JP7176449B2 - 無線装置および無線送信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無線装置および無線送信方法に係わる。
無線通信においては、宛先局以外の端末装置にも電波が届くので、光ファイバ通信などの有線通信と比べて盗聴のリスクが高い。このため、送信データを暗号化する数理暗号に加えて、送信局と宛先局との間の無線チャネルの特性を利用して秘匿通信を実現する方法が提案されている。
例えば、送信局は、送信局と宛先局との間の無線チャネルの歪を付加した信号を送信する。そうすると、宛先局は、無線チャネルにおいて歪が相殺された信号を受信する。よって、宛先局は、受信信号からデータを再生できる。ところが、送信局と他の端末装置との間の無線チャネルは、送信局と宛先局との間の無線チャネルと異なるので、他の端末装置に到着する信号の歪は相殺されない。よって、他の端末装置は、受信信号からデータを再生できない(例えば、特許文献1)。
ただし、多くのケースにおいて、無線信号は、所定の変調方式のコンスタレーションに対応する信号点(位相および振幅)を利用して伝送されるので、各シンボルの信号点の候補は既知である。よって、盗聴局は、受信信号の信号点と信号点の候補との差分を利用して無線チャネルの歪を補償すれば、送信局から宛先局に送信される信号からデータを再生できることがある。
送信局が複数のアンテナを備えるときは、人工雑音を利用して秘匿通信を実現する方法が提案されている(例えば、特許文献2および非特許文献1)。この方式においては、送信局は、送信局と宛先局との間の無線チャネルに基づいて、宛先局において相殺される人工雑音を生成する。そして、送信局は、データ信号および人工雑音に対してプリコーディングを行い、プリコーディングにより得られる複数の信号を、複数のアンテナを介して送信する。よって、宛先局は、人工雑音が相殺された信号からデータを再生できる。
WO2009/022423 特開2004-266818号公報
S. Goel and R. Negi, "Guaranteeing Secrecy using Artificial Noise,"IEEE Trans. Wireless Commun., VOL. 7, NO. 6, pp. 2180-2189, JUNE 2008 Vicente Zarzoso and Pierre Comon, "Robust Independent Component Analysis by Iterative Maximization of the Kurtosis Contrast With Algebraic Optimal Step Size", IEEE TRANSACTIONS ON NEURAL NETWORKS, VOL. 21, NO. 2, FEBRUARY 2010 S. Liu, Y. Hong, and E. Viterbo, "Artificial Noise Revisited," IEEE Trans. Inf. Theory, VOL. 61, NO. 7, pp. 3901-3911, JULY 2015
人工雑音を利用する秘匿通信においては、上述したように、宛先局において受信信号の人工雑音が相殺され、他の端末装置においては、受信信号中に人工雑音が残存する。よって、他の端末装置は、受信信号からデータを再生することは困難である。
ただし、送信局の送信アンテナの数よりも盗聴局の受信アンテナの数が多いときは、盗聴局は、送信局で行われるプリコーディングによる信号合成方法を知らなくても、受信信号から人工雑音系列を分離できることがある(例えば、非特許文献2)。この場合、盗聴局は、データを再生できることがある。
本発明の1つの側面に係わる目的は、無線通信の秘匿性を高めることである。
本発明の1つの態様の無線装置は、複数のアンテナと、送信データに基づいて第1の相関系列を生成する第1の相関系列生成部と、前記第1の相関系列に基づいて第2の相関系列を生成する第2の相関系列生成部と、前記送信データを変調して第1の変調信号を生成する第1の変調部と、前記第1の相関系列を変調して第2の変調信号を生成する第2の変調部と、前記第2の相関系列を変調して第3の変調信号を生成する第3の変調部と、前記第1の変調信号、前記第2の変調信号、および前記第3の変調信号を合成して第1の送信信号、第2の送信信号、および第3の送信信号を生成する信号合成部と、前記複数のアンテナの中の第1のアンテナを介して前記第1の送信信号を出力し、前記複数のアンテナの中の第2のアンテナを介して前記第2の送信信号を出力し、前記複数のアンテナの中の第3のアンテナを介して前記第3の送信信号を出力する送信部と、を備える。
上述の態様によれば、無線通信の秘匿性が高くなる。
無線通信システムの一例を示す図である。 人工雑音を利用する秘匿化方法の一例を示す図である。 解読成功率のシミュレーション結果の一例を示す図である。 第1の実施形態に係わる無線装置の一例を示す図である。 信号生成部の一例を示す図である。 信号生成部の処理の一例を示すフローチャートである。 人工雑音系列を生成する方法の一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態による効果の一例を示す図である。 第2の実施形態に係わる無線装置の一例を示す図である。 相関係数を決定するための情報を格納するテーブルの一例を示す図である。 第3の実施形態に係わる信号生成部の一例を示す図である。 第4の実施形態に係わる信号生成部の一例を示す図である。 無線装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図1は、本発明の実施形態に係わる無線通信システムの一例を示す。無線通信システム100は、送信局1、宛先局2、盗聴局3を含む。送信局1は、例えば、基地局により実現される。この場合、宛先局2および盗聴局3は、それぞれ端末装置により実現される。なお、送信局1、宛先局2、盗聴局3は、それぞれ無線装置の一例である。
