JP7209917B2 - レーザレーダ装置 - Google Patents

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Description

この発明はレーザレーダ装置に関する。
従来から、対象物との距離、又は、対象物の移動速度を計測する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、媒質内の対象物に対して、媒質外から波長が変化する複数の光を照射し、対象物にて反射された夫々の反射光の干渉光に基づいて媒質の反射面までの距離、媒質内の対象物までの距離、ならびに、媒質の反射面から対象物までの距離を算出する技術が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、観測領域に電磁波を送信し、観測領域における海面で反射した電磁波を受信して分析することで海面の流速を算出する技術が開示されている。
また、例えば、特許文献3には、パルスレーザを送信光として出力し、受信した受信光から受信信号を生成し、受信信号の周波数ピークと送信光の周波数とに基づき求めたドップラーシフト周波数から風速を計測し、受信信号に対応する受信光の送信から受信までの飛行時間に基づき計測対象の距離を計測する技術が開示されている。
特開2016-017919号公報 WO2018/037533 特開2015-108557号公報
レーザレーダ装置においては、計測の対象物が混在する状況、即ち、第1の対象物の移動速度、及び、レーザレーダ装置から第1の対象物までの視線方向延長線上にある第2の対象物の距離の計測を同一の装置で高精度に計測したいという要求がある。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2といった、2種類の装置を用いることは、適用するレーザレーダ装置が大型化したり、構造や処理が複雑化したりするという課題があった。
また、特許文献3に開示された技術では、風速の計測に最適なレーザ光のパルス幅と、距離の計測に最適なレーザ光のパルス幅とが相反する関係にあるため、夫々に最適なパルス幅に切り替える必要がある。そして、送信光として出力するレーザ光のパルス幅の切り替えに時間を要するため、第1の対象物の移動速度を計測するタイミングと、第2の対象物の距離を計測するタイミングがずれて計測精度が低下してしまうという課題があった。
この発明は、前述のような問題を解決するものであり、第1の対象物の移動速度の計測、及び、レーザレーダ装置から第1の対象物までの視線方向延長線上にある第2の対象物の距離の計測を、同一の装置で精度よく実現するレーザレーダ装置を提供することを目的とするものである。
□本開示のレーザレーダ装置は、第1の対象物の移動速度、及び、から当該第1の対象物までの視線方向延長線上にある第2の対象物の距離を計測するレーザレーダ装置であって、光源から出力されるレーザ光を分配する光分配器と、所定の繰り返し周期でトリガ信号を出力するトリガ生成回路と、前記トリガ信号が入力された繰り返し周期内で、前記光分配器で分配された照射光をパルス変調し、長パルスレーザ光を生成する長パルス変調器と、前記トリガ信号が入力された繰り返し周期内で、前記光分配器で分配された照射光をパルス変調し、前記長パルスレーザ光よりもパルス幅が短い短パルスレーザ光を生成する短パルス変調器と、前記長パルス変調器で生成された長パルスレーザ光、及び、前記短パルス変調器で生成された短パルスレーザ光を含む照射光を同一の繰り返し周期内で出力し、第1の対象物で反射された当該照射光の長パルスレーザ光に対応する第1の反射光、第2の対象物で反射された当該照射光の短パルスレーザ光に対応する第2の反射光を入力する光学系と、前記光学系で入力された前記第1の反射光と前記光分配器で分配された参照光の干渉光に基づいて前記第1の対象物の移動速度を算出し、前記光学系で入力された前記第2の反射光に対応する照射光の送信から受信までの時間に基づいて前記レーザレーダ装置から前記第2の対象物までの距離を算出する計測部とを備えることを特徴とする。
この発明は、第1の対象物の移動速度、及び、レーザレーダ装置から第1の対象物までの視線方向延長線上にある第2の対象物の距離の計測を、同一の装置で精度良く実現するレーザレーダ装置を提供することができるという効果を奏する。
レーザレーダ装置1の適用例を示す図である。 本開示の実施形態1に係るレーザレーダ装置1の構成図である。 距離特性算出部44の構成を示す図である。 対象物T1からの反射光R11に応じたデジタル受信信号の一例を示す図である。 処理装置400のハードウェアの一例を示す図である。 レーザレーダ装置1の処理を示すフローチャート図である。 大気中に照射された照射光、及び、対象物で反射された反射光を説明する図である。 距離特性情報の一例を示す図である。 受光部で検出される受信信号と、入力切替される参照光を示す図である。 受光部で検出される受信信号と、入力切替される参照光を示す図である。 レーザレーダ装置1の処理を示すフローチャート図 受光部で検出される受信信号と、入力切替される参照光を示す図である。 レーザレーダ装置1の処理を示すフローチャート図 本開示の実施形態4に係るレーザレーダ装置1の構成図である。
図1は、レーザレーダ装置1の適用例を示す図である。
実施形態1において、レーザレーダ装置1が、例えば、航空機、ヘリコプターなどの空中移動体に適用された例について説明する。このような空中移動体は、水中に位置する対象物T2の検出、及び/又は、対象物T2までの距離を測定するために、レーザレーダ装置1から照射光を出力する。
レーザレーダ装置1は、対象物T2に照射光を照射(出力)して、対象物T2で反射された反射光を入力する。そして、レーザレーダ装置1は、照射光の送信時刻から反射光の受信時刻までの時間(飛行時間)から光の伝搬距離を算出することで、レーザレーダ装置1から対象物T2までの距離LT2を算出する。以降の説明において、光の送受信時刻から算出したレーザレーダ装置1から対象物T2までの距離LT2を「距離情報」と称する。
また、空中移動体は、対象物T2の検出の際、海面の移動速度、海上の波浪の状況、及び/又は、海面付近の風の状況把握を要求されることがある。そのため、空中移動体は、レーザレーダ装置1から照射光を出力して、空中移動体と対象物T2との間の気体、水面表層、又は、水面表層付近の液体要素などの対象物T1で反射された反射光が入力される。即ち、レーザレーダ装置1は、照射光のローカル光である略単一周波数の連続光(参照光)と反射光とのヘテロダイン検波 により対象物T1の移動によって生じるドップラシフトを求め、視線方向の移動速度を算出する。以降の説明において、参照光と反射光とのヘテロダイン検波により得られる対象物T1の移動速度を「速度情報」と称する。また、「速度情報」には、対象物T1の移動速度に加え、レーザレーダ装置1から対象物T1までの距離LT1を含んでいてもよい。
ところで、速度情報の計測精度に関係する速度の分解能と、距離情報の計測精度に関係する距離の分解能とは相反する関係にある。具体的には、速度分解能は、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)時の周波数分解能によって定まるものであり、この周波数分解能は受信信号の観測時間の逆数に比例する。即ち、受信信号の観測時間に相当するパルス幅が長くなるほど、速度分解能が高くなる。これに対し、距離分解能は、パルス幅によって定まる。即ち、パルス幅が短くなるほど、距離分解能が高くなる。
そこで、本開示に係るレーザレーダ装置1は、対象物T1の速度情報を得るために照射するパルスレーザ光のパルス幅を、対象物T2の距離情報を得るために照射するパルスレーザ光のパルス幅よりも長くなるようにパルス変調する。以降の説明においては、対象物T1の速度情報を得るために照射するパルスレーザ光を「長パルスレーザ光PL」、対象物T2及び/又は対象物T1の距離情報を得るために照射するパルスレーザ光を「短パルスレーザ光PS」と称する。
