以下、図面を参照して実施形態の説明を行う。
まず以下の説明で用いる用語について説明する。
「画面」とは、情報処理装置(パーソナルコンピュータ、シンクライアント端末、スマートフォン、タブレット端末等を含む)に付属する表示装置に表示される画面である。パーソナルコンピュータのデスクトップ画面がその典型例であるが、デスクトップ画面上に表示されるウインドウ、スマートフォンのホーム画面その他の画面も、この明細書でいう「画面」の一例である。
「表象画像」とは、何らかのオブジェクトを表す(表象する)画像であり、画面上に表示され、UI(ユーザインタフェース)部品として機能する画像である。ここでいうオブジェクトには、ファイル、フォルダ(ディレクトリ)、処理(アプリケーションプログラム、或いはマクロやスクリプトで記述されたプログラム等)等が含まれる。例えば、ファイルやアプリケーションを表すアイコンは表象画像の一例である。また、ガジェット(又はウィジェット)も、表象画像を持つオブジェクトの一種である。表象画像は、静的な画像の場合もあれば、動的に変化する画像(例えば時計ガジェットが表す、時刻によって変化する時計文字盤の画像、保持している文書の数により色が変わるアイコン)の場合もある。表象画像は、UI部品であり、ユーザからの操作を受け付ける。
「ガジェット」(又はウィジェット)とは、処理(機能)と表象画像を持つオブジェクトである。以下では、説明を簡潔にするために、画面上に表示されたガジェットの表象画像のこともガジェットと呼ぶ。
ガジェットには、一般には、処理(機能)の対象となる入力データが規定されているが、ガジェットの中には入力データを必要としないものもある(例えば後述する「申請書記載テンプレート」ガジェット)。ガジェットに対する入力データ、又はガジェットが出力する出力データは、典型的にはファイルであるが、ファイル中の特定項目のデータ、フォルダ(ディレクトリ)のようにフォルダ以外の形態である場合もあり得る。ガジェットが持つ処理(機能)は、画面上のそのガジェットに対して特定の操作(実行トリガ操作と呼ぶ)がなされたときに実行される。例えば、あるガジェットの実行トリガ操作は、画面上のそのガジェットを開く(例えばマウスでそのガジェットをポイントしてダブルクリックする)操作であり、そのガジェットは、その操作に対応して、そのガジェットが保持しているファイルのリスト(例えばファイルを示すアイコンのリスト)を画面上に表示するという処理を行う。ユーザはそのリスト(このリストにはファイルが1つしか示されない場合もある)からファイルをドラッグ&ドロップ操作で画面上に移動させたり、コピーしたりすることができる。
以下、本発明に係る情報処理装置の実施形態について説明する。
この実施形態では、パーソナルコンピュータ等のコンピュータの表示装置に表示されるデスクトップ画面等の画面上におけるガジェットの表示制御の仕組みを提供する。
デスクトップ画面等の画面には、ファイルやフォルダ、アプリケーションを示すアイコン、ショートカットアイコン、上述のガジェット等、数多くの表示要素が配置される可能性がある。ユーザがよく使用するガジェットを全て画面上に配置すると、ユーザは、今の自分の作業に必要なガジェットを、そのような多くのアイコンやガジェットの中から探し出す必要がある。
そこで、この実施形態では、ユーザがガジェットを必要としないときにはそのガジェットを画面に表示せず、必要としたときに画面に表示するための表示制御を行う。
本実施形態では、ガジェットを常に画面上に表示しておくことはせず、画面上でのユーザの操作に応じて、その操作の後にユーザが行う作業のために必要なガジェットを動的に画面に表示する。ガジェットを画面に表示するトリガ(契機)となる操作のことを表示トリガ操作と呼ぶ。表示トリガ操作は、ガジェットごとに規定される。また、画面に表示されたガジェットは、ユーザがそのガジェットに対する操作を終え、そのガジェットに対応する非表示トリガイベントが発生すると、画面上から非表示となる(画面から消去される)。ガジェットは、非表示となった後、次に表示トリガ操作が行われるまでの間は、画面に表示されない。
ガジェットの表示トリガ操作は、画面上にあるそのガジェット以外(非表示の期間中はそのガジェットがそもそも画面上に表示されていない)の特定の表象画像に対する特定の操作である。すなわち表示トリガ操作は、表象画像(すなわち、その表象画像が表すオブジェクト)と、その表象画像(オブジェクト)に対してユーザが行う操作の組合せで規定される。表示トリガ操作は、ガジェットごとに規定される。例えば、あるガジェットの表示トリガ操作は、特定のファイル形式及びファイル名を持つファイルのアイコンを、画面上に設定された特定のトリガ領域に移動させる(すなわちそのアイコンをトリガ領域内に配置する)という操作である。ガジェットの表示トリガ操作を規定する情報には、その表示トリガ操作を構成する表象画像及び操作のそれぞれが満たすべき条件が規定される。
表示トリガ操作を構成する表象画像(オブジェクト)についての条件は、例えばその表象画像がファイルのアイコンである場合、そのファイルの形式が満たすべき条件(例えば特定の1以上のファイル形式のいずれかに該当するという条件)、ファイル名が満たすべき条件(例えばファイル名が特定の文字列と一致する、あるいは特定の文字列をファイル名の冒頭に含む、等の条件)、又はファイル形式の条件とファイル名の条件のAND条件等がある。また、表示トリガ操作を構成する表象画像がガジェット(このガジェットは、その表示トリガ操作に応じて表示されるガジェットとは別のもの)である場合、表示トリガ操作を構成する表象画像についての条件は、そのガジェット(すなわちトリガを構成するガジェット)の識別情報として規定される。
表示トリガ操作を構成する操作が満たすべき条件は、例えば、操作の種類とその操作のパラメータにより規定される。例えば、ファイルを特定のトリガ領域に移動させるという操作の場合、その操作の種類は、ファイルのドラッグ&ドロップ操作であり、その操作のパラメータはその特定のトリガ領域の画面上での位置及び範囲を示す情報である。ファイルを開く等のパラメータを要しない操作の場合には、条件にはパラメータは含まれない。
一つの例では、表示トリガ操作に応じて表示されるガジェットの画面上での位置を、ユーザが設定できるようにしてもよい。この場合、ユーザがある決まった操作(表示トリガ操作)を行うと、その操作の後の作業に用いるガジェットがいつも決まった位置に表示されることになる。
