<第1実施形態>
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
<遊技機の構造>
図1を用いて、第1実施形態における遊技機1の構造について説明する。図1は、遊技機1の正面図の一例である。遊技者は、遊技媒体(例えばメダルや遊技球)を用いて遊技機1で遊技する。本実施形態においては、遊技媒体としてメダルが用いられる遊技機1(パチスロ機)を例示する。
遊技機1は、正面側(遊技者側)に開口を有する箱状のキャビネットと、前面扉3とを含んで構成される。キャビネットには蝶番機構が設けられる。前面扉3は、蝶番機構により、キャビネットの開口を開閉可能に軸支される。
図1に示すように、前面扉3の周縁側には、複数(図1の例では14個)の筐体ランプ5が設けられる。各筐体ランプ5は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode)などの発光体と、当該発光体を覆う光透過性のレンズとから構成される。筐体ランプ5は、遊技機1における各演出に応じた態様で発光する。
図1に示すように、前面扉3には、腰部パネル6が設けられる。腰部パネル6は、遊技機1の名称などが描かれる。また、腰部パネル6の下側には、メダルを貯留する受皿ユニット7が設けられる。受皿ユニット7は、貯留したメダルを遊技者が自由に取り出すことができるように設けられる。
前面扉3には、メダルが投入される開口を有するメダル投入部8と、遊技機1の内部からのメダルが排出されるメダル払出口9とが設けられる。メダル投入部8から規定枚数(3枚)のメダルが投入されると、遊技が開始可能になる。規定枚数は、遊技の状態に応じて設定される。メダル払出口9から排出されたメダルは、受皿ユニット7に貯留される。
前面扉3の正面の中央側には、パネル10が設けられる。パネル10の中央には、略矩形状の表示窓11が形成される。表示窓11からは、キャビネットの内部の複数のリール12(12L、12C、12R)を視認することができる。
各リール12は、略円筒状のドラム部と、ドラム部の外周面に装着された帯状のシート部材とを含んで構成される。リール12のシート部材は、光透過性であり、複数種類の図柄が描かれている。各リール12は、回転可能に設けられ、相互に隣り合うように水平方向に配列される。具体的には、各リール12は、回転軸が同一の直線上に位置するように配列される。ステッピングモーター101(101L、101C、101R)がリール12の各々に設けられ(図示略)、各リール12は、各ステッピングモーター101により回転する。
図2は、本実施形態の各リール12に配列された各図柄を示す図である。図2に示すように、複数のリール12の各々の外周は、20個のコマに区分される。図2に示すように、各コマには1個の図柄が描かれている。本実施形態では、図2に示す図柄の配列の下からNコマ目(Nは数値「0」から数値「19」までの整数)を図柄位置「N」と記載する場合がある。図2に示す通り、各リール12には、リプレイ図柄、ベル1図柄、ベル2図柄、スイカ図柄、チェリー図柄、ブランク1図柄、ブランク2図柄、赤セブン図柄、金セブン図柄およびBAR図柄が配列される。
具体的には、リプレイ図柄は、左リール12Lの図柄位置「2」「7」「12」「17」と、中リール12Cの図柄位置「2」「7」「12」「17」と、右リール12Rの図柄位置「1」「6」「11」「16」とに配列される。ベル1図柄は、左リール12Lの図柄位置「1」「6」と、中リール12Cの図柄位置「0」「5」「10」「15」と、右リール12Rの図柄位置「3」「18」とに配列される。ベル2図柄は、左リール12Lの図柄位置「11」「16」と、中リール12Cの図柄位置「3」「8」「13」「18」と、右リール12Rの図柄位置「8」「13」とに配列される。スイカ図柄は、左リール12Lの図柄位置「0」「5」「15」と、中リール12Cの図柄位置「11」「16」と、右リール12Rの図柄位置「2」「7」「12」「17」とに配列される。チェリー図柄は、左リール12Lの図柄位置「4」「19」と、中リール12Cの図柄位置「19」と、右リール12Rの図柄位置「4」「14」「19」とに配列される。ブランク1図柄は、左リール12Lの図柄位置「13」と、中リール12Cの図柄位置「1」「6」と、右リール12Rの図柄位置「0」とに配列される。ブランク2図柄は、左リール12Lの図柄位置「3」と、右リール12Rの図柄位置「15」とに配列される。赤セブン図柄は、左リール12Lの図柄位置「8」「10」と、中リール12Cの図柄位置「9」と、右リール12Rの図柄位置「10」とに配列される。金セブン図柄は、左リール12Lの図柄位置「9」「14」と、中リール12Cの図柄位置「4」と、右リール12Rの図柄位置「5」とに配列される。BAR図柄は、左リール12Lの図柄位置「18」と、中リール12Cの図柄位置「14」と、右リール12Rの図柄位置「9」とに配列される。
なお、図2では、実際の各図柄の色彩とは異なる色彩で各図柄を示す。また、各リール12の各図柄は、当該リール12が回転中であっても、遊技者が概ね識別可能である。したがって、遊技者は、特定の図柄が表示窓11内を通過するタイミングで、リール12を停止させる操作(いわゆる目押し)をすることができる。各リール12の図柄の配列を示す図柄配置テーブル(図示略)がメインROM302に記憶される。
図1に示した前面扉3の表示窓11には、リール12毎に3個の図柄が停止表示される。すなわち、全てのリール12が停止した状態では、表示窓11に合計9個の図柄が停止表示される。本実施形態では、各図柄が表示される領域を「図柄表示領域」という。
図3は、図柄表示領域を説明するための図である。図3に示すように、図柄表示領域は、各単位領域U(L、C、R)を含んで構成される。単位領域Uの各々には、1個の図柄が表示される。各単位領域Uは、左リール12Lの各図柄が表示される各単位領域ULと、中リール12Cの各図柄が表示される各単位領域UCと、右リール12Rの各図柄が表示される各単位領域URとを含んで構成される。各単位領域ULは、上段に位置する単位領域UL1と中段に位置する単位領域UL2と下段に位置する単位領域UL3とを含む。また、各単位領域UCは、上段に位置する単位領域UC1と中段に位置する単位領域UC2と下段に位置する単位領域UC3とを含み、各単位領域URは、上段に位置する単位領域UR1と中段に位置する単位領域UR2と下段に位置する単位領域UR3とを含む。
規定枚数のメダルがメダル投入部8に投入されると、有効ラインが設定される。有効ラインは、各単位領域Uのうちリール12Lの何れか1個の単位領域Uとリール12Cの何れか1個の単位領域Uとリール12Rの何れか1個の単位領域Uとで構成される領域である。本実施形態の有効ラインは、リール12Lの単位領域UL2とリール12Cの単位領域UC2とリール12Rの単位領域UR1とを結ぶラインである。
有効ラインには、遊技の結果としての図柄の組合せが停止表示される。有効ラインに予め定められた図柄の組合せが停止された場合、当該停止した図柄の組合せに応じて遊技者に利益が付与される。例えば、入賞に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示された場合は、遊技者にメダルが付与される。また、再遊技に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示された場合は、遊技者に再遊技の権利が付与される。具体的には、再遊技に係る図柄の組合せが今回の遊技で表示された場合、メダルの投入を必要とせず次回の遊技が開始可能になる。有効ラインに停止表示することが可能な図柄の組合せは、後述する内部抽選処理の結果に応じて遊技毎に決定される。
本実施形態において、リール12Lの上段の単位領域UL1とリール12Cの上段の単位領域UC1とリール12Rの上段の単位領域UR1とを結んだラインを「上段ライン」という場合がある。同様に、リール12Lの中段の単位領域UL2とリール12Cの中段の単位領域UC2とリール12Rの中段の単位領域UR2とを結んだライン(本実施形態の有効ライン)を「中段ライン」という場合がある。また、リール12Lの下段の単位領域UL3とリール12Cの下段の単位領域UC3とリール12Rの下段の単位領域UR3とを結んだラインを「下段ライン」という場合がある。また、リール12Lの下段の単位領域UL3と、リール12Cの中段の単位領域UC2と、リール12Rの上段の単位領域UR1とを結んだラインを「右上りライン」という場合がある。同様に、リール12Lの上段の単位領域UL1と、リール12Cの中段の単位領域UC2と、リール12Rの下段の単位領域UR3とを結んだラインを「右下りライン」という場合がある。
また、各リール12には、当該リール12のシート部材を内側から照らす各バックライトが設けられる(図示略)。具体的には、リール12の各々には、当該リール12の上段ラインの単位領域Uを照らすバックライトと中段ラインの単位領域Uを照らすバックライトと下段ラインの単位領域Uを照らすバックライトとが設けられる。
図1に示すように、パネル10には、投入可能表示ランプ13、BETランプ14(14a、14b、14c)、スタートランプ15、指示表示器16、貯留枚数表示器17、再遊技表示ランプ18、ウェイトランプ19と打ち止ランプ20とを含む複数の表示器(以下「表示器ML」という)が設けられる。表示器MLの各ランプは、後述のメインCPU301により制御される。
投入可能表示ランプ13は、メダル投入部8からのメダルを受付ることが可能な状態であるか否かを報知する。BETランプ14は、賭けメダルの枚数を表示する。また、BETランプ14は、1枚ランプ14aと2枚ランプ14bと3枚ランプ14cとを含んでいる。1枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14aが点灯し、2枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14aおよび2枚ランプ14bが点灯し、3枚の賭けメダルが設定されると1枚ランプ14a、2枚ランプ14bおよび3枚ランプ14cが点灯する。スタートランプ15は遊技の開始操作(後述のスタートレバー24の操作)を受け付けることが可能であるか否かを報知する。
指示表示器16は、メインCPU301により制御され、停止ボタン25の操作態様(押順)を指示する指示情報を表示する。詳細には後述するが、メインCPU301は、指示期間の各遊技において、指示情報を指示表示器16に表示させる。また、指示表示器16は、当選役に係る図柄組合せが有効ラインに表示された場合、遊技者に付与されるメダルの枚数を表示する。例えば、図柄組合せ「ベル1-ベル1-スイカ」が有効ラインに停止表示された場合(「ベル-ベル-ベル」が中段ラインに停止表示された場合)、9枚のメダルが遊技者に付与され、指示表示器16は数字「9」を表示する。
遊技者に付与されたメダルの枚数は、遊技機1(後述のメインRAM303)において電気的に記憶(貯留)することができる。本実施形態では、貯留されているメダルの枚数を「クレジット数」という。クレジット数は、遊技の結果メダルが付与された場合に加算される。また、クレジット数は、規定枚数の賭けメダルが投入された状態において、さらにメダル投入部8からメダルが投入された場合に加算される。貯留枚数表示器17は、クレジット数を表示する。具体的には、貯留枚数表示器17は、数値「0」からクレジット数の上限値である数値「50」までを、記憶されているクレジット数に応じて可変に表示する。
再遊技表示ランプ18は、再遊技中である旨を報知する。具体的には、今回の遊技で再遊技に係る図柄の組合せが有効ラインに停止表示されてから次回の遊技が終了するまで再遊技表示ランプ18は点灯する。再遊技表示ランプ18が点灯することで、メダルを使用することなく次回の遊技の開始操作が可能であることが遊技者に報知される。ウェイトランプ19は、遊技の開始操作(後述のスタートレバー24の操作)がされてから各リール12の回転が開始されるまでのウェイト期間に点灯する。ウェイト期間は、1回の遊技に要する平均の時間長を所定値(約4.1秒)以上にするために設けられる。打ち止ランプ20は、遊技が不可能な打ち止め状態である旨を報知する。
図1に示すように、前面扉3には、1BETボタン21、MAX-BETボタン22、精算ボタン23、スタートレバー24、複数の停止ボタン25(25L、25C、25R)、演出ボタン26と方向指定ボタン27とを含む複数の操作部が設けられる。各操作部は、遊技者により操作される。
1BETボタン21は、貯留されたメダルを用いて1枚の賭けメダルを設定する場合に操作される。MAX-BETボタン22は、貯留されたメダルを用いて規定枚数の賭けメダルを設定する場合に操作される。精算ボタン23は、クレジット数として記憶されたメダルおよび賭けメダルを精算する場合に操作される。精算ボタン23が操作されると、クレジットと賭けメダルとを合計した枚数のメダルがメダル払出口9から払い出される。本実施形態では、MAX-BETボタン22または1BETボタン21の操作をBET操作という場合がある。
スタートレバー24は、遊技を開始する場合に遊技者により操作される。遊技者は、遊技が開始可能な状態において、スタートレバー24に対して開始操作をすることで、遊技の開始を指示することができる。本実施形態のスタートレバー24は、前面扉3に対して略垂直な状態から360度何れの方向にも傾動可能である。また、スタートレバー24の握玉部は、透光性を有する樹脂により形成され、レバー演出用ランプ42を内蔵する。レバー演出用ランプ42は、所定の演出において点灯する。
停止ボタン25は、リール12を停止する場合に遊技者により操作される。また、停止ボタン25は、停止ボタン25Lと停止ボタン25Cと停止ボタン25Rとを含んでいる。停止ボタン25Lはリール12Lに対応し、停止ボタン25Cはリール12Cに対応し、停止ボタン25Rはリール12Rに対応する。リール12が回転している期間において、当該リール12に対応する停止ボタン25が操作(以下「停止操作」という)されると、当該リール12は停止(通常停止、疑似停止)する。
以下、本実施形態においては、各遊技における最初の停止操作を第1停止操作という。同様に、2番目の停止操作を第2停止操作、3番目の停止操作を第3停止操作という。また、遊技機1(後述のメインCPU301)が第1停止操作に基づいてリール12を停止させる制御を第1停止制御という。同様に、第2停止操作に基づくリール12の停止制御を第2停止制御、第3停止操作に基づくリール12の停止制御を第3停止制御という。また、停止操作がされた時点において表示窓11の中段ラインに位置するリール12の図柄位置を停止操作位置という。各リール12の回転中に中段ラインに位置する図柄位置は、図柄カウンタに記憶され、停止操作の時点の図柄カウンタの図柄位置が停止操作位置として取得される。図柄カウンタは、例えば、メインRAM303に設けられる。
全てのリール12が停止すると、遊技の結果としての図柄の組合せが有効ラインに表示され、当該遊技が終了する。遊技が開始されると、各リール12は一定の回転速度まで加速する。各リール12が一定の回転速度の期間(リール12が定常回転している期間)において、遊技の結果を有効ラインに停止表示させるための停止操作が可能になる。一方で、各リール12が回転を開始してから定常回転するまでの加速期間では、リール12が回転中であっても、遊技の結果を表示させるための停止操作は受付られない。
本実施形態の停止ボタン25は、複数種類の表示態様に制御可能である。具体的には、各停止ボタン25の内部には、赤色、青色および緑色に発光可能な発光体(例えばLED)がそれぞれ設けられる。停止ボタン25の発光体が赤色に発光する期間では、当該停止ボタン25が赤色に発光して見える。同様に、停止ボタン25の発光体が青色に発光する期間では、当該停止ボタン25が青色に発光して見え、停止ボタン25の発光体が緑色に発光する期間では、当該停止ボタン25が緑色に発光して見える。停止ボタン25が緑色に発光するのは、後述の各設定値のうち特定の設定値(設定値「1」)が設定された場合である。以上の構成によれば、特定の設定値が設定されている旨が停止ボタン25の態様により把握できる。なお、停止ボタン25の態様は以上の例に限定されない。
演出ボタン26は、演出に関する指示をする場合に遊技者により操作される。例えば、遊技者は、演出ボタン26を操作することで特定の演出の実行を指示することができる。すなわち、当該特定の演出は、演出ボタン26の操作を契機(トリガ)に実行される。なお、MAX-BETボタン22に演出ボタン26の機能を兼備させることも可能である。以上の構成によれば、演出ボタン26が省略され、部品点数を削減することができる。
また、今回の遊技が終了してから、次回の遊技を開始するための賭メダルが投入されるまでの期間(以下「非遊技期間」という)において、演出ボタン26が操作された場合、メニュー画像が液晶表示装置30に表示される。
演出ボタン26の操作は、演出ボタンスイッチ26SWで検知される。例えば、演出ボタン26が押されていない場合、演出ボタンスイッチ26SWはOFF信号を出力する。一方、演出ボタン26が押されている場合、演出ボタンスイッチ26SWはON信号を出力する。非遊技期間において、演出ボタンスイッチ26SWがOFF状態からON状態に変化した場合、メニュー画像が液晶表示装置30に表示される。
方向指定ボタン27は、例えば、液晶表示装置30にメニュー画像が表示されている場合に、遊技者により操作される。方向指定ボタン27は、上ボタン、下ボタン、右ボタンおよび左ボタンを含んで構成される。例えば、方向指定ボタン27の操作により、メニュー画像に表示された選択肢を指定するカーソルを移動させることができる。具体的には、上ボタンが操作されると、メニュー画像内のカーソルが上方向に移動する。同様に、下ボタンが操作されると下方向にカーソルが移動し、右ボタンが操作されると右方向にカーソルが移動し、左ボタンが操作されると左方向にカーソルが移動する。
非遊技期間において、方向指定ボタン27が操作されると、遊技機1のマスター音量が変更される。また、非遊技期間において、方向指定ボタン27が適宜に操作されると、遊技機1の演出モードが変更できる。本実施形態の演出モードは、エンジョイモード、通常モード、シンプルモードの3種類が設けられる。以上の各演出モードでは、演出の実行頻度が相違する。具体的には、エンジョイモードは、演出モードの中で最も演出が実行され易い。また、シンプルモードは、演出モードの中で最も演出が実行され難い。本実施形態のシンプルモードでは、後述のBB状態の当選告知以外の演出が実行されない。
図1に示すように、前面扉3のパネル10には、上述した表示器ML(スタートランプ15等)に加え、複数の演出用ランプ28(28a~28e)と複数の停止操作順序表示ランプ29(29L、29C、29R)とが設けられる。表示器MLの各ランプは、メインCPU301により制御されるのに対し、各演出用ランプ28と各停止操作順序表示ランプ29とは、後述のサブCPU412により制御される。複数の演出用ランプ28のうち演出用ランプ28aおよび演出用ランプ28bは、正面視で表示窓11の左側に設けられ、演出用ランプ28cから演出用ランプ28eは、正面視で表示窓11の右側に設けられる。各演出用ランプ28は、現在の遊技の状態等を報知する。
各停止操作順序表示ランプ29は、パネル10のうち表示窓11より下側の領域に設けられ、各停止ボタン25の操作の順序を報知する。図1に示すように、前面扉3の表示窓11の上側には、各種の画像を表示する液晶表示装置30が設けられる。液晶表示装置30は、遊技機1で実行される演出に応じて動画像および静止画像を表示する。具体的には、液晶表示装置30は、後述の内部抽選処理の結果に係る情報、遊技状態を示唆する情報などを報知する。
図1に示すように、前面扉3の上端側には、上部ランプ35(L、R)が設けられる。上部ランプ35は、例えば、各色彩(青色、黄色、緑色、赤色等)に発光可能な発光ダイオードと、当該発光ダイオードを覆うレンズとを含んで構成される。上部ランプ35は、例えば、当選役が有効ラインに停止表示された場合、当該当選役に応じた態様(色彩)で発光する。また、上部ランプ35は、各演出において、当該演出に応じた態様で発光する。
図1に示すように、前面扉3には、スピーカー31(31L、31R)とスピーカー32(32L、32R)とが設けられる。スピーカー31は、前面扉3の下端側に設けられ、遊技者側から見て左側に取り付けられるスピーカー31Lと右側に取り付けられるスピーカー31Rとを含む。また、スピーカー32は、前面扉3の上端側に設けられ、遊技者側から見て左側に取り付けられるスピーカー32Lと右側に取り付けられるスピーカー32Rとを含んでいる。スピーカー31とスピーカー32とは、演出に応じた音響(楽曲、音声および効果音)を出力する。例えば、スピーカー31とスピーカー32とは、上述した液晶表示装置30、演出用ランプ28、筐体ランプ5、停止操作順序表示ランプ29またはレバー演出用ランプ42で実行される演出に関連した音響を出力する。スピーカー31とスピーカー32とは、前面扉3の裏面に取り付けられ、前面扉3の表面には、スピーカー31とスピーカー32との各々に対応する位置に、複数の放音孔が形成される。
図1に示すように、前面扉3には、返却ボタン33が設けられる。返却ボタン33は、遊技機1の内部のメダル流路におけるメダル詰まりを解消するために操作される。返却ボタン33を操作することで、メダル流路に詰まったメダルがメダル払出口9から排出される。
前面扉3には、鍵穴が形成された施錠装置4が設けられる。キャビネットの係止片(図示略)に前面扉3の施錠装置4が係合することで、前面扉3が施錠される。図1に示すように、施錠装置4の鍵穴は、前面扉3の前面に位置し、前面扉3を解錠するための鍵(図示略)が挿入可能である。後述するように、キャビネットの内部には各種の操作部(例えば設定変更ボタン37)が設けられる。キャビネットの内部の各操作部は、前面扉3を解錠する鍵の管理者(例えば遊技機1が設置される遊技場の店員)によって操作される。
キャビネットの内部には、メイン制御基板300が設けられる。具体的には、メイン制御基板300は、透明の基板ケースに収められ、キャビネットの背面板に取り付けられる。メイン制御基板300には、後述のメインCPU301を含む各種の電子部品が実装される。また、メイン制御基板300は、後述のリール基板100、中継基板200、サブ制御基板400および電源基板500を含む各種の基板とコネクタ(図示略)を介して電気的に接続される。なお、上述した各種の基板は、単一の基板で構成してもよいし、複数の基板で構成してもよい。
キャビネットの内部には、設定表示部36および設定変更ボタン37が設けられる。設定表示部36は、遊技機1の設定値を表示する。設定値とは、遊技機1の出玉率に関する数値であり、各遊技において設定値に応じた確率で各種の抽選が実行される。例えば、設定値は「1」から「6」までが設けられ、設定値「6」が最も出玉率が高くなる。本実施形態においては、設定変更用の鍵穴に設定変更キーを挿入して回転した場合に、設定表示部36は、設定値を表示する。
設定変更ボタン37は、設定表示部36の数値を変更する場合に操作される。設定表示部36は、設定変更ボタン37が操作される毎に、数値を1づつ加算して表示する。設定表示部36に設定値が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、当該操作の時点で設定表示部36に表示されている数値が設定値として記憶される。
ただし、本実施形態では、数字「0」「1」「2」「4」「5」「6」が設定表示部36に表示される。具体的には、設定変更キーを回転した状態で、電源が投入されると、設定変更モードへ移行する。設定変更モードにおいて、設定表示部36に数字「0」が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、設定値「1」が設定される。また、設定表示部36に数字「1」が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、設定値「2」が設定される。さらに、設定表示部36に数字「2」が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、設定値「3」が設定される。
同様に、設定表示部36に数字「4」が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、設定値「4」が設定され、設定表示部36に数字「5」が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、設定値「5」が設定され、設定表示部36に数字「6」が表示される期間においてスタートレバー24が操作されると、設定値「6」が設定される。設定値が設定されると、設定変更モードが終了し、遊技が実行可能になる。
前面扉3の裏面には、サブ制御基板400が設けられる。サブ制御基板400は、演出制御基板410、画像制御基板420およびサウンド基板430を含む各種の基板を含んで構成される。
キャビネットの内部には、電源装置510が設けられる。電源装置510は、AC-DCコンバータおよびDC-DCコンバータ(何れも図示略)を具備し、遊技機1の外部から供給される交流電圧から直流電圧を生成し、生成した直流電圧から複数種類の直流電圧を生成する。例えば、電源装置510は、モータやソレノイドの駆動に用いられる32Vの直流電圧と、液晶表示装置30に供給される12Vの直流電圧と、電子回路基板(例えばメイン制御基板300)に供給される5Vの直流電圧とを生成する。
電源装置510には、電源ボタン511およびリセットボタン512が設けられる。電源ボタン511をON状態に操作した場合、遊技機1に電源が供給され、電源ボタン511をOFF状態に操作した場合、電源が遮断される。リセットボタン512は、遊技状態などをリセットする場合に操作される。具体的には、リセットボタンを操作した場合、後述のメインRAM303の所定の記憶領域が初期値にリセットされる。
メイン制御基板300には各種の電子部品が設けられる。具体的には、メインCPU301、メインROM302、メインRAM303、抵抗、コンデンサ、コネクタ、設定表示部36およびメイン表示器40を含む各種の電子部品がメイン制御基板300に実装される。コネクタは、メイン制御基板300と他の制御装置とを電気的に接続するために用いられる。
<遊技機の回路>
遊技機1の構造の説明は以上である。以下において、図4を用いて遊技機1が備える各回路の機能について説明する。遊技機1は、図4に示すように、リール基板100、中継基板200、メイン制御基板300、サブ制御基板400および電源基板500を具備する。
<メイン制御基板>
メイン制御基板300は、図4に示すように、メインCPU301とメインROM302とメインRAM303と乱数発生器304とI/F(インターフェース)回路305とを含んで構成される。なお、メインCPU301とメインROM302とメインRAM303とを、別体の電子機器として具備してもよいし、各要素が一体的に構成されたワンチップ型のマイクロコンピュータとして具備してもよい。
メインROM302は、メインCPU301により実行される制御プログラムおよび各種のデータ(例えば当選エリア抽選テーブル)を不揮発的に記憶する。メインRAM303は、メインCPU301が実行する各処理で用いられる各種のデータを記憶する。
メインCPU301は、メインROM302に記憶される制御プログラムを読み込み、遊技の進行に合わせて所定の処理を行うことにより、サブ制御基板400と各リール12とメダルを払出すホッパー520と表示器MLとを含む各種の機器を制御する。
乱数発生器304は、後述する内部抽選処理において用いられる乱数値R1を生成する。本実施形態の乱数発生器304は、カウンタ回路とサンプリング回路とパルス発生回路(何れも図示略)とを具備し、ハードウェア乱数を生成する。具体的には、パルス発生回路は所定の周期でカウンタ回路に信号を出力する。カウンタ回路の数値は、パルス発生回路から信号が入力される毎に「1」だけインクリメントされる。サンプリング回路は、遊技者が遊技の開始操作をした場合に、カウンタ回路の数値を乱数値R1として記憶する。乱数値R1は、数値「0」~「65535」の範囲で生成される。なお、ソフトウェア乱数を乱数値R1として採用してもよい。
本実施形態においては、乱数値R1に加え乱数値R2が生成される。乱数値R2は、メインCPU301に内蔵されるレジスタから取得されるソフトウェア乱数であり、数値「0」~「255」の範囲で生成される。後述するように、乱数値R2は、回胴演出決定処理で用いられる。以上の回胴演出決定処理では、回胴演出(疑似遊技)の種類が抽選により決定される。回胴演出では、通常の遊技とは相違する態様で各リール12が制御される。また、メインCPU301は、乱数値R3を生成する。乱数値R3は、数値「0」~「255」の範囲で生成される。乱数値R3は、後述する判定条件抽選処理等で用いられる。
I/F回路305は、各種の操作部(例えばスタートレバー24)の各スイッチSW(例えばスタートスイッチ24SW)からの信号および各センサSE(例えばメダルセンサ34SE)からの信号をメインCPU301に入力する。各スイッチSWおよび各センサSEからの信号は、ハイレベルまたはローレベルの信号である。なお、本実施形態においては、説明のため、第1のレベル(ハイレベルまたはローレベル)の信号をON信号と表記し、第2のレベル(ローレベルまたはハイレベル)の信号をOFF信号と表記する。ON信号である第1のレベルがハイレベルであるかローレベルであるかは、スイッチSWまたはセンサSEの種別に応じて設定される。また、スイッチSWからON信号(OFF信号)が出力されていることを「スイッチSWがON状態(OFF状態)である」と記載する場合がある。
I/F回路305は、表示器ML、ホッパー520および各リール12を駆動させる各種の信号をメイン制御基板300の外部に出力する。また、I/F回路305は、サブ制御基板400に各種のコマンドを出力する。なお、不正なコマンドがメイン制御基板に入力されることを防止するため、サブ制御基板400からのコマンドは、メイン制御基板300で受信されない。
リール基板100には、メイン制御基板300からの信号が入力される。リール基板100は、メイン制御基板300からの信号に応じて、駆動パルスを各リール12に出力する。リール基板100からの駆動パルスに応じて、各リール12の各ステッピングモーター101が駆動される。
