JP7177432B2 - 再構成膜、再構成膜の作成方法、光酸化反応駆動方法、および、メタノール製造方法 - Google Patents

再構成膜、再構成膜の作成方法、光酸化反応駆動方法、および、メタノール製造方法 Download PDF

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特許法第30条第2項適用 掲載年月日 平成30年3月6日 掲載アドレス https://nenkai.csj.jp/Proceeding/detail/year/2018/lecture_no/1D6-42
特許法第30条第2項適用 発行年月日 平成30年3月6日 発行者名 公益社団法人日本化学会 刊行物名 日本化学会第98春季年会(2018)講演予稿集 DVD
特許法第30条第2項適用 開催日 平成30年3月20日 集会名 日本化学会第98春季年会2018
本発明は、再構成膜、再構成膜の作成方法、光酸化反応駆動方法、および、メタノール製造方法に関する。
近年、枯渇が懸念される石油資源の代替エネルギーとして、太陽光の光エネルギーの利用が注目されている。光エネルギーの利用形態としては、エネルギーの変換効率の高い天然の光合成反応を模倣し、光エネルギーを人工的に有効利用する技術である人工光合成が考えられる。
このような人工光合成を模したメタン/メタノール変換は、例えばMethylococcus capsulatus BathやMethylosinus trichosporium OB3b等のメタン資化細菌よりメタンモノオキシゲナーゼ(Methane Monooxygenase、以下単にMMOと称する)を分離し、それを触媒としてメタノールを合成する方法が検討されており、MMOを酵素触媒とした触媒サイクルによるメタノールの製造方法が提案されている(特許文献1)。
しかし、MMO自体精製が困難で高価である上、高い活性を維持するための取り扱いも困難であるという難点がある。そこで、細胞内膜に結合している膜結合型MMO(particulate Methane Monooxygenase、pMMO)をそのまま利用して、ホウレン草由来チラコイド(Thylakoid)と組み合わせることにより、メタン/メタノール変換を行う光酸化反応駆動方法が検討されている(非特許文献1)。
米国特許第5,190,870号明細書
Ito, H. et al., Methane Hydroxylation Using Light Energy by the Combination of Thylakoid and Methane Monooxygenase. RSC Advances 2014, 4 (17), 8645-8648.
メタンガスの有効利用という観点からも、たとえば、排水処理設備や埋立地等から大気放散しているバイオマス由来低質メタンガスを有効利用する技術が求められている。この中で、メタンは二酸化炭素よりも温室効果の高い気体であるが、上記の低質メタンは硫化水素などの不純物を含んでいるため、既存の無機触媒への利用は困難という実情である。
また、持続可能なエネルギーを用いたメタン/メタノール変換である無機触媒によるメタン/メタノール変換は高温・高圧反応であるため大量のエネルギーが必要であるとされている。一方、微生物を用いたメタン/メタノール変換は無機触媒に比べては低コストであるが、微生物の酵素反応のためには電子源となる高価な還元剤が必要であり、継続的に反応を維持するにはコスト的に釣り合わない。そのため、より低コストでクリーンなエネルギーで駆動する反応系を構築することが望ましい。
非特許文献1によると、チラコイドによるNAD(還元剤)の光還元を利用することで、水から得た電子がNADH、NQO(quinone oxidoreductase)、キノンプール、pMMOへと順に受け渡されることでメタン酸化反応が進行する(図5参照)ことが明らかになっている。すなわち、チラコイドとpMMOとは、別々の膜上の反応系に独立して存在しており、チラコイドに位置する光合成反応タンパク質PSII(PSII)で光生成した電子をNADを介してpMMOの位置する膜に伝達することで最終的にメタンを酸化しメタノールを製造するものである。
しかし、電子伝達経路が複雑となるため、よりシンプルな反応系の構築が求められていた。またさらに、安価で簡便に構築できる効率の良い光酸化反応駆動方法が求められていた。
