JP7183840B2 - 仮貼り用接着剤組成物およびこれを用いた半導体電子部品の製造方法 - Google Patents

仮貼り用接着剤組成物およびこれを用いた半導体電子部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は仮貼り用接着剤組成物およびこれを用いた半導体電子部品の製造方法に関する。より詳しくは、半導体電子回路形成基板と支持基板を接着した状態で、300℃以上の熱処理を有する半導体電子部品の製造工程を通過でき、その後、揮発性溶剤で溶剤剥離することが可能な仮貼り用接着剤組成物と、これを用いた半導体電子部品の製造方法に関する。
近年、半導体電子部品の軽量化、薄型化が進んでいる。半導体素子の高集積化、高密度化のために、半導体チップをシリコン貫通電極(TSV:Through Silicon Via)によって接続しながら積層する技術開発が進められている。また、パワー半導体の分野では、省エネルギー化のため導通損失を低くすることが求められている。このような課題を解決するため、パッケージを薄くすることが重要であり、半導体電子回路形成基板を100μm以下の厚みに薄型化することが求められている。
具体的には、半導体電子回路形成基板の非回路形成面(裏面)を研磨することで、半導体電子回路形成基板を薄型化することができる。研磨工程中で半導体電子回路形成基板の割れを防止するため、半導体電子回路形成基板を、支持性のあるシリコンウエハやガラス基板などの支持基板に固定し、研磨、裏面回路形成加工などをした後、加工した半導体回路形成基板を支持基板から剥離する。支持基板に半導体電子回路形成基板を固定するには仮貼り用接着剤が用いられるが、この仮貼り用接着剤には半導体電子部品の製造工程に耐えるだけの耐熱性が求められる。例えば、パワー半導体の分野では、イオン注入後のアニール工程で300℃以上の耐熱性が求められる。また、熱処理工程終了後には容易に剥離ができることが求められる。
半導体電子回路形成基板と支持基板を容易に剥離する方法として、貫通孔を有する支持基板を用い、溶剤で接着剤を溶解させて剥離する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、耐熱性に優れる接着剤として、ポリイミド系材料が提案されている(例えば、特許文献2参照)。一方、ポリイミド系の材料を溶解させるには、高極性溶剤を用いることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2011-233679号公報(特許請求の範囲) 特開2010-254808号公報(特許請求の範囲) 特開平3-227009号公報(特許請求の範囲)
前記溶剤剥離法にポリイミド系接着剤を用いた場合、高極性溶剤を用いて剥離する必要がある。しかしながら、高極性溶剤は揮発性が低いため、溶剤剥離後に半導体電子回路形成基板を乾燥させる目的で、揮発性の良い溶剤によるリンス工程を追加する必要があり、工程上、かなり大きな負担になる問題がある。
かかる状況に鑑み、本発明の目的は、厚み1μm以上100μm以下の半導体電子回路形成基板と支持基板を接着した状態で、300℃以上の熱処理を有する半導体電子部品の製造工程を通過でき、その後、揮発性溶剤で溶剤剥離することが可能な仮貼り用接着剤組成物と、これを用いた半導体電子部品の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
少なくとも、(A)テトラカルボン酸無水物残基とジアミン残基を有するポリイミド樹脂またはその前躯体であって、該ジアミン残基が一般式(1)で表されるポリシロキサン系ジアミン残基を全ジアミン残基中50~100モル%有し、且つ一般式(2)で表されるジカルボン酸無水物残基および/または一般式(3)で表されるモノアミン残基を末端に有するポリイミド樹脂またはその前躯体、および(B)溶媒を含有する仮貼り用接着剤組成物。
Figure 0007183840000001
(nは1~100の整数。RおよびRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数1~30のアルキレン基またはフェニレン基を示す。R~Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数1~30のアルキル基、フェニル基またはフェノキシ基を示す。)
Figure 0007183840000002
(aは0~4の整数。Rは、炭素数1~30のアルキル基、ハロゲン、炭素数1~30のハロゲン化アルキル基のいずれかを示す。)
Figure 0007183840000003
(bは0~5の整数。Rは、炭素数1~30のアルキル基、ハロゲン、炭素数1~30のハロゲン化アルキル基のいずれかを示す。)
また、本発明は、本発明の仮貼り用接着剤組成物が塗膜形成された仮貼り用接着膜である。また、本発明は、少なくとも片面に離型処理された基材フィルム上に仮貼り用接着膜が積層されている仮貼り用接着部材である。また、本発明は、半導体電子回路形成基板と支持基板とが少なくとも本発明の仮貼り用接着膜を介して接合されたウエハ加工体である。また、本発明は、本発明のウエハ加工体を300℃以上で熱処理する工程、および半導体電子回路形成用ウエハ基板を支持基板から剥離する工程の少なくともいずれか一つの工程で使用する半導体電子部品の製造方法である。
本発明によれば、半導体電子回路形成基板と支持基板を接着した状態で、300℃以上の熱処理を有する半導体電子部品の製造工程を通過でき、その後、揮発性溶剤で溶剤剥離することが可能な仮貼り用接着剤組成物と、これを用いた半導体電子部品の製造方法を提供することができる。
本発明の仮貼り用接着剤組成物は、少なくとも(A)テトラカルボン酸無水物残基とジアミン残基を有するポリイミド樹脂またはその前躯体であって、該ジアミン残基が一般式(1)で表されるポリシロキサン系ジアミン残基を全ジアミン残基中50~100モル%有し、且つ一般式(2)で表されるジカルボン酸無水物残基および/または一般式(3)で表されるモノアミン残基を末端に有するポリイミド樹脂またはその前躯体を含有する。
本発明の(A)ポリイミド樹脂またはその前躯体は、ジアミン残基に一般式(1)で表されるポリシロキサン系ジアミン残基を全ジアミン残基中50~100モル%有することが好ましい。より好ましくは、60~100モル%以上である。一般式(1)で表されるポリシロキサン系ジアミン残基を全ジアミン残基中50モル%以上含有することで、良好な接着性と揮発性溶剤への溶解性を向上させることができる。
Figure 0007183840000004
(nは1~100の整数。RおよびRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数1~30のアルキレン基またはフェニレン基を示す。R~Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数1~30のアルキル基、フェニル基またはフェノキシ基を示す。)