ステッピングモーター101は、複数個(4つ)のコイルを具備する。各コイルのうち励磁されるコイルの組合せは、リール基板100から駆動パルスが入力される毎に順次に切り替わり、励磁されるコイルの組合せが順次に切り替わることにより、各リール12が回転する。具体的には、ステッピングモーター101の励磁されるコイルの組合せが1回切り替えられると、リール12が所定の角度だけ回転する。例えば、パルスが24回付与された場合に、リール12は1コマ(単位領域U)分の角度だけ回転し、パルスが504回付与された場合に、リール12は1回転する。以上の構成では、駆動パルスが付与される時間間隔が短いほどリール12の回転速度は速くなる。
メイン制御基板300には、複数のリールセンサ111(111L、111C、111R)からのON/OFF信号がリール基板100を介して入力される。各リールセンサ111のうちリールセンサ111Lはリール12Lに対応し、リールセンサ111Cはリール12Cに対応し、リールセンサ111Rはリール12Rに対応する。各リールセンサ111は、対応するリール12の回転角度が基準位置である場合にON信号を出力する。他方で、各リール12の回転角度が基準位置以外である場合、各リールセンサ111は、OFF信号を出力する。メイン制御基板300のメインCPU301は、各リールセンサ111からの信号と各ステッピングモーター101へ駆動パルスが出力された回数とから、各リール12の回転角度を判別することができる。
中継基板200は、メイン制御基板300から表示器MLへの信号を中継する。メイン制御基板300から出力された信号に応じて、表示器MLが駆動される。また、中継基板200は、各操作部(スタートレバー24など)の操作を検出する各センサ(後述のスタートスイッチ24SWなど)からメイン制御基板300に入力されるON/OFF信号を中継する。具体的には、中継基板200は、図4に示すように、1BETスイッチ21SW、MAX-BETスイッチ22SW、精算スイッチ23SW、スタートスイッチ24SW、停止スイッチ25SWおよびメダルセンサ34SEからのON/OFF信号を中継する。また、図4に示すように、電源基板500は、リセットスイッチ512SEおよび払出センサ112SEを含む各種のセンサまたはスイッチのON/OFF信号を中継する。
1BETスイッチ21SWは、遊技者による1BETボタン21の操作を検出する。また、1BETスイッチ21SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、1BETスイッチ21SWからのON信号が入力された場合、1枚のメダルを賭けメダルに加算する。
MAX-BETスイッチ22SWは、遊技者によるMAX-BETボタン22の操作を検出する。また、MAX-BETスイッチ22SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、MAX-BETスイッチ22SWからのON信号が入力された場合に、規定枚数のメダルを賭けメダルとして設定する。
精算スイッチ23SWは、遊技者による精算ボタン23の操作を検出する。精算スイッチ23SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。
精算スイッチ23SWからのON信号が入力された場合、または、入賞にかかる図柄の組合せが有効ラインに表示された場合、メインCPU301は、ホッパー520に対してホッパー駆動信号を出力する。ホッパー駆動信号は、メイン制御基板300から電源基板500を介してホッパー520に入力される。ホッパー520は、ホッパー駆動信号が入力されると、メダルの払出しを行う。
払出センサ112SEは、ホッパー520から1枚のメダルが払い出される毎に、払出信号をメイン制御基板300に出力する。具体的には、ホッパー520の排出スリット521bを通過するメダルが検知される位置に、払出センサ112SEが設けられる。払出センサ112SEは、メダルを検知した場合、払出信号を出力する。払出信号は、電源基板500を介してメイン制御基板300に入力される。メインCPU301は、払出信号が入力された回数を計数することで、払い出されたメダルの枚数を判別することができる。
電源スイッチ511SWは、電源ボタン511の操作によりON状態またはOFF状態に切り替えられる。電源スイッチ511SWがON状態では、電源装置510から遊技機1に電源が供給され、電源スイッチ511SWがOFF状態では、電源装置510から遊技機1への電源が遮断される。電源装置510は、電源が供給されると直流電圧を生成する。電源装置510で生成された直流電圧は、電源基板500を介してホッパー520を含む各種の装置に供給される。
リセットスイッチ512SWは、電源装置510に設けられ、リセットボタン512が操作されるとメイン制御基板300にリセット信号を出力する。リセット信号は、電源基板500を介してメイン制御基板300に入力される。メインCPU301は、リセット信号を受信すると、メインRAM303の所定の記憶領域を初期化し、例えばエラー状態を解除する。なお、複数個のリセットスイッチ512SW(リセットボタン512)を設ける構成としてもよい。例えば、電源装置510に設けられたリセットスイッチ512SWに加え、施錠装置4にリセットスイッチを設けてもよい。以上の構成において、例えば、施錠装置4の鍵穴に鍵を挿入し、右に鍵を回転させた場合に前面扉3が解錠され、左に鍵を回転させた場合にリセットスイッチからリセット信号が出力される構成が好適に採用される。
図4に示す設定変更スイッチ37SWは、設定変更ボタン37の操作を検出する。設定変更スイッチ37SWからのON信号は、メイン制御基板300に入力される。設定変更スイッチ37SWからのON信号が入力されると、メインCPU301は、設定表示部36の表示を更新する。また、設定表示部36に設定値が表示されない期間において、設定変更スイッチ37SWからのON信号が入力された場合、メインCPU301は、指示込役物比率(後述)を貯留枚数表示器16に表示させる。メダルセンサ34SEは、メダル投入部8から投入されたメダルを検出する。
メイン制御基板300には、複数の停止スイッチ25SW(25SWL、25SWC、25SWR)からのON/OFF信号が中継基板200を介して入力される。各停止スイッチ25SWのうち停止スイッチ25SWLは停止ボタン25Lに対応し、停止スイッチ25SWCは停止ボタン25Cに対応し、停止スイッチ25SWRは停止ボタン25Rに対応する。メインCPU301は、ON信号が入力された停止スイッチ25SWに対応するリール12の停止制御をする。具体的には、停止スイッチ25SWLからON信号が入力された場合は、リール12Lの停止制御をする。同様に、メインCPU301は、停止スイッチ25SWCからON信号が入力された場合は、リール12Cの停止制御をし、停止スイッチ25SWRからON信号が入力された場合は、リール12Rの停止制御をする。
スタートスイッチ24SWは、遊技者によるスタートレバー24の操作を検出する。スタートスイッチ24SWからのON信号は、中継基板200を介して、メイン制御基板300のI/F回路305に入力される。メインCPU301は、スタートスイッチ24SWからのON信号が入力された場合に、例えば、各ステッピングモーター101を制御して各リール12を回転させる。また、設定変更スイッチ37SWからのON信号がメイン制御基板300に入力される。
本実施形態のスタートスイッチ24SWは、スタートレバー24が操作された方向を検出可能に形成される。具体的には、スタートスイッチ24SWは、遊技者側から見てスタートレバー24を押上げる押上操作、押下げる押下操作、右側に倒す右側操作、左側に倒す左側操作の何れかを個別に検出可能である。例えば、スタートスイッチ24SWを、スタートレバー24が押上操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWUと、押下操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWDと、右側操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWRと、左側操作された場合にON信号を出力するスタートスイッチ24SWLとを含む複数のセンサで構成する。以上の構成によれば、例えば、スタートレバー24が押下操作された場合と押上操作された場合とで、実行される演出を異ならせることができる。
メインCPU301は、遊技の進行に応じて各種の遊技情報(連役比率、役物比率、直近連役比率、直近役物比率、指示込役物比率、ボーナス遊技比率)を算出し、当該遊技情報に応じた表示情報をメイン表示器40に表示させる。表示情報は、各遊技情報に対応する各識別情報と、当該遊技情報の大きさを示す割合情報とを含む。
メイン表示器40は、第1表示部40Xと第2表示部40Yとを含んで構成される。第1表示部40Xは、上述した識別情報を表示する。また、第2表示部40Yは、上述した割合情報を表示する。第1表示部40Xは2個の7セグメントディスプレイで構成され、第2表示部40Yは2個の7セグメントディスプレイで構成される。メイン表示器40は、遊技機1の電源が投入された場合、表示情報の表示を開始し、その後、電源が遮断されるまで継続する。詳細には後述するが、各種の遊技情報に対応する複数の表示情報をメイン表示器40は表示する。各表示情報は、予め定められた時間間隔(約5秒)で切換えて表示される。
<サブ制御基板>
サブ制御基板400は、液晶表示装置30、スピーカー(31、32)および各ランプ(例えば演出用ランプ28)を制御する。図4に示すように、サブ制御基板400は、演出制御基板410と画像制御基板420とサウンド基板430とを含む複数の基板で構成される。また、サブ制御基板400には、演出ボタンスイッチ26SWと方向指定スイッチ27SWとを含む各種のセンサと、筐体ランプ5と演出用ランプ28と停止操作順序表示ランプ29とレバー演出用ランプ42と上部ランプ35とを含む各種のランプが電気的に接続される。
また、図4に示すように、サブ制御基板400には、音量調整スイッチ44が電気的に接続される。音量調整スイッチ44は、遊技機1のマスター音量を調整するのに用いる。音量調整スイッチ44としては、例えば、ディップスイッチが好適に採用される。上述したように、マスター音量は、方向指定ボタン27の操作によっても調整することができる。すなわち、マスター音量は、方向指定ボタン27および音量調整スイッチ44の何れかを操作することにより調整される。
本実施形態においては、方向指定ボタン27を操作した場合と音量調整スイッチ44を操作した場合とで調整可能なマスター音量が相違する。具体的には、方向指定ボタン27を操作した場合、数値「1」から数値「5」(5段階)の何れかにマスター音量を調整することができる。一方で、音量調整スイッチ44を操作した場合、数値「1」、数値「3」および数値「5」(3段階)の何れかにマスター音量を調整することができる。なお、方向指定ボタン27を操作した場合と音量調整スイッチ44を操作した場合とで調整可能なマスター音量を同じにしてもよい。
演出制御基板410は、図4に示すように、I/F回路411とサブCPU412とサブROM413とサブRAM414とを含んで構成される。演出制御基板410(サブCPU412)は、筐体ランプ5と演出用ランプ28と停止操作順序表示ランプ29とレバー演出用ランプ42とを含む各種のランプとサウンド基板430とを制御する。また、演出制御基板410は、画像制御基板420に対して、液晶表示装置30に各画像を表示させるコマンドを与える。
サブROM413は、サブCPU412により実行される制御プログラムと各種のデータとを記憶する。例えば、演出の種類を決定するための演出抽選テーブルや各種のランプの点滅パターンを示すランプデータがサブROM413に記憶される。
サブRAM414は、各種のデータを揮発的に格納するワーク領域として機能する。I/F回路411は、メイン制御基板300(I/F回路305)からのコマンドを受信する。ただし、サブ制御基板400からコマンドはメイン制御基板300が受信不可能に構成される。I/F回路411で受信されたコマンドは、サブCPU412に供給される。I/F回路411が受信するコマンドは、例えば、有効ラインに停止した当選役の種別を示す表示当選役コマンドである。
サブCPU412は、サブROM413が記憶する制御プログラムを実行し、サブROM413が記憶する各データに基づいて各種のランプ(例えば筐体ランプ5)とサウンド基板430とを制御する。例えば、サブCPU412は、サブROM413から筐体ランプ5の点滅パターンを示すデータを読み出して、筐体ランプ5を点滅させる。また、サブCPU412は、後述する演出制御処理などで用いる乱数値R4を生成する。乱数値R4としては、例えば範囲0~65535の乱数が好適に採用される。なお、サブROM413は、単一の電子部品で構成してもよいし、複数の電子部品(記憶装置)で構成してもよい。
画像制御基板420は、演出制御基板410からのコマンドに応じて、液晶表示装置30に各種の画像を表示させる。画像制御基板420は、図4に示すように、画像制御CPU421と画像制御ROM422とVDP(Video Display Processor)423とCGROM424とVRAM425とを含んで構成される。
画像制御CPU421は、画像制御ROM422が記憶する制御プログラムを実行し、演出制御基板410からのコマンドに応じた指示をVDP423に与える。CGROM424は、圧縮符号化された画像データ(例えばテクスチャデータ)を記憶する。VDP423は、画像デコーダと描画回路とを含んで構成される(何れも図示略)。画像制御CPU421からの指示がVDP423に入力されると、画像デコーダは、当該指示に応じてCGROM424から画像データを読み出す。画像デコーダは、読み出した画像データを伸長(デコード)し、RAM425に格納する。描画回路は、RAM425に格納された画像データに応じて、各種の画像を液晶表示装置30に表示させる。また、RAM425は、画像制御CPU421の各処理で生成された各種のデータを記憶する。RAM425には、音源IC431に送信する音制御コマンドを記憶するコマンド格納領域が設けられる。
サウンド基板430は、画像制御CPU421に制御されて、音響信号を生成する。サウンド基板430で生成された音響信号は、スピーカー31およびスピーカー32に供給され、音波として出力される。図4に示すように、サウンド基板430は、音源IC431と音源ROM432とを含んで構成される。画像制御CPU421は、サブCPU412からのコマンドに応じてサウンド基板430(音源IC431)を制御する。
音源ROM432は、複数の音響データを圧縮して記憶する。各音響データは、例えば、特定の遊技状態の楽曲、遊技者が停止ボタン25を操作する毎に出力される音声、エラー状態に出力されるエラー音を含む各音響の各々を示すデータである。
音源IC431は、音源ROM432の音響データから音響信号を生成する。また、音源IC431は、デコーダと制御レジスタとA/D変換器(何れも図示略)とを含んで構成される。音源IC431のデコーダは、サブCPU412からの指示に応じて音源ROM432から音響データを読出す。また、音源IC431のデコーダは、読出した音響データの音量を調整した後に、当該音響データを制御レジスタに格納する。制御レジスタには複数の音響データが格納され、制御レジスタに格納された各音響データは、格納された順序でA/D変換器に供給される。A/D変換器は、音響データから音響信号を生成してアンプ433に供給する。アンプ433は、音源IC431(A/D変換器)から供給された音響信号を増幅してスピーカー31およびスピーカー32に供給する。なお、音源IC431を制御するCPUを、サブCPU412および画像制御CPU421とは別に設ける構成としてもよい。
<メインCPUが用いる各データ>
遊技機1の各回路の説明は以上の通りである。以下、図面を用いて、メインROM302に記憶される各種のデータを説明する。
図5は、当選エリア抽選テーブルの概念図である。メインCPU301は、後述する内部抽選処理において、当選エリア抽選テーブルと乱数値R1とを用いて、当選エリアを決定する。図5に示すように、各当選エリア抽選テーブルは、複数の当選エリアと各当選エリアに対応する各抽選値とを含んで構成される。図5には、各当選エリアの名称が示される。当選エリア抽選テーブルは、設定値(1から6)毎にメインROM302に記憶される。
図5には、設定値「2」の場合に参照される当選エリア抽選テーブルが例示される。詳細には後述するが、設定値「1」が設定された場合の遊技性は、他の設定値が設定された場合の遊技性と大きく異なる。具体的には、設定値「1」が設定された場合、他の設定値が設定された場合と比較して、ギャンブル性が著しく低下する。したがって、遊技者によっては面白味に欠けると感じる場合がある。以上の事情から、遊技機1の管理者によっては、設定値「1」を原則設定しない場合がある。
当選エリア抽選テーブルの各当選エリアは、図6に示す当選役決定テーブルで規定される各当選役を指定する。例えば、当選エリア番号「01」の「リプレイ1」が内部抽選処理で決定された場合を想定する。当選エリア番号「01」は、図6に示すように、当選役「中段リプレイ」と当選役「右上りリプレイ」とを指定する。すなわち、当選エリア「リプレイ1」が当選した遊技において、複数種類の当選役が重複して指定される。当選エリアで指定された当選役の図柄の組合せは、有効ラインへの停止が許可される。
当選エリア抽選テーブルの各抽選値は、内部抽選処理において乱数値R1に減算される。具体的には、内部抽選処理において、メインCPU301は、乱数値R1から各当選エリアに対応する各抽選値を当選エリアの昇順に減算していく。内部抽選処理において、乱数値R1から抽選値を減算した結果が負数となった当選エリアが決定される。乱数値R1に減算した場合に負数になる確率は、抽選値が大きいほど高くなるため、当選エリアのうち抽選値が大きい当選エリアほど当選する確率が高くなる。
図5に示すように、当選エリア抽選テーブルは、内部状態毎の各抽選値を含んで構成される。各内部状態は、非内部中状態と内部中状態とボーナス作動状態とを含む。本実施形態では、各内部状態における規定枚数は共通して3枚である。各内部状態のうち非内部中状態には、設定値が設定(変更)された場合またはボーナス作動状態が終了した後に移行する。なお、内部中状態において設定値が変更された場合、内部中状態が維持される構成としてもよい。
内部中状態は、RBB役の当選状態が持越されている(以下、単に「RBB役が持越されている」等と記載する)内部状態である。具体的には、本実施形態では、RBB役を含む各種の当選役が各遊技で決定される。RBB役以外の当選役は、当該当選役の図柄組合せが停止表示されたか否かによらず、次回の遊技に持越されない。一方、RBB役の図柄組合せが今回の遊技で停止表示されない場合、次回以降の遊技にRBB役が持越される。
例えば、図6に示す通り、当選エリア「重複役1」が決定された遊技では、RBB役に加え、リーチ目(3、4、7)および左補助役2の図柄組合せが停止表示可能になる。以上の当選エリア「重複役1」が決定された遊技でRBB役の図柄組合せが停止表示されない場合、RBB役が次遊技以降に持ち越され(内部中状態へ移行し)、他の当選役は次遊技に持越されない。以上の内部中状態は、ボーナス作動状態が開始されるまで維持される。なお、本実施形態の内部中状態には、RBB役が当選した遊技が含まれる。
ボーナス作動状態には、RBB役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合に移行する。ボーナス作動状態は、55枚を超えるメダルが払出された場合に終了する。ボーナス作動状態が終了した場合、メインCPU301は、非内部中状態に移行する。ボーナス作動状態の各遊技では、当選エリア「オール役」、当選エリア「9枚オール」、当選エリア「1枚オール」または当選エリア「リプレイ3」が当選する。
当選エリア「オール役」が当選した遊技では、払出枚数が15枚の当選役(上段ベルB)が有効ラインに停止表示され、当選エリア「9枚オール」が当選した遊技では、払出枚数が9枚の当選役(中段ベルA等)が有効ラインに停止表示され、当選エリア「1枚オール」が当選した遊技では、払出枚数が1枚の当選役(補助役1等)が有効ラインに停止表示される。当選エリア「リプレイ3」が当選した遊技では、中段リプレイが有効ラインに停止表示される。以上の各当選役は、停止操作順序および停止操作位置によらず有効ラインに停止表示される。なお、本実施形態では、非内部中状態において、当選エリア「RBB」が当選した場合(RBB役が単独で当選した場合)にのみ、RBB役を停止表示可能である。
図7は、図柄組合せテーブルの概念図である。図柄組合せテーブルは、各当選役が当選した遊技において、有効ラインへの停止が許可される図柄の組合せを規定する。例えば、当選役「RBB役」が当選した遊技においては、「ブランク1-チェリー-BAR」の図柄組合せが有効ラインに停止することが許可される。また、例えば、当選役「中段リプレイ」が当選した遊技においては、「リプレイ-リプレイ-赤セブン」「リプレイ-リプレイ-金セブン」「リプレイ-リプレイ-ブランク1」および「リプレイ-リプレイ-ブランク2」の図柄組合せが有効ラインに停止可能になる。
図柄組合せテーブルは、図7に示すように、各図柄組合せの許可ビット番号と各当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止した場合のメダルの払出枚数とを含んで構成される。図7には、各当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止した場合の払出枚数を示す。例えば、中段ベルAの図柄組合せ「ベル1-ベル1-スイカ」が有効ラインに停止表示された場合の払出枚数は「9」枚である。また、RBB役の図柄組合せが有効ラインに停止表示された場合の払出枚数は「0枚」である。
図7に示すように、当選役「上段ベルA、B」「中段ベルA、B」「下段ベルA、B」「右上りベルA、B」「右下りベルA、B」「補助役1~47」「左補助役1~7」「リーチ目1~7」「チェリー役」「スイカ役」を含む各当選役の何れかに係る図柄組合せが有効ラインに表示されると、各当選役に応じた払出枚数のメダルが遊技者に付与される。本実施形態においては、有効ラインに表示された場合にメダルが払い出される当選役を「入賞当選役」という。また、入賞当選役の図柄組合せが有効ラインに停止表示されることを単に「入賞」という場合がる。
「中段リプレイ」「下段リプレイ」「右上りリプレイ」の何れかが有効ラインに表示されると、次回の遊技が再遊技に設定される。本実施形態においては、有効ラインに表示された場合に次回の遊技が再遊技となる当選役を総称して「リプレイ」という場合がある。複数の当選役が重複して当選した場合、リプレイは、他の当選役より優先して有効ラインに停止表示され、RBB役は、他の当選役より優先順位が低い。ただし、入賞当選役よりボーナス役の優先順位が高い構成としてもよい。
図柄組合せテーブルの各許可ビット番号は、メインRAM303の表示許可ビット格納領域の各表示許可ビットを指定する。表示許可ビット格納領域は、複数の表示許可ビットを含んで構成され、各表示許可ビットは、各当選役に対応する。例えば、当選エリア番号「01」の「リプレイ1」が当選して、当選役「中段リプレイ」および「右上りリプレイ」の図柄組合せが有効ラインに停止許可された場合を想定する。以上の場合では、表示許可ビット格納領域の許可ビット番号「01」で指定される表示許可ビットおよび許可ビット番号「03」で指定される表示許可ビットが「1」に設定され、その他は「0」に設定される。
メインRAM303は、後述の表示判定処理において、表示許可ビット格納領域と対比される表示役格納領域を記憶する。表示役格納領域は、複数の表示可能ビットを含んで構成され、各表示可能ビットは、各当選役に対応する(表示許可ビット格納領域と同様)。また、各表示可能ビットは、当該表示可能ビットに対応する当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性がある場合に「1」に設定され、対応する当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性がない場合に「0」に設定される。例えば、各リール12が回転を開始した時点においては、全ての当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する可能性があるため、全ての表示可能ビットが「1」に設定される。また、表示役格納領域の各表示可能ビットは、各リール12が停止する毎に更新され、全てのリール12が停止した時点において、実際に有効ラインに停止した当選役に係る図柄組合せに対応する表示可能ビットのみが「1」になる。
内部抽選処理で当選した当選役は、遊技者の各停止ボタン25の操作態様に応じて、有効ラインに停止する。具体的には、各当選役は、各停止ボタン25の停止操作位置および停止操作の順序に応じて、有効ラインに停止する。例えば、停止操作位置から4コマ(停止操作位置を含めて5コマ)の範囲(以下「引込範囲」という)内に位置する図柄が有効ラインに停止可能であり、引込範囲外に位置する図柄は、当選役を構成する図柄であっても有効ラインに停止されない(いわゆる「取りこぼし」が発生する)。また、上述したとおり、一回の遊技において、複数種類の当選役が重複して当選する場合がある。複数種類の当選役が当選した遊技においては、例えば停止操作の順序および停止操作位置に応じた当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止する。本実施形態では、今回の遊技で当選している当選役の種類、停止操作順序および停止操作位置の組合せと、停止表示する図柄組合せとが、一対一に対応付けられる。
図8(a)および図8(b)は、当選エリアと停止操作順序と有効ラインに停止する当選役(有効ラインに停止する図柄の組合せ)との対応関係の説明図である。具体的には、本実施形態では、特定グループに属する当選エリアが当選した遊技では、停止操作順序に応じて、入賞する当選役が変化する。図8(a)および図8(b)には、特定グループに属する当選エリアが当選した遊技において入賞する当選役が停止操作順序毎に示される。
特定グループには、CLRベルA(1、2)およびCLRベルB(1、2)(以下「CLRベル」と総称する場合がある)、CRLベルA(1、2)およびCRLベルB(1、2)(以下「CRLベル」と総称する場合がある)、RLCベルA(1、2)およびRLCベルB(1、2)(以下「RLCベル」と総称する場合がある)、RCLベルA(1、2)およびRCLベルB(1、2)(以下「RCLベル」と総称する場合がある)、確定役1および確定役2が含まれる。詳細には後述するが、メインCPU301(メイン制御基板300)は、当選エリアに応じたコマンド(第1コマンド)をサブCPU412(サブ制御基板400)へ送信する。ただし、特定グループが当選した遊技では、当選エリアの種類によらず共通の第1コマンドが送信される。
以下、説明のため、特定グループのうちCLRベル、CRLベル、RLCベルおよびRCLベルを「打順ベル」と総称する場合がある。また、打順ベルが当選した遊技では、停止操作順序に応じて、中段ベル(A、B)、右上りベル(A、B)、右下りベル(A、B)および下段ベル(A、B)の何れかが停止表示される。本実施形態では、以上の各ベル役(9枚役)を「正解ベル」と総称する場合がある。また、正解ベルが停止表示される停止操作順序を「正解押順」と記載する場合がある。一方、正解押順以外の停止操作順序を「不正解押順」と記載する場合がある。
また、本実施形態では、例えば、「左第1停止し、中第2停止し、右第3停止する」停止操作順序を、単に「左中右」等と記載する場合がある。さらに、6通りの停止操作順序(左中右、左右中、中左右、中右左、右左中、右中左)のうち、左第1停止(左中右、左右中)以外の停止操作順序(中左右、中右左、右左中、右中左)を「変則押順」と記載し、変則押順で停止操作することを「変則押する」と記載する場合がある。
詳細には後述するが、特定グループが内部中状態で当選した場合(図8(a)参照)と非内部中状態で当選した場合(図8(b)参照)とで、停止操作順序が共通であっても、入賞可能な当選役が相違し得る。図8(a)は、内部中状態の具体例を示す。なお、上述した通り、RBB役は、非内部中状態の限られた遊技(RBB役が単独で当選した遊技)でのみ停止表示可能である。また、一旦RBB役が取りこぼされると、その後の内部中状態において、他の当選役が必ず当選するため、RBB役の図柄組合せは停止表示できない。すなわち、原則、内部中状態で遊技が実行される。
図8(a)に示す通り、例えば、打順ベルのうちCLRベルA1が当選した遊技では、「中左右」が正解押順になる。具体的には、CLRベルA1が当選した遊技では、中段ベルA、補助役1および左補助役4が停止表示可能になる(上述の図6参照)。以上のCLRベルA1が当選した遊技では、正解押順(中左右)で停止操作されると、中段ベルA(正解ベル)が入賞する。
一方、CLRベルA1が当選した遊技において、不正解押順(左第1停止、中右左、右第1停止)で停止操作されると、左補助役4または補助役1が入賞し得る。具体的には、CLRベルA1が当選した遊技において、左第1停止で停止操作された場合、停止操作位置によらず左補助役4が入賞する(取りこぼしが発生しない)。CLRベルA1が当選した遊技において、右第1停止で停止操作された場合、停止操作位置によっては補助役1が停止表示されるが、停止操作位置によっては補助役1を取りこぼす。不正解押順のうち「中右左」の順序で停止操作された場合も同様に、停止操作位置によっては補助役1が停止表示される。
打順ベルのうちCLRベルA2が当選した遊技では、CLRベルA1が当選した遊技と同様に、正解押順は「中左右」である。打順ベルのうちCLRベルA2が当選した遊技において、正解押順で停止操作されると中段ベルAが入賞する。また、CLRベルA2が当選した遊技において、左第1停止(不正解押順)で停止操作されると、停止操作位置によらず左補助役4が入賞する。また、不正解押順のうち変則押順(中右左、右左中、右中左)で停止操作されると、停止操作位置に応じて、補助役2が入賞する場合と取りこぼす場合とがある。
打順ベルのうちCLRベルB1が当選した遊技では、CLRベルA(1、2)が当選した遊技と同様に、正解押順は「中左右」である。打順ベルのうちCLRベルB1が当選した遊技において、正解押順で停止操作されると中段ベルBが入賞する。また、CLRベルB1が当選した遊技では、左第1停止(不正解押順)で停止操作されると、停止操作位置によらず左補助役5が入賞する。また、不正解押順のうち変則押順(中右左、右左中、右中左)で停止操作されると、停止操作位置に応じて、補助役3が入賞する場合と取りこぼす場合とがある。