送信局1は、宛先局2にデータを送信する。但し、このデータを伝搬する無線信号は、宛先局2だけでなく、盗聴局3にも到達する。したがって、送信局1は、盗聴局3によりデータが解読されないように、無線信号を秘匿化する機能を備える。具合的には、送信局1は、人工雑音を利用して送信データを秘匿化する機能を備える。
<人工雑音を利用する秘匿化>
図2は、人工雑音を利用する秘匿化方法の一例を示す。この例では、送信局1は、宛先局2にデータSを送信する。データSは、シンボル列s1、s2、・・・、snで表される。データSの各シンボルは、指定された変調方式に従ってコンスタレーション上にマッピングされる。また、送信局1は、人工雑音系列AN1、AN2を生成する。各人工雑音系列AN1、AN2の各シンボルは、コンスタレーション上にランダムにマッピングされる。信号合成部は、各マッパから出力される信号を合成して送信信号1~3を生成する。各送信信号1~3は、それぞれ、データS、人工雑音AN1、AN2を含む。また、信号合成部は、人工雑音AN1、AN2が相殺されるように、送信局1と宛先局2との間の無線チャネルHに基づいて送信信号1~3を生成する。そして、送信信号1~3は、図2に示すように、アンテナA1~A3を介して出力される。
送信信号1~3は、無線チャネルHを介して宛先局2に伝搬される。ここで、無線チャネルHにおいて人工雑音AN1、AN2は相殺される。よって、宛先局2は、受信信号からデータSを再生できる。一方、送信信号1~3は、無線チャネルGを介して盗聴局3に伝搬される。ところが、送信信号1~3は無線チャネルHに基づいて生成されているので、盗聴局3において人工雑音AN1、AN2は残存する。したがって、盗聴局3は、受信信号からデータSを再生できない。
ただし、図2に示す例では、人工雑音AN1、AN2の各シンボルは、それぞれランダムな位相/振幅で送信される。すなわち、人工雑音AN1、AN2の位相/振幅の発生頻度は、ガウス分布に従う。したがって、データSと人工雑音AN1、AN2との間に相関が無く、また、人工雑音AN1、AN2間にも相関が無い。
他方、送信局において合成された複数の信号を受信局において互いに分離する方法が研究されている。例えば、ブラインド信号源分離(Blind Source Separation)またはブラインド等化(Blind Equalization)は、送信局と受信局との間の無線チャネルの情報を使用することなく、合成された複数の信号を互いに分離することができる。これらのうちで、独立成分分析(Independent Component Analysis (ICA))は、代表的な分離方法として知られている。
独立成分分析は、送信局において合成される複数の信号が互いに独立しているときに、それらの信号を高い確率で互いに分離できる。ここで、図2に示す例では、データSと人工雑音AN1、AN2との間に相関が無く、また、人工雑音AN1、AN2間にも相関が無い。このため、盗聴局3の受信アンテナの数が送信局1の送信アンテナの数より多いときは、盗聴局3は、独立成分分析を利用してデータSと人工雑音AN1、AN2とを高い確率で分離できる。
図3は、図2に示す方法でデータが送信され、盗聴局3が独立成分分析を使用したときの、解読成功率のシミュレーション結果の一例を示す。このシミュレーションによれば、干渉波電力(すなわち、人工雑音の電力)が小さいときには、非常に高い確率でデータSが解読されている。また、干渉波電力を大きくしても、約40パーセントの確率でデータSが解読されている。
<第1の実施形態>
図4は、本発明の第1の実施形態に係わる無線装置の一例を示す。無線装置10は、図1に示す無線通信システムにおいては、例えば、基地局(送信局)1に相当する。以下の記載では、無線装置10は、図1に示す端末装置(宛先局)2にデータSを送信するものとする。
無線装置10は、図4に示すように、受信部11、信号生成部12、信号合成部13、送信部14、および複数の送信アンテナA1~A3を備える。ただし、無線装置10は、図4に示していない他の機能または要素を備えてもよい。例えば、無線装置10は、1または複数の受信アンテナを備える。
受信部11は、他の無線装置から送信される無線信号を受信する。ここで、各無線装置は、定期的に、パイロット信号を送信する。パイロット信号は、送信パワーおよびビットパターンが既知である。よって、受信部11は、パイロット信号を受信して復調することにより、無線チャネルの状態を推定することができる。この実施例では、受信部11は、宛先局2から送信されるパイロット信号を受信して復調することにより、無線装置10と宛先局2との間の無線チャネルHを推定する。無線チャネルHを表すチャネル情報は、受信部11から信号合成部13に与えられる。
