JP7212231B2 - 情報処理装置、方法及びプログラム - Google Patents

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本発明は、情報処理装置、方法及びプログラムに関し、特に、最適化モデルの最適化を行う情報処理装置、方法及びプログラムに関する。
近年、多くの情報を基に、所定の条件における最適な情報(例えば、プラントにおける材料の投入量、操作機器における操作量、又は、商品の設定価格)を利用者に提供する情報処理装置又は情報処理システムが用いられている。あるいは、利用者が最終的な選択を行うための情報(例えば、判断指標など)を提供する情報処理装置又は情報処理システムが、用いられている。
電力会社は、複数の発電所を含む発電システムの制御において、所定の条件(例えば、総需要電力を満足しながらコストを最小にする)を満足する各発電所の発電量を決定することが必要である。そこで、電力会社は、例えば、需要予測(総需要電力の予測)に基づく発電システムをモデル化した最適化モデルを作成する。そして、電力会社は、最適な発電量(最適解)を決定するために、所定の装置又はシステムを用いて、その最適化モデルにおける最適解(発電量)を算出する。
あるいは、企業の購入部門は、生産活動における資材の購入において、生産計画などを満足しながら利益を最大とする(購入コストを最小とする)資材の購入量(最適解)を決定することが必要である。そこで、購入部門は、需要予測(例えば、必要となる資材の量の予測)に基づく購入量をモデル化した最適化モデルを作成する。そして、購入部門は、購入量を決定するため、所定の装置又はシステムを用いて、作成した最適化モデルにおける最適解(購入量)を算出している。
このように、予測に基づいた判断又は計画をソフトウェア又は所定の装置が最適に行う技術について、以下、その具体例を用いて説明する。
まず、最適化の処理の対象となる最適化モデルが決定される。最適化モデルは、具体的な最適化の目的を示す「目的関数」と、最適解の算出における条件である「制約」とを含む。「目的関数」は、「目的変数」の関数として表される。「目的変数」は、最適化の対象である。最適化において、上記のソフトウェア又は装置は、制約を満たしつつ目的関数の値が最適(例えば、最大又は最小)となるように、「目的変数」の値を最適化する。最適化された目的変数の値を、以下、「最適解」と呼ぶ。なお、最適解は、将来的な値である。そのため、目的関数は、その中に、所定の変数及びパラメータを用いて表される予測モデルを含む。
予測モデルは、予測対象である変数(以下、「被説明変数」と呼ぶ)と、予測対象に影響を及ぼし得る変数(以下、「説明変数」と呼ぶ)との関係性を示すモデルである。一般的に、被説明変数は、予測モデルにおいて、説明変数を用いた関数として表現される。
上記のとおり、予測における予測対象である変数に対して、「被説明変数」という用語を用いる。これに対し、最適化処理における最適化対象である変数に対して、「目的変数」という用語を用いる。このように、以下の説明において、「被説明変数」という用語と、「目的変数」という用語とは、相互に区別して用いられる。
なお、予測モデルは、例えば、過去の説明変数と被説明変数とを用いた機械学習等を基に作成される。予測モデルを生成する一般的な方法として、例えば、「回帰分析」がある。
そして、情報処理装置は、最適化モデルの最適解として、目的関数を最適化(例えば、最大化)する目的変数の値(最適解)を算出する。ここで、予測モデルにおける説明変数の少なくとも一部が、最適化モデルにおける目的変数(最適化の対象である変数)となることがあり得る。この点については、後ほど価格最適化の具体例を用いて説明する。
また、一般的に、目的変数は、取り得る値の範囲に制限がある。例えば、上記の発電所における発電量は、上限がある。このような制限が、「制約」の一例である。ただし、制約は、その他の条件を含んでもよい。
そこで、情報処理装置は、例えば、所定の制約を満足する範囲で、目的関数の値が最大になるような最適解を算出する。このように、最適解を算出する情報処理装置が最適化の対象として用いる最適化モデルは、目的関数及び制約を含むモデルである。
なお、最適化モデルは、情報処理装置において処理されるため、一般的には、上記の目的関数及び制約を、情報処理装置で取り扱い可能な形式(通常は、変数を用いて表現された数式)を用いて表される。そして、情報処理装置は、最適解として、最適化モデルに含まれる制約の下で、目的関数の値を最適値(最大値、又は、最小値)とする目的変数の値を算出する。
最適化モデルに含まれる目的関数が、目的変数の一次関数を用いて表される場合、その最適化モデルは、「線形最適化モデル」と呼ばれる。また、最適化モデルに含まれる目的関数が、目的変数の二次関数を用いて表される場合、その最適化モデルは、「二次最適化モデル」と呼ばれる。
ここで、具体例として、ある複数の商品又は役務(サービス)の総売上高を最適化するために、各商品又は各役務の価格をいくらに設定したらよいか、という価格最適化の最適化モデルを説明する。ただし、以下では、一例として、商品を用いて説明する。
総売上高は、各商品の価格と、商品の売上げ量(売上げ数)との積の総和である。つまり、総売上高は、「総売上高=(各商品の価格×各商品の売上げ量)の合計」となる。
