JP7220892B2 - 行動推奨装置及び行動推奨システム - Google Patents

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Description

本発明は、行動推奨装置及び行動推奨システムに関し、特に、ユーザに対する問診に関する統計データを学習させた人工ニューラルネットワークを用いて、ユーザに対して採るべき行動の推奨を行う、行動推奨装置及び行動推奨システムに関する。
特許文献1には、本出願人による、複数のミッションを含むn回目のミッションデータを複数のユーザ端末に対して送信するとともに、当該n回目のミッションデータを遂行したユーザから各々送信されるn回目の問診データ及び前記n回目のミッションデータに係るユーザのミッション達成率を受信する手段と、前記n回目のミッションデータに係るユーザのミッション達成率を考慮して前記n回目の問診データで改善が見受けられる問診事項が存在する場合に、前記複数のミッションのうち少なくとも一のミッションの負荷を高めたn+1回目のミッションデータを前記ユーザ端末に対して送信するとともに、前記n+1回目のミッションデータを遂行したユーザから各々送信されるn+1回目の問診データ及び前記n+1回目のミッションデータに係るユーザのミッション達成率を受信する手段と、前記n+1回目のミッションデータに係るユーザのミッション達成率を考慮して、前記n+1回目の問診データで前記問診事項に更なる改善が見受けられる場合に前記一のミッションが当該問診事項の改善に寄与していると判定する手段と、を備える仮説検証装置が開示されている。特許文献1によれば、やがてはミッションの各々が、どのようなユーザにとって好ましいかということが非常に高確度でわかるようになり、これにより、ユーザにおいても自身にとって有益なミッションを遂行しようというインセンティブが働くことになるという効果が得られる。
特許6152313号公報
特許文献1に開示されている発明は、ユーザに対して所望のミッションを提供することができるが、ミッションを遂行した後のユーザに対して、ミッション遂行の効果をユーザにわかりやすく伝えると、更に、次のミッションを遂行することについてインセンティブを付与することが可能となると考えられる。
すなわち、ユーザのミッション達成率を向上させるためには、ミッション遂行の効果をユーザに示すことには意味があり、とりわけ、ユーザにとって身近な行動の推移がわかるようにミッション遂行の効果を示せば、ユーザもその効果を実感しやすいであろうことが推測される。
そこで、本発明は、ミッション遂行の結果をユーザに効果的に示すことによって、ユーザのミッション達成率を向上させることを課題とする。
本発明の行動推奨装置は、
複数のミッションを含むミッションデータをユーザ端末に対して送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された各ミッションデータを遂行したユーザによるユーザ端
末に対する出力結果を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された出力結果に基づく前記ユーザによるミッション遂行結果を報知する報知手段と、
を備える。
本発明によれば、ユーザは自己にとって身近な行動の推移を把握することが可能となり、ミッション遂行の結果を効果的に取得することによって、ミッション達成率を向上させようというインセンティブを得ることができる。
取得手段は、典型的には、ユーザ端末に付帯するキーボードの打鍵数、マウスの移動量、カメラによって撮像されるユーザの笑顔の数、プログラムの起動頻度、ファイルの使用頻度といった出力結果を取得できるように、前記ユーザ端末に付帯するキーボード、マウスなどの入力デバイスの使用時間乃至は使用量、前記ユーザ端末で実行されるプログラム数、前記ユーザ端末で使用されるファイル数、前記ユーザ端末が有する歩数計機能によって計測される歩数、前記ユーザ端末が有するGPS機能によって計測される移動距離、前記ユーザ端末で他のユーザ端末との間でなされた通信時間のいずれかとすることができる。取得手段によって取得しうるその他の情報についても後述する。
さらに、各ミッションデータを遂行したユーザから送信される問診データを受信する受信手段を備え、その問診データは複数項目を含むデータとして、
前記受信手段によって受信された問診データのいくつかの項目内容を変更した入力値を生成する入力値生成手段と、
前記入力値生成手段によって生成された入力値を、前記ミッションデータと当該ミッションデータを遂行したユーザからの回答とからなる複数のセットによって学習された人工ニューラルネットワークを有する人工知能装置に対して入力して、これに対応する出力値を取得する出力値取得手段と、
前記出力値取得手段によって取得された出力値に基づくミッションデータを任意のユーザ端末に対して送信するミッションデータ送信手段と、
を備えることもできる。
この場合には、ユーザから返信された回答に基づくデータを入力値とし、学習済みの人工ニューラルネットワークを用いることで、線形回帰では実現できない出力値を算出し、その出力値に基づいてミッションデータを作成するので、ユーザ毎の課題に基づいて各ユーザに対して高度なミッションを付与することができる。
前記ミッションデータは、前記人工ニューラルネットワークを学習する際に用いたミッションデータの遂行の難易度と当該ミッションデータを遂行した場合の回答とに基づいて作成することができる。
前記人工ニューラルネットワークは、リカレントニューラルネットワークを含む経時的処理が可能な人工ニューラルネットワークとすることができる。
前記問診データには、ユーザの普段の食生活、例えば、外食の頻度、コンビニエンスストアで販売されている弁当を食べる頻度が含まれる。また、問診データには、普段の頭痛の有無、普段の腹痛の有無、風邪の引きやすさ、体を動かす習慣の有無等を含む活動度のいくつかが含まれる。
また、本発明の行動推奨システムは、
上記行動推奨装置と、
前記人工ニューラルネットワークを含む人工知能装置と、
を備える。
本発明の実施形態の行動推奨システムの模式的な構成図である。 図1の問診データ等DB400に登録される各ユーザの問診データ等の例を示す図である。 ミッションデータを付与したユーザからの結果の例を示す図である。 図1に示す管理者サーバ200の動作のうち行動推奨に関する動作を示すフローチャートである。 図1に示す管理者サーバ200の動作のうち行動推奨に関する動作を示すフローチャートである。 図1の作成手段260によって作成されるユーザに報知される対比表の例を示す図である。 図6の推奨フードメニュー表示領域630をクリック等によって選択した場合の遷移先の画面例を示す図である。 図7(a)の「卵たっぷりオムレツ」を選択した場合のポップアップ画面例を示す図である。 図6の健康状態表示領域660をクリック等によって選択した場合の遷移先の画面例を示す図である。 図6の数値表示領域650をクリック等によって選択した場合の遷移先の画面例を示す図である。 図6の右上の「メソッド」をクリック等によって選択した場合に遷移する画面例を示す図である。 管理栄養士によって監修された詳細な記事を示す図である。 図6の右上の「マイリスト」をクリック等によって選択した場合に遷移する画面例を示す図である。 図11(a)のマイリスト表示領域710内の「詳しく」の箇所をクリック等によって選択した場合に遷移する画面例を示す図である。
100 ユーザ端末
200 管理者サーバ
210 通信手段
220 学習手段
230 算出手段
240 登録手段
250 数値化手段
260 作成手段
300 人工知能(AI)装置
400 問診データ等データベース(問診データ等DB)
500 管理者端末
発明の実施の形態
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、行動推奨装置によって、ミッション遂行の結果をユーザに効果的に示すことでユーザのミッション達成率を向上させることと、この行動推奨装置に人工知能装置を加えた行動推奨システムによって、ユーザ毎の課題に基づいて各ユーザに対して高度なミッションを付与することとについて説明する。
(構成の説明)
図1は、本発明の実施形態の行動推奨システムの模式的な構成図である。図1には、以下説明する、ユーザ端末100と、管理者サーバ(行動推奨装置)200と、人工知能(Artificial Intelligence)装置(以下、「AI装置」と称する。)300と、問診デー
タ等データベース(以下、「問診データ等DB」と称する。)400と、管理者端末500とを示している。