ガジェットについての非表示トリガイベントは、ガジェットごとに規定される。あるガジェットについては、ユーザが画面上のそのガジェットに対して行った操作に応じてそのガジェットが行う処理が終了することが、非表示トリガイベントである。また、画面上に表示された特定の表象画像(オブジェクト)に対する特定の操作が行われたことを、非表示トリガイベントとするガジェットもある。非表示トリガイベントとしての操作を規定する表象画像及び操作が満たすべき条件は、ガジェットごとに、上述の表示トリガ操作の場合と同様に規定される。
図1に、本実施形態の情報処理装置が備える、ガジェット表示制御のための処理部の機能構成を例示する。
この構成において、ガジェット管理部12は、情報処理装置が持つ個々のガジェット10についての表示制御のための設定情報を保持し、管理する。ガジェット10自体は,そのガジェットの処理のためのプログラム(例えば機械語やスクリプトで記述されたもの)と、そのガジェットの表象画像の情報を含む。
ガジェット管理部12が1つのガジェットについて保持し管理する情報には、表示トリガ操作を規定する情報、非表示イベント操作を規定する情報が含まれる。表示トリガ操作を規定する情報には、その操作の対象となる表象画像が満たすべき条件と、その操作の内容(種類やパラメータ)が満たすべき条件が含まれる。非表示トリガイベントを規定する情報には、例えば、そのイベントが当該ガジェットの処理の終了イベントなのか、他の表象画像に対する操作なのかを示す区別の情報が含まれる。また非表示トリガイベントが他の表象画像に対する操作である場合、非表示トリガイベントを規定する情報には、その操作の対象となる表象画像が満たすべき条件と、その操作の内容(種類やパラメータ)が満たすべき条件が含まれる。
ガジェット管理部12は、ガジェットの表示制御のための情報の一項目として、画面上でそのガジェットを表示する表示位置を規定する情報を更に保持していてもよい。また、ガジェット管理部12は、更に、そのガジェットが現在表示中であるか非表示であるかを示す状態情報を管理してもよい。
ガジェット管理部12が保持する情報のうち表示トリガ操作や、非表示トリガイベント、ガジェット表示位置等の項目は、ユーザが、ガジェットごとに、ガジェット設定処理部14を用いて設定する。
トリガ監視部16は、情報処理装置のOS(オペレーティングシステム)と協働して、画面上での表示トリガ操作、及び非表示トリガイベントの発生を監視する。トリガ監視部16は、表示トリガ操作又は非表示トリガイベントが発生したことを検知すると、表示制御部18に、検知した表示トリガ操作又は非表示トリガイベントの情報を通知する。
表示制御部18は、トリガ監視部16から表示トリガ操作又は非表示トリガイベントの情報を受け取ると、その情報に応じて、画面上のガジェットの表示又は非表示の制御を行う。
表示制御部18が行うガジェットの表示制御の手順を、図2に例示する。
この手順では、表示制御部18は、ガジェット管理部12に登録されたガジェットのトリガ(表示トリガ操作又は非表示トリガイベントの発生)のうちのいずれかを検知した旨の通知がトリガ監視部16から来るのを待つ(S10)。トリガ検知の通知が到来すると、表示制御部18は、ガジェット管理部12から、そのトリガを表示トリガ操作又は非表示トリガイベントとするガジェットを全て特定する(S12)。そして、特定したガジェットごとに、S14~S24の処理を実行する。
すなわち、まず表示制御部18は、検知されたトリガが、今注目しているガジェット(以下注目ガジェットと呼ぶ)にとっての表示トリガ操作であるかどうかを判定し(S14)、この判定の結果がYesであれば、注目ガジェットが表示中であるかどうかを、ガジェット管理部12が持つ当該ガジェットの状態情報から判定する(S16)。表示中である場合は、今回の表示トリガ操作に応じて再度同じガジェットを表示する必要はないので、次のガジェットの処理に移行する。S16で表示中でないと判定した場合、ガジェット管理部12から注目ガジェットの画面上での表示位置の情報を取得し、画面上のその表示位置にその注目ガジェットを表示する(S18)。そして、ガジェット管理部12に対してその注目ガジェットを表示した旨を通知し、ガジェット管理部12がその通知に応じてその注目ガジェットの状態情報を「表示中」に変更する(S24)。
S14の判定結果がNoの場合、S10で検知されたトリガは、注目ガジェットにとって非表示トリガイベントである。この場合、表示制御部18は、その注目ガジェットが表示中であるかどうかを判定し(S20)、表示中でない場合は、その注目ガジェットは既に非表示状態なので、何もせずに次のガジェットの処理に移行する。S20の判定結果がYesの場合、注目ガジェットを画面上から非表示とする(S22)。そして、ガジェット管理部12に対してその注目ガジェットを非表示にした旨を通知し、ガジェット管理部12がその通知に応じてその注目ガジェットの状態情報を「非表示中」に変更する(S24)。
<ガジェットの表示制御例1>
次に、図3A~図3Kを参照して、本実施形態のガジェット表示制御の第1の具体例(表示制御例1)を説明する。この具体例は、ユーザが情報処理装置上で申請書のテンプレートに必要事項を記入し、完成した申請書のファイルを提出用のフォーマットに変換した上で、所定の送付先に送付する、という一連の処理の流れにおける、デスクトップ画面の表示の遷移を示す。
この例では、「申請書記載リファレンス取得」ガジェット、「申請用書式に変換」ガジェット、「申請書を送付」ガジェット、の3つのガジェットが用いられる。
この例の作業フローでは、まずユーザは、サーバ等から申請書テンプレート110(厳密には符号110は申請書テンプレートのファイルのアイコンを指し示すが、煩雑さを避けるため、このように表記する)を取得する。図3Aは、このときのデスクトップ画面100の表示状態を模式的に示す。このときのデスクトップ画面100(以下、単に画面100とも呼ぶ)には、申請書テンプレート110の他に、様々なファイルのアイコン102やフォルダのアイコン104、アプリケーションのアイコン等が配置されている。申請書テンプレート110は、文書編集用のアプリケーション(例えばワードプロセッサアプリケーションやスプレッドシートアプリケーション)で開かれる文書テンプレートファイルである。
