JP7195807B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和装置に関するものである。
電気自動車やハイブリッド車等に設置される車両用空調装置に適用され、暖房用の熱源となる熱媒体を加熱する熱媒体加熱装置の1つに、正特性サーミスタ素子(Positive Temperature Coefficient;以下、PTC素子という。)を発熱要素とするPTCヒータを用いたものが知られている。
熱媒体加熱装置には、基板収容ボックスと、上部熱交換器と、PTCヒータと、下部熱交換器を備え、これらが上記の順に積層され、ボルトを介して締め付け固定されることにより、一体化されるものがある。これにより、PTCヒータの両面から放熱し、上部熱交換器及び下部熱交換器内を流通する熱媒体を加熱する構成とされているため、PTCヒータの放熱効率を高めて加熱性能を向上させることができる。下記の特許文献1では、PTCヒータの上面と下面のそれぞれに上部熱交換器及び下部熱交換器が設置された熱媒体加熱装置が開示されている。
特許第4981386号公報
熱媒体加熱装置は、PTC素子を発熱要素としており、車両に搭載されたバッテリーから電源が供給されるため、バッテリーの電圧が下がると、PTCヒータの発熱量が低下する。また、寒冷時など外気温度が低いとき、熱媒体加熱装置の熱交換器を流れる熱媒体の温度が低下するため、熱交換器の放熱量が高くなる。これらの少なくとも一つの条件下では、PTCヒータにおいて発熱が生じていたとしても、PTC素子の温度が上昇せず、発熱量が不十分な状態が維持される。その結果、発熱量が放熱量を上回ることができない温度範囲で、PTC素子の温度が安定化してしまう。
図8に示すように、PTC素子は、電流が流れ始めて、例えば常温(約25℃)から温度上昇するにつれて、抵抗値が低下し、キュリー温度を超えると抵抗値が急激に上昇する特性を有している。しかし、熱媒体加熱装置において、電圧が低下した条件下、又は、熱媒体の温度が低い条件下では、電流を流し続けてもPTC素子の温度上昇が妨げられて、PTC素子の温度が低温領域で安定化してしまう。その結果、熱媒体加熱装置は、本来の加熱能力を発揮できず、車両用空調装置の暖房能力が不足するという問題が生じる。
また、熱媒体加熱装置に組み込まれたPTCヒータのPTC素子自体の温度を計測することは一般的に困難である。そのため、PTC素子が有する温度に基づいて熱媒体加熱装置の加熱能力を直接的に制御することができない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、電圧が低下した条件下、又は、熱媒体の温度が低い条件下においても、PTC素子の温度を上昇させて加熱能力を発揮させることが可能な熱媒体加熱装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の空気調和装置は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る空気調和装置は、内部にて熱媒体が流通する熱交換器と、PTC(Positive Temperature Coefficient)特性を持つPTC素子を含み、前記熱交換器と重ねて配置されるPTCヒータとを有する熱媒体加熱装置と、前記PTCヒータに供給される電気の電圧及び電流を測定する第1測定部と、前記熱交換器に供給される前記熱媒体の温度を測定する第2測定部と、前記熱交換器を流通する前記熱媒体の流量を測定する第3測定部と、測定された前記電圧及び前記電流に基づいて、前記PTCヒータの実際の発熱量を算出する発熱量算出部と、測定された前記熱媒体の温度と前記PTC素子の持つキュリー温度との温度差に基づいて、実際の放熱量が、算出された前記発熱量よりも低くなるように、前記熱交換器を流通する前記熱媒体の流量を算出する流量算出部と、算出された前記熱媒体の流量に基づいて、前記熱媒体の流量を調整する流量調整部とを備える。
