本技術の特定の実施例に関する以下の説明は、本技術の範囲を限定するために用いられてはならない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、実例として、本技術を実施するうえで企図される最良の態様の1つである以下の説明より当業者には明らかとなろう。理解されるように、本明細書に説明される技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、他の異なる明らかな態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものとみなされるべきである。
本明細書に説明される教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ以上のものを、本明細書に説明される他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ以上のものと組み合わせてもよいことも更に理解される。したがって、以下に説明される教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して分離して考慮するべきではない。本明細書の教示を組み合わせてもよい様々な適当な方法が、本明細書の教示に照らして当業者には直ちに明らかとなろう。かかる改変例及び変形例を特許請求の範囲内に含むことが意図される。
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では外科用器具の人間の操作者又はロボットの操作者に対して定義される。「近位」という用語は、外科用器具の人間の操作者又はロボットの操作者により近く、かつ、外科用器具の外科手術用エンドエフェクタからより遠く離れた要素の位置を指す。「遠位」という用語は、外科用器具の外科手術用エンドエフェクタにより近く、かつ、外科用器具の人間の操作者又はロボットの操作者からより遠く離れた要素の位置を指す。
I.例示的な超音波外科用器具の概要
図1~図3は、低侵襲性外科手術(例えばトロカール又は他の小径のアクセスポートなどを介した)で使用されるように構成された例示的な超音波外科用器具(10)を示したものである。以下でより詳細に説明するように、器具(10)は、組織を切断することと、組織(例えば血管など)を封止又は溶接することとを実質的に同時に行うような動作が可能である。この例の器具(10)は、使い捨て式アセンブリ(100)と、再利用式アセンブリ(200)とを備える。再利用式アセンブリ(200)の遠位部分は、図2~3に見られるように、使い捨て式アセンブリ(100)の近位部分を着脱可能に受容することで器具(10)を形成するように構成されている。
一使用例では、外科手術に先立ってアセンブリ(100、200)を一緒に連結して器具(10)を形成し、組み立てられた器具(10)を使用して外科手術を行った後、アセンブリ(100、200)を互いから分離して更なる処理を行う。場合によっては、外科手術が終了した後、使い捨て式アセンブリ(100)は直ちに廃棄されるのに対して、再利用式アセンブリ(200)は滅菌するか別の方法で処理を行って再利用される。あくまで一例として、再利用式アセンブリ(200)は、従来の比較的低温で比較的低圧の過酸化水素による滅菌処理で滅菌してもよい。あるいは、再利用式アセンブリ(200)は、他の任意の適当なシステム及び技法(例えばオートクレーブなど)を用いて滅菌してもよい。一部の変例では、再利用式アセンブリ(200)は約100回にわたって滅菌して再利用してもよい。あるいは、再利用式アセンブリ(200)は、他の任意の適当な使用寿命の対象としてもよい。例えば、再利用式アセンブリ(200)は、必要に応じて1回の使用後に廃棄してもよい。本明細書では、使い捨て式アセンブリ(100)は「使い捨て式」と呼ばれているものの、当然のことながら、場合によっては、使い捨て式アセンブリ(100)も、滅菌するか別の方法で処理を行って再利用してもよい。あくまで一例として、使い捨て式アセンブリ(100)は、任意の適当なシステム及び技法を用いて約2~30回にわたって滅菌して再利用してもよい。あるいは、使い捨て式アセンブリ(100)は、他の任意の適当な使用寿命の対象としてもよい。
一部の変例では、使い捨て式アセンブリ(100)及び/又は再利用式アセンブリ(200)は、対応するアセンブリ(100、200)の使用を追跡し、対応するアセンブリ(100、200)の動作性を使用に基づいて選択的に制限するような動作が可能な1つ以上の機能部を含む。例えば、使い捨て式アセンブリ(100)及び/又は再利用式アセンブリ(200)は、1つ以上のカウントセンサと、カウントセンサと通信する制御論理(例えばマイクロプロセッサなど)とを含んでもよい。カウントセンサは、器具(10)の超音波トランスデューサが作動された回数、対応するアセンブリ(100、200)が使用された外科手術の回数、トリガの閉鎖の回数、及び/又は使用にともなう他の適当な条件を検出することができる場合がある。制御論理は、カウントセンサからのデータを追跡してこのデータを1つ以上の閾値と比較してもよい。制御論理が1つ以上の閾値を上回ったと判定した場合、制御論理は、対応するアセンブリ(100、200)の1つ以上の構成要素の動作を停止させるような制御アルゴリズムを実行してもよい。制御論理が2つ以上の閾値(例えば、作動の回数についての第1の閾値、及び外科手術の回数についての第2の閾値など)を格納する場合には、制御論理は、これらの閾値の1つを最初に上回った時点、又は他の何らかの基準に基づいて対応するアセンブリ(100、200)の1つ以上の構成要素の動作を停止させてもよい。
制御論理が使用の量に基づいて器具(10)を停止させるように動作可能であるような変例では、制御論理は、器具(10)が外科手術において現在使用中であるか否かを判定し、その特定の外科手術が終了するまで器具(10)を停止させないようにしてもよい。換言すれば、制御論理は、操作者が現在の外科手術を終了することを容認してもよいが、その後の外科手術において器具(10)が使用されることを防止してもよい。カウンタ又は他のセンサが取ってもよい様々な適当な形態が、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。制御論理が取ってもよい様々な適当な形態も、本明細書の教示に照らして当業者にはやはり明らかとなろう。同様に、器具(10)の使用を制限するために使用してもよい様々な適当な制御アルゴリズムが、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。無論、器具(10)の一部の変例は、器具(10)の使用の量を追跡し、かつ/又は制限する機能は単純に省略してもよい。
本例の使い捨て式アセンブリ(100)は、本体部分(110)と、本体部分(110)から遠位方向に延びるシャフトアセンブリ(150)と、シャフトアセンブリ(150)の遠位端に配置されたエンドエフェクタ(180)と、を備える。図4~図7に最も良好に見られるように、本例のエンドエフェクタ(180)は、クランプアーム(182)と、超音波ブレード(190)とを備える。クランプアーム(182)は、ブレード(190)に面するクランプパッド(184)を含む。図6A~図6Bに示されるように、また以下でより詳細に説明するように、クランプアーム(182)は、ブレード(190)に近づく方向及びブレード(190)から離れる方向に枢動可能であることでクランプパッド(184)とブレード(190)との間で選択的に組織を圧縮する。図7に見られるように、ブレード(190)は、管(152、170)を通って同軸で延び、かつ以下でより詳細に説明するようにブレード(190)に超音波振動を伝達するように構成された音響導波管(192)の遠位端の一体型の機能部である。
シャフトアセンブリ(150)は、外側管(152)と内側管(170)とを備える。外側管(152)は、内側管(170)に対して長手方向に平行移動するように動作可能であることでクランプアーム(182)をブレード(190)に近づく方向とブレード(190)から遠ざかる方向とに選択的に枢動させる。図5及び図7に最も良好に見られるように、これを実現するためには、クランプアーム(182)の一体型のピン機能部(186)は、クランプアーム(182)の第1の部分を外側管(152)の遠位方向に突出した舌部(154)に枢動可能に固定する一方で、挿入されるピン(188)は、クランプアーム(182)の第2の部分を内側管(170)の遠位方向に突出した舌部(172)に枢動可能に固定する。これにより、図6Aから図6Bへの移行で見ることができるように、外側管(152)が内側管(170)に対して近位方向に引き込まれると管(152、170)が協働してクランプアーム(182)をブレード(190)に近づく方向に枢動させる。当然のことながら、図6A~図6Bに示される動作の逆に、外側管(152)を内側管(170)に対して遠位方向に平行移動させることによってクランプアーム(182)をブレード(190)から離れる方向に(例えば図6Bに示される位置から図6Aに示される位置へと)枢動させて戻してもよい。一使用例では、クランプアーム(182)をブレード(190)に近づく方向に枢動させることによって、クランプパッド(184)とブレード(190)との間に捕捉された組織を把持、圧縮、封止、及び切断してもよい。クランプアーム(182)をブレード(190)から遠ざかる方向に枢動させることによってクランプパッド(184)とブレード(190)との間から組織を解放し、かつ/又はクランプアーム(182)とブレード(190)の対向する外側表面に係合した組織の鈍的切開を行ってもよい。
図8に見られるように、再利用式アセンブリ(200)は、ハンドルハウジング(202)を備える。図8には、一方のハウジング(202)のみが示されているが、図2~図3には、相補的なハウジング(202)の対が一緒に接合される方法が示されている。ハウジング(202)は、ピストルグリップ(204)と、上部窓(206)と、遠位凹部(208)と、を規定する。この例では、再利用式アセンブリ(200)はピストルグリップ(204)を含むが、当然のことながら、他の任意の適当な種類のグリップを使用してもよい。本例のハウジング(202)は、以下でより詳細に説明するように、追加的な構成要素に支持を提供する複数の一体型のボス(210、212、214、216)も含み、これによりハウジング(202)はハウジング(202)内に収容された構成要素のシャーシとして機能する。やはり図8に示されるように、再利用式アセンブリ(200)は、電池(205)と、発電器(230)と、超音波トランスデューサアセンブリ(240)と、トルクレンチアセンブリ(260)とを含む。以下でより詳細に説明するように、電池(205)は、発電器(230)に電力を提供するように動作可能であり、発電器(230)は、超音波トランスデューサアセンブリ(240)に電力を提供するように動作可能であり、超音波トランスデューサアセンブリは、電力を超音波振動に変換するように動作可能であり、トルクレンチアセンブリ(260)は、導波管(192)を超音波トランスデューサアセンブリ(240)と機械的及び音響的に連結するように動作可能である。
導波管(192)がトランスデューサアセンブリ(240)と充分に連結されると、トランスデューサアセンブリ(240)によって発生した超音波振動が導波管(192)に沿って伝達されてブレード(190)に達する。本例では、音響アセンブリに組織が装填されていない場合に音響アセンブリを好ましい共振周波数foと同調させるために、ブレード(190)の遠位端は、導波管(192)を通じて伝達される共振超音波振動にともなう波腹に対応する位置に配置される。ブレード(190)の遠位端は、トランスデューサアセンブリ(240)が通電された時に、例えば55.5kHzの所定の振動周波数foにおいて、例えばピーク間で約10~500マイクロメートルミクロンの範囲、場合によっては、約20~約200マイクロメートルの範囲で長手方向に動くように構成されている。本例のトランスデューサアセンブリ(240)が作動された時、これらの機械的振動が導波管(192)を通じて伝達されてブレード(190)に達することにより、共振超音波周波数のブレード(190)の振動が提供される。これにより、ブレード(190)とクランプパッド(184)との間に組織が固定されている時、ブレード(190)の超音波振動が、組織の切断と、隣接した組織細胞内のタンパク質の変性とを同時に行い、それにより比較的小さい熱拡散で凝固効果を提供する。一部の変例では、ブレード(190)及び/又はクランプパッド(184)を通じて電流もまた提供して、組織の封止もしてもよい。
使い捨て式アセンブリ(100)及び再利用式アセンブリ(200)の更なる例示的な特徴及び動作について、以下により詳細に説明するが、本明細書の教示に照らして他の変例が当業者には明らかとなろう。
II.例示的な超音波外科用器具の使い捨て式アセンブリ
図9~図10は、使い捨て式アセンブリ(100)をより詳細に示したものである。上記に述べたように、本例の使い捨て式アセンブリ(100)は、本体部分(110)と、シャフトアセンブリ(150)と、エンドエフェクタ(180)と、を備える。図10に示されるように、本体部分(110)は、一対のハウジングの半部(112、114)と、トリガ(120)と、ボタン(126)と、を備える。トリガ(120)は、以下でより詳細に説明するように、ハウジングの半部(112、114)から近位方向に突出した一体型のタブ(122)を含む。やはり図9~図10に示されるように、同様に、ボタン(126)に付随したアーム(128)の近位端は、以下でも詳細に説明するように、ハウジングの半部(112、114)から近位方向に突出している。使い捨て式アセンブリ(100)の更なる例示的な特徴及び動作について以下により詳細に説明するが、本明細書の教示に照らして他の変例が当業者には明らかとなろう。
A.使い捨て式アセンブリのシャフトアセンブリ
図11~図30は、シャフトアセンブリ(150)の様々な構成要素をより詳細に示したものである。上記に述べたように、本例のシャフトアセンブリ(150)は、外側管(152)と、内側管(170)と、及び導波管(192)と、を備える。再び図9~図10を参照すると、外側管(152)にはノブ(156)が固定されており、これにより以下でより詳細に説明するように本体部分(110)に対してシャフトアセンブリ(150)全体を回転させるように動作可能である。図11~図12に示されるように、外側管(152)の近位端は、一体型のフランジ(158)と、フランジ(158)から遠位方向に離間したリング(160)と、を含む。リング(160)は、外側管(152)に固定的に固定されている。外側管(152)の近位端は、環状凹部(161)と、遠位側面開口部(162)と、1対の横側面開口部(164)と、上部及び下部側面開口部(166)と、ピン側面開口部(168)と、も含む。
図13~図15に示されるように、内側管(170)は、傾斜平坦面(174)と、フラッシュ側面開口部(176)と、ピン側部開口部(178)とを含む。内側管(170)は、1対の近位方向に突出した弾性アーム(181)を更に含む。各アーム(181)は、それぞれのピン開口部(183)を規定する。各アーム(181)の自由端部(185)は外側に広がっている。アーム(181)は、図13~図15に示される位置となるように弾性的に付勢されているが、以下でより詳細に説明するようにアーム(181)はなお外側に撓むように構成されている。図14に最も良好に見られるように、内側管(170)は環状凹部(171)も有している。
図16に示されるように、導波管(192)の近位端は、導波管(192)を貫通して横断方向に配置されたピン(194)を含む。ピン(194)は、超音波トランスデューサアセンブリ(240)が作動される際に導波管(192)を通じて伝達される超音波振動にともなう波節に対応する長手方向の位置に配置される。図41A~図41Dに最も良好に見られるように、ピンは1対のeクリップ(197)を介して導波管(192)内に固定される。eクリップ(197)は、導波管(192)を貫通して形成された対応する横断ボア内にピン(194)を中心合わせし、そのボア内にピン(194)を固定及び支持し、かつ導波管(192)とピン(194)とを音響的に隔離するように構成されている。無論、eクリップ(197)に加えて、又はeクリップ(197)に代えて他の任意の適当な構造又は機能部を使用してもよい。螺刻されたスタッド(196)が導波管(192)から近位方向にかつ一体的に延びている。以下でより詳細に説明するように、スタッド(196)は、導波管(192)と超音波トランスデューサアセンブリ(240)との間に機械的かつ音響的な結合を提供するように構成されている。
図16~図18は、外側管(152)、内側管(170)、及び導波管(192)の同軸配置を示す。図17に示されるように、ピン(194)各弾性アーム(181)のピン開口部(183)内に受容される。これにより、ピン(194)がピン開口部(183)内に配置されると、内側管(170)と導波管(192)とは互いに一体的に回転し、かつ内側管(170)と導波管(192)とは互いに対して平行移動しないように、ピン(194)が導波管(192)を内側管(170)と機械的に連結する。この例では、導波管(192)は内側管(170)と機械的に連結されているが、導波管(192)は内側管(170)と音響的には連結されていない。具体的には、上記に述べたように、ピン(194)は導波管(192)を通じて伝達される超音波振動にともなう波節に対応する長手方向の位置に配置される。更に、弾性アーム(181)は、ピン(194)がピン開口部(183)内に配置されている場合でも導波管(192)と接触しないように構成さる。一部の変例では、複数の環状封止部材(例えばOリングなど)が、導波管(192)の長さに沿った他の波節の位置に位置付けられる。かかる環状封止部材は導波管(192)と内側管(170)との間に追加的な接触点を与える場合があるが、かかる環状封止部材は導波管(192)を通じて伝達される超音波振動にともなう波節に対応する長手方向の位置に配置されることになるので、かかる環状封止部材は導波管(192)から内側管(170)に音響振動を伝達しないことになる。導波管(192)と内側管(170)との間の他の適当な構造及び関係は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。
図18に示されるように、導波管(192)及び内側管(170)が外側管(152)内に完全に挿入されると、弾性アーム(181)は上部及び下部側面開口部(166)と対応するように位置付けられる。図41A~図41Dを参照して以下により詳細に説明するように、上部及び下部側面開口部(166)は、シャフトアセンブリ(150)が洗浄モードに移行する時に、弾性アーム(181)が外向きに撓んでピン(194)を解除するためのクリアランスを提供する。また、本例では、内側管(170)が外側管(152)内に完全に挿入されると内側管(170)のピン側面開口部(178)と外側管(152)のピン側面開口部(168)とが整列する。これにより、ピン(図に示されていない)を介して内側管(170)を外側管(152)と連結することができる。この連結によって、内側管(170)と外側管(152)とは一緒に一体的に回転する。上記に述べたように、内側管(170)はピン(194)によって提供される連結によって導波管(192)とも一体的に回転する。したがって、当然のことながら、外側管(152)、内側管(170)、及び導波管(192)はすべて一緒に一体的に回転する。また、外側管(152)のピン側面開口部(168)が長手方向に延びる長尺状である点にも注意するべきである。このような長尺状の長手方向の構成は、ピンが開口部(168、178)内に配置されていても外側管(152)が内側管(170)に対して長手方向に平行移動できるようにする。
図19~図21に示されるように、シャフトアセンブリ(150)の近位端にはモード選択ノブ(130)が位置付けられている。図22~図23に最も良好に見られるように、モード選択ノブ(130)は、近位フランジ(132)と、遠位フランジ(134)と、内側肩部(136)と、遠位縁部(138)と、を含む。再び図19~図21を参照すると、モード選択ノブ(130)を中心としてコイルばね(131)が同軸に位置付けられる配置されている。コイルばね(131)は、ハウジングの半部(112、114)と近位フランジ(132)との間に長手方向に入れられる。これにより、コイルばね(131)はモード選択ノブ(130)を近位方向に付勢する。遠位フランジ(134)は、組み立てられたハウジングの半部(112、114)の内部に捕捉され、これにより、コイルばね(131)の弾性付勢によってモード選択ノブ(130)がハウジングの半部(112、114)から外れることを防止する保持を提供する。
やはり図20~図21に示されるように、連結部材(140)は、モード選択ノブ(130)と連結されている。図24~図25に最も良好に見られるように、連結部材(140)は、外側フランジ(142)と、1組の長手方向に延びるスナップアーム(144)と、内側フランジ(146)と、内側フランジ(146)を貫通して形成された1組の開口部(148)と、を含む。図20~図21を再び参照すると、連結部材(140)はモード選択ノブ(130)と連結されることで、モード選択ノブ(130)の内側肩部(136)が外側フランジ(142)とスナップアーム(144)との間に捕捉される。これにより、連結部材(140)はモード選択ノブ(130)にスナップ嵌めで固定される。
