JP7219977B2 - 水素ガス生成方法、水素ガス生成システム、並びに、水素ガス及びメタン生成システム - Google Patents

水素ガス生成方法、水素ガス生成システム、並びに、水素ガス及びメタン生成システム Download PDF

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Description

本発明は、水素ガス生成方法、水素ガス生成システム、並びに、水素ガス及びメタン生成システムに関する。
水素ガスの生成方法として、有機物を分解して水素ガスと二酸化炭素を生成する水素発生型発酵細菌と、水素ガス及び二酸化炭素からメタンを生成する水素資化性メタン生成菌とを含む反応液を利用した方法が提案されている。この方法では、水素資化性メタン生成菌による水素ガスの資化を抑制するため、例えば、2-ブロモメタンスルホン酸塩(BES)等の水素資化性メタン生成菌の増殖を特異的に阻害する試薬が用いられている(非特許文献1~2)。
Baito,K., Imai, S., Matsushita, M., Otani, M., Sato, Y., and Kimura, H., "Biogasproduction using anaerobic groundwater containing a subterranean microbialcommunity associated with the accretionary prism", MicrobialBiotechnology, 8, 837-845 (2015) ZinderH.S., Anguish, T., and Cardwell, C.S., "Selective Inhibition by2-Bromoethanesulfonate of Methanogenesis from Acetate in a ThermophilicAnaerobic Digestor", Applied and Environmental Microbiology, 47, 1343-1345(1983)
水素資化性メタン生成菌阻害剤としてBESを用いる場合、水素ガスを生成するために、例えば、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む反応液1m3あたり、約60万円ものBESの費用がかかることから、当該反応液を用いた水素ガス生成の実用化には、経済的なハードルがある。このような事情から、水素資化性メタン生成菌阻害剤を使用しなくても、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む反応液から水素ガスを生成する方法が求められている。
そこで、本発明の目的は、水素資化性メタン生成菌阻害剤を使用しなくても、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む反応液から水素ガスを効率よく生成する方法を提供することにある。
本発明者らは、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む反応液を、水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度T+5℃以上の温度で培養することにより、水素資化性メタン生成菌阻害剤を使用しなくても、効率よく水素ガスを生成することができることを見出した。本発明は、この知見に基づくものである。
本発明の一側面は、有機物、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む反応液を準備する準備ステップと、水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度T+5℃以上の温度で、水素発生型発酵細菌により反応液を発酵させて水素ガスを生成する生成ステップと、を備える、水素ガス生成方法である。
生成ステップにおいて、水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度T+20℃以下の温度で水素発生型発酵生菌により反応液を発酵させてよい。水素ガス生成方法において、水素資化性メタン生成菌の阻害剤を使用しなくてよい。
準備ステップにおいて、堆積層中の帯水層に由来し、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む地下水に、有機物を添加することにより、反応液を準備してよい。
本発明の他の一側面は、有機物、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む反応液を収容する水素ガス生成槽と、水素ガス生成槽の温度を制御する制御部と、を備え、制御部は、水素ガス生成槽の温度を、水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度T+5℃以上の温度に制御することで、水素発生型発酵細菌を特異的に増殖させて水素ガスを生成する、水素ガス生成システムである。
水素ガス生成システムは、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む堆積層の地下水を汲み上げ、地下水中の少なくとも水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を水素ガス生成槽に供給する地下水供給部と、有機物を水素ガス生成槽に供給する有機物供給部と、を更に備えていてよい。
本発明の他の一側面は、有機物、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む第1の反応液を収容する水素ガス生成槽と、水素ガス生成槽の温度を制御する第1の制御部と、有機物、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む第2の反応液を収容するメタン生成槽と、メタン生成槽の温度を制御する第2の制御部と、を備え、第1の制御部は、水素ガス生成槽の温度を、水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度T+5℃以上の温度に制御することで、水素発生型発酵細菌により反応液を発酵させて水素ガスを生成させ、第2の制御部は、メタン生成槽の温度を、水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度T+5℃未満に制御することで、反応液から、水素発生型発酵細菌と水素資化性メタン生成菌によりメタンを生成させる、水素ガス及びメタン生成システムである。
水素ガス及びメタン生成システムは、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む堆積層の地下水を汲み上げ、地下水中の少なくとも水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を水素ガス生成槽及びメタン生成槽のそれぞれに供給する地下水供給部と、有機物を水素ガス生成槽に供給する第1の有機物供給部と、有機物をメタン生成槽に供給する第2の有機物供給部と、を更に備えていてよい。
本発明によれば、水素資化性メタン生成菌阻害剤を使用しなくても、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む反応液から水素ガスを効率よく生成する方法を提供することができる。
