JP7183847B2 - メニュー検索装置、メニュー検索方法およびメニュー検索プログラム - Google Patents

メニュー検索装置、メニュー検索方法およびメニュー検索プログラム Download PDF

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本発明は、メニュー検索装置、メニュー検索方法およびメニュー検索プログラムに関する。
がん治療中の患者(特に、在宅患者)は、治療(特に、薬物療法(化学療法)や放射線療法)の副作用により体調が変化し、食事が摂れなくなることが多い。このため、がん患者の体調に合った食事メニューを選択する必要がある。
そこで、特許文献1に記載のように、患者の体調や症状(例えば、下痢や便秘等)に合った食事メニューを提供するという方法がある。
しかしながら、この方法では、がん患者の「食嗜好」への対応には不備があった。
そこで、「食嗜好」に合った食事メニューを提供するために、特許文献2および3に記載のように、食材・調理法等のレシピデータを指標に患者の嗜好に合ったメニューを検索するという方法(前者の方法)や、特許文献4および5に記載のように、患者の喫食履歴から高頻度メニューを選択するという方法(後者の方法)がある。前者の方法に関して補足すると、近年、がん患者の食嗜好の変化の原因の一つである味覚変化の各タイプに対応したメニューが開発されている。例えば、塩味を感じない場合や苦みを強く感じる場合等の味覚変化の内容ごとのメニューが開発されている。
特開2006-040270号公報 特開2017-215687号公報 特開2015-206585号公報 特開2016-103177号公報 特開2011-191980号公報
ここで、前者の方法の場合、がん患者の食嗜好の変化には、味覚変化以外にも、嗅覚変化、体性感覚変化、嘔気・嘔吐および食欲抑制等の様々な因子が複合的に関わると考えられているが、そもそも食べる意欲を失っているがん患者は、これら多数の因子の状態に対して回答する意欲が起きない(がん患者の負担が大きい)という問題があった。
また、後者の方法の場合、がん患者は、疾患や治療の影響で、食嗜好も急激に変化することが多いため、過去の喫食履歴が参考にならないという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、食事メニューの雰囲気を表す、がん患者用に選定されたワードを用いることで、がん患者の負担が小さく、かつ、がん患者の急激な食嗜好変化にも対応可能な態様で、がん患者の食嗜好に合った食事メニューを検索することができるメニュー検索装置、メニュー検索方法およびメニュー検索プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るメニュー検索装置は、制御部を備えるメニュー検索装置であって、前記制御部が、食事メニューの雰囲気を表す、がん患者用に選定されたワードの前記食事メニューに対する適合度を前記食事メニューごとかつ前記ワードごとに含むメニューデータにおいて、指定されたワードの前記適合度が所定の基準を満たす食事メニューを検索する検索手段を備えること、を特徴とする。
また、本発明に係るメニュー検索装置は、前記メニューデータが、前記がん患者の症状に対する前記食事メニューの適合度を前記食事メニューごとかつ前記症状ごとに含み、前記検索手段が、前記メニューデータにおいて、前記指定されたワードの前記適合度が前記所定の基準を満たし、かつ、指定された症状の前記適合度が所定の基準を満たす食事メニューを検索すること、を特徴とする。
また、本発明に係るメニュー検索装置は、前記ワードが、さっぱりしたもの、こってりしたもの、のどごしがよいもの、濃い味のもの、うす味のもの、食感を楽しめるもの、甘ったるいものおよび汁気があるものからなる群から選択される少なくとも一つのワードであること、を特徴とする。
また、本発明に係るメニュー検索装置は、前記がん患者が、薬物療法、化学療法、放射線療法、造血幹細胞移植療法および免疫療法の少なくとも一つの療法による治療を受けていること、を特徴とする。
また、本発明に係るメニュー検索方法は、制御部を備える情報処理装置で実行されるメニュー検索方法であって、前記制御部で実行される、食事メニューの雰囲気を表す、がん患者用に選定されたワードの前記食事メニューに対する適合度を前記食事メニューごとかつ前記ワードごとに含むメニューデータにおいて、指定されたワードの前記適合度が所定の基準を満たす食事メニューを検索する検索ステップを含むこと、を特徴とする。
また、本発明に係るメニュー検索プログラムは、制御部を備える情報処理装置に実行させるためのメニュー検索プログラムであって、前記制御部に実行させるための、食事メニューの雰囲気を表す、がん患者用に選定されたワードの前記食事メニューに対する適合度を前記食事メニューごとかつ前記ワードごとに含むメニューデータにおいて、指定されたワードの前記適合度が所定の基準を満たす食事メニューを検索する検索ステップを含むこと、を特徴とする。