一般式(1)で示されるポリシロキサン系ジアミンの具体例としては、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジエチルシロキサン、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジプロピルシロキサン、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジブチルシロキサン、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジフェノキシシロキサン、α,ω-ビス(2-アミノエチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス(2-アミノエチル)ポリジフェノキシシロキサン、α,ω-ビス(4-アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス(4-アミノブチル)ポリジフェノキシシロキサン、α,ω-ビス(5-アミノペンチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス(5-アミノペンチル)ポリジフェノキシシロキサン、α,ω-ビス(4-アミノフェニル)ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス(4-アミノフェニル)ポリジフェノキシシロキサンなどが挙げられる。上記ポリシロキサン系ジアミンは単独でも良く、2種以上を使用してもよい。
ポリシロキサン系ジアミンの平均分子量は、ポリシロキサン系ジアミンのアミノ基の中和滴定をすることによりアミノ基当量を算出し、このアミノ基当量を2倍することで求めることができる。例えば、試料となるポリシロキサン系ジアミンを所定量採取してビーカーに入れ、これを所定量のイソプロピルアルコール(以下、IPAとする。)とトルエンの1:1混合溶液に溶解し、この溶液に撹拌しながら0.1N塩酸水溶液を滴下していき、中和点となったときの0.1N塩酸水溶液の滴下量からアミノ基当量を算出することができる。このアミノ基当量を2倍した値が平均分子量である。
一方、用いたポリシロキサン系ジアミンがn=1であった場合およびn=10であった場合の分子量を化学構造式から計算し、nの数値と分子量の関係を一次関数の関係式として得ることができる。この関係式に上記平均分子量をあてはめ、上記nの平均値を得ることができる。
また、一般式(1)で示されるポリシロキサン系ジアミンは、nが単一ではなく複数のnを持つ混合体である場合があるので、本発明でのnは平均値を表す。
仮貼り用接着剤組成物の接着性の観点から、般式(1)で示されるポリシロキサン系ジアミンのnの数値が2~50であることが好ましい。より好ましくは、3~40である。nの数値が2以上であることで、良好な接着性を得ることができる。また、nの数値が50以下であることで、良好な粘性の仮貼り用接着膜を得ることができるため、貼り合わせ時に仮貼り用接着膜が流動することを抑制できる。
本発明の(A)ポリイミド樹脂またはその前躯体は、一般式(2)で表されるジカルボン酸無水物残基および/または一般式(3)で表されるモノアミン残基を末端に有する。
Figure 0007183840000005
(aは0~4の整数。Rは、炭素数1~30のアルキル基、ハロゲン、炭素数1~30のハロゲン化アルキル基のいずれかを示す。)
Figure 0007183840000006
(bは0~5の整数。Rは、炭素数1~30のアルキル基、ハロゲン、炭素数1~30のハロゲン化アルキル基のいずれかを示す。)
一般式(2)で表されるジカルボン酸無水物残基および/または一般式(3)で表されるモノアミン残基を末端に有することで、分子量を調整することが容易となり、耐熱性と揮発性溶剤への溶解性を両立することができる。
一般式(2)で表されるジカルボン酸無水物残基の含有量は、一般式(2)で表されるジカルボン酸無水物残基量がAモル、テトラカルボン酸無水物残基量がBモルの場合、0.005≦0.5A/(0.5A+B)≦0.1であることが好ましい。より好ましくは、0.01≦0.5A/(0.5A+B)≦0.05である。0.005以上であることで、揮発性溶剤への溶解性を向上させることができる。また、0.1以下であることで、耐熱性を維持することができる。
一般式(2)で表されるジカルボン酸無水物の具体例として、無水フタル酸、4-メチルフタル酸無水物、3-メチルフタル酸無水物、4-tert-ブチルフタル酸無水物、4-フルオロフタル酸無水物、2-フルオロフタル酸無水物、3,4-ジフルオロフタル酸無水物、2,4-ジフルオロフタル酸無水物、2,3,4-トリフルオロフタル酸無水物、テトラフルオロフタル酸無水物、4-(トリフルオロメチル) フタル酸無水物、2-(トリフルオロメチル) フタル酸無水物などが挙げられる。上記ジカルボン酸無水物は単独でも良く、2種以上を使用してもよい。
一般式(3)で表されるモノアミン残基の含有量は、モノアミン量がCモル、ジアミン量がDモルの場合、0.005≦0.5C/(0.5C+D)≦0.1であることが好ましい。より好ましくは、0.01≦0.5C/(0.5C+D)≦0.05である。0.005以上であることで、揮発性溶剤への溶解性を向上させることができる。また、0.1以下であることで、耐熱性を維持することができる。
一般式(3)で表されるモノアミンの具体例として、アニリン、p-トルエン、m-トルエン、3,4-ジメチルアニリン、4-tert-ブチルアニリン、4-フルオロアニリン、3-フルオロアニリン、2-フルオロアニリン、2,4-ジフルオロアニリン、2,6-ジフルオロアニリン、3,4-ジフルオロアニリン、3,5-ジフルオロアニリン、2,3-ジフルオロアニリン、2,4,6-トリフルオロアニリン、2,3,5-トリフルオロアニリン、2,3,4,5-テトラフルオロアニリン、2,3,4,6-テトラフルオロアニリン、2,3,5,6-テトラフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、4-(トリフルオロメチル)アニリン、3-(トリフルオロメチル)アニリン、2-(トリフルオロメチル)アニリ、3,5-ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,4-ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,5-ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,6-ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,3-ビス(トリフルオロメチル)アニリンなどが挙げられる。上記モノアミンは単独でも良く、2種以上を使用してもよい。