この構成によれば、PTCヒータに供給される電気の電圧及び電流が測定されて、PTCヒータにおける実際の発熱量が算出される。電圧低下時、又は、熱媒体の温度が低いとき、実際の発熱量は目標発熱量よりも低いまま維持される可能性がある。上記態様では、測定された熱媒体の温度とPTC素子の持つキュリー温度との温度差に基づいて、実際の放熱量が、算出された発熱量よりも低くなるように、熱交換器を流通する熱媒体の流量が算出されて、算出された熱媒体の流量に基づいて、熱媒体の流量が調整される。その結果、熱交換器における放熱量が低下し、PTCヒータによって熱媒体の温度が上昇しやすくなる。また、PTC素子自体の温度も上昇してキュリー温度に到達し、熱媒体加熱装置は、本来の加熱能力を発揮できる。
上記発明において、算出された前記発熱量が所定値以下である状態が、所定時間以上経過したか否かを判断する判断部を更に備え、前記判断部において、前記発熱量が所定値以下である状態が、所定時間以上経過したと判断されたとき、前記流量算出部によって算出された前記熱媒体の流量に基づいて、前記流量調整部が前記熱媒体の流量を調整してもよい。
この構成によれば、算出された発熱量が所定値以下である状態が、所定時間以上経過したとき、算出された熱媒体の流量に基づいて、熱媒体の流量が調整されるため、低い温度領域で安定化していたPTC素子の温度及び熱媒体の温度を上昇させることができる。
上記発明において、算出された前記発熱量が温度上昇時に閾値以上となったとき、前記流量算出部は、前記熱交換器を流通する前記熱媒体の流量を再び算出し、再び算出された前記熱媒体の流量に基づいて、前記流量調整部が前記熱媒体の流量を再び調整してもよい。
この構成によれば、熱媒体の流量を再調整せずに低い値としたままにする場合と比べて、熱交換器における放熱量が上昇して、発熱量と放熱量が高い値でバランスするため、熱媒体加熱装置は、高い加熱能力を発揮できる。
本発明によれば、電圧が低下した条件下、又は、熱媒体の温度が低い条件下においても、PTC素子の温度を上昇させて加熱能力を発揮させることができる。
本発明の一実施形態に係る熱媒体加熱装置を備えた車両用空調装置を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る熱媒体加熱装置を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る熱媒体加熱装置の熱媒体流通経路を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る熱媒体加熱装置の熱媒体流通経路を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る熱媒体加熱装置を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る空気調和装置を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る空気調和装置の動作を示すフローチャートである。 PTC素子の抵抗値とPTC素子の温度の関係を示すグラフである。
以下に、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る熱媒体加熱装置10を備えた車両用空調装置1の概略構成図が示されている。
車両用空調装置1は、外気または車室内空気を取り込んで温調した後、それを車室内へと導くための空気流通路2を形成するケーシング3を備えている。
このケーシング3の内部には、空気流通路2の上流側から下流側にかけて順次、外気または車室内空気を吸い込んで昇圧し、それを下流側へと圧送するブロア4と、該ブロア4により圧送される空気を冷却する冷却器5と、冷却器5を通過して冷却された空気を加熱する放熱器6と、放熱器6を通過する空気量と放熱器6をバイパスする空気量との流量割合を調整し、その下流側でエアミックスすることにより、温調風の温度を調節するエアミックスダンパ7とが設置されている。
ケーシング3の下流側は、図示省略された吹き出しモード切替えダンパ及びダクトを介して温調された空気を車室内に吹き出す複数の吹き出し口に接続されている。
