JP7194534B2 - 対象検知装置、画像処理装置、対象検知方法、画像処理方法、及びプログラム - Google Patents

対象検知装置、画像処理装置、対象検知方法、画像処理方法、及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP7194534B2
JP7194534B2 JP2018157456A JP2018157456A JP7194534B2 JP 7194534 B2 JP7194534 B2 JP 7194534B2 JP 2018157456 A JP2018157456 A JP 2018157456A JP 2018157456 A JP2018157456 A JP 2018157456A JP 7194534 B2 JP7194534 B2 JP 7194534B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
photographed image
contrast
background
state
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018157456A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020031393A (ja
Inventor
陽介 野中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Secom Co Ltd
Original Assignee
Secom Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Secom Co Ltd filed Critical Secom Co Ltd
Priority to JP2018157456A priority Critical patent/JP7194534B2/ja
Publication of JP2020031393A publication Critical patent/JP2020031393A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7194534B2 publication Critical patent/JP7194534B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Closed-Circuit Television Systems (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Description

本発明は、所定の空間を撮影した撮影画像から人、車両等の対象を検知する対象検知技術、および、所定の空間を撮影した撮影画像に対して必要に応じてコントラスト補正処理を行う画像処理技術に関する。
撮影画像から対象を検知する場合、日陰でのコントラスト不足による検知精度低下を防止するために、影領域を検出して影領域のコントラストを補正し、或いは影領域とそれ以外の領域とで検知のための処理を切り替える等の対処が行われてきた。
ここで、当該対処は、不用意に行うと却って対象の検知精度が低下し得るため、日向などの高輝度領域と影領域に相当する低輝度領域とを含む撮影画像に限定して行うべきである。従来もこのような観点から、撮影状態が画像内に大きな明暗差を有する高コントラスト状態である撮影画像を対象として上述の対処を行うことが提案されている。
例えば、特許文献1に記載の対象物検知装置では、人候補領域での輝度分布が偏った場合に限定して補正を行っていた。
また、例えば、特許文献2に記載の異常監視装置では、撮影画像全体の平均輝度値と輝度ヒストグラムの累積曲線における変曲点の輝度値との差を求め、当該差が大きい場合を画像内に影などの照明、照度による環境状況の変化が存在すると判断する。そして、この高コントラスト状態に相当する場合に限定して、撮影画像を日向領域と日陰領域に分離し、日陰領域側について二値化しきい値を変更して対象の検知を行っていた。
特開2011-028348号公報 特開平10-042274号公報
しかしながら、従来の提案における高コントラスト状態は、背景が複雑な空間を撮影した撮影画像では、影領域の存在を必ずしも精度よく推定せしめるものとなっていないという問題があった。
例えば、2種類以上の素材からなる背景では、素材の相違に起因して輝度分布の偏りや変曲点の移動が生じ得るため、濃い影の領域が実質的に存在しない画像であるのに撮影状態が高コントラスト状態であると判定され得る。この場合に、当該画像に対し影領域のコントラスト不足への対処を意図した処理を行うと、当該処理は意図に反して非影領域などに対して作用し得る。つまり、撮影画像にて既にコントラストが十分な領域、或いは既にコントラストが適正な撮影画像に対して不要な処理が行われてしまう。
その結果、当該処理後の画像を用いた対象検知の精度が低下し得る。例えば、既にコントラストが十分な画像領域に対するコントラスト補正処理は過度な補正となる。過度な補正によって背景や対象のエッジが過剰に抽出されると、背景を対象として誤検知し易くなり、または対象を検出し損ね易くなる。
また、例えば、既にコントラストが適正な撮影画像が無理に日向領域と日陰領域に区分され、日陰に区分された領域に対して二値化しきい値が変更される。そのため、日陰内の対象検知を図るために二値化しきい値を下げる操作が、実際には日陰ではない領域にも作用して当該領域にて背景を対象と誤検知し易くなる。
また、撮影画像に対してコントラスト補正処理を行って得られた画像を監視員等の視認による空間の監視等に供する場合も、高コントラスト状態であることに基づいて撮影画像に対し当該補正処理を行うと、既にコントラストが十分な撮影画像にてエッジが過度に強調されて視認しづらくなってしまうことが起こる。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、反射特性が相違する複数の背景構成物が存在するといった背景が複雑な空間を撮影した撮影画像においても好適に撮影状態に関する高コントラスト状態を判定し、撮影画像が高コントラスト状態であるか否かの判定結果に応じた処理によって撮影画像から対象を高精度に検知可能とする技術を提供することを目的とする。
また、本発明は、背景が複雑な空間を撮影した撮影画像においても好適に高コントラスト状態を判定し、高コントラスト状態での撮影画像に対するコントラスト補正処理を適正に行って対象の検知や視認に適した画像を生成可能とする技術を提供することを別の目的とする。
(1)本発明に係る対象検知装置は、所定の空間が撮影された撮影画像から対象を検知する装置であって、前記空間の背景が撮影された背景画像にて背景構成物の反射特性が類似する特性類似領域を記憶する背景情報記憶手段と、前記撮影画像のコントラストについての解析を前記特性類似領域ごとに行い、当該解析結果に基づき前記撮影画像が所定基準以上の高コントラスト状態であるか否かを判定する撮影状態判定手段と、前記撮影状態判定手段の判定結果に応じた処理によって前記撮影画像から前記対象を検出する対象検出手段と、を備える。
(2)上記(1)に記載の対象検知装置において、前記対象検出手段は、前記高コントラスト状態であると判定された場合には、前記撮影画像にコントラスト補正処理を行って補正画像を生成し当該補正画像から前記対象を検出し、前記高コントラスト状態ではないと判定された場合には、前記コントラスト補正処理を行わずに前記撮影画像から前記対象を検出する構成とすることができる。