本発明のポリイミド樹脂またはその前躯体は、フッ素原子を樹脂全体の0.01~30質量%含むことが好ましい。フッ素原子は耐熱性を有し、かつ、立体障害により分子鎖の凝集を阻害するため、300℃以上の熱処理後に、揮発性溶剤への溶解性を向上させることができる。フッ素原子を樹脂全体の0.01質量%以上含むことで、揮発性溶剤への溶解性向の効果を得ることができる。また、30質量%以下であることで、ポリイミド樹脂またはその前躯体の膜特性を維持することができる。
ポリイミド樹脂またはその前躯体に含有するフッ素原子量は、例えは、燃焼イオンクロマトグラフィー法(分析方法:BS EN 14582)などを用いて測定することができる。
本発明のポリイミド樹脂またはその前躯体は、一般式(2)で表されるジカルボン酸無水物残基のRおよび/または一般式(3)で表されるモノアミン残基のRがフッ素原子、炭素数1~30のフルオロアルキル基のいずれかであることが好ましい。フッ素原子を含む構造であることで、300℃以上の熱処理後に、揮発性溶剤への溶解性を向上させることができる。
一般式(2)で表されるジカルボン酸無水物残基のRがフッ素原子、炭素数1~30のフルオロアルキル基のいずれかである具体例として、4-フルオロフタル酸無水物、3-フルオロフタル酸無水物、3,4-ジフルオロフタル酸無水物、3,5-ジフルオロフタル酸無水物、3,6-ジフルオロフタル酸無水物、3,4,5-トリフルオロフタル酸無水物、テトラフルオロフタル酸無水物、4-(トリフルオロメチル) フタル酸無水物、3-(トリフルオロメチル) フタル酸無水物などが挙げられる。上記ジカルボン酸無水物は単独でも良く、2種以上を使用してもよい。
一般式(3)で表されるモノアミン残基のRがフッ素原子、炭素数1~30のフルオロアルキル基のいずれかである具体例として、4-フルオロアニリン、3-フルオロアニリン、2-フルオロアニリン、2,4-ジフルオロアニリン、2,6-ジフルオロアニリン、3,4-ジフルオロアニリン、3,5-ジフルオロアニリン、2,3-ジフルオロアニリン、2,4,6-トリフルオロアニリン、2,3,5-トリフルオロアニリン、2,3,4,5-テトラフルオロアニリン、2,3,4,6-テトラフルオロアニリン、2,3,5,6-テトラフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、4-(トリフルオロメチル)アニリン、3-(トリフルオロメチル)アニリン、2-(トリフルオロメチル)アニリ、3,5-ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,4-ビス(トリフルオロメチル)アニリンなどが挙げられる。上記モノアミンは単独でも良く、2種以上を使用してもよい。
本発明の(A)ポリイミド樹脂またはその前躯体は、テトラカルボン酸無水物残基とジアミン残基にフッ素原子を含むことが好ましい。フッ素原子を含む構造であることで、300℃以上の熱処理後に、揮発性溶剤への溶解性を向上させることができる。
フッ素原子を含むテトラカルボン酸無水物の具体例として、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸、ジ(ヘプタフルオロプロピル)ピロメリット酸、ジフルオロピロメリット酸などが挙げられる。上記テトラカルボン酸無水物は単独でも良く、2種以上を使用してもよい。
フッ素原子を含むジアミンの具体例として、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジアミノフェニルヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンなどが挙げられる。上記ジアミンは単独でも良く、2種以上を使用してもよい。
これらフッ素原子を含むテトラカルボン酸無水物およびジアミンの中でも、屈曲性が高く、フッ素含有量の高い構造が好ましい。具体的には、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物が特に好ましい。
(A)ポリイミド樹脂またはその前躯体は、芳香族ジアミンの残基または脂環式ジアミンの残基を有しても良い。芳香族ジアミンの残基または脂環式ジアミンの残基は、全ジアミン残基中0~50モル%が好ましい。この範囲であることで良好な接着性と揮発性溶剤への溶解性を示し、耐熱性を向上することができる。
芳香族ジアミンの残基または脂環式ジアミンの具体例としては、2,5-ジアミノフェノール、3,5-ジアミノフェノール、3,3’-ジヒドロキシベンジジン、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジアミノフェニルプロパン、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジアミノフェニルヘキサフルオロプロパン、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジアミノフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジアミノフェニルエーテル、3,3’-ジヒドロキシ-4,4’-ジアミノフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジアミノフェニルプロパンメタン、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジアミノベンゾフェノン、1,3-ビス(4-アミノ-3-ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ベンゼン、ビス(4-(4-アミノ-3-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン)プロパン、ビス(4-(3-アミノ-4-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン)スルホン、ビス(4-(3-アミノ-4-ヒドロキシフェノキシ))ビフェニル、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、2,5-ジアミノトルエン、2,4-ジアミノトルエン、3,5-ジアミノ安息香酸、2,6-ジアミノ安息香酸、2-メトキシ-1,4-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノベンズアニリド、3,4’-ジアミノベンズアニリド、3,3’-ジアミノベンズアニリド、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノベンズアニリド、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、9,9-ビス(3-アミノフェニル)フルオレン、9,9-ビス(3-メチル-4-アミノフェニル)フルオレン、9,9-ビス(3,5-ジメチル-4-アミノフェニル)フルオレン、9,9-ビス(3-メトキシ-4-アミノフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン-4-カルボン酸、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン-4-メチル、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン-4-メトキシ、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン-4-エチル、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン-4-スルホン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン-3-カルボン酸、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン-3-メチル、1,3-ジアミノシクロヘキサン、2,2’-ジメチルベンジジン、3,3’-ジメチルベンジジン、3,3’-ジメトキシベンジジン、2,4-ジアミノピリジン、2,6-ジアミノピリジン、1,5-ジアミノナフタレン、2,7-ジアミノフルオレン、p-アミノベンジルアミン、m-アミノベンジルアミン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルサルファイド、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、3,4’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、3,3’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルジシクロヘキシル、ベンジジンなどが挙げられる。上記芳香族ジアミンおよび脂環式ジアミンは単独でもよく、2種以上を使用してもよい。
これら芳香族ジアミンおよび脂環式ジアミンの中でも、屈曲性の高い構造を持つ芳香族ジアミンが好ましい。具体的には、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼンが特に好ましい。
(A)ポリイミド樹脂またはその前躯体は、テトラカルボン酸無水物残基として芳香族テトラカルボン酸二無水物の残基を含むことが好ましい。芳香族芳香族テトラカルボン酸二無水物の残基を含むことで良好な耐熱性を示すことができる。
芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’ジメチル-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、5,5’ジメチル-3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホキシドテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルフィドテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルメチレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’-イソプロピリデンジフタル酸無水物、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”-パラターフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”-メタターフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8-フェナントレンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。上記芳香族テトラカルボン酸二無水物は単独でもよく、2種以上使用してもよい。
また、(A)ポリイミド樹脂またはその前躯体の耐熱性を損なわない程度に脂肪族環を持つテトラカルボン酸二無水物を含有させることができる。脂肪族環を持つテトラカルボン酸二無水物の具体例としては、2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,5-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-ビシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-C]フラン-1,3-ジオンが挙げられる。上記テトラカルボン酸二無水物は単独でもよく、2種以上を使用してもよい。
(A)ポリイミド樹脂を重合する方法には特に制限は無い。例えば、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸を重合する時は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを有機溶剤中、0~100℃で1~100時間撹拌してポリアミド酸樹脂溶液を得る。ポリイミド樹脂が有機溶媒に可溶性となる場合には、ポリアミド酸を重合後、そのまま温度を120~300℃に上げて1~100時間撹拌し、ポリイミドに変換し、ポリイミド樹脂溶液を得る。この時、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレンなどを反応溶液中に添加し、イミド化反応で出る水をこれら溶媒と共沸させて除去しても良い。
(A)ポリイミド樹脂またはその前躯体は、ポリイミド、又は該ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸のどちらでもよく、一部が閉環しイミド化したポリイミド前駆体であってもよい。
本発明の仮貼り用接着剤組成物は、(B)溶媒を含有する。溶媒を含有することで、後述する各塗布方法に適した粘度に調整することができる。溶媒の含有量は(A)ポリイミド樹脂100質量%に対して5質量%以上100,000質量%以下が好ましい。
本発明の仮貼り用接着剤組成物に用いる溶媒として、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの極性の非プロトン性溶媒、エチレングリゴールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、3-メトキシ-3-メチル-1-ブチルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のアセテート類、アセチルアセトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン等のケトン類、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノール、3-メチル-2-ブタノール、3-メチル-3-メトキシブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、その他、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトンなどが挙げられるが、これらに限定されない。これらは単独で用いても良いし、2種以上を用いても良い。