ところで、パルス幅の異なる2つのパルスレーザ光を同軸で対象物T1、T2へ照射(出力)し、対象物T1、T2からの反射光を単一の受光部で受光(入力)した場合、対象物T2で反射された短パルスレーザ光PSに対応する反射光と、ヘテロダイン検波用に用いる参照光が干渉し、対象物T2の距離の測定精度が低下する。
このため、本開示に係るレーザレーダ装置1は、長パルスレーザ光PLに対応する反射光と参照光を干渉させて対象物T1の速度情報を算出する一方、短パルスレーザ光PSに対応する反射光と参照光の干渉を抑制することで対象物T2の距離情報を算出する。これにより、本開示に係るレーザレーダ装置1は、速度情報及び距離情報の測定精度の低下を抑制する。
・実施の形態1
本開示に係るレーザレーダ装置1の好適な実施の形態を説明する。
図2は、本開示の実施形態1に係るレーザレーダ装置1の構成図である。
レーザレーダ装置1は、光送信部10、光学系部20、光受信部30、及び、計測部40を備える。
光送信部10は、光源11、第1光分配器12、第2光分配器13、長パルス変調器14、短パルス変調器15、第1光合波器16、及び、トリガ生成回路17を備える。光源11は、第1光分配器12と接続する。第1光分配器12は、光受信部30の光スイッチ部33と第2光分配器13に接続する。第2光分配器13は、長パルス変調器14と短パルス変調器15に接続する。長パルス変調器14は、第1光合波器16に接続する。短パルス変調器15は、第1光合波器16に接続する。第1光合波器16は、光学系部20の送信側光学系21に接続する。トリガ生成回路17は、長パルス変調器14、短パルス変調器15、計測部40のゲート位置設定部48に接続する。
光源11は、単一周波数からなるレーザ光を出力する機能を有する。第1光分配器12は、光分配器の一例であり、光源11から出力されるレーザ光を光スイッチ部33、及び、第2光分配器13に分配する機能を有する。第1光分配器12の例としては、1:2ファイバカプラや、ハーフミラーなどにより構成可能である。ここで、光スイッチ部33に分配されたレーザ光を参照光、第2光分配器13に分配されたレーザ光を照射光と称する。第2光分配器13は、第1光分配器12から分配された照射光を更に分配して長パルス変調器14、及び、短パルス変調器15へ出力する機能を有する。
長パルス変調器14は、トリガ生成回路17からトリガ信号が入力されたタイミングで駆動され、第2光分配器13から分配された照射光を装置設計で定められたパルス幅WLにパルス変調し、周波数シフトを与えた長パルスレーザ光PLを生成する機能を有する。
短パルス変調器15は、トリガ生成回路17からトリガ信号が入力されたタイミングで駆動され、第2光分配器13から分配された照射光を装置設計で定められたパルス幅WSにパルス変調し、周波数シフトを与えた短パルスレーザ光PSを生成する機能を有する。
ここで、短パルス変調器15が生成する短パルスレーザ光PSのパルス幅WSは、長パルスレーザ光PLが生成するパルス幅WLよりも短い。長パルス変調器14及び短パルス変調器15は、パルスレーザ光を同一の繰り返し周期内で生成する。長パルス変調器14、及び、短パルス変調器15は、例えば、音響光学素子(AOM:Acousto-Optic Modulator)により構成可能である。
第1光合波器16は、長パルス変調器14で生成された長パルスレーザ光PL、及び、短パルス変調器15で生成された短パルスレーザ光PSを合波する機能を有する。第1光合波器16は、例えば、ファイバ型のコンバイナ、偏光ビームスプリッタにより構成可能である。ここで、長パルス変調器14と第1光合波器16の間、及び、短パルス変調器15と第1光合波器16の間に、図示せぬ光増幅器が設けられていてもよい。
光学系部20は、長パルス変調器14で生成された長パルスレーザ光PL、及び、短パルス変調器15で生成された短パルスレーザ光PSを含む照射光を同一の繰り返し周期内で出力し、対象物T1(第1の対象物の一例)で反射された当該照射光の長パルスレーザ光PLに対応する反射光、対象物T2(第2の対象物の一例)で反射された当該照射光の短パルスレーザ光に対応する反射光を入力する機能を有する。具体的には、光学系部20は、送信側光学系21、送受分離部22、及び、受信側光学系23を備える。送信側光学系21は、送受分離部22に接続される。送受分離部22は、送信側光学系21とテレスコープ50の間であり、同一の光軸上に設置される。受信側光学系23は、送受分離部22からの受信光、及び、光受信部30の第2光合波器31と光軸が一致するように設置される。
送信側光学系21は、第1光合波器16からの照射光を所望のビーム径、及び、広がり角に変換し、送受分離部22へ出力する機能を有する。送受分離部22は、送信側光学系21から入力された照射光をテレスコープ50へ出力する機能と、テレスコープ50から入力された反射光を受信側光学系23へ出力する機能を有する。テレスコープ50は、送受分離部22から入力された照射光を大気中へ出力する機能と、対象物で反射された反射光を入力する機能を有する。また、テレスコープ50は、入力された反射光を送受分離部22へ出力する機能を有する。受信側光学系23は、反射光を所望のビーム径、及び、広がり角に整形する機能と、反射光を光受信部30の第2光合波器31へ出力する機能を有する。ここで、送信側光学系21は、凹面、又は、凸面から成るレンズ群で構成されるが、ミラー利用による反射型で構成されてもよい。送受分離部22は、サーキュレータ、又は、偏光ビームスプリッタで構成されてもよい。また、受信側光学系23は、凹面、又は、凸面から成るレンズ群で構成されるが、ミラー利用による反射型で構成されてもよい。
光受信部30は、第2光合波器31、受光部32、及び、光スイッチ部33を備える。第2光合波器31は、光スイッチ部33と受光部32と受信側光学系23に接続する。第2光合波器31は、光スイッチ部33から入力された参照光、及び、受信側光学系23から入力された反射光を合波し、受光部32へ出力する機能を有する。受光部32は、第2光合波器31から入力された反射光を電気信号に変換して計測部40のAD変換部41へ出力する機能を有する。光スイッチ部33は、光送信部10の第1光分配器12から出力された参照光を第2光合波器31へ出力する機能を有する。また、光スイッチ部33は、ゲート位置設定部48からの信号に基づいて、第1光分配器12から入力された参照光を第2光合波器31に対して出力するか否かを制御する機能を有する。光スイッチ部33は、長パルスレーザ光PLに対応する反射光と参照光を干渉させ、短パルスレーザ光PSに対応する反射光と参照光の干渉を抑制する干渉抑制部の一例として機能する。光スイッチ部33は、例えば、光スイッチや偏光回転素子などにより構成可能である。また、第2光合波器31は、例えば、ファイバ型のコンバイナ、又は、偏光ビームスプリッタにより構成可能である。
計測部40は、光学系部20で入力された第1の反射光と第1光分配器12で分配された参照光の干渉光に基づいて第1の対象物の移動速度を算出し、光学系部20で入力された第2の反射光に対応する照射光の送信から受信までの時間に基づいて、レーザレーダ装置1から第2の対象物までの距離を算出する機能を有する。具体的には、計測部40は、AD変換部41、切替部42、分割部43、距離特性算出部44、速度算出部45、T1距離算出部46、T2距離算出部47、ゲート位置設定部48、及び、制御部49を備える。切替部42、分割部43、距離特性算出部44、速度算出部45、T1距離算出部46、T2距離算出部47、ゲート位置設定部48、及び、制御部49は、処理装置400の構成要素に含まれる。制御部49のメモリには、長パルスレーザ光PL及び短パルスレーザ光PSの出力順序、及び、長パルスレーザ光PLに対応する反射光R11、短パルスレーザ光PSに対応する反射光R21、及び、短パルスレーザ光PSに対応する反射光R22の入力順序が入出力情報として記憶されている。制御部49は、入出力情報に基づいて、光送信部10、光学系部20、光受信部30、計測部40等のレーザレーダ装置1の各構成部を制御し、制御パラメータを調整する機能を備える。制御パラメータとしては、例えば、繰り返し周期、パルス幅、及び、レーザパワーなどを含む。また、制御部49は、レーザレーダ装置1の各構成部に関するデータ、及び/又は、レーザレーダ装置1が算出した計測情報を図示せぬ上位装置に出力する機能を備える。
