以下、本発明に係る潮力(満潮と干潮)及び引力を利用した発電装置について詳細に説明する。また、24時間の間、満潮から干潮(約6時間経過)、干潮から満潮(約12時間経過)、満潮から干潮(約18時間経過)、干潮から満潮(約24時間経過)は、1日に2回の満潮と干潮を迎えることになる。
(第1実施形態)
図1に示す、1はAタンク(第1タンク)、2はBタンク(第2タンク)であり、干潟(海岸)に設置されている。図1に向かって右側を、陸側、前、前方、前方側、前面、図1に向かって左側を、海側、後、後方、後方側、後面という。また、幅方向(左板1C、右板1D間)は左右方向という。また、Aタンク1外、Bタンク2外は「海面」という。
上記Aタンク1は、例えば、略直方体形状又は略立方体形状であり、底板1Eは完全に閉鎖されている。前板(側面板)1A、左板(側面板)1C、右板(側面板)1D、後板(境界板)1Bは垂直である。前板(側面板)1Aには上縁に波を入れる方形の切欠3が形成されている。また前板(側面板)1A内には(Aタンク1の内側)、下方に第1弁体4が設置されており、第1開閉扉4aはAタンク1内の下方の内側に設置されている。尚、上記切欠3は左板(側面板)1C、右板(側面板)1Dの上縁に設けても良い。また、上方は全面的に開口1aしている。Aタンク1とBタンク2は後板(境界板)1Bを介して前後に設けられている。Bタンク2も、同様に、例えば、略直方体形状又は略立方体形状であり、Bタンク2もAタンク1と同一の体積を有している。即ち、上記Aタンク(第1タンク)1には、上記側面板(前板1A又は左板1C又は右板1D)の上縁に波が入る切欠3が設けられている。
上記Bタンク2において、左板(側面板)2A、右板(側面板)2C、後板(側面板)2Bは垂直である。また、Bタンク2の底板2Dは完全に閉鎖されている。またBタンク2の上方は全面的に開口2aしている。Aタンク1とBタンク2は同一高さである。
また、上記Aタンク1内は、前板(側面板)1Aには下方の中央又は略中央には、第1弁体4の前面側の下方に方形の第1開口4dが形成されている。上記第1開閉扉4aはAタンク1の内側に設けられており、上記第1開閉扉4aの前面辺側(前方側)は、前板(側面板)1Aの内側を軸支4cされており、上記第1開閉扉4aは、上記軸支4cを中心として開閉可能(矢印C,D、図1参照)に構成されている。上記第1弁体4の基部の左右方向には傾斜側面4b,4bが形成されており、上記傾斜側面4b,4bは前方から後方に下り傾斜面が形成されており、その上面を上記第1開閉扉4aが閉鎖されている。尚、上記第1開閉扉4aは閉鎖状態では、前方から後方に向けて下り傾斜している(図3参照)。これは第1開閉扉4aの上面(表面側)と下面(裏面側)で水圧を感じ易くするためである。また、上記第1開閉扉4aの上面を表面側、下面を裏面側という。
直立板4eは、干潮の水位10bの高さまで設けられている(図3参照)。その上に、第1開閉扉4aが前方から後方に下り傾斜して閉鎖されている。また、満潮時(水位10a)は、Aタンク1内において、完全に水没するまで第1弁体4が下方に設けられている(図4参照)。尚、軸支4cは、第1開口4dの上辺に沿って設けられており、第1開口4dは前板(側面板)1Aの下方に設けられている。
上記第1弁体4の上記第1開閉扉4aは閉鎖されており、満潮時に又は満潮前から海面の圧力(水圧)により、第1開閉扉4aは軸支4cを中心として開き(矢印C方向、図1参照)、上記第1開口4dにより海水と上記Aタンク1が連通することになり、上記第1開口4dからAタンク1内に海水が流入する。上記第1弁体4の上記第1開閉扉4aが開いて(矢印C方向、図1参照)、上記Aタンク1内の水位11aが満潮時の水位10aと同様になり、それから海面は満潮から水位が下がりはじめ、Aタンク1外の海面の水位が下がったら(例えば干潮時)、Aタンク1内の水圧により第1開閉扉4aが閉鎖される(矢印D方向、図1参照)。
また、満潮から干潮になるとき、海面の水位が下がったら(水位10c、図3参照)、海面の水位10cより、Aタンク1の水位(例えば水位11b、図3参照)が、海面の水位10cより高くなり、これにより第1開閉扉4aが閉鎖される(図3参照)。或いは、干潮時(水位10b)により、上記Aタンク1の水位11bの方が高くなるので、第1開閉扉4aは閉鎖される(第1開閉扉4aの表面側の水圧>第1開閉扉4aの裏面側の水圧、図3参照)。
尚、上記第1弁体4(第1開口4d)は、上記Aタンク1内には前板(側面板)1Aの下方に設けられていたが、上記Aタンク1内の左板(側面板)1C、右板(側面板)1Dの下方の内側の中央又は略中央に設けても良い。この場合、第1開閉扉4aは、左板(側面板)1Cに設けた場合は、閉鎖時は左から右に下り傾斜することになり、上記第1開閉扉4aは、右板(側面板)1Dに設けた場合は、閉鎖時は右から左に下り傾斜することになる。これは第1開閉扉4aの上面(表面側)と下面(裏面側)で水圧を感じ易くするためである。
即ち、上記Aタンク(第1タンク)1には、上記後板(境界板)1Bを除く側面板(前板1A又は左板1C又は右板1D)の下方に第1開口4dが設けられ、上記Aタンク(第1タンク)1内には上記第1開口4dにつながる第1開閉扉4aを有する第1弁体4が設けられている。
上記Aタンク1の後板(境界板)1Bには、後板(境界板)1Bの中央の下方に、上記Bタンク2につなぐ小流水口5が構成されている。上記小流水口5は直方体形状の筒状又は円柱状の筒状であり、中に羽根車6が設置され、上記Aタンク1と上記Bタンク2の水位の差により(図3参照)、上記Aタンク1から上記Bタンク2への小流水口5内の水流により、羽根車6は同一方向に回転する。羽根車6が回転すると、その回転は、傘歯車20等を介して、軸7を回転させ、発電機8に接続され、上記発電機8のロータ軸を回転するので、そこで発電することができる(図10参照)。上記小流水口5、上記羽根車6、傘歯車20、上記軸7、上記発電機8は、複数設けても良い。但し、上記Aタンク1と上記Bタンク2の水位の差により、小流水口5の羽根車6を回しているので、上記Aタンク1と上記Bタンク2の水位の差(引力発電)を常に考慮しなければならない。
即ち、上記Bタンク(第2タンク)2には、上記Aタンク(第1タンク)1の水位と上記Bタンク(第2タンク)2の水位の差により、上記小流水口5から上記Aタンク(第1タンク)1から上記Bタンク(第2タンク)2に海水が流れ込み、このときに上記羽根車6が回転して上記発電機8の発電が継続される。
Bタンク2は、Aタンク1と同一体積(例えば、略直方体形状又は略立方体形状)に形成されており、後板(側面板)2B外には、海側(後方側)に第2弁体9が設置されており、第2開閉扉9aは後板(側面板)2Bの海側(後方側)に設置されている。
上記第2弁体9は後板(側面板)2Bの海側(後方)に設置されており、該後板(側面板)2Bの下方の中央又は略中央には、上記第2弁体9につながる方形の第2開口9dが開口形成されている。そして、第2弁体9は第2開口9dに沿って、後板(側面板)2Bの海側(後面側)に設置されている。上記第2開閉扉9aは、後板(側面板)2B側を第2開閉扉9aの前面辺側(前方側)に軸支9cされており、開閉可能(矢印C,D方向、図1参照)に構成されている。上記第2弁体9の基部の左右方向には傾斜側面9b,9bが形成されており、上記傾斜側面9b,9bは前方から後方に下り傾斜面が形成され、その上面を上記第2開閉扉9aが閉鎖されている(矢印D方向、図1参照)。尚、上記第2開閉扉9aは閉鎖状態では、前方から後方に向けて下り傾斜している。これは第2開閉扉9aの上面(表面側)と下面(裏面側)で水圧を感じ易くするためである。また、上記第2開閉扉9aの上面を表面側、下面を裏面側という。
直立板9eは、干潮の水位10bの高さまで設けられている(図3参照)。その上に、第1開閉扉9aが前方から後方に下り傾斜して閉鎖されている。また、満潮時(水位10a)は、Bタンク2外において、完全に水没するまで第1弁体9が設けられている(図4参照)。尚、軸支9cは、第1開口9dの上辺に沿って設けられており、第1開口9dは後板(側面板)2Bの後方の下方に設けられている。
上記第2弁体9の第2開閉扉9aは閉鎖されており、干潮において、又は、干潮になる以前に、上記Bタンク2内の海水の水位が上昇すると、その水圧で上記第2開閉扉9aは軸支9cを中心として開かれる(矢印C方向、図1参照)。
尚、上記第2弁体9(第2開口9d)は、上記Bタンク2には後板(側面板)2Bの下方に設けられていたが、上記Bタンク2外の左板(側面板)2A、右板(側面板)2Cの各外側の下方の中央又は略中央に設けても良い。この場合、第2開閉扉9aは、左板(側面板)2Aに設けた場合は、閉鎖時は右から左に下り傾斜することになり、上記第2開閉扉9aは、右板(側面板)2Cに設けた場合は、閉鎖時は左から右に下り傾斜することになる。これは第2開閉扉9aの上面(表面側)と下面(裏面側)で水圧を感じ易くするためである。
このように、上記Bタンク(第2タンク)2には、上記後板(境界板)1Bを除く側面板(後板2B又は左板2A又は右板2C)の下方に第2開口9dが設けられ、上記Bタンク(第2タンク)2外には上記第2開口9dにつながる第2開閉扉9aを有する第2弁体9が設けられている。
また、上記第2弁体9は、後面側には直立板9eが設けられており、これが1日目の約6時間後(水位12a)には、上記直立板9eの高さまで、溜り水13となって、ここに溜まることになる(図3参照)。
また、上記第1開閉扉4aは、何れも上記Aタンク1内の水位11cが低下して(図4参照)、該Aタンク1外が、満潮時の水位10aのときに(水位11c<水位10a)、或いは満潮の水位前に(水位11c<水位10e、図4参照)、満潮時の水位10a又は満潮前の水位10eの水圧により第1開閉扉4aが開き(矢印C方向、図4参照)、海水がAタンク1に流入する。満潮時は第1開閉扉4aは開いたままとなる。
