JP7207624B1 - 溶鉄の不純物濃度の予測方法、溶鉄の製造方法、学習済の機械学習モデルの作成方法及び溶鉄の不純物濃度の予測装置 - Google Patents

溶鉄の不純物濃度の予測方法、溶鉄の製造方法、学習済の機械学習モデルの作成方法及び溶鉄の不純物濃度の予測装置 Download PDF

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Abstract

電気炉を用いた溶鉄の精錬において、トランプエレメントとなる溶鉄の不純物濃度の予測精度を向上できる、溶鉄の不純物濃度の予測方法を提供する。アーク電気炉設備において精錬される溶鉄の精錬後の不純物濃度の予測方法であって、種類ごとに区分される複数の鉄系スクラップのそれぞれの装入量と、前チャージにおける溶鉄の不純物濃度、前チャージの残湯量及び不純物の市場取引価格情報のうちの少なくとも1つと、を不純物濃度予測モデルに入力して、後チャージにおける溶鉄の不純物濃度を出力する。

Description

本発明は、アーク電気炉設備において精錬される溶鉄の精錬後の不純物濃度の予測方法、この不純物濃度の予測方法を用いた溶鉄の製造方法、精錬後における溶鉄の不純物濃度の予測に用いる学習済の機械学習モデルの作成方法及び溶鉄の不純物濃度の予測装置に関する。
アーク電気炉設備では、鉄系スクラップ(冷鉄源)などからなる主原料をアーク熱で溶解して溶鉄を製造している。鉄系スクラップの種類は、鉄スクラップ検収統一規格にて規定されており、ヘビースクラップ、新断屑、シュレッダーなど多種多様にわたり、そのスクラップ品質によって価格が決まる。市場に一番多く流通しているのはヘビースクラップ(H1~H4)であり、市場で解体された鉄源が混在しているヘビースクラップには、溶解精錬で除去困難な銅(Cu)や錫(Sn)などの不純物、いわゆるトランプエレメントの混入リスクがある。
鉄系スクラップの価格は、こうしたスクラップ品質を加味して決定される。例えば、鋼板を打ち抜いた際に発生する、いわゆる新断屑は、ヘビースクラップと比較してトランプエレメントの混入リスクが低く、また、流通量も限られるために高値で取引される。そのため、トランプエレメントの混入リスクを低減するために新断屑を多く用いると製造コストが高くなる。従来、その鉄系スクラップの配合比率は、得られる溶鉄が化学成分規格を満足するように、実操業可能な範囲で、人の過去の知見及び状況判断に基づき、ヘビースクラップと新断屑との配合割合を決定していた。
こうした背景から、特許文献1には、各スクラップの配合比率を変数とし、該各スクラップの購入価格と使用価値を定数として、上記変数を順次変化させて多数回計算し、製鋼操業コストができるだけ小さくなる上記変数を求めるシステムが開示されている。特許文献1によれば、要求される銅規格を満足するようにスクラップ配合比率を算出することで、低級スクラップを有効利用しながら製造コストの削減が期待できる、としている。
特開平10-168510号公報
トランプエレメント(特に銅規格)が厳格な高級鋼を製造する日本では、国内で発生するヘビースクラップのようなトランプエレメントのリスクが高い低級スクラップの100%リサイクルはできていない。そのため、年間8百万~9百万トンの鉄系スクラップが国外へ輸出されている。高炉-転炉法で製造される溶鉄と比較して、電気炉法で製造される溶鉄は、エネルギー消費量が少なく、CO排出量も少ない。このため、環境影響の観点からも、国内で発生する鉄系スクラップの国内での100%リサイクルを推進していくことが望まれている。
このような要求に対して、特許文献1の方法は、製造コストを低減させながらも、化学成分規格を或る程度満足する溶鉄を製造することができるので、種々の鉄系スクラップの配合に使用されており、さらには、国内での低級スクラップの有効利用に寄与することができる。
しかしながら、特許文献1のように、各スクラップの配合比率のみを変数とするトランプエレメントの濃度予測は精度が低い。このような低い予測精度の濃度に基づいて実施される鉄系スクラップの配合計算は最適化されたものとはいえず、実際に製造した溶鉄において、トランプエレメントである銅成分規格の上限を超えてしまう場合が頻発する。このため、ヘビースクラップの使用量を減らし、新断屑のような高級スクラップの使用量を増加せざるを得ず、結果的に溶鉄の製造コストが上昇してしまう、という課題があった。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電気炉を用いた溶鉄の精錬において、トランプエレメントとなる溶鉄の不純物濃度の予測精度を向上できる溶鉄の不純物濃度の予測方法及び溶鉄の不純物濃度の予測装置を提供すること、また、要求される化学成分規格を満足し、かつ、低級スクラップの配合量を増やして製造コストを低減できる溶鉄の製造方法を提供すること、さらには、精錬後における溶鉄の不純物濃度の予測に用いる学習済の機械学習モデルの作成方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、各鉄系スクラップの装入量に加えて、前チャージにおける溶鉄の不純物濃度及び前チャージの残湯量(前チャージの持込溶鉄量)及び不純物の市場取引価格情報のうちの少なくとも1つを入力データとすることで、得られる溶鉄の不純物濃度の予測精度を向上できることを見出した。このようにして予測される後チャージの溶鉄の不純物濃度に基づいて鉄系スクラップの配合を最適化することで、要求される化学成分規格を満足し、かつ、低級スクラップの配合量を増やして製造コストを低減できることを見出した。
本発明は上記知見に基づきなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
