JP7163487B2 - 内視鏡用光源装置、及び、内視鏡システム - Google Patents

内視鏡用光源装置、及び、内視鏡システム Download PDF

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Description

本発明は、内視鏡のライトガイドに照明光を供給する内視鏡用光源装置、及び、内視鏡システムに関する。
医療分野において、内視鏡システムを用いた内視鏡診断が普及している。内視鏡システムは、内視鏡と、内視鏡に照明光を供給するための内視鏡用光源装置と、内視鏡が出力する画像信号を処理するプロセッサ装置とを備えている。内視鏡は、例えば、光ファイバからなるライトガイドを備え、内視鏡用光源装置からの照明光は、ライトガイドに供給され、ライトガイドを介して観察部位(被写体)に照射される。
従来、内視鏡用光源装置には、照明光として白色光を発するキセノンランプやハロゲンランプ等のランプ光源が使用されていたが、最近では、ランプ光源に代えて、特定の色の光を発するレーザダイオード(LD: Laser Diode)や発光ダイオード(LED: Light Emitting Diode)等の半導体光源が用いられつつある。しかし、内視鏡用光源装置で用いられる半導体光源は、高出力であり自己発熱が大きいので、半導体光源に温度変化等が生じて射出光量が変動してしまう。このため、下記特許文献1では、照明光の一部を分岐させて受光部に照射し、受光部が受光した照明光の光量を用いて光源の発光量を制御(調節)している。
特開2017-099944号公報
しかしながら、上記特許文献1の装置では、ライトガイドからの戻り光による影響で光量の安定化に限界があった。ここで、ライトガイドからの戻り光とは、光源からライトガイドに供給(照射)されたものの、ライトガイドの表面で反射されて光源まで戻り、さらに光源の表面で反射されて受光部に向かう光を示している。そして、ライトガイドからの戻り光は、内視鏡の個体差及び/または内視鏡と内視鏡用光源装置を接続した場合の組み付け誤差等より変動するため、この変動の影響を受けて光量が不安定となってしまう。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、安定した光量の照明光を供給できる内視鏡用光源装置、及び、内視鏡システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の内視鏡用光源装置は、複数の光源からの照明光を内視鏡のライトガイドに供給する内視鏡用光源装置において、照明光の光路を合流させる合流部材と、複数の光源の中の特定光源と合流部材との間に配置され、特定光源からの照明光が照射される被照射面を有し、被照射面を透過した照明光を合流部材へ向けて出射させる光学部材と、被照射面で反射された照明光を受光する受光部と、受光部が受光した照明光の光量を用いて特定光源の発光量を制御する光源制御部と、光学部材に設けられ、透過する照明光の光量を減衰させる減衰フィルタと、を備えている。
合流部材とライトガイドとの間に配置され、透過する照明光の光量を減衰させ、かつ、一定割合の照明光を反射させる反射型減衰フィルタを備えていてもよい。
特定光源が複数設けられ、特定光源毎に、光学部材と受光部と減衰フィルタとが設けられているものでもよい。
減衰フィルタ毎に照明光の減衰割合が異なるものでもよい。
また、本発明の内視鏡用光源装置は、複数の光源からの照明光を内視鏡のライトガイドに供給する内視鏡用光源装置において、照明光の光路を合流させる合流部材と、複数の光源の中の特定光源と合流部材との間に配置され、特定光源からの照明光が照射される被照射面を有し、被照射面を透過した照明光を合流部材へ向けて出射させる光学部材と、被照射面で反射された照明光を受光する受光部と、受光部が受光した照明光の光量を用いて特定光源の発光量を制御する光源制御部と、合流部材とライトガイドとの間に配置され、透過する照明光の光量を減衰させ、かつ、一定割合の照明光を反射させる反射型減衰フィルタと、を備える。
光学部材に設けられ、透過する照明光の光量を減衰させる減衰フィルタを備えているものでもよい。
特定光源が複数設けられ、特定光源毎に、光学部材と受光部と減衰フィルタとが設けられているものでもよい。
減衰フィルタ毎に照明光の減衰割合が異なるものでもよい。
被照射面の一部に設けられ、入射した照明光の一部を受光部へ向けて反射し、残りを透過させる部分反射フィルタを備えているものでもよい。
被照射面に、反射防止フィルタが設けられているものでもよい。
