JP7214679B2 - 肌ダメージの判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は肌ダメージの判定方法、及び肌ダメージ抑制剤の評価又は選択方法に関する。
太陽光曝露等により皮膚は様々なダメージを受けている。特に紫外線領域(290~400nm)の光は、皮膚に有害な作用を及ぼし、短期間の曝露により引き起こされる紅斑や色素沈着形成、さらには長期間の曝露で引き起こされる光老化や発癌などに深く関与していることが知られている(非特許文献1,2)。紫外線が皮膚性状に与える影響に関しては、例えば動物を用いた単回の紫外線照射により、TEWLが上昇する、結合セラミドが減少する、細胞間脂質の構造が乱れるなどの報告がある(非特許文献3,4)。角層水分量に与える影響についても、ヒト皮膚に1MED(最小紅斑量)以上の単回の紫外線照射を行うことにより、照射1週間後に角層水分量が低下することが報告されている(非特許文献5)。また、スクワレンの過酸化物をへアレスマウスに3週間塗布を行うと、表面が粗くなることも報告されている(非特許文献6)。
紫外線による障害から皮膚を防御・改善する技術として、サンスクリーン剤などを塗布する方法がある。紫外線が遮断されると、皮膚初期応答に重要な照射直後に産生する活性酸素種(ROS)やROSとの反応により生成する生体酸化物の産生は抑制される。
一方で、紫外線照射後のROSやROSとの反応により生成する生体酸化物を制御することで、紫外線障害から皮膚を制御する方法も示唆されている。抗酸化剤などの皮膚への塗布がそれに相当する。これまでの培養細胞系での検討において、ROS産生を引き金にし、細胞外マトリックスの分解(光老化)、炎症の惹起、アポトーシスの誘導など様々な生体反応を誘発することは古くから知られているものの(非特許文献7)、ヒト皮膚に代表されるin vivoでのROSの詳細な役割や、時間軸に沿って起こるその後の皮膚障害との関連性は未だ不明な点が多い。その理由として、非侵襲的にROSや酸化ストレス、皮膚抗酸化能を評価する手法がほとんどないことが挙げられる。
ヒト皮膚の酸化ストレス、抗酸化能を評価する方法としては、生検皮膚を用いた方法が存在するが侵襲的であるために汎用されるには至っていない。角層テープストリッピングによる酸化タンパク質や抗酸化物質の評価は低侵襲的ではあるが、角層のみの評価に留まり、皮膚内部の状態を反映しているとは言い難い(非特許文献8、9)。非侵襲的な評価方法として、ラマン分光法による皮膚中カロテノイド測定の報告が存在するが、単一の抗酸化物質の評価であり、これもまた皮膚全体の応答を反映しているとは言い難い(非特許文献10)。
そのような中、非侵襲的に生体の酸化状態を評価できる技術として、生体微弱発光(バイオフォトン)の検出技術が注目されている。バイオフォトンとは、生物が生命活動に伴って放射している極めて弱い自発的発光である。その由来として、一重項酸素や励起カルボニル化合物類が推察されており、生体の酸化反応に起因した発光と考えられている。バイオフォトンは、植物、微生物、動物など様々な生物で観測され、ヒト皮膚においては、特に紫外線A波(UVA)を照射した後のバイオフォトン量が測定されており、皮膚色の違いにより発光強度が異なること(非特許文献11)、抗酸化クリーム塗布により発光が低減されることが報告されている(非特許文献12)。
しかし、これらの報告は、UVA照射直後から数分間の積算値で評価しており、刻々と変化する酸化ストレス応答の詳細を経時的に評価しておらず、また肌のダメージとの相関性に言及した報告でもない。
Photodermatol. Photoimmunol. Photomed. 18, 75-81 (2002) Toxicology 189, 21-39 (2003) J. Invest. Dermatol. 123, 1102-9 (2004) Exp. Dermatol. 16, 985-92 (2007) Photochem. Photobiol. 93, 1276-81 (2017) Exp. Dermatol. 8, 471-79 (1999) J. Invest. Dermatol. 126, 2565-75 (2006) Skin Res. Technol. 13, 84-90 (2007) J. Invest. Dermatol. 110, 756-61 (1998) J. Invest. Dermatol. 115, 441-48 (2000) Photodermatol. Photoimmunol. Photomed. 25, 65-70 (2009) Skin Pharmacol. Physiol. 24, 300-4 (2011)
本発明は、紫外線等による肌ダメージを非侵襲的に即判定する方法、及び肌ダメージ抑制剤を評価・探索する方法を提供することに関する。
本発明者らは、紫外線等による皮膚のダメージを早期に評価し得る方法について検討した結果、ヒト皮膚に疑似太陽紫外線を照射してから数分後のバイオフォトン量が、角層水分量の低下、表面粗さの増加、角層細胞間脂質パッキングの低下等の皮膚性状の変化及び抗酸化能の低下、すなわち肌ダメージに深く相関し、当該バイオフォトン量を指標として、肌ダメージを早期に評価できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の1)及び2)に係るものである。
1)被験者の皮膚に紫外線を照射し、該照射後の所定期間内に検出されるバイオフォトンの量を用いて肌ダメージを判定する工程を含む肌ダメージの判定方法であって、該所定期間は、その50%を超える期間が照射後30秒~3分の期間と重なる期間である、方法。
2)試験物質を被検対象に投与又は接触させる工程、及び被検対象の皮膚又は皮膚細胞に紫外線を照射し、該照射後の所定期間内に検出されるバイオフォトンの量を用いて試験物質を評価する工程を含む肌ダメージ抑制剤の評価又は探索方法であって、該所定期間は、その50%を超える期間が照射後30秒~3分の期間と重なる期間である、方法。
本発明によれば、単一の皮膚性状を測定するだけでは判別が難しかった肌ダメージを総合的にかつ高精度に評価可能となり、非侵襲的で簡便かつ早期に肌ダメージを判定する技術を提供することができる。