[1] アーク電気炉設備において精錬された溶鉄の不純物濃度の予測方法であって、種類ごとに区分される複数の鉄系スクラップのそれぞれの装入量と、前チャージにおける溶鉄の不純物濃度、前チャージの残湯量及び不純物の市場取引価格情報のうちの少なくとも1つと、を不純物濃度予測モデルに入力して、後チャージにおける溶鉄の不純物濃度を出力する、溶鉄の不純物濃度の予測方法。
[2] 前記不純物濃度予測モデルは、前記鉄系スクラップのそれぞれの装入量と、前記前チャージにおける溶鉄の不純物濃度、前記前チャージの残湯量及び不純物の市場取引価格情報のうちの少なくとも1つと、を説明変数とし、後チャージにおける溶鉄の不純物濃度を目的変数とする重回帰モデルである、[1]に記載の溶鉄の不純物濃度の予測方法。
[3] 前記不純物濃度予測モデルは、前記鉄系スクラップのそれぞれの装入量と、前記前チャージにおける溶鉄の不純物濃度及び前記前チャージの残湯量及び不純物の市場取引価格情報のうちの少なくとも1つと、を入力データとし、後チャージにおける溶鉄の不純物濃度を出力データとする学習済の機械学習モデルである、[1]に記載の溶鉄の不純物濃度の予測方法。
[4] [1]から[3]のいずれかに記載の溶鉄の不純物濃度の予測方法を用いる溶鉄の製造方法であって、前記鉄系スクラップは、鉄系スクラップ全体の不純物濃度の平均値よりも不純物濃度が高い低級スクラップと、前記平均値よりも不純物濃度が低い高級スクラップとを含み、前記不純物濃度の予測方法で予測される後チャージにおける溶鉄の不純物濃度が、予め定められた溶鉄の不純物濃度の目標値となるように、前記低級スクラップの装入量を決定する、溶鉄の製造方法。
[5] アーク電気炉設備において精錬される溶鉄の精錬後の不純物濃度の予測に用いる学習済の機械学習モデルの作成方法であって、種類ごとに区分される複数の鉄系スクラップのそれぞれの装入量と、前チャージにおける溶鉄の不純物濃度、前チャージの残湯量及び不純物の市場取引価格情報のうちの少なくとも1つと、を入力データとし、後チャージにおける溶鉄の不純物濃度の実績値を出力データとする機械学習モデルに、過去のアーク電気炉設備を用いた精錬における前記入力データと後チャージの溶鉄における不純物濃度の実績値とを含むデータセットを入力して学習済の機械学習モデルを作成する、学習済の機械学習モデルの作成方法。
[6] アーク電気炉設備において精錬された溶鉄の不純物濃度の予測装置であって、種類ごとに区分される複数の鉄系スクラップのそれぞれの装入量と、前チャージにおける溶鉄の不純物濃度、前チャージの残湯量及び不純物の市場取引価格情報のうちの少なくとも1つと、を不純物濃度予測モデルに入力して、後チャージにおける溶鉄の不純物濃度を出力する不純物濃度予測部を有する、溶鉄の不純物濃度の予測装置。
[7] 前記不純物濃度予測モデルは、前記鉄系スクラップのそれぞれの装入量と、前記前チャージにおける溶鉄の不純物濃度、前記前チャージの残湯量及び不純物の市場取引価格情報のうちの少なくとも1つと、を説明変数とし、後チャージにおける溶鉄の不純物濃度を目的変数とする重回帰モデルである、[6]に記載の溶鉄の不純物濃度の予測装置。
[8] 前記不純物濃度予測モデルは、前記鉄系スクラップのそれぞれの装入量と、前記前チャージにおける溶鉄の不純物濃度及び前記前チャージの残湯量及び不純物の市場取引価格情報のうちの少なくとも1つと、を入力データとし、後チャージにおける溶鉄の不純物濃度を出力データとする学習済の機械学習モデルである、[6]に記載の溶鉄の不純物濃度の予測装置。
[9] 前記鉄系スクラップは、鉄系スクラップ全体の不純物濃度の平均値よりも不純物濃度が高い低級スクラップと、前記平均値よりも不純物濃度が低い高級スクラップとを含み、前記不純物濃度予測部は、出力された後チャージにおける溶鉄の不純物濃度が予め定められた溶鉄の不純物濃度の目標値となるように、前記低級スクラップの装入量を決定する、[6]から[8]のいずれかに記載の溶鉄の不純物濃度の予測装置。
本発明に係る溶鉄の不純物濃度の予測方法を実施することで、アーク電気炉設備での精錬後における溶鉄の不純物濃度を高い精度で予測できる。そして、当該方法で予測された溶鉄の不純物濃度に基づいて鉄系スクラップ配合を最適化することで、要求される化学成分規格を満足しつつ低級スクラップの配合量を増やすことができ、溶鉄の製造コストを低減できる。
図1は、直流式アーク電気炉設備の概要を示す図である。 図2は、ヘビースクラップの推定銅濃度と、銅価格の騰落率の変化を示すグラフである。 図3は、本実施形態に係る溶鉄中の不純物濃度の予測方法を実施できる電気炉制御装置の構成の一例を示す模式図である。 図4は、チャージ間にダウンタイムがある場合の、時系列的な操業経過を示す図である。 図5は、チャージ間にダウンタイムが無い場合の、時系列的な操業経過を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、具体的に説明する。以下の実施形態は、本発明の好適な一例を示すものであり、これらの例によって何ら限定されるものではない。
図1は、アーク電気炉設備として本実施形態で用いた、1本の上部電極3と炉底に設置される炉底電極4とを有する直流式アーク電気炉設備1の概要を示す図である。本実施形態に係る溶鉄の製造方法は、以下の手順で炉体2の内部に装入した鉄系スクラップ12を溶解し、溶鉄13を製造する。
(1)直流式アーク電気炉設備1の炉体2の内部に鉄系スクラップ12を装入する。
(2)上部電極3と炉底電極4との間で直流電流を通電し、上部電極3と炉底電極4との間または上部電極3と炉体内の鉄系スクラップ12との間で発生するアークによる加熱(アーク加熱)によって鉄系スクラップ12を溶解して溶鉄13を製造する。
(3)上記(2)に代えて、酸素吹き込みランス6からの酸素ガスと炭材吹き込みランス7からの炭材との酸化反応による加熱、及び/または、バーナー8による加熱との併用により、炉体2の内部に装入した鉄系スクラップ12を溶解して溶鉄13を製造する。