さらに、本発明の内視鏡システムは、上述した内視鏡用光源装置と、光を導光するライトガイドを有する内視鏡と、を備える。
本発明によれば、ライトガイドからの戻り光の影響を低減させて、安定した光量の照明光を供給できる。
内視鏡システムの外観図である。 内視鏡の先端部の正面図である。 内視鏡システムの電気的構成を示すブロック図である。 赤色光、緑色光、青色光、紫色光の強度スペクトルを示すグラフである。 白色光の強度スペクトルを示すグラフである。 光路統合部の構成を示す図である。 第1ダイクロイックミラーの分光反射特性を示すグラフである。 第2ダイクロイックミラーの分光反射特性を示すグラフである。 第3ダイクロイックミラーの分光反射特性を示すグラフである。 光路統合部の構成を示す図である。 被照射面を光源側から観察した平面図である。
[第1実施形態]
図1において、内視鏡システム10は、生体内の観察部位を撮像する内視鏡11と、撮像により得られた画像信号に基づいて観察部位の表示画像を生成するプロセッサ装置12と、観察部位を照射する照明光を内視鏡11に供給する内視鏡用光源装置(以下、単に光源装置という)13と、表示画像を表示するモニタ14とを備えている。プロセッサ装置12には、キーボードやマウス等の操作入力部15が接続されている。
内視鏡システム10は、観察部位を観察するための通常観察モードと、観察部位の粘膜内部に存在する血管を強調して観察するための血管強調観察モードとが実行可能である。血管強調観察モードは、血管情報として血管のパターンを可視化して、腫瘍の良悪鑑別等の診断を行うためのモードである。この血管強調観察モードでは、血中ヘモグロビンに対する吸光度が高い特定の波長帯域の光の成分を多く含む照明光を観察部位に照射する。
通常観察モードでは、観察部位の全体の観察に適した通常観察画像が表示画像として生成される。血管強調観察モードでは、血管のパターンの観察に適した血管強調観察画像が表示画像として生成される。
内視鏡11は、例えば、消化管内等の生体内に挿入される挿入部16と、挿入部16の基端部分に設けられた操作部17と、内視鏡11をプロセッサ装置12及び光源装置13に接続するためのユニバーサルコード18とを備えている。挿入部16は、先端部19、湾曲部20、可撓管部21で構成されており、先端側からこの順番に連結されている。
図2において、先端部19の先端面には、観察部位に照明光を照射する照明窓22、観察部位の像を取り込むための観察窓23、観察窓23を洗浄するために送気・送水を行う送気・送水ノズル24、鉗子や電気メスといった処置具を突出させて各種処置を行うための鉗子出口25が設けられている。観察窓23の奥には、撮像素子36や対物光学系45(図3参照)が内蔵されている。
図1に戻り、湾曲部20は、連結された複数の湾曲駒で構成されており、操作部17のアングルノブ26の操作に応じて、上下左右方向に湾曲動作する。湾曲部20を湾曲させることにより、先端部19が所望の方向に向けられる。可撓管部21は、可撓性を有しており、食道や腸等曲がりくねった管道に挿入可能である。挿入部16には、撮像素子36を駆動する駆動信号や撮像素子36が出力する画像信号を通信する通信ケーブルや、光源装置13から供給される照明光を照明窓22に導光するライトガイド35(図3参照)が挿通されている。
操作部17には、アングルノブ26の他、処置具を挿入するための鉗子口27、送気・送水ノズル24から送気・送水を行う際に操作される送気・送水ボタン28、静止画像を撮影するためのフリーズボタン(図示せず)等が設けられている。
ユニバーサルコード18には、挿入部16から延設される通信ケーブルやライトガイド35が挿通されており、プロセッサ装置12及び光源装置13側の一端には、コネクタ29が取り付けられている。コネクタ29は、通信用コネクタ29aと光源用コネクタ29bからなる複合タイプのコネクタである。通信用コネクタ29aと光源用コネクタ29bはそれぞれ、プロセッサ装置12及び光源装置13に着脱自在に接続される。通信用コネクタ29aには通信ケーブルの一端が配設されている。光源用コネクタ29bにはライトガイド35の入射端35a(図3参照)が配設されている。
図3において、光源装置13は、光源30と、光路統合部31と、光源制御部33とが設けられている。光源30は、赤色光LRを発する第1LED30aと、緑色光LGを発する第2LED30bと、青色光LBを発する第3LED30cと、紫色光LVを発する第4LED30dとからなる。なお、以下の説明では、第1~第4LED30a~30dのうちの1つについて、または、第1~第4LED30a~30dのうちの複数の組み合わせを代表して、単に光源30と称する場合がある。光路統合部31は、第1~第4LED30a~30dから発せられる各光の光路を統合する(合流させる)。光源制御部33は、第1~第4LED30a~30dの発光制御を行う。