また、干潮時に(水位10b、図6参照)、上記Bタンク2内の海水の水位が高くなると(水位12a’、図6参照)、上記第2開閉扉9aが開き、上記Bタンク2内の海水が流出する。また、上記第2開閉扉9aは、満潮時の海水の水位10aの水圧により閉鎖される(図7参照)。
上記Aタンク(第1タンク)1と上記Bタンク(第2タンク)2は、略直方体形状又は略立方体形状であり、上記Aタンク(第1タンク)1と上記Bタンク(第2タンク)2は同一体積である。
陸側を前方側、海側を後方側とすると、上記Aタンク(第1タンク)1と上記Bタンク(第2タンク)2は前後に設けられており、上記Aタンク(第1タンク)1内の上記第1開閉扉4aは前方側が上記側面板1Aに軸支4cされており、第1開閉扉4aは閉鎖時は前方から後方側に向けて下り傾斜しており、上記Bタンク(第2タンク)2外の上記第2開閉扉9aは前方側が上記側面板2Bに軸支9cされており、第2開閉扉9aは閉鎖時は前方から後方側に向けて下り傾斜している。
次に、潮力及び引力を利用した発電装置の動作を説明する。
1 干潮から満潮へ(1日前の干潮から1日目の満潮、図2参照)
図2は干潮から満潮時の海面(水位10a)を示すものであり、満潮時の水位10a(1日前の干潮から約6時間経過後、図2参照)に至るまで海水が、上記第1弁体4の上記第1開閉扉4aは、上記Aタンク1外の海面の水圧により開口され(第1開閉扉4aの表面側の水圧<第1開閉扉4aの裏面側の水圧、矢印C方向、図2参照)、或いは満潮前の水位10eとなるので(1日前の干潮から約5時間経過後、図2参照)、第1開閉扉4aが開口され(矢印C方向、図2参照)(Aタンク1内の水位11a”の海水の水圧<海面の満潮前の水位10eの水圧)、上記第1開口4dから海水が上記Aタンク1内に流入し(矢印E、図2参照)、該Aタンク1の水位が上昇し、満潮時の水位10aと同程度になる(水位11a、図2参照)。或いは、波等により切欠3から波が入り、上記Aタンク1の水位が満潮時より高くなる(水位11a’、図2参照)。ここで、Aタンク1の水位が満潮の水位10aより高くなるのは(水位11a’)、Aタンク1とBタンク2の水位の差をつけるためである。上記第1開閉扉4aは、満潮時は開いたままとなる(図2参照)。尚、満潮時から干潮時の海面の水位が、Aタンク1(水位11b等、図3参照)より低くなると(水位10c(満潮から約3時間経過後)、図3参照)、第1開閉扉4aは閉鎖される(図3参照)。満潮時の水位10aは大潮と小潮で異なる。
ここで、満潮時は上記Aタンク1内の海水の水位11aは(図2参照)、Aタンク1内の海水は、Aタンク1とBタンク2の水位の差により、徐々に小流水口5からBタンク2に流出し(矢印F、図2参照)、満潮から干潮への移行は約6時間を要するので、干潮時(水位10b、図3参照)にはAタンク1の海水の水位は徐々に低下し、約6時間後の水位11bとなる(図3参照)。水位11aから水位11bはT1=約40cmとする(図3参照)。このとき、約6時間の間、Aタンク1とBタンク2の水位の差により、上記Aタンク1から上記Bタンク2への上記小流水口5への水流により、上記羽根車6を回し、傘歯車20を介して、その回転は上記軸7を回転させ、上記発電機8が発電する。
この間、上記Bタンク2には、Aタンク1とBタンク2の水位の差により、上記小流水口5よりAタンク1の海水がBタンク2に流入し、上記Bタンク2の水位が上昇する。上記Bタンク2の水位の上昇は、該Bタンク2はAタンク1と同一体積なので、該Bタンク2の水位12aの上昇は、干潮時(水位10b)には、T2=約40cmとなる(図3参照)。
ここで上記Aタンク1の水位11aと、上記Bタンク2の水位12aの水位の差により、Aタンク1からBタンク2への上記小流水口5の水流により羽根車6を回して発電するので、これを引力発電という。
2 満潮から干潮へ(1日目、約6時間経過)図3参照
上記Bタンク2の外側は、干潮時の水位10bなので、この時は、第2弁体9の第2開閉扉9aは閉鎖されている。満潮(水位10a)から干潮(水位10b)までは、海面は、徐々に水位が減少する。この満潮から干潮までは約6時間経過する。
干潮になっても(水位10b、図3参照)、上記Bタンク2の水位12aは約6時間後のT2=約40cmなので、上記第2弁体9の第2開閉扉9aは、依然として閉鎖されている。満潮から干潮に至る間(約6時間)、Aタンク1とBタンク2の水位の差に基づく、上記小流水口5の流水により、羽根車6は回転しているので(矢印F方向、図3参照)、傘歯車20を介して、軸7を回転させ、約6時間の間、上記発電機8は発電を継続する。尚、大潮と小潮で干潮の水位は異なる。
この間、満潮(水位10a)から干潮(水位10b)に移行するとき、上記Aタンク1の水位11bの方が高くなるので(例えば、海面の水位10c(満潮から約3時間後)、図3参照)、第1開閉扉4aは閉鎖される(第1開閉扉4aの表面側の水圧>第1開閉扉4aの裏面側の水圧)。或いは、干潮時(水位10b、満潮から約6時間経過後)により、Aタンク1の水位11bの方が高くなるので(図3参照)、第1開閉扉4aは閉鎖される(第1開閉扉4aの表面側の水圧>第1開閉扉4aの裏面側の水圧、図3参照)。
このように、上記Aタンク(第1タンク)1には、満潮時(水位10a、1日前の干潮から約6時間経過後)に、又は満潮前から(水位10e、1日前の干潮から約5時間経過後、図2参照)、上記第1開閉扉4aが開いて上記Aタンク(第1タンク)1内に海水が流入され、上記Aタンク(第1タンク)1には満潮と同様の水位11aとなり(図2参照)、満潮から干潮になるとき(満潮から約6時間経過後)、上記Aタンク(第1タンク)1内の水位11bにより上記第1開閉扉4aは閉鎖される(図3参照)。
3 干潮から満潮へ(1日目、約12時間経過)図4参照
干潮(水位10b)から満潮(水位10a)へは約6時間(1日目、約12時間経過)を要するので、海面は、徐々に水位は上昇する。上記Aタンク1と上記Bタンク2の水位の差により、上記Aタンク1内の海水の水位は、上記Bタンク2に流出するので、該Aタンク1内の水位11bは徐々に低下していく。干潮から満潮には約6時間(1日目、約12時間)を要するので、約6時間後の上記Aタンク1の水位は徐々に低下して水位11cとなる(図4参照)。
この間、上記Aタンク1内の海水は、Aタンク1とBタンク2の水位の差により、徐々に上記小流水口5から上記Bタンク2に移行し、干潮から満潮への移行は約6時間(1日目、約12時間経過後)を要するので、満潮時にはAタンク1の水位は約6時間後の水位11cとなる(図4参照)。上記Aタンク1の水位11bから水位11cはT1=約40cmとする。このとき、約6時間の間(1日目、約12時間の間)、上記小流水口5の流水が、羽根車6を回して、傘歯車20を介して、上記軸7を回転させ、上記発電機8が発電を継続する。
また、上記Aタンク1の海水の水位は水位11cとなるが、該Aタンク1内の海水の水位(水位11cより高い水位、水位11bと水位11cの中間程度、干潮になってから約3時間経過程度、海面の水位10d、図4、図5参照)により、該Aタンク1内の海水の水圧により、上記第1弁体4の第1開閉扉4aは閉鎖されている。ここでは、Aタンク1外の海面は、まだ満潮の水位10aに達していないとする(例えば、海面の水位10d(干潮になってから約3時間程度)、図4、図5参照)。
上記Bタンク2内の水位は、Aタンク1とBタンク2の水位の差により、約6時間後(1日目、約12時間経過後)には水位12bとなり(図4参照)、水位12aよりもT2=約40cm上昇する。しかしながら、海面の水位は満潮時の水位10aとなっているので、満潮時の水位10aの海面の水圧により、第2弁体9の上記第2開閉扉9aは開かない(第2開閉扉9aの表面側の水圧>第2開閉扉9aの裏面側の水圧、図4参照)。
上記Aタンク1の水位は、水位11cとなっているので、水位が低下しており(Aタンク1内の水圧が低下しており)、上記Aタンク1外は、約6時間後(1日目、約12時間経過後)は満潮時の水位10aとなるので(図4参照)、上記Aタンク1外の水位10aの水圧により(Aタンク1内の水位11cの海水の水圧<海面の満潮時の水位10aの水圧)、或いは、満潮前の水位10e(>水位11c)となるので(1日目、約11時間経過後(約6時間+約5時間))(図4参照)(Aタンク1内の水位11cの海水の水圧<海面の満潮前の水位10eの水圧)(上記第1開閉扉4aの表裏の水圧は、裏面側の方が高くなるので)、上記第1開閉扉4aが開き(矢印C方向、図4参照)、海水が上記第1開口4dから上記Aタンク1内に流入し(矢印E方向、図4参照)、該Aタンク1内の海水は、水位11cから上昇し、満潮時の水位10aと同程度になる(Aタンク1内の水位11a、図5参照)。さらに波等により上記切欠3から波が入り、上記Aタンク1内の水位が満潮時より高くなる(水位11a’、図4,5参照)。ここで、Aタンク1の水位が満潮の水位10aより高くなるのは(水位11a’)、Aタンク1とBタンク2の水位の差をつけるためである。上記第1開閉扉4aは、満潮時は開いたままとなる(図4、図5参照)。
ここで、上記Aタンク1の水位11cと、上記Bタンク2の水位12bの水位の差により発電が継続する(引力発電)。
4 満潮から干潮へ(1日目、約18時間経過)図6参照
満潮から干潮時には約6時間(1日目、約18時間経過後)を要するので、海面の水位は徐々に低下していく。また、上記Aタンク1内の水位11aは、Aタンク1とBタンク2の水位の差により、上記小流水口5から上記Bタンク2に流出するので、水位は徐々に低下していく。満潮から干潮には約6時間(1日目、約18時間経過後)を要するので、約6時間後の上記Aタンク1の水位11aは低下して水位11bとなる(図6参照)。