本発明によれば、食事メニューの雰囲気を表す、がん患者用に選定されたワードを用いることで、がん患者の負担が小さく、かつ、がん患者の急激な食嗜好変化にも対応可能な態様で、がん患者の食嗜好に合った食事メニューを検索することができるという効果を奏する。
図1は、メニュー検索装置の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、レシピ記載データ、レシピ記載データから推測できるものおよび心身への機能の一例を示す図である。 図3は、レシピ記載データの一例ならびに嗜好適合性データおよび疾患適合性データの一例を示す図である。 図4は、食事メニューごとかつワードごとに設定された嗜好適合度評点を含む表の一例を示す図である。 図5は、食事メニューごとかつワードごとに設定された嗜好適合度評点に基づいて作成されるヒートマップの一例を示す図である。 図6は、食事メニューごとかつ症状ごとに設定された体調適合度評点を含む表の一例を示す図である。 図7は、食事メニューごとかつ症状ごとに設定された体調適合度評点に基づいて作成されるヒートマップの一例を示す図である。 図8は、ワードの絞り込みのフローチャートの一例を示す図である。 図9は、検索処理のフローチャートの一例を示す図である。 図10は、抽出された12ワードの意味(受容・拒否)および登場頻度(高頻度・低頻度)の一例を示す図である。 図11は、抽出された12ワードから4ワードを削除して最終的に8ワードを絞り込む場合における削除の理由等を含む表の一例を示す図である。
以下に、本発明に係るメニュー検索装置、メニュー検索方法およびメニュー検索プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
本実施形態に係るメニュー検索装置100を使用する者としては、例えば、がん治療中の患者およびその介護者等があげられる。本実施形態に係るメニュー検索装置100は、前記がん治療中の患者が、例えば、がん治療により食嗜好が変化している者(例えば、薬物療法(化学療法)、放射線療法、造血幹細胞移植療法および免疫療法の少なくとも一つの療法による治療を受けている者)である場合に、特に有用である。また、前記介護者としては、例えば、在宅療養の場合、食事を準備するまたは考える家族やヘルパーおよび外来栄養指導を行う栄養士等が挙げられ、入院治療の場合、聞き取り、献立立案および栄養指導を行う栄養士、アドバイスを行う看護師ならびに薬剤師等が挙げられる。以下においては、前記がん治療中の患者およびその介護者等を、「使用者」と記載することがある。以下、具体的な構成および動作について説明する。
[1.構成]
本実施形態に係るメニュー検索装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、メニュー検索装置100の構成の一例を示すブロック図である。
メニュー検索装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、メニュー検索装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
メニュー検索装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。メニュー検索装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、メニュー検索装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、メニュー検索装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
記憶部106は、例えば、メニューデータとしてのレシピ記載データ106aを備えている。
レシピ記載データ106aは、図3に示すように、例えば、食事メニュー(メニュー名)と、メニュー写真と、食材×量と、調理法と、提供法と、カテゴリ1(主食か主菜か副菜か等)と、カテゴリ2(和食か洋食か中華か等)と、食事メニューの雰囲気を表す、がん患者用に選定されたワードの前記食事メニューに対する適合度(嗜好適合性データ)と、前記がん患者の症状に対する前記食事メニューの適合度(疾患適合性データ)と、等を含む。レシピ記載データ106aが含む各情報から推測できるもの(レシピデータから推測できるもの)とレシピ記載データ106aが含む各情報の心身への機能とを、図2に例示する。