打順ベルのうちCLRベルB2が当選した遊技では、CLRベルB1が当選した遊技と同様に、正解押順は「中左右」である。打順ベルのうちCLRベルB2が当選した遊技において、正解押順で停止操作されると中段ベルBが入賞する。また、CLRベルB2が当選した遊技では、左第1停止(不正解押順)で停止操作されると、停止操作位置によらず左補助役5が停止表示される。また、不正解押順のうち変則押順(中右左、右左中、右中左)で停止操作されると、停止操作位置に応じて、補助役4が入賞する場合と取りこぼす場合とがある。
以上のCLRベル(A1、A2、B1、B2)が当選した遊技では「中左右」が正解押順であるのに対し、CRLベル(A1、A2、B1、B2)が当選した遊技では、「中右左」が正解押順になる。CRLベルが当選した遊技において、正解押順で停止操作されると右上りベル(A、B)が入賞する。また、CRLベルが当選した遊技では、左第1停止(不正解押順)で停止操作されると、停止操作位置によらず左補助役(2、3、6、7)が停止表示される。また、不正解押順のうち変則押順(中左右、右左中、右中左)で停止操作されると、停止操作位置に応じて、補助役(5~12)が入賞する場合と取りこぼす場合とがある。
同様に、打順ベルのうちRLCベル(A1、A2、B1、B2)が当選した遊技では、「右左中」が正解押順になり、正解押順で停止操作されると右下りベルAまたは下段ベルAが入賞する。また、RLCベルが当選した遊技では、左第1停止(不正解押順)で停止操作されると、停止操作位置によらず左補助役(1、3、7)が入賞する。また、不正解押順のうち変則押順(中左右、中右左、右中左)で停止操作されると、停止操作位置に応じて、補助役(13~22、25、26、29、30)が入賞する場合と取りこぼす場合とがある。
同様に、打順ベルのうちRCLベル(A1、A2、B1、B2)が当選した遊技では、「右中左」が正解押順になり、正解押順で停止操作されると右下りベルBまたは下段ベルBが入賞する。また、RCLベルが当選した遊技では、左第1停止(不正解押順)で停止操作されると、停止操作位置によらず左補助役(1、3、6、7)が入賞する。また、不正解押順のうち変則押順(中左右、中右左、右左中)で停止操作されると、停止操作位置に応じて、補助役(16~37)が入賞する場合と取りこぼす場合とがある。
上述した通り、特定グループには確定役1および確定役2が含まれる。図8(a)に示す通り、確定役1が当選した内部中状態の遊技において、左第1停止で停止操作されると、リーチ目(1、2)が入賞する。一方、確定役1が当選した内部中状態の遊技において、変則押順で停止操作されると、中段ベルAが入賞する。また、確定役2が当選した内部中状態の遊技において、左第1停止で停止操作されると、リーチ目(5)が入賞する。一方、確定役2が当選した内部中状態の遊技において、変則押順で停止操作されると、右下りベルBが入賞する。上述した通り、中段ベルAおよび右下りベルBは、確定役(1、2)が当選した遊技以外で変則押した場合も入賞し得る。したがって、変則押順で停止操作されると、確定役(1、2)が当選したか打順ベルが当選したかを遊技者は把握困難である(実質的に不可能な場合を含む)。
以上の本実施形態では、特定グループが当選した遊技におけるメダル(遊技媒体の一例)の獲得期待値は、左第1停止(第1態様)で停止操作した場合より変則押順(第2態様)で停止操作した場合の方が多い。具体的には、特定グループが当選した遊技における停止操作順序毎の獲得期待値は、以下の数1に示す数式により求められる。
なお、本実施形態では、説明のため、「左中右」「左右中」「中右左」「中右左」「右左中」「右中左」の6種類の停止操作順序の各々を「順序1」「順序2」「順序3」「順序4」「順序5」「順序6」と記載する場合がる。また、以上の停止操作順序のうちの任意の1個を単に「順序m」と記載する場合がある。「m」は数字「1」から数字「6」までの整数である(数1においても同様)。
また、特定グループが当選した遊技で順序1で停止操作した場合のメダルの獲得期待値を「獲得期待値X1」と記載する場合がある。同様に、特定グループが当選した遊技で順序2で停止操作した場合のメダルの獲得期待値を「獲得期待値X2」と記載し、順序3で停止操作した場合のメダルの獲得期待値を「獲得期待値X3」と記載し、順序4で停止操作した場合のメダルの獲得期待値を「獲得期待値X4」と記載し、順序5で停止操作した場合のメダルの獲得期待値を「獲得期待値X5」と記載し、順序6で停止操作した場合のメダルの獲得期待値を「獲得期待値X6」と記載する場合がある。また、本実施形態では、説明のため、特定グループの18個の各当選エリアの各々にグループ内番号nを付与する(図8(a)(b)参照)。数1における、「n」はグループ内番号を意味する(n=1、2、3…18)。
数1における「Hnm」は、グループ内番号nの当選エリアが当選した遊技で、順序mで停止操作した場合に付与可能な払出枚数を意味する。すなわち、払出枚数Hnmは、グループ内番号nの当選エリアが当選した遊技で、順序mで停止操作した場合に入賞可能な当選役の払出枚数を意味する。上述した通り、共通の当選エリアが当選した遊技であっても、停止操作順序に応じて入賞可能な当選役は変化する。したがって、払出枚数Hnmは、当選エリアが共通であっても(nが共通であっても)、順序mに応じて変化する。
例えば、グループ内番号1のCLRベルA1が当選した遊技を想定する(n=1)。以上の遊技では、順序1(左中右:不正解押順)で停止操作した場合(m=1)、左補助役(1枚役)が入賞可能である。したがって、CLRベルA1が当選した遊技における順序1の払出枚数H11は「1」枚である(n=1、m=1の場合、H11=1)。一方、グループ内番号1のCLRベルA1が当選した遊技で、順序3(中左右:正解押順)で停止操作した場合(m=3)、正解ベル(9枚役)が入賞可能である。したがって、CLRベルA1が当選した遊技における順序3の払出枚数H13は「9」枚である(n=1、m=3の場合、H13=9)。同様に、グループ内番号1のCLRベルA1が当選した遊技で、順序4(中右左)で停止操作した場合(m=4)、補助役(1枚役)が入賞可能であるから、払出枚数H14は「1」枚である(n=1、m=4の場合、H14=1)。
数1における「Pan」は、特定グループが当選した場合に、グループ内番号nの当選エリアが当選している確率を意味する。すなわち、確率Panは、特定グループが当選した場合のうち、グループ内番号nの当選エリアが当選した場合の割合を意味する。具体的には、設定値が「2」の場合、特定グループの各当選エリアの各抽選値(上述の図5参照)の合計は「45608」(2850×16+4×2)である。また、例えばグループ内番号1のCLRベルA1の抽選値は「2850」である。したがって、確率Pa1は「2850/45608」である(Pa1≒1/16)。
数1における「Pbnm」は、グループ内番号nの当選エリアが当選した遊技で、順序mにより停止操作した場合における、当選役の引込確率を意味する。以上の引込確率とは、当選役が停止表示される順序(引込の対象となる順序)で停止操作された場合において、ランダムな停止操作位置で停止ボタン25を操作した場合における、当該当選役が入賞する確率である。上述した通り、特定グループが当選した遊技では、共通の当選エリアが当選した場合であっても、停止操作順序に応じて引込の対象となる当選役が変化する(図8参照)。したがって、共通の当選エリアが当選した場合であっても、停止操作順序に応じて、引込確率Pbnmが変化する。
例えば、グループ内番号1のCLRベルA1が当選した遊技において(n=1)、順序1で停止操作した場合(m=1)、停止操作位置によらず左補助役が入賞する。したがって、引込確率Pb11は「1」になる(n=1、m=1の場合、Pb11=1)。また、グループ内番号1のCLRベルA1が当選した遊技において(n=1)、順序3(正解押順)で停止操作した場合(m=3)、停止操作位置によらず正解ベルが入賞する。したがって、引込確率Pb13は「1」になる(n=1、m=3の場合、Pb13=1)。一方、グループ内番号1のCLRベルA1が当選した遊技において(n=1)、順序4で停止操作した場合(m=4)、確率約1/2で補助役が入賞する。したがって、引込確率Pb1は約「1/2」になる(n=1、m=4の場合、Pb14≒1/2)。
図8(a)からも把握される通り、順序1で停止操作した場合(m=1)、特定グループの何れの当選エリアが当選した場合であっても、停止操作位置によらず、1枚役(左補助役、リーチ目)が停止表示される。以上の構成は、mが数値「1」の場合の引込確率Pbn1は、グループ内番号nによらず数値「1」になる。また、mが数値「1」の場合の払出枚数Hn1は、グループ内番号nによらず数値「1」になる。すなわち、mが数値「1」の場合、上述の数1における「Hn1×Pbn1」はグループ内番号nによらず数値「1」になる。
以上の説明から理解される通り、獲得期待値X1は「Pa1+Pa2+Pa3…+Pa18」で表される。ただし、「Pa1+Pa2+Pa3…+Pa18」は、各当選エリアが当選する確率の合計を意味し、数値「1」である。したがって、獲得期待値X1は「1」枚になる。同様に、順序2で停止操作した場合、特定グループの何れの当選エリアが当選した場合であっても、停止操作位置によらず、1枚役(左補助役、リーチ目)が停止表示される。したがって、獲得期待値X2は「1」枚になる。
以上の通り、内部中状態において、特定グループが当選した遊技で左第1停止(順序1、順序2)により停止操作すると、獲得期待値X(1、2)は「1」枚になる(図8(a)参照)。一方、内部中状態において、特定グループが当選した遊技で変則押順(順序3~6)により停止操作すると、図8(a)に示す通り、獲得期待値X(3~6)は約「2.75」枚になる。すなわち、特定グループが当選した遊技では、左第1停止で停止操作した場合より、変則押順で停止操作した場合に獲得期待値が多くなる(変則押順が一方的に有利になる)。なお、本実施形態では、特定グループが当選しない遊技(非内部中状態、内部中状態およびボーナス作動状態を含む)では、停止操作順序毎の獲得期待値は略共通になる。
詳細には後述するが、メインCPU301からサブCPU412へ、特定グループが当選した旨を特定可能なコマンド(第1コマンド)が送信される(ただし、当該コマンドからは具体的な当選エリアの種類は特定されない)。以上の構成では、当該コマンドを不正装置に受信(盗聴)させて、一方的に有利な押順(変則押順)を特定する不正行為が想定される。
ただし、本実施形態では、特定グループが当選した遊技において、何れの停止操作順序で遊技した場合であっても、メダルの獲得期待値が規定枚数である3枚を超えない。具体的には、何れの設定値(1~6)が設定された場合であっても、特定グループが当選した遊技における各停止操作順序でのメダルの獲得期待値は規定枚数未満である。したがって、仮に、上述の不正行為をした場合であっても、遊技で使用した以上のメダルが獲得し難いため、当該不正行為が抑制されるという利点がある。
図8(b)は、特定グループが非内部中状態で当選した場合に入賞する当選役を停止操作順序毎に説明するための図である。すなわち、上述の図8(a)は内部中状態の具体例を示すのに対し、図8(b)は非内部中状態の具体例を示す。上述した通り、特定グループが内部中状態で当選した場合と非内部中状態で当選した場合とで、共通の順序で停止操作したとしても、入賞可能な当選役が相違し得る。
具体的には、上述の図8(a)から理解される通り、内部中状態においてCLRベルA(1、2)が当選した遊技では、正解押順(中左右)で停止操作した場合に正解ベルが入賞した。一方、図8(b)に示す通り、非内部中状態においてCLRベルA(1、2)が当選した遊技では、正解押順(中左右)で停止操作した場合に左補助役が入賞する。ただし、非内部中状態においてCLRベルB(1、2)が当選した遊技では、内部中状態と同様に、正解押順(中左右)で停止操作した場合に正解ベルが入賞する。
同様に、非内部中状態においてCRLベルA(1、2)が当選した遊技では、正解押順(中右左)で停止操作した場合に左補助役が入賞する。また、非内部中状態においてRLCベルA(1、2)が当選した遊技では、正解押順(右左中)で停止操作した場合に左補助役が入賞する。さらに、非内部中状態においてRLCベルA(1、2)が当選した遊技では、正解押順(右左中)で停止操作した場合に左補助役が入賞する。また、非内部中状態において確定役1が当選した遊技では、停止操作順序によらず左補助役が停止表示される。非内部中状態において確定役2が当選した遊技では、停止操作順序によらず右下りベルBが停止表示される。なお、左補助役は停止操作位置によらず入賞する。また、特定グループが当選しなかった遊技における各停止操作順序の非内部中状態における獲得期待値は、内部中状態と共通である。
以上の構成では、図8(b)に示す通り、非内部中状態において、特定グループが当選した遊技で左第1停止(順序1、順序2)により停止操作すると、獲得期待値X(1、2)は約「1」枚になる。一方、非内部中状態において、特定グループが当選した遊技で変則押順(順序3~6)により停止操作すると、獲得期待値X(3~6)は約「1.63」枚になる。すなわち、非内部中状態では、内部中状態と同様に、特定グループが当選した遊技において、左第1停止で停止操作した場合より、変則押順で停止操作した場合に獲得期待値が多くなる(変則押順が一方的に有利になる)。
ただし、特定グループが当選した遊技において変則押した場合の獲得期待値X(3~6)は、内部中状態より非内部中状態において少なくなる。以上の構成によれば、例えば、獲得期待値X(3~6)が内部中状態と非内部中状態とで共通の構成と比較して、上述の不正装置を用いた不正行為が抑制されるという効果は格別に顕著である。なお、獲得期待値X(3~6)が内部中状態と非内部中状態とで共通の構成を採用してもよい。
また、本実施形態では、左第1停止で遊技すると、原則、1枚役が入賞する。以上の構成によれば、1枚役以外を頻繁に入賞させることなく、後述の指示込役物比率を低く維持し易いという利点がある。なお、本実施形態では、9枚役が入賞した場合に各リール12のバックライトが点滅して表示され(バックライト演出が実行され)、メダルの払出音が出力される。一方、左補助役または補助役(1枚役)が停止表示した場合はバックライト演出は実行されず、メダルの払出音も出力されない。
仮に、略全ての遊技で1枚役が入賞する構成において、1枚役が入賞した場合にバックライト演出が実行され、且つ、メダルの払出音が出力される構成を想定する。以上の構成では、バックライト演出が頻繁に実行され、遊技者によっては、バックライト演出を煩わしく感じる不都合が生じ得る。また、略毎回の遊技で払出音が出力され、遊技者によっては、払出音を煩わしく感じる不都合が生じ得る。本実施形態の構成によれば、以上の不都合が抑制されるという利点がある。
図9(a)は、メインCPU301の遊技状態の遷移を説明するための図である。図9(a)に示す通り、メインCPU301は、非有利区間または有利区間の何れかで遊技を制御する。
非有利区間は、後述の有利区間移行時処理を除き、指示機能に係る処理(遊技状態の移行に関係する処理(更新処理、抽選処理)、指示表示器16における指示を実行するための処理など)が一切実行されない区間である。すなわち、非有利区間は、指示表示器16における指示が実行されない区間である。一方、有利区間は、指示機能に係る処理が実行される区間である。すなわち、指示表示器16における指示が実行され得る区間である。
本実施形態では、現在の遊技状態を示す遊技状態フラグがメインRAM303に記憶される。メインCPU301は、各遊技において、遊技状態フラグを示す遊技状態コマンドをサブCPU412に送信する。サブCPU412は、遊技状態コマンドが示す遊技状態に応じて演出を決定する。
有利区間は、原則、後述する移行抽選で非有利区間が決定されて終了する。ただし、当該契機以外で有利区間が終了する場合がある。具体的には、有利区間は、当該有利区間における遊技回数が1500回に達した契機で終了する。また、メダルの増加が開始した時点からの純増枚数が2400枚に達した契機で有利区間が終了する。以上の各契機の何れかが成立した場合、現在の遊技状態および内部状態によらず、有利区間が強制的に終了する。
本実施形態では、上述の純増枚数がMYカウンタにより計数される。また、有利区間における遊技回数が有利区間カウンタにより計数される。以上の各カウンタは、例えば、メインRAM303に設けられる。なお、有利区間における遊技回数が3000回に達した契機で当該有利区間が終了する構成としてもよい。また、有利区間が強制的に終了する契機として、MYカウンタが数値「2400」に達した契機のみを採用してもよい。
図9(a)に示す通り、有利区間において、通常状態、引戻し状態、天国チャンス状態、天国状態、超天国状態、BB状態およびEDBB状態を含む各遊技状態へ移行可能である。以下、各遊技状態のうち、指示表示器16における指示が実行される遊技状態(所謂「AT状態」)を「指示期間」と総称する場合がある。また、指示表示器16における指示が実行されない遊技状態を「非指示期間」と総称する場合がある。本実施形態では、BB状態およびEDBB状態が指示期間であり、他の遊技状態は非指示期間である。
非有利区間において、予め定められた当選エリアが当選すると、有利区間の各遊技状態のうち特定の遊技状態(引戻し状態、天国チャンス状態、BB状態)へ移行する。本実施形態では、当選エリア「通常役」「RBB」「重複役4」以外(上述の図5参照)が当選した契機で、非有利区間から有利区間へ移行する。非有利区間から有利区間へ移行する遊技では、有利区間移行時処理が実行される。なお、本実施形態では、上述の当選エリアが当選した遊技で、必ず有利区間が開始される構成を採用した。しかし、当該当選エリアが当選した契機で予め定められた抽選が実行され、当該抽選で当選した場合に有利区間が開始され、ハズレの場合は非有利区間が維持される構成としてもよい。
有利区間移行時処理の内容は、内部状態(非内部中状態、内部中状態)に応じて変化する。具体的には、上述した通り、設定値が変更された直後(遊技場が開店した直後)を除き、原則、内部中状態で遊技が実行される。したがって、有利区間移行時処理は、原則、内部中状態で実行される。なお、RBB役(重複役1~3)が当選した遊技で有利区間移行時処理が実行される場合、当該有利区間移行時処理は内部中状態の内容になる。
内部中状態の有利区間移行時処理では、特殊抽選が実行される。以上の特殊抽選では、チェリー(または重複役3(チェリー+RBB))当選時の確率約27.3%で、BB状態への移行が決定される。また、特殊抽選において、確定役が当選した場合、100%の確率でBB状態への移行が決定される。特殊抽選では、チェリーおよび確定役以外が当選した場合の確率約0.1%で、BB状態への移行が決定される。なお、特殊抽選において、確定役が当選した場合、後述の変形例におけるプレミアBB状態へ移行する構成としてもよい。特殊抽選においてBB状態への移行が決定されると、次回の遊技(有利区間の最初の遊技)からBB状態へ移行する(図9(a)の契機(A))。
なお、BB状態の最初の遊技では、開始操作の直後にBB状態へ移行する旨を報知する演出が実行される。また、BB状態の最初の遊技では、停止操作が可能になる前に(各リール12が定常回転する前に)、疑似遊技が実行される。疑似遊技を実行するための構成としては、例えば、特許第6867053号公報に記載の構成が採用され得る。以上の疑似遊技では、3個のセブン図柄(赤セブン図柄、金セブン図柄)が何れかのラインに表示され、その後、各リール12が定常回転する。一方、特殊抽選において、BB状態への移行が決定されなかった場合、その後、天国チャンス状態へ移行する(図9(a)の契機(B))。
非内部中状態の有利区間移行時処理では、特殊抽選は実行されない。非内部中状態において有利区間移行時処理が実行される具体例としては、設定値が変更された直後の非内部中状態において、RBB役(重複役1~4)が当選する前に、有利区間移行時処理が実行された場合が想定される。非内部中状態において有利区間移行時処理が実行されると、原則、有利区間のうち引戻し状態へ移行する(図9(a)の契機(C))。
ただし、非内部中状態の有利区間移行時処理において、BB状態への移行が決定される場合がある。具体的には、非内部中状態の非有利区間において、確定役2が当選した場合、有利区間移行時処理においてBB状態への移行が決定される。なお、非内部中状態の有利区間移行時処理において、通常状態への移行が決定され得る構成としてもよい。以上の構成では、非有利区間から通常状態へ移行する際に、有利区間移行時処理において後述の高確率移行抽選が実行される構成が好適である。
天国チャンス状態の各遊技では、特別抽選が実行される。特別抽選では、BB状態へ移行するか否かが抽選により決定される。なお、詳細には後述するが、特別抽選は、前回の遊技の第3停止時に実行された判定条件抽選処理、および、今回の遊技の開始操作時に実行されたBB判定処理を含む各処理により実現される(後述の図15(a)参照)。また、特別抽選は、引戻し状態および通常状態において実行される通常抽選(後述)と比較して、高確率でBB状態への移行が決定される。
天国チャンス状態でBB状態に当選すると、引戻し状態または通常状態においてBB状態に当選した場合と比較して、BB状態終了後に天国状態へ移行し易い(後述の移行抽選で天国状態が決定され易い)。すなわち、天国チャンス状態は、天国状態へ移行するチャンスとなる遊技状態である。天国チャンス状態でBB状態への移行が決定されると、次回の遊技からBB状態へ移行する(図9の契機(D))。
天国チャンス状態は、BB状態への移行が決定されずに98回の遊技が実行された場合に終了する。以上の場合、天国チャンス状態から引戻し状態へ移行する(図9(a)の契機(E))。具体的には、天国チャンス状態の開始時において、天国チャンスカウンタに初期値「98」が格納される。以上の天国チャンスカウンタは、例えば、メインRAM303に設けられる。天国チャンス状態の各遊技では、天国チャンスカウンタが数値「1」ずつ減算され、数値「0」に達すると、次回の遊技から引戻し状態へ移行する。
引戻し状態の各遊技では、通常抽選が実行される。通常抽選では、天国チャンス状態における特別抽選と同様に、BB状態へ移行するか否かが抽選により決定される。通常抽選においてBB状態への移行が決定されると、次回の遊技からBB状態へ移行する(図9(a)の契機(F))。本実施形態では、通常抽選より特殊抽選においてBB状態への移行が決定され易い。例えば、チェリーが当選した場合、特殊抽選では確率約27.3%でBB状態への移行が決定される。一方、チェリーが当選した場合、通常抽選では平均して確率約2.4%でBB状態への移行が決定される。
ところで、非有利区間は指示表示器16による指示が実行されない期間であるため、遊技者によっては、非有利区間へ移行した際に、遊技を中止し易いという事情がある。以上の事情を考慮して、本実施形態では、非有利区間においてチェリーに当選した場合、有利区間の通常状態においてチェリーに当選した場合より、BB状態へ移行し易い構成とした。具体的には、通常状態における通常抽選より非有利区間における特殊抽選の方が、BB状態への移行が決定され易い構成とした。以上の本実施形態によれば、非有利区間において遊技が中止され易くなる不都合が抑制されるという利点がある。
引戻し状態の各遊技では、転落抽選が実行される。以上の転落抽選では、通常状態へ移行するか否かが決定される。転落抽選において通常状態への移行が決定されると、次回の遊技から通常状態へ移行する(図9(a)の契機(G))。転落抽選では、例えば、確率約1/96.3で通常状態への移行が決定される。ただし、転落抽選で通常状態の移行が決定されることなく、引戻し状態が予め定められた回数(332回または234回)継続した場合、その後、BB状態へ移行する(図9(a)の契機(H))。
例えば、天国チャンス状態が開始される際に、引戻し天井カウンタに初期値「332」が設定される。以上の引戻し天井カウンタは、メインRAM303に設けられ、天国チャンス状態および引戻し状態の各遊技において数値「1」ずつ減算される。なお、天国チャンス状態では、上述の転落抽選は実行されない。以上の構成では、天国チャンス状態(98ゲーム)が終了して引戻し状態が開始される時点において、引戻し天井カウンタは数値「234」まで減算される。したがって、転落抽選で通常状態の移行が決定されることなく、引戻し状態が234回継続した場合、その後、BB状態へ移行する。
上述した通り、非有利区間から引戻し状態へ直接移行する場合がある。以上の場合、天国チャンス状態を介することなく引戻し状態が開始される。したがって、引戻し状態が開始される時点において、引戻し天井カウンタは初期値「332」のままである。以上の場合、転落抽選で通常状態の移行が決定されることなく、引戻し状態が332回継続した場合、その後、BB状態へ移行する。以上の構成では、天国チャンス状態を介して移行した引戻し状態では、天国チャンス状態を介さず移行した引戻し状態と比較して、引戻し天井カウンタが数値「0」に達するまでに転落抽選で通常状態への移行が決定され難い。
引戻し状態では、後述の通常状態と同様に、高確率移行抽選が実行される。高確率移行抽選で当選すると高確率期間が開始される。高確率期間の通常状態では、高確率期間ではない期間(以下「低確率期間」)と比較して、通常抽選においてBB状態への移行が決定され易い。具体的には、チェリーおよびリプレイ(1、2)以外の当選エリア(打順ベルなど)が当選した遊技において、高確率移行抽選が実行される。また、スイカが当選した遊技では、他の当選エリアが当選した遊技より高い確率で高確率期間への移行が決定される。なお、確定役(1~4)が当選した遊技では、BB状態への移行が決定されるため、高確率移行抽選は実行されない。以上の高確率移行抽選は、後述の停止時処理で実行される。
具体的には、高確率移行抽選で当選すると、高確率保証カウンタに初期値が設定され、高確率期間が開始される。高確率保証カウンタは、例えば、メインRAM303に設けられる。また、高確率保証カウンタの初期値は抽選により決定される。高確率期間の各遊技では、高確率保証カウンタが数値「1」ずつ減算される。高確率保証カウンタが数値「0」まで減算された以降の高確率期間では、高確率転落抽選が実行される。高確率転落抽選では、高確率期間を終了するか否か(低確率期間へ移行するか否か)が抽選により決定される。高確率期間を終了する旨が決定されると、次回の遊技から低確率期間へ移行する。以上の高確率転落抽選は、当選エリアによらず、後述の開始時処理において実行される。
通常状態では、引戻し状態と同様に、各遊技において通常抽選が実行される。なお、演出実行手段(液晶表示装置30等)の態様は、通常状態と引戻し状態とで共通である。また、引戻し状態において、転落抽選で通常状態への移行が決定された旨は報知されない。したがって、遊技者は、現在の遊技状態が通常状態であるのか引戻し状態であるのかを演出実行手段の態様からは把握できない。ただし、通常状態と引戻し状態とで、演出の実行頻度が相違する構成としてもよい。また、通常状態では実行されず引戻し状態で実行される演出を設けてもよい。
通常状態における通常抽選でBB状態への移行が決定されると、次回の遊技で疑似遊技が実行されBB状態へ移行する(図9(a)の契機(I))。また、通常状態の各遊技では、上述の引戻し状態と同様に、高確率移行抽選が実行される。高確率期間の通常状態では、低確率期間と比較して、通常抽選においてBB状態への移行が決定され易い。通常状態の高確率期間では、引戻し状態の高確率期間と同様に、高確率転落抽選が実行される。
通常状態が開始される際に、BB間天井カウンタに初期値「666」が設定される。通常状態の各遊技では、BB間天井カウンタが数値「1」ずつ減算される。BB間天井カウンタが数値「0」まで減算されると、次回の遊技からBB状態へ移行する(図9(a)の契機(J))。
本実施形態では、BB状態が終了してから、天国チャンス状態および引戻し状態を介して、通常状態へ移行するまでの最大の遊技回数は332回である。以上の構成では、前回のBB状態の終了後、998回の遊技が実行される以前にBB間天井カウンタ(初期値は「666」)が数値「0」に減算され、新たなBB状態へ移行する。また、非有利区間から天国チャンス状態または引戻し状態へ移行してから、通常状態へ移行するまでの最大の遊技回数は332回である。以上の構成では、非有利区間から天国チャンス状態または引戻し状態へ移行してから、998回の遊技が実行される以前にBB間天井カウンタが数値「0」に減算され、BB状態へ移行する。
BB状態は、指示期間であり指示表示器16における指示が実行される。すなわち、BB状態において、遊技者に有利な停止操作順序が指示される。具体的には、BB状態において、特定グループ(図8参照)が当選すると、9枚役が入賞可能となる停止操作順序が指示される。例えば、BB状態において、打順ベルが当選すると、当該打順ベルに対応する正解押順が指示される。また、BB状態において、確定役1が当選すると中段ベルAを入賞させる停止操作順序が指示され、確定役2が当選すると右下りベルBを入賞させる停止操作順序が指示される(後述の図11参照)。
詳細には後述するが、BB状態への移行が決定された際に、ストック抽選処理が実行される。また、BB状態の各遊技においても、ストック抽選処理が実行される。ストック抽選処理では、1G連ストックおよび超天国ストックを付与するか否かが抽選により決定される。1G連ストックが付与されると、1G連ストックカウンタが加算される。また、超天国ストックが付与されると、超天国ストックカウンタが加算される。
BB状態は、予め定められた回数の遊技で終了する。本実施形態のBB状態は、50回の遊技で終了する。BB状態が終了する時点において、1G連ストックカウンタが数値「1」以上の場合、1G連ストックカウンタから数値「1」を減算し、次回の遊技で疑似遊技を実行し、新たなBB状態を開始させる(図9(a)の契機(K))。すなわち、1G連ストックカウンタが数値「0」になるまで、BB状態が連続する。
BB状態が終了する時点において、1G連ストックカウンタが数値「0」の場合、超天国ストックカウンタが数値「1」以上であるか否かが判定される。超天国ストックカウンタが数値「1」以上の場合、超天国ストックカウンタから数値「1」を減算し、次回の遊技から超天国状態を開始させる(図9(a)の契機(L))。BB状態が終了する時点において、1G連ストックカウンタおよび超天国ストックカウンタの双方が数値「0」の場合、移行抽選が実行される。
図9(b)は、移行抽選テーブルの概念図である。メインCPU301は、移行抽選において移行抽選テーブルを用いて、次回移行する遊技状態を決定する。具体的には、非有利区間、天国チャンス状態および天国状態の何れかが移行抽選において決定される。図9(b)に示す通り、移行抽選テーブルには、各遊技状態の各抽選値が連チャンモード毎に設けられる。連チャンモードは、「HI」「MID」「LOW」を含む。また、連チャンモードが「HI」「MID」「LOW」の順に天国状態への移行が決定され易い。
