JP7183847B2 - メニュー検索装置、メニュー検索方法およびメニュー検索プログラム - Google Patents
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本実施形態に係るメニュー検索装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、メニュー検索装置100の構成の一例を示すブロック図である。
本項目では、まず、前記ワードの絞り込みの仕方について説明し、次に、メニュー検索装置100で実行される検索処理の一例について説明する。
本項目では、前記ワードの絞り込みの仕方の一例について、図8のフローチャートに沿って説明する。なお、図8において、斜線のハッチングで示すステップは、例えば、管理栄養士に行わせるタスクである。
まず、がん患者の栄養管理に日常的に携わっている管理栄養士複数名に対して、がん患者(例えば、抗がん剤治療中または放射線治療中)の栄養管理において、前記がん患者から聞いたまたは他の栄養士等から聞いたメニューの雰囲気を表すワード、当該ワードの意味(受容・拒否)および当該ワードの登場頻度(高頻度・低頻度)を回答させることにより、言葉出しをさせる。(図8のステップSA1)。
次に、前記管理栄養士複数名の合議により、前記言葉出しさせた全ワードから、例えば、「単一のモダリティを表すもの」、「食材・調味料を特定するもの」および「漠然とし過ぎているもの」を除いたワードを抽出することにより、言葉の絞り込みを行う(図8のステップSA2)。
次に、例えば、前記成書「症状で選ぶ!抗がん剤・放射線治療と食事のくふう」(山口 建 (静岡県立静岡がんセンター総長) 監修)等を参考にして、副作用への適合度のバラエティを考慮して、複数のメニューを前記管理栄養士複数名の合議によって選択する。そして、前記管理栄養士複数名に対して、例えば、当該選択した複数のメニューのメニュー名および写真を提示して、当該選択した複数のメニューに対する(2)で抽出したワードの適合度を、例えば、5段階の評点「+2;まったくそのとおり、+1;ややそのとおり、0;どちらとも言えない(そのような特徴はない)、-1;やや違う、-2;まったく違う(逆の特徴がある)」とN(不明)で回答させて、前記管理栄養士複数名の平均評点を求める。この結果を、元データとする(図8のステップSA3)。
次に、前記管理栄養士間で、前記5段階の評点のバラツキが大きいメニューについて、メニュー名および写真に加えてレシピを開示して、再度、前記5段階の評点とN(不明)を回答させることにより、平均評点を求めることにより、再評価を行う。この結果を、再評価データとする(図8のステップSA4)。なお、前記被験者間で評点のバラツキが大きいか否かの判定は、例えば、評点の最大値と最小値の差や標準偏差を参考にして行うことができる。
次に、(3)で作成した前記元データ中のバラツキが大きかったメニューについての元の平均評点を、(4)での前記再評価により求めた平均評点に差し替えたデータを、改定データとする(図8のステップSA5)。改定データの一例を、図4に示す。
最後に、(5)で作成した改定データを、例えば統計解析ソフトR Version3.4.3またはJMP14.0(SAS Institute Japan)等を用いて、例えば以下の指標により解析することにより、(2)で絞り込みをしたワードから、最終的な言葉(ワード)を絞り込みすることができる(図8のステップSA6)。
(指標)
・管理栄養士間の評点の一致度:Kendallの一致係数(W)検定
・ワード間の関係(相関):平均評点を用いたSpearmanの相関係数
・ワード間の関係:平均評点を用いたクラスター解析(Word法)、主成分分析(分散・共分散行列から)
・ワード削除の影響:RV係数
本項目では、検索処理の一例について、図9のフローチャートに沿って説明する。なお、本項目[2-2]においては、レシピ記載データ106aの内容については、前記嗜好適合度評点が次段落に示すとおりであり、前記体調適合度評点が次々段落に示すとおりであると仮定して、説明を進める。
あっさりしたもの さっぱりしたもの
メニュー1 0 1
