JP7170941B2 - 位置推定装置、位置推定方法、及びレーダシステム - Google Patents

位置推定装置、位置推定方法、及びレーダシステム Download PDF

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Description

本開示は、位置推定装置、位置推定方法、及びレーダ装置に関する。
電磁波、レーザビーム、又は音波等の送信波を用いて、海洋上に漂流する漂流物(以下、単に「漂流物」という。)の位置、及び、所定期間経過後における当該漂流物の位置を特定する技術がある。
例えば、特許文献1には、海洋環境中の物体を探知するための複数の探知装置であって、異なる物体探知方式に従って物体を探知するように構成される複数の探知装置と、データ処理装置であって、通信インターフェース及びプロセッサを含み、通信インターフェースは探知装置から探知信号を受信するように構成され、プロセッサは、共通の座標系内で、受信された探知信号に基づいて海洋環境中の物体の位置を決定するように構成されるデータ処理装置とを含む海洋環境を監視するためのシステムにおいて、決定した海洋環境中の物体の位置に基づいて、所定期間経過後の物体の位置を推定する技術が開示されている。
特開2017-502258号公報
漂流物は、海洋表層の流れに伴って移動する。海洋表層の流れは、主に、移流成分と乱流拡散成分とを有する。移流とは、潮汐流又は海流等により生じる海洋表層の流れである。乱流拡散とは、潮汐流、海流、又は大気の変動等により生じる海洋表層の乱れによる海洋表層の流れである。
移流は、潮汐流又は海流等により生じる海洋表層の流れであるため、移流の速度(以下「移流速度」という。)は、比較的速いものとなる。そのため、移流成分による漂流物の所定期間経過後の位置(以下「未来位置」という。)については、漂流物の現在の位置に至るまでの軌跡及び速度に基づいて推定することが可能である。
一方、乱流拡散は海洋表層の乱れであり、当該乱れは潮汐流、海流、又は大気の変動等により生じるものであるため、海洋表層の乱れによる海洋表層の流れの挙動は不規則である。そのため、乱流拡散成分による漂流物の未来位置については、漂流物の現在の位置に至るまでの軌跡及び速度に基づいて予測することは困難である。
漂流物の未来位置を高精度に推定するためには、移流成分と乱流拡散成分とを加味して推定を行う必要がある。しかしながら、従来技術は、漂流物である海洋環境中の物体の位置に基づいて当該物体の未来位置を推定するものであり、従来技術は、当該物体の未来位置を推定する際に、乱流拡散成分を加味していない。
そのため、従来技術には、漂流物である海洋環境中の物体の未来位置を高精度で推定できないという問題点があった。
本開示は、上述の問題点を解決するためのものであり、所定期間経過後における漂流物の位置を高精度で推定可能な位置推定装置を提供することを目的としている。
本開示の位置推定装置は、観測領域に向けて放射された探査波であって観測領域における海面で反射した探査波である反射波を受信して、受信した反射波に基づく受信信号を出力する受信器から、受信信号を取得する受信信号取得部と、観測領域をレンジ方向とアジマス方向とに区分けして形成された複数のセルのそれぞれに対応する海洋の表層流れの移流速度を、受信信号取得部が取得する受信信号に基づいて算出する移流速度算出部と、セル毎に海洋の表層流れの乱流拡散速度を算出する乱流拡散速度算出部と、海洋上に漂流する漂流物の位置を示す位置情報を取得する位置取得部と、移流速度算出部が算出した移流速度、乱流拡散速度算出部が算出した乱流拡散速度、及び、位置取得部が取得した位置情報に基づいて、予め定められた期間を経過後における当該漂流物の位置である未来位置を推定する位置推定部と、漂流物の物性を示す物性情報に基づいて、漂流物の物性拡散速度を算出する物性拡散速度算出部と、を備え、位置推定部は、移流速度、乱流拡散速度、及び漂流物の位置に加えて、物性拡散速度算出部が算出した物性拡散速度に基づいて、漂流物の未来位置を推定することを特徴とするものである。
本開示によれば、所定期間経過後における漂流物の位置を高精度で推定することができる。
図1は、実施の形態1に係る位置推定装置が適用されたレーダシステムの要部の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、実施の形態1に係るレーダシステムが備える送信器の要部の構成の一例を示すブロック図である。 図3は、実施の形態1に係るレーダシステムが備える受信器の要部の構成の一例を示すブロック図である。 図4は、実施の形態1に係る位置推定装置の要部の構成の一例を示すブロック図である。 図5は、観測領域をレンジ方向とアジマス方向とに区分けして形成された複数のセルの一例を示す図である。 図6は、実施の形態1に係る位置推定装置が漂流物の未来位置を推定する際のレーダシステム1の測定系の一例を示す説明図である。 図7A及び図7Bは、実施の形態1に係る位置推定装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図8は、実施の形態1に係る位置推定装置の処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1から図8までを参照して、実施の形態1に係る位置推定装置100について説明する。
図1を参照して、実施の形態1に係る位置推定装置100が適用されたレーダシステム1の要部の構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る位置推定装置100が適用されたレーダシステム1の要部の構成の一例を示すブロック図である。
レーダシステム1は、送信器2、受信器3、記憶装置4、出力装置5、及び位置推定装置100を備える。
送信器2は、観測領域に向けて探査波を放射する。観測領域は、海洋における海面の少なくとも一部を含む領域である。
送信器2が観測領域に向けて放射した探査波は、観測領域における海面で反射する。
図2を参照して、実施の形態1に係るレーダシステム1が備える送信器2の要部の構成について説明する。
図2は、実施の形態1に係るレーダシステム1が備える送信器2の要部の構成の一例を示すブロック図である。
送信器2は、送信信号生成部21及び送信アンテナ22を備える。
送信信号生成部21は、送信信号を生成し、生成した送信信号を送信アンテナ22に出力する。
送信信号は、例えば、インパルス信号、周波数掃引信号、又は強度変調信号等の電気信号である。
送信アンテナ22は、送信信号生成部21が出力した送信信号を受けて、当該送信信号に基づく探査波を観測領域に向けて出力する。
探査波は、例えば、電磁波又は音波である。
実施の形態1では、送信器2は、探査波として電磁波又は音波を放射するものとして説明するが、この限りではない。例えば、送信器2は、探査波としてレーザビームを出力するものであってもよい。
具体的には、送信器2が探査波としてレーザビームを出力するものである場合、例えば、送信器2は、送信アンテナ22に替えて、図2には不図示のレーザ光出力部及び出力光学系を備える。
ここで、レーザ光出力部は、例えば、送信信号生成部21が出力した送信信号を受けて、当該送信信号に基づくレーザ光を出力する。レーザ光出力部が出力するレーザ光は、インパルス光、周波数掃引光、又は強度変調信号光等である。また、出力光学系は、例えば、レーザ光出力部が出力するレーザ光を受けて、当該レーザ光を集光してレーザビームを生成し、生成したレーザビームを探査波として観測領域に向けて出力する。