なお、図1は、アーク電気炉設備として直流式アーク電気炉設備1を示すが、アーク電気炉設備として三相交流式アーク電気炉設備を用いてもよい。三相交流式アーク電気炉設備では、炉蓋を貫通する3本の電極が設置されており、これらの電極の間で交流電流を通電し、これらの電極間で発生するアークによって、炉体内に装入した鉄系スクラップを溶解する。三相交流式アーク電気炉設備のその他の構造は、直流式アーク電気炉設備1と同様である。
鉄系スクラップ12の炉体2への装入方法は、上部電極3及び炉蓋5を退避させて炉体2の上部を開放にした状態で、底開きバケット11に所定の配合比率で充填した鉄系スクラップ12を、底開きバケット11から炉体2の内部に装入する。この底開きバケット11を用いた鉄系スクラップ12の装入は、1チャージあたり2~3回に分けて実施される。炉体2への鉄系スクラップ12の装入を1チャージあたり2~3回に分けて実施する理由は、鉄系スクラップ12の嵩密度が低く、1回の装入では所望する所定量の溶鉄13が得られないことによる。
まず、1バケット目の鉄系スクラップ12を炉体2の内部に装入し、装入した1バケット分の鉄系スクラップ12をアーク加熱によって溶解し、その後、再度、鉄系スクラップ12を炉体2の内部に追加装入する。この操作を繰り返して、要求される溶鉄量になったら、出湯口9を閉鎖している出湯用扉10を開放し、出湯口9から溶鉄13を取鍋(図示せず)などに出湯させる。その際、出湯した溶鉄13をサンプリングし、溶鉄13の成分を分析する。
本実施形態に係る溶鉄の製造方法では、炉体2の内部で溶解した溶鉄13の全量は出湯せず、一部の溶鉄13を炉体2の内部に残し、これを後チャージに持ち越している。これをホットヒール操業という。ホットヒール操業では、出湯量と残湯量との総和を炉容積と定義すると、炉容積に対する残湯量の比率は50質量%程度以下であることが多い。このように、炉体内に50質量%程度以下の溶鉄13を残留させることによって、後チャージに装入される鉄系スクラップ12の溶解効率を高めることができる。
しかしながら、残湯量が多くなればなるほど、前チャージの溶鉄成分が後チャージの溶鉄成分に影響する。特に、残湯に含まれる不純物はそのまま後チャージに持ち越される。このため、残湯量及び残湯の不純物濃度を考慮して鉄系スクラップ12の配合を最適化する必要がある。
本実施形態に係る溶鉄の製造方法では、まず、鉄系スクラップ12の装入量とともに前チャージの残湯量、残湯の不純物濃度及び不純物の市場取引価格情報を考慮して、精錬後の後チャージの溶鉄13のトランプエレメントとなる不純物の濃度を予測する。そして、この予測値が溶鉄13の不純物濃度の目標値となるように鉄系スクラップ12の配合量を調整する。
鉄系スクラップ12は、その種類ごとに区分されて管理される。アーク電気炉設備の操業では、複数種類の鉄系スクラップ12が配合されて用いられる。また、鉄系スクラップ12には、アーク電気炉設備では除去困難である、例えば、銅(Cu)といったトランプエレメントが含まれる。不純物濃度が鉄系スクラップ全体の不純物濃度の平均値よりも高い鉄系スクラップ12は安価な低級スクラップとなり、不純物濃度が鉄系スクラップ全体の不純物濃度の平均値よりも低い鉄系スクラップ12は高価な高級スクラップとなる。なお、トランプエレメントとなる不純物元素としては、銅及び錫(Sn)が代表的であるが、アーク電気炉設備では除去困難であるニッケル(Ni)やモリブデン(Mo)なども鋼種によっては鋼品質を劣化させる元素になる。したがって、ニッケル(Ni)やモリブデン(Mo)なども鋼種によってはトランプエレメントとなり得る。
鉄系スクラップ12の配合量の調整は、後チャージの溶鉄13の予測された不純物濃度が目標値に達するまで、低級スクラップの配合量を増やすことで実施される。これにより、要求される化学成分規格を満足しつつ、低級スクラップの配合量を増やすことができ、溶鉄13の製造コストを低減することができる。
図2は、ヘビースクラップの推定銅濃度と、銅価格の騰落率の変化を示すグラフである。図2の横軸は年月を示し、縦左軸はヘビースクラップの推定銅濃度(-)を示し、縦右軸は銅価格の騰落率(%)を示す。ヘビースクラップの推定銅濃度とは、溶鉄の銅濃度の実績値と、ヘビースクラップ以外の鉄系スクラップの使用量とその推定銅濃度とからヘビースクラップ銅濃度を逆算し、その月別平均を算出して36カ月間平均値で規格化したものである。すなわち、縦軸の推定銅濃度100.0は、36カ月の平均値であることを意味する。また、(-)は無次元であることを意味する。銅価格の騰落率は、前月から当月における銅価格の上昇率、下降率を算出したものであり、銅価格はJX金属ホームページ銅建値を参照した。
図2に示すように、トランプエレメントの代表とされる銅について、銅価格が前月よりも下がった月はヘビースクラップの推定銅濃度が上昇し、逆に前月よりも銅価格が上がった月はヘビースクラップの推定銅濃度が下降する傾向が確認された。すなわち、ヘビースクラップの推定銅濃度とスクラップ市場における銅価格とには負の相関があることがわかる。
このように、ヘビースクラップの推定銅濃度とスクラップ市場における銅価格とには相関があるので、スクラップ市場における市場取引価格情報を考慮して銅濃度を予測することで銅濃度の予測精度を向上できることがわかる。なお、図2では、銅を例に説明したが、他のトランプエレメントについても価格が上昇すると、当該トランプエレメントを回収しようとするので、同様の傾向があると考えられる。これらのことから、対象とする不純物(トランプエレメント)の取引価格情報を考慮することでの不純物の成分濃度の予測精度を向上できることがわかる。また、本実施形態では、市場取引価格情報として価格の騰落率を用いて説明したが、これに限らず、市場における価格の変動を示す指標であればどのようなものを用いてもよく、取引価格を用いてもよい。
