(実施形態1)
(1)概要
本実施形態に係る行動管理方法の概要について、図1を参照して説明する。
行動管理方法は、対象者X1の行動を管理するための方法である。特に、本実施形態に係る行動管理方法は、対象者X1による複数の行動の順序を表すスケジュールを用いて対象者X1の行動を管理することで、時系列を考慮した対象者X1の行動の管理を可能とする。
このような行動管理方法においては、一例として、片付け、勉強、運動、食事、入浴、着替え、歯磨き及び睡眠といった、対象者X1が日常生活の中で実行すべき様々な行動について、実行すべき行動の順序をスケジュールにて規定することが可能である。これにより、行動管理方法では、対象者X1が日常生活において実行すべき行動を、その順序を含めて管理することができる。例えば、スケジュールにおいて「食事」の次に「入浴」というように、複数の行動(食事及び入浴)が順序立てられている場合には、対象者X1は、このスケジュールに従えば、「食事」に続いて「入浴」という行動をとることになる。このように、スケジュールという形で複数の行動を順序立てて管理することで、対象者X1にとっての習慣の形成等を期待することができる。
ところで、本実施形態に係る行動管理方法は、生成処理と、取得処理と、を有している。生成処理は、複数の行動モジュールM1の並び順に従って、スケジュールD1を生成する処理である。複数の行動モジュールM1は、それぞれ対象者X1の行動に対応する。スケジュールD1は、対象者X1の行動の順序を表す。取得処理は、対象者X1によるスケジュールD1の実行状況に関する行動ログD2を取得する処理である。
このような行動管理方法によれば、生成処理にて生成されるスケジュールD1は、それぞれ対象者X1の行動に対応する複数の行動モジュールM1の並び順に従って、生成される。そのため、例えば、対象者X1が自らスケジュールD1を設定するにしても、対象者X1は、複数の行動モジュールM1を並べるだけで、比較的簡単にスケジュールD1を生成することができる。しかも、対象者X1によるスケジュールD1の実行状況が、行動ログD2という形で取得可能である。したがって、行動管理方法によれば、行動ログD2に基づくことで、スケジュールD1に対して実際に対象者が行った行動を評価しやすい、という利点がある。
(2)詳細
以下、本実施形態に係る行動管理方法の詳細について、図1~図7を参照して説明する。
(2.1)前提
本実施形態では、行動管理方法が、戸建住宅又は集合住宅の各住戸等の住宅施設からなる施設F1で使用される場合を想定する。つまり、施設F1(住宅施設)内での対象者X1の行動の管理に、行動管理方法が適用される場合を想定する。
本開示でいう「対象者」は、行動管理方法にて行動が管理される人であって、様々な年齢層、性別、疾患及び障害等の人が、対象者X1となり得る。また、対象者X1は、特定の個人でもよいし、不特定の個人であってもよいし、複数人からなるグループであってもよい。本実施形態では、一例として、認知機能が発達途上にある幼児を、対象者X1とする場合について説明する。ここでいう「幼児」は、満1歳以上で就学前の者(未就学児)を意味する。
本実施形態では、一例として、施設F1(住宅施設)には父親、母親、及び「幼児」である子供、の3人家族が住んでいる場合を想定する。ここでは、施設F1の住人である父親、母親及び子供のうち、子供が対象者X1となる。つまり、本実施形態では、施設F1に住む子供、という特定の個人が、行動管理方法にて行動が管理される対象者X1となる。また、この施設F1に住む父親及び母親の少なくとも一方は、行動管理方法を利用して対象者X1の行動を管理する管理者X2となる。本実施形態では一例として、母親が管理者X2である場合を想定する。
本開示でいう「行動」は、対象者X1が実行し得る行動であって、例えば、片付け、勉強、運動、食事、入浴、着替え、歯磨き及び睡眠といった、様々な行動を含む。ここで、行動管理方法にて管理される行動の種類は対象者X1によって異なり、例えば、対象者X1が幼児であれば、「積み木遊び」、「玩具遊び」、「お絵かき」又は「お歌のレッスン」といった、幼児向けの行動が行動管理方法にて管理される。一方、対象者X1が大人(例えば、母親)であれば、「掃除」、「洗濯」又は「料理」といった、大人向けの行動が行動管理方法にて管理される。また、1つの行動が2つ以上の行動に細分化されてもよく、一例として、「運動」という1つの行動が、「リズム体操」及び「ストレッチ」という2つの行動に細分化されてもよい。さらに、1つの行動の開始と終了とが別の行動として規定されてもよく、例えば、「睡眠」という1つの行動について、その開始にあたる「就寝」と、その終了にあたる「起床」との2つの行動が規定されてもよい。
本開示でいう「行動モジュール」は、対象者X1の行動に一対一に対応付けられる機能の単位を意味し、有体物及び無体物のいずれであってもよい。すなわち、行動モジュールM1は、パズルブロック又は積み木(Building Blocks Construction Set)等の有体物のブロックであってもよいし、画面上に表示されるアイコン等の無体物のブロックであってもよい。本実施形態では一例として、行動モジュールM1が有体物である場合を想定する。
本開示でいう「並び順」は、複数の行動モジュールM1が並んでいることを前提として、並んでいる複数の行動モジュールM1の順序を意味する。例えば、複数の行動モジュールM1が一列に並ぶように相互に連結されている場合には、この列の一端側を先頭としたときの複数の行動モジュールM1の順序が、複数の行動モジュールM1の並び順となる。また、複数の行動モジュールM1が相互に連結されていない状態でも、複数の行動モジュールM1の並び順は規定される。例えば、1本の仮想線(直線又は曲線)上に複数の行動モジュールM1が配置されているとすれば、この仮想線の一端側を先頭としたときの複数の行動モジュールM1の順序が、複数の行動モジュールM1の並び順となる。
本開示でいう「実行状況」は、スケジュールD1にて規定されている複数の行動に関して、対象者X1がいずれの行動を実行中であるか、又は、対象者X1がいずれの行動を終了したか、といった対象者X1による実行状況を意味する。例えば、スケジュールD1にて順序が規定されている複数の行動のうち、最初(1番目)の行動を対象者X1が実行中であれば、スケジュールD1の実行状況は、最初の行動を実行中、ということになる。一例として、スケジュールD1にて「片付け」、「食事」、「入浴」、「歯磨き」との順序が規定されている場合に、「入浴」を対象者X1が実行中であれば、スケジュールD1の実行状況は、3番目の行動である「入浴」を実行中、ということになる。
(2.2)行動管理システムの構成
次に、本実施形態に係る行動管理システム1の構成について、図2及び図3を参照して説明する。
本実施形態に係る行動管理方法は、行動管理システム1にて実現される。すなわち、本実施形態に係る行動管理システム1は、行動管理方法を実現するためのシステムである。
行動管理システム1は、生成部111(図3参照)と、取得部112(図3参照)と、を備えている。生成部111は、対象者X1の行動の順序を表すスケジュールD1を生成する。取得部112は、対象者X1によるスケジュールD1の実行状況に関する行動ログD2を取得する。生成部111は、それぞれ行動に対応する複数の行動モジュールM1の並び順に従ってスケジュールD1を生成する。すなわち、行動管理方法における生成処理は、生成部111にて実現される。また、行動管理方法における取得処理は、取得部112にて実現される。
本実施形態では、行動管理システム1は、少なくとも1つの行動モジュールM1にて構成される。図2の例では、行動管理システム1は、相互に組み合わされた複数(ここでは5つ)の行動モジュールM11~M15にて構成されている。複数の行動モジュールM11~M15を特に区別しない場合には、複数の行動モジュールM11~M15の各々を「行動モジュールM1」ともいう。
行動管理システム1における生成部111及び取得部112等の機能は、図3に示すように、各行動モジュールM1に設けられている。各行動モジュールM1は、単独でも動作可能であるため、それ単体でも行動管理システム1を構成する。一方で、図2に示すように、複数の行動モジュールM1が相互に組み合わされた状態では、これら複数の行動モジュールM1にて1つの行動管理システム1が構成される。
本実施形態では、複数の行動モジュールM1が相互に組み合われた状態においては、これら複数の行動モジュールM1のうちのいずれか1つの行動モジュールM1が親機(Master Device)として機能する。そして、複数の行動モジュールM1のうち、親機以外の行動モジュールM1は子機(Slave Device)として機能する。複数の行動モジュールM1のうちの、いずれの行動モジュールM1を親機として機能するかは、親機設定条件によって規定される。本実施形態では一例として、相互に組み合わされた複数の行動モジュールM1内に親機が存在しない状態で、これら複数の行動モジュールM1の中で最初に、第1接続部13に他の行動モジュールM1が接続された行動モジュールM1を親機とする。
ここにおいて、本実施形態では、行動管理システム1は、図2に示すように、情報端末21,22、機器31,32,33及びクラウド4(クラウドコンピューティング)の各々と、通信可能に構成されている。本開示でいう「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワーク41若しくは中継器等を介して間接的に、信号を授受できることを意味する。すなわち、行動管理システム1は、複数の情報端末21,22、複数の機器31,32,33及びクラウド4の各々との間で、互いに信号を授受することができる。複数の情報端末21,22を特に区別しない場合には、複数の情報端末21,22の各々を「情報端末2」ともいう。同様に、複数の複数の機器31,32,33を特に区別しない場合には、複数の複数の機器31,32,33の各々を「複数の機器3」ともいう。
