携帯端末30の位置、特に測位衛星信号の届きにくい屋内における携帯端末30の位置を測定することができる。CPU302は、こうして取得される携帯端末30の位置に関する情報に基づき、案内通知を受けるべきタイミングであるか否かを判定することができる。
より詳細には、CPU302は、位置センサ316により取得される位置情報又は磁気センサ318により取得される地磁気情報に基づき、CPU302は、携帯端末30を所持又は携帯する利用者Uが、第2国に入国又は上陸したことを検知することができる。CPU302は、こうして利用者Uが第2国に入国又は上陸したことを検知したタイミングを、案内通知を受けるべきタイミングであると判定することができる。
また、CPU302は、磁気センサ318により取得される地磁気情報に基づく屋内測位により、第2国の空港AAにおいて携帯端末30を所持又は携帯する利用者Uが入国審査場AA16に接近したことを検知することができる。また、CPU302は、近距離無線通信部314により受信されるビーコン信号に基づく屋内測位により、第2国の空港AAにおいて携帯端末30を携帯する利用者Uが入国審査場AA16に接近したことを検知することができる。ビーコン信号は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)を用いたビーコン信号である。また、ビーコン信号は、空港において網羅的に設置された複数のビーコン発信機から発信される。なお、入国審査場AA16に接近したことを検知するための屋内測位技術は、これらに限定されるものではなく、Wi-Fi(登録商標)測位等を用いた種々の屋内測位技術を用いることができる。
CPU302は、上述のように利用者Uが入国審査場AA16に接近したことを検知したタイミングを、案内通知を受けるべきタイミングであると判定することができる。なお、利用者Uが入国審査場AA16に接近する程度は、特に限定されるものではない。例えば、CPU302は、入国審査場AA16の案内掲示又は入国審査場AA16自体を視認しうる位置に進んだ場合に、利用者Uが入国審査場AA16に接近したと判定して、利用者Uが入国審査場AA16に接近したことを検知することができる。
また、CPU302は、予め設定された日時に基づき、案内通知を受けるべきタイミングであるか否かを判定することができる。例えば、CPU302は、第2国へ向かう航空機の到着日時又は到着日時に所定の時間を加え若しくは差し引いた日時が到来したタイミングを、案内通知を受けるべきタイミングであると判定することができる。この場合、CPU302は、例えば、利用者Uにより入国支援アプリケーションにおいて入力されて記憶装置306に記憶された搭乗情報、航空券媒体として記憶装置306に記憶されたeチケット控え等から到着日時を取得することができる。
また、CPU302は、第2国への入国に関連して携帯端末30が操作されたタイミングを、案内通知を受けるべきタイミングであると判定することができる。携帯端末30の記憶装置306には、入国支援アプリケーションのほか、入国関連アプリケーションプログラムとして、例えば、税関申告を電子的に行うための税関申告アプリケーションがインストールされていることある。CPU302は、このような入国関連アプリケーションプログラムが実行されたタイミング、又は入国関連アプリケーションプログラムで特定の操作が実行されたタイミングを、案内通知を受けるべきタイミングであると判定することができる。
また、CPU302は、利用者Uにより案内通知を受けるべき指示が入力されたタイミングを、案内通知を受けるべきタイミングであると判定することができる。利用者Uは、例えば、入国支援アプリケーションにおいて案内通知を受けるべき指示を入力することができる。利用者Uは、案内通知を受けるべき指示を任意のタイミングで入力することができる。
CPU302は、案内通知を受けるべきと判定したタイミングであると判定した場合に、そのタイミングで、携帯端末30を使用する利用者Uの個人識別情報とともに、案内通知を要求する案内通知要求を審査サーバ20に送信する要求部として機能する。CPU302は、利用者Uの個人識別情報として、例えば、入国支援アプリケーションにおいて入力されて記憶装置306に記憶された利用者Uの旅券番号を取得して用いることができる。また、CPU302は、利用者Uの個人識別情報として、例えば、入国支援アプリケーションにおいて入力されて記憶装置306に記憶された身分事項情報に含まれる氏名、国籍、生年月日等の2以上の組み合わせを取得して用いることもできる。また、CPU302は、利用者Uの個人識別情報として、携帯端末30の不図示のカメラ等により取得された利用者Uの顔画像又はその顔画像から抽出した顔特徴量等の利用者Uの生体情報を用いることもできる。
また、CPU302は、案内通知要求に応じて審査サーバ20から携帯端末30に送信された案内通知をディスプレイ310に表示させる表示制御部として機能する。表示制御部としてのCPU302は、審査サーバ20から受信した既審査向け又は未審査向けの案内通知の内容をディスプレイ310に表示させる。CPU302は、例えば、ディスプレイ310に表示された入国支援アプリケーションの画面において案内通知を表示させることもできるし、ディスプレイ310においてポップアップ表示、バナー表示等の表示形式で案内通知を表示させることもできる。
なお、CPU302は、案内通知のディスプレイ310への表示とともに又はその表示に代えて、案内通知の内容を携帯端末30に設けられた不図示のスピーカ等から音声出力することもできる。
また、CPU302は、既審査向けの案内通知を受信した場合に、上述した遠隔審査端末10の発行装置118により発行される券片に印刷される審査完了コードと同様の審査完了コードを生成するコード生成部として機能する。CPU302は、利用者Uによる指示入力に応じて、任意のタイミングで審査完了コードを生成してディスプレイ310に表示させることができる。
記憶装置306は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ等の記憶媒体により構成され、記憶部として機能する。記憶装置306は、CPU302により実行されるプログラム、そのプログラムの実行の際にCPU302により参照されるデータ等を記憶する。記憶装置306は、CPU302により実行されるアプリケーションプログラムとして、入国支援アプリケーションを記憶する。
入力装置308は、例えば、ディスプレイ310に組み込まれたタッチパネルである。入力装置308は、利用者Uからの指示の入力を受け付ける入力部として機能する。利用者Uは、入力装置308を介して、携帯端末30に対して、各種情報を入力したり、処理の実行を指示したりすることができる。
ディスプレイ310は、利用者Uに対して、各種画面を表示する表示部として機能する。例えば、入国支援アプリケーションを実行する携帯端末30において、ディスプレイ310は、案内通知を表示する画面、審査完了コードを表示する画面等を表示する。
移動体無線通信部312は、CPU302による制御に従って、移動体通信網を介してネットワークNWに接続する。移動体無線通信部312の通信方式は、特に限定されるものではないが、例えば、第3世代移動通信方式、LTE(Long Term Evolution)方式、第4世代移動通信方式等が挙げられる。
近距離無線通信部314は、CPU302による制御に従って、アクセスポイント、外部機器等と無線通信を行い、例えば、空港AAの構内等のアクセスポイントを介してネットワークNWに接続する。近距離無線通信部314の通信方式は、特に限定されるものではないが、例えば、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN方式、Bluetooth(登録商標)通信方式、NFC(Near Field Communication)方式、赤外線通信方式等が挙げられる。
位置センサ316は、GNSS(Global Navigation Satellite System、全地球航法衛星システム)を利用して、携帯端末30の位置を測位する。これにより、位置センサ316は、携帯端末30の位置を示す位置情報を取得する。GNSSとしては、特に限定されるものではなく、例えば、GPS(Global Positioning System)、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、ガリレオ、コンパス等である。
磁気センサ318は、携帯端末30の位置における地磁気を検出して地磁気情報を取得する。磁気センサ318は、特に限定されるものではないが、例えば、ホール素子、磁気抵抗素子、磁気インピーダンス素子等を用いて地磁気を検出する。
こうして、携帯端末30が構成されている。
次に、誘導装置40の構成について図6を用いて説明する。図6は、誘導装置40のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