ユーザ端末100は、ユーザによって操作される端末であり、主として、管理者サーバ200から送信される問診データ又は複数のミッションを含むミッションデータを受信し、当該ユーザの問診データの回答又は当該ミッションの遂行後の回答を管理者サーバ200に対して適宜送信するものである。
ユーザ端末100は、管理者サーバ200との間で無線通信又は有線通信を行うことが可能な、携帯電話機、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、テレビゲーム、IT機器、AV機器などで実現することができる。
管理者サーバ200は、本実施形態の行動推奨システムの管理者によって管理されるサーバ(行動推奨装置)である。管理者サーバ200は、以下説明する、通信手段210と、学習手段220と、算出手段230と、登録手段240と、数値化手段250と、作成手段260と、を備える。これらの各手段による機能は、たとえば、CPUとメモリとの協働によって実現すればよい。
通信手段210は、問診データ等DB400に登録されている問診データ・ミッションデータなどの各種データを、ユーザ端末100に対して送信するものである。また、通信手段210は、ユーザ端末100から送信される問診データに対する回答等の各種データを受信するものである。通信手段210は、ユーザ端末100に対する出力結果を取得する取得手段、取得手段によって取得された出力結果に基づくユーザによるミッション遂行結果をユーザ端末100を通じて報知する報知手段としての役割も担う。
なお、問診データとは、病院等においてなされる健康診断或いは初診の際に被験者或いは患者から回答してもらう性別、年齢、体重などの個人データ、飲酒量、喫煙量などのように複数項目からなる。また、可能であれば、これらに加えて、血圧、血糖値、更には、目覚めの善悪、頭痛持ち・腹痛持ちの有無、持病の有無、風邪の引きやすさ、体を動かす習慣の有無等を含む各種情報を尋ねるようにしてもよい。さらに、ユーザの普段の食生活、例えば、外食の頻度、コンビニエンスストアで販売されている弁当を食べる頻度を含められるようにしているが、必ずしも、健康状態に関する問診に限られるものではない。
また、問診データの送信タイミングは、ユーザが初めて本行動推奨システムを利用する際であることは必須であり、それから、例えばその利用日から1カ月毎、1年毎、或いは、ユーザからの要求があったときなどのいずれか又は全てとすることが考えられる。特に、毎月同日であるとか毎年同月同日に報知するようにすれば、問診結果に応じた定期的な健康に関するアドバイスをすることができ、ユーザにとって好適なものとなる。
また、通信手段210が担う取得手段は、様々な情報を取得することができる。この情報としては、例えば、ユーザ端末100が有する入力デバイス又はこれに接続された入力デバイスの使用時間乃至は使用量が挙げられる。ここでいう入力デバイスは、ユーザ端末100が、携帯電話機の場合には入力キー又は音声入力のためのマイクロフォンが挙げられ、スマートフォンの場合にはタッチパネルディスプレイ又は音声入力のためのマイクロフォンが挙げられ、パーソナルコンピュータの場合には、マウス、キーボードなどが挙げられ、テレビゲームの場合にはゲームコントローラが挙げられ、IT機器の場合にはその入力操作ボタンなどが挙げられ、AV機器の場合にはその入力ボタンまたはリモートコン
トローラが挙げられる。
さらに、通信手段210が担う取得手段が取得することができる情報としては、ユーザ端末100が、スマートフォン又はパーソナルコンピュータの場合にはそれらで実行されるプログラムの使用時間乃至は数又は使用されるファイルの使用時間乃至は数、テレビゲームの場合には実行されるゲーム数とすることもでき、ユーザ端末100がスマートフォンであれば、その歩数計機能によって計測される歩数、ユーザ端末100が携帯電話機又はスマートフォンであれば他のユーザ端末との間でなされた通話のためのデータ通信時間、更にパーソナルコンピュータの場合を含めてメール送受信のためのデータ通信時間などとすることができる。
学習手段220は、問診データ等DB400に蓄積されている、ミッションデータ(問診データを含む)と当該ミッションを遂行したユーザの回答(当該問診データに対応する回答を含む)とのセットを学習データとして用いて、AI装置300の人工ニューラルネットワークに学習をさせるものであり、例えば、プログラミングAPIを通じて学習データの入力をすることが考えられる。
ここで、問診データ及びそれに対する回答であったり、ミッションデータ及びこれに対する達成率などの効果であったりを収集するために、研究者等がモニターを募ろうとしても、通常、何万人ものモニター数を集めることは非常に困難である。
しかし、本実施形態の行動推奨システムの場合には、ユーザがユーザ端末100さえ操作できればミッションデータ及びこれに対する達成率などの効果を収集することができるので、今日のネットワークの進歩、ユーザ端末の普及率からすれば、ユーザの総数は非常に大きくなる。
特に、後述するように、ユーザ端末100に所望のアプリケーションソフトウェアをインストールさせて、アプリケーションソフトウェアを用いて、ミッションデータに対する達成率を、ユーザが明示的に送信しなくても管理者サーバ200で送信できるようにすると好適である。
算出手段230は、学習手段220によって学習済みの人工ニューラルネットワークを有するAI装置300に対して、ユーザ端末100に送信した問診データに対する回答の幾つかを変更させたものを入力値とし、これに対応する出力値を算出するものである。
登録手段240は、ユーザ端末100から送信され、通信手段210によって受信された、問診データ・ミッションデータに対する回答の各種データを、問診データ等DB400に登録するものである。そして、登録したデータを用いて、AI装置300の人工ニューラルネットワークの学習を継続的に実行できるようにしている。
数値化手段250は、ユーザ端末100から送信されるユーザによるミッションデータの達成率を数値化するなど、ユーザ端末100又は管理者端末500に送信する各種データを数値化するものである。
作成手段260は、数値化手段250による数値化されたミッションデータの達成率を含む図6~図11に示す画面例のような報知媒体を作成するものである。作成手段260によって作成された画面は、ユーザ端末100からの要求によって又は自発的に、通信手段210を通じてユーザ端末100に送信される。
AI装置300は、人工ニューラルネットワークといった数学モデルを活用して、ユー
ザ端末100に送信すべきミッションデータを特定するためのものである。なお、人工ニューラルネットワークとしては、経時的処理に強みのあるリカレントニューラルネットワークを用いることが好ましいが、これに限定されるものではない。
特に、経時的処理に強みのある人工ニューラルネットワークを用いると、ユーザ毎に独自の課題を設定することで、問診データの質問数を減らせたり、より高度の推奨情報としたりすることができる。
問診データ等DB400は、ユーザ端末100に送信する問診データを含むミッションデータと、ユーザ端末100から送信される当該問診データに対応する回答を含む当該ミッションを遂行したユーザの回答とのセットとが経時的に登録されるものである。
管理者端末500は、本実施形態の行動推奨システムの管理者によって操作される端末である。管理者端末500は、これに限定されるものではないが、例えば、デスクトップ型パーソナルコンピュータなどを用いることができる。管理者は、管理者端末500を操作することによって、AI装置300の人工ニューラルネットワークの学習前段階でユーザ端末100に送信するためのミッションデータを登録する。具体的には、例えば、偏頭痛対策としてリンゴを食べるとよいという事実があったとすると、偏頭痛があるという事象とリンゴを食べるというミッションとを紐付けて登録する。
なお、例えば、図1には、AI装置300及び問診データ等DB400を、管理者サーバ200の外部に設けている例を示しているが、これらのいずれも又は少なくとも一方を、管理者サーバ200の内部に設けるようにしてもよい。
(作用の概要説明)
つぎに、本実施形態の行動推奨システムの作用について、具体例を用いて概説する。なお、本実施形態の行動推奨システムの作用についてのより詳細な説明については、後述の動作説明と併せて行うこととする。
まず、例えば、以下のような5項目といった問診データを当初ユーザ端末100に送信して、その回答結果を得ていたとする。
A:1週間に少なくとも1回はサラダを食べますか?
Yes;食べる No;食べない
B:エレベータ及びエスカレータよりも階段を使いますか?
Yes;使う No;使わない
C:1週間に飲むお酒の量は4合未満ですか?
Yes;4合未満 No;4合以上
D:この頃、疲れが抜けないことはないですか?
Yes;ない No;ある
E:寝起きは良いですか?