本発明の肌ダメージの判定方法では、被験者の皮膚に紫外線を照射し、該照射後の所定期間内に検出されるバイオフォトンの量が指標として用いられる。
また、本発明の肌ダメージ抑制剤の評価又は探索方法では、試験物質を被検対象の皮膚又は皮膚細胞に投与又は接触させ、被検対象の皮膚又は皮膚細胞に紫外線を照射した場合の、該照射後の所定期間内に検出されるバイオフォトンの量が指標として用いられる。
本発明の方法において、照射する紫外線としては、紫外領域に波長を有する光線であれば特に限定されず、具体的には波長が285~320nmのUV-B波、または320~400nmのUV-A波が挙げられる。本発明ではA波とB波の混合紫外線が好ましく、光の強度の割合(A波/B波)が6~20であるのが好ましく、7~15であるのがより好ましく、8~12であるのが更に好ましい。
照射する紫外線の強度は特に限定されないが、例えば、好ましくは10mW/cm以上、より好ましくは20mW/cm以上、より好ましくは30mW/cm以上であり、且つ好ましくは200mW/cm以下、より好ましくは170mW/cm以下、より好ましくは150mW/cm以下である。また、好ましくは10~200mW/cm、より好ましくは20~170mW/cm、より好ましくは30~150mW/cmである。なお、本発明において紫外線の強度とは、UV-B波とUV-A波を合わせた波長領域(285~400nm)の紫外線の強度を意味する。
紫外線の強度は、市販されている測定器を用いて測定することが可能であり、Solarmeter Model 5.0 (UVA+B)(Solartech Inc.)、多目的分光放射計 MSR-7000N(オプトリサーチ社)などが挙げられる。
また、照射時間は、照射する紫外線の強度によって異なるが、例えば5~300秒間が挙げられ、好ましくは5~240秒間、更に好ましくは5~200秒間である。
照射紫外線強度と照射時間により決定される紫外線照射量(照射エネルギー)としては、好ましくは300~8000mJ/cmであり、より好ましくは300~7000mJ/cm、さらに好ましくは500~7000mJ/cm、さらに好ましくは600~6000mJ/cmである。
紫外線を照射するための紫外線照射装置は、上述した波長範囲の光を発することが可能な光源を備えていれば特に限定されず、光源としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、ウッドランプ、蛍光検査灯等が挙げられ、好ましくはキセノンランプである。
斯かる光源に、必要に応じて、紫外線領域の波長の光を透過できるフィルターを組み合わせることにより、照射波長が調節される。
紫外線照射が行われる被験者の皮膚部位としては、紫外線照射やバイオフォトン量測定が可能な部位であれば特に限定されないが、紫外線による肌ダメージを評価する際には生活紫外線を受けやすい部位が好ましい。具体的には、前腕外側部、前腕内側部、上腕外側部、上腕内側部、頸部、背部等の皮膚が挙げられ、前腕外側部、前腕内側部、頸部が好ましく、前腕外側部、又は頸部がより好ましい。
また、本発明の肌ダメージ抑制剤の評価又は選択方法における被検対象としては、ヒト(被験者)の他に、培養表皮細胞や3D皮膚モデルや培養皮膚組織等が含まれ、紫外線照射は、上記と同様の被験者の皮膚部位、又は培養表皮細胞や皮膚培養組織における当該細胞又は組織(皮膚)に対して行われる。培養表皮細胞としては、好ましくは表皮角化細胞(ケラチノサイト)が挙げられ、3次元培養皮膚細胞としては、EpiDermTM(MatTek Corporation社製)、EpiSkin(SkinEthic社製)、RHE(SkinEthic社製)、Labcyteエピモデル(J-TEC社製)等の市販品が使用できる。
後記試験例1~3に示すとおり、皮膚に紫外線照射した後、主として30秒~3分の期間におけるバイオフォトン量と、露光部の皮膚性状、具体的には角層水分量、表面粗さ及び角層細胞間脂質パッキングと相関関係が認められた(表1)。一方、紫外線曝露習慣の違いが引き起こす皮膚性状の変化(肌ダメージ)を検証したところ、紫外線曝露歴が長いヒトでは短いヒトに比べて角質水分量の低下、毛穴面積の増加、毛穴比率の増加、表面粗さの増加、角層細胞間脂質パッキングの低下傾向が認められ(表2)、実際の皮膚の外見変化として、目の下のシワの増加、頬にあるシミの増加、頬の毛穴の増加や目立ちが認められた(表3)。また、皮膚の特定の外見変化が特定の皮膚性状の変化と相関することも認められた(表5)。
さらに後記試験例4、5に示すとおり、皮膚に紫外線照射した後、主として30秒~3分の期間におけるバイオフォトン量と露光部の抗酸化酵素量との相関関係が認められた(表6)。一方、紫外線曝露習慣の違いが引き起こす露光部である頬部の抗酸化酵素量の変化を検証したところ、紫外線曝露歴が長いヒトでは短いヒトに比べて抗酸化酵素量の有意な低下が認められた(表7)。
また、さらに後記試験例6、7に示すとおり、紫外線照射後所定期間内に検出されるバイオフォトンの量を低下させる試験品は、紫外線による皮膚性状の変化や肌ダメージを低下させることが認められた。すなわち、紫外線照射後所定期間内に検出されるバイオフォトンの量は、肌ダメージ抑制剤の評価又は探索するための指標となり得る。
本発明の肌ダメージの判定方法、又は肌ダメージ抑制剤の評価又は探索方法においては、紫外線照射後30秒~3分の期間と、その50%を超える期間が当該期間と重なる期間を所定期間とし、当該所定期間のバイオフォトン量が判定又は評価に用いられる。
所定期間は、その50%を超える期間が上記照射後30秒~3分の期間と重なる期間として設定されるが、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上が照射後30秒~3分の期間と重なるように設定するのが好ましく、その100%が重なる、照射後30秒~3分内の期間であるのがより好ましい。
ここで、所定期間と照射後30秒~3分の期間が重なるとは、両期間に共通の期間が存在することを意味し、その50%を超える期間が重なるとは所定期間の50%を超える期間が照射後30秒~3分の期間と重なることを意味する。
また、紫外線照射直後の初期期間はバイオフォトン量が多く、本発明の判定又は評価に及ぼす影響が大きいことから、本発明の所定期間は、紫外線照射直後の初期期間と重ならないように設定するのが好ましい。具体的には、照射終了後から5秒まで、好ましくは10秒まで、より好ましくは30秒までの初期期間と重ならないように設定するのが好ましい。
