JP7198370B2 - インダクタ用コア、電子ペンおよび入力装置 - Google Patents

インダクタ用コア、電子ペンおよび入力装置 Download PDF

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Description

本発明は、インダクタ用コア、電子ペンおよび入力装置に関する。
位置検出センサが配設されたタブレットおよびディスプレイなどにおける位置を検出して、PC(Personal Computer)およびスマートフォンなどに位置情報入力する入力装置において、位置検出センサ上の位置を指示するために電子ペンが使用されている。
このような電子ペンとして、特許文献1では、軸筒内に、紙面に描線を筆記可能な筆記ユニットと、外周に電磁誘導コイルが配設されているフェライトコアと、筆記ユニットに加わる押圧を感知する感圧センサとが収容されたデジタイザ筆記具が提案されている。特許文献1に記載されたデジタイザ筆記具において、軸筒の先端部分は外径が漸減する先細に形成されるとともに、筆記ユニットが突出する開口部が先端に形成されている。フェライトコアは、筆記ユニットとは別体に形成され軸筒内で筆記ユニットと並行に位置している。
特開2018-41429号公報
このような電子ペンの軸筒を持ちやすくするためには、フェライトコアの直胴部の外径を小さくして、軸筒の外径を小さくするという方法が考えられる。しかし、フェライトコアの直胴部の外径を小さくして、コイルに高い張力を与えて卷回すると、インダクタ用コアの直胴部の破損のおそれが高くなる。
本開示のインダクタ用コアは、気孔を有する磁性体からなる柱状の磁性体本体を含む。磁性体本体は、磁性体本体の一端から他端に向かって外径が大きくなる円錐台の周面をなす傾斜面を有する傾斜部と;傾斜部と同軸上にあって、他端から前記一端に向かって延び、円柱体の周面をなす外周面を有し、傾斜部と接続する直胴部とを有する。直胴部における気孔の重心間距離の平均値と直胴部における気孔の平均径との差が、傾斜部における気孔の重心間距離の平均値と傾斜部における気孔の平均径との差よりも大きい。
本開示の電子ペンは、開口を有する筐体と、筆記対象面に対して筆記可能な筆記ユニットと、上記インダクタ用コアとを備える。筆記ユニットが筐体の中心軸に沿って位置し、インダクタ用コアが筐体の内部で筆記ユニットと並んで位置する。
本開示の入力装置は、上記電子ペンと、電子ペンが近接した位置を検出するセンサを備えた位置検出装置とを含む。
本開示のインダクタ用コアによれば、直胴部が細くなっても、機械的強度および剛性を低下させる気孔は疎らに散在している。その結果、直胴部は破損しにくくなり、信頼性の高いインダクタ用コアを実現することができる。
本開示の電子ペンによれば、信頼性の高いインダクタ用コアを有している。その結果、信頼性の高い電子ペンを提供することができる。
本開示の入力装置によれば、信頼性の高い電子ペンを有している。その結果、信頼性の高い入力装置を提供することができる。
本開示に係るインダクタ用コアの第1実施形態を示し、(A)は平面図であり、(B)は(A)のA部を拡大した断面図である。 本開示に係るインダクタ用コアの第2実施形態を示し、(A)は平面図であり、(B)は(A)のB部を拡大した断面図である。 インダクタ用コアの傾斜部を研磨して得られる鏡面の顕微鏡写真の一例である。 インダクタ用コアの直胴部の中央部付近を研磨して得られる鏡面の顕微鏡写真の一例である。 インダクタ用コアの他端の近傍を研磨して得られる鏡面の顕微鏡写真の一例である。 インダクタ用コアの傾斜部を研磨して得られる鏡面の気孔の重心間距離を解析した写真の一例である。 インダクタ用コアの直胴部の中央部付近を研磨して得られる鏡面の気孔の重心間距離を解析した写真の一例である。 インダクタ用コアの直胴部の他端の近傍を研磨して得られる鏡面の気孔の重心間距離を解析した写真の一例である。 インダクタ用コアの観察面の一例と直線の引き方とを示す写真である。 本開示に係る電子ペンの一実施形態を示し、(A)は中心軸方向に沿って切断した断面図であり、(B)は(A)のCC’線における断面図であり、(C)は(A)に示すインダクタ用コアの拡大図の一部である。 本開示に係る入力装置の一実施形態を示す斜視図である。
図1は、本開示に係るインダクタ用コアの第1実施形態を示す。図1(A)は平面図である。図1(B)は、図1(A)のA部を拡大した断面図である。インダクタ用コア1は、フェライト焼結体などの磁性体からなる磁性体本体10で構成されている。
磁性体本体10を構成する磁性体としては、例えば、粉状または粒状のフェライトなどを焼結したものが用いられる。そのため、磁性体本体10内部には多数の気孔が存在している。磁性体本体10は、一端10aから他端10bへ向かって外径が大きくなる円錐台の周面をなす傾斜面11aを有する傾斜部11と傾斜部11と同軸上で、他端10bから一端10aに向かって延びる円柱体の外周面12aを有し、傾斜部11と接続する直胴部12とを有している。