図4に示すように、赤色光LRは、例えば、波長帯域が615nm~635nmであり、中心波長が620±10nmである。緑色光LGは、例えば、波長帯域が500nm~600nmであり、中心波長が520±10nmである。青色光LBは、例えば、波長帯域が440nm~470nmであり、中心波長が455±10nmである。そして、紫色光LVは、例えば、波長帯域が395nm~415nmであり、中心波長が405±10nmである。
通常観察モード時には、光源制御部33は、第1~第3LED30a~30cを点灯させ、第4LED30dは非点灯とする。一方、血管強調観察モード時には、光源制御部33は、第1~第4LED30a~30dを全て点灯させる。
また、通常観察モード時には、光路統合部31は、赤色光LR、緑色光LG、青色光LBを合波して、図5に示すように広帯域の白色光LWを生成する。一方、血管強調観察モード時には、白色光LWに、血中ヘモグロビンに対する吸光度が高い紫色光LVを混合した混合光を生成する。なお、光源制御部33は、血管強調観察モード時には、光源制御部33は、青色光LBより紫色光LVのほうが支配的となるように、青色光LBの光量の割合を下げる。
光路統合部31の光出射部は、光源用コネクタ29bが接続されるレセプタクルコネクタ34の近傍に配置されている。光路統合部31は、光源30から入射された光を、内視鏡11のライトガイド35の入射端35aに出射する。
内視鏡11は、ライトガイド35と、撮像素子36と、アナログ処理回路(AFE:Analog Front End)37と、撮像制御部38とを備えている。ライトガイド35は、例えば、複数本の光ファイバをバンドル化したファイババンドルである。光源用コネクタ29bが光源装置13に接続されたときに、光源用コネクタ29bに配置されたライトガイド35の入射端35aが光路統合部31の出射端に対向する。先端部19に位置するライトガイド35の出射端は、2つの照明窓22にそれぞれ光が導光されるように、照明窓22の前段で2本に分岐している。
照明窓22の奥には、照射レンズ39が配置されている。光源装置13から供給された照明光は、ライトガイド35により照射レンズ39に導光されて照明窓22から観察部位に向けて照射される。照射レンズ39は、凹レンズであり、ライトガイド35から出射する照明光を、観察部位の広い範囲に照射する。
観察窓23の奥には、対物光学系45と撮像素子36が配置されている。観察部位の像は、観察窓23を通して対物光学系45に入射し、対物光学系45によって撮像素子36の撮像面36aに結像される。
撮像素子36は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等であり、撮像面36aには、画素を構成する複数の光電変換素子(フォトダイオード)がマトリックス状に配列されている。また、撮像素子36は、カラー撮像素子であり、撮像面36aには、B,G,Rの3色のマイクロカラーフイルタが画素ごとに、光電変換素子の入射側に配置されている。このマイクロカラーフイルタの配列は、例えばベイヤー配列である。
撮像素子36は、撮像面36aで受光した光を光電変換して、画素ごとに受光量に応じた信号電荷を蓄積する。信号電荷は、電圧信号に変換されて撮像素子36から読み出される。撮像素子36から読み出された、電圧信号は、画像信号としてAFE37に入力される。
撮像素子36は、1フレームの取得期間内で、画素に信号電荷を蓄積する蓄積動作と、蓄積した信号電荷を読み出す読み出し動作を行う。光源装置13は、撮像素子36の蓄積動作のタイミングに合わせて照明光を生成し、ライトガイド35に入射させる。
AFE37は、相関二重サンプリング(CDS)回路、自動ゲイン制御(AGC)回路、アナログ/デジタル(A/D)変換器等で構成されている。CDS回路は、撮像素子36から入力された画像信号に対して相関二重サンプリング処理を施してノイズを除去する。AGC回路は、CDS回路によりノイズが除去された画像信号を増幅する。A/D変換器は、AGC回路により増幅された画像信号を、所定ビット数のデジタル信号に変換してプロセッサ装置12に入力する。
