JP7206878B2 - 分光画像推定システム、分光画像推定方法、及びプログラム - Google Patents

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本発明は、汎用的なカメラにより撮像された画像からハイパースペクトル画像を算出する分光画像推定システム、分光画像推定方法、及びプログラムに関する。
近年、ハイパースペクトルカメラにより取得したハイパースペクトル画像が、製造ラインの品質管理、リモートセンシング、文化財の解析などに活用されている。ハイパースペクトル画像とは、各ピクセルについて、数十~数百バンドに細かく波長を分光して各々の強度を示すスペクトル情報を保持する画像である。一般的なRGB(Red Green Blue)画像は、このスペクトル情報を、R(赤)、G(緑)、B(青)の各チャネルの分光感度について積分した画像ということができる。そのため、微妙に異なる色の二つの物体が撮像されたRGB画像において、この二つの物体が同じRGB値を示し、人間の眼では同じ色として視認される場合がある。しかし、ハイパースペクトル画像においては波長を細かく分光しているため、異なるスペクトル情報の異なる色として認識することができる。このように、ハイパースペクトル画像では、画像の色の波長要素を細かく分光した情報(スペクトル情報)を保持している。このため、RGBカメラにより撮像したRGB画像では解析が困難である対象や事象について、ハイパースペクトル画像により解析できる可能性がある。
上述したように、ハイパースペクトルカメラを用いて対象物を撮像することでハイパースペクトル画像を得る。ハイパースペクトルカメラは、帯域の異なるバンドパスフィルタを複数備えることにより、受光感度の分解能を高めて、色の分光波長画像としてハイパースペクトル画像を取得する。一方、ハイパースペクトルカメラは、高分解能なスペクトル情報が取得できるが、一般的なRGB画像を撮像するカメラと比べ、装置が高価であるという問題がある。
これに対して、非特許文献1では、ハイパースペクトルカメラよりも安価な一般的なRGB画像を撮像するカメラを用いて、ハイパースペクトル画像を取得する方法を提案している。この方法では、比較的安価な汎用デジタルカメラを使用することが可能であり、ハイパースペクトルカメラのような高価な撮像装置を必要としない。
非特許文献1の方法は、積分後の結果である複数のRGB画像から主成分分析を用いて撮像に用いられた光源の分光分布と、撮像した対象物の分光反射率とを推定することにより、積分前のスペクトル情報を推定する。非特許文献1では、主成分分析に用いるデータ群として、様々な種類の光源、及び様々な種類の対象物に対応したデータ群を用いる。これにより、多くの種類の光源、及び対象物の中から、撮像時の光源の分光分布、及び対象物の分光反射率を推定することが可能となる。すなわち、非特許文献1では、多くの種類の光源の分光分布データの中から撮像時の光源の分光分布を推定することができ、また、多くの種類の対象物の分光反射率の中から撮像対象物の分光反射率を推定することができる。
Do It Yourself Hyperspectral Imaging with Everyday Digital Cameras, Seoung Wug Oh, 2016 IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition
しかしながら、非特許文献1では、推定した光源の分光分布、及び推定した対象物の分光反射率の精度は、ハイパースペクトルカメラにより撮像したものよりも精度が低い。このため、様々な解析の用途に対してハイパースペクトル画像の精度が充分でない場合があり、ハイパースペクトル画像を高精度に推定できるようにすることが望まれていた。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、高価なハイパースペクトルカメラよりも安価な撮像装置により、ハイパースペクトルカメラと同等に高精度なハイパースペクトル画像を取得することができる分光画像推定システム、分光画像推定方法、及びプログラムを提供する。
本発明の、分光画像推定システムは、同一の撮像対象物を撮像した、分光感度が異なる複数の画像から、前記撮像対象物の分光反射率と、前記複数の画像における撮像時の撮像光源の分光分布を推定する分光画像推定システムであり、複数の種類の光源における分光分布を示す分光分布データの集合である第1分光分布データ群を取得する光源データ取得部と、複数の種類の対象物における分光反射率を示す分光反射率データの集合である分光反射率データ群を取得する対象物データ取得部と、前記第1分光分布データ群から前記第1分光分布データ群を表現するための基底ベクトル群である第1分光分布基底ベクトル群を導出し、前記分光反射率データ群から前記分光反射率データ群を表現するための基底ベクトル群である分光反射率基底ベクトル群を導出する基底ベクトル導出部と、前記第1分光分布基底ベクトル群、前記分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する分光情報推定部と、前記分光情報推定部により推定された前記撮像光源の分光分布から、前記撮像光源の種類を特定する光源種類特定部と、を備え、前記光源データ取得部は、前記光源種類特定部により特定された前記撮像光源の種類に基づいて、特定種類の光源における前記分光分布データの集合である第2分光分布データ群を取得し、前記基底ベクトル導出部は、前記第2分光分布データ群から、第2分光分布基底ベクトル群を導出し、前記分光情報推定部は、前記第2分光分布基底ベクトル群、前記分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定することを特徴とする。
本発明の、分光画像推定システムは、同一の撮像対象物を撮像した、分光感度が異なる複数の画像から、前記撮像対象物の分光反射率と、前記複数の画像における撮像時の光源である撮像光源の分光分布を推定する分光画像推定システムであり、複数の種類の光源における分光分布を示す分光分布データの集合である分光分布データ群を取得する光源データ取得部と、複数の種類の対象物における分光反射率を示す分光反射率データの集合である第1分光反射率データ群を取得する対象物データ取得部と、前記分光分布データ群から分光分布基底ベクトル群を導出し、前記第1分光反射率データ群から第1分光反射率基底ベクトル群を導出する基底ベクトル導出部と、前記分光分布基底ベクトル群、前記第1分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する分光情報推定部と、前記分光情報推定部により推定された前記撮像対象物の分光反射率から、前記撮像対象物の種類を特定する対象物種類特定部と、を備え、前記対象物データ取得部は、前記対象物種類特定部により特定された前記撮像対象物の種類に基づいて、特定種類の対象物における前記分光反射率データの集合である第2分光反射率データ群を取得し、前記基底ベクトル導出部は前記第2分光反射率データ群から第2分光反射率基底ベクトル群を導出し、前記分光情報推定部は、前記分光分布基底ベクトル群、前記第2分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する、ことを特徴とする。
本発明の、分光画像推定システムは、同一の撮像対象物を撮像した、分光感度が異なる複数の画像から、前記撮像対象物の分光反射率と、前記複数の画像における撮像時の撮像光源の分光分布を推定する分光画像推定システムであり、複数の種類の光源における分光分布を示す分光分布データの集合である第1分光分布データ群を取得する光源データ取得部と、複数の種類の対象物における分光反射率を示す分光反射率データの集合である第1分光反射率データ群を取得する対象物データ取得部と、前記第1分光分布データ群から前記第1分光分布データ群を表現するための基底ベクトル群である第1分光分布基底ベクトル群を導出し、前記第1分光反射率データ群から前記第1分光反射率データ群を表現するための基底ベクトル群である第1分光反射率基底ベクトル群を導出する基底ベクトル導出部と、前記第1分光分布基底ベクトル群、前記第1分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する分光情報推定部と、前記分光情報推定部により推定された前記撮像光源の分光分布から、前記撮像光源の種類を特定する光源種類特定部と、前記分光情報推定部により推定された前記撮像対象物の分光反射率から、前記撮像対象物の種類を特定する対象物種類特定部、を備え、前記光源データ取得部は、前記光源種類特定部により特定された前記撮像光源の種類に基づいて、特定種類の光源における前記分光分布データの集合である第2分光分布データ群を取得し、前記対象物データ取得部は、前記対象物種類特定部により特定された前記撮像対象物の種類に基づいて、特定種類の対象物における前記分光反射率データの集合である第2分光反射率データ群を取得し、前記基底ベクトル導出部は、前記第2分光分布データ群から、第2分光分布基底ベクトル群を導出すると共に、前記第2分光反射率データ群から第2分光反射率基底ベクトル群を導出し、前記分光情報推定部は、前記第2分光分布基底ベクトル群、前記第2分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する、ことを特徴とする。
本発明の、分光画像推定システムは、前記基底ベクトル導出部は、主成分分析を用いて前記分光分布データの集合である分光分布データ群から当該分光分布データ群を表現するための分光分布基底ベクトル群を導出し、主成分分析を用いて前記分光反射率データの集合である分光反射率データ群から当該分光反射率データ群を表現するための分光反射率基底ベクトル群を導出することを特徴とする。
本発明の、分光画像推定システムは、同一の撮像対象物を撮像した、分光感度が異なる複数の画像から、前記撮像対象物の分光反射率と、前記複数の画像の撮像時における撮像光源の分光分布を推定する分光画像推定システムであり、複数の種類の光源の分光分布を表現するための基底ベクトル群を示す第1分光分布基底ベクトル群を取得する光源データ取得部と、複数の種類の対象物における分光反射率を表現するための基底ベクトル群を示す分光反射率基底ベクトル群を取得する対象物データ取得部と、前記第1分光分布基底ベクトル群、前記分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する分光情報推定部と、前記分光情報推定部により推定された前記撮像光源の分光分布から、前記撮像光源の種類を特定する光源種類特定部と、を備え、前記光源データ取得部は、前記光源種類特定部により特定された前記撮像光源の種類に基づいて、特定種類の光源の分光分布を表現するための基底ベクトル群を示す第2分光分布基底ベクトル群を取得し、前記分光情報推定部は、前記第2分光分布基底ベクトル群、前記分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する、ことを特徴とする。
本発明の、分光画像推定システムは、同一の撮像対象物を撮像した、分光感度が異なる複数の画像から、前記撮像対象物の分光反射率と、前記複数の画像の撮像時における撮像光源の分光分布を推定する分光画像推定システムであり、複数の種類の光源における分光分布を表現するための基底ベクトル群を示す分光分布基底ベクトル群を取得する光源データ取得部と、複数の種類の対象物における分光反射率を表現するための基底ベクトル群を示す第1分光反射率基底ベクトル群を取得する対象物データ取得部と、前記分光分布基底ベクトル群、前記第1分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する分光情報推定部と、前記分光情報推定部により推定された前記撮像対象物の分光反射率から、前記撮像対象物の種類を特定する対象物種類特定部と、を備え、前記対象物データ取得部は、前記対象物種類特定部により特定された前記撮像対象物の種類に基づいて、特定種類の対象物における分光反射率を表現するための基底ベクトル群を示す第2分光反射率基底ベクトル群を取得し、前記分光情報推定部は、前記分光分布基底ベクトル群、前記第2分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する、ことを特徴とする。