したがって、本発明は上記実状に鑑み、よりシンプルで、安価で簡便に構築できる効率の良い光酸化反応駆動方法を提供することを目的とし、さらには、この光酸化反応駆動方法を用いた効率の良いメタノールの製造方法を提供すること、光酸化反応駆動方法を行うための再構成膜、再構成膜の作成方法を提供することにも及ぶ。
本発明者らはPSIIが光照射を受けて生成した電子は、キノンプールを介して光合成反応タンパク質PSI(PSI)に受け渡されるものであり、pMMOもNQOからキノンプールを介して電子を受け取る形態となっている点に着目し(図5参照)、PSIIから直接pMMOにキノンプールを介して電子を受け渡す系(図6参照)を構築できれば、より効率的な反応系となるものと予測し、鋭意研究の結果本発明を完成するに至った。
上記目的を達成するための本発明の再構成膜の特徴構成は、
MMOと、PSIIとを、キノンプールを内包する状態に保持した点にある。
また、前記MMOがメタン資化細菌由来のものであり、前記PSIIが好熱性シアノバクテリア由来のものであることが好ましい。
すなわち、MMOと、PSIIとを、キノンプールを内包する状態の膜脂質二重層として保持した再構成膜にてメタン/メタノール変換を試みたところ、期待通りPSIIから直接pMMOにキノンプールを介して電子を受け渡す系を構築でき、効率よくメタンを原料としてメタノールを生産できる新規な光酸化反応駆動系となることを実験的に証明することができた。
ここでMMOは、種々の生物から得る方法が確立されており、いずれに由来するMMOも、生化学的に同様の機能を発揮することが明らかになっているが、メタン資化細菌由来のものを用いると、メタンに対する酸化能力が高く、酸化対象ガスに対する選択性が高いので好ましい。
具体的に、メタン資化細菌Methylosinus tricosporium OB3b(OB3b)由来のpMMOを含有する膜画分が、非特許文献1等の研究において実績があり、様々なたんぱく質を膜に組み込むための足場としても期待されており、容易に入手できることから特に好ましい。
同様に、PSIIとしても、種々の生物から得る方法が確立されており、いずれに由来するPSIIも、生化学的に同様の機能を発揮することが明らかになっているが、好熱性シアノバクテリア由来のものであると、耐熱安定性が高く、熱による活性低下が少ないので好ましい。
PSIIとしては、国立環境研究所(NIES)より購入可能であり容易に入手できる、好熱性シアノバクテリアThermosynechococcus elongatus BP-1(NIES-2133)(BP-1)由来のPSIIが、非特許文献1等の研究において実績があり、容易に入手できることから特に好ましい。
MMOはメタンに限らず種々の物質を酸化する機能を有することが知られており、上記再構成膜によると、メタン/メタノール変換以外に、C4程度までの炭化水素の酸化によるアルコール製造、オレフィンのエポキシ化による各種エポキシド製造、芳香族炭化水素の水酸化によるフェノール類化合物の製造等にも用いることが期待される。
また、上記目的を達成するための本発明の再構成膜の作成方法の特徴構成は、
キノンプールを内包する膜結合型メタンモノオキシゲナーゼ(pMMO)を含有する膜画分および光合成反応タンパク質PSIIを混合して懸濁させたのち、遠心分離にて沈殿回収する点にある。
このような再構成膜を効率よく大量に生産するには、MMOを含有する膜画分を備えた微生物に、遺伝子組み換えによりPSIIを発現させ、微生物内部の膜構造として上記再構成膜を形成させることが考えられるが、現実的には、微生物内部にPSIIを発現させること自体が困難な状況であることから、上述のように行うことで、反応容器内に形成することが好ましい。
つまり、MMOを含有する膜画分には、膜を構成する脂質に加え、pMMOとキノンプールを構成するキノン類等の物質群が含まれているものと考えられる。