(1)ユーザは、申請書記載リファレンスを取得するために、申請書テンプレート110を画面100上の所定の領域120内に、ドラッグ&ドロップ操作で移動させる(すなわち、配置する)。この例では、申請書テンプレート110を領域120内に移動させるという操作は、「申請書記載リファレンス取得」ガジェット130の表示トリガ操作として設定されている。
(2)この操作が行われると、トリガ監視部16がその操作を検知し、これに応じて表示制御部18が画面100上の所定の位置に、「申請書記載リファレンス取得」ガジェット130を表示する(図3B参照)。この所定の位置は、「申請書記載リファレンス取得」ガジェット130の表示位置としてガジェット管理部12に登録されている表示位置である。「申請書記載リファレンス取得」ガジェット130は、申請書記載リファレンス132(図3C参照)という文書ファイルを保持するガジェットである。
図3Cに示すように、ユーザが申請書テンプレート110を開く操作を行うと、申請書テンプレート110に対応付けられた文書編集アプリケーションが起動し、申請書テンプレート110の編集ウインドウ112が画面100上に表示される。ユーザは、文書編集アプリケーションを操作して、編集ウインドウ112内の申請書テンプレートに対して必要事項を記載していく。この記載の際、ユーザは、申請書の記載要領を説明する文書である申請書記載リファレンスを参照しようする。
(3)この参照のために、ユーザは、「申請書記載リファレンス取得」ガジェット130から申請書記載リファレンス132を取り出す操作を行う。この操作は、例えば、ガジェット130をダブルクリック等の所定操作で開き、開いたガジェット130内のファイルリストに含まれる申請書記載リファレンス132をドラッグ&ドロップで画面100上に移動(すなわち配置)する操作であってもよい。また、別の例として、ガジェット130に対してダブルクリック等の所定の操作を行うと、ガジェット130が出来上がった申請書記載リファレンス132を画面100上に出力するよう、ガジェット130がプログラムされていてもよい。ユーザは、画面100上の申請書記載リファレンス132を開く。これにより、申請書記載リファレンス132に関連付けられた閲覧アプリケーションが起動し、閲覧ウインドウ134内に申請書記載リファレンスの文書内容が表示される。ユーザは、この申請書記載リファレンスを参照しつつ、編集ウインドウ112内の申請書テンプレートへの記入を行う。
(4)申請書記載リファレンス132を開く操作が行われると、図3Dに示されるように、表示制御部18は、「申請用書式に変換」ガジェット140を、そのガジェットに設定された画面100上の表示位置に表示する。すなわち、「申請用書式に変換」ガジェット140には、表示トリガ操作として、申請書記載リファレンス132というファイルを開くという操作が設定されている。
ユーザが申請書テンプレート110への記載(編集)を完了し、編集結果を保存する操作を行うと、図3Eに示すように、申請書テンプレート110のファイルがテンプレートファイルではなく通常の文書ファイル(申請書114)へと変化する。
(5)ユーザは、申請書114を、先ほど表示された「申請用書式に変換」ガジェット140に対し、ドラッグ&ドロップ操作で入力する。「申請用書式に変換」ガジェット140は、「申請書」というファイル名を持つ文書編集アプリケーション用のファイル形式を持つファイルが入力されることを実行トリガとするガジェットであり、入力されたそのファイルを、送付先が受け入れるフォーマット(例えば編集不可の閲覧用フォーマット)へと変換する。
申請書114の「申請用書式に変換」ガジェット140への入力により、図3Fに示されるように、それまで画面100に表示されていた「申請書記載リファレンス取得」ガジェット130が非表示になる。すなわち、「申請書記載リファレンス取得」ガジェット130には、非表示トリガイベントとして、申請書114(すなわち「申請書」というファイル名の、文書編集アプリケーション用のフォーマットのファイル)が「申請用書式に変換」ガジェット140に入力されたというイベントが設定されている。このイベントが起こった時点では、申請書への記載は終わっているので、ユーザにとって申請書記載リファレンスは不要であり、その取得元である「申請書記載リファレンス取得」ガジェット130も不要となる。なお、そのイベントを「申請書記載リファレンス取得」ガジェット130の非表示トリガとしているのはあくまで一例に過ぎない。この代わりに、例えば、ガジェット130から画面100上に申請書記載リファレンス132がコピーされたことを、そのガジェット130の非表示トリガとしてもよい。
(6)図3Fに示す状況では、「申請用書式に変換」ガジェット140内には、フォーマット変換結果である提出用申請書142ができあがっている。ユーザは、「申請用書式に変換」ガジェット140から画面100上へと提出用申請書142を取り出す操作を行う。
(7)次にユーザは、図3Gに示すように、画面100上の提出用申請書142のコンテキストメニュー144を呼び出し、その中にあるメニュー項目「送る」を選ぶ操作を行う。
(8)これに応じ、表示制御部18は、図3Hに示すように、画面100上に「申請書を送付」ガジェット150を表示する。すなわち、「申請書を送付」ガジェット150には、提出用申請書142に対する「送る」操作が、表示トリガ操作として設定されている。
(9)図3Iに示すように、ユーザは、新たに表示された「申請書を送付」ガジェット150に対して、例えばドラッグ&ドロップ操作で提出用申請書142を入力する。
「申請書を送付」ガジェット150には、実行トリガとして、「提出用申請書」というファイル名を持つ所定フォーマット(例えば編集不可の閲覧用フォーマット)のファイルが入力されることが設定されている。また、「申請書を送付」ガジェット150には、提出用申請書142の送付先のアドレス情報や、その送付に用いるプロトコルなどが設定されている。「申請書を送付」ガジェット150は、提出用申請書142が入力されると、その提出用申請書142を、その設定に従って送付する。
(10)「申請書を送付」ガジェット150による提出用申請書142の送付が完了すると、図3Jに示すように、表示制御部18は、画面100上の「申請書を送付」ガジェット150を非表示にする。なお、提出用申請書142は、さきに「申請書を送付」ガジェット150に入力された時点で、画面100上から消えている。