信号生成部12は、データSからデータ系列および人工雑音系列を生成する。この実施例では、データ系列Sおよび人工雑音系列AN1、AN2が生成される。データSは、アプリケーション(または、アプリケーション層)から無線装置10に与えられる。なお、後で詳しく記載するが、データ系列と人工雑音系列との間には、相関が存在する。また、複数の人工雑音が生成されるときは、人工雑音間にも相関が存在する。
信号合成部13は、無線チャネルHを表すチャネル情報に基づいて、データ系列および人工雑音系列を合成する。すなわち、信号合成部13は、無線チャネルHを表すチャネル情報に基づいて、データ系列および人工雑音系列に対してプリコーディング処理を実行する。この結果、送信信号T1~T3が生成される。このとき、プリコーディング処理は、無線装置10から送信信号T1~T3が送信されたときに、無線チャネルHにおいて人工雑音が相殺されるように、送信信号T1~T3を生成する。
送信部14は、アンテナA1~A3を介して送信信号T1~T3を出力する。具体的には、送信信号T1はアンテナA1を介して出力され、送信信号T2はアンテナA2を介して出力され、送信信号T3はアンテナA3を介して出力される。
送信信号T1~T3は、無線チャネルHを介して宛先局2に伝搬される。ここで、送信信号T1~T3は、無線チャネルHにおいて人工雑音が相殺されるように生成されている。よって、無線チャネルHにおいて人工雑音AN1、AN2が相殺され、宛先局2は、受信信号からデータSを再生できる。一方、送信信号T1~T3は、無線チャネルGを介して盗聴局3に伝搬される。ところが、送信信号T1~T3は無線チャネルHに基づいて生成されているので、盗聴局3において人工雑音AN1、AN2は残存する。したがって、盗聴局3は、受信信号からデータSを再生できない。
なお、信号生成部12および信号合成部13は、例えば、プロセッサおよびメモリを含むプロセッサシステムにより実現される。この場合、プロセッサは、メモリに格納されているプログラムを実行することにより信号生成部12および信号合成部13の機能を提供する。なお、信号生成部12および信号合成部13は、1個のプロセッサシステムで実現してもよいし、複数のプロセッサシステムで実現してもよい。或いは、信号生成部12および信号合成部13は、デジタル信号処理回路で実現してもよい。さらに、信号生成部12および信号合成部13は、ソフトウェア処理およびハードウェア回路の組合せで実現してもよい。
図5は、信号生成部12の一例を示す。この実施例では、信号生成部12は、相関系列生成部21~22、およびマッパ23~25を備える。なお、信号生成部12は、図5に示していない他の機能または要素を備えてもよい。そして、信号生成部12には、データSが与えられる。なお、この実施例では、データSは、シンボル列(s1 ~sN )で表されるものとする。各シンボルは、変調方式に応じて決まるビット数のデータを伝送する。例えば、無線装置10がQPSKでデータを送信するときは、各シンボルは2ビットのデータを伝送する。また、無線装置10が16QAMでデータを送信するときは、各シンボルは4ビットのデータを伝送する。
相関系列生成部21は、データSに基づいて第1の相関系列を生成する。ここで、第1の相関系列は、人工雑音として使用される。よって、以下の記載では、相関系列生成部21により生成される第1の相関系列を「人工雑音系列AN1」と呼ぶことがある。人工雑音系列AN1は、シンボル列(an11 ~an1N )で表される。人工雑音系列AN1のシンボル数は、データSのシンボル数と同じである。
相関系列生成部22は、人工雑音系列AN1に基づいて第2の相関系列を生成する。ここで、第2の相関系列も、人工雑音として使用される。よって、以下の記載では、相関系列生成部22により生成される第2の相関系列を「人工雑音系列AN2」と呼ぶことがある。人工雑音系列AN2は、シンボル列(an21 ~an2N )で表される。人工雑音系列AN2のシンボル数も、データSのシンボル数と同じである。
マッパ(変調器)23は、指定された変調方式に応じて、データSの各シンボルを順番にコンスタレーション上にマッピングする。この結果、データSを表す変調信号が生成される。例えば、無線装置10がQPSKでデータを送信するときは、各シンボルは、そのシンボルの値(00、01、10、11)に対応する信号点にマッピングされる。このマッピングにより、各シンボルは、例えば、複素数で表される。この場合、この複素数は、信号の位相および振幅を表す。
マッパ(変調器)24は、指定された変調方式に応じて、人工雑音系列AN1の各シンボルを順番にコンスタレーション上にマッピングする。この結果、人工雑音系列AN1を表す変調信号が生成される。また、マッパ(変調器)25は、指定された変調方式に応じて、人工雑音系列AN2の各シンボルを順番にコンスタレーション上にマッピングする。この結果、人工雑音系列AN2を表す変調信号が生成される。尚、マッパ23~25は、同じ変調方式でマッピングを行うことが好ましい。
マッパ23~25により生成される変調信号は、信号合成部13に与えられる。そうすると、信号合成部13は、無線装置10と宛先局2との間の無線チャネルHを表すチャネル情報に基づいて、それらの変調信号を合成する。この結果、送信信号T1~T3が生成される。
図6は、信号生成部12の処理の一例を示すフローチャートである。なお、無線装置10は、このフローチャートの処理を実行する前に、無線装置10と宛先局2との間の無線チャネルHを表すチャネル情報を取得しているものとする。無線チャネルHは、例えば、宛先局2から送信されるパイロット信号を受信部11が受信することで推定される。