図3は、本実施形態に係る溶鉄の不純物濃度の予測方法が実施できる電気炉制御装置20の構成の一例を示す模式図である。電気炉制御装置20は、プロセスコンピュータ21と不純物濃度予測装置22と、を有する。
プロセスコンピュータ21は、直流式アーク電気炉設備1における操業の制御やデータ処理、データ蓄積を行う装置である。不純物濃度予測装置22は、操業条件(複数の鉄系スクラップのそれぞれの装入量、前チャージにおける溶鉄の不純物濃度、前チャージからの持込溶鉄量(残湯量))及び不純物の市場取引価格情報から、後チャージにおける精錬後の溶鉄の不純物濃度の予測値を出力する。また、不純物濃度予測装置22は、後チャージにおける各鉄系スクラップの配合量を決定する。
不純物濃度予測装置22は、制御部30と、格納部40と、入力部50と、を有する。制御部30は、不純物濃度予測部31と、更新部32とを有する。制御部30は、例えば、CPUなどであって、格納部40に保存されたプログラムやデータを用いて、不純物濃度予測部31及び更新部32における所定の処理を実行する。
格納部40は、例えば、更新記録可能なフラッシュメモリ、内蔵あるいはデータ通信端子で接続されたハードディスク、メモリーカードなどの情報記録媒体及びその読み書き装置である。格納部40には、不純物濃度予測部31及び更新部32における所定の処理を実現するためのプログラムや、当該プログラムを実行中に使用するデータなどが予め格納されている。不純物の市場取引価格情報も予め格納部40に格納されている。さらに、格納部40には、操業条件を入力として後チャージの溶鉄の不純物濃度を出力する学習済の機械学習モデル41と、データベース42とが格納されている。
データベース42には、過去に実施されたアーク電気炉設備での精錬の操業条件と、不純物の市場取引価格情報と、溶鉄の不純物濃度の実績値とを含むデータセットが、例えば、チャージごとに割り当てられる通し番号に対応つけられて所定数格納されている。精錬の操業条件には、鉄系スクラップのそれぞれの装入量、前チャージの溶鉄の不純物濃度及び前チャージの残湯量が含まれる。
機械学習モデル41は、データベース42に格納されているデータセットを教師データとして機械学習することで学習済の機械学習モデルとされる。本実施形態に係る機械学習モデル41は、入力データを、鉄系スクラップのそれぞれの装入量と、前チャージの溶鉄の不純物濃度と、前チャージの残湯量と、不純物の市場取引価格情報とし、出力データを、後チャージの溶鉄の不純物濃度とする機械学習モデルである。
機械学習モデル41としては、ニューラルネットワークやディープラーニングなどの公知の機械学習モデルを用いてよい。データベース42に格納されている操業条件(鉄系スクラップのそれぞれの装入量、前チャージの溶鉄の不純物濃度及び前チャージの残湯量)及び不純物の市場取引価格情報と、溶鉄の不純物濃度の実績値とを1組とするデータセットを教師データとして機械学習モデル41を機械学習させ、学習済の機械学習モデル41を作成し、格納部40に格納しておく。なお、学習済の機械学習モデル41は、不純物濃度を予測する不純物濃度予測モデルの一例である。
入力部50は、オペレーター60からの入力を受け付ける。入力部50はオペレーター60からの入力を受け付けると当該入力値を不純物濃度予測部31に出力する。オペレーター60からの入力は、プロセスコンピュータ21にも入力される。入力部50は、例えば、キーボードやマウスなどの入力装置である。
次に、後チャージの溶鉄の不純物濃度の予測値の算出処理について説明する。後チャージの溶鉄の不純物濃度の予測値の算出処理は、前チャージの溶鉄の不純物濃度及び前チャージの残湯量が確定された段階で、不純物濃度予測部31によって実施される。前チャージの溶鉄の不純物濃度及び前チャージの残湯量は、例えば、オペレーター60が入力部50を通じて不純物濃度予測部31に入力する。鉄系スクラップのそれぞれの装入量は、プロセスコンピュータ21から不純物濃度予測部31に入力される。不純物の市場取引価格情報は、不純物濃度予測部31によって格納部40から読み出される。
不純物濃度予測部31は、鉄系スクラップのそれぞれの装入量、前チャージの溶鉄の不純物濃度、前チャージの残湯量及び不純物の市場取引価格情報を取得すると、格納部40に格納されている学習済の機械学習モデル41を読み出す。不純物濃度予測部31は、鉄系スクラップのそれぞれの装入量、前チャージの溶鉄の不純物濃度、前チャージの残湯量及び不純物の市場取引価格情報を学習済の機械学習モデル41に入力して、後チャージの溶鉄の不純物濃度を出力させる。このようにして、不純物濃度予測部31は、後チャージの精錬後の溶鉄における不純物濃度の予測値を算出する。
次に、鉄系スクラップ配合の最適化処理について説明する。不純物濃度予測部31は、後チャージの溶鉄の不純物濃度の予測値と、予め定められた目標とする不純物濃度とを比較する。目標とする不純物濃度は、プロセスコンピュータ21から不純物濃度予測部31に入力される。
目標とする不純物濃度よりも後チャージの溶鉄の不純物濃度の予測値の方が低い場合に、不純物濃度予測部31は、鉄系スクラップにおける低級スクラップの配合比率を増加させ、高級スクラップの配合比率を減少させる。この鉄系スクラップ配合比率で不純物濃度予測部31は、再度、後チャージの溶鉄の不純物濃度の予測値を求める。この操作を後チャージの溶鉄の不純物濃度の予測値が目標とする不純物濃度を超えるまで繰り返し実施する。後チャージの溶鉄の不純物濃度の予測値が目標とする不純物濃度を超えた場合に、不純物濃度予測部31は、1つ前の予測に用いた鉄系スクラップの配合比率を後チャージの操業に用いる鉄系スクラップの配合比率とする。不純物濃度予測部31は、このように鉄系スクラップ配合の最適化処理を実施して、後チャージの溶鉄の不純物濃度の予測値が予め定められた目標とする不純物濃度となるように後チャージの操業に用いる鉄系スクラップの配合比率を定め、低級スクラップの装入量を決定する。