やはり図20~図21に示されるように、モード駆動部材(141)が連結部材(140)と連結されている。図26~図27に最も良好に見られるように、モード駆動部材(141)は、1組の近位方向に延びる指状要素(143)と、1対の外向きに延びる上部及び下部タブ(145)と、1対の外向きに延びる横タブ(147)と、横タブ(147)の近位に位置する1対の長尺状の長手方向スロット(149)と、を備える。指状要素(143)は、モード駆動部材(141)の近位端が連結部材(140)の内側フランジ(146)の遠位面と接触した状態で、内側フランジ(146)の開口部(148)内に配置される。一部の変例では、指状要素(143)は開口部(148)内に、締まり嵌めで固定される。上部及び下部タブ(145)は、以下でより詳細に説明するように、弾性アーム(181)と対応するように位置付けられる。横タブ(147)は、外側管(152)の横側面開口部(164)を通じて延びるように位置付けられる。図11~図12を再び参照すると、横側面開口部(164)はいずれも長尺状で長手方向に延びている。このような長尺状の長手方向の構成は、横タブ(147)が横側面開口部(164)内に配置されていてもモード駆動部材(141)が外側管(152)に対して長手方向に平行移動できるようにする。それにもかかわらず、横側面開口部(164)内の横タブ(147)の配置は、モード駆動部材(141)と外側管(152)との一体的な回転を提供する。
やはり図20~図21に示されるように、内側管(170)内には内側管支持部材(173)が配置されている。図28~図29に最も良好に見られるように、支持部材(173)は、1対の長手方向に延びるスロット(175)と、1対の外向きに延びる横タブ(177)と、ピン側面開口部(179)と、を含む。図30に最も良好に見られるように、スロット(175)は、導波管(192)のピン(194)を受容するように構成される。スロット(175)の長尺状の長手方向の構成は、ピン(194)、ひいては導波管(192)が、支持部材(173)及び内側管(170)に対して長手方向に平行移動直動することを可能としながら、ピン(194)及び導波管(192)と支持部材(173)及び内側管(170)との一体的な回転も提供する。図30にやはり最も良好に見られるように、支持部材(173)の横タブ(177)は、モード駆動部材(141)の長尺状の長手方向スロット(149)内に摺動可能に配置されている。スロット(149)の長手方向の構成は、横支持部材(173)及び内側管(170)がモード駆動部材(141)に対して長手方向に平行移動することを可能としながら、横支持部材(173)とモード駆動部材(141)との一体的な回転も与えるものである。支持部材(173)のピン側面開口部(179)は、支持部材(173)が内側管(170)内に完全に挿入されると内側管(170)のピン側部開口部(178)と整列するように位置付けられる。上記に述べたように、ピン(図に示されていない)がピン側部開口部(178)内に配置され、内側管(170)と外側管(152)とを連結する。この同じピンが、支持部材(173)のピン側面開口部(179)内に更に配置される。これにより、このピンは、内側管(170)と支持部材(173)との一体的な固定を提供し、支持部材(173)と内側管(170)との一体的な回転を提供する。
図21に最も良好に見られるように、コイルばね(133)は導波管(192)の近位端を中心として同軸に配置される。コイルばね(133)は、支持部材(173)の近位端に形成された近位方向に面した肩部(135)と、連結部材(140)の内側フランジ(146)の遠位面との間に位置付けられる。これにより、コイルばね(133)は、連結部材(140)及びモード駆動部材(141)を支持部材(173)に対して近位方向に付勢する。当然のことながら、コイルばね(133)は、上記に説明したコイルばね(131)に補助を提供する場合がある。これに加えて、コイルばね(133)は、連結部材(140)が軸方向に浮動する(すなわち、コイルばね(133)が軸方向の力の付勢を有しない)ことを可能とする。これにより、外科手術の間に操作者がシャフトアセンブリ(150)を回転させるために必要とするトルクを小さくすることができる。
上記に述べたシャフトアセンブリ(150)の構成要素によって提供される場合がある様々な例示的な機能及び動作は、下記により詳細に説明される。上記に説明したシャフトアセンブリ(150)の構成要素によって提供されうる他の機能及び動作は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。同様に、シャフトアセンブリ(150)に組み込まれる場合がある他の特徴、構成要素、及び構成は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。
B.使い捨て式アセンブリの洗浄機能
器具(10)が外科手術で使用される際にシャフトアセンブリ(150)の1つ以上の構成要素が外科的破片の蓄積を経験する場合があることを当業者は認識するであろう。あくまで一例として、シャフトアセンブリ(150)の1つ以上の構成要素に、凝固した血液、組織の粒子、及び/又は他の種類の外科的破片の蓄積を経験する場合がある。したがって、場合によっては、シャフトアセンブリ(150)の1つ以上の構成要素を洗浄することが望ましい場合がある。あくまで一例として、器具(10)が外科手術で使用された後、シャフトアセンブリ(150)を別の外科手術で使用する前にシャフトアセンブリ(150)の1つ以上の構成要素を洗浄することが望ましい場合がある。これに加えるか又はこれに代えて、シャフトアセンブリ(150)の1つ以上の構成要素を外科手術の最中に洗浄することが望ましい場合がある。例えば、器具(10)を外科手術の第1の部分において使用した後、シャフトアセンブリ(150)の1つ以上の構成要素を外科手術の休止時間の間に洗浄し、その後、器具(10)を同じ外科手術の第2の部分(例えば同じ外科手術の第1の部分と同じ日でかつ同じ外科手術の第1の部分の直後)において再び使用してもよい。以下の説明は、外科手術の終了時又はその間にシャフトアセンブリ(150)の1つ以上の構成要素を洗浄するために採用してもよい様々な機能及び方法に関するものである。
図31~図35に最も良好に見られるように、洗浄ポート本体(151)が内側管(170)の外部の周囲に配置される。洗浄ポート本体(151)は、外側管(152)の遠位側面開口部を通じていずれも内側管(170)に対して横断方向に延びる、第1のポート(153)と、第2のポート(155)と、を含む。図33及び図35に最も良好に見られるように、第1のポート(153)は、内側管(170)の内径と導波管(192)の外径との間の隙間と流体連通している。図34~図35に最も良好に見られるように、第2のポート(155)は、外側管(152)の内径と内側管(170)の外径との間の隙間と流体連通している。やはり図34~図35に見られるように、内側管(170)の傾斜平坦面(174)が、第2のポートから外側管(152)の内径と内側管(170)の外径との間の隙間に流体を方向付ける。当然のことながら、ポート(153、155)は、互いに対して流体隔離されているため、第2のポート(155)は内側管(170)の内径と導波管(192)の外径との間の隙間と流体連通する経路を有しておらず、また、第1のポート(153)は外側管(152)の内径と内側管(170)の外径との間の隙間と流体連通する経路を有していない。
各ポート(153、155)は、対応する洗浄液源と連結されるように構成されている。例えば、ポート(153、155)は、ポート(153、155)と対応する洗浄液源との間の流体経路を提供するそれぞれの可撓性チューブを受容してもよい。これに加えるか又はこれに代えて、各ポート(153、155)は、ニップル、注射器に付随するフィッティング、又は洗浄液注入装置の他の機能部を受容してもよい。ポート(153、155)をそれぞれの洗浄液源と連結しうる他の適当な方法は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。
図19~図21を再び参照すると、本例のノブ(156)は、以下でより詳細に説明するように、ポート(153、155)を選択的に覆い、かつ露出させるように動作可能な摺動シールド(157)を含む。シールド(157)は、一体型の近位方向に延びる1対のアーム(159)を含む。アーム(159)の近位端は、モード駆動部材(141)の横タブ(147)に固定されている。したがって、モード駆動部材(141)がシャフトアセンブリの他の部分に対して長手方向に平行移動すると、アーム(159)及びシールド(157)はモード駆動部材(141)とともに平行移動する。
図36A~図41Dに示されるように、使い捨て式アセンブリ(100)は、動作モード(図36A、図38A、図39A、図40A、及び図41A)と、洗浄モード(図36B、図37、図38B、図39B、図40B、及び図41D)との間で移行するように構成される。これは、モード選択ノブ(130)をハウジングの半部(112、114)に対して遠位方向に駆動することによって実現される。したがって、当然のことながら、本例では、使い捨て式アセンブリ(100)が再利用式アセンブリ(200)から分離されているときだけ、使い捨て式アセンブリ(100)を動作モードから洗浄モードに移行することになる。一部の他の変例では、使い捨て式アセンブリ(100)は、再利用式アセンブリ(200)と連結されるときだけ、動作モードから洗浄モードに移行しうる。図36B、図37、図38B、図39B、図40B、及び図41Dに見られるように、使い捨て式アセンブリ(100)が洗浄モードになるとクランプアーム(182)は大きく超えた位置にまで枢動し、ブレード(190)が遠位位置に前進する。これに加えて、使い捨て式アセンブリ(100)が洗浄モードになると、シールド(157)が遠位方向に摺動してポート(153、155)が露出する。
図38A~図38Bに最も良好に見られるように、使い捨て式アセンブリ(100)を洗浄モードとするためにモード選択ノブ(130)が遠位方向に駆動されると、ハウジングの半部(114)のラッチ(116)がモード選択ノブ(130)の近位フランジ(132)と係合し、これによってモード選択ノブ(130)を遠位の洗浄モード位置に保持する。ラッチ(116)は、図38A~図38Bに示される位置となるように弾性的に付勢されている。本例では、再利用式アセンブリ(200)は、使い捨て式アセンブリ(100)が再利用式部分(200)の遠位凹部(208)内に挿入されている時にラッチ(116)を横方向外向きに駆動する機能を有している。このラッチ(116)の横方向外向きの撓みによってラッチ(116)はモード選択ノブ(130)の近位フランジ(132)を解放する。これが生じると、コイルばね(131)がモード選択ノブ(130)及び付随する構成要素を近位方向に駆動し、これによって使い捨て式アセンブリ(100)を動作モードに戻すように移行する。したがって、使い捨て式アセンブリ(100)を再利用式アセンブリ(200)と連結する行為によって、使い捨て式アセンブリ(100)を洗浄モードから動作モードに自動的に移行してもよい。あるいは、操作者は、ラッチ(116)を手動で横方向外向きに撓ませることによってモード選択ノブ(130)の近位フランジ(132)を解放することで、使い捨て式アセンブリ(100)を洗浄モードから動作モードに移行させてもよい。
シャフトアセンブリ(150)は、使い捨て式アセンブリ(100)が洗浄モードと動作モードとの間で移行する際にその封止状態が変化する様々な封止機能部を有している。具体的には、1つの封止機能部は、導波管(192)の外径と内側管(170)の内径との間に同軸に入れられる遠位封止部(193)を有する。本例では、遠位封止部(193)は弾性材料(例えばゴム、シリコーンなど)を含む。遠位封止部(193)は、導波管(192)を通じて伝達される超音波振動にともなう波節に対応する位置に位置付けられる。図7に示されるように、使い捨て式アセンブリ(100)が通常の動作モードにある場合、遠位封止部(193)は、導波管(192)の外径と内側管(170)の内径との間に規定される隙間を通じた流体の近位方向への流出を防止するように位置付けられる。図37に示されるように、使い捨て式アセンブリ(100)が洗浄モードにある場合、遠位封止部(193)は内側管(170)の遠位縁部を超えて位置付けられるため、遠位封止部(193)は、洗浄液が導波管(192)の外径と内側管(170)の内径との間に規定される隙間を通じて遠位方向に連通できるようにし、洗浄液は最終的には内側管(170)の遠位端から流出する。したがって、使い捨て式アセンブリ(100)が洗浄モードにある場合、操作者は、ポート(153)を通じて洗浄液を連通させることができ、かかる洗浄液は遠位方向に進んで、導波管(192)の外径と内側管(170)の内径との間に規定される隙間内に蓄積している場合がある凝固した血液及び/又は他の外科的破片を洗い流してもよい。
図40A~図40Bは、使い捨て式アセンブリ(100)が洗浄モードと動作モードとの間で移行する際にその封止状態が変化する追加的な封止機能部を示している。具体的には、近位封止部(195)が外側管(152)の内径と内側管(170)の外径との間に入れられる。本例では、近位封止部(195)は弾性材料(例えばゴム、シリコーンなど)を備える。近位封止部(195)は外側管(152)の内径に固定されているため、近位封止部(195)は内側管(170)に対して外側管(152)とともに長手方向に平行移動する。図40Aに示されるように、近位封止部(195)は、使い捨て式アセンブリ(100)が動作モードにある場合に内側管(170)の外径に対して封止する。上記に述べたように、器具(10)は、低侵襲性外科手術において使用されてもよい。一部のかかる手術では、器具はトロカールを介して患者の腹腔の中へと導入され、患者の腹腔に加圧空気を吹き込むことによって腹腔内の臓器などの可視性及び臓器などへのアクセスを向上させる。使い捨て式アセンブリ(100)が動作状態にある場合に近位封止部(195)が内側管(170)の外径に接して封止し、患者の吹き込まれた腹腔内にエンドエフェクタ(180)を導入するためにシャフトアセンブリ(150)がトロカールを通じて挿入された状態で、近位封止部(195)は外側管(152)の内径と内側管(170)の外径との間に規定された隙間を通して加圧空気が逃げることを防止する場合がある。同様に、遠位封止部(193)は、導波管(192)の外径と内側管(170)の内径との間に規定された隙間を通して加圧空気が逃げることを防止する場合がある。
使い捨て式アセンブリ(100)が図40Bに示されるような洗浄モードに移行すると、近位封止部(195)は内側管(170)の環状凹部(171)に対応する領域に位置付けられる。環状凹部(171)は、外側管(152)の内径と内側管(170)の外径との間に規定される隙間を通る遠位方向の洗浄液の連通を可能とする隙間を提供する。やはり図40A~図40Bに示されるように、ポート本体(151)の遠位端は、外側管(152)の環状凹部(161)と選択的に係合する環状フランジ(163)を含む。図40Aに示されるような通常の動作モードでは、環状フランジ(163)は環状凹部(161)から係脱される。しかしながら、図40Bに示されるような洗浄モードの間は、環状フランジ(163)は、環状凹部(161)と係合し、これによってすることにより流体封止を提供する。これにより、外側管(152)の内径と内側管(170)の外径との間に規定された隙間に洗浄液が連通する際に近位方向に洗浄液が逃げることが防止される。上記から当然のことながら、使い捨て式アセンブリ(100)が洗浄モードにある場合、操作者は、ポート(155)を通じて洗浄液を連通させることができ、かかる洗浄液が遠位方向に進んで、外側管(152)の内径と内側管(170)の外径との間に規定される隙間内に蓄積している場合がある凝固した血液及び/又は他の外科的破片を洗い流してもよい。
図41A~図41Dは、通常の動作モードから洗浄モードに移行する間のシャフトアセンブリ(150)の様々な構成要素間の相互作用を示したものである。具体的には、図41Aは、通常の動作モードにあるシャフトアセンブリ(150)を示している。図に示されるように、導波管(192)は、ピン(194)及び弾性アーム(181)を介して内側管(170)と連結されている。図41Bは、第1の遠位方向前進状態にあるモード選択ノブ(130)を示している。上記に述べたように、モード選択ノブ(130)は連結部材(140)を介してモード駆動部材(141)と連結されている。このため、モード選択ノブ(130)の第1の遠位方向前進状態までの遠位方向前進によって、モード駆動部材(141)も第1の遠位方向前進状態まで駆動される。この状態では、上部及び下部タブ(145)は、内側管(170)の弾性アーム(181)の外向きに広がった自由端部(185)と係合している。具体的には、上部及び下部タブ(145)は、アーム(181)が導波管(192)のピン(194)から係脱する点にまでアーム(181)の端部(185)を外向きに撓ませている。やはり図41Bに示されるように、外側管(152)の上部及び下部側面開口部(166)は、アーム(181)を外向きに撓ませてピン(194)を解放するためのクリアランスを提供する。
操作者がモード選択ノブ(130)を遠位方向に引き続き前進させるのにしたがって、モード駆動部材(141)の上部及び下部タブ(145)がピン(194)と係合し、これによって導波管(192)を図41Cに示されるように遠位方向に駆動する。上部及び下部タブ(145)がアーム(181)の端部(185)を通過すると、アーム(181)の弾性によってアーム(181)は内向きに戻るように駆動される。図41Bに示される状態から図41Cに示される状態までの移動の範囲の間、導波管(192)は内側管(170)に対して遠位方向に平行移動するが、外側管(152)は内側管(170)に対して遠位方向に平行移動しない。しかしながら、図41Cに示される状態に達すると、モード選択ノブ(130)の遠位縁部(138)は外側管(152)のフランジ(158)と係合する。このため、操作者が図41Cに示される状態から図41Dに示される状態へとモード選択ノブ(130)を遠位方向に引き続き前進させるのにしたがって、モード選択ノブ(130)は外側管(152)を内側管(170)に対して遠位方向に駆動する。内側管(170)に対する外側管(152)のこの遠位方向の運動によって、クランプアーム(182)が図6A及び図7に示される開位置から図36B及び図37に示される大きく超えた位置へと駆動される。クランプアーム(182)が大きく超えた位置となることで、ブレード(190)及び導波管(192)の隣接領域へのアクセスが容易となり、これによってブレード(190)及び導波管(192)の隣接領域の洗浄が容易となる。これも当然のことながら、ブレード(190)は図6A~図7に示される近位位置から図36B及び図37に示される遠位位置にまで移行しており、ブレード(190)のこのような遠位の位置付けによって、ブレード(190)及び導波管(192)の隣接領域へのアクセスも容易になる場合があり、これによってブレード(190)及び導波管(192)の隣接領域の洗浄が容易になる。
一部の変例では、内側管(170)は、その長さに沿って複数の環状凹部を含む。かかる凹部は凹部(171)と同様であってもよい。上記に述べたように、複数の環状封止部材(例えばOリングなど)は、導波管(192)の長さに沿った波節の位置に位置付けられてもよい。内側管(170)の長さに沿って離間された環状凹部は、導波管(192)の長さに沿って離間されたこれらの環状封止部材に対応してもよい。換言すれば、使い捨て式アセンブリ(100)が通常の動作モードにある場合、内側管(170)の環状凹部は、導波管(192)の長さに沿って環状封止部材を収容してもよい。場合によっては、導波管(192)の封止部材は、環状凹部において内側管(170)と接触してもよい。別のあくまで例示的な代替として、封止部材の外径と環状凹部の内径との間には公称の径方向クリアランス(例えば約0.05mm(0.002インチ)など)があってもよい。いずれの場合にも、使い捨て式アセンブリ(100)が洗浄モードに移行する際、内側管(170)に対する導波管(192)の遠位方向への進行によって、封止部材が環状凹部から実質的に離間し、これにより、生じた隙間が、ポート(153)から導波管(192)の外径と内側管(170)の内径との間の空間を通じて遠位方向に洗浄液を流すための実質的に障害のない流路を提供する。
C.使い捨て式アセンブリのトリガ機能
上記に述べたように、使い捨て式アセンブリ(100)の本体部分(110)は、トリガ(120)と、ボタン(126)と、を備える。図42に示されるように、ボタン(126)は、ボタン(126)がポスト(115)を中心として枢動するように動作可能になるように、ハウジングの半部(114)の一体型のポスト(115)に枢動可能に固定される。ボタン(126)は、アーム(128)のスロット(129)内に受容されるクロスバー(127)を含む。アーム(128)はハウジングの半部(114)内に摺動可能に位置付けられ、ハウジングの半部(114)の一体型のボス(117)によってハウジングの半部(114)内で案内される。ボタン(126)を非作動位置(図44A)から作動位置(図44C)へと枢動させるようにボタンが押し込まれると、クロスバー(127)がアーム(128)を近位方向に駆動する。以下でより詳細に説明するように、アーム(128)の近位端の近位方向への運動は再利用式アセンブリ(200)内で検出され、これによりブレード(190)が作動される。