受信器3は、送信器2が観測領域に向けて放射した探査波が観測領域における海面で反射した探査波である反射波を受信して、受信した反射波に基づく受信信号を出力する。
図3を参照して、実施の形態1に係るレーダシステム1が備える受信器3の要部の構成について説明する。
図3は、実施の形態1に係るレーダシステム1が備える受信器3の要部の構成の一例を示すブロック図である。
受信器3は、受信アンテナ31及び増幅部32を備える。
受信アンテナ31は、反射波を受けて、当該反射を電気信号に変換する。受信アンテナ31は、変換後の電気信号を増幅部32に出力する。
増幅部32は、受信アンテナ31が出力する電気信号を受けて、当該電気信号を増幅する。増幅部32は、増幅後の電気信号を受信信号として位置推定装置100に出力する。
実施の形態1では、受信器3は、受信アンテナ31及び増幅部32を備えるものとして説明するが、受信器3の構成はこれに限るものでない。
具体的には、例えば、送信器2が探査波としてレーザビームを出力するものである場合、受信器3は、受信アンテナ31に替えて、図3には不図示の入力光学系及び光電変換部を備える。
ここで、入力光学系は、例えば、レーザビームである反射波を受けて、当該反射波を集光して、集光した後のレーザビームを光電変換部に導く。光電変換部は、入力光学系が集光した後のレーザビームを受けて、光電変換処理を行うことにより当該レーザビームを電気信号に変換する。光電変換部は、変換後の電気信号を増幅部32に出力する。
受信器3は、A/Dコンバータ等により構成される不図示のA/D変換部を備えるものであってもよい。
受信器3がA/D変換部を備える場合、A/D変換部は、増幅部32が増幅後の電気信号であるアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換する。当該場合、受信器3は、A/D変換部が変換した変換後の電気信号であるデジタル電気信号を受信信号として位置推定装置100に出力する。
送信器2と受信器3とは、例えば、隣接する位置に設置される。具体的には、例えば、送信器2が備える送信アンテナ22又は出力光学系と、受信器3が備える受信アンテナ31又は入力光学系とは、隣接する位置に設置される。
より具体的には、例えば、送信器2と受信器3とは、陸地上を走行可能な車両、陸地上に建てられた建物等の施設、又は、陸地上又は海洋上に建てられた灯台又は鉄塔等の構造物に設置される。
レーダシステム1は、送信器2と受信器3とに替えて、送信器2が備える機能と、受信器3が備える機能との両方の機能を備える図1には不図示の送受信器を備えるものであってもよい。
位置推定装置100は、受信器3が出力する受信信号を取得し、当該受信信号に基づいて予め定められた期間(以下「所定期間」ともいう。)を経過後における海洋上に漂流する漂流物(以下、単に「漂流物」という。)の位置(以下「未来位置」という。)を推定する。所定期間は、任意の期間である。位置推定装置100は、未来位置を示す未来位置情報を出力装置5に出力する。位置推定装置100の詳細については後述する。
記憶装置4は、位置推定装置100が未来位置を推定する際に必要な情報を記憶する。位置推定装置100は、位置推定装置100が未来位置を推定する際に必要な情報を記憶装置4から読み出すことにより取得する。
出力装置5は、例えば、ディスプレイ等の表示出力装置である。例えば、位置推定装置100は、未来位置情報を出力装置5に出力することにより、出力装置5に未来位置情報を表示させる。
図4を参照して、実施の形態1に係る位置推定装置100の要部の構成について説明する。
図4は、実施の形態1に係る位置推定装置100の要部の構成の一例を示すブロック図である。
位置推定装置100は、受信信号取得部110、移流速度算出部120、乱流拡散速度算出部130、物性拡散速度算出部140、風取得部150、風圧流速度算出部151、速度補正部160、位置取得部170、位置推定部180、及び未来位置出力部190を備える。
物性拡散速度算出部140、風取得部150、風圧流速度算出部151、及び速度補正部160は、位置推定装置100にとって必須の構成ではなく、位置推定装置100は、必ずしも、物性拡散速度算出部140、風取得部150、風圧流速度算出部151、又は速度補正部160を備えている必要はない。
実施の形態1では、位置推定装置100は、物性拡散速度算出部140、風取得部150、風圧流速度算出部151、及び速度補正部160を備えているものとして説明する。
受信信号取得部110は、受信器3が出力する受信信号を取得する。受信信号取得部110は、受信した受信信号を移流速度算出部120に出力する。
受信器3が受信信号をアナログ電気信号として出力する場合、受信信号取得部110は、受信器3から取得した受信信号をデジタル電気信号に変換する。すなわち、当該場合、受信信号取得部110は、A/Dコンバータ等により構成される不図示のA/D変換部を有する。受信信号取得部110は、受信器3から取得した受信信号、又は、当該受信信号をデジタル電気信号に変換した後の受信信号を移流速度算出部120に出力する。
移流速度算出部120は、観測領域をレンジ方向とアジマス方向とに区分けして形成された複数のセルのそれぞれに対応する海洋の表層流れの移流速度を、受信信号取得部110が取得する受信信号に基づいて算出する。
移流速度とは、海洋表層の流れのうち、潮汐流又は海流等により生じる海洋表層の流れ(以下「移流」という。)の速度である。
具体的には、移流速度算出部120は、受信信号取得部110が出力する受信信号を受けて、当該受信信号に基づいてセル毎に対応する海洋の表層流れの移流速度を算出する。
例えば、移流速度算出部120は、受信信号に対してフーリエ変換を施し、当該受信信号の周波数を解析することにより、観測領域におけるセル毎の移速度を算出する。
図5を参照して、セルについて説明する。
図5は、観測領域をレンジ方向とアジマス方向とに区分けして形成された複数のセルの一例を示す図である。
レンジ方向とは、送信器2が放射する探査波の放射方向である。アジマス方向とは、レンジ方向に直行する方向、すなわち、送信器2が放射する探査波の放射方向に直行する方向である。セルは、観測領域において、海洋の海面をレンジ方向とアジマス方向とに区分けして形成された当該海面における領域である。
乱流拡散速度算出部130は、セル毎に海洋の表層流れの乱流拡散速度を算出する。
乱流拡散速度とは、海洋表層の流れのうち、潮汐流、海流、又は大気の変動等により生じる海洋表層の乱れによる海洋表層の流れ(以下「乱流拡散」という。)の速度である。
乱流拡散速度算出部130は、例えば、統計処理を行うことにより乱流拡散速度の近似解を算出する。
具体的には、例えば、乱流拡散速度算出部130は、ランダムウォークを用いた統計処理を行うことにより乱流拡散速度の近似解を算出する。
より具体的には、例えば、乱流拡散速度算出部130は、以下の文献Aに記載されたランダムウォークを用いた統計処理を行うことにより乱流拡散速度の近似解を算出する。
文献A:“石油連盟”,“流出油の拡散予測モデル調査報告書”,(1992年)
図6を参照して実施の形態1に係る位置推定装置100が漂流物200の未来位置を推定する際のレーダシステム1の測定系について説明する。
