本発明に係る遊技機の実施形態について、遊技機の一種である弾球遊技機の一例としてのパチンコ機100を説明し、その後に変形例や他の種類の遊技機を説明する。まず、パチンコ機100の実施形態について、構造的な構成、電気的な構成、各種の制御処理を順に説明する。
<構造的な構成>
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1~図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
パチンコ機100は、例えば、図1~図4に示すように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104とを備え、これら各部位を所定の操作により相対的に変位可能に構成されている。
外枠101は、パチンコ機100の本体部分を支持する本体支持手段としての機能を有している。外枠101は、例えば、図2に示すように、天板部111、底板部112、左側板部113及び右側板部114が組み付けられた略四辺形状の枠体であり、パチンコ機100を設置する遊技場に設けられた遊技機設置設備(島設備)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。なお、パチンコ機100において外枠101は必須の構成ではなく、外枠101又は外枠101と同一の内形形状を有し、外枠101を除いたパチンコ機100の構成に相当する本体部分を支持する支持機構や、その本体部分を施錠する施錠機構の一部が島設備に備え付けられた構成としても良い。
外枠101における左右方向の一方側(左側板部113側)には、中間ブロック支持機構121,122が設けられている。この中間ブロック支持機構121,122によって外枠101と中間ブロック103とが接続(連結)され、パチンコ機100の本体部分が、パチンコ機100の正面視における左右方向の一端側(左側)を回動基端側とし、他端側(右側)を回動先端側として前方へ回動可能に構成されている。
中間ブロック支持機構121,122は、例えば、図1に示すように、外枠101の上端部と下端部とに離間して設けられている。中間ブロック支持機構121,122の各々は、例えば、外枠101に設けられる軸支持部によって、中間ブロック103に設けられる軸部が下側より支持され、軸支持部に設けられる軸孔に軸部が差し込まれた状態とされることにより、回動可能に構成されている。なお、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分を回動可能とする構成は、上記構成に限らず、中間ブロック103側に軸孔を設け、外枠101側に軸部を形成するなど、他の構成としても良い。
中間ブロック支持機構121,122には、所定の取り外し操作によって外枠101と中間ブロック103との接続状態を解除する機能が設けられ、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分が外枠101に対して取り外し可能に取り付けられている。例えば、外枠101に対して中間ブロック103を一定量以上開放し、且つ、上方側へ一定量移動させるという所定の取り外し操作をすることにより、外枠101に対する中間ブロック103の接続状態が解除される。これにより、外枠101に対してパチンコ機100の本体部分が取り外し可能とされている。
中間ブロック103に対して前側には、前ブロック102が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる前ブロック支持機構131,132によって中間ブロック103と前ブロック102とが接続されている。前ブロック支持機構131,132は、中間ブロック支持機構121,122と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して前ブロック102を前方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に構成されている。
中間ブロック103に対して後側には、後ブロック104が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる後ブロック支持機構136,137(図8参照)によって中間ブロック103と後ブロック104とが接続されている。後ブロック支持機構136,137には、中間ブロック支持機構121,122及び前ブロック支持機構131,132と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して後ブロック104を後方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に支持する構成とされている。
また、パチンコ機100には、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の解錠や施錠を行うために操作される錠操作機構とが設けられている。また、図3に示すように、中間ブロック103には、前ブロック102の開口を通してパチンコ機100の前面側に露出する錠操作機構としてのキーシリンダ141が設けられている。
キーシリンダ141に対する所定の操作として、操作キー(図示せず)による右回転操作をした場合には、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動部143が作動する。これにより、中間ブロック施錠機構の一部として外枠101に設けられた被係合部142と可動部143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。
一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動部144が作動する。これにより、前ブロック施錠機構の一部として前ブロック102に設けられた被係合部145と可動部144との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構が設けられている。この後ブロック開閉規制機構により、中間ブロック103に対して後ブロック104は、開閉が禁止された状態(開閉禁止状態)と開閉が許容された状態(開閉許容状態)とを所定の操作によって切り替え可能とされている。
後ブロック開閉規制機構は、例えば、図4に示すように、中間ブロック103に設けられる2つの開閉規制部150A,150Bと、後ブロック104に設けられる1つの開閉規制部150Cとによって構成されている。これら3つの開閉規制部150A~150Cには、回転操作が可能な回動片151A~151Cが設けられている。回動片151A~151Cは、回転操作により、後ブロック104の閉鎖状態において前後に重なるように配置される開口部分との係合状態が変化し、これにより、開閉禁止状態に対応した開閉禁止姿勢と、開閉許容状態に対応した開閉許容姿勢とを切り替え操作可能とされている。全ての回動片151A~151Cを開閉許容姿勢にすると各回動片151A~151Cが開口を通過可能となって、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。なお、開閉禁止姿勢及び開閉許容姿勢としては、開閉禁止状態と開閉許容状態が回動片151A~151Cの位置及び向きの少なくともいずれかの変化により切り替えられれば良く、一定位置で回転のみする構成としても良いし、一定方向に移動する構成としても良いし、移動と回転との組合せにより動作する構成としても良い。以下、各装置における構成部材が複数の姿勢の間を移行する場合における姿勢の変化についても同様とする。
3つの回動片151A~151Cのうち、それらの一部に相当する2つの回動片151A,151Bは、図2に示すように、後ブロック104の開閉禁止状態において後ブロック104に形成された開口を通してパチンコ機100の背面側に露出し、残り部分に相当する1つの回動片151Cは、図6に示すように、中間ブロック103の前側に露出している。このため、パチンコ機100の背面側、又は中間ブロック103の前面側といった一方側からの操作だけでは、全ての回動片151A~151Cを開閉許容姿勢に切り替えることはできず、これにより、防犯性が高められている。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構が設けられている。遊技球移動規制機構は、例えば、図3及び図6に示すように、中間ブロック103に設けられた流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更部162との組合せにより構成され、前ブロック102が位置する前方側へ流下規制片161がコイルバネ(図示せず)により付勢される構成とされている。
中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態(前ブロック102の閉鎖状態)においては、流下規制片161は、遊技球の流下を許容する移動許容状態とされ、具体的には、規制変更部162により中間ブロック103の後方側へ押圧されて押し込まれる。流下規制片161は、移動許容状態において中間ブロック103から前ブロック102に遊技球を誘導するための誘導通路(図示せず)に対して後側にずれて配置される。これにより、前ブロック102の閉鎖状態においては、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が許容される。
一方、中間ブロック103に対して前ブロック102が開放された状態(前ブロック102の開放状態)においては、規制変更部162による流下規制片161の押圧が解除され、前ブロック102の閉鎖状態に比べて流下規制片161が前ブロック102側へ突出する移動禁止状態とされる。流下規制片161は、移動禁止状態において誘導通路内に突出し、下流側への遊技球の流下を阻止する。これにより、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が禁止される。
また、パチンコ機100には、図2に示すように、例えば中間ブロック103の後側であって回動先端側(背面視左側)における下端部に、外枠101に対して中間ブロック103が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108が設けられ、また、図3に示すように、例えば中間ブロック103の前側であって回動先端側(正面視右側)における下端部に、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109が設けられている。
次に、前ブロック102、中間ブロック103及び後ブロック104の各構成について順に説明する。
前ブロック102は、図1及び図3に示すように、パチンコ機100の前面の略全体を形成し、前後方向に厚みを有する略長方形状の部材であり、パチンコ機100の前側表面部分を装飾する前面装飾手段としての機能を有している。前ブロック102は、合成樹脂製の基枠201を主体に構成され、基枠201の前後に複数の機能部品を取り付けて構成されている。基枠201の前面側には、パチンコ機100の前面を形成する前面装飾体210が、前ブロック102の正面視中央部分を含んで形成される開口210Aの外縁に沿って開口210Aを囲った状態にして取り付けられている。前ブロック102を構成する基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態においては、前面装飾体210が取り付けられた外周部を除いた広範囲にわたって開口210Aが前後方向に貫通形成される。この開口210Aを通じて、前ブロック102の後側に位置する遊技盤400を含む中間ブロック103が遊技者から視認可能に構成されている。
また、前ブロック102には、図1及び図3に示すように、開口210Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230と、遊技球を貯留する補助貯留機構240と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250とを備えている。
また、前ブロック102には、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の一部として、開口210Aの周縁を囲う開口周縁部211と、開口210Aに対して下側において前方に突出する上側突出部217と、上側突出部217に対して下側に位置して前方に突出する下側突出部218と、下側突出部218の右側であって上側突出部217及び下側突出部218より奥側に位置する概ね平坦な領域で構成されて発射操作装置250が配置される平坦部219とが形成されている。上側突出部217には、主貯留機構230が配置され、下側突出部218には、補助貯留機構240が配置される。
中央パネル220は、基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態において前後方向に貫通形成される開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とするカバー体としての機能を有している。中央パネル220は、例えば、図1及び図3に示すように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3参照)と、パネル枠221の前側に嵌め込まれた光透過性の前方板222(図1参照)と、パネル枠221の後側に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性の後方板223(図3参照)とを備えている。
主貯留機構230は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、遊技場から貸し出された遊技球を貯留する機能を有している。主貯留機構230は、例えば、図1に示すように、貯留部231と、球抜き機構(図示せず)と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。貯留部231には、パチンコ機100の内部から貯留部231へ遊技球を流入させる流入口231Aと、貯留部231からパチンコ機100の内部へ遊技球を流出させる流出口(図示せず)と、流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)とが設けられている。この放出口の開放により貯留部231から遊技球がパチンコ機100の内部に取り込まれることなく遊技者側に放出される。球抜き機構は、遊技球の放出先を、流出口と放出口との間で切り換える機能を有している。
遊技進行に応じて獲得した遊技球や、後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は、主に流入口231Aを通して貯留部231に流入する。また、貯留部231は、上方側に開口形成されており、この開口部分を通じて、遊技者が所有する遊技球が手操作により投入されたり、遊技場において貸し出される遊技球が供給されたりする。
貯留部231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている側(図1の右上側)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(例えば、押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1及び図5に示すように、遊技球の流入口241A,241C(図5参照)及び放出口241B(図1参照)を有する補助貯留部241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構243を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留部231が満杯であれば流入口241Aを通して補助貯留部241に流入する。また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じても、遊技球は流入口241Cを通して貯留部231から補助貯留部241に流入する。
補助貯留部241の底面は放出口241Bに向けて下降傾斜している。球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)によって放出口241Bを開放すると、補助貯留部241に貯留されている全ての遊技球を順次にパチンコ機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(例えば、再度の押圧操作)がなされるまで、その開放状態に維持される。流入口241Aの奥方には補助貯留部241に予め定めた上限まで遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れスイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を遊技者の操作によって無効化する発射停止スイッチ255(図5参照)とを含んでいる。遊技者によって発射ハンドル252が回転操作されると、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)に向けて射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
また、前ブロック102における前面装飾体210の奥方には、枠発光装置271~275(図10参照)が設けられている。枠発光装置271~275は、前面装飾体210の開口周縁部211に対して奥側に重なるようにして配置され、基枠201に取り付けられている。開口周縁部211は、図5に示すように、上側中央縁部211Aと、上側中央縁部211Aに対して左右両側に位置する左上側縁部211B及び右上側縁部211Cと、左上側縁部211Bに対して下側に位置する左側縁部211Dと、右上側縁部211Cに対して下側に位置する右側縁部211Eとを発光部として有し、それぞれの発光部に対応して枠発光装置271~275が設置されている。
枠発光装置271~275は、上側中央縁部211Aに対応する上中央枠発光装置271と、左上側縁部211Bに対応する左上枠発光装置272と、右上側縁部211Cに対応する右上枠発光装置273と、左側縁部211Dに対応する左側枠発光装置274と、右側縁部211Eに対応する右側枠発光装置275(図10参照)とにより構成されている。枠発光装置271~275の各々は、1又は複数の発光手段としての発光ダイオード(LED)と、LEDを制御するための抵抗等の電子部品と、これら電子部品を一体化して電気的に接続するプリント基板とを有している。
また、前ブロック102には、図5に示すように、例えばその開口周縁部211の上部に、左上音響出力口211Fと、右上音響出力口211Gとが設けられ、また、それら左上音響出力口211F及び右上音響出力口211Gのそれぞれに対応して左上音響装置281及び右上音響装置282(図3及び図10参照)が設けられている。左上音響装置281及び右上音響装置282は、前面装飾体210の開口周縁部211の奥方(後方)に位置するようにして基枠201に取り付けられている。また、前ブロック102には、左上音響装置281及び右上音響装置282とは別の音響装置283~285が、前側に効果音を出力可能に設けられており(図10参照)、それら音響装置283~285の説明については後述する。
また、前ブロック102には、図1に示すように、例えば上側突出部217の上面右側部分に、遊技球貸出装置290が設けられている。遊技球貸出装置290は、度数表示装置291と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、返却操作装置293とを含み、パチンコ機100に並んで配置されるカードユニット等の遊技球管理装置700(図13参照)と通信可能に構成され、遊技球管理装置700を介して遊技場からの遊技球の貸出に関する情報を遊技者が認識して操作可能に構成されている。
度数表示装置291は、遊技球管理装置700(図13参照)に管理されている情報であって遊技者が所持する遊技価値(管理されている金額や遊技球数)に関する情報を表示可能な装置であり、遊技球管理装置700に投入された紙幣の金額や、遊技球管理装置700にて使用されるカードやコイン等の価値記憶媒体に記録されている投入された紙幣のうち未使用の残額に相当する数値等を表示する。返却操作装置293は、遊技球管理装置700に投入された金額や、その金額のうち貸し出しがされていない残額に対応した情報を記憶する価値記憶媒体としてのカードやコイン等を返却させる際に、遊技者によって操作される装置(例えば、押下操作が可能な押しボタン式の装置)である。
ここで、遊技球管理装置700には、遊技者が所持している遊技球(以下、所持球ともいう)を投入可能に構成され、所持球を投入することで投入された所持球の数(以下、所持球数ともいう)に対応した情報が、遊技者の所持する金額と共に、価値記憶媒体に記憶される。遊技者は、遊技中のパチンコ機100に並んで配置される遊技球管理装置700でも、他のパチンコ機に並んで配置される別の遊技球管理装置700でも、価値記憶媒体に記憶された金額や所持球数に対応した数分の遊技球の貸し出しを、価値記憶媒体を遊技球管理装置700に挿入し、遊技球貸出装置290を操作する等して実行することができる。
遊技球管理装置700に、紙幣や、カード等の価値記憶媒体を投入すると、それらの金額(残額)に対応する数値が度数表示装置291に表示される。その金額が度数表示装置291に表示されている有効状態において、貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540(図8参照)から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置291の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録した価値記憶媒体が遊技球管理装置700から返却される。
また、前ブロック102には、図1に示すように、遊技者によって発射操作とは別の入力操作が可能な入力操作装置260が設けられている。入力操作装置260は、例えば、押込操作が可能な押圧操作装置261と、回転操作が可能な回転操作装置262と、上下左右の方向操作が可能な選択操作装置263とを備えている。これら操作装置261~263により、パチンコ機100において実行される演出を選択する演出選択操作や、パチンコ機100の演出を実行する各装置の音量や光量を設定する装置設定操作、或いは、遊技者に関する情報を入力して前回以前の遊技に応じたパチンコ機100の演出を実行可能とする演出設定操作等が実行可能とされ、これら操作を必要に応じて遊技者や遊技場の管理者が実行可能とされている。なお、入力操作装置260において遊技者が接触する入力操作部(例えば、回転操作装置262における円環状の回転操作部)は、モータやソレノイド等の入力操作部駆動手段によって回転、上下動、又は、振動等の動作がパチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により実行可能に構成されることが好ましく、入力操作の前後、又は、入力操作中のいずれか又は複数のタイミングで入力部分を動作させることにより、入力操作を積極的に促すなど入力操作を伴う演出を多様にすることができる。
次に、中間ブロック103について説明する。中間ブロック103は、前ブロック102と略同一サイズの略長方形状をした部材であり、前ブロック102と後ブロック104とが取り付けられることにより、パチンコ機100の本体部分を一体化した状態にする機能を有している。中間ブロック103は、基枠301に対して遊技盤400を含む複数の機能部品を取り付けて構成されている。
中間ブロック103は、図3及び図4に示すように、開口を有する基枠301と、基枠301の開口を覆いつつ前面側より取着される遊技盤400(図3参照)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3参照)と、遊技盤400の背面側に装着されて遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4参照)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4参照)とを備えている。
基枠301には、図3に示すように、後述する払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路が内部に形成される誘導通路部301Aと、複数の配線(図示せず)や信号中継装置311が位置する開孔301Bとが設けられている。開孔301Bは、遊技盤400より下側において前後方向に貫通する形状をなし、開孔301Bに挿通される複数の配線は、前ブロック102に設けられる種々の装置(例えば、枠発光装置271~275、左上音響装置281及び右上音響装置282)と、中間ブロック103の背面側や後ブロック104に設けられる装置(例えば、主制御装置370や副制御装置390)とを電気的に接続するための配線を含み、信号中継装置311は、その配線の一部を中継する中継基板としての機能を有している。
遊技盤400は、図3に示すように、排出口401A等の遊技球が前後に通過可能な貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着された戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着される反跳防止部材405とを備えている。外レール402は、後述する発射装置330から発射された遊技球を遊技領域内へ誘導するものである。戻り球防止機構404は、外レール402及び内レール403が平行に対向する間部分で形成される発射通路401Bから遊技領域内へ一旦放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する。反跳防止部材405は、遊技盤400の上部中央を越えて右側に向かった遊技球が再び上部中央を経由して左側に戻るような遊技球の大幅な反跳を防止する衝撃吸収性を有し、例えば、制振ゴム等の材料により形成されている。
前ブロック102の背面側下部には、図3に示すように、戻り球通路部163が形成されている。発射装置330から発射通路401Bの方向へ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、この間隙の下方に配置される戻り球通路部163を介して流入口241A(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。
戻り球防止機構404を超えて進行した遊技球は、遊技領域に到達し、遊技領域内を自重により落下しながら移動(流下)する。遊技領域は、略円形状の外周形状をなし、遊技球の直径より僅かに大きな前後幅を有する領域を大部分とする形状に区画されている。遊技領域は、概ね、外レール402及び内レール403とで外周部分が区画され、前側が中央パネル220の後方板223によって略平面状に区画され、後側が遊技盤400の基体401によって略平面状に区画されている。なお、遊技領域に設けられる各種の構造物については後述する。
発射装置330は、図3に示すように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動し、発射操作装置250に対する発射操作に応じて発射ソレノイド334の駆動制御が変化して発射力が調整される。
主制御装置370は、図4に示すように、主制御基板920(図10参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース371の内部に収容されている。
また、主制御装置370は、遊技盤400の背面側に回動自在に取り付けられている。具体的には、遊技盤400の基体401に対して背面側に取り付け部372が回動可能に連結固定され、その取り付け部372に主制御装置370が取り付けられている。これにより、主制御装置370の背面側(表面側)だけでなく、取り付け部372を回動操作することで主制御装置370の前面側(裏面側)も、遊技盤400に主制御装置370を取り付けたままで容易に確認可能とされている。取り付け部372に対して主制御装置370は、痕跡を残さずには取り外しできないように連結しても良く、主制御装置370の取り外し状況を管理し易くしても良い。
副制御装置390は、副制御基板940(図10参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えている。副制御基板940は、例えば、主制御基板920と同様に痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース391の内部に収容された状態にして遊技盤400の背面側に取り付けられている。
ここで、遊技盤400において、遊技領域に配置される各種の構造物について、図7を主に参照して説明する。図7は、遊技盤400の正面図である。
遊技盤400は、図7に示すように、基体401と、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420と、中央構造体420に対して下側に配置された第1特別図柄に係る始動装置(具体的には、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)と、中央構造体420に対して右下側に配置された第2特別図柄に係る始動装置(具体的には、右始動入賞装置432)と、右始動入賞装置432の下方に配置された大入賞装置433,434(具体的には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434)と、右始動入賞装置432の上側(上流側)に配置された普通図柄に係る始動装置436と、遊技盤400の右上側であって上下の大入賞装置433,434に対して上方(上流側)に配置された役連作動装置435と、下側中始動入賞装置431Bの左右両側に配置された一般入賞装置439A,439Bとを備えている。
また、遊技盤400には、上記した上側中始動入賞装置431A等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図10参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、上側中始動入賞装置431Aに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(上側中始動入賞スイッチ441A)、下側中始動入賞装置431Bに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(下側中始動入賞スイッチ441B)、右始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する右始動入賞スイッチ442、下大入賞装置433に進入した遊技球を検出する下大入賞スイッチ443、上大入賞装置434に進入した遊技球を検出する上大入賞スイッチ444、役連作動装置435に進入した遊技球を検出する役連作動スイッチ445、始動装置436に進入した遊技球を検出する始動スイッチ446、下大入賞装置433の内部に形成された非特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する非特定通路スイッチ447、下大入賞装置433の内部に形成された特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B等が遊技盤400に設置されている。
また、遊技盤400には、不正防止のために各種センサが設けられており(図10参照)、パチンコ機100に発生した異常を検出可能とされている。例えば、磁気センサ491、振動センサ492、電波センサ493等が遊技盤400に設置されている。
中央構造体420及び始動装置436の遊技球の入口部分は入球口を構成し、各入球口に進入した遊技球は遊技領域に放出される。各入賞装置、具体的には、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433、上大入賞装置434及び一般入賞装置439A,439Bの遊技球の入口部分は入賞口を構成し、各入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。回収排出通路に案内された遊技球は、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出される。なお、各入賞装置は、他の入賞装置と別々に構成されても良いし、2以上の入賞装置(例えば、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)が一体化された装置によって入賞装置が構成されても良く、また、上側中始動入賞装置431A等の始動装置については必ずしも遊技球が進入した場合に所定の個数の遊技球が払い出される入賞口とする必要はなく、遊技球が払い出されることなく遊技領域に再び放出される入球口としても良い。
第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B、並びに、一般入賞装置439A及び一般入賞装置439Bの各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する。また、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、その内部への遊技球の進入確率を変化させる機構を有している。なお、遊技球の進入確率を変化させる機構は、第2特別図柄に係る始動装置のみに設ける必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、第1特別図柄に係る始動装置、一般入賞装置439A,439Bのいずれか又は複数に設けても良い。また、遊技球の進入確率を変化させる機構は、電気的に駆動されるソレノイド等の駆動手段により構成しても良いし、所定領域へ入球した遊技球の自重により動作する機構に代表される機械的に動作する機構により構成しても良い。
第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構452と、右進入規制機構452を駆動する右進入規制ソレノイド462(図10参照)とを備えている。右進入規制機構452は、右進入規制ソレノイド462によって駆動される2つの可動片を備えており、右進入規制機構452が進入禁止姿勢である場合には、2つの可動片が進入口(入賞口)を狭窄する(又は閉鎖する)配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できないが、右進入規制機構452が進入許容姿勢である場合には、2つの可動片がそれらの先端部の間隔が拡大するような配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できるようになる。右進入規制機構452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、右進入規制ソレノイド462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
下大入賞装置433には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する下進入規制機構453と、下進入規制機構453の姿勢を変化させる下進入規制ソレノイド463(図10参照)と、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、下大入賞装置433に進入した遊技球を非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構(図示せず)と、振分機構の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える切換ソレノイド465(図10参照)とが設けられている。下大入賞装置433の下進入規制機構453が進入禁止姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できないが、下進入規制機構453が進入許容姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口を開放することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できるようになる。また、下大入賞装置433に進入した遊技球は、振分機構が前方に突出する非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構が後方に没入する誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。特定通路、非特定通路及び振分機構は、遊技状態の移行を多様にするために設けられ、特定通路へ遊技球が進入した場合には、遊技者に特典として有利な遊技状態が付与される。
上大入賞装置434には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する上進入規制機構454と、上進入規制機構454の姿勢を変化させる上進入規制ソレノイド464(図10参照)とが設けられている。上進入規制機構454が進入禁止姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できないが、上進入規制機構454が進入許容姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口を開放することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できるようになる。
なお、右進入規制機構452等の内部への遊技球の進入確率を変化させる機構としての進入許容姿勢及び進入禁止姿勢としては、各機構を構成して各装置の入賞口(又は入球口)に遊技球が進入可能な特別状態と、遊技球が進入不能な通常状態とを切り替える動作部材の姿勢変化に対応し、各姿勢に応じて動作部材の位置及び向きの少なくともいずれかが異なるものであれば良い。また、右進入規制機構452等の遊技球の進入確率を変化させる機構として、遊技球が進入不能な状態を通常状態とする必要は必ずしもなく、通常状態においても遊技球の進入を許容し、特別状態においては通常状態より遊技球が進入し易い状態に動作部材の姿勢が変化する構成としても良い。
下大入賞装置433及び上大入賞装置434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A若しくは下側中始動入賞装置431Bへ進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A若しくは下側中始動入賞スイッチ441Bで検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432へ進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、下進入規制ソレノイド463又は上進入規制ソレノイド464の少なくとも一方が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ下進入規制機構453又は上進入規制機構454の少なくとも一方が進入許容姿勢をとる。また、振分機構は、下進入規制機構453の進入許容姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の作動に応じて誘導姿勢に移行し、更に誘導姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の停止に応じて非誘導姿勢に戻る。
