JP7223217B2 - フラッフパルプ用パルプシート - Google Patents
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Description
本出願は、2020年12月24日出願の日本出願第2020-215691号に基づく優先権を主張し、上記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
本発明の一態様に係るフラッフパルプ用パルプシートは、広葉樹哂クラフトパルプ及び針葉樹哂クラフトパルプを含有し、上記針葉樹晒クラフトパルプに対する上記広葉樹晒クラフトパルプの質量比が15/85以上50/50以下であり、上記広葉樹晒クラフトパルプの原料木材におけるアカシア材の含有量が20質量%以上100質量%以下である。
以下、本発明の一実施形態に係るフラッフパルプ用パルプシートについて詳説する。なお、以下で説明するパルプシート基材に配合する各材料の配合量(絶乾内添量)は、特に記載がない場合は、パルプシート基材のパルプの絶乾質量に対する質量割合を指す。
当該フラッフパルプ用パルプシートは、原料パルプを含有するスラリーを抄紙して得ることができる。
原料パルプとしては、例えば、バージンパルプを使用することができる。上記フラッフパルプ用パルプシートに用いる原料パルプとしては、化学パルプが好ましい。上記化学パルプとしては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)及び広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)の組み合わせが好ましい。当該フラッフパルプ用パルプシートが針葉樹晒クラフトパルプを含有することで、吸収性物品の嵩高性及び液体の吸収性を向上できる。また、当該フラッフパルプ用パルプシートが広葉樹晒クラフトパルプを含有することで、吸収性物品表面の緻密さを高め、吸収性物品の吸水液の逆戻り量の低減効果及び肌のかぶれに対する抑制効果を向上できる。
広葉樹晒クラフトパルプとしては、アカシア材又はユーカリ材から製造された広葉樹晒クラフトパルプが好ましい。
上記広葉樹クラフトパルプの原料木材におけるアカシア材の含有量の下限としては、20質量%が好ましく、50質量%がより好ましい。上記アカシア材の含有量の上限としては、100質量%が好ましく、80質量%がより好ましい。当該フラッフパルプ用パルプシートの上記広葉樹クラフトパルプの原料木材におけるアカシア材の含有量が上記範囲であることで、針葉樹晒クラフトパルプに比べて繊維長が短く繊維同士が密に詰まりやすい広葉樹晒クラフトパルプであっても、また、その繊維がどの方向(例えば、吸収性物品の長さ方向・幅方向・厚み方向)に配向していたとしても、特に良好に繊維間の空隙を均一に確保できるため、フラッフパルプ用パルプシートに要求される、吸収速度と逆戻り性を両立することができる。上記範囲を外れる場合、例えば剛直なユーカリ材の割合が多くなると、剛直性に由来する空隙は多くなるものの、繊維がどの方向に配向しているかで、空隙にバラツキが生じやすいことから、吸収性物品において吸収速度と逆戻り性にムラが発生しやすく、結果としてこれらの性能が低下しやすくなり好ましくない。
硫化度(%)=(Na2S/(NaOH+Na2S))×100
広葉樹晒クラフトパルプの未叩解パルプのカナダ標準ろ水度(CSF)としては、520ml以上580ml以下に調整されていることが好ましい。広葉樹晒クラフトパルプの未叩解パルプのフリーネスが520ml未満の場合、パルプシート製造時に脱水性が悪くなり、例えば抄紙機においてプレス脱水を強化する等、脱水を機械的に強化する必要があり、パルプ繊維同士の結合が強くなるだけでなくパルプシートの嵩高性が低くなることで、製造時における粉砕性が低下するおそれがある。一方、上記未叩解パルプのカナダ標準ろ水度が580mlを超えると、パルプシートにおいては繊維間の空隙が多くなりすぎて粉砕時に粉砕ムラとなりやすく、吸収性物品においては逆戻りが低下してカブレが発生しやすくなるおそれがある。
当該フラッフパルプ用パルプシートにおいては、針葉樹晒クラフトパルプの原料木材としてラジアータパインに代表される松類や、各種杉が好適に用いられる。