やはり図42に示されるように、トリガ(120)は、トリガ(120)がピン(121)を中心として枢動するように動作可能になるように、一体型のピン(121)によってハウジングの半部(112、114)の間に枢動可能に固定される。トリガ(120)は更にヨーク(123)と連結される。具体的には、一体型のポスト(124)がヨーク(123)の対応するスロット(125)内に受容される。この配置により、ヨーク(123)は、図44A~図44Bに示されるようにトリガ(120)がハウジングの半部(112、114)に対して枢動する際にハウジングの半部(112、114)に対して長手方向に平行移動する。ヨーク(123)は、外側管(152)のフランジ(158)とリング(160)との間に捕捉される。これにより、ヨーク(123)は、ヨーク(123)がハウジングの半部(112、114)に対して平行移動する際に外側管(152)を本体(110)に対して平行移動するように駆動する。したがって、当然のことながら、トリガ(120)をハウジングの半部(112、114)に対して枢動させることにより、外側管(152)の本体(110)に対する長手方向の運動が生じ、これによりクランプアーム(182)がブレード(190)に近づく方向と、ブレード(190)から遠ざかる方向とに枢動される。復帰リング(118)が、ヨーク(123)、トリガ(120)、及び外側管(152)を遠位方向に弾性的に付勢し、これによってクランプアーム(182)を図6Aに示される通常の開位置へと弾性的に付勢する。上記に述べたように、トリガ(120)は、ハウジングの半部(112、114)から近位方向に突出した一体型のタブ(122)を含む。以下でより詳細に説明するように、トリガ(120)が枢動されると、これに対応したタブ(122)の運動が再利用式アセンブリ(200)内で検出される。
III.例示的な超音波外科用器具の再利用式アセンブリ
図45~図47は、再利用式アセンブリ(200)をより詳細に示す。上記に述べたように、再利用式アセンブリ(200)は、1対の相補的なハンドルハウジング(202)を備える。ハウジング(202)は一緒に、ピストルグリップ(204)と、上部窓(206)と、遠位凹部(208)と、を規定する。再利用式アセンブリ(200)は、1対の側面ボタン(220)も含む。側面ボタン(220)は、近位方向に延びるステム(222)を含む。側面ボタン(220)は、ハウジング(202)に対して内向きに作動するように動作可能である。側面ボタン(220)の内向きの作動により、ステム(222)の対応する運動が生じる。ステム(222)は再利用式アセンブリ(200)のセンサ領域(224)の中に位置付けられる。一部の変例では、ステム(222)は一体型の磁石を含み、またホール効果センサがセンサ領域(224)内に位置付けられる。ホール効果センサは、ステム(222)の磁石の運動によって引き起こされる磁場の変化を検出することによって側面ボタン(220)の作動を検出するように構成されている。一部の他の変例では、センサ領域(224)は、側面ボタン(220)の作動によって生じるステム(222)の運動によって作動される1つ以上のリードスイッチを含む。側面ボタン(220)の作動を検出するために使用することができる他の適当な構成要素及び技法は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。特定の変例では、側面ボタン(220)は、再利用式アセンブリ(200)に組み込まれる代わりに使い捨て式アセンブリ(100)に組み込まれる。
図46に示されるように、使い捨て式アセンブリ(100)の本体(110)が凹部(208)内に挿入されると、タブ(122)の近位端及びアーム(128)の近位端も再利用式アセンブリ(200)のセンサ領域(224)内に位置付けられる。これにより、図44A~44Bに示されるようにトリガ(120)が作動されると、センサ領域(224)内の1つ以上のセンサがかかるトリガ(120)の作動を検出しうる。同様に、図44B~図44Cに示されるようにボタン(126)が作動されると、センサ領域(224)内の1つ以上のセンサがかかるボタン(126)の作動を検出しうる。かかるセンサは、1つ以上のホール効果センサ、1つ以上のリードスイッチ、及び/又は他の任意の適当な種類のセンサを含んでもよい。トリガ(120)及びボタン(126)の作動を検出するために使用されてもよい他の様々な適当な構成要素及び技法は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。
センサが、トリガ(120)、ボタン(126)、又はボタン(220)の作動を検出した場合、かかる検出を発電器(230)に送信してもよい。発電器(230)は、トリガ(120)、ボタン(126)、又はボタン(220)の作動に応じて1つ以上の制御アルゴリズムを実行するように動作可能な制御論理(例えばマイクロプロセッサ、ASIC、及び/又は他のハードウェアなど)を含んでもよい。かかる制御アルゴリズムも、エンドエフェクタ(180)によって係合される組織のインピーダンスを含むがこれに限定されない、様々な他の条件の要素になる場合がある。あくまで一例として、発電器(230)は、少なくとも部分的にEthicon Endo-Surgery,Inc.(米国オハイオ州Cincinnati)により販売されているGEN300により構成されてもよい。これに加えるか又はこれに代えて、発電器(230)は、少なくとも部分的に、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年4月14日公開の「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」という名称の米国特許出願公開第2011/0087212号の教示により構築されてもよい。これも当然のことながら、発電器(230)の機能の少なくとも一部を、再利用式アセンブリ(200)から分離されるモジュールに組んでもよい。発電器(230)が取りうる更に他の適当な形態、並びに発電器(230)が提供しうる様々な機能及び動作性は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。
操作者は、ボタン(126、220)を作動させてトランスデューサアセンブリ(240)を選択的に作動させ、これにより超音波ブレード(190)を作動させることができる。本例のボタン(126、220)は、操作者が器具(10)を片手で容易かつ完全に操作しうるように位置付けられる。例えば、操作者は、自分の親指をピストルグリップ(204)の周囲に位置付け、中指、薬指、及び/又は小指をトリガ(120)の周囲に位置付け、人差し指を用いてボタン(126)を操作してもよい。操作者は、いずれかのボタン(220)を操作するために親指又は人差し指を用いてもよい。無論、他の任意の適当な技法を用いて器具(204)を把持及び操作してもよく、ボタン(126、220)を他の任意の適当な位置に配置してもよい。一部の変例では、ボタン(126)は低出力で超音波ブレード(190)を作動させ、ボタン(220)は高出力で超音波ブレード(190)を作動させる。他の一部の変例では、器具(10)は、ブレード(190)に超音波エネルギーを供給することに加えて、エンドエフェクタ(180)を介して組織にRFエネルギーを印加するように動作可能である。一部のかかる変例では、ボタン(220)は選択的にかかるRFエネルギーを印加するように動作可能である。あくまで一例として、ボタン(220)、ボタン(126)、発電器(230)、及び付随する構成要素は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年5月21日公開の「Ultrasonic Surgical Instrument with Electrosurgical Feature」という名称の米国特許出願公開第2015/0141981号の教示の少なくとも一部により動作可能であってもよい。
電池(205)は、ピストルグリップ(204)内に完全に収容されており、また本例において発電器(230)を駆動するのに充分な電力を提供するように構成されている。一部の変例では、電池(205)は再充電可能である。これに加えるか又はこれに代えて、ハウジング(202)は、電池(205)の取り出し/交換を可能とするように構成されてもよい。これに加えるか又はこれに代えて、再利用式部分(200)は電池(205)を再充電することを可能とする機能部(例えばケーブルポート、誘導結合コイルなど)を含んでもよい。かかる再充電は、器具(10)が外科手術で使用される前及び/又は使用された後で行われてもよい。更に別のあくまで例示的な一例として、再充電ポートは、操作者がケーブルを介して発電器(230)に動作出力を提供することを可能とするものであってもよい。かかる有線電源を使用して、発電器(230)に動作出力を提供する一方で、電池(205)を再充電してもよい。あくまで一例として、器具(10)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年7月24日公開の「Surgical Instrument with Selectable Integral or External Power Source」という名称の米国特許出願公開第2014/0207124号の教示の少なくとも一部による電池(205)を組み込むことができる。他の一部の変例では、発電器(230)はケーブルを介して又は他の何らかのやり方で電力を受け取るようにして、電池(205)全体を省略する。
発電器(230)がハウジング(202)内に固定的に固定されている一方で、トランスデューサアセンブリ(240)はハウジング(202)内で回転するように動作可能である。図48~図49に示されるように、発電器(230)は、トランスデューサアセンブリ(240)が発電器(230)からスピンドル(232)を介して電力を受け取るように、スピンドル(232)を介してトランスデューサアセンブリ(240)と連結される。スピンドル(232)は、発電器(230)内で回転可能である一方で、発電器(230)とトランスデューサアセンブリ(240)との間の電気的接続を維持するトランスデューサアセンブリ(240)の一体型の機能部である。当然のことながら、スピンドル(232)内の導線、トレース、及び/又は他の種類の導電路と発電器(230)内の電気的構成要素との間の電気的接続を維持するために、スリップリング及び/又は他の種類の連結を使用してもよい。様々な適当な機能及び関係が、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。
図49~図50に最も良好に見られるように、本例のトランスデューサアセンブリ(240)は、近位ケーシング(242)と、遠位ケーシング(244)と、マウント(246)と、ヘッド(248)と、ボルト(250)と、エンドマス(252)と、1組の圧電ディスク(254)と、ホーン(256)と、を備える。ケーシング(242、244)は一緒に螺着され、マウント(246)と、ヘッド(248)と、ボルト(250)と、エンドマス(252)と、圧電ディスク(254)と、を収容する。遠位ケーシング(244)は、環状フランジ(241)と、長手方向に延びるスプライン(243)の角度的に離間された配列を含む。マウント(246)は、ホーン(256)の外径と遠位ケーシング(244)の内径との間に入れられる。これにより、マウント(246)は、ケーシング(244)内のホーン(256)に構造的支持を提供する。ケーシング(242、244)の中身がケーシング(242、244)と一体的に回転するように、マウント(246)は、ホーン(256)及びケーシング(244)に固定的に固定される。それにもかかわらず、マウント(246)はケーシング(242、244)に対してケーシング(242、244)内の中身の音響的隔離を提供する。本例では、マウント(246)は、超音波トランスデューサアセンブリ(240)が作動される際にホーン(256)を通じて伝達される超音波振動にともなう波節に対応する長手方向の位置に位置付けられる。
ボルト(250)は、ホーン(256)とエンドマス(252)との間で圧電ディスク(254)を圧縮する。ヘッド(248)は、圧電ディスク(254)とスピンドル(232)との間に電気的連結を提供するように構成される。圧電ディスク(254)がスピンドル(232)及びヘッド(248)を介して発電器(230)から電力を受け取ると、圧電ディスク(254)は超音波で振動する。これらの超音波振動はホーン(256)に伝達される。ホーン(256)は、使い捨て式アセンブリ(100)が再利用式アセンブリ(200)と連結されている時、これらの超音波振動を導波管(192)に伝達する。かかる伝達を提供するため、ホーン(256)の遠位端は、導波管(192)の螺刻スタッド(196)が螺入されるように構成された螺刻凹部(258)を含む。以下でより詳細に説明するように、トルクレンチアセンブリ(260)は、螺刻スタッド(196)を適切な量のトルクを用いて螺刻凹部(258)の中へと回転駆動するように構成され、導波管(192)がホーン(256)に対して過剰なトルクを受ける状況を防止する。
図49~図51に示されるように、本例のトルクレンチアセンブリ(260)は、爪リング(270)と、駆動部材(280)と、を備える。図52~56は、爪リング(270)をより詳細に示す。この例の爪リング(270)は、外側環状フランジ(272)を備える。フランジ(272)は、ハウジング(202)に形成された相補的なボスレール(図に示されていない)を受容するように構成された切欠き部(273)を含む。この関係は、爪リング(270)がハウジング(202)内で回転することを防止するように、爪リング(270)に回転方向の支持を提供する。それにもかかわらず、ボスレールと切欠き部(273)との間の関係は、爪リング(270)がハウジング(202)内で長手方向に平行移動することができるようにする。本例の爪リング(270)は、第1の弾性アーム(274)と、第2の弾性アーム(278)と、を更に備える。弾性アーム(274)は爪(275)と、ラッチ(276)と、を含む。爪(275)は径方向内向きに向けられ、長手方向に延びている。ラッチ(276)は径方向内向きに向けられており、横断方向に延びる。弾性アーム(274)は図52~図56に示される位置となるように弾性的に付勢されている。しかしながら、以下でより詳細に説明するように弾性アーム(274)は外向きに撓むように動作可能である。第2の弾性アーム(278)もまた、径方向内向きに向けられ、長手方向に延びる爪(279)を含む。弾性アーム(278)は図52~図56に示される位置となるように弾性的に付勢されている。しかしながら、以下でより詳細に説明するように、弾性アーム(278)は外向きに撓むように動作可能である。爪リング(270)は上方に延びるタブ(261)も有している。図8、図45~図47、図60A~図61C、及び図63~図64に示されるように、以下でより詳細に説明するように操作者がタブ(261)を係合させて爪リング(270)を長手方向に摺動させてもよいように、タブ(261)はハウジング(202)の上部窓(206)内に位置付けられる。
図57~図59は、駆動部材(280)を更に詳細に示したものである。この例の駆動部材(280)は、角度的に離間した長手方向に延びるスプライン(282)の配列と、近位外側環状フランジ(284)と、中間フランジ(285)と、ラッチングフランジ(286)と、角度的に離間した剛性爪(288)の配列と、を備える。駆動部材(280)は、一体型のボス(212)がフランジ(284、285)の間に捕捉されるように、ハウジング(202)内に位置付けられる。これにより、一体型のボス(212)は駆動部材(280)がハウジング(202)に対して平行移動することを防止する。しかしながら、一体型のボス(212)は、駆動部材(280)がハウジング(202)に対して回転することは可能とする。爪(288)は、径方向外向きに向けられ、長手方向に延びる。駆動部材(280)のスプライン(282)は、トランスデューサアセンブリ(240)の遠位ケーシング(244)のスプライン(242)と噛み合うように構成されている。この係合のため、駆動部材(280)はトランスデューサアセンブリ(240)と一体的に回転する。しかしながら、この係合は、トランスデューサアセンブリ(240)が駆動部材(280)に対して長手方向に平行移動することはなおも可能とする。駆動部材(280)の爪(288)は、以下でより詳細に説明するように、導波管(190)とホーン(256)とが連結される際、爪リング(270)の爪(275、279)と相互作用するように構成されている。
図8及び図47に示されるように、コイルばね(262)が、ハウジング(202)の一体型のボス(216)とケーシング(244)のフランジ(241)との間に入れられる。コイルばね(262)は、トランスデューサアセンブリ(240)をハウジング(202)内で遠位方向に押すように弾性的に付勢されている。しかしながら、一体型のボス(214)は、ケーシング(244)のフランジ(241)と係合してハウジング(202)内でのトランスデューサアセンブリ(240)の遠位方向への運動を制限するように構成されている。同様に、やはり図8及び図47に示されるように、コイルばね(264)が、ハウジング(202)の一体型のボス(212)と爪リング(270)のフランジ(272)との間に入れられている。これにより、コイルばね(264)は、爪リング(270)をハウジング(202)内で遠位方向に押す。しかしながら、一体型のボス(210)は、爪リング(270)のフランジ(272)と係合してハウジング(202)内での爪リング(270)の遠位方向への運動を制限するように構成されている。当然のことながら、分かりやすさのため、本開示の様々な図においてコイルばね(262、264)の一方又は両方が意図的に省略されている。
IV.音響ドライブトレインの結合
図60A~図64は、本例において、トルクレンチアセンブリ(260)が導波管(192)とホーン(256)とを機械的及び音響的に連結するためにどのように動作するかを示したものである。具体的には、図60A及び図61Aは、使い捨て式アセンブリ(100)を受容できる状態のモードにある再利用式アセンブリ(200)を示す。このモードでは、爪リング(270)は、ハウジング(202)の上部窓(206)内でタブ(261)の近位の位置付けによって示されるように、ハウジング(202)内で近位方向に位置付けられている。操作者が使い捨て式アセンブリ(100)を再利用式アセンブリ(200)と連結しようとする場合、操作者はまず、図60B及び図61Bに示すように、本体(110)の近位端を再利用式アセンブリ(200)の遠位凹部(208)内に挿入する。この段階で、導波管(192)の螺刻スタッド(196)は、ホーン(256)の螺刻凹部(258)と長手方向に整列し、ホーン(256)の遠位端と接触する。凹部(258)の中へとスタッド(196)を螺入するには、操作者は片方の手で再利用式アセンブリ(200)を把持し、もう片方の手でノブ(156)を把持し、次にノブ(156)を再利用式アセンブリ(200)に対して回転させることにより、シャフトアセンブリ(150)を再利用式アセンブリ(200)に対して、シャフトアセンブリ(150)の長手方向軸を中心として回転させる。
図62A~図62Fは、スタッド(196)を凹部(258)内に螺入するためにシャフトアセンブリ(150)を再利用式アセンブリ(200)に対して回転する間に生じる主要な相互作用を示す。上記に述べたように、トランスデューサアセンブリ(240)及び駆動部材(280)がハウジング(202)内で回転可能であるのに対して、爪リング(270)はハウジング(202)内で回転できない。やはり上記に述べたように、トランスデューサアセンブリ(240)及び爪リング(270)がハウジング(202)内で平行移動可能であるのに対して、駆動部材(280)はハウジング(202)内で平行移動できない。図62Aは、駆動部材(280)の爪(288)のいずれも、爪リング(270)の爪(275、279)のどちらとも接触していない状態にあるトルクレンチアセンブリ(260)を示す。このため、操作者が第1の運動範囲にわたりシャフトアセンブリ(150)を回転させる際(例えば、使い捨て式アセンブリ(100)上で近位方向に支承している間)、摩擦がこの回転をトランスデューサアセンブリ(240)及び駆動部材(280)に伝達してもよい。これにより、トランスデューサアセンブリ(240)及び駆動部材(280)を図62Bに示す位置に回転してもよい。この状態では、駆動部材(280)の爪(288)は、爪リング(270)の爪(279)と接触している。これにより、爪(288、279)が協働してトランスデューサアセンブリ(240)及び駆動部材(280)の回転支持を提供する。換言すれば、この段階で、トランスデューサアセンブリ(240)及び駆動部材(280)は、ハウジング(202)に対して回転支持される。駆動部材(280)のこのような回転支持は、スプライン(243、282)の噛合によってトランスデューサアセンブリ(240)に提供される。