本実施形態に係るメニュー検索装置100の使用に際して、前記使用者が、「がん治療」を選択すると、がん治療向けの嗜好適合性および疾患適合性のデータが付加されたレシピ記載データ106aを対象として、食事メニューの検索を行うことができる。がん治療の場合における嗜好適合性を表すワードとしては、例えば、図3の表X中に○印を付けて示すワードが挙げられ、また、がん治療の場合における疾患適合性を表すワードとしては、例えば、図3の表Y中に○印を付けて示すワードが挙げられる。以下、前記嗜好適合性データおよび前記疾患適合性データの詳細について説明する。
前記嗜好適合性データは、前記食事メニューごとかつ前記ワードごとに設定されたものであり、例えば、図4に示すように、前記ワードの前記食事メニューに対する適合度を評点化したもの(嗜好適合度評点)であってもよい。図4の例では、前記嗜好適合度評点が高いほど適合度が高く、逆に、前記嗜好適合度評点が低いほど適合度が低い。前記嗜好適合度評点は、例えば、複数名の管理栄養士に対して前記食事メニューに対する前記ワードの適合度の評点を回答させた場合の平均評点である。
前記食事メニューは、例えば、単品料理であってもよいし、前記単品料理を組み合わせたものであってもよい。前記単品料理は、例えば、主食、主菜、副菜、汁物、飲み物および添え物等のいずれであってもよいし、また、和食、洋食および中華等のいずれであってもよい。前記食事メニューとしては、例えば、図4に示すMen01~Men80の80種のメニューが挙げられる。
前記ワードは、前記食事メニューの雰囲気を表すものであってがん患者用に選定されたものであれば如何なるものであってもよいが、例えば、あっさりしたもの、さっぱりしたもの、こってりしたもの、のどごしがよいもの、はっきりした味のもの、濃い味のもの、うす味のもの、食感を楽しめるもの、甘ったるいもの、汁気があるもの、しっとりしたものおよびモソモソ・パサパサしたもの等のワードが挙げられ、好ましくは、さっぱりしたもの、こってりしたもの、のどごしがよいもの、濃い味のもの、うす味のもの、食感を楽しめるもの、甘ったるいものおよび汁気があるものの8ワードからなる群から選択される少なくとも一つのワードである。
前記疾患適合性データは、前記食事メニューごとかつ前記がん患者の症状ごとに設定されたものであり、例えば、図6に示すように、前記がん患者の症状に対する前記食事メニューの適合度を評点化したもの(体調適合度評点)であってもよい。図6の例では、前記体調適合度評点が高いほど適合度が高く、逆に、前記体調適合度評点が低いほど適合度が低い。前記体調適合度評点は、例えば、成書「症状で選ぶ!抗がん剤・放射線治療と食事のくふう」(山口 建 (静岡県立静岡がんセンター総長) 監修)等を参考にして、前記症状に対する前記食事メニューの適合度の評点を付与したものである。
前記症状は、がん患者が訴える症状であれば如何なるものであってもよいが、例えば、食欲なし、吐き気・嘔吐、味がおかしい/味がしない、においが嫌/においがしない、口内炎、口・のどの乾燥、すぐに満腹になる、便秘、下痢および噛みにくい/飲み込みにくい等の症状が挙げられる。
最後に、図3に戻り、食事メニューが「卵豆腐」である場合を例にとって、レシピ記載データ106aの具体的な内容を説明する。食事メニューが卵豆腐である場合、レシピ記載データ106aにおいて、メニュー名は卵豆腐となり、メニュー写真は卵豆腐の写真となり、食材×量は卵豆腐の食材と量となり、調理法は卵豆腐の調理法となり、提供法は卵豆腐の提供法となり、カテゴリ1は副菜となり、カテゴリ2は和食となり、前記嗜好適合度評点は図4の「卵豆腐(Men01)」の行に示すとおりとなり、前記体調適合度評点は図6の「卵豆腐(Men01)」の行に示すとおりとなる。図4の「卵豆腐(Men01)」の行を見てわかるとおり、卵豆腐に対する適合度が高いワードは、「あっさりしたもの」というワードであり、逆に、卵豆腐に対する適合度が低いワードは、「こってりしたもの」、「甘ったるいもの」および「モソモソ・パサパサしたもの」というワードである。また、図6の「卵豆腐(Men01)」の行を見てわかるとおり、卵豆腐の適合度が高い症状は、「においが嫌/においがしない」、「口内炎」、「口・のどの乾燥」、「すぐ満腹になる」および「噛みにくい/飲み込みにくい」という症状であり、逆に、卵豆腐の適合度が低い症状は、「味がおかしい/味がしない」という症状である。
制御部102は、メニュー検索装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
制御部102は、機能概念的に、例えば、食事メニューの雰囲気を表す、がん患者用に選定されたワードの前記食事メニューに対する適合度を前記食事メニューごとかつ前記ワードごとに含むメニューデータにおいて、指定されたワードの前記適合度が所定の基準を満たす食事メニューを検索する検索手段としての検索部102aを備えている。