この後ユーザは、再度申請書テンプレート110を取得して開き、別の申請のための記載内容を記載してもよい。この記載が完了し、記載結果が保存されると、画面100上に新たな申請書114が画面100上にできる(図3Eと同様)。この新たな申請書114を「申請用書式に変換」ガジェット140に入れることで、画面100の状態が図3Fに示す状態へ遷移し、以降、図3F~図3Jを用いて説明した作業が行われる。
(11)ユーザが全ての申請書の送付を終え、画面100上の閲覧ウインドウ134に表示された申請書リファレンスを閉じる操作を行うと、図3Kに示されるように、表示制御部18は、画面100上の「申請用書式に変換」ガジェット140を非表示とする。すなわち、この例では、申請書リファレンスが閉じられたことが、「申請用書式に変換」ガジェット140の非表示トリガイベントに設定されている。
<ガジェット表示制御例2>
次に、図4A~図4Cを参照して、ガジェット表示制御の第2の具体例を説明する。この例では、ガジェットに入力されるファイル内のデータ(例えばファイル本体の文書データ、又はファイルの属性データ)に応じて、そのガジェットの処理の後に生成されるガジェットを制御する。
図4Aに示す画面100の表示状況は、上述の表示制御例1における図3Dに示した表示状況とほぼ同じである。異なるのは、編集ウインドウ112内に表示された申請書に送付先情報113が記入されている点と、「申請用書式に変換」ガジェット140Aがその送付先情報113を抽出して変換結果の提出用申請書(図4Bの符号142A)に属性として付加する機能を備える点である。
図4Aの状況において、ユーザが編集ウインドウ112内での記載を終えて申請書のファイルを保存し、その申請書をドラッグ&ドロップ操作で「申請用書式に変換」ガジェット140Aに投入する。すると、そのガジェット140Aは、その申請書を提出用の所定フォーマットに変換し、更にその申請書から送付先情報113を抽出し、それをその変換後の申請書ファイル(提出用申請書142A)が持つ送付先属性の値に書き込む。送付先情報113は、申請書内の所定の欄に、又は送付先を示す所定のキーワードの隣に記載されるなど、ガジェット140Aが特定可能となっている。なお、申請書内の送付先情報113の具体的な送付先の情報(送付先名や送付先アドレス等)は、申請書テンプレート110内に組み込まれていてもよいし、ユーザがこのテンプレートの送付先記載場所に記載してもよい。
次にユーザは、「申請用書式に変換」ガジェット140Aから画面100上に提出用申請書142Aを取り出し、図4Bに示すように提出用申請書142Aに対して右クリック等の所定操作を行うことで提出用申請書142Aのコンテキストメニュー144Aを呼び出す。そして、コンテキストメニュー144A内の「送る」操作を選択する。
提出用申請書142Aに対して「送る」操作が行われたことを検知した表示制御部18は、その提出用申請書142Aの送付先属性の値を読み取り、その値(送付先)に対応するガジェットを画面100上に表示する。この例では、送付先情報113は「阿部さん」のメールアドレスを示していたので、投入された提出用申請書142Aをそのメールアドレスに電子メールで送付する「阿部さんに申請書を送付」ガジェット150Aが画面100上に表示される。
このためにガジェット管理部12には、「阿部さんに申請書を送付」ガジェット150Aに対する表示トリガ操作として、送付先属性として阿部さん(のメールアドレス)を含む提出用申請書142Aという条件を満たすファイルに対する「送る」操作、が設定されている。なお、操作されたファイルが提出用申請書142Aかどうかは、例えば「そのファイルが「提出用申請書」というファイル名を持ち、所定の提出用フォーマットのファイルである」という条件を満たすかどうかで判定すればよい。
次にユーザは、図4Cに示すように、表示された「阿部さんに申請書を送付」ガジェット150Aに対して、ドラッグ&ドロップ操作により提出用申請書142Aを投入する。これに応じて、ガジェット150Aは、投入された提出用申請書142Aを、当該ガジェット150Aに送付先として設定されている阿部さんのメールアドレスに、電子メールプロトコルを用いて送信する。
<ガジェットの表示制御例3>
次に、図5A及び図5Bを参照して、ガジェット表示制御の第3の具体例を説明する。この例では、画面100上のファイルの表象画像に対するフォーマット変換操作をトリガとして、ガジェットを表示する。
図5Aに示す画面100上のファイル(ファイル名「受領書」)115のファイル形式(フォーマット)に対応するコンテキストメニュー117には、メニュー項目の1つとして「DWプリンタ変換」という操作が含まれている。この「DWプリンタ変換」操作は、「DWプリンタ」という名前の仮想プリンタにそのファイルを入力する操作である。「DWプリンタ」は、入力されたファイルを、閲覧用の所定ファイル形式(例えば編集不可の形式)へとフォーマット変換する。
ユーザが、コンテキストメニュー117上で「DWプリンタ変換」を選択すると、表示制御部18は、図5Bに示すように、画面100上に「受領書格納先」ガジェット160を表示する。このためにガジェット管理部12には、ガジェット160の表示トリガ操作として、ファイル名が「受領書」である所定ファイル形式(これはフォーマット変換前の文書編集アプリケーション用の形式)のファイルに対する「DWプリンタ変換」操作が登録されている。
表示された「受領書格納先」ガジェット160に対して、ユーザがフォーマット変換後の受領書119をドラッグ&ドロップ操作等で投入すると、ガジェット160は、自身に設定されている所定の格納場所(例えばネットワーク上のファイルサーバ内の所定フォルダ)の情報を用いて、その格納場所にその受領書119を格納する。
<ガジェットの表示制御例4>
次に、図6A~図6Cを参照して、ガジェット表示制御の第4の具体例を説明する。
これまで説明した例は、いずれも単一の表象画像(に対応するオブジェクト)への操作をトリガとして、ガジェットを表示するものであった。これに対し、この例では、複数の表象画像が表すオブジェクト同士を結合する(例えば2つのテキストファイル内のテキストデータをマージして、1つのテキストファイルを作成する等)操作をトリガとして、ガジェットを表示する。