AD変換部41の出力側は、切替部42に接続する。切替部42の出力側は、分割部43、及び、距離特性算出部44に接続する。分割部43は、距離特性算出部44、及び、T1距離算出部46に接続する。距離特性算出部44は、速度算出部45、及び、T1距離算出部46に接続する。T1距離算出部46と速度算出部45は、ゲート位置設定部48に接続する。ゲート位置設定部48の出力側は、光スイッチ部33、及び、切替部42に接続する。
AD変換部41は、光受信部30の受光部32から入力されたアナログの電気信号をデジタル受信信号に変換し、切替部42へ出力する機能を有する。また、AD変換部41は、トリガ生成回路17からトリガ信号が入力されたタイミングでAD変換を開始し、次のトリガ信号が入力されるまでAD変換を続ける。従って、AD変換部41は、アナログの電気信号を1パルスごとに、デジタル受信信号へと変換する。このような構成とすることで、AD変換を開始してからΔt後にAD変換されたデジタル受信信号は、距離L(光速c×Δt/2)離れた空間に位置する対象物で反射された反射光に対応した受信信号に相当することになる。
切替部42は、ゲート位置設定部48から入力された信号に応じて、AD変換部41から入力されたデジタル受信信号を分割部43、又は、T2距離算出部47のどちらへ送るか切り替える機能を有する。
分割部43は、切替部42からのデジタル受信信号を距離特性算出部44、及び、T1距離算出部46へ出力する機能を有する。
図3は、距離特性算出部44の構成を示す図である。
距離特性算出部44は、レンジビン分割器441、FFT処理器442、積算処理器443、SNR算出器444、特性算出部445を有する。レンジビン分割器441は、分割部43、及び、FFT処理器442と接続されている。また、距離特性算出部44は、例えばFPGA(field-programmable gate array)によって構成することが可能であり、受光部32、AD変換部41、切替部42、分割部43、距離特性算出部44間での指示、出力、入力は、デジタル信号、及び/又は、TTL(Transistor-transistor-logic)信号によって実装される。
レンジビン分割器441は、分割部43、及び、FFT処理器442と接続されている。レンジビン分割器441は、AD変換部41が出力したデジタル受信信号を、パルス幅相当の時間レンジ(レンジビン)ごとに区切る処理を行い、レンジビンごとに区切ったデジタル受信信号をFFT処理器442に出力する機能を有する。
図4は、対象物T1からの反射光R11に応じたデジタル受信信号の一例を示す図である。
nは分割したレンジビンのラベルを表す。n=5のラベルは、対象物T1からの反射光R11に応じたデジタル受信信号(反射信号)を示す。また、n=1~4のラベルは、対象物T1よりもレーザレーダ装置1の近傍の浮遊物(例えば、エアロゾル)などからの反射信号を示す。
説明を図3に戻す。
FFT処理器442は、レンジビン分割器441、及び、積算処理器443と接続されている。FFT処理器442は、レンジビン分割器441から出力されたレンジビンごとに区切ったデジタル受信信号を周波数領域に変換(高速フーリエ変換)し、レンジビンごとのスペクトル信号を積算処理器443に出力する。
積算処理器443は、FFT処理器442、及び、SNR算出器444に接続されている。積算処理器443は、FFT処理器442から出力されたスペクトル信号をレンジビンごとに任意の回数だけ積算処理し、積算処理後のスペクトル信号をSNR算出器444に出力する機能を有する。
SNR算出器444は、積算処理器443、及び、特性算出部445に接続されている。SNR算出器444は、積算処理器443から出力されるそれぞれのレンジビンの積算後のスペクトル信号から、レンジビンごとの信号対雑音比(以下、「SNR」と称する)を算出する機能を有する。具体的には、SNR算出器444は、レンジビンごとに積算されたスペクトル信号のピーク強度を求め、帯域外雑音との比を計算する。そして、SNR算出器444は、レンジビン情報(nの値)と、積算後のスペクトル信号と、算出したSNRを、特性算出部445へ送る。ここで、ピーク強度は、ピーク周波数位置でのスペクトル強度を計算してもよいし、重心演算して得る重心周波数位置でのスペクトル強度を計算してもよい。
特性算出部445は、SNR算出器444、速度算出部45、及び、T1距離算出部46に接続されている。特性算出部445は、各レンジビンの積算後のスペクトル信号からピーク値(受信SNR)を算出し、距離、及び、ピーク値の関係を示す情報(「距離特性情報(a-scope)」)を求める機能を有する。具体的には、特性算出部445は、SNR算出器444から出力されるレンジビン情報(nの値)とAD変換レートとレンジビン幅から時間Δt[AD変換レート×レンジビン幅×(n-1)]を算出する。そして、特性算出部445は、算出した時間Δtを距離L[光速c×Δt/2]へと変換することで、距離特性情報を求める。更に、特性算出部445は、距離特性情報、及び、SNR算出器444からの積算後のスペクトル信号を、速度算出部45、及び、T1距離算出部46へと出力する機能を有する。
ここで、説明を図2に戻す。
速度算出部45は、光学系部20により照射光が照射された方向、且つ、距離特性算出部44からの距離特性情報のピーク値が示す距離、即ち、水面表面付近に存在する液体要素などの対象物T1の移動速度を算出する機能を有する。具体的には、速度算出部45は、照射光のローカル光である略単一周波数の連続光(参照光)と反射光とのヘテロダイン検波 により対象物T1の移動によって生じるドップラシフトを求め、照射光が照射された方向(視線方向とも呼ぶ)の対象物T1の移動速度を算出する機能を有する。そして、速度算出部45は、複数の視線方向の移動速度から対象とする空間の移動速度ベクトルを算出する機能を有する。また、例えば、速度算出部45は、距離特性算出部44から送られたレンジビン毎に積算されたスペクトル信号のピーク周波数、及び、レーザレーダ装置1固有の中心周波数からドップラシフト量を算出し、算出したドップラシフト量から各レンジビンの移動速度を計算してもよい。
T1距離算出部46は、距離特性算出部44からの距離特性情報(A-scope)、及び/又は、分割部43からのデジタル受信信号に基づいて対象物T1までの距離LT1を算出する機能を有する。T1距離算出部46は、算出した距離LT1と光速cから、デジタル受信信号に対応する照射光の出力から反射光の入力までの飛行時間TT1を計算する機能を有する。さらに、T1距離算出部46は、算出した飛行時間TT1をゲート位置設定部48へと出力する機能を有する。
T2距離算出部47は、切替部42からのデジタル受信信号に基づいて対象物T2までの距離LT2を算出する機能を有する。具体的には、T2距離算出部47は、照射光の送信時刻、及び、反射光の受信時刻から算出した光の飛行時間TT2に基づいて、レーザレーダ装置1から対象物T2までの距離LT2を算出する機能を有する。送信時刻は、例えば、トリガ生成回路17がトリガ信号を生成した時刻としてもよい。また、受信時刻は、例えば、受光部32が反射光を電気信号に変換した時刻としてもよい。また、T2距離算出部47は、切替部42からのデジタル受信信号に基づいて対象物T1までの距離LT1を算出する機能を有していてもよい。
