JP7199179B2 - 診断装置および診断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、診断装置および診断方法に関する。
生産設備として設置された機器が突発故障すると、計画外の修理作業や置換作業が必要となり、生産設備の稼働率低下や生産計画の見直しが必要となる。そのため、故障の兆候を調べることで故障する可能性が高い装置に対して、予め交換部品を用意するか、あるいは修理の予定を計画しておくことができれば、生産設備の稼働率低下や生産計画の見直しを最低限に抑えることが可能になる。また、生産設備のモータ(電動機)や発電機といった回転機に対しても、同様に故障の兆候を調べて交換部品の用意又は修理の予定を計画できれば、生産設備の稼働率低下や生産計画の見直しを最低限に抑えることが可能となる。
回転機システムの突発故障を未然に防ぐための方法としては、例えば、回転機システムの各部位に振動センサを取り付けて、振動実効値の増加を調べる、または振動の特徴周波数成分の増加を調べることが知られている。ここでの回転機システムとは、回転機とその付帯機器であり、付帯機器としては、電力変換装置、ギア、カップリング、負荷装置などがある。このように回転機システムの各部位に振動センサを取り付けて振動状況を測定することで、各部位の劣化状態を診断し突発故障をある程度防ぐことができる。
しかしながら、振動センサが測定するセンサ値は、劣化度合いだけでなく、運転状態によっても値が変化し、初期の劣化は、運転状態の変化によるセンサ値の変化に埋もれてしまうという問題があった。
そこで、より初期の段階で診断するには、運転状態の変動に埋もれた状態量の変化を検知する必要がある。そのため、運転状態を考慮した機器の異常の度合いの診断方法が検討されている。診断方法の一例としては、計測データを実効値や平均値に変換した上で、正常データに対して多変量空間上でデータをクラスタリングし、最近接のクラスタの中心からの距離をもとに機器の異常の度合いを可視化するという方法が提案されている。
これらの診断方法では、実効値や平均値などに変換した値を用いることが一般的である。ところが、実効値や平均値に変換した値では、劣化特徴量の検出感度が低いことが問題である。特に初期劣化では、運転状態の変化による診断特徴量の変化が、劣化による診断特徴量の変化と比較して十分小さいため、多変量空間上での正常クラスタとの距離等を尺度とした、劣化診断方法では、劣化初期の検知は困難である。
そこで、劣化の初期検知という観点では、運転状態毎にデータを分類した上で、状態を診断することが必要である。あるいは、特定の運転状態のデータのみを切り出して、診断することが重要である。これらの診断方法については、特許文献1に記載されている。
特開2009-270843公報
特許文献1に記載される従来の診断技術では、診断に使用する領域の選定は、人の手で作成されたアルゴリズムによりシステムに実装されてきた。例えば、劣化の状態がある閾値を超えたことをトリガとして、その後、設定された期間(例えば数十秒間)のデータを取得するという設定が考えられるが、運転パターンが複雑になるほど、アルゴリズムが複雑化するという問題も生じる。また、機器によって着目すべき運転状態が異なる場合には、ソフトウェア構築の知識を持った作業員が機器毎にアルゴリズムを考えて実装し、テストするといった工数が発生する。
本発明は、ソフトウェア構築の知識を持った作業員を必ずしも必要することなく、計測データから特定の運転パターンのデータを抽出して適切に診断ができる診断装置および診断方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、対象機器の状態を計測した計測データを取得する計測部と、計測部で取得した対象機器の計測データから特定範囲を切り出して抽出データを得る抽出部と、抽出部で得られた抽出データと、予め保存した学習済診断モデルで対象機器の状態を診断する診断部と、計測部で得られた計測データから特定範囲のデータを選択する範囲選択部と、計測データに基づいて、特定の運転条件のデータの抽出可否を検証する抽出動作検証部と、範囲選択部で選択された計測データの特徴を探索すると共に抽出動作検証部での検証結果に基づいて探索が制御される特徴探索部と、特徴探索部で探索された計測データの特徴に基づいて得られた学習済範囲選択モデルを格納する学習済範囲選択モデル格納部を備える。そして、抽出部は、学習済範囲選択モデル格納部が格納した学習済範囲選択モデルを使って抽出データを得ると共に、特徴探索部は、特定の運転条件のデータを抽出する際にニューラルネットワークを用いて分類するようにした。
本発明によれば、ソフトウェア構築の知識を持った作業員を必ずしも必要とせず、計測データから特定の運転パターンのデータを抽出して的確な診断をすることができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