誘導装置40は、第2国の空港AAに到着して入国審査場AA16に向かう利用者Uに対して、検疫場AA12と入国審査場AA16とを連絡する通路AA14の床面Fへの案内通知の投影による誘導を行う装置である。誘導装置40は、案内通知の内容を投影可能な投影装置である。誘導装置40は、利用者Uについて遠隔審査が行われているか否かに応じて、利用者Uを遠隔審査専用レーンL1又は一般レーンL2に誘導する。
誘導装置40は、図6に示すように、CPU402と、RAM404と、記憶装置406と、カメラ408と、プロジェクタ410と、通信部412とを有している。CPU402、RAM404、記憶装置406、カメラ408、プロジェクタ410及び通信部412は、バスライン414に接続されている。
CPU402は、記憶装置406に記憶されたプログラムを実行することにより動作し、誘導装置40全体の動作を制御する制御部として機能する。また、CPU402は、記憶装置406に記憶されたアプリケーションプログラムを実行して、誘導装置40としての各種処理を実行する。RAM404は、CPU402の動作に必要なメモリ領域を提供する。
より具体的には、CPU402は、カメラ408により通路AA14を通過する利用者Uの顔画像が取得されて利用者Uが検出された場合に、顔情報とともに、案内通知を要求する案内通知要求を審査サーバ20に送信する要求部として機能する。案内通知要求とともに送信される顔情報は、利用者Uを特定するための生体情報であり、カメラ408により取得された顔画像又はその顔画像から抽出された顔特徴量である。
また、CPU402は、案内通知要求に応じて審査サーバ20から誘導装置40に送信された案内通知を、プロジェクタ410に通路AA14の床面Fに投影させる投影制御部として機能する。投影制御部としてのCPU402は、審査サーバ20から受信した既審査向け又は未審査向けの案内通知の内容をプロジェクタ410に投影させる。
なお、CPU402は、案内通知のプロジェクタ410による投影とともに又はその投影に代えて、案内通知の内容を誘導装置40に設けられた不図示のスピーカ等から音声出力することもできる。
記憶装置406は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ等の記憶媒体により構成され、記憶部として機能する。記憶装置406は、CPU402により実行されるプログラム、そのプログラムの実行の際にCPU402により参照されるデータ等を記憶する。
カメラ408は、通路AA14を通過する利用者Uの生体情報として利用者Uの顔画像を取得する生体情報取得部として機能する。カメラ408は、例えば、通路AA14を動画又は連続する静止画で撮影するデジタルカメラであり、撮影される動画又は連続する静止画の中に利用者Uの顔を検出すると、その利用者Uの顔を撮影してその顔画像を取得する。
なお、誘導装置40は、カメラ408のほか、通路AA14を通過する利用者Uの特定に利用しうる生体情報を取得する生体情報取得装置を有することができる。
プロジェクタ410は、審査サーバ20から受信した既審査向け又は未審査向けの案内通知の内容を通路AA14の床面Fに投影する投影部として機能する。投影部としてのプロジェクタ410は、通路AA14を移動する利用者Uの前の利用者Uが視認可能な床面Fの位置に案内通知の内容を投影する。また、プロジェクタ410は、例えば、通路AA14を移動する利用者Uの移動に追従してパンチルト機構等で投影方向を変更することにより、移動する利用者Uの位置に応じて床面Fに案内通知の内容を投影する位置を変更することができる。
通信部412は、ネットワークNWに接続され、ネットワークNWを介してデータの送受信を行う。通信部412は、CPU402による制御に従って、審査サーバ20等との間の通信を行う。
こうして、誘導装置40が構成されている。
次に、サイネージ端末50の構成について図7を用いて説明する。図7は、サイネージ端末50のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
サイネージ端末50は、第2国の空港AAに到着して入国審査場AA16に向かう利用者Uに対して、例えば、通路AA14、入国審査場AA16の入口等において、案内通知の表示による誘導を行う装置である。サイネージ端末50は、案内通知の内容を表示可能な表示端末である。
サイネージ端末50は、図7に示すように、CPU502と、RAM504と、記憶装置506と、ディスプレイ508と、カメラ510と、通信部512とを有している。CPU502、RAM504、記憶装置506、ディスプレイ508、カメラ510及び通信部512は、バスライン514に接続されている。
CPU502は、記憶装置506に記憶されたプログラムを実行することにより動作し、サイネージ端末50全体の動作を制御する制御部として機能する。また、CPU502は、記憶装置506に記憶されたアプリケーションプログラムを実行して、サイネージ端末50としての各種処理を実行する。RAM504は、CPU502の動作に必要なメモリ領域を提供する。
より具体的には、CPU502は、カメラ510によりサイネージ端末50の前の利用者Uの顔画像が取得されて利用者Uが検出された場合に、顔情報とともに、案内通知を要求する案内通知要求を審査サーバ20に送信する要求部として機能する。案内通知要求とともに送信される顔情報は、利用者Uを特定するための生体情報であり、カメラ510により取得された顔画像又はその顔画像から抽出された顔特徴量である。
また、CPU502は、案内通知要求に応じて審査サーバ20からサイネージ端末50に送信された案内通知をディスプレイ508に表示させる表示制御部として機能する。表示制御部としてのCPU502は、審査サーバ20から受信した既審査向け又は未審査向けの案内通知の内容をディスプレイ508に表示させる。
なお、CPU502は、案内通知のディスプレイ508への表示とともに又はその表示に代えて、案内通知の内容をサイネージ端末50に設けられた不図示のスピーカ等から音声出力することもできる。
また、CPU502は、特定の利用者U向けの表示である案内通知を、広告、経路案内等の一般向けの表示とともに同時にディスプレイ508に表示させることができる。また、CPU502は、特定の利用者U向けの表示である案内通知と、広告、経路案内等の一般向けの表示とを所定の時間間隔で切り替えながらディスプレイ508に表示させることもできる。
記憶装置506は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ等の記憶媒体により構成され、記憶部として機能する。記憶装置506は、CPU502により実行されるプログラム、そのプログラムの実行の際にCPU502により参照されるデータ等を記憶する。
ディスプレイ508は、サイネージ端末50の前の利用者Uに対して、案内通知を表示する画面、広告、経路案内等を表示する画面等を表示する表示部として機能する。
カメラ510は、サイネージ端末50の前の利用者Uの生体情報として利用者Uの顔画像を取得する生体情報取得部として機能する。カメラ510は、例えば、サイネージ端末50の前を動画又は連続する静止画で撮影するデジタルカメラであり、撮影される動画又は連続する静止画の中に利用者Uの顔を検出すると、その利用者Uの顔を撮影してその顔画像を取得する。
なお、サイネージ端末50は、カメラ510のほか、サイネージ端末50の前の利用者Uの特定に利用しうる生体情報を取得する生体情報取得装置を有することができる。
通信部512は、ネットワークNWに接続され、ネットワークNWを介してデータの送受信を行う。通信部512は、CPU502による制御に従って、審査サーバ20等との間の通信を行う。
こうして、サイネージ端末50が構成されている。
次に、自動化ゲート装置60の構成について図8を用いて説明する。図8は、自動化ゲート装置60のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
自動化ゲート装置60は、入国審査場AA16における遠隔審査専用レーンL1の出口に設置され、遠隔審査を受けた利用者Uの遠隔審査の結果に応じて、利用者Uの通過を制御するゲート装置である。自動化ゲート装置60により通過を許可された利用者Uは、自動化ゲート装置60を通過して入国審査場AA16から出場することができる。入国審査場AA16から出場した利用者Uは、例えば、第2国の空港AAにおいて、手荷物受取所にて受託荷物を必要に応じて受け取り、次いで、税関検査を受けて第2国への入国に関連する手続を完了する。
自動化ゲート装置60は、図8に示すように、CPU602と、RAM604と、記憶装置606と、入力装置608と、ディスプレイ610と、媒体読取装置612と、生体情報取得装置614と、ゲート616と、通信部618とを有している。CPU602、RAM604、記憶装置606、入力装置608、ディスプレイ610、媒体読取装置612、生体情報取得装置614、ゲート616及び通信部618は、バスライン620に接続されている。