トリガ生成回路17は、所定の繰り返し周期Rでトリガ信号を出力する機能を有する。トリガ生成回路17は、長パルス変調器14、及び、短パルス変調器15にトリガ信号を出力することで、第2光分配器13からの照射光をパルス変調する機能、及び、パルス変調するタイミング(パルス化時間PN)を制御する機能を有する。長パルス変調器14、及び、短パルス変調器15は、トリガ信号が入力される繰り返し周期内で照射光をパルス変調する。また、トリガ生成回路17は、トリガ信号を出力することで、パルス化時間PNをゲート位置設定部48に通知する機能を有する。ここで、トリガ生成回路17は、例えば、パルスジェネレータ、ファンクションジェネレータ、FPGA(Field-Programmable Gate Array)によって構成可能である。
ゲート位置設定部48は、トリガ信号の入力に応じたタイミングで、光スイッチ部33、及び、切替部42に第1の信号を出力する機能を有する。光スイッチ部33は、第1の信号の入力に応じたタイミングで、第1光分配器12から入力された参照光が第2光合波器31に出力されように光路を切り替える機能を有する。また、切替部42は、第1の信号の入力に応じたタイミングで、AD変換部41から入力されたデジタル受信信号を分割部43に対して出力するように出力先を切り替える機能を有する。
また、ゲート位置設定部48は、トリガ生成回路17から出力されたパルス化時間PNから、T1距離算出部46から出力された飛行時間TT1だけ経過し、更に、所定の時間Tが経過したタイミングで、光スイッチ部33、及び、切替部42に対して第2の信号を出力する機能を有する。また、ゲート位置設定部48は、T1距離算出部46から飛行時間TT1が入力された後、所定の時間Tが経過したタイミングで、光スイッチ部33、及び、切替部42に対して第2の信号を出力してもよい。ここで、所定の時間Tは、長パルスレーザ光PLのパルス幅WL相当の時間としてもよい。光スイッチ部33は、第2の信号の入力に応じたタイミングで、第1光分配器12から入力された参照光が第2光合波器31に出力されないように光路を切り替える機能を有する。また、切替部42は、第2の信号の入力に応じたタイミングで、AD変換部41から入力されたデジタル受信信号をT2距離算出部47に対して出力するように出力先を切り替える機能を有する。
処理装置400の各構成要素は、ソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、あるいは、プロセッサが該当する。
処理装置400の各構成要素においてハードウェアで実現される構成要素は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、または、これらを組み合わせたものが該当する。
図5は、処理装置400の各構成要素がソフトウェアまたはファームウェアなどで実現される場合のコンピュータのハードウェアの一例を示す図である。 処理装置400の各構成要素がソフトウェアまたはファームウェアなどで実現される場合、処理装置400の各構成要素の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ401に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ402がメモリ401に格納されているプログラムを実行する。
次に、レーザレーダ装置1の処理を説明する。
図6は、レーザレーダ装置1の処理を示すフローチャート図である。
光源11は、制御部49からの制御により、略単一周波数からなるレーザ光(連続波光)を出力する(ステップST1)。
トリガ生成回路17は、制御部49からの制御により、長パルス変調器14、短パルス変調器15、ゲート位置設定部48、及び、AD変換部41に対して、同一の繰り返し周期Rでトリガ信号を出力する(ステップST2)。AD変換部41は、トリガ信号が入力されたタイミングでAD変換を開始する。長パルス変調器14は、トリガ信号の入力に応じたタイミングでパルス変調を開始する。短パルス変調器15は、トリガ信号の入力に応じたタイミングで、パルス変調を開始する。ゲート位置設定部48は、トリガ信号の入力に応じたタイミングで、光スイッチ部33、及び、切替部42に対して第1の信号を出力する。光スイッチ部33は、ゲート位置設定部48から第1の信号の入力に応じて、第1光分配器12から入力された参照光を第2光合波器31に対して出力するように光路を切り替える。切替部42は、ゲート位置設定部48から第1の信号の入力に応じて、AD変換部41から入力されたデジタル受信信号を分割部43に対して出力するように出力先を切り替える。
第1光分配器12は、光源11から出力されたレーザ光を光スイッチ部33、及び、第2光分配器13に分配する(ステップST3)。ここで、光スイッチ部33に分配されたレーザ光を参照光、第2光分配器13に分配されたレーザ光を照射光と称する。
第2光分配器13は、第1光分配器12から分配された照射光を更に分配して長パルス変調器14、及び、短パルス変調器15に分配する(ステップST4)。
長パルス変調器14は、繰り返し周期Rでトリガ信号が入力されたタイミングで駆動され、第2光分配器13から分配された照射光を装置設計で定められたパルス幅WLにパルス変調し、周波数シフトを与えた長パルスレーザ光PLを生成する。(ステップST5-1)。また、短パルス変調器15は、繰り返し周期Rでトリガ信号が入力されたタイミングで駆動され、第2光分配器13から分配された照射光を装置設計で定められたパルス幅WS(パルス幅WS<パルス幅WL)にパルス変調し、周波数シフトを与えた短パルスレーザ光PSを生成する(ステップST5-2)。ここで、長パルス変調器14、及び、短パルス変調器15は、同一の繰り返し周期R、且つ、同一のタイミングで長パルスレーザ光PL、及び、短パルスレーザ光PSを生成する。
第1光合波器16は、長パルス変調器14で生成された長パルスレーザ光PL、及び、短パルス変調器15で生成された短パルスレーザ光PSを合波し、合波した照射光を光学系部20へと出力する(ステップST6)。
レーザレーダ装置1は、同一の繰り返し周期R内において、長パルスレーザ光PL、及び、短パルスレーザ光PSを含む照射光を照射する(ステップST7A)。
図7は、大気中に照射された照射光、及び、対象物で反射された反射光を説明する図である。
大気中に照射された長パルスレーザ光PL、及び、短パルスレーザ光PSは、対象物T1で反射される。ここで、R11は、長パルスレーザ光PLが対象物T1によって反射された際に生じた反射光である。即ち、反射光R11は、第1の反射光の一例である。反射光R11には、対象物T1の移動に対応したドップラシフト周波数が生じている。また、R21は、短パルスレーザ光PSが対象物T1によって反射された際に生じた反射光である。即ち、反射光R21は、第3の反射光の一例である。また、大気中に照射された短パルスレーザ光PSは、対象物T2で反射される。ここで、R22は、短パルスレーザ光PSが対象物T2によって反射された際に生じた反射光である。即ち、反射光R22は、第2の反射光の一例である。
ところで、対象物T2は、レーザレーダ装置1から対象物T1までの視線方向延長線上に存在する。即ち、対象物T1とレーザレーダ装置1の距離LT1は、対象物T2とレーザレーダ装置1の距離LT2よりも短い。そのため、対象物T1によって反射された反射光R11、R21は、対象物T2によって反射された反射光R22よりも早くレーザレーダ装置1に入力される。
ここで説明を図6に戻す。
レーザレーダ装置1には、対象物T2で反射された反射光R22よりも先に、対象物T1で反射された反射光R11、R21が入力される(ステップST9)。
光スイッチ部33は、光送信部10の第1光分配器12から出力された参照光を第2光合波器31へ出力する(ステップST8)。