本発明の、分光画像推定システムは、同一の撮像対象物を撮像した、分光感度が異なる複数の画像から、前記撮像対象物の分光反射率と、前記複数の画像の撮像時における撮像光源の分光分布を推定する分光画像推定システムであり、複数の種類の光源の分光分布を表現するための基底ベクトル群を示す第1分光分布基底ベクトル群を取得する光源データ取得部と、複数の種類の対象物における分光反射率を表現するための基底ベクトル群を示す第1分光反射率基底ベクトル群を取得する対象物データ取得部と、前記第1分光分布基底ベクトル群、前記第1分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する分光情報推定部と、前記分光情報推定部により推定された前記撮像光源の分光分布から、前記撮像光源の種類を特定する光源種類特定部と、前記分光情報推定部により推定された前記撮像対象物の分光反射率から、前記撮像対象物の種類を特定する対象物種類特定部と、を備え、前記光源データ取得部は、前記光源種類特定部により特定された前記撮像光源の種類に基づいて、特定種類の光源の分光分布を表現するための基底ベクトル群を示す第2分光分布基底ベクトル群を取得し、前記対象物データ取得部は、前記対象物種類特定部により特定された前記撮像対象物の種類に基づいて、特定種類の対象物における分光反射率を表現するための基底ベクトル群を示す第2分光反射率基底ベクトル群を取得し、前記分光情報推定部は、前記第2分光分布基底ベクトル群、前記第2分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する、ことを特徴とする。
本発明の、分光画像推定システムは、前記光源種類特定部は、光源の種類と当該光源の分光分布とを対応付けて学習した学習済みモデルに、前記分光情報推定部により推定された前記撮像光源の分光分布を入力することにより前記撮像光源の種類を特定することを特徴とする。
本発明の、分光画像推定システムは、前記対象物種類特定部は、対象物の種類と当該対象物の分光反射率とを対応付けて学習した学習済みモデルに、前記分光情報推定部により推定された前記撮像対象物の分光反射率を入力することにより前記撮像対象物の種類を特定することを特徴とする。
本発明の、分光画像推定システムは、前記光源種類特定部は、光源の種類毎に当該光源の代表とする代表分光分布を算出し、前記分光情報推定部により推定された前記撮像光源の分光分布と前記代表分光分布との類似度を算出することにより前記撮像光源の種類を特定することを特徴とする。
本発明の、分光画像推定システムは、前記対象物種類特定部は、対象物の種類毎に当該対象物の代表的な分光反射率を算出し、前記分光情報推定部により推定された前記撮像対象物の分光反射率と前記代表的な分光反射率との類似度を算出することにより前記撮像対象物の種類を特定することを特徴とする。
本発明の、分光画像推定システムは、前記複数の画像は、分光感度の異なる複数の撮像装置により撮像された画像であることを特徴とする。
本発明の、分光画像推定システムは、前記複数の画像は、撮像装置に分光透過特性の異なる複数のレンズフィルタの各々を装着させた状態で撮像された画像であることを特徴とする。
本発明の、分光画像推定システムは、前記複数の画像を同一の視点から撮影された画像に変換する画像変換部、を更に備えることを特徴とする。
本発明の、分光画像推定システムは、前記画像変換部は、前記複数の画像の各々における複数の対応点の座標を求め、複数の対応点座標に基づき推定された射影変換行列を用いて、前記複数の画像の各々を射影変換することで、前記複数の画像を同一の視点から撮影された画像に変換することを特徴とする。
本発明の、分光画像推定方法は、同一の撮像対象物を撮像した、分光感度が異なる複数の画像から、前記撮像対象物の分光反射率と、前記複数の画像における撮像時の撮像光源の分光分布を推定する分光画像推定システムであって、光源の分光分布を示す分光分布データを記憶する光源データ記憶部と、対象物の分光反射率を示す分光反射率データを記憶する対象物データ記憶部と、を備える分光画像推定システムにおける分光画像推定方法であり、光源データ取得部が、前記光源データ記憶部から、複数の種類の光源における前記分光分布データの集合である第1分光分布データ群を取得する第1光源データ取得工程と、対象物データ取得部が、前記対象物データ記憶部から、複数の種類の対象物における前記分光反射率データの集合である分光反射率データ群を取得する対象物データ取得工程と、基底ベクトル導出部が、前記第1分光分布データ群、及び前記分光反射率データ群から、第1基底ベクトル群を導出する第1基底ベクトル群導出工程と、分光情報推定部が、前記第1基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する第1分光情報推定工程と、光源種類特定部が、前記分光情報推定部により推定された前記撮像光源の分光分布から、前記撮像光源の種類を特定する光源種類特定工程と、前記光源データ取得部が、前記光源種類特定部により特定された前記撮像光源の種類に基づいて、前記光源データ記憶部から特定種類の光源における前記分光分布データの集合である第2分光分布データ群を取得する第2光源データ取得工程と、前記基底ベクトル導出部が、前記第2分光分布データ群、及び前記分光反射率データ群から、第2基底ベクトル群を導出する第2基底ベクトル群導出工程と、前記分光情報推定部が、前記第2基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する第1分光情報推定工程と、を有することを特徴とする。
本発明のプログラムは、同一の撮像対象物を撮像した、分光感度が異なる複数の画像から、前記撮像対象物の分光反射率と、前記複数の画像における撮像時の撮像光源の分光分布を推定する分光画像推定システムであって、光源の分光分布を示す分光分布データを記憶する光源データ記憶部と、対象物の分光反射率を示す分光反射率データを記憶する対象物データ記憶部と、を備える分光画像推定システムに用いられるコンピュータを、前記光源データ記憶部から、複数の種類の光源における前記分光分布データの集合である第1分光分布データ群を取得する第1光源データ取得手段と、前記対象物データ記憶部から、複数の種類の対象物における前記分光反射率データの集合である分光反射率データ群を取得する対象物データ取得手段と、前記第1分光分布データ群、及び前記分光反射率データ群から、第1基底ベクトル群を導出する第1基底ベクトル導出手段と、前記第1基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する第1分光情報推定手段と、前記第1分光情報推定手段により推定された前記撮像光源の分光分布から、前記撮像光源の種類を特定する光源種類特定手段と、前記光源種類特定手段より特定された前記撮像光源の種類に基づいて、前記光源データ記憶部から特定種類の光源における前記分光分布データの集合である第2分光分布データ群を取得する第2光源データ取得手段と、前記第2分光分布データ群、及び前記分光反射率データ群から、第2基底ベクトル群を導出する第2基底ベクトル群導出手段と、前記第2基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する第1分光情報推定手段と、として機能させるためのプログラムである。
本発明によれば、高価なハイパースペクトルカメラよりも安価な撮像装置により、ハイパースペクトルカメラと同等に高精度なハイパースペクトル画像を取得することができる。
第1の実施形態による分光画像推定システム1の構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態による光源データ記憶部108に記憶される情報の構成例を示す図である。 第1の実施形態による対象物データ記憶部109に記憶される情報の構成例を示す図である。 第1の実施形態による分光情報推定部105が行う処理を説明するための図である。 第1の実施形態による分光情報推定部105が行う処理を説明するための図である。 第1の実施形態による分光情報推定部105が行う処理を説明するための図である。 第1の実施形態による分光情報推定部105が行う処理を説明するための図である。 第1の実施形態の変形例1による分光画像推定システム1の動作の流れを示すフローチャートである。 第1の実施形態の変形例1による分光画像推定システム1の構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態の変形例1による分光画像推定システム1の動作の流れを示すフローチャートである。 第1の実施形態の変形例2による分光画像推定システム1の動作の流れを示すフローチャートである。 第2の実施形態による光源データ記憶部108に記憶される情報の構成例を示す図である。 第2の実施形態による対象物データ記憶部109に記憶される情報の構成例を示す図である。 第2の実施形態による分光画像推定システム1の動作の流れを示すフローチャートである。 第2の実施形態の変形例1による分光画像推定システム1の動作の流れを示すフローチャートである。 第2の実施形態の変形例2による分光画像推定システム1の動作の流れを示すフローチャートである。 第3の実施形態による分光画像推定システム1の構成例を示すブロック図である。 実施形態による効果を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態による分光画像推定システム1の構成例を示すブロック図である。分光画像推定システム1は、同一の物体(以下、撮像対象物という)を撮像した、分光感度が異なる複数のRGB画像から、当該撮像対象物のハイパースペクトル画像を出力するシステムである。
ここで、分光感度が異なる画像は、例えば、分光感度特性が互いに異なる複数のカメラにより撮像された画像である。或いは、同一のカメラに分光透過特性の異なる複数のレンズフィルタの各々を装着させた状態で撮像された画像であってもよい。また、分光感度が異なる複数の画像には、分光感度特性が互いに異なる複数のカメラにより撮像された画像と、同一のカメラに分光透過特性の異なる複数のレンズフィルタの各々を装着させた状態で撮像された画像とが混在して含まれてもよい。
分光画像推定システム1は、例えば、画像データ取得部101と、光源データ取得部102と、対象物データ取得部103と、基底ベクトル導出部104と、分光情報推定部105と、光源種類特定部106と、画像データ記憶部107と、光源データ記憶部108と、対象物データ記憶部109と、を備える。
画像データ取得部101は、ハイパースペクトル画像を推定する元となるRGB画像の情報(以下、画像データという)を取得する。ここでの画像は、互いに分光感度が異なる状態で、同一の撮像対象物が撮像された複数の画像である。画像データ取得部101は、例えば、画像データ記憶部107を参照し、画像データ記憶部107に予め記憶された画像データを取得する。画像データ取得部101は、取得した画像データを分光情報推定部105に出力する。
光源データ取得部102は、ハイパースペクトル画像を推定するにあたり、撮像に用いられる光源となり得る様々な光源の分光分布を示す情報(以下、分光分布データという)を取得する。ここでの光源は、撮像対象物を照射し得る様々な光源であり、例えば、LED(Light Emitting Diode)、蛍光灯、白熱灯などの光源である。
光源データ取得部102は、後述する主成分分析を行う対象として、複数の分光分布データの集合である分光分布データ群を取得する。光源データ取得部102は、後述する光源種類特定部106により、撮像に用いられた光源(以下、撮像光源ともいう)の種類が特定されていない場合、分光分布データ群として、様々な種類の分光分布データをそれぞれ取得する。光源データ取得部102は、光源種類特定部106により、撮像光源の種類が特定されている場合、分光分布データ群として、特定の種類の分光分布データを複数取得する。
光源データ取得部102は、光源データ記憶部108を参照し、光源データ記憶部108に予め記憶された様々な光源の分光分布データから、所定の分光分布データ群を取得する。光源データ取得部102は、取得した分光分布データ群を基底ベクトル導出部104に出力する。
対象物データ取得部103は、ハイパースペクトル画像を推定するにあたり、撮像対象物となり得る様々な対象物の分光反射率を示す情報(以下、分光反射率データという)を取得する。ここでの対象物は、撮像対象物となり得る様々な物体であり、例えば、油絵や植物などである。また、撮像対象物となり得る様々な物体の分光反射率を示す情報として、色見本を用いてもよい。色見本は、様々な色について、色とその色を示す色情報とが対応付けられたものであり、例えば、マンセルカラーチップなどである。
対象物データ取得部103は、主成分分析を行う対象として、複数の分光反射率データの集合である分光反射率データ群を取得する。対象物データ取得部103は、例えば、分光反射率データ群として、様々な種類の分光分布データをそれぞれ取得する。
対象物データ取得部103は、対象物データ記憶部109を参照し、対象物データ記憶部109に予め記憶された様々な対象物の分光反射率データから分光反射率データ群を取得する。対象物データ取得部103は、取得した分光反射率データ群を基底ベクトル導出部104に出力する。
画像データ記憶部107は、上記画像データを記憶する。画像データは、同一の撮像対象物を撮像した、分光感度が異なる複数の画像について、各々の画像のRGB値とその画像における分光感度とを対応付けた情報である。
光源データ記憶部108は、光源データを記憶する。光源データは、様々な光源とその光源の分光分布とを対応付けた情報である。
対象物データ記憶部109は、対象物データを記憶する。対象物データは、様々な対象物とその対象物の分光反射率とを対応付けた情報である。
ここで、光源データ記憶部108、及び対象物データ記憶部109の各々に記憶される情報について図2及び図3を用いて説明する。
図2は、第1の実施形態による光源データ記憶部108に記憶される情報の構成例を示す図である。図2に示すように、光源データ記憶部108には、項番と、光源種類と、種類内識別情報と、分光分布データとの各項目を備える。項番には光源の分光分布データを一意に識別する番号が示される。光源種類には項番に対応する光源の種類を示す情報が示される。種類内識別番号は、光源における同一の種類の中において個々の分光分布データを一意に識別する識別情報が示される。分光分布データには項番に対応する分光分布データが示される。この例では、光源の種類として、LEDと、蛍光灯と、白熱灯とが示されている。また、光源の種類ごとに複数の分光分布データが示されている。これは、同じLEDであっても、製造メーカや型名などの相違により分光分布が異なるためである。このように、光源データ記憶部108には、複数の種類の光源の各々における分光分布データが記憶され、且つ、光源の種類ごとに、特性の異なる分光分布データが複数記憶される。
図3は、第1の実施形態による対象物データ記憶部109に記憶される情報の構成例を示す図である。図3に示すように、対象物データ記憶部109には、項番と、対象物種類と、種類内識別情報と、分光反射率データとの各項目を備える。項番にはた意匠物の分光反射率データを一意に識別する番号が示される。対象物種類には項番に対応する対象物の種類を示す情報が示される。種類内識別番号は、対象物における同一の種類の中において個々の分光反射率データを一意に識別する識別情報が示される。分光反射率データには項番に対応する分光反射率データが示される。この例では、対象物の種類として、色見本と、油絵と、植物とが示されている。また、対象物の種類ごとに複数の分光反射率データが示されている。これは、同じ油絵であっても、色や絵の具の原材料などの相違により分光反射率が異なるためである。このように、対象物データ記憶部109には、複数の種類の対象物の各々における分光反射率データが記憶され、且つ、対象物の種類ごとに、特性の異なる分光反射率データが複数記憶される。
図1に戻り、基底ベクトル導出部104は、光源データ取得部102により取得された分光分布データ群から、主成分分析を用いて分光分布基底ベクトル群を導出する。基底ベクトル導出部104は、導出した分光分布基底ベクトル群を分光情報推定部105に出力する。
また、基底ベクトル導出部104は、対象物データ取得部103により取得された分光反射率データ群から、主成分分析を用いて分光反射率基底ベクトル群を導出する。基底ベクトル導出部104は、導出した分光反射率基底ベクトルを分光情報推定部105に出力する。
主成分分析においては、解析前のデータ群の次元よりも、少ない数の基底ベクトル群の組み合わせで元のデータ群を表現できるようになる。分析の対象であるデータ群の次元を圧縮してより少ない変数でデータ群を表現できるようにする。すなわち、基底ベクトル導出部104は、基底ベクトル群を導出することにより分析の対象であるデータ群の次元を圧縮する。
ここで、基底ベクトル群は、データ群を解析する過程で導出される情報の一つであり、解析前のデータ群の各々を表現する場合に寄与する特徴的な要素を抽出したベクトル群である。基底ベクトル群は、例えば、データ群を主成分分析することにより得られ、基底ベクトル群の各々に、解析前の個々のデータに応じた重みづけ係数である基底係数を乗算し、乗算後の基底ベクトル群の各々を加算することにより解析前の個々のデータを表現することが可能となる。
本実施形態では、分光分布データ群から得られる光源の分光分布を表現し得る基底ベクトル群(以下、分光分布基底ベクトル群ともいう)の各々に乗算する基底係数を推定することにより、撮像光源の分光分布を推定する。すなわち、撮像光源の分光分布を推定する推定問題を、分光分布基底ベクトル群の各々に乗算する基底係数を推定する推定問題に置き換え、基底係数を推定することにより撮像光源の分光分布を推定する。
また、本実施形態では、分光反射率データから得られる対象物の分光反射率を表現し得る基底ベクトル群(以下、分光反射率基底ベクトル群)の各々に乗算する基底係数を推定することにより、撮像対象物の分光反射率を推定する。すなわち、撮像対象物の分光反射率を推定する推定問題を、分光反射率基底ベクトル群の各々に乗算する基底係数を推定する推定問題に置き換え、基底係数を推定することにより撮像対象物の分光反射率を推定する。
また、基底ベクトル導出部104は、分光反射率データ群から、分光反射率基底ベクトル群を導出する。これにより、基底ベクトル導出部104は、解析対象である分光分布データ群の次元を圧縮する。基底ベクトル導出部104は、導出した分光反射率基底ベクトルを分光情報推定部105に出力する。
分光情報推定部105は、基底ベクトル導出部104により導出された基底ベクトル群、画像データ記憶部107に記憶された撮像対象物が撮像されたRGB画像の画像データ、及びRGB画像の各々の分光感度から、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。
一般に、ある対象物を汎用的な撮像装置(以下、カメラという)により撮像した場合、取得される画像データの画像座標xにおける輝度値pm、k(x)は、以下の(1)式で表される。ここで、mはカメラに付した番号、kはカメラのチャネル、s(λ、x)は画像座標xにおける波長λの分光反射率、l(λ)は光源における波長λの分光分布、cm、k(x)は画像座標xにおけるカメラmのチャネルkの分光感度、をそれぞれ示している。なお、チャネルは、カメラが撮像可能な色の要素を示しており、例えば、RGB画像を撮像するカメラであれば、R、G、Bの別を表す。
Figure 0007206878000001
(1)式に示すように、画像座標xにおけるカメラmのチャネルkの輝度値pm,k(x)は、画像座標xにおけるカメラmのチャネルkの分光反射率s(λ、x)と、光源の分光分布l(λ)と、画像座標xにおけるカメラmのチャネルkの分光感度cm、k(x)との積を、波長λで積分した積分値で示される。
非特許文献1によれば、光源の分光分布l(λ)は、分光分布基底ベクトルと、基底係数を用いて、以下の(2)式で定義される。ここで、aはj番目の基底ベクトルに乗算する基底係数、eはj番目の分光分布基底ベクトル、をそれぞれ示している。
Figure 0007206878000002
(2)式において、非特許文献1によれば、N=6を用いている。N=6の場合、光源の分光分布l(λ)は1番目の分光分布基底ベクトルから6番目の分光分布基底ベクトルに各々の基底係数aを乗算したものを加算したデータとして表現される。すなわち、この場合において、光源の分光分布l(λ)は第1主成分から第6主成分までを用いて表現される。
ここで、光源の分光分布l(λ)を、幾つの主成分を用いて表現するかは、基底ベクトル導出部104の演算処理能力や、表現する分光分布データに要求される精度に応じて任意に決定されてよい。一般に、主成分分析においては、多くの主成分を用いてデータを表現する方が精度よくデータを表現することが可能であるが、その一方で、主成分の数が多くなる程、扱う変数の数が多く処理負荷が重くなる。また、主成分の数が多くなる程ノイズの影響を受けて処理が不安定になり易い傾向にあり、主成分にノイズがない状態であれば精度よくデータを表現できるが、ノイズがある状態では表現するデータの精度が著しく劣化する場合がある。
非特許文献1によれば、画像座標xにおける対象物の分光反射率s(λ、x)は、分光反射率基底ベクトルと、基底係数を用いて、以下の(3)式で定義される。ここで、r(x)は画像座標xにおけるj番目の基底ベクトルに乗算する基底係数、bはj番目の分光分布基底ベクトル、をそれぞれ示している。
Figure 0007206878000003
(3)式において、非特許文献1によれば、N=8を用いている。N=8の場合、画像座標xにおける対象物の分光反射率s(λ、x)は1番目の分光反射率基底ベクトルから8番目の分光反射率基底ベクトルに各々の基底係数r(x)を乗算したものを加算したデータとして表現される。すなわち、この場合において、対象物の分光反射率s(λ、x)は第1主成分から第8主成分までを用いて表現される。
ここで、対象物の分光反射率s(λ、x)を、幾つの主成分を用いて表現するかは、主成分として扱うことが可能な数の上限を超えない範囲において、基底ベクトル導出部104の演算処理能力や、表現する分光反射率データに要求される精度に応じて任意に決定されてよい。
分光反射率データにおいて主成分として扱うことが可能な数の上限は、例えば、撮像条件(撮像時におけるカメラの分光感度)の数に基づいて決定される。この上限は、互いに分光感度が異なる複数のカメラの各々によりRGB画像を撮像した場合、カメラの台数にチャネル数を乗算した値から1を引いた数である。例えば、3台のカメラの各々によりRGB画像を撮像した場合、上限は、(カメラの台数=3)×(チャネル数=3)-1、つまり8である。
上述した(2)式、及び(3)式を、(1)式に適応することにより、画像座標xにおける輝度値pm、k(x)は、以下の(4)式で表される。ここで、太字のAは積分記号により表される積分項を行列に置き換えて表したものである。Am、k(i、j)は、カメラmのチャネルkについての積分項における(i、j)成分を示している。
Figure 0007206878000004
(4)式のΣ(シグマ)記号で示される項をベクトル(行列の積)に置き換えることで、以下の(5)式に示すように、画像座標xにおける輝度値pm、k(x)は、行列式で表現することができる。ここで、太字のrは画像座標xにおける分光反射率基底ベクトル群の各々の基底係数を示す行列、太字のaは分光分布基底ベクトル群の各々の基底係数を示す行列、太字のAはカメラmのチャネルkについての積分項の各々を示すN×Nの行列を示している。
Figure 0007206878000005
(5)式の左辺は画像座標xにおける輝度値pm、k(x)を示し、右辺はスペクトル情報を示している。輝度値pm、k(x)は、RGB画像であれば、ある一つの画素におけるRGB値を表す。すなわち、(5)式はある一つの画素におけるRGB値とスペクトル情報との関係を示すということができる。(5)式に対して、RGB画像を構成するn個の各画素におけるRGB値とスペクトル情報との関係は、以下の(6)式で表される。ここで、太字のpは各画像座標における輝度値を示す行列、太字のRは各画像座標における分光反射率基底ベクトル群の各々の基底係数を示すNr×nの行列、太字のaは分光分布基底ベクトル群の各々の基底係数を示す行列、太字のAはカメラmのチャネルkについての積分項の各々を示すN×Nの行列を示している。なお、nはRGB画像全体の画素数(pixel(ピクセル)数)を示している。
Figure 0007206878000006
分光情報推定部105は、画像データ取得部101から取得した画像データについて、上述した(6)式が成立し得る行列R(分光反射率の基底係数)、及び行列a(光源分光分布の基底係数)を、最小二乗法により推定する。分光情報推定部105は、推定した行列Rを(3)式に代入することにより撮像対象物の分光反射率s(λ、x)を推定することができる。また、分光情報推定部105は、推定した行列aを(2)式に代入することにより撮像光源の分光分布l(λ)を推定することができる。
ここで、分光情報推定部105が、最小二乗法により(6)式における行列R、及び行列aを推定する方法について、図4~図7を用いて説明する。図4~図7は、第1の実施形態による分光情報推定部105が行う処理を説明するための図である。
