JP7169849B2 - 傾斜度算出装置、構造物及びプログラム - Google Patents

傾斜度算出装置、構造物及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、傾斜度算出装置、構造物及びプログラムに関する。
構造物をトンネル内の天井部に吊り構造で固定する取付部材の取付状態を監視するセンサ装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1 特開2015-111091号公報
構造物の傾斜は、構造物における温度差の影響を受ける場合がある。そのため、傾斜センサで測定した構造物の傾斜角のみでは、構造物の傾斜の程度を正しく評価することができないという課題があった。例えば、構造物における構造性能の劣化度合いを評価するために傾斜角の測定値を用いると、評価結果が温度差の影響を受けてしまう場合がある。
第1の態様において、傾斜度算出装置が提供される。傾斜度算出装置は、第1の温度センサにより得られた構造物の第1の部位の温度、及び、第2の温度センサにより得られた構造物の第2の部位の温度を取得する温度取得部を備える。傾斜度算出装置は、第1の傾斜センサにより得られた構造物の傾斜角の測定値を取得する傾斜角取得部を備えてよい。傾斜度算出装置は、第1の部位の温度と第2の部位の温度との差及び傾斜角の測定値に基づいて、構造物の傾斜の程度を示す傾斜度を算出する算出部とを備えてよい。
傾斜度算出装置は、第1の部位と第2の部位との間の温度差によって構造物に生じる傾斜角を、温度差に対応づけて記憶する記憶部をさらに備えてよい。算出部は、第1の部位の温度と第2の部位の温度との差に対応づけて記憶部が記憶している傾斜角と、傾斜角の測定値との差に基づいて、傾斜度を算出してよい。
算出部は、構造物の周辺温度に更に基づいて、傾斜度を算出してよい。
第1の傾斜センサは、第1の部位と第2の部位とを結ぶ線に直交する面に対する傾斜角を測定してよい。算出部は、第1の部位の温度と第2の部位の温度との差、及び、第1の部位と第2の部位とを結ぶ線に直交する面に対する傾斜角の測定値に基づいて、第1の部位と第2の部位とを結ぶ線に直交する面に対する構造物の傾斜の程度を示す傾斜度を算出してよい。
構造物は、重力方向に延びる第1の柱状部を有してよい。第1の部位と第2の部位とを結ぶ方向は、重力方向とは異なってよい。第1の温度センサ及び第1の温度センサは第1の柱状部の側部に設けられてよい。
傾斜角取得部は、第1の柱状部の重力方向下方に設けられた第2の傾斜センサにより得られた傾斜角の測定値をさらに取得してよい。第1の傾斜センサは、第2の傾斜センサより重力方向上方に設けられてよい。算出部は、第1の部位の温度と第2の部位の温度との差、及び、第1の傾斜センサにより得られた傾斜角の測定値と第2の傾斜センサにより得られた傾斜角の測定値との差に基づいて、傾斜度を算出してよい。
構造物は、第1の柱状部から、重力方向とは異なる方向に延びる第2の柱状部をさらに有してよい。傾斜角取得部は、第2の柱状部の傾斜角を測定するための第3の傾斜センサにより得られた傾斜角の測定値をさらに取得してよい。算出部はさらに、第3の傾斜センサにより得られた傾斜角の測定値と第1の傾斜センサにより得られた傾斜角の測定値との差に基づいて、第2の柱状部の傾斜角を算出してよい。
算出部は、風速センサにより得られた風速と、風によって構造物に生じる構造物の傾斜角とに更に基づいて、傾斜度を算出してよい。
傾斜度算出装置は、第1の温度センサにより得られた第1の部位の温度の測定値及び第2の温度センサにより得られた第2の部位の温度の測定値に対して遅れ処理を施す遅れ処理部をさらに備えてよい。算出部は、遅れ処理を施すことにより得られた第1の部位の温度と遅れ処理が施された第2の部位の温度との差、及び、第1の傾斜センサにより得られた傾斜角の測定値に基づいて、傾斜度を算出してよい。
遅れ処理は、一次遅れ処理及びむだ時間処理の少なくとも一方を含んでよい。
傾斜度算出装置は、第1の温度センサと、第2の温度センサと、第1の傾斜センサとをさらに備えてよい。
第2の態様において、構造物が提供される。構造物は、上記傾斜度算出装置を備えてよい。
第3の態様において、コンピュータが提供される。プログラムは、コンピュータを、第1の温度センサにより得られた構造物の第1の部位の温度、及び、第2の温度センサにより得られた構造物の第2の部位の温度を取得する温度取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、第1の傾斜センサにより得られた構造物の傾斜角の測定値を取得する傾斜角取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、第1の部位の温度と第2の部位の温度との差及び傾斜角の測定値に基づいて、構造物の傾斜の程度を示す傾斜度を算出する算出部として機能させてよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