CPU602は、記憶装置606に記憶されたプログラムを実行することにより動作し、自動化ゲート装置60全体の動作を制御する制御部として機能する。また、CPU602は、記憶装置606に記憶されたアプリケーションプログラムを実行して、自動化ゲート装置60としての各種処理を実行する。RAM604は、CPU602の動作に必要なメモリ領域を提供する。
より具体的には、CPU602は、媒体読取装置612により読み取られた審査完了コードが有効であるか否かを判定する判定部として機能する。審査完了コードは、例えば、遠隔審査端末10により利用者Uに対して発行された券片に印刷されたもの、利用者Uの携帯端末30のディスプレイ310に表示されたもの等である。判定部としてのCPU602は、審査完了コードが、遠隔審査が完了していることを示す審査完了情報を含む場合、審査完了コードが有効であると判定する。ただし、この場合であっても、審査完了コードの有効期限が経過しているとき、又は1回限り有効の審査完了コードについて媒体読取装置612による読み取りの履歴があるときには、CPU602は、審査完了コードが無効であると判定する。また、CPU602は、審査完了コードが、遠隔審査が完了していることを示す審査完了情報を含まない場合、審査完了コードが無効であると判定する。
CPU602は、審査完了コードが無効であると判定した場合、アラート処理を実行することができる。CPU602は、アラート処理として、審査完了コードが無効であることを示すアラートを、例えば、ディスプレイ610に表示させたり、不図示のスピーカから音声出力したりすることができる。また、CPU602は、アラート処理として、例えば、審査完了コードが無効である示すアラートを、職員の利用する情報端末である業務端末、外部サーバ等にネットワークNWを介して送信することができる。
なお、CPU602は、必ずしも審査完了コードが有効であるか否かを判定する判定部として機能するように構成する必要はない。この場合、審査完了コードを読み取る媒体読取装置612は必要なく、利用者Uも自動化ゲート装置60の通過に際して審査完了コードを使う必要はない。
また、CPU602は、生体情報取得装置614による利用者Uの顔画像等の生体情報の取得を制御する取得制御部として機能する。取得制御部としてのCPU602は、審査完了コードが有効であると判定した場合に、生体情報取得装置614に利用者Uの生体情報を取得させる。なお、審査完了コードの有効性を判定しない場合、CPU602は、生体情報取得装置614に自動化ゲート装置60の前の利用者Uの生体情報を一律に取得させる。
また、CPU602は、利用者Uから生体情報を取得した場合に、取得した生体情報ととともに、審査情報を要求する審査情報要求を審査サーバ20に送信する要求部として機能する。CPU602は、生体情報として、例えば、生体情報取得装置614により取得された利用者Uの顔画像又はその顔画像から抽出した顔特徴量である顔情報を送信することができる。また、CPU602は、生体情報として、例えば、生体情報取得装置614により取得された利用者Uの指紋画像又はその指紋画像から抽出した指紋特徴量である指紋情報等を送信することができる。なお、CPU602は、1種類又は複数種類の生体情報を送信することができる。
なお、CPU602は、媒体読取装置612により審査完了コードから読み取られた利用者Uの個人識別情報を審査情報要求とともに審査サーバ20に送信することもできる。
また、CPU602は、利用者Uが自動化ゲート装置60を通過することを許可するか否かの通過許否を判定する判定部として機能する。判定部としてのCPU602は、審査サーバ20から受信した利用者Uの生体照合による本人確認の結果を示す照合情報及び審査サーバ20から受信した利用者Uの審査情報に基づき、利用者Uの通過許否を判定する。
CPU602は、審査サーバ20から受信した照合情報が利用者Uの本人確認に成功したことを示し、かつ、審査サーバ20から受信した審査情報が入国許可情報である場合、利用者Uが自動化ゲート装置60を通過することを許可すると判定する。
一方、CPU602は、審査サーバ20から受信した照合情報が利用者Uの本人確認に失敗したことを示す場合、利用者Uが自動化ゲート装置60を通過することを許可しないと判定する。また、CPU602は、審査サーバ20から受信した照合情報が利用者Uの本人確認に成功したことを示すが、審査サーバ20から受信した審査情報が入国拒否情報である場合、利用者Uが自動化ゲート装置60を通過することを許可しないと判定する。また、CPU602は、審査サーバ20から受信した照合情報が利用者Uの本人確認に成功したことを示すが、審査サーバ20から受信した審査情報が要対面審査情報である場合、利用者Uが自動化ゲート装置60を通過することを許可しないと判定する。
CPU602は、利用者Uの通過を許可すると判定した場合、ゲート616を制御してゲート616を閉鎖状態から開放状態に移行させる。これにより、CPU602は、利用者Uに対してゲート616の通行を許可する。
一方、CPU602は、利用者Uの通過を許可しないと判定した場合、アラート処理を実行することができる。CPU602は、アラート処理として、自動化ゲート装置60の通過が許可されなかったことを示すアラートを、例えば、ディスプレイ610に表示させたり、不図示のスピーカから音声出力したりすることができる。また、CPU602は、アラート処理として、例えば、自動化ゲート装置60の通過が許可されなかったことを示すアラートを、職員の利用する情報端末、外部サーバ等にネットワークNWを介して送信することができる。
なお、CPU602は、利用者Uの通過を許可しないと判定した場合、ゲート616の閉鎖状態を維持する。
また、CPU602は、利用者Uに対する案内、通知等の画面をディスプレイ610に表示させる表示制御部として機能する。例えば、表示制御部としてのCPU602は、自動化ゲート装置60の利用方法を案内する案内画面をディスプレイ610に表示させる。また、例えば、CPU602は、有効又は無効な審査完了コードが読み取られたこと、自動化ゲート装置60を通過することが許可されたこと又は許可されなかったこと等を通知する通知画面をディスプレイ610に表示させる。
記憶装置606は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブ等の記憶媒体により構成され、記憶部として機能する。記憶装置606は、CPU602により実行されるプログラム、そのプログラムの実行の際にCPU602により参照されるデータ等を記憶する。
入力装置608は、例えば、ディスプレイ610に組み込まれたタッチパネルである。入力装置608は、利用者Uからの指示の入力を受け付ける入力部として機能する。利用者Uは、入力装置608を介して自動化ゲート装置60に対して、各種情報を入力したり、処理の実行の指示を入力したりすることができる。
ディスプレイ610は、自動化ゲート装置60を通過しようとする利用者Uに対して、各種画面を表示する表示部として機能する。例えば、ディスプレイ610は、自動化ゲート装置60の利用方法を案内する案内画面、利用者Uに対する通知画面等を表示する。
媒体読取装置612は、利用者Uが所持する券片に印刷された審査完了コード又は携帯端末30のディスプレイ310に表示された審査完了コードから審査完了コードに含まれる情報を読み取って取得する情報取得部として機能する。媒体読取装置612は、審査完了コードに含まれる審査完了情報、利用者Uの個人識別情報等の情報を読み取って取得することができる。媒体読取装置612は、例えば、QRコード等の二次元コード、バーコード等の一次元コードを読み取り可能なコードリーダにより構成される。媒体読取装置612は、その読取部にかざされた審査完了コードから情報を読み取って取得する。
なお、媒体読取装置612は、利用者Uの旅券から旅券情報を読み取って取得するように構成することもできる。媒体読取装置612により読み取られた旅券情報は、生体情報取得装置614により取得された生体情報とともに又はこれに代えて、利用者Uの本人確認に用いることができる。この場合、CPU602は、審査情報要求とともに旅券情報を審査サーバ20に送信することができる。審査サーバ20のCPU202は、自動化ゲート装置60から受信した旅券情報と一致する旅券情報を含む利用者情報DB206cから検索して利用者Uの本人確認を行うことができる。
生体情報取得装置614は、自動化ゲート装置60を通過しようとする自動化ゲート装置60の前の利用者Uの生体情報を取得する生体情報取得部として機能する。生体情報取得装置614は、例えば、自動化ゲート装置60の前の利用者Uの顔を撮影して利用者Uの顔画像を取得するデジタルカメラである。また、生体情報取得装置614は、例えば、自動化ゲート装置60の前の利用者Uから指紋画像を取得する指紋スキャナであってもよい。指紋スキャナは、例えば、遠隔審査端末10の指紋スキャナ116と同様の構成のものを用いることができる。なお、生体情報取得装置614は、利用者Uの1種類の生体情報を取得するものであってもよいし、複数種類の生体情報を取得するものであってもよい。