(3)上記(1)に記載の対象検知装置において、前記対象検出手段は、前記撮影状態判定手段が前記高コントラスト状態であると判定した場合には、前記撮影画像を所定の閾値に基づいて低輝度領域と高輝度領域とに分割する分割処理を行って前記低輝度領域及び前記高輝度領域それぞれにて前記対象を検出し、前記撮影状態判定手段が前記高コントラスト状態ではないと判定した場合には、前記分割処理を行わずに前記撮影画像から前記対象を検出する構成とすることができる。
(4)本発明に係る画像処理装置は、所定の空間が撮影された撮影画像を取得する撮影画像取得手段と、前記空間の背景が撮影された背景画像にて背景構成物の反射特性が類似する特性類似領域を記憶する背景情報記憶手段と、前記撮影画像のコントラストについての解析を前記特性類似領域ごとに行い、当該解析結果に基づき前記撮影画像が所定基準以上の高コントラスト状態であるか否かを判定する撮影状態判定手段と、前記高コントラスト状態であると判定された場合には、前記撮影画像にコントラスト補正処理を行って補正画像を出力し、一方、前記高コントラスト状態ではないと判定された場合には、前記撮影画像を出力する出力手段と、を備える。
(5)本発明に係るプログラムは、所定の空間が撮影された撮影画像から対象を検知する処理をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、当該コンピュータを、前記空間の背景が撮影された背景画像にて背景構成物の反射特性が類似する特性類似領域を記憶する背景情報記憶手段、前記撮影画像のコントラストについての解析を前記特性類似領域ごとに行い、当該解析結果に基づき前記撮影画像が所定基準以上の高コントラスト状態であるか否かを判定する撮影状態判定手段、及び、前記撮影状態判定手段の判定結果に応じた処理によって前記撮影画像から前記対象を検出する対象検出手段、として機能させる。
(6)本発明に係る対象検知方法は、所定の空間が撮影された撮影画像から対象を検知する方法であって、前記空間の背景が撮影された背景画像にて背景構成物の反射特性が類似する特性類似領域を求める背景情報生成ステップと、前記撮影画像のコントラストについての解析を前記特性類似領域ごとに行い、当該解析結果に基づき前記撮影画像が所定基準以上の高コントラスト状態であるか否かを判定する撮影状態判定ステップと、前記撮影状態判定ステップでの判定結果に応じた処理によって前記撮影画像から前記対象を検出する対象検出ステップと、を備える。
(7)本発明に係るプログラムは、コンピュータに画像処理を行わせるためのプログラムであって、当該コンピュータを、所定の空間が撮影された撮影画像を取得する撮影画像取得手段、前記空間の背景が撮影された背景画像にて背景構成物の反射特性が類似する特性類似領域を記憶する背景情報記憶手段、前記撮影画像のコントラストについての解析を前記特性類似領域ごとに行い、当該解析結果に基づき前記撮影画像が所定基準以上の高コントラスト状態であるか否かを判定する撮影状態判定手段、及び、前記高コントラスト状態であると判定された場合には、前記撮影画像にコントラスト補正処理を行って補正画像を出力し、一方、前記高コントラスト状態ではないと判定された場合には、前記撮影画像を出力する出力手段、として機能させる。
(8)本発明に係る画像処理方法は、所定の空間が撮影された撮影画像を取得する撮影画像取得ステップと、前記空間の背景が撮影された背景画像にて背景構成物の反射特性が類似する特性類似領域を求める背景情報生成ステップと、前記撮影画像のコントラストについての解析を前記特性類似領域ごとに行い、当該解析結果に基づき前記撮影画像が所定基準以上の高コントラスト状態であるか否かを判定する撮影状態判定ステップと、前記高コントラスト状態であると判定された場合には、前記撮影画像にコントラスト補正処理を行って補正画像を出力し、一方、前記高コントラスト状態ではないと判定された場合には、前記撮影画像を出力する出力ステップと、を備える。
本発明によれば、背景が複雑な空間を撮影した撮影画像から対象を高精度に検知可能な対象検知技術が得られる。また、本発明によれば、背景が複雑な空間を撮影した撮影画像を処理して対象の検知や視認に適した画像を出力可能な画像処理技術が得られる。
本発明の実施形態に係る画像監視装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る画像監視装置の概略の機能ブロック図である。 反射特性マップの例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る画像監視装置の動作を説明する概略のフロー図である。 撮影状態判定処理の概略のフロー図である。 撮影画像の一例を示す模式図である。 図6の撮影画像に対する撮影状態判定手段の処理を説明する模式図である。
[第1の実施形態]
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)である画像監視装置1について、図面に基づいて説明する。画像監視装置1は、本発明に係る対象検知装置を含んで構成され、所定の空間(監視空間)が撮影された画像(撮影画像)から当該空間における人や不審物等の監視対象の有無等を解析する。また、画像監視装置1は、本発明に係る画像処理装置を含んで構成され、撮影画像に対して必要に応じてコントラスト補正処理を行って補正画像を生成する。画像監視装置1は撮影画像又は補正画像に基づいて対象を検出する。
[画像監視装置の構成]
図1は画像監視装置1の概略の構成を示すブロック図である。画像監視装置1はカメラ2、通信部3、記憶部4、画像処理部5および報知部6からなる。
カメラ2は監視カメラであり、通信部3を介して画像処理部5と接続され、監視空間を所定の時間間隔で撮影して撮影画像を生成し、撮影画像を順次、画像処理部5に入力する撮影手段である。例えば、カメラ2は、監視空間であるイベント会場の一角に設置されたポールに当該監視空間を俯瞰する所定の固定視野を有して設置され、監視空間をフレーム周期1秒で撮影してカラー画像を生成する。なお、カメラ2はカラー画像の代わりにモノクロ画像を生成してもよい。
通信部3は通信回路であり、その一端が画像処理部5に接続され、他端がカメラ2および報知部6と接続される。通信部3はカメラ2から撮影画像を取得して画像処理部5に入力し、画像処理部5から入力された解析結果を報知部6へ出力する。
例えば、カメラ2および報知部6がイベント会場内の監視センターに設置され、通信部3、記憶部4および画像処理部5が遠隔地の画像解析センターに設置される場合、通信部3とカメラ2、および通信部3と報知部6をそれぞれインターネット回線にて接続し、通信部3と画像処理部5はバスで接続する構成とすることができる。その他、例えば各部を同一建屋内に設置する場合は、通信部3とカメラ2を同軸ケーブルまたはLAN(Local Area Network)で接続し、通信部3と報知部6はディスプレイケーブル、通信部3と画像処理部5はバスで接続するなど、各部の設置場所に応じた形態で適宜接続される。
記憶部4は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置であり、各種プログラムや各種データを記憶する。記憶部4は画像処理部5と接続されて、画像処理部5との間でこれらの情報を入出力する。
