JP7161822B2 - 位相調整回路及び位相調整方法 - Google Patents

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Description

本発明は、信号の位相差を、目標とする位相差に調整する位相調整回路及び位相調整方法に関する。
無線通信においては、アンテナから放射する送信波の射出方向を制御する技術がある。
このような技術は、ビームフォーミングと呼ばれている。ビームフォーミングでは、複数のアンテナを用い、それぞれのアンテナから位相及びパワーを適切に異ならせた送信キャリアを射出している。これにより、特定の方向では電波が同位相となることで強め合い、また他の特定の方向では逆位相となることで電波を打ち消し合うため、その結果として送信電波を特定の方向に集中して放出する、又は、逆に特定の方向に送信電波を飛ばさないようにできるものである。本明細書では、主に電波の送信側でのビームフォーミング技術を用いた処理について説明するが、電波を受信する側でも同様にこのビームフォーミング技術で特定の方向の電波を強く受信する、又は特定の方向の電波を受信しないようにすることもできる。
このビームフォーミングを実現する際には、各アンテナに供給される送信キャリアの位相状態を適切に選択し、制御することが必要となる。
近年では、アンテナに接続する送信回路に位相シフタを備え、位相シフタにおける位相量をその時々に応じて動的に変化させ、ビームの射出方向を動的に切り替える送信システムも提案されている。このように、ビームの射出方向を動的に切り替える送信システムにおいては、各アンテナへ供給する送信キャリアの位相を適切に選択し、その状態を制御することが求められる。しかし、例えば車載ミリ波レーダのような数十GHzの高周波信号を送信キャリアとして使うシステムの場合、精度よく位相状態を制御することが非常に困難となる。
つまり、位相シフタとして、例えば非特許文献1に記載された回路が提案されているが、高周波を使用する通信システムの場合、非特許文献1に記載された公知の位相シフタでは、複数のアンテナから送信される送信波の位相が、10度程度のエラーを有することが知られている。また、このようなエラーを予め測定し、補正することも考えられるが、位相のエラーは温度等に依存して変動する。温度等も考慮して位相のエラーを補正するとなると、補正の処理が非常に煩雑になると考えられる。
また、車載レーダにおいては、車両の前後傾斜角度の変化によって送信波の射出方向を補正することが必要となる。すなわち、車両のシャーシの角度は、後部荷台の重さ等によって変化する。ビームフォーミングでは、シャーシの角度の変化前と変化後による送信波の射出方向のずれを補正し、射出方向を水平に保つ必要が生じる。このような場合、送信波の射出方向を数度の精度で制御することが必要となる。また、このとき、アンテナの配置にもよるが、送信波の位相も数度の精度で調整することが必要になる。このように絶対値精度のよい位相調整回路を実現することは困難である。
そのため、高精度に位相を制御するために、位相検出器を用いて位相をモニタし、任意の位相に制御するようにした方法も提案されている(例えば、非特許文献2参照。)。例えば、図15に示す送信器100は、一つの信号源101を有し、信号源101で生成されたローカル信号は、二つの送信回路102それぞれに入力される。送信回路102に入力されたローカル信号は、位相シフタ102aで位相シフトが行われ、パワーアンプ102bで増幅された後、分配器102cを介して送信信号としてアンテナ105から送信される。分配器102cで分配された、各送信回路102の送信信号の分配信号S101は位相検出器103に入力される。位相検出器103の出力は必要に応じて、A/Dおよび演算回路104でAD変換され、各分配信号S101の位相差に基づき、各位相シフタ102aの位相量を制御する位相制御信号S102を位相シフタ102aに出力することで、各送信回路102から送信される送信信号の位相差を調整している。つまり、位相検出器103では、各送信回路102からの分配信号S101の位相差を検出し、適切な位相関係となるように、各位相シフタ102aの位相量を調整することで、各送信回路102から送信される送信信号の位相差を適切な関係に調整している。
図16は位相検出器103の概略構成を示したものである。位相検出器103では、二つの分配信号S101を、ミキサ回路103aを用いて乗算し、二つの送信回路102それぞれからの二つの分配信号S101の位相差に応じたDC電圧を得て、その電圧を位相差に応じた信号Aとして出力する。A/Dおよび演算回路104では、DC電圧から位相差を推定している。
つまり、各分配信号S101の周波数をfとし、一方の分配信号S101aをsin(2πft+θA)、他方の分配信号S101bをsin(2πft+θB)とし、θ=θA-θBとおくと、ミキサ回路103aの出力Aは、次式(1)で表すことができ、位相差θの関数で表すことができる。なお、ミキサ回路103aの変換ゲインをKとする。
A=(K/2)cos(θ) …(1)
ここで、ミキサ回路103aを用いた位相検出器103の応答は、一般にsine又はcosineの関数で表される。
図17は、ミキサ回路103aの変換ゲインKが、例えばK=2の場合の位相差θとミキサ回路103aの出力AつまりDC出力電圧との関係を示す特性図である。
ここで、位相シフタ102aでローカル信号をスイープさせることにより、ローカル信号のピークの電圧Vpを測定し、その上で例えば45°の位相差を実現する場合には、位相検出器103が、Vp/(√2)の電圧に等しくなる位相差を探索することになる。このような手順で位相差を探索する方法にあっては、45°や90°等の位相差を実現することは可能である。しかしながら、例えば0°や180°付近の位相差を実現しようとすると、位相検出器103の出力電圧が0°付近ではほとんど変化しないため、微小なノイズ等による影響での測定電圧誤差が、位相検出器103から得られる位相差に大きく影響してしまう。そのため、二つの位相シフタ102aの位相状態が0°や180°等といった特定の位相状態であるときの位相検出器103での位相差の測定精度が悪いという問題がある。
