JP7178693B2 - 電荷輸送材料、有機発光素子および化合物 - Google Patents

電荷輸送材料、有機発光素子および化合物 Download PDF

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Description

本発明は、電荷輸送材料として有用な化合物とそれを用いた有機発光素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)などの有機発光素子の性能を高める研究が盛んに行われている。特に、有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動電圧の改善(低電圧駆動化)には、電子輸送材料、正孔輸送材料、電子阻止材料、正孔阻止材料などの、発光材料と組み合わせて用いられる各種電荷輸送材料の機能が重要になり、発光材料についての開発と並行して、それらの電荷輸送材料についての開発や改良も進められている。
例えば、電子阻止材料は、発光層と正孔輸送層の間に設けられ、発光層中に存在する電子が発光層から正孔輸送層へ抜けてしまうことを阻止するとともに、正孔輸送層からの正孔を発光層へ輸送する機能を担う電子阻止層の材料であり、これにより発光層中での電子と正孔の再結合確率が向上し、結果的に駆動電圧の低減に繋がることになる。そうした電子阻止材料として、従来、下記式で表されるmCPやmCBPが多用されている。
Figure 0007178693000001
WO2014/157619
Organic Electronics 14 (2013) 2721-2726 Adv. Mater. 2015, 27, 2019-2023
上記のように、有機発光素子では、mCPやmCBPが電子阻止層の材料として多用されている。しかし、mCPやmCBPにより構成した電子阻止層は熱安定性が低く、発光素子全体の熱安定性を悪くする原因になっている。有機発光素子は、カーナビゲーションシステムへの適用など、高温になる環境で使用されることが想定されるため、熱安定性の確保は極めて重要になる。その一方で、有機発光素子のエネルギー効率を向上させるには、電子阻止層を設けて駆動電圧を低くすることが効果的であり、電子阻止層は有機発光素子に欠かせない要素である。このような状況から、電子阻止材料としての機能を有し、且つ、mCPやmCBPよりも熱安定性が高い電荷輸送材料の開発が強く望まれる。
そこで、電子阻止層に使用した場合に、特にmCPよりも高い熱安定性を得ることができ、且つ、素子の低電圧駆動化を図ることができる新たな材料を提供することを目的として鋭意検討を進めた。そして、そのような材料を用いることにより、低い駆動電圧でありながら、熱安定性が高く、実用性に優れた有機発光素子を実現することを目指して鋭意検討を進めた。
鋭意検討を進めた結果、本発明者らは、芳香環または互いに連結した2つの芳香環からなる連結環構造が、4つ以上の9-カルバゾリル基で置換された構造を有する化合物が、電子阻止性能を有するとともに熱安定性が高く、電子阻止層に用いる電荷輸送材料として有用であることを見出した。本発明は、こうした知見に基づいて提供されたものであり、具体的には、以下の構成を有する。
[1] 下記一般式(1)で表される化合物からなる電荷輸送材料。
Figure 0007178693000002
[一般式(1)において、Czは置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基(ただし、9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環には、他の環が縮合していてもよい。)を表す。Rは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表す。ただし、Rが置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基、および、その置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環に他の環が縮合した構造を有する基であることはない。Arは芳香環、または互いに連結した2つの芳香環からなる連結環構造を表す。mは4以上の整数を表し、nは0以上の整数を表す。ただし、m+nはArに置換可能な置換基数の最大値を超えることはない。複数のCzは互いに同一であっても異なっていてもよい。また、nが2以上の整数であるとき、複数のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。]
[2] 一般式(1)のCzが下記一般式(2)で表される構造を有する、[1]に記載の電荷輸送材料。
Figure 0007178693000003
[一般式(2)において、R1~R8は各々独立に水素原子または置換基を表す。R1とR2、R2とR3、R3とR4、R5とR6、R6とR7、R7とR8は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。*はArへの結合位置を表す。]
[3] 一般式(2)のR3およびR6の少なくとも一方が置換基である、[2]に記載の電荷輸送材料。
[4] 一般式(1)のArがベンゼン環、ビフェニル環、またはピリジン環である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の電荷輸送材料。
[5] 一般式(1)のArがベンゼン環である、[4]に記載の電荷輸送材料。
[6] 一般式(1)のnが0である、[1]~[5]のいずれか1項に記載の電荷輸送材料。
[7] 一般式(1)のm+nが、Arに置換可能な置換基数の最大値よりも小さい、[1]~[6]のいずれか1項に記載の電荷輸送材料。
[8] 一般式(1)で表される化合物が下記一般式(3)で表される化合物である、[1]に記載の電荷輸送材料。
Figure 0007178693000004
[一般式(3)において、R11~R16のうちの4つ以上は各々独立に置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基(ただし、9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環には、他の環が縮合していてもよい。)を表し、その他のR11~R16は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表す。ただし、その他のR11~R16が置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基、および、その置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環に他の環が縮合した構造を有する基であることはない。]
[9] 一般式(3)のR11~R16の4つまたは5つが置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基(ただし、9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環には、他の環が縮合していてもよい。)である、[8]に記載の電荷輸送材料。
[10] 一般式(3)のR11~R16の4つが置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基(ただし、9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環には、他の環が縮合していてもよい。)である、[9]に記載の電荷輸送材料。
[11] 一般式(3)のR11、R12、R14、R15が置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基(ただし、9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環には、他の環が縮合していてもよい。)である、[10]に記載の電荷輸送材料。
[12] 一般式(3)のその他のR11~R16が水素原子である、[8]~[11]のいずれか1項に記載の電荷輸送材料。
[13] [1]~[12]のいずれか1項に記載の電荷輸送材料を含む有機発光素子。
[14] 前記電荷輸送材料を電子阻止層に含む、[13]に記載の有機発光素子。
[15] 前記電荷輸送材料を正孔輸送層に含む、[13]に記載の有機発光素子。
[16] ホスト材料として前記電荷輸送材料を発光層に含む、[13]に記載の有機発光素子。
[17] 遅延蛍光を放射する、[13]~[16]のいずれか1項に記載の有機発光素子。
[18] 有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする、[13]~[17]のいずれか1項に記載の有機発光素子。
[19] 前記一般式(1)で表される化合物。
[20] 一般式(1)のArがベンゼン環である、[19]に記載の化合物。
[21] 前記ベンゼン環の1,2,4,5位がCzで置換されていて、各Czは同一であっても異なっていてもよい、[20]に記載の化合物。
本発明の化合物は、電荷輸送材料として有用である。本発明の電荷輸送材料で電子阻止層を構成することにより、mCPで電子輸送層を構成する場合に比べて熱安定性が高くなり、また、駆動電圧が低い有機発光素子を実現することができる。
有機エレクトロルミネッセンス素子の層構成例を示す概略断面図である。 製造例1の有機エレクトロルミネッセンス素子の電流密度-外部量子効率特性を示すグラフである。 製造例2の有機エレクトロルミネッセンス素子の電流密度-外部量子効率特性を示すグラフである。 製造例3の有機エレクトロルミネッセンス素子の電流密度-外部量子効率特性を示すグラフである。 製造例4の有機エレクトロルミネッセンス素子の電流密度-外部量子効率特性を示すグラフである。 製造例1、3、5の電圧-電流密度特性を示すグラフである。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。本明細書中において「芳香族炭化水素環」は炭化水素からなる芳香環を意味し、「芳香族複素環」はヘテロ原子を含む芳香環を意味する。本発明に用いられる化合物の分子内に存在する水素原子の同位体種は特に限定されず、例えば分子内の水素原子がすべて1Hであってもよいし、一部または全部が2H(デューテリウムD)であってもよい。
[一般式(1)で表される化合物]
本発明の電荷輸送材料は下記一般式(1)で表される化合物からなることを特徴とする。
Figure 0007178693000005
一般式(1)において、Czは置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基(ただし、9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環には、他の環が縮合していてもよい。)を表す。9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環に他の環が縮合して形成される環状構造の説明と具体例については、下記のR1とR2等が互いに結合して形成する環状構造についての説明と具体例を参照することができる。
Czは下記一般式(2)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 0007178693000006
一般式(2)において、*はArへの結合位置を表す。すなわち、一般式(2)で表される基は、その窒素原子がArを構成する炭素原子またはヘテロ原子へ単結合で結合する。
一般式(2)のR1~R8は各々独立に水素原子または置換基を表す。R1~R8のうちの置換基の数は特に制限されず、R1~R8のすべてが無置換(すなわち水素原子)であってもよい。一般式(2)に置換基が存在している場合、その置換基はR2~R4、R5~R7の少なくとも1つであることが好ましく、R3およびR6の少なくとも一方であることがより好ましい。
1~R8がとりうる置換基として、例えばヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数1~20のアルキルチオ基、炭素数1~20のアルキル置換アミノ基、炭素数2~20のアシル基、炭素数6~40のアリール基、炭素数3~40のヘテロアリール基、6~20のアリールオキシ基、炭素数6~20のアリールチオ基、炭素数6~20のアリール置換アミノ基、炭素数6~20のアリールスルホニル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~10のアルキニル基、炭素数2~10のアルコキシカルボニル基、炭素数1~10のアルキルスルホニル基、炭素数1~10のハロアルキル基、アミド基、炭素数2~10のアルキルアミド基、炭素数3~20のトリアルキルシリル基、炭素数4~20のトリアルキルシリルアルキル基、炭素数5~20のトリアルキルシリルアルケニル基、炭素数5~20のトリアルキルシリルアルキニル基およびニトロ基等が挙げられる。これらの具体例のうち、さらに置換基により置換可能なものは置換されていてもよい。より好ましい置換基は、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1~20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数6~40の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数3~40の置換もしくは無置換のヘテロアリール基、炭素数1~20のジアルキル置換アミノ基である。さらに好ましい置換基は、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、炭素数1~10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1~10の置換もしくは無置換のアルコキシ基、炭素数6~15の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数3~12の置換もしくは無置換のヘテロアリール基である。
1とR2、R2とR3、R3とR4、R5とR6、R6とR7、R7とR8は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。環状構造は芳香環であっても脂肪環であってもよく、またヘテロ原子を含むものであってもよく、さらに環状構造は2環以上の縮合環であってもよい。ここでいうヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群より選択されるものであることが好ましい。形成される環状構造の例として、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、イミダゾリン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、シクロヘキサジエン環、シクロヘキセン環、シクロペンテン環、シクロヘプタトリエン環、シクロヘプタジエン環、シクロヘプテン環などを挙げることができる。
一般式(1)において、Rは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表す。ただし、Rが置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基、および、その置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環に他の環が縮合した構造を有する基であることはない。