Yes;良い No;悪い
本実施形態では、問診データを全てYes/Noで回答可能なものとして、ユーザの回答時の負担を少なくするとともに、管理者サーバ200におけるデータ処理の負担も少なくしている。
仮に、この[ABCDE]から成る問診データをユーザαに送信し、ユーザαからの回答結果が、Yesの場合を1、Noの場合を0で表した場合に、[11001]であったとする。そうすると、ユーザαが1週間に飲むお酒の量が多いので、このことが、疲れが抜けない原因である可能性があるということが考えられる。
同様に、同じ問診データを別のユーザβに送信した場合に、別のユーザβからの回答結果が[00101]であったとすると、ユーザβが、ビタミンの摂取量が少ないこと及び/又は運動不足であることが、疲れが抜けない原因である可能性があるということが考えられる。
もっとも、ユーザα、ユーザβの上記回答結果の因果関係が逆の場合もあり得る。例えば、ユーザβは、寝起きが良くないことが原因で、朝食を満足に採る時間が確保できず、したがって、ビタミンの摂取量が少なくなっている可能性はある。
ただ、ユーザβの場合を例にすれば、ユーザβに対して、ビタミンの摂取量を増やしたり、運動不足を解消したりするように促すことは、疲れが抜けないということの改善につながる可能性はあるため有益ということがいえるし、これを試行することには価値があろう。
そこで、本実施形態では、あるユーザに対してどのような行動をすべきかを推奨するための判断のため、ユーザαに対して送信した問診データとユーザαの回答結果[11001]とのセット、同様に、ユーザβに対して送信した問診データとユーザβの回答結果[00101]とのセットを、AI装置300の人工ニューラルネットワークに学習させることを目的として、登録手段240によって問診データ等DB400に登録していく。
さらに、後述するように、これらの問診データに基づいてユーザα及びユーザβに対してそれぞれ推奨すべきミッションデータを送信し、それを遂行したユーザα及びユーザβからの回答も、登録手段240によって問診データ等DB400に登録していく。これらのミッションデータ及び回答の典型例を挙げると、ユーザαについては、1週間に飲むお酒の量を減らすというミッションデータを付与し、疲れにくくなったという回答が取得されることになろう。
本実施形態の行動推奨システムを利用するユーザ数が非常に多くなり、したがって、問診データ等DB400内に非常に多くの問診データ等が蓄積されていったら、それをAI装置300の人工ニューラルネットワークに学習させる。
ここで、ユーザβの例についていえば、AI装置300の人工ニューラルネットワークが十分に学習されていない状態であれば、ユーザβに係る問診データとその回答とに基づくデータをAI装置300に入力しても、ビタミンの摂取量が少ないこと及び/又は運動不足であることが、疲れの抜けない原因である可能性が高いか否かについて把握することはできないが、反対に、AI装置300の人工ニューラルネットワークが十分に学習された状態であれば、ユーザβに係る問診データとその回答とに基づくデータをAI装置300に入力すると、ビタミンの摂取量が少ないこと及び/又は運動不足であることが、疲れの抜けない原因である可能性が高いか否かについて把握することができる。
具体的には、算出手段230によって、
・ビタミンの摂取量に関する項目Aの変数のみが「0」ではなく「1」である[101]、
・運動不足に関する項目Bの変数のみが「0」ではなく「1」である[011]、
・項目Aと項目Bとの双方の変数が「0」ではなく「1」である[111]、
・項目Aと項目Bとの双方の変数が「0」のものではなく「1」である[001]、
を、各々、AI装置300に対する入力値とし、これらに対応する各出力値を取得する。
例えば、問診データ等DB400において、
・[ABC]が[101]の場合であって[D]が[1]である回答の登録数が500、
・[ABC]が[011]の場合であって[D]が[1]である回答の登録数が500、
・[ABC]が[111]の場合であって[D]が[1]である回答の登録数が1000、
・[ABC]が[001]の場合であって[D]が[1]である回答の登録数が100、
であったとすれば、蓄積数が最も高い[1000]に対応する[ABC]が[111]という行動をすれば、統計上、高確率で疲れが抜けるようになるといえる。
換言すると、一般的にいえば、特定のユーザから問診データに対する回答を得た場合には、算出手段230が、上記の例でいうと[ABC]等の各項目(各変数)を適宜変更させたものを、学習済みのAI装置300に対する入力値とすれば、これらに対応する出力値を取得でき、それに基づくミッションをユーザに付与する。
このように、ビタミンの摂取量が少ないことも、運動不足であることも、統計上は疲れの抜けない原因である可能性が高い場合という結果が導出できると、あるユーザγの問診データに対して、疲れが抜けにくいという回答がされた場合には、ユーザγに対して、1週間に少なくとも1回はサラダを食べましょうというようなミッションと、エレベータ及びエスカレータよりも階段を使うようにしましょうというようなミッションとを付与すると、ユーザγは統計上疲れが抜けない原因を排除するということがいえる。
なお、学習されたAI装置300を用いると、問診データに対する回答により、あるユーザに対してはビタミンの摂取を野菜からするというミッションを付与し、別のユーザに対してはビタミンの摂取を果物からするというミッションを付与するなど、という結果となることもあり得る。
管理者サーバ200は、各ユーザにミッションを付与したら、当該ミッションを遂行したユーザからの回答を取得し、当該ミッションとその回答とのセットについても、問診データ等DB400に蓄積していく。
ところで、このような一連の処理は、緻密かつ細分化されたより有益なミッションを提供しようとして問診データの項目数を増やすこともあろう。そうすると、上記例のような2×2程度の組合せの4通りから、好ましいミッションが何であるかを導出するというだけでは済まなくなり、その計算量が膨大となる。
そこで、本実施形態では、問診データ等DB400に蓄積された、問診データを含むミッションとその回答とのセットについても、学習手段220によってAI装置300の人工ニューラルネットワークに学習をさせることとし、膨大な計算量であっても、各ユーザにとって好ましいミッションが何であるかを導出できるようにする。
以上をまとめて一般化すると、本実施形態の行動推奨システムの作用の概要としては、まず、
(1)複数(多数)のユーザに対して緻密かつ細分化された問診データを送信し、
(2)各ユーザにとって好ましいと考えられるミッションを付与し、
(3)問診データを含むミッションとそれを遂行した場合の回答とのセットを用いてAI装置300の人工ニューラルネットワークを学習させていく。
つぎに、AI装置300の人工ニューラルネットワークを学習させた後には、
(4)当該特定のユーザから送信される回答の一部(変数)を変更したものを入力値として、学習された人工ニューラルネットワークを有するAI装置300に対して入力し、対応する出力値を算出し、
(5)算出した出力値に基づくミッションを選択して、当該特定のユーザに対してより有益な高度のミッションを付与する、
ということになる。
さらに、特定のユーザが自身に付与された高度のミッションを遂行し、その後、特定のユーザの状態が向上/改善すれば、その事実は問診データ等DB400に蓄積されるので、算出される出力値の確度も向上することになる。
なお、ここまでの一連の説明では、疲れが抜けないとか、寝起きが良いかといった健康に関する例を挙げたが、本行動推奨システムは健康状態を改善することだけを目的・用途とするのではなく、問診データの項目内容を適宜選択することによって、多岐にわたる分野において用いることができる点に留意されたい。
たとえば、これに限定されるものではないが、用途の例を挙げると、特定のアスリートに対する高度な指導メニューを付与することもできる。具体的には、AI装置300に係る目的変数を走行距離又はスプリントタイムなどに置き換えれば、指導メニューをミッションデータとして付与し、それを実践した場合に得られるパフォーマンスを回答とすれば、どのような指導メニューを選択すべきかということが把握できる。同様に目的変数を適宜変更すれば、アスリートが摂取すべきサプリメントを特定することもできる。
また、全く異なる例としては、目的変数を各従業員の売上などに置き換えれば、その会社全体の売上アップのために、どの従業員に対してどのような業務を割り当てればよいかを判定するために用いることもできる。一般的にいえば、説明変数が相対的に多いにもかかわらず、目的変数が相対的に少ないものであれば、好適に本行動推奨システムを用いることができる。
(アプリケーションソフトウェアの説明)