このため、非特許文献2では、図18に示すような位相検出器201を構成することで、測定精度を向上させるようにしている。すなわち、位相検出器201は、二つの位相遅延回路211、212と、二つのミキサ回路213、214とを備える。
そして、一方の分配信号S101aと、位相遅延回路212によりφBだけ位相がずれた分配信号S101bとが、変換ゲインがKAであるミキサ回路213に入力され、両者が乗算された結果、出力Aを得る。ここで非特許文献2では明示されていないが、ミキサ回路213での乗算結果のうち高周波成分は除去され、出力AにはDC成分のみが含まれる。
同時に、位相遅延回路211によってφAだけ位相がずれた分配信号S101aと、分配信号S101bとは変換ゲインがKBのミキサ回路214に入力され、乗算された結果出力Bを得る。出力Bも出力Aと同様、高周波成分は除去されDC成分のみが含まれる。
分配信号S101a、S101bの周波数をfとし、分配信号S101aをsin(2πft+θA)、分配信号S101bをsin(2πft+θB)とし、θ=θA-θBとおくと、ミキサ回路213の出力Aは次式(2)で表すことができ、ミキサ回路214の出力Bは次式(3)で表すことができ、位相差θの関数で表される。
A=(KA/2)cos(θ-φB)……(2)
B=(KB/2)cos(θ-φA)……(3)
非特許文献2では、極値における感度劣化を回避するため、敢えて位相遅延量φA及びφBだけ位相をずらし、ミキサ回路213、214の出力Aと出力Bとに対して、A+B、及びA-Bの演算を行う。A+B、及びA-Bを計算すると、次式(4)及び(5)で表すことができる。
A+B
=((KAcos(φB)+KBcos(φA))/2)cosθ
+((KBsin(φA)-KAsin(φB))/2)sinθ……(4)
A-B
=((KAcos(φB)-KBcos(φA))/2)cosθ
+((KBsin(φA)+KAsin(φB))/2)sinθ……(5)
ここで、ミキサ回路213の変換ゲインKAとミキサ回路214の変換ゲインKBとが等しく、位相遅延回路211の位相遅延量φAと位相遅延回路212の位相遅延量φBとが等しい場合、(4)式及び(5)式は、次式(6)及び(7)で表され、それぞれcosθ、sinθの単純な関数となる。
A+B=(KAcos(φA))cosθ……(6)
A-B=(KAsin(φA))sinθ……(7)
(6)式及び(7)式で表される関数をプロットすると、図19に示す特性線L1及びL2で表すことができる。なお、図19は、φA=φB=30°の場合の特性を示す。
図19に示すように、A+B(L1)の場合は位相差が0°、180°(-180°)で極値を取る。A-B(L2)の場合は90°、-90°で極値を取る。非特許文献2ではA+BとA-Bがそれぞれsinとcosの関係であることを利用し、0°、180°付近ではA-Bの値から位相を算出し、-90°、90°付近ではA+Bの値から位相を算出することで極値付近の感度劣化を回避した位相検知を実現している。
米国特許第9453906号明細書
60 GHz Active Phase Shifter using an Optimized Quadrature All-Pass Network in 45nm CMOS,Woorim Shin,Gabriel M.rebeiz,978-1-4673-1088-8/,(c)2012 IEEE A Phase and Power Difference Detection Technique using Symmetric Mixer with Input Level Switching for Millimeter-wave Phased-Array Calibration,Toshihiro Shimura,Yoji Ohashi,Takenori Ohshima,978-1-4799-8275-2/15/,(c)2015 IEEE
しかしながら、上記の二つのミキサ回路213、214の出力A及びBをもとに位相を算出する方法にあっては、以下の課題がある。
第一に、ゲインが同一である2つのミキサ回路が必要になる点である。ミキサ回路213及びミキサ回路214には、各々のゲインが一致していることを期待しているが、そのゲインが例えば0.3dB程度ずれると、約1°の検知誤差を生じてしまう。そのため、変換ゲインが高精度に揃ったミキサ回路が必要となり、高精度な位相検知を実現する上での制約となる。
第二に、位相遅延回路211及び212の位相遅延量も同一である必要がある。位相遅延回路211及び位相遅延回路212の位相遅延量が2°異なると、約1°の検知誤差を生じる。そのため、特性が高精度に一致している位相遅延回路が必要となり、これも高精度な位相検知を実現する上での制約となる。また、ミキサ回路及び位相遅延回路がそれぞれ2つずつ必要となるため、回路規模が増大する。
第三に、例えば特許文献1で用いられている歪応答特性を利用した位相検知のように、比較する二つの信号の周波数が、例えば1:2のような関係にある場合には、ミキサ回路213、214の出力A及びBをもとに位相検出を行う方法は適用できないという点である。つまり、非特許文献2で用いられる位相検出方法では、理屈上、比較する二つの信号の周波数は同一であることを必要条件としている。
本発明は、これらの点を鑑みてなされたものであり、回路規模の増大を伴うことなく簡易な回路構成で、精度を向上させることの可能な位相調整回路及び位相調整方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る位相調整回路は、周波数制御信号で指定された周波数の信号を生成する信号生成源と、前記信号生成源で生成された生成信号の位相を、位相制御信号で指定される位相量だけずらす位相シフタと、前記位相シフタを含み、入力される前記生成信号を第一の生成信号として出力する第一の経路と、前記第一の経路と並列に設けられ、前記位相シフタを含まず入力される前記生成信号を第二の生成信号として出力し、且つ入力される前記生成信号を前記第二の生成信号として出力するまでの所要時間が、前記第一の経路に入力される前記生成信号が前記第一の生成信号として出力されるまでの所要時間と異なる第二の経路と、前記第一の生成信号と前記第二の生成信号との位相差を検出する位相検出器と、前