一実施形態に係る水素ガス及びメタン生成システムの模式図である。 一実施形態に係る水/ガス/電気/熱の自家的供給システムの模式図である。 堆積層の地下水を用いた水素ガス、メタン及び二酸化炭素ガス生成を示すグラフである。 堆積層の地下水を用いた水素ガス、メタン及び二酸化炭素ガス生成を示すグラフである。 堆積層の地下水を用いて生成されたガスの中の水素ガス、メタン及び二酸化炭素の割合を示すグラフである。 堆積層の地下水を用いた水素ガス、メタン及び二酸化炭素ガス生成を示すグラフである。 堆積層の地下水を用いた水素ガス、メタン及び二酸化炭素ガス生成を示すグラフである。 堆積層の地下水を用いて生成されたガスの中の水素ガス、メタン及び二酸化炭素の割合を示すグラフである。 堆積層の地下水を用いた水素ガス、メタン及び二酸化炭素ガス生成を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
〔水素ガス生成方法〕
本実施形態に係る水素ガス生成方法は、有機物、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む反応液を準備する準備ステップと、水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度T+5℃以上の温度で、水素発生型発酵細菌を増殖させ、反応液中の有機物から水素ガスを生成する生成ステップと、を備える。
(準備ステップ)
準備ステップでは、有機物、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む反応液を準備する。
有機物としては、水素発生型発酵細菌により利用されるものであれば特に制限されない。具体的には、例えば、グルコース、ペプトン及び酵母エキス、並びにこれらの混合物が挙げられる。
有機物として、食品残渣、汚泥、家畜の糞尿などの余剰有機物を用いることができる。また、米、芋類及び麦類等の穀類を粉末化した穀類粉も好適に用いることができる。特に、輸入事故米及び汚染米等の食品として利用できない米を使用すれば、バイオマスの有効利用につながる。さらに、食料需給と競合しないセルロース系バイオマスも好適に利用できる。
水素発生型発酵細菌は、有機物を嫌気的に分解し水素ガス(H)と二酸化炭素(CO)を生成する微生物である。水素資化性メタン生成菌は、水素ガス(H)と二酸化炭素(CO)からメタンを生成する微生物である。
水素資化性メタン生成菌は、温度T(℃)に活性ピークを有している。水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度Tは、5℃間隔で反応液中の微生物を培養したときに、メタンの生成量が最も多くなる温度として定義される。水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度Tは、好ましくは、10℃以上、30℃以上、又は60℃以上であり、40℃以下、60℃以下、又は90℃以下である。水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度Tは、例えば、10℃以上90℃以下、10℃以上60℃以下、10℃以上40℃以下、30℃以上90℃以下、30℃以上60℃以下、30℃以上40℃以下、又は60℃以上90℃以下であってよい。
水素発生型発酵細菌の活性ピーク温度は、水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度Tに対して、T+5℃以上、T+10℃以上、又はT+15℃以上であってよく、T+30℃以下、T+25℃以下、T+20℃以下、T+15℃以下、又はT+10℃以下であってよい。水素発生型発酵細菌の活性ピーク温度は、水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度Tに対して、例えば、T+5℃以上T+30℃以下、T+5℃以上T+25℃以下、T+5℃以上T+20℃以下、T+5℃以上T+15℃以下、T+5℃以上T+10℃以下、T+10℃以上T+30℃以下、T+10℃以上T+25℃以下、T+10℃以上T+20℃以下、T+15℃以上T+30℃以下、T+15℃以上T+25℃以下、又はT+15℃以上T+20℃以下であってよい。水素発生型発酵細菌の活性ピーク温度は、5℃間隔で反応液中の微生物を培養したときに、水素ガスの生成量が最も多くなる温度として定義される。
反応液の溶存酸素濃度は、0.01%(w/v)未満であることが好ましく、0%(w/v)、すなわち検出限界以下であることがより好ましい。
反応液に含まれる微生物の細胞数(細胞密度)は、103~109cells/mLであることが好ましく、10~109cells/mLであることがより好ましい。微生物の細胞数とは、準備ステップにおいて準備する反応液に含まれる水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌の合計細胞数である。
準備ステップでは、堆積層の帯水層に由来し、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む地下水に、有機物を添加することにより、反応液を準備してよい。本明細書における地下水には、堆積層の地下水から溶存しているガス(例えば、メタン)が除去された液も含まれる。
堆積層の地下水は、溶存酸素濃度が低いことから、嫌気的な発酵による水素ガス生成に好適である。堆積層の地下水は、季節変動及び天候による影響がないため、安定供給が可能である。堆積層の地下水は、堆積層の地下100m以深の帯水層に由来する溶存酸素濃度が検出限界以下の嫌気的な地下水であればよく、堆積層の地下1,000m以深の帯水層に由来する嫌気的な地下水であることが好ましい。堆積層の地下水には硫化水素等の腐食性ガスがほとんど含まれていないため、装置の腐食等もより抑制される。なお、「地下100m」等とは、鉛直方向に向かう地表面からの距離を意味する。堆積層の地下水は、付加体の地下水であってもよい。「付加体」とは、海洋プレートが海溝で陸側プレートの下に沈み込む際に、海洋プレートの上の堆積物がはぎ取られ、陸側プレートに付加して形成される堆積層である。「付加体」は上記条件を満たす堆積層であればよく、西南日本の太平洋側に分布する付加体に限定されるものではない。また、堆積層は付加体に限定されるものではない。
水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌は、堆積層の地下水に由来する微生物であってよい。水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌としては、これに限定されるものではないが、例えば、Clostridium thermocellum、Desulfotomaculumsalinum、Desulfotomaculum ruminis、Desulfotomaculum putei、Thermotoga lettingae、Moorella thermoacetica、Syntrophus gentianae、Prolixibacter bellariivorans、Olsenella uli、Syntrophothermus lipocalidus、Brumimicrobiummesophilum、Methanobacterium aarhusense、Methanobacterium alcaliphilum、Methanothermobactortherautotrophicusが挙げられる。