この例では、複数のオブジェクトを結合する操作として、2つの文書ファイルを「束ねる」操作を例にとって説明する。
それぞれ1以上のページからなる2つの文書ファイルに対して「束ねる」操作を行うと、それら文書ファイルに対応するアプリケーションが、一方の文書ファイルのページ群を束ね先に指定された他方の文書ファイルのページ群の後に追加し、1つの文書ファイルを生成する。例えば、出願人が提供している「DocuWorks(登録商標) Desk」というアプリケーションは、ファイルの表象画像(アイコン)を配置可能な作業領域画面を提供し、その作業領域画面内のあるファイルの表象画像をドラッグ&ドロップ操作等で他のファイルの表象画像の上に重ねると、前者のファイルを後者のファイルに「束ねる」処理を行う。この例は、そのようなアプリケーションを提供する画面上でのユーザの操作を検知し、これをOSのデスクトップ画面100上でのガジェット表示の制御に用いる。
例えば図6Aに示す例では、OSのデスクトップ画面100上に、2つの文書ファイル、申請書170と受領書172のアイコンが配置されている。これら申請書170と受領書172は、いずれも「束ねる」操作が可能な文書取扱アプリケーションのファイル形式(例えば上述のDocuWorks(登録商標)のファイル形式)のファイルである。図6Aの例では、ユーザは、受領書172のコンテキストメニュー175内のメニュー項目「編集」を選択している。この選択操作に応じて、図6Bに示すように、デスクトップ画面100上に上述の文書取扱アプリケーションの作業領域画面180のウインドウが開く。なお、文書取扱アプリケーションの作業領域画面180を開くための操作は、図示の例に限らない。この代わりに、OSが提供するメニュー画面上で、文書取扱アプリケーションを起動する操作を行うなどといった他の方式もある。
図6Bに示すように、ユーザは、開いた作業領域画面180内に、デスクトップ画面100上の申請書170と受領書172とを移動(又はコピー)し、申請書170をドラッグ&ドロップ(D&D)操作で受領書172の上に重ねたとする。この操作が「束ねる」操作である。この束ねる操作を検知した文書取扱アプリケーションは、受領書172の最終ページの後に申請書170のページ群を追加することで、「受領書+申請書」という名前のファイル174を生成する(図6C参照)。図示例では、元の2つの文書(申請書170と受領書172)は消えている。
トリガ監視部16(図1参照)は、OSのデスクトップ画面100上の操作だけでなく、文書取扱アプリケーションの作業領域画面180内での表象画像(申請書170と受領書172のアイコン等)に対してユーザが行う操作を監視している。ユーザが作業領域画面180内で申請書170と受領書172とを束ねる操作を行ったことをトリガ監視部16が検知すると、表示制御部18は、デスクトップ画面100上に「受領書+申請書格納先」ガジェット190を表示する。このために、ガジェット管理部12には、「受領書+申請書格納先」ガジェット190の表示トリガ操作として、申請書170と受領書172という2つの文書ファイルを「束ねる」操作が設定されている。それら2つの文書については、表示トリガ操作の設定情報中に、それぞれの文書ファイルのファイル名やファイル形式が満たすべき条件が規定される。
ユーザは、作業領域画面180内のファイル174をドラッグ&ドロップ操作等の操作で「受領書+申請書格納先」ガジェット190に投入する。これに応じて「受領書+申請書格納先」ガジェット190、自身に設定された格納場所の情報を用いて、その格納場所に対して、そのファイル174を格納する。
図6A~図6Cでは、2つの文書を束ねる操作を表示トリガとするガジェットを例示したが、3つ以上の文書を束ねる操作を表示トリガとするガジェットも考えられる。例えば第1文書と第2文書と第3文書とが束ねられたことを表示トリガとするガジェットについては、表示制御部18は、例えば、ユーザが第1文書を第2文書に束ねる操作を行ったことを(トリガ監視部16経由で)検知し、その後第1文書と第2文書を束ねてできた束ね済み文書に対してユーザが第3文書を束ねる操作を検知した場合に、そのガジェットを表示する。
また、図示は省略するが、文書取扱アプリケーションが、1つの文書に対する「ばらし」処理を行う機能を持つ場合、「ばらし」操作を表示トリガ操作とするガジェットがあってもよい。「ばらし」は、上述した「束ね」とは逆に、複数のページを含む1つの文書を、第1~mページまでの第1文書と、第(m+1)~最終ページまでの第2文書というように、ユーザが指定した区切りで複数の文書に分割する処理である。
このガジェットには、表示トリガ操作として、所定の対象条件(例えば特定のファイル名を持つ)を満たすファイルに対する「ばらし」操作が設定される。表示制御部18は、文書取扱アプリケーションの作業領域画面180上で、表示トリガ操作の対象条件を満たすファイルに対して「ばらし」操作が行われると、デスクトップ画面100上にそのガジェットを表示する。
<表示・非表示のトリガの設定>
次に、ガジェット設定処理部14(図1参照)を用いたガジェットの表示トリガ操作、非表示トリガイベントの設定処理について説明する。
ガジェット設定処理部14は、ユーザがトリガ設定対象のガジェットを選択すると、トリガの種類や、その種類に応じたトリガを構成するファイルや操作の指定等の作業を段階的に案内する案内画面をデスクトップ画面100上に表示する。ユーザは、案内画面の案内に従って、デスクトップ画面上で各種の表象画像に対して操作を行うことで、表示トリガ操作や非表示トリガイベントのパラメータを設定していく。
<トリガ設定の具体例1>
図7A~図7Eを参照して、トリガ設定処理の第1の具体例を説明する。
ユーザは、ガジェット設定処理部14を呼び出す操作(例えば、OSが提供するメニュー等からガジェット設定処理部14のプログラムを選択して起動する操作)を行う。この操作に応じて、ガジェット設定処理部14が、デスクトップ画面100上にガジェット設定画面200を表示する(図7A参照)。ガジェット設定画面200には、情報処理装置が保持するガジェット202の一覧が表示される。
ユーザは、ガジェット設定画面200上のガジェット202A(「申請業務」ガジェット)に対してトリガの設定を行う場合、そのガジェット202Aに対してマウスの右クリック操作等でコンテキストメニュー204を呼び出す。コンテキストメニュー204には、トリガの種類がメニュー項目として並んでいる。