記位相検出器の位相差検出値に基づき当該位相差検出値が目標値となるように前記周波数制御信号及び前記位相制御信号を生成し、前記位相差検出値が前記目標値と一致するときの前記位相制御信号を、調整後の位相制御信号として前記位相シフタに出力する演算部と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の他の態様に係る位相調整方法は、信号生成源で生成された生成信号の位相を、指定される位相量だけずらす位相シフタを含み、入力される前記生成信号を第一の生成信号として出力する第一の経路と、前記第一の経路と並列に設けられ、前記位相シフタを含まず入力される前記生成信号を第二の生成信号として出力し、且つ入力される前記生成信号を前記第二の生成信号として出力するまでの所要時間が、前記第一の経路に入力される前記生成信号が前記第一の生成信号として出力されるまでの所要時間と異なる第二の経路と、前記第一の生成信号と前記第二の生成信号との位相差を検出する位相検出器と、を備え、前記位相検出器で検出した位相差検出値が目標値となるように前記位相シフタの位相量を調整する位相調整回路の位相調整方法であって、前記位相検出器で検出した位相差検出値が、前記目標値とは異なる第一の位相基準値と一致するように前記位相シフタの位相量を調整する第一ステップと、前記位相差検出値が前記第一の位相基準値と一致したとき、前記位相シフタの位相量はそのままで、前記信号生成源で生成する前記生成信号の周波数を、前記一致したときの周波数とは異なる周波数に変化させる第二ステップと、前記変化させた後の更新周波数のままで、前記位相差検出値が第二の位相基準値と一致するように前記位相シフタの位相量を調整する第三ステップと、前記位相差検出値が前記第二の位相基準値と一致したときの前記位相量を、調整後の位相量として設定する第四ステップと、を備え、前記第二の位相基準値は、前記生成信号の周波数が前記更新周波数であるときの前記位相差検出値と、前記第一の位相基準値と、前記第二の位相基準値との和が前記目標値と一致するように設定されることを特徴としている。
本発明の一態様によれば、回路の大型化を伴うことなく簡易な回路構成で、位相調整の精度を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る位相調整回路を適用した送信器の一例を示す概略構成図である。 位相シフタの一例を示す構成図である。 位相シフタの動作を説明するための説明図である。 位相検出器の一例を示す構成図である。 位相シフタと位相検出器との対応を示す特性図である。 遅延回路の特性を説明するための図である。 位相シフタの位相量の設定方法を説明するための説明図である。 第一実施形態に係る送信器の変形例である。 第一実施形態に係る送信器の変形例である。 第二実施形態に係る位相調整回路を適用した送信器の一例を示す概略構成図である。 位相検出器の一例を示す概略構成図である。 非線形応答回路の一例を示す概略構成図である。 第二実施形態に係る送信器の変形例である。 本発明に係る位相調整回路を受信器に適用した場合の一例を示す概略構成図である。 従来の位相調整回路を適用した送信器の一例を示す構成図である。 従来の位相検出器の一例を示す構成図である。 二つの分配信号の位相差θとミキサ回路の出力との関係を示す特性図の一例である。 従来の位相検出器の他の例を示す構成図である。 従来の位相検出器の特性を示す特性図である。
以下の詳細な説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するように多くの特定の具体的な構成について記載されている。しかしながら、このような特定の具体的な構成に限定されることなく他の実施態様が実施できることは明らかである。また、以下の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、実施形態で説明されている特徴的な構成の組み合わせの全てを含むものである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一部分には同一符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。
<第一実施形態>
まず、第一実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る位相調整回路を適用した送信器1の一例を示す概略構成図である。
送信器1は、同一構成を有するN個の送信回路2(2-1、2-2、…、2-N)(Nは正の整数)と、一つの信号生成源3と、各送信回路2における位相量を演算すると共に信号生成源3の周波数を制御する演算処理部(演算部)4と、アンテナ5と、を備える。信号生成源3は周波数調整可能に形成され、演算処理部4からの周波数制御信号S3で指定された周波数となるように生成するローカル信号の周波数を変更する。
送信回路2は、位相シフタ21と、遅延回路22と、増幅器23と、分配器24と位相検出器25と、ローパスフィルタ(LPF)26と、AD変換器(ADC)27と、を備え、送信回路2の出力が送信信号としてアンテナ5から送信される。
位相シフタ21は、演算処理部4から位相制御信号S1を入力し、位相制御信号S1で指定される位相量だけ、信号生成源3から入力される所定周波数のローカル信号の位相をずらす。
遅延回路22は、位相調整されたローカル信号を所定時間だけ遅延させる。遅延回路22で遅延されたローカル信号は、増幅器23を介して分配器24に出力される。
分配器24は、入力された信号を送信信号としてアンテナ5に出力すると共に、分配信号として位相検出器25に出力する。
位相検出器25は例えばミキサ回路で構成され、分配器24で分割された分配信号つまり送信信号が入力される。同時に、位相検出器25には、信号生成源3で生成されたローカル信号が基準信号として入力される。位相検出器25は、分配信号と基準信号とを乗算し、乗算結果を、分配信号と基準信号との位相差θの関数である位相差信号としてLPF(ローパスフィルタ)26に出力する。
LPF26で高周波成分が除去された位相差信号は、ADC(AD変換器)27でデジタル信号に変換され、分配信号と基準信号との位相差θの関数であるDC信号からなる検知信号S2として演算処理部4に出力される。