検索部102aは、図4に示すように前記嗜好適合度評点を前記食事メニューごとかつ前記ワードごとに含むレシピ記載データ106aにおいて、指定されたワードの前記嗜好適合度評点が所定の基準(例えば、〇点以上や上位○件)を満たす食事メニューを検索する。言い換えると、検索部102aは、がん患者の食嗜好のみを考慮して、食事メニューを検索することができる。
検索部102aは、図4に示すように前記嗜好適合度評点を前記食事メニューごとかつ前記ワードごとに含み、更に、図6に示すように前記体調適合度評点を前記食事メニューごとかつ前記症状ごとに含むレシピ記載データ106aにおいて、指定されたワードの前記嗜好適合度評点が所定の基準(例えば、〇点や上位○件)を満たし、かつ、指定された症状の前記体調適合度評点が所定の基準(例えば、〇点や上位○件)を満たす食事メニューを検索してもよい。言い換えると、検索部102aは、がん患者の食嗜好とがん患者の症状の両方を考慮して、食事メニューを検索することもできる。
[2.処理]
本項目では、まず、前記ワードの絞り込みの仕方について説明し、次に、メニュー検索装置100で実行される検索処理の一例について説明する。
[2-1.ワードの絞り込み]
本項目では、前記ワードの絞り込みの仕方の一例について、図8のフローチャートに沿って説明する。なお、図8において、斜線のハッチングで示すステップは、例えば、管理栄養士に行わせるタスクである。
(1)ステップSA1:言葉出し
まず、がん患者の栄養管理に日常的に携わっている管理栄養士複数名に対して、がん患者(例えば、抗がん剤治療中または放射線治療中)の栄養管理において、前記がん患者から聞いたまたは他の栄養士等から聞いたメニューの雰囲気を表すワード、当該ワードの意味(受容・拒否)および当該ワードの登場頻度(高頻度・低頻度)を回答させることにより、言葉出しをさせる。(図8のステップSA1)。
(2)ステップSA2:言葉の絞り込み
次に、前記管理栄養士複数名の合議により、前記言葉出しさせた全ワードから、例えば、「単一のモダリティを表すもの」、「食材・調味料を特定するもの」および「漠然とし過ぎているもの」を除いたワードを抽出することにより、言葉の絞り込みを行う(図8のステップSA2)。
(3)ステップSA3:元データの作成
次に、例えば、前記成書「症状で選ぶ!抗がん剤・放射線治療と食事のくふう」(山口 建 (静岡県立静岡がんセンター総長) 監修)等を参考にして、副作用への適合度のバラエティを考慮して、複数のメニューを前記管理栄養士複数名の合議によって選択する。そして、前記管理栄養士複数名に対して、例えば、当該選択した複数のメニューのメニュー名および写真を提示して、当該選択した複数のメニューに対する(2)で抽出したワードの適合度を、例えば、5段階の評点「+2;まったくそのとおり、+1;ややそのとおり、0;どちらとも言えない(そのような特徴はない)、-1;やや違う、-2;まったく違う(逆の特徴がある)」とN(不明)で回答させて、前記管理栄養士複数名の平均評点を求める。この結果を、元データとする(図8のステップSA3)。
(4)ステップSA4:再評価データの作成
次に、前記管理栄養士間で、前記5段階の評点のバラツキが大きいメニューについて、メニュー名および写真に加えてレシピを開示して、再度、前記5段階の評点とN(不明)を回答させることにより、平均評点を求めることにより、再評価を行う。この結果を、再評価データとする(図8のステップSA4)。なお、前記被験者間で評点のバラツキが大きいか否かの判定は、例えば、評点の最大値と最小値の差や標準偏差を参考にして行うことができる。
(5)ステップSA5:改定データの作成
次に、(3)で作成した前記元データ中のバラツキが大きかったメニューについての元の平均評点を、(4)での前記再評価により求めた平均評点に差し替えたデータを、改定データとする(図8のステップSA5)。改定データの一例を、図4に示す。
なお、ステップSA4およびSA5を行うか否かは、任意である。つまり、ステップSA4およびSA5を行わずとも、以下の(6)で説明する最終的な言葉の絞り込みを行うことはできる。
(6)最終的な言葉の絞り込み
最後に、(5)で作成した改定データを、例えば統計解析ソフトR Version3.4.3またはJMP14.0(SAS Institute Japan)等を用いて、例えば以下の指標により解析することにより、(2)で絞り込みをしたワードから、最終的な言葉(ワード)を絞り込みすることができる(図8のステップSA6)。
(指標)
・管理栄養士間の評点の一致度:Kendallの一致係数(W)検定
・ワード間の関係(相関):平均評点を用いたSpearmanの相関係数
・ワード間の関係:平均評点を用いたクラスター解析(Word法)、主成分分析(分散・共分散行列から)
・ワード削除の影響:RV係数
