JP7184185B2 - システム更新手順計画装置、方法およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、システム更新手順計画装置、システム更新手順計画方法およびシステム更新手順計画プログラムに関し、特に、人工知能を含む自律制御システムが制約を満たしたまま目的を達成するためのタスクの実行手順を決定する自動計画問題の求解に使用されるシステム更新手順計画装置、システム更新手順計画方法およびシステム更新手順計画プログラムに関する。
コンピュータシステム(以下、本願では「システム」と称する。)の自動計画は、例えば人工知能が既知の環境の情報に基づいて次に行うべき行動を決定し、目的達成までの一連の行動の実行計画(以下、単に「手順」と呼ぶ。)を構築する技術である。特許文献1には、自動計画技術を用いてICT(Information and Communication Technology)システムを構築・更新する「手順」を生成する手法が記載されている。このような自動計画技術のシステム更改への適用を以下では「システム更新手順計画」と呼ぶ。また、システム更改に自動計画技術を適用した装置を、「システム更新手順計画装置」と呼ぶ。
また、特許文献2には、既存のアルゴリズムを用いて変更手順を導出することが記載されている。
米国特許出願公開第2015/0324211号明細書 国際公開第2017/154763号
初期状態と目的状態とが与えられた場合に、初期状態から目的状態までの遷移の経路を求めることを自動計画問題と呼ぶ。システム更新における自動計画問題を解く際に、爆発的な計算量の増加を防止できることが好ましい。
[発明の目的]
そこで、本発明は、システム更新における自動計画問題を解く際に、爆発的な計算量の増加を防止することができるシステム更新手順計画装置、システム更新手順計画方法、および、システム更新手順計画プログラムを提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係るシステム更新手順計画装置は、システムの更新を複数の状態要素、および、前記複数の状態要素とともに規定された制約式によって記述した状態要素モデルと、前記状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示すユニット所属情報とを基に、前記状態要素モデル上の実行可能な経路をシステムの更新手順として出力するシステム更新手順計画装置であって、前記状態要素モデルに対し前記ユニット所属情報に基づいた簡略化変換を施すことで、簡略化された状態要素モデルを出力する状態要素モデル簡略化部と、前記簡略化された状態要素モデルに対し、その初期状態から目的状態までの実行可能な経路を出力する自動計画部と、前記簡略化された状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路を、簡略化する前の前記状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路に変換する内部遷移補完部とを備える。
本発明の実施形態に係るシステム更新手順計画装置は、システムの更新を複数の状態要素、および、前記複数の状態要素とともに規定された制約式によって記述した状態要素モデルを基に、前記状態要素モデル上の実行可能な経路をシステムの更新手順として出力するシステム更新手順計画装置であって、前記状態要素モデルを入力とし、前記状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示すユニット所属情報を出力するユニット構成検出部と、前記状態要素モデルに対し前記ユニット所属情報に基づいた簡略化変換を施すことで、簡略化された状態要素モデルを出力する状態要素モデル簡略化部と、前記簡略化された状態要素モデルに対し、その初期状態から目的状態までの実行可能な経路を出力する自動計画部と、前記簡略化された状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路を、簡略化する前の前記状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路に変換する内部遷移補完部とを備える。
本発明の実施形態に係るシステム更新手順計画方法は、システムの更新を複数の状態要素、および、前記複数の状態要素とともに規定された制約式によって記述した状態要素モデルと、前記状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示すユニット所属情報とを基に、前記状態要素モデル上の実行可能な経路をシステムの更新手順として出力するシステム更新手順計画方法であって、前記状態要素モデルに対し前記ユニット所属情報に基づいた簡略化変換を施すことで、簡略化された状態要素モデルを出力し、前記簡略化された状態要素モデルに対し、その初期状態から目的状態までの実行可能な経路を出力し、前記簡略化された状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路を、簡略化する前の前記状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路に変換する。
本発明の実施形態に係るシステム更新手順計画方法は、システムの更新を複数の状態要素、および、前記複数の状態要素とともに規定された制約式によって記述した状態要素モデルを基に、前記状態要素モデル上の実行可能な経路をシステムの更新手順として出力するシステム更新手順計画方法であって、前記状態要素モデルを入力とし、前記状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示すユニット所属情報を出力し、前記状態要素モデルに対し前記ユニット所属情報に基づいた簡略化変換を施すことで、簡略化された状態要素モデルを出力し、前記簡略化された状態要素モデルに対し、その初期状態から目的状態までの実行可能な経路を出力し、前記簡略化された状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路を、簡略化する前の前記状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路に変換する。
本発明の実施形態に係るシステム更新手順計画プログラムは、システムの更新を複数の状態要素、および、前記複数の状態要素とともに規定された制約式によって記述した状態要素モデルと、前記状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示すユニット所属情報とを基に、前記状態要素モデル上の実行可能な経路をシステムの更新手順として出力するコンピュータにおいて実行されるシステム更新手順計画プログラムであって、前記コンピュータに、前記状態要素モデルに対し前記ユニット所属情報に基づいた簡略化変換を施すことで、簡略化された状態要素モデルを出力する状態要素モデル簡略化処理と、前記簡略化された状態要素モデルに対し、その初期状態から目的状態までの実行可能な経路を出力する自動計画処理と、前記簡略化された状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路を、簡略化する前の前記状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路に変換する内部遷移補完処理とを実行させる。
本発明の実施形態に係るシステム更新手順計画プログラムは、システムの更新を複数の状態要素、および、前記複数の状態要素とともに規定された制約式によって記述した状態要素モデルを基に、前記状態要素モデル上の実行可能な経路をシステムの更新手順として出力するコンピュータにおいて実行されるシステム更新手順計画プログラムであって、前記コンピュータに、前記状態要素モデルを入力とし、前記状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示すユニット所属情報を出力するユニット構成検出処理と、前記状態要素モデルに対し前記ユニット所属情報に基づいた簡略化変換を施すことで、簡略化された状態要素モデルを出力する状態要素モデル簡略化処理と、前記簡略化された状態要素モデルに対し、その初期状態から目的状態までの実行可能な経路を出力する自動計画処理と、前記簡略化された状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路を、簡略化する前の前記状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路に変換する内部遷移補完処理とを実行させる。
本発明によれば、システム更新における自動計画問題を解く際に、爆発的な計算量の増加を防止することができる。
状態要素モデルの例を示す模式図である。 大域状態の遷移を示す模式図である。 状態要素モデルの例を示す模式図である。 自動計画問題を解く様子の一例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態のシステム更新手順計画装置の例を示すブロック図である。 状態要素モデル簡略化部による状態要素モデル簡略化処理の処理経過の例を示すフローチャートである。 ユニットの例を示す模式図である。 ステップS202後の状態要素モデルμの例を示す模式図である。 ステップS203で得られた状態遷移グラフの例を示す模式図である。 観測可能な遷移を削除した状態遷移グラフの例を示す模式図である。 内部経路保持テーブルの例を示す模式図である。 簡略化済ユニットの例を示す模式図である。 簡略化モデル上の経路の例を示す模式図である。 内部経路保持テーブルの一部を具体的に示した例を示す模式図である。 内部遷移補完部103の動作の詳細を示すフローチャートである。 図7に示すユニットを2つ持ち、過渡要件として2台のサーバのどちらかが起動状態にあることを要求しているという問題の例を示す図である。 簡略化モデル上の経路を、元々の状態要素モデル上の経路に変換する一例を示す説明図である。 第1の実施形態によって得られた、元々の状態要素モデル上の経路の例を示す図である。 第1の実施形態によって得られた、元々の状態要素モデル上の経路の例を示す図である。 本発明の第2の実施形態のシステム更新手順計画装置の例を示すブロック図である。 ユニット構成検出部の処理経過の例を示すフローチャートである。 本発明の各実施形態のシステム更新手順計画装置に係るコンピュータの構成例を示す概略ブロック図である。 本発明の実施形態のシステム更新手順計画装置の概要を示すブロック図である。 本発明の実施形態のシステム更新手順計画装置の概要の他の例を示すブロック図である。
本発明の実施形態について説明する前に、まず、状態要素モデル等について説明する。図1は、自動計画問題が適用されるシステムをモデル化したモデルの例を示す模式図である。自動計画問題が適用されるシステムを図1に例示する形式でモデル化したモデルを「状態要素モデル」と呼ぶ。図1では、仮想マシン上にデプロイされたWebサービスの更新に相当する状態要素モデルの例を図示している。