メインCPU301は、BB状態への移行が決定された際に、現在の遊技状態および当選エリアに基づいて、連チャンモードの何れかを決定する。具体的には、天国チャンス状態、天国状態および超天国状態では、他の遊技状態(通常状態など)と比較して、有利な連チャンモードが決定され易い。以上の構成では、天国チャンス状態、天国状態および超天国状態では、他の遊技状態と比較して、BB状態終了後に天国状態へ移行し易い。なお、以上の連チャンモードを決定する処理および移行抽選は、後述のメインペナルティ制御により不利にはならない。
図9(a)に説明を戻す。移行抽選で非有利区間が決定されると、BB状態終了後に非有利区間へ移行する(図9(a)の契機(M))。移行抽選で天国チャンス状態が決定されると、BB状態終了後に天国チャンス状態へ移行する(図9(a)の契機(N))。移行抽選で天国状態が決定されると、BB状態終了後に天国状態へ移行する(図9(a)の契機(О))。
天国状態の各遊技では、天国チャンス状態と同様に、BB状態へ移行するか否かが特別抽選により決定される。ただし、天国状態の各遊技では、天国チャンス状態の各遊技と比較して、BB状態への移行が決定され易い構成としてもよい。天国状態においてBB状態への移行が決定されると、次回の遊技で疑似遊技が実行されBB状態へ移行する(図9(a)の契機(P))。
また、天国状態が開始される際に、天国天井カウンタに初期値「98」が設定される。天国状態の各遊技において天国天井カウンタが数値「1」ずつ減算され、数値「0」に達するとBB状態へ移行する(図9(a)の契機(Q))。以上の天国状態では、BB状態への移行が特別抽選で決定されない場合であっても、98回の遊技でBB状態へ移行可能である。
超天国状態の各遊技では、天国状態および天国チャンス状態と同様に、BB状態へ移行するか否かが特別抽選により決定される。ただし、超天国状態の各遊技では、天国状態および天国チャンス状態の各遊技と比較して、BB状態への移行が決定され易い構成としてもよい。超天国状態においてBB状態への移行が決定されると、次回の遊技で疑似遊技が実行されBB状態へ移行する(図9(a)の契機(R))。
また、超天国状態が開始される際に、超天国天井カウンタに初期値「32」が設定される。超天国状態の各遊技において超天国天井カウンタが数値「1」ずつ減算され、数値「0」に達するとBB状態へ移行する(図9(a)の契機(S))。以上の超天国状態では、BB状態への移行が抽選で決定されない場合であっても、32回の遊技でBB状態へ移行可能である。
本実施形態では、非有利区間から有利区間へ移行する場合、有利区間天井カウンタに初期値「1350」が設定される。以上の有利区間天井カウンタは、有利区間の各遊技状態(BB状態、超天国状態、天国状態、天国チャンス状態、引戻し状態および通常状態)の各遊技において数値「1」ずつ減算される。ただし、詳細には後述するが、有利区間のうち非指示期間において変則押順で停止操作された遊技では、有利区間天井カウンタは減算されない(ペナルティが付与される)。
有利区間のうち通常状態、引戻し状態または天国チャンス状態において有利区間天井カウンタが数値「0」に達すると、次回の遊技で疑似遊技が実行されBB状態へ移行する(図9(a)の契機(X))。なお、上述した通り有利区間が開始されると有利区間カウンタに初期値「1500」が設定され、有利区間の各遊技において有利区間カウンタが数値「1」ずつ減算される。以上の構成では、仮に非指示期間において変則押順で停止操作しない場合(ペナルティが付与されなかった場合)、有利区間天井カウンタが数値「0」に達する遊技では、有利区間カウンタが数値「150」まで減算される。すなわち、本実施形態は、有利区間の残り遊技回数が150回以下になると、BB状態へ移行可能であるとも換言される。
有利区間天井カウンタが数値「0」に達した契機でBB状態へ移行した場合、当該BB状態(50ゲーム)が終了する時点において有利区間カウンタが数値「100」以下になる。また、本実施形態では、BB状態が終了する時点において有利区間カウンタが数値「100」以下の場合、上述の移行抽選を実行しないで、非有利区間への移行を決定する(図9(a)の契機(Y))。したがって、有利区間天井カウンタが数値「0」に達した契機でBB状態へ移行した場合、当該BB状態が終了した後に非有利区間へ移行する。
有利区間のうち天国状態または超天国状態において有利区間天井カウンタが数値「0」に達すると、次回の遊技で疑似遊技が実行されEDBB状態へ移行する(図9(a)の契機(Z))。以上の本実施形態は、有利区間の残り遊技回数が150回以下になると、EDBB状態へ移行可能であるとも換言される。なお、EDD状態が開始する際の疑似遊技では、「BAR-BAR-BAR」の図柄組合せが表示される。
EDBB状態は、指示期間であり指示表示器16における指示が実行される。したがって、EDBB状態では、BB状態と同様に、特定グループ(図8参照)が当選すると、9枚役が入賞可能となる停止操作順序が指示される。EDBB状態は、有利区間カウンタが数値「0」に達した契機で終了する。すなわち、EDBB状態が終了する契機は、有利区間が強制的に終了する契機である。したがって、EDBB状態が終了すると、非有利区間へ移行する(図9(a)の契機(T))。
例えば、天国状態において有利区間天井カウンタが数値「0」に達してEDBB状態へ移行した場合を想定する。以上の場合、原則、EDBB状態の開始時において有利区間カウンタは数値「150」である。したがって、EDBB状態は150回の遊技にわたり継続する。
ただし、詳細には後述するが、有利区間においてペナルティ制御(メインペナルティ制御、サブペナルティ制御)が実行される場合がある。以上のペナルティ制御が実行された遊技では、有利区間天井カウンタを含む各種のカウンタの更新処理が省略される(後述の図18(b-2)参照)。以上のペナルティ制御は、有利区間天井カウンタを数値「0」まで減算するのに要する遊技回数を実質的に延長するものであるとも換言される。すなわち、ペナルティ制御が実行されると、EDBB状態へ移行するまでの遊技回数が延長される。
本実施形態では、ペナルティ制御の有無によらず、有利区間カウンタおよびMYカウンタの更新処理は実行される。以上の構成では、ペナルティ制御が実行されると、ペナルティ制御が実行されない場合と比較して、EDBB状態へ移行する時点における有利区間の残り遊技回数が少なくなる。すなわち、ペナルティ制御が実行されると、EDBB状態の遊技回数が実質的に短縮される。
以上のペナルティ制御は、非指示期間において変則押順で停止操作されると実行される。以上の事情を考慮して、本実施形態では、変則押順で停止操作されると、変則押報知を実行可能に構成される。以上の構成によれば、変則押報知により、ペナルティ制御が実行された旨が遊技者に示唆される。
図9(c)は、各遊技状態におけるペナルティ制御の有無および変則押報知の有無を説明するための図である。図9(c)に示す通り、有利区間のうち非指示期間(通常状態など)では、変則押順で停止操作されると、変則押報知が実行され、且つ、ペナルティ制御が実行される。また、図9(c)に示す通り、有利区間のうち指示期間(BB状態など)では、変則押順で停止操作されても、変則押報知が実行されず、且つ、ペナルティ制御が実行されない。
具体的には、指示期間において特定グループ(打順ベルなど)が当選すると、指示表示器16において停止操作順序の指示が実行される。本実施形態では、指示表示器16による指示に従い変則押順で停止操作すると、ペナルティ制御が実行されない。また、指示表示器16により停止操作順序が指示された遊技において、当該指示に従わない押順(変則押順を含む)で停止操作したとしても、ペナルティ制御が実行されない。また、指示期間における特定グループが当選しない遊技(指示が実行されない遊技)において、変則押順で停止操作したとしても、ペナルティ制御が実行されない。
図9(c)に示す通り、非有利区間ではペナルティ制御は実行されない。具体的には、非有利区間のうち、有利区間移行時処理が実行されない遊技では、上述した通り指示表示器16の指示機能に係る処理は一切実行されない(全てのパラメタが初期値から更新されない)。また、非有利区間のうち、有利区間移行時処理が実行される遊技では、変則押順で停止操作した場合と左第1停止操作した場合とで、当該有利区間移行時処理は共通である。ただし、非有利区間において変則押順で停止操作されると、変則押報知が実行される。
仮に、有利区間の非指示期間において変則押報知が実行され、非有利区間において変則押報知が実行されない対比例を想定する。以上の対比例では、指示表示器16の指示が実行されない期間において、変則押報知が実行される期間と実行されない期間とが設けられる。したがって、遊技者によっては、非指示期間において変則押順で停止操作した場合にペナルティ制御が実行されるのか否か混乱する不都合が生じ得る。本実施形態では、非有利区間においても変則押報知が実行されるため、例えば対比例と比較して以上の不都合が抑制されるという利点がある。
図10(a)および図10(b)は、各指示決定テーブル(A、B)の概念図である。メインCPU301は、各遊技において、指示決定テーブルにより指示番号を決定し、当該指示番号に応じた指示情報(「01」~「04」、「99」)を指示表示器16に表示する。また、メインCPU301は、各遊技で決定した指示番号を示すコマンド(後述の第2コマンド)をサブ制御基板400(サブCPU412)に送信する。
各指示決定テーブルは、指示決定テーブルA(図10(a))と指示決定テーブルB(図10(b))とを含んでいる。指示決定テーブルAは、非指示期間(通常状態等)の各遊技の指示番号を決定するのに用いられる。また、指示決定テーブルBは、指示期間(BB状態等)の各遊技の指示番号を決定するのに用いられる。また、図10に示すように、各指示決定テーブルは、当選エリア毎の各指示番号を含んで構成される。
図10(a)に示すように、非指示期間において、何れの当選エリアが当選した場合であっても、指示番号「99」が決定される。指示番号「99」が決定された場合、指示表示器16は、指示情報を表示しない。具体的には、指示番号「99」が決定された場合、指示表示器16は、指示情報を表示する期間において数字「0」を表示する。以上の構成によれば、非指示期間では、指示表示器16により停止操作態様が指示されない。
図10(b)に示すように、指示期間の各遊技において、CLRベル(A1、A2、B1、B2)が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「01」を決定する。指示番号「01」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「1」(以下、「指示情報「1」」と記載する)を表示させる。上述した通り、CLRベルが当選した場合の正解ベルの正解押順は「中左右」である。以上の構成では、指示情報「1」が表示された遊技では、「中左右」の順序で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より有利になる。したがって、指示情報「1」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、「中左右」の順序で停止操作する。以上の構成は、指示情報「1」を表示することで、「中左右」の順序で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
図10(b)に示すように、指示期間の各遊技において、CRLベル(A1、A2、B1、B2)が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「02」を決定する。指示番号「02」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「2」(以下、「指示情報「2」」と記載する)を表示させる。上述した通り、CRLベルが当選した場合の正解ベルの正解押順は「中右左」である。以上の構成では、指示情報「2」が表示された遊技では、「中右左」の順序で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より有利になる。したがって、指示情報「2」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、「中右左」の順序で停止操作する。以上の構成は、指示情報「2」を表示することで、「中右左」の順序で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
図10(b)に示すように、指示期間の各遊技において、RLCベル(A1、A2、B1、B2)が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「03」を決定する。指示番号「03」を決定した場合、メインCPU301は、指示表示器16に指示情報として数字「3」(以下、「指示情報「3」」と記載する)を表示させる。上述した通り、RLCベルが当選した場合の正解ベルの正解押順は「右左中」である。以上の構成では、指示情報「3」が表示された遊技では、「右左中」の順序で停止操作した場合、他の順序で停止操作した場合より有利になる。したがって、指示情報「3」が指示表示器16に表示された場合、遊技者は、「右左中」の順序で停止操作する。以上の構成は、指示情報「3」を表示することで、「右左中」の順序で停止操作することが遊技者に指示されるとも換言される。
図10(b)に示すように、指示期間の各遊技において、確定役1が当選した場合、CLRベルが当選した場合と同様に、メインCPU301は、指示番号「01」を決定し、指示表示器16に指示情報として数字「1」(指示情報「1」)を表示させる。上述した通り、確定役1が当選した場合、変則押順(「中左右」の押順を含む)で停止操作すると中段ベルAが入賞し、左第1停止で停止操作するより有利になる。本実施形態では、確定役1が当選した指示期間の遊技において、指示情報「1」が表示され、「中左右」の停止操作順序が指示される。すなわち、確定役1が当選した指示期間の遊技において、遊技者に有利な停止操作順序が指示される。
図10(b)に示すように、指示期間の各遊技において、確定役2が当選した場合、RCLベルが当選した場合と同様に、メインCPU301は、指示番号「04」を決定し、指示表示器16に指示情報として数字「4」(指示情報「4」)を表示させる。上述した通り、確定役2が当選した場合、変則押順(「右中左」の押順を含む)で停止操作すると右下りベルBが入賞し、左第1停止で停止操作するより有利になる。本実施形態では、確定役2が当選した指示期間の遊技において、指示情報「4」が表示され、「右中左」の停止操作順序が指示される。すなわち、確定役2が当選した指示期間の遊技において、遊技者に有利な停止操作順序が指示される。
なお、確定役1または確定役2が当選した遊技では、指示された停止操作順序以外の変則押順で停止操作した場合であっても、ベル役(中段ベルA、右下りベルB)が入賞する。以上の事情を考慮して、指示番号として「変則押順の何れかで停止操作する事」が指示される指示番号が決定可能な構成としてもよい。以上の構成としては、例えば、確定役1または確定役2が当選した遊技では、打順ベルが当選した遊技とは別の指示番号「05」が決定され、指示情報「5」が表示される構成が考えられる。以上の構成であっても、確定役1または確定役2が当選した遊技において、ベル役が入賞可能な停止操作順序が指示される。
ただし、確定役1または確定役2が当選した遊技において打順ベルが当選した遊技とは別の指示情報が表示される構成では、確定役1または確定役2が当選した旨が指示情報から遊技者により把握される。本実施形態では、確定役1が当選したのかCLRベルが当選したのかが指示情報からは把握されない。また、確定役2が当選したのかRCLベルが当選したのかが指示情報からは把握されないという利点がある。指示期間において、特定グループ以外が当選した場合、メインCPU301は、指示番号「99」を決定し、指示表示器16は、指示情報を表示しない。
図10(c)は、セグメント表示器Dの模式図である。セグメント表示器Dは、上述した指示表示器16を含んで構成される。指示表示器16は一桁の7セグメントディスプレイである。図10(c)では、指示情報「1」を表示する指示表示器16を例示する。図10(c)に示す通り、セグメント表示器Dは、有利区間表示器38を含んで構成される。有利区間表示器38は、有利区間においてON状態(点灯)になる。上述した通り、各指示期間(BB状態、EDBB状態)は、有利区間に含まれる。したがって、指示表示器16に指示情報が表示される指示期間では、有利区間表示器38が点灯する。
図10(d)は、有利区間表示器38が点灯するタイミングを説明するための図である。図10(d)には、各時点における遊技状態(非有利区間、有利区間)、有利区間表示器38の点灯状態(消灯、点灯)および各遊技(…n-1回目の遊技、n回目の遊技、n+1回目の遊技…)の期間が示される。
図10(d)の具体例では、「n」回目の遊技で有利区間への移行が決定された場合を想定する。すなわち、「n」回目の遊技で有利区間移行時処理が実行された場合を想定する。以上の場合、「n」回目の遊技までが非有利区間であり、「n+1」回目以降の遊技が有利区間になる。図10(d)には、「n」回目の遊技の開始時点ts(スタートレバー24が操作された時点)および終了時点te(第3停止の時点)が示される。
図10(d)に示す通り、本実施形態の有利区間表示器38は、有利区間への移行が決定された時点で点灯する。具体的には、有利区間移行時処理が実行される遊技の開始操作時から有利区間表示器38が点灯する。すなわち、本実施形態では、図10(d)に示す通り、有利区間が開始される直前の非有利区間から有利区間表示器38が事前に点灯する。なお、有利区間表示器38を点灯する時期は適宜に変更できる。例えば、有利区間移行時処理が実行された遊技が終了した時点(図10(d)の具体例では時点te)において、有利区間表示器38が点灯する構成としてもよい。また、指示表示器16により指示が最初に実行された時点において、有利区間表示器38が点灯する構成としてもよい。
図11は、メインCPU301からサブCPU412に送信される各コマンド(第1コマンド、第2コマンド)を説明するための図である。メインCPU301は、遊技の開始操作の時点から停止操作が可能になる時点までの期間において、第1コマンドと第2コマンドとを含む各種のコマンドをサブCPU412に送信する。
図11に示すように、メインCPU301は、当選エリアに応じて、第1コマンド(「A00」等)をサブCPU412に送信する。例えば、今回の遊技の当選エリアがハズレの場合、メインCPU301は、コマンド「A00」をサブCPU412に送信する。また、メインCPU301は、リプレイ1が当選した場合、コマンド「A01」を送信し、リプレイ2が当選した場合、コマンド「A02」を送信し、リプレイ3が当選した場合、コマンド「A03」を送信する。メインCPU301は、共通ベル1が当選した場合、コマンド「A04」を送信し、共通ベル2が当選した場合、コマンド「A05」を送信する。
本実施形態のメインCPU301は、打順ベル、確定役1および確定役2の何れかが当選した場合、特定グループに属する当選エリアが当選したと判断し、共通の第1コマンドを送信する。具体的には、メインCPU301は、CLRベル、CRLベル、RLCベルおよびRCLベル(打順ベル)の何れが当選した場合であっても、コマンド「A06」を共通して送信する。また、メインCPU301は、確定役1が当選した場合、打順ベルが当選した場合と同様に、コマンド「A06」を送信する。さらに、メインCPU301は、確定役2が当選した場合、確定役1または打順ベルが当選した場合と同様に、コマンド「A06」を送信する。
メインCPU301は、右下りベル1が当選した場合、コマンド「A07」を送信する。また、メインCPU301は、右下りベル2が当選した場合、コマンド「A08」を送信する。同様に、他の当選エリア(確定役3など)が当選した場合、当該当選エリアに対応する第1コマンド(当該当選エリアが当選した旨が特定されるコマンド)をメインCPU301は送信する。
サブCPU412は、以上の第1コマンドを受信した場合、当該第1コマンドに応じて各種の演出を決定する。例えば、スイカが当選した場合のコマンド「A12」が受信された場合、サブCPU412は、スイカが当選した旨を報知する演出を決定する。
メインCPU301は、第1コマンドに加え、今回の遊技の指示番号(指示情報)に応じた第2コマンド(「B01」等)をサブCPU412に送信する。具体的には、今回の遊技で指示番号「99」(指示なし)を決定した場合、図11に示す通り、メインCPU301は、コマンド「B99」をサブCPU412に送信する。上述したように、指示番号「99」は、非指示期間の毎回の遊技で決定される。したがって、非指示期間では、コマンド「B99」が毎回の遊技で送信される。また、指示番号「99」は、指示期間で特定グループ以外の当選エリア(ハズレ等)が当選した場合に決定される。
図11に示すように、メインCPU301は、指示期間において、CLRベルが当選し、指示番号「01」(中左右の順序)を決定した場合、コマンド「B01」を送信する。また、メインCPU301は、指示期間において、CRLベルが当選し、指示番号「02」(中右左の順序)を決定した場合、コマンド「B02」を送信し、RLCベルが当選し、指示番号「03」(右左中の順序)を決定した場合、コマンド「B03」を送信し、RCLベルが当選し、指示番号「04」(右中左の順序)を決定した場合、コマンド「B04」を送信する。
メインCPU301は、指示期間において、確定役1が当選し、指示番号「01」(中左右の順序)を決定した場合、CLRベルが当選した場合と同様に、コマンド「B01」を送信する。同様に、メインCPU301は、指示期間において、確定役2が当選し、指示番号「04」(右中左の順序)を決定した場合、RCLベルが当選した場合と同様に、コマンド「B04」を送信する。
以上の第2コマンドがサブCPU412で受信された場合、サブCPU412は、当該第2コマンドで特定される指示番号の停止操作順序を指示する指示演出を決定する。指示演出では、例えば液晶表示装置30により、指示情報が指示する停止操作順序と同じ停止操作順序が指示される。上述した通り、非指示期間で送信される第2コマンドは、コマンド「B99」(指示なし)のみである。したがって、非指示期間では、原則、指示演出は実行されない。ただし、出玉率に影響しない(影響が小さい)停止操作順序を指示する演出が実行される構成としてもよい。
メインCPU301は、遊技の進行に応じて各種の遊技情報(連役比率、役物比率、直近連役比率、直近役物比率、指示込役物比率、ボーナス遊技比率)を算出し、当該遊技情報に応じた表示情報をメイン表示器40に表示させる。以上の遊技情報を算出するため、メインCPU301は、遊技機1に電源が最初に投入されてから遊技回数が175000回に達するまでの期間(以下「総遊技計数期間」という)の遊技回数を計数する。
図12(a)は、メインRAM303の各記憶領域(G1~G3、g1、g2)を説明するための図である。以上の各記憶領域は、上述の各遊技情報(連役比率など)を記憶するために設けられ、記憶領域G1、記憶領域G2、記憶領域G3、記憶領域G4、記憶領域g1および記憶領域g2を含む。例えば、記憶領域の各々には1バイトの情報が記憶可能である。
以下、説明のため、所謂「第1種特別役物に係る役物連続作動装置」が作動する期間を単に「第1役連中」と記載する場合がある。同様に、所謂「第2種特別役物に係る役物連続作動装置」が作動する期間を単に「第2役連中」と記載する場合がある。第1役連中および第2役連中は、予め定められた枚数のメダルの払出で終了する。また、所謂「第1種特別役物」が作動する期間を単に「第1役物中」と記載し、所謂「第2種特別役物」が作動する期間を単に「第2役物中」と記載する場合がある。第1役物中は8回の遊技で終了し、第2役物中は1回の遊技で終了する。また、所謂「普通役物」が作動する期間を「普通役物中」と記載する場合がある。普通役物中は1回の遊技で終了する。
本実施形態のボーナス作動状態は、第1役連中であり、全ての遊技が第1役物中である。なお、第1役連中に「第1役連一般中」を設けてもよい。第1役連一般中では、第1役連一般中以外の内部状態と比較して、第1種特別役物を作動させる当選役(RB役)が当選し易い。また、第2役連中を設ける場合、第2役連中に「第2役連一般中」を設けてもよい。第2役連一般中では、第2役連一般中以外の内部状態と比較して、第2種特別役物を作動させる当選役(CB役)が当選し易い。
連役比率は、最初の電源投入時から現在まで(以下「総遊技期間」という)に獲得したメダル枚数(以下「総メダル枚数A」という)のうち、第1役物中(第1役連中の第1役物中を含む)で獲得したメダル枚数(以下「連役メダル枚数B」)が占める割合である(連役比率=B/A)。本実施形態の連役メダル枚数Bは、ボーナス作動状態(第1役連中の第1役物中)で獲得したメダル枚数である。図12(a)に示す通り、連役比率は記憶領域G1に記憶される。
メインCPU301は、400回の遊技毎に連役比率を算出し、算出結果を記憶領域G1に記憶する。仮に、算出結果に小数部が含まれる場合、メインCPU301は、小数部は切り捨てて整数部のみを連役比率として記憶領域G1に記憶する。
役物比率は、総メダル枚数Aのうち、第1役物中、第2役物中および普通役物中で獲得したメダル枚数の合計(以下「役物メダル枚数C」という)が占める割合である(役物比率=C/A)。図12(a)に示す通り、役物比率は記憶領域G2に記憶される。本実施形態の役物メダル枚数Cは、第2役物中および普通役物中は設けられないため、第1役物中(ボーナス作動状態)で獲得したメダル枚数になる。
メインCPU301は、400回の遊技毎に役物比率を算出し、算出結果を記憶領域G2に記憶する。仮に、算出結果に小数部が含まれる場合、メインCPU301は、小数部は切り捨てて整数部のみを役物比率として記憶領域G2に記憶する。
指示込役物比率は、指示表示器16が押順を指示した遊技で獲得したメダルの合計枚数(以下「指示遊技メダル枚数D」という)および役物メダル枚数Cの合計のメダル枚数(C+D)が総メダル枚数Aに占める割合である(指示込役物比率=(C+D)/A)。本実施形態では、有利区間のうち指示期間(BB状態、EDBB状態)の遊技で、特定グループが当選した場合、9枚役(正解ベル)が入賞する停止操作順序が指示される。
以上の本実施形態の指示遊技メダル枚数Dは、特定グループが当選した指示期間の遊技で獲得したメダルの合計枚数とも換言される。本実施形態では、指示表示器16が押順を指示した遊技で、当該押順以外で停止操作した場合(押順ミスした場合)であっても、補助役、左補助役またはリーチ目が停止表示され得る。また、以上の各当選役が停止表示されると、1枚のメダルが払出される。以上の場合、指示遊技メダル枚数Dに数値「1」が加算される。
メインCPU301は、400回の遊技毎に指示込役物比率を算出し、算出結果を記憶領域G3に記憶する。仮に、算出結果に小数部が含まれる場合、メインCPU301は、小数部は切り捨てて整数部のみを指示込役物比率として記憶領域G3に記憶する。なお、非指示期間において特定グループが当選した遊技では、変則押順が一方的に有利である旨が把握される第1コマンドがメインCPU301からサブCPU412へ送信される。しかし、以上の遊技において、仮にメダルが付与されたとしても、指示遊技メダル枚数Dは加算されない。
直近連役比率は、直近の6000回の遊技で獲得したメダル枚数(以下「直近総メダル枚数a」という)のうち、第1役物中(第1役連中の第1役物中を含む)で獲得したメダル枚数(以下「直近連役メダル枚数b」)が占める割合である(直近連役比率=b/a)。本実施形態の直近連役メダル枚数bは、直近の6000回の遊技においてボーナス作動状態(第1役連中の第1役物中)で獲得したメダル枚数である。図12(a)に示す通り、直近連役比率は記憶領域g1に記憶される。なお、総遊技期間における遊技回数が6000回以下の場合、連役比率および直近連役比率は一致する(B/A=b/a)。
メインCPU301は、400回の遊技毎に直近連役比率を算出し、算出結果を記憶領域g1に記憶する。仮に、算出結果に小数部が含まれる場合、メインCPU301は、小数部は切り捨てて整数部のみを直近連役比率として記憶領域g1に記憶する。
直近役物比率は、直近総メダル枚数aのうち、第1役物中、第2役物中および普通役物中において獲得したメダル枚数の合計(以下「役物メダル枚数c」という)が占める割合である(役物比率=c/a)。本実施形態の役物メダル枚数cは、第2役物中および普通役物中は設けられないため、直近の6000回の遊技において第1役物中(ボーナス作動状態)で獲得したメダル枚数になる。図12(a)に示す通り、直近役物比率は記憶領域g2に記憶される。なお、総遊技期間における遊技回数が6000回以下の場合、役物比率および直近役物比率は一致する(C/A=c/a)。
メインCPU301は、400回の遊技毎に直近役物比率を算出し、算出結果を記憶領域g2に記憶する。仮に、算出結果に小数部が含まれる場合、メインCPU301は、小数部は切り捨てて整数部のみを直近役物比率として記憶領域g2に記憶する。
ボーナス遊技比率は、総遊技期間の総遊技回数Eのうち、第1役連中(第1役物中を含む)の遊技回数、第2役連中(第2役物中を含む)の遊技回数、第1役物中(第1役連中を除く)の遊技回数、第2役物中(第2役連中を除く)の遊技回数および普通役物中の遊技回数の合計であるボーナス遊技回数Fが占める割合である(ボーナス遊技比率=F/E)。本実施形態のボーナス遊技回数Fは、ボーナス作動状態における遊技回数の合計である。
図12(a)に示す通り、ボーナス遊技比率は記憶領域G4に記憶される。メインCPU301は、1回の遊技毎にボーナス遊技比率を算出し、算出結果を記憶領域G4に記憶する。仮に、算出結果に小数部が含まれる場合、メインCPU301は、小数部は切り捨てて整数部のみをボーナス遊技比率として記憶領域G4に記憶する。
以上の総メダル枚数A、連役メダル枚数B、役物メダル枚数C、指示遊技メダル枚数D、総遊技回数E、ボーナス遊技回数F、直近総メダル枚数a、直近連役メダル枚数bおよび役物メダル枚数cは、メインRAM303に設けられた専用のカウンタに別々に記憶され、上述した各契機で加算される。例えば、指示が実行された各遊技でメダルが付与された場合において、指示遊技メダル枚数Dが加算される。また、ボーナス作動状態でメダルが付与された場合において、役物メダル枚数Cが加算される。さらに、各遊技で遊技媒体が付与されると、停止操作順序の指示の有無によらず、総メダル枚数Aが加算される。