磁性体本体10の一端10aから他端10bまでの長さは5mm~50mm程度である。直胴部12の長さは3mm~12mm程度である。直胴部12の外径は2.0mm~3.0mm程度である。傾斜部11の長さは0.5mm~2.0mm程度である。傾斜部11の一端10a側の外径は1mm~2mm程度である。傾斜部11の一端10aと反対側の外径は、直胴部12の外径とほぼ同じである。このように傾斜部11は、一端10aに向かって先細の形状となっている。
磁性体本体10の中心軸に沿った断面において、傾斜部11の外径は、一端10aから他端10bに向かって大きくなっている。すなわち、傾斜部11は、一端10aに向かって先細の形状となっている。傾斜面11aは、図1(B)に示すように直線状の部分である傾斜面11a1と丸みを帯びた傾斜面11a2とを含んでいてもよい。傾斜面11a1は、円錐台の周面をなしていてもよい。一端10a近傍の傾斜面11aは、凸状の曲面であってもよい。つまり、傾斜部11の傾斜面11a1と傾斜部11の端面11bとは、傾斜面11aの一部であって、凸状の曲面である傾斜面11a2で接続されていてもよい。
このように、傾斜面11a1と端面11bとは凸状の曲面である傾斜面11a2で接続されている。そのため、例えば、傾斜部11の端面11bが電子ペンの筐体に接触した場合などに、破損する可能性を低減することができる。図1(B)に示すように、磁性体本体10の中心軸に沿った断面において、傾斜部11の傾斜面11a1と傾斜部11の端面11bとを接続する傾斜面11a2の曲率半径をR1としたとき、曲率半径R1は0.1mm~0.2mm程度である。
図2は、本開示に係るインダクタ用コアの第2実施形態を示す。図2(A)は平面図である。図2(B)は図2(A)のB部を拡大した断面図である。第1実施形態のインダクタ用コア1に比べて、直胴部12と傾斜部11とが鍔部13を介して接続されている点が異なっている。磁性体本体10は、一端10aから他端10bへ向かって外径が大きくなる円錐台の周面をなす傾斜面11aを有する傾斜部11と;傾斜部11と同軸上で、他端10bから一端10aに向かって延びる円柱体の外周面12aをなす直胴部12と;傾斜部11と直胴部12との間にあって、傾斜部11と直胴部12とを接続している鍔部13とから構成されている。傾斜部11、鍔部13および直胴部12は、この順に一端10aから、他端10bに向かって配置される。鍔部13の外周面13aは、傾斜部11の傾斜面11aおよび直胴部12の外周面12aの各外径よりも大きな外径を有している。
例えば、鍔部13以外の直胴部12の外径が2.1mm~2.5mmの場合に、鍔部13の外周面13aの外径の最大値は2.12mm~2.72mmである。鍔部13は、直胴部12の外周面12aから、最大0.02mm~0.22mm突出している。鍔部13によって直胴部12が変形しにくくなる。そのため、傾斜部11に力が加わって、傾斜部11が変形しても、直胴部12の変形を軽減することができる。図2(B)に示すように、磁性体本体10の中心軸に沿った断面において、傾斜面11a2の曲率半径R1は、例えば0.1mm~0.2mmである。
上述の第1実施形態および第2実施形態のインダクタ用コア1を形成している磁性体本体10は焼結体であるため、内部には気孔が多数含まれている。これらの気孔の分布を重心間距離によって評価したとき、直胴部12における気孔の重心間距離の平均値と直胴部12における気孔の平均径との差が、傾斜部11における気孔の重心間距離の平均値と傾斜部11における気孔の平均径との差よりも大きい構成とする。このような構成とすることによって直胴部12が細くなっても、機械的強度および剛性を低下させる気孔は疎らに散在している。そのため、直胴部12は破損しにくくなる。傾斜部11における重心間距離の平均値と気孔の平均径との差を直胴部12よりも小さくしておくことで、傾斜部11の剛性を低くしてしなりやすくすることができる。したがって、電子ペンの握りによって生じる外圧が電子ペンの筐体を介して傾斜部11に加わっても、電子ペンの筐体の変形に応じて、傾斜部11も追従する。その結果、傾斜部11と直胴部12の接続部を起点とする破損を低減することができる。
さらに、直胴部12の他端10bの近傍12cにおける気孔の重心間距離の平均値と直胴部12の他端10bの近傍12cにおける気孔の平均径との差が、直胴部12の中央部12bにおける気孔の重心間距離の平均値と直胴部12の中央部12bにおける気孔の平均径との差よりも大きい構成としてもよい。このような構成にすると、直胴部12の他端10bの近傍12cにおける密度が高くなる。その結果、透磁率が高くなり感度が向上する。直胴部12の外周面上にコイルを巻回する場合、コイルの張力が中央部12bよりも他端の近傍12cの方が高くなりやすい。しかし、中央部12bよりも他端10bの近傍12cの方が気孔の単位面積あたりの個数が少なくなる。そのため、他端の近傍12cから生じやすい脱粒を低減することができる。
気孔の重心間距離および円相当径の測定は、例えば図3~図5に示される顕微鏡写真のように、直胴部12および傾斜部11の軸方向に沿った切断面をダイヤモンド砥粒で研磨することによって得られる鏡面を測定の対象とする。図3は、傾斜部を研磨して得られる鏡面の顕微鏡写真の一例である。図4は、直胴部の中央部付近を研磨して得られる鏡面の顕微鏡写真の一例である。図5は、直胴部の他端の近傍を研磨して得られる鏡面の顕微鏡写真の一例である。図3~図5において、曲線で囲まれた領域および点状の部分が気孔である。このように、傾斜部11から直胴部12の他端10bに向かうにつれて気孔の割合が小さくなっている。