一実施形態におけるモニタリングシステム100の全体構成を示す。 温度差により構造物80に傾斜が生じる様子を概略的に示す。 収集装置20の機能構成を概略的に示す。 温度差算出部312の機能構成を概略的に示す。 温度に対する角度θに対する傾斜角補正値の温度依存性の一例を示すグラフである。 温度に関する傾斜角補正値データをテーブル形式で示す。 風速に関する傾斜角補正値データをテーブル形式で示す。 測定値及び傾斜度の時間変化を示す。 収集装置20において実行されるデータ処理に関するフローチャートを示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、一実施形態におけるモニタリングシステム100の全体構成を示す。モニタリングシステム100は、構造物80と、構造物81と、構造物82と、サーバ70とを備える。モニタリングシステム100は、構造物80、構造物81及び構造物82に関する物理量をモニタリングする。本実施形態のモニタリングシステム100は、構造物ヘルスモニタリングシステムである。例えば、モニタリングシステム100は、構造物80、構造物81及び構造物82に関する物理量をモニタリングして、構造物80、構造物81及び構造物82のそれぞれの構造性能を診断する。
本実施形態において、構造物80、構造物81、構造物82は、道路情報掲示板である。モニタリングシステム100は、構造物81及び構造物82の傾斜角を連続的または断続的にモニタリングし、傾斜角に基づく評価値に基づいて、各構造物に起きた異常を検知する。異常としては例えば、構造物の基部の強度低下、構造物を固定するボルトの緩み、構造物の疲労などによる強度低下、外力による損傷等である。
構造物80は、支柱210と、支柱220と、ベースプレート230と、表示板240とを備える。構造物80は、高速道路や都市道路等の道路110に設置される。構造物80は、片持ち式で路側等に設置される。ベースプレート230は、コンクリート等の基礎に、アンカーボルト等で固定される。支柱210はベースプレート230に固定される。支柱210は、地面から鉛直上方に延びる。支柱220は、支柱210から、鉛直方向とは略直交する方向に延伸する。表示板240は、支柱220に固定される。表示板240は、交通状況、道路状況、トンネル等の情報を表示する。
構造物80は、収集装置20と、加速度センサ41、加速度センサ42及び加速度センサ43と、温度センサ30、温度センサ31、温度センサ32、温度センサ33及び温度センサ34と、風向風速センサ50とを備える傾斜度算出装置を備える。
加速度センサ41は、支柱210の長手方向の上部に設けられる。加速度センサ41は、鉛直方向において支柱210の上端部に設けられてよい。加速度センサ42は、支柱210の下部に設けられる。加速度センサ42は、鉛直方向において支柱210の下端部に設けられてよい。加速度センサ42は、ベースプレート230に設けられてよい。加速度センサ43は、表示板240に設けられる。なお、加速度センサ43は、支柱220に設けられてよい。加速度センサ43は、支柱220の延伸方向において、支柱210とは反対側の端部に設けられてよい。加速度センサ43は、支柱220の傾斜を測定するための加速度センサである。
温度センサ31及び温度センサ32は、支柱210に設けられ、支柱210の温度を測定する。温度センサ33及び温度センサ34は、支柱220に設けられ、支柱220の温度を測定する。温度センサ31、温度センサ32、温度センサ33、及び温度センサ34は、例えば熱電対であり、支柱に接触するように直接取り付けられる。温度センサ30は、構造物80の周囲の温度を検出する。風向風速センサ50は、風向及び風速を検出する。
加速度センサ41、加速度センサ42、加速度センサ43、温度センサ30、温度センサ31、温度センサ32、温度センサ33、温度センサ34、及び風向風速センサ50は、イーサネット(登録商標)ケーブル等の通信回線を通じて収集装置20に接続される。
収集装置20は、加速度センサ41、加速度センサ42、加速度センサ43、温度センサ30、温度センサ31、温度センサ32、温度センサ33、温度センサ34、及び風向風速センサ50の測定値を収集する。収集装置20は、各加速度センサから収集した加速度の測定値に基づいて、支柱210及び支柱220の傾きを算出する。そして、収集装置20は、加速度センサ41、加速度センサ42、及び加速度センサ43の測定値と、温度センサ30、温度センサ31、温度センサ32、温度センサ33、温度センサ34、及び風向風速センサ50の測定値とを用いて、支柱210及び支柱220のそれぞれの傾斜の程度を示す傾斜度を算出する。収集装置20は、傾斜度に基づいて、構造物80の構造性能を評価する。例えば、収集装置20は、傾斜度が大きいほど、構造物80の劣化が進んでいると評価する。収集装置20は、傾斜度が予め定められた閾値以上の場合に、ネットワーク90を通じて、サーバ70に警告情報、時系列の測定値を示す測定データ及び傾斜度を送信する。
サーバ70は、収集装置20から警告情報を受信した場合、測定データに基づいて、構造物80を解析する。例えば、サーバ70は、構造物80の施工当時の測定データと、現在の測定データとを比較して、構造物80の安全度を判定する。サーバ70は、安全度が予め定められた値より低い場合に、構造物80の運用者に警告する。
図2は、温度差により構造物80に傾斜が生じる様子を概略的に示す。図2(a)は、構造物80の基準設置状態を示す。基準設置状態において、支柱210の長手方向は鉛直方向に一致する。支柱220の長手方向は鉛直方向に直交する。本実施形態の説明において、鉛直方向をz軸方向とし、基準設置状態における支柱220の延伸方向をx軸方向とする固定の直交座標系を用いて、構造物80の方向等を説明する場合がある。基準設置状態は、構造物80の施工時の設置状態であってよい。