所定期間の長さは、有効な量のバイオフォトンを測定する観点から、好ましくは20秒間~3分間、より好ましくは25秒間~2分30秒間又は30秒間~3分間、より好ましくは30秒間~2分間である。
より好適な所定期間としては、例えば照射後1~2分の1分間、照射後2~3分の1分間、照射後1~3分の2分間、照射後30秒~1分の30秒間が挙げられる。
バイオフォトンの検出は、極微弱なバイオフォトンの検出が可能な高感度で低ノイズのCCD等の検出部を備えた光学検出装置によって行われる。光学検出装置としては、例えば、微弱発光強度検出装置(CLA-IDFsk、東北電子産業社製)を用いることができる。検出される放射光の波長は検出装置の光電子増倍管により異なるが、前記装置では300~850nmのバイオフォトンが検出される。また、バイオフォトン量の測定は、測定環境に由来する光の影響を極力抑えるため、可能な限り遮光された空間で実施されるのが好ましく、例えば暗室にて実施される。
すなわち、暗室にて、前記の紫外線照射装置を用いて測定部位に紫外線を照射し、次に微弱発光強度検出装置により紫外線照射部位から発するバイオフォトンの量を測定するのが好ましい。また、紫外線照射装置における紫外線放射部と微弱発光強度検出装置における検出部は別々であっても良いが、紫外線照射とバイオフォトンの検出が装置を付け替えることなく行えるという観点から、紫外線放射部(具体的には紫外線照射装置から伸びている光照射用のファイバー)と検出部を一体とし、光路の切り替えによって使用する装置が替えられる構造となっていることが好ましい。
紫外線照射により発生したバイオフォトンの量は、予め紫外線照射前の安静時の発光強度(「定常バイオフォトン量」とも称す)を測定しておき、続いて紫外線照射後の所定期間内における発光強度(「照射後バイオフォトン量」とも称す)を測定し、その値から安静時発光強度を引いた値を発光増分(「応答バイオフォトン量」とも称す)として算出できる。
本発明において、「肌ダメージ」とは、外的内的要因により、正常な肌の状態が変化することを意味し、さらに具体的には紫外線による肌ダメージが挙げられる。本発明において明らかとした紫外線による肌ダメージとしては、例えば角層水分量の低下、毛穴面積の増加、毛穴比率の増加、表面粗さの増加、角層細胞間脂質パッキングの低下等の皮膚性状の変化、及びこれらによって引き起こされる、シワの増加、シミの増加、毛穴の目立ち等の皮膚の変化、並びに抗酸化能に代表される酸化損傷(ダメージ)に対する生体防御機能の低下が挙げられる。また、「肌ダメージの抑制」とは、当該皮膚性状の変化を緩和又は抑制し、シワやシミ、毛穴の目立ち等を抑制又は改善すること、抗酸化能の低下等の酸化損傷(ダメージ)に対する生体防御機能の低下を抑制することを意味する。
ここで、「角層水分量」とは、角層に含まれる水分量を意味し、例えばコルネオメーターを用いて測定することができる。角層水分量は頬にあるシミと良く相関した。
「毛穴面積」とは、毛穴1つ当たりの面積の平均値を意味し、「毛穴比率」とは、毛穴の占める面積の割合を意味する。これらは、例えば皮膚レプリカ標高像から、画像処理ソフトウェアを用いて毛穴領域を抽出し、毛穴部の平均面積(平均毛穴面積)と視野中に占める割合(毛穴面積比率)を算出することにより測定できる。毛穴面積は目の下のシワ、頬の毛穴目立ちと良く相関した。
「表面粗さ」とは、皮膚表面の凹凸の状態を意味し、例えばレプリカ剤を被験部位に塗布し、一定時間経過後、固化したレプリカ剤の表面形状(最大高さ:Smax、面平均粗さ:Sa、面二乗平方根粗さ:Sq)を求めることにより測定できる。表面粗さは、目の下のシワ、頬にあるシミ、頬の毛穴目立ちと良く相関した。
「角層細胞間脂質パッキング」は、細胞間脂質の分子会合状態を意味し、共焦点ラマン分光器を用いて、非特許文献(Skin Res Technol. 21, 76-83
(2015))に記載の方法により、角層細胞間脂質のパッキング評価指標(R’CH)を算出できる。例えば671nmの光を皮膚に照射し、生じるラマン散乱光を測定することにより算出できる。角層細胞間脂質パッキングは、目の下のシワと良く相関した。
また、「抗酸化能」とは、酸化損傷を引き起こす酸化ストレスに対する生体防御機能を意味する。具体的に生体防御機能を司るものとして、活性酸素種(ROS)を低減させる様々な抗酸化酵素や抗酸化物質が知られている。スーパーオキサイドアニオンラジカルを酸素分子と過酸化水素とに不均化する反応を触媒するSuperoxide dismutase(SOD)は重要な抗酸化酵素の一つであり、ヒトでは3種類のSODがあり、SOD1は細胞質に、SOD2はミトコンドリアに、SOD3は細胞外に存在している。SODの外用により紫外線照射後の炎症が低減されることが報告されている(Exp Dermatol. 6, 116-21(1997))。SOD以外の抗酸化酵素としては、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、チオレドキシン等が挙げられる。生体内の抗酸化物質としては、プロビタミンA等のカロテノイド、ビタミンC、ビタミンE、グルタチオン等が挙げられる。抗酸化能は、抗酸化酵素として、例えばSOD量を測定することにより評価することができる。その際、抗酸化酵素量に代えて抗酸化酵素の活性を抗酸化酵素量の指標として用いることも可能である。または、抗酸化物質として、例えば皮膚中のカロテノイド量をラマン分光法等で測定することにより評価することもできる。
本発明の肌ダメージの判定方法においては、例えば、年齢若しくは年代毎、又は性別毎に予め本発明における紫外線照射後の一定期間に検出されるバイオフォトンの量を測定して、基礎データとして取得しておき、それらから算出された平均値と標準偏差から、被験者の年齢(年代)、性別における偏差値を計算して、肌ダメージの指標とすることができる。または、訓練を受けた専門家がシワ、シミ、毛穴目立ちに関して目視で評価した老化スコアや、機器測定による皮膚性状の変化(角層水分量の低下、毛穴面積の増加、毛穴比率の増加、表面粗さの増加、角層細胞間脂質パッキングの低下等)、抗酸化能の程度を示す皮膚中の抗酸化酵素や生体内抗酸化物質等の測定値に関し、それらと偏差値範囲を関係づける適当な評価基準を作成し、それに基づいて被験者の偏差値から被験者の肌ダメージを判定することもできる。