爪(288、279)が協働して駆動部材(280)及びトランスデューサアセンブリ(240)に回転支持を与えている間に、操作者が第2の運動範囲にわたりシャフトアセンブリ(150)を引き続き回転させると、スタッド(196)は凹部(258)の中へと螺入される。具体的には、導波管(192)がハウジング(202)に対して長手方向に静止している間に、トランスデューサアセンブリ(240)がハウジング(202)の中へと遠位方向に前進することでスタッド(196)の凹部(258)の中への駆動を可能とする。上記に述べたように、コイルばね(262)がトランスデューサアセンブリ(240)を遠位方向に弾性的に付勢することが、ハウジング(202)内でのトランスデューサアセンブリ(240)のこの遠位方向の前進を促進する。スプライン(243、282)の構成は、トランスデューサアセンブリ(240)と駆動部材(280)との回転連結を維持したまま、トランスデューサアセンブリ(240)を駆動部材(280)に対して長手方向に平行移動することを更に可能とする。
スタッド(196)の凹部(258)内への挿入がある一定の程度に達すると、導波管(192)とホーン(256)との間の嵌合がきつくなり始め、爪(279)と係合した爪(288)を通してかかるトルクが増大する。これにより、図62Cに示されるように、弾性アーム(278)は最終的に径方向外向きに撓む。爪(288、279)は、導波管(192)とホーン(256)との連結がある一定のトルクレベルに達すると、かかる弾性アーム(278)の撓みを提供するように協働する相補的なカム面を含む。操作者がシャフトアセンブリ(150)を回転し続けると、爪(288)は最終的に爪(279)をかわし、その時点でアーム(278)の弾性によって爪(279)は図62Dに示されるように再び径方向内向きに駆動される。爪(279)のこの動作は、スナップ/クリック音、並びに/又は再利用式アセンブリ(200)を把持する手及び/若しくはノブ(156)を把持する手によって感じられる場合があるスナップ/クリック触覚を生じてもよい。これにより、操作者に、導波管(192)とホーン(256)との連結が所望のトルクレベルに達しつつあることが知らされる。
操作者がシャフトアセンブリ(150)を回転させ続けると、駆動部材(280)の同じ爪(288)が爪リング(270)の爪(275)とぶつかる。再び爪(288、275)間のカム動作によって、爪(288)は図62Eに示すように弾性アーム(274)を径方向外向きに撓ませる。操作者がシャフトアセンブリ(150)を引き続き回転させ続けると、爪(288)は最終的に爪(275)をかわし、その時点でアーム(274)の弾性によって爪(275)は図62Fに示されるように径方向内向きに戻るように駆動される。この爪(275)の動作は、スナップ/クリック音、並びに/又は再利用式アセンブリ(200)を把持する手及び/若しくはノブ(156)を把持する手によって感じられる場合があるスナップ/クリック触覚を生じてもよい。これにより、操作者に、導波管(192)とホーン(256)との連結が所望のトルクレベルに達したことが知らされる。換言すれば、操作者には、2回のスナップ/クリック音及び/又はスナップ/クリック触覚の組によって知らせが行われる。無論、トルクレンチアセンブリ(260)を、あるいは、導波管(192)とホーン(256)との連結が所望のトルクレベルに達したことを操作者に知らせるために他の任意の適当な数のスナップ/クリック音及び/又はスナップ/クリック触覚を提供するように構成してもよい。
図63は、連結プロセスが図62Eに示される段階に達した際に生じる別の状態を示す。上記に述べたように、この段階では、爪(288、275)の間のカム動作によって弾性アーム(274)が径方向外向きに撓ませられている。この撓みの結果、図63に示されるように、爪リング(270)のラッチ(276)が駆動部材(280)のラッチングフランジ(286)をかわすように位置付けられる。ラッチ(276)がラッチングフランジ(286)から外れると、コイルばね(264)が爪リング(270)を図60C及び図61Cに示される位置へと遠位方向に駆動する。当然のことながら、分かりやすさのため、コイルばね(264)は、図60C、図61C、及び図63から意図的に省略されている。これも当然のことながら、図60A~図60B、図61A~図61B、及び図62A~図62Dに示される段階では、ラッチ(276)とラッチングフランジ(286)とが協働して、コイルばね(264)によって与えられる遠位方向への付勢にもかかわらず、ハウジング(202)内での爪リング(270)の長手方向の位置を維持する。
爪リング(270)が図60C及び図61Cに示される遠位位置にある場合、タブ(261)も上部窓(206)内の遠位位置にある。このため、聴覚的/触覚的クリック/スナップに加えて(又はそれに代えて)、操作者は、上部窓(206)内でタブ(261)の長手方向の位置を観察して、導波管(192)がホーン(256)と所望のトルクレベルで連結されているか否かを判定してもよい。
爪リング(270)がやはり図60C及び図61Cに示される遠位位置にある場合、爪(275、279)は、爪(288)がそれに沿って延びる長手方向の範囲の遠位にある、長手方向の範囲に沿って延びる。換言すると、図60C及び図61Cに示される段階に達した後で操作者がシャフトアセンブリ(150)を回転する場合、爪(288)は爪(275、279)と係合しない。このため、操作者は、外科手術の間にノブ(156)を自由に使用してエンドエフェクタ(180)をシャフトアセンブリ(150)の長手方向軸を中心として配向し直すことができる。当然のことながら、上記から、シャフトアセンブリ(150)を回転させてエンドエフェクタ(180)をシャフトアセンブリ(150)の長手方向軸を中心として配向し直すために使用されるのと同じノブ(156)を使用して、シャフトアセンブリ(150)を回転させて導波管(192)をホーン(256)に螺着してもよい。これも当然のことながら、上記から、導波管(192)とホーン(256)との螺着を提供するために必要な回転支持は、再利用式アセンブリ(200)のハウジング(202)内に完全に組み込まれ、かつ収容される。換言すれば、操作者は、ノブ(156)を回転させて導波管(192)をホーン(256)に螺着する間、別の方法で回転可能な機能部を把持してその機能部を静止状態に保持する必要がない。
外科手術が終了した後、又は外科手術の間であっても、(例えば、上記に説明したように、シャフトアセンブリ(150)の1つ以上の部分を洗浄するために)、使い捨て式アセンブリ(100)を再利用式アセンブリ(200)から取り外すことが望ましい場合がある。これを実現するためには、操作者は、図64に示されるように、上部窓(206)内で近位方向にタブ(261)を摺動させてもよい。ラッチ(275)とラッチングフランジ(286)との相補的なカム機能により、結果として生じる爪リング(270)の近位方向への運動はラッチ(275)を外向きに撓ませた後、定位置に跳ね戻らせてフランジ(286)と再係合させる。これにより、爪リング(270)は近位位置に保持される。爪リング(270)がこの近位位置に戻ると、爪(288)は、爪(275)と係合するように再び長手方向に位置付けられる。具体的には、爪(288)は、図62Fに示されるのと同様の様式で最終的に爪(275)と係合する。このため、操作者がシャフトアセンブリ(150)を再利用式アセンブリ(200)に対して反時計回りに回転させる場合、爪(275)はトランスデューサアセンブリ(240)に対して回転支持を提供する。更に、弾性アーム(274)は、操作者がスタッド(196)を凹部(258)からねじって外すためにシャフトアセンブリ(150)を反時計回りに回転させる際に外向きに撓まない。スタッド(196)が凹部(258)からねじって外されると、操作者は使い捨て式アセンブリ(100)を再利用式アセンブリ(200)から引き抜いてもよい。その後、同じ使い捨て式アセンブリ(100)又は別の使い捨て式アセンブリ(100)を、上記に説明したのと同じプロセスを用いて再利用式アセンブリ(200)と再連結してもよい。
V.作動されたポートカバーを有する例示的な代替の超音波外科用器具
図65~図66は、例示的な代替の超音波外科用器具(300)を示す。この例の器具(300)は、下記に別途説明する点以外は、上記に説明した器具(10)と実質的に同一である。例えば、上記に説明した器具(10)と同様、本例の器具(300)は、使い捨て式アセンブリ(400)と再利用式アセンブリ(500)とを備える。再利用式アセンブリ(500)の遠位部分は、図65~図66に見られるように、使い捨て式アセンブリ(400)の近位部分を着脱可能に受容することで、器具(300)を形成するように構成されている。以下の説明が器具(300)の様々な詳細を省略されている範囲で、当然のことながら、器具(300)は、器具(10)に関して上記に説明した様々な詳細を組み込む。あるいは、他の適当な詳細は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。
A.例示的な代替の超音波外科用器具の使い捨て式アセンブリ
図67~図73は、使い捨て式アセンブリ(400)をより詳細に示したものである。本例の使い捨て式アセンブリ(400)は、本体部分(410)と、本体部分(410)から遠位方向に延びるシャフトアセンブリ(450)と、シャフトアセンブリ(450)の遠位端に配置されたエンドエフェクタ(480)と、を備える。本体部分(410)は、1対のハウジングの半部(412、414)を備える。図68に最も良好に見られるように、ハウジングの半部(412、414)は、以下でより詳細に説明するように、上部開口部(416)を一緒に規定する。図69~図70に最も良好に見られるように、ハウジングの半部(414)はカムランプ(418)も規定する。当然のことながら、ハウジングの半部(412)も、ハウジングの半部(414)のカムランプ(418)と対応する同様のカムランプを規定する場合がある。カムランプ(418)については、下記により詳細に説明する。
図71~図73は、本例のシャフトアセンブリ(450)の中へと組み込まれた連結アセンブリ(420)を示す。連結アセンブリ(420)は、上側部材(422)と、下側部材(424)と、を含む。図73に最も良好に見られるように、部材(422、424)は環状凹部(425)を一緒に規定する。環状凹部(425)は、シャフトアセンブリ(456)のノブ(456)の対応する環状フランジ(427)を受容するように構成される。これにより、連結アセンブリ(420)はノブ(456)と一体的に平行移動する。しかしながら、ノブ(456)はこの例では連結アセンブリ(420)に対して自由に回転する。上側部材(422)は、近位方向に延びるアーム(426)を含む。アーム(426)は、以下でより詳細に説明するように一体型のラッチング機能部(428)を有する。アーム(426)は、図72~図73に示される上向きの位置付けとなるように弾性的に付勢されている。しかしながら、本体(410)内での連結アセンブリ(420)の長手方向の位置に応じて、カムランプ(418)がアーム(426)上に下向きに支承されることでアーム(426)をその自然位置から下向きに撓ませる。本体(410)内における連結アセンブリ(420)の長手方向の運動については、下記により詳細に説明する。
使い捨て式アセンブリ(400)のもう一つの構成要素は、上記に説明した使い捨て式アセンブリ(100)の対応する構成要素と実質的に同じものである。
B.例示的な代替の超音波外科用器具の再利用式アセンブリ
図74~図78は、再利用式アセンブリ(500)をより詳細に示す。この例の再利用式アセンブリ(500)は、電池(505)と、発電器(530)と、超音波トランスデューサアセンブリ(540)と、トルクレンチアセンブリ(560)と、を備える。トルクレンチアセンブリ(560)はシャフトアセンブリ(450)の導波管をトランスデューサアセンブリ(540)の超音波トランスデューサホーン(556)と連結するために動作可能である。本例のトルクレンチアセンブリ(560)は、他の構成要素の中でもとりわけ、爪リング(570)を備える。駆動部材(580)を含むこれらの他の構成要素は、上記に説明したトルクレンチアセンブリ(260)の対応する構成要素と実質的に同じものである。
図75~図78は、爪リング(570)をより詳細に示す。本例の爪リング(570)は、環状フランジ(572)と、第1の弾性アーム(574)と、第2の弾性アーム(578)と、を備える。弾性アーム(574)は爪(575)とラッチ(576)とを備える。爪(575)は径方向内向きに向けられており、長手方向に延びる。ラッチ(576)は径方向内向きに向けられており、横断方向に延びる。弾性アーム(574)は図75~図78に示される位置となるように弾性的に付勢されている。しかしながら、以下でより詳細に説明するように、弾性アーム(574)は外向きに撓むように動作可能である。第2の弾性アーム(578)もまた、径方向内向きに向けられ、長手方向に延びる爪(579)を含む。弾性アーム(578)は図75~図78に示す位置となるように弾性的に付勢されている。しかしながら、以下でより詳細に説明するように、弾性アーム(578)は外向きに撓むように動作可能である。爪リング(570)は遠位方向に突出するラッチ(571)も含む。
C.代替の使い捨て式アセンブリと代替の再利用式アセンブリとの連結
図79A~図80Dは、本例において、トルクレンチアセンブリ(560)がシャフトアセンブリ(450)の導波管とホーン(556)とを機械的及び音響的に連結するためにどのように動作するかを示す。具体的には、図79A及び図80Aは、再利用式アセンブリ(500)が使い捨て式アセンブリ(400)を受容できる状態のモードになっている、再利用式アセンブリ(500)を示す。このモードでは、爪リング(570)は、ハウジング(502)の近位に位置付けられる。操作者が使い捨て式アセンブリ(400)を再利用式アセンブリ(500)と連結しようとする場合、操作者はまず、図79B及び図80Bに示されるように、本体(410)の近位端を再利用式アセンブリ(500)の遠位凹部(508)の中へと挿入する。この段階で、シャフトアセンブリ(450)の導波管の螺刻スタッドがホーン(556)の螺刻凹部と長手方向に整列し、ホーン(556)の遠位端と接触する。操作者が本体(410)の近位端を再利用式アセンブリ(500)の遠位凹部(508)の中へと挿入すると、爪リング(570)のラッチ(571)が本体(410)の上部開口部(416)に入る。
次に操作者は、図79C及び図80Cに示されるようにノブ(456)を近位方向に引く。これにより、ノブ(456)及び連結アセンブリ(420)がシャフトアセンブリ(450)の他の構成要素に対して近位方向に駆動される。連結アセンブリ(420)のこの近位方向への運動の結果、アーム(426)のラッチング機能部(428)が爪リング(570)のラッチ(571)に噛み合う。アーム(426)の上向きの付勢が、ノブ(456)及び連結アセンブリ(420)がハウジング(502)に対して近位の位置にある場合に、ラッチング機能部(428)とラッチ(571)との間の係合を維持する。この後、導波管をホーン(556)と螺合するには、操作者は片方の手で再利用式アセンブリ(500)を把持し、かつもう片方の手でノブ(456)を把持し、次にノブ(456)を再利用式アセンブリ(500)に対して回転して、シャフトアセンブリ(450)を再利用式アセンブリ(500)に対して、シャフトアセンブリ(550)の長手方向軸を中心として回転させる。トルクレンチアセンブリ(260)に関して上記に説明したように、この例のトルクレンチアセンブリ(560)は、シャフトアセンブリ(450)が回転される際にトランスデューサアセンブリ(540)に対して回転支持を提供する。このプロセスの間に、駆動部材(580)の爪は、最終的に爪リング(570)の爪(579)と係合し、次に更に爪リング(570)の爪(575)と係合し、導波管とホーン(556)との間の適切なトルクレベルにともなう2回のスナップ/クリックを提供する。この相互作用は、図62A~図62Fを参照して上記に説明したものと実質的に同じものであってもよい。したがって、当然のことながら、爪リング(570)のラッチ(576)は、駆動部材(580)のラッチフランジ(586)との係合から最終的に外れて駆動される。ラッチ(576)がラッチフランジ(586)を係脱すると、図79D及び図80Dに示されるように、コイルばね(564)が爪リング(570)をハウジング(502)内で遠位方向に駆動する。
図79D及び図80Dに示されるように、爪リング(570)が遠位位置にある場合、爪(575、579)は駆動部材(580)の爪と係合しないように長手方向に位置付けられる。したがって、シャフトアセンブリ(450)とトランスデューサアセンブリ(540)との組み合わせは、ユニットとして、ハウジング(502)に対して自由に回転することができる。図79A及び図80Dでも見ることができるように、爪リング(570)が遠位方向に移動すると、ラッチ(571)がカムランプ(418)と係合して上方に押される。具体的には、カムランプ(418)は、ラッチ(571)をアーム(426)のラッチング機能部(428)から係脱する。これにより、ハウジング(502)に対して、爪リング(570)を遠位方向にそれ以上前進させることなく、ノブ(450)を遠位方向に前進させることができる。当然のことながら、器具(300)は、図79D及び図80Dに示される段階に達した後、外科手術で使用できる状態となる。これにより、操作者は、外科手術の間にエンドエフェクタ(480)をシャフトアセンブリ(450)の長手方向軸を中心として配向し直すために、ノブ(456)を自由に使用してもよい。
当然のことながら、上記から、シャフトアセンブリ(450)を回転させてエンドエフェクタ(480)をシャフトアセンブリ(450)の長手方向軸を中心として配向し直すために使用されるのと同じノブ(456)を使用して、シャフトアセンブリ(450)を回転させて導波管をホーン(556)に螺着してもよい。これも当然のことながら、上記から、導波管とホーン(556)との螺着を提供するために必要な回転支持は、再利用式アセンブリ(500)のハウジング(502)内に完全に組み込まれ、かつ収容される。換言すれば、操作者は、ノブ(456)を回転させて導波管をホーン(556)に螺着する間、別の方法で回転可能な機能部を把持してその機能部を静止状態に保持する必要がない。
外科手術が終了した後、又は外科手術の間であっても、(例えば上記に説明したようにシャフトアセンブリ(450)の1つ以上の部分を洗浄するために)使い捨て式アセンブリ(400)を再利用式アセンブリ(500)から取り外すことが望ましい場合がある。これを実現するためには、操作者はハウジング(502)に対してノブ(456)を再び近位方向に摺動させてもよい。ノブ(456)をハウジング(502)に対して近位方向に摺動させることにより、連結アセンブリ(420)がハウジング(502)に対して近位方向に摺動する。連結アセンブリ(420)がハウジング(502)に対して近位方向に摺動すると、アーム(426)は爪リング(570)と係合して爪リングをハウジング(502)に対して近位方向に駆動する。ラッチ(576)とラッチングフランジ(586)との相補的なカム機能により、爪リング(570)の近位方向への運動はラッチ(576)を外向きに撓ませた後、定位置に跳ね戻らせてフランジ(586)と再係合させる。これにより、爪リング(570)は近位位置に保持される。爪リング(570)がこの近位位置に戻ると、駆動部材(280)の爪は爪(575)と係合するように再び長手方向に位置付けられる。具体的には、駆動部材(280)の爪は、図62Fに示されるのと同様の様式で最終的に爪(575)と係合する。このため、操作者がシャフトアセンブリ(450)を再利用式アセンブリ(500)に対して反時計回りに回転させる場合、爪(575)はトランスデューサアセンブリ(540)に対して回転支持を提供する。更に、弾性アーム(574)は、操作者が導波管をホーン(556)からねじって外すためにシャフトアセンブリ(450)を反時計回りに回転させる際に外向きに撓まない。導波管がホーン(556)からねじって外されると、操作者は使い捨て式アセンブリ(400)を再利用式アセンブリ(500)から引き抜いてもよい。その後、同じ使い捨て式アセンブリ(400)又は別の使い捨て式アセンブリ(400)を、上記に説明したのと同じプロセスを用いて再利用式アセンブリ(500)と再連結してもよい。
VI.使用インジケータを有する例示的な使い捨て式アセンブリ
場合によっては、使い捨て式アセンブリ(100、400)が使用されたか否か及び/又は何回使用されたかを示す何らかの形の視覚的表示を提供することが望ましい場合がある。操作者はこのような表示を観察して、その使い捨て式アセンブリ(100、400)をそれ以上使用するべきではなく、したがって使い捨て式アセンブリ(100、400)を交換すべきであると判定してもよい。あくまで一例として、使用インジケータは、既に行われた使用の回数、残りの使用の回数、及び/又は使い捨て式アセンブリ(100、400)の寿命の終わりを示すように構成されてもよい。使用インジケータは、一時的なものでも永久的なものでもよい。
