JP7214174B1 - 医療支援装置、医療支援装置の動作方法、及びプログラム - Google Patents

医療支援装置、医療支援装置の動作方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザにとって最適化された治療計画を策定し、アドバイスを提供する。【解決手段】医療支援装置は、設定生体情報を取得する生体情報取得部と、複数の治療方針情報に対して、それぞれ重み付けを取得する食事療法指針部と、栄養素項目に対応して特定された目標栄養情報を取得する目標栄養情報部と、設定生体情報に基づく検査目標値として、検査項目に対応して特定された目標臨床情報を取得する目標臨床情報部と、記録生体情報、記録栄養情報、及び記録臨床情報のうちの少なくとも一つの情報を取得する記録情報取得部と、記録生体情報、記録栄養情報、及び記録臨床情報のうち記録情報取得部によって取得された少なくとも一つの情報と当該情報に対応する設定生体情報、目標栄養情報、及び目標臨床情報とを比較した結果と、重み付けとに基づいてアドバイスを出力するアドバイス出力部と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、ユーザにとって最適化された治療計画を策定する医療支援装置、医療支援装置の動作方法、及びプログラムに関する。
従来、基本的な身体データの他、処方薬の種類等から、栄養の指導を支援する栄養支援装置が知られている(例えば、特許文献1)。疾患を抱えるユーザには、病態に合わせて栄養指導の目標、及び目標を達成するために、ユーザが取り組むべき対策をする必要がある。
特許文献2には、生活習慣病の改善を行うために、身長、体重や既往歴などの問診票及び臨床検査等の医療情報に基づいて作成された療養計画を患者が実行するとき、誤った療養を実行することで症状が悪化することがないよう、また患者自身の生活習慣改善意欲を減少させないよう医師等と患者が協力して生活習慣病治療を行うためのシステムについて開示されている。
また、特許文献3には、生活習慣改善のためにユーザが優先的に取り組むべき生活習慣項目を提示することが可能な生活習慣改善提案装置、コンピュータプログラム及び生活習慣改善提案システムが開示されている。
特開2021-009446号公報 特開2007-072540号公報 特開2009-230718号公報
しかしながら、従来の栄養支援装置では、影響する併存疾患や、患者であるユーザの嗜好及び習慣などを考慮せず、栄養素の摂取の目標値が設定されていた。また、栄養素の摂取に対応する目標値とともに、検査項目に対応する目標値を設定するものは存在しなかった。そのため、従来の栄養支援装置では、医師の指導方針を、栄養指導に定量的に反映させることができず、ユーザにとって最適化された治療計画を策定することが困難であった。
上記問題に鑑み、本発明の一実施形態は、ユーザにとって最適化された治療計画を策定し、適切なアドバイスを提供することを目的の一つとする。
本発明の一実施形態に係る医療支援装置は、ユーザの生体項目に対応して特定された設定生体情報を取得する生体情報取得部と、ユーザの食事療法指針に基づく複数の治療方針情報に対して、それぞれ重み付けを取得する食事療法指針部と、設定生体情報に基づく栄養目標値として、栄養素項目に対応して特定された目標栄養情報を取得する目標栄養情報部と、設定生体情報に基づく検査目標値として、検査項目に対応して特定された目標臨床情報を取得する目標臨床情報部と、生体項目に対応して記録されているユーザの記録生体情報、栄養素項目に対応して記録されている記録栄養情報、及び検査項目に対応して記録されている記録臨床情報のうちの少なくとも一つの情報を取得する記録情報取得部と、記録生体情報、記録栄養情報、及び記録臨床情報のうち記録情報取得部によって取得された少なくとも一つの情報と当該情報に対応する設定生体情報、目標栄養情報、及び目標臨床情報とを比較した結果と、重み付けとに基づいてアドバイスを出力するアドバイス出力部と、を有する。
上記構成において、アドバイス出力部は、比較した結果に基づいて、アドバイス群を特定し、重み付けに基づいてアドバイス群からアドバイスを選択して出力する。
上記構成において、生体項目は、ユーザの基本情報及び医療情報を含む。
上記構成において、食事療法指針は、糖尿病治療指針であり、治療方針情報は、適正体重の達成、血糖値コントロール、併発症の発症コントロールを含み、当該治療方針情報それぞれに対する重み付けは、医学的知見に基づいた範囲内で設定される。
上記構成において、目標栄養情報部は、栄養素項目の推奨範囲内で栄養目標値を変更するためのユーザインターフェースを提供する。
上記構成において、目標臨床情報部は、検査項目の推奨範囲内で検査目標値を変更するためのユーザインターフェースを提供する。
上記構成において、目標栄養情報部は、設定生体情報に基づいて栄養素項目の推奨範囲を決定し、当該栄養素項目に対応する栄養目標値を当該推奨範囲から設定することによって目標栄養情報を取得する。
上記構成において、目標栄養情報部は、体重関連のメッセージのモード、目標体重、及び減量プランの少なくとも一つに基づいて、所定の栄養素項目の推奨範囲を決定する。
上記構成において、栄養素項目は、エネルギー量である。
上記構成において、目標臨床情報部は、設定生体情報に基づいて検査項目の推奨範囲を決定し、当該検査項目に対応する検査目標値を当該推奨範囲から設定することによって目標臨床情報を取得する。
上記構成において、推奨範囲は、予め、医学的知見に基づき決定されている。
上記構成において、目標臨床情報は、血糖値、HbA1C、コレステロール、及び中性脂肪量の少なくとも一つを含む。
上記構成において、設定生体情報は、性別、年齢、体重、身長、疾患、影響する併存疾患、血圧、及び処方薬の少なくとも一つを含む。
上記構成において、記録生体情報は、性別、年齢、体重、身長、疾患、影響する併存疾患、血圧、及び処方薬の少なくとも一つを含む。
上記構成において、記録栄養情報は、朝食、昼食、夕食、及び間食のいずれかの食事内容に含まれる栄養素項目に対応した栄養記録値である。
上記構成において、記録臨床情報は、血糖値、HbA1C、コレステロール、及び中性脂肪量の少なくとも一つを含む。
本発明の一実施形態に係る医療支援装置の動作方法は、ユーザの生体項目に対応して特定された設定生体情報を取得し、ユーザの食事療法指針に基づく複数の治療方針情報に対して、それぞれ重み付けを取得し、設定生体情報に基づく栄養目標値として、栄養素項目に対応して特定された目標栄養情報を取得し、設定生体情報に基づく検査目標値として、検査項目に対応して特定された目標臨床情報を取得し、生体項目に対応して記録されているユーザの記録生体情報、栄養素項目に対応して記録されている記録栄養情報、及び検査項目に対応して記録されている記録臨床情報のうちの少なくとも一つの情報を取得し、記録生体情報、記録栄養情報、及び記録臨床情報のうち取得された少なくとも一つの情報と当該情報に対応する設定生体情報、目標栄養情報、及び目標臨床情報とを比較した結果と、重み付けとに基づいてアドバイスを出力する。
本発明の一実施形態に係るプログラムは、ユーザの生体項目に対応して特定された設定生体情報を取得し、ユーザの食事療法指針に基づく複数の治療方針情報に対して、それぞれ重み付けを取得し、設定生体情報に基づく栄養目標値として、栄養素項目に対応して特定された目標栄養情報を取得し、設定生体情報に基づく検査目標値として、検査項目に対応して特定された目標臨床情報を取得し、生体項目に対応して記録されているユーザの記録生体情報、栄養素項目に対応して記録されている記録栄養情報、及び検査項目に対応して記録されている記録臨床情報のうちの少なくとも一つの情報を取得し、記録生体情報、記録栄養情報、及び記録臨床情報のうち取得された少なくとも一つの情報と当該情報に対応する設定生体情報、目標栄養情報、及び目標臨床情報とを比較した結果と、重み付けとに基づいてアドバイスを出力することを、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、本発明の一実施形態は、ユーザにとって最適化された治療計画を策定し、適切なアドバイスを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る医療支援システムの概要を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る医療支援装置の機能ブロックを説明する図である。 本発明の一実施形態に係る医療支援装置の目標設定部の機能ブロックを説明する図である。 ユーザ医療従事者がユーザの設定生体情報を設定するためのユーザインターフェースの一例である。 ユーザ医療従事者がユーザの設定生体情報を設定するためのユーザインターフェースの一例である。 ユーザ医療従事者が食事療法指針情報を設定するためのユーザインターフェースの一例である。 ユーザ医療従事者が目標栄養情報を設定するためのユーザインターフェースの一例である。 ユーザ医療従事者が目標臨床情報を設定するためのユーザインターフェースの一例である。 本発明の一実施形態に係る医療支援装置の記録取得部及びアドバイス出力部の機能ブロックを説明する図である。 アドバイスDBに格納されたアドバイスのテーブルの一部である。 本発明の一実施形態に係る医療支援装置の動作方法を説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る医療支援装置の動作方法を説明するフローチャートである。 ユーザ端末の表示装置に出力された表示画面の一例である。 ユーザ端末の表示装置に出力された表示画面の一例である。