ここで、商品の価格は、商品の販売者が、設定可能な値である。一方、売上げ量は、販売者が決定できない値であり、さらに、最適化処理を実行する時点から見て未来の値である。
そこで、商品の売上げ量を予測するため、例えば、機械学習を用いて予測モデルが設定される。ここで、商品の売上げ量は、その商品の価格の影響を受けることは自明である。そのため、商品の売上げ量は、商品の売上げ量を予測する予測モデルにおいて、被説明変数である。また、商品の価格は、予測モデルにおいて、説明変数となる。つまり、被説明変数である商品の売上げ量は、予測モデルにおいて、商品の価格の関数として表される。被説明変数は、具体的には、商品の価格の一次関数、又は、二次以上の関数となる。つまり、被説明変数は、商品の価格(説明変数)の少なくとも一次の関数になる。
総売上高(目的関数)は、「説明変数(商品の価格)」と「被説明変数(商品の価格に影響を受ける売上げ量)」との積となる。上記のとおり、被説明変数は、説明変数(商品の価格)の関数を用いて表される。このため、総売上高(目的関数)は、商品の価格(説明変数)の少なくとも二次の関数になる。
ここで、商品の価格は、最適化モデルにおける目的変数である。つまり、総売上高(目的関数)は、目的変数(商品の価格)の少なくとも二次関数を用いて表される。そのため、上記のような商品の価格を操作して総売上高を最適化する場合、最適化モデルとして、二次最適化モデルが用いられている。なお、この場合、制約は、例えば、商品の在庫量である。
上記の具体例から理解されるように、予測モデルにおける説明変数(商品の価格)が、最適化モデルにおける目的変数(商品の価格)、すなわち最適化対象である変数になり得ることに留意されたい。言い換えると、商品の価格という一つの変数が、学習処理及び予測処理においては説明変数として振る舞い、最適化処理においては目的変数として振る舞うことに留意されたい。
最適化モデルは、最適化モデルを表す数式に、1つ又は複数のパラメータを含む。パラメータは、過去の観測データなどを基に決定される値である。しかし、観測データは、測定における誤差を含むデータである。また、最適化モデルの算出対象は、まだ確定していない将来における値(最適解)である。つまり、最適解は、過去のデータが生成された時とは異なる状況において算出される可能性がある。そのため、最適化モデルに含まれるパラメータは、不確実性を含む。
一般的に広く用いられている最適化モデルにおける最適解を算出する手法は、パラメータにおける不確実性を考慮していない。そのため、一般的な最適化モデルを用いて算出された最適解は、実際に適用された場合において、最適とはならない可能性がある。以下、この理由を説明する。
上記のとおり、最適化モデルは、パラメータを含む。そして、パラメータは、不確実性を含む。そのため、最適解の値が実際に適用される時におけるパラメータの値は、最適解の算出に用いたパラメータの値と異なっている場合がある。この場合、算出された最適解は、実際に適用されるときにおける最適解となっていない可能性がある。
そこで、パラメータの不確実性を考慮した最適化モデルの一つとして、ロバスト最適化モデルが、提案されている(例えば、非特許文献1を参照)。
ロバスト最適化モデルは、パラメータに対して所定の不確実性の範囲(例えば、パラメータ空間における楕円領域)を設定する。そして、ロバスト最適化モデルにおける最適解を算出する情報処理装置は、その不確実性の範囲における最適解を算出する。なお、上記のパラメータに対する不確実性は、「予測誤差」、又は、「パラメータの変動」とも呼ばれる。
最適解が適用される時のパラメータの値が、想定されたパラメータの不確実性の範囲内の場合、ロバスト最適化モデルを用いて算出された最適解は、適用時における解の良さを保証できる。上記の線形最適化モデルにロバスト最適化モデルを適用した最適化モデルは、ロバスト線形最適化モデルと呼ばれている。また、二次最適化モデルにロバスト最適化モデルを適用した最適化モデルは、ロバスト二次最適化モデルと呼ばれている。
尚、特許文献1には、想定可能な不確実性を適用したロバスト最適化モデルにおける最適解を算出する技術が開示されている。また、非特許文献2にも、パラメータの不確実性を考慮したロバスト最適化モデルに関する技術が開示されている。
国際公開第2017/135314号
Dimitris Bertsimas, David B. Brown, and Constantine Caramanis, "Theory and Application of Robust Optimization", SIAM (Society for Industrial and Applied Mathematics) Review, Vol. 53, No. 3, pp. 464-501, August 05, 2011. Yabe, Akihiro, Shinji Ito, and Ryohei Fujimaki. "Robust quadratic programming for price optimization."IJCAI Proceedings-International Joint Conference on Artificial Intelligence. 2017.