なお、自動化ゲート装置60は、デジタルカメラ、指紋スキャナ等のほか、利用者Uの本人確認に用いる生体情報を取得する生体情報取得装置を有することができる。
ゲート616は、利用者Uが自動化ゲート装置60を通過することが許可された場合に、CPU602による制御に従って、利用者Uの通行を遮る待機時の閉鎖状態から、利用者Uの通行を許可する開放状態に移行する。ゲート616の方式は、特に限定されるものではなく、例えば、通路の片側又は両側から設けられたフラッパーが開閉するフラッパーゲート、3本バーが回転するターンスタイルゲート等である。
通信部618は、ネットワークNWに接続され、ネットワークNWを介してデータの送受信を行う。通信部618は、CPU602による制御に従って、審査サーバ20等との間の通信を行う。
こうして、自動化ゲート装置60が構成されている。
本実施形態による情報処理システム1では、遠隔審査端末10が、第1国の出国審査後、第2国へ向かう搭乗前の利用者Uから、遠隔審査に用いられる利用者Uに関する身分事項情報、生体情報及び搭乗情報を含む利用者情報を取得する。本実施形態による遠隔審査端末10によれば、第1国の出国審査後、第2国へ向かう航空機への搭乗を待つ利用者Uの待ち時間を利用して、第2国の入国審査に用いる利用者Uの利用者情報を取得するため、効率的に利用者Uの時間を活用することができる。しかも、第1国の出国審査後の利用者Uから利用者情報を取得するため、利用者情報について一定以上の信頼性を担保することができる。
また、本実施形態による情報処理システム1では、審査サーバ20が、第1国の出国審査後、第2国へ向かう搭乗前の利用者Uから遠隔審査端末10により取得された利用者Uに関する利用者情報に基づき第2国の入国審査を遠隔審査として行う。本実施形態による審査サーバ20によれば、第2国へ向かう搭乗前の利用者Uから取得した利用者情報に基づき遠隔審査を行うため、利用者Uが第2国に到着して入国審査場AA16に到達するまでに遠隔審査を完了することができる。遠隔審査が完了した利用者Uについては、入国審査場AA16において入国審査のために利用者情報を取得する必要がない。このように、本実施形態によれば、入国審査場AA16において行われるべき処理ないし手続を減らすことができる。これにより、入国審査場AA16からの出場を待つ行列の発生を可及的に防止することができる。
さらに、本実施形態による情報処理システム1では、利用者Uが、携帯端末30、誘導装置40又はサイネージ端末50により遠隔審査に関する案内通知を受けることができる。したがって、本実施形態によれば、第2国への入国に際して、案内通知に応じた利用者Uの円滑な行動を期待することができる。
こうして、本実施形態によれば、第1国の出国審査後、第2国へ向かう搭乗前の利用者Uから利用者Uに関する利用者情報を取得し、そのような利用者情報に基づき第2国の入国審査を遠隔審査として行うので、第2国の入国審査を効率的に行うことができる。
以下、本実施形態による情報処理システム1における各構成要素の動作についてさらに図9乃至図17を用いて説明する。
まず、遠隔審査端末10の動作について審査サーバ20の動作とともに図9及び図10を用いて説明する。図9は、遠隔審査端末10及び審査サーバ20の動作を示すシーケンス図である。図10は、審査サーバ20の遠隔審査の動作を示すフローチャートである。
空路にて第1国から第2国に向かう予定の利用者Uは、第1国の空港DAにおいて、出国審査場DA12で出国審査を完了して出国の確認を受けた後、制限区域DA14に進入して搭乗口DA16からの航空機への搭乗を待機する。出国審査後の利用者Uは、制限区域DA14におけるラウンジ、搭乗待合室、通路等に設置された遠隔審査端末10を利用することができる。
図9に示すように、遠隔審査端末10の媒体読取装置112は、その読取部に利用者Uの旅券がかざされたか否かを判定し(ステップS102)、旅券がかざされるまで待機する(ステップS102、NO)。
媒体読取装置112は、旅券がかざされたと判定すると(ステップS102、YES)、かざされた旅券から利用者Uの身分事項情報を読み取って取得する(ステップS104)。身分事項情報は、旅券情報を含む。また、媒体読取装置112は、旅券に記録された利用者Uの旅券顔画像、旅券指紋画像等の情報をも取得する。
次いで、媒体読取装置112は、その読取部に利用者Uの航空券媒体がかざされたか否かを判定し(ステップS106)、航空券媒体がかざされるまで待機する(ステップS106、NO)。
媒体読取装置112は、航空券媒体がかざされたと判定すると(ステップS106、YES)、かざされた航空券媒体から利用者Uの搭乗情報を読み取って取得する(ステップS108)。
なお、身分事項情報を取得するステップS104と、搭乗情報を取得するステップS108との順序は、上記の場合に限定されるものではない。ステップS104、S108のうちのいずれのステップが先の順序で実行されてもよいし、ステップS104、S108が同時に実行されてもよい。
次いで、遠隔審査端末10のカメラ114は、遠隔審査端末10の指紋スキャナ116の読取面に手の指を置いて指紋を読み取らせる利用者Uの顔を撮影して、利用者Uの撮影顔画像を取得する(ステップS110)。利用者Uは、例えば遠隔審査端末10のディスプレイ110に表示された案内に従って指紋スキャナ116の読取面に指を置くことができる。指紋スキャナ116は、読取面に置かれた指の指紋を読み取って、利用者Uの読取指紋画像を取得する(ステップS112)。
こうして、カメラ114による撮影顔画像の取得と、指紋スキャナ116による読取指紋画像の取得が並行して行われる。このように、利用者Uの複数種類の生体情報の取得が並行して行われることにより、非生体による利用者Uへのなりすましを可及的に防止することができる。
なお、撮影顔画像を取得するステップS110及び読取指紋画像を取得するステップS112は、ステップS104、S108の前に実行されてもよいし、いずれかが先に実行されるステップS104、S108の間に実行されてもよい。
次いで、遠隔審査端末10のCPU102は、利用者Uについてなりすましが行われているか否かを判定する(ステップS114)。CPU102は、例えば、ステップS110、S112での利用者Uの生体情報の取得状況、監視カメラ70により撮影される遠隔審査端末10及びその周辺の映像の解析結果等に基づき、利用者Uについてなりすましが行われているか否かを判定することができる。
CPU102は、なりすましが行われていると判定した場合(ステップS114、YES)、アラート処理を実行する(ステップS116)。CPU102は、アラート処理として、例えば、なりすましが行われている可能性を示すアラートのディスプレイ110への表示、スピーカからの音声出力、業務端末等への送信等を実行することができる。
一方、CPU102は、なりすましが行われていないと判定した場合(ステップS114、NO)、利用者Uの利用者情報を審査サーバ20にネットワークNWを介して送信する(ステップS118)。利用者情報は、互いに関連付けられた利用者Uの身分事項情報、顔情報、指紋情報及び搭乗情報を含んでいる。利用者Uの顔情報は、利用者Uの撮影顔画像及び旅券顔画像又は両顔画像から抽出された顔特徴量である。利用者Uの指紋情報は、利用者Uの読取指紋画像又は読取指紋画像から抽出された指紋特徴量を含み、さらに利用者Uの旅券指紋画像又は旅券指紋画像から抽出された指紋特徴量を含みうる。
審査サーバ20のCPU202は、遠隔審査端末10から利用者Uの利用者情報を受信すると、受信した利用者情報に基づき、その利用者Uが遠隔審査の対象であるか否かを判定する(ステップS120)。例えば、CPU202は、渡航履歴情報DB206aから抽出した利用者Uの第2国への渡航履歴情報又は利用者情報に含まれる利用者Uの第2国への渡航履歴情報に基づき、遠隔審査の対象であるか否かを判定することができる。また、例えば、CPU202は、遠隔審査端末10にて利用者情報が取得された時刻から搭乗時刻までの時間に基づき、遠隔審査の対象であるか否かを判定することができる。また、例えば、CPU202は、利用者情報に含まれる搭乗情報から取得した利用者Uが利用する航空会社に基づき、遠隔審査の対象であるか否かを判定することができる。また、例えば、CPU202は、利用者Uが遠隔審査の利用登録を事前に行った事前登録者である場合には、遠隔審査の対象であると判定することができる。
CPU202は、利用者Uが遠隔審査の対象外であると判定すると(ステップS120、NO)、利用者Uが遠隔審査の対象外であることを示す対象外通知を生成する(ステップS122)。
一方、CPU202は、利用者Uが遠隔審査の対象であると判定すると(ステップS120、YES)、その利用者Uの利用者情報を利用者情報DB206cに登録する(ステップS124)。