撮像制御部38は、プロセッサ装置12内のコントローラ40に接続され、コントローラ40から入力される基準クロック信号に同期して、撮像素子36に対して駆動信号を入力する。撮像素子36は、撮像制御部38からの駆動信号に基づいて、所定のフレームレートで画像信号をAFE37に入力する。この画像信号は、R,G,Bの各画素の画素値が混在した信号(以下、RGB信号という)である。
プロセッサ装置12は、コントローラ40の他、DSP(Digital Signal Processor)41と、画像処理部42と、フレームメモリ43と、表示制御回路44とを備えている。コントローラ40は、CPU、制御プログラムや制御に必要な設定データを記憶するROM、プログラムをロードして作業メモリとして機能するRAM等を有し、CPUが制御プログラムを実行することにより、プロセッサ装置12の各部を制御する。
DSP41は、AFE37から入力される画像信号(RGB信号)に対して、フレーム単位で、画素補間処理、ガンマ補正、ホワイトバランス補正等の信号処理を施す。画素補間処理は、画像信号を、R,G,Bの各画像信号に分離し、各色の画像信号に対して画素補間処理を行う。DSP41は、1フレームごとに信号処理を施した画像信号を、画像データとして、フレームメモリ43に記憶させる。
また、DSP41は、AFE37から入力される画像信号に基づいて、観察部位の明るさ(平均輝度値)を算出する輝度算出部を有しており、算出した平均輝度値をコントローラ40に入力する。コントローラ40は、輝度算出部から入力された平均輝度値と、基準の明るさ(調光の目標値)との差分である調光信号を生成し、この調光信号を光源装置13の光源制御部33に入力する。
光源制御部33は、調光信号に基づいて、照明光の光量(光源30(第1~第4LED30a~30d)の発光量)を調整する。具体的には、観察部位の明るさが不足している場合(露出アンダー)には照明光の光量を上げ、観察部位が明るすぎる場合(露出オーバー)には照明光の光量を小さくする。
画像処理部42は、フレームメモリ43に記憶された画像データに対して所定の画像処理を施す。具体的には、通常観察モード時には、画像データに基づいて通常観察画像を生成する。一方、血管強調観察モード時には、画像データに基づいて血管強調観察画像を生成するが、表層血管を強調するために、例えば、画像データ中のB信号に基づいて画像内の表層血管の領域を抽出して、抽出した表層血管の領域に対して輪郭強調処理等を施す。そして、輪郭強調処理が施されたB信号を、RGB信号を元に生成したフルカラー画像に合成する。表層血管に加えて中深層血管に対しても同様の処理を行ってもよい。中深層血管を強調する場合には、中深層血管の情報が多く含まれるG信号から中深層血管の領域を抽出して、抽出した中深層血管の領域に対して輪郭強調処理を施す。
表示制御回路44は、フレームメモリ43から画像処理済みの画像データを読み出して、コンポジット信号やコンポーネント信号等のビデオ信号に変換してモニタ14に出力する。
血管強調観察モード時には、R信号を使わずに、BG信号のみで血管強調観察画像を生成し、B信号をモニタ14のBチャンネル及びGチャンネルに割り当て、G信号をモニタ14のRチャンネルに割り当てても良い。
図6において、光路統合部31は、第1~第4コリメータレンズ(CL)50a~50dと、第1~第3ダイクロイックミラー(DM)51~53(合流部材)と、集光レンズ54とで構成されている。第1~第4CL50a~50dは、それぞれ第1~第4LED30a~30dに対応して設けられており、第1~第4LED30a~30dから発せられた各光をコリメートする。第1~第3DM51~53は、透明なガラス板に所定の透過特性を有するダイクロイックフィルタを形成することにより構成され、特定の波長域の光を透過させ、特定の波長域の光を反射させる。集光レンズ54は、光路統合部31から出射する光をライトガイド35の入射端35aに集光する。
第2LED30bは、その光軸がライトガイド35の光軸と一致する位置に配置されている。第1LED30aは、その光軸が第2LED30bの光軸と直交するように配置されている。第1DM51は、第1LED30aと第2LED30bとの光軸が直交する位置に、各光軸と45°の角度をなすように配置されている。同様に、第3LED30cと第4LED30dとは、光軸が直交するように配置されている。第2DM52は、第3LED30cと第4LED30dとの光軸が直交する位置に、各光軸と45°の角度をなすように配置されている。
第3LED30cの光軸は、第2LED30bの光軸と直交している。第3DM53は、第3LED30cと第2LED30bとの光軸が直交する位置に、各光軸と45°の角度をなすように配置されている。集光レンズ54は、その光軸が第2LED30bの光軸と一致し、かつライトガイド35の入射端35aと対向する位置に配置されている。
