JP7189954B2 - 炎症関連疾患の予防及び/又は治療におけるBUTYRlBACTER INTESTINIの使用 - Google Patents
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Description
(i)哺乳動物における体重損失を制御すること;
(ii)哺乳動物における疾患活動性指数(DAI)を減少させること;及び
(iii)哺乳動物における腸病変(intestinal lesions)を軽減すること。
(a)Butyribacter intestiniの安全且つ有効な量、及び
(b)食品として許容される又は薬学的に許容される担体
を含む、炎症関連疾患の予防及び/又は治療における使用のための組成物を提供する。
(a)Butyribacter intestiniの安全且つ有効な量、及び
(b)食品として許容される又は薬学的に許容される担体
を含む、炎症性腸疾患の予防及び/又は治療における使用のための組成物を提供する。
(a)Butyribacter intestiniの安全且つ有効な量、及び
(b)食品として許容される又は薬学的に許容される担体
を含む、関節リウマチの予防及び/又は治療における使用のための組成物を提供する。
ここで、ビタミンとしては、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンA前駆体、ビタミンB6、ビタミンD3、ビタミンK、葉酸、又はそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
プリンとしては、プリンヌクレオシドの5’-リン酸エステルを含むプリンヌクレオシドが挙げられるが、これらに限定されない。
プリンヌクレオシドの5’-リン酸エステルは、イノシン酸(イノシン-5’-リン酸エステル;IMP)、グアニル酸(グアノシン-5’-リン酸エステル;GMP)、キサンチル酸(キサントシン-5’-リン酸エステル;XMP)、アデニル酸(アデノシン-5’-リン酸エステル;AMP)、又はそれらの組合せからなる群から選択される。
ピリミジンは、ピリミジン構造を含む全ての物質を含む。
本明細書で使用される「疾患活動性指数」という用語は、患者又は罹患動物における3つの指標(即ち、体重損失率、糞便粘度、及び糞便出血)の包括的スコアを意味する。
本明細書で使用される「酪酸桿菌」、「Butyribacter intestini」、及び「本開示のButyribacter intestini」という用語は、相互変換可能に用いることができる。本開示のButyribacter intestiniの生理学的特徴は、以下の通りである。Butyribacter intestiniのコロニーは、ペプトン酵母エキスグルコース(PYG)培地を含むプレートで、嫌気性条件下、37℃で48時間培養した後、偽根様の不規則な縁部を有するオフホワイト、不透明、且つ滑らかな外観を呈し、約2mmの直径を有する。Butyribacter intestini TF01-11は、グラム染色及び顕微鏡観察によって、グラム陽性細菌と同定される。Butyribacter intestini TF01-11は、桿状で、胞子を生成せず、鞭毛を有し、可動である。この細菌の直径は、約0.5~1.0mmであり、長さは、約2.0~8.0mmである。本開示のButyribacter intestiniは、カタラーゼに対して陰性であり、30~42℃の温度範囲、好ましくは37℃で増殖し、6.0~8.5のpH範囲及び2%NaClに対して耐性である。Butyribacter intestiniは、発酵後に数種の炭水化物、例えば、キシロース、ガラクトース、ラフィノース、グルコース、マルトース、セロビオース、スクロース、デンプン、及びグリコーゲンを生成でき、且つ主に、酢酸と酪酸を生成する。
本開示は、組成物も提供する。好ましくは、組成物は、食品組成物、ヘルスケア組成物、医薬組成物、飲料組成物、又は飼料組成物を含む。より好ましくは、組成物は、医薬組成物である。組成物は、Butyribacter intestiniの有効量を含む。好ましい実施形態では、組成物は、乳成長因子などの成長因子を更に含む。好ましい実施形態では、組成物は、乳酸菌、Bifidobacteria、Lactobacillus acidophilus、又はそれらの組合せからなる群から選択されるプロバイオティクス;及び/又はフルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、ラクトスクロース(LACT)、大豆オリゴ糖(SOS)、イヌリン、オリゴ糖、又はそれらの組合せからなる群から選択されるプレバイオティクスを更に含む。好ましい実施形態では、組成物は、Butyribacter intestiniの生存率を維持することができる物質(例えば、保護剤など)を更に含み、この物質は、システイン、グルタチオン、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルメチルトルエン、トコフェロール、竹の抗酸化剤、D-イソアスコルビン酸及びそのナトリウム塩、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、リン脂質、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE、又はそれらの組合せからなる群から選択される。Butyribacter intestiniの生存率を維持することができる物質(例えば、保護剤など)は、組成物の総重量に基づいて、0.1%~2%、好ましくは0.5%~1.5%、より好ましくは0.5%~1.0%の重量比である。