この間、上記Aタンク1の海水は、Aタンク1とBタンク2の水位の差により、徐々に上記小流水口5から上記Bタンク2に移行し、満潮から干潮への移行は約6時間(1日目、約18時間経過後)を要するので、干潮時にはAタンク1の水位は約6時間後の水位11bとなる。水位11aから水位11bはT1=約40cmとする。このとき、Aタンク1とBタンク2の水位の差により、上記Aタンク1から上記Bタンク2への上記小流水口5の水流により、約6時間の間(1日目、約18時間の間)、上記羽根車6を回して、傘歯車20を介して、軸7を回転させ、上記発電機8が発電を継続する。
満潮(水位10a)から干潮(水位10b)に移行するとき、上記Aタンク1の水位11bの方が高くなるので(例えば、海面の水位10c(満潮から約3時間経過後)、図6参照)、第1開閉扉4aは閉鎖される(第1開閉扉4aの表面側の水圧>第1開閉扉4aの裏面側の水圧、図6参照)。或いは、干潮時(水位10b)により、Aタンク1の水位11bの方が高くなるので、第1開閉扉4aは閉鎖される(第1開閉扉4aの表面側の水圧>第1開閉扉4aの裏面側の水圧、図6参照)。
上記Bタンク2の水位は、約6時間後(1日目、約18時間経過後)には水位12a’となり、水位12bよりもT2=約40cm上昇する。海面の水位は干潮の水位10bとなっているので、上記Bタンク2内の海水の水圧(水位12a’)により、該Bタンク2の上記第2開閉扉9aが開き、第1開口9dから該Bタンク2から海水が流出する(第2開閉扉9aの裏面側の水圧>第2開閉扉9aの表面側の水圧、矢印G、図6参照)。干潮の水位10bと、Bタンク2の水位12a’は、Bタンク2の水位12a’が干潮の水位10bよりも高いことが条件となる。これにより、上記Aタンク1と上記Bタンク2の水位の差を維持する。
又は、干潮になる以前から(1日目、約17時間経過後(約6時間+約6時間+約5時間))、上記Bタンク2内の海水の水圧により、該Bタンク2の上記第2開閉扉9aが開き、第1開口9dから該Bタンク2から海水が流出する(矢印G、図6参照)。干潮になる以前の水位と、上記Bタンク2の水位は、Bタンク2の水位が、干潮になる以前の水位よりも高いことが条件となる。これにより、上記Aタンク1と上記Bタンク2の水位の差を維持する。
即ち、上記Bタンク(第2タンク)2には、干潮(1日目、約18時間経過後)、又は干潮になる以前(1日目、約17時間経過後(約6時間+約6時間+約5時間))から、上記Bタンク(第2タンク)2に溜まった海水の水圧により、上記第2開閉扉9aが開いて上記Bタンク(第2タンク)2の海水が流出され、これにより上記Aタンク(第1タンク)1と上記Bタンク(第2タンク)2の水位の差が維持される。
又は、波は、海面の水位より高く打ち寄せ、引くときは海面の水位より低くなるので、これにより干潮になる以前から(1日目、約17時間経過後(約6時間+約6時間+約5時間))、第2開閉扉9aが開いて、Bタンク2に溜まった水位(例えば、水位12bと水位12a’の中間等)が排水される。尚、上記Bタンク2の水位(例えば水位12bと水位12a’の中間等)が干潮の海面の水位より高いことが条件となる(第2開閉扉9aの裏面側の水圧>第2開閉扉9aの表面側の圧力、図6参照)。これにより、上記Aタンク1と上記Bタンク2の水位の差を拡大する。
波は海面の水位より高く打ち寄せ、引くときは海面の水位より低くなるので、上記Bタンク(第2タンク)2に溜まった海水の水圧により、干潮になる以前から(1日目、約17時間経過後(約6時間+約6時間+約5時間))、上記第2開閉扉9aが開いて、上記Bタンク(第2タンク)2に溜まった水位が排水され、これによって上記Aタンク(第1タンク)1と上記Bタンク(第2タンク)2の水位の差が拡大される。
ここで、上記Aタンク1の水位11bと、上記Bタンク2の水位12a’の水位の差により発電が継続する(引力発電)。
尚、1日目の約18時間経過後は、上記Bタンク2の水位12bと水位12a’の水圧により、上記第2開閉扉9aが開き、上記第2弁体9から上記Bタンク2の第2開口9dから海水が流出するが、最初の約6時間分の水位12aは溜り水13となって、直立板9eの高さまでは、上記Bタンク2からは流出しない。尚、干潮の深さ(水位)は、大潮と小潮で異なる。
5 干潮から満潮へ(1日目、約24時間経過)図7参照
干潮から満潮へは約6時間(1日目、約24時間)を要するので、海面の水位は徐々に上昇していく。Aタンク1とBタンク2の水位の差により、上記Aタンク1内の水位は、上記Bタンク2に流出するので、水位11bは徐々に低下していく。干潮から満潮には約6時間(1日目、約24時間経過後)を要するので、約6時間後の上記Aタンク1の水位11bは低下して水位11cとなる(図7参照)。
この間、上記Aタンク1内の海水は、Aタンク1とBタンク2の水位の差により、徐々に上記小流水口5から上記Bタンク2に移行し、干潮から満潮への移行は約6時間(1日目、約24時間後)を要するので、満潮時にはAタンク1の水位は約6時間後(1日目、約24時間後)の水位11cとなる。水位11bから水位11cはT1=約40cmとする。このとき、約6時間の間(1日目、約24時間の間)、Aタンク1とBタンク2の水位の差により、上記Aタンク1から上記Bタンク2への上記小流水口5の水流が、羽根車6を回して、傘歯車20を介して、軸7を回転させ、上記発電機8が発電を継続する。
また、上記Aタンク1の水位は水位11cとなるが、上記Aタンク1内の水位(水位11cより高い水位、水位11bと水位11cの中間程度(干潮になってから約3時間経過程度)、海面の水位10d、図7参照)により、上記Aタンク1内の海水の水圧により、上記第1開閉扉4aは閉鎖されている。ここでは、Aタンク1外の海面は、まだ満潮の水位10aに達していないとする(例えば、海面の水位10d(干潮より約3時間程度)、図7参照)。
上記Bタンク2の水位は、溜り水13(水位12a)の上に、約6時間後(1日目、約24時間後)には水位12b’となり、溜り水13の水位12aよりもT2=約40cm上昇する。しかしながら、海面の水位は満潮時の水位10aとなっているので、満潮時の水位10aの水圧により第2弁体9の上記第2開閉扉9aは開かない(第2開閉扉9aの表面側の水圧>第2開閉扉9aの裏面側の水圧、図7参照)。これにより、上記発電機8は、1日目の約24時間発電が継続する。
上記Aタンク1の水位は、水位11cとなっているので(水位11c<水位10a)、水位が低下しており(Aタンク1内の水圧が低下しており)、上記Aタンク1外は、約6時間後(1日目、約24時間経過後)は満潮時の水位10aとなるので(図7参照)、上記Aタンク1外の水位10aの水圧により(Aタンク1内の水位11cの海水の水圧<海面の満潮時の水位10aの水圧)、或いは満潮前の水位10e(>水位11c)となるので(1日目、約23時間経過後(約6時間+約6時間+約6時間+約5時間)(図7参照)(Aタンク1内の水位11cの海水の水圧<海面の満潮前の水位10eの水圧)(上記第1開閉扉4aの表裏の水圧は、裏面側の方が高くなるので)、上記第1開閉扉4aが開き(矢印C方向、図7参照)、海水が上記第1開口4dから上記Aタンク1内に流入し(矢印E方向、図7参照)、該Aタンク1内の海水は、水位11cから上昇し、満潮時の水位10aと同程度になる(水位11a、図5参照)。さらに波等により上記切欠3から波が入り、上記Aタンク1内の水位が満潮時より高くなる(水位11a’、図7,5参照)。ここで、Aタンク1の水位が満潮の水位10aより高くなるのは(水位11a’)、Aタンク1とBタンク2の水位の差をつけるためである。上記第1開閉扉4aは、満潮時は開いたままとなる(図7参照)。
ここで、上記Aタンク1の水位11cと、上記Bタンク2の水位12b’の水位の差により発電が継続する(引力発電)。
この状況(上記「5」(干潮から満潮)、図7参照)は、上記「3」(干潮から満潮)(図4参照)と同様であり、上記「4」(満潮から干潮)(図6参照)から、上記「5」(干潮から満潮)(図7参照)の繰り返しとなる。
即ち、2日目の約6時間経過後は、上記「4」(図6参照)(満潮から干潮)に移行し、上記Aタンク1の水位が、水位11aから水位11bとなり、上記Bタンク2の水位12bから水位12a’となり、上記第2開閉扉9aが開いて上記Bタンク2から海水が流出する(図6参照)。
又は、波は、海面の水位より高く打ち寄せ、引くときは海面の水位より低くなるので、これにより干潮になる以前から、上記第2開閉扉9aが開いて、Bタンク2に溜まった水位(例えば、水位12bと水位12a’の中間等)が排水される(図6参照)。尚、Bタンク2の水位(例えば水位12bと水位12a’の中間等)が現在の海面の水位より高いことが条件となる(第2開閉扉9aの裏面側の水圧>第2開閉扉9aの表面側の圧力)(図6参照)。これによって上記Aタンク1と上記Bタンク2の水位の差を拡大する。
2日目の約12時間経過後は、上記「5」(図7参照)(干潮から満潮)に移行し、上記第1開閉扉4aが開いて(矢印C方向、図7参照)、海水が該Aタンク1に流入し(矢印E方向、図7参照)、上記Aタンク1の海水の水位が水位11aとなる(図7,5参照)。上記第1開閉扉4aは、満潮時は開いたままとなる(図7参照)。上記Bタンク2の水位は水位12b’となる(図7参照)。
2日目の約18時間経過後は、上記「4」(図6参照)(満潮から干潮)に移行し、上記Aタンク1の水位が、水位11aから水位11bとなり、上記Bタンク2の水位が水位12a’となり、上記第2開閉扉9aが開いて、該Bタンク2から海水が流出する(図6参照)。
又は、波は、海面の水位より高く打ち寄せ、引くときは海面の水位より低くなるので、これにより干潮になる以前から、上記第2開閉扉9aが開いて、Bタンク2に溜まった水位(例えば、水位12bと水位12a’の中間等)が排水される(図6参照)。尚、Bタンク2の水位(例えば水位12bと水位12a’の中間等)が現在の海面の水位より高いことが条件となる(第2開閉扉9aの裏面側の水圧>第2開閉扉9aの表面側の圧力)(図6参照)。これにより、上記Aタンク1と上記Bタンク2の水位の差を拡大する。