(B)溶媒は、大気圧下での沸点が150~180℃であることが好ましい。大気圧下での沸点が180℃以下であれば、ポリイミド樹脂のキュア工程で溶媒が十分に揮発し、仮貼り用接着剤の耐熱性を向上することができる。また、大気圧下での沸点が150℃以上であれば、重合溶媒として好適に用いることができ、さらに、重合溶液を除去することなく、仮貼り用接着剤組成物に含まれる(B)溶媒とすることもできる。
本発明の仮貼り用接着剤組成物に架橋剤を含む場合、架橋剤の含有量は、(A)ポリイミド樹脂に対して0.1質量%以下が好ましい。架橋剤が0.1質量%以下であると、ポリイミド樹脂に架橋が生じず、300℃以上の熱処理後に、揮発性溶剤への溶解性を向上させる事ができる。より好ましくは0.01質量%以下であり、さらに好ましくは0.001質量%以下である。ここで言う架橋剤とは、(A)ポリイミド樹脂を架橋するものであれば特に制限はないが、具体的には、エチニル基、ビニル基、メチロール基、メトキシメチロール基、エポキシ基、オキセタン基などの基を1~6個有した化合物である。
本発明の仮貼り用接着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、無機微粒子を含有してもよい。無機微粒子を含有することで樹脂組成物の耐熱性を向上させることができる。無機微粒子の具体例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、石英粉、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、硫酸バリウム、マイカ、タルクなどが挙げられる。
本発明の(A)ポリイミド樹脂がポリイミド前躯体の場合は、ウエハやガラス等の基材に塗布、乾燥して塗工膜を形成した後に、キュア工程を通してポリイミドに変換する。塗工後にポリイミド前駆体からポリイミドへの変換には240℃以上の温度が必要であるが、ポリアミド酸樹脂組成物中にイミド化触媒を含有することにより、より低温、短時間でのイミド化が可能となる。イミド化触媒の具体例としては、ピリジン、トリメチルピリジン、β-ピコリン、キノリン、イソキノリン、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2,6-ルチジン、トリエチルアミン、m-ヒドロキシ安息香酸、2,4-ジヒドロキシ安息香酸、p-ヒドロキシフェニル酢酸、4-ヒドロキシフェニルプロピオン酸、p-フェノールスルホン酸、p-アミノフェノール、p-アミノ安息香酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の仮貼り用接着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲でその他の樹脂を添加することができる。その他の樹脂としては、アクリル系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、ブタジエン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂などの耐熱性高分子樹脂が挙げられる。また、接着性、耐熱性、塗工性、保存安定性などの特性を改良する目的で界面活性剤、シランカップリング剤などを添加しても良い。
本発明は、仮貼り用接着剤組成物を塗布形成した仮貼り用接着膜を、少なくとも片面に離型処理された基材フィルム上に積層した仮貼り用接着部材に用いることができる。基材フィルムの少なくとも片面に離型処理することで、転写フィルムとして使用することができる。離型処理として、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等を塗工して処理されたものが好ましい。
基材フィルムとして、特に限定されないが、以下のようなプラスチィックフィルムが挙げられる。ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエステルフィルム、芳香族ポリエステルフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム(PTFE)等のフッ素含有ポリマーフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリフェニレンエーテルフィルム、ポリアリレートフィルム、ポリスルホンフィルムなどである。プラスチックフィルムの具体例としては(以下、商品名)、“ルミラー”(登録商標)、“トレリナ”(登録商標)、“トレファン”(登録商標)(東レ(株)製)、“カプトン”(登録商標)(東レ・デュポン(株)製)、“ユーピレックス”(登録商標)(宇部興産(株)製)、“アピカル”(登録商標)((株)カネカ製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
基材フィルムの厚みは特に限定されないが、強度の観点から、3μm以上が好ましく、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。また、柔軟性の観点から、150μm以下が好ましく、より好ましくは75μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。
本発明の仮貼り用接着剤組成物を基材フィルムへ塗布する方法として、バーコーター、ロールコーター、ナイフコーター、コンマコーター、リバースコーター、ドクターブレードフロートコーター、グラビアコーター、スリットダイコーターなどが挙げられる。基材フィルムへ塗布した後、50℃以上200℃以下、好ましくは70℃以上150℃以下で1分以上3時間以下連続的または断続的に熱処理し、有機溶剤の除去を行う。その後、シリコン基板やガラス基板等へ転写して、さらに50℃以上500℃以下、好ましくは70℃以上450℃以下で1分以上3時間以下連続的または断続的に熱処理して硬化することで耐熱性に良好な仮貼り用接着膜を得ることができる。
仮貼り用接着膜の厚みは適宜選択することができるが、0.1μm以上500μm以下、好ましくは1μm以上100μm以下である。