(生成ステップ)
生成ステップでは、水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度T+5℃以上の温度で、水素発生型発酵細菌を増殖させ、反応液中の有機物から水素ガスを生成する。
反応液に含まれる有機物を水素発生型発酵細菌が嫌気的に分解することにより水素ガスが生成する。有機物を、T+5℃以上の温度で、水素発生型発酵細菌により発酵させると共に、水素資化性メタン生成菌による水素ガスの消費及びメタンの生成が阻害されるため、水素ガスが最終生成物として得られる。すなわち、生成ステップでは、水素資化性メタン生成菌阻害剤を使用することなく、水素ガス生成が可能である。ここで、水素資化性メタン生成菌阻害剤としては、例えば、クロロホルム、2-ブロモエタンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。
生成ステップでは、T+5℃以上の温度で水素発生型発酵細菌により反応液を発酵させればよく、T+10℃以上の温度で水素発生型発酵細菌により反応液を発酵させてもよく、T+15℃以上の温度で水素発生型発酵細菌により反応液を発酵させてもよい。生成ステップでは、T+10℃以下の温度で水素発生型発酵細菌により反応液を発酵させてもよく、T+15℃以下の温度で水素発生型発酵細菌により反応液を発酵させてもよく、T+20℃以下の温度で水素発生型発酵細菌により反応液を発酵させてもよく、T+25℃以下の温度で水素発生型発酵細菌により反応液を発酵させてもよく、T+30℃以下の温度で水素発生型発酵細菌により反応液を発酵させてもよい。
生成ステップにおいて、反応圧力、反応時間等の条件は、特に制限されるものではない。反応圧力は、例えば、0.1MPa(大気圧)以上であってよく、0.25MPa以下であってよい。反応圧力は、例えば、0.1MPa(大気圧)~0.25MPaであってよい。反応時間は、例えば、1日間以上、10日間以上、15日間以上、20日間以上、30日間以上、40日間以上、又は50日間以上であってよく、150日間以下、140日間以下、又は130日間以下であってもよい。反応時間は、例えば、1日間以上150日間以下であってもよい。
反応液が堆積層の地下水に由来する場合、特に、深部堆積層の地下水には通常10~20MPa程度の圧力がかかっているため、反応圧力をより高く設定することが好ましい。
〔水素ガス及びメタン生成システム〕
図1は、一実施形態に係る水素ガス及びメタン生成システムを示す模式図である。図1に示すように、水素ガス及びメタン生成システム1000は、水素ガス生成システム1と、メタン生成システム2とから構成されている。
一実施形態に係る水素ガス生成システム1は、有機物、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む反応液を収容する水素ガス生成槽140と、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む堆積層の地下水を汲み上げ、地下水中の少なくとも水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を水素ガス生成槽140に供給する地下水供給部600と、地下水供給部600及び水素ガス生成槽140の間に設けられたメタン分離槽120とを備えている。地下水供給部600、メタン分離槽120及び水素ガス生成槽140のそれぞれの間は、液体が通過可能な配管で接続されている。
地下水供給部600は、例えば水中ポンプである。地下水供給部600は、堆積層から微生物を含む地下水を汲み上げ、汲み上げた堆積層の地下水を、配管610を通して、バルブ620の開放とともにメタン分離槽120に送液する。メタン分離槽120では、堆積層の地下水に溶存しているメタンが分離される。分離されたメタンは、メタン分離槽120に接続されて設けられたメタンタンク40に回収される。メタンの分離は、メタンタンク40とメタン分離槽120との間のコンプレッサー(C)にてメタン分離槽120の内部を引圧にすることにより行う。分離できなかったメタンは、不活性ガス供給装置(図示せず)から不活性ガスを供給し、堆積層の地下水をバブリングすることにより、メタン分離槽120上部のバルブ121から排出してよい。
水素ガス生成槽140には、メタンを分離した堆積層の地下水がメタン分離槽120から供給されると共に、水素ガス生成槽140に開閉自在のバルブ55を介して接続されて設けられた第1の有機物供給部50から有機物が供給される。このようにして、水素ガス生成槽140には、堆積層の地下水に含まれる水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌と、有機物とを含む反応液が収容される。
水素ガス生成槽140では、反応液が収容された状態で、水素発生型発酵細菌を培養することにより反応液を発酵させて、水素ガスを生成する。このとき、水素ガス生成槽140に接続されて設けられた第1の制御部60が、水素ガス生成槽140内(反応液)の温度を、水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度T+5℃以上の温度に制御する。第1の制御部60は、水素ガス生成槽140内(反応液)の温度を、上記例示した温度に制御してもよい。このようにして生成した水素ガスは、水素ガス生成槽140に接続されて設けられた水素ガスタンク41に回収される。
第1の制御部60としては、反応液の温度を制御できるものであれば任意のものを用いることができる。第1の制御部60は、例えば、電熱コイル又は水素ガス生成槽140の外部に熱媒体(例えば、水等)を含むパイプ等を巻きつけるものであってもよい。
この水素ガス生成システム1では、例えば、以下に示す方法により水素ガスを発生させることができる。
(i)水素ガス生成槽140内部に、不活性ガス供給装置(図示せず)により不活性ガスを供給すると共に、水素ガス生成槽140内部のガスを排出し、水素ガス生成槽140内部を不活性ガスで置換する。不活性ガスで置換後、水素ガス生成槽を閉鎖系にする。このときの水素ガス生成槽140内部の圧力は、通常、大気圧(0.1MPa)程度である。
(ii)地下水供給部600から、メタン分離槽120内部に反応液を送液する。このとき、コンプレッサーによりメタン分離槽120内部を引圧にし、地下水に溶存しているメタンをメタンタンク40に回収してもよい。次に、不活性ガス供給装置によりメタン分離槽120内部に不活性ガスを供給し、反応液をバブリングすることにより、メタン分離槽120内部を不活性ガスで置換する。反応液に溶存しているメタンもバブリングにより不活性ガスで置換される。次に、不活性ガスで置換後のメタン分離槽120に、不活性ガスを更に供給することにより、メタン分離槽120内部の圧力を水素ガス生成槽140内部の圧力よりも高くする。その後、メタン分離槽120を閉鎖系にする。このときのメタン分離槽120内部の圧力は、通常0.1MPaを超え、0.5MPa程度以下である。
(iii)有機物供給部50内部に有機物を注入する。不活性ガス供給装置により有機物供給部50内部に不活性ガスを供給し、有機物(有機物を含む液)をバブリングすることにより、有機物供給部50内部を不活性ガスで置換する。有機物に溶存しているガスもバブリングにより不活性ガスで置換される。次に、不活性ガスで置換後の有機物供給部50に不活性ガスを更に供給することにより、有機物供給部50内部の圧力を水素ガス生成槽140内部の圧力よりも高くする。その後、有機物供給部50を閉鎖系にする。このときの有機物供給部50内部の圧力は、通常0.1MPaを超え、0.5MPa程度以下である。