ここで、価格最適化のような(予測に基づく最適化である)処方分析において、ユーザが慣れ親しんだ解釈性の高い最適解を提示することは、次の点において重要である。まず、解釈性が高い最適解は、実用的であるためユーザが納得し易く、心理的負荷が少ない。そのため、提示された最適解をユーザが採用され易いためである。また、解釈性が高い最適解は、仮に予測モデルの変化などにより異常値となった場合には、ユーザが異常値であることを発見し易いためである。
また、最適化の一例である価格最適化において、解釈性が高い解としては次のことが知られている。例えば、最適解において割引する商品数が少ない場合には、解釈性が高いことが知られている。言い換えると、取り扱う全商品にランダムにみえるような割引率を適用することが最適解である場合には、解釈性が低いことが知られている。また、最適解において割引率が極端(例えば、50%等)ではないことが解釈性が高いとして知られている。
一方、解釈性が最も高く安全な戦略は、最も実施回数が高い定価であるが、定価は普段の価格設定であり、それを実施することによる売上の「改善」は見込めない。そのため、解釈性や安全性と、最適解の質にはトレードオフの関係がある。
ここで、最適化において、予め指定したパラメータにより最適化のドメインを制限することは自明に可能である。最適化のパラメータが確定値ならば、それぞれの制限に対して解を求め比較を行うことにより、解釈性と解の質のトレードオフを考えることができる。価格最適化における制限の例としては、割引可能な商品種類数などが挙げられる。
但し、予測に基づく最適化では、パラメータが不確定なので、パラメータを予測を基に設定してしまうと、予測誤差にオーバーフィットしてしまうため、そもそも比較対象に信頼性が担保されない。
一方で、解の質を担保する手法として、上述したロバスト最適化手法が知られている。しかし、ロバスト最適化におけるロバストさは最適化ドメインなど、問題設定に応じて適切に設定する必要がある。そのため、ドメインが可変である上記の設定に直接適用することは困難である。
尚、上述した非特許文献1及び2並びに特許文献1にかかる技術は、パラメータの不確実性を考慮したロバスト最適化モデルであるが、解釈性が考慮されていない。
そこで、これまでは、解釈性を考慮したパラメータの制限をユーザ自身が判断して設定する必要があり、煩雑であった。そのため、解釈性とロバスト最適解の質のトレードオフを考慮して最適化を行うことが困難であった。
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであり、解釈性とロバスト最適解の質のトレードオフを考慮して効率的に最適解を算出するための情報処理装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本開示の第1の態様にかかる情報処理装置は、
パラメータに対して設定された不確実性の範囲に基づき目的変数の最適解を求めるためのロバスト最適化モデルと、前記目的変数の最適解の集合の要素数に基づく当該最適解の解釈性の度合いを示す解釈性関数とを含む要素数最適化モデルを解いて、前記要素数の最適解である最適要素数を決定する決定部と、
前記最適要素数を用いて前記ロバスト最適化モデルを解いて、少なくとも1以上の前記目的変数の最適解の集合の候補を算出するロバスト最適化部と、
を備える。
本開示の第2の態様にかかる情報処理方法は、
パラメータに対して設定された不確実性の範囲に基づき目的変数の最適解を求めるためのロバスト最適化モデルと、前記目的変数の最適解の集合の要素数に基づく当該最適解の解釈性の度合いを示す解釈性関数とを含む要素数最適化モデルを解いて、前記要素数の最適解である最適要素数を決定し、
前記最適要素数を用いて前記ロバスト最適化モデルを解いて、少なくとも1以上の前記目的変数の最適解の集合の候補を算出する。
本開示の第3の態様にかかる情報処理プログラムは、
パラメータに対して設定された不確実性の範囲に基づき目的変数の最適解を求めるためのロバスト最適化モデルと、前記目的変数の最適解の集合の要素数に基づく当該最適解の解釈性の度合いを示す解釈性関数とを含む要素数最適化モデルを解いて、前記要素数の最適解である最適要素数を決定する決定処理と、
前記最適要素数を用いて前記ロバスト最適化モデルを解いて、少なくとも1以上の前記目的変数の最適解の集合の候補を算出する算出処理と、
をコンピュータに実行させる。
本開示により、解釈性とロバスト最適解の質のトレードオフを考慮して効率的に最適解を算出するための情報処理装置、方法及びプログラムを提供することができる。
本実施の形態1にかかる情報処理装置の構成を示す機能ブロック図である。 本実施の形態1にかかる情報処理方法の流れを説明するためのフローチャートである。 本実施の形態1にかかる情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 本実施の形態2にかかる情報処理装置の構成を示すブロック図である。 本実施の形態2にかかる情報処理方法の流れを説明するためのフローチャートである。 本実施の形態3にかかる情報処理装置の構成を示すブロック図である。 本実施の形態3にかかる情報処理方法の流れを説明するためのフローチャートである。
以下では、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。また、以下の説明において、適宜、数式を用いて説明するが、本実施の形態は、下記の数式に限定されない。
まず、本開示にかかる各実施の形態で想定する問題設定を具体例を用いて説明する。
Xは目的変数のドメインであり、m次元ベクトル空間の部分集合であるとする。また、Xの要素をxと表わす。このとき、パラメータの実現値θに対する最適化モデルは、以下に例示する式1のように定義される。
Figure 0007212231000001
式1において、θは、未来の実現パラメータである。また、fiは、θに関して線形であるとする。ここで、iは、不確実な制約のインデックスである。例えば、ポートフォリオの最適化問題では、期待利得bを最大化することが求められる。そこで、ポートフォリオ最適化問題は、以下に例示する式2のように定義できる。
Figure 0007212231000002