1×10~1×1015cfu/mLのButyribacter intestini及び/又はその代謝産物;及び
食品として又は薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤。
別の好ましい実施形態では、組成物は、以下の組成を有する:
1×104~1×1010cfu/mLのButyribacter intestini及び/又はその代謝産物;及び
食品として又は薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤。
微生物生態学的製剤は、プロバイオティクス及びその代謝産物を含む生物学的製剤、又はプロバイオティクスを供給することができる栄養サプリメント剤であり、腸内の微生物の生態バランスを調整及び維持することができ、ヒトの健康を改善する目的を達成する。微生物生態学的製剤は、主に、プロバイオティクス、プレバイオティクス、及びシンバイオティクスを含む。
本開示においては、Butyribacter intestiniは、ペプトン酵母エキスグルコース(PYG)培地(Huankai Microbiology Technology Co., Ltd.より購入)にて、37℃で48時間~78時間培養される。
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、飲料組成物、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、ヒトなどの哺乳動物である。
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、飲料組成物、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、ヒトなどの哺乳動物である。
別の好ましい実施形態では、方法は、本開示の医薬組成物、食品組成物、飲料組成物、又はそれらの組合せを摂取することを含む。実験の被験体は、ヒトなどの哺乳動物である。
(a)本開示のButyribacter intestiniは、炎症関連疾患(例えば、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、胃炎、一般的な腸炎など)、関節リウマチなど)に関連する指標を有意に低減することができ、例えば、体重損失を制御する、腸の病変を軽減する(結腸の長さの短縮の遅延、結腸での炎症反応の低減など)、疾患活動性指数(DAI)などを低減することが挙げられる。
(b)本開示のButyribacter intestiniは、UCマウスに対して以下の効力を示す:即ち、DSSにより誘発されるUCマウスの体重損失を効果的に制御すること、マウスの疾患活動性指数(DAI)の上昇を抑制すること、及びマウスの腸病変を軽減すること。
(c)本開示のButyribacter intestiniは、潰瘍性大腸炎に対して有意な緩和効果を有し、具体的には、潰瘍性大腸炎を有するマウスの病理学的表現型において有意な改善を示すことができ、特にマウスの体重損失を制御し、マウスの疾患活動性指数(DAI)を低下させ、UCマウスにおける結腸長さの短縮を制御することができる。
この実施例で選択されたマウスモデルは、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS、分子量36000~50000、米国のMPBIOから購入)によって誘発された潰瘍性大腸炎マウスモデルとした。これは、0.15%のDSSをC57bl/6マウスに7日間、継続的に給餌することにより構築した。使用したC57bl/6マウスは、Hubei Medical Laboratory Animal Centerから購入した。それらは、8ヶ月齢、体重20g±2gで、特定病原体フリー(SPF)レベルの動物施設に収容された。
正常群(即ち、対照群);各マウスに通常の給餌をした。
モデル群(DSSにより誘発);各マウスに1日当たり0.2mlのリン酸緩衝液(PBS)を胃内投与した。
TF01-11処理群(DSSにより誘発);各マウスに1日当たり0.2mlのButyribacter intestini TF01-11(寄託番号CGMCC10984にてBGI SHENZHENから入手)細菌溶液を胃内投与した。
VSL#3処理群(DSSにより誘発);各マウスに1日当たり0.2mlのプロバイオティクスVSL#3(米国のAlfasigmaから購入、臨床におけるUCの治療的プロバイオティクス)を胃内投与した。
4.1 細菌溶液の調製
Butyribacter intestini TF01-11(1×109cfu/ml)を、ペプトン酵母エキスグルコース(PYG)培地で37℃にて2~3日間、嫌気的に発酵させた。
脱脂乳とカゼインを混合し、遠心分離し、限外濾過して、ビタミン、プリン、及び/又はピリミジンの栄養素を含む乳成長因子の粗抽出物を得た。