画像処理部5は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MCU(Micro Control Unit)等の演算装置で構成される。画像処理部5は記憶部4からプログラムを読み出して実行することにより各種処理手段・制御手段として動作し、必要に応じて、各種データを記憶部4から読み出し、生成したデータを記憶部4に記憶させる。また、画像処理部5は、通信部3経由でカメラ2から取得した撮影画像から監視空間における監視対象の有無や位置などに関する解析結果を生成し、通信部3を介して報知部6へ出力する。また、画像処理部5は撮影画像またはコントラスト補正した補正画像を報知部6へ出力してもよい。
報知部6は、液晶ディスプレイまたはCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等のディスプレイ装置であり、通信部3から入力された解析結果に含まれる監視対象の有無や位置等の情報や、入力された画像を表示することによって監視員に報知する。報知部6には、さらに、注意喚起を強調するためにブザーやランプ等を含めることもできる。監視員は表示された解析結果や画像を視認して対処の要否等を判断し、必要に応じて対処員を急行させる等の対処を行う。
なお、本実施形態においては、通信部3と画像処理部5の組に対してカメラ2が1台である画像監視装置1を例示するが、別の実施形態においては、通信部3と画像処理部5の組に対してカメラ2が2台以上接続された構成とすることもできる。その場合、通信部3は各カメラ2から撮影画像を時分割で受信し、画像処理部5は各カメラ2からの撮影画像を時分割処理または並列処理する。
[画像監視装置の機能]
図2は第1の実施形態に係る画像監視装置1の概略の機能ブロック図である。図2には専ら、通信部3、記憶部4および画像処理部5の機能が示されており、具体的には、通信部3は撮影画像取得手段30、解析結果出力手段31等として機能し、記憶部4は環境モデル記憶手段40、カメラ情報記憶手段41、背景情報記憶手段42等として機能し、画像処理部5は背景情報生成手段50、撮影状態判定手段51、対象検出手段52、対象情報解析手段53等として機能する。
撮影画像取得手段30はカメラ2から撮影画像を順次取得して、取得した撮影画像を撮影状態判定手段51および対象検出手段52に順次出力する。
環境モデル記憶手段40は、監視空間の背景を構成する複数の構成物(背景構成物)の三次元モデルを三次元背景として記憶する。
背景構成物は例えば、屋外であれば、歩道、道路、建物、標識などの建造物や、樹木などの移動しない自然物である。好適には、道路のうちのアスファルト部分と白線部分、また標識のうちの地色部分と文字・マーク部分のように、反射特性が互いに有意に異なる部分が別の背景構成物として記憶される。
背景構成物の三次元モデルは、監視空間を模したXYZ座標系における各背景構成物の位置、姿勢、立体形状にて表される三次元座標値および各背景構成物の反射特性のデータを含む。反射特性は一般的に、構成物表面の色、テクスチャ、反射率等の要素で構成される。反射率は例えば、鏡面反射成分の反射率および拡散反射成分の反射率、並びにそれらの割合をパラメータとして持つ二色性反射モデルで表現される。
背景構成物の三次元モデルは、建築設計時に作成されたIFC(Industry Foundation Classes)規格の建物情報、三次元CADデータ等あるいは事前の実計測データから取得できる。
また、環境モデル記憶手段40はさらに当該監視空間の照明モデルも予め記憶している。照明モデルは、監視空間を照明する1以上の光源について、監視空間を模したXYZ座標系における当該光源の位置、および当該光源の配光、色温度などで表される照明特性を含む。光源は人工照明や太陽等である。
カメラ情報記憶手段41は監視空間を模したXYZ座標系におけるカメラ2のカメラパラメータを予め記憶している。カメラパラメータは外部パラメータと内部パラメータとからなる。外部パラメータはXYZ座標系におけるカメラ2の位置姿勢である。内部パラメータはカメラ2の焦点距離、中心座標、歪係数などである。カメラパラメータは事前のキャリブレーションによって計測され、カメラ情報記憶手段41に記憶される。このカメラパラメータをピンホールカメラモデルに適用することによってXYZ座標系の座標をカメラ2の撮影面を表すxy座標系に変換できる。
背景情報記憶手段42は、監視空間の背景が撮影された撮影画像(背景画像)にて背景構成物の反射特性が類似する領域である特性類似領域を記憶する。この特性類似領域を参照することによって、撮影画像中の任意の画素について、当該画素に背景として撮影され得る背景構成物の反射特性を特定できる。
背景情報生成手段50は特性類似領域を算出し、算出した特性類似領域を背景情報記憶手段42に記憶させる。例えば、特性類似領域は、環境モデル記憶手段40に記憶されている環境モデルをカメラ情報記憶手段41に記憶されているカメラパラメータを用いてレンダリングすることにより算出できる。
具体的には、背景情報生成手段50は、カメラ2のカメラパラメータを用いて環境モデルをカメラ2の撮影面にレンダリングすることによって、撮影面に形成される画像の各画素に投影される背景構成物を特定する。なお、このレンダリングにおいて光源の照明条件は問わず、任意の照明条件を1つ設定すればよい。
その一方で、背景情報生成手段50は環境モデルに含まれる背景構成物の反射特性ごとにその識別子として反射特性IDを付与する。その際、値が完全一致する反射特性に共通の反射特性IDを付与してもよいし、値が同一とみなせる程度に類似する反射特性に共通の反射特性IDを付与してもよい。反射特性の類否は、反射特性を構成する上述した要素、パラメータに基づいて判定される。具体的には、それぞれの要素およびパラメータの差が予め定めた閾値以下であれば反射特性が類似と判断する。なお、元から反射特性ごとのIDが付与されている環境モデルであれば当該IDを利用すればよい。
そして、次に、背景情報生成手段50は撮影画像の各画素に対応する画素を有した反射特性マップを作成し、当該反射特性マップの各画素の画素値に、当該画素に投影される背景構成物の反射特性IDを設定する。この反射特性マップにおいて画素値が同一である画素からなる領域それぞれが特性類似領域となる。
図3は反射特性マップの例を示す模式図である。図3において、反射特性マップ100は、車道の右側に歩道を挟んで建物が存在する曲がり角が写った撮影画像に対応する例である。図に示すように、反射特性マップ100は撮影画像の各画素と対応する画素を有する画像データとすることができ、カメラ2の撮影面と同じxy座標系で表すことができる。
具体的には反射特性マップ100は、それに対応する撮影画像に反射特性が異なる背景構成物として、石畳からなる歩道、アスファルト舗装された道路、当該道路に道路標示として描かれた白線、および建物の壁が写っている場合の例である。ここで例えば、歩道の石畳の反射特性に対しては反射特性IDを「1」と定義し、同様に、アスファルトの路面、白色の道路標示、建物の壁の反射特性に対しては反射特性IDをそれぞれ「2」,「3」,「4」と定義する。
反射特性マップ100には撮影画像における反射特性が異なる背景構成物の領域ごとに反射特性IDが設定される。画像101は反射特性マップ100のうち歩道領域111を斜線で示しており、当該斜線領域の画素に反射特性IDとして値「1」が設定される。同様に、画像102,103,104はそれぞれ反射特性マップ100のうちアスファルト領域112、白線領域113、壁領域114を斜線で示しており、当該斜線領域の画素に反射特性IDとしてそれぞれ値「2」,「3」,「4」が設定される。
撮影状態判定手段51は、背景情報記憶手段42に記憶されている特性類似領域の情報を読み出し、撮影画像取得手段30から入力された撮影画像について、そのコントラストに関する解析を特性類似領域ごとに行い、当該解析結果に基づいて撮影画像の撮影状態が所定基準以上の高コントラスト状態であるか否かを判定し、判定結果を対象検出手段52に出力する。