役連作動装置435は、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が作動を開始するために必要な条件を設定するための装置である。大当りの抽選に当選した後には、役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する。このため、遊技者は、大当りに当選した場合、自らの意図するタイミングで特別遊技状態を開始させることができる。なお、必ずしも役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成とする必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、予め定めた時間の経過により下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成としても良い。
また、遊技盤400には、図7に示すように、図柄の変動表示や抽選結果を表示する表示装置471~473と、遊技の保留回数を表示する表示装置476~478とが一体化された複数の発光部を有する表示器が、遊技盤400の一部に相当する左下部分に設けられている。複数の発光部は、各装置に対応する発光領域に予め区画され、各装置の状態が発光状態によって表示される。
具体的には、遊技盤400には、第1特別図柄抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471と、第2特別図柄抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472と、第1特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置476と、第2特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置477とが設けられている。第1特別図柄に係る単位遊技の権利及び第2特別図柄に係る単位遊技の権利はそれぞれ最大4回まで保留される。ここで、単位遊技とは、1回の始動入賞に基づいて実行される1回分の遊技であり、1回の始動入賞に基づいて実行される抽選の当否判定と、その当否判定に基づいた抽選結果を表示するまでの変動表示の開始から終了までを含む一連の遊技をいう。
第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動入賞装置431に進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)又は下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)によって検出されたとしても第1特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442(図10参照)によって検出されたとしても第2特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の各々は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。第1特別図柄の表示及び第2特別図柄の表示の各々は、複数の発光部の発光パターン(発光色を含む発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せ)によって表現される。第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、普通図柄抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留回数を表示する普通図柄保留表示装置478とが設けられている。普通図柄に係る単位遊技の権利は最大4回まで保留される。普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出されたとしても普通図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。普通図柄は、複数の発光部の発光パターンによって表現される。また、普通図柄保留表示装置478は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、中央構造体420の後方に重なるようにして、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479が設けられている。装飾図柄の変動表示及び確定表示は、副制御基板940により制御され、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示よりも複雑かつ多様な演出が実行される。なお、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と装飾図柄の変動表示及び確定表示とは、必ずしも完全に一致するタイミングで変動開始したり、確定表示として停止表示をしたりする必要はなく、各タイミングに僅かな時間差を設けつつ略同じタイミングで変動を開始し、略同じタイミングで確定表示が行われる設定としても良い。
また、遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御基板940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(以下において「通常遊技状態」とも略記する)は、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が長い状態(以下において「非時短状態」とも称す)に対応する。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、その当選に基づいて移行する特別遊技状態中に遊技球が特定通路(下大入賞装置433の内部通路)へ進入するか否かに対応して、特別遊技状態後に移行する遊技状態が異なる。特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入しなかった場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が非時短状態よりも短い状態(以下において「時短状態」とも称す)であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態と同一の状態(以下において「低確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「時短遊技状態」とも称す)へ移行する。一方、特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入した場合には、時短状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態より高い状態(以下において「高確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「確変遊技状態」とも称す)へ移行する。
時短遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、50回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。また、確変遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、100回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、例えば、高確率状態が次回の大当りの当選まで継続する構成としても良いし、他の内容によって上記遊技状態の少なくとも1つを構成しても良いし、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としても良いし、上述した条件とは異なる条件によって遊技状態間が移行する構成としても良い。
次に、遊技盤400の主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。主制御基板920においては、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、大当り図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において第1特別図柄に係る始動入賞装置431A,431Bのいずれかに進入した遊技球が中始動入賞スイッチ441A,441B(図10参照)のいずれかによって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、特別遊技状態中でなく、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中でもなく、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されていない場合には、それらの乱数の格納の直後に開始される。また、特別遊技状態中でない場合であっても、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中や第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されている場合には、今回の入賞より前に保留されていた全ての特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に係る単位遊技の終了後に、今回の始動入賞に基づく単位遊技が開始される。特別遊技状態中に第1特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その乱数による単位遊技は、特別遊技状態後において今回の始動入賞より前に保留されていた全ての特別図柄に係る単位遊技の後に開始される。
また、第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、第2特別図柄に係る全ての単位遊技の終了後に開始される。すなわち、今回の始動入賞の後に第2特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が優先して実行される。なお、必ずしも第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が第1特別図柄に係る単位遊技に優先して実行される構成とする必要はなく、始動入賞の順に第1特別図柄と第2特別図柄に係る単位優位制御が実行される構成であっても良いし、2つの特別図柄が択一的でなく同時に変動可能な構成であっても良い。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合には、更に、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。この停止図柄の種類と大当りの種類とが対応し、例えば、下進入規制機構453又は上進入規制機構454が進入許容姿勢をとる回数に相当するラウンド数(例えば、6ラウンドと16ラウンド)や、特別遊技状態後に移行する遊技状態(確変遊技状態へ移行させるか否か)といった遊技状態の種類に対応して大当りの種類が複数種類設定され、その種類毎に大当り図柄が設定されている。第1特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合には、大当り図柄とは別のハズレ図柄が停止図柄として設定される。
第1特別図柄抽選の後に、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が継続される。その後、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄に係る停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は少なくとも所定の一定時間に亘って継続される。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、下大入賞装置433の下進入規制機構453及び上大入賞装置434の上進入規制機構454が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。下進入規制機構453及び上進入規制機構454における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8個)の遊技球が大入賞スイッチ443,444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合には、下進入規制機構453又は上進入規制機構454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、下進入規制機構453又は上進入規制機構454のいずれかが進入許容姿勢に復帰する。この進入規制動作が大当りの種類に対応した所定の順序で所定の回数だけ繰り返される。
下進入規制機構453及び上進入規制機構454は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
各種の遊技状態において、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。このとき、普通図柄に係る単位遊技中でなければ、その格納の直後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。一方、普通図柄に係る単位遊技中であれば、既得の普通図柄に係る単位遊技の権利に基づく単位遊技の終了後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。
普通図柄に係る単位遊技においては、当選乱数の値に基づいて当選したか否かが判定され、当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定される。一方、普通図柄抽選において当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。普通図柄抽選後に、普通図柄表示装置473において普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って、普通図柄に係る停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、右始動入賞装置432の右進入規制機構452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、右始動入賞装置432が所定の最大進入許容時間(例えば、略0.1秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、右始動入賞装置432が非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、略4.8秒)に亘って間欠的に(例えば、3回に分けて)進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、10個)の遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合には、右進入規制機構452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。第2特別図柄抽選を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態において遊技球が右始動入賞装置432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態の滞在時間(例えば、略0.1秒)が時短状態における滞在時間(例えば、略4.8秒)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さい。逆に、時短遊技状態や確変遊技状態等の時短状態においては、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きい。
したがって、遊技者は、第1特別図柄抽選において大当りに当選し、その後の特別遊技状態において遊技球を特定通路へ進入させることによる確変遊技状態への移行を目指して遊技する。一方、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に第2特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技する。
具体的には、遊技盤400には、遊技球が流下する遊技領域の中央部に中央構造体420が設けられ、主に中央構造体420の左側から遊技球を流下させる遊技手法(左打ち遊技手法)と、主に中央構造体420の右側から遊技球を流下させる遊技手法(右打ち遊技手法)とが選択的に行える構成となっている。遊技者は、通常遊技状態においては、左打ち遊技手法によって遊技を行い、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行う。また、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が中央構造体420に対して右側に配置されているので、特別遊技状態においても右打ち遊技手法によって遊技を行う。
次に、後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、パチンコ機100を示す背面側斜視図及び背面図である。なお、図8においては、理解の容易のために、外枠101を省略して示している。
後ブロック104は、図8及び図9に示すように、基体501に他の部材や装置が取着されて構成されている。この基体501と中間ブロック103とが後ブロック支持機構136,137によって接続されることにより、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉可能に支持されている。
後ブロック104は、遊技球を貯留する球貯留部としての遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側に連続して遊技球を(例えば、1列に)整流させると共に1段に整列させる球整列部としてのタンクレール520と、タンクレール520の下流側においてタンクレール520から流入した遊技球を誘導する球誘導部としてのケースレール530と、ケースレール530の下流側において遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路に誘導する誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する電力供給手段としての機能と発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する発射制御手段としての機能とを有する電源・発射制御装置570と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)とパチンコ機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、前側部分に対応するベース部502と、ベース部502よりも後方に位置した保護カバー部503とを含んでいる。ベース部502は、その上側部分が後ブロック104の外形に沿って略枠状に形成されると共に、下側部分が前後方向に厚みを有する略平坦状に形成されており、他の装置が取り付けられる被取付部としての機能を有している。
保護カバー部503は、前後方向に厚みを有する略板状に形成されている。また、保護カバー部503は、中間ブロック103の背面全域を覆う形状でなく、主制御装置370の一部といった頻繁に検査や確認が必要な中間ブロック103の背面における一部をパチンコ機100の背面に露出するための窓部を形成する大きさに設定されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる機能を有する多数の通気孔503Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端側に、島設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端側には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、遊技球タンク510の底面は、長手方向に比して、長手方向と直交する方向(前後方向)にも傾斜し、開口が設けられる側(例えば、前側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510の底面には、その上に重なるようにして金属製の帯電防止板(図示せず)が取着され、帯電防止板が接地電位に接続されて遊技球タンク510内及びその下流側の遊技球の静電気が除去される。
タンクレール520は、遊技球タンク510の開口が形成される側に取り付けられ、遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、遊技球が1列に並んで通過する幅を有する略樋状の遊技球の通路を形成する通路形成部材521と、通路形成部材521により形成される通路の上面として次第に高さが低くなる天面部を有してその通路を流下する遊技球を上下に重なった高さから次第に1段の高さに整流する整流部材522とを備えている。タンクレール520により形成される通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510とは反対側へ遊技球を誘導する。
ケースレール530は、タンクレール520の下側に連続するように縦長に形成されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように左右に湾曲しつつ下方に連続している。また、ケースレール530における球通路の途中部分には、球切れを検出するための球切れ検出部539が設けられている。球切れ検出部539には、貯留球スイッチ591(図10参照)が内蔵され、貯留球スイッチ591によって、ケースレール530又はその上流側で球詰り等が発生してケースレール530内に遊技球が正常に補給されていない球切れ状態を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構と、送出機構を駆動する駆動手段としての払出モータ542(図10参照)と、払出計数スイッチ592(図10参照)とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、球通路に貯留されている遊技球が下流側へ放出される。放出された遊技球の球通路の通過は、払出計数スイッチ592に検出され、これにより、払出制御装置560(払出制御基板930)が遊技球の払い出し数を計数する。
払出制御装置560及び電源・発射制御装置570は、図8及び図9に示すように、後ブロック104の背面側下部に位置するように基体501のベース部502における下部背面に重なるようにして取り付けられている。これら払出制御装置560及び電源・発射制御装置570を含む後ブロック104は、機種変更等において遊技盤400を別の遊技盤に交換した場合にも、継続利用可能とされている。
払出制御装置560は、払出制御基板930(図10参照)と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備え、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止された基板ケースの内部に収容されている。
電源・発射制御装置570は、電源・発射制御基板900(図10参照)と、電源・発射制御基板900を収容する基板ケースとを備え、電源・発射制御基板900は、主制御基板920と同様に、封止された基板ケースの内部に収容されている。
<電気的な構成>
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御基板900は、パチンコ機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種の電力を生成する。電源部901により生成される電力は、各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を含んでいる。
電源部901は、内部電力から生成した各種の電力を、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給される。主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、これら電力は、電源監視基板910の電源監視部911を介して供給される。払出制御基板930に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。副制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。発射制御部902及び信号中継部903に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。
電源部901には、電源スイッチ909が接続されており、電源スイッチ909がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによってパチンコ機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。
電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置330の球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報を初期化する。なお、初期化スイッチ907は、必ずしも信号中継部903を介して主制御基板920に信号を出力する構成とする必要はなく、例えば、初期化スイッチ907を主制御基板920に直接搭載する等して基板ケース371内に初期化スイッチ907が収容される構成としても良く、これにより信号が伝送される区間を狙った不正な信号入力を抑止することができる。
また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力し、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させる。また、主制御基板920は、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力し、高速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させる。
電源監視基板910は、電源・発射制御基板900からの電力供給状態を監視する電源監視部911と、電源・発射制御基板900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、停電状態への移行に応じて主制御基板920へ停電信号を出力するものでもあり、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満である状態が所定の時間だけ継続した場合に停電状態であると判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920へ出力する。主制御基板920は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識する。
主制御基板920は、パチンコ機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板900からのバックアップ電圧の電力供給によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。払出制御基板930は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920及び中継装置950とは双方向の情報入出力通信が可能に接続され、開閉検出スイッチ108,109、貯留球スイッチ591、及び、払出計数スイッチ592とは、一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、払出モータ542とは、一方向のみの情報出力通信のみが可能に接続されている。なお、払出制御基板930のRAMは、主制御基板920のRAMと同様に、停電状態において一定の期間にわたって内部データを維持可能とするバックアップ機能を有する構成としても良いし、主制御基板920のRAMとは異なり、停電状態において内部データを維持しない構成としても良い。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。副制御基板940は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920とは一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、入力操作装置260とは双方向に情報通信可能に接続され、装飾図柄表示装置479等とは一方向の情報出力通信のみが可能に接続されている。
<各種の制御処理>
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
まず、図11を参照して、主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御基板920のメイン処理(図11においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
主制御基板920のメイン処理において、まず、主制御基板920の立ち上げや各種の情報を初期設定するための一連の制御開始処理(プログラム開始処理S1001~乱数初期設定処理S1019)が一度だけ実行され、その後は、割込みを禁止する割込み禁止処理S1020と、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)及び大当り図柄乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)並びに普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する乱数初期値更新処理S1021と、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ~第4の変動種別カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する変動用カウンタ更新処理S1022と、割込みを許可する割込み許可処理S1023とが繰り返し実行される。なお、割込み許可処理S1023の前にタイマ割込みの要求が発生した場合には、割込み許可処理S1023の直後にタイマ割込み処理が実行される。
一連の制御開始処理において、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値を設定するプログラム開始処理S1001と、割込みモードを設定する割込みモード設定処理S1002と、払出制御基板930及び副制御基板940等が立ち上がるまで所定の時間だけ待機する立上待機処理S1003とが実行される。
立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の初期化スイッチ907からの初期化信号の出力状態の判定処理S1004、停電情報(RAMの一部の領域)の値の判定処理S1005、保存情報の記憶状態の判定処理S1007が行われ、これらの判定結果に基づいてRAMの保存情報を消去するか否かが判定される。ここで、保存情報とは、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な情報であって、停電前に遊技の進行に応じて更新されていたRAMの一部の領域に対応し、実行中の単位遊技に関するカウンタの値や、始動入賞によって格納されたカウンタの値等が例示される。
保存情報の記憶状態は、次のように判定される。まず、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出して(チェックサム算出処理S1006)、その現在のチェックサム値と前回の停電状態への移行に伴い停電監視処理S1202(図12参照)において算出されたチェックサム値の2の補数であるRAM判定値との排他的論理和が「0」であるか否か(判定処理S1007)が判定され、これにより、現在のチェックサム値と停電状態への移行時のチェックサム値とが同一であるか否かが判定される。
初期化信号がオン状態である場合(S1004:Y)、停電情報が停電状態への移行時に保存情報を保存して終了したことを示す所定の停電値でない場合(S1005:N)、又は、保存情報が正常に保持されていない場合(S1007:N)には、RAMの保存情報を消去するRAMクリア処理S1008が実行される。保存情報が正常に保持されていると判断された後(S1007:Y)、又は、RAMクリア処理S1008が実行された後には、主制御基板920に接続されている各種の装置を初期化するハードウェア初期化処理S1009が実行される。
ハードウェア初期化処理S1009の後には、停電情報が停電値であるか否かの判定処理S1010が実行される。停電情報が停電値である場合(S1010:N)には、保持情報の復帰を含め各種の情報を初期設定するRAM復帰設定処理S1011と、その設定完了を示す復帰コマンドが設定される(復帰コマンド出力処理S1012)。RAM復帰設定処理S1011における保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に主制御基板920の制御状態が復帰する。
一方、停電情報が停電値でない場合(S1010:Y)には、保持情報の復帰は行わずに各種の情報が初期設定され(RAM初期設定処理S1013)、その設定完了を示す初期化コマンドが出力される(初期化コマンド出力処理S1014)。
なお、RAM復帰設定処理S1011及びRAM初期設定処理S1013において、停電情報は停電値と異なる所定の通電値に設定され、また、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していてもそれらのエラー状態は全て解除される。また、主制御基板920から払出制御基板930及び副制御基板940の双方に復帰コマンドか初期化コマンドのいずれかが出力され、復帰コマンド又は初期化コマンドを受信した払出制御基板930及び副制御基板940の各々においても所定の初期化処理が実行される。
立上時の状況に応じたRAMの初期設定(判定処理S1004~初期化コマンド出力処理S1014)の後に、前回の停電状態への移行時に条件装置が作動していた場合には、特別遊技状態に復帰させるための準備が行われる(特別遊技状態復帰準備処理S1015)。具体的には、特別遊技状態復帰準備処理S1015においては、条件装置と役物連続作動装置の作動状態が判定され、停電状態時における遊技の状況に対応した処理が、副制御基板940において実行される。
特別遊技状態復帰準備処理S1015の後には、時短状態フラグが設定されているか否かを判定することにより時短状態であるか非時短状態であるかが判定され(判定処理S1016)、時短状態である場合(S1016:Y)には、時短コマンドが出力される(時短コマンド出力処理S1017)。一方、非時短状態である場合(S1016:N)には、非時短コマンドが出力される(非時短コマンド出力処理S1018)。その後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が初期化される(乱数初期設定処理S1019)。
次に、図12を参照して、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図12は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。
主制御基板920のタイマ割込み処理では、まず、タイマ割込みを開始させるための割込み開始処理S1201が実行される。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値が設定される。これにより、本タイマ割込み以外の割込みが禁止される。その後に、パチンコ機100の遊技の進行制御や各種センサの監視等といった実質的な制御に係る停電監視処理S1202~外部情報出力処理S1221が順次に実行される。但し、各種の不正の検知に基づいて遊技進行が停止されている場合(S1207:Y)には、制御信号出力処理S1208~外部情報出力処理S1221は実行されない。最後に、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理S1222が実行されて、今回のタイマ割込み処理が終了する。以下において、各種の主要な処理について個別に説明する。
停電監視処理S1202においては、電源監視基板910の電源監視部911から出力されている停電信号の出力状態に基づいて停電情報(RAMの一部の領域)の値が更新される。具体的には停電信号の出力状態が3度に亘り確認され、3度ともオン状態が検出された場合に停電状態であると判定される。この判定において停電状態であると判定されなかった場合には、停電情報は通電値に維持される。
一方、停電監視処理S1202において停電状態であると判定された場合には、以下の処理が実行される。まず、停電情報の値がRAM復帰設定処理S1011又はRAM初期設定処理S1013(図11参照)において設定された通電値から所定の停電値に変更される。また、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出し、そのチェックサム値の2の補数をRAM判定値として設定する。これにより、パチンコ機100は、遊技の進行や各種センサの監視等といった実質的な制御を行わない無限ループに入り、RAM判定値が設定された後のRAMの状態がバックアップ電力に基づいて保持される。なお、停電信号の出力状態が3度に亘り確認されるために、停電信号の受信を初めて検知してから、タイマ割込みの各処理は2回に亘り実行される。
乱数更新処理S1203においては、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。但し、変更後の値が特別図柄に係る当選乱数カウンタに対する循環初期値と同一の値となる場合には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定され、また、循環初期値も当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定される。