つづいて、ユーザ端末100にインストールさせるアプリケーションソフトウェアについて説明する。なお、このアプリケーションソフトウェアは、必ずしもユーザ端末100にインストールしなければならないものではなく、インストールの有無はユーザが適宜選択すればよい。
ただし、結論を先に述べると、このアプリケーションソフトウェアをユーザ端末100にインストールすれば、ユーザにとっては操作負担が少なくなるという利点があり、また、行動推奨システムにとっても、恣意的な回答を排除できるという利点がある。
ここで、例えば、ユーザ端末100がスマートフォンの場合には、通常、スマートフォンは撮像手段を有するため、ユーザ端末100の使用中のユーザの顔画像であったり、ユーザの食事内容であったりを撮像することができる。また、ユーザ端末100がスマートフォンの場合には、その使用時間だったり、通話時間であったり、ユーザ端末100を携帯したユーザの歩数であったり、GPS機能を用いて移動経路(移動距離)を把握することもできる。
このアプリケーションソフトウェアは、スマートフォンが有する通信手段を用いて、こうした顔画像の撮像データ或いはその画像認証結果であったり、ユーザ端末100の使用時間のログデータだったりを、適宜、管理者サーバ200に送信する。これによって、管
理者サーバ200の通信手段210が担う取得手段は、これらの情報及び以下に説明する情報を取得することができる。
管理者サーバ200は、ユーザ端末100から送信される顔画像の撮像データが画像認識処理されていなければ、それを画像処理した上で、マッチング処理などを通じて、笑顔が多くなっているか否か又は単位時間当たりの笑顔の回数が所定の閾値を超えるか否か、サラダを食べているか否かなどを判定する。
また、管理者サーバ200は、日頃の歩数が増えたか否かを判定する。これらの判定結果として、ユーザの歩数が増えたことが確認できた場合には、先の例で言えば、疲れの抜けにくさが改善傾向にある可能性が高いと判断することが可能となる。
さらに、ユーザ端末100がパーソナルコンピュータの場合には、パーソナルコンピュータが撮像手段を備えるタイプのものであればそれを用いて、また、パーソナルコンピュータに接続されたウェブカメラがあればそれを用いて、ユーザ端末100がスマートフォンの場合と同様に、ユーザの顔画像等、更には、姿勢、笑顔の時間、話をしているであろう時間などを管理者サーバ200に送信すればよい。
さらにまた、ユーザ端末100の使用時間については、このアプリケーションソフトウェアにタスクマネージャーの監視機能等を搭載すれば、ユーザのキーボード又はマウスの使用頻度だったり、プログラム又はファイルの使用数だったりを把握することができるので、このアプリケーションソフトウェアは、こうした顔画像の撮像データ等、ユーザ端末100の使用時間等を示す情報を、適宜、管理者サーバ200に送信すればよい。
なお、キーボード、マウスといった入力デバイスの使用頻度は、より具体的には、キーボードの打鍵数、マウスの移動距離などから取得することができる。キーボードの打鍵数については、キーロガーと称される、コンピュータへのキー入力を監視するソフトウェア若しくはハードウェアを用いることで取得できるし、マウスの移動距離については、ユーザ端末10に付帯するディスプレイの解像度(dpi)とマウスポインタの移動距離とに基づいて取得することができる。
なお、ユーザの離席中などにキーボード付近に置かれていた物体が、何らかの理由で特定のキーに接触してしまったり、或いは、ユーザがキーボードへの情報の入力中に居眠りをしてしまったりすると、特定のキーが継続して押下され続ける場合がある。本実施形態の行動推奨システムにおいては、係る場合の生の打鍵数を使用することは好ましくないので、キーリピートがされた部分については、これを除外するといった加工処理をして、加工後のものを出力結果としてもよい。つまり、例えば「kkkkkkkkkk」という「k」が10回の入力がキーロガーによって検知された場合には、1回の打鍵数という取り扱いをすることができる。
プログラムの使用時間乃至は数については、タスクマネージャー(広義にはオペレーションシステム)などを通じて、プログラムの起動を把握し、その起動時間から取得することができる。なお、複数のプログラムを起動していても、ユーザがそれら全てのプログラムに対する処理のための入力をしていることは稀であるので、例えば、ディスプレイの最前面に表示されているプログラムについてのみ使用時間をカウントすることも一法である。
ファイルの使用時間乃至は数については、最近使用したファイル(直近の使用ファイル)のタイムスタンプから使用時間を判断することが合理的である。もちろん、直近の使用ファイルのみならず、天啓的には変更のあったファイルの全てについての使用時間を求め
ても良いが、そのためのファイル検索をすることでユーザ端末10の負荷が高くなるので、ユーザ端末10における物理メモリなどのスペックに応じて、どの程度のファイルを対象として使用時間を判断するかは決定するとよい。
また、笑顔の時間については、ユーザ端末10がカメラ搭載型のノートパソコンの場合には、そのカメラで動画を撮像することによって、そこに写りこむユーザの顔画像から取得することもできるし、動画の撮像に代えて、例えば5秒ごとに静止画を撮像して、その回数に基づいて取得することもできる。
さらに、カメラ搭載型のノートパソコン以外にも、スマートフォンの使用中に同様の対応をしてもよいし、デスクトップ型パソコンの場合でもウェブカメラが接続されていることを条件に同様の対応をしてもよい。
なお、この種のノートパソコンを電源接続されていない場合には、バッテリの消費量を省電力モードに切り替えたり、バッテリ残量が所定の閾値以下となった場合には撮像頻度を低下させたりすることも一法である。
ところで、一人のユーザが、複数のユーザ端末10を日常的に使用することは少なくないと考えられる。例えば、オフィスではデスクトップ型パソコンを使用し、移動時間中にスマートフォンを使用し、自宅ではノートパソコンを使用するといった具合である。これに対応するために、取得手段は複数のユーザ端末10に対するユーザからの出力結果を取得し、それらを集計するとよい。こうすると、報知手段によって、集計後の出力結果に基づく、ユーザによるミッション遂行結果を報知することが可能となる。
以上をまとめると、取得手段に対する入力は、一又は二以上のユーザ端末10に付帯するキーボードマウス及びカメラ、ユーザ端末10のオペレーティングシステムからの各出力である。そして、取得手段における処理は、入力された当該入力の種別に応じて適宜後述する年収に換算した値を求めることである。それから、取得手段の出力は求めた値になる。
なお、取得手段の出力値について検討すると、一般論としては、例えば、土日といった休日、或いは、年末年始といった祝日、更には朝早く又は夜遅くという時間帯であるにも拘わらず仕事をしていたユーザであれば、統計的には、休日返上で仕事をしているのであるから、仕事に対する意識が高く、年収が高い可能性があるともいえる。したがって、取得手段は、このような事情を考慮して、日時情報を考慮した重み付けをして年収に換算した値を求めるという処理をしてもよい。
また、既にキーボードの打鍵数については生の打鍵数を使用するのではなく、これを加工したものを用いることも一法である旨の説明をしたが、加工という点に着目すると、マウスの使用頻度についても、ディスプレイの解像度に応じた加工をしていることになり、プログラムについても、例えば、ディスプレイの最前面に表示されているプログラムについてのみ使用時間をカウントするという対応も全てのプログラムの使用時間をカウントしていないという点で加工をしていると把握することができる。
つまり、本実施形態の行動推奨システムにおいては、報知手段によって報知される出力結果は、加工された情報に基づく集計結果とすることができる。
このように、アプリケーションソフトウェアを用いることで取得した情報等を、ほぼリアルタイムで或いは数分~数時間毎にユーザ端末100から管理者サーバ200に対して送信することで、ミッション遂行によって早期に疲れが抜けにくいということなどの健康
状態に改善傾向がみられるか否かについて判断すること可能となる。
仮に、アプリケーションソフトウェアを用いることなくミッションデータを遂行したユーザからの回答を得ようとした場合には、ユーザがユーザ端末100を操作する手間が増えることが考えられるので、アプリケーションソフトウェアを用いた手法は、ユーザの負担軽減の観点から好適である。
また、アプリケーションソフトウェアを用いることによって得られる効果としては、管理者サーバ200において画像認識等に基づく客観的な状態判断が可能になるので、ユーザに対して問診データに回答させるよりも、客観的に健康状態に改善傾向がみられるか否かについて判断することが可能となる。さらに言えば、アプリケーションソフトウェアを用いずに、単位時間当たりの笑顔の数をユーザが認識して、管理者サーバ200に送信することは事実上不可能に近いので、笑顔が増えたか否かの自己評価をユーザから送信してもらえばよい。