メニュー2 1 2
メニュー3 2 1
メニュー4 1 0
食欲なし 口内炎
メニュー2 0 -2
メニュー3 1 1
メニュー4 2 2
指定されたワードが「あっさりしたもの」である場合、検索部102aは、レシピ記載データ106aにおいて、あっさりしたものの評点が所定の条件(例えば1以上または上位3件)を満たすメニュー2、3および4を検索する(図9のステップSB1)。
指定された症状が「食欲なし」かつ「口内炎」である場合、レシピ記載データ106aにおいて、食欲なしの評点が所定の条件(例えば1以上または上位2件)を満たし、かつ、口内炎の評点が所定の条件(例えば1以上または上位2件)を満たすメニューは、メニュー3および4である。
以上説明してきたように、本実施形態に係るメニュー検索装置100によれば、食事メニューの雰囲気を表す、がん患者用に選定されたワードを用いることで、がん患者の負担が小さく、かつ、がん患者の急激な食嗜好変化にも対応可能な態様で、がん患者の食嗜好に合った食事メニューを検索することができる。以下、従来技術、本発明において可能となったことおよび本発明の効果を説明する。
従来における、がん治療中の患者の嗜好に合ったレシピデータ検索の方法として、食材、調理法および風味等で検索するという方法があった。しかしながら、この方法は、入力項目が多くがん患者の負担が大きいという問題があった。言い換えると、味、風味および食感等それぞれのモダリティについてがん患者に好みを尋ねる必要があるため、煩雑であり、更に、そもそもがん患者自身も自分の好みを自覚していないという問題もあった。
そこで、本実施形態においては、例えば、食事メニューの雰囲気を表すワード(うす味、濃い味およびさっぱり等)を整備して、前記食事メニューに対する前記ワードの適合度を評点化したものである適合度評点を含む検索用データベースを作成した。これにより、がん患者が食べたい食事メニューの雰囲気(うす味、濃い味およびさっぱり等)を元に、食事メニューを検索することができる。言い換えると、本実施形態においては、例えば、嗜好と関連する食事メニューの雰囲気を表すワードを整備し、前記適合度評点を付与した検索用メニューデータベースを作成し、ユーザ(がん患者)が食べたいまたは食べたくない食事メニューの雰囲気を表すワードを入力して検索することで、ユーザ(がん患者)の嗜好に合った食事メニューを提案することができる。
このように、本実施形態においては、例えば、入力項目がシンプルであるため、がん患者の負担が小さい。また、本実施形態においては、例えば、がん患者の過去の食履歴に関係なく食事メニュー検索をできるため、がん患者の急激な嗜好変化にも対応可能である。この対応が可能となることで、「栄養成分の要件を満たしていても、おいしくないと食べられない」というがん患者やその介護者の要望に応えることができるようになった。なお、本実施形態においては、がん患者に適したワードセットを作成したが、本発明は、がん以外の疾患を持つ人や健康な人に対して適用することも可能である。
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
本項目[A]においては、がん患者の栄養管理に日常的に携わっている管理栄養士(国立がん研究センター中央病院 栄養管理室)を、「被験者」と呼ぶ。なお、図8において、斜線のハッチングで示すステップは、前記被験者に行わせたタスクである。
まず、前記被験者8名に対して、がん患者(抗がん剤治療中または放射線治療中)の栄養管理において、前記がん患者から聞いたまたは他の栄養士等から聞いたメニューの雰囲気を表す80ワード、当該80ワードの意味(受容・拒否)および当該80ワードの登場頻度(高頻度・低頻度)を回答させることにより、言葉出しをさせた。(図8のステップSA1)。
次に、前記被験者2名の合議により、前記言葉出しさせた80ワードから、「単一のモダリティを表すもの」、「食材・調味料を特定するもの」および「漠然とし過ぎているもの」を除いた12ワード(Att01~Att12)を抽出することにより、言葉の絞り込みを行った(図8のステップSA2)。当該抽出した12ワードならびに当該抽出した12ワードの意味(受容・拒否)および当該抽出した12ワードの登場頻度(高頻度・低頻度)を、図10に示す。