図1に記載の状態要素モデルは、Model600とConstr601の2つの部分から成り立っている。Model600は、概念的にはシステムの部品ないしその更新を表している複数の矩形から構成されている。この複数の矩形をそれぞれ、「状態要素」と呼ぶ。各々の状態要素は状態要素モデル中で一意なID(Identification:識別子)を持つ。各々の状態要素は、いわゆる状態遷移系のシステムを含んでいる。すなわち、各々の状態要素は、角丸四角形で示されている「状態」と、「状態」と「状態」との間を繋ぐ矢印で示されている「遷移」からなるシステムを含んでいる。これら状態や遷移には、状態要素中で一意なIDを持つ。異なる状態要素間であれば、「状態」のIDに重複があったり、「遷移」のIDに重複があったりしても構わない。なお、角丸四角形内に示した文字列が「状態」のIDである。図1では、「遷移」のIDの図示を省略している。なお、「状態」は角丸四角形で示されるとは限らず、後述の例では、円形や楕円形で「状態」を示す場合もある。
各矩形(換言すれば、各状態要素)は、更新前の状態に対応する「初期状態」と、更新後の状態に対応する「目的状態」をそれぞれ一つずつ含む。以下に示す説明では、「初期状態」を二重線の角丸四角形等で図示し、「目的状態」を黒塗りの角丸四角形等で図示する。ただし、これら2種の状態は必ずしも異なる状態であるとは限らず、初期状態と目的状態とが同一であることもある。また、各状態要素は、その状態要素が表す部品が現在どのような状態を取っているかを表す「現在状態」を持っている。以下に示す説明では、アローヘッドとは反対側の端部に黒丸を有する矢印が付加されている状態を「現在状態」として図示する。現在状態を表わす矢印(アローヘッドとは反対側の端部に黒丸を有する矢印)は、遷移を表わす矢印とは異なる。現在状態は、必ず初めは初期状態と同じ状態を取、自動計画手続きの途中で状態遷移によって移動してゆく。
状態要素の具体例を示す。図1において、符号e602はアプリケーションの設定ファイルとその更新を表す状態要素(ID:AppConf)を示している。状態要素AppConfは「存在しない(none)」、「更新前(旧版)の設定ファイルが存在(old)」および「最新版の設定ファイルが存在(new)」の3種の状態を取り、また互いに行き来することができる。AppConfの初期状態は「old」であり、目的状態は「new」である。つまり、AppConfはアプリケーションの設定ファイルの更新を表現する状態要素である。先に述べた通りAppConfの現在状態は初期状態と同じ「old」だが、「new」に伸びている遷移を用いることで現在状態を「new」に移動できる。
Model600はまた、図1における符号d603に示されるような、状態要素に含まれる遷移に付帯しているラベルを含む。ラベルに記述された内容を、ラベルが付帯する遷移に対する「依存性」と呼ぶ。ラベルには「e:{s[1],s[2],...,s[k]}」の形式を持つレコードが一つまたは複数記載されている。ここでeは状態要素のIDであり、s[1],s[2],...,s[k]は全て状態要素eに含まれる状態のIDである。以下、ラベルに含まれている「e:{s[1],s[2],...,s[k]}」を、状態要素eに関する「依存レコード」と呼ぶ。「依存性」は、「e:{s[1],s[2],...,s[k]}」という形式の依存レコードの集合である。遷移に依存性が付帯していた場合、そこに含まれる全ての依存レコードが満足されているときでなければ、当該遷移による状態の移動はできない。ここで依存レコード「e:{s[1],s[2],...,s[k]}」が満足されているとは、状態要素eの現在状態が状態s[1],s[2],...,s[k]のいずれか一つと一致していることを指す。ラベルに記載されている全ての依存レコードが満足されていることを、依存性が満たされているという。依存性は状態遷移が正常に実行されるための十分条件を示している。すなわち、依存性を満たす条件下であれば、理論上は当該遷移に関して正常に実行が完了することが期待されている。
依存性の具体例を示す。図1に示すラベルd603は、サービスの起動状態を表す状態要素(ID:Service)に含まれる「stop」から「new」に伸びる遷移に付帯しており、2つの依存レコード「AppConf:{new}」および「AppPkg:{new}」を含んでいる。この依存性により、Serviceは、初期状態の「old」から「stop」を通って「new」へと状態を遷移させることができない。「stop」から「new」への状態遷移は、AppConfとAppPkgの状態を双方ともに「new」にした状態でなければ行えない。
次に、Constr601について説明する。Constr601は、システムを更新中に経由してもいい状態を指定するための条件式であり、「過渡要件」と呼ばれている。制約式では、状態要素のIDであるeと状態のIDであるsを用いた「e.s」という形式の変数を用いており、この変数はシステムの現在状態によって、以下に示す(1),(2)のように値を変化させる。
(1)状態要素eの現在状態がsであるとき、e.s=1をとる。
(2)状態要素eの現在状態がsでないとき、e.s=0をとる。
この変数の振る舞いにより、過渡要件はシステムの現在状態に関する制約式として機能する。
過渡要件の具体例を示す。図1に例示するConstr601は、2つあるサービスの起動状態を表す状態要素ServiceおよびService2に関する過渡要件を表す制約式「Service.stop+Service2.stop≦1」である。この制約式は、ServiceとService2のいずれか一方がstopでなければ満たされる。逆に、双方共にstopにいるときに(換言すれば、サービスが両方とも停止してしまっている状態のときに)、制約式は破られる。つまり、Constr601は、「更新中、サービスのいずれか一方は稼働中のままにする」という過渡要件を表現している。
以上が状態要素モデルの概要である。次に、この状態要素モデル上での自動計画と、それによるシステム更新手順計画について述べる。
状態要素モデルにおける自動計画とは、状態要素モデル上の初期状態から目的状態まで、遷移によって到達する経路を計画する問題である。状態要素モデルにおいて、遷移が実行可能であるための十分条件は依存性としてモデリングしてあり、更新途中で通ってよい状態は過渡要件としてモデリングしてある。したがって、全ての依存性を正しく満たし、かつ過渡要件を破らない経路を自動計画問題として解けば、得られた経路はシステム更新手順計画の解である「更新手順」として用いることができる。このようにして、自動計画問題によって正しく安全なシステム更新手順の自動生成が可能となる。
あるモデル上で自動計画問題を解く際には、一般に系全体の状態(大域状態)からなる状態空間上での経路探索を行う。更新の対象となるシステムを表わす状態要素モデルに含まれる各状態要素(図1に例示する各矩形)それぞれの状態を示した情報を大域状態と記す。図2は、図1に例示する状態要素モデルで表されるシステムの大域状態の遷移を示す。状態要素モデル上で自動計画問題を解く際も、システム全体の状態を各状態要素の組合せで表現することで大域状態からなる状態空間を考え、大域状態の遷移の経路を探索する。
システムは、部品を組合せたモデルとして定義される。そして、モデルとして定義されたシステムは、自動計画問題として解かれる際には展開され、システム全体の状態に関する遷移系に変換される。一般には、この展開された状態遷移系のサイズは部品の数の指数オーダーで増加してしまう。特許文献1に記載の手法では、自動計画エンジンへの入力を、更新が必要なシステムの「差分」に制限している。一回の更新でシステムに要求する変更量は現実にはさほど大規模とはならないことが多いため、差分のみに着目することで大規模なシステムに対しても現実的な時間で手順を自動生成することを可能にしていた。
しかし、一回のシステム更新で大規模な更新が行われるケースは実用上、存在する。その一つが、「大量の、全く同じサブシステムを追加(以下「スケールアウト」と呼ぶ)あるいは更新する操作(以下「一括更新」と呼ぶ)」である。たとえば、あるネットワークに接続されている全ての端末にOS(Operating System)アップデートをかける「一括更新」や、サービス運用を担うシステムの規模を拡大する「スケールアウト」等がその例である。このような更新は単純であるため「一回の更新」として処理されるのが自然であるが、ここから生じる自動計画問題は大規模なものになってしまう。
スケールアウトや一括更新で追加・更新される同質なサブシステムのことを以下「ユニット」と呼ぶことにする。
図3は、図1に類似したシステムの状態要素モデルの例を示す。図1に示す例では、サービスの個数が2個であるのに対し、図3に示す例では、サービスの個数は100個である。また、図1に示す例では、1つのサービスに関連する設定ファイルの個数が1個であるのに対し、図3に示す例では、1つのサービスに関連する設定ファイルの個数は2個である。一つのサービスをユニットとして見たとき、図1に示す例では、ユニットは2個であるのに対し、図3に示す例ではユニットは100個になる。これを単純に図2と同様に展開した場合、展開後の状態遷移系は20の100乗(=およそ10の130乗)もの状態数を持つ極めて大規模な問題となってしまう。
このような爆発的な計算量の増加を抑えるためには各ユニットを何らかの形で簡略化し、「ユニット1つの状態数」を減らすといった方法が考えられる。例えば、単純には、各ユニットから外から参照されている部品以外を一旦除外してしまう方法等が考えられる。図4は、この考え方に基づいて、自動計画問題を解いた様子を示している。しかし、結果の手順は更新手順として不適なものになってしまっている。これは、ユニットの外から参照されている部品とそうでない部品との関係を完全に断ち切ってしまうと、「ユニット外部の更新手順(および、ユニット内部の、参照されている部品の更新手順)」と「ユニット内部の更新手順」との間で整合が取れなくなってしまうことに起因している。したがって前述の「ユニット1つの状態数を減らす」方針でモデルの簡略化を行うためには、「簡略化済モデル上の更新手順」と「ユニット内部の更新手順」との間で整合が取れるように変換を行う必要がある。
本発明では、状態要素モデルを簡略化し、簡略化された状態要素モデルにおける経路を導出する。そして、その経路を、簡略化前の状態要素モデルにおける経路に変換することによって、爆発的な計算量の増加を防止する。
ここで、ユニットについて、より詳細に説明する。前述のように、スケールアウトや一括更新で追加・更新される同質なサブシステムのことを「ユニット」と呼ぶ。より詳細には、各ユニットは、以下の条件を満たしている。
個々のユニットに含まれている状態要素(図1等に例示する矩形)の組み合わせは、各ユニットで共通であり、各ユニットに含まれているラベルは同様のラベルである。さらに、個々のユニットに含まれている対応する状態要素の「初期状態」は共通であり、同様に、個々のユニットに含まれている対応する状態要素の「目的状態」も共通である。
また、ユニットの外部から参照されるユニット内の「状態」は、各ユニットで共通である。ただし、その状態の参照元は、ユニット毎に異なっていてもよい。同様に、制約式から参照されるユニット内の「状態」は、各ユニットで共通である。例えば、図1や図3に示す例では、制約式から参照されるユニット内の「状態」は、状態要素「Service」内の「stop」で共通である。
また、ユニットに含まれているラベルが、ユニットの外部の要素の「状態」を参照する場合、そのようなラベルが付帯している「遷移」は、各ユニットで共通である。
これらの条件を各ユニットは満たしている。
また、1つのユニットに含まれる各状態要素それぞれの状態を示した情報を、「ユニット大域状態」と記すこととする。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
実施形態1.