冷却器5は、図示省略された圧縮機、凝縮器、膨張弁等と共に冷媒回路を構成し、膨張弁で断熱膨張された冷媒を蒸発させることにより、そこを通過する空気を冷却するものである。また、放熱器6は、タンク8、ポンプ9及び熱媒体加熱装置10とともに熱媒体循環回路11を構成し、熱媒体加熱装置10で高温に加熱された熱媒体(例えば、不凍液や温水等)がポンプ9を介して循環されることにより、そこを通過する空気を加温するものである。
図2及び図5に示すように、熱媒体加熱装置10は、基板収容ボックス20と、熱交換器30と、PTCヒータ40と、熱交換器50と、を備え、これらが上記の順に積層され、図示省略のボルトを介して締め付け固定されることにより、一体化されている。
基板収容ボックス20は、長方形状を有し、蓋21が設けられる。熱交換器30は、基板収容ボックス20と同じ大きさの長方形状を有する。PTCヒータ40は、熱交換器30よりも小さい長方形状を有する。熱交換器50は、熱交換器30と同じ大きさの長方形状を有し、蓋51が設けられる。
基板収容ボックス20は、アルミニウム合金等の熱伝導性材料により構成される、上面が蓋21により密閉される長方形状の箱体であり、内部にPTCヒータ40を制御する制御基板22が収納設置される。制御基板22は、FET(電界効果トランジスター:Field effect transistor)23等の発熱部品や制御回路が組み込まれる。制御基板22には、PTCヒータ40を駆動するための300Vの高電圧と、制御用の12Vの低電圧が供給される。
制御基板22は、図5に示すように、基板収容ボックス20の底面から突出されている支持部24に、四隅をビス止めして固定設置される。また、FET23等の発熱部品は、制御基板22の下面に配設され、基板収容ボックス20の底面に設けられている冷却部25の上面に対し、図示省略の絶縁層を介して接触される。FET23等の発熱部品及び冷却部25は、発熱部品に対する冷却効果を高めるために、熱交換器30に設けられる後述の熱媒体流通路の入口側近傍に配設される。
熱交換器30は、図3及び図4に示すように、アルミニウム合金等の熱伝導性材料により構成される長方形状の箱体であり、その上面側には、両端部に形成される一対の入口ヘッダ31及び出口ヘッダ32と、この入口ヘッダ31及び出口ヘッダ32間に形成される多数のセパレートされた平行な溝状の流通路33と、が設けられる。
入口ヘッダ31及び出口ヘッダ32並びに流通路33の上面は、上記した基板収容ボックス20の底面により密閉される(図5参照)。これにより、熱交換器30内には、入口ヘッダ31内に流入された熱媒体が多数の流通路33に分配され、流通路33内を同時平行的に流れて出口ヘッダ32に至る熱媒体の流通経路が形成される。また、基板収容ボックス20の底面に設けられている冷却部25が、上記の流通路33内を流通される熱媒体によって冷却される制御基板の冷却構造が提供される。
また、上記した入口ヘッダ31には、熱媒体の流入口34が設けられ、出口ヘッダ32には、熱交換器50への連通口35と、出口ヘッダ32から分離され、熱交換器50から流入される熱媒体を外部に流出させる流出口36と、が設けられる。
また、熱交換器30の下面側には、PTCヒータ40を収容設置するための凹面37(図5参照)が設けられる。この凹面37は、熱媒体が流通する流通路33の裏面と対向され、PTCヒータ40が密着されるよう平坦面とされている。
PTCヒータ40は、図5に示すように、長方形状に構成された平板状のPTC素子41を発熱要素とし、このPTC素子41を挟んでその両面に各々電極板42、非圧縮性絶縁層43及び圧縮性熱伝導層44が順次積層されて設けられた積層構造を有するものである。
PTC素子41は、複数組、例えば4組のPTC素子41が並置されて設けられたものであり、制御基板22に組み込まれている制御回路により、各々PTC素子41単位でオンオフ制御される構成とされている。
電極板42は、PTC素子41に電力を供給するためのもので、PTC素子41と同じ長方形状の薄板であり、導電性および熱伝導性を有している。
非圧縮性絶縁層43は、長方形状の薄板であり、アルミナ等の絶縁材により構成され、熱伝導性を有するものである。この非圧縮性絶縁層43は、電極板42よりも大きな面積を有し、電極板42の外面側に積層された状態において、その四辺が電極板42の四辺よりも少し外側に延出されるようになっている(図5参照)。