大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタについても、特別図柄に係る当選乱数カウンタの場合と同様にして更新される。ただし、各カウンタの規定最大値と規定最小値とにより定められる更新範囲としては各カウンタに固有の値が設定され、複数のカウンタが非同期で更新される構成とされ、各カウンタの循環初期値には各カウンタに固有の初期値カウンタが参照される。例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタと特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、大当り図柄乱数カウンタと大当り図柄乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、普通図柄に係る当選乱数カウンタと普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一である。
乱数初期値更新処理S1204においては、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、大当り図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの場合と同様にして更新される。
変動用カウンタ更新処理S1205においては、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ~第4の変動種別カウンタの値が更新される。具体的には、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値(例えば、「187」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。第2の変動種別カウンタ~第4の変動種別カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、第1の変動種別カウンタの場合と同様にして更新される。
なお、特別図柄及び普通図柄に係る各当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ並びに各変動種別カウンタは、必ずしも上記構成とする必要はなく、上記カウンタの少なくとも一部を他の構成としても良く、例えば、初期値カウンタを利用しないで一定の初期値から更新する構成としても良いし、プログラムを利用しないで乱数生成用ICにより構成して必要に応じて値を参照する構成としても良い。
遊技停止判定処理S1206においては、不正検知情報が不正検知値である場合には、遊技停止値に更新されると共に、遊技進行を停止させるための各種の情報が設定される。一方、不正検知情報が不正検知値でない場合や既に遊技停止値である場合には、遊技進行を停止させるための各処理は実行されずに遊技停止判定処理S1206は終了する。なお、不正検知情報は、不正検知処理S1211において各種の不正の発生が検知された場合に不正検知値に設定される。また、判定処理S1207においては、不正検知情報が遊技停止値であるか否かによって遊技停止中であるか否かが判定される。
制御信号出力処理S1208においては、出力バッファに格納された制御データに基づいて、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472及び普通図柄に係る普通図柄表示装置473等の各種の報知装置を制御する信号が出力される。また、出力バッファに格納された制御データに基づいて、球送りソレノイド332、発射ソレノイド334、右進入規制ソレノイド462、下進入規制ソレノイド463、上進入規制ソレノイド464、切換ソレノイド465等の各種のアクチュエータを制御する信号が出力される。
スイッチ読込処理S1209においては、中始動入賞スイッチ441A,441B、右始動入賞スイッチ442、下大入賞スイッチ443、上大入賞スイッチ444、役連作動スイッチ445、始動スイッチ446、非特定通路スイッチ447、特定通路スイッチ448、及び、一般入賞スイッチ449A,449Bの各々からの信号状態が読み込まれて、各種のスイッチによる遊技球の検出状態の変化が検知される。
具体的には、スイッチ読込処理S1209において、各種のスイッチからの信号状態が所定の時間間隔を隔てて2度に亘り入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、各種のスイッチからの信号ごとに、1回目に読み込まれた信号状態(以下において「第1の信号状態」と略記する)と、2回目に読み込まれた信号状態(以下において「第2の信号状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで検知された検出状態(以下において「前回の検出状態」と略記する)とに基づいて、各種のスイッチの検出状態の変化が検知される。そして、各スイッチに対して、前回の検出状態がオフ状態である場合において、第1の信号状態がオン状態であり、第2の信号状態がオン状態である場合には、オン状態移行と判断されて、スイッチの種類に応じた検出フラグ(RAMの一部の領域)が設定される。なお、停電監視処理S1202で説明したように、電源供給が停止したとしても、タイマ割込みの各処理が2回に亘り実行されるために、電源供給が停止した直後に各種のスイッチのオン状態が開始された場合であっても各種のスイッチの検出フラグを正確に設定することができる。
タイマ更新処理S1210においては、特別図柄及び普通図柄の変動表示、各遊技状態の制御、及び、不正監視等に使用される各種のタイマ(RAMの所定の領域)が更新される。
不正検知処理S1211においては、各種の入賞装置に強制的に遊技球を進入させたり、各種の入賞装置を強制的に作動させたりするような不正行為が検知される。具体的には、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な進入許容姿勢への移動、加振による下大入賞装置433の特定通路への遊技球の誘導、電波による右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な誤作動の誘発、磁気吸着による各種の入賞装置への遊技球の誘導、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434への異常なタイミングでの遊技球の誘導等の不正行為が行われた可能性の高い状況の発生を検知する。
入賞検知応答処理S1212においては、遊技盤400に設けられた各種のスイッチによる遊技球の検出に基づく制御が実行される。具体的には、上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)及び下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、中始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、中始動入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第1払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。また、右始動入賞スイッチ442(図10参照)による遊技球の検出に基づいて右始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、第1払出カウンタが更新される。また、下大入賞スイッチ443(図10参照)による遊技球の検出に基づいて下大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合や、上大入賞スイッチ444(図10参照)による遊技球の検出に基づいて上大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、大入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第2払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。
発射制御処理S1213においては、発射装置330による遊技球の発射を制御するための発射関連情報が更新される。具体的には、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332の作動フラグ及び発射機構333を駆動する発射ソレノイド334の作動フラグが更新される。
入力信号監視処理S1214においては、払出制御基板930を介した開閉検出スイッチ108(図10参照)からの信号の出力状態に基づいて、外枠101(図1及び図2参照)に対して中間ブロック103(図1及び図2参照)が閉鎖されているか否かが検知される。また、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づいて、中間ブロック103(図2及び図3参照)に対して前ブロック102(図2及び図3参照)が閉鎖されているか否かが検知される。
払出状態監視処理S1215においては、払出制御基板930から出力される払出制御状態を示す情報が監視され、必要に応じて、払出制御状態に応じた各種の払出状態コマンドが設定される。なお、払出状態コマンドを受信した副制御基板940は、払出状態コマンドの種類に応じた報知を装飾図柄表示装置479、左上音響装置281及び右上音響装置282等に実行させる。
払出信号出力処理S1216においては、必要に応じて、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタの値に基づいて各種の賞球コマンドを設定し、払出制御基板930に出力する。なお、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタは、賞球コマンドの設定に応じて更新される。例えば、第1払出カウンタは、1回の入賞に相当する遊技球が検出される毎に1ずつ加算され、その入賞に基づく賞球コマンドが設定される毎に1ずつ減算される。払出制御基板930では、その入賞に対応する数(例えば、3個)の遊技球を払い出す制御を実行する毎に(詳細には、払い出しが完了する少し前に)、主制御基板920に賞球コマンドを要求し、賞球の払い出しが継続している状況においては、主制御基板920から更なる賞球コマンドが出力される。第2払出カウンタは、第1払出カウンタとは賞球数が異なる入賞(例えば、13個)に対応して更新されるカウンタであり、第2払出カウンタの値に基づく賞球コマンドを払出制御基板930が受信した場合には、払出制御基板930は、その賞球コマンドに対応した数分の遊技球を払い出す制御を実行する。
特別図柄関連処理S1217においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第1特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476の動作制御が実行される。また、第1特別図柄に係る単位遊技の制御において、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471の動作制御が実行され、第1特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
また、特別図柄関連処理S1217においては、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第2特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477の動作制御が実行される。また、第2特別図柄に係る単位遊技の制御において、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の動作制御が実行され、第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
普通図柄関連処理S1218においては、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御並びに普通図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、普通図柄保留表示装置478の動作制御が実行される。また、普通図柄に係る単位遊技の制御において、普通図柄に係る普通図柄表示装置473の動作制御が実行され、普通図柄抽選に当選した場合には更に右始動入賞装置432の動作制御が実行される。
表示制御処理S1219においては、特別図柄関連処理S1217における第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477等の動作を制御するために更新される各種の情報に基づいて、それらの装置を具体的に作動させるための出力データが合成される。合成された出力データは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において各装置に出力される。
モータ制御処理S1220においては、各種のモータの動作制御が実行される。外部情報出力処理S1221においては、パチンコ機100に電気的に接続されるデータ表示装置(図示せず)や管理装置(図示せず)等の外部装置に出力する出力データが設定される。
<遊技球の払出経路の構成(1)>
次に、図13以降を参照して、遊技球の払出経路に関する構成について説明する。図13は、パチンコ機100及び遊技球管理装置700を前側(正面)から見た正面図である。パチンコ機100の隣(左側)には、そのパチンコ機100で遊技を行う遊技者の所持球を管理する遊技球管理装置700が設置されている。
遊技球管理装置700は、遊技者の所持する所持球数及び所持金額を表示可能な管理情報表示部701と、所持球及び所持金額を利用した遊技球の貸し出し操作や価値記憶媒体の取り出し操作等が可能な管理装置操作部702と、紙幣を挿入する紙幣挿入部703と、情報を記録可能なカードやコインなどの価値記憶媒体を挿入する記憶媒体挿入部704と、遊技球管理装置700に管理される遊技球を前側から投入するための前側球投入部705及び前側通路部材706と、遊技球管理装置700に管理される遊技球を後側から投入する後側球投入部707とを備えている。
前側通路部材706は、パチンコ機100から払い出された遊技球を、遊技球管理装置700へと移送する移送通路としての前側通路を構成する部材である。前側通路部材706は、パチンコ機100に設けられる2つの貯留部231,241のうち下側の補助貯留部241の下に上流側の端部が位置するようにして設置されている。また、前側通路部材706は、正面視左側を回動中心にして左手前側に回動可能に取り付けられ、パチンコ機100の前ブロック102や中間ブロック103を開閉する際に、前ブロック102に押されることで同期して回動する。
前側通路の上流側部分は、補助貯留部241の放出口241B(図1参照)の下側にて上方に開口している。また、前側通路は、遊技球管理装置700に向かって遊技球が進行するように正面視左側に下り傾斜し、下流側の端部にて、遊技球管理装置700の前側球投入部705に接続されている。補助貯留部241に貯留された遊技球は、遊技者によって球抜き操作部材242(図1参照)が操作されることで前側通路を経由して遊技球管理装置700へ移送可能となっている。
また、パチンコ機100の背面側には、パチンコ機100から払い出された遊技球を、遊技球管理装置700へ移送する移送通路としての後側通路580を構成する後側通路部材が設けられている。後側通路580へ遊技球を進入可能とするか否かは、遊技場の管理者によってパチンコ機100の背面側を操作することで選択可能に構成されている。遊技場の管理者は、後側通路580を経由して遊技球を遊技球管理装置700へ移送する機能を有効とするか否かを選択可能となっており、後側通路580に関する構成の詳細については、後述する。
次に、パチンコ機100から払い出される遊技球の払出経路に関する構成について、図14等を参照して、更に説明する。図14は、パチンコ機100及び遊技球管理装置700を後側(背面側)から見た背面図であり、遊技球の払出経路に関する主要な構成を模式的に示し、一部の構成を省略している。また、図14(A)は、補助貯留部241と前側通路とを経由させて、パチンコ機100の前側から遊技球管理装置700へ遊技球を移送する状態(前側移送状態)を示し、図14(B)は、補助貯留部241を経由させることなく、パチンコ機100の後側にて遊技球管理装置700へ遊技球を移送可能とする状態(後側移送状態)を示している。また、図14においては、矢印を付した細線によって、遊技球が流下して進行可能な経路の一部および方向を図示している。
まず、図14(A)を参照して、前側移送状態における遊技球の払出経路に関する構成について説明する。
パチンコ機100には、遊技場の設備から遊技球タンク510に遊技球が供給される。遊技球タンク510に供給された遊技球は、タンクレール520及びケースレール530を通って払出装置540に進入する。払出装置540は、払出制御装置560(図10参照)の制御によって遊技球を1球ずつ下流側に流下させるものであり、例えば、回転動作に応じて遊技球を1球ずつ下流側に進行させる球送り部材(図示せず)を有している。遊技球は、球送り部材が回転動作することによって1球ずつ出力されて下流側に進行し、払出計数スイッチ592(図10参照)を通過してから、誘導部材550の球誘導部551へと進入する。球誘導部551の下流側には、2股に分岐して2つの誘導通路552,553が、球誘導部551の一部として設けられている。
球誘導部551に進入した遊技球は、一方側(背面視左側)の主側誘導通路552に優先して進入するように誘導される。主側誘導通路552が遊技球で満たされて遊技球が進入不能な満タン状態となった場合には他方側(背面視右側)の誘導通路である補助側誘導通路553に遊技球が誘導される。
主側誘導通路552は、パチンコ機100の背面視左側であって遊技球管理装置700から離間した側に設けられ、主貯留機構230の貯留部231へと接続されている。主側誘導通路552の下流側には、主貯留機構230の流入口231Aが設けられ、主側誘導通路552へ進入した遊技球は、主貯留機構230の貯留部231へ誘導される。
補助側誘導通路553は、パチンコ機100の背面視右側であって遊技球管理装置700に近い側に設けられ、補助貯留機構240の補助貯留部241へと接続されている。補助側誘導通路553の下流側には、補助貯留機構240の流入口241Aが設けられ、補助側誘導通路553へ進入した遊技球は、補助貯留機構240の補助貯留部241へ誘導される。
払出装置540によって払い出された遊技球は、球誘導部551を経由し、2つの誘導通路552,553のうち、主貯留機構230へ接続される主側誘導通路552を優先して流下し、主貯留機構230の貯留部231へ誘導される。主貯留機構230へ接続される主側誘導通路552が満タン状態になると、補助貯留機構240へ接続される補助側誘導通路553を遊技球が流下する。補助貯留機構240へ接続される補助側誘導通路553に予め定めた上限の高さ位置に達するまで遊技球が貯留された満タン状態になると、遊技球の払い出しが一時停止され、満タン状態が解除されると、再び払い出しが再開される。
図15は、前側移送状態としての進入切替部材581が進入阻止姿勢をとった状態における補助側誘導通路553と後側通路580との分岐部分の周辺を模式的に示した略線図である。図15においては、矢印を付した細線によって、遊技球が流下して進行可能な経路の一部および方向を図示している。
後側通路580は、補助側誘導通路553からの分岐部分から水平方向よりわずかに下降傾斜して連続するように設けられ、その下流側部分がパチンコ機100の背面視右側(正面側から見て左側)の遊技球管理装置700の背面側に重なる位置まで連続している。後側通路580における下流側端部の出口580Bは、遊技球管理装置700の後側球投入部707に接続され、後側通路580を経由した遊技球が遊技球管理装置700へ背面側から進入可能となっている。後側通路580における入口580Aの近くには、進入切替部材581が設けられている。
進入切替部材581は、補助側誘導通路553と後側通路580との分岐部分に設けられている。後側通路580は、その上流側端部が補助側誘導通路553の途中部分に接続され、前側移送状態に対応して進入阻止姿勢をとった進入切替部材581は、補助側誘導通路553から後側通路580へ続く入口を閉鎖し、遊技球が後側通路580へ進入し得ない状態とする。これにより、前側移送状態では、補助側誘導通路553を通過する遊技球は、後側通路580へ進入し得ず、分岐部分に到達した遊技球は、補助貯留機構240へ接続される補助側誘導通路553に沿って流下し、補助貯留機構240の補助貯留部241へ誘導される。
ここで、後側通路580を形成する後側通路部材は、外枠101の背面側部分に設けられる軸580Cによって回動可能に支持され、後側通路部材が外枠101に支持されて一体化されている。軸580Cによって後側通路部材を縦長となるように回動すると(図15に鎖線で示す外形線580Xの状態)、後側通路部材は、パチンコ機100の背面視で外枠101の矩形状の外形内に収まる収納状態となるように構成されている。これにより、パチンコ機100を遊技場に設置するときに、後側通路部材が周辺部分に接触することによって破損する不具合を防止している。
ここで、後側通路580を形成する後側通路部材の一部を伸縮可能な構成とし、補助側誘導通路553に後側通路580の入口580Aが連続可能となる設置状態において、誘導部材550を含む後ブロック104が外枠101に対して回動しても、後側通路580と補助側誘導通路553とが連続した状態を維持するように構成することが好ましい。または、設置状態にて後ブロック104が外枠101に対して回動した場合に、その回動動作に連動して進入切替部材581が後側通路580の入口580Aを閉鎖する構成とし、さらに、補助側誘導通路553において後側通路580へ連続する通路を閉鎖する別の蓋部材を設けて、後側通路580の入口580Aと補助側誘導通路553における後側通路580への出口部分とが別々に閉鎖する構成としてもよい。
補助側誘導通路553の上流部であって、後側通路580への分岐部分より上流側には、遊技球によって押下されることで遊技球の存在を検知可能な球検知部材559が設けられている。球検知部材559は、補助側誘導通路553に対して予め定めた上限の高さ位置に達するまで遊技球が満たされた満タン状態を検出するための部材であり、球検知部材559の状態が球溢れスイッチ249(図10参照)によって検出されて補助貯留部241を下流端とする下側の貯留部の上限まで遊技球が貯留されているか否かが検出可能となっている。
図16は、進入阻止姿勢をとった進入切替部材581を、補助側誘導通路553と後側通路580と共に模式的に示した図であり、図17は、進入阻止姿勢をとった進入切替部材581をパチンコ機100の背面側及び左側から視認した状態を示した図である。
進入切替部材581は、進入阻止部582と、該進入阻止部582の下側に設けられて進入阻止部582を回動可能とする回動軸部583と、遊技場の管理者が操作可能な操作部としての切替操作部584とを有している。進入切替部材581の回動軸部583は、後側通路部材に回動可能に支持され、進入阻止部582は、回動軸部583によって回動可能(変位動作可能)に構成され、配置位置が変更されることにより、後側通路580に対する遊技球の進入を阻止する進入阻止姿勢と、後側通路580に対する遊技球の進入を許容する進入許容姿勢とをとる。
回動軸部583は、進入切替部材581を回動可能とするための機構の一部を構成する部位である。回動軸部583は、切替操作部584に接続されており、切替操作部584の回転操作に応じて進入阻止部582を鉛直方向又は水平方向に略平行な位置に回転させて変位させることができる。
進入切替部材581は、鉛直方向に位置させることで進入阻止姿勢をとり、略平行に位置させることで進入許容姿勢をとる。進入切替部材581の姿勢変化は、切替操作部584の操作によって進入阻止部582を回転動作させることで実施可能とされている。進入切替部材581には、進入阻止部582を鉛直方向及び水平方向に略平行な位置に操作した場合に進入阻止部582が鉛直方向又は水平方向に略平行な予め定めた位置に保持(維持)する保持機構(図示せず)が設けられている。なお、「略平行」とは、平行から±10°の範囲内としてもよく、「平行」を含むものとする。
進入切替部材581は、図16に示すように、進入阻止部582を鉛直方向に略平行な方向に配置することにより進入阻止姿勢をとり、主側誘導通路552と後側通路580との連通部分を遊技球が通過不能に遮断し、遊技球の後側通路580への進入を阻止する。進入切替部材581が進入阻止姿勢のときには、図14(A)及び図15に示すように、主側誘導通路552が満タン状態となっている状況で払い出された遊技球を、誘導部材550が、補助側誘導通路553へと進入させて下流側へと進行させ、流入口241Aを通じて補助貯留部241へと誘導する。
次に、図14(B)と、図18から図20とを参照して、後側移送状態における遊技球の払出経路に関する構成について説明する。
パチンコ機100には、補助側誘導通路553の途中から、補助貯留機構240が設けられる側とは異なる横方向に分岐して後側通路580が設けられ、後側通路580へ遊技球が進入するか否かが進入切替部材581の位置によって制御される。なお、後側通路580は、一部の図面において理解の容易のために、通路の外形のみを模式的に示すと共に、背面側から通路の内部が視認可能な状態を模式的に示し、また、図2,図4,図8及び図9においては、後側通路部材及び進入切替部材581を省略している。
図18は、進入切替部材581が進入阻止姿勢をとった状態における補助側誘導通路553と後側通路580との分岐部分の周辺を模式的に示した略線図である。図18においては、矢印を付した細線によって、遊技球が流下して進行可能な経路の一部および方向を図示している。図19は、進入許容姿勢をとった進入切替部材581を、補助側誘導通路553と後側通路580と共に模式的に示した図であり、図20は、進入許容姿勢をとった進入切替部材581をパチンコ機100の背面側及び左側から視認した状態を示した図である。
進入切替部材581は、図18から図20に示すように、後側移送状態に対応して進入許容姿勢をとり、補助側誘導通路553と後側通路580とが連続するように、進入阻止部582を補助側誘導通路553が設けられる側(背面視左側)に傾倒した状態となる。進入許容姿勢をとった進入切替部材581は、後側通路580に対して略平行(水平方向に対して略平行な方向)であって僅かに背面視右側に下り傾斜するように配置され、補助側誘導通路553と後側通路580との連通部分を遊技球が通過可能に開口して、補助側誘導通路553から後側通路580への遊技球の進入を許容する。また、進入許容姿勢をとった進入切替部材581は、補助側誘導通路553の下流側へ連続する通路側の開口を閉塞し、補助側誘導通路553を通過してきた遊技球を後側通路580へと誘導する。
図14(B)に示すように、進入切替部材581が進入許容姿勢のときには、主側誘導通路552から遊技球が溢れて補助側誘導通路553へ進入した遊技球は、進入切替部材581によって後側通路580の側へ誘導されて遊技球管理装置700へ進入する。
遊技球管理装置700に進入した遊技球は、遊技球管理装置700によって管理されることとなり、例えば、遊技球管理装置700内に設けられた計測カウンタ(図示しない)によって、その進入数がカウントされて遊技者の所持球数に加算される。所持球数の加算は、遊技球管理装置700内の価値記憶媒体に記憶され、管理情報表示部701の表示内容が更新される。また、遊技球管理装置700内に進行した遊技球は、遊技球管理装置700の球出口(図示せず)を経由して遊技場側に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。
ここで、パチンコ機100nには、後側通路580への遊技球の進入不能状態を検知する進入不要検知機能が設けられている。遊技球管理装置700の側に遊技球が進行できない状態となって後側通路580が遊技球で満たされた満タン状態となると、遊技球が補助側誘導通路553の側まで連続することとなる。補助側誘導通路553と後側通路580との分岐部分より上流側には球検知部材559が設けられており、球検知部材559の高さ位置まで遊技球が満たされると球検知部材559を通じて後側通路580の満タン状態が検知される。これにより、後側通路580へ遊技球が進入し得ない状況についてもパチンコ機100が検出し、後側通路580の満タン状態に対応して遊技球の払い出しを停止する等の制御が可能となっている。なお、球検知部材559とは別に、後側通路580に、満タン状態を検出するための検知部材やセンサを設けて、補助側誘導通路553とは別の位置にて満タン状態を検出可能とし、その満タン状態に対応して遊技球の払い出しを停止するなどの制御をパチンコ機100が実施する構成としてもよい。
進入切替部材581は、パチンコ機100の背面側に露出し、遊技者は操作不能に構成され、遊技場の管理者によって操作可能とされている。例えば、遊技場の管理者がパチンコ機100の裏側を直接操作することにより、進入切替部材581に対しての直接的な切替作業が実行される。これにより、遊技場に設置された遊技球管理装置700の仕様に応じてや、パチンコ機100の機種に応じて、或いは、遊技場の嗜好に応じてなど、遊技場の管理者が必要に応じて進入阻止姿勢及び進入許容姿勢のいずれかを自由に選択して切替を行うことができる。
このように、パチンコ機100は、払出装置540から払い出された遊技球をパチンコ機100の前側に貯留する補助貯留部241と、補助貯留部241に貯留された遊技球をパチンコ機の前側で遊技機外に出す補助貯留部241の放出口241Bと、払出装置540と補助貯留部241との間に位置する補助側誘導通路553と、補助側誘導通路553とは別に設けられて払出装置540から払い出された遊技球を補助貯留部241の放出口とは異なるパチンコ機100の背面側にて遊技機外に出す後側通路580と、払出装置540から払い出された遊技球が後側通路580に進入するか否かを切り替えることが可能な進入切替部材581とを備えている。このため、補助貯留部241の放出口241Bを利用し、従来と同様に、遊技者自身の管理する球箱や遊技球管理装置700に、パチンコ機100の前側を経由して遊技球を移送可能としつつ、更に、後側通路580を使って遊技球管理装置700にパチンコ機100の背面側を経由して遊技球を移送することが可能となる。
すなわち、パチンコ機100の前側の貯留部231,241を経由させることなく、一部の遊技球を遊技球管理装置700に移送することができるので、遊技者の所持する遊技球を、遊技者が触れる機会を設けることなく容易に管理することができる。従って、貯留部231,241から遊技球が溢れてしまったり、球箱に移し替えたりする作業を少なくし、且つ、遊技者から遠い位置を経由して遊技球を遊技球管理装置700に移送できるため、遊技球の通過する音や遊技球同士の接触音も遊技者に届きにくくすることができ、遊技者の利便性を高めることができる。
<遊技球の通過音および接触音の抑制構造>
次に、図13を参照して、パチンコ機100における遊技球の通過音や遊技球同士の接触音を少なくするための構成について更に説明する。パチンコ機100には、パチンコ機100の前後方向において、後側通路580の前側に重なる位置に音響装置283が設けられている。音響装置283は、後側通路580より前に設けられ、音響装置283が設けられることで、後側通路580からの遊技球の通過音や接触音が前側に出力され難く、且つ、その音響装置283の音は、遊技者に届き易く構成されている。音響装置283に対しては、音を出力する音出力部の他に、背面側からの音を検出するマイク等の音検出部を設け、音検出部によって検出された音を打ち消す逆位相の音を音響装置283の音出力部から出力するようにしてもよく、例えば、音響装置283の音検出部が検出する音を副制御基板940が検出し、その逆位相の音についても音響装置283の音出力部から出力するようにしてもよい。これにより、一層、遊技球の通過音や接触音を打ち消して、パチンコ機100の演出として設定された音を遊技者に届き易くすることができる。
正面視左側に設けられる音響装置283に対して、左右対象の反対側にも、音響装置283と同様に構成された音響装置284が設けられている。音響装置284は、パチンコ機100の右側に配置される隣のパチンコ機100における後側通路580から遊技球管理装置700に進入するように進行する遊技球の音を遊技者に届き難くするものであり、これによっても、パチンコ機100の演出として設定された音を遊技者に届き易くすることができる。
このように、パチンコ機100には、後側通路580の出口と払出装置540との間にて遊技球が通過する移送通路としての後側通路580が通路形成部材によって形成され、後側通路580の一部に対して前側には、パチンコ機100の演出等の効果音を出力する音響装置283が設けられている。このため、遊技球をパチンコ機100の外に出すまでの過程において後側通路580内を通過する遊技球の通過音や接触音より音響装置283によって出力される音を優先して遊技者に届かせることができ、パチンコ機100に設定された演出等の効果音を遊技者が聞き取り易くすることができる。また、音響装置281~285は、剛性の高い金属部材や音を響かせるための筐体(エンクロージャー)を含み、これらの部材の一部が後側通路580の前に位置することによって後側通路580で発生した音が遊技者側に届く強さを低減することができる。
また、補助貯留機構240の補助貯留部241から遊技球が下方に排出される放出口241B(図1参照)の前側に重なる位置にも音響装置285が設けられている。補助貯留部241は、パチンコ機100の前面側に設けられているので、遊技者から近い位置で遊技球の通過音や接触音が出力され易く、この音が発生し易い位置に対して前側に重なるように音響装置285が設けられることで、音響装置285からの音についても、遊技者に届き易くすることができる。特に、球抜き操作部材242が操作されて遊技球が排出されている状況で効果があり、前側通路部材706の前側通路へ遊技球が進入した際の衝突音や、補助貯留部241の下に樹脂製の球箱が置かれて遊技球が球箱に進入する音についても、遊技者と衝突部分との間に音響装置285が配置されることで遊技者へ遊技球の音を届き難くすることができる。この音響装置285についても音検出部を設けて、音検出部によって検出された音を打ち消す逆位相の音を音響装置285の音出力部から出力することが好ましい。
なお、音響装置283~285は、必ずしも後側通路580や放出口241Bの前側に重なる位置に設けられる必要はなく、ずれた位置に配置されてもよい。この場合には、後側通路580や放出口241Bに対して、パチンコ機100の正面視において左右方向及び上下方向における中心に近い側に配置されることが好ましく、これにより、遊技を行う遊技者の顔がパチンコ機100の正面視において左右方向及び上下方向における中央の近くに配置された状況において音響装置283~285が発生した音を遊技者に届き易くすることができて好ましい。
また、音響装置283~285の少なくともいずれかに対して、背面側からの音を検出するマイク等の音検出部は、指向性を有するものであって背面側に位置する後側通路580や放出口241Bの設けられる側の音の方が前側等の他方向よりも入力し易い状態にして設け、音響装置283~285の音検出部が検出する後側通路580や放出口241B側から発した音に対しての逆位相の音を音響装置283~285の音出力部から出力することが好ましい。これにより、一層、遊技球の通過音や接触音等といった効果音以外の音を打ち消して、パチンコ機100の演出として設定された演出等の効果音を遊技者に届き易くすることができる。
<遊技球の払出経路の構成(2)>
次に、図21及び図22を参照して、上記実施形態とは別の構成とした払出経路を備えた例について、上述したパチンコ機100とは異なる構成の箇所に1000を加算した符号を附して説明し、同一の構成の箇所には同一符号を附して説明を省略する。図21は、2台のパチンコ機1100及び遊技球管理装置700の配置を前側から見た状態を示す正面図であり、図22は、それらパチンコ機1100及び遊技球管理装置700を後側から見た状態を示す背面図である。ここで、図21及び図22においては、理解の容易のために、パチンコ機1100及び遊技球管理装置700の主要な構成のみを模式的に示している。
上述したパチンコ機100では、遊技球管理装置700に、パチンコ機100の前面側を経由することなく、遊技球を移送可能な移送経路を備えた構成について説明したが、本実施形態のパチンコ機1100では、他のパチンコ機1100にも遊技球を移送可能な移送経路を備えている。パチンコ機1100が複数並んで設置された状態では、1のパチンコ機1100の背面側に設けられる球誘導部551と、その隣に設置されるパチンコ機1100の球誘導部551とが、各パチンコ機1100に設けられる2つの後側通路1590A,1590Bによって、双方向に遊技球を移送可能となるように、互いに接続されている。また、パチンコ機1100には、遊技球管理装置700に遊技球を移送可能とする後側通路1580が設けられている。
1つの後側通路1590Aは、他のパチンコ機1100へ遊技球を移送する通路であり、複数並んだパチンコ機1100のうち正面視左側(背面視右側)のパチンコ機1100から正面視右側(背面視左側)のパチンコ機1100へ遊技球を移送可能とするために設けられている。この後側通路1590Aは、正面視右側(背面視左側)へ向けて下向きにわずかに傾斜していると共に、球誘導部551の下流側にて分岐して設けられる主側誘導通路552から分岐して設けられ、その分岐部分の近くに進入切替部材1591Aが設けられている。
もう1つの後側通路1590Bは、自身のパチンコ機1100へ遊技球を流入する通路であり、複数並んだパチンコ機1100のうち正面視右側(背面視左側)のパチンコ機1100から正面視左側(背面視右側)のパチンコ機1100へ遊技球を移送可能とするために設けられている。この後側通路1590Bは、正面視左側(背面視右側)へ向けて下向きにわずかに傾斜していると共に、球誘導部551の下流側にて分岐して設けられる主側誘導通路552から分岐して設けられ、その分岐部分の近くに進入切替部材1591Bが設けられている。
図23及び図24は、進入切替部材1591Aが進入阻止姿勢と進入阻止姿勢とをそれぞれとった状態における主側誘導通路552と後側通路1590Aとの分岐部分の周辺を模式的に示した略線図である。なお、2つの進入切替部材1591A,1591Bは同一の構成とされており、片方の進入切替部材1591Aのみについて説明し、もう一方の進入切替部材1591Bについては説明を省略する。
進入切替部材1591Aは、板状の進入阻止部を鉛直方向に対して略平行な方向に配置することにより、主側誘導通路552と後側通路1590Aの上流部との連通部分を遊技球が通過不能に遮断した進入阻止姿勢を取り、遊技球の後側通路1590Aへの進入を阻止する。図23に示すように、進入切替部材1591Aが進入阻止姿勢のときに、貯留部231に貯留された遊技球が多くて主側誘導通路552に遊技球が上限まで貯留された状態になると、遊技球は、進入切替部材1591Aが設けられる高さ位置より上方側まで貯留される。さらに、主側誘導通路552の上端まで遊技球が貯留されると、後続の遊技球が主側誘導通路552へ進入できずに補助側誘導通路553へと誘導される。すなわち、主側誘導通路552から連続する貯留部231が満タン状態になると、補助貯留部241へ遊技球が供給される。