もっとも、ユーザ端末100にアプリケーションソフトウェアがインストールされていない場合であっても、適宜、問診データをユーザ端末100に送信し、ユーザからの回答を取得すれば、管理者サーバ200では疲れの抜けにくさが改善傾向にあるか否かを判断することができる。
アプリケーションソフトウェアのインストールの有無に拘わらず、管理者サーバ200に蓄積されている問診データに対する回答結果が順次更新されていくことで、AI装置300の人工ニューラルネットワークの学習が継続的に進めば、ユーザに付与すべきミッションデータも向上的に好ましくなるという付加的な効果も得られる。
さらに、例えば現在判明していないミッションとその効果との因果関係を見出すことができる可能性がある。例えば、単位時間当たりにおけるユーザの笑顔の回数を増加させるためには、どのようにすればよいかが判明していなかったとして、何らかのミッションを多数のユーザが遂行した結果、単位時間当たりにおけるユーザの笑顔の回数が増加したとすれば、そのミッションは統計上、笑顔の回数を増加させる要因となっている可能性がある。
そうだとすれば、本実施形態の行動推奨システムの利用による二次的効果として、今後、この因果関係についての調査を行うこともできるし、更には、その結果予防医学などに寄与し得る可能性もあり、また、他のユーザに付与する今後のミッションの選択の幅も広がることになる。
すなわち、この例としては、例えば、笑顔の回数を増やそうとした場合に、これまで付与していた何らかのミッションはあるが、その遂行が困難である何らかの事情があったとする。その一方で、本行動推奨システムの利用によって、笑顔の回数を増やすことができることが判明したミッションについては、その遂行が容易である場合が挙げられる。
このように、ユーザに対して、効能が高いと考えらえる順にミッションを選択することもできるし、一定の効果が得られる可能性が高いもののうち、過去にミッションの達成率が高いものを選択することもできるということになれば、今後のミッションの選択の幅も広がることになる。
(問診データ等DB400に登録されるデータの説明)
図2及び図3は、図1の問診データ等DB400に登録される各ユーザの問診データ等の例を示す図である。
図2に一例として示すように、問診データの項目としては、「性別」、「年齢」、「体重」、「血糖値」、「血圧」、「寝付き」の善悪、「目覚め」の善悪、「飲酒量」、「喫煙量」の項目を示している。なお、これらの項目は例示であり、頭痛持ちなどを含む持病の有無などを設けてもよい。
問診データの回答欄には、ユーザによる問診データの入力/選択を簡易なものとするため、例えば5つの選択肢を用意とすることができる。図2及び図3には、これに対応した数値が登録されている例を示している。具体的には、例えば、性別については、「1」を男性、「2」を女性に対応させていて、体重については、「1」を痩せすぎ、「2」を痩せ気味、「3」をふつう、「4」を太り気味、「5」を太りすぎといったような選択肢を用意している。
なお、一般的に良いと考えられる選択肢ほど数値が高くなるように設定しておき(上記例の場合、「ふつう」が5点、「痩せすぎ」が0点、「痩せ気味」が3点など。)、例えば問診データを100点満点で数値化するということも、ユーザの数値目標につながり有効である。
図3に示す矢印は、図2に示すデータ例の変化に基づいて作成されるものである。ここでは、ミッションの「達成率」の高いユーザについて「目覚め」の善し悪しが改善したことを示している。
なお、ここでは問診データ等DB400に登録されるデータの説明の都合上、図2に示すデータ例が上書きされて図3に示すデータ例となるかのように示しているが、AI装置300の人工ニューラルネットワークの学習完了前であれば、学習データを増やしたいので、上書きしないことが好ましい場合もある。
(学習データに関する説明)
既述のように、本実施形態の行動推奨システムでは、AI装置300の人工ニューラルネットワークの学習完了前であれば、人工ニューラルネットワークの学習データを蓄積すべく、問診データ等DB400に対して、問診データを含むミッションデータとその回答とのセットを蓄積していく。
そのためのユーザαに付与すべき1回目のミッションが、
(1)1週間に少なくとも1回はサラダを食べ、
(2)エレベータ及びエスカレータよりも階段を使い、
(3)タバコの本数を1日5本までとする、
という3つであったとする。
そして、ユーザαがきちんと1回目の各ミッションを遂行し、その後に健康状態について回答されたとする。この場合には、1回目の各ミッションの内容とこれに対する回答とのセットを、問診データ等DB400に蓄積する。
つぎに、例えば、以下の内容の2回目のミッションを、ユーザαに付与することができる。なお、ここでは、2回目のミッションが1回目のミッションの一部を変更したものである例を示しているが、1回目のミッションとは全く別のものとしてもよい。
(1)1週間に少なくとも『2』回はサラダを食べ、
(2)エレベータ及びエスカレータよりも階段を使い、
(3)タバコの本数を1日5本までとする、
実際に、上記内容の2回目のミッションをユーザαに付与し、その後、ユーザαが2回目のミッションについても達成し、その後に健康状態について回答されたとする。この場合には、2回目の各ミッションの内容とこれに対する回答とのセットを、問診データ等DB400に蓄積する。
つぎに、例えば、以下の内容の3回目のミッションを、ユーザαに付与することができる。なお、ここでは、3回目のミッションが1・2回目のミッションの一部を変更したものである例を示しているが、1・2回目のミッションとは全く別のものとしてもよい。
(1)1週間に少なくとも2回はサラダを食べ、
(2)エレベータ及びエスカレータよりも階段を使い、
(3)タバコの本数を1日『3』本までとする、
実際に、上記内容の3回目のミッションをユーザαに付与し、その後、ユーザαが3回目のミッションについても達成し、その後に健康状態について回答されたとする。この場合には、3回目の各ミッションの内容とこれに対する回答とのセットを、問診データ等DB400に蓄積する。
このように、ミッションの内容を適宜変更していき、その後に健康状態について回答された場合には、当該の各ミッションの内容とこれに対する回答とのセットを、問診データ等DB400に蓄積していく。これを、ユーザαのみならず、他のユーザに対しても行っていく。
そうすると、やがては問診データ等DB400において、数百件、数千件以上のユーザについて、多くの問診データを含むミッションデータとその回答とのセットが蓄積されていくことになる。これらを学習データとして、AI装置300の人工ニューラルネットワークに学習をさせるのである。
そうすると、例えば、別のユーザ端末100に対して問診データを送信し、そのユーザ端末100から当該問診データに対応する回答が返信された場合には、算出手段230が学習済みのAI装置300に対して、問診データに対する回答の幾つかを変更させたものを入力値として、対応する出力値を算出し、この出力値に基づいて当該ユーザ端末100に対して何らかの特定の効果を得るための好ましいミッションデータを選択して、それを通信手段210によって送信することが可能となる。
すなわち、どのようなミッションを遂行すると、どのような効果が得られるかということを、個体差の影響を受けにくい高確度な結果として、本行動推奨システム側では統計的に把握でき、これに基づくミッションデータをユーザに付与することができるという効果を奏することになる。
また、副次的には、例えば、ユーザに対してより効果的なミッションを付与することが可能となるので、ユーザは付与されるミッションを遂行すると、高確率で効果があるという信頼感を抱くことになり、当該ミッションを遂行しようというインセンティブが働くことになり、この結果、管理者サーバ200にフィードバックされるユーザからの回答の正確性が高まるといった良いサイクルで行動推奨システムが運用できることになろう。
つぎに、例えば1週間毎など定期的に又は不定期に、学習手段220は、問診データ等DB400に蓄積された問診データを含むミッションデータとその回答とのセットを学習データとして、AI装置300の人工ニューラルネットワークに学習をさせる。
なお、ミッションの数は3つであることが必須ではなく、5つ程度としてもよい。ただ
し、あまりに多くなると、ミッション達成率が低下してしまいかねないので、3つ~5つ程度とすることが好ましいであろう。
(動作の説明)
図4及び図5は、図1に示す管理者サーバ200の動作のうち行動推奨に関する動作を示すフローチャートである。図4には、行動推奨に関する動作のうち初期設定完了前の手順が示されている。なお、図4及び図5に示す各処理はユーザ毎に行われるものである。
<初期設定完了前の処理>