上記(i)、(ii)及び(iii)の操作は、任意の順序で行うことができる。(i)、(ii)及び(iii)の操作のうち2以上の操作を同時に行ってもよい。
(iv)有機物供給部50を水素ガス生成槽140と接続する。有機物供給部50と水素ガス生成槽140との圧力差により、有機物供給部50から水素ガス生成槽140内部に有機物が供給される。外部から閉鎖されているため、この有機物の供給は嫌気的に行われる。
(v)メタン分離槽120を水素ガス生成槽140と接続する。メタン分離槽120と水素ガス生成槽140との圧力差により、メタン分離槽120から、流路を通って、水素ガス生成槽140内部に反応液が供給される。外部から閉鎖されているため、この反応液の供給は嫌気的に行われる。
上記(iv)及び(v)の操作は、任意の順序で行うことができる。(iv)及び(v)の操作を同時に行ってもよい。好ましくは、(iv)の操作の後に(v)の操作を行う。このように圧力差を利用して反応液及び有機物を水素ガス生成槽140に供給することにより、水素ガス生成槽内でこれらが自発的に混合される。したがって、撹拌装置等が不要となり、水素ガス生成システムの構造を単純化することができ、コンタミネーションのリスク低減、及び低コスト化が可能となる。
(vi)次いで、嫌気的に水素発生型発酵細菌による発酵を行う。このとき、水素ガス生成槽140に接続されて設けられた第1の制御部60が、水素ガス生成槽140内(反応液)の温度を、水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度T+5℃以上の温度に制御する。本実施形態に係る水素ガス生成システムは、上記のとおり作動するものであり、溶存酸素等の影響が少ないため、直ぐに嫌気的な発酵を開始することができる。したがって、発酵効率が極めて高い。
発酵により生成した水素ガスは、水素ガスタンク41により水素ガス生成槽140から回収される。回収された水素ガスは、水素ガスタンク41に貯蔵してもよく、水素ガスタンク41に他の機器を接続しておき、直接その機器に供給してもよい。
水素ガス生成槽140、メタン分離槽120及び有機物供給部50において、これらの装置内部への不活性ガスの供給、水素ガス生成槽140とメタン分離槽120又は有機物供給部50との接続は、それぞれの装置に備えられたバルブ、三方コック等を介して行ってよい。バルブの開閉、三方コックの切り替え、及びバルブの開閉のタイミング制御等は手動で行ってもよいし、コンピュータープログラム等により自動で行ってもよい。
一実施形態に係るメタン生成システム2は、有機物、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む第2の反応液を収容するメタン生成槽130と、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む堆積層の地下水を汲み上げ、地下水中の少なくとも水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌をメタン生成槽130に供給する地下水供給部600と、地下水供給部600及びメタン生成槽130の間に設けられた第2のメタン分離槽120とを備えている。地下水供給部600、メタン分離槽120及びメタン生成槽130のそれぞれの間は、液体が通過可能な配管で接続されている。
メタン生成槽130には、メタンを分離した堆積層の地下水がメタン分離槽120から供給されると共に、メタン生成槽130に開閉自在のバルブ55を介して接続されて設けられた第2の有機物供給部50から有機物が供給される。このようにして、メタン生成槽130には、堆積層の地下水に由来する水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌と、有機物とを含む反応液が収容される。
メタン生成槽130では、反応液が収容された状態で、水素発生型発酵細菌と水素資化性メタン生成菌を共生させることにより、反応液中の有機物からメタンを生成する。このとき、メタン生成槽130に接続されて設けられた第2の制御部70が、メタン生成槽130内(反応液)の温度を、水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度T+5℃未満の温度に制御する。第2の制御部70は、メタン生成槽130内(反応液)の温度を、T℃以下、又は、T-10℃以上、若しくはT-15℃以上の温度に制御してもよい。このようにして生成したメタンは、メタン生成槽130に接続されて設けられたメタンタンク40に回収される。第2の制御部70は、第1の制御部60と同様のものであってもよい。
メタン生成システム2では、メタン生成槽130及びメタンタンク40を用いること、並びに、第2の制御部70が、メタン生成槽130内(反応液)の温度を、水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度T+5℃未満の温度に制御することを除いては、上記水素ガス生成システムと同様にして、(i)~(vi)の方法によりメタンを発生させることができる。
図1に示す水素ガス及びメタン生成システム1000は、水素ガス生成システム1及びメタン生成システム2に、それぞれ1つ(計2つ)のメタン分離槽120を備えているが、メタン分離槽120は、1つのみであってもよい。この場合、メタン分離槽120は、メタン生成槽130及び水素ガス生成槽140の双方に接続される。
図1に示す水素ガス及びメタン生成システム1000では、地下水供給部600に対して水素ガス生成槽140及びメタン生成槽130が並列に接続されているが、水素ガス及びメタン生成システムは、例えば、地下水供給部600に対して、メタン生成槽及び水素ガス生成槽が直列に接続されていてもよい。この場合、地下水供給部、メタン生成槽及び水素ガス生成槽がこの順で接続されており、水素ガス生成槽には、メタン生成槽からメタン生成後の地下水(反応液)が供給されてよい。
〔水/ガス/電気/熱の自家的供給システム〕
図2は、一実施形態に係る水/ガス/電気/熱の自家的供給システム2000を示す模式図である。水/ガス/電気/熱の自家的供給システム2000は、水素ガス及びメタン生成システムを備えている。図2に示す水/ガス/電気/熱の自家的供給システム2000は、水素ガスタンク41に接続された燃料電池400と、メタンタンク40に接続されたガスエンジン300を有する発電機310と、を備える。
ガスエンジン300を有する発電機310、及び燃料電池400には、特に制限なく、通常用いられるガスエンジン及び発電機、並びに燃料電池を好適に利用できる。発電機310及び燃料電池400で発電された電気は、その一部が地下水供給部600、及びコンプレッサー(C)の作動エネルギーとして用いられる(図2中、電気の流れを一点鎖線で示した。)。すなわち、水/ガス/電気/熱の自家的供給システム2000は外部からの電源供給がなくても動作可能である。
図2に示す一実施形態に係る水/ガス/電気/熱の自家的供給システム2000は、不活性ガス供給装置30を更に備えている。不活性ガス供給装置30は、水素ガス生成槽及びメタン生成槽の系内の雰囲気を嫌気的にするため、並びにメタン分離槽120及び第1及び第2の有機物供給部50の内部の圧力を高めるために用いられる。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガス及びヘリウムガスが挙げられる。不活性ガスはこれらの1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。不活性ガス供給装置30に含まれる不活性ガスの圧力に特に制限はないが、例えば、10~15MPaとすることができる。