図6は、実施の形態1に係る位置推定装置100が漂流物200の未来位置を推定する際のレーダシステム1の測定系の一例を示す説明図である。
図6において、漂流物200は、ある時点における漂流物の状態を、また、漂流物201は、当該時点からある期間経過後における漂流物の状態を示している。
実施の形態1では、一例として、漂流物200は、海上に漂流する油であるものとして説明する。
なお、図6には、1対の送信器2と受信器3とが記載されているが、レーダシステム1が備える送信器2と受信器3とは、1対に限定されるものではなく、複数対でであってもよい。
漂流物200の位置は、例えば、飛行機、ヘリコプター、又はドローン等の飛行体204に設置された不図示の光学装置等の探査装置が取得した画像情報等に基づいて、不図示の解析装置により特定される。例えば、解析装置は、特定した漂流物200の位置を示す位置情報を、画像又は信号等を光学装置等が取得した時点を示す時刻情報と対応付けて、記憶装置4に出力する。具体的には、解析装置は、位置情報と当該位置情報に対応する時刻情報とを記憶装置4に書き込むことにより記憶装置4に記憶させる。例えば、解析装置と記憶装置4とは、無線LAN(Local Area Network)等の不図示の通信ネットワークにより接続されている。
探査装置の設置場所は、飛行体204に限定されるものではない。例えば、探査装置は、海洋上を航行する船舶205、海洋上に設置された海洋ブイ207、又は宇宙空間において地球周回軌道を回る人工衛星206等に設置されてもよい。また、探査装置は、送信器2及び受信器3と同様に、陸地上を走行可能な車両、陸地上に建てられた建物等の施設、又は、陸地上又は海洋上に建てられた灯台又は鉄塔等の構造物に設置されてもよい。また、探査装置は、送信器2、受信器3、又は位置推定装置100に備えられたものであってもよい。解析装置については、無線通信又は有線通信により、探査装置が取得した画像情報等を探査装置から取得可能であり、且つ、無線通信又は有線通信により、位置情報及び時刻情報を記憶装置4に書き込むことが可能であれば、任意の場所に設置することが可能である。
また、探査装置は光学装置に限定されるものではない。例えば、漂流物200が油である場合、海洋上を漂流する油層は、海面の散乱を弱める特徴があるため、当該特徴を利用して、マイクロ波を送受信するマイクロ波レーダ装置を探査装置として用いてもよい。
位置取得部170は、海洋上に漂流する漂流物200の位置を示す位置情報を取得する。具体的には、例えば、位置取得部170は、記憶装置4に記憶された位置情報を読み出すことにより、記憶装置4から位置情報を取得する。
位置推定部180は、移流速度算出部120が算出した移流速度、乱流拡散速度算出部130が算出した乱流拡散速度、及び、位置取得部170が取得した位置情報に基づいて、予め定められた期間を経過後における当該漂流物201の位置である未来位置を推定する。
例えば、油は、微小な油粒子の集まり(以下「油粒子群」という。)であると考えることができる。
ある油粒子iの位置は、次式(1)を用いて近似的に求めることができる。
Xi(n+1)=Xi(n)+Δt・Ui(n) ・・・ 式(1)
ここで、nは任意の単位による時刻、Xi(n)は時刻がnであるときの油粒子iの位置、Ui(n)は、時刻がnであるときの油粒子iの速度、及び、Δtは、nからn+1までの間の期間である。
漂流物200が油である場合、油粒子iの速度であるUi(n)は、次式(2)を用いて表すことができる。
Ui(n)=Udi(n)+Uai(n) ・・・ 式(2)
ここで、Udi(n)は乱流拡散速度、及び、Uai(n)は移流速度である。
乱流拡散速度は、乱流拡散速度算出部130により算出された速度であり、上述のように、乱流拡散速度は、乱流拡散速度算出部130が、ランダムウォークを用いた統計処理を行うことにより算出される。
具体的には、例えば、乱流拡散速度算出部130は、次式(3)を用いて乱流拡散速度を算出する。
Figure 0007170941000001
ここで、Dは拡散係数あり、例えば、以下の文献Bに記載されているような実験結果により予め決定された値である。また、Rは0から1までの実数の一様乱数である。
文献B:“松崎”,“海上流出油の移流及び拡散に関する数値計算法の開発”,(2015)
拡散係数は、例えば、上述のように実験結果により予め決定された値であり、漂流物である物質の物性により決定される値である。したがって、漂流物が塩酸又は硫酸等の油とはこと異なる化学物質であったとしても、漂流物の物質が特定されれば、当該物質の物性に基づいて拡散係数が決定され、乱流拡散速度を算出することができる。
例えば、拡散係数は、予め記憶装置4に記憶されており、乱流拡散速度算出部130は、記憶装置4から拡散係数を読み出すことにより、拡散係数を取得する。
移流速度は、移流速度算出部120により算出された速度である。移流速度は、漂流物である物質の物性には依存しない値である。
したがって、位置推定部180は、どのような物性の物質が漂流物であったとしても、式(1)及び式(2)を用いて漂流物の未来位置を推定することができる。
位置推定装置100は、位置推定部180が乱流拡散速度を加味して未来位置を推定するものであるため、所定期間経過後における漂流物の位置を高精度で推定することができる。また、位置推定装置100は、移流速度と乱流拡散速度とをセル毎に算出するため、所定期間経過後における漂流物の位置を高精度で推定することができる。
未来位置出力部190は、位置推定装置100が推定した未来位置を示す未来位置情報を出力装置5に出力することにより、出力装置5に未来位置情報を表示させる。
位置推定装置100は、移流速度と乱流拡散速度とだけではなく、物性拡散速度を加味して所定期間経過後における漂流物の位置を推定するものであってもよい。
漂流物が油又は化学物質等の液体である場合、漂流物は、漂流物自体の表面張力又は粘性の物性により物性拡散する。物性拡散速度とは、漂流物が、漂流物自体の表面張力又は粘性の物性により物性拡散して移動する速度である。
物性拡散速度算出部140は、物性拡散速度を算出する。
例えば、物性拡散速度算出部140は、以下の文献Cに記載された算出方法を用いることにより物性拡散速度を算出することできる。
文献C:“Fay J.A.”,“The Spread of Oil on a Calm Sea”,(1969)
物性拡散速度は、物質の物性値により決定されるものであるため、漂流物が塩酸又は硫酸等の油とは異なる化学物質であったとしても、漂流物の物質が特定されれば、物性拡散速度算出部140は、当該物質の物性値に基づいて、物性拡散速度を算出することができる。
例えば、当該物質の物性値は、予め記憶装置4に記憶されており、物性拡散速度算出部140は、記憶装置4から当該物性値を読み出すことにより、当該物性値を取得する。
位置推定装置100が物性拡散速度算出部140を備える場合、位置推定部180は、移流速度、乱流拡散速度、及び漂流物の位置情報に加えて、物性拡散速度算出部140が算出した物性拡散速度に基づいて、漂流物の未来位置を推定する。
具体的には、例えば、位置推定部180は、漂流物が突出部を有する場合、式(1)及び次式(4)を用いて漂流物の未来位置を推定する。
Ui(n)=Usi(n)+Udi(n)+Uai(n) ・・・ 式(4)