なお、本実施形態では、総遊技回数Eが175000回に達すると、連役比率、役物比率、指示込役物比率およびボーナス遊技比率の更新は停止される。一方、直近連役比率および直近役物比率は、総遊技回数Eが175000回に達した以降の期間においても更新される。
図12(b-1)は、表示情報HAを表示するメイン表示器40の模擬図である。表示情報HAが表示される場合、メイン表示器40のうち第1表示部40Xに、連役比率に対応する文字列「6A」が表示され、第2表示部40Yに、記憶領域G1の現在値(連役比率の大きさ)が表示される。
また、表示情報HAを表示する場合であって、第2表示部40Yの割合情報が数字「60」以上の場合(G1≧60)、第2表示部40Yは割合情報を点滅させて表示する。また、表示情報HAを表示する場合であって、総遊技期間の遊技回数が17500回未満の場合、第1表示部40Xは識別情報を点滅させて表示する。
図12(b-2)は、表示情報HBを表示するメイン表示器40の模擬図である。表示情報HBが表示される場合、メイン表示器40のうち第1表示部40Xに、役物比率に対応する文字列「7A」が表示され、第2表示部40Yに、記憶領域G2の現在値が表示される。
また、表示情報HBを表示する場合であって、第2表示部40Yの割合情報が数字「70」以上の場合(G2≧70)、第2表示部40Yは割合情報を点滅させて表示する。また、表示情報HBを表示する場合であって、総遊技期間の遊技回数が17500回未満の場合、第1表示部40Xは識別情報を点滅させて表示する。
図12(b-3)は、表示情報HCを表示するメイン表示器40の模擬図である。表示情報HCが表示される場合、メイン表示器40のうち第1表示部40Xに、指示込役物比率に対応する文字列「7P」が表示され、第2表示部40Yに、記憶領域G3の現在値が表示される。
また、表示情報HCを表示する場合であって、第2表示部40Yの割合情報が数字「70」以上の場合(G3≧70)、第2表示部40Yは割合情報を点滅させて表示する。また、表示情報HCを表示する場合であって、総遊技期間の遊技回数が175000回未満の場合(E<175000)、第1表示部40Xは識別情報を点滅させて表示する。
図12(b-4)は、表示情報HDを表示するメイン表示器40の模擬図である。表示情報HDが表示される場合、メイン表示器40のうち第1表示部40Xに、直近連役比率に対応する文字列「6Y」が表示され、第2表示部40Yに、記憶領域g1の現在値が表示される。
また、表示情報HDを表示する場合であって、第2表示部40Yの割合情報が数字「60」以上の場合(g1≧60)、第2表示部40Yは割合情報を点滅させて表示する。また、表示情報HDを表示する場合であって、総遊技期間の遊技回数が6000回未満の場合、第1表示部40Xは識別情報を点滅させて表示する。
図12(b-5)は、表示情報HEを表示するメイン表示器40の模擬図である。表示情報HEが表示される場合、メイン表示器40のうち第1表示部40Xに、直近役物比率に対応する文字列「7Y」が表示され、第2表示部40Yに、記憶領域g2の現在値が表示される。
表示情報HEを表示する場合であって、第2表示部40Yの割合情報が数字「70」以上の場合(g2≧70)、第2表示部40Yは割合情報を点滅させて表示する。また、表示情報HEを表示する場合であって、総遊技期間の遊技回数が6000回未満の場合、第1表示部40Xは識別情報を点滅させて表示する。
図12(b-6)は、表示情報HFを表示するメイン表示器40の模擬図である。表示情報HFが表示される場合、メイン表示器40のうち第1表示部40Xに、ボーナス遊技比率に対応する文字列「5F」が表示され、第2表示部40Yに、記憶領域G4の現在値が表示される。
表示情報HFを表示する場合であって、第2表示部40Yの割合情報が数字「50」以上の場合(G4≧50)、第2表示部40Yは割合情報を点滅させて表示する。また、表示情報HFを表示する場合であって、総遊技期間の遊技回数が175000回未満の場合、第1表示部40Xは識別情報を点滅させて表示する。
上述した通り、以上の各表示情報は、予め定められた時間間隔(約5秒)で切換えて表示される。具体的には、メイン表示器40は、電源が投入されると、約5秒間にわたりテストパターンで表示される。以上のテストパターンでは、メイン表示器40の全てのセグメントが点滅して表示される。その後、メイン表示器40は、表示情報HC、表示情報HD、表示情報HE、表示情報HA、表示情報HB、表示情報HFの順番で、各表示情報を約5秒間ずつ表示する。また、表示情報HFを表示した後に、最初から(表示情報HCから)各表示情報を繰返し表示する。
なお、電源が投入された直後の期間に加え、他の期間においてもテストパターンでメイン表示器40が表示される構成としてもよい。例えば、設定値を変更可能な期間において、メイン表示器40がテストパターンで表示される構成としてもよい。また、設定値を確認可能な期間において、メイン表示器40がテストパターンで表示される構成としてもよい。なお、電源が投入された直後の期間と他の期間とでは、テストパターンが相違する構成としてもよい。
<サブCPUが用いる各データ>
以下、図面を用いて、サブROM413に記憶される各種のデータを説明する。サブROM413は、報知演出決定テーブルを含む各種のデータを記憶する。
サブCPU412は、指示番号(指示情報)を示す第2コマンド(B99(指示なし)以外)を受信した場合、各報知演出の何れかを報知演出決定テーブルにより決定する。報知演出を決定した場合、サブCPU412は、当該報知演出を示す演出制御コマンドを画像制御基板(画像制御CPU421)420に送信する。
画像制御CPU421は、報知演出を示す演出制御コマンドを受信した場合、当該報知演出の各画像を液晶表示装置30に表示させる。本実施形態では、サブ制御基板(サブCPU412)400が遊技者に有利な停止操作順序が特定される第2コマンドを受信した場合(メインCPU301が第2コマンドを送信した場合)、当該第2コマンドに対応した停止操作態様(停止操作順序)の報知は、サブCPU412により必ず実行される。
なお、特定グループが当選した旨が把握される第1コマンド「A06」からは、今回の遊技で一方的に有利になる停止操作順序(変則押順)が特定される。ただし、当該第1コマンドからは、遊技者に有利な停止操作順序(正解押順)が具体的に特定されない。サブCPU412は、当該第1コマンドを非指示期間において受信しても停止操作順序の報知は実行しない。
図13は、報知演出決定テーブルの概念図である。サブCPU412は、第2コマンドとしてコマンド「B01」~「B04」の何れかを受信した場合、報知演出決定テーブルにより報知演出を決定する。上述した通り、コマンド「B01」~「B04」は、指示期間において送信され、非指示期間では送信されない。すなわち、サブCPU412は、メインCPU301が指示期間の遊技で、報知演出決定テーブルにより報知演出を決定する。
具体的には、第1コマンド「A06」が受信された遊技(特定グループの当選遊技)において、第2コマンド「B01」が受信された場合、報知演出X1が決定される。報知演出X1では、液晶表示装置30等により、「中左右」の停止操作順序が報知される。
また、第1コマンド「A06」が受信された遊技において、第2コマンド「B02」が受信された場合、報知演出X2が決定され、第2コマンド「B03」が受信された場合、報知演出X3が決定され、第2コマンド「B04」が受信された場合、報知演出X4が決定される。以上の報知演出X2では、「中右左」の停止順序が報知され、報知演出X3では、「右左中」の停止順序が報知され、報知演出X4では、「右中左」の停止順序が報知される。以上の、各報知演出X(1~4)では、ベル役(9枚役)の正解押順が報知される。
図14(a)および図14(b)は、特別抽選および通常抽選(上述の図9(a)参照)において用いられる各テーブルを説明するための図である。以下、説明のため、特別抽選および通常抽選を「BB抽選」と総称する場合がある。詳細には図15(a)を用いて説明するが、BB抽選は、判定条件抽選処理とBB判定処理とで実現される。判定条件抽選処理は、判定条件Dhを決定するための処理である。BB判定処理は、判定条件抽選処理で決定された判定条件Dhに基づいて、BB状態へ移行するか否かを判定するための処理である。
図14(a)は、判定条件決定テーブルの具体例の概念図である。メインCPU301は、判定条件抽選処理において、判定条件決定テーブルを用いて判定条件Dhを抽選により決定する。図14(a)に示す通り、判定条件決定テーブルは、各判定条件Dh(0~5)の各抽選値を含んで構成される。以上の各抽選値は、設定値毎に設けられる。判定条件抽選処理では、判定条件決定テーブルにおける抽選値が大きい判定条件Dhほど決定され易い。図14(a)に示す通り、判定条件Dhは、判定条件「0」から判定条件「5」の6種類設けられる。図14(a)から理解される通り、判定条件抽選処理は、当選エリアによらない処理である。
図14(b)は、BB判定テーブルの具体例の概念図である。メインCPU301は、BB判定処理において、事前に決定された判定条件Dhを用いて、BB判定テーブルを参照してBB状態へ移行するか否かを判定する。具体的には、BB判定処理では、今回の遊技で決定された当選エリアと事前に決定された判定条件Dhとの組合せに応じてBB状態へ移行するか否かが判定される。
例えば、判定条件「0」が決定された場合、BB判定処理が実行される遊技において、確定役(1~4)が当選すると、BB状態への移行が決定される。また、判定条件「1」が決定された場合、BB判定処理が実行される遊技において、確定役またはチェリーが当選すると、BB状態への移行が決定される。判定条件「2」が決定された場合、BB判定処理が実行される遊技において、確定役またはスイカが当選すると、BB状態への移行が決定される。
同様に、判定条件「3」が決定された場合、BB判定処理が実行される遊技において、確定役、チェリーまたはスイカが当選すると、BB状態への移行が決定される。また、判定条件「4」が決定された場合、BB判定処理が実行される遊技において、確定役、チェリー、スイカまたはリプレイ1が当選すると、BB状態への移行が決定される。判定条件「5」が決定された場合、BB判定処理が実行される遊技における当選エリアの種類によらず(全ての当選エリアで)、BB状態への移行が決定される。
図14(a)に説明を戻す。図14(a)には、通常状態の低確率期間において参照される判定条件決定テーブルが示される。以上の判定条件決定テーブルは、引戻し状態の低確率期間においても参照される。メインCPU301は、低確率期間と高確率期間とで相違する判定条件決定テーブルを用いる。高確率期間の判定条件決定テーブルを用いた場合、低確率期間の判定条件決定テーブルを用いた場合より有利な判定条件Dhが決定され易い。以上の構成では、低確率期間より高確率期間においてBB状態への移行が決定され易くなる。また、天国チャンス状態、天国状態および超天国状態(特別抽選)では、通常状態および引戻し状態(通常抽選)より有利な判定条件決定テーブルが参照される。
上述した通り、本実施形態では、変則押順で停止操作した場合にペナルティ制御(メインペナルティ制御、サブペナルティ制御)が実行され得る。ペナルティ制御が実行されると、BB抽選でBB状態への移行が決定され難くなるペナルティが発生する。以上の構成について以下で詳細に説明する。
図15(a)および図15(b)は、ペナルティ制御のうちメインCPU301が実行するメインペナルティ制御の具体例を説明するための図である。メインペナルティ制御が実行されると、非指示期間においてBB状態への移行が決定され難くなる。例えば、メインペナルティ制御が実行されると、BB抽選においてBB状態への移行が決定され難くなる。以上のBB抽選(BB判定処理、判定条件抽選処理)は、有利区間中の非指示状態(通常状態、引戻し状態、天国チャンス状態、天国状態、超天国状態)の各遊技において実行される。
図15(a)は、BB抽選の具体例を説明するための図である。図15(a)の具体例では、メインペナルティ制御が実行されない場合を想定する。図15(a)の各処理は、上側に示す処理から下側に示す処理の順にメインCPU301により実行される。なお、図15(a)には、N回目の遊技およびN+1回目の遊技における各処理の一部が示される。また、判定条件Dhは、メインRAM303の特定の記憶領域に記憶(保持)される。図15(a)には、各時点においてメインRAM303に記憶される判定条件Dhが示される。後述の図15(b)においても同様である。
図15(a)に示す通り、遊技の開始操作(スタートレバー24の操作)が実行されると開始時処理が実行される。以上の開始時処理は、最初の停止操作が受付可能になる前に完了する。また、開始時処理は、BB判定処理(図15(a)のSa1)および判定条件Dhを初期化する処理(同図のSa2)を含む。上述した通り、BB判定処理では、判定条件Dhを用いてBB状態へ移行するか否かが判定される。具体的には、今回の遊技におけるBB判定処理では、前回の遊技で決定された判定条件Dhを用いてBB状態へ移行するか否かが判定される。例えば、図15(a)に示すN回目の遊技におけるBB判定処理では、N-1回目の遊技で決定された判定条件Dhが用いられる。
図15(a)の具体例では、N-1回目の遊技において、判定条件「1」が決定された場合を想定する(Dh=1)。以上の場合、N回目の遊技におけるBB判定処理では、判定条件「1」でBB状態へ移行するか否かが判定される。図15(a)の具体例では、N回目の遊技におけるBB判定処理でBB状態への移行が決定されなかった場合を想定する。図15(a)に示す通り、BB判定処理が実行された後の開始時処理において、判定条件Dhが判定条件「0」に初期化される。
図15(a)に示す通り、全ての停止ボタン25が停止操作されると、停止時処理が実行される。停止時処理は、次回の遊技の賭けメダルが投入可能になる前に完了する。以上の停止時処理は、判定条件抽選処理(同図のSa3)を含む。ただし、図15(b)を用いて後述する通り、今回の遊技において変則押順で停止操作された場合、当該遊技における判定条件抽選処理が省略される。図15(a)の具体例では、N回目の遊技において左第1停止で停止操作(以下「順押」と記載する場合がある)された場合を想定する。以上の場合、N回目の遊技において判定条件抽選処理が実行される。
判定条件抽選処理では、次回の遊技で用いられる判定条件Dhが抽選により決定される。上述した通り、今回の遊技におけるBB判定処理で用いた判定条件Dhは、当該遊技で判定条件抽選処理が実行される以前に(上述のSa2において)初期化される。したがって、メインRAM303の判定条件Dhは、判定条件抽選処理が実行される直前において初期値「0」になる。
図15(a)の具体例では、N回目の遊技において、判定条件「2」が決定された場合を想定する。以上の場合、N回目の遊技において、メインRAM303に記憶された判定条件「0」が判定条件「2」に書換えられる。図15(a)に示す通り、N回目の遊技において決定された判定条件「2」は、N+1回目のBB判定処理において用いられる。なお、判定条件Dhを初期化する処理(Sa2)が実行される時期は、適宜に変更してもよい。例えば、判定条件抽選処理が実行される直前の停止時処理において、判定条件Dhが初期化される構成としてもよい。
図15(b)は、BB抽選の他の具体例を説明するための図である。図15(b)の具体例では、上述の図15(a)の具体例と同様に、N回目の遊技のBB判定処理において、BB状態への移行が決定されない場合を想定する。ただし、上述の図15(a)はメインペナルティ制御が実行されない具体例を示すのに対し、図15(b)の具体例では、メインペナルティ制御が実行される場合を想定する。図15(b)の具体例では、N回目の遊技でペナルティ制御が実行される場合を想定する。N回目の遊技でメインペナルティ制御が実行されると、N回目の遊技でメインペナルティ制御が実行されない場合と比較して、N+1回目の遊技においてBB状態への移行が決定され難くなる。
具体的には、今回の遊技において変則押順で停止操作されると、当該遊技における停止時処理において、判定条件抽選処理が省略される。例えば、図15(b)の具体例では、N回目の遊技において変則押順で停止操作された場合を想定する。メインCPU301は、非指示期間の各遊技の停止時処理において、当該遊技における停止操作順序が変則押順であるか否かを判定する。変則押順ではないと判断した場合、メインCPU301は、停止時処理において判定条件抽選処理を実行する。一方、変則押順であると判断した場合、メインCPU301は、停止時処理において判定条件抽選処理を実行しない。
上述した通り、開始時処理において判定条件Dhが初期化されるため、停止時処理が実行される時点において、判定条件Dhは初期値「0」である。したがって、今回の遊技の停止時処理で判定条件抽選処理が省略された場合、次回の遊技のBB判定処理(開始時処理)では判定条件「0」が用いられる。例えば、図15(b)の具体例では、N回目の遊技における判定条件抽選処理が省略されるため、N+1回目の遊技におけるBB判定処理では判定条件「0」(初期値)が用いられる。
判定条件「0」を用いた場合、他の判定条件Dh(1~5)を用いた場合と比較して、BB判定処理においてBB状態への移行が決定され難い。したがって、本実施形態では、今回の遊技において変則押した場合(ペナルティ制御が実行された場合)、当該遊技で順押した場合と比較して、次回の遊技でBB状態への移行が決定され難くなる。
なお、本実施形態では、今回の遊技において変則押されると、次回の遊技においてBB状態への移行が決定され難くなるが、次回の遊技において順押されると、次々回の遊技では通常の確率でBB状態への移行が決定される。以上の構成によれば、1回のメインペナルティ制御により不利になる遊技が限定的になるという利点がある。なお、ボーナス作動状態では、停止操作順序および遊技状態によらず、BB判定処理および判定条件抽選処理は実行されない。具体的には、ボーナス作動状態では、有利区間カウンタおよびMYカウンタの更新処理を除き、指示表示器16の指示機能に係る処理は実行されない。
上述した通り、通常状態および引戻し状態の各遊技において高確率移行抽選が実行される。以上の高確率移行抽選は、停止時処理に含まれる。本実施形態では、仮に、今回の遊技において変則押順で停止操作されると、高確率移行抽選が実行されない。また、上述した通り、高確率期間では、高確率転落抽選が実行される。以上の高確率転落抽選は、遊技の開始時に実行される開始時処理に含まれ、当該遊技の停止操作順序によらず実行される。
図16(a)および図16(b)は、ストック抽選処理を説明するための図である。上述した通り、本実施形態では、BB状態への移行が決定されると、ストック抽選処理が実行される。ストック抽選処理では、上述の1G連ストックおよび超天国ストック(以下「BBストック」と総称する場合がある)を付与するか否かが抽選により決定される。具体的には、ストック抽選処理では、図16(a)に示すストック決定テーブルによりストック番号(0~9)が抽選により決定される。また、ストック番号に応じたBBストックが付与される(図16(b)参照)。
図16(a)に示す通り、ストック決定テーブルは、各ストック番号の各抽選値を含んで構成される。抽選値が大きいストック番号ほどストック抽選処理で決定される確率が高くなる。例えば、ストック番号「0」が決定された場合、図16(b)に示す通り、超天国ストックは付与されず、1G連ストックも付与されない。また、ストック番号「1」が決定されると、超天国ストックが1個付与され、1G連ストックは付与されない。同様に、ストック番号「2」が決定されると、超天国ストックが2個付与され、ストック番号「3」が決定されると、超天国ストックが3個付与され、ストック番号「4」が決定されると、超天国ストックが4個付与される。ストック番号「5」が決定されると、超天国ストックは付与されず、1G連ストックが1個付与される。同様に、ストック番号「6」が決定されると、超天国ストックは付与されず、1G連ストックが2個付与される。ストック番号「7」が決定されると、超天国ストックが1個付与され、1G連ストックも1個付与される。同様に、ストック番号「8」が決定されると、超天国ストックが2個付与され、1G連ストックも1個付与される。ストック番号「9」が決定されると、超天国ストックが3個付与され、1G連ストックも1個付与される。
図16(a)に示す通り、各ストック番号の各抽選値は、ストック優遇フラグがON状態の場合とOFF状態の場合とで相違する。詳細には後述の図17(a)を用いて説明するが、BB状態への移行が決定された場合、原則、ストック抽選処理が実行される前に、ストック優遇フラグがOFF状態からON状態へ変更される。すなわち、ストック抽選処理は、ストック優遇フラグがON状態で実行されるのが通常である。一方、BB状態への移行が決定された遊技において、メインペナルティ制御が実行されると(変則押順で停止操作されると)、ストック抽選処理が実行される際にストック優遇フラグがOFF状態になる(図17(b)参照)。
本実施形態のストック決定テーブルは、ストック優遇フラグがON状態の場合より、ストック優遇フラグがOFF状態の場合にBBストックが付与され難く構成される。具体的には、図16(a)に示す通り、ストック優遇フラグがON状態の場合、ストック番号「1」~「9」が決定され得る。図16(b)に示す通り、ストック番号「1」~「9」が決定された場合、BBストック(1G連ストックおよび超天国ストックの双方または何れか一方)が付与される。一方、図16(a)から理解される通り、ストック優遇フラグがOFF状態の場合、ストック番号「0」のみが決定され、ストック番号「1」~「9」は決定されない。図16(b)に示す通り、ストック番号「0」が決定された場合、BBストックが付与されない。したがって、ストック優遇フラグがOFF状態の場合、BBストックは付与されない。
上述した通り、BB状態への移行が決定された遊技において、メインペナルティ制御が実行されると(変則押順で停止操作すると)、ストック優遇フラグがOFF状態でストック抽選処理が実行される。以上の構成は、BB状態への移行が決定された遊技において変則押順で停止操作すると、BBストックが付与されないとも換言される。
なお、ストック抽選処理の内容は適宜に変更できる。例えば、有利区間の残り遊技回数が閾値(例えば400回)以下の場合、BBストックが付与され難くなる構成としてもよい。また、有利区間の残り遊技回数が閾値以下の場合、BBストックが付与され易くなる構成としてもよい。また、メインペナルティ制御が実行された場合であっても、メインペナルティ制御が実行されない場合より低い確率でBBストックが付与され得る構成としてもよい。
図17(a-1)、図17(a-2)、図17(b-1)および図17(b-2)は、メインペナルティ制御が実行される場合の他の具体例を説明するための図である。上述した通り、メインペナルティ制御が実行されると、ストック抽選処理においてBBストックが付与されないペナルティが発生する。
図17(a-1)は、ストック抽選処理が実行される場合の具体例を説明するための図である。図17(a-1)の具体例では、メインペナルティ制御が実行されない場合を想定する。図17(a-1)の各処理は、上側に示す処理から下側に示す処理の順にメインCPU301により実行される。なお、17(a-1)には、各処理の一部が示される。また、上述のストック優遇フラグは、メインRAM303の特定の記憶領域に記憶(保持)される。図17(a-1)には、各時点においてメインRAM303に記憶されるストック優遇フラグ(Fg)の状態(ON/OFF)が示される。図17(a-2)についても同様である。
上述した通り、遊技の開始操作が実行されると、開始時処理が実行される。以上の開始時処理は、BB判定処理を含む。上述した通り、BB判定処理ではBB状態へ移行するか否かが判定される。図17(a-1)の具体例では、BB判定処理でBB状態への移行が決定された場合を想定する。なお、本実施形態では、BB状態以外の遊技状態において、ストック優遇フラグは原則OFF状態になる。図17(a-1)に示す通り、BB状態への移行が決定された時点(開始時処理が実行された時点)において、ストック優遇フラグはOFF状態になる。
遊技において最後の停止操作が実行されると、上述した通り、停止時処理が実行される。各遊技における停止時処理では、当該遊技のBB判定処理(開始時処理)でBB状態への移行が決定されたか否かが判定される。BB状態への移行が決定されたと判断された場合、ストック優遇フラグがOFF状態からON状態に変更される(図17(a-1)のSb1)。ただし、図17(a-2)を用いて後述する通り、変則押順で停止操作された場合、BB状態への移行が決定された遊技であっても、ストック優遇フラグをON状態にするステップ(Sb1)が省略される。図17(a-2)の具体例では、BB状態への移行が決定された遊技において順押された場合を想定する。以上の場合、当該遊技においてストック優遇フラグがON状態になる。
図17(a-1)に示す通り、BB状態への移行が決定された遊技では、ストック抽選処理(同図のSb2)が実行される。上述した通り、ストック抽選処理では、ストック優遇フラグの状態に応じた確率で、BBストックを付与するか否かが決定される。ストック優遇フラグがON状態の場合、通常の確率(BBストックが付与され得る確率)で、BBストックを付与するか否かが抽選される。
図17(a-2)は、ストック抽選処理が実行される場合の他の具体例を説明するための図である。図17(a-2)の具体例では、上述の図17(a-1)の具体例と同様に、BB状態への移行が決定された場合を想定する。ただし、上述の図17(a-1)はメインペナルティ制御が実行されない具体例を示すのに対し、図17(a-2)の具体例では、メインペナルティ制御が実行される場合を想定する。BB状態への移行が決定された遊技でメインペナルティ制御が実行されると、BBストックが付与されないペナルティが発生する。
具体的には、メインCPU301は、各遊技の停止時処理において、当該遊技における停止操作順序が変則押順であるか否かを判定する。上述の図17(a-1)で説明した通り、変則押順ではないと判断した場合、メインCPU301は、停止時処理においてストック優遇フラグをON状態にする(ステップSb1を実行する)。一方、変則押順であると判断した場合、メインCPU301は、ステップSb1を省略する。以上の場合、停止時処理以降の期間においてストック優遇フラグがOFF状態で維持される。
以上の構成では、BB状態への移行が決定された遊技で変則押順により停止操作がされると、ストック抽選処理が実行される時点において、ストック優遇フラグがOFF状態になる。したがって、低確率(BBストックが付与される確率が0)でストック抽選処理が実行される。
なお、詳細には図17(b-1)を用いて説明するが、本実施形態では、BB状態の各遊技においても、BBストックが付与される場合がある。ただし、詳細には図17(b-2)を用いて説明するが、BB状態への移行が決定された遊技でメインペナルティ制御が実行された場合(ストック優遇フラグがON状態に変更されなかった場合)、その後のBB状態中においてBBストックが付与されない。
図17(b-1)および図17(b-2)は、BB状態におけるストック抽選処理を説明するための図である。BB状態におけるストック抽選処理では、各遊技の当選エリアに応じた確率で、1G連ストックを1個付与するか否かが決定される。
具体的には、BB状態においてリプレイ2が当選すると確率約1/128で1G連ストックが付与される。BB状態において確定役3または確定役4が当選すると確率約1で1G連ストックが付与される。BB状態においてチェリーが当選すると確率約1/64で1G連ストックが付与される。BB状態においてスイカが当選すると確率約1/14で1G連ストックが付与される。その他の当選エリアがBB状態において当選した場合、1G連ストックは付与されない。ただし、BB状態への移行が決定された遊技でメインペナルティ制御が実行された場合(変則押順で停止操作された場合)、BB状態において1G連ストックは付与されない。
図17(b-1)は、メインペナルティ制御が実行されない場合の具体例を説明するための図である。図17(b-1)には、各時点におけるストック優遇フラグの状態(ON/OFF)、ストック抽選処理の内容および遊技状態が示される。また、図17(b-1)の具体例では、通常状態におけるN回目の遊技においてBB状態への移行が決定された場合を想定する。具体的には、当該遊技の開始操作時t1においてBB状態への移行が決定され、当該遊技の最後の停止操作時t2においてストック抽選処理が実行された場合を想定する。後述の図17(b-2)についても同様である。
図17(b-1)の具体例では、N回目の遊技において、順押された場合を想定する。以上の場合、当該遊技において、第3停止時にストック優遇フラグがON状態に変更され、通常確率でストック抽選処理が実行される。また、N回目の遊技の次回の遊技から遊技状態がBB状態へ移行する。
BB状態の各遊技では、ストック優遇フラグがON状態であるか否かが判定され、ストック優遇フラグがON状態の場合、ストック抽選処理が実行される。図17(b-1)に示す通り、BB状態に当選した遊技でストック優遇フラグがON状態に変更されると、当該BB状態が終了するまでストック優遇フラグがON状態で維持される。したがって、BB状態に当選した遊技でストック優遇フラグがON状態に変更された場合、BB状態の各遊技においてストック抽選処理が実行される。
図17(b-2)は、メインペナルティ制御が実行される場合の具体例を説明するための図である。具体的には、図17(b-2)の具体例では、BB状態への移行が決定されたN回目の遊技において、変則押順で停止操作された場合を想定する。以上の場合、N回目の遊技において、第3停止時にストック優遇フラグがON状態に変更されず(OFF状態が維持され)、低確率でストック抽選処理が実行される。
上述した通り、BB状態の各遊技では、ストック優遇フラグがON状態であるか否かが判定され、ストック優遇フラグがON状態の場合、ストック抽選処理が実行される。ただし、図17(b-2)に示す通り、BB状態への移行が決定された遊技でストック優遇フラグがON状態に変更されないと、当該BB状態が終了するまでストック優遇フラグがOFF状態で維持される。したがって、BB状態への移行が決定された遊技でストック優遇フラグがON状態に変更されなかった場合、BB状態の各遊技においてストック抽選処理が実行されない。すなわち、BB状態への移行が決定された遊技でメインペナルティ制御が実行された場合、その後のBB状態において1G連ストックは付与されない。