2日目の約24時間経過後は、上記「5」(図7参照)(干潮から満潮)に移行し、上記第1開閉扉4aが開いて(矢印C方向、図7参照)、海水が上記Aタンク1に流入し(矢印E方向、図7参照)、上記Aタンク1の水位が水位11aとなる(図7、図5参照)。満潮時は、第1開閉扉4aは開いたままである。Bタンク2の水位は水位12b’となる。その後は、上記「4」(図6参照)から、上記「5」(図7参照)の繰り返しとなる。
このように、24時間の間、満潮と干潮とが各々2回繰り返すことにより、上記24時間の間、上記発電機8が発電を継続するものである。
(第2実施形態)
図8に本発明の第2実施形態を示す。図8に示す、14はAタンク(第1タンク)、15はBタンク(第2タンク)であり、干潟(海岸)に設置されている。尚、図8において、図面に向かって上方が、陸側、前、前面、前方、前方側といい、図面に向かって下方が、海側、後、後面、後方、後方側といい、幅方向(左板15C、右板14D間)は左右方向という。尚、同一構成のものは、第1の実施形態と同一符号を付し、原則的に説明は省略する。
上記Aタンク1と上記Bタンク2は、第1実施形態では前後に並んでいたが、第2実施形態では、Aタンク14とBタンク15は、中央板(境界板)14Eを中心に左右に並列している。上記Aタンク14は、略直方体形状又は略立方体形状であり、前板(側面板)14A、右板(側面板)14D、中央板(境界板)14Eは垂直であり、後板(側面板)14Cの上縁は前方に傾斜している。また、底板14Fは完全に閉鎖されている。上記Aタンク14の後板(側面板)14Cの上縁は前方に傾斜しており(傾斜角度は鉛直線から前方に30度程度)、これは波が入り易くするためである。また、切欠3は、Aタンク14の右板(側面板)14Dの上縁に設けられている。尚、切欠3は前板(側面板)14A、後板(側面板)14Cの各上縁に設けても良い。また、開口14aは全面的に開口している。上記Aタンク14と上記Bタンク15は同一体積ではない。
上記Aタンク14は、後板(側面板)14Cの上縁が前方に傾斜しているので、深くなる程、体積が増加する。よって、Aタンク14の減る海水は深くなる程、水位は低下し難くなり、よって、Aタンク14内の海水の水位は、T1=約35cm~約34cm程度とする(Aタンク14とBタンク15の水位の差により、上記Aタンク14から上記Bタンク15に海水が、小流水口5により流出することによる、約6時間にて)。上記Bタンク15に上記Aタンク14の海水が小流水口5により流出するが、上記Bタンク15の水位の上昇はT2=約30cm程度(約6時間にて)とする。
また、第1実施形態では、第1弁体4は、上記Aタンク1内の前板(側面板)1Aの下方の中央又は略中央に設けられていたが、上記第1弁体4は、後板(側面板)14Cの上記Aタンク14内の内側の下方の中央又は略中央に設けられており、第1開閉扉4a、傾斜側面4b,4b、第1開口4d(後板(側面板)14Cの下方の中央又は略中央)、軸支4c、直立板4eは、第1実施形態と同一構成である。また、第1実施形態と異なることは、傾斜側面4b,4bは、後方から前方に向けて下り傾斜している点である。よって第1開閉扉4aは、閉鎖状態では、後方から前方に向けて下り傾斜している。これは、第1開閉扉4aの上面(表面側)と下面(裏面側)で水圧を感じ易くするためのである。
尚、上記第1弁体4(第1開口4d)は、Aタンク14内の上記前板(側面板)14Aの内側の下方の中央又は略中央、Aタンク14内の上記右板(側面板)14Dの内側の下方の中央又は略中央に設けても良い。また、前板(側面板)14Aの下方の中央又は略中央に設けた場合は、第1開閉扉4aは閉鎖時は、前方から後方に下り傾斜しており、右板(側面板)14Dの下方の中央又は略中央に設けた場合は、第1開閉扉4aは閉鎖時は、右方から左方に下り傾斜している。これは第1開閉扉4aの上面(表面側)と下面(裏面側)で水圧を感じ易くするためである。
即ち、上記Aタンク(第1タンク)14には、上記中央板(境界板)14Eを除く側面板(後板14C又は右板14D又は前板14A)の下方に第1開口4dが設けられ、上記Aタンク(第1タンク)14内には上記第1開口4dにつながる第1開閉扉4aを有する第1弁体4が設けられている。
また、Aタンク14からBタンク15へは、Bタンク15につなぐ上記小流水口5が設けられており、内部に羽根車6が設けられ、羽根車6と発電機8とは傘歯車20等を介して軸7で接続されており(図10参照)、Aタンク14とBタンク15の水位の差により、上記小流水口5を介してAタンク14からBタンク15に海水が流出すると、羽根車6が同一方向に回転し、傘歯車20を介して、軸7が回転し、上記発電機8のロータ軸を回転し、発電が行われる(図10参照)。上記小流水口5、上記羽根車6、上記軸7、上記発電機8は、複数設けても良い。但し、上記Aタンク14と上記Bタンク15の水位の差により、小流水口5の羽根車6を回しているので、上記Aタンク14と上記Bタンク15の水位の差(引力発電)を常に考慮しなければならない。
即ち、上記Bタンク(第2タンク)15には、上記Aタンク(第1タンク)14の水位と上記Bタンク(第2タンク)15の水位の差により、上記小流水口5から上記Aタンク14から上記Bタンク(第2タンク)15に海水が流れ込み、このときに上記羽根車6が回転して上記発電機8の発電が継続される。
上記Bタンク15は、例えば、略直方体形状又は略立方体形状であり、底板15Eは完全に閉鎖されおり、開口15aは全面的に開口している。上記Bタンク15は、前板(側面板)15A、後板(側面板)15B、左板(側面板)15Cは垂直である。開口15aの上縁には波返し16が設けられている。上記波返し16は、後板(側面板)15Bの上縁に逆反り状に設けられており(逆反り状の傾斜角度は鉛直線から後方に30度程度)、上記Aタンク14と上記Bタンク15の中央板(境界板)14Eの上縁に、直線的(延長板)に波返し16Aが設けられ、左板(側面板)15Cの上縁に直線的(延長板)に波返し16Bが設けられている。これは、Bタンク15内に波が入らないようにするためである。尚、Bタンク15とAタンク14は、波返し16(延長板)の分、同一高さではない。Bタンク15が波返し16(延長板)の分、背が高い。
第2弁体9は後板(側面板)15Bの下方の中央又は略中央の海側(後方)に設けられており、これは図1(第1実施形態)と同様である。また、第2弁体9は、第2開閉扉9a、傾斜側面9b,9b、第2開口9d(上記後板(側面板)15Bの中央又は略中央の下方)、軸支9c、直立板9eは、第1実施形態と同一構成である。また、第2開閉扉9aは、閉鎖状態では前方から後方に向けて下り傾斜している。これは、第2開閉扉9aの上面(表面側)と下面(裏面側)で水圧を感じ易くするためのである。
尚、上記第2弁体9(第2開口9d)は、Bタンク15外の上記前板(側面板)15Aの外側の下方(海側)の中央又は略中央、上記左板(側面板)15Cの外側の下方(海側)の中央又は略中央に設けても良い。また、第2開閉扉9aは、前板(側面板)15Aの外側の下方の中央又は略中央に設けた場合は、閉鎖時は、後方から前方に向けて下り傾斜している。さらに、上記第2開閉扉9aを、左板(側面板)15Cの外側の下方の中央又は略中央に設けた場合は、第2開閉扉9aは、閉鎖時は、右側から左側に下り傾斜している。これは第1開閉扉4aの上面(表面側)と下面(裏面側)で水圧を感じ易くするためである。
このように、上記Bタンク(第2タンク)15には、上記中央板(境界板)14Eを除く側面板(後板15B又は前板15A又は左板15C)の下方に第2開口9dが設けられ、上記Bタンク(第2タンク)15外には上記第2開口9dにつながる第2開閉扉9aを有する第2弁体9が設けられている。
次に、第2実施形態の動作は、1日目の24時間は、第1実施形態の上記「1」(図2参照)(第1実施形態)から、上記「5」(図7参照)(第1実施形態)と同様である。
尚、第2実施形態では、上記Aタンク14と上記Bタンク15が同一体積ではないので、Aタンク14の減る海水と、Bタンク15に溜まる海水は、同一水位とはならないが、動作は略同一となる。
上記「1」(1日目、図2参照)から、上記「5」(1日目、約24時間経過、図7参照)は、第1実施形態と同様とする(上記Aタンク14の減る水位T1と上記Bタンク15の増加する水位T2は同一ではないが)。
上記第1弁体4は、Aタンク14内の後板(側面板)14Cに位置しているが、第1実施形態の第1弁体4の動作と同様である。また、上記Aタンク14と上記Bタンク15は同一体積ではないが、約6時間後の上記Aタンク14の減る量はT1=約35cm~約34cm(Aタンク14とBタンク15の水位の差により、Aタンク14からBタンク15に流れる小流水口5の海水による水位、約6時間で)、上記Bタンク15に入る量(増える水位)はT2=約30cm(約6時間で)とする。
図2の動作は、第1実施形態と同様である。Aタンク14内の水位は水位11a、Aタンク14外の海面の水位は満潮時の水位10aとする。
上記Aタンク(第1タンク)14と上記Bタンク(第2タンク)15は、略直方体形状又は略立方体形状であり、上記境界板14Eを介して並列して設けられたものであり、上記Aタンク(第1タンク)14には、海側の上記側面板14Cの上縁を陸側に傾斜させ、波が入り易くしたものであり、上記Bタンク(第2タンク)15には、海側の上記側面板15Bの上縁には、海側に傾斜した逆反り状の波返し16が設けられている。
6 満潮から干潮(1日目、約6時間経過後、図3参照)
上記Aタンク14外の海面の水位は、約6時間の間(1日目、約6時間経過後)には、海面の水位10aは徐々に低下していく。そして、Aタンク14内の海水は、Aタンク14とBタンク15の水位の差により、徐々に小流水口5からBタンク15に流出し(矢印F方向、図3参照)、満潮から干潮への移行は約6時間(1日目)を要するので、干潮時にはAタンク14の水位11aは約6時間後の水位11bとなる(図3参照)。水位11aから水位11bはT1=約35cmとする。このとき、約6時間の間、上記Aタンク14から上記Bタンク15への水流(小流水口5)が羽根車6を回して、傘歯車20を介して、上記軸7を回転させ、上記発電機8が発電を継続する。
この間、Bタンク15には、上記小流水口5よりAタンク14の海水がBタンク15に流入し(矢印F方向、図3参照)、上記Bタンク15の水位が上昇する。上記Bタンク15の水位の上昇は、該Bタンク15の水位12aの上昇は、T2=約30cmとなる(図3参照)。
ここで、上記Bタンク15の外側は、干潮時の水位10bなので、このときの上記第2弁体9の上記第2開閉扉9aは開かない(図3参照)。
この間、満潮(水位10a)から干潮(水位10b)に移行するとき、上記Aタンク14の水位11bの方が高くなるので(例えば、海面の水位10c、図3参照)、第1開閉扉4aは閉鎖される(第1開閉扉4aの表面側の水圧>第1開閉扉4aの裏面側の水圧)。或いは、干潮時(水位10b)により、Aタンク14の水位11bの方が高くなるので、第1開閉扉4aは閉鎖される(第1開閉扉4aの表面側の水圧>第1開閉扉4aの裏面側の水圧、図3参照)。
このように、上記Aタンク(第1タンク)14には、満潮時(水位10a、1日前の干潮から約6時間経過後)に、又は満潮前から(水位10e、1日前の干潮から約5時間経過後、図2参照)、上記第1開閉扉4aが開いて上記Aタンク(第1タンク)14内に海水が流入され、上記Aタンク(第1タンク)14には満潮と同様の水位11aとなり(図2参照)、満潮から干潮になるとき(満潮から約6時間経過後)、上記Aタンク(第1タンク)14の水位11bにより上記第1開閉扉4aは閉鎖される(図3参照)。
7 干潮から満潮(1日目、約12時間経過後、図4参照)
干潮から満潮には約6時間(1日目、約12時間経過後)を要するので、海面は徐々に上昇していく。上記Aタンク14の水位11bは、干潮から満潮時には約6時間(1日目、約12時間後)を要するので、上記Aタンク14の海水の水位は、Aタンク14とBタンク15の水位の差により、上記Bタンク15に移行するので、該Aタンク14の水位11bは徐々に低下していく。干潮から満潮には約6時間(1日目、約12時間)を要するので、約6時間後の上記Aタンク14の水位は徐々に低下して水位11cとなる(図4参照)。
この間、上記Aタンク14内の海水は、Aタンク14とBタンク15の水位の差により、徐々に上記小流水口5から上記Bタンク15に移行し、干潮から満潮への移行は約6時間(1日目、約12時間経過後)を要するので、満潮時にはAタンク14の水位は約6時間後の水位11cとなる(図4参照)。上記Aタンク14の水位11bから水位11cはT1=約34cmとする。このとき、約6時間の間(1日目、約12時間の間)、水流(上記小流水口5)が羽根車6を回して、傘歯車20を介して、上記軸7が回転させ、上記発電機8が発電を継続する。
また、上記Aタンク14の水位は水位11cとなるが、該Aタンク14内の海水の水位(水位11cより高い水位、水位11bと水位11cの中間程度、干潮になってから約3時間程度、海面の水位10d、図4、図5参照)により、上記Aタンク14内の海水の水圧により、上記第1弁体4の上記第1開閉扉4aは閉鎖されている。ここでは、Aタンク外の海面は、まだ満潮の水位10aに達していないとする(例えば海面の水位10d(干潮より約3時間程度)、図4、図5参照)。
上記Bタンク15の水位は、約6時間後(1日目、12時間経過後)には水位12bとなり、溜り水13の水位12aよりもT2=約30cm上昇する(図4参照)。しかしながら、海水の水位は満潮時の水位10aとなっているので、満潮時の水位10aの海水の水圧により上記第2弁体9の第2開閉扉9aは開かない(第2開閉扉9aの表面側の水圧>第2開閉扉9aの裏面側の水圧、図4参照)。
上記Aタンク14の水位は、水位11cとなっているので、水位が低下しており(Aタンク14内の水圧が低下しており)、上記Aタンク14外は、約6時間後(1日目、約12時間経過後)は満潮時の水位10aとなるので(図4参照)、上記Aタンク14外の水位10aの水圧により(Aタンク14内の水位11cの海水の水圧<海面の満潮時の水位10aの水圧)、或いは、満潮前の水位10e(>水位11c)となるので(1日目、約11時間経過後(約6時間+約5時間))(図4参照)、(Aタンク1内の水位11cの海水の水圧<海面の満潮前の水位10eの水圧)(上記第1開閉扉4aの表裏の水圧は、裏面側の方が高くなるので)、上記第1開閉扉4aが開き(矢印C方向、図4参照)、海水が上記第1開口4dから上記Aタンク14内に流入し(矢印E方向、図4参照)、該Aタンク14内の海水は、水位11cから上昇し、満潮時の水位10aと同程度になる(Aタンク14内の水位11a、図4、図5参照)。さらに波等により上記切欠3から波が入り、後板(側面板)14Cから波がAタンク14内に入り、上記Aタンク14内の水位が満潮時より高くなる(水位11a’、図4、図5参照)。ここで、Aタンク14の水位が満潮の水位10aより高くなるのは(水位11a’)、Aタンク14とBタンク15の水位の差をつけるためである。上記第1開閉扉4aは満潮時は開いたままとなる。
ここで、上記Aタンク14の水位11cと、上記Bタンク15の水位12bの水位の差により発電が継続する(引力発電)。
8 満潮から干潮(1日目、約18時間経過後、図6参照)
上記Aタンク14外の海面は、満潮から干潮には約6時間(1日目、約18時間経過後)を要するので、海面は徐々に低下する。上記Aタンク14内の水位11aは、Aタンク14とBタンク15の水位の差により、上記小流水口5から上記Bタンク15に流出するので、満潮から干潮時には約6時間(1日目、約18時間経過後)を要するので、約6時間後の上記Aタンク14の水位11aは低下して、水位11bとなる(図6参照)。
この間、上記Aタンク14内の海水は、Aタンク14とBタンク15の水位の差により、徐々に上記小流水口5から上記Bタンク15に移行し、満潮から干潮への移行は約6時間(1日目、約18時間経過後)を要するので、干潮時には上記Aタンク14の水位は約6時間後の水位11bとなる。水位11aから水位11bはT1=約35cmとする。このとき、Aタンク14とBタンク15の水位の差により、上記Aタンク14から上記Bタンク15への水流により(小流水口5)、約6時間の間(1日目、約18時間の間)、羽根車6を回して、傘歯車20を介して、上記軸7が回転させ、上記発電機8が発電を継続する。
また、満潮(水位10a)から干潮(水位10b)に移行するとき、上記Aタンク14内の水位11bの方が高くなるので(例えば、海面の水位10c、図6参照)、第1開閉扉4aは閉鎖される(第1開閉扉4aの表面側の水圧>第1開閉扉4aの裏面側の水圧)。或いは、干潮時(水位10b)により、Aタンク14の水位11bの方が高くなるので、第1開閉扉4aは閉鎖される(第1開閉扉4aの表面側の水圧>第1開閉扉4aの裏面側の水圧、図6参照)。Aタンク14外は、干潮時の水位10bとなっている。
上記Bタンク15の水位は、約6時間後(1日目、約18時間経過後)には水位12a’となり、水位12bよりもT2=約30cm上昇する。海面の水位は干潮時の水位10bとなっているので、上記Bタンク15内の海水の水圧により、該Bタンク15の上記第2開閉扉9aが開き(第2開閉扉9aの裏面側の水圧>第2開閉扉9aの表面側の水圧)、該Bタンク15から海水が流出する(矢印G、図6参照)。干潮の水位10bと、Bタンク15の水位12a’は、Bタンク15の水位12a’が干潮の水位10bよりも高いことが条件となる。これにより、上記Aタンク14と上記Bタンク15の水位の差を維持する。
又は、干潮になる以前から(1日目、約17時間経過後(約6時間+約6時間+約5時間))、上記Bタンク15内の海水の水圧により、該Bタンク15の上記第2開閉扉9aが開き、第1開口9dから該Bタンク15から海水が流出する(矢印G、図6参照)。干潮になる以前の水位と、上記Bタンク15の水位は、Bタンク15の水位が、干潮になる以前の水位よりも高いことが条件となる。これにより、上記Aタンク14と上記Bタンク15の水位の差を維持する。
即ち、上記Bタンク(第2タンク)15には、干潮(1日目、約18時間経過後)又は干潮になる以前(1日目、約17時間経過後(約6時間+約6時間+約5時間))から、上記Bタンク(第2タンク)15に溜まった海水の水圧により、上記第2開閉扉9aが開いて上記Bタンク(第2タンク)15の海水が流出され、これにより上記Aタンク(第1タンク)14と上記Bタンク(第2タンク)15の水位の差が維持される。
又は、波は、海面の水位より高く打ち寄せ、引くときは海面の水位より低くなるので、これにより干潮になる以前から(1日目、約17時間経過後(約6時間+約6時間+約5時間))、第2開閉扉9aが開いて、Bタンク15に溜まった水位(例えば、水位12bと水位12a’の中間等)が排水される。尚、Bタンク15の水位(例えば水位12bと水位12a’の中間等)が干潮の海面の水位より高いことが条件となる(第2開閉扉9aの裏面側の水圧>第2開閉扉9aの表面側の水圧、図6参照)。これにより、上記Aタンク14と上記Bタンク15の水位の差を拡大する。
波は海面の水位より高く打ち寄せ、引くときは海面の水位より低くなるので、上記Bタンク(第2タンク)15に溜まった海水の水圧により、干潮になる以前から(1日目、約17時間経過後(約6時間+約6時間+約5時間))、上記第2開閉扉9aが開いて、上記Bタンク(第2タンク)15に溜まった水位が排水され、これによって上記Aタンク(第1タンク)14と上記Bタンク(第2タンク)15の水位の差が拡大される。
尚、1日目の約18時間経過後は、水位12bと水位12a’の水圧により、第2開閉扉9aが開き、第2弁体9から2回分(水位12bと水位12a’)が流出するが、最初の約6時間分の水位12aは溜り水13となって、直立板9eの高さまでは、Bタンク15からは流出しない。