また、非圧縮性絶縁層43は、その厚さが1.0mm~2.0mmに構成される。これは、PTC素子41および電極板42とその外側に設けられる熱交換器30および熱交換器50との間において、その間の熱抵抗を極力小さくするとともに、電気絶縁性を十分に確保するためであり、万一非圧縮性絶縁層43が割れたりした場合でも、空気層により絶縁性が保たれるよう、少なくとも1.0mm以上の厚さとされている。
圧縮性熱伝導層44は、圧縮性を有する長方形状のシート材であり、シリコンシート等の絶縁シートで構成され、熱伝導性を有するものである。この圧縮性熱伝導層44は、非圧縮性絶縁層43よりも大きな面積を有し、非圧縮性絶縁層43の外面側に積層された状態において、その四辺が電極板42の四辺よりも大分外側に延出されるようになっている(図5参照)。
また、圧縮性熱伝導層44は、シリコンシートにより構成される場合、その厚さが0.4mm~2.0mmとされる。これは、厚さを2.0mm以下に制限し、発熱要素であるPTC素子41と熱交換器30および熱交換器50間の熱抵抗を極力小さくするためである。また、厚さを少なくとも0.4mm以上とすることにより圧縮機能を確保し、熱交換器30と熱交換器50との間にPTCヒータ40を組み付ける際に、圧縮性を利用してPTCヒータ40に熱交換器30および熱交換器50を確実に密着させるとともに、組み付け寸法公差を吸収するためである。
熱交換器50は、図3及び図4に示すように、アルミニウム合金等の熱伝導性材料により構成される長方形状の箱体であり、その下面側には、一端部に形成される一対の入口ヘッダ52及び出口ヘッダ53と、この入口ヘッダ52から他端側に延び、他端部でUターンして出口ヘッダ53に戻る、多数のセパレートされた平行な溝状の流通路54と、が設けられる。
入口ヘッダ52及び出口ヘッダ53並びに流通路54の下面は、蓋51によって密閉される。これによって、熱交換器50内に、入口ヘッダ52内に流入された熱媒体が、入口ヘッダ52により多数の流通路54に分配され、各流通路54内を同時平行的に流通して他端部でUターンし、出口ヘッダ53に至る熱媒体の流通経路が形成される。
熱交換器50の入口ヘッダ52は、熱交換器30の出口ヘッダ32に設けられている連通口35と連通され、熱交換器30を経た熱媒体が流入される。また、熱交換器50の出口ヘッダ53は、熱交換器30の出口ヘッダ32に、それと分離されて設けられている流出口36に連通され、熱交換器50を経た熱媒体を外部に流出させる経路を構成している。
熱交換器50の上面は、平坦面55(図5参照)とされ、平坦面55は、熱交換器30の平坦な凹面37との間で、PTCヒータ40をサンドイッチ状に挟み込む。これにより、凹面37と平坦面55が、PTCヒータ40の圧縮性熱伝導層44に圧着される。
PTCヒータ40は、図5に示すように、その両面に各々密着されて設けられる熱交換器30及び熱交換器50内を流通される熱媒体に対して、両面から放熱して熱媒体を加熱できるよう構成される。
熱交換器30の流入口34には、熱媒体循環回路11が接続される。ポンプ9から圧送されてくる低温の熱媒体は、流入口34から入口ヘッダ31に流入し、各流通路33に分配される。各流通路33を出口ヘッダ32に向って流通された熱媒体は、出口ヘッダ32でいったん合流された後、連通口35を経て熱交換器50の入口ヘッダ52に流入される。この熱媒体は、入口ヘッダ52により各流通路54に分配され、各流通路54内を流通して他端部でUターンされた後、出口ヘッダ53に至り、再び合流される。この熱媒体は、出口ヘッダ53に連通されている流出口36から熱媒体循環回路11へと流出される。以上により熱媒体の流通経路が構成される。
PTCヒータ40の両面から放熱し、熱交換器30及び熱交換器50内を流通する熱媒体を加熱する構成とされているため、PTCヒータ40の放熱効率を高めて加熱性能を向上させることができる。また、PTCヒータ40を熱交換器30及び熱交換器50によりサンドイッチ状に挟み込み、PTCヒータ40の両面に熱交換器30及び熱交換器50を密着させる積層構造としているため、PTCヒータ40と熱交換器30及び熱交換器50とを密着させて組み付けることができ、熱伝導性及び組み立て性を良好にすることができる。