なお、Usi(n)は、物性拡散速度算出部140が算出する物性拡散速度である。
このように構成することにより、位置推定装置100は、位置推定部180が乱流拡散速度及び物性拡散速度を加味して未来位置を推定するものであるため、乱流拡散速度のみを加味して未来位置を推定する場合よりも、所定期間経過後における漂流物の位置をより高精度で推定することができる。
漂流物は、海洋油田若しくはタンカ等から海洋に流出した油、又は、塩酸若しくは硫酸等の化学物質のような液体だけとは限らない。例えば、漂流物には、海洋を漂流する船舶、大型ごみ、又は遭難者等の海面から突出する突出部を有するものがある。このような突出部を有する漂流物の移動は、風による影響を受ける。
風取得部150は、観測領域における風速及び風向を示す風情報を取得する。具体的には、例えば、風情報は、記憶装置4に予め記憶されており、風取得部150は、記憶装置4から風情報を読み出すことにより風情報を取得する。風取得部150は、観測領域における風速及び風向を観測する不図示の風観測装置が出力する風情報を、逐次、取得してもよい。
風圧流速度算出部151は、風取得部150が取得した風情報に基づいて、セル毎に風圧流速度を算出する。
具体的には、例えば、海面近くの風圧流速度は、以下の次式(5)又は式(6)を用いて算出する。
Uiw(n)=αWi(n)+β ・・・ 式(5)
ただし、式(5)は、Wi>=6[kN(キロニュートン)]の場合である。
Uiw(n)=(α+β/6)Wi(n) ・・・ 式(6)
ただし、式(6)は、Wi<6[kN]の場合である。
なお、Uiw(n)は、海面近くの風圧流速度、α及びβは予め定められた係数、Wi(n)は海面近くの風速である。
具体的には、例えば、α及びβは、以下の文献Dに記載された係数を用いることができる。
文献D:“U.S. COAST GUARD ADDENDUM”,“U.S. COAST GUARD ADDENDUM TO THE UNITED STATES NATIONAL SEARCH AND RESCUE SUP- PLEMENT(NSS)To The International Aeronautical and Maritime Search and Rescue Manual”,(2004)
例えば、α及びβが示す係数は、予め記憶装置4に記憶されており、風圧流速度算出部151は、記憶装置4から当該係数を読み出すことにより、当該係数を取得する。
位置推定装置100が風取得部150及び風圧流速度算出部151を備える場合、位置推定部180は、移流速度、乱流拡散速度、及び漂流物の位置情報に加えて、風圧流速度算出部151が算出した風圧流速度に基づいて、漂流物の未来位置を推定する。
具体的には、例えば、位置推定部180は、当該場合、式(1)及び次式(7)を用いて漂流物の未来位置を推定する。
Ui(n)=Udi(n)+Uai(n)+Uiw(n) ・・・ 式(7)
このように構成することにより、位置推定装置100は、漂流物が突出部を有する場合であっても、位置推定部180が乱流拡散速度及び風圧流速度を加味して未来位置を推定するものであるため、所定期間経過後における漂流物の位置を高精度で推定することができる。
また、位置推定装置100が物性拡散速度算出部140、風取得部150、及び風圧流速度算出部151を備える場合、位置推定部180は、移流速度、乱流拡散速度、風圧流速度、及び漂流物の位置情報に加えて、物性拡散速度算出部140が算出した物性拡散速度に基づいて、漂流物の未来位置を推定してもよい。
具体的には、例えば、位置推定部180は、当該場合、式(1)及び次式(8)を用いて漂流物の未来位置を推定する。
Ui(n)=Usi(n)+Udi(n)+Uai(n)+Uiw(n)
・・・ 式(8)
位置推定部180は、移流速度算出部120が算出した移流速度に替えて、当該移流速度を補正した補正後の移流速度である補正移流速度を用いて、Ui(n)を算出して、漂流物の未来位置を推定してもよい。
同様に、位置推定部180は、乱流拡散速度算出部130が算出した乱流拡散速度に替えて、当該乱流拡散速度を補正した補正後の乱流拡散速度である補正乱流拡散速度を用いて、Ui(n)を算出して、漂流物の未来位置を推定してもよい。
同様に、位置推定装置100が物性拡散速度算出部140を備える場合、位置推定部180は、物性拡散速度算出部140が算出した物性拡散速度に替えて、当該物性拡散速度を補正した補正後の物性拡散速度である補正物性拡散速度を用いて、Ui(n)を算出して、漂流物の未来位置を推定してもよい。
同様に、位置推定装置100が風取得部150及び風圧流速度算出部151を備える場合、位置推定部180は、風圧流速度算出部151が算出した風圧流速度に替えて、当該風圧流速度を補正した補正後の風圧流速度である補正風圧流速度を用いて、Ui(n)を算出して、漂流物の未来位置を推定してもよい。
具体的には、例えば、速度補正部160は、移流速度の補正係数を決定し、決定した補正係数を移流速度算出部120が算出した移流速度に乗ずることにより、補正移流速度を算出する。
同様に、例えば、速度補正部160は、乱流拡散速度の補正係数を決定し、決定した補正係数を乱流拡散速度算出部130が算出した乱流拡散速度に乗ずることにより、補正乱流拡散速度を算出する。
同様に、例えば、速度補正部160は、位置推定装置100が物性拡散速度算出部140を備える場合、物性拡散速度の補正係数を決定し、決定した補正係数を物性拡散速度算出部140が算出した物性拡散速度に乗ずることにより、補正物性拡散速度を算出する。
同様に、例えば、速度補正部160は、位置推定装置100が風取得部150及び風圧流速度算出部151を備える場合、風圧流速度の補正係数を決定し、決定した補正係数を風圧流速度算出部151が算出した風圧流速度に乗ずることにより、補正風圧流速度を算出する。
より具体的には、例えば、速度補正部160は、位置取得部170が取得した位置情報が示す時刻がn-1のとき漂流物の位置と、時刻がnのとき漂流物の位置とに基づいて、漂流物の移速度であるVi(n)を次式(9)により算出する。
V(n)={X(n)-X(n-1)}/Δt ・・・ 式(9)
ここで、X(n)は時刻がnのとき漂流物の位置であり、X(n-1)は時刻がn-1のとき漂流物の位置である。
速度補正部160は、上述のVi(n)と、式(2)、式(4)、式(7)、又は式(8)により求めたUi(n)とを比較することにより、移流速度、乱流拡散速度、物性拡散速度、又は風圧流速度のそれぞれを補正するための補正係数を決定する。
例えば、速度補正部160は、Vi(n)とUi(n)とを比較して、Vi(n)がUi(n)より小さい値である場合、補正係数が0から1までの間の実数となるように補正係数を決定する。また、速度補正部160は、Vi(n)とUi(n)とを比較して、Vi(n)がUi(n)より大きい値である場合、補正係数が1より大きな実数となるように補正係数を決定する。
速度補正部160は、上述のように決定した補正係数を用いて、補正移流速度、補正乱流拡散速度、補正物性拡散速度、又は補正風圧流速度を算出する。
例えば、位置推定部180は、位置推定装置100が、物性拡散速度算出部140、風取得部150、風圧流速度算出部151、及び速度補正部160を備える場合、式(1)と式(8)とに替えて、式(1)と次式(10)とを用いて、漂流物の未来位置を推定する。
Ui(n)=Gs・Usi(n)+Gd・Udi(n)+Ga・Uai(n)