上記フラッフパルプ用パルプシートに用いるパルプにおける上記針葉樹晒クラフトパルプに対する上記広葉樹晒クラフトパルプの質量比の下限としては、15/85であり、20/80が好ましい。上記針葉樹晒クラフトパルプに対する上記広葉樹晒クラフトパルプの質量比が15/85未満であると、吸収性物品における繊維間の空隙にムラが生じやすく、逆戻りしやすくカブレが発生しやすくなるおそれがある。一方、上記針葉樹晒クラフトパルプに対する上記広葉樹晒クラフトパルプの質量比の上限としては、50/50であり、40/60が好ましい。上記針葉樹晒クラフトパルプに対する上記広葉樹晒クラフトパルプの質量比が50/50を超えると、吸収性物品が密になり、吸収速度が低下しカブレが発生しやすくなるおそれがある。
上記針葉樹晒クラフトパルプに対する上記広葉樹晒クラフトパルプの質量比が上記範囲であることで、針葉樹晒クラフトパルプの中に、繊維長が短く繊維同士が密に詰まりやすい広葉樹晒クラフトパルプを混合したとしても、広葉樹晒クラフトパルプ繊維がどの方向に配向しているかによらず、ムラなく均一に繊維間の空隙を確保できる。そのため、フラッフパルプ用パルプシートに要求される吸収速度、並びに吸収性物品に要求される逆戻り及びカブレの抑制効果を良好にできる。
フラッフパルプ用パルプシートは、広葉樹哂クラフトパルプ及び針葉樹哂クラフトパルプ以外のその他のパルプを含有していてもよい。上記その他のパルプとしては、例えばソーダパルプ、サルファイトパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ、ケミリファイナーメカニカルパルプ、サーモケミメカニカルパルプ等が挙げられる。但し、繊維中のリグニンが十分に除去できていない場合、パルプ繊維の吸水性が低くなり、逆戻り量が低下してカブレが発生しやすくなるため、十分にリグニンを除去した晒パルプが好ましい。上記その他のパルプを含有する場合、上記その他のパルプの含有量としては、パルプ原料全体に対して10質量%以下が好ましい。
フラッフパルプ用パルプシートには、必要によりその他の添加剤を内添することができる。添加剤としては、例えば、填料、顔料、サイズ剤、凝結剤、耐油剤、硫酸バンド、歩留り向上剤、濾水性向上剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、着色顔料、耐水化剤等を、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
(坪量)
坪量は、JIS-P8124(2011)に記載の「紙及び板紙-坪量の測定方法」に準拠して測定される。当該フラッフパルプ用パルプシートの坪量としては、例えば300.0g/cm2以上1500.0g/cm2以下とすることができる。
密度は、JIS-P8118(2014)に記載の「紙及び板紙-厚さ、密度及び比容積の試験方法」に準拠して測定される。当該フラッフパルプ用パルプシートの密度の下限としては、0.52g/cm3が好ましく、0.53g/cm3がより好ましい。上記フラッフパルプ用パルプシートに密度の上限としては、0.60g/cm3が好ましく、0.59g/cm3がより好ましい。当該フラッフパルプ用パルプシートの密度が上記範囲であることで、上記広葉樹晒クラフトパルプと針葉樹晒クラフトパルプを混合したフラッフパルプ用パルプシートにおいて製造工程時における粉砕性を向上できるとともに、ムラなく均一に繊維間の空隙を確保しやすい吸収性物品を得ることができる。従って、吸収性物品の相反する性能である吸収速度及び吸水液の逆戻り量のバランスを図り、双方を良好にできる吸収性物品を得ることができる。
なお、密度は、JIS-P8111(1998)に記載の「紙、板紙及びパルプ-調湿及び試験のための標準状態」のとおり、23±1℃、50±2%RHの雰囲気下で測定する。