一方、図24に示すように、進入切替部材1591Aは、板状の進入阻止部が後側通路1590Aの位置する方向側(後側)へ傾倒し、後側通路1590Aの設けられる側に対して略平行(水平方向に対して略平行であって僅かに後側へ下り傾斜する方向)に配置されることにより進入許容姿勢をとる。これにより、主側誘導通路552と後側通路1590Aとの連通部分は、遊技球が通過可能に開口された状態となり、遊技球の後側通路1590Aへの進入が許容される。このとき、主側誘導通路552の上端よりも下側に後側通路1590Aの入口部分が設けられているため、図24に示すように、主側誘導通路552に遊技球が貯留されて後側通路1590Aの入口部分の高さ位置に貯留された遊技球の上端部分が達した状態になると、後続の遊技球は、後側通路1590Aへ進入し、進入切替部材1591Aの進入阻止部の傾斜によって後側へ流下し、後側通路1590Aの出口部を経由して隣のパチンコ機1100の主側誘導通路552へと進入する。
また、後側通路1590Aの出口部には、進入切替部材1592Aが設けられている。進入切替部材1592Aは、例えば、上記した進入切替部材1591Aと同様に板状の進入阻止部が回動して進入阻止姿勢と進入許容姿勢とをとる構成とされている。進入切替部材1592Aは、パチンコ機1100に対して隣のパチンコ機1100への遊技球の進入を許可する許可操作を実行した場合に限って、後側通路1590Aの出口部が隣のパチンコ機1100の主側誘導通路552に設けられる遊技球の入口への遊技球の進入を許容するように、すなわち、遊技球が通過可能に開口される。許可操作が実行されなければ、後側通路1590Aの出口部は、進入切替部材1592Aによって遊技球が通過不能に閉塞される。
隣のパチンコ機1100には、進入切替部材1592Aが設けられる位置に、主側誘導通路552への遊技球の進入を阻止する進入阻止姿勢と、主側誘導通路552への遊技球の進入を許容する進入許容姿勢をとる進入切替部材(図示せず)が設けられ、この進入切替部材が、後側通路1590Aに設けられる進入切替部材1592Aに連動するように設けられている。後側通路1590Aの出口部が主側誘導通路552へ接続され、且つ、隣のパチンコ機1100にて自身のパチンコ機1100への遊技球の進入を許可する許可操作が実行される条件が成立した場合に限って、進入切替部材が進入許容姿勢をとって主側誘導通路552への遊技球の進入を許可し、いずれかの条件が成立していなければ進入切替部材が進入阻止姿勢をとって主側誘導通路552への遊技球の進入を阻止する。
これにより、自身のパチンコ機1100の主側誘導通路552に遊技球が貯留されている状況において、後側通路1590Aの出口部分であって進入切替部材1592Aの設けられる高さ位置に、貯留された遊技球の上流側部分が達した状態になっても、主側誘導通路552における後側通路1590Aの出口部分との連通部を通じて遊技球が後側通路1590A内に下流側から進入してしまう事態を回避することができる。
図21に示すように、パチンコ機1100の前側には、進入切替部材1591A,1592A,1591B,1592Bの姿勢を切替操作するための切替操作部1588が設けられている。また、切替操作部1588の操作に応じて進入切替部材1581A,1581Bの進入阻止姿勢又は進入許容姿勢を切り替える動力源としてのモータ等を含む連動機構(図示せず)が切替操作部1588と電気的に接続されている。例えば、左右2つ並んだ押圧操作が可能なスイッチによって、右隣のパチンコ機1100へ遊技球を送出するための進入切替部材1591A,1592Aを動作させる右側のボタン操作と、左隣のパチンコ機1100へ遊技球を送出するための進入切替部材1591B,1592Bを動作させる左側のボタン操作とが実行可能となっている。
遊技者は、切替操作部1588を操作することによって、遊技の状況に応じて遊技球が払い出される先として、左右のパチンコ機1100を自由に選択することができる。なお、進入切替部材1581Aが進入許容姿勢をとっている状態において、パチンコ機1100は、切替操作部1588を点滅させたり、装飾図柄表示装置479の表示画面に、払い出された遊技球が他のパチンコ機1100に移送可能に設定されていることに対応した移送設定中情報を注意喚起のために表示するなどして、遊技球が他のパチンコ機1100に供給されていることを知らせる構成を備えることが好ましい。
パチンコ機1100には、図22に示すように、2つの球検知部材1559A,1559Bが設けられている。一方の球検知部材1559Aは、上記した球検知部材559と同様、補助側誘導通路553の上端部に設けられ、主側誘導通路552に遊技球が溢れた後に補助側誘導通路553の予め定めた上限まで遊技球が貯留された場合に、球検知部材559によって遊技球が補助側誘導通路553の上限まで供給されていることが検知される。
もう一方の球検知部材1559Bは、主側誘導通路552の上端部に設けられ、主側誘導通路552の予め定めた上限まで遊技球が貯留された場合には、球検知部材1559Bによって遊技球が主側誘導通路552の上限まで供給されていることが検知される。パチンコ機1100では、切替操作部1588を操作して他のパチンコ機1100に遊技球を移送可能に設定している状況では、払出制御基板930は、2つの球検知部材1559A,1559Bのうち主側誘導通路552に設けられる球検知部材1559Bによって主側誘導通路552の上限まで遊技球が貯留されていないことを条件の1つとして遊技球を払い出す制御を行う。そして、球検知部材1559Bによって主側誘導通路552の上限まで遊技球が貯留されていることが検知されると、払出制御基板930は払出モータ542を制御して遊技球の払い出しを停止する。これにより、主側誘導通路552が遊技球で溢れた状況において、遊技球を補助側誘導通路553へ進入させずにパチンコ機1100に貯留させておくことができる。従って、遊技者は、他のパチンコ機1100へ遊技球を移送したい場合において、補助貯留部241に払い出された遊技球を手操作で他のパチンコ機1100へ移送させる必要性を少なくし、他のパチンコ機1100に遊技球を移送し易くすることができる。
また、他のパチンコ機1100へ遊技球を供給するための後側通路1590A,1590Bは、主側誘導通路552から分岐して設けられ、遊技球管理装置700へ遊技球を移送するための後側通路1580は、補助側誘導通路553から分岐して設けられている。払い出された遊技球は、補助側誘導通路553より主側誘導通路552に優先して供給されるので、他のパチンコ機1100と遊技球管理装置700との両方へ遊技球を移送する設定をした場合に、他のパチンコ機1100へ遊技球を優先して移送することができる。従って、他のパチンコ機1100で遊技球が不足して、遊技者が不利益を被る状況を少なくすることができ、複数のパチンコ機1100で複数の遊技者が並んで遊技を行う場合により、好適に遊技を進行させることができる。なお、他のパチンコ機1100と遊技球管理装置700とのうち、遊技球管理装置700へ優先して遊技球が供給されるように、例えば、主側誘導通路552から分岐する後側通路に遊技球管理装置700が接続され、補助側誘導通路553から分岐して設けられる後側通路に他のパチンコ機1100が接続されるようにしてもよい。
ここで、2つの後側通路1590A,1590Bの前側には、図21に示すように、音響装置283,284が重なるように設けられ、音響装置283,284から出力される演出等の効果音が遊技者に届き易くなっている。また、2つの後側通路1590A,1590Bを形成する後側通路部材は、外枠101の背面側部分に設けられる軸1593A,1593Bによって回動可能に支持され、外枠101と一体化されている。軸1593A,1593Bによって後側通路部材を縦長となるように回動すると、後側通路部材は、パチンコ機100の背面視で外枠101の矩形状の外形内に収まる収納状態となるように構成され、パチンコ機100を遊技場に設置するときに、後側通路部材が周辺部分に接触して壊れてしまうことがない構成とされている。なお、2つの後側通路1590A,1590Bを形成する後側通路部材の一部を伸縮可能な構成とし、主側誘導通路552に後側通路1590A,1590Bが連続可能となる設置状態において、誘導部材550を含む後ブロック104が外枠101に対して回動しても、後側通路1590A,1590Bと主側誘導通路552とが連続した状態を維持する構成とすることが好ましい。または、主側誘導通路552に後側通路1590A,1590Bが連続可能となる設置状態において、誘導部材550を含む後ブロック104が外枠101に対して回動した場合に、進入切替部材1591A,1592A,1591B,1592Bは、後側通路1590A,1590Bの入口及び出口を閉鎖し、主側誘導通路552において後側通路1590A,1590Bへ連続する通路を閉鎖する構成としてもよい。
このように、パチンコ機1100には、他のパチンコ機1100へ遊技球を移送可能とする後側通路1590A,1590Bが設けられ、切替操作部1588を操作することによって、遊技者は、大当りに当選したときなどにおいて、隣のパチンコ機1100で遊技を行っている友人や家族に対して、遊技球に接触することなく、簡単な操作で遊技球を分け与えることができる。また、パチンコ機1100の前側を遊技球が通過することなく、隣のパチンコ機1100に対して遊技球を供給することができるので、パチンコ機1100の前側のスペースを遊技者が活用し易くすることができ、余分な球箱やコップ形の球容器を遊技者の側に設置しなくて済み、遊技者の所持する携帯電話や飲み物を置くスペースを広げて遊技をし易いパチンコ機1100とすることができる。
<貯留部の構成>
次に、パチンコ機100の主貯留機構230の構成について更に詳しく説明する。パチンコ機100では、下大入賞装置433(図7参照)の内部に形成された特定通路に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448(図10参照)が設けられており、大当りに当選して下大入賞装置433が開放するときに、たまたまパチンコ機100の貯留部231に遊技球がなく、補助貯留部241にも遊技球がないと、開放動作の時間内に特定通路に遊技球を進入させることができなかったり、短時間の下大入賞装置433の開放等の抽選に当選した場合に当該当選によって入賞が可能となった所定個数の遊技球の一部を入賞させることができなくなってしまうといった不都合が生じる恐れがある。そこで、パチンコ機100では、貯留部231として、発射装置330が設けられる流出口231Bの側へ遊技球が流下する通常貯留領域235と、貯留部231への遊技球の払い出し数が一定量以上となった場合に遊技球が貯留されるものの、遊技球の発射動作に応じて貯留部231の遊技球が減少しても発射装置330側へ遊技球が流下しない補助貯留領域236とが設けられている。
具体的に、図25に示すように、貯留部231は、流入口231Aから供給される遊技球が進入し、遊技球が貯留される。貯留部231では、通常貯留領域235と補助貯留領域236とのうち通常貯留領域235へ遊技球が優先して流下する。通常貯留領域235の底面は、右下がりの僅かな傾斜(0.5~5°程度)を有しており、流入口231Aから、発射装置330側へ連続する流出口231Bまで連続し、遊技球を左側から右側へと遊技球を流下(進行)させる。これにより、一定量以下の遊技球の払い出しでは、貯留部231の通常貯留領域235のみを遊技球が流下し、補助貯留領域236には、遊技球が進入しない構成となっている。
補助貯留領域236は、通常貯留領域235の一部と隣り合うようにして設けられ、貯留部231のうち通常貯留領域235の前側に形成されている。補助貯留領域236の面積は、貯留部231の底面積の5~50%、より好ましくは10~25%程度であることが好ましく、貯留される遊技球数としては、5個~50個の範囲内とすることが好ましく、10個~30個の範囲内とすることが好適である。
図26は、図25のX-X’線で切断した貯留部231の形状を模式的に示す断面図である。図26に示すように、通常貯留領域235と補助貯留領域236との境界236Aは、上方側に突出した峰状の頂上部分が連続することによって構成され、その高さは、遊技球が一定量以上貯留部231に貯留されるまでは、補助貯留領域236の側に遊技球が進入し得ない程度に設定されている。例えば、前後方向において、貯留部231の一番低い位置より、0.5~5mm程度に上方に突出した頂上部分によって境界236Aが構成されている。この境界236Aとしては、図26(A)及び図26(B)に別々の形状として示すように、通常貯留領域235と補助貯留領域236との境界部分を頂部とする山状の傾斜として形成されてもよいし、部分的に上方側に突出する突出部によって形成されてもよい。又は、他の境界Aの形状として、図26(C)に示すように、奥側(図26(C)の右側)に下降傾斜して通常貯留領域235と補助貯留領域236とが設けられ、通常貯留領域235の側が一段高くなるように構成された段差によって境界236Aが構成されてもよい。
貯留部231に貯留されている遊技球が少ない場合、遊技球は通常貯留領域235へ誘導される。一方、貯留部231に貯留される遊技球が多くなると、遊技球は境界236Aを乗り越え、補助貯留領域236に貯留される。遊技中に遊技球が発射装置330によって発射されると、通常貯留領域235に貯留された遊技球は、発射動作に応じて右側へ進行するが、補助貯留領域236の遊技球は境界236Aによって補助貯留領域236の内部に留まることになる。この境界236Aの高さは、遊技者が遊技球を奥側へ進行させるように手で押し出すと、境界236Aを乗り越えて通常貯留領域235へと誘導することができる程度に低く設定され、部分的な突出部によって境界236Aが構成される場合には、遊技球の半径より低く設定され、遊技球の直径の3分の1以下の高さに設定されることが好ましい。遊技者は、一旦大量の遊技球を獲得すれば、通常貯留領域235の遊技球がなくなった場合であっても、補助貯留領域236に遊技球を意識せずに残存させておくことができ、必要なときに補助貯留領域236の遊技球を使用して遊技をすることが可能となる。
このように、貯留部231には、流出口231Bよりも上流側に位置して払出装置540によって払い出された遊技球が貯留される領域であって、貯留された遊技球が発射装置330の動作に応じて流出口231Bの側へ進行する通常貯留領域235が設けられており、さらに、払出装置540によって所定量以上の遊技球が通常貯留領域235に貯留された場合に遊技球が進入する領域であって、発射装置330が動作しても少なくとも一部の遊技球が進行しないで停留し、遊技者による所定の押圧操作によって通常貯留領域235へ遊技球を移送可能な補助貯留領域236が設けられている。
このため、遊技球の一部が補助貯留領域236に停留し、発射手段によって自動的に発射されることのない遊技球を補助貯留領域236に確保することができる。よって、遊技者が通常貯留領域235に遊技球がなくなっていることに気がつくのが遅れた場合であっても、補助貯留領域236の遊技球を使用して速やかに遊技を継続することができる。また、補助貯留領域236の遊技球は、遊技者による遊技球への押圧操作によって通常貯留領域235へ移送可能であるので、補助貯留領域236から通常貯留領域235への遊技球の移送を簡易且つ迅速にし、遊技者の利便性を向上させることができる。
なお、図27及び図28は、上記した通常貯留領域235と補助貯留領域236との配置とは異なる形態の通常貯留領域1235と補助貯留領域1236とを示している。図27に示すように、補助貯留領域1236は、主貯留機構1230の貯留部1231の後側に設けられ、通常貯留領域1235が遊技者に近い手前側にて連続し、一定量以上の遊技球の払い出しによって通常貯留領域1235だけでなく補助貯留領域1236にも遊技球が貯留される。図28に示すように、遊技球が次第に減少すると、補助貯留領域1236には遊技球が残存することとなる。通常貯留領域1235に対して遊技者から離れた後側に補助貯留領域1236が設けられているので、補助貯留領域1236における遊技球の有無は、遊技者が位置する手前側から見て貯留部1231を構成する壁部分の陰に隠れることが少なくなって視認しやすく、遊技者に補助貯留領域1236内の遊技球の存在を認識させ易くすることができる。よって、遊技者が補助貯留領域1236に遊技球を残したまま遊技を終えて移動してしまうことなどを未然に防止することができる。
ここで、補助貯留領域1236における境界1236Aとして、補助貯留領域236の左側と手前側を囲む段差状に境界1236Aを形成し、流出口231B側(右側)に段差のない境界1236Aを形成しても良い。これにより、遊技者が手で遊技球を右側に押すと、段差を越えさせることなく、発射装置330側に遊技球を素早く移動させることができるため、一段と簡単に且つ好適に遊技球を通常貯留領域1235へ誘導することができて好ましい。
次に、図29から図31を参照して、上記実施形態とは異なる他の実施形態について更に説明する。
図29は、上記実施形態とは異なるパチンコ機2100及び遊技球管理装置700の配置を示す背面図である。パチンコ機2100は、上記したパチンコ機1100とは遊技球を移送可能に接続する通路の構成が異なるものである。
上記実施形態においては、隣り合うパチンコ機1100を、主側誘導通路552から分岐する後側通路1590A,1590Bによって遊技球を移送可能に接続する構成について説明したが、必ずしも主側誘導通路552から後側通路1590A,1590Bを分岐させる必要はない。図29に示すように、隣り合うパチンコ機2100について、補助側誘導通路553から後側通路2590A,2590Bを分岐させ、隣のパチンコ機2100の主側誘導通路552へ遊技球が進入可能にしてもよい。この場合にも、上記したパチンコ機1100と同様に、進入切替部材2591A,2592A,2591B,2592Bによって、後側通路2590A,2590Bの入口及び出口を開閉可能に構成することが好ましい。
図30は、上記実施形態とは異なる位置に、払出装置540によって払い出された遊技球が放出可能な出口部が設けられる形態のパチンコ機3100の正面視及び上側から見た部分断面視における一部を示した図である。パチンコ機3100は、上記したパチンコ機100に対して、遊技球管理装置へ遊技球を移送する通路(移送通路)の構成が異なるものである。なお、図30には、矢印を付した細線によって、移送通路を通過する遊技球の経路を模式的に示し、一点鎖線によって、別の位置に移動させた場合の放出通路部材3101Bと、誘導部材550と、後側通路3580とを模式的に示している。
上記実施形態においては、第1の出口部として、補助貯留部241の放出口241Bが設けられ、第2の出口部として、パチンコ機100,1100の背面側に、後側通路580,1580,1590A,1590Bの出口が設けられる構成について説明した。これに対して、本形態では、第2の出口部が、パチンコ機3100の前面側に設けられている。
外枠3101は、前後方向に貫通する内部空間を形成する枠状に構成されている。外枠3101に対しては、前ブロック3102及び中間ブロック103と、払出装置540を含む後ブロック104との組合せ(図2参照)が開閉部材として一体的に前側に開放可能に構成されている。
図30に示すように、外枠3101には、上記実施形態における外枠101に対して、遊技球の誘導通路3101Aが内部に設けられ、誘導通路3101Aは、外枠3101の左側を構成する縦長の枠部3101Cの内部に形成されている。上記実施形態における誘導部材550の補助側誘導通路553には、後側通路3580の入口3580Aが移送可能に連続し、誘導通路3101Aの上流側の端部が後側通路3580に連通しており、これにより、補助側誘導通路553と誘導通路3101Aとが連続している。そして、上記実施形態と同様、遊技場の管理者又は遊技者の操作によって進入切替部材(図示せず)を操作し、補助貯留部241に遊技球を流下させる前側移送状態とするか、遊技球管理装置3700に後側通路3580を介して遊技球を流下させる後側移送状態とするかを選択操作可能に構成されている。
また、前ブロック3102は、上記実施形態における前ブロック102に対して正面視左側端部であって主貯留機構230と補助貯留機構240とが設けられる高さに相当する一部分が切除された形状となっており、外枠3101の左側の枠部3101Cが、パチンコ機3100の前面に露出されている。
パチンコ機3100の左端まで後側通路3580によって遊技球が誘導されると、その遊技球は外枠3101に設けられた誘導通路3101Aを経由してパチンコ機3100の前面側へと移送される。パチンコ機3100の前面側に移送された遊技球は、外枠3101の一部として設けられる放出通路部材3101Bによって遊技球管理装置3700に移送可能となっている。遊技球管理装置3700には、放出通路部材3101Bに設けられる遊技球の出口部と上下方向で通路が連通するように上方に開口形成された球投入部3705が設けられ、後側通路3580から外枠3101の誘導通路3101Aと放出通路部材3101Bの内部通路とを経由して、パチンコ機3100から遊技球管理装置3700へ遊技球が移送可能となっている。
また、放出通路部材3101Bは、図30(B)に示すように、軸支持部3101Dによって上下方向を中心にしてパチンコ機3100の手前側を左右に回動可能に設けられ、左側に先端側を向けた場合には、遊技球管理装置3700の球投入部3705に連続する。一方、放出通路部材3101Bの先端側を右側に向けた場合には、放出通路部材3101Bの出口部が補助貯留部241に向けて開口し、後側通路3580へ進入した遊技球が補助貯留部241へ流下する(図30(A)及び図30(B)における放出通路部材3101Xの状態)。これにより、遊技者は、後側通路3580へ遊技球が誘導される後側誘導状態であっても、他の遊技者に球箱を利用して遊技球を渡したい場合などにおいて補助貯留機構240の補助貯留部241へ遊技球を流下させ、補助貯留部241の放出口241Bから遊技球を放出することで必要な量分の遊技球を他の遊技者に渡す等することができる。
このように、外枠3101には、遊技球管理装置3700に対して後側通路3580と共に遊技球を移送する移送通路の一部を形成する誘導通路3101Aが設けられている。このため、払出装置540から払い出された遊技球の少なくとも一部は外枠3101によって形成される移送通路の一部を経由して遊技球管理装置3700に移送することができる。外枠3101は、パチンコ機3100の左右方向における最も外側に設けられるので、移送通路の一部を通過する遊技球の通過音や接触音が遊技者に届き難くすることができ、パチンコ機3100に設定された演出等の効果音を遊技者が聞き取り易くすることができる。また、外枠3101は、払出装置540を含む開閉可能な部位を支持しつつ遊技場にパチンコ機3100を取り付ける際の支持体として機能するものであり、剛性や強度の高い材料によって構成され、この外枠3101によって形成される移送通路の一部は不正に穴を開けられたり改造されたりし難くすることができる。よって、遊技者が所持する遊技球が他の者(犯罪者)に奪われてしまうなどの不正行為を抑制することができる。
次に、図31を参照して、上記実施形態とは異なる通常貯留領域4235と補助貯留領域4236A1,4236A2とが設けられたパチンコ機4100について説明する。パチンコ機4100は、図30に示す上記したパチンコ機100に対して、主貯留機構4230の貯留部4231の構成と、貯留部4231に貯留された遊技球を遊技球管理装置3700へ移送可能とする移送通路の構成が異なっている。なお、図31には、矢印を付した細線によって、移送通路を通過する遊技球の経路を模式的に示し、一点鎖線によって、貯留部4231に貯留された遊技球の一部を模式的に示している。
図31(A)は、パチンコ機4100の主貯留機構4230の貯留部4231を平面視した状態を示す図である。
主貯留機構4230の貯留部4231には、発射装置330が設けられる流出口231Bの側へ遊技球が流下する通常貯留領域4235と、貯留部4231への遊技球の払い出し数が一定量以上となった場合に遊技球が貯留されるものの、遊技球の発射動作に応じて貯留部4231の遊技球が減少しても発射装置330側へ遊技球が流下しない補助貯留領域4236とが設けられている。通常貯留領域4235と補助貯留領域4236とは、境界4236Aによって遊技球が補助貯留領域4236の側へのみ、払出装置540による遊技球の払い出しによって移送可能となっている。
補助貯留領域4236は、所定の列数(本実施形態では「5」)に、予め定めた数(本実施形態では「5」)ずつ並んで遊技球が待機する形状に形成され、合計で、予め定めた個数(本実施形態では「25」)の遊技球が待機球として貯留される。補助貯留領域4236の各列は、各列に遊技球が並んで配列されるように起伏が設けられ、例えば、各列の間にて上方側に突出し、各列の方向に沿って連続する峰状の突条部4236Bによって各列に遊技球が並んで配置される。
また、補助貯留領域4236は、待機球の数(以下、待機球数ともいう)を容易に把握可能なように、例えば、いずれも「5」に設定されている。補助貯留領域4236の列数及び各列の待機球数としては、遊技者が待機球数を把握し易いように、「3」の倍数(例えば、「3」又は「6」)か、「5」の倍数(例えば、「5」又は「10」)に設定することが好ましい。
図31(B)は、図31(A)のY-Y’断面で切断した貯留部4231の形状を模式的に示している。補助貯留領域4236の底面は、遊技者が位置する前側に傾斜し、一番前の遊技球の位置する下側の待機領域4236C1は、底面を開閉可能に動作するように構成された球支持部材4236Dによって閉塞されている。待機領域4236C1にて球支持部材4236Dに支持された遊技球に対して後側(図31(B)の右側)には、4つの遊技球が待機球として連続する待機領域4236C2が設けられ、待機領域4236C2には、各列に5つの遊技球が並んで配置されている。
待機領域4236C1,4236C2によって構成される補助貯留領域4236の各列にて、5つの遊技球が接触する底面より後側には、境界4236Aが上方側に突出する頂部を構成して設けられている。補助貯留領域4236の後側に位置する遊技球は、通常貯留領域4235の底面に支持されることで発射装置330側へ流下可能となっている。
球支持部材4236Dは、平面視で補助貯留領域4236の近くに設けられる排出操作部4236Eと一体化されている。排出操作部4236Eに対して遊技者が所定の方向(例えば、右斜め後方)側へ移動操作をすることで補助貯留領域4236の底面の一部を構成する待機領域4236C1が開口し、球支持部材4236Dに下側を支持されていた遊技球が下方へ流下する。この移動操作によって遊技球が下方へ流下する個数は、補助貯留領域4236の待機球数と一致し、全領域に遊技球が待機球として配置された状態では、「25」の遊技球を下方へ流下させることができる。
球支持部材4236Dに下側を支持されていた遊技球の前側にて遊技球を支持する貯留部231の壁面4231Aは、遊技球の直径より低く形成されて遊技者に近い側に位置する遊技球の上部が壁面4231Aより上側に突出するように構成されている。このため、遊技者の指YBが待機球に接触しやすく、球支持部材4236Dに下側を支持された遊技球を、補助貯留領域4236から通常貯留領域4235へ移送し易くなっている。
また、壁面4231Aと、球支持部材4236Dに下側を支持された遊技球とが接触する高さは、当該遊技球の重心位置TGより高く設定されている。このため、複数の遊技球が補助貯留領域4236の各列にて後ろに連なっても、遊技球が手前側に押し出されて移動してしまう(例えば、壁面4231Aを待機球が乗り越えてしまう)ことを抑制し、予め設定された待機球数の待機球を補助貯留領域4236に貯留し易くすることができる。
補助貯留領域4236の各列は、右斜め後方側に連続し、通常貯留領域4235の下流側に向いている。このため、遊技者は、補助貯留領域4236の待機球を通常貯留領域4235へ押圧することで、素早く発射装置330側へ遊技球を誘導可能とすることができる。この補助貯留領域4236にて遊技球が並んで待機する方向に対して、通常貯留領域4235における下流側の方向は略45度以内に設定されることが好ましく、略30度以内に設定されることが好適である。
図31(C)は、パチンコ機4100の正面視における一部を示した図である。パチンコ機4100は、貯留部4231の補助貯留領域4236に貯留された待機球を、外枠3101の一部として設けられる放出通路部材3101Bによって遊技球管理装置3700に移送可能に構成されている。
貯留部4231の補助貯留領域4236の待機領域4236C1の下側には、移送通路4232が連続し、移送通路4232の下流側には、放出通路部材3101Bの内部通路が連続している。このため、補助貯留領域4236に貯留された待機球は、外枠3101の一部として設けられる放出通路部材3101Bを経由して遊技球管理装置3700に移送可能となっている。よって、補助貯留領域4236の全領域に遊技球が待機球として配置された状態では、「25」の遊技球を下方へ流下させて遊技球管理装置3700へ一定数の遊技球を移送することができる。
ここで、補助貯留領域4236には、複数の列に、それぞれ一定個数の遊技球が待機球として貯留されている。このため、遊技者は、補助貯留領域4236のうち待機球が配置される領域を選択することで、より細かな数の遊技球を遊技球管理装置3700へ容易に移送することができる。例えば、10個の遊技球を遊技球管理装置3700へ移送したい場合には、遊技者は、補助貯留領域4236の全5列のうち3列分は、通常貯留領域4235へ遊技球を移送し、補助貯留領域4236の2列に10個の遊技球が待機球として配置されてから排出操作部4236Eを操作すればよい。各列のうち1部の列の待機球数を減少させてもよく、これにより、8個の遊技球など、各列に待機可能な待機球数の倍数以外でも、容易に計数して遊技球管理装置3700へ移送することができる。
このように、貯留部4231には、流出口231Bよりも上流側に設けられて払出装置540によって払い出された遊技球が貯留される領域であって、貯留された遊技球が発射装置330の動作に応じて流出口231Bの側へ進行する通常貯留領域4235が設けられ、さらに、発射装置330が動作しても遊技球が進行しないで停留する領域であって、遊技者による遊技球に対しての押圧操作によって通常貯留領域4235へ遊技球を移送可能であり、予め定めた個数の遊技球が並んで配置されて計数可能な計数可能貯留領域としての補助貯留領域4236が設けられている。補助貯留領域4236に停留した遊技球の個数は、単位個数としての一定数毎に、並んで、貯留されているので、遊技者が容易に待機数を計数可能であり、遊技者は、必要な数分の遊技球を遊技機外に取り出し易くすることができる。また、補助貯留領域4236の遊技球は、遊技者による遊技球への押圧操作によって通常貯留領域4235へ移送可能であるので、補助貯留領域4236から通常貯留領域4235への遊技球の移送を簡易且つ迅速にし、遊技者の利便性を向上させることができる。
ここで、移送通路4232に対して前側には、音響装置283~285と同様に、音響装置4286が重なるように設けられ、音響装置4286から出力される演出等の効果音が遊技者に届き易くなっている。この音響装置4286は、移送通路4232に対して、必ずしも前側に重なる位置に配置される必要はなく、ずれた位置に配置されてもよいが、パチンコ機4100の正面視において左右方向及び上下方向における中心に近い側に配置されることが好ましい。また、音響装置4286に対して、背面側からの音を検出するマイク等の音検出部を設けて逆位相の音を効果音と共に出力するように、音響装置4286の音検出部が検出する音を副制御基板940が検出し、その逆位相の音についても音響装置4286の音出力部から出力することが好ましい。
<貯留表示部の構成>
次に、貯留表示部601を有するパチンコ機5100の構成について、図32から図37を参照して説明する。図32は、貯留表示部601の配置を示す略線図であり、図33貯留表示部601及びカメラ装置611,612の配置を示す略線図である。ここで、図32及び図33では、貯留表示部601以外のパチンコ機5100の各構成を模式的に示している。
貯留表示部601は、押圧操作装置261(図1,図5参照)の代わりに設置されており、遊技者から見て主貯留機構230を覆うように配置されている。なお、貯留表示部601は、必ずしも押圧操作装置261の代わりに設置される必要はなく、押圧操作装置261と貯留表示部601とを共にパチンコ機に設置してもよく、これらを左右方向や前後方向に並べて配置したり、高さを異ならせて配置してもよい。
パチンコ機では、遊技場に予め設定されたスペースに各遊技機メーカーの各機種を設置するため、スペースに限りがあり、遊技領域を大きく設定しようとすると、その分、遊技者が種々の操作を行う等のパチンコ機の機能部品を設置する領域(主貯留機構230,補助貯留機構240,発射操作装置250)が狭められてしまう。例えば、遊技球を貯留するための主貯留機構230の上部に重なるようにして、別の表示装置や操作装置を設ければ、表示装置や操作装置を大型化できる一方、遊技者が主貯留機構230の内部を視認できなくなったり、視認できない領域が広くなって遊技者の所持する(貸し出される)遊技球の残数の確認がし難くなるなどの不具合が生じてしまう。このような問題のため、新たな表示装置や操作装置などを大型化して配置することは困難であった。
これに対し、本実施形態のパチンコ機5100では、図32及び図33に示すように、遊技者から見て主貯留機構230を覆うように貯留表示部601を配置すると共に、カメラ装置611によって主貯留機構230を撮影し、該主貯留機構230の状況を貯留表示部601に表示することにより、貯留表示部601の配置によって遊技者が主貯留機構230を視認できなくなる不具合をカバーするようにしている。
図32及び図33に示すように、パチンコ機5100では、主貯留機構230の貯留部231の上部から前方向へ向けて斜め下に傾斜するように、平板状の貯留表示部601が貯留部231と重なって配置されている。具体的には、貯留部231に対して、遊技者(具体的には、遊技者の視点若しくは頭部)が位置する前方斜め上方側に、貯留表示部601が配置されている。
貯留表示部601は、液晶表示装置等の薄板状の表示装置によって構成され、上方側を向く平面部分に表示面が位置し、この表示面はタッチパネルによって構成されて、遊技者の入力装置が可能となっている。
貯留表示部601の左右方向の長さは、貯留部231における左右方向の長さよりも小さく形成されており、遊技者側から見て、貯留部231の左側端部の一部に、貯留表示部601と重複しない領域が設定されている。この重複しない領域では、貯留部231の開口部分が上方に開口して露出し、遊技者は、この開口部分から遊技球の出し入れを直接的に行ったり、遊技場側の遊技球管理装置から貸し出される遊技球の通路出口部分を挿入して、遊技球管理装置からパチンコ機5100へ遊技球を移送することが可能である。
図33に示すように、貯留表示部601の裏側(底面側、または下側)には、カメラ装置611が設置されている。また、貯留部231の裏側(底面側、または下側)にも同様に、カメラ装置612が設置されている。上述したように、遊技者から見て、貯留表示部601によって貯留部231が覆われた状態となり、遊技者から貯留表示部601と重なった部分の貯留部231を視認することが困難となっている。また、貯留部231の一部に隣接して貯留表示部601を設けているため、撮影映像が途切れてしまい、一つのカメラ装置で遊技者と同様の視野を撮影することが困難である。そこで、パチンコ機5100では、2つのカメラ装置611,612によって貯留部231,241を撮影し、貯留表示部601がなければ遊技者が本来見えるであろう画像を合成して貯留表示部601に表示する。
ここで、貯留表示部601の周囲の少なくとも一部に、貯留表示部601の上に遊技球が載置された場合に、当該遊技球を、貯留部231,241の少なくともいずれかに誘導する誘導手段としての誘導路を設けてもよい。また、貯留表示部601の上端部分を、遊技領域の下側に入り込むように構成して、装飾図柄表示装置479に近づけて配置し、装飾図柄表示装置479と貯留表示部601とに跨がって連続する画像を表示するようにしたり、当該画像によって図柄の変動表示が実行されるようにしてもよい。
図34に、貯留表示部601を有するパチンコ機5100の電気的構成図を示している。ここで、図34には、図10に示す電気的構成図に対して貯留表示部601に関する主要な構成のみを追加して示し、上記した各実施形態に対応する一部の構成については、図示を省略している。
パチンコ機5100では、副制御基板940がカメラ装置611,612と貯留表示部601とを制御する構成としている。副制御基板940には、貯留部231,241を撮影するカメラ装置611,612と、貯留部231,241を画像で表示可能な貯留表示部601とが接続されている。また、副制御基板940は、画像データ記憶部941と、表示データ生成部942とを備え、画像データ記憶部941葉、副制御基板940のROMの一部によって構成され、表示データ生成部942は、副制御基板940によってROMの一部に記憶されるプログラムと、CPUの制御処理とによって構成される。
ここで、必ずしも副制御基板940がカメラ装置611,612と貯留表示部601とを制御する構成とする必要はなく、副制御基板940と通信可能であってCPUとROMとRAMとを含む制御部が貯留表示部601に設けられ、貯留表示部601によってカメラ装置611,612と貯留表示部601との少なくとも一方を制御するなど、他の制御部によってカメラ装置611,612と貯留表示部601とを制御してもよい。
カメラ装置611,612によって撮影された撮影データは、副制御基板940の表示データ生成部942に供給される。表示データ生成部942は、予め画像データ記憶部941に記憶されている画像データと撮影データとを重畳し、貯留表示データを生成する。
表示データ生成部942は、貯留表示データを貯留表示部601に供給する。このとき、表示データ生成部942は、カメラ装置611,612によって撮影された撮影データを加工(回転、並進、拡大・縮小)して組み合わせることにより、貯留表示部601がなければ本来遊技者から見える貯留部231,241の状態に近い画像に加工した視認想定画像データを生成すると共に、該視認想定画像データに対して所定の仮想画像を追加して貯留表示データを生成する。
この結果、貯留表示部601には、図35に示すように、遊技者があたかも上部から貯留部231,241を視認しているかの様な貯留表示データと、カメラ装置611,612によって撮影された撮影データにはない仮想画像である切換ボタン602とが表示される。なお、切換ボタン602は、パチンコ機5100の一部に重なるようにして表示し、切換ボタン602が表示されている貯留部241の枠部分を、遊技者が、操作することで入力操作が可能に構成してもよい。例えば、貯留表示部601の下に手を差し入れて切換ボタン602の表示位置に重なる位置に遊技者の手が配置され、下方に遊技者の指が動く動作をカメラ装置612によって検出し、これにより、切換ボタン602が遊技者に操作されたことを検知してもよい。
図35では、遊技者が貯留表示部601の下に手を差し入れた状態を示しており、遊技者が差し入れた手についても、貯留表示部601に画像として表示される。このため、遊技者は、あたかも貯留表示部601が存在しないかのような自然な感覚で貯留表示部601の画像を視認することができる。なお、以下、理解を容易にするために必要に応じて、現実の貯留部231,241に対し、貯留表示部601に表示された貯留部には末尾にXを附し、貯留部231X,241Xとして、区別して記載する。