これらの鏡面から気孔の大きさや分布が平均的に観察される部分を傾斜部11、直胴部12の中央部12bおよび直胴部12の他端の近傍12cからそれぞれ選択する。その後、面積が3.4×10μm(例えば、横方向の長さが680μm、縦方向の長さが500μm)となる範囲の画像を観察の対象として、画像解析ソフト「A像くん」(登録商標、旭化成エンジニアリング(株)製、以下単に「画像解析ソフト」と記載する。)によって重心間距離を測定する。
気孔の円相当径の測定は、上記画像を観察の対象として、画像解析ソフトの粒子解析によって測定する。気孔の重心間距離および円相当径は、画像の気孔部分を粒子とみなして測定することができる。画像解析ソフトの設定条件の明度を暗、2値化の方法を手動、しきい値を60~80、小図形除去面積を0.1μmおよび雑音除去フィルタを有とし、このような解析条件で画像解析ソフトを用いて解析を行う。この解析によって、気孔の重心間距離および円相当径が求められる。それぞれ平均値を算出して、重心間距離の平均値および円相当径の平均径が求められる。
上述の測定に際し、しきい値は60~80としている。しかし、観察範囲である画像の明るさに応じて、しきい値を調整すればよい。粒子の明度を暗、2値化の方法を手動とし、小図形除去面積を0.1μmおよび雑音除去フィルタを有とした上で、画像に現れるマーカーが気孔の形状と一致するように、しきい値を調整すればよい。
図6は、インダクタ用コアの傾斜部を研磨して得られる鏡面の気孔の重心間距離を解析した写真の一例である。図7は、インダクタ用コアの直胴部の中央部付近を研磨して得られる鏡面の気孔の重心間距離を解析した写真の一例である。図8は、インダクタ用コアの直胴部の他端の近傍を研磨して得られる鏡面の気孔の重心間距離を解析した写真の一例である。
図6~図8において、気孔は図中の黒色部の領域で示されている。これらの写真に示される直線は、隣り合っている気孔の重心点を結ぶ直線である。気孔の重心点とは、解析される断面における各気孔の領域の重心の位置である。傾斜部11(図6)に比べて直胴部12(図7、図8)の方が気孔間を結ぶ直線が長くなっていることがわかる。直胴部12において、中央部12bよりも他端の近傍12cの方が気孔間を結ぶ直線が長くなっていることがわかる。磁性体本体10の一端10a側よりも磁性体本体10の他端10b側の方が重心間距離が長くなっていることがわかる。
Figure 0007198370000001
表1を参照すると、傾斜部11における気孔の重心間距離の平均値と傾斜部11における気孔の平均径との差は36.94μmである。直胴部12の中央部12bにおける気孔の重心間距離の平均値と直胴部12の中央部における気孔の平均径との差は48.31μmである。直胴部12の他端の近傍12cにおける気孔の重心間距離の平均値と直胴部12の他端の近傍における気孔の平均径との差は71.5μmである。したがって、直胴部12における気孔の重心間距離の平均値と直胴部12における気孔の平均径との差は、傾斜部11における気孔の重心間距離の平均値と傾斜部11における気孔の平均径との差よりも大きくなっているといえる。その結果、直胴部12は、傾斜部11に比べて機械的強度および剛性が高く、破損しにくいといえる。
磁性体本体10の気孔の平均径は、5μm以下であってもよい。気孔の平均径がこの範囲であると気孔が小さいので、その周囲が破壊の起点となりにくくなる。そのため、機械的強度および破壊靭性の高いインダクタ用コア1を提供することができる。
磁性体本体10の見掛け気孔率をアルキメデス法によって測定したところ、0.25%であった。見掛け気孔率は1.5%以下であってもよく、見掛け気孔率をこの範囲にすることによって、磁性体本体10がより緻密質になる。その結果、機械的強度および破壊靭性の高いインダクタ用コア1を得ることができる。上記見掛け気孔率は、JIS C 2141:1992で定義される値である。
磁性体本体10は、Fe、Zn、NiおよびCuの酸化物からなるフェライトを主成分とするセラミックスからなり、下記式(1)で示される前記セラミックスの平均結晶粒径の変動係数CVは、0.08以上0.3以下であってもよい。
CV=σ/x ・・・・(1)
但し、
xは前記セラミックスの平均結晶粒径の平均値
σは前記セラミックスの平均結晶粒径の標準偏差
主成分とは、セラミックスを構成する全成分のうち95質量%以上を占める成分をいい、特に、99質量%以上であるとよい。
セラミックスを構成する成分は、CuKα線を用いたX線回折装置による測定結果から同定することができ、Fe、Ni、ZnおよびCuの金属成分の含有量は、例えばICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析装置または蛍光X線分析装置により求め、酸化物に換算すればよい。
変動係数CVが0.08以上であると、結晶粒子の粒径が適度にばらついて、大きな結晶粒子同士の間に小さな結晶粒子が配置される。その結果、破壊靭性を高くすることができる。変動係数CVが0.3以下であると、標準偏差に対して粒径の大きい結晶粒子の割合が増えるので透磁率が高くなる。変動係数CVが0.08以上0.3以下であれば、高い破壊靭性および高い透磁率を兼ね備えることができる。特に、変動係数CVは0.1以上0.2以下であるとよい。