例えば、撮影状態判定手段51は、特性類似領域それぞれを、撮影画像における当該特性類似領域内の画素の輝度値が予め設定された明暗しきい値よりも高い明部と、明暗しきい値以下である暗部とに分け、特性類似領域ごとに明部の輝度値の暗部の輝度値に対する高さを表すコントラスト指標値を算出する。ここで、明暗しきい値は特性類似領域ごとに反射特性を考慮して設定することができる。
撮影状態判定手段51は、撮影画像内のいずれかの特性類似領域のコントラスト指標値が高コントラスト判定基準を満たす値である場合に、当該撮影画像が高コントラスト状態であると判定し、一方、いずれの特性類似領域のコントラスト指標値も予め設定された高コントラスト判定基準を満たさない値である場合には、当該撮影画像は高コントラスト状態ではないと判定することができる。
具体的には、撮影状態判定手段51は、特性類似領域rごとに、明部の輝度値Iおよび暗部の輝度値Iから次式のコントラスト指標値Cを求めてその最大値MAX(C)を、高コントラスト判定基準として予め定めたしきい値Tと比較し、MAX(C)≧Tである場合に高コントラスト状態であると判定し、MAX(C)<Tである場合に高コントラスト状態ではないと判定する。
Figure 0007194534000001
ちなみに、コントラスト指標値Cは明暗比IN,r/IS,rが高いほど高い値をとる。明暗比そのものをコントラスト指標値Cとしてもよい。なお、その際には、0割りの発生に配慮する。
明部と暗部のいずれか一方しか存在しない特性類似領域については、撮影状態判定手段51は、コントラスト指標値の算出を省略することができる。また、撮影画像がカラー画像である場合、撮影状態判定手段51は、撮影画像にグレースケール変換を施して各画素の輝度値を得ることができる。
ここで、カメラパラメータには微小なキャリブレーション誤差を含み得るため、特性類似領域内の縁部は、撮影画像において隣接する別の背景構成物の像を含む場合がある。そこで、撮影状態判定手段51は特性類似領域内の非縁部の撮影画像を解析対象とする。例えば、撮影状態判定手段51は、特性類似領域ごとに、明部の重心の画素から輝度値Iを取得し、また、暗部の重心の画素から輝度値Iを取得し、それらを用いてコントラスト指標値を算出する。
また、非縁部として重心の近傍画素を加えてもよい。その場合、例えば、撮影状態判定手段51は、特性類似領域ごとに、明部の輝度値Iとして明部の重心の画素およびその8近傍画素の平均輝度値を求め、また暗部の輝度値Iとして暗部の重心の画素およびその8近傍画素の平均輝度値を求め、それらを用いてコントラスト指標値を算出する。重心画素と8近傍画素の平均輝度値の代わりに、それら9画素の輝度値の中央値を用いてもよい。
なお、複数の明部が検出される特性類似領域については、例えば、面積(すなわち画素数)が最大の明部の輝度値を用いてコントラスト指標値を算出すればよい。同様に、複数の暗部が検出される特性類似領域については、例えば、面積が最大の暗部の輝度値を用いてコントラスト指標値を算出すればよい。
また、撮影画像には背景構成物ではない前景物体が撮影され得、前景物体が撮影状態の判定精度を低下させ得る。そこで、撮影状態判定手段51は、背景差分処理または背景相関処理を行って前景物体により生じ得る変化領域を抽出し、抽出した変化領域を特性類似領域から除いて撮影画像のコントラスト解析を行う。そのために、撮影状態判定手段51は、背景差分処理または背景相関処理に必要な背景画像を撮影画像から生成して記憶部4に記憶させ、また、撮影画像を用いて背景画像を適宜更新する。
上述の構成では、明暗しきい値を用いて特性類似領域を明部と暗部に区分したが、これに代えて、環境モデルを用いて推定される影領域を暗部とし、影領域以外を明部とすることもできる。
例えば、当該推定は背景情報生成手段50にて行うことができる。背景情報生成手段50は、環境モデル記憶手段40から環境モデルを、また、カメラ情報記憶手段41からカメラ2のカメラパラメータをそれぞれ読み出す。そして、環境モデルとカメラパラメータとを用い、カメラ2の撮影面に投影される画像上での光源による背景構成物の影領域を模擬し、当該影領域と各特性類似領域とが重なる部分を当該特性類似領域の影領域と推定し、背景情報記憶手段42に記憶させる。撮影状態判定手段51は特性類似領域ごとに背景情報記憶手段42に記憶されている影領域に基づいて、当該特性類似領域を暗部、明部に区分する。なお、光源が太陽である場合のように影領域が変化する場合には、背景情報生成手段50は、背景情報記憶手段42に記憶される特性類似領域ごとの推定影領域を随時更新する。
また、撮影状態判定手段51は、特性類似領域ごとに撮影画像の輝度ヒストグラムを算出して、当該輝度ヒストグラムが単峰性か否かに基づいて高コントラスト状態か否かを判定することもできる。例えば、特性類似領域の輝度ヒストグラムが単峰性ではない、つまり輝度の頻度分布における山部が2つ以上ある場合には、当該特性類似領域に日陰領域のように低輝度の山部として現れる影領域と、日向領域のように高輝度の山部として現れる非影領域とが存在すると推定される。そして、日陰と日向のような明暗差を含む撮影画像の撮影状態は高コントラスト状態であると判断する。具体的には、撮影状態判定手段51は、特性類似領域ごとに撮影画像の輝度ヒストグラムを算出して、いずれかの特性類似領域において輝度ヒストグラムが単峰性でなければ高コントラスト状態であると判定し、いずれの特性類似領域においても輝度ヒストグラムが単峰性であれば高コントラスト状態ではないと判定する。
なお、上述したように特性類似領域内の縁部は隣接する別の背景構成物の像を含み得ることに配慮して、輝度ヒストグラムは非縁部の画素から生成することができる。その場合、撮影状態判定手段51は、各特性類似領域に収縮処理を施すことによって非縁部を生成することができる。このとき、特性類似領域から変化領域を除いた後に収縮処理を施すことで変化領域の抽出誤差の影響を防止できる。
また、各特性類似領域におけるコントラストの指標値の算出や高コントラスト状態の判定には公知の種々の手法を適用できる。
対象検出手段52は撮影画像取得手段30から撮影画像を入力されるとともに撮影状態判定手段51から当該撮影画像に対する判定結果を入力され、判定結果に応じた処理によって撮影画像から対象を検出し、検出結果である対象情報を対象情報解析手段53に出力する。
すなわち、対象検出手段52は、高コントラスト状態であると判定された場合は高コントラスト時処理を適用して撮影画像から対象を検出し、高コントラスト状態ではないと判定された場合は高コントラスト時処理を適用せずに正常コントラスト時処理によって撮影画像から対象を検出する。
例えば、高コントラスト時処理はコントラスト補正を伴う処理とすることができる。すなわち、対象検出手段52は、撮影状態判定手段51が高コントラスト状態であると判定した場合に、撮影画像にコントラスト補正処理を行って補正画像を生成し、当該補正画像から対象を検出する。一方、撮影状態判定手段51が高コントラスト状態ではないと判定した場合には、対象検出手段52はコントラスト補正処理を行わずに撮影画像から対象を検出する。
そのために、対象検出手段52は処理切替手段520、コントラスト補正手段521および対象領域探索手段522を備える。
処理切替手段520は撮影画像と判定結果を入力され、高コントラスト状態であるとの判定結果である場合に撮影画像をコントラスト補正手段521に出力し、高コントラスト状態ではないとの判定結果である場合に撮影画像を対象領域探索手段522に出力する。