[構成の説明]
図5は、本発明の第1の実施形態のシステム更新手順計画装置の例を示すブロック図である。第1の実施形態のシステム更新手順計画装置100は、状態要素モデル簡略化部101と、自動計画部102と、内部遷移補完部103とを備える。
図5に示すシステム更新手順計画装置100は、入力として状態要素モデル、および、その状態要素モデルに含まれる各状態要素が「ユニットC[i]に含まれる部品E[i,j]に相当する」、または、「いずれのユニットにも含まれない」のいずれであるかを示すユニット所属情報を受け取り、その状態要素モデルの解となる更新手順を出力する。ユニット所属情報は、状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示す情報であるということができる。このユニット所属情報を用いることで、以下に示す(1),(2)の操作が可能である。
(1)状態要素モデル簡略化部101が、状態要素IDから、「ユニットC[i]に含まれる部品E[i,j]に相当する」、または、「いずれのユニットにも含まれない」という情報を得る。
(2)状態要素モデル簡略化部101が、C[i]を指定して、含まれる状態要素たちを全て取り出す。
状態要素モデル簡略化部101は、入力として状態要素モデル、および、ユニット所属情報を受け取り、その状態要素モデルに含まれる各ユニットが簡略化された簡略化済モデル、および、内部経路保持テーブルを出力する。内部経路保持テーブルは、同じユニットに属する異なる2つの状態Sa,Sbをキーとして、内部状態のみを用いてSaからSbに到達する経路を参照することのできるテーブルである。内部経路保持テーブルの例については後述する。また、後述のように、内部経路保持テーブルは、簡略化モデルの解から元々の状態要素モデルの解を復元する動作を行う内部遷移補完部103に対して、入力される。
自動計画部102は、状態要素モデル簡略化部101の出力である簡略化済モデルを入力として受け取り、経路探索アルゴリズムによって簡略化済モデルの解となる簡略更新経路を出力する。自動計画部102が簡略化済みモデルの解となる経路(簡略更新経路)を導出する動作は、公知の方法で実現されてよい。例えば、自動計画部102は、特許文献2に記載された方法によって、簡略化済みモデルの解となる経路を導出してもよい。
内部遷移補完部103は、状態要素モデルと、自動計画部102の出力である簡略更新経路と、状態要素モデル簡略化部101の出力である内部経路保持テーブルを入力として受け取り、簡略更新経路から、簡略化される前の状態要素モデル上の更新経路を復元する。
以上の構成により、システム更新手順計画装置100は、簡略化済モデル上の経路探索の結果を得て、その結果を加工することによって、効率的に元々の状態要素モデル上の更新経路を生成する。
状態要素モデル簡略化部101、自動計画部102および内部遷移補完部103は、例えば、システム更新手順計画プログラムに従って動作するコンピュータのCPU(Central Processing Unit )によって実現される。例えば、CPUが、コンピュータのプログラム記憶装置等のプログラム記録媒体からシステム更新手順計画プログラムを読み込み、そのプログラムに従って、状態要素モデル簡略化部101、自動計画部102および内部遷移補完部103として動作すればよい。
[動作の説明]
以下、本実施形態のシステム更新手順計画装置100が更新経路を出力する処理経過を図面を参照して説明する。
最初に、状態要素モデル簡略化部101による状態要素モデル簡略化処理の処理経過を説明する。図6は、状態要素モデル簡略化部101による状態要素モデル簡略化処理の処理経過の例を示すフローチャートである。
以下に示す例では、図7に示すユニットをN個含む状態要素モデルが入力された場合を例にして説明する。また、状態要素モデルに含まれる制約式は、以下に示す式(1)であるとする。
サーバ<1>.起動+・・・+サーバ<N>.起動≧N/2 ・・・(1)
なお、図7に示すiは、システム更新手順計画装置100に入力された状態要素モデルに含まれる個々のユニットを区別するための値である。iによって特定されるユニット(例えば、i番目のユニット)を、C[i]と記すこととする。以下、図面において、ユニットを区別するための値(i)を省略する場合がある。
最初に、状態要素モデル簡略化部101は、ユニット所属情報φに基づいて、任意にユニットを一つ選択する。ユニットは全て同じものなので、どのユニットを選択しても構わない。ここでは、C[i]が選択されたものとする(ステップS200)。
次いで、状態要素モデル簡略化部101は、入力された状態要素モデル(符号Mで表す。)からユニットC[i]に属する状態要素を全て取り出し、これらの状態要素間の依存性も全て含めたユニットの部分的な状態要素モデルを作成する(ステップS201)。この部分的な状態要素モデルを符号μで表す。ユニットC[i]の状態要素モデルμは、図7に示すように表される。
次いで、状態要素モデル簡略化部101は、状態要素モデルμに含まれる全ての遷移に対し、外部から観測可能(observable)であるかどうかを判定し、観測可能な全ての遷移に「観測可能マーク」を付す(ステップS202)。
状態要素モデルμ中の状態要素(eとする。)の観測可能な遷移とは、以下に説明する3つの基準[OBS-1]、[OBS-2]、[OBS-3]のいずれかに当てはまる遷移である。
[OBS-1]
少なくとも一つの、C[i]に含まれない状態要素に関する依存レコードを持っている。
[OBS-2]
少なくとも一つの、C[i]に含まれない状態要素から依存されている状態sが、遷移元あるいは遷移先になっている。
[OBS-3]
少なくとも一つの、過渡要件が参照している状態sが、遷移元あるいは遷移先になっている。ここで過渡要件がeの状態sを参照しているとは、単に「制約式にe.sが含まれている」ことを意味するものとする。
状態要素モデルのデータの構造上、3つの基準[OBS-1]、[OBS-2]、[OBS-3]それぞれに当てはまるか否かは、各遷移を見るだけで簡単に判断可能である。
本例では、制約式(前述の式(1))において、「サーバ<i>.起動」状態に対する参照がなされている。従って、状態要素モデル簡略化部101は、状態要素「サーバ<i>」の「起動」状態に向かう向きの遷移である「停止→起動」と、逆に「起動」状態から離れる遷移である「起動→停止」および「起動→要再起動」という3つの遷移に、観測可能マークを付す。以下、図面において、観測可能マークが付された遷移を、破線の矢印で表す。ステップS202後の状態要素モデルμの例を図8に示す。
次いで、状態要素モデル簡略化部101は、状態要素モデルμ(図8参照)を、ユニットC[i]のユニット大域状態の遷移を示す状態遷移グラフ(このグラフを符号Gで表す。)に展開する(ステップS203)。前述のように、ユニット大域状態は、1つのユニットに含まれる各状態要素それぞれの状態を示した情報である。そして、状態遷移グラフGは、ユニット大域状態の遷移を表わす。
ステップS203で得られた状態遷移グラフGの例を図9に示す。状態要素モデル簡略化部101は、状態要素モデルμ(図8参照)から状態遷移グラフG(図9参照)を展開する際、観測可能マークを状態遷移グラフGに受け継がせる。
また、ユニット内の状態を参照する依存レコードは、状態遷移グラフGに残らない。ユニットの外部の状態を参照する依存レコードは、状態遷移グラフGに残る。状態要素モデル簡略化部101は、各ラベルに含まれる依存レコード毎に、状態遷移グラフGに残すか否かを判定し、1つのラベル内に含まれる依存レコードに関してそれぞれ残さないと判定した場合には、そのラベルを削除すればよい。本例(図8参照)では、ユニットの外部の状態を参照する依存レコードは存在しないので、状態遷移グラフGにラベルは残らない。
ステップS203の次に、状態要素モデル簡略化部101は、状態遷移グラフGから、観測可能な遷移(換言すれば、観測可能マークが付されている遷移)を削除した状態遷移グラフ(以下、このグラフを符号G’で表す。)を作成する。そして、状態要素モデル簡略化部101は、状態遷移グラフG’に対して、強連結成分分解(Decomposition to Strongly Connected Components)の手続きを実行し、強連結成分SCC[1],...,SCC[m]を得る。このとき、状態要素モデル簡略化部101は、各ユニット大域状態がどのSCC[i](i=1,...,m)に属しているかを示す情報を保持しておく。また、状態要素モデル簡略化部101は、強連結成分分解手続きの際に発見した、同じ強連結成分に含まれるユニット大域状態間の(内部遷移による)経路を内部経路保持テーブルTに逐一登録していく(ステップS204)。
観測可能な遷移を削除した状態遷移グラフG’は、図10のように表される。図10に示す状態遷移グラフG’は、12個のユニット大域状態を含んでいる。また、本例では、6個の強連結成分が得られる。強連結成分は、ユニット大域状態を要素として有する。図10に示す例では、1番目の強連結成分は、要素C1を含む。2番目の強連結成分は、要素C2を含む。3番目の強連結成分は、要素C3を含む。4番目の強連結成分は、要素C4を含む。C1~C4では、いずれも、状態要素「サーバ」の状態が「起動」となっている。5番目の強連結成分は、状態要素「サーバ」の状態が「要再起動」となっている要素A1~A4を含む。6番目の強連結成分は、状態要素「サーバ」の状態が「停止」となっている要素B1~B4を含む。