ここで、上記Aタンク14の水位11bと、上記Bタンク15の水位12a’の水位の差により発電が継続する(引力発電)。
9 干潮から満潮(1日目、約24時間経過後、図7参照)
干潮から満潮には約6時間(1日目、約24時間経過後)を要するので、上記Aタンク14外の海面の水位は徐々に上昇する。上記Aタンク14内の水位11bは、Aタンク14とBタンク15の水位の差により、Bタンク15に移行するので、徐々に低下していく。干潮から満潮には約6時間(1日目、約24時間経過後)を要するので、約6時間後のAタンク14の水位11bは低下して水位11cとなる(図7参照)。
この間、Aタンク14内の海水は、Aタンク14とBタンク15の水位の差により、徐々に上記小流水口5からBタンク15に移行し、干潮から満潮への移行は約6時間(1日目、約24時間後)を要するので、満潮時にはAタンク14の水位は約6時間後(1日目、約24時間後)の水位11cとなる。水位11bから水位11cはT1=約34cmとする。このとき、Aタンク14とBタンク15の水位の差により、Aタンク14からBタンク15への水流により(上記小流水口5)、約6時間の間(1日目、24時間の間)、羽根車6を回して、傘歯車20を介して、上記軸7を回転させ、上記発電機8が発電を継続する。
また、Aタンク14の水位は水位11cとなるが、上記Aタンク14内の水位(水位11cより高い水位、水位11bと水位11cの中間程度、干潮になってから約3時間程度、海面の水位10d、図7参照)により、該Aタンク14内の海水の水圧により、上記第1弁体4の上記第1開閉扉4aは閉鎖されている。ここでは、上記Aタンク14外の海面は、まだ満潮の水位10aに達していないとする(例えば海面の水位10d(干潮より約3時間程度、図7、図5参照)。
上記Bタンク15の水位は、溜り水13(水位12a)の上に、約6時間後(1日目、約24時間後)には水位12b’となり、溜り水13の水位12aよりもT2=約30cm上昇する。しかしながら、海面の水位は満潮時の水位10aとなっているので、満潮時の水位10aの水圧により上記第2弁体9の上記第2開閉扉9aは開かない(第1開閉扉9aの表面側の水圧>第2開閉扉9aの裏面側の水圧)。これにより、上記発電機8は、1日目から約24時間発電が継続する。
上記Aタンク14の水位は、水位11cとなっているので(水位11c<水位10a)、水位が低下しており、約6時間後(1日目、24時間経過後)は満潮時の水位10aとなるので(図7参照)(Aタンク14の水位11cの水圧<海面の満潮時の水位10aの水圧)、或いは、満潮前の水位10e(>水位11c)となるので(1日目、約23時間経過後(約6時間+約6時間+約6時間+約5時間)(図7参照)、(Aタンク1内の水位11cの海水の水圧<海面の満潮前の水位10eの水圧)(上記第1開閉扉4aの表裏の水圧は、裏面側の方が高くなるので)、上記第1開閉扉4aが開き(矢印C方向、図7参照)、海水が上記第1開口4dから上記Aタンク14内に流入し(矢印E方向、図7参照)、上記Aタンク14の上記水位11cから上昇し、満潮時の水位10aと同程度になる(水位11a、図7、図5参照)。さらに波等により切欠3から波が入り、上記後板(側面板)14Cから波が入り、上記Aタンク14の水位が満潮時より高くなる(水位11a’、図7、図5参照)。ここで、Aタンク14の水位が満潮の水位10aより高くなるのは(水位11a’)、Aタンク14とBタンク15の水位の差をつけるためである。上記第1開閉扉4a、満潮時は開いたままとなる(図7参照)。
ここで、上記Aタンク14の水位11cと、上記Bタンク15の水位12b’の水位の差により発電が継続する(引力発電)。
この状況(上記「9」(図7参照))は、上記「7」(図4参照)と同様であり、以降は、上記「9」(干潮から満潮)(図7参照)から、上記「8」(満潮から干潮)(図6参照)の繰り返しとなる。これにより、24時間の間、発電が継続的に行われる。
このように、24時間の間、満潮と干潮とが各々2回繰り返すことにより、上記24時間の間、上記発電機8が発電を継続するものである。
(第3実施形態)
図9に本発明の第3実施形態を示す。図9に示す、17はAタンク(第1タンク)、18はBタンク(第2タンク)であり、干潟(海岸)に設置されている。尚、図9において、図面に向かって上側が、陸側、前、前面、前方、前方側といい、図面に向かって下側が、海側、後、後面、後方、後方側といい、幅方向(中央板(境界板)17Bと湾曲板(側面板)17Aの方向、中央板(境界板)17Bと湾曲板(側面板)18Aの方向)は左右方向という。尚、同一構成のものは、第1の実施形態と同一符号を付し、原則的に説明は省略する。
上記Aタンク17と上記Bタンク18は中央板(境界板)17Bを中心に左右に並列している。上記Aタンク17は、略1/4円形状の筒状であり(底面17Eは完全に閉鎖されている)、湾曲板(側面板)17A、中央板(境界板)17Bは垂直であり、後板(側面板)17Cの上縁は前方に傾斜しており(傾斜角度は鉛直線から前方に30度程度)、これは波が入り易くするためである。また、切欠3は、上記Aタンク17の湾曲板(側面板)17Aの上縁に設けられている。尚、上記Aタンク17の開口17aは全面的に開口している。
上記Aタンク17は、後板(側面板)17Cの上縁が前方に傾斜しているので、深くなる程、体積が増加する。よって、該Aタンク17の減る海水は深くなる程、水位は低下し難くなり、よって、上記Aタンク17内の海水の水位は、T1=約25cm~約24cm程度(Aタンク17とBタンク18の水位の差により、Aタンク17の海水がBタンク18に小流水口5により流出することによる、約6時間にて)とする。上記Bタンク18に上記Aタンク17の海水がBタンク18につなぐ小流水口5により流出するが、上記Bタンク18の水位の上昇はT2=約30cm程度(約6時間にて)とする。上記Aタンク17と上記Bタンク18は同一体積ではない。
また、第1実施形態では、第1弁体4は、上記Aタンク1内の前板(側面板)1Aの下方に設けられていたが、第3実施形態では、第1弁体4は、後板(側面板)17CのAタンク17内の内側の下方の中央又は略中央に設けられており、第1開閉扉4a、傾斜側面4b,4b、第1開口4d(第1開口4dは後板(側面板)17Cの下方の中央又は略中央に設けられている)、軸支4c、直立板4eは、第1実施形態と同一構成である。また、第1実施形態と異なることは、傾斜側面4b,4bは、後方から前方に向けて下り傾斜している点である。よって第1開閉扉4aは、閉鎖状態では、後方から前方に向けて下り傾斜している(第2実施形態と同様)。これは、第1開閉扉4aの上面(表面側)と下面(裏面側)で水圧を感じ易くするためのである。
また、Aタンク17からBタンク18へは、小流水口5が、中央板(境界板)17Bの下方の中央又は略中央に、設けられ、内部に羽根車6が設けられており、羽根車6と発電機8とは傘歯車20等を介して軸7で接続されており、Aタンク17とBタンク18の水位の差により、上記小流水口5を介して上記Aタンク17から上記Bタンク18に海水が流水すると、羽根車6が回転し、傘歯車20が回転し、軸7が回転し、上記発電機8のロータ軸を回転し、発電が行われる(図9、図10参照)。
即ち、上記Bタンク(第2タンク)18には、上記Aタンク(第1タンク)17の水位と上記Bタンク(第2タンク)18の水位の差により、上記小流水口5から上記Bタンク(第2タンク)18に海水が流れ込み、このときに上記羽根車6が回転して上記発電機8の発電が継続される。
Bタンク18は、例えば、略1/4円形状の筒状であり(底面18Eは完全に閉鎖されている)、湾曲板(側面板)18A、後板(側面板)18Bは垂直であり、開口18aは全面的に開口されている。上記Bタンク18は、上記後板(側目板)18Bの上縁には、波返し19が設けられている。上記波返し19は、上記後板(側面板)18Bの上縁に逆反り状に設けられており(逆反り状の傾斜角度は鉛直線から後方に30度程度)、上記湾曲板(側面板)18Aの上縁、及び、上記中央板(境界板)17Bの上縁に、各々直線的(延長板)に波返し19A(湾曲状)、直線的(延長板)に波返し19Bが設けられている。これは、上記Bタンク18内に波が入らないようにするためである。尚、Bタンク18とAタンク17は、波返し19(延長板)の分、同一高さではない。Bタンク18が波返し19(延長板)の分、背が高い。
上記第2弁体9は後板(側面板)18Bの下方の中央又は略中央の海側に設けられており、これは図1(第1実施形態)と同様である。また、第2弁体9は、第2開閉扉9a、傾斜側面9b,9b、第2開口9d(第2開口9dは後板(側面板)18Bの下方の中央又は略中央に設けられている)、軸支9c、直立板9eは、第1実施形態と同一構成である。また、第2開閉扉9aは、閉鎖状態では前方から後方に向けて下り傾斜している。これは、第2開閉扉9aの上面(表面側)と下面(裏面側)で水圧を感じ易くするためのである。
上記「1」(1日目、約6時間経過、図2参照)から、上記「5」(1日目、約24時間経過、図7参照)は、第1実施形態と同様とする(上記Aタンク17の減る水位T1と上記Bタンク18の増加する水位T2は同一ではないが)。
尚、第3の実施形態では、上記Aタンク17と上記Bタンク18が同一体積ではないので、Aタンク17の減る海水と、Bタンク18に溜まる海水は、同一水位とはならないが、動作は略同一となる。
上記第1弁体4は、Aタンク17内の後板(側面板)17Cに位置しているが、第1実施形態の第1弁体4の動作と同様である。また、Aタンク17とBタンク18は同一体積ではないが、約6時間後のAタンク17の減る量はT1=約25cm~約24cm(約6時間にて)、上記Bタンク15に入る量(増える水位)はT2=約30cm(約6時間にて)とする。