水/ガス/電気/熱の自家的供給システム2000は、水素ガス生成槽140内(反応液)及びメタン生成槽130内(反応液)それぞれの温度を制御可能な第1及び第2の制御部を更に備えている。第1及び第2の制御部は、加熱装置であってよい。加熱装置は、例えば、ラジエタ500及び520と、図2中破線及び点線で示した熱媒体の流路と、ファン510とを備えるものとすることができる。ラジエタ520から冷却した熱媒体を注入する。冷却した熱媒体の注入は任意であるが、これにより過熱しすぎた熱媒体を適切な温度に調整することができる。
熱媒体は、水素ガス生成槽140及びメタン生成槽130を通過してラジエタ500に到達する。熱媒体の流路は、例えば、チューブ形状のものとし、水素ガス生成槽140及びメタン生成槽130の本体周囲に巻きつけるように配置することで効率よく水素ガス生成槽140及びメタン生成槽130を加熱することができる。
続いて熱媒体は、ラジエタ500においてファン510により一定程度冷却される。冷却された熱媒体は、ガスエンジン300及び燃料電池400を通過し、これらからの排熱により加熱される。このとき、同時に、熱媒体によりガスエンジン300及び燃料電池400の冷却が行われる。図2中、破線で示した流路は比較的加熱された熱媒体が流れていることを示し、点線で示した流路は比較的冷却された熱媒体が流れていることを示している。熱媒体としては、比熱が高いことから水であることが好ましい。
加熱装置は、上述のように、ガスエンジン300及び燃料電池400からの排熱を奪い、これらを冷却するとともに、この排熱を利用して水素ガス生成槽140及びメタン生成槽130を加温するものである。
水/ガス/電気/熱の自家的供給システム2000は、二酸化炭素除去装置700を更に備えていてもよい。二酸化炭素除去装置700は、メタン生成槽130とメタンタンク40との間に配置される場合と、水素ガス生成槽140と水素ガスタンク41との間に配置される場合とがある。二酸化炭素除去装置700は、このいずれか一方のみに配置されていてもよく、双方に配置されていてもよい。
メタン生成槽130から排出されるガスは、メタンと二酸化炭素を含む。二酸化炭素除去装置700により二酸化炭素を除去することによって、回収されるガスに含まれるメタンの分圧を高めることができる。二酸化炭素除去後のメタンの分圧には特に制限はないが、75モル%以上とすることが好ましく、80モル%以上とすることがより好ましい。これにより、ガスエンジン300及び発電機310での発電効率を高めることができる。
また、水素ガス生成槽140から排出されるガスは、水素ガスと二酸化炭素を含む。二酸化炭素除去装置700により二酸化炭素を除去することによって、回収されるガスに含まれる水素ガスの分圧を高めることができる。二酸化炭素除去後の水素ガスの分圧には特に制限はないが、60モル%以上とすることが好ましい。これにより、燃料電池400での発電効率を高めることができる。
二酸化炭素除去装置700は、生成したメタン(又は水素ガス)及び二酸化炭素を含むガスから二酸化炭素を選択的に除去するものである。二酸化炭素を除去する方法としては、特に限定されず、例えば、化学吸収法、物理吸収法、膜分離法、及び吸着剤による分離法を好適に用いることができる。
化学吸収法は、二酸化炭素を選択的に溶解できるアルカリ性溶液(例えば、アミン及び炭酸カリ水溶液)を吸収液として利用し、二酸化炭素を化学反応によって吸収させる方法である。
物理吸収法は、吸収液(例えば、メタノール及びポリエチレングリコール)を使用して、高圧及び低温下で物理的に二酸化炭素を吸収させる方法である。
膜分離法は、膜(例えば、高分子膜及びセラミック膜)による、各気体の透過速度の違いを利用して、混合ガスから二酸化炭素を分離する方法である。
吸着剤による分離法は、多孔質の吸着剤(例えば、ゼオライト及び活性炭)を用い、高い圧力下で吸着剤に二酸化炭素を吸着させる方法である。
本実施形態に係る二酸化炭素除去装置は、より安価でかつ単純な装置になることから、化学吸収法を利用した装置が好ましい。
水/ガス/電気/熱の自家的供給システム2000は、脱硫装置710を更に備えていてもよい。脱硫装置710は、二酸化炭素除去装置700と同様、メタン生成槽130とメタンタンク40との間に配置される場合と、水素ガス生成槽140と水素ガスタンク41との間に配置される場合とがある。脱硫装置710は、このいずれか一方のみに配置されていてもよく、双方に配置されていてもよい。
また、脱硫装置710と二酸化炭素除去装置700とを併用する場合は、脱硫装置710と二酸化炭素除去装置700との配置の順番は任意に設定することができるが、メタン生成槽又は水素ガス生成槽に近い方に脱硫装置710を配置することが好ましい。
脱硫装置710は、水素ガス生成及びメタン生成の過程で発生する可能性のある硫化水素を除去する装置である。硫化水素を除去することにより、ガスエンジン、燃料電池等の腐食を防ぐことができる。脱硫装置710としては、例えば、酸化鉄等を利用した装置が挙げられる。
水/ガス/電気/熱の自家的供給システム2000は、水、ガス、電気及び熱の4つのインフラを同時に、かつ自家的に供給することができるため、災害時緊急ステーションとして好適に利用できる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[試料と方法]
(中型嫌気培養槽)
本実施例では、大量の微生物を嫌気状態で培養し観察するために作られたステンレス製の中型嫌気培養槽(リアクタータンク)を用いた。メタン生成を目的とした培養槽(メタン生成用リアクタータンク)の容量は12.25L、培養時の液相は5.23L、気相は7.02Lである。水素ガス生成を目的とした培養槽(水素ガス生成用リアクタータンク)の容量は12.11L、培養時の液相は5.12L、気相は6.99Lである。中型嫌気培養槽は、開放系かつ嫌気状態での培養を可能にするために、培養槽の蓋は密閉性を確保できるものになっており、蓋から下部にかけて液相を鉛直方向に混合しやすくするための板、及び生成ガスを抜くためのシリコンチューブを取り付けることができる排出口を有する。培養槽側面には縦に並んだ3つの排出口があり、それぞれの排出口はブチルゴム栓の上からネジ蓋を締めることで密閉を可能にしている。上段の排出口は100μLマイクロシリンジPressure-Lok Precision Analytical Syringe (VICI Precision)によって嫌気状態のガスサンプルを採取し、下段の排出口は同様に培養液の採取ができる仕組みになっている(非特許文献1)。中段の排出口は培養開始時に液相で満たした培養槽から嫌気的ガス置換を行うために用いる。
また、側面には内部観察用のガラス窓がついており、回転石の状態及び培養液の状態を確認することができる。本実施例では、開放系での嫌気培養を行うため、培養槽にはガスを抜くためのチューブを蓋に取り付けた。チューブの端を外気と直接触れさせてしまうと嫌気状態を保てないので、Milligas counter (MGC-1, Japan Flow controls, Japan)に繋げた。Milligas counterは生成ガス量を測定することの他にガスを一方向しか通さないため、外気の混入を防ぎ、かつ、嫌気状態を保つことが可能である。培養層内部にはマグネスティックスターラー(MIXcontrol 40, MIXdrive 1HT, 2mag, Muenchen, Germany)を使用することで、高温のインキュベーター内においても液相の撹拌を行いながらの培養を可能にした。