上記による肌ダメージの判定方法は、非常に短時間で判定可能で、被験者への負担も少ない。本発明の判定方法により得られた肌ダメージに関する情報は、紫外線照射による障害を軽減するUVケア対策に、UVケア化粧料の購入時における製品選択やUVケア化粧料の推奨販売における製品推奨の指標として、役立てることができる。
本発明の肌ダメージの判定方法は、所謂人間の身体の各器官の構造又は機能を測定する等して人体から各種の資料を収集するための方法に該当し、上記の目的で使用される。すなわち、医療目的で人間の病状や健康状態等の身体状態又は精神状態を判断するものではない。斯かる意味において、本発明の肌ダメージの判定方法は、肌ダメージの測定方法或いは肌ダメージの検査方法とも表記し得る。
本発明の肌ダメージ抑制剤の評価又は探索は、試験物質を被検対象に投与又は接触させる工程を含み、被検対象の皮膚又は皮膚細胞に紫外線を照射し、該照射後の所定期間内に検出されるバイオフォトンの量を用いて試験物質の評価が行われる。
ここで、投与される試験物質としては、特に制限されず、天然に存在する物質であっても、化学的又は生物学的方法等で人工的に合成した物質であってもよく、また化合物であっても、組成物若しくは混合物であってもよい。但し、安全性が確保された既知の物質、例えば医薬品、化粧品、及びそれらの原料として使用されている物質や組成物であることが好ましい。尚、試験物質が医薬品や化粧品等の組成物である場合、該組成物が紫外線吸収剤や紫外線散乱剤等の紫外線防御素材を含有していると、本評価又は探索法における紫外線照射において、被検対象の皮膚又は皮膚細胞に照射される紫外線が物理的に防御されてしまうため、検出されるバイオフォトンの量に影響を及ぼすおそれがある。従って、本評価又は探索法において試験物質が組成物である場合、該組成物は、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤等の紫外線防御素材を含有していない組成物であることが好ましい。または、本評価又は探索方法において試験物質として紫外線防御素材を含有する組成物を評価する場合、バイオフォトン量測定前又は紫外線照射前に該組成物を被検対象の皮膚又は皮膚細胞から除く処理を行うことが好ましい。
試験物質の投与形態は、経口又は非経口投与のいずれでも良いが、非経口投与の形態であるのが好ましく、具体的には、軟膏、クリーム、乳液、ローション、ジェル、エアゾール、パッチ、テープ、スプレー等の種々の形態で皮膚に塗布する形態が好ましい。
また、試験物質を被検対象へ投与又は接触させる回数は特に限定されない。また、紫外線照射と同時又は直前の単回投与又は接触であっても良いが、紫外線照射前に所定の投与又は接触期間を設け、その期間内において所定の投与又は接触頻度で1回又は複数回投与若しくは接触するのが好ましい。被検対象がヒトである場合、投与期間としては、1日以上が好ましく、1週間以上がより好ましく、4週間以上がさらに好ましい。また6ヶ月以下が好ましく、3ヶ月以下がより好ましく、2ヶ月以下がさらに好ましい。投与頻度は、1日当たり1回以上が好ましく、1回~5回がより好ましく、1回~3回がさらに好ましく、2回がさらに好ましい。
被検対象として培養表皮細胞や3D皮膚モデルや培養皮膚組織等を用いる場合、接触期間は1時間以上が好ましく、6時間以上がより好ましく、24時間以上がさらに好ましい。また72時間以下が好ましく、48時間以下がより好ましく、36時間以下がさらに好ましい。接触頻度は前記接触期間中1回以上が好ましく、1~4回がより好ましく、1又は2回がさらに好ましい。
そして、紫外線照射後の所定期間内に検出されるバイオフォトンの量が測定され、バイオフォトン量を低下させる試験物質が、肌ダメージ抑制剤として評価される。
バイオフォトン量を低下させる試験物質の同定は、例えば、異なる濃度の試験物質を投与した場合に測定されるバイオフォトン量を比較することによって行うことができる。より具体的な例としては、より高濃度の試験物質投与群とより低濃度の試験物質投与群との間;試験物質投与群とプラセボ投与群との間;試験物質投与群と無投与群との間;又は試験物質投与前後で、バイオフォトン量を比較する。試験物質の投与により、又はより高濃度の試験物質の投与によりバイオフォトン量が低下する場合、当該試験物質をバイオフォトン量低下物質として同定することができる。
例えば、試験物質投与群におけるバイオフォトン量が対照群(プラセボ投与群又は無投与群)と比較して低下傾向が認められた場合、好ましくは統計学的に有意な低下が認められた場合、当該試験物質をバイオフォトン量低下物質として同定することができる。
そして、同定されたバイオフォトン量を低下させる試験物質は、肌ダメージ抑制剤として評価することができる。
このようにして選択された肌ダメージ抑制剤は、例えば、肌ダメージ、好ましくは紫外線による肌のダメージ、例えばシワやシミの発生、毛穴の増加や目立ち等を抑制又は改善するための皮膚外用剤、すなわちUVケア化粧料として使用すること、或いは肌ダメージを抑制するための素材又は製剤としてUVケア化粧料等の皮膚外用剤に配合して使用することができる。
(実施例1)
1.被験者
20歳代健常女性で、後記の光曝露歴による群分けで低曝露群(インドア派)に群分けされた22名と高曝露群(アウトドア派)に群分けされた21名の計43名。
2.光曝露履歴による群分け
被験者が、一定の年齢範囲において太陽光に曝露されていた標準的な時間を、生活習慣や屋外レジャー活動に関するアンケート調査に基づいて予測し、実年齢を考慮して累積光曝露時間を計算した。なお、アンケートの質問項目は米国がんセンター公開の光曝露歴に関する質問票をもとに作成した(Arch. Dermatol. 144, 217-22 (2008))。次いで、被験者の年間平均光曝露時間を求め、その時間の長さに基づき、ほぼ均等となるよう低曝露群と高曝露群の2群に切り分けた。
3.試験方法
被験者は、被験部位(上腕内側または前腕外側または頬)を市販のメイク落としと洗顔料を用いて洗浄し、環境可変室(室温21±1℃、湿度50%RH)にて20分間馴化した。その後、皮膚性状測定を行った。最後に暗室にてバイオフォトン量測定を行った。