平均結晶粒径は、以下のようにして求めることができる。まず、インダクタ用コア1の破断面を、平均粒径D50が3μmのダイヤモンド砥粒を用いて銅盤にて研磨する。その後、平均粒径D50が0.5μmのダイヤモンド砥粒を用いて錫盤にて研磨する。これらの研磨によって得られる研磨面を、温度を950℃として結晶粒子と粒界層とが識別可能になるまでエッチングして観察面を得る。
走査型電子顕微鏡によって、観察面を5000倍に拡大した155μm×115μmの範囲で、任意の点を中心にして放射状に同じ長さ、例えば、100μmの直線を6本引く。この6本の直線上に存在する結晶の個数をこれらの個々の直線で除すことで平均結晶粒径を求めることができる。
図9は、インダクタ用コアの観察面の一例と直線の引き方とを示す写真である。平均結晶粒径の平均値、標準偏差および変動係数CVは、このような観察面を7画面選択し、平均結晶粒径42個を対象としてそれぞれ算出すればよい。
平均結晶粒径の尖度Kuが0以上であってもよい。平均結晶粒径の尖度Kuがこの範囲であると、結晶粒子の粒径のばらつきが抑制されている。そのため、気孔の凝集が減少して、気孔の輪郭や内部から生じる脱粒を減らすことができる。特に、平均結晶粒径の尖度Kuは、1以上であるとよい。
尖度Kuとは、分布のピークと裾が正規分布からどれだけ異なっているかを示す指標(統計量)である。尖度Ku>0である場合、鋭いピークを有する分布となる。尖度Ku=0である場合、正規分布となる。尖度Ku<0である場合、分布は丸みがかったピークを有する分布となる。平均結晶粒径の尖度Kuは、Excel(登録商標、Microsoft Corporation)に備えられている関数Kurtを用いて求めればよい。
平均結晶粒径の歪度Skが0以上であってもよい。平均結晶粒径の歪度Skがこの範囲であると、結晶粒子の粒径の分布が粒径の小さな方向に移動している。そのため、気孔の凝集が減少して、気孔の輪郭や内部から生じる脱粒をさらに減らすことができる。
歪度Skとは、分布が正規分布からどれだけ歪んでいるか、すなわち、分布の左右対称性を示す指標(統計量)である。歪度Sk>0である場合、分布の裾は右側に向かう。歪度Sk=0である場合、分布は左右対称となる。歪度Sk<0である場合、分布の裾は左側に向かう。平均結晶粒径の歪度Skは、Excel(登録商標、Microsoft Corporation)に備えられている関数SKEWを用いて求めればよい。
本開示のインダクタ用コアは、主成分を合計した組成100モル%のうち、FeがFe換算で49モル%以上50モル%以下、ZnがZnO換算で29モル%以上34モル%以下、NiがNiO換算で10モル%以上12.5モル%以下、CuがCuO換算で4モル%以上9モル%以下であるとよい。
電子ペンに用いられるインダクタ用コアは、透磁率、比抵抗(電気抵抗)およびキュリー温度がいずれも高いことが求められている。FeがFe換算で49モル%以上であると、透磁率が高くなり、50モル%以下であると比抵抗が高くなる。ZnがZnO換算で29モル%以上であると透磁率が高くなり、34モル%以下であるとキュリー温度が高くなる。NiがNiO換算で10モル%以上であると、キュリー温度が高くなり、12.5モル%以下であると透磁率が高くなる。CuがCuO換算で4モル%以上であると、透磁率が高くなり、9モル%以下であるとキュリー温度が高くなる。
電子ペンに用いられるインダクタ用コアは、Fe、Zn、NiおよびCuが上記範囲であると、透磁率を2000以上、比抵抗を10Ω・m以上、キュリー温度を90℃以上とすることができ、好適に用いることができる。特に、NiのNiO換算でのモル%の値と、ZnのZnO換算でのモル%の値との比率(ZnO換算でのモル%の値/NiO換算でのモル%の値)が、2.85~3.15であるとよい。
インダクタ用コアは、Moの酸化物およびBiの酸化物の少なくともいずれかを含み、主成分100質量部に対するMoの酸化物の含有量がMoO換算で0.01質量部以上0.2質量部以下であり、Biの酸化物の含有量がBi換算で0.01質量部以上0.2質量部以下であるとよい。MoおよびBiの酸化物は、主結晶の粒成長を促進させる。さらに、MoおよびBiの酸化物の含有量を上記範囲とすることによって、キュリー温度をほとんど低下させることなく、透磁率を高くすることができる。特に、Moの酸化物の含有量は、MoO換算で0.05質量部以上0.1質量部以下であって、Biの酸化物の含有量は、Bi換算で0.05質量部以上0.1質量部以下であるとよい。
インダクタ用コアは、Mnの酸化物およびTiの酸化物の少なくともいずれかを含み、主成分100質量部に対するMnの酸化物の含有量がMnO換算で0.01質量部以上0.3質量部以下であり、Tiの酸化物の含有量がTiO換算で0.01質量部以上0.2質量部以下であるとよい。MnおよびTiは、複数の原子価を取り得ることから、焼成時に、価数変化による余剰の酸素で主結晶であるフェライト結晶の酸素欠陥を埋められる。その結果、フェライト結晶の酸素欠陥が少なくなり透磁率を高くすることができる。