次いで、CPU202は、利用者情報DB206cに登録した利用者Uの利用者情報に基づき、その利用者Uについて第2国への入国時の入国審査を遠隔審査として行う(ステップS126)。
遠隔審査において、まず、CPU202は、図10に示すように、利用者Uの利用者情報に含まれる生体情報を用いた生体照合を行う(ステップS202)。これにより、CPU202は、利用者Uの本人確認を行う。本人確認のための生体照合として、例えば、CPU202は、利用者情報に含まれる撮影顔画像と、同じく利用者情報に含まれる旅券顔画像とを照合する顔照合を行うことができる。また、例えば、CPU202は、利用者情報に含まれる読取指紋画像と、同じく利用者情報に含まれる旅券指紋画像とを照合する指紋照合を行うことができる。
CPU202は、生体照合が一致せずに利用者Uの本人確認に失敗したと判定すると(ステップS204、NO)、審査情報として、利用者Uについて対面審査が必要であることを示す要対面審査情報を生成する(ステップS206)。
一方、CPU202は、生体照合が一致して利用者Uの本人確認に成功したと判定すると(ステップS204、YES)、利用者Uの人物リストとの照合を行う(ステップS208)。人物リストとの照合において、CPU202は、利用者Uの利用者情報に含まれる利用者Uを識別しうる情報と、人物リストDB206bに登録された人物WLや要注意者リストに含まれる複数人の同種の情報とを1:Nで照合する。これにより、CPU202は、利用者Uが、人物WLや要注意者リストに登録された人物に該当するか否かを判定する(ステップS210、S214)。
まず、CPU202は、利用者Uが人物WLに登録された人物に該当するか否かを判定する(ステップS210)。CPU202は、利用者Uが人物WLに登録された人物に該当すると判定すると(ステップS210、YES)、審査情報として、利用者Uの第2国への入国を許可することを示す入国許可情報を生成する(ステップS212)。
さらに、CPU202は、利用者Uが人物WLに登録された人物に該当しないと判定すると(ステップS210、NO)、さらに、利用者Uが要注意者リストに登録された人物に該当するか否かを判定する(ステップS214)。CPU202は、利用者Uが要注意者リストに登録された人物に該当しないと判定すると(ステップS214、NO)、同じく入国許可情報を生成する(ステップS212)。
一方、CPU202は、利用者Uが要注意者リストに登録された人物に該当すると判定すると(ステップS214、YES)、利用者Uの第2国への入国を拒否することを示す入国拒否情報を生成する(ステップS216)。なお、この場合、CPU202は、審査情報として、入国拒否情報に代えて、本人確認に失敗したと判定した場合と同様に要対面審査情報を生成することもできる。
こうして、CPU202は、審査情報として、入国許可情報、入国拒否情報又は要対面審査情報を生成して遠隔審査を終了する。
遠隔審査を終了したCPU202は、図9に示すように、生成した審査情報を審査情報DB206dに登録して管理する(ステップS128)。
次いで、CPU202は、利用者Uが遠隔審査の対象であるか否かに応じて生成した審査情報又は対象外通知を遠隔審査端末10にネットワークNWを介して送信する(ステップS130)。なお、CPU202は、利用者Uが遠隔審査端末10の前に留まる間に遠隔審査を完了しない場合には、審査情報に代えて、遠隔審査に用いる利用者情報を受け付けたことを示す受付完了情報を遠隔審査端末10に送信することができる。
遠隔審査端末10のCPU102は、審査サーバ20から受信した審査情報又は対象外通知に応じて、遠隔審査端末10を利用した利用者Uに対する通知処理を実行する(ステップS132)。
CPU102は、審査情報を受信した場合、遠隔審査が完了している旨をディスプレイ110に表示させて又は音声出力して利用者Uに対して通知することができる。さらに、この場合、CPU102は、受信した審査情報が入国許可情報、入国拒否情報及び要対面審査情報のいずれかであるかに応じて、遠隔審査の具体的な結果をもディスプレイ110に表示させて又は音声出力して利用者Uに対して通知することもできる。すなわち、CPU102は、受信した審査情報が入国許可情報である場合、第2国への入国が許可された旨をも利用者Uに対して通知することができる。また、CPU102は、受信した審査情報が入国拒否情報である場合、第2国への入国が拒否された旨をも利用者Uに対して通知することができる。また、CPU102は、受信した審査情報が要対面審査情報である場合、第2国への入国に際して対面審査が必要である旨をも利用者Uに対して通知することができる。
さらに、審査情報を受信した場合、CPU102は、審査完了コードが印刷された紙片等の券片を発行装置118に発行させる。利用者Uは、発行された券片を所持して第2国へ向かうことができる。
なお、審査情報に代えて受付完了情報を受信した場合、CPU102は、遠隔審査に用いる利用者情報を受け付けた旨をディスプレイ110に表示させて又は音声出力して利用者Uに対して通知することができる。
一方、CPU102は、対象外通知を受信した場合、利用者Uが遠隔審査の対象外である旨をディスプレイ110に表示させて又は音声出力して利用者Uに対して通知する。
こうして、遠隔審査端末10を利用する利用者Uに対する処理が実行される。
次に、携帯端末30の動作について審査サーバ20の動作とともに図11、図12A及び図12Bを用いて説明する。図11は、審査サーバ20及び携帯端末30の動作を示すシーケンス図である。図12A及び図12Bは、携帯端末30に表示される案内通知の例を示す概略図である。
遠隔審査端末10を利用した利用者Uは、搭乗口DA16から航空機に搭乗して空路にて第2国に向かう。利用者Uは、遠隔審査端末10の利用後から第2国の空港AAの入国審査場AA16に到達するまでの間、その所持又は携帯する携帯端末30にて、審査サーバ20から遠隔審査に関する案内通知を受けることができる。
図11に示すように、携帯端末30のCPU302は、審査サーバ20から遠隔審査に関する案内通知を受けるべきタイミングであるか否かを判定する(ステップS302)。案内通知を受けるべきタイミングでないと判定した場合(ステップS302、NO)、CPU302は、案内通知を受けるべきタイミングであるか否かの判定を継続的に行い、特定の通知タイミングの到来を待機する。
CPU302は、位置センサ316により取得される位置情報又は磁気センサ318により取得される地磁気情報に基づき利用者Uが第2国に入国又は上陸したことを検知したタイミングを、案内通知を受けるべきタイミングであると判定することができる。また、CPU302は、屋内測位により利用者Uが入国審査場AA16に接近したことを検知したタイミングを、案内通知を受けるべきタイミングであると判定することができる。なお、CPU302は、例えば、磁気センサ318により取得される地磁気情報、近距離無線通信部314により受信されるビーコン信号等に基づいて屋内測位を行うことができる。また、CPU302は、予め設定された日時に基づき、案内通知を受けるべきタイミングであるか否かを判定することができる。また、CPU302は、携帯端末30において入国関連アプリケーションプログラムが実行されたタイミング、又は入国関連アプリケーションプログラムで特定の操作が実行されたタイミングを、案内通知を受けるべきタイミングであると判定することができる。また、CPU302は、利用者Uにより案内通知を受けるべき指示が入力されたタイミングを、案内通知を受けるべきタイミングであると判定することができる。
CPU302は、案内通知を受けるべきタイミングであると判定すると(ステップS302、YES)、そのタイミングで、案内通知を要求する案内通知要求を審査サーバ20にネットワークNWを介して送信する(ステップS304)。CPU302は、携帯端末30を使用する利用者Uの個人識別情報とともに案内通知要求を送信する。CPU302は、利用者Uの個人識別情報として、例えば、入国支援アプリケーションにおいて入力されて記憶装置306に記憶された利用者Uの旅券番号等を用いることができる。
審査サーバ20のCPU202は、案内通知要求を携帯端末30から受信すると、案内通知要求とともに受信した利用者Uの個人識別情報に基づき、この個人識別情報に関連付けられた審査情報を審査情報DB206dから検索する(ステップS306)。
CPU202は、検索の結果、利用者Uについて審査情報を審査情報DB206dに発見すると(ステップS308、YES)、遠隔審査が完了していることを示す既審査向けの案内通知を生成する(ステップS310)。CPU202は、遠隔審査が完了していることを明示的若しくは直接的又は黙示的若しくは間接的に示す案内通知を生成することができる。また、CPU202は、審査情報が入国許可情報、入国拒否情報及び要対面審査情報のいずれであるかに応じて、それぞれが示す内容をも含む既審査向けの案内通知を生成することができる。