この膜画分を破砕すると、これらの物質群が解体した状態で懸濁するが、遠心分離にて物質群を集合させると、そのプロセスで膜構造を再構成する。この再構成の過程でPSIIが共存すると、膜の中にPSIIが取り込まれた状態の膜脂質二重層が得られる。また、膜脂質二重層中のキノンプールも再構成される。すなわち、MMOと、PSIIとを、キノンプールを内包する膜脂質二重層に保持した再構成膜が得られる。このようにして得られた再構成膜は、PSIIから直接pMMOにキノンプールを介して電子を受け渡す系を構築することになり、新規な光酸化反応駆動系として利用することができることが実験的に明らかになっている。尚、膜画分を破砕するには、界面活性剤を添加したり、超音波を照射したりするなど、種々公知の方法を採用することができる。
また、本発明の光酸化反応駆動方法の特徴構成は、上記再構成膜に、酸化対象ガスおよび酸素存在下で光照射する点にあり、本発明のメタノール製造方法の特徴構成は、上記光酸化反応駆動方法を、前記酸化対象ガスをメタンとして行う点にある。
上記再構成膜に光照射すると、PSIIが水を酸化し、酸素および水素イオンおよび電子を生成する(1)。ここで生成した電子は、膜脂質二重層内部にてキノンプールに受け渡される(2)。pMMOでは、キノンプールから電子を受け、共存する酸素を用いて、たとえばメタンを酸化する(3)。つまり図6において以下のように反応が進む。
O → 1/2O+2H+2e ………(1)
Q+2H+2e → QH ………(2)
QH → Q+2H+2e
CH+O+2H+2e → CHOH+HO………(3)
したがって、きわめて短い電子伝達系で、効率よく、水を電子供給源として、メタンに代表される酸化対象ガスを酸化することができる。特に、メタンを酸化してメタノールを合成する系に適用できれば、メタンガスを取り扱い容易な形態のメタノールとして流通させることができ、また、生物的に発生したメタンガスの利用性を高めるうえでも、社会的意義は大きい。
したがって、よりシンプルで、安価で簡便に構築できる効率の良い光酸化反応駆動方法を提供することができ、さらには、この光酸化反応駆動方法を用いた効率の良いメタノールの製造方法を提供することができた。また、光酸化反応駆動方法を行うための再構成膜、再構成膜の作成方法を提供できた。
PSII添加量とOB3b細胞内膜へのPSII再構成量との関係を示すグラフ 再構成膜によるメタン酸化反応を示すグラフ 再構成膜によるプロピレン酸化反応を示すグラフ 非特許文献1によるメタン酸化反応を示すグラフ 非特許文献1(従来)による光酸化反応駆動系の模式図 本発明の光酸化反応駆動系の模式図
以下に、本発明の実施形態にかかる再構成膜、再構成膜の作成方法、光酸化反応駆動方法、および、メタノール製造方法を説明する。尚、以下に好適な実施例を記すが、これら実施例はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
尚、以下の実施形態における各菌体、各試薬等は以下のものを用いた。
BP-1:国立環境研究所(NIES)より購入
OB3b:アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)より購入
BG-11培地 :NaNO 1.5g/L
HPO 40mg/L
MgSO・7HO 75mg/L
CaCl・2HO 36mg/L
Citric acid 6.0mg/L
Ferric ammonium citrate 6.0mg/L
NaEDTA・Mg 1.0mg/L
NaCO 20mg/L
Trace elements A 1.0mL/L
Trace elements A:HBO 2.9g/L
MnCl・4HO 1.8g/L
ZnSO・7HO 0.22g/L
NaMoO・2HO 0.39g/L
CuSO・5HO 79mg/L
Co(NO・6HO 49mg/L
Feストック水溶液:Ferric ammonium citrate 0.6g/L
NaEDTA・Mg 0.1g/L
Cu2+含有無機培地: NaNO 0.85g/L
KHPO 0.53g/L
NaHPO 2.2g/L
SO 0.17g/L
MgSO・7HO 37mg/L
CaCl 7.0mg/L
Trace elements B 2.0mL/L
SO 0.5μM
FeSO・7HO 11mg/L
CuSO・5HO 1.25~2.5mg/L
Trace elements B:ZnSO・7HO 0.29g/L
MnSO・4HO 0.22g/L
BO 62mg/L
NaMoO・2HO 48mg/L
CoCl・6HO 48mg/L
KI 83mg/L
〔PSII〕
BP-1よりPSIIを以下のように精製した。
(BP-1の培養)