位相検出器25のゲインをK、分配信号と基準信号との位相差をθとすると、LPF26の出力は、K・cosθで表される。
ここで、ローカル信号を、位相シフタ21、遅延回路22、増幅器23、分配器24を介して、分配信号(第一の生成信号)として位相検出器25に伝達する経路が特許請求の範囲に記載の第一の経路に対応し、ローカル信号を、基準信号(第二の生成信号)として位相検出器25に伝達する経路が特許請求の範囲に記載の第二の経路に対応している。また、送信回路2、信号生成源3及び演算処理部4が特許請求の範囲に記載の位相調整回路に対応している。
演算処理部4は、予め設定したタイミングで検知信号S2に基づき分配信号と基準信号との位相差を所定の位相差にするための位相制御信号S1を生成し、位相シフタ21に出力する。また、演算処理部4は、ローカル信号の周波数を所定の周波数に制御するための周波数制御信号S3を生成し、信号生成源3に出力する。演算処理部4が、送信回路2毎にそのローカル信号の位相を、基準信号に対してそれぞれ任意の位相差となるように制御することで、結果として、各送信回路2の送信キャリアどうしの位相差を制御している。また、演算処理部4は、所定の送信データに基づいて信号生成源3の生成周波数を制御し、周波数変調方式により、位相調整後の送信回路2を介して所定の送信データを送信する。これによって、ビームフォーミング方式により所定の送信データを送信する。
なお、遅延回路22の遅延量は、例えば信号生成源3が変更可能である周波数範囲に対して、十分な位相高周波バッファ回路の通過遅延を用いて、バッファ回路の縦続接続段数で調整を行う。または、例えば回路同士の接続における配線の長さによって生じる遅延を用いて接続配線長を調整することによって設定される。
遅延回路22は、位相シフタ21の入力側に設けられていてもよく、また増幅器23の出力側に設けられていてもよい。つまり、ローカル信号を遅延させるタイミングは、図1に示すように位相シフタ21で位相が調整された後でもよく、また、位相シフタ21に入力される前でもよく、増幅器23で増幅させた後であってもよい。また、位相シフタ21や増幅器23は、通常その回路自体に経過遅延を有する。したがって、遅延回路22自体を別途用意せずに、位相シフタ21や増幅器23等、送信回路2に含まれる各機能を有する回路において、遅延回路の機能を兼ねるようにしてもよい。
位相シフタ21は、高周波回路における一般的な位相シフタで構成される。図2にその一例を示す。なお、位相シフタ21の構成は、図2に示す構成に限るものではなく、位相制御信号S1に応じて位相量を調整することができれば、その回路構成は問わない。
位相シフタ21は、図2に示すように、移相分配器21aと、外部からの制御信号に応じて利得を調整可能な可変利得増幅器21b及び21cと、加算器21dと、を備える。
移相分配器21aは、入力された高周波信号からなるローカル信号を、位相0°を示す移相信号a1と位相90°を示す移相信号a2とに分配し、移相信号a1を可変利得増幅器21bに出力し、移相信号a2を可変利得増幅器21cに出力する。
可変利得増幅器21b及び21cは、それぞれ調整された利得で、移相信号a1及びa2を増幅し、増幅信号b1及び増幅信号c1を加算器21dに出力する。
ここで可変利得増幅器21b及び21cは、それぞれ利得の増減だけではなく、マイナスの利得、すなわち信号の極性が逆にもできるように構成されている。
加算器21dは、増幅信号b1と増幅信号c1とを加算し、加算結果を位相シフタ21の出力信号S21として出力する。
次に、図3を用いて、図2に示す構成を有する位相シフタ21において位相を変化させる原理を説明する。
移相信号a1及びa2は、互いに90°の位相差を持っている。そのため、図3に矢印m1、m2で示すようにおおよそ同じ振幅(絶対値)で、仰角が90°異なるベクトルで表現することができる。増幅信号b1及びc1は、図3に矢印m3、m4で示すように、位相がそれぞれ移相信号a1及びa2と同じで、振幅が異なるベクトルで表現できる。加算器21dによってこの2つのベクトル成分m3、m4を合算したものが、位相シフタ21の出力信号S21となる。そのため、位相シフタ21の出力信号S21は、矢印m5で示すような位相及び振幅をもったベクトルで表現される。すなわち、出力信号S21は移相信号m1の位相、つまり入力信号(すなわちローカル信号)の位相から位相θだけ異なる位相で出力されることになり、位相がθだけ変化させられたことになる。
また、可変利得増幅器21b、21cの利得を適切に選ぶことで、位相シフタ21の出力信号S21の位相は0°から360°のうちの任意の位相を選ぶことができる。これが位相シフタ21の原理である。つまり、位相シフタ21は、2つのベクトルの合成によって位相変化量θを決定する原理のため、入力信号の周波数が多少変化しても、入力信号の位相に対する出力信号の位相変化量はほぼ一定であることがこの位相シフタ21の特徴である。
図1に戻って、位相検出器25は、ミキサ回路を用いた位相検出器で構成される。図4にその一例を示す。なお、位相検出器25の構成は、図4に示す構成に限るものではなく、分配信号と基準信号との位相差に応じた信号を出力することができれば、その回路構成は問わない。
位相検出器25は、図4に示すように、差動増幅回路が縦積みされた、一般的にギルバートセルと呼ばれる構成のミキサ回路で構成される。すなわち、信号入力in1(分配信号)及び信号入力in2(基準信号)を乗算した成分が信号出力S25として現れる。図4において、信号出力部に備えられた抵抗及び容量がLPFの役割を果たし、実際に信号出力S25として現れるのは信号入力in1と信号入力in2のそれぞれの周波数の差に等しい周波数の成分になる。つまり、信号入力in1と信号入力in2とが同じ周波数であれば、信号入力in1と信号入力in2の位相差に応じたDC電圧が信号出力S25として表れる。
次に、図4に示す構成を有する位相検出器25において、分配信号と基準信号の位相差が、位相検出器25の出力特性の極値付近、すなわち0°及び180°付近の位相状態となるように調整するときの手順を説明する。