Rにおけるアルキル基は、直鎖状、分枝状、環状のいずれであってもよい。好ましい炭素数は1~20であり、より好ましくは1~10であり、さらに好ましくは1~6である。例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基などを例示することができる。アルキル基に置換しうる置換基として、炭素数6~40のアリール基、炭素数3~40のヘテロアリール基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~10のアルキニル基等を挙げることができる。これらの置換基は、さらに置換基で置換されていてもよい。
Rにおけるアリール基を構成する芳香族炭化水素環は、単環であっても、2以上の芳香族炭化水素環が縮合した縮合環であってもよい。また、アリール基は、2以上の芳香族炭化水素環を有し、各芳香族炭化水素環が他の芳香族炭化水素環の少なくとも1つと単結合やスピロ結合で連結した連結環構造を有していてもよい。2以上の芳香族炭化水素環が連結している場合は、直鎖状に連結したものであってもよいし、分枝状に連結したものであってもよい。アリール基を構成する芳香族炭化水素環の炭素数は、6~40であることが好ましく、6~22であることがより好ましく、6~18であることがさらに好ましく、6~14であることがさらにより好ましく、6~10であることが特に好ましい。アリール基の具体例として、フェニル基、ナフタレニル基、ビフェニル基を挙げることができる。アリール基に置換しうる置換基の説明と好ましい範囲については、上記のR1~R8がとりうる置換基の説明と好ましい範囲を参照することができる。
Rにおけるヘテロアリール基を構成する芳香族複素環は、単環であっても、1以上の複素環と1以上の芳香族炭化水素環または芳香族複素環が縮合した縮合環であってもよい。また、ヘテロアリール基は、2以上の芳香族複素環を有し、各芳香族複素環が他の芳香族複素環の少なくとも1つと単結合やスピロ結合で連結した連結環構造を有していてもよい。2以上の芳香族複素環が連結している場合は、直鎖状に連結したものであってもよいし、分枝状に連結したものであってもよい。ヘテロアリール基を構成する芳香族複素環の炭素数は3~40であることが好ましく、5~22であることがより好ましく、5~18であることがさらに好ましく、5~14であることがさらにより好ましく、5~10であることが特に好ましい。芳香族複素環を構成するヘテロ原子として、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等を挙げることができ、窒素原子であることが好ましい。複素環の具体例として、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール環を挙げることができる。ヘテロアリール基に置換しうる置換基の説明と好ましい範囲については、上記のR1~R8がとりうる置換基の説明と好ましい範囲を参照することができる。
一般式(1)において、Arは芳香環、または互いに連結した2つの芳香環からなる連結環構造を表す。Arにおける芳香環および連結環構造を構成する各芳香環は、芳香族炭化水素環であってもよいし、芳香族複素環であってもよい。また、連結環構造を構成する2つの芳香環は、互いに同一であっても異なっていてもよく、2つの芳香環の組み合わせは、芳香族炭化水素環と芳香族炭化水素環の組み合わせ、芳香族複素環と芳香族複素環の組み合わせ、芳香族炭化水素環と芳香族複素環の組み合わせのいずれであってもよい。連結環構造を構成する2つの芳香環は、芳香族炭化水素環と芳香族炭化水素環の組み合わせであることが好ましく、同一の芳香族炭化水素環同士の組み合わせであることがより好ましい。連結環構造を構成する2つ芳香環を連結する結合として、単結合、スピロ結合等を挙げることができ、単結合であることが好ましい。
Arにおける芳香環および連結環構造を構成する少なくとも一方の芳香環が芳香族炭化水素環であるとき、その芳香族炭化水素環は、単環であっても、2以上の芳香族炭化水素環が縮合した縮合環であってもよい。また、その芳香族炭化水素環の炭素数は6~40であることが好ましく、6~22であることがより好ましく、6~18であることがさらに好ましく、6~14であることがさらにより好ましく、6~10であることが特に好ましい。Arにおける芳香環および連結環構造を構成する芳香炭化水素環の具体例として、ベンゼン環、ナフタレン環を挙げることができる。
また、Arにおける芳香環および連結環構造を構成する少なくとも一方の芳香環が芳香族複素環であるとき、その芳香族複素環は、単環であっても、1以上の複素環と1以上の芳香族炭化水素環または芳香族複素環が縮合した縮合環であってもよい。また、その芳香族複素環の炭素数は5~22であることが好ましく、5~18であることがより好ましく、5~14であることがさらに好ましく、5~10であることがさらにより好ましい。芳香族複素環を構成するヘテロ原子として、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等を挙げることができ、窒素原子であることが好ましい。Arにおける芳香環および連結環構造を構成する芳香族複素環の具体例として、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアゾール環、ベンゾトリアゾール環を挙げることができる。
これらの中で、Arは、ベンゼン環、ビフェニル環、ピリジン環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。
一般式(1)において、mは4以上の整数を表し、nは0以上の整数を表す。ただし、m+nはArに置換可能な置換基数の最大値を超えることはない。
mはArに置換しているCzの数を表す。Arに置換している複数のCzは互いに同一であっても異なっていてもよい。nはArに置換しているRの数を表す。nが2以上の整数であるとき、Arに置換している複数のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。nはmよりも小さいことが好ましく、0であることがより好ましい。
Arにおける置換可能な置換基数の最大値は、言い換えれば、Arが表す芳香環または連結環構造と環構造が共通する無置換の芳香環または連結環構造を仮定したとき、その芳香環または連結環構造においての置換基で置換可能な水素原子の数に相当する。置換基で置換可能な水素原子は、具体的には、芳香族炭化水素環の場合ではメチン基(-CH=)の水素原子であり、芳香族複素環の場合では、メチン基(-CH=)の水素原子やイミノ基(-NH-)の水素原子等を挙げることができる。置換可能な置換基数の最大値は、例えばベンゼン環では6であり、ビフェニル環では12であり、ピリジン環では5である。
m+nは置換可能な置換基数の最大値よりも小さいことが好ましい。すなわち、Arの置換基で置換可能な位置の少なくとも1つは無置換であることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0007178693000007
一般式(3)において、R11~R16のうちの4つ以上は各々独立に置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基(ただし、9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環には、他の環が縮合していてもよい。)を表し、その他のR11~R16は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表す。ただし、その他のR11~R16が置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基、および、その置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環に他の環が縮合した構造を有する基であることはない。
11~R16における置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基(ただし、9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環には、他の環が縮合していてもよい。)の説明と好ましい範囲については、一般式(1)のCzにおける置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基(ただし、9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環には、他の環が縮合していてもよい。)の説明と好ましい範囲を参照することができる。その他のR11~R16における置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基の説明と好ましい範囲、具体例については、一般式(1)のRにおける置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基についての説明と好ましい範囲、具体例を参照することができる。なお、以下の説明では、R11~R16における「置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基(ただし、9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環には、他の環が縮合していてもよい。)」を「置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基等」ということがある。
11~R16のうちの複数の置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基等は互いに同一であっても異なっていてもよい。また、R11~R16のうちの2つが、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロアリール基であるとき、その2つが表す基は互いに同一であっても異なっていてもよい。
置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基等であるものは、R11~R16のうちの4つであっても、5つまたは6つであってもよいが、4つまたは5つであることが好ましく、4つであることがより好ましい。R11~R16のうちの4つが置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基等である場合、R11、R12、R14、R15が置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基等であることが好ましい。R11~R16のうちの4つまたは5つが置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基等であるとき、その他のR11~R16は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロアリール基をとりうるが、水素原子であることが好ましい。すなわち、R11~R16のうちの置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基等以外は水素原子(無置換)であることが好ましい。
以下において、一般式(1)で表される化合物の具体例を例示する。ただし、本発明において用いることができる一般式(1)で表される化合物はこれらの具体例によって限定的に解釈されるべきものではない。なお、以下の化合物の具体例において、例えば化合物3の4つのカルバゾリル基の3位と6位に記載されている基はメチル基を表し、他の化合物の具体例においても同様の記載はメチル基を表す。また、以下の化合物の具体例において、水素同位体のうちデューテリウムについては特に「D」と表記しており、特に表記がないものは水素原子(1H)を表す。「nーBu」はノルマルブチル基を表し、「t-Bu」はターシャリーブチル基を表し、「sーBu」はセカンダリーブチル基を表し、「isoーBu」はイソブチル基を表し、「Ph」はフェニル基を表し、「MeO」はメトキシ基を表す。
Figure 0007178693000008
Figure 0007178693000009
Figure 0007178693000010
Figure 0007178693000011
Figure 0007178693000012
Figure 0007178693000013
Figure 0007178693000014
Figure 0007178693000015
Figure 0007178693000016
Figure 0007178693000017
一般式(1)で表される化合物の分子量は、例えば一般式(1)で表される化合物を含む有機層を蒸着法により製膜して利用することを意図する場合には、1500以下であることが好ましく、1200以下であることがより好ましく、1000以下であることがさらに好ましく、800以下であることがさらにより好ましい。分子量の下限値は、一般式(1)で表される最小化合物の分子量である738以上が好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、分子量にかかわらず塗布法で成膜してもよい。塗布法を用いれば、分子量が比較的大きな化合物であっても成膜することが可能である。
本発明を応用して、分子内に一般式(1)で表される構造を複数個含む化合物を、電荷輸送材料として用いることも考えられる。
例えば、一般式(1)で表される構造中にあらかじめ重合性基を存在させておいて、その重合性基を重合させることによって得られる重合体を、電荷輸送材料として用いることが考えられる。具体的には、一般式(1)のCz、Ar、Rのいずれかに重合性官能基を含むモノマーを用意して、これを単独で重合させるか、他のモノマーとともに共重合させることにより、繰り返し単位を有する重合体を得て、その重合体を電荷輸送材料として用いることが考えられる。あるいは、一般式(1)で表される構造を有する化合物どうしをカップリングさせることにより、二量体や三量体を得て、それらを電荷輸送材料として用いることも考えられる。
一般式(1)で表される構造を含む繰り返し単位を有する重合体の例として、下記一般式(4)または(5)で表される構造を含む重合体を挙げることができる。
Figure 0007178693000018
一般式(4)または(5)において、Qは一般式(1)で表される構造を含む基を表し、L1およびL2は連結基を表す。連結基の炭素数は、好ましくは0~20であり、より好ましくは1~15であり、さらに好ましくは2~10である。連結基は-X11-L11-で表される構造を有するものであることが好ましい。ここで、X11は酸素原子または硫黄原子を表し、酸素原子であることが好ましい。L11は連結基を表し、置換もしくは無置換のアルキレン基、または置換もしくは無置換のアリーレン基であることが好ましく、炭素数1~10の置換もしくは無置換のアルキレン基、または置換もしくは無置換のフェニレン基であることがより好ましい。
一般式(4)または(5)において、R101、R102、R103およびR104は、各々独立に置換基を表す。好ましくは、炭素数1~6の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1~6の置換もしくは無置換のアルコキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは炭素数1~3の無置換のアルキル基、炭素数1~3の無置換のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子であり、さらに好ましくは炭素数1~3の無置換のアルキル基、炭素数1~3の無置換のアルコキシ基である。