転写プロセスは、シリコン基板やガラス基板等に、転写フィルムの仮貼り用接着膜を貼り合わせて圧着する。圧着はプレス、ロールラミネータ等を用いることができ、必要あれば加熱して圧着しても良い。この時の温度は20℃以上、200℃以下、好ましくは180℃以下である。圧着する際の圧力は0.05MPa以上2.0MPa以下、より好ましくは0.1Mp以上1.5MPa以下である。圧着は空気中でも良く、窒素中でも良い。好ましくは真空中である。圧着後、基材フィルムを剥離する。
本発明の仮貼り用接着剤組成物は半導体電子部品の製造に用いることができる。詳しくは、厚み1μm以上100μm以下の半導体電子回路形成基板と支持基板を接着した状態で、300℃以上の熱処理を有する半導体電子部品の製造工程を通り、その後、揮発性溶剤で溶剤剥離する半導体電子部品の製造方法に好適に用いることができる。半導体電子回路形成基板には一般的にシリコン基板、SiC基板、セラミック基板などが使用される。
厚みが1μm以上100μm以下の半導体電子回路形成基板は、反りが大きく、回路形成加工が困難であり、また、割れなどが生じて破損しやすいため、シリコン基板、ガラス基板などの支持基板と接着し、ウエハ加工体とする。本発明の仮貼り用接着剤組成物は、半導体電子回路形成基板と支持基板を貼り合わせる仮貼り用接着剤に好適に用いる事ができる。特に、厚み1μm以上100μm以下の半導体電子回路形成基板を接着している時の耐熱性に優れており、300℃以上の熱処理を有する半導体電子部品の製造工程でボイド等の問題が発生することが無く、その後、揮発性溶剤で溶剤剥離することができる。
本発明では、厚みが1μm以上100μm以下の半導体電子回路形成基板と支持基板を貼り合せても良く、厚みのある半導体電子回路形成基板と支持基板を貼り合せた後に、薄く加工しても良い。薄く加工する工程として、研磨工程、エッチング工程などを用いる事ができる。
半導体電子回路形成基板へ仮貼り用接着剤組成物を塗布する方法としては、スピンコーター、ロールコーター、スクリーン印刷、スリットダイコーターなどが挙げられる。また、前述の転写フィルムを用いて、半導体電子回路形成基板に仮貼り用接着膜を転写しても良い。仮貼り用接着剤組成物を塗布または転写後、50℃以上500℃以下、好ましくは70℃以上450℃以下で1分以上3時間以下で連続的または断続的に熱処理して、仮貼り用接着剤組成物中の有機溶剤を除去および硬化を行う。これにより、接着性並びに耐熱性に良好な仮貼り用接着膜を得ることができる。仮貼り用接着膜の厚みは適宜選択することができるが、0.1μm以上500μm以下、好ましくは1μm以上100μm以下である。
本発明においては、半導体回路形成基板に仮貼り用接着剤組成物を塗布または転写するだけでなく、支持基板に仮貼り用接着剤組成物を塗布または転写しても良い。また、支持基板側、または半導体電子回路形成基板側に他の樹脂組成物からなる層が存在しても良い。すなわち、他の接着剤と併用することができる。
本発明の仮貼り用接着膜を積層した半導体電子回路形成基板と支持基板を重ねて圧着することでウエハ加工体を作製することができる。圧着方法としては、プレス、ロールラミネータ等を用いることができる。必要に応じて加熱して圧着しても良い。この時の温度は20℃以上、300℃以下、好ましくは250℃以下である。圧着する際の圧力は0.1MPa以上2.0MPa以下、より好ましくは0.2Mp以上1.5MPa以下である。圧着は空気中でも良く、窒素中でも良い。好ましくは真空中である。
半導体電子回路形成基板と支持基板を剥離する方法としては、熱スライド剥離法、レーザー照射剥離法、機械的剥離法、溶剤剥離法等が挙げられる。本発明の仮貼り用接着剤組成物は、溶剤剥離法に用いる仮貼り用接着剤として好適に使用することができる。溶剤剥離法とは、支持基板に溶剤通過のための穴を開けておき、溶剤で仮貼り用接着膜を溶解させて剥離する方法である。
本発明では、溶剤剥離法に用いる溶剤は、揮発性溶剤であることが好ましい。ポリイミド系の材料を溶解させるには、高極性溶剤を用いることが一般的であるが、高極性溶剤は揮発性が低いため、溶剤剥離後に半導体電子回路形成基板を乾燥させる目的で、揮発性の良い溶剤によるリンス工程を追加する必要があり、工程上、かなり大きな負担になる問題がある。
揮発性溶媒への溶解性に優れる本発明の仮貼り用接着剤組成物を用いることで、揮発性溶剤を用いた溶剤剥離が可能であり、剥離後のリンス工程を追加することなく、半導体電子回路形成基板を乾燥させることができる。
本発明の溶剤剥離法に用いる溶剤は、沸点が160℃以下の成分を90質量%以上含むことが好ましい。より好ましくは95質量%であり、さらに好ましくは99質量%以上である。沸点が160℃以下の成分を90質量%以上含むことで、揮発性が良好となり、溶剤剥離後に、揮発性の良い溶剤によるリンス工程を追加することなく、半導体電子回路形成基板を乾燥させることができる。
本発明の溶剤剥離法に用いる溶剤は、一般式(4)で表される構造を含むことが好ましい。本発明の仮貼り用接着膜は、一般式(4)で表される構造の溶剤への溶解性が良好ため、溶剤剥離する時間を短縮することができる。
Figure 0007183840000007
(RおよびR10はそれぞれ独立に水素、炭素数1~12のアルキル基、アセチル基、または芳香族基を表す。R11は水素またはメチル基を表す。cは0、1または2のいずれかであり、dは、1~3の整数である。)
一般式(4)で表される構造の具体例として、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点:175℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点:162℃)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(沸点:176℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点:189℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点:213℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点:119℃)、エチレングリコールモノメチルエーテル(沸点:124℃)、エチレングリコールモノエチルエーテル(沸点:135℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点:146℃)、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点:145℃)などが挙げられる。上記溶剤は単独でもよく、2種以上を使用してもよい。
これら一般式(4)で表される構造の溶剤の中でも、沸点160℃以下である溶剤が好ましい。具体的には、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点:119℃)、エチレングリコールモノメチルエーテル(沸点:124℃)、エチレングリコールモノエチルエーテル(沸点:135℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点:146℃)、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点:145℃)などが挙げられる。上記溶剤は単独でもよく、2種以上を使用してもよい。