以上の本実施形態では、BB状態への移行が決定された遊技でメインペナルティ制御が実行された場合、BB状態への移行が決定された遊技および当該BB状態中において1G連ストックが付与されないため、当該BB状態が終了する時点において1G連ストックは0個になる。すなわち、BB状態は単発で終了する。なお、今回のBB状態への移行が決定された遊技でメインペナルティ制御が実行された場合であっても、その後の非指示期間において、新たなBB状態への移行が決定された遊技で順押した場合、当該新たなBB状態が当選した遊技および当該BB状態中においてはストック抽選処理が通常通り実行される。
また、BB状態への移行が決定された遊技でメインペナルティ制御が実行された場合であっても、当該BB終了時における移行抽選(図9(a)参照)は通常通り実行される。ただし、BB状態への移行が決定された遊技でメインペナルティ制御が実行された場合、メインペナルティ制御が実行されなかった場合と比較して、当該BB終了時における移行抽選が不利になる構成としてもよい。なお、ボーナス作動状態では、停止操作順序および遊技状態によらず、ストック抽選処理は実行されない。
図18(a)、図18(b-1)および図18(b-2)は、メインペナルティ制御が実行される場合の他の具体例を説明するための図である。詳細には以下で説明するが、メインペナルティ制御が実行されると、各種のカウンタが予め定められた閾値に達するまでに要する遊技回数が延長される。
図18(a)は、メインRAM303に設けられた各種のカウンタを説明するための図である。上述した通り、メインRAM303には、高確保証カウンタ、天国チャンスカウンタ、有利区間天井カウンタ、BB間天井カウンタ、引戻し天井カウンタ、天国天井カウンタおよび超天国天井カウンタが設けられる。以下、説明のため、以上の各カウンタを「特定カウンタ」と総称する場合がある。
図18(a)には、特定カウンタの初期値、更新時期および数値「0」に達した場合の制御が示される。なお、仮に特定カウンタの更新時期においてボーナス作動状態へ移行した場合を想定する。以上の場合、当該特定カウンタはボーナス作動状態において更新されず、ボーナス作動状態が終了した後に更新が再開される。ただし、ボーナス作動状態においても特定カウンタが更新される構成としてもよい。図による説明は省略するが、有利区間カウンタおよびMYカウンタは、内部状態、遊技状態およびメインペナルティ制御の有無によらず、有利区間の全ての遊技において更新される。
図18(b-1)および図18(b-2)は、各遊技における特定カウンタの更新処理の具体例を説明するための図である。図18(b-1)は、メインペナルティ制御が実行されない場合の具体例を示す。一方、図18(b-2)は、メインペナルティ制御が実行される場合の具体例を示す。上述した通り、遊技の開始操作に応じて開始時処理が実行される。図18(b-1)および図18(b-2)に示す通り、特定カウンタのうち高確保証カウンタは、開始時処理において減算される(同図のSc1)。
図18(b-1)および図18(b-2)に示す通り、第3停止操作に応じて実行される停止時処理では、高確率保証カウンタ以外の特定カウンタが減算される(Sc2)。ただし、各遊技の停止時処理では、当該遊技で変則押順により停止操作がされたか否かが判定され、順押された場合は特定カウンタを減算するが(図18(b-1))、変則押順で停止操作された場合は特定カウンタを減算する処理は省略される(図18(b-2))。
以上の構成によれば、メインペナルティ制御の有無によらず、高確率保証カウンタが減算される。したがって、変則押順で停止操作することで高確率保証カウンタが数値「0」に減算されるまでの遊技回数を不正に延長することはできないという利点がある。なお、メインペナルティ制御の有無によらず、高確率転落抽選が実行される。したがって、変則押順で停止操作して高確率期間を不正に延長することはできない。
また、メインペナルティ制御が実行されると、天国天井カウンタが数値「0」に達するまでに要する遊技回数が延長される。以上の構成では、メインペナルティ制御が実行されると、天国状態からBB状態へ移行するまでの平均遊技回数が延長され、遊技者にとって不利になる。同様に、メインペナルティ制御が実行されると、超天国天井カウンタが数値「0」に達するまでに要する遊技回数が延長され、遊技者にとって不利になる。
メインペナルティ制御が実行されると、有利区間天井カウンタが数値「0」に達するまでに要する遊技回数が延長される。すなわち、BB状態またはEDBB状態へ移行するまでの平均遊技回数が延長される。また、有利区間天井カウンタが数値「0」に達するまでに要する遊技回数が延長されると、上述した通り、EDBB状態の遊技回数が短縮される。したがって、遊技者にとって不利になる。また、メインペナルティ制御が実行されると、BB間天井カウンタが数値「0」に達するまでに要する遊技回数が延長され、遊技者にとって不利になる。
メインペナルティ制御が実行されると、引戻し天井カウンタが数値「0」に達するまでに要する遊技回数が延長され、遊技者にとって不利になる。なお、上述した通り引戻し状態の各遊技では、引戻し天井カウンタが減算されるとともに、転落抽選が実行される。本実施形態では、引戻し状態においてメインペナルティ制御が実行されると(変則押順で停止操作されると)、引戻し天井カウンタの減算処理は省略されるが、転落抽選は実行される。
メインペナルティ制御が実行されると、天国チャンスカウンタが数値「0」に達するまでに要する遊技回数が延長される。すなわち、天国チャンス状態が延長される。上述した通り、天国チャンス状態が終了した後に引戻し状態へ移行する。また、天国チャンス状態では引戻し天井カウンタは減算されない。したがって、天国チャンス状態が延長されると、引戻し天井カウンタが数値「0」に達するまでに要する遊技回数が実質的に延長される。
本実施形態では、天国天井カウンタ、超天国天井カウンタ、有利区間天井カウンタ、BB間天井カウンタおよび引戻し天井カウンタ(以下「天井カウンタ」と総称する)が数値「0」に減算されてBB状態へ移行する場合、上述のストック抽選処理が実行される。また、図18(b-2)を用いて説明した通り、変則押順で停止操作された遊技(メインペナルティ制御が実行された遊技)では天井カウンタは減算されない。すなわち、天井カウンタが数値「0」に減算される遊技では、メインペナルティ制御が実行されない。以上の構成では、天井カウンタが数値「0」に減算された契機でBB状態へ移行する場合、ストック抽選処理が実行される際のストック優遇フラグはON状態になる。
以上の説明から理解される通り、本実施形態のメインペナルティ制御は、変則押順で停止操作された遊技でのみ実行される。仮に、変則押順で停止操作された遊技を含む複数回の遊技でメインペナルティ制御が実行される構成を想定する。例えば、変則押順で停止操作されると、複数回の遊技にわたり低確率期間へ移行する旨が決定される構成を想定する。以上の構成では、変則押順で停止操作した直後に前回の遊技者が遊技を中止した場合、次回の遊技者にもペナルティが付与される不都合がある。本実施形態によれば、以上の不都合が抑制される。以上がメインペナルティ制御についての説明である。
以下、図19(a)を用いて、サブペナルティ制御について説明する。なお、メインペナルティ制御がメインCPU301により実行され場合、BB状態へ移行し難くなる等、指示表示装置16の指示機能に係るペナルティが付与された。一方、サブCPU412によりサブペナルティ制御が実行されたとしても、指示表示装置16の指示機能に係るペナルティは付与されない(出玉率に影響はない)。
図19(a)は、サブペナルティ制御が実行される場合の具体例を説明するための図である。サブペナルティ制御が実行されると、サブペナルティ制御が実行されなかった場合と比較して、演出の態様が変化する。また、サブペナルティ制御は、原則、メインペナルティ制御が実行される場合に実行される。したがって、サブペナルティ制御により演出の態様を変化させることで、メインペナルティ制御が実行される旨が実質的に報知される。
図19(a)には、各時点におけるメインCPU301の制御内容、サブCPU412の制御内容、スピーカから出力される音響(音声、楽曲、効果音)および液晶表示装置30に表示される画像が示される。図19(a)の具体例は、非指示期間の場合を想定する。非指示期間では、変則押順で停止操作されるとペナルティ制御が実行される。
サブCPU412は、遊技の開始操作に伴い演出抽選処理を実行する。演出抽選処理では、今回の遊技で実行する演出が抽選により決定される。各遊技において、演出抽選処理で決定された演出が実行される。以上の演出としては、例えば、今回の遊技で決定された当選エリアを報知(示唆)する演出や、BB状態に当選したことを期待させるための演出が含まれる。以上の演出では、当該演出に応じた演出音がスピーカから出力され、当該演出に応じた演出画像が液晶表示装置30に表示される。ただし、演出抽選処理で何れの演出も決定されない場合がある。
以下、説明のため、演出抽選処理により決定された演出が実行されない期間における各演出実行手段の状態を「デフォルト状態」と記載する場合がある。例えば、液晶表示装置30は、デフォルト状態において、特定のキャラクタが歩行する画像を表示する(後述の図20(a)参照)。一方、演出が実行される期間では、当該演出に応じた動作(歌唱など)をするキャラクタGCが液晶表示装置30に表示される(後述の図20(b)参照)。
デフォルト状態において、スピーカは音響を出力しない。一方、演出が実行される期間では、当該演出に応じた演出音がスピーカから出力される。ただし、遊技状態によっては、デフォルト状態において特定のBGMがスピーカから出力される構成としてもよい。例えば、演出の実行が決定されなかった遊技において、各演出実行手段はデフォルト状態になる。また、非遊技期間において、各演出実行手段はデフォルト状態になる。
図19(a)の具体例では、時点ts1において、N回目の遊技の開始操作が実行された場合を想定する。また、当該遊技の前の遊技(N-1回目)において、ペナルティ制御が実行されていない(順押された)場合を想定する。以上の場合、サブCPU412は、時点ts1の直後に演出抽選処理を実行する。また、図19(a)の具体例では、N回目の遊技において演出が実行される旨が決定された場合を想定する。以上の場合、図19(a)に示す通り、遊技の開始操作に伴い、演出に応じた演出音がスピーカから出力され、当該演出に応じた演出画像が液晶表示装置30に表示される。
図19(a)の具体例では、N回目の遊技の時点txにおいて、中第1停止(変則押順の一例)で停止操作された場合を想定する。以上の場合、第1停止操作した直後(略同時)からサブCPU412は、サブペナルティ状態へ移行する(サブペナルティ制御を実行する)。サブペナルティ状態では、演出抽選処理で決定された各演出が原則実行されない。仮に、サブペナルティ状態へ移行した時点で演出が実行される場合、当該演出は中止される。ただし、サブペナルティ状態において例外的に実行される演出を設けてもよい。例えば、BB状態への移行を告知する演出は、サブペナルティ状態においても実行され得る構成としてもよい。
具体的には、非指示期間において中第1停止または右第1停止すると、その直後に報知音声が予め定められた時間にわたり出力される(変則押報知の一例)。報知音声は、遊技者が実際に実行した停止操作の順序を報知するための音声である(図19(b)参照)。報知音声が出力される場合、第1停止操作より前に出力されていた演出音の出力は停止される。
また、非指示期間において中第1停止または右第1停止すると、第1停止操作した直後において、報知画像が予め定められた時間にわたり表示される(変則押報知の一例)。報知画像は、遊技者が実際に実行した停止操作の順序を報知するための画像である(図19(b)参照)。なお、指示期間においては、停止操作態様が報知されるか否かによらず、変則押順で停止操作しても報知画像は表示されず報知音声は出力されない。
図19(a)の具体例では、N回目の遊技の第3停止操作が時点te1において実行された場合を想定する。上述した通り、変則押順で停止操作された遊技では、第3停止操作が実行されると、メインCPU301はメインペナルティ制御を実行する。以上の構成は、サブペナルティ制御が実行される時点(tx)と、メインペナルティ制御が実行される時点(te1)とが相違するとも換言される。以上の構成によれば、例えばサブペナルティ制御がメインペナルティ制御と同時に実行される構成と比較して、サブペナルティ制御を実行する時期の自由度が向上するという利点がある。すなわち、報知音声の出力時期および報知画像の表示時期の自由度が向上するという利点がある。
図19(a)に示す通り、今回の遊技でサブペナルティ状態へ移行した場合、次回の遊技においてもサブペナルティ状態が継続する。具体的には、サブペナルティ状態へ移行した場合、その後、左第1停止で停止操作されるか、BB状態へ移行するか、電源がOFF/ONされるまで当該サブペナルティ状態が継続する。また、サブペナルティ状態では、演出抽選処理が実行されない。以上の構成では、サブペナルティ状態へ移行した遊技の次遊技において演出抽選処理が実行されない。したがって、サブペナルティ状態へ移行した遊技の次遊技では演出が実行されない。
例えば、図19(a)の具体例では、N回目の遊技で第1停止操作された時点txからN+1回目の遊技で第1停止操作された時点tyまでサブペナルティ状態になる。したがって、N+1回目の遊技の開始操作時はサブペナルティ状態になる。すなわち、N+1回目の遊技における演出抽選処理が本来実行される時点では、サブペナルティ状態が継続している。以上の場合、N+1回目の遊技における演出抽選処理は実行されず、当該遊技では演出が実行されない(各演出実行手段がデフォルト状態になる)。なお、図19(a)の具体例では、N+1回目の遊技においてサブペナルティ状態が終了するため、N+2回目の遊技では演出抽選処理が実行され演出が実行され得る。
図19(b)は、報知画像および報知音声の具体例を説明するための図である。図19(b)に示す通り、本実施形態では、第1停止操作した停止ボタン25(中、右)に応じて、報知画像と報知音声との組合せが相違する。
具体的には、非指示期間において中第1停止で停止操作されると、報知画像GM1が表示される。報知画像GM1は、「中から押しています」というメッセージを表示する画像である(後述の図20(c-1)参照)。また、非指示期間において中第1停止で停止操作されると、「中から押しています」という報知音声が出力される。一方、非指示期間において右第1停止で停止操作されると、報知画像GM2が表示される。報知画像GM2は、「右から押しています」というメッセージを表示する画像である(後述の図20(c-2)参照)。また、非指示期間において右第1停止で停止操作されると、「右から押しています」という報知音声が出力される。非指示期間において左第1停止されても、報知画像は表示されず、報知音声は出力されない。
ところで、上述した通り、変則押順で遊技すると、左第1停止で遊技した場合と比較して、指示表示器16の指示機能に係る処理(判定条件抽選処理、ストック抽選処理、天井カウンタの減算)が不利になる。一方、変則押順で遊技すると、左第1停止で遊技した場合と比較して、メダルの獲得期待値が多くなる(上述の図8参照)。すなわち、左第1停止で遊技した場合と変則押順で遊技した場合とでは遊技性が変化する。以上の本実施形態では、遊技者によっては、左第1停止で遊技した場合の遊技性を好む場合と、変則押順で遊技した場合の遊技性を好む場合とがあり得る。
しかし、仮に変則押順で遊技したことを警告する構成では、変則押順で遊技した場合の遊技性を好む遊技者であっても、左第1停止で遊技しなければならないと感じる不都合が生じ得る。例えば、変則押順で停止操作した際に「左から押してください」と警告される対比例では、遊技者によっては、変則押順での遊技を中止してしまう。
以上の事情を考慮して、本実施形態は、変則押順で停止操作をしたことが警告されたと判断され難い報知画像および報知音声を採用した。具体的には、本実施形態の報知画像および報知音声は、左第1停止を指示するものではなく、変則押順で停止操作された事実を単に報知するものとした。以上の構成によれば、上述の対比例と比較して、上述の不都合が抑制されるという利点がある。
図20(a)、図20(b)、図20(c-1)および図20(c-2)は、サブペナルティ制御が実行される前後で表示される各画像を説明するための図である。以上の各図は、通常状態または引戻し状態において表示される各画像の具体例を示す。なお、上述した通り、通常状態と引戻し状態とでは、液晶表示装置30において共通の画像が表示される。
図20(a)は、デフォルト状態(演出非実行時)において表示される各画像の具体例である。本実施形態の液晶表示装置30は、デフォルト状態において、例えばキャラクタGCおよび遊技回数画像GEを含む各種の画像を表示する。また、デフォルト状態では、背景画像GHaが各画像の背後に表示される。キャラクタGCは、液晶表示装置30がデフォルト状態へ移行した直後において、図20(a)の初期位置Pに表示され、その後、同図に示す黒色の矢印の方向へ往復移動(歩行)する。図20(a)には、初期位置Pに表示されたキャラクタGCが破線で示される。
遊技回数画像GEは、前回のBB状態が終了してからの遊技回数を表示するための画像である。具体的には、各遊技の開始操作に伴い、遊技回数画像GEの数字が「1」ずつ加算される。ただし、遊技回数画像GEの数字が第3停止時に加算される構成としてもよい。上述した通り、前回のBB状態が終了してから998回の遊技でBB状態へ移行する(天井機能が発動する)。遊技者は、遊技回数画像GEにより天井機能が発動するまでの遊技回数を把握することができる。
図20(b)は、演出画像の具体例を説明するための図である。図20(b)の具体例では、各演出のうち連続演出が実行された場合を示す。連続演出では、歌唱するキャラクタGCを含む各種の演出画像が表示される。また、演出画像が表示される期間においても遊技回数画像GEが表示される。ただし、演出画像が表示される期間において遊技回数画像GEが一時的に非表示となり、演出が終了してデフォルト状態へ移行した際に遊技回数画像GEが再度表示される構成としてもよい。各演出では、当該演出に応じた背景画像が表示される。例えば、図20(b)の連続演出では、背景画像GHbが各画像の背後に表示される。
本実施形態の連続演出は、最大で3回の遊技にわたり継続する。連続演出の遊技回数は、抽選により決定され、高確率期間では低確率期間より長くなり易い。なお、BB状態への移行が決定されてから実際に移行するまでに複数回の遊技で構成される前兆期間を設け、当該前兆期間において連続演出が実行される構成としてもよい。以上の連続演出では、BB状態へ移行する旨が最終的に報知される。
図20(c-1)および図20(c-2)は、サブペナルティ制御が実行された直後(サブペナルティ状態へ移行した直後)に表示される各画像を説明するための図である。
図20(c-1)は、中第1停止(変則押順)で停止操作された直後に表示される各画像の具体例を示す。中第1停止で停止操作されてサブペナルティ状態が開始されると、報知画像GM1が画面の略中央付近に表示される。図20(c-1)に示す通り、報知画像GM1は、「中から押しています」というメッセージを表示する。
図20(c-2)は、右第1停止(変則押順)で停止操作された直後に表示される各画像の具体例を示す。右第1停止で停止操作されてサブペナルティ状態が開始されると、報知画像GM2が画面の略中央付近に表示される。図20(c-2)に示す通り、報知画像GM2は、「右から押しています」というメッセージを表示する。
上述した通り、サブペナルティ制御が実行されると、液晶表示装置30はデフォルト状態になる。したがって、サブペナルティ制御が実行された場合、上述の図20(a)に示す各画像(キャラクタGC、遊技回数画像GE、背景画像Ha)が、サブペナルティ制御が実行される直前に表示されていた各画像に替えて表示される。ただし、図20(c-1)および図20(c-2)に示す通り、上述の報知画像GM(1、2)は、他の画像より優先して(前側に)表示される。
具体的には、演出が実行される期間においてサブペナルティ制御が実行されると、第1停止操作された停止ボタン25の種類に応じた報知画像GMが表示され、表示中の各演出画像に替えてデフォルト状態において表示される各画像が表示される。例えば、上述の連続演出(図20(b)参照)において、サブペナルティ制御が実行されると、歌唱しているキャラクタGC等が非表示になり、デフォルト状態で表示される各画像が表示される。以上の場合、図20(c-1)および図20(c-2)に示す通り、キャラクタGCが初期位置Pから表示開始される。また、以上の場合、連続演出中の背景画像GHbに替えてデフォルト状態の背景画像GHaが表示される。
以上の構成は、サブペナルティ制御が実行されると、実行中の演出が中止されるとも換言される。また、仮に3回の遊技にわたり連続演出が実行される旨が決定された場合を想定する。以上の場合であっても、連続演出の1回目または2回目の遊技において変則押順で停止操作されると、その時点(中第1停止または右第1停止した時点)で連続演出を中止し、残りの連続演出を実行しない。
ところで、画像をフェードアウトしないで突然非表示にすると、画面が不自然に見えるという不都合が生じ得る。以上の事情から、表示中の画像を非表示する場合、当該画像をフェードアウトするのが通常である。本実施形態では、例えば、サブペナルティ制御によらず演出画像を非表示にする場合(演出が終了する場合)、当該演出画像をフェードアウトする。
ただし、実行中の演出をサブペナルティ制御により中止する場合、当該演出における演出画像を敢えてフェードアウトしないで非表示にする。以上の構成によれば、サブペナルティ制御が実行されると演出画像が不自然な態様で非表示になるため、サブペナルティ制御が実行された旨が遊技者に認識され易いという利点がある
なお、演出画像を非表示にする前後において、所定の切替用画像(アイキャッチ画像)を画面全体に表示する構成が採用される場合がある。以上の構成を採用する場合、サブペナルティ制御によらず演出を終了させる際に、切替用画像を表示してからデフォルト状態の各画像を表示する一方、サブペナルティ制御により実行中の演出を中止する際には、切替用画像を表示しないでデフォルト状態の各画像が表示される構成としてもよい。
以上の構成によれば、サブペナルティ制御が実行されると、演出の終了時において、通常は表示される切替用画像が表示されないため、サブペナルティ制御が実行された旨が遊技者に認識され易いという利点がある。ただし、サブペナルティ制御で演出が強制的に中止される場合であっても、切替用画像を表示可能な構成としてもよい。以上の構成では、演出が強制的に中止する際の画面が過度に不自然になる不都合を抑制できる。
デフォルト状態の各画像が表示される期間においてサブペナルティ制御が実行されると、第1停止操作された停止ボタン25の種類に応じた報知画像GMが表示され、デフォルト状態において表示される各画像が表示され続ける。ただし、デフォルト状態の各画像が表示される期間においてサブペナルティ制御が実行された場合、各画像の表示態様をデフォルト状態が開始された直後の表示態様に戻す。
例えば、キャラクタGCは、デフォルト状態において初期位置Pから移動を開始する。以上の構成では、サブペナルティ制御が実行された時点(変則押順の第1停止操作がされた時点)において、キャラクタGCが初期位置P以外に位置する場合、キャラクタGCが初期位置Pに戻される。具体的には、サブペナルティ制御が実行されると、キャラクタGCが一瞬にして初期位置Pへ移動する。以上の構成では、遊技者によっては、サブペナルティ制御が実行された際に、キャラクタGCの表示位置が不自然に変化したと感じる。
以上の構成によれば、例えば、サブペナルティ制御が実行された前後でデフォルト状態における各画像の表示態様が全く変化しない構成と比較して、サブペナルティ制御が実行された旨を遊技者に認識させ易いという利点がある。なお、以上の構成において、サブペナルティ制御が実行された際に報知画像GMの表示を省略してもよい。
上述した通り、メインペナルティ制御が実行された場合(変則押された場合)、天井カウンタの更新処理が省略される。以上の事情を考慮して、本実施形態では、メインペナルティ制御が実行された場合、遊技回数画像GEの数字が更新されない。なお、以上の構成において、メインペナルティ制御が実行された場合、遊技回数画像GEが一時的に非表示になる構成としてもよい。具体的には、サブペナルティ状態の期間において遊技回数画像GEが非表示になる構成としてもよい。
図21(a)および図21(b)は、液晶表示装置30に表示される他の画像の具体例を説明するための図である。
上述した通り、メインRAM303には、遊技状態を制御するための各種のカウンタが設けられる。例えば、メインRAM303には、有利区間において更新される有利区間カウンタおよびMYカウンタが設けられる。有利区間終了時において、以上の各カウンタを含む遊技状態(出玉)を制御するための全てのカウンタが初期化される。以上の構成は、有利区間終了時において、遊技の流れが絶たれるとも換言される。したがって、遊技者によっては、有利区間が終了すると、遊技に対する意欲が低下する不都合が生じ得る。
以上の事情を考慮して、本実施形態のサブ制御基板400(サブCPU412等)は、今回の有利区間が終了してから次回の有利区間が開始した以降の期間において、遊技者の遊技に対する意欲が維持され易く構成される。以上の構成について以下で詳細に説明する。
図21(a)は、BB状態において表示される画面の模擬図である。BB状態では、指示画像GS、連チャン回数画像GXおよび枚数表示画像GYを含む各種の画像が表示される。指示画像GSは、上述の報知演出X(1~4)において表示され(図13参照)、例えば打順ベルの正解押順を報知する。図21(a)の具体例は、報知演出Xのうち「右中左」の停止操作順序を報知する報知演出X4が実行された場合を想定する。
連チャン回数画像GXは、最初のBB状態を含め、BB状態が終了してから99回の遊技が実行される以前に再度BB状態に当選した回数(以下「連チャン回数」)を表示する。図21(a)には、連チャン回数が3回のBB状態における具体例が示される。以下、説明のため、最初のBB状態が開始されてから、その後、天国チャンス状態が終了するまでの期間を「連チャン期間」と記載する場合がある。なお、連チャン期間においてEDBB状態へ移行した場合、当該EDBB状態が終了すると当該連チャン期間は終了する。枚数表示画像GYは、連チャン期間において付与されたメダルの枚数(払出枚数と投入枚数との差。以下「獲得枚数」)を表示する。図21(a)には、獲得枚数が237枚の場合の具体例が示される。
本実施形態のサブRAM414には、演出を制御するための各種のカウンタが設けられる。例えば、獲得枚数の現在値を記憶する枚数表示用カウンタ、連チャン回数の現在値を記憶する連チャン回数カウンタ、および、演出制御用カウンタがサブRAM414に設けられる。枚数表示用カウンタは、連チャン期間においてメダルが払出される毎に加算される。例えば、連チャン期間において9枚のメダルが払出されると、枚数表示用カウンタに数値「9」が加算される。また、連チャン期間の各遊技において、当該遊技で使用したメダル枚数が枚数表示用カウンタから減算される。
演出制御用カウンタは、連チャン期間中のBB状態以外の遊技状態(天国チャンス状態)の各遊技で数値「1」ずつ減算される。以上の演出制御用カウンタが数値「0」に減算されると、今回の連チャン期間が終了したと判定される。以下、説明のため、サブRAM414における以上の各カウンタを「サブカウンタ」と総称する。本実施形態では、有利区間が終了した際にサブカウンタを初期化せず維持可能に構成される。
図21(b)は、各時点におけるサブカウンタの数値を説明するための図である。図21(b)には、各時点におけるサブカウンタ(Cs1、Cs2、Cs3)の数値が示される。また、図21(b)には、メインRAM303の天国チャンスカウンタ(Cm)、MYカウンタ(Cx)および有利区間カウンタ(Cy)の数値が示される。また、図21(b)には、各時点における遊技状態が示される。
本実施形態のサブCPU412は、遊技状態(メインCPU301の状態)に対応する演出状態へ移行する。各演出実行手段(液晶表示装置30など)は、演出状態に応じた態様で制御される。図21(b)には、各時点における演出状態が示される。例えば、遊技状態がBB状態の期間において、演出状態はボーナス中演出状態になる。ボーナス中演出状態では、例えば、上述の図21(a)に示す各画像が液晶表示装置30に表示される。また、遊技状態が通常状態または引戻し状態の期間において、演出状態は通常演出状態になる。通常演出状態では、例えば、上述の図20(a)に示す各画像が表示される。
図21(b)に示す通り、遊技状態が天国状態の期間、BB終了後の非有利区間、および、その後の天国チャンス状態の期間において、演出状態は連チャン中演出状態になる。すなわち、連チャン中演出状態は、BB状態への移行期待度が高い遊技状態における演出状態である。以上の連チャン中演出状態では、例えば、BB状態への移行期待度が高い旨が示唆される各種の演出が実行される。例えば、筐体ランプ5は、通常演出状態では原則消灯するが、連チャン中演出状態では赤色に点灯する。
図21(b)の具体例では、天国状態の時点t1においてBB状態へ移行した場合を想定する。また、BB状態へ移行する直前において、連チャン回数カウンタ(Cs2)が数値「Nb-1」(Nbは2以上の整数)の場合を想定する。以上の場合、時点t1において、連チャン回数カウンタが数値「Nb」に加算される(数値「1」加算される)。また、BB状態(ボーナス中演出状態)では、数字「Nb」を表示する連チャン回数画像GXが表示される。
図21(b)の具体例では、BB状態において、枚数表示用カウンタが数値「Nas」から数値「Nae」まで加算された場合を想定する(NasおよびNaeは正の整数)。以上の場合、BB状態終了時(時点t2)において、枚数表示画像GYは数字「Nae」を表示する。なお、連チャン回数に応じて、ボーナス中演出状態(BB状態)における演出態様(BGMなど)が変化する構成としてもよい。また、連チャン回数に応じて、連チャン中演出状態における演出態様が変化する構成としてもよい。同様に、獲得枚数に応じてボーナス中演出状態における演出態様を変化させてもよいし、獲得枚数に応じて連チャン中演出状態における演出態様を変化させてもよい。
図21(b)の具体例では、BB状態終了時の移行抽選において非有利区間への移行が決定された場合を想定する。以上の場合、メインRAM303の各カウンタ(Cm、Cx、Cy)は初期化状態になる。一方、サブカウンタは、非有利区間へ移行した場合であっても、初期化されずに維持される。