なお、上記実施形態では、熱媒体を熱交換器30から熱交換器50へと流通させる例について説明したが、逆に熱交換器50から熱交換器30へと流通させるようにしてもよく、この場合、制御基板22の冷却機能を維持するため、基板収容ボックス20は熱交換器50側に配設することができる。
図6に示すように、PTCヒータ40の電源系統には、PTCヒータ40へ供給される電気の電圧及び電流を測定する測定計57が接続される。測定計57は、測定された電圧及び電流に関する情報を制御部61へ送信する。なお、上述した例では、測定計57が、電圧及び電流の両者を測定するとしたが、電圧と電流を個別に測定する二つの測定計としてもよい。
温度測定部58は、熱媒体循環回路11において、熱媒体加熱装置10の熱交換器30,50の入口側に設置され、熱交換器30,50に供給される熱媒体の温度を測定する。温度測定部58は、測定された温度に関するデータ情報を制御部61へ送信する。
流量計59は、熱媒体循環回路11に設置され、熱媒体循環回路11を流れる熱媒体の流量を測定する。流量計59は、測定された流量に関するデータ情報を制御部61へ送信する。
流量調整弁60は、熱媒体循環回路11に設置され、熱媒体循環回路11を流れる熱媒体の流量を調整する。熱媒体循環回路11を流れる熱媒体の流量は、例えば、制御部61で算出された熱媒体の流量となるように調整される。なお、流量調整弁60ではなく、熱媒体循環回路11に設置されたポンプ9によって熱媒体循環回路11を流れる熱媒体の流量を調整してもよい。
制御部61は、発熱量算出部62と、判断部63と、流量算出部64と、メモリ65などを備える。制御部61の動作は、予め記録されたプログラムを実行して、CPU等のハードウェア資源によって実現される。
発熱量算出部62は、測定されたPTCヒータ40の電圧及び電流に基づいて、PTCヒータ40の実際の発熱量を算出する。具体的には、発熱量Q[W]は、下記の式で算出される。
=V×I
ここで、Vは、測定された電圧であり、Iは、測定された電流である。発熱量Qは、上記式で算出されるが、電流と抵抗の関係によって、以下の式に置き換えることができる。
=V/R
ここで、Rは、PTC素子41の抵抗値である。電圧低下時は、上記式からも分かるように、PTCヒータ40の発熱量が低い。また、PTC素子41の特性によって、常温からキュリー温度までの範囲では、PTC素子41の温度が上昇するにつれて、PTC素子41の抵抗値が低下する。そのため、常温からキュリー温度までの範囲では、PTC素子41の温度が上昇するにつれて、発熱量が上昇する。一方、キュリー温度を超えると、PTC素子41の温度が上昇した場合、PTC素子41の抵抗値が上昇する。そのため、キュリー温度を超えたPTC素子41の温度が上昇したとしても、流れる電流が減少するため、発熱量が減少する。
判断部63は、算出された実際の発熱量が所定値以下である状態が、所定時間以上経過したか否かを判断する。例えば、熱媒体加熱装置10の運転が開始されてから所定時間以上経過しても、実際の発熱量が上昇しない場合などを判断する。
流量算出部64は、熱交換器30,50の実際の放熱量が、算出された実際の発熱量よりも低くなるように、熱交換器30,50の目標放熱量を設定する。流量算出部64によって、目標放熱量が設定されるとき、目標放熱量に対応した熱媒体の流量が算出される。
目標放熱量は、測定された熱媒体のPTCヒータ入口温度とPTC素子41の持つキュリー温度との温度差に基づいて、熱媒体の流量に応じて算出される。具体的には、放熱量Q[W]は、下記の式で表される。
=K×(T素子-T水温
ここで、Kは熱媒体の流量毎に定まる係数、T素子はPTC素子41が持つキュリー温度、T水温は測定された熱媒体のPTCヒータ入口温度である。なお、係数Kは、製品設計・製造時のテストやシミュレーション等によって、放熱量Q、及び、測定された熱媒体のPTCヒータ入口温度とPTC素子41の持つキュリー温度との温度差の関係に基づいて、予め取得しておく。また、係数Kは、熱媒体の流量毎に取得されており、メモリ65に記録されている。