まず、ユーザは、ユーザ端末100を操作することによって、既述のような行動推奨システム用のアプリケーションソフトウェアをダウンロードして、それをユーザ端末100にインストールする。その後、ユーザが当該アプリケーションソフトウェアを起動して、氏名、性別、年齢、メールアドレスなどの通信情報等を入力して送信ボタンをタップするなどすれば、管理者サーバ200に対して問診データの送信依頼が行われる。
管理者サーバ200では、通信手段210によって、ユーザ端末100からの問診データの送信依頼を受信すると(ステップS11)、登録手段240によって当該送信依頼とともに送信されるユーザの通信情報等を問診データ等DB400に登録し、予め用意してある問診データをその送信依頼元のユーザ端末100に対して送信する(ステップS12)。
その後、ユーザ端末100において、その問診データが受信され、ユーザがユーザ端末100に自己の問診データを入力/選択して送信ボタンをタップするなどすれば、ユーザ端末100から管理者サーバ200に対して、当該ユーザの問診データが送信される。もちろん、このようなプルタイプではなくプッシュタイプで、ユーザ端末100に対して問診データの送信を行ってもよい。
管理者サーバ200では、通信手段210によって、問診データを受信すると(ステップS13)、登録手段240によって問診データ等DB400に既に登録済みのユーザの通信情報等と紐づけされて問診データが登録される(ステップS14)。
以上の処理によって、本実施形態の行動推奨システムにおける会員登録など初期設定のための処理が完了する。なお、図4に示す初期設定は、各ユーザに対して1回行ってもらえばよい。
<初期設定完了後の手順>
図5には、図4のステップS14までの初期設定が完了した後の手順を示している。まず、管理者サーバ200では、問診データ等DB400に登録されているミッションデータの中から、受信した問診データに対する回答に基づいてミッションデータを選択する(ステップS21)。
ここで、本実施形態の行動推奨システムの運営を始めて間もない場合のように、まだ、AI装置400の人工ニューラルネットワークに対する学習処理が十分になされていない場合には、受信した問診データに対する回答に基づき、管理者が管理者端末500を用いて登録したミッションデータを送信することになる。既述の例で言えば、仮に、当該ユーザが偏頭痛持ちであれば、偏頭痛があるという事象に対応するリンゴを食べるというミッションデータが送信対象ということになる。
一方、AI装置400の人工ニューラルネットワークに対する学習処理が十分になされている場合には、算出手段230は、学習済みのAI装置300に対して、ミッションデ
ータを遂行したユーザから送信される結果のうち幾つかを変更させたものを入力値として、対応する出力値を算出する。
この点は重要なので、他の例を用いて今一度説明する。例えば、
・リンゴを週に1回以上食べると、偏頭痛が緩和されるという統計データAと、
・軽度の運動を週に2~3回行っても、偏頭痛が緩和されるという統計データBと、
・リンゴを週1以上食べ、かつ、軽度の運動を週に数回行うと、偏頭痛がほぼ出現しないという統計データCと、
が存在していたとする。
しかも、
統計データAに関して、30%の人に偏頭痛が緩和されるということが事実としてあり、
統計データBに関して、40%の人に偏頭痛が緩和されるということが事実としてあり、
統計データCに関して、95%の人に偏頭痛が緩和されるということが事実としてある、
とする。
そして、初期設定を完了したユーザαから、
・リンゴはあまり食べず(変数0)、
・運動不足気味であり(変数0)、
・偏頭痛もち、
という回答があったとする。
ここで、仮に、人間がミッションを選択するならば、典型的には、ユーザαに対しては、統計データCに基づき、リンゴを週1以上食べ、かつ、軽度の運動を週に数回するというミッションを選択することが予想される。しかし、本実施形態では、
(1)リンゴはあまり食べずないことを示す変数0を変数1にして、学習済みの人工ニューラルネットワークを有するAI装置300に入力し、
(2)運動不足気味であることを示す変数0を変数1にして、学習済みの人工ニューラルネットワークを有するAI装置300に入力し、
(3)これらの両変数0を変数1にして、学習済みの人工ニューラルネットワークを有するAI装置300に入力する、
ということを、算出手段230によって実行する。
そうすると、AI装置300は、人間ではないので、統計データA~Cの効果自体を認識不可であったとしても、算出手段230によれば、
(1)の場合に30%の人に効果があるということに対応する出力値が得られ、
(2)の場合に40%の人に効果があるということに対応する出力値が得られ、
(3)の場合に95%の人に効果があるということに対応する出力値が得られる
ことになる。
つまり、上記の統計データA~Cはそれぞれ回帰解析で得られる解析結果であり、上記の各出力値はそれぞれ学習済みのAI装置300がディープラーニングされていることによって得られる解析結果であるが、理論的にこれらは同値ということになる。
したがって、これらの出力値に基づいて、(1)より(2)、(2)より(3)が好ましいということを管理者サーバ200で把握でき、その結果、典型的には、ユーザαに対して、(3)に対応するリンゴを週1以上食べ、かつ、軽度の運動を週に数回するという
ミッションを選択する。
当該ミッションデータは、通信手段210によって、ユーザ端末100に対して送信される(ステップS22)。
その後、ユーザが、管理者サーバ200から与えられたミッションを遂行したとする。典型的には、既述のアプリケーションソフトウェアがユーザ端末100にインストールされていない場合には、当該ユーザは、新たに問診データを受信した場合などに、ユーザ端末100を操作することによって対応する回答を入力/選択して、管理者サーバ200に送信することができる。
一方、典型的には、既述のアプリケーションソフトウェアがユーザ端末100にインストールされていて、当該アプリケーションソフトウェアが起動されている場合には、適宜、ユーザ端末100でユーザの歩数又はGPS機能を用いた移動距離等を取得して、それを管理者サーバ200に送信することができる。
管理者サーバ200では、ユーザからの回答が受信されると、その回答とその回答に係るミッションデータとのセットを、問診データ等DB400に登録する(ステップS23)。その後、問診データ等DB400における、ミッションデータとその回答とのセットの蓄積数が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS24)。なお、ミッション選択のための閾値は、管理者が設定できるようにしてある。当該次のミッションデータは、通信手段210によって、ユーザ端末100に対して送信される。
判定の結果、問診データ等DB400における、ミッションデータとその回答とのセットが所定の閾値以上でなければ、ステップS21に移行して次のミッションデータが選択される。なお、n回目のミッションデータとn+1回目の密書データとが同じ内容の場合もある。
一方、ステップS24の判定の結果、問診データ等DB400における、ミッションデータとその回答とのセットの蓄積数が所定の閾値以上であれば、学習手段220によって、問診データ等DB400に蓄積されているミッションデータとその回答とのセットを用いて、AI装置300に対する学習処理を行う(ステップS25)。
以上の処理によって、学習済みの人工ニューラルネットワークを有するAI装置300を用いて、ユーザに対して所望のミッションを付与することができ、さらに、ユーザからフィードバックされる回答と当該ミッションとのセットによって、継続的に人工ニューラルネットワークを学習することもできる。
つづいて、作成手段260は、ユーザ及び管理者が後述する情報を閲覧できるように、ユーザ端末100及び管理者端末500のディスプレイに表示させるための各種処理を行い、表示用データを作成する。
図6~図11は、図1に示す作成手段260によって作成される画面例を示す図である。図6にはユーザであるTaroが本行動推奨システムによるサービスの提供を受けるためにWebページを通じてログインした後に表示されるTOP画面例を示している。ログインに必要な情報は、既述の初期設定の際に、ログインIDとパスワードとをユーザに付与すればよい。
ここでは、一例として、Taroに対するコメントが示されるコメント表示領域610と、全てのユーザに対する特集記事が示される記事表示領域620と、Taroに対して
推奨する食事メニュー(ミッションデータ)を閲覧するための推奨フードメニュー表示領域630と、種々のトピックスが表されるトピックス表示領域640と、Taroのミッションデータの達成率等が示される数値表示領域650と、Taroの健康状態を疑似的に年収に換算した値と順位とが示される健康状態表示領域660と、を示している。