加速度センサ41、加速度センサ42、及び加速度センサ43はそれぞれ、3軸加速度センサである。加速度センサ41、加速度センサ42、及び加速度センサ43はそれぞれ、MEMS型加速度センサであってよい。加速度センサ41、加速度センサ42、及び加速度センサ43は、加速度により変位可能な可動電極を有し、可動電極の変位に応じて変化する静電容量に基づく加速度信号を出力する。加速度センサ41、加速度センサ42、及び加速度センサ43のそれぞれが出力する加速度信号は、DC成分が傾斜角を示し、AC成分が振動成分を示す。加速度センサ41、加速度センサ42、及び加速度センサ43のそれぞれにより測定される加速度信号は、X軸成分、Y軸成分、及びZ軸成分の3軸成分を有する。
加速度センサ41、加速度センサ42、及び加速度センサ43は、基準設置状態において測定される加速度が既定範囲内となるように校正される。例えば、加速度センサ41、加速度センサ42、及び加速度センサ43はそれぞれ、基準設置状態において測定される加速度のX軸成分及びY軸成分が0となるように校正される。基準設置状態において、各加速度センサのX軸が固定座標系のx軸と一致し、各加速度センサのY軸が固定座標系のy軸に一致し、各加速度センサのZ軸が固定座標系のz軸と一致しているとする。
なお、本実施形態の説明において、特に断らない限り、加速度センサ41、加速度センサ42、及び加速度センサ43のそれぞれの測定値は、加速度信号から算出される傾斜角を示すものとする。また、図2においては特に、固定座標系のx軸と加速度センサ41のX軸とがなす角度θについて説明する。
図2(b)は、温度差により支柱210に傾斜が生じた様子を模式的に示す。例えば、日照の影響により、構造物80において日が直接当たる側と、構造物80において日が直接当たらない側との間に温度差が生じる。例えば、日が直接当たる側が高温となり、日が直接当たらない側が低温となる。これにより、日が直接当たる側と日が直接当たらない側とで、構造物80を構成する部材の膨張量や収縮量に差が生じる。その結果、構造物80に傾斜が生じる。
具体的には、図2(b)に示されるように、太陽が構造物80よりx軸マイナス側にある場合、支柱210の膨張量はx軸プラス側よりx軸マイナス側が大きくなるため、支柱210は概してx軸プラス方向に傾く。したがって、加速度センサ41の測定値から算出される角度θは0°より大きくなる。このような傾斜は、構造物80が劣化しているか否かによらず生じ得る。したがって、温度差は、構造物80の構造性能を評価する場合の外乱要因として作用する。したがって、構造物80の構造性能をより正確に評価するために、収集装置20は、x軸マイナス側に設けられた温度センサ31とx軸プラス側に温度センサ32との間の温度差を考慮して、構造物80の傾斜度を算出する。
また、角度θは、周囲温度の変化によっても変化し得る。例えば、構造物80において、表示板240は、支柱210からx軸方向に離れた位置に片持ち式で支持される。そのため、周囲温度が高くなり支柱210のヤング率が低下すると、支柱210がx軸方向に傾き、角度θが増加する。
一般に、構造物80を構成する各部材は、温度変化に応じて、熱膨張率に従って膨張・収縮が生じる。構造物80の各部を構成する材料が異なれば、各部の熱膨張率も異なる。したがって、構造物80が均一の材料で構成され、対称構造を有しない限り、構造物80は周囲温度の変化によって傾きが変化し得る。また、構造物80が均一の材料で構成され、対称構造を有していても、構造物80が重力ベクトルに対して傾いて設置されている場合には、周囲温度の変化によって傾きが変化し得る。また、上述したように、構造物80が均一の材料で構成され、重力ベクトルについて対称構造を有していても、温度差によって傾きが変化し得る。
また、構造物80の角度は、風によっても変化し得る。例えば、x軸プラス方向の向きの風が構造物80に当たると、支柱210がx軸方向に傾いて、角度θが増加する。
このように、周囲温度、温度差、風の影響などが、傾斜測定値にとっては外乱となってしまう場合がある。これらの影響を簡便的に排除するためには、例えば、周囲温度が概略一定で、温度差がほぼなく、風速も小さいときを選び、その時には外乱の影響がないと見なし、その条件に合致したときの傾斜測定値のみを採用する、という手段が考えられる。しかし、この方法では条件に合致する機会が限定され、また必要十分なデータ量が確保できない可能性もあり、より効果的な対策が必要である。
収集装置20には、温度差、周囲温度及び風速に応じた傾斜角補正値が予め格納されている。傾斜角補正値は、構造性能を評価するための傾斜角に基づく評価値を補正するための情報として用いられる。収集装置20は、加速度センサ41により測定される傾斜角と、現在の温度差、周囲温度及び風速に対応する傾斜角補正値とを用いて、傾斜度を算出する。
また、収集装置20は、支柱220についても同様に、加速度センサ41により測定される傾斜角と、現在の温度差、周囲温度及び風速に対応する傾斜角補正値とを用いて、傾斜度を算出する。支柱220の傾斜度を算出するための温度差としては、z軸プラス側に設けられた温度センサ33により測定された温度と、z軸マイナス側に設けられた温度センサ34により測定された温度との差を適用してよい。
なお、構造物81及び構造物82には、構造物80が備える傾斜度算出装置と同様の傾斜度算出装置が設けられる。そのため、構造物81及び構造物82に設けられた傾斜度算出装置の動作については説明を省略する。