50mLバイアル瓶にBG-11培地10mLを入れ、オートクレーブ(TOMY、ES-215)で120℃、20分間滅菌した。滅菌後、クリーンベンチ内でFeストック水溶液100μLを0.22μm滅菌フィルターを通して加えた後、菌体溶液3mLを植菌した。シリコ栓でふたをし、50℃、光強度10~15μE/m・s、120rpmで4日間振とう培養器(TAITEC、BR-43FL)で培養し、スケールアップに用いた。
500mL三角フラスコにBG-11培地を100mL入れ、オートクレーブで120℃、20分間滅菌した。滅菌後、クリーンベンチ内でFeストック水溶液1.0mLを0.22μm滅菌フィルターを通して加え、培養した菌体10mLを植菌した。その後、50℃、光強度10~15μE/m・s、120rpmで4日間培養した。培養終了後、菌体を4℃、19,700×gで10分間遠心分離(HITACHI、CR-21G、R9Aアングルローター)した後、菌体の湿重量の1.5倍量の10mM MgCl,10mM CaCl含有20mM MES buffer(pH6.5)に再懸濁した。パスツールピペットを用いて菌体懸濁液を液体窒素へ滴下することで凍結し、チラコイドの調製まで-80℃で保存した。
(チラコイドの調製)
BP-1凍結保存菌体約14wet-gを37℃湯浴で融解し、4℃、12,000×gで5分間遠心分離(HITACHI、CR-21G、RPR20-2アングルローター)して回収した。0.4Mマンニトール、1mM EDTA・2Na、1.2mg/mLリゾチーム含有40mM KHPO-KOH buffer(pH6.8)40mLに懸濁し、遮光して37℃湯浴で2.5時間インキュベートした。その後、4℃、12,000×gで5分間遠心分離して回収し、少量の0.4Mマンニトール含有40mM KHPO-KOH buffer(pH6.8)に懸濁した。この懸濁液に5mM MgCl、1mg/mL DNaseI含有20mM HEPES-NaOH buffer(pH7.0)40mLを加え、5分間攪拌した。その後、4℃、15,000×gで10分間の遠心分離して回収し、沈殿を10mM MgCl含有30mM HEPES-NaOH buffer(pH7.0)48mLで洗浄し、再度遠心分離して回収した。沈殿を25%(v/v)グリセロール、10mM MgCl、20mM CaCl含有20mMMES-NaOH buffer(pH6.5)に懸濁して、クロロフィル濃度が2~3mg-Chl/mLとなるように調整し、液体窒素で凍結後-80℃で保存した。
(PSIIの精製)
凍結保存したチラコイドを、37℃湯浴で融解し、25%(v/v)グリセロール、10mM MgCl、20mM CaCl含有20mM MES-NaOH buffer(pH6.5)でクロロフィル濃度が1.6mg-Chl/mLとなるように希釈した。βDM(界面活性剤)、PMSF(プロテアーゼ阻害剤)をそれぞれ終濃度0.5%(w/v)、1mMとなるように加え、20分間、室温で攪拌(EYELA、RCN-3)することで、PSIIをチラコイド膜から可溶化した。その後、4℃、15,000×gで100分間超遠心分離(HITACHI、CS150FNX、S50A-2051アングルローター)し上清を回収した。4℃の低温室内で、クロマトグラフィー(BIORAD、NGCクロマトグラフィーシステム788-0003J1)によりPSIIを精製した。
緩衝液には20mM CaCl、0.02%(w/v)βDM、5%(v/v)グリセロール含有40mM MES-NaOH buffer(pH6.0)を用いた。超遠心後の上清を等量の12mM硫酸マグネシウムを含む上記緩衝液で希釈し、陰イオン交換カラムTOYOPEARL DEAE 650S(26×100mm、1CV=53mL、Amersham Biosciences XK26カラム)に流速5.4mL/minで添加した。5CVの緩衝液で洗浄後、流速5.4mL/min、硫酸マグネシウムの濃度を3CVで25~40mMに直線的に変化させてタンパク質を分離した。約30mM硫酸マグネシウムの画分で得られたPSII溶液20mLを2倍量の20mM CaCl、0.02%(w/v)βDM、5%(v/v)グリセロール含有40mM MES-NaOH buffer(pH6.0)で希釈し、陰イオン交換カラムToyopearl DEAE 650S(16×100mm、1CV=20mL、Amersham Biosciences XK16カラム)に流速2.9mL/minで添加した。5CVの緩衝液で洗浄後、流速2.9mL/min、硫酸マグネシウムの濃度を7CVで12~40mMに直線的に変化させてタンパク質を分離した。約20~40mM硫酸マグネシウムの画分で得られたPSII溶液120mLを限外ろ過フィルター(Millipore、Biomax 100kDa)を用いた限外ろ過(Amicon model 52)によって10mLまで濃縮した。PSII溶液は液体窒素で凍結後、-80℃で遮光して保存した。