比破裂強度は、JIS-P8131(2009)に準拠して測定されるキロパスカル(kPa)単位で表した紙の破裂強さを坪量で除した値である。比破裂強度の下限としては、1.20kPa・m2/gが好ましく、1.22kPa・m2/gがより好ましい。当該フラッフパルプ用パルプシートの上記比破裂強度が1.20kPa・m2/g未満の場合、過粉砕となり繊維が切断されやすいため、吸収性物品が密になり、吸収速度が低下しカブレが発生しやすくなるおそれがある。一方、当該フラッフパルプ用パルプシートの上記比破裂強度の上限としては、1.58kPa・m2/gが好ましく、1.44kPa・m2/gがより好ましい。当該フラッフパルプ用パルプシートの上記比破裂強度が1.58kPa・m2/gを超える場合、製造工程時の粉砕性が悪く、得られる吸収性物品に空隙が多くなることで、吸水液が逆戻りしやすくなるとともにカブレが発生しやすくなるおそれがある。当該フラッフパルプ用パルプシートの比破裂度が上記範囲であることで、上記広葉樹晒クラフトパルプと針葉樹晒クラフトパルプを混合したフラッフパルプ用パルプシートにおいて、製造工程時の粉砕性を向上させることができ、吸収性物品においてはムラなく均一に繊維間の空隙を確保しやすくなるため、相反する性能である吸収性物品の吸収速度及び吸水液の逆戻り量のバランスを図り、双方を良好にできる。
なお、比破裂度測定は、JIS-P8111(1998)に記載の「紙、板紙及びパルプ-調湿及び試験のための標準状態」のとおり、23±1℃、50±2%RHの雰囲気下で測定する。
当該フラッフパルプ用パルプシートの製造方法は、特に限定されないが、例えば、原料木材を蒸解して未晒パルプとする蒸解工程と、脱リグニンを行う脱リグニン工程と、漂白して漂白パルプとする漂白工程と、漂白パルプを所望のフリーネスとなるように叩解する叩解工程と、パルプスラリーを抄紙する工程とを有する。なお、上記工程間に適宜、脱水洗浄工程を設けることができる。
蒸解工程では、原料木材を蒸解して未晒パルプとする。蒸解釜に白液及び原料木材チップ(広葉樹または針葉樹)を入れて蒸解し、生成された黒液が混在する(未洗浄)パルプスラリーが連続蒸解釜の底部から取り出される。蒸解方法は、市販クラフト改良法であるMCC、EMCC、ITC、Lo-Solids、KobudoMari、Compact法、等から任意に選ぶことができ、蒸解釜としては連続蒸解釜あるいはバッチ釜の方式のどちらでも良く、また蒸解条件(蒸解温度、蒸解温度と蒸解時間の影響度を乗じて一つの因子にまとめたHファクター、活性アルカリ又は有効アルカリの含有割合等)については特に限定されない。
脱リグニン工程では、未晒パルプを脱リグニンする。未晒パルプにアルカリ性薬品及び酸素を添加し、高温高圧でリグニンを分解、アルカリ性薬品に溶出させる。脱リグニン工程は、低濃度(パルプ濃度:3%~8%)、中濃度(パルプ濃度:8%~15%)、高濃度(パルプ濃度:20%~30%)の方式は特に問わない。
洗浄工程では、未晒パルプを置換、希釈または脱水を組み合わせることで洗浄を行う。洗浄方式としては特に限定されず、公知の洗浄機を用いて洗浄することができる。例えば、置換洗浄方式、希釈・脱水方式、プレス洗浄方式、あるいはこれらを組み合わせた洗浄方式が用いられる。置換洗浄方式の洗浄機としては、ディフュージョンウォッシャーや加圧ディフュージョンウォッシャー、ベルトタイプ洗浄機などが用いられる。希釈・脱水方式の洗浄機としては、真空フィルター洗浄機、加圧フィルター洗浄機などが用いられる。プレス洗浄方式としてはスクリュー型プレス洗浄機、ディスク型プレス洗浄機、ロール型プレス洗浄機などが用いられる。
漂白工程では、脱リグニンを行った未晒パルプを漂白して漂白パルプとする。漂白方式としては特に限定されず、公知の漂白方法で漂白することができる。例えば、酸処理、オゾン漂白、二酸化塩素漂白、過酸化水素漂白や、さらにこれらとアルカリ抽出、酸素を添加したアルカリ抽出、酸素と過酸化水素を添加したアルカリ抽出等を、単独または複数組み合わせて実施することができる。
オゾン発生装置は、公知の装置を用いることができる。発生したオゾンは、そのままパルプと混合、または水中へ溶解してからパルプと混合させても良い。
必要があれば、調成工程では、漂白パルプを所望のフリーネスとなるように叩解する。その後、パルプ繊維を水に分散させて得たスラリーに、各紙層に対応した添加剤を必要に応じ添加して混合し、各紙層の紙料を調製する。
次に、これらの原料スラリーを用いて、pHが6以上8以下になるように中性域で抄紙機にて抄紙する。上記抄紙工程では、走行するワイヤー上に噴出させたパルプ原料を抄紙する抄紙機を用いて原料パルプを抄紙する。抄紙機は特に限定されるものではなく、公知の抄紙機、例えば長網抄紙機、円網抄紙機、ハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマー等の抄紙機を使用することができ、シート状に抄紙される。フラッフパルプ用パルプシートは1層または複数層の抄き合わせにより製造することができるが、1層であれば、層内の密度を均一にしやすいため好ましい。