[2-2.検索処理]
本項目では、検索処理の一例について、図9のフローチャートに沿って説明する。なお、本項目[2-2]においては、レシピ記載データ106aの内容については、前記嗜好適合度評点が次段落に示すとおりであり、前記体調適合度評点が次々段落に示すとおりであると仮定して、説明を進める。
(嗜好適合度評点)
あっさりしたもの さっぱりしたもの
メニュー1 0 1
メニュー2 1 2
メニュー3 2 1
メニュー4 1 0
(体調適合度評点)
食欲なし 口内炎
メニュー2 0 -2
メニュー3 1 1
メニュー4 2 2
(1)ステップSB1:嗜好適合度評点に基づく検索
指定されたワードが「あっさりしたもの」である場合、検索部102aは、レシピ記載データ106aにおいて、あっさりしたものの評点が所定の条件(例えば1以上または上位3件)を満たすメニュー2、3および4を検索する(図9のステップSB1)。
指定されたワードが「あっさりしたもの」かつ「さっぱりしたもの」である場合、検索部102aは、レシピ記載データ106aにおいて、あっさりしたものの評点が所定の条件(例えば1以上または上位3件)を満たし、かつ、さっぱりしたものの評点が所定の条件(例えば1以上または上位3件)を満たすメニュー2および3を検索する(図9のステップSB1)。
このように、検索部102aは、嗜好性に関するワードが2つ以上の場合であっても、当該2つ以上のワードすべてに適合するメニューを検索することができる。
検索部102aは、このように、前記嗜好適合度評点のみを考慮した検索を行ってもよいが、がん患者の症状が指定されている場合は、以下の(2)で説明するように、前記体調適合度評点も考慮した検索を行ってもよい。
(2)ステップSB2:体調適合度評点に基づく検索
指定された症状が「食欲なし」かつ「口内炎」である場合、レシピ記載データ106aにおいて、食欲なしの評点が所定の条件(例えば1以上または上位2件)を満たし、かつ、口内炎の評点が所定の条件(例えば1以上または上位2件)を満たすメニューは、メニュー3および4である。
ここで、指定されたワードが「あっさりしたもの」かつ「さっぱりしたもの」である場合、所定の基準(例えば1以上または上位3件)を満たすのは、(1)で説明したようにメニュー2および3であり、また、指定された症状が「食欲なし」かつ「口内炎」である場合、所定の基準(例えば1以上または上位2件)を満たすのは、前段落で説明したようにメニュー3および4である。この場合、検索部102aは、重複するメニューであるメニュー3のみを検索する(図9のステップSB2)。
このように、検索部102aは、がん患者の食嗜好のみならず、がん患者の症状も考慮した食事メニュー(例えばメニュー3)を検索することもできる。なお、以下の実施例で説明するように、がん患者の食嗜好とがん患者の症状との間に相関はない。つまり、がん患者の食嗜好のみならず、がん患者の症状も考慮した検索は、互いに独立した2つの指標を用いた検索であるため、非常に精度の高い検索である。したがって、検索されたメニュー(例えばメニュー3)は、がん患者にとって非常に適した食事メニューであるといえる。
[3.本実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係るメニュー検索装置100によれば、食事メニューの雰囲気を表す、がん患者用に選定されたワードを用いることで、がん患者の負担が小さく、かつ、がん患者の急激な食嗜好変化にも対応可能な態様で、がん患者の食嗜好に合った食事メニューを検索することができる。以下、従来技術、本発明において可能となったことおよび本発明の効果を説明する。
(従来技術)
従来における、がん治療中の患者の嗜好に合ったレシピデータ検索の方法として、食材、調理法および風味等で検索するという方法があった。しかしながら、この方法は、入力項目が多くがん患者の負担が大きいという問題があった。言い換えると、味、風味および食感等それぞれのモダリティについてがん患者に好みを尋ねる必要があるため、煩雑であり、更に、そもそもがん患者自身も自分の好みを自覚していないという問題もあった。
従来における、がん治療中の患者の嗜好に合ったレシピデータ検索の別の方法として、食履歴から推定するという方法があった。しかしながら、この方法は、がん患者の現在の食嗜好は過去の食履歴には従わないことが多いため、がん疾患や治療が原因で起こる食嗜好変化に対応できないという問題があった。言い換えると、従来の方法では、ユーザ(がん患者)の食嗜好が変化した際に、前記ユーザの過去の食履歴を参照して嗜好性の高いメニューを提案することができないという問題があった。
(本発明において可能となったこと)