以下、本発明の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
(第1実施形態)
本実施形態では、本発明の一実施形態に係る医療支援システム、医療支援装置、及び医療支援装置の動作方法について、図1~図14を参照して説明する。
[医療支援システム1の概要]
まず、本発明の一実施形態に係る医療支援システム1の概要について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る医療支援システム1の概要図である。医療支援システム1は、医療支援装置10、データベースサーバ20、及びユーザ端末30で構成される。医療支援装置10は、ネットワークNWを介してデータベースサーバ20と接続されている。また、医療支援装置10は、ネットワークNWを介してユーザ端末30と接続されている。
本実施形態では、患者であるユーザ端末の使用者を「ユーザ」というものとする。また、医療支援装置10の使用者は、ユーザ(患者)を診ている医療従事者であり、この医療従事者を「ユーザ医療従事者」というものとする。更に、医療支援システム1の開発に関与した医療従事者を「開発医療従事者」というものとする。医療従事者とは、医師、管理栄養士及びその他の医療に携わる者をいう。
医療支援装置10は、ユーザの健康状態にとって最適な食事療法等の自動化にあたって重要となる、アドバイスの出力比率の他、ユーザの日々の食事や検査値などの記録を、当該ユーザの治療目的及び病態などに従って評価するための項目及び推奨範囲の設定、及び低血糖等のアラートをユーザに発するため危険判断域の設定等を行う。
まず、医療支援装置10から、ユーザにとって最適化された治療計画に基づくアドバイスを提供するために、医療支援装置10において、ユーザ端末30で利用されるアプリケーションのユーザのアカウントを設定する。医療支援装置10は、データベースサーバ20を参照して、ユーザの健康状態に適した治療計画に相当する処方設定、すなわち治療計画に相当するパラメータを設定する。ユーザ医療従事者が、それぞれの医学的知見に基づいて、その都度、パラメータを設定することができる。パラメータは、予め開発医療従事者により決定された推奨範囲内の値に設定等されるものとする。
具体的には、後述する図4~図8に示すそれぞれの画面に初期値が表示されると、ユーザ医療従事者が、該当するユーザに応じた値などを入力して変更する。このように、本実施形態では、評価するための項目、適正範囲、危険領域などについては、通常のガイドラインなどに加え、ユーザ医療従事者により調整された値などを設定することが可能である。
医療支援装置10において処方設定(各パラメータの入力)が完了すると、ユーザのアカウントがアクティベートされる。その後、ユーザ端末30におけるアプリケーションにて、ユーザに対して策定された治療計画を反映した医療支援プログラムを起動させることができる。
ユーザ端末30におけるアプリケーションに、医療支援装置10で作成されたアカウントでログインすることで、ユーザに対して策定された治療計画を反映したプログラムが起動する。ユーザ端末30におけるアプリケーションには、日々の、食事内容に含まれる栄養素項目に対応した数値である記録栄養情報、体重及び血圧などの記録生体情報、検査項目に対応する記録臨床情報、及び運動等の記録行動情報の他、服薬状況等、当該ユーザに関する記録情報が当該ユーザにより、状況によっては介護者などにより入力される(図示せず)。ユーザ端末30におけるアプリケーションに入力された記録情報は、医療支援装置10にその都度送信される。医療支援システム1は、受信した記録情報を医療支援プログラムにおける治療計画及びアドバイスロジックに基づいて解析する。医療支援プログラムとは、医療支援装置10の機能を実現するためのプログラムである。医療支援システム1が解析結果をユーザ端末30へ送信すると、ユーザ端末30におけるアプリケーションにおいて、入力された記録情報に対する評価及びアドバイスを表示することができる。例えば、医療支援装置10は、ユーザ端末30から受信した記録情報を解析した結果、低血糖基準を下回る記録や、低血糖につながり得ると定義された食事行動の記録情報であると判定した場合には、ユーザ端末30におけるアプリケーションに対処行動のアドバイスを直ちに送信することができる。
ユーザ端末30におけるアプリケーションを介してユーザが記録する記録栄養情報、血糖値等の記録生体情報、検査項目に対応する記録臨床情報、及びその統合解析の結果としてユーザに提供されている食事療法等の具体的内容は、医療支援装置10におけるアプリケーションを介してユーザ医療従事者がリアルタイムに閲覧できる。また、ユーザ医療従事者がユーザの記録情報から治療の進捗を判断し、医療支援プログラムの処方設定を変更することが可能である。さらに、医療支援装置10は、常に当該ユーザに最適な食事療法等の治療計画が維持されるよう、ユーザ医療従事者に対して、特定条件を満たした際に治療計画の見直しを促す機能、又は当該見直し自体を医療支援プログラムに一任させる機能を有する。
[医療支援装置の構成]
次に、医療支援装置10のハードウエア構成について説明する。医療支援装置10として、PC(パーソナルコンピュータ)などのネットワーク接続機能を備えた各種の情報端末装置が適宜利用される。医療支援装置10は、制御部11、記憶部12、入力装置13、出力装置14、及び通信インターフェース15(以降、通信IF15と記載する)を有する。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)111、RAM(Random Access Memory)112、及びプログラムメモリ113を含み、各構成要素を制御する。CPU111はハードウェアプロセッサの一例である。RAM112は、SRAM(Static RAM)などの揮発性メモリであり、ワーキングメモリとしてCPU111で使用される。プログラムメモリ113は、医療支援プログラム及び医療支援プログラムを実行するために必要な設定データを記憶する。プログラムメモリ113として、例えばROM(Read-Only Memory)が使用される。なお、プログラムメモリ113は記憶部12の一部であってもよい。
記憶部12は、例えばハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Draive)又はソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)などの不揮発性メモリを含み、ユーザ端末30から受信した記録生体情報、記録栄養情報、及び記録臨床情報などのデータを非一時的に記憶する。記憶部12に含まれる記憶媒体は、コンピュータ又は機械がプログラムなどのデータを読み取り可能なように、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によってデータを記憶する媒体である。
入力装置13は、入力を受け付ける装置である。入力装置13は、例えば、キーボード、タッチセンサ、及びマウスを含む。出力装置14は出力を行う装置である。出力装置14は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示装置である。入力装置13及び出力装置14として、表示装置にタッチセンサとが一体化されたタッチパネルを用いてもよい。