前述のように、状態要素モデル簡略化部101は、同じ強連結成分に含まれるユニット大域状態間の経路を内部経路保持テーブルTに登録する。図11は、内部経路保持テーブルの例を示す模式図である。内部経路保持テーブルは、複数の要素を含む強連結成分毎に得られる。図11に例示する内部経路保持テーブルは、要素(ユニット大域状態)A1~A4を含む強連結成分に基づいて得られたテーブルである。なお、1つの要素のみを含む強連結成分に関しては、内部経路保持テーブルは生成されなくてよい。図11に示すように、内部経路保持テーブルは、「キー」に該当する情報と、「値」に該当する情報との組み合わせの集合である。「キー」に該当する情報は、始点となる要素と終点となる要素との組み合わせであり、「値」に該当する情報は、その始点からその終点に至る具体的な経路を示す情報である。なお、その始点からその終点に至る経路が複数存在する場合、その複数の経路の中から任意の1つの経路が「値」として選択されればよい。要素B1~B4(図10参照)を含む強連結成分に関しても、同様に、内部経路保持テーブルが生成される。上記のように、1つの要素のみを含む強連結成分に関しては、内部経路保持テーブルは生成されなくてよい。
ステップS204の次に、状態要素モデル簡略化部101は、ステップS204で得た強連結成分SCC[i](i=1,...,m)に基づいて、ユニットC[i]に対する簡略化済ユニットC[i]’を構成する。このとき、状態要素モデル簡略化部101は、個々の強連結成分SCC[i](i=1,...,m)を、それぞれ、1つの要素にまとめる。本例では、6個の強連結成分が得られており、個々の強連結成分をまとめた「状態」をS1~S6と記す。1つのユニット大域状態のみを有する強連結成分をまとめる場合、その1つのユニット大域状態を、1つの「状態」とすればよい。本例では、前述の要素C1,C2,C3,C4(図10参照)を、そのまま、S1,S2,S3,S4とする。また、前述の要素A1~A4を含む強連結成分(図10参照)をまとめた「状態」をS6とし、前述の要素B1~B4を含む強連結成分(図10参照)をまとめた「状態」をS5とする。
以下の説明では、状態S1~S6のうち、任意の状態をS[i],S[j]と記す。状態要素モデル簡略化部101は、2つの状態S[i],S[j]の間に、「S[i]の基となった強連結成分SCC[i]に含まれるいずれかのユニット大域状態から、S[j]の基となった強連結成分SCC[j]に含まれるいずれかのユニット大域状態に、遷移tによって状態遷移できる」ときに限り、遷移tを張る。また後述の内部遷移補間処理のために、S[i]からS[j]に張られた遷移には、SCC[i]に含まれるどのユニット大域状態から実行可能な遷移なのかを、遷移tにタグ付けすることで明示しておく。すなわち、状態S1~S6間の遷移の始点や終点に対して、強連結成分に含まれるユニット大域状態をタグとして付与しておく。そして、S1~S6間の状態遷移系を「C[i]’」というIDを持つ一つの状態要素として扱い、これをユニットC[i]に対する簡略化済ユニットC[i]’とする(ステップS205)。
図12は、上記のようにして得られた簡略化済ユニットC[i]’を示す模式図である。この状態要素C[i]’は、6個の状態S1~S6しか含まない。図9に示す状態遷移グラフGに含まれている状態(ユニット大域状態)の数の半分になっている。簡略化済ユニットC[i]’は、1つの状態要素からなる。
ステップS205の次に、状態要素モデル簡略化部101は、元々の状態要素モデルMを複製し、複製された状態要素モデル内でユニットC[i]に相当する部分を簡略化済ユニットC[i]’で置き換えることで簡略化モデルRを構成する(ステップS206)。この簡略化モデルを符号Rで表す。
この置き換えを行う際、C[i]の外部あるいは過渡要件からC[i]への参照があった場合、適切な参照の付け替えにより整合を取る必要があるが、それぞれ次のように解決できる。
外部の遷移にC[i]内部の状態要素eの状態sに対する依存性があった場合、状態要素モデル簡略化部101は、これを「状態要素eの状態がsであるような大域状態S1,...,Skへの依存」、さらに「簡略化済ユニット中の、S1,...,Skのうち少なくとも一つを含む強連結成分SCC[1],...,SCC[m]への依存」と読み替え、依存レコードを書き換える。C[i]中の複数の状態に依存していた場合も、その依存性が全て解消されているような大域状態への依存性と読み替えることで解決できる。
一方、過渡要件からC[i]内部の状態要素eの状態sに対する参照e.sがあった場合も、同様に、状態要素モデル簡略化部101は、これを、「状態要素eの状態がsであるような大域状態S1,...,Skへの参照」、さらに「簡略化済ユニット中の、S1,...,Skのうち少なくとも一つを含む強連結成分SCC[1],...,SCC[m]への参照」と読み替え、e.sに相当する項を(C[i]’.SCC[1]+...+C[i]’.SCC[m])に置き換えることで、解決できる。この置き換えた項は「状態要素eの状態がsのとき1、そうでないとき0」となるため、元々の過渡要件が示す条件と同じ制約を簡略化済ユニットに対して課すことができている。
図12に示す例では、過渡要件が含む「サーバ.起動」状態に対する参照は、「C[i]’.S1+C[i]’.S2+C[i]’.S3+C[i]’.S4」に変換される。 図7における状態要素「サーバ」が「起動」状態にあるならば、S1,S2,S3,S4(図12参照)のいずれかの状態にいるため、この変換により元々の過渡要件と全く同一の条件を簡略化後も維持することができる。
最後に、状態要素モデル簡略化部101は、ユニットC[i]から簡略化済ユニットC[i]’への変換と同様の変換によって、簡略化モデルRに含まれる他のユニットを、簡略化済ユニットに置き換える。C[i]’と他のユニットに対する簡略化済ユニットとの違いは対応する状態要素のIDのみであり、ユニット所属情報φから参照して適宜置き換えることで、ユニットC[i]に対し行なったステップS201~S205を繰り返すことなく、ユニットから簡略化済ユニットへの変換を実施できる。また、内部経路保持テーブルTにも他のユニットのIDで置き換えた内部経路情報を追加する。全てのユニットの置き換えが終了した時点で、簡略化モデルRと内部経路保持テーブルTを出力する(ステップS207~S209)。
上記のステップS202~S205において、状態要素モデル簡略化部101は、ユニットを、ユニット外部から見たふるまいが等価であるような別の構造に置き換えている。より具体的には、状態要素モデル簡略化部101は、ユニットを、ユニット全体を見た大域的な状態からなる状態遷移系に変換したのち、外部から観測されない遷移によって行き来可能な状態をまとめている。
上記のステップS206、および、ステップS207~S209において、状態要素モデル簡略化部101は、各ユニットをより簡略化された別の構造に置き換えることによって、簡略化する前の状態要素モデルMを簡略化している。
次に、自動計画部102について説明する。自動計画部102は、過渡要件を満たす状態要素モデル上の経路を生成することができる。自動計画部102が経路を生成する方法は、公知の方法でよく、例えば、特許文献2に記載された方法でもよい。
状態要素モデル簡略化部101が生成する簡略化モデルは、それ自体が状態要素モデルとしての形式を有しているため、自動計画部102は、その簡略化モデル上の経路を出力することができる。
次に、内部遷移補完部103による内部遷移補完処理の処理経過について説明する。自動計画部102が出力した経路は簡略化モデル上の経路であり、内部遷移補完部103はこの経路を元々の状態要素モデル上の経路に変換する。
簡略化モデル上の経路における各遷移を、t[i](i=1,・・・,n)で表すこととする。また、後述のように、各遷移t[i]の「行き先」である簡略化モデル上の大域状態をR[i]と表す。図13は、t[i]およびR[i]を用いて表した、簡略化モデル上の経路の例を示す模式図である。また、図14は、内部経路保持テーブルの一部を具体的に示した例を示す模式図である。
図15は、内部遷移補完部103の動作の詳細を示すフローチャートである。内部遷移補完部103の内部遷移補完処理は、元々の状態要素モデルMと、自動計画部102の出力である簡略更新経路と、状態要素モデル簡略化部101の出力である内部経路保持テーブルとを受け取って動作する。以下、説明のため簡略更新経路を「状態遷移に用いられた遷移t[1],t[2],...,t[n]」によって参照する。つまり、簡略更新経路は初期状態から遷移t[i]を順次実行して遷移することによって、簡略化モデルの目的状態まで到達する経路である。また、説明のため、各遷移t[i]の「行き先」である簡略化モデル上の大域状態をR[i]と表す。
まず、内部遷移補完部103は、σ[1]を状態要素モデルMの初期状態とする(ステップS300)。ここで、状態要素モデルMの初期状態とは、状態要素モデルに含まれる全ての状態要素においてそれぞれ、現在状態が初期状態を指している大域状態を意味する。同様に、状態要素モデルMの目的状態とは、状態要素モデルに含まれる全ての状態要素においてそれぞれ、現在状態が目的状態を指している大域状態を意味する。
次いで、内部遷移補完部103は、簡略更新経路に含まれる遷移をt[1]からt[n]まで順次取り出しながら、ステップS302~S304を繰り返す。この繰り返し過程で更新経路を順次組み立てていく。なお、求める更新経路を符号πで表す。また、t[i]を取り出して動作する各繰り返しにおいては、既に手前の繰り返しによってσ[i]が特定されている(ステップS301)。