〔pMMOを含む膜画分〕
(OB3bの培養)
200mLバッフル付き三角フラスコに5μM Cu2+含有無機培地30mLを入れ、オートクレーブ(TOMY、ES-215)で120℃、20分間滅菌した。滅菌後、クリーンベンチ内で4mM FeSO溶液(1.25mM HSOに溶解)0.3mLを0.22μm滅菌フィルターを通して加えた。その後、OB3b凍結保存菌体約1mLを植菌し、滅菌エアフィルター付きゴム栓で密栓した。ダイアフラムポンプを用いてフラスコ内の空気を20%減圧し、減圧分をメタンで置換した(メタン:酸素=1:1)。その後、30℃、120rpmで3日間振とう培養器(TAITEC、BR-43FL)で培養を行いスケールアップのために継代した。
スケールアップは、500mLバッフル付き三角フラスコに10μM Cu2+含有無機培地を120mL入れ、同様にオートクレーブ滅菌後4mM FeSO溶液(1.25mM HSOに溶解)1.2mLを0.22μm滅菌フィルターを通して加え、培養した菌体30mLを植菌することで行った。上記と同様にメタンガスを加え、30℃、120rpmで5日間培養を行いスケールアップした。
5Lの三角フラスコに10μM Cu2+含有無機培地を1.3L入れ、オートクレーブ滅菌後、40mM FeSO溶液(12.5mM HSOに溶解)を1.3mLを0.22μm滅菌フィルターを通して加え、培養した菌体150mLを植菌した。ダイアフラムポンプにより培養液にメタンガスをバブリングした後、酸素とメタンのガス風船をそれぞれつなげた。30℃のインキュベーター(高崎科学機械、TB-50RV)中で、スターラー(EYELA、RCN-3)を用いて300rpmで撹拌しながら6日間培養し、10Lジャーファーメンター培養へスケールアップした。
10Lジャーファーメンター(EYELA、MBF-1000M)に10μM Cu2+含有無機培地7.7Lを入れ、オートクレーブ(TOMY、ES-315)で120℃、40分間滅菌した。滅菌後、40mM FeSO溶液(12.5mM HSOに溶解)7.7mLを0.45μmフィルターを通して加え、培養した菌体1.3Lを植菌した。ガス採取袋を用いてメタンと酸素(1:1)の混合ガスを供給し、ダイアフラムポンプでバブリングしながら、30℃、300rpmで6日間培養を行った。培養後、菌体を4℃、9,280×gで15分間の遠心分離(HITACHI、CR-21G)により集菌した。25mM MOPS buffer (pH7.0)に懸濁後、再度4℃、9,280×gで15分間遠心分離した。得られた菌体は1wet-g当たり1mLの25mM MOPS buffer (pH7.0)に再懸濁した。パスツールピペットを用いて菌体懸濁液を液体窒素へ滴下することで凍結し、-80℃で保存した。
(OB3b膜画分の調製)
凍結保存したOB3b菌体15g(菌体量約7.5wet-g)を、あらかじめ窒素バブリングを30分間行った25mM MOPS-KOH buffer(pH7.0)30mLに懸濁し、MgCl、CuSO、DNaseIをそれぞれ終濃度4mM、300μM、10mg/Lとなるように加えた。その後、窒素雰囲気下、5℃以下で7.5分間、超音波破砕(80W、TOMY、UD-201)を行った。超音波破砕中、1M PMSF(アセトン溶液)を数回に分けて終濃度1mMになるように添加した。得られた菌体破砕液を4℃、28,000×gで10分間遠心分離(HITACHI、CR-21G、RPR20-2アングルローター)し、未破砕菌体を除去した。遠心分離後、上清を25mM MOPS-KOH buffer (pH7.0)でおよそ16倍に希釈し、4℃、143,000×gで90分間超遠心分離(HITACHI、CS150FNX、S50A-2051アングルローター)した。沈殿物はホモジナイザーを用いて、あらかじめ30分間窒素バブリングしておいた1M KCl含有25mM MOPS-KOH buffer (pH7.0)に懸濁し、再び4℃、143,000×gで90分間超遠心分離した。得られた沈殿物をOB3b膜画分とした。OB3b膜画分はホモジナイザーを用いて25mM MOPS-KOH buffer (pH7.0)に懸濁した(OB3b膜画分重量の約4倍の体積)。液体窒素で凍結後、-80℃で保存した。