通信IF15は、外部装置と通信するためのインターフェースである。例えば、通信IF15は、図1に示したユーザ端末30及びデータベースサーバ20と通信するために使用される。また、通信IF15は、制御部11により実行される医療支援プログラムを、他のサーバ(図示せず)からダウンロードするために使用されてよい。通信IF15は、例えばLAN(Local Area Network)端子を備え、LANケーブルによってネットワークNW(図1)に接続される。または、通信IF15は、無線LANモジュール、Bluetooth(登録商標)モジュールなどの無線モジュールを備えていてもよい。
[ユーザ端末の構成]
ユーザ端末30として、スマートフォン、タブレット、及びPC(パーソナルコンピュータ)といったネットワーク接続機能を備えた各種の情報端末装置が適宜利用される。ユーザ端末30は、制御部31、記憶部32、入力装置33、出力装置34、通信インターフェース35(以降、通信IF35と記載する)、及び撮像装置36を有する。
制御部31は、CPU311、RAM312、及びプログラムメモリ313などを含み、各構成要素を制御する。CPU311は、ハードウェアプロセッサの一例である。RAM312は、SRAMなどの揮発性メモリであり、ワーキングメモリとしてCPU311で使用される。プログラムメモリ313は、医療支援プログラム及び医療支援プログラムを実行するために必要な設定データを記憶する。プログラムメモリ313として、例えばROMが使用される。なお、プログラムメモリ313は記憶部32の一部であってもよい。
記憶部32は、例えばハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Draive)又はソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)などの不揮発性メモリを含み、入力装置33によって、取得した記録栄養情報、記録臨床情報、及び記録生体情報などのデータを非一時的に記憶する。記憶部32に含まれる記憶媒体は、コンピュータ又は機械がプログラムなどのデータを読み取り可能なように、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によってデータを記憶する媒体である。
入力装置33は入力を受け付ける装置である。例えば、入力装置33は、キーボード、タッチセンサ、マウス、及びマイクを含む。マイクによって、記録情報を音声入力してもよい。出力装置34は出力を行う装置である。例えば、出力装置34は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示装置、及びスピーカを含む。入力装置33及び出力装置34として、表示装置にタッチセンサとが一体化されたタッチパネルを用いてもよい。
通信IF35は、外部装置と通信するためのインターフェースである。例えば、通信IF35は、図1に示した医療支援装置10と通信するために使用される。また、通信IF35は、制御部31により実行される医療支援プログラムを、医療支援装置10又は他のサーバ(図示せず)からダウンロードするために使用されてもよい。通信IF35は、例えばLAN端子を備え、LANケーブルによってネットワークNW(図1)に接続される。または、通信IF35は、無線LANモジュール、Bluetooth(登録商標)モジュールなどの無線モジュールを備えていてもよい。図示しないが、ユーザ端末30は、通信IF35によって、ウェアラブルデバイス、体重計、及び血圧計等と接続されていてもよい。ユーザ端末30と、ウェアラブルデバイスとが、Bluetooth(登録商標)により接続されることで、ウェアラブルデバイスから消費カロリーなどの活動量を取得してもよい。
撮像装置36は、例えば、カメラである。撮像装置36によって、食事内容の画像を取得してもよい。
[データベースサーバの構成]
データベースサーバ20は、ユーザ情報DB21、知識DB22、及びアドバイスDB23を有する。
ユーザ情報DB21は、ユーザ情報が格納されたデータベースである。ユーザ情報として、ID及びパスワードの他、設定生体情報、食事療法指針情報、目標栄養情報、目標臨床情報などの情報や、これらの情報に基づいてユーザ医療従事者によって策定された治療計画が挙げられる。また、ユーザの記録情報として、ユーザ端末30から取得した血圧や体重などの生体記録値、食事から得られる記録栄養情報、検査によって得られる記録臨床情報、運動及び習慣(喫煙、飲酒など)などの記録行動情報、及びユーザのログインによって得られる操作情報が挙げられる。ユーザ情報DB21に格納される各種情報については、後に詳細に説明する。
知識DB22は、例えば、食事療法指針情報、目標栄養情報、及び目標臨床情報を設定するための各種情報が格納されている。知識DB22には、マスタ系のデータベース及びルール系のデータベースが格納されている。マスタ系のデータベースとは、例えば、食事メニューに対応する栄養素と、栄養素の数値とが対応づけられたデータベースや、運動メニューと、運動メニューの数値(例えば、カロリー)とが対応づけられたデータベースである。また、ルール系のデータベースとは、食事療法指針、目標栄養情報、及び目標臨床情報を設定するためのデータベースであり、開発医療従事者の医学的知見に基づいて定められた推奨値や、取り得る範囲である推奨範囲等が記憶されている。
アドバイスDB23は、ユーザ端末30に出力するアドバイスが格納されたデータベースである。アドバイスDB23は、栄養学的な評価とアドバイスを含むテキスト、臨床的な評価とアドバイスを含むテキスト、薬剤及び疾患に関する情報提供に関するテキスト、合併症検診を促すテキスト、特別な称賛を含むテキスト、及びアラートを発するテキスト等が格納されている。アドバイスDB23に格納される各種情報については、後に詳細に説明する。
[医療支援プログラムの概要]
本発明の一実施形態に係る医療支援プログラムの機能ブロックの一例について、図2を参照して説明する。図2に示すように、医療支援装置10において、医療支援装置の動作方法を実行するための医療支援プログラムは、目標設定部120、記録情報取得部130、及びアドバイス出力部140を有する。
目標設定部120は、ユーザの健康状態に適した治療計画に相当する処方設定、すなわち治療計画に相当する各種パラメータを設定する。
記録情報取得部130は、ユーザ端末30におけるアプリケーションから、通信IF15を介して各種記録情報を取得する。
アドバイス出力部140は、取得した各種記録情報と、設定された各種パラメータとを比較して、治療計画に即したアドバイスを出力する。
目標設定部120、記録情報取得部130、及びアドバイス出力部140における処理は、医療支援装置10の制御部11がプログラムメモリ113に格納された医療支援プログラムを実行することにより実現される。制御部11が医療支援プログラムを実行する際には、制御部11は、医療支援プログラムをRAM112に展開する。制御部11は、RAM112に展開された医療支援プログラムをCPU111により実行する。
次に、目標設定部120、記録情報取得部130、及びアドバイス出力部140のそれぞれの機能ブロックについて、図3~図10を参照して説明する。
図3は、目標設定部120の機能ブロックを説明する図である。図3に示すように、目標設定部120は、生体情報取得部121、食事療法指針部122、目標栄養情報部123、及び目標臨床情報部124を有する。医療支援装置10の入力装置13によって、各種情報が入力される。また、データベースサーバ20から必要な情報を取得してもよい。
生体情報取得部121は、ユーザの設定生体情報を取得する。設定生体情報は、複数の生体項目のそれぞれに対応したユーザの生体設定値を特定した情報である。ユーザの基本情報及び医療情報に含まれる生体項目及び生体項目に対応した生体設定値を設定生体情報と呼ぶ。
図4及び図5は、ユーザ医療従事者が生体情報取得部121で取得するユーザの設定生体情報を、入力(設定)するためのユーザインターフェースの一例である。図4に示すように、生体情報取得部121は、基本情報として「氏名」、「性別」、「生年月日」、「身長」、「体重」を取得する。「ログインID」及び「パスワード」は、ユーザに関する情報を管理するために用いる。なお、図4及び図5において、ボックスで囲まれた文字列又は数値は、ユーザ医療従事者によって、適宜変更可能である。
図5に示すように、生体情報取得部121は、「医療情報」として、「食事療法の背景」、「血圧測定」、「活動情報」、「その他要配慮情報」を取得する。対応する基本情報で示される患者(ユーザ)について、ユーザ医療従事者が、ボックスで囲まれた文字列又は数値に対して、項目を選択又は数値を入力等することで、生体情報取得部121は最新の医療情報を取得することになる。