貯留表示部601は、遊技者が入力操作が可能なタッチパネル式の構成でなる。遊技者は、仮想画像である切換ボタン602に接触すると、貯留表示部601は、切換ボタン602が操作されたことを表す操作信号を副制御基板940に供給する。副制御基板940は、切換ボタン602が遊技者によって操作されたことを認識すると、カメラ装置612によって撮影された撮影データに仮想画像を重畳して補助貯留表示データを生成する。この結果、図36に示すように、貯留表示部601には、補助貯留機構240の補助貯留部241が表示される。これにより、遊技者は、従来視認しづらかった補助貯留部241の様子を簡単に確認することができる。遊技者は、再度切換ボタン602を操作することにより、元の貯留表示データ(図35)を表示させることができる。
さらに貯留表示部601では、抽選結果に応じて、特定の仮想画像を重畳して表示する。仮想画像としては、例えば動物や植物などを擬人化したり人物をデフォルメした、いわゆるキャラクターを重畳して表示したり、遊技球の画像を重畳して表示する。
例えば、抽選結果が大当り当選だった場合、当選結果の発表と共に大入賞装置434が開放され、遊技球が大入賞装置434に入賞する。しかしながら、当選結果が表示されてから大入賞装置434に入賞した遊技球に対する特典として遊技球が払い出されるまでの間にはタイムラグがあり、当選後に遊技球が貯留部231,241に貯留されるまでに時間を要することとになり、遊技者の喜びを縮小させてしまう場合があった。
そこで、パチンコ機5100では、大当りに当選すると、当選した変動表示の実行中に貯留部231X,241Xに遊技球の画像を重畳して遊技球が貯留されたかのような貯留表示データを生成する。すなわち、パチンコ機5100では、遊技球の仮想画像を重畳することにより、副制御基板940が遊技球を増大したように見せる媒体量変動演出手段として作用する。
具体的に、図37に示すように、表示データ生成部942は、カメラ装置611,612によって撮影された撮影データを組み合わせて視認想定画像データを生成すると共に、該視認想定画像データに対して画像データ記憶部941に記憶されているキャラクター画像603A,603B及び遊技球の画像を重畳して貯留表示データを生成する。この結果、遊技球がまだ払い出されておらず、このときの現実の貯留部231,241に存在する遊技球は非常に少ない状態(図37(B)参照)であるにも拘わらず、貯留表示部601には、キャラクター画像603A,603Bが(図37(A)参照)が遊技球を運搬して貯留部231X,241Xに遊技球を足すことにより、貯留部231X,241X内の遊技球が増大したことを表す貯留表示データが表示されている。なお、重畳した遊技球の画像は、特別遊技状態の開始に相当する大入賞装置434の開放に同期して(一定量の遊技球が払い出される期間経過後であって、例えば、1ラウンドが終了したタイミングや、撮影データにて貯留部231に遊技球が一定量以上存在した状態であって、例えば、貯留表示部601の表示画面の範囲内の全域に遊技球が存在した状態になると)重畳表示されなくなく、実際の遊技球の画像となる。これにより、現実の貯留部231,241が忠実に再現された貯留表示データが再び貯留表示部601に表示される。
このように、遊技者から見て貯留部231,241が覆われるように貯留表示部601を設けると共に、該貯留表示部601がなければ遊技者が本来視認できるであろう映像(貯留部231,241の映像)を、仮想画像を重畳した上で該貯留表示部601に表示するようにした。これにより、遊技者に貯留部231,241を視認させつつ、新たな映像を重畳することができ、遊技者の遊技に対する楽しみを増大させることができる。
また、パチンコ機において、遊技領域を大きく設定したり、遊技に必要な発射操作装置250や貯留部231,241等を設けると、遊技者に楽しみを与えるための演出を行うための演出装置(例えば、入力操作装置260)を設ける領域が狭められる。
これに対して、パチンコ機5100は、遊技媒体としての遊技球を用いて遊技を行うものであって、遊技者によって遊技に関する操作が行われる操作手段としての発射操作装置250と、遊技に用いられる遊技媒体を貯留する貯留手段としての主貯留機構230及び補助貯留機構240の貯留部231,241と、貯留部231,241を撮影する撮影手段としてのカメラ装置611,612と、カメラ装置611,612によって撮影される画像であって貯留部231,241に貯留された遊技球を含む撮影画像と、予め設定された仮想画像としての遊技球の画像とを用いて仮想貯留表示画像としての貯留部231X,241X内の遊技球が増大したことを表す貯留表示データを生成する貯留画像生成手段としての副制御基板940と、貯留部231,241の少なくとも一部を覆う位置に設けられ、貯留表示データを表示する貯留画像表示手段としての貯留表示部601とを備えている。
このため、貯留表示部601によって、その奥側に位置して視認できなくなる貯留部231,241に貯留された遊技球を、仮想貯留表示画像によって遊技者に表示することができ、且つ、仮想画像としての遊技球の画像も表示することができるので、貯留部231,241と、画像を表示可能な貯留表示部601との配置の制限を少なくすることができる。よって、パチンコ機5100の新たな楽しみ方としての仮想貯留表示画像を用いて遊技者が所持する遊技球の量が変動する演出を行う演出装置による遊技性を遊技者に提供することができる。すなわち、遊技に用いられる遊技球を用いた演出装置を好適に配置可能なパチンコ機5100を提供することができる。
また、貯留部231,241の構成は、メーカーや機種毎に形状や大きさが異なるくらいで、貯留部231,241に関する構成について、未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対して、パチンコ機5100は、遊技者によって遊技に関する操作が行われる操作手段としての発射操作装置250と、遊技に用いられる遊技媒体を貯留する貯留手段としての主貯留機構230及び補助貯留機構240の貯留部231,241と、所定の抽選条件としての大当り抽選の実行条件が成立した場合に所定の抽選確率で成立する抽選を実行する抽選手段としての主制御基板920と、大当り抽選の抽選結果に応じて貯留部231に貯留されている遊技球の数量が異なるように演出する媒体量変動演出を実行可能な媒体量変動演出手段としての副制御基板940及び貯留表示部601を備えている。
このため、大当り抽選の抽選結果に応じて媒体量変動演出が実行されることで貯留部231に貯留されている遊技球の数量の変動を遊技者に体感させることができ、貯留部231が単に機能部品としての機能だけでなく、演出装置としての機能を付加することができる。よって、限られたスペースしかない遊技機の中で、機種やメーカー特有の個性を備えた貯留部231を設定することができる。
なお、複数の図柄の一部が停止して大当りに対応した図柄の一部が停止表示されたリーチ状態などの特定の条件に応じて、貯留表示部601に押圧操作装置261(図1,図5参照)を模したスイッチを表すスイッチ画像を表示し、スイッチ画像に押圧操作装置261の代替をさせることも可能であるし、スイッチ画像の表示位置を遊技者が操作して入力操作としてもよい。
<物理接触部の構成>
次に、物理接触部621を有するパチンコ機6100の構成について説明する。パチンコ機6100は、上記した貯留表示部601を備えたパチンコ機5100に対して物理接触部621を備えている点において異なるものである。物理接触部621は、遊技者から見て主貯留機構230及び補助貯留機構240の間に配置可能に構成されている。なお、パチンコ機6100は、上記した貯留表示部601と、物理接触部621とが共に設置される必要はなく、貯留表示部601を備えることなく、物理接触部621を備えるようにしてもよく、貯留表示部601と物理接触部621との少なくとも一方が、別の場所に設置されてもよいし、2箇所以上に設けられてもよい。
従来のパチンコ機では、視覚及び聴覚を通じて遊技者に遊技を楽しませることが一般的であり、演出ボタンや振動発生装置によって入力操作が可能な装置や触覚に作用を及ぼす装置も、提供されている。しかしながら、視覚と触覚との両方を組み合わせて遊技者を楽しませることができれば、遊技者に遊技を一層楽しませることができる可能性がある。
図38(A)に示すように、パチンコ機6100では、カメラ装置612Xが、貯留部231の下側に配置されている。また、上下方向において貯留部231,241の間に、可動式の物理接触部621が設けられている。
図38(B)に示すように、物理接触部621は、複数の遊技球を模して形成された本体部621Aと、本体部621Aが一面側(表面側)に設けられて反対面側(裏面側)が平面状に形成された底面部621Aaとを備えている。通常時において底面部621Aaの裏面側は、パチンコ機6100の貯留部231,241の間に露出されてパチンコ機6100の表面(前面の一部)を形成している。すなわち、物理接触部621は、通常時においては収納配置となって遊技者からの接触が不能な位置に配置され、本体部621Aを底面部621Aaに対してパチンコ機6100の後方側に位置させることにより、パチンコ機6100の本体の内部の格納室623に収納されている。
また、物理接触部621は、本体部621Aを回転動作可能に支持する回転部621Bと、パチンコ機6100の前面と物理接触部621の上側とを接続する支持部621Cとを有している。物理接触部621は、回転部621Bにおける本体部621Aの回転動作により、収納配置から遊技者が本体部621Aに接触可能な接触可能配置となる。具体的には、物理接触部621は、収納配置における底面部621Aaの下側部分を中心にして前方側に略90度回動し、本体部621Aが回転すると本体部621Aがパチンコ機6100の前面側に突出し、収納時には折れ曲っていた支持部621Cが伸長して本体部621Aをほぼ水平に近い状態、すなわち底面部621Aaの上方に本体部621Aが位置する状態に維持することができる。この結果、補助貯留部241の上側に物理接触部621が覆い被さるように配置されて接触可能配置となる。
収納配置と接触可能配置との切り替えは、副制御基板940と接続されて支持部621Cの折れ曲り部分に設置されているアクチュエータ621Caを副制御基板940が制御することによって行われる。例えば、抽選の結果、大当りに当選して特別遊技状態に遷移する場合に、その大当りの当選を示す停止図柄で停止する変動表示中に、副制御基板940は、アクチュエータ621Caを駆動させて支持部621Cを伸長させ、収納配置から接触可能配置へと物理接触部621を移行させる。このとき、カメラ装置612Xによって撮影された撮影データには、補助貯留部241に遊技球が山盛りになっている画像が表示されることになる。また、遊技者が貯留部231,241の間に手を差し入れると、物理接触部621に触れることになり、遊技者の手と物理接触部621による山盛りの遊技球とが表示された状態を視認することで、視覚と触覚とを組み合わせ、補助貯留部241に遊技球が山盛りになっているかのような感覚を視覚と触覚とによって楽しむことが可能となる。
そして、特別遊技状態に遷移すると、副制御基板940は、アクチュエータ621Caを駆動させて支持部621Cを折り曲げて本体部621Aをパチンコ機6100の内部に収納して収納配置とし、アクチュエータ621Caに設けられた停止維持機構(例えば、磁力による一定位置に保持する機構)によって本体部621Aの位置を固定させる。
このように、現実のオブジェクトである物理接触部631を用いて遊技球が増大したかのように見せることにより、物理接触部631を遊技者に触れさせることができ、遊技中に、未だ払い出されていない多量の遊技球を物理接触部631によって擬似的に触ることができるという新たな楽しみを遊技者に与えることができる。また、抽選結果に応じて、実際に存在するオブジェクトである物理接触部621を補助貯留部241の上方に配置させることにより、遊技球が増加したかのように見せる画像を貯留表示部601に表示させると共に、遊技者に対して実際に物理接触部621を触らせることで多量の遊技球と同様の触感を提供することができ、視覚及び触覚の双方において遊技球の増大を遊技者に感じさせることができる。
次に、図39を参照して、上記実施形態とは異なる他の実施形態としての物理接触部631を備えたパチンコ機7100について説明する。図39は、パチンコ機7100及び物理接触部631を表す模式図である。パチンコ機7100は、上記したパチンコ機6100とは物理接触部631の構成が異なるものである。物理接触部631は、人間の手を模した形状を有している点が遊技球を模した物理接触部621と相違している。なお、パチンコ機7100は、上記した遊技球を模した物理接触部621をも備える構成としてもよく、同一箇所に2以上の物理接触部を遊技者が接触することが可能であってパチンコ機の前面側に副制御基板940等の制御手段の制御によって選択されたいずれかの物理接触部が突出する構成であってもよいし、物理接触部621,631の少なくとも一方が、別の場所に設置され、2以上の物理接触部が2箇所以上に設けられてもよい。
物理接触部631は、触った感触も人の手に近くなるように、表面にはシリコン樹脂などの柔らかい材質が使用されている。物理接触部631は、移動機構632に固定されており、移動台632Aがレール632Bに沿ってスライドし前後方向に水平移動することにより、収納配置において物理接触部631がパチンコ機7100の内部の格納室633に収納され、接触可能配置において貯留部231,241の間に物理接触部631が配置される。物理接触部631は、遊技者が接触すると想定されている指及び手のひら部分からなり、遊技者が接触すると想定されていない手首部分を有しない構成とされている。
ここで、接触可能配置において、カメラ装置612によって撮影された撮影データをそのまま使用すると、貯留表示部601に表示される補助貯留表示データとして、手首部分が欠けている物理接触部631が撮影され、いかにもオブジェクトであるといった画像が表示される。これに対して、パチンコ機7100では、カメラ装置612によって撮影された撮影データに対し、予め画像データ記憶部941に記憶されて手首部分を含めて手を表す仮想画像631Xと、「手を握ってね!」という物理接触部631への接触を遊技者に促す文字画像とを重畳して補助貯留表示データを生成する。
この結果、図40に示すような、補助貯留部241の上に人の手が配置された画像が貯留表示部601に表示される。言い換えると、物理接触部631の実体そのものに相当する本体は、その姿が貯留表示部601に直接表示されることがない。従って、物理接触部631の実体として、触覚(形状及び柔らかさなどの触感)以外の要素(色彩及び接触が生じない部分の形状など)については、人の手に似せることを省略して安価に製造可能としつつ、遊技者から見た場合には、男性、女性、白人、黒人、子供、老人等のいろんな人の手に似せた画像を表示することができる。
例えば、この接触可能配置は、変動表示中に、複数の図柄の一部が停止して大当りに対応した図柄の一部が停止表示されたリーチ状態となった場合の一部に実行され、遊技者はリーチ状態において手(物理接触部631)を握ることを促される。例えば、大当り抽選に当選した場合、変動表示が終了して抽選結果が表示される前又は変動表示の終了と同時に、貯留表示部601には、物理接触部631が前進して遊技者が接触し易い位置まで近づいた物理接触部631が表示された画像646が表示されて、有名なスポーツ選手やアイドルなどの画像が表示されると共に、音声や文字画像などにより、「僕も会えてうれしいよ」というようなスポーツ選手等のコメントが出力される。これに対して、抽選結果がはずれだった場合、遊技者はリーチ状態において手(物理接触部631)を握ることが促されるものの、物理接触部631は前進することなく後方側に位置し、貯留表示部601に物理接触部631は表示されない。遊技者は、貯留表示部601に物理接触部631と握手することができないことで、大当り抽選に当選していないことを認識する。
または、抽選結果の発表前に物理接触部631が箱の中に収納されたイメージ画像を表示し、抽選結果の発表として、握手した物理接触部631(手)の持ち主を明確にすることにより、物理接触部631を具現化した具現化画像が表示され、これにより、握手を促す演出を実行してもよい。この場合には、大当り抽選に当選した場合には、有名なスポーツ選手やヒーロー、アイドルなどを、その人物に適した手の画像と共に表示し、一方、大当り抽選に当選していなければ、一般人や悪役を、その人物に対応した手の画像と共に表示する。この場合であっても、大当りの特典として遊技球が払い出されるだけでなく、あたかも有名なスポーツ選手やアイドルなどと握手したような気分を視覚と触覚とを組み合わせた演出で遊技者に提供することができ、遊技者の大当り時の喜びを増大させ、遊技をより一層楽しませることができる。
また、一般的に、人間の触覚は非常に曖昧であり視覚に引っ張られると言われている。例えば、垂直に立つ円柱形状を触らせながら円柱が傾斜した形状を見せると、触っている円柱が傾斜して感じられる。この現象を、物理接触部に活用することも可能である。
例えば、パチンコ機6100の物理接触部621(図37参照)を接触可能配置にした状態で、貯留表示部601に「下皿を触ってね!」という文字画像を表示する。遊技者が補助貯留部241の上方に手を入れると、球形状が重なった形状を有する物理接触部621に接触する。抽選結果が大当りだった場合には、カメラ装置612Xで撮影された撮影データに基づく画像が貯留表示部601に表示され、補助貯留部241に遊技球が山盛りになった画像を遊技者に視認させることができる。一方、抽選結果がはずれだった場合には、ぶどうの画像が表示され、遊技者に触っていたのがぶどうであったと認識させることができる。
このように、物理接触部621,631を接触可能配置に位置させ、遊技者に触らせた後、抽選結果に応じた物理接触部621,631の具現化画像を表示することにより、共通の物理接触部621,631を用いて、複数種類のオブジェクトに触れたかのような感覚を遊技者に与えることができる。
また、パチンコ機6100は、遊技球を貯留する貯留部231,241と、所定の抽選条件としての大当り抽選の実行条件が成立した場合に所定の抽選確率で成立する抽選を実行する主制御基板920と、大当り抽選の抽選結果に応じて貯留部241に貯留されている遊技球の数量が異なるように演出する媒体量変動演出を実行可能に副制御基板940によって制御される物理接触部621とを備えている。このため、大当り抽選の抽選結果に応じて媒体量変動演出が実行されることで貯留部241に貯留されている遊技球の数量の変動を遊技者に体感させることができ、貯留部241が単に機能部品としての機能だけでなく、演出装置としての機能を付加することができる。よって、限られたスペースしかない遊技機の中で、機種やメーカー特有の個性を備えた貯留部241を設定することができる。
また、パチンコ機7100は、遊技球を貯留する貯留部231,241と、所定の抽選条件としての大当り抽選の実行条件が成立した場合に所定の抽選確率で成立する抽選を実行する主制御基板920と、遊技者が接触し得る所定の位置に配置可能な被接触手段としての物理接触部631と、大当り抽選の抽選結果に応じて、物理接触部631に対応する表現画像を含む表示画像を生成する画像生成手段としての副制御基板940と、副制御基板940によって生成される表示画像を表示する画像表示手段としての貯留表示部601とを備えている。このため、貯留表示部601に表示された表現画像と物理接触部631とによって、遊技者が触れる物理接触部631の形状を表現画像によって別の印象を付加した形で遊技者に提供することができる。よって、視覚と触覚とを利用した演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。
<移動感覚付与による演出(1)>
次に、移動感覚を付与する機能を有するパチンコ機7100について、図42~図51を用いて説明する。図42には、パチンコ機7100の電気的構成を示している。パチンコ機7100では、実質的な位置を移動させることなく一方向へ移動している、又は、移動しようとしている移動感覚を付与する移動感覚付与部645を有する物理接触部641と、遊技者の操作に応じて振動する振動部653を有する貯留表示部651とを備えている。なお、パチンコ機7100の移動感覚を付与するための構成については、各実施形態における他の構成と組み合わせて適用してもよい。
従来のパチンコ機では、視覚及び聴覚を通じて遊技者に遊技を楽しませることが一般的であった。しかしながら、従来の演出だけでは機種特有の、又はメーカー特有の個性を備えた遊技機とすることが難しく、従来とは異なる新たな演出や遊技性を遊技者に提供することが難しいという問題点がある。このため、さらに触覚を利用して移動感覚を付与して遊技者を楽しませることができれば、遊技者に遊技を一層楽しませることができる可能性がある。
図43(A)は、パチンコ機7100を左側から見た場合における物理接触部641と遊技者との位置関係を含む配置を模式的に示す略線図であり、図43(B)は、図43(A)における物理接触部641の周辺部分を拡大した状態を示している。また、図43(A)においては、物理接触部641が後側に位置した状態を示し、図43(B)では物理接触部641が前側に位置した状態を示している。
図43(A)に示すように、パチンコ機7100では、上記したパチンコ機6100と同様、カメラ装置612Xが、貯留部231の下側に配置されている。また、上下方向において貯留部231,241の間に、可動式の物理接触部641が設けられている。
物理接触部641は、取って641Aが前側に設けられた箱状に形成され、移動可能な方向として、例えば、前後方向に移動可能なように、前後に連続する棒状の軸部分によって支持されており、支持する軸部分に対して、その軸部分の長さに対応した分だけ、前後に移動可能に設けられている。物理接触部641は、物理接触部641自体の重みが軸部分によって支持されることで、内部に設けられる移動感覚付与部645が動作していない非作動状態においては、遊技者が物理接触部641を前後方向に、一定の範囲内で、少ない力で移動可能に構成されている。物理接触部641は、移動機構642を介してパチンコ機7100の貯留部231の下側に設置され、移動機構642によって一定の範囲内で移動可能に構成される。
移動機構642は、物理接触部641を前後方向に移動可能に支持する移動可能支持部642Aと、移動可能支持部642Aを含めて物理接触部641を前後方向に移動動作させする動作機構642Bとを備えている。動作機構642Bは、副制御基板940の制御によって動作が制御されるアクチュエータ(例えば、モータ)を含み、これにより、移動可能支持部642Aを含めて物理接触部641が、後側に配置されてパチンコ機7100の奥側に収容された収容状態(図42(A)の状態)と、収容状態から前側に突出して貯留部231の下側に重なる位置まで前進し、遊技者が物理接触部641に接触し易い作動状態との間を移動可能に構成されている。
ここで、物理接触部641は、所定の一方向に移動可能なようにしてもよく、この場合には、直線的な方向に移動可能に支持する場合に限らず、折れ線状に移動可能に支持してもよいし、曲線や円弧を含むように支持してもよい。また、移動可能な方向が所定の一方向に制限される必要はなく、屈曲可能な配線ケーブルによって物理接触部641がパチンコ機7100の本体部分(例えば、貯留部231の下側)に接続され、配線ケーブルの長さ範囲に相当する所定の範囲内で、高さ方向においても、前後左右方向においても、自由に移動可能に取り付けてもよいし、無線通信可能な通信部を、パチンコ機7100の本体部分(例えば、副制御基板940)と、物理接触部641の内部にそれぞれ設けて、一定範囲内で無線通信によって物理接触部641を移動可能にしてもよく、遊技者の所持する携帯電話やスマートフォンなどの携帯通信端末にパチンコ機7100に対応した演出制御プログラムを記憶させることで、遊技者の携帯通信端末をパチンコ機7100によって制御して物理接触部641の代わりに利用するようにしてもよい。
図43(B)に示すように、物理接触部641における前後方向の端部近傍には、移動感覚付与部645を構成するアクチュエータ645A,645Bが設けられている。これらアクチュエータ645A,645Bは、物理接触部641の外形を形成する樹脂製のケースの内部に形成される収容空間に設置され、例えば、この収容空間におけるケース内において、2つのアクチュエータ645A,645Bが離間した位置に固定されて設けられている。
2つのアクチュエータ645A,645Bは、同一の機構により構成され、2つのアクチュエータ645A,645Bの各々がそれぞれ相違する方向へ周波数の相違する振動を生成することにより、特定の非対称振動パターンを生成可能に設置されている。この非対称振動パターンとして、例えば、2つのアクチュエータ645A,645Bが離間した配置された方向に沿った、1の方向と、逆の方向とのうち、いずれか一方へ強く振動が伝わるような非対称の振動パターンが副制御基板940の制御によって生成される。アクチュエータ645A,645Bは、いずれか1つでもよいが、物理接触部641が移動可能な方向に沿って離間した前後の両端部に、2つのアクチュエータが離間して配置することで、物理接触部641に発生させる移動感覚をバランスよく、遊技者に伝達することができて好ましい。
この振動を発生する機構としては、例えば、アクチュエータ645A,645Bのそれぞれにおいて、錘が予め設定された1の方向と、逆の方向とに移動可能な機構によって支持されており、その錘が1の方向へ移動するときの速度(加速度)と、逆の方向に移動するときの速度(加速度)との大きさに差が設けられるように、2つのアクチュエータ645A,645Bは副制御基板940によって制御される。すなわち、1の方向には、短時間の大きな加速度を発生させる一方、逆の方向には、1の方向に比べて長時間の小さな加速度を発生させたり、1の方向と逆の方向との最高速度を異ならせて1の方向には、逆の方向より高い加速度を発生させたりして、この動作を周期的に繰り返すことによって、非対称の振動パターンが生成される。
この結果、移動感覚付与部645が内部に収容された物理接触部641を遊技者が把持した場合に、強く振動が伝わることとなる加速度の大きな特定の方向としての前後方向におけるいずれか一方に振動力が強く伝わることとなる。これにより、その特定の方向に物理接触部641が移動していない場合や、僅かな移動をした場合でも、その特定の方向に大きく移動しているかのような錯覚を遊技者に感じさせることができる。この移動感覚付与部645は、貯留表示部651に表示される画像の表示制御と組み合わせて、副制御基板940によって可動動作が制御される。
また、パチンコ機7100には、図42に示すように、操作部652と、振動部653とを備えた貯留表示部651が設けられている。貯留表示部651は、上記実施形態に係る貯留表示部601と同様に構成され、副制御基板940に電気的に接続され、副制御基板940によって、表示制御と、操作部652及び振動部653の制御が行われる。
図44は、貯留表示部651を表示面側から視認した状態における振動部の配置を模式的に示した略線図である。図44に示すように、貯留表示部651は、タッチパネル方式の操作部652を有している。操作部652は、貯留表示部651の表示可能範囲の全域にわたる略矩形の操作可能範囲に対しての遊技者の接触操作を検知可能に構成される。
遊技者が貯留表示部651の表面(操作部652)の特定箇所に触れることにより、操作部652から遊技者が操作したことを表す操作信号が副制御基板940に対して供給される。また、この操作部652の下側(遊技者から見て奥側)には、複数の振動部653が設置されている。図44では、振動部653が縦方向と横方向に複数個が離間して設けられ、5列×5行の合計25個配置された状態を例示しており、振動部653は、貯留表示部651の表示可能範囲の全域にわたって、縦横に複数個並んで設置されている。貯留表示部651の表示画面は、表示面に垂直な方向としての上方側または下方側に僅かに移動が可能に設置されており、この移動は、一部の変形による一部分の移動であってもよいし、表示面の全域が移動可能であってもよい。遊技者が、表示面に接触している状況で振動部653が動作すると、振動部653の振動によって貯留表示部651の表示画面が上方側にわずかに移動し、遊技者が振動部653の振動を感じられるように構成されている。
図45は、振動部653による振動の生成を例示した略線図であり、振動が生成される状況における貯留表示部651の表示内容と遊技者の手操作とを併せて図示している。図45に示すように、貯留表示部651には、遊技を行う遊技者が直接的には視認できない物理接触部641を表す複数種類の接触対象の例として3つの引出しを正面から見た画像が表示されている。この表示を遊技者が視認し、遊技者が「2」の引出しを選択対象として選択し、貯留表示部651の対応箇所に触れると、副制御基板940の駆動制御部944は、対応箇所又は対応箇所に最も近い位置に配置された振動部653を短時間(例えば0.1秒間)だけ、振動させる。これにより、貯留表示部651は、実際には貯留表示部651の表面の位置がほとんど変化(移動)していないのにも拘わらず、遊技者に選択された「2の引出し」が凹んだかのような、あたかも物理的なボタンを操作したかのような感覚を遊技者に与えることができる。
ここで、振動部653の振動は、0.2秒より短い時間設定とすることがよく、0.1秒より短くすることが好ましく、0.05秒より短いことが好適である。また、少ない回数の表示面に垂直な方向に沿った移動によって制御とすることがよく、例えば、10回以下の上方側または下方側への移動動作を発生させるようにして振動させるのがよく、5回以下とすることが好ましく、2回以下とすることが好適である。また、2回以上の上方側または下方側への移動動作によって振動させる制御をする場合には、次第に移動量が大きくなる制御を含むように制御してもよい。また、振動部653は、表示面に垂直な方向(すなわち押圧操作面の奥側及び手前側)において、振動の強さが同一となる振動パターンを発生させてもよいが、物理接触部641の移動感覚付与部645と同様に非対称振動パターンを発生させる構成とすることが好ましく、これにより、操作部652を押圧操作した場合に、押圧操作の方向に沿った奥側へ凹むかまたは手前側へ反力が大きく感じられるようにすることができる。
遊技者による接触対象の選択操作の後には、図46,47に示すように、貯留表示部651には選択された「2の引出し」として、物理接触部641の画像641Xを含む補助貯留画像データが表示される。このとき表示される物理接触部641の画像641Xは、カメラ装置612Xによって実際に撮影されているリアルタイム画像でも良く、予め準備されたフェイク画像であっても良い。物理接触部641としてフェイク画像が表示される場合には、カメラ装置612Xによって撮影された画像における物理接触部641の位置にフェイク画像としての物理接触部641の画像641Xが置き換えて表示される。この物理接触部641の画像641Xには、物理接触部641を簡易的な外形形状や色としても、画像641Xは、本当の色とは異なる色としたり、外形形状に柄や起伏を設けたりして表示される。これにより、低コストで多種類の接触対象を表現したり、又は、ゴールドやシルバーといった高品質な装飾が表面に付加された接触対象を表現することができ、多様な接触対象に接触する演出を限られた物理接触部641によって楽しませることができる。
また、貯留表示部651には、「2の引出しを開けてみよう!」というように、物理接触部641に対する接触を促す文字画像が、物理接触部641の画像641Xに加えて表示される。図47に示すように、遊技者が貯留部231と補助貯留部241との間に手を挿入すると、カメラ装置612Xによって撮影された遊技者の手の画像が補助貯留画像データの一部として表示される。
図48に示すように、遊技者が物理接触部641に接触すると、物理接触部641の画像641Xに対して遊技者の実際の手が接触している状況が補助貯留画像データとして貯留表示部651に表示される。
ここで、例えば、引出しに触れた場合における引出しの動作結果によって、抽選結果を示唆するなど、演出の一部として、引出しに触れた場合において遊技者に付与される移動感覚の設定が異なっている。物理接触部641は、初期位置において前後方向における移動範囲の最も奥側を初期位置とし、手前側に引出しが移動動作可能に配置され、この初期位置への配置は、図示しないモータを副制御基板940が制御して設定される。
引出しに触れても開かないという設定の場合、遊技者が物理接触部641の取って641Aに触れると、物理接触部641は引いた方向とは逆の奥側へ移動するかのような力が、副制御基板940の制御によって移動感覚付与部645によって発生させられる。物理接触部641を前方向へ向けて引くように遊技者が操作しても、貯留表示部651の表示は、物理接触部641の画像641Xが実際の移動よりも大きく一時的に手前側(パチンコ機7100の前方側)に移動した後に元の位置に戻った状態となって表示される。すなわち、移動感覚付与部645は操作方向とは逆の奥側に移動感覚が生じるように動作し、遊技者は引出しを引いても開くことができない、すなわち引出しを開くことができなかったと感じることになる。
一方、引出しに触れると開くという設定の場合、図49(A)に示すように、遊技者が物理接触部641の取って641Aに触れると、物理接触部641が前方向へ向けて引いたときのように動作し、物理接触部641は僅かに手前側に移動する。このとき、移動感覚付与部645は手前側の方向に移動感覚が生じるように動作してあたかも物理接触部641が前方向に移動したかのような移動感覚を付与すると共に、図49(B)に示すように、貯留表示部651には、物理接触部641が前方向に実際の移動量より大きく移動した物理接触部641の画像641Xを含む接触対応画像が表示される。この結果、実際には物理接触部641が大きく移動していないにも拘わらず、物理接触部641(引出し)を引いたら前方向へ大きく移動した、すなわち引出しが開いたと遊技者に感じさせることができる。
この物理接触部641を利用した演出として、例えば、副制御基板940は、主制御基板920における特別図柄に係る抽選結果に応じて変動表示が行われ、複数の図柄の一部が停止して大当りに対応した図柄の一部が停止表示されたリーチ状態へと移行し、表示データ生成部942によって物理接触部641を選択させるための画像(図45参照)を表示する。そして、抽選結果が「はずれ」の場合には引出しが開かず、抽選結果が「当り」の場合には引出しが開くというように、抽選結果に応じて引出しの動作が異なるように構成されている。
副制御基板940の表示データ生成部942は、遊技者によって引出しが選択されたことにより貯留表示部651から操作信号が供給されると、抽選結果に応じた接触対応画像を生成し、貯留表示部651に供給する。また、駆動制御部944は、移動機構642(図42、43(A)参照)を駆動し、物理接触部641を前方向へ向けて移動させて物理接触部641を、遊技者が操作しやすい接触可能配置に位置させる。
抽選結果が「はずれ」の場合、副制御基板940は、貯留画像データから遊技者の手の存在を検出し、遊技者が物理接触部641の一部である取っ手641Aに接触したことを検出すると、駆動制御部944を制御し、移動感覚付与部645を稼動させて物理接触部641を奥側へ移動するような移動感覚が生じるように制御をし、また、遊技者が物理接触部641に接触した時間をカウントする。所定の接触時間が経過したことを認識すると、副制御基板940は、図50に示すように、例えば「残念!はずれ!」という文字画像を重畳して貯留画像データに表示させる。これにより、遊技者は、移動感覚付与部645によって付与される移動感覚に加え、視覚的にも物理接触部641が移動したかのように認識することにより、物理接触部641が奥側に移動しようとしている感覚を付与し、また、あたかも物理接触部641が実際に大きく移動したかのような錯覚を得ることができる。
一方、抽選結果が「当り」の場合、副制御基板940は、カメラ装置612Xによって撮影された撮影データから遊技者の手の存在を検出し、遊技者が物理接触部641の一部である取っ手641Aに接触したことを検出すると、駆動制御部944を制御し、移動感覚付与部645を稼動させる。この結果、図49(A)に示すように、遊技者の手に対して遊技者側(前方向)へ向かって物理接触部641が移動するような感覚を遊技者に与える。このとき、図49(B)に示すように、表示データ生成部942は、遊技者の手の輪郭を切り出した画像を生成し、遊技者の手の画像を遊技者側(前方向)へと実際の移動量より大きくずらすように表示する接触対応画像を生成し、接触対応画像として貯留表示部651に表示させる。これにより、遊技者は、移動感覚付与部645によって付与される移動感覚に加え、視覚的にも物理接触部641が移動したかのように認識することにより、物理接触部641が手前側に移動しようとしている感覚を付与し、また、あたかも物理接触部641が実際に大きく移動したかのような錯覚を得ることができる。
なお、このときの接触対応画像は、予め記憶された遊技者の手が撮影されていない画像に対し、遊技者の手及び引出しの開く画像を重畳して生成されることが好ましい。これにより、動かない部分(補助貯留部241X)の画像が乱れることなく、リアリティのある接触対応画像を生成することができる。
図51に示すように、表示データ生成部942は、遊技者が所定時間に亘って物理接触部641に接触した(物理接触部641に力を加えた)ことを認識すると、「大当り!」のように、抽選結果が「当り」あることを知らせると共に、引出しから多数の副賞物(図ではコイン)が溢れ出て当選したことを祝福する画像を貯留表示部651に表示させる。
このように、パチンコ機7100では、物理接触部641を遊技者が視認できない場所に配置すると共に、移動感覚付与部645の稼動と同時に、貯留表示部651に物理接触部641が移動する接触対応画像を表示データ生成部942によって表示する。この接触対応画像を遊技者が視認することで、遊技者が接触した物理接触部641に対する移動感覚を増大させることができる。よって、物理接触部641の動作可能範囲が限られていても、物理接触部641が大きく移動しているような錯覚を強く遊技者に与えて、移動感覚を活用して遊技者に遊技をより一層楽しませることができる。
なお、移動感覚付与部による抽選結果に対応した移動感覚は、移動感覚の発生する方向を異ならせる場合について例示したが、移動感覚の発生する力を異ならせるように、すなわち、振動が発生する速度の大小を異ならせて、例えば、遊技者が物理接触部641の一部である取っ手641Aに接触した場合に、移動感覚付与部645を稼動させて物理接触部641を奥側へ移動するような移動感覚が生じるものであって、当選の場合に移動感覚が大きく発生し易くして、変動表示中に引出しの中に多くの金貨が入っていて重みを感じられるようにし、非当選の場合には当選の場合に比べて引出しの中の金貨が少なかったり金貨がない演出が選択されやすいようにしてもよい。
<移動感覚付与による演出(2)>