得られたOB3b膜画分は、非特許文献1等に示されるようにpMMO活性を示すことが明らかになっており、キノンプールを内包する膜脂質二重層にMMOを保持した構成であると考えられる。
〔再構成膜〕
(再構成膜の作成)
反応溶液として、2.0mg-protein/mL OB3b膜画分と所定濃度のPSII(15,30,45,60,75μg-Chl/mL)、0.01%(w/v)βDM(界面活性剤)、25%(v/v)グリセロール(安定化剤)、10mM MgCl、20mM CaClを含む25mM MOPS-KOH buffer (pH7.0)全量300μLを1.5mL超遠心用マイクロテストチューブに調製した。室温で十分に試料をボルテックスミキサー(Scientific Industries、VORTEX-GENIE 2)で懸濁し、4℃、100,000×gで60分間超遠心分離(HITACHI、CS150FNX、S55A2-2048)することで、遊離のPSIIを含む上清を除去し、沈殿物をPSII再構成膜として回収した。
すなわち、再構成された膜は、キノンプールを内包する膜脂質二重層がいったん解体した後、再構成する際に、MMOおよびPSIIを取り込みつつキノンプールを内包する膜脂質二重層を形成するから、MMOと、PSIIとを、キノンプールを内包する膜脂質二重層に保持した構成となっているものと推定される。
この時、界面活性剤は0.01%(w/v)程度の添加が好ましく、少なすぎると膜画分の分散性が低く、操作困難になる一方、多すぎると再構成膜が形成されにくいことが実験的に明らかになっている。
(再構成膜中のPSII量の検討)
2.0mg-proteinのOB3b膜画分に対して、所定量(15,30,45,60,75μg-Chl/mL)のPSIIを加え超遠心した。上清のクロロフィル濃度を基に、上清に含まれるPSII量を測定するとともに、OB3b膜画分に再構成されたPSII量を求めたところ図1のようになった。縦軸が2.0mg-proteinのOB3b膜画分に再構成されたPSII量、横軸が調製した試料溶液に含まれる全PSII量である。添加したPSII量の増加に従い、OB3b膜画分に取り込まれるPSII量が増加することから、沈殿物として得られる膜脂質二重層には、PSIIが再構成されているものと考えられる。また、40μg-Chl以上のPSIIを用いた場合、上清に遊離のPSIIが含まれることから、OB3b膜画分に対して保持させられるPSII量は、40μg-Chlで飽和しているものと言える。
(再構成膜による光酸化反応駆動方法)
再構成膜を用いて、光酸化反応を試みた。反応溶液として、2.0mg-protein/mLのOB3b膜画分と30μg-chl/mLのPSIIを含む10mM MgCl、20mM CaClを含む25mM MOPS-KOH buffer(pH7.0)全量300μL(還元剤としてのNAD等は追加していない)を3mLスクリューバイアル中に調製し、セプタム付きスクリューキャップで密栓した。アルミホイル遮光下30℃恒温水槽中で撹拌しながら、5分間インキュベートした。ガスタイトシリンジを用いて、酸化対象ガスとしてのメタンまたはプロピレン300μLを気相に注入することで反応を開始した。
反応は30℃恒温槽中で撹拌し、250Wメタルハライド光源(MORITEX、MME-250)を用いて光照射下で行った。光照射は、サンプルを光源から9cm離し、ロングパスフィルター(HOYA、R66、660nm:35.2%T)を通して行った。サンプルに照射される光強度は、光量子計(バイオメディカルサイエンス BGA-3415FXSE)を用いて測定し、20μE/m・sとした。
参照実験として、試料の入ったスクリューバイアルをアルミホイルで遮光し、光照射下と同様の条件で反応させた。生成したメタノールまたはプロピレンオキシドの分析・定量は、FIDガスクロマトグラフ(SHIMADZU、GC-2014)を用いて行った。