第1DM51は、図7に示すように、第1閾値λ1(約610nm)以上の波長帯域の光を反射し、第1閾値λ1未満の波長帯域の光を透過させる分光反射特性を有している。第1LED30aから射出される赤色光LRは、その大部分が第1閾値λ1以上の波長帯域である。第2LED30bから射出される緑色光LGは、その大部分が第1閾値λ1未満の波長帯域である。したがって、第1DM51は、赤色光LRを反射し、緑色光LGを透過させる。これにより、第1DM51により反射された赤色光LRと、第1DM51を透過した緑色光LGとが合波される。このように、第1DM51は、照明光(本実施形態では、赤色光LRと緑色光LG)の光路を合流させる合流部材として機能する。
第2DM52は、図8に示すように、第2閾値λ2(約430nm)未満の波長帯域の光を反射し、第2閾値λ2以上の波長帯域の光を透過させる分光反射特性を有している。第3LED30cから射出される青色光LBは、その大部分が第2閾値λ2以上の波長帯域である。第4LED30dから射出される紫色光LVは、その大部分が第2閾値λ2未満の波長帯域である。したがって、第2DM52は、紫色光LVを反射し、青色光LBを透過させる。これにより、第2DM52により反射された紫色光LVと、第2DM52を透過した青色光LBとが合波される。このように、第2DM52は、照明光(本実施形態では、紫色光LVと青色光LB)の光路を合流させる合流部材として機能する。
第3DM53は、図9に示すように、第3閾値λ3(約490nm)未満の波長帯域の光を反射し、第2閾値λ2以上の波長帯域の光を透過させる分光反射特性を有している。第1DM51による赤色光LRと緑色光LGとの合波(以下、第1合波という)は、その大部分が第3閾値λ3以上の波長帯域である。第2DM52による紫色光LVと青色光LBとの合波(以下、第2合波という)は、その大部分が第3閾値λ3未満の波長帯域である。したがって、第3DM53は、第2合波を反射し、第1合波を透過させる。これにより、第3DM53により反射された第2合波と、第3DM53を透過した第1合波とが合波されて、集光レンズ54に入射する。このように、第3DM53は、照明光(本実施形態では、第1合波と第2合波)の光路を合流させる合流部材として機能する。なお、本実施形態では、第1~第3DM51~53の全てが本発明の合流部材として機能するが、第1~第3DM51~53の中の1または2つのみが本発明の合流部材として機能する構成としてもよい。
これにより、血管強調観察モード時には、第1~第4LED30a~30dから射出された赤色光LR、緑色光LG、青色光LB、紫色光LVが全て合波されて集光レンズ54に入射する。通常観察モード時には、第4LED30dは非点灯であるので、紫色光LVを除く、赤色光LR、緑色光LG、青色光LBが合波されて集光レンズ54に入射する。
また、図6に示すように、光路統合部31内には、第1~第4ガラス板55a~55d(光学部材)が配置されている。さらに、図3、図6に示すように、光源装置13には、第1~第4受光部56a~56dが設けられている。
第1ガラス板55aは、第1CL50aと第1DM51との間に配置され、照明光が照射される被照射面に入射した光の一部を第1受光部56aへ向けて反射し、残りを第1DM51(合流部材)へ向けて出射させる光学部材として機能する。第1ガラス板55aで反射された光は、第1スリット57aを介して第1受光部56aに入射する。第1受光部56aは、受光量に応じた電流(受光電流)を出力するセンサであり、受光電流は、第1LED30aの発光量を示す発光情報として、光源制御部33(図3参照)に入力される。図3において、光源制御部33は、入力された発光情報に基づいて、第1LED30aの発光制御を行う。
また、第2ガラス板55bは、第2CL50bと第1DM51との間に配置され、照明光が照射される被照射面に入射した光の一部を第2受光部56bへ向けて反射し、残りを第1DM51(合流部材)へ向けて出射させる光学部材として機能する。第2ガラス板55bで反射された光は、第2スリット57bを介して第2受光部56bに入射する。第2受光部56bは、受光量に応じた電流(受光電流)を出力するセンサであり、受光電流は、第2LED30bの発光量を示す発光情報として、光源制御部33(図3参照)に入力される。図3において、光源制御部33は、入力された発光情報に基づいて、第2LED30bの発光制御を行う。