(サンプリングサイト)
静岡県静岡市にある小瀬戸温泉、川根温泉及び梅ヶ島温泉において、地下水のサンプリングを行った。小瀬戸温泉は近くに大きな建造物はなく、空き地に存在する。そのため、将来的には地下水に含まれるメタンを利用したエネルギー生産システムの導入に好条件な立地といえる。小瀬戸温泉は、34°59’09”N,138°17’65”Eの瀬戸川層群に位置し、掘削深度は910mである。川根温泉では川根温泉ホテル及び道の駅に温泉供給しつつ、地下温水に付随するメタンを利用した発電及び熱生産が行われている。川根温泉は三倉層群に位置し、掘削深度は1,148mである。梅ヶ島温泉は、安倍川の上流に位置し、掘削深度は1,000mである。
(試料の採取とサンプル処理)
小瀬戸温泉でのサンプリングは2017年6月29日に行った。川根温泉でのサンプリングは2017年3月14日に行った。梅ヶ島温泉でのサンプリングは、2017年11月14日に行った。
中型嫌気培養槽、ネジ、蓋、及びブチルゴム栓等は予めオートクレーブ滅菌を行った。嫌気状態でのサンプル採取のために中型嫌気培養槽を沈めることのできるステンレス製のバケツにサンプル地下温水を満たし、これを数分間オーバーフローさせた。マグネスティックスターラー(MIXcontrol 40, MIXdrive 1HT, 2mag, Muenchen, Germany)をサンプリング前に中型嫌気培養槽内に入れた。その中型嫌気培養槽を沈めて培養槽内が地下水で満たされた状態でオーバーフローを約10分間行い採水口のネジ蓋を締めた。これにより嫌気状態での採水を行った。他に電気伝導度(Electric Conductivity:EC)、pHを測定するため殺菌済みの50ml遠沈管(SARSTEDT, Tokyo, Japan)でサンプルを採取した。また、地下温水に含まれる微生物群集の遺伝子解析を行うために10Lの大量濾過用のサンプルも同時に採取した。
(環境データの測定)
サンプル採取時に地表での現場水温、酸化還元電位(Oxidation-ReductionPotential:ORP)を測定した。遠沈管に採取したサンプルを使い、pH、電気伝導度(ElectricConductivity:EC)を測定した。また、この値を用いてNaCl濃度を算出した。それぞれの測定には温度計CT-460WR(CUSTOM, Tokyo, Japan)、ORP計RM-20P(DKK-TOA,Tokyo,Japan)、pH計CM-14P(DKK-TOA, Tokyo, Japan)、EC計CM-21P(DKK-TOA, Tokyo, Japan)を用いた。
(中型嫌気培養槽のセットアップ)
地下水が入った中型嫌気培養槽側部の一番下のサンプリング口にチューブで接続した注射針を刺し、ガス置換装置GR-8(Sanshin, Kanagawa, Japan)を用いて窒素ガスを添加した。同時に、培養槽側部中央のサンプリング口からもチューブを付けた注射針を刺して温泉水を排出した。これにより、培養槽内を嫌気状態に保ったまま、窒素ガスで満たされた気相を作った。混合有機基質は濃度が高すぎるとメタン生成を阻害する可能性が示唆されているので、培養槽での最終濃度0.22%になるように調整した(北尾高嶺,2003,嫌気性の生物処理,生物学的排水処理工学,コロナ社,東京,227-240)。混合有機基質は培養槽上部の投入口から添加した。
添加後、中型嫌気培養層をそれぞれ温度設定したインキュベーターに入れ、培養槽上部の採水口の1つにチューブを取り付けた蓋をして、気相のガスを放出できるようにした。また、培養槽側部の一番下のサンプリング口のブチルゴム栓に注射針を刺し、ガス置換装置GR-8(Sanshin, Kanagawa, Japan)を用いて窒素ガスを添加した。その際、窒素ガスはフィルター(Merck Millipore Ltd.)を用いて滅菌した。この窒素ガスの添加(窒素ガス置換)を約1時間行うことで、地下水に含まれていたメタンを完全に除去した。窒素ガス置換を終えた後、気相より100μLのガスを採取し、ガスクロマトグラフGC-2014(Shimazu,Kyoto,Japan)を用いてガス分析を行い、気相がすべて窒素ガスに置換されていることを確認した。有機基質の添加と窒素ガス置換終了後、培養を開始した。培養中は温度を一定とし、液相の均一性を保つために、マグネスティックスターラー(MIXcontrol 40, MIXdrive 1HT, 2mag, Muenchen, Germany)を400r.p.m.で回転させて鉛直混合を促す板を取り付けた。シリコンチューブの端をMilligas counterに装着した。そして以下の圧力測定、生成ガス量の測定、ガス組成の分析、吸光度の測定をすることで、培養槽の状態を観測した。培養時間が経つにつれて生成ガスが減った段階で新たに有機基質の添加と窒素ガス置換を行った。
(生成ガス測定)
採取したガスサンプルに含まれる無機ガス(H,N,CH,CO)の分析を行うために、熱伝導度検出器(Thermal Conductivity Detector, TCD)を装備したガスクロマトグラフGC-2014(Shimadzu, Kyoto, Japan)のセットアップを行った。本機のキャリアガスにはArを使用した。カラム(SHINCARBON ST, Shinwa, Kyoto, Japan)の温度は150℃、カラム流量は50mlmin-1、試料気化室の温度は170℃、検出器の温度は170℃に設定し、GC-FIDと同様にガスシリンジを用いて100μLのガスを試料気化室に投入し分析した。
エリア値の算出にはクロマトパックC-R8A(Shimadzu, Kyoto, Japan)を用い、得られた組成ガスのエリア値からあらかじめ標準ガスの測定によって作成した検量線をもとに各ガスのモル数を求め、気体の状態方程式から1気圧・標準温度における体積を算出した。それぞれのガスの検量線は、純窒素ガス(JAPAN FINE PRODUCTS, Tochigi, Japan)、純メタン(JAPANFINE PRODUCTS, Tochigi, Japan)、二酸化炭素19.4%、水素ガス80.6%の混合標準ガス(JAPAN FINE PRODUCTS, Tochigi, Japan)を用いて作成した。ガスクロマトグラフGC-2014(Shimadzu, Kyoto, Japan)のセットアップの完了後、以下の操作により、生成ガスの組成分析を行った。