第2光合波器31は、対象物T1で反射された反射光R11、R21、及び、光スイッチ部33から入力された参照光を合波する(ステップST10)。ここで、第1光分配器12からの参照光と反射光R11との合波信号は、長パルス変調器14で付与した周波数シフトfIF(中心周波数)に対応するビート信号となる。そして、反射光R11において、対象物T1の移動に応じたドップラシフト周波数Δfが生じている場合には、ビート信号の周波数は中心周波数fIF+ドップラシフト周波数Δfとなる。
距離特性算出部44、速度算出部45、及び、T1距離算出部46は、対象物T1の速度情報を算出する(ステップST11)。具体的には、距離特性算出部44は、ステップST10で合波された合波光を変換したデジタル受信信号を、パルス幅相当の時間レンジ(レンジビン)ごとに区切る処理を行う。また、距離特性算出部44は、各レンジビンのデジタル受信信号を周波数領域に変換(高速フーリエ変換)し、レンジビンごとのスペクトル信号を任意の回数だけ積算する処理を行う。また、距離特性算出部44は、積算後のスペクトル信号から、レンジビンごとの信号対雑音比を算出する。また、距離特性算出部44は、各レンジビンの積算後のスペクトル信号からピーク値を算出し、距離、及び、ピーク値(受信SNR)の関係を示す距離特性情報(a-scope)を速度算出部45、及び、T1距離算出部46に出力する。
図8は、距離特性情報の一例を示す図である。
距離特性情報は、対象物T1で反射された長パルスレーザ光PLに対応する反射光R11と光スイッチからの参照光との干渉信号の包絡線で示される。また、距離特性情報において、レーザレーダ装置1から対象物T1までの距離Lは、観測開始後最初に設定閾値を超えたピーク値P1で示される。
T1距離算出部46は、距離特性算出部44から入力された距離特性情報に対し、観測開始時刻から受信SNR値をモニタし、初めて設定閾値よりも大きくなる値を示す距離(レンジビン)を特定する。T1距離算出部46は、この特定された距離をレーザレーダ装置1から対象物T1までの距離LT1とする。そして、T1距離算出部46は、距離LT1及び光速cに基づいて算出した飛行時間TT1[2×距離T1/光速c]をゲート位置設定部48へと出力する。ここで、制御部49は、算出された距離LT1、及び、飛行時間TT1を図示せぬ上位装置に出力してもよい。
速度算出部45は、参照光と反射光R11とのヘテロダイン検波 により対象物T1の移動によって生じるドップラシフトを求め、視線方向の移動速度Vを算出する。具体的には、速度算出部45は、各レンジビンの積算後のスペクトルからピーク周波数fmを求め、中心周波数fIFとの差から、レンジビン毎のドップラシフト量Δf(n)を計算する。そして、速度算出部45は、レンジビン毎のドップラシフト量Δf(n)に基づいて、レンジビン毎の移動速度V(n)[λΔf(n)/2]を算出する。移動速度は、速度情報の一例である。ここで、制御部49は、算出されたレンジビン毎の移動速度V(n)を図示せぬ上位装置に出力してもよい。
ゲート位置設定部48は、トリガ生成回路17から出力されたパルス化時間PNから、T1距離算出部46から出力された飛行時間TT1だけ経過し、更に、所定の時間Tが経過したタイミングで、光スイッチ部33、及び、切替部42に対して第2の信号を出力する。光スイッチ部33は、ゲート位置設定部48からの第2の信号の入力に応じて、第1光分配器12から入力された参照光を第2光合波器31に出力しないように光路を切り替える(ステップST12)。また、切替部42は、AD変換部41からのデジタル受信信号をT2距離算出部47に出力するように出力先を切り替える。
図9は、受光部32で検出される受信信号と、入力切替される参照光を示す図である。
光スイッチ部33は、長パルスレーザ光PLに対応する反射光R11が検出された時間TT1から、所定の時間Tが経過したタイミングで、参照光の出力を停止する。これにより、レーザレーダ装置1は、短パルスレーザ光PSに対応する反射光R22が入力されたとしても、参照光と合波されることがない。このような構成とすることで、レーザレーダ装置1は、反射光R22と参照光の干渉による計測精度の悪化を抑制することが可能となる。
次に、レーザレーダ装置1には、短パルスレーザ光PSを照射して得られる対象物T2からの反射光R22が入力される(ステップST13)。
T2距離算出部47は、短パルスレーザ光PSを含む照射光を照射してから反射光R22が入力されるまでの飛行時間TT2に基づいて、レーザレーダ装置1から対象物T2までの距離LT2[(光速c×飛行時間TT2)/2]を算出する(ステップST14)。ここで、制御部49は、算出された距離LT2を距離情報として図示せぬ上位装置に出力してもよい。
本実施形態によれば、レーザレーダ装置1は、対象物T1の移動速度、及び、レーザレーダ装置1から対象物T1までの視線方向延長線上にある対象物T2の距離の計測を、同一の装置で精度良く実現することができる。より具体的には、レーザレーダ装置1は、対象物T1の速度情報を得るために照射するパルスレーザ光のパルス幅WLを、対象物T2の距離情報を得るために照射するパルスレーザ光のパルス幅WSよりも長くなるようにパルス変調する。これにより、レーザレーダ装置1は、速度情報を得るのに適した分解能である長レーザパルス光P1を対象物T1に照射することで、より精度よく、対象物T1の速度情報を計測することが可能となる。また、レーザレーダ装置1は、距離情報を得るのに適した分解能である短レーザパルス光P2を対象物T2に照射することで、より精度よく、対象物T2の距離情報を計測することが可能となる。
また、レーザレーダ装置1は、長レーザパルス光P1に対応する反射光と参照光を干渉させ、ヘテロダイン検波を行うことで対象物T1の移動速度を算出する一方、短レーザパルス光P2に対応する反射光と参照光を干渉させずに飛行時間測定法で対象物T2の距離を算出する。このように、レーザレーダ装置1は、短レーザパルス光P2に対応する反射光と、長レーザパルス光P1に対応する反射光とを区別し、短レーザパルス光P2に対応する反射光と参照光の干渉を抑制することで、距離情報の計測精度の低下を抑制することができる。
また、レーザレーダ装置1の長パルス変調器14、及び、短パルス変調器15は、同一の繰り返し周期R、且つ、同一のタイミングで長パルスレーザ光PL、及び、短パルスレーザ光PSを生成した。これにより、レーザレーダ装置1は、照射光として出力するレーザ光のパルス幅の切り替えに時間を要しないため、第1の対象物の移動速度を計測するタイミングと、第2の対象物の距離を計測するタイミングがずれて計測精度の低下を抑制することができる。
また、レーザレーダ装置1は、従来のレーザレーダ装置に対し、スイッチ回路、FPGAのみを付加することで本発明を適用することが可能であり、2つのレーザレーダ装置を独立に動作させて距離及び移動速度を計測する場合に比べて価格やサイズ、重量を抑えることができる。
・実施の形態2
実施の形態1において、長パルス変調器14、及び、短パルス変調器15は、トリガ生成回路17により同じタイミングで駆動され、長パルスレーザ光PL、及び、短パルスレーザ光PSを同時に生成した。しかしながら、長パルス変調器14、及び、短パルス変調器15は、同一の繰り返し周期R内であれば、長パルスレーザ光PL、及び、短パルスレーザ光PSを同時ではなく、異なるタイミングで(時間差をつけて)生成してもよい。実施の形態2では、レーザレーダ装置1が、同一の繰り返し周期R内において、長パルス変調器14が長パルスレーザ光PLを生成した後に、短パルス変調器15が短パルスレーザ光PSを生成する例について説明する。
ここで、長パルスレーザ光PLが短パルスレーザ光PSよりも先に照射された場合、対象物T1で反射された長パルスレーザ光PLに対応する反射光R11は、対象物T1で反射された短パルスレーザ光PSに対応する反射光R21よりも早くレーザレーダ装置1に入力される。また、対象物T1とレーザレーダ装置1の距離LT1は、対象物T2とレーザレーダ装置1の距離LT2よりも短い。この場合、対象物T1で反射された短パルスレーザ光PSに対応する反射光R21は、対象物T2で反射された短パルスレーザ光PSに対応する反射光R22よりも早くレーザレーダ装置1に入力される。