また、生体情報取得部121によって取得された設定生体情報は、ユーザ情報DB21に格納される。「食事療法の背景」として、「主な食事療法対象疾患」、「影響する併存疾患」、「処方薬」、「インスリン導入検討」などの項目が挙げられる。「主な食事療法対象疾患」として、例えば、糖尿病2型、糖尿病1型、糖尿病その他、その他の病態などからユーザ医療従事者によって選択される。また、糖尿病に「影響する併存疾患」として、冠動脈疾患、急性冠症候群、家族性コレステロール血症、非心原性脳梗塞、末梢動脈疾患、網膜症、CKD/腎症、神経障害、メタボリックシンドローム、高血圧、脂質異常症などから少なくとも一つが選択されてもよく、併存疾患が無い場合は選択されなくても良い。また、「処方薬」として、SU薬、グリニド薬、DPP-4阻害薬、ビグアナイド薬、チアゾリジン薬、αグルコシターゼ阻害薬、SGLT2阻害薬、GLp-1受容体作動薬、インスリンなどから少なくとも一つが選択されてもよい。なお、処方薬が処方されていない場合は、処方薬の項目が選択されなくても良い。また、「インスリン導入検討」として、インスリンを導入検討か否かが選択される。また、「血圧測定」として、血圧測定の有無が選択される。「活動情報」として、「身体活動レベル」、「活動係数」、「ストレス係数」、「運動制限」などの項目が挙げられる。「身体活動レベル」として、低い、普通、高い、のいずれかから選択される。「活動係数」、「ストレス係数」は、適宜、数値が設定される。また、「運動制限」として、運動の制限の有無が選択される。「その他要配慮情報」として、「喫煙」などの項目が挙げられ、「喫煙」として喫煙の有無が選択される。
食事療法指針部122は、ユーザ端末30に出力するアドバイスの優先順位を設定する。図6は、ユーザ医療従事者が食事療法指針情報を設定するためのユーザインターフェースの一例である。なお、図6~図8において、目標値におけるボックスで囲まれた数値は、開発医療従事者によって決定され、知識DB22に記憶されている推奨範囲内において、ユーザ医療従事者が適宜変更可能な数値である。また、目標値におけるボックスで囲まれていない数値は、変更不可な数値である。食事療法指針部122、目標栄養情報部123、及び目標臨床情報部124は、図6~図8の推奨値及び目標値として、開発医療従事者によって決定され、知識DB22に記憶されている情報を参照して表示する。ユーザ(患者)の状態に応じて、ユーザ医療従事者が各目標値を適宜修正することで、食事療法指針部122は、食事療法指針情報を適宜取得する。
食事療法指針部122は、「食事療法指針情報」として、「食事療法指針」、「体重関連メッセージのモード」、「現在の治療目標ウェイト」(治療方針情報ともいう)、「目標体重」、「減量プラン」、「各食事ウェイト」の各項目における情報を取得する。また、食事療法指針部122が取得した食事療法指針情報は、ユーザ情報DB21に格納される。
食事療法指針部122は、病態の種類に応じた食事療法指針を設定する。「食事療法指針」として、生体情報取得部121において、糖尿病2型、糖尿病1型、及び糖尿病その他が選択されると、(A)糖尿病治療指針が選択される。生体情報取得部121において、その他の病態が選択された場合には、「食事療法指針」として、他の指針が選択されてもよい。
「体重関連メッセージのモード」として、減量モード、現状維持モードのいずれかが選択される。「現在の治療目標ウェイト」として、「(a)適正体重の達成/維持」、「(b)血糖コントロール指標の改善」、「(c)併発症の発症抑制/コントロール」の3つの方針が挙げられる。これら3つの方針に対して、合計が100%となるように重み付けが設定される。この重み付けの値に応じて、ユーザが記録した記録値に対して出力されるアドバイスの確率が決定される。ここでは、ユーザが記録した記録値に対して、60%の確率で、適正体重の達成/維持に関するアドバイスが出力され、20%の確率で血糖コントロール指標の改善に関するアドバイスが出力され、20%の確率で併発症の発症抑制/コントロールに関するアドバイスが出力されることになる。治療目標ウェイトは、3つの方針でなくてもよく、2つでも、4つ以上であってもよい。
図6における治療目標ウェイトの推奨値は、3つの方針について、それぞれ60%、20%、20%となっている。各推奨値は、開発医療従事者により、治療の重み付けの初期値として適切とされた推奨値に基づいて設定されている。各治療目標ウェイトは、各患者の状態に応じて最適な目標値がユーザ医療従事者により入力される。
「目標体重」として、数値をユーザ医療従事者が入力設定する。また、「減量プラン」として、減量の「ペース」、「取り組み方」をユーザ医療従事者が入力設定する。「減量のペース」として、体重を大きく減らすか(がんばる)、体重を少なく減らす(ふつう)を選択する。また、「取り組み方」として、食事によって体重を減らす(食事中心)、運動によって体重を減らす(運動中心)、食事と運動をバランスよくコントロールして体重を減らす(バランス)を選択する。また、「各食事ウェイト」として、「朝食」、「昼食」、「夕食」、「間食」に対して、合計が100%となるように重み付けをユーザ医療従事者が入力設定する。
図6における「各食事ウェイト」の初期値は、朝食、昼食、夕食について、それぞれ30%となっているが、これらの値は、開発医療従事者により適切とされた推奨値である。25%から40%の範囲でユーザ医療従事者が各患者にあわせて調整できるように、開発医療従事者により適切とされた推奨範囲が知識DB22に設定されている。このように、これらの「現在の治療目標ウェイト」や「各食事ウェイト」の重み付けは、知識DB22に記憶されている推奨値を初期値として用いるが、個々の患者の状態に応じてユーザ医療従事者により適宜入力されて変更されることで、個々の患者にとって最適な重み付けとなる。
食事療法指針部122は、設定生体情報、食事療法指針、及び体重関連メッセージのモードに基づいて、各項目の推奨値(又は推奨範囲)を生成する。食事療法指針部122は、生成された各項目の推奨値に基づいて、各項目の目標値を取得する。また、食事療法指針部122が取得した食事療法指針情報は、ユーザ情報DB21に格納される。
食事療法指針部122において、例えば、「食事療法指針」として、(A)糖尿病治療指針が選択され、「体重関連メッセージのモード」として、減量モードが選択された場合、知識DB22に記憶されている開発医療従事者により医学的知見に基づいて決定された推奨値等を用いて、「現在の治療目標ウェイト」における「(a)適正体重の達成/維持」として60%、「(b)血糖コントロール指標の改善」として20%、「(c)併発症の発生抑制/コントロール」として20%の推奨値が生成される。ここで、食事療法指針部122は、減量プランの「ペース」及び「取り組み方」の目標を取得してもよい。また、食事療法指針部122は、知識DB22に記憶されている推奨値等を用いて、「目標体重」の推奨値、及び「各食事ウェイト」の推奨値を生成してもよい。また、「体重関連メッセージのモード」にて現状維持プランが選択された場合、「現在の治療目標ウェイト」における「(a)適正体重の達成/維持」として20%、「(b)血糖コントロール指標の改善」として40%、「(c)併発症の発生抑制/コントロール」として40%の推奨値を生成してもよい。現状維持プランが選択されると、「減量プラン」における「ペース」及び「取り組み方」の目標を設定しなくてもよい。食事療法指針部122は、推奨値をそのまま目標値として取得しても良い。
尚、上記治療目標ウェイト及び食事ウェイト(重み付け)の推奨値は、医学的見地から適宜見直す必要がある。従って、上記重み付けの値は、医師、管理栄養士などの医学的知見が反映された値が、開発医療従事者によって、知識DB22の情報として、随時、反映されることが望ましい。
上述のように、ユーザ医療従事者が自身の指導方針を個々の患者の指導に反映させるために、入力装置によって各目標値を入力することができる。この場合は、食事療法指針部122は、入力装置13から取得した数値を目標値として取得する。患者の状態に応じて、医学的見地からユーザ医療従事者が目標値を修正、入力するので、食事療法指針部122は、個々の患者にとって最適な食事療法指針情報を取得することができる。つまり、通常のガイドラインや指針をただ当てはめるのではなく、医学的知見に基づいた、患者の現在の状態に応じた適正な値である目標値を取得することが可能となる。