次に、前記成書「症状で選ぶ!抗がん剤・放射線治療と食事のくふう」(山口 建 (静岡県立静岡がんセンター総長) 監修)を参考にして、副作用への適合度のバラエティを考慮して、80種のメニューを前記被験者2名の合議によって選択した。そして、前記被験者9名に対して、当該選択した80種のメニューのメニュー名および写真を提示して、当該選択した80種のメニューに対する前記抽出した12ワードの適合度を、5段階の評点「+2;まったくそのとおり、+1;ややそのとおり、0;どちらとも言えない(そのような特徴はない)、-1;やや違う、-2;まったく違う(逆の特徴がある)」とN(不明)で回答させて、前記被験者9名の回答の平均評点を求めた。この結果を、元データとした(図8のステップSA3)。
次に、前記被験者間で、前記5段階の評点のバラツキが大きかった15種のメニューについて、再度、前記5段階の評点とN(不明)を回答させることにより、平均評点を求めることにより、再評価を行った。この結果を、再評価データとした(図8のステップSA4)。なお、前記被験者間で評点のバラツキが大きいか否かの判定は、評点の最大値と最小値の差や標準偏差を参考にして行った。
次に、前記元データ中の前記バラツキが大きかった15種のメニューについての元の平均評点を、前記再評価により求めた平均評点に差し替えたデータを、改定データとした(図8のステップSA5)。
最後に、(5)で作成した改定データを統計解析ソフトR Version3.4.3またはJMP14.0(SAS Institute Japan)を用いて以下の指標により解析することにより、(2)で絞り込みをした12ワードから、最終的に、8ワードを抽出した(図8のステップSA6)。
(指標)
・管理栄養士間の評点の一致度:Kendallの一致係数(W)検定
・ワード間の関係(相関):平均評点を用いたSpearmanの相関係数
・ワード間の関係:平均評点を用いたクラスター解析(Word法)、主成分分析(分散・共分散行列から)
・ワード削除の影響:RV係数
・さっぱりしたもの(Att02)
・こってりしたもの(Att03)
・のどごしがよいもの(Att04)
・濃い味のもの(Att06)
・うす味のもの(Att07)
・食感をたのしめるもの(Att08)
・甘ったるいもの(Att09)
・汁気があるもの(Att10)
本項目[B]では、[A]の(5)で作成した図4の表に基づいて、図5のヒートマップを作成した。図5のヒートマップにおいて、縦軸は、前段落で最終的に絞り込んだ8ワードを示し、横軸は、図4の表中の80種のメニューを示し、ヒートマップ中の色は、赤色に近いほど前記適合度評点が高いことを示し、青色に近いほど前記適合度評点が低いことを示している。なお、図5のヒートマップの横軸の80種のメニューは、ヒートマップの配色が似ているメニュー同士が互いに近くになるように並び替えている。ヒートマップの上部の樹形図は、ヒートマップの下部記載のメニュー間の類似度を表している。ヒートマップの右側の樹形図は、ヒートマップの左側記載のワード間の類似度を表している。
本項目[A]では、前記成書「症状で選ぶ!抗がん剤・放射線治療と食事のくふう」(山口 建 (静岡県立静岡がんセンター総長) 監修)を参考にして、副作用への適合度のバラエティを考慮して、80種のメニューを前記被験者2名の合議によって選択した。そして、化学療法や放射線療法による治療を受けているがん患者によく見られる次段落で述べる10種類の症状に対する当該選択した80種のメニューの適合度を、+2、+1、0および-1の4段階で評点化した。なお、評点の値が高いほど、適合度が高いことを意味している。
・食欲なし(AE01)
・吐き気・嘔吐(AE02)
・味がおかしい/味がしない(AE03)
・においが嫌/においがしない(AE04)
・口内炎(AE05)
・口・のどの乾燥(AE06)
・すぐに満腹になる(AE07)
・便秘(AE08)
・下痢(AE09)
・噛みにくい/飲み込みにくい(AE10)