内部遷移補完部103は、各t[i]およびσ[i]に対し、t[i]がσ[i]で実行可能であるか否かの判定を行い、実行可能であればその行き先σ[i]$t[i]がR[i]に含まれるか否かの判定を行う(ステップS301a)。なお、上記のように、σ[i]において遷移t[i]を実行した場合の行先を符号σ[i]$t[i]で表す。ここで、R[i]が表わす簡略化モデルの大域状態は、元々の状態要素モデルの一つ以上の大域状態の集合に相当している。つまり「σ[i]$t[i]がR[i]に含まれる」とは、R[i]に相当する元々のモデルの大域状態の集合の中にσ[i]$t[i]が含まれていることを指して言うものとする。
遷移t[i]が状態σ[i]において実行可能であり、かつ、σ[i]$t[i]がR[i]に含まれるならば(ステップS301aにおけるTrue)、内部遷移補完部103は、σ[i+1]をσ[i]$t[i]にセットし、更新経路πにt[i]を追加したのち、繰り返し手続の最初に戻る(ステップS302)。
一方、遷移t[i]が状態σ[i]において実行不可能であるか、または実行可能であってもσ[i]$t[i]がR[i]に含まれないならば(ステップS301aにおけるFalse)、内部遷移補完部103は、内部遷移を補うことで、t[i]が実行可能、かつ、実行後の状態がR[i]に含まれる状態に遷移させる手続きに移行する。以下では、大域状態σに対し「t[i]が実行可能かつ実行後の状態がR[i]に含まれる」という条件を、「σにt[i]が正規に実行可能」と記載する。
簡略更新経路は、簡略化モデル上の正しい経路であるので、遷移t[i]は簡略化モデル上では実行可能である。さらに、遷移t[i]にはどのユニット大域状態で実行可能であるのかが示されたタグが付けられている。このタグに示されたユニット大域状態をσp_tgtとする。
遷移t[i]が含まれていたユニット(C[j]とする。)の現在のユニット大域状態が上記のユニット大域状態σp_tgtと一致していれば、t[i]は実行可能であり、かつ、その実行後状態はR[i]に含まれると言うことができる。したがって、σ[i]からt[i]を正規に実行可能な状態に移行するためには、σ[i]のC[j]に相当する部分をσp_tgtが表わす状態に遷移させればいい。
したがって、内部遷移補完部103は、まずσ[i]に相当する部分σp_srcを抽出し、内部経路保持テーブルから「σp_srcからσp_tgtまでの内部遷移による経路」を取り出し、取り出した経路を、全てπに追加する(ステップS303)。
その後、内部遷移補完部103は、状態σ[i]のC[j]に相当する部分をσp_tgtが表す状態に置き換えた状態σ_tgtを、t[i]によって遷移させた状態をσ[i+1]とする。内部遷移補完部103は、更新経路πにt[i]を追加したのち繰り返し手続の最初に戻る(ステップS304)。
繰り返し手続きを終えた後(ステップS305)、内部遷移補完部103は、大域状態σ[n+1]の各ユニットC[i](i=1,..,n)に対応する部分が目的状態と一致しているかチェックする。一致していなかった場合、ステップS303と同様にしてσ[n+1]と目的状態との差分を埋める経路を内部経路保持テーブルから取り出し、全てπに追加する(ステップS306)。
全ての処理が終わったのち、更新経路πは状態要素モデルM上の正しい更新手順となっているので、これを出力する。
内部遷移補完部103の動作の具体例を、図面を用いて説明する。図16は、図7に示すユニットを2つ持ち、過渡要件として2台のサーバのどちらかが起動状態にあることを要求しているという問題の例である。2つのユニットの区別をつけるため、それぞれの状態要素をサーバ<1>,サーバ<2>、状態をS1<1>,S1<2>等と区別している。この問題におけるユニットは、図7に示したユニットと同様であり、図12に示す状態要素(簡略化済ユニット)に簡略化できる。図16に示す2つのユニットから得られる簡略化済ユニットを、C[1]’,C[2]’と区別する。なお、前述の図13に示した内容は、以下に示す具体例に整合している。
この簡略化されたモデルの上で問題を解くと、解となる経路は図13に示すt[1]、t[2]、t[3]、t[4]となる。t[1]は、「サーバ<1>:起動→停止」に相当する。t[2]は、「サーバ<1>:停止→起動」に相当する。t[3]は、「サーバ<2>:起動→停止」に相当する。t[4]は、「サーバ<2>:停止→起動」に相当する。
また、t[i]の行き先状態をR[i]とする。このとき、図13に示すように、R[1]は、「C[1]’:S5,C[2]’:S2」となる。R[2]は、「C[1]’:S3,C[2]’:S2」となる。R[3]は、「C[1]’:S3,C[2]’:S5」となる。R[4]は、「C[1]’:S3,C[2]’:S3」となる。
図17は、図13に示されている経路の実行可能性を順次調べ、図16に示されている元々の状態要素モデルM上の経路に変換する様子を図示している。過程を以下で説明する。
まず、σ[1]はMの初期状態「サーバ<1>:起動、設定ファイル1<1>:旧、設定ファイル2<1>:旧、サーバ<2>:起動、設定ファイル1<2>:旧、設定ファイル2<2>:旧」にセットされ、求める更新経路πは空のリストにセットされる。
t[1]を適用して得られるσ[1]$t[1]は、「サーバ<1>:停止、設定ファイル1<1>:旧、設定ファイル2<1>:旧、サーバ<2>:起動、設定ファイル1<2>:旧、設定ファイル2<2>:旧」である。これはR[1]に含まれるので、σ[2]にσ[1]$t[1]をセットし、πにt[1]を追加する(図17参照)。
次に、t[2]は、σ[2]で実行可能である。しかし、行き先のσ[2]$t[2]は「サーバ<1>:起動、設定ファイル1<1>:旧、設定ファイル2<1>:旧、サーバ<2>:起動、設定ファイル1<2>:旧、設定ファイル2<2>:旧」であり、これはR[2]に含まれない。そこで、内部遷移補完部103は、t[2]のタグを参照する。ここで、t[2]のタグとして付与されうるC’[1]のユニット大域状態は「サーバ<1>:停止、設定ファイル1<1>:新、設定ファイル2<1>:新」である。そこで、C’[1]に関する内部経路保持テーブルにおいて、「サーバ<1>:停止、設定ファイル1<1>:旧、設定ファイル2<1>:旧」から「サーバ<1>:停止、設定ファイル1<1>:新、設定ファイル2<1>:新」への経路を照会すると「設定ファイル1<1>:旧→新」、「設定ファイル2<1>:旧→新」が得られるため、内部遷移補完部103は、これをπに追加する。そして、内部遷移補完部103は、「サーバ<1>:停止、設定ファイル1<1>:新、設定ファイル2<1>:新、サーバ<2>:起動、設定ファイル1<2>:旧、設定ファイル2<2>:旧」をσ[3]にセットし、t[2]をπに追加する。
以下、同様にσ[4],σ[5]を求めていくことができる。σ[5]は元々のモデルの目的状態と一致している。したがって、以上の手続によって最終的に図18および図19に示すような状態要素モデルM上の経路πを得ることができる。
上記のステップS301~S305において、内部遷移補完部103は、簡略化された状態要素モデル上の経路に対し、簡略化する前の状態要素モデル上でその経路を実行するのに必要な内部の遷移を補完することで、その経路を、簡略化する前の状態要素モデル上で実行可能な経路に変換している。より具体的には、内部遷移補完部103は、簡略化された状態要素モデル上の経路に含まれる全ての遷移に対し、簡略化する前の状態要素モデル上でその経路を実行することができるかどうかを確認し、実行不可能な遷移に対しては、当該遷移に相当する実行可能な状態までの経路を内部経路保持テーブルを参照することで取得し補っている。
[効果の説明]
本実施形態のシステム更新手順計画装置100は、システム更新を表現する状態要素モデルに対し、ユニット構成情報に基づいた簡略化を施し、簡略化した状態要素モデルの上で自動計画問題を解く。そして、システム更新手順計画装置100は、その解を少ない手間で元々の問題の解に変換し出力する。これにより、同様の構成を大量に更新することを含んだ大規模な問題に対する、効率的な更新手順自動生成を実現する。従って、システム更新における自動計画問題を解く際に、爆発的な計算量の増加を防止することができる。
状態要素モデル簡略化部101は、システム更新を表現する状態要素モデルを、その内部の遷移の外部からの観測可能性に基づいた簡略化処理を実現する。また観測不可能な遷移による強連結性を利用することで、簡略化後のモデルの解が、簡略化によって省略されたパスを適宜補うことで元々のモデルの解に復元できることを保証する。
内部遷移補完部103は、状態要素モデル簡略化部101のモデル簡略化処理の際に得られた情報を用いることで、手順生成その他の探索プロセスを経ない簡易な方法で簡略化モデル上の解を元々の問題の解に変換する。
実施形態2.
[構成の説明]
以下、本発明の第2の実施形態を、図面を参照して説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態ではシステム更新手順計画装置100に入力していたユニット所属情報を、状態要素モデルから検出することのできるユニット構成検出機能を加えるように、第1の実施形態の構成に一部変更を加えたものである。
図20は、本発明の第2の実施形態のシステム更新手順計画装置の例を示すブロック図である。第1の実施形態におけるシステム更新手順計画装置100が備える要素と同様の要素については、図5と同一の符号を付し、説明を省略する。
第2の実施形態のシステム更新手順計画装置400は、状態要素モデル簡略化部101と、自動計画部102と、内部遷移補完部103と、ユニット構成検出部401とを備える。状態要素モデル簡略化部101、自動計画部102および内部遷移補完部103は、第1の実施形態における状態要素モデル簡略化部101、自動計画部102および内部遷移補完部103と同様である。