情報端末2は、人の操作を受け付ける機能、及び人に情報を提示する機能を有する、ユーザインタフェースを含んでいる。行動管理システム1は、情報端末2と通信することで、情報端末2を通して人の操作を受け付けたり、情報端末2に種々の情報を提示させたりすることが可能である。本実施形態では、情報端末2は、ユーザインタフェースとして、タッチパネルディスプレイを有している。一例として、図1に示すように、情報端末21は、管理者X2(ここでは母親)が所有するスマートフォン又はタブレット端末であって、情報端末22は、施設F1に設置されているモニタ端末である。
機器3は、施設F1内に設置されている、又は施設F1内で使用される種々の機器(器具、設備、装置及びシステムを含む)である。一例として、図2に示すように、機器31は、対象者X1が使用する歯ブラシ(スマート歯ブラシ)であって、機器32は、洗面台(スマート洗面台)であって、機器33は、カメラ装置である。
また、本実施形態においては、行動管理システム1は、図3に示すように、生成部111及び取得部112に加えて、受付部113、案内部114、演算部115、設定部116、制御部117及び記憶部118を更に備えている。本実施形態では、各行動モジュールM1は回路ブロック11を備えており、生成部111、取得部112、受付部113、案内部114、演算部115、設定部116、制御部117及び記憶部118は、回路ブロック11に設けられている。言い換えれば、各行動モジュールM1の回路ブロック11は、生成部111、取得部112、受付部113、案内部114、演算部115、設定部116、制御部117及び記憶部118としての機能を有している。
生成部111は、上述したように、対象者X1の行動の順序を表すスケジュールD1を生成する。また、生成部111は、複数の行動モジュールM1の並び順に従って、スケジュールD1を生成する。本実施形態では、生成部111は、生成したスケジュールD1を記憶部118に記憶する。
取得部112は、対象者X1によるスケジュールの実行状況に関する行動ログD2を取得する。本実施形態では、取得部112は、取得した行動ログD2を記憶部118に記憶する。
受付部113は、行動管理方法の受付処理を具現化する。受付処理は、行動の開始と終了との少なくとも一方を表す操作を対象者X1から受け付ける処理である。つまり、本実施形態に係る行動管理方法は、行動の開始と終了との少なくとも一方を表す操作を対象者X1から受け付ける受付処理を更に有する。本実施形態では、受付部113は、後述する操作部12が出力する操作信号に基づいて、対象者X1の操作を受け付ける。
案内部114は、行動管理方法の案内処理を具現化する。案内処理は、スケジュールD1に従って、行動に関する案内情報を対象者X1に提示する処理である。つまり、本実施形態に係る行動管理方法は、スケジュールに従って、行動に関する案内情報を対象者X1に提示する案内処理を更に有する。本実施形態では、受付部113は、制御部117により案内情報の提示を実行する。
演算部115は、行動管理方法の演算処理を具現化する。演算処理は、行動ログD2に対して演算を行うことで行動ログD2に基づく演算情報を生成する処理である。つまり、本実施形態に係る行動管理方法は、行動ログD2に対して演算を行うことで行動ログD2に基づく演算情報を生成する演算処理を更に有する。本実施形態では、演算部115は、生成した演算情報を記憶部118に記憶する。
設定部116は、行動管理方法の設定処理を具現化する。設定処理は、行動に関する目標を行動モジュールM1に対応付けて設定するための処理である。つまり、本実施形態に係る行動管理方法は、行動に関する目標を行動モジュールM1に対応付けて設定するための設定処理を更に有する。本実施形態では、設定部116は、生成した目標を記憶部118に記憶する。
制御部117は、機器3、及び後述する音出力部15又は光出力部16等を制御する。本実施形態では、制御部117は、例えば、案内部114による案内情報の提示のために、機器3、及び音出力部15及び光出力部16を制御する。
記憶部118は、行動管理システム1の動作に必要な情報を記憶する。記憶部118は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能な不揮発性メモリを含む。本実施形態では、記憶部118は、少なくとも生成部111にて生成されたスケジュールD1を記憶する。さらに、記憶部118は、行動モジュールM1に対応付けられている行動を特定するための行動識別情報を記憶する。
本実施形態では一例として、回路ブロック11は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステム(サーバ、クラウドコンピューティングを含む)を主構成とする。プロセッサは、メモリに記録されているプログラムを実行することにより、回路ブロック11の機能を実現する。プログラムは、予めメモリに記録されていてもよいし、メモリカードのような非一時的記録媒体に記録されて提供されたり、電気通信回線を通して提供されたりしてもよい。言い換えれば、上記プログラムは、1以上のプロセッサを、回路ブロック11として機能させるためのプログラムである。
ところで、本実施形態では、生成部111、取得部112、受付部113、案内部114、演算部115、設定部116、制御部117及び記憶部118といった機能は、親機としての行動モジュールM1でのみ有効となる。つまり、複数の行動モジュールM1が相互に組み合われた状態では、回路ブロック11における上記機能は、基本的には、複数の行動モジュールM1のうち親機としての行動モジュールM1でのみ有効となり、子機としての行動モジュールM1では無効となる。そのため、複数の行動モジュールM1が相互に組み合わされた状態において、例えば、2つ以上の行動モジュールM1が同時に生成部111として機能することによる、機能の競合等を防止することが可能である。ただし、操作部12からの操作信号を受け付ける受付部113の機能、並びに音出力部15又は光出力部16を制御する制御部117の機能等、子機においても必要な機能については、子機としての行動モジュールM1でも適宜有効となる。
(2.3)行動モジュールの構成
次に、本実施形態に係る行動モジュールM1の構成について、図2~図4Bを参照して説明する。
複数の行動モジュールM11~M15は、それぞれ対象者X1の行動に対応付けられている。本実施形態では、行動モジュールM11は「片付け」に、行動モジュールM12は「食事」に、行動モジュールM14は「入浴」に、行動モジュールM15は「歯磨き」に、それぞれ対応付けられている。一方、行動モジュールM13は、他の行動モジュールM1とは異なり、いずれの行動にも対応付けられていない、「ブランク」の行動モジュールM1である。つまり、各行動モジュールM1の記憶部118には、このように対応する行動を特定するための行動識別情報が記憶されている。例えば、行動モジュールM11の記憶部118には、「片付け」という行動を特定するための行動識別情報が記憶されている。
本実施形態では、上述したように、複数の行動モジュールM1の各々は有体物である。そのため、複数の行動モジュールM1を物理的に組み合わせることで複数の行動モジュールM1の並び順が決定される。すなわち、本実施形態では、パズルブロック又は積み木等の有体物を、行動モジュールM1として採用している。そのため、複数の行動モジュールM1は、物理的に組み合わせることができ、その物理的な組み合わせをもって複数の行動モジュールM1の並び順が決定される。そのため、幼児からなる対象者X1にとって、複数の行動モジュールM1の取り扱いが比較的容易になる。
具体的には、各行動モジュールM1は、図4A及び図4Bに示すように、相互に組み合わせ可能なパズルブロックの個々のピースからなる。ここでいう「パズルブロック」は、相互に連結させることで、1つの構造体を構成することが可能なブロック玩具の一種である。本実施形態では、各行動モジュールM1は、その外郭を構成するケース100を備えている。ケース100は、図4Aに示すように、一方向の一端面(図4Aの右端面)に凸部101を、他端面(図4Aの左端面)に凹部102を有している。そのため、2つの行動モジュールM1について、一方の行動モジュールM1の凸部101を、他方の行動モジュールM1の凹部102に差し込んで嵌合させることにより、これら2つの行動モジュールM1が結合(連結)される。これにより、図4Bに示すように、複数の行動モジュールM1は、一方向に沿って一列に並ぶように、分離可能な態様で相互に連結可能である。本実施形態では一例として、連結された複数の行動モジュールM1が並ぶ方向を、左右方向(水平方向)とする。
このように、複数の行動モジュールM1が、相互に連結(ここでは凹凸嵌合)されることにより、複数の行動モジュールM1からなる行動管理システム1を、1つの構造体として取り扱うことが可能である。また、複数の行動モジュールM1は、凹凸嵌合により分離可能な態様で連結されるので、複数の行動モジュールM1が一旦組み合わされた(連結された)としても、この組み合わせを解消することも可能である。これにより、複数の行動モジュールM1の並べ替え(組み替え)等を行うことができる。
また、各行動モジュールM1においては、対応する行動を表す目印(文字、記号、図形若しくは絵柄、又はその組み合わせを含む)が、ケース100の前面に表記されている(図2等参照)。一例、「片付け」に対応する行動モジュールM11のケース100の前面には、「かたづけ」という文字列が目印として表記されている。同様に、「食事」に対応する行動モジュールM12には「ごはん」という文字列が、「入浴」に対応する行動モジュールM14には「おふろ」という文字列が、「歯磨き」に対応する行動モジュールM15には「はみがき」という文字列が、それぞれ表記されている。本実施形態では、対象者X1が幼児であるから、対象者X1に合わせて、対象者X1(幼児)が理解しやすい平仮名の文字列を目印として採用している。ただし、「ブランク」の行動モジュールM13においては、このような目印は設けられていない。さらに、本実施形態では、複数の行動モジュールM1がそれぞれ異なる色に着色されており、複数の行動モジュールM1の区別がつきやすくしている。