図4は、(6)式に最小二乗法を適用した式である(7)式を示している。(7)式において、左辺の^(ハット)付き太字のRは分光反射率の基底係数の推定値、^(ハット)付き太字のaは分光分布の基底係数の推定値を示している。(7)式の右辺は(6)式における左辺と右辺との差分(ベクトル空間における距離)の二乗を、全てのチャネル、全てのカメラについて加算したものが最小となる行列R、及び行列aの組合せを示している。
分光情報推定部105は、画像データ取得部101から取得した画像データにおけるRGB画像の輝度値を、(7)式の輝度値pm、kに代入する。また、分光情報推定部105は、基底ベクトル導出部104から取得した分光分布基底ベクトル群、分光反射率基底ベクトル群、及び画像データ取得部101から取得した画像データにおける分光感度を、(7)式の行列Aに代入する。そして、分光情報推定部105は、各々を代入した(7)式を解くことにより、分光反射率の基底係数の推定値、及び分光分布の基底係数の推定値を算出する。
図5は(7)式に平滑化を示す項を加えた式である(8)式を示している。(8)式において、平滑化パラメータα及びβは、平滑化を示す項(平滑化項)に乗算される係数であり、平滑化を行う度合い(強さ)に応じて定まる任意の正の実数である。
最小二乗法においては、ノイズなどの外乱の影響を強く受け易い。このため、分光情報推定部105は、画像データ取得部101から取得した画像データに誤差ある場合、(7)式を解いても適切な推定を行うことが困難となる。そこで、分光情報推定部105は、(7)式に平滑化項を加えた(8)式を解くようにしてもよい。ここで、平滑化項は、分光反射率s(λ、x)に関する項と、分光分布l(λ)に関する項があってよい。分光反射率s(λ、x)に関する平滑化項は、分光反射率s(λ、x)を波長λにより二次微分した値の二乗値を波長λについて積分したものを、全画素について加算したものである。分光分布l(λ)に関する平滑化項は、分光分布l(λ)を波長λにより二次微分した値の二乗値を波長λについて積分したものを、全画素について加算したものである。
分光情報推定部105は、(7)式に平滑化項を加えた(8)式を解くことにより、画像データに誤差ある場合であっても、より適切な推定を行うことが可能である。なお、平滑化項は、分光反射率に関する平滑化項と、分光分布に関する平滑化項との両方あってもよいし、何れか一方のみであってもよい。
図6は、(8)式に制約条件を付した式である(9)式を示している。(8)式における分光反射率s(λ、x)、及び分光分布l(λ)は負の値となることはない。このため、分光情報推定部105は、(9)式に示すように、(8)式の分光反射率s(λ、x)、及び分光分布l(λ)が共に正の値となる制約条件を課して、分光反射率の基底係数の推定値、及び分光分布の基底係数の推定値を算出する。これにより、分光反射率s(λ、x)、及び分光分布l(λ)の少なくとも一方が負となる場合が理論上あったとしても、それを除いた推定を行うことができる。
図7は、(9)式を行列形式で示した式である(10)式を示している。(10)式において分光反射率s(λ、x)に関する平滑化項は、二次微分行列W、分光反射率基底ベクトル行列B、及び分光反射率の基底係数行列Rの積で示される。また、分光分布l(λ)に関する平滑化項は、二次微分行列W、分光分布基底ベクトル行列E、及び分光分布の基底係数行列aの積で示される。ここで、行列Bv、iはバンドvにおけるi番目の分光反射率基底ベクトルを示す。行列Ev、jはバンドvにおけるj番目の分光分布基底ベクトルを示す。なお、バンドは、ハイパースペクトル画像における分光された帯域を示しており、例えば、波長400[nm]から700[nm]までの帯域を10[nm]毎にサンプリングした31バンドで構成される。
一般に、(9)式について、行列R、及び行列aの双方を同時に解くことは困難である。そこで、分光情報推定部105は、行列Rに対する最適化と、行列aに対する最適化とを交互に行い、行列Rと行列aとを収束させる。
分光情報推定部105は、複数のRGB画像の各々について、画像座標(ピクセル)ごとに、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定し、全ての画像座標の分光分布および分光反射率を推定することにより、ハイパースペクトル画像を生成する。
ここで、分光情報推定部105が推定する際に用いる分光分布基底ベクトル群について説明する。
分光情報推定部105が様々な種類の光源の分光分布データ群から得られる基底ベクトル群を用いて推定を行う場合、様々な種類の光源から撮像光源の分光分布を推定することが可能となる。しかし、その一方で、様々な種類の光源の分光分布データが含まれるデータ群では、特定の種類における光源の分光分布データの数が限られてしまうために、推定する分光分布の精度を高めることが困難である。すなわち、様々な種類の光源の分光分布データ群から得られる基底ベクトル群を用いるのみでは、分光情報推定部105は、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を精度よく推定することができない。
一方、分光情報推定部105が特定の種類における光源の分光分布データ群から得られる基底ベクトル群を用いて推定を行う場合、撮像光源が同じ種類である場合には、精度よく分光分布を推定することが可能となる。しかし、基底ベクトル群の導出に用いられた光源の種類とは異なる種類の撮像光源である場合には、推定の精度が著しく劣化してしまう。
そこで、本実施形態では、まず、分光情報推定部105が様々な種類の光源の分光分布データ群から得られる基底ベクトル群を用いた推定を行う。次に、その推定結果から、光源種類特定部106が、撮像光源を特定する。そして、特定された撮像光源に基づいて、分光情報推定部105が特定の種類の光源の分光分布データ群から得られる基底ベクトル群を用いて再度推定を行う。これにより、分光情報推定部105は、大まかに推定した撮像光源の分光分布から特定した光源の種類について、その種類に特化した分光分布データ群から得られる基底ベクトル群を用いて、分光分布を精度よく推定することが可能となる。
光源種類特定部106は、例えば、光源データ記憶部108に記憶された様々な光源について、光源の種類ごとに分光分布の代表値を示すデータを光源代表スペクトルとする。代表値は、種類ごとの光源の分光分布を代表する値であればよく、例えば、同じ種類の分光分布データにおける波長毎の単純加算平均値や、重みづけ加算による平均値である。
光源種類特定部106は、分光情報推定部105により大まかに推定された分光分布と、種類ごとの光源代表スペクトルとを、二乗誤差などを用いて比較することにより双方の類似度を算出する。光源種類特定部106は、類似度が最も高い光源の種類を、撮像光源の種類と特定する。
或いは、光源種類特定部106は、光源の種類と、分光分布データとを対応付けた情報を教師データとして学習した学習済みモデルを用いて、撮像光源の種類を特定するようにしてもよい。この場合、光源種類特定部106は、分光情報推定部105により大まかに推定された分光分布を学習済みモデルに入力する。学習済みモデルは、学習済みの教師データから入力された分光分布と同一又は類似する分光分布データを抽出し、抽出した分光分布データに対応付けられている光源の種類を出力する。光源種類特定部106は、学習済みモデルから出力された光源の種類を、撮像光源の種類と特定する。
図8は、第1の実施形態による分光画像推定システム1の動作の流れを示すフローチャートである。
ステップS10:
光源データ取得部102は、第1分光分布データ群を取得する。光源データ取得部102により取得される第1分光分布データ群は、様々な種類の光源を含む光源の分光分布データ群である。
ステップS11:
次に、対象物データ取得部103は、分光反射率データ群を取得する。対象物データ取得部103により取得される分光反射率データ群は、例えば、様々な対象物を含む対象物の分光分布データ群である。
ステップS12:
次に、基底ベクトル導出部104は、第1分光分布基底ベクトル群、及び分光反射率基底ベクトル群を導出する。第1分光分布基底ベクトル群は、光源データ取得部102により取得された第1分光分布データ群を主成分分析することにより導出される基底ベクトル群である。また、分光反射率基底ベクトル群は、対象物データ取得部103により取得された分光反射率データ群を主成分分析することにより導出される基底ベクトル群である。
ステップS13:
次に、分光情報推定部105は、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。分光情報推定部105は、基底ベクトル導出部104により導出された第1分光分布基底ベクトル群、及び分光反射率基底ベクトル群、画像データ取得部101により取得された画像データに基づいて、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。ここで分光情報推定部105は、様々な種類の光源を含む光源の分光分布データ群(第1分光分布データ群)から導出された分光分布基底ベクトル群を用いて推定を行うため、推定される撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率の精度は高いものではない。
ステップS14:
次に、光源種類特定部106は、分光情報推定部105により推定された撮像光源の分光分布に基づいて、撮像光源の種類を特定する。
ステップS15:
光源データ取得部102は、第2分光分布データ群を取得する。第2分光分布データ群は、光源種類特定部106により特定された撮像光源の種類の光源における分光分布データの集合である。
ステップS16:
基底ベクトル導出部104は、第2分光分布基底ベクトル群を導出する。第2分光分布基底ベクトル群は、光源データ取得部102により取得された第2分光分布データ群を主成分分析することにより導出される基底ベクトル群である。
ステップS17:
そして、分光情報推定部105は、再度、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。分光情報推定部105は、基底ベクトル導出部104により導出された第2分光分布基底ベクトル群、分光反射率基底ベクトル群、画像データ取得部101により取得された画像データに基づいて、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。分光情報推定部105による再度の推定で用いられる基底ベクトル群は、撮像光源として特定された種類の光源の分光分布データ群(第2分光分布データ)から導出された基底ベクトル群であり、撮像光源と同じ種類の分光分布データを豊富に備えているために、推定される撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率の精度を向上させることが可能である。
以上説明したように、第1の実施形態における分光画像推定システム1は、分光情報推定部105により推定された撮像光源の分光分布から、撮像光源の種類を特定する光源種類特定部106を備える。光源データ取得部102は、光源種類特定部106により特定された撮像光源の種類に基づいて、特定種類の光源における分光分布データの集合である第2分光分布データ群を取得する。基底ベクトル導出部104は、第2分光分布データ群から、第2分光分布基底ベクトル群を導出する。分光情報推定部105は、第2分光分布基底ベクトル群、分光反射率基底ベクトル群、画像データ取得部101により取得された画像データから、再度、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。
これにより、第1の実施形態における分光画像推定システム1は、まず、様々な種類の光源の分光分布データ群を用いて大まかに推定した撮像光源の分光分布から撮像光源の種類を特定することができるため、その種類に特化した分光分布データ群から得られる基底ベクトル群を用いて、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を精度よく推定することが可能となる。
(第1の実施形態の変形例1)
次に、第1の実施形態の変形例1について説明する。本変形例では、分光情報推定部105により推定された撮像対象物の分光反射率から、撮像対象物の種類を特定する点において、上述した実施形態と相違する。