コントラスト補正手段521は入力された撮影画像にコントラスト補正処理を施して補正画像を生成し、当該補正画像を対象領域探索手段522に出力する。
例えば、コントラスト補正手段521は、ヒストグラムの拡張(Histogram SpreadingまたはHistogram Stretching)と呼ばれる輝度変換を行ってコントラスト補正処理を行う。具体的には、コントラスト補正手段521は、撮影画像の画素のうち輝度がLi以上Hi以下の画素の輝度Iを{(I-Li)×255÷(Hi-Li)}に変換する。但し、撮影画像の階調を0~255、撮影画像の輝度ヒストグラムにおける山部の輝度範囲をLi~Hiとする。補正画像では山部に属する画素とその周辺画素との輝度差が拡大され、エッジが強調される。
なお、このときコントラスト補正手段521は、撮影画像の画素のうち輝度がLi未満の画素の輝度を0に変換し、撮影画像の画素のうち輝度がHiより高い画素の輝度を255に変換する。
また、別の実施形態においてコントラスト補正手段521は、ヒストグラムの平坦化(Histogram Equalization)と呼ばれる輝度変換を行ってコントラスト補正処理を行う。具体的には、コントラスト補正手段521は、撮影画像の画素のうち輝度がLi以上Hi以下の画素の輝度Iを{255÷N×ΣP(I)}に変換する。但し、NはLi以上Hi以下の総画素数、ΣP(I)は輝度Li~Iまでの頻度の和を表す。この処理によっても補正画像において山部の画素と周辺画素との輝度差が大きくなり、エッジが強調される。なお、輝度がLi未満の画素、輝度がHiより高い画素に対する変換は上記と同様である。
対象領域探索手段522は補正画像または撮影画像を入力され、入力された画像を予め対象の画像特徴を学習した識別器により走査して対象の像を探索し、対象の像の有無、対象の像が存在する位置または領域、対象の像(対象画像)等のうちの1以上を含めた対象情報を生成して対象情報解析手段53に出力する。
対象情報解析手段53は、対象領域探索手段522が出力した対象の像、位置、動きを解析して、解析結果を解析結果出力手段31へ出力する。対象情報解析手段53は例えば、対象である物体の姿勢の推定、物体の追跡などを行う。
解析結果出力手段31は対象情報解析手段53から入力された解析結果を報知部6へ出力する。
なお、対象領域検出手段522は入力された補正画像または撮影画像を対象情報とともに対象情報解析手段53に出力してもよく、その場合、対象情報解析手段53は入力された画像を解析結果とともに解析結果出力手段31に出力し、解析結果出力手段31は入力された画像を解析結果とともに報知部6に出力する。
[画像監視装置の動作]
図4は第1の実施形態に係る画像監視装置1の動作を説明する概略のフロー図である。
画像処理部5は、撮影画像から対象を検知する処理に先立って背景情報生成手段50として機能し、特性類似領域を算出する(ステップS1)。例えば、図3の反射特性マップ100の例では、画像101~104それぞれの斜線領域が特性類似領域として得られる。背景情報生成手段50は算出した特性類似領域を背景情報記憶手段42に記憶させる。なお、上述したように、背景情報生成手段50は、環境モデルを用いて影領域を推定する場合には、適宜、影領域を更新する。
背景情報記憶手段42に特性類似領域が記憶された状態にて、通信部3は撮影画像取得手段30として動作し、カメラ2から撮影画像を順次取得する(ステップS2)。
画像処理部5は、撮影画像取得手段30から撮影画像を取得するごとに、撮影状態判定手段51として動作し、撮影画像の撮影状態が高コントラスト状態であるか否かを判定する(ステップS3)。
図5は撮影状態判定処理S3の概略のフロー図である。撮影状態判定手段51は各特性類似領域を順次、注目領域に設定して(ステップS30)、ステップS31~S34の処理をループ処理で全特性類似領域に対して行う(ステップS35)。
当該ループ内にて、撮影状態判定手段51は、撮影画像における注目領域内の各画素の画素値をグレースケール変換して輝度値を得、各画素の輝度値を明暗しきい値と比較して注目領域における明部と暗部を検出する(ステップS31)。
ステップS31にて明部と暗部の両方が検出された場合(ステップS32にて「YES」の場合)、撮影状態判定手段51は、明部内の非縁部の背景構成物に係る平均輝度値Iと、暗部内の非縁部の背景構成物に係る平均輝度値Iとを算出し(ステップS33)、これらを式(1)に代入して注目領域についてのコントラストの指標値Cを算出し、記憶部4に記憶させる(ステップS34)。一方、明部と暗部の一方が検出されなかった場合(ステップS32にて「NO」の場合)、ステップS33,S34は省略される。
図6は撮影画像200の一例を示す模式図であり、背景構成物は図3に示した反射特性マップと共通であり、特性類似領域として反射特性IDの値「1」~「4」に対応する4つの領域、具体的には、歩道、アスファルト面、白色道路標示、建物壁が存在する。また、撮影画像200には、歩道領域に撮影された人物201と、斜線領域で示す日陰領域202とが示されている。
図7は図6の撮影画像200に対する撮影状態判定手段51の処理を説明する模式図である。撮影画像200に存在する4つの特性類似領域r(r=1~4)のうちr=1に対応する反射特性ID=1の領域(図3の画像101に示す歩道領域)に関して、日向領域である明部(画像310の斜線領域)と図6の日陰領域202に位置する暗部(画像315の斜線領域)が検出される。撮影状態判定手段51は明部から輝度値IN,1を求め、暗部から輝度値IS,1を求め、式(1)によりコントラスト指標値Cを算出する。また、図7において画像320,325がr=2の場合の明部、暗部を示しており、同様に画像330,335はr=3の場合、画像340,345はr=4の場合を示している。これらr=2,3,4の場合も、r=1の場合と同様、撮影状態判定手段51は明部、暗部から求めたIN,r,IS,rを用いてCを算出する。
撮影状態判定手段51は、このステップS31~S34の処理を全特性類似領域について終えていない場合(ステップS35にて「NO」の場合)、処理をステップS30に戻して未処理の特性類似領域を注目領域に設定してループ処理を繰り返す。
一方、全ての特性類似領域についてループ処理を終えると(ステップS35にて「YES」の場合)、撮影状態判定手段51は、記憶部4に記憶されている指標値Cの最大値MAX(C)を求めてしきい値Tと比較する(ステップS36)。撮影状態判定手段51は、MAX(C)≧Tである場合は(ステップS36にて「YES」の場合)、撮影画像が高コントラスト状態であると判定し、MAX(C)<Tである場合は(ステップS36にて「NO」の場合)、撮影画像が高コントラスト状態ではないと判定する。なお、ステップS36の比較を終えた時点で、撮影状態判定手段51は、次回の判定に備えて記憶部4から指標値Cを削除する。
画像処理部5は、撮影状態判定手段51による撮影状態判定処理S3を終えると、対象検出手段52として機能し、ステップS3~S6の処理を行う。
対象検出手段52は撮影状態判定手段51から高コントラスト状態であるとの判定結果を入力された場合(ステップS4にて「YES」の場合)、処理切替手段520により撮影画像をコントラスト補正手段521に入力し、コントラスト補正手段521により当該撮影画像にコントラスト補正処理を施して補正画像を対象領域探索手段522に入力する(ステップS5)。
一方、高コントラスト状態ではないとの判定結果を入力された場合(ステップS4にて「NO」の場合)、対象検出手段52は、撮影画像取得手段30から入力された撮影画像を処理切替手段520によりそのまま対象領域探索手段522に入力する。