図10は、受光部32で検出される受信信号と、入力切替される参照光を示す図である。
以上を踏まえると、長パルスレーザ光PLを短パルスレーザ光PSよりも先に照射した場合、対象物T1で反射された長パルスレーザ光PLに対応する反射光R11は、観測開始後1番目に設定閾値を超えたピーク信号P1で示される。また、対象物T1で反射された短パルスレーザ光PSに対応する反射光R21は、観測開始後2番目に設定閾値を超えたピーク信号P21で示される。そして、対象物T2で反射された短パルスレーザ光PSに対応する反射光R22は、観測開始後3番目に設定閾値を超えたピーク信号P22で示される。これらの、長パルスレーザ光PL及び短パルスレーザ光PSの出力順序、及び、長パルスレーザ光PLに対応する反射光R11、短パルスレーザ光PSに対応する反射光R21、及び、短パルスレーザ光PSに対応する反射光R22の入力順序は、制御部49のメモリに入出力情報として記憶されている。
図11は、レーザレーダ装置1の処理を示すフローチャート図である。図5のフローチャート図との相違点について説明する。
レーザレーダ装置1は、同一の繰り返し周期R内において、長パルス変調器14が長パルスレーザ光PLを生成した後に(ステップST5A1)、短パルス変調器15が短パルスレーザ光PSを生成する(ステップST5A2)。また、レーザレーダ装置1は、同一の繰り返し周期R内において、長パルスレーザ光PLを含む照射光を照射した後に、短パルスレーザ光PSを含む照射光を照射する(ステップST7A)。
ステップST9Aにおいて、レーザレーダ装置1には、対象物T1で反射された長パルスレーザ光PLに対応する反射光R11が入力される。
ステップST10Aにおいて、第2光合波器31は、対象物T1で反射された反射光R11、及び、光スイッチ部33から入力された参照光を合波する。
ステップST11Aにおいて、速度算出部45は、参照光と反射光のヘテロダイン検波により対象物T1の移動によって生じるドップラシフトを求め、照射光が照射された方向の対象物T1の移動速度を算出する。
また、T1距離算出部46は、観測開始時刻から受信SNR値をモニタし、観測開始後1番目のピーク信号P1に対応する飛行時間TT1を特定する。また、T1距離算出部46は、特定した飛行時間TT1をゲート位置設定部48へと出力する。更に、T1距離算出部46は、飛行時間TT1及び光速cに基づいてレーザレーダ装置1から対象物T1までの距離LT1[飛行時間TT1×光速c/2]を算出する。ステップST11Aにおいて算出された移動速度、飛行時間TT1、及び、距離LT1は、速度情報の一例である。
ゲート位置設定部48は、T1距離算出部46から飛行時間TT1が入力された後、所定の時間Tが経過したタイミングで、光スイッチ部33、及び、切替部42に対して第2の信号を出力する。
ステップST12において、光スイッチ部33は、ゲート位置設定部48からの第2の信号の入力に応じて参照光の出力を停止する。また、切替部42は、ゲート位置設定部48からの第2の信号の入力に応じて、AD変換部41からのデジタル受信信号をT2距離算出部47に出力するように出力先を切り替える。これにより、レーザレーダ装置1は、短パルスレーザ光PSに対応する反射光R21、R22が入力されたとしても、参照光と合波されることがない。このような構成とすることで、レーザレーダ装置1は、反射光R21、R22と参照光の干渉による計測精度の悪化を抑制することが可能となる。
次に、ステップST13Aにおいて、レーザレーダ装置1には、対象物T1で反射された短パルスレーザ光PSに対応する反射光R21、及び、対象物T2で反射された短パルスレーザ光PSに対応する反射光R22が入力される。
ステップST14Aにおいて、T2距離算出部47は、観測開始後3番目のピーク信号P22に対応する飛行時刻TT22に基づいて、レーザレーダ装置1から対象物T2までの距離LT2を算出する。また、T2距離算出部47は、観測開始後2番目のピーク信号P21に対応する飛行時刻TT21に基づいて、レーザレーダ装置1から対象物T1までの距離LT1を算出してもよい。ここで、制御部49は、算出された距離LT1、LT2を図示せぬ上位装置に出力してもよい。
実施の形態2においては、T1距離算出部46、及び、T2距離算出部47が、それぞれ、レーザレーダ装置1から対象物T1までの距離LT1を算出することができる。ただし、パルス幅が短いほど距離分解能が高くなるので、T2距離算出部47が短パルスレーザ光PSに対応する反射光に基づいて算出した距離LT1の方が、T1距離算出部46が長パルスレーザ光PLに対応する反射光に基づいて算出した距離LT1よりも測定精度が高い。
本実施形態によれば、レーザレーダ装置1は、対象物T1の移動速度、レーザレーダ装置1から対象物T1まで距離、及び、レーザレーダ装置1から対象物T2までの距離の計測を、同一の装置で精度良く実現することができる。より具体的には、レーザレーダ装置1は、短パルスレーザ光PSに対応する反射光R21、R22と、光スイッチ部33からの参照光を、第2光合波器31で合波しない。これにより、反射光R21、R22、及び、光スイッチ部33からの参照光が干渉することがない。その為、レーザレーダ装置1は、対象物T1、T2の距離情報の測定精度の悪化を抑制することができる。また、レーザレーダ装置1は、距離情報を得るのに適した分解能である短レーザパルス光P2を用いて、レーザレーダ装置1から対象物T1までの距離を計測することができる。これにより、レーザレーダ装置1は、長レーザパルス光P1を用いた場合よりも、精度よく、レーザレーダ装置1から対象物T1までの距離を計測することができる。
・実施の形態3
実施の形態3では、レーザレーダ装置1が、同一の繰り返し周期R内において、短パルス変調器15が短パルスレーザ光PSを生成した後に、長パルス変調器14が長パルスレーザ光PLを生成する例について説明する。この場合、対象物T1と対象物T2の距離が離れる程、反射光R21と反射光R22の入力間隔が広くなる。その為、レーザレーダ装置1には、対象物T1で反射された短パルスレーザ光PSに対応する反射光R21の入力と、対象物T2で反射された短パルスレーザ光PSに対応する反射光R22の入力の間に、対象物T1で反射された長パルスレーザ光PLに対応する反射光R11が入力されることになる。
図12は、受光部で検出される受信信号と、入力切替される参照光を示す図である。
短パルスレーザ光PSを長パルスレーザ光PLよりも先に照射した場合、対象物T1で反射された短パルスレーザ光PSに対応する反射光R21は、観測開始後1番目に設定閾値を超えたピーク信号P21で示される。また、対象物T1で反射された長パルスレーザ光PLに対応する反射光R11は、観測開始後2番目に設定閾値を超えたピーク信号P1で示される。そして、対象物T2で反射された短パルスレーザ光PSに対応する反射光R22は、観測開始後3番目に設定閾値を超えたピーク信号P22で示される。これらの、長パルスレーザ光PL及び短パルスレーザ光PSの出力順序、及び、長パルスレーザ光PLに対応する反射光R11、短パルスレーザ光PSに対応する反射光R21、及び、短パルスレーザ光PSに対応する反射光R22の入力順序は、制御部49のメモリに入出力情報として記憶されている。
図13は、レーザレーダ装置1の処理を示すフローチャート図である。図5のフローチャート図との相違点について説明する。
ステップST2Bにおいて、トリガ生成回路17は、制御部49からの制御により、長パルス変調器14、短パルス変調器15、ゲート位置設定部48、及び、AD変換部41にトリガ信号を出力する。ここで、ゲート位置設定部48は、トリガ生成回路17からトリガ信号が入力されたタイミングで、光スイッチ部33、及び、切替部42に対して第2の信号を出力する。ゲート位置設定部48からの第2の信号の入力に応じて、光スイッチ部33は、参照光の出力を停止する。また、切替部42は、AD変換部41からのデジタル受信信号をT2距離算出部47に出力するように出力先を切り替える。