一般的な従来手法の診断装置の構成例を示すブロック図である。 各運転条件におけるトルク電流の概略を示す特性図である。 従来手法による診断装置の別の構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態例による診断装置の構成例を示すブロック図である。 診断装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態例による特徴探索部の分類結果の例を示す特性図である。 モータトルク電流の周波数スペクトルの概略を示す特性図である。 本発明の第1の実施の形態例による診断結果の例を示す特性図。 本発明の第2の実施の形態例による診断装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態例による特徴探索部の分類結果の例を示す特性図である。 本発明の第3の実施の形態例による診断装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第4の実施の形態例による診断装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第5の実施の形態例による診断装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第6の実施の形態例による診断装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第7の実施の形態例による診断装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第8の実施の形態例による診断装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第8の実施の形態例による抽出動作検証部の表示画面の例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態例を説明する。
最初に、実施の形態例を説明する上で前提となる従来技術について、図1~図4を参照して説明する。なお、従来技術を説明する図1~図4と、実施の形態例を説明する図5以降の図とで、共通する部分には同一の符号を付し、重複説明は省略する。
[本実施の形態例で前提となる従来技術]
図1は、従来の診断装置100xの構成例を示す。
ここでは、インバータである電力変換装置1に回転機(モータ)2が接続され、電力変換装置1から回転機2に供給される電力(三相交流電力など)により回転機2が回転する。回転機2と負荷装置3とは機械的に接続されている。回転機2と負荷装置3との機械的な接続としては、回転機2の回転軸を負荷装置3に直結する方法や、回転機2の回転軸を、ギアを介して負荷装置3に接続する方法等が考えられる。
電力変換装置1には、診断装置100xが接続されている。診断装置100xは、例えば電力変換装置1から回転機2に供給するトルク電流の経時的な変化を計測して、機器(ここでは回転機2)の状態を診断する。
すなわち、診断装置100xの計測部4は、電力変換装置1から回転機2に供給する電流や電圧の計測値を取得する。そして、診断装置100aが備える診断部5が、計測部4が取得したトルク電流の計測値から、回転機2の状態を診断する。ここで、診断装置100xは、学習済診断モデル格納部8を備え、診断部5は、学習済診断モデル格納部8に格納された学習済診断モデルを使って診断を行う。
ここで、学習済診断モデル格納部8に格納された学習済診断モデルを使って、診断部5が診断を行う従来の例について、図2を参照して説明する。
図2は、正常運転時と故障直前における、回転機2のトルク電流の実測値の変化を示す。図2の縦軸はトルク電流(A)、横軸は時間である。図2に示すトルク電流の実測値は、運転条件a1~a8の8種類の運転条件で運転した際の値である。ここで、運転条件a2は、定常状態の運転であり、図2に示す区間中には、この運転条件a2の定常状態が4回発生(運転条件a2-1、a2-2、a2-3、a2-4の状態)している。
回転機2のトルク電流の値は、回転機2の制御条件および負荷条件により変化し、一般的にその変化は劣化に起因するモータ電流の変化と比較して大きい。図2では、運転条件a8で運転していた途中でモータ電流が急激に変化し、モータ故障に至った例を示している。この場合、学習済診断モデル格納部8に格納された学習済診断モデルとして、トルク電流の閾値を適切に設定し、その閾値を超えたと診断部5が診断したとき、回転機2を緊急停止することが考えられる。
回転機2を緊急停止させる閾値としては、例えば図2に示すように、通常時には存在しないような大きな電流値の閾値TH1に設定することが考えられる。例えば、閾値TH1は、定格運転電流の数倍の値に設定される。しかしながら、閾値TH1の値が大きすぎた場合、回転機2を停止させるのが遅れ、故障状態のままで回転機2の回転がある程度行われて、好ましくない運転が行われてしまう場合がある。
一方、閾値TH1よりも小さな値の閾値TH2を設定したときには、運転条件によってトルク電流がもともと大きい運転条件も存在するため、通常の運転時にも故障と誤診断されてしまう可能性がある。すなわち、図2に示す閾値TH2は、運転条件a7でのトルク電流値よりも小さな値に設定されており、運転条件a7での運転が故障と誤診断されるおそれがある。
そこで、運転条件ごとに異なる閾値を設定する方法が考えられている。
図3は、従来の別の構成の診断装置100yを示す。
図3に示す診断装置100yの場合には、運転条件ごとに閾値を設定するようにしたものである。
図3に示す診断装置100yは、計測部4が取得した計測データを抽出部6に供給する。抽出部6は、抽出条件格納部9に格納された抽出条件に合致する計測データを抽出する抽出処理を行う。すなわち、抽出条件格納部9に格納される抽出条件は、プログラムのコードで定義され、その抽出条件に基づいて、特定の運転パターンに合致する計測データを抽出部6で抽出する。
抽出部6が抽出した抽出データ(計測データ)は、抽出データ格納部7に格納される。この抽出データ格納部7に格納された抽出データは、診断部5に供給され、診断部5は、学習済診断モデル格納部8に格納された学習済診断モデルを用いて診断処理を行う。