次に、物理接触部671を有するパチンコ機8100の構成について、図52~図55を用いて説明する。図52には、パチンコ機8100の電気的構成を示している。パチンコ機8100では、遊技者から視認可能な位置に配置され、遊技者が移動可能な物理接触部671と、物理接触部671による接触を検出する検出部665を有する貯留表示部661とを備えている点と、発射操作装置750の構成及び発射制御基板960の構成が、上記した実施形態に係るパチンコ機と相違している。物理接触部671及び貯留表示部661は、上記した実施形態に係る物理接触部641及び貯留表示部651と共通する構成については説明を省略して、異なる部分のみを説明し、発射操作装置750及び発射制御基板960についても、上記した実施形態に係る発射操作装置250及び発射制御基板900と共通する構成については説明を省略して、異なる部分のみを説明する。なお、物理接触部671及び貯留表示部661によって移動感覚付与による演出を実行可能とする構成と、発射操作装置750の構成及び発射制御基板960によって移動感覚付与による発射操作を好適化する構成は、上記各実施形態に係るパチンコ機または従来のパチンコ機に対して、いずれか一方の構成のみを付加してもよい。
まず、物理接触部671及び貯留表示部661によって移動感覚付与による演出を実行可能とする構成について主に説明する。図53に示すように、パチンコ機8100における物理接触部671は、パチンコ機7100とは異なり、遊技者から視認可能な位置に配置されている。また、物理接触部671は、通信線を兼ねる細いケーブル672Aによって固定器具672を介して移動可能な状態でパチンコ機8100に固定されている。これは、物理接触部671と副制御基板940との通信を確保するためと、遊技者が誤って物理接触部671を持ち帰ったり、紛失したりしないための措置である。なお、以降の図ではケーブル672Aを省略している。
図54に示すように、物理接触部671は、遊技者が持ちやすい直径10mm程度の細い棒形状の外形を有しており、長さが例えば、略10cm程度である。物理接触部671の先端はペンのように先細っており、物理接触部671の内部には、移動感覚付与部675(図52参照)が配置されている。図53に示したように、貯留表示部661は、その表面に遊技者の指が接触したことを検出する操作部662と、移動感覚付与部675が接触したことを検出する検出部665とを有している。この操作部662及び検出部665は、同一の接触センサを利用した共用であっても良く、別々に複数のセンサを設けた別構成であっても良い。例えば、電流値の大きさを判別することにより、同一の電極を用いて操作部662及び検出部665を構成することも可能である。この場合、物理接触部671は人体よりも電流が流れやすいように設計される。一方、例えば物理接触部671の先端に磁石を設置し、検出部665によって磁力を検出することにより、操作部662及び検出部665を別構成とすることも可能である。
図54(A)に示すように、パチンコ機8100には、上記実施形態と同様に構成されたカメラ装置611,612Xが設けられ、カメラ装置611,612Xによって撮影された撮影データに基づく貯留画像データが貯留表示部661に表示される。この貯留画像データが貯留表示部661に表示されている状況において、遊技者は物理接触部671を介して、表示されている遊技球に接触する操作をすることができる。例えば、物理接触部671の先端を、遊技球の画像に接触させると、他の遊技球とは異なる画像となるような遊技球の画像が設定され、これにより、表示された遊技球の中に、当り球が隠されているかのような演出を実現している。
遊技者が遊技球に対して物理接触部671の先端を一つずつ接触させ、当り球に物理接触部671が接触すると、物理接触部671の移動感覚付与部675が物理接触部671の長手方向に沿った下側の先端(下方向)へ向かう移動感覚を発生させる。このとき、貯留表示部661には、遊技球を誘導する指標となる誘導枠666が表示される。遊技者が貯留表示部661の表面を滑らすように物理接触部671を移動させると、あたかも磁石に遊技球がくっつくように、当り球及び当り球に連動する連動遊技球が物理接触部671の移動に連動して物理接触部671についてくる。この連動遊技球の数は、当りの種類に応じて決定され、連動遊技球の数が多いときには大きな移動感覚が付与され、連動遊技球の数が少ないときには小さな移動感覚が付与される。
遊技者は、移動感覚の付与と画像との組み合わせにより、実際に連動遊技球をぶら下げて運んでいるような錯覚を得ることができる。そして図55(A)に示すように、遊技者が誘導枠666の内部に連動遊技球を運び入れると、図55(B)に示すように、移動感覚の付与が停止されると共に、誘導枠666に運び入れた遊技球の数が特典遊技球表示欄667に表示されると共に、「あと2球でスタートだよ!」というような特典遊技球が発射開始されるまでのタイミングを表す文字画像が表示される。その後、遊技球の発射動作に合わせて特典遊技球表示欄667に表示された遊技球が1球ずつ減っていき、この特典遊技球が発射開始された後の一定期間内(例えば、発射開始から発射終了した後に6秒経過するまで)において、いずれかの一般入賞口(例えば、一般入賞装置439A,439B)、又は、図柄抽選に係る入賞口(例えば、始動入賞装置431A,431B)に入賞すると、装飾図柄表示装置479や貯留表示部661に、特典画像が表示され得るラッキーチャンスとなる。この特典画像は、始動入賞がすでに発生して変動表示中または変動開始の待機中の単位遊技で特別図柄に係る当選に対応する単位遊技の実行条件が成立している場合には、「大チャンス」などの特典画像を高確率で表示し、当該条件が成立していなければ、その特典画像を表示しないか、または低確率で表示する制御をしてもよく、特典遊技球の数は、変動開始の待機中の単位遊技で特別図柄に係る当選に対応する単位遊技の実行条件が成立している場合には成立していない場合より多く設定されやすいようにしてもよい。また、連動遊技球を運んでいる最中に遊技者が物理接触部671を貯留表示部661から離隔させると、遊技球も物理接触部671から離隔し、通常の貯留画像データの表示に戻るようにしてもよい。
副制御基板940は、貯留部231のリアルタイム画像(貯留表示部661がなければ遊技者から視認できるであろう画像)を表す貯留画像データが表示されている状態において、物理接触部671の貯留表示部661に対する接触が検出されたことを表す検出信号が検出部665から供給されると、貯留画像データから遊技球を切り出し、1または複数の「当り球」を抽選により決定する。副制御基板940は、検出部665の検出信号を監視し、物理接触部671が当り球の表示されている位置に接触したことを認識すると、駆動制御部944の制御により移動感覚付与部675を稼動させる。そして副制御基板940は、物理接触部671の接触位置に応じて、抽選結果に対応して決定した数の連動遊技球を移動させるように遊技球及び誘導枠666を重畳した貯留画像データを貯留表示部661に表示させる。
そして、副制御基板940は、物理接触部671の先端が誘導枠666内における所定の位置まで移動したことを認識すると、移動感覚付与部675の稼動を停止すると共に、貯留部231のリアルタイム画像を表す貯留画像データに対し連動遊技球と同数の特典遊技球を表す特典遊技球表示欄667を重畳して表示する。そして副制御基板940は、特典遊技球に対応する遊技球が発射され初めてから発射終了まで及び発射終了から所定の時間経過するまでに、遊技球が入賞したことを認識すると、特典遊技球が入賞したことに対する特典画像を貯留表示部661又は装飾図柄表示装置479に表示する。
このように、パチンコ機8100では、物理接触部671による入力操作に対応した操作情報を検出部665によって検出し、物理接触部671を操作して連動遊技球を運ぶ画像を貯留表示部661に表示し、その際に、移動感覚付与部675によって物理接触部671が下方向に移動している、又は、移動しようとしている移動感覚を遊技者に感じさせ、物理接触部671の操作が検出部665を通じて入力される操作情報に対応する遊技者の入力操作が実行された場合に所定の特典の付与として特典画像を表示する。このため、物理接触部671を入力装置として使用することができるため、遊技領域で遊技球を用いて行われる遊技とは別に、物理接触部671を用いて移動感覚を付加して所定の特典を獲得する遊技を実行可能とし、遊技者に新たな楽しみを与えることが可能な遊技機を提供することができる。
貯留表示部661に表示される遊技球の画像が物理接触部671の移動に応じて移動するように表示される画像の表示と、移動感覚付与部675によって遊技球の重さを表す下方向への移動感覚の付与により、あたかも実際に連動遊技球を運んで(吊って)いるかのような錯覚を遊技者に与えて遊技者を楽しませることができる。また、移動させた連動遊技球に対応する特典遊技球の入賞に応じて特典画像を表示することにより、貯留表示部661における物理接触部671を用いたゲームのような操作と画像とを組み合わせた新しい遊技の楽しみ方を提供することができる。
<移動感覚を用いた発射操作装置の構成>
次に、パチンコ機8100(図52参照)に設けられる移動感覚を用いた発射操作装置750の構成について、図56~図58を用いて説明する。
従来の発射操作装置としては、回転式のものが広く使用されている。この回転式の発射操作装置では、バネなどの弾性部材を組み込むことにより、遊技者がハンドルから手を離すと、初期位置にハンドルが戻るように構成されている。しかしながら、かかる構成の発射操作装置を操作するためには、遊技者が弾性部材に抗して力を常時加え続けることによってハンドルを停止させて遊技を行う必要があり、遊技者の手を疲れさせてしまうとか、異物を挟んで無理に固定させようとすることで破損や故障が発生するおそれがあった。一方、弾性部材による弾性力を付与しない場合、遊技者がハンドルを操作しているという感覚が乏しくなり、遊技者が主体的に遊技を行っているという実感が薄れてしまうとか、微調整がし難くなる可能性があった。
本実施形態のパチンコ機8100は、移動感覚を用いた発射操作装置750の構成を備え、この移動感覚を発生させる制御によって、遊技者が主体的に遊技を行っているという実感を与えながら遊技者の手を疲れ難くしたり、発射操作の微調整を容易にすることができるパチンコ機を実現することができる。
本実施形態に係る発射操作装置750は、上述した発射操作装置250(図1及び図5参照)と同様、図56に示すように、台座751と、台座751によって回動可能に支持された回動自在な発射ハンドル752と、発射停止スイッチ757とを備えている。また、発射操作装置750は、図52に示すように、可変抵抗器253と、接触センサ254とを備え、可変抵抗器253によって発射ハンドル752の回転操作量を検出する。遊技者によって発射ハンドル752が回転操作されると、接触センサ254によって遊技者の発射ハンドル752の接触が検出され、発射ハンドル752の回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)に向けて射出される。
発射ハンドル752は、図56に示すように、円環状のハンドル本体756と、指掛け部753と、移動感覚付与部755とを有している。発射ハンドル752は、パチンコ機8100の正面視(図56に示した状態)において、前後方向に沿った回動中心軸としての回動中心ROを基準として、時計回りと反時計回りとに、自在に回動可能に、台座751に支持され、従来のような弾性部材による弾性力は付与されず、両方向に略同一の摩擦抵抗のみが付加されるだけで、容易に両方向に回動可能に支持されている。
指掛け部753は、円環状のハンドル本体756から外側へ向けて複数の指掛け部753が突出する形状によって構成されており、ハンドル本体756と複数の指掛け部753とが樹脂によって一体成形されている。
台座751の前面側の一部分は、発射ハンドル752における回動中心ROに近い一部分の前側に重なるようにして当該前側の一部を覆うように配置され、発射操作装置750の前面部分を構成し、具体的には、発射ハンドル752の前側への移動を制限するキャップ部分を構成する。この台座751のキャップ部分に対して、指掛け部753は、正面側から見て外方に突出している。このため、遊技者がキャップ部分に手のひらが当接するように発射操作装置750を握り、指掛け部753に指を掛けることで、発射ハンドル752を容易に回動操作することができる。
発射停止スイッチ757の操作部は、上述した発射停止スイッチ255に対して、大きさが異なる設定とされ、正面視において、指掛け部753より発射ハンドル752の回動する周方向に長く形成され、指掛け部753に対して、周方向における少なくともいずれか一方側には必ず突出する長さに形成されている。また、発射停止スイッチ757の操作部は、複数箇所にて発射ハンドル752の回動中心から離間する外方側に突出して配置され、この離間する間隔は、指掛け部753が発射ハンドル752の回動中心に対して離間する角度の整数倍とは異なる間隔に設定されている。この間隔として、指掛け部753の1つに対して背面側に最も重なるように1つの発射停止スイッチ757が位置した状況において他の発射停止スイッチ757の操作部が2つの指掛け部753の間に位置する設定とされることが好ましく、発射ハンドル752の回動する周方向における発射停止スイッチ757の操作部の中心が、2つの指掛け部753の間における略中央に位置する設定とされることが好適である。これにより、発射ハンドル752が回動自在に構成されて、どこを初期位置として回動操作が実行されても、発射停止スイッチ757の操作部を操作し易いものとすることができる。
また、2つの発射停止スイッチ757の操作部がいずれも正面側から見てパチンコ機8100の左右方向における中央側に相当する左側に突出するように設けられている。このため、遊技者が右手の親指で、操作し易い側の発射停止スイッチ757の操作部を選んで操作可能となっており、また、左打ちと右打ちとの遊技手法で、別々の発射停止スイッチ757の操作部を選択可能となり、一層発射停止操作を容易にしている。
移動感覚付与部755は、台座751のキャップ部分の奥側に重なるようにして発射ハンドル752に一体化して取り付けられ、発射ハンドル752と共に回動可能に構成されている。上述したように、移動感覚付与部755は、発射制御部963の制御によって、反時計回り方向の移動感覚が発生するように構成され、図56(A)に示した位置に配置された場合には、一方向としての反時計回り方向(図56(A)における移動感覚付与部755に重なる位置に付した矢印の方向)へ向けた周方向の移動感覚に対応する振動が複数箇所で発生し、反時計回り方向の移動感覚が発射ハンドル752に発生可能に構成されている。この発射ハンドル752に発生する移動感覚は、発射ハンドル752が反時計回り方向に移動しようとしている感覚として遊技者に伝達され、従来の弾性部材によって発生している弾性力と同じ方向に、遊技者の手に移動感覚が伝達されて、従来と同様の操作感を発射操作中において遊技者に感じさせることができる。
発射ハンドル752は遊技者の回転操作によって、回転し、遊技者が手を離しても戻ることはなく、その位置は変わらない。移動感覚付与部755は、発射ハンドル752に固定されており、移動感覚付与部755が発射ハンドル752と共に回転する。この移動感覚付与部755は、発射ハンドル752の回動中心ROから離間した位置にて、発射ハンドル752が回動可能な周方向に移動感覚を発生する向きに設けられている。なお、移動感覚付与部755は、1つであってもよいし、2以上の箇所に設けられてもよい。また、移動感覚付与部755は、反時計回り方向の一方向に限らず、時計回り方向にも移動感覚を発生するようにしてもよい。
発射制御部963は、発射操作装置750に対して、遊技者が発射ハンドル752の位置を変化させているときには大きい移動感覚を付与し、遊技者が発射ハンドルの位置を変化させていないときには小さい移動感覚を付与するか、移動感覚を発生しないように制御される。
具体的に、発射制御基板960の発射制御部963(図52参照)は、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)によって構成され、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含んでいる。発射制御部963は、感覚制御処理として、発射ハンドル752の回転角度を表す可変抵抗器253における電流値の変化、すなわち回転加速度を監視し、回転加速度がゼロでない場合、すなわち遊技者が発射ハンドル752の位置を変化させている場合には、移動感覚付与部755に印可される電圧値を大きくして移動感覚を大きくする。これにより、遊技者は、一般的な発射ハンドル252と変わらない操作感を得ることができ、違和感なく発射操作装置750を操作することができる。
一方、回転加速度がゼロの場合、すなわち遊技者が発射ハンドル752の位置を変化させていない時間が一定時間以上(例えば、20秒以上)経過した場合には、発射制御部963(図52参照)は、移動感覚付与部755に印可される電圧値を次第に小さくして移動感覚を徐々に小さくする。これにより、遊技者は、発射操作装置750を変化させない場合には、小さい移動感覚のみを感じるため、リラックスして発射ハンドル752を握る手を緩めることができると共に、小さな移動感覚を感じることにより自身の操作によって遊技を行っていることを自覚することができる。
例えば、図57に示すように、時刻t1において、発射制御部963は、遊技者が発射ハンドル752の回転操作を開始すると、所定の増大速度で移動感覚が増大するように移動感覚付与部755を稼動させる。具体的には、図56(B)に示すように、遊技者が遊技球が強く発射されるように、時計回り方向(図56(B)における矢印Sの方向)に沿って発射ハンドル752を回動操作すると、その回動操作量が大きくなるほど大きな移動感覚が反時計回り方向(図56(B)における矢印Kの方向)に発生するように、移動感覚付与部755が振動する。
時刻t2において、発射制御部963は、移動感覚が最大値である最大感覚値に達すると、移動感覚付与部755に最大値の電圧の印加を継続する。このため、従来の弾性部材での弾性力のように、回動操作量が大きいほど、反力が大きくなってしまうことがなく、発射操作に必要な力を制限しつつ、遊技者が容易に発射操作をすることができる。なお、移動感覚付与部755は、回動操作量が大きいほど大きな移動感覚が発生するようにしてもよく、また、初期位置からの回動操作量に対応した移動感覚が発生するようにしてもよい。
時刻t3において、発射制御部963は、回転加速度がゼロになると、回転加速度がゼロになってからのゼロ時間をカウントする。時刻t4において、発射制御部963は、ゼロ時間が所定の回転停止閾値を超えたことを認識すると、所定の減少速度で移動感覚を小さくする調整減少感覚値で移動感覚を付与するよう移動感覚付与部755を制御する。時刻t5において、発射制御部963は、ゼロ時間が維持閾値を超えたことにより移動感覚が維持感覚値に達したと認識すると、移動感覚を維持感覚値に維持する。なお、維持感覚値は、必ずしも移動感覚を発生する値とする必要はなく、全く移動感覚を発生させないゼロとなる設定としてもよい。
時刻t6において、発射制御部963は、回転角度が変化したことにより回転加速度が検出されると、所定の増大速度で移動感覚が増大するように移動感覚付与部755を稼動させる。時刻t7において、発射制御部963は、移動感覚が最大値である最大感覚値に達すると、移動感覚付与部755に最大値の電圧の印加を継続する。
時刻t7から時刻t8までの間、発射制御部963は、ゼロ時間のカウントを継続し、回転加速度が検出されるとゼロ時間のカウンタをリセットしてゼロにする。時刻t9において、発射制御部963は、ゼロ時間が所定の回転停止閾値を超えたことを認識すると、所定の減少速度で移動感覚を小さくする調整減少感覚値で移動感覚を付与するよう移動感覚付与部755を制御する。時刻t10において、発射制御部963は、ゼロ時間が維持閾値を超えたことにより移動感覚が維持感覚値に達したと認識すると、移動感覚を維持感覚値に維持する。
なお、上述したように、発射ハンドル752は一度回転するとその位置が元には戻らず、接触センサ254によって遊技者の手が離れたことが検出されると、一定時間(例えば、2分)が経過するなどのリセット条件が成立した場合に、回転角度の操作量がリセットされて初期位置から発射ハンドル752の調整操作が必要となるように構成されている。
次に、発射制御基板960の発射制御部963によって実行される感覚制御処理について、図58のフローチャートを用いて説明する。なお、この感覚制御処理は、発射制御部963におけるメイン処理の一部として、定期的に(例えば、2ms(ミリ秒)周期で)実行される。
ステップS100において感覚制御処理が開始されると、ステップS101に移り、遊技者が発射操作装置750の接触センサ254(図52参照)に接触しているか否かについて判別される。遊技者が接触していない場合、移動感覚を付与する必要はないため、感覚制御処理は終了する。ステップS101において遊技者が接触していると判別された場合には、ステップS102へ移る。ステップS102においては、回転角度の変化を表す回転加速度が検出されたか否かについて判別される。回転加速度が検出されなかった場合、ステップS103へ移り、回転加速度がゼロになってからのゼロ時間をカウントする回転カウンタが「+1」される。ステップS104においては、回転カウンタの値が回転停止閾値を超えたか否かについて判別され、超えた場合には回転加速度が一定時間ゼロであり遊技者が発射操作装置750の回転角度を調整をしていないと認識し、ステップS105へ移る。ステップS105においては、回転カウンタの値が維持閾値を超えたか否かについて判別され、超えた場合には、移動感覚が維持感覚値まで低下したため、ステップS106へ移る。ステップS106においては、維持感覚値で移動感覚が付与される。一方、ステップS105において否定結果が得られた場合、移動感覚が維持感覚値よりも高いため、所定の減速速度で移動感覚を低減させるよう、回転カウンタの値に応じた調整感覚値で移動感覚が付与される。また、ステップS104において回転カウンタの値が回転停止閾値以下であった場合、回転加速度がゼロである時間が短く遊技者が発射操作装置750の回転角度を調整をしていると認識し、ステップS108へ移る。ステップS108においては、最大感覚値で移動感覚が付与される。さらに、ステップS102において、回転加速度が検出された場合、遊技者が発射操作装置750を回転角度を調整しているため、ステップS110へ移る。ステップS110においては、最大感覚値で移動感覚が付与される。ステップS111においては、回転カウンタの値が「0」のまま、又は「0」にリセットされる。
このように、パチンコ機8100の発射操作装置750は、発射ハンドル752を操作する遊技者に対し、実質的な位置を移動させることなく発射力が小さくなる反回転方向に移動しようとする移動感覚を感じさせる移動感覚付与部755を備えているので、変位操作部の操作を容易にしつつ位置決めした後には遊技者が手を緩めても操作手段の位置が変位することがないように一定位置に保持しやすくすることができ、移動感覚の付与により遊技者に好適な操作感を付与することができる。
なお、電源・発射制御基板960の発射制御部963による移動感覚付与部755の制御として、所定の発生条件が成立している場合に所定の方向(例えば、発射力が小さくなる方向)に対して断続的に(例えば、0.2秒間隔で0.1秒の振動が5回)発生する移動感覚を遊技者に付与してもよい。遊技者が発射操作を開始した一定期間中においては、連続した移動感覚が一定の方向に付与されるので、所定の発生条件が成立している状況を、遊技者に発射操作を継続させながら、容易に認識させることができ、その発生条件に対応した行為の実行を遊技者に促すことができ、しかも、発射操作とは別の操作が必要な状況であることを遊技者に伝達する機能を、発射操作を容易にする感覚を発生させる移動感覚付与手段を利用して低コストで遊技者に伝達し易い形で付加することができる。
例えば、所定の発生条件は、遊技に用いる遊技媒体を貯留する主貯留機構230の貯留部231に貯留された遊技球の数が所定量(残り10個)以下となった場合であって遊技球を発射する条件が成立している場合や、遊技球を発射する条件が成立していても遊技領域に遊技球が発射されていない場合としてもよく、これらの場合には、遊技者に追加の遊技球を早めに補充する操作を促すことができる。
また、所定の発生条件は、遊技者による変位操作が一定期間以上検出されない状況を少なくとも含むものとしてもよく、維持感覚値に達した状況を少なくとも含むものとしてもよい。
また、所定の発生条件は、遊技者が不利益を被る所定の操作が実行されている条件としてもよく、例えば、通常遊技状態において右打ち遊技手法で遊技を行っている場合に、遊技者に遊技の方向を案内するために移動感覚を付与するようにしてもよく、この場合には、案内が必要な発射操作を強くする方向か、弱くする方向に合致した所定の方向に向けた移動感覚を発生させることが好ましい。この場合において、発射操作の案内が必要な場合だけでなく、貯留部231に貯留された遊技球の数が所定量以下となった場合など、他の条件成立によっても移動感覚の付与によって遊技者に遊技の状況を伝達する場合には、断続して移動感覚が発生する場合における移動感覚の発生時間、移動感覚の大きさ、振動時間、振動回数など、移動感覚が異なって伝わるように、少なくとも一部の条件を異ならせて発生させてもよいし、当該状況において、発射操作装置750の近くであるパチンコ機8100の下側に設けられる表示部としての貯留表示部661に文字で操作が必要な状況を表示してもよい。
また、所定の発生条件は、前後方向にスライド移動して開放状態となる入賞口における開放中の期間に一致させてもよいし、前後方向に重なる通路が設けられた遊技球における一方の通路など所定の通路への遊技球の進入を所定の発生条件の成立としてもよく、これにより、正面側からの視認では、確認しにくい状況を遊技者に触覚を通じて、判り易く伝達することができる。
また、所定の発生条件は、始動入賞に対しての抽選結果に対応して発生する構成としてもよく、例えば、リーチ状態となった一部の状況を所定の発生条件にして、遊技者に大当りの発生する可能性が高くて装飾図柄表示装置479に注目すべき状況であることを伝達してもよい。
また、所定の発生条件として、複数の発生条件が設定され、複数の移動感覚の発生制御が選択可能であって、遊技者が発生条件と移動感覚の組合せを選択可能にしてもよく、例えば、貯留表示部661に対しての入力操作によって所定の発生条件と移動感覚の種類を選択操作可能にしてもよい。
なお、本発明は、上記各実施形態に限られることはなく、上記各実施形態に記載の構成の一部を他の実施形態の構成として適用してもよく、又は、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記各実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記各実施形態に対して適用しても良い。
(1)上記実施形態においては、画像からの切り出し又は取っ手641Aに対する接触によって遊技者の手が物理接触部641に接触したことを検出し、検出されると引出しが開く動画像を貯留表示部651に表示するようにしたが、これに限らず、例えば取っ手641Aに応力センサを取り付けておき、遊技者が取っ手641Aを引く力に対応する値を検出し、この値に対応した大きさで移動感覚を付加すると共に、対応する速度で引出しが開く動画像を貯留表示部651に表示することもできる。この場合、物理接触部641は遊技者の引く力を検出する入力手段としても使用されることになる。
上記実施形態においては、抽選結果に対応して引出しが開くか、開かないかが切り替わるようにしたが、例えば、毎回引出しを開くことができ、抽選結果に応じた複数種類の画像が貯留表示部651に表示されても良い。また、抽選結果の表示とは別のタイミングを契機に引出しを開く演出を実行してもよく、また、抽選結果に応じて引出しの開く速度や重さを、移動感覚の大きさを変化させて遊技者に感じさせることもできる。例えば、当りのときには、引出しの中にたくさんの財宝が詰まっているため引出しが重く、ゆっくり開くと共に小さな移動感覚が与えられ、はずれのときには、引出しが空のため軽く、早くアクト共に大きな移動感覚が与えられるようにすることができる。
上記実施形態では、貯留表示部651に振動部653を有し、遊技者が貯留表示部651の指定領域内に接触したときに短い振動を与えるようにしたが、例えば物理接触部671(図54参照)を用いて貯留表示部661に接触する場合には、物理接触部671を振動させても良い。この場合、移動感覚付与部675を構成する2つのアクチュエータのうち、例えば貯留表示部661に近い方に設置されている一方のアクチュエータのみを振動させることにより、あたかも貯留表示部661を押下したかのような錯覚を遊技者に与えることができる。
上記実施形態では、貯留表示部661側に検出部665を設けたが、物理接触部671の動きによって遊技者の入力操作を検出しても良い。例えば、物理接触部671に加速度センサを設置し、動き量に応じて特典を与えることもでき、貯留表示部661にボールがとんでくる表示をし、バットでボールを打つ入力操作を行い、バットとボールが接触したときの反力を移動感覚付与部によって発生させてもよいし、ビリヤード台を貯留表示部661に表示し、台上に表示されたボールを、物理接触部671でついたときの反力を移動感覚付与部によって発生させたり、物理接触部671を矢のようにして、重みを移動感覚付与部によって発生させて投擲競技を模したゲームを行ってもよい。
上記実施形態においては、物理接触部671が通信機能を有するケーブル672Aによって接続されているようにしたが、例えば無線通信によって副制御基板940と通信するようにしても良い。
上記実施形態においては、回転式の発射操作装置750に対して、移動感覚を用いるようにしたが、例えばスライド式の発射操作装置にも同様にして適用することが可能である。この場合、スライド式のレバーの絶対位置が回転角度を表し、遊技者が遊技を始める際に、一旦レバーを最初の位置(例えば左端)に設定してから遊技が開始される。
上記実施形態においては、発射操作装置750が弾性部材を用いず、初期位置に戻らないようにしたが、例えば、発射操作装置750の発射ハンドル752を初期位置に配置するための移動機構と駆動手段としてのモータとを設け、電源オンをした場合や、貯留表示部661を操作して選択可能なリセットボタンを押すことを条件にして、発射操作装置750がデフォルトの初期位置に戻るようにしても良い。
上記実施形態においては、発射操作装置750における移動感覚は、従来の発射ハンドルと同様、初期位置からの回転操作量が増大するほど、その回転操作方向とは逆の方向に向けて発射ハンドル752が回動するように設定したが、これに限らず、回転操作量が一定量以上増大した場合に、移動感覚の方向が反対方向となるように、発射制御部963によって制御してもよい。例えば、初期位置からの回転操作量が少ない発射操作(例えば、左打ち遊技手法における発射操作)では、反時計回り方向の移動感覚が遊技者に付与され、初期位置からの回転操作量が一定以上に大きい発射操作(例えば、右打ち遊技手法における発射操作)では、時計回り方向の移動感覚が遊技者に付与されるようにしてもよい。
上記実施形態においては、発射操作装置750における移動感覚は、発射ハンドル752に発生する場合について例示したが、これに代えて、又は、これに加えて、発射停止スイッチ757の操作部に移動感覚付与部を停止操作方向に沿って設けて、発射停止スイッチ757に接触している遊技者に対して、単位遊技の保留回数が上限となっている場合などに所定の発生条件が成立したとして、停止操作が必要な状況を伝達するように移動感覚が発生する制御を実行してもよい。
上記実施形態において、貯留表示部601,651,661に、装飾図柄表示装置479における変動表示中の図柄を表示することは好ましく、複数の図柄の組合せ(例えば、3つの同一図柄の組合せ)で大当り図柄が構成される場合において、最後に停止する図柄を除いて大当り図柄を構成するリーチ図柄又は当該最後に停止すれば大当りとなる図柄の少なくとも一方を、当該状況において貯留表示部601,651,661に表示することは好ましい。
例えば、貯留表示部651(図51参照)において、装飾図柄表示装置479における変動表示中の図柄を表示し、リーチ状態において、抽選結果が「当り」ある場合に限って最後に停止した場合に大当りを構成する図柄が引出しに入っていて、引出しが手前側に移動して中に入っていた当該図柄が遊技者によって引き出されるように演出してもよい。
また、例えば、貯留表示部661(図54参照)において、装飾図柄表示装置479における変動表示中の図柄を表示し、リーチ状態において、抽選結果が「当り」ある場合に限って、数字で構成された大当り図柄に対応する数と同一数の遊技球が連動遊技球としてついてくることで大当りの発生を遊技者に示唆する演出をしてもよい。
上記実施形態においては、遊技球を模した物理接触部621を有する構成にしたが、物理接触部の構成は上記構成に限らず、例えば、麻雀牌を模した物理接触部を設け、表面に何の意味も表さない溝を設けておく。抽選結果の発表時に貯留表示部601には、最後の一つの麻雀牌が表示される。これにより、遊技者は、あたかも最後の一枚の麻雀牌を触っていたかのような感覚をえることができる。麻雀牌の他に、将棋の駒などでも同様である。
上記実施形態においては、特に言及していないが、物理接触部621,631に、遊技者の接触を検出する接触センサーを設けて遊技者の接触の有無を検出し、遊技者の接触が確認された場合に同期して大当り抽選の結果を表示するなど、物理接触部621,631に対しての接触操作に応じた画像を貯留表示部601や装飾図柄表示装置479に表示してもよい。これにより、遊技者が物理接触部621,631のうちカメラ装置611,612では、撮影できない位置への接触操作や、接触操作の認識の精度を高めて、物理接触部621,631を利用した演出を存分に楽しませることができる。
上記実施形態においては、仮想画像としてキャラクター画像603A,603Bを表示するようにしたが、これに限らず、例えば実在又は仮想の人物や動物、ロボットなどの各種オブジェクトを表示しても良い。
上記実施形態においては、2つのカメラ装置611,612を備えるようにしたが、少なくとも一つあれば良く、3つ以上のカメラ装置を設置しても良い。また、貯留表示データとして2つのカメラ装置611,612によって撮影された撮影データを組み合わせるようにしたが、いずれかのデータをそのまま使用してもよい。
上記実施形態においては、切換ボタン602の操作によって貯留表示データと補助貯留表示データとを切替えるようにしたが、例えばサムネイル画像を用いて一方を大きく、他方を小さく表示したり、画面を2分割して両方を同時に表示してもよい。
上記実施形態においては、物理接触部621,631がパチンコ機内の格納室623,633にそれぞれ収納されたが、必ずしもパチンコ機内に収納されなくてもよい。例えば、物理接触部621そのままの構成がパチンコ機外に設けられており、収納配置時においてパチンコ機の外壁に沿うように折り畳まれても良いし、収納配置において物理接触部621,631の前側を覆う壁部材(蓋部材)を設けてもよい。また、物理接触部621,631は、貯留部231,241の間に設けられたが、例えば補助貯留部241の下や横、貯留部231の上などに設けることも可能である。
上記実施形態では、物理接触部621が可動式である構成にしたが、固定式であっても良い。例えば、開閉可能な蓋部材を有する箱状の収納空間内に固定式の物理接触部を収納し、蓋部材の開閉によって収納配置と接触可能配置とを切替えてもよい。この箱状の収納空間は、パチンコ機の前面に沿った蓋部材の奥側に設けても良いし、パチンコ機の前側や貯留部の上側など、パチンコ機の外部に突出するようにして収納空間を構成する壁部材及び蓋部材を設けても良い。
上記実施形態においては、貯留表示部601に表現画像データや具現化画像データを表示したが、貯留表示部601は必ずしも必要ではない。例えば、装飾図柄表示装置479に表現画像データや具現化画像データを表示しても良い。
上記実施形態においては、2つのカメラ装置611,612によって貯留部231,241を撮影し、貯留表示部601がなければ遊技者が本来見えるであろう画像を合成して貯留表示部601に表示したが、貯留部231,241の状態を、貯留表示部601がなければ遊技者が本来見えるであろう画像よりも、視認し易く表示するように表示してもよく、例えば、上側の貯留部231によって下側の貯留部241において視認し得ない領域(例えば、遊技機後方側に相当する奥側の領域や、上側の貯留部において遊技機内に遊技球が取り込まれる下流側の領域)についても、貯留表示部601に表示するようにしてもよい。
上記実施形態においては、切換ボタン602が操作された場合に、補助貯留機構240の補助貯留部241を遊技者が視認し易い状態にして貯留表示部601に表示する構成について説明したが、他の機能を有するようにしてもよい。例えば、補助貯留機構240の補助貯留部241から遊技球を排出する球抜き機構243にソレノイド等の駆動手段を付加して球抜き操作を遊技者の入力操作によって電気的に実行可能にし、球抜き操作部材242の操作部としての機能を切換ボタン602に設けてもよい。この場合に、球抜き操作部材242を貯留表示部601に画像表示し、遊技者が、球抜き操作部材242を移動操作するようにしてもよく、この場合に、球抜き操作部材242は、実体として、移動動作が可能な構造物として、パチンコ機5100に設けておくことが、実際の操作感を遊技者に提供できて好ましい。
また、この場合に、遊技球が貯留部231,241のいずれかに一定量以上、貯留された状態であるか否かを検出し、遊技球が一定量以上貯留された状態で、球抜き操作部材242が操作された場合に、実際に、遊技球を排出させるか、それとも、排出しないで、遊技機に残存させるのかを、大当り抽選の結果を遊技者に示唆する演出の一部として設定してもよい。例えば、大当りに当選している場合の演出の1つとして、変動表示中に、貯留表示部601に球抜き操作部材242の操作を促す画像(例えば、切換ボタン602を通常時とは異なる態様(例えば、赤色等の点滅表示)で表示される画像)を表示し、球抜き操作部材242が操作された場合に大当りに当選した変動表示であれば、球抜きが実行されて貯留部241の遊技球の貯留量が減少して球抜き実行中の状態が維持され、大当りに当選していなければ球抜きが実行されないようにしてもよい。遊技者に対しては、大当りに当選した後の特別遊技状態において遊技球が多量に払い出される際に必要な操作を予め実行し、その成否によって、大当り当選の結果を認識できる新たな遊技性を提供することができる。この球抜き演出は、単に貯留表示部601の表示画像に対して、表示画面の切換ボタン602を操作した場合に、表示画面に表示されている画像において球抜きが実行された画像を表示し、実際には球抜きが実行されない構成にしてもよい。
また、物理接触部621,631の少なくとも一部は、形状、硬さ、温度の少なくともいずれかを含む状態が変化する状態変化部を有するように構成し、所定の抽選結果に応じて、状態変化部の状態を異ならせるようにしてもよく、この場合には、状態変化部の状態に対応した画像を貯留表示部601に表示するようにしてもよい。例えば、物理接触部631の手の硬さが変化するように、電気粘性流体を内部に収容して軟質の表面被覆部で包囲するように構成し、電気粘性流体に対する通電状態を変化させて手の硬さが変化するようにしてもよい。
(2)上記実施形態においては、パチンコ機100,1100,2100,3100,4100が補助貯留部241を有する構成としたが、補助貯留部241を有しない構成としてもよい。この場合であっても、補助貯留領域236,1236,4236が貯留部231,1231,4231に設けられることによって予備の遊技球を貯留部231,1231,4231内に残存させておくことができ、必要なときに補助貯留領域236,1236,4236の遊技球を使用して遊技をすることが可能となる。また、補助貯留部241の出口部を有さず、補助貯留部241に連続する補助側誘導通路554の下流側部分も設けず、後側通路580,1580,3580を経由した側のみに遊技球を遊技機外に出す出口部を設けてもよい。補助貯留部241はパチンコ機100,1100の下部に設けられているため、遊技者の陰になって監視が困難な可能性があり、その部位における遊技球の出口部を省略可能とすることにより防犯性能を高めることができる。