4.光源
光源は300W型のキセノン光源(MAX-302、朝日分光社製)に、WG-320フィルター(厚さ1mm、渋谷光学社製)を取り付けて使用した(紫外線A波(UVA)/紫外線B波(UVB)=10.8)。
5.バイオフォトン量測定方法
微弱発光強度検出装置(CLA-IDFsk、東北電子産業社製)を用いて、暗室中にて測定を行った。非特許文献(Skin Res. Technol. 14, 112-120, 2008.)記載の方法を参考に、10分間の暗室馴化を行った。その後、安静座位にて装置の検出部アタッチメントと測定部位(上腕内側または前腕外側)とを密着させた。なお該検出部アタッチメントには光源からの光照射用ファイバーが繋がって一体となっており、光路を切り替えることで紫外線照射とバイオフォトン検出が替えられる構造となっている。紫外線照射前に、安静時の発光強度(定常バイオフォトン量)を2分間測定した。続いて、紫外線照射(47.6mW/cm、30秒間)を行い、直後からの発光強度(照射後バイオフォトン量)を4分間測定した。データは0.1秒毎に取得した。
特定時間区分(照射直後から1分まで、照射1分後から3分後まで、及び照射30秒後から1分後まで)の発光の平均値から安静時発光を引いた値を、紫外線照射による発光増分(応答バイオフォトン量)として算出し、それぞれBP0-1min、BP1-3min、及びBP30-60secと表記した。
6.老化スコア測定方法
VISIA-CR(Canfield社製)を用いて顔画像を取得し、訓練を受けた専門の判定者により、被験部位の視覚的老化度について、目の下のシワ、頬にあるシミの密度、頬の毛穴の計3項目の目視評価を行った。目の下のシワは眼窩の下端から発生するシワのうち、最も深いシワの深さについて10段階で評価を実施した。頬にあるシミの密度はシミの密度のみを8段階で評価、頬の毛穴は全毛穴中、上位10個の平均サイズを6段階で評価した。評価にあたってはスキンエイジングアトラス 第2巻:アジア系編(MED’COM)を参照した。
7.角層水分量測定方法
MPA580(Courage+Khazaka社製)のコルネオメータープローブを用いて、被験部位(上腕内側または前腕外側または頬)の角層水分量を測定した。
8.表面形状測定方法
レプリカ剤SILFLO(アミックグループ社製)を被験部位(上腕内側または前腕外側または頬)に塗布し、一定時間経過後、固化したレプリカ剤を剥離して皮膚レプリカを採取した。皮膚レプリカの表面形状(最大高さ:Smax、面平均粗さ:Sa、面二乗平方根粗さ:Sq)をPRIMOS-CR(Canfield社製)を用いて測定した。
9.毛穴指標測定方法
頬より取得した皮膚レプリカの標高像をPRIMOS-CR(Canfield社製)を用いて測定した。取得した頬の皮膚レプリカ標高像 に対し、以下の画像処理を行った。標高像から多項式フィルタによる、うねり除去を行った後、標高像を2値化し、毛穴領域を抽出した。抽出した毛穴領域が視野中に占める割合(毛穴面積比率)や、毛穴の平均面積を算出した。
10.細胞間脂質構造測定方法
共焦点ラマン分光器Model 3510(RiverD International社製)を用い、被験部位(上腕内側または前腕外側または頬)の角層細胞間脂質のパッキングを測定した。角層領域における、皮膚のラマンスペクトルを取得した(励起波長:671nm、露光時間:10秒)。取得したスペクトルから、非特許文献(Skin Res Technol. 21, 76-83 (2015))に記載の方法により、角層細胞間脂質のパッキング評価指標(R’CH)を算出した。
11.過酸化脂質量測定方法
被験者の頬から洗顔後90分時点の回復皮脂を、対象箇所1か所あたり1枚のシガレットペーパー(RIZLA社:リズラ・ブルー・ダブル、1.7cm×1.7cm、クロロホルム/メタノール=1/1により脱脂処理済み、以下CP)をスクリュー管の底部を用いて被験者の皮膚に10秒間押し付け採取した。皮脂を採取したCPには、スクリュー管内にて即時1mlのメタノールを添加し、測定時まで-80℃にて冷凍保管した。測定時に、窒素気流下にて溶媒を留去し、次いでスクリュー管内へ、クロロホルム/メタノール=1/1を1ml添加し、スクリュー管内の溶媒へCPが十分に浸っていることを確認した上で、5分間の超音波処理による脂質抽出を行った。微量バイアル内に100μmol/lのDirect-MS/MS測定用の脂質内部標準混合溶液20μlを乾固させ、そこへ上記手順にて調製した皮脂溶液100μlを添加し、溶解・混合することで、内部標準入り皮脂試料溶液を調製した。調製した試料から、Direct-MS/MSにて被験者毎に、脂質総量及びスクアレン過酸化物の絶対量を算出した。算出したスクアレン過酸化物絶対量を脂質総量で除し、過酸化脂質量の指標とした。
<Direct-MS/MS測定条件>
特許文献(6482215号)に記載の方法により、脂質総量及びスクアレン過酸化物量の測定を行った。
装置:LC/Agilent 1200シリーズ、質量分析計/6460 トリプル四重極(Agilent社製)
移動相:15mmol/l酢酸アンモニウム含有クロロホルム/メタノール=1/1
流速:0.2ml/min
注入量:1μl
検出条件:イオン化法=ESI、乾燥ガス温度=300℃、乾燥ガス流量=5l/min、ネブライザー圧力=45psi、シースガス温度=250℃、シースガス流量=11l/min、ネブライザー電圧=0V、キャピラリー電圧=3500V
12.肌悩みアンケート
「頬の毛穴が目立つ」などの肌悩みについて、被験者が現在の肌状態をもとに「気になる・やや気になる・あまり気にならない・気にならない」の4段階から選択した。
13.角層のタンパク質の解析
肌表面に粘着テープ(2.5cm×5.0cm、フィルムマスキングテープ465#40、寺岡製作所製)を一定圧で押し当てた後はがすことにより角層を採取した。採取は同一部位から3回連続して行い、前腕外側部、頬部それぞれから3枚ずつ、合計6枚の粘着テープを用いて角層を採取した。