この図3に示す構成の診断装置100yによると、図1に示す診断装置100xと比較して、より初期にモータの異常を検知することができる。しかしながら、診断装置100yの場合、抽出部6が抽出を行う抽出条件である、特定の運転パターンを切り出す条件をソフトウェア的に定義する必要がある。ここで、回転機2などの機器の動作パターンは、機器を設置した工場などにより様々な条件が考えられ、ソフトウェア構築の知識を持った作業員が、個別に抽出条件を定義する作業を行う必要がある。以下に説明する本実施の形態例では、このようなソフトウェア構築の知識を持った作業員がソフトウェア的に定義する作業を行うことなく、最適な診断を行えるようにしたものである。
[第1の実施の形態例]
次に、本発明の第1の実施の形態例について、図4~図8を参照して説明する。
図4は、第1の実施の形態例の診断装置100aの構成を示す。
診断装置100aが計測部4、抽出部6、抽出データ格納部7、診断部5、および学習済診断モデル格納部8を備える点は、図3に示す診断装置100yと同じである。
本実施の形態例の診断装置100aは、さらに、計測データ格納部10、範囲選択部11、特徴探索部12、および学習済範囲選択モデル格納部13を備える。
ここでの計測部4は、インバータである電力変換装置1の内部値である計測データを取得する。この計測データの具体例については後述する。
計測データ格納部10には、計測部4が取得した計測データが格納される。
範囲選択部11は、特定の運転パターンの計測データを選択する範囲選択処理を行う。特定の運転パターンの計測データとしては、例えば、図2に示す運転条件a2-1から運転条件a3に遷移する過渡状態のデータや、図2に示す運転条件a2-1~a2-4のような定常状態のデータを選択する。
ここで、好ましい定常状態とは、例えば一定速度で、一定負荷の条件で駆動している状態である。さらに、より好ましくは、一定速度で、アンロード(無負荷)の状態の定常状態である。
範囲選択部11は、このような特定の運転パターンの計測データを、例えば診断を行うユーザによる手作業での指示で切り出す。
特徴探索部12は、範囲選択部11で切り出された計測データから、運転条件に対応する特徴を探索する特徴探索処理を行う。例えば、特徴探索部12は、図2に示す運転条件a2-1~a2-4の定常状態に対応する特徴を探索する。
特徴探索部12での探索には、一般的な機械学習の手法が用いられる。例えば、過渡状態のデータに対しては、RNN(Recurrent Neural Networks:再帰型ニューラルネットワーク)と呼ばれる数値の時系列データなどのシーケンシャルデータのパターンを認識するように設計されたニューラルネットワークのモデルを用いることができる。また、定常状態のデータに対しては、RNNの他、k平均法(k-means)と呼ばれる手法などを用いることができる。
ここで、k平均法を用いた場合の、特徴探索部12での処理動作について説明する。特徴探索部12は、各運転条件におけるデータを多変量空間上にプロットし、クラスタ解析をすることで、運転状態毎の特徴を探索する。ここでは、一般化して説明するために、トルク電流と速度フィードバック値の2つのパラメータで特徴量を探索した場合について説明する。なお、速度フィードバック値は、電力変換装置1から計測部4が取得するパラメータの1つである。この2つのパラメータから特徴量を探索するのは一例であり、パラメータの数は1個であってもよく、あるいは3個以上の数のパラメータであってもよい。但し、パラメータ数が増える場合は、特徴量探索に必要な計測データのデータ量が増える。バラメータの数は、診断対象に合わせて、ドメイン知識を元に、適切な数に設定する必要がある。
学習済範囲選択モデル格納部13には、特徴探索部12が探索した特徴量のデータである、学習済範囲選択モデルのデータが格納される。
そして、抽出部6は、計測部4が取得した計測データに対して、学習済範囲選択モデル格納部13に格納された学習済範囲選択モデルで定めたパラメータに収まるデータのみを、抽出データとして取り出す。なお、抽出部6で抽出されるデータは、あるクラスタに時系列的に連続して収まっている必要がある。
抽出部6が取り出した抽出データが、抽出データ格納部7に格納される。
そして、診断部5は、抽出データ格納部7に格納された計測データに基づいて診断を行う。この診断には、学習済診断モデル格納部8に格納された学習済診断モデルが用いられる。
図4に示す診断装置100aは、例えば、図5に示すコンピュータにより構成することができる。
図5に示すコンピュータは、バス108にそれぞれ接続されたCPU(Control Processing Unit:中央処理装置)101、ROM(Read Only Memory)102、およびRAM(Random Access Memory)103を備える。さらに、コンピュータは、記憶装置104、操作部105、表示部106、および通信インターフェース107を備える。
CPU101は、診断装置100aが行う機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM102から読み出して実行する演算処理部である。
RAM103には、演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれる。診断装置100aによる制御処理の実行は、主にCPU101がプログラムコードを実行することにより実現される。
操作部105には、例えば、キーボード、マウスなどが用いられ、ユーザは操作部105を用いて所定の入力を行う。
表示部106は、例えば、液晶ディスプレイモニタであり、この表示部106によりコンピュータで実行される制御処理の結果がユーザに表示される。但し、図5に示すようにコンピュータが操作部105や表示部106を備えるのは一例であり、コンピュータは、操作部105および表示部106のいずれか一方、または双方を備えない構成としてもよい。
記憶装置104には、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの大容量データ記憶媒体が用いられる。記憶装置104には、制御処理を行うプログラム、計測データ、学習済診断モデル、学習済範囲選択モデルなどが記録される。