よって、対象領域探索手段522には、撮影画像が高コントラスト状態であるか否かに応じて補正画像および撮影画像のどちらかが入力される。対象検出手段52は、対象領域探索手段522により補正画像または撮影画像のうちの入力された画像にて、識別器により対象を探索し、探索結果に基づいて対象情報を生成し、対象情報を、入力された画像とともに対象情報解析手段53に出力する(ステップS6)。
対象情報解析手段53は対象情報を解析して長時間滞留している人物や長時間放置されている物品の有無などの解析結果を生成する(ステップS7)。解析結果は、入力された画像とともに解析結果出力手段31により報知部6に出力される(ステップS8)。
ステップS2にて取得された撮影画像に対して以上の処理を終えると、処理は再びステップS2に戻され、新たに取得される撮影画像に対して上述の処理が繰り返される。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る画像監視装置の構成要素のうち、第1の実施形態と基本的に同一の構成要素には同一の符号を付して第1の実施形態での説明を援用しここでの説明の簡素化を図ることとする。また、第2の実施形態の構成要素のうち、第1の実施形態のものと基本的には対応するものであるが構成や機能に違いが存在するものについては、共通の名称とする一方、識別を容易にするために、符号の数字の後に“B”を付す。以下、主に、第2の実施形態の画像監視装置1Bが第1の実施形態の画像監視装置1と異なる点について説明する。
第2の実施形態の画像監視装置1Bは、第1の実施形態の画像監視装置1について示した図2の機能ブロックのうち対象検出手段52において相違する。第2の実施形態の対象検出手段52Bは、第1の実施形態と同様、撮影画像取得手段30から撮影画像を入力されるとともに撮影状態判定手段51から当該撮影画像に対する判定結果を入力され、判定結果に応じた処理によって撮影画像から対象を検出する。
ここで、対象検出手段52Bは、高コントラスト状態であると判定された場合の処理を行う手段として、撮影画像を高輝度領域と低輝度領域とに分割する画像分割手段、高輝度領域における対象領域を検出する高輝度領域内検出手段、低輝度領域における対象領域を検出する低輝度領域内検出手段、並びに、高輝度領域および低輝度領域それぞれにて検出された対象領域を合成する対象領域合成手段を有する。
画像分割手段は、撮影画像と背景画像を比較して、撮影画像を、背景画像の撮影画像に対する輝度値の低下が予め設定されたしきい値よりも高い高輝度領域と、しきい値以下である低輝度領域とに分割し、高輝度領域を高輝度領域内検出手段に出力し、低輝度領域を低輝度領域内検出手段に出力する。
高輝度領域内検出手段は、高輝度領域に関し、撮影画像と背景画像との差分処理を行い、各画素について画素値の相違度を求める。そして、当該相違度が所定のしきい値より大きい領域を対象領域として検出することができる。
低輝度領域内検出手段は、低輝度領域に関し、撮影画像と背景画像との差分処理を行い、各画素について画素値の相違度を求め、当該相違度が所定の第1のしきい値より大きい領域を強変化領域とし、一方、第1のしきい値以下の領域を非強変化領域とする。低輝度領域内検出手段は、まず強変化領域を対象領域として抽出する。
さらに、低輝度領域内検出手段は、特性類似領域ごとに、非強変化領域における輝度ヒストグラムを生成し、ヒストグラムに複数の山部がある場合に、当該特性類似領域内の非強変化領域に前景物体が存在するとして、複数の山部のうち背景により生じたもの以外の山部を構成する画素群からなる領域を対象領域として抽出する。ここで、例えば、複数の山部のうち最も高いものを背景により生じたものと推定することができる。また、環境モデルを用いたレンダリング結果から推定することもできる。
対象領域合成手段は、高輝度領域内検出手段が抽出した対象領域、低輝度領域内検出手段が強変化領域および非強変化領域に分けて抽出した対象領域を合成して、撮影画像全体での対象領域を生成し、対象情報解析手段53に出力する。
対象検出手段52Bは、高コントラスト状態ではないと判定された場合に対応して、対象領域検出手段を有する。当該対象領域検出手段は、上述の高輝度領域内検出手段と基本的に同様にして対象領域を検出し、当該対象領域を対象情報解析手段53に出力する。
[変形例]
(1)上記各実施形態においては背景情報生成手段50が環境モデルをレンダリングして特性類似領域を算出する例を示したが、背景情報生成手段50が背景画像に対してセマンティックセグメンテーションと呼ばれる処理を適用することによって特性類似領域を算出することもできる。
なお、セマンティックセグメンテーションについては、例えば、"Pyramid Scene Parsing Network" Hengshuang Zhao, et al. IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR), 2017 や、"DeepLab: Semantic Image Segmentation with Deep Convolutional Nets, Atrous Convolution, and Fully Connected CRFs" LC Chen, et al. IEEE transactions on pattern analysis and machine intelligence 40 (4), 834-848に記されている。
その場合、記憶部4には、背景構成物の画像と監視空間に現れるであろう物体の画像とを含んだ背景・前景構成物の画像のそれぞれを、予め学習した学習済モデルを記憶させておく。そして、背景情報生成手段50は、その学習済モデルを用いた撮影画像の探索によって、撮影画像全体を背景・前景構成物ごとの領域に区分し、区分した領域のうちの背景構成物の領域それぞれに互いに異なる反射特性IDを付与することによって特性類似領域を算出する。
(2)上記各実施形態およびその変形例においては、視野が固定され、カメラパラメータが一定値であるカメラ2の例を説明したが、パン、チルト、ズームが可能なPTZカメラのように、または車載カメラ、空撮カメラなどのように、カメラパラメータが変化するカメラ2を利用することもできる。その場合、画像処理部5はカメラパラメータの変化を検出した場合に特性類似領域を更新する。
例えば、カメラ2が撮影時のカメラパラメータを都度算出して撮影画像とともに出力する。図4に示した処理フローのステップS2において、撮影画像取得手段30は入力されたカメラパラメータを背景情報生成手段50に出力し、背景情報生成手段50は入力されたカメラパラメータをカメラ情報記憶手段41に記憶されているカメラパラメータと比較して一致するか否かを判定し、一致しなければ入力されたカメラパラメータをカメラ情報記憶手段41に上書き記憶させるとともに図4のステップS1と同様にして特性類似領域を算出し、算出した特性類似領域を背景情報記憶手段42に上書き記憶させる。
以上で説明した画像監視装置1,1Bにおいては、撮影状態判定手段51が撮影画像のコントラストについての解析を特性類似領域ごとに行い、当該解析結果に基づき撮影画像が高コントラスト状態であるか否かを判定する。これにより、背景が複雑な監視空間を撮影した撮影画像(互いに反射特性が異なる複数の背景構成物からなる背景を撮影した撮影画像)であっても、特性類似領域においては略単一の反射特性の背景となるため、高精度な解析が可能となる。よって、特性類似領域ごとの高精度な解析に基づいて撮影画像が高コントラスト状態であるか否かを高い確度で判定できる。