目標栄養情報部123は、ユーザが1日に摂取するべき摂取カロリー(エネルギー量)や各栄養素項目の栄養目標値を設定する。目標栄養情報部123は、生体情報取得部121及び食事療法指針部122によって得られた設定生体情報及び食事療法指針情報に基づいて、ユーザに最適化された各栄養素項目の推奨値を生成することができる。ここで、ユーザに最適化された各栄養素項目の推奨値を生成するための設定生体情報は、性別、年齢、体重、身長、疾患、影響する併存疾患、血圧、及び処方薬の少なくとも一つを含む。また、食事療法指針情報として、目標栄養情報部は、体重関連のメッセージのモード、目標体重、及び減量プランの少なくとも一つを含む。また、目標栄養情報部123は、生成された各栄養素項目の推奨値に基づいて、各栄養素項目の栄養目標値を設定する。また、目標栄養情報部123は、各栄養素項目の栄養目標値を目標栄養情報として、ユーザ情報DB21に格納する。
図7は、ユーザ医療従事者が目標栄養情報を設定するためのユーザインターフェースの一例である。目標栄養情報部123は、「目標栄養情報」として、「摂取カロリー目標」(エネルギー量)、「消費カロリー目標」、「PFCバランス目標」、「栄養素項目」の各種成分目標における「栄養目標値」及び「推奨値」を知識DB22から取得する。「PFCバランス目標」の成分として、「タンパク質」、「炭水化物」、「脂質」が挙げられる。なお、「PFCバランス目標」の「タンパク質」の目標体重当たりグラム数(体重1キログラム当たりのグラム数)、及び「栄養素項目」の「アルコール量」については、推奨範囲内で個別に数値をユーザ医療従事者が設定できるようにしてもよい。図7において、「栄養素項目」として、「飽和脂肪酸」、「コレステロール」、「食物繊維」、「塩分」、「カリウム」、「マグネシウム」、「鉄」、「亜鉛」、「ビタミンA」、「ビタミンD」、「ビタミンE」、「ビタミンC」、「野菜重量」、「アルコール量」、「嗜好品カロリー」が挙げられるが、これに限定されない。「栄養素項目」として、銅、マンガン、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸を含んでいてもよい。目標栄養情報部123は、推奨値をそのまま目標値として取得しなくてもよい。上記推奨値は、医師、管理栄養士などの医学的知見が反映された値が、知識DB22の情報として、随時、反映されることが望ましい。
ユーザ医療従事者が、自身の指導方針を反映させるために、入力装置によって目標値を入力できるようにしてもよい。この場合は、目標栄養情報部123は、入力装置から取得した数値を目標値として取得する。例えば、PFCバランス目標においては、糖尿病患者の場合、標準値よりも炭水化物摂取量を減らす必要がある場合がある。従って、ユーザ医療従事者により、知識DB22に記憶されている一定の推奨範囲内で数値を適宜変更できるものとする。例えば、炭水化物は40%から60%の間で、たんぱく質は15%から25%の間で、脂質は20%から35%の間で、合計が100%となるように変更する。推奨範囲は、開発医療従事者によって決定され、知識DB22に記憶されている。
目標臨床情報部124は、ユーザの検査項目における検査目標値を設定する。目標臨床情報部124は、生体情報取得部121、食事療法指針部122、及び目標栄養情報部123によって取得された各種情報に基づいて、ユーザに最適化された検査項目における推奨値(又は推奨範囲)を生成する。また、目標臨床情報部124は、生成された検査項目の推奨値に基づいて、検査項目の検査目標値を設定する。また、目標臨床情報部124が取得した目標臨床情報は、ユーザ情報DB21に格納される。
図8は、ユーザ医療従事者が目標臨床情報を設定するためのユーザインターフェースの一例である。目標臨床情報部124は、「目標臨床情報」として、「HbA1c」、「血糖値」、「血圧」、「総コレステロール」、「LDLコレステロール」、「non-HDLコレステロール」、「HDLコレステロール」、及び「中性脂肪」における「臨床目標値」を取得する。なお、これらの検査項目のうち少なくとも一つが選択されて、臨床目標値が設定されてもよい。また、「HbAlc」、「コレステロール」、「中性脂肪」については、推奨範囲内において、ユーザ医療従事者が、個別に数値を入力して調整してもよい。例えば、「LDLコレステロール」の「推奨値」(推奨範囲)が120mg/dL未満である場合、目標値を110mg/dL未満に設定してもよい。目標臨床情報部124は、推奨値をそのまま目標値として取得しなくてもよい。上記推奨値や推奨範囲は、医師、管理栄養士などの医学的知見が反映された値が、知識DB22の情報として、随時、反映されていることが望ましい。ユーザ医療従事者が、自身の指導方針を反映させるために、入力装置によって、推奨値の範囲に縛られずに目標値を入力できるようにしてもよい。この場合は、目標臨床情報部124は、入力装置から取得した数値を目標値として取得する。
ここで、「検査項目」における「推奨値」の生成の一例について説明する。「検査項目」における「推奨値」は、病態に対応する複数のガイドライン、マニュアルに記載された数値に基づいて設定される。また、推奨値として適用される数値は、患者の健康状態に応じて、どのガイドライン、マニュアルに記載された数値を適用するかが決定される。
例えば、患者が糖尿病である場合に、検査項目の推奨値は、設定生体情報における影響する併存疾患の有無に応じて、適用されるガイドラインが異なっていてもよい。適用されるガイドラインによって、影響する併存疾患がある場合と、ない場合とに応じて、LDLコレステロール及びnon-HDLコレステロールの推奨値が異なっていてもよい。例えば、設定生体情報において、影響する併存疾患として冠動脈疾患がない場合には、LDLコレステロール<120mg/dL、non-HDLコレステロール<150mg/dLとする。また、影響する併存疾患として冠動脈疾患がある場合であって、更に併存疾患を有する又は喫煙習慣がある場合には、LDLコレステロール<70mg/dL、non-HDLコレステロール<100mg/dLとする。また、影響する併存疾患として冠動脈疾患がある場合であって、更に併存疾患を有する又は喫煙習慣がない場合には、LDLコレステロール<100mg/dL、non-HDLコレステロール<130mg/dLとする。影響する併存疾患として冠動脈疾患がある場合であっても、ない場合であっても、HDLコレステロール≧40mg/dL、中性脂肪<150mg/dL、総コレステロール=目標設定なしとする。
医療支援装置10の医療支援プログラムにおいて、設定生体情報、食事療法指針情報、目標栄養情報、及び目標臨床情報を取得すると、医療支援プログラムをアクティベーションすることが可能となる。医療支援プログラムがアクティベーションされると、ユーザへの治療計画の策定が完了する。これにより、ユーザ端末30においてアプリケーションを起動することができ、アプリケーションにおいて、治療計画に基づいたアドバイスを出力することが可能となる。
食事療法指針部122、目標栄養情報部123、及び目標臨床情報部124は、一つ前の機能ブロックに入力された内容が、次の機能ブロックに表示される推奨値に影響する。そのため、食事療法指針部122、目標栄養情報部123、及び目標臨床情報部124の順で、各種情報が決定される。
医療支援装置10においては、開発医療従事者が、食事療法を中心とした糖尿病患者への治療計画の策定にあたって重要と考えられる管理目標、項目を洗い出し、これらすべてに対して、医学的知見に基づいて具体的な推奨値、推奨範囲、又は推奨ではないが許容できる調整範囲を、様々な糖尿病患者の病態、背景、事情に応じて定め、これらの情報が知識DB22に記憶されている。従って、生体情報取得部121、食事療法指針部122、目標栄養情報部123、及び目標臨床情報部124のそれぞれは、設定生体情報に基づいた推奨値、推奨範囲、又は推奨ではないが医学的に許容できる調整範囲を生成することができる。
目標設定部120によって、生体情報取得部121、食事療法指針部122、目標栄養情報部123、及び目標臨床情報部124によって取得された各種パラメータが設定されることにより、ユーザの健康状態に適した治療計画を策定することができる。
次に、ユーザ端末30から取得した各種の記録情報に基づいてアドバイスを出力する方法について説明する。