通信インターフェース107には、例えば、NIC(Network Interface Card)などが用いられる。通信インターフェース107は、端子が接続されたLAN(Local Area Network)、専用線などを介して外部と各種データの送受信を行う。
なお、診断装置100aをコンピュータで構成するのは一例であり、コンピュータ以外のその他の装置で構成してもよい。例えば、診断装置100aが行う機能の一部または全部を、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアによって実現してもよい。
次に、本実施の形態例の診断装置100aが行う処理の具体例について説明する。
図6は、計測部4で得られた計測データの内のトルク電流を縦軸、速度フィードバックを横軸にしてプロットした図である。速度フィードバックの値は、インバータである電力変換装置1の速度制御値である。この図6は、図2に示す運転状態での計測結果を示す。
この図6において、×印で示す計測データは、図2の運転状態の内の運転条件a2-1~a2-4での計測データである。また、黒丸の印で示す計測データは、その他の運転条件(a1、a3~a8)での計測データである。
ここでは、特徴探索部12は、k平均法により、計測データを複数のクラスタに分類する。すなわち、運転条件a2-1~a2-4の計測データのクラスタc1と、その他の運転条件でのクラスタc2~c7に分類する。
例えば、クラスタc1には、運転条件a2-1~a2-4で得た計測データt1,t2,t3が含まれている。なお、計測データには、いずれのクラスタc1~c7からも外れたデータta,tbのようなデータも存在する。
また、トルク電流と速度フィードバック値がいずれもほぼ0である、クラスc0の計測データは、回転機2が停止状態でのデータである。
特徴探索部12は、この図6に示す各クラスタc1~c7の中心座標と分散のパラメータを探索し、この探索した中心座標と分散のパラメータを学習済範囲選択モデルとして、学習済範囲選択モデル格納部13に格納する。
抽出部6は、学習済範囲選択モデル格納部13が格納した学習済範囲選択モデルで定めたパラメータに収まるデータのみを計測データから抽出し、得られた抽出データを抽出データ格納部7に格納する。このとき、抽出部6で抽出されるデータは、あるクラスタに時系列的に連続して収まっている必要がある。例えば、図6に示す計測データt1,t2,t3が、時系列的に連続して計測されたデータである場合に、抽出部6は、この計測データt1,t2,t3を抽出する。
診断部5では、抽出データ格納部7に格納された抽出データから劣化状態に起因する情報を取り出す。劣化状態に関する情報が重畳するのは周波数特性、例えば電流の特定周波数成分や、特定の運転パターンでの駆動時におけるデータの特徴量、例えば運転直後の電流最大値などが挙げられる。周波数特性として現れる計測データとしては、振動センサや電流センサで得られる計測データがある。以下、振動センサや電流センサを使用した例を説明する。
振動センサが計測する振動については、振動の周波数特性で、対象設備の機械的な構造に起因する振動パターンが出現することが知られている。回転機(モータ)の軸受劣化を例に説明すると、例えば、軸受内輪傷の場合、軸受の寸法や軸受球の数等で周期的な振動が発生する。また、電流センサが計測する電流では、劣化特徴量は、以下の(1)式で表され、軸受の劣化、ギアやカップリングの損傷、あるいは負荷装置の異常などを診断することが可能となる。(1)式において、fcは電流の劣化特徴周波数、f0は電流の基本波周波数、fmは機械的な振動の周波数である。例えば、軸受内輪傷の場合、軸受の寸法や軸受球の数等で周期的な振動が発生し、それに起因する振動が電流の基本波周波数の側帯波として現れることが知られている。なお、本手法は、Motor Current Signature Analysis(MCSA)と呼ばれている。
=|f±f| ・・・・・ (1)
また、回転機2に接続された電力変換装置1の制御用の内部値を診断に活用することもできる。この場合、回転機2などで構成されるシステムの機械的な劣化が、電力変換装置1の内部値のうち、トルク電流成分において、劣化部位に応じた特定周波数成分の振動が発生することが知られている。さらに、劣化部位に応じた特定周波数成分の経時変化により、劣化部位毎の劣化状態の傾向を監視することもできる。
このような周波数解析手法は、劣化に起因する情報が周期的に重畳する全ての現象に対して適用することができる。劣化に関係する振動、電流または電力変換装置の内部値のトルク電流などに限定されない。例えば、温度や圧力を一定に制御するような装置に対して、異常が発生して外部からの周期的な外乱により、温度や圧力の上昇や低下が発生することがある。その場合、正常状態では直流値のみが出力されるのに対して、異常に起因する周期的な外乱はある特定の周波数成分の温度または圧力の変動として観察される。したがって、特定周波数成分の増加を確認することで、本来であれば温度や圧力が一定値に制御されるような系に対する異常の発生を初期の段階で検知することが可能になる。
本実施の形態例の診断装置100aの診断部5は、トルク電流に対して周波数特性を解析し、学習済診断モデルを用いて対象設備の状態を診断する。診断結果をユーザに伝える手段としては、ディスプレーによる表示の他、ランプの点灯、メールでの通知等が挙げられる。
診断結果を伝達する際には、例えば、以下の(1)、(2)、(3)の手法が適用可能である。すなわち、(1)劣化特徴周波数の振幅を画面に表示してユーザに対応有無を判断させる手法、(2)劣化特徴周波数の振幅変化を何らかの処理を加え求めた値でユーザに伝える手法、(3)予め定めた閾値を超えた場合にユーザに通知する方法、等が考えられる。