インダクタ用コアは、Zrの酸化物を含み、主成分100質量部に対するZrの酸化物の含有量がZrO換算で0.01質量部以上0.2質量部以下であるとよい。Zrの酸化物の含有量を上記範囲とすることにより、透磁率をほとんど低下させることなく、比抵抗を高くすることができる。特に、Zrの酸化物の含有量がZrO換算で0.02質量部以上0.11質量部以下であるとよい。
インダクタ用コアは、Crの酸化物を含み、主成分100質量部に対するCrの酸化物の含有量がCr換算で0.02質量部以上0.3質量部以下であるとよい。Crの酸化物の含有量を0.02質量部以上とすることにより、セラミックスの焼結を促進するとともに、インダクタ用コアの飽和磁束密度Bsを高くする。Crの酸化物の含有量を0.3質量部以下とすることにより、磁気損失Pcvおよびセラミックスの焼結で生じるおそれのある異常な粒成長を抑制することができる。
主成分以外の金属元素は、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析装置またはグロー放電質量分析装置(GDMS)を用いて測定し、それぞれ酸化物に換算すればよい。
フェライト結晶の少なくとも一部は、フェライト結晶の中央部におけるFeの含有量が、フェライト結晶の外縁部におけるFeの含有量よりも多いとよい。このような構成であると、キュリー温度を維持しつつ高い透磁率を有することができる。この理由は、中央部において2価のFeが多く存在することとなって異方性磁界が弱まり、外縁部において3価のFeが存在することとなってホッピング伝導が生じにくく、抵抗が低下しにくくなることに起因しているものと推察される。
外縁部とは、インダクタ用コアを鏡面研磨した後、サーマルエッチングした面(以下、この面を「観察面」と記載する場合がある)で観察されるフェライト結晶の界面から、長径の20%の長さまでの領域をいう。長径とは、JIS R 1670:2006に記載されているように、グレイン(フェライト結晶)の最も長い方向における長さをいう。中央部とはフェライト結晶の長径の中心から界面に向かって長径の20%の長さまでの領域を意味する。
観察面からフェライト結晶を選択するにあたっては、観察面において算出した平均結晶粒径をD50としたとき、D40~D60の範囲の大きさのフェライト結晶を選択するものとする。フェライト結晶におけるFeの含有量とは、エネルギー分散型X線分光器(EDS)を用いて、中央部および外縁部にそれぞれスポット(φ1nm)を当てて得られる、各スポットの含有量を100質量%としたときのFeの含有量をいう。
中央部におけるFeの含有量と、外縁部におけるFeの含有量との差が1.3質量%以上4.0質量%以下であるとよい。このような構成であると、キュリー温度を維持しつつさらに高い透磁率を有することができる。この理由は、フェライト結晶の中央部と外縁部とにおいて、2価のFeと3価のFeとが最適な割合で存在していることが寄与していると推察される。
Cu-Kα線を用いたX線回折によって得られる、回折角(2θ)が35°以上36°以下におけるX線回折ピーク強度をI、回折角(2θ)が29.5°以上30.5°以下におけるX線回折ピーク強度をIとしたとき、I/Iが0.29以上0.38以下であるとよい。このような構成であると、高い透磁率を維持しつつ、キュリー温度を高くすることができる。
X線回折ピーク強度Iの半値幅が0.05以上0.35以下であるとよい。このような構成であると、非晶質の粒界層が多くなり過ぎることなく、フェライト結晶を成長させることができるため、透磁率を低下させることなく、機械的特性を向上させることができる。半値幅とは、得られた回折チャートにおいて、回折角(2θ)が35°以上36°以下におけるX線回折ピーク強度の極大値の1/2強度における回折ピーク間の幅の半分の値である。
回折角(2θ)が42°以上43°以下におけるX線回折ピーク強度をIとしたとき、I/Iが0.14以下であるとよい。このような構成であると、機械的特性が向上するため、焼結後、バレル加工などでバリ取りもしても欠けなどが生じにくくなる。その結果、巻き線や電極付けを行なう際の固定やハンドリング時に掛かる応力による破損が少なくなる。
少なくとも傾斜部11がMoを含み、Moはフェライト結晶の粒内よりも隣り合うフェライト結晶に挟まれる粒界層に多く含まれていてもよい。Moがフェライト結晶の粒内よりも粒界層に多く含まれていると、フェライト結晶粒子同士の結合力が抑制される。その結果、容易に曲率半径R1の大きな傾斜面11a2を得ることができる。フェライト結晶の粒内および粒界層におけるMoの含有量は、透過型電子顕微鏡とこの透過型電子顕微鏡に付随するエネルギー分散型X線分光器(EDS)を用いて元素分析を行えばよい。
インダクタ用コア1に使用される磁性体本体10は、次のようにして製造することが可能である。まず、出発原料として、Fe、Zn、NiおよびCuの酸化物あるいは焼成により酸化物を生成する炭酸塩、硝酸塩などの金属塩を用意する。このとき平均粒径としては、例えば、Feが酸化鉄(Fe)、Znが酸化亜鉛(ZnO)、Niが酸化ニッケル(NiO)およびCuが酸化銅(CuO)であるとき、それぞれ0.5μm以上5μm以下である。