第1弁体4(第1開口4d)は、湾曲板(側面板)17Aの内側の中央又は略中央に設けても良い。この場合、第1開閉扉4aは、閉鎖時は、斜め右方から斜め左方に向けて下り傾斜している。第2弁体9(第2開口9d)は、湾曲板(側面板)18Aの外側の中央又は略中央に設けても良い。この場合、第2開閉扉9aは、閉鎖時は、斜め左方から斜め右方に向けて下り傾斜している。
即ち、上記Aタンク(第1タンク)17には、上記中央板(境界板)17Bを除く側面板(後板17C又は湾曲板17A)の下方に第1開口4dが設けられ、上記Aタンク(第1タンク)17内には上記第1開口4dにつながる第1開閉扉4aを有する第1弁体4が設けられている。
このように、上記Bタンク(第2タンク)18には、上記中央板(境界板)17Bを除く側面板(後板18B又は湾曲板18A)の下方に第2開口9dが設けられ、上記Bタンク(第2タンク)18外には上記第2開口9dにつながる第2開閉扉9aを有する第2弁体9が設けられている。
図2の動作は第1実施形態と同様である。Aタンク17内の水位は水位11a、Aタンク17外の海面の水位は満潮時の水位10aとする。
上記Aタンク(第1タンク)17と上記Bタンク(第2タンク)18は、略1/4円形状であり、上記境界板17Bを介して並列して設けられたものであり、上記Aタンク(第1タンク)17には、海側の上記側面板17Cの上縁を陸側に傾斜させ、波が入り易くしたものであり、上記Bタンク(第2タンク)18には、海側の上記側面板18Bの上縁には、海側に傾斜した逆反り状の波返し19が設けられている。
10 満潮から干潮(1日目、約6時間経過後、図3参照)
上記Aタンク17外の海面の水位は、約6時間の間(1日目、約6時間経過後)には、海面の水位10aは徐々に低下していく。そして、上記Aタンク17内の海水は、Aタンク17とBタンク18の水位の差により、徐々に上記小流水口5から上記Bタンク18に流出し(矢印F方向、図3参照)、満潮から干潮への移行は約6時間(1日目)を要するので、干潮時にはAタンク17の水位は約6時間後の水位11bとなる(図3参照)。水位11aから水位11bはT1=約25cmとする。このとき、約6時間の間、上記Aタンク17から上記Bタンク18への水流(上記小流水口5)が羽根車6を回して、傘歯車20を介して、上記軸7を回転させ、上記発電機8が発電を継続する。
この間、上記Bタンク18には、Aタンク17とBタンク18の水位の差により、上記小流水口5より上記Aタンク17の海水が上記Bタンク18に流入し(矢印F方向、図3参照)、該Bタンク18の水位が上昇する。上記Bタンク18の水位の上昇は、該Bタンク18の水位12aの上昇は、T2=約30cmとなる(図3参照)。
ここで、上記Bタンク18の外側は、干潮時の水位10bなので、このときの上記第2弁体9の第2開閉扉9aは開かない(図3参照)。
この間、満潮(水位10a)から干潮(水位10b)に移行するとき、上記Aタンク17の水位11bの方が高くなるので(例えば、海面の水位10c、図3参照)、第1開閉扉4aは閉鎖される(第1開閉扉4aの表面側の水圧>第1開閉扉4aの裏面側の水圧)。或いは、干潮時(水位10b)により、Aタンク17内の水位11bの方が高くなるので、第1開閉扉4aは閉鎖される(第1開閉扉4aの表面側の水圧>第1開閉扉4aの裏面側の水圧)。
このように、上記Aタンク(第1タンク)17には、満潮時(水位10a、1日前の干潮から約6時間経過後)に、又は満潮前から(水位10e、1日前の干潮から約5時間経過後、図2参照)、上記第1開閉扉4aが開いて上記Aタンク(第1タンク)17内に海水が流入され、上記Aタンク(第1タンク)17には満潮と同様の水位11aとなり(図2参照)、満潮から干潮になるとき(満潮から約6時間経過後)、上記Aタンク(第1タンク)17の水位11bにより上記第1開閉扉4aは閉鎖される(図3参照)。
11 干潮から満潮(1日目、約12時間経過後、図4参照)
干潮から満潮には約6時間(1日目、12時間経過後)を要するので、海面は徐々に上昇していく。上記Aタンク17の水位11bは、干潮から満潮時には約6時間(1日目、約12時間後)を要するので、上記Aタンク17の海水の水位は、Aタンク17とBタンク18の水位の差により、上記Bタンク18に流出するので、Aタンク17内の水位11bは徐々に低下していく。干潮から満潮には約6時間(1日目、約12時間)を要するので、約6時間後のAタンク17の水位は徐々に低下して水位11cとなる(図4参照)。
この間、上記Aタンク17内の海水は、Aタンク17とBタンク18の水位の差により、徐々に上記小流水口5から上記Bタンク18に移行し、干潮から満潮への移行は約6時間(1日目、約12時間経過後)を要するので、満潮時にはAタンク17の水位は約6時間後の水位11cとなる(図4参照)。Aタンク17の水位11bから水位11cはT1=約24cmとする。このとき、約6時間の間(1日目、約12時間の間)、水流(小流水口5)が羽根車6を回して、傘歯車20を介して、上記軸7が回転し、上記発電機8が発電を継続する。
また、上記Aタンク17の水位は水位11cとなるが、上記Aタンク17内の海水の水位(水位11cより高い水位、水位11bと水位11cの中間程度、干潮になってから約3時間程度、海面の水位10d、図4、図5参照)により、該Aタンク17内の海水の水圧により、第1弁体4の上記第1開閉扉4aは閉鎖されている。ここでは、Aタンク17外の海面は、まだ満潮の水位10aに達していないとする(例えば海面の水位10d(干潮より約3時間程度)、図4、図5参照)。
上記Bタンク18の水位は、約6時間後(1日目、約12時間経過後)には水位12bとなり、溜り水13の水位12aよりもT2=約30cm上昇する(図4参照)。しかしながら、海水の水位は満潮時の水位10aとなっているので(図4参照)、満潮時の水位10aの海面の水圧により、上記第2弁体9の上記第2開閉扉9aは開かない(第2開閉扉9aの表面側の水圧>第2開閉扉9aの裏面側の水圧、図4参照)。
上記Aタンク17の水位は、水位11cとなっているので、水位が低下しており(Aタンク17内の水圧が低下しており)、上記Aタンク17外は、約6時間後(1日目、約12時間経過後)は満潮時の水位10aとなるので(図4参照)、上記Aタンク17外の水位10aの水圧により(Aタンク17内の水位11cの海水の水圧<海面の満潮時の水位10aの水圧)、或いは満潮前の水位10e(>水位11c)となるので(1日目、約11時間経過後(約6時間+約5時間))(図4参照)(Aタンク1内の水位11cの海水の水圧<海面の満潮前の水位10eの水圧)(上記第1開閉扉4aの表裏の水圧は、裏面側の方が高くなるので)、上記第1開閉扉4aが開き(矢印C方向、図4参照)、海水が上記第1開口4dから上記Aタンク17内に流入し(矢印E方向、図4参照)、該Aタンク17内の海水は、水位11cから上昇し、満潮時の水位10aと同程度になる(水位11a、図5参照)。さらに波等により上記切欠3から波が入り、或いは、後板(側面板)17Cから波が、Aタンク17内に入り、上記Aタンク17内の水位が満潮時より高くなる(水位11a’、図4、5参照)。ここで、Aタンク17の水位が満潮の水位10aより高くなるのは(水位11a’)、Aタンク17とBタンク18の水位の差をつけるためである。第1開閉扉4aは、満潮時は開いたままとなる(図4、図5参照)。
ここで、上記Aタンク17の水位11cと、上記Bタンク18の水位12bの水位の差により発電が継続する(引力発電)。
12 満潮から干潮(1日目、約18時間経過後、図6参照)
上記Aタンク17外の海面は、満潮から干潮には約6時間(1日目、約18時間経過後)を要するので、海面は徐々に低下する。上記Aタンク17内の水位11aは、Aタンク17とBタンク18の水位の差により、Aタンク17の海水が小流水口5から、Bタンク18に流出して、満潮から干潮時には約6時間(1日目、約18時間経過後)を要するので、約6時間後の該Aタンク17の水位11aは低下して水位11bとなる(図6参照)。
この間、上記Aタンク17内の海水は、Aタンク17とBタンク18の水位の差により、徐々に上記小流水口5から上記Bタンク18に流出し、満潮から干潮への移行は約6時間(1日目、約18時間経過後)を要するので、干潮時にはAタンク17の水位は約6時間後の水位11bとなる。水位11aから水位11bはT1=約25cmとする。このとき、Aタンク17とBタンク18の水位の差により、上記Aタンク17から上記Bタンク18への水流により(上記小流水口5)、約6時間の間(1日目、約18時間の間)、羽根車6を回して、傘歯車20を介して、上記軸7が回転し、上記発電機8が発電を継続する。
また、満潮(水位10a)から干潮(水位10b)に移行するとき、上記Aタンク14内の水位11bの方が高くなるので(例えば、海面の水位10c(満潮から約3時間経過後)、図6参照)、第1開閉扉4aは閉鎖される(第1開閉扉4aの表面側の水圧>第1開閉扉4aの裏面側の水圧)。或いは、干潮時(水位10b)により、Aタンク14の水位11bの方が高くなるので、第1開閉扉4aは閉鎖される(第1開閉扉4aの表面側の水圧>第1開閉扉4aの裏面側の水圧)。Aタンク14外は、干潮時の水位10bとなっている。
上記Bタンク18の水位は、約6時間後(1日目、約18時間経過後)には水位12a’となり、水位12bよりもT2=約30cm上昇する。海面の水位は干潮時の水位10bとなっているので、Bタンク18内の海水の水圧により(水位12a’)、上記Bタンク18の上記第2開閉扉9aが開き(第2開閉扉9aの裏面側の水圧>第2開閉扉9aの表面側の水圧)、上記Bタンク2から海水が流出する(矢印G、図6参照)。干潮の水位10bと、Bタンク15の水位12a’は、Bタンク15の水位12a’が干潮の水位10bよりも高いことが条件となる。これにより、上記Aタンク17と上記Bタンク18の水位の差を維持する。