+Gw・Uiw(n) ・・・ 式(10)
ここで、Gsは、物性拡散速度の補正係数であり、Gs・Usi(n)は、物性拡散速度算出部140が算出した補正物性拡散速度である。
また、Gdは、乱流拡散速度の補正係数であり、Gd・Udi(n)は、速度補正部160が算出した補正乱流拡散速度である。
また、Gaは、移速度の補正係数であり、Ga・Uai(n)は、速度補正部160が算出した補正移速度である。
また、Gwは、風圧流速度の補正係数であり、Gw・Uiw(n)は、速度補正部160が算出した補正風圧流速度である。
このように構成することにより、位置推定装置100は、速度補正部160が、時刻がnに至るまでの漂流物の移動を加味して補正移流速度、補正乱流拡散速度、補正物性拡散速度、又は補正風圧流速度を算出するため、位置推定装置100が速度補正部160を備えていない場合と比較して、所定期間経過後における漂流物の位置をより高精度で推定することができる。
速度補正部160が補正移流速度、補正乱流拡散速度、補正物性拡散速度、又は補正風圧流速度を算出する方法は、時刻がnに至るまでの漂流物の移動に基づく方法に限定されるものではない。
例えば、速度補正部160は、移流速度算出部120が算出した移流速度、乱流拡散速度算出部130が算出した乱流拡散速度、物性拡散速度算出部140が算出した物性拡散速度、風圧流速度算出部151が算出した風圧流速度、又は位置取得部170が取得した位置情報が示す漂流物の位置の予測誤差における分散又は共分散に基づいて、移流速度、乱流拡散速度、物性拡散速度、又は風圧流速度を補正してもよい。
具体的には、例えば、速度補正部160は、カルマンフィルタ、拡張カルマンフィルタ、アンセンティッドカルマンフィルタ、アンサンブルカルマンフィルタ、又は四次元変分法等を用いて予測誤差の分散又は共分散を算出することにより、補正移流速度、補正乱流拡散速度、補正物性拡散速度、又は補正風圧流速度を算出する。
以下、一例として、速度補正部160がカルマンフィルタを用いて補正移流速度、補正乱流拡散速度、補正物性拡散速度、又は補正風圧流速度を算出する場合について説明する。
カルマンフィルタとは、観測値から状態を推定するために用いられるフィルタである。
具体的には、カルマンフィルタは、逐次推定法のひとつであるため、速度補正部160は、カルマンフィルタによる逐次処理により、観測値を用いて時々刻々と変化する海面の乱れ強さを、逐次、補正移流速度、補正乱流拡散速度、補正物性拡散速度、又は補正風圧流速度の算出に反映することが可能である。結果として、位置推定装置100は、位置推定装置100が速度補正部160を備えていない場合と比較して、所定期間経過後における漂流物の位置をより実態に即して推定することができる。
例えば、式(1)は、カルマンフィルタにおける状態方程式に相当する。また、式(1)の左辺は、カルマンフィルタにより推定される状態に相当し、式(1)の右辺のうち、時刻がnであるときの油粒子iの位置(Xi(n))、及び、nからn+1までの間の期間(Δt)は、カルマンフィルタにおける観測値に相当する。
また、式(3)の右辺の拡散係数(D)、及び、物性拡散速度算出部140が物性拡散速度を算出する際に用いる物質の物性値、並びに、式(5)若しくは式(6)の右辺の風速(Wi)も、カルマンフィルタにおける観測値に相当する。
一方、式(2)、式(4)、式(7)、又は式(8)の右辺の移流速度(Uai(n))、乱流拡散速度(Udi(n))、物性拡散速度(Usi(n))、及び風圧流速度(Uiw(n))は、カルマンフィルタにおける未知パラメータに相当する。
具体的には、例えば、速度補正部160は、以下の文献Eに記載された算出方法において、観測値と未知パラメータとを上述のように設定することにより、補正移流速度、補正乱流拡散速度、補正物性拡散速度、又は補正風圧流速度を算出する。
文献E:“足立”,“カルマンフィルタの基礎”,(2012)
このように構成することにより、位置推定装置100は、位置推定装置100が速度補正部160を備えていない場合と比較して、所定期間経過後における漂流物の位置をより高精度で推定することができる。
また、例えば、速度補正部160は、ニューラルネットワークによる機械学習又は深層学習等による学習結果である学習済モデルを用いて、補正移流速度、補正乱流拡散速度、補正物性拡散速度、又は補正風圧流速度を算出してもよい。
図7A及び図7Bを参照して、実施の形態1に係る位置推定装置100の要部のハードウェア構成について説明する。
図7A及び図7Bは、実施の形態1に係る位置推定装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図7Aに示す如く、位置推定装置100は、コンピュータにより構成されており、当該コンピュータはプロセッサ701及びメモリ702を有している。メモリ702には、当該コンピュータを、受信信号取得部110、移流速度算出部120、乱流拡散速度算出部130、物性拡散速度算出部140、風取得部150、風圧流速度算出部151、速度補正部160、位置取得部170、位置推定部180、及び未来位置出力部190として機能させるためのプログラムが記憶されている。メモリ702に記憶されているプログラムをプロセッサ701が読み出して実行することにより、受信信号取得部110、移流速度算出部120、乱流拡散速度算出部130、物性拡散速度算出部140、風取得部150、風圧流速度算出部151、速度補正部160、位置取得部170、位置推定部180、及び未来位置出力部190の機能が実現される。
また、図7Bに示す如く、位置推定装置100は、処理回路703により構成されても良い。この場合、受信信号取得部110、移流速度算出部120、乱流拡散速度算出部130、物性拡散速度算出部140、風取得部150、風圧流速度算出部151、速度補正部160、位置取得部170、位置推定部180、及び未来位置出力部190の機能が処理回路703により実現されても良い。
また、位置推定装置100はプロセッサ701、メモリ702及び処理回路703により構成されても良い(不図示)。この場合、受信信号取得部110、移流速度算出部120、乱流拡散速度算出部130、物性拡散速度算出部140、風取得部150、風圧流速度算出部151、速度補正部160、位置取得部170、位置推定部180、及び未来位置出力部190の機能のうちの一部の機能がプロセッサ701及びメモリ702により実現されて、残余の機能が処理回路703により実現されるものであっても良い。
プロセッサ701は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又はDSP(Digital Signal Processor)を用いたものである。
メモリ702は、例えば、半導体メモリ又は磁気ディスクを用いたものである。より具体的には、メモリ702は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、SSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disk Drive)などを用いたものである。
処理回路703は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System-on-a-Chip)又はシステムLSI(Large-Scale Integration)を用いたものである。