そこで、本実施形態においては、例えば、食事メニューの雰囲気を表すワード(うす味、濃い味およびさっぱり等)を整備して、前記食事メニューに対する前記ワードの適合度を評点化したものである適合度評点を含む検索用データベースを作成した。これにより、がん患者が食べたい食事メニューの雰囲気(うす味、濃い味およびさっぱり等)を元に、食事メニューを検索することができる。言い換えると、本実施形態においては、例えば、嗜好と関連する食事メニューの雰囲気を表すワードを整備し、前記適合度評点を付与した検索用メニューデータベースを作成し、ユーザ(がん患者)が食べたいまたは食べたくない食事メニューの雰囲気を表すワードを入力して検索することで、ユーザ(がん患者)の嗜好に合った食事メニューを提案することができる。
(本発明の効果)
このように、本実施形態においては、例えば、入力項目がシンプルであるため、がん患者の負担が小さい。また、本実施形態においては、例えば、がん患者の過去の食履歴に関係なく食事メニュー検索をできるため、がん患者の急激な嗜好変化にも対応可能である。この対応が可能となることで、「栄養成分の要件を満たしていても、おいしくないと食べられない」というがん患者やその介護者の要望に応えることができるようになった。なお、本実施形態においては、がん患者に適したワードセットを作成したが、本発明は、がん以外の疾患を持つ人や健康な人に対して適用することも可能である。
また、本実施形態においては、前記体調適合度評点を加えて食事メニューの検索を行うと、がん患者の嗜好と体調に合った、食べる気持ちになるメニューを検索することができる。なお、がん患者の嗜好と体調という両指標間に相関は無く、前記両指標は別次元の評点であるため、前記両指標を併せて用いることで、食事メニュー検索の精度はより向上すると考えられる。
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、メニュー検索装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、メニュー検索装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じてメニュー検索装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
また、このコンピュータプログラムは、メニュー検索装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
また、メニュー検索装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、メニュー検索装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
実施例1では、以下で説明する方法により、前記嗜好適合度評点を求め、当該求めた嗜好適合度評点に基づく表およびヒートマップを作成した。
[A]嗜好適合度評点に基づく表の作成
本項目[A]においては、がん患者の栄養管理に日常的に携わっている管理栄養士(国立がん研究センター中央病院 栄養管理室)を、「被験者」と呼ぶ。なお、図8において、斜線のハッチングで示すステップは、前記被験者に行わせたタスクである。
(1)ステップSA1:言葉出し
まず、前記被験者8名に対して、がん患者(抗がん剤治療中または放射線治療中)の栄養管理において、前記がん患者から聞いたまたは他の栄養士等から聞いたメニューの雰囲気を表す80ワード、当該80ワードの意味(受容・拒否)および当該80ワードの登場頻度(高頻度・低頻度)を回答させることにより、言葉出しをさせた。(図8のステップSA1)。
(2)ステップSA2:言葉の絞り込み
次に、前記被験者2名の合議により、前記言葉出しさせた80ワードから、「単一のモダリティを表すもの」、「食材・調味料を特定するもの」および「漠然とし過ぎているもの」を除いた12ワード(Att01~Att12)を抽出することにより、言葉の絞り込みを行った(図8のステップSA2)。当該抽出した12ワードならびに当該抽出した12ワードの意味(受容・拒否)および当該抽出した12ワードの登場頻度(高頻度・低頻度)を、図10に示す。
(3)ステップSA3:元データの作成
次に、前記成書「症状で選ぶ!抗がん剤・放射線治療と食事のくふう」(山口 建 (静岡県立静岡がんセンター総長) 監修)を参考にして、副作用への適合度のバラエティを考慮して、80種のメニューを前記被験者2名の合議によって選択した。そして、前記被験者9名に対して、当該選択した80種のメニューのメニュー名および写真を提示して、当該選択した80種のメニューに対する前記抽出した12ワードの適合度を、5段階の評点「+2;まったくそのとおり、+1;ややそのとおり、0;どちらとも言えない(そのような特徴はない)、-1;やや違う、-2;まったく違う(逆の特徴がある)」とN(不明)で回答させて、前記被験者9名の回答の平均評点を求めた。この結果を、元データとした(図8のステップSA3)。