S1において、信号生成部12は、送信データを取得する。送信データは、アプリケーション(または、アプリケーション層)から無線装置10に与えられる。そして、信号生成部12は、無線装置10が使用する変調方式に従って、送信データからデータ系列を生成する。例えば、QPSKでデータが送信されるときは、各シンボルに2ビットのデータが割り当てられる。これにより、データ系列(s1 ~sN )が得られる。
S2において、信号生成部12は、変数kを1に初期化する。変数kは、生成すべき人工雑音系列の個数をカウントする。
S3において、信号生成部12は、データ系列に基づいて1番目の人工雑音系列を生成する。すなわち、人工雑音系列AN1が生成される。図5に示す例では、人工雑音系列AN1は、相関系列生成部21により生成される。なお、人工雑音系列AN1を生成する方法は、後で図7を参照しながら説明する。
S4において、変数kが所定数を越えているか否かを判定する。この実施例では、所定数は、「無線装置10が備える送信アンテナ数-2」である。図4に示す例では、無線装置10は3本のアンテナ(A1~A3)を備える。よって、この場合、所定数は「1」であり、変数kの値が1よりも大きいか否かが判定される。
変数kが所定数を越えていないときは、信号生成部12は、S5において、先に生成されている人工雑音系列に基づいて新たな人工雑音系列を生成する。例えば、図5において人工雑音系列AN1が生成されているときは、相関系列生成部22により、人工雑音系列AN1に基づいて人工雑音系列AN2が生成される。人工雑音系列に基づいて新たな人工雑音系列を生成する方法は、データ系列に基づいて人工雑音系列を生成する方法と実質的に同じであり、後で図7を参照しながら説明する。
S6において、信号生成部12は、変数kを1だけインクリメントする。この後、信号生成部12の処理はS4に戻る。このように、信号生成部12は、変数kが所定数を越えるまで、S4~S6の処理を繰り返し実行する。即ち、「アンテナ数-1」個の人工雑音系列が生成される。このとき、i番目の人工雑音系列に基づいて、i+1番目の人工雑音系列が生成される。図4~図5に示す例では、2個の人工雑音系列(AN1、AN2)が生成される。なお、データ系列の数および人工雑音系列の数の和は、無線装置10が備える送信アンテナの数と同じである。
変数kが所定数を越えると(S4:Yes)、信号生成部12は、S7において、各系列の各シンボルについてマッピングを実行する。図5に示す例では、マッパ23によりデータ系列を表す変調信号が生成され、マッパ24により人工雑音系列AN1を表す変調信号が生成され、マッパ25により人工雑音系列AN2を表す変調信号が生成される。そして、これらの変調信号は、信号合成部13において合成される。
図7は、人工雑音系列を生成する方法の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、図6に示すS3に相当する。すなわち、相関系列生成部21によりデータ系列から人工雑音系列AN1が生成されるものとする。
S11において、相関系列生成部21は、人工雑音系列を生成する処理のための初期設定を行う。すなわち、相関系列生成部21は、変数iを1に初期化する。変数iは、データ系列の各シンボルを識別する。また、相関系列生成部21は、閾値Cを取得する。閾値Cは、図5に示す例では、データ系列と人工雑音系列との相関を表す係数CS-ANに相当する。なお、閾値Cは、例えば、シミュレーション等により予め決められており、無線装置10が備えるメモリの保存されている。
S12において、相関系列生成部21は、変数iがNを超えているか否かを判定する。Nの値は、データ系列のシンボル数を表す。すなわち、相関系列生成部21は、データ系列内の全てのシンボルについてS13~S16の処理を実行したか否かを判定する。そして、データ系列中に、S13~S16の処理を実行していないシンボルが残っているときは、相関系列生成部21の処理はS13に進む。
S13において、相関系列生成部21は、ゼロ以上、且つ、1未満の範囲内で乱数Rを生成する。S14において、相関系列生成部21は、S13で生成した乱数Rと閾値Cとを比較する。
乱数Rが閾値C以下であるときは、S15において、相関系列生成部21は、データ系列Sの対応するシンボルに基づいて人工雑音系列AN1のシンボルを決定する。具体的には、人工雑音系列AN1のi番目のシンボルan1i として、データ系列Sのi番目のシンボルsi と同じ値が出力される。なお、各シンボルは、例えば、複素数で表される。
一方、乱数Rが閾値Cより大きいときは、S16において、相関系列生成部21は、データ系列Sとは無関係に人工雑音系列AN1のシンボルを決定する。このとき、相関系列生成部21は、無線装置10が使用する変調方式により提供される複数の信号点の中から1つの信号点をランダムに選択する。例えば、無線装置10がQPSKでデータを送信するときは、QPSKが提供する4個の信号点(00、01、10、11)の中からランダムに1つの信号点が選択される。そして、相関系列生成部21は、人工雑音系列AN1のi番目のシンボルan1i として、選択した信号点を表す値を出力する。
S17において、相関系列生成部21は、変数iを1だけインクリメントする。この後、相関系列生成部21の処理はS12に戻る。すなわち、相関系列生成部21は、データ系列内の全てのシンボルについてS13~S16の処理を実行する。この結果、データ系列と同じシンボル数の人工雑音系列AN1が生成される。