一方、CPU202は、検索の結果、利用者Uについて審査情報を審査情報DB206dに発見しないと(ステップS308、NO)、遠隔審査が行われていないことを示す未審査向けの案内通知を生成する(ステップS312)。CPU202は、遠隔審査が行われていないことを明示的若しくは直接的又は黙示的若しくは間接的に示す案内通知を生成することができる。
次いで、CPU202は、生成した既審査向け又は未審査向けの案内通知を、案内通知要求を送信した携帯端末30にネットワークNWを介して送信する(ステップS314)。
携帯端末30のCPU302は、審査サーバ20から既審査向け又は未審査向けの案内通知を受信すると、受信した既審査向け又は未審査向けの案内通知の内容をディスプレイ310に表示させる(ステップS316)。CPU302は、例えば、携帯端末30の言語設定で設定された言語を用いて案内通知の内容を表示することができる。
図12Aは、遠隔審査が完了していることを黙示的又は間接的に示す既審査向けの案内通知を表示した携帯端末30におけるディスプレイ310の画面の例を示している。図12Aに示すように、携帯端末30のディスプレイ310は、既審査向けの案内通知の内容として、利用者Uを入国審査場AA16における遠隔審査専用レーンL1に誘導して自動化ゲート装置60に誘導する案内G32を表示している。既審査向けの案内通知を示す案内G32は、遠隔審査専用レーンL1に誘導する案内をもって、遠隔審査が完了していることを黙示的又は間接的に示している。
一方、図12Bは、遠隔審査が行われていないことを黙示的又は間接的に示す未審査向けの案内通知を表示した携帯端末30におけるディスプレイ310の画面の例を示している。図12Bに示すように、携帯端末30のディスプレイ310は、未審査向けの案内通知として、利用者Uを入国審査場AA16における一般レーンL2に誘導して審査ブースBに誘導する案内G34を表示している。未審査向けの案内通知を示す案内G34は、一般レーンL2に誘導する案内をもって、遠隔審査が行われていないことを黙示的又は間接的に示している。
こうして、利用者Uは、携帯端末30にて遠隔審査に関する案内通知を受けることができる。携帯端末30に表示された案内通知を見た利用者Uは、入国審査場AA16に向かうにあたって、案内通知に応じた行動をとることができる。
次に、誘導装置40の動作について審査サーバ20の動作とともに図13、図14A及び図14Bを用いて説明する。図13は、審査サーバ20及び誘導装置40の動作を示すシーケンス図である。図14A及び図14Bは、誘導装置40により投影される案内通知の例を示す概略図である。
空路にて第2国の空港AAに到着した利用者Uは、例えば、検疫手続が行われる検疫場AA12を経て入国審査場AA16に向かう。この間、利用者Uは、例えば、検疫場AA12と入国審査場AA16とを連絡する通路である通路AA14を通過する。
図13に示すように、誘導装置40のカメラ408は、通路AA14を常時又は定期的に撮影し、撮影した画像中に利用者Uの顔が検出されたか否かを判定する(ステップS402)。カメラ408は、画像中に利用者Uの顔が検出されるまで待機する(ステップS402、NO)。
カメラ408は、利用者Uの顔が検出されたと判定すると(ステップS402、YES)、その利用者Uの顔を撮影して利用者Uの顔画像を取得する(ステップS404)。こうして、誘導装置40は、通路AA14を通過する利用者Uを検出する。
次いで、利用者Uを検出した誘導装置40のCPU402は、案内通知を要求する案内通知要求を審査サーバ20にネットワークNWを介して送信する(ステップS406)。CPU402は、カメラ408により検出されて撮影された利用者Uの顔画像又はその顔画像から抽出した顔特徴量である利用者Uの顔情報とともに案内通知要求を送信する。
審査サーバ20のCPU202は、案内通知要求を誘導装置40から受信すると、案内通知要求とともに受信した利用者Uの顔情報に基づき、この顔情報に関連付けられた審査情報を審査情報DB206dから検索する(ステップS408)。
CPU202は、検索の結果、利用者Uについて審査情報を審査情報DB206dに発見すると(ステップS410、YES)、ステップS310と同様に既審査向けの案内通知を生成する(ステップS412)。
一方、CPU202は、検索の結果、利用者Uについて審査情報を審査情報DB206dに発見しないと(ステップS410、NO)、ステップS312と同様に未審査向けの案内通知を生成する(ステップS414)。
次いで、CPU202は、生成した既審査向け又は未審査向けの案内通知を、案内通知要求を送信した誘導装置40にネットワークNWを介して送信する(ステップS416)。
誘導装置40のCPU402は、審査サーバ20から既審査向け又は未審査向けの案内通知を受信すると、受信した既審査向け又は未審査向けの案内通知の内容を、プロジェクタ410に通路AA14の床面Fに投影させる(ステップS418)。CPU402は、例えば、利用者情報により特定される利用者Uの国籍に応じた言語を用いて案内通知の内容を表示することができる。
図14Aは、遠隔審査が完了していることを黙示的又は間接的に示す既審査向けの案内通知の内容が誘導装置40により投影された通路AA14の床面Fの例を示している。図14Aに示すように、誘導装置40のプロジェクタ410は、既審査向けの案内通知の内容として、利用者Uを入国審査場AA16における遠隔審査専用レーンL1に誘導して自動化ゲート装置60に誘導する案内G42を表示している。案内G42は、遠隔審査専用レーンL1の場所を示す矢印等の案内表示を含みうる。案内G42は、静止画、動画等により構成することができる。既審査向けの案内通知を示す案内G42は、遠隔審査専用レーンL1に誘導する案内をもって、遠隔審査が完了していることを黙示的又は間接的に示している。
一方、図14Bは、遠隔審査が行われていないことを黙示的又は間接的に示す未審査向けの案内通知の内容が誘導装置40により投影された通路AA14の床面Fの例を示している。図14Bに示すように、誘導装置40のプロジェクタ410は、未審査向けの案内通知として、利用者Uを入国審査場AA16における一般レーンL2に誘導して審査ブースBに誘導する案内G44を表示している。案内G44は、一般レーンL2の場所を示す矢印等の案内表示を含みうる。案内G44は、静止画、動画等により構成することができる。未審査向けの案内通知を示す案内G44は、一般レーンL2に誘導する案内をもって、遠隔審査が行われていないことを黙示的又は間接的に示している。
こうして、利用者Uは、通路AA14を通過する際に、遠隔審査に関する案内通知を受けることができる。通路AA14の床面Fに投影された案内通知を見た利用者Uは、入国審査場AA16に向かうにあたって、案内通知に応じた行動をとることができる。
特に、誘導装置40により床面Fに案内通知が投影される通路AA14が、検疫場AA12と入国審査場AA16とを連絡する通路のような幅の狭い通路の場合、利用者Uは、その床面Fに投影された案内通知の内容をより確実に視認することができる。
次に、サイネージ端末50の動作について審査サーバ20の動作とともに図15、図16A及び図16Bを用いて説明する。図15は、審査サーバ20及びサイネージ端末50の動作を示すシーケンス図である。図16A及び図16Bは、サイネージ端末50に表示される案内通知の例を示す概略図である。
空路にて第2国の空港AAに到着した利用者Uは、入国審査場AA16に向かう間、到着口から入国審査場AA16に至るまでの空港AAの種々の場所に設置されたサイネージ端末50の前を通過する。また、利用者Uは、サイネージ端末50の前でサイネージ端末50に表示された広告、経路案内等の表示を見ることがある。
図15に示すように、サイネージ端末50のカメラ510は、サイネージ端末50の前を常時又は定期的に撮影し、撮影した画像中に利用者Uの顔が検出されたか否かを判定する(ステップS502)。カメラ510は、画像中に利用者Uの顔が検出されるまで待機する(ステップS502、NO)。
カメラ510は、利用者Uの顔が検出されたと判定すると(ステップS502、YES)、その利用者Uの顔を撮影して利用者Uの顔画像を取得する(ステップS504)。こうして、サイネージ端末50は、サイネージ端末50の前の利用者Uを検出する。
次いで、利用者Uを検出したサイネージ端末50のCPU502は、案内通知を要求する案内通知要求を審査サーバ20にネットワークNWを介して送信する(ステップS506)。CPU502は、カメラ510により検出されて撮影された利用者Uの顔画像又はその顔画像から抽出した顔特徴量である利用者Uの顔情報とともに案内通知要求を送信する。
審査サーバ20のCPU202は、案内通知要求をサイネージ端末50から受信すると、案内通知要求とともに受信した利用者Uの顔情報に基づき、この顔情報に関連付けられた審査情報を審査情報DB206dから検索する(ステップS508)。