図5は位相シフタ21の位相設定(位相変化量θ)に対する位相検出器25の出力S25をプロットしたものである。位相検出器25の出力S25はcosθの関数であるので、正の極値を取る位相設定で位相差が0°となり、負の極値を取る位相設定で位相差が-180°、すなわち180°となる。また、負の傾きを持つゼロクロス点の位相設定で位相差90°となり、正の傾きを持つゼロクロス点の位相設定で位相差-90°となる。任意の位相差を実現する位相設定を探索する場合、例えば位相差90°や-90°では、位相検出器25の出力S25がゼロになる位相設定を探せばよく、また例えば45°の場合は、位相検出器25の出力S25が位相検出器25の出力のピーク値(つまり位相差0°付近の電圧値)に対して1/√2の値をとる位相設定を探せばよい。しかし、例えば位相差0°の位相設定を探す場合、位相差0°の付近では位相の変化に対する位相検出器25の出力の変化が極めて小さいため、正確に位相差0°の位相設定を探索することが困難になる。
そこで、図6に示す遅延回路22の特性を活用する。図6は遅延回路22による位相変化の効果を説明する図である。図6(a)に示すように、ある周波数f1をもった信号と周波数f1に対して半分の周波数f2を持った信号を用いて例示する。図6(b)及び(c)に示すように、遅延回路22によりT(図6の例ではT=1/(2×f1))だけ遅延したf1の周波数をもつ信号は、遅延が無いものと比較して位相差が180°の関係になっている。一方で周波数f2の信号は遅延があるものと無いもので位相差が90°になっている。信号生成源3で生成されたローカル信号が、遅延回路22等を経由して分配信号として位相検出器25に到達する時間と、ローカル信号が基準信号として位相検出器25に到達する時間とが、遅延回路22等での遅延処理によって例えば、200ps異なっていたとする。このとき、信号生成源3で生成されたローカル信号の周波数が80GHzであるとすると、信号の周期は12.5psであるため、分配信号と基準信号との時間関係は分配信号が丁度16周期分遅れて到達する。つまり、到達時間は遅れているが、定常的な信号の位相差としては0°の関係になっている。
次に、信号生成源3で生成するローカル信号の周波数を79GHzに変更する。
すると、2つの信号の到達時間差は200psのままであるが、ローカル信号の周期が12.66psに変化しているため、分配信号と基準信号との時間関係は分配信号が15.8周期分遅れて到達する。つまり、定常的な信号の位相差としては288°、つまり-72°の関係になる。
このように、固定の時間遅延差がある場合、位相シフタ21の位相設定を一切変えていない状況においても、信号生成源3で生成されるローカル信号の周波数を変えることで位相検出器25に到達する分配信号と基準信号との位相差が変化する。この特性を活用して、感度が劣化する極値付近を避けて位相検知を行う。
なお、一般に信号生成源で生成される信号の周波数は変更できる周波数範囲が限られる。そのため、小さな周波数の変更で位相を必要な分だけ変化させるために、遅延量(遅延時間)Tは、用いる信号つまり遅延対象の信号の周期に対して十分大きな値に設定される必要がある。たとえば、遅延対象の信号の周波数を80GHz(信号周期12.5ps)から81GHz(信号周期12.3ps)まで変更でき、そのときに位相を90°以上変化させたい場合は、必要となる遅延量Tは250ps以上となり、遅延対象の信号の信号周期のおよそ20倍以上が必要となる。
例えば位相差0°に位相状態を制御したい場合を、図7を用いて説明する。
まず信号生成源3で生成する周波数F1のローカル信号において、45°の位相差(第一の位相基準値)となる位相設定、つまり、位相シフタ21での位相すべき位相量を探す(第一の位相制御信号生成部、第一ステップ)。これは、位相検出器25の出力最大値Vmaxに対して1/√2の値(Vmax/√2)を示す点P1を探すことで検出することができる。
次に、信号生成源3で生成するローカル信号の周波数を変化させ、位相シフタ21の位相量が、先に45°の位相差を示した位相設定P1である状態で、位相検出器25の出力がゼロになるような周波数F2を探索する(周波数制御信号生成部、第二ステップ)。つまり、信号生成源3で生成するローカル信号の周波数を変化させる。
位相検出器25の出力がゼロになる位相設定P2は、周波数F1における位相差45°を実現する位相設定であり、かつ周波数F2における位相差90°を実現する位相設定P2′でもある。
次に、周波数F2において、位相差45°(第二の位相基準値)となり得る位相設定P3を探す(第二の位相制御信号生成部、第三ステップ)。この位相設定P3は、元の周波数F1における0°の位相差となる位相設定に他ならない。この一連の処理により、周波数F1において、位相差0°を実現する位相設定P3を、感度が劣化する極値付近を用いずに探索することができる。
これにより、基準信号と分配信号との位相差が全ての位相差になり得る位相設定を探索することが可能となり、N個の送信回路2それぞれについて同様の処理を行うことでN個の送信出力同士の互いの位相差を任意の関係に調整することができる。
ここでは、ローカル信号の周波数F2を「位相検出器25の出力がゼロになるような周波数」として探索したが、必ずしもそのようにする必要はない。例えば、ローカル信号の周波数F2を「位相検出器25の出力が-1°を示すような周波数」とし、次に「周波数F2のローカル信号において位相差44°となり得る位相設定」を探すことで、周波数F1において位相差0°となる位相設定を探してもよい。
また、周波数F1のローカル信号において45°の位相差を示す位相設定を探索したが、45°に限るものではなく、例えば40°であってもよい。このように、任意の位相差を実現する位相設定を探索する手順はいくつも考えられる。要するに、信号生成源3で生成するローカル信号の周波数を変化させることにより位相検出器25に到達する分配信号と基準信号の位相関係を変化させることによって、位相検出器25の出力信号の極値付近を使わずに、任意の位相差を実現する位相設定を探索すること、がポイントである。