フラッフパルプは、当該フラッフパルプ用パルプシートを機械的処理により繊維状に解繊して得ることができる。本発明においてフラッフ化パルプに用いられる当該フラッフパルプ用パルプシートは、ベール状またはロール状のいずれでも良いが、ロール状であれば、吸収性物品の生産性を向上させやすいため好ましい。
上記吸収性物品は、当該フラッフパルプ用パルプシートを用いた吸収性物品である。上記吸収性物品は、当該フラッフパルプ用パルプシートを用いているので、吸収速度及び逆戻り性を両立でき、肌のかぶれを抑制できる。上記吸収性物品としては、特に限定はないが、例えば、紙おむつ、尿とりパッド、軽失禁パッド、生理用ナプキン等が挙げられる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
実施例1~実施例14及び比較例1~比較例4のフラッフパルプ用パルプシートを以下の手順で作製した。
(1)広葉樹
アカシア及びユーカリを所定の質量比となるよう混合し、所定の硫化度を有する白液を添加し、液比6.0(L/kg)、最高温度170℃で回転式オートクレーブによる蒸解を行い、カッパー価約16の未晒クラフトパルプを得た。
(2)針葉樹
杉に所定の硫化度を有する白液を添加し、液比6.0(L/kg)、最高温度170℃で回転式オートクレーブによる蒸解を行い、カッパー価約30の未晒クラフトパルプを得た。
未晒パルプをパルプ濃度約2%まで希釈した後、ブフナー漏斗にNo.2ろ紙(ADVANTEC社製)を敷き、パルプ濃度を約12%まで脱水した。その後、表1に記載のプレス脱水有の場合、未晒パルプを角型ろ紙(ADVANTEC社製)で挟み、プレス機で圧力を掛け、パルプ濃度33%まで脱水した。プレス脱水有及びプレス脱水無ともに、この洗浄工程を2回実施した。
(1)広葉樹
(1-1)酸処理
未晒クラフトパルプについて、パルプ濃度10%、pH3.0に調製し、90℃、3時間の条件下で酸処理を実施した。
(1-2)オゾン漂白
酸処理後のパルプについて、45℃で8.1%濃度のオゾンガスにて約2分間でオゾン漂白した。なお、オゾン漂白には、住友精密工業製PSA Ozonizer SGA-01A-PSA4 のラボオゾン発生器からのオゾンガスを用いた。
(1-3)二酸化塩素漂白
オゾン漂白後のパルプについて、二酸化塩素添加率1.5%、パルプ濃度10質量%、70℃で二酸化塩素漂白を行い、表1に記載のカッパー価の広葉樹晒クラフトパルプを得た。
なお、各漂白工程の間では、パルプ濃度約2%まで希釈した後、ブフナー漏斗にNo.2ろ紙(ADVANTEC社製)を敷き、パルプ濃度を約12%まで脱水する希釈洗浄工程を2回実施した。
(2)針葉樹
未晒クラフトパルプについて、二酸化塩素添加率1.5%、パルプ濃度10質量%、70℃で30分間二酸化塩素漂白を行った。続いて、アルカリ添加率1%、過酸化水素添加率0.3%、パルプ濃度10質量%、70℃で120分間アルカリ性過酸化水素漂白を行った。続いて、水酸化ナトリウム添加率0.2%、パルプ濃度10質量%、70℃で120分間、アルカリ処理を行った。続いて、二酸化塩素添加率0.3%、パルプ濃度10質量%、70℃で150分間二酸化塩素漂白を行い、針葉樹晒クラフトパルプを得た。
なお、各漂白工程の間では、パルプ濃度約2%まで希釈した後、ブフナー漏斗にNo.2ろ紙(ADVANTEC社製)を敷き、パルプ濃度を約12%まで脱水する希釈洗浄工程を2回実施した。
得られた晒クラフトパルプは、叩解せずに、濃度約2%に希釈した後、半自動シートマシン(熊谷理機工業社製)を用いて、坪量800g/m2となるよう手抄きシートを作成した。このようにして、実施例1~実施例14及び比較例1~比較例4のフラッフパルプ用パルプシートを得た。
蒸解工程及び洗浄工程後の実施例1~実施例14及び比較例1~比較例4の広葉樹未晒クラフトパルプ(カッパー価約16)における重量平均繊維長及び重量平均繊維幅を測定した。重量平均繊維長及び重量平均繊維幅は、メッツォオートメーション社製、繊維長測定機「FiberLab」を用いて、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.52「パルプ及び紙―繊維長試験方法―光学的自動計測」に準じて、繊維長0.1mm以上の繊維について測定した。繊維分析計「FiberLab」は、希釈したパルプ繊維が繊維分析計内部の測定セルを通過する際の画像分析により高い精度でパルプ繊維の長さ、幅を測定できる。