主成分を合計した組成100モル%のうち、FeがFe換算で49モル%以上50モル%以下、ZnがZnO換算で29モル%以上34モル%以下、NiがNiO換算で10モル%以上12.5モル%以下、CuがCuO換算で4モル%以上9モル%以下であるインダクタ用コアを得る場合、Fe源粉末、Zn源粉末、Ni源粉末およびCu源粉末が上記範囲となるように設定する。
以下、Fe源粉末、Zn源粉末、Ni源粉末およびCu源粉末がいずれも酸化物の粉末である場合を例として説明する。
Fe-ZnO-NiOから構成される仮焼粉体からなる第1の原料と、Fe-CuOから構成される仮焼粉体からなる第2の原料とを作製するにあたり、第1の原料用に、酸化鉄、酸化亜鉛および酸化ニッケルを所望の量に秤量する。第2の原料用に、酸化鉄および酸化銅を所望の量に秤量する。ここで、第1の原料および第2の原料の作製における酸化鉄の添加量は、第2の原料の作製における酸化鉄の添加量を、例えば、酸化銅と等モル%とし、残量を第1の原料の作製に用いる。
そして、第1の原料および第2の原料用に秤量した粉末を、それぞれ別のボールミルや振動ミルなどで粉砕混合する。その後、第1の原料の作製については、還元雰囲気において750℃で2時間以上仮焼する。第2の原料の作製については、還元雰囲気において650℃で2時間以上それぞれ仮焼する。このような手順によって、それぞれ仮焼体を得る。
次に、第1の原料および第2の原料となる仮焼体を、それぞれ別のボールミルや振動ミルなどに入れて粉砕することにより、仮焼粉体からなる第1の原料および第2の原料を得る。このとき、特に第2の原料となる仮焼体は、平均粒径D50が0.7μm以下となるように粉砕する。この第1の原料および第2の原料を所望の量に秤量して混合する。混合物を、大気中において600℃以上700℃以下、昇温速度100℃/時以下の条件で再仮焼することにより、Fe、Zn、NiおよびCuの酸化物からなるフェライトに合成された仮焼体が得られる。
次に、再仮焼によって得られた仮焼体を、ボールミルや振動ミルなどに入れて粉砕し、所定量のバインダなどを加えてスラリーとする。スプレードライヤを用いて得られたスラリーを噴霧して造粒することにより、球状の顆粒を得る。
再仮焼によって得られた仮焼体を、平均粒径D50が0.7μm以下となるまで粉砕すると、I/Iを0.14以下とすることができる。平均粒径D50を小さくしようとすれば、粉砕時間を長くしなければならない。長時間粉砕すると、粉砕に用いるボールから脱離した粒子の混入のおそれが高くなるので、平均粒径D50の下限値は0.5μmにするとよい。
Mo、Bi、Mn、Ti、Zr、Crなどの酸化物をインダクタ用コアに含有させるには、例えば、酸化モリブデン(MoO)、酸化ビスマス(Bi)、酸化マンガン(MnO)、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化クロム(Cr)などの各粉末を再仮焼後の粉砕時に添加すればよい。
少なくとも傾斜部11がMoを含み、Moは、フェライト結晶の粒内よりも隣り合うフェライト結晶に挟まれる粒界層に多く含まれるインダクタ用コア1を得る場合、再仮焼によって得られた仮焼体を粉砕して得られる紛体100質量部に対して、酸化モリブデン(MoO)の粉末を、例えば、0.01質量部以上0.03質量部以下添加してスラリーとする。得られたスラリーを噴霧して造粒することにより球状の顆粒を得ればよい。
得られた球状の顆粒を用いてプレス成形して所定形状の成形体を得る。このプレス成形の際に、傾斜部11側よりも直胴部12側により大きな圧力が加わるように調整する。このようにして、磁性体本体10の他端10bから一端10aに向かって気孔の分布密度が増えていくような構成が可能となる。
その後、成形体を脱脂炉にて400~800℃の範囲で脱脂処理を施して脱脂体とする。次いで、これを焼成炉にて1000~1200℃の最高温度で2~5時間保持して焼成することにより、磁性体本体10を形成し、本実施形態のインダクタ用コア1を得ることができる。
回折角(2θ)が35°以上36°以下におけるX線回折ピーク強度Iの半値幅を0.05以上0.35以下であるインダクタ用コアを得るには、焼成における昇温速度を100℃/時以上300℃/時以下とするとよい。
/Iが0.29以上0.38以下であるインダクタ用コアを得るには、最高温度から600℃までの降温速度を500℃/時~1200℃/時の範囲とすればよい。
フェライト結晶の中央部におけるFeの含有量が、フェライト結晶の外縁部におけるFeの含有量よりも多いインダクタ用コアを得る場合には以下のようにする。すなわち、出発原料のうち、酸化亜鉛、酸化ニッケルおよび酸化銅の各粉末が上記範囲となるように秤量して混合し、混合後の粉末を2等分する。
酸化鉄の粉末は、例えば、25モル%分と、24.5モル%分として、2等分された上記粉末にそれぞれ添加して、ボールミルや振動ミルなどで粉砕混合する。ここで、25モル%添加側を第3の混合粉末とし、24.5モル%添加側を第4の混合粉末とする。次に、それぞれ大気中において700℃~1000℃の温度で仮焼して、第3の混合粉末を仮焼した第3の仮焼体および第4の混合粉末を仮焼した第4の仮焼体を得る。
その後、第3の仮焼体を水とともにボールミルなどに入れて粉砕・混合する。第4の仮焼体についても、水とともに別のボールミルなどに入れて粉砕・混合する。このとき、第4の仮焼体の粉砕・混合は、第3の仮焼体の粉砕・混合よりも長時間行ない、粒径を小さくする。そして、これらを合わせた後、所定量のバインダなどを加えてスラリーとする。次に、スプレードライヤを用いてこのスラリーを噴霧して造粒することにより球状の顆粒を得る。これ以降、インダクタ用コア1を得るまでの製造方法は、上述した製造方法と同じである