このように、乱数Rが閾値C以下であるときは、データSに基づく人工雑音シンボルが生成される。一方、乱数Rが閾値Cより大きいときは、データSとは無関係な人工雑音シンボルが生成される。したがって、閾値Cが大きいときはデータSと人工雑音AN1との相関が高くなり、閾値Cが小さいときはデータSと人工雑音AN1との相関が低くなる。すなわち、閾値Cを調整することにより、データSと人工雑音AN1との間の相関の高さを決定することが可能である。
人工雑音系列から新たな人工雑音系列を生成する方法は、データ系列から人工雑音系列を生成する方法と実質的に同じである。すなわち、図7に示すフローチャートに従って、人工雑音系列から新たな人工雑音系列が生成され得る。ただし、人工雑音系列から新たな人工雑音系列を生成する処理は、図5に示す例では、相関系列生成部22により実行される。また、人工雑音系列から新たな人工雑音系列を生成する処理で使用される閾値(図5においては、CAN-AN )は、データ系列から人工雑音系列を生成する処理で使用される閾値(図5においては、CS-AN )と異なっていてもよい。
データ系列Sおよび人工雑音系列AN1、AN2は、信号合成部13において合成される。よって、信号合成部13により行われるプリコーディング処理について説明する。
無線装置10と宛先局2との間の無線チャネルがHで表されるものとする。この場合、Hは、NB行、NA列の複素数行列である。NAは、無線装置10が備える送信アンテナの数を表し、NBは、宛先局2が備える受信アンテナの数を表す。
チャネル行列Hに対して特異値分解を行うことにより、チャネル行列Hを(1)式で表すことができる。
Figure 0007176449000001
Uは、NB行、NB列のユニタリ行列である。Vは、NA行、NA列のユニタリ行列である。Λは、NB行、NA列の複素行列である。Λの第1行~第NB行、第1列~第NB列は、対角行列である。この対角行列の対角線上の各要素は、それぞれ特異値に相当する。なお、Λの第NB+1列~第NA列は、ゼロ行列である。
行列Vは、第1行~第NB列のサブ行列V1、および第NB+1列~第NA列のサブ行列Zに分解される(V=[V1,Z])。ここで、U、Λ、Vは、チャネル行列Hを特異値分解することにより得られている。よって、HZは、ゼロ行列である。なお、Zは、無線チャネルHに対応するヌル空間を表す。
信号合成部13によるプリコーディング処理は、データ系列および複数の人工雑音系列から構成される信号ベクトルに行列Vを乗算することで実現される。一例として、図4~図5に示すケースについて説明する。なお、無線装置10は、3本の送信アンテナを有するので、NAは3である。また、宛先局2は、1本の受信アンテナを使用して無線信号を受信するものとする。すなわち、NBは1である。
ここで、第1シンボルのデータSおよび人工雑音AN1、AN2から構成される列ベクトル[s1, an11, an21 ]T が信号構成部13に入力されるものとする。そうすると、信号構成部13は、この列ベクトルに複素行列Vを乗算する。この乗算演算は、(2)式で表される。なお、Xは、信号合成部13により生成される送信信号ベクトルを表す。
Figure 0007176449000002
したがって、送信信号は、(3)式で表される。
Figure 0007176449000003
送信信号x1、x2、x3は、それぞれ、アンテナA1、A2、A3を介して出力される。
宛先局2は、無線装置10から送信される信号x1~x3を受信する。そうすると、宛先局2における受信信号r1は(4)式で表される。なお、ndは、宛先局2における雑音電力を表す。
Figure 0007176449000004
このように、HZがゼロなので、無線チャネルHにおいて人工雑音成分は相殺されてゼロになる。すなわち、宛先局2の受信信号は、人工雑音成分を含まない。よって、宛先局2は、受信信号r1からデータシンボルs1を再生できる。同様に、後続のデータシンボルも再生される。
これに対して、盗聴局3における受信信号r2は(5)式で表される。なお、neは、盗聴局3における雑音電力を表す。
Figure 0007176449000005
ところが、無線装置10と宛先局2との間の無線チャネルHと、無線装置10と盗聴局3との間の無線チャネルGとの間には相関が無い。よって、GZはゼロではなく、盗聴局3の受信信号は、人工雑音成分を含む。すなわち、盗聴局3は、受信信号r2からデータを再生できない。
なお、上述したように、送信局において合成される複数の信号が互いに独立しているときには、盗聴局3は、独立成分分析を利用してそれらの信号を高い確率で互いに分離できる。すなわち、送信データと人工雑音との間に相関がないときは、盗聴局3により送信データが解読されることがある。
ところが、図2に示す構成とは異なり、第1の実施形態に係わる無線装置10においては、各人工雑音系列の各シンボルの値はランダムに生成されるのではなく、送信データに基づいて生成される。よって、無線装置10により生成される人工雑音系列は、非ガウス分布信号である。また、信号合成部13により合成される複数の信号間には、相関が存在する。具体的には、データSと人工雑音AN1との間には相関があり、人工雑音AN1、AN2間にも相関がある。したがって、独立成分分析でデータS、人工雑音AN1、AN2を互いに分離することは困難である。