1およびL2で表される連結基は、Qを構成する一般式(1)の構造のCz、Ar、Rのいずれか、一般式(2)のR1~R8のいずれか、一般式(3)の構造のR11~R16のいずれかに結合することができる。1つのQに対して連結基が2つ以上連結して架橋構造や網目構造を形成していてもよい。
繰り返し単位の具体的な構造例として、下記式(21)~(24)で表される構造を挙げることができる。
Figure 0007178693000019
これらの式(21)~(24)を含む繰り返し単位を有する重合体は、一般式(1)の構造のCz、Ar、Rのいずれかにヒドロキシ基を導入しておき、それをリンカーとして下記化合物を反応させて重合性基を導入し、その重合性基を重合させることにより合成することができる。
Figure 0007178693000020
分子内に一般式(1)で表される構造を含む重合体は、一般式(1)で表される構造を有する繰り返し単位のみからなる重合体であってもよいし、それ以外の構造を有する繰り返し単位を含む重合体であってもよい。また、重合体の中に含まれる一般式(1)で表される構造を有する繰り返し単位は、単一種であってもよいし、2種以上であってもよい。一般式(1)で表される構造を有さない繰り返し単位としては、通常の共重合に用いられるモノマーから誘導されるものを挙げることができる。例えば、エチレン、スチレンなどのエチレン性不飽和結合を有するモノマーから誘導される繰り返し単位を挙げることができる。
[一般式(1)で表される化合物の合成方法]
一般式(1)で表される化合物は、例えば、下記一般式(1’)で表される化合物に、下記一般式(2’)で表される化合物を反応させることにより合成することが可能である。
Figure 0007178693000021
上記の反応式におけるCz、Ar、R、m、nの説明については、一般式(1)における対応する記載を参照することができる。Xはハロゲン原子を表し、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。ここで、一般式(1)で表される化合物として、Czを複数種(例えばCz1、Cz2)有するものを合成したい場合には、Cz1を導入したい位置にX1を有し、Cz2を導入したい位置にX2を有する一般式(1’)で表される化合物を用意し、その化合物にCz1-H、Cz2-Hを段階的に反応させてCz1、Cz2を順に導入する方法により合成することができる。あるいは、Cz1を導入したい位置にX1を有し、Cz2を導入したい位置に保護基を有する一般式(1’)で表される化合物の誘導体を用意し、その誘導体にCz1-Hを反応させてCz1を導入した後、脱保護を行い、Cz2-Hを反応させてCz2を導入する方法も採用することができる。
[有機発光素子]
本発明の一般式(1)で表される化合物は、有機発光素子の電荷輸送材料として有用である。このため、本発明の一般式(1)で表される化合物は、有機発光素子の電子阻止層や正孔輸送層の材料として、あるいは、発光層のホスト材料として効果的に用いることができる。特に、本発明の一般式(1)で表される化合物を電子阻止層に用いることにより、素子の低電圧駆動化を図ることができ、また、mCPを電子阻止層に用いる場合に比べて熱安定性が改善され、高い実用性を実現することができる。
本発明の一般式(1)で表される化合物を電荷輸送材料として用いることにより、有機フォトルミネッセンス素子(有機PL素子)や有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)などの優れた有機発光素子を提供することができる。
有機フォトルミネッセンス素子は、基板上に少なくとも発光層を形成した構造を有する。有機エレクトロルミネッセンス素子は、少なくとも陽極、陰極、および陽極と陰極の間に有機層を形成した構造を有する。有機層は、少なくとも発光層を含むものであり、発光層のみからなるものであってもよいし、発光層の他に1層以上の有機層を有するものであってもよい。そのような他の有機層として、正孔輸送層、正孔注入層、電子阻止層、正孔阻止層、電子注入層、電子輸送層、励起子阻止層などを挙げることができる。正孔輸送層は正孔注入機能を有した正孔注入輸送層でもよく、電子輸送層は電子注入機能を有した電子注入輸送層でもよい。具体的な有機エレクトロルミネッセンス素子の構造例を図1に示す。図1において、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は電子阻止層、6は発光層、7は電子輸送層、8は陰極を表わす。
以下において、有機エレクトロルミネッセンス素子の各部材および各層について説明する。なお、基板と発光層の説明は有機フォトルミネッセンス素子の基板と発光層にも該当する。
(基板)
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板に支持されていることが好ましい。この基板については、特に制限はなく、従来から有機エレクトロルミネッセンス素子に慣用されているものであればよく、例えば、ガラス、透明プラスチック、石英、シリコンなどからなるものを用いることができる。
(陽極)
有機エレクトロルミネッセンス素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極材料とするものが好ましく用いられる。このような電極材料の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In23-ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極材料を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極材料の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な材料を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることもできる。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/sq.(ohms per square)以下が好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10~1000nm、好ましくは10~200nmの範囲で選ばれる。
(陰極)
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物およびこれらの混合物を電極材料とするものが用いられる。このような電極材料の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性および酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極材料を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/sq.(ohms per square)以下が好ましく、膜厚は通常10nm~5μm、好ましくは50~200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させるため、有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極または陰極のいずれか一方が、透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
また、陽極の説明で挙げた導電性透明材料を陰極に用いることで、透明または半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
(発光層)
発光層は、陽極および陰極のそれぞれから注入された正孔および電子が再結合することにより励起子が生成した後、発光する層であり、発光材料を単独で発光層に使用しても良いが、好ましくは発光材料とホスト材料を含む。発光材料は、蛍光材料、遅延蛍光材料、りん光材料のいずれであってもよいが、高い発光効率を得やすいことから遅延蛍光材料を用いることが好ましい。ここで、遅延蛍光は、励起状態になった化合物において、励起三重項状態から励起一重項状態への逆項間交差が生じた後、その励起一重項状態から基底状態に戻る際に放射される蛍光であり、基底状態から直接遷移した励起一重項状態からの蛍光(通常の蛍光)よりも通常遅れて観測される。遅延蛍光材料は、こうした遅延蛍光を放射する発光材料である。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子および有機フォトルミネッセンス素子が高い発光効率を発現するためには、発光材料に生成した一重項励起子および三重項励起子を、発光材料中に閉じ込めることが重要である。従って、発光層中に発光材料に加えてホスト材料を用いることが好ましい。ホスト材料としては、励起一重項エネルギー、励起三重項エネルギーの少なくとも何れか一方が本発明の発光材料よりも高い値を有する有機化合物を用いることができる。その結果、本発明の発光材料に生成した一重項励起子および三重項励起子を、本発明の発光材料の分子中に閉じ込めることが可能となり、その発光効率を十分に引き出すことが可能となる。もっとも、一重項励起子および三重項励起子を十分に閉じ込めることができなくても、高い発光効率を得ることが可能な場合もあるため、高い発光効率を実現しうるホスト材料であれば特に制約なく本発明に用いることができる。本発明の有機発光素子または有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光は発光層に含まれる本発明の発光材料から生じる。この発光は蛍光発光、遅延蛍光発光、燐光発光のいずれでもよく、これらの2種以上の発光を含んでいてもよい。また、発光の一部或いは部分的にホスト材料からの発光があってもかまわない。
ホスト材料を用いる場合、発光材料である本発明の化合物が発光層中に含有される量は0.1重量%以上であることが好ましく、1重量%以上であることがより好ましく、また、50重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましく、10重量%以下であることがさらに好ましい。
発光層におけるホスト材料としては、正孔輸送能、電子輸送能を有し、かつ発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高いガラス転移温度を有する有機化合物であることが好ましい。
また、発光層には、発光材料およびホスト材料とともに、発光材料の発光をアシストするアシストドーパントを用いてもよい。アシストドーパントには、ホスト材料の励起一重項エネルギーと発光材料の励起一重項エネルギーの間の励起一重項エネルギー準位を有し、且つ、励起三重項状態から励起一重項状態への逆項間交差を生じる化合物を用いることができる。逆項間交差を生じる化合物であることは、遅延蛍光の放射を確認することで判定することができる。
上記のように、発光層の発光材料は、高い発光効率が得られることから、遅延蛍光材料であることが好ましい。遅延蛍光材料により高い発光効率が得られるのは、以下の原理による。
有機エレクトロルミネッセンス素子においては、正負の両電極より発光材料にキャリアを注入し、励起状態の発光材料を生成し、発光させる。通常、キャリア注入型の有機エレクトロルミネッセンス素子の場合、生成した励起子のうち、励起一重項状態に励起されるのは25%であり、残り75%は励起三重項状態に励起される。従って、励起三重項状態からの発光であるリン光を利用するほうが、エネルギーの利用効率が高い。しかしながら、励起三重項状態は寿命が長いため、励起状態の飽和や励起三重項状態の励起子との相互作用によるエネルギーの失活が起こり、一般にリン光の量子収率が高くないことが多い。一方、遅延蛍光材料は、項間交差等により励起三重項状態へとエネルギーが遷移した後、三重項-三重項消滅あるいは熱エネルギーの吸収により、励起一重項状態に逆項間交差され蛍光を放射する。有機エレクトロルミネッセンス素子においては、なかでも熱エネルギーの吸収による熱活性化型の遅延蛍光材料が特に有用であると考えられる。有機エレクトロルミネッセンス素子に遅延蛍光材料を利用した場合、励起一重項状態の励起子は通常通り蛍光を放射する。一方、励起三重項状態の励起子は、デバイスが発する熱を吸収して励起一重項へ項間交差され蛍光を放射する。このとき、励起一重項からの発光であるため蛍光と同波長での発光でありながら、励起三重項状態から励起一重項状態への逆項間交差により、生じる光の寿命(発光寿命)は通常の蛍光よりも長くなるため、これらよりも遅延した蛍光として観察される。これを遅延蛍光として定義できる。このような熱活性化型の逆交間交差機構を用いれば、キャリア注入後に熱エネルギーの吸収を経ることにより、通常は25%しか生成しなかった励起一重項状態の化合物の比率を25%以上に引き上げることが可能となる。100℃未満の低い温度でも強い蛍光および遅延蛍光を発する化合物を用いれば、デバイスの熱で充分に励起三重項状態から励起一重項状態への項間交差が生じて遅延蛍光を放射するため、発光効率を飛躍的に向上させることができる。
(注入層)
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、正孔注入層と電子注入層があり、陽極と発光層または正孔輸送層の間、および陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。注入層は必要に応じて設けることができる。
(阻止層)
阻止層は、発光層中に存在する電荷(電子もしくは正孔)および/または励起子の発光層外への拡散を阻止することができる層である。電子阻止層は、発光層および正孔輸送層の間に配置されることができ、電子が正孔輸送層の方に向かって発光層を通過することを阻止する。同様に、正孔阻止層は発光層および電子輸送層の間に配置されることができ、正孔が電子輸送層の方に向かって発光層を通過することを阻止する。阻止層はまた、励起子が発光層の外側に拡散することを阻止するために用いることができる。すなわち電子阻止層、正孔阻止層はそれぞれ励起子阻止層としての機能も兼ね備えることができる。本明細書でいう電子阻止層または励起子阻止層は、一つの層で電子阻止層および励起子阻止層の機能を有する層を含む意味で使用される。
(正孔阻止層)
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有する。正孔阻止層は電子を輸送しつつ、正孔が電子輸送層へ到達することを阻止する役割があり、これにより発光層中での電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。正孔阻止層の材料としては、後述する電子輸送層の材料を必要に応じて用いることができる。
(電子阻止層)
電子阻止層とは、広い意味では正孔を輸送する機能を有する。電子阻止層は正孔を輸送しつつ、電子が正孔輸送層へ到達することを阻止する役割があり、これにより発光層中での電子と正孔が再結合する確率を向上させることができる。この電子阻止層の材料には、一般式(1)で表される本発明の化合物群から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。これにより、素子の熱安定性を効果的に高くすることができ、また、低電圧駆動化を図ることができる。
(励起子阻止層)