角層を採取した3枚の粘着テープを抽出溶液(7mol/L Urea、2mol/L Thiourea、12mmol/L Sodium deoxycholate、12mmol/L SLS水、100mmol/L Tris-HCl(pH9)の混合物水溶液)1mLに浸漬させ、20分間氷水中で超音波処理した。そこへ、1mol/L Dithiothreitol、50mmol/L Ammonium bicarbonate混合物水溶液を10μL加えて37℃で一晩振盪した。そこへ 1mol/L Iode Acetoamide、50mmol/L Ammonium bicarbonate混合水溶液50μL加えて、30分間室温で静置し、タンパク質の抽出溶液とした。
EZQTM Protein Quantitation Kit(Thermo社製)を用いて、抽出溶液中のタンパク質量を定量した。
抽出溶液に50mmol/L Ammonium bicarbonate水溶液2mLを加えて、0.2μg/μLに調製したLys-C溶液(富士フィルム和光純薬)をタンパク質重量に対して100分の1になるように加え、37℃で3時間振とうした。その後、0.2μg/μLに調製したTrypsin溶液(富士フィルム和光純薬)をタンパク質量に対して100分の1になるように加えて、37℃で終夜振とうした。処理溶液を3本の2mLチューブにそれぞれ1mLずつ分け、それぞれ酢酸エチル1mL及び50%(v/v)TFA水溶液を終濃度0.5%(v/v)になるように加えた後、2分間撹拌し、15,000r/minで3分間遠心分離した。上層の酢酸エチルを除去し、残りの溶液を50℃で減圧乾固した。その後、脱塩処理を行い、0.1%(v/v)TFA含有2%(v/v)アセトニトリル水溶液を加えて溶かし、タンパク質終濃度が1μg/μLのLC-MS測定用試料溶液を調製した。
<LC-MS測定>
調製した試料について、以下のようにLC-MS測定を行った。
液体クロマトグラフィー(以下、「LC」ともいう)装置としてUltimate 3000 RSLCnano System(商品名、Thermo社製)を、質量分析(以下、「MS」ともいう)装置としてTriple TOF 5600+(商品名、AB SCIEX社製)を用いた。
LC条件及びMS条件は、以下に示す通りである。
(1)LC条件
トラップカラム:Acclaim PepMap(登録商標)100 Nano Trap C18 nanoViper
粒子径3μm 内径75μm×長さ20mm(Thermo社製)
試料ロード溶液:0.1%(v/v)ギ酸水溶液
分離カラム:Acclaim PepMap(登録商標)RSLC nanoViper
粒子径3μm、内径75μm×長さ15cm(Thermo社製)
溶離液A:0.1%(v/v)ギ酸水溶液
溶離液B:0.1%(v/v)ギ酸含有アセトニトリル
流速:300nL/min
グラジエント:溶離液B 5%(0-5min)→B50%(125min)→B95%(126-150min)→オートキャリブレーションB95%(155min)→B5%(156-180min)
注入量:1μL
カラム温度:40℃
(2)ペプチド定性用MS条件
イオン化法:ナノエレクトロスプレーイオン化法(nano ESI法)
スプレーチップ:Pico Tip NanoSpray Emitter FS360-50-15-N
外径360μm、先端外径50μm、内径15μm(New Objective社製)
極性:Positive
スプレー電圧:2300V
Interface Heater温度:150℃
スキャン範囲:m/z 350-1250
スキャン時間:250ms
MS/MS測定:衝突誘起解離(CID)
測定モード:High Sensitivityモード
MS/MSスキャン範囲:m/z 100-2000
Collision Energy(CE):35
Collision Energy Spread(CES):15
Accumulation Time:100ms
Experiment with charge state:2 to 5(which exceeds 150cps)
Mass Tolerance:50mDa
Maximum number of candidate ions to monitor per cycle:20
Exclude former target ions:15sec
(3)ペプチド定量用MS条件(SWATH(登録商標) Acquisition)
イオン化法:ナノエレクトロスプレーイオン化法(nano ESI法)
スプレーチップ:Pico Tip NanoSprayEmitter FS360-50-15-N
外径360μm、先端外径50μm、内径15μm(New Objective社製)
極性:Positive
スプレー電圧:2300V
Interface Heater温度:150℃
スキャン範囲:m/z 350-1250(ペプチドイオンの検出)
SWATH width:25Da
スキャン時間:150ms
MS/MS測定:衝突誘起解離(CID)
測定モード:High Sensitivityモード
MS/MSスキャン範囲:m/z 100-1500
Collision Energy(CE):Rolling collision energy
Collision Energy Spread(CES):15
Accumulation Time:100ms
各タンパク質の酵素消化物の同定には、データベースとしてSwiss-Prot(http://web.expasy.org/docs/swiss-prot_guideline.html)を、―データベース解析ソフトとしてProtein pilot1.2(AB SCIEX社製)を、ペプチドピーク面積の算出ソフトとしてPeakView(AB SCIEX社製)を使用し、各タンパク質あたり、1~5種のペプチドのピーク面積にて比較解析を行った。
検索条件及び定量条件は、以下に示すとおりである。
(4)タンパク質データベースサーチ
解析ソフトウェア:Protein pilot1.2(AB SCIEX社製)
Algorithm:Paragon Method
Cys-Alkylation:Iodoacetamide
Digestion:Trypsin
ID focus:Biological modifications, amino acid substitutions
Database:SwissProt
Species filtering:Homo sapience
Search effort:Thorough ID