本項目[B]では、[A]で作成した図6の表に基づいて、図7のヒートマップを作成した。図7のヒートマップにおいて、縦軸は、前記10種類の症状を示し、横軸は、図6の表中の80種のメニューを示し、ヒートマップ中の色は、緑色に近いほど前記体調適合度評点が高いことを示し、赤色に近いほど前記体調適合度評点が低いことを示している。なお、図7のヒートマップの下部記載の横軸の80種のメニューの並び順及び上部の樹形図は、それぞれ、図5のヒートマップの下部記載の横軸の80種のメニューの並び順及び上部の樹形図と同様となるようにしている。ヒートマップの右側の樹形図は、ヒートマップの左側記載の体調間の類似度を表している。
102 制御部
102a 検索部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a レシピ記載データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
Claims (5)
- 制御部を備えるメニュー検索装置であって、
前記制御部は、
食事メニューの雰囲気を表す、がん患者用に選定されたワードの前記食事メニューに対する適合度を前記食事メニューごとかつ前記ワードごとに含み、更に、前記がん患者の症状に対する前記食事メニューの適合度を前記食事メニューごとかつ前記症状ごとに含むメニューデータにおいて、指定されたワードの前記適合度が所定の基準を満たし、かつ、指定された症状の前記適合度が所定の基準を満たす食事メニューを検索する検索手段
を備えること、
を特徴とするメニュー検索装置。 - 前記ワードが、さっぱりしたもの、こってりしたもの、のどごしがよいもの、濃い味のもの、うす味のもの、食感を楽しめるもの、甘ったるいものおよび汁気があるものからなる群から選択される少なくとも一つのワードであること、
を特徴とする請求項1に記載のメニュー検索装置。 - 前記がん患者が、薬物療法、化学療法、放射線療法、造血幹細胞移植療法および免疫療法の少なくとも一つの療法による治療を受けていること、
を特徴とする請求項1または2に記載のメニュー検索装置。 - 制御部を備える情報処理装置で実行されるメニュー検索方法であって、
前記制御部で実行される、
食事メニューの雰囲気を表す、がん患者用に選定されたワードの前記食事メニューに対する適合度を前記食事メニューごとかつ前記ワードごとに含み、更に、前記がん患者の症状に対する前記食事メニューの適合度を前記食事メニューごとかつ前記症状ごとに含むメニューデータにおいて、指定されたワードの前記適合度が所定の基準を満たし、かつ、指定された症状の前記適合度が所定の基準を満たす食事メニューを検索する検索ステップ
を含むこと、
を特徴とするメニュー検索方法。 - 制御部を備える情報処理装置に実行させるためのメニュー検索プログラムであって、
前記制御部に実行させるための、
食事メニューの雰囲気を表す、がん患者用に選定されたワードの前記食事メニューに対する適合度を前記食事メニューごとかつ前記ワードごとに含み、更に、前記がん患者の症状に対する前記食事メニューの適合度を前記食事メニューごとかつ前記症状ごとに含むメニューデータにおいて、指定されたワードの前記適合度が所定の基準を満たし、かつ、指定された症状の前記適合度が所定の基準を満たす食事メニューを検索する検索ステップ
を含むこと、
を特徴とするメニュー検索プログラム。
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WO2017119509A1 (ja) | 2016-01-07 | 2017-07-13 | 理恵 堤 | グルタミン酸を有効成分とする味覚障害及び/又は食欲障害の改善剤 |
JP2018041182A (ja) | 2016-09-06 | 2018-03-15 | 株式会社ぐるなび | 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム |
JP2019200623A (ja) | 2018-05-17 | 2019-11-21 | パナソニック株式会社 | 対話処理方法、対話処理装置及び対話処理プログラム |
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