「周波数F1のローカル信号において45°の位相差を示す位相設定を行った場合の45°の位相差」を第一の位相基準値とし、「周波数F2において位相差45°の位相差を示す位相設定を行った場合の45°の位相差」を第二の位相基準値としたとき、第一の位相基準値及び第二の位相基準値は、「周波数F1において第一の位相基準値(45°の位相差)である状態から、位相検出器25で検出される位相差が零となる周波数F2を探索したときの位相差(つまりこの場合は零)」と、「第一の位相基準値」と、「第二の位相基準値」との和が、ローカル信号と基準信号との位相差の目標値(つまり、この場合は零)と一致するように設定すればよい。
この構成により簡素な構成の位相検出器25によって、任意の位相差を実現する位相設定を探索できる。また、この発明に必須となっている信号生成源3は、通常送信器であれば必須の回路であるため実質的な回路増加はなく、また遅延回路22は通常の送信回路2に必要な位相シフタ21や増幅器23等を配置することでおのずと遅延が発生するものであり、実質的には回路増加にはならない。また、大幅な回路増加にはならないため、簡易な回路構成で実現することができる。
そして、このようにして、任意の位相差を実現する位相設定を探索し終えたならば、探索した位相設定を、位相シフタ21の位相設定として設定する(第四ステップ)。また、信号生成源3の周波数を、送信キャリアとしての周波数に戻す。これにより、信号生成源3では、演算処理部4からの送信データに応じた所定周波数のローカル信号を生成し、位相シフタ21は、設定された位相設定で、ローカル信号の位相をずらす。そのため、送信データに応じた周波数の送信信号が生成され、また、基準信号つまりローカル信号に対して所定の位相差を有する送信信号が生成される。
そして、同様の手順で各送信回路2において、位相シフタ21として探索された位相設定を設定することにより、各送信回路2において基準信号とローカル信号とが所定の位相差となるように位相シフタ21の位相量が調整される。その結果、送信回路2の送信信号間での位相差が目標値となるように制御され、ビームフォーミングによる送信が行われることになる。
また、上述のように、位相検出器25では、より精度よく位相差を調整することができ、位相検出器25の検知信号にしたがって位相シフタ21の位相制御量を決定することによって、各送信回路2の位相調整をより高精度に行うことができる。そして、各送信回路2での分配信号と基準信号、すなわち、同一の信号生成源3で生成されたローカル信号と、分配信号とが所定の位相差となるように、より精度よく調整することができるため、ビームフォーミングを用いた送信器1の精度向上を図ることができる。
また、上述の位相調整において必須である信号生成源3は、通常送信器であれば必須の構成要素であるため、実質的な回路増加はない。
したがって、例えば、起動時、或いは所定周期、また車両に搭載された送信器1の場合等には、車両のシャーシの前後傾斜角度が変化したとき等に、各送信回路2の送信信号間での位相差が目標値となるように位相シフタ21の位相量及び信号生成源3の周波数を変化させることにより位相シフタ21の位相量を調整する。そして、所定の位相差となり得る位相量を取得したならば、信号生成源3の周波数を元の周波数に戻し、位相シフタ21に新たに設置された位相量だけローカル信号の位相をずらして無線送信を行う。これによって、より高精度に位相差が調整されたビームフォーミングを行うことができる。
<第一実施形態の変形例>
第一実施形態に係る送信器1に適用した位相調整回路の変形例を図8に示す。
第一実施形態に係る送信器1では、図1に示すように、信号生成源3から分配器24までの間に遅延回路22を挿入し、位相検出器25への分配信号の到達を遅らせたが、図8に示すように、信号生成源3からローカル信号が基準信号として位相検出器25に入力されるまでの経路に遅延回路22を挿入することで、分配信号と基準信号との到達時間に差を設けるようにしてもよい。この場合も、上記第一実施形態と同等の作用効果を得ることができる。なお、この場合には、遅延回路22の遅延量は、位相シフタ21と増幅器23の遅延量の合計値よりも、設定可能な周波数変更範囲で前述した位相の変更量が実現できる分だけ大きくなるように、たとえば既知の通過遅延も持ったバッファ回路を必要となる段数だけ縦続接続して調整を行う、または例えば配線の長さによって生じる遅延を用いて接続配線長を調整することによって遅延量を設定すればよい。
また、遅延回路22は、送信回路2毎に設ける場合に限るものではなく、図9に示すように、送信回路2と信号生成源3との間に一つ設け、信号生成源3で生成されたローカル信号を遅延回路22で遅延させた後、遅延させたローカル信号を基準信号として各送信回路2に出力するようにしてもよい。同様に、遅延回路22を、位相シフタ21の入力側に設ける場合には、共通の遅延回路22を設け、遅延回路22で遅延させたローカル信号を、各送信回路2にローカル信号として分配するようにしてもよい。このように、各送信回路2に遅延回路22を設けるのではなく、各送信回路2で共通の遅延回路22を一つ設けることによって、その分、送信器1の小型化及び低コスト化を図ることができる。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態を説明する。
第二実施形態に係る送信器1は、特許文献1に記載の、歪特性を利用した位相検出器25-1を、位相調整回路を構成する位相検出器として用いたものである。
すなわち、第二実施形態に係る送信器1は、図10に示すように、各送信回路2における位相検出器として、歪み特性を利用した位相検出器25-1を備える。また、送信器1を構成する位相調整回路は、信号生成源3で生成したローカル信号の周波数を2逓倍する周波数2逓倍器10を備える。
信号生成源3で生成したローカル信号は基準信号として各送信回路2に出力されると共に、周波数2逓倍器10に出力される。周波数2逓倍器10は、信号生成源3で生成した信号を入力し、その周波数を2倍にし、これをローカル信号として各送信回路2に出力する。
図11は、位相検出器25-1の一例を示す概略構成図である。
位相検出器25-1は、周波数2逓倍器10で2逓倍された周波数を有する分配信号と、基準信号とを加算する加算器31と、奇数次(一般的には3次)の非線形な入出力応答を持つ非線形応答回路32と、非線形応答回路32から出力される信号をローパスフィルタ処理するLPF33と、を備える。