図に例示したコンテキストメニュー204には、トリガの種類として「デスクトップ連携」、「仮想プリンタ」、「判断文書登録」、「ガジェット連携」の4つを挙げている。この具体例1では、そのうちの「デスクトップ連携」をユーザが選択した場合を説明する。
この場合、ガジェット設定処理部14は、図7Bに示すように、デスクトップ連携方式のトリガを設定するための案内画面210と、「申請業務」ガジェット202Aと、「申請業務」トリガ領域222と、を画面100上に表示する。なお、ガジェット設定処理部14が画面100上に表示するガジェット202A(表象画像)は、トリガ設定のための作業(例えば後述する表示位置の指定等)に用いるためのものであり、ガジェット202Aが表示制御部18により画面100に表示されたときに行う本来の処理機能(投入された申請文書の送信処理等)は実行しない。
ここでデスクトップ連携方式とは、デスクトップ画面100上に設定したトリガ領域内に対象ファイル(又はフォルダ)の表象画像を移動させる操作を、対応するガジェットの表示トリガ操作とする方式である。
案内画面210には、デスクトップ連携方式の概説の文章(「申請業務のガジェット表示を、デスクトップ操作と・・・・関連付けします。」)と、この方式での表示トリガ操作の設定のためにユーザが行う作業の説明とが示される。ここでユーザが行う作業には、(1)画面100上の「申請業務」ガジェット202Aを、自分が望む表示位置に移動させる作業(案内画面中の「ガジェット表示位置を変更したい・・・ガジェットを移動させてください。」)、(2)画面100上のトリガ領域222の位置やサイズを、自分が望む位置やサイズに変更する作業(「トリガ領域を変更したい・・・設定してください。」)、(3)トリガとなるファイル(文書)の条件を示すために見本となるファイルをそのガジェット202Aに関連付ける作業(「文書パターンを・・・ドラッグ&ドロップしてください。」)、である。なお、トリガ領域222にどのようなファイルが入ってもガジェット202Aを表示する(すなわち表示トリガ操作の対象となるファイルが限定されない)場合は、(3)の作業は不要である。
この案内画面210の案内文に従い、ユーザは、例えばガジェット202Aの位置をドラッグ&ドロップ操作で画面100上の希望の位置に移動させ、トリガ領域222の位置やサイズをマウス操作等で変更する。図7Cは、これらの作業が行われた直後の画面100の状態を示す。
さらに、ユーザは、表示トリガ操作を構成するファイルの条件を指定(上記(3))するために、画面100上に用意した見本のファイル224をドラッグ&ドロップ操作でガジェット202Aの位置まで移動させ、ガジェット202A上に重ねる(図7D参照)。トリガ設定対象であるガジェット202A上にファイル224が重ねられたことを検知したガジェット設定処理部14は、確認画面212を画面100上に表示する。この例は、表示トリガを構成するファイルの条件として、ファイル名を用いる場合の例である。確認画面212には、「申請書」というファイル名が検知されたことを示すメッセージと、そのファイル名を持つファイルが出現した(すなわち外からの移動等により配置された)場合にガジェット202Aを表示するという設定でよいか問い合わせるメッセージとが含まれる。確認画面212内のOKボタンをユーザが押下(例えばマウスのクリック操作)すると、ガジェット設定処理部14は、ガジェット202Aの表示トリガ操作の対象となるファイルの条件として、「申請書」というファイル名を持つこと、を記録する。ガジェット202Aの表示トリガ操作の対象となるファイルの条件として、複数のファイル名を設定したい場合は、この後他のファイル名を持つファイルを更にガジェット202A上に重ねる操作を行えばよい。表示トリガ操作の対象となるファイルの条件として複数のファイル名が設定されている場合、表示制御部18は、それら複数のファイル名のいずれかに該当するファイルがトリガ領域222内に位置した場合に、ガジェット202Aを画面100上に表示する。
なお、ガジェット設定処理部14が、ガジェット202A上に置かれたファイル224からファイル名とファイル形式の情報を抽出し、確認画面212上で、それらファイル名及びファイル形式の両方を満たすファイルをトリガとする(すなわちそのようなファイルがトリガ領域222に入ったときにガジェット202Aを表示する)か、そのファイル名を持つファイルをトリガとするか(ファイル形式は不問)、そのファイル形式を持つファイルをトリガとするか(ファイル名は不問)、をユーザに問い合わせ、それに対するユーザの選択を受け付けてもよい。
またガジェット設定処理部14は、ガジェット202Aの非表示トリガイベントを設定するための選択画面214を更に表示する。例示した選択画面214には、ガジェット202Aの処理対象となる文書(ファイル)が当該ガジェット202Aに投入されたこと(別の観点からいえば、画面表示されたガジェット202Aがユーザの投入した文書に対して処理を実行したということ)、及び、ユーザが手動で消去操作を行ったこと、の2つのイベントを選択肢として示している。もちろん、選択画面214は、これら以外の選択肢を含んでいてもよいし、例示して選択肢のうちの一部乃至全部を含んでいなくてもよい。この選択画面214上でユーザが希望する選択肢を選び、選択画面214内の「登録」ボタンを押下すると、選ばれた選択肢に対応するイベントがガジェット202Aの非表示トリガイベントとして記録される。
そして、最後に案内画面210内の「登録」ボタンをユーザが押下すると、ガジェット設定処理部14は、ガジェット管理部12に対して、ガジェット202Aの表示トリガ操作、非表示トリガイベント、及び表示位置の情報を登録する。表示トリガ操作の情報としては、確認画面212に対してユーザが確認したファイルの条件と、その押下の時点でのトリガ領域222の位置及びサイズの情報と、を登録する。また、選択画面214に対してユーザが選択したものとして記録したイベントを、そのガジェット202Aの非表示トリガイベントとして記録する。また、その押下の時点でのガジェット202Aの画面上の位置を、そのガジェット202Aの表示位置として登録する。
このようにして、デスクトップ連携方式のトリガが設定される。