また、各行動モジュールM1においては、対応する行動を表す目印は、ケース100の前面に自由に記入できてもよい。目印の記入は、例えば、管理者X2等が、ケース100の前面に直接書く(描く)か、又は着色することで実現される。あるいは、目印を記入したシールがケース100の前面に貼り付けられることにより、ケース100の前面に目印が記入されてもよい。この場合、例えば、管理者X2が対象者X1との会話で普段使用しているキーワード(一例として、「食事」であれば「まんま」)を、ケース100の前面に記入することができる。その結果、対象者X1が理解しやすい文字、記号、図形若しくは絵柄、又はその組み合わせからなる目印を、行動モジュールM1に付すことができる。図形又は絵柄等によれば、文字を読めない幼児からなる対象者X1であっても、行動モジュールM1に対応する行動を認識可能である。
さらに、本実施形態では、各行動モジュールM1は、例えば、マグネット又は吸盤等の適宜の手段で、施設F1の壁面に固定可能に構成されている。これにより、図1に示すように、複数の行動モジュールM1は、相互に結合された状態で室内の壁面に取り付けることが可能である。
ところで、本実施形態に係る行動管理方法では、上述したように、生成処理として、複数の行動モジュールM1の並び順に従って、対象者X1の行動の順序を表すスケジュールD1を生成する。そして、本実施形態では、左右方向に沿って一列に並ぶように、複数の行動モジュールM1が相互に連結可能である。そのため、生成処理では、一列に並ぶように相互に連結された複数の行動モジュールM1の並び順に従って、スケジュールD1を生成することになる。
ここで、本実施形態では、結合された複数の行動モジュールM1が並ぶ左右方向における「左から右」が、時間の流れ(時系列)に相当する。つまり、例えば、図2のように、複数の行動モジュールM11~M15からなる列の左端に位置する行動モジュールM11に対応する行動(片付け)が、スケジュールD1の中での最初の行動となる。同様に、図2のように、複数の行動モジュールM11~M15からなる列の右端に位置する行動モジュールM15に対応する行動(歯磨き)が、スケジュールD1の中での最後の行動となる。
また、各行動モジュールM1は、図3に示すように、回路ブロック11に加えて、操作部12、第1接続部13、第2接続部14、音出力部15、光出力部16及び通信部17を更に備えている。回路ブロック11、音出力部15、光出力部16及び通信部17については、ケース100に収容されている。ただし、「ブランク」の行動モジュールM13においては、少なくとも操作部12、音出力部15、光出力部16及び通信部17は設けられていない。
操作部12は、対象者X1によって操作される。操作部12は、ケース100の前面に配置されている。本実施形態では一例として、操作部12は、モーメンタリ型の押釦スイッチである。この操作部12は、対象者X1が操作しやすい(押しやすい)形状及び大きさであることが好ましい。
第1接続部13は、他の行動モジュールM1の第2接続部14と電気的に接続される端子部である。回路ブロック11では、第1接続部13に対して他の行動モジュールM1の第2接続部14が接続されているか否かを検知可能である。本実施形態では一例として、第1接続部13は、ケース100における凸部101の先端面に配置されている。
第2接続部14は、他の行動モジュールM1の第1接続部13と電気的に接続される端子部である。回路ブロック11では、第2接続部14に対して他の行動モジュールM1の第1接続部13が接続されているか否かを検知可能である。本実施形態では一例として、第2接続部14は、ケース100における凹部102の底面に配置されている。
音出力部15は、制御部117に制御されて、対象者X1に対し種々の情報を音(音声を含む)として出力する。本実施形態では一例として、音出力部15は、スピーカを含み、ケース100の一側面に設けた透孔から音を出力するように、ケース100内に収容されている。
光出力部16は、制御部117に制御されて、対象者X1に対し種々の情報を光として出力する。本実施形態では一例として、ケース100の少なくとも一部が光透過性を有しており、光出力部16は、LED(Light Emitting Diode)を含み、ケース100内に収容されている。つまり、ケース100内で光出力部16が発光すると、ケース100の少なくとも一部を透過して光がケース100外に出力される。
通信部17は、情報端末2、複数の機器3及びクラウド4の各々との間で、例えば、ネットワークを介して双方向の通信が可能である。本実施形態では一例として、通信部17は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)又は免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)等の規格に準拠した、電波を通信媒体として用いる無線通信を採用する。
ここで、行動モジュールM1は、電池駆動であることが好ましい。そのため、本実施形態では、行動モジュールM1は、例えば、蓄電池を有し、蓄電池に蓄積された電気エネルギを用いて動作することとする。
(2.4)行動管理方法
次に、本実施形態に係る行動管理方法について、図5A~図7を参照して説明する。
(2.4.1)スケジュールの生成
ここではまず、行動管理方法のうち、スケジュールD1の生成に係る生成処理について、図5A~図5Cを参照して説明する。図5A~図5Cにおいては、複数の行動モジュールM1を並べたときにスケジュールD1が生成される様子を、模式的に表している。
ここでは、スケジュールD1は、1日ごとに設定可能であると仮定し、かつ1日のうちの一部の時間帯(一例として夕食前後の時間帯)の対象者X1の行動を規定することと仮定する。また、ここでは、スケジュールD1の設定、つまり複数の行動モジュールM11~M15を並べる作業は、対象者X1である幼児が自ら行う場合を想定する。
また、本実施形態では、上述したように、相互に組み合わされた複数の行動モジュールM1内に親機が存在しない状態で、これら複数の行動モジュールM1の中で最初に、第1接続部13に他の行動モジュールM1が接続された行動モジュールM1を親機とする。図5A~図5Cの例では、複数(ここでは5つ)の行動モジュールM1のうち、最初に第1接続部13に他の行動モジュールM1が接続されるのは、「入浴」の行動に対応する行動モジュールM14であるので、行動モジュールM14が親機となる。つまり、図5A~図5Cの例では、行動モジュールM14が親機として機能し、行動モジュールM11,M12,M13,M15はいずれも子機として機能する。
まず、対象者X1は、図5Aに示すように、「入浴」に対応する行動モジュールM14と、「歯磨き」に対応する行動モジュールM15と、を組み合わせる。ここでは、対象者X1は、行動モジュールM14が行動モジュールM15の左側に位置するように、2つの行動モジュールM14,M15を組み合わせる。つまり、行動モジュールM14の凸部101を、行動モジュールM15の凹部102に差し込んで嵌合させることにより、これら2つの行動モジュールM14,M15が連結される。このとき、行動モジュールM14の第1接続部13が、行動モジュールM15の第2接続部14に電気的に接続されることで、2つの行動モジュールM14,M15の各々で、2つの行動モジュールM14,M15の並び順を検知可能である。
ここにおいて、図5Aの例では、2つの行動モジュールM14,M15は、左から行動モジュールM14、行動モジュールM15の順に並んでいる。そのため、親機としての行動モジュールM14は、生成部111にて、2つの行動モジュールM14,M15の並び順に従って、図5Aに示すようなスケジュールD1を生成することになる。つまり、図5Aで生成されるスケジュールD1は、2つの行動モジュールM14,M15に対応する「入浴」、「歯磨き」という2つの行動について、「入浴」、「歯磨き」という順序を表すことになる。よって、図5Aの状態においては、「入浴」、「歯磨き」という行動を、この順で実行するべく、対象者X1の行動の順序を規定するスケジュールD1が生成される。
次に、対象者X1は、図5Bに示すように、「食事」に対応する行動モジュールM12、及び「ブランク」の行動モジュールM13を、行動モジュールM14,M15に組み合わせる。ここでは、対象者X1は、行動モジュールM12が、行動モジュールM13を介して、行動モジュールM14の左側に位置するように、4つの行動モジュールM12~M14を組み合わせる。つまり、行動モジュールM13の凸部101を、行動モジュールM14の凹部102に差し込んで嵌合させることにより、まずは3つの行動モジュールM13~M15が連結される。さらに、行動モジュールM12の凸部101を、行動モジュールM13の凹部102に差し込んで嵌合させることにより、4つの行動モジュールM13~M15が連結される。
このとき、行動モジュールM13の第1接続部13が、行動モジュールM14の第2接続部14に電気的に接続されることで、2つの行動モジュールM13,M14の各々で、2つの行動モジュールM13,M14の並び順を検知可能である。同様に、行動モジュールM12の第1接続部13が、行動モジュールM13の第2接続部14に電気的に接続されることで、2つの行動モジュールM12,M13の各々で、2つの行動モジュールM12,M13の並び順を検知可能である。したがって、少なくとも親機としての行動モジュールM14は、4つの行動モジュールM12~M14の並び順を検知可能である。
ここにおいて、図5Bの例では、4つの行動モジュールM12~M15は、左から行動モジュールM12、行動モジュールM13、行動モジュールM14、行動モジュールM15の順に並んでいる。そのため、親機としての行動モジュールM14は、生成部111にて、4つの行動モジュールM12~M15の並び順に従って、図5Bに示すようなスケジュールD1を生成することになる。ただし、「ブランク」の行動モジュールM13はいずれの行動にも対応付けられていないので、生成部111は、実質的に、3つの行動モジュールM12,M14,M15の並び順に従って、図5Bに示すようなスケジュールD1を生成する。つまり、図5Bで生成されるスケジュールD1は、3つの行動モジュールM12,M14,M15に対応する「食事」、「入浴」、「歯磨き」という3つの行動について、「食事」、「入浴」、「歯磨き」という順序を表すことになる。よって、図5Bの状態においては、「食事」、「入浴」、「歯磨き」という行動を、この順で実行するべく、対象者X1の行動の順序を規定するスケジュールD1が生成される。