(4)ステップSA4:再評価データの作成
次に、前記被験者間で、前記5段階の評点のバラツキが大きかった15種のメニューについて、再度、前記5段階の評点とN(不明)を回答させることにより、平均評点を求めることにより、再評価を行った。この結果を、再評価データとした(図8のステップSA4)。なお、前記被験者間で評点のバラツキが大きいか否かの判定は、評点の最大値と最小値の差や標準偏差を参考にして行った。
(5)ステップSA5:改定データの作成
次に、前記元データ中の前記バラツキが大きかった15種のメニューについての元の平均評点を、前記再評価により求めた平均評点に差し替えたデータを、改定データとした(図8のステップSA5)。
当該改定データを、図4に示す。図4において、縦軸は、前記選択した80種のメニュー(Men01~Men80)を示し、横軸は、前記抽出した12ワードを示し、マトリックス中の数値は、平均評点(つまり前記嗜好適合度評点)を示す。言い換えると、図4は、前記嗜好適合度評点を、前記選択した80種のメニューごとかつ前記抽出した12ワードごとに含む表である。
(6)ステップSA6:最終的な言葉の絞り込み
最後に、(5)で作成した改定データを統計解析ソフトR Version3.4.3またはJMP14.0(SAS Institute Japan)を用いて以下の指標により解析することにより、(2)で絞り込みをした12ワードから、最終的に、8ワードを抽出した(図8のステップSA6)。
(指標)
・管理栄養士間の評点の一致度:Kendallの一致係数(W)検定
・ワード間の関係(相関):平均評点を用いたSpearmanの相関係数
・ワード間の関係:平均評点を用いたクラスター解析(Word法)、主成分分析(分散・共分散行列から)
・ワード削除の影響:RV係数
統計解析の結果を図11に示す。図11に示すように、(2)で絞り込みをした12ワードのうち、「あっさりしたもの(Att01)」、「はっきりした味のもの(Att05)」、「しっとりしたもの(Att11)」および「モソモソ・パサパサしたもの(Att12)」の4ワードを削除して、最終的な8ワードを絞り込んだ。最終的に絞り込んだ8ワードを次段落に一覧で示す。なお、(2)で絞り込みをした12ワードと最終的に絞り込んだ8ワード間のRV係数は、0.9912(p<0.001)であった。
(最終的に絞り込んだ8ワード)
・さっぱりしたもの(Att02)
・こってりしたもの(Att03)
・のどごしがよいもの(Att04)
・濃い味のもの(Att06)
・うす味のもの(Att07)
・食感をたのしめるもの(Att08)
・甘ったるいもの(Att09)
・汁気があるもの(Att10)
[B]嗜好適合度評点に基づくヒートマップの作成
本項目[B]では、[A]の(5)で作成した図4の表に基づいて、図5のヒートマップを作成した。図5のヒートマップにおいて、縦軸は、前段落で最終的に絞り込んだ8ワードを示し、横軸は、図4の表中の80種のメニューを示し、ヒートマップ中の色は、赤色に近いほど前記適合度評点が高いことを示し、青色に近いほど前記適合度評点が低いことを示している。なお、図5のヒートマップの横軸の80種のメニューは、ヒートマップの配色が似ているメニュー同士が互いに近くになるように並び替えている。ヒートマップの上部の樹形図は、ヒートマップの下部記載のメニュー間の類似度を表している。ヒートマップの右側の樹形図は、ヒートマップの左側記載のワード間の類似度を表している。
実施例2では、以下で説明する方法により、前記体調適合度評点を求め、当該求めた体調適合度評点に基づく表およびヒートマップを作成した。
[A]体調適合度評点に基づく表の作成
本項目[A]では、前記成書「症状で選ぶ!抗がん剤・放射線治療と食事のくふう」(山口 建 (静岡県立静岡がんセンター総長) 監修)を参考にして、副作用への適合度のバラエティを考慮して、80種のメニューを前記被験者2名の合議によって選択した。そして、化学療法や放射線療法による治療を受けているがん患者によく見られる次段落で述べる10種類の症状に対する当該選択した80種のメニューの適合度を、+2、+1、0および-1の4段階で評点化した。なお、評点の値が高いほど、適合度が高いことを意味している。
(10種類の症状)
・食欲なし(AE01)
・吐き気・嘔吐(AE02)
・味がおかしい/味がしない(AE03)
・においが嫌/においがしない(AE04)
・口内炎(AE05)
・口・のどの乾燥(AE06)
・すぐに満腹になる(AE07)
・便秘(AE08)
・下痢(AE09)
・噛みにくい/飲み込みにくい(AE10)