図9は、記録情報取得部130及びアドバイス出力部140の機能ブロックを説明する図である。アドバイス出力部140は、記録生体情報、記録栄養情報、及び記録臨床情報のうち記録情報取得部130によって取得された少なくとも一つの情報と当該情報に対応する設定生体情報、目標栄養情報、及び目標臨床情報とを比較した結果と、治療方針情報の重み付けとに基づいてアドバイスを出力する。ユーザ端末30におけるアプリケーションには各種の記録情報が入力される。当該アプリケーションに記録情報が入力されると、記録情報は、ユーザ端末30の通信IF35を介して、医療支援装置10に送信される。記録情報取得部130は、通信IF15を介して記録情報を取得する。記録情報とは、ユーザ(患者)に関する最新の情報を含む情報であって、記録生体情報、記録栄養情報、記録臨床情報、及び記録行動情報の少なくとも一つである。記録情報取得部130は、記録生体情報取得部131、記録栄養情報取得部132、記録臨床情報取得部133、及び記録行動情報取得部134を有する。
記録生体情報取得部131は、複数の生体項目のそれぞれに対応した数値を記録生体情報として取得する。記録生体情報は、複数の生体項目のそれぞれに対応した生体記録値を特定した情報である。記録生体情報は、例えば、性別、年齢、体重、身長、疾患、影響する併存疾患、血圧、及び処方薬の少なくとも一つを含む。記録栄養情報取得部132は、食事内容に含まれるカロリーや各栄養素項目に対応した数値を記録栄養情報として取得する。記録栄養情報は、例えば、朝食、昼食、夕食、及び間食のいずれかの食事内容に含まれる複数の栄養素項目のそれぞれに対応した栄養記録値を特定した情報である。記録臨床情報取得部133は、検査によって得られた検査項目に対応した数値を記録生体情報として取得する。記録臨床情報は、複数の検査項目のそれぞれに対応した検査記録値を特定した情報である。記録臨床情報は、血糖値、HbA1C、各種コレステロール、及び中性脂肪量の少なくとも一つを含む。記録行動情報取得部134は、運動によって消費されたカロリー等を記録行動情報として取得してもよい。記録情報取得部130は、記録生体情報、記録栄養情報、記録臨床情報、及び記録行動情報のいずれかを取得すると、ユーザ情報DB21に格納する。
アドバイス出力部140は、比較部141、選択部142、及び出力部143を有する。
比較部141は、記録情報取得部130によって、記録生体情報、記録栄養情報、及び記録臨床情報のうち記録情報取得部によって取得された少なくとも一つの情報と、当該情報に対応する生体情報、目標栄養情報、及び目標臨床情報とを比較する。例えば、記録栄養情報取得部132において、記録栄養情報が取得されると、比較部141は、ユーザ情報DB21を参照して目標栄養情報を取得して、記録栄養情報と目標栄養情報とを比較する。具体的には、比較部141は、取得した食物繊維の栄養記録値と、目標値として設定した食物繊維の栄養目標値とを比較する。そして、比較部141は、食物繊維の栄養記録値が、目標栄養情報の食物繊維の栄養目標値を満たすか否かを判定する。比較部141は、取得した各栄養素項目の栄養記録値のそれぞれに対して、栄養目標値を満たすか否かを判定する。
選択部142は、比較部141において比較した結果に基づいて、アドバイスDB23を参照して、ユーザ端末30に出力するべきアドバイス群を特定する。
図10に、アドバイスDB23に格納されたアドバイスのテーブルの一部を示す。アドバイスDB23には、カテゴリ、条件、及びアドバイスのテキストを含むテーブルが格納されている。カテゴリ及び条件に対応するように、それぞれアドバイステキストが設定されている。
図10では、「カテゴリ」として、食事療法指針における(A)糖尿病治療指針が分類されている。また、(A)糖尿病治療指針のうち、(a)適正体重の達成/維持、(b)血糖コントロール指標の改善、(c)併発症の発症抑制/コントロール、(d)シックデイなどがカテゴリとして分類されている。アドバイスごとに、条件1~条件4が設定されていてもよい。ここで、条件1~条件4は、取得した栄養素項目の数値が目標値を満たしているか否か、取得した生体項目の数値が目標値を満たしているか否か、取得した検査項目の数値が目標値を満たしているか否かなどである。図10では、適用される条件が4つである場合について示しているが、条件の数については特に限定されない。また、ユーザがアプリケーションにログインした日数が、所定の回数を満たしたか否かであってもよい。
例えば、記録情報取得部130で複数の栄養素項目に対応する栄養記録値を取得した場合には、比較部141は、ユーザ情報DB21を参照して、複数の栄養素項目に対応する栄養目標値のそれぞれと比較する。
選択部142は、比較した結果のそれぞれに対して、アドバイスDB23を参照して、食事療法指針のうち、条件1~条件4のいずれを満たすかを判定して、アドバイス群を特定する。本実施形態では、食事療法指針として、(A)糖尿病治療指針が選択されているため、選択部142は、アドバイスDB23に格納されたアドバイス群のうち(A)糖尿病治療指針と、条件1~条件4の少なくとも1つを満たすアドバイスを、アドバイス群として特定する。
例えば、比較部141が、取得した食物繊維の栄養記録値が栄養目標値を満たさないと判定する場合、選択部142は、図10に示すアドバイスDB23を参照して、(A)糖尿病治療指針のうち、条件1の食物繊維=不足を満たすカテゴリA-a、A-b、A-cのアドバイスを選択して、アドバイス群を特定する。
選択部142は、比較部141によって特定されたアドバイス群のうち、ユーザ端末30に提供するべきアドバイスを少なくとも一つ選択する。
選択部142は、ユーザ情報DB21を参照して、食事療法指針部122によって取得した現在の治療目標ウェイトを取得し、アドバイス群からユーザ端末30に出力するアドバイスを選択する。例えば、現在の治療目標ウェイトにおいて目標値として、(a)適正体重の達成/維持として60%、(b)血糖コントロール指標の改善として20%、(c)併発症の発生抑制/コントロールとして20%が設定されているとする。この場合、(a)適正体重の達成/維持に関するアドバイス、(b)血糖コントロール指標の改善に関するアドバイス、(c)併発症の発生抑制/コントロールに関するアドバイスが出力される確率が、それぞれ、60%、20%、20%となる。ユーザは、日々食事及び行動を記録するため、記録する度に携帯端末に、(a)~(c)で設定された確率に応じてアドバイス群から選択されたアドバイスが出力される。つまり、ユーザが食事又は行動を記録したとき、アドバイス群から(a)適正体重の達成/維持に関するアドバイスを選択される確率が60%ということである。そのため、図10においては、カテゴリA-aに対応するアドバイスが選択される。
出力部143は、選択部142によって選択されたアドバイスを、通信IF15を介してユーザ端末30に出力する。
[フローチャート]
次に、本発明の一実施形態に係る医療支援装置の動作方法のフローチャートについて、図11及び図12を参照して説明する。
まず、目標設定部120において目標情報を設定する方法について図11を参照して説明する。医療支援装置10において、ユーザ情報の作成の開始又はユーザ情報にログインされたことを検知すると、目標設定処理を開始する。
生体情報取得部121において、設定生体情報を取得する(ステップS401)。
食事療法指針部122において、食事療法指針情報を取得する(ステップS402)。
目標栄養情報部123において、目標栄養情報を取得する(ステップS403)。
目標臨床情報部124において、目標臨床情報を取得する(ステップS404)。
医療支援プログラムをアクティベートする(ステップS405)。アクティベートが終了すると、目標設定部120における処理が完了する。
次に、アドバイス出力部140からアドバイスを出力する方法について、図12を参照して説明する。医療支援装置10において、ユーザ端末30から記録情報を受信したことを検知すると、アドバイス出力処理を開始する。
記録情報取得部130は、ユーザ端末30から通信IF15を介して、記録生体情報、記録栄養情報、記録臨床情報、及び記録行動情報の少なくとも一つの情報を取得する(ステップS411)。または、ユーザDB21に記録されている記録生体情報、記録栄養情報、記録臨床情報、及び記録行動情報の少なくとも一つの情報を取得する。
比較部141は、ユーザ情報DB21を参照して、記録生体情報、記録栄養情報、記録臨床情報、及び記録行動情報の少なくとも一つの情報と、少なくとも一つの情報に対応する設定生体情報、目標栄養情報、目標臨床情報、及び目標行動情報と、を比較する(ステップS412)。
選択部142は、アドバイスDB23を参照して、比較の結果に対応するアドバイス群を特定する(ステップS413)。
選択部142は、ユーザ情報DB21を参照して、治療方針情報に対する重み付けに基づいて、アドバイス群から適切なアドバイスを選択する(ステップS414)。選択部142によって、アドバイス群から選択されるアドバイスの数は、1つに限定されず、複数であってもよい。