さらに、本発明の仮貼り用接着膜の溶解性の観点から、アセチル基を有する構造が好ましい。具体的には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点:146℃)、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点:145℃)が特に好ましい。上記溶剤は単独でもよく、2種以上を使用してもよい。
本発明の溶剤剥離法に用いる溶剤の一般式(4)で表される構造の含有量は、70質量%以上が好ましい。より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上である。70質量%以上であることで、溶剤剥離する時間を短縮することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。接着性評価、バックグライディング評価、耐熱性評価、溶剤剥離評価、溶剤の乾燥性評価の評価方法について述べる。
(1)接着性評価
厚さ750μmの8インチシリコンウエハ(信越化学工業(株)社製)上に、各合成例で得られた仮貼り用接着剤組成物を乾燥、イミド化後の厚みが20μmになるようにスピンコーターで回転数を調整して塗布し、120℃で10分熱処理して乾燥した後、窒素オーブンで400℃1時間熱処理して完全にイミド化を行い、仮貼り用接着膜積層シリコン基板を得た。
上記方法で作成した仮貼り用接着膜積層シリコン基板に、厚さ0.7mmの8インチ無アルカリガラス(コーニング社製)で作成した孔あき基板を重ね合わせ、上板、下板をそれぞれ180℃に設定した熱プレス機を用いて、2000Nの荷重で5分間圧着し、孔あきガラス基板積層シリコン基板を得た。使用した孔あきガラス基板は、孔径300μmを孔間ピッチ600μmで全面に形成したガラス基板である。
このとき、得られた孔あきガラス基板積層シリコン基板をガラス側から肉眼で観察し、ボイドの有無を評価した。評価基準は下記のとおりである。
○:ボイド無し
△:1cm以下のサイズのボイド有り
×:1cm以上のサイズのボイド有り。
(2)シリコン基板のバックグライディング評価
上記で接着性評価をした孔あきガラス基板積層シリコン基板をグラインダーDAG810(DISCO製)にセットし、シリコン基板を厚み100μmまで研磨した。グライディング後のシリコン基板を肉眼で観察し、割れ、クラックなどの有無を評価した。評価基準は下記のとおりである。
○:割れ、クラック無し
×:割れ、クラック有り。
(3)耐熱性評価
上記でバックグライディング性評価をした孔あきガラス基板積層シリコン基板を400℃で2時間熱処理した後、ガラス側から肉眼で観察し、ボイドの有無を評価した。評価基準は下記のとおりである。
○:ボイド無し
△:1cm以下のサイズのボイド有り
×:1cm以上のサイズのボイド有り。
(4)溶剤剥離評価
上記でバックグライディングした孔あきガラス基板積層シリコン基板のシリコン基板にダイシングフレームを用いてダイシングテープを貼り、補強した。次に、温度23℃、超音波アシストの条件でPGMEAまたは、製造例1で得た溶剤Aへ浸漬し、その後、基板を素手で剥離した。
評価基準は下記のとおりである。
◎:溶剤への浸漬時間が10分以内で剥離できた。
〇:溶剤への浸漬時間が10分以上30分以内で剥離できた。
△:溶剤への浸漬時間が30分以上60分以内で剥離できた。
×:溶剤への浸漬時間が60分以上で剥離できなかた。
(5)溶剤の乾燥性評価
上記で剥離したシリコン基板を温度23℃の条件で静置し、付着している溶剤の乾燥性を肉眼で観察した。評価基準は下記のとおりである。
○:溶剤が20分以内に乾燥した。
×:溶剤が20分以内に乾燥しなかった。
以下の製造例に示してある酸二無水物、ジアミン、および溶媒の略記号の名称は下記の通りである。
ODPA:3,3’,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物
6FDA:4,4′-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物
KF-8010:α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(平均分子量:860、式(1)においてn=9)(信越化学工業株式会社製)
APB:1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
DMM:ジプロピレングリコールジメチルエーテル。
合成例1(ポリイミド樹脂の重合)
温度計、乾燥窒素導入口、温水・冷却水による加熱・冷却装置、および、撹拌装置を付した反応釜に、KF-8010 688.0g(80mol%)、APB 58.5g(20mol%)をDMM 1056.6gと共に仕込み、攪拌して溶解させた。その後、無水フタル酸 1.5g(1mol%)、ODPA 308.6g(99.5mol%)をこの順に添加し、60℃で1時間、続いて160℃で5時間反応させて、50質量%のポリイミド溶液からなる仮貼り用接着剤組成物PA1を得た。得られた仮貼り用接着剤組成物の末端成分量、フッ素原子含有量を表1にまとめた。
合成例2~12(ポリイミド樹脂の重合)
テトラカルボン酸無水物、ジアミン、末端成分の種類と仕込量を表1のように変えた以外は合成例1と同様の操作を行い、50質量%のポリイミド溶液からなる仮貼り用接着剤組成物PA2~12を得た。得られた仮貼り用接着剤組成物の末端成分量、フッ素原子含有量を表1にまとめた。
Figure 0007183840000008
製造例1(溶剤Aの調整)
撹拌装置を付したフラスコに、PGMEA(沸点:146℃)700g、DMM(沸点:175℃)300gを仕込み、室温で1時間撹拌して、溶剤Aを得た。
製造例2(転写フィルムの製造)
合成例2で得られた仮貼り用接着剤組成物(PA2)を、離型処理された基材フィルム SR7(厚さ75μm、ポリエステルフィルム、大槻工業株式会社製)上にバーコーターを用いて塗布し、100℃で10分間乾燥を行った後、保護フィルム層としてSR7(大槻工業株式会社製)をラミネートして、仮貼り用接着膜の厚みが20μmの積層フィルム(S1)を得た。
実施例1
厚さ750μmの8インチシリコンウエハ(信越化学工業(株)社製)上に、合成例1で得られた仮貼り用接着剤組成物PA1をイミド化後の厚みが20μmになるようにスピンコーターで回転数を調整して塗布し、120℃で10分熱処理して乾燥した後、窒素オーブンで400℃1時間熱処理して完全にイミド化を行い、仮貼り用接着膜積層シリコン基板を得た。