培養槽上部の投入口の1つとミリガスカウンターMGC-1 V3.3 PMMA (Ritter,Bochum, Germany)をシリコンチューブで接続し、ガス生成量の定量を行った。ミリガスカウンターの内部はポリマーSilox(Ritter, Bochum, Germany)で満たした。ミリガスカウンターにガスが流入すると左右どちらかの計量セルに3.21mlのガスがたまり、その浮力で計量セルが逆側に傾いて、たまったガスが放出されると同時に、反対側の計量セルに新たに流入したガスがたまるような仕組みになっている。このように計量セルが何回作動したかでガス生成量の定量が可能となる。また、ミリガスカウンターにデータロガーTR-55i-P(T&D, Nagano, Japan)を繋ぎ、1時間毎のミリガスカウンターのパルス数を記録した。生成ガスの組成分析には、ガスクロマトグラフィーGC-2014(Shimadzu, Kyoto, Japan)を用いた。分析に必要なガスサンプルは、100μLマイクロシリンジPressure-Lok Precision Analytical Syringe(VICI Precision, Canada)を用いて、培養槽側部の一番上のサンプリング口から採取した。生成ガスの分析は、24時間毎に行った。記録された1時間毎のガス生成量と、ガス分析によって求められたガス組成より、水素ガス、メタン、及び二酸化炭素それぞれの生成量を算出した。ガス組成はガス分析の前後12時間の水素ガス、メタン及び二酸化炭素の生成量の算出に適用した。
(メタ16S rRNA遺伝子解析)
地下温水、及び培養サンプルに対してメタ16S rRNA遺伝子解析を行った。地下温水サンプルは、10Lポリボトルに地下温水を採取し、氷上で冷却した。滅菌したシリコンチューブをペリスタポンプにセットし、シリコンチューブの先端を地下温水ボトルに差し込み、アルミホイルで口を閉じた。もう片方の先端に孔径0.22μmのSterivex-GP filterunit(Millipore, USA)を取り付け、ペリスタポンプを用いて、地下温水をフィルターにより濾過した。濾過後、フィルターにキャップを取り付け、冷凍保存した。
培養サンプルは有機基質の添加と窒素ガス置換前の培養サンプルを10ml採水し4℃、10,000×gで10分間遠心分離し微生物細胞のペレットを作成した。小瀬戸温泉では培養開始から16日目と53日目、また、川根温泉では培養開始から14日目と50日目に採取した培養サンプルを用いた。採取された培養サンプルはDNA抽出を行うまで冷凍保存した。濾過した微生物細胞のDNA抽出はISOIL for Beating Kit(Nippon Gene, Japan)を用いて行った。その後、抽出したDNAを鋳型として16S rRNA遺伝子のV3、V4領域をPCR増幅した。PCRにはPro341fとPro806rのプライマーセットを用いた(Takahashi, S., et al “Development of a prokaryotic universal primerfor simultaneous analysis of bacteria and archaea using next-generationsequencing.” PLoS One,9, e105592, (2014))。PCR産物である16S rRNA遺伝子(約430bp)の塩基配列の決定には、次世代シーケンサーMiSeq(Illumina, USA)を用いた。その後、キメラチェックプログラムのUsearch6.1.544_i86を用いてキメラ塩基配列を除去した。得られた塩基配列はRDP MultiClassifer ver.2.10.1により相同性検索を行った。相同性97%以上のものを同一のOperational Taxonomic Unit(OTU)とした。Coverage,Chao1及びShannon指数はQuantitativeInsights Into Microbial Ecology(QIIME)version 1.5.0 pipelineを用いて算出した(Caporaso, J.G., et al, “QIIME allows analysis of high-throughputcommunity sequencing data.” Nature Methods, 7, 335-336 (2010))。
[結果]
(環境データの測定結果)
小瀬戸温泉は2017年6月29日のサンプリングにおいて、水温29.7℃、ORP-193mV、EC426mSm-1、pH8.2であった。川根温泉は、2017年3月14日のサンプリングにおいて、水温48.1℃、ORP-205mV、EC1898mSm-1、pH7.5であった。梅ヶ島温泉は、2017年11月14日のサンプリングにおいて、水温31.8℃、ORP-284mV、EC137.1mSm-1、pH9.0であった。
(小瀬戸温泉における結果)
小瀬戸温泉の温度別培養結果を図3~5に示す。図3(A)~(E)は、それぞれ30℃、40℃、45℃、50℃及び55℃で培養したときの水素ガス、メタン及び二酸化炭素濃度を示すグラフである。45℃で培養したときにメタン生成量が最大であったことから、小瀬戸温泉から採取された反応液中の水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度Tは45℃であった。活性ピーク温度T+5℃以上(50℃及び55℃)で培養した場合、メタンの生成は検出されず、水素ガス及び二酸化炭素の生成が検出された。
図4(A)及び(B)は、それぞれ45℃及び55℃で培養したときの水素ガス、メタン及び二酸化炭素濃度を示すグラフである。図4(A)及び(B)中、矢印で示したタイミングで、ヘッドスペースを窒素ガスで置換し、かつ上記混合有機物を中型嫌気培養槽に添加した。窒素ガスでの置換及び混合有機物の添加は、16日目、27日目、40日目及び53日目の計4回行った。培養は68日目に終了させた。
図4(A)に示すとおり、培養温度(培養層の設定温度)45℃では、16日目以降、水素ガスの生成はほぼ検出されず、メタン及び二酸化炭素の生成が検出された。図4(B)に示すとおり、培養温度55℃では、水素ガス及び二酸化炭素の生成が検出され、培養中にメタンの生成は検出されなかった。
図5(A)及び(B)は、それぞれ45℃及び55℃で培養したときの生成ガス中の水素ガス、メタン及び二酸化炭素の割合を示す。図5(A)に示すとおり、培養温度45℃では、生成ガスにおけるメタンの割合は、培養開始直後並びに有機基質の添加及び窒素ガス置換直後を除いて、40%から50%程度の間に収まっていた。メタンの最大生成速度は15日目の138.3mlL-1day-1であった。図5(B)に示すとおり、培養温度55℃では、培養開始直後、並びに有機基質の添加及び窒素ガス置換の直後を除いて、生成ガスにおける水素ガスの割合は50%前後であった。水素ガスの最大生成速度は15日目の155.4mlL-1day-1であった。
(川根温泉における結果)
川根温泉の温度別培養結果を図6~8に示す。図6(A)~(E)は、それぞれ40℃、45℃、50℃、55℃及び60℃で培養したときの水素ガス、メタン及び二酸化炭素濃度を示すグラフである。50℃で培養したときにメタン生成量が最大であったことから、小瀬戸温泉から採取された反応液中の水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度Tは50℃であった。活性ピーク温度T+5℃以上(55℃及び60℃)で培養した場合、水素ガス及び二酸化炭素の生成が検出された。
図7(A)及び(B)は、それぞれ50℃及び60℃で培養したときの水素ガス、メタン及び二酸化炭素濃度を示すグラフである。図7(A)及び(B)中、矢印で示したタイミングで、ヘッドスペースを窒素ガスで置換し、かつ上記混合有機物を中型嫌気培養槽に添加した。窒素ガスでの置換及び混合有機物の添加は、14日目、24日目、36日目及び50日目の計4回行った。培養は69日目に終了させた。
図7(A)に示すとおり、培養温度(培養層の設定温度)50℃では、初めに水素ガスの生成を検出したが14日目以降、水素ガスの検出量は微量であり、生成ガスのほとんどがメタン及び二酸化炭素であった。図7(B)に示すとおり、培養温度60℃では、水素ガス及び二酸化炭素の生成が検出され、培養中にメタンの生成は検出されなかった。