不純物濃度予測部31は、鉄系スクラップの配合比率をプロセスコンピュータ21に出力する。プロセスコンピュータ21は、鉄系スクラップの配合比率を取得すると、当該配合比率となる鉄系スクラップが底開きバケット11に充填されるように、各鉄系スクラップの底開きバケット11への搬送量を制御する。
例えば、炉体2へ鉄系スクラップを、底開きバケット11で2回装入(以下、「2バケット」と記す)する場合、1バケット目の鉄系スクラップを炉体2へ装入し、1バケット分の鉄系スクラップをアーク加熱によって溶解したあと、2バケット目の鉄系スクラップを炉体2へ装入する。
まず、チャージ間のダウンタイム(空き時間)がある場合について、図4を用いて時系列的な操業経過を説明する。まず、1チャージ目(初回チャージ)は、通常通り2バケット(図4ではバケットを「B」と表記する)の鉄系スクラップを装入し、溶解して精錬を実施する。溶解後、溶鉄の一部を出湯し、出湯した溶鉄をサンプリングし、1チャージ目の溶鉄の不純物濃度の実績値を求める。
その後、ダウンタイムの期間に、各鉄系スクラップの装入量、前チャージの溶鉄の不純物濃度、前チャージの残湯量及び不純物の市場取引価格情報を用いて、後チャージの溶鉄の不純物濃度の予測値の算出処理及び鉄系スクラップ配合の最適化処理が実施されて、後チャージの鉄系スクラップの配合が決定される。プロセスコンピュータ21は、決定された配合比率になるように、1バケット目及び2バケット目への各鉄系スクラップの搬送を制御する。このようにして、配合量が最適化された鉄系スクラップが1バケット目及び2バケット目として炉体2の内部に装入されて精錬が実施される。
前チャージの残湯量の実績値は、以下のようにして計算で求める。
1チャージ目の残湯量は、「残湯量=鉄系スクラップ装入量(装入時に計量)×歩留(0.925)-出湯量(出湯時に計量)」によって算出する。
2チャージ目以降の残湯量は、「残湯量=前チャージ残湯量+鉄系スクラップ装入量(装入時に計量)×歩留(0.925)-出湯量(出湯時に計量)」によって算出する。
最終チャージの残湯量は、「残湯量=前チャージ残湯量+鉄系スクラップ装入量(装入時に計量)×歩留(0.925)-出湯量(出湯時に計量)」によって算出する。
なお、最終チャージでは、通常、炉体内に溶鉄2を残湯させることはなく、残湯量は実質ゼロ(0)である。残湯量を実質ゼロとするには、炉体2を傾動装置(図示せず)によって傾斜させ、炉体内の溶鉄13の全量を出湯口9から排出する。また、炉体内のスラグ量は、炉体内でスラグをフォーミングさせて熱効率を高めるために、前チャージの持ち込み分、当該チャージでの発生分、及び、操業中の排滓分を含めて、約10トン程度となる。炉体内のスラグは炉体2に投入されたCaO系媒溶剤(主に生石灰)によって形成される。
一方、生産性優先として、チャージ間のダウンタイムが無い場合について、図5を用いて時系列的な操業経過を説明する。まず、1チャージ目(初回チャージ)は、通常通り2バケット(図5ではバケットを「B」と表記する)の鉄系スクラップを装入し、溶解して精錬を実施する。1チャージ目の溶鉄が出湯されたなら、2チャージ目の鉄系スクラップの炉体2への装入が直ちに行われる。1チャージ目(前チャージ)の溶鉄の不純物濃度の分析に時間を要するので、2チャージ目(後チャージ)の溶鉄の不純物濃度の予測及び鉄系スクラップの最適化演算が、2チャージ目(後チャージ)の1バケット目の鉄系スクラップの装入に間に合わない。したがって、チャージ間のダウンタイムが無い場合の後チャージの1バケット目には、予め定められた配合の鉄系スクラップが底開きバケット11に充填される。そして、2バケット目に、1バケット目及び2バケット目の鉄系スクラップの合計が、鉄系スクラップの最適化演算によって定められた配合になるように、それぞれの鉄系スクラップの充填量が制御される。
このようにして、チャージ間のダウンタイムが無い場合についても鉄系スクラップの最適化演算処理によって配合が定められた鉄系スクラップを装入することができる。なお、複数回バケットで鉄系スクラップを装入する際の、それぞれのスクラップ配合の組み合わせ、装入量などは、制約条件下(底開きバケットの装入重量限界、鉄系スクラップの嵩、置き場など)で任意に調整してよい。
鉄系スクラップ配合の最適化演算は、上述したように、鉄系スクラップの配合コストが最小化かつ要求する不純物濃度の規格範囲内に入るように、鉄系スクラップの配合が演算される。
なお、後チャージの溶鉄の不純物濃度の予測処理及び鉄系スクラップ配合の最適化演算は、必ずしも前チャージ溶鉄の不純物濃度の実績値と、前チャージ溶鉄の残湯量の実績値とを用いて実施しなくてもよい。例えば、1日で計画されている各チャージの精錬順に予め後チャージの不純物濃度を予測し、各鉄系スクラップの装入量、当該予測された不純物濃度及び予定されている残湯量を用いて鉄系スクラップ配合の最適化演算を実施してもよい。但し、それぞれのチャージ後であれば、後チャージの溶鉄の不純物濃度の予測及びスクラップ配合の最適化演算が前チャージの溶鉄の不純物濃度の実績値と、残湯量の実績値とを用いて実施できる。これにより、より高い精度で後チャージの溶鉄の不純物濃度を予測でき、また、鉄系スクラップ配合の最適化演算の精度も高まるので、それぞれのチャージ後に溶鉄の不純物濃度の予測処理及び鉄系スクラップ配合の最適化演算を実施することが好ましい。
鉄系スクラップ配合は予測精度の誤差範囲によって決定してもよい。例えば、標準偏差で考える場合、成分規格を重視するならば、予測値+2σが目標とする不純物濃度に入るようなスクラップ配合とすればよく、コストを重視するのであれば、より安価で不純物リスクが高い鉄系スクラップの配合比率を高めてもよい。つまり、これは不純物濃度の規格外れリスクとコストメリットとのトレードオフであり、操業思想に基づいて決定すればよい。