コメント表示領域610、推奨フードメニュー表示領域630、数値表示領域650及び健康状態表示領域660に表示される内容は、主として、数値化手段250によって作成される。記事表示領域620及びトピックス表示領域640に表示される内容は、主として、管理者端末500を通じて入力される。
図7(a)には、図6の推奨フードメニュー表示領域630をクリック等によって選択した場合の遷移先の画面例を示している。ここでは、「洋食系」、「和食系」など、食事の種別が示され、Taroによって「洋食系」が選択されていて、そのため、「卵たっぷりオムレツ」、「こだわりボロネーゼ」などの洋食系のメニューが表示されている状態を示している。各メニューには、それらを食したときに数値表示領域650及び健康状態表示領域660に示される疑似的な年収がどのように推移するかを示す数値も併せて表示されている。
これらのメニュー自体は、Taro固有のものとしてもよいし、ユーザ全体で共通したものとしてもよい。ただし、提示すべきメニューは、Taroに対するミッションデータなので、必ずしもTaro以外のユーザに対して示されるわけではない。詳述すると、これらのメニューは、Taro及びTaroと同様の特性のユーザに対して示されることになる。
メニューに付帯して示される数字は、既述の疑似的な年収の根拠となるものである。この数値は、ミッション遂行の達成率すなわち難易度と、ミッション遂行の効果とに基づいて管理者サーバ200がAI装置300或いは問診データ等DB400を参照して算出する、又は、管理者が管理者端末500を通じて算出することができる。
一般的には、難易度が高ければ高いほど、また、効果が高ければ高いほど、数値は高くすることが考えられる。このようなルールを活用する場合には、最も効果的なミッションであっても、その達成率が低ければ、必ずしも、提示されたメニューの中で最高値になるというわけではない。
図7(b)は、図7(a)の「卵たっぷりオムレツ」を選択した場合のポップアップ画面例を示している。このポップアップ画面例の内容は、後述する図10(a)の内容と同じものとしている。もっとも、異なる内容であってもよい。
図8には、図6の健康状態表示領域660をクリック等によって選択した場合の遷移先の画面例を示している。ここでは、画面左上に、現在のTaroの健康状態に対応する疑似的な年収に対応する数字として「¥7,4000,000」が示されている。画面左中及び画面左下には、疑似的な年収の根拠として、食事改善によって得られたものであるのか、生活習慣改善によって得られたものであるのか、なども付記されている。
画面右側には、疑似的な年収に関する、キーボード、マウスなどの使用量に基づく根拠(それぞれ、Key、Mouseの項目)、開いたファイル数、使用したプログラム数などに基づく根拠(それぞれ、File、Programの項目)に加え、仕事時間(例えば、パーソナルコンピュータの前にユーザが座って何らかの作業をしている時間又はパーソナルコンピュータの前にユーザが座ってワープロソフトウェア或いは表計算ソフトウェアなどの業務用プログラムのファイルで作業をしている時間)、笑顔の回数、歩数、移動
距離などに基づく根拠(それぞれ、Time、Smile、Walk、GPSの項目)も示されている。もっとも、図8に示す表示内容は例示であり、これら以外の情報を根拠として示してもよいし、これらとは異なる情報を表示してもよい。
ここでは、更に、キーボードの使用量が増えた一方で、歩数が低下したことがわかる。デスクワークのユーザであれば、仕事が忙しく十分な運動時間が確保できない場合には、このようなパフォーマンスの推移となろう。この際、本行動推奨システムからユーザ端末100に向けて「歩数が低下していましたが、忙しかったですか体?」などの問いかけをする機能を付加することも一法である。
なお、歩数の場合を例に説明すると、日常的に歩数を計測することで、毎日・毎週・毎月などの単位期間あたりの平均歩数、最大歩数及び最小歩数を取得しておき、平均歩数を基準として活発度が高い又は低いといった判定をし、高い日は「¥1,000」、低い日は「¥-1,000」として集計すれば数値化することができる。
なお、併せて、典型的には土日などのようにユーザの休日の歩数も取得しておけば、一般的には、休日の歩数は平日の歩数より少ないことが多いと考えられるので、休日の歩数と平日の歩数とを別々に管理するというのも一法であろう。
また、最大歩数を上回る日であったり、平均歩数に対して例えば20%以上の増加があったりした場合には、後述する突発的な行動があったと推定することができる。この場合には、例えば「¥+2,000」とすることもできる。一方、最小歩数を下回る日であったり、平均歩数に対して例えば20%以上の減少があったりした場合には、後述する通院などがあったと推定することができる。この場合には、例えば「¥-2,000」とすることもできる。
なお、ユーザに手入力を強いることでユーザに負荷がかかることにはなるが、スマートフォンの歩数計機能を用いずに、別途、物理的な歩数計を携帯したユーザが、ユーザ端末100を通じて歩数計で計測された歩数を手入力して、本行動推奨システムに送信することも排除されない。
また、ユーザ端末100がテレビゲーム、IT機器、AV機器などの場合には、これらの利用回数・頻度を、ミッション遂行に対する効果測定のために用い、これらを図8に示す情報に代えればよい。具体的には、IT機器等の電源をオンしたり(さらにはその後オフするまでの時間)、ネットワークを介して所定のログインをしたり(さらにはその後ログアウトするまでの時間)といったユーザによるIT機器等に対するアクションの回数等に基づいて擬似的な年収に対応する数値を示すことができる。
図9には、図6の数値表示領域650をクリック等によって選択した場合の遷移先の画面例を示している。なお、図8の「チャートで見る」という箇所をクリック等によって選択した場合にも、図9に示す画面例に遷移するようにしてある。
ここでは、図8の画面右側に示した、キーボード、マウスなどの一週間分の使用推移等を示す画面例である。ここでは、根拠の特性に応じて、折れ線グラフ又は積み上げ棒グラフで使用推移等を示しているが、グラフの種別はこれらに限定されるものではないし、ユーザが表示形態を適宜カスタマイズして選択できるようにしてもよい。さらには、グラフを用いるのではなく、ミッションに対する回答を白黒などのドットで表現して、その解答に関係性の高いミッションと低いミッションとを色分けするなどして、ミッションと回答と相関関係をユーザに示すということも一法である。
図10(a)には、図6の右上の「メソッド」をクリック等によって選択した場合に遷移する画面例を示している。図10(b)には、図10(a)の記事内の「詳しく」をクリック等によって選択した場合に遷移する画面例を示している。
図10(a)の画面例は、Taroに対して「1日3個、卵を食べる」ことをミッションとして提示するとともに、このミッションを達成した場合に既述の疑似的な年収に対応する数字がどの程度アップするかを示している。また、卵を食べることによって期待される効果及びその理由と、Taroに向けた推奨される記事、卵に関連のレシピ情報、ショップ情報等も表示するようにしている。
図10(b)には、管理栄養士によって監修された詳細な記事が示されている。この例は、卵に含まれるたんぱく質が、体にとってどのような意味を持つのか、また、メニューとしてオムレツ、茶わん蒸しなどが良い点、簡単な調理法についても示されている。
図11(a)には、図6の右上の「マイリスト」をクリック等によって選択した場合に遷移する画面例を示している。図11(a)には、ミッションを遂行した際にそのことを送信するためのマイリスト表示領域710と、マイリスト表示領域710を通じて送信した各ミッションの遂行頻度に基づく応答結果が表示される結果表示領域720と、習慣化したミッション全体の内訳を示す内訳表示領域730と、Taroに与えられたミッションに関する一覧を示すミッション表示領域740とを示している。
ミッション表示領域740は、図10を用いて説明した「1日3個、卵を食べる」というミッションの他に、これまでにTaroに提示された複数のミッションが、それぞれ、ミッションを提示した日付情報、ミッションの遂行頻度を星印で表した情報、ミッションの遂行が習慣化した日付情報にづけ情報も表示されている。
図11(b)には、図11(a)のマイリスト表示領域710内の「詳しく」の箇所をクリック等によって選択した場合に遷移する画面例を示している。ここでは、ミッションの遂行頻度を示す星印の数を決定するための指針であったり、その入力手法であったり、決定した星印の数によって疑似的な年収がどのように変化するかであったりという説明が示されている。
図6~図11に示すような画面例をユーザに付与できるようにすると、以下のような効果が期待できる。