図81は、使い捨て式アセンブリ(100)の代わりに器具(10)に容易に組み込まれる場合がある例示的な代替の使い捨て式アセンブリ(600)を示す。この例の使い捨て式アセンブリ(600)は、上記に説明した使い捨て式アセンブリ(100)と実質的に同じものである。例えば、使い捨て式アセンブリ(600)は、それぞれトリガ(120)、モード選択ノブ(130)、及びシャフトアセンブリ(150)と同じである、枢動可能なトリガ(620)と、モード選択ノブ(630)と、シャフトアセンブリ(650)と、を含む。しかしながら、使い捨て式アセンブリ(100)と異なり、この例の使い捨て式アセンブリ(600)は、使用インジケータ(670)を更に含む。この例の使用インジケータ(670)は、個別の視覚的インジケータ(672)の直線的に配置された配列を備える。あくまで一例として、使用インジケータ(670)は、使い捨て式アセンブリ(600)が1回目に使用されたときに第1の視覚的インジケータ(672)が作動し、使い捨て式アセンブリ(600)が2回目に使用されたときに第2の視覚的インジケータ(672)が作動する、といった要領で構成されてもよい。したがって、作動していない視覚的インジケータ(672)は、利用可能な残りの使用の回数を示している。すべての視覚的インジケータ(672)が作動している場合、これは、使い捨て式アセンブリ(600)がその寿命の最後に達したことを示し、使い捨て式アセンブリ(600)を廃棄するべきである(操作者が器具(10)を使用し続けることを望む場合、新しい使い捨て式アセンブリ(600)と交換する)ことを示している。
視覚的インジケータ(672)は、使い捨て式アセンブリ(600)内に配置された電池(例えば、コイン電池又はボタン電池など)、使い捨て式アセンブリ(600)内に配置された蓄電されたコンデンサ、使い捨て式アセンブリ(600)と再利用式アセンブリ(200、500)との間の電気的コネクタ、及び/又は他の任意の適当な場所における他の任意の適当な電源の使用しによって電力供給してもよい。使い捨て式アセンブリ(600)と再利用式アセンブリ(200、500)との間に電気的コネクタが提供される変例では、電気的コネクタは、適当な使用基準を満たしていることに基づいて、器具が組み立てられている間、再利用式アセンブリ(200、500)から使い捨て式アセンブリ(600)へと電圧及び電流を伝送してもよい。視覚的インジケータ(672)は、下記に述べるように、使い捨て式アセンブリ(600)が再利用式アセンブリ(200、500)から取り外された場合にのみ目に見える表面上に配置されてもよい。器具(10)の使用に応じて視覚的インジケータ(672)を順次点灯するために使用インジケータ(670)の中へと組み込まれてもよい様々な適当な電気的構成要素は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。
視覚的インジケータ(672)は、直線状の配列で配置されているものとして示されているが、当然のことながら、他の任意の適当な配置を使用してもよい。同様に、視覚的インジケータ(672)は、使い捨て式アセンブリ(600)の横側面に位置付けられているものとして示されるが、視覚的インジケータ(672)は代替として使い捨て式アセンブリ(600)上の他の任意の適当な場所に位置付けられてもよい。一部の変例では、視覚的インジケータ(672)は、使い捨て式アセンブリ(600)が再利用式アセンブリ(200)と連結された場合に目に見える。一部他の変例では、視覚的インジケータ(672)は使い捨て式アセンブリ(600)が再利用式アセンブリ(200)と連結されているときには隠れているため、視覚的インジケータ(672)は使い捨て式アセンブリ(600)が再利用式アセンブリ(200)から分離されたときにだけ目に見える。
図82は、使い捨て式アセンブリ(100)の代わりに器具(10)の中へと容易に組み込まれうる別の例示的な代替の使い捨て式アセンブリ(700)を示す。この例の使い捨て式アセンブリ(700)は、上記に説明した使い捨て式アセンブリ(100)と実質的に同じものである。例えば、使い捨て式アセンブリ(700)は、それぞれトリガ(120)、モード選択ノブ(130)、及びシャフトアセンブリ(150)と同じである、枢動可能なトリガ(720)と、モード選択ノブ(730)と、シャフトアセンブリ(750)と、を含む。しかしながら、使い捨て式アセンブリ(100)と異なり、この例の使い捨て式アセンブリ(700)は、使用インジケータ(770)を更に含む。この例の使用インジケータ(770)は、使い捨て式アセンブリ(700)の寿命の終わりに達した時点で作動される単一のインジケータを備える。一部の変例では、使用インジケータ(770)は、LED又は他の光源を備える。本例では、使用インジケータ(770)は、1つ以上のサーモクロミック材料(772)を含む。サーモクロミック材料(772)は、温度の上昇に対応して外観が変化するように構成されている。例えば、使い捨て式アセンブリ(700)が使用される前には、サーモクロミック材料(772)は黒くてもよく、使い捨て式アセンブリ(700)が使用された後に赤又は特定の他の色に変化してもよい。サーモクロミック材料(772)を形成するために使用してもよい様々な適当な種類の材料及び材料の組み合わせが、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。これも当然のことながら、上記に説明した視覚的インジケータ(672)は、サーモクロミック材料を含んでもよい。
一部の変例では、サーモクロミック材料(772)は、使い捨て式アセンブリ(700)を組み込んだ器具(10)を使用する間に電気的に作動される使い捨て式アセンブリ(700)の1つ以上の機能部と連結される。例えば、使い捨て式アセンブリ(700)を組み込んだ器具(10)を使用する間に使い捨て式アセンブリ(700)内の構成要素の電気的作動に対応して熱を発生するために抵抗器を使用してもよい。使い捨て式アセンブリ(700)を組み込んだ器具(10)の使用によってサーモクロミック材料(772)を加熱しうる他の適当な方法が、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。これも当然のことながら、サーモクロミック材料(772)の一部の変例は、使い捨て式アセンブリ(700)が使用される前のレベルまで温度が下がった後でも変化した色を維持するように構成される場合がある。例えば、使い捨て式アセンブリ(700)が使用される前、サーモクロミック材料(772)は黒くてもよい。使い捨て式アセンブリ(700)の使用に対応してサーモクロミック材料(772)が加熱されると、サーモクロミック材料(772)は赤く(又は何らかの他の色に)変化する。使い捨て式アセンブリ(700)が使用され、サーモクロミック材料(772)が使い捨て式アセンブリ(700)が使用される前と同じ温度にまで冷めた後、サーモクロミック材料(772)の色は赤(又は使用を示す何らかの他の色)のままであってもよい。
あくまで一例として、サーモクロミック材料(772)は、LCR Hallcrest(米国イリノイ州Glenview)によるサーモクロミック材料を含んでもよい。サーモクロミック材料(772)が取ってもよい他の適当な形態、並びにサーモクロミック材料(772)を使い捨て式アセンブリ(700)の中へと組み込んでもよい様々な他のやり方が、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。
サーモクロミック材料(772)を使用することに加えて、又はそれに代えて、使用インジケータ(770)は、エレクトロクロミック材料の露出部分を組み込んでもよい。かかるエレクトロクロミック材料は、印加された電圧及び/又は電流に対応して色が変化する場合がある。かかるエレクトロクロミック材料は、使い捨て式アセンブリ(700)を組み込んだ器具(10)の使用の間に電気的に作動される使い捨て式アセンブリ(700)の1つ以上の機能部と連結されてもよい。使い捨て式アセンブリ(700)の使用を視覚的に表示するためにエレクトロクロミック材料を使い捨て式アセンブリ(700)に組み込みうる様々な適当なやり方が、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。あくまで一例として、エレクトロクロミック材料は、Chameleon Optics,Inc.(米国ペンシルバニア州Bethlehem)によるエレクトロクロミックインクを含んでもよい。エレクトロクロミック材料が取ってもよい他の適当な形態、並びにエレクトロクロミック材料を使い捨て式アセンブリ(700)に組んでもよい様々な他のやり方が、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。
サーモクロミック材料(772)及び/若しくはエレクトロクロミック材料を使用することに加えて、又はそれに代えて、使用インジケータ(770)は、UV活性化インク、ヒューズアセンブリ、及び/又は使い捨て式アセンブリ(700)が使用されたことの視覚的表示を提供しうる様々な他の種類の機能部を組み込んでもよい。
使い捨て式アセンブリ(600、700)はどちらも使い捨て式アセンブリ(100)の代替物として説明されているが、当然のことながら、使い捨て式アセンブリ(400)は使い捨て式アセンブリ(600、700)に従って改変されてもよい。換言すれば、使い捨て式アセンブリ(600、700)は、再利用式アセンブリ(500)と連結するようにそれぞれ構成されてもよい。更に、本明細書で説明された使用インジケータ(670、770)は、電気外科用器具、他の超音波外科用器具、外科用ステープル及び切断装置(例えば、エンドカッタなど)、ロボット外科用器具などを含むがこれらに限定されない、様々な他の種類の外科用器具に容易に組み込まれうる。使用インジケータ(670、770)を組み込んでもよい様々な適当な種類の器具が、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。
VII.着脱可能な音響導波管を有する例示的な代替の超音波外科用器具
図83は、例示的な代替の超音波外科用器具(800)を示す。この例の器具(800)は、下記に別途説明する点以外は、上記に説明した器具(10)と実質的に同一である。例えば、上記に説明した器具(10)と同様、本例の器具(800)は、使い捨て式アセンブリ(1000)と、再利用式アセンブリ(900)と、を備える。再利用式アセンブリ(900)の遠位部分は、使い捨て式アセンブリ(1000)の近位部分を着脱可能に受容するように構成されている。以下の説明において器具(800)の様々な詳細が省略されている範囲で、当然のことながら、器具(800)は、器具(10)に関して上記に説明した様々な詳細を組み込む場合がある。あるいは、他の適当な詳細は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。
一使用例では、外科手術に先立ってアセンブリ(900、1000)を一緒に連結して器具(800)を構成し、組み立てられた器具(800)を使用して外科手術を行い、そしてその後、更なる処理を行うためにアセンブリ(900、1000)は互いから分離される。場合によっては、外科手術が終了した後、使い捨て式アセンブリ(1000)は直ちに廃棄されるのに対して、再利用式アセンブリ(900)は再利用のために滅菌されるか、又は別の方法で処理される。あくまで一例として、再利用式アセンブリ(900)は、従来の比較的低温で比較的低圧の過酸化水素による滅菌処理で滅菌されてもよい。あるいは、再利用式アセンブリ(900)は、他の任意の適当なシステム及び技法(例えば、オートクレーブなど)を用いて滅菌されてもよい。一部の変例では、再利用式アセンブリ(900)は約100回にわたって滅菌して再利用してもよい。あるいは、再利用式アセンブリ(900)は、他の任意の適当な使用寿命の対象としてもよい。例えば、再利用式アセンブリ(900)は、必要に応じて1回の使用後に廃棄してもよい。本明細書では、使い捨て式アセンブリ(1000)は「使い捨て式」と呼ばれているものの、当然のことながら、場合によっては、使い捨て式アセンブリ(1000)はまた、再利用するために滅菌され、かつ別の方法で処理されてもよい。あくまで一例として、使い捨て式アセンブリ(1000)は、任意の適当なシステム及び技法を用いて約2~30回にわたって滅菌して再利用されてもよい。あるいは、使い捨て式アセンブリ(1000)は、他の任意の適当な使用寿命の対象としてもよい。これも当然のことながら、上記に説明したように、使い捨て式アセンブリ(1000)及び/又は再利用式アセンブリ(900)は、対応するアセンブリ(900、1000)の使用を追跡し、対応するアセンブリ(900、1000)の動作可能性を使用に基づいて選択的に制限するような、動作が可能な1つ以上の機能部を含む。
A.例示的な代替の超音波外科用器具の再利用式アセンブリ
図84~図86は、再利用式アセンブリ(900)をより詳細に示す。この例の再利用式アセンブリ(900)は、以下に述べる相違点を除けば再利用式アセンブリ(200)と実質的に同一である。再利用式アセンブリ(900)は、一緒にピストルグリップ(904)を規定する1対のハウジング(902)を備える。図86に示されるように、再利用式アセンブリ(900)は、トランスデューサアセンブリ(940)と、トルクレンチアセンブリ(960)と、を備える。トランスデューサアセンブリ(940)は、トランスデューサアセンブリ(240)とまったく同様に構成され、動作可能である。しかしながら、トランスデューサアセンブリ(240)とは異なり、この例のトランスデューサアセンブリ(940)は、ハウジング(902)の近位端を通じて受容される電源ケーブル(図に示されていない)と連結されるように構成されたポート(942)を備える。このようにしてトランスデューサアセンブリ(940)は器具(800)の外部の電源から電力を受け取るため、再利用式アセンブリ(900)は発電器(230)及び電池(205)を有していない。しかしながら、一部の代替の変例では、再利用式アセンブリ(900)は一体型の発電器(230)と電池(205)とを含んでもよい。
再利用式アセンブリ(900)と再利用式アセンブリ(200)との別の相違点は、この例の再利用式アセンブリ(900)はボタン(220)を有していない点である。その代わり、下記に説明するようにボタン(1004)が使い捨て式アセンブリ(1000)の中へと組み込まれている。しかしながら、再利用式アセンブリ(900)は、使い捨て式アセンブリ(1000)のボタン(1002、1004)に付随する対応する嵌合機能部(1012、1014)と嵌合するように構成された嵌合機能部(910、912)を含む。これにより、嵌合機能部(910、912)は、ユーザ入力に基づいた適当な出力レベルでトランスデューサアセンブリ(940)を作動するためにボタン(1002、1004)を通じて受信されるユーザ入力を処理するための経路を提供する。嵌合機能部(910、912)を通じて受信されるユーザ入力信号を経路設定し、かつこれを処理しうる様々な適当な方法が、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。
トルクレンチアセンブリ(960)は、トルクレンチアセンブリ(260)とまったく同様に構成され、かつ動作可能である。具体的には、トルクレンチアセンブリ(960)は、トランスデューサアセンブリ(940)のホーン(956)と音響導波管(1092)の螺刻スタッド(1096)とがトルクの適当なレベルで確実に連結されるように構成される。しかしながら、この例のトルクレンチアセンブリ(960)は、トルクレンチアセンブリ(260)の爪リング(270)とはわずかに異なる構成を有する爪リング(970)を有している。図87~図88に最も良好に見られるように、この例の爪リング(970)は、爪リング(270)の爪(275、279)とまったく同様に構成され、動作可能な1組の爪(975、979)を含む。この例の爪リング(970)は、ラッチ(276)とまったく同様に構成され、動作可能なラッチ(976)も含む。
これに加えて、爪リング(970)はタブ(261)と類似したタブ(961)を含む。図85に示されるように、タブ(961)はハウジング(902)によって規定された窓(908)を通じてアクセス可能である。タブ(961)は、図64を参照して上記に説明したように爪リング(970)をタブ(961)を介して長手方向に手動で摺動させるために、操作者によって容易に操作されるように構成されたスライダ(906)と連結されている。具体的には、操作者が再利用式アセンブリ(900)から使い捨て式アセンブリ(1000)を分離しようとする場合、操作者はスライダ(906)をハウジング(902)に沿って近位方向に動かすことによって爪リング(970)を近位方向に摺動させてもよい。これは、トランスデューサアセンブリ(940)をハウジング(902)に対して回転的に固定する場合があり、操作者は導波管(1092)の螺刻スタッド(1096)をトランスデューサアセンブリ(940)のホーン(956)からねじって外すことができる。
この例の爪リング(970)と上記に説明した爪リング(270)との主な構造的な違いは、爪リング(970)が、回転安定性を与えるためにフランジ(272)に切欠き部(273)を有する代わりに回転安定性を与える1組のロッド通路(972)を含んでいる点である。本例では、爪リング(970)は4個のロッド通路(972)を有しているが、当然のことながら、爪リング(970)は代わりに他の任意の適当な数のロッド通路(972)を有してもよい。図86に示されるように、各ロッド通路(972)は、ロッド(920)を摺動可能に受容するように構成されている。ロッド(920)は、ハウジング(902)内に固定的に固定される。ロッド(920)とロッド通路(972)とは、爪リング(970)がハウジング(902)内で長手方向に摺動することを可能とする一方で、爪リング(970)がハウジング(902)内で回転することを防止するように構成されている。かかる機能性を提供するために使用されてもよい様々な他の適当な構造的機能は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。
B.例示的な代替の超音波外科用器具の使い捨て式アセンブリ
図89~図90Bは、使い捨て式アセンブリ(1000)をより詳細に示す。この例の使い捨て式アセンブリ(100)は、上記に述べたような1組のボタン(1002、1004)と、1対のハウジング(1006)と、ノブアセンブリ(1010)と、トリガ(1020)と、シャフトアセンブリ(1050)と、エンドエフェクタ(1080)と、を備える。ボタン(1002、1004)は、上記に述べたようにトランスデューサアセンブリ(940)を選択的に作動するように動作可能である。1個の側面ボタン(1004)のみが示されているが、当然のことながら、使い捨て式アセンブリ(1000)の隠れている側面に別の側面ボタン(1004)を含んでもよい。ハウジング(1006)は、図83に示されるように、再利用式アセンブリ(1000)のハウジング(902)と嵌合して器具(800)の完全なアセンブリを形成するように構成されている。ノブアセンブリ(1010)は、シャフトアセンブリ(1050)及びエンドエフェクタ(1080)をシャフトアセンブリ(1050)の長手方向軸を中心として回転するように構成される。トリガ(1020)は、以下でより詳細に説明するようにエンドエフェクタ(1080)のクランプアーム(1082)を作動させるように動作可能である。シャフトアセンブリ(1050)は、やはり下記により詳細に説明するように、超音波振動及び長手方向のクランプアーム(1082)の駆動力を伝達するように動作可能な複数の同軸に配置された構成要素を備える。
エンドエフェクタ(1080)は、クランプアーム(1082)と、超音波ブレード(1090)と、を備える。クランプアーム(1082)は、開位置(図90A)から閉位置(図90B)へと枢動するように動作可能である。かかる枢動運動は、シャフトアセンブリ(1050)の内側管(1070)とシャフトアセンブリ(1050)の外側管(1052)との相対的な長手方向の運動によって実現される。具体的には、クランプアーム(1082)の1つの部分が内側管(1070)の遠位端と枢動可能に連結される。クランプアーム(1082)の別の部分が外側管(1052)の遠位端と枢動可能に連結される。かかる連結は、上記に説明した、図4~7に示されるクランプアーム(182)、内側管(1070)、及び外側管(152)の間の連結と同じであってもよい。このため、内側管(1070)が静止した状態で外側管(1052)が長手方向に平行移動されると、クランプアーム(1082)はブレード(1090)に近づく方向とブレード(1090)から遠ざかる方向とに枢動する。これにより、エンドエフェクタ(1080)は、クランプアーム(1082)が開位置にある場合にクランプアーム(1082)とブレード(1090)との間に組織を受容し、クランプアーム(1082)が閉位置に駆動されるとクランプアーム(1082)とブレード(1090)との間に組織を挟むことができる。この例のブレード(1090)は、上記に説明したブレード(1090)とまったく同様に構成され、動作可能であるため、ブレード(1090)は、超音波振動数で振動し、これにより上記に説明したようにクランプアーム(1082)とブレード(1090)との間に挟まれた組織を切断するように動作可能である。クランプアーム(1082)を作動するために使用してもよい例示的な機能部については、以下により詳細に説明する。
1.使い捨て式アセンブリの作動構成要素