図8(A)及び(B)は、それぞれ50℃及び60℃で培養したときの生成ガス中の水素ガス、メタン及び二酸化炭素の割合を示す。図8(A)に示すとおり、培養温度50℃では、生成ガスにおけるメタンの割合は、培養開始直後並びに有機基質の添加及び窒素ガス置換直後を除いて、40%から55%程度の間に収まっていた。メタンの最大生成速度は15日目の98.9mlL-1day-1であった。図8(B)に示すとおり、培養温度60℃では、培養開始直後、並びに有機基質の添加及び窒素ガス置換の直後を除いて、生成ガスにおける水素ガスの割合は40~60%前後であった。水素ガスの最大生成速度は4日目の160.5mlL-1day-1であった。
(梅ヶ島温泉における結果)
梅ヶ島温泉の温度別培養結果を図9に示す。図9(A)~(E)は、それぞれ35℃、40℃、45℃、50℃及び55℃で培養したときの水素ガス、メタン及び二酸化炭素濃度を示すグラフである。40℃で培養したときにメタン生成量が最大であったことから、梅ヶ島温泉から採取された反応液中の水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度Tは40℃であった。活性ピーク温度T+5℃以上(45℃、50℃及び55℃)で培養した場合、メタンの生成は検出されず、水素ガス及び二酸化炭素の生成が検出された。
(地下水・メタン生成・水素ガス生成サンプルの遺伝子解析結果)
小瀬戸温泉の遺伝子解析
小瀬戸温泉の地下水サンプルのArchaea及びBacteriaの含有割合は、Archaeaが55%、Bacteriaが45%であった。45℃で培養を行った反応液中において、Archaeaでは、水素資化性メタン生成菌として知られているMethanobacterialesが優占し、Bacteriaでは、主に発酵を行い水素ガスと二酸化炭素を生成することで知られるClostridialesが優占していた。55℃で培養を行った反応液中においてArchaeaは、培養開始から16日目及び53日目共にほぼ検出されなかった。55℃で培養を行った反応液中においてBacteriaでは、主に発酵を行い水素ガスと二酸化炭素を生成することで知られるClostridialesが優占していた。
川根温泉の遺伝子解析
川根温泉の地下水サンプルのArchaea及びBacteriaの含有割合はArchaeaが2.7%、Bacteriaが97%であった。50℃で培養を行った反応液中において、Archaeaでは水素資化性メタン生成菌として知られているMethanobacterialesが優占し、Bacteriaでは、主に発酵を行い水素ガスと二酸化炭素を生成することで知られるClostridialesが優占していた。60℃で培養を行った反応液においてArchaeaは培養開始から14日目及び50日目共にほぼ検出されなかった。Bacteriaでは、主に発酵を行い水素ガスと二酸化炭素を生成することで知られるClostridialesが優占していた。
1…水素ガス生成システム、2…メタン生成システム、30…不活性ガス供給装置、40…メタンタンク、41…水素ガスタンク、50…有機物供給部、60…第1の制御部、70…第2の制御部、120…メタン分離槽、130…メタン生成槽、140…水素ガス生成槽、600…地下水供給部、700…二酸化炭素除去装置、710…脱硫装置、1000…水素ガス及びメタン生成システム、2000…水/ガス/電気/熱の自家的供給システム。

Claims (7)

  1. 有機物、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む反応液を準備する準備ステップと、
    前記水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度T+5℃以上T+10℃以下の温度で、前記水素発生型発酵細菌により前記反応液を発酵させて水素ガスを生成する生成ステップと、を備え、
    前記準備ステップにおいて、堆積層の帯水層に由来し、前記水素発生型発酵細菌及び前記水素資化性メタン生成菌を含む地下水に、前記有機物を添加することにより、前記反応液を準備し、
    メタンを生成せず、
    前記水素資化性メタン生成菌の阻害剤を使用しない、水素ガス生成方法。
  2. (削除)
  3. 有機物、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む反応液を収容する水素ガス生成槽と、
    前記水素ガス生成槽の温度を制御する制御部と、
    前記水素発生型発酵細菌及び前記水素資化性メタン生成菌を含む堆積層の地下水を汲み上げ、前記地下水中の少なくとも前記水素発生型発酵細菌及び前記水素資化性メタン生成菌を前記水素ガス生成槽に供給する地下水供給部と、
    前記有機物を前記水素ガス生成槽に供給する有機物供給部と、を備え、
    前記制御部は、前記水素ガス生成槽の温度を、前記水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度T+5℃以上T+10℃以下の温度に制御することで、前記水素発生型発酵細菌により前記反応液を発酵させて水素ガスを生成させ、
    前記水素資化性メタン生成菌の阻害剤を使用しない、水素ガス生成システム。
  4. 有機物、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む第1の反応液を収容する水素ガス生成槽と、
    前記水素ガス生成槽の温度を制御する第1の制御部と、
    有機物、水素発生型発酵細菌及び水素資化性メタン生成菌を含む第2の反応液を収容するメタン生成槽と、
    前記メタン生成槽の温度を制御する第2の制御部と、を備え、
    前記第1の制御部は、前記水素ガス生成槽の温度を、前記水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度T+5℃以上の温度に制御することで、前記水素発生型発酵細菌により前記反応液を発酵させて水素ガスを生成させ、
    前記第2の制御部は、前記メタン生成槽の温度を、前記水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度T+5℃未満に制御することで、前記反応液から、前記水素発生型発酵細菌と前記水素資化性メタン生成菌によりメタンを生成させ、
    前記水素資化性メタン生成菌の阻害剤を使用しない、水素ガス及びメタン生成システム。
  5. 前記水素発生型発酵細菌及び前記水素資化性メタン生成菌を含む堆積層の地下水を汲み上げ、前記地下水中の少なくとも前記水素発生型発酵細菌及び前記水素資化性メタン生成菌を前記水素ガス生成槽及び前記メタン生成槽のそれぞれに供給する地下水供給部と、
    前記有機物を前記水素ガス生成槽に供給する第1の有機物供給部と、
    前記有機物を前記メタン生成槽に供給する第2の有機物供給部と、を更に備える、請求項4に記載の水素ガス及びメタン生成システム。
  6. 前記水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度Tが60℃以下である、請求項1に記載の水素ガス生成方法。
  7. 前記水素資化性メタン生成菌の活性ピーク温度Tが50℃以下である、請求項1又は6に記載の水素ガス生成方法。
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