目標放熱量は係数Kに応じて変化し、係数Kは熱媒体の流量毎に定まる係数であり、測定された熱媒体のPTCヒータ入口温度とPTC素子41の持つキュリー温度との温度差が一定であるから、目標放熱量が設定されると熱媒体の流量が算出される。
次に、図7を参照して、本実施形態に係る車両用空調装置1の動作について説明する。
車両用空調装置1において、熱媒体加熱装置10の運転が開始されると、熱交換器30,50に熱媒体が流通し、PTCヒータ40に電気が供給される。
このとき、測定計57によって、PTCヒータ40へ供給される電気の電圧及び電流が測定される。また、熱交換器30,50の入口側に設置された温度測定部58によって、熱交換器30,50に供給される熱媒体の温度が測定される。さらに、熱媒体循環回路11に設置された流量計59によって、熱媒体循環回路11を流れる熱媒体の流量が測定される(ステップS1)。
そして、発熱量算出部62では、測定されたPTCヒータ40の電圧及び電流に基づいて、PTCヒータ40の実際の発熱量が逐次算出されている(ステップS2)。
PTC素子41の温度が低い状態で安定化しているとき、例えば、判断部63において熱媒体加熱装置10の運転が開始されてから所定時間以上経過しても、実際の発熱量が上昇しないと判断された場合(ステップS3)、流量算出部64によって、熱交換器30,50の実際の放熱量が、算出された実際の発熱量よりも低くなるように、熱交換器30,50の目標放熱量が設定される(ステップS4)。
目標放熱量は、測定された熱媒体のPTCヒータ入口温度とPTC素子41の持つキュリー温度との温度差と、係数Kによって設定される。測定された熱媒体のPTCヒータ入口温度とPTC素子41の持つキュリー温度との温度差が一定であるから、係数Kを変化させることによって、目標放熱量が設定される。係数Kは熱媒体の流量毎に定まる係数であるから、流量を変化させることによって目標放熱量を変化させることができる。
電圧低下時、又は、熱媒体の温度が低温の場合、実際の放熱量が実際の発熱量よりも低くなるようにするためには、係数Kをより小さい値に設定して目標放熱量を低下させる。その結果、熱媒体の流量がより少なくなるように算出される(ステップS4)。
そして、制御部61は、算出された熱媒体の流量となるように流量調整弁60の開度を調整する(ステップS5)。調整後の熱媒体の流量は流量計59で確認される。
実際の放熱量が実際の発熱量よりも低くなるように少ない流量で熱媒体が流通すると、放熱量が抑制されるため、PTCヒータ40によって加熱された熱媒体の温度が上昇し始める。熱媒体の温度が上昇すると、PTCヒータ40のPTC素子41の温度も上昇する。図8に示すように、低温領域で安定化していたPTC素子41の温度が上昇することによって、キュリー温度に到達するまで、PTC素子41の抵抗値が低下し、実際の発熱量も上昇する。
PTC素子41の温度が上昇しキュリー温度を超えると、PTC素子41の抵抗値が反対に上昇するため、発熱量が低下する。そして、熱媒体の温度上昇率が低下し、発熱量と放熱量とのバランスでPTC素子41の温度や熱媒体の温度が安定化する。このときのPTC素子41の温度は、流量調整前のPTC素子41の温度よりも高く、熱媒体加熱装置10は、本来の加熱能力を発揮する。その結果、電圧が低下した場合、又は、外気温度が低い場合でも、車両用空調装置1の通常の暖房能力を得ることができる。
なお、PTC素子41の温度が上昇している過程で、実際の発熱量が上昇することから、流量算出部64が設定した目標放熱量を再設定することが望ましい。すなわち、実際の放熱量が実際の発熱量よりも低くなるようにしつつ、目標放熱量を当初の目標放熱量よりも高く設定し直す。これにより、係数Kがより大きい値に設定され、熱媒体の流量がより多くなるように算出される。そして、流量調整弁60によって熱媒体の流量が再度調整される。
その結果、目標放熱量を再設定せずに低い値としたまま、すなわち、熱媒体の流量を再調整せずに低い値としたままにする場合と比べて、熱交換器30,50における放熱量が上昇して、発熱量と放熱量が高い値でバランスするため、熱媒体加熱装置10は、高い加熱能力を発揮できる。