励起子阻止層とは、発光層内で正孔と電子が再結合することにより生じた励起子が電荷輸送層に拡散することを阻止するための層であり、本層の挿入により励起子を効率的に発光層内に閉じ込めることが可能となり、素子の発光効率を向上させることができる。励起子阻止層は発光層に隣接して陽極側、陰極側のいずれにも挿入することができ、両方同時に挿入することも可能である。すなわち、励起子阻止層を陽極側に有する場合、正孔輸送層と発光層の間に、発光層に隣接して該層を挿入することができ、陰極側に挿入する場合、発光層と陰極との間に、発光層に隣接して該層を挿入することができる。また、陽極と、発光層の陽極側に隣接する励起子阻止層との間には、正孔注入層や電子阻止層などを有することができ、陰極と、発光層の陰極側に隣接する励起子阻止層との間には、電子注入層、電子輸送層、正孔阻止層などを有することができる。阻止層を配置する場合、阻止層として用いる材料の励起一重項エネルギーおよび励起三重項エネルギーの少なくともいずれか一方は、発光材料の励起一重項エネルギーおよび励起三重項エネルギーよりも高いことが好ましい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。使用できる公知の正孔輸送材料としては例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物およびスチリルアミン化合物を用いることが好ましく、芳香族第3級アミン化合物を用いることがより好ましい。
(電子輸送層)
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる場合もある)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよい。使用できる電子輸送層としては例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタンおよびアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導h体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
有機エレクトロルミネッセンス素子には、一般式(1)で表される化合物を電子阻止層以外の層に用いてもよい。例えば、上記の発光層のホスト材料や正孔輸送層などにも一般式(1)で表される化合物を用いることができる。その場合、一般式(1)で表される化合物を、電子阻止層以外の層のみに用いてもよいし、電子阻止層と電子阻止層以外の層の両方に用いてもよい。電子阻止層と電子阻止層以外の層の両方に一般式(1)で表される化合物を用いる場合、電子阻止層に用いる一般式(1)で表される化合物と、電子阻止層以外の層に用いる一般式(1)で表される化合物は、同一であっても異なっていてもよい。
有機エレクトロルミネッセンス素子を作製するには、有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する各有機層を基板上に順に製膜する。これらの層の製膜方法は特に限定されず、ドライプロセス、ウェットプロセスのどちらで作製してもよい。
以下に、有機エレクトロルミネッセンス素子に用いることができる好ましい材料を具体的に例示する。ただし、本発明において用いることができる材料は、以下の例示化合物によって限定的に解釈されることはない。また、特定の機能を有する材料として例示した化合物であっても、その他の機能を有する材料として転用することも可能である。
まず、発光層に用いることができる発光材料について説明する。発光層には、発光材料を用いる。発光材料は遅延蛍光を放射する遅延蛍光材料であっても、遅延蛍光を放射しない蛍光材料であってもよい。好ましいのは、遅延蛍光を放射する化合物を用いる場合である。
発光層に用いることができる遅延蛍光材料の種類は特に制限されない。好ましい遅延蛍光材料として、WO2013/154064号公報の段落0008~0048および0095~0133、WO2013/011954号公報の段落0007~0047および0073~0085、WO2013/011955号公報の段落0007~0033および0059~0066、WO2013/081088号公報の段落0008~0071および0118~0133、特開2013-256490号公報の段落0009~0046および0093~0134、特開2013-116975号公報の段落0008~0020および0038~0040、WO2013/133359号公報の段落0007~0032および0079~0084、WO2013/161437号公報の段落0008~0054および0101~0121、特開2014-9352号公報の段落0007~0041および0060~0069、WO2013/060582号公報の段落0013~0034、特開2014-9224号公報の段落0008~0048および0067~0076、特開2017-119663号公報の段落0013~0025、特開2017-119664号公報の段落0013~0026、特開2017-222623号公報の段落0012~0025、特開2017-226838号公報の段落0010~0050、特開2018-100411号公報の段落0012~0043、WO2018/006764号公報の0015~0081、WO2018/047853号公報の段落0016~0044 に記載される一般式に包含される化合物、特に例示化合物であって、遅延蛍光を放射するものを挙げることができる。また、特開2013-253121号公報、WO2013/133359号公報、WO2014/034535号公報、WO2014/115743号公報、WO2014/122895号公報、WO2014/126200号公報、WO2014/136758号公報、WO2014/133121号公報、WO2014/136860号公報、WO2014/196585号公報、WO2014/189122号公報、WO2014/168101号公報、WO2015/008580号公報、WO2014/203840号公報、WO2015/002213号公報、WO2015/016200号公報、WO2015/019725号公報、WO2015/072470号公報、WO2015/108049号公報、WO2015/080182号公報、WO2015/072537号公報、WO2015/080183号公報、特開2015-129240号公報、WO2015/129714号公報、WO2015/129715号公報、WO2015/133501号公報、WO2015/136880号公報、WO2015/137244号公報、WO2015/137202号公報、WO2015/137136号公報、WO2015/146541号公報、WO2015/159541号公報に記載される発光材料であって、遅延蛍光を放射するものも好ましく採用することができる。なお、この段落に記載される上記の公報は、本明細書の一部としてここに引用している。
さらに以下に記載する一般式(A)~(G)で表される化合物や、以下に記載する構造を有する化合物を発光材料として採用することができる。特に、遅延蛍光を放射するものを好ましく採用することができる。
まず一般式(A)で表される化合物について説明する。
Figure 0007178693000022
一般式(A)において、R1~R5の0~4つはシアノ基を表し、R1~R5の少なくとも1つは置換アミノ基を表し、残りのR1~R5は水素原子、またはシアノと置換アミノ基以外の置換基を表す。
ここでいう置換アミノ基は、置換もしくは無置換のジアリールアミノ基であることが好ましく、置換もしくは無置換のジアリールアミノ基を構成する2つのアリール基は互いに連結していてもよい。連結は、単結合でなされていてよいし(その場合はカルバゾ-ル環が形成される)、-O-、-S-、-N(R6)-、-C(R7)(R8)-、-Si(R9)(R10)-などの連結基でなされていてもよい。ここで、R6~R10は水素原子または置換基を表し、R7とR8、R9とR10は、それぞれ互いに連結して環状構造を形成してもよい。
置換アミノ基はR1~R5のいずれであってもよく、例えばR1とR2、R1とR3、R1とR4、R1とR5、R2とR3、R2とR4、R1とR2とR3、R1とR2とR4、R1とR2とR5、R1とR3とR4、R1とR3とR5、R2とR3とR4、R1とR2とR3とR4、R1とR2とR3とR5、R1とR2とR4とR5、R1とR2とR3とR4とR5を置換アミノ基とすること等ができる。シアノ基もR1~R5のいずれであってもよく、例えばR1、R2、R3、R1とR2、R1とR3、R1とR4、R1とR5、R2とR3、R2とR4、R1とR2とR3、R1とR2とR4、R1とR2とR5、R1とR3とR4、R1とR3とR5、R2とR3とR4をシアノ基とすること等ができる。
シアノ基でも置換アミノ基でもないR1~R5は、水素原子または置換基を表す。ここでいう置換基の例として、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(例えば炭素数1~40)、アルコキシ基(例えば炭素数1~40)、アルキルチオ基(例えば炭素数1~40)、アリール基(例えば炭素数6~30)、アリールオキシ基(例えば炭素数6~30)、アリールチオ基(例えば炭素数6~30)、ヘテロアリール基(例えば環骨格構成原子数5~30)、ヘテロアリールオキシ基(例えば環骨格構成原子数5~30)、ヘテロアリールチオ基(例えば環骨格構成原子数5~30)、アシル基(例えば炭素数1~40)、アルケニル基(例えば炭素数1~40)、アルキニル基(例えば炭素数1~40)、アルコキシカルボニル基(例えば炭素数1~40)、アリールオキシカルボニル基(例えば炭素数1~40)、ヘテロアリールオキシカルボニル基(例えば炭素数1~40)、シリル基(例えば炭素数1~40のトリアルキルシリル基)、ニトロ基、ここに列挙した基がさらにここに列挙した1以上の基で置換された基からなる置換基群Aを挙げることができる。上記ジアリールアミノ基のアリール基が置換されているときの置換基の好ましい例としても、上記の置換基群Aの置換基を挙げることができ、さらにシアノ基と置換アミノ基も挙げることができる。
一般式(1)に包含される化合物群と化合物の具体例については、本明細書の一部としてここに引用するWO2013/154064号公報の段落0008~0048、WO2015/080183号公報の段落0009~0030、WO2015/129715号公報の段落0006~0019、特開2017-119663号公報の段落0013~0025、特開2017-119664号公報の段落0013~0026を参照することができる。なかでも特に下記の化合物を好ましい化合物の具体例として挙げることができる。
Figure 0007178693000023
4CzPN、2CzPN、4CzIPN、4CzTPN、4CzTPN-Me、4CzTPN-Phを本願では順に化合物1a~6aと称する。
次に一般式(B)で表される化合物について説明する。一般式(B)~(D)は、上記の一般式(A)に包含されるもののうち、好ましい化合物群を例として一般化したものである。
Figure 0007178693000024
一般式(B)において、R1~R5の少なくとも1つはシアノ基を表し、R1~R5の少なくとも1つは下記一般式(11)で表される基を表し、残りのR1~R5は水素原子または置換基を表す。
Figure 0007178693000025
一般式(11)において、R21~R28は、各々独立に水素原子または置換基を表す。ただし、下記<A>か<B>の少なくとも一方を満たす。
<A> R25およびR26は一緒になって単結合を形成する。
<B> R27およびR28は一緒になって置換もしくは無置換のベンゼン環を形成するのに必要な原子団を表す。
一般式(11)で表される基として、例えば下記の一般式(12)~(15)で表される基を例示することができる。
Figure 0007178693000026
Figure 0007178693000027
一般式(12)~(15)において、R31~R38、R41~R46、R51~R62およびR71~R80は、各々独立に水素原子または置換基を表す。一般式(12)~(15)で表される基が置換基を有するときの置換位置や置換数は特に制限されない。複数の置換基を有するとき、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(B)で表される化合物の詳細については、本明細書の一部としてここに引用するWO2013/060582号公報の段落0013~0048を参照することができる。一般式(B)で表される化合物の具体例として、以下の表に記載される化合物を挙げることができる。表1~7における化合物番号1~1112を、本願では化合物1b~1112bと称する。表中において、一般式(12)~(15)のいずれかで表される基が分子内に2つ以上存在している場合、それらの基はすべて同一の構造を有する。例えば、化合物1bでは、一般式(1)のR1、R2、R4およびR5が一般式(12)で表される基であるが、それらの基はいずれも無置換の9-カルバゾリル基である。表中で式(21)~(24)と記載されているものは、以下の通りである。nは繰り返し単位数で、2以上の整数である。
Figure 0007178693000028
Figure 0007178693000029
Figure 0007178693000030
Figure 0007178693000031
Figure 0007178693000032
Figure 0007178693000033
Figure 0007178693000034
Figure 0007178693000035
Figure 0007178693000036
Figure 0007178693000037
Figure 0007178693000038
Figure 0007178693000039
Figure 0007178693000040
Figure 0007178693000041
Figure 0007178693000042
Figure 0007178693000043
Figure 0007178693000044
Figure 0007178693000045
Figure 0007178693000046
Figure 0007178693000047
Figure 0007178693000048
Figure 0007178693000049
Figure 0007178693000050
次に一般式(C)で表される化合物について説明する。
Figure 0007178693000051
一般式(C)において、R1、R2、R3、R4およびR5のうちの1つ以上は、各々独立に、1位か8位の少なくとも一方に置換基を有する9-カルバゾリル基、1位か9位の少なくとも一方に置換基を有する10-フェノキサジル基、または1位か9位の少なくとも一方に置換基を有する10-フェノチアジル基を表す。残りは水素原子または置換基を表すが、該置換基は、1位か8位の少なくとも一方に置換基を有する9-カルバゾリル基、1位か9位の少なくとも一方に置換基を有する10-フェノキサジル基、または1位か9位の少なくとも一方に置換基を有する10-フェノチアジル基ではない。前記9-カルバゾリル基、前記10-フェノキサジル基および前記10-フェノチアジル基の各環骨格を構成する1以上の炭素原子は窒素原子で置換されていてもよい。
一般式(C)のR1、R2、R3、R4およびR5のうちの1つ以上が表す「1位か8位の少なくとも一方に置換基を有する9-カルバゾリル基」の具体例(m-D1~m-D9)を挙げる。
Figure 0007178693000052
一般式(C)のR1、R2、R3、R4およびR5のうちの上記の「1つ以上」を除いた残りが表す「置換基」の具体例(Cz、Cz1~12)を挙げる。
Figure 0007178693000053
一般式(C)で表される化合物の詳細については、本明細書の一部としてここに引用する特開2017-119664号公報の段落0013~0036を参照することができる。一般式(C)で表される化合物の具体例を挙げる。表8における化合物No.1~2785を、本願では化合物1c~2785cと称する。
Figure 0007178693000054
Figure 0007178693000055
Figure 0007178693000056