この結果を、図6に示す。図6において、縦軸は、前記選択した80種のメニュー(Men01~Men80)を示し、横軸は、前記10種類の症状を示し、マトリックス中の数値は、評点(つまり前記体調適合度評点)を示す。言い換えると、図6は、前記体調適合度評点を、前記選択した80種のメニューごとかつ前記10種類の症状ごとに含む表である。
[B]体調適合度評点に基づくヒートマップの作成
本項目[B]では、[A]で作成した図6の表に基づいて、図7のヒートマップを作成した。図7のヒートマップにおいて、縦軸は、前記10種類の症状を示し、横軸は、図6の表中の80種のメニューを示し、ヒートマップ中の色は、緑色に近いほど前記体調適合度評点が高いことを示し、赤色に近いほど前記体調適合度評点が低いことを示している。なお、図7のヒートマップの下部記載の横軸の80種のメニューの並び順及び上部の樹形図は、それぞれ、図5のヒートマップの下部記載の横軸の80種のメニューの並び順及び上部の樹形図と同様となるようにしている。ヒートマップの右側の樹形図は、ヒートマップの左側記載の体調間の類似度を表している。
ここで、図5の前記嗜好適合度評点のヒートマップと図7の前記体調適合度評点のヒートマップとを比較すると、図5における赤色の箇所と図7における緑色の箇所は一致しておらず(すなわち、高い評点となる箇所が一致しておらず)、また、図5における青色の箇所と図7における赤色の箇所も一致していない(すなわち、低い評点となる箇所も一致していない)。両者のRV係数は0.270(p<0.001)と低値であることからも、前記嗜好適合度評点と前記体調適合度評点という2つの指標間には何ら相関がないことがわかる。したがって、互いに相関していない2つの指標を用いれば、より精度の高い食事メニューの検索を行うことができる。
本発明は、例えば、食事および医療等の分野において有用であり、特に、がん治療における食事提供の分野おいては極めて有用である。
100 メニュー検索装置
102 制御部
102a 検索部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a レシピ記載データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク

Claims (5)

  1. 制御部を備えるメニュー検索装置であって、
    前記制御部は、
    食事メニューの雰囲気を表す、がん患者用に選定されたワードの前記食事メニューに対する適合度を前記食事メニューごとかつ前記ワードごとに含み、更に、前記がん患者の症状に対する前記食事メニューの適合度を前記食事メニューごとかつ前記症状ごとに含むメニューデータにおいて、指定されたワードの前記適合度が所定の基準を満たし、かつ、指定された症状の前記適合度が所定の基準を満たす食事メニューを検索する検索手段
    を備えること、
    を特徴とするメニュー検索装置。
  2. 前記ワードが、さっぱりしたもの、こってりしたもの、のどごしがよいもの、濃い味のもの、うす味のもの、食感を楽しめるもの、甘ったるいものおよび汁気があるものからなる群から選択される少なくとも一つのワードであること、
    を特徴とする請求項に記載のメニュー検索装置。
  3. 前記がん患者が、薬物療法、化学療法、放射線療法、造血幹細胞移植療法および免疫療法の少なくとも一つの療法による治療を受けていること、
    を特徴とする請求項1または2に記載のメニュー検索装置。
  4. 制御部を備える情報処理装置で実行されるメニュー検索方法であって、
    前記制御部で実行される、
    食事メニューの雰囲気を表す、がん患者用に選定されたワードの前記食事メニューに対する適合度を前記食事メニューごとかつ前記ワードごとに含み、更に、前記がん患者の症状に対する前記食事メニューの適合度を前記食事メニューごとかつ前記症状ごとに含むメニューデータにおいて、指定されたワードの前記適合度が所定の基準を満たし、かつ、指定された症状の前記適合度が所定の基準を満たす食事メニューを検索する検索ステップ
    を含むこと、
    を特徴とするメニュー検索方法。
  5. 制御部を備える情報処理装置に実行させるためのメニュー検索プログラムであって、
    前記制御部に実行させるための、
    食事メニューの雰囲気を表す、がん患者用に選定されたワードの前記食事メニューに対する適合度を前記食事メニューごとかつ前記ワードごとに含み、更に、前記がん患者の症状に対する前記食事メニューの適合度を前記食事メニューごとかつ前記症状ごとに含むメニューデータにおいて、指定されたワードの前記適合度が所定の基準を満たし、かつ、指定された症状の前記適合度が所定の基準を満たす食事メニューを検索する検索ステップ
    を含むこと、
    を特徴とするメニュー検索プログラム。
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