非線形応答回路32は、例えば図12に示すように、入力信号を差動で構成されたアンプで増幅する構成を有し、トランジスタ自体が持つ非線形性がそのまま信号出力に影響する構成となっている。また、差動でアンプを構成することで偶数次(一般には2次)の非線形性を排除している。図11に示す位相検出器25-1は、異なる周波数の二つの信号が加算器31で加算された合成信号が、図12に示す3次の非線形性を持つ非線形応答回路32に入力されることで、非線形応答回路32の出力である歪出力に3次歪みを持った信号が表れるようになっている。
ここで、信号入力S11の周波数と信号入力S12の周波数とが、F:F/2の関係になっている場合、発生する3次歪は周波数0(すなわち直流)と周波数3F/2との2つである。このうち、周波数0の成分は信号入力S11と信号入力S12との位相差θに対して、sinθに比例した直流電圧となる。つまり、位相検出器として機能することになる。
そのため、この位相検出器25-1を、位相検出器として機能させるためには、S11(基準信号)の周波数とS12(分配信号)の周波数との関係が1:2の関係である必要がある。そこで、図10に示すように、信号生成源3で生成される信号を、周波数2逓倍器10によって2倍の周波数を有する信号に変換し、この基準信号の2倍の周波数を有する信号をローカル信号として各送信回路2に出力する。
なお、当然ながら、基準信号の周波数と分配信号の周波数との関係が2:1の関係となればよいため、周波数2逓倍器10の代わりに周波数2分周器を用いた構成でもよい。
また、図13に示すように、基準信号としてローカル信号の2倍の周波数を有する信号を生成するために周波数2逓倍器10を設ける構成であってもよく、また基準信号としてローカル信号の1/2の周波数の信号を生成するために周波数2分周器を用いた構成でもよい。
このように、位相検出器として、歪特性を利用した位相検出器25-1を用いる場合であっても第一実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態を説明する。
第三実施形態は、本発明に係る位相調整回路を、受信器51に適用したものであり、図14に受信器51の概略構成を示す。
受信器51は、同一構成を有するN個(図14ではN=2)の受信回路52(52-1、52-2、…、52-N)(Nは正の整数)と、一つの信号生成源53と、各受信回路52における位相量を演算すると共に信号生成源53の周波数を制御する演算処理部54と、を備える。信号生成源53は周波数調整可能に形成され、演算処理部54からの周波数制御信号に応じて指定された周波数となるように生成信号の周波数を変更する。
受信回路52は、位相調整部61と、復調部62と、を備え、アンテナ55で受信された受信信号は、LNA(低ノイズアンプ)64で増幅された後、ミキサ回路63で位相調整部61から出力されるローカル信号と乗算され、乗算結果は復調部62で復調される。
位相調整部61は、第一実施形態に係る送信器1の位相調整部11と同一の機能構成を有する。なお、位相調整部61において、位相調整部11と同一部には同一符号を付与している。すなわち、位相調整部61では、信号生成源53で生成された信号は遅延回路22で所定量遅延された後、位相シフタ21で所定量だけ位相がシフトされる。そして、増幅器23で増幅された後、分配器24を介してローカル信号としてミキサ回路63に出力されると共に、分配器24を介して分配信号として位相検出器25に入力される。位相検出器25は信号生成源53で生成された信号を基準信号として入力し、基準信号と分配信号との位相差を表す信号を、ADC27を介して検知信号として演算処理部54に出力する。
復調部62は、ローカル信号と受信信号とがミキサ回路13で乗算された乗算結果に対し、フィルタ部62aでフィルタ処理し、ADC62bでアナログ信号に変更しで復調信号を得た後、信号処理部62cで受信信号に対する所定の信号処理を行う。
同様の手順で各受信回路52において、探索された位相設定を、位相シフタ21の位相量として設定することにより、各受信回路52において基準信号とローカル信号とが所定の位相差となるように遅延回路22の遅延量が調整される。したがって、この場合も、各受信回路52での分配信号と基準信号とが所定の位相差となるように、各受信回路52を調整することができるため、ビームフォーミングを用いた受信器51の精度向上を図ることができる。
なお、上記実施形態においては、位相差0°に位相状態を制御する場合について説明したが、任意の位相状態に制御することができる。このとき、位相差の目標値が0°や180°、-180°といった極値及びその近傍の値である場合には、上述の手順で位相制御信号と周波数制御信号とを変化させて位相シフタ21の位相量を設定することによって高精度に位相差を調整することができる。これに対し、位相差の目標値が45°や90°等といった極値ではなく、分配信号と基準信号との位相差を位相検出器25で比較的構成度に検出することができる場合には、上述の位相制御信号と周波数制御信号とを変化させる方法ではなく、得られた位相差に基づき、分配信号と基準信号との位相差を抑制し得る位相量を演算し、演算した位相量を位相シフタ21の位相量として設定してもよい。
また、上記実施形態においては、ビームフォーミングを用いた送信器1又は受信器51に適用した場合について説明したがこれに限るものではない。位相検出器25の位相差検出値に基づき二つの信号の位相差が目標値となるように、位相シフタ21の位相量を調整するようにした位相調整回路であれば適用することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
1 送信器
2、2-1、2-2、…、2-N 送信回路
3、53 信号生成源
4、54 演算処理部
11、61 位相調整部
5、55 アンテナ
12 変調信号生成部
13、63 ミキサ回路
14 パワーアンプ
21 位相シフタ
22 遅延回路
23 増幅器
24 分配器
25 位相検出器
26 ローパスフィルタ(LPF)
27 AD変換器(ADC)
51 受信器
52、52-1、52-2、…、52-N 受信回路
61 位相調整部
62 復調部
64 低ノイズアンプ(LNA)

Claims (10)

  1. 周波数制御信号で指定された周波数の信号を生成する信号生成源と、