出力部143は、選択部142で選択されたアドバイスを出力する(ステップS415)。出力部143から出力されたアドバイスは、通信IF15を介してユーザ端末30に出力される。
出力部143は、記録生体情報、記録栄養情報、記録臨床情報、及び記録行動情報の少なくとも一つの情報と、少なくとも一つの情報に対応する設定生体情報、目標栄養情報、目標臨床情報、及び目標行動情報と、を比較した結果を評価として出力してもよい。
図13及び図14は、ユーザ端末30の表示装置に出力された表示画面の一例である。図13は、食事に関する記録栄養情報と目標栄養情報とを比較した結果を出力した場合の表示画面501である。表示画面501には、食事によって取得された複数の栄養素項目に対して、栄養目標値の範囲内か、栄養目標値未満か、栄養目標値を超えているかが示されている。
図14は、記録栄養情報と目標栄養情報とを比較した結果によって選択されたアドバイスを出力した場合の表示画面502である。図14に示すように、(A)糖尿病治療指針のうち、例えば、食物繊維が目標値未満であって、(a)適正体重の達成/維持に対応するアドバイスA-a(図10のテーブル参照)が、表示画面502に表示される。
記録情報取得部130において、記録栄養情報が取得される頻度は、例えば、毎日である。また、記録情報取得部130において、記録臨床情報が取得される頻度は、例えば、ユーザ自身が取得できる項目であれば毎日であってもよいし、検査によって取得できる項目であれば診察時などの任意のタイミングであってもよい。また、記録情報取得部130において、記録生体情報が取得される頻度は、例えば、ユーザ自身が取得できる項目であれば毎日であってもよいし、任意のタイミングであってもよい。
以上説明した通り、本発明の一実施形態に係る医療支援装置10によれば、患者のために設定された設定生体情報、目標栄養情報、及び目標臨床情報等は、開発医療技術者が決定した初期値(推奨値)及び推奨範囲に基づいて、ユーザ医療従事者が修正及び入力する。従って、これらの情報は、現在の患者の状態に応じて最適な情報となっているので、これらの情報に基づいて、適切な治療計画を策定できる。また、ユーザ医療従事者によって治療目標ウェイト(治療方針情報)が設定されるので、膨大なバリエーションを持って構築された患者向けのアドバイスのデータベースから、ウェイトを反映した、治療計画、患者の食事又は行動の記録内容に応じた個別最適なアドバイスを出力することができる。
医療支援装置10によれば、患者の本プログラムは、病状や治療の進捗を始め、嗜好や生活習慣、環境、モチベーション等も様々な糖尿病患者に対して、医療従事者が各々に最適な治療計画を策定し、その更新管理ができるよう支援することができる。また、医療支援装置10によれば、エビデンスに即しつつ、糖尿病患者の血糖コントロール改善等に有効で、かつ個々の患者の日々の記録努力に応じた個別詳細なアドバイスを、何十万を超えるバリエーションをもって繰り出すことができる。
結果として、糖尿病患者は、従来は臨床データを評価する医師と栄養データを評価する管理栄養士が互いのデータを参照しながら互いの現場で実施してきた食事療法を、医療支援装置10によって、一元化を通じてより負担少なく、自動化を通じてより高頻度に密度高く、そして個別の状況等に寄り添ったより反応しやすいタイミング、文言、表現等の形で、受けられるようになる。
(変形例)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の一実施形態は、以下のように様々な形態に変形することもできる。また、上述した実施形態および以下に説明する変形例は、それぞれ互いに組み合わせて適用することもできる。
(1)先の実施形態では、医療支援装置10がユーザ端末30から記録栄養情報、記録臨床情報、記録生体情報、又は記録行動情報のいずれかを取得した場合に、アドバイス出力部140からアドバイスを出力する例について説明したが、本発明の一実施形態はこれに限定されない。所定の期間ごとに、記録情報取得部130がユーザDB21から所定の期間に対応するログインなどの操作情報を取得して、当該操作情報に基づいてアドバイス出力部140からアドバイスを出力してもよい。ここで、所定の期間は、例えば、1日、7日間、30日間など、任意の期間であってもよい。これにより、医療支援装置10は、所定の期間内に取得したログイン回数に応じたアドバイスを出力することができる。
例えば、記録情報取得部130が、栄養記録情報を7日間取得し続けた場合、7日間経過後に、記録情報取得部130は、ユーザDB21から、当該7日間分の栄養記録情報を取得することができる。アドバイス出力部140は、7日間分の記録栄養情報と、7日間分の目標栄養情報とを比較して、比較した結果をアドバイスとして出力する。なお、記録生体情報、記録臨床情報、及び記録行動情報についても同様にして、所定の期間ごとにアドバイスを出力することができる。
また、記録情報取得部130は、所定の時刻に、記録栄養情報、記録臨床情報、記録生体情報、又は記録行動情報の少なくとも一つを取得して、アドバイス出力部140からアドバイスを出力してもよい。例えば、記録情報取得部130は、21:00に1日分の記録栄養情報をユーザDB21から取得して、アドバイス出力部140からアドバイスを出力してもよい。
(2)記録情報取得部130は、記録行動情報を取得した場合、アドバイス出力部140からアドバイスを出力してもよい。例えば、記録行動情報として、ウォーキングと、ウォーキングを行った時間を取得した場合、知識DB22を参照して、ウォーキングに対応する消費カロリーを取得する。比較部141は、当該消費カロリーと、消費カロリー目標値と比較する。選択部142は、比較した結果に基づいて、アドバイスDB23を参照して、ユーザ端末30に出力するアドバイスを選択してもよい。
(3)糖尿病治療は通常長期にわたるため、その間、ユーザの健康には様々な変化が生じる。例えば、歳を重ねたり、生活環境が変化したりすることで、代謝、嗜好、習慣、又は心情等に変化が生じる場合がある。また、ユーザの疾患が進行して合併症を併発する場合や、生活習慣が改善して処方薬を減らせる場合がある。
このような、ユーザの変化が生じた場合に、目標設定部120において目標情報を更新するアラートを出力してもよい。例えば、最初の設定又は最後の更新から所定の期間が経過した場合、ユーザが誕生日を迎えた場合、最新の記録体重が目標設定時の体重から3kg以上増減した場合、身長や身体活動レベルが変更された場合には、目標設定部120は、設定生体情報、目標栄養情報、及び目標臨床情報を更新するアラートを出力してもよい。または、目標設定部120は、設定生体情報、目標栄養情報、及び目標臨床情報を更新してもよい。例えば、目標設定部120は、最新の記録体重が目標設定時の体重から3kg以上減少した場合には、最適な摂取カロリーの目標値を設定し、治療計画を更新してもよい。また、目標設定部120における設定生体情報、目標栄養情報、目標臨床情報、及び目標行動情報の更新は、診察時などの任意のタイミングであってもよい。
(4)先の実施形態では、記録情報取得部130で取得する記録栄養情報は、複数の栄養素項目に対応する栄養記録値である場合について説明したが、本発明の一実施形態はこれに限定されない。記録情報取得部130で取得する記録栄養情報は、単一の栄養素項目に対応する栄養記録値であってもよい。比較部141は、取得した単一の栄養素項目に対応する栄養記録値と、栄養目標値とを比較してもよい。
(5)アドバイス出力部140は、食事又は行動を記録したときに、記録した内容を反映したアドバイスを出力する場合について説明したが、本発明の一実施形態はこれに限定されない。例えば、医療支援装置10にログインしたタイミングで、アドバイスを出力してもよい。また、アプリケーションにて、アドバイスを出力する画面に遷移したタイミングで、アドバイスを出力してもよい。この場合、アドバイス出力部140は、所定の時間、所定の日、所定の曜日、又は所定の月の任意のタイミングに、アドバイスDB23を参照して、条件1~条件4の少なくとも一つを満たすアドバイスを出力してもよい。例えば、図10のテーブルに示すように、条件1として、表示期間=10月後半~12月末、条件2として、今年のコメント表示回数=0、条件3として、評価順位=上位、及び条件4として累計ログイン日数≧20を満たす場合に、選択部142は、該当するアドバイスを選択し、出力部143は、選択されたアドバイスを出力する。このように、医療支援装置10に記録を開始したばかりのユーザと、記録を続けているユーザとで出力されるアドバイスを異ならせることができる。