劣化特徴周波数の振幅変化に何らかの処理を加えて求めた値をユーザに伝える場合、処理方法は特に限定されないが、例えば機械学習が挙げられる。機械学習のアルゴリズムは特に限定されず、正常状態と劣化状態の差異が鮮明に判別できる手法を採用すればよい。以下、具体的に、処理方法の一例を説明する。
図7は、縦軸をトルク電流、横軸を周波数とした測定データの例を示す。ここでの周波数スペクトルは、図2に示す運転条件a2-1~a2-4での特性である。
図7の(a)は、正常時の運転条件a2-1~a2-4での特性x1を示し、図7の(b)は、故障直前の運転条件a2-1~a2-4での特性x2を示す。
正常時の特性x1と、故障直前の特性x2とを比較すると、故障直前のトルク電流の周波数特性x2には、回転機の回転周波数および外輪傷に対応する周波数成分のピークx2-1,x2-2が発生することが判る。このピークx2-1,x2-2が発生する周波数が、機械的な劣化周波数に対応している。
ここで、回転機2の回転周波数のピークx2-1,x2-2の振幅を各軸に取り、各軸の平均値を結んだ異常度0の平面からの距離で、異常度を定義する。ここで、距離の算出方法は、正常と定義したデータ範囲における各周波数成分の振幅を分散で割った値から算出すればよい。
劣化特徴周波数に入力する周波数としては、予め実測し求めた周波数を用いてもよい。あるいは、機械部品の幾何学的な形状から求まユーザる機械振動周波数を設定してもよい。さらにまた、製品型番と周波数の関係を予めテーブル化しておき、製品型番を入力することで代替してもよい。例えば、軸受の傷に対応した周波数は以下の表1に示すように、劣化部位ごとの劣化特徴周波数を示す式で表される。
表1に示す各式において、fはモータ軸受の回転周波数、nは球数、bdは球経、pdはピッチ径、βは接触角である。診断に入力する周波数は1つでもよいが、考えられる周波数成分を複数入力してもよい。あるいは、劣化特徴周波数の高次成分を入力してもよい。
Figure 0007199179000001
なお、ベアリングの初期劣化に対しては、特定の周波数の成分が増加するのではなく、数kHzから数100kHz程度の高周波成分の振動成分が増加することが知られており、その場合は単一の周波数だけではなく、複数の周波数成分を用いることが望ましい。例えば、1kHz、5kHz、10kHz、50kHz、100kHz等と、任意に定めた周波数成分を用いればよい。また、徐々に進行する劣化だけでなく、軸のミスアライメント等、設置不良に関する周波数成分(10Hから100Hz程度)を入力としてもよい。
図8は、異常度の解析結果の例を示す。図8の縦軸は異常度を示し、上に行くほど異常度が高いことを示す。横軸は時間である。
図8は、図2に示す運転条件a2-1~a2-4での異常度の変化を示している。正常時の運転条件a2-1およびa2-2では、異常度がほぼ0に近い値であり、診断部5は、異常がないと診断することができる。
一方、故障直前の運転条件a2-3およびa2-4では、異常度が高くなり、診断部5は、故障直前などと診断する。
このように、本実施の形態例の診断装置100aによると、感度よく機器の状態を診断することができる。
したがって、診断装置100aは、ユーザが範囲選択部11で特定の運転パターンのトルク電流のデータを選ぶ作業を行うだけで、診断に必要な計測データを抽出することができる。このため、診断する作業者がソフトウェアを機器に合わせて修正する作業を必要とすることなく、高精度に対象機器の状態を診断することができるようになる。
なお、診断に用いる周波数は、回転周波数および外輪傷に対応する周波数に限定されず、対象設備の振動周波数に対応する成分や、過去のノウハウに応じて決めた周波数成分などを用いることができる。
[第2の実施の形態例]
次に、本発明の第2の実施の形態例について、図9~図10を参照して説明する。
図9は、第2の実施の形態例の診断装置100bの構成を示す。
診断装置100bは、第1の実施の形態例の診断装置100aと同様に、計測部4、抽出部6、抽出データ格納部7、診断部5、学習済診断モデル格納部8、計測データ格納部10、範囲選択部11、特徴探索部12、および学習済範囲選択モデル格納部13を備える。
そして、本実施の形態例の診断装置100bは、計測部4が、電力変換装置1の計測データの他に、生産管理装置14からの情報を取得する点が、第1の実施の形態例の診断装置100aと異なっている。
第1の実施の形態例の診断装置100aでは、トルク電流と速度フィードバックの2つから特徴探索を行ったが、トルク電流と速度フィードバックなど、インバータの内部値だけでは、運転条件の変化が見えにくい場合がある。
ここで、本実施の形態例の診断装置100bは、プロセスコンピュータやビジネスコンピュータなどの生産管理装置14から取得した情報を計測データとして用いている。生産管理装置14から得られる情報としては、例えば負荷装置3が鉄鋼向けプラントの場合には、鋼種の情報、板厚、板幅などの情報が挙げられる。これらのパラメータを元に、抽出部5は、診断に用いる範囲を選択する。
図10は、縦軸を板幅(mm)、横軸を板厚(mm)として、負荷装置3により生産された鉄板の状態を示す。
図10でも、図2と同様に、範囲選択部11で選択した、定常状態である運転条件a2-1~a2-4に対応する領域は×印で示され、その他の運転状態の領域は黒丸印で示されている。
診断装置100bの特徴探索部12は、この図10に示す各値をk平均法により複数のクラスタc11~c17に分類する。なお、いずれのクラスタにも属さない情報txも存在する。