図8は、第1の実施形態による効果の一例を示す。この例では、図5に示す構成において図7に示す方法で人工雑音系列AN1、AN2が生成される。変調方式はQPSKである。データSから人工雑音AN1を生成する処理で使用する閾値CS-ANは0.5であり、人工雑音AN1から人工雑音AN2を生成する処理で使用する閾値CAN-ANは0.9である。
この例では、第1の実施形態の無線装置10でデータSが送信されると、盗聴局3における解成功読率は約3パーセントである。すなわち、図2に示す構成と比較すると、第1の実施形態の無線装置10によれば、盗聴局3における解読成功率は10分の1未満に抑制される。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、閾値Cは予め決定される。これに対して、第2の実施形態では、通信環境などに応じて閾値Cが決定される。
図9は、本発明の第2の実施形態に係わる無線装置の一例を示す。無線装置30は、受信部11、信号生成部12、信号合成部13、送信部14、複数の送信アンテナA1~A3、および相関係数算出部31を備える。なお、受信部11、信号生成部12、信号合成部13、送信部14、複数の送信アンテナA1~A3は、第1の実施形態および第2の実施形態において実質的に同じである。
相関係数算出部31は、図9に示すように、設定情報および/または無線チャネルの状態に応じて相関係数を決定する。相関係数は、データ系列と人工雑音系列との間の相関を表す係数および人工雑音系列間の相関を表す係数を含む。
例えば、相関係数算出部31は、無線通信システムが要求する秘匿性能に応じて相関係数を決定する。ここで、盗聴局3が独立成分分析を利用して信号の分離を試みることを想定した場合、相関係数が高いほど、送信データが解読されにくくなる。したがって、要求される秘匿性能が高いときは、相関係数算出部31は、大きい相関係数を設定することが好ましい。一方、要求される秘匿性能が低いときは、相関係数算出部31は、小さい相関係数を設定してもよい。なお、無線通信システムが要求する秘匿性能は、図9に示す例では、設定情報として相関係数算出部31に与えられる。
相関係数算出部31は、無線装置30が備える送信アンテナの数に応じて相関係数を決定してもよい。ここで、送信アンテナの数が多いときは、人工雑音系列の数が多くなるので、送信データが解読されにくくなる。したがって、送信アンテナの数が多いときは、相関係数算出部31は、小さい相関係数を設定してもよい。一方、送信アンテナの数が少ないときは、相関係数算出部31は、大きい相関係数を設定することが好ましい。なお、無線装置30が備える送信アンテナの数は、図9に示す例では、設定情報として相関係数算出部31に与えられる。
送信局が備える複数のアンテナと受信局が備える1または複数のアンテナとの間には、複数のチャネル(又は、パス)が設定される。そして、これらのチャネル間の相関の大きさは、送信局および受信局が置かれる環境に依存する。すなわち、反射または回折の多いマルチパス環境(例えば、屋内環境)においては、チャネル間の相関が低くなりやすい。反対に、マルチパスが少ない環境(例えば、屋外の解放空間)においては、チャネル間の相関が高くなりやすい。
ここで、チャネル間の相関が高いときには、盗聴局3が受信する信号間の相関も高くなり、独立成分分析による分析性能が低くなりやすい。このため、チャネル間の相関が高いときは、相関係数算出部31は、小さい相関係数を設定してもよい。一方、チャネル間の相関が低いときは、相関係数算出部31は、大きい相関係数を設定することが好ましい。なお、無線装置30は、宛先局2から送信されるパイロット信号を利用して、無線装置30と宛先局2との間のマルチパス環境(すなわち、チャネル間の相関)を推定することができる。
独立成分分析の解読性能は、データを伝送する変調方式に依存する。例えば、シンボル当りのビット数が多い変調方式においては、コンスタレーション上にマッピングされるデータ信号の分布がガウス分布に近くなる。そして、データ信号の分布がガウス分布に近いときは、独立成分分析による解読が困難になる。したがって、シンボル当りのビット数が多い変調方式でデータが伝送されるときは、相関係数算出部31は、小さい相関係数を設定してもよい。一方、シンボル当りのビット数が少ない変調方式でデータが伝送されるときは、相関係数算出部31は、大きい相関係数を設定することが好ましい。なお、データを伝送する変調方式は、図9に示す例では、設定情報として相関係数算出部31に与えられる。
相関係数の決定は、例えば、図10に示すテーブルを参照することで実現される。この実施例では、無線装置30が備える送信アンテナの数、変調方式、マルチパス環境の組合せに対して相関係数が設定されている。この場合、この対応関係は、例えば、シミュレーションまたは測定により予め作成される。そして、相関係数算出部31は、設定情報およびチャネル情報に基づいて図10に示すテーブルを参照することで、相関係数を決定することができる。
なお、相関係数は、図5または図7に示す実施例において閾値Cとして使用される。よって、相関係数が大きいほど、系列間の相関が高くなる。具体的には、閾値CS-ANとして使用される相関係数が大きいほど、データと人工雑音との間の相関が高くなる。また、閾値CAN-ANとして使用される相関係数が大きいほど、人工雑音間の相関が高くなる。