Figure 0007178693000057
Figure 0007178693000058
Figure 0007178693000059
Figure 0007178693000060
Figure 0007178693000061
Figure 0007178693000062
Figure 0007178693000063
Figure 0007178693000064
Figure 0007178693000065
Figure 0007178693000066
Figure 0007178693000067
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Figure 0007178693000069
Figure 0007178693000070
Figure 0007178693000071
Figure 0007178693000072
Figure 0007178693000073
Figure 0007178693000074
Figure 0007178693000075
Figure 0007178693000076
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Figure 0007178693000080
Figure 0007178693000081
Figure 0007178693000082
Figure 0007178693000083
Figure 0007178693000084
Figure 0007178693000085
Figure 0007178693000086
Figure 0007178693000087
Figure 0007178693000088
Figure 0007178693000089
Figure 0007178693000090
Figure 0007178693000091
Figure 0007178693000092
Figure 0007178693000093
Figure 0007178693000094
Figure 0007178693000095
Figure 0007178693000096
Figure 0007178693000097
Figure 0007178693000098
Figure 0007178693000099
Figure 0007178693000100
Figure 0007178693000101
Figure 0007178693000102
Figure 0007178693000103
次に一般式(D)で表される化合物について説明する。
Figure 0007178693000104
一般式(D)において、R1、R2、R4およびR5のうちの3つ以上は、各々独立に置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基、置換もしくは無置換の10-フェノキサジル基、置換もしくは無置換の10-フェノチアジル基、またはシアノ基を表す。残りは水素原子または置換基を表すが、該置換基は、置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基、置換もしくは無置換の10-フェノキサジル基、または置換もしくは無置換の10-フェノチアジル基ではない。前記9-カルバゾリル基、前記10-フェノキサジル基および前記10-フェノチアジル基の各環骨格を構成する1以上の炭素原子は窒素原子で置換されていてもよい。R3は、各々独立に水素原子または置換基を表すが、該置換基は、置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基、置換もしくは無置換の10-フェノキサジル基、シアノ基、置換もしくは無置換の10-フェノチアジル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のアルキニル基ではない。
一般式(D)のR1、R2、R4およびR5の具体例(D1~D42)を例示する。
Figure 0007178693000105
Figure 0007178693000106
Figure 0007178693000107
一般式(D)で表される化合物の詳細については、本明細書の一部としてここに引用する特開2017-119663号公報の段落0013~0035を参照することができる。一般式(D)で表される化合物の具体例を挙げる。表9における化合物番号1~901を、本願では化合物1d~901dと称する。
Figure 0007178693000108
Figure 0007178693000109
Figure 0007178693000110
Figure 0007178693000111
Figure 0007178693000112
Figure 0007178693000113
Figure 0007178693000114
Figure 0007178693000115
Figure 0007178693000116
Figure 0007178693000117
Figure 0007178693000118
Figure 0007178693000119
Figure 0007178693000120
Figure 0007178693000121
Figure 0007178693000122
Figure 0007178693000123
Figure 0007178693000124
Figure 0007178693000125
次に一般式(E)で表される化合物について説明する。
Figure 0007178693000126
一般式(E)において、
Czは1位と8位の少なくとも一方に置換基を有する9-カルバゾリル基(ここにおいて、9-カルバゾリル基のカルバゾール環の環骨格を構成する1~8位の炭素原子の少なくとも1つは窒素原子で置換されていてもよいが、1位と8位がともに窒素原子で置換されていることはない。また、9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環には、他の環が縮合していてもよい。)を表し、
Arは、ハメットのσp値が正である構造部位を含む置換基(ただしシアノ基は除く)を有するベンゼン環、またはハメットのσp値が正である構造部位を含む置換基(ただしシアノ基は除く)を有するビフェニル環を表し、
aは1以上の整数を表すが、Arが表すベンゼン環またはビフェニル環に置換可能な最大置換基数を超えることはない。aが2以上であるとき、複数のCzは互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(E)は下記の一般式(E1)を包含する。
Figure 0007178693000127
一般式(E1)において、
Spはベンゼン環またはビフェニル環を表し、
Czは1位と8位の少なくとも一方に置換基を有する9-カルバゾリル基(ここにおいて、9-カルバゾリル基のカルバゾール環の環骨格を構成する1~8位の炭素原子の少なくとも1つは窒素原子で置換されていてもよいが、1位と8位がともに窒素原子で置換されていることはない。また、9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環には、他の環が縮合していてもよい。)を表し、
Dはハメットのσp値が負である置換基を表し、
Aはハメットのσp値が正である置換基(ただし、シアノ基は除く)を表し、
aは1以上の整数を表し、mは0以上の整数を表し、nは1以上の整数を表すが、a+m+nはSpが表すベンゼン環またはビフェニル環に置換可能な最大置換基数を超えることはない。aが2以上であるとき、複数のCzは互いに同一であっても異なっていてもよい。mが2以上であるとき、複数のDは互いに同一であっても異なっていてもよい。nが2以上であるとき、複数のAは互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(E)は下記の一般式(E2)も包含する。
Figure 0007178693000128
一般式(E2)において、
Spはベンゼン環またはビフェニル環を表し、
Czは1位と8位の少なくとも一方に置換基を有する9-カルバゾリル基(ここにおいて、9-カルバゾリル基のカルバゾール環の環骨格を構成する1~8位の炭素原子の少なくとも1つは窒素原子で置換されていてもよいが、1位と8位がともに窒素原子で置換されていることはない。また、9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環には、他の環が縮合していてもよい。)を表し、
Zは、Czおよび[Asp-(D’)m’]以外の置換基を表し、
spは、(D’)m’をすべて水素原子に置換したときにハメットのσp値が正になる置換基を表し、
D’はハメットのσp値が負である置換基を表し、
aは1以上の整数を表し、bは1以上の整数を表し、pは0以上の整数を表すが、a+b+pはSpが表すベンゼン環またはビフェニル環に置換可能な最大置換基数を超えることはない。aが2以上であるとき、複数のCzは互いに同一であっても異なっていてもよい。bが2以上であるとき、複数のAsp-(D’)m’は互いに同一であっても異なっていてもよい。pが2以上であるとき、複数のZは互いに同一であっても異なっていてもよい。また、m’は1以上の整数を表すが、Aspに置換可能な最大置換基数から1を引いた数を超えることはない。m’が2以上であるとき、複数のD’は互いに同一であっても異なっていてもよい。
Czが表す「1位と8位の少なくとも一方に置換基を有する9-カルバゾリル基」の具体例(m-D1~m-D14)を例示する。
Figure 0007178693000129
Dが表す置換基の具体例(Cz、Cz1~12)を例示する。
Figure 0007178693000130
Aが表す置換基の具体例(A-1~A-78)を例示する。*は結合位置を示す。
Figure 0007178693000131
Figure 0007178693000132
Figure 0007178693000133
一般式(E)で表される化合物は、下記一般式S-1~S-18で表される化合物であることが好ましい。R11~R15、R21~R24、R26~R29は、各々独立に置換基Cz、置換基D、置換基Aのいずれかを表す。ただし、一般式S-1~S-18は、それぞれ、R11~R15、R21~R24、R26~R29のうちの該一般式が有するもの中に、置換基Czと置換基Aを少なくとも1つずつ有する。Ra、Rb、Rc、Rdは各々独立にアルキル基を表す。Ra同士、Rb同士、Rc同士、Rd同士は、同一であっても異なっていてもよい。
Figure 0007178693000134
一般式(E)で表される化合物の詳細な説明については、本明細書の一部としてここに引用する特開2017-226838号公報の段落0010~0060を参照することができる。一般式(E)で表される化合物の具体例として、下記一般式(E3)で表され、X1~X10が下記表10~12に示す基であり、tが下記表10~12に示す数である化合物を挙げることができる。表10~12におけるNo.40001~46154を、本願では化合物40001e~46154eと称する。
Figure 0007178693000135
Figure 0007178693000136
Figure 0007178693000137
Figure 0007178693000138
Figure 0007178693000139
Figure 0007178693000140
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一般式(E)で表される化合物の具体例として、下記一般式(E4)で表され、X11~X15、A11が下記表13に示す基である化合物を挙げることができる。表13におけるNo.50001~54256を、本願では化合物50001e~54256eと称する。
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一般式(E)で表される化合物の具体例として、下記一般式(E5)で表され、Cz、A12が下記表14に示す基である化合物を挙げることができる。表14におけるNo.60001~60084を、本願では化合物60001e~600084eと称する。
Figure 0007178693000894
Figure 0007178693000895
Figure 0007178693000896
次に一般式(F)で表される化合物について説明する。
Figure 0007178693000897
一般式(F)において、R1およびR2は各々独立にフッ化アルキル基を表し、Dはハメットのσp値が負である置換基を表し、Aはハメットのσp値が正である置換基を表す。
Aが含む置換基の具体例として、一般式(E)で例示したAが表す置換基の具体例(A-1~A-78)を挙げることができる。
一般式(F)で表される化合物の詳細な説明については、本明細書の一部としてここに引用するWO2018/117241号公報の段落0012~0053を参照することができる。以下において、一般式(F)で表される化合物の具体例を例示する。
Figure 0007178693000898
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次に一般式(G)で表される化合物について説明する。
Figure 0007178693000905
一般式(G)において、R1~R8、R12およびR14~R25は各々独立に水素原子または置換基を表し、R11は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。ただし、R2~R4の少なくとも1つは置換もしくは無置換のアルキル基であり、R5~R7の少なくとも1つは置換もしくは無置換のアルキル基である。
一般式(G)で表される化合物の具体例を例示する。
Figure 0007178693000906
次に一般式(H)で表される化合物について説明する。
Figure 0007178693000907
一般式(H)において、Y1、Y2およびY3は、いずれか2つが窒素原子で残りの1つがメチン基を表すか、または、Y1、Y2およびY3のすべてが窒素原子を表す。Z1およびZ2は、各々独立に水素原子または置換基を表す。R11~R18は、各々独立に水素原子または置換基を表し、R11~R18の少なくとも1つは、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、または置換もしくは無置換のカルバゾリル基であることが好ましい。前記アリールアミノ基を構成するベンゼン環、前記カルバゾリル基を構成するベンゼン環は、それぞれR11~R18と一緒になって単結合または連結基を形成してもよい。また、一般式(2)で表される化合物は分子中にカルバゾール構造を少なくとも2つ含む。Z1、Z2が採りうる置換基の例としては、上記の置換基群Aの置換基を挙げることができる。また、R11~R18、上記アリールアミノ基、カルバゾリル基が採りうる置換基の具体例については、上記の置換基群Aの置換基、シアノ基、置換アリールアミノ基、置換アルキルアミノ基を挙げることができる。なお、R11とR12、R12とR13、R13とR14、R15とR16、R16とR17、R17とR18は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
一般式(H)で表される化合物の中でも、特に一般式(H’)で表される化合物が有用である。
Figure 0007178693000908