式2において、θはベクトルであり、θのi番目の要素は、資産iに投資した結果得られる利得である。xiは、資産iに投資する金額を表す。また、Cは、総資産額である。言い換えると、上記式2で示す問題は、限られた資産を配分し、投資効果を最大化する問題と言える。
また、例えば、在庫コストの最適化問題では、在庫コストを最小化することが求められる。そこで、在庫コスト最小化問題は、以下に例示する式3のように定義できる。
Figure 0007212231000003
式3において、cは商品i1つあたりの在庫コスト、xは商品iの在庫量、θは、商品iの需要量である。
他にも、電力需要パラメータに基づく発電最適化、商品需要パラメータに基づくプラントの設計最適化など、多くの問題が、上述する式1~3のように定式化される。
ここで、上記パラメータθは、不確実性に基づいて変化する値である。パラメータの不確実性は、二種類想定される。一つは、最適化の入力に含まれるノイズである「予測誤差」である。もう一つは、最適化が終了した後に想定されるノイズである「システム誤差」である。「システム誤差」は、系自体が持つ不確実性を示す。「予測誤差」は、その系を過去データから推定(表現)しようとしたときに、過去データがシステム誤差から影響を受けていることに起因して推定自体に生じるブレを示す。
ロバスト最適化では、どの程度の不確実性を想定するか決定する必要がある。以下、この不確実性の程度をマージンと記す。マージンは、要求する保証水準(例えば、欠品確率10%など)に対して、過不足がない程度に設定される必要がある。想定する不確実性が小さすぎると保証を満たすことが出来なくなり、一方で、水準より大きすぎる不確実性を想定すると、コストが莫大になってしまうからである。つまり、過剰に保守的な戦略は、保証を満たさない戦略と同等に非現実的である。また、この水準は、データから自動で決定できることが望ましい。
一般的には、パラメータの「推定の不確実性」に基づいて、この水準(マージン)が自動で決定される。具体的には、不確実性領域Uに対して保証水準αで含まれるパラメータを想定し、その不確実性領域Uにおける最悪ケースを想定してロバスト最適化を行う方法が知られている。
よって、本開示にかかる各実施の形態では、パラメータの値又はパラメータの変動の範囲については、任意の公知の技術により算出されたものを入力として受け付けるものとする。また、パラメータの値の算出の仕方については、例えば、上述した非特許文献2に開示されている。
また、「マージン」は、目的変数の関数で表現できる。「マージン」の例や導出の仕方については、例えば、上述した特許文献1又は非特許文献2に開示されている。
<実施の形態1>
続いて、以下に、本実施の形態1について説明する。
図1は、本実施の形態1にかかる情報処理装置1の構成を示す機能ブロック図である。情報処理装置1は、解釈性とロバスト最適解の質のトレードオフを自動的に調整してロバスト最適化モデルを解いて最適解を求めるコンピュータである。尚、情報処理装置1は、2台以上のコンピュータにより構成されていてもよい。
ここで、「解釈性」とは、実用性の高さの度合い、ユーザの直感的な納得し易さの度合い等を示す指標である。そのため、最適化モデルを最適化したことにより求められた最適解が解釈性の高いものである場合、ユーザがその最適解を採用するにあたっての心理的負荷が少ないものである。また、「ロバスト最適解」とは、ロバスト最適化モデルを最適化することにより算出される最適解を示す。
情報処理装置1は、決定部11と、ロバスト最適化部12とを備える。決定部11は、ロバスト最適化モデルと、解釈性関数とを含む要素数最適化モデルを解いて、最適要素数を決定する。ここで、「ロバスト最適化モデル」とは、パラメータに対して設定された不確実性の範囲に基づき目的変数の最適解を求めるための最適化モデルである。また、「解釈性関数」とは、目的変数の最適解の集合の要素数に基づく当該最適解の解釈性の度合いを示す関数である。また、「目的変数の最適解の集合」とは、複数の目的変数における最適解の組の集合であり、ドメインとも呼ばれる。また、「最適要素数」とは、要素数の最適解を示す。そして、「要素数最適化モデル」とは、要素数に関する最適化問題を定式化したものである。つまり、決定部11は、要素数最適化モデルを最適化することにより最適解として最適要素数を算出する。
ロバスト最適化部12は、決定部11により決定された最適要素数を用いて上述したロバスト最適化モデルを解いて、少なくとも1以上の目的変数の最適解の集合の候補を算出する。つまり、ロバスト最適化部12は、ロバスト最適化モデルにおける最適解のドメインのサイズに、決定部11により決定された最適要素数を適用する。そして、ロバスト最適化部12は、最適要素数をドメインのサイズとしたロバスト最適化モデルを解くことで、最適化ドメイン候補を算出する。このとき、最適化ドメイン候補の要素数は、最適要素数となる。尚、ロバスト最適化部12は、パラメータを調整するなどして、複数の最適化ドメイン候補を算出してもよい。
尚、決定部11が要素数最適化モデルを解く方法及びロバスト最適化部12がロバスト最適化モデルを解く方法は、任意である。そのため、決定部11及びロバスト最適化部12は、一般的に知られた方法を用いてロバスト最適化を行ってもよい。ロバスト最適化を行う方法は広く知られているため、ここでは詳細な説明は省略する。
図2は、本実施の形態1にかかる情報処理方法の流れを説明するためのフローチャートである。まず、決定部11は、ロバスト最適化モデルと解釈性関数とを含む要素数最適化モデルを解いて、要素数の最適解である最適要素数を決定する(S11)。次に、ロバスト最適化部12は、ステップS11で決定された最適要素数を用いてロバスト最適化モデルを解いて、少なくとも1以上の目的変数の最適解の集合の候補を算出する(S12)。
図3は、本実施の形態1にかかる情報処理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、ハードウェア構成として、少なくとも記憶装置101と、メモリ102と、プロセッサ103とを備える。