図3は、収集装置20の機能構成を概略的に示す。収集装置20は、処理部300と、メモリ302と、記憶装置304と、通信部306と、通信部308と、バス390とを備える。処理部300、メモリ302、記憶装置304、通信部306、通信部308は、バス390を通じて違いにデータをやり取りする。
処理部300は、収集装置20の全体を制御する。処理部300はプロセッサであってよい。メモリ302は揮発性メモリである。処理部300は、メモリ302内に記憶された情報を用いて、収集装置20の各部を制御する。記憶装置304は、処理部300が実行するプログラムを格納する。処理部300は、記憶装置304からメモリ302にロードされたプログラムに従って、収集装置20の各部を制御する。プログラムは、処理部300によって実行された場合に、処理部300を、温度取得部310、温度差算出部312、風速取得部320、加速度取得部330、傾斜度算出部340、評価部350として機能させる。
通信部308は、加速度センサ41、加速度センサ42、加速度センサ43、温度センサ30、温度センサ31、温度センサ32、温度センサ33、温度センサ34、及び風向風速センサ50から、それぞれの測定値を受信する。処理部300において、加速度取得部330は、通信部308を通じて、加速度センサ41、加速度センサ42、及び加速度センサ43の測定値を取得する。温度取得部310は、通信部308を通じて、温度センサ30、温度センサ31、温度センサ32、温度センサ33、温度センサ34の測定値を取得する。風速取得部320は、通信部308を通じて、風向風速センサ50の測定値を取得する。
温度取得部310は、温度センサ31により得られた構造物80の第1の部位の温度、及び、温度センサ32により得られた構造物80の第2の部位の温度を取得する。加速度取得部330は、加速度センサ41により得られた構造物80の傾斜角の測定値を取得する。加速度センサ41は、第1の傾斜センサの一例である。傾斜度算出部340は、第1の部位の温度と第2の部位の温度との差、及び、加速度センサ41による傾斜角の測定値に基づいて、構造物80の傾斜の程度を示す傾斜度を算出する。これにより、温度差によって支柱210に生じる傾斜角の影響が低減された傾斜度を算出することができる。
具体的には、温度差算出部312は、第1の部位の温度と第2の部位の温度との差を算出する。傾斜度算出部340は、温度差算出部312により算出された温度差、及び、加速度センサ41による傾斜角の測定値に基づいて、傾斜度を算出する。温度差算出部312の処理については、図4等に関連して説明する。
記憶装置304は、第1の部位と第2の部位との間の温度差によって構造物80に生じる傾斜角を、温度差に対応づけて記憶している。傾斜度算出部340は、傾斜角の測定値と、第1の部位の温度と第2の部位の温度との差に対応づけて記憶装置304が記憶している傾斜角との差に基づいて、傾斜度を算出してよい。
傾斜度算出部340は、構造物80の周辺温度に更に基づいて、傾斜度を算出してよい。例えば、傾斜度算出部340は、傾斜角の測定値と、第1の部位の温度と第2の部位の温度との差によって構造物80に生じる傾斜角と、構造物80の周辺温度によって構造物80に生じる傾斜角とに基づいて、傾斜度を算出してよい。構造物80の周辺温度としては、温度センサ30の測定値を適用してよい。なお、温度センサ30を省略して、温度センサ31により測定された温度及び温度センサ32により測定された温度の一方を、構造物80の周辺温度として適用してもよい。構造物80の周辺温度は、サーバ70等の外部のサーバから取得してよい。
加速度センサ41は、第1の部位と第2の部位とを結ぶ線に直交する面に対する傾斜角を測定する。本実施形態において、第1の部位と第2の部位とを結ぶ線に直交する面は、yz面である。傾斜度算出部340は、第1の部位の温度と第2の部位の温度との差、及び、第1の部位と第2の部位とを結ぶ線に直交する面に対する傾斜角の測定値に基づいて、第1の部位と第2の部位とを結ぶ線に直交する面に対する構造物80の傾斜の程度を示す傾斜度を算出する。上述した角度θは、yz面に対する傾斜角を表す情報の一例である。
構造物80において、支柱210は、重力方向に延びる第1の柱状部の一例である。温度センサ31及び温度センサ31は支柱210の側部に設けられる。すなわち、第1の部位と第2の部位とを結ぶ方向は、重力方向とは異なる。本実施形態において、第1の部位と第2の部位とを結ぶ方向は、重力方向と直交する。
加速度取得部330は、加速度センサ42により得られた傾斜角の測定値を取得する。加速度センサ42は、加速度センサ41より重力方向上方に設けられている。加速度センサ42は、支柱210の重力方向下方に設けられた加速度センサの一例である。傾斜度算出部340は、第1の部位の温度と第2の部位の温度との差、及び、加速度センサ41により得られた傾斜角の測定値と加速度センサ42により得られた傾斜角の測定値との差に基づいて、傾斜度を算出する。加速度センサ41の測定値と加速度センサ42の測定値の差分に基づいて傾斜度を算出することにより、例えばベースプレート230自体の傾斜角が変化した場合でも、支柱210のみの傾斜度合いを適切に評価することができる。例えば、ベースプレート230の傾斜角は、重い車両が構造物80の近傍を通過することで変化する場合がある。このような場合でも、ベースプレート230の傾斜が傾斜度に与える影響を低減することができる。