各反応溶液を一定時間ごとにサンプリングし、3μLをガスクロマトグラフで分析・定量した。ガスクロマトグラフの測定条件は以下の通りである。
ガラスカラム:3φ×2m(メタノール用)、3φ×4m(プロピレンオキシド用)
充填剤:25% Sorbitol, GasportB, 60/80mesh (GLサイエンス)
カラム温度:100℃
キャリアガス:N
流速:40mL/min(メタノール)、20mL/min(プロピレンオキシド)
検出器:FID
注入口/検出器温度:150℃
その結果、再構成膜の溶液に光を照射した結果、時間経過とともに反応生成物(メタノール(図2)およびプロピレンオキシド(図3))の増加が観測された。一方、遮光条件下では、メタンの場合はわずかにメタノールが観測され、プロピレンの場合はプロピレンオキシドが観測されなかった。
尚、プロピレンを用いた系で、上述の条件下光照射条件を種々変更して、光照射条件の違いによるプロピレンオキシドの最終生成量および初期生成速度を最適化したところ、20μE/m・sがいずれの観点からも最適として実験を行っている。しかし、光照射条件については、同じ再構成膜であっても実験系の構成により、それぞれ最適値が異なるため、光酸化反応駆動方法、メタノール製造方法としては上述の光照射条件を必須とするものではない。
(比較例)
比較例として、非特許文献1において、ホウレンソウ由来葉緑体から分離したチラコイド膜とメタン資化細菌OB3bより調製した膜画分に電子伝達物質としてNAD(還元剤)を添加した反応溶液で、光駆動酸化反応を行った(30mg-Chl/mLチラコイド、2.0mg-protein/mL OB3b膜画分、2.0mM NAD、を含むTricine buffer全量500μL)。反応生成物は上記と同様の条件でガスクロマトグラフにて定量した。その結果を図4に示す。
比較例による光駆動酸化反応(図4)と比べて、再構成膜を用いた光酸化反応駆動方法による光駆動酸化(図2)では、反応生成物の収量がおよそ2倍に増加していることがわかる。すなわち、本発明の再構成膜を用いた光酸化反応駆動方法によると、電子伝達系が短くなったことにより、酸化生成物の生産性の面からも、反応活性の持続時間の面からも、効率の高い酸化反応が行われているものと予想される。また、無尽蔵な光と水を利用してメタンから、還元剤を別途追加しておくことなしにメタノールを生産できるので、低コストで継続的に光駆動酸化反応を行えるものと予想される。
また、比較例による光駆動酸化反応(図4)と比べて、再構成膜を用いた光酸化反応駆動方法による光駆動酸化(図2)では、反応選択性が高く、副生成物としての過酸化水素の生成量がきわめて少ない(実施の形態では、比較例に比べ1/100以下であった。)点からも、再構成膜の活性低下が非常に少なく、長期にわたって安定的に光駆動酸化反応を行えるものとなることがわかった。
また、再構成膜の電子伝達経路を解明するためにNQO阻害剤であるロテノンの添加効果を調べた結果、再構成膜の光酸化反応にNQOが関与しないことが示された。すなわち、PSIIから供給された電子が膜中のキノンを直接還元し、還元型キノンから供給された電子がpMMOへと電子伝達することがわかった。
本発明の光酸化反応駆動方法は、よりシンプルで、安価で簡便に構築できる効率の良い光酸化反応駆動方法となり、たとえばメタンからメタノールを生産するのに利用することができる。

Claims (5)

  1. メタンモノオキシゲナーゼと、光合成反応タンパク質PSIIとを、キノンプールを内包する状態に保持した再構成膜。
  2. 前記メタンモノオキシゲナーゼがメタン資化細菌由来のものであり、前記光合成反応タンパク質PSIIが好熱性シアノバクテリア由来のものである請求項1に記載の再構成膜。
  3. キノンプールを内包する膜結合型メタンモノオキシゲナーゼを含有する膜画分および光合成反応タンパク質PSIIを混合して懸濁させたのち、遠心分離にて沈殿回収する再構成膜の作成方法。
  4. 請求項1または2に記載の再構成膜に、酸化対象ガスおよび酸素存在下で光照射する光酸化反応駆動方法。
  5. 前記酸化対象ガスをメタンとして請求項4に記載の光酸化反応駆動方法を行うメタノール製造方法。
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