図9は、第1の実施形態の変形例1による分光画像推定システム1の構成の例を示すブロック図である。本変形例では、分光画像推定システム1は、対象物データ取得部103と、分光情報推定部105と、対象物種類特定部110とを備える。
対象物データ取得部103は、後述する対象物種類特定部110により、撮像対象物の種類が特定されていない場合、分光反射率データ群として、様々な種類の分光反射率データをそれぞれ取得する。対象物データ取得部103は、対象物種類特定部110により、撮像対象物の種類が特定されている場合、分光反射率データ群として、特定の種類の分光反射率データを複数取得する。
ここで、分光情報推定部105が推定する際に用いる光源反射率基底ベクトル群について説明する。
分光情報推定部105が様々な種類の対象物の分光反射率データ群から得られる基底ベクトル群を用いて推定を行う場合、様々な種類の対象物から撮像対象物の分光反射率を推定することが可能となる。しかし、その一方で、様々な種類の対象物の分光反射率データが含まれるデータ群では、特定の種類における対象物の分光反射率データの数が限られてしまうために、推定する分光反射率の精度を高めることが困難である。すなわち、様々な種類の対象物の分光反射率データ群から得られる基底ベクトル群を用いるのみでは、分光情報推定部105は、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を精度よく推定することができない。
一方、分光情報推定部105が特定の種類における対象物の分光反射率データ群から得られる基底ベクトル群を用いて推定を行う場合、撮像対象物が同じ種類である場合には、精度よく分光反射率を推定することが可能となる。しかし、基底ベクトル群の導出に用いられた対象物の種類とは異なる種類の撮像対象物である場合には、推定の精度が著しく劣化してしまう。
そこで、本変形例では、まず、分光情報推定部105が様々な種類の対象物の分光反射率データ群から得られる基底ベクトル群を用いた推定を行う。次に、その推定結果から、対象物種類特定部110が、撮像対象物を特定する。そして、特定された撮像対象物に基づいて、分光情報推定部105が特定の種類の対象物の分光分布データ群から得られる基底ベクトル群を用いて再度推定を行う。これにより、分光情報推定部105は、大まかに推定した撮像対象物の分光分布から特定した対象物の種類について、その種類に特化した分光反射率データ群から得られる基底ベクトル群を用いて、分光反射率を精度よく推定することが可能となる。
対象物種類特定部110は、例えば、対象物データ記憶部109に記憶された様々な対象物について、対象物の種類ごとに分光反射率の代表値を示すデータを対象物代表スペクトルとする。代表値は、種類ごとの対象物の分光反射率を代表する値であればよく、例えば、同じ種類の分光反射率データにおける波長毎の単純加算平均値や、重みづけ加算による平均値である。
対象物種類特定部110は、分光情報推定部105により大まかに推定された分光反射率と、種類ごとの対象物代表スペクトルとを、最小二乗法などを用いて比較することにより双方の類似度を算出する。対象物種類特定部110は、類似度が最も高い対象物の種類を、撮像対象物の種類と特定する。
或いは、対象物種類特定部110は、対象物の種類と、分光反射率データとを対応付けた情報を教師データとして学習した学習済みモデルを用いて、撮像対象物の種類を特定するようにしてもよい。この場合、対象物種類特定部110は、分光情報推定部105により大まかに推定された分光反射率を学習済みモデルに入力する。学習済みモデルは、学習済みの教師データから入力された分光反射率と同一又は類似する分光反射率データを抽出し、抽出した分光反射率データに対応付けられている対象物の種類を出力する。対象物種類特定部110は、学習済みモデルから出力された対象物の種類を、撮像対象物の種類と特定する。
図10は、第1の実施形態の変形例1による分光画像推定システム1の動作の流れを示すフローチャートである。図10におけるフローチャートにおいてステップS20~22に示す処理は、図8におけるフローチャートにおいてステップS10~12に示す処理と同等であるため、その説明を省略する。
ステップS23:
次に、分光情報推定部105は、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。分光情報推定部105は、基底ベクトル導出部104により導出された分光分布基底ベクトル群、及び第1分光反射率基底ベクトル群、画像データ取得部101により取得された画像データに基づいて、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。ここで分光情報推定部105は、様々な種類の対象物の分光反射率データ群(第1分光反射率データ群)から導出された分光反射率基底ベクトル群を用いて推定を行うため、推定される撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率の精度は高いものではない。
ステップS24:
次に、対象物種類特定部110は、分光情報推定部105により推定された撮像対象物の分光反射率に基づいて、撮像対象物の種類を特定する。
ステップS25:
対象物データ取得部103は、第2分光反射率データ群を取得する。第2分光反射率データ群は、対象物種類特定部110により特定された撮像対象物の種類の対象物における分光分布データの集合である。
ステップS26:
基底ベクトル導出部104は、第2分光反射率基底ベクトル群を導出する。第2分光反射率基底ベクトル群は、対象物データ取得部103により取得された第2分光反射率データ群を主成分分析することにより導出される基底ベクトル群である。
ステップS27:
そして、分光情報推定部105は、再度、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。分光情報推定部105は、基底ベクトル導出部104により導出された分光分布基底ベクトル群、第2分光反射率基底ベクトル群、画像データ取得部101により取得された画像データに基づいて、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。分光情報推定部105による再度の推定で用いられる基底ベクトル群は、撮像対象物として特定された種類の対象物の分光反射率データ群(第2分光反射率データ)から導出された基底ベクトル群であり、撮像対象物と同じ種類の分光反射率データを豊富に備えているために、推定される撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率の精度を向上させることが可能である。
以上説明したように、第1の実施形態の変形例1における分光画像推定システム1は、分光情報推定部105により推定された撮像対象物の分光反射率から、撮像対象物の種類を特定する対象物種類特定部110を備える。対象物データ取得部103は、対象物種類特定部110により特定された撮像対象物の種類に基づいて、特定種類の対象物における分光反射率データの集合である第2分光反射率データ群を取得する。基底ベクトル導出部104は、第2分光反射率データ群から、第2分光反射率基底ベクトル群を導出する。分光情報推定部105は、分光分布基底ベクトル群、第2分光反射率基底ベクトル群、画像データ取得部101により取得された画像データから、再度、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。
これにより、第1の実施形態の変形例1における分光画像推定システム1は、まず、様々な種類の対象物の分光反射率データ群を用いて大まかに推定した撮像対象物の分光反射率から撮像対象物の種類を特定することができるため、その種類に特化した分光反射率データ群から得られる基底ベクトル群を用いて、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を精度よく推定することが可能となる。
(第1の実施形態の変形例2)
次に、第1の実施形態の変形例2について説明する。本変形例では、分光情報推定部105により推定された撮像光源の分光分布から撮像光源の種類を特定し、且つ、分光情報推定部105により推定された撮像対象物の分光反射率から撮像対象物の種類を特定する点において、上述した実施形態と相違する。
図11は、第1の実施形態の変形例2による分光画像推定システム1の動作の流れを示すフローチャートである。図11におけるフローチャートにおいてステップS30~36に示す処理は、図8におけるフローチャートにおいてステップS10~16に示す処理と同等であるため、その説明を省略する。また、図11におけるフローチャートにおいてステップS37~39に示す処理は、図9におけるフローチャートにおいてステップS24~26に示す処理と同等であるため、その説明を省略する。
ステップS33:
次に、分光情報推定部105は、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。分光情報推定部105は、基底ベクトル導出部104により導出された第1分光分布基底ベクトル群、及び第1分光反射率基底ベクトル群、画像データ取得部101により取得された画像データに基づいて、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。ここで分光情報推定部105は、様々な種類の光源の分光分布データ群(第1分光分布データ群)から導出された分光分布基底ベクトル群、及び、様々な種類の対象物の分光反射率データ群(第1分光反射率データ群)から導出された分光反射率基底ベクトル群を用いて推定を行う。このため、推定される撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率の精度は高いものではない。
ステップS40:
分光情報推定部105は、再度、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。分光情報推定部105は、基底ベクトル導出部104により導出された第2分光分布基底ベクトル群、第2分光反射率基底ベクトル群、画像データ取得部101により取得された画像データに基づいて、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。分光情報推定部105による再度の推定で用いられる基底ベクトル群は、撮像光源として特定された種類の光源の分光分布データ群(第2分光分布データ)から導出された基底ベクトル群、及び、撮像対象物として特定された種類の対象物の分光反射率データ群(第2分光反射率データ)から導出された基底ベクトル群である。これらの基底ベクトル群は、撮像光源と同じ種類の分光分布データ、及び撮像対象物と同じ種類の分光反射率データを豊富に備えているために、推定される撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率の精度を向上させることが可能である。
以上説明したように、第1の実施形態の変形例2における分光画像推定システム1は、分光情報推定部105により推定された撮像光源の分光分布から、撮像光源の種類を特定する光源種類特定部106と、分光情報推定部105により推定された撮像対象物の分光反射率から、撮像対象物の種類を特定する対象物種類特定部110を備える。光源データ取得部102は、光源種類特定部106により特定された撮像光源の種類に基づいて、特定種類の光源における分光分布データの集合である第2分光分布データ群を取得する。対象物データ取得部103は、対象物種類特定部110により特定された撮像対象物の種類に基づいて、特定種類の対象物における分光反射率データの集合である第2分光反射率データ群を取得する。基底ベクトル導出部104は、第2分光分布データ群から第2分光分布基底ベクトル群を導出すると共に、第2分光反射率データ群から第2分光反射率基底ベクトル群を導出する。分光情報推定部105は、第2分光分布基底ベクトル群、第2分光反射率基底ベクトル群、画像データ取得部101により取得された画像データから、再度、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。