上記実施形態においては、補助側誘導通路553の下流側と後側通路580,1580とのいずれかを、進入切替部材581によって選択することで、遊技球が流下する方向を切り替える場合について説明したが、必ずしも一方側に10割進入して他方側には全く進入しないものとする必要はなく、半々や、5対1など、両方へ遊技球が流下する割合となるように、進入切替部材581によって後側通路580,1580へ遊技球が進行した先に一定個数毎に遊技球の方向を振り分ける振分機構を設けて一部の遊技球を補助側誘導通路553に戻すようにしてもよいし、後側通路580の開口幅を選択可能とすることによって遊技球の流下割合を調整可能にしてもよい。他の実施形態における進入切替部材による遊技球の流下割合を変化させる構成についても、必ずしもいずれか一方に遊技球を流下させる必要はなく、両方へ遊技球が流下するようにしてもよい。
上記実施形態においては、隣り合うパチンコ機1100,2100を、誘導通路552,553から分岐する後側通路1590A,1590B,2590A,2590Bによって遊技球を移送可能に接続する構成について説明したが、必ずしも、左右で隣り合うパチンコ機1100と後側通路を相互に接続する必要はなく、背面同士が向かい合うパチンコ機を後側通路で接続したり、他のパチンコ機を間に挟んで離れて位置するパチンコ機にも後側通路で遊技球を移送可能に接続してもよい。
上記実施形態においては、隣に位置する遊技球管理装置700,3700および隣りに位置するパチンコ機1100,2100に対して、遊技球を移送可能に接続するパチンコ機100,1100,2100,3100,4100の構成について説明したが、移送可能とするのは、遊技球に限らず、これに代えて、又は、これに加えて、遊技機の情報を移送可能としてもよく、例えば、入賞の発生などの遊技球の入賞に関する情報(入賞確率や発射球数と賞球数との比率に対応する情報)、大当りの発生および遊技の状態などの遊技機の抽選に関する情報、不正行為の検出や遊技依存者の遊技機利用等の異常発生に関する情報を、他の遊技用装置又は遊技機に移送可能にしてもよい。この場合に、必ずしも情報通信可能な接続線を遊技機に設ける必要はなく、後側通路を経由して移送する遊技球の移送タイミングや、遊技球を移送する時間間隔など、払出装置540の払出制御として情報出力用の制御を設けて、相手側の遊技用装置又は遊技機には遊技球が移送される入口部分に遊技球を検出する検出センサを設け、その検出センサの検出結果によって情報を伝達可能にしてもよい。
上記実施形態においては、鉛直下方向に遊技球を誘導する主側誘導通路552又は補助側誘導通路553に対して略垂直な方向に相当する略水平な方向側に、後側通路580,1580,1590A,1590B,2591A,2591Bが分岐する構成について説明したが、これに限らず、例えば、斜め30°程度に分岐しても良く、後側通路580,1580,1590A,1590B,2591A,2591Bは、誘導通路552,553の連続する方向と相違する方向に遊技球を誘導可能に構成されていればよい。
上記実施形態においては、パチンコ機100等の遊技機に遊技球貸出装置290が設けられる構成について説明したが、遊技機に必ずしも遊技球貸出装置290が設けられる必要はなく、遊技球管理装置700の管理装置操作部702を操作して遊技者が所持する遊技価値に対応する遊技球の貸し出し操作や、価値記憶媒体の返却操作が実行される構成であってもよい。
上記実施形態においては、進入切替部材581が切替操作部584に対しての手動操作によって進入阻止姿勢と進入許容姿勢とを切り替えて動作する構成について説明したが、操作スイッチと、操作スイッチに対しての操作によって駆動するモータ等の駆動源とを設けて、進入切替部材581が電気的に動作する構成としてもよく、この場合に、パチンコ機100の前面側に操作スイッチを設けて、進入切替部材581の動作を遊技場の管理者が設定可能にしてもよく、又は、パチンコ機100の前面側に操作スイッチを設けて、遊技者が、後側通路580への遊技球の進入可否を操作可能にしてもよく、あるいは、パチンコ機100の前面側に遊技者用の第1操作スイッチを設け、背面側に遊技場の管理者用の第2操作スイッチを設けて、第2操作スイッチによって第1操作スイッチの有効無効を切替可能にしてもよく、これにより、遊技場管理装置が後側通路580に対応する場合に限って、遊技者が後側通路580への遊技球の進入可否を切替可能とすることができて好ましい。
進入切替部材581,1581,1591A,1591B,2591A,2591Bの構成は、上記構成に限らず、後側通路580,1580,1590A,1590B,2590A,2590Bへの遊技球の進入の阻止と許容とを切替可能であれば、他の構成であってもよく、例えば、スライド移動によって姿勢を切り替えるものでもよい。
上記実施形態では、後側通路580,1580,1590A,1590B,2590A,2590B,3580を形成する後側通路部材をパチンコ機100に設ける構成について説明したが、必ずしもパチンコ機100,1100,2100,3100,4100に後側通路部材を設ける必要はない。後側通路部材を遊技球管理装置700に設け、パチンコ機100には、補助側誘導通路553から後側通路580へ遊技球を進入させる球出口をパチンコ機100の背面側に設ける構成としてもよい。この場合には、進入切替部材581をパチンコ機100の誘導部材550に設けて、球出口からの球の出力を阻止する進入阻止姿勢と、球出口から後側通路580への遊技球の進入を許容する進入許容姿勢とを切替操作可能とすることが好ましい。
パチンコ機100,1100,2100は、遊技球管理装置700に対して、必ずしも前後に設けられた複数の球投入部から遊技球を進入させる構成とする必要はなく、前または後の一方側のみから遊技球を進入させる構成としてもよい。
上記実施形態では、払出装置540によって払い出された遊技球が補助貯留領域4236に貯留される構成について説明したが、払出装置540によって遊技球が払い出されて通常貯留領域4235に所定量以上となった場合でも補助貯留領域4236には遊技球が進入せず(貯留されず)、遊技者が手操作で補助貯留領域4236に遊技球を貯留するようにしてもよい。この場合でも、通常貯留領域4235の隣に補助貯留領域4236を設けて、遊技者の遊技球に対しての押圧操作で、通常貯留領域4235と補助貯留領域4236とを区画する境界を越えて通常貯留領域4235から補助貯留領域4236へと遊技球を移送可能としておくことが好ましい。
上記実施形態では、補助貯留領域4236に貯留された待機球は、遊技球に接触することなく移送通路4232へ進入させることができる場合について説明したが、これに限らず、補助貯留領域4236に貯留された待機球を、遊技者が遊技球に接触して手操作で移送通路に遊技球を進入させる構成としてもよい。
上記実施形態では、補助貯留領域4236に貯留された待機球は、遊技者が手操作で通常貯留領域4235に遊技球を移送する場合について説明したが、これに限らず、所定の操作部に対する遊技者の操作によって、待機球に接触することなく、補助貯留領域4236から通常貯留領域4235へ遊技球を移送可能としてもよい。例えば、補助貯留領域4236の底面を、上昇したり、傾斜角度が変化するように動作可能に構成し、その底面を動作させるために遊技者によって操作される操作部を底面と一体的に設けてもよいし、補助貯留領域4236の底面を動作させるモータ等の駆動源と駆動原の動作を制御する押圧操作が可能なスイッチを設け、遊技者によるスイッチに対しての操作によって補助貯留領域4236から通常貯留領域4235へ遊技球を移送可能にしてもよい。
(3)本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当りすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当り状態が発生するまで、大当り期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当り図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしても良い。また、パチンコ機に限定されることはなく、遊技媒体として、遊技球以外のメダルを使用する遊技機にて実施してもよく、例えば、スロットマシン等の回胴式遊技機に適用しても良く、または、遊技球を遊技媒体とする回胴式遊技機としてのパロット等の遊技機に適用しても良い。
<上記実施形態から抽出される発明>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて課題及び効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
<特徴10>
遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機(パチンコ機100,1100,2100,3100,4100)であって、
遊技媒体を払い出す払出装置(払出装置540)と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体を遊技者が取り出し操作可能に、遊技機前側に貯留する貯留部(貯留部231,241)と、
該貯留部に貯留された遊技媒体を遊技機外に出す第1出口部(補助貯留部241の放出口241B)と、
前記払出装置と前記貯留部との間に設けられて、該払出装置から前記貯留部へと遊技媒体を払い出すための第1払出通路(補助側誘導通路553)と、
前記第1払出通路とは別に設けられて、前記払出装置から払い出された遊技媒体を前記第1出口部とは異なる位置にて遊技機外に出す第2出口部(後側通路580,1580及び放出通路部材3101Bの出口)と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体が前記第2出口部に進入するか否かを切り替えることが可能な進入切替手段(進入切替部材581,1581,1591A,1591B、球支持部材4236D)とを備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機において、入賞に応じた特典として払い出された遊技球あるいは入金額に応じて貸し出された遊技球は、遊技機に設けられる球皿の他に、遊技者の近傍に設置された球箱等へ球皿の球出口を通過させて貯留するのが一般的であった。また、遊技者が所持する所持金や遊技球数に対応した情報をICカードなどの価値記憶媒体に記憶するように構成された遊技用装置も知られている(例えば、特開2002-224362号公報参照)。
これら従来の遊技機において、遊技者が所持する遊技媒体を管理する構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
特徴10に記載の遊技機によれば、遊技者が所持する遊技球を好適に管理可能な遊技機を提供することができる。すなわち、第1出口部を利用して、従来と同様に、遊技者自身の管理する球箱や遊技用装置に遊技球を移送可能としつつ、更に、第2出口部を使って他の遊技機や遊技用装置に遊技球を好適に移送することが可能となる。
なお、特徴10に記載の遊技機は、第2出口部への遊技球の進入を阻止する進入割合切替部(進入阻止部582)と、進入割合切替部を回動可能にする軸部であって、第2出口部に対する遊技球の進入を阻止する進入阻止姿勢と遊技球の進入を許容する進入許容姿勢とを切り替え可能とする回動軸部(回動軸部583)と、進入阻止姿勢と進入許容姿勢とを切り替える切替操作部(切替操作部584)とを備えるものとしてもよい。
また、進入割合変化手段が変化させる遊技媒体が進入する割合は、一方側に10割進入して他方側には全く進入しない割合を含んでもよいし、半々や、5対1など、両方へ遊技媒体が流下する割合を含んでもよい。
また、特徴10に記載の遊技機外に出すの記載は、遊技機にて遊技媒体を支持し得る貯留部や通路から遊技媒体を出すとしてもよく、遊技機では遊技媒体を支持し得ない位置に遊技媒体を出すとしてもよい。
また、特徴10に記載の第2出口部は、第1出口部とは異なる位置であって遊技機において第1出口部とは異なる方向側に遊技媒体を出すとしてもよいし、第1出口部は、遊技機前側にて遊技球を出し、第2出口部は遊技機前側とは異なる位置に遊技球を出すとしてもよい。
<特徴11>
特徴10に記載の遊技機において、
前記第1払出通路は、
その下流側が前記貯留部における遊技球の流入口(流入口231A)を構成し、
前記第2出口部は、
第1払出通路の途中であって前記流入口より上流側にて分岐した側に設けられ、第1払出通路に所定量以上の遊技球が貯留された場合に遊技球を遊技機外に出す構成とされていることを特徴とする遊技機。
特徴11に記載の遊技機によれば、流入口よりも上流側に第2出口部が設けられ、貯留部がいっぱいになって流入口より上流側に遊技球が貯留された場合にのみ、遊技球を第2出口部の側に進入させることができる。これにより、遊技をしている最中の遊技機には貯留部に遊技球が満たされた状態を維持しつつ、更に多く払い出された遊技球のみを第2出口部に逃がすことができ、遊技球の払出を迅速にしつつ、遊技球を好適に管理可能とすることができる。
<特徴12>
特徴10又は特徴11に記載の遊技機において、
前記第2出口部は、
遊技者に貸出可能な遊技球の貸出可能数を価値記憶媒体に記憶すると共に、遊技者の操作に応じて遊技球を貸し出すことが可能な遊技用装置(遊技球管理装置700)に遊技球を移送可能に接続されており、
前記遊技用装置によって、前記第2出口部を通って移送された遊技球の数を、前記貸出可能数に加算して前記記憶媒体に記憶させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴12に記載の遊技機によれば、第1出口部を経由させずに、第2出口部を介して遊技用装置に遊技球を移送すると共に貸出可能数に加算可能とすることができ、第1出口部を経由させないことによる効果を奏する構成とすることができる。例えば、第1出口部が遊技者に近い位置に設けられることにより通過する遊技球同士の接触音によって演出の効果音が聞き取りにくくなる不都合を抑制することができる。
<特徴13>
特徴10~特徴12のいずれかに記載の遊技機において、
前記第2出口部は、他の遊技機における貯留部に遊技球を流下させる通路に遊技球を出す構成とされていることを特徴とする遊技機。
特徴13に記載の遊技機によれば、友人や家族などが遊技する他の遊技機との間で遊技球の譲渡や貸し借りなどが可能となり、遊技者の利便性を向上させることができる。
<特徴14>
特徴10~特徴13のいずれかに記載の遊技機において、
前記進入割合変化手段は、遊技者によって前記第2出口部に遊技球が進入する割合を変化させる操作が可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴14に記載の遊技機によれば、遊技者が自由なタイミングで遊技球が出る出口部を選択することができ、遊技者の利便性を向上させることができる。
<特徴15>
特徴13~特徴14のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1払出通路には、他の遊技機に設けられる第2出口部から出た遊技球が進入可能な通路を接続可能とする接続部が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴15に記載の遊技機によれば、他の遊技機における第2出口部を接続可能とすることができるため、接続された遊技機間で双方向への遊技球の供給を可能とするなど、一層利便性を高めることができる。
<特徴16>
特徴11~特徴15のいずれかに記載の遊技機において、
前記第2出口部は、複数箇所に設けられ、複数の遊技機における貯留部に遊技球を流下させる通路に遊技球を出すことが可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴16に記載の遊技機によれば、複数の遊技機間で双方向への遊技球の供給を可能とするなど、一層利便性を高めることができる。
<特徴17>
特徴10~特徴16のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1払出通路は、二つの通路に分岐して第1の貯留部と第2の貯留部とにそれぞれ連続し、
前記第2出口部は、前記第1払出通路における二つの通路に分岐した分岐部分よりも下流側にて第1払出通路から分岐して設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴17に記載の遊技機によれば、二つの通路に分岐した分岐部分より下流側にて第2出口部に遊技球が流れるため、第1の貯留部と第2の貯留部のうち、一方側に遊技球が流れないように、第2出口部に進入する遊技媒体の割合を変化させることを可能とするなど、より一層利便性を高めることができる。
<特徴20>
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技球の流下領域)と、
遊技者によって発射操作が行われる発射操作手段(発射操作装置250)と、
該発射操作手段に対しての遊技者の操作によって遊技球を前記遊技領域に発射する発射手段(発射装置330)と、
遊技球を払い出す払出装置(払出装置540)と、
該払出装置によって払い出されて遊技に使用される遊技球を貯留する貯留手段(主貯留機構230)と、
前記貯留手段に貯留された遊技球を前記発射手段側に送出する送出部(流出口231B)とを備え、
前記貯留手段(貯留部231,1231,4231)には、前記送出部よりも上流側に位置して前記払出装置によって払い出された遊技球が貯留される領域であって、貯留された遊技球が前記発射手段の動作に応じて前記送出部の側へ進行する通常貯留領域(通常貯留領域235,1235,4235)が設けられており、
さらに、前記払出装置によって所定量以上の遊技球が前記通常貯留領域に貯留された場合に遊技球が進入する領域であって、前記発射手段が動作しても少なくとも一部の遊技球が進行しないで停留し、遊技者による所定の押圧操作によって前記通常貯留領域へ遊技球を移送可能な停留貯留領域(補助貯留領域236,1236,4236)が設けられていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機において、入賞に応じた特典として払い出された遊技球あるいは入金額に応じて貸し出された遊技球は、遊技機に設けられる球皿の他に、遊技者の近傍に設置された球箱等へ球皿の球出口を通過させて貯留するのが一般的であった。また、遊技者が所持する所持金や遊技球数に対応した情報をICカードなどの価値記憶媒体に記憶するように構成された遊技用装置も知られている(例えば、特開2002-224362号公報参照)。
これら従来の遊技機において、遊技者が所持する遊技媒体を管理する構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
また、従来の遊技機において、入賞に応じた特典として払い出された遊技球あるいは入金額に応じて貸し出された遊技球は、遊技者の手元近傍に設置された貯留手段(いわゆる上皿)に貯留される。貯留手段より下には補助的な補助貯留手段(いわゆる下皿)が設けられている(例えば特開2009-22160号参照)。遊技者は補助貯留手段に貯留した遊技球を貯留手段に補充することにより、貯留手段の遊技球の不足を補うことができる。
しかしながら、従来の遊技機において、補助貯留手段は、貯留手段から離れた位置にあって、遊技球を補う操作が面倒な場合がある。
特徴20に記載の遊技機によれば、遊技者が所持する遊技球を好適に管理可能な遊技機を提供することができる。すなわち、遊技球の一部が停留貯留領域に停留し、発射手段によって自動的に発射されることのない遊技球を停留貯留領域に確保することができる。このため、遊技者が通常貯留領域に遊技球がなくなっていることに気がつくのが遅れた場合であっても、停留貯留領域の遊技球を使用して速やかに遊技を継続することができる。また、停留貯留領域の遊技球は、遊技者による所定の押圧操作によって通常貯留領域へ移送可能であるので、停留貯留領域から通常貯留領域への遊技球の移送を簡易且つ迅速にし、遊技者の利便性を向上させることができる。
<特徴21>
特徴20に記載の遊技機において、
前記通常貯留領域及び前記停留貯留領域の境界の少なくとも一部に上方に突出する突条部が遊技球の半径より低い高さで設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴21に記載の遊技機によれば、突条部によって境界を形成し、且つ、遊技者による遊技球への押圧操作によって停留貯留領域から通常貯留領域へ遊技球を容易に移送可能とすることができる。
<特徴22>
特徴21に記載の遊技機において、
前記境界の一部は、前記送出口が設けられる側に位置していることを特徴とする遊技機。
特徴22に記載の遊技機によれば、境界の一部として送出口が設けられる側に向かって遊技球を押し出すようにすれば、短時間で送出口を経由して発射手段に遊技球を供給することができる。このため、遊技者が急いで遊技球を発射したい状況に正確且つ確実に遊技球を発射し易くすることができ、遊技者が不測の不利益を被る可能性を低減することができる。
<特徴23>
特徴20~特徴22のいずれかに記載の遊技機において、
前記通常貯留領域と前記停留貯留領域とは、遊技者が位置する遊技機前側と、遊技機後側とに並んで設けられており、
前記通常貯留領域と前記停留貯留領域とにおいて、遊技球が離間して停留するように境界が上方に突出した頂部とされて前後に下り傾斜した底面部が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴23に記載の遊技機によれば、通常貯留領域と停留貯留領域とが底面部の傾斜によって明確に別れるため、停留貯留領域に貯留されている遊技球を遊技者が認識し易くすることができる。
<特徴24>
特徴20~特徴23のいずれかに記載の遊技機において、
前記停留貯留領域は、前記通常貯留領域に対して遊技者が位置する遊技機前側に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴24に記載の遊技機によれば、通常貯留領域を遊技者が視認し易くして遊技者が通常貯留領域における遊技球の残量を確認し易くし、且つ、停留貯留領域が遊技者に近い位置に設けられるため、停留貯留領域に貯留された待機球を遊技者が手で押圧操作して通常貯留領域へ移送し易くすることができる。
<特徴25>
特徴20~特徴24のいずれかに記載の遊技機において、
前記停留貯留領域は、前記通常貯留領域に対して遊技者から離間した遊技機後側に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴25に記載の遊技機によれば、停留貯留領域が視認しやすいため、遊技者は停留貯留領域に遊技球が残っている状況を容易に視認することができ、停留貯留領域に遊技球を残したまま遊技を終了して遊技者が移動してしまうことを抑制することができる。
<特徴26>
特徴20~特徴25のいずれかに記載の遊技機において、
前記停留貯留領域は、前記貯留手段の底面積のうち、5~50%の底面積を占める大きさに設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴26に記載の遊技機によれば、適度な量の遊技球を停留貯留領域に確保することができる。
<特徴30>
遊技媒体を払い出す払出装置(払出装置540)と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体を遊技機外に出す出口部(補助貯留部241の放出口241B、後側通路580,1580及び放出通路部材3101Bの出口)と、
該出口部と前記払出装置との間にて遊技媒体が通過する移送通路を形成する通路形成部材とを備え、
前側に開閉動作可能な開閉部材が、前後方向に貫通する内部空間を形成する枠状に構成された外枠部材に支持された遊技機(パチンコ機3100,4100)であって、
前記払出装置は前記開閉部材に設けられ、
前記外枠部材は、前記通路形成部材の一部を構成して前記移送通路の一部(誘導通路3101A)を形成することを特徴とする遊技機。
従来の遊技機において、入賞に応じた特典として払い出された遊技球あるいは入金額に応じて貸し出された遊技球は、遊技機に設けられる球皿の他に、遊技者の近傍に設置された球箱等へ球皿の球出口を通過させて貯留するのが一般的であった。また、遊技者が所持する所持金や遊技球数に対応した情報をICカードなどの価値記憶媒体に記憶するように構成された遊技用装置も知られている(例えば、特開2002-224362号公報参照)。
これら従来の遊技機において、遊技者が所持する遊技媒体を管理する構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
特徴30に記載の遊技機によれば、遊技者が所持する遊技球を好適に管理可能な遊技機を提供することができる。すなわち、払出装置が開閉部材に設けられ、外枠部材は、通路形成部材の一部を構成して移送通路の一部を形成するので、払出装置から払い出された遊技球の少なくとも一部は外枠部材によって形成される移送通路の一部を経由して遊技機外に排出される。外枠部材は、遊技機の左右方向における最も外側に設けられるので、移送通路の一部を通過する遊技媒体の通過音や接触音が遊技者に届き難くすることができ、遊技機に設定された演出等の効果音を遊技者が聞き取り易くすることができる。また、外枠部材は、払出装置を含む開閉部材を支持しつつ遊技場に遊技機を取り付ける際の支持体として機能するものであり、剛性や強度の高い材料によって構成され、この外枠部材によって形成される移送通路の一部は不正に穴を開けられたり改造されたりし難くすることができる。よって、遊技者が所持する遊技球が他の者(犯罪者)に奪われてしまうなどの不正行為を抑制することができる。
<特徴31>
特徴30に記載の遊技機であって、
前記開閉部材は、前記外枠部材の一部に対して前側に重なる形状であって前記外枠部材における左右方向の一方側に設けられる縦長の枠構成部を遊技機前側に露出する形状に構成され、
前記枠構成部には、前記移送通路の一部として下方に流下した後に遊技機前側に遊技球を移送可能な通路が形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴31に記載の遊技機によれば、遊技機の左右方向における最も外側を経由して遊技機前側に遊技球を出すことができるので、遊技機に設定された演出等の効果音を遊技者が聞き取り易く構成しつつ、従来と同様に、遊技者に対して遊技機前側で遊技球を管理可能とすることができる。
<特徴40>
遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機(パチンコ機100,1100,2100,3100,4100)であって、
遊技媒体を払い出す払出装置(払出装置540)と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体を遊技機外に出す出口部(後側通路580,1590A,1590B、及び、入口3580Aを経由した遊技球の出口、補助貯留部241の放出口241B)と、
該出口部と前記払出装置との間にて遊技媒体が通過する移送通路を形成する通路形成部材と、
前記移送通路の一部に対して前側に設けられて、所定の音を出力する音出力手段(音響装置283~285,4286)とを備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機において、入賞に応じた特典として払い出された遊技球あるいは入金額に応じて貸し出された遊技球は、遊技機に設けられる球皿の他に、遊技者の近傍に設置された球箱等へ球皿の球出口を通過させて貯留するのが一般的であった。また、遊技者が所持する所持金や遊技球数に対応した情報をICカードなどの価値記憶媒体に記憶するように構成された遊技用装置も知られている(例えば、特開2002-224362号公報参照)。
これら従来の遊技機において、遊技者が所持する遊技媒体を管理する構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
特徴40に記載の遊技機によれば、遊技者が所持する遊技球を好適に管理可能な遊技機を提供することができる。すなわち、移送通路の一部に対して前側に音出力手段が設けられているので、遊技媒体を遊技機外に出すまでの過程において移送通路内を通過する遊技媒体の通過音や接触音より音出力手段によって出力される音を優先して遊技者に届かせることができ、遊技機に設定された演出等の効果音を遊技者が聞き取り易くすることができる。また、音出力手段は、剛性の高い金属部材や音を響かせるための筐体(エンクロージャー)を含むものであり、これらの部材が移送通路の前に位置することによって後側の移送通路で発生した音が遊技者側に届く強さを低減することができる。
<特徴41>
特徴40に記載の遊技機であって、
前記移送通路の一部に対して前側に設けられて、前記移送通路の一部が設けられる側にて発生した音を検出する音検出手段を備え、
前記音出力手段は、前記音検出手段によって検出された音に基づいて、当該音の遊技機前側への出力を低減させる音(検出された音を打ち消す逆位相の音)を含む音を遊技機前側へ出力することを特徴とする遊技機。
特徴41に記載の遊技機によれば、音検出部によって移送通路の一部で発生する音が遊技機前側へ出力される程度を低減させることができるので、移送通路を経由する遊技球の通過音や接触音が打ち消され易くなって、遊技機に設定された効果音を遊技者に届き易くすることができる。
<特徴50>
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技球の流下領域)と、
遊技者によって発射操作が行われる発射操作手段(発射操作装置250)と、
該発射操作手段に対しての遊技者の操作によって遊技球を前記遊技領域に発射する発射手段(発射装置330)と、
遊技球を払い出す払出装置(払出装置540)と、
該払出装置によって払い出されて遊技に使用される遊技球を貯留する貯留手段(主貯留機構4230)と、
前記貯留手段に貯留された遊技球を前記発射手段側に送出する送出部(流出口231B)とを備え、
前記貯留手段には、前記送出部よりも上流側に設けられて前記払出装置によって払い出された遊技球が貯留される領域であって、貯留された遊技球が前記発射手段の動作に応じて前記送出部の側へ進行する通常貯留領域(通常貯留領域4235)が設けられており、
さらに、前記発射手段が動作しても遊技球が進行しないで停留する領域であって、遊技者による所定の押圧操作によって前記通常貯留領域へ遊技球を移送可能であり、予め定めた個数の遊技球が並んで配置されて計数可能な計数可能貯留領域(補助貯留領域4236)が設けられていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機において、入賞に応じた特典として払い出された遊技球あるいは入金額に応じて貸し出された遊技球は、遊技機に設けられる球皿の他に、遊技者の近傍に設置された球箱等へ球皿の球出口を通過させて貯留するのが一般的であった。また、遊技者が所持する所持金や遊技球数に対応した情報をICカードなどの価値記憶媒体に記憶するように構成された遊技用装置も知られている(例えば、特開2002-224362号公報参照)。
これら従来の遊技機において、遊技者が所持する遊技媒体を管理する構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
特徴50に記載の遊技機によれば、遊技者が所持する遊技球を好適に管理可能な遊技機を提供することができる。すなわち、計数可能貯留領域に停留した遊技球の個数を遊技者が計数可能であるので、遊技者が必要な数分の遊技球を遊技機外に取り出し易くすることができる。また、計数可能貯留領域の遊技球は、遊技者による所定の押圧操作によって前記通常貯留領域へ移送可能であるので、計数可能貯留領域から通常貯留領域への遊技球の移送を簡易且つ迅速にし、遊技者の利便性を向上させることができる。
<特徴51>
特徴50に記載の遊技機であって、
遊技媒体を払い出す払出装置(払出装置540)と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体を遊技者が取り出し操作可能に、遊技機前側に貯留する貯留部(補助貯留部241)と、
該貯留部に貯留された遊技媒体を遊技機外に出す第1出口部(補助貯留部241の放出口241B)と、
前記払出装置と前記貯留部との間に設けられて、該払出装置から前記貯留部へと遊技媒体を払い出すための第1払出通路(補助側誘導通路553)と、
前記計数可能貯留領域に貯留された遊技球を遊技者による所定の排出操作によって前記第1出口部とは異なる位置にて遊技機外に出す第2出口部(移送通路4232及び放出通路部材3101Bの内部通路)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴51に記載の遊技機によれば、第1出口部を利用して、従来と同様に、遊技者自身の管理する球箱や遊技用装置に遊技球を移送可能としつつ、更に、第2出口部を使って他の遊技機や遊技用装置に、遊技者の移送したい数分の遊技球を好適に移送することが可能となる。
<特徴60>
遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機であって、
遊技者によって遊技に関する操作が行われる操作手段(発射操作装置250)と、
遊技に用いられる遊技媒体を貯留する貯留手段(主貯留機構230及び補助貯留機構240の貯留部231,241)と、
該貯留手段を撮影する撮影手段(カメラ装置611,612,612X)と、
該撮影手段によって撮影される画像であって前記貯留手段に貯留された遊技媒体を含む撮影画像と、予め設定された仮想画像(遊技球の画像)とを用いて仮想貯留表示画像を生成する貯留画像生成手段(副制御基板940)と、
前記貯留手段の少なくとも一部を覆う位置に設けられ、前記仮想貯留表示画像を表示する貯留画像表示手段(貯留表示部601)とを備えることを特徴とする遊技機(パチンコ機5100,6100,7100)。
従来の遊技機には、例えば、遊技球が流下する遊技領域、遊技領域の下側に遊技者が発射操作を行うための発射操作装置、遊技球を貯留するための貯留部などが設けられるのが一般的である(例えば、特開2006-345989号参照)。
従来の遊技機において、遊技領域を大きく設定したり、遊技に必要な発射操作装置や、貯留部を設けると、遊技者に楽しみを与えるための演出装置を設ける領域が狭められることとなり、これら装置の構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
特徴60に記載の遊技機によれば、遊技に用いられる遊技媒体を用いた演出装置を好適に配置可能な遊技機を提供することができる。すなわち、貯留画像表示手段によって、その奥側に位置して視認できなくなる貯留手段に貯留された遊技媒体を、仮想貯留表示画像によって遊技者に表示することができ、且つ、仮想画像も表示することができるので、貯留手段と、画像を表示可能な貯留画像表示手段との配置の制限を少なくすることができる。よって、例えば、遊技機の新たな楽しみ方としての仮想貯留表示画像を用いた演出装置による遊技性を遊技者に提供することができる。
なお、特徴60に記載の貯留画像表示手段は、必ずしも貯留手段の少なくとも一部を覆う位置に設けられる必要はなく、貯留手段の少なくとも一部若しくは全てを覆わない位置に貯留画像表示手段が設けられてもよく、この場合でも、貯留手段の配置位置の自由度を高めて、貯留手段と貯留画像表示手段とを好適に配置可能な遊技機とすることができる。また、遊技者の視点と貯留手段との間に介在する位置に貯留画像表示手段が設けられるとしてもよい。
また、特徴60に記載の遊技機において、遊技球を払い出す払出装置(払出装置540)を備え、貯留手段は、払出装置によって払い出されて遊技に使用される遊技球を貯留するものとしてもよい。
<特徴61>
特徴60に記載の遊技機であって、
前記仮想画像は、遊技機に設定されたキャラクターであることを特徴とする遊技機。
特徴61に記載の遊技機によれば、遊技機に設定されて遊技者に馴染みやすいキャラクターを貯留画像表示手段に、遊技者に払い出された遊技媒体と共に登場させて、遊技者が獲得した遊技媒体の数に応じて演出を通じて遊技者を楽しませることができる。
<特徴62>
特徴60又は特徴61のいずれかに記載の遊技機であって、
所定の抽選条件が成立した場合に所定の抽選確率で成立する抽選を実行する抽選手段(主制御基板920)を有し、
前記仮想画像は、前記抽選結果を用いた画像によって構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴62に記載の遊技機によれば、仮想画像が抽選結果を用いた画像によって構成されているので、抽選結果に応じて動作を変化させることができ、抽選結果に応じて遊技者を楽しませたり、喜びを増長させたりでき、遊技者により一層遊技を楽しませることができる。
<特徴63>
特徴60~特徴63のいずれかに記載の遊技機であって、
前記貯留手段は、遊技球が払い出される主貯留手段と、該主貯留手段よりも下方に設けられる補助貯留手段(補助貯留機構240)とを有し、
前記撮影手段は、少なくとも前記補助貯留手段を撮影するものであることを特徴とする遊技機。
特徴61に記載の遊技機によれば、主貯留手段が上側に位置することで少なくとも一部が覆われ易く、視認しづらかった補助貯留手段を撮影して貯留画像表示手段によって表示することができるため、遊技者に補助貯留手段の状況を簡単に視認させることが可能となる。
なお、特徴63に記載の遊技機において、撮影手段は、主貯留手段を撮影する手段(カメラ装置611)と、該補助貯留手段を撮影する手段(カメラ装置612)とを有し、貯留画像表示手段は、主貯留手段及び補助貯留手段に貯留された遊技媒体を含む撮影画像を用いた仮想貯留表示画像を表示可能に構成されているとしてもよい。これにより、複数の貯留手段が設けられる構成の遊技機において、遊技者に払い出された遊技媒体の数量に対応した演出を貯留画像表示手段によって実行することができる。
また、貯留画像表示手段は、主貯留手段と補助貯留手段との両方を撮影した撮影画像を含む仮想貯留表示画像を表示可能に構成されているとしてもよく、これにより、主貯留手段と補助貯留手段との両方の状況を1つの画像を通じて遊技者が簡単に認識することができる。この場合に、主貯留手段と補助貯留手段とのうち、いずれか一方が他方と比べて、縮小して表示される構成としてもよく、この縮小されるいずれか一方を遊技者が選択可能に構成してもよい。
<特徴64>
特徴63に記載の遊技機であって、
前記画像生成手段は、
所定の遊技者の視点位置から見て前記貯留画像表示手段の奥側に貯留された遊技媒体を含む仮想貯留表示画像であって、撮影手段から撮影した方向視に対して遊技者側から視認した画像に補正して、生成することを特徴とする遊技機。
特徴64に記載の遊技機によれば、撮影手段の設置場所と遊技者の目の位置との違いから生じる画像の相違を補正し、遊技者が視認できるであろう画像を想定して表示できるため、遊技者に違和感なく貯留された遊技媒体の画像を視認させることができる。
<特徴70>
遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機であって、