記憶装置101は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置である。記憶装置101は、少なくともプログラム1011を記憶する。プログラム1011は、本実施の形態にかかる上述した情報処理が少なくとも実装されたコンピュータプログラムである。メモリ102は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置であり、プロセッサ103の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。そのため、メモリ102は、例えば、決定された最適要素数や算出された最適解の集合の候補を記憶する。プロセッサ103は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)等の制御回路であり、情報処理装置1の各構成を制御する。そして、プロセッサ103は、記憶装置101からプログラム1011をメモリ102へ読み込み、プログラム1011を実行する。これにより、情報処理装置1は、上述した決定部11及びロバスト最適化部12の機能を実現する。
尚、決定部11と、ロバスト最適化部12とは、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。
また、情報処理装置1の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
このように、本実施の形態では、ロバスト最適化モデルに解釈性を最適化ドメインの要素数の関数を加えて、最適化モデルを定式化した。すなわち、入れ子構造にある最適化ドメインの中で適切なものを選択する問題ととらえて定式化したものである。これにより、解釈性とロバスト最適解の質のトレードオフを考慮した最適解の算出を自動化することができ、効率性が向上する。すなわち、本実施の形態により解釈性とロバスト最適解の質のトレードオフを考慮して効率的に最適解を算出することができる。よって、解釈性、利得(最適化の目的関数の大きさ)、安全性(ロバスト性)とのトレードオフを取ることができる。
<実施の形態2>
ここで、ロバスト最適化モデルについて補足する。まず、予測最適化(PO(Predictive Optimization))は、機械学習による高精度な予測のもとで、最適な戦略(最適化ドメイン候補)を推定する問題である。POは、以下の2つのステップから構成される。
(ステップA1)
ある戦略xを取った時に出力yが得られたとする。ここで、
Figure 0007212231000004
であるものとする。そして、
Figure 0007212231000005
からyを予測するモデルパラメータθハット(θの上付き^。以下θ^と記す。)を学習する:
Figure 0007212231000006
(ステップA2)
model(x;θ^)に基づく適切な目的関数f(x;θ^)を用いて最適な戦略を見つける:
Figure 0007212231000007
上記ステップA1は、一般の機械学習技術を用いてモデルの学習ができる。ステップA2を「適切に」解くこと、特に目的関数fやドメインXを適切に設定することがPOにおいて重要である。
ステップA1で求めるモデルパラメータθ^は、データからの推定量であるため、本質的に不確実性(推定誤差)を含む。そのため、θ^をあたかも真の値であるかのように信じてステップA2の式4を解いてしまうと、過学習の恐れがある。信頼性の高いPOのために、非特許文献2によりステップA2をパラメータの不確実性を考慮したロバスト最適化として定式化する方法が提案されている。ロバスト最適化を用いることで、パラメータの潜在的な不確実性までをも考慮して戦略を最適化できる。非特許文献2では、ロバスト最適化に基づくPOの定式化のために以下のような設定を考える。
(B1)不確実性のモデル化:真のパラメータをθとする。このとき、推定量θ^はθ^=θ-ε、ε~pεと記述できる。ここでは特にE[ε]=0、つまりθ^の不偏性を仮定する。尚、pεとは、推定誤差の分布である。
(B2)正則化に基づく戦略最適化問題:ある適当な正則化項g(x)が存在する。このとき、パラメータθが与えられたもとでのロバストな戦略最適化問題を以下で定義する。
Figure 0007212231000008
ここでrは正則化の強さを表す非負パラメータである。また、rg(x)は、上述したマージンの一例である。
非特許文献2の方法では以下のような流れで戦略のロバスト最適化を行う。
(ステップC1)パラメータθ^を推定する。
(ステップC2)θ^及びpεからのブートストラップサンプルから適切な正則化パラメータr^を決める。
(ステップC3)式5により最適戦略x^を求める。
ここで、解釈性を考慮しないPOの実用上の課題として「ユーザの最適戦略に対する信頼性」を得づらいことが挙げられる。ときにPOはユーザの直感に反した戦略や、今までの戦略とはかけ離れた戦略を提示することがある。これらの戦略を採用することは、ユーザに大きな決断とそれに伴う心理的な負荷を要する。そのため、ユーザはときにこのような未知の戦略を信頼できずに採用を見送ってしまう。
そこで、本実施の形態2では、上述した実施の形態1を具体化及び改良することで、上記課題を解決するものである。本実施の形態2では、まず、戦略集合として最適化ドメイン候補
Figure 0007212231000009
を出力するものとする。ここで、集合X添え字kは、集合の大きさを表す自然数パラメータ、上述した「集合の要素数」の一例である。特に、
Figure 0007212231000010
となるような集合の族{X、X、X2、・・・}があらかじめ与えられているものとする。
そして、本実施の形態2にかかる情報処理装置は、与えられた集合の族{X、X2、・・・}から最適な集合Xを求める。これは最適な集合のインデックスkを求める問題といえる。ここで、kは、上述した要素数の一例である。そこで、本実施の形態2では、真のパラメータθ^*が与えられたもとでの集合の最適化問題を以下の式6を定義する。
Figure 0007212231000011
ここでφ(k)は、解釈性関数の一例である。式6においては、解釈性関数φ(k)は、正則化項とする。解釈性関数φ(k)としては、例えば、φ(k)=λkやφ(k)=λvolume(X)等が挙げられるが、これらに限定されない。ここで、λは、解釈性パラメータの一例であり、式6においては、正則化パラメータである。解釈性パラメータλは、後述の通り、外部から入力されるものとする。