同様に、第3ガラス板55cは、第3CL50cと第2DM52との間に配置され、照明光が照射される被照射面に入射した光の一部を第3受光部56cへ向けて反射し、残りを第2DM52(合流部材)へ向けて出射させる光学部材として機能する。第3ガラス板55cで反射された光は、第3スリット57cを介して第3受光部56cに入射する。第3受光部56cは、受光量に応じた電流(受光電流)を出力するセンサであり、受光電流は、第3LED30cの発光量を示す発光情報として、光源制御部33(図3参照)に入力される。図3において、光源制御部33は、入力された発光情報に基づいて、第3LED30cの発光制御を行う。
また、第4ガラス板55dは、第4CL50dと第2DM52との間に配置され、照明光が照射される被照射面に入射した光の一部を第4受光部56dへ向けて反射し、残りを第2DM52(合流部材)へ向けて出射させる光学部材として機能する。第4ガラス板55dで反射された光は、第4スリット57dを介して第4受光部56dに入射する。第4受光部56dは、受光量に応じた電流(受光電流)を出力するセンサであり、受光電流は、第4LED30dの発光量を示す発光情報として、光源制御部33(図3参照)に入力される。図3において、光源制御部33は、入力された発光情報に基づいて、第4LED30dの発光制御を行う。なお、本実施形態では、第1~第4ガラス板55a~55dの全てが本発明の光学部材として機能するが、第1~第4ガラス板55a~55dの中の1または2つのみが本発明の光学部材として機能する構成としてもよい。
このように、光源30の発光量を測定してフィードバックし、これに基づいて光源30の発光制御を行うこと、いわゆる、自動パワー制御(APC:Auto Power Control)を行うことで、照明光の安定供給が可能となる。しかしながら、前述のように、フィードバックされた光(第1~第4受光部56a~56dに入射する光)の中には、ライトガイド35からの戻り光(光源30からライトガイドに供給(照射)されたものの、ライトガイド35の入射端35a(表面)で反射されて光源30まで戻り、さらに光源30(第1~第4LED30a~30d)の表面で反射されて第1~第4受光部56a~56dに向かう光)が含まれる。そして、この戻り光により、照明光の光量が不安定となってしまうといった問題があった。
このため、図6に示すように、本実施形態では、第1~第4ガラス板55a~55dに、透過する照明光の光量を減少させる第1~第4減衰フィルタ58a~58dを設けている。具体的には、第1ガラス板55aの被照射面に第1減衰フィルタ58aを設け、第2ガラス板55bの被照射面に第2減衰フィルタ58bを設け、第3ガラス板55cの被照射面に第3減衰フィルタ58cを設け、第4ガラス板55dの被照射面に第4減衰フィルタ58dを設けている。
このように第1~第4減衰フィルタ58a~58dを設けることで、戻り光を減少させ、照明光の光量を安定させることができる。つまり、戻り光は、行き(光源30からライトガイドへ向かう場合)と、戻り(ライトガイド35の表面で反射されて光源30へ戻る場合)との2回に渡って、第1~第4減衰フィルタ58a~58dのいずれかを通る。このため、第1~第4減衰フィルタ58a~58dが、例えば、入射光量100%に対して透過光量を70%に減衰させるものであった場合、第1~第4減衰フィルタ58a~58dが存在しない戻り光100%の状態と比較して、戻り光を49%に減少させることができる。なお、本実施形態では、ガラス板(第1~第4ガラス板55a~55d)の被照射面にND(Neutral Density)コートを施すことによって、第1~第4減衰フィルタ58a~58dを構成している。
上記第1実施形態では、4つの光源(第1~第4LED30a~30d)に対応して4つの受光部(第1~第4受光部56a~56d)及びガラス板(第1~第4ガラス板55a~55d)を設ける例、すなわち、4つの光源の全てが特定光源である例で説明をしたが、本発明はこれに限定されない。光源のうち特定光源とするものについては、適宜設定できる。具体的には、光源の中には、上述したフィードバックによる発光制御(APC)を行う必要がないまたは必要性が低いものもある。このような光源については、ガラス板や受光部を廃止して、APCを行わない構成としてもよい。
また、上記第1実施形態では、全てのガラス板(第1~第4ガラス板55a~55d)に減衰フィルタ(第1~第4減衰フィルタ58a~58d)を設ける例で説明をしたが、本発明はこれに限定されない。光源の種類、構成、及び/または発光態様によっては、戻り光の影響が小さいまたは無視できる場合がある。このような光源に対応するガラス板については、減衰フィルタを廃止してもよい。もちろん、戻り光の影響の大きさなどによって光源毎に減衰フィルタの構成(透過光量を減衰させる割合)を異ならせてもよい。