<トリガ設定の具体例2>
図8A~図8Cを参照して、トリガ設定処理の第2の具体例を説明する。この例は、図8Aに示すように、ユーザが「申請業務」ガジェット202Aのコンテキストメニュー204から「仮想プリンタ」を選択した場合の例である。
この場合、ガジェット設定処理部14は、仮想プリンタ一覧画面230を画面100上に表示する(図8B参照)。ユーザは、仮想プリンタ一覧画面230内の仮想プリンタのアイコン群の中から、ガジェット202Aの表示トリガとするフォーマット変換を行うものを選択する。
この選択に応じて、ガジェット設定処理部14は、画面100上に、ガジェット202Aと、案内画面232を表示する(図8C参照)。案内画面232には、仮想プリンタをガジェットのトリガとする方式の概説の文章と、この方式での表示トリガ操作の設定のためにユーザが行う作業の説明とが示される。ここでユーザが行う作業には、(1)画面100上の「申請業務」ガジェット202Aを、自分が望む表示位置に移動させる作業、(2)トリガとなるファイル(文書)の条件を示すために見本となるファイルをそのガジェット202Aに関連付ける作業、である。なお、ファイルに関して条件を課さない場合は、(2)の作業は不要である。
ユーザは、案内画面232に従い、ガジェット202Aの位置をドラッグ&ドロップ操作で画面100上の希望の位置に移動させる。またユーザは、ファイルに関する条件を指定するために、画面100上に用意した見本のファイル224をドラッグ&ドロップ操作でガジェット202Aの位置まで移動させ、ガジェット202A上に重ねる。ガジェット202A上にファイル224が重ねられたことを検知したガジェット設定処理部14は、図7Dに例示した確認画面212と同様の確認画面を画面100上に表示し、ユーザの確認を求めてもよい。
また、この例でも、上述の具体例1と同様の選択画面214を提示して、ユーザに非表示トリガイベントを選択させてもよい。
<トリガ設定の具体例3>
図9A~図9Cを参照して、トリガ設定処理の第3の具体例を説明する。この例は、図9Aに示すように、ユーザが「申請業務」ガジェット202Aのコンテキストメニュー204から「判断文書登録」を選択した場合の例である。「判断文書登録」は、複数の文書ファイルが束ねられたことをトリガとしてガジェット202Aを表示する場合に行う設定作業である。
コンテキストメニュー204から「判断文書登録」が選択された場合、ガジェット設定処理部14は、ガジェット202Aと、案内画面240を画面100上に表示する(図9B)。案内画面240には、束ね操作に応じてガジェットを表示する方式の概説の文章と、この方式での表示トリガ操作の設定のためにユーザが行う作業の説明とが示される。ここでユーザが行う作業には、(1)画面100上の「申請業務」ガジェット202Aを、自分が望む表示位置に移動させる作業、(2)束ねの対象となる複数の文書ファイルを示すために見本となる複数のファイルをそのガジェット202Aに関連付ける作業、である。
ユーザは、案内画面240に従い、ガジェット202Aの位置をドラッグ&ドロップ操作で画面100上の希望の位置に移動させる。
またユーザは、束ねるファイルを指定するために、画面100上に用意した見本の2つのファイル242及び244をドラッグ&ドロップ操作で画面100上のガジェット202Aの位置まで移動させ、ガジェット202A上に重ねる。
ガジェット202A上に2つのファイル242,244が重ねられたことを検知したガジェット設定処理部14は、図9Cに示すように、確認画面246を画面100上に表示する。確認画面246には、ガジェット202A上に重ねられた複数のファイルのファイル名が示されると共に、これらが重ねられたらガジェット202Aを表示するという設定でよいか確認を求めるメッセージが示される。ユーザは、その設定でよい場合、確認画面246上のOKボタンを押下する。表示トリガにはそれら2つのファイルでは足りず、更に多くのファイルをそれらに束ねる場合には、ユーザは更なる見本のファイルをガジェット202Aの位置に重ねる。ガジェット設定処理部14は、ガジェット202A上に新たなファイルが重ねられた場合、そのファイルのファイル名を確認画面246内のファイル名のリストに追加し、ユーザの確認を求める。ユーザがOKボタンを押下すると、ガジェット設定処理部14は、そのとき確認画面246に表示していたファイル名の集合を、ガジェット202Aの表示トリガを構成する束ね対象のファイルのファイル名の集合として記録する。
そして、案内画面240上の登録ボタンが押下されると、ガジェット設定処理部14は、そのときのガジェット202Aの画面100上での位置をガジェット202Aの表示位置としてガジェット管理部12に登録すると共に、さきに記録した束ね対象のファイル名群が束ねられたことを表示トリガ操作としてガジェット管理部12に登録する。
また、この例でも、上述の具体例1と同様の選択画面214を提示して、ユーザに非表示トリガイベントを選択させてもよい。
<トリガ設定の具体例4>
図10A~図10Dを参照して、トリガ設定処理の第4の具体例を説明する。この例は、図10Aに示すように、ユーザが「申請業務」ガジェット202Aのコンテキストメニュー204から「ガジェット連携」を選択した場合の例である。「ガジェット連携」は、ガジェット202Aの表示又は非表示を他のガジェットの動作と連携させる方式である。
コンテキストメニュー204から「ガジェット連携」が選択された場合、ガジェット設定処理部14は、ガジェット202Aと、案内画面250を画面100上に表示する(図10B)。案内画面250には、ガジェット連携方式の概説の文章と、この方式での表示トリガ操作の設定のためにユーザが行う作業の説明とが示される。ここでユーザが行う作業には、(1)画面100上の「申請業務」ガジェット202Aを、自分が望む表示位置に移動させる作業、(2)連携させたいガジェットをそのガジェット202Aに関連付ける作業、である。
ユーザは、案内画面250に従い、ガジェット202Aの位置をドラッグ&ドロップ操作で画面100上の希望の位置に移動させる。
またユーザは、連携させるガジェットをガジェット設定画面200内のガジェット202の中から選び、選んだガジェット202をドラッグ&ドロップ操作で、画面100上のガジェット202Aに重ねる。ここでは、ユーザは、申請業務ガジェット202Aに連携させるものとして、依頼受信ガジェット202Bを選択したとする。