レーザレーダ装置1は、同一の繰り返し周期R内において、短パルス変調器15が短パルスレーザ光PSを生成した後に(ステップST5B2)、長パルス変調器14が長パルスレーザ光PLを生成する(ステップST5B1)。また、レーザレーダ装置1は、同一の繰り返し周期R内において、短パルスレーザ光PSを含む照射光を照射した後に、長パルスレーザ光PLを含む照射光を照射する(ステップST7B)。
ステップST13B1において、レーザレーダ装置1には、対象物T1で反射された短パルスレーザ光PSに対応する反射光R21が入力される。
ステップST14B1において、T2距離算出部47は、観測開始時刻から受信SNR値をモニタし、観測開始後1番目のピーク信号P21に対応する飛行時刻TT21に基づいて、レーザレーダ装置1から対象物T1までの距離LT1を算出する。観測開始後1番目のピーク信号P21を検出したタイミングにおいては、図12に示すように、光スイッチ部33は、参照光の出力を停止した状態である。従って、反射光R21と参照光との干渉が発生しないから計測精度の低下を抑制することができる。
ステップST12B1において、ゲート位置設定部48は、反射光R21を検出したタイミング(観測開始から時間TT21が経過したタイミング)から、更に所定の時間Tが経過したタイミングで、光スイッチ部33、及び、切替部42に対して第1の信号を出力する。第1の信号の入力に応じて、光スイッチ部33は、参照光の出力を開始する。また、切替部42は、AD変換部41からのデジタル受信信号を分割部43に出力するように出力先を切り替える。
ステップST13B2において、レーザレーダ装置1には、対象物T1で反射された長パルスレーザ光PLに対応する反射光R11が入力される。
ステップST10Bにおいて、第2光合波器31は、対象物T1で反射された反射光R11、及び、光スイッチ部33から入力された参照光を合波する。
ステップST11Bにおいて、速度算出部45は、参照光と反射光とのヘテロダイン検波 により対象物T1の移動によって生じるドップラシフトを求め、照射光が照射された方向の対象物T1の移動速度を算出する。
また、T1距離算出部46は、観測開始時刻から受信SNR値をモニタし、観測開始後2番目のピーク信号P1に対応する飛行時間TT1を特定する。また、T1距離算出部46は、特定した飛行時間TT1をゲート位置設定部48へと出力する。更に、T1距離算出部46は、飛行時間TT1及び光速cに基づいてレーザレーダ装置1から対象物T1までの距離LT1[飛行時間TT1×光速c/2]を算出する。ステップST11Bにおいて算出された移動速度、飛行時間TT1、及び、距離LT1は、速度情報の一例である。
ゲート位置設定部48は、T1距離算出部46から飛行時間TT1が入力された後、所定の時間Tが経過したタイミングで、光スイッチ部33、及び、切替部42に対して第2の信号を出力する。
ステップST12B2において、光スイッチ部33は、参照光の出力を停止する。また、切替部42は、AD変換部41からのデジタル受信信号を分割部43に出力するように出力先を切り替える。これにより、短パルスレーザ光PSに対応する反射光R22と参照光が干渉することがない。その為、レーザレーダ装置1は、短パルスレーザ光PSを用いた距離情報の測定精度の悪化を抑制することが可能となる。
ステップST13B3において、レーザレーダ装置1には、対象物T2で反射された短パルスレーザ光PSに対応する反射光R22が入力される。
ステップST14B2において、T2距離算出部47は、観測開始後3番目のピーク信号P22に対応する飛行時刻TT22に基づいて、レーザレーダ装置1から対象物T2までの距離LT2を算出する。ここで、制御部49は、算出された距離LT2を図示せぬ上位装置に出力してもよい。
実施の形態3においては、T1距離算出部46、及び、T2距離算出部47が、それぞれ、レーザレーダ装置1から対象物T1までの距離LT1を算出することができる。ただし、パルス幅が短いほど距離分解能が高くなるので、T2距離算出部47が短パルスレーザ光PSに対応する反射光に基づいて算出した距離LT1の方が、T1距離算出部46が長パルスレーザ光PLに対応する反射光に基づいて算出した距離LT1よりも測定精度が高い。
本実施形態によれば、レーザレーダ装置1は、対象物T1の移動速度、レーザレーダ装置1から対象物T1まで距離、及び、レーザレーダ装置1から対象物T2までの距離の計測を、同一の装置で精度良く実現することができる。より具体的には、レーザレーダ装置1は、短パルスレーザ光PSに対応する反射光R21、R22と、光スイッチ部33からの参照光を、第2光合波器31で合波しない。これにより、反射光R21、R22、及び、光スイッチ部33からの参照光が干渉することがない。その為、レーザレーダ装置1は、対象物T1、T2の距離情報の測定精度の悪化を抑制することができる。また、レーザレーダ装置1は、距離情報を得るのに適した分解能である短レーザパルス光P2を用いて、レーザレーダ装置1から対象物T1までの距離を計測することができる。これにより、レーザレーダ装置1は、長レーザパルス光P1を用いた場合よりも、精度よく、レーザレーダ装置1から対象物T1までの距離を計測することができる。
・実施の形態4
実施の形態1~3におけるレーザレーダ装置1は、光スイッチ部33を用いて参照光の出力を切り替えることで、短パルスレーザ光P1に対応した反射光R21、R22と参照光の干渉の有無を制御した。しかしながら、レーザレーダ装置1は、光スイッチ部33を用いず、短パルスレーザ光P1と参照光の偏光を異ならせることで干渉を抑制してもよい。
図14は、本開示の実施形態4に係るレーザレーダ装置1Cの構成図である。図2のレーザレーダ装置1の構成図との相違点について説明する。
レーザレーダ装置1Cは、レーザレーダ装置1のゲート位置設定部48、光スイッチ部33、及び、切替部42に代えて、偏光器18を備える。偏光器18は、短パルス変調器15と第1光合波器16の間に設けられている。また、偏光器18は、短パルス変調器15で生成された短パルスレーザ光PSの偏光を変える(例えば、90度回転させる)ことで、短パルスレーザ光PSと参照光の干渉を抑制する機能を有する。即ち、偏光器18は、干渉抑制部の一例である。偏光器18は、例えば、半波長板で構成されてもよい。また、偏光器18は、第2光分配器13と短パルス変調器15の間に設けられてもよい。レーザレーダ装置1Cは、この構成を備えることで、光スイッチ部3を用いた参照光の時間操作が不要となる。
ところで、第2光合波器31は、参照光及び反射光を空間伝搬で合波する際、参照光及び反射光の偏光方向を合わせる必要がある。この場合、送受分離部22とテレスコープ50の間に1/4波長を挿入するなど対応が考えられる。ただし、これに限らず、偏光を合わせるために必要となる周知の技術を用いてもよい。
レーザレーダ装置1Cの制御部49Cは、トリガ生成回路17Cを制御する機能を有する。トリガ生成回路17Cは、制御部49Cの制御に応じて、長パルス変調器14、及び、短パルス変調器15にトリガ信号を出力する機能を有する。長パルス変調器14、及び、短パルス変調器15は、トリガ信号の入力に応じて、照射光をパルス変調する機能を有する。ここで、長パルス変調器14、及び、短パルス変調器15が、照射光をパルス変調し、パルス変調された照射光を出力する順序を出力順序と称する。制御部49は、長パルス変調器14、及び、短パルス変調器15の出力順序に基づいて、速度算出部45、T1距離算出部46、及び、T2距離算出部47を制御する機能を有する。
・長パルス変調器14、及び、短パルス変調器15が、同一のパルス化時間でパルス変調した場合の制御について。