CPU202は、検索の結果、利用者Uについて審査情報を審査情報DB206dに発見すると(ステップS510、YES)、ステップS310と同様に既審査向けの案内通知を生成する(ステップS512)。
一方、CPU202は、検索の結果、利用者Uについて審査情報を審査情報DB206dに発見しないと(ステップS510、NO)、ステップS312と同様に未審査向けの案内通知を生成する(ステップS514)。
次いで、CPU202は、生成した既審査向け又は未審査向けの案内通知を、案内通知要求を送信したサイネージ端末50にネットワークNWを介して送信する(ステップS516)。
サイネージ端末50のCPU502は、審査サーバ20から既審査向け又は未審査向けの案内通知を受信すると、受信した既審査向け又は未審査向けの案内通知の内容をディスプレイ508に表示させる(ステップS518)。CPU502は、例えば、利用者情報により特定される利用者Uの国籍に応じた言語を用いて案内通知の内容を表示することができる。
図16Aは、遠隔審査が完了していることを黙示的又は間接的に示す既審査向けの案内通知を表示したサイネージ端末50におけるディスプレイ508の画面の例を示している。図16Aに示すように、サイネージ端末50のディスプレイ508は、既審査向けの案内通知の内容として、利用者Uを入国審査場AA16における遠隔審査専用レーンL1に誘導して自動化ゲート装置60に誘導する案内G52を表示している。案内G52は、遠隔審査専用レーンL1の場所を示す矢印等の案内表示を含みうる。案内G52は、静止画、動画等により構成することができる。既審査向けの案内通知を示す案内G52は、遠隔審査専用レーンL1に誘導する案内をもって、遠隔審査が完了していることを黙示的又は間接的に示している。
一方、図16Bは、遠隔審査が行われていないことを黙示的又は間接的に示す未審査向けの案内通知を表示したサイネージ端末50におけるディスプレイ508の画面の例を示している。図16Bに示すように、サイネージ端末50のディスプレイ508は、未審査向けの案内通知として、利用者Uを入国審査場AA16における一般レーンL2に誘導して審査ブースBに誘導する案内G54を表示している。案内G54は、一般レーンL2の場所を示す矢印等の案内表示を含みうる。案内G54は、静止画、動画等により構成することができる。未審査向けの案内通知を示す案内G54は、一般レーンL2に誘導する案内をもって、遠隔審査が行われていないことを黙示的又は間接的に示している。
こうして、利用者Uは、サイネージ端末50にて遠隔審査に関する案内通知を受けることができる。サイネージ端末50に表示された案内通知を見た利用者Uは、入国審査場AA16に向かうにあたって、案内通知に応じた行動をとることができる。
次に、自動化ゲート装置60の動作について審査サーバ20の動作とともに図17を用いて説明する。図17は、審査サーバ20及び自動化ゲート装置60の動作を示すシーケンス図である。
遠隔審査を受けた利用者Uは、上述のように受けた既審査向けの案内通知に従って又は自発的に、入国審査場AA16における遠隔審査専用レーンL1に並ぶ。遠隔審査専用レーンL1に並んだ利用者Uは、遠隔審査専用レーンL1の出口に設置された自動化ゲート装置60を通過して入国審査場AA16から出場することになる。自動化ゲート装置60は、利用者Uに関する照合情報、審査サーバ20により既に生成されている利用者Uの審査情報等に基づき、利用者Uの自動化ゲート装置60の通過を許可し又は拒否する。なお、自動化ゲート装置60のゲート616は、待機時において利用者Uの通行を遮る閉鎖状態になっている。
図17に示すように、自動化ゲート装置60の媒体読取装置612は、その読取部に利用者Uにより審査完了コードがかざされたか否かを判定し(ステップS602)、審査完了コードがかざれるまで待機する(ステップS602、NO)。審査完了コードは、例えば、遠隔審査端末10の発行装置118により発行された券片に印刷されたもの、利用者Uの携帯端末30に表示されたもの等である。
媒体読取装置612は、審査完了コードがかざされたと判定すると(S602、YES)、かざされた審査完了コードから情報を読み取って取得する(ステップS604)。
次いで、自動化ゲート装置60のCPU602は、媒体読取装置612により読み取られた審査完了コードが有効であるか否かを判定する(ステップS606)。CPU602は、審査完了コードが審査完了情報を含む場合、審査完了コードが有効であると判定する。ただし、この場合であっても、審査完了コードの有効期限が経過しているとき、又は1回限り有効の審査完了コードについて読み取りの履歴があるときには、CPU602は、審査完了コードが無効であると判定する。また、CPU602は、審査完了コードが審査完了情報を含まない場合、審査完了コードが無効であると判定する。
CPU602は、審査完了コードが無効であると判定すると(ステップS606、NO)、アラート処理を実行する(ステップS608)。CPU602は、アラート処理として、審査完了コードが無効であることを示すアラートのディスプレイ610への表示、スピーカからの音声出力、業務端末等への送信等を実行することができる。
一方、CPU602は、審査完了コードが有効であると判定すると(ステップS606、YES)、生体情報取得装置614に利用者Uの生体情報を取得させる(ステップS610)。生体情報取得装置614は、CPU602による制御に従って、利用者Uの顔画像、指紋画像等の1種類又は複数種類の生体情報を取得することができる。
なお、上記ステップS602、S604、S606を省略して、審査完了コードを利用しないようにすることもできる。この場合、生体情報取得装置614は、自動化ゲート装置60の前に利用者Uを検出すると、その利用者Uの生体情報を取得する。例えば、生体情報取得装置614としてのカメラは、自動化ゲート装置60の前を常時又は定期的に撮影する画像中に利用者Uの顔を検出すると、その利用者Uの顔を撮影して利用者Uの顔画像を生体情報として取得する。
次いで、CPU602は、利用者Uの生体情報ととともに、審査情報を要求する審査情報要求を審査サーバ20にネットワークNWを介して送信する(ステップS612)。CPU602は、生体情報として、例えば、生体情報取得装置614としてのカメラにより取得された利用者Uの顔画像又はその顔画像から抽出した顔特徴量である顔情報を送信することができる。また、CPU602は、生体情報として、例えば、生体情報取得装置614としての指紋スキャナにより取得された利用者Uの指紋画像又はその指紋画像から抽出した指紋特徴量である指紋情報等を送信することができる。
審査サーバ20のCPU202は、自動化ゲート装置60から自動化ゲート装置60を通過しようとする利用者Uの生体情報を受信した場合に、受信した生体情報を用いた生体照合を行う(ステップS614)。これにより、CPU202は、その利用者Uの本人確認を行う。CPU202は、自動化ゲート装置60から受信した生体情報と、利用者情報DB206cに登録された利用者情報に含まれる生体情報とを1:Nで照合する。CPU202は、生体照合の結果、自動化ゲート装置60から受信した生体情報と一致する生体情報を含む利用者情報が利用者情報DB206cに発見された場合に、利用者Uの本人確認に成功したと判定する。一方、CPU202は、生体照合の結果、自動化ゲート装置60から受信した生体情報と一致する生体情報を含む利用者情報が利用者情報DB206cに発見されない場合、利用者Uの本人確認に失敗したと判定する。
次いで、CPU202は、利用者Uの生体照合による本人確認の結果を示す照合情報を自動化ゲート装置60にネットワークNWを介して送信する(ステップS616)。
また、CPU202は、利用者Uの本人確認に成功したと判定すると(ステップS618、YES)、その利用者Uの審査情報を審査情報DB206dから抽出する(ステップS620)。CPU202は、例えば、自動化ゲート装置60から受信した利用者Uの生体情報の一致する生体情報又はこれを含む利用者情報と関連付けられた審査情報を抽出することができる。また、CPU202は、例えば、自動化ゲート装置60から受信した利用者Uの個人識別情報と関連付けられた審査情報を抽出することもできる。
なお、CPU202は、利用者Uの本人確認に失敗したと判定すると(ステップS618、NO)、その利用者Uの審査情報は審査情報DB206dに存在しないため、審査情報の抽出を行わない。
次いで、CPU202は、審査情報DB206dから抽出した審査情報を、審査情報要求を送信した自動化ゲート装置60にネットワークNWを介して送信する(ステップS622)。