又は、干潮になる以前から(1日目、約17時間経過後(約6時間+約6時間+約5時間))、上記Bタンク18内の海水の水圧により、該Bタンク18の上記第2開閉扉9aが開き、第1開口9dから該Bタンク18から海水が流出する(矢印G、図6参照)。干潮になる以前の水位と、上記Bタンク18の水位は、Bタンク18の水位が、干潮になる以前の水位よりも高いことが条件となる。これにより、上記Aタンク17と上記Bタンク18の水位の差を維持する。
即ち、上記Bタンク(第2タンク)18には、干潮(1日目、約18時間経過後)又は、干潮になる以前から(1日目、約17時間経過後(約6時間+約6時間+約5時間))、上記Bタンク(第2タンク)18に溜まった海水の水圧により、上記第2開閉扉9aが開いて上記Bタンク(第2タンク)18の海水が流出され、これにより上記Aタンク(第1タンク)17と上記Bタンク(第2タンク)18の水位の差が維持される。
又は、波は、海面の水位より高く打ち寄せ、引くときは海面の水位より低くなるので、これにより干潮になる以前から(1日目、約17時間経過後(約6時間+約6時間+約5時間))、第2開閉扉9aが開いて、Bタンク18に溜まった水位(例えば、水位12bと水位12a’の中間等)が排水される。尚、Bタンク18の水位(例えば水位12bと水位12a’の中間等)が干潮の海水の水位より高いことが条件となる(第2開閉扉9aの裏面側の水圧>第2開閉扉9aの表面側の圧力、図6参照)。これにより、上記Aタンク17と上記Bタンク18の水位の差を拡大する。
波は海面の水位より高く打ち寄せ、引くときは海面の水位より低くなるので、上記Bタンク(第2タンク)18に溜まった海水の水圧により、干潮になる以前から(1日目、約17時間経過後(約6時間+約6時間+約5時間))、上記第2開閉扉9aが開いて、上記Bタンク(第2タンク)18に溜まった水位が排水され、これによって上記Aタンク(第1タンク)17と上記Bタンク(第2タンク)18の水位の差が拡大される。
尚、1日目の約18時間経過後は、水位12bと水位12a’の水圧により、第2開閉扉9aが開き、上記第2弁体9から2回分が流出するが、最初の約6時間分の水位12aは溜り水13となって、上記直立板9eの高さまで、Bタンク18からは流出しない。
ここで、上記Aタンク17の水位11bと、上記Bタンク18の水位12a’の水位の差により発電が継続する(引力発電)。
13 干潮から満潮(1日目、約24時間経過後、図7参照)
干潮から満潮には約6時間(1日目、約24時間経過後)を要するので、上記Aタンク17外の海面の水位は徐々に上昇する。Aタンク17とBタンク18の水位の差により、上記Aタンク17内の水位11bは、上記Bタンク18に移行するので、徐々に低下していく。干潮から満潮には約6時間(1日目、約24時間経過後)を要するので、約6時間後の上記Aタンク17の水位11bは低下して水位11cとなる(図7参照)。
この間、上記Aタンク17内の海水は、Aタンク17とBタンク18の水位の差により、徐々に上記小流水口5から上記Bタンク18に流出し、干潮から満潮への移行は約6時間(1日目、約24時間後)を要するので、満潮時にはAタンク17の水位は約6時間後(1日目、約24時間後)の水位11cとなる。水位11bから水位11cはT1=約24cmとする。このとき、上記Aタンク17から上記Bタンク18への水流により(上記小流水口5)、約6時間の間(1日目、約24時間の間)、羽根車6を回して、傘歯車20を介して、上記軸7を回転し、上記発電機8が発電を継続する。
また、上記Aタンク17の水位は水位11cとなるが、上記Aタンク17内の水位(水位11cより高い水位、水位11bと水位11cの中間程度、干潮になってから約3時間程度、海面の水位10d、図7参照)により、該Aタンク17内の海水の水圧により、上記第1弁体4の上記第1開閉扉4aは閉鎖されている。ここでは、上記Aタンク17外の海水は、まだ満潮の水位10aに達していないとする(例えば海面の水位10d(干潮より約3時間程度)、図7、図5参照)。
上記Bタンク18の水位は、溜り水13(水位12a)の上に、約6時間後(2日目、約24時間後)には水位12b’となり、水位12aよりもT2=約30cm上昇する。しかしながら、海面の水位は満潮時の水位10aとなっているので(図7参照)、満潮時の水位10aの水圧により、上記第2弁体9の上記第2開閉扉9aは開かない(第2開閉扉9aの表面側の水圧>第2開閉扉9aの裏面側の水圧、図7参照)。これにより、上記発電機8は、2日目から24時間発電が継続する
上記Aタンク17の水位は、水位11cとなっているので(水位11c<水位10a)、水位が低下しており、約6時間後(1日目、約24時間経過後)は満潮時の水位10aとなるので(図7参照)(Aタンク17の水位11cの水圧<海面の満潮時の水位10aの水圧)、或いは満潮前の水位10e(>水位11c)となるので(1日目、約23時間経過後(約6時間+約6時間+約6時間+約5時間)(図7参照)(Aタンク1内の水位11cの海水の水圧<海面の満潮前の水位10eの水圧)(上記第1開閉扉4aの表裏の水圧は、裏面側の方が高くなるので)、上記第1開閉扉4aが開き(矢印C方向、図7参照)、海水が上記第1開口4dから上記Aタンク17内に流入し(矢印E方向、図7参照)、該Aタンク17の水位11cから上昇し、満潮時の水位10aと同程度になる(水位11a、図7参照)。さらに波等により切欠3から波が入り、後板(側面板)17Cから波が入り、上記Aタンク17の水位が満潮時より高くなる(水位11a’、図7,5参照)。ここで、Aタンク17の水位が満潮の水位10aより高くなるのは(水位11a’)、Aタンク17とBタンク18の水位の差をつけるためである。第1開閉扉4aは、満潮時には開いたままとなる(図7参照)。
ここで、上記Aタンク17の水位11cと、上記Bタンク18の水位12b’の水位の差により発電が継続する(引力発電)。
この状況(上記「13」(図7参照))は、上記「11」(図4参照)と同様であり、以降は、上記「13」(干潮から満潮)(図7参照)から、上記「12」(満潮から干潮)(図6参照)の繰り返しとなる。これにより、24時間の間、発電が継続的に行われる。
このように、24時間の間、満潮と干潮とが各々2回繰り返すことにより、上記24時間の間、上記発電機8が発電を継続するものである。
(第4実施形態)
上記Aタンク(第1タンク)1(14,17)の傍に、風力ポンプ(風力だけを使用して、他の動力は使わない)を設け、海水をAタンク(第1タンク)1(14,17)に投入する。これにより、上記Aタンク(第1タンク)1(14,17)の満潮時の水位10aを、より高くする(例えば水位11a’、図2参照)。これは、Aタンク(第1タンク)1(14,17)とBタンク(第2タンク)2(15,18)の水位の差を大きくするためである。
(第5実施形態)
上記発電機8をBタンク(第2タンク)2(15,18)の内部に設ける。このようにすると、上記発電機8の修理が楽になる(図11参照)。図11において、20は傘歯車、21,22は軸である。
本発明によれば、干潮と満潮時の潮の満ち引きにより(潮力により)、24時間の発電が可能となるものである。また、従来技術のように、河口と海の境界に設ける必要がなく、例えば干潟であれば、どんな海岸でも設置が可能となる。
以上のように、潮力及び引力を利用した発電装置が、どのような海岸でも設置ができ、設置場所が選ばれないし、24時間発電が可能なので、自然の力を利用した発電装置を提供することができる。
また、Aタンク(第1タンク)1(14,17)には側面板の上縁に波が入る切欠3が設けられているので、上記Aタンク(第1タンク)1(14,17)に波が入ることにより、上記Aタンク(第1タンク)1(14,17)には、満潮の水位を超える水位11a’となることができる。これにより、第1タンク(1,14,17)と第2タンク(2,15,18)の水位の差をつけるためである。
また、干潮になる以前から、Bタンク(第2タンク)2(15,18)の第2開閉扉9aが開いて、該Bタンク(第2タンク)2(15,18)に溜まった水位が排水され、これにより、上記Aタンク(第1タンク)1(14,17)と上記Bタンク(第2タンク)2(15,18)の水位の差が拡大される。これによって、引力発電にとっては好都合となる。
また、上記側面板(第1実施形態では前板(側面板)1A、第2実施形態では右板(側面板)14D、第3実施形態では湾曲板(側面板)17A)に波が入る切欠3を設けることにより、Aタンク(第1タンク)1(14,17)には満潮時の水位よりも海水の水位が上がり、これによりBタンク(第2タンク)2(15,18)との間に水位の差がより広くなる。
また、Aタンク(第1タンク)1とBタンク(第2タンク)2は略直方体形状又は略立方体形状であり、Aタンク(第1タンク)1とBタンク(第2タンク)2は同一体積なので、水位の基準がわかりやすく便宜である(第1実施形態)。
また、Aタンク(第1タンク)(14,17)には波が入り易く、Aタンク(第1タンク)には満潮時の海水の水位より高く海水が流入し、第2タンク(15,18)には逆反り状の波返し(16,16A,16B,19,19A,19B)が設けられており、これは波が入り難くするためである(第2実施形態、第3実施形態)。
また、第1開閉扉4aと第2開閉扉9aは(第1実施形態では)、何れも閉鎖時には前方から後方に向けて下り傾斜しており、これにより上面側(表面側)と下面側(裏面側)の圧力の変化をより感じやすくすることにより、開閉を確実にすることができる。
上記Aタンク(第1タンク)1(14,17)の傍に、風力ポンプを設け、海水をAタンク(第1タンク)1(14,17)に投入する。これにより、上記Aタンク(第1タンク)1(14,17)の満潮時の水位11aを、より高くする(例えば水位11a’、図2参照)。これは、Aタンク(第1タンク)1(14,17)とBタンク(第2タンク)2(15,18)の水位の差を大きくするためである。
発電機8をBタンク(第2タンク)2(15,18)内部に設ける。これにより、発電機8の修理が楽になる。