一般式(H’)において、Y1、Y2およびY3は、いずれか2つが窒素原子で残りの1つがメチン基を表すか、または、Y1、Y2およびY3のすべてが窒素原子を表す。Z2は、水素原子または置換基を表す。R11~R18およびR21~R28は、各々独立に水素原子または置換基を表す。R11~R18の少なくとも1つ、および/または、R21~R28の少なくとも1つは、置換もしくは無置換のアリールアミノ基、または置換もしくは無置換のカルバゾリル基を表すことが好ましい。前記アリールアミノ基を構成するベンゼン環、前記カルバゾリル基を構成するベンゼン環は、それぞれR11~R18またはR21~R28と一緒になって単結合または連結基を形成してもよい。Z2が採りうる置換基の例としては、上記の置換基群Aの置換基を挙げることができる。また、R11~R18、R21~R28、上記アリールアミノ基、カルバゾリル基が採りうる置換基の具体例については、上記の置換基群Aの置換基、シアノ基、置換アリールアミノ基、置換アルキルアミノ基を挙げることができる。なお、R11とR12、R12とR13、R13とR14、R15とR16、R16とR17、R17とR18、R21とR22、R22とR23、R23とR24、R25とR26、R26とR27、R27とR28は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
一般式(H)に包含される化合物群と化合物の具体例については、本明細書の一部としてここに引用するWO2013/081088号公報の段落0020~0062や、Appl.Phys.Let,98,083302(2011)に記載の化合物を参照することができる。特に、一般式(H)で表される化合物の具体例として、WO2018/081088号公報の段落0041~0056に記載される化合物1~89を挙げることができる。ここでいう化合物1~89を本願では化合物1h~89hと称する。なかでも好ましい化合物の具体例として、特に下記の化合物90h(PIC-TRZ)を挙げることができる。
Figure 0007178693000909
上記の一般式で表される遅延蛍光材料以外に、以下の遅延蛍光材料も採用することができる。
Figure 0007178693000910
Figure 0007178693000911
次に、発光層のホスト材料としても用いることができる好ましい化合物を挙げる。
Figure 0007178693000912
Figure 0007178693000913
Figure 0007178693000914
Figure 0007178693000915
Figure 0007178693000916
次に、正孔注入材料として用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
Figure 0007178693000917
次に、正孔輸送材料として用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
Figure 0007178693000918
Figure 0007178693000919
Figure 0007178693000920
Figure 0007178693000921
Figure 0007178693000922
Figure 0007178693000923
Figure 0007178693000924
電子阻止材料としては、一般式(1)で表される化合物を用いることが最も好ましいが、一般式(1)で表される化合物を電子阻止層以外の層に用いる場合には、一般式(1)で表される化合物以外のものを電子阻止材料として用いることもできる。以下に、その場合に電子阻止材料として用いることができる化合物例を挙げる。
Figure 0007178693000925
次に、正孔阻止材料として用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
Figure 0007178693000926
次に、電子輸送材料として用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
Figure 0007178693000927
Figure 0007178693000928
Figure 0007178693000929
次に、電子注入材料として用いることができる好ましい化合物例を挙げる。
Figure 0007178693000930
さらに添加可能な材料として好ましい化合物例を挙げる。例えば、安定化材料として添加すること等が考えられる。
Figure 0007178693000931
上述の方法により作製された有機エレクトロルミネッセンス素子は、得られた素子の陽極と陰極の間に電界を印加することにより発光する。このとき、励起一重項エネルギーによる発光であれば、そのエネルギーレベルに応じた波長の光が、蛍光発光および遅延蛍光発光として確認される。また、励起三重項エネルギーによる発光であれば、そのエネルギーレベルに応じた波長が、りん光として確認される。通常の蛍光は、遅延蛍光発光よりも蛍光寿命が短いため、発光寿命は蛍光と遅延蛍光で区別できる。
一方、りん光については、本発明の化合物のような通常の有機化合物では、励起三重項エネルギーは不安定で熱等に変換され、寿命が短く直ちに失活するため、室温では殆ど観測できない。通常の有機化合物の励起三重項エネルギーを測定するためには、極低温の条件での発光を観測することにより測定可能である。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、単一の素子、アレイ状に配置された構造からなる素子、陽極と陰極がX-Yマトリックス状に配置された構造のいずれにおいても適用することができる。本発明によれば、電子阻止層や正孔輸送層の材料として、または発光層のホスト材料として一般式(1)で表される化合物を含有させることにより、熱安定性が高く、且つ、駆動電圧が低い有機発光素子を実現することができる。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子などの有機発光素子は、さらに様々な用途へ応用することが可能である。例えば、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いて、有機エレクトロルミネッセンス表示装置を製造することが可能であり、詳細については、時任静士、安達千波矢、村田英幸共著「有機ELディスプレイ」(オーム社)を参照することができる。また、特に本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、需要が大きい有機エレクトロルミネッセンス照明やバックライトに応用することもできる。
[HOMOの関係]
さらに、本明細書では以下の発明も開示する。
[1a] 遅延蛍光材料を含む層とホール輸送材料を含む層を有しており、前記遅延蛍光材料と前記ホール輸送材料が下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする発光素子。
|HOMOH| > |HOMOT| -0.2eV 式(1)
[式(1)において、HOMOHは前記ホール輸送材料のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギー準位を表し、HOMOTは前記遅延蛍光材料のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギー準位を表す。単位はいずれもeVである。]
[2a] 前記遅延蛍光材料と前記ホール輸送材料が下記式(2)の関係を満たす、[1a]に記載の発光素子。
|HOMOH| ≧ |HOMOT| 式(2)
[式(2)において、HOMOHは前記ホール輸送材料のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギー準位を表し、HOMOTは前記遅延蛍光材料のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギー準位を表す。単位はいずれもeVである。]
[3a] 前記遅延蛍光材料を含む層と前記ホール輸送材料を含む層が接している、[1a]または[2a]に記載の発光素子。
[4a] 前記遅延蛍光材料を含む層が遅延蛍光材料の他にホスト材料を含む、[1a]~[3a]のいずれか1項に記載の発光素子。
[5a] 前記ホスト材料と前記ホール輸送材料のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギー準位の絶対値の差が0.4eV以下である、[4a]に記載の発光素子。
[6a] 前記ホスト材料と前記ホール輸送材料が同じ化合物からなる、[4a]または[5a]に記載の発光素子。
[7a] 前記遅延蛍光材料のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギー準位の絶対値が5.6eVより大きい、[1a]~[6a]のいずれか1項に記載の発光素子。
[8a] 前記ホール輸送材料を含む層が前記ホール輸送材料のみからなる、[1a]~[7a]のいずれか1項に記載の発光素子。
[9a] 前記遅延蛍光材料が、ドナー性基とアクセプター性基が共役系連結基に結合した化合物であって、ホール輸送材料がジアリールアミノ基(ここで2つのアリール基はヘテロアリール基であってもよく、2つのアリール基は互いに結合していてもよい)を有する化合物である、[1a]~[8a]のいずれか1項に記載の発光素子。
[10a] 有機エレクトロルミネッセンス素子である、[1a]~[9a]のいずれか1項に記載の発光素子。
[11a] 陽極と陰極の間に、前記遅延蛍光材料を含む層と前記ホール輸送材料を含む層を有し、前記ホール輸送材料を含む層が、前記遅延蛍光材料を含む層の陽極側に、前記遅延蛍光材料を含む層と接するように配置されている、[10a]に記載の発光素子。
本発明によれば、高い発光効率を発現しうる遅延蛍光材料とホール輸送材料の組み合わせを確実に選択することができ、これらの材料を用いることにより、発光効率が極めて高い発光素子を実現することができる。
上記のように、本発明の発光素子は、遅延蛍光材料を含む層とホール輸送材料を含む層を有しており、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする。
|HOMOH| > |HOMOT| -0.2eV 式(1)
式(1)において、HOMOHはホール輸送材料のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギー準位を表し、HOMOTは遅延蛍光材料のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギー準位を表す。
本発明におけるHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギー準位」とは、大気中光電子分光法(理研計器社製AC-3等)により求められる値のことを言う。
本発明における「遅延蛍光材料」とは、励起状態において、励起三重項状態から励起一重項状態への逆項間交差を生じ、その励起一重項状態から基底状態へ戻る際に蛍光(遅延蛍光)を放射する有機化合物のことを意味する。本発明では、蛍光寿命測定システム(浜松ホトニクス社製ストリークカメラシステム等)により発光寿命を測定したとき、発光寿命が100ns(ナノ秒)以上の蛍光が観測されるものを遅延蛍光材料と言う。遅延蛍光材料は、最低励起一重項エネルギー準位(ES1)と最低励起三重項エネルギー準位(ET1)の差ΔESTが0.4eV以下であることが好ましく、0.3eV以下であることがより好ましく、0.2eV以下であることがさらに好ましく、0.1eV以下であることがさらにより好ましい。遅延蛍光材料のΔESTが小さい程、その励起三重項状態から励起一重項状態への逆項間交差が起き易く、励起三重項エネルギーを効率よく励起一重項エネルギーに変換することができる。最低励起一重項エネルギー準位(ES1)および最低励起三重項エネルギー準位(ET1)の測定方法については後述する。
本発明における「ホール輸送材料」とは、ホールを受け取って輸送する機能を有する有機化合物のことを意味する。
本発明の発光素子は、遅延蛍光材料を含む層を有するとともに、その遅延蛍光材料とホール輸送材料とが式(1)の関係を満たすことにより、極めて高い発光効率を得ることができる。これは、以下の理由によるものと推測している。
すなわち、遅延蛍光材料を含む発光素子は、遅延蛍光材料が励起状態になった後、放射失活することにより発光する。ここで、励起手段としてキャリアの注入を用いた場合、キャリアの再結合により発光材料が励起一重項状態と励起三重項状態へ励起されるが、遅延蛍光材料では、励起三重項状態から励起一重項状態への逆項間交差を生じるため、キャリア再結合により直接生じた励起一重項状態のエネルギーのみならず、励起三重項状態のエネルギーも励起一重項エネルギーとして蛍光発光に有効に利用することができる。そのため、遅延蛍光材料を用いれば、通常の蛍光材料を発光材料として用いる場合に比べて遥かに高い発光効率が得られるはずである。
しかしながら、本発明者らが、遅延蛍光材料である4CzIPNを含む発光層に、ホール輸送材料であるTrisPCzからなるホール輸送層を積層して電流励起型の発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)を作製し、その発光スペクトルを観測したところ、4CzIPNに由来する発光ピークよりも長波長側に比較的ブロードな発光ピークが確認され、その発光ピークが、発光層とホール輸送層との界面で形成された4CzIPNとTrisPCzのエキサイプレックス(4CzIPNとTrisPCzの会合体に形成された励起状態)に由来するものであることが明らかになった。ここで、エキサイプレックスは、単独の4CzIPNで形成される励起状態よりもエネルギー準位が低いため、単独で励起状態になった4CzIPNのエネルギーがエキサイプレックスへ移動し易く、そのエネルギーの一部が失われると考えられる。従来の遅延蛍光材料を用いる発光素子では、このように発光層とホール輸送層との界面に、エネルギー準位が低いエキサイプレックスが形成されることにより、潜在的に備える発光効率を十分に発現し得なかったと考えられる。
これに対して、本発明の発光素子では、遅延蛍光材料とホール輸送材料が式(1)の関係を満たすこと、すなわち、ホール輸送材料の|HOMOH|が遅延蛍光材料の|HOMOT|-0.2eVよりも大きいことにより、励起過程においてホール輸送材料と遅延蛍光材料との間で電荷移動相互作用が起き難く、エキサイプレックスの形成が抑えられると推測される。そのため、単独で励起状態になった遅延蛍光材料のエネルギーが該遅延蛍光材料分子内に効果的に閉じ込められて発光に利用され、高い発光効率が発現されたものと考えられる。
このような点から、ホール輸送材料の|HOMOH|は遅延蛍光材料の|HOMOT|と同等以上であることが好ましく、すなわち下記式(2)の関係を満たすことが好ましい。式(2)の関係を満たすことにより、ホール輸送材料と遅延蛍光材料との間のエキサイプレックス形成がより確実に抑えられ、一層高い発光効率を得ることができる。
|HOMOH| ≧ |HOMOT| 式(2)
|HOMOH|の上限は特に制限されないが、ホール輸送材料を含む層へのホール注入効率の点から6.2eV以下であることが好ましく、6.1eV以下であることがより好ましく、例えば6.0eV以下や、5.8eV以下とすることもできる。
本発明の発光素子では、遅延蛍光材料を発光材料として含むことにより、上記のようなメカニズムで高い発光効率を得ることができる。また、遅延蛍光材料は、いわゆるアシストドーパントとして、該遅延蛍光材料を含む層に含有される他の発光材料の発光をアシストする機能を有するものであってもよい。すなわち、遅延蛍光材料は、該遅延蛍光材料を含む層に含まれるホスト材料の最低励起一重項エネルギー準位と、この層に含まれる他の発光材料の最低励起一重項エネルギー準位の間の最低励起一重項エネルギー準位を有するものであってもよい。この場合にも、ホール輸送材料と遅延蛍光材料との間のエキサイプレックス形成が抑制されることにより、アシストドーパントである遅延蛍光材料のエネルギーがエキサイプレックスへ移動して損失することが抑えられる。その結果、遅延蛍光材料により、他の発光材料の発光が効果的にアシストされて高い発光効率を得ることができる。