そして、本実施の形態2にかかる情報処理装置は、真のパラメータが得られない状況でkを最適化するために、ロバスト最適化モデルを用いる。具体的には、パラメータ推定量θ^に対して以下の式7のような定式化を行う。式7は、要素数最適化モデルの一例である。
Figure 0007212231000012
そして、式7について以下の流れで最適化を行う。
(ステップD1)パラメータθ^を推定する。
(ステップD2)θ^及びpεからのブートストラップサンプルから適切な正則化パラメータr^を決める。
(ステップD3)式7のr=r^とした式8について最適化を行い、kの最適解(最適要素数)k^を求める。
Figure 0007212231000013
(ステップD4)式5のX=Xk^とした式9についてロバスト最適化を行い、xの最適解x^の集合の候補Xk^を求める。式9は、最適要素数k^を用いたロバスト最適化モデルの例である。
Figure 0007212231000014
ここで、集合Xの例としては以下のようなものが挙げられる。
(1)平均からのk-スパースな差分
ある「平均的な戦略」xがあるときに、集合Xをxからの差分がk-スパースな戦略の集合とする。つまり、以下の式10の関係となる。
Figure 0007212231000015
このような集合Xは、特に価格最適化の文脈において有用である。
価格最適化では、「平均的な戦略」xを定価と置くことで、集合Xがたかだかk個の商品の価格だけを最適化する戦略の集合に相当する。例えば、スーパーの商品の価格を最適化する場合、通常のPOでは全ての商品の価格を最適値にする。しかし、このような全商品の価格の変更は、スーパー及び顧客の両者にとって不利益が大きい。まず、スーパーにとっては、頻繁に最適値に商品価格を変更するのは大きな労力を要する。また、顧客にとっても「先週は安かった商品が今週は急に高くなった」というようなことが頻繁に起きるため、ひいてはスーパーの利便性や信頼に問題が発生する。このような事態を避けるために、スーパーからは少数の商品の価格だけを最適化することが好まれる。集合Xはこのような理想的な戦略の集合である。よって、この場合、集合Xの要素数kは、割引対象の商品数の最大値となる。
(2)k個の戦略の集合:{x、x2、・・・、}をある適当な基準に基づいて事前に選ばれた「良さそうな戦略候補」の集合とする。そして、集合Xをこの戦略候補の上位k個、つまり、X:={x、x2、・・・、}とする。
(3)k個の戦略の凸包:{x、x2、・・・、}をある適当な基準に基づいて事前に選ばれた「良さそうな戦略候補」の集合とする。そして、集合Xをこの戦略候補の上位k個の凸包、つまりX:=conv({x、x2、・・・、})とする。
図4は、本実施の形態2にかかる情報処理装置2の構成を示すブロック図である。情報処理装置2は、上述した情報処理装置1を改良したものである。情報処理装置2は、入力部21と、マージン決定部22と、要素数決定部23と、ロバスト最適化部24と、出力部25とを備える。
入力部21は、マージン決定部22、要素数決定部23及びロバスト最適化部24が後述処理で用いる情報を入力する。入力部21は、情報処理装置2に接続された入力装置(不図示)を用いてユーザにより指定された情報を入力として受け付ける。具体的には、入力部21は、パラメータθの推定値θ^、推定値θ^の誤差サンプル、及び、解釈性パラメータλを入力する。
マージン決定部22は、入力された推定値θ^を用いて、上述したステップD2に示したように、適切な正則化パラメータr^を決定し、式7におけるマージンをr^g(x)と決定する。尚、マージンr^g(x)は、ロバスト正則化関数と呼ぶこともできる。
要素数決定部23は、上述した決定部11の一例であり、入力された解釈性パラメータλを解釈性関数φ(k)に設定して、上述したステップD3に示したように、式8の要素数最適化モデルを解いて、最適要素数k^を決定する。尚、この例におけるφ(k)は、解釈性正則化関数と呼ぶこともできる。
ロバスト最適化部24は、上述したロバスト最適化部12の一例であり、決定した最適要素数k^を用いて、上述したステップD4に示したように、式9のロバスト最適化モデルロバスト最適化を行い、xの最適解x^の集合の候補Xk^を求める。
出力部25は、最適要素数k^と最適化ドメイン候補Xk^を出力する。例えば、出力部25は、情報処理装置2に接続された表示装置(不図示)等へ出力する。
図5は、本実施の形態2にかかる情報処理方法の流れを説明するためのフローチャートである。まず、入力部21は、解釈性パラメータλ等を入力する(S21)。次に、マージン決定部22は、マージンを決定する(S22)。例えば、マージン決定部22は、式5がドメインX上で真の目的関数f(x;θ)の上界となるようなrを決定する。尚、rの決定方法は、例えば、非特許文献2に開示されている。
続いて、要素数決定部23は、最適要素数k^を決定する(S23)。そして、ロバスト最適化部24は、最適要素数k^を用いて式9のようなロバスト最適化モデルを解いて、目的変数xの最適解の集合の候補Xk^を算出する(S24)。その後、出力部25は、最適要素数k^と最適化ドメイン候補Xk^を出力する(S25)。
尚、本実施の形態2にかかる情報処理装置2は、上述した図3と同様のコンピュータ装置によりハードウェアとして実現できる。但し、プログラム1011には、本実施の形態2にかかる上述した情報処理が少なくとも実装されている。そして、プロセッサ103は、記憶装置101からプログラム1011をメモリ102へ読み込み、プログラム1011を実行する。これにより、情報処理装置2は、上述した入力部21、マージン決定部22、要素数決定部23、ロバスト最適化部24及び出力部25の機能を実現する。
また、本実施の形態2にかかる情報処理装置は、次のように表現することもできる。すなわち、本実施の形態2にかかる情報処理装置は、前記解釈性の度合いを調整する解釈性パラメータを入力する入力部をさらに備え、前記決定部は、前記解釈性パラメータを前記解釈性関数に設定して、前記要素数最適化モデルを解くものである。これにより、解釈性関数における解釈性の度合いを任意に調整することができ、最終的に求まる最適解の集合の候補における解釈性を適切なものとすることができる。