そして、診断装置100bの特徴探索部12は、定常状態である運転条件a2-1~a2-4に対応するクラスタc12の中心座標とそのクラスタc12の分散のパラメータを、学習済範囲選択モデルとする。このようにして得られた学習済範囲選択モデルは、学習済範囲選択モデル格納部13に格納される。
抽出部6は、計測部4で得られた計測データに対して、学習済範囲選択モデル格納部13に格納された学習済範囲選択モデルで定めたパラメータに収まるデータに対応した診断用のセンサデータのみを、抽出データとして取り出す。そして、抽出部6は、取り出された抽出データを抽出データ格納部7に格納する。この抽出データは、第1の実施の形態例の診断装置100aでの抽出データと同様に、あるクラスタに連続して収まっているデータである必要がある。
診断装置100aの診断部5は、このようにして得られたデータを使って診断することで、第1の実施の形態例の診断装置100aの診断部5で診断した場合と同様に、対象設備の故障直前などの状態が的確に診断できる。
なお、運転条件の分類と診断用のパラメータは、別の値であってもよい。ここで、運転条件の分類には、運転条件の違いが顕著に現れるパラメータを選定し、診断用には劣化の特徴量が顕著に現れるパラメータを選定することが望ましい。
[第3の実施の形態例]
次に、本発明の第3の実施の形態例について、図11を参照して説明する。
図11は、第3の実施の形態例の診断装置100cの構成を示す。
診断装置100cは、第1の実施の形態例の診断装置100aと同様に、計測部4、抽出部6、抽出データ格納部7、診断部5、学習済診断モデル格納部8、計測データ格納部10、範囲選択部11、特徴探索部12、および学習済範囲選択モデル格納部13を備える。さらに本実施の形態例の診断装置100cは、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)15を備える。
PLC15は、データ収集機能を有し、電力変換装置1および/または生産管理装置14から計測データを収集し、収集したデータを集約する処理を行う。
PLC15に集約されている計測データは、計測部4に供給される。
そして、計測部4は、PLC15に保存されている範囲内の過去のデータから、診断用の計測データを取得する。
また、PLC15は、電力変換装置1から得た計測データと、生産管理装置14から得た計測データとについて、時刻同期が取れた状態とすることができ、これにより運転条件の判別と診断用のデータの結びつけが容易にできるようになる。
このように、PLC15を備えた診断装置100cによって、対象設備の故障直前などの状態を的確に診断することができる。
[第4の実施の形態例]
次に、本発明の第4の実施の形態例について、図12を参照して説明する。
図12は、第4の実施の形態例の診断装置100dの構成を示す。
診断装置100dは、第1の実施の形態例の診断装置100aと同様に、計測部4、抽出部6、抽出データ格納部7、診断部5、学習済診断モデル格納部8、計測データ格納部10、範囲選択部11、特徴探索部12、および学習済範囲選択モデル格納部13を備える。
そして、診断装置100dの計測部4は、電力変換装置1から回転機2に供給される3相の電源供給ラインの内の、1相のラインに設けた電流センサ16aで検出した電流値を、計測データとして取得する。電流センサ16aで得られる電流値の変化は、3相交流のうちの1相の負荷電流波形の変化である。
特徴探索部12では、電流波形の基本波周波数と、電流波形の振幅との2つの軸でプロットした特性から特徴を探索して、データを分類する。あるいは、特徴探索部12は、電流波形の複数の周波数成分の周波数、例えば基本波周波数とキャリア周波数と、それらの周波数成分の振幅の多変量空間でデータを分類する。
そして、特徴探索部12は、分類したデータから、特定の運転条件の電流波形を取り出し、学習済範囲選択モデルを構築し、構築した学習済範囲選択モデルを学習済範囲選択モデル格納部13に格納する。
このように、計測データとして電流波形を取得する診断装置100dによって、対象設備の故障直前などの状態を的確に診断することができる。
[第5の実施の形態例]
次に、本発明の第5の実施の形態例について、図13を参照して説明する。
図13は、第5の実施の形態例の診断装置100eの構成を示す。
診断装置100eは、第1の実施の形態例の診断装置100aと同様に、計測部4、抽出部6、抽出データ格納部7、診断部5、学習済診断モデル格納部8、計測データ格納部10、範囲選択部11、特徴探索部12、および学習済範囲選択モデル格納部13を備える。
そして、診断装置100eの計測部4は、電力変換装置1から回転機2に供給される3相の電源供給ラインのうち、2相のラインに設けた電流センサ16a,16bで検出した2相の電流値を計測データとして取得する。電流センサ16a,16bで得られる電流値の変化は、3相交流の内の2相の負荷電流波形の変化である。
さらに、図13の例では、電力変換装置1から回転機2に供給される3相の電源供給ラインのうちの1相のラインに電圧センサ17aを設けられている。そして、計測部4は、電圧センサ17aで検出した電圧値を計測データとして取得している。なお、電圧センサ17aからの電圧値は取得せず、電流センサ16a,16bで検出した2相の電流値のみを、計測部4が計測データとして取得してもよい。
そして、計測部4では、座標変換により電力変換装置1の内部値に相当するトルク電流と励磁電流の両方またはいずれか一方を算出する。この計測部4で得られたトルク電流および/または励磁電流を、計測データ格納部10に格納すると共に、学習済範囲選択モデルに基づいて抽出部6で抽出する。診断部5は、この抽出したトルク電流および/または励磁電流に基づいて診断処理を行う。
これにより、電力変換装置1の内部値を計測することが機器構成の関係で困難な場合であっても、ソフトウェア構築の知識を持った作業員を必ずしも必要とせず、計測データから特定の運転パターンのデータを抽出することができる。