遊技者によって遊技に関する操作が行われる操作手段(発射操作装置250)と、
遊技に使用される遊技媒体を貯留する貯留手段(主貯留機構230及び補助貯留機構240の貯留部231,241)と、
所定の抽選条件が成立した場合に所定の抽選確率で成立する抽選を実行する抽選手段(主制御基板920)と、
前記抽選結果に応じて前記貯留手段に貯留されている遊技媒体の数量が異なるように演出する所定の媒体量変動演出を実行可能な媒体量変動演出手段(副制御基板940、貯留表示部601、物理接触部621)とを備えることを特徴とする遊技機(パチンコ機5100,6100)。
従来のパチンコ機では、例えば、大当りに当選した場合、大当りの当選を変動表示の結果によって報知すると共に、大入賞装置が開放されて遊技球が大入賞装置に入賞し、多量の遊技球が貯留部に払い出されるものが知られている(例えば特開2006-345989号参照)。
しかしながら、従来の遊技機では、入賞装置に遊技球が入賞するか、遊技者が遊技球の貸し出し操作をしなければ、貯留部に貯留された遊技球は増加せず、通常遊技中には、徐々に遊技球が減少し、大当りの当選後に貯留部に遊技球が一時的に多量に払い出されるだけである。このため、遊技者にとって貯留部は、貯留部が空になった場合、若しくは、空に近づいた場合、又は、満杯(満タン)になる場合や満杯になった場合に、注目されて必要な操作が行われるだけの機能部品にすぎないものであった。すなわち、貯留部の構成は、メーカーや機種毎に形状や大きさが異なるくらいで、貯留部に関する構成について、未だ改良の余地がある可能性があった。
また、抽選に当選した結果を遊技者が認識してから、入賞装置に遊技球が入賞して遊技球が払い出されるまでの間に時間差がある。例えば、大当りに当選した後に、遊技球が貯留手段としての球皿等に貯留されるまでに時間を要することとになるので、その時間がかかる分、遊技者の喜び感が縮小してしまう可能性があった。
特徴70に記載の遊技機によれば、演出装置としての機能を貯留部に付加することが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、抽選結果に応じて媒体量変動演出が実行されることで貯留部に貯留されている遊技媒体の数量の変動を遊技者に体感させることができ、貯留部が単に機能部品としての機能だけでなく、演出装置としての機能を付加することができ、限られたスペースしかない遊技機の中で、機種やメーカー特有の個性を備えた貯留部を設定することができる。
例えば、抽選結果に応じて媒体量変動演出として遊技媒体が増加する演出が実行されることで遊技媒体の数量の増加を予め遊技者に体感させることができる。これにより、抽選の当選から遊技媒体が遊技者に提供されるまでに長期の時間がかかる場合であっても、遊技者に遊技を楽しませることができる。従って、短時間に多量の遊技媒体が払い出されるように過度に射幸性を高めなくても、多量の遊技媒体を獲得する気分を抱かせる演出を実現することができる。
<特徴71>
特徴70に記載の遊技機であって、
前記貯留手段を撮影する撮影手段(カメラ装置611)と、
該撮影手段によって撮影される画像であって前記貯留手段に貯留された遊技媒体を含む撮影画像を表示可能な貯留画像表示手段(貯留表示部601)とを備え、
前記媒体量変動演出手段は、
前記貯留画像表示手段に表示する画像として、前記抽選手段による抽選結果に応じて、前記貯留手段に貯留された数量より多くの遊技媒体を含む増加表示画像を生成する画像生成手段(表示データ生成部942)であることを特徴とする遊技機。
特徴71に記載の遊技機によれば、貯留画像表示手段を利用することにより、通常時には貯留手段を撮影した撮影画像に基づいて、遊技者の所持する遊技媒体の数量を認識し易く表示しつつ、特定の抽選結果が出た場合に増加表示画像を表示することができ、一定の時間が経過した後に遊技者が獲得することとなる遊技媒体を前もって遊技者に示唆することができる。よって、抽選に当選する前の通常の遊技状態時にも貯留画像表示手段を活用した新しい表示演出を実行することが可能となる。
<特徴72>
特徴71に記載の遊技機であって、
前記画像生成手段は、
前記撮影手段によって撮影された前記貯留手段に貯留されている遊技媒体の画像に、仮想の遊技媒体の画像を付加して生成された画像を、前記増加表示画像として表示することを特徴とする遊技機。
特徴72に記載の遊技機によれば、現状の貯留手段の状況を表す撮影画像に対して仮想の遊技媒体の画像を付加するため、予め準備した画像を表示する場合と比較して、現実の状況を含む画像であって遊技者が触れることのできる遊技媒体を含めた画像によって遊技媒体を増加したかのような演出を実行することができる。例えば、遊技者が遊技媒体を触れようとすると、遊技者の手と、その手に接触する遊技媒体を含めて、増加表示画像を生成することができるので、触覚による感覚も含めた演出を実現することができる。
<特徴73>
特徴71又は72に記載の遊技機であって、
前記画像生成手段は、
前記貯留手段に遊技媒体が貯留されていない場合に、予め設定された仮想の遊技媒体を用いた画像を前記増加表示画像として表示することを特徴とする遊技機。
特徴73に記載の遊技機によれば、貯留手段に遊技媒体が貯留されていない状況であっても、予め準備した画像を用いて増加表示画像による演出を実行することができる。
<特徴74>
特徴70~73のいずれかに記載の遊技機であって、
前記媒体量変動演出手段は、
前記抽選結果に応じて、遊技媒体を模した立体的な形状を含む装飾体であって変位動作が可能な装飾体(物理接触部621)を、前記貯留部の上に位置させて前記媒体量変動演出を実行することを特徴とする遊技機。
特徴74に記載の遊技機によれば、現実に存在する装飾部を用いるため、遊技媒体が増加した状態を遊技者が触れて確認することができ、触覚を利用して遊技における演出の楽しみを増大させることができる。
<特徴75>
特徴70~74のいずれかに記載の遊技機であって、
前記貯留手段として、主貯留手段と、該主貯留手段に対して下側に設けられた補助貯留手段とを有し、
前記媒体量変動演出手段は、
前記抽選結果に応じて、遊技媒体を模した立体的な形状を含む装飾体を前記補助貯留手段の上に位置させて前記媒体量変動演出を実行することを特徴とする遊技機。
特徴75に記載の遊技機によれば、主貯留手段が設けられることによって死角となり易い位置に配置される補助貯留手段を利用して、現実に存在する装飾体を用いた演出を実行するため、視覚を通じて装飾体が本当の遊技媒体ではないことを遊技者が認識し難くすることができる。よって、遊技媒体が増加した状態を遊技者が触れて確認する演出の楽しみを一層増大させることができる。
<特徴76>
特徴74又は75に記載の遊技機であって、
前記装飾体を変位動作させる可動機構(支持部621C)と、
該可動機構によって前記装飾体が変位動作する動作範囲内に設けられ、前記媒体量変動演出が実行されていない場合に遊技者側から前記装飾体を視認不能に収容する収容部(格納室623)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴76に記載の遊技機によれば、通常時には遊技者の目に触れない収容部に装飾体が収納され、遊技者は媒体量変動演出が実行される状況でのみ装飾体を視認可能とすることができる。よって、装飾体が現れることに対しての期待感を抱かせて、遊技者に媒体量変動演出を稀少なものとして楽しませることができる。
<特徴80>
遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機であって、
遊技者によって遊技に関する操作が行われる操作手段(発射操作装置250)と、
遊技に用いられる遊技媒体を貯留する貯留手段(主貯留機構230及び補助貯留機構240の貯留部231,241)と、
所定の抽選条件が成立した場合に所定の抽選確率で成立する抽選を実行する抽選手段(主制御基板920)と、
遊技者が接触し得る所定の位置に配置可能な被接触手段(物理接触部631)と、
前記抽選手段による抽選結果に応じて、前記被接触手段に対応する表現画像を含む表示画像を生成する画像生成手段(副制御基板940、表示データ生成部942)と、
該画像生成手段によって生成される表示画像を表示する画像表示手段(貯留表示部601)とを備えることを特徴とする遊技機(パチンコ機7100)。
従来のパチンコ機では、視覚及び聴覚を通じた表示画像と音声とを含む変動表示の演出によって、遊技者に遊技を楽しませることが一般的であった(例えば特開2006-345989号参照)。
しかしながら、従来の演出だけでは機種特有の、又はメーカー特有の個性を備えた遊技機とすることが難しく、従来とは異なる新たな演出や遊技性を遊技者に提供することが難しいという問題点があった。
特徴80に記載の遊技機によれば、画像表示手段に表示された表現画像と被接触手段とによって、遊技者が触れる被接触手段の形状を表現画像によって別の印象を付加した形で遊技者に提供することができるので、視覚と触覚とを利用した演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。
<特徴81>
特徴80に記載の遊技機において、
前記被接触手段は、変位動作可能に構成され、
待機状態(収納配置)において、遊技者が接触不能又は接触困難な位置に配置され、
前記抽選結果に対応する所定の出現条件を満たした場合に、前記待機状態から出現状態(接触可能配置)へと変位動作して遊技者が接触可能な位置に配置されることを特徴とする遊技機。
特徴81に記載の遊技機によれば、出現条件を満たしたときに限定して遊技者に被接触手段を触れさせることができるため、出現条件を満たすことに対する遊技者の期待を高めることができ、遊技者に被接触手段を利用した遊技をより一層楽しませることができる。
<特徴82>
特徴80又は特徴81に記載の遊技機において、
前記被接触手段は、
前記待機状態において、前記遊技者側から視認不能な収容部(格納室633)に収容されることを特徴とする遊技機。
特徴82に記載の遊技機によれば、待機状態では遊技者が被接触手段を視認することができないため、被接触手段の出現に関する稀少性を高め、遊技者に被接触手段の出現自体を楽しみにさせることができる。
<特徴83>
特徴80~特徴82のいずれかに記載の遊技機において、
前記被接触手段を撮影する撮影手段(カメラ装置611)を有し、
前記被接触手段は、前記出現状態においても、少なくとも一部が遊技を行う遊技者の所定の視点位置からは視認不能に配置され、
前記画像生成手段は、前記撮影手段によって撮影される画像であって前記被接触手段の少なくとも一部を含む撮影画像を生成し、
前記画像表示手段は、前記画像生成手段によって生成された前記被接触手段の少なくとも一部を含む画像を表示可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴83に記載の遊技機によれば、被接触手段の動きをそのまま再現しつつ、色彩などの変更による撮影画像の加工によって被接触手段を表現することができ、実体としての被接触手段よりも精巧な形態で画像を表示するなど、遊技者が接触する被接触手段の触感や動きのリアリティを維持しつつ、実体以上に高精細な表現等をすることができる。
<特徴84>
特徴80~特徴83のいずれかに記載の遊技機において、
前記画像生成手段は、予め記憶手段に記憶された画像の情報に基づいて前記表現画像を含む表示画像を生成し、
前記画像表示手段は、前記記憶手段に記憶された画像の情報に基づいて前記画像生成手段によって生成された表示画像を表示することを特徴とする遊技機。
特徴84に記載の遊技機によれば、撮影された画像に関係なく自由な画像を使用でき、例えば、被接触手段の具体的な形状を特定できない程度に少ない画素数で表現するなど、おおざっぱな形状のみを表示して複数の形状に設定された形態のうち出現した被接触手段の形態が何であるかを特定しないような画像を表示したり、複数種類の画像を交互に表示するなど、実体として出現している被接触手段の形態に囚われない自由な形態を表示画像として表示することができ、被接触手段の表現に自由度を持たせることができる。
<特徴85>
特徴80~特徴84のいずれかに記載の遊技機において、
前記画像生成手段は、前記被接触手段を具体化する複数の具体化画像の少なくともいずれかを含む表示画像を生成し、
前記画像表示手段は、
前記抽選手段の抽選結果の表示と同時に、又は抽選結果を表示した後に、前記抽選手段の抽選結果に応じた前記具現化画像を含む表示画像を表示することを特徴とする遊技機。
特徴85に記載の遊技機によれば、同じ被接触手段を触らせるにも拘わらず、複数の具体化画像の中から抽選結果に応じた具現化画像を表示することができるため、遊技者が触っていた被接触手段が後付けで複数の物体に具現化されることになり、遊技者に被接触手段を触らせる楽しみを増大させることができる。
<特徴86>
特徴80~特徴85のいずれかに記載の遊技機において、
前記貯留手段として、主貯留手段と、主貯留手段に対して下側に設けられた補助貯留手段とを有し、
前記被接触手段は、前記主貯留手段より下側であって前記補助貯留手段の上側に相当する前記主貯留手段と前記補助貯留手段の間に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴86に記載の遊技機によれば、貯留手段と補助貯留手段との間に被接触手段があるため、遊技者が触りやすい位置であって遊技者が視認しづらい位置に被接触手段を配置することができ、表現画像や具現化画像を表示することによる遊技者に与えるインパクトを強調することができる。
<特徴87>
特徴80~特徴86のいずれかに記載の遊技機において、
前記画像表示手段は、
前記遊技者からみて前記貯留手段の少なくとも一部を覆うように設けられ、前記抽選手段による抽選結果に応じて前記表現画像データを表示する一方、該表現画像データが表示されていないときに、前記貯留手段を撮影した撮影データに基づく貯留表示データを表示することを特徴とする遊技機。
特徴87に記載の遊技機によれば、貯留表示手段によって物理接触手段を覆い隠すと共に、遊技者から見て物理接触手段の存在する方向に表現画像データを表示することができるため、表現画像データのリアリティを高めることができる。
<特徴88>
特徴80~特徴87のいずれかに記載の遊技機において、
前記物理接触手段は、
物理的に表現する元となる表現元オブジェクトのうち、前記遊技者が接触すると想定されている接触領域のみを表すものであり、
前記画像生成手段は、
前記表現画像データとして、前記表現元オブジェクトのうち、前記遊技者が接触すると想定されていない非接触領域の少なくとも一部を前記接触領域に加えて表現することを特徴とする遊技機。
特徴88に記載の遊技機によれば、表現画像データでは非接触領域を表示するため遊技者に違和感を与えずに済むと共に、非接触領域については物理接触手段を形成しなくても済み、物理接触手段の構成を簡易にできる。
<特徴90>
遊技者によって遊技に関する操作が行われる操作手段(発射操作装置250)と、
遊技に用いられる遊技媒体を貯留する貯留手段(主貯留機構230及び補助貯留機構240の貯留部231,241)と、
遊技者が物理的に接触し得る所定の位置に配置可能な物理接触手段(物理接触部641)と、
前記物理接触手段に接触した遊技者に対し、所定の方向に移動している、又は、移動しようとしている移動感覚を感じさせる移動感覚付与手段(移動感覚付与部645)と、
前記物理接触手段に対応する接触対応画像を含む表示画像を生成する画像生成手段(表示データ生成部942)と、
前記表示画像を表示する画像表示手段(貯留表示部651)とを備えることを特徴とする遊技機。
従来のパチンコ機では、視覚及び聴覚を通じた表示画像と音声とを含む変動表示の演出によって、遊技者に遊技を楽しませることが一般的であった(例えば特開2006-345989号参照)。
かかる従来の遊技機において、遊技者に新たな楽しみを与える装置の構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。例えば、従来の演出だけでは機種特有の、又はメーカー特有の個性を備えた遊技機とすることが難しく、従来とは異なる新たな演出や遊技性を遊技者に提供することは難しいという問題点があった。
特徴90に記載の遊技機によれば、遊技者に新たな楽しみを与えることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、画像表示手段によって表示される表示画像を通じて接触対応画像を遊技者が視認することで、遊技者が接触した物理接触手段に対する移動感覚を増大させることができ、移動感覚を活用して遊技者に遊技をより一層楽しませることができる。
なお、特徴90に記載の遊技機における、移動感覚付与手段は、位置を移動させることなく所定の方向に移動している、又は、移動しようとしている移動感覚を感じさせる移動感覚付与手段としてもよく、または、これに代えて、位置を移動させることなく所定の方向へ移動する力を感じさせる移動感覚付与手段としてもよい。
また、移動感覚付与手段によって移動している、又は、移動しようとしている移動感覚を感じさせられる所定の方向は、直線的な方向であってもよいし、回動する方向であってもよい。
また、移動感覚付与手段は、所定の方向に沿った一方向と他方向とにおいて大きさの異なる加速度を発生させる振動によって移動感覚を感じさせる手段としてもよい。これにより、従来の演出ボタンに対しての弾性部材の反力によって遊技者に感じさせる感覚とは異なる小さな感覚を遊技者に付与することができ、長時間の遊技で疲れにくく、また、高齢な遊技者でも遊技をし易く、その感覚の大きさも容易に調整可能な遊技機を提供することができる。
<特徴91>
特徴90に記載の遊技機において、
前記貯留手段を撮影する撮影手段(カメラ装置611)を備え、
前記画像生成手段は、
前記撮影手段によって撮影される画像であって、前記貯留手段に貯留された遊技媒体を含む表示画像を生成し、
前記画像表示手段は、
遊技者の頭部が位置する所定位置からみて前記貯留手段の少なくとも一部を覆うように設けられ、前記貯留手段に貯留された遊技媒体を含む表示画像を表示する手段であることを特徴とする遊技機。
特徴91に記載の遊技機によれば、画像表示手段が設けられることによって直接的に視認できなくなった貯留手段の少なくとも一部を、画像表示手段に表示される表示画像によって補うと同時に、仮想オブジェクトなどの仮想画像を同時に表示することができるため、遊技機の新たな楽しみ方を実現できる。
<特徴92>
特徴90又は特徴91に記載の遊技機において、
前記物理接触手段は、
前記遊技領域よりも下側に設けられ、
前記画像生成手段は、
前記物理接触手段を表現する表現画像を含む表示画像を生成することを特徴とする遊技機。
特徴92に記載の遊技機によれば、遊技者にとって視認しづらい位置に物理接触手段を設けると共に、画像表示手段によって物理接触手段のイメージを表現画像として表すことにより、物理接触手段を実物とは相違する物と錯覚させたり、色や模様などを実物とは相違する物と錯覚させることができる。
<特徴93>
特徴90~特徴92のいずれかに記載の遊技機において、
前記画像生成手段は、
前記物理接触手段が前記一方向に移動した画像を生成することを特徴とする遊技機。
特徴93に記載の遊技機によれば、移動感覚と同一方向に物理接触手段が移動した画像を表示することにより、物理接触手段が本当に移動したかのような錯覚を遊技者に与えることができる。
<特徴94>
特徴90~93のいずれかに記載の遊技機において、
所定の抽選条件が成立した場合に所定の抽選確率で成立する抽選を実行する抽選手段(主制御基板920)を備え、
前記画像生成手段は、
前記抽選手段による抽選結果に応じた前記接触対応画像を生成することを特徴とする遊技機。
特徴91に記載の遊技機によれば、抽選結果に応じて接触対応画像が生成されるので、移動感覚を用いながら抽選結果に応じた接触対応画像を遊技者に楽しませることができる。
<特徴95>
特徴94に記載の遊技機において、
前記移動感覚付与手段は、
前記抽選結果に応じて、移動感覚を付与するか否かを変化させることを特徴とする遊技機。
特徴95に記載の遊技機によれば、抽選結果に応じて移動感覚を付与したりしなかったりできるため、抽選結果発表までのわくわく感を増大させたり、当選時の楽しみを増大させたり、非当選時のがっかり感を低減したりすることができる。
<特徴96>
特徴94又は95に記載の遊技機において、
前記物理接触手段は、
前記抽選結果に応じて遊技者が物理的に接触し得る所定の位置に配置されることを特徴とする遊技機。
特徴96に記載の遊技機によれば、必要なときのみ物理接触手段を所定の位置に配置できるため、物理接触手段が物理接触手段を使用しない通常時における遊技の邪魔になることがない。
<特徴A0>
遊技者によって遊技に関する操作が行われる操作手段(発射操作装置250)と、
遊技に用いられる遊技媒体を貯留する貯留手段(主貯留機構230及び補助貯留機構240の貯留部231,241)と、
遊技者が物理的に接触し得る所定の位置に配置可能な物理接触手段(物理接触部671)と、
前記物理接触手段に接触した遊技者に対し、所定の方向に移動している、又は、移動しようとしている、又は、移動しようとしている移動感覚を感じさせる移動感覚付与手段(移動感覚付与部675)と、
前記物理接触手段を用いた操作によって遊技者が入力した操作情報を検出可能な検出手段(検出部665)と、
前記検出手段によって検出された操作情報に対応する遊技者の入力操作が実行された場合に所定の特典を付与する特典付与手段(副制御基板940)とを備えることを特徴とする遊技機。
従来のパチンコ機では、視覚及び聴覚を通じた表示画像と音声とを含む変動表示の演出によって、遊技者に遊技を楽しませることが一般的であった(例えば、特開2006-345989号公報参照)。
かかる従来の遊技機において、遊技者に新たな楽しみを与える装置の構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
特徴A0に記載の遊技機によれば、物理接触手段を入力装置として使用することができ、遊技領域で遊技媒体を用いて行われる遊技とは別に、物理接触手段を用いて移動感覚を付加して所定の特典を獲得する遊技を実行可能とし、遊技者に新たな楽しみを与えることが可能な遊技機を提供することができる。
なお、特徴A0に記載の遊技機における、移動感覚付与手段は、位置を移動させることなく所定の方向に移動している、又は、移動しようとしている移動感覚を感じさせる移動感覚付与手段としてもよく、または、これに代えて、位置を移動させることなく所定の方向へ移動する力を感じさせる移動感覚付与手段としてもよい。
また、移動感覚付与手段は、所定の方向に沿った一方向と他方向とにおいて大きさの異なる加速度を発生させる振動によって移動感覚を感じさせる手段としてもよい。これにより、従来の演出ボタンに対しての弾性部材の反力によって遊技者に感じさせる感覚とは異なる小さな感覚を遊技者に付与することができ、長時間の遊技で疲れにくく、また、高齢な遊技者でも遊技をし易く、その感覚の大きさも容易に調整可能な遊技機を提供することができる。
また、移動感覚付与手段によって移動している、又は、移動しようとしている移動感覚を感じさせられる所定の方向は、直線的な方向であってもよいし、回動する方向であってもよい。
また、特典付与手段によって付与される特典は、遊技において利用可能な賞球などの実質的に遊技者にとって遊技上の価値が付加される遊技価値としての特典であってもよく、特別な画像を表示したり、変動表示において実行され得る演出を増やすなど遊技価値とは別に設定された特典であってもよい。
<特徴A1>
特徴A0に記載の遊技機において、
画像を表示する画像表示手段(貯留表示部661)を備え、
前記検出手段は、
前記物理接触手段が前記画像表示手段に接触した、又は、近接したことを検出することを特徴とする遊技機。
特徴A1に記載の遊技機によれば、画像表示手段と物理接触手段とを組み合わせた処理が可能となるため、物理接触手段による操作を画像として表現するなど、遊技者の入力操作に対しての操作感を高めることができる。
なお、特徴A1に記載の遊技機において、検出手段は、画像表示手段に対して物理接触手段が所定の位置に配置された状態を検出する手段を有するものとしてもよく、画像表示手段に対しての物理接触手段の移動を検出する手段を有するものとしてもよい。
<特徴A2>
特徴A0又はA1に記載の遊技機において、
前記貯留手段を撮影する撮影手段(カメラ装置611)を備え、
前記画像表示手段は、
遊技者の頭部が位置する所定位置からみて前記貯留手段の少なくとも一部を覆うように設けられ、前記貯留手段に貯留された遊技媒体を含む表示画像を表示する手段であることを特徴とする遊技機。
特徴A2に記載の遊技機によれば、隠れてしまう貯留手段を撮影手段によって撮影して貯留手段の状況を遊技者に視認させると共に、遊技者から視認しやすく、操作がし易い位置に配置されている貯留表示手段に対して物理接触手段を用いた入力操作を行うことができる。
<特徴A3>
特徴A2又は特徴A3に記載の遊技機において、
前記画像表示手段は、
前記移動感覚付与手段によって遊技者に付与される移動感覚に対応する移動対応画像を表示することを特徴とする遊技機。
特徴A3に記載の遊技機によれば、例えば、物理接触手段の動きに応じて画像を変化させつつ、さらに移動感覚を遊技者に付与することができるため、移動感覚の錯覚を増大させることができる。
<特徴A4>
特徴A0~特徴A3のいずれかに記載の遊技機において、
前記特典付与手段は、
所定の入賞口に進入した場合に所定の特典画像が表示される特典付遊技媒体を、遊技者の入力操作によって操作可能とする演出を実行して前記所定の特典を付与することを特徴とする遊技機。
特徴A4に記載の遊技機によれば、通常の遊技に加えて特典付遊技媒体の入賞の可否に応じて特典画像が表示されるため、遊技者の楽しみを増大させることができる。
<特徴A5>
特徴A0~特徴A4のいずれかに記載の遊技機において、
前記検出手段は、前記物理接触手段に加わった力に応じたひずみ量を測定可能なひずみセンサを有していることを特徴とする遊技機。
特徴A6に記載の遊技機によれば、遊技者の加えた力をひずみセンサによって認識することができるため、力に応じた評価や特典の付与を行うことができ、遊技の幅を広げることができる。
<特徴A6>
特徴A0~特徴A5のいずれかに記載の遊技機において、
前記検出手段は、前記物理的接触手段の動きを測定する加速度センサを有していることを特徴とする遊技機。
特徴A6に記載の遊技機によれば、遊技者の動きの速度を認識することができるため、遊技者の動きの速度に応じた評価や特典の付与を行うことができ、遊技の幅を広げることができる。
<特徴A7>
特徴A0~特徴A6のいずれかに記載の遊技機において、
前記移動感覚付与手段は、
遊技者による入力操作の大きさに応じて、前記移動感覚を増減することを特徴とする遊技機。
特徴A8に記載の遊技機によれば、遊技者の入力操作の大きさに応じて移動感覚を変化させられるため、遊技者の入力操作の大きさや、必要となる残りの入力操作の大きさなどを移動感覚の大きさとして表現することができ、遊技の幅を広げることができる。
なお、特徴A7に記載の遊技機において、入力操作の大きさとは、操作量の大きさ、若しくは、操作力の大きさであってもよく、又は、これらの組合せであってもよい。
<特徴B0>
遊技者によって遊技に関する操作が行われる操作手段(発射操作装置250)と、
遊技に用いられる遊技媒体を貯留する貯留手段(主貯留機構230及び補助貯留機構240の貯留部231,241)と、
画像を表示する画像表示手段(貯留表示部651)と、
前記画像表示手段に対して遊技者が入力した操作情報を検出可能な検出手段(操作部652)と、
前記遊技者が接触可能に設けられて遊技者に対して所定の方向への振動を与える振動手段(振動部653)と、
前記検出手段による遊技者が入力した操作情報の検出に応じて、前記遊技者に対して短時間(0.2秒より短い時間、瞬間、又は、極短時間)の振動を与えるよう振動手段を制御する振動制御部(副制御基板940)とを備えていることを特徴とする遊技機。
従来のパチンコ機では、視覚及び聴覚を通じた表示画像と音声とを含む変動表示の演出によって、遊技者に遊技を楽しませることが一般的であった(例えば、特開2006-345989号公報参照)。
かかる従来の遊技機において、遊技者に感覚を与える装置の構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
特徴B0に記載の遊技機によれば、遊技者に好適に感覚を与えることが可能な遊技機を提供することができる。振動によって遊技者に操作入力がなされたことを知らせることができると共に、短時間の振動によりあたかも操作した部位が物理的に動いたかのような錯覚を遊技者に与え、物理的なボタンを操作したかのような感覚を遊技者に与えることができる。
なお、特徴B1に記載の遊技機において、振動手段による振動は、所定の方向への1回の移動動作による振動であってもよく、また、振動手段は、画像表示手段に対しての入力操作の方向に沿った方向を所定の方向として遊技者に対して振動を与えるものであってもよい。
<特徴B1>
特徴B0に記載の遊技機において、
前記振動手段は、前記画像表示手段が画像を表示する画像表示面を振動させる手段を有していることを特徴とする遊技機。
特徴B1に記載の遊技機によれば、画像表示手段に対して遊技者が入力操作をする遊技者の手が届きやすい位置に配置される画像表示手段を振動させることができるので、遊技者が振動手段による振動を体感する機会を設定し易く、遊技者をより一層楽しませることができる。
<特徴B2>
特徴B0又は特徴B1に記載の遊技機において、
前記画像表示手段は、
遊技者の頭部が位置する所定位置からみて前記貯留手段の少なくとも一部を覆うように設けられ、前記貯留手段に貯留された遊技媒体を含む表示画像を表示する手段であって、前記画像表示手段のうち遊技者が操作情報を入力する操作入力領域を含む表示画像を表示する手段であることを特徴とする遊技機。
特徴B2に記載の遊技機によれば、画像として操作入力領域(ボタン)を表示した上で、操作入力領域に振動を与えることで、遊技者にボタンを押下したという錯覚をより強く与えることができ、且つ、貯留手段に貯留された遊技媒体を確認し易くすることができる。
<特徴B3>
特徴B0~特徴B2のいずれかに記載の遊技機において、
前記振動制御部は、
遊技者の入力操作が特定の条件を満たした場合には、当該条件を満たしていない場合とは異なる振動であって前記振動手段における振動の周波数及び振動時間の少なくとも一方を変化させた振動パターンの振動を遊技者に対して与えるよう振動手段を制御することを特徴とする遊技機。
特徴B3に記載の遊技機によれば、複数種類の振動パターンを使用することにより、操作内容が相違する場合に遊技者に対して感覚的に操作内容の差違を伝えることができる。例えば、「YES」「NO」のボタン画像が表示されたときに、「YES」と「NO」とで振動パターンを変化させることにより、操作間違いがないことを遊技者に確認させることができる。
<特徴B4>
特徴B0~特徴B3に記載の遊技機において、
前記振動手段は、
遊技者が物理的に接触し得る所定の位置に配置可能な物理接触手段であり、
前記検出手段は、
前記物理接触手段を用いて遊技者が入力した操作情報を検出可能であることを特徴とする遊技機。
特徴B4に記載の遊技機によれば、遊技者自身の手でなく、物理接触手段を利用した入力操作が可能となり、例えば、入力操作を容易にするとか、または、遊技に関連する形状をした物理接触手段での入力操作を可能にして遊技と入力操作との関連を強めて遊技を一層楽しませることができる。
<特徴B5>
特徴B0~特徴B4に記載の遊技機において、
前記検出手段は、
前記物理接触手段が前記貯留手段に貯留された遊技媒体の表示画像に接触する又は近接した状態を検出することによって遊技者が入力した操作情報を検出可能であることを特徴とする遊技機。
特徴B5に記載の遊技機によれば、貯留画像処理手段との関係において、操作の有無を分かりやすくできる。
<特徴B6>
特徴B0~特徴B5に記載の遊技機において、
前記物理接触手段は、
所定の方向に沿った正方向と反対方向とに対して相違する周波数での振動を発生する複数種類の振動を発生可能な手段(アクチュエータ)であり、
前記振動手段は、前記複数種類の振動の一部を選択的に発生させることを特徴とする遊技機。
特徴B7に記載の遊技機によれば、上記した移動感覚付与手段と、振動手段とを、1つの物理接触手段によって共用できるため、構成を簡易にすることができる。
<特徴C0>
遊技者によって遊技に関する操作が行われる操作手段(発射操作装置750)と、
該操作手段に対する操作に応じて、遊技媒体を前記遊技領域内に発射する発射装置とを備え、
前記操作手段は、
遊技者が変位操作をした場合に変位し、当該変位した位置を保持する変位操作部(発射ハンドル752)と、
前記変位操作部を移動可能に支持するとともに、前記変位操作部の変位量に応じた情報(又は信号)を出力可能な変位情報出力部(可変抵抗器253)と、
遊技者の接触を検出する接触検出手段(接触センサ254)と、
前記変位操作部を操作する遊技者に対し、変位操作部の変位方向に沿った移動であって発射力が小さくなる所定の方向に移動している、又は、移動しようとしている移動感覚を感じさせる移動感覚付与手段(移動感覚付与部755)と、
前記移動感覚付与手段を制御する感覚制御部(発射制御部963)とを備えていることを特徴とする遊技機。
従来の弾球遊技機における発射操作装置として、回転式のものが広く使用されている。この回転式の発射操作装置では、バネなどの弾性部材を組み込むことにより、遊技者がハンドルから手を離すと、初期位置にハンドルが戻るように構成されている(例えば、特開2006-345989号公報参照)。
かかる遊技機において、遊技を行う場合に遊技者が操作を行う操作部の構成について、未だ改良の余地がある可能性があった。
特徴C0に記載の遊技機によれば、遊技者にとって好適な操作手段を備えた遊技機を提供することができる。すなわち、変位操作部の操作を容易にしつつ位置決めした後には遊技者が手を緩めても操作手段の位置が変位することがないように一定位置に変位操作部を保持し易くすることができ、移動感覚の付与により遊技者に好適な操作感を付与することができる。
<特徴C1>
特徴C0に記載の遊技機において、
前記感覚制御部は、
前記接触手段によって遊技者の接触が検出された場合に限って前記移動感覚付与手段を動作させて移動感覚を付与することを特徴とする遊技機。
特徴C1に記載の遊技機によれば、遊技者が遊技を行っているときにのみ移動感覚を付与し、遊技者が操作をしていない状況で変位操作部が移動してしまう事態を回避することができる。
<特徴C2>
特徴C0又はC1に記載の遊技機において、
前記変位操作部は、正方向と逆方向とに回転操作が可能に構成され、
前記移動感覚付与手段は、変位操作部の絶対的な位置でなく、変位操作部の変位操作の有無に応じて、前記所定の方向への移動感覚を遊技者に感じさせる強さを変化させることを特徴とする遊技機。
特徴C2に記載の遊技機によれば、遊技者が変位操作部を把持する位置を一定にしていても移動感覚が変化するので、変位操作部の操作を容易にして、発射操作を伴う遊技を一層疲れ難いものとすることができる。
<特徴C3>
特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機において、
前記変位操作部には、遊技者の指を掛けるための指掛け部(指掛け部753)として同一の大きさに形成された複数の指掛け部が所定の間隔を隔てて全周にわたって設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴C3に記載の遊技機によれば、変位操作部の位置が変位しても、別の指掛け部に指を掛ければ同様の操作を行うことができるため、変位操作部をわざわざ初期位置に戻す機能を省略可能にして、低コストで操作手段を構成することができる。
<特徴C4>
特徴C0~C3に記載の遊技機において、
前記移動感覚付与手段は、前記発射手段の発射力を増大させる操作が行われる場合の移動方向とは反対方向の一方向の移動感覚を遊技者に感じさせることを特徴とする遊技機。
特徴C4に記載の遊技機によれば、移動感覚を利用して発射手段の発射力の微調整をし易くすることができる。
<特徴C5>
特徴C1~特徴C4のいずれかに記載の遊技機において、
前記感覚制御部は、
遊技者が変位操作部を変位させている所定の変位動作状態において、遊技者が変位操作部を変位させていない所定の変位停止状態に比べて大きな移動感覚を付与するよう前記移動感覚付与手段を制御することを特徴とする遊技機。
特徴C5に記載の遊技機によれば、変位操作部を変位させている所定の変位動作状態においては、通常の遊技機における反力の代替に移動感覚を利用して遊技者に違和感を与えず、変位操作部を変位させていない所定の変位停止状態では、移動感覚を小さくして変位操作部の位置保持を容易にし、遊技者をリラックスさせることができる。
<特徴C6>
特徴C1~C5のいずれかに記載の遊技機において、
前記感覚制御部は、
前記変位操作部の変位加速度(回転加速度)を監視し、変位加速度が生じた所定の変位加速状態において最大(又は、一時的に最大の時期が到来する極大)の移動感覚を付与するよう前記移動感覚付与手段を制御することを特徴とする遊技機。
特徴C6に記載の遊技機によれば、遊技者によって変位操作部の変位を開始させたときには、速やかに最大の移動感覚を付与することができ、通常の遊技機の反力とは異なる反力を利用した操作性に優れた発射操作を実現可能とすることができる。
<特徴C7>
特徴C1~C6のいずれかに記載の遊技機において、
前記感覚制御部は、
前記変位操作部の変位加速度(回転加速度)を監視し、所定の時間に亘って変位加速度が検出されない場合に移動感覚が次第に小さくなるよう前記移動感覚付与手段を制御することを特徴とする遊技機。
特徴C7に記載の遊技機によれば、
遊技者が所定の時間に亘って変位操作部を変位させていない場合には、移動感覚を次第に小さくすることにより、遊技者をリラックスさせることができる。
<特徴C8>
特徴C1~C7に記載の遊技機において、
前記感覚制御部は、所定の発生条件が成立している場合に所定の方向に対して断続的に発生する移動感覚を遊技者に付与するよう前記移動感覚付与手段を制御することを特徴とする遊技機。
特徴C8に記載の遊技機によれば、所定の発生条件が成立している状況を、遊技者に発射操作を継続させながら、容易に認識させることができ、その発生条件に対応した行為の実行を遊技者に促すことができる。
なお、特徴C8に記載の遊技機において、所定の発生条件は、遊技に用いる遊技媒体を貯留する貯留手段に貯留された遊技媒体の数が所定量以下となった場合であって遊技球を発射する条件が成立している場合としてもよく、この場合には、遊技者に追加の遊技球を早めに補充する操作を促すことができる。
また、遊技者が発射操作を開始した一定期間中においては、連続した移動感覚を一定の方向に付与し、遊技者による変位操作が一定期間以上検出されない状況において所定の発生条件が成立している場合に、当該一定の方向または反対の方向に断続的に移動感覚を付与することは好ましく、発射操作とは別の操作が必要な状況であることを遊技者に伝達する機能を、発射操作を容易にする感覚を発生させる移動感覚付与手段を利用して低コストで遊技者に伝達し易い形で付加することができる。
なお、特徴10~C8に記載の少なくとも1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ機:遊技者が操作する発射操作手段と、その発射操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。