図8を参照して、実施の形態1に係る位置推定装置100の動作について説明する。
図8は、実施の形態1に係る位置推定装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
位置推定装置100は、例えば、当該フローチャートの処理を繰り返し実行する。
まず、ステップST801にて、受信信号取得部110は、受信信号を取得する。
次に、ステップST802にて、移流速度算出部120は、移流速度を算出する。
次に、ステップST803にて、乱流拡散速度算出部130は、乱流拡散速度を算出する。
次に、ステップST804にて、物性拡散速度算出部140は、物性拡散速度を算出する。
次に、ステップST805にて、風取得部150は、風情報を取得する。
次に、ステップST806にて、風圧流速度算出部151は、風圧流速度を算出する。
次に、ステップST807にて、速度補正部160は、移流速度、乱流拡散速度、物性拡散速度、又は風圧流速度を補正する。
次に、ステップST808にて、位置取得部170は、位置情報を取得する。
次に、ステップST809にて、位置推定部180は、未来位置を推定する。
次に、ステップST810にて、未来位置出力部190は、未来位置情報を出力する。
ステップST810の後、位置推定装置100は、当該フローチャートの処理を終了する。位置推定装置100は、当該フローチャートの処理を終了した後、ステップST801に戻り、当該フローチャートの処理を繰り返し実行する。
なお、ステップST801の処理が、ステップST802の処理の前に実行され、且つ、ステップST805の処理が、ステップST806の処理の前に実行されれば、ステップST801からステップST806までの処理の順序は任意である。また、ステップST808の処理は、ステップST809の処理の前に実行されれば、いつ実行されて良い。
位置推定装置100が物性拡散速度算出部140を備えていない場合、ステップST804の処理は省略可能であり、且つ、ステップST807にて、速度補正部160は、移流速度、乱流拡散速度、又は風圧流速度を補正する。
また、位置推定装置100が風取得部150及び風圧流速度算出部151を備えていない場合、ステップST805及びステップST806の処理は省略可能であり、且つ、ステップST807にて、速度補正部160は、移流速度、乱流拡散速度、又は物性拡散速度を補正する。
また、位置推定装置100が速度補正部160を備えていない場合、ステップST807の処理は省略可能である。
以上のように、実施の形態1に係る位置推定装置100は、観測領域に向けて放射された探査波であって観測領域における海面で反射した探査波である反射波を受信して、受信した反射波に基づく受信信号を出力する受信器3から、受信信号を取得する受信信号取得部110と、観測領域をレンジ方向とアジマス方向とに区分けして形成された複数のセルのそれぞれに対応する海洋の表層流れの移流速度を、受信信号取得部110が取得する受信信号に基づいて算出する移流速度算出部120と、セル毎に海洋の表層流れの乱流拡散速度を算出する乱流拡散速度算出部130と、海洋上に漂流する漂流物の位置を示す位置情報を取得する位置取得部170と、移流速度算出部120が算出した移流速度、乱流拡散速度算出部130が算出した乱流拡散速度、及び、位置取得部170が取得した位置情報に基づいて、予め定められた期間を経過後における当該漂流物の位置である未来位置を推定する位置推定部180と、を備えた。
このように構成することにより、位置推定装置100は、所定期間経過後における漂流物の位置を高精度で推定することができる。
また、以上のように、実施の形態1に係る位置推定装置100は、上述の構成に加えて、漂流物の物性を示す物性情報に基づいて、漂流物の物性拡散速度を算出する物性拡散速度算出部140を備え、位置推定部180は、移流速度、乱流拡散速度、及び漂流物の位置に加えて、物性拡散速度算出部140が算出した物性拡散速度に基づいて、漂流物の未来位置を推定するように構成した。
このように構成することにより、位置推定装置100は、位置推定装置100が物性拡散速度算出部140を備えていない場合と比較して、所定期間経過後における漂流物の位置をより高精度で推定することができる。
また、以上のように、実施の形態1に係る位置推定装置100は、上述の構成に加えて、観測領域における風速及び風向を示す風情報を取得する風取得部150と、風取得部150が取得した風情報に基づいて、セル毎に風圧流速度を算出する風圧流速度算出部151と、を備え、位置推定部180は、移流速度、乱流拡散速度、及び漂流物の位置に加えて、風圧流速度算出部151が算出した風圧流速度に基づいて、漂流物の未来位置を推定するように構成した。
このように構成することにより、位置推定装置100は、位置推定装置100が風圧流速度算出部151を備えていない場合と比較して、所定期間経過後における漂流物の位置をより高精度で推定することができる。
また、以上のように、実施の形態1に係る位置推定装置100は、上述の構成に加えて、移流速度算出部120が算出した移流速度、又は乱流拡散速度算出部130が算出した乱流拡散速度を補正する速度補正部160を備え、位置推定部180は、速度補正部160が補正した補正後の移流速度又は乱流拡散速度に基づいて、漂流物の未来位置を推定するように構成した。
なお、速度補正部160は、移流速度算出部120が算出した移流速度、乱流拡散速度算出部130が算出した乱流拡散速度、又は物性拡散速度算出部140が算出した物性拡散速度を補正するものであってもよい。また、速度補正部160は、移流速度算出部120が算出した移流速度、乱流拡散速度算出部130が算出した乱流拡散速度、又は風圧流速度算出部151が算出した風圧流速度を補正するものであってもよい。
速度補正部160が、移流速度算出部120が算出した移流速度、乱流拡散速度算出部130が算出した乱流拡散速度、又は物性拡散速度算出部140が算出した物性拡散速度を補正するものである場合、位置推定部180は、速度補正部160が補正した補正後の移流速度、乱流拡散速度、又は物性拡散速度に基づいて、漂流物の未来位置を推定するように構成する。また、速度補正部160が、移流速度算出部120が算出した移流速度、乱流拡散速度算出部130が算出した乱流拡散速度、又は風圧流速度算出部151が算出した風圧流速度を補正するものである場合、位置推定部180は、速度補正部160が補正した補正後の移流速度、乱流拡散速度、又は風圧流速度に基づいて、漂流物の未来位置を推定する。
このように構成することにより、位置推定装置100は、位置推定装置100が速度補正部160を備えていない場合と比較して、所定期間経過後における漂流物の位置をより高精度で推定することができる。
また、以上のように、実施の形態1に係る位置推定装置100は、上述の構成において、位置取得部170が取得する位置情報であって、速度補正部160は、漂流物の過去の位置を示す過去位置情報に基づいて、移流速度算出部120が算出した移流速度、又は乱流拡散速度算出部130が算出した乱流拡散速度を補正するように構成した。
このように構成することにより、位置推定装置100は、時刻がnに至るまでの漂流物の移動を加味して所定期間経過後における漂流物の位置を推定することができる。
