JP7181180B2 - 生体等価ファントム - Google Patents

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Description

本発明は、人体の生体組織と電気的特性が等価である生体等価ファントムに関する。
従来、携帯電話などの電子機器から出力されるマイクロ波が、人体に与える影響を調べるために、所定の誘電特性を有する模擬人体(以下「生体等価ファントム」という。)が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
そして、従来の生体等価ファントムは、寒天などの有機物を含むゲル状物質で形成されており、寒天などの有機物は時間の経過とともに短期間で腐敗することから、生体等価ファントムを長期間使用することはできなかった。
また、生体等価ファントムを構成するゲル状物質は水分が蒸発しやすく、誘電特性が変化しやすい。そのため、長期間にわたって生体等価ファントムを保存し、使用を続けると、安定した性能を備えた生体等価ファントムとして、マイクロ波による正確な調査ができない。
さらに、温熱療法による癌治療において、電磁波の照射条件と、生体内の癌組織の温度上昇との関係を調べるために、生体等価ファントムが利用されることも知られている(例えば、特許文献2参照。)。ここで使用される生体等価ファントムは、本体を人体の電磁波物性と等価の高含水ゲルで形成し、さらにその内部に、人体の各内部器官の電磁波物性と等価の水分貯留腔を設けている。
このような生体等価ファントムでは、水分貯留腔に貯留された水分、すなわち人体の各内部器官や組織の電磁波物性と等価な生体ファントムが含有する水分が、本体側の高含水ゲルに染み込んで、生体等価ファントムの本体や各内部器官や組織の含水率が変化してしまう問題があった。さらには水分貯留腔に貯留された水分に含まれるイオンが本体側の高含水ゲルに移動することにより、電磁波物性が変化してしまう。
また、上記したような水分あるいは電解質イオンの移動を防ぐために、水分貯留腔部分を合成樹脂皮膜などで被覆することも行われているが、水分貯留腔を合成樹脂皮膜で被覆すると、外周の各種人体等価ファントムや内部の電解質を含む生体等価ファントムと比べて当該合成樹脂皮膜における誘電特性の違いが大きく影響してしまい、結果として、生体等価ファントム内の癌模型の状態と、実際の人体内における癌組織の状態とが、大きく乖離してしまう。
特開2009-216691号公報 特開平2-26567号公報
以上のように、従来の生体等価ファントムは寒天などで電解質の水溶液を固めたゲル状の固体であるため、実際には水分の蒸散による変化のほか、腐敗などによる変質、機械的強度の弱さに起因する作業時の破損など様々な問題がある。また、水分の蒸散防止にはプラスチックフィルムをかけたり、容器に密封するなどされているが十分とはいえない。腐敗対策をしようとすると、防腐剤の添加や冷蔵庫での保管は必須で、機械的強度が極めて低いために、運搬や移動に伴って、その後の計測誤差の発生要因にもなる。
ところで、現在、乳癌の調査にはマンモグラフィーが多く使用されているが、人により乳腺の存在率が大きく異なり、人種によってもその傾向が異なることから、癌細胞の検出精度や発見率に悪影響を及ぼしていた。このような状況に対応して、近年、マイクロ波を利用して極めて小さな癌細胞を発見する検査装置が開発されつつある。このような新規な検査装置の較正や、当該検査装置を使用するための訓練用の人体等価ファントムは未だ存在せず、前述したような従来型の生体等価ファントムでは、較正や、訓練用としての要求精度を満たすことができない。
そこで本発明は、上記問題点に鑑み、長期間にわたって安定的に使用可能であるとともに、人体の生体組織と等価の電気的特性を有する生体等価ファントムを提供する。
本願請求項1に係る発明は、イオンの移動に起因して第1の生体と電気的特性が等価の内側ファントムと、前記内側ファントムを密閉して収容するとともに、イオンの移動に起因せずに第2の生体と前記電気的特性が等価の外側ファントムと、を有することを特徴とする生体等価ファントムである。
本願請求項2に係る発明は、3[GHz]以上の周波数帯のマイクロ波を照射する検査装置の較正及び/又は当該検査装置を使用するための訓練に用いられることを特徴とする請求項1に記載の生体等価ファントムである。