Detection protein threshold:Unused ProtScore(Conf)>0.05(10%)
(5)ペプチドピーク面積算出
解析ソフトフェア:Peak View(AB SCIEX社製)
Number of peptide:5
Number of Transitions:5
Filter by:Peptide confidence>95%,Exclude Modifications, Exclude Shared
XIC width:50ppm
試験例1 バイオフォトン量と相関する皮膚性状の探索
紫外線照射1~3分後に測定されたバイオフォトン量(BP1-3min)と皮膚性状との相関性を評価したところ、露光部である前腕外側では、角層水分量と有意な相関関係が、平均粗さ(Sa)、二乗平方根粗さ(Sq)、角層細胞間脂質パッキングとに相関傾向が認められた(表1)。弱露光部である上腕内側においても、角層水分量、平均粗さ(Sa)、二乗平方根粗さ(Sq)とに相関傾向が認められた(表1)。一方、紫外線照射直後から1分後に測定されたバイオフォトン量(BP0-1min)に関しては、他の皮膚性状との相関性は認められなかった(表1)。紫外線照射30秒から1分後に測定されたバイオフォトン量(BP30-60sec)に関しては、前腕外側では、角層水分量、角層細胞間脂質パッキングと有意な相関関係が、平均粗さ(Sa)、二乗平方根粗さ(Sq)とに相関傾向が認められた(表1)。上腕内側においても、平均粗さ(Sa)とに相関傾向が認められた(表1)。紫外線照射直後のバイオフォトン量は、活性酸素種(ROS)の産生を示唆しているが、BP0-1minではなく、BP1-3min、及びBP30-60secを指標とすることで、肌ダメージを評価できることが推察された。
Figure 0007214679000001
試験例2 光曝露と相関する皮膚性状の探索
露光部である頬部において、高曝露群では低曝露群に比べ、角層水分量の低下、表面粗さ(Smax、Sa、Sq)の増加、毛穴面積の増加、毛穴比率の増加、が統計学的有意に認められ、角層細胞間脂質パッキングの低下、過酸化脂質量の増加、の傾向が認められた(表2)。また皮膚の変化として、高曝露群では低曝露群に比べ、目の下のシワの増加、頬にあるシミの増加、頬の毛穴目立ちの増加、が統計学的有意に認められた(表3)。さらにアンケートより、高曝露群では低曝露群に比べ、頬の毛穴が目立つ、という実感が多かった(表4)。
Figure 0007214679000002
Figure 0007214679000003
Figure 0007214679000004
試験例3 外見の変化と相関する皮膚性状の検証
目の下のシワに関しては、表面粗さ(Smax、Sa、Sq)、毛穴面積、と統計学的有意な相関関係が認められ、毛穴比率、角層細胞間脂質パッキング、とに相関傾向が認められた(表5)。
頬にあるシミに関しては、角層水分量、表面粗さ(Smax、Sa、Sq)、と統計学的有意な相関関係が認められた(表5)。
頬の毛穴に関しては、表面粗さ(Smax、Sa、Sq)、毛穴面積、と統計学的有意な相関関係が認められ、毛穴比率、過酸化脂質量、とに相関傾向が認められた(表5)。
Figure 0007214679000005
試験例4 バイオフォトン量と相関する角層タンパク質の探索
紫外線照射1~3分後に測定されたバイオフォトン量(BP1-3min)と角層タンパク質との相関性を評価したところ、露光部である前腕外側では、酸化ストレス/抗酸化能に関わるタンパク質との相関性が認められた。具体的には、抗酸化酵素であるSuperoxide dismutase1と負の相関傾向が認められた(表6)。一方、紫外線照射直後から1分後に測定されたバイオフォトン量(BP0-1min)に関しては、角層タンパク質との相関性は認められなかった(表6)。紫外線照射30秒から1分後に測定されたバイオフォトン量(BP30-60sec)に関しては、Superoxide dismutase1と相関傾向が認められた(表6)。
Figure 0007214679000006
試験例5 光曝露と相関する角層タンパク質の探索
露光部である頬部において、高曝露群では低曝露群に比べ、抗酸化能の低下が認められた。具体的には、抗酸化酵素であるSuperoxide dismutase1の減少が統計学的有意に認められた(表7)。
Figure 0007214679000007
以下の実施例2、実施例3では、紫外線によるダメージに対する防御効果が報告されているローズマリー抽出物(例えば、J. Photochem. Photobiol. B, 136, 12-18 (2014))を用いて、その肌ダメージ抑制剤としての効果を評価した。
(実施例2)
1.被験者
健常な成人男性で、後記のローズマリーエキス含有サンスクリーン剤使用群15名、プラセボサンスクリーン剤使用群13名の計28名。
2.試験品
・ローズマリーエキス含有サンスクリーン剤;ファルコレックスローズマリーE(50%エタノール水溶液、一丸ファルコス社製)を3.0%(v/v)含有するサンスクリーン剤。
・プラセボサンスクリーン剤;ファルコレックスローズマリーEの代わりに、50%エタノール水溶液を含有するサンスクリーン剤。
3.試験方法
被験者は、被験部位(頬及び頸部)を市販のメイク落としと洗顔料を用いて洗浄し、環境可変室(室温21±1℃、湿度50%RH)にて20分間馴化した。その後、皮膚性状測定を行った。測定日の翌日から、上記試験品を1日1回(朝)、全顔に0.3g、頸部に0.5gずつ、4週間連用塗布してもらった。尚、被験者は連用期間中、被験部位に試験品以外の紫外線防御効果を有する化粧品の塗布を控え、過度の光曝露を避けて過ごしてもらった。連用後、連用前と同様の手順で皮膚性状測定を行い、最後に暗室にてバイオフォトン量測定を行った。
4.バイオフォトン量測定方法
実施例1と同様の光源と方法により、微弱発光強度検出装置(CLA-IDFsk、東北電子産業社製)を用いて、暗室中にて被験部位(頸部正面)の測定を行った。測定に不備がありデータに異常値が認められたものは除外した。
5.表面形状測定方法
実施例1と同様に、レプリカ剤SILFLO(アミックグループ社製)を被験部位(頬)に塗布し、一定時間経過後、固化したレプリカ剤を剥離して皮膚レプリカを採取した。皮膚レプリカの表面形状(面平均粗さ:Sa)をPRIMOS-CR(Canfield社製)を用いて測定した。