鉄系スクラップには様々な成分、形状、大きさのもの(例えば、日本鉄源協会の「鉄スクラップ検収統一規格」に規定されているもの)があり、その品質や市況によって鉄系スクラップの価格は変動する。これら鉄系スクラップを適宜組み合わせて配合し、炉体内でアーク加熱により溶解し、溶鉄を製造する。もちろん製造コストを最小とするには、種々制約条件内で、安価な鉄系スクラップの配合比率を最大化することで達成される。
なお、本実施形態において溶解する鉄系スクラップには、上述した日本鉄源協会の「鉄スクラップ検収統一規格」に規定される鉄系スクラップ以外に、例えば、直接還元鉄、冷鉄などの鉄を主成分とするものが含まれていてもよい。同じく、連続鋳造法や造塊法で鋳造される鋳片の非定常部、鋼帯などの鋼材の圧延で生じるクロップ、溶銑を固めた銑鉄などのような製鉄所から発生する自所屑が含まれていてもよい。これらの「鉄スクラップ検収統一規格」に規定される以外の鉄系スクラップについては、必要に応じて、別の鉄系スクラップ種として区分し、その嵩密度を求める。なお、酸化鉄分を多く含むものは、酸化鉄を還元する分のエネルギーを余分に必要とするが、操業コストなどを考慮して適宜使用すればよい。
鉄系スクラップの区分は、必ずしも「鉄スクラップ検収統一規格」に基づかなくてもよく、任意の基準で区分してよい。要は、操業実績から学習させたモデルが作成できればよい。
なお、炉体2の上部または水平部に連設されたシャフト型の予熱室を備えたアーク電気炉設備がある。このような設備では、予熱室内に鉄系スクラップを順次装入し、装入した鉄系スクラップを炉体2で発生する排ガスで予熱しながら溶解して溶鉄を製造する。このような設備においても、本実施形態に係る溶鉄の製造方法は通常のアーク電気炉設備と同様に実施可能であり、出湯される溶鉄の不純物濃度がわかり次第、順次装入する鉄系スクラップの配合比率を最適化し、低級スクラップの装入量を決定すればよい。
次に、機械学習モデル41の更新について説明する。本実施形態に係る溶鉄の不純物濃度の予測方法において、学習済の機械学習モデル41は操業終業後に更新されてもよい。学習済の機械学習モデル41は、操業終了後に、種類ごとまたは品位ごとに区分される複数の鉄系スクラップのそれぞれの装入量、前チャージにおける溶鉄の不純物濃度、前チャージからの持込溶鉄量(前チャージの残湯量)、不純物の市場取引価格情報及び後チャージの溶鉄の不純物濃度の実績値によって更新される。
操業終了後、プロセスコンピュータ21は、更新部32に、鉄系スクラップのそれぞれの装入量、前チャージにおける溶鉄の不純物濃度、前チャージの残湯量、不純物の市場取引価格情報及び後チャージの溶鉄の不純物濃度の実績値を出力する。更新部32は、これらのデータを取得すると、これらのデータをチャージごとに割り当てられる通し番号に対応つけてデータベース42に記録する。
更新部32は、データをデータベース42に記録した後、データベース42に格納されているデータを教師データとして機械学習モデル41に入力して機械学習させる。このようにして、学習済の機械学習モデル41は、更新部32により操業終了後に更新されてもよい。
なお、上記説明では、不純物濃度予測部31は、鉄系スクラップのそれぞれの装入量と、前チャージにおける溶鉄の不純物濃度と、前チャージの残湯量と、不純物の市場取引価格情報の4種の入力データを用いて後チャージの溶鉄の不純物濃度を予測する例を示したがこれに限らない。不純物濃度予測部31は、鉄系スクラップのそれぞれの装入量と、前チャージにおける溶鉄の不純物濃度、前チャージの残湯量及び不純物の市場取引価格情報のうちの少なくとも1つの入力データを用いて、後チャージの溶鉄の不純物濃度を予測してもよい。これにより、鉄系スクラップのそれぞれの装入量のみから不純物濃度を予測する方法よりも高い精度で不純物濃度を予測できる。
また、前チャージの残湯量は実測値を用いずに予定された残湯量を用いて、鉄系スクラップのそれぞれの装入量と、前チャージにおける溶鉄の不純物濃度とから、後チャージの溶鉄の不純物濃度を予測してもよい。すなわち、前チャージの溶鉄銅濃度は実測値を用いずに計算によって求めた銅濃度を用いて、鉄系スクラップのそれぞれの装入量と、前チャージにおける溶鉄の残湯量とから、後チャージの溶鉄の不純物濃度を予測してもよい。また、これら以外のデータを併用して後チャージの溶鉄の不純物濃度を予測してもよい。
また、学習済の機械学習モデル41は、予め格納部40に格納されていなくともよい。例えば、機械学習モデルを格納部40に予め格納しておき、不純物濃度予測部31が不純物濃度の予測値を出力する都度、データベース42に格納されているデータセットを教師データとして機械学習することで、学習済の機械学習モデルを作成してもよい。
また、本実施形態では、不純物濃度予測モデルとして学習済の機械学習モデル41を用いる例を示したが、これに限らない。不純物濃度予測モデルとして、重回帰モデル(説明変数;鉄系スクラップのそれぞれの装入量、前チャージにおける溶鉄の不純物濃度、前チャージの残湯量及び不純物の市場取引価格情報、目的変数;後チャージの溶鉄の不純物濃度)を用いてもよい。不純物濃度予測モデルとして重回帰モデルを用いる場合、更新部32は重回帰モデルの各パラメータを更新する。
図1に示した直流式アーク電気炉設備を用いて、本発明を適用して鉄系スクラップを溶解し、溶鉄を製造する試験(本発明例)、及び、本発明を適用しないで鉄系スクラップを溶解し、溶鉄を製造する試験(比較例)を実施した。この直流式アーク電気炉設備の炉体は炉径が約6.3m、炉高が約4.1m、また、炭材吹き込みランス、バーナー、水冷式の酸素吹き込みランスが設置され、中心に1本の上部電極を有する直流タイプである。