設定の対象である画面100上のガジェット202Aに、別のガジェット202Bが重ねられた場合、ガジェット設定処理部14は、図10Cに例示するように、連携条件指定画面252を表示する。連携条件指定画面252は、申請業務ガジェット202Aと依頼受信ガジェット202Bの2つと、ガジェットから文書が取り出された場合とガジェットに文書が投入された場合の2つのケースと、の間の2×2の組合せのそれぞれについて、ガジェットの振る舞いの選択をユーザに求める構成となっている。例えば、「依頼受信ガジェットから文書取出」という記載の下には、依頼受信ガジェット202Bから文書が取り出されたときの申請業務ガジェット202Aの表示制御の選択肢を示すプルダウンメニューが設けられている。ユーザがプルダウンメニューを表示させる操作を行うと、図10Dに示すように、3つの選択肢を示したプルダウンメニュー254が表示させる。例示される3つの選択肢は、申請業務ガジェットを表示する、申請業務ガジェットを非表示にする、特に何もしない、である。ユーザは、これら3つの中から、依頼受信ガジェット202Bから文書が取り出されたときの申請業務ガジェット202Aの振る舞いを選択する。2×2の4つのケースの他の3つについても、ユーザは同様のプルダウンメニューから選択を行ってもよい。
なお、あるケースについてユーザが選択した選択肢に応じて、別のケースの選択肢を制限してもよい。例えば、「依頼受信ガジェットから文書取出」ケースについてユーザが選択肢「申請業務ガジェットを表示する」を選んだ場合、「依頼受信ガジェットから文書投入」ケースについて選択肢「申請業務ガジェットを表示する」を選べなくなるようにしてもよい。選べるとすると、申請業務ガジェットの表示トリガが複数になってしまい、ユーザの操作に応じて複数のガジェットが順に表示されていく処理フローが複線化し、ユーザの混乱を招きやすくなるからである。また、同じ場合について、「申請業務ガジェットから文書取出」及び「申請業務ガジェットに文書投入」ケースについて選択肢「依頼受信ガジェットを表示する」を選べなくなるようにしてもよい。これが選べるとすると、表示中の依頼受信ガジェットからの文書取り出しで申請業務ガジェットが表示され、その申請業務他ジェットに対する文書の出し入れで再度依頼受信ガジェットが表示される等、処理フローにおいてループが生じ、ユーザの混乱を招きやすくなる。このような制限を行う例では、ガジェット設定処理部14は、先に選ばれた選択肢に応じて、他のケースのプルダウンメニューにおいて選択可能とする選択肢を絞り込む。
ユーザが各ケースについて必要な選択を行った後、ユーザが連携条件指定画面252内の登録ボタンを押下すると、ガジェット設定処理部14は、各ケースについてユーザが選んだ選択肢に応じたトリガの情報をガジェット管理部12に登録する。例えば、「依頼受信ガジェットから文書取出」ケースについてユーザが選択肢「申請業務ガジェットを表示する」を選んだ場合、ガジェット設定処理部14は、申請業務ガジェット202Aの表示トリガ操作として、依頼受信ガジェット202Bからの文書取出操作を設定する。
図10A~図10Cの例は、ユーザが選んだ2つのガジェットのいずれを他方の表示・非表示のトリガとしてもよい形で設定を行えるものであった。別の例として、表示又は非表示のトリガの設定対象とする第1ガジェットをまず選び、その後その第1ガジェットのトリガとなる他のガジェット(第2ガジェット)とこれに対する操作との組を、第1ガジェットの表示又は非表示のトリガとして指定する方式も可能である。
以上、ガジェットに対する表示及び非表示のトリガの設定処理についていくつかの具体例を示した。以上に例示した処理はあくまで一例に過ぎず、他の設定処理方式も可能である。
例えば図7A~図7Eの例では、設定対象のガジェットを選択し、そのガジェットに対する表示トリガと非表示トリガを一連の流れの中で設定したが、これは一例に過ぎない。1つのガジェットについての表示トリガと非表示トリガを別々に設定できるようにしてももちろんよい。
また、ガジェットの非表示トリガの設定方式は、図7Eに例示した選択画面214のように選択肢の選択により指定する方式に限らない。別の例として、例えば、表示トリガの設定の場合と同様、画面100上のどのオブジェクト(ファイルや他のガジェット等)に対して、どのような操作(例えばファイルを開く又は閉じる、他の特定ガジェットに特定ファイルを投入する等)が行われることが非表示トリガイベントとなるのかを設定するようにしてもよい。
また、以上では、デスクトップ画面100上に表示されるガジェットの表示・非表示の制御を例にとって説明したが、これは一例に過ぎない。上述した各種の制御は、デスクトップ画面100以外の画面(例えば文書取扱アプリケーションが提供する作業領域画面180。図6B等参照)上のガジェットの表示・非表示の制御にも適用可能である。
なお、ガジェット設定処理部14は、ガジェット設定画面200からユーザが選択したガジェットについての表示トリガ等の設定処理が完了する(すなわちガジェット管理部12へのトリガの情報の登録が終わる)と、この設定処理において画面100上に表示した表象画像(例えばガジェット202A、202B、トリガ領域222を示す枠線等の図形)を画面100上から消去する。
以上に例示した情報処理装置は、例えば、コンピュータに上述の各機能を表すプログラムを実行させることにより実現される。ここで、コンピュータは、例えば、ハードウエアとして、CPU等のマイクロプロセッサ、ランダムアクセスメモリ(RAM)およびリードオンリメモリ(ROM)等のメモリ(一次記憶)、フラッシュメモリやSSD(ソリッドステートドライブ)、HDD(ハードディスクドライブ)等の固定記憶装置を制御するコントローラ、各種I/O(入出力)インタフェース、ローカルエリアネットワークなどのネットワークとの接続のための制御を行うネットワークインタフェース等が、たとえばバス等を介して接続された回路構成を有する。それら各機能の処理内容が記述されたプログラムがネットワーク等の経由でフラッシュメモリ等の固定記憶装置に保存され、コンピュータにインストールされる。固定記憶装置に記憶されたプログラムがRAMに読み出されCPU等のマイクロプロセッサにより実行されることにより、上に例示した機能モジュール群が実現される。