次に、対象者X1は、図5Cに示すように、「片付け」に対応する行動モジュールM11を、行動モジュールM12~M15に組み合わせる。ここでは、対象者X1は、行動モジュールM11が、行動モジュールM12の左側に位置するように、5つの行動モジュールM11~M14を組み合わせる。つまり、行動モジュールM11の凸部101を、行動モジュールM12の凹部102に差し込んで嵌合させることにより、5つの行動モジュールM11~M15が連結される。このとき、行動モジュールM11の第1接続部13が、行動モジュールM12の第2接続部14に電気的に接続されることで、2つの行動モジュールM11,M12の各々で、2つの行動モジュールM11,M12の並び順を検知可能である。したがって、少なくとも親機としての行動モジュールM14は、5つの行動モジュールM11~M14の並び順を検知可能である。
ここにおいて、図5Cの例では、5つの行動モジュールM11~M15は、左から行動モジュールM11、行動モジュールM12、行動モジュールM13、行動モジュールM14、行動モジュールM15の順に並んでいる。そのため、親機としての行動モジュールM14は、生成部111にて、5つの行動モジュールM11~M15の並び順に従って、図5Cに示すようなスケジュールD1を生成することになる。ただし、「ブランク」の行動モジュールM13はいずれの行動にも対応付けられていないので、生成部111は、実質的に、4つの行動モジュールM11,M12,M14,M15の並び順に従って、図5Cに示すようなスケジュールD1を生成する。つまり、図5Cで生成されるスケジュールD1は、4つの行動モジュールM11,M12,M14,M15に対応する「片付け」、「食事」、「入浴」、「歯磨き」という行動について、「片付け」、「食事」、「入浴」、「歯磨き」という順序を表すことになる。よって、図5Cの状態においては、「片付け」、「食事」、「入浴」、「歯磨き」という行動を、この順で実行するべく、対象者X1の行動の順序を規定するスケジュールD1が生成される。
生成されたスケジュールD1は、随時、記憶部118に記憶される。すなわち、対象者X1が、図5Aの状態から図5Bの状態、更に図5Cの状態へと、複数の行動モジュールM1を並べる作業を進めることで、記憶部118内のスケジュールD1は随時更新される。
以上説明した通り、本実施形態では、複数の行動モジュールM1の各々は有体物である。そのため、複数の行動モジュールM1を物理的に組み合わせることで複数の行動モジュールM1の並び順が決定される。また、生成処理では、一列に並ぶように相互に連結された複数の行動モジュールM1の並び順に従って、スケジュールD1を生成する。
このように、行動管理方法における生成処理においては、対象者X1が複数の行動モジュールM1を並べるだけの簡単な作業で、複数の行動モジュールM1の並び順に従って、スケジュールD1が自動的に生成されることになる。よって、対象者X1が幼児の場合でも、対象者X1は、遊び感覚で楽しみながら、比較的簡単にスケジュールD1を設定(生成)することができる。
スケジュールD1の生成が完了すると、対象者X1は、複数の行動モジュールM1を組み合わされたままの状態で、例えば、施設F1の壁面に固定する。これにより、複数の行動モジュールM1は、相互に結合された状態で室内の壁面に取り付けられる(図1参照)。
また、行動管理システム1で生成されたスケジュールD1は、定期的に、不定期に、又は情報端末2からの要求に応じて、情報端末2に送信される。これにより、例えば、管理者X2(ここでは母親)が所有するスマートフォン又はタブレット端末等の情報端末21、及びモニタ端末等の情報端末22にて、スケジュールD1の確認(閲覧)が可能となる。さらに、行動管理システム1で生成されたスケジュールD1は、定期的に、不定期に、又はクラウド4からの要求に応じて、クラウド4にも送信される。これにより、クラウド4上にも、スケジュールD1が記憶されることになる。
ところで、本実施形態に係る行動管理方法で生成されるスケジュールD1は、時刻情報と、順序情報と、のうち順序情報のみを含んでいる。時刻情報は、行動の開始時刻及び終了時刻の少なくとも一方に関する情報である。順序情報は、行動の順序を表す情報である。すなわち、生成処理にて生成されるスケジュールD1は、複数の行動モジュールM1の並び順に従って、対象者X1の行動の順序のみを表すのであって、個々の行動の開始及び/又は終了のタイミング(時刻)については規定しない。
言い換えれば、スケジュールD1は、行動の開始及び/又は終了のタイミングのような「時間」の概念を含まない形式であって、そのため、対象者X1に対し、個々の行動についての時間の概念を見せずに、スケジュールD1を生成させることができる。要するに、対象者X1は、時間の概念を意識することなく、単に複数の行動の順序のみを意識して、スケジュールD1を生成することが可能である。さらに、行動を実行する際も同様に、対象者X1は、時間の概念を意識することなく、単に複数の行動の順序のみを意識して、スケジュールD1に従って行動を実行できる。このようなスケジュールD1によれば、対象者X1は実行すべき行動の順序のみが規定されるのであって、スケジュールD1の設定が比較的簡単であることに加えて、スケジュールD1によって対象者X1の行動を過度に制限するようなことが生じにくい。結果的に、対象者X1は、スケジュールD1に従った行動をとりやすくなる。
上述したようなスケジュールD1の生成は、1日ごとに行われる。一例として、対象者X1は、毎日、就寝前に翌日のスケジュールD1を設定する。あるいは、対象者X1は、毎日、起床後に当日のスケジュールD1を設定する。
(2.4.2)スケジュールの実行
次に、行動管理方法のうち、対象者X1がスケジュールD1を実行する際の処理について、図6A~図6Cを参照して説明する。図6A~図6Cにおいては、複数の行動モジュールM1に対する対象者X1の操作に応じて、行動ログD2が生成される様子を、模式的に表している。ここでは、「(2.4.1)スケジュールの生成」の欄で例示した図5Cの時点で生成されたスケジュールD1に従って、対象者X1である幼児が行動を実行する場合を想定する。
また、本実施形態に係る行動管理方法は、行動の開始と終了との少なくとも一方を表す操作を対象者X1から受け付ける受付処理を有している。ここでは、対象者X1は、スケジュールD1を実行する、つまりスケジュールD1にて順序が規定されている複数の行動のいずれかを実行するに際して、その行動に対応する行動モジュールM1の操作部12を操作する。特に、各行動の開始及び/又は終了の時点において、対象者X1は操作部12を操作することとする。さらに、図6A~図6Cの例では、行動ログD2において実行中の行動を薄い網掛領域(図6Bの「食事」等)で示し、終了(完了)した行動を濃い網掛領域(図6Bの「片付け」等)で示す。
すなわち、対象者X1は、スケジュールD1にて順序が規定されている行動のうち、例えば、「片付け」という行動を開始するに際しては、図6Aに示すように、「片付け」に対応する行動モジュールM11の操作部12を操作する。このとき、取得部112は、対象者X1によるスケジュールD1の実行状況に関する行動ログD2を取得する。すなわち、図6Aの例では、行動モジュールM11の操作部12が操作されたことから、行動モジュールM11に対応する行動である「片付け」の開始を、検知することができる。したがって、図6Aの状態では、「片付け」、「食事」、「入浴」、「歯磨き」という順序を表すスケジュールD1のうち、最初の行動である「片付け」を実行中であることを、スケジュールD1の実行状況として示す、行動ログD2が取得される。
その後、「片付け」という行動を終えると、対象者X1は、図6Bに示すように、「片付け」に対応する行動モジュールM11の操作部12を操作する。このとき、取得部112は、対象者X1によるスケジュールD1の実行状況に関する行動ログD2を取得する。すなわち、図6Bの例では、実行中である行動モジュールM11の操作部12が操作されたことから、行動モジュールM11に対応する行動である「片付け」の終了を、検知することができる。
また、本実施形態に係る行動管理方法では、行動の終了を表す操作を受け付けた場合、終了した行動の次の行動の開始を表す操作がされたこととみなす「自動送り」を採用している。すなわち、スケジュールD1において、「片付け」及び「食事」という2つの行動が、この順で規定されている場合に、「片付け」の終了を表す操作を受け付けた場合は、「自動送り」の機能により、次の行動である「食事」の開始の操作を受け付けたこととなる。これにより、対象者X1においては、2つの行動のうちの一方の行動を終えて、他方の行動に移る場合に、一方の行動の終了を表す操作をするだけでよく、他方の行動の開始を表す操作を省略することができる。
そのため、図6Bに示すように、行動モジュールM11の操作部12が操作されると、「自動送り」の機能により、次の行動である「食事」に対応する行動モジュールM12の操作部12が操作されたこととなる。よって、図6Bの例では、行動モジュールM11の操作部12が操作されたことをもって、行動モジュールM12に対応する行動である「食事」の開始についても、検知することができる。
したがって、図6Bの状態では、最初の行動である「片付け」が終了したこと、及び2つ目の行動である「食事」を実行中であることを、スケジュールD1の実行状況として示す、行動ログD2が取得される。
その後、「食事」という行動を終えると、対象者X1は、図6Cに示すように、「食事」に対応する行動モジュールM12の操作部12を操作する。このとき、取得部112は、対象者X1によるスケジュールD1の実行状況に関する行動ログD2を取得する。すなわち、図6Cの例では、実行中である行動モジュールM12の操作部12が操作されたことから、行動モジュールM12に対応する行動である「食事」の終了を、検知することができる。