そして、画像監視装置1,1Bにおいては、対象検出手段52が、撮影状態判定手段51による確度の高い判定結果に応じた処理によって撮影画像から対象を検出する。そのため、背景が複雑な監視空間を撮影した撮影画像から対象を高精度に検出できる。
また、画像監視装置1においては、処理切替手段520およびコントラスト補正手段521が高コントラスト状態であると判定された場合には撮影画像にコントラスト補正処理を行って補正画像を生成する。そして、対象情報解析手段53経由で解析結果出力手段31が、高コントラスト状態であると判定された場合は補正画像を出力し、高コントラスト状態でないと判定された場合は撮影画像を出力し、出力した画像が報知部6において表示される。そのため、背景が複雑な監視空間を撮影した撮影画像から視認し易い画像を出力できる。
1 画像監視装置、2 カメラ、3 通信部、4 記憶部、5 画像処理部、6 報知部、30 撮影画像取得手段、31 解析結果出力手段、40 環境モデル記憶手段、41 カメラ情報記憶手段、42 背景情報記憶手段、50 背景情報生成手段、51 撮影状態判定手段、52 対象検出手段、53 対象情報解析手段、100 反射特性マップ、520 処理切替手段、521 コントラスト補正手段、522 対象領域探索手段。

Claims (7)

  1. 所定の空間が撮影された撮影画像から対象を検知する対象検知装置であって、
    前記空間の背景が撮影された背景画像にて背景構成物の反射特性が類似する特性類似領域を記憶する背景情報記憶手段と、
    前記撮影画像のコントラストについての解析を前記特性類似領域ごとに行い、当該解析結果に基づき前記撮影画像が所定基準以上の高コントラスト状態であるか否かを判定する撮影状態判定手段と、
    前記高コントラスト状態であると判定された場合には、前記撮影画像にコントラスト補正処理を行って補正画像を生成し当該補正画像から前記対象を検出し、前記高コントラスト状態ではないと判定された場合には、前記コントラスト補正処理を行わずに前記撮影画像から前記対象を検出する対象検出手段と、
    を備えたことを特徴とする対象検知装置。
  2. 所定の空間が撮影された撮影画像から対象を検知する対象検知装置であって、
    前記空間の背景が撮影された背景画像にて背景構成物の反射特性が類似する特性類似領域を記憶する背景情報記憶手段と、
    前記撮影画像のコントラストについての解析を前記特性類似領域ごとに行い、当該解析結果に基づき前記撮影画像が所定基準以上の高コントラスト状態であるか否かを判定する撮影状態判定手段と、
    前記撮影状態判定手段が前記高コントラスト状態であると判定した場合には、前記撮影画像を所定の閾値に基づいて低輝度領域と高輝度領域とに分割する分割処理を行って前記低輝度領域及び前記高輝度領域それぞれにて前記対象を検出し、前記撮影状態判定手段が前記高コントラスト状態ではないと判定した場合には、前記分割処理を行わずに前記撮影画像から前記対象を検出する対象検出手段と、
    を備えたことを特徴とする対象検知装置。
  3. 所定の空間が撮影された撮影画像を取得する撮影画像取得手段と、
    前記空間の背景が撮影された背景画像にて背景構成物の反射特性が類似する特性類似領域を記憶する背景情報記憶手段と、
    前記撮影画像のコントラストについての解析を前記特性類似領域ごとに行い、当該解析結果に基づき前記撮影画像が所定基準以上の高コントラスト状態であるか否かを判定する撮影状態判定手段と、
    前記高コントラスト状態であると判定された場合には、前記撮影画像にコントラスト補正処理を行って補正画像を出力し、一方、前記高コントラスト状態ではないと判定された場合には、前記撮影画像を出力する出力手段と、
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  4. 所定の空間が撮影された撮影画像から対象を検知する処理をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、当該コンピュータを、
    前記空間の背景が撮影された背景画像にて背景構成物の反射特性が類似する特性類似領域を記憶する背景情報記憶手段、
    前記撮影画像のコントラストについての解析を前記特性類似領域ごとに行い、当該解析結果に基づき前記撮影画像が所定基準以上の高コントラスト状態であるか否かを判定する撮影状態判定手段、及び、
    前記高コントラスト状態であると判定された場合には、前記撮影画像にコントラスト補正処理を行って補正画像を生成し当該補正画像から前記対象を検出し、前記高コントラスト状態ではないと判定された場合には、前記コントラスト補正処理を行わずに前記撮影画像から前記対象を検出する対象検出手段、
    として機能させることを特徴とするプログラム。
  5. 所定の空間が撮影された撮影画像から対象を検知する対象検知方法であって、
    前記空間の背景が撮影された背景画像にて背景構成物の反射特性が類似する特性類似領域を求める背景情報生成ステップと、
    前記撮影画像のコントラストについての解析を前記特性類似領域ごとに行い、当該解析結果に基づき前記撮影画像が所定基準以上の高コントラスト状態であるか否かを判定する撮影状態判定ステップと、
    前記高コントラスト状態であると判定された場合には、前記撮影画像にコントラスト補正処理を行って補正画像を生成し当該補正画像から前記対象を検出し、前記高コントラスト状態ではないと判定された場合には、前記コントラスト補正処理を行わずに前記撮影画像から前記対象を検出する対象検出ステップと、
    を備えたことを特徴とする対象検知方法。
  6. コンピュータに画像処理を行わせるためのプログラムであって、当該コンピュータを、
    所定の空間が撮影された撮影画像を取得する撮影画像取得手段、
    前記空間の背景が撮影された背景画像にて背景構成物の反射特性が類似する特性類似領域を記憶する背景情報記憶手段、
    前記撮影画像のコントラストについての解析を前記特性類似領域ごとに行い、当該解析結果に基づき前記撮影画像が所定基準以上の高コントラスト状態であるか否かを判定する撮影状態判定手段、及び、
    前記高コントラスト状態であると判定された場合には、前記撮影画像にコントラスト補正処理を行って補正画像を出力し、一方、前記高コントラスト状態ではないと判定された場合には、前記撮影画像を出力する出力手段、
    として機能させることを特徴とするプログラム。
  7. 所定の空間が撮影された撮影画像を取得する撮影画像取得ステップと、
    前記空間の背景が撮影された背景画像にて背景構成物の反射特性が類似する特性類似領域を求める背景情報生成ステップと、
    前記撮影画像のコントラストについての解析を前記特性類似領域ごとに行い、当該解析結果に基づき前記撮影画像が所定基準以上の高コントラスト状態であるか否かを判定する撮影状態判定ステップと、
    前記高コントラスト状態であると判定された場合には、前記撮影画像にコントラスト補正処理を行って補正画像を出力し、一方、前記高コントラスト状態ではないと判定された場合には、前記撮影画像を出力する出力ステップと、
    を備えたことを特徴とする画像処理方法。