目標放熱量を再設定するタイミングは、例えば、温度上昇時に発熱量算出部62が算出している発熱量が所定閾値以上となったとき等である。所定閾値は、当初設定された目標放熱量よりも低い値であり、当初設定された目標放熱量に対する所定の割合などで決定される。目標放熱量を再設定するタイミングとして適切な所定閾値は、製品設計・製造時のテストやシミュレーションなどによって予め取得しておく。
以上、本実施形態によれば、目標放熱量が、算出された発熱量よりも低くなるように、熱交換器30,50を流通する熱媒体の流量が調整される。その結果、熱交換器30,50における放熱量が低下し、PTCヒータ40によって熱媒体の温度が上昇しやすくなる。また、PTC素子41自体の温度も上昇してキュリー温度に到達し、熱媒体加熱装置10は、本来の加熱能力を発揮できる。
また、電圧低下時、又は、熱媒体の温度が低いときに、実際の発熱量が目標発熱量よりも低いまま維持された場合において、上述した制御によって、低い温度領域で安定化していたPTC素子41の温度及び熱媒体の温度を上昇させることができる。
さらに、熱媒体の流量を変化させた後、算出された発熱量が温度上昇時に閾値以上となったとき、熱媒体の流量を再度調整することによって、発熱量と放熱量を高い値でバランスさせることができるため、熱媒体加熱装置10は、高い加熱能力を発揮できる。
1 :車両用空調装置
2 :空気流通路
3 :ケーシング
4 :ブロア
5 :冷却器
6 :放熱器
7 :エアミックスダンパ
8 :タンク
9 :ポンプ
10 :熱媒体加熱装置
11 :熱媒体循環回路
20 :基板収容ボックス
21 :蓋
22 :制御基板
23 :FET
24 :支持部
25 :冷却部
30 :熱交換器
31 :入口ヘッダ
32 :出口ヘッダ
33 :流通路
34 :流入口
35 :連通口
36 :流出口
37 :凹面
40 :PTCヒータ
41 :PTC素子
42 :電極板
43 :非圧縮性絶縁層
44 :圧縮性熱伝導層
50 :熱交換器
51 :蓋
52 :入口ヘッダ
53 :出口ヘッダ
54 :流通路
55 :平坦面
57 :測定計
58 :温度測定部
59 :流量計
60 :流量調整弁
61 :制御部
62 :発熱量算出部
63 :判断部
64 :流量算出部
65 :メモリ

Claims (3)

  1. 内部にて熱媒体が流通する熱交換器と、PTC(Positive Temperature Coefficient)特性を持つPTC素子を含み、前記熱交換器と重ねて配置されるPTCヒータとを有する熱媒体加熱装置と、
    前記PTCヒータに供給される電気の電圧及び電流を測定する第1測定部と、
    前記熱交換器に供給される前記熱媒体の温度を測定する第2測定部と、
    前記熱交換器を流通する前記熱媒体の流量を測定する第3測定部と、
    測定された前記電圧及び前記電流に基づいて、前記PTCヒータの実際の発熱量を算出する発熱量算出部と、
    出された前記発熱量よりも低くなるように、目標放熱量を設定し、前記目標放熱量に対応した前記熱交換器を流通する前記熱媒体の流量を算出する流量算出部と、
    算出された前記熱媒体の流量に基づいて、前記熱媒体の流量を調整する流量調整部と、
    を備え
    前記目標放熱量は、測定された前記熱媒体の温度と前記PTC素子の持つキュリー温度との温度差に基づいて、前記熱媒体の流量に応じて算出される空気調和装置。
  2. 算出された前記発熱量が所定値以下である状態が、所定時間以上経過したか否かを判断する判断部を更に備え、
    前記判断部において、前記発熱量が所定値以下である状態が、所定時間以上経過したと判断されたとき、前記流量算出部によって算出された前記熱媒体の流量に基づいて、前記流量調整部が前記熱媒体の流量を調整する請求項1に記載の空気調和装置。
  3. 算出された前記発熱量が温度上昇時に閾値以上となったとき、前記流量算出部は、前記熱交換器を流通する前記熱媒体の流量を再び算出し、再び算出された前記熱媒体の流量に基づいて、前記流量調整部が前記熱媒体の流量を再び調整する請求項1又は2に記載の空気調和装置。
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