表1に、本発明例及び比較例における直流式アーク電気炉設備の操業条件を示し、表2に、チャージ毎の炉体内鉄源の物質収支のイメージを示す。なお、表1に示す操業条件及び表2に示す物質収支のイメージは、本発明例及び比較例で同一である。
Figure 0007207624000001
Figure 0007207624000002
また、本発明例及び比較例において、各チャージの操業開始前に、副原料として、補助燃料であるコークス塊及び造滓剤である生石灰を副原料投入シュート(図示せず)から炉体内へ装入した。炭材吹き込みランスからの粉コークスの吹き込み及び酸素吹き込みランスからの酸素ガスの吹き込みは、溶鉄及び溶融スラグが炉体内に或る程度生成されている操業中期から操業末期に実施した。
鉄系スクラップとしては、日本鉄源協会の「鉄スクラップ検収統一規格」に規定されているスクラップ種から、一般的な下記の2種類の鉄系スクラップを用いた。
(i)ヘビースクラップ;
ギロチンシャー、ガス溶断、重機などでサイジングしたものであり、厚み、寸法、単重によりHS、H1~H4に区分される。本実施例では、「H2:厚さ3mm以上、6mm未満、幅または高さ500mm以下×長さ1200mm以下のもの」を使用した。
(ii)新断屑;
鋼板加工製品を製造する際に発生する切り屑及び打ち抜き屑であり、形状、酸化の程度によって、プレスA、プレスB、バラA、バラBなどに区分される。本実施例では、「プレスA:3辺の総和が1800mm以下で最大辺800mm以下であって、表面処理していない薄鋼板で酸化していないもの」、及び、「バラA:幅または高さ500mm以下×長さ1200mm以下であって、表面処理していない薄鋼板で酸化していないもの」を組み合わせて使用した。
ここで、ヘビースクラップには、不純物であるトランプエレメントが混入するリスクが高く、特に銅線の混入するリスクがある。ヘビースクラップ由来で得られる溶鉄の銅濃度は0.2~0.4質量%程度といわれており、そのバラつきは大きい。ヘビースクラップは、いわゆる低級スクラップである。
一方、新断屑は品質が良く、銅の混入リスクが少なく、新断屑由来で得られる溶鉄の銅濃度は0.05~0.2質量%未満である。新断屑は、流通量が限られることから、市況の価格変動にもよるが、ヘビースクラップと比較して2千~7千円/t-スクラップ程度高価である。新断屑は、いわゆる高級スクラップである。
本実施例では、不純物成分として最も注視される銅の濃度に着目して試験を行った。また不純物濃度予測モデル作成のために、過去3000チャージ分を教師データとして、比較例では、説明変数を、「ヘビースクラップ」及び「新断屑」の装入量の2つとした。一方、本発明例では、説明変数を、「ヘビースクラップ」及び「新断屑」の装入量に「前チャージ溶鉄の銅濃度」、「前チャージの残湯量」及び「銅価格の騰落率」の少なくとも1つを加えて3~5つとした。ここで、「銅価格の騰落率」は、前月から当月における銅価格の上昇率、下降率を算出したものであり、銅価格はJX金属ホームページ銅建値を参照した。比較例では、不純物濃度予測モデルとして重回帰モデルを用いた。本発明例では、不純物濃度予測モデルとして重回帰モデル及び機械学習モデルを用いた。機械学習モデルとして、NEC社製の「dotData」という機械学習ツールを用いた。
鉄系スクラップ溶解の操業において、要求される溶鉄の銅濃度が規格(目標値)から外れた場合には、その他の規格に合う鋼種へと計画を変更する必要があり、操業安定性が低下してしまう。さらに、規格に合う鋼種がない場合は、最悪の場合、製造した溶鉄は屑化処理となってしまい、大きな損失となる。つまり、銅規格外れ発生率を低減させることは、操業安定性の向上につながり、また、ヘビースクラップ比率を高めることによって、コスト削減メリットを享受することができる。
本実施例では、本発明例及び比較例ともに、鉄系スクラップの配合最適化演算方法として、下記の2つの方法を用いて低級スクラップであるヘビースクラップの装入量を定めた。
演算方法1;
計画されている精錬順に不純物濃度予測モデルを用いて後チャージの溶鉄の銅濃度を順々に予測し、この予測値に基づいて後チャージのヘビースクラップの装入量を決定するという方法である。なお、前チャージの残湯量は予定されている残湯量である70トンを用いた。
演算方法2;
前チャージの溶鉄の銅濃度の実績値及び前チャージの残湯量の実績値を用いて、後チャージの溶鉄の銅濃度を予測し、この予測値に基づいて後チャージの低級スクラップ(ヘビースクラップ)の装入量を決定するという方法である。
つまり、演算方法1と演算方法2との違いは、事前に低級スクラップの装入量を決定するか、チャージごとに低級スクラップの装入量を決定するかの違いである。演算方法1では、事前に全てのチャージの溶鉄の銅濃度を予測しており、前チャージの溶鉄の銅濃度の実績値及び前チャージの残湯量の実績値を用いていないので、演算方法2よりも銅濃度の予測精度は低くなる。
鉄系スクラップを、底開きバケットに装入し、操業開始前と操業中期との2回に分けて炉体内に装入した。ここで、演算方法2を採用した本発明例2、4~6では、チャージ間のダウンタイムが無いことから、鉄系スクラップ配合最適化演算を、2回目の底開きバケットに対して実施した。後チャージにおいて、予測される溶鉄の銅濃度が規格から外れずに、かつ、ヘビースクラップの装入量が多くなるような鉄系スクラップの配合を出力させ、2回目の底開きバケットに対して、鉄系スクラップの配合を最適化した。また、演算方法2を採用した比較例2も、チャージ間のダウンタイムが無いことから、鉄系スクラップ配合最適化演算を2回目の底開きバケットに対して実施した。
溶鉄の銅濃度が規格から外れない配合の基準としては標準偏差を用い、出力された予測値+2σを判断基準とした。標準偏差σは、過去3000チャージ分を使って不純物濃度予測モデルを作成し、この不純物濃度予測モデルと過去の3000チャージ分の入力データとを用いて算出した銅濃度の予測値(データ数3000)の標準偏差である。各チャージの鉄系スクラップ配合条件及び操業結果を下記表3に示す。