JP2018157456A 2018-08-24 2018-08-24 対象検知装置、画像処理装置、対象検知方法、画像処理方法、及びプログラム Active JP7194534B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018157456A JP7194534B2 (ja) 2018-08-24 2018-08-24 対象検知装置、画像処理装置、対象検知方法、画像処理方法、及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018157456A JP7194534B2 (ja) 2018-08-24 2018-08-24 対象検知装置、画像処理装置、対象検知方法、画像処理方法、及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020031393A JP2020031393A (ja) 2020-02-27
JP7194534B2 true JP7194534B2 (ja) 2022-12-22

Family

ID=69622915

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018157456A Active JP7194534B2 (ja) 2018-08-24 2018-08-24 対象検知装置、画像処理装置、対象検知方法、画像処理方法、及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7194534B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7299653B1 (ja) 2022-10-31 2023-06-28 Asatec株式会社 建築予定建物日照確認システム

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002150440A (ja) 2000-11-13 2002-05-24 Fujitsu General Ltd 監視対象物検出装置
WO2012063469A1 (ja) 2010-11-11 2012-05-18 パナソニック株式会社 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム
JP2014027442A (ja) 2012-07-26 2014-02-06 Sony Corp 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム
JP2014157453A (ja) 2013-02-15 2014-08-28 Omron Corp 画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム
JP2016072692A (ja) 2014-09-26 2016-05-09 キヤノン株式会社 画像処理装置およびその制御方法
JP2016095701A (ja) 2014-11-14 2016-05-26 ソニー株式会社 画像処理装置、画像処理方法、及び、プログラム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002150440A (ja) 2000-11-13 2002-05-24 Fujitsu General Ltd 監視対象物検出装置
WO2012063469A1 (ja) 2010-11-11 2012-05-18 パナソニック株式会社 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム
JP2014027442A (ja) 2012-07-26 2014-02-06 Sony Corp 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム
JP2014157453A (ja) 2013-02-15 2014-08-28 Omron Corp 画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム
JP2016072692A (ja) 2014-09-26 2016-05-09 キヤノン株式会社 画像処理装置およびその制御方法
JP2016095701A (ja) 2014-11-14 2016-05-26 ソニー株式会社 画像処理装置、画像処理方法、及び、プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020031393A (ja) 2020-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8045761B2 (en) Detection of environmental conditions in a sequence of images
US20210281748A1 (en) Information processing apparatus
JP6553624B2 (ja) 計測機器、及びシステム
JP7092615B2 (ja) 影検出装置、影検出方法、影検出プログラム、学習装置、学習方法、及び学習プログラム
US20060221181A1 (en) Video ghost detection by outline
KR101204259B1 (ko) 화재 검출 방법
JP6548686B2 (ja) 画像比較装置
CN107635099B (zh) 一种人体感应双光网络摄像机及安防监控系统
JP7387261B2 (ja) 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
JP2020197989A (ja) 画像処理システム、情報処理装置、画像処理方法、およびプログラム
JP3486229B2 (ja) 画像変化検出装置
KR20160089165A (ko) 이동 물체 탐지 시스템 및 방법
CN110866889A (zh) 一种监控系统中的多相机数据融合方法
JP7194534B2 (ja) 対象検知装置、画像処理装置、対象検知方法、画像処理方法、及びプログラム
JP7092616B2 (ja) 物体検出装置、物体検出方法、及び物体検出プログラム
KR101381580B1 (ko) 다양한 조명 환경에 강인한 영상 내 차량 위치 판단 방법 및 시스템
JP2010136207A (ja) 歩行者検出表示システム
CN113808117B (zh) 灯具检测方法、装置、设备及存储介质
KR20210032188A (ko) 우시정 측정 시스템 및 방법
JP3848918B2 (ja) 移動体監視装置および移動体監視方法
JP5754931B2 (ja) 画像解析装置、画像解析方法及びプログラム
JP6687659B2 (ja) 領域区分装置
CN110910379A (zh) 一种残缺检测方法及装置
JP6687658B2 (ja) 領域区分装置
CN116894984B (zh) 一种基于图像识别的入户访问方法和计算机可读存储介质

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210611

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220610

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220628

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7194534

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150