本例では、トリガ(1020)は、トリガ(1020)をピストルグリップ(904)に近づく方向と遠ざかる方向とに枢動することによってクランプアーム(1082)を作動するように動作可能である。具体的には、トリガ(1020)は、第1の位置(図91A及び図93A)と第2の位置(図91B及び図93B)との間で枢動可能である。トリガ(1020)が第1の位置にある場合、クランプアーム(1082)は開位置(図90A)にある。トリガ(1020)が第2の位置にある場合、クランプアーム(1082)は閉位置(図90B)にある。図91A~図93Bは、トリガ(1020)をクランプアーム(1082)と連結する作動構成要素を示している。具体的には、トリガ(1020)は、ヨーク(1100)、連結アセンブリ(1110)、及び外側管(1052)を介してクランプアーム(1082)と連結される。図93A~図93Bに最も良好に見られるように、トリガ(1020)は、第1のアーム(1022)と、第2のアーム(1024)と、第3のアーム(1026)と、を備える。第1のアーム(1022)は、ピン(1021)を介してハウジング(1006)と枢動可能に連結されている。これにより、トリガ(1020)はピン(1021)によって規定される軸を中心として枢動する。第2のアーム(1024)は、ピン(1023)を介してリンク(1028)と枢動可能に連結されている。第3のアーム(1026)は、使い捨て式アセンブリ(1000)から近位方向に突出している。トリガ(120)のタブ(122)に関して上記に説明したように、再利用式アセンブリ(900)は、第3のアーム(1026)の運動を検出し、それによりトリガ(1020)の作動を検出するように動作可能なセンサ及び/又は他の機能部を含んでもよい。
図92に最も良好に見られるように、ヨーク(1100)はフォーク部材(1102)を備える。フォーク部材(1102)は、連結アセンブリ(1110)の1組のフランジ(1112)と連結されるように構成されているため、ヨーク(1100)の長手方向の平行移動が連結アセンブリ(1110)の長手方向の平行移動を提供する。連結アセンブリ(1110)は、以下でより詳細に説明するように外側管(1052)の近位端に固定されるため、連結アセンブリ(1110)の長手方向の平行移動が外側管(1052)の長手方向の平行移動を提供し、クランプアーム(1082)を作動させる。ヨーク(1100)は、長尺スロット(1104)、第1のピン開口部(1106)、及び1組の第2のピン開口部(1108)を規定する。図91A~図91Bに最も良好に見られるように、ピン(1007)は、長尺スロット(1104)内に摺動可能に配置される。ピン(1007)がヨーク(1100)を摺動可能に支持するように、ピン(1007)は、ハウジング(1006)内に固定的に固定される。ピン(1008)はピン開口部(1106)内に固定される。ピン(1008)はハウジング(1006)に形成される長尺通路内に摺動可能に受容され、ピン(1008)はヨーク(1100)も摺動可能にする。ヨーク(1100)はピン(1029)を介してリンク(1028)と連結され、ピン(1029)は第2のピン開口部(1108)内に配置される。リンク(1028)は、ピン(1029)の軸を中心としてヨーク(1100)に対して枢動可能である。
図93A~図93Bに最も良好に見られるように、トリガ(1020)が近位方向に枢動されると、第2のアーム(1024)がピン(1023)を上向きに駆動する。このピン(1023)の上向きの運動が、リンク(1028)をピン(1023、1029)の両方を中心として枢動させ、更にリンク(1028)はピン(1029)を近位方向に駆動させる。図91A~図91Bへの移行に最も良好に見られるように、ピン(1029)のこのような近位方向への運動によってヨーク(1100)が近位方向に引っ張られる。このヨーク(1100)の近位方向への運動は、連結アセンブリ(1110)を近位方向に動かす。この連結アセンブリ(1110)の近位方向への運動は、外側管(1052)を近位方向に動かす。外側管(1052)が近位方向に動く際に内側管(1070)は静止したままなので、外側管(1052)の近位方向への運動によってクランプアーム(1082)は開位置から閉位置へと駆動される。クランプアーム(1082)を開位置に戻すには、トリガ(1020)は図91A及び図93Aに示される位置に戻るよう遠位方向へと単純に枢動すればよく、これにより上記の動作の逆が行われることになる。無論、クランプアーム(1082)を作動させために他の任意の適当な構成要素及び動作順序を用いててもよい。
2.使い捨て式アセンブリのシャフトアセンブリ構成要素
図94~図108は、シャフトアセンブリ(1050)の様々な構成要素を示す。具体的には、図94~図95は、シャフトアセンブリ(1050)が、外側管(1052)と、内側管(1070)と、音響導波管(1092)と、導波管案内部材(1200)と、ヨーク連結アセンブリ(1110)と、内側管連結部材アセンブリ(1150)と、コイルばね(1190)と、洗浄ポート本体(1300)と、ノブアセンブリ(1010)と、をどのように備えているかを示す。これらの構成要素は、すべて互いに同軸に整列されている。これらの構成要素のそれぞれについて以下により詳細に説明する。
図96は、ヨーク連結アセンブリ(1110)をより詳細に示す。この例のヨーク連結アセンブリ(1110)は、フランジアセンブリ(1111)と、管連結部材(1120)と、1組の波形ばね(1140)と、ナット(1142)と、ワッシャ(1144)と、を備える。フランジアセンブリ(1111)は、上記に説明したようにヨーク(1100)のフォーク部材(1102)と連結される1組のフランジ(1112)を備える。図96~98に示されるように、管連結部材(1120)は、遠位端にフランジ部分(1126)を、近位端に螺刻部分(1124)を有する長尺円筒状本体(1122)を備える。本体(1122)は、1対の長尺弾性アーム(1128)も規定する。それぞれの弾性アーム(1128)の遠位端は長尺タブ(1130)を含む。突起(1131)は各長尺タブ(1130)の近位端から内向きに延びている。本体(1122)の遠位端は、1対の長尺切欠き部(1132)を更に含む。切欠き部(1132)は、アーム(1128)から90°の角度だけずれている。
図99~図101に最も良好に見られるように、管連結部材(1120)は、外側管(1052)の近位取り付け部分(2000)と連結されるように構成されている。近位取り付け部分(2000)は、遠位横開口部(2002)と、近位横開口部の第1のペア(2004)と、近位横開口部の第2のペア(2006)と、長尺横ピン開口部(2008と、を含む。開口部(2006)は、開口部(2004)から90°の角度だけずれている。開口部(2008)は開口部(2002)から180°だけずれている。管連結部材(1120)は、近位取り付け部分(2000)の近位端に被せて管連結部材(1120)を遠位方向に摺動させることによって近位取り付け部分(2000)と連結されてもよい。これが完了すると、アーム(1128)は最初に外向きに変形した後、長尺タブ(1130)が開口部(2004)に達した時点で元の位置に跳ねて戻る。開口部(2004)は、管連結部材(1120)と近位取り付け部分(2000)とが長手方向及び回転方向に一緒に固定されるように、長尺タブ(1130)の全長を受容するサイズに構成される。管連結部材(1120)が近位取り付け部分(2000)に固定された状態で、開口部(2002、2006、2008)は露出したままであり、切欠き部(1132)は長手方向及び回転方向で開口部(2006)と整列する。
管連結部材(1120)が近位取り付け部分(2000)に固定されると、フランジアセンブリ(1111)及び波形ばね(1140)は本体(1122)に摺動して被され、次にナット(1142)を螺刻部分(1124)に固定して、フランジアセンブリ(1111)及び波形ばね(1140)をナット(1142)とフランジ部分(1126)との間に捕捉する。ワッシャ(1144)が突起(1131)に当接するまで本体(1122)の内部へとワッシャ(1144)を挿入する。この組み立てられたヨーク連結アセンブリ(1110)は、内側管(1070)及び内側管連結部材アセンブリ(1150)を受容するようなサイズに構成される。内側管(1070)及び内側管連結部材アセンブリ(1150)をヨーク連結アセンブリ(1110)の中へと挿入する前に、コイルばね(1190)を本体(1122)の中へと挿入する。ワッシャ(1144)は、コイルばね(1190)の遠位端に対する遠位支承面を提供するサイズに構成され、突起(1131)はワッシャ(1144)に対する遠位支承面を提供する。コイルばね(1190)の近位端は、以下でより詳細に説明するように、コイルばね(1190)がヨーク連結アセンブリ(1110)と内側管連結部材アセンブリ(1150)との間の係合を提供するように、内側管連結部材アセンブリ(1150)と係合するように構成される。
図102~図103は、内側管連結部材アセンブリ(1150)をより詳細に示す。内側管連結部材アセンブリ(1150)は、内側管(1070)の近位取り付け部分(2010)に係合される。近位取り付け部分(2010)は、1組の近位方向に突出した弾性アーム(2012)を含む。アーム(2012)は上記に説明したアーム(181)と同様に構成されるので、これらの構造的な詳細をここでは繰り返さない。アーム(2012)は、以下でより詳細に説明するように、導波管(1092)のピン(1094)を係合するように構成される。
内側管連結部材アセンブリ(1150)は、円筒状本体(1160)と、近位フランジ部材(1170)と、遠位偏向部材(1180)と、を備える。円筒状本体(1160)は、横開口部(1162)の第1のペア及び横開口部(1164)の第2のペアを規定する。開口部(1164)は、開口部(1162)から90°の角度だけずれている。開口部(1162)は、導波管(1092)のピン(1094)及び内側管(1070)の近位取り付け部分(2010)のアーム(2012)と対応するように構成される。開口部(1164)は、外側管(1052)の近位取り付け部分(2000)の開口部(2006)と角度方向及び長手方向で対応するように位置付けられる。開口部(1164)は、以下でより詳細に説明するように遠位偏向部材(1180)のラッチタブ(1188)を受容するようなサイズにも構成されている。
本例では、フランジ部材(1170)は本体(1160)の近位端にスナップ嵌めにより固定されるが、当然のことながら、フランジ部材(1170)を本体(1160)に固定するために任意の適当な構造及び技法を用いてもよい。フランジ部材(1170)は、円筒状部分(1172)と、フランジ部分(1174)と、を備える。図91A~図91B、図93A~図93B、及び図94に示されるように、フランジ部分(1174)は弾性ラッチ(1009)と係合する。ラッチ(1009)はハウジング(1006)に固定され、かつ使い捨て式アセンブリ(1000)が動作モードにある場合にフランジ部分(1174)に対する近位支持を提供するように構成される。しかしながら、以下でより詳細に説明するように、使い捨て式アセンブリ(1000)が洗浄モードに変換される場合、ラッチ(1009)はフランジ部分(1174)から係脱され、フランジ部材(1170)及び内側管連結部材アセンブリ(1150)の残りの部分を近位方向に移動することができる。図94に最も良好に見られるように、円筒状部分(1172)の遠位縁部は、コイルばね(1190)の近位端と係合するように構成されている。当然のことながら、トリガ(1020)が作動されてクランプアーム(1082)が閉じられると、ヨーク連結アセンブリ(1110)が近位方向に移動し、この近位方向への移動によってコイルばね(1190)が円筒状部分(1172)の遠位縁部に対して圧縮される。したがって、フランジ部材(1170)は近位方向の機械的支持を提供し、これによりコイルばね(1190)がヨーク連結アセンブリ(1110)に遠位方向の付勢を付与する。換言すれば、コイルばね(1190)とフランジ部材(1170)とは協働してクランプアーム(1082)を開位置へと付勢する。
図104は、偏向部材(1180)をより詳細に示す。偏向部材(1180)は、上部隆起部及び下部隆起部(1182)と、1対の弾性アーム(1184)と、を備える。各弾性アーム(1184)の近位端は、内向きに向けられたラッチタブ(1188)と、外向きに向けられた案内タブ(1186)とを含む。上記に述べたように、ラッチタブ(1188)は、本体(1160)の開口部(1164)内に配置され、偏向部材(1180)をスナップ嵌めの様式で本体(1160)に固定する。案内タブ(1186)は、外側管(1052)の近位取り付け部分(2000)の開口部(2006)内への摺動可能な受容のためのサイズに構成され、かつこの受容のために位置付けられる。案内タブ(1186)及び開口部(2006)は、内側管連結部材アセンブリ(1150)が外側管(1052)の近位取り付け部分(2000)に対して長手方向に摺動できるようなサイズに構成されかつこのように摺動できるように構成される。しかしながら、開口部(2006)内への案内タブ(1186)の位置付けは、近位取り付け部分(2000)と内側管連結部材アセンブリ(1150)との同時回転を提供する。換言すれば、管(1052、1070)は、案内タブ(1186)が開口部(2006)内に位置付けられていることに一部起因して一緒に回転するが、外側管(1052)は、開口部(2006)内への案内タブ(1186)の位置付けにもかかわらず内側管(1070)に対して長手方向になお平行移動する場合がある。使い捨て式アセンブリ(1000)が動作モードにある場合、アーム(2012)は、隆起部(1182)を効果的に乗り越えて導波管(1092)のピン(1094)に係合するように構成されている点にも留意されたい。
図105~図107に最も良好に見られるように、本例の導波管案内部材(1200)は、通路(1204)の一方の側に複数のカム面(1212、1214、1216、1218、1220、1222)を、また通路(1204)の他方の側に別の複数のカム面(1242、1244、1246、1248)を有する中空長尺本体(1202)を備える。本体(1202)はまた、本体(1202)の遠位端の近くに横開口部(1270)も規定する。カム面(1212、1242)は、本体(1202)の近位端の点(1250)において収束している。カム面(1222、1248)は、本体(1202)の遠位端の終端面(1260)において収束している。
カム面(1212)は、螺旋状経路に沿って第1の角度方向に延び、カム面(1214)へとつながる。カム面(1214)は、真っ直ぐな長手方向の経路に沿って延び、カム面(1216)へとつながる。カム面(1216)は、螺旋状経路に沿って第1の角度方向に延び、カム面(1218)へとつながる。カム面(1218)は、真っ直ぐな長手方向の経路に沿って延び、カム面(1220)へとつながる。カム面(1220)は、螺旋状経路に沿って第2の角度方向に延び、カム面(1222)へとつながる。カム面(1222)は、真っ直ぐな長手方向の経路に沿って延び、終端面(1260)へとつながる。
カム面(1242)は、螺旋状経路に沿って第2の角度方向に延び、カム面(1244)へとつながる。カム面(1244)は、真っ直ぐな長手方向の経路に沿って延び、カム面(1246)へとつながる。カム面(1246)は、螺旋状経路に沿って第2の角度方向に延び、カム面(1248)へとつながる。カム面(1248)は、真っ直ぐな長手方向の経路に沿って延び、終端面(1260)へとつながる。以下でより詳細に説明するように、カム面(1212、1214、1216、1218、1220、1222、1242、1244、1246、1248)は、協働して導波管(1092)を案内し、これにより、導波管(1092)が本体(1202)を通して挿入される際に導波管(1092)を適切な角度配向に配向する。
図108に最も良好に見られるように、本例の導波管(1092)は、弾性フェンダ(1093)と、ピン(1094)と、螺刻スタッド(1096)と、横方向に延びる案内ポスト(1099)と、を備える。ブレード(1090)は、導波管(1092)の遠位端に配置される。図94に示されるように、フェンダ(1093)は、導波管(1092)の外径と内側管(1070)の内径との間に同軸に入れられる。本例では、フェンダ(1093)は弾性材料(例えばゴム、シリコーンなど)を含み、導波管(1092)を通じて伝達される超音波振動にともなう波節に対応する位置に配置される。当然のことながら、導波管(1092)の長さに沿った波節の位置に複数のフェンダ(1093)を配置してもよい。かかるフェンダ(1093)は、導波管(1092)に横方向の支持及び/又は間隔を提供しててもよい。
図108を再び参照すると、ピン(1094)は1組のクリップ(1097)によって導波管(1092)に固定される。クリップ(1097)は、導波管(1092)を貫通して形成された対応する横断ボア内でピン(1094)を確実に中心合わせし、ピン(1094)をそのボア内に固定及び支持し、音響的な隔離を導波管(1092)とピン(1094)とに提供するように構成される。無論、クリップ(1097)に加えて、又はクリップ(1097)に代えて他の任意の適当な構造又は機能部を使用してもよい。一部の変例では、弾性外側スリーブはスリーブ(1094)の周囲に配置され、かつ/又は弾性部材はクリップ(1097)の周囲に位置付けられる。かかる弾性スリーブ及び/又は部材は、導波管(1092)に対して、ピン(1094)及び/又はクリップ(1097)に更なる音響的な隔離を提供してもよい。
上記に述べたように、スタッド(1096)は、導波管(1092)をトランスデューサアセンブリ(940)のホーン(956)と機械的及び音響的に連結するように構成される。以下でより詳細に説明するように、案内ポスト(1099)は、導波管案内部材(1200)のカム面(1212、1214、1216、1218、1220、1222、1242、1244、1246、1248)と相互作用することで、導波管(1092)が本体(1202)を通して挿入される際に導波管(1092)を案内し、それにより導波管(1092)を適切な角度方向に配向するように構成される。
再び図94~図95を参照すると、本例のノブアセンブリ(1010)は、1対のハウジング(1012)と、ハウジング(1012)と枢動可能に連結されたフタ(1014)と、を備える。ハウジング(1012)は一緒に固定され、以下でより詳細に説明するように、これによりシャフトアセンブリ(1050)の近位部分及び洗浄ポート本体(1300)を包囲する。ハウジング(1012)はまた、ピン(1240)を受容するように構成された凹部(1018)も規定する。図94~図95に示されるように、ピン(1240)は、同時に一緒に回転するシャフトアセンブリ(1050)の構成要素を連結するためにシャフトアセンブリ(1050)の中へと組み込まれる。具体的には、ピン(1240)は、導波管案内部材(1200)の開口部(1270)内、内側管(1070)の近位取り付け部分(2010)の対応する横開口部(図に示されていない)内、外側管(1052)の近位取り付け部分(2000)の開口部(2008)内、及びハウジング(1012)の凹部(1018)内に固定される。ピン(1240)は、導波管(1092)とはまったく接触しない。
ピン(1240)、開口部(1270)、近位取り付け部分(2010)の対応する横開口部、及び凹部(1018)の組み合わせは、すべて円形の断面を有しているため、ピン(1240)は、導波管案内部材(1200)、内側管(1070)、及びハウジング(1012)間の長手方向の固定を提供する。しかしながら、開口部(2008)は長尺状であるため、ピン(1240)は、外側管(1052)がピン(1240)によって一緒に長手方向に固定された構成要素に対して長手方向に平行移動することは妨げない。それにもかかわらず、ピン(1240)は、導波管案内部材(1200)、内側管(1070)、外側管(1052)、及びノブアセンブリ(1010)の同時回転を提供する。導波管(1092)は、下記に説明するように、ポスト(199)が導波管案内部材(1200)と係合すること、及び上記に説明したようにピン(1094)にアーム(2012)が係合することによってこれらの構成要素と同時に回転する。これにより、操作者は、ノブアセンブリ(1010)を把持してハウジング(1006)に対して回転させ、これによりシャフトアセンブリ(1050)及びエンドエフェクタ(1080)をハウジング(1006)に対して回転させることができる。
3.使い捨て式アセンブリの例示的な洗浄モード
上記に述べたように、使い捨て式アセンブリ(1000)、特にシャフトアセンブリ(1050)の内側部分は、ときどき洗浄することが望ましい場合がある。このプロセスの一環として、導波管(1092)を使い捨て式アセンブリ(1000)から取り出すことが望ましい場合がある。導波管(1092)を取り出すことで、導波管(1092)の洗浄及び内側管(1070)の内部の洗浄が容易となる場合がある。図109~図114は、導波管(1092)の取り出しを含む洗浄モードにある使い捨て式アセンブリ(1000)を示す。示されるように、使い捨て式アセンブリ(1000)が洗浄モードにある場合、フタ(1014)は開位置にあり、内側管連結部材アセンブリ(1150)が近位位置になるようにフランジ部分(1174)はラッチ(1009)から係脱され、導波管(1092)はシャフトアセンブリ(1052)から取り出される。当然のことながら、器具(800)が外科手術で使用された後、操作者は使い捨て式アセンブリ(1000)を洗浄モードに移行させることを望む場合がある。これも当然のことながら、使い捨て式アセンブリ(1000)を洗浄モードに移行させる前に、操作者は上記に教示されるようにまず導波管(1092)をトランスデューサアセンブリ(940)から分離し、次に使い捨て式アセンブリ(1000)を再利用式アセンブリ(900)から分離してもよい。