支柱220は、支柱210から、重力方向とは異なる方向に延びる。支柱220は、第2の柱状部の一例である。加速度センサ43は、支柱220に固定された表示板240に設けられる。加速度センサ43は、支柱220の傾斜角を測定するための傾斜センサの一例である。加速度取得部330は、加速度センサ43により得られた傾斜角の測定値を取得する。傾斜度算出部340は、加速度センサ43により得られた傾斜角の測定値と加速度センサ41により得られた傾斜角の測定値との差に基づいて、支柱220の傾斜角を算出する。これにより、支柱210に生じた傾斜が、支柱220の傾斜角の測定結果に与える影響を低減することができる。
なお、温度取得部310は、温度センサ33により得られた構造物80の第3の部位の温度、及び、温度センサ34により得られた構造物80の第4の部位の温度を取得する。傾斜度算出部340は、加速度センサ43により得られた傾斜角の測定値と加速度センサ41により得られた傾斜角の測定値との差と、第3の部位の温度と第4の部位の温度との差に基づいて、支柱220の傾斜の程度を示す傾斜度を算出してよい。これにより、温度差によって支柱220に生じる傾斜角の影響が低減された傾斜度を算出することができる。
また、傾斜度算出部340は、風向風速センサ50により得られた風速と、風によって構造物80に生じる構造物80の傾斜角とに更に基づいて、傾斜度を算出してよい。例えば、傾斜度算出部340は、風向風速センサ50により得られた風速と、風によって支柱210に生じる支柱210の傾斜角とに更に基づいて、支柱210の傾斜度を算出してよい。また、傾斜度算出部340は、風向風速センサ50により得られた風速と、風によって支柱220に生じる支柱220の傾斜角とに更に基づいて、支柱220の傾斜度を算出してよい。
図4は、温度差算出部312の機能構成を概略的に示す。温度差算出部312は、遅れ処理部400と、減算部440とを備える。遅れ処理部400は、むだ時間処理部410と、むだ時間処理部420と、一次遅れ処理部412と、一次遅れ処理部422とを備える。図4において、むだ時間処理部410と、むだ時間処理部420と、一次遅れ処理部412と、一次遅れ処理部422は伝達関数で示されている。
遅れ処理部400は、温度センサ31により得られた第1の部位の温度の測定値及び温度センサ32により得られた第2の部位の温度の測定値に対して遅れ処理を施す。
具体的には、むだ時間処理部410は、第1の部位の温度の測定値にむだ時間処理を施す。図4のL1は、むだ時間処理部410によるむだ時間処理のむだ時間を示す。一次遅れ処理部412は、むだ時間処理部410により無駄時間処理が施された測定値に、一次遅れ処理を施す。図4のT1は、一次遅れ処理部412による一次遅れ処理の時定数である。
むだ時間処理部420は、第2の部位の温度の測定値にむだ時間処理を施す。図4のL2は、むだ時間処理部420によるむだ時間処理のむだ時間を示す。一次遅れ処理部422は、むだ時間処理部420により無駄時間処理が施された測定値に、一次遅れ処理を施す。図4のT2は、一次遅れ処理部422による一次遅れ処理の時定数である。
減算部440は、一次遅れ処理部412の出力から一次遅れ処理部422の出力を減算する。減算部440の出力は、温度取得部310に出力される。これにより、傾斜度算出部340は、遅れ処理を施すことにより得られた第1の部位の温度と遅れ処理が施された第2の部位の温度との差、及び、加速度センサ41により得られた傾斜角の測定値に基づいて、傾斜度を算出することができる。
一般に、構造物の温度変化の影響が構造物全体の形状変化に表れるまでには、時間遅れが生じる場合がある。例えば、構造物の表面温度が高くなっても、構造物の内部に熱が伝わって構造物が熱的に定常状態になるまでには時間がかかる。時間遅れは、構造物の形状や大きさに応じて異なる。したがって、大規模で熱容量の大きい構造物においては特に、温度変化が構造物の形状変化に表れるまでの時間遅れが顕著になり得る。したがって、温度センサ31及び温度センサ32による2点の測定値の差の影響が、加速度センサ41、加速度センサ42及び加速度センサ43により測定される傾斜角に十分に表れていない場合がある。
温度差算出部312においては、遅れ処理部400により、温度の測定値にむだ時間処理や一次遅れ処理を適用することで、温度差が構造物80の傾斜に表れるまでの時間遅れの影響を低減することができる。上述したむだ時間処理のむだ時間や一次遅れ処理の時定数は、構造物80の構造計算、シミュレーション、実験等によって予め計算されてよい。なお、遅れ処理部400による遅れ処理は、一次遅れ処理及びむだ時間処理の少なくとも一方を含んでよい。例えば、遅れ処理部400による遅れ処理は、むだ時間処理のみであってよいし、遅れ処理部400による遅れ処理は、一次遅れ処理のみであってよい。
なお、遅れ処理部400の処理は、温度センサ33の測定値及び温度センサ34の測定値に対しても適用されてよい。また、むだ時間処理部410及び一次遅れ処理部412と同様の時間遅れ処理は、温度センサ30の測定値に対して適用されてもよい。例えば、温度センサ30の測定値に対してむだ時間処理及び一次遅れ処理の少なくとも一方を適用してよい。傾斜度算出部340は、時間遅れ処理が適用された温度に基づいて、当該温度により構造物80に生じる傾斜角を考慮して、傾斜度を算出してよい。
図5は、角度θに対する傾斜角補正値の温度依存性の一例を示すグラフである。図5(a)は、傾斜角補正値の温度差依存性を示すグラフである。ここで、温度差とは、温度センサ31が設けられた部位と温度センサ32が設けられた部位との間の温度差ΔTである。図5(b)は、傾斜角補正値の周囲温度依存性を示す。