    前記信号生成源で生成された生成信号の位相を、位相制御信号で指定される位相量だけずらす位相シフタと、
    前記位相シフタを含み、入力される前記生成信号を第一の生成信号として出力する第一の経路と、
    前記第一の経路と並列に設けられ、前記位相シフタを含まず入力される前記生成信号を第二の生成信号として出力し、且つ入力される前記生成信号を前記第二の生成信号として出力するまでの所要時間が、前記第一の経路に入力される前記生成信号が前記第一の生成信号として出力されるまでの所要時間と異なる第二の経路と、
    前記第一の生成信号と前記第二の生成信号との位相差を検出する位相検出器と、
    前記位相検出器の位相差検出値に基づき当該位相差検出値が目標値となるように前記周波数制御信号及び前記位相制御信号を生成し、前記位相差検出値が前記目標値と一致するときの前記位相制御信号を、調整後の位相制御信号として前記位相シフタに出力する演算部と、
    を備える位相調整回路。
  2. 前記位相検出器は、前記第一の生成信号と前記第二の生成信号との位相差をθとしたとき、sinθ又はcosθで表される信号を出力する請求項1に記載の位相調整回路。
  3. 前記第一の経路及び前記第二の経路の少なくともいずれか一方に遅延回路を備える請求項1又は請求項2に記載の位相調整回路。
  4. 前記位相シフタと前記位相検出器とを含む位相調整部を複数有し、
    前記信号生成源と複数の前記位相調整部との間に遅延回路を備え、
    前記遅延回路の出力は、複数の前記位相シフタそれぞれが設けられた複数の前記第一の経路をそれぞれ通過して複数の前記位相シフタに入力されるか、又は、複数の前記第二の経路それぞれを通過して複数の前記位相検出器に入力される請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の位相調整回路。
  5. 前記第一の経路及び前記第二の経路の少なくともいずれか一方に周波数2逓倍器を備える請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の位相調整回路。
  6. 前記位相シフタと前記位相検出器とを含む位相調整部を複数有し、
    前記信号生成源と複数の前記位相調整部との間に周波数2逓倍器を備え、
    前記周波数2逓倍器の出力は、複数の前記位相シフタそれぞれが設けられた複数の前記第一の経路をそれぞれ通過して複数の前記位相シフタに入力されるか、又は複数の前記第二の経路それぞれを通過して複数の前記位相検出器に入力される請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の位相調整回路。
  7. 前記演算部は、前記位相差検出値が、前記目標値とは異なる第一の位相基準値と一致するように前記位相制御信号を変化させる第一の位相制御信号生成部と、
    前記位相差検出値が前記第一の位相基準値と一致するとき、前記位相制御信号の信号値はそのままで、前記信号生成源で生成する前記生成信号の周波数を、前記一致したときの周波数とは異なる周波数に変化させる前記周波数制御信号を生成する周波数制御信号生成部と、
    前記周波数を変化させた後の更新周波数のままで、前記位相差検出値が第二の位相基準値と一致するように前記位相制御信号を変化させる第二の位相制御信号生成部と、
    を備え、
    前記第二の位相基準値は、前記生成信号の周波数が前記更新周波数に変化したときの前記位相差検出値と、前記第一の位相基準値と、前記第二の位相基準値との和が前記目標値と一致するように設定される請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の位相調整回路。
  8. 前記第一の位相基準値及び前記第二の位相基準値はそれぞれ前記位相差検出値が極値となる位相差を除く値に設定される請求項7に記載の位相調整回路。
  9. 信号生成源で生成された生成信号の位相を、指定される位相量だけずらす位相シフタを含み、入力される前記生成信号を第一の生成信号として出力する第一の経路と、
    前記第一の経路と並列に設けられ、前記位相シフタを含まず入力される前記生成信号を第二の生成信号として出力し、且つ入力される前記生成信号を前記第二の生成信号として出力するまでの所要時間が、前記第一の経路に入力される前記生成信号が前記第一の生成信号として出力されるまでの所要時間と異なる第二の経路と、
    前記第一の生成信号と前記第二の生成信号との位相差を検出する位相検出器と、を備え、前記位相検出器で検出した位相差検出値が目標値となるように前記位相シフタの位相量を調整する位相調整回路の位相調整方法であって、
    前記位相検出器で検出した位相差検出値が、前記目標値とは異なる第一の位相基準値と一致するように前記位相シフタの位相量を調整する第一ステップと、
    前記位相差検出値が前記第一の位相基準値と一致したとき、前記位相シフタの位相量はそのままで、前記信号生成源で生成する前記生成信号の周波数を、前記一致したときの周波数とは異なる周波数に変化させる第二ステップと、
    前記変化させた後の更新周波数のままで、前記位相差検出値が第二の位相基準値と一致するように前記位相シフタの位相量を調整する第三ステップと、
    前記位相差検出値が前記第二の位相基準値と一致したときの前記位相量を、調整後の位相量として設定する第四ステップと、を備え、
    前記第二の位相基準値は、前記生成信号の周波数が前記更新周波数であるときの前記位相差検出値と、前記第一の位相基準値と、前記第二の位相基準値との和が前記目標値と一致するように設定される位相調整方法。
  10. 前記目標値として前記位相差検出値が極値又は極値近傍の値となる位相差が設定されたときには、前記第一ステップから前記第四ステップの処理を行って前記位相シフタの位相量を調整し、
    前記目標値として前記位相差検出値が極値又は極値近傍の値となる位相差を除く値が設定されたときには、前記位相シフタの位相量を、前記位相差検出値と前記目標値との差相当だけ変化させる請求項9に記載の位相調整方法。
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