制御部49は、該当の出力順序に基づいて、観測開始後1番目のピーク信号を、長パルスレーザ光PLに対応する対象物T1からの反射光R11をとして検出する。そして、制御部49は、T1距離算出部46、及び、速度算出部45を制御し、検出した反射光R11に対して、実施の形態1のステップST11と同様の処理を行う。
次に、制御部49は、該当の出力順序に基づいて、観測開始後2番目のピーク信号を、短パルスレーザ光PSに対応する対象物T2からの反射光R22をとして検出する。そして、制御部49は、T2距離算出部47を制御し、検出した反射光R22に対して、実施の形態1のステップST14と同様の処理を行う。
・長パルス変調器14が長パルスレーザ光を生成した後に、短パルス変調器15が短パルスレーザ光を生成した場合の制御について。
制御部49は、該当の出力順序に基づいて、観測開始後1番目のピーク信号を、長パルスレーザ光PLに対応する対象物T1からの反射光R11として検出する。そして、制御部49は、T1距離算出部46、及び、速度算出部45を制御し、検出した反射光R11に対して、実施の形態2のステップST11Aと同様の処理を行う。
次に、制御部49は、該当の出力順序に基づいて、観測開始後2番目のピーク信号を、短パルスレーザ光PSに対応する対象物T1からの反射光R21をとして検出する。また、制御部49は、該当の出力順序に基づいて、観測開始後3番目のピーク信号を、短パルスレーザ光PSに対応する対象物T2からの反射光R22をとして検出する。そして、制御部49は、T2距離算出部47を制御し、検出した反射光R21、R22に対して、実施の形態2のステップST14Aと同様の処理を行う。
・短パルス変調器15が短パルスレーザ光を生成した後に、長パルス変調器14が長パルスレーザ光を生成した場合の制御について。
制御部49は、該当の出力順序に基づいて、観測開始後1番目のピーク信号を、短パルスレーザ光PSに対応する対象物T1からの反射光R21として検出する。そして、制御部49は、T2距離算出部47を制御し、検出した反射光R21に対して、実施の形態3のステップST14B1と同様の処理を行う。
次に、制御部49は、該当の出力順序に基づいて、観測開始後2番目のピーク信号を、長パルスレーザ光PLに対応する対象物T1からの反射光R11として検出する。そして、制御部49は、T1距離算出部46、及び、速度算出部45を制御し、検出した反射光R11に対して、実施の形態3のステップST11Bと同様の処理を行う。
次に、制御部49は、該当の出力順序に基づいて、観測開始後3番目のピーク信号を、短パルスレーザ光PSに対応する対象物T2からの反射光R22をとして検出する。そして、制御部49は、T2距離算出部47を制御し、検出した反射光R22に対して、実施の形態2のステップST14B2と同様の処理を行う。
本実施形態によれば、レーザレーダ装置1Cは、偏光器18を用いて、短パルスレーザ光PSの偏光を変える(例えば、90度回転させる)ことで、短パルスレーザ光P1と参照光の干渉を抑制することができる。これにより、レーザレーダ装置1Cは、短パルスレーザ光P1と参照光の干渉によって、レーザレーダ装置1Cと対象物の距離を測定する精度の悪化を抑制することができる。また、レーザレーダ装置1Cは、反射光を検出したタイミングに合わせて参照光をスイッチ動作させる機構が不要となるため、装置全体の構成の簡易化が可能となる。
・その他の応用例
レーザレーダ装置1は、ボリュームターゲット(VT;ここでは気体、水面表層、水面表層付近の液体要素を定義とする)である対象物に長パルスレーザ光を照射して、対象物からの反射光と、送信光のローカル光である参照光とのヘテロダイン検波により対象物の移動によって生じるドップラシフトを求め、対象物の移動速度を算出した。しかしながら、レーザレーダ装置1は、ボリュームターゲットに限らず、ハードターゲット(HT;ここでは、固体、液体を定義とする)である対象物に長パルスレーザ光を照射して、対象物の移動速度を算出してもよい。例えば、レーザレーダ装置1は、前方の対象物T1を海面表層(ボリュームターゲット)としたが、海中などのハードターゲットを前方の対象物T1としてもよい。また、この場合、ハードターゲットからの反射となるが、ボリュームターゲットからの反射と同一構成、同一信号処理によって測定される。要するに、レーザレーダ装置1は、コヒーレンシを低下させる対象物(波長以上のオーダで面形状の起伏がある対象物)であれば速度情報、位置情報の算出が可能であり、例えば、海面、海中からの後方散乱などに適用しても良い。
1 レーザレーダ装置、10 光送信部、11 光源、12 第1光分配器、13 第2光分配器、14 長パルス変調器、15 短パルス変調器、16 第1光合波器、17 トリガ生成回路、20 光学系部、21 送信側光学系、22 送受分離部、23 受信側光学系、30 光受信部、31 第2光合波器、32 受光部、33 光スイッチ部、40 計測部、41 AD変換部、42 切替部、43 分割部、44 距離特性算出部、45 速度算出部、46 T1距離算出部、47 T2距離算出部、48 ゲート位置設定部、49 制御部。

Claims (4)

  1. 第1の対象物の移動速度、及び、レーザレーダ装置から当該第1の対象物までの視線方向延長線上にある第2の対象物の距離を計測するレーザレーダ装置であって、
    光源から出力されるレーザ光を参照光及び照射光に分配する光分配器と、
    所定の繰り返し周期でトリガ信号を出力するトリガ生成回路と、
    前記トリガ信号が入力された繰り返し周期内で、前記光分配器で分配された前記照射光をパルス変調し、長パルスレーザ光を生成する長パルス変調器と、
    前記トリガ信号が入力された繰り返し周期内で、前記光分配器で分配された前記照射光をパルス変調し、前記長パルスレーザ光よりもパルス幅が短い短パルスレーザ光を生成する短パルス変調器と、
    前記長パルス変調器で生成された前記長パルスレーザ光、及び、前記短パルス変調器で生成された前記短パルスレーザ光を含む前記照射光を同一の繰り返し周期内で出力し、前記第1の対象物で反射された当該照射光の前記長パルスレーザ光に対応する第1の反射光、第2の対象物で反射された当該照射光の前記短パルスレーザ光に対応する第2の反射光を入力する光学系と、
    前記光学系で入力された前記第1の反射光と前記光分配器で分配された前記参照光の干渉光に基づいて前記第1の対象物の移動速度を算出し、前記光学系で入力された前記第2の反射光に対応する前記照射光の送信から受信までの時間に基づいて前記レーザレーダ装置から前記第2の対象物までの距離を算出する計測部と
    を備えることを特徴としたレーザレーダ装置。
  2. 前記参照光と前記第1の反射光を干渉させ、前記参照光と前記第2の反射光の干渉を抑制する干渉抑制部を更に備える
    ことを特徴とした請求項1に記載のレーザレーダ装置。
  3. 前記干渉抑制部は、
    前記短パルス変調器に入力される前記照射光、又は、当該短パルス変調器で生成された前記短パルスレーザ光の偏光を変えることで、前記光分配器で分配された前記参照光と前記第2の反射光の干渉を抑制する
    ことを特徴とした請求項2に記載のレーザレーダ装置。
  4. 前記長パルス変調器、及び、前記短パルス変調器は、
    前記トリガ信号が入力された同一の繰り返し周期内の異なるタイミングでパルスレーザ光を生成し、
    前記光学系は、
    前記第1の対象物で反射された前記短パルスレーザ光に対応する第3の反射光を入力し、
    前記計測部は、
    前記光学系に入力された前記第3の反射光に対応する前記照射光の送信から受信までの時間に基づいて前記第1の対象物の距離を算出する
    ことを特徴とした請求項1~3の何れか1項に記載のレーザレーダ装置。
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