構造物80の構造が既知であれば、周囲温度及び温度差と角度θとの間の関係は一意的に定まる。傾斜角補正値は、構造物80の構造計算、シミュレーション、実験等によって予め計算される。また、構造計算又はシミュレーションで得られた傾斜角補正値を、実測データに基づいて修正してもよい。傾斜角補正値を示すデータは、収集装置20に予め格納される。
図6は、温度に関する傾斜角補正値データをテーブル形式で示す。図6(a)は、温度差ΔTと傾斜角補正値Δθdとを対応づける温度差-傾斜角補正値テーブルである。温度差-傾斜角補正値テーブルのデータは、記憶装置304に格納される。傾斜度算出部340は、温度差-傾斜角補正値テーブルを参照して、温度差算出部312により算出された温度差ΔTに対応する傾斜角補正値Δθdを算出する。
図6(b)は、周囲温度Tと傾斜角補正値Δθeとを対応づける周囲温度-傾斜角補正値テーブルである。周囲温度-傾斜角補正値テーブルのデータは、記憶装置304に格納される。傾斜度算出部340は、周囲温度-傾斜角補正値テーブルを参照して、温度センサ30により測定された温度Tに対応する傾斜角補正値Δθeを算出する。
図7は、風速に関する傾斜角補正値データをテーブル形式で示す。図7は、風速と傾斜角補正値Δθsとを対応づける風速-傾斜角補正値テーブルである。温度及び温度差と同様に、構造物80の構造が既知であれば、風速と角度θとの間の関係は一意的に定まる。風速に対する傾斜角補正値は、構造計算、シミュレーション、実験等によって予め計算される。なお、図7に示す風速は、x軸方向の風速であるとする。
風速-傾斜角補正値テーブルのデータは、記憶装置304に格納される。傾斜度算出部340は、風速-傾斜角補正値テーブルを参照して、風向風速センサ50により測定された風速に対応する傾斜角補正値Δθsを算出する。
傾斜度算出部340は、傾斜角補正値Δθd、Δθe、及びΔθsに基づいて、加速度センサ41により得られた角度θの測定値を補正することにより、支柱210の傾斜度を算出する。一例として、傾斜度算出部340は、θ-(α×Δθd+β×Δθe+γ×Δθs)により、傾斜度を算出してよい。α、β、γは、予め定められた重み付け係数である。これにより、傾斜度は、温度差、温度及び風の影響を受けにくくなる。よって、傾斜度を用いることで、構造物80の劣化等をより正確に評価することができる。
図8は、測定値及び傾斜度の時間変化を示す。図8(a)から図8(d)において、横軸は時間を示す。図8(a)は、加速度センサ41により得られた傾斜角の測定値を示す。図8(b)は、温度センサ30により得られた温度の測定値を示す。図8(c)は、温度センサ31により得られた温度と温度センサ32により得られた温度の差を示す。図8(d)は、傾斜角の測定値に基づいて算出した傾斜度を示す。
図8(d)において、傾斜度800は、温度差ΔTに応じた角度補正値Δθd及び温度Tに応じた角度補正値Δθeを考慮した傾斜度を示す。一方、傾斜度810は、温度Tに応じた角度補正値Δθeのみを考慮した傾斜度を示す。図8(d)に示されるように、傾斜度800の振れ幅は、傾斜度810の振れ幅より小さい。したがって、温度差ΔTに応じた角度補正値Δθdを適用することで、傾斜度をより適正に評価できることが分かる。
なお、図5から図8の説明においては主として、構造物80の傾斜角の一例として、支柱210の角度θを取り上げて、傾斜度を説明した。また、風の影響については、x軸方向の風により構造物80に生じる傾斜角を取り上げて説明した。しかし、加速度センサ41のY軸が固定座標系のy軸に対してなす角度ψについても、角度θと同様の処理を適用することで、角度ψについての傾斜度を算出することができる。この場合、温度差として、y軸方向の異なる側面に1対の温度センサを設けて、1対の温度センサの測定値の差により構造物80に生じる傾斜角を考慮すればよい。また、風の影響として、y軸方向の風により構造物80に生じる傾斜角を考慮すればよい。
また、基準設置状態において、支柱220はx軸方向に延伸する。したがって、支柱220は、支柱220の側面に生じる温度差等により、x軸のまわりに傾斜し得る。そのため、傾斜度算出部340は、加速度センサ41のY軸が固定座標系のy軸に対してなす角度ψについての傾斜度と、加速度センサ41のZ軸が固定座標系のz軸に対してなす角度φについての傾斜度とを算出してよい。支柱220の傾斜度は、傾斜の方向が異なることを除いて、支柱210の傾斜度の算出方法と同じ方法を適用して算出できる。そのため、支柱220の傾斜度の算出方法については詳細な説明を省略する。
図9は、収集装置20において実行されるデータ処理に関するフローチャートを示す。図9のフローチャートの処理は、主として処理部300の制御に従って収集装置20の各部が動作することにより、実行される。処理部300は、各センサから各時刻の測定データが送信される毎に、本フローチャートに示す処理を繰り返す。
S902において、処理部300は、傾斜角の測定値、温度の測定値及び風速の測定値を取得する。具体的には、加速度取得部330、温度取得部310及び風速取得部320が、加速度センサ41、加速度センサ42、及び加速度センサ43による角度の測定値と、温度センサ30、温度センサ31、温度センサ32、温度センサ33、及び温度センサ34による温度の測定値と、風向風速センサ50による風向及び風速の測定値とを取得する。