また、以上のように、実施の形態1に係る位置推定装置100は、上述の構成において、速度補正部160は、移流速度算出部120が算出した移流速度、乱流拡散速度算出部130が算出した乱流拡散速度、又は位置取得部170が取得した位置情報が示す漂流物の位置の予測誤差における分散又は共分散に基づいて、移流速度又は乱流拡散速度を補正するように構成した。
このように構成することにより、位置推定装置100は、所定期間経過後における漂流物の位置をより実態に即して推定することができる。
なお、本開示はその開示の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
本開示の位置推定装置は、レーダシステムに適用することができる。
1 レーダシステム、2 送信器、3 受信器、4 記憶装置、5 出力装置、21 送信信号生成部、22 送信アンテナ、31 受信アンテナ、32 増幅部、100 位置推定装置、110 受信信号取得部、120 移流速度算出部、130 乱流拡散速度算出部、140 物性拡散速度算出部、150 風取得部、151 風圧流速度算出部、160 速度補正部、170 位置取得部、180 位置推定部、190 未来位置出力部、200,201 漂流物、204 飛行体、205 船舶、206 人工衛星、207 海洋ブイ、701 プロセッサ、702 メモリ、703 処理回路。

Claims (8)

  1. 観測領域に向けて放射された探査波であって前記観測領域における海面で反射した前記探査波である反射波を受信して、受信した前記反射波に基づく受信信号を出力する受信器から、前記受信信号を取得する受信信号取得部と、
    前記観測領域をレンジ方向とアジマス方向とに区分けして形成された複数のセルのそれぞれに対応する海洋の表層流れの移流速度を、前記受信信号取得部が取得する前記受信信号に基づいて算出する移流速度算出部と、
    前記セル毎に前記海洋の前記表層流れの乱流拡散速度を算出する乱流拡散速度算出部と、
    前記海洋上に漂流する漂流物の位置を示す位置情報を取得する位置取得部と、
    前記移流速度算出部が算出した前記移流速度、前記乱流拡散速度算出部が算出した前記乱流拡散速度、及び、前記位置取得部が取得した前記位置情報に基づいて、予め定められた期間を経過後における当該漂流物の位置である未来位置を推定する位置推定部と
    前記漂流物の物性を示す物性情報に基づいて、前記漂流物の物性拡散速度を算出する物性拡散速度算出部と、を備え、
    前記位置推定部は、前記移流速度、前記乱流拡散速度、及び前記漂流物の位置に加えて、前記物性拡散速度算出部が算出した前記物性拡散速度に基づいて、前記漂流物の前記未来位置を推定すること
    を特徴とする位置推定装置。
  2. 観測領域に向けて放射された探査波であって前記観測領域における海面で反射した前記探査波である反射波を受信して、受信した前記反射波に基づく受信信号を出力する受信器から、前記受信信号を取得する受信信号取得部と、
    前記観測領域をレンジ方向とアジマス方向とに区分けして形成された複数のセルのそれぞれに対応する海洋の表層流れの移流速度を、前記受信信号取得部が取得する前記受信信号に基づいて算出する移流速度算出部と、
    前記セル毎に前記海洋の前記表層流れの乱流拡散速度を算出する乱流拡散速度算出部と、
    前記海洋上に漂流する漂流物の位置を示す位置情報を取得する位置取得部と、
    前記移流速度算出部が算出した前記移流速度、前記乱流拡散速度算出部が算出した前記乱流拡散速度、及び、前記位置取得部が取得した前記位置情報に基づいて、予め定められた期間を経過後における当該漂流物の位置である未来位置を推定する位置推定部と、
    前記観測領域における風速及び風向を示す風情報を取得する風取得部と、
    前記風取得部が取得した前記風情報に基づいて、前記セル毎に風圧流速度を算出する風圧流速度算出部と、
    を備え、
    前記位置推定部は、前記移流速度、前記乱流拡散速度、及び前記漂流物の位置に加えて、前記風圧流速度算出部が算出した前記風圧流速度に基づいて、前記漂流物の前記未来位置を推定し、
    前記移流速度算出部が算出した前記移流速度、前記乱流拡散速度算出部が算出した前記乱流拡散速度、又は前記風圧流速度算出部が算出した前記風圧流速度を補正する速度補正部を備え、
    前記速度補正部は、
    前記位置取得部が取得する位置情報であって、前記漂流物の過去の位置を示す過去位置情報に基づいて、前記移流速度、前記乱流拡散速度、又は前記風圧流速度を補正するか、あるいは、前記移流速度算出部が算出した前記移流速度、前記乱流拡散速度算出部が算出した前記乱流拡散速度、前記風圧流速度算出部が算出した前記風圧流速度、又は前記位置取得部が取得した前記位置情報が示す前記漂流物の位置の予測誤差における分散又は共分散に基づいて、前記移流速度、前記乱流拡散速度、又は前記風圧流速度を補正し、
    前記位置推定部は、前記速度補正部が補正した補正後の前記移流速度、前記乱流拡散速度、又は前記風圧流速度に基づいて、前記漂流物の前記未来位置を推定すること
    を特徴とする位置推定装置。
  3. 観測領域に向けて放射された探査波であって前記観測領域における海面で反射した前記探査波である反射波を受信して、受信した前記反射波に基づく受信信号を出力する受信器から、前記受信信号を取得する受信信号取得部と、
    前記観測領域をレンジ方向とアジマス方向とに区分けして形成された複数のセルのそれぞれに対応する海洋の表層流れの移流速度を、前記受信信号取得部が取得する前記受信信号に基づいて算出する移流速度算出部と、
    前記セル毎に前記海洋の前記表層流れの乱流拡散速度を算出する乱流拡散速度算出部と、
    前記海洋上に漂流する漂流物の位置を示す位置情報を取得する位置取得部と、
    前記移流速度算出部が算出した前記移流速度、前記乱流拡散速度算出部が算出した前記乱流拡散速度、及び、前記位置取得部が取得した前記位置情報に基づいて、予め定められた期間を経過後における当該漂流物の位置である未来位置を推定する位置推定部と、
    前記移流速度算出部が算出した前記移流速度、又は前記乱流拡散速度算出部が算出した前記乱流拡散速度を補正する速度補正部と、を備え、
    前記速度補正部は、
    前記位置取得部が取得する位置情報であって、前記漂流物の過去の位置を示す過去位置情報に基づいて、前記移流速度又は前記乱流拡散速度を補正するか、あるいは、前記移流速度算出部が算出した前記移流速度、前記乱流拡散速度算出部が算出した前記乱流拡散速度、又は前記位置取得部が取得した前記位置情報が示す前記漂流物の位置の予測誤差における分散又は共分散に基づいて、前記移流速度又は前記乱流拡散速度を補正し、
    前記位置推定部は、前記速度補正部が補正した補正後の前記移流速度又は前記乱流拡散速度に基づいて、前記漂流物の前記未来位置を推定すること
    を特徴とする位置推定装置。
  4. 前記移流速度算出部が算出した前記移流速度、前記乱流拡散速度算出部が算出した前記乱流拡散速度、又は前記物性拡散速度算出部が算出した前記物性拡散速度を補正する速度補正部を備え、
    前記速度補正部は、