Figure 0007207624000003
表3において、本発明例における評価は、比較例に対して「銅規格外れ発生率」が同等または低減されていれば操業安定性が維持または向上したと判断し、銅成分の評価で「〇(合格)」とした。また、比較例に対して「ヘビースクラップ比率(平均)」が増加していれば、低級スクラップの装入量を増加させてコストメリットが享受できたと判断し、スクラップ比率の評価で「〇(合格)」とした。
表3に示すように、本発明例では、いずれの試験でも、「銅規格外れ発生率」が同等または低減し、かつ、「ヘビースクラップ比率(平均)」が増加した。つまり、本発明によれば、予め定められた溶鉄の不純物濃度の目標値を満足し、かつ、低級スクラップの装入量を増やすことで製造コストを低減できることが確認できた。さらに、低級スクラップの装入量を増やせれば海外に輸出される鉄系スクラップの量も少なくなるので、鉄系スクラップのリサイクル率の向上も期待できる。
1 直流式アーク電気炉設備
2 炉体
3 上部電極
4 炉底電極
5 炉蓋
6 酸素吹き込みランス
7 炭材吹き込みランス
8 バーナー
9 出湯口
10 出湯用扉
11 底開きバケット
12 鉄系スクラップ
13 溶鉄
20 電気炉制御装置
21 プロセスコンピュータ
22 不純物濃度予測装置
30 制御部
31 不純物濃度予測部
32 更新部
40 格納部
41 機械学習モデル
42 データベース
50 入力部
60 オペレーター

Claims (9)

  1. アーク電気炉設備において精錬された溶鉄の不純物濃度の予測方法であって、
    種類ごとに区分される複数の鉄系スクラップのそれぞれの装入量と、前チャージにおける溶鉄の不純物濃度残湯量及び不純物の市場取引価格情報のうちの少なくとも1つと、を不純物濃度予測モデルに入力して、後チャージにおける溶鉄の不純物濃度を出力する、溶鉄の不純物濃度の予測方法。
  2. 前記不純物濃度予測モデルは、前記鉄系スクラップのそれぞれの装入量と、前記前チャージにおける溶鉄の不純物濃度残湯量及び不純物の市場取引価格情報のうちの少なくとも1つと、を説明変数とし、後チャージにおける溶鉄の不純物濃度を目的変数とする重回帰モデルである、請求項1に記載の溶鉄の不純物濃度の予測方法。
  3. 前記不純物濃度予測モデルは、前記鉄系スクラップのそれぞれの装入量と、前記前チャージにおける溶鉄の不純物濃度残湯量及び不純物の市場取引価格情報のうちの少なくとも1つと、を入力データとし、後チャージにおける溶鉄の不純物濃度を出力データとする学習済の機械学習モデルである、請求項1に記載の溶鉄の不純物濃度の予測方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の溶鉄の不純物濃度の予測方法を用いる溶鉄の製造方法であって、
    前記鉄系スクラップは、鉄系スクラップ全体の不純物濃度の平均値よりも不純物濃度が高い低級スクラップと、前記平均値よりも不純物濃度が低い高級スクラップとを含み、
    前記不純物濃度の予測方法で予測される後チャージにおける溶鉄の不純物濃度が、予め定められた溶鉄の不純物濃度の目標値となるように、前記低級スクラップの装入量を決定する、溶鉄の製造方法。
  5. アーク電気炉設備において精錬される溶鉄の精錬後の不純物濃度の予測に用いる学習済の機械学習モデルの作成方法であって、
    種類ごとに区分される複数の鉄系スクラップのそれぞれの装入量と、前チャージにおける溶鉄の不純物濃度残湯量及び不純物の市場取引価格情報のうちの少なくとも1つと、を入力データとし、後チャージにおける溶鉄の不純物濃度の実績値を出力データとする機械学習モデルに、過去のアーク電気炉設備を用いた精錬における前記入力データと後チャージの溶鉄における不純物濃度の実績値とを含むデータセットを入力して学習済の機械学習モデルを作成する、学習済の機械学習モデルの作成方法。
  6. アーク電気炉設備において精錬された溶鉄の不純物濃度の予測装置であって、
    種類ごとに区分される複数の鉄系スクラップのそれぞれの装入量と、前チャージにおける溶鉄の不純物濃度残湯量及び不純物の市場取引価格情報のうちの少なくとも1つと、を不純物濃度予測モデルに入力して、後チャージにおける溶鉄の不純物濃度を出力する不純物濃度予測部を有する、溶鉄の不純物濃度の予測装置。
  7. 前記不純物濃度予測モデルは、前記鉄系スクラップのそれぞれの装入量と、前記前チャージにおける溶鉄の不純物濃度残湯量及び不純物の市場取引価格情報のうちの少なくとも1つと、を説明変数とし、後チャージにおける溶鉄の不純物濃度を目的変数とする重回帰モデルである、請求項6に記載の溶鉄の不純物濃度の予測装置。
  8. 前記不純物濃度予測モデルは、前記鉄系スクラップのそれぞれの装入量と、前記前チャージにおける溶鉄の不純物濃度残湯量及び不純物の市場取引価格情報のうちの少なくとも1つと、を入力データとし、後チャージにおける溶鉄の不純物濃度を出力データとする学習済の機械学習モデルである、請求項6に記載の溶鉄の不純物濃度の予測装置。
  9. 前記鉄系スクラップは、鉄系スクラップ全体の不純物濃度の平均値よりも不純物濃度が高い低級スクラップと、前記平均値よりも不純物濃度が低い高級スクラップとを含み、
    前記不純物濃度予測部は、出力された後チャージにおける溶鉄の不純物濃度が予め定められた溶鉄の不純物濃度の目標値となるように、前記低級スクラップの装入量を決定する、請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の溶鉄の不純物濃度の予測装置。
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