・ユーザ毎に、各ユーザにとって好適な固有のミッションを提供することができるので、各ユーザが自己に与えられたミッションを遂行することによって、各ユーザにとっての優れた効果が期待できる。
・多数のユーザに対してミッションを提供するとともに、そのフィードバックとして各ミッションの遂行結果を取得することで効果測定精度を高め、ユーザの特性に応じた好適な固有のミッションを付与することができる。
・ミッションを遂行した後のユーザに身近な行動(キーボードの使用頻度等)の推移をユーザに提示することで、ミッション遂行の効果をユーザにわかりやすく伝え、ユーザに対してミッションの遂行を継続しようというインセンティブを付与することができる。
・ユーザインターフェースを工夫することによって(疑似的な年収の提示等)、ユーザに対してミッション遂行のモチベーションを維持させることができる。
以上、本実施形態では、主として、ユーザに対する健康状態の向上を例に、本行動推奨システムについて説明したが、ミッション遂行による効果は様々であり、既述のユーザの笑顔の回数の他に、ユーザの睡眠時間、食事量、病院への移動、突発的な行動なども、ミッション遂行による効果測定に用いることができるので、例えば、ユーザが図8の右側に
表示すべき項目を選択可能としてもよい。
なお、念のため補足すると、病院への移動は、もしユーザが病気であれば、それを治癒させようとするための積極的な行動であるため好ましい行為であるといえる。また、ユーザの健康状態を本行動推奨システム側で適切に判断するためには、発病履歴・通院履歴・持病の有無なども把握しておくこととよいので、問診データを通じて把握できるようにするのも一法である。
こうすれば、例えば、ユーザが任意のタイミングで発病履歴の閲覧を欲する場合に、対応することが可能となる。病院への移動の有無は、スマートフォン等に設けられているGPS機能と地図アプリケーションソフトウェアとに基づいて予測することができる。
また、突発的な行動としては、例えば、旅行に出かけるとか、普段行っていないスポーツ観戦・映画鑑賞をするとかいった行動が挙げられる。このような行動をすることは、結果的に、ユーザの心身に対して良い影響を与えると考えられるので、活動度が高い行動といえよう。このような行動に対しては、擬似的な年収に対応する数値を高くすべきであろうから、仮に、この数値を管理者が決定するのであれば高くするとよい。突発的な行動の有無についても、通院の場合と同じようにユーザからの入力又はスマートフォン等を用いた判別とすればよい。
また、突発的な行動の有無についてスマートフォンにインストールしたアプリケーションソフトウェアを用いて判別すると、どこで何をしているかということを、ユーザの手を煩わせることなく取得できるので好ましい。もっとも、例えば、テニスのプレイとテニスの観戦との両方を図8の右側に表示すべき項目として選択していた場合には、スマートフォンにインストールしたアプリケーションソフトウェアを用いた判別では、ユーザがテニスコートにいる場合に、テニスをプレイしているのか、テニスを観戦しているのかを直ちに把握することはできない。
このため、本実施形態では、GPS機能と地図アプリケーションソフトウェアとによってユーザがテニスコートにいるということを特定した場合には、歩数計から得られる歩数情報を考慮して、上記特定を行うようにしている。具体的には、テニスをプレイする場合には、ポケットにスマートフォン等を入れておく可能性がゼロとは言えないが、この可能性はあまり高くないと考えられるので、例えば数十分間全く歩数計が歩数をカウントしない場合には、テニスをプレイしていると判別するようにし、そうでない場合にはテニスを観戦していると判別すればよい。また、これらのうちいずれかの判別が困難である場合には、選択的にユーザに問い合わせるようにしてもよい。
同様に、例えば、ユーザが美術館で絵画等の展示品を閲覧している場合のように、一定時間以上、所定範囲内でのみユーザが移動する場合にも、GPS機能と地図アプリケーションソフトウェアとによってユーザの現在地を特定して、活動度の高低を判定することも可能である。
さらに、近年、建物の屋上を有効利用するために、例えば、フットサル場が屋上に設けられているデパートもある。通常であれば、ユーザがデパートに買物目的で訪れているのか、フットサル目的で訪れているかを判定することは困難であろうが、本実施形態では、GPS機能と地図アプリケーションソフトウェアとによってユーザの現在地を特定するのみならず、例えば1分~2分といった少ない時間におけるスマートフォン等の僅かな移動の有無も検知するようにして、上記判定を行うようにしている。
具体的には、例えば10分間もスマートフォン等のGPS機能によって、当該スマート
フォン等の移動が確認されない場合には、ユーザがスマートフォン等をカバンの中に入れた状態で、フットサルとしている可能性が高いと想定できるので、この場合にはフットサルをしているであろうと判定する。
一方、例えば1分~2分おきにスマートフォン等のGPS機能によって、当該スマートフォン等の移動が確認される場合には、ユーザがスマートフォン等をカバンの中に入れた状態で、いくつかのテナントショップなどを移動しながら、商品を見定めている可能性が高いと想定できるので、この場合にはショッピングをしているであろうと判定する。
もっとも、選択的ではあるが、いずれに該当するかを直ちに判定できない場合もあるので、係る場合には、テニスの例の場合と同様に、ユーザに問い合わせるようにしてもよい。問い合わせ方については不問であり、判定できない場合に直ちに行ってもよいし、一定時間を経過した後に行ってもよい。
さらに、ユーザに対する問い合わせは、特に、定期的に同じパターンで行動するユーザに対しては、定期的にフットサルをプレイしている可能性が高いと考えられるので、問診データの送信要求時に「良く○○デパートの屋上でフットサルをされているのですか?」というような内容の問い合わせを行うとよい。
仮に、ユーザから「○○デパートの屋上で、毎週土曜日の15:00から1時間フットサルをしている」旨の回答があれば、以後、ユーザが○○デパートにいったことをGPS機能及び地図アプリケーションソフトウェアで確認した場合には、この時間帯での余計な判定処理を行うことなくユーザのミッションデータの遂行の有無及び種別を把握することができる。

Claims (5)

  1. 複数のミッションを含むミッションデータをユーザ端末に対して送信する送信手段と、
    前記送信手段によって送信された各ミッションデータを遂行したユーザによるユーザ端末に対する出力結果を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された出力結果に基づく前記ユーザによるミッション遂行結果を報知する報知手段と、
    を備える行動推奨装置であって、
    さらに、前記各ミッションデータを遂行したユーザから送信される回答を受信する受信手段を備え、前記回答は複数項目を含むデータであり、
    前記受信手段によって受信された回答のいくつかの項目内容を変更した入力値を生成する入力値生成手段と、
    前記入力値生成手段によって生成された入力値を、前記ミッションデータと当該ミッションデータを遂行したユーザからの回答とからなる複数のセットによって学習された人工ニューラルネットワークを有する人工知能装置に対して入力して、これに対応する出力値を取得する出力値取得手段と、
    前記出力値取得手段によって取得された出力値に基づくミッションデータを任意のユーザ端末に対して送信するミッションデータ送信手段と、
    を備える行動推奨装置。
  2. 前記取得手段は、
    前記ユーザ端末に付帯する入力デバイスの使用時間乃至は使用量、
    前記ユーザ端末で実行されるプログラム数、
    前記ユーザ端末で使用されるファイル数、
    前記ユーザ端末が有する歩数計機能によって計測される歩数、
    前記ユーザ端末が有するGPS機能によって計測される移動距離、
    前記ユーザ端末で他のユーザ端末との間でなされた通信時間、
    の少なくともいずれかを取得する手段である、請求項1記載の行動推奨装置。
  3. 前記人工ニューラルネットワークは、リカレントニューラルネットワークを含む経時的処理が可能な人工ニューラルネットワークである、請求項1記載の行動推奨装置。
  4. 前記各ミッションデータを遂行したユーザから送信される回答には、ユーザの普段の生活習慣及び健康状態が含まれる、請求項1記載の行動推奨装置。
  5. 請求項1記載の行動推奨装置と、
    前記入力値生成手段によって生成された入力値を、前記ミッションデータと当該ミッションデータを遂行したユーザからの回答とからなる複数のセットによって学習された人工ニューラルネットワークを含むAI装置と、
    を備える、行動推奨システム。
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