本願請求項3に係る発明は、前記内側ファントムの前記電気的特性は癌組織の前記電気的特性と等価であり、前記外側ファントムの前記電気的特性は前記癌組織を覆う周辺組織の前記電気的特性と等価であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の生体等価ファントムである。
請求項1に係る発明によれば、イオンの移動に起因して第1の生体と電気的特性が等価の内側ファントム2と、当該内側ファントム2を密閉して収容するとともに、イオンの移動に起因せずに第2の生体と前記電気的特性が等価の外側ファントム3とを有する構成としているため、外側ファントム3によって内側ファントム2の水分が蒸発することを防ぐほか、外気との接触を防いで内側ファントム2の腐敗を抑制することができる。
また、外側ファントム3はイオンの移動を伴わない固体状のものとなるので、内側ファントム2に含まれるイオンが外側ファントム3へと移動することもない。これにより、生体等価ファントム1の電気的特性は長期間にわたって安定して維持され、従来型の生体等価ファントムに比べて大幅に長寿命化を図ることが可能となる。
請求項2に係る発明によれば、3[GHz]以上の周波数帯のマイクロ波を照射する検査装置の較正及び/又は当該検査装置を使用するための訓練用に、本発明の生体等価ファントム1を用いることができるので、検査装置の精密な管理をいつでも実施することができるほか、検査装置を使用するための訓練に、本発明の生体等価ファントム1を好適に利用することが可能となる。
請求項3に係る発明によれば、内側ファントム2を癌組織の電気的特性と等価とし、外側ファントム3を癌組織の周辺組織の電気的特性と等価としたことにより、電波による人体の癌の各種サイズ、形状、種類などの再現性ある均一な性能を長期間維持しうるモデルの大量の製作が可能になる。特に癌組織を発見するための検査装置の較正に使用することが可能となる他、電波を用いて人体内部の癌の状態検知の研修用モデルとして広く使用する事が可能になる。このことにより、より医療現場での検査レベルの向上に寄与することも可能になる。
本実施形態に係る生体等価ファントムを示す断面図である。 内側ファントムにおける周波数帯と比誘電率との関係を示す図である。 外側ファントムにおける周波数帯と比誘電率との関係を示す図である。
以下、本発明の生体等価ファントムの一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
<生体等価ファントムの構成>
図1には、本実施形態に係る生体等価ファントム1を示す断面図が示されており、図示される生体等価ファントム1は、人の乳房を模した形に形成されている。そして、当該生体等価ファントム1は、乳房の脂肪組織に対応する外側ファントム3と、乳房の中の癌組織に対応する内側ファントム2から構成されている。なお、外側ファントム3及び内側ファントム2は、他の生体組織を模したものとしてもよい。
(内側ファントム)
本実施形態の内側ファントム2は、癌組織など、高誘電率を有する生体と等価の誘電率を有するため、イオンを含む物質で形成され、電磁波の照射によるイオンの移動に起因して、誘電分極が起こる材料が使用されている。したがって、内側ファントム2は、液体、又は半固体の例えばゼラチン状、寒天状、ゲル状、又はパテ状の性状を有することとなる。
内側ファントム2は、溶媒中に電解質を溶解させることによって製造されており、適宜、寒天、増粘剤および保存料などを添加することが可能である。
内側ファントム2の溶媒は、例えば、水に水系モノマー、オリゴマー、およびポリマーの少なくともいずれかを配合して製造される。上記水系モノマーは、例えば、グリセリン、またはエチレングリコールなどである。上記オリゴマーは、例えば、ジエチレングリコール、またはポリエチレングリコールなどである。上記ポリマーは、例えば、エチレングリコールポリマー、ポリアクリル酸、またはポリビニルアルコールなどである。
内側ファントム2に使用される電解質は、例えば、塩化物、硫酸塩、および硝酸塩などである。上記塩化物は、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、または塩化マグネシウムなどである。上記硫酸塩は、例えば、硫酸ナトリウムなどである。上記硝酸塩は、例えば、硝酸ナトリウムなどである。