6.老化スコア測定方法
実施例1と同様に、VISIA-CR(Canfield社製)を用いて顔画像を取得し、被験部位の視覚的老化度(目の下のシワ)について、訓練を受けた専門の判定者により目視評価を行った。
試験例6 肌ダメージ抑制剤の評価(1)
ローズマリーエキス含有サンスクリーン剤を連用した群で、頸部における4週後の紫外線照射1~3分後に測定されたバイオフォトン量(BP1-3min)は、プラセボサンスクリーン群に比べて統計学的有意に低下した(表8)。なお、Thompsonの棄却検定により外れ値を除いた後の、プラセボサンスクリーン群5名及びローズマリーエキス含有サンスクリーン群8名のデータを用いて解析を実施した。頬における平均粗さ(Sa)は、ローズマリーエキス含有サンスクリーン群では連用前後で低下する傾向が認められたのに対し、プラセボサンスクリーン群では連用前後で変化は認められなかった(表9)。連用前後で頬における平均粗さ(Sa)の改善した上位5名を対象にすると、ローズマリーエキス含有サンスクリーン群で、4週後の目の下のシワのスコアは、プラセボサンスクリーン群に比べて低下している傾向が認められた(表10)。 ローズマリーエキス含有サンスクリーン剤はプラセボサンスクリーン剤に比べて、紫外線照射1~3分後に測定されたバイオフォトン量(BP1-3min)を低下させるとともに、実施例1で示されたように、紫外線曝露が影響する肌性状のひとつである肌の表面形状(平均粗さ:Sa)を抑えることが推察され、肌ダメージの指標である老化スコア(目の下のシワ)を抑制させることにもつながることが示唆された。
Figure 0007214679000008
Figure 0007214679000009
Figure 0007214679000010
(実施例3)
1.被験者
健常な成人男性10名。
2.試験品
・ローズマリーエキス水溶液;ファルコレックスローズマリーE(50%エタノール水溶液、一丸ファルコス社製)を、蒸留水で3.0%(v/v)となるように希釈した水溶液。
3.試験方法
被験者に、恒温恒湿条件(RT21±1℃、RH50±5%)の測定室に入室してもらい、腹部をウェットティッシュでふき取り、腹部の衣服を脱いだ状態で20分間馴化した。腹部の被験部位は1か所、5cm四方(5×5cm)とした。馴化後、角層水分量の測定を行った。その後、暗室にてバイオフォトン量測定を行った。測定日の夕方から、上記試験品を1日2回(朝、夕)、被験部位に2mg/cmずつ、4週間連用塗布してもらった。連用後、連用前と同様の手順で角層水分量測定、バイオフォトン量測定を行った。
4.バイオフォトン量測定方法
実施例1と同様の光源と方法により、微弱発光強度検出装置(CLA-IDFsk、東北電子産業社製)を用いて、暗室中にて被験部位(腹部)の測定を行った。測定データは、連用前の値を1として相対的に評価した。
5.角層水分量測定方法
MPA580(Courage+Khazaka社製)のコルネオメータープローブを用いて、被験部位(腹部)の角層水分量を測定した。連用前後の測定ができた7名を対象に解析を行った。測定データは、連用前の値を1として相対的に評価した。
試験例7 肌ダメージ抑制剤の評価(2)
ローズマリーエキス水溶液を連用すると、腹部における4週後のバイオフォトン量(BP1-3min)は、連用前に比べて低下する傾向が認められた(表11)。腹部における角層水分量は、ローズマリーエキス水溶液を連用すると連用前に比べて統計学的有意に増加した(表11)。ローズマリーエキス水溶液は、バイオフォトン量(BP1-3min)を低下させるとともに、角層水分量を増加させることが推察された。実施例1で示されたように、角層水分量は、肌ダメージ(皮膚の変化)と相関する光曝露歴と密接な関係を有することから、バイオフォトン量(BP1-3min)を指標として肌ダメージ抑制効果を評価することが可能であると推察される。
Figure 0007214679000011

Claims (9)

  1. 被験者の皮膚に紫外線を照射し、該照射後の所定期間内に検出されるバイオフォトンの量を用いて肌ダメージを判定する工程を含む肌ダメージの判定方法であって、該肌ダメージが紫外線による肌ダメージであり、該紫外線による肌ダメージが角層水分量の低下、毛穴面積の増加、毛穴比率の増加、表面粗さの増加及び角層細胞間脂質パッキングの低下から選ばれる皮膚性状の変化又は抗酸化能の低下であるか、又はシワの増加、シミの増加又は毛穴の目立ちであり、該所定期間は、その50%を超える期間が照射後30秒~3分の期間と重なる期間である、方法。
  2. 所定期間の長さが、20秒間~3分間である請求項1記載の方法。
  3. 所定期間の長さが、30秒間~3分間である請求項1記載の方法。
  4. 所定期間が、紫外線照射後1~2分の1分間、紫外線照射後2~3分の1分間、紫外線照射後1~3分の2分間、又は紫外線照射後30秒~1分の30秒間である請求項1~のいずれか1項記載の方法。
  5. 紫外線照射が、A波とB波の混合紫外線の照射である請求項1~のいずれか1項記載の方法。
  6. 紫外線照射が、300~8000mJ/cmの紫外線照射量である請求項1~のいずれか1項記載の方法。
  7. 紫外線照射が、300~7000mJ/cmの紫外線照射量である請求項1~のいずれか1項記載の方法。
  8. バイオフォトンの発光強度によりバイオフォトン量を算出する請求項1~のいずれか1項記載の方法。
  9. 試験物質を被検対象に投与又は接触させる工程、及び被検対象の皮膚又は皮膚細胞に紫外線を照射し、該照射後の所定期間内に検出されるバイオフォトンの量を用いて試験物質を評価する工程を含む肌ダメージ抑制剤の評価又は探索方法であって、該肌ダメージが紫外線による肌ダメージであり、該紫外線による肌ダメージが角層水分量の低下、毛穴面積の増加、毛穴比率の増加、表面粗さの増加及び角層細胞間脂質パッキングの低下から選ばれる皮膚性状の変化又は抗酸化能の低下であるか、又はシワの増加、シミの増加又は毛穴の目立ちであり、該所定期間は、その50%を超える期間が照射後30秒~3分の期間と重なる期間である、方法。
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