[第6の実施の形態例]
次に、本発明の第6の実施の形態例について、図14を参照して説明する。
図14は、第6の実施の形態例の診断装置100fの構成を示す。
診断装置100fは、第1の実施の形態例の診断装置100aと同様に、計測部4、抽出部6、抽出データ格納部7、診断部5、学習済診断モデル格納部8、計測データ格納部10、範囲選択部11、特徴探索部12、および学習済範囲選択モデル格納部13を備える。
そして、診断装置100fの計測部4は、電力変換装置1から回転機2に供給される3相の電源供給ラインのうち、1相のラインに設けた電流センサ16aで検出した1相の電流値を計測データとして取得する。ここまでは図12に示す第4の実施形態例と同じである。
図14に示す第6の実施形態例では、さらに、電力変換装置1から回転機2に供給される3相の電源供給ラインに、零相電流センサ18を設けており、計測部4は、この零相電流センサ18で検出した零相電流値を計測データとして取得している。なお、電流値については、図13の例のように電流センサ16a,16bを設けて、2相の電流値を計測してもよい。逆に、零相電流センサ18が計測した零相電流値のみを計測データとして取得するようにしてもよい。
そして、抽出部6での抽出処理時では、零相電流の周波数特性と振幅を使用する。あるいは、診断部5での診断処理時に、零相電流の周波数特性と振幅を使用する。
具体的には、例えば抽出部6での抽出処理時には、電流センサ16aで得た電流波形から抽出動作を行い、診断部5では、抽出した電流波形と同じ期間の零相電流から、電気的な劣化に関連する診断を行う。
このように零相電流を計測データとして取得することで、診断対象の絶縁劣化に対応するような成分を取得することができ、回転機2や関連機器の機械的な劣化だけでなく、電気的な劣化を的確に診断することができるようになる。
[第7の実施の形態例]
次に、本発明の第7の実施の形態例について、図15を参照して説明する。
図15に示す例は、2つの回転機システムが構築された例である。すなわち、図15に示すように、電力変換装置1と回転機2と負荷装置3とからなるシステムが、それぞれ独立して2組用意されている。この2組のシステムは、類似した運転条件で動作するシステムである。
そして、一方のシステムの電力変換装置1に診断装置100gを接続し、他方のシステムの電力変換装置1に診断装置100hを接続して、それぞれの診断装置100gおよび100hで、接続された一方または他方のシステムの異常を診断する。
一方の診断装置100gは、第1の実施の形態例の診断装置100aと同様に、計測部4、抽出部6、抽出データ格納部7、診断部5、学習済診断モデル格納部8、計測データ格納部10、範囲選択部11、特徴探索部12、および学習済範囲選択モデル格納部13を備える。
この一方の診断装置100gが行う計測データの抽出処理や診断処理は、第1の実施の形態例で説明した診断装置100aと同じである。
また、他方の診断装置100hは、計測部4、抽出部6、抽出データ格納部7、診断部5、および学習済診断モデル格納部8を備える。そして、他方の診断装置100hの抽出部6で計測データを抽出する際には、一方の診断装置100g内の学習済範囲選択モデル格納部13に格納された学習済範囲選択モデルを取得し、その学習済範囲選択モデルに基づいて抽出処理を行う。
このように、1つのシステムの診断装置100gで得られた学習済範囲選択モデルを、他のシステムの診断装置100hに展開することで、診断装置100hとして、範囲選択部11や特徴探索部12が不要であり、それだけ構成を簡単にすることができる。
なお、図15では2つのシステムに展開する例としたが、3つ以上のシステムに同様に展開する構成としてもよい。
[第8の実施の形態例]
次に、本発明の第8の実施の形態例について、図16~図17を参照して説明する。
図16は、第8の実施の形態例の診断装置100iの構成を示す。
診断装置100iは、第1の実施の形態例の診断装置100aと同様に、計測部4、抽出部6、抽出データ格納部7、診断部5、学習済診断モデル格納部8、計測データ格納部10、範囲選択部11、特徴探索部12、および学習済範囲選択モデル格納部13を備える。
さらに、診断装置100iは、抽出動作検証部19を備える。
抽出動作検証部19は、特徴探索部12で学習済範囲選択モデルを構築する際に、その学習済範囲選択モデルが意図した抽出動作が行われるモデルであるか否かを検証するものである。すなわち、特徴探索部12が、計測データ格納部10が格納した計測データの一部を使って学習済範囲選択モデルを構築したとき、抽出動作検証部19は、計測データ格納部10が格納した計測データの残りのデータに対して、意図した抽出動作がなされているか検証する処理を行う。
抽出動作検証部19での抽出動作の検証処理は、例えば図17に示すように、ユーザに提示する画面20の抽出波形表示領域21に、抽出したデータの特性グラフを表示して行われる。図17では、抽出波形表示領域21として、トルク電流の時間による変化を表示した例を示す。
さらに、画面20に、意図したデータ範囲であることを指示する選択ボタン22と、選択範囲の修正を指示する選択ボタン23とを表示し、ユーザのマウス操作などによる画面上のカーソル24の移動で、いずれか一方の選択ボタン23または24を選択する。
選択範囲の修正を指示する選択ボタン23が指示された場合には、特徴探索部12が再度特徴量を探索して、学習済み範囲選択モデルを再構築する。
このようにして、抽出動作検証部19を設けることで、抽出動作の検証を行うことができる。
このように抽出動作の検証を行って、必要によって再度特徴量を探索するようにしたことで、ユーザによる簡単な操作で、学習済範囲選択モデルを改良することができる。