従来の水分含有率の高いファントムを本発明における内側ファントムとして用いることが可能である。しかし、内側ファントム2の溶媒の水分含有量は少ない方が好ましい。すなわち、水分の含有量が多いと、水分が蒸散する量も多くなる。従来の水分を多量に含む電解質含有ファントムも水分の蒸散量が10%を超えると内側ファントム2の電気的特性が大きく変化してしまう。したがって、内側ファントム2の水分含有量を、内側ファントム2の重量比で内側ファントム全体の5%以下とすることで、水分の蒸散による電気的特性の経時変化を抑制することが可能となる。加えて、腐敗による経年劣化も抑制することができる。水の含有率と腐敗性は直接的には無関係だが、外界との遮断効果が大きい為、後から菌類やカビ類の侵入を防ぎやすいという点での腐敗防止効果は期待できる。そのため製作段階での滅菌、殺菌剤の配合などとの組み合わせで有効である。
ただし、上記した水分含有量は、内側ファントム2の製造時に意図的に外部から添加される水分量を意味するものであり、素材となる水系物質に元々含まれる水分量は含まないものとする。
また、例えば内側ファントム2は、所定の比誘電率を有している。本実施形態の内側ファントム2は、人の癌組織と等価の誘電特性を有しており、図2に示されるように、5~8[GHz]の周波数帯で癌組織と等価の50~55の比誘電率となるように形成されている。そして、内側ファントム2の比誘電率は、電解質が溶媒中に溶解した際に電離するイオンの量によって調整される。もちろん、本発明の狙いは上記範囲に限定さることはなく、誘電率の異なる癌細胞、更には誘電率の異なる他の組織へも展開可能であることは当然のことである。
なお、内側ファントム2の有する人体組織と等価な電気的特性は、人体等価ファントム1の使用目的、用途等によって、各々の人体組織に相当する誘電率とすることも可能である。
(外側ファントム)
外側ファントム3は、内側ファントム2の外側を覆っている。換言すれば、外側ファントム3は内部に内側ファントム2を収容している。
外側ファントム3は、内部に内側ファントム2を収容するための収容空間を備えており、当該収容空間は内側ファントム2を密閉可能な空間である。外側ファントム3は、収容空間を密閉することにより、その内部にある内側ファントム2の水分が蒸散したり、空気に触れて劣化したりすることを大幅に抑制することができる。
外側ファントム3の内部の収容空間は、例えば、球状の空間であり、収容空間の直径は、例えば、0.5~5.0[mm]程度である。この収容空間の大きさは、例えば、人体の癌組織の大きさなどに合わせて形成することができる。また、収容空間の形状は、球状に限られず、立方体形状など、他の形状であってもよい。
本実施形態における外側ファントム3の内部の収容空間は、外側ファントム3の表面の所定の位置から、表面に直交する方向であって、内側に向けて3.0[cm]程度の位置に設けられている。ただし、内側に向けて3.0[cm]程度の位置に必ずしも限定されるものではなく、表面から任意の深さ位置に形成されてもよい。
外側ファントム3は、イオンを含まない物質で構成されている。すなわち、電磁波の照射を受けて外側ファントム3で起こる誘電分極は、イオンの移動に起因するものではない。したがって、外側ファントム3は固体であり、液体、ゼラチン状、寒天状、またはゲル状の物質ではない。
外側ファントム3は所定の電気的特性を有しており、所定周波数の電磁波の照射を受けて、所定の比誘電率を示すものである。本実施形態の外側ファントム3は、人の脂肪組織と等価の誘電特性を有している。図3に示されるように、5~7[GHz]の周波数帯で脂肪組織と等価の5.5~6.5の比誘電率となるように形成された本実施形態の外側ファントム3は、非常に軽量で、かつ製造が容易なものである。また、本実施形態に限らず、例えば、外側ファントム3をシリコン樹脂、ウレタン樹脂、およびポリエチレン樹脂などの合成樹脂で形成することが可能である。
なお、外側ファントム3の有する人体組織と等価な電気的特性は、人体等価ファントム1の使用目的、用途等によって、各々の目的に合わせた誘電率とすることも可能である。
外側ファントム3には、導電性繊維、セラミック粉末などが混入されていてもよく、また、外側ファントム3には、マイクロバルーンなどの中空ビーズ、ポリエチレン粉末及び/または粒などが混入されていてもよい。外側ファントム3に混入する導電性繊維、セラミック粉末、および中空ビーズ、ポリエチレンなどの量を調整することにより、外側ファントム3の比誘電率を容易に調整することができる。
前述したとおり、本発明の生体等価ファントム1は、イオンの移動に起因して第1の生体(例えば、癌組織)と電気的特性が等価の内側ファントム2と、当該内側ファントム2を密閉して収容するとともに、イオンの移動に起因せずに第2の生体(例えば、脂肪組織)と電気的特性が等価の外側ファントム3によって構成されている。これにより、内側ファントム2の水分の蒸散を防ぐほか、外気との接触を避けて腐敗を抑制することもできる。