例えば、図21(b)の具体例では、有利区間が終了する時点t2における枚数表示用カウンタは数値「Nae」であり、連チャン回数カウンタは数値「Nb」である。以上の各カウンタの数値は、有利区間の終了前後において初期化されない。また、当該各カウンタの数値は、新たな有利区間の開始前後においても初期化されない。
図21(b)の具体例では、非有利区間の最初の遊技で、新たな有利区間へ移行する旨が決定された場合を想定する(時点t3)。具体的には、新たな有利区間の開始時に天国チャンス状態へ移行した場合を想定する。図21(b)に示す通り、有利区間が開始される時点において、MYカウンタ(Cx)は初期値「0」であり、有利区間カウンタには初期値「1500」が設定される。
本実施形態では、連チャン期間の各時点において、演出制御用カウンタの数値と天国チャンスカウンタの数値とが原則一致する。具体的には、天国チャンス状態が開始される場合、天国チャンスカウンタに初期値「98」が設定され、且つ、演出制御用カウンタに初期値「98」が設定される。また、天国チャンスカウンタおよび演出制御用カウンタは、それぞれ数値「1」ずつ各遊技において減算される。
上述した通り、非指示期間である天国チャンス状態において変則押順で停止操作されると、メインCPU111は、天国チャンスカウンタの更新処理を省略する。本実施形態のサブCPU412は、天国チャンスカウンタの更新処理が省略された次回の遊技において、演出制御用カウンタの更新処理を省略する。なお、天国チャンスカウンタの更新処理が省略された遊技において、演出制御用カウンタの更新処理が省略される構成としてもよい。
以上の本実施形態では、天国チャンス状態が終了する時点と、連チャン中演出状態が終了する時点(連チャン期間が終了する時点)とを一致させることができる。すなわち、実際の遊技状態と演出状態(演出実行手段の態様)とを同期させることができる。なお、本実施形態では、非有利区間を連チャン中演出状態にしたが、新たな有利区間が開始された後の期間、または、新たな有利区間の開始と同時に、連チャン中演出状態へ移行する構成としてもよい。また、BB状態以外の連チャン期間において、連チャン回数を表示してもよいし、獲得枚数を表示してもよい。図21(b)に示す通り、連チャン期間が終了すると(演出制御用カウンタが数値「0」に達したと判断されると)、サブカウンタは初期化される。
図21(c)は、各時点における各カウンタの数値を説明するための他の図である。図21(c)には、有利区間Xおよび有利区間Xに続く有利区間Yにおける、MYカウンタの数値(Cx)と枚数表示用カウンタの数値(Cs1)とが示される。図21(c)の具体例では、有利区間Xが時点taにおいて開始され、その後、最初のBB状態が時点tbから開始された場合を想定する。以上の場合、MYカウンタは時点taから時点tbまでの非指示期間において原則増減しない(略数値「0」になる)。また、時点tbにおいて連チャン期間が開始される。枚数表示用カウンタは、連チャン期間の開始時点tbにおいて数値「0」である。
BB状態では、MYカウンタ(Cx)および枚数表示用カウンタ(Cs1)が原則増加する。図21(c)の具体例では、有利区間Xにおける最初のBB状態が時点tcで終了した場合を想定する。以上の場合、BB状態である時点tbから時点tcまで各カウンタが原則増加する。また、図21(c)の具体例では、当該BB状態の終了時点tcにおいて、有利区間Xが継続した場合を想定する。以上の場合、MYカウンタは初期化されない。なお、枚数表示用カウンタは、上述した通り、有利区間が継続するか否かによらず初期化されない。図21(c)の具体例では、時点tcから時点tdの期間は指示期間ではないため、枚数表示用カウンタおよびMYカウンタは原則減少する。
図21(c)の具体例では、連チャン期間である時点tdにおいて、有利区間Xにおける2回目のBB状態が開始された場合を想定する。また、当該BB状態の終了時点teにおいて、有利区間Xが終了した場合を想定する。以上の場合、MYカウンタは初期化される。なお、有利区間における最初のBB状態の開始時点でMYカウンタの数値(Cx)と枚数表示用カウンタの数値(Cs1)とが共通の場合(数値「0」の場合)、当該有利区間が終了するまでは(MYカウンタが初期化されるまでは)、各カウンタの数値が略一致する。図21(c)の具体例では、時短tbから時点teまで各カウンタの数値が略一致する。
図21(c)の具体例では、新たな有利区間Yが時点tfから開始された場合を想定する。以上の場合、時点tfにおけるMYカウンタは数値「0」になる。一方、枚数表示用カウンタは、有利区間が継続するか否かによらず初期化されないため、時点tf以降の期間(ただし、連チャン期間が終了した以降の期間を除く)において、MYカウンタより大きな数値となる。
図21(c)の具体例では、有利区間Yにおける最初のBB状態が時点tgから開始された場合を想定する。時点tgは連チャン期間である。すなわち、当該連チャン期間における3回目のBB状態が時点tgから開始された場合を想定する。以上の場合、当該連チャン期間が開始した時点tbから時点tg以降の期間において、枚数表示用カウンタは初期化されずに更新され続ける。
なお、図21(c)の具体例では、時点tfから時点tgの期間が指示期間ではないため、枚数表示用カウンタは原則減少する。一方、時点tfで初期化されたMYカウンタは、時点tfから時点tgの連チャン期間において原則増減しない(略数値「0」になる)。図21(c)の具体例では、時点thにおいて、有利区間Yにおける最初のBB状態が終了した場合を想定する。また、時点thにおいて、有利区間Yが継続した場合を想定する。以上の場合、MYカウンタおよび枚数表示用カウンタの何れもが初期化されない。
以上の説明から理解される通り、本実施形態では、枚数表示用カウンタがMYカウンタより大きな数値に加算可能である(図21(c)の時点tf以降の期間参照)。なお、本実施形態の枚数表示用カウンタは、MYカウンタが初期化される閾値「2400」より大きな数値に加算され得る。しかし、以上の構成では、遊技者の射幸心が過度に煽られる不都合が生じ易くなるという事情がある。以上の事情を考慮して、枚数表示用カウンタに上限値を設けてもよい。例えば、上述の本実施形態において、枚数表示用カウンタが「2400」以上に加算されない構成としてもよい。
ただし、以上の構成において、枚数表示用カウンタが例外的に上限値「2400」以上に加算され得る構成としてもよい。例えば、MYカウンタが数値「2399」の遊技で9枚のメダルが払出されて有利区間が強制的に終了した場合を想定する。以上の場合、枚数表示用カウンタが数値「2408」(=2399+9)まで加算され、数字「2408」が最終的な獲得枚数として表示される構成を採用してもよい。
なお、本実施形態において、有利区間の終了に伴い指示期間(例えば、EDBB状態)が強制終了し得る構成を想定する。以上の構成において、有利区間(指示期間)が終了する直前に、有利区間が終了するまでのメダル枚数(MYカウンタが数値「2400」に達するまでのメダル枚数)を表示する構成としてもよい。以上の構成では、MYカウンタと枚数表示用カウンタとが一致しない場合であっても、MYカウンタが数値「2400」に達するまでのメダル枚数が把握可能になるという利点がある。
また、以上の構成において、有利区間が終了する間近である旨のメッセージが表示される構成としてもよい。以上の構成の具体例としては、MYカウンタが数値「2350」以上に加算された以降の遊技において、「残り〇〇枚で有利区間が終了します」というメッセージを表示する構成が考えられる。さらに、以上の具体例において、MYカウンタが閾値「2400」に達して有利区間が終了する際に、その旨のメッセージ(例えば「有利区間獲得枚数が2400枚を超えました。有利区間を終了します。」というメッセージ)を表示可能な構成としてもよい。
<メインCPUが実行する各処理>
メインCPU301は、上述した各データを用いて各種の処理を実行する。メインCPU301は、リセット回路からのリセット信号が入力された場合、起動処理を実行する。リセット信号は、メイン制御基板300に供給される電源電圧が所定の閾値を超えた場合に出力される。例えば、電源スイッチ511SWがON状態になることでメイン制御基板300への電源電圧の供給が開始された場合、起動処理が実行される。起動処理において、メインCPU301は、メイン制御基板300の各レジスタ等を初期化する。
また、起動処理において、メインCPU301は、設定値を変更するための処理を含む各種の処理(遊技可能な状態に移行するための処理)を実行する。なお、メインCPU301は、起動処理の以前に、メインROM302が記憶する制御プログラムの正当性を判断するセキュリティチェック処理を実行してもよい。起動処理を終了した後に、メインCPU301は、遊技制御処理に移行する。本実施形態では、設定値が変更されると、内部状態が非内部中状態へ移行し、遊技状態が非有利区間となる。また、特定カウンタ(図18(a)参照)を含む記憶領域が初期化される。
図22は、メインCPU301の遊技制御処理のフローチャートである。遊技制御処理は、遊技者が1回の遊技を行う毎に実行される。詳細には後述するが、メインCPU301は、遊技制御処理が実行される期間において、所定の時間間隔(例えば1.49ms)で割込処理を実行する。すなわち、メインCPU301は、遊技制御処理と割込処理とを交互に実行する。例えば、サブ制御基板400に送信されるコマンドは、遊技制御処理でセットされ、割込処理でサブ制御基板400に送信される。メインCPU301が実行する各種の抽選の結果、または、メインRAM303に設けられた各種のカウンタの数値を示すコマンドが適宜にサブ制御基板400に送信される。また、遊技制御処理でセットされた各タイマ(例えばウェイトタイマ)は、割込処理で減算される。
メインCPU301は、遊技制御処理を開始すると、初期設定処理を実行する(S101)。初期設定処理は、1回の遊技が終了する毎に実行される。メインCPU301は、初期設定処理において、メインRAM303の記憶領域のうち遊技毎に初期化される記憶領域を初期化する。例えば、前回の遊技の当選エリア(当選エリア番号)が格納された当選エリア格納領域は、初期設定処理で初期化される。
メインCPU301は、初期設定処理の後に、自動投入処理(S102)に移行する。自動投入処理により、メインCPU301は、前回の遊技の結果、有効ラインにリプレイに係る図柄組合せが揃った場合、前回の遊技と同数の賭けメダルを今回の遊技の賭けメダルとして設定する。
メインCPU301は、自動投入処理の後に、遊技開始前処理(S103)に移行する。遊技開始前処理において、メインCPU301は、メダル投入部8からのメダルの検知、および、精算ボタン23の操作の検出をする。遊技開始前処理において、メダルの投入を検出した場合、メインCPU301は、賭けメダルまたはクレジットを加算する。また、遊技開始前処理において、清算ボタン23の操作を検出した場合、メインCPU301は、賭けメダルまたはクレジットを払い戻す。また、メインCPU301は、遊技開始前処理において、スタートレバー24の操作(すなわち遊技の開始操作)を検出する。
メインCPU301は、遊技開始前処理で遊技の開始操作を検知すると、設定値確認処理(S104)に移行する。設定値確認処理において、メインCPU301は、設定値の適否を判断する。具体的には、メインCPU301は、設定値確認処理において、設定値が数値「1」から数値「6」の範囲内であるか否かを判定する。設定値が数値「1」から数値「6」の範囲内でないと判断した場合、メインCPU301は、設定値の異常を示す設定値異常コマンドをコマンド格納領域に格納し、設定値エラー処理に移行する。
メインCPU301は、設定値確認処理で設定値が適正であると判断した場合、乱数値R1、乱数値R2および乱数値R3を取得する(S105)。乱数値R1は、乱数発生器304で生成されるハードウェア乱数であり、内部抽選処理で用いられる。乱数値R2は、メインCPU301に内蔵されるレジスタから取得されるソフトウェア乱数であり、回胴演出決定処理等で用いられる。乱数値R3は、ART決定処理で用いられる。メインCPU301は、取得した乱数値R1をメインRAM303の乱数値R1格納領域に格納する。同様に、メインCPU301は、取得した乱数値R2をメインRAM303の乱数値R2格納領域に格納し、乱数値R3をメインRAM303の乱数値R3格納領域に格納する。
メインCPU301は、乱数値R1、乱数値R2および乱数値R3をメインRAM303に格納した後に、開始時処理(S106)に移行する。開始時処理は、当選エリアを乱数値R1により決定するための内部抽選処理、BB状態への移行を判定するためのBB判定処理、および、回胴演出を乱数値R2により決定するための回胴演出決定処理を含む各処理で構成される。また、開始時処理は、指示番号を決定するための指示番号決定処理を含む。
メインCPU301は、開始時処理を実行した後に、回胴演出処理(S107)を実行する。例えば、回胴演出処理において、各種の遊技操作を受付け、リール12の態様(加速、変動表示、停止、静止、振動)を切換える処理が実行される。また、メインCPU301は、回胴演出処理において、上述の遅延時間を抽選により設定する。なお、回胴演出処理においてもウェイト期間の残り時間が減算される。
メインCPU301は、回胴演出処理を実行した後に、ウェイト処理(S108)を実行する。ウェイト処理は、各遊技の時間長を所定の長さ以上にするための処理である。メインCPU301は、ウェイト処理において、ウェイト期間が経過したか否かを判定し、ウェイト期間が経過していないと判断した場合、ウェイト処理から後述の停止前処理に移行しない。
一方で、ウェイト期間が経過したと判断した場合、メインCPU301は、停止前処理(S109)に移行する。停止前処理においては、内部抽選処理で決定された当選エリアに応じて各種のデータ(後述の優先順位等)がメインRAM303に格納される。後述の停止制御処理において、停止前処理で格納された各データに応じて各リール12が停止されることにより、当選エリアで指定される当選役に係る図柄組合せが有効ラインに停止表示される。
メインCPU301は、停止前処理を実行した後に、停止制御処理(S110)に移行する。停止制御処理により、メインCPU301は、各停止ボタン25が操作される毎に、当該停止ボタン25に対応するリール12を停止させる。各リール12は、上述した停止前処理で設定した各データに応じた図柄位置で停止する。
停止制御処理で全てのリール12を停止すると、メインCPU301は、表示判定処理(S111)に移行する。表示判定処理において、メインCPU301は、有効ラインに表示された図柄の組合せの判定をする。また、メインCPU301は、有効ラインに表示された図柄の組合せの種別に応じて各種のデータを設定する。例えば、リプレイに係る図柄組合せが有効ラインに停止表示していると判定した場合、メインCPU301は、再遊技作動中フラグをON状態に設定する。また、メインCPU301は、有効ラインに入賞当選役に係る図柄組合せが停止していると判断した場合、当該入賞当選役の種別に応じた枚数のメダルをクレジット数に加算する。
メインCPU301は、表示判定処理を実行した後に、停止時処理(S112)を実行する。停止時処理において、メインCPU301は、遊技状態を移行させる。以上の停止時処理には、上述の判定条件抽選処理およびストック抽選処理が含まれる。また、メインCPU301は、停止時処理において、遊技状態の移行に伴い、有利区間を開始または終了させる。具体的には、後述の有利区間制御処理を実行する。メインCPU301は、停止時処理を終了すると、ステップS101に処理を戻す。
図23は、有利区間制御処理のフローチャートである。メインCPU301は、上述の停止時処理において有利区間制御処理を実行する。有利区間制御処理を開始すると、メインCPU301は、今回の遊技が有利区間中であるか否かを判定する(Sx0)。有利区間中ではないと判断した場合(Sx0:No)、すなわち非有利区間中の場合、メインCPU301は、有利区間制御処理を終了する。一方、有利区間中であると判断すると(Sx0:Yes)、メインCPU301は、今回の遊技でリプレイが有効ラインに停止表示されたか否か判定する(Sx1)。
リプレイが停止表示されていないと判断すると(Sx1:No)、メインCPU301は、MYカウンタ更新処理(Sx2)を実行する。MYカウンタ更新処理では、MYカウンタが更新される。具体的には、今回の遊技の払出枚数から賭けメダルの枚数(3枚)を減算した数値を、MYカウンタに加算する。例えば、払出枚数が9枚の場合、数値「6」をMYカウンタに加算する。また、払出枚数が0枚の場合、数値「3」をMYカウンタに減算する。MYカウンタ更新処理を実行した後に、メインCPU301は、ステップSx3へ処理を進める。今回の遊技でリプレイが停止表示されたと判断すると(Sx1:Yes)、メインCPU301は、MYカウンタ更新処理を省略してステップSx3へ処理を進める。
ステップSx3において、メインCPU301は、MYカウンタが数値「2400」より大きいか否か判定する。MYカウンタが数値「2400」より大きいと判断すると(Sx3:Yes)、メインCPU301は、メインRAM303に記憶される指示機能に係る全てのパラメタを初期化して(Sx5)、有利区間制御処理を終了する。ステップSx5では、例えば、上述の特定カウンタが初期化され、遊技状態が非有利区間へ移行する。なお、遊技状態が非有利区間へ移行した場合であっても、内部中状態は変化しない。
MYカウンタが数値「2400」より大きくないと判断すると(Sx3:No)、メインCPU301は、有利区間カウンタが数値「0」まで減算されたか否かを判断する(Sx4)。なお、有利区間カウンタは、上述の開始時処理において数値「1」ずつ減算される。有利区間カウンタが数値「0」であると判断すると(Sx4:Yes)、メインCPU301は、上述のステップSx5を実行して有利区間制御処理を終了する。なお、ステップSx5において「Yes」の判断がされる場合としては(有利区間が強制的に終了する場合)、EDBB状態において有利区間カウンタが数値「0」まで減算された場合が想定される。本実施形態では、以上の場合の除き、有利区間カウンタが数値「0」に減算される前に、有利区間が終了するように構成される。
有利区間カウンタが数値「0」ではないと判断した場合(Sx4:No)、メインCPU301は、MYカウンタが数値「0」より小さいか否か(負数であるか否か)を判定する(Sx6)。MYカウンタが負数の場合(Sx6:Yes)、メインCPU301は、MYカウンタを数値「0」にして(Sx7)、有利区間制御処理を終了する。一方、MYカウンタが数値「0」以上の場合(Sx6:No)、ステップSx7を省略して、有利区間制御処理を終了する。
<サブCPUが実行する各処理>
図24は、サブCPU412のサブ起動処理のフローチャートである。サブCPU412は、リセット回路からのリセット信号が入力された場合にサブ起動処理を実行する。リセット回路は、サブ制御基板400に供給される電源電圧が所定の閾値を超えた場合に、リセット信号を出力する。例えば、サブ制御基板400への電源電圧の供給が開始された場合に、サブ起動処理が実行される。
サブ起動処理を開始すると、サブCPU412は、起動時初期化処理(S301)を実行する。起動時初期化処理において、サブCPU412は、例えば、サブ制御基板400の各種のレジスタを初期化する。
起動時初期化処理において、サブCPU412は、サブRAM414のバックアップ異常の有無を判定する。バックアップ異常がある場合、サブCPU412は、バックアップデータを初期化する。また、サブCPU412は、起動時初期化処理において、CGROM424を含む各種のROMに記憶されたデータが適正であるか否かを判定する。例えば、各ROMの特定のアドレスに格納されたデータを読み出し、当該データが適正であるか否かを判定する。各種のROMに異常が発見された場合、サブCPU412は、所定のエラー処理に移行する。
サブCPU412は、サブ起動処理において、ランプ制御タスクの起動(S302)、音響制御タスクの起動(S303)、画像制御基板通信タスクの起動(S304)、メイン制御基板通信タスクの起動(S305)、演出ボタン入力タスクの起動(S306)を行う。
サブCPU412は、ランプ制御タスクにより、筐体ランプ5と演出用ランプ28とを含む各種のランプを制御する。また、サブCPU412は、音響制御タスクにより、スピーカー(31、32)を制御する。また、サブCPU412は、画像制御基板通信タスクにより、画像制御基板420にコマンドを送信し、メイン制御基板通信タスクにおいてメイン制御基板300からのコマンドを受信し、演出ボタン入力タスクにおいて演出ボタン26および方向指定ボタン27の操作を受付ける。
サブCPU412には、タイマ割込信号が所定の時間間隔で入力される。サブCPU412は、タイマ割込信号を受信すると、各タスクのうちの何れかを実行する。すなわち、各種のランプおよびスピーカー(31,32)を含む各周辺装置は、時分割で制御される。
ところで、所定の遊技回数において獲得するメダルの総数は、何れの設定値が設定された場合であっても、予め定められた範囲内であることが求められる。具体的には、400回の遊技において獲得するメダルの総数は、投入をしたメダルの総数の3分の1を超え、かつ、2.2倍に満たないものであることが求められる。また、1600回の遊技において獲得するメダルの総数は、投入をしたメダルの総数の5分の2を超え、かつ、1.5倍に満たないものであることが求められる。また、6000回の遊技において獲得するメダルの総数は、投入をしたメダルの総数の2分の1を超え、かつ、1.26倍に満たないものであることが求められる。さらに、17500回の遊技において獲得するメダルの総数は、投入をしたメダルの総数の5分の3を超え、かつ、1.15倍に満たないものであることが求められる。
以上の基準(以下「出玉基準」)を満たすか否かは、試験により確認されるのが通常である。仮に、所定の遊技回数において過度にメダルが減少し易い場合、試験において出玉基準が満たされない可能性が高い。また、所定の遊技回数において過度に多くのメダルが獲得され易い場合、試験において出玉基準が満たされない可能性が高い。すなわち、ギャンブル性が高い遊技機ほど、試験において出玉基準が満たされないと判断される可能性が高い。
以上の事情を考慮して、本実施形態の遊技機1は、特定の設定値では、他の設定値と比較して著しくギャンブル性が低い構成を採用した。具体的には、各設定値のうち設定値「1」が設定された場合、他の設定値が設定された場合と比較して、試験において出玉基準を満たす可能性が著しく高くなる構成を採用した。例えば、本実施形態では、指示期間(BB状態)へ移行することにより、多くのメダルが獲得可能になる。設定値「1」が設定されている場合、指示期間へ移行する確率(初当り確率)が比較的高くなるが、指示期間が短期間で終了し易い(連チャンし難い)。以上の構成によれば、設定値「1」が設定される場合、試験において出玉基準が満たされる確率が高くなる。
ただし、設定値「1」が設定される場合、ギャンブル性が著しく低くなるため、遊技が面白味に欠けると感じる遊技者が多い。したがって、仮に設定値「1」が設定されているか否かが遊技する前に把握できない構成では、遊技者によっては、遊技機1で遊技することを敬遠する不都合が生じ得る。以上の事情を考慮して、本実施形態では、設定値「1」が設定されているか否かを遊技する前に把握可能な構成を採用した。以上の構成について以下で詳細に説明する。
図25(a)は、サブCPU412による電源投入時処理のフローチャートである。サブCPU412は、電源が投入された直後において、電源投入時処理を実行する。また、以上の電源投入時処理は、通常、メインCPU301が遊技制御処理を実行可能になる前に完了する。すなわち、遊技が可能になる前にサブCPU412は電源投入時処理を完了する。
電源投入時処理を開始すると、サブCPU412は、メインCPU301側で設定された設定値を確認する。具体的には、メインCPU301は、電源が投入された直後に設定値を示すコマンドをサブCPU412へ送信する。サブCPU412は、ステップSy1において、当該コマンドが示す設定値を確認する。その後、サブCPU412は、ステップSy1において確認した設定値が「1」であるか否かを判定する(Sy2)。
設定値が「1」ではないと判断した場合(Sy2:No)、サブCPU412は、通常制御モードを決定して(Sy3)、電源投入時処理を終了する。一方、設定値が「1」であると判断した場合(Sy2:Yes)、サブCPU412は、特殊制御モードを決定して(Sy4)、電源投入時処理を終了する。詳細には以下で説明するが、通常制御モードが決定された場合と、特殊制御モードが決定された場合とでは、演出実行手段(停止ボタン25、スピーカ、液晶表示装置30)の態様が相違する。
図25(b)は、各制御モードにおける演出実行手段の態様を説明するための図である。図25(b)に示す通り、通常制御モードでは、停止ボタン25の操作が無効の期間(例えば、対応するリールが停止している期間)において、当該停止ボタン25は赤色で発光する。一方、特殊制御モードでは、停止ボタン25の操作が無効の期間において、当該停止ボタン25は緑色で発光する。
以上の構成では、遊技者は、停止ボタン25の色彩を確認することにより、遊技する前に設定値「1」が設定されたか否かを特定できる。ただし、図25(b)に示す通り、停止操作が可能な期間での停止ボタン25の色彩は、各制御モードにおいて青色で共通する。仮に、停止操作が可能な期間での停止ボタン25の色彩が各制御モードで相違する構成を想定する。以上の構成では、遊技者によっては、停止操作が有効であるか否かが直感的に判断し難くなるという不都合が想定される。本実施形態によれば、以上の不都合が抑制される。
上述した通り、本実施形態では、方向指定ボタン27を操作することにより、遊技者がマスタ音量を調整可能である。具体的には、図25(b)に示す通り、制御モードが通常制御モードの場合、マスタ音量を遊技者が調整可能である。一方、特殊制御モードの場合、マスタ音量が変更不可能である。以上の構成によれば、マスタ音量が変更不可能な場合、設定値「1」が設定されている旨を遊技者が特定できる。ただし、何れの制御モードであっても、エラーを報知するためのエラー音は、最大の音量で出力される。
上述した通り、本実施形態では、方向指定ボタン27を遊技者が操作することにより、演出モード(エンジョイモード、通常モード、シンプルモード)を変更可能である。具体的には、図25(b)に示す通り、制御モードが通常制御モードの場合、演出モードを遊技者が変更可能である。一方、特殊制御モードの場合、演出モードが変更不可能である。以上の構成によれば、演出モードが変更不可能な場合、設定値「1」が設定されている旨を遊技者が特定できる。
本実施形態では、サブCPU412が電源断の状態から復旧すると直ちに電源投入時処理が実行され、停止ボタン25が緑色で表示される。以上の構成によれば、例えば、電源を投入した遊技機1の管理者は、停止ボタン25が緑色で表示されている場合、設定値「1」が設定されている旨を直ちに把握することができるという利点がある。
なお、通常制御モードと特殊制御モードとで、非遊技期間における液晶表示装置30の画像が相違する構成としてもよい。以上の構成では、本実施形態と同様に、設定値「1」が設定されているか否かを遊技する前に特定できる。ただし、電源が投入されてから復旧するまでの時間は、液晶表示装置30よりランプ(停止ボタンのランプを含む)の方が短いのが通常である。したがって、本実施形態では、例えば各制御モードで液晶表示装置30の画像のみが変化する構成と比較して、電源が投入されてから設定値「1」が設定されている旨を特定可能になるまでの時間が短縮されるという利点がある。
<変形例>
以上の各形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
(1)各形態では、変則押順で停止操作したことを警告とはならない態様で報知する構成として、報知画像および報知音声を例示した。しかし、変則押順で停止操作したことを報知する構成は、以上の例に限定されない。例えば、「中(右)から押しています」というメッセージを報知する構成に替えて、「変則押しています」というメッセージが報知される構成としてもよい。さらに、「左押し推奨です」というメッセージが報知される構成としてもよい。
図26(a)は、変形例における報知画像GM3の模擬図である。当該変形例では、非指示期間において変則押順で停止操作されると、報知画像GM3が液晶表示装置30に表示される。例えば、報知画像GM3は第1停止時に表示され、その後、第3停止時まで表示される。ただし、報知画像GM3が表示される時期は適宜に変更してもよい。例えば、第3停止時から報知画像GM3が予め定められた時間にわたり表示される構成としてもよい。また、報知画像GM3が複数回の遊技にわたり表示され続ける構成としてもよい。変形例の報知画像GM3は、第1実施形態の報知画像GM(1、2)と同様に、左第1停止した場合は表示されない。
図26(a)に示す通り、報知画像GM3は、左第1停止で遊技すると、BB状態への移行が決定され易い一方、各遊技におけるメダルの獲得期待値が少なくなる旨を表示する。また、報知画像GM3は、変則押順で遊技すると、BB状態への移行が決定され難くなる一方、各遊技におけるメダルの獲得期待値が多くなる旨を表示する。以上の報知画像GM3によれば、左第1停止で遊技した場合と変則押順で遊技した場合とで、遊技性が変化する旨を遊技者に認識させ易くなる。また、報知画像GM3を変則押順で停止操作された直後に表示することにより、変則押順で停止操作した旨を遊技者が気づき易くなるという利点がある。
図26(b)は、他の変形例を説明するための図である。当該変形例では、左第1停止で停止操作した場合と、変則押順で停止操作した場合とでサブCPU412が実行する制御が変更される。
具体的には、当該変形例では、上述の第1実施形態と同様に、各リール25に対応する各バックライトが設けられる。また、第3停止時(メダルの払出時)において、バックライト演出が実行される場合がある。バックライト演出が実行される場合、各バックライトが予め定められた態様で点滅または消灯する。一方、バックライト演出が実行されない遊技期間では、バックライトは点灯する。以上の構成において、非指示期間の遊技において変則押順で停止操作された場合、第3停止時に全てのバックライトを消灯する。具体的には、バックライト演出を実行する旨が決定されているか否かによらず、変則押順で停止操作された遊技の終了時にバックライトを全消灯する。
図26(b)に示す通り、当該変形例では、非指示期間において変則押順で停止操作された場合と左第1停止で停止操作された場合とで、各リール12の停止音が変化する。具体的には、左第1停止で停止操作された場合、各リール12(L、C、R)が停止する際に、原則通常停止音が出力される。一方、変則押順で停止操作された場合、各リール12(L、C、R)が停止する際に、特殊停止音が出力される。