一例として、操作者は、フタ(1014)を開位置とするために単純にフタ(1014)を手で持ち上げてもよい。操作者は、単純にフタ(1014)を別途閉位置に保持している摩擦に打ち勝つだけでよい。あるいは、器具(800)の機能部は、例えば操作者が再利用式アセンブリ(900)から使い捨て式アセンブリ(1000)を分離する際などに、フタ(1014)を自動的に開いてもよい。操作者はまた、ラッチ(1009)を手で持ち上げてラッチ(1009)を変形させ、これにより、フランジ部分(1174)をラッチ(1009)から解放してもよい。あるいは、器具(800)の機能部は、例えば操作者が再利用式アセンブリ(900)から使い捨て式アセンブリ(1000)を分離する際などに、フランジ部分(1174)をラッチ(1009)から自動的に係脱してもよい。フタ(1014)を自動的に開いてもよい様々な適当なやり方、及びラッチ(1009)からそのやり方でフランジ部分(1174)を係脱してもよい様々な適当なやり方は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。
図113に最も良好に見られるように、フランジ部分(1174)がラッチ(1009)から係脱され、内側管連結部材アセンブリ(1150)が近位位置に動かされると、偏向部材(1180)の隆起部(1182)が内側管(1070)の近位取り付け部分(2010)のアーム(2012)に対して支承され、それによりアーム(2012)が外向きに撓む。アーム(2012)のこの外向きの撓みによって、アーム(2012)は導波管(1092)のピン(1094)から係脱され、導波管(1092)を内側管(1070)から近位方向に引き抜くことができるようになる。したがって、当然のことながら、偏向部材(1180)の隆起部(1182)は、上記に説明したようにアーム(181)に対してモード駆動部材(141)のタブ(145)と同様に動作する。一部の変例では、別の器具を導波管(1092)に連結することによって、内側管連結部材アセンブリ(1150)が近位位置に動かされた後の内側管(1070)からの導波管(1092)の取り出しを容易に行うことができる。例えば、導波管取り出し器具は、内側管連結部材アセンブリ(1150)の内部ボア内に嵌まるサイズに構成されたシャフト付きのハンドルを含んでもよい。導波管取り出し器具のシャフトは、導波管取り出し器具を導波管(1092)と連結するように、導波管(1092)のスタッド(1096)上に螺合してもよい螺刻機能部を有してもよい。導波管(1092)をシャフトアセンブリ(1050)から取り出してもよい他の適当なやり方が、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。これも当然のことながら、内側管(1070)の内部は、導波管(1092)が取り出された後で任意の適当な様式で洗浄されてもよい。
図113~図114に示されるように、洗浄ポート本体(1300)は外側管(1052)の近位取り付け部分(2000)内に配置される。洗浄ポート本体(1300)は、本例では弾性材料(例えば、シリコーンなど)を含む。図115~図116に最も良好に見られるように、洗浄ポート本体(1300)は、長手方向延在部分(1310)と、横断方向延在部分(1320)と、を含む。横断方向延在部分(1320)は、近位取り付け部分(2000)の横開口部(2002)を通じて延び、ポート開口部(1322)を規定する。フタ(1014)は、フタ(1014)が閉位置(図94に示される)にある場合にポート開口部(1322)に嵌合し、かつこれによりポート開口部(1322)の液密封止及び気密封止を提供するように構成されるストッパ(1016)を含む。しかしながら、フタ(1014)が開位置(図109~図114に示される)にある場合には、ストッパ(1016)はポート開口部(1322)から完全に係脱される。
ポート本体(1300)の長手方向延在部分(1310)は遠位封止部フランジ(1312)を含み、下側管腔領域(1314)及び上側管腔領域(1316)を規定している。図114に最も良好に見られるように、遠位封止部フランジ(1312)は、外側管(1052)の近位取り付け部分(2000)の内側表面に対して液密封止及び気密封止を提供するようなサイズに構成されかつ封止を提供するように構成される。下側管腔領域(1314)の近位端は、内側管(1070)が下側管腔領域(1314)内に完全に挿入された場合に内側管(1070)の近位取り付け部分(2010)の遠位部分の外側表面に対して液密封止及び気密封止を提供するようなサイズに構成されかつ封止を提供するように構成される。上側管腔領域(1316)と合わさる下側管腔領域(1314)の部分は、上側管腔領域(1316)を規定する曲率半径よりも小さい曲率半径によって規定される。内側管(1070)が下側管腔領域(1314)を通して挿入される際、上側管腔領域(1316)はポート開口部(1322)及び内側管(1070)の外径と外側管(1052)の内径との間に規定される隙間(1071)と連通するように開放されたままである。換言すれば、ポート開口部(1322)と上側管腔領域(1316)とは一緒に、内側管(1070)の外径と外側管(1052)の内径との間に規定される隙間(1071)に流体を連通させるための経路を提供する。これにより、操作者は、ポート(153、155)に関して上記に説明したような洗浄液源にポート開口部(1322)を連結してもよい。
しかしながら、これも当然のことながら、フタ(1014)が閉位置にあり、導波管(1092)が内側管(1070)内に配置されている場合、ストッパ(1016)によってポート開口部(1322)に対して提供される液密封止及び気密封止、封止フランジ(1312)によって近位取り付け部分(2000)の内側表面の内径に対して提供される液密封止及び気密封止、下側管腔領域(1314)の近位端によって近位取り付け部分(2010)の遠位部分の外側表面に対して提供される液密封止及び気密封止、並びにフェンダ(1093)によって内側管(1070)の内側表面に対して提供される液密封止は、すべてシャフトアセンブリ(1050)に対する近位側の封止を提供する。換言すれば、フェンダ(1093)、ポート本体(1300)、及びストッパ(1016)は、シャフトアセンブリ(1050)の内部機能部を通じて吹き込み圧を失うおそれなく、吹き込まれた体腔(例えば、吹き込まれた腹腔)内にシャフトアセンブリ(1050)を一緒に挿入することを可能とする。
4.使い捨て式アセンブリの例示的な導波管案内機能部
上記に説明したように、操作者は、シャフトアセンブリ(1050)から導波管(1092)を取り出して使い捨て式部分(1000)を洗浄モードとしてもよい。使い捨て式部分(1000)が適当に洗浄され、使い捨て式部分(1000)が別途再使用できる状態となった後、シャフトアセンブリ(1050)の中へと導波管(1092)を再び挿入して、使い捨て式部分(1000)を外科手術でもう一回使用するために準備することが望ましい場合がある。これは、以前に使用され、その後洗浄された導波管(1092)を用いるか、又は新しい導波管(1092)を用いて行うことができる。いずれの場合も、使い捨て式部分(1000)が再び使用される前に、導波管(1092)が特定の所定の角度配向で最終的に位置付けられることが望ましい場合がある。これは、ブレード(1090)が非円形の断面を有する状況で望ましい場合がある。かかる状況では、超音波作動されるブレード(1090)に対してクランプアーム(1082)が組織を圧縮する際の組織に対する効果は、アームに面するブレード(1090)の領域の幾何構成に基づいて変わる場合がある。そのため、ブレード(1090)の角度配向の予測性及び一貫性を提供することは、エンドエフェクタ(1080)の予測可能かつ一貫した性能を提供する場合がある。ブレード(1090)の角度配向に一貫性を提供すると、ブレード(1090)が完全に挿入された位置に達する際にピン(1094)のアーム(2012)に対する一貫した角度アラインメントも提供される。
図117A~図118Fは、導波管(1092)が導波管案内部材(1200)内に完全に挿入される際に、導波管(1092)が導波管案内部材(1200)内に最初に挿入される角度配向とは無関係に、導波管案内部材(1200)が特定の所定の角度配向へと導波管(1092)を一貫して案内する様子を示す。下記に説明するように導波管(1092)が導波管案内部材(1200)の中へと挿入される前に、操作者は、ラッチ(1009)がフランジ(1174)と再係合した状態で内側管連結部材アセンブリ(1150)を、図113に示される近位位置から図94に示される遠位位置へと押すことができる。これは、偏向部材(1180)の隆起部(1182)をアーム(2012)から係脱し、アーム(2012)が図94及び102に示される位置に弾性的に復帰できるようにする。内側管連結部材アセンブリ(1150)が遠位位置にあり、アーム(2012)が図94及び102に示される位置に復帰した状態で、下記に説明するように導波管(1092)が導波管案内部材(1200)内に完全に挿入されると、アーム(2012)は偏向部材(1180)の隆起部(1182)を再び乗り越えて導波管(1092)のピン(1094)と係合する。あるいは、導波管(1092)と内側管連結部材アセンブリ(1150)とは、導波管案内部材(1200)の中へと同時に挿入することができる。導波管(1092)と内側管連結部材アセンブリ(1150)とが導波管案内部材(1200)の中へと同時に挿入されると、偏向部材(1180)の隆起部(1182)がアーム(2012)から係脱され、アーム(2012)は図94及び102に示される位置に弾性的に復帰できるようになる。
図117Aは、ポスト(1099)が時計回りに約45°の角度でずれた向き(螺刻スタッド(1096)から遠位方向に見た場合)で導波管案内部材(1200)内に最初に挿入される導波管(1092)を示す。操作者が、導波管(1092)を図117Bに示されるように更に遠位方向に挿入すると、ポスト(1099)はカム面(1214)と最初に係合し、カム面(1212)と係合することなくカム面(1212)を通過する。導波管(1092)が時計回りにより大きな角度で最初にずれたとすれば、ポスト(1099)は最初にカム面(1212)と係合することになる。操作者が導波管(1092)を図117Cに示されるように更に遠位方向に挿入すると、ポスト(1099)はカム面(1216)と係合する。カム面(1216)の螺旋状の配向のためにカム面(1216)はポスト(1099)に対して作用して導波管(1092)を反時計回りに回転させる。この反時計回りの回転は、図117Dに示されるように導波管(1092)が更に遠位方向に挿入されるのにしたがって、ポスト(1099)がカム面(1218、1244)の間に規定された隙間と最終的に出合うまで継続する。図117Eに示されるように導波管(1092)が更に遠位方向に挿入されると、カム面(1218、1244)は、協働して、導波管(1092)を回転させることなく、所定の長手方向の運動範囲にわたり導波管(1092)を案内する。ポスト(1099)は最終的に、図117Fに示されるようにカム面(1246)と出合う。この時点で、図117Gに示されるように導波管(1092)が更に遠位方向に挿入されるのにしたがって、案内面(1220、1246)の相補的な螺旋状の配向がポスト(1099)に対して協働して作用し、導波管(1092)を遠位方向に案内しながら時計回りに回転させる。ポスト(1099)は最終的には、図117Hに示されるようにカム面(1222)と出合う。図117Iに示されるように導波管(1092)が更に遠位方向に挿入されると、カム面(1222、1248)がポスト(1099)に対して協働して作用し、ポスト(1099)が終端面(1260)に近づくまで導波管(1092)を回転させることなく導波管(1092)を案内する。本例では、ポスト(1099)は、導波管(1092)が導波管案内部材(1200)内に完全に配置される際に終端面(1260)ともカム面(1222、1248)とも実際には接触しない。その代わりに、ピン(1094)と内側管連結部材アセンブリ(1150)のアーム(2012)との係合は、導波管(1092)の長手方向への前進を停止し、導波管案内部材(1200)に対する導波管(1092)の位置が維持されるため、ポスト(1099)は終端面(1260)及びカム面(1222、1248)からわずかに離間している。
図117Iに示される段階では、導波管(1092)は完全に挿入されており、端部カム面(1222、1248)とポスト(1099)とが協働して導波管(1092)に導波管案内部材(1200)内で適正な角度及び長手方向の位置を提供する。導波管案内部材(1200)はシャフトアセンブリ(1050)内でピン(1240)を介して既に回転方向及び長手方向に固定されているため、導波管(1092)は、図117Iに示される位置に達した時点でシャフトアセンブリ(1050)内で適正な角度位置及び長手方向位置にある。本例では、導波管(1092)のピン(1094)は、導波管(1092)が導波管案内部材(1200)内に完全に挿入された状態に達した時カム面(1214)及びカム面(1244)の近位部分に隣接して位置付けられる点に留意されたい。換言すれば、カム面(1214、1244)は、導波管(1092)が導波管案内部材(1200)内に完全に挿入された状態に達した時点でピン(1094)を収容するように位置付けられる。これに加えて、導波管(1092)は、ピン(1094)を内側管連結部材アセンブリ(1150)のアーム(2012)と係合することを介して長手方向で位置付けられる。
図118Aは、ポスト(1099)が反時計回りに約45°の角度でずれた向き(螺刻スタッド(1096)から遠位方向で見た場合)で導波管案内部材(1200)の中へと最初に挿入された導波管(1092)を示す。操作者が導波管(1092)を図118Bに示されるように更に遠位方向に挿入すると、ポスト(1099)はカム面(1242)と最初に係合する。カム面(1242)の螺旋状配向により、カム面(1242)はポスト(1099)に対して作用してポスト(1099)が図118Cに示されるようにカム面(1244)に達するまで導波管(1092)を時計回りに回転させる。操作者が導波管(1092)を更に遠位方向に挿入すると、カム面(1218、1244)は、協働して、導波管(1092)を回転させることなく、所定の長手方向の運動範囲にわたり導波管(1092)を案内する。ポスト(1099)は最終的に、図118Dに示されるようにカム面(1246)と出合う。この時点で、案内面(1220、1246)の相補的な螺旋状の配向がポスト(1099)に対して協働して作用し、ポスト(1099)が図118Eに示すようにカム面(1222)と出合うまで導波管(1092)を時計回りに回転させる一方で遠位方向に案内する。図118Fに示されるように導波管(1092)が更に遠位方向に挿入されると、カム面(1222、1248)がポスト(1099)に対して協働し、ポスト(1099)が終端面(1260)に近づくまで導波管(1092)を回転させることなく導波管(1092)を案内する。この段階では、導波管(1092)は完全に挿入されている。この場合もやはり、ポスト(1099)は、導波管(1092)が導波管案内部材(1200)内に完全に配置される際に終端面(1260)ともカム面(1222、1248)とも実際には接触しない。その代わりに、ピン(1094)と内側管連結部材アセンブリ(1150)のアーム(2012)との係合は、導波管(1092)の長手方向への前進を停止し、導波管案内部材(1200)に対する導波管(1092)の位置が維持されるため、ポスト(1099)は終端面(1260)及びカム面(1222、1248)からわずかに離間している。
当然のことながら、導波管(1092)が導波管案内部材(1200)の中へと最初に挿入される際に導波管(1092)がずれている角度とは無関係に、導波管(1092)が本体(1202)を通して完全に挿入される際にカム面(1212、1214、1216、1218、1220、1222、1242、1244、1246、1248)は協働して導波管(1092)を案内し、それにより導波管(1092)を適性な角度配向に配向する。導波管(1092)が180°のずれ角度で最初に導波管案内部材(1200)内に挿入される場合には、点(1250)の構成によって、ポスト(1099)はカム面(1212)か又はカム面(1242)のいずれかに反らされる。
シャフトアセンブリ(1050)の構成要素が上記に説明したように洗浄され、内側管連結部材アセンブリ(1150)が上記に説明したように遠位位置にまで押し戻され、導波管(1092)が上記に説明したようにシャフトアセンブリ(1050)内に戻すように再び挿入された後、操作者は、既に閉じられていない場合にフタ(1014)を閉じてもよい。この段階で、使い捨て式アセンブリ(1000)を再利用式アセンブリ(900)と再連結して器具(800)を再組み立てしてもよい。この再組み立ては、上記に説明したように、導波管(1092)の螺刻スタッド(1096)とトランスデューサアセンブリ(940)のホーン(956)とを再連結することを含むことになる。その後、再組立された器具(800)を上記に説明したように外科手術で使用することができる。
VIII.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせてもよく、又は適用してもよい様々な非網羅的なやり方に関する。当然のことながら、以下の実施例は、本出願における又は本出願後の出願におけるいかなる時点でも提示されうるいずれかの請求項の適用範囲を限定することを目的としたものではない。一切の放棄を意図するものではない。以下の実施例は単なる例示の目的で提供されるものにすぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で配置されてもよく、かつ適用されてもよいことが企図される。また、一部の変形例では、以下の実施例において参照される特定の機能を省略してもよいことも企図される。したがって、本発明者によって、又は本発明者の利益となる継承者によって、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下で参照される態様又は機能のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。以下に言及されるもの以外の追加的な特徴を含むいずれかの請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において提示される場合、これらの追加的な特徴は、特許性に関連するいずれの理由によって追加されたものとしても仮定されるべきではない。
(実施例1)
(a)本体と、(b)本体から遠位方向に延び、長手方向軸を規定するシャフトアセンブリと、(c)長手方向軸と同軸に整列された、複数のカム面を有する導波管案内部材と、(d)超音波導波管と、を有する器具であって、超音波導波管が外向きに延びるポストを備え、超音波導波管が、長手方向軸に沿って導波管案内部材の中へと挿入可能であり、導波管案内部材のカム面が長手方向軸を中心として角度的に配向されるポストに対して支承するように構成される、器具。
(実施例2)
ポストが、導波管の外周に沿った1つの角度位置のみにおいて導波管から外向きに延びる、実施例1の器具。
(実施例3)
導波管が更にピンを有し、ピンが導波管の外周の周りの2つの対向する角度位置において導波管から外向きに延びている、実施例1~2のいずれか1つ以上の器具。
(実施例4)
ピンがポストの近位に位置する、実施例3の器具。
(実施例5)
ピンが、導波管を通じて伝達される超音波振動にともなう波節に対応する導波管の長さに沿った位置に配置される、実施例3~4のいずれか1つ以上の器具。
(実施例6)
カム面の少なくとも1つが螺旋状に配向された経路に沿って延びる、実施例1~5のいずれか1つ以上の器具。
(実施例7)
複数のカム面のうちの第1のカム面が、第1の配向の螺旋経路に沿って延び、複数のカム面のうちの第2のカム面が、第2の配向の螺旋経路に沿って延びる、実施例6の器具。
(実施例8)
カム面の少なくとも1つが、長手方向軸に平行な経路に沿って延びる、実施例1~7のいずれか1つ以上の器具。
(実施例9)
シャフトアセンブリが内側管と外側管とを備え、導波管案内部材が内側管の近位部分内に同軸に配置されている、実施例1~8のいずれか1つ以上の器具。
(実施例10)
内側管が本体に対して長手方向に固定されている、実施例9の器具。
(実施例11)
外側管が、本体に対して、及び内側管に対して平行移動するように動作可能である、実施例10の器具。
(実施例12)
更にクランプアームを有し、クランプアームの第1の部分が、内側管と枢動可能に連結され、クランプアームの第2の部分が、外側管と枢動可能に連結され、クランプアームが、長手方向軸に沿った外側管の長手方向の運動に対応して長手方向軸に近づく方向と長手方向軸から遠ざかる方向とに枢動するように構成されている、実施例11の器具。