ここで、通常であれば、行動の終了を表す操作を受け付けた場合、「自動送り」の機能により、終了した行動の次の行動の開始を表す操作についても受け付けたこととなる。ただし、「食事」に対応する行動モジュールM12には、「ブランク」の行動モジュールM13を挟んで、次の行動である「入浴」に対応する行動モジュールM14が連結されている。このように、「ブランク」の行動モジュールM13が挟まることで、「自動送り」の機能は無効化される。言い換えれば、前段及び後段の2つの行動モジュールM1が並んでいる場合、通常は、前段の行動モジュールM1に対応する行動の終了を表す操作を受け付けると、後段の行動モジュールM1に対応する行動の開始を表す操作を受け付けたことになる。一方、これら2つ行動モジュールM1間に、いずれの行動にも対応付けられていない「ブランク」の行動モジュールM1が挿入されていると、このような「自動送り」の機能が無効となる。「自動送り」の機能が無効になることで、前段の行動モジュールM1に対応する行動の終了を表す操作を受け付けても、後段の行動モジュールM1に対応する行動の開始を表す操作を受け付けたことにならない。そのため、図6Cの例では、行動モジュールM12の操作部12が操作されたことをもって、行動モジュールM14に対応する行動である「入浴」の開始が検知されることはない。
したがって、図6Cの状態では、最初の行動である「片付け」及び2つ目の行動である「食事」が終了したことを、スケジュールD1の実行状況として示す、行動ログD2が取得される。
取得された行動ログD2は、随時、記憶部118に記憶される。すなわち、図6Aの状態から図6Bの状態、更に図6Cの状態へと、スケジュールD1に従って行動が順次実行されることで、記憶部118内の行動ログD2は随時更新される。
また、行動管理システム1で取得された行動ログD2は、定期的に、不定期に、又は情報端末2からの要求に応じて、情報端末2に送信される。これにより、例えば、管理者X2(ここでは母親)が所有するスマートフォン又はタブレット端末等の情報端末21、及びモニタ端末等の情報端末22にて、行動ログD2の確認(閲覧)が可能となる。さらに、行動管理システム1で生成された行動ログD2は、定期的に、不定期に、又はクラウド4からの要求に応じて、クラウド4にも送信される。これにより、クラウド4上にも、行動ログD2が記憶されることになる。
この種の行動ログD2がクラウド4に蓄積されることで、行動ログD2を様々な用途に展開することが可能である。一例として、対象者X1である幼児の、「玩具遊び」との行動の開始時刻及び終了時刻から、「玩具遊び」についての対象者X1の集中度(熱中度)を推定することができ、この結果を、対象者X1が興味を示しやすい知育玩具等の開発に反映できる。また、「歯磨き」という行動の開始時刻及び終了時刻から、対象者X1における「歯磨き」の累積時間を算出し、機器31(歯ブラシ)及び歯磨き粉等の消耗品の消耗具合を推定し、消耗品の管理に反映できる。
ところで、本実施形態では、行動ログD2は、行動の開始と終了との少なくとも一方のタイミングに関するタイミング情報D21を含んでいる。具体的には、操作部12が操作されて、受付部113が操作部12から行動の開始を表す操作信号を受け付けると、取得部112は、その時点の時刻を取得し、この時刻を、行動の開始時刻を表すタイミング情報D21として、行動ログD2に含める。同様に、操作部12が操作されて、受付部113が操作部12から行動の終了を表す操作信号を受け付けると、取得部112は、その時点の時刻を取得し、この時刻を、行動の終了時刻を表すタイミング情報D21として、行動ログD2に含める。
そのため、図6Aの例では、行動ログD2は、「片付け」の開始時刻(一例として18:00)を表すタイミング情報D21を含んでいる。さらに、図6Bの例では、行動ログD2は、「片付け」の開始時刻に加えて、「片付け」の終了時刻(一例として18:10)、及び「食事」の開始時刻(一例として18:10)を表すタイミング情報D21を含んでいる。さらに、図6Cの例では、行動ログD2は、「片付け」の開始時刻及び終了時刻、並びに「食事」の開始時刻に加えて、「食事」の終了時刻(一例として18:45)を表すタイミング情報D21を含んでいる。
ところで、本実施形態に係る行動管理方法は、スケジュールD1に従って、対象者X1が実行中の行動に関する案内情報を対象者X1に提示する案内処理を有している。案内情報は、実行中の行動に関する情報であればよく、例えば、機器3、音出力部15又は光出力部16等より出力される。
具体的には、操作部12が操作されて、受付部113が操作部12から行動の開始を表す操作信号を受け付けると、案内部114は、制御部117にて、実行中の行動に関する案内情報の提示を開始する。そして、受付部113が操作部12から行動の終了を表す操作信号を受け付けると、案内部114は、実行中の行動に関する案内情報の提示を終了する。これにより、対象者X1が行動を実行中である間に、この行動に関する案内情報が、対象者X1に提示されることになる。
例えば、図6Aに示すように、行動モジュールM11の操作部12が操作されると、実行中である行動、つまり行動モジュールM11に対応する「片付け」という行動に関する案内情報が、対象者X1に提示されることになる。「片付け」という行動に関する案内情報の一例としては、「片付け」に対応する行動モジュールM11の音出力部15又は光出力部16から出力される情報がある。例えば、行動モジュールM11において、音出力部15より、「片付け」用の音(メロディ、ビープ音又は音声等)を出力し、かつ光出力部16が発光することにより、行動モジュールM11から案内情報が出力されることになる。
同様に、図6Bの状態では、行動モジュールM12の操作部12が操作されることで、実行中である行動、つまり行動モジュールM12に対応する「食事」という行動に関する案内情報が、対象者X1に提示されることになる。「食事」という行動に関する案内情報の一例としては、「食事」に対応する行動モジュールM12の音出力部15又は光出力部16から出力される情報がある。例えば、行動モジュールM12において、音出力部15より、「食事」用の音(メロディ、ビープ音又は音声等)を出力し、かつ光出力部16が発光することにより、行動モジュールM12から案内情報が提示されることになる。
また、案内情報は、行動モジュールM1自体で出力される構成に限らず、機器3から出力されてもよい。例えば、「歯磨き」という行動に関する案内情報として、対象者X1が使用する歯ブラシからなる機器31、又は洗面台からなる機器32より出力される案内情報を含んでいてもよい。具体例として、歯ブラシからなる機器31から「歯磨き」用の音(メロディ、ビープ音又は音声等)を出力したり、洗面台からなる機器32の鏡に歯磨きを応援かつサポートするための映像を表示したりすることで、案内情報が提示される。
ここにおいて、案内情報は、実行中の行動への対象者X1の興味を引き付ける効果がある情報であることが好ましい。このような案内情報の例としては、例えば、対象者X1が好きなキャラクタの音声、又は映像を含む情報がある。さらに、案内処理では、このような案内情報を、間欠的にではなく、行動の実行中においては継続的に提示することが好ましい。これにより、対象者X1が実行中の行動に取り組む意欲を維持しやすくなり、結果的に、対象者X1によるスケジュールD1の実行を促すことができる。
また、案内処理では、対象者X1による行動の実行状況に応じて案内情報の提示態様を変化させることが好ましい。本開示でいう「提示態様」は、案内情報の提示の仕方、更には案内情報の内容そのものも含む。例えば、行動の開始からの経過時間及び/又は対象者X1の集中度等に応じて、案内情報の提示態様を変化させることで、対象者X1による行動の実行効率の向上を図ることができる。一例として、図6Aの状態において、「片付け」の実行中に提示される案内情報については、行動(片付け)の開始から一定時間が経過すると、音出力部15より出力される音を変化させたり、光出力部16の発光パターン(点滅周期等)を変化させたりする。
また、行動の実行状況に応じて、例えば、行動の開始時と終了時とで、案内情報の提示態様を変化させてもよい。一例として、行動の開始時には、音出力部15より「今日もがんばって片付けよう。」といった、行動を応援かつサポートするような音声を出力することで、対象者X1に行動に対するモチベーションを与えることが好ましい。行動の終了時には、音出力部15より「えらいね。」といった、行動を称賛するような音声を出力することで、対象者X1に行動に対する報酬を与えることが好ましい。
あるいは、現在実行中の行動の実行状況ではなく、過去の(実行済みの)行動の実行状況に応じて、案内情報の提示態様を変化させてもよい。例えば、図6Bの状態において、「食事」の実行中に提示される案内情報については、その前の行動である「片付け」に係る所要時間及び/又は対象者X1の集中度等の実行状況によって、提示態様を変化させることができる。具体例として、「片付け」が10分未満で完了した場合には、「食事」の実行中に光出力部16を七色に発光させ、「片付け」に10分以上要した場合には、「食事」の実行中に提示する案内情報として光出力部16を白色に発光させる。
このように、対象者X1による行動の実行状況に応じて、案内情報の提示態様を変化させることで、対象者X1が行動に取り組む意欲を維持しやすくなり、結果的に、対象者X1によるスケジュールD1の実行を促すことができる。
さらに、行動の開始(又は終了)のタイミング(時間帯、曜日、月、季節等)によって、案内情報の提示態様を変化させてもよい。一例として、行動を開始した時間帯が「朝」である場合には、音出力部15から覚醒の効果がある音楽を案内情報として提示し、行動を開始した時間帯が「夜」である場合には、音出力部15から癒しの効果がある音楽を案内情報として提示する。他の例として、行動を開始した日が「クリスマス」である場合には、光出力部16からクリスマスのイルミネーションを模した光を案内情報として提示する。
(2.4.3)その他の機能
また、本実施形態に係る行動管理方法は、以下に説明するような付加機能を含んでいる。
1つ目の付加機能として、行動管理方法は、対象者X1の操作によらずに、行動の開始、終了及び実行状況等を、自動的に取得可能である。例えば、カメラ装置からなる機器33で撮影された映像から、対象者X1の行動を推定することで、対象者X1が操作部12を操作しなくても、行動の開始、終了及び実行状況等を検知可能となる。同様に、歯ブラシからなる機器31、又は洗面台からなる機器32のように、対象者X1が行動(ここでは「歯磨き」)を実行するのに用いる機器3の利用状況からでも、行動の開始、終了及び実行状況等を検知可能である。