ただし、第1の実施形態では、状態要素モデル簡略化部101への入力が外部から与えられる状態要素モデルおよびユニット所属情報であったのに対し、第2の実施形態では、状態要素モデル簡略化部101への入力は、外部から与えられる状態要素モデル、および、ユニット構成検出部401が出力するユニット所属情報である。
本実施形態では、システム更新手順計画装置400への入力は状態要素モデルのみである。
ユニット構成検出部401は、状態要素モデルを入力とし、与えられた状態要素モデル上のユニット所属情報を算出して出力する。既に述べたように、ユニット所属情報は、状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示す情報であるということができる。
ユニット構成検出部401、状態要素モデル簡略化部101、自動計画部102および内部遷移補完部103は、例えば、システム更新手順計画プログラムに従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。例えば、CPUが、コンピュータのプログラム記憶装置等のプログラム記録媒体からシステム更新手順計画プログラムを読み込み、そのプログラムに従って、ユニット構成検出部401、状態要素モデル簡略化部101、自動計画部102および内部遷移補完部103として動作すればよい。
[動作の説明]
状態要素モデル簡略化部101、自動計画部102および内部遷移補完部103の動作は、第1の実施形態における動作と同様であるので、ここでは説明を省略する。以下では、ユニット構成検出部401の処理経過を説明する。図21は、ユニット構成検出部401の処理経過の例を示すフローチャートである。ユニット構成検出部401は、外部から与えられる状態要素モデルを入力として受け取って動作する。
最初に、ユニット構成検出部401は、状態要素モデルを、「頂点が状態要素であって、辺が依存レコードである」ようなグラフとみなす。さらに、ユニット構成検出部401は、それぞれの頂点を「内部の状態遷移系の形と、過渡要件からの参照」で色分けし、辺を「依存レコードが付帯する遷移と、依存レコードそのものの値」で色分けし、彩色グラフGを構成する(ステップS500)。ここでは、ステップS500で得られる色彩グラフを符号Gで表す。
ユニット構成検出部401は、彩色グラフGの彩色に対する安定細分化(stable refinement、あるいはnaive vertex refinement)手続きを行う。具体的には、ユニット構成検出部401は、細分化ラウンドと呼ばれる手続きを、もうそれ以上色の細分化(元々同じ色だった節点が細分化ラウンドの後に別の色になること)が生じないようになるまで繰り返す(ステップS501~S503)。上記の「細分化ラウンド」は、「頂点の色cと隣接した頂点の色c[1],c[2],..,c[n]をまとめたラベルを作り、そのラベルに基づいて新しい色を各頂点に振り直す」という手続きである。
ユニット構成検出部401は、彩色グラフGにおいて、二つ以上の状態要素が共通して持つような色を一つ選ぶ(ステップS504)。
ユニット構成検出部401は、選んだ色に対応する状態要素をそれぞれ初期のユニット候補C[1],...,C[n]とする。以降の手続きでは、ユニット構成検出部401は、これらのユニットに別の状態要素を加え可能な限り拡大することを目指す。
ユニット構成検出部401は、現在のユニット候補C[1],...,C[n]に対し、そこに含まれる状態要素が依存レコードによって参照している、あるいは参照されている要素(以下では単に「関連している要素」と呼ぶ。)を調べる。全て調べ終わったとき、あるユニットC[i]に関連しているが、他のどのユニットにも関連していない要素があったならば、ユニット構成検出部401は、その要素をユニットC[i]に加える(ステップS505~S507)。
ステップS506終了時、ユニット候補に要素が一つでも追加されていたら、ユニット構成検出部401は、もう一度ステップS506を繰り返す。そうでなければ、現在のユニット候補からユニット構成情報を作成し出力する。
なお、ステップS504において選べる色は一般には複数存在する。しかし、複数存在する候補からどの色を選んだとしても、この先の手続きは(グラフ簡略化処理や自動計画等、後々の手続を含め)正しく動作する。そのためここでの色の選び方に関して特に制限はない。また、システム更新手順計画装置400が複数の色をそれぞれ試して、簡略化の効果を確認した上で、最終的に、ユニット構成検出部401が、簡略化の効果がもっともよい色を最終的に選択してもよい。
上記のステップS500~S507において、ユニット構成検出部401は、状態要素モデル中で構造的に同一な2つ以上の部分構成を検出し、その構造的に同一な2つ以上の部分構成をそれぞれユニットとして解釈した上で、各状態要素がどのユニットに属しているかをユニット所属情報として出力している。より詳細には、ユニット構成検出部401は、ステップS501において、状態要素モデルを彩色グラフとみなし、ステップS501~S503において、安定細分化を求めることによって構造上同一とみなすことのできる状態要素を検出している。そして、ステップS505~S507において、ユニット構成検出部401は、検出結果をもとに各状態要素が所属しているとみなせるユニットを判断している。
[効果の説明]
本実施形態では、ユニット構成検出部401がユニット構成情報を作成する点の他は、第1の実施形態と同様である。従って、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
ユニット構成検出部401は、状態要素モデルから同様の構成をもつ複数の「ユニット」構造を検出し、構造と状態要素との対応関係を出力する。これにより、明示的にユニットの情報を指定することなく状態要素モデルの簡略化に必要な情報を得ることができる。
図22は、本発明の各実施形態のシステム更新手順計画装置に係るコンピュータの構成例を示す概略ブロック図である。コンピュータ1000は、CPU1001と、主記憶装置1002と、補助記憶装置1003と、インタフェース1004とを備える。
本発明の各実施形態のシステム更新手順計画装置は、コンピュータ1000によって実現される。システム更新手順計画装置の動作は、システム更新手順計画プログラムの形式で補助記憶装置1003に記憶されている。CPU1001は、そのシステム更新手順計画プログラムを補助記憶装置1003から読み出して主記憶装置1002に展開し、そのシステム更新手順計画プログラムに従って、上記の各実施形態で説明した処理を実行する。
補助記憶装置1003は、一時的でない有形の媒体の例である。一時的でない有形の媒体の他の例として、インタフェース1004を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory )、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory )、半導体メモリ等が挙げられる。また、プログラムが通信回線によってコンピュータ1000に配信される場合、配信を受けたコンピュータ1000がそのプログラムを主記憶装置1002に展開し、そのプログラムに従って上記の各実施形態で説明した処理を実行してもよい。
また、各構成要素の一部または全部は、汎用または専用の回路(circuitry )、プロセッサ等やこれらの組み合わせによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各構成要素の一部または全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
各構成要素の一部または全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
次に、本発明の概要について説明する。図23は、本発明の実施形態のシステム更新手順計画装置の概要を示すブロック図である。本発明の実施形態のシステム更新手順計画装置は、システムの更新を複数の状態要素、および、その複数の状態要素とともに規定された制約式によって記述した状態要素モデルと、その状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示すユニット所属情報とを基に、状態要素モデル上の実行可能な経路をシステムの更新手順として出力する。そして、システム更新手順計画装置は、状態要素モデル簡略化部101と、自動計画部102と、内部遷移補完部103とを備える。
状態要素モデル簡略化部101は、状態要素モデルに対しユニット所属情報に基づいた簡略化変換を施すことで、簡略化された状態要素モデルを出力する。
自動計画部102は、簡略化された状態要素モデルに対し、その初期状態から目的状態までの実行可能な経路を出力する。
内部遷移補完部103は、簡略化された状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路を、簡略化する前の状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路に変換する。
そのような構成によって、システム更新における自動計画問題を解く際に、爆発的な計算量の増加を防止することができる。
図24は、本発明の実施形態のシステム更新手順計画装置の概要の他の例を示すブロック図である。本例のシステム更新手順計画装置は、システムの更新を複数の状態要素、および、その複数の状態要素とともに規定された制約式によって記述した状態要素モデルを基に、状態要素モデル上の実行可能な経路をシステムの更新手順として出力する。本例のシステム更新手順計画装置は、ユニット構成検出部401と、状態要素モデル簡略化部101と、自動計画部102と、内部遷移補完部103とを備える。