[最低励起一重項エネルギー準位(ES1)と最低励起三重項エネルギー準位(ET1)の差ΔEST
上記の遅延蛍光材料の最低励起一重項エネルギー準位(ES1)と最低励起三重項エネルギー準位(ET1)の差ΔESTは、最低励起一重項エネルギー準位(ES1)と最低励起三重項エネルギー準位(ET1)を以下の方法で算出し、ΔEST=ES1-ET1により求められる。
(1)最低励起一重項エネルギー準位(ES1
測定対象化合物とmCPとを、測定対象化合物が濃度6重量%となるように共蒸着することでSi基板上に厚さ100nmの試料を作製する。常温(300K)でこの試料の蛍光スペクトルを測定し、励起光入射直後から入射後100ナノ秒までの発光を積算することで、縦軸を発光強度、横軸を波長の蛍光スペクトルを得る。蛍光スペクトルは、縦軸を発光、横軸を波長とする。この発光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値 λedge[nm]を求める。この波長値を次に示す換算式でエネルギー値に換算した値をES1とする。
換算式:ES1[eV]=1239.85/λedge
発光スペクトルの測定には、励起光源に窒素レーザー(Lasertechnik Berlin社製、MNL200)を、検出器にストリークカメラ(浜松ホトニクス社製、C4334)を用いることができる。
(2)最低励起三重項エネルギー準位(ET1
最低励起一重項エネルギー準位(ES1)と同じ試料を5[K]に冷却し、励起光(337nm)を燐光測定用試料に照射し、ストリークカメラを用いて、燐光強度を測定する。励起光入射後1ミリ秒から入射後10ミリ秒の発光を積算することで、縦軸を発光強度、横軸を波長の燐光スペクトルを得る。この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を求める。この波長値を次に示す換算式でエネルギー値に換算した値をET1とする。
換算式:ET1[eV]=1239.85/λedge
燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線は以下のように引く。燐光スペクトルの短波長側から、スペクトルの極大値のうち、最も短波長側の極大値までスペクトル曲線上を移動する際に、長波長側に向けて曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち上がるにつれ(つまり縦軸が増加するにつれ)、傾きが増加する。この傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を、当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
なお、スペクトルの最大ピーク強度の10%以下のピーク強度をもつ極大点は、上述の最も短波長側の極大値には含めず、最も短波長側の極大値に最も近い、傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
[1a]~[11a]に記載の発光素子に用いうる遅延蛍光材料およびホール輸送材料、ホスト材料、発光素子の層構成、他の有機層の材料については、上記に例示した遅延蛍光材料およびホール輸送材料、ホスト材料の例、有機発光素子の層構成、他の有機層の材料の例を参照することができ、これらの中から、[1a]~[11a]に記載の要件を満たすように選択して使用する。ただし、[1a]~[11a]に記載の発光素子では、上記の一般式(1)で表される化合物からなる電荷輸送材料を含んでいても、含んでいなくてもよいが、含んでいることが好ましい。
以下に合成例および製造例等を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下に示す材料、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。なお、発光特性の評価は、ソースメータ(ケースレー社製:2400シリーズ)、半導体パラメータ・アナライザ(アジレント・テクノロジー社製:E5273A)、光パワーメータ測定装置(ニューポート社製:1930C)、光学分光器(オーシャンオプティクス社製:USB2000)、分光放射計(トプコン社製:SR-3)およびストリークカメラ(浜松ホトニクス(株)製C4334型)を用いて行った。
(合成例1) 化合物1の合成
200mLの三口フラスコに9H-カルバゾールを4.07g(24.4mmol)、水素化ナトリウム(60%鉱油分散)を1.17g(29.2mmol)入れ、当該フラスコ内を窒素置換した。
この混合物へ脱水テトラヒドロフランを100mL加えた後、1時間撹拌し、氷浴中で1,4-ジブロモ-テトラフルオロベンゼンを1.50g(4.87mmol)加えた。この反応容器を窒素雰囲気下、160℃で12時間加熱撹拌した。撹拌後、この混合物を室温に戻した後ろ過し、固体を水で洗浄した。得られた固体を、トルエンを展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製・濃縮し、クロロホルムとメタノールで再沈殿したところ化合物1を得た。
収量:2.26g、収率:63%。
1H NMR(500MHz,CDCl3,δ):8.33(s,2H),7.85-7.84(m,8H),7.39-7.38(m,8H),7.14-7.10(m,16H)
ASAPマススペクトル分析:理論値738.28、観測値738.20
(合成例2) 化合物2の合成
200mLの三口フラスコに9H-カルバゾールを3.42g(20.5mmol)、水素化ナトリウム(60%鉱油分散)を0.955g(23.9mmol)入れ、当該フラスコ内を窒素置換した。
この混合物へ脱水テトラヒドロフラン 70mLを加えた後、1時間撹拌し、氷浴中でヨードペンタフルオロベンゼン 1.00g(3.41mmol)を加えた。この反応容器を窒素雰囲気下、160℃で12時間加熱撹拌した。撹拌後、この混合物を室温に戻した後ろ過し、固体を水で洗浄した。得られた固体を、トルエンを展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製・濃縮し、クロロホルムとメタノールで再沈殿したところ化合物2を得た。
収量:2.60g、収率:84%。
1H NMR(500MHz,CDCl3,δ):8.46(s,1H),7.80(dd,J=7.5Hz,0.5Hz,4H),7.35(t,J=7.5Hz,8H),7.31(d,J=7.5Hz,5H),7.58-7.57(m,15H),6.77(t,J=7.5Hz,4H),6.72(t,J=7.5Hz,2H),6.62(t,J=7.5Hz,4H),6.55(t,J=7.5Hz,2H)
ASAPマススペクトル分析:理論値903.34、観測値903.26
なお、素子作製にあたっては、上記化合物は昇華精製を行って使用した。
(製造例1) 化合物1を電子阻止層と発光層に用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
膜厚100nmのインジウム・スズ酸化物(ITO)からなる陽極が形成されたガラス基板上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度1×10-6Paで積層した。まず、ITO上にHAT-CNを10nmの厚さに形成し、その上に、Tris-PCzを25nmの厚さに形成した。次に、化合物1を5nmの厚さの層を形成して電子阻止層とした。続いて、4CzIPNと化合物1を異なる蒸着源から共蒸着し、30nmの厚さの層を形成して発光層とした。この時、4CzIPNの濃度は20重量%とした。次に、ETMを10nmの厚さの正孔阻止層として形成した。続いて、ETMとLiqを異なる蒸着源から共蒸着し、40nmの厚さに形成した。この時、ETM:Liq(重量比)は7:3とした。さらに、Liqを2nmの厚さに形成し、次いでアルミニウム(Al)を100nmの厚さに蒸着することにより陰極を形成し、有機エレクトロルミネッセンス素子とした。
(製造例2) 化合物2を電子阻止層と発光層に用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
製造例1の電子阻止層と発光層に用いた化合物1のかわりに化合物2を用いたこと以外は、製造例1と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
(製造例3) mCPを電子阻止層、化合物1を発光層に用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
製造例1の電子阻止層に用いた化合物1のかわりにmCPを用いたこと以外は、製造例1と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
(製造例4) mCPを電子阻止層、化合物2を発光層に用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
製造例2の電子阻止層に用いた化合物2のかわりにmCPを用いたこと以外は、製造例2と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
(製造例5) mCPを電子阻止層、mCBPを発光層に用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
製造例1の電子阻止層に用いた化合物1のかわりにmCPを用いて、発光層に用いた化合物1のかわりにmCBPを用いたこと以外は、製造例1と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素子を作製した。
(評価1) 耐熱性評価
製造例1~4で作製した各有機エレクトロルミネッセンス素子の電流密度-外部量子効率特性の測定を行った。
また、製造例1~4で作製した各有機エレクトロルミネッセンス素子を90℃で16時間保管した後に、同じ方法で電流密度-外部量子効率特性の測定を行って、90℃で16時間保管しなかった場合との比較を行った。結果を図2~6に示す。
図2および図3の結果は、90℃で16時間保管した素子も90℃で16時間保管しなかった素子も実質的に同じ電流密度-外部量子効率特性を示しており、一般式(1)で表される化合物を電子阻止層に用いた有機エレクトロルミネッセンス素子が耐熱性に特に優れていることを示している。
(評価2) 駆動電圧評価
製造例1、3、5で作製した各有機エレクトロルミネッセンス素子の電流密度-外部量子効率特性の測定を行った。結果を図6に示す。
図6の結果は、製造例1、3の有機エレクトロルミネッセンス素子が電圧駆動低減化を実現していることを示している。すなわち、一般式(1)で表される化合物を使用した有機エレクトロルミネッセンス素子は低電圧駆動を実現できることを示している。
Figure 0007178693000932
上記製造例1において用いた4CzIPNの代わりに、上記一般式(A)で表される化合物1a2a、4a~6aをそれぞれ用いて、製造例1と同じ方法により製造した有機エレクトロルミネッセンス素子を、素子1a、2a、4a~6aとしてここに開示する。
上記製造例1において用いた4CzIPNの代わりに、上記一般式(B)で表される化合物1b~1112bをそれぞれ用いて、製造例1と同じ方法により製造した有機エレクトロルミネッセンス素子を、素子1b~1112bとしてここに開示する。
上記製造例1において用いた4CzIPNの代わりに、上記一般式(C)で表される化合物1c~2785cをそれぞれ用いて、製造例1と同じ方法により製造した有機エレクトロルミネッセンス素子を、素子1c~2785cとしてここに開示する。
上記製造例1において用いた4CzIPNの代わりに、上記一般式(D)で表される化合物1d~901dをそれぞれ用いて、製造例1と同じ方法により製造した有機エレクトロルミネッセンス素子を、素子1d~901dとしてここに開示する。
上記製造例1において用いた4CzIPNの代わりに、上記一般式(E)で表される化合物40001e~60084eをそれぞれ用いて、製造例1と同じ方法により製造した有機エレクトロルミネッセンス素子を、素子50001e~60084eとしてここに開示する。
上記製造例1において用いた4CzIPNの代わりに、上記一般式(F)で表される化合物1f~60fをそれぞれ用いて、製造例1と同じ方法により製造した有機エレクトロルミネッセンス素子を、素子1f~60fとしてここに開示する。
上記製造例1において用いた4CzIPNの代わりに、上記一般式(G)で表される化合物1g~4gをそれぞれ用いて、製造例1と同じ方法により製造した有機エレクトロルミネッセンス素子を、素子1g~4gとしてここに開示する。
上記製造例1において用いた4CzIPNの代わりに、上記一般式(H)で表される化合物1h~90hをそれぞれ用いて、製造例1と同じ方法により製造した有機エレクトロルミネッセンス素子を、素子1h~90hとしてここに開示する。
上記製造例1において用いた4CzIPNの代わりに、上記遅延蛍光材料群Iの10個の化合物をそれぞれ用いて、製造例1と同じ方法により製造した有機エレクトロルミネッセンス素子を、素子1i~10iとしてここに開示する。
上記製造例1において用いたHAT-CNの代わりに、正孔注入材料として用いることができるものとして上記したHAT-CNを除く8個の化合物をそれぞれ用いて、製造例1と同じ方法により製造した有機エレクトロルミネッセンス素子を、素子1j~8jとしてここに開示する。
上記製造例1において用いたTris-PCzの代わりに、正孔輸送材料として用いることができるものとして上記したTris-PCzを除く36個の化合物をそれぞれ用いて、製造例1と同じ方法により製造した有機エレクトロルミネッセンス素子を、素子1k~36kとしてここに開示する。
上記製造例1において用いたmCPの代わりに、ホスト材料として用いることができるものとして上記したmCPを除く41個の化合物をそれぞれ用いて、製造例1と同じ方法により製造した有機エレクトロルミネッセンス素子を、素子1l~41lとしてここに開示する。
上記製造例1において用いたETMの代わりに、正孔阻止材料として用いることができるものとして上記した11個の化合物、電子輸送材料として用いることができるものとして上記した34個の化合物、電子注入材料として用いることができるものとして上記したLiF、CsF、Liqを除く3個の化合物をそれぞれ用いて、製造例1と同じ方法により製造した有機エレクトロルミネッセンス素子を、素子1m~48mとしてここに開示する。
[参考例]
(1)遅延蛍光材料として4CzIPNを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
膜厚100nmのインジウム・スズ酸化物(ITO)からなる陽極が形成されたガラス基板上に、各薄膜を真空蒸着法にて、真空度5×10-5Paで積層した。まず、ITO上にHAT-CNを10nmの厚さに蒸着してホール注入層を形成した。次に、TrisPCzを25nmの厚さに蒸着して第2ホール輸送層を形成し、その上に、TCTA、STDBT4、TetraCPまたはmCBPを厚さ5nmに蒸着して第1ホール輸送層を形成した。次に、4CzIPNとmCBPを異なる蒸着源から共蒸着し、30nmの厚さの層を形成して発光層とした。この時、4CzIPNの濃度は20重量%とした。次に、T2Tを10nmの厚さに蒸着してホール阻止層を形成し、その上に、BPy-TP2を40nmの厚さに蒸着して電子輸送層を形成した。さらにLiqを1.0nmの厚さに蒸着して電子注入層を形成し、次いでアルミニウム(Al)を100nmの厚さに蒸着して陰極を形成することにより、有機エレクトロルミネッセンス素子である素子1~4を作製した。