2つ目の付加機能として、行動ログD2は、行動を実行中の対象者X1の状況に関する対象者情報を含む。本開示でいう「対象者情報」は、対象者X1の状況に関する情報であって、例えば、対象者X1の行動に対する集中度及び興味(関心)、対象者X1が行動を実行した場所、並びに、行動を実行中の対象者X1の表情及び機嫌等の情報を含む。ここで、対象者X1の行動に対する集中度及び興味(関心)、並びに行動を実行中の対象者X1の表情及び機嫌等については、例えば、カメラ装置からなる機器33で撮影された映像から推定可能である。一例として、行動を実行すべき場所(「歯磨き」)から離れた位置に対象者X1が居る場合には、対象者X1の行動に対する集中度は低い、又は興味(関心)が無いと推定される。このような対象者情報が行動ログD2に含まれることで、行動ログD2からは、単にスケジュールD1の実行状況だけでなく、行動を実行した対象者X1の様子を把握可能となる。
3つ目の付加機能として、行動管理方法は、行動ログD2に対して演算を行うことで行動ログD2に基づく演算情報を生成する演算処理を有している。すなわち、演算部115にて、行動ログD2に対して何かしらの演算を施すことで、行動ログD2自体とは異なる演算情報を生成することが可能である。一例として、演算処理では、行動ログD2より、各行動の開始(又は終了)時刻及び所要時間等について、監視期間(例えば1ヵ月)における平均値、又は特定日(前日)との比較値(差分値)等を算出することで、演算情報を生成する。このような演算情報からは、例えば、対象者X1によるスケジュールD1の実行状況の成長度合いを評価しやすくなる。
また、対象者X1が複数人である場合、演算情報は、少なくともこれら複数人の対象者X1の各々についての行動ログD2に基づいて生成される統計情報を含んでいる。つまり、演算処理では、複数人の対象者X1の行動ログD2を収集し、これら複数人分の行動ログD2から求まる統計情報を、演算情報として生成する。ここでいう「統計情報」は、複数人の対象者X1にそれぞれ対応する複数の行動ログD2について演算処理を施すことで生成される情報である。一例として、統計情報は、各行動の開始(又は終了)時刻及び所要時間等について、複数人の対象者X1の平均値、中央値、最頻値、最小値若しくは最大値等、又は分散若しくは標準偏差等である。統計情報の演算対象となる複数人の対象者X1としては、行動管理方法を利用している多数の対象者X1の中から、例えば、年齢、性別又は居住地域等について共通項を持つ複数人の対象者X1が選択されることが好ましい。このような統計情報からは、例えば、複数人の対象者X1についての統計的な状況を把握できるので、対象者X1によるスケジュールD1の実行状況の成長度合いを評価しやすくなる。
さらに、統計情報は、複数人の対象者X1に対する特定の対象者X1の相対的な評価を表す比較情報を含んでいる。つまり、演算処理では、複数人の対象者X1にそれぞれ対応する複数の行動ログD2から統計情報を求める際に、特定の対象者X1について、これら複数人の対象者X1との比較により求まる比較情報を、統計情報として生成する。ここでいう「比較情報」は、複数人の対象者X1の行動ログD2と、特定の対象者X1の行動ログD2との比較により表される情報である。一例として、比較情報は、各行動の開始(又は終了)時刻及び所要時間等について、複数人の対象者X1の中での特定の対象者X1のランキング(順位)、複数人の対象者X1の中での特定の対象者X1の偏差値、又は特定の対象者X1と平均値との差分等である。ここでいう「特定の対象者X1」は、統計情報の演算対象となる複数人の対象者X1に含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。このような比較情報からは、例えば、他の対象者X1と比較した場合の、特定の対象者X1によるスケジュールD1の実行状況の成長度合いを評価しやすくなる。
ここで、演算処理で求まる演算情報(統計情報及び比較情報を含む)は、定期的に、不定期に、又は情報端末2からの要求に応じて、情報端末2に送信される。これにより、例えば、管理者X2(ここでは母親)が所有するスマートフォン又はタブレット端末等の情報端末21、及びモニタ端末等の情報端末22にて、演算情報の確認(閲覧)が可能となる。さらに、行動管理システム1で生成された演算情報は、定期的に、不定期に、又はクラウド4からの要求に応じて、クラウド4にも送信される。これにより、クラウド4上にも、演算情報が記憶されることになる。
また、2つ目の付加機能として説明したような対象者情報が行動ログD2に含まれる場合には、演算情報(統計情報及び比較情報を含む)は、対象者情報と対応付けられた状態で、クラウド4等に記憶されることが好ましい。一例として、対象者X1の行動に対する集中度ごとに統計情報(比較情報を含む)を生成し、統計情報を、集中度に関する対象者情報と対応付けた状態で保存する。これにより、統計情報等を、対象者X1の状況(集中度等)別に用意することができ、対象者X1の状況と行動ログD2との相関の解析、又は対象者X1の状況別のランキング等を求めること等が可能となる。
4つ目の付加機能として、行動管理方法は、行動に関する目標を行動モジュールM1に対応付けて設定するための設定処理を更に有している。すなわち、設定部116にて、行動モジュールM1に対応付けて何かしらの目標(目標値)を設定することで、スケジュールD1にて規定される各行動について目標を設定することが可能である。一例として、設定処理では、各行動の開始(又は終了)時刻についての目標となる時刻、又は各行動の所要時間等についての目標となる時間を、行動に関する目標として設定する。目標が設定されることで、対象者X1に行動に対するモチベーションを与えること等が可能である。目標の達成度、つまり目標を達成しているか否かによって、例えば、案内情報の提示態様を変化させることが好ましい。
5つ目の付加機能として、情報端末2にて、行動管理システム1に関する種々の設定及び操作を可能とする。一例として、上述した設定処理での目標の設定、及び/又は案内情報の提示態様(案内情報の内容を含む)の設定を、管理者X2(ここでは母親)が所有するスマートフォン又はタブレット端末からなる情報端末21にて行うことが可能である。さらには、行動モジュールM1の操作部12の操作に代えて、情報端末21にて行動モジュールM1を遠隔操作することも可能である。さらに、行動ログD2について、例えば、対象者情報等の情報が、情報端末2から入力可能であってもよい。この場合、例えば、情報端末21を用いて、管理者X2(ここでは母親)が、対象者X1の表情及び機嫌等の情報を、対象者情報として手動で入力し、行動ログD2に含めることができる。
本実施形態に係る行動管理方法は、行動ログD2及び演算情報のうちの少なくとも一部の情報を、出力情報として特定端末に出力する出力処理を更に有している。ここでいう「特定端末」は、情報端末2又はクラウド4であってもよいし、その他の端末であってもよい。具体的には、例えば、第三者、つまり対象者X1でも管理者X2でもない者の所有又は運用に係る端末(サーバ、クラウドコンピューティングを含む)を特定端末とし、行動管理システム1が、出力情報を特定端末に出力(送信)する。この場合、行動管理システム1は、定期的に、不定期に、又は特定端末からの要求に応じて、出力情報を特定端末に送信する。これにより、行動管理方法で得られた情報(行動ログD2又は演算情報)を、例えば、第三者が関与する製品の開発、又はサービスの展開等に反映することが可能である。ただし、出力情報を特定端末に出力する場合には、出力情報について暗号化を施したり、匿名加工情報としたりすることで、当事者(対象者X1及び管理者X2)のプライバシーに配慮することが好ましい。ここでいう「匿名加工情報」は、個人情報から特定の個人を識別することができないように加工し、その個人情報を復元できないようにした情報である。
6つ目の付加機能として、行動管理方法は、複数人の対象者X1について取得処理で取得された複数の行動ログD2に基づく情報を一覧表示する一覧表処理を更に有している。この6つ目の付加機能においては、対象者X1は複数人であることを前提とする。本開示でいう「行動ログD2に基づく情報」は、行動ログD2そのもの、及び行動ログD2を基にして生成される情報、例えば、演算情報(統計情報及び比較情報を含む)等を含む。本開示でいう「一覧表示」とは、1つの表示手段にて複数の情報を一覧可能な表示態様、つまり複数の情報の全体の内容がわかるように簡明に記した表示態様の全般を含む。例えば、「一覧表示」の具体的な態様としては、1画面内に複数の情報が並べて表示される態様だけでなく、画面をスクロールすることで複数の情報が表示され得る態様、及び複数の情報にアクセスするためのリンクを1画面内に表示する態様等を含む。
例えば、施設F1に住んでいる幼児が兄弟等で、対象者X1が長男、次男及び三男の3人である場合を想定する。この場合、行動管理方法の一覧表示処理では、長男の行動ログD2、次男の行動ログD2及び三男の行動ログD2を一覧表示する。一覧表示処理では、このように複数人分の行動ログD2に基づく情報を、1つの表示手段、例えば、情報端末2にて、一覧可能な態様で表示することができる。これにより、複数人の対象者X1の各々についてスケジュールD1、及びその実行状況を、管理者X2等において、同時に確認することが可能となる。したがって、例えば、家族又は同居人等で、複数人の対象者X1が存在する場合に、スケジュールD1、及びその実行状況について、複数人の対象者X1間の相互の関係を把握しやすくなる。ここで、一覧表示処理の対象となる複数人の対象者X1は、同一の施設F1に住む家族であることは必須ではなく、例えば、別々の施設F1に住む親族(従兄弟等)、又は友人のような関係であってもよい。
ただし、上述したような各種の付加機能は、行動管理方法に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
(2.4.4)フローチャート
図7は、上述した行動管理方法のフローチャートである。