記録情報取得部130で取得する記録生体情報は、単一の生体項目の生体記録値であってもよく、複数の生体項目のそれぞれに対応する生体記録値であってもよい。記録情報取得部130で取得する記録臨床情報は、単一の検査項目に対応する検査記録値であってもよく、複数の検査項目のそれぞれに対応する検査記録値であってもよい。
なお、本発明の好適な実施の形態により、特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
1:医療支援システム、10:医療支援装置、11:制御部、12:記憶部、13:入力装置、14:出力装置、15:通信IF、20:データベースサーバ、21:ユーザ情報DB、22:知識DB、23:アドバイスDB、30:ユーザ端末、31:制御部、32:記憶部、33:入力装置、34:出力装置、35:通信IF、36:撮像装置、110:目標設定部、111:CPU、112:RAM、113:プログラムメモリ、120:目標設定部、121:生体情報取得部、122:食事療法指針部、123:目標栄養情報部、124:目標臨床情報部、130:記録情報取得部、131:記録生体情報取得部、132:記録栄養情報取得部、133:記録臨床情報取得部、134:記録行動情報取得部、140:アドバイス出力部、141:比較部、142:選択部、143:出力部、313:プログラムメモリ、501:表示画面、502:表示画面、NW:ネットワーク

Claims (18)

  1. ユーザの生体項目に対応して特定された設定生体情報を取得する生体情報取得部と、
    前記ユーザの食事療法指針に基づく複数の治療方針情報に対して、それぞれ重み付けを取得する食事療法指針部と、
    前記設定生体情報に基づく栄養目標値として、栄養素項目に対応して特定された目標栄養情報を取得する目標栄養情報部と、
    前記設定生体情報に基づく検査目標値として、検査項目に対応して特定された目標臨床情報を取得する目標臨床情報部と、
    前記生体項目に対応して記録されている前記ユーザの記録生体情報、前記栄養素項目に対応して記録されている記録栄養情報、及び前記検査項目に対応して記録されている記録臨床情報のうちの少なくとも一つの情報を取得する記録情報取得部と、
    前記記録生体情報、前記記録栄養情報、及び前記記録臨床情報のうち前記記録情報取得部によって取得された少なくとも一つの情報と当該情報に対応する前記設定生体情報、前記目標栄養情報、及び前記目標臨床情報とを比較した結果と、前記重み付けとに基づいてアドバイスを出力するアドバイス出力部と、を有し、
    前記複数の治療方針情報のそれぞれに対して複数のアドバイスが分類され、
    前記食事療法指針部は、前記複数の治療方針情報のそれぞれに対する重み付けを変更するためのユーザインターフェースを提供する、医療支援装置。
  2. 前記アドバイス出力部は、前記比較した結果に基づいて、アドバイス群を特定し、前記重み付けに基づいて前記アドバイス群から前記アドバイスを選択して出力する、請求項1に記載の医療支援装置。
  3. 前記生体項目は、前記ユーザの基本情報及び医療情報を含む、請求項1に記載の医療支援装置。
  4. 前記食事療法指針は、糖尿病治療指針であり、
    前記治療方針情報は、適正体重の達成、血糖値コントロール、併発症の発症コントロールを含み、
    当該治療方針情報それぞれに対する重み付けは、医学的知見に基づいた範囲内で設定される、請求項1に記載の医療支援装置。
  5. 前記目標栄養情報部は、前記栄養素項目の推奨範囲内で前記栄養目標値を変更するためのユーザインターフェースを提供する、請求項1に記載の医療支援装置。
  6. 前記目標臨床情報部は、前記検査項目の推奨範囲内で前記検査目標値を変更するためのユーザインターフェースを提供する、請求項1に記載の医療支援装置。
  7. 前記目標栄養情報部は、前記設定生体情報に基づいて栄養素項目の推奨範囲を決定し、当該栄養素項目に対応する前記栄養目標値を当該推奨範囲から設定することによって前記目標栄養情報を取得する、請求項1に記載の医療支援装置。
  8. 目標栄養情報部は、体重関連のメッセージのモード、目標体重、及び減量プランの少なくとも一つに基づいて、所定の栄養素項目の推奨範囲を決定する、請求項に記載の医療支援装置。
  9. 前記栄養素項目は、エネルギー量である、請求項に記載の医療支援装置。
  10. 前記目標臨床情報部は、前記設定生体情報に基づいて検査項目の推奨範囲を決定し、当該検査項目に対応する前記検査目標値を当該推奨範囲から設定することによって前記目標臨床情報を取得する、請求項1に記載の医療支援装置。
  11. 前記推奨範囲は、予め、医学的知見に基づき決定されている、請求項に記載の医療支援装置。
  12. 前記目標臨床情報は、血糖値、HbA1C、コレステロール、及び中性脂肪量の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の医療支援装置。
  13. 前記設定生体情報は、性別、年齢、体重、身長、疾患、影響する併存疾患、血圧、及び処方薬の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の医療支援装置。
  14. 前記記録生体情報は、性別、年齢、体重、身長、疾患、影響する併存疾患、血圧、及び処方薬の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の医療支援装置。
  15. 前記記録栄養情報は、朝食、昼食、夕食、及び間食のいずれかの食事内容に含まれる栄養素項目に対応した栄養記録値である、請求項1に記載の医療支援装置。
  16. 前記記録臨床情報は、血糖値、HbA1C、コレステロール、及び中性脂肪量の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の医療支援装置。
  17. ユーザの生体項目に対応して特定された設定生体情報を取得し、
    前記ユーザの食事療法指針に基づく複数の治療方針情報に対して、それぞれ重み付けを取得し、
    前記設定生体情報に基づく栄養目標値として、栄養素項目に対応して特定された目標栄養情報を取得し、
    前記設定生体情報に基づく検査目標値として、検査項目に対応して特定された目標臨床情報を取得し、
    前記生体項目に対応して記録されている前記ユーザの記録生体情報、前記栄養素項目に対応して記録されている記録栄養情報、及び前記検査項目に対応して記録されている記録臨床情報のうちの少なくとも一つの情報を取得し、
    前記記録生体情報、前記記録栄養情報、及び前記記録臨床情報のうち取得された少なくとも一つの情報と当該情報に対応する前記設定生体情報、前記目標栄養情報、及び前記目標臨床情報とを比較した結果と、前記重み付けとに基づいてアドバイスを出力することを含み、
    前記複数の治療方針情報のそれぞれに対して複数のアドバイスが分類され、
    前記複数の治療方針情報それぞれに対する重み付けを変更するためのユーザインターフェースを提供する、医療支援装置の動作方法。
  18. ユーザの生体項目に対応して特定された設定生体情報を取得し、
    前記ユーザの食事療法指針に基づく複数の治療方針情報に対して、それぞれ重み付けを取得し、
    前記設定生体情報に基づく栄養目標値として、栄養素項目に対応して特定された目標栄養情報を取得し、
    前記設定生体情報に基づく検査目標値として、検査項目に対応して特定された目標臨床情報を取得し、
    前記生体項目に対応して記録されている前記ユーザの記録生体情報、前記栄養素項目に対応して記録されている記録栄養情報、及び前記検査項目に対応して記録されている記録臨床情報のうちの少なくとも一つの情報を取得し、
    前記記録生体情報、前記記録栄養情報、及び前記記録臨床情報のうち取得された少なくとも一つの情報と当該情報に対応する前記設定生体情報、前記目標栄養情報、及び前記目標臨床情報とを比較した結果と、前記重み付けとに基づいてアドバイスを出力することを含み、
    前記複数の治療方針情報のそれぞれに対して複数のアドバイスが分類され、
    前記複数の治療方針情報それぞれに対する重み付けを変更するためのユーザインターフェースを提供することを、コンピュータに実行させるためのプログラム。
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