また、上記第1実施形態では、ガラス板(第1~第4ガラス板55a~55d)の被照射面(光源(第1~第4LED30a~30d)側)に減衰フィルタを設ける例で説明をしたが、ガラス板の被照射面とは反対側の面(ライトガイド35側)に減衰フィルタを設けてもよい。
[第2実施形態]
図10に示すように、第2実施形態では、第1実施形態で説明した減衰フィルタ(第1~第4減衰フィルタ58a~58d)に加えて、反射型減衰フィルタ60を設けている。反射型減衰フィルタ60は、透過する照明光の光量を減衰させ、かつ、一定割合の照明光を反射させる特性を有し、第3DM53(合流部材)とライトガイド35との間に配置されている。このような構成とすることで、戻り光となる照明光がライトガイド35に向かう行きとライトガイド35で反射された戻りとの2回に渡って反射型減衰フィルタ60を通ることので、戻り光を減少できる。なお、光源30からの照明光のうち一定割合については、反射型減衰フィルタ60で反射されて光源30側へと向かうが、この照明光(以下、フィルタ反射光)については、内視鏡11の個体差、及び/または、光源装置13と内視鏡11との組み付け精度などにより変動する変動光である戻り光とは異なり、内視鏡11の個体差、及び/または、光源装置13と内視鏡11との組み付け精度などによらず予め光量が計算できる固定光である。よって、光源制御部33が、予めフィルタ反射光を考慮に入れて光源30の発光制御を行うことが可能である。そして、このような発光制御を行うことで、照明光の光量が不安定になるといったことがない。
なお、第2実施形態では、反射型減衰フィルタ60により、戻り光を減少できるので、第1~第4減衰フィルタ58a~58dの一部または全部を廃止してもよい。また、減衰フィルタ(第1~第4減衰フィルタ58a~58dのいずれかまたは全部)に変えて、図11に示すように、部分反射フィルタ65を設けてもよい。図11において、部分反射フィルタ65は、第1~第4ガラス板55a~55dの被照射面の一部(図11の例では、被照射面の総面積の5%~10%程度)に設けられており、入射した照明光の一部(例えば、4%)を反射し、残り(例えば、96%)を透過させる。また、図11の例では、被照射面全体に、例えば、AR(Anti Reflection)コートを施すなどして形成された反射防止フィルタ67を設け、この反射防止フィルタ67に重ねて(反射防止フィルタ67よりも光源30側に)部分反射フィルタ65を設けている。
また、上記実施形態では、生体組織の血管情報を取得するための血管情報取得用半導体光源として、紫色光LVを発する第4LED30dを設けているが、第4LED30dに代えて、または第4LED30dに加えて、他の血管情報取得用半導体光源を設けてもよい。例えば、血管情報として血中ヘモグロビンの酸素飽和度を取得するために、中心波長473±10nmの狭帯域の青色光を発する半導体光源を設けても良い。もちろん、血管情報観察を行わない場合には、血管情報取得用半導体光源を設けず、青色、緑色、赤色半導体光源のみとしても良い。
また、上記実施形態では、光源としてLEDを用いているが、LEDに代えてLD(Laser Diode)等の半導体光源を用いても良い。
また、上記実施形態では、血管強調観察モードでは、白色光LWと紫色光LVとの混合光を観察部位に照射しているが、紫色光及び緑色光、あるいは青色光及び緑色光を観察部位に照射して血管強調観察画像を取得してもよい。
また、上記実施形態では、複数色の光を観察部位に同時照射しているが、これらを順次に照射して、各色の光を個別に撮像しても良い。この場合には、撮像素子36としてモノクロ撮像素子を用いることが好ましい。
また、上記実施形態では、光源装置とプロセッサ装置とを別体構成としているが、光源装置とプロセッサ装置と1つの装置で構成してもよい。また、本発明は、照明光の観察部位の反射光をイメージガイドで導光するファイバスコープや、撮像素子と超音波トランスデューサが先端部に内蔵された超音波内視鏡を用いた内視鏡システム、及びそれに用いられる内視鏡用光源装置にも適用可能である。
10 内視鏡システム
11 内視鏡
12 プロセッサ装置
13 光源装置(内視鏡用光源装置)
14 モニタ
15 操作入力部
16 挿入部
17 操作部
18 ユニバーサルコード
19 先端部
20 湾曲部
21 可撓管部
22 照明窓
23 観察窓
24 送気・送水ノズル