すなわち、本実施形態に係る行動管理方法においては、まず、対象者X1が複数の行動モジュールM1を並べる(S1)。複数の行動モジュールM1を並べ終わると、生成処理にて、複数の行動モジュールM1の並び順に従って、スケジュールD1を生成する(S2)。生成されたスケジュールD1は、記憶部118に記憶される。
その後、行動モジュールM1の操作部12の操作により、行動の開始の有無を判断する(S3)。行動の開始を表す操作を対象者X1から受け付けなければ(S3:No)、処理S3を繰り返す。一方、受付処理により、行動の開始を表す操作を対象者X1から受け付けると(S3:Yes)、開始した行動に関する案内情報を対象者X1に提示する案内処理を実行する(S4)。
その後、行動モジュールM1の操作部12の操作により、行動の終了の有無を判断する(S5)。行動の終了を表す操作を対象者X1から受け付けなければ(S5:No)、処理S4を繰り返す。一方、受付処理により、行動の終了を表す操作を対象者X1から受け付けると(S5:Yes)、スケジュールD1に規定されている全ての行動が終了したか否かを判断する(S6)。全ての行動が終了していなければ(S6:No)、処理S3に戻る。全ての行動が終了していると(S6:Yes)、取得処理にて、行動ログD2を取得する(S7)。取得された行動ログD2は、記憶部118に記憶される。
図7のフローチャートは、行動管理方法の一例に過ぎず、処理を適宜省略又は追加してもよいし、処理の順番が適宜変更されていてもよい。
(3)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、実施形態1に係る行動管理方法と同様の機能は、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係るプログラムは、上記の行動管理方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における行動管理システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における行動管理システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、行動管理システム1の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていることは行動管理システム1に必須の構成ではなく、行動管理システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。例えば、生成部111は、取得部112とは別の筐体に設けられていてもよい。また、生成部111及び取得部112等の機能は、例えば、サーバ等の、行動モジュールM1とは別の装置に設けられていてもよい。さらに、行動管理システム1の少なくとも一部の機能、例えば、生成部111及び取得部112等の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
反対に、実施形態1において、複数の装置に分散されている少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
また、対象者X1が幼児であることは行動管理方法において必須の構成ではなく、対象者X1は、幼児以外の人であってもよい。例えば、乳児及び幼児等を含む児童の他、認知機能に障害のある者、及び認知機能がやや低下した軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)の高齢者等の様々な人が、行動管理方法にて行動が管理される対象者X1となる。
また、対象者X1は1人に限らず、対象者X1が複数人であってもよく、一例として、施設F1に住んでいる幼児が兄弟等で複数人存在する場合に、これら複数人の幼児を対象者X1としてもよい。この場合、行動管理方法の生成処理では、対象者X1ごとのスケジュールD1を生成するか、又は複数人の対象者X1に共通のスケジュールD1を生成することが好ましい。つまり、前者の場合、複数人の対象者X1の各々について個別にスケジュールD1を生成することで、複数のスケジュールD1にて複数人の対象者X1の行動の順序を個別に規定することができる。後者の場合、複数人の対象者X1に共通する1つのスケジュールD1を生成することで、1つのスケジュールD1にて複数人の対象者X1の行動の順序を一括して規定することができる。同様に、取得処理では、対象者X1ごとに行動ログD2を取得するか、又は複数人の対象者X1につき1つの行動ログD2を取得することが好ましい。つまり、前者の場合、複数人の対象者X1の各々についてスケジュールD1の実行状況を個別に把握することができる。後者の場合、複数人の対象者X1の全体での1つのスケジュールD1の実行状況を把握することができる。
また、行動管理方法は、住宅F1での使用に限らず、例えば、保育園、幼稚園、学校、福祉施設、病院、リハビリテーションセンタ、オフィス又は店舗等の非住宅施設にて、行動管理方法が用いられてもよい。一例として、保育園にて行動管理方法が用いられる場合、保育園に通う1人又は複数人の園児(幼児)が対象者X1となる。複数人の園児が対象者X1となる場合、行動管理方法の生成処理では、対象者X1ごとのスケジュールD1を生成するか、又は複数人の対象者X1に共通のスケジュールD1を生成することが好ましい。同様に、取得処理では、対象者X1ごとに行動ログを取得するか、又は複数人の対象者X1につき1つの行動ログを取得することが好ましい。
また、複数の行動モジュールM1が相互に組み合われた状態においては、これら複数の行動モジュールM1のうちのいずれか1つの行動モジュールM1のみが親機として機能することは必須の構成ではない。例えば、2つ以上の行動モジュールM1が親機として機能してもよいし、そもそも親機/子機の区別を設けなくてもよい。すなわち、生成部111及び取得部112の機能が、行動モジュールM1とは別の装置(サーバ等)に設けられている場合等においては、そもそも行動モジュールM1について親機/子機を区別しなくてもよい。
また、実施形態1では、複数の行動モジュールM1は共通の形状であるが、この例に限らず、複数の行動モジュールM1は互いに異なる形状を採用していてもよい。また、複数の行動モジュールM1は、左右方向(水平方向)に並ぶ構成に限らず、例えば、上下方向(鉛直方向)に並ぶ構成であってもよい。複数の行動モジュールM1が上下方向に並ぶ場合、複数の行動モジュールM1は、積み木のように積み重ねることで並べられ、タワー型の構造体を構成することになる。さらに、複数の行動モジュールM1は、三次元的に組み合わされることで立体的な構造体を構成する構成であってもよい。
また、複数の行動モジュールM1が相互に結合可能であることは、必須の構成ではなく、例えば、複数の行動モジュールM1は、単に並べられるだけ、又は積み重ねられるだけであってもよい。さらに、複数の行動モジュールM1が並んだ状態で、隣接する2つの行動モジュールM1同士は離間していてもよい。この場合でも、例えば、複数の行動モジュールM1同士が、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)又は光通信等の適宜の手段で通信を行うことにより、複数の行動モジュールM1の並び順を検知することは可能である。あるいは、複数の行動モジュールM1の全体を撮影するカメラの出力等から、複数の行動モジュールM1の並び順を検知することも可能である。
また、実施形態1では、複数の行動モジュールM1がそれぞれ異なる色に着色されているが、この構成に限らず、複数の行動モジュールM1は同色であってもよいし、対応する行動のジャンルごとに異なる色に着色されていてもよい。
また、実施形態1では、パズルブロックの個々のピースのようなブロック玩具からなる行動モジュールM1を例示したが、この構成に限らない。一例として、ぬいぐるみに回路ブロック11等を内蔵した、ぬいぐるみ型の行動モジュールM1を採用してもよい。ここにおいて、対象者X1に合わせて、対象者X1が興味を持ちやすい態様の行動モジュールM1を採用することが好ましいため、対象者X1が幼児である場合、幼児が興味を持ちやすい玩具を模した行動モジュールM1であることが好ましい。具体的には、対象者X1が「男児」であれば、乗り物を模した態様の行動モジュールM1を採用し、対象者X1が「女児」であれば、動物のぬいぐるみを模した態様の行動モジュールM1を採用することが考えられる。
また、操作部12は、モーメンタリ型の押釦スイッチに限らず、例えば、タッチスイッチ、音声スイッチ又はジェスチャスイッチ(ジェスチャセンサ)等であってもよい。
また、各行動モジュールM1がマグネット又は吸盤等の適宜の手段で、施設F1の壁面に固定可能であることは、必須の構成ではない。例えば、各行動モジュールM1は、壁面ではなく、床面又はテーブル上に置いた状態で使用されてもよい。
また、スケジュールD1を生成するために複数の行動モジュールM1を並べることは、設定することは必須の構成ではない。例えば、対象者X1が管理者X2等と一緒にスケジュールD1を設定してもよいし、対象者X1以外の者(管理者X2等)がスケジュールD1を設定してもよい。
(実施形態2)
本実施形態に係る行動管理方法は、図8に示すように、行動モジュールM1が無体物である点で、実施形態1に係る行動管理方法とは相違する。実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態に係る行動管理方法は、コンピュータシステムのグラフィカルユーザインタフェース(GUI:Graphical User Interface)上で用いられる。つまり、行動管理方法は、コンピュータシステムを主構成とする情報端末2にて、設定画面Im1を表示する方法を含む。さらに、情報端末2は、グラフィカルユーザインタフェース上において、1以上のプロセッサが、設定画面Im1上での人の操作を受け付ける。ここでは一例として、タブレット端末からなる情報端末2にて設定画面Im1を表示する場合を想定する。この情報端末2は、タッチパネルディスプレイを有し、表示部に表示される各画面上でのボタン等のオブジェクトの操作(タップ、スワイプ又はドラッグ等)を検出することをもって、ボタン等のオブジェクトが操作されたことと判断する。本開示でいう「画面」は、情報端末2の表示部に映し出される像(テキスト、グラフ及びアイコン等を含む)である。