    前記位置取得部が取得する位置情報であって、前記漂流物の過去の位置を示す過去位置情報に基づいて、前記移流速度、前記乱流拡散速度、又は前記物性拡散速度を補正するか、あるいは、前記移流速度算出部が算出した前記移流速度、前記乱流拡散速度算出部が算出した前記乱流拡散速度、前記物性拡散速度算出部が算出した前記物性拡散速度、又は前記位置取得部が取得した前記位置情報が示す前記漂流物の位置の予測誤差における分散又は共分散に基づいて、前記移流速度、前記乱流拡散速度、又は前記物性拡散速度を補正し、
    前記位置推定部は、前記速度補正部が補正した補正後の前記移流速度、前記乱流拡散速度、又は前記物性拡散速度に基づいて、前記漂流物の前記未来位置を推定すること
    を特徴とする請求項1記載の位置推定装置。
  5. 請求項1から請求項のうちのいずれか1項に記載の位置推定装置と、
    前記観測領域に向けて前記探査波を放射する送信器と、
    前記送信器が前記観測領域に向けて放射した前記探査波が前記観測領域における前記海面で反射した前記探査波である前記反射波を受信して、受信した前記反射波に基づく受信信号を出力する前記受信器と、
    を備えること
    を特徴とするレーダシステム。
  6. 受信信号取得部が、観測領域に向けて放射された探査波であって前記観測領域における海面で反射した前記探査波である反射波を受信して、受信した前記反射波に基づく受信信号を出力する受信器から、前記受信信号を取得する受信信号取得ステップと、
    移流速度算出部が、前記観測領域をレンジ方向とアジマス方向とに区分けして形成された複数のセルのそれぞれに対応する海洋の表層流れの移流速度を算出する移流速度算出ステップと、
    乱流拡散速度算出部が、前記セル毎に前記海洋の前記表層流れの乱流拡散速度を算出する乱流拡散速度算出ステップと、
    位置取得部が、前記海洋上に漂流する漂流物の位置を示す位置情報を取得する位置取得ステップと、
    位置推定部が、前記移流速度算出ステップにより算出された前記移流速度、前記乱流拡散速度算出ステップにより算出された前記乱流拡散速度、及び、前記位置取得ステップにより取得された前記位置情報に基づいて、予め定められた期間を経過後における当該漂流物の位置である未来位置を推定する位置推定ステップと、
    物性拡散速度算出部が、前記漂流物の物性を示す物性情報に基づいて、前記漂流物の物性拡散速度を算出する物性拡散速度算出ステップと、を備え、
    前記位置推定部は、前記移流速度、前記乱流拡散速度、及び前記漂流物の位置に加えて、前記物性拡散速度算出ステップにより算出された前記物性拡散速度に基づいて、前記漂流物の前記未来位置を推定すること
    を特徴とする位置推定方法。
  7. 受信信号取得部が、観測領域に向けて放射された探査波であって前記観測領域における海面で反射した前記探査波である反射波を受信して、受信した前記反射波に基づく受信信号を出力する受信器から、前記受信信号を取得する受信信号取得ステップと、
    移流速度算出部が、前記観測領域をレンジ方向とアジマス方向とに区分けして形成された複数のセルのそれぞれに対応する海洋の表層流れの移流速度を算出する移流速度算出ステップと、
    乱流拡散速度算出部が、前記セル毎に前記海洋の前記表層流れの乱流拡散速度を算出する乱流拡散速度算出ステップと、
    位置取得部が、前記海洋上に漂流する漂流物の位置を示す位置情報を取得する位置取得ステップと、
    位置推定部が、前記移流速度算出ステップにより算出された前記移流速度、前記乱流拡散速度算出ステップにより算出された前記乱流拡散速度、及び、前記位置取得ステップにより取得された前記位置情報に基づいて、予め定められた期間を経過後における当該漂流物の位置である未来位置を推定する位置推定ステップと、
    風取得部が、前記観測領域における風速及び風向を示す風情報を取得する風取得ステップと、
    風圧流速度算出部が、前記風取得ステップにより取得された前記風情報に基づいて、前記セル毎に風圧流速度を算出する風圧流速度算出ステップと、
    を備え、
    前記位置推定部は、前記移流速度、前記乱流拡散速度、及び前記漂流物の位置に加えて、前記風圧流速度算出ステップにより算出された前記風圧流速度に基づいて、前記漂流物の前記未来位置を推定し、
    速度補正部が、前記移流速度算出ステップにより算出された前記移流速度、前記乱流拡散速度算出ステップにより算出された前記乱流拡散速度、又は前記風圧流速度算出ステップにより算出された前記風圧流速度を補正する速度補正ステップを備え、
    前記速度補正部は、
    前記位置取得ステップにより取得される位置情報であって、前記漂流物の過去の位置を示す過去位置情報に基づいて、前記移流速度、前記乱流拡散速度、又は前記風圧流速度を補正するか、あるいは、前記移流速度算出ステップにより算出された前記移流速度、前記乱流拡散速度算出ステップにより算出された前記乱流拡散速度、前記風圧流速度算出ステップにより算出された前記風圧流速度、又は前記位置取得ステップにより取得された前記位置情報が示す前記漂流物の位置の予測誤差における分散又は共分散に基づいて、前記移流速度、前記乱流拡散速度、又は前記風圧流速度を補正し、
    前記位置推定部は、前記速度補正ステップにより補正された補正後の前記移流速度、前記乱流拡散速度、又は前記風圧流速度に基づいて、前記漂流物の前記未来位置を推定すること
    を特徴とする位置推定方法。
  8. 受信信号取得部が、観測領域に向けて放射された探査波であって前記観測領域における海面で反射した前記探査波である反射波を受信して、受信した前記反射波に基づく受信信号を出力する受信器から、前記受信信号を取得する受信信号取得ステップと、
    移流速度算出部が、前記観測領域をレンジ方向とアジマス方向とに区分けして形成された複数のセルのそれぞれに対応する海洋の表層流れの移流速度を算出する移流速度算出ステップと、
    乱流拡散速度算出部が、前記セル毎に前記海洋の前記表層流れの乱流拡散速度を算出する乱流拡散速度算出ステップと、
    位置取得部が、前記海洋上に漂流する漂流物の位置を示す位置情報を取得する位置取得ステップと、
    位置推定部が、前記移流速度算出ステップにより算出された前記移流速度、前記乱流拡散速度算出ステップにより算出された前記乱流拡散速度、及び、前記位置取得ステップにより取得された前記位置情報に基づいて、予め定められた期間を経過後における当該漂流物の位置である未来位置を推定する位置推定ステップと、
    速度補正部が、前記移流速度算出ステップにより算出された前記移流速度、又は前記乱流拡散速度算出ステップにより算出された前記乱流拡散速度を補正する速度補正ステップと、を備え、
    前記速度補正部は、
    前記位置取得ステップにより取得される位置情報であって、前記漂流物の過去の位置を示す過去位置情報に基づいて、前記移流速度又は前記乱流拡散速度を補正するか、あるいは、前記移流速度算出ステップにより算出された前記移流速度、前記乱流拡散速度算出ステップにより算出された前記乱流拡散速度、又は前記位置取得ステップにより取得された前記位置情報が示す前記漂流物の位置の予測誤差における分散又は共分散に基づいて、前記移流速度又は前記乱流拡散速度を補正し、
    前記位置推定部は、前記速度補正ステップにより補正された補正後の前記移流速度又は前記乱流拡散速度に基づいて、前記漂流物の前記未来位置を推定すること
    を特徴とする位置推定方法。
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