(実施例13)
内側管、外側管、導波管案内部材、及び導波管がすべて、本体に対して一緒に回転可能である、実施例9の器具。
(実施例14)
更にグリップアセンブリを有し、本体がグリップアセンブリと着脱可能に連結されるように構成される、実施例1~13のいずれか1つ以上の器具。
(実施例15)
グリップアセンブリが超音波トランスデューサを含み、超音波トランスデューサが、導波管と連結されるように構成される、実施例14の器具。
(実施例16)
(a)本体と、(b)本体と連結されて本体に対して遠位方向に延びるように構成されたシャフトアセンブリであって、(i)管状部材と、(ii)超音波トランスデューサアセンブリと選択的に連結されるように動作可能な音響導波管であって、管状部材が音響導波管を挿入により受容するように構成され、音響導波管が案内機能部を備える、音響導波管と、(iii)音響導波管の案内機能部と係合することにより管状部材に対して音響導波管を配向するように構成された案内部材と、を有する、シャフトアセンブリと、を有する、装置。
(実施例17)
管状部材が長手方向軸を規定し、音響導波管が長手方向軸を規定し、音響導波管が管状部材内に嵌合するように構成されていることにより、長手方向軸同士が互いに同軸に整列される、実施例16の装置。
(実施例18)
管状部材が長手方向軸を規定し、案内部材が、音響導波管の案内機能部と係合し、それにより管状部材に対して長手方向軸を中心として音響導波管を配向するように構成される、実施例16~17のいずれか1つ以上の装置。
(実施例19)
案内部材が第1の案内面を有し、第1の案内面が、音響導波管の案内機能部と係合し、これによって、長手方向軸に沿った音響導波管の前進に応じて長手方向軸を中心として第1の方向に音響導波管を回転させることにより管状部材に対して長手方向軸を中心として音響導波管を配向するように構成される、実施例18の装置。
(実施例20)
案内部材が更に第2の案内面を備え、第2の案内面が、音響導波管の案内機能部と係合し、これによって長手方向軸に沿った音響導波管の前進に応じて長手方向軸を中心として第2の方向に音響導波管を回転させることにより管状部材に対して長手方向軸を中心として音響導波管を配向するように構成される、実施例19の装置。
(実施例21)
第1及び第2の案内面が、一点において一緒に収束している、実施例20の装置。
(実施例22)
案内部材が近位端及び遠位端を有し、一点が近位端に配置されている、実施例21の装置。
(実施例23)
第2の案内面が、第1の案内面に対して遠位である、実施例19~22のいずれか1つ以上の装置。
(実施例24)
管状部材が長手方向軸を規定し、案内部材が1対の長手方向に延びるカム面を有し、長手方向に延びるカム面が、音響導波管が長手方向軸に沿って挿入されるとき、音響導波管の案内機能部と係合し、それにより音響導波管の角度配向を維持するように構成される、実施例16~23のいずれか1つ以上の装置。
(実施例25)
案内部材が近位端及び遠位端を有し、長手方向に延びるカム面が遠位端において収束する、実施例24の装置。
(実施例26)
管状部材が長手方向軸を規定し、案内部材が案内通路を規定し、音響導波管の案内機能部が、音響導波管が長手方向軸に沿って挿入される際に案内通路を横断するように構成されている、実施例16~25のいずれか1つ以上の装置。
(実施例27)
案内通路が、音響導波管が第1の長手方向の運動の範囲にわたり長手方向軸に沿って挿入される際に、音響導波管を第1の方向に回転させるように構成される、実施例26の装置。
(実施例28)
案内通路が、音響導波管が第2の長手方向の運動範囲にわたり長手方向軸に沿って挿入される際に、音響導波管を第2の方向に回転させるように構成される、実施例27の装置。
(実施例29)
シャフトアセンブリが更に流体ポートを有し、流体ポートがシャフトアセンブリの長さの少なくとも一部に沿って流体の連通を提供するように構成される、実施例16~28のいずれか1つ以上の装置。
(実施例30)
流体ポートが、案内部材の遠位に配置される、実施例29の装置。
(実施例31)
音響導波管の案内機能部が、音響導波管の長手方向軸に対して横断方向に延びるポストを備える、実施例16~30のいずれか1つ以上の装置。
(実施例32)
案内部材が管状部材に対して固定的に固定される、実施例16~31のいずれか1つ以上の器具。
(実施例33)
シャフトアセンブリが、(i)音響導波管の遠位端に配置された超音波ブレードと、(ii)管状部材と枢動可能に連結されたクランプアームとを更に備え、クランプアームが超音波ブレードに近づく方向と超音波ブレードから遠ざかる方向とに枢動するように動作可能である、実施例16~32のいずれか1つ以上の装置。
(実施例34)
(a)本体と、(b)本体と連結されて本体に対して遠位方向に延びるように構成されたシャフトアセンブリであって、(i)長手方向軸を規定する管状部材と、(ii)長手方向軸に沿って管状部材内に挿入されるサイズに構成された音響導波管と、(iii)長手方向軸に沿って管状部材内に音響導波管が挿入されることに対応して音響導波管を回転させ、それにより管状部材に対して音響導波管を配向させるように構成された案内部材と、を備える、シャフトアセンブリと、を有する、装置。
(実施例35)
外科用器具を組み立てる方法であって、(a)音響導波管の遠位端を、長手方向軸を規定する管状部材の近位端の近位に位置付けることと、(b)音響導波管の遠位端を管状部材の近位端の中へと挿入することと、(c)音響導波管を第1の運動範囲にわたり長手方向軸に沿って管状部材内に前進させることと、(d)音響導波管を第1の運動範囲にわたり前進させながら第1のカム面を音響導波管と係合させることであって、音響導波管が第1の運動範囲にわたり前進される際に第1のカム面が音響導波管を第1の方向に回転させることと、(e)第2の運動範囲にわたり管状部材の中へ長手方向軸に沿って音響導波管を前進させることと、(f)音響導波管を第2の運動範囲にわたり前進させながら第2のカム面を音響導波管と係合させることであって、音響導波管が第2の運動範囲にわたり前進する際に第2のカム面が音響導波管を第2の方向に回転させることと、を含む、方法。
IX.その他
当然のことながら、上述より、各器具(10、300)は、使い捨て式アセンブリ(100、400)を、再利用式アセンブリ(200、500)と着脱可能に連結することを可能とする。上記に述べたように、使い捨て式アセンブリ(100、400)を洗浄するために、使い捨て式アセンブリ(100、400)を再利用式アセンブリ(200、500)から分離し、そして使い捨て式アセンブリ(100、400)を再利用式アセンブリ(200、500)とを再連結するか、又は使用済みの使い捨て式アセンブリ(100、400)を新しい使い捨て式アセンブリ(100、400)に交換することが望ましい場合がある。これも当然のことながら、再利用式アセンブリ(200、500)は異なる種類の使い捨て式アセンブリ(100、400)と連結されてもよい。例えば、操作者に、様々な長さのシャフトアセンブリ(150、450)を有する一群の使い捨て式アセンブリ(100、400)を提示することで、操作者は目の前の手技に特に適したシャフトアセンブリ(150、450)の長さを有する使い捨て式アセンブリ(100、400)を選択してもよい。別のあくまで例示的な例として、操作者に、様々な種類のエンドエフェクタ(180、480)(例えばクランプアーム(182)のあるものとないもの、異なる構成のブレード(190)を有するものなど)を有する一群の使い捨て式アセンブリ(100、400)を提示してもよい。これにより、操作者は、目の前の手技に特に適したエンドエフェクタ(180、480)を有する使い捨て式アセンブリ(100、400)を選択してもよい。操作者に使い捨て式アセンブリ(100、400)のモジュール性のためのキット及び他の媒体を提供する場合がある様々な適当なやり方が、本明細書の教示に照らして当業者には明らかとなろう。
当然のことながら、明細書に説明される器具のいずれの変例も、本明細書で上述されるものに加えて、又はそれに代えて、様々な他の機能を含んでもよい。あくまで一例として、上記の教示に加えて、当然のことながら、器具(10、300)の少なくとも一部は、米国特許第5,322,055号、米国特許第5,873,873号、米国特許第5,980,510号、米国特許第6,325,811号、米国特許第6,773,444号、米国特許第6,783,524号、米国特許第9,095,367号、米国特許公開第2006/0079874号、米国特許公開第2007/0191713号、米国特許公開第2007/0282333号、米国特許公開第2008/0200940号、米国特許公開第2009/0105750号、米国特許公開第2010/0069940号、米国特許公開第2011/0015660号、米国特許公開第2012/0112687号、米国特許公開第2012/0116265号、米国特許公開第2014/0005701号、米国特許公開第2015/0080924号、及び/又は米国特許出願第61/410,603号の教示の少なくとも一部により構築及び動作されてもよい。前述の特許、公開、及び出願のそれぞれの開示が参照により本明細書に組み込まれる。これも当然のことながら、また、器具(10、300)は、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesと様々な構造的及び機能的な類似性を有する場合がある。更に、器具(10)は、本明細書で引用されかつ参照により本明細書に組み込まれる他の参考文献のうちのいずれかにおいて教示される装置と、様々な構造的及び機能的な類似性を有する場合がある。
本明細書に引用される参考文献、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示と、器具(10、300)に関する本明細書における教示との間にいくらかの重複が存在する範囲で、本明細書のいずれの説明も、容認された従来技術とみなすことを意図しない。本明細書のいくつかの教示は、事実、本明細書に引用した参考文献、並びにHARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示の範囲を超えるであろう。
当然のことながら、参照により本明細書に組み込まれると言及されたいかなる特許、刊行物、又は他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれた内容が既存の定義、見解、又は本開示に記載された他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明示的に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する内容に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとするが、既存の定義、見解、又は本明細書に記載された他の開示内容と矛盾するいかなる内容、又はそれらの部分も、組み込まれた内容と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれるものとする。
上述の装置の変例は、医療専門家によって行われる従来の治療及び処置での用途だけでなく、ロボット支援された治療及び処置での用途も有してもよい。あくまでも一例として、本明細書の様々な教示は、ロボット外科システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(米国カリフォルニア州Sunnyvale)によるDAVINCI(商標)システムに容易に組み込まれる場合がある。同様に、本明細書の様々な教示は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2004年8月31日公開の「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」という名称の米国特許第6,783,524号の様々な教示と容易に組み合わされてもよいことが当業者には明らかであろう。
上述の変例は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよく、あるいは、それらは、複数回使用されるように設計されてもよい。いずれか又は両方の場合において、変例は、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整されてもよい。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含んでもよい。具体的には、装置の一部の変例は分解してもよく、また、装置の任意の数の特定の部材又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換するか又は取り外してもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換に際して、装置の一部の変例を、再調整用の施設において、又は手術の直前に使用者により、その後の使用のために再組み立てしてもよい。装置の再調整は、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技法を使用してもよいことを当業者は認識するであろう。かかる技法の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、すべて本発明の範囲内である。
あくまで一例として、本明細書に説明される変例は、手術の前及び/又は後で滅菌されてもよい。1つの滅菌技法では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなどの閉鎖及び封止された容器内に入れる。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過することができる放射線場に置いてもよい。放射線は、装置上の及び容器内の細菌を死滅する場合がある。この後、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器中で保管してもよい。装置を、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の他の技法も用いて滅菌してもよい。
本発明の様々な実施形態を図示及び説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変により、本明細書に説明された方法及びシステムの更なる適合化を実現しうる。かかる可能性のある改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上記で論じた実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され、説明された構造及び動作の詳細に限定されないものと理解される。
〔実施の態様〕
(1) (a)本体と、
(b)前記本体に対して遠位方向に延びるように前記本体と連結されるように構成されたシャフトアセンブリであって、
(i)管状部材と、
(ii)超音波トランスデューサアセンブリと選択的に連結されるように動作可能な音響導波管であって、前記管状部材が前記音響導波管を挿入により受容するように構成され、前記音響導波管が案内機能部を備える、音響導波管と、
(iii)前記音響導波管の前記案内機能部と係合し、それにより前記管状部材に対して前記音響導波管を配向するように構成された案内部材と、を備える、シャフトアセンブリと、を備える、装置。
(2) 前記管状部材が長手方向軸を規定し、前記音響導波管が長手方向軸を規定し、前記長手方向軸同士が互いに同軸に整列されるように、前記音響導波管が前記管状部材内に嵌合するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記管状部材が長手方向軸を規定し、前記案内部材が、前記音響導波管の前記案内機能部と係合し、それにより前記管状部材に対して前記長手方向軸を中心として前記音響導波管を配向するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記案内部材が第1の案内面を備え、前記第1の案内面が前記音響導波管の前記案内機能部と係合し、それにより前記長手方向軸に沿った前記音響導波管の前進に応じて前記長手方向軸を中心として第1の方向に前記音響導波管を回転させることによって前記管状部材に対して前記長手方向軸を中心として前記音響導波管を配向するように構成されている、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記案内部材が第2の案内面を更に備え、前記第2の案内面が前記音響導波管の前記案内機能部と係合し、それにより前記長手方向軸に沿った前記音響導波管の前進に応じて前記長手方向軸を中心として第2の方向に前記音響導波管を回転させることによって前記管状部材に対して前記長手方向軸を中心として前記音響導波管を配向するように構成されている、実施態様4に記載の装置。
(6) 前記第1及び第2の案内面が、一点において一緒に収束している、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記案内部材が近位端及び遠位端を有し、前記一点が前記近位端に配置されている、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記第2の案内面が、前記第1の案内面の遠位にある、実施態様4に記載の装置。
(9) 前記管状部材が長手方向軸を規定し、前記案内部材が1対の長手方向に延びるカム面を備え、前記長手方向に延びるカム面は、前記音響導波管の前記案内機能部と係合し、それにより前記音響導波管が前記長手方向軸に沿って挿入される際に前記音響導波管の角度配向を維持するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記案内部材が近位端及び遠位端を有し、前記長手方向に延びるカム面が前記遠位端において収束する、実施態様9に記載の装置。
(11) 前記管状部材が長手方向軸を規定し、前記案内部材が案内通路を規定し、前記音響導波管の前記案内機能部の係合は、前記音響導波管が前記長手方向軸に沿って挿入される際に前記案内通路を横断するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記案内通路は、前記音響導波管が第1の長手方向の運動範囲にわたり前記長手方向軸に沿って挿入される際に、前記音響導波管を第1の方向に回転させるように構成されている、実施態様11に記載の装置。
(13) 前記案内通路は、前記音響導波管が第2の長手方向の運動範囲にわたり前記長手方向軸に沿って挿入される際に、前記音響導波管を第2の方向に回転させるように構成されている、実施態様12に記載の装置。
(14) 前記シャフトアセンブリが流体ポートを更に備え、前記流体ポートが前記シャフトアセンブリの長さの少なくとも一部に沿って流体の連通を提供するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記流体ポートが、前記案内部材の遠位に配置されている、実施態様14に記載の装置。
(16) 前記音響導波管の前記案内機能部が、前記音響導波管の長手方向軸に対して横断方向に延びるポストを備える、実施態様1に記載の装置。
(17) 前記案内部材が前記管状部材に対して固定的に固定されている、実施態様1に記載の装置。
(18) 前記シャフトアセンブリが、
(i)前記音響導波管の遠位端に配置された超音波ブレードと、
(ii)前記管状部材と枢動可能に連結されたクランプアームであって、前記超音波ブレードに近づく方向と前記超音波ブレードから遠ざかる方向とに枢動するように動作可能である、クランプアームと、を更に備える、実施態様1に記載の装置。
(19) (a)本体と、
(b)前記本体に対して遠位方向に延びるように前記本体と連結されるように構成されたシャフトアセンブリであって、
(i)長手方向軸を規定する管状部材と、
(ii)前記長手方向軸に沿った前記管状部材の中への挿入のためのサイズに構成された音響導波管と、
(iii)前記長手方向軸に沿った前記管状部材の中への前記音響導波管の挿入に応じて前記音響導波管を回転させ、それにより前記管状部材に対して前記音響導波管を配向するように構成された案内部材と、を備える、シャフトアセンブリと、を備える、装置。
(20) 外科用器具を組み立てる方法であって、
(a)音響導波管の遠位端を、長手方向軸を規定する管状部材の近位端の近位に配置することと、
(b)前記音響導波管の前記遠位端を前記管状部材の前記近位端の中へと挿入することと、
(c)前記音響導波管を、第1の運動範囲にわたり、前記長手方向軸に沿って前記管状部材の中へと前進させることと、
(d)前記音響導波管を前記第1の運動範囲にわたり前進させながら第1のカム面を前記音響導波管と係合させることであって、前記音響導波管が前記第1の運動範囲にわたり前進する際に前記第1のカム面が前記音響導波管を第1の方向に回転させる、ことと、
(e)第2の運動範囲にわたり前記管状部材の中へと前記長手方向軸に沿って前記音響導波管を前進させることと、
(f)前記音響導波管を前記第2の運動範囲にわたり前進させながら第2のカム面を前記音響導波管と係合させることであって、前記音響導波管が前記第2の運動範囲にわたり前進する際に前記第2のカム面が前記音響導波管を第2の方向に回転させる、ことと、を含む、方法。