S904において、温度差算出部312は、支柱210の温度差ΔT及び支柱220の温度差ΔTを算出する。具体的には、温度差算出部312は、温度センサ31により得られた温度と温度センサ32により得られた温度との差、及び、温度センサ33により得られた温度と温度センサ34により得られた温度との差を算出する。
S906において、傾斜度算出部340は、支柱210及び支柱220のそれぞれの傾斜度を算出する。具体的には、傾斜度算出部340は、支柱210について、角度θについての傾斜度と、角度ψについての傾斜度とを算出する。また、傾斜度算出部340は、支柱220について、角度ψについての傾斜度と、角度φについての傾斜度とを算出する。
S908において、記憶装置304は、S902で取得した測定値、並びに、S906で算出した支柱210及び支柱220のそれぞれの傾斜度を、時刻に対応づけて格納する。
S910において、評価部350は、S906において算出された傾斜度を評価値として用いて、構造物80の構造の良否を評価する。具体的には、評価部350は、支柱210の角度θについての傾斜度及び角度ψについての傾斜度の少なくとも一方の大きさが、予め定められた閾値以上の場合に、不良と判定する。また、評価部350は、支柱220の角度ψについての傾斜度及び角度φについての傾斜度の少なくとも一方の大きさが、予め定められた閾値以上の場合に、不良と判定する。反対に、支柱210の角度θについての傾斜度及び角度ψについての傾斜度、並びに、支柱220の角度ψについての傾斜度及び角度φについての傾斜度がいずれも予め定められた閾値未満の場合に、良と判定とする。
S910の判定結果が不良の場合、S912において、構造不良を示す警告情報と、記憶装置304に格納された測定値及び傾斜度を、通信部306を通じてサーバ70に送信して、本フローチャートの処理を終了する。S910の判定結果が良の場合、本フローチャートの処理を終了する。
以上に説明したモニタリングシステム100によれば、構造物における温度差の影響を考慮した傾斜度を算出することができる。そのため、温度差の影響が小さい傾斜度を算出することができる。構造物の構造性能を適切に評価することができる。これにより、真夏の晴天時のように温度差が大きい時間帯と、曇天や夜間における温度差が小さい時間帯とで、構造物80の劣化状態の評価値に差が生じることを抑制することができる。
なお、以上に説明したモニタリングシステム100において、温度差が生じる原因として日照状態を取り上げて説明した。しかし、太陽以外の様々な熱源によっても構造物80に温度差が生じ得る。例えば、熱源が構造物80の近くにあるときには、構造物80の温度は熱源の近くの部位で高くなり、熱源から離れた部位で低くなるため、大きな温度差が生じる場合がある。モニタリングシステム100によれば、熱源の種類によらず、構造物80に生じた温度差の影響を考慮して、構造性能を評価するための適切な傾斜度を算出することができる。
なお、構造物80に設ける温度センサの数は、上述した数に限定されない。温度センサは、傾斜度において必要な精度に応じた数を設定すればよい。温度センサを構造物80に多数設けることで、構造物80の温度分布を得ることができる。得られた温度分布に基づいて傾斜度を算出することにより、傾斜度の精度を高めることができる。
以上の説明において、構造物の劣化診断を行うための傾斜角の外乱要因として、主として周囲温度、温度差及び風を取り上げた。傾斜角は、周囲温度、温度差及び風の他に、交通振動や地震による揺れ等の様々な外乱要因により変動し得る。したがって、評価部350は、各測定値に基づいて、外乱要因を考慮して傾斜度を算出してよい。例えば、評価部350は、交通振動や地震による揺れの大きさが予め定められた値より小さいタイミングにおける測定値を用いて、傾斜度を算出してよい。
モニタリングシステム100においては、収集装置20が、傾斜度の算出と、傾斜度に基づく構造の良否判定とを行う。他の実施形態において、収集装置20が傾斜度の算出を行い、傾斜度に基づく構造の良否判定はサーバ70が行ってよい。更なる他の実施形態において、収集装置20は収集した測定値をサーバ70に送信し、サーバ70において傾斜度の算出及び構造の良否判定が行われてもよい。
以上の実施形態において、構造物80、構造物81及び構造物82が道路情報掲示板である場合を例示した。構造物80、構造物81及び構造物82は、道路情報掲示板以外の様々な工作物であってよい。構造物80、構造物81及び構造物82は、例えば、鉄塔、橋脚、電信柱、電力柱、架線柱、照明塔、広告塔、標識塔、信号機、建築物、トンネル、道路、ガードレール、空港の管制塔、飛行場灯台、駅、鉄道のレール、鉄道信号機、港湾のクレーン、プラント、鋼橋、ダム、堤防、門、塀、トンネル、溝渠等を含んでよい。構造物80、構造物81及び構造物82は、工作物以外の構造物、例えば土構造物等であってよい。モニタリングシステム100は、水平方向の寸法に対し、高さ方向の寸法が大きい柱状の構造物に特に好適に適用できる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
20 収集装置
30、31、32、33、34 温度センサ
41、42、43 加速度センサ
50 風向風速センサ
70 サーバ
80、81、82 構造物
90 ネットワーク
100 モニタリングシステム
110 道路
210、220 支柱
230 ベースプレート
240 表示板
300 処理部
302 メモリ
304 記憶装置