これにより、第1の実施形態の変形例2における分光画像推定システム1は、まず、様々な種類の光源の分光分布データ群、及び、様々な種類の対象物の分光反射率データ群を用いて大まかに、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。そして、推定した撮像光源の分光分布から撮像光源の種類を、推定した撮像対象物の分光反射率から撮像対象物の種類を、それぞれ特定することができる。このため、その特定された種類に特化した分光分布データ群から得られる基底ベクトル群、及び、特定された種類に特化した分光反射率データ群から得られる基底ベクトル群を用いて、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を精度よく推定することが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、既に導出済みの基底ベクトル群をデータベースに備える点、及び分光情報推定部105により推定された撮像光源の分光分布から、撮像光源の種類を特定する点において、上述した実施形態と相違する。
本実施形態では、分光画像推定システム1は、光源データ取得部102と、103と、分光情報推定部105と、光源種類特定部106と、光源データ記憶部108と、対象物データ記憶部109と、を備える。本実施形態では、既に導出済みの基底ベクトル群をデータベースに備えるため、基底ベクトル導出部104を省略することができる。
光源データ取得部102は、光源分光分布データ群から導出された分光分布基底ベクトル群を取得する。光源データ取得部102は、後述する光源種類特定部106により、撮像に用いられた光源(以下、撮像光源ともいう)の種類が特定されていない場合、分光分布ベクトル群として、様々な種類の分光分布データ群に基づいて導出された基底ベクトル群を取得する。光源データ取得部102は、光源種類特定部106により、撮像光源の種類が特定されている場合、分光分布ベクトル群として、特定の種類の分光分布データ群から導出された基底ベクトル群を取得する。
光源データ取得部102は、光源データ記憶部108を参照し、光源データ記憶部108に予め記憶された様々な光源の分光分布ベクトル群から、所定の分光分布ベクトル群を取得する。光源データ取得部102は、取得した分光分布ベクトル群を分光情報推定部105に出力する。
対象物データ取得部103は、分光反射率データ群から導出された分光反射率基底ベクトル群を取得する。対象物データ取得部103は、例えば、分光反射率ベクトル群として、様々な種類の分光反射率データ群に基づいて導出された基底ベクトル群を取得する。
対象物データ取得部103は、対象物データ記憶部109を参照し、対象物データ記憶部109に予め記憶された様々な対象物の分光反射率データ群から導出された分光反射率ベクトル群を取得する。対象物データ取得部103は、取得した分光反射率ベクトル群を分光情報推定部105に出力する。
分光情報推定部105は、光源データ取得部102により取得された分光分布基底ベクトル群、対象物データ取得部103により取得された分光反射率基底ベクトル群、画像データ記憶部107に記憶された撮像対象物が撮像されたRGB画像の画像データ、及びRGB画像の各々の分光感度から、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。
光源データ記憶部108は、様々な光源の分光分布データ群に基づいて導出された分光分布ベクトル群を記憶する。
対象物データ記憶部109は、様々な対象物の分光反射率データ群に基づいて導出された分光反射率基底ベクトル群を記憶する。
ここで、光源データ記憶部108、及び対象物データ記憶部109の各々に記憶される情報について図12及び図13を用いて説明する。
図12は、第2の実施形態による光源データ記憶部108に記憶される情報の構成例を示す図である。図12に示すように、光源データ記憶部108には、項番と、表現し得る光源の種類と、分光分布基底ベクトル群、との各項目を備える。項番には分光分布基底ベクトル群を一意に識別する番号が示される。表現し得る光源の種類には項番に対応する分光分布基底ベクトル群が表現可能な光源の種類を示す情報が示される。分光分布基底ベクトル群には項番に対応する分光分布基底ベクトル群が示される。この例では、項番01の基底ベクトル群が、様々な種類の光源(この例では、LED、蛍光灯、白熱灯)の分光分布基底データを表現し得ることが示されている。また、項番02の基底ベクトル群が、特定の種類の光源(この例では、LED)の分光分布基底データを表現し得ることが示されている。このように、光源データ記憶部108には、複数の種類の分光分布データ群から導出された分光分布基底ベクトル群が記憶され、且つ、特定の種類の分光分布データ群から導出された分光分布基底ベクトル群が記憶される。
図13は、第2の実施形態による対象物データ記憶部109に記憶される情報の構成例を示す図である。図13に示すように、対象物データ記憶部109には、項番と、表現し得る対象物の種類と、分光反射率基底ベクトル群、との各項目を備える。項番には分光反射率基底ベクトル群を一意に識別する番号が示される。表現し得る対象物の種類には項番に対応する分光反射率基底ベクトル群が表現可能な光源の種類を示す情報が示される。分光反射率基底ベクトル群には項番に対応する分光反射率基底ベクトル群が示される。この例では、項番01の基底ベクトル群が、様々な種類の対象物(この例では、色見本、油絵、植物)の分光反射率基底データを表現し得ることが示されている。また、項番02の基底ベクトル群が、特定の種類の対象物(この例では、色見本)の分光反射率基底データを表現し得ることが示されている。このように、光源データ記憶部108には、複数の種類の分光反射率データ群から導出された分光反射率基底ベクトル群が記憶され、且つ、特定の種類の分光反射率データ群から導出された分光反射率基底ベクトル群が記憶される。
図14は、第2の実施形態による分光画像推定システム1の動作の流れを示すフローチャートである。図14におけるフローチャートにおいてステップS53に示す処理は、図8におけるフローチャートにおいてステップS14に示す処理と同等であるため、その説明を省略する。
ステップS50:
光源データ取得部102は、第1分光分布ベクトル群を取得する。光源データ取得部102により取得される第1分光分布ベクトル群は、様々な種類の光源を含む光源の分光分布データ群に基づいて導出された基底ベクトル群である。
ステップS51:
次に、対象物データ取得部103は、分光反射率ベクトル群を取得する。対象物データ取得部103により取得される分光反射率ベクトル群は、例えば、様々な対象物を含む対象物の分光分布データ群に基づいて導出された基底ベクトル群である。
ステップS52:
次に、分光情報推定部105は、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。分光情報推定部105は、光源データ取得部102により取得された第1分光分布基底ベクトル群、及び対象物データ取得部103により取得された分光反射率基底ベクトル群、画像データ取得部101により取得された画像データに基づいて、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。ここで分光情報推定部105は、様々な種類の光源を含む光源の分光分布データ群(第1分光分布データ群)から導出された分光分布基底ベクトル群を用いて推定を行うため、推定される撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率の精度は高いものではない。
ステップS54:
光源データ取得部102は、第2分光分布ベクトル群を取得する。第2分光分布ベクトル群は、光源種類特定部106により特定された撮像光源の種類の光源における分光分布データ群に基づいて導出された基底ベクトル群である。
ステップS55:
そして、分光情報推定部105は、再度、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。分光情報推定部105は、光源データ取得部102により取得された第2分光分布基底ベクトル群、対象物データ取得部103により取得された分光反射率基底ベクトル群、画像データ取得部101により取得された画像データに基づいて、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。分光情報推定部105による再度の推定で用いられる基底ベクトル群は、撮像光源として特定された種類の光源の分光分布データ群(第2分光分布データ)から導出された基底ベクトル群であり、撮像光源と同じ種類の分光分布データを豊富に備えているために、推定される撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率の精度を向上させることが可能である。
以上説明したように、第2の実施形態における分光画像推定システム1では、光源データ取得部102は、複数の光源における分光分布データの集合である分光分布データ群に基づいて導出された分光分布基底ベクトル群を取得する。対象物データ取得部103は、複数の対象物における分光反射率データの集合である分光反射率データ群に基づいて導出された分光反射率基底ベクトル群を取得する。光源種類特定部106は、分光情報推定部105により推定された撮像光源の分光分布から、撮像光源の種類を特定する。
これにより、第2の実施形態における分光画像推定システム1は、データ群に基づいて基底ベクトル群を導出する処理を行うことなく基底ベクトル群を取得することができるため、基底ベクトル群を導出する処理負荷をかけることなく、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を精度よく推定することが可能となる。
(第2の実施形態の変形例1)
次に、第2の実施形態の変形例1について説明する。本変形例では、既に導出済みの基底ベクトル群をデータベースに備える点、及び分光情報推定部105により推定された撮像対象物の分光反射率から、撮像対象物の種類を特定する点において、上述した実施形態と相違する。
図15は、第2の実施形態の変形例1による分光画像推定システム1の動作の流れを示すフローチャートである。図15におけるフローチャートにおいてステップS60~62に示す処理は、図14におけるフローチャートにおいてステップS50~52に示す処理と同等であるため、その説明を省略する。図14におけるフローチャートにおいてステップS63に示す処理は、図10におけるフローチャートにおいてステップS24に示す処理と同等であるため、その説明を省略する。
ステップS64:
対象物データ取得部103は、第2分光反射率ベクトル群を取得する。第2分光反射率ベクトル群は、対象物種類特定部110により特定された撮像対象物の種類における分光反射率データ群に基づいて導出された基底ベクトル群である。
ステップS65:
そして、分光情報推定部105は、再度、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。分光情報推定部105は、光源データ取得部102により取得された分光分布基底ベクトル群、対象物データ取得部103により取得された第2分光反射率基底ベクトル群、画像データ取得部101により取得された画像データに基づいて、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。分光情報推定部105による再度の推定で用いられる基底ベクトル群は、撮像対象物として特定された種類の分光反射率データ群(第2分光反射率データ)から導出された基底ベクトル群であり、撮像対象物と同じ種類の分光反射率データを豊富に備えているために、推定される撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率の精度を向上させることが可能である。
以上説明したように、第2の実施形態の変形例1における分光画像推定システム1では、光源データ取得部102は、複数の光源における分光分布データの集合である分光分布データ群に基づいて導出された分光分布基底ベクトル群を取得する。対象物データ取得部103は、複数の対象物における分光反射率データの集合である分光反射率データ群に基づいて導出された分光反射率基底ベクトル群を取得する。対象物種類特定部110は、分光情報推定部105により推定された撮像対象物の分光反射率から、撮像対象物の種類を特定する。これにより、第2の実施形態の変形例1における分光画像推定システム1は、上述した効果と同様の効果を奏する。
(第2の実施形態の変形例2)
次に、第2の実施形態の変形例2について説明する。本変形例では、既に導出済みの基底ベクトル群をデータベースに備える点、及び分光情報推定部105により推定された撮像光源の分光分布から撮像光源の種類を特定し、且つ、分光情報推定部105により推定された撮像対象物の分光反射率から撮像対象物の種類を特定する点において、上述した実施形態と相違する。