ユニット構成検出部401は、状態要素モデルを入力とし、状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示すユニット所属情報を出力する。
状態要素モデル簡略化部101、自動計画部102および内部遷移補完部103は、図23に示すそれらの要素と同様である。
上記の本発明の実施形態は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下に限定されるわけではない。
(付記1)
システムの更新を複数の状態要素、および、前記複数の状態要素とともに規定された制約式によって記述した状態要素モデルと、前記状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示すユニット所属情報とを基に、前記状態要素モデル上の実行可能な経路をシステムの更新手順として出力するシステム更新手順計画装置であって、
前記状態要素モデルに対し前記ユニット所属情報に基づいた簡略化変換を施すことで、簡略化された状態要素モデルを出力する状態要素モデル簡略化部と、
前記簡略化された状態要素モデルに対し、その初期状態から目的状態までの実行可能な経路を出力する自動計画部と、
前記簡略化された状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路を、簡略化する前の前記状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路に変換する内部遷移補完部とを備える
ことを特徴とするシステム更新手順計画装置。
(付記2)
システムの更新を複数の状態要素、および、前記複数の状態要素とともに規定された制約式によって記述した状態要素モデルを基に、前記状態要素モデル上の実行可能な経路をシステムの更新手順として出力するシステム更新手順計画装置であって、
前記状態要素モデルを入力とし、前記状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示すユニット所属情報を出力するユニット構成検出部と、
前記状態要素モデルに対し前記ユニット所属情報に基づいた簡略化変換を施すことで、簡略化された状態要素モデルを出力する状態要素モデル簡略化部と、
前記簡略化された状態要素モデルに対し、その初期状態から目的状態までの実行可能な経路を出力する自動計画部と、
前記簡略化された状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路を、簡略化する前の前記状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路に変換する内部遷移補完部とを備える
ことを特徴とするシステム更新手順計画装置。
(付記3)
前記状態要素モデル簡略化部は、
前記ユニット所属情報に基づき各ユニットをより簡略化された別の構造に置き換えることによって、簡略化する前の前記状態要素モデルを簡略化する
付記1または付記2に記載のシステム更新手順計画装置。
(付記4)
前記状態要素モデル簡略化部は、
前記各ユニットを、ユニット外部から見たふるまいが等価であるような別の構造に置き換えることによって、簡略化する前の前記状態要素モデルを簡略化する
付記3に記載のシステム更新手順計画装置。
(付記5)
前記状態要素モデル簡略化部は、
前記各ユニットを、ユニット全体を見た大域的な状態からなる状態遷移系に変換したのち、外部から観測されない遷移によって行き来可能な状態をまとめることによって状態要素モデルを簡略化する
付記4に記載のシステム更新手順計画装置。
(付記6)
前記内部遷移補完部は、
前記簡略化された状態要素モデル上の経路に対し、簡略化する前の前記状態要素モデル上で前記経路を実行するのに必要な内部の遷移を補完することで、簡略化する前の前記状態要素モデル上で実行可能な経路に変換する
付記1から付記5のうちのいずれかに記載のシステム更新手順計画装置。
(付記7)
前記状態要素モデル簡略化部は、
前記簡略化された状態要素モデルに加えて、簡略化された一部の状態遷移の情報を保持する内部経路保持テーブルを生成し、
前記内部遷移補完部は、
前記簡略化された状態要素モデル上の経路に含まれる全ての遷移に対し、簡略化する前の前記状態要素モデル上で前記経路を実行することができるかどうかを確認し、実行不可能な遷移に対しては、当該遷移に相当する実行可能な状態までの経路を前記内部経路保持テーブルを参照することで取得し補うことで、簡略化する前の前記状態要素モデル上で実行可能な経路に変換する
付記6に記載のシステム更新手順計画装置。
(付記8)
前記ユニット構成検出部は、
前記状態要素モデル中で構造的に同一な2つ以上の部分構成を検出し、前記構造的に同一な2つ以上の部分構成をそれぞれユニットとして解釈した上で、各状態要素がどのユニットに属しているかをユニット所属情報として出力する
付記2に記載のシステム更新手順計画装置。
(付記9)
前記ユニット構成検出部は、
前記状態要素モデルを彩色グラフとみなし、安定細分化を求めることによって構造上同一とみなすことのできる状態要素を検出し、検出結果をもとに各状態要素が所属しているとみなせるユニットを判断する
付記8に記載のシステム更新手順計画装置。
(付記10)
システムの更新を複数の状態要素、および、前記複数の状態要素とともに規定された制約式によって記述した状態要素モデルと、前記状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示すユニット所属情報とを基に、前記状態要素モデル上の実行可能な経路をシステムの更新手順として出力するシステム更新手順計画方法であって、
前記状態要素モデルに対し前記ユニット所属情報に基づいた簡略化変換を施すことで、簡略化された状態要素モデルを出力し、
前記簡略化された状態要素モデルに対し、その初期状態から目的状態までの実行可能な経路を出力し、
前記簡略化された状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路を、簡略化する前の前記状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路に変換する
ことを特徴とするシステム更新手順計画方法。
(付記11)
システムの更新を複数の状態要素、および、前記複数の状態要素とともに規定された制約式によって記述した状態要素モデルを基に、前記状態要素モデル上の実行可能な経路をシステムの更新手順として出力するシステム更新手順計画方法であって、
前記状態要素モデルを入力とし、前記状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示すユニット所属情報を出力し、
前記状態要素モデルに対し前記ユニット所属情報に基づいた簡略化変換を施すことで、簡略化された状態要素モデルを出力し、
前記簡略化された状態要素モデルに対し、その初期状態から目的状態までの実行可能な経路を出力し、
前記簡略化された状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路を、簡略化する前の前記状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路に変換する
ことを特徴とするシステム更新手順計画方法。
(付記12)
システムの更新を複数の状態要素、および、前記複数の状態要素とともに規定された制約式によって記述した状態要素モデルと、前記状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示すユニット所属情報とを基に、前記状態要素モデル上の実行可能な経路をシステムの更新手順として出力するコンピュータにおいて実行されるシステム更新手順計画プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記状態要素モデルに対し前記ユニット所属情報に基づいた簡略化変換を施すことで、簡略化された状態要素モデルを出力する状態要素モデル簡略化処理と、
前記簡略化された状態要素モデルに対し、その初期状態から目的状態までの実行可能な経路を出力する自動計画処理と、
前記簡略化された状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路を、簡略化する前の前記状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路に変換する内部遷移補完処理とを
実行させるためのシステム更新手順計画プログラム。
(付記13)
システムの更新を複数の状態要素、および、前記複数の状態要素とともに規定された制約式によって記述した状態要素モデルを基に、前記状態要素モデル上の実行可能な経路をシステムの更新手順として出力するコンピュータにおいて実行されるシステム更新手順計画プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記状態要素モデルを入力とし、前記状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示すユニット所属情報を出力するユニット構成検出処理と、
前記状態要素モデルに対し前記ユニット所属情報に基づいた簡略化変換を施すことで、簡略化された状態要素モデルを出力する状態要素モデル簡略化処理と、
前記簡略化された状態要素モデルに対し、その初期状態から目的状態までの実行可能な経路を出力する自動計画処理と、