また、上述したように、盗聴局3が独立成分分析を使用するときは、相関係数が大きいほど送信データが解読されにくくなる。よって、大きな相関係数を使用すれば、秘匿性能が高くなる。ただし、相関係数が高いときは、複数の信号系列の中の1つが解析された場合、他の系列も解析されてしまう可能性が高い。即ち、相関係数を大きくし過ぎると、秘匿性能が低下することもある。したがって、相関係数は、これらの要因を考慮して決定することが好ましい。
例えば、無線通信システムが要求する秘匿性能が低いときは、人工雑音間の相関係数よりも、送信データと人工雑音との間の相関係数を優先的に小さくする。この場合、仮に、人工雑音が解読されても、その人工雑音から送信データを推定することは困難である。
<第3の実施形態>
第1~第2の実施形態では、データ系列Sから人工雑音系列AN1が生成され、人工雑音系列AN1から人工雑音系列AN2が生成される。これに対して第3の実施形態では、データ系列Sから人工雑音系列AN1および人工雑音系列AN2が生成される。
図11は、第3の実施形態に係わる信号生成部の一例を示す。第3の実施形態においては、信号生成部12aは、図5に示す相関系列生成部21、22の代わりに、相関系列生成部21a、22aを備える。相関系列生成部21aは、相関系列生成部21と実質的に同じであり、データ系列Sから人工雑音系列AN1を生成する。一方、相関系列生成部22aは、相関系列生成部22とは異なり、データ系列Sから人工雑音系列AN2を生成する。
なお、データ系列S、人工雑音系列AN1、人工雑音系列AN2のシンボル数は、互いに同じである。相関系列生成部21aが使用する閾値CS-AN1および相関系列生成部22aが使用する閾値CS-AN2は、互いに同じであってもよいし、互いに同じでなくてもよい。受信部11、信号合成部13、送信部14、マッパ23~25の構成および動作は、第1~第3の実施形態において実質的に同じである。
<第4の実施形態>
第1~第3の実施形態では、送信データと人工雑音との間に相関が存在する。これに対して第4の実施形態では、人工雑音は、送信データに依存せずに生成される。
図12は、第4の実施形態に係わる信号生成部の一例を示す。第4の実施形態においては、信号生成部12bは、図5に示す相関系列生成部21、22の代わりに、相関系列生成部26を備える。相関系列生成部26は、データ系列Sから独立して人工雑音系列AN1、AN2を生成する。すなわち、データ系列Sと人工雑音系列AN1、AN2との間に相関はない。ただし、人工雑音系列AN1、AN2のシンボル数は、いずれもデータ系列Sと同じである。また、人工雑音系列AN1、AN2間には相関がある。人工雑音系列AN1、AN2間の相関の高さは、閾値Cにより指定される。
<バリエーション>
上述の実施例では、無線装置は3本の送信アンテナを備え、3個の信号系列(データ系列S、人工雑音系列AN1、AN2)が合成されて出力される。ただし、本発明はこの構成に限定されるものではない。すなわち、無線装置は、N(Nは、4以上の整数)本の送信アンテナを備え、N個の信号系列を合成して出力してもよい。この場合、1番目の人工雑音系列はデータ系列から生成され、i(i=2~N-1)番目の人工雑音系列はi-1番目の人工雑音系列に基づいて生成される。この結果、N-1個の人工雑音系列が生成される。そして、データ系列およびN-1個の人工雑音系列が合成されて出力される。
また、上述の実施例では、無線装置10、30は、図1に示す基地局1として動作するが、本発明はこの構成に限定されるものではない。すなわち、無線装置10、30は、図1に示す端末装置として動作してもよいし、他の任意の無線装置として動作してもよい。
<ハードウェア構成>
図13は、無線装置のハードウェア構成の一例を示す。無線装置は、この実施例では、受信回路41、プロセッサ42、メモリ43、送信回路44を備える。受信回路41は、図4に示す受信部11に相当し、無線信号を受信して復調する。プロセッサ42は、メモリ43に格納されているプログラムを実行することにより、信号生成部12および信号合成部13の機能を提供する。この場合、プログラムは、図6~図7に示すフローチャートの手順を記述する。送信回路44は、図4に示す送信部14に相当し、アンテナを介して送信信号を出力する。
1 送信局
2 宛先局
3 盗聴局
10 無線装置
11 受信部
12、12a、12b 信号生成部
13 信号合成部
14 送信部
21、21a、21b、22、22a、26 相関系列生成部
23~25 マッパ(変調器)
31 相関係数算出部
42 プロセッサ
100 無線通システム

Claims (11)

  1. 複数のアンテナと、
    送信データに基づいて第1の相関系列を生成する第1の相関系列生成部と、
    前記第1の相関系列に基づいて第2の相関系列を生成する第2の相関系列生成部と、
    前記送信データを変調して第1の変調信号を生成する第1の変調部と、
    前記第1の相関系列を変調して第2の変調信号を生成する第2の変調部と、
    前記第2の相関系列を変調して第3の変調信号を生成する第3の変調部と、
    前記第1の変調信号、前記第2の変調信号、および前記第3の変調信号を合成して第1の送信信号、第2の送信信号、および第3の送信信号を生成する信号合成部と、
    前記複数のアンテナの中の第1のアンテナを介して前記第1の送信信号を出力し、前記複数のアンテナの中の第2のアンテナを介して前記第2の送信信号を出力し、前記複数のアンテナの中の第3のアンテナを介して前記第3の送信信号を出力する送信部と、