25 鉗子出口
26 アングルノブ
27 鉗子口
28 送気・送水ボタン
29 コネクタ
29a 通信用コネクタ
29b 光源用コネクタ
30 光源
30a~30d 第1~第4LED
31 光路統合部
33 光源制御部
34 レセプタクルコネクタ
35 ライトガイド
35a 入射端
36 撮像素子
37 AFE
38 撮像制御部
39 照明レンズ
40 コントローラ
41 DSP
42 画像処理部
43 フレームメモリ
44 表示制御回路
45 対物光学系
50a~50d 第1~第4コリメータレンズ
51~53 第1~第3ダイクロイックミラー(合流部材)
54 集光レンズ
55a~55d 第1~第4ガラス板(光学部材)
56a~56d 第1~第4受光部
57a~57d 第1~第4スリット
58a~58d 第1~第4減衰フィルタ
60 反射型減衰フィルタ
65 部分反射フィルタ
67 反射防止フィルタ
LR 赤色光
LG 緑色光
LB 青色光
LV 紫色光
λ1 第1閾値
λ2 第2閾値
λ3 第3閾値

Claims (11)

  1. 複数の光源からの照明光を内視鏡のライトガイドに供給する内視鏡用光源装置において、
    前記照明光の光路を合流させる合流部材と、
    前記複数の光源の中の特定光源と前記合流部材との間に配置され、前記特定光源からの照明光が照射される被照射面を有し、前記被照射面を透過した照明光を前記合流部材へ向けて出射させる光学部材と、
    前記被照射面で反射された照明光を受光する受光部と、
    前記受光部が受光した照明光の光量を用いて前記特定光源の発光量を制御する光源制御部と、
    前記光学部材に設けられ、透過する照明光の光量を減衰させる減衰フィルタと、を備え
    前記ライトガイドからの戻り光が前記減衰フィルタを通過することで前記受光部に混入する戻り光を減少させる内視鏡用光源装置。
  2. 前記合流部材と前記ライトガイドとの間に配置され、透過する照明光の光量を減衰させ、かつ、一定割合の照明光を反射させる反射型減衰フィルタを備え
    前記ライトガイドからの戻り光が前記反射型減衰フィルタを通過することで前記受光部に混入する戻り光を減少させる請求項1記載の内視鏡用光源装置。
  3. 前記特定光源が複数設けられ、
    前記特定光源毎に、前記光学部材と前記受光部と前記減衰フィルタとが設けられている、請求項1または2記載の内視鏡用光源装置。
  4. 前記減衰フィルタ毎に前記照明光の減衰割合が異なる請求項3記載の内視鏡用光源装置。
  5. 複数の光源からの照明光を内視鏡のライトガイドに供給する内視鏡用光源装置において、
    前記照明光の光路を合流させる合流部材と、
    前記複数の光源の中の特定光源と前記合流部材との間に配置され、前記特定光源からの照明光が照射される被照射面を有し、前記被照射面を透過した照明光を前記合流部材へ向けて出射させる光学部材と、
    前記被照射面で反射された照明光を受光する受光部と、
    前記受光部が受光した照明光の光量を用いて前記特定光源の発光量を制御する光源制御部と、
    前記合流部材と前記ライトガイドとの間に配置され、透過する照明光の光量を減衰させ、かつ、一定割合の照明光を反射させる反射型減衰フィルタと、を備え
    前記ライトガイドからの戻り光が前記反射型減衰フィルタを通過することで前記受光部に混入する戻り光を減少させる内視鏡用光源装置。
  6. 前記光学部材に設けられ、透過する照明光の光量を減衰させる減衰フィルタを備え
    前記ライトガイドからの戻り光が前記減衰フィルタを通過することで前記受光部に混入する戻り光を減少させる請求項5記載の内視鏡用光源装置。
  7. 前記特定光源が複数設けられ、
    前記特定光源毎に、前記光学部材と前記受光部と前記減衰フィルタとが設けられた請求項6記載の内視鏡用光源装置。
  8. 前記減衰フィルタ毎に前記照明光の減衰割合が異なる請求項7記載の内視鏡用光源装置。
  9. 前記被照射面の一部に設けられ、入射した照明光の一部を前記受光部へ向けて反射し、残りを透過させる部分反射フィルタを備えた請求項1~8のいずれか1項に記載の内視鏡用光源装置。
  10. 前記被照射面に、反射防止フィルタが設けられた請求項1~9のいずれか1項に記載の内視鏡用光源装置。
  11. 請求項1~10いずれか1項に記載の内視鏡用光源装置と、
    光を導光するライトガイドを有する内視鏡と、を備えた内視鏡システム。
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