また、前記解釈性関数は、正則化関数であり、前記要素数最適化モデルは、前記ロバスト最適化モデルに前記解釈性関数を加えた最適化モデルであることが望ましい。これにより、要素数最適化モデルにおいて解釈性を重視する度合いを適切に制御できる。
また、前記ロバスト最適化モデルは、予測誤差を含む前記パラメータと前記目的変数との関数である目的関数と、前記目的変数に基づいて前記パラメータの不確実性の範囲を制限するためのロバスト正則化関数と、を含む最適化モデルであるとよい。これにより、ロバスト最適解の質を向上できる。
さらに、前記目的変数は、商品又は役務ごとの価格であり、前記ロバスト最適化モデルは、前記価格に基づく売上高又は利益を最適化するための最適化モデルであるとよい。これにより、価格最適化モデルを効果的に定式化できる。
このように、本実施の形態2では、解釈性が高い最適解を提示できるため、最適解をユーザが採用する際の心理的なコストが軽減され、提示される最適解が採用され易くなる。
<実施の形態3>
本実施の形態3は、上述した実施の形態2を改良したものである。すなわち、本実施の形態3にかかる前記ロバスト最適化部は、2以上の前記集合の候補を算出し、出力部は、前記最適要素数と前記2以上の前記集合の候補を出力するものである。これにより、ユーザに対して複数の最適解ドメイン候補を提示することができる。その際、最適要素数も出力されるため、ユーザは、解釈性を担保しつつ、複数の候補の中からより直感に即したドメイン候補を選択できる。
さらに、前記ロバスト最適化部は、前記パラメータを変更して前記ロバスト最適化モデルを解くことにより、前記2以上の前記集合の候補を算出するとよい。これにより、複数の候補を算出する際の処理コストを抑制できる。
図6は、本実施の形態3にかかる情報処理装置2aの構成を示すブロック図である。情報処理装置2aは、上述した情報処理装置2を改良したものであり、ロバスト最適化部24及び出力部25がロバスト最適化部24a及び出力部25aに置き換わったものである。その他の構成は、情報処理装置2と同等であり、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
ロバスト最適化部24aは、目的変数xの最適解の集合の候補Xk^を2以上、算出する。このとき、ロバスト最適化部24aは、まず、式9について上述した通り、1つ目の集合の候補を算出する。そして、ロバスト最適化部24aは、式9におけるパラメータの推定値θ^を変更して、変更後のロバスト最適化モデルに対してロバスト最適化を行い、2つ目の集合の候補を算出する。尚、ロバスト最適化部24aは、予め入力又は設定された候補数の閾値以上となるまで、複数回、パラメータの変更及び再度のロバスト最適化を繰り返してよい。そのため、候補数の閾値は2以上であるものとする。また、例えば、ロバスト最適化部24aは、既存の列挙アルゴリズムを用いて、2以上の集合の候補を算出してもよい。例えば、ロバスト最適化部24aは、入力部21に入力された推定値θ^の誤差サンプルθ^、θ^、、、の2以上の平均値を求めて、新たな推定値θ^としてもよい。
出力部25aは、ロバスト最適化部24aによる複数の集合の候補の算出が完了した後、最適要素数と算出した複数の集合の候補を出力する。
図7は、本実施の形態3にかかる情報処理方法の流れを説明するためのフローチャートである。尚、図7は、上述した図5と同様の処理については同様の符号を付し、適宜、説明を省略する。
ステップS23の後、ロバスト最適化部24aは、ステップS23で決定された最適要素数k^を用いて式9のようなロバスト最適化モデルを解いて、1つ目の集合の候補Xk^を算出する(S24)。そして、ロバスト最適化部24aは、算出した候補数が閾値以上であるか否かを判定する(S26)。ここでは、候補数が閾値未満のため、ステップS26でNOと判定され、ロバスト最適化部24aは、上述したようにパラメータを変更する(S27)。そして、ロバスト最適化部24aは、変更後のパラメータを用いて、再度、ステップS24を行う。そして、ロバスト最適化部24aは、算出した候補数が閾値を超えた否かを判定する(S26)。候補数が閾値以上と判定された場合(ステップS26でYES)、出力部25aは、最適要素数k^とステップS24で算出された複数の最適化ドメイン候補Xk^を出力する(S25a)。
このように、本実施の形態により、ユーザに対して複数の最適解ドメイン候補を提示することができるため、解釈性を担保しつつ、ユーザが複数の候補の中からより直感に即したドメイン候補を選択することを支援できる。
<その他の実施の形態>
尚、上述の実施の形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではない。本開示は、任意の処理を、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、DVD(Digital Versatile Disc)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施の形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
パラメータに対して設定された不確実性の範囲に基づき目的変数の最適解を求めるためのロバスト最適化モデルと、前記目的変数の最適解の集合の要素数に基づく当該最適解の解釈性の度合いを示す解釈性関数とを含む要素数最適化モデルを解いて、前記要素数の最適解である最適要素数を決定する決定部と、
前記最適要素数を用いて前記ロバスト最適化モデルを解いて、少なくとも1以上の前記目的変数の最適解の集合の候補を算出するロバスト最適化部と、
を備える情報処理装置。
(付記2)
前記ロバスト最適化部は、2以上の前記集合の候補を算出し、
前記最適要素数と前記2以上の前記集合の候補を出力する出力部をさらに備える
付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記ロバスト最適化部は、前記パラメータを変更して前記ロバスト最適化モデルを解くことにより、前記2以上の前記集合の候補を算出する
付記2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記解釈性の度合いを調整する解釈性パラメータを入力する入力部をさらに備え、
前記決定部は、前記解釈性パラメータを前記解釈性関数に設定して、前記要素数最適化モデルを解く、