    を備える無線装置。
  2. 前記送信データのシンボル数、前記第1の相関系列のシンボル数、および前記第3の相関系列のシンボル数は、互いに同じである
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
  3. 前記第1の変調部による変調方式、前記第2の変調部による変調方式、および前記第3の変調部による変調方式は、互いに同じである
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
  4. 前記送信データと前記第1の相関系列との間の相関、及び、前記第1の相関系列と前記第2の相関系列との間の相関は、それぞれ、前記変調方式のシンボル当りのビット数に基づいて決定される
    ことを特徴とする請求項3に記載の無線装置。
  5. 前記送信データと前記第1の相関系列との間の相関、及び、前記第1の相関系列と前記第2の相関系列との間の相関は、それぞれ、前記第1~第3のアンテナと宛先局との間に設定される複数の無線チャネルの間の相関の大きさに基づいて決定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
  6. 前記送信データと前記第1の相関系列との間の相関、及び、前記第1の相関系列と前記第2の相関系列との間の相関は、それぞれ、前記無線装置のアンテナ数に基づいて決定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
  7. 前記信号合成部は、前記無線装置と宛先局との間の無線チャネルの状態に基づいて、前記無線チャネルにおいて前記第1の相関系列および前記第2の相関系列が相殺されるように、前記第1の変調信号、前記第2の変調信号、および前記第3の変調信号を合成して前記第1の送信信号、前記第2の送信信号、および前記第3の送信信号を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
  8. 前記無線装置がN(Nは、4以上の整数)個のアンテナを備えるときは、
    前記第1の相関系列および前記第2の相関系列を含むN-1個の相関系列が生成され、
    前記N-1個の相関系列から、前記第2の変調信号および前記第3の変調信号を含むN-1個の変調信号が生成され、
    前記信号合成部は、前記第1の変調信号および前記N-1個の変調信号を合成して前記第1~第3の送信信号を含むN個の送信信号を生成し、
    前記送信部は、前記N個のアンテナを介して前記N個の送信信号を出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
  9. 送信データに基づいて第1の相関系列を生成し、
    前記第1の相関系列に基づいて第2の相関系列を生成し、
    前記送信データを変調して第1の変調信号を生成し、
    前記第1の相関系列を変調して第2の変調信号を生成し、
    前記第2の相関系列を変調して第3の変調信号を生成し、
    前記第1の変調信号、前記第2の変調信号、および前記第3の変調信号を合成して第1の送信信号、第2の送信信号、および第3の送信信号を生成し、
    第1のアンテナ、第2のアンテナ、および第3のアンテナを介して、それぞれ、前記第1の送信信号、前記第2の送信信号、および前記第3の送信信号を出力する
    ことを特徴とする無線通信方法。
  10. 複数のアンテナと、
    送信データに基づいて第1の相関系列を生成する第1の相関系列生成部と、
    前記送信データに基づいて第2の相関系列を生成する第2の相関系列生成部と、
    前記送信データを変調して第1の変調信号を生成する第1の変調部と、
    前記第1の相関系列を変調して第2の変調信号を生成する第2の変調部と、
    前記第2の相関系列を変調して第3の変調信号を生成する第3の変調部と、
    前記第1の変調信号、前記第2の変調信号、および前記第3の変調信号を合成して第1の送信信号、第2の送信信号、および第3の送信信号を生成する信号合成部と、
    前記複数のアンテナの中の第1のアンテナを介して前記第1の送信信号を出力し、前記複数のアンテナの中の第2のアンテナを介して前記第2の送信信号を出力し、前記複数のアンテナの中の第3のアンテナを介して前記第3の送信信号を出力する送信部と、
    を備える無線装置。
  11. 複数のアンテナと、
    互いに相関を有する第1の相関系列および第2の相関系列を生成する相関系列生成部と、
    送信データを変調して第1の変調信号を生成する第1の変調部と、
    前記第1の相関系列を変調して第2の変調信号を生成する第2の変調部と、
    前記第2の相関系列を変調して第3の変調信号を生成する第3の変調部と、
    前記第1の変調信号、前記第2の変調信号、および前記第3の変調信号を合成して第1の送信信号、第2の送信信号、および第3の送信信号を生成する信号合成部と、
    前記複数のアンテナの中の第1のアンテナを介して前記第1の送信信号を出力し、前記複数のアンテナの中の第2のアンテナを介して前記第2の送信信号を出力し、前記複数のアンテナの中の第3のアンテナを介して前記第3の送信信号を出力する送信部と、
    を備える無線装置。
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