特に、本発明の内側ファントム2は、液体などのイオンの移動を伴う物質で形成されているため、癌組織などのような、3[GHz]以上の高周波数帯で、高誘電率を示す生体と等価な模擬人体組織を形成することが容易にできる。なお、この点、内側ファントム2に対応する模擬人体組織を、外側ファントム3を構成する素材を用いて形成することができれば良いのであるが、現状の技術レベルでは実現が困難な状況にある。
そこで本発明では、外側ファントム3を、イオンの移動を伴わずに生体と等価の比誘電率を有する固体状のものとしたので、イオンの移動を伴う物質で形成された内側ファントム2を使用しても、これに含まれるイオンが外側ファントム3へと移動することがない。このような効果を利用することで、生体等価ファントム1の電気的特性を長期間にわたって安定して維持させることが可能となり、生体等価ファントム1の長寿命化を図ることができる。すなわち、本発明の内側ファントム2と外側ファントム3との組み合わせにより、長期間にわたって安定して使用することが可能な生体等価ファントム1を、広く世に普及させることが可能となる。
<生体等価ファントムの製造方法>
本実施形態の生体等価ファントム1は、以下の手順で製造される。
まず、外側ファントム3を形成するための型を準備する。型は、例えば、人の乳房の形の凹部を有するものである。
次に、外側ファントム3の原材料を混ぜ合わせ、混ぜ合せた原材料を型に注入し、硬化させる。外側ファントム3が硬化した後、外側ファントム3を型から取り出し、外側ファントム3の裏面側(図1の下側)から、内側ファントム2の収容空間を形成するための穴を加工する。
次に、外側ファントム3に形成された穴に、原材料を混ぜ合わせて製造した内側ファントム2を注入する。
最後に、外側ファントム3に形成された内側ファントム注入時に使用した通路部分を外側ファントム3で封止する。
なお、生体等価ファントム1の製造方法はこのような方法に限らない。例えば、外側ファントム3が完全に硬化してしまう前に、注射器の注射針を当該外側ファントム3の内部に挿入し、原材料を混ぜ合わせて製造した内側ファントム2を注入することが可能である。内側ファントム2の注入後、挿入された注射針を外側ファントム3の硬化過程(硬化途中)に抜き取ることにより、当該外側ファントム3に生じた注射針の挿入穴は自己修復されて、外側ファントム3の内部に内側ファントム2を密閉することができる。このような生体等価ファントム1の製造方法によれば、外側ファントム3を傷つけることなく内側ファントム2を密閉できるので、内側ファントム2を密閉する際に生じた痕跡が、検査装置の検査結果に影響を及ぼしてしまうような事態を、確実に防止することが可能となる。なお、内側ファントム2の注入には、上記注射針を含む管状の注入管を使用してもよい。
<生体等価ファントムの使用方法>
前述したようにして形成された本実施形態の生体等価ファントム1は、例えば、マイクロ波を用いた乳癌を発見するための検査装置の較正に使用することができる。あるいは検査装置の訓練用キットとして用いることも可能である。
検査装置は、例えば、3[GHz]以上のマイクロ波をアンテナ部から生体に向けて照射し、生体の表面または内部で反射する反射波を受ける。検査装置は、アンテナ部で受けた反射波に基づいて、生体の内部の癌組織の位置、および大きさなどを検出する装置である。そして検査装置は、生体の検査の前に、本発明の生体等価ファントム1を用いて正常に癌組織が検出できるように較正される。
検査装置の較正作業では、アンテナ部から生体等価ファントム1に向けてマイクロ波を照射し、生体等価ファントム1の表面および内部で反射した反射波を受信する。検査装置は、照射したマイクロ波、および反射波から得られる物理量と、生体等価ファントム1に係る基準となる物理量との差を算出する。この差を極力小さくするように検査装置の各種設定が行なわれることにより、検査装置の較正が行なわれる。
<配合例>
以下に、内側ファントム2及び外側ファントム3を製造するための、原材料およびその配合量や配合比について、配合例を示して説明する。
内側ファントム2は、3375[g]のイオン交換水、104.6[g]の寒天、37.6[g]の塩化ナトリウム、2.0[g]のアジ化ナトリウム、84.4[g]のTX-151(オイルセンターリサーチ社製増粘剤)、および337.5[g]のポリエチレン粉末を原料とする。なお、内側ファントム2には、不可避不純物が含まれていてもよい。