306 通信部
308 通信部
310 温度取得部
312 温度差算出部
320 風速取得部
330 加速度取得部
340 傾斜度算出部
350 評価部
390 バス
400 遅れ処理部
410、420 むだ時間処理部
412、422 一次遅れ処理部
440 減算部
800、810 傾斜度

Claims (10)

  1. 第1の温度センサにより得られた構造物の第1の部位の温度、及び、第2の温度センサにより得られた前記構造物の第2の部位の温度を取得する温度取得部と、
    第1の傾斜センサにより得られた前記構造物の傾斜角の測定値を取得する傾斜角取得部と、
    前記傾斜角の測定値と、前記第1の部位の温度と前記第2の部位の温度との間の温度に応じた前記構造物の傾斜角補正値との差を、前記構造物の傾斜の程度を示す傾斜度として算出する算出部と
    を備え
    前記構造物は、重力方向に延びる第1の柱状部と、前記第1の柱状部から重力方向とは異なる方向に延びる第2の柱状部とを有し、
    前記第1の部位と前記第2の部位とを結ぶ方向は、重力方向とは異なり、
    前記第1の温度センサ及び前記第1の温度センサは前記第1の柱状部の側部に設けられ、
    前記第1の傾斜センサは、前記第1の部位と前記第2の部位とを結ぶ線に直交する面に対する前記構造物の傾斜角を測定し、
    前記傾斜角取得部は、前記第1の柱状部の重力方向下方に設けられた第2の傾斜センサにより得られた前記構造物の傾斜角の測定値をさらに取得し、
    前記第1の傾斜センサは、前記第2の傾斜センサより重力方向上方に設けられ、
    前記算出部は、前記第1の傾斜センサにより得られた前記傾斜角の測定値と前記第2の傾斜センサにより得られた前記傾斜角の測定値との差と、前記第1の部位の温度と前記第2の部位の温度との間の温度差に応じた前記構造物の傾斜角補正値との差を、前記第1の部位と前記第2の部位とを結ぶ線に直交する面に対する前記構造物の傾斜の程度を示す傾斜度として算出し、
    前記傾斜角取得部は、前記第2の柱状部の傾斜角を測定するための第3の傾斜センサにより得られた傾斜角の測定値をさらに取得し、
    前記算出部はさらに、前記第3の傾斜センサにより得られた前記傾斜角の測定値と前記第1の傾斜センサにより得られた前記傾斜角の測定値との差に基づいて、前記第2の柱状部の傾斜角を算出する
    傾斜度算出装置。
  2. 第1の温度センサにより得られた構造物の第1の部位の温度、及び、第2の温度センサにより得られた前記構造物の第2の部位の温度を取得する温度取得部と、
    第1の傾斜センサにより得られた前記構造物の傾斜角の測定値を取得する傾斜角取得部と、
    前記傾斜角の測定値と、前記第1の部位の温度と前記第2の部位の温度との間の温度差に応じた前記構造物の傾斜角補正値との差を、前記構造物の傾斜の程度を示す傾斜度として算出する算出部と
    を備え、
    前記構造物は、重力方向に延びる第1の柱状部と、前記第1の柱状部から重力方向とは異なる方向に延びる第2の柱状部とを有し、
    前記第1の部位と前記第2の部位とを結ぶ方向は、重力方向とは異なり、
    前記第1の温度センサ及び前記第1の温度センサは前記第1の柱状部の側部に設けられ、
    前記第1の傾斜センサは、前記第1の部位と前記第2の部位とを結ぶ線に直交する面に対する傾斜角を測定し、
    前記傾斜角取得部は、前記第2の柱状部の傾斜角を測定するための第3の傾斜センサにより得られた傾斜角の測定値をさらに取得し、
    前記算出部はさらに、前記第3の傾斜センサにより得られた前記傾斜角の測定値と前記第1の傾斜センサにより得られた前記傾斜角の測定値との差に基づいて、前記第2の柱状部の傾斜角を算出する
    傾斜度算出装置。
  3. 記温度差に対応づけて前記傾斜角補正値を記憶する記憶部
    をさらに備え
    請求項1又は2に記載の傾斜度算出装置。
  4. 前記算出部は、前記構造物の周辺温度に応じた傾斜角補正値に更に基づいて、前記傾斜度を算出する
    請求項1から3のいずれか一項に記載の傾斜度算出装置。
  5. 前記算出部は、風速センサにより得られた風速に応じた傾斜角補正値に更に基づいて、前記傾斜度を算出する
    請求項1からのいずれか一項に記載の傾斜度算出装置。
  6. 前記第1の温度センサにより得られた前記第1の部位の温度の測定値及び前記第2の温度センサにより得られた前記第2の部位の温度の測定値に対して遅れ処理を施す遅れ処理部
    をさらに備え、
    前記算出部は、前記遅れ処理を施すことにより得られた前記第1の部位の温度と前記遅れ処理が施された前記第2の部位の温度との差を前記温度差として用いて、前記傾斜度を算出する
    請求項1からのいずれか一項に記載の傾斜度算出装置。
  7. 前記遅れ処理は、一次遅れ処理及びむだ時間処理の少なくとも一方を含む
    請求項に記載の傾斜度算出装置。
  8. 前記第1の温度センサと、
    前記第2の温度センサと、
    前記第1の傾斜センサと
    をさらに備える請求項1からのいずれか一項に記載の傾斜度算出装置。
  9. 請求項1からのいずれか一項に記載の傾斜度算出装置
    を備える構造物。
  10. コンピュータ請求項1から7のいずれか一項に記載の傾斜度算出装置として機能させるためのプログラム。
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