図10は、本開示に係る電子ペンの一実施形態を示す。図10(A)は中心軸方向に沿って切断した断面図である。図10(B)は図10(A)のCC’線における断面図である。図10(C)は図10(A)に示すインダクタ用コアの拡大図の一部である。図10に示す電子ペンは、例えば0.2mm以上2mm以下の直系を有する芯(図示しない)を収容し、芯を押し出して筆記を行うシャープペンシル50である。
筐体52は、射出成形によって略円筒状に形成された合成樹脂で形成されている。先端側に位置する第1筒体53と後端側に位置する第2筒体54とが、軸継手55を介して連結されている。第1筒体53の先端部は外径が先端に向かって漸減するテーパ部53aを有する。テーパ部53aの先端には、後述のシャープペンシルユニット56の筆記先端57が突出する開口部53bが設けられている。
図10(B)に示すように、第2筒体54は、中心軸方向の途中で中心軸に直交する後方隔壁54aを備えている。後方隔壁54aは、中心軸を挟んで一対の円弧状の脚部貫通孔54bを有する。脚部貫通孔54bは、後述の消しゴム受け台58の脚部58aが挿入される孔である。
第2筒体54の後方隔壁54aの後方側の内部空間には、シャープペンシル50のノック機構の一部である消しゴム受け台58が挿入されている。消しゴム受け台58の先端側の内部空間にはノックスプリング59が挿入されている。ノックスプリング59の先端は後方隔壁54aの後端側の面に接している。消しゴム受け台58の後端部分は第2筒体54の後端縁から突出しており、その後端縁に設けられた凹部に消しゴム60が装着される。
消しゴム60は、消しゴム受け台58が第2筒体54の後端縁から突出している部分とともに、先端側が開放した円筒状の消しゴムカバー61で被覆されている。消しゴムカバー61は後述のように、シャープペンシル56のノックボタンとしても機能する。一方、消しゴム受け台58の先端からは一対の脚部58aが突出している。脚部58aは、消しゴムカバー61を押圧するノック動作に伴って、後方隔壁54aを前後に摺動自在に貫通している。
第2筒体54の後方隔壁54aの先端側の面には、感圧センサ63が固定されている。この感圧センサ63を取り囲むようにして、リフィル継手64が設けられている。このリフィル継手64は、後方隔壁54aを挿通する脚部58aと接続されており、消しゴムカバー61のノック動作に伴って、第2筒体54内を前後に移動可能となっている。
リフィル継手64と後方隔壁54aの先端側の面との間には、感圧センサスプリング65が介装されている。ノック動作も筆記もされていない状態では、リフィル継手64と感圧センサ63とは接触しておらず、芯も筆記先端57から出ていない状態である。リフィル継手64には、筆記ユニットであるシャープペンシルユニット56の芯ケースパイプ66の後端が挿入固定されている。これによって、芯ケースパイプ66は、リフィル継手64の前後移動に伴って前後に移動することとなっている。
軸継手55の内部の先端付近には、軸方向と直交する前方隔壁55Aが形成されている。この前方隔壁55aには、ユニット貫通孔55bが形成され、芯ケースパイプ66はユニット貫通孔55bを貫通している。芯ケースパイプ66の先端に接続されている内部機構67の先端部分である筆記先端69が、開口部53bから突出している。
前方隔壁55aの先端側の面には、インダクタ用コア1の後端が装着されるコア装着孔55cが形成されている。インダクタ用コア1は、柱状であり、円柱体の直胴部の周囲にはコイル21が券回されている。インダクタ用コア1はシャープペンシルユニット56と並んで位置しており、その先端はテーパ部53aに達している。さらに、軸継手55の後方側の内部空間には、コンデンサ70が収容されている。コイル21、コンデンサ70および感圧センサ63は、配線(図示しない)によって回路を形成している。
図11は、本実施形態の入力装置を示す斜視図である。入力装置2は、電子ペン50と、位置を検出するセンサ(図示しない)とを備えた位置検出装置である、タブレット41からなっている。入力装置2は、芯体71の先端部がタブレット41に接触した位置を検出することができる。位置検出装置としては、タブレット41の他、タッチパネルディスプレイを備えた携帯端末などであってもよい。入力装置2おける位置検出方法としては、電磁誘導方式を用いることができる。破損しにくい直胴部12が用いられているので、信頼性の高い入力装置2を実現することができる。
以上のように、実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、改良などが可能である。
1 インダクタ用コア
2 入力装置
10 磁性体本体
10a 一端
10b 他端
11 傾斜部
11a 傾斜面
11b 端面
12 直胴部
12a 外周面
12b 中央部
12c 他端の近傍
13 鍔部
13a 外周面
50 電子ペン(シャープペンシル)

Claims (20)

  1. 気孔を有する磁性体からなる柱状の磁性体本体を含み、