付記1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(付記5)
前記解釈性関数は、正則化関数であり、
前記要素数最適化モデルは、前記ロバスト最適化モデルに前記解釈性関数を加えた最適化モデルである
付記1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(付記6)
前記ロバスト最適化モデルは、
予測誤差を含む前記パラメータと前記目的変数との関数である目的関数と、前記目的変数に基づいて前記パラメータの不確実性の範囲を制限するためのロバスト正則化関数と、を含む最適化モデルである
付記1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(付記7)
前記目的変数は、商品又は役務ごとの価格であり、
前記ロバスト最適化モデルは、前記価格に基づく売上高又は利益を最適化するための最適化モデルである
付記1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(付記8)
パラメータに対して設定された不確実性の範囲に基づき目的変数の最適解を求めるためのロバスト最適化モデルと、前記目的変数の最適解の集合の要素数に基づく当該最適解の解釈性の度合いを示す解釈性関数とを含む要素数最適化モデルを解いて、前記要素数の最適解である最適要素数を決定し、
前記最適要素数を用いて前記ロバスト最適化モデルを解いて、少なくとも1以上の前記目的変数の最適解の集合の候補を算出する、
情報処理方法。
(付記9)
パラメータに対して設定された不確実性の範囲に基づき目的変数の最適解を求めるためのロバスト最適化モデルと、前記目的変数の最適解の集合の要素数に基づく当該最適解の解釈性の度合いを示す解釈性関数とを含む要素数最適化モデルを解いて、前記要素数の最適解である最適要素数を決定する決定処理と、
前記最適要素数を用いて前記ロバスト最適化モデルを解いて、少なくとも1以上の前記目的変数の最適解の集合の候補を算出する算出処理と、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
1 情報処理装置
11 決定部
12 ロバスト最適化部
101 記憶装置
1011 プログラム
102 メモリ
103 プロセッサ
2 情報処理装置
2a 情報処理装置
21 入力部
22 マージン決定部
23 要素数決定部
24 ロバスト最適化部
24a ロバスト最適化部
25 出力部
25a 出力部

Claims (9)

  1. パラメータに対して設定された不確実性の範囲に基づき目的変数の最適解を求めるためのロバスト最適化モデルと、前記目的変数の最適解の集合の要素数に基づく当該最適解の解釈性の度合いを示す解釈性関数とを含む要素数最適化モデルを解いて、前記要素数の最適解である最適要素数を決定する決定部と、
    前記最適要素数を用いて前記ロバスト最適化モデルを解いて、少なくとも1以上の前記目的変数の最適解の集合の候補を算出するロバスト最適化部と、
    を備える情報処理装置。
  2. 前記ロバスト最適化部は、2以上の前記集合の候補を算出し、
    前記最適要素数と前記2以上の前記集合の候補を出力する出力部をさらに備える
    請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記ロバスト最適化部は、前記パラメータを変更して前記ロバスト最適化モデルを解くことにより、前記2以上の前記集合の候補を算出する
    請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記解釈性の度合いを調整する解釈性パラメータを入力する入力部をさらに備え、
    前記決定部は、前記解釈性パラメータを前記解釈性関数に設定して、前記要素数最適化モデルを解く、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  5. 前記解釈性関数は、正則化関数であり、
    前記要素数最適化モデルは、前記ロバスト最適化モデルに前記解釈性関数を加えた最適化モデルである
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  6. 前記ロバスト最適化モデルは、
    予測誤差を含む前記パラメータと前記目的変数との関数である目的関数と、前記目的変数に基づいて前記パラメータの不確実性の範囲を制限するためのロバスト正則化関数と、を含む最適化モデルである
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  7. 前記目的変数は、商品又は役務ごとの価格であり、
    前記ロバスト最適化モデルは、前記価格に基づく売上高又は利益を最適化するための最適化モデルである
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  8. コンピュータが、
    パラメータに対して設定された不確実性の範囲に基づき目的変数の最適解を求めるためのロバスト最適化モデルと、前記目的変数の最適解の集合の要素数に基づく当該最適解の解釈性の度合いを示す解釈性関数とを含む要素数最適化モデルを解いて、前記要素数の最適解である最適要素数を決定し、
    前記最適要素数を用いて前記ロバスト最適化モデルを解いて、少なくとも1以上の前記目的変数の最適解の集合の候補を算出する、
    情報処理方法。
  9. パラメータに対して設定された不確実性の範囲に基づき目的変数の最適解を求めるためのロバスト最適化モデルと、前記目的変数の最適解の集合の要素数に基づく当該最適解の解釈性の度合いを示す解釈性関数とを含む要素数最適化モデルを解いて、前記要素数の最適解である最適要素数を決定する決定処理と、
    前記最適要素数を用いて前記ロバスト最適化モデルを解いて、少なくとも1以上の前記目的変数の最適解の集合の候補を算出する算出処理と、
    をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
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