外側ファントム3は、96.14[重量部]のRTVシリコンゴム(主剤硬化剤合計)、2.66[重量部]の第1のカーボン繊維(繊維長0.4[mm]、繊維直径14.5[μm])、0.62[重量部]の第2のカーボン繊維(繊維長1.55[mm]、繊維直径13[μm])、ポリエチレン粉末5[重量部]および0.38[重量部]の酸化チタン粉末を原材料とする。なお、外側ファントム3には、不可避不純物も含まれる。
上記した配合で製造された内側ファントム2の比誘電率と照射されるマイクロ波の周波数帯域との関係は、図2に示すとおりである。
上記した配合で製造された外側ファントム3の比誘電率と照射されるマイクロ波の周波数帯域との関係は、図3に示すとおりである。
上記構成により、本実施形態に係る生体等価ファントム1は、所定の周波数帯における生体組織と等価の電気的特性を有することができる。その結果、本実施形態に係る生体等価ファントム1を使用することにより、検査装置を精度良く較正することができる。
また、本実施形態のように、外側ファントム3が合成樹脂で形成される場合、セラミック製などのファントムと比較して、素材のみならず工程も含めて安価に製造することができる。また、外側ファントム3は破損し難く、軽量であるため、取り扱いが容易になる。
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、以下では、前述した実施形態の変形例について説明する。
本発明の生体等価ファントム1は、乳癌の検査装置に限らず、他の癌組織を検査する検査装置の較正や、当該検査装置の訓練用に使用することも有用である。また、人の癌組織を検査する検査装置に限らず、動物などの他の生体の癌組織を検査する検査装置の較正や、当該検査装置の訓練用に使用することも可能である。
前述した実施形態では、外側ファントム3の内部に1つの収容空間が形成されている例について説明した。しかし、外側ファントム3は、内部に複数の収容空間を備え、各収容空間に内側ファントム2を収容していてもよい。
外側ファントム3の収容空間を複数形成する場合、各収容空間の大きさは互いに異なるように形成されてもよい。また、各収容空間に収容される内側ファントム2は、互いに比誘電率が異なるものであってもよい。これにより、1つの生体等価ファントム1を用いて複数種類の検査装置の較正や、当該検査装置の訓練用に使用することができる。
また、本発明の生体等価ファントム1は、検査装置の較正や訓練用途に限らず、他の用途に用いてもよい。例えば、マイクロ波の生体への影響を調べるために利用したり、ハイパーサーミア用の生体等価ファントム1として利用することができる。
前述の実施形態における生体等価ファントム1は、内側ファントム2と、当該内側ファントム2を覆う外側ファントム3により構成したが、さらに、外側ファントム3や内側ファントム2の外部を別の生体等価ファントムで覆うようにして、複数層からなる生体等価ファントム1を作製することも可能である。
以上、本発明の実施例及び一部の変形例について説明してきたが、これらの説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれる。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の組み合わせ、または、省略が可能である。
1 生体等価ファントム
2 内側ファントム
3 外側ファントム

Claims (3)

  1. イオンの移動に起因して第1の生体と電気的特性が等価の内側ファントムと、
    前記内側ファントムを密閉して収容するとともに、イオンの移動に起因せずに第2の生体と前記電気的特性が等価の外側ファントムと、を有する
    ことを特徴とする生体等価ファントム。
  2. 3GHz以上の周波数帯のマイクロ波を照射する検査装置の較正及び/又は当該検査装置を使用するための訓練に用いられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の生体等価ファントム。
  3. 前記内側ファントムの前記電気的特性は癌組織の前記電気的特性と等価であり、前記外側ファントムの前記電気的特性は前記癌組織を覆う周辺組織の前記電気的特性と等価である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の生体等価ファントム。
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