前記簡略化された状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路を、簡略化する前の前記状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路に変換する内部遷移補完処理とを
実行させるためのシステム更新手順計画プログラム。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記の実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2019年5月31日に出願された日本特許出願2019-102388を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
産業上の利用の可能性
本発明は、システム更新における自動計画問題に好適に適用される。
100,400 システム更新手順計画装置
101 状態要素モデル簡略化部
102 自動計画部
103 内部遷移補完部
401 ユニット構成検出部

Claims (10)

  1. システムの更新を複数の状態要素、および、前記複数の状態要素とともに規定された制約式によって記述した状態要素モデルと、前記状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示すユニット所属情報とを基に、前記状態要素モデル上の実行可能な経路をシステムの更新手順として出力するシステム更新手順計画装置であって、
    前記状態要素モデルに対し前記ユニット所属情報に基づいた簡略化変換を施すことで、簡略化された状態要素モデルを出力する状態要素モデル簡略化部と、
    前記簡略化された状態要素モデルに対し、その初期状態から目的状態までの実行可能な経路を出力する自動計画部と、
    前記簡略化された状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路を、簡略化する前の前記状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路に変換する内部遷移補完部とを備える
    ことを特徴とするシステム更新手順計画装置。
  2. システムの更新を複数の状態要素、および、前記複数の状態要素とともに規定された制約式によって記述した状態要素モデルを基に、前記状態要素モデル上の実行可能な経路をシステムの更新手順として出力するシステム更新手順計画装置であって、
    前記状態要素モデルを入力とし、前記状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示すユニット所属情報を出力するユニット構成検出部と、
    前記状態要素モデルに対し前記ユニット所属情報に基づいた簡略化変換を施すことで、簡略化された状態要素モデルを出力する状態要素モデル簡略化部と、
    前記簡略化された状態要素モデルに対し、その初期状態から目的状態までの実行可能な経路を出力する自動計画部と、
    前記簡略化された状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路を、簡略化する前の前記状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路に変換する内部遷移補完部とを備える
    ことを特徴とするシステム更新手順計画装置。
  3. 前記状態要素モデル簡略化部は、
    前記ユニット所属情報に基づき各ユニットをより簡略化された別の構造に置き換えることによって、簡略化する前の前記状態要素モデルを簡略化する
    請求項1または請求項2に記載のシステム更新手順計画装置。
  4. 前記状態要素モデル簡略化部は、
    前記各ユニットを、ユニット外部から見たふるまいが等価であるような別の構造に置き換えることによって、簡略化する前の前記状態要素モデルを簡略化する
    請求項3に記載のシステム更新手順計画装置。
  5. 前記状態要素モデル簡略化部は、
    前記各ユニットを、ユニット全体を見た大域的な状態からなる状態遷移系に変換したのち、外部から観測されない遷移によって行き来可能な状態をまとめることによって状態要素モデルを簡略化する
    請求項4に記載のシステム更新手順計画装置。
  6. 前記内部遷移補完部は、
    前記簡略化された状態要素モデル上の経路に対し、簡略化する前の前記状態要素モデル上で前記経路を実行するのに必要な内部の遷移を補完することで、簡略化する前の前記状態要素モデル上で実行可能な経路に変換する
    請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載のシステム更新手順計画装置。
  7. システムの更新を複数の状態要素、および、前記複数の状態要素とともに規定された制約式によって記述した状態要素モデルと、前記状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示すユニット所属情報とを基に、前記状態要素モデル上の実行可能な経路をシステムの更新手順として出力するシステム更新手順計画方法であって、
    前記状態要素モデルに対し前記ユニット所属情報に基づいた簡略化変換を施すことで、簡略化された状態要素モデルを出力し、
    前記簡略化された状態要素モデルに対し、その初期状態から目的状態までの実行可能な経路を出力し、
    前記簡略化された状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路を、簡略化する前の前記状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路に変換する
    ことを特徴とするシステム更新手順計画方法。
  8. システムの更新を複数の状態要素、および、前記複数の状態要素とともに規定された制約式によって記述した状態要素モデルを基に、前記状態要素モデル上の実行可能な経路をシステムの更新手順として出力するシステム更新手順計画方法であって、
    前記状態要素モデルを入力とし、前記状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示すユニット所属情報を出力し、
    前記状態要素モデルに対し前記ユニット所属情報に基づいた簡略化変換を施すことで、簡略化された状態要素モデルを出力し、
    前記簡略化された状態要素モデルに対し、その初期状態から目的状態までの実行可能な経路を出力し、
    前記簡略化された状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路を、簡略化する前の前記状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路に変換する
    ことを特徴とするシステム更新手順計画方法。
  9. システムの更新を複数の状態要素、および、前記複数の状態要素とともに規定された制約式によって記述した状態要素モデルと、前記状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示すユニット所属情報とを基に、前記状態要素モデル上の実行可能な経路をシステムの更新手順として出力するコンピュータにおいて実行されるシステム更新手順計画プログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記状態要素モデルに対し前記ユニット所属情報に基づいた簡略化変換を施すことで、簡略化された状態要素モデルを出力する状態要素モデル簡略化処理と、
    前記簡略化された状態要素モデルに対し、その初期状態から目的状態までの実行可能な経路を出力する自動計画処理と、
    前記簡略化された状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路を、簡略化する前の前記状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路に変換する内部遷移補完処理とを
    実行させるためのシステム更新手順計画プログラム。
  10. システムの更新を複数の状態要素、および、前記複数の状態要素とともに規定された制約式によって記述した状態要素モデルを基に、前記状態要素モデル上の実行可能な経路をシステムの更新手順として出力するコンピュータにおいて実行されるシステム更新手順計画プログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記状態要素モデルを入力とし、前記状態要素モデル中の各状態要素が複数のユニットのうちのどのユニットに属するかを示すユニット所属情報を出力するユニット構成検出処理と、
    前記状態要素モデルに対し前記ユニット所属情報に基づいた簡略化変換を施すことで、簡略化された状態要素モデルを出力する状態要素モデル簡略化処理と、
    前記簡略化された状態要素モデルに対し、その初期状態から目的状態までの実行可能な経路を出力する自動計画処理と、
    前記簡略化された状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路を、簡略化する前の前記状態要素モデル上の初期状態から目的状態までの実行可能な経路に変換する内部遷移補完処理とを
    実行させるためのシステム更新手順計画プログラム。
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