自動化ゲート装置60のCPU602は、審査サーバ20から受信した利用者Uの照合情報及び審査情報に基づき、利用者Uが自動化ゲート装置60を通過することを許可するか否かの通過許否を判定する(ステップS624)。CPU602は、照合情報が利用者Uの本人確認に成功したことを示し、かつ、審査情報が入国許可情報である場合、利用者Uが自動化ゲート装置60を通過することを許可すると判定する。一方、CPU602は、照合情報が利用者Uの本人確認に失敗したことを示す場合、利用者Uが自動化ゲート装置60を通過することを許可しないと判定する。また、CPU602は、照合情報が利用者Uの本人確認に成功したことを示し、かつ審査情報が入国拒否情報又は要対面審査情報である場合、利用者Uが自動化ゲート装置60を通過することを許可しないと判定する。
CPU602は、利用者Uが自動化ゲート装置60を通過することを許可すると判定すると(ステップS626、YES)、ゲート616を制御してゲート616を閉鎖状態から開放状態に移行させる(ステップS628)。これにより、CPU602は、利用者Uに対してゲート616の通行を許可する。
一方、CPU602は、利用者Uが自動化ゲート装置60を通過することを許可しないと判定すると(ステップS626、NO)、アラート処理を実行する(ステップS608)。CPU602は、アラート処理として、自動化ゲート装置60の通過が許可されなかったことを示すアラートのディスプレイ610への表示、スピーカからの音声出力、業務端末等への送信等を実行することができる。なお、この場合、CPU602は、ゲート616の閉鎖状態を維持する。
こうして、利用者Uは、照合情報及び審査情報に基づき、自動化ゲート装置60の通過が許可され又は拒否される。自動化ゲート装置60の通過が許可された利用者Uは、自動化ゲート装置60を通過して入国審査場AA16から出場する。一方、自動化ゲート装置60の通過が許可されなかった利用者Uは、例えば、改めて審査官Eによる対面審査を受けさせるために職員により審査ブースBに誘導される等の措置がとられる。
このように、本実施形態によれば、遠隔審査端末10が、第1国の出国審査後、第2国へ向かう搭乗前の利用者Uから利用者Uに関する利用者情報を取得し、審査サーバ20が、そのような利用者情報に基づき第2国の入国審査を遠隔審査として行う。したがって、本実施形態によれば、第2国の入国審査を効率的に行うことができる。
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した情報処理装置は、他の実施形態によれば、図18に示すように構成することもできる。図18は、他の実施形態による情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図18に示すように、他の実施形態による情報処理装置1000は、第1国の出国審査後、第2国へ向かう搭乗前の利用者から利用者に関する利用者情報を取得する情報取得部1002を有する。また、情報処理装置1000は、利用者情報を第2国の入国審査のために提供する情報提供部1004を有する。
他の実施形態による情報処理装置1000では、第1国の出国審査後、第2国へ向かう搭乗前の利用者から利用者に関する利用者情報を取得し、利用者情報を第2国の入国審査のために提供する。これにより、他の実施形態によれば、第2国の入国審査を効率的に行うことができる。
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、遠隔審査端末10を利用者Uが自ら操作する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、遠隔審査端末10は、案内係が利用者Uの操作を補助し又は案内係が操作するように構成することもできる。
また、上記実施形態では、遠隔審査が完了している利用者Uを遠隔審査専用レーンL1に誘導して自動化ゲート装置60に誘導する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。遠隔審査専用レーンL1の出口には、必ずしも自動化ゲート装置60が設置されている必要はない。例えば、遠隔審査専用レーンL1の出口には、遠隔審査が完了している利用者Uについて、一般レーンL2の出口に設置された審査ブースBでの入国審査よりも簡略化された簡易の入国審査が審査官により対面で行われる審査ブースが設置されていてもよい。この場合、遠隔審査を審査官による対面の入国審査の予備的審査として行い、予備的審査の結果を審査官による対面の入国審査にて活用することにより、審査官による対面の入国審査を簡略化することができる。
また、上記実施形態では、遠隔審査端末10、誘導装置40、サイネージ端末50及び自動化ゲート装置60が、利用者Uの生体情報として顔画像又は指紋画像を取得する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。遠隔審査端末10、誘導装置40、サイネージ端末50及び自動化ゲート装置60は、それぞれ、利用者Uの生体情報として虹彩画像、指の静脈画像、掌紋画像、手のひらの静脈画像等の他の生体情報を取得するものであってもよい。
また、本発明の内容に関して、出国審査がない国への適用を想定する場合には、本明細書中の「出国審査」との記載を「保安検査」と読み替えることができる。
また、上記実施形態による遠隔審査端末10は、一又は複数の装置からなるシステムとして構成することができる。上記実施形態による審査サーバ20は、一又は複数の装置からなるシステムとして構成することができる。また、上記実施形態による誘導装置40は、一又は複数の装置からなるシステムとして構成することができる。また、上記実施形態によるサイネージ端末50は、一又は複数の装置からなるシステムとして構成することができる。また、上記実施形態による自動化ゲート装置60は、一又は複数の装置からなるシステムとして構成することができる。
また、上記の各実施形態の機能を実現するように該実施形態の構成を動作させるプログラムを記録媒体に記録させ、該記録媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記録媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のコンピュータプログラムが記録された記録媒体はもちろん、そのコンピュータプログラム自体も各実施形態に含まれる。
該記録媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。また、該記録媒体に記録されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS(Operating System)上で動作して処理を実行するものも各実施形態の範疇に含まれる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
第1国の出国審査後、第2国へ向かう搭乗前の利用者から前記利用者に関する利用者情報を取得する情報取得部と、
前記利用者情報を前記第2国の入国審査のために提供する情報提供部と
を有する情報処理装置。
(付記2)
前記情報取得部は、前記利用者情報として前記利用者の生体情報を取得する付記1記載の情報処理装置。
(付記3)
前記情報取得部は、前記利用者の複数種類の前記生体情報を並行して取得する付記2記載の情報処理装置。
(付記4)
前記情報取得部は、前記生体情報として前記利用者の顔情報及び指紋情報を並行して取得する付記3記載の情報処理装置。
(付記5)
前記生体情報の取得状況に基づいて、前記利用者についてなりすましが行われているか否かを判定するなりすまし判定部を有する付記2乃至4のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記6)
前記利用者に対して、前記入国審査が完了していること又は前記利用者が前記利用者情報に基づく前記入国審査の対象外であることを通知する通知部を有する付記1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記7)
前記通知部は、前記入国審査の結果を通知する付記6記載の情報処理装置。
(付記8)
前記情報提供部は、前記利用者情報をサーバに送信して前記入国審査のために提供する付記1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記9)
第1国の出国審査後、第2国へ向かう搭乗前の利用者から前記利用者に関する利用者情報を取得し、
前記利用者情報を前記第2国の入国審査のために提供する情報処理方法。
(付記10)
コンピュータに、
第1国の出国審査後、第2国へ向かう搭乗前の利用者から前記利用者に関する利用者情報を情報取得部に取得させ、
前記利用者情報を前記第2国の入国審査のために提供する
ことを実行させるプログラムが記録された記録媒体。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2018年12月27日に出願された日本出願特願2018-244803を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。