図16は、第2の実施形態の変形例2による分光画像推定システム1の動作の流れを示すフローチャートである。図16におけるフローチャートにおいてステップS70~S72、S75、S76に示す処理は、図14におけるフローチャートにおいてステップS50~S52、S53、S54に示す処理と同等であるため、その説明を省略する。図16におけるフローチャートにおいてステップS73、S74に示す処理は、図15におけるフローチャートにおいてステップS63、S64に示す処理と同等であるため、その説明を省略する。
ステップS77:
分光情報推定部105は、再度、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。分光情報推定部105は、光源データ取得部102により取得された第2分光分布基底ベクトル群、対象物データ取得部103により取得された第2分光反射率基底ベクトル群、画像データ取得部101により取得された画像データに基づいて、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する。分光情報推定部105による再度の推定で用いられる基底ベクトル群は、撮像光源として特定された種類の分光分布データ群(第2分光分布データ)から導出された基底ベクトル群、及び撮像対象物として特定された種類の分光反射率データ群(第2分光反射率データ)から導出された基底ベクトル群である。このため、撮像光源と同じ種類の分光光源データ、及び撮像対象物と同じ種類の分光反射率データを豊富に備えている。このため、推定される撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率の精度を向上させることが可能である。
以上説明したように、第2の実施形態の変形例2における分光画像推定システム1では、光源データ取得部102は、複数の光源における分光分布データの集合である分光分布データ群に基づいて導出された分光分布基底ベクトル群を取得する。対象物データ取得部103は、複数の対象物における分光反射率データの集合である分光反射率データ群に基づいて導出された分光反射率基底ベクトル群を取得する。光源種類特定部106は、分光情報推定部105により推定された撮像光源の分光分布から、撮像光源の種類を特定する。対象物種類特定部110は、分光情報推定部105により推定された撮像対象物の分光反射率から、撮像対象物の種類を特定する。これにより、第2の実施形態の変形例2における分光画像推定システム1は、上述した効果と同様の効果を奏する。
(第3の実施形態)
次に、第1の実施形態について説明する。本変形例では、複数のRGB画像における各々の撮像位置(視点)が同じの視点となるように画像を変換する点において、上述した実施形態と相違する。
複数のRGB画像の各々における視点が同一であるとは限らない。例えば、異なる機種のカメラにより撮影されたRGB画像では、画像間の撮像位置や画像の解像度の違いなどにより、同一の撮像対象物が撮像されたRGB画像であっても、互いに対応する画像座標の位置が異なる場合がある。
そのため、本実施形態では、撮像光源の分光分布、及び撮像対象物の分光反射率を推定する前の前処理として、各RGB画像を同一視点で撮影された画像に変換する。これにより、各RGB画像で対応する画像座標の位置を一致させる。
図17は、第3の実施形態による分光画像推定システム1の構成例を示すブロック図である。分光画像推定システム1は、画像変換部111を備える。
画像変換部111は、複数のRGB画像の各々における視点が、同一の視点となるように画像を変換する。画像変換部111は、例えば、二つのRGB画像の間の対応する画素の位置関係に基づき、画像に射影変換を行う。具体的には、画像変換部111は、各RGB画像において、四隅の点(コーナー点)などの特徴点を抽出し、その特徴点周辺における輝度の勾配分布などの特徴量を算出する。画像変換部111は、二つのRGB画像の間で特徴量が最も近い点同士を対応付けることで対応点ペアを生成する。画像変換部111は、生成した対応点ペアの画像座標について、射影変換後の対応点ペアの座標の距離の総和が最も小さくなるような、射影変換行列を求める。画像変換部111は、このようにして求めた射影変換行列を用いて、画像を変換する。これにより、画像変換部111は、各RGB画像を同一視点で撮影された画像に変換することが可能である。
以上、説明したように、第3の実施形態では、分光画像推定システム1は、複数のRGB画像の各々における視点が、同一の視点となるように画像を変換する画像変換部111を備えることにより、各RGB画像の間で対応する画素の画像座標を一致させることができる。
ここで、実施形態の効果について、図18を用いて説明する。図18は、実施形態の効果を説明する図である。図18(a)は、蛍光灯の下で撮影したRGB画像に対して、様々な種類の光源における分光分布データ群を用いて、光源の分光分布を推定した結果である。図18(b)は、様々な種類の光源における分光分布データのうち、特定の種類(蛍光灯)の分光分布データ群のみを用いて光源の分光分布を推定した結果である。
図18(a)に示すように、様々な種類の光源における分光分布データ群を用いて、光源の分光分布を推定した場合、波長の帯域が400[nm]~420[nm]付近、及び530[nm]~560[nm]付近において、真値と推定値とが大きく乖離する。これは、様々な種類の光源における分光分布データ群を用いて、光源の分光分布を推定した場合における推定の精度がさほど高くないことを示している。
これに対し、図18(b)に示すように、環境光源と同じ種類である特定の種類(蛍光灯)の分光分布データ群のみを用いて光源の分光分布を推定した場合、図18(a)では精度が劣化していた波長の帯域が400[nm]~420[nm]付近、及び530[nm]~560[nm]付近において、推定の精度が向上している。これは、環境光源と同じ種類の分光分布データ群を用いて光源の分光分布を推定した場合、様々な種類の光源における分光分布データ群を用いて推定した場合と比較して、推定の精度が向上したことを示している。
また、分光的評価基準の一つであるRMS(Root Mean Square、二乗平均の平方根)誤差を算出した結果、図2(a)では、RMS誤差が約0.09であるのに対し、図2(b)では、RMS誤差が約0.04である。これは、環境光源と同じ種類の分光分布データ群を用いて光源の分光分布を推定した場合、様々な種類の光源における分光分布データ群を用いて推定した場合と比較して、推定の誤差が低減し、定量的に推定の精度が向上したことを示している。
なお、上記では、RGB画像からハイパースペクトル画像を出力する場合を例示して説明したが、RGB画像とは異なる表現で輝度等を示す画像、例えばCMYK(Cyan Magenta Yellow Key plate)画像、HSL(Hue Sayuration Lightness)画像からハイパースペクトル画像を出力する場合等にも適用することができる。
また、上記では分光画像推定システム1が画像データ記憶部107、光源データ記憶部108、及び対象物データ記憶部109のデータベースを備える場合を例示して説明したが、これらのデータベースは、分光画像推定システム1とは異なるシステム、装置等に備えられていてもよい。
上述した実施形態における分光画像推定システム1の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1…分光画像推定システム
101…画像データ取得部
102…光源データ取得部
103…対象物データ取得部
104…基底ベクトル導出部
105…分光情報推定部
106…光源種類特定部
107…画像データ記憶部
108…光源データ記憶部
109…対象物データ記憶部
110…対象物種類特定部
111…画像変換部

Claims (17)

  1. 同一の撮像対象物を撮像した、分光感度が異なる複数の画像から、前記撮像対象物の分光反射率と、前記複数の画像における撮像時の撮像光源の分光分布を推定する分光画像推定システムであり、
    複数の種類の光源における分光分布を示す分光分布データの集合である第1分光分布データ群を取得する光源データ取得部と、
    複数の種類の対象物における分光反射率を示す分光反射率データの集合である分光反射率データ群を取得する対象物データ取得部と、
    前記第1分光分布データ群から前記第1分光分布データ群を表現するための基底ベクトル群である第1分光分布基底ベクトル群を導出し、前記分光反射率データ群から前記分光反射率データ群を表現するための基底ベクトル群である分光反射率基底ベクトル群を導出する基底ベクトル導出部と、
    前記第1分光分布基底ベクトル群、前記分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する分光情報推定部と、
    前記分光情報推定部により推定された前記撮像光源の分光分布から、前記撮像光源の種類を特定する光源種類特定部と、
    を備え、
    前記光源データ取得部は、前記光源種類特定部により特定された前記撮像光源の種類に基づいて、特定種類の光源における前記分光分布データの集合である第2分光分布データ群を取得し、
    前記基底ベクトル導出部は、前記第2分光分布データ群から、第2分光分布基底ベクトル群を導出し、
    前記分光情報推定部は、前記第2分光分布基底ベクトル群、前記分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する、
    ことを特徴とする分光画像推定システム。
  2. 同一の撮像対象物を撮像した、分光感度が異なる複数の画像から、前記撮像対象物の分光反射率と、前記複数の画像における撮像時の光源である撮像光源の分光分布を推定する分光画像推定システムであり、
    複数の種類の光源における分光分布を示す分光分布データの集合である分光分布データ群を取得する光源データ取得部と、
    複数の種類の対象物における分光反射率を示す分光反射率データの集合である第1分光反射率データ群を取得する対象物データ取得部と、
    前記分光分布データ群から分光分布基底ベクトル群を導出し、前記第1分光反射率データ群から第1分光反射率基底ベクトル群を導出する基底ベクトル導出部と、
    前記分光分布基底ベクトル群、前記第1分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する分光情報推定部と、
    前記分光情報推定部により推定された前記撮像対象物の分光反射率から、前記撮像対象物の種類を特定する対象物種類特定部と、
    を備え、
    前記対象物データ取得部は、前記対象物種類特定部により特定された前記撮像対象物の種類に基づいて、特定種類の対象物における前記分光反射率データの集合である第2分光反射率データ群を取得し、
    前記基底ベクトル導出部は前記第2分光反射率データ群から第2分光反射率基底ベクトル群を導出し、
    前記分光情報推定部は、前記分光分布基底ベクトル群、前記第2分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する、
    ことを特徴とする分光画像推定システム。
  3. 同一の撮像対象物を撮像した、分光感度が異なる複数の画像から、前記撮像対象物の分光反射率と、前記複数の画像における撮像時の撮像光源の分光分布を推定する分光画像推定システムであり、
    複数の種類の光源における分光分布を示す分光分布データの集合である第1分光分布データ群を取得する光源データ取得部と、
    複数の種類の対象物における分光反射率を示す分光反射率データの集合である第1分光反射率データ群を取得する対象物データ取得部と、
    前記第1分光分布データ群から前記第1分光分布データ群を表現するための基底ベクトル群である第1分光分布基底ベクトル群を導出し、前記第1分光反射率データ群から前記第1分光反射率データ群を表現するための基底ベクトル群である第1分光反射率基底ベクトル群を導出する基底ベクトル導出部と、
    前記第1分光分布基底ベクトル群、前記第1分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する分光情報推定部と、
    前記分光情報推定部により推定された前記撮像光源の分光分布から、前記撮像光源の種類を特定する光源種類特定部と、
    前記分光情報推定部により推定された前記撮像対象物の分光反射率から、前記撮像対象物の種類を特定する対象物種類特定部、
    を備え、