[変形例]
なお、本発明は、上述した各実施の形態例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した各実施の形態例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、複数の実施の形態例の構成を組み合わせてもよい。例えば、計測部4は、電力変換装置1から計測データを取得(第1の実施の形態例など)すると共に、電源供給ラインに配置した電流センサや電圧センサなどから計測データを取得(第4の実施の形態例など)するようにしてもよい。
また、第2の実施の形態例で説明した生産管理装置14から情報を取得する処理や、第3の実施の形態例で説明したPLC15を備える構成についても、他の実施の形態例の構成と組み合わせもよい。電力変換装置1の内部情報や電流センサの計測値などを、生産管理装置14やPLC15を経由して診断装置が取得してもよい。
さらに、第7の実施の形態例で説明した複数のシステムに展開する構成についても、他の実施の形態例の構成と組み合わせてもよい。さらにまた、第8の実施の形態例で説明した抽出動作検証部19を備える構成についても、他の実施の形態例の構成と組み合わせてもよい。
また、構成図や機能ブロック図では、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものだけを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
また、各実施の形態例で説明した診断装置は、図5に示したコンピュータとして構成する他に、その一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
1…電力変換装置、2…回転機、3…負荷装置、4…計測部、5…診断部、6…抽出部、7…抽出データ格納部、8…学習済診断モデル格納部、9…抽出条件格納部、10…計測データ格納部、11…範囲選択部、12…特徴探索部、13…学習済範囲選択モデル格納部、14…生産管理装置、15…プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、16a,16b…電流センサ、17a…電圧センサ、18…零相電流センサ、19…抽出動作検証部、20…表示画面、21…抽出波形表示領域、22,23…選択ボタン、24…カーソル、100a~100h,100x,100y…診断装置、101…中央制御ユニット(CPU)、102…ROM、103…RAM、106…表示部、104…記憶装置、105…操作部、107…通信インターフェース、108…バスライン

Claims (5)

  1. 対象機器の状態を計測した計測データを取得する計測部と、
    前記計測部で取得した対象機器の計測データから、特定範囲を切り出して抽出データを得る抽出部と、
    前記抽出部で得られた抽出データと、予め保存した学習済診断モデルで対象機器の状態を診断する診断部と、
    前記計測部で得られた計測データから特定範囲のデータを選択する範囲選択部と、
    前記計測データに基づいて、特定の運転条件のデータの抽出可否を検証する抽出動作検証部と、
    前記範囲選択部で選択された計測データの特徴を探索すると共に、前記抽出動作検証部での検証結果に基づいて、探索が制御される特徴探索部と、
    前記特徴探索部で探索された計測データの特徴量に基づいて得られた学習済範囲選択モデルを格納する学習済範囲選択モデル格納部と、を備え、
    前記抽出部は、前記学習済範囲選択モデル格納部が格納した学習済範囲選択モデルを使って前記抽出データを得ると共に、前記特徴探索部は、特定の運転条件のデータを抽出する際に機械学習を用いて分類する
    診断装置。
  2. 前記対象機器は、負荷装置が機械的に接続された回転機および前記回転機を制御する電力変換装置であり、
    前記計測部は、前記電力変換装置のトルク電流および/または速度フィードバックを計測する
    請求項1に記載の診断装置。
  3. 前記対象機器は、負荷装置が機械的に接続された回転機および前記回転機を制御する電力変換装置であり、
    前記計測部は、電力変換装置から回転機に流れる負荷電流および/または零相電流を計測する
    請求項1に記載の診断装置。
  4. 前記計測部は、プログラマブルコントローラおよび/または生産管理装置を介して計測データを取得する
    請求項2または3に記載の診断装置。
  5. コンピュータの演算機能により対象機器の状態を診断する診断方法において、
    前記コンピュータは、
    対象機器の状態を計測した計測データから特定範囲を切り出して抽出データを得る抽出処理と、
    前記抽出処理により得られた抽出データと、予め保存した学習済診断モデルで対象機器の状態を診断する診断処理と、
    前記計測データから特定範囲のデータを選択する範囲選択処理と、
    前記計測データに基づいて、特定の運転条件のデータの抽出可否を検証する抽出動作検証処理と、
    前記範囲選択処理により選択された計測データの特徴を探索すると共に、前記抽出動作検証処理での検証結果に基づいて、探索が制御される特徴探索処理と、
    前記特徴探索処理により探索された計測データの特徴に基づいて学習済範囲選択モデルを得る学習済範囲選択モデル取得処理と、を演算機能で実行するものであり、
    前記抽出処理では、前記学習済範囲選択モデルを使って前記抽出データを得ると共に、
    前記特徴探索処理では、特定の運転条件のデータを抽出する際に機械学習を用いて分類する
    診断方法。
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