    前記磁性体本体は、
    前記磁性体本体の一端から他端に向かって外径が大きくなる円錐台の周面をなす傾斜面を有する傾斜部と、
    前記傾斜部と同軸上にあって、前記他端から前記一端に向かって延び、円柱体の周面をなす外周面を有し、前記傾斜部と接続する直胴部とを有し、
    前記直胴部における気孔の重心間距離の平均値と前記直胴部における気孔の平均径との差が、前記傾斜部における気孔の重心間距離の平均値と前記傾斜部における気孔の平均径との差よりも大きいインダクタ用コア。
  2. 前記直胴部の前記他端の近傍における気孔の重心間距離の平均値と前記直胴部の前記他端の近傍における気孔の平均径との差が、前記直胴部の中央部における気孔の重心間距離の平均値と前記直胴部の前記中央部における気孔の平均径との差よりも大きい、請求項1に記載のインダクタ用コア。
  3. 前記磁性体本体の気孔の平均径が5μm以下である、請求項1または請求項2に記載のインダクタ用コア。
  4. 前記磁性体本体の見掛け気孔率が1.5%以下である、請求項1~3のいずれか1つに記載のインダクタ用コア。
  5. 前記磁性体本体が、Fe、Zn、NiおよびCuの酸化物からなるフェライトを主成分とするセラミックスからなり、下記式(1)で示される前記セラミックスの平均結晶粒径の変動係数CVは、0.08以上0.3以下である、請求項1~4のいずれかに記載のインダクタ用コア。(好適な範囲:変動係数σ/xが0.2以下)
    CV=σ/x ・・・・(1)
    但し、
    xは前記セラミックスの平均結晶粒径の平均値
    σは前記セラミックスの平均結晶粒径の標準偏差
  6. 前記平均結晶粒径の尖度が0以上である、請求項5に記載のインダクタ用コア。
  7. 前記平均結晶粒径の歪度が0以上である、請求項5または6に記載のインダクタ用コア。
  8. 前記主成分を合計した組成100モル%のうち、FeがFe換算で49モル%以上50モル%以下、ZnがZnO換算で29モル%以上34モル%以下、NiがNiO換算で10モル%以上12.5モル%以下、CuがCuO換算で4モル%以上9モル%以下である、請求項5~7のいずれかに記載のインダクタ用コア。
  9. Moの酸化物およびBiの酸化物の少なくともいずれかを含み、前記主成分100質量部に対するMoの酸化物の含有量がMoO換算で0.01質量部以上0.2質量部以下、またはBiの酸化物の含有量がBi換算で0.01質量部以上0.2質量部以下である請求項8に記載のインダクタ用コア。
  10. Mnの酸化物およびTiの酸化物の少なくともいずれかを含み、前記主成分100質量部に対するMnの酸化物の含有量がMnO換算で0.01質量部以上0.3質量部以下、またはTiの酸化物の含有量がTiO換算で0.01質量部以上0.2質量部以下である、請求項8または9に記載のインダクタ用コア。
  11. Zrの酸化物を含み、前記主成分100質量部に対するZrの酸化物の含有量がZrO換算で0.01質量部以上0.2質量部以下である、請求項8~10のいずれかに記載のインダクタ用コア。
  12. Crの酸化物を含み、前記主成分100質量%に対するCrの酸化物の含有量がCr換算で0.02質量部以上0.3質量部%以下である、請求項8~11のいずれかに記載のインダクタ用コア。
  13. 少なくとも前記傾斜部がMoを含み、Moはフェライト結晶の粒内よりも隣り合う前記フェライト結晶に挟まれる粒界層に多く含まれている、請求項8~12のいずれかに記載のインダクタ用コア。
  14. フェライト結晶の少なくとも一部は、前記フェライト結晶の中央部におけるFeの含有量が、前記フェライト結晶の外縁部におけるFeの含有量よりも多い、請求項8~13のいずれかに記載のインダクタ用コア。
  15. 前記中央部におけるFeの含有量と、前記外縁部におけるFeの含有量との差が1.3質量%以上4.0質量%以下である、請求項14に記載のインダクタ用コア。
  16. Cu-Kα線を用いたX線回折によって得られる、回折角(2θ)が35°以上36°以下におけるX線回折ピーク強度をI、回折角(2θ)が29.5°以上30.5°以下におけるX線回折ピーク強度をIとしたとき、I/Iが0.29以上0.38以下である、請求項8~15のいずれかに記載のインダクタ用コア。
  17. 前記X線回折ピーク強度Iの半値幅が0.05以上0.35以下である、請求項16に記載のインダクタ用コア。
  18. 回折角(2θ)が42°以上43°以下におけるX線回折ピーク強度をIとしたとき、I/Iが0.14以下である、請求項16または17に記載のインダクタ用コア。
  19. 開口を有する筐体と、
    筆記対象面に対して筆記可能な筆記ユニットと、
    請求項1~18のいずれかに記載のインダクタ用コアと、
    を備え、
    前記筆記ユニットは、前記筐体の中心軸に沿って位置し、前記インダクタ用コアは、前記筐体の内部で前記筆記ユニットと並んで位置する、
    電子ペン。
  20. 請求項19に記載の電子ペンと、
    前記電子ペンが近接した位置を検出するセンサを備えた位置検出装置と、
    を含む入力装置。
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