本実施形態では、無体物である複数の行動モジュールM1を設定画面Im1内で仮想的に並べることにより、これら複数の行動モジュールM1の並び順に従ってスケジュールD1が生成される。すなわち、実施形態1では、有体物である複数の行動モジュールM1を実際に並べることでスケジュールD1が生成されるのに対して、本実施形態では、情報端末2の操作のみでスケジュールD1が生成される。
以下に、本実施形態に係る行動管理方法において、スケジュールD1を生成するための生成処理について、図8を参照して説明する。図8は、情報端末2に表示される設定画面Im1の具体例を示しており、領域を示す一点鎖線及び参照符号は説明のために表記しているに過ぎず、実際には、これらの一点鎖線及び参照符号は情報端末2に表示されない。
設定画面Im1は、選択領域R1と、組立領域R2と、を含んでいる。まず、対象者X1は、設定画面Im1の下部の選択領域R1内で、行動モジュールM1を選択する。選択領域R1内には、1つの行動モジュールM1とカーソルとが表示されており、カーソルの操作にて、行動モジュールM1を切り替えることができる。図8の例では、選択領域R1にて、「片付け」に対応する行動モジュールM11が選択されている。
対象者X1は、選択領域R1で選択した行動モジュールM11を、組立領域R2にドラッグする。図8では、ドラッグ後の対象者X1の指、及び行動モジュールM11を想像線(2点鎖線)で示している。ここでは一例として、対象者X1は、組立領域R2に表示されている複数の行動モジュールM12~M15の左側に、行動モジュールM11をドラッグする。これにより、組立領域R2では、5つの行動モジュールM11~M15は、左から行動モジュールM11、行動モジュールM12、行動モジュールM13、行動モジュールM14、行動モジュールM15の順に並ぶことになる。そのため、生成処理では、5つの行動モジュールM11~M15の並び順に従って、スケジュールD1を生成することになる。
実施形態2で説明した種々の構成は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る行動管理方法は、生成処理と、取得処理と、を有する。生成処理は、複数の行動モジュール(M1)の並び順に従って、スケジュール(D1)を生成する処理である。複数の行動モジュール(M1)は、それぞれ対象者(X1)の行動に対応する。スケジュール(D1)は、対象者(X1)の行動の順序を表す。取得処理は、対象者(X1)によるスケジュール(D1)の実行状況に関する行動ログ(D2)を取得する処理である。
この態様によれば、生成処理にて生成されるスケジュール(D1)は、それぞれ対象者(X1)の行動に対応する複数の行動モジュール(M1)の並び順に従って、生成される。そのため、例えば、対象者(X1)が自らスケジュール(D1)を設定するにしても、対象者(X1)は、複数の行動モジュール(M1)を並べるだけで、比較的簡単にスケジュール(D1)を生成することができる。しかも、対象者(X1)によるスケジュール(D1)の実行状況が、行動ログ(D2)という形で取得可能である。したがって、行動管理方法によれば、行動ログ(D2)に基づくことで、スケジュール(D1)に対して実際に対象者(X1)が行った行動を評価しやすい、という利点がある。
第2の態様に係る行動管理方法は、第1の態様において、受付処理を更に有する。受付処理は、行動の開始と終了との少なくとも一方を表す操作を対象者(X1)から受け付ける処理である。
この態様によれば、行動の開始と終了との少なくとも一方を表す操作を対象者(X1)が行うことで、対象者(X1)がスケジュール(D1)を意識しやすくなり、スケジュール(D1)に従った習慣の形成等につながる。
第3の態様に係る行動管理方法では、第1又は2の態様において、行動ログ(D2)は、行動の開始と終了との少なくとも一方のタイミングに関するタイミング情報(D21)を含む。
この態様によれば、タイミング情報(D21)にて、行動の開始と終了との少なくとも一方を表すタイミングを把握でき、対象者(X1)の行動についての詳細な評価が可能となる。
第4の態様に係る行動管理方法では、第1~3のいずれかの態様において、スケジュール(D1)は、行動の開始時刻及び終了時刻の少なくとも一方に関する時刻情報と、行動の順序を表す順序情報と、のうち順序情報のみを含む。
この態様によれば、対象者(X1)は実行すべき行動の順序のみが規定されるのであって、スケジュール(D1)の設定が比較的簡単であることに加えて、スケジュール(D1)によって対象者(X1)の行動を過度に制限するようなことが生じにくい。
第5の態様に係る行動管理方法では、第1~4のいずれかの態様において、複数の行動モジュール(M1)の各々は有体物である。複数の行動モジュール(M1)を物理的に組み合わせることで複数の行動モジュール(M1)の並び順が決定される。
この態様によれば、対象者(X1)にとって、複数の行動モジュール(M1)の取り扱いが比較的容易になる。
第6の態様に係る行動管理方法は、第1~5のいずれかの態様において、案内処理を更に有する。案内処理は、スケジュール(D1)に従って、行動に関する案内情報を対象者(X1)に提示する処理である。
この態様によれば、案内情報にて、スケジュール(D1)で規定されている行動に、対象者(X1)の注意を引き付けやすくなり、スケジュール(D1)に従った習慣の形成等につながる。
第7の態様に係る行動管理方法は、第6の態様において、案内処理では、対象者(X1)による行動の実行状況に応じて案内情報の提示態様を変化させる。
この態様によれば、案内情報にて、スケジュール(D1)で規定されている行動に、対象者(X1)の注意をより引き付けやすくなる。
第8の態様に係る行動管理方法は、第1~7のいずれかの態様において、生成処理では、一列に並ぶように相互に連結された複数の行動モジュール(M1)の並び順に従って、スケジュール(D1)を生成する。
この態様によれば、複数の行動モジュール(M1)が相互に連結されるので、複数の行動モジュール(M1)を1つの構造体として取り扱うことができ、複数の行動モジュール(M1)の取り扱いが比較的容易になる。
第9の態様に係る行動管理方法では、第1~8のいずれかの態様において、行動ログ(D2)は、行動を実行中の対象者(X1)の状況に関する対象者情報を含む。
この態様によれば、行動ログ(D2)からは、単にスケジュール(D1)の実行状況だけでなく、行動を実行した対象者(X1)の状況を把握可能となる。
第10の態様に係る行動管理方法は、第1~9のいずれかの態様において、演算処理を更に有する。演算処理は、行動ログ(D2)に対して演算を行うことで行動ログ(D2)に基づく演算情報を生成する処理である。
この態様によれば、演算情報を用いることで、例えば、対象者(X1)によるスケジュール(D1)の実行状況の成長度合いを評価しやすくなる。
第11の態様に係る行動管理方法では、第10の態様において、対象者(X1)は複数人である。演算情報は、少なくとも複数人の対象者(X1)の各々についての行動ログ(D2)に基づいて生成される統計情報を含む。
この態様によれば、統計情報からは、例えば、複数人の対象者(X1)についての統計的な状況を把握できるので、対象者(X1)によるスケジュール(D1)の実行状況の成長度合いを評価しやすくなる。
第12の態様に係る行動管理方法では、第11の態様において、統計情報は、複数人の対象者(X1)に対する特定の対象者(X1)の相対的な評価を表す比較情報を含む。
この態様によれば、比較情報からは、例えば、他の対象者(X1)と比較した場合の、特定の対象者(X1)によるスケジュール(D1)の実行状況の成長度合いを評価しやすくなる。
第13の態様に係る行動管理方法では、第10~12のいずれかの態様において、行動ログ(D2)及び演算情報のうちの少なくとも一部の情報を、出力情報として特定端末に出力する出力処理を更に有する。
この態様によれば、行動ログ(D2)及び演算情報のうちの少なくとも一部の情報を、特定端末側で利用することが可能になる。
第14の態様に係る行動管理方法は、第1~13のいずれかの態様において、設定処理を更に有する。設定処理は、行動に関する目標を行動モジュール(M1)に対応付けて設定するための処理である。
この態様によれば、目標が設定されることで、対象者(X1)に行動に対するモチベーションを与えること等が可能である。
第15の態様に係る行動管理方法は、第1~14のいずれかの態様において、対象者(X1)は複数人であって、一覧表示処理を更に有する。一覧表示処理は、複数人の対象者(X1)について取得処理で取得された複数の行動ログ(D2)に基づく情報を一覧表示する処理である。
この態様によれば、スケジュール(D1)、及びその実行状況について、複数人の対象者(X1)間の相互の関係を把握しやすくなる。
第16の態様に係るプログラムは、第1~15のいずれかの態様に係る行動管理方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
この態様によれば、行動ログ(D2)に基づくことで、スケジュール(D1)に対して実際に対象者(X1)が行った行動を評価しやすい、という利点がある。
第17の態様に係る行動管理システム(1)は、生成部(111)と、取得部(112)と、を備える。生成部(111)は、対象者(X1)の行動の順序を表すスケジュール(D1)を生成する。取得部(112)は、対象者(X1)によるスケジュール(D1)の実行状況に関する行動ログ(D2)を取得する。生成部(111)は、それぞれ行動に対応する複数の行動モジュール(M1)の並び順に従ってスケジュール(D1)を生成する。
この態様によれば、行動ログ(D2)に基づくことで、スケジュール(D1)に対して実際に対象者(X1)が行った行動を評価しやすい、という利点がある。
上記態様に限らず、実施形態1及び実施形態2に係る行動管理方法の種々の構成(変形例を含む)は、プログラム又は行動管理システム(1)にて具現化可能である。
第2~15の態様に係る構成については、行動管理方法に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。