以上の特殊停止音は、警告音ではなく、通常停止音としても採用され得るものである。なお、上述の具体例では、第1~第3停止時において特殊停止音を出力する構成としたが、第1停止時のみで特殊停止音が出力され、第2停止時および第3停止時には通常停止音が出力される構成としてもよい。また、以上の構成において、第2停止時および第3停止時には停止音が出力されない構成としてもよい。さらに、変則押順で停止操作された場合、第1~第3停止時において停止音が出力されない構成としてもよい。
図26(b)に示す通り、当該変形例では、非指示期間において変則押順で停止操作された場合と左第1停止で停止操作された場合とで、液晶表示装置30が表示する各画像の色彩が変化する。具体的には、左第1停止で停止操作された場合、各画像は暗転しない。一方、変則押順で停止操作された場合、各画像が暗転する。なお、各画像を暗転するタイミングは、第1停止時でもよいし、第3停止時でもよい。また、暗転した各画像を元に戻すタイミングは、第1停止時に暗転させた場合は第3停止時が考えられる。また、次回の遊技を開始するために賭けメダルが投入されたタイミング、または、次回の遊技の開始操作がされたタイミングにおいて暗転させた各画像を元に戻してもよい。
図26(b)に示す通り、当該変形例では、非指示期間において変則押順で停止操作された場合と左第1停止で停止操作された場合とで、メダルの払出音の有無が変化する。具体的には、左第1停止で停止操作された遊技において当選役が入賞すると、当該当選役(払出枚数)に応じた払出音が出力される。一方、変則押順で停止操作された遊技において当選役が入賞すると、当該当選役に応じた払出音が出力されない。なお、変則押順で停止操作された場合と左第1停止で停止操作された場合とで、払出音が変化する(各場合で払出音自体は出力される)構成としてもよい。
以上の当該変形例において、バックライトの全消灯、停止音の変化、液晶表示装置30の暗転表示、払出音を省略する制御のうちの一部を変則押順で停止操作された際に実行してもよい。
図26(c-1)および図26(c-1)は、さらに他の変形例を説明するための図である。詳細には後述するが、当該変形例であっても、警告をすることなく、左第1停止で遊技することを、遊技者に促すことができる。
図26(c-1)は、停止時演出を説明するための図である。図26(c-1)は、停止時演出において表示される各画像の模擬図である。なお、以下説明のため、液晶表示装置30の画面を左右方向に3等分した場合における、正面視で左側の領域を左領域MLと記載し、中央の領域を中領域MCと記載し、右側の領域を右領域MRと記載する。以上の左領域MLは左停止ボタン25Lに対応し、中領域MLは中停止ボタン25Cに対応し、右領域MRは右停止ボタン25Rに対応するとも換言される。当該変形例では、遊技の開始操作がされた契機で(停止操作より前に)、当該遊技において停止時演出を実行するか否かが決定される。
図26(c-1)の具体例は、停止時演出が実行される遊技で、第1停止操作が実行された直後を想定する。図26(c-1)に示す通り、停止時演出が実行される遊技で、第1停止操作が実行されると、停止時画像GXが左領域MLに表示される。以上の停止時演出では、左第1停止で停止操作された契機で、左停止ボタン25Lに対応する(近くに位置する)左領域MLに停止時画像GXが表示されるため、当該停止時画像GXに注目させ易いという利点がある。
図26(c-2)は、停止時演出において、停止時画像GXが表示される領域を説明するための図である。上述した通り、左第1停止で停止操作された場合、左領域MLに停止時画像GXが表示される。また、中第1停止で停止操作された場合であっても、左領域MLに停止時画像GXが表示され、右第1停止で停止操作された場合であっても、左領域MLに停止時画像GXが表示される。
以上の構成では、変則押順で停止操作された場合、第1停止操作した停止ボタン25に対応する領域(MC、MR)には停止時画像GXが表示されず、左領域MLに停止時画像GXが表示される。したがって、変則押順で停止操作した場合の停止時画像GXの表示領域が不自然であると遊技者に感じさせることができ、左第1停止で遊技することが促される。
(2)各形態において、変則押順で停止操作された旨を報知する報知画像および報知音声は、適宜に変更してもよい。また、報知画像を複数種類設けてもよい。例えば、演出モード毎に相違する報知画像を設けてもよい。同様に、演出モード毎に相違する報知音声を設けてもよい。ただし、各演出モードにおいて、報知画像が共通の構成としてもよい。同様に、各演出モードにおいて、報知音声が共通の構成としてもよい。
(3)各形態において、通常状態を複数種類設けてもよい。例えば、通常状態A、通常状態Bおよび通常状態Cの3種類の通常状態を設けてもよい。また、以上の各通常状態では、BB状態の当選し易さが変化する構成としてもよい。以上の構成としては、例えば、通常状態A、通常状態B、通常状態Cの順に、高確率期間へ移行し易い構成が考えられる。
また、特定の契機で通常状態が別の通常状態へ移行する構成としてもよい。例えば、特定の当選エリア(リプレイ2(下段リプレイ))が当選した遊技において、停止時処理においてモード移行抽選処理を実行する。以上のモード移行抽選処理で当選した契機で、通常状態が移行する構成としてもよい。さらに、通常状態Aから通常状態Bまたは通常状態Cへは移行するが、通常状態Bまたは通常状態Cからは通常状態Aへは移行しない構成が好適である。同様に、通常状態Bから通常状態Cへは移行するが、通常状態Cからは通常状態Bへは移行しない構成が好適である。当該変形例において、特定の当選エリアが当選した遊技において変則押順で停止操作された場合、上述のモード移行抽選処理が省略される構成としてもよい。また、変則押順で停止操作された場合、モード移行抽選処理での当選確率が低確率に変更される構成としてもよい。
(4)各形態において、特定グループが当選した遊技において、非指示期間において「正解態様を特定不可能なコマンド」として、第2コマンド「B99」を送信した。また、特定グループが当選した遊技において、指示期間において「正解態様を特定可能なコマンド」として、指示番号(01~04)に対応する第2コマンド「B01」~「B04」を送信した。ただし、「正解態様を特定不可能なコマンド」および「正解態様を特定可能なコマンド」は以上の例に限定されない。
例えば、特定グループが当選した遊技において、「正解態様を特定不可能なコマンド」として第1コマンド「A06」を送信し、「正解態様を特定可能なコマンド」として、CLRベル(A、B)が当選した場合に第1コマンド「A06-1」、CRLベル(A、B)が当選した場合に第1コマンド「A06-2」、RLCベル(A、B)が当選した場合に第1コマンド「A06-3」、RCLベル(A、B)が当選した場合に第1コマンド「A06-4」が送信される構成としてもよい。以上の構成では、非指示期間における第1コマンドから正解態様が特定できる。ただし、以上の構成において、第1実施形態と同様に、第2コマンドが送信される構成としてもよい。
(5)各形態において、特定の設定値(設定値「1」)を報知するための構成は、適宜に変更できる。例えば、非遊技期間が予め定められた時間継続した場合、デモ画面が表示される期間(以下「デモ期間」)が開始される構成を想定する。以上の構成において、特殊制御モード(設定値「1」が設定された制御モード)と通常制御モード(設定値「1」以外が設定された制御モード)とで、デモ画面が表示される期間(以下「デモ期間」)における演出実行手段の態様を相違させる構成としてもよい。
例えば、デモ期間において、通常制御モードでは腰部パネル6(内部のランプ)が点灯し、特殊モードでは腰部パネル6が消灯する構成が考えられる。以上の構成においても、遊技者は、遊技する前に設定値「1」が設定されたか否かを把握することができる。また、以上の構成では、設定値が変更された直後(設定変更モードが終了した直後)にデモ期間が開始される構成が好適である。
(6)各形態において、非有利区間で変則押順が実行された場合、メインペナルティ制御が実行されない構成を採用したが、メインペナルティ制御が実行され得る構成としてもよい。以上の構成としては、例えば、有利区間移行時処理が不利になるメインペナルティ制御を実行する構成が考えられる。
(7)第1実施形態では、非指示期間(非有利区間を除く)において変則押順で停止操作された場合、当選エリアの種類によらずメインペナルティ制御が実行された。しかし、特定の当選エリアが当選した遊技では、メインペナルティ制御が実行されない構成としてもよい。例えば、チェリー、スイカ、確定役(3、4)またはリプレイ2(以下「レア役」と総称する)が当選した遊技では、メインペナルティ制御が実行されない構成としてもよい。例えば、レア役が当選した遊技では、変則押順で停止操作されたとしても、判定条件抽選処理が実行され、特定カウンタが更新される構成としてもよい。また、BB状態への移行が決定された遊技でレア役に当選した場合、変則押順で停止操作した場合であっても、ストック抽選処理が実行される構成としてもよい。
以上のレア役に当選した遊技では、何れの順序で停止操作した場合であっても、メダルの獲得期待値は変化しない。すなわち、変則押順で停止操作された際にメインペナルティ制御が実行されない構成であっても、レア役に当選した遊技では停止操作順序毎に有利度が共通になる。なお、特定の当選エリア(例えばレア役)が当選した遊技において、一部のメインペナルティ制御が実行されない構成としてもよい。例えば、レア役が当選した遊技では、判定条件抽選処理は実行されるが、特定カウンタの更新処理が省略される構成としてもよい。
(8)第1実施形態では、天井カウンタが数値「0」に達する遊技では、ストック優遇フラグがON状態になる構成を採用した。ただし、仮に、変則押順で停止操作された場合にも天井カウンタが減算される構成では、天井カウンタが数値「0」に達した遊技の停止操作順序が変則押順になる場合がある。以上の場合、天井カウンタが数値「0」に達した遊技において変則押順で停止操作された場合、ストック優遇フラグがOFF状態でストック抽選処理が実行され得る構成としてもよい。
(9)各形態において、ストック優遇フラグがOFF状態のBB状態においても、ストック抽選処理が実行され得る構成としてもよい。例えば、BB状態としてプレミアBB状態を設けた構成を想定する。以上のプレミアBB状態では、BB状態と比較して、各遊技のストック抽選処理において高確率でBBストックが付与される。以上の構成において、ストック優遇フラグがOFF状態の場合、BB状態中はストック抽選処理を実行しないが、プレミアBB状態では例外的にストック抽選処理が実行される構成としてもよい。
ただし、以上の変形例において、プレミアBB状態の当選遊技において変則押順で停止操作された場合、何らかのペナルティが付与される構成が好適である。例えば、プレミアBB状態で1G連ストックが付与されると、当該プレミアBB状態に続けてBB状態へ移行する(BB状態が1ゲーム連チャンする)構成を想定する。以上の構成において、プレミアBB状態の当選遊技において変則押順で停止操作された場合、1ゲーム連チャンしたBB状態の各遊技ではストック抽選処理が実行されない構成が好適である。
なお、以上の構成では、プレミアBB状態において付与された1G連ストックが全て消化されるまで、BB状態においてストック抽選処理が実行されない構成としてもよい。また、1ゲーム連チャンした一部のBB状態(例えば、最初のBB状態)でストック抽選処理が実行されず、他のBB状態(2回目以降のBB状態)ではストック抽選が実行される構成としてもよい。
(10)各形態において、メインペナルティ制御は適宜に変更できる。例えば、上述の第1実施形態では、今回の遊技において変則押順で停止操作した場合、次回の遊技におけるBB状態の当選確率が低くなった。以上の構成に替えて、今回の遊技において変則押順で停止操作した場合、当該遊技におけるBB状態の当選確率が低くなる構成としてもよい。また、第1実施形態では、メインペナルティ制御により天井カウンタの更新処理を省略する構成としたが、メインペナルティ制御により天井カウンタが加算される構成としてもよい。
また、仮に開始時処理においてBB状態へ移行するか否かの抽選(BB抽選)が実行される構成を想定する。以上の構成において、今回の遊技において変則押順で停止操作されると、当該遊技におけるBB抽選の結果が書換えられる構成としてもよい。例えば、開始時処理のBB抽選でBB状態に当選した遊技を想定する。また、当該遊技において変則押順で停止操作された場合を想定する。以上の場合、例えば停止時処理において、BB状態の結果が「はずれ」に書換えられる構成が考えられる。また、停止時処理において、BB状態の結果を無効にするメインペナルティ制御を採用してもよい。
さらに、開始時処理においてBB抽選を実行し、停止時処理において当該BB抽選の結果を無効にする構成において、BB抽選を実行した直後に、当該BB抽選の結果を示すコマンドがサブCPU412へ送信される構成としてもよい。以上の構成では、その後の停止操作順序によっては無効になる可能性があるものの、BB抽選の結果を早期に(例えば、開始操作と略同時に)報知する演出が実行可能になる。
開始時処理においてBB抽選を実行し、停止時処理において当該BB抽選の結果を無効にする構成において、左第1停止で停止操作がされた時点で、当該BB抽選の結果を報知する演出が実行される構成としてもよい。以上の構成では、BB抽選の結果が無効にならないことが実質的に確定した時点で、当該BB抽選の結果を遊技者に報知することができる。
上述の第1実施形態のメインペナルティ制御では、変則押順で停止操作された遊技における高確保証カウンタを除く特定カウンタ(天井カウンタなど)の更新処理が省略された。以上の構成に替えて、遊技の開始時処理において当該特定カウンタの更新処理を実行し、当該遊技において変則押順で停止操作された場合、停止時処理で特定カウンタを更新処理の直前の数値に戻す構成としてもよい。
上述の第1実施形態では、変則押順で停止操作された場合、判定条件抽選処理および高確率移行抽選の双方が省略される構成とした。以上の構成に替えて、各抽選のうちの何れか一方のみが省略され得る構成としてもよい。
(11)各形態において、非有利区間で変則押順により停止操作された場合、サブペナルティ制御が実行される構成としてもよい。具体的には、非有利区間において変則押順で停止操作した場合、メインペナルティ制御が実行されない一方、サブペナルティ制御が実行され、実行中の演出が中止され得る構成としてもよい。
(12)各形態において、サブペナルティ制御の内容は適宜に変更してもよい。例えば、非指示期間の特定の遊技状態(例えば、通常状態)において、複数種類の演出ステージを設ける構成を想定する。各演出ステージでは、例えば、キャラクタGCが滞在する場所(背景画像)が相違する。以上の各演出ステージとしては、キャラクタGCが山に滞在する画像が表示される演出ステージ、および、キャラクタGCが街に滞在する画像が表示される演出ステージが考えられる。以上の各演出ステージは、例えばランダムなタイミングにおいて切替えられる。また、演出ステージが切替えられる際に、画面全体に切替用画像が表示される。
以上の構成において、サブペナルティ制御が実行された場合、特定の演出ステージ(以下「デフォルトステージ」)へ強制的に切替えられる構成としてもよい。なお、仮に、高確率期間において滞在し易い演出ステージ(以下「高確示唆ステージ」)および低確率期間において滞在し易い演出ステージ(以下「低確示唆ステージ」)を設けた構成では、低確示唆ステージをデフォルトステージとして採用するのが好適である。また、サブペナルティ制御によりデフォルトステージへ切替えられる際には、切替用画像を敢て表示しない構成が好適である。
(13)各形態において、第1停止(中第1停止、右第1停止)時において、報知画像を表示するのと略同時に、演出画像をデフォルト状態の画像に切替えた。しかし、報知画像が表示されるタイミングと、演出画像がデフォルト状態の画像に切替られるタイミングとが相違する構成としてもよい。例えば、以上の構成に替えて、第1停止時に報知画像を表示し、その後、第3停止時まで演出画像を表示し、第3停止操作を契機にデフォルト状態の画像が表示される構成としてもよい。
(14)各形態において、メインペナルティ制御の有無に応じて、疑似遊技(回胴演出)で表示される図柄組合せが変化する構成としてもよい。例えば、BB状態またはEDBB状態が開始される際の疑似遊技において「赤セブン-赤セブン-赤セブン」「金セブン-金セブン-金セブン」または「BAR-BAR-BAR」の何れかの図柄組合せが表示される構成を想定する。EDBB状態が開始される際には、「BAR-BAR-BAR」が疑似遊技において表示される。また、BB状態が開始される際には、「赤セブン-赤セブン-赤セブン」または「金セブン-金セブン-金セブン」の何れかが抽選で決定され、決定された図柄組合せが疑似遊技において表示される。
以上の構成において、BB状態が開始される際のBBストックの個数に応じて、疑似遊技において表示させる図柄組合せを抽選する構成が考えられる。具体的には、BBストックの個数が多い程、「金セブン-金セブン-金セブン」が決定され易くなる。上述した通り、メインペナルティ制御が実行されると、ストック抽選処理が不利になる。したがって、メインペナルティ制御が実行されると、BB状態の開始時において、「赤セブン-赤セブン-赤セブン」が決定され易くなる。
ただし、メインペナルティ制御の有無が、疑似遊技で表示される図柄組合せに影響しない構成としてもよい。以上の構成としては、例えば、BB状態開始時のBBストックの個数によらず、疑似遊技で表示される図柄組合せが決定される構成が考えられる。また、上述の変形例と同様に、プレミアBB状態を設け、プレミアBB状態が当選した場合、メインペナルティ制御の有無によらず、予め定められた専用の疑似遊技(回胴演出)が実行される構成としてもよい。
(15)各形態において、有利区間中の非指示期間(指示表示器16による指示が実行されない期間)において、変則押順で停止操作された場合であってもメインペナルティ制御が実行されない期間を設けてもよい。例えば、BB状態への移行が決定され易いチャンス状態を設け、当該チャンス状態では、メインペナルティ制御が実行されない構成としてもよい。以上の構成において、チャンス状態における特定の遊技に限り、メインペナルティ制御が実行されない構成としてもよい。また、非内部中状態においては、メインペナルティ制御が実行されない構成としてもよい。
(16)各形態において、特定グループに含まれる当選エリアは適宜に変更できる。例えば、内部中状態において、何れの停止操作順序であっても停止操作位置によらず1枚役が入賞する当選エリアを特定グループに含めてもよい。以上の構成では、変則押順の獲得期待値X(3~6)が抑制されるという効果は格別に顕著である。
(17)第1実施形態では、非内部中状態では、指示機能に係る処理のうち有利区間移行時処理および有利区間制御処理のみが実行された。また、ボーナス作動状態では、有利区間制御処理のみが実行された。ただし、ボーナス作動状態において、有利区間開始時処理が実行され得る構成としてもよい。
例えば、非内部中状態において、当選エリアのうちチェリーが確率「X/65536」で当選し、重複役3(チェリー)が確率「Y/65536」で当選する構成を想定する(X、Yは正の整数)。また、以上の構成では、内部中状態において、チェリーが確率「(X+Y)/65536」で当選する。さらに、ボーナス作動状態において、チェリーが確率「X/65536」で当選する。以上の構成において、非内部中状態において、チェリーが当選した場合、または、重複役3が当選した場合、有利区間が開始される。また、ボーナス作動状態において、チェリーが当選した場合、有利区間が開始される。ただし、内部中状態(原則滞在する内部状態)において、チェリーが当選した場合、有利区間は開始されない。
以上の構成において、チェリーが当選した場合の有利区間移行時処理は、他の当選エリア(以下「不利当選エリア」)が当選した場合より有利になる構成としてもよい。例えば、チェリーが当選した場合の有利区間移行時処理では、BB状態への移行が必ず決定される構成としてもよい。以上の構成では、例えば、BB状態においてボーナス作動状態へ移行し、当該ボーナス作動状態で有利区間が終了し、その後、当該ボーナス作動状態中にチェリーが当選して有利区間が開始されると、当該有利区間の最初の遊技状態がBB状態となる。
ただし、RBB役を停止表示させることでボーナス作動状態へ任意の時期に移行可能である。したがって、仮に、ボーナス作動状態で有利区間が終了し易い(新たな有利区間がボーナス作動状態で開始し易い)構成では、遊技者が過度に有利になるという不都合が生じ得る。以上の事情を考慮して、予め定められた契機が成立した場合に限り、ボーナス作動状態で有利区間が終了する構成が好適である。例えば、メインCPU301が所定の抽選を実行し、当該抽選で当選した後のボーナス作動状態では有利区間が終了し、当該抽選で当選していない場合に移行したボーナス作動状態では有利区間が終了しない構成が考えられる。
(18)第1実施形態では、非有利区間において、特定の当選エリア(以下「移行当選エリア」)に当選した場合、有利区間へ移行した。また、非有利区間において、特殊抽選が実行されたか否かを把握(推測)可能に構成される。すなわち、有利区間移行時処理が実行される遊技において、内部中状態であるか非内部中状態であるかを把握可能に構成される。具体的には、当選エリアのうちRBBが当選した場合、RBB役を取りこぼすと、専用の図柄組合せ(所謂、リーチ目)が停止表示される。以上の場合、有利区間へ移行しない場合であっても、内部中状態へ移行した旨が図柄組合せから把握できる。
また、移行当選エリアのうち重複役3(チェリー)が当選した場合、左第1停止で遊技すると、チェリー図柄組合せ(左リール12にチェリー図柄が停止する図柄組合せ)が停止表示される。一方、移行当選エリアのうち他の当選エリア(打順ベルなど)が当選した場合、チェリー図柄組合せは停止表示されない。
以上の構成では、非内部中状態の非有利区間では、有利区間表示器38が点灯する遊技において、チェリー図柄組合せが停止表示されると特殊抽選が実行され、他の図柄組合せが停止表示された場合(重複役1および重複役2が当選した場合を除く)は特殊抽選が実行されない旨が把握される。ただし、移行当選エリアのうち重複役が当選した遊技と他の当選エリア(内部中状態へ移行しない当選エリア)が当選した遊技とで共通の図柄組合せが停止表示される構成として、特殊抽選が実行されたか否かが把握できない場合を設ける構成としてもよい。
(19)第1実施形態では、開始時処理において、引戻し状態の転落抽選、高確率転落抽選および高確保証カウンタの減算が実行された。また、停止時処理において、天井カウンタの減算、判定条件抽選処理、ストック抽選処理および高確率移行抽選が実行された。すなわち、指示機能に係る処理のうち、遊技者が不利になる各処理は開始時処理で実行され、遊技者が有利になる各処理は停止時処理で実行された。また、停止時処理における遊技者が有利になる各処理は、メインペナルティ制御により全て不利になる(または省略される)一方、開始時処理における遊技者が不利になる各処理は、メインペナルティ制御では省略されない構成とした。しかし、メインペナルティ制御により不利になる処理が開始時処理に含まれてもよい。また、メインペナルティ制御が実行された場合、遊技者が不利になる各処理の一部が省略される構成としてもよい。
(20)各形態において、メインペナルティ制御が実行される停止操作順序は適宜に変更してもよい。例えば、非指示期間において、変則押順のうち右第1停止ではメインペナルティ制御が実行され、他の停止操作順序(中第1停止を含む)ではメインペナルティ制御が実行されない構成としてもよい。
(21)各形態において、非内部中状態および内部中状態の双方において、一方的に有利な停止操作順序を設けた。しかし、非内部中状態および内部中状態の何れか一方のみに一方的に有利な停止操作順序を設け他方に設けない構成としてもよい。以上の構成としては、第1実施形態において、非内部中状態では停止操作順序によらずメダルの獲得期待値が共通な構成が考えられる。なお、以上の構成では、非内部中状態において変則押順で停止操作した場合にメインペナルティ制御が実行されず、内部中状態において変則押順で停止操作した場合にメインペナルティ制御が実行される構成としてもよい。
(22)各形態において、通常状態が原則高確率期間となる構成としてもよい。例えば、高確率カウンタを設け、高確率カウンタが数値「1」以上の場合、高確率期間となる構成が考えられる。以上の構成では、開始時処理において、BB状態へ移行するか否かを抽選(以下「当り抽選」)する。以上の当り抽選では、低確率期間より高確率期間で当選し易い。また、当該変形例では、毎回の遊技において、当該遊技の当選エリアによらず、当り抽選の直後に高確率カウンタから数値「1」が減算され、停止時処理において高確カウンタに数値「1」が加算される。したがって、各遊技の開始時における高確率カウンタは原則数値「1」になる。すなわち、各遊技が原則高確率期間になる。ただし、変則押順で停止操作された遊技では、高確カウンタが加算されない。したがって、変則押順で停止操作された場合、次回の遊技から低確率期間が開始される。低確率期間の各遊技では、高確率カウンタが確率約1/10で数値「1」加算される。すなわち、一旦低確率期間へ移行した場合、平均で約10回の遊技にわたり、低確率期間が継続する。
(23)各形態において、メインペナルティ制御により、当選エリアが参照されない各処理(判定条件抽選処理など)が不利になった(低確率になった、省略された)が、当選エリアが参照される各処理が不利になる構成としてもよい。例えば、今回の遊技の当選エリアに応じた確率で、当該遊技においてBB状態へ移行するか否かが抽選により決定される構成としてもよい。ただし、以上の構成では、当該抽選が実行される遊技において、メインペナルティ制御が実行されない停止操作順序が報知される構成が好適である。例えば、停止操作順序によらずベル役が当選する共通ベル1が当選した遊技においても、変則押順で上述の抽選が不利になる場合、指示表示器16により左第1停止が指示される構成が好適である。
(24)各形態において、有利区間においてボーナス作動状態へ移行可能であるが、ボーナス作動状態では天井カウンタが更新されない構成としてもよい。以上の構成では、ボーナス作動状態の前後において遊技回数画像GE(上述の図20(a)参照)が更新されない構成が好適である。また、以上の構成において、ボーナス作動状態中に遊技回数画像GEを非表示にしてもよい。
(25)各形態において、左第1停止が正解押順の打順ベル、中第1停止が正解押順の打順ベル、右第1停止が正解押順の打順ベルを設けてもよい。以上の各打順ベルの当選確率は、略共通である。以上の構成では、BB状態およびEDBB状態以外では、打順ベルが当選した遊技で不正解押順が指示表示器16により指示される。また、指示された不正解押順で停止操作された場合はメインペナルティ制御を実行しないが、指示されない押順で停止操作された場合はメインペナルティ制御を実行する。BB状態およびEDBB状態では、打順ベルの正解押順が指示される。
(26)本発明は、上述したパチスロ機のみならず、ぱちんこ機、その他の遊技機、ゲーム機一般に適用することができる。
本発明の遊技機は、例えば以下の遊技機である。
本発明に係る遊技機は、遊技の進行を制御する遊技制御手段(メイン制御基板300)と、演出を制御する演出制御手段(サブ制御基板400)と、各遊技において、複数種類の図柄を変動表示し、遊技の結果としての図柄組合せを停止表示可能な図柄表示手段(各リール12)と、通常押順(左第1停止)または変則押順(変則押順)で停止操作可能な複数個の停止操作手段(各停止ボタン25)と、遊技制御手段により制御され、停止操作の態様を指示する指示手段(指示表示器16)と、を具備する遊技機であって、遊技制御手段は、規定数の遊技価値(例えば、3枚)を用いた遊技を開始する遊技開始手段(遊技開始前処理)と、各遊技において、特別当選エリアを含む複数種類の当選エリアのうちの何れかを決定する当選エリア決定手段(内部抽選処理)と、当選エリアと停止操作押順とに応じて、図柄組合せを停止表示させる図柄変動制御手段(停止制御処理)と、図柄組合せのうち特別当選エリアに対応する図柄組合せが停止表示されると、特別遊技状態へ移行させる特別遊技状態移行手段と、特別当選エリアが当選した遊技で、特別当選エリアに対応する図柄組合せが停止表示されない場合、非内部中状態から内部中状態へ移行させる内部状態移行手段と、図柄組合せに対応する数の遊技価値を付与可能にする遊技価値付与手段(表示判定処理)と、演出制御手段へコマンドを送信するコマンド送信手段と、を備え、複数種類の当選エリアには、特定グループに属する複数種類の特定当選エリア(打順ベル)が含まれ、特定当選エリアが当選した遊技では、複数の変則押順のうちの1押順となる正解押順で停止操作されると第1遊技価値を付与可能であり、通常押順または正解押順と異なる変則押順である不正解押順で停止操作されると第1遊技価値よりも低い第2遊技価値を付与可能であり、特定当選エリアに対応する正解押順は、当該特定当選エリアの種類に応じて相違する場合があり、遊技制御手段は、指示手段により正解押順が指示される指示期間、または、正解押順が指示されない非指示期間に制御可能であり、指示期間に特定当選エリアが当選した場合、コマンドとして、特定グループであることを示し且つ当該遊技で当選した特定当選エリアを特定できない第1情報と、当該遊技で当選した特定当選エリアに対応する正解押順を特定可能な第2情報と、を送信可能であり、非指示期間に特定当選エリアが当選した場合、コマンドとして、特定グループであることを示し且つ当該遊技で当選した特定当選エリアを特定できない第1情報と、当該遊技で当選した特定当選エリアに対応する正解押順を特定不可能な第2情報と、を送信可能であり、第1情報を送信する遊技で獲得される遊技価値の期待値である獲得期待値は、通常押順で停止操作した場合より変則押順で停止操作した場合の方が多いが、何れの押順で停止操作した場合であっても規定数以下であり(図8参照)、内部中状態で第1情報を送信する遊技において変則押順で獲得される遊技価値の期待値である獲得期待値は、非内部中状態で第1情報を送信する遊技において変則押順で獲得される遊技価値の期待値である獲得期待値よりも所定遊技価値高くなるように設定されており、内部中状態で第1情報を送信する遊技において通常押順で獲得される遊技価値の期待値である獲得期待値は、非内部中状態で第1情報を送信する遊技において通常押順で獲得される遊技価値の期待値である獲得期待値よりも所定遊技価値高くならないように設定されていることを特徴とする。