5容量(ml)の成長因子と1容量(ml)の保護剤(例えば、ビタミンC、システインなど)を100容量(ml)の、Butyribacter intestini TF01-11の発酵後細菌溶液に添加し、均一になるまで十分に攪拌し、その後、デンプン賦形剤(例えば、マルトデキストリンなど)を添加することによって、Butyribacter intestini TF01-11を含む医薬又は医薬剤形を得た。
Claims (14)
- 潰瘍性大腸炎(UC)を予防及び/又は治療するための薬剤の製造におけるブチリバクテルインテスティーニ(Butyribacter intestini)の使用であって、
前記ブチリバクテルインテスティーニ(Butyribacter intestini)が、寄託番号CGMCC10984のブチリバクテルインテスティーニ(Butyribacter intestini) TF01-11であることを特徴とする使用。 - 前記ブチリバクテルインテスティーニ(Butyribacter intestini)が、以下からなる群から選択される1つ以上の活性を示すことが可能である請求項1に記載の使用:
(i)哺乳動物における体重損失を制御すること;
(ii)哺乳動物における疾患活動性指数(DAI)を減少させること;及び
(iii)哺乳動物における腸病変(intestinal lesions)を軽減すること。 - それを必要とする被験体における潰瘍性大腸炎(UC)の予防及び/又は治療のための組成物であって、前記組成物が、
(a)ブチリバクテルインテスティーニ(Butyribacter intestini)の安全且つ有効な量、及び
(b)食品として許容される又は薬学的に許容される担体
を含み、
前記ブチリバクテルインテスティーニ(Butyribacter intestini)が、寄託番号CGMCC10984のブチリバクテルインテスティーニ(Butyribacter intestini) TF01-11であることを特徴とする組成物。 - 前記組成物が、プロバイオティクス及び/又はプレバイオティクスを更に含む請求項3に記載の組成物。
- 前記プロバイオティクスが、乳酸菌、ビフィズス菌(Bifidobacteria)、ラクトバチルスアシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、又はそれらの組合せからなる群から選択される請求項4に記載の組成物。
- 前記プレバイオティクスが、フルクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、キシロオリゴ糖(XOS)、ラクトスクロース(LACT)、大豆オリゴ糖(SOS)、イヌリン、オリゴ糖、又はそれらの組合せからなる群から選択される請求項4に記載の組成物。
- 前記組成物が、前記ブチリバクテルインテスティーニ(Butyribacter intestini)の生存率を維持することができる物質を更に含む請求項3から6のいずれかに記載の組成物。
- 前記ブチリバクテルインテスティーニ(Butyribacter intestini)の生存率を維持することができる物質が、システイン、グルタチオン、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルメチルトルエン、トコフェロール、D-イソアスコルビン酸及びそのナトリウム塩、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、リン脂質、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE、又はそれらの組合せからなる群から選択される請求項7に記載の組成物。
- 前記組成物が、前記組成物の総体積又は総重量に基づいて、1×10~1×1015cfu/mL又はcfu/gの前記ブチリバクテルインテスティーニ(Butyribacter intestini)、好ましくは1×104~1×1010cfu/mL又はcfu/gの前記ブチリバクテルインテスティーニ(Butyribacter intestini)を含む請求項3から8のいずれかに記載の組成物。
- 前記組成物が、経口投与される請求項3から9のいずれかに記載の組成物。
- 前記被験体が、ヒト又は非ヒト哺乳動物を含む請求項3から10のいずれかに記載の組成物。
- 前記組成物が、食品組成物、ヘルスケア組成物、医薬組成物、飲料組成物、飼料組成物、又はそれらの組合せである請求項3から11のいずれかに記載の組成物。
- 前記組成物の剤形が、粉末、散剤、錠剤、糖衣剤、カプセル、顆粒、懸濁液、溶液、シロップ、ドロップ、及び舌下錠剤からなる群から選択される請求項3から12のいずれかに記載の組成物。
- 潰瘍性大腸炎(UC)を予防及び/又は治療するための薬剤の製造における組成物の使用であって、前記組成物が、
(a)ブチリバクテルインテスティーニ(Butyribacter intestini)の安全且つ有効な量、及び
(b)薬学的に許容される担体
を含み、
前記ブチリバクテルインテスティーニ(Butyribacter intestini)が、寄託番号CGMCC10984のブチリバクテルインテスティーニ(Butyribacter intestini) TF01-11であることを特徴とする使用。
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