    前記光源データ取得部は、前記光源種類特定部により特定された前記撮像光源の種類に基づいて、特定種類の光源における前記分光分布データの集合である第2分光分布データ群を取得し、
    前記対象物データ取得部は、前記対象物種類特定部により特定された前記撮像対象物の種類に基づいて、特定種類の対象物における前記分光反射率データの集合である第2分光反射率データ群を取得し、
    前記基底ベクトル導出部は、前記第2分光分布データ群から、第2分光分布基底ベクトル群を導出すると共に、前記第2分光反射率データ群から第2分光反射率基底ベクトル群を導出し、
    前記分光情報推定部は、前記第2分光分布基底ベクトル群、前記第2分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する、
    ことを特徴とする分光画像推定システム。
  4. 前記基底ベクトル導出部は、主成分分析を用いて前記分光分布データの集合である分光分布データ群から当該分光分布データ群を表現するための分光分布基底ベクトル群を導出し、主成分分析を用いて前記分光反射率データの集合である分光反射率データ群から当該分光反射率データ群を表現するための分光反射率基底ベクトル群を導出する、
    請求項1から請求項3の何れか一項に記載の分光画像推定システム。
  5. 同一の撮像対象物を撮像した、分光感度が異なる複数の画像から、前記撮像対象物の分光反射率と、前記複数の画像の撮像時における撮像光源の分光分布を推定する分光画像推定システムであり、
    複数の種類の光源の分光分布を表現するための基底ベクトル群を示す第1分光分布基底ベクトル群を取得する光源データ取得部と、
    複数の種類の対象物における分光反射率を表現するための基底ベクトル群を示す分光反射率基底ベクトル群を取得する対象物データ取得部と、
    前記第1分光分布基底ベクトル群、前記分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する分光情報推定部と、
    前記分光情報推定部により推定された前記撮像光源の分光分布から、前記撮像光源の種類を特定する光源種類特定部と、
    を備え、
    前記光源データ取得部は、前記光源種類特定部により特定された前記撮像光源の種類に基づいて、特定種類の光源の分光分布を表現するための基底ベクトル群を示す第2分光分布基底ベクトル群を取得し、
    前記分光情報推定部は、前記第2分光分布基底ベクトル群、前記分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する、
    ことを特徴とする分光画像推定システム。
  6. 同一の撮像対象物を撮像した、分光感度が異なる複数の画像から、前記撮像対象物の分光反射率と、前記複数の画像の撮像時における撮像光源の分光分布を推定する分光画像推定システムであり、
    複数の種類の光源における分光分布を表現するための基底ベクトル群を示す分光分布基底ベクトル群を取得する光源データ取得部と、
    複数の種類の対象物における分光反射率を表現するための基底ベクトル群を示す第1分光反射率基底ベクトル群を取得する対象物データ取得部と、
    前記分光分布基底ベクトル群、前記第1分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する分光情報推定部と、
    前記分光情報推定部により推定された前記撮像対象物の分光反射率から、前記撮像対象物の種類を特定する対象物種類特定部と、
    を備え、
    前記対象物データ取得部は、前記対象物種類特定部により特定された前記撮像対象物の種類に基づいて、特定種類の対象物における分光反射率を表現するための基底ベクトル群を示す第2分光反射率基底ベクトル群を取得し、
    前記分光情報推定部は、前記分光分布基底ベクトル群、前記第2分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する、
    ことを特徴とする分光画像推定システム。
  7. 同一の撮像対象物を撮像した、分光感度が異なる複数の画像から、前記撮像対象物の分光反射率と、前記複数の画像の撮像時における撮像光源の分光分布を推定する分光画像推定システムであり、
    複数の種類の光源の分光分布を表現するための基底ベクトル群を示す第1分光分布基底ベクトル群を取得する光源データ取得部と、
    複数の種類の対象物における分光反射率を表現するための基底ベクトル群を示す第1分光反射率基底ベクトル群を取得する対象物データ取得部と、
    前記第1分光分布基底ベクトル群、前記第1分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する分光情報推定部と、
    前記分光情報推定部により推定された前記撮像光源の分光分布から、前記撮像光源の種類を特定する光源種類特定部と、
    前記分光情報推定部により推定された前記撮像対象物の分光反射率から、前記撮像対象物の種類を特定する対象物種類特定部と、
    を備え、
    前記光源データ取得部は、前記光源種類特定部により特定された前記撮像光源の種類に基づいて、特定種類の光源の分光分布を表現するための基底ベクトル群を示す第2分光分布基底ベクトル群を取得し、
    前記対象物データ取得部は、前記対象物種類特定部により特定された前記撮像対象物の種類に基づいて、特定種類の対象物における分光反射率を表現するための基底ベクトル群を示す第2分光反射率基底ベクトル群を取得し、
    前記分光情報推定部は、前記第2分光分布基底ベクトル群、前記第2分光反射率基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する、
    ことを特徴とする分光画像推定システム。
  8. 前記光源種類特定部は、光源の種類と当該光源の分光分布とを対応付けて学習した学習済みモデルに、前記分光情報推定部により推定された前記撮像光源の分光分布を入力することにより前記撮像光源の種類を特定する、
    請求項1、請求項3、請求項5、及び請求項7の何れか一項に記載の分光画像推定システム。
  9. 前記対象物種類特定部は、対象物の種類と当該対象物の分光反射率とを対応付けて学習した学習済みモデルに、前記分光情報推定部により推定された前記撮像対象物の分光反射率を入力することにより前記撮像対象物の種類を特定する、
    請求項2、請求項3、請求項6、及び請求項7の何れか一項に記載の分光画像推定システム。
  10. 前記光源種類特定部は、光源の種類毎に当該光源の代表とする代表分光分布を算出し、前記分光情報推定部により推定された前記撮像光源の分光分布と前記代表分光分布との類似度を算出することにより前記撮像光源の種類を特定する、
    請求項1、請求項3、請求項5、及び請求項7の何れか一項に記載の分光画像推定システム。
  11. 前記対象物種類特定部は、対象物の種類毎に当該対象物の代表的な分光反射率を算出し、前記分光情報推定部により推定された前記撮像対象物の分光反射率と前記代表的な分光反射率との類似度を算出することにより前記撮像対象物の種類を特定する、
    請求項2、請求項3、請求項6、及び請求項7の何れか一項に記載の分光画像推定システム。
  12. 前記複数の画像は、分光感度の異なる複数の撮像装置により撮像された画像である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項11の何れか一項に記載の分光画像推定システム。
  13. 前記複数の画像は、撮像装置に分光透過特性の異なる複数のレンズフィルタの各々を装着させた状態で撮像された画像である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項11の何れか一項に記載の分光画像推定システム。
  14. 前記複数の画像を同一の視点から撮影された画像に変換する画像変換部、を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1から請求項13の何れか一項に記載の分光画像推定システム。
  15. 前記画像変換部は、前記複数の画像の各々における複数の対応点の座標を求め、複数の対応点座標に基づき推定された射影変換行列を用いて、前記複数の画像の各々を射影変換することで、前記複数の画像を同一の視点から撮影された画像に変換する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の分光画像推定システム。
  16. 同一の撮像対象物を撮像した、分光感度が異なる複数の画像から、前記撮像対象物の分光反射率と、前記複数の画像における撮像時の撮像光源の分光分布を推定する分光画像推定システムであって、光源の分光分布を示す分光分布データを記憶する光源データ記憶部と、対象物の分光反射率を示す分光反射率データを記憶する対象物データ記憶部と、を備える分光画像推定システムにおける分光画像推定方法であり、
    光源データ取得部が、前記光源データ記憶部から、複数の種類の光源における前記分光分布データの集合である第1分光分布データ群を取得する第1光源データ取得工程と、
    対象物データ取得部が、前記対象物データ記憶部から、複数の種類の対象物における前記分光反射率データの集合である分光反射率データ群を取得する対象物データ取得工程と、
    基底ベクトル導出部が、前記第1分光分布データ群、及び前記分光反射率データ群から、第1基底ベクトル群を導出する第1基底ベクトル群導出工程と、
    分光情報推定部が、前記第1基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する第1分光情報推定工程と、
    光源種類特定部が、前記分光情報推定部により推定された前記撮像光源の分光分布から、前記撮像光源の種類を特定する光源種類特定工程と、
    前記光源データ取得部が、前記光源種類特定部により特定された前記撮像光源の種類に基づいて、前記光源データ記憶部から特定種類の光源における前記分光分布データの集合である第2分光分布データ群を取得する第2光源データ取得工程と、
    前記基底ベクトル導出部が、前記第2分光分布データ群、及び前記分光反射率データ群から、第2基底ベクトル群を導出する第2基底ベクトル群導出工程と、
    前記分光情報推定部が、前記第2基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する第1分光情報推定工程と、
    を有することを特徴とする分光画像推定方法。
  17. 同一の撮像対象物を撮像した、分光感度が異なる複数の画像から、前記撮像対象物の分光反射率と、前記複数の画像における撮像時の撮像光源の分光分布を推定する分光画像推定システムであって、光源の分光分布を示す分光分布データを記憶する光源データ記憶部と、対象物の分光反射率を示す分光反射率データを記憶する対象物データ記憶部と、を備える分光画像推定システムに用いられるコンピュータを、
    前記光源データ記憶部から、複数の種類の光源における前記分光分布データの集合である第1分光分布データ群を取得する第1光源データ取得手段と、
    前記対象物データ記憶部から、複数の種類の対象物における前記分光反射率データの集合である分光反射率データ群を取得する対象物データ取得手段と、
    前記第1分光分布データ群、及び前記分光反射率データ群から、第1基底ベクトル群を導出する第1基底ベクトル導出手段と、
    前記第1基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する第1分光情報推定手段と、
    前記第1分光情報推定手段により推定された前記撮像光源の分光分布から、前記撮像光源の種類を特定する光源種類特定手段と、
    前記光源種類特定手段より特定された前記撮像光源の種類に基づいて、前記光源データ記憶部から特定種類の光源における前記分光分布データの集合である第2分光分布データ群を取得する第2光源データ取得手段と、
    前記第2分光分布データ群、及び前記分光反射率データ群から、第2基底ベクトル群を導出する第2基底ベクトル群導出手段と、
    前記第2基底ベクトル群、前記複数の画像、及び当該画像の各々における分光感度から、前記撮像光源の分光分布、及び前記撮像対象物の分光反射率を推定する第1分光情報推定手段と、
    として機能させるためのプログラム。
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