また、素子1~4の製造工程において、第2ホール輸送層と第1ホール輸送層の2層を形成せずに、30nm厚のTrisPCzを1層形成した点だけを変更して、比較素子1を作製した。
素子1~4および比較素子1の層構成を表15に示す。
(2)遅延蛍光材料としてPICTRZ2を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
上記(1)と同じ方法により、遅延蛍光材料としてPICTRZ2を用いた素子5~7および比較素子2を作製した。素子5~7および比較素子2の層構成は表15に示す通りである。
(3)燐光材料であるIr(ppy)3を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
上記(1)と同じ方法により、遅延蛍光材料のかわりに燐光材料であるIr(ppy)3を用いた比較素子3~5を作製した。比較素子3~5の層構成は表15に示す通りである。
(4)素子の評価
参考例で製造した各素子について、1000cd/m2で測定した素子特性と、1mA/cm2で測定した素子特性を調べた。遅延蛍光材料として4CzIPNを用いた素子1~4および比較素子1と、遅延蛍光材料としてPICTRZ2を用いた素子5~7および比較素子2の素子特性をまとめて表16に示す。
Figure 0007178693000933
Figure 0007178693000934
遅延蛍光材料として4CzIPNを用いた素子1~4と比較素子1の対比から明らかなように、式(1)の条件を満たす素子1~4は式(1)の条件を満たさない比較素子1よりも最大外部量子効率と電流効率が高かった。また、遅延蛍光材料としてPICTRZ2を用いた素子5~7と比較素子2の対比から明らかなように、式(1)の条件を満たす素子5~7は式(1)の条件を満たさない比較素子2よりも最大外部量子効率と電流効率が高かった。これらの結果は、遅延蛍光材料を用いた発光素子では、遅延蛍光材料のHOMOのエネルギー準位と、ホール輸送材料のHOMOのエネルギー準位との関係を式(1)を満たすように適切に制御することにより、発光効率を向上させることができることを示している。
一方、遅延蛍光材料のかわりに燐光材料を用いた比較素子3~5では、比較素子3と比較素子5の発光効率がほぼ同等で、比較素子4の発光効率が低い結果となった。この結果から、燐光材料とホール輸送材料のHOMOのエネルギー準位と発光効率の間に関係性を見いだすことはできなかった。すなわち、式(1)の関係は遅延蛍光材料と用いた場合に認められるものであることがうかがえた。
Figure 0007178693000935
Figure 0007178693000936
Figure 0007178693000937
本発明の化合物は高い熱安定性を有し、電荷輸送材料として有用である。このため本発明の化合物は、有機エレクトロルミネッセンス素子の電子阻止層の材料や発光層のホスト材料として効果的に用いることができる。特に、本発明の化合物を電子阻止層に用いることにより、熱安定性が高く、低電圧駆動化が図れる、実用性が高い有機エレクトロルミネッセンス素子を実現することができる。そのため、本発明は産業上の利用可能性が高い。
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 電子阻止層
6 発光層
7 電子輸送層
8 陰極

Claims (25)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物からなる電荷輸送材料。
    Figure 0007178693000938
    [一般式(1)において、Czは置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基(ただし、9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環には、他の環が縮合していてもよい。)を表す。Rは置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基をし、置換アルキル基の置換基は、炭素数6~40のアリール基、炭素数2~10のアルケニル基および炭素数2~10のアルキニル基から選択され、置換アリール基の置換基は、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~40のアリール基、炭素数2~10のアルケニル基および炭素数2~10のアルキニル基から選択される。Arは芳香環、互いに連結した2つの芳香族炭化水素環からなる連結環構造、または互いに連結した2つの芳香族複素環からなる連結環構造を表す。mは以上の整数を表し、nは0以上の整数を表す。ただし、m+nはArに置換可能な置換基数の最大値を超えることはない。複数のCzは互いに同一であっても異なっていてもよい。また、nが2以上の整数であるとき、複数のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。]
  2. 一般式(1)のCzが下記一般式(2)で表される構造を有する、請求項1に記載の電荷輸送材料。
    Figure 0007178693000939
    [一般式(2)において、R~Rは各々独立に水素原子または置換基を表す。RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとRは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。*はArへの結合位置を表す。]
  3. 一般式(2)のRおよびRの少なくとも一方が置換基である、請求項2に記載の電荷輸送材料。
  4. 一般式(1)のArがベンゼン環、ビフェニル環、またはピリジン環である、請求項1~3のいずれか1項に記載の電荷輸送材料。
  5. 一般式(1)のArがベンゼン環である、請求項4に記載の電荷輸送材料。
  6. 一般式(1)のnが0である、請求項1~5のいずれか1項に記載の電荷輸送材料。
  7. 一般式(1)のm+nが、Arに置換可能な置換基数の最大値よりも小さい、請求項1~6のいずれか1項に記載の電荷輸送材料。
  8. 一般式(1)で表される化合物が下記一般式(3)で表される化合物である、請求項1に記載の電荷輸送材料。
    Figure 0007178693000940
    [一般式(3)において、R11~R16のうちのつ以上は各々独立に置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基(ただし、9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環には、他の環が縮合していてもよい。)を表し、その他のR11~R16は各々独立に水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基をし、置換アルキル基の置換基は、炭素数6~40のアリール基、炭素数2~10のアルケニル基および炭素数2~10のアルキニル基から選択され、置換アリール基の置換基は、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~40のアリール基、炭素数2~10のアルケニル基および炭素数2~10のアルキニル基から選択される。
  9. 一般式(3)のR11~R16 の5つが置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基(ただし、9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環には、他の環が縮合していてもよい。)である、請求項8に記載の電荷輸送材料。
  10. 一般式(3)のその他のR11~R16が水素原子である、請求項8または9に記載の電荷輸送材料。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の電荷輸送材料を含む有機発光素子。
  12. 下記一般式(1’)で表される化合物からなる電荷輸送材料を電子阻止層に含む有機発光素子。
    Figure 0007178693000941
    [一般式(1’)において、Czは置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基(ただし、9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環には、他の環が縮合していてもよい。)を表す。Rは置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表し、置換アルキル基の置換基は、炭素数6~40のアリール基、炭素数2~10のアルケニル基および炭素数2~10のアルキニル基から選択され、置換アリール基の置換基は、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~40のアリール基、炭素数2~10のアルケニル基および炭素数2~10のアルキニル基から選択される。Arは芳香環、互いに連結した2つの芳香族炭化水素環からなる連結環構造、または互いに連結した2つの芳香族複素環からなる連結環構造を表す。mは4以上の整数を表し、nは0以上の整数を表す。ただし、m+nはArに置換可能な置換基数の最大値を超えることはない。複数のCzは互いに同一であっても異なっていてもよい。また、nが2以上の整数であるとき、複数のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。]
  13. 下記一般式(1’)で表される化合物からなる電荷輸送材料を正孔輸送層に含む有機発光素子。
    Figure 0007178693000942
    [一般式(1’)において、Czは置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基(ただし、9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環には、他の環が縮合していてもよい。)を表す。Rは置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基を表し、置換アルキル基の置換基は、炭素数6~40のアリール基、炭素数2~10のアルケニル基および炭素数2~10のアルキニル基から選択され、置換アリール基の置換基は、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~40のアリール基、炭素数2~10のアルケニル基および炭素数2~10のアルキニル基から選択される。Arは芳香環、互いに連結した2つの芳香族炭化水素環からなる連結環構造、または互いに連結した2つの芳香族複素環からなる連結環構造を表す。mは4以上の整数を表し、nは0以上の整数を表す。ただし、m+nはArに置換可能な置換基数の最大値を超えることはない。複数のCzは互いに同一であっても異なっていてもよい。また、nが2以上の整数であるとき、複数のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。]
  14. ホスト材料として前記電荷輸送材料を発光層に含む、請求項11に記載の有機発光素子。
  15. 遅延蛍光を放射する、請求項11~14のいずれか1項に記載の有機発光素子。
  16. 有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする、請求項11~15のいずれか1項に記載の有機発光素子。
  17. 遅延蛍光材料を含む層とホール輸送材料を含む層を有しており、前記遅延蛍光材料と前記ホール輸送材料が下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする、請求項11~16のいずれか1項に記載の有機発光素子。
    |HOMO| > |HOMO| -0.2eV 式(1)
    [式(1)において、HOMOは前記ホール輸送材料のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギー準位を表し、HOMOは前記遅延蛍光材料のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギー準位を表す。単位はいずれもeVである。]
  18. 前記遅延蛍光材料と前記ホール輸送材料が下記式(2)の関係を満たす、請求項17に記載の有機発光素子。
    |HOMO| ≧ |HOMO| 式(2)
    [式(2)において、HOMOは前記ホール輸送材料のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギー準位を表し、HOMOは前記遅延蛍光材料のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギー準位を表す。単位はいずれもeVである。]
  19. 前記遅延蛍光材料を含む層と前記ホール輸送材料を含む層が接している、請求項17または18に記載の有機発光素子。
  20. 前記遅延蛍光材料を含む層が遅延蛍光材料の他にホスト材料を含む、請求項17~19のいずれか1項に記載の有機発光素子。
  21. 前記ホスト材料と前記ホール輸送材料のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギー準位の絶対値の差が0.4eV以下である、請求項20に記載の有機発光素子。
  22. 前記遅延蛍光材料のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)のエネルギー準位の絶対値が5.6eVより大きい、請求項17~21のいずれか1項に記載の有機発光素子。
  23. 下記一般式(1)で表される化合物。
    Figure 0007178693000943
    [一般式(1)において、Czは置換もしくは無置換の9-カルバゾリル基(ただし、9-カルバゾリル基を構成する各ベンゼン環には、他の環が縮合していてもよい。)を表す。Rは置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基をし、置換アルキル基の置換基は、炭素数6~40のアリール基、炭素数2~10のアルケニル基および炭素数2~10のアルキニル基から選択され、置換アリール基の置換基は、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~40のアリール基、炭素数2~10のアルケニル基および炭素数2~10のアルキニル基から選択される。Arは芳香環、互いに連結した2つの芳香族炭化水素環からなる連結環構造、または互いに連結した2つの芳香族複素環からなる連結環構造を表す。mは以上の整数を表し、nは0以上の整数を表す。ただし、m+nはArに置換可能な置換基数の最大値を超えることはない。複数のCzは互いに同一であっても異なっていてもよい。また、nが2以上の整数であるとき、複数のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。]
  24. 一般式(1)のArがベンゼン環である、請求項23に記載の化合物。
  25. 前記ベンゼン環の1,2,4,5位がCzで置換されていて、各Czは同一であっても異なっていてもよい、請求項24に記載の化合物。
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