上記方法で作成した仮貼り用接着膜積層シリコン基板に、厚さ0.7mmの8インチ無アルカリガラス(コーニング社製)で作成した孔あき基板を重ね合わせ、上板、下板をそれぞれ180℃に設定した熱プレス機を用いて、2000Nの荷重で5分間圧着し、孔あきガラス基板積層シリコン基板を得た。使用した孔あきガラス基板は、孔径300μmを孔間ピッチ600μmで全面に形成したガラス基板である。
得られた孔あきガラス基板積層シリコン基板を用いて接着性評価、バックグライディング評価、耐熱性評価、溶剤剥離評価、溶剤の乾燥性評価を行い、結果を表2にまとめた。
実施例2~11
仮貼り用接着剤組成物を表2のごとく変えた以外は、実施例1と同様の操作を行い、孔あきガラス基板積層シリコン基板を得た。
得られた孔あきガラス基板積層シリコン基板を用いて接着性評価、バックグライディング評価、耐熱性評価、溶剤剥離評価、溶剤の乾燥性評価を行い、結果を表2にまとめた。
実施例12(転写フィルム)
製造例2で得られた積層フィルム(S1)の保護フィルム層を剥離した後に、仮貼り用接着膜と8インチシリコン基板(信越化学工業(株)社製)が接するように、真空ラミネート装置VTM-200M(株式会社タカトリ製)を用いて積層した。積層条件は、ヒーター温度100℃、ロール温度100℃、ラミネート速度5mm/秒、ラミネートロール圧力0.2MPa、チャンバー圧力150Paにて行った。得られた積層体の基材フィルムを剥離した後、窒素オーブンで400℃1時間熱処理して完全にイミド化を行い、仮貼り用接着膜積層シリコン基板を得た。
上記方法で作成した仮貼り用接着膜積層シリコン基板に、厚さ0.7mmの8インチ無アルカリガラス(コーニング社製)で作成した孔あき基板を重ね合わせ、上板、下板をそれぞれ180℃に設定した熱プレス機を用いて、2000Nの荷重で5分間圧着し、孔あきガラス基板積層シリコン基板を得た。使用した孔あきガラス基板は、孔径300μmを孔間ピッチ600μmで全面に形成したガラス基板である。
得られた孔あきガラス基板積層シリコン基板を用いて接着性評価、バックグライディング評価、耐熱性評価、溶剤剥離評価、溶剤の乾燥性評価を行い、結果を表2にまとめた。
比較例1、2
仮貼り用接着剤組成物を表2のごとく変えた以外は、実施例1と同様の操作を行い、孔あきガラス基板積層シリコン基板を得た。
得られた孔あきガラス基板積層シリコン基板を用いて接着性評価、バックグライディング評価、耐熱性評価、溶剤剥離評価、溶剤の乾燥性評価を行い、結果を表2にまとめた。
Figure 0007183840000009

Claims (15)

  1. 少なくとも、(A)テトラカルボン酸無水物残基とジアミン残基を有するポリイミド樹脂またはその前躯体であって、該ジアミン残基が一般式(1)で表されるポリシロキサン系ジアミン残基を全ジアミン残基中50~100モル%有し、且つ一般式(2)で表されるジカルボン酸無水物残基および/または一般式(3)で表されるモノアミン残基を末端に有するポリイミド樹脂またはその前躯体、および(B)溶媒を含有する仮貼り用接着剤組成物。
    Figure 0007183840000010
    (nは1~100の整数。RおよびRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数1~30のアルキレン基またはフェニレン基を示す。R~Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数1~30のアルキル基、フェニル基またはフェノキシ基を示す。)
    Figure 0007183840000011
    (aは0~4の整数。Rは、炭素数1~30のアルキル基、ハロゲン、炭素数1~30のハロゲン化アルキル基のいずれかを示す。)
    Figure 0007183840000012
    (bは0~5の整数。Rは、炭素数1~30のアルキル基、ハロゲン、炭素数1~30のハロゲン化アルキル基のいずれかを示す。)
  2. 一般式(2)で表されるジカルボン酸無水物残基量をAモル、テトラカルボン酸無水物残基量をBモルとした場合、0.005≦0.5A/(0.5A+B)≦0.1の関係を満たす請求項1に記載の仮貼り用接着剤組成物。
  3. 一般式(3)で表されるモノアミン残基量をCモル、ジアミン残基量をDモルとした場合、0.005≦0.5C/(0.5C+D)≦0.1の関係を満たす請求項1または2に記載の仮貼り用接着剤組成物。
  4. 前記ポリイミド樹脂またはその前躯体にフッ素原子を樹脂全体の0.01~30質量%含む請求項1~3のいずれかに記載の仮貼り用接着剤組成物。
  5. 一般式(2)で表されるジカルボン酸無水物残基のRおよび/または一般式(3)で表されるモノアミン残基のRがフッ素原子、炭素数1~30のフルオロアルキル基のいずれかである請求項1~4のいずれかに記載の仮貼り用接着剤組成物。
  6. 前記テトラカルボン酸無水物残基として4,4′-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物を含む請求項1~5のいずれかに記載の仮貼り用接着剤組成物。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載の仮貼り用接着剤組成物を塗膜形成した仮貼り用接着膜。
  8. 少なくとも片面に離型処理された基材フィルム上に請求項7に記載の仮貼り用接着膜が積層されている仮貼り用接着部材。
  9. 半導体電子回路形成用ウエハ基板と支持基板とが少なくとも請求項7に記載の仮貼り用接着膜を介して接合されたウエハ加工体。
  10. 半導体電子回路形成用ウエハ基板の厚みが1μm以上100μm以下である請求項9に記載のウエハ加工体。
  11. 支持基板が孔あき基板である請求項9または10に記載のウエハ加工体。
  12. 請求項9~11のいずれかに記載のウエハ加工体を300℃以上で熱処理する工程、および半導体電子回路形成用ウエハ基板を支持基板から剥離する工程をこの順に有する半導体電子部品の製造方法。
  13. 請求項12に記載の半導体電子回路形成用ウエハ基板を支持基板から剥離する工程が、仮貼り用接着膜を溶剤で溶解させて剥離する方法である半導体電子部品の製造方法。
  14. 溶剤として、沸点160℃以下の成分を90質量%以上含む請求項13に記載の半導体電子部品の製造方法。
  15. 溶剤として、一般式(4)で表される構造の化合物を含む請求項13または14に記載の半導体電子部品の製造方法。
    Figure 0007183840000013
    (RおよびR10はそれぞれ独立に水素、炭素数1~12のアルキル基、アセチル基、または芳香族基を表す。R11は水素またはメチル基を表す。cは0、1または2のいずれかであり、dは、1~3の整数である。)
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