各フラッフパルプ用パルプシートの密度は、JIS-P8118(2014)に記載の「紙及び板紙-厚さ、密度及び比容積の試験方法」に準拠して測定した。
各フラッフパルプ用パルプシートの比破裂強度は、JIS-P8131(2009)に準拠して測定されたキロパスカル(kPa)単位で表した紙の破裂強さを坪量で除した。
各フラッフパルプ用パルプシートの粉砕性は、10mm×10mmに切断したフラッフパルプ5gを、ラボミキサーに入れ、パルプを粉砕する。そして、10秒毎にパルプの状態を確認し、パルプの塊が無くなるまでの時間を測定した。上記粉砕性が劣っていると吸収体において液の吸収性と逆戻り性にムラが発生し、いずれの性能も低下するおそれがある。評価は針葉樹100%の参考例1を基準として以下の4段階の通りとした。評価がA及びBの場合、フラッフパルプ用パルプシートにおける粉砕性が良好である。
A:参考例1のフラッフパルプと同等の解繊時間で対応できる。
B:参考例1のフラッフパルプより、解繊に要する時間が若干長いが、実使用可能である。
C:参考例1のフラッフパルプより、解繊に要する時間が長いが、実使用可能である。
D:参考例1のフラッフパルプより、解繊に要する時間が明らかに長く、実使用不可能である。
各フラッフパルプの吸収速度の測定手順として、始めに10mm×10mmに切断したフラッフパルプ5gを、ラボミキサーに入れて粉砕した。次に、上記粉砕性試験で調整した粉砕パルプ0.5gを、円盤状に圧縮して試料を調整した後、水面に落として水面下に沈降するまでの時間を測定した。評価は針葉樹100%の参考例1を基準として以下の4段階の通りとした。評価がA及びBの場合、フラッフパルプにおける吸収速度が良好である。
A:参考例1のフラッフパルプと同等で、速やかに沈降する。
B:参考例1のフラッフパルプよりも、沈降までに若干の時間を要するが、実使用可能である。
C:参考例1のフラッフパルプよりも、沈降までに時間を要するが、実使用可能である。
D:参考例1のフラッフパルプよりも、沈降までの時間が明らかに遅く、実使用不可能である。
逆戻り量とは、吸収体に吸収された液体が、吸収体に圧力が加わることにより放出される液体の逆戻り量を示す。吸水液の逆戻り量は、実施例1~実施例14及び比較例1~比較例4のフラッフパルプ用パルプシートを用いて紙オムツを作製後、人工尿を複数回、間隔を空けて吸収体に吸収させる。吸収体上にろ紙を置き、荷重を掛け、ろ紙に吸収された人工尿の重量を測定した。評価は針葉樹100%の参考例1を基準として以下の4段階の通りとした。評価がA、B及びCの場合、吸収性物品における吸水液の逆戻りに対する抑制効果が良好である。
A:参考例1のフラッフパルプよりも、逆戻り量が少ない。
B:参考例1のフラッフパルプと、逆戻り量が同等である。
C:参考例1のフラッフパルプよりも、逆戻り量が若干多いが、実使用可能である。
D:参考例1のフラッフパルプよりも、逆戻り量が多く、実使用不可能である。
実施例1~実施例14、比較例1~比較例4及び参考例1のフラッフパルプ用パルプシートを用いて紙オムツを作製後、モニター50名に、各10枚ずつ使用して貰い、カブレが発生した枚数を百分率で評価した。評価は実施例1を基準として以下の4段階の通りとした。評価がA、B及びCの場合、肌のかぶれに対する抑制効果が良好である。
A:カブレ発生率が参考例1より優れる。
B:カブレ発生率が参考例1より若干優れる。
C:カブレ発生率が参考例1と同等であり、実使用可能である。
D:カブレ発生率が参考例1より高く、実使用不可能である。
本発明のフラッフパルプ用パルプシートは、吸収性物品に好適である。
Claims (2)
- 広葉樹哂クラフトパルプ及び針葉樹哂クラフトパルプを含有し、
上記針葉樹晒クラフトパルプに対する上記広葉樹晒クラフトパルプの質量比が15/85以上50/50以下であり、
上記広葉樹晒クラフトパルプの原料木材におけるアカシア材の含有量が20質量%以上100質量%以下であるフラッフパルプ用パルプシート。 - 上記広葉樹晒クラフトパルプのカッパー